ダメ営業を起点にした「新しい営業」

会社を変えるのは、経営者だと思います。
次に可能性があるのが、商品を企画する人だと思います。
そして、最後の方に営業がくるような位置づけだと思います。
しかしながら、
顧客に一番近い位置にいるのは誰かと言えば、営業です。
企業は顧客がいなければ成立しません。
営業を起点に会社が変わっていくという仕組みは、
顧客を起点に会社を変えていくという流れる作ることと同じです。
営業は、属人的な傾向が強く、デキル営業が売上を作っていきます。
そのような営業とは違う、新しい営業の仕組みを持つことを考えていきます。
持つというのは、全面的に仕組みに変えるのではなく、
既存の売上を上げる仕組みにプラスして、もうひとつ仕組みを持つということです。
どのように営業の役割を再定義するか?
ダメ営業を前提に会社をどのようにデザインするか?
デキル営業とダメ営業の役割分担をどうするか?
簡単に言えってしまえば、
デキル営業は、徹底的に売上に徹する。
デキル営業が担わない部分、デキル営業がやりたがらないで、
かつ、会社を強くするためにやらなければいけないところをダメ営業が担う仕組みです。
目に見える利益は、デキル営業の役割。
目に見えない利益は、ダメ営業の役割です。

INDEX

1: 仕組み化とは
2: 「未来がある会社」と「未来がない会社」の違い
3: 売上というモノサシを廃止して、新たな役割を作る
4: 外資企業は、リストラをWIN WINで捉えている
5: 真似しているだけでは強くなれない
6: 営業も長期ビジョンが必要
7: 時代が求めている「新」営業力
8: 会社を強くする顧客とデキル営業の関係
9: 変革できない理由
10: 従来の営業マネジメントがうまく機能しない理由
11: デキル営業がやりたがらないことを仕組み化する
12: デキル営業のために徹底して歩合制度を残す
13: 顧客起点、これは、デキル営業では対応できない変化である
14: デキル営業に頼っていては、その会社に未来はない
15: なぜ赤字会社になるのか?
16: 営業が強い会社の特徴
17: 巷の営業本は、どれが正しいのか?
18: 営業に正解はない
19: 営業は、あるべき論よりは、実績を優先します
20: その情報には、いくらの価値があるあるのか?
21: 従来の延長線上ではなく、発想の逆転すること
22: 人に仕事を割り当てるのではなく、仕事に人を割り当てる
23: 顧客起点の企業改革は無限大
24: 顧客満足度の高い企業は、総じて利益も高い
25: 企業起点ではなく、顧客起点にする
26: 顧客起点の営業マネジメントが難しい理由
27: 成長改革を再定義して、新しい仕組みを構築する
28: 一人一人が小さな池の大きな魚になる
29: 数字ではなく、カルチャーを
30: 探しているのは質的な変化に対応するための営業組織
31: アクション・ストーリー(シナリオの連鎖)とは
32: 顧客満足と効率化を両立させるための武器
33: なぜ営業を中心にスタートするのか
34: 商談している時間は全体の30%以下
35: 会社のホームページに営業の意見が入っているだろうか?
36: インターネット上での営業を再構築する
37: 競争優位性の源泉としての営業
38: 営業へ期待する経営者達
39: 組織のTOC(制約条件)は営業部門です
40: 営業を未来戦略の拠点にする
41: 1件でも多く回ることが営業の鏡であると思われています
42: ワンパターン営業では、顧客満足は得られません
43: 顧客を知ることが新営業の第一歩
44: 嫌がられずに積極的にアプローチすることが新営業の第二歩
45: 価格競争からの脱却することが新営業の第三歩
46: ブランドの崩壊

1ダースを定義して、その個数を決めることです。
1ダースが12個になっているのは、2でも、3でも、4でも、6でも割れるため、捌きやすく、扱いやすいです。
これが1ダース10個だと、処理が面倒になります。
つまり、仕組み化とは、わかりやすく、面倒がないようにすることです。
わかりずらかったり、面倒だったりがあると仕組み化にはなりません。
企業の考える仕組み化、ルール化は、意外に、面倒で、わかりずかったりします。
それは、仕組み化にはならないです。
仕組み化しても定着はしないです。

売上はあくまでも今の状態を示しているだけであり、将来に渡っても強いままでいる保証はありません。
未来がない会社とは、いつまでも無駄なことを続けている会社です。
無駄を辞めることができない会社です。
たとえば、デキル営業を目指しても、そもそもデキル営業には成れるものではないので、それは無駄であるということです。
仮にデキル営業になったとしても、自己目的化してしまうので、企業成長にはつながらないことです。
つまり、「デキル営業」という方向性を続けている限り、その会社には未来はないはずです。
未来がある企業とは、結論を先に書いてしまえば、
・属人的にしないこと
・一人一人の社員が役割と当事者意識を持っていること
・役割をどんどん変えていくマネジメントサイクルを持っていること
・大きな情報ではなく、小さな情報がどんどん流れていること
・知識共有ではなく、考える思考を共有していること
・小さなゴールの連鎖を持っていること
・無限大の可能性をつぶさないこと

1つのモノサシだけを使い続ける会社は強くなれません。
営業には他の仕事と異なり、1つのかなり明確なモノサシが存在します。
そのモノサシとは売上であり、予算達成です。
そして、そのモノサシで測って、デキル営業とダメ営業に分かれています。
この前提を無くすことです。
思い切って、売上げを追求しないという宣言することです。
その変わりに、営業が新しい役割を担うことです。
営業の役割とモノサシを再定義し、今までとは違う営業を誕生させることです。
冗談に聞こえるかもしれないが、この役割とモノサシの再構築する。
これができるかどうかが、企業成長へ分かれ目になるはずです。

日本企業の生産性は停滞を続けており、企業も社員も疲れています。
疲れた状態で、生産性があがるわけがありません。
疲れる理由は、無理をしているからです。
無理をしてビジネスをやっていて、続くわけがありません。
であれば、違うところで、違う道に進んだほうが、その人の為になります。
アンマッチを無くすことです。
それは会社のためにもなります。
外資がリストラをする理由は、企業と社員の双方が無理をしているなら、
その関係を解消した方が、双方にとっていいという考え方です。
当たり前と言えば当たり前です。
疲れている営業なら、一度解消した方がいいかもしれない。
解消は出来ないまでも、現状のままでは疲弊して終わり迎えます。

デキル営業に、キャッチアップする。
そういえば言えば聞こえがいいかもしれませんが、
リーダ企業がとるべき戦略を真似しても、チャレンジャーやフォロワーが、リーダ企業になれないように、
デキル営業にはデキル営業ならではの戦略があり、ダメ営業には、ダメ営業たる戦略があります。
真似しているだけでは会社として弱くなるだけです。

2010年に社員高齢化時代がやってきました。
人事部では、年功序列や終身雇用を支えるだけのコストが負担できないことをすでに知っています。
そこに向けていろいろな人事制度改革、たとえば、早期退職制度、リストラ、採用の抑制などすでに手を打っています。
最近の副業許可、週休3日制などは、その流れによるものです。
一方で、営業は、「今月の売上は」というように、どうしても短期的な視点に目が向いてしまいます。
本当に、このままでいいのでしょうか。
営業も、長期的、中期的に必要なものを検討し、実施していく必要があるのではないでしょうか。
5年後、10年後、市場や営業がどのように変わっているのか。
そのために何が必要なのか、それに備えて、今できることはなにか。
それを、「営業の成長戦略」と名付けました。
営業は成長する?そのための戦略?
営業は売上を上げるだけはない、違う役割を持つことで、新たな営業に成長していくことです。
気づいたときは、すでに取り返しの付かないことになっていたでは、それはそのまま会社の消滅を意味します。
あまり時間は残されていないはずです。

すでに、市場では勝ち組と負け組といわれるように企業の2極化現象になっています。
今後、2極化はますます顕著となり、顧客に選ばれた企業しか生き残れないです。
ますます難しくなる市場環境の中で、いかに企業競争力をつけるか。
そこで求められているものは、何か。
お客様に一番近い存在である営業の仕組みを変えることこそが、もっとも現実的に近道だと思うわけです。
ある意味、お客様を上手に説得して買わせてしまうのが、いい営業でした。
それはそれで、企業は売上が必要ですから、そういう営業がいないとダメなのも真実でしょう。
ただ、そういう営業だけで維持している会社は継続して成長していくことが難しい時代になってきています。

これから会社を強くするためには、誰が担い手になるのか?
営業が強ければいいのか、商品企画やマーケティングが強ければいいのか、
安くて良いものができる製造部門なのか?
それぞれ置かれている状況により、正解は1つではないとは思いますが、
共通しているのは営業が強くなければ、これからの強い会社は作れないはずです。
顧客のことを真剣に考えて、その顧客のニーズを適切に企業に伝えることができる営業が居なければ、会社は強くなれないです。
それらの担い手は、デキル営業担当者ではなく、どちらかと言えば、ダメな営業担当者が担い手になるはずです。
会社を強くする顧客とは、売れるところより、売りたい客です。
経営資源を集中する中で、どの顧客をターゲットを絞るか?
実利主義者、保守主義者ではなく、ビジョナリーであり、既存客、優良顧客ではなく、新規顧客です。
すぐに売上をもたらしてくれない、面倒な顧客です。
言い方を換えると、デキル営業がやりたがらない顧客になります。
すぐに売れる顧客は、デキル営業に任せる。
売りたい顧客は、ダメ営業が担当する。
デキル営業が見切った顧客を、ダメ営業が担当します。

変革できない理由は、現状のままでも、ゆっくり衰退しながら、5年ぐらいはなんとかやっていけるからです。
伝統的な老舗企業や産業では10年は維持できるでしょう。
ただ、これは「茹でカエル状態」ということ認識すべきです。
5年先を見据えて、今から変革していくのは、誰でにもできる仕事ではなく、限られた才能のある人にしか出来ないことです。
しかも、必ずしも成功するとは限らず、失敗する可能性も高いです。
それを任せられる人材がいないこと、それが変革出来ない理由です。

営業は、方法論次第だと思います。
その人に、ぴったりあった方法論が見つかれば、継続できるし、成果も継続して出すことができます。
逆に、その人にあった方法論でなければ継続できないし、成果も出すことができません。
その人にあった方法論は、人それぞれです。
しかし、営業の関しては、デキル営業の方法論を無理やり、全員にあてはめようとしています。
もしくは、マネージャーの方法論を部下に押し付けようとしています。
方法論が違うからといって、バラバラにしてしまったら、
組織として成立しないじゃないかと思われるかもしれませんが、
果たしてそうでしょうか?
統一した方法論で、均一化された社員を育成して、
今の時代をやっていけるでしょうか?
いつまでも過去の成功体験は使えません。
組織は、それぞれの役割を持った人達の集合体ですが、
役割を定義して、それぞれの役割を担う人が、最適な方法論で、実践していれば、
大丈夫でしょうか?
むしろ、どのような方法論で実践しているかを可視化し、
それが、どのくらい達成しているのか、
未達であれば、その理由がなにかをわかるようにしていくことが
現実的な仕組みではないでしょうか?
本来あるべき姿はなんでしょうか?

売上をあげたくない営業はいません。
売上をあげられないのは営業だけのせいでしょうか?
デキル営業という枠組みの中で、デキル営業と同じような売上を上げられない営業が、ダメ営業にされてきたした。
ダメはダメのままで、それを、いくら育成してもデキル営業にはなりません。
スキルはそのままにして、役割を変える、モノサシを変えることです。
簡単に言ってしまうと、ダメ営業がやるべきことは、デキル営業がやりたがらないです。
かつ強い会社になるために必要なことです。
しかし、売りがないと会社はやっていけません。
売上は、デキル営業の役割にします。
そして、それ以外の役割は要求しないようにします。
デキル営業が、目先の利益、目に見える利益を担当し、
長期の利益、目に見えない利益を、ダメ営業が担当します。
これが、強い会社の役割分担になります。
同じ営業でも、担う役割を変えていくのです。
デキル営業の特徴として、おそらく、やるなと言っても、勝手にやっています。
心配する必要は全くありません。自ら考えて勝手にやってくれるのです。
それより、ダメ営業がやるべき役割を明確に定義し、
それをダメ営業が当事者として徹底的にやることで、
組織として、補完することが出来るようになります。
同時に、それはダメ営業の新たな活路が明確になっていきます。

歩合制の欠点は、長期のビジョンに基づいて仕事をすることに無理があり、
個人プレーに走りやすく、無理な押し込みをしたり、取りやすい顧客だけに偏ったり、
ノウハウを公開して組織で共有しようという時代の流れにあっていないからです。
しかし、デキル営業の真似することは出来ません。
どんなに努力や施策を重ねても永遠に解決しない課題です。
であれば、売上を上げるのことに特化する営業には、徹底して歩合制度を残し、多くの売上に貢献してもらうのがベストです。
そして、役割に応じた活動に専念してもらようようにします。

今までのダメ営業は、企業起点で考えているからで、しかし顧客起点で考えれば、ダメがダメじゃなくなります。
企業にとって、デキル営業の定義とは、一言で言えば、売上を上げてくれる人ですが、
顧客起点は自社の売上や利益にこだわっていると出来ないことがあります。
たとえば、顧客のためになると思えば
自前の商品・サービスにこだわらず、それが自分の売上にならなくても、お客様に提案する。
お客様にとって最適な可能性を提供する。
そういう営業は、きっと顧客から信頼されます。
しかし、企業はボランティアではないので、他社の製品を進めることはしません。
これが、ダメ営業の役割であり、今回目指すべき方向の1つのカタチになります。
つまり、売上や利益にこだわらず、顧客対応をして、顧客の信頼を獲得することです。

デキル営業は、自分の売上につながらないことはやりたがりません。
そこに費やす時間はすべて無駄であり、無駄を少しでも無くすために日々努力しているのがデキル営業です。
つまり、自分の首を締めるようなことや自分が不利になるようなことはけしてやりません。
それがデキル営業の証です。
つまり、たんだん硬直化、自己目的化していく運命にあります。
硬直化、自己目的化は、既得権益を作り、環境の変化に対して抵抗するようになっていきます。
デキル営業なのだから、新たなルールや仕組みは要らないだろうし、
今のやり方がベストなので、それを変える必要がないのです。
つまり、デキル営業は売上という数字をあげるためには貢献しますが、会社を強くするために必ずしも貢献していません。
そこに、デキル営業の構造的な問題が存在します。
構造的というのは本人の問題ではないことです。
では、会社を強くするための源泉を担うのは誰になるのだろうか?

最初から赤字になる計画を立てる人はいません。
決めたとおり行動出来れば、赤字会社はなくなります。
赤字になるということは、計画とおりできないか、計画が間違っているかです。
一方で、完璧な計画なども存在しません。
企業や経済は生き物であり、状況は刻々変わっていくものです。
気づくのが遅すぎたから、気づいていたけど、具体的な手が打てなかった。
つまり、変化のスピードについていけないのです。
とにかく、変化を早くキャッチして、早め早めに手を打つ。
そして、最後までやりとげる意思と責任があるかどうか?
結局、そこに帰結します。

うちの会社は営業が強いということを耳にします。
やりかたを伝え、その通り実行出来ているか日々チェックする
1日1回ではなく、朝昼晩ごとにチェックする
この営業スタイルをこなすためには、真っ白で素直な人材でなければ務まりません
自分の頭で常に考える人、常識を疑ってみる人は無理だったりします。
そして、達成できなければ、達成できるように細かい指導が入ります。
やがて達成するときがやってきます
その時の達成感がモチベーションに変わっていきます
また、達成度に応じて、インセンティブが増えていきます。
そのサイクルが回りはじめます。
組織的には、KPIという用語を使って、完全ピラミット型で運営されます
軍隊型と言ってもいいです。
統率が取れていて、上司の業務命令は絶対です。
誰でも入社できます。入社の門戸は広いです。
ただ、付いていけない人材はどんどん辞めていきます。
また、必然的に扱う商材も特徴があります。
数打てば当たる的なものが適した商材になります。
つまり、その時代のトレンド商品。特別要らないけど、持っていてもいいものです。
誰もが、1度は買おうかどうか悩んだものです。
つまり、商材の詳細な説明はあまり要りません。
とにかく価格的なメリット等、他社から購入するに比べて、メリットがあればいいだけです。
メリットを中心に説明し、買うなら是非、当社からということで営業します。
世の中、価格的なメリットを出すためには、量を売らなければなりません。
量が売れる市場規模があって、そこで確実に量をこなしていく
量をこなすことで、メーカから、有利な仕入れ条件を引き出していく
これが、出来れば、強い営業の出来上がりです。
これを起点にして、営業とは何かを考える必要はありません。
ひとつの営業スタイルとして、これ以上でも、これ以下でもありません。
強い営業会社の完成形です。

アマゾンで「営業」の書籍を検索すると、3万冊以上検索されます。
営業の仕事をしているなら、その手の本を1冊ぐらいは読んだことがあると思います。
では、どの営業本が正しいのでしょうか?
どの営業本を読めば、本当に売れるようになるのでしょうか?
答えは、すべて正しいです。
特定の状況において正しいということを意味しています。
つまり、3万冊検索されれば、3万通りの「正しい」が存在します。
たとえば、銀座での接客本が、ファーストフードの接客に応用できると思えば、そこにはやはり無理があります。
これはあまりにもわかりやすい例ですが、営業本は、ある分野の、ある人の、すごく俗人的な世界の話ということになります。
また、売上を上げるということは、複数のノウハウが複合的に上手く絡みあって達成されるものです。
たとえ書かれているノウハウを1つ実践してみたところで、最終ゴールである「売上を上げる」ことはできません。
それにも関わらず、営業本を読んで勉強しようとします。
勉強は悪いことではありませんが、成果が出ない勉強からはそろそろ卒業しなければなりません。
これは、もしかしたら、真似していれば安心という、日本固有の特性があるのかもしれないです。
そうなると、かなり根深い問題です。

営業に正解はありません。
それが真実です。
だからといって、正解を探さないのは間違えです。

会社がたとえば、営業の生産性や効率化の在り方を提示したとします。
デキル営業が、その方針に対して反対したとします。
どうなるでしょうか?
おそらく、その方針は無意味なものになり、誰も従わないのではないでしょうか?
ある意味、営業は、なにより実績を重視する世界で、
あるべき論よりは、実績を優先します。
 

たとえば、価値のある成功事例をノウハウとして組織で共有しましょう。
では、その情報は、いくらの価値があるあるのか?
誰にも、決められないかもしれません。
なぜならば、価値ある情報とは、人によって違うからです。
ノウハウと呼べないささやかな知識であっても、人によってはそれが意外に価値のあるものであることがあります。
特に新人にとっては、見るものすべてがすごい情報になるに違いありません。
情報は、発信する側ではなく、受信する側が、自ら情報を取捨選択しながら、使うというのが本質だからです。

デキル営業路線の手法ではダメな理由は、デキル営業の真似ができないからです。
ダメはダメのままで、そこをいくら指導して出来るようにはなりません。
ダメを無理やり直そうとしない、ダメのままでいいのです。
なぜなら、デキル営業を起点にしたモノサシに対するダメという評価だからです。
その人本来が持っている才能やスキルの評価ではないのです。
ダメにはダメなりのやり方や役割があり、それを考え仕組み化すればいいのです。
簡単に言ってしまうと、ダメ営業がやるべきことは、デキル営業がやりたがらないところで、強い会社になるために必要なことです。
そして、売りがないと会社はやっていけないので、売りはデキル営業に任せます。
それに特化した組織を作ります。また、人事制度を変えます。

やらざるおえない状況を作り出すこと。
それは必然性の創出です。
自然と人は動きます。
強制よりは、やらざるおえない必然性を作るのです。
具体的には、人に仕事を割り当てるのではなく、仕事に人を割り当てることです。
仕事を中心に割り当てるというのは、仕事が明確になっていなければ成立しません。
そして、その仕事と売上の関係が明確になることで、はじめて売上につながります。
これは、デキル営業でも、ダメ営業でも同じで、
ダメ営業が担う必然性を作ることで、組織力につながっています。

生産現場は、効率化、合理化によるでコスト削減もそろそろ限界です。
生産拠点を海外移転するやり方も限界かもしれません。
コスト削減は、やればやっただけ成果が明確なので、誰でも意思決定が出来ます。
ただし、必然的に、コスト削減には、必ず限界がやってきます。
一方で、営業の改革は、成果が無限大です。
顧客起点の営業改革の成果は無限大です。
しかし、営業の現場は、これといってなにもやっていません。
経営としては、営業を改革しようとはしません。
仮に、営業改革プログラムを実施していても、なんら昔と変わりません。
デキル営業は増えません。
昔の成功体験が通用しなくなってきた今、
この路線をいつまで続けていても意味がありません。
改革が進まない分野には、理由があります。

「顧客満足が高い企業は総じて利益も高い」ということが言えます。
顧客対応力が高い企業が、顧客シェア獲得につながり、それが高収益企業になっています。
これは、当たり前です、売上は顧客がもたらしてくれるからです。
顧客がA社からB社に購入先を変えれば、A社の売上は減り、B社の売上は増えます。

企業起点とは、企業の論理や目線で行う改革です。
デキル営業に育成することも、生産現場を海外に移転させてコスト削減を図ることも、これらは企業起点の発想です。
一方、顧客起点とは、企業視点のお仕着せサービスではなく、お客様にとって真に価値があるサービスを提供していくことです。
言い換えると、目先の売上や利益にこだわっていると、なかなか出来ないことです。
では、顧客起点で、強い会社を作る新たな役割とは何か?
その役割は、誰が担い手になるのか?

営業は、どのような仕事を、どれくらい、こなしているのでしょうか。
仕事に偏りがないでしょうか。
それらを確認することで、営業の生産性向上につながります。
また、それは1日単位ではなく、1ヵ月単位などで眺めてみると、営業担当の性格や弱点まで見えてきます。
たとえば、物件紹介の仕事で、2人の営業がいたとします。
今月は、2人とも売上目標が達成できたとします。
営業のAさんは、見込み判定に4時間、実際の物件紹介に1時間と、見込み判定にかなりの時間を割いています。
一方、営業Bさんは、見込みの判定を行わずに、とにかく多くの物件を紹介するために時間を使っています。
また、通常1回1時間で済む契約調整に3回2時間掛かっています。
なるほどと思うかもしれませんが、
たとえば、最適な物件を1件見せてこれで決めてくださいと言われる営業スタイルと、
3件見せて、ここから選んでくださいという営業スタイルでは、
どちらが営業の生産性が高いでしょうか?
また、どちらが顧客満足度高いでしょうか?
たとえば、顧客の心理として、複数から選択した方が、正しい選択をしたという顧客満足もあるかもしれません
逆に、忙しいので、あまり興味がわかない物件を延々紹介されるのは時間の無駄と思う人がいるかもしれません。
どちらの営業スタイルが正しいかは、ケースバイバースということです。
これが、共通の営業のプロセス管理やマネジメントが難しいという理由です。
顧客は千差万別であり、顧客起点で構築しないと満足や信頼が得られないということです。
これをKPIなどの数値で、営業の良し悪しを判断できるでしょうか?

お題目として、よく使われる成長改革のスローガンは、
・労働集約営業から知識集約営業へ
・勘と経験の営業からデータによる営業へ
・売上重視の営業から利益重視の営業へ
・商品主導の営業から顧客主導の営業へ
・新規顧客開拓の営業から既存顧客維持の営業へ
また、マーケティングで使われている表現は、
・顧客獲得→顧客維持(リテンション/既存顧客との関係を維持)
・顧客創造→顧客奪取(コンクエスト/競合企業の顧客を奪い取る)
・マス・マーケティング→セグメンテーション→ワン・トゥ・ワン・マーケティング
・一過性→継続的関係構築
・販売促進中心→顧客サービス中心
・市場シェア→ポジショニング→顧客シェア
・モノローグ型(ひとり語り)→対話型
・マネジメント志向→エンパワーメント志向
・レッド・オーシャン→ブルー・オーシャン
・チャネル独占→チャネルミックス
・集中処理志向→分散協調志向
・価格訴求→価値訴求
・必要性購買→楽しむ購買
・スタンプサービス→インフォーメーションサービス
・新規販売→アフターサービス
・ブランドロイヤルティ→ストアロイヤルティ(買う場所)
いろいろな試みがされているにせよ、これぞという決め手がないのが現状です。
ただし、これらには共通事項があります。
それは、小さな池の大きな魚を目指す戦略です。
本部が考えた施策だけで、
多種多様な商品や顧客ニーズには対応することはできません。
官僚と同じです。地方分権が言われているように、
企業も組織の在り方を見直す必要があります。
また、顧客起点、顧客主導と言っても、
顧客が主導権を握っている状態では、
経費が増えるだけで、利益になりません。
そこには、効率や生産性の仕組みが必要です。
それは、情報技術を使わないと効率よく実現することができません。
本来は、成長改革と情報技術が密接に関連しているにも関わらず、
それが密接に対応できていません。

成長のイメージは、大きな池の大きな魚になることだと思います。
より大きなマーケットに対して比較優位性を持つ製品・サービスを提供しているイメージです。
同じモノサシで比較しながら、ちょっと違う優位性で勝負させる。
これは、差別化戦略と呼ばれているものです。
いかに差別化できるかが勝敗の分かれ目になります。
差別化戦略を狙いすぎるあまり、コスト高になったりと、
その結果、大きな池の小さな魚で止まっています。
これが、企業が弱くなっていく流れです。
一方、小さな池の大きな魚になるとは「選択と集中戦略」を意味します。
市場をセグメント化し、限定した市場に資源集中して強者(大きな魚)となる戦略です。
オセロゲーム的に言えば、どんどん小さな枠を取っていき、やがては、全体を取るという戦略です。
これは、マーケティングの話ですが、これは社員に適用したらどうなるでしょうか?
全員を同じモノサシで図るのではなく、それぞれ別の役割を持ち、その役割の中で強者を目指す。
そして、その役割を持った社員の集合体で、強い会社を作る。
この仕組みやプロセスは、非現実でもないような気がします。

何のために、どこに向かっているかが曖昧であれば、
継続してがんばれる訳がありません。
営業は、売上を上げることが明確な目標であることは間違いありません。
しかし、その先にある、どこに向かっているが明確になっていません。
あるとすれば、、自分の給与や報酬が上がる程度です。
そういう会社は、とにかく売上を上げることだけに注力して、バラバラに動きます。
そこには、コンプライアンス違反や不正も起こります。
どこに向かっているか明確になっていれば、
それが組織のカルチャーとして活気に満ち溢れ、
まさに、強い会社の源泉になります。
カルチャーとは、マインドセットを変えることに他なりません。
数字以外も評価対象にすべきだというマインドセットが必要です。
経営者のマインドセット、営業部長のマインドセットを変えない限りは、
組織全体のマインドセットは変わりません。
そして、マインドセットは、理論先行ではなく、
成功体験を積んでいくことでしか変えることができません。

組織は量的な変化には強いのですが、質的な変化には脆いです。
今のように、お客様が質的に変化している時代は、大きな組織では対応するのは適していません。
だからと言って、組織を否定することは絶対に間違いです。
個人より組織で行った方が凄いことが出来ることはだれしも認めるところです。
スピード感のある質的変化に強い組織を作ることが大切です。
具体的には、明確な役割分担と社内外のコミュニケーションスピードを早めることに他なりません。

何かが起こるから、さらに、何かが起こる。
このシナリオの連鎖がないと、物事は上手く進みません。
また、連鎖に飛躍があると、うまくいきません。
過去、現場から、未来への連鎖を考えることです。
もしくは、未来から、現在の連鎖を考えることです。
どんな分岐点があり、分岐点に立ったときに、どんな選択肢があるのか連鎖を考えることです。
この連鎖思考ができる人は、段取りがうまいとも言えます。
スムーズに目的に着地するための段取りをすることができます。
なぜ、これらのことが出来ると言えば、
経験やスキルによるところも大きいと思いますが、
根本は、本人が頼りにしている「拠り所」を持っているからです。
その「拠り所」に照らし合わせて、連鎖を構築し、進捗を判断しているからです。
ちなみに、この「拠り所」は過去の成功体験とは、少し違います。
瞬時に、置かれている状況をみて、判断ができる能力です。

顧客満足を得るためには、質の高い提案が必要であり、
そのためには組織力や他部門の協力などチーム営業が欠かせません。
しかし、そのための会議や調整のために時間が取られてしまうなど、
それがそのまま営業コストに反映されてしまいます。
このようにチーム営業は、今まで、できないというよりは、
営業コストが掛かりすぎてしまうことが最大の問題でした。
つまり、顧客満足が獲得できても、利益をもたらしてくれないという構造になってしまいます。
情報の共有とコラボレーションの仕組みが、ネットワーク上に構築され、
必要な人が、必要な情報を確認しながら、共同で作業が行える。
日々の情報を見ながら、それぞれの役割や状況に応じて、
仕事がどんどん先に進んでいく、
これが実現することで、顧客満足を達成するとともに、効率化も達成します。
経験的には、これを達成するまで2年掛かります。
なぜならば、それぞれの必要な役割が明確になり、自覚しながら、能動的に動く。
組織が、そのような状態になって、はじめて、全体が効率よく回り始めるからです。
武器を持っていても使い方をしらなきゃ戦えない。
まさに、このシステムを使って、各自が自覚しながら能動的に動くということが出来るかです。
システムは武器です。
武器の使い方を知る、武器を使いこなす。
これに2年は掛かります。

営業が企業視点でのお仕着せサービスではなく、
お客様にとって真に価値があるサービスを提供していくことが鍵であり、
よりお客様本位の「顧客起点のビジネスモデル」を実践していく必要があります。
お客様との長期にわたる信頼関係を築くためには、お客様ニーズの変化を常にキャッチし、先取りする必要があります。
そのお客様ニーズにもっとも近い存在が営業です。
お客様のニーズを認識し、ニーズに応えるサービスを創造してタイムリーに提供していく司令塔になるべき部門が営業部門なのです。
それは、声がデカい営業の一言で動くことではありません。それはその営業が自分の売上のために会社に要望を出しているケースがほとんどです。
全社的に、会社が強くなるための営業の新たな役割を追加することです。

営業とは、顧客と情報を交換する行為です。
社内と情報を交換しているだけは、情報は利益を生みません。
また、情報は溜めているだけでも、利益は生まれません。
情報は、顧客と交換することによって、はじめて利益を生み出します。
その顧客と会っているときに、情報システムにアクセスできない。
お客様に、なになにの資料が欲しいと言われてもその場で出せない。
そういうことに投資はせずに、意味のないことばかりを、社員に負担させている。
これでは、企業成長とは、真逆の道です。

お客様が企業のホームページを見るようになりました。
ホームページが、すでに企業の顔になっています。
そこに、営業の意見が入っているでしょうか?
企業の顔になるべく営業の意見が入っているでしょうか?
営業の意見が入っていないのであれば、
まずは営業の意見を取り入れる仕組みを社内に構築する必要があります。
ホームページに書かれている内容と実際の営業のギャップがあれば、
それはマイナスでしかありません。

インターネットは大きな変化をもたらしました。
インタネットの先に顧客がネットワーク化されています。
インターネットさえあれば、企業なり、商品なりを知ることができます。
さらに、買うことも出来てしまいます。
これらは、コンピュータに任せれば確実に、サボることなく、やってくれます。
これ以上の付加価値を提供することが営業の仕事になります。
ネットを使わない層だけを相手にしているだけでは数年後には確実に減少するだけでしかない。
そんな中で、もう一度、営業とは何かを再構築するべきではないか?
従来と同じ手法ではいいのだろうか?
変わるとしたら、何を、どう変えるべきなのか?

会社を強くすることに対して、なぜ営業に焦点を当てているのか?
その理由は、
・良い製品だけでは不十分
・製品の差別化が難しい
・製品説明だけでは売れない
これは、コモディティ化と言われ、どれも似たような商品、サービスばかりの世の中になってきたことを意味する。
そんななかでも、企業は、考えうるだけの差別化を試みているが、その小さな差別化に顧客はは価値を見いださない。
かといって、本質的な差別化を試みるためには、相当なリスクが抱えてしまう。なかなか踏み出すことが出来ない。
製品で差別化できないのであれば、営業(つまり売り方)で差別化しようとする試みである。
同じような製品を買うなら、少しでも気持ちのよいところから、気持ちよく買いたいという。
そんなニーズに応えるための作戦になる。
また、時間をかけて「完璧な」な製品を出した企業はなく、
「荒削りな」な製品を早々と出して、顧客とともに学ぶ企業の方が成功するとも言われている。
顧客とともに成長していく。
営業は、企業の最前線にいる。
社長でも、開発でも、マーケティングでもなく、
どの部署よりも顧客に一番近い場所に位置する。
また、営業を通さない限り、売上げはあがらない。
最後は営業が決めてくる。
企業成長する場合には、営業が制約条件になる。
企業は、競争上の優位性なくして生き延びていくことはできない。
営業を起点に強い企業を構築し、この状況を突破しようとする試みは、理にかなったアプローチだと思われる。

・高付加価値販売への変換(電機メーカー)
・顧客密着型の情報提供営業体制の確立(証券)
・総合的な営業部隊の構築(銀行)
・コンサルティング営業の確立(情報サービス業)
・受注主体中心の売上構造から提案型の企業へ(情報サービス業)
ここから見えることは、一匹狼的な営業の個人技はそろそろ終焉を意味しています。
経営者は個々人の営業には興味がなく、興味の対象は組織です。
一匹狼的な営業をたくさん集めても、それは組織にはなりません。
個人商店の集まりにすぎません。

最後は営業が決めてくる。
売上は、必ず営業を通過することになります。
その営業が根詰まりを起こしボトルネック(TOC/制約条件)になっていれば、
商品力が高く、広告や宣伝も上手に行われていたとしても、
最後の最後に、結果を出すことが出来ません。
ビジネス全体から見た場合に、とにかく営業の風通りをよくしておくことが重要です。
もっとも重要な部署であるにも関わらず、
なぜか、組織上は、企画やマーケ、生産部門からスタートして、
最後の最後に、営業に、これでお願いします。販売目標は〇〇です。

社内の戦略起点と言えば、経営企画、戦略室あたりのスタッフが担当することになりますが、
未来戦略の起点、すなわち、担い手は、営業部門しかありえない。
企業は、考えうるだけの差別化を試みを行いますが、その小さな差別化では消費者は価値を見出してくれない。
同じような製品を買うなら、少しでも気持ちのよいところから、気持ちよく購入するようになります。
お客様に気持ちよく購入してもらうこと。
それを担うのが営業部門になります。
また、時間をかけて「完璧な」な製品を出した企業はなく、
「荒削りな」な製品を早々と出して、顧客とともに学ぶ企業の方が成功するとも言われています。
この顧客の生の声に一番近い存在が営業部門です。
しかしながら、営業は無駄な改革ばかりをしています。

下手な鉄砲も数打ちゃ当たると根性の営業施策。
根性で1件でも多く顧客を訪問しろというわけです。
その代表としては、アポなしの飛び込み営業が行われています。
飛び込み営業も立派な営業手法ではありますが、いかんせん効率が良くありません。
一日中歩き回っても、会って話しを聞いてくれる人が数人、その中から実際に購入までたどり着く人は月に数人ということになりかねません。
今のように、物があふれ、よりよいものを顧客が自ら探している状況下では、
営業コストがかさむばかりで、訪問量に比例して、売上が増えるというケースはなくなりました。
さらに、飛び込み営業は、効率だけでなく、もう一つ大きな問題点を抱えています。
それは、飛び込み営業のイメージがあまりにも悪いことです。
顧客は粗悪な商品を高額な値段で売り付けられるのではないかと思っています。
ただ、今でも飛び込み営業が行なわれているのは、根性をつけるためです。
断れつづけても気力でがんばって売り歩く。
それが営業の基本であり、根性が養われるという考え方に基づくものです。
新人営業の研修のカリキュラムに入っているのもそのためです。
これは、これで、ひとつの真実だと思います。
逆に飛び込み営業のメリットはどんなものでしょうか。
「相手の姿を見ることができる」「雰囲気を掴むことができる」「反応を知ることができる」という
その場の状況を見ながら、商談が行えることです。
このメリットをそのままに、デメリットをメリットに変えることができれば、
飛び込み営業も重要な営業手法になるに違いありません。
たとえば、飛び込み営業の目的をセールスではなく、情報収集という目的に徹してしまうことです。
売れるのに売らないということではありません。
売れないにしても、次の商談につながるような情報を収集してくることを徹底させることです。
顧客先に行けば、顧客の雰囲気や取扱い商品など、なにかしらの情報を手に入れることができます。
また、いつ頃ならば、買うための条件が整うのかが聞き出せれば、次の営業につながります。
つまり、売るために必要な情報を集め、集めた情報は、コンピュータで管理していきます。
可能性のある顧客を集め、最適なタイミングで再アプローチをかけることで、売上げをあげていきます。
少なくとも、全く見込みのない顧客を何度も訪問することだけは避けることができます。
一番重要なことは、そのための情報とは何かを考えて、その情報を話してもらえるためにはどうすればいいかを考え、
それを実行に移していくことです。

まず、顧客が何に満足を得るか知ることです。
知らないでサービスをしていても、それは迷惑にしかなりません。
次に、顧客の望んでいるタイミングを知ることです。
どんなにすばらしいサービスであっても、顧客が望んでいるタイミングでなければ、意味がありません。
顧客は、今は必要としていないのです。
つまり、どのような顧客にも同じようなワンパターン営業を繰り返していると、
それは、売れないばかりか、顧客の信頼を失い、競合会社に参入する機会を与えているようなものです。
顧客が期待するより一段高いレベルの活動をすること。
何も難しいことを言っているのではありません。
「顧客の望んでいることを、タイミングよく提案する」ことさえできればよいのです。
それは、顧客にとって「面倒がない」ということです。
「アバウトにオーダーしても対応できること」「なんとなく」を理解してもらえ、
しかも、適切なタイミングでアプローチしてくれる。
自分が望んでいる姿と同じイメージ、タイミングで対応してくれることです。
自分と共通のイメージを持ってくれる営業であれば、
安心して任せられることから、継続的な取引きを可能にしていきます。

・たくさん買ってくれる客
・顧客を連れてきてくれる客
・儲かる顧客と儲からない顧客
・儲けさせてくれるであろう顧客予備軍
顧客の優先順位を考える。
どの顧客からアプローチしていくべきか。
今期は売上最大化を狙うのか、将来の種まきを重視するのか?
その状況を見えるようにすることです。

積極的というのは、pullではなくpushを意味します。
こちらから、能動的に働き掛けることを意味します。
それが可能な仕組みを作ることです。
また、仮説、検証を繰り返していく中で、仕組みの精度を高めていくことです。
pushしやすい先は、既存のお客様です。
営業が、既存のお客様を積極に回って、情報を収集することです。
売ることを前提にした商談時の情報とは、まったく違うお客様の本音を収集してくることです。
そこで見えてきたお客様の情報が、新しいお客様の商談のために、最強の武器になります。
なによりリアリティーがあるし、なにより、導入後の不安を解決してくれる要素をふんだんに含んでいます。
そもそも商談は不安を取り除く行為とも言われています。
不安を取り除くためには、営業単位という話ではなくなります、会社としての信頼性に関連します。
営業を起点にして、会社の信頼性を気づくための仕組みを構築することです。

価格競争から脱却するためには個客戦略がキーになります。
市場シェアよりも顧客マインドシェアを上げることが目的にします。
顧客マインドシェアが向上することにより価格競争からの脱却されます。

昔は、会社そのもの比重が高く、仕事を選ばずに会社を選ぶ時代が続きました。
知識より設備、アイデアより資金がモノをいう戦後の経済復興期という背景もあり、
設備力や資金力が会社そのもののブランドになっていました。
中身はわからないけど、とにかく大手で有名ということがブランドでした。
だからといって、ビジネスは信頼や実績がモノをいうのは事実なので、
ベンチャーだからいいというものでもありません。
その企業にしかできないこと、その企業が群を抜いていることが
ステークフォルダーに認めらえていることです。
アベレージという考え方が機能しないということです
平均を取ったところで、やっていけません。
社内議論で、意見がわかれ、落としどころという形で、それぞれの言い分が少しずつ入った状態にする。
これだど、なかなかブランドはできません。
やはり、強いリーダーシップを持って、どちらかに決めるぐらいの決断ができる企業です。