営業DXとトップの役割
実際に営業部門の情報化に取り組もうとすると、
どこから手をつけてよいかが分からないというのが多くの企業の本音だと思います。
・導入はどのように進めればいいのか?
・どこにどれくらいのリソースを割く必要があるのか?
・導入を失敗しないようにするために何をしなければならないのか?
・社内のコンセンサス、費用と効果の問題など、
ひとつずつクリアーしていかなければならないことがたくさんあります。
INDEX
1: トップがやるべき仕事2: ダメな会社は社内に緊張感がない
3: 責任者を任命する
4: 誰も使わないシステムが出来上がる
5: 同じものはパッケージでなるべく安く済ませてしまう
6: CRM/SFAの情報化投資は、費用対効果の測定が難しい
7: 米国のSFAと日本のSFAの違い
8: 情報化経費と情報化投資を分けて考える
9: 経営に情報化を取り入れることを誤解している企業
10: 変わるもの、変わらないものを決める
11: 何を持って成功と看做すか成功条件を明確にする
12: リーダ(推進者)がやるべき仕事
13: 導入した営業システムが失敗して降格
14: いつの時代も、誰かが引っ張ることは真実である
15: 情報化で成果をあげるためにクリアーしなければならないこと
16: 明確なゴールには、ストーリが存在する
17: 反対派がいてもやる
18: 設計段階で、ベテランの社員に参加してもらう
19: 導入より継続的な改善に注力する
20: 設定したゴールは不変。プランは可変。
21: ゴールまでの道のりを共有する
22: 努力ではなく、設定したKPIと成果にこだわる
23: 小さなゴールの連鎖を作る
24: 定着のための巧みな仕掛けをする
25: 定着こそが企業カルチャーを作る
26: 定着こそ効果を上げる為の最大のポイント
27: 情報化もPDCAで回す
28: 日本の文化と成果主義
29: 日本文化とコンセンサス主義
導入で一番最初にやるべきことは、
トップが「意思決定すること」と「営業カルチャーを作る」宣言をすることです。
やる気のマンマンの経営者であれば、
システムの名称にインパクトを持たせるなど、営業の興味を沸き立て、
必ず使てもらうための工夫などを配慮して、プロジェクトをスタートさせます。
たとえば、「給与倍増システム」という名称だったら、
誰しも興味を持って取り組むはずです。
会社として、緊張感が持続できなければ社員のモチベーションは鈍り、
どうでもよいことに終始し、大切なことを軽視するようになります。
ただ、会社が危機だ、危機だと叫ぶことではありません。
新しい目標や、挑戦の機会を与えることで、
新たな緊張感を作り出すことです。
勝手に進むことありません。
前に進めていくリーダが必ず存在します。
そして、そのリーダが会社を動かしているのです。
情報システムがビジネスと密接に関連する今の時代。
経営者として、どんな人を、リーダに指名するかは慎重に決定しなければなりません。
なぜならば、誰を任命するかで、成果は、ゼロか、無限大になるからです。
情報化が出来たとしても、それを使って営業の品質を上げるのは人材だからです。
具体的には、たとえば、以下の4つの事項で、それぞれ適任者は異なります。
情報システムのリーダは、「緊急ではないが重要なもの」を進められるリーダが必要です。
そこで、間違いなく企業に成長に差が出てきます。
(1)緊急かつ重要なもの
(2)緊急ではないが重要なもの
(3)緊急だが重要ではないもの
(4)緊急でも重要でもないもの
別の言い方に変えると、「ブランド」とか、「企業カルチャー」とか、
さらに、人材育成等など、手を抜かずにやれる人材です。
新しい組織をスタートさせるにふさわしい人材です。
情報システム部の特徴は、人事異動がない、専門的知識が必要。
収益部門ではなく、コスト部門に近い。
部署のミッションは、売上を上げることではなく、システムを安定稼働させること。
たとえば、営業が考えたシステムに対して、情報システム部門がダメだししてくることはよくあります。
よくなることもありますが、比率としては悪くなることの方が多いように思います。
それを繰り返していると、だんだんシステムの目的がズレていきます。
また、機能がコロコロ変わる(仕様が変わる)システムは安定稼働が難しいため、嫌がります。
営業のシステムは、使ってみてから、どんどん要望が出るものです。
その要望を追加することで、システムが不安定になってしまうことを避けるために、
システムは改修せずに、なんとか運用で回せないかと考えて、非効率で使いずらい仕組みが出来上がっていきます。
本来は、簡単に試して見るというシステム運用が出来ないと、営業が使いたいと思うシステムを作ることは難しいです。
営業現場は、これまでシステムの支援なしに仕事をしてきました。システムがなくても営業は回ります。
これらが重なって、誰も使わない営業システムが出来上がります。
財務諸表を作るシステムがバラバラだとすると、出来上がる財務諸表もバラバラになります。
これは、ありえないことです。
すべての企業が同じルールで同じ財務諸表を作成しなければなりません。
つまり、同じものを作るためならば、パッケージソフトを導入して安く済ませてしまう。
逆に、パッケージを導入しない企業は、無駄なコストをシステムに費やしていることになります。
逆に、CRM/SFAは、パッケージはあまりお奨めしません。
なぜならば、財務諸表同様に、アウトプットが同じになることはありえないからです。
同じCRM/SFAのパッケージを使っている企業であれば、
同じ営業手法になるか、もしくは、ほとんど営業の役に立たないシステムになっているはずです。
ただ、どんな営業でも20ー30%の共通項があります。
その共通項部分をパッケージで担うというのであれば、それは正しい選択になります。
CRM/SFAパッケージを導入したら終わりということは決してありません。
効果測定が難しい言えば、その代表はメディア広告であり、
この広告が、どれだけの売上増に貢献したのか正確に測定することが出来ません。
CRM/SFAの情報化投資も同じで、
情報化がどれだけ売上に貢献したのか測定することは出来ません。
ひとつ言えることは、何も考えずに、CRM/SFAを導入してしまえば、間違いなく効果は出ません。
つまり、「売上」という、すごく複雑な要因の上に成り立っているものに対して、
細分化してシステムとの関連性を考えていく必要があります。
たとえば、
製品、商品、サービスとの関係
営業やセール手法との関係
企画や施策との関係
CRM/SFAは、これらの関係を情報化の上で置き換える作業になります。
わかりずらいものをわかりやすく可視化する、置き換える力が必要になります。
つまり、CRM/SFA導入には可視化、構想力が必要です。
「構想力」とは目に見えないものを見えるようにする力のことです。
この構想力がCRM/SFAには欠かせません。
それは米国と日本の営業スタイルに大きな違いがあるからです。
米国は、多民族の国であり、相互チェック機能や市場原理が働きやすいのに対して、
日本は、同一民族であり、チェック機能や市場原理が働きにくい特徴を持っています。
また、米国は政府をあげて情報公開に積極的なのに対して、日本は未だ情報が公開されずにいます。
さらに、米国のセールスマンはコミション制、転職による流動化が当たり前なのに対して、
日本は、年功序列型賃金、終身雇用制を採用しているところが未だに多く存在します。
マネージャーにおいては、会社との契約によって、短期間で契約上の成果を求められ、
期待通りの成果があがらなければ、そのまま職を失ってしまうのが米国流です。
これらの違いを無視して、米国のSFAをそのまま導入して、機能するでしょうか?
そんなことはありません。
日本独自の文化や慣習があり、それを無視していくらSFAを導入しても、無理が多すぎます。
SFAを構築するさいには、このような違いも十分に考慮する必要があります。
情報化は営業のインフラの1つにすぎない。
名刺がなくて営業ができるか?
答えはNOです。
電話やFAXが無くて営業ができるか?
答えはNOです。
いまだと、メールがないと営業できないという人もあたりまえになって来ました。
さらに、テレワーク会議システムがないと営業できないというところまで来ています。
しかし、メールもテレワーク会議システムも、
名刺と同じ営業ツールのひとつにすぎません。
訪問から、テレワーク会議に変更したからといって、商談が上手くいくものではありません。
これらは、いわば経費であり、情報化投資ではありません。
情報化投資とは、お金を使ってでも、やり遂げたいことがあるときに使う言葉です。
いくらお金を使うかは、やり遂げたいことの大きさによって変わります。
また、やり遂げたときの成果を定量的に想定して、そこから投資額が決まります。
情報化に待ったなしという流れが出来つつあります。
10年前は、営業の情報化の投資効果に懐疑的な人の方が多かったです。
デキル営業ほど「情報システムには懐疑的」だという傾向も強かったです。
確かに、この意見は正しく、システムを使ったからと言って、売上が上がれば苦労しません。
紙が、デジタルに変わった程度のものです。
世の中は、変われオンパレードです。
なぜ、変わらなければいけないのか?
その背景にあるものは?なんでしょうか?
逆に、変わらないものは、経営者にしか作ることが出来ません。
それは、経営理念であり、企業カルチャーです。
しかし、経営理念を実現するための手段は変えていく必要があります。
逆に変わらないと、現状維持すら難しいはずです。
ただ、変えなくても、ある程度仕事は回っていきます。
個人の言い分としては正論です。なぜ自分が変わる必要があるのか、理解している個人は少ないです。
仮に理解している個人なら、すでに、その人は自ら変わっています。
また、営業は、人と人の関係だから変わらないという人もいます。
もちろん、変わらない部分もたくさんあります。
ただ、変わる部分もあるということです。
それを発見し、行動に移さなければなりません。
何を成功と見做すのか、それは経営者にしか決められません。
さらに、売上以外を成果を成功と見做す場合は、なおさらです。
成果についても、すぐに成果が確認できるものもあれば、
長期でしか成果を確認できないものもあります。
さらに、可視化することすらできない成果もあります。
やはり経営者にしか決められません。
社員は、会社の意向にそった行動を必然的にします。
会社の意向そのものが変れば社員の行動や態度も変わります。
つまり、会社の意向を決めるトップの意思決定一つで、必ず会社は変わります。
トップのへ意思決定を支援し、
プロジェクト内で起こる課題を解決し、
プロジェクトを前進させることです。
課題の解決は、小さな意思決定の連続です。
それで、具体的な成果が決まってきます。
そのシステムを導入したことで、いくら売上に貢献できたのか?
システム投資以上の効果が得られたのか評価します。
もし、効果がなければ、システム導入責任者を降格させられる。
もし、こんな条件で、システムの導入をするなら、、誰もシステム導入責任者になりたくないですね(笑)
いつまで経っても、営業の情報化は進みませんね。
旧態依然のままの営業組織ですね。
企業は、予算策定のプロセスを見ればわかるように、
前年に10%アップというように、年々売上が右肩上がりになることだと信じています。
それが企業経営だと思っています。
そして、それを達成している企業が強い企業とされています。
年々売上が上がっていくことは稀で、一度売上が落ちたところで、
そこから復活できる力こそが、強い企業ではないでしょうか。
逆に、無理に右肩上がりだけを目指して、
無理な努力しているだけでは、企業は成長するどころか、疲労して疲弊してくだけです。
政治なり、官僚、企業トップなどが引っ張って来た時代がありました。
いつの時代も、誰かが引っ張ることは真実です。
変わるものと変わらないもの。
リーダーとして、どういう方向性に持っていくか。
過去とは違い、新たにどのようなビジョンや方向性を出すか。
また、具体性とフィージビリティー性をどう担保するか?
そんなことを考える人がいなければ成立しません。
全体を考え、先を考え、具体的なストーリに落とし込む。
かつ、それらを共有し、全員で取り組んでいる。
これ以上、強い企業はありえません。
続けるうちに、ヒットもあれば、ホームランも出るでしょう。
ただ、打席に立たなければ何もはじまりません。
武器を持っていても使い方をしらない、使いこなすスキルがなければ、戦えないのと同じです。
コストを下げたいなら、満遍なくコストを下げるのではなく、廃止できる業務がないか検討する。
情報システムを導入すればするほど革新が進むかと言えば、まったくそんなことありません。
逆に、残業時間が増えるだけかもしれません。
特に、CRM/SFA(営業支援システム)を導入している企業では、
「使い勝手が悪い。入力の手間ばかりが増えた。何の役に立っているのかよくわからない。」
といった不満の声が出るケースの方が多いです。
原因を突き詰めていくと「導入の目的が不明確」であった点に起因する例が多いです。
情報システムを導入することが自体が目的になってしまっているからです。
まず、クリアーすべきことは、導入目的を明確にすること。
ダメ営業で会社を強くするためのシステムを導入することが今回の目的になります。
どこかに矛盾がないかを考えることがアクションストーリーになります。
たとえば、今回のシナリオは、
・何かを変えなければ必ず会社は淘汰される
・変えるなら、営業ではないか?
・なぜならば、営業が顧客に一番近い存在だから
・ただ、従来の営業力強化は限界だから新しい営業デザインが必要
・新しいデザインの対象はダメ営業にして、かつ、新たな営業の役割にする
・具体的にはダメ営業が担う役割をデザインすること
・その役割は、個社別に落としこむことが重要
・具体的には、会社を強くするための個社別に情報を蓄積すること
・では、どんな情報を蓄積していくか、その情報の設定は正しいのか?
新しいことをするときは、反対の理由はいくらでもあります。
しかし、過去の成功体験やしがらみにいつまでもしがみついていては、
そこからはなにも生み出されません。
まずは、なぜ反対しているのか、その理由に耳を傾けよう
反対理由がある限り、そのCRM/SFAは成功しないでしょう。
また、反対にはそれなりの理由があります。
それを明確にすることが、CRM/SFAを構築するための第一歩です。
営業のマネージャクラスの人は、
本音は、「売上げがあがるとは思えない。やるだけ時間の無駄」と思っています。
特に営業中心の会社は、マンパワーで売ってきた歴史が有り、
そのマンパワーでやってきた人からは、営業部門の情報化は、その対極にあるように思います。
「コンピュータを触っている暇があれば、もう1件回って来い」になります。
でも、実際は違います。
そういう会社ほど、シンプルな情報化を上手に使っています。
なぜならば、やるべきことが明確になっており、それを効率化できるからです。
積極的に情報化投資を推進し、着実に整備を進めています。
これから、このような情報化が進んでいる企業と戦っていかなければなりません。
AIと戦うことになるかもしれません。
勝算はあるのでしょうか?
ベテランには設計段階で声を掛け、設計に参加してもらう。
自分の意見が入っているものは、完成後気になるものだ。
意図したとおりに使ってくれているか。
現場参加型のシステム構築が、リリース後に大きな違いになって出てきます。
わざわざ議論しなくても、感覚的にわかることはたくさんあります。
しかし、感覚のままで進めば、そのプロジェクトは失敗に向かってしまいます。
何を議論すべきかを明確にすることが最初の仕事になります。
議論アジェンダーリストなら、ディスカッションリストなりを作ります。
それはシステムの世界では、業務要件と呼びますが、
実は完璧な業務要件が作成されれることはまずありません。
設計して、開発し、運用が開始される。
運用がスタートすると、実にいろいろな問題が生じます。
そもそも、これを使えば売上げがあがるのではなく、
これを使ってどうやって利益をあげるか考えてみようというのがCRM/SFAの正しい捉え方です。
現在、売れている、急成長中である企業であれば、CRM/SFAは不要です。
今のやり方がベストだから、考えずにどんどん邁進すればいいです。
その企業のあるべき姿に再考し、今後、どのような取り組みが必要なのか、
長い時間を掛けながら構築していくべきものです。
まさに、経営と同じです。
ハサミも使っているうちに、切れ味が悪くなれば研いだりするように、
仕組みも切れ味が悪くなるものでです。
どんどん研いでいかなければなりません。
正解のないものに立ち向かうときは、このような覚悟が必要で、
それこそが、継続的な改善そのものです。
ゴールは、会社を強くすること、売上を上げることになります。
そのためのプロセスを設計して、実施してわけですが、
何度も繰り返しになりますが、誰も正解は持っていません。
プロセスの設計はあくまでも仮説です。
仮説のままいつまでも進めていれば、現場にとっては不幸です。
選定した プロセスが途中で行き詰まったと感じたら、
臨機応変にプロセスを変更してゴールに着けば良いのです。
仮説のまま進めることが一番悪いです。
この臨機応変が、情報化のもっとも苦手な部分でもあって、
人間側は臨機応変に変われることはできますが、情報化側が対応できません。
プロセスの変更を情報化に反映させるために、
何か月も、莫大なコストも掛かる。
そこであきらめてしまう。
問題は、どこにあるのか明確だと思います。
その昔は、キャッチアップという大きな目標がありました。
追いつけ、追い越せです。
その目標を実現するために、なにをやるべきか、
ブレークダウンするも比較的容易だったと思います。
今は、目標自体がバラバラで、目標から考えていかなければなりません。
また、考えた目標をどう実現するかの手本も存在しません。
どこに向かっているのかわからない。
今どんな道を通っているかもわからない。
わからないままでは、進むことは出来ません。
これらは、ゴールそのものだけの説明では不十分で、
具体的にアクションストーリとして落と込んだものを共有する必要があります。
そして、アクションストーリの各項目と進捗を共有し、
どこまで進んでいて、次に何をやるのか、いつでも見える状態にしておくことが重要です。
もっとも重要なのは努力ではなく成果です。
強い会社になるための成果とは何か?
そして、その成果が誰が担っているか?
あらかじめ、それを明確にしておくことです。
これだけで、企業は成長します。
成長への道筋が明確になれば、今度は生産性を考えます。
成果をあげればなんでもよしでは、大きな成長は望めません。
もっと効率よく成果を上げることが出来ないか?
考えます。
逆に、失敗していれば、その原因と対策を考えます。
上手に行く場合は、必然性の連鎖が生まれています。
連鎖とは、「何かが起こるから、何かが起こる」というです。
逆に言えば、何かを起こしたいならば、何が起きなければならない。
ということです。
たとえば、変革プロジェクトの推進者はこの関係性を明確にしなければ、
そのプロジェクトは成功しません。
そして、その関係性に漏れがあったり、逆に余計なモノが入っていれば、ゴールへの連鎖が崩れます。
残念ながら、自然に定着することはありえません。
定着することは内部との戦いになります。
お願いするだけでは、わかった振りをされて終わるだけです。
そこには、巧みな仕掛けが必要です。
巧みな仕掛けとは、相手にとって、わからないということです。
不利になると思えば、誰しも抵抗します。
それが、組織論理というものです。
強制的にやらすのではなく、相手の立場になって、具体的なインセンティブを考えて提案していくこと。
それしか、定着する道はありません。
営業はよくブラックボックスと言われますが、これは見せたくないから見えない結果です。
営業現場が裸になる。
これには恐怖を感じます。
なるべく見せないように工夫します。
仮に俺らが裸になるなら、お前も裸にならなきゃそりゃ不公平だろうという意見になります。
その綱引きをしているだけで時間だけが過ぎていきます。
そして、いずれ、なし崩しになっていきます。
事業を興すのは外部との戦いであるが、維持することは内部との戦いです。
自然に維持、定着することもありえません。
企業カルチャーについても、マインドに入るのは、最初の数か月だけで、
継続してこそ、マインドに刻まれ、中身も変わっていくものです。
それには、時間が掛かります。
だからこそ企業カルチャーになるのです。
「意識一流、行動二流」になってしまうのは、やるべきことが理屈としては分かっていても続けるのが難しいからです。
営業活動の基本ともいうべき当たり前のことでも、継続することは難しいものです。
営業部門に情報化を導入する意義は、営業の実践の場で継続性が維持され、
組織的に定着させるための仕組みに役立つからです。
そして、定着後に、新たな発見があり、それが、自律的な成長を後押しします。
これが情報化導入の真の狙いであり期待する効果なのです。
特に、情報化運用開始後のチェックです。
一通り見えた段階で、情報化の改善事項を洗い出し、機能を改善します。
使い勝手が悪い部分のUX,UIを改善していきます。
これを繰り返すことで、使いやすいシステムになり、
使いやすいシステムは、使われ、使われることにより、さらに価値のあるシステムに成長していきます。
撤退することがなかなか出来ない日本企業。
それは、がんばりすぎるからです。
その姿を見ていると、切るに切れなくなります。
これは、日本人が持っている文化だと思います。
過労死寸前までがんばらないと出来ないことは、
すでに破綻しています。
進むとは、コンセンサスが進むことを意味します。
コンセンサスがないと、物事が進んでいるように見えても、
最後の最後に大どんでん返しが待っています。
俺たちは聞いていないで、すべてがストップします。
日本では、強いリーダシップがとりずらい理由です。