情報化は、欲張れば欲張るほど失敗する

情報化が無駄に終わっている現場の特徴は、理想論に走っているところです。
情報システムを導入するとなると、すべてをシステムに置き換えようと考えがちです。
あれもやりたい、これもやりたいと機能がどんどん膨らみ、複雑になってきます。
思った以上に手作業が増えてしまったり、一番欲しい情報は簡単に引き出せないなどの現象が起きます。
そうなってしまうと、システムは使いにくくなり、使われなくなります。
あくまでも目的は、コンピュータを覚えることではなく、見たい情報が簡単に見られることです。
そのことを考えて設計することが必要です。

具体的には、マウスやタッチパネルを中心にほとんどの処理ができるようなシステムが望まれます。
インターネットを見るのと同じです。
だから、普及するのです。

もし、インターネットをやるために、難しいコンピュータの操作を覚えなければならないとしたら、
こんなに普及することは無かったでしょう。

欲張らない情報化の代表が、紙のシステムです

欲張らない情報化の代表が、紙です。
紙が優れているところは、持ち運びが便利、見やすい。
余白にも自由に書ける。
とても手軽です。
使えない人はいません。




「効果が実感できない」「負担が増した」はなぜ起こるのか

現場が嫌がる。
入力の手間ばかりが増えた。
何の役に立っているのかよくわからない。
これは、可視化できる短期的な効果がないからです。

たとえば、自分が発信した情報に対して、コメントが付いただけでまったく状況はことなります。
何かアクションを起こせば、次のアクションが起こる。
この連鎖がある仕組みにしないと、上手く行きません。

システムの先に、人が居るが見えないシステムは、使われません。


営業の情報化は、もっともシンプルに作る

営業は、お客様と会っているときが一番の仕事で、それこそが利益の源泉なんです。
それを中心に考えなければ、ダメなシステムです。

簡単なことからスタートする。
現場を混乱させない。
これを守る必要があります。

たとえば、顧客情報であれば、真っ白な顧客情報をゼロから埋めなさいでは、やる気も起きません。
既ににある情報は、多少コストを掛けたとしても、最初から情報をセットしておく配慮は必要です。

また、すべての項目を埋めることはせずに、重要な項目のみを埋めるところから始めます。
欲張らならなくてよいから、着実にこなしていく、
全部中途半端になるより、ひとつでもいいから着実にこなしていく。
それだけで、たくさんのことが見えてくるはずです。


現場参加型のシステム構築が必要

経営者やマネージャーが見たい情報を作る。
これは危険です。
上から押し付けたシステムで、営業に入力を強制すれば、営業はだんだん情報を入力しなくなります。
営業になんらメリットがなく、ただ管理されているという意識が強くなるからです。
たとえ、業務命令と言ったところで、情報を入れなければ怒られるという意識のもとでは、
形式的な情報だけしか入力されません。
形式的なだけを入力するぐらいなら、最初から入力しない方が、よっぽど効率的です。

このシステムを毎日使って営業の効率を上げる。
どんな情報があると現場が便利になるのか、現場の参加型のシステム構築が重要です。
そして、何より、現場参加型のシステム開発は、営業の意識付けに最も大きな効果を発揮します。


なぜ、コンピュータを嫌がる人がいるのか?

情報は大切だけど、基本は人である。
効率や生産性だけで営業は語れません。
非効率であっても、長期の信頼関係を築くためにやらなければならないことはたくさんあります。
コンピュータや情報、ましては生産性というひとつのモノサシだけで、営業を見ることはすごく危険です。
このことをきちんとシステム導入側に理解して欲しい。

コンピュータを嫌がる人こそ、コンピュータの本質を見抜いています。
是非、そのような人の意見は、積極的に聞きましょう。


コミュニケーション不足はコンピュータで解決されるか

一人に与えられている時間は限られています。
限られた時間では、1対1のコミュニケーションはなかなかできません。
それが、コンピュータを使って、その時間を効率的、効果的にしたところで、その限らえた時間をコミュニケーションに使うとは限りません。
そもそもコミュニケーションは、そこからヒントを得る場であったり、調整する場であったりします。
そして、そこから新しい価値が創造されいきます。
つまり、コミュニケーションの素材となる情報が、見えるようにする必要があります。
情報をつまみにして、コミュニケーションするのであって、その中でどんなコミュニケーションをするかは、あくまでも主役は人間なのです。
それが本質ではありますが、コンピュータを苦手にしている社員は、それが逆に、疎外感につながり、のちのち大きな問題を起こしてしまうケースも多々あります。
それを回避するためにも、その人が得意とする分野から始めること。
得意分であれば抵抗感がさほどなく入っていくことができます。
それぞれ、得意分野は異なりますから、全員が同じことをするのではなく、
それぞれが得意としている分野について、今まで行っていた作業をすこしずつ置換えていくことから初めるようにします。



入力してくれなくても、構わない

情報システムは、情報を入力するための道具です。
営業情報システムなら、営業に役立つ営業ノウハウ等の情報を入力することを想定しています。
しかし、思うような情報が集まらずに、全く活用できないという状態になりがちです。
しかし、それでいいのです。
入力することが目的ではなく、利益をあげることが目的だからです。

利益をあげるということは、複雑な要因が絡みあって、
その結果として財務上の数字になって表れるものです。

入力することより、もっと大切な優先順位の高いことはいくらでもあります。
それを意識することこそ、重要なのです。


これ以上削れないところまで機能は削る

現場から10個要望が上がってきたら、9個は削除してください。
もっとも効果のある1個に絞ってください。
とにかく、簡単なところからスタートする。
全部中途半端よりも、ひとつでもいいから着実にこなしていく。
これが、営業の情報システムが成功する鍵です。

そして、1個成功したら、もう1つ機能を追加してください。
現場の負担がなく、どんどん機能を拡張していくことができます。
また、使わなくなる機能も出てくると思います。
そういう機能は削除してください。

1リットルの水槽が水が溢れないように、追加するなら減らすを繰り返してください。
そうすることで、中の水は、いつまでも新鮮な状態が維持できます。


操作性を無視した情報化は致命傷になる

どんなに機能が優れたシステムであっても、操作が不便であると現場の不満が募り、その結果、そのシステムが使われなくなってしまいます。
そのため現場で使いやすいユーザインターフェースを重視し、シンプルでわかりやすい入力や操作性を重視して設計しなければなりません。
わざわざ書く必要もないことですが、機能設計が優先になり、かつギリギリまで行われるために、どうしても、ユーザインターフェースは後回しになってしまいます。
機能よりも、ユーザインターフェースを大切にしたほうが、最初の1歩のシステムとしては、重要だと考えています。



システムの最適化より、操作性を優先させる

紙を切るのに斧を使う人がいないでしょう。
紙を切るならハサミです。
情報システムの世界では、斧になってしまっているケースが少なくありません。
たとえば、顧客情報を1つ入力するにも、他の業務システムが連携していて、正確な顧客情報を入れない限り、作業が先に進められない仕様になっている。
そんなシステムの仕様がたくさんあります。
ファーストコンタクトで得られる顧客情報と、システムが入力を求めている精緻な情報が乖離しすぎている。
これは、すでに立派な斧システムです。
全体最適化を優先しているだけでは、そこには、生きたシステムは出来ません。
営業の情報システムは、まさに生き生きしていなければなりません。
具体的には、システム開発コストが増えても、操作性にはこだわった方がいい



それぞれにあわせて専用のメニューを作る

必要な情報、必要な人が、いつでも見れるように
たとえば、経営トップの方が見たい情報、マネージャーの方が見たい情報、現場の担当者が見たい情報は、それぞれ異なります。
そのために、それぞれにあわせて専用のメニューを作ることができます。
すべての情報を見ることは現実的ではなく、また、情報を見るより、それをいかに活用するかにポイントを置いて設計されています。
また、詳細な情報が欲しい場合は、その情報から関連する情報に飛んでいくことができます。


使いにくいシステムは使われなくなる

あれもやりたい、これもやりたいと機能を複雑にすると、システムが使いにくくなり、使われなくなります。
特に情報を共有するなど、全営業マンが使う場合には、コンピュータ不慣れな人も当然います。
誰一人として落ちこぼれを作らないように簡単なシステムでなければなりません。
また、あくまでも目的は、コンピュータを覚えることではなく、見たい情報が簡単に見られることです。
そのことを考
えて設計することが必要です。
具体的には、マウスを中心にほとんどの処理ができるようなシステムが望まれます。

新しいことを始めるときは、シンプルにしないと、実際に動くことができない、習得することができない。


よくありがちな「使ってもらうワザ」

システムインセンティブ手当なる給与項目があり、
一定量の情報が入力された場合は、毎月手当てが付くということが行われる



疲れたら、一時的にシステムの使用を止める

普通のシステムは、システムが止まったら仕事が出来なくなりますが、
営業のシステムは、システムが止まったからと言って営業が出来なくなるというものではなく、
また、そういう、つまり業務とは直結しないシステムを目指しています。

自分の仕事に役に立たないのであれば、使わないという判断ができるのも立派なリテラシーです。
無駄な作業を繰り返しているコストとモチベーションを考えたら
操作になれて使いはじめたとしても、効果が実感できなければ、システムの利用をやめる
一度ストップして、再考すべきです。

そういう判断が出来ない限りは、企業成長は出来ません。
そして、なにより、企業成長のために、無駄は辞めていく。


引き継ぎ作業が一切不要

引き継ぎの仕組み次第で、会社を変えることができる。
引き継ぎのみに焦点を当てていた企業があった。

情報化を導入することで、日々の営業情報はすべて蓄積され、引き継ぎ作業が一切不要になる。
不完全な引き継ぎによる重複営業や顧客損失の防止になります。
会社にとっても、引き継ぎを受けた営業にとっても、最高です。

しかし、現実は違います。
そもそも、すべての情報が蓄積されていることはありません。
仮に、すべての情報が蓄積されていたとしても、顧客損失や機会損失は起こります。