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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-03-26 |
英訳名、表紙 | JAPAN TOBACCO INC. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 寺畠 正道 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区虎ノ門四丁目1番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(6636)2914(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 (1)株式会社移行の経緯 当社の前身となる日本専売公社(以下「公社」という)は、「国の専売事業の健全にして能率的な実施に当たることを目的」として、1949年6月1日に設立され、たばこ専売制度等の実施主体として、たばこの安定的提供と財政収入の確保に貢献する等の役割を果たしてまいりました。 しかし、1970年代に入り、成年人口の伸び率の鈍化、喫煙と健康問題の高まり等のため、需要の伸びが鈍化し、販売数量はほぼ横這いで推移するに至り、このような傾向は更に続くものと予想され、需要の構造的変化としてとらえざるを得ない状況と考えられました。 また、外国たばこ企業に対する実質的な市場開放が進展し、国内市場における内外製品間の競争が展開される中で、たばこ専売制度の枠内では対応困難な諸外国からの市場開放要請の強まり、更に、国内における公社制度に対する改革動向の中で、1981年3月臨時行政調査会が発足し、同調査会の第3次答申(1982年7月30日)において、専売制度、公社制度に対する抜本的な改革が提言されました。 これを受けて政府は、制度全体の見直しを進め、・たばこの輸入自由化を図るためたばこ専売法を廃止するとともに、新たにたばこ事業に関し所要の調整を図るためのたばこ事業法の制定・たばこの輸入自由化の下、国内市場において外国たばこ企業と対等に競争していく必要があることから、日本専売公社法を廃止するとともに、公社を合理的企業経営が最大限可能な株式会社に改組し、必要最小限の公的規制を規定する日本たばこ産業株式会社法の制定を中心とするいわゆる専売改革関連法として法案化し、これら法律案は、第101回国会において、1984年8月3日成立し、同年8月10日に公布されました。 (2)当社設立後の状況当社は、日本たばこ産業株式会社法(昭和59年8月10日法律第69号)(以下「JT法」という)に基づき、1985年4月1日に公社財産の全額出資により設立されました。 当社は設立に際し、公社の一切の権利義務を承継しました。 当社設立後の主な変遷は次のとおりです。 年月変遷の内容1985年4月日本たばこ産業株式会社設立1985年4月新規事業の積極的展開を図るため事業開発本部を設置その後、1990年7月までの間に各事業の推進体制強化のため、同本部を改組し、医薬、食品等の事業部を設置1986年3月たばこ製造の近代化、効率化のため福岡・鳥栖両工場を廃止し、北九州工場を設置その後、1996年6月までの間にたばこ製造体制の合理化のため9たばこ工場を廃止1988年10月コミュニケーション・ネーム「JT」を導入1991年7月新本社ビル(旧JTビル)建設のため、本社を東京都港区虎ノ門二丁目2番1号から東京都品川区東品川四丁目12番62号に移転1993年9月医薬事業研究開発体制の充実・強化を図るため、医薬総合研究所を設置1994年10月政府保有株式の第一次売出し(394,276株)東京、大阪、名古屋の各証券取引所市場第一部に株式を上場1994年11月京都、広島、福岡、新潟、札幌の各証券取引所に株式を上場1995年5月本社を東京都品川区東品川四丁目12番62号から東京都港区虎ノ門二丁目2番1号に移転1996年6月政府保有株式の第二次売出し(272,390株)1997年4月塩専売制度廃止に伴い、当社の塩専売事業が終了たばこ共済年金を厚生年金に統合1998年4月㈱ユニマットコーポレーションと清涼飲料事業での業務提携に関する契約を締結その後、同社の発行済株式の過半数を取得1998年12月鳥居薬品㈱の発行済株式の過半数を、公開買付により取得1999年5月米国のRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得1999年7月旭フーズ㈱等、子会社8社を含む旭化成工業㈱の食品事業を取得1999年10月鳥居薬品㈱との業務提携により、医療用医薬品事業における研究開発機能を当社に集中し、プロモーション機能を鳥居薬品㈱に統合2003年3月国内たばこ事業の将来に亘る利益成長基盤を確立するため、仙台・名古屋・橋本工場を閉鎖2004年3月国内たばこ事業の将来に亘る利益成長基盤を確立するため、広島・府中・松山・那覇工場を閉鎖2004年6月政府保有株式の第三次売出し(289,334株)2005年3月国内たばこ事業の将来に亘る利益成長基盤を確立するため、上田・函館・高崎・高松・徳島・臼杵・鹿児島・都城工場を閉鎖2005年4月マールボロ製品の日本国内における製造及び販売、商標を独占的に使用するライセンス契約の終了2007年4月英国の Gallaher Group Plc の発行済株式を取得2008年1月㈱加ト吉株式を公開買付により取得2009年3月国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、金沢工場を閉鎖2010年3月国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、盛岡・米子工場を閉鎖2011年3月国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、小田原工場を閉鎖2012年3月国内たばこ事業における競争力ある事業構造を構築するため、防府工場を閉鎖2013年2月日本国内でマイルドセブンのブランドをメビウスへ刷新2013年3月政府保有株式の第四次売出し(253,261,800株)2015年3月国内たばこ事業の更なる競争力強化のため、郡山・浜松・岡山印刷工場を閉鎖2015年7月 2016年1月2016年3月2018年6月2020年10月2022年1月 2022年3月2024年10月㈱ジャパンビバレッジホールディングス及びジェイティエースター㈱等の当社保有株式並びにJT飲料ブランド「Roots」「桃の天然水」を譲渡その後、2015年9月にJT飲料製品の製造販売事業から撤退、2015年12月に飲料事業部を廃止米国Reynolds American Inc.グループより、Natural American Spirit米国外たばこ事業を取得国内たばこ事業の更なる競争力強化のため、平塚工場を閉鎖加熱式たばこを全国発売開始本社を東京都港区虎ノ門二丁目2番1号から東京都港区虎ノ門四丁目1番1号に移転たばこ事業の更なる競争力・収益力強化のため、国内たばこ事業、海外たばこ事業の2事業体制を一本化し、たばこ事業の本社機能をジュネーブ拠点に統合たばこ事業の更なる競争力・収益力強化のため、九州工場を閉鎖米国Vector Group Ltd.の発行済株式を取得(注)2006年4月1日をもって1株につき5株の割合で、また、2012年7月1日をもって1株につき200株の割合で株式分割を行っております。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社と、連結子会社268社、持分法適用会社53社から構成される当社グループはたばこ事業、医薬事業並びに加工食品事業を展開しているグローバル企業であり、その主な事業内容及び各関係会社等の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。 なお、次の3区分は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。 〔たばこ事業〕 当該事業につきましては、JT International S.A.を中核として、世界各国でたばこ製品の製造、販売等を行っております。 (主な関係会社)JT International S.A.、LLC JTI Russia、Gallaher Ltd.、JTI Polska Sp. z o. o.、LLC Petro、JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.Ş.、TSネットワーク㈱、日本フィルター工業㈱ その他連結子会社214社、持分法適用会社50社 〔医薬事業〕 当該事業につきましては、医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。 主に当社が研究開発を行い、鳥居薬品㈱が製造、販売及びプロモーション業務(当社製品を含む)を担っております。 (主な関係会社)鳥居薬品㈱、Akros Pharma Inc. 〔加工食品事業〕 当該事業につきましては、冷凍・常温食品、調味料等の製造、販売をテーブルマーク㈱等が行っております。 (主な関係会社)テーブルマーク㈱その他連結子会社20社、持分法適用会社2社 上記の報告セグメントの他に、不動産賃貸等に係る事業等を営んでおります。 なお、報告セグメントに属さない関係会社として、連結子会社23社、持分法適用会社1社があります。 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。 また、各事業における研究開発、調達、製造、販売等の分野ごとの概要は以下のとおりです。 〔たばこ事業〕 当社グループのたばこ事業は、販売数量で世界第3位(中国国家煙草総公司を除く)を誇り、130以上の国と地域で製品を販売しております。 当社グループは世界におけるCombustibles(注1)の販売数量シェア上位10ブランドのうち2ブランド(注2)を製造・販売しております。 (注1)製造受託/水たばこ/加熱式たばこ/無煙たばこ/E-Vaporを除く燃焼性のたばこ製品(注2)2023年度データ <研究開発>研究開発力を長期に亘る競争力の源泉とすべく、特に葉たばこの育種、原材料及びその加工、たばこの香喫味、製造技術並びにRRP (注)関連技術の分野に注力し、製品価値の向上とコストの低減を目指しております。 基礎研究及び応用研究開発領域については、日本国内の研究所がグローバル機能を有しており、製品開発領域については、各国・各地域の異なるニーズ・嗜好に対応すべく、ローカルベースでの開発も行っております。 (注)RRPは、加熱式たばこ及びE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-Risk Products, RRP)を指しております。 <原料葉たばこの調達>たばこの原料である葉たばこは、農作物であるため、その調達状況は天候に左右され、また、近年、エネルギー資源や他の作物の価格高騰等により、葉たばこ供給の不安定化や価格の上昇傾向が見られます。 このような状況下において、当社グループは垂直統合及びサプライヤーとの連携強化により、原料の安定的な調達と調達コストの低減を目指しております。 <製造> お客様に信頼される高品質なたばこづくりを目指し、グローバルな製造体制を構築しております。 日本国内では3つのたばこ製造工場及び2つのその他たばこ関連工場が、日本を除く26か国では33のたばこ製造工場(その他たばこ関連工場含む)が稼動しております。 また、当社グループブランドの製造委託及び2社間でのクロスライセンスによる製造も一部行っております。 <マーケティング> ブランドロイヤリティを高めるために、様々な規制を遵守しつつ、積極的かつ効果的なマーケティング活動を展開しております。 グローバルには、グローバル・フラッグシップ・ブランド(以下「GFB」という) (注)を中心に、一部のローカルブランドによる補完を行いながらマーケティング活動を行っております。 また、RRPにおいては、PloomブランドやLogicブランド等を展開しております。 (注)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFBとしております。 ・小売価格 たばこの小売価格設定にあたっては、ブランドのポジショニング、製品価値との見合い、競合製品の価格、利益確保といった観点に加え、定価制や課税方式(従量税・従価税)等、国ごとに異なる特有の制度面からも検討を行います。 小売価格変更の契機として最も代表的なものは増税です。 近年、国内外問わず財政及び公衆衛生の観点からたばこ税の増税が行われております。 <販売(流通)> お客様に当社グループの商品を確実にお届けするために、当社グループは各市場の法的制約、慣行等に合わせて、自社流通や現地代理店及び流通業者の利用等、最適な流通販売ルートの確保を行っております。 また、販売チャネルに関しても、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、スーパーマーケットといったチェーン企業をはじめ、個人商店、自動販売機、オンライン等があり、その販売構成比は国ごとに異なります。 当社グループは、販売チャネル状況、お客様動向及び競合動向を加味した営業体制を構築しております。 〔医薬事業〕当社グループは、1987年より医薬事業に進出し、「科学、技術、人財を大切にし、患者様の健康に貢献します。 」をPurposeとし、現在は医療用医薬品の研究開発、製造、販売及びプロモーションを行っております。 1998年12月には鳥居薬品㈱(以下「鳥居薬品」という)の発行済株式総数の過半数を取得し、その後、製造、販売及びプロモーション機能を鳥居薬品に、研究開発機能を当社に統合しました。 また、2000年4月には、米国ニュージャージー州にあるグループ会社Akros Pharma Inc.に臨床開発機能を追加し、海外での臨床開発拠点を設立しました。 当社グループは、安定的な利益貢献に向け、各製品の価値最大化、研究開発パイプラインの強化並びに、戦略的な導出入機会の探索及び提携先との連携強化に取組んでおります。 <研究開発>研究開発は医薬事業の基盤であり、医薬事業の長期的成長と収益性にとって重要なものです。 研究開発活動は主に「循環器・腎臓・筋」「免疫・炎症」「中枢」の領域にフォーカスしており、当年度は339億円を投資しました。 ・研究開発プロセス 「探索研究、創薬研究、前臨床試験」を医薬総合研究所が、その後の「臨床試験、承認申請・承認取得」を臨床開発部門等とグループ会社であるAkros Pharma Inc.が、それぞれ担っております。 また、開発途中段階にて海外における開発権及び商業化権を導出した化合物については、導出先企業が以後のプロセスを担います。 <製造>当社グループ製品の製造に関しては、2020年に当社グループ工場での製造を中止したため、医薬品製造の全工程を外部に委託しております。 <販売及びプロモーション>・海外における販売及びプロモーション現在、海外において自社の販売組織を保有しておらず、化合物ごとに、開発途中段階で海外における開発及び商業化権を他社に導出し、導出先から販売実績に応じたロイヤリティを受領しております。 ・日本における販売及びプロモーション日本国内での当社グループ製品の医薬品卸売業者への販売及び医療施設へのプロモーションについては、主に鳥居薬品によって行われております。 なお、プロモーションについては、同社の全国7か所の営業支社に在籍する214名の医薬情報担当者(MR)によって行われております。 主要製品としては、「コレクチム軟膏(アトピー性皮膚炎治療薬)」、「ブイタマークリーム(アトピー性皮膚炎治療剤・尋常性乾癬治療剤)」、「リオナ錠(高リン血症治療剤・鉄欠乏性貧血治療剤)」、「レミッチ(透析患者における経口そう痒症改善剤)」、「エナロイ錠(腎性貧血治療薬)」、「シダキュアスギ花粉舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」、「ミティキュアダニ舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」があります。 〔加工食品事業〕 当社グループは、1998年より加工食品事業に参入し、それ以来、自律的な成長に加えて、M&Aや資本提携等によって事業を拡大させてきました。 2008年には日本の大手冷凍食品メーカーであった㈱加ト吉の株式を公開買付により取得してグループ会社とし、同年に当社グループの加工食品事業を㈱加ト吉に移管し、事業統合を実施するとともに、2010年に㈱加ト吉はテーブルマーク㈱と名称を変更する等、統合シナジーの追求及び一体感の更なる醸成を図りました。 当年度末現在、テーブルマーク㈱、富士食品工業㈱及びその他グループ各社が事業を担っております。 テーブルマーク㈱は、日本を中心に、冷凍うどん、パックごはん、冷凍お好み焼を中心とした冷食・常温事業を展開しております。 富士食品工業㈱は、酵母エキス調味料、昆布・カツオ等の抽出エキス調味料、組立型調味料、オイスターソース等の調味料を主力とした調味料事業を展開しております。 当社グループの主要な製品には、冷凍麺の「カトキチさぬきうどん」、パックごはん「国産こしひかり」、酵母エキス調味料「バーテックス」等があります。 <研究開発> 消費者のニーズや嗜好にあった革新的な製品の開発に注力しており、多様化するお客様ニーズに対応するため、当社グループが保有する独自技術を活かした、付加価値ある製品の開発に取組んでおります。 具体的には、当社グループ独自の発酵・製パン・冷凍技術を活かして、焼きたての味と食感を維持・再現した、家庭で手軽に焼きたての味が楽しめる焼成冷凍パンを開発しました。 また、冷凍麺ではうどんの新製法「丹念仕込み『綾・熟成法』」を開発し、これにより、うどんの高品位・高付加価値化を実現することが可能となりました。 <調達> 安全な食品づくりは、安全で高品質な原料の調達から始まります。 当社グループでは、原料の選定にあたり、サプライヤーから提出される品質規格保証書の内容確認だけではなく、主要な原料については、残留農薬等のモニタリング検査や原料工場の定期的な監査を食品衛生法等関連法規の適法性はもとより、当社グループ独自で定めている基準により実施しております。 更に、海外から調達する原材料において、原料農場の土壌や水質の検査、栽培状況の確認、農薬の管理状態のチェック、飼育場や養殖場の点検等、原材料の生産現場から安全性を確認する体制を構築しております。 <製造> 当社グループでは、日本で16の工場、海外で7つの工場を運営しており、また、国内外の委託工場に当社グループの加工食品の製造を外部委託しております。 2020年度より稼働した1工場 (注)を除き、国内外の自社グループ工場と生産委託を行っているすべての冷凍食品工場においては、ISO22000又はFSSC22000を取得しております。 ISO22000及びFSSC22000では、HACCPの考え方による科学的な裏付けをもった衛生管理や重要管理点をコントロールするためのルールを定め、その管理手法に基づいた継続的な改善を行います。 (注)当該工場についても、現在ISO22000及びFSSC22000の取得を進めております。 <マーケティング> お客様視点での市場分析と当社グループが保有する技術を組み合わせることにより、新たな付加価値を持った製品提案を行い、市場の拡大を目指しております。 また、効果的な販売促進施策によるお客様の製品認知度の向上に努めております。 <販売及び流通> 収益力強化に向けて、営業部門組織体制の最適化に取組むとともに、量販店、コンビニエンスストア等への積極的なアプローチによる取扱い品目の拡大や優位な陳列場所の確保に取組んでおります。 <食の安全> お客様に安全な製品を、安心して召し上がっていただくために、東京及び中国(青島)に品質管理センターを設置しており、製品の企画・開発段階からの使用原材料の検査・監査を実施するとともに、工場での生産時・出荷前の検査並びに製品づくり全体の安全管理を行っております。 また、「食の安全に関するアドバイザー」である外部専門家の方々より、評価・助言をいただき、多様な知見・視点を積極的に取り入れ、事業活動に反映しております。 これらの取組みは、上記<調達>及び<製造>に記載した内容を含め、ウェブサイト等で公開しております。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 (2024年12月31日現在)名称住所資本金(百万円)事業内容議決権に対する所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借当社役員当社従業員(連結子会社)268社JT International Holding B.V.※1オランダ千USD1,800,372たばこ100.0有有―――JT International S.A.※1スイス千CHF923,723たばこ100.0(100.0)―――ライセンス供与、製造たばこの販売等―LLC JTI Russia※2ロシア千RUB157,751たばこ100.0(100.0)―――――Gallaher Ltd.※1英国千GBP50,374たばこ100.0(100.0)―――――JTI Polska Sp. z o. o.ポーランド千PLN200,000たばこ100.0(100.0)―――――LLC Petroロシア千RUB328,439たばこ100.0(100.0)―――――JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.Ş.トルコ千TRY148,825たばこ100.0(100.0)―――――TSネットワーク㈱※1東京都台東区460たばこ85.3―有―製造たばこの配送業務等の委託有日本フィルター工業㈱※1東京都墨田区461たばこ100.0―有―製造たばこ用フィルターの購入有鳥居薬品㈱※3東京都中央区5,190医薬54.8―――製品の共同開発・販売等有Akros Pharma Inc.アメリカ千USD1医薬100.0(100.0)―有―海外臨床開発・調査業務委託―テーブルマーク㈱※1東京都中央区22,500加工食品100.0―有有―有その他256社※1 (持分法適用会社)53社 TC Megapolis JSCロシア千RUB77たばこ23.0(23.0)―――――その他52社 (注)1.「事業内容」には、セグメントの名称を記載しております。 2.「議決権に対する所有割合」の( )内は、間接所有割合を表示(内書)しております。 3.「役員の兼任等」には、当社との兼任及び当社からの出向を含んでおります。 4.※1:特定子会社に該当しております。 なお、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は次のとおりです。 JTI-Macdonald Corp.、JTI Tütün Ürünleri Pazarlama A.Ş.、JT Canada LLC Inc.、JT International (Philippines) Inc.、JTI Processadora de Tabaco do Brasil Ltda.、Japan Tobacco International Manufacturing Co., Ltd.、JT International Distribuidora de Cigarros Ltda.、PT Karyadibya Mahardhika、JT International Asia Manufacturing Corp.、JTI (UK) Management Ltd.、Al Nakhla Tobacco Company S.A.E.、Logic Technology Development LLC.、JTI Cigarette and Tobacco Factory Co. Ltd.、JT International Bangladesh Limited、JT International (Thailand) Limited5.※2:売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)が、当社グループの連結売上収益に占める割合の10%を超えております。 該当する会社の主要な損益情報等は次のとおりです。 名称主要な損益情報等(百万円)売上収益税引前利益当期利益資本合計資産合計LLC JTI Russia329,623109,59287,385314,892414,495 6.※3:有価証券報告書を提出しております。 7.連結子会社であるJT International Bangladesh Limitedは債務超過会社であり、債務超過額は195,209百万円です。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 (2024年12月31日現在)セグメントの名称従業員数(人)たばこ事業47,120[5,284]医薬事業1,340[73]加工食品事業4,134[228]提出会社の全社共通業務等999[119]合計53,593[5,704](注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書で記載しております。 2.提出会社の全社共通業務等は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数です。 (2)提出会社の状況 (2024年12月31日現在)従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)5,99441.315.09,516,774[291] セグメントごとの従業員数は以下のとおりです。 セグメントの名称従業員数(人)たばこ事業4,764[265]医薬事業711[20]加工食品事業28[0]提出会社の全社共通業務等491[6]合計5,994[291](注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書で記載しております。 2.提出会社の全社共通業務等は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数です。 3.従業員数は契約社員(30人)、休職者(180人)、当社への出向者(102人)を含み、当社からの出向者(600人)は含んでおりません。 4.平均勤続年数には、日本専売公社における勤続年数を含んでおります。 5.平均年間給与(税込)は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3)労働組合の状況 当社グループにおいて、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。 (4)多様性に関する指標当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりです。 ①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示提出会社管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休業等取得率(%)男女の賃金格差(%)全従業員従業員臨時雇用者10.790.376.375.8114.6 連結子会社名称管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休業等取得率(%)男女の賃金格差(%)全従業員従業員臨時雇用者TSネットワーク㈱1.880.036.277.567.7ジェイティ物流㈱-*74.479.964.3日本フィルター工業㈱2.6100.068.275.784.3ジェイティプラントサービス㈱7.566.778.283.695.4富士フレーバー㈱4.0133.379.377.984.1鳥居薬品㈱12.075.077.580.444.7テーブルマーク㈱7.5100.055.662.656.0富士食品工業㈱9.0100.069.271.6107.7ケイエス冷凍食品㈱15.10.061.081.682.7日本食材加工㈱-100.056.780.975.7㈱フードレック-100.071.386.153.5サンバーグ㈱-*71.172.185.7加ト吉水産㈱9.1*71.079.777.7一品香食品㈱-0.087.185.988.1㈱光陽-*66.079.873.1㈱ジェイティクリエイティブサービス22.766.770.378.570.6㈱JTビジネスコム22.6100.063.177.782.1(注)1.従業員数は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。 2.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。 3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。 4.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。 5.男性の育児休業等取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであり、出向者は出向先の従業員として集計しております。 なお、過年度に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。 6.「*」は男性の育児休業等取得の対象となる従業員が無いことを示しております。 7.「-」は該当がないことを示しております。 8.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。 出向者は、出向先の従業員として集計しております。 ②連結会社の状況 管理職に占める女性従業員の割合(%)男性の育児休業等取得率(%)男女の賃金格差(%)提出会社及び連結子会社24.995.8111.0(注)1.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。 2.正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含めて算出しております。 3.管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向先の従業員として集計しております。 4.男性の育児休業等取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)とは算出方法が異なっており、各国法令に基づく育児休業等または各企業が独自に定める育児目的休暇等の取得者数の割合を算出し、出向者は出向先の従業員として集計しております。 なお、過年度に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。 5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。 賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。 出向者は、出向先の従業員として集計しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。 (1)経営理念 当社グループの経営理念は、「4Sモデル」の追求です。 これは「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」という考え方です。 当社グループは、「4Sモデル」の追求を通じ、中長期に亘る持続的な利益成長の実現を目指しています。 持続的な利益成長のためには、お客様に新たな価値・満足を提供し続けることが前提となることから、中長期的な視点に基づき、将来の利益成長に向けた事業投資を着実に実施していくことが肝要と考えております。 この「4Sモデル」を追求していくことが、中長期に亘る企業価値の継続的な向上につながると考えており、株主を含む4者のステークホルダーにとって共通利益となるベストなアプローチであると確信しております。 (2)JT Group Purpose自然・社会・個人の様々なスケールで非連続な変化が起こり、事業環境の不確実性・複雑性がますます高まって いる状況下において、当社グループが持続的な存在であるための方向性を明確にするものとして、JT Group Purposeを策定しております。 具体的には、当社グループが未来において社会から求められ、かつ、長期に亘り価値を発揮し続けていくべき領域を「心の豊かさ」であると同定し、この領域を任され、貢献し続けていきたいとの考えから「心の豊かさを、もっと。 」をJT Group Purposeとしています。 加えて、JT Group Purposeの実現に向けて、各事業においてもこれを踏まえた事業Purposeを策定しております。 事業戦略の遂行及び行動指針の実践を通じて、成果を創出し、実績を積み上げていくことにより、JT Group Purposeの実現を目指します。 時代や人により、多様で、変化していく「心の豊かさ」の領域を、今後も社会から任され、貢献できる存在であり続けるため、当社グループは絶えず進化してまいります。 <JT Group Purpose> <事業Purpose>たばこ事業:Creating fulfilling moments. Creating a better future.医薬事業:科学、技術、人財を大切にし、患者様の健康に貢献します。 加工食品事業:食事をうれしく、食卓をたのしく。 (3)経営資源配分方針 当社グループの中長期の経営資源配分は、「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、中長期に亘る持続的な利益成長につながる事業投資(注)を最優先とし、同時に事業投資による利益成長と株主還元のバランスを重視する方針です。 当社グループは、たばこ事業を利益成長の中核かつ牽引役と位置付け、たばこ事業の持続的な利益成長に向けた事業投資を最重要視します。 一方、医薬事業及び加工食品事業は全社利益成長を補完すべく、必要な投資を実行していきます。 (注)たばこ事業の成長投資を最重要視し、お客様・社会への新たな価値・満足の継続的な提供を通じて、質の高い トップライン成長を実現することで、為替一定調整後営業利益の成長を目指す (4)全社利益目標及び株主還元方針 当社グループは、経営理念及び経営資源配分方針を踏まえ、全社利益目標及び株主還元の中長期の方向性を「経営計画2025」において設定しています。 「経営計画2025」においては、たばこ事業における持続的な単価上昇効果の発現、RRP(注1)の損益改善に加えて、米国Vector Group Ltd.の買収による貢献もあり、期間中における為替一定ベースの調整後営業利益の成長率は、年平均high single digitを見込んでおります。 なお、中長期に亘っては、年平均mid to high single digit成長を目指してまいります。 株主還元方針については、「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づく経営資源配分方針で掲げる「中長期に亘る持続的な利益成長に繋がる事業投資を最優先」と「事業投資による利益成長と株主還元のバランスを重視」という観点から、以下のとおりとしています。 ・強固な財務基盤(注2)を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指す・資本市場における競争力ある水準(注3)として、配当性向75%を目安(注4)とする・自己株式の取得は、当該年度における財務状況及び中期的な資金需要等を踏まえて実施の是非を検討(注1)Reduced-Risk Products。 加熱式たばこ及びE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(注2)経済危機等に備えた堅牢性、及び機動的な事業投資等への柔軟性を担保(注3)ステークホルダーモデルを掲げ、高い事業成長を実現しているグローバルFMCG(Fast Moving Consumer Goods)企業群の還元動向をモニタリング(注4)±5%程度の範囲内で判断(注5)将来に関する記述は、様々なリスクや不確実性に晒されており、実際の業績は、将来に関する記述における見込みと異なる場合があります。 当社グループに関するリスク詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。 (5)経営環境及び全社利益目標達成に向けた基本戦略ⅰ経営環境 当社グループ経営を取り巻く経営環境は、地政学リスクの顕在化に伴う世界経済への影響や一部市場における事業継続懸念・ハイパーインフレーション、為替変動リスクやインフレ・金利動向をはじめとする各国マクロ経済の動向等、不確実性を増していると認識しております。 こうした不透明な経営環境を乗り越え、適切にグローバルビジネスを運営し、持続的な利益成長を実現するためには、「変化への対応力」が必要であると考えております。 これは、不確実性に対処すべく、計画策定時において想定の範囲を拡げるとともに、それでも起こりうる想定を超える変化・出来事に対して、素早く・柔軟に対応する能力を指しており、この変化への対応における巧拙とスピード感は、引き続き企業の競争力を決定する重要なファクターになると考えております。 加えて、デジタル・テクノロジーの進展、生活者の意識・行動の変化及びESGやサステナビリティに対する意識の高まり等、世の中の大きくかつ急速な流れを踏まえ、「変化への対応力」という受け身の対応だけではなく、自ら変化を起こし、変革をリードする組織への進化を加速してまいります。 当社グループは、不確実性を増す経営環境を見極め、スピード感を持って競争力を強化すべく、期間を3年間とした経営計画を1年ごとにローリングを行う方式で策定しております。 ⅱ基本戦略 当社グループは目標達成に向けた基本戦略として「質の高いトップライン成長」「コスト競争力の更なる強化」「基盤強化の推進」を掲げており、それぞれ選択と集中の考え方を通じて実行していきます。 中でも「質の高いトップライン成長」を最重要視しており、以下各事業の基本戦略の中で述べるブランドやカテゴリといった注力分野にリソースを集中し、商品・サービスの付加価値を向上させていきます。 「コスト競争力の更なる強化」については、事業コスト、コーポレートコストの双方においてその最適化を進め、品質の維持・向上との両立を図りながらスピーディーかつ効率的な事業運営体制を構築し、利益率の改善及びキャッシュ・フロー創出力の強化を目指していきます。 加えて、事業継続能力の向上を図るとともに、コスト競争力の強化を目指していきます。 「基盤強化の推進」にあたっては、前例にとらわれることなく、変化する環境を適切にとらえ、常に挑戦する姿勢を持ち続けることが重要です。 このような観点に基づき、不断の改善に取組んでいきます。 加えて100以上の国籍を持つ社員が働く当社グループ人財の多様性を活用し、コラボレーションを推進することにより、シナジーを最大化していきます。 また、すべての企業活動及び成果は人財によって生み出されていることを強く認識しており、人財育成についても一層強化していきます。 (6)セグメントごとの経営環境及び基本戦略[たばこ事業] たばこ事業は、当社グループ利益成長の中核かつ牽引役であり、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率について、「中長期に亘って年平均mid to high single digit成長」を目指します。 ⅰ経営環境 たばこ製品については、現在多種多様な製品形態が市場に流通しており、紙巻たばこ、加熱式たばこ、E-Vapor製品、Fine cut tobacco、シガー、パイプ、無煙たばこ、水たばこ、クレテック等が挙げられます。 加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品で、各国で伸長しています。 加熱式たばこは、たばこ葉を使用していることから、原則として規制・税制上たばこ製品としての取扱いを受けます。 加熱式たばこ(中でもHeated tobacco sticks(高温加熱型の加熱式たばこ))は、各社が開発に力を入れており、イノベーションを通じた更なる成長が期待されます。 また、鼻や口に直接含んで味・香りを愉しむ、煙の出ない製品である無煙たばこは、たばこ葉を含むスヌースと、たばこ葉をほとんど含まないニコチンパウチがあり、特にニコチンパウチは、欧州や米国を中心に市場規模が拡大してきています。 E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、ニコチンが含まれるリキッドを加熱して愉しむ製品で、欧米の市場を中心に一定の市場規模を有しています。 E-Vapor製品は、たばこ葉を使用していないことから、多くの市場において、たばこ製品とは異なる規制・税制が適用されておりましたが、近年は各国の規制・税制に変化が見られ、特に使い捨てのE-Vapor製品において規制強化の傾向が見られます。 世界のCombustibles(注1)総需要は年間約5.3兆本(注2)、金額ベースの市場規模は約8,000億米ドル(注2)です。 世界最大の市場は中国であり、世界のCombustibles総需要の40%超を占めていますが、同国の専売企業である中国国家煙草総公司が製造・流通・販売をほぼ独占しています。 また、インドネシア、ロシア、米国、トルコ、エジプトが中国に次ぐ市場規模(注2)となります。 たばこ産業における主なグローバルプレーヤーは、中国国家煙草総公司を除けば、フィリップ・モリス・インターナショナル社、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ社、JTグループ、インペリアル・ブランズ社があります。 RRPにおいては、この4社に加え、E-Vapor製品を販売している数多くの中小企業があります。 Combustibles市場(注3)は、成熟市場と新興市場とで異なる特徴を有しており、成熟市場においては、経済成長が限定的であることや、増税及び規制の強化、人口構造の変化等の様々な要因によって、Combustibles総需要は減少傾向にあります。 また、お客様の需要がより低い価格帯の商品へと移行する動きも複数の市場で見受けられます。 一方、新興市場においては、人口の増加と経済成長に伴い、Combustibles総需要が増加傾向にある国も見られます。 また、アフリカおよび中東の一部地域においては、経済成長と共にたばこの価格が安定的に推移していることやお客様がブランドやイメージを重視する消費傾向にあること等を背景に、中・高価格帯の商品へと移行する動きも見受けられます。 世界のCombustibles総需要(注2)は、傾向としては減少トレンドにあります。 しかしながら、たばこ産業の利益創出構造は引き続き堅固であり、厳しい環境下においても、主にCombustiblesにおける製品単価の上昇により、今次経営計画の期間においても市場全体の売上規模は成長を続けると見立てております。 このCombustibles総需要の減少と売上規模の増加傾向は、今後も継続するものと予想されます。 また、お客様のニーズ等により加熱式たばこ及びE-Vapor製品等の市場構成は国々で異なるものの、RRPの主な市場は、米国、日本、イタリア、英国等が挙げられます。 市場規模はCombustibles市場(注3)に比べれば小さいものの年々売上が伸長しており、今後も加熱式たばこの成長が牽引し、RRP売上規模は拡大していくと見込んでいます。 (注1)製造受託/水たばこ/加熱式たばこ/無煙たばこ/E-Vaporを除く燃焼性のたばこ製品(注2)2023年度データ。 Fine cut tobaccoを含む(注3)Fine cut tobaccoを含む ⅱ基本戦略<質の高いトップライン成長>・Combustibles及びRRPへの経営資源の集中的な投入 Combustiblesについては、今後も中長期的にたばこ産業全体の数量・売上規模という観点において最大のカテゴリであると見立てているため、その重要性に変わりはなく、トップライン成長に向けたマーケティング投資及び着実なプライシングを実行しつつ、不断の改善によるコスト効率化等を通じ、ROI(Return On Investment)改善を目指します。 また、強固なブランドポートフォリオを活用し、各市場シェアの継続的な獲得等を通じて、持続的な成長を目指してまいります。 RRPはHeated tobacco sticks(HTS)を中心に更なる市場規模の拡大が見込まれる中、将来の事業成長の柱としてプレゼンスを拡大すべく、注力してまいります。 HTSへ優先的な投資を実施することで、Ploomブランドのグローバル展開を加速させ、PloomのHTSカテゴリ内シェアの拡大を目指します。 加えて、これらを支える組織ケイパビリティの強化を実施してまいります。 また、将来的な利益成長の機会を見据え、HTS以外の製品カテゴリの可能性も引き続き探索してまいります。 ・ブランドエクイティ強化を通じた既存主要市場におけるシェアの維持・拡大 たばこ事業は、「卓越したブランド力」を原動力として、過去数年間に亘って、当社グループ主要市場の多くで、その市場シェア伸張を実現してきました。 今後も市場シェア伸張を目指すべく、当社グループは、主要ブランド、特にGFBへの継続的な投資を通じたブランドエクイティの向上に注力していきます。 その一方で、当社グループが事業展開する各国・各地域のお客様の嗜好に合わせ、ローカルブランドによる補完も適切に実行し、ブランドエクイティ強化に向けた継続的な投資を行っていきます。 具体的には、喫味品質の主たる要素である「ブレンド技術」「香料技術」「フィルターをはじめとする材料技術」、そしてそれらを「加工する技術」を更に進化させていくとともに、外観品質として重要な「パッケージ開発力」も加えた、付加価値あるたばこ創りの5つの主要素の強化に注力していきます。 <コスト競争力の更なる強化> たばこ事業は、これまで同様に不断のコスト改善を追求し、品質の維持・向上との両立を図りながら、スピーディーかつ効率的な事業運営体制の構築を目指します。 また、これまで以上に、グローバルサプライチェーンの全体最適化を志向していきます。 具体的には、葉たばこのグローバル調達における垂直統合や、材料品調達における材料スペックの統一化、サプライヤー間の互換性の確保によるコスト低減を促進していくとともに、市況に応じた機動的な調達と原材料在庫の適正化による原材料費の抑制を追求していきます。 また、生産性の向上を目指した製造体制の見直しと設備投資の最適化を通じた加工費の節減も継続的に実施していきます。 同時に、地政学リスクも考慮の上、事業継続能力を向上させるべく、代替性確保と重要機能の分散化という観点から、マルチソーシング体制の確立と、グローバルな製造拠点の相互活用による製造能力の最適配分、優先銘柄に関する製造能力のエリア分散を目指しております。 上記施策を通じて、品質に妥協することなくコスト効率化を実現し、更なるマージン改善及び運転資本や投資最適化によるキャッシュ・フロー創出力の強化を目指していきます。 <基盤強化の推進> 当社グループは2022年度よりたばこ事業の事業運営体制を一本化し、たばこ事業の本社機能をジュネーブ拠点に統合しております。 新たな事業運営体制においては、コンシューマー・セントリックの考えに基づいた、デジタルや製品開発のケイパビリティ強化を目指すと共に、グローバルリソースの最大活用や意思決定スピードの向上及び効果的かつ効率的な事業運営体制を通じて、グローバルな組織力の強化を図っていきます。 また、グローバル視点での優先順位付けに基づいた迅速な資源配分により、お客様への提供価値を強化していきます。 また、たばこ事業の持続的利益成長を支える基盤として、「人財育成」を重要なテーマと考えております。 130以上の国と地域で製品を販売する当社グループでは、世界中で100以上の国籍の社員が、国籍・性別・年齢の区別なく働いております。 こうした多様性を活かし、コラボレーションを推進する中で、シナジーを最大化しております。 すべての企業活動・成果は人財によって生み出されるものという強い認識の下、グローバルな人財の獲得・育成について、更に進化させていきたいと考えております。 たばこ事業は、上記事業戦略の着実な実行により、引き続き業界を代表するグローバルたばこメーカーとしてのプレゼンス向上を目指すとともに、当社グループにおける利益成長の中核かつ牽引役としての役割を一層強化していきます。 [医薬事業] 医薬事業は、次世代戦略品の研究開発推進と各製品の価値最大化を通じ、当社グループへの利益貢献を目指します。 ⅰ経営環境 世界の医薬品市場規模は過去5年間で年平均成長率約5.8%と成長を続け、直近2023年の市場規模は前年度比8.1%増の1兆5,996億米ドルとなっています(注)。 健康意識の高まり、人口の増加、公的医療制度の充実等に伴い、先進的な医薬品の需要が高まっている一方で、高齢化や財政赤字等の背景もあり、各国政府は薬価コントロールを強めており、医療費の抑制を図っています。 日本の医療用医薬品市場におけるジェネリック医薬品の規模は、政府による医療費抑制を目的とした普及促進に伴い拡大しています。 加えて、薬価制度の抜本的改革により、2021年より毎年段階的な薬価引き下げ等が行われており、企業にとっては厳しい状況が続いております。 有望な創薬標的の発見は容易ではなく、また新薬の承認審査基準が厳格化する中で、グローバルの開発競争は厳しさを増しています。 当社は、国際的に通用するオリジナル新薬創出のための研究開発主導型事業を運営しており、日本国内だけではなく、グローバルメガファーマやベンチャー企業等、多数の企業と競合関係にあります。 (注)Copyright © 2025 IQVIA. Created based on IQVIA World Review (Data Period, Year 2019-2023) 無断転載禁止 ⅱ基本戦略<安定的な利益貢献> 安定的な利益貢献のために、具体的には「次世代戦略品の研究開発推進と最適タイミングでの導出」「各製品の価値最大化」を重要課題とした収益基盤の更なる強化に努めます。 ・次世代戦略品の研究開発推進と最適タイミングでの導出医薬事業の持続的発展の観点から、次世代戦略品の研究開発推進は重要な課題です。 新薬創出のハードルが年々上昇している中、世界の医療現場におけるアンメットニーズに徹底的にこだわり、世界中から創薬のタネを求めることによって研究テーマの充実を図るとともに、候補化合物ごとに柔軟かつきめ細やかな研究マネジメントを実践することによって、迅速な臨床開発フェーズへの移行を目指します。 近年、世界規模で研究開発競争が激化しており、医療現場ニーズを見据えた完成度の高い開発戦略の構築と、スピード感のある臨床試験の実施が必要不可欠です。 研究開発スピードを加速し、早期に世界の患者様に当社グループが創製した新薬をお届けするために、自社での開発推進に加え、引き続き、他社(特にグローバルメガファーマ)への導出や提携等の機会も積極的に追求していきます。 ・各製品の価値最大化2014年以降、国内において当社が「リオナ錠(高リン血症治療剤・鉄欠乏性貧血治療剤)」「コレクチム軟膏(アトピー性皮膚炎治療薬)」「エナロイ錠(腎性貧血治療薬)」「ブイタマークリーム(アトピー性皮膚炎治療剤・尋常性乾癬治療剤)」を、当社のグループ会社である鳥居薬品が「ミティキュアダニ舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」「シダキュアスギ花粉舌下錠(アレルゲン免疫療法薬)」「オラデオカプセル(遺伝性血管性浮腫発作抑制薬)」等を発売しました。 また、海外においては各ライセンスパートナー企業が、「Stribild(抗HIV薬)」及び「Genvoya(抗HIV薬)」並びに「Mekinist(メラノーマ、非小細胞肺がん治療薬)」「Anzupgo(中等症~重症の慢性手湿疹治療薬)」等を販売中です。 これら各製品を通じた医療現場への貢献を最大化すべく、鳥居薬品やライセンスパートナー企業と緊密に連携し、市場への着実な浸透を図っていきます。 なお、こうした諸活動の推進を実効あるものとするためには、医療現場におけるアンメットニーズや最新の創薬研究に精通し、それをもとに完成度の高い開発戦略や製品価値最大化戦略を構築しうる人財、世界のアカデミアや製薬企業とわたりあえるグローバル人財の育成が急務であると認識しており、それに向けた取組みに注力していきます。 [加工食品事業] 加工食品事業は、高品質なトップライン成長による中長期に亘る利益成長を通じ、当社グループへの利益貢献を目指します。 ⅰ経営環境 2023年における日本国内の冷凍食品消費量(注)は、前年度比3.4%減の約288万トンであり、輸入品を含む国内消費金額(注)は前年度比3.4%増の1兆2,472億円となりました。 日本の加工食品市場は、共働き世帯の増加等のライフスタイルの変化に伴い、調理の簡便化や時短化のニーズが高まっていること等を背景として堅調に推移していると考えています。 その中でも冷凍食品は、いつでも手軽に出来たてのおいしさを再現でき、バリエーションが豊富であるため、お客様の多様なニーズを満たすことができると期待されています。 当社のグループ会社であるテーブルマーク㈱の競合企業は、マルハニチロ、ニチレイフーズ、味の素冷凍食品、ニッスイといった大手企業に加え、数多くの中小企業が挙げられますが、各種の製品カテゴリごとにすみ分けがなされています。 一方で、流通各社でのプライベートブランド製品の拡大や卸企業の業界再編等、販路の動向にも注視することが必要と考えており、また、原材料においても世界的な食料不足を背景とした価格変動等のリスクが依然として存在しています。 (注)日本冷凍食品協会(2023年データ) ⅱ基本戦略<質の高いトップライン成長> 冷凍うどん、パックごはん、冷凍お好み焼を中心とした冷凍・常温食品及び調味料を主力として事業を展開しております。 お客様ニーズ把握力、アイデア創出力・具現化力の更なる強化を図ることにより、当社グループ独自の製造技術を一層活かしつつ、「お客様にとって、その価格に相応しい付加価値ある商品づくり」を目指します。 また、商品戦略と連動した効果・効率的な広告宣伝及び販売促進活動の展開並びに営業力の強化を図ることによって、更なる市場シェア拡大を目指します。 <コスト競争力の更なる強化> 原材料調達力の強化、物流網の効率的運用、自社グループ工場の生産性改善によるコスト低減に加えて、販売促進施策の選択と集中による営業活動経費の効率的執行、全社的な固定費削減努力を継続的に行い、コスト競争力の強化に努めます。 <基盤強化の推進>・食の安全管理 今後も引き続き、お客様に安全で高品質の商品を提供していくため、「フードセーフティ」「フードディフェンス」「フードクオリティ」「フードコミュニケーション」の4つの視点をもとに食の安全管理に万全を期した事業運営を行っていきます。 「フードセーフティ」では、既に導入済の食品安全マネジメントシステムを活用し、リスクを極小化する活動を展開します。 「フードディフェンス」では、意図的な攻撃を防ぐための仕組みとして導入済であるフードディフェンスプログラムを推進しております。 「フードクオリティ」では、食品本来の品質である「おいしさ」を追求するとともに、お問い合わせ・ご指摘情報からの継続的な改善による、商品付加価値とお客様満足度の向上を目指します。 「フードコミュニケーション」では、お客様の要望に真摯に耳を傾けるとともに、当社グループの活動の「見える化」を推進するため、積極的に情報を提供する取組みを行います。 ・人財育成 事業を支える人財の育成は重要なテーマであり、高いマーケティング能力や商品開発能力等様々なスキルを有する人財の育成に向け、能力開発プログラムの策定及び適切なキャリアパスの構築を図り、その実行に努めていきます。 以上のとおり、当社グループは、「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、「変化への対応力」を高めながら、大胆かつスピーディーに意識・行動を変革し、各事業の成長戦略を着実に実行することによって、持続的利益成長を実現し、中長期に亘る企業価値の継続的な向上を目指していきます。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。 (1)サステナビリティ全般当社グループの長期的な成長には、事業活動を通じ、社会の発展に貢献していくことが必要不可欠であり、事業と社会のサステナビリティ実現に向けた取組みは従来から経営の根幹をなすものと考えています。 当社グループでは、経営理念である「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、事業と幅広いステークホルダーにとっての重要課題(マテリアリティ)を特定し、これを基にサステナビリティ戦略を定めています。 グループ全体で推進力を持って取組むことにより、社会課題の解決及び事業の持続的な成長を実現していきます。 ①ガバナンスサステナビリティの重要事項については、取締役会決議事項・報告事項としています。 具体的に近年ではマテリアリティの改定について取締役会での決議を得たほか、マテリアリティの改定を踏まえた全社サステナビリティターゲットであるJT Group Sustainability Targetsの策定及びその実績について、取締役会に報告しました。 また、当社グループのサステナビリティ課題を議論する場として、2020年から定期的にサステナビリティ検討会を開催しています。 サステナビリティ検討会はChief Sustainability Officerを議長とし、当社グループの各事業・コーポレート部門の責任者が参加しています。 2024年には3回開催し、JT Group Sustainability Targetsの更新、気候変動に関する各種取組みと目標に対する進捗、人権尊重の取組みとデュー・ディリジェンスの実施状況、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive:企業サステナビリティ報告指令)への対応、非財務データマネジメント、ステークホルダーエンゲージメントといった課題やテーマについて、議論と情報共有の場を設けました。 なお、検討会で議論された内容は、適宜社長及び取締役に報告しています。 ②戦略自然や社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会の持続性があってはじめて人の暮らしや企業の活動も持続的となるという考えのもと、「4Sモデル」の追求を経営理念とし、JT Group Purposeを掲げる当社グループとして特定した5つの課題群を、取締役会での議論も経て、JT Group Materiality(重要課題)として策定しています。 また、JT Group Materialityを踏まえ、当社グループが取組んでいく具体的な内容をより明確にすべく、JT Group Sustainability Targetsを策定しています。 当社グループはJT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくために、JT Group Sustainability Targetsに基づく具体的な取組みをもって、JT Group Materialityに取組んでいきます。 JT Group Purpose心の豊かさを、もっと。 Fulfilling Moments, Enriching Life JT Group Materiality自然や社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会が持続可能であってはじめて、人の暮らしや企業の活動も持続可能となります。 JTグループはJT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくために、以下のマテリアリティ(重要課題)に取組んでいきます。 自然との共生 お客様の期待を超える価値創造 人財への投資と成長機会の提供 責任あるサプライチェーンマネジメント 良質なガバナンス自然環境に与える影響の改善に向けた取り組みを通じて、自然と人や企業の健全な関係性を保全 お客様の期待を超える多様な製品・サービスを創出 人財の多様性に着目した成長支援を含む人財への投資や、多様な個性がその能力を最大限発揮できる組織風土の醸成を通じた人的資本の拡充 人権尊重や自然環境保全など多様化する社会課題への適切な対応を通じ、事業環境の急激な変化に耐えうる持続可能なサプライチェーンを構築 さまざまなステークホルダーの満足度を高め、信頼される企業体であり続けるためのガバナンスの充実 JT Group Sustainability Targets(JT Group Sustainability Targetsについては、④指標と目標をご覧ください) ③リスク管理当社グループは、JTグループの中長期に亘る持続的な利益成長と企業価値の向上に寄与し、JTグループの透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みを充実させるため、グループ全体を対象に統合型リスク管理(ERM: Enterprise Risk Management)を導入しています。 ERMにはサステナビリティ関連のリスクも含んでおり、詳細については「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。 ④指標と目標JT Group Materialityを踏まえたJTグループの具体的な目標および取り組みとしてJT Group Sustainability Targetsを策定しています。 JT Group Sustainability Targetsは、JT Group Materialityを踏まえた当社グループにおける様々なサステナビリティ課題への取組みを設定しており、また全事業におけるサステナビリティの取組み目標を包含しています。 JT Group Sustainability Targetsについては以下をご参照ください。 ・JT Group Sustainability Targets:https://www.jti.co.jp/sustainability/pdf/JTGS_TargetsJ_202402.pdf なお、2023年度のJT Group Sustainability Targetsの進捗については、以下をご参照ください。 また、2024年度の実績については、2025年6月発行予定の「統合報告書2025」をご確認ください。 ・JT Group Sustainability Targetsに基づく2023年実績:https://www.jti.co.jp/sustainability/all_FY23_JP.pdf (2)気候変動気候変動は、社会そして私たちの事業が直面する最も深刻な環境課題です。 地球温暖化や異常気象をはじめとする気候変動の影響は、農産物を主要原料とする当社製品のサプライチェーンのみならず、世界各国での事業活動そのものにも及ぶため、当社グループでは、気候変動への取組みに力を注いでいます。 2022年2月には、2050年までにバリューチェーン全体でのネットゼロ実現を掲げ、そのマイルストーンとして、2030年までに自社事業におけるカーボンニュートラル実現を目標としております。 この目標は、科学的知見と整合した野心的な目標であり、2022年にSBT(Science Based Targets)イニシアティブから「1.5℃目標」の認定を取得しております。 また、2024年9月には、SBTiに対し、「ネットゼロ目標」の認定取得に向けた検証の申請をしております。 なお、当社グループは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が提言する情報開示フレームワークに沿った開示を進めています。 詳細は、当社の統合報告書(https://www.jti.co.jp/investors/library/integratedreport/index.html)をご参照ください。 ①ガバナンス当社グループでは、ネットゼロ実現に向けて長期的なロードマップを作成するとともに、それに基づき作成した3ヵ年の温室効果ガス削減計画を中期経営計画に盛り込み、取締役会へ報告しております。 また、JT Group Sustainability Targetsにネットゼロ実現に向けた温室効果ガス削減目標を織り込み、当該目標に対する進捗についても取締役会へ報告しております。 ②戦略当社グループでは1.5℃目標に沿ったネットゼロの実現を目指しており、事業に対し財務的・戦略的に大きな影響を及ぼす可能性のある様々なリスクファクターについて、短期(0~5年)・中期(5~10年)・長期(10~30年)の時間軸で検討しています。 移行リスクの検討にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)による気候変動シナリオであるIEA NZE2050を参照しています。 また、物理リスクの検討にあたり、平均気温上昇幅が極端なケースで分析をおこなうべく、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による代表的濃度経路シナリオ(RCP2.6、RCP8.5)を用いて分析を実施しています。 シナリオ分析の結果、脱炭素社会への移行に伴う「カーボンプライシング(炭素税の引き上げ)」と「葉たばこ生育環境の変化」という2つの主要な気候変動リスクを特定し、バリューチェーン全体を対象とした気候変動対策と継続的改善により、その軽減に努めております。 シナリオ分析の詳細は、JTウェブサイト(https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/operations/index.html)をご参照ください。 ・移行リスク:カーボンプライシング(炭素税の引き上げ)影響炭素税は、原料または二次原料あるいは農業バリューチェーンの各段階で利用するサービス(農薬、農業用機械、葉たばこ加工用機械、保管、流通など)に課されるものです。 炭素税の引き上げにより、葉たばこをはじめとする原材料調達コストが押し上げられ、ひいてはグループ全体のコストにも影響を与える可能性があります。 複数のシナリオに基づき、気温上昇に伴う炭素税の引き上げによる影響を算出した結果、27億円~1,089億円の実質的な財務的影響が生じる可能性があります。 財務的影響については、炭素税導入の可能性のある国における2050年の想定GHG排出量に当該国の炭素価格を乗じることにより、算出しています。 また、2050年の想定GHG排出量は、当社グループの排出量削減見込みと、売上成長予測に基づき算出しています。 軽減策このリスクに対応するため、設備投資や省エネ施策によるエネルギー消費量の削減に取組むとともに、再生可能エネルギーの積極活用(再生可能エネルギーによる自家発電・発熱、グリーンエネルギー購入)を行っています。 また、事業活動に使用する車両の脱炭素化を積極的にすすめるほか、それぞれのサプライヤー固有の気候変動リスクを理解し、適切な緩和策を講じるための協働・支援を行っています。 ・物理的リスク:葉たばこ生育環境の変化影響葉たばこ生育環境の変化として挙げられるのが、気候変動に伴う大気中二酸化炭素濃度の上昇や、作物に被害をもたらす病害虫の発生・広がりの変化、水不足、気温上昇、異常降水などです。 いずれの現象も、葉たばこを含め当社グループにとって重要な自然資源の確保と質に影響を与えかねず、複数の葉たばこ調達国で発生する可能性があります。 複数のシナリオに基づき、葉たばこ調達コストの増加による影響を算出した結果、35億円~348億円の財務的影響が生じる可能性があります。 軽減策このリスクに対応するため、特定された気候変動の影響を踏まえた葉たばこ調達国変更、気候変動適応策(スマート農業、品種改良など)を行っております。 また、葉たばこ産地において収量増加に向けた取組みを行い、コスト増加と調達量減少への対策を行っています。 レジリエンスを備えたサプライチェーンの構築を企図し、サプライヤーとの強固な協力関係を築くとともに、サプライチェーンの地理的分散を行ってきました。 その結果、現在、当社グループは30を超える国から効率的かつ安定的に葉たばこの調達を行っております。 ③リスク管理当社グループでは、ERMプロセスを通じ、気候変動リスクを評価し、リスクの対応計画を策定しています。 策定の際は、国別気候変動シナリオ分析により特定したそれぞれの国・地域におけるリスクを反映しています。 そのうえで、当社グループ全体の事業上のリスク評価と、各国・地域別の評価を基に、対応の優先順位を明確化しています。 ④指標と目標当社グループでは、気候変動リスクの軽減及び脱炭素社会の構築に向けた社会的責任を果たすため、2050年までにバリューチェーン全体でのネットゼロ実現を掲げています。 そのマイルストーンとして、2030年までに当社グループの事業におけるカーボンニュートラル達成を目指しており、Scope1,2のGHG排出量を2019年比で47%削減することを目標としています。 加えて、GHG排出量の削減に資する取組みとして、再生可能エネルギー由来の電力導入に係る目標を設定し、注力しています。 また、ネットゼロ実現に向けては、Scope3カテゴリ1のGHG排出量を2030年までに2019年比で28%削減するべく取組んでいるところです。 なお、当社グループの直近のGHG排出量は以下のとおりです。 (単位:千t-CO2e) 2023年度Scope1342Scope2240Scope1+2計582Scope3 カテゴリ16,466 当社グループにおける目標及び2023年度の実績、環境データ/第三者検証、データの算出・連結方法については、JTウェブサイトをご参照ください。 ・JT Group Sustainability Targets: https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/index.html・環境データ/第三者検証、データの算出・連結方法:https://www.jti.co.jp/sustainability/environment/data_verification/index.htmlまた、2024年度の環境データについては、2025年6月発行予定の「統合報告書2025」をご確認ください。 (3)人的資本当社グループは、社会、事業環境が非連続に変化していく中においても、社会とその中に存在する当社グループが持続可能であるために、目指すべき方向を示すJT Group Purpose 「心の豊かさを、もっと。 」を策定しています。 JT Group Purposeは未来社会における当社グループの価値提供領域を表すだけでなく、中長期戦略の策定・遂行、新規事業開発、サステナビリティ活動及び企業風土醸成等あらゆる取組みの求心力となるものです。 JT Group Purposeの実現に向けた活動全ての起点となるのは当社グループ従業員一人ひとりであり、今後、その重要性は更に高まっていくと認識しています。 このような認識の下、引き続きJTグループ人財マネジメントポリシーを基本的な考え方としたうえで、以下のとおり人的資本を定義し、その拡充に努めています。 ①ガバナンス当社グループにおいては、従業員の声に耳を傾けることを重視しており、多面的に従業員とコミュニケーションを行うことで、働きがいのある会社に向けて不断の改善に努めています。 具体的には、当社グループで働く全従業員を対象とした従業員意識調査(EES)、各事業所単位での調査(パルスサーベイ)等を行うことで、グループレベルから事業所レベルまで、それぞれの組織における課題を特定・把握し、速やかな対応を行っています。 また、当社グループで働くすべての従業員に、安全な職場環境を提供することは、当社の責務であると考えています。 そのため、JTグループ労働安全衛生ポリシーで掲げる労働災害ゼロを目指し、安全意識の向上等の各種施策を実施しています。 加えて、当社グループの多くの事業所では、法令遵守にとどまらず、ISO 45001の認証取得を進めています。 さらに、当社においては、社長が「健康経営宣言」を行うとともに、執行役員People & Culture担当を健康経営推進責任者と位置づけ、充実した健康支援体制の構築に努めています。 具体的には全国11カ所の主要エリアに専門の産業保健スタッフ(医師、保健師)を配置し、個別に健康面談を実施する等、従業員一人ひとりが心身ともに健康で持てる力を最大限に発揮できるよう取組みを行っています。 このような人財に関わる取組みやその進捗状況については、適宜、社長・取締役会へ報告を行っております。 ②戦略当社グループにおいては人的資本の明確化及び拡充に資する人事施策の高度化を進めています。 人的資本を、企業活動を支える「人財」、活動の判断基準・行動様式となる「組織風土」、人財と組織風土の好循環を生み出すための「オーナーシップ(一人ひとりの主体性)」と定義するとともに、それぞれの状態及びそれらに紐づく人的資本活動(人事施策)の進捗や結果を把握するための指標を設定し、定期的なモニタリングを通じて着実な人的資本の拡充へ取組んでいきます。 当社グループは、これまでも、「人財の多様性こそ、競争力の源泉」と捉え、年齢、ジェンダー、性自認、性的指向、障がいの有無、民族、宗教、国籍、そして経験、専門性といった異なるバックグラウンドや価値観を持つ人財の確保に取組んでいます。 更に、これらの当社グループの企業活動をドライブする人財一人ひとりが、持てる能力を最大限発揮できるよう努めています。 今後も、既存事業(たばこ事業、医薬事業、加工食品事業)の拡大・最適化を推進する人財、時代とともに変化していくであろう心の豊かさに対応する新たな事業の開発を推進する人財、当社グループの経営・事業をリードする人財の戦略的な確保と成長の支援に一層注力していきます。 また、多様な人財一人ひとりから選ばれ続ける企業であるため、People come firstという考えのもと、従業員の心身の安全・健康を大前提とし、当社グループという職場でいきいき働けるよう、様々なライフステージの従業員が自身の志向するワーク・ライフ・バランスやキャリアを実現できる制度の充実にも努めています。 多様な人財が当社グループの一員として、ともに企業活動を推進していく際に重要となるものが、組織風土(組織で共有すべき価値観)です。 この価値観が組織に根付き、企業活動における判断基準・行動様式になることは、我々が当社グループらしいユニークな価値を持続的に創造していく上での重要な要素と考えています。 当社グループでは、高い倫理観に基づく誠実さ、お互いの成長を支援する風土を培ってきました。 これらの風土を引き続き大切にするとともに、価値観の多様化が進む不確実な時代の中で、様々な「心の豊かさ」を社会に提供していくために、従業員のチャレンジをこれまで以上に後押しすることに加え、社内のみならず社外との共創を推進していくことで、時代に適応した当社グループらしい組織風土の醸成に努めていきます。 多様な人財がその能力を最大限発揮しながら、当社グループらしい価値を創造していくためには、一人ひとりが当社グループの組織風土を形成するとともに、組織の価値観が多様な人財の判断基準・行動様式として伝播していく好循環(人財と組織風土の相互影響)が必要です。 そのためには、一人ひとりがJT Group Purposeを理解し共感したうえで、当社グループの重視する価値観・行動(行動指針)を主体的に実践・推進していくオーナーシップが重要と考えています。 このように、人的資本を「人財」「組織風土」「オーナーシップ(一人ひとりの主体性)」と定義するとともに、それらに紐づく人事施策の推進・検証・改善を通じて、当社グループにおける人的資本の拡充に取組んでまいります。 ③リスク管理当社グループにおいては、人財の多様性を今後も最重要と位置づけ、優秀な人財を惹きつけられるよう、様々な取組みを推進していますが、中核であるたばこ事業に対する社会的イメージの低下等により、人財の確保等を十分に行うことができなかった場合、将来の事業運営が困難となり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、すべての企業活動及び成果は人財によって生み出されていることを強く認識しております。 また、多様な人財こそが競争力の源泉であると認識のもと「人財マネジメントポリシー」を掲げ、世界中から優秀な人財を採用し、その育成・確保を一層強化しております。 具体的には、地域・事業ごとにベンチマークを設定し、魅力的で競争力のある報酬水準を設定しています。 また、幅広い領域での経験を通じてキャリアの方向性を見極めていく総合職採用に加えて、入社段階からのカテゴリ別採用や、職務をベースとしたキャリア採用も行うことで、本人の志向や希望に合わせたキャリア形成が実現しやすい環境と、それを実現するための議論プロセスを充実させています。 また、役職者を含むすべての従業員を対象に、それぞれのキャリアにおいて必要なスキルを身に付けられる研修を実施する等、当社グループのすべての従業員に成長の機会を提供し、人財の成長支援に努めています。 同時に、ダイバーシティの推進を含め、働きやすい職場環境の維持・改善、公正な人事・処遇制度の整備及び適正な運用を行うとともに、多様性を尊重する制度と組織風土を整えています。 ④指標と目標当社グループの人的資本の拡充に資する複数の領域において定性・定量目標を定め、様々な指標をモニタリングしながら、取組みを推進していきます。 とりわけ、DE&Iの推進における、女性の活躍推進では、「2030年までに女性マネジメント比率30%」というグループ目標を掲げ、一層取組みを推進していきます。 なお、2024年12月末時点の当社グループにおける女性管理職の比率は24.9%(1,600名)となっております(参考:当社における同比率は10.7%(111名))。 また、提出日現在、取締役・監査役の総数15名の内、3名が女性です。 このほか、仕事と家庭の両立支援を推進する上での育児休職取得率、労働災害ゼロを目指す上での労働災害発生件数を指標として設定し、取組みの状況をモニタリングしていきます。 詳細については、JT Group Sustainability Targetsにおける「DE&Iの推進」・「人財の戦略的な確保」・「働きやすい環境の整備」・「心身の安全・健康の推進」・「自律的な成長の支援」・「社内外との共創の促進」をご参照ください。 ・JT Group Sustainability Targets:https://www.jti.co.jp/sustainability/pdf/JTGS_TargetsJ_202402.pdf |
戦略 | ②戦略自然や社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会の持続性があってはじめて人の暮らしや企業の活動も持続的となるという考えのもと、「4Sモデル」の追求を経営理念とし、JT Group Purposeを掲げる当社グループとして特定した5つの課題群を、取締役会での議論も経て、JT Group Materiality(重要課題)として策定しています。 また、JT Group Materialityを踏まえ、当社グループが取組んでいく具体的な内容をより明確にすべく、JT Group Sustainability Targetsを策定しています。 当社グループはJT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくために、JT Group Sustainability Targetsに基づく具体的な取組みをもって、JT Group Materialityに取組んでいきます。 JT Group Purpose心の豊かさを、もっと。 Fulfilling Moments, Enriching Life JT Group Materiality自然や社会と人の暮らしはつながっており、自然や社会が持続可能であってはじめて、人の暮らしや企業の活動も持続可能となります。 JTグループはJT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献していくために、以下のマテリアリティ(重要課題)に取組んでいきます。 自然との共生 お客様の期待を超える価値創造 人財への投資と成長機会の提供 責任あるサプライチェーンマネジメント 良質なガバナンス自然環境に与える影響の改善に向けた取り組みを通じて、自然と人や企業の健全な関係性を保全 お客様の期待を超える多様な製品・サービスを創出 人財の多様性に着目した成長支援を含む人財への投資や、多様な個性がその能力を最大限発揮できる組織風土の醸成を通じた人的資本の拡充 人権尊重や自然環境保全など多様化する社会課題への適切な対応を通じ、事業環境の急激な変化に耐えうる持続可能なサプライチェーンを構築 さまざまなステークホルダーの満足度を高め、信頼される企業体であり続けるためのガバナンスの充実 JT Group Sustainability Targets(JT Group Sustainability Targetsについては、④指標と目標をご覧ください) |
指標及び目標 | ④指標と目標JT Group Materialityを踏まえたJTグループの具体的な目標および取り組みとしてJT Group Sustainability Targetsを策定しています。 JT Group Sustainability Targetsは、JT Group Materialityを踏まえた当社グループにおける様々なサステナビリティ課題への取組みを設定しており、また全事業におけるサステナビリティの取組み目標を包含しています。 JT Group Sustainability Targetsについては以下をご参照ください。 ・JT Group Sustainability Targets:https://www.jti.co.jp/sustainability/pdf/JTGS_TargetsJ_202402.pdf なお、2023年度のJT Group Sustainability Targetsの進捗については、以下をご参照ください。 また、2024年度の実績については、2025年6月発行予定の「統合報告書2025」をご確認ください。 ・JT Group Sustainability Targetsに基づく2023年実績:https://www.jti.co.jp/sustainability/all_FY23_JP.pdf |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②戦略当社グループにおいては人的資本の明確化及び拡充に資する人事施策の高度化を進めています。 人的資本を、企業活動を支える「人財」、活動の判断基準・行動様式となる「組織風土」、人財と組織風土の好循環を生み出すための「オーナーシップ(一人ひとりの主体性)」と定義するとともに、それぞれの状態及びそれらに紐づく人的資本活動(人事施策)の進捗や結果を把握するための指標を設定し、定期的なモニタリングを通じて着実な人的資本の拡充へ取組んでいきます。 当社グループは、これまでも、「人財の多様性こそ、競争力の源泉」と捉え、年齢、ジェンダー、性自認、性的指向、障がいの有無、民族、宗教、国籍、そして経験、専門性といった異なるバックグラウンドや価値観を持つ人財の確保に取組んでいます。 更に、これらの当社グループの企業活動をドライブする人財一人ひとりが、持てる能力を最大限発揮できるよう努めています。 今後も、既存事業(たばこ事業、医薬事業、加工食品事業)の拡大・最適化を推進する人財、時代とともに変化していくであろう心の豊かさに対応する新たな事業の開発を推進する人財、当社グループの経営・事業をリードする人財の戦略的な確保と成長の支援に一層注力していきます。 また、多様な人財一人ひとりから選ばれ続ける企業であるため、People come firstという考えのもと、従業員の心身の安全・健康を大前提とし、当社グループという職場でいきいき働けるよう、様々なライフステージの従業員が自身の志向するワーク・ライフ・バランスやキャリアを実現できる制度の充実にも努めています。 多様な人財が当社グループの一員として、ともに企業活動を推進していく際に重要となるものが、組織風土(組織で共有すべき価値観)です。 この価値観が組織に根付き、企業活動における判断基準・行動様式になることは、我々が当社グループらしいユニークな価値を持続的に創造していく上での重要な要素と考えています。 当社グループでは、高い倫理観に基づく誠実さ、お互いの成長を支援する風土を培ってきました。 これらの風土を引き続き大切にするとともに、価値観の多様化が進む不確実な時代の中で、様々な「心の豊かさ」を社会に提供していくために、従業員のチャレンジをこれまで以上に後押しすることに加え、社内のみならず社外との共創を推進していくことで、時代に適応した当社グループらしい組織風土の醸成に努めていきます。 多様な人財がその能力を最大限発揮しながら、当社グループらしい価値を創造していくためには、一人ひとりが当社グループの組織風土を形成するとともに、組織の価値観が多様な人財の判断基準・行動様式として伝播していく好循環(人財と組織風土の相互影響)が必要です。 そのためには、一人ひとりがJT Group Purposeを理解し共感したうえで、当社グループの重視する価値観・行動(行動指針)を主体的に実践・推進していくオーナーシップが重要と考えています。 このように、人的資本を「人財」「組織風土」「オーナーシップ(一人ひとりの主体性)」と定義するとともに、それらに紐づく人事施策の推進・検証・改善を通じて、当社グループにおける人的資本の拡充に取組んでまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④指標と目標当社グループの人的資本の拡充に資する複数の領域において定性・定量目標を定め、様々な指標をモニタリングしながら、取組みを推進していきます。 とりわけ、DE&Iの推進における、女性の活躍推進では、「2030年までに女性マネジメント比率30%」というグループ目標を掲げ、一層取組みを推進していきます。 なお、2024年12月末時点の当社グループにおける女性管理職の比率は24.9%(1,600名)となっております(参考:当社における同比率は10.7%(111名))。 また、提出日現在、取締役・監査役の総数15名の内、3名が女性です。 このほか、仕事と家庭の両立支援を推進する上での育児休職取得率、労働災害ゼロを目指す上での労働災害発生件数を指標として設定し、取組みの状況をモニタリングしていきます。 詳細については、JT Group Sustainability Targetsにおける「DE&Iの推進」・「人財の戦略的な確保」・「働きやすい環境の整備」・「心身の安全・健康の推進」・「自律的な成長の支援」・「社内外との共創の促進」をご参照ください。 ・JT Group Sustainability Targets:https://www.jti.co.jp/sustainability/pdf/JTGS_TargetsJ_202402.pdf |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は以下のとおりです。 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、別段の表示が無い限り、当該事項は提出日現在において判断したものです。 (非GAAP指標について)当社グループは、当社が適用する会計基準であるIFRS会計基準において定義されていない非GAAP指標を追加的に開示しております。 非GAAP指標は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。 調整後営業利益営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除いた調整後営業利益を開示しております。 調整項目(収益及び費用)はのれんの減損損失、リストラクチャリング収益及び費用等です。 また、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率も追加的に開示しております。 当社グループは、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としており、その達成を目指してまいります。 為替一定ベース為替一定ベースとは、たばこ事業における当期の自社たばこ製品売上収益又は調整後営業利益から、前年同期の為替レートを用いて換算・算出した為替影響を除いた指標です。 為替一定ベースの実績は、一定の方法を用いて算出した一部市場のインフレに伴う売上又は利益の増加分を除いております。 自社たばこ製品売上収益 たばこ事業においては、自社たばこ製品に係る売上収益を開示しております。 自社たばこ製品売上収益には、物流事業及び製造受託等に係る売上収益は含まれておりません。 (超インフレの調整について)当社グループは、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従い、会計上の調整を加えております。 (RRPについて)RRPは、加熱式たばこ及びE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced-Risk Products, RRP)を指しております。 加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品です。 当社製品ポートフォリオでは、高温加熱型のHeated tobaccosticks(HTS)、低温加熱型のInfused-tobacco capsules(Infused)があります。 一方、E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、装置内若しくは専用カートリッジ内のリキッド(液体)を電気加熱させ、発生するベイパー(蒸気)を愉しむ製品です。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。 (1)経営成績の状況① 全社実績(単位:億円) 2023年12月期2024年12月期増減率売上収益28,41131,49810.9%調整後営業利益7,2807,5193.3%営業利益6,7243,235△51.9%当期利益(親会社所有者帰属)4,8231,792△62.8% <売上収益>売上収益は、たばこ事業及び加工食品事業での増収により、前年度比10.9%増の3兆1,498億円となりました。 為替一定ベースのcore revenue(注)は、前年度比8.4%増となりました。 <調整後営業利益>為替一定ベースの調整後営業利益は、主にたばこ事業における増加により、前年度比7.5%増となりました。 為替影響を含めた調整後営業利益は、一部現地通貨による為替影響がネガティブに発現し、前年度比3.3%増の7,519億円となりました。 <営業利益>営業利益は、たばこ事業におけるカナダ現地子会社の喫煙と健康に関する訴訟の原告等との和解に係る費用を計上したことにより、前年度比51.9%減の3,235億円となりました。 <親会社の所有者に帰属する当期利益>親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減少及び金融損益の悪化により、前年度比62.8%減の1,792億円となりました。 (注)為替一定ベースのcore revenueは、為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益、医薬事業・加工食品事業・ その他の売上収益の合計。 ② セグメント別実績〔たばこ事業〕(単位:億本、億円)たばこ事業2023年12月期2024年12月期増減率総販売数量5,4015,5292.4% Combustibles販売数量(注1)5,3135,4192.0% RRP販売数量(注2)8810924.2%自社たばこ製品売上収益24,78627,78612.1%調整後営業利益7,4987,9185.6% <総販売数量>(注3)(注4)総販売数量は、展開している約2/3の市場における継続的な市場シェアの伸張、RRP販売数量の二桁成長により、前年度比2.4%増の5,529億本となりました。 Asiaにおける販売数量は前年同水準となる一方で、EMAにおける販売数量の増加が、Western Europeにおける総需要減少を相殺しました。 Combustibles販売数量は、主にWinston・Camelの伸長により、前年度比2.0%増となりました。 RRP販売数量は、Ploom販売数量がグローバル全体で前年度比約40%増加、日本においても前年度比33%増加したことにより、前年度比24.2%増となりました。 市場シェアは、イタリア、フィリピン、台湾、トルコといった主要市場を中心に継続的に伸張しています。 なお、当年度における製造委託を含めたCombustibles及びRRPを合わせた製造数量は、前年度に対し88億本減少し、5,496億本(前年度比1.6%減)となりました。 <自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>自社たばこ製品売上収益は、全クラスターにおいて発現した単価上昇効果、EMAを中心としたポジティブな数量差影響及びポジティブな為替影響等により、前年度比12.1%増となりました。 調整後営業利益は、Ploomの地理的拡大に向けた投資強化及びインフレに伴うコスト増加があったものの、ポジティブな単価上昇効果及び米国Vector Group Ltd.の買収効果により、前年度比5.6%増となりました。 RRP関連売上収益(注2)は、RRP販売数量の増加により、前年度比21.1%増の989億円となりました。 為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益は、それぞれ前年度比9.1%増、9.7%増となりました。 (注1)製造受託/水たばこ/加熱式たばこ/無煙たばこ/E-Vaporを除く燃焼性のたばこ製品。 (注2)RRP販売数量にはデバイス・関連アクセサリー等は含まれておりませんが、RRP関連売上収益にはデバイ ス・関連アクセサリー等に係る売上収益が含まれております。 (注3)総需要及び市場シェアは当社推計です。 (注4)たばこ事業セグメントについては、3つのクラスター(Asia、Western Europe、EMA)に区分けしてお ります。 Asiaは日本を含むアジア全域、Western Europeは西欧地域、EMAはアフリカ、中近東、東欧、ト ルコ、南北アメリカ大陸及びすべてのGlobal Travel Retail(免税市場)を含んでおります。 Asiaには台 湾、日本、フィリピン等、Western Europeにはイタリア、英国、スペイン等、EMAにはトルコ、ルーマニ ア、ロシア等を含んでおります。 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務 諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント(2)セグメント収益及び業績」をご参照ください。 〔医薬事業〕(単位:億円)医薬事業2023年12月期2024年12月期増減率売上収益949945△0.4%調整後営業利益17492△47.0% <売上収益及び調整後営業利益>売上収益は、当社の連結子会社である鳥居薬品において売上が伸長したものの、前年度に発生したJT導出品のライセンス契約に伴う一時金収入の剥落及び海外ロイヤリティ収入の減少により、前年度比0.4%減となりました。 調整後営業利益は、一時金収入の減少影響に加え、研究開発費の増加により、前年度比47.0%減となりました。 〔加工食品事業〕(単位:億円)加工食品事業2023年12月期2024年12月期増減率売上収益1,5391,5722.2%調整後営業利益688117.8% <売上収益及び調整後営業利益>売上収益は、価格改定に加え、主に調味料事業における堅調な販売により、前年度比2.2%増となりました。 調整後営業利益は、売上収益の増収が原材料費の高騰等を上回り、前年度比17.8%増となりました。 (2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況① 財政状態の状況〔資産〕当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1兆886億円増加し、8兆3,707億円となりました。 これは、のれん及び無形資産の増加があったこと等によるものです。 〔負債〕当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1兆1,524億円増加し、4兆5,220億円となりました。 これは、社債及び借入金や引当金の増加があったこと等によるものです。 〔資本〕当連結会計年度の資本合計は、前連結会計年度末に比べ638億円減少し、3兆8,487億円となりました。 これは、親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したものの、配当金の支払いによる利益剰余金の減少があったこと等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当年度末現在における現金及び現金同等物は、前年度末に比べ444億円増加し、1兆846億円となりました(前年度末残高1兆402億円)。 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、6,300億円の収入(前年度は5,663億円の収入)となりました。 これは、棚卸資産の増加及び営業債務及びその他の債務の支払いがあったものの、主にたばこ事業による安定したキャッシュ・フローの創出があったこと等によるものです。 〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕当年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、4,398億円の支出(前年度は1,254億円の支出)となりました。 これは、企業結合、有形固定資産の取得による支出があったこと等によるものです。 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕当年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、949億円の支出(前年度は2,705億円の支出)となりました。 これは、長期借入による収入があったものの、配当金の支払いがあったこと等によるものです。 (3)生産、受注及び販売の実績当社グループは、たばこ事業、医薬事業及び加工食品事業において広範囲かつ多種多様な製品の生産・販売を行っており、その品目・形式・容量・包装等は多種類であること、また主要な製品については受注生産を行っていないことから、各セグメントの生産規模及び受注規模を金額及び数量で表示することはしておりません。 このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。 なお、当社グループの売上収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先に対する売上収益及びその割合については、以下のとおりです。 相手先2023年12月期2024年12月期金額(億円)割合(%)金額(億円)割合(%)Megapolisグループ3,71013.14,16213.2 (注)たばこ事業において、ロシア等で物流・卸売事業を営むMegapolisグループに対して製品を販売しております。 (4)重要性のある会計方針① IFRS会計基準の適用当社グループは、1999年にRJRナビスコ社から米国外のたばこ事業を取得、2007年にGallaher社を買収し、130以上の国と地域で製品を販売するグローバル企業として着実な成長を続けてきました。 こうした中で、日本において国際的な財務・事業活動を行っている上場企業に対して、2009年度よりIFRS会計基準の任意適用が認められたことを踏まえ、当社グループは、2011年度よりIFRS会計基準を適用することとしました。 これにより、当社グループは資金調達手段の多様化、経営管理面での品質向上を目指してまいります。 ② 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに決算日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。 これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。 しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。 見積り及び仮定は経営者により継続して見直しております。 これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。 上記のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。 (5)目標となる経営指標について当社グループは、経営理念である「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、中長期に亘る持続的な利益成長が最も重要であると考えております。 持続的利益成長の基盤である事業そのもののパフォーマンスを計るためには、為替影響、一時的要因及び特殊要因を除くことが適切と捉え、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としております。 2024年12月期の為替一定ベースの調整後営業利益は、前年度比7.5%増と厳しい事業環境の中でも前年を上回りました。 2024年12月期の経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に示しております。 全社利益目標の達成に向けた経営方針等の詳細については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 (6)経営成績等に重要な影響を与える要因当社グループにおける海外でのたばこ事業拡大に伴い、その寄与分につき、為替の変動が連結財務諸表に影響を与えております。 2024年12月期においては、為替一定ベースの調整後営業利益は前年度比7.5%増となった一方、為替影響を含めた調整後営業利益は前年度比3.3%増となっており、ネガティブな為替影響を受けました。 2025年12月期においても、ネガティブな為替影響を想定しております。 当社グループは、為替リスクを緩和すべく、収入通貨と支払通貨を合致させるナチュラルヘッジの実施に努めております。 また、一部の為替リスクに対しては、デリバティブ又は外貨建有利子負債等を利用したヘッジを行っております。 以上を含む、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。 (7)財務活動の基本方針当社グループの財務活動の基本方針は、以下のとおりです。 ① グループ内キャッシュマネジメントグループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主としてキャッシュマネジメントシステム(CMS)によるグループ内での資金貸借の実施を最優先としております。 ② 外部資金調達短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期資金については、金融機関からの借入、社債、株主資本又はその組み合わせにより調達することを基本としております。 安定的で効率的な資金調達のために、複数のコミットメント融資枠を設定する等、取引する金融機関と資金調達手段の多様性を維持しております。 ③ 外部資金運用外部資金運用においては、安全性と流動性を確保した上で、適切な収益を求め、また投機的取引を行ってはならないことを定めております。 ④ 財務リスク管理当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。 主要な財務上のリスク管理の状況については、定期的に当社の社長及び取締役会への報告を行っております。 また、当社グループの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。 なお、財務リスク管理の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 33.金融商品 (2)リスク管理に関する事項 ~(8)市場価格の変動リスク」までをご参照ください。 (8)資本の財源及び資金の流動性についての分析① 資金需要 設備投資、運転資金、外部資源の獲得、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式取得並びに法人税の支払い等に資金を充当しております。 重要な資本的支出の予定及び資金の調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。 ② 資金の源泉 主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行により、必要とする資金を調達しております。 <キャッシュ・フロー> 「(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 <有利子負債> 当社グループの当年度末現在の有利子負債の返済・償還予定額は以下のとおりです。 (単位:億円) 帳簿価額1年以内1年超~2年以内2年超~3年以内3年超~4年以内4年超~5年以内5年超短期借入金603603—————1年内返済予定の長期借入金2929—————1年内償還予定の社債1,1541,155—————長期借入金7,354—6,152203211,007社債8,127———1,0617416,436合計17,2681,7876,1522031,0637427,443(注)リース負債を除いております。 (長期負債)社債(1年内償還予定を含む)は、前年度末現在7,859億円、当年度末現在9,281億円、金融機関からの長期借入金(1年内返済予定を含む)は、それぞれ1,474億円、7,383億円です。 長期リース負債は、前年度末現在382億円、当年度末現在430億円です。 当年度末現在、長期債務格付は、ムーディーズ・ジャパン㈱ではA2(安定的)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱ではA+(ネガティブ)、㈱格付投資情報センター(R&I)ではAA(安定的)、㈱日本格付研究所(JCR)ではAA+(安定的)となっております。 格付は、事業を行う主要市場の発展及び事業戦略の成功、並びに当社グループではコントロールできない全般的な景気動向等、数多くの要因によって影響を受けます。 格付は随時、撤回あるいは修正される可能性があります。 格付はそれぞれ、他の格付と区別して単独に評価されるべきものです。 JT法のもと、当社により発行される社債には、当社の一般財産に対する先取特権が付されております。 この権利により、国税及び地方税並びにその他の法定債務を例外とし、償還請求において社債権者は無担保債権者よりも優先されます。 (短期負債)金融機関からの短期借入金は、前年度末現在2,090億円、当年度末現在603億円です。 コマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。 短期リース負債は、前年度末現在214億円、当年度末現在206億円です。 ③ 流動性当社グループは、従来営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでおります。 営業活動によるキャッシュ・フローは今後も安定的で、通常の事業活動における必要資金はまかなえると予想しております。 また、当年度末現在、国内・海外の主要な金融機関からの6,013億円のコミットメント融資枠があり、そのうち99.8%が未使用です。 更に、コマーシャル・ペーパープログラム、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠及びユーロMTNプログラム等があります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 当社グループは、米国においてたばこ事業を展開するVector Group Ltd.(以下、「VGR社」)との間で、当社グループがVGR社を買収することについて合意し、2024年8月21日にこれに係る契約を締結いたしました。 本契約に基づき、当社グループは、本買収用に設立したVapor Merger Sub Inc.(以下、「本公開買付者」)を通じ、VGR社の完全希薄化後の発行済普通株式のすべてを取得する株式公開買付を実施しました。 その後、VGR社と本公開買付者は、2024年10月7日(米国東部時間)にVGR社を存続会社とする合併を行い、これによりVGR社は当社の完全子会社となりました。 VGR社は、米国市場において近年成長を続けている低価格帯において、Montego、Eagle等の確固たるブランドを有しています。 本買収は、世界第2位の規模(売上金額ベース)で収益性の高い米国市場における当社グループのプレゼンス拡大を目的としたものです。 本買収の取得対価は約24億米ドル(約3,446億円)です。 なお、詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.企業結合」をご参照ください。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 研究開発活動は、主として当社のたばこ中央研究所、医薬総合研究所等で推進しております。 当年度における当社グループの研究開発費は786億円であり、各セグメントの研究目的、研究開発費等は次のとおりです。 なお、上記研究開発費には、当社コーポレート部門に研究開発を目的に組織として設立したD-LABにおける費用及び各セグメントに属さない基礎研究に係る研究開発費135億円を含んでおります。 (1)たばこ事業研究開発力を長期に亘る競争力の源泉とすべく、特に葉たばこの育種、原材料及びその加工、たばこの香喫味、製造技術及びRRP関連技術の分野に注力し、製品価値の向上とコストの低減を目指しております。 基礎研究及び応用研究開発領域については、日本国内の研究所がグローバル機能を有しており、製品開発領域については、各国・各地域の異なるニーズ・嗜好に対応すべく、ローカルベースでの開発も行っております。 たばこ事業に係る研究開発費は304億円です。 (2)医薬事業研究開発は、医薬事業の基盤であり、医薬事業の長期的成長と収益性にとって重要なものです。 研究開発活動は、主に「循環器・腎臓・筋」「免疫・炎症」「中枢」の領域にフォーカスしております。 医薬事業に係る研究開発費は339億円です。 (3)加工食品事業加工食品事業における研究開発では、消費者のニーズや嗜好にあった革新的な製品の開発に注力しております。 加工食品事業に係る研究開発費は9億円です。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当年度において、当社グループでは、全体で1,507億円の設備投資を実施しました。 たばこ事業につきましては、RRP関連投資及び製造設備の改修・維持更新等に1,350億円の設備投資を行いました。 医薬事業につきましては、研究開発体制等の整備・強化に70億円の設備投資を行いました。 加工食品事業につきましては、生産能力増強、維持更新に61億円の設備投資を行いました。 ※ 設備投資には、企業結合により取得した資産を除く、工場その他の設備の生産性向上、競争力強化、様々な事業分野における事業遂行に必要となる、土地、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、その他の有形固定資産、並びにのれん、商標権、ソフトウエア、その他の無形資産を含みます。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりです。 (1)提出会社(2024年12月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地建物及び構築物機械装置及び運搬具工具、器具及び備品合計面積(千㎡)金額北関東工場(栃木県宇都宮市)たばこ事業たばこ製造設備1502,0626,08213,30443321,881294東海工場(静岡県磐田市)(注)1たばこ事業たばこ製造設備2232,3096,1288,22427716,938265関西工場(京都府京都市伏見区)たばこ事業たばこ製造設備1165,8317,05216,31236829,563312たばこ中央研究所(神奈川県横浜市青葉区)(注)1たばこ事業研究開発設備346441,82802,3804,85288医薬総合研究所(大阪府高槻市)(注)1医薬事業研究開発設備752,68716,046262,44221,201558本社(東京都港区)会社全般の管理業務その他設備004,288731,2875,6482,337支社(47支社)(各都道府県)(注)2たばこ事業(管理業務を含む)その他設備等501,0053,1006674155,1871,836 (2)国内子会社 (2024年12月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円) 従業員数(人)土地建物及び構築物機械装置及び運搬具工具、器具及び備品合計面積(千㎡)金額TSネットワーク㈱本社他24物流基地等(本社・東京都台東区)(注)2たばこ事業物流設備3567012,7601,05237414,8551,745日本フィルター工業㈱本社他2工場(本社・東京都墨田区)たばこ事業材料製造設備1005833,6143,7541968,147383鳥居薬品㈱本社他支社等(本社・東京都中央区)(注)2医薬事業医薬品製造設備及びその他設備23791,5607382882,964592テーブルマーク㈱本社他5工場等(本社・東京都中央区)加工食品事業冷凍食品生産設備1542,94010,5269,09924922,8141,340 (3)海外子会社 (2024年12月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地建物及び構築物機械装置及び運搬具工具、器具及び備品合計面積(千㎡)金額JTI Polska Sp. z o. o.(ポーランド)(注)1たばこ事業たばこ製造設備53134015,17458,8901,10575,5092,664LLC Petro(ロシア)(注)2たばこ事業たばこ製造設備1941225,2198,7602,61516,7161,055JTI Tütün Ürünleri Sanayi A.Ş.(トルコ)たばこ事業たばこ製造設備2321521,20711,43628613,082999(注)1.連結会社以外のものへ賃貸している土地があります。 2.連結会社以外のものから賃借している土地があります。 3.各表内の帳簿価額には使用権資産を含めて記載しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)設備投資の概要当社グループの中長期の経営資源配分は、経営理念である「4Sモデル」及びJT Group Purposeに基づき、中長期に亘る持続的な利益成長につながる事業投資を最優先とする方針です。 報告セグメントの中でも、たばこ事業を利益成長の中核かつ牽引役と位置付け、たばこ事業の持続的な利益成長に向けた事業投資を最重要視します。 一方、医薬事業及び加工食品事業は全社利益成長を補完すべく、必要な投資を実行していきます。 このような方針のもと、次連結会計年度の設備投資計画(新設・拡充)は1,760億円としております。 なお、設備投資計画は、当社及び連結子会社の個々のプロジェクトの内容が多岐にわたるため、セグメントごとの数値を開示する方法によっております。 当社グループの実際の設備投資は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」で記載したものを含む多くの要因により、上記の見通しとは著しく異なる場合があります。 セグメントの名称設備投資予定額(億円)設備等の主な内容・目的資金調達の主な方法たばこ事業1,520RRP関連投資及び製造能力の強化・製造設備の維持更新等自己資金医薬事業90研究開発体制の整備及び強化同上加工食品事業120生産能力増強、生産性向上及び維持更新同上 ※ 設備投資には、企業結合により取得した資産を除く、工場その他の設備の生産性向上、競争力強化、様々な事業分野における事業遂行に必要となる、土地、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、その他の有形固定資産、並びにのれん、商標権、ソフトウエア、その他の無形資産を含みます。 (2)重要な設備の除売却等当年度末現在において、経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 900,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 6,100,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 15 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 9,516,774 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、投資株式について、専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)に区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式ⅰ保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、上場株式の政策保有に関する方針及び議決権行使基準を以下のとおり策定するとともに、適切に運用しております。 ・当社は、中長期に亘る持続的な利益成長と企業価値の向上に資すると判断した場合に限り、政策保有株式として株式を保有する。 ・保有にあたっては、個別銘柄ごとに保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を取締役会において毎年検証する。 ・検証の結果、保有する意義が認められない株式がある場合は、適宜適切に売却する。 ・当社は、保有目的及び保有先の株式価値の毀損の有無を総合的に判断した上で、政策保有株式に係る議決権を行使する。 ⅱ銘柄数及び貸借対照表計上額(当事業年度) 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式391,192非上場株式以外の株式513,533 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式667非上場株式以外の株式1105 ⅲ特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱セブン&アイ・ホールディングス2,556,000852,000国内におけるたばこ事業のたばこ販売及び販売促進活動上の協力関係等、継続的に取引を行っており、同社と長期的安定的に取引・協力関係を維持・強化することを目的として保有しております。 定量的な保有効果の記載は困難ですが、取締役会において保有の適否を検証しております。 なお、当事業年度において普通株式1株につき3株の割合で株式分割が実施されたため、当事業年度は分割後の株式数で記載しております。 無6,3574,767㈱ドトール・日レスホールディングス1,320,0001,320,000国内におけるたばこ事業の分煙環境整備に関する協業等において継続的に取引を行っており、同社と長期的安定的に取引・協力関係を維持・強化することを目的として保有しております。 定量的な保有効果の記載は困難ですが、取締役会において保有の適否を検証しております。 無3,0872,876日本空港ビルデング㈱400,000400,000国内におけるたばこ事業の分煙環境整備に関する協業並びに同社を通じた空港免税店及び市中免税店におけるたばこ製品の販売において継続的に取引を行っており、同社と長期的安定的に取引・協力関係を維持・強化することを目的として保有しております。 定量的な保有効果の記載は困難ですが、取締役会において保有の適否を検証しております。 無2,0002,484㈱ヨシムラ・フード・ホールディングス-552,500企業価値向上の観点から人財交流及び各種情報交換等を行っており、同社と長期的安定的に協力関係を維持・強化することを目的として保有しておりましたが、取締役会において保有の適否を検証した結果、全株式を売却しております。 無-576NIPPON EXPRESSホールディングス㈱173,040173,040国内におけるたばこ事業の物流に係る協力会社として、商品の運搬等、継続的に取引を行っており、同社と長期的安定的に取引・協力関係を維持・強化することを目的として保有しております。 定量的な保有効果の記載は困難ですが、取締役会において保有の適否を検証しております。 有1,2421,387 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ダイセル602,000602,000国内におけるたばこ事業の物流に係る協力会社として、商品の運搬等、継続的に取引を行っており、同社と長期的安定的に取引・協力関係を維持・強化することを目的として保有しております。 定量的な保有効果の記載は困難ですが、取締役会において保有の適否を検証しております。 有847822(注)各銘柄の保有の適否の検証方法については、上記「② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 ⅰ保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおりです。 みなし保有株式前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式前事業年度及び当事業年度において、該当事項はありません。 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 39 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,192,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13,533,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 105,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 602,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 847,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱ |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 国内におけるたばこ事業の物流に係る協力会社として、商品の運搬等、継続的に取引を行っており、同社と長期的安定的に取引・協力関係を維持・強化することを目的として保有しております。 定量的な保有効果の記載は困難ですが、取締役会において保有の適否を検証しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 有 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 (2024年12月31日現在) 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 財務大臣東京都千代田区霞が関三丁目1番1号666,885,20037.56 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号赤坂インターシティAIR181,802,20010.24 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号63,152,6003.56 SMBC日興証券株式会社東京都千代田区丸の内三丁目3番1号32,821,8501.85 STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.(東京都港区港南二丁目15番1号 品川インターシティA棟)25,781,3411.45 バークレイズ証券株式会社 BNYM(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)東京都港区六本木六丁目10番1号(東京都千代田区丸の内一丁目4番5号決済事業部)15,000,0000.84 日本証券金融株式会社東京都中央区日本橋茅場町一丁目2番10号12,067,9000.68 JTグループ社員持株会東京都港区虎ノ門四丁目1番1号11,384,9950.64 BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NEW YORK 10286 U.S.A.(東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 決済事業部)10,691,8820.60 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 東京ビルディング10,527,8630.59計-1,030,115,83158.02(注)上記のほか、自己株式が224,409,101株あります。 |
株主数-金融機関 | 190 |
株主数-金融商品取引業者 | 66 |
株主数-外国法人等-個人 | 1,988 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 647 |
株主数-個人その他 | 941,050 |
株主数-その他の法人 | 4,829 |
株主数-計 | 948,772 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 財務大臣 |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式4372当期間における取得自己株式1381(注)当期間における取得自己株式には、2025年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -2,000,000 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年3月26日日本たばこ産業株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石川 航史 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士井尾 武司 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士堀江 哲史 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている日本たばこ産業株式会社の2024年1月1日から2024年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、日本たばこ産業株式会社及び連結子会社の2024年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 カナダにおける喫煙と健康に関する訴訟に対する引当金の認識と測定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 連結財務諸表注記20.「引当金」に記載のとおり、2019年3月1日、カナダ・ケベック州において、会社のカナダ子会社であるJTI-Macdonald Corp.(以下、「JTI-Mac」という)を含むカナダのたばこ会社3社(以下、「被告たばこ会社」という)に対する喫煙と健康に係る集団訴訟2件について、ケベック州控訴裁判所は被告たばこ会社の請求を棄却する旨の判決を下した。 これに対し、被告たばこ会社は、「Companies’ Creditors Arrangement Act(企業債権者調整法)」の適用申請をオンタリオ州上位裁判所に行い、当該申請は承認された。 その後、被告たばこ会社は、係属中訴訟の終局的な解決を企図して、ケベック州の集団訴訟原告を含む各債権者(以下、「本債権者」という)との調停手続を進めてきた。 2024年10月17日、オンタリオ州上位裁判所により選任された調停人及びJTI-Macの監督人は、JTI-Mac及びその役員等に対する喫煙に伴う健康被害等製造たばこに関わる損害賠償等の請求(JTI-Macが当事者となっている係属中訴訟18件を含む)に関し、本債権者及びJTI-Macとの間で包括的和解に合意することを目的とした3社合計325億カナダドル(約3兆5,600億円)の和解金の支払いを含む再生計画案(以下、「本再生計画案」)を公表した。 本再生計画案は2024年12月12日に開催された債権者集会において本債権者により承認され、2025年1月には本再生計画案について、裁判所による被告たばこ会社へのヒアリングが実施された。 その後、2025年2月27日に本再生計画案の中で重要な未解決事項であった被告たばこ会社間での和解金の支払い方法等について、JTI-Macは他の被告たばこ会社と合意に至った。 会社はこれを受けて、修正を要する後発事象として、2024年12月期の連結財務諸表にカナダ訴訟損失引当金を合計375,636百万円計上している。 なお、2025年3月6日に、オンタリオ州上位裁判所は本再生計画案を承認する旨の決定を下している。 会社の経営者はカナダにおける喫煙と健康に関する訴訟及び調停手続の進捗を踏まえて、以下に掲げる国際会計基準第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」(以下、「IAS第37号」という)で定義される引当金の認識要件に照らして、引当金の認識の要否及び引当金をいつ認識すべきかを判断する必要がある。 ● 企業が過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的)を有していること● 当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高いこと● 当該債務の金額について信頼性のある見積りができること 引当金の認識要否の判断には、経営者の主観的な判断を伴う。 カナダ訴訟損失引当金の金額は、本再生計画案に従いJTI-Macが将来負担することが見込まれる金額の現在価値として算定されている。 JTI-Macが将来負担することが見込まれる金額は、以下に記載の頭金と分割金の合計である。 ● 頭金:本再生計画案発効月の前月末時点における同社の現金及び現金等価物の額。 ● 分割金:頭金と合わせて被告たばこ会社による総決済額(合計325億カナダドル)が完済されるまで20~30年間にわたって支払いが行われる見込みの金額。 毎年のJTI-Macの税引後利益に一定割合(1~5年目:85%、6~10年目:80%、11~15年目:75%、16年目以降:70%)を乗じた金額の合計で算定される。 会社は、頭金は本再生計画案発行月の前月末時点におけるJTI-Macの現金及び現金同等物の金額、分割金は同社の事業計画等に基づく毎年の税引後利益を用いて見積り、それらを現在価値に割引いた金額の合計として引当金額を算定している。 現在価値の算定に使用される割引率は、貨幣の時間価値の現在の市場評価とカナダ訴訟損失引当金に固有のリスクを反映した税引前の割引率6.09%を使用している。 分割金の支払額の見積りにおいて会社が使用するJTI-Macの将来の事業計画等には以下の重要な仮定が含まれる。 ① 将来のカナダにおけるたばこビジネスの市場規模(販売本数)② JTI-Macの将来のカナダのたばこ市場におけるシェア 上記の重要な仮定のうち、①については将来の人口動向やたばこに関する規制動向などの外部要因が影響するため、現時点では予期しえない不確実性があり、②については会社の製品カテゴリーごとの価格設定を含む販売戦略の効果や競合他社の販売戦略の影響を受ける点で経営者の主観的な判断や立証が困難な不確実性を伴う。 以上より、カナダ訴訟損失引当金の計上については、以下の2つの事項について、それぞれ、経営者の主観的な判断や立証が困難な不確実性伴う事項並びに専門的な知見が必要となる事項が含まれる。 <修正を要する後発事象として引当金を認識することに関する事項>● 2025年2月27日の再生計画案に対するたばこ3社の基本合意をもって引当金の認識要件を満たしたと判断し、修正を 要する後発事象として2024年12月期の連結財務諸表に引当金を計上することにかかる、高度な会計処理上の判断<引当金額の算定に関する事項>● 引当金額の算定のうち、分割金の支払時期及び金額の見積りに伴う経営者の主観的な判断と立証が困難な不確実性● 税引前の割引率の算定にあたってのカナダ訴訟損失引当金に固有のリスクの反映 いずれの事項も、複雑かつ高度な監査上の判断が必要であり、また、カナダ訴訟損失引当金の計上が会社の連結財務諸表における財政状態及び経営成績に与える金額的影響を勘案し、当監査法人は当該項目を監査上の主要な検討事項であると判断した。 監査上の対応 当該監査上の主要な検討事項のうち、修正を要する後発事象として2024年12月期に引当金を認識することの合理性について、当監査法人は以下の監査手続を実施した。 ● 調停手続の進捗を踏まえた引当金計上要否及びその認識の時期の判断に係る内部統制を評価した。 ● IAS第37号に基づく引当金の認識要否、国際会計基準第10号「後発事象」及びIAS第37号に基づき修正を要する後発事象として2024年12月期の連結財務諸表に引当金を認識するという会社の判断に対し、以下の監査手続を実施し、調停手続の状況に則った判断がなされていることを確かめた。 ✓ 裁判所及びJTI-Macの監督人により公表される関連資料と被告たばこ3社の公表情報の査閲✓ 会社の経営者及び法務・コンプライアンス統括部への質問による、調停手続の状況に対する会社の対応方針の理 解✓ 会社の会議体議事録の閲覧による、再生計画案に対する会社の対応方針の意思決定の過程と決定された方針の理 解 また、当該監査上の主要な検討事項のうち、引当金額の算定のIAS第37号への準拠性について、構成単位の監査人へ指示し、以下の監査手続を実施した。 そのうえで、当監査法人は、構成単位の監査人と討議し、引当金額の算定のIAS第37号への準拠性について評価した。 加えて、当監査法人は、裁判所により承認された再生計画を査閲し、頭金、分割金の算定方法等にかかる会社の理解との整合性を確かめた。 ● カナダ訴訟損失引当金の算定にあたっての本再生計画案の内容の理解及びJTI-Macの事業計画の策定を含めた引当金額の算定に係る内部統制を評価した。 ● 分割金算定の基礎となる重要な仮定のうち、将来のカナダにおけるたばこビジネスの市場規模の見込みについては、公表されているアナリストレポートとの整合性の検証や、JTI-Macの販売実績データに基づく趨勢分析により、合理性を検証した。 ● 分割金算定の基礎となる重要な仮定のうち、JTI-Macの将来のカナダのたばこ市場におけるシェアについては、過年度における事業計画と実績の比較により不確実性の程度及び経営者の偏向の有無を評価した。 ● 加えて、カナダのたばこ市場におけるシェアの過去実績との整合性を検討し、将来計画の合理性を検証した。 ● JTI-Macが将来計画に織り込んでいる製品カテゴリーごとの製品販売価格設定等の販売戦略については、JTI-Macの取締役会にて承認された事業計画との整合性を確かめ、また、製品販売価格設定による効果については過去の実績に基づき実現可能なものであるかを検証した。 ● 分割金の将来の支払期間の設定の前提となる他のたばこ2社の和解金の支払金額の見込みについては、過去の販売シェアの推移や、将来のカナダのたばこ市場にかかるアナリストレポート、JTI-Macの将来の販売戦略との整合性を確かめた。 ● ネットワーク・ファームの評価専門家を利用し、割引率の算定にあたって考慮された負債に固有のリスクについ て、合理的な根拠に基づいて算定されているかを検証した。 たばこ資金生成単位に配分されたのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由連結財務諸表注記14.「のれん及び無形資産」に記載のとおり、会社は、企業結合により生じたのれんを、たばこ資金生成単位及び加工食品資金生成単位に配分している。 会社及び連結子会社による1999年のRJRナビスコ社の米国外たばこ事業の取得、2007年のGallaher社の取得、2016年のNatural American Spiritの米国外たばこ事業の取得及び当年度のVector Group Ltd.の取得等により、当年度末のたばこ資金生成単位に配分されたのれん残高は2,888,885百万円となっている。 のれんについては、国際会計基準第36号「資産の減損」により毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施することが要求されている。 会社は、たばこ資金生成単位の回収可能価額を、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された3ヶ年の計画を基礎とした使用価値により算定している。 3ヶ年の計画後は、4年目5.5から9年目3.7%までの成長率を設定し、10年目以降はインフレ分として9年目と同様の成長率を継続成長率として設定している。 減損テストの結果、使用価値はたばこ資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、会社は、使用価値算定に用いた成長率について合理的な範囲で変動があった場合にも、使用価値が帳簿価額を下回ることはないと考えている。 たばこ資金生成単位に配分されたのれん残高は連結財政状態計算書に対して重要であり、かつ、減損テストを実施する際に使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は、経営者の主観的判断の影響を大きく受ける。 加えてたばこ事業は、製造たばこに対する規制の強化、たばこに課せられる税金の増税、競合他社との熾烈な競争という環境下にあり、3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率はともにこれらの外部環境の影響を受ける。 使用価値の算定に使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は不確実性を伴い、経営者の判断が必要なため、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの評価を監査上の主要な検討事項と決定した。 監査上の対応 当該監査上の主要な検討事項に対して当監査法人は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストに関する以下の手続を実施した。 ● 当監査法人は、構成単位の経営者が策定したたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提条件について評価を行うため、以下の監査手続を実施した。 ✓ 構成単位の監査人に指示し、たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画が適切に作成されることを確保するための社内に おける査閲と承認に係る内部統制の評価✓ たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画について、過去の業績の実績値と比較することにより、過去の3ヶ年の計画の 達成状況を検討するとともに、当連結会計年度末時点のたばこ資金生成単位が事業を行っている主要な市場の市 場環境及び業績に照らした、達成可能性の検討✓ ネットワーク・ファームの評価専門家と協働し、3ヶ年の計画後の成長率を決定するにあたり会社の経営者が使用 したデータの背景及びその合理性について会社の経営者に質問するとともに、利用可能な企業外部の情報に基づ いた成長率の検討● 当監査法人は、会社の経営者と、たばこ資金生成単位に配分されたのれんに対する減損テストの結果について協議 し、会社の経営者によるのれんの減損テストの結果に対する見解について評価を行った。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、日本たばこ産業株式会社の2024年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、日本たばこ産業株式会社が2024年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 カナダにおける喫煙と健康に関する訴訟に対する引当金の認識と測定監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 連結財務諸表注記20.「引当金」に記載のとおり、2019年3月1日、カナダ・ケベック州において、会社のカナダ子会社であるJTI-Macdonald Corp.(以下、「JTI-Mac」という)を含むカナダのたばこ会社3社(以下、「被告たばこ会社」という)に対する喫煙と健康に係る集団訴訟2件について、ケベック州控訴裁判所は被告たばこ会社の請求を棄却する旨の判決を下した。 これに対し、被告たばこ会社は、「Companies’ Creditors Arrangement Act(企業債権者調整法)」の適用申請をオンタリオ州上位裁判所に行い、当該申請は承認された。 その後、被告たばこ会社は、係属中訴訟の終局的な解決を企図して、ケベック州の集団訴訟原告を含む各債権者(以下、「本債権者」という)との調停手続を進めてきた。 2024年10月17日、オンタリオ州上位裁判所により選任された調停人及びJTI-Macの監督人は、JTI-Mac及びその役員等に対する喫煙に伴う健康被害等製造たばこに関わる損害賠償等の請求(JTI-Macが当事者となっている係属中訴訟18件を含む)に関し、本債権者及びJTI-Macとの間で包括的和解に合意することを目的とした3社合計325億カナダドル(約3兆5,600億円)の和解金の支払いを含む再生計画案(以下、「本再生計画案」)を公表した。 本再生計画案は2024年12月12日に開催された債権者集会において本債権者により承認され、2025年1月には本再生計画案について、裁判所による被告たばこ会社へのヒアリングが実施された。 その後、2025年2月27日に本再生計画案の中で重要な未解決事項であった被告たばこ会社間での和解金の支払い方法等について、JTI-Macは他の被告たばこ会社と合意に至った。 会社はこれを受けて、修正を要する後発事象として、2024年12月期の連結財務諸表にカナダ訴訟損失引当金を合計375,636百万円計上している。 なお、2025年3月6日に、オンタリオ州上位裁判所は本再生計画案を承認する旨の決定を下している。 会社の経営者はカナダにおける喫煙と健康に関する訴訟及び調停手続の進捗を踏まえて、以下に掲げる国際会計基準第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」(以下、「IAS第37号」という)で定義される引当金の認識要件に照らして、引当金の認識の要否及び引当金をいつ認識すべきかを判断する必要がある。 ● 企業が過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的)を有していること● 当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高いこと● 当該債務の金額について信頼性のある見積りができること 引当金の認識要否の判断には、経営者の主観的な判断を伴う。 カナダ訴訟損失引当金の金額は、本再生計画案に従いJTI-Macが将来負担することが見込まれる金額の現在価値として算定されている。 JTI-Macが将来負担することが見込まれる金額は、以下に記載の頭金と分割金の合計である。 ● 頭金:本再生計画案発効月の前月末時点における同社の現金及び現金等価物の額。 ● 分割金:頭金と合わせて被告たばこ会社による総決済額(合計325億カナダドル)が完済されるまで20~30年間にわたって支払いが行われる見込みの金額。 毎年のJTI-Macの税引後利益に一定割合(1~5年目:85%、6~10年目:80%、11~15年目:75%、16年目以降:70%)を乗じた金額の合計で算定される。 会社は、頭金は本再生計画案発行月の前月末時点におけるJTI-Macの現金及び現金同等物の金額、分割金は同社の事業計画等に基づく毎年の税引後利益を用いて見積り、それらを現在価値に割引いた金額の合計として引当金額を算定している。 現在価値の算定に使用される割引率は、貨幣の時間価値の現在の市場評価とカナダ訴訟損失引当金に固有のリスクを反映した税引前の割引率6.09%を使用している。 分割金の支払額の見積りにおいて会社が使用するJTI-Macの将来の事業計画等には以下の重要な仮定が含まれる。 ① 将来のカナダにおけるたばこビジネスの市場規模(販売本数)② JTI-Macの将来のカナダのたばこ市場におけるシェア 上記の重要な仮定のうち、①については将来の人口動向やたばこに関する規制動向などの外部要因が影響するため、現時点では予期しえない不確実性があり、②については会社の製品カテゴリーごとの価格設定を含む販売戦略の効果や競合他社の販売戦略の影響を受ける点で経営者の主観的な判断や立証が困難な不確実性を伴う。 以上より、カナダ訴訟損失引当金の計上については、以下の2つの事項について、それぞれ、経営者の主観的な判断や立証が困難な不確実性伴う事項並びに専門的な知見が必要となる事項が含まれる。 <修正を要する後発事象として引当金を認識することに関する事項>● 2025年2月27日の再生計画案に対するたばこ3社の基本合意をもって引当金の認識要件を満たしたと判断し、修正を 要する後発事象として2024年12月期の連結財務諸表に引当金を計上することにかかる、高度な会計処理上の判断<引当金額の算定に関する事項>● 引当金額の算定のうち、分割金の支払時期及び金額の見積りに伴う経営者の主観的な判断と立証が困難な不確実性● 税引前の割引率の算定にあたってのカナダ訴訟損失引当金に固有のリスクの反映 いずれの事項も、複雑かつ高度な監査上の判断が必要であり、また、カナダ訴訟損失引当金の計上が会社の連結財務諸表における財政状態及び経営成績に与える金額的影響を勘案し、当監査法人は当該項目を監査上の主要な検討事項であると判断した。 監査上の対応 当該監査上の主要な検討事項のうち、修正を要する後発事象として2024年12月期に引当金を認識することの合理性について、当監査法人は以下の監査手続を実施した。 ● 調停手続の進捗を踏まえた引当金計上要否及びその認識の時期の判断に係る内部統制を評価した。 ● IAS第37号に基づく引当金の認識要否、国際会計基準第10号「後発事象」及びIAS第37号に基づき修正を要する後発事象として2024年12月期の連結財務諸表に引当金を認識するという会社の判断に対し、以下の監査手続を実施し、調停手続の状況に則った判断がなされていることを確かめた。 ✓ 裁判所及びJTI-Macの監督人により公表される関連資料と被告たばこ3社の公表情報の査閲✓ 会社の経営者及び法務・コンプライアンス統括部への質問による、調停手続の状況に対する会社の対応方針の理 解✓ 会社の会議体議事録の閲覧による、再生計画案に対する会社の対応方針の意思決定の過程と決定された方針の理 解 また、当該監査上の主要な検討事項のうち、引当金額の算定のIAS第37号への準拠性について、構成単位の監査人へ指示し、以下の監査手続を実施した。 そのうえで、当監査法人は、構成単位の監査人と討議し、引当金額の算定のIAS第37号への準拠性について評価した。 加えて、当監査法人は、裁判所により承認された再生計画を査閲し、頭金、分割金の算定方法等にかかる会社の理解との整合性を確かめた。 ● カナダ訴訟損失引当金の算定にあたっての本再生計画案の内容の理解及びJTI-Macの事業計画の策定を含めた引当金額の算定に係る内部統制を評価した。 ● 分割金算定の基礎となる重要な仮定のうち、将来のカナダにおけるたばこビジネスの市場規模の見込みについては、公表されているアナリストレポートとの整合性の検証や、JTI-Macの販売実績データに基づく趨勢分析により、合理性を検証した。 ● 分割金算定の基礎となる重要な仮定のうち、JTI-Macの将来のカナダのたばこ市場におけるシェアについては、過年度における事業計画と実績の比較により不確実性の程度及び経営者の偏向の有無を評価した。 ● 加えて、カナダのたばこ市場におけるシェアの過去実績との整合性を検討し、将来計画の合理性を検証した。 ● JTI-Macが将来計画に織り込んでいる製品カテゴリーごとの製品販売価格設定等の販売戦略については、JTI-Macの取締役会にて承認された事業計画との整合性を確かめ、また、製品販売価格設定による効果については過去の実績に基づき実現可能なものであるかを検証した。 ● 分割金の将来の支払期間の設定の前提となる他のたばこ2社の和解金の支払金額の見込みについては、過去の販売シェアの推移や、将来のカナダのたばこ市場にかかるアナリストレポート、JTI-Macの将来の販売戦略との整合性を確かめた。 ● ネットワーク・ファームの評価専門家を利用し、割引率の算定にあたって考慮された負債に固有のリスクについ て、合理的な根拠に基づいて算定されているかを検証した。 たばこ資金生成単位に配分されたのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由連結財務諸表注記14.「のれん及び無形資産」に記載のとおり、会社は、企業結合により生じたのれんを、たばこ資金生成単位及び加工食品資金生成単位に配分している。 会社及び連結子会社による1999年のRJRナビスコ社の米国外たばこ事業の取得、2007年のGallaher社の取得、2016年のNatural American Spiritの米国外たばこ事業の取得及び当年度のVector Group Ltd.の取得等により、当年度末のたばこ資金生成単位に配分されたのれん残高は2,888,885百万円となっている。 のれんについては、国際会計基準第36号「資産の減損」により毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施することが要求されている。 会社は、たばこ資金生成単位の回収可能価額を、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された3ヶ年の計画を基礎とした使用価値により算定している。 3ヶ年の計画後は、4年目5.5から9年目3.7%までの成長率を設定し、10年目以降はインフレ分として9年目と同様の成長率を継続成長率として設定している。 減損テストの結果、使用価値はたばこ資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、会社は、使用価値算定に用いた成長率について合理的な範囲で変動があった場合にも、使用価値が帳簿価額を下回ることはないと考えている。 たばこ資金生成単位に配分されたのれん残高は連結財政状態計算書に対して重要であり、かつ、減損テストを実施する際に使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は、経営者の主観的判断の影響を大きく受ける。 加えてたばこ事業は、製造たばこに対する規制の強化、たばこに課せられる税金の増税、競合他社との熾烈な競争という環境下にあり、3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率はともにこれらの外部環境の影響を受ける。 使用価値の算定に使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は不確実性を伴い、経営者の判断が必要なため、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの評価を監査上の主要な検討事項と決定した。 監査上の対応 当該監査上の主要な検討事項に対して当監査法人は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストに関する以下の手続を実施した。 ● 当監査法人は、構成単位の経営者が策定したたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提条件について評価を行うため、以下の監査手続を実施した。 ✓ 構成単位の監査人に指示し、たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画が適切に作成されることを確保するための社内に おける査閲と承認に係る内部統制の評価✓ たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画について、過去の業績の実績値と比較することにより、過去の3ヶ年の計画の 達成状況を検討するとともに、当連結会計年度末時点のたばこ資金生成単位が事業を行っている主要な市場の市 場環境及び業績に照らした、達成可能性の検討✓ ネットワーク・ファームの評価専門家と協働し、3ヶ年の計画後の成長率を決定するにあたり会社の経営者が使用 したデータの背景及びその合理性について会社の経営者に質問するとともに、利用可能な企業外部の情報に基づ いた成長率の検討● 当監査法人は、会社の経営者と、たばこ資金生成単位に配分されたのれんに対する減損テストの結果について協議 し、会社の経営者によるのれんの減損テストの結果に対する見解について評価を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | たばこ資金生成単位に配分されたのれんの評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表注記14.「のれん及び無形資産」に記載のとおり、会社は、企業結合により生じたのれんを、たばこ資金生成単位及び加工食品資金生成単位に配分している。 会社及び連結子会社による1999年のRJRナビスコ社の米国外たばこ事業の取得、2007年のGallaher社の取得、2016年のNatural American Spiritの米国外たばこ事業の取得及び当年度のVector Group Ltd.の取得等により、当年度末のたばこ資金生成単位に配分されたのれん残高は2,888,885百万円となっている。 のれんについては、国際会計基準第36号「資産の減損」により毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施することが要求されている。 会社は、たばこ資金生成単位の回収可能価額を、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された3ヶ年の計画を基礎とした使用価値により算定している。 3ヶ年の計画後は、4年目5.5から9年目3.7%までの成長率を設定し、10年目以降はインフレ分として9年目と同様の成長率を継続成長率として設定している。 減損テストの結果、使用価値はたばこ資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、会社は、使用価値算定に用いた成長率について合理的な範囲で変動があった場合にも、使用価値が帳簿価額を下回ることはないと考えている。 たばこ資金生成単位に配分されたのれん残高は連結財政状態計算書に対して重要であり、かつ、減損テストを実施する際に使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は、経営者の主観的判断の影響を大きく受ける。 加えてたばこ事業は、製造たばこに対する規制の強化、たばこに課せられる税金の増税、競合他社との熾烈な競争という環境下にあり、3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率はともにこれらの外部環境の影響を受ける。 使用価値の算定に使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は不確実性を伴い、経営者の判断が必要なため、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの評価を監査上の主要な検討事項と決定した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表注記14.「のれん及び無形資産」 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当該監査上の主要な検討事項に対して当監査法人は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストに関する以下の手続を実施した。 ● 当監査法人は、構成単位の経営者が策定したたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提条件について評価を行うため、以下の監査手続を実施した。 ✓ 構成単位の監査人に指示し、たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画が適切に作成されることを確保するための社内に おける査閲と承認に係る内部統制の評価✓ たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画について、過去の業績の実績値と比較することにより、過去の3ヶ年の計画の 達成状況を検討するとともに、当連結会計年度末時点のたばこ資金生成単位が事業を行っている主要な市場の市 場環境及び業績に照らした、達成可能性の検討✓ ネットワーク・ファームの評価専門家と協働し、3ヶ年の計画後の成長率を決定するにあたり会社の経営者が使用 したデータの背景及びその合理性について会社の経営者に質問するとともに、利用可能な企業外部の情報に基づ いた成長率の検討● 当監査法人は、会社の経営者と、たばこ資金生成単位に配分されたのれんに対する減損テストの結果について協議 し、会社の経営者によるのれんの減損テストの結果に対する見解について評価を行った。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年3月26日日本たばこ産業株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石川 航史 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士井尾 武司 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士堀江 哲史 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている日本たばこ産業株式会社の2024年1月1日から2024年12月31日までの第40期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、日本たばこ産業株式会社の2024年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は当事業年度末の貸借対照表において、関係会社株式1,508,834百万円(総資産の約65.5%)を計上しており、そのうち、子会社であるJT International Holding B.V.株式が1,356,191百万円となっている。 会社のたばこ事業は、JT International S.A.を中核として、世界各国でたばこ製品の製造・販売等を行っている。 会社は、JT International S.A.を含むたばこ事業への投資をJT International Holding B.V.を通じて行っている。 会社はJT International Holding B.V.株式の減損処理の要否について、同社株式の帳簿価額と同社の純資産を基礎として算定された実質価額を比較することにより行っている。 加えて会社は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストの結果を参照し、同社株式の実質価額が著しく下落しているか否か判断している。 会社の連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成されており、会社はたばこ資金生成単位に配分されたのれんについて国際会計基準第36号「資産の減損」に基づき毎年減損テストを実施している。 会社は、たばこ資金生成単位の回収可能価額を、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された3ヶ年の計画を基礎とした使用価値により算定している。 3ヶ年の計画後は、4年目5.5%から9年目3.7%までの成長率を設定し、10年目以降はインフレ分として9年目と同様の成長率を継続成長率として設定している。 会社は検討の結果、JT International Holding B.V.株式の減損処理は不要と判断している。 JT International Holding B.V.株式の評価において使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は、経営者の主観的判断の影響を大きく受ける。 加えてたばこ事業は、製造たばこに対する規制の強化、たばこに課せられる税金の増税、競合他社との熾烈な競争という環境下にあり、3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率はともにこれら外部環境の影響を受ける。 たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は不確実性を伴い、経営者の判断が必要なため、JT International Holding B.V.株式の評価を監査上の主要な検討事項と決定した。 監査上の対応当該監査上の主要な検討事項に対して当監査法人は、JT International Holding B.V.株式に関する会社による評価結果の妥当性を検討した。 加えて当監査法人は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストについて、以下の手続を実施した。 ● 当監査法人は、構成単位の経営者が策定したたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提条件について評価を行うため、以下の監査手続を実施した。 ✓ 構成単位の監査人に指示し、たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画が適切に作成されることを確保するための社内における査閲と承認に係る内部統制の評価✓ たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画について、過去の業績の実績値と比較することにより、過去の3ヶ年の計画の達成状況を検討するとともに、当事業年度末時点のたばこ資金生成単位が事業を行っている主要な市場の市場環境及び業績に照らした、達成可能性の検討✓ ネットワーク・ファームの評価専門家と協働し、3ヶ年の計画後の成長率を決定するにあたり会社の経営者が使用したデータの背景及びその合理性について会社の経営者に質問するとともに、利用可能な企業外部の情報に基づいた成長率の検討● 当監査法人は、会社の経営者と、たばこ資金生成単位に配分されたのれんに対する減損テストの結果について協議し、会社の経営者によるのれんの減損テストの結果に対する見解について評価を行った。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 子会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 財務諸表注記(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は当事業年度末の貸借対照表において、関係会社株式1,508,834百万円(総資産の約65.5%)を計上しており、そのうち、子会社であるJT International Holding B.V.株式が1,356,191百万円となっている。 会社のたばこ事業は、JT International S.A.を中核として、世界各国でたばこ製品の製造・販売等を行っている。 会社は、JT International S.A.を含むたばこ事業への投資をJT International Holding B.V.を通じて行っている。 会社はJT International Holding B.V.株式の減損処理の要否について、同社株式の帳簿価額と同社の純資産を基礎として算定された実質価額を比較することにより行っている。 加えて会社は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストの結果を参照し、同社株式の実質価額が著しく下落しているか否か判断している。 会社の連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成されており、会社はたばこ資金生成単位に配分されたのれんについて国際会計基準第36号「資産の減損」に基づき毎年減損テストを実施している。 会社は、たばこ資金生成単位の回収可能価額を、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された3ヶ年の計画を基礎とした使用価値により算定している。 3ヶ年の計画後は、4年目5.5%から9年目3.7%までの成長率を設定し、10年目以降はインフレ分として9年目と同様の成長率を継続成長率として設定している。 会社は検討の結果、JT International Holding B.V.株式の減損処理は不要と判断している。 JT International Holding B.V.株式の評価において使用されるたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は、経営者の主観的判断の影響を大きく受ける。 加えてたばこ事業は、製造たばこに対する規制の強化、たばこに課せられる税金の増税、競合他社との熾烈な競争という環境下にあり、3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率はともにこれら外部環境の影響を受ける。 たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提は不確実性を伴い、経営者の判断が必要なため、JT International Holding B.V.株式の評価を監査上の主要な検討事項と決定した。 監査上の対応当該監査上の主要な検討事項に対して当監査法人は、JT International Holding B.V.株式に関する会社による評価結果の妥当性を検討した。 加えて当監査法人は、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストについて、以下の手続を実施した。 ● 当監査法人は、構成単位の経営者が策定したたばこ資金生成単位の3ヶ年の計画及び3ヶ年の計画後に用いられる成長率の前提条件について評価を行うため、以下の監査手続を実施した。 ✓ 構成単位の監査人に指示し、たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画が適切に作成されることを確保するための社内における査閲と承認に係る内部統制の評価✓ たばこ資金生成単位の3ヶ年の計画について、過去の業績の実績値と比較することにより、過去の3ヶ年の計画の達成状況を検討するとともに、当事業年度末時点のたばこ資金生成単位が事業を行っている主要な市場の市場環境及び業績に照らした、達成可能性の検討✓ ネットワーク・ファームの評価専門家と協働し、3ヶ年の計画後の成長率を決定するにあたり会社の経営者が使用したデータの背景及びその合理性について会社の経営者に質問するとともに、利用可能な企業外部の情報に基づいた成長率の検討● 当監査法人は、会社の経営者と、たばこ資金生成単位に配分されたのれんに対する減損テストの結果について協議し、会社の経営者によるのれんの減損テストの結果に対する見解について評価を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 子会社株式の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
商品及び製品 | 38,813,000,000 |
仕掛品 | 1,726,000,000 |
原材料及び貯蔵品 | 42,204,000,000 |
その他、流動資産 | 33,922,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 12,401,000,000 |
土地 | 43,669,000,000 |
建設仮勘定 | 6,605,000,000 |
有形固定資産 | 159,412,000,000 |
ソフトウエア | 16,481,000,000 |
無形固定資産 | 75,505,000,000 |
投資有価証券 | 21,707,000,000 |
長期前払費用 | 9,714,000,000 |
繰延税金資産 | 25,981,000,000 |
投資その他の資産 | 1,588,735,000,000 |
BS負債、資本
短期借入金 | 100,000,000,000 |
未払金 | 71,164,000,000 |
未払法人税等 | 1,330,000,000 |
リース債務、流動負債 | 182,000,000 |
賞与引当金 | 13,396,000,000 |
資本剰余金 | 736,697,000,000 |
利益剰余金 | 883,256,000,000 |
株主資本 | 1,231,375,000,000 |
その他有価証券評価差額金 | 7,052,000,000 |
評価・換算差額等 | -16,844,000,000 |
負債純資産 | 2,303,789,000,000 |
PL
売上原価 | 195,050,000,000 |
販売費及び一般管理費 | 341,273,000,000 |
営業利益又は営業損失 | -6,076,000,000 |
受取利息、営業外収益 | 141,000,000 |
受取配当金、営業外収益 | 423,513,000,000 |
営業外収益 | 433,934,000,000 |
支払利息、営業外費用 | 2,341,000,000 |
営業外費用 | 23,482,000,000 |
固定資産売却益、特別利益 | 7,898,000,000 |
特別利益 | 9,223,000,000 |
固定資産除却損、特別損失 | 1,455,000,000 |
特別損失 | 8,048,000,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 2,309,000,000 |
法人税等調整額 | -1,606,000,000 |
法人税等 | 703,000,000 |
PL2
剰余金の配当 | -349,759,000,000 |
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | -20,607,000,000 |
当期変動額合計 | 35,317,000,000 |
FS_ALL
売掛金 | 35,420,000,000 |
退職給付費用、販売費及び一般管理費 | 6,233,000,000 |
減価償却費、販売費及び一般管理費 | 61,429,000,000 |
研究開発費、販売費及び一般管理費 | 64,712,000,000 |
概要や注記
主要な販売費及び一般管理費 | ※1.販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりです。 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)販売促進費26,194百万円23,386百万円報酬及び給料手当25,688 33,235 従業員賞与12,229 20,533 退職給付費用6,206 6,233 委託手数料64,595 64,090 減価償却費60,574 61,429 研究開発費60,963 64,712 販売費に属する費用のおおよその割合36%36%一般管理費に属する費用のおおよその割合64 64 |
固定資産売却益の注記 | ※2.固定資産売却益のうち主なものは、次のとおりです。 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)土地16,932百万円7,865百万円 |
固定資産除却損の注記 | ※4.固定資産除却損のうち主なものは、次のとおりです。 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)建物1,054百万円669百万円機械及び装置596 321 |
固定資産売却損の注記 | ※3.固定資産売却損のうち主なものは、次のとおりです。 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)工具、器具及び備品64百万円188百万円 |
その他、連結財務諸表等 | (2) 【その他】 ① 当年度における半期情報等 中間会計期間当年度売上収益(百万円)1,569,8923,149,759税引前中間(当期)利益金額(百万円)399,073233,766親会社の所有者に帰属する中間(当期)利益金額(百万円)305,172179,240基本的1株当たり中間(当期)利益金額(円)171.89100.95 ② 重要な訴訟事件等 当社グループに関する重要な訴訟事件等については、連結財務諸表注記「39.偶発事象」に記載のとおりです。 |
貸借対照表 | ①【貸借対照表】 (単位:百万円) 前事業年度(2023年12月31日)当事業年度(2024年12月31日)資産の部 流動資産 現金及び預金177,685205,764売掛金※2 33,949※2 35,420商品及び製品38,00838,813半製品80,78376,050仕掛品9881,726原材料及び貯蔵品38,49142,204前渡金4001,641前払費用6,1655,364関係会社短期貸付金33,83139,264その他※2 15,967※2 33,922貸倒引当金△31△31流動資産合計426,237480,137固定資産 有形固定資産 建物67,10865,106構築物1,8911,849機械及び装置27,46228,822車両運搬具305961工具、器具及び備品9,65212,401土地46,17143,669建設仮勘定5,9946,605有形固定資産合計158,583159,412無形固定資産 商標権32,78316,422ソフトウエア8,33116,481のれん71,54235,771その他13,8306,831無形固定資産合計126,48775,505投資その他の資産 投資有価証券21,75321,707関係会社株式1,502,0431,508,834関係会社長期貸付金5,5585,488長期前払費用10,5939,714繰延税金資産24,69425,981その他18,11017,102貸倒引当金△108△90投資その他の資産合計1,582,6441,588,735固定資産合計1,867,7141,823,652資産合計2,293,9512,303,789 (単位:百万円) 前事業年度(2023年12月31日)当事業年度(2024年12月31日)負債の部 流動負債 買掛金※2 7,279※2 15,261短期借入金158,000※2 100,0001年内償還予定の社債-※1 25,0001年内返済予定の長期借入金20,000-リース債務138182未払金※2 42,765※2 71,164未払たばこ税70,37866,209未払たばこ特別税8,4847,982未払地方たばこ税79,07776,693未払法人税等5,6241,330未払消費税等27,32326,994キャッシュ・マネージメント・システム預り金※3 300,833※3 292,571賞与引当金5,49813,396その他引当金1,3313,471その他28,93353,561流動負債合計755,663753,816固定負債 社債※1 125,000※1 100,000長期借入金120,000120,000リース債務45616退職給付引当金101,38798,521その他※2 12,278※2 15,943固定負債合計358,711335,079負債合計1,114,3741,088,895 (単位:百万円) 前事業年度(2023年12月31日)当事業年度(2024年12月31日)純資産の部 株主資本 資本金100,000100,000資本剰余金 資本準備金736,400636,400その他資本剰余金78100,297資本剰余金合計736,478736,697利益剰余金 利益準備金18,77618,776その他利益剰余金 新事業開拓事業者投資損失準備金326243圧縮記帳積立金32,92231,382圧縮記帳特別勘定914877繰越利益剰余金775,229831,979利益剰余金合計828,167883,256自己株式△489,194△488,579株主資本合計1,175,4511,231,375評価・換算差額等 その他有価証券評価差額金6,5457,052繰延ヘッジ損益△2,975△23,896評価・換算差額等合計3,569△16,844新株予約権557364純資産合計1,179,5771,214,895負債純資産合計2,293,9512,303,789 |
損益計算書 | ②【損益計算書】 (単位:百万円) 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)売上高※5 537,261※5 530,247売上原価※5 191,861※5 195,050売上総利益345,399335,197販売費及び一般管理費※1,※5 325,269※1,※5 341,273営業利益又は営業損失(△)20,131△6,076営業外収益 受取利息※5 135※5 141受取配当金※5 162,991※5 423,513その他※5 11,937※5 10,280営業外収益合計175,064433,934営業外費用 支払利息※5 1,633※5 2,341社債利息8461,013為替差損5,96018,370その他※5 1,090※5 1,758営業外費用合計9,52923,482経常利益185,665404,377特別利益 固定資産売却益※2 17,001※2,※5 7,898その他1,6981,324特別利益合計18,6999,223特別損失 固定資産売却損※3 214※3,※5 196固定資産除却損※4,※5 2,715※4,※5 1,455減損損失4,5064,504その他1,8541,894特別損失合計9,2898,048税引前当期純利益195,075405,552法人税、住民税及び事業税14,9052,309法人税等調整額△4,618△1,606法人税等合計10,287703当期純利益184,788404,849 |
株主資本等変動計算書 | ③【株主資本等変動計算書】 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:百万円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金 資本準備金その他資本剰余金資本剰余金合計利益準備金その他利益剰余金利益剰余金合計 新事業開拓事業者投資損失準備金圧縮記帳積立金圧縮記帳特別勘定繰越利益剰余金当期首残高100,000736,400-736,40018,77633134,780574956,3331,010,794当期変動額 資本準備金の取崩 - 新事業開拓事業者投資損失準備金の繰入 326 △326-新事業開拓事業者投資損失準備金の取崩 △331 331-圧縮記帳積立金の繰入 628 △628-圧縮記帳積立金の取崩 △2,487 2,487-圧縮記帳特別勘定の繰入 914△914-圧縮記帳特別勘定の取崩 △574574-剰余金の配当 △367,415△367,415当期純利益 184,788184,788自己株式の取得 自己株式の処分 7878 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計--7878-△5△1,858341△181,104△182,627当期末残高100,000736,40078736,47818,77632632,922914775,229828,167 株主資本評価・換算差額等新株予約権純資産合計 自己株式株主資本合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益評価・換算差額等合計当期首残高△490,1831,357,0116,9033,72810,6311,0011,368,643当期変動額 資本準備金の取崩 - -新事業開拓事業者投資損失準備金の繰入 - -新事業開拓事業者投資損失準備金の取崩 - -圧縮記帳積立金の繰入 - -圧縮記帳積立金の取崩 - -圧縮記帳特別勘定の繰入 - -圧縮記帳特別勘定の取崩 - -剰余金の配当 △367,415 △367,415当期純利益 184,788 184,788自己株式の取得△1△1 △1自己株式の処分9901,068 1,068株主資本以外の項目の当期変動額(純額) △358△6,704△7,062△444△7,506当期変動額合計989△181,560△358△6,704△7,062△444△189,066当期末残高△489,1941,175,4516,545△2,9753,5695571,179,577 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) (単位:百万円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金 資本準備金その他資本剰余金資本剰余金合計利益準備金その他利益剰余金利益剰余金合計 新事業開拓事業者投資損失準備金圧縮記帳積立金圧縮記帳特別勘定繰越利益剰余金当期首残高100,000736,40078736,47818,77632632,922914775,229828,167当期変動額 資本準備金の取崩 △100,000100,000- 新事業開拓事業者投資損失準備金の繰入 243 △243-新事業開拓事業者投資損失準備金の取崩 △326 326-圧縮記帳積立金の繰入 918 △918-圧縮記帳積立金の取崩 △2,458 2,458-圧縮記帳特別勘定の繰入 877△877-圧縮記帳特別勘定の取崩 △914914-剰余金の配当 △349,759△349,759当期純利益 404,849404,849自己株式の取得 自己株式の処分 220220 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計-△100,000100,220220-△83△1,540△3856,75055,089当期末残高100,000636,400100,297736,69718,77624331,382877831,979883,256 株主資本評価・換算差額等新株予約権純資産合計 自己株式株主資本合計その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益評価・換算差額等合計当期首残高△489,1941,175,4516,545△2,9753,5695571,179,577当期変動額 資本準備金の取崩 - -新事業開拓事業者投資損失準備金の繰入 - -新事業開拓事業者投資損失準備金の取崩 - -圧縮記帳積立金の繰入 - -圧縮記帳積立金の取崩 - -圧縮記帳特別勘定の繰入 - -圧縮記帳特別勘定の取崩 - -剰余金の配当 △349,759 △349,759当期純利益 404,849 404,849自己株式の取得△2△2 △2自己株式の処分617836 836株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 507△20,921△20,414△193△20,607当期変動額合計61555,924507△20,921△20,414△19335,317当期末残高△488,5791,231,3757,052△23,896△16,8443641,214,895 |
重要な会計方針、財務諸表 | (重要な会計方針)1.有価証券の評価基準及び評価方法(1)子会社株式及び関連会社株式 移動平均法による原価法によっております。 (2)その他有価証券市場価格のない株式等以外のもの 決算日の市場価格等に基づく時価法によっております。 (評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。 )市場価格のない株式等 移動平均法による原価法によっております。 2.デリバティブ等の評価基準及び評価方法 時価法によっております。 3.棚卸資産の評価基準及び評価方法 総平均法による原価法によっております。 (貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。 ) 4.固定資産の減価償却の方法(1)有形固定資産(リース資産を除く) 定率法によっております。 ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法によっております。 なお、主な耐用年数は以下のとおりです。 建物(建物附属設備を除く) 38~50年機械及び装置 10~18年(2)無形固定資産(リース資産を除く) 定額法によっております。 なお、主な耐用年数は以下のとおりです。 商標権 10年ソフトウエア 5年のれん 10年(3)リース資産 所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産については、主として、リース期間を耐用年数とし残存価額を零とする定額法によっております。 5.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準 外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しており ます。 6.引当金の計上基準(1)貸倒引当金 債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して計上しております。 (2)賞与引当金 従業員及び役員に対して支給する賞与の支出に充てるため、実際支給見込基準により計上しております。 (3)退職給付引当金 従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。 なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。 過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しております。 数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。 また、公的年金負担に要する費用のうち、1956年6月以前(公共企業体職員等共済組合法施行日前)の給付対象期間に係る共済年金給付の負担について、当該共済年金負担に係る負債額を算定し退職給付引当金に含めて計上しております。 7. 収益及び費用の計上基準 顧客との契約から生じる収益 当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。 ステップ1:顧客との契約を識別する ステップ2:契約における履行義務を識別する ステップ3:取引価格を算定する ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する 当社は、たばこ製品、医療用医薬品等の販売を行っており、このような物品の販売については、物品の引渡時点において当該物品に対する支配が顧客に移転し、当社の履行義務が充足されると判断しており、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。 また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引、割戻等及び消費税等の税金を控除した金額で測定しております。 なお、たばこ税については、収益より控除しており、これらを除いた金額を売上高として損益計算書に表示しております。 8.ヘッジ会計の方法 繰延ヘッジ処理によっております。 なお、金利通貨スワップについて、一体処理(振当処理、特例処理)の要件を満たしている場合には一体 処理によっております。 9.その他財務諸表作成のための重要な事項(1)退職給付に係る会計処理 退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。 (2)グループ通算制度の適用 当社は、グループ通算制度を適用しております。 |
重要な会計上の見積り、財務諸表 | (重要な会計上の見積り) 会計上の見積りにより、当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度の財務諸 表に重要な影響を与える見積りは、以下のとおりです。 なお、昨今のロシア・ウクライナ情勢については、現時点において会計上の見積り及び見積りを伴う判断に 与える重要な影響はありません。 関係会社株式の評価 (1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 関係会社株式 1,508,834百万円(前事業年度:1,502,043百万円) (2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報 当社の当事業年度末の貸借対照表において計上しております関係会社株式のうち、子会社である、 JT International Holding B.V.株式が1,356,191百万円(前事業年度:1,356,191百万円)となっておりま す。 当株式の減損処理の要否については、同社株式の帳簿価額と同社の純資産を基礎として算定された実質価 額を比較することにより行っております。 加えて当社は、IFRS会計基準に準拠し連結財務諸表上実施してお ります、たばこ資金生成単位に配分されたのれんの減損テストの結果を参照し、同社株式の実質価額が著し く下落しているか否かを判断しております。 (減損テストの内容については、「第5 経理の状況 1 連 結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 14.のれん及び無形資産 (3)のれんの減損テ スト」をご参照ください。 ) 減損テストに用いた仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経 済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合、翌事業年度以 降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。 |
関係会社に関する資産・負債の注記 | ※2.関係会社に対する金銭債権・債務(区分表示したものを除く)は、次のとおりです。 前事業年度(2023年12月31日)当事業年度(2024年12月31日)短期金銭債権14,723百万円26,977百万円短期金銭債務10,944 160,736 長期金銭債務27 27 |
関係会社との営業取引による取引高の総額及び営業取引以外の取引による取引高の総額の注記 | ※5.関係会社との取引は、次のとおりです。 前事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) 当事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)売上高51,022百万円59,357百万円仕入高67,184 78,917 販売費及び一般管理費82,632 84,596 受取配当金162,733 423,188 営業取引以外の取引高15,521 22,658 |
有価証券関係、財務諸表 | (有価証券関係)子会社株式及び関連会社株式前事業年度(2023年12月31日)区分貸借対照表計上額(百万円)時価(百万円)差額(百万円)子会社株式41,58054,74313,162合 計41,58054,74313,162 当事業年度(2024年12月31日)区分貸借対照表計上額(百万円)時価(百万円)差額(百万円)子会社株式41,58072,60531,025合 計41,58072,60531,025 (注)市場価格のない子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額 (単位:百万円)区分前事業年度(2023年12月31日)当事業年度(2024年12月31日)子会社株式1,460,3501,467,140関連会社株式113113 これらについては、市場価格がないことから、「子会社株式及び関連会社株式」には含めておりません。 |
税効果会計関係、財務諸表 | (税効果会計関係)1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳 前事業年度(2023年12月31日) 当事業年度(2024年12月31日)繰延税金資産 退職給付引当金24,502百万円 24,545百万円共済年金給付負担金5,376 4,284 子会社株式6,755 6,202 その他47,798 57,552 繰延税金資産小計84,432 92,584 評価性引当額△18,534 △25,535 繰延税金資産合計65,898 67,049 繰延税金負債 圧縮記帳積立金△14,400 △13,726 繰延ヘッジ損益△11,157 △11,398 その他有価証券評価差額金△2,863 △3,085 その他△12,785 △12,858 繰延税金負債合計△41,204 △41,068 繰延税金資産・負債の純額24,694 25,981 2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳 前事業年度(2023年12月31日) 当事業年度(2024年12月31日)法定実効税率30.43% 30.43%(調整) 交際費等永久に損金に算入されない項目0.60 0.19 受取配当金等永久に益金に算入されない項目△24.16 △30.21 試験研究費等の税額控除△2.33 △0.69 評価性引当額の増減△0.03 0.14 その他0.77 0.32 税効果会計適用後の法人税等の負担率5.27 0.17 3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理 当社は、グループ通算制度の適用により、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。 |
企業結合等関係、財務諸表 | (企業結合等関係)該当事項はありません。 |
重要な後発事象、財務諸表 | (重要な後発事象)1.多額な資金の借入 当社は、下記のとおり借入を行いました。 (1)借入先 株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀 行株式会社 (2)借入金総額 1,000億円 (3)借入利率 変動金利(TIBORに基づく基準金利+スプレッド) (4)借入実行日 2025年1月31日 (5)返済期限 2055年1月31日 ただし、借入実行日から5年経過後以降の各利払日において、元本の全部又は一部の 期限前弁済が可能 (6)担保・保証 無担保・無保証 (7)資金の使途 既存劣後ローンの返済に充当 (8)その他の借入条件 ①利息支払に関する条項 利息の任意停止が可能。 ②劣後特約 本借入の債権者は、当社の清算手続、破産手続、更生手続、民事再生手続又は日本法によらないこれ らに準ずる手続において、上位債務に劣後した劣後請求権を有する。 本借入に係る契約の各条項は、いかなる意味においても劣後債権の債権者以外の債権者に対して不利 益を及ぼす内容に変更してはならない。 ③借換制限 契約上の定め無し。 ただし、当社は本借入を期限前弁済する場合、期限前弁済日以前12ヶ月以内に、普通株式又は本借入 と同等以上の資本性を有するものと格付機関から認定された資金により本借入を借り換えることを意 図している。 しかし、一定の財務基準を満たす場合には、同等以上の資本性が認定された資金による 借り換えを見送る可能性がある。 2.子会社からの剰余金の配当 当社子会社であるJT International Holding B.V.は、2025年3月24日開催の取締役会で剰余金の配当を決議し、当社は、2025年3月26日に当該配当金を受領しました。 これにより、当社は翌事業年度において、同社からの配当金11億米ドル(約1,672億円)を受取配当金として営業外収益に計上します。 なお、子会社からの配当であるため、翌連結会計年度の連結業績に与える影響はありません。 |
有形固定資産等明細表 | 【有形固定資産等明細表】 区分資産の種類当期首残高(百万円)当期増加額(百万円)当期減少額(百万円)当期償却額(百万円)当期末残高(百万円)減価償却累計額(百万円)有形固定資産建物67,1083,7074555,25465,106178,017(396)構築物1,891195142231,8499,778(0)機械及び装置27,4629,1742,9114,90328,822165,797(2,609)車両運搬具30590032429611,207工具、器具及び備品9,6529,5198105,96012,40157,965(248)土地46,171-2,502-43,669-(736)建設仮勘定5,9945,3114,700-6,605-(270)計158,58328,80611,39416,582159,412412,765(4,260)無形固定資産商標権32,783-016,36116,422-ソフトウエア8,33114,6534276,07616,481-(185)のれん71,542--35,77135,771-その他13,8305,03811,8322066,831-(59)計126,48719,69112,25958,41475,505-(244) (注)1.「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損による減少額です。 2.その他にはソフトウエア仮勘定等を含めております。 |
引当金明細表 | 【引当金明細表】 科目当期首残高(百万円)当期増加額(百万円)当期減少額(百万円)当期末残高(百万円)貸倒引当金139826121賞与引当金5,49813,3965,49813,396その他引当金1,3313,4711,3313,471 |
主な資産及び負債の内容 | (2)【主な資産及び負債の内容】 連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。 |
その他、財務諸表等 | (3)【その他】 該当事項はありません。 |
提出会社の株式事務の概要 | 第6【提出会社の株式事務の概要】 事業年度1月1日から12月31日まで定時株主総会3月中基準日12月31日剰余金の配当の基準日6月30日、12月31日1単元の株式数100株単元未満株式の買取り・売渡し 取扱場所(特別口座)東京都千代田区丸の内一丁目4番5号三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部株主名簿管理人(特別口座)東京都千代田区丸の内一丁目4番5号三菱UFJ信託銀行株式会社取次所―買取・売渡手数料無料公告掲載方法電子公告により行う。 ただし、やむを得ない事由により、電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載する方法により行う。 なお、電子公告は当社ウェブサイトに掲載することとしており、そのアドレスは次のとおりです。 https://www.jti.co.jp/株主に対する特典該当事項はありません。 (注)当社の株主優待制度は、2023年発送分をもって廃止しております。 |
提出会社の親会社等の情報 | 1【提出会社の親会社等の情報】 当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。 |
その他の参考情報 | 2【その他の参考情報】 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。 (1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書2024年3月22日関東財務局長に提出事業年度(第39期)(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)(2)内部統制報告書2024年3月22日関東財務局長に提出事業年度(第39期)(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)(3)四半期報告書及び確認書2024年5月9日関東財務局長に提出(第40期第1四半期)(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)(4)半期報告書及び確認書2024年8月2日関東財務局長に提出(第40期中)(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)(5)臨時報告書2024年3月27日関東財務局長に提出金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号に基づく臨時報告書です。 2024年8月22日関東財務局長に提出金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第8号の2に基づく臨時報告書です。 2024年8月26日関東財務局長に提出金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号に基づく臨時報告書です。 2024年11月26日関東財務局長に提出金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号に基づく臨時報告書です。 2025年3月10日関東財務局長に提出金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号、14号及び19号に基づく臨時報告書です。 2025年3月25日関東財務局長に提出金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号に基づく臨時報告書です。 (6)発行登録書2024年8月6日関東財務局長に提出(7)訂正発行登録書2024年8月22日関東財務局長に提出2024年8月6日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書です。 2024年8月26日関東財務局長に提出2024年8月6日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書です。 2024年11月26日関東財務局長に提出2024年8月6日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書です。 2025年3月10日関東財務局長に提出2024年8月6日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書です。 2025年3月25日関東財務局長に提出2024年8月6日提出の発行登録書(社債)に係る訂正発行登録書です。 |
提出会社の保証会社等の情報 | 第二部【提出会社の保証会社等の情報】 該当事項はありません。 |
連結経営指標等 | (1)連結経営指標等回次第36期第37期第38期第39期第40期決算年月2020年12月2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月売上収益(百万円)2,092,5612,324,8382,657,8322,841,0773,149,759税引前利益(百万円)420,063472,390593,450621,601233,766当期利益(百万円)312,029340,181444,174485,310182,596親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)310,253338,490442,716482,288179,240当期包括利益(百万円)132,883540,258998,229668,217288,612資本合計(百万円)2,599,4952,886,0813,616,7613,912,4913,848,727資産合計(百万円)5,381,3825,774,2096,548,0787,282,0978,370,7321株当たり親会社の所有者帰属持分(円)1,421.921,583.101,994.782,157.462,121.33基本的1株当たり当期利益(円)174.88190.76249.45271.69100.95希薄化後1株当たり当期利益(円)174.80190.68249.36271.63100.94親会社所有者帰属持分比率(%)46.8848.6554.0752.6045.00親会社所有者帰属持分当期利益率(%)11.9712.7013.9413.094.72株価収益率(倍)12.0212.1710.6713.4240.42営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)519,833598,909483,799566,317630,011投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)5,354△97,499△101,822△125,432△439,766財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△297,404△353,138△306,176△270,500△94,906現金及び現金同等物の期末残高(百万円)538,844721,731866,8851,040,2061,084,567従業員数(人)58,30055,38152,64053,23953,593[外、平均臨時雇用者数][6,681][6,942][6,726][8,193][5,704](注)1.当社グループは、国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という)に基づいて連結財務諸表を作成しております。 2.百万円未満を四捨五入して記載しております。 |
提出会社の経営指標等 | (2)提出会社の経営指標等回次第36期第37期第38期第39期第40期決算年月2020年12月2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月売上高(百万円)596,887592,220542,181537,261530,247経常利益(百万円)240,491278,809273,734185,665404,377当期純利益(百万円)241,752216,896283,461184,788404,849資本金(百万円)100,000100,000100,000100,000100,000発行済株式総数(千株)2,000,0002,000,0002,000,0002,000,0002,000,000純資産額(百万円)1,390,0111,344,6961,368,6431,179,5771,214,895総資産額(百万円)2,597,9302,487,9792,363,2672,293,9512,303,7891株当たり純資産額(円)782.73757.10770.57664.12684.011株当たり配当額(円)154140188194194(うち、1株当たり中間配当額)(円)(77)(65)(75)(94)(97)1株当たり当期純利益金額(円)136.27122.23159.72104.10228.02潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額(円)136.21122.18159.66104.07227.98自己資本比率(%)53.554.057.951.452.7自己資本利益率(%)17.2415.8820.9114.5133.83株価収益率(倍)15.4319.0016.6635.0217.89配当性向(%)113.0114.5117.7186.485.1従業員数(人)7,3667,1545,8195,9405,994[外、平均臨時雇用者数][1,183][1,174][461][257][291]株主総利回り(%)92.7107.6129.2177.6203.5(比較指標:配当込みTOPIX)(%)(107.4)(121.1)(118.1)(151.5)(182.5)最高株価(円)2,437.52,417.02,871.53,858.04,622.0最低株価(円)1,796.51,898.02,000.02,537.53,453.0(注)1.提出会社の財務諸表は日本基準に基づいて作成しております。 2.百万円未満を四捨五入して記載しております。 3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものです。 |