【EDINET:S100V11F】有価証券報告書-第13期(2023/10/01-2024/09/30)

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2024-12-27
英訳名、表紙PRISM BioLab Co.,LTD
代表者の役職氏名、表紙代表取締役 竹原 大
本店の所在の場所、表紙神奈川県藤沢市村岡東二丁目26番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙0466-53-8383
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
当社の前身であるPRISM BioLab株式会社は、ペプチド模倣低分子化合物を用いて新薬を開発することを目指して2006年に設立されました。
10年以上にわたる研究開発の結果、臨床候補化合物を見出し、数多くのシード化合物を生み出しています。
また、当社の独自の低分子創薬手法を用いて、これまで創薬が困難とされてきた標的に対して有望な化合物を見出すPepMetics技術(Peptide Mimetics - タンパク質に存在するヘリックス構造及びターン構造を模倣した化合物を開発・合成する独自の技術)を確立してまいりました。
当社の本書提出日までの変遷の概要は以下のとおりです。
年月概要2006年11月当社の前身であるPRISM BioLab㈱(旧 ㈱PRISM Pharma)を設立2007年4月神奈川県横浜市緑区に事務所及び研究所を開設2011年4月エーザイ㈱とPRI-724のガン分野における導出契約締結2012年4月社名を㈱PRISM Pharmaに変更すると共に、自社開発事業を中心に展開するため当社、㈱PRISM BioLabを新設分割により設立2013年7月エーザイ㈱との共同研究で経口剤となるE7386を創出し、当社研究成果をエーザイ㈱に導出(その後、E7386に資源集中するために2015年にPRI-724は契約解消)2017年3月製薬会社の創薬ターゲットに対してヒット化合物(*)を創出する共同開発事業を本格的に開始2018年5月大原薬品工業㈱にPRI-724のガン以外の分野における導出契約締結2018年10月当社が㈱PRISM Pharmaを吸収合併2020年5月Boehringer Ingelheim International GmbH社との間で、複数の創薬ターゲットに関する研究及び導出契約を締結2020年7月本社を湘南ヘルスイノベーションパーク(神奈川県藤沢市)内へ移転2020年11月Merck KGaA社との間で、複数の創薬ターゲットに関する研究及び導出契約を締結2021年6月フランスの製薬大手LES LABORATOIRES SERVIER社との間で創薬に関する業務提携契約を締結2021年11月エーザイ㈱と共同で創製したCBP/β-catenin阻害剤E7386について、臨床におけるPOC(Proof of Concept:創薬概念の検証)を達成2021年12月製薬大手RocheグループのF. Hoffmann-La Roche Ltd.社及びGenentech, Inc.社との間で、研究及び導出契約を締結2022年4月大原薬品工業㈱に導出したPRI-724について、臨床におけるPOCを達成2023年5月大原薬品工業㈱と導出契約に基づく第Ⅱ相臨床試験の開始によるマイルストン達成2023年11月Eli Lilly and Company社との間で、複数の創薬ターゲットに関する共同研究及び導出契約を締結2024年4月小野薬品工業㈱との間でガン領域における創薬に関する導出契約を締結2024年7月株式会社東京証券取引所グロース市場に上場2024年9月東京都中央区に東京オフィスを開設 (*)ヒット化合物:あるスクリーニング系で設定した活性基準を満たすことが見出された化合物
事業の内容 3 【事業の内容】
当社は、これまで創薬が困難とされていた標的(Undruggable Targets)を創薬可能(Druggable)にすることで新たな創薬パラダイムを作り出し、治療法のなかった病気を治療することを目標に、新たな創薬基盤を構築して新薬開発に取り組んでおります。
(1) 当社のビジネスモデル当社は、独自の創薬基盤技術である「PepMetics技術」を活用した医薬品の研究開発を行い、製薬会社等と提携、共同研究、導出することにより収入を得る創薬事業を展開しております。
当社の事業の系統図は以下のとおりです。
(図1) (図1) PepMetics技術を最大限に活用するために、自社で創薬標的を選定してプログラムを創出する自社開発事業と、大手製薬会社の創薬標的に当社の技術を利用してプログラムを創出する共同開発事業の二つのビジネスモデルを並行して行っております。
これにより、限られたリソースで多くの創薬プログラムを生み出すと同時に、技術の発展やノウハウの蓄積の相乗効果も得られます。
自社開発事業における製薬会社との主な提携として、エーザイ株式会社(以下、エーザイという。
)及び大原薬品工業株式会社(以下、大原薬品という。
)との導出契約があり、アップフロント、マイルストン、ロイヤリティの収入を得ております。
また、共同開発事業では、Merck KGaA社(以下、Merckという。
)、Boehringer Ingelheim International GmbH社(以下、BIという。
)、LES LABORATOIRES SERVIER社(以下、SERVIERという。
)、F. Hoffmann-La Roche Ltd.社(以下、Rocheという。
)、Genentech, Inc.社(以下、Genentechという。
)、Eli Lilly and Company社(以下、Lillyという。
)、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品という。
)との提携があり、それぞれ創薬標的を定めてヒット化合物の探索(*1)を行っております。
自社開発事業では、PepMetics技術に適し、かつアンメットメディカルニーズ(いまだに治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ)が高い疾患を治癒する可能性の高い創薬標的を選定し、自社でヒット化合物の創出、ヒット化合物から臨床候補化合物(*2)への最適化(Optimization)を行い、臨床試験に入るために動物等で確認する非臨床試験を進めながら開発パートナーとなる製薬会社を探し導出いたします。
プログラムを進めるための資金は自社で負担するため、当初は資金面でも人材面でも投資が必要なことに加え、プログラムが途中で中止になるリスクや、製薬会社のパートナーが見つからないリスクがあります。
一方で、プログラムの開発が進むほど価値が高まり、導出できた場合に得られる収入(アップフロント、マイルストン、販売後の売上に対するロイヤリティ)は大きくなります。
収入は、適用疾患の市場規模、創薬標的の有望性、開発計画の妥当性、競争相手の有無、化合物の有効性や投与方法等、複合的な要素により決まります。
また、自己資金で臨床試験に進める選択肢もあり、投資額は格段に大きくなりリスクも高まりますが、臨床試験で効果が認められれば飛躍的に良い条件で導出できる可能性も高まります。
このように自社開発事業は先行投資を行うハイリスク、ハイリターンのビジネスモデルとなり、成功確率を高めるためには複数のプログラムを持つことが重要になります。
当社では、これまで2つのプログラムを日本の製薬会社に導出し、開発の進捗に応じたマイルストンを受け取り、承認されればロイヤリティを受け取ることになっております。
現在それに続く新たな3つのプログラムの研究開発を行いつつ、継続的に次の創薬標的の選定を行っております。
共同開発事業では、創薬標的をすでに持っている製薬会社等をパートナーとし、当社のPepMetics技術を活用してヒット化合物を創出し、最適化を行います。
従来の契約では、最適化はパートナーの意向に応じて共同、もしくはパートナーが単独で行うことになっておりましたが、Lillyとの契約以降は当社がリード化合物及び臨床候補化合物までの合成並びに化合物評価を行う契約への転換を図っております。
これは、当社内で活性評価の機能を構築したことで可能となったもので、開発効率並びに経済的にも改善が見込まれます。
当社はPepMetics化合物の知財と評価可能なライブラリーを有していることに加え、創薬標的に合わせて化合物を合成する独自の技術、ノウハウを持っており、製薬会社が困難とする創薬標的での創薬が期待されております。
収入は、アップフロント、共同研究収入、開発の進捗に応じたマイルストン及び販売後の売上に対するロイヤリティを受け取ります。
それらの収入の総額は、自社開発事業に比較すると小さくなりますが、当社側の投資が少なく初めから収益化が見込めることが特徴となっております。
共同開発事業の契約金は、過去の創薬の実績や他の技術では探し出せない創薬標的にヒット化合物が創出される期待値、パートナーの開発費予算等の要因から交渉によって決まります。
すなわち、実績を積み信頼性が高まるほど期待値が高まり、大きな収入を得られるようになるビジネスモデルであります。
今後は年に2件程度の新規契約を目標としてまいります。
PepMetics技術を活用して、ハイリスク、ハイリターンの収益モデルである自社開発事業と、安定的で早期収益化が可能な収益モデルである共同開発事業の二つを組み合わせることで、安定的かつ大きなリターンを目指すことが可能になっております。
(図2、図3)(図2) 収入の内訳内容共同研究収入共同研究開発の役務及び必要な費用等を受領する収入契約一時金アップフロントとも呼ばれ、契約締結時に受領する収入マイルストン医薬品開発の進捗に応じて、その節目毎に受領する収入ロイヤリティ医薬品の上市後に、販売額の一定料率を受領する収入 ※一般的な低分子による新薬開発の流れ:当社ではこのような一般的な新薬開発の流れに沿って、主に化合物最適化までを実施いたします。
プロセス期間内容標的探索0.5年疾病に影響する可能性のある生体分子や生理的機序(メカニズム)を研究し、制御すべきタンパク質等の分子の候補を選び、疾患と標的の関係、評価系の構築難易度、結合様式とPepMeticsの適格性などを評価して創薬標的を選びます。
ヒット化合物探索1年創薬標的に対して作用していることを測定する評価系を構築し、候補化合物をスクリーニングして活性のある初期ヒット化合物を見出します。
初期ヒット化合物の周辺化合物を合成し、活性を高めると同時に標的に結合しているかを複数の評価系で確認し、ヒット化合物を特定します。
リード化合物探索1.5年ヒット化合物をもとに、薬理活性を高め、動物モデルにおいて一定の治療効果が認められるリード化合物を特定します。
リード最適化1.5年リード化合物をもとに、更に活性を高めると共に薬に適した物性及び安全性を得られるように最適化を進め、医薬品の原料となる臨床候補化合物を見出します。
前臨床試験1年医薬品として可能性のある物質を対象に、動物や細胞を用いて、有効性(薬効)と安全性(毒性)を研究します。
臨床試験(治験)臨床候補化合物が、安全で実際にヒトに役立つかどうかを調べる最終的な確認が臨床試験(治験)であります。
治験は3段階に分かれ、病院等の医療機関で、健康な人や患者を対象に同意を得た上で行われます。
第Ⅰ相1.5年比較的少数の健康な人を対象に副作用等の安全性について確認します。
第Ⅱ相2.5年少数の患者を対象に有効で安全な投与量や投与方法等を確認します。
第Ⅲ相2.5年多数の患者を対象に有効性・安全性について既存薬と比較します。
承認申請と承認1.5年臨床試験で有効性、安全性、品質等が証明された後に、医薬品許認可審査機関への承認の申請を行い、審査を受けて、それに通過すると「医薬品」として製造することができます。
上市(販売)―新薬を製品として製造・販売する。
市販後調査―市販後ではより多くの幅広い患者に投薬されるため、開発段階では発見できなかった副作用や正しい使い方の情報が集められます。
その情報をもとに、より安全な医薬品の使い方の検討や、より使いやすい医薬品への改善が行われます。

(注)1.上記期間は、一般的な新薬開発の流れをイメージとして示すものであり、実際の開発期間は、様々なリスクや不確実性に左右され、上記期間と大きく異なる可能性があります。
2.臨床試験の各相には、前期(a)、後期(b)が含まれる場合があります。
(図3)
(2) 当社の技術① PepMetics技術についてPepMetics技術は、ヘリックス構造(*3)を模倣した低分子有機化合物(*4)によって、細胞内でのタンパク質間相互作用(PPI:Protein-Protein Interaction)(*5)を制御するものです。
PepMetics化合物の基本構造は、複数の飽和環状構造(*6)を有する骨格に3個から5個の側鎖(*7)のついた構造で、3次元的に側鎖の位置と方向を制御することで、多種多様なヘリックス構造を高い精度で模倣することが可能となります。
キナーゼ阻害剤に代表されるタンパク質を標的とした従来の低分子による分子標的薬は、小さく深い穴に化合物が入り込むことで強く結合しておりました。
ところが、PPIの結合部分のポケットは比較的大きく、従来の手法では十分な結合ができませんでした。
PepMetics化合物は、PPIで最も頻繁に利用されるモチーフであるヘリックス構造のペプチドの一部を模倣する低分子化合物で、比較的大きなポケットに対して複数の接点を確保することで強く結合します。
(図4) (図4) ② 細胞内のPPIの重要性人の体は複雑に構成、制御され、恒常性を維持し、様々な環境の変化に対応しております。
これらは、細胞のレベルで様々なシグナルを発生、伝達、解読し、適切な対応をすることで維持されております。
そのためには、多種多様なシグナルを正確に伝えることが必要ですが、その役割を果たしているのがタンパク質(*8)や遺伝子(*9)であります。
体内では様々なタンパク質が細胞内外にあってシグナルを伝える役割をしております。
シグナルを伝えるタンパク質等が細胞の外にある受容体(*10)に結合することで細胞内のシグナルが起動され、それが細胞内のタンパク質や遺伝子の結合や相互作用の連鎖によって核内に伝えられ、DNA(*11)の適切な部分の情報を読み取ってmRNAを生成し、翻訳機構によって新たなタンパク質が生成されます。
これらのシグナル伝達に重要な役割を果たすのがPPIで、異常をきたすと疾患の原因ともなり、重要な創薬標的となります。
(図5) (図5) バイオ医薬(タンパク医薬や抗体医薬)(*12)は、分子量が大きい(高分子)ために細胞の中には入らず、細胞の外や受容体の部分でシグナルを制御しております。
一般に、細胞の中に伝えられるシグナル経路は、細胞内で複数の役割を果たすことが多く、細胞外で止めることは目的の作用以外の役割も上流で止めてしまうことになり、副作用が生じやすくなります。
細胞内でタンパク質同士の結合を選択的に阻害(制御)して目的の作用のみを止めることは、これまで創薬の分野で重要と期待されながらも方法が確立されておりませんでした。
PepMetics技術では、細胞膜を通過できる低分子化合物を用いて、細胞の中に伝えられたシグナルの下流で治療に必要なシグナルだけを止めることが可能となります。
(図6、図7) (図6) 《PepMetics技術と従来の創薬技術(バイオ医薬)及び低分子との違い》出所:Caroline et al. Novel Peptide Therapeutic Approaches for Cancer Treatment、A. Chakrabarti Novel avenues to use peptides as cancer drugs. Exploration of the effect of chemical coupling to polymers & cell-penetrating peptides on bioactivity                         (図7) ③ PepMetics化合物の特徴従来の人工合成による低分子では、細胞内でのPPIを制御することは困難とされてきました。
一方で、天然物をもとにした薬では、細胞内でのPPIを含む様々な効果が認められております。
これは、合成による化合物の場合は多様性を確保しやすい合成ルートを用いる結果、平面的な化合物が多くを占めるのに対し、天然物は3次元的、団子状(Globule)の化合物が多くみられる傾向にあるためです。
しかし、天然物は合成が極めて困難で、最適化のための化合物改変の余地も限られるため、創薬の成功は偶然性に依存しており、特定のPPIを標的に創薬をすることは困難とされてきました。
PepMetics化合物の特徴を分析するために、承認された低分子医薬品を主成分分析モデル(PCA分析)で2次元平面に分散させ、合成化合物由来の上市医薬品(黄)と天然物由来の上市医薬品(赤)に分けました。
そこに、PepMetics化合物(橙)を重ねわせたところ、PepMetics化合物は天然物由来の医薬品に近い特徴を持った化合物であることがわかります。
(図8)すなわち、PepMetics化合物は通常の低分子化合物のように合成できる一方で天然物の特徴を持つ化合物群で、そのために従来Undruggableとされてきた創薬標的でも多くのヒット化合物を生み出していると考えられます。
※論文「Property distributions: differences between drugs, natural products, and molecules from combinatorial chemistry」に記載の方法に従い、上市医薬品、ZINC databaseに登録されている約30,000化合物(従来の化学合成化合物)、PepMetics libraryの約17,000化合物に対して、主成分分析(PCA, principal component analysis)を行いグラフを作成。
横軸は第1主成分、縦軸は第2主成分を示す。
                                    (図8) ④ 多様な化合物空間とライブラリーの有用性体内では様々なPPIが選択的に制御され、特定のタンパク質やペプチドが、特定の相手に結合することでシグナルを正確に伝えております。
この選択性に重要なのがアミノ酸配列と骨格の形状で、PepMetics化合物では40種類の骨格と、天然アミノ酸と非天然アミノ酸を含む50種類以上のアミノ酸側鎖を自由に組み合わせられる技術を開発いたしました。
それにより、例えば4つのアミノ酸をつなげたPepMetics化合物の場合、理論的には2億5千万とおり以上の組み合わせの化合物をデザインすることが可能で、当社はそのような化合物をバーチャルライブラリー(V-Library:Virtual Library)として確保しており、その中で、実際に合成を完了して評価することができるライブラリー化合物(R-Library:Real Library)が2万個以上あります。
(図9) ※1:3~5個の側鎖をつけることが可能※2:当社のライブラリーでは、天然アミノ酸20種類に加えて約30種類の非天然アミノ酸を使用※3:当社では、40種類以上の骨格を開発し、使用可能                                   (図9) これらのライブラリーのバーチャルスクリーニングと実際の細胞等を使った評価を行うことで、効率よくヒット化合物を見出し、改良することが可能となると考えております。
⑤ 多様な創薬アプローチの開発当社は、PepMetics技術を多くの創薬標的に活用するために様々なアプローチを開発しました。
これにより、製薬会社の多様なニーズに合った研究が進められることになったと考えております。
a SBDD アプローチ創薬標的のタンパク質同士の結合の様式がX線解析等の手法で明らかになっている場合、構造をもとにした分子設計(SBDD: Structure Based Drug Design)が可能です。
標的とするポケットに対して、結合するタンパク(リガンド)がどのように結合するかを分析し、PepMeticsに置き換えて結合力を計算します。
この手法で、当社のV-Library、R-Libraryを含む化合物のバーチャルライブラリーのスクリーニングを行い、結合する可能性の高い化合物をR-Libraryから選定、もしくはV-Libraryから選定して合成することでヒット化合物を創出いたします。
また、ライブラリーにはない化合物もポケットに合わせてデザインし、個別に合成することで成功の確率を高めます。
b 配列に基づくアプローチ標的タンパク質の結合構造がわからない場合には、PepMetics化合物が天然のヘリックス構造を模倣することを利用して、アミノ酸の配列情報から候補化合物を合成し、ヒット化合物を探索することも可能です。
PPIを制御するためにランダムに発生された中分子ペプチド、サイクリックペプチド(*13)等を用いて標的に結合するペプチドを探索する手法が活用されております。
しかし、見出されたペプチド(バインダー)をそのままで薬にすることは難易度が高く、低分子に置き換えることが期待されております。
また、バインダーが標的のタンパク質にどのような様式で結合しているかが解析できれば上記のSBDDが可能になりますが、ペプチドは様々な構造を持ちうるため、結合様式を予測することが困難な場合が多くあります。
PPIで最もよく使われるのはヘリックス構造で、ペプチドのある特定の部分(連続する3~4個のアミノ酸)がヘリックス構造を形成して相手に結合していると推測することができます。
そこで、ペプチドの配列情報から、配列の中の連続する3つのアミノ酸を端から一つずつずらしながら模倣するPepMetics化合物を作ることで、結合構造を模倣できる可能性があります。
この方法を用いて、CTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4:免疫チェックポイントタンパク質)という従来の低分子では困難とされる標的に対して、ヒット化合物を見出す実例を示すことができました。
c ライブラリースクリーニング創薬標的についての情報が少ない場合や標的そのものが限定されない場合には、可能性を最大化するためにライブラリー(R-Library)のスクリーニングを行います。
これによって、想定している作用に加えて、異なる部分に作用することで同様の効果を生む(アロステリック効果)化合物の探索も可能になります。
体内でのPPIは65万種類あるといわれていますが、その中で知られているのはほんの一部にすぎません。
結合に頻繁に使われるヘリックス構造をもち、多様なアミノ酸配列を模倣するPepMetics化合物を活用することで、想定外の結合様式やPPIの作用を見出す可能性もあります。
(3) 当社のパイプライン当社ではPepMetics技術を活用して、独自のパイプラインの開発を行っております。
① CBP/β-カテニン相互作用阻害剤Wntシグナル伝達経路(*14)は1980年代に発見され、ガンの細胞「増殖」に関係することが知られており、多くの新薬開発の試みがなされました。
正常細胞が細胞分裂の際に同じ細胞に分裂する「増殖」と異なる機能を持った細胞に分裂する「分化」のバランスをとるのに対し、突然変異によりできたガン細胞は異常に「増殖」を繰り返すことで腫瘍となって肥大化します。
Wntシグナルは「増殖」を促進するため、Wntシグナルを阻害すれば、ガンが進行しないと考えられました。
ところが、Wntシグナルは細胞が「増殖」する際のみならず、「分化」する際にも重要な機能を果たすため、Wntシグナルを止めることは副作用につながります。
従来の技術で開発されたWnt阻害剤は細胞外からシグナルそのものを止めてしまうため、強い毒性を示して開発が中止されてきました。
PepMetics化合物は細胞の中に入り込んでWntシグナル伝達経路全体の一部だけを止めることで、Wntシグナル全体を止めずに「増殖」を「分化」に切り替えるスイッチの役割を果たします。
Wntシグナルは、細胞の中でβ-カテニン(*15)というタンパク質を通じて伝達されます。
細胞核内でβ-カテニンが、CBP(*16)というタンパク質に結合することで、転写が始まり、「増殖」のスイッチが入ります。
PepMetics化合物は、この転写因子であるCBPに結合し、CBPとβ-カテニンの結合を阻害します。
その結果、β-カテニンはCBPと似た別なタンパク質P300(*17)と結合し、この結合が細胞を「分化」に導く転写を始めます。
すなわち、PepMetics化合物はWntシグナル全体を止めることなく、「増殖」を「分化」に切り替えるスイッチの役割を果たすことが可能です。
また、これまでの実験結果から、Wntシグナル伝達経路はガンのみならず線維症(*18)等の他の疾患分野にも深く関連することが知られており、様々な疾患での創薬に結び付ける開発を進めております。
a E7386エーザイとの共同研究で見出された化合物で、当社の研究成果をエーザイに導出しました。
エーザイにより臨床試験を実施しており、2021年11月には臨床試験におけるPOCを達成いたしました。
現在、第Ⅱ相臨床試験を実施しており、単剤、レンバチニブとの併用、ペムブロリズマブとの併用試験を実施しております。
(図10) ※1:E7386はエーザイと共同創製した化合物※2:PD, progressive disease; PR, partial response; SD, stable disease; RECIST, response evaluation criteria in solid tumors出所:European Society for Medical Oncology:(ESMO)年次総会(ESMO2024 Annual Meeting)ポスター発表(2024年9月13~17日)※3:本剤は、エーザイが創製し、エーザイと Merckが提携契約のもと、共同開発及び共同商業化を行っています (図10) b PRI-724Wntシグナル伝達経路のCBP/β-カテニンの結合を阻害し、様々な線維症に対する効果が示されております。
2014年から肝硬変患者に対する臨床試験を開始し、2018年に大原薬品に導出しました。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に採択されて臨床試験が進められております。
(図11) 出所:Kiminori Kimura et al. Safety, tolerability, and anti-fibrotic efficacy of the CBP/β-catenin inhibitor PRI-724 in patients with hepatitis C and B virus-induced liver cirrhosis: An investigator-initiated, open-label, non-randomised, multicentre, phase 1/2a study(DOI: 10.1016/j.ebiom.2022.104069)                   (図11) C型肝炎及びB型肝炎による肝硬変患者を対象とする第Ⅰ相及び第Ⅱa相臨床試験は2021年7月に終了し、肝硬度、肝予備能、及び血清アルブミンレベルの統計的に有意な改善が観察されました。
これにより、AMEDのCiCLEの中間評価では「PhaseⅡa試験において有効性を確認でき、安全性上の懸念も少ないことから、次相試験の実施が可能と考えられ、今後も計画とおりに進捗することが期待される。
」との評価結果を得て、2023年7月よりNASH(非アルコール性脂肪肝炎)による非代償性肝硬変患者も対象に加え、多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検比較臨床試験(PhaseⅡ)が開始されております。
② その他自社プログラム : 細胞内の翻訳機構を制御する化合物その他進行中の自社プログラムのひとつとして、「翻訳」に関わるタンパク質であるeIF4EとeIF4G(*19)の結合を制御する化合物(FEP)の開発を進めております。
ガンに関係する様々な細胞内シグナル伝達経路の終末で作用点であるCAP依存性翻訳複合体(CAP複合体)は、mRNAの情報からタンパク質を生成する役割を持っております。
このCAP複合体を構成するeIF4EとeIF4Gの結合を阻害することで、ガンの増殖に必要なタンパク質の合成を止める仕組みです。
本来、この結合を調整する制御因子として4E-BP1というタンパク質がeIF4Eに結合することで過度な翻訳が制御されておりますが、ガン細胞では上流のPI3K/Akt/mTOR経路が活性化され、4E-BP1の機能が無効化されております。
そこで、当社はPepMetics技術を用いて4E-BP1の模倣化合物を作り、過度な翻訳を制御することに成功いたしました。
実際にはいくつかのガン種において、この経路が特に活性化されていることが報告されております。
たとえばTNBC(トリプルネガティブ乳ガン)では約42%、膀胱ガンでは約43%の患者様において本経路が活性化されており、4E-BP1の模倣化合物はこれらガンに対する分子標的薬として期待されております。
アメリカ・日本・ヨーロッパ主要国でのこれら活性化されている対象患者数は、TNBCで約13万人、膀胱ガンで約11万人と見積もることができ(Datamonitor Healthcare® Patient-based market forecastによる)、更にはこれらガン腫に対する分子標的薬が無いことから、マーケット的に大きなインパクトがあります。
一方で従来すすめてきたeIF4E/eIF4G阻害剤に加えて、新たに創薬分子標的の選定を行い、複数のプログラムを進めております。
成功確率が著しく低い創薬研究において継続的に新薬を創出するためには、バランスの取れた健全なプログラムポートフォリオの構築が必須となります。
また、複数のプログラムを並行して走らせることにより、プログラムをストップする健全な判断がより容易となります。
当社は、創薬標的の選定において、Scientific Advisory Board(科学的なアドバイスをする諮問委員会)からの助言を得ることにより成功確度をより高めるよう努めております。
以上のように、PepMetics化合物を用いることで、これまで制御困難とされてきた創薬が極めて困難な標的に対して様々な創薬プログラムを立ち上げております。
(図12、図13) ※ 2024年2月29日の為替レート1米ドル=149.84円を基に算出出所:Capital IQ                                               (図12) ※1:契約締結日の2023年11月17日の為替レート(150.76円/ドル)を基に算出出所:Capital IQ                                                (図13) (4) 当社の事業の可能性新薬を作り出す歴史では、技術革新によって新たな創薬手法を生み出すパラダイムシフトが幾度となくあり、その度にそれまで不治とされていた病気に治療方法が生み出されております。
天然物を煎じた薬に始まり、19世紀初頭に有効成分のみを抽出する技術によって薬効が高まり、19世紀末に人工的な合成技術によって低分子化合物医薬品(アスピリン)が生まれ、約一世紀にわたって低分子創薬の時代が続きました。
20世紀末に高分子のバイオ医薬品(ヒトインスリン)が実用化されたことを皮切りに、抗体医薬品、免疫チェックポイント阻害剤、核酸医薬(mRNA等)等、それまでの常識を覆す技術が発明されることで、医薬品は飛躍的な発展を繰り返してまいりました。
また、そのようなパラダイムシフトを牽引したバイオベンチャーは飛躍的に成長し、大手製薬会社と肩を並べる規模に成長しております。
(図14)(図14) 細胞内PPI阻害薬はこれまで一つしか承認されておらず(ベネトクラクス、Abbvie社)、その開発は極めて困難とされてきましたが、PepMetics技術により新たな創薬分野を切り開く可能性を持っていると当社は考えており、そのための技術確立と活用を目指しております。
当社の開拓する細胞内PPI創薬の可能性を示すために、同様に低分子である酵素(キナーゼ)阻害剤との比較を以下に記載いたしました。
キナーゼ阻害剤が創薬標的の数や薬のメカニズム(作用機序)、適応症が限定されるのに比べ、細胞内PPI阻害剤はより大きな可能性を持つと考えております。
(図15) 出所:※1 Robert Roskoski Jr Properties of FDA-approved small molecule protein kinase inhibitors: A 2023 update (DOI.org/10.1016/j.phrs.2022.106552)※2 Douglas R. Green A BH3 Mimetic for Killing Cancer Cells (DOI: 10.1016/j.cell.2016.05.080) 細胞内、細胞外を含む※3 Datamonitor Healthcare※4 AbbVie社により見出されたPPI阻害剤。
BCL2タンパク質とBAXタンパクのPPIを阻害し、ガン細胞の細胞死を引き起こす事により、抗腫瘍効果を示す                                            (図15) (5) 当社の優位性当社でのPepMetics技術は下記の優位性を保持しており、PPIを狙った低分子創薬において競合優位性を保持しております。
① 有機合成当社はPepMetics化合物の特許を取得していることに加え、他社が容易に追随できない合成ノウハウを蓄積しております。
これまで3万以上のPepMetics化合物を合成した実績があり、成功例だけでなく失敗例を含めた反応実績を全て社内データベースで容易に参照可能となっております。
これにより、天然物様の立体的で複雑な構造を有するPepMetics化合物の合成を、通常の平面来な低分子化合物の合成のように簡便かつ効率的に合成可能とする体制を整えております。
② AI当社では進展著しいAI(人工知能)技術をPepMetics化合物へ応用しております。
多様な側鎖のバリエーションが可能な一方で限られた骨格群を有するPepMetics化合物は、無限に空間が広がる通常の製薬会社の低分子化合物よりもAIと相性が良いことが期待できます。
この特性を活用し、当社ではPepMetics化合物に特化したADMET(化合物の吸収、分布、代謝、排泄、毒性)のAI予測モデルを構築・実用化しております。
自社独自で保有するPepMetics化合物群のデータに基づき、高精度でのAI予測が可能です。
さらに、標的となるタンパク質のPPIの結合部分の構造とこれまでのPepMetics化合物に関する知見を基に、AIによる候補化合物の探索も進めており、すでにいくつかの成果が見られております。
自社プログラムや共同プログラムにおいて実績を残しているのみならず、他者が保有できない独自のAI技術として今後のさらなる深化、発展が見込まれます。
*1 探索創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性をもつ物質を探索する研究段階があります。
この研究を一般的に探索研究と呼びます。
*2 臨床候補化合物臨床試験の候補となる化合物です。
創薬研究の探索段階において見出した初期化合物を、有効性や安全性など様々な側面から改良し、臨床候補化合物を創出します。
*3 ヘリックス構造生物学において、タンパク質や核酸といった生体高分子の主鎖の部分的な立体構造を二次構造と言います。
ヘリックス構造は、二次構造のうちヘリックス(螺旋)状の構造をとるものです。
*4 低分子有機化合物分子量の小さい有機化合物です。
一般的に分子量が900以下のものを指します。
*5 タンパク質間相互作用(PPI)複数のタンパク質分子が状態に応じて特異的複合体を形成する現象です。
*6 飽和環状構造主に有機化学において原子が環状に結合し、かつ単結合のみで構成される構造を飽和環状構造と言います。
*7 側鎖鎖式化合物の分子構造で、最も長い炭素原子の連鎖(主鎖)から枝分かれしている部分です。
*8 タンパク質アミノ酸が鎖状に多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分の一つです。
ヒトでは20種類のアミノ酸からタンパク質が構成されます。
構成するアミノ酸の数や種類、また結合の順序によって種類が異なり、分子量約4千前後のものから、数千万から億単位になるウイルスタンパク質まで多種類が存在します。
連結したアミノ酸の個数が少ない場合にはペプチドと言い、これが直線状に連なったものはポリペプチドと呼ばれることが多いです。
タンパク質は、炭水化物、脂質と共に三大栄養素と呼ばれ、身体をつくる役割も果たしております。
*9 遺伝子遺伝子とは人間の体をつくる設計図に相当するものです。
ヒトには約2万個の遺伝子があると考えられております。
人間の身体は、細胞という基本単位からなっております。
この細胞の核と呼ばれる部分に染色体があり、この中のDNAが遺伝子として働いております。
人間の身体は、この遺伝子の指令に基づいて維持されております。
*10 受容体受容体とは、細胞膜表面、細胞質、又は核内に存在し、物理・化学的な刺激を認識して細胞に応答を誘起するタンパク質を言います。
受容体は細胞での場所で、以下のように大きく二つに分けられます。
(1) 核内受容体(細胞内受容体とも言います)細胞膜を自由に通過できる脂溶性ビタミンA、Dやステロイドホルモンや甲状腺ホルモン等の脂溶性の物質を受容します。
これらのリガンド(情報伝達物質)により核内のDNAの特定配列に結合し転写して、必要なタンパク質を合成して生体反応を引き起こします。

(2) 細胞膜(貫通型)受容体ペプチドホルモン、細胞伝達物質、増殖因子等の細胞膜を通過できない水溶性の物質を膜表面で受容します。
*11 DNADNAはヒトの細胞では、核の中の染色体にあり、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の部品でできております。
DNA中ではAとT、GとCが結合していて、その結合の対を塩基対と言います。
DNAは、はしごをひねったような形をしていて、核の中の染色体の中に折りたたまれて入っております。
DNAを簡単に言うと、私たちの体を作る設計図と言えます。
*12 バイオ医薬組み換えDNA技術、細胞融合法、細胞大量培養法等のバイオテクノロジーで製造された医薬品。
(1)組み換えDNA技術によるたんぱく質性医薬品(ホルモン、酵素、抗体等)、
(2)遺伝子治療に用いる遺伝子組み換えウイルス、(3)培養皮膚等の細胞性治療薬、(4)RNAやDNAの断片そのものを用いる核酸性医薬品等です。
日本で最初に承認されたバイオ医薬品は、組み換えDNA技術によるヒトインスリン(1985年)。
ゲノム科学、ゲノム創薬の進展により、バイオ医薬品の研究開発が国際競争となっております。
*13 中分子ペプチド、サイクリックペプチド中分子ペプチドは数個から十数個のアミノ酸からなる化合物、サイクリックペプチドは環状構造を持つ化合物で、どちらも新たな創薬モダリティとして注目されています。
*14 Wntシグナル伝達経路胚発生、ガン、線維化などを制御するタンパク質のネットワークです。
創薬標的として広く研究されています。
*15 β-カテニン核内で他の様々な転写因子と結合して、細胞の増殖あるいは分化に関与する遺伝子の転写を制御します。
*16 CBPCREBBP(CREB-binding protein、サイクリックAMP反応性エレメント結合タンパク質)とも称される、転写を調節するコアクチベーターとよばれる因子の一つです。
β-カテニンと結合し、他の多くの転写因子とも協同しながら様々な遺伝子の転写活性を調整します。
*17 P300CBPと類似の構造・機能をもち、転写を調節するコアクチベーターとよばれる因子の一つです。
多くの転写因子と結合して基本転写因子の活性を制御する性質をもつタンパク質です。
*18 線維症内臓等の組織を構成している結合組織と呼ばれる部分が異常増殖する現象により、たとえば、心筋に線維化が生じたときには心臓の働きに異常が起き、呼吸困難や心悸亢進(動悸)等の症状が出ます。
また関節リウマチにおける骨の萎縮や変性、肝臓全体の線維化を示す肝硬変の病態等も、結合組織が線維化した例としてよく知られております。
*19 eIF4E、eIF4GeIF4E、eIF4GはメッセンジャーRNA(mRNA)に結合して翻訳を調節することで細胞の成長や増殖に関与する因子であり、その過剰発現により細胞のガン化が誘導されることも知られています。
ガン細胞はその急速な成長のために通常の細胞に対する成長制御を回避する必要があり、その回避策の一つとしてeIF4E、eIF4Gを過剰に活性化させるなどの方法により、タンパク質合成を制御する仕組みに発ガン性変化を起こさせることが挙げられます。
eIF4E、eIF4Gを阻害することでガン細胞の成長促進を妨げるための研究が進められています。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
該当事項はありません。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況 2024年9月30日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)2743.71.48,981〔9〕
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、契約社員及び人材会社からの派遣社員を含む。
)は、年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.前事業年度末に比べ、臨時雇用者数を含め従業員数が14名増加しております。
主な理由は、研究開発の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。
4.当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

(2) 労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営環境・経営戦略等製薬業界は、高度化する医療技術の進展や多様化する医療ニーズへの対応等により、今後も更なる成長が見込まれております。
一方で、ジェネリック医薬品の普及等の薬剤費の削減や医療保険の適用基準の厳格化の影響等により、国内における医薬品販売高の成長については不確実な要素も大きくなっております。
また、近年の臨床試験の厳格化の傾向に加え、臨床試験の規模が拡大すると共に開発期間が長期化し、製薬業界では激しいグローバル競争が展開されていることから、新薬開発の効率化が製薬企業各社の課題となっております。
このような状況の中、当社はPepMetics技術によって「創薬不可能」だった標的を「創薬可能」にし、治療法のなかった病気を治療することを使命にあげ、独自の創薬基盤技術を拠り所としております。
この技術の有用性を証明すると共に、この技術において業界をリードし、競争力を維持し続けることが重要な経営課題であります。

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は現在、研究開発段階のものが多い状況であります。
マイルストンの達成に応じて売上高が計上されてはおりますが、不確実性が高いため目標となる経営指標等は定めておりません。
一方で、将来的な成長の要素として、自社開発プログラム及び共同開発プログラムの進捗状況は重要であるため、経営指標として、研究開発における各段階のプログラム数の見通しを提示します。
現段階においては、早期の製品の上市を目指し、研究開発及び臨床試験の進捗状況、並びに研究開発資金と費用のバランス等を注視しながら、事業を推進しております。
当社では、事業の進捗を測る指標として研究開発の各段階でのプログラムの数を管理しています。
研究開発では下記の4段階で進捗します。
標的探索疾病に影響する可能性のある生体分子や生理的機序(メカニズム)を研究し、制御すべきタンパク質等の分子の候補を選び、疾患と標的の関係、評価系の構築難易度、結合様式とPepMeticsの適格性などを評価して創薬標的を選びます。
ヒット化合物探索創薬標的に対して作用していることを測定する評価系を構築し、候補化合物をスクリーニングして活性のある初期ヒット化合物を見出します。
初期ヒット化合物の周辺化合物を合成し、活性を高めると同時に標的に結合しているかを複数の評価系で確認し、ヒット化合物を特定します。
リード化合物探索ヒット化合物をもとに、薬理活性を高め、動物モデルにおいて一定の治療効果が認められるリード化合物を特定します。
リード最適化リード化合物をもとに、更に活性を高めると共に薬に適した物性及び安全性を得られるように最適化を進め、医薬品の原料となる臨床候補化合物を見出します。
これらのプログラムは全てが上位に進階する訳ではなく、一定の確率で目的の化合物が得られず中止となります。
プログラムを進めるためには研究者及び資金等の多くの資源を必要とするため、一時期に並行して進められるプログラムの数には限界があります。
当社では成功及び導出の可能性が高いプログラムに資源を優先的に配分することを重視しており、プログラムを始める際に明確な目標と期限を定め、進める中で想定外の状況が発生した場合にはプログラムを中止することがあります。
その資源を新たなプログラムに配分することで、常時適切な数の有望なプログラムを揃える最適なパイプラインの状態を維持しています。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社の事業は独自の創薬基盤技術を拠り所としており、この技術の有用性を証明すると共に、この技術において業界をリードし、競争力を維持し続けることが重要な経営課題であります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)① プログラムの推進現在、エーザイ及び大原薬品とライセンスアウト契約を締結し、それぞれの製薬会社が主導して臨床試験を実施しております。
ライセンスアウト先からのマイルストンは多額であるため、その臨床試験の進捗は当社の資金繰り計画に影響を与えます。
ライセンスアウト契約先と密にコミュニケーションを図りつつ、臨床試験の進捗の状況の確認及びアドバイス等をステアリングコミッティ等にて行い、共同して適切に進捗するように尽力して参ります。
新規の創薬プログラムは様々な事由で中止される可能性があります。
そこで、現在当社で開発を進めております3つの自社プログラムに加えて、新規プログラムを毎年開始することにより、確度の高いプログラムに優先的に資源を集中し、新たなプログラムを継続して創出することを目指しております。
② 創薬基盤技術の継続的な収益化当社のPepMetics技術を活用し、最近数年間に複数の契約を締結することができました。
これらの契約では、ヒット化合物の創出や研究開発が進む段階に応じてマイルストン収入が得られる仕組みになっており、契約先との密なコミュニケーションとサポートを行って進捗を推進して参ります。
今後も同様の契約を積み重ねていくことで、継続的な収益の基盤を構築することを目指しております。
また、より創薬基盤の価値を向上させるために有用性を示す技術開発も引き続き行う必要があります。
③ 人材の採用、育成研究開発を進めるため、多様な人材の採用及び育成を強化する仕組みの構築に取り組んでいます。
共同開発事業の拡大に向けたプロモーション活動の効率化を図るため、自社ウェブサイトの充実化、営業体制の効率化及び強化に努めて参ります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)財務基盤の強化継続的な収益化を目指す中、当事業年度末の現金及び預金は4,392,022千円であり、一層の事業の促進と並行してコスト削減及び財務基盤の強化も求められております。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方当社は、社会、従業員、環境のサステナビリティを重視し、整合性を持った経営をしております。
当社の事業は、独自の研究開発によって患者様に新たな治療法とQOLの向上を提供し、また製造コストの低い低分子医薬品によってグローバルに低所得の国々にも治療へのアクセサビリティを提供いたします。
当社は、優秀な研究者が薬を創り出すという同じ目的に向かって連携し、公平に議論し、革新を生み出し続けることが創薬事業の継続的な発展にとって最も重要であることを経営の基本理念と位置付け、従業員の採用、教育、登用においては、人種、性別、年齢に関わらず創薬研究にかかる能力、意欲と実績を基準に判断しております。
また、従業員の安全衛生並びに健康に配慮し、一人ひとりが能力を発揮できる環境づくりに努めております。
環境面においては実験における廃棄物等のコンプライアンスを重視し、最新の設備を有する施設で環境に最大限に配慮した管理を行っております。

(2) サステナビリティに関する取組① ガバナンス当社では取締役会がサステナビリティに関する全社的な活動を統括し、様々な課題に取り組む体制としております。
取締役会では、研究開発の進捗及び組織の状況・課題の報告や、リスクコンプライアンス委員会からの報告がなされ、基本方針やサステナビリティに関するリスク及び機会について審議、監督しております。
② 戦略「(1)サステナビリティに関する考え方」に記載のとおり、当社は、創薬基盤を構築する為のPepMetics技術を継続的に改良、発展させることが経営の基盤であると考えており、その技術(PepMetics技術)の改良、発展を支える人材の確保と育成、研究環境を中心とする社内環境の整備が成長戦略を実現するための源泉と考えております。
そのため、成長戦略に沿って人員計画を立て、採用並びに育成のための活動を行い、経営と社員の密接なコミュニケーションを図ることで、優秀な人材がモチベーションを持って研究に取り組める環境整備に努めております。
③ リスク及び機会の管理当社では、リスクコンプライアンス委員会を設置し、各部門より適時リスク及び機会の報告を行い、緊急度と影響度の観点よりリスク及び機会の評価を行い、優先度順にレベル分けし、度合いに応じて取締役会でも審議され、リスク及び機会を低減・受容・回避・移転するのか対応方法を判断します。
また、認識されているリスク及び機会はリスクコンプライアンス委員会で定期的に再評価を実施してリスク及び機会のコントロールに努めております。
人事面では、就業規則、給与規程、並びに人事考課規程を設け、公正並びに客観的な評価を行うように規定しております。
研究開発に関する規程では倫理評価について定め、環境並びに実験動物への倫理について適切な対応を図っております。
(3) 指標及び目標当社では、「
(2) サステナビリティに関する取組 ②戦略」で述べたとおり、人材育成及び社内環境整備を重要な経営課題として取り組んでおりますが、組織が拡大中にあることで定点観測が困難である為、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりません。
今後、成長を続ける中で適切な指標や目標の設定について検討を進めて行く予定です。
戦略 ② 戦略「(1)サステナビリティに関する考え方」に記載のとおり、当社は、創薬基盤を構築する為のPepMetics技術を継続的に改良、発展させることが経営の基盤であると考えており、その技術(PepMetics技術)の改良、発展を支える人材の確保と育成、研究環境を中心とする社内環境の整備が成長戦略を実現するための源泉と考えております。
そのため、成長戦略に沿って人員計画を立て、採用並びに育成のための活動を行い、経営と社員の密接なコミュニケーションを図ることで、優秀な人材がモチベーションを持って研究に取り組める環境整備に努めております。
指標及び目標 (3) 指標及び目標当社では、「
(2) サステナビリティに関する取組 ②戦略」で述べたとおり、人材育成及び社内環境整備を重要な経営課題として取り組んでおりますが、組織が拡大中にあることで定点観測が困難である為、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりません。
今後、成長を続ける中で適切な指標や目標の設定について検討を進めて行く予定です。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 「(1)サステナビリティに関する考え方」に記載のとおり、当社は、創薬基盤を構築する為のPepMetics技術を継続的に改良、発展させることが経営の基盤であると考えており、その技術(PepMetics技術)の改良、発展を支える人材の確保と育成、研究環境を中心とする社内環境の整備が成長戦略を実現するための源泉と考えております。
そのため、成長戦略に沿って人員計画を立て、採用並びに育成のための活動を行い、経営と社員の密接なコミュニケーションを図ることで、優秀な人材がモチベーションを持って研究に取り組める環境整備に努めております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 当社では、「
(2) サステナビリティに関する取組 ②戦略」で述べたとおり、人材育成及び社内環境整備を重要な経営課題として取り組んでおりますが、組織が拡大中にあることで定点観測が困難である為、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりません。
今後、成長を続ける中で適切な指標や目標の設定について検討を進めて行く予定です。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、当社は、医薬品等の開発を行っておりますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各プログラムの研究開発が必ずしも成功するとは限りません。
特に研究開発段階のプログラムを有するバイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境に由来するリスク① 新薬開発の不確実性について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)一般的に医薬品開発は研究開始から承認まで長期間を要し、多額の研究開発投資が必要になりますが、他産業と比較して製品化の成功確率が著しく低い状況にあります。
医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発の延長や中止をする可能性があります。
また、臨床試験で良い結果が得られた場合であっても、各国における薬事関連法規等の厳格な法規制等の適用のもとで審査を受けることが必要であり、製品開発中に施行される承認審査基準の変更により、承認が得られない可能性があります。
開発の不確実性による新薬開発の遅延により研究開発の期間が延長された場合には、追加の研究開発投資が必要になるほか、上市後の特許権の満了までの期間が短くなることにより将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
また、研究開発を中止した場合は、それまでに投資した資金を回収できなくなることになります。
医薬品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在及び将来の開発品についても同様の不確実性のリスクが内在しております。
当該リスクに対しては医薬品の開発や事業化について経験を有する人材を社内外に確保し研究開発を推進する体制の構築に努めております。
その一環として、新薬の研究及び臨床開発の分野で豊富な経験を有するメンバーで構成したScientific Advisory Boardを組織し、助言を受けております。
また、臨床試験の計画・実施に当たっては規制当局との事前相談等を通じて適切な助言を得て開発を推進して参ります。
② 医療費抑制策について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)医療用医薬品の販売価格は日本及びその他各国政府の薬価に関する規制を受けます。
近年、日本では医療費抑制策の一環として、通常2年毎の医療用医薬品の薬価引き下げや、ジェネリック医薬品使用促進等の施策がとられております。
欧米、アジアの国々等においても、医薬品の薬剤費低減への圧力は年々高まっており、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
このような動向を受け、当社の製品の薬価が当社の想定を下回り、又は当社製品への需要が減退した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法規制に関するリスク(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)医薬品事業は、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制に関連しており、法規制の制定や改定により業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社のパイプラインは研究開発段階にあり、わが国の厚生労働省、アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)等から上市のための認可は受けておりませんが、今後各国の薬事法(わが国においては「薬機法」)等の諸規制に基づいて医薬品の製造販売承認申請を行い、承認を取得することを目指しております。
当社に適用される法規制を遵守できない場合、規制当局から行政処分やその他の措置を受ける可能性や、製品の回収更には製品の許認可の取り消し、あるいは賠償請求を受ける等当社や当社の製品に対する信頼や評価を棄損するほか、事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、パイプラインの拡充を図ると共に、医薬品の開発や事業化について経験を有する人材を社内外に確保してプログラムを推進する体制の構築に努めております。
④ 訴訟に関するリスク(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)現在関与している訴訟は有りませんが、臨床試験に組み込まれた被験者の内賠償に該当する場合や、将来的に第三者の権利もしくは利益を侵害した場合又は侵害していない場合でも相手方が侵害していると考える場合には、損害賠償等の訴訟を提起される等、法的な紛争が生じる可能性があり、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、第三者との間で係争が生じた際には、顧問弁護士及び弁理士と連携し、当該係争に迅速に対応する方針であります。

(2) 事業内容に由来するリスク① 他社による類似技術開発に関するリスク(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)最近のゲノム情報を用いた解析により、細胞内に存在するタンパク質同士が結合することでシグナル伝達が起こる経路に疾患の原因となる異常が存在することが次々と明らかになっておりますが、PPIに作用して効果を示す薬剤は、ほとんど知られておりません。
これは、分子量の大きなタンパク質(数万~数十万)同士の結合を、分子量の小さい合成低分子化合物(数百)で制御することが非常に難しいことによります。
(大きな分子は、細胞膜を通過しないため使用できない。
)中でもヘリックス(タンパク質の二次構造の共通モチーフのひとつで、バネに似た右巻き螺旋の形をしています。
骨格となるアミノ酸の全てのアミノ基は4残基離れたカルボキシル基と水素結合を形成しています。
)構造は、模倣が難しく過去に有効な成功例は数例しか報告されておりません。
当社はヘリックス構造を模倣する多くの骨格を合成し、広範囲な特許対策も実施しております。
しかしながら、資金力のある大手製薬会社が将来的に新規構造を持つ化合物を合成したり、特許抜けによる類似化合物を合成する可能性は否定できません。
このようなリスクに直面した場合、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 外国為替相場の変動に関するリスク(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)当社は、海外の製薬会社やCRO(開発業務受託機関)と多くの取引を行っており、受取及び支払は外貨建決済となります。
従って、為替相場が変動した場合には、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼすこととなります。
③ 他社とのアライアンスにおけるリスク(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社は、新薬候補化合物を大手製薬会社等に導出し、導出先が販売促進活動し、マイルストン収入及びロイヤリティ収入を得るのが基本的ビジネスモデルです。
共同開発事業についてはエーザイ、大原薬品との間でそれぞれ導出に関する契約を締結しております(後述の「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください。
)。
既に導出を行った新薬候補化合物の臨床試験を実施中ですが、これらの試験結果が望ましくない場合や提携企業との良好な協力関係が保たれなくなった場合、当初予定していた売上高が減少し将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
また、製品買収や製品・開発品の導入等に伴う不確実性により、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
上記導出契約に加え、国内外の製薬会社との間で共同研究や研究協力に関する契約を締結もしくは今後の締結を見込んでおり、契約締結後、当社にとって不利な契約改定が行われた場合、当社の理念及び社会的評価を損ねる可能性があり、その結果として当社の事業、業績や財政状況等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、新規提携先の拡充に向け複数の候補先と定期的なコミュニケーションの実施に努めております。
④ 業務委託先の工場の閉鎖又は操業停止(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)技術上の問題、使用原材料の供給停止、新型コロナウイルス・インフルエンザ等のパンデミック、火災、地震、その他の災害等により業務委託先の施設が閉鎖又は操業停止となる可能性があります。
この場合、原体の供給や活性データの報告が妨げられ、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、常に不測の事態に備え、複数の委託先との業務提携体制の構築に努めております。
⑤ 使用原材料の安全性及び品質に関するリスク(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)使用する原材料の安全性及び品質に懸念が発生した場合、使用原材料の変更はもちろんのこと、それらを使用した研究開発結果への疑義等、業績や研究開発に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、常に不測の事態に備え、複数の仕入先との業務提携体制の構築に努めております。
⑥ 他社との競合について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社が事業を展開するペプチド模倣低分子技術は、今後市場規模が拡大した場合、国内企業のみならず、海外の大手製薬企業やバイオベンチャー等の参入も拡大し、競争環境が激化する可能性があります。
競合他社は、当社や当社の導出先よりも多くの経営資源又は研究開発や販売に関する豊富な経験を有している場合があり、これらの企業が当社や当社の導出先に先んじて研究開発を進めた場合のほか、当社が研究開発の過程で必要とする第三者の知的財産権について独占的な導出を受け、又は大手製薬企業と提携すること等を通じて、当該分野において当社よりも先行した場合、当社事業の競争上の優位性が低下する可能性や、当社の事業展開において当社が想定する以上の資金が必要となる可能性があります。
以上により、今後の競争激化が当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 小規模組織及び少数の事業推進者への依存(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社は、当事業年度末において従業員36名の小規模体制となっております。
今後、業務拡大に応じて採用、経理人材の採用を通じて内部管理体制の拡充を図る方針です。
また、当社の代表取締役竹原大、取締役研究開発部長朴煕万をはじめとする現在の経営陣、研究開発活動を推進する各部門責任者及び少数の開発担当者はそれぞれが高度かつ専門的な業務に従事しており、当社の事業活動はかかる少数の主要な人材に強く依存するところがあります。
そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が今後パイプラインの拡充や、製品候補の製造又は販売を行う場合、従業員数及び事業範囲を拡大し、商業化等の担当者を採用、維持する必要がありますが、当社が事業の拡大を適切に管理し、適切な人材を採用できない場合は当社の成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は海外における事業開発活動については海外在住のコンサルタントを活用しており、契約が解除されることで一時的に業務に支障が生じる可能性はありますが、当社の役員及び従業員で補いつつ海外の他のコンサルタントに委託する等の対応を取る方針です。
当社は、当社の理念の浸透を図ると共に、専門分野毎の縦割り型ではなく、経営陣並びに従業員が自由闊達に議論を交わせるような組織づくりを通じ、やりがいを感じることができる風土を醸成すると共に、新規採用も含め社内体制の強化を進めて参ります。
⑧ 現在出願中の特許が登録されないリスク(発生可能性:低、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社は、研究開発により得られた成果に関して戦略的な特許出願を行っております。
その結果、当事業年度末時点で13件(登録済8件、出願中5件)の特許を出願・登録し、今後、一層、知的財産権の確保のため、新規出願及び出願済特許の登録の増加を図っていく方針であります。
しかしながら、出願した特許が登録に至らない、若しくは特許の一部のみしか登録に至らない可能性があります。
また、当社グループが所有又は使用許諾を受けた知的財産権に優位する知的財産権が第三者によって生み出される可能性があり、こうした結果、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 特許訴訟に関するリスク(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)当社は、提出日現在、当社の事業に対する特許権等の知的財産権に関する第三者との間での苦情及び訴訟等といった問題は認識しておりませんが、医薬品開発事業の一般的なリスクとして、自社で出願した特許以外にも第三者の特許が関連する可能性があります。
当社が第三者との間で係争に巻き込まれた場合、当社は弁護士や弁理士との協議の上、その内容に応じて対応策を検討していく方針でありますが、仮に相手方の主張が認められる可能性が低い係争であっても、係争の解決に多大な労力、時間及び費用を要する可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、製品候補の開発の停止等を命ぜられる等の事業上の制約を受ける等、当社の事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新たな開発に着手する際は、他社の特許権等を侵害しないことを確認する調査等によりリスクの低減を図ると共に、第三者との間で係争が生じた際には、顧問弁護士及び弁理士と連携し、当該係争に迅速に対応する方針であります。
(3) その他リスクについて① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:大、発生する可能性がある期間:各新株予約権発行後2~10年の間、影響度:小)当社は、当社の役員、従業員等に対して新株予約権を付与しております。
提出日前月末時点において、これらの新株予約権による潜在株式数は4,291,000株であり、発行済株式総数35,954,800株の11.9%に相当しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
また、今後も優秀な人材確保のため、新株予約権の発行と付与を実施する可能性があります。
従いまして、今後発行される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
② 情報セキュリティ事故について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社は、情報セキュリティ、研究開発等に関する機密情報等及び個人情報の管理について、情報システムを活用しつつ、情報セキュリティ管理規程、個人情報取扱規程に沿って運用を行っておりますが、当社の役職員、提携先、取引先の不注意や故意、セキュリティ障害、第三者による攻撃等により、当社の研究開発等に関する重要な機密情報や個人情報が流出した場合には、当社の事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は当該リスクを低減するため、当社の提携先及び取引先との間で守秘義務を含む契約を締結すると共に、規程に沿った情報管理の運用に努めておりますが、現在、当社はサイバーセキュリティ保険への加入も検討しております。
③ 資金繰りについて(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社の創薬基盤の拡張・維持や自社開発事業は、多額の研究開発費用を必要とし、今後一定期間にわたって先行投資の期間が続きます。
この期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。
これまでも特定の事業年度を除くと営業キャッシュ・フローのマイナスが続いており、現状では共同開発事業からの収益に対して自社開発事業への投資並びに管理部門等の間接経費が上回っている状況です。
このため、安定的な収益源が先行投資を上回るまでの期間においては、研究開発の進捗等に応じて適切な時期に資金調達等を実施して財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミング又は適切な条件で資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる、又は株主の保有する権利に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、自社開発事業への先行投資の調整や早期の資金調達の実施に注力すると共に、金融機関からの融資、コミットメントラインなどの調達方法の多様化を検討して参ります。
④ 調達資金について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、また当社の判断により調達資金を上記以外の目的で使用する可能性、当初予定していた研究開発対象とは別のプログラムがあり、その結果、資金の投資が期待される利益に結びつかない可能性があります。
⑤ 収益計上について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社の収益構造は、当社が研究開発する医薬品について製薬企業等と導出契約等を締結し、その対価として契約一時金、マイルストン収入及び製品の上市以降の販売に応じたロイヤリティ収入を得ることを基本モデルとしております。
一般的に医薬品等の開発期間については基礎研究開始から上市まで長期間に及ぶこと、製薬企業等からの収入は研究や開発の進捗に大きく左右されることが予見されます。
また、研究開発の進捗遅れが生じた場合や導出先の研究開発方針に変更等が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対し、導出契約先と密にコミュニケーションを図りつつ、臨床試験の進捗の状況の確認及びアドバイス等を定期的な会議等にて行い、共同して適切に進捗するように尽力して参ります。
また、当社が創薬標的を選択して開発化合物を見出す自社開発事業と、製薬会社の持つ創薬標的に対してヒット化合物を見出して導出する共同開発事業を組み合わせたハイブリッド事業モデルにより、一時的な収益計上の平準化、安定的な将来の利益拡大を目指して参ります。
⑥ 新株発行を伴う資金調達による株式の希薄化リスク(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資等の新株発行を伴う資金調達を機動的に実施していく可能性があります。
その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑦ 自然災害、感染症等の発生について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社の事業所は神奈川県藤沢市及び東京都中央区に設置しておりますが、事業活動や研究開発活動に関わる設備及び人員は神奈川県藤沢市の施設に集中しております。
そのため、周辺地域において、地震等の自然災害、大規模な事故、火災、テロ等が発生し、当社が保有する化合物のライブラリーの滅失、研究設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、危機管理対策要領を作成し、緊急事態発生時に速やかに状況を把握し、迅速かつ適切な対処で被害を最小限に食い止められるような体制づくりに努めております。
⑧ 風説・風評の発生について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)当社や当社の関係者、当社の取引先等に対する否定的な風説や風評がマスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える可能性があります。
また、当社に対する信頼性に悪影響が生じ、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ ベンチャーキャピタルによる株式保有・比率について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。
)の所有割合は当事業年度末時点で53.38%であります。
当社の株式公開後において、当社の株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。
⑩ 職務発明に対する社内対応について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)当社が職務発明者である役職員等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は特許法に定める「相当の対価」を支払うことになります。
当社では、共同発明の持分比率や相当の対価の支払い請求等に問題が生じる場合を想定し、その取扱いについて職務発明等取扱規程を制定しております。
これまでに発明者との間で対価の支払い等で問題が生じたことはありませんが、そのような問題が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 配当政策について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資回収も長期に及ぶ傾向にあり、当社も創業以来継続的に営業損失及び純損失を計上していることから、当社はこれまで配当の実績はなく、当面は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。
しかし、株主への利益還元は重要な経営課題であると認識しており、将来において安定的な収益の獲得が可能となる場合には、財政状態及び経営成績を考慮した上で、利益配当についても検討して参ります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況当社は、独自のペプチド模倣技術を駆使してタンパク質/タンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction, PPI)を阻害する低分子を用いて新薬を開発することを目指し、10年以上にわたる研究開発の結果、臨床開発化合物を見出し、数多くのシード化合物を生み出しています。
この独自の創薬基盤をPepMetics®技術として発展させ、これまで創薬が困難とされてきた標的に対して有望な化合物を見出す技術を確立してきました。
PepMetics技術によって、細胞内のシグナル伝達を制御することで、ガンなどの難病を根治するための治療薬の創出を目指しており、当社が創薬標的を選択して開発化合物を見出す自社開発事業と、製薬会社の持つ創薬標的に対してヒット化合物、リード化合物、又は臨床候補化合物を見出して導出する共同開発事業を行っています。
自社開発事業では、導出した2つの臨床開発プログラムがそれぞれ第Ⅱ相臨床試験を実施しており、進捗しているものの当事業年度におけるマイルストン収入はありませんでした。
また、新規標的に対する3つのプログラムの開発を進めておりますが、将来の収益のための投資の段階にあります。
一方で、共同開発事業では既存の提携先とのプログラムによる収益に加え、当事業年度にLilly及び小野薬品との新たな契約を締結し、契約一時金及び共同研究費を得ています。
これらは共同研究における次のマイルストンまで、一定の期間にわたり収益の認識がなされるため、継続的に収益を得られる見通しです。
費用面ではプログラムの増加及び研究機能の増強に対応して組織を拡大しており、増加傾向にあります。
従業員数は前事業年度末22名から当事業年度末36名に増加し、従来の有機合成中心の組織から生物、構造生物の機能も拡充しました。
また、生物評価系設備及び化学系設備の購入も進め、それらの減損損失により216,784千円の特別損失を計上しています。
これらの拡大投資によって、自社開発及び共同開発を含めて7つのプログラムを並行して進め、また共同開発では合成、評価を当社で行う総合的な創薬提案が可能になりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は305,620千円(前年同期比170.6%増)となりました。
費用につきましては、販売費及び一般管理費については942,931千円(前年同期比63.3%増)となりました。
その内訳は、研究開発費が571,628千円(前年同期比68.7%増)、その他販売費及び一般管理費が371,303千円(前年同期比55.7%増)であります。
この結果、営業損失は782,392千円(前事業年度は496,868千円の営業損失)、経常損失は831,518千円(前事業年度は497,550千円の経常損失)、当期純損失は1,049,514千円(前事業年度は526,914千円の当期純損失)となりました。
なお、当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載を省略しております。
② 財政状態の状況(資産)当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比較して3,317,140千円増加し、4,528,566千円となりました。
流動資産は、前事業年度末と比較して3,285,490千円増加し、4,483,094千円となりました。
これは主に、現金及び預金が3,258,079千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前事業年度末と比較し31,650千円増加し、45,472千円となりました。
これは人員増によるラボスペース増床に伴う敷金及び保証金31,650千円の増加によるものであります。
(負債)当事業年度末における負債総額は、前事業年度末と比較して962,254千円増加し、1,025,665千円となりました。
流動負債は、前事業年度末と比較して956,628千円増加し、1,019,869千円となりました。
これは主にLilly及び小野薬品との共同研究及び導出契約に基づく契約負債が886,911千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比較して2,354,885千円増加し、3,502,901千円となりました。
これは主に、当期純損失1,049,514千円を計上した一方、資本金及び資本準備金を3,404,400千円計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ3,258,079千円増加し、4,392,022千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動により獲得した資金は、150,144千円(前事業年度は513,811千円の支出)となりました。
これは主に、税引前当期純損失1,048,203千円を計上した一方、契約負債が886,911千円増加し、非資金項目である減損損失を216,784千円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動により支出した資金は、244,187千円(前事業年度は40,377千円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出205,787千円及び、敷金及び保証金の差入による支出49,936千円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動により獲得した資金は、3,370,055千円となりました。
これは主に、株式の発行による収入3,390,902千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況a 生産実績当社は直接的な生産活動は行っておらず、生産実績にはなじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績当社の事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社は、単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
セグメントの名称金額(千円)前年比(%)創薬事業305,620170.6合計305,620170.6  
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)Eli Lilly and Company
(注)11,77510.4217,06971.0小野薬品工業㈱(注)--47,66615.6大原薬品工業㈱
(注)50,00044.3--LES LABORATOIRES SERVIER
(注)21,05218.6--アステラス製薬㈱
(注)18,03816.0--F. Hoffmann-La Roche Ltd.
(注)12,06010.7--
(注) 前事業年度及び当事業年度のいずれかが10%未満の場合、記載を省略し、「-」表示しています。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b 財政状態財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る事項当社は、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、過去における増資資金及び株式公開における調達資金で賄う予定であります。
資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。
資金需要としては、企業価値を増加させるために、主に継続した研究開発や必要な設備投資等を予定しております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は財務諸表の基礎となる見積り及び判断を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。
しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営上の重要な契約等 5 【経営上の重要な契約等】
共同開発及び導出契約相手先の名称相手先の所在地契約品目契約締結日契約期間契約内容エーザイ㈱日本研究協力・導出契約2015年12月11日(契約変更)日本における対象製品の有効特許権の最終満了日、又はいずれかの国における対象製品の最初の発売日から10年後のいずれか遅い日エーザイとの共同研究で開発した化合物における当社の権利について導出し、マイルストン及びロイヤリティを受領契約総額は一時金、開発、販売等に対するマイルストン及び研究費を含めて250億円以上 大原薬品工業㈱日本導出契約2018年5月24日契約期間の定めなし当社の保有する特許権及び特許を受ける権利について、専用実施権を許諾し、契約一時金、マイルストン、ロイヤリティを受け取るBoehringer Ingelheim International GmbHドイツ研究及び導出契約2020年5月18日2025年5月17日Boehringer Ingelheimの創薬標的に対するスクリーニングのためにPepMeticsライブラリーを提供しヒットした化合物に対して導出当社はライセンスフィー及び研究開発や臨床試験の進捗に応じたマイルストーン、ロイヤリティを受け取る契約Merck KGaAドイツライブラリーのスクリーニング及び導出契約2020年10月12日国、製品毎での最後のオプション期間満了日、もしくは最後のロイヤリティ期間の満了日のいずれか遅い日Merckの創薬標的に対するスクリーニングのためにPepMetics ライブラリーを提供し、ヒットした化合物に基づいて研究開発を進めることに対して導出当社はライセンスフィー、研究開発や臨床試験の進捗に応じたマイルストン及びロイヤリティを受け取るLES LABORATOIRES SERVIERフランス共同研究・ライセンスオプション契約2021年6月3日締結日から契約内容が終了するまで自動延長SERVIERの標的に対する、将来の契約一時金、開発マイルストン収入につながる開発化合物の優先交渉権F.Hoffmann-La Roche Ltd. Genentech, Inc.スイス アメリカ共同研究・導出契約2021年12月17日契約期間の定めなしRoche、Genentechとの三社間契約。
低分子医薬品領域の共同研究及び、研究対象を製造、販売等を行うための知的財産権の使用権の付与を行い、マイルストン及びロイヤリティを受け取る契約Eli Lilly and Companyアメリカ共同研究・導出契約2023年11月17日契約期間の定めなしLillyの創薬標的に対する開発候補化合物を共同開発し、Lillyは、臨床開発並びに商業化する権利を得る。
Lillyは二つの創薬標的を追加するオプションを持ち、当社に対して契約一時金及び非臨床・臨床・販売に応じて総額で最大 6億 6,000 万ドルのマイルストン、並びにロイヤリティを支払う小野薬品工業㈱日本共同研究及び導出契約2024年4月25日締結日から支払終了まで小野薬品工業の創薬標的に対する開発候補化合物を共同で創製し、小野薬品工業は全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得し、当社に対して契約一時金、研究資金、研究・開発の進捗及び売上高に応じたマイルストン、並びにロイヤリティ等を支払う
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社の研究開発活動における当事業年度の研究開発費は、571,628千円となりました。
当社は、PPIを制御する低分子化合物の創薬基盤技術を用いた新薬の研究開発を行っております。
当事業年度末時点において、研究開発部に従業員29名が在籍し、創薬のための新規化合物の設計、合成、分析、評価等の業務を社外のコンサルタント、研究機関や受託研究機関等も積極的に活用し、効率的、効果的に運営しております。
当社では基盤技術の根幹となる高度な合成化学を研究、実施するための施設を保有し、汎用的な合成については外部の受託研究機関を用いることで、機密情報を守りつつ固定費を削減しております。
当事業年度における研究開発活動の詳細は下記のとおりであります。
(1) 自社開発事業① CBP/β-カテニン相互作用阻害剤(E7386、PRI-724)Wntシグナル伝達経路は、ガン、線維化などを制御するタンパク質のネットワークであり、創薬標的として広く研究されています。
Wntシグナルは、細胞が「ガン化」「線維化」する際のみならず、細胞が「分化」して正常に機能する際にも重要な機能を果たすため、Wntシグナルを止めることは副作用にもつながります。
従来の技術で開発されてきたWnt阻害剤は、Wntシグナルを上流から全て止めてしまうため、強い毒性を示して開発が中止されてきました。
E7386及びPRI-724は、そのような毒性を示すことなく、治療薬として必要な安全性を可能とするコンセプトのもとで創出された化合物です。
Wntシグナルは、細胞核内でβ-カテニンがCBPという転写因子タンパク質に結合することでスイッチが入りますが、PepMetics化合物は、このCBPに結合し、CBPとβ-カテニンの結合を阻害します。
一方で、PepMetics化合物はCBPと似た別なタンパク質であるP300とは結合しないため、β-カテニンとP300によるWntシグナル経路は機能します。
その結果、PepMetics化合物はWntシグナル全体の機能を止めることなく、「ガン化」「線維化」を止めることが可能となります。
a E7386エーザイと共同開発したCBP/β-カテニン相互作用阻害剤である経口剤の化合物(E7386)は、2017年7月から固形ガン患者を対象として第Ⅰ相臨床試験を英国で進め、日本においても、2019年3月に固形ガンを対象として臨床試験を開始しました。
2021年11月には複数の臨床試験結果に基づき、本剤の臨床におけるPOC(Proof of Concept)を達成しました。
2021年10月には、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(以下、「Merck」という。
)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法での臨床第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験を開始し、第Ⅱ相パートに入りました。
当事業年度においては、2024年9月に開催されたESMO(欧州臨床腫瘍学会)年次総会で、子宮体ガンに対するE7386とレンバチニブ(※)の併用試験の中間解析結果(データカットオフ:2024年5月16日)のポスター発表があり、E7386とレンバチニブ併用の管理可能な安全性と、予備的な抗腫瘍効果が確認されました。
本試験は、抗PD-(L)1 免疫療法及びプラチナ製剤を含む化学療法後に増悪した進行子宮体ガン患者を対象とした、非盲検臨床第Ⅰb 相試験(NCT04008797)です。
ポスター発表では、これまでに投与された16名の患者において、管理可能な安全性プロファイルが示されました。
また、部分奏効 (confirmed PR、腫瘍の大きさが30%以上縮小)が44%(7名)、腫瘍安定(SD、腫瘍の大きさが-30%~+20%)が25%(4名)でした。
引き続き、残りの患者への投与が進行しています。
※ レンバチニブ: 本剤は、エーザイが創製し、エーザイとMerckが提携契約のもと、共同開発及び共同商業化を行っています。
b PRI-724当社が2008年に見出したCBP/β-カテニン相互作用阻害剤である注射剤の化合物(PRI-724)は、2018年5月に大原薬品に導出しました。
前事業年度には大原薬品が主導してC型及びB型肝炎ウィルス及び非アルコール性脂肪肝炎(Non-Alcoholic SteatoHepatitis; NASH)に起因する肝硬変患者を対象とする第Ⅱ相臨床試験を開始し、導出契約におけるマイルストンを達成して一時金を受領いたしました。
当事業年度も引き続き第Ⅱ相臨床試験を継続しています。
② FEP従来進めてきたeIF4E/eIF4G阻害剤である4E-BP1模倣化合物のプログラムは、リード化合物の最適化を進めております。
eIF4EとeIF4GはCAP依存性翻訳複合体の主要構成因子であり、mRNAの情報からタンパク質を生成(翻訳)する役割がありますが、このCAP依存的な翻訳機構が特定のガン種においては破綻して過剰に働くことにより、ガン細胞の増殖が進行しています。
このような細胞内での翻訳が過剰にならないよう、本来は4E-BP1というタンパク質がeIF4Eに結合することで制御されていますが、ガン細胞では上流のPI3K/Akt/mTOR経路が活性化され、4E-BP1の機能が無効化されています。
本プログラムにおいては、PepMetics技術を用いて4E-BP1の模倣化合物を作り、過度な翻訳を制御することを試みています。
治療標的となるガン種としては、たとえばTNBC(トリプルネガティブ乳ガン)では約42%、膀胱ガンでは約43%の患者において本経路が活性化されており、4E-BP1の模倣化合物はこれらガンに対する分子標的薬として期待されております。
アメリカ・日本・ヨーロッパ主要国でのこれら活性化されている対象患者数は、TNBCで約13万人、膀胱ガンで約40万人と見積もることができ、更にはこれらガン腫に対する分子標的薬が無いことから、マーケット的に大きなインパクトがあると考えられています。
本プログラムは過去に見出された候補化合物で複数の評価系での整合性が取れなかったことから、当事業年度は評価系の再構築を進め、2024年7月に整合性が確認できたことから新たな評価系を使って最適化合成を再開しております。
今後AIも活用しながら最適化を進め、1~2年後には臨床候補化合物を見出すことを目標にしています。
(図16) ※1:開発、販売地域はアライアンス先の開発・販売戦略毎に異なります。
上記の情報には、現在入手可能な情報に基づく当社の判断による、将来に関する記述が含まれています。
そのため、上記の情報は様々なリスクや不確実性に左右され、実際の開発状況はこれらの見通しとは大きく異なる可能性があります。
導出された製品候補については、パートナーが今後の開発・商業化の第一義的な責任を負います。
※2:開発地域は当該臨床試験の実施国が属する地域を記載しております。
情報は、2024年11月9日時点でのjRCT又はClinicalTrials.govに基づくものであり、変更になる可能性があります。
※3:開発プロセスイメージにおける臨床試験期間は、2024年11月9日時点でのjRCT又はClinicalTrials.govに基づくものであり、変更になる可能性があります。
また、臨床試験期間は、当該臨床試験の開始日(予定日)・終了日(予定日)を参照しております。
開始日について、症例登録開始日(予定日)、被験者登録組入日の開示がある場合は当該時期を開始日として参照しております。
    (図16) ③ その他自社開発事業前事業年度に開始したプログラムではヒット化合物が同定され、リード化合物に向けての開発を進めておりましたが、期間内に目標の成果に達しなかったため中止いたしました。
当事業年度に新たに1つのプログラムを開始し、ヒット化合物探索を進めています。
また、新たなプログラムを立ち上げるための創薬標的の評価を継続的に進めており、今後は毎年2つのプログラムの立ち上げを見込んでおります。
自社開発プログラムでは標的探索を定常的に行っており、ヒット化合物探索からプログラム数を管理しています。
FEPを含め、進捗段階毎の実施中のプログラム数の経過は下記のとおりです。
2023年度末増加数次相への進展中止数2024年度末ヒット化合物探索11△1-1リード化合物探索1-1△11リード最適化1---1
(2) 共同開発事業当社は、PepMeticsの創薬基盤を活用して製薬会社が選定した創薬標的に対してヒット化合物を見出して創薬を進める事業を行っております。
当事業年度末時点で国内外7社と共同研究契約を締結しており、引き続き他の国内及び海外製薬企業との共同研究契約等の交渉を進めております。
共同研究を実施している進捗段階毎のプログラム数の経過は下記のとおりです。
2023年度末増加数次相への進展中止数2024年度末標的探索21--3ヒット化合物探索22-△13リード化合物探索1---1リード最適化-----
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当事業年度の設備投資については、研究開発機能の充実・強化等を目的とした設備投資を継続的に実施しております。
当事業年度の設備投資の総額は216,785千円であり、その主なものは研究開発への設備投資であります。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
2024年9月30日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物機械及び装置工具、器具及び備品合計本  社(神奈川県藤沢市)本社機能及び研究開発000022〔8〕東京オフィス(東京都中央区)管理機能0-005〔1〕
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.本社及び東京オフィスは賃借物件であり、年間の賃借料は64,420千円であります。
3.建物は、賃借建物に施した建物附属設備の金額であります。
4.当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
5.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、契約社員及び人材会社からの派遣社員を含む。
)は、最近1年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
当社の設備投資については、研究開発用設備を中心に、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して決定しております。
(1) 重要な設備の新設等 事業所名(所在地)設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)当社本社(神奈川県藤沢市)生物評価系設備56,900-自己資金2024年10月2025年5月
(注)1
(注) 1.完成後の増加能力については、計数的把握が困難であるため、記載を省略しております。
2.当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

(2) 重要な設備の除却等該当はありません。
研究開発費、研究開発活動571,628,000
設備投資額、設備投資等の概要216,785,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況44
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況1
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況8,981,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2024年9月30日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
DBJキャピタル投資事業有限責任組合東京都千代田区大手町1丁目9-65,829,00016.21
大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合東京都千代田区丸の内1丁目9-14,308,20011.98
WMグロース3号投資事業有限責任組合東京都千代田区麹町3丁目2 垣見麹町ビル別館6階3,965,80011.02
ライフサイエンス3号投資事業有限責任組合東京都千代田区神田三崎町3丁目10-4 千代田ビル5階2,965,4008.24
ELI LILLY AND COMPANY (常任代理人 SMBC日興証券株式会社)LILLY CORPORATE CENTER INDIANAPOLIS, IN 46285 U.S.A. (東京都千代田区丸の内1丁目5番1号 新丸の内ビルディング)2,500,0006.95
中島 喜一郎兵庫県神戸市灘区1,872,0005.20
santec Holdings株式会社愛知県小牧市大草年上坂5823番地1,250,0003.47
Newton Biocapital I SA, Pricaf privee de droit belge(常任代理人 三田証券株式会社)Avenue de Tervueren 273, B-1150 Woluwe-Saint-Pierre, Belgium (東京都中央区日本橋兜町3-11)1,250,0003.47
大原薬品工業株式会社滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野121-151,000,0002.78
竹田 英樹兵庫県神戸市中央区935,0002.60
計―25,875,40071.96
(注) 持株比率は、小数点第3位以下を切り捨てて表示しております。
株主数-金融機関1
株主数-金融商品取引業者22
株主数-外国法人等-個人33
株主数-外国法人等-個人以外27
株主数-個人その他4,156
株主数-その他の法人26
株主数-計4,265
氏名又は名称、大株主の状況竹田 英樹
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はございません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)80,52435,874,276―35,954,800A種優先株式(株)20,000―20,000―B種優先株式(株)37,500―37,500―C種優先株式(株)―18,75018,750―合計138,02435,893,02676,25035,954,800 (注)1.2023年12月26日開催の取締役会において、C種優先株式を18,750株発行する事を決議し、2024年1月22日に発行しております。
2.2024年2月14日開催の取締役会において、A種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式の全てにつき、定款に定める取得条項に基づき取得することを決議し、2024年3月5日付で自己株式として取得し、対価として当該A種優先株主に対しA種優先株式1株につき普通株式1株を、当該B種優先株主に対しB種優先株式1株につき普通株式1株を、当該C種優先株主に対しC種優先株式1株につき普通株式1株をそれぞれ交付しております。
また、同日付で全ての優先株式は、会社法第178条の規定に基づき消却しております。
3.2024年4月19日開催の取締役会決議により、2024年5月9日付で普通株式1株につき普通株式200株の割合で株式分割を行っており、その結果普通株式が31,198,026株増加しております。
4.2024年5月27日及び2024年6月14日開催の取締役会決議により、2024年7月1日付で公募による新株の発行により、普通株式が4,000,000株増加しております。
5.2024年5月27日及び2024年6月14日開催の取締役会決議により、2024年7月31日付でオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資により、600,000株増加しております。
2.自己株式に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度期末株式数(株)自己株式 普通株式――――A種優先株式―20,00020,000―B種優先株式―37,50037,500―C種優先株式―18,75018,750―合計―76,25076,250― (注)2024年2月14日開催の取締役会において、A種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式の全てにつき、定款に定める取得条項に基づき取得することを決議し、2024年3月5日付で自己株式として取得し、対価として当該A種優先株主に対しA種優先株式1株につき普通株式1株を、当該B種優先株主に対しB種優先株式1株につき普通株式1株を、当該C種優先株主に対しC種優先株式1株につき普通株式1株をそれぞれ交付しております。
また、同日付で全ての優先株式は、会社法第178条の規定に基づき消却しております。

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2024年12月27日株式会社PRISM BioLab取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士川  口  靖  仁 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士坂  井  知  倫 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社PRISM BioLabの2023年10月1日から2024年9月30日までの第13期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、   株式会社PRISM BioLabの2024年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社PRISM BioLab(以下「会社」という。
)は共同開発事業において、顧客との間で合意された創薬ターゲットに対して、研究開発目的の範囲内で会社が有する独自の創薬基盤技術である「PepMetics技術」の使用を許諾するとともに、当該領域で研究開発業務に対する役務の提供を行っている。
財務諸表注記「(セグメント情報等) 【関連情報】
3.主要な顧客ごとの情報」に記載のとおり、会社の2024年9月30日に終了する事業年度の損益計算書に計上されている売上高305,520千円にはEli Lilly and Company及び小野薬品工業株式会社(以下「主要な顧客」という。
)に対する売上高264,736千円が含まれており、売上高の86.6%を占めている。
会社は、財務諸表注記「(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、共同研究契約の対価として、主に共同研究収入、アップフロント収入等を受領している。
共同研究収入については、研究開発業務は研究開発期間にわたって役務提供を行うことにより研究成果が創出されることから、会社は一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づいて収益を認識している。
アップフロント収入については、顧客との契約上定められた財又はサービスの内容に応じて、その履行義務の充足時点が一時点か一定期間にわたるかを判定した上で収益を認識している。
事業の特性上、主要な顧客との共同研究契約の個別性は高く、その契約内容や契約条件等は複雑である。
特に、それぞれの契約において、顧客に約束した複数の財又はサービスが存在するため、当該財又はサービスが別個のものか否かを評価し、履行義務を識別する際には、経営者による重要な判断を伴う。
また、1件当たりの契約金額が多額であるため、履行義務の充足時点の判定が適切に行われず、主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理を誤った場合には、期間損益に大きな影響を与えることとなる。
以上から、当監査法人は、主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理の検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理を検討するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 内部統制の評価売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に、事業開発部門とは独立した管理部の責任者が、売上高の計上に際して、契約書等の関連証憑の内容を確かめた上で売上高管理表を承認する統制に焦点を当てた。

(2) 主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理の検討主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理を検討するため、主に以下の手続を実施した。
・主要な顧客との共同研究契約に係る契約内容及び契約条件等の理解並びに当該契約の経済的実態を把握するため、経営者に対して質問を実施した。
・主要な顧客との共同研究契約に係る契約書を閲覧し、顧客に約束した複数の財又はサービスが別個のものか否かを評価のうえ、履行義務が適切に識別されているかどうかを検討した。
・識別された履行義務が一定の期間にわたり充足されるものか又は一時点で充足されるものかどうかの会社の判定が適切かどうかを検討するため、主要な顧客との共同研究契約に係る契約書及び共同研究に係る運営委員会の議事録を閲覧した。
・契約締結日以後の契約内容及び契約条件の変更の有無を確認するため、主要な顧客に対して取引確認状を送付し、確認状の回答内容と会社の認識に相違がないかどうかを検討した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社PRISM BioLab(以下「会社」という。
)は共同開発事業において、顧客との間で合意された創薬ターゲットに対して、研究開発目的の範囲内で会社が有する独自の創薬基盤技術である「PepMetics技術」の使用を許諾するとともに、当該領域で研究開発業務に対する役務の提供を行っている。
財務諸表注記「(セグメント情報等) 【関連情報】
3.主要な顧客ごとの情報」に記載のとおり、会社の2024年9月30日に終了する事業年度の損益計算書に計上されている売上高305,520千円にはEli Lilly and Company及び小野薬品工業株式会社(以下「主要な顧客」という。
)に対する売上高264,736千円が含まれており、売上高の86.6%を占めている。
会社は、財務諸表注記「(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、共同研究契約の対価として、主に共同研究収入、アップフロント収入等を受領している。
共同研究収入については、研究開発業務は研究開発期間にわたって役務提供を行うことにより研究成果が創出されることから、会社は一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づいて収益を認識している。
アップフロント収入については、顧客との契約上定められた財又はサービスの内容に応じて、その履行義務の充足時点が一時点か一定期間にわたるかを判定した上で収益を認識している。
事業の特性上、主要な顧客との共同研究契約の個別性は高く、その契約内容や契約条件等は複雑である。
特に、それぞれの契約において、顧客に約束した複数の財又はサービスが存在するため、当該財又はサービスが別個のものか否かを評価し、履行義務を識別する際には、経営者による重要な判断を伴う。
また、1件当たりの契約金額が多額であるため、履行義務の充足時点の判定が適切に行われず、主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理を誤った場合には、期間損益に大きな影響を与えることとなる。
以上から、当監査法人は、主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理の検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理を検討するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 内部統制の評価売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に、事業開発部門とは独立した管理部の責任者が、売上高の計上に際して、契約書等の関連証憑の内容を確かめた上で売上高管理表を承認する統制に焦点を当てた。

(2) 主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理の検討主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理を検討するため、主に以下の手続を実施した。
・主要な顧客との共同研究契約に係る契約内容及び契約条件等の理解並びに当該契約の経済的実態を把握するため、経営者に対して質問を実施した。
・主要な顧客との共同研究契約に係る契約書を閲覧し、顧客に約束した複数の財又はサービスが別個のものか否かを評価のうえ、履行義務が適切に識別されているかどうかを検討した。
・識別された履行義務が一定の期間にわたり充足されるものか又は一時点で充足されるものかどうかの会社の判定が適切かどうかを検討するため、主要な顧客との共同研究契約に係る契約書及び共同研究に係る運営委員会の議事録を閲覧した。
・契約締結日以後の契約内容及び契約条件の変更の有無を確認するため、主要な顧客に対して取引確認状を送付し、確認状の回答内容と会社の認識に相違がないかどうかを検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別主要な顧客との共同研究契約に係る収益認識の会計処理
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

その他、流動資産6,955,000
工具、器具及び備品(純額)0
有形固定資産0
投資その他の資産45,472,000

BS負債、資本

未払金57,677,000
未払法人税等48,065,000
未払費用8,283,000
資本剰余金3,330,766,000
利益剰余金-1,542,734,000
株主資本3,502,477,000
負債純資産4,528,566,000

PL

売上原価145,080,000
販売費及び一般管理費942,931,000
営業利益又は営業損失-782,392,000
受取利息、営業外収益356,000
営業外収益788,000
営業外費用49,914,000
固定資産売却益、特別利益99,000
特別利益99,000
固定資産除却損、特別損失0
特別損失216,784,000
法人税、住民税及び事業税1,310,000
法人税等1,310,000

PL2

当期変動額合計1,702,200,000

FS_ALL

現金及び現金同等物の残高4,392,022,000
契約負債900,069,000
現金及び現金同等物に係る換算差額-17,934,000
現金及び現金同等物の増減額3,258,079,000
研究開発費、販売費及び一般管理費571,628,000

営業活動によるキャッシュ・フロー

為替差損益(△は益)、営業活動によるキャッシュ・フロー17,934,000
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー46,366,000
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー151,126,000
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー-1,247,000

投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得による支出、投資活動によるキャッシュ・フロー-205,787,000
有形固定資産の売却による収入、投資活動によるキャッシュ・フロー70,000

概要や注記

連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み、経理の状況当社は、財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。
具体的には会計基準等の内容を適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入するとともに、監査法人等外部機関が開催する会計基準の変更等に関する研修に参加しております。
主要な販売費及び一般管理費 ※2 販売費及び一般管理費のうち一般管理費に属する費用の割合は100%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)支払報酬68,261千円94,734千円減価償却費359〃-〃研究開発費338,734〃571,628〃
一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費 ※3 研究開発費の総額前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)一般管理費に含まれる研究開発費は、338,734千円であります。
なお、売上原価に含まれる研究開発費はありません。
当事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)一般管理費に含まれる研究開発費は、571,628千円であります。
なお、売上原価に含まれる研究開発費はありません。
顧客との契約から生じる収益の金額の注記 ※1 顧客との契約から生じる収益売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。
顧客との契約から生じる収益の金額は、財務諸表「注記事項 (収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
新株予約権等に関する注記 3.新株予約権等に関する事項区分新株予約権の内訳新株予約権の目的となる株式の種類新株予約権の目的となる株式の数(株)当事業年度末残高(千円)当事業当事業当事業当事業年度期首年度増加年度減少年度末提出会社ストック・オプションとしての新株予約権-----423提出会社自社株式オプションとしての新株予約権------合計 -----423
配当に関する注記 4.配当に関する事項該当事項はありません。
現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 ※1 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)現金及び預金勘定1,133,943千円4,392,022千円現金及び現金同等物1,133,943千円4,392,022千円
製品及びサービスごとの情報  1.製品及びサービスごとの情報 (単位:千円) 自社開発事業共同開発事業合計外部顧客への売上高―305,620305,620
売上高、地域ごとの情報 (1) 売上高 (単位:千円)日本米国スイス合計69,628219,19916,792305,620
有形固定資産、地域ごとの情報
(2) 有形固定資産本邦に所在している有形固定資産の金額が貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
主要な顧客ごとの情報 3.主要な顧客ごとの情報 (単位:千円)顧客の名称又は氏名売上高関連するセグメント名Eli Lilly and Company217,069創薬事業小野薬品工業㈱47,666創薬事業アステラス製薬㈱21,961創薬事業F. Hoffmann-La Roche Ltd.16,792創薬事業Genentech, Inc.2,129創薬事業
報告セグメントごとの負ののれん発生益を認識する要因となった事象の概要 【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
貸借対照表 ① 【貸借対照表】
(単位:千円) 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)資産の部 流動資産 現金及び預金1,133,9434,392,022 前払費用17,92929,222 未収消費税等40,24854,893 その他5,4826,955 流動資産合計1,197,6044,483,094 固定資産 有形固定資産 建物12620,422 減価償却累計額及び減損損失累計額△126△20,422 建物(純額)00 機械及び装置21,21022,609 減価償却累計額及び減損損失累計額△21,209△22,609 機械及び装置(純額)00 工具、器具及び備品43,479231,510 減価償却累計額及び減損損失累計額△43,479△231,510 工具、器具及び備品(純額)00 有形固定資産合計00 投資その他の資産 その他13,82145,472 投資その他の資産合計13,82145,472 固定資産合計13,82145,472 資産合計1,211,4264,528,566 (単位:千円) 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)負債の部 流動負債 未払金38,60357,677 未払費用5,0648,283 未払法人税等1,21048,065 契約負債13,157900,069 預り金5,2045,772 流動負債合計63,2401,019,869 固定負債 資産除去債務1705,795 固定負債合計1705,795 負債合計63,4101,025,665純資産の部 株主資本 資本金12,2461,714,446 資本剰余金 資本準備金1,148,3662,850,566 その他資本剰余金480,200480,200 資本剰余金合計1,628,5663,330,766 利益剰余金 その他利益剰余金 繰越利益剰余金△493,220△1,542,734 利益剰余金合計△493,220△1,542,734 株主資本合計1,147,5913,502,477 新株予約権423423 純資産合計1,148,0153,502,901負債純資産合計1,211,4264,528,566
損益計算書 ② 【損益計算書】
(単位:千円) 前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)売上高※1 112,926※1 305,620売上原価32,620145,080売上総利益80,305160,539販売費及び一般管理費※2,※3 577,174※2,※3 942,931営業損失(△)△496,868△782,392営業外収益 受取利息19356 助成金収入70- 固定資産受贈益-155 その他-276 営業外収益合計89788営業外費用 株式交付費-13,497 為替差損77015,540 上場関連費用-20,846 その他-30 営業外費用合計77049,914経常損失(△)△497,550△831,518特別利益 固定資産売却益-※5 99 特別利益合計-99特別損失 固定資産除却損20 減損損失※4 28,151※4 216,784 特別損失合計28,154216,784税引前当期純損失(△)△525,704△1,048,203法人税、住民税及び事業税1,2101,310法人税等合計1,2101,310当期純損失(△)△526,914△1,049,514  
株主資本等変動計算書 ③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) (単位:千円) 株主資本資本金資本剰余金資本準備金その他資本剰余金資本剰余金合計当期首残高12,2461,148,366480,2001,628,566当期変動額 当期純損失(△) 当期変動額合計 当期末残高12,2461,148,366480,2001,628,566 株主資本新株予約権純資産合計利益剰余金株主資本合計その他利益剰余金利益剰余金合計繰越利益剰余金当期首残高33,69333,6931,674,5064231,674,930当期変動額 当期純損失(△)△526,914△526,914△526,914 △526,914当期変動額合計△526,914△526,914△526,914-△526,914当期末残高△493,220△493,2201,147,5914231,148,015 当事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) (単位:千円) 株主資本資本金資本剰余金資本準備金その他資本剰余金資本剰余金合計当期首残高12,2461,148,366480,2001,628,566当期変動額 新株の発行1,702,2001,702,200 1,702,200当期純損失(△) 当期変動額合計1,702,2001,702,200-1,702,200当期末残高1,714,4462,850,566480,2003,330,766 株主資本新株予約権純資産合計利益剰余金株主資本合計その他利益剰余金利益剰余金合計繰越利益剰余金当期首残高△493,220△493,2201,147,5914231,148,015当期変動額 新株の発行 3,404,400 3,404,400当期純損失(△)△1,049,514△1,049,514△1,049,514 △1,049,514当期変動額合計△1,049,514△1,049,5142,354,885-2,354,885当期末残高△1,542,734△1,542,7343,502,4774233,502,901
重要な会計方針、財務諸表 (重要な会計方針) 1.固定資産の減価償却の方法有形固定資産定率法を採用しております。
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物付属設備を除く)及び2016年4月1日以後に取得した建物附属設備について定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
建物         3年~15年機械及び装置     2年~4年工具、器具及び備品  2年~5年  2.繰延資産の処理方法株式交付費支出時に全額費用処理しております。
 3.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準外貨建金銭債権債務は決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
 4.収益及び費用の計上基準当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別するステップ2:契約における履行義務を識別するステップ3:取引価格を算定するステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分するステップ5:履行義務の充足時又は充足するにつれて収益を認識する 当社は、独自の創薬基盤技術である「PepMetics技術」を用いた創薬開発事業を行っており、主に①自社開発事業に関する収益、②共同開発事業に関する収益の2つの収益形態があります。
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は、以下のとおりであります。
①自社開発事業に関する収益自社開発事業では、自社で創薬標的を選定して有力なパイプラインを創出し、当該パイプラインの独占的な開発権や将来の製造販売権を顧客に付与することにより対価を獲得します。
当該ライセンスは他の財又はサービスと区分され、また、当社は顧客が権利を有する知的財産に著しく影響を与える活動を行う予定はないため、「使用権」に該当すると判断しております。
契約の対価として、主にアップフロント収入、マイルストン収入、ロイヤリティ収入があります。
アップフロント収入は、当社開発役務により創出された製薬の基礎となる分子構造等当社ノウハウ導出への対価的性質を有するものであることから、顧客がライセンスからの便益を享受できるようになった一時点で収益を認識しております。
マイルストン収入のうち、開発マイルストン収入は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストン条件が達成された時点で収益を認識しています。
ロイヤリティ収入及び販売マイルストン収入は、算定基礎となるための売上が発生した時点で収益認識を行う方針としております。
②共同開発事業に関する収益共同研究開発契約における当社の主な履行義務は、顧客との間で合意されたターゲットに対して、研究開発目的の範囲内で当社が有する「PepMetics技術」の使用を許諾すると共に、当該領域で研究開発業務に対する役務の提供を行うことです。
契約の対価として、主にアップフロント収入、共同研究収入、マイルストン収入、ロイヤリティ収入があります。
通常、当該研究開発業務は、研究開発期間にわたって役務提供を行うことにより研究成果が創出されることから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。
そのため、共同研究収入については、履行義務の充足に係る進捗度に基づいて収益認識を行っております。
マイルストン収入のうち、開発マイルストン収入は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストン条件が達成された時点で収益認識を行っております。
販売マイルストン収入及びロイヤリティ収入は、算定基礎となる顧客の売上高が発生した時点で収益認識を行う方針としております。
なお、アップフロント収入は、顧客との契約上定められた財又はサービスの内容に応じて、その履行義務の充足時点が一時点か一定期間かを判断した上で収益を認識しております。
支配が一定期間にわたり移転する財又はサービスについて、その性質に応じてアウトプット法又はインプット法を用いて、履行義務の充足に係る進捗度の見積りを行っております。
アウトプット法を用いる場合には、主に、研究開発期間に対する期末日までの経過期間の割合に基づき算出した進捗度に応じて収益を認識し、インプット法を用いる場合には、見積総原価に対する期末日までの実際発生原価の割合に基づき算出した進捗度に応じて収益を認識しております。
なお、取引の対価には重要な金融要素は含まれておりません。
 5.キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲随時引き出し可能な預金からなっております。
重要な会計上の見積り、財務諸表 (重要な会計上の見積り)前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)(総原価の見積りに基づくインプット法による収益認識)(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 当事業年度総原価の見積りに基づくインプット法により計上した売上高18,038千円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報当社は、共同研究開発契約に基づく研究開発業務のうち、履行義務の充足に係る進捗度の見積方法としてインプット法を採用することが適切と判断した取引については、見積総原価に対する期末日までの実際発生原価の割合に基づき算出した進捗度に応じて収益を認識しております。
総原価の見積りは研究開発の内容、実施体制、進捗状況等を勘案し、決算日ごとに見直しを行っております。
当該原価の見積りにおける主要な仮定は研究開発業務に従事した人員の人件費及び外注費等であり、その見積りに関しては一定の不確実性を伴うことから、研究開発の進捗などにより総原価の見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度(自 2023年10月1日 至2024年9月30日)該当事項はありません。
税効果会計関係、財務諸表 (税効果会計関係)1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳 前事業年度(2023年9月30日) 当事業年度(2024年9月30日)繰延税金資産 税務上の繰越欠損金 
(注)804,206千円 706,333千円契約負債-〃 74,241〃減損損失9,760〃 57,280〃その他1,454〃 4,563〃繰延税金資産小計815,421〃 842,417〃税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 
(注)△804,206〃 △706,333〃将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額△11,214〃 △136,084〃評価性引当額小計△815,421〃 △842,417〃繰延税金資産合計-〃 -〃繰延税金資産の純額-〃 -〃 (注)1.評価性引当額が26,996千円増加しております。
この主な内容は、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が減少した一方で、契約負債及び減損損失に係る評価性引当額が増加したことに伴うものであります。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額前事業年度(2023年9月30日) 1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超合計(千円)税務上の繰越欠損金(※)217,657141,61144,62180,166-320,150804,206評価性引当額△217,657△141,611△44,621△80,166-△320,150△804,206繰延税金資産------- (※) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
当事業年度(2024年9月30日) 1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超合計(千円)税務上の繰越欠損金(※)127,03140,02671,912-44,524422,840706,333評価性引当額△127,031△40,026△71,912-△44,524△422,840△706,333繰延税金資産------- (※) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注) 前事業年度及び当事業年度は、税引前当期純損失であるため注記を省略しております。
3.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正2024年1月22日に行われた第三者割当増資の結果、当社の資本金が増加したことに伴い、外形標準課税が適用されることになりました。
これに伴い、繰延税金資産および繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は従来の34.09%から30.58%となりました。
この税率変更による当事業年度の財務諸表に与える影響は軽微であります。
収益認識関係、財務諸表 (収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報当社の事業は、創薬事業の単一セグメントであり、主要な財又はサービスの種類別に分解した収益は、以下のとおりであります収益の分解(単位:千円) 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)自社開発事業に関する収益50,000-共同開発事業に関する収益62,926305,620その他--顧客との契約から生じる収益112,926305,620その他の収益--外部顧客への売上高112,926305,620 収益の認識時期(単位:千円) 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)一時点で移転される財又はサービス90,42318,922一定の期間にわたり移転される財又はサービス22,502286,698合計112,926305,620 2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報「(重要な会計方針) 4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報(1) 契約負債の残高等      顧客との契約から生じた契約負債の期首残高及び期末残高は、以下のとおりであります。
(単位:千円) 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)顧客との契約から生じた債権(期首残高)21,721-顧客との契約から生じた債権(期末残高)--契約負債(期首残高)4,46413,157契約負債(期末残高)13,157900,069 契約負債は、主に顧客との共同研究契約に基づき受領した研究開発業務に関する前受金であり、役務の提供に応じて収益を認識し取り崩されます。
前事業年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、4,464千円であります。
また、前事業年度において契約負債が増加した要因は、共同研究契約に基づく新たな前受金の受領により33,000千円増加した半面、収益認識による取崩しにより24,306千円減少したことによるものであります。
当事業年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、13,157千円であります。
また、当事業年度において契約負債が増加した要因は、共同研究契約に基づく新たな前受金の受領により1,116,069千円増加した半面、収益認識による取崩しにより229,157千円減少したことによるものであります。

(2) 残存履行義務に配分した取引価格当社では、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたって実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年以内の契約について注記の対象に含めておりません。
当初の予想契約期間が1年を超える重要な取引について、残存履行義務に分配した取引価格の総額及び収益が見込まれる期間は、以下のとおりであります。
(単位:千円) 当事業年度1年以内367,9991年超532,069合計900,069
重要な後発事象、財務諸表 (重要な後発事象)該当事項はありません。
有形固定資産等明細表 【有形固定資産等明細表】
資産の種類当期首残高(千円)当期増加額(千円)当期減少額(千円)当期末残高(千円)当期末減価償却累計額及び減損損失累計額又は償却累計額(千円)当期償却額(千円)差引当期末残高(千円)有形固定資産 建物12620,296―20,42220,42220,2960(20,296) 機械及び装置21,2102,5471,14822,60922,6092,5470(2,547) 工具、器具及び備品43,479188,030―231,510231,510188,0300(188,030)有形固定資産計64,816210,8741,148274,542274,542210,8740(210,874)無形固定資産 ソフトウェア―5,9105,910(5,910)――――無形固定資産計―5,9105,910(5,910)――――
(注) 1,当期増加額のうち主なものは、次のとおりであります。
  建物            新ラボ入居工事  13,410千円         新ラボ工事に伴う資産除去債務   4,417千円  工具、器具及び備品      自動分注装置  33,240千円             分子相互作用解析装置  33,220千円            マルチプレートリーダー  29,800千円2.「当期償却額」欄の( )は内数で、当期の減損損失計上額であります。
引当金明細表 【引当金明細表】
該当事項はありません。
主な資産及び負債の内容
(2) 【主な資産及び負債の内容】
① 流動資産イ.現金及び預金区分金額(千円)預金  普通預金3,838,334 外貨預金553,687合計4,392,022 ② 流動負債ロ.契約負債  相手先別内訳相手先金額(千円)Eli Lilly and Company523,502小野薬品工業㈱376,566合計900,069
その他、財務諸表等 (3) 【その他】
当事業年度における四半期情報等 (累計期間)第1四半期第2四半期第3四半期当事業年度売上高(千円)―115,482215,158305,620税引前四半期(当期)純損失(△)(千円)―△335,448△568,639△1,048,203四半期(当期)純損失(△)(千円)―△336,052△569,546△1,049,5141株当たり四半期(当期)純損失(△)(円)―△11.57△19.11△33.53 (会計期間)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期1株当たり四半期純損失(△)(円)―△5.99△7.45△13.42 (注)1.当社は、2024年7月2日付で東京証券取引所グロース市場に上場いたしましたので、当事業年度の四半期報告書は提出しておりませんが、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、第2四半期会計期間及び第2四半期累計期間の四半期財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により四半期レビューを受けております。
また、第3四半期会計期間及び第3四半期累計期間の四半期財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により期中レビューを受けております。
2.当社は、2024年5月9日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っており、当事業年度の期首に株式分割が行われたと仮定して1株当たり四半期(当期)純損失を算定しております。
提出会社の株式事務の概要 第6 【提出会社の株式事務の概要】
事業年度毎年10月1日から翌年9月30日まで定時株主総会毎事業年度終了後3カ月以内基準日毎年9月30日剰余金の配当の基準日毎年9月30日、3月31日1単元の株式数100株単元未満株式の買取り 取扱場所東京都千代田区丸の内1丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 株主名簿管理人東京都千代田区丸の内1丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 取次所― 買取手数料株式の売買の委託に係る手数料相当額として別途定める金額公告掲載方法当社の公告方法は、電子公告としております。
但し事故その他やむを得ない事由により電子公告をすることができないときは、日本新経済新聞に掲載しております。
当社の公告掲載URLは次のとおりであります。
https://ir.prismbiolab.com/ja/notice.html株主に対する特典該当事項はありません。

(注) 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨、定款に定めております。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
提出会社の親会社等の情報 1 【提出会社の親会社等の情報】
該当事項はありません。
その他の参考情報 2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券届出書及びその添付書類有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集)及び株式売出し(ブックビルディング方式による売出し) 2024年5月27日 関東財務局長に提出。

(2) 有価証券届出書の訂正届出書上記(1)に係る訂正届出書を2024年6月14日及び2024年6月24日 関東財務局長に提出。
(3) 臨時報告書金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しく影響を与える事象の発生)の規定に基づく臨時報告書を2024年9月10日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号(主要株主の異動)の規定に基づく臨時報告書を2024年10月16日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しく影響を与える事象の発生)の規定に基づく臨時報告書を2024年11月14日 関東財務局長に提出。
提出会社の保証会社等の情報 第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
提出会社の経営指標等 回次第9期第10期第11期第12期第13期決算年月2020年9月2021年9月2022年9月2023年9月2024年9月売上高(千円)206,20558,801554,396112,926305,620経常利益又は経常損失(△)(千円)△139,998△153,70778,666△497,550△831,518当期純利益又は当期純損失(△)(千円)△142,699△155,98972,962△526,914△1,049,514持分法を適用した場合の投資利益(千円)―――――資本金(千円)10,00010,00012,24612,2461,714,446発行済株式総数普通株式A種優先株式B種優先株式(株) 77,07877,07880,52480,52435,954,80020,00020,00020,00020,000――32,50037,50037,500―純資産額(千円)△51,0981,092,9121,674,9301,148,0153,502,901総資産額(千円)400,9861,509,7151,740,1561,211,4264,528,5661株当たり純資産額(円)△6,711.33△6,231.85△15.41△34.5097.411株当たり配当額(1株当たり中間配当額)(円)―――――(-)(-)(-)(-)(-)1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)(円)△1,469.95△1,556.872.67△19.09△33.53潜在株式調整後1株当たり当期純利益(円)―――――自己資本比率(%)―72.496.294.777.3自己資本利益率(%)――5.3――株価収益率(倍)―――――配当性向(%)―――――営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)――102,962△513,811150,144投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)――△7,874△40,377△244,187財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)――110,872―3,370,055現金及び現金同等物の期末残高(千円)――1,687,9931,133,9434,392,022従業員数〔外、平均臨時雇用者数〕(名)67121727〔5〕〔3〕〔2〕〔5〕〔9〕株主総利回り(%)―――――(比較指標:―)(%)〔―〕〔―〕〔―〕〔―〕〔―〕最高株価(円)――――672最低株価(円)――――361
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.第9期、第10期、第12期及び第13期は、創薬事業の基盤構築の研究開発先行投資により、経常損失及び当期純損失となっております。
第11期の当期純利益は、当社とエーザイ株式会社が共同で創製した化合物であるCREB-binding protein (CBP) / β-catenin相互作用阻害剤E7386について、臨床におけるPOC(Proof Of Concept:創薬概念の検証)を達成したことによるマイルストン収入によるものです。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
4.第9期から第12期までの1株当たり純資産額については、優先株主からの払込金額を控除して算定しております。
5.第9期から第12期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
また、第13期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
6.当社は配当を行っておりませんので、1株当たり配当額及び配当性向につきましては、それぞれ記載しておりません。
7.第9期、第10期、第12期及び第13期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。
8.第9期から第12期までの株価収益率については、当社株式が非上場であったため記載しておりません。
第13期の株価収益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
9.第9期及び第10期については、キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローに係る各項目については、記載しておりません。
10.従業員数は、就業人員(社外から当社への出向者、契約社員を含む。
)であり、平均臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員を含む。
)は年間平均人員を( )内にて外数で記載しております。
11.第9期、第10期、第11期及び第12期の株主総利回り及び比較指標は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
また、第13期の株主総利回り及び比較指標については、2024年7月2日付で東京証券取引所グロース市場に上場したため記載しておりません。
12.最高株価及び最低株価は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。
なお、2024年7月2日をもって同取引所に株式を上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。
13.第11期から第13期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けております。
なお、第9期及び第10期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。
また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。
14.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第11期期首から適用しており、第11期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。
15.2024年1月22日に第三者割当増資により、C種優先株式18,750株を新規発行いたしました。
16.2024年2月14日開催の取締役会において、A種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式のすべてについて取得することを決議し、2024年3月5日付で自己株式として取得し、対価としてA種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株を交付しております。
また、当社が取得したA種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式のすべてを同日付で消却しております。
なお、2024年3月14日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
17.当社は、2024年5月9日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っており、第11期の期首に株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。