営業DXによるカルチャーとモチベーション

企業の教育目的の大部分がモチベーションに向けられていますが、
情報化とモチベーションの関係は、どうなるのでしょうか?
動物は、同じことで再生産を繰り返しています。
人間は、変化をしながら再生産を繰り返しています。
変化の担い手はカルチャーであり、
カルチャーは継承するものでもあり、パラダイムシフトをもたらすものでもあります。
・企業カルチャーが情報化を作るのか?
・情報化が企業カルチャーを作るのか?
・モチベーションがカルチャーを作るのか?
・カルチャーがモチベーションを作るのか?

INDEX

1: 大切なのは、ルールではなくカルチャー
2: 権限よりチャンスを望む
3: カルチャーを作るための投資
4: 誰でも勉強しているはず
5: 昔ながらの教育とは、決別する
6: デキル営業を教育係から解放してあげること
7: 高速道路学習理論
8: 価値のある情報は営業によって違います
9: 大切なのは、知識ではなく、考えること
10: 情報リテラシー教育に重点を移す

ルールは従うものであって、従っている限り、怒られることはありません。
しかし、それは、受身そのものであって、目指すところではないです。
また、今の時代、長く使えるルールを正確に作ることは難しいはずです。
時代とともに、どんどんルールを変えていかなければなりません。
長く使えるもの、変わらないものは、ルールではなく、カルチャー、組織文化です。
また、ルールはカルチャーから生まれてものであると言ってもいいです。
カルチャーは文化であり、伝統であり、市場が変わっても普遍性が高いものです。
また、強い会社はルールで働いていません。
仕事の質を落とさないように努力するカルチャーなら、残業や休日出勤も厭わないのがカルチャーです。
しかも残ったわずかなプライベートな時間さえ、新しい技術や製品の勉強に使っています。
これは、ルールではなく、まさにカルチャーがなせる技です。
また、間違いを、こっそり葬ろうとするのが、人間の常です。
間違いを学びあい、反省する。
これは、ルールではなく、カルチャーでしか実現することはできません。

並の部下は、昇進と昇給のために、より多くの権限を欲しがります。
しかし本物の部下は、自分の能力の高さを証明するために「チャンス」を欲しがります。
そして、自分に対して、高いハードルを設定します。
チャンスが得られれば、社員は仕事にチャレンジするようになります。
ひとつ上の視点で仕事をします。
担当ならリーダ、リーダならマネージャーというように、ひとつ上の視点で自分の仕事を見るきっかけを作ります。
ハードルが高くてもやらされ感がなく、他からの強制でなく、自分の意思で自主的に動きます。

営業に売上以外のカルチャーを作る。
カルチャーとは、営業をよい状態に保つため仕組みです。
組織をよい状態に保つ、さらには企業をよい状態に保つための投資です。
カルチャーを作るためには、
失敗コストを許容することです。
意味のある失敗をたくさん作ることです。
そこに投資することです。
つまり、チャレンジさせることです。
もう一つは、長期のビジョンを達成するための営業活動コストの許容することです。
目先の売上にならない営業活動を許容することです。
これが、カルチャーへの投資であり、営業価値への投資になります。

やっぱり日本人は勤勉なんだと思います。
先日、スタバで、一見勉強しそうもない若いヒトが、「ホールセールス」の本を読んでいました。
いわゆる勉強をしているわけです。
少し驚いたんです。でも当たり前だよな。
何もしらなければ、仕事が出来ないもんな~
それともお店の決まりで、読んでいるのかな~
先輩から言われたから読んでいるのかな~
自ら必要性を感じて読んでいるのかな~
どのような理由かによって、本気度は違うと思いますが、
しかし、いずれにしろ、勉強しているのは事実です。
ダメと言われている営業だって、陰で営業の勉強しているわけです。

企業の教育といえば、マニュアル化、集合研修ですが、
これは、短時間に社員を均一化することに目的に行われてきました。
高度経済成長時代に適した手法であり、
今の時代では、同じような均一社員を大量に作っても全く意味がありません。
また、OJT(On the Job Training)というものもありますが、
教える側も、専任というわけではなく目先優先課題を抱えており、
忙しく、充分に時間を取ることが出来ないのが中で、個人任せの不明確な制度です。
また、売る技術は一流でも、教える、指導する技術は別もので、
OJTだけに頼っているだけでは、未来のある会社は出来ません。
今すべき教育は、
お客様から直接聞く要望や要求です。
お客様に直接あって、直接話を聞くことです。
いろいろなお客様が居ます。
あるお客様がAが良いと言っても、別のお客様はAはダメだといいます。
混乱します。
そして、それを考えるのです。
真剣に考えて答えを出す機会をたくさん作ることです。

デキル営業を、出来ない営業の教育係をして売上アップを目指すより、
売上を上げるための注力させてあげることです。
直接売上を上げてもらった方が、全体最適化になります。

ネット時代は、情報が豊富にあるので、
やる気をだせば3ヵ月で3年の経験が得ることができます。
しかし、出口近くで、渋滞にはまります。
なかなか、出口から出れません。
つまり、学習したことで、売上を上げることや、具体的な成果を出すことができないです。
そこで止まっている人がたくさんいます。
これが、いわゆる高速道路学習理論です。
ネット上に営業ノウハウがたくさん公開されています。
しかし、それは幻想にすぎません。
自動車免許であれば、学科と実地教習があるように、やはり実地が必要です。
直接触れたり、実際にやって見たりして、得た知識や技術しか役立たないもです。
ましてや、数学と違って経営や営業には答えがありません。
さらに、お客様のニーズは多種多様、且つ高度化してきます。
お客様の置かれている状況により答えが違います。
答えのないものを学ぶということはどういうことか。
実際にそれを試してみて、そこで何を感じるか、体で感じることです、
そして、育てるとは、教えずにわざと失敗させることです。
失敗から学べることは、メソッドや知識ではなく、
なぜという思考プロセスの習得です。
なぜ、失敗したのか、それを考える思考力です。
その思考プロセスは、実際に失敗しながら、経験することで、身につくものなのです。

価値のある情報は営業担当によって違います。
ノウハウと呼べないささやかな知識であっても、人によってはそれが意外に価値があります。
特に新人にとっては、見るものすべてがすごい情報になるに違いありません。
上司から情報を与えられるのを待っているのではなく、自ら情報を取捨選択しながら、学ぶことができます。

日本人は勤勉です。
誰でも勉強しています。
勉強しなければ仕事になりません。
常に努力しているのです。
しかし、勉強しているだけでは収益になりません。
これはひとえに、その勉強の中身が知識のインプットになっているからです。
普遍的な営業手法やノウハウなどは、世の中に存在しないにも関わらず、
また、知識だけでは対応できないことがたくさんあることに気づいてないのです。
これから時代、重要なことは、知識ではなく「考えること」です。
物事を徹底的に考えること、考え方、思考法を身につけることです。
「なぜ」という思考プロセスを習得することです。
知識の習得に時間を費やすのではなく、考えることに時間を費やすのです。
その考える時間を、実際の仕事上で経験できるような仕組みを作るのです。

情報リテラシーとはパソコンの操作を知っていることではありません。
情報の読み書き能力のことです。
情報をいかに自分の仕事に取り入れて活用するか?です。
・大量の情報を消化しきれない
・重要な情報がどれだかわからない
・情報を自分の仕事に活かす方法がわからない
・その情報が持っている意味がわからない
まずは、これらの疑問に対して、情報に触れながら考えることから始めることです。
そして、自分の仕事に役に立たない情報であれば、
その情報は使わないという判断ができるになることです。