デキル営業とダメ営業

会社にはデキル営業とダメな営業がいます。
デキル営業は、北極や南極に住む人に冷蔵庫を売ってこれる人です。
これは、不用なものでも売ってくるという意味で使われます。

一方、ダメ営業は、その営業部の中で一番売上が低い人です。
これは、その企業の営業のやり方にマッチできない人です。
そこにマッチできないだけで、才能がないわけではありません。


デキル営業とは

どの会社にも、デキル営業はいる。
デキル営業とは、具体的に何を意味するのだろうか?

企業起点、行動力、スキル、顧客起点など、
どの視点で見るかで、デキル営業の定義は変わる。

顧客にとっては、デキル営業でも、
企業にとっては、アイツは手間ばかり掛かり効率が悪いと
言われているかもしれない。

デキル営業を定義すること自体に無理があり、
売上という行為は、複合的に有機的に絡みあって
初めて成果が達成されるものなので、

なにかデキル営業が持っているある特定の要素を、
どれか1つデキルようになっても、なかなか成果に結びつかない。



凄腕のデキル営業のイメージはけしてよくない

これが断られない初回面談法だ。
迷っている客には強気で攻める。
自分を買ってもらえば一生買ってくれる。
受注の鍵は初回接客の粘り腰。
数秒の話を10分に引き伸ばして説明せよ。
確かにいる。
結構売上も上げる。
しかも、上司だったりする。
その人の下の部下は、それが営業だと思ってしまってもおかしくない。
これだと、できない、やりたくないという人も多い。



企業起点で見たデキル営業

・売上が高い
・キャンペーン商品を確実に売ってくる
・お客様に役立つことに徹している
・自社製品を使って顧客のビジネス上の課題を解決してく
・何をすべきかに気づかせる
・お客様の心理を読む/心理状況を観察する
・お客様の心の窓を上手に開く
・ウオンツをニーズに変える
・共感させ、悩み不安、課題を解決する
・同じ説明でも与えるイメージは違う
・お客様が解決したい優先課題を見つける
・心理戦に勝つ
・お客様の迷いを断ち切ることにある


行動力から見たデキル営業

・目標達成意欲、行動力、向上心が強い
・数値目的を持って、毎日の営業活動を行っている。
・広い分野において情報を収集し、営業活動に活かしている
・顧客の細かな情報もよく知っている。
・顧客の経営や、かなり顧客に入り込んだ提案をする
・社内において、他の部署や上司
・部下の人脈が広い
・自社の仕入コストや販促コスト等、他部門の数字にも常に気を配っている


職能(スキル)からみたデキル営業

・自己表現能力:商品を積極的に薦めるプレゼンテーション能力
・顧客志向性:顧客の立場で考える
・達成志向性:売上に対する強いこだわり
・時間管理力:時間有効活用(特に顧客に対して時間を割く)
・情報収集力:顧客に必要な情報を積極的に集める資質
・折衝力:関係者、上司に対する交渉
・駆け引きをする力


顧客起点で見たデキル営業

・人間的魅力(パーソナリティ)
・専門知識:商品、顧客、業界、経営知識
・コミュニケーション能力
・企画力、提案力
・リーダーシップ能力(頼りになる)
・市場動向、消費動向、流通の変化をよく把握している
・新しい技術や知識を持っている
・商品知識
・関連知識を豊富に持っている
・積極的に情報提供、提案をしてくれる
・問題発見や問題解決能力を持っている
・提案が論理的で納得できる
・約束事項、依頼事項の処理が確実である
・礼儀正しい、謙虚である、素直、誠実、ユーモアのセンスがある





意思決定に必要な事項の探りのプロ

法人営業なら、社内政治に精通し、
個人営業なら、旦那さんの裏にいる奥さんへの配慮が重要。
・担当者の権限は?
・要求部門は?
・キーマンは誰か?
・影のキーマンは誰か?
・担当者とキーマンの関係は?
・人柄、性格、仕事への取組は?
・予算は?
・時期は?
最後に決定を下すのは、お金の権限を持っている決定者。
周りが、いくらいいと言っても、決定者が首を縦に売らない限り、その商談は成立しない。
そして、決定者はなかなか表に出てこないから面倒。


交渉、トークのプロ

否定せずに間違いに気づかせる。
消極的なNOをYESに切り返えしてしまう。
・大切な言葉は繰り返して伝える/暗示効果(政治家は同じ言葉を繰り返す)
・何かお役に立てることがあれば/支援スタンスは好意を呼ぶ
・いろいろ勉強させてください/謙虚さは親近感を呼ぶ
・そういえば同業者のこんなことをご存知ですか/同調心理を刺激
・私なりにお客様との接点で考えてきたのですが/WINWINを強調
・メモしておきます/安心感の演出も
・こちらからもいくつかお聞きしていいですか/安心感
・そういえばこんなんですか?/自尊欲求をくすぐる
・では、今回は残念ですがあきらめます/潔さは好印象
・競合を誉める/自信の現れトークも
ここまで配慮しているとなると、かなり頭の回転が早くないと無理。

提案書作成のプロ

・お客の立場でストーリーを展開する
・自分の言いたいことでなく顧客の知りたいことに徹する
・計画の実施策や問題の解決策を顧客の代わりにまとめる
・顧客の要望、要件、問題に対する提案のコンセプトを明記する
・提案の特徴や効果(費用対効果)を適切に図解(絵、図形、表)する
・計画の実施案、そのサポート体制を明記する
・参加者以外の人を考慮して顧客の社内でひとり歩きできるように作る

これ以外に重要なことは、
顧客の要望、問題に対し、何回でも提案書を書き換え、
顧客に代わって、顧客の言いたいことをまとめてしまうこと。
いつのまにか顧客と一緒に提案書を作っていること。
これにより出来上がった提案書は、顧客はダメ出しする理由がなくなってしまう。


プレゼンテーションのプロ

・高い人間観察力
・ヒトに対する強い影響力、説得力
・相手に物おじしない積極性
・キーマンの知りたいことに焦点を合わせる
・プレゼンテーションの構成は起承転結
・効果的なスライドショーで演出や演技力
・感動する話などストーリー
ここまで来ると、役者になっていてもおかしくないレベル。


顧客のココロのドアを開けるプロ

・笑顔、明るさ、元気、好感、相手を誉める
・商品の説明よりも良い人間関係をつくる
・話のテンポを相手の呼吸に合わせる
・事例、証拠、数字など、相手の本能に訴えかける

そもそもその人が持っているか、持っていないか?
営業の話は、結構こういうところから始まってしまう。


顧客ニーズを顕在化させるプロ

しゃべるな、しゃべらせろと良く言われるが、
しゃべってもらうためには、質問をしながらキッカケを作るわけだが、
質問は極力短くしなければいけない。
質問が長いと、説明調、説得調、断定調になりやすく、顧客に嫌われてしまう。
ズバリ一言で言い当てる的なセンスが営業には必要になる。
また、質問にもいくつか種類があり、それを適時切り分けながら、全体像を把握していく必要がある。
訓練で、どこまでデキルようになるのかな~
・状況質問(客観的事実を聞く→現状の背景を探り出す)
・問題質問(顧客の不平・不満を聞く→もっとはっきりさせる)
・示唆質問(買い手に新たな発見を促す→顧客がもっと問題を意識を持つ)
・解決質問(今回判断の正当性を聞く→顧客に利益を語らせる


お客様をタイプ把握のプロ

無表情、話し上手、偉ぶる、明るい、理屈っぽい、几帳面、大雑把、短期、優柔不断、値切るなど、
いろいろなタイプの顧客が存在します。
それぞれ対応方法で注意するべき点を考慮しながら、営業しなけれなりません。
・こだわり派(とことん納得したい→とことん付き合う)
・時間節約志向派(自分と同じレベルであれば、任せてしまいたい)
・子羊派(関心は高いが自ら選べない→アドバイス)
・中身無関心派(価格重視)


クロージングのプロ

クロージングとは、提案をお金に変える瞬間です。
ただ、常にいろいろな場面でテストクロージングをしています。
そのなかで、何がクロージングの決め手になるのか常に探ります。
・部分承諾法:一部を認めさせて既定事実化を図る
・疑問解消法:疑問をたんねんにつぶす
・所有暗示法:購買後の利益を話し、夢を育む
・切り札提出法:値引きなど
・二者択一法:ためらいを断ち切る
・例話法:満足例を紹介し決断を迫る

これをゴールにあれやこれやしているのが営業。
人間力も必要だし、緻密な思考もないとダメだし、そして、実行力も備わっている。
デキル営業は、何やっても成功しそうな人。



デキル営業ほど、見切りの営業がうまい

デキル営業は、新規顧客を望む傾向が強い。
新規を落とす快感と、潜在性というか未知数の可能性を求めていく。
しかし、一度手を付けて、ダメなところをもう一度やることを嫌がる。
それは、時間の無駄であるという、自分の結論がすでに出ているからである。

つまり、自分が得意として、理解してくれやすい人しか相手にしたがらない。
同じ100万円の売上をあげるなら、効率よく売上をあげられる顧客を選択する。
理解してくれやすい人だけで商売していると、強くなれない。


デキル営業ほど、ムダな活動をしない

営業は、このムダの判断が難しい。
今は無駄に見えても将来的に実を結ぶことなどいくらでもある。
ダメだと思っていたものが意外に成約してしまったりすることもある。
しかし、デキル営業は、そこに強い判断基準を持っており、
自らの判断で、ムダな営業はしない。
いかに効率よく売上を上げることにしか興味がない。

効率だけで考えている企業は、強くなれない。


デキル営業ほど、紹介が多い

紹介のお客様は、営業の第1ハードルを通過している状態であり、ほぼ受注につながる。
手間を掛からず、効率よく売上を上げていくことができる。

そして、紹介は、人間関係のつながりが強いので、IT化も、仕組み化も出来ない。


デキル営業ほど、定量的なゴールを設定する

なぜかといえば、結果がすべてだと思っているからである。
数字に換算しておけば、進捗がわかりやすい。
進捗がわかれば、より具体的にやるべきことが考えられる。

しかし、すべて定量だけで捉えていると、目先になりやすく、強い企業にはなれない。



デキル営業ほど、売りを中心に活動する

デキル営業は、個人の属性により売上を上げることを得意としている。

いくらデキル営業がたくさんいても、それは個人の属性であり、会社としては強くならない。
その証拠に、その営業がやめてしまえば、その分の売上がそのまま無くなってしまう。
なにより、所属企業がダメだと感じたら、デキル営業から辞めていくという事実も。



デキル営業ほど、すべての情報を握っていたい

デキル営業は、すべての情報を握っていたい。
ある意味、それらの情報は営業にとっては、生命線とも言える。
それをすべて会社に吐き出せと言っても、吐き出さない。
見せたくないから見せない。
しかも、見せないことによるペナルティーもなく、逆に、情報を見せることに対する見返りもない。
また、企業は、デキル営業に対しては、それを強制することもしない。
それが、たとえ管理志向が強い会社であっても、デキル営業だけは例外的な扱いをすることが多い。
売上さえ上げていれば、文句を言わない。

個人が情報を握っている企業は、強くなれない。


デキル営業ほど、癖が強い

営業には、それぞ癖がある。
デキル営業ほど、その癖が顕著である。
その癖が営業の源泉であり、売上の源泉であり、この癖を直すようなことはしない。

個人の癖が利益の源泉になっている企業は、強い会社になれない。


デキル営業ほど、器にはめ込まれることを嫌う

デキル営業は自主性が強い。
やらされているということをすごく嫌う。
協調性が重要だからと説得しても、売上が一番大切ではないのかと
反論されてしまい、その後の言葉が続かない。

協調性のない企業は、強い会社になれない。



デキル営業ほど、悪い情報や失敗を隠しても影響がない

商談が上手くいったときは、聞いてもいないのに、自慢話をするが、
失敗したときやミスをしたときは、何事もなかったかのようにしておきたい。
それは人の心理として当たり前のこと。
デキル営業であれば、なおさらこの傾向が強く、
また、その場はなんとかしてしまうスキルも持ち合わせている。
デキル営業と言えども失敗はある。
自分なりに次に活かすための活力にしている。
しかし、その努力も含めて、それが表に出てくることはない。

失敗を共有できない企業は、強くなれない。


ダメ営業とは

論外のダメ営業は居るとして、企業には、デキル営業が20%居ると言われている。
そして、そのデキル営業が営業部門を仕切っている。
つまり、デキル営業がモデルになり、デキル営業が考えている営業の枠組みやノウハウに対して、順応できない営業がダメ営業ということになる。
デキル営業が考えているマネジメントの仕組みに対して、順応できない営業がダメ営業ということになる。
デキル営業の枠組みの中で、デキル営業と同じような売上を上げることが出来ない営業が、ダメ営業ということになる。
おそらく会社に損させようとして働いている営業はいないだろう。
結果として、損になる、もしくは利益にならない。

・不得意があるダメ営業
・新規開拓ができていないダメ営業
・売上に波があるダメ営業
・偶然で、計画性がないダメ営業


お客さんを不安にさせるダメ営業

不安になったお客さんは絶対にそこから買わない。
お客さんを不安にさせるだけの営業がいる。
お客さんが何に不安を感じているのか見抜けない営業がいる。

・説明だけして買ってくれという営業
・顧客のこと何も考えていない営業
・責任回避する営業(クレーム)


「売れない理由」を探すのが実にうまいダメ営業

言い訳が多いダメ営業。
失敗を活かせない営業はできない理由だけを探している。

・会社の商品のせいにする
・顧客が予定を変更したという
・時間がないという、他に時間が取られてしまうという
・景気が悪い
・新製品がでない
・売れる商品が少ない
・知名度が低い
・経費が少なすぎる
・ライバル企業のセールスマン数が多い
・上司が同行してくれない
・事務仕事が多くて商談できない
・難しい顧客ばかりを割り当てられ効率悪い


無駄が多い、効率が悪いダメ営業

・行くべき所へ行ってない→訪問にかたよりがある
・訪問に対する事前準備に時間かけすぎ→一日の訪問件数が少ない
・訪問のウエイトのかけ方がわからない→上位得意先しか行かない
・電話ですむ仕事をしている
・目的のある行動ができていない
・書類の作成に時間が掛かる
・内勤時間が多い
・行動パターン、訪問パターンを変えようとしない
・有効な面談時間がもらえない
・代理店への訪問が多すぎる
・値引きだけしか顧客に提供できない