経営を支える営業DXとは
CPU の演算速度とメモリ容量はこの10年間で100~1000倍の勢いで向上し続けています。
値段に換算すると、数億円していたものが、今では数十万円で買えるようになりました。
少し強引すぎますが、新幹線のスピードは10年で何キロ向上したでしょうか、
また、東京大阪間の移動時間はどれくらい短縮されたでしょうか。
あきらかにこれまでの技術進歩とは性質が違っています。
この技術進歩は、今まで不可能だったことを可能にする力を持っています。
「こんなことができたらいい、あんなことができれば」が現実のものになりつつあります。
AIなどは、その例です。
その可能性に気づいた企業は、
情報技術を利用することにより、商売の強みとして、またそれを会社の強みとして、企業競争力を向上させています。
INDEX
1: リストラと情報化2: 米国の情報化投資の考え方
3: 「なぜ」かという追求のために、情報が必要なのです
4: おいしい料理より、いい素材にこだわる情報化
5: 何が障害になっているのか見極める情報化
6: 自分の活動を可視化できる情報化
7: 営業情報は、行動しなければ蓄積はできない
8: 情報化を勘違いしている人
情報化投資は、本来は、リストラと表裏一体で行われるものです。
リストラとは本来、再構築することですが、
日本では、人件費を削減する行為がリストラとされています。
どんな社員でも、いずれは居なくなります。
社員が居なくなっても、情報だけは会社に残す。
その役割を情報化が担っています。
また、人を減らすなら、少ない人数で同じ仕事を回して行かなければなりません。
業務を効率化するか、生産性を向上させるかしなければ、回りません。
その役割を情報化が担っています。
情報化投資は必ず効果が出るということが米国の一般的な企業の考え方です。
現に、米国では不況克服の手段として、リエンジニアリングを行いながら活発な情報関連投資をしてきました。
米国の設備投資の資料をみると、実質設備投資増加額の約7割が情報関連投資で占められていました。
情報化を徹底的に行いホワイトカラーの生産性を向上させることで、米国企業は成長してきたのです。
日本の場合は、経営に情報化を取り入れることを誤解しているケースが多い。
情報化の威力はすばらしいが、それを導入して利益が劇的に増えた話はほとんど聞かない。
それは、多くの企業が情報化を導入しながら、慣れ親しんだ自社のルールを変えないからだ。
「なぜ」という追求の姿勢がないと、改善はできません。
「なぜ」かという追求のために、情報が必要なのです。
そして、情報があるからこそ、次のステップに進むことができるのです。
その情報は電子化されていないかもしれません。
電子化されていなければ、その情報は一部の人にしか知りえません。
その一部の人が、知っている情報だけで判断できる時代は終わったような気がします。
時代が複雑すぎ、かつ変化のスピードも、確実に日々増しているからです。
多くの人が、多くの情報から、正しい判断ができるようにしていく必要があります。
いい素材を手に入ればおいしい料理になる。
誰でもが、美味しいと感じることが出来る。
いわば、報告書は、出来上がった料理です。
各人が、収集した素材を勝手に料理した結果です。
書くことがない、書くことが苦手、そんな中で無理やり報告書を作っても、美味しい料理になるはずがありません。
料理そのものを出すより、素材そのものをあげてもらう。
そして、その素材を全員で料理する。
それが、事実(素材)を中心に情報化する意味になります。
特定の素材しか集まらない情報化
欲している様々な素材が、どんどん消えていく情報化
こう考えると、どういう情報化をしなければならないかも見えてくると思います。
担当者が何が障害になっているのかわかっていれば、それは障害にはなりません。
障害は、担当者が以外の目で確認することが必要です。
つまり、マネジメント側の仕事になります。
そして、障害になっている理由は何か?
その理由が明確になれば、ほぼ解決したようなものです。
本人ではわからない障害が見える仕組みを作ることこそが、企業成長につながるのです。
反省や検証をやりましょうと口で言うことは簡単ですが、
実践しようとおもうと、もっとも難しいことであるということは誰しも認めるところだと思います。
特別な手間を掛けることなく検証をし、それを積み重ねることで、より強い営業担当になるのです。
セルフマネジメントは、身だしなみのチェックに似ています。
鏡を前から横から後ろから眺めるように、自分の活動をいろいろな角度からチェックしてみると、
普段は見えない成功の秘訣や失敗の原因が見えてきます。
最初から教えてくれる情報と、信頼関係が出来なければ教えてくれない情報がある。
顧客の名前から蓄積がはじまり、行動するたびに、情報が増えていく
情報が蓄積されればされるほど、次にやるべきことが見えてくる
情報が増えていかないのは、行動していないから
情報化したからといって、営業が強くなることはない
営業はあくまでも、行動してなんぼである
「当社にはホストコンピュータに顧客データベースがある」とか、
「クライアント・サーバーシステムだから大丈夫」と言う人がいますが、
コンピュータが入っているから情報化が進んでいるという考え方は間違っています。
肝心の「どうすれば売れるか」という話が全く抜けているからです。
コンピュータに情報が溜まっているからといって、それだけでは利益は生み出しません。
営業が情報を活用して、顧客に受け入れられたときに、初めて情報化が達成できていると言えるのです。
つまり情報を実際の営業活動に活かさなければ情報化をしても利益にはなりません。
また、会社にコンピュータがあっても、社員が自由に使えないのであれば、それも情報化が出来ているとは言えません。
従来、ホストコンピュータに代表されるように、コンピュータは情報システム部の厳重な管理のもとに行われ、
個々の営業が自由にアクセスすることはできませんでした。
営業が自由にアクセスできるようにすること、見たいときに、見たいデータが見られる環境にすること、
情報を使う人に使いやすい環境を提供することができていないのであれば、これも情報化が達成できているとは言えません。
情報を必要としている人が、必要なときに情報を活用できる環境を提供することが目的です。
誰もが、欲しい情報を瞬時に手に入れることができる環境を提供することなのです。
あとは、その情報を活用して実際の営業活動に活かすことは営業の仕事になります。