【EDINET:S100VJSV】臨時報告書

タイトル内容
提出書類、表紙臨時報告書
会社名、表紙知多鋼業株式会社
EDINETコード、DEIE01419
証券コード、DEI5993
提出者名(日本語表記)、DEI知多鋼業株式会社
提出理由 1【提出理由】
当社は、会社法(平成17年法律第86号。
その後の改正を含みます。
以下同じです。
)第179条第1項に規定する特別支配株主であるカヤバ株式会社(以下「カヤバ」といいます。
)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。
)の通知を受け、2025年4月2日開催の当社取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合 2【報告内容】
1.本株式売渡請求の通知に関する事項(1)当該通知がされた年月日2025年4月2日 (2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名商号カヤバ株式会社住所東京都港区浜松町二丁目4番1号代表者の氏名代表取締役社長執行役員兼CEO 川瀬 正裕 (3)当該通知の内容当社は、カヤバより、2025年4月2日付で、当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(ただし、当社及びカヤバを除きます。
以下「本売渡株主」といいます。
)に対し、その有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」といいます。
)の全部をカヤバに売り渡す旨の請求に係る通知を受けました。
当該通知の内容は、以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して株式等売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により売渡株主に対して売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号・第3号)カヤバは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。
)として、その有する本売渡株式1株につき2,010円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。
)(会社法第179条の2第1項第5号)2025年5月12日 ⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)カヤバは、本売渡対価を、カヤバが保有する現預金によって支払いを行うことを予定しております。
カヤバは、公開買付届出書の添付書類として2025年2月6日時点のカヤバの預金残高証明書を提出しており、また、同日以降、売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、また今後発生する可能性も認識しておりません。
⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付いたします。
ただし、当該方法による本売渡対価の交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付についてカヤバが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、対して本売渡対価を支払うものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項(1)当該通知がされた年月日2025年4月2日 (2)当該決定がされた年月日2025年4月2日 (3)当該決定の内容カヤバからの通知のとおり、本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った経緯本株式売渡請求は、カヤバが、当社株式の全て(ただし、カヤバが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。
以下同じです。
)を取得することにより、当社をカヤバの完全子会社とするための一連の手続(以下「本取引」といいます。
)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、カヤバが、2025年2月7日から2025年3月25日まで実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
)における当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。
)と同一の価格に設定されております。
当社は、当社が2025年2月6日付で公表した「カヤバ株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「2025年2月6日付当社プレスリリース」といいます。
)の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、当社は、2025年2月6日開催の取締役会において、現にカヤバの職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。
)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
① 検討体制の構築当社は、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、2024年8月8日、カヤバから、当社株式の全て(ただし、カヤバが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。
)の取得に係る提案を含む提案書を受領いたしました。
カヤバは当社の支配株主には該当しないものの、カヤバが当社の主要株主かつ筆頭株主であるとともに当社の主要な取引先でもあることを踏まえ、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、本取引の是非や取引条件の妥当性等についての検討及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保する観点から、速やかに、カヤバから独立した立場で本取引について検討・交渉等を行うことができる体制を構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年8月下旬、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、専門性及び実績等を検討の上、カヤバ及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。
)を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を、2024年9月上旬、第三者算定機関として東京共同会計事務所を、それぞれ選任いたしました。
また、当社は、2024年9月3日開催の臨時取締役会(以下「本臨時取締役会」といいます。
)における決議により、当社の社外取締役(監査等委員)である辻巻真氏及び平山勝觀氏、並びに外部有識者である川城瑛氏(弁護士・サウスゲイト法律事務所・外国法共同事業)の3名によって構成される、カヤバ及び当社から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
)を設置し、本特別委員会に対し、本取引における手続の公正性、取引条件の妥当性等について諮問いたしました(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。
)。
また、当社は、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所、及び第三者算定機関である東京共同会計事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、カヤバから独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。
)を当社の社内に構築すると共に、かかる検討体制につき独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
② 交渉の経緯当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、SMBC日興証券、森・濱田松本法律事務所及び東京共同会計事務所の助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関して慎重に検討を行い、カヤバとの間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、2024年10月7日、カヤバから、本公開買付価格を1,400円(提案日の前営業日である2024年10月4日の当社株式の終値917円に対して52.67%のプレミアムを加えた価格です。
以下「第1回提案価格」といいます。
)とする提案を受けました。
2024年10月10日、当社はカヤバに対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第1回提案価格は当社の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は当社株主にとって到底満足し得る水準には達していないため、大幅な引上げの要請をいたしました。
2024年10月15日、当社は、カヤバから、本公開買付価格を1,650円(提案日の前営業日である2024年10月11日の当社株式の終値900円に対して83.33%のプレミアムを加えた価格です。
以下「第2回提案価格」といいます。
)とする提案を受けました。
2024年10月16日、当社はカヤバに対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第2回提案価格は当社の企業価値を十分に反映したものとは評価できないものと考えており、提案価格を評価する際の指標の1つとして重視しているPBRの水準に鑑みても、当該提案価格は当社株主にとって到底満足し得る水準には引き続き達していないため、大幅な引上げの要請をいたしました。
2024年10月23日、当社は、カヤバから、本公開買付価格を1,850円(提案日の前営業日である2024年10月22日の当社株式の終値890円に対して107.87%のプレミアムを加えた価格です。
以下「第3回提案価格」といいます。
)とする提案を受けました。
2024年10月30日、当社はカヤバに対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第3回提案価格は株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。
)メイン市場における当社株式に対して、当社株式の上場来高値を超過するプレミアム水準であるものの、引き続き当社株主にとって配慮された価格ではないため、本公開買付価格を2,250円とする旨の提案を行いました。
2024年11月1日、当社は、カヤバから、本公開買付価格を2,000円(提案日の前営業日である2024年10月31日の当社株式の終値855円に対して133.92%のプレミアムを加えた価格です。
以下「第4回提案価格」といいます。
)とする提案を受けました。
2024年11月5日、当社はカヤバに対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、第4回提案価格は名古屋証券取引所メイン市場における当社株式に対して、当社株式の上場来高値を超過するプレミアム水準であり、一定程度評価できる水準であるものと認識しているものの、引き続き当社株主にとって配慮された価格ではないため、本公開買付価格を2,100円とする旨の提案を行いました。
2024年11月8日、当社は、カヤバから、本公開買付価格を2,010円(提案日の前営業日である2024年11月7日の当社株式の終値848円に対して137.03%のプレミアムを加えた価格です。
以下「第5回提案価格」といいます。
)とする提案を受けました。
同日、当社はカヤバに対し、本特別委員会の意見も踏まえた検討の結果、最終的な意思決定は2024年11月11日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提に、本公開買付価格を2,010円とするカヤバの提案に応諾する旨の回答を行いました。
その後、2024年12月24日、当社は、カヤバから、日本の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。
その後の改正を含みます。
以下「独占禁止法」といいます。
)に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領し、そして、2025年1月28日、当社は、カヤバから、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了すること等の前提条件(注)(以下「本公開買付前提条件」といいます。
)が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
(注)①当社取締役会が、利害関係を有しない取締役の全員一致をもって、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。
)を表明することを決議し、これが公表され、かつ、本賛同意見が維持されていること、②本公開買付けに関連して設置された本特別委員会が、当社取締役会に対して、本賛同意見を表明することは相当である旨の答申を行い、当該答申を行ったことが公表され、かつ、当該答申が維持されていること、③日本における独占禁止法上のクリアランスの取得が完了していること又は本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。
)の末日の前日までに当該クリアランスの取得が完了していると合理的に見込まれること、④本取引のいずれかが法令等の違反を構成せず、また、司法・行政機関等(裁判所、仲裁人、仲裁機関、監督官庁その他の国内外の司法機関・行政機関及び金融商品取引所その他の国内外の自主規制機関を総称していいます。
以下同じです。
)に対して、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も継続しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないこと、⑤本公開買付けの開始日において、当社に係る業務等に関する重要事実(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。
その後の改正を含みます。
以下「法」といいます。
)第166条第2項)で公表(法第166条第4項)されていないものが存在せず、また、当社株式に関する公開買付け等の実施に関する事実(法第167条第2項)であって公表(法第167条第4項)されていないものが存在しないこと、⑥法第27条の11第1項ただし書に定める当社又はその子会社の業務等に関する重要な変更その他の本公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情が生じていないこと、及び、⑦当社グループ(下記「③ 当社の意思決定の内容」において定義します。
)の事業、財政状態、経営成績若しくはキャッシュ・フロー又はこれらの見通しに重大な悪影響を与える可能性のある事由、国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境又は経済環境の重大な変化その他本取引の実行が客観的に不可能又は著しく困難となる事情が発生又は判明しておらず、また発生又は判明することが見込まれていないことの充足を前提条件としているとのことです。
③ 当社の意思決定の内容当社、国内連結子会社2社、国内非連結子会社1社及び海外連結子会社3社、海外関連会社2社からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。
)は、自動車関連を中心とする各種ばねの製造・販売を主として営んできましたが、創業以来、多品種・少量生産で取引先との関係強化を図り、堅調に売上高を進展させてきました。
近時においては、自動車業界が急激な変革期にあると考えており、カーボンニュートラル等脱炭素社会の実現に向けた対応とあいまって、電動化、自動運転の技術開発が進展しています。
当社グループにおいても、部品の軽量化への対応が必要となっている状況にある中で、取引先からの要求仕様に的確に応える製品を製造・販売することにより信頼を獲得し、営業基盤を築いてまいりました。
もっとも、近年では、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化をはじめとする地政学的リスクの高まりやインフレ抑制に向けた各国の金融引き締めにより景気の減速が懸念される状況であり、特に自動車産業においては、自動車の製造における資材価格やエネルギー価格の高止まり、コロナ感染症による受注減及び工場稼働率の低下、電気・消耗品経費、機械修繕費、物流費及び人件費の高騰や為替相場の動向等の様々なコストアップにより、当社グループの収益性の低下が続いていると認識しています。
また、当社グループの製造する各種ばねについては自動車製造に関連する顧客への販売が中心となっているところ、他の事業セグメントを営む顧客を新規に開拓することが当社グループの事業拡大につながる可能性があることを認識しつつも、当社が独自に新規開拓するための経営資源、生産技術力やノウハウには限界があり、実現できていない状況と認識しています。
加えて、当社グループにおいては、経営層・管理職層の人材不足が進んでおります。
当社グループは、組織統制を課題と捉え、組織力強化のために外部人材を採用して機能の補完、人材の育成を図ってきたものの、必ずしも十分な状況にないと認識しています。
また、当社は、カヤバをサプライチェーン上極めて重要かつ不可欠なパートナーとして認識しており、資本関係の維持を続けながら、友好な関係を築いてまいりました。
具体的には、カヤバは、当社株式1,107,000株(所有割合:11.56%)を所有する当社の筆頭株主であるとともに、当社売上に占めるカヤバ及びカヤバの関係会社(連結子会社29社、持分法適用関連会社4社、非連結子会社3社、持分法非適用関連会社3社。
以下、カヤバ及びカヤバの関係会社を総称して「カヤバグループ」といいます。
)向けの割合は3割超となっており、海外においては、カヤバと当社にて合弁会社3社を線ばねや薄板ばねの製造・販売拠点として有しております。
一方で、当社はカヤバの子会社ではないことにより、カヤバグループ及び当社グループ間の経営資源・ノウハウの共有や情報交換には慎重にならざるを得ないという限界があるものと認識しています。
具体的には、カヤバが当社に対して企業価値の向上に資する経営資源やノウハウの提供を行っても、利益の一部が当社の一般株主へ流出してしまい、カヤバとしてそのような経営資源やノウハウの提供に経済合理性を認めにくい状況が生じる可能性があります。
また、カヤバと当社との取引関係においても、当社の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、カヤバ及び当社の置かれた状況が複雑化し、このような当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、カヤバと当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得ます。
このように、当社に一般株主が存在する状況では、カヤバと当社の一般株主との間に利益相反関係が存在することになり、カヤバの経営資源を活用した取引を行うにあたっても、当社の一般株主の利益を考慮する必要があるため、迅速かつ機動的な意思決定が難しい状況にあると認識しています。
かかる状況の中、当社は、本取引が実行され、当社がカヤバの完全子会社となることで、当社グループの企業価値向上を実現できると考えております。
具体的には、以下のようなシナジーが実現可能であると考えており、これにより当社が取り組むべき課題や問題意識の解決につながることから、当社グループの企業価値向上に資すると判断しております。
(ア)カヤバグループとの連携の深化本取引により当社がカヤバの完全子会社となることにより、当社グループとカヤバグループの連携の強化が図られるものと考えています。
具体的には、カヤバグループの幅広い業務領域において当社グループと協働・連携することによって、当社の顧客の既存業務領域を拡大して業績増強に繋げられるととともに、製造技術の向上を図ることができると考えております。
また、当社は、本取引を通じて、当社がカヤバの完全子会社となることで、カヤバと当社の少数株主の間の利益相反の懸念が無くなります。
これにより、製品の企画・設計段階からの共同開発やノウハウ・情報の共有化及びカヤバとの相互連携によるサプライチェーン強化やそれに伴うコスト軽減が可能となるとともに、カヤバの経営資源を活用した取引についてより迅速かつ機動的な意思決定が可能となり、当社グループの企業価値の向上に資すると判断いたしました。
(イ)カヤバグループとの人材交流本取引後は、カヤバとの人材交流を通じて、カヤバが有する人材リソースを活用し、当社のコーポレート機能の強化が可能になると考えております。
また、当社は、経営人材の確保・育成が喫緊の課題となっておりますが、かかる課題の解消にあたっても、マネジメント人材を含めたカヤバグループの人材リソースの活用が有効であると判断しております。
なお、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「④ 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、本取引後の当社の経営体制については、本公開買付けの成立後、当社の現在の経営体制を尊重しつつ、双方の企業価値を更に向上させる観点からカヤバ及び当社との間で協議を行い決定していく予定とのことであり、現時点で具体的に決定又は合意している事項はなく、また、カヤバ及び当社との間で当社の経営体制に関して交渉は行っておりません。
(ウ)上場維持コスト及び関連する業務負担の軽減本取引後は、有価証券報告書等の継続的な情報開示等の一般株主をはじめとする投資家に対するIR活動等が不要となり、当社株式の上場を維持するために必要な人的・金銭的なコストが軽減され、この結果、当社が上場維持のために用いてきた経営資源を、当社の事業部門へ振り替えることで、当社の事業の成長の加速に繋げることができるものと考えております。
なお、当社株式が非公開化されることのデメリットとして、独自の資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられますが、当社においては、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれていないこと、また、本取引を通じてカヤバの子会社となることで、カヤバの子会社として引き続き社会的な信用力が維持されることを勘案すると、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えており、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
また、本公開買付価格について、(a)本公開買付価格である2,010円は、公表日の前営業日である2024年11月8日の名古屋証券取引所メイン市場における当社株式の終値855円に対して135.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値872円に対して130.50%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値903円に対して122.59%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値949円に対して111.80%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、かつ、これは、1989年10月に記録した、当社株式の上場来最高値である1,420円に41.55%のプレミアムを加えた価格であり、当社の全ての株主が、当該プレミアム以上の経済利益を享受できる十分な水準のプレミアムが付されていること、(b)近時の同様の事案(2019年7月から2024年10月までの期間に公表された日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例(ただし、公開買付けが不成立となった事例、マネジメント・バイアウト(MBO)の事例、同意なき買収の事例、公開買付価格のプレミアムが公表日前営業日の終値に対してマイナスとなる公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)の事例、及び公開買付けの公表前に事前報道のあった事例を除く。
)172件におけるプレミアムの水準の中央値は、公表日前営業日の終値に対して42.23%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して43.02%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.36%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して43.56%)と比較して高い水準のプレミアムが付された価格であること、(c)本公開買付価格は、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されている東京共同会計事務所による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、かつ、類似上場会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
)に基づく算定結果のレンジの範囲内の水準となっていること、(d)本公開買付価格は、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した、本特別委員会が2024年11月11日付で当社取締役会に対して提出した答申書(以下「2024年11月11日付答申書」といいます。
)において、妥当であると認められると判断されていること、(e)2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための各措置が講じられており、少数株主の利益への配慮等がなされていると認められること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2024年8月31日時点の簿価純資産額である24,555,974千円を自己株式控除後の発行済株式数(9,575,483株)で割ることにより算出した1株当たり純資産である2,564円(本公開買付価格は当該金額との比較で21.61%のディスカウント)を下回っているものの、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産価額がそのまま換価されるわけではなく、当社が所有する資産のうち、工場や本社においては、建築後相当程度の年月が経過し老朽化しており、また工場においては、汎用性が乏しく即時一括での売却が困難であることを踏まえると、簿価により売却することは困難であり、また、更地での売却が必要であることが見込まれるものの、その場合には不動産鑑定費用に加えて建物の解体費用及び土壌汚染調査費用等が必要になると考えられること、子会社を含めた当社グループの清算を行う場合、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の専門家費用その他相当程度の追加コストが発生することが見込まれること等に鑑みると、当社の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度毀損された金額となることが想定されます。
なお、当社においては、実際に清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本公開買付価格が具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。
また、純資産価額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は、2024年11月11日開催の取締役会において、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。
)全員の承認」に記載のとおり、現にカヤバの職員を兼務している田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役7名の全員一致で、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社の本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2024年12月24日、当社は、カヤバから、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が2025年1月下旬をもって完了する見込みである旨の連絡を受領いたしました。
これを踏まえ、2025年1月16日、当社は、上記決議に基づき、本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年11月11日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請いたしました。
そして、2025年1月28日、当社は、カヤバから、独占禁止法に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本公開買付けを開始するための手続に要する期間等を考慮して、本公開買付前提条件が充足されることを条件に、本公開買付けを2025年2月7日に開始することを予定している旨の連絡を受領いたしました。
本特別委員会は、上記諮問がなされたことを受け、改めて、当社に対して、2024年11月11日以降に(a)本取引の目的及び本取引により見込まれる当社の企業価値向上の具体的内容、(b)本取引の取引条件の妥当性に重要な影響を与える事情、(c)手続の公正性に重要な影響を与える事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2024年11月11日以後、2025年2月3日までの事情を勘案しても2024年11月11日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年2月4日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年2月4日付答申書」といいます。
)を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年2月4日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2024年11月11日以降の当社の業況や本取引を取り巻く環境に重要な影響を与える事情が発生していないことを踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、本日現在においても、2024年11月11日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、現にカヤバの職員を兼務している田坂康浩氏を除く、審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
その後、当社は、2025年3月26日、カヤバより、本公開買付けの結果について、当社株式8,070,358株の応募があり、応募された当社株式の総数が買付予定数の下限(5,276,700株)に達したため、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。
この結果、カヤバは、当社の総株主の議決権の数の90%以上を所有するに至り、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
このような経緯を経て、当社は、カヤバより、本日付で、2025年2月6日付当社プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社株式の全てを取得することにより、当社の株主をカヤバのみとするための一連の手続として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、本日開催の取締役会において、(a)本株式売渡請求は、本取引の一環として行われるものであるところ、2024年11月11日開催の取締役会において、田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役7名の全員一致で、並びに、2025年2月6日開催の取締役会において、田坂康浩氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で決議したとおり、当社は、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(b)本売渡対価は、本公開買付価格と同一であるところ、当該価格の決定に際しては、下記「(4)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、本売渡株主の利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(c)カヤバは、本売渡対価を、カヤバが保有する現預金を原資として支払うことを予定しており、当社としても、カヤバによる本売渡対価の支払いのための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(d)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(e)本公開買付けの開始日以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと、(f)本特別委員会が、本売渡対価による本株式売渡請求についても検討をした上で、本取引についての決定は少数株主に不利益なものではない旨の2024年11月11日付答申書及び2025年2月4日付答申書を提出していることを踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は公正であると判断し、カヤバからの通知のとおり、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役7名のうち、田坂康浩氏は、現にカヤバの職員を兼務していることから、利益相反のおそれを回避する観点より、上記取締役会の審議及び決議には参加しておりません。
以 上