オシレータ系(過熱感)

オシレータ系(Oscillator)

オシレーターとは「振り幅」で、「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を示すテクニカル分析手法です。

多くはパーセントで表示され、一定の幅の中で振幅するように作られています。インジゲータとしてわかりやすく機能します。

ブレイクは、心理的節目と捉えられ、新たなトレンドが発生したと認識されます

上昇トレンドで、数値が上昇し、下降トレンドで数値が下降します。

オシレータの張り付き現象

オシレータでは計算対象期間の最高値を更新している場合は、実際はさらに上昇しているにも関わらずインジケータは100%に張り付いたままの状態になり、機能しなくなります。

究極のオシレータ

オシレータは設定期間を短くすると反応は良いのですが、直近値が期間の値幅に収まらない可能性が高くなりダマシなどが出やすくなるなど、構造上の宿命を持っています。

ダマシの軽減のために長期、中期、短期の三種類の計算期間の異なるオシレータを合併した定番のインジケーター。騙しを排除するためには、長期と中期を取り入れるという考え方になっている。これは、騙しは短期が前提になっている。

計算方法

BPは直近安値に対する買い圧力(Buying Pressure)
 BP=終値-TL
TRトゥルーレンジで割ると言う方法で期間の違う三種の騰落率を求めます。
 SR=7日間のBPの合計÷7日間のTRの合計
 MR=14日間のBPの合計÷14日間のTRの合計
 LR=28日間のBPの合計÷28日間のTRの合計
これを期間の短い順に加重をかけて百分率にします。
 UO={(SR×4+MR×2+LR×1)÷(4+2+1)}×100
SPは売り圧力(Selling Pressure)は、SP=TH-終値で求めます。

ストキャスティクス

一定期間の最高値と最安値、現在の値動き対比から売られすぎ、買われすぎを判定する定番のインジケーター。

一定期間(一般的に9日)の高値、安値と、当日の終値との対比で計算され、反応の早い「%K」と、それに遅行する「%D」という二本のラインの水準やクロスの仕方から、割高、割安など売買タイミングなどを判断します。

計算方法

%K={(当日終値-n日間の最安値)÷(n日間の最高値-n日間の最安値)}×100%
%D={(当日終値-n日間の最安値)のm日合計÷(n日間の最高値-n日間の最安値)のm日合計}×100%
Slow%D=%Dのm日単純移動平均。
%は、パーセントの接頭語
nは、14、9、5など、mには3がよく使われます。

シグナルの読み方

%Kが100%に近いほど、現在のレートは買われすぎ、0%に近ければ近いほど売られすぎと判断し、70%~80%以上を買われすぎゾーン、30%~20%以下を売られすぎゾーンとするのが一般的です。

ストキャスティクスRSI

RSIが一定期間の値上がり幅(陽線)と値下がり幅(陰線)の比率から売られすぎ買われすぎを判断するのに対して、ストキャスティクスは一定期間の最高値と最安値の比率から同様の判断をします。

計算方法

日経平均だと、影響力がでかい銘柄に影響される

RSI=n日間の値上がり幅平均÷(n日間の値上がり幅平均 + n日間の値下がり幅平均)×100
%K={(RSIの現在値-n日間のRSIの安値)÷(n日間のRSIの高値-n日間のRSIの安値)}×100
%D={(RSIの現在値-n日間のRSIの安値))のm日合計÷(n日間のRSIの高値-n日間のRSIの安値))のm日合計}×100

RSI(相対力指数)とは

RSIは相場のトレンドの過熱感過剰な下落感を検知し、それを持ってトレンド転換のモメンタムの指標です。0-100のインジゲーターになる。

計算方法

n日間の価格変動を計算(終値ベースで前日と比較して絶対値で計算)
価格変動を上昇幅と下落幅に分けます。
平均上昇幅を計算
平均下落幅を計算
相対力指数(RS)を計算: RS = 平均上昇幅/ 平均下落幅
RSIを計算: RSI = 100 - (100 / (1 + RS))→日々のRSIが計算される

RSI判断基準

  1. RSIが70%以上になると相場は天井圏
  2. 逆にRSIが30%以下になると相場は底値圏

マクレラン オシレータ(相場全体)

日々の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を算出し、その移動平均で傾向を計る指標。

ただ、日経平均だと、影響力が強い銘柄に影響される傾向あり。

カオス・アリゲーター オシレーター

三本の移動平均線は平滑移動平均(EMA)で、13日線、8日線、5日線を用います。

その収束と拡散を見て、トレンドの向きや強さ、売り買いのポイントを判断するもの、グランビルの法則のゴールデンクロスやデッドクロスと同様の考え方です。

バイナリーウェーブ

「バイナリーウェーブ」は、有名な四種類のテクニカル指標のシグナルを合算集計してベクトル予測の強度を測ろうとするテクニカル指標です。

  1. MACD
  2. ストキャスティクス
  3. ROC
  4. 移動平均線と終値(現在値)のクロス。

コイルド スプリング

市場が一時的に抑制されていると見做されると、大きな上昇ポテンシャルを持っているという考え方。

コイルドスプリングではレンジの狭い日が出現するとトレンド転換の可能性があると考えます。

毎日のレンジ(高値-安値/終値)を計算して、その変化をキャッチするなどに利用します。

エルダー線

目的としては市場の表層に現れないブルパワー(買い圧力)とベアパワー(売り圧力)の勢力を見るために考案されたものです。

ブルパワー(Bulls Power)と命名されたライン(ray)は、高値と指数平滑移動平均との乖離率を時系列に並べたものであり、同様にベアパワー(Bears Power)と言うラインは、安値と指数平滑移動平均との乖離率をならべたものです。

ヒンデンブルグ オーメン

株式市場の暴落を予測するための技術的指標の一つです。

ヒンデンブルグ・オーメンが確認された後、77%の確率で株価が5%以上下落しています。

また、パニック売りとなる可能性は41%、暴落となる可能性は24%と言われています。

複合指数が上昇トレンドにある中で、多数の銘柄が52週高値と52週安値を同時に記録し、市場の強弱を示す指標がマイナスを示し、新高値銘柄数が新安値銘柄数を2.2%以上上回っている状態。要は、浮かれている状態。

線形回帰分析

移動平均がランダムに並んだ終値の中心(回帰値)を曲線で結ぶのに対して、線形回帰はランダムな終値群の中心を通る一本の直線で描かれます。

データのバラツキの中心値を直線にしたもの、つまりバラツキの回帰値を中心線として求めます。

線形回帰トレンドは一定期間の価格のバラツキに対して、標準誤差を使って、中心となる直線を引きます。

この直線との価格の乖離を見て直線側に回帰する確率を判断する指標です。

「回帰」は、身長の高い父親の息子は、父親に似て身長が高いはずであると言う仮定は認められず、一般平均な状態と同じ(回帰する)傾向が強いと言う発見から導かれたものです

統計学だとサンプル数で精度が違うわけですが、株価の場合はサンプルを多くすれば、遅行するとも言えるので、長期投資用に向いています。

人間の心理には、過剰は戻るという本能が組み込まれているので、統計学は役に立つけど、それは歴史的に、大量のサンプルを使って分析すれば、そうなるという話で、リアルタイムで動く相場に使えるかは別問題

蛇行インジケータ

標準偏差から乖離したら回帰する傾向があると考えることで、それを期待して、指標化します。

いわゆるバンドウォークと言う強いトレンドが出ることに着目します。

計算方法

  1. 変化率平均を求めます。
    • {(当日始値-前日終値)÷前日終値 + (当日高値-前日終値)÷前日終値 + (当日安値-前日終値)÷前日終値 + (当日終値-前日終値)÷前日終値} ÷ 4
  2. 終値に「変化率平均」を乗算して「合成終値」を作ります。
    • 終値×(1+変化率平均)
  3. 「合成終値」のn日間の単純移動平均線を計算します。
  4. 「合成終値」のn日標準偏差を求めます。
  5. 「合成終値」のn日間の移動平均線にn日移動平均線に標準偏差(±Σx)を加減して二本のバンドを求めます。
    • ハイ・バンド=単純移動平均線+Σx
    • ロー・バンド=単純移動平均線-Σx

オン・バランス・ボリューム(OBV)

株価が上昇した日の出来高と株価が下降した日の出来高に分けて、上昇日の出来高を全て買いと見做し下降日の出来高を全て売りと見なします。

つまり、任意の期間を定めて株価上昇日の全出来高を加算、株価下降日の全出来高を減算して集計して、どちらの出来高が大きいのか検証します。当然、株価が上がるときは出来高が増えるのから、それが潜在的な売り圧力出来高になり、その潜在売り圧力がどれくらい減少しているか、増加しているかを見るのは、少し乱暴だけど面白いかも。

逆ウォッチ曲線

出来高と値動きの関係を視覚的に表した指標。価格と出来高のパターン認識が容易にできるのが特徴です。

逆ウォッチ曲線は相場の価格を縦軸に、その出来高を横軸に配して出来高と価格の関係を表すテクニカル・チャートです。

出来高は株価(相場価格)に先行する」と言われ、出来高の増加は価格上昇の予兆ととらえられます。

また逆に出来高の減少は市場価格の下落サインとされています。

つまり出来高増加→価格上昇→天井打ちに伴う出来高減少→価格下落、と言う出来高と株価の動きをサイクルとして円形のモデルにしたものが「逆ウォッチ曲線」です。

ウィリアムズA/D

A/Dラインとは、出来高四本値を用いて市場の状態を、市場の秘めた売り買いのポテンシャルをAccumulation(集積)/Distribution(離散)と言う形で読み取る分析手法です。

価格の動きと出来高指標の動きが乖離する(値動きとA/Dラインが逆相する)と、トレンド転換の予兆と考えることが出来ます。

集積

「集積」とは、価格上昇としてチャートには現れない買いのポテンシャル(潜在的な買いの圧力)のことです。

離散

「離散」は、逆に価格の下落としてチャートに現れない売りのポテンシャル(潜在的な売り圧力)です。

A/Dの計算式

A/D = {(終値-安値)-(高値-終値)}÷(高値-安値) × 出来高