移動平均バリエーション
MA移動平均
もっとも支持されている指標
考え方が簡易であること、以下の使い方に有効性が高いことが支持されている理由
ただ、タイムラグがあるという限界があり、それをカバーするために、様々な移動平均の手法が作られている
移動平均の基本バリエージョンと計算方法
- 移動平均値=当日を含めた直近の過去5日分の終値を合計/5日
- 単純平均は、そのまま5で割る
- 加重平均は、直近から、5倍、4倍して、15で割る
- 指数平滑化移動平均線は、直近だけ2回分して、6で割る。もしくはx変数がある
使い方1:トレンドを見る
移動平均線が上向きの場合は上昇トレンド、横這いならボックス圏、下向きなら下降トレンド
抵抗線や支持線として参照
長期移動平均であればあるほど、緩やかにラインになる(1日分が薄まるから)。長期が上昇していると上昇トレンドとみていい
- 移動平均線が上向き+現在値が上→上昇トレンド
- 移動平均線が下向き+現在値が上→下降トレンド
- 移動平均線の上下を行き来している→ボックストレンド
- 上昇中の移動平均線→抵抗ライン
- 下降中の移動平均線→上値抵抗ライン
使い方2:2本の移動平均線のクロスを見る
- 短期移動平均が長期移動平均を上抜けた地点を「ゴールデンクロス」と呼び買いサインとなります。
- 短期移動平均が長期移動平均を下抜けた地点を「デットクロス」呼び売りサインとなります。
使い方3:移動平均線からの乖離率を見る
現在価格が移動平均線よりも上にあるか下にあるか(乖離率)
「乖離率」%(パーセント)で表します。
- 移動平均乖離率 =現在値 - 移動平均値× 100 (%)
SMA 単純移動平均(Simple Moving Average)
- SMA = 終値0+終値1+・・・終値n-1 /n
WMA 加重移動平均
現在値に近いものにより大きく加重して計算する移動平均のバリエーション。
加重平均とは直近の終値を10本目とすると、10本目は10倍、9本目は9倍、8本目は8倍…1本目は1倍と言う風に加重を掛けた終値の合計を10で割るというものです。
【補正】加重移動平均は、直近の価格に近いものほど重要度を大きくして平均したもので、単純移動平均に比べ直近の価格の反応度を高くしたものです。
- WMA =(n×終値0+(n-1)×終値1・・・+-1×終値n-1)/n
n=10だとして、終値0が直近だから、こういう計算式になる
SMMA 指数平滑化移動平均(SMMA :Smoothed Moving Average)
SMAだと、単純移動平均と同じになってしまうため、SMMAと表記されます。
EMAよりも緩やかに反応し、ノイズを減らす傾向があり、長期投資のトレンドを示します。
平滑化は、過去より直近に比重をおいて、過去の価格の影響を指数的関数により減少させる。(騙し的な恣意的数値を排除する)
計算方法
- 初日: SMMA = SMA (単純移動平均)
- 2日目以降: SMMA = (前日のSMMA * (N-1) + 現在の価格) / N
- 直近だけ2回加味する、(Nは期間)
EMA 指数移動平均(Exponential Moving Average)
指数とは、変化を相対的に示す統計的な指標です。
直前を重く加味するため、単純移動平均線(SMA)よりも早くトレンドの変化を捉えることができます。
SMAよりもゴールデンクロス・デッドクロスが早めに発生しやすい
- EMA = 前日EMA+α×(当日終値-前日EMA)
- α = 2/n+1
- αで求められる値は平滑化定数と呼ばれます。
FAMA フラクタル適応型移動平均
価格変動のフラクタル次元を計算し、これを基に移動平均の期間を決定します。
トレンドが強い時は短期間の移動平均に、レンジ相場の時は長期間の移動平均に近づきます。
これによりトレンド追従性が向上し、相場の転換点をより早く捉えることができます。
フラクタルとは、部分と全体が自己相似性を持つ図形や構造のことです。つまり、全体を拡大していくと、元の図形と同じような構造が繰り返し現れます。(位相系)
フラクタル次元
ボックスサイズの対数とカウントしたボックス数の対数をプロットし、プロットした点の傾きを計算します。この傾きがフラクタル次元の推定値を計算します。
log=対数関数は、「aを何乗したらbになるか?」を表す数として定義します
VWMA 出来高移動平均
出来高の多い終値と少ない終値に、違う意味を持たせる
出来高の多い日の価格をより強く計算結果に反映させる
計算方法
- 終値×出来高/総出来高
- VWMA=終値0×出来高0+終値1×出来高1+…終値n×出来高n / 出来高0+出来高1+…出来高n