バンド系指標 (値動きの幅)
バンド系とは
CENTER LINEを移動平均で引いて、その上下に、なんかしらの定義をしてUPPER BANDとLOWER BANDを引くと、
それぞれのインの間がバンド(幅)になり、現在の価格がどの位置にいるのかわかる。
バンドを2本ではなく、5本とか引くものもある。5本だど、イメージは天井線、抵抗線、移動平均、支持線、底線になる。
また、移動平均ではなく、トゥルーレンジ(ATR)など、ラインの値を何に設定するのか?いろいろな定義がある。
計算に係数を加味する方法や1日単位ではなく、過去分の平均を使うことで、バリエージョンが出てくる。
使い方としては、上方バンドを突き抜けたら買い、下方バンドを下抜いたら売りになる。
バンド系は、構造上、ボックス相場以外ではあまり意味を持たないと言われている。
しかしながら、ターム(期間)を変えてみると、極端に言えば、上場日から現在までの期間を設定すれば、すべての値動きはボックス相場とも言える。
ボックスをブレークすれば、新たなボックスが生成される。その繰り返しが相場になる。
ボリンジャー バンド
ボリンジャーバンドは標準偏差で価格と捉えたものになります
標準偏差は、68.26%という分布内で価格が動くという想定しています。
そして、それを超えたら過熱。そして、過熱したら収束すると考えます。
計算方法
- UPPER BAND = CENTER LINE + n日間の標準偏差(Σ) × i
- CENTER LINE = n日間の移動平均
- LOWER BAND = CENTER LINE - n日間の標準偏差(Σ) × i
- n,iは任意に設定できます。nは25,iは2を用いるのが一般的です。
ベター ボリンジャー バンド
ボリンジャーバンドは、標準偏差内で価格が動くことを想定しているため、現在値が最高値や最安値の水準に達した場合は機能しない。
過剰な振幅やダマシを改良し、より平滑な上下ラインとしたバンドを使うもの。
この手の数字をやりくりする方法論は、根拠やエビデンスがなく、用途が限定され、あまり意味がない気がする。
アクセラレーション バンド
なぜ、乖離が起きたのか、それは続くのか?そこが重要な判断ポイント。
乖離率が高ければ勢いがあるとも捉えられし、収束に向かうとも考えられる。そこが相場の一番難しいところ。
高値と安値を用いて価格変動率を求めて、移動平均線の上下に乖離ラインを描画したバンドインジケーターです。
計算方法
- 高値 - 安値の変動した分を、 ((高値 + 安値) ÷ 2))で割ることで、価格変動率が出る。
- UPPER BAND = {(1 + i × (高値 - 安値) ÷ ((高値 + 安値) ÷ 2)) × 高値}のn日単純移動平均
- CENTER LINE = (UPPER BAND + LOWER BAND) ÷ 2
- LOWER BAND = {(1 - i × (高値 - 安値) ÷ ((高値 + 安値) ÷ 2)) × 安値}のn日単純移動平均
- n、iは任意で設定しますが、iは2が一般的です。
アダプティブ プライスゾーン
平滑化された移動平均によって値動きへの追随性を高めたバンド系のインジケーター。
追随性とは、個別の株価が市場全体の動きに追随する傾向やセクター内の株価が似たような動きをすることです。
平滑化によって騙しを排除できるので、価格変動への追随性の精度を高め、インジケーターへと工夫したものになります。
計算方法
特殊な定数で求めた指数移動平均をさらにもう一度指数平均を使って平均化したものを元にして、これに中値の指数移動平均の指数平均を使って求めたバンド幅の係数を使って上下のバンドを描きます。
- UPPER BAND = CENTER LINE + e × bw
- CENTER LINE = 終値の2重指数移動平均の指数平均
- LOWER BAND = CENTER LINE - e × bw
- 平滑化定数 α = 2 ÷ (iの平方根 + 1)
- bw = (高値 - 安値)の指数移動平均の指数平均
- e,iは任意の値ですが、リーブファースによってeは1.8、iは65が推奨されています。
- 指数移動平均の初期値はすべて終値をとるようです。
ドンチャン チャネル
過去一定期間の最高値、最安値から上下ラインを求めたバンド
高値・安値が更新されるたびにバンドのレベルが更新されてゆくもの
これは過去40日のHLバンドと過去20日のHLバンドを併用した順張り手法で、エントリーやエグジットのシグナルとします。
計算方法
- UPPER BAND = 直近n日の最高値
- LOWER BAND = 直近n日の最安値
アジャスタブル バンド
高値安値にATRを加減して上下ラインを求めたバンド系のインジケーター。
ATRを2日間で動いた価格幅として考えたもの。
ポジションを閉じる基準(クローズポジション)、完全撤退するインジゲーターとして利用される。
計算方法
一定期間の最高値からATRを引いた値の最小値、一定期間の最安値にATRを加えた値の最大値を用いてバンドを描きます。
- UPPER BAND = (安値のn日間最安値 + n日ATR)のm日間最大値
- LOWER BAND = (高値のn日間最高値 - n日ATR)のm日間最少値
- n、mの値は任意で設定します。
エンベロープ
基準線となる移動平均線を求め、その上下2本ずつの線を描く合計5本の線で構成します。
3本ではなく5本にすることで、小さなアラートがたくさん作れることになります。
上下に新しいラインを引くことで、最終ラインとしてクローズ、手仕舞する指標になります。
計算方法
移動平均は単純移動平均以外のものを用いる場合もあります。
- CENTER LINE = n日移動平均
- UPPER BAND2 = CENTER LINE × (1 + i ÷ 100)
- UPPER BAND1 = CENTER LINE × (1 + 2 × i÷100)
- LOWER BAND1 = CENTER LINE × (1 + 2 × (-i) ÷ 100)
- LOWER BAND2 = CENTER LINE × (1 + (-i) ÷ 100)
- n、iは任意で定めるものですが、nは25、iは3あるいは5が良く使われます。
ケルトナー チャネル
多くのバンドなどの中心線となる移動平均線が終値ではなく、ティピカルプライス(高値・安値・終値の平均値)を使います。
通常はバンドブレイクで順張り方向にエントリーのタイミングとして使用します。
計算方法
- TP = (高値 + 安値 + 終値) ÷ 3
- CENTER LINE = TPのn日単純移動平均
- bw = 高値 - 安値のn日平均
- UPPER BAND = CENTER LINE + bw × 1.5
- LOWER BAND = CENTER LINE - bw × 1.5
- n日数は任意
スタークバンド
TR(トゥルーレンジ)によるチャンネルラインをボリンジャーバンドと同様に使う事で相場への即応性を重視したバンド系のインジケーター。
使い方や目的はボリンジャーバンドと同じとされています。
ボリンジャーバンドではサンプル計算期間に20日程度が良く用いられますが、スタークバンドでは6日と言ったより短い期間の平均を用いることで、よりレスポンスの早い指標を想定しています。
計算方法
単純移動平均線を引き、バンド幅はATRを用います。
バンド幅の計算に使う係数は2です。
ちなみに、この係数 2を1.618、2.618、4.236に置き換えて、それぞれ上下3本ずつ線を引いたものをフィボナッチボリンジャーバンドになります。
- bw = n日ATR
- UPPER BAND = CENTER LINE + bw × 2
- CENTER LINE = n日単純移動平均
- LOWER BAND = CENTER LINE - bw × 2
- nは任意
ウィルソン レラティブ プライス チャネル
RSIの平均値を加重して求めた四本のラインを用いたバンド系のインジケーター。
UPPER1とLOWER1のそれぞれ外側は買われすぎや売られすぎのオーバーゾーンを明確に定義します。
計算方法
RSIの移動平均値を加重値として終値に加味して四本のバンドを描きます。
- ra = n日RSIのm日指数移動平均
- UPPER BAND2 = 終値 - 終値 × (ra - a) ÷ 100
- UPPER BAND1 = 終値 - 終値 × (ra - b) ÷ 100
- LOWER BAND1 = 終値 - 終値 × (ra - c) ÷ 100
- LOWER BAND2 = 終値 - 終値 × (ra - d) ÷ 100
- n,m,a,b,c,dは任意、N=34,M=2,a=70,b=55,c=45,d=30がそれぞれレオン ウィルソンの推奨値です。
標準偏差とは
標準偏差は、データセット内の値がどの程度平均値から離れているかを示す統計で、データのばらつきを測る指標として広く使用されています。
標準偏差の計算:
- データセットの平均値を計算する
- 各データ点と平均値の差(偏差)を求める
- 偏差を2乗する
- 2乗した偏差の平均を計算する
- その平方根を取る
s = √[ Σ(x - μ)² / (n - 1) ]
- s: 標準偏差
- x: 各データ点
- μ: データセットの平均値
- n: データ点の数
- Σ: 総和(合計)を表す
計算過程う:
2, 4, 4, 4, 5, 5, 7, 9
●ステップ1: 平均値(μ)を計算する
(2 + 4 + 4 + 4 + 5 + 5 + 7 + 9) ÷ 8 = 40 ÷ 8 = 5
●ステップ2: 各データ点と平均値の差(偏差)を求め、2乗する
2: (2 - 5)² = (-3)² = 9
4: (4 - 5)² = (-1)² = 1
4: (4 - 5)² = (-1)² = 1
4: (4 - 5)² = (-1)² = 1
5: (5 - 5)² = 0² = 0
5: (5 - 5)² = 0² = 0
7: (7 - 5)² = 2² = 4
9: (9 - 5)² = 4² = 16
●ステップ3: 2乗した偏差の合計を計算する
9 + 1 + 1 + 1 + 0 + 0 + 4 + 16 = 32
●ステップ4: ステップ3の結果を(n-1)で割る
32 ÷ (8-1) = 32 ÷ 7 ≈ 4.57
●ステップ5: 平方根を取る
√4.57 ≈ 2.14
平方根とは、ある数を2回掛け合わせたときにその数になる値のことです。例えば、9の平方根は3です。
計算途中で2乗したから、平方根でもとに戻す。
したがって、このデータセットの標準偏差は約2.14となります。
実際のデータ分布:
このデータセットは比較的小さな範囲(2から9)に分布しています。
標準偏差2.14は、このデータの範囲(7)と比較すると、中程度のばらつきを示しています。
- 平均(5)±1標準偏差(2.14)の範囲:2.86から7.14
実際のデータでは、8個中6個(75%)がこの範囲に入っています。
- 平均±2標準偏差の範囲:0.72から9.28
実際のデータでは、8個全て(100%)がこの範囲に入っています。
標準偏差は約2.14の意味
標準偏差が約2.14という結果の意味を、先ほどのデータセットのおける意味は、このデータセットの値が平均値(5)から平均して約2.14単位離れていることを示しています。
正規分布による解釈
- データの約68%が平均±1標準偏差の範囲内(2.86から7.14の間)に入ります。
- データの約95%が平均±2標準偏差の範囲内(0.72から9.28の間)に入ります。
偏差値では、平均が50にして、
-偏差値40〜60に属する人は、全体の約68.3%
-偏差値30〜70に属する人は、全体の約95.5%