情報化と人事制度のデザイン

意外にコロコロ人事制度を変える会社はあります。
どうすれば社員が動くのかわかっている会社です。

情報化が進んでも、同じ人事制度では意味がありません。
情報化を前提にした人事制度に変える必要があります。
これに着手しないと、社員は変わってくれません。


終身雇用時代は、時代がよかった

終身雇用時代では、人事制度と給与が連動していました。
周りの人を見ていれば、何歳で課長、年収いくらがわかりました。
それが人事制度になっていました。

仕事が出来るのに、年齢が若いというだけで、役職も給与も抑えられていました。
そういう人にとっては不満になるはずですが、
暗黙知として、不満も言わず、働くのが終身雇用制度です。

経済成長が前提であれば、終身雇用を支える経済基盤が企業にありましたが、
今は、その経済基盤を維持できずに、今まで黙って仕事をしてきた人から、不満が表面化され、
また日本企業、外資企業の流動性も進み、終身雇用が日本の制度の特徴にならなくなりました。


生かすも殺すも人事次第

会社も、社員も、基本は儲けたい。
誰でも、時間をかけずに効率よく働いて高い給与が欲しいはずです。
経営者も営業も一致しているはずの「効率よく」が意外とうまくかみ合っていません。

社員が思ったように働かないと嘆いても、インセンティブがそのようにしか与えられていれば仕方がありません。
インセンティブの与え方により、つまり人事制度によりその会社の社員像が出来上がってしまうのです。
たとえば、「提案件数」や「顧客とのコミュニケーション件数」などがインセンティブとして与えられるなら、これらの仕事も積極的に行うようになるはずです。
だからと言って、提案件数を評価すれば、いいのかというそうでもありません。
アタマを使って収益を上げる仕事なら、長い時間を働いても、利益を生み出すとは限りません。
このような人事制度は意味がありません。
それどころか、できる人、やる気のある人が、どんどんやる気になるなくだけです。


なぜアフターフォローが疎かになるのか

アフターフォローが、直接的な売上にはならなず、かつ人事のインセンティブにもなっていないからです。
必然的に疎かになります。
ヤレと指示を出しても、最初だけで継続性がありません。
人事制度を変えない限りは、アフターフォローは疎かのままになります。


営業マンは独自の情報を公開することに消極的である

情報を提供しない理由に、情報を提供しても、評価につながらないということが挙げられます。
情報を提供しただけではなく、結果を出さなければ評価に値しないという考えも正しいかもしれませんが、
今のように複雑な時代は、個人で何から何までカバーすることができません。
協力し合うこと、組織として対応することがなりより重要です。
ただ、見返りがなく、リスクを負うだけならば、情報は提供されなくなり、情報の共有は実現されません。

これは、人事考課を結び付けるこで解決することができます。
情報公開に対する抵抗感を取り除き、活発な情報交換が行われる営業部に生まれ変わります。



人材の流動化を疎かにしない人事の仕組み

これから会社がどうなるのかわからない状態で、終身雇用を保証するなど言えるわけがありません。
終身雇用の保証が無くなれば、人材の流動化が始まります。
外資企業からの引き抜きもあるでしょうし、キャリアアップを目指した転職もあることでしょう。
いずれにしても優秀な人材が流動化してしまうことになります。
スキルやノウハウをベースに転職が行われるのですが、営業であれば、取引先や顧客までも一緒に持っていかれることも珍しくありません。
転職しないような仕組みを作ることも大切ですが、ゼロにすることは不可能です。
それよりも、人がいなくなくなっても、強い会社であり続けるための仕組みを作ることが先決です。




成果主義

インセンティブがないほうが、いいのか?
インセンティブを獲得できる社員は賛成し、無理だと思っている社員は反対する。
これが答えです。

これが答えならば、2つの制度を作ればいいだけです。
インセンティブ派は、基本給なしで、すべて歩合とか、徹底したインセンティブでいいと思います。
ある意味、個人事業主に近い考え方です。

非インセンティブ派は、仕事を進めるプロセスを評価することです。
評価するためには、仕事のプロセスを可視化しなければなりません。
そのような仕組みを作ることは情報化で達成することができます。

このことから、インセンティブ派重視なら、営業の情報化は、営業担当者支援になり、
非インセンティブなら、プロセスを可視化するための情報化になります。

プロセスを可視化する仕組み出来たら、可視化された情報で、マネジメントする担当者が必要になります。
一方で、インセンティブ派は、個人事業主に近いので、マネジメントは不要になります。



営業は、ほぼ全員、正しく評価されていない不満がある

ヒトと言えばインセンティブ
インセンティブといえば人事制度。
人事制度はモチベーションを維持するための仕組み作りである
そこには、どうすれば報酬が上がるかが書かれている。

そのためには、ルールは最低限にしてカルチャーを作っていかなければなりません。
予算達成率だけではなく、日々の努力も判断して欲しい。
営業なら誰しも思っていることです。
たとえば、売上は、個人のスキルや努力に関係なく成り行きでも売上があがる
担当している顧客により、売上に差が出てしまう
これらの不公平に対する不満は、評価のモノサシに対する不満です。
つまり、陰の努力や将来のための活動の中身を評価するモノサシがなく、
デキル営業を基準した単一的な予算達成というモノサシになっているからです。
攻めるべき顧客を攻めているチームとして役割を果たした
クレーム対応を片付けた
誰よりも先に、新商品で実績を作った
将来に貢献する情報素材を提供した
など今までとは違うモノサシと、それを図ることが出来る仕組みがないと、

営業マンの評価はどうしても短期的になりがちです。
長期的な視点から現在を評価することも必要です。
企業成長は出来ません。




定着こそ効果を上げる為の最大のポイント

営業活動の基本ともいうべき当たり前のことでも、継続することは難しいものです。
営業担当者がややもすれば「意識一流、行動二流」になってしまうのは、やるべきことが理屈としては分かっていても続けるのが難しいからです。
定着しないとどんな優れたノウハウや手法も、真のものとはなりません。
営業部門に情報化を導入する意義は、営業力強化手法の実践の継続性が維持され、組織的に定着しやすい点にあるといわれています。

1つは、定着させるための人事制度を作ることです。
もう1つは、日常業務に情報化の仕組みを入れると、組織的に繰り返し続けられるようにすることです。
その過程で、新たな「気付き」の効果も現れるようになります。
こうした定着・成長のサイクルのくり返しのなかで、自律的に成長し続ける組織に変革していくことが、情報化導入の真の狙いであり期待する効果です。
定着というのは一見地味に聞こえますが、「定着こそ効果を上げるための最大のポイント」であることを理解して推進していくことが非常に重要です。




定性目標を振り返る

利益の成果を定義するのはが難しい。複合的な要因が絡んでいるからです。
しかし、難しいから評価対象外にすると、そこに不満が発生します。
システムを使っていると、単品管理ではないが、細かい数値を見ることが可能になります。
この領域にシステム投資を行うことは人事的にも意味があります。

たとえば、予算が達成されていれば、その中身まで踏まえ、未達成ならはプロセスを評価する仕組みを作ります。
予算達成率だけ見ると営業マンAが74%、営業マンBが82%であり、営業マンBが営業マンAよりも評価されるのが一般的です。
しかし、顧客ランク別の予算実績達成率を見ると、営業マンAは攻めるべき顧客にアプローチして成果を出している一方で、
営業マンBは、攻めるべき顧客の予算は達成されずに予算が達成しやすいところだけで成果をあげています。
この分析によれば、攻めるべき顧客にアプローチして、成果を出している、
つまり将来につながる営業活動を行なっている営業マンAを高く評価すべきと判断することができます。

・ソリューションの提供が出来たか
・取引連鎖が出来たか
・攻めるべき顧客の情報収集が出来たか
・具体的な商談のスタートが切れたか



歩合制度は情報化には向いていない

社員のモラールをあげるために売上げに比例した報酬制度を導入している会社は多く存在しています。
また、それが営業の醍醐味にも繋がっています。
しかしながら、この歩合制の見直し、廃止が最近検討され始められています。
その理由としては「やる気があっても売れないときがある」「テリトリー等で不公平感がでる」「結果だけではなく努力を評価して欲しいという意見が出る」などが挙げられます。
また、少しでも売上げをあげるために、無理な押し込みが行われたり、攻めるべき顧客は時間がかかるので、取り易い顧客に行ってしまうなど、
これでは顧客満足からはほど遠い存在になってしまいます。
生活が安定しない状態では、長期のビジョンに基づいて仕事をすることは無理があります。
また、売上げという成績がすべてなので、個人プレーに走りやすい、情報を公開して共有しようという情報化は適していません。