ボラティリティ、モメンタム分析(勢い)

ボラティリティ、モメンタム

価格の振れ幅、さらに、その強さを分析するもの

標準偏差を用いて計算される

ボラティリティーは限界効用とみなされ、利幅の最大効率化を図る指標してプロは重視している。

プロは各種商品や銘柄を相対比較しながら、選定するために、標準偏差など統計手法を用いる。

なにより、プロにとっては、ボラティリティーが利益の源泉であり、ボラティリティーが無い世界では活動できない。

オシレータ分析とモメンタム分析の違い

共通点

- 両者とも価格の動きや勢いを分析するテクニカル分析の手法です。

- トレンドの強さや方向性を判断するのに役立ちます。

オシレータ分析

- 価格の振動や周期的な動きに焦点を当てます。

- 一定の範囲内(通常0から100の間)で上下に振動する指標を使用します。

- 買われ過ぎ(overbought)や売られ過ぎ(oversold)の状態を識別するのに適しています。

- 例: 相対力指数(RSI)、ストキャスティクス、ウィリアムズ%R

モメンタム分析

- 価格変動の速度や勢いに焦点を当てます。

- 通常、上昇または下降トレンドの持続性を測定します。

- 例: 価格モメンタム指標、移動平均収束拡散指標(MACD)

主な違い

表示方法:

- オシレータ: 固定された範囲内(多くの場合0-100)で振動します。

- モメンタム指標: 通常、ゼロラインを中心にプラスとマイナスの値を取ります。

解釈:

- オシレータ: 過買い・過売りの状態や、潜在的な反転点を示します。

- モメンタム: 主にトレンドの強さと方向性を示します。

適用場面:

- オシレータ: レンジ相場や、トレンドの転換点を探る際に特に有用です。

- モメンタム: トレンドが明確な市場で効果的です。

シグナル生成:

- オシレータ: 特定のレベル(例:RSIの70や30)を超えた際や、ダイバージェンスの形成でシグナルを生成。

- モメンタム: ゼロラインのクロスや、モメンタムの増減などでシグナルを生成。

時間枠:

- オシレータ: 短期から中期の分析に適していることが多い。

- モメンタム: 中長期のトレンド分析に適していることが多い。

ボラティリティチャネル

ティピカルプライス(TP/Typical Price)を用いた値から上下ラインを求めたバンド系のインジケーター。

計算方法

TP = 高値+安値+終値 ÷ 3
HL = TP × 2 - 高値
LL = TP × 2 - 安値
UPPER BAND = HLのn日最大値
LOWER BAND = LLのn日最少値
nは任意で設定します。

HV ヒストリカル ボラティリティ

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは過去の一定期間のボラティリティのことで過去の株価データを使用して計算される標準偏差です。

期間内の値動き幅が大きければヒストリカル・ボラティリティは高くなり、逆に値幅が小さければヒストリカル・ボラティリティも低くなります。

銘柄の性格として、ヒストリカル・ボラティリティが高い、低いがあり、「ボラティリティが大きい」ければ値動きが大きくてレンジが広い銘柄ということになります。

ヒストリカル・ボラティリティが下がってくれば、相場に力が溜まってきていると見なされて、買うためのタイミングを計る指標として使うことができます。

ATR (Average True Range)

ボラティリティを数値化した代表的な指標はワイルダーが定義した「トゥルーレンジ」

ワイルダーのATR(TRの平均)を用いて価格の変動幅を検出する指標。

期間内の最大レンジトゥルーレンジの移動平均を使って描かれた上部と下部の2本線のバンド指標で価格の変動性をトレードの判断に反映しようとしたインジケーターです。

価格が上下それぞれのバンドを超えたら過熱してきた、あるいは売られすぎたと判断して逆張りのシグナルとして用います。

但し強力なトレンドが発生すると過熱シグナルが連続し、判断不能な状態が続きます。

計算方法

一定期間の終値の最大値・最小値にATRを基にして求めたバンド幅を加減したラインを引きます。

ボラティリティレシオ=TR÷過去n日のTRの指数平均
UPPER BAND = n日間の終値の最高値 + (ATR × bw)
LOWER BAND = n日間の終値の最安値 - (ATR × bw)
n,bwは任意、bw(ハンド幅)は2.0~2.9が多く用いられる

スクイーズ

定幅バンドと標準偏差バンドの組合せで標準偏差の収束と拡散を視覚化した指標。(ボリンジャーバンド)

バンドが拡張した状態は「エクスパンション」と言い、「スクイーズ」は、標準偏差バンドの幅が小さくなったボラティリティの低い状態を意味します。

このスクイーズからエクスパンションに移るところを、ブレイクアウトと言います。

スクイーズ・インジケータは(ダマシなしで)ボラティリティ・ブレイクアウトを経過すると、トレンドが発生して一方向に動くようになります。

この時の価格は、ボリンジャーバンドの外側(上昇なら上側・下降なら下側)のラインに沿った動きで、これをバンドウォークと言います。

モメンタム(Momentum)

方向性や勢いを分析しようとしたもの。

相場では、勝ち馬に乗って儲けるという考え方

大口が、赤信号みんなで渡れば怖くない的な動きをするようなイメージ(過熱が続く)

数値で表し、差が大きいければ勢いがあると判断する。

レシオケータ―

モメンタムを用いて銘柄同士の優劣を比較する指標。

たとえば、日経平均を基準にして、個別銘柄の株価との乖離率を見ることで、銘柄が置かれているポジションがわかります。

もし日経平均株価が25日で10%上昇していたとして、10%以上上昇している銘柄、10%以下の銘柄に分類したり、ファンドの成績が10%以下なら、日経平均以下のパフォーマンスを出せないからダメじゃんになる。

ROC(Rate of Change)

ROCは一定時間における株価の変化率を表すオシレーター系のテクニカルインジケーターです。

前日以外の終値との変動率をモメンタムで表わした指標。

前日比較は意味がないから、数日前に比較をするという発想。

当日終値÷N日前の終値×100
(当日の終値 - n日前の終値) ÷ n日前の終値 × 100

エドウィン・コポック

月足を指標としてモメンタムを見る長期投資用のインジケータです。

エドウィン・コポックは人間が肉親の死の悲しみから立ち直る期間と投資家が暴落から受けたショックから立ち直る期間は同程度とみなし、このくらいの期間があれば、乱れた市場心理がフラットになるとして11か月とか14か月と言う数字をあげています。

確かに、大損した投資家は、二度とやらないのではなく、再び市場に戻ってくるらしいです。(証券マン談)