顧客分類と営業スタイル

すべてのお客様に同じ対応しているようであれば、
何も考えていない営業です。


企業は売上ベースで顧客を選別している

売上順位は、過去の結果でしかない。
ここらへんの定義と顧客の選別が曖昧だと、強い会社には成れない。
顧客セグメントをしたら、顧客セグメントごとに営業を変えなければならない。
・将来のために攻めるべき顧客
・売上げをあげるべき顧客
・見切るべき商談客
・アプローチしない見込客
・アプローチせずに受動的にしか対応しない顧客
・途中でドロップした顧客
・完全に失注した顧客(他社に取られた顧客)
・現状維持を死守する顧客(現状が最高の状態の客)


戦略的に安くても受注したい顧客

潜在購買力が高く、将来優良客になる可能性の高い顧客については、
思い切ったチーム営業や赤字でも受注するなど、企業としての戦略的な判断が必要になります。
これが出来るのが強い会社の証です。



思わぬヒントを与えてくれる懐疑者

懐疑客とは、製品の効果や価値に対して疑問を持っているお客様です。
そもそも、疑問がゼロということはありえません。
しかし、デキル営業であれば、全く最初から相手にしないか、もしくは、それらを上手く交わしながら、商談を進めてしまいます。
そのため会社の中には、懐疑客の意見はほとんど蓄積、共有されません。
売上を上げるというセールス的には無視することは正しい判断だが、強い会社作りのためにはこの対応は間違えている。
売上にならなくても、あえてダメ営業が担当して、懐疑客の意見を蓄積する仕組みを作るようにします。


既存客は誰が担当するか?

売上のみが評価対象であれば、アフターフォローは誰もやろうとしない
営業とは違う専門部署がアフターフォローを担当している企業もある

営業は案件を成約させることだけに専念し、ややもするとその後のアフターフォローを怠りがちです。
これは「アフターフォローの活動は評価が難しい」等の事情によるものだと思います。
また、一人の営業が数十から数百の顧客を抱えているとすれば、
その中でフォローしてきれない顧客がどうしても出てきてしまうことは仕方ありません。
これでは、顧客満足度を大きく左右する大切なステージを放棄することになりかねません。
顧客は黙って去っていくものです。
これを効率化するためには、いつ、何をすべきなのか、事前に設計しておくことです。


新規顧客開拓はコスト高

車の場合、取引実績のない新規顧客を開拓するよりも、既存顧客を確実に維持して、
その買い換え需要を狙う方が、一台あたりの販売コストが大幅に下がる(1/5)そうです。
新規顧客を獲得するためのコストは年々増加傾向にあります。
広告費やプロモーション費、新規顧客キャンペンなど莫大なコストが掛けられているのです。
せっかく獲得した顧客もまたすぐに他社に移ってしまっては、新規顧客獲得コストの回収すらできないケースが出てきます。
さらに、新規顧客に資源を割いた分だけ、既存客のフォローが手薄になってしまいます。
既存顧客の方が、新規顧客より適切な情報をより多く入手可能であり、
良好な関係も一から構築するより維持続ける方がコミュニケーションコストも安くて済みます。
多額のコストが掛かる新規顧客の開拓に目を奪われずに既存客から安定した収益構造を作り上げることがこれからは大切です。

◆カード会社のライフタイムバリュー
カード会社は、勧誘したカード会員が、入会から退会するまでの期間の間にどの程度利益を生んでくれるのか測定します。
入会しても使わない会員が多く存在し、入会のためのキャンペーンや懸賞オプションを派手にやってしまうと、
「会員は増えたけど利益はあがらない」深刻な問題になります。
新規会員だけに目をやらずに、既存会員を引き止める、さらにカードを利用してもらうことに事業領域が移動しています。

◆レンタル店の既存顧客維持プログラム
あるレンタル店では、売上データと顧客データから3か月間来店がないと、そのまま来店しなくなってしまうことがわかりました。
新規顧客獲得に多額のコストが掛かっていることから、これでは採算ベースにもっていくことが困難であり、
とにかく、3か月間が空かないように、「過去2か月間来店がなかった会員」に無料サービスのオファーをつけて来店を促進しています。





既存客の拡販余地はこんなにある

営業マンは売ることだけに専念し、購入したあとのフォローをほとんどしません。
これでは、顧客満足を大きく左右する購入後の大切なステージを放棄しているのと同じです。

アフターフォローがきちんとされていれば、既存客の減少を食い止めるだけでなく、顧客のマインドに入り込み、
この信頼性をベースに「再購入してもらえる」「関連商品の提案が行なえる」「競合より優位に進められる」「口コミ・ご紹介により顧客が増える」など
売上アップに直結するのです。
しかも、新規顧客を獲得するために使用される販促コストを掛けることなく、売上げをあげることができるようになります。
企業にとっては最も理想とする姿になります。

では、顧客が喜ぶフォローとはなんでもしてしょうか?


LTV(ゆりかごから墓場まで)

顧客が一生涯に使う金額は決まっています。
どこで使うかで、その取り合いをする戦略になる。
LTVが重視され始めた背景には、競争激化により新規顧客の獲得に要する費用が相対的に高くなりすぎたことにある。
新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの5倍」「売上高ないし利益の80%は20%の顧客によってもたらされている」といった研究もある。
いかに優良顧客の囲い込みを行うかが重要となってくるのである。
たとえば、車の場合、取引実績のない新規顧客を開拓するよりも、既存顧客を確実に維持して、
その買い換え需要をねらう方が、一台あたりの販売コストが大幅に下がる。
折角一度獲得した顧客もまたすぐに他社に移ってしまっては、新規顧客獲得コストの回収すらできない。
新規顧客獲得に資源を割くのではなく、既存客のフォローして、その中で収益最大化を目指した方がいいという考え方になる。
・スーパーマーケットが金融サービスを始めたり
・自動車メーカが、新車販売より、アフターサービスに力を入れたり
・マンション業界も、販売よりメンテナンスやフォローに力を入れたりと、生涯にわたって、
ビジネスを仕掛けていくという観点から見ると、実に、さまざまなビジネスチャンスがころがっています。
それを拾えるかどうかはリレーション次第で、そのためにも、既存客を手厚くフォローしていくという流れが出た。
なお、次々にビジネスを仕掛けていくリソースがない。
そのようなビジネスでない場合は、やっぱり新規顧客獲得のまま。



いつまでも顧客でいてくれる保証はどこにもありません

いつまでも顧客でいてくれる保証はどこにもありません。
「欠陥商品」「対応の遅れ」など、顧客の不信感を引き起こす要因がなかったとしても、顧客は自然と減少していくものです。
経営学者ヒューズの調査によると次のような結果になります。
・1年後50%の顧客が残る
・2年後残りの55%の顧客が残る
・3年後残りの60%の顧客が残る
つまり、100人の顧客がいても、3年後は16人程度の顧客しか残っていないことになります。


企業に不満を抱いた顧客の行動

・あら捜しをはじめる
・隣人に不満をいう
・第三者に不満をいう
・当該企業に不満をいう
当該企業に不満をいう人は4%に満たないという調査があります。
つまり、96%の人は企業に知らぬまま、負のセールスをしてくれます。


スイッチング・コストを意識するのは、購入後

同じサービスを受けるのに、今より高いコストを支払わなければならないのであれば、他社には乗り換えることはしません。
逆に、今より低いコストで同じサービスを受けることができるのであれば、他社に乗り換えます。
スイチング・コストを高くするということは、同じコストでは、これ以上のサービスは受けられないと顧客に思ってもらうことです。
その重要なステージがアフターフォローやクレーム対応になります。


アフターフォローで顧客の信頼を勝ち取る

アフターフォローがされない理由は、
「アフターフォローは自分の成績に反映されない」「新規顧客獲得が命題であり、既存顧客まで時間が取れない」など
構造的な問題もありますが、一人の営業マンが数十から数百の顧客を抱えているとすれば、
その中でフォローしてきれない顧客がどうしても出てきてしまうことは仕方ありません。
アフターフォローが効率的できる仕組みが必要で、
その仕組みの有無により、アフターフォローからの収益構造が異なってきます。

たとえば、アフターフォローの項目を事前に登録しておけば、自動的にやるべきことをシステムが知らせてくれますし、
そこで行われた内容をそのまま残すことができます。

さらに、1歩進めて、購入後の疑問や不満がゼロということはありえませんので、
タイミングよくその状況を確認出来れば、
顧客から信頼を得ることができ、
事前に相談を持ち込まれるようになったり、顧客が顧客を紹介してくれるようになります。

◆ある家電販売会社のアフターフォロー
保証期間が切れる前に、「いついつに保証期間が切れますが、何か故障等はございませんか」という電話を入れます。
ポイントの有効期限が切れる前にメールを入れます。
効果を追求するとなるとちょっと疑問ですが、やらないよりはやったほうがいい。
これらの作業はコンピュータがないと出来ないです。

◆通信教育の教材販売会社
ホコリをかぶってしまうことが多いのが通信教育の教材ですが、ある教材販売会社では、年に5回程度フォローの電話を入れます。
そのときに「前回は仕事が忙しくて、勉強する時間がとれないとおしゃっていましたが、その後。
お仕事のほうはどうですか」と前回話した内容を踏まながら、フォローしています。
前回の話の内容をきちんと管理しているからこそ、できることです。


クロスセルを実現するために

新商品が出たとしても、すべての既存顧客がその新商品を望んでいるとは限りません。
その新商品を最も望んでいるであろう既存顧客を知ることが大切です。
そのためには、商品を購入してくれる可能性の高いところを分析して、「売れそうなところに積極的に営業をかける」「関連商品の提案を行う」など、
情報を活用することにより、今までのような均一的な営業から、目的ごとに特化した営業ができるようになります。

◆きめ細かい通信販売会社のサービス
ある通信販売会社は、総合カタログでスポーツ用品を買って頂いたお客様に、
スポーツ専用カタログを送付することで、再度スポーツ用品の受注に繋げることに成功しています。


既存顧客に対する営業メリットはこれだけある

・新規顧客に比べて、すでに顧客の状況を知っている
・新規顧客に比べて、アポがとりやすい
・新規顧客に比べて、さらに情報が入手し易い
・新規顧客に比べて、こちらの都合で動きやすい
・新規顧客に比べて、コミュニケーションのコストを低く抑えられる
・新規顧客に比べて、事務コストのコストを低く抑えられる

継続的に売上をあげることで、安定した収益構造を作るためには、これらの条件を無駄にする理由はどこにもありません
しかし、既存客への対応は意外に行われません。
それは、インセンティブの問題や組織の体制の問題があるからです。


アフターフォローとクレーム対応

クレームは避けられません。
但し、如何に対応するかで顧客満足は変わります。
ただ、やりがたる人は稀です。

顧客主導で事が進みます。待ってくれません。
クレームを言ってくるときは、顧客は怒っています。
一度怒ってしまうと、直接的な理由だけでなく、間接的、感情的なものが含まれてしまいます。
最悪の場合は、SNSで拡散されてしまうこともあります。
悪質なクレーマーも含まれます。
単に平謝りするしか方法がない場合も多いです。
解決できたとしても、売上には貢献しません。
うまくクレーム対応できたとしても、評価されません。
対応を間違えると、会社の致命的なリスクを負うことにもなります。
同じようなクレームが来ても、社内で根本的な解決をすぐに出来るようになることもありません。
該当する社内担当者はクレーム担当者と同じ危機感を感じて対応してくれません。

いわば、会社の構造的な問題をすべて含んでいるのがクレーム対応です。
個別の担当者に任せる問題ではありません。


トラブルやクレームは営業だけに任せない

すぐに対応するのは営業の仕事ではあるが、クレームを営業だけで片付けてはいけない。
組織の連携が必要で、組織対応は、会社対応であり、
顧客にとってはなによりよいアピールにになる。
そして、それは更に深い信頼関係につながっていく。

また、顧客満足や信頼感が変化するのは、クレームに対する対応時である。
クレームを如何に対応するかで顧客満足は大きく変わる。


電子メールで変わった顧客窓口

顧客側からもアクセスしやすくなった
ちょっとクレームをつけたくなっても、電話だと、相手がでるから文句を言いにくいし、そのうち何もせずに終わってしまう人が多いです。
それが電子メールになると、ある種の匿名性も手伝って、発言しやすくなり、
今まで寡黙だった顧客が発言する顧客に変わってしまうことが報告されています。
これから迎える本格的なネット社会に向けて、クレームをはじめ、しっかり顧客対応ができる体制を作っておくことが必要です。

黙って去っていく休眠顧客

いつまでも顧客のままでいてくれる保証はどこにもありません。
特別な要因が無かったとしても、顧客は自然と減少していくものです。
たとえば、経営学者ヒューズの調査によると次のような結果になります。
1年後50%の顧客が残る2年後残りの55%の顧客が残る3年後残りの60%の顧客が残るつまり、
100人の顧客がいても、3年後は16人程度の顧客しか残っていないことになります。
休眠顧客はフォローするだけで、大きく成果が変わるものです。
また、デキル営業は、このフォローを忘れません。
社内で休眠顧客の定義を決め、デキル営業が担当していないところをフォローしていく、仕組みを作るようにします。

没客の洗い直し

継続的にアプローチすることで、駄目だと思っていた没客を顧客に変えることができます。

没客を顧客に変えるタイミング

新規顧客開拓では、断られることから始まります。
断られる原因は、「必要がない」「商品(機能)が十分でない」などいろいろ理由がありますが、見逃している理由に、「今はいらない」というものがあります。
魅力ある商品であるにも関かわらず、予算などタイミングの問題で、「今は購入しない」という結論が出されることです。
では、何時ならば予算が取れるのか、そこを聞き出すことが重要になります。
購入には必ずタイミングが存在します。
夜中にこども番組を放送しても誰も見ないように、タイミングを逃した営業は全く意味がありません。
しかし営業では、このようなことが日常茶飯事に行なわれています。
急いでいるときに、のろのろ対応していてはだめですし、逆に急いでいないのに、せかしてもだめです。

これは、すぐには商売にならない見込客という位置づけになります。
その見込客に対して、どのように継続的に営業をしていくかです。
たとえば、そのような見込み客が100件あったとして、
日常の営業をやりながら、管理しつつ、アプローチできるものでしょうか?
できる営業はいるかもしれませんが、そこに期待するの企業としては失格です。


顧客のベスト購入タイミングを常に意識して営業をする必要があります。
たとえば、コピー機の営業であれば、リースアップ時期が商談のベストタイミングになります。
そのため、リースアップ時期を知ることが営業の重要な仕事になります。
リースアップ時期がいつなのかを聞き出し、その情報を登録することにより、リースアップ時期が到来するころに、本格的な営業活動を開始します。
このように、売上げをあげるために、要因となるタイミングを考え、情報を積極的に収集することで、生きた商談が増えます。
しかも、顧客が真剣に検討し、情報を欲しているときですから、情報提供すること(営業すること)は顧客から望まれていますし、
必要とされる存在になることができます。
このように必要な情報を聞き出し、継続的にアプローチしていくことで没客を顧客に変えることができます。

ただし、必要以上に手間や時間をかけていてはいけません。
コストを極力減らすようにしなければなりません。
というのも、折角聞き出した情報も、時が経てば忘れてしまいます。
また、担当者が辞めてしまえば、そのような情報はどこにも残っていません。