CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-12-23 |
英訳名、表紙 | Kringle Pharma, Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 安達 喜一 |
本店の所在の場所、表紙 | 大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番15号彩都バイオインキュベータ207 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 072-641-8739(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月概要2001年12月医薬品、遺伝子治療に関する研究開発を事業目的として、大阪市北区にクリングルファーマ株式会社(資本金10,000千円)を設立2002年8月本社を大阪市北区から大阪市中央区に移転2004年7月本社を大阪市中央区から大阪府豊中市に移転2004年10月大阪府茨木市に研究所を開設2005年5月中村敏一氏(大阪大学名誉教授)より、HGFタンパク質の開発実施権の許諾を得て、新規パイプラインとして開発を開始。 (開発コード:KP-100)2007年6月GMP準拠によるKP-100原薬を量産する製造方法を確立2007年7月HGFに関する基礎研究を目的として大阪大学にクリングルファーマ再生創薬研究部門を開設(2012年3月に閉鎖)2007年11月HGFからなる動物用医薬品の早期実用化を目的として、日本全薬工業株式会社と共同研究契約及びライセンス契約を締結2008年10月米国において、腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰa相試験を開始2009年7月米国における、腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰa相試験を終了2010年9月米国において、慢性腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰb相試験を開始2011年12月日本において、筋萎縮性側索硬化症(以下、ALSという)患者を対象とした第Ⅰ相試験を開始2012年4月米国における、腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰb相試験を終了2012年6月本社を大阪府豊中市から大阪府茨木市に移転2014年6月日本において、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始2014年11月日本において、声帯瘢痕患者を対象としたKP-100LIの第Ⅰ/Ⅱ相試験(医師主導)を開始2015年3月日本における、ALS患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ相試験を終了2016年5月日本において、ALS患者を対象としたKP-100ITの第Ⅱ相試験(医師主導)を開始2016年11月日本における、声帯瘢痕患者を対象としたKP-100LIの第Ⅰ/Ⅱ相試験(医師主導)を終了2018年6月当社が製造した組換えヒトHGFタンパク質を株式会社リプロセルより研究用試薬として販売開始2018年10月日本における、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ/Ⅱ相試験を終了2019年9月厚生労働省が脊髄損傷急性期を対象とするKP-100ITを希少疾病用医薬品として指定2020年3月東邦ホールディングス株式会社との資本業務提携を通じて、脊髄損傷急性期を対象とするKP-100IT医薬品の卸売流通体制を構築2020年4月米国クラリス・バイオセラピューティクス社とライセンス及び供給契約を締結2020年7月日本において、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅲ相試験を開始2020年8月丸石製薬株式会社との資本業務提携を通じて、脊髄損傷急性期を対象とするKP-100IT医薬品の販売体制を構築2020年12月東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場2021年2月慶應義塾大学医学部との脊髄損傷に対するHGF(肝細胞増殖因子)治療を応用した複合的研究に関する共同研究契約締結2021年8月米国クラリス・バイオセラピューティクス社による神経栄養性角膜炎を対象とする第Ⅰ/Ⅱ相試験の開始2021年9月組換えヒトHGFタンパク質(KP-100)の国際一般名称が「Oremepermin Alfa」(オレメペルミン アルファ)に決定2021年12月日本における、ALS患者を対象としたKP-100ITの第Ⅱ相試験(医師主導)を終了2022年3月慶應義塾大学医学部岡野栄之教授が科学アドバイザーに就任2022年3月慶應義塾大学医学部と慢性期脊髄損傷に対する治療に関する特許を共同出願2022年4月東京証券取引所グロースに市場区分を変更2022年9月慶應義塾大学医学部と脊髄損傷に対するHGFとiPS細胞併用治療に関する特許を共同出願2022年11月組換えヒトHGFタンパク質の新たな製造方法に関する特許を出願2022年11月日本において、声帯瘢痕患者を対象としたKP-100LIの第Ⅲ相試験を開始2023年9月米国において、組換えヒトHGFタンパク質製造の効率・拡大化に向けてクラリス・バイオセラピューティクス社との協業開始2023年9月日本における、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅲ相試験を終了2024年2月日本における、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅲ相試験の速報結果を入手2024年5月組換えヒトHGFタンパク質(KP-100)の日本医薬品一般名称が「オレメペルミン アルファ(遺伝子組換え)」に決定 KP-100ITはKP-100を主成分とする、脊髄腔内投与用製剤です。 KP-100LIはKP-100を主成分とする、局所投与用製剤です。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 (1)概要(背景) 当社は、難治性疾患、すなわち「症例数が少なく、原因不明で、治療法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患」に対する治療薬の研究開発を目指す大学発バイオベンチャーとして設立されました。 設立後、中村敏一氏(当時:大阪大学大学院医学系研究科教授)の発見したHGF(Hepatocyte Growth Factor:肝細胞増殖因子)タンパク質を開発パイプライン*として導入し、組換えDNA技術*を応用したタンパク質(以下、「組換えタンパク質」という。 )の製造法の確立、非臨床試験*の実施を経て、欧米及び日本における臨床試験*を複数実施いたしました。 その結果、組換えヒトHGFタンパク質の医薬品としての安全性を確認し、脊髄損傷急性期を対象とする臨床試験においては有効性を示唆する結果、すなわちPOC*(Proof Of Concept)を得ることができました。 従来の創薬バイオベンチャーの戦略としては、ここまでの研究成果を導出して製薬企業に開発・製造販売を委ねるのが常ですが、当社は組換えヒトHGFタンパク質を医薬品として確実に社会に提供することを第一の使命と考え、自社で開発を続け、医薬品の製造販売承認を得る方針で事業を進めております。 <図1 当社の企業理念> (2)事業モデル 当社が想定している事業モデルを図2に示します。 当社は対象疾患や提携先に応じてA、B、Cを組み合わせたハイブリッド型の事業モデルを志向しております。 その中でも、臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社での医薬品製造販売承認申請を行うことを基本方針とします。 当社の臨床段階のパイプラインについては、脊髄損傷急性期と声帯瘢痕はAとBのハイブリッド(自社開発と販売提携)、ALSと急性腎障害はBによる事業化を目指しております。 また、クラリス・バイオセラピューティクス社への原薬供給はCに該当します。 <図2:当社の事業モデル> また、開発については一般的な新薬開発プロセスに従って実施する必要がありますが、難治性疾患に対する治療薬の開発を実現するために以下に示すようなプロセスを実施しております。 ① 基礎研究* 医薬品の候補となるシーズ*探索は長期の研究期間が必要である上に、この段階で候補が見つかっても医薬品として成功する確率は非常に低いことがわかっております。 当社では、基礎研究として、組換えヒトHGFタンパク質の新規適応症の探索及び新規候補品の探索を行っておりますが、大学との共同研究において専門的な知識を活用することにより、成功確率を高めるよう基礎研究を進めております。 ② 非臨床試験・製造 非臨床試験や製造については、開発業務受託機関、製造受託機関等の専門技術を活用することにより、迅速に進めております。 また、この開発段階では膨大な支出に対する収入が得られないため、公的資金(助成金、補助金)を活用することにより、自社負担を減らし、経済的なリスクを低減させております。 ③ 臨床試験(第Ⅰ相試験*、第Ⅱ相試験*、第Ⅲ相試験*) 患者数の少ない難治性疾患では、疾患の原因も病態も明らかでないことがあり、臨床試験の評価項目の設定や症例の選定等が難しいとされております。 当社では、大学との連携により、難治性疾患に対する専門的な知見を集積し、小規模で成功確度が高い評価項目を策定し臨床試験を実施しております。 臨床試験の一部の業務については、開発業務受託機関に委託して品質・開発速度を確保するとともに、臨床評価や解析については、専門病院及び大学病院の医師と連携して科学的な質を高めております。 また、大学病院等が公的資金を確保し、臨床試験(医師主導治験)の実施を希望する場合には、治験薬及び科学的な情報・知識を提供して治験推進に協力し、成果の独占的な利用許諾を得ます。 ④ 承認申請・許可 臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社での医薬品製造販売承認申請を行うことを基本方針とします。 難治性疾患を対象として開発しているため、POCが得られた後には厚生労働省の「希少疾病用医薬品指定」を受け、開発費用の助成、優先審査の活用などにより申請までの業務を加速することが可能です。 また、「条件付き早期承認制度」「先駆的医薬品指定制度(旧 先駆け審査指定制度)」等の制度を活用することにより申請・審査に係る時間を短縮し、早期承認を目指します。 ⑤ 販売 難治性疾患は高度医療機関において治療が行われるため、開発した医薬品の取り扱い施設の数が限定されます。 したがいまして、通常の医薬品のような大規模な流通販売網の構築が不要となります。 また、競合する医薬品が少ないことから営業活動に大きな費用をかける必要がありません。 当社が医薬品製造販売業の許可を取得し、医薬品卸売販売業者と提携することで、必要な場所に必要な医薬品を届けるサプライチェーンの構築が可能です。 その結果、販売に係るコストが削減され、売上総利益を高い割合で継続的に得られるメリットを享受することができます。 なお、脊髄損傷急性期を対象とした製品のサプライチェーンについては、現時点で当社内に営業販売体制がないことから、下図に示すように丸石製薬株式会社と東邦ホールディングス株式会社との提携により構築されております。 丸石製薬株式会社は救急領域のスペシャリティファーマ*として国内の救急病院をカバーする営業体制を有しているため、当該製品の販売及びプロモーションの提携をすることで、サプライチェーンを構築することが可能であると考えております。 <図3:脊髄損傷急性期を対象とした製品のサプライチェーン> ⑥ 適応拡大 個々の難治性疾患は患者数が限られますが、複数パイプラインの開発を進めること、海外へ販売を拡大すること、他領域の疾患についても開発を進めることにより、市場の拡大が可能であると考えております(図4)。 例えば、脊髄損傷急性期及びALSにおいてHGFの神経保護作用が示された場合には、脳神経領域の疾患に対しても神経保護作用を示し、治療薬として開発される可能性が考えられます。 また、声帯瘢痕においてHGFの抗線維化作用が示されると、声帯以外の線維化が原因となる疾患への応用が考えられます。 さらに、急性腎障害において静脈内投与でのHGFの効果が確認された場合には、腎臓以外の臓器における難治性疾患への応用の可能性が考えられます。 HGFは様々な作用を持っていることから、一つの作用についての効果が確認されると、他領域への応用の可能性があると考えております。 将来的には、当社において適応拡大による市場の拡大を行いながら他の製薬企業から他領域での開発を希望する提案を受けた場合には、原薬を供給することにより、継続的な収益を得ることも可能であると想定しております。 <図4:適応拡大の可能性> なお、当社の事業セグメントは、医薬品開発事業の単一セグメントであり、事業系統図(図5)及び収益の種類(表1)は以下のとおりであります。 (事業系統図) <図5:事業系統図> <表1:収益の種類> 収益の種類内容A契約一時金製品販売に関する卸業者との契約時に得られる一時金販売促進活動協力を目的として契約時に得られる一時金原薬供給に関する契約時に得られる一時金Bマイルストーン研究開発の進捗により受取る収益Cロイヤリティ製品販売後に販売額の一定比率を受取る収益D製品販売医薬品製造販売(製品販売)に対する売上原薬供給による売上試薬販売による売上 (3)創薬シーズ 現在、当社の保有する創薬シーズは組換えヒトHGFタンパク質であり、組換えヒトHGFタンパク質を有効成分とした複数の製剤を用いて、各種臨床試験を実施しております。 HGFは当初、肝細胞の増殖を促進する増殖因子として日本で発見されました。 増殖因子は細胞の表面に存在する受容体*と結合することにより、細胞の核(遺伝子)にシグナルを伝達し、細胞の増殖開始のスイッチをオンにする物質です(図6)。 もともと体の中で働く物質であることから組換えタンパク質として製造が可能になれば、高い安全性と効果を併せ持つ医薬品になる可能性があります。 <図6:増殖因子の作用機序*> HGFはその後の研究によって、細胞増殖以外にも細胞保護、形態形成等の生物活性*を併せ持つことが明らかになり、対象となる細胞も肝細胞だけでなく、腎臓、肺、皮膚等の細胞に対して効果があることが示されました(図7)。 特に、線維成分の蓄積により細胞の機能が低下する「線維化」や「硬化」を解除する作用(以下、「抗線維化」という。 )及び神経細胞・グリア細胞*等の神経系細胞に対する生物活性が明らかになると、複数の難治性疾患に対する治療薬の候補として様々な研究成果が報告されました。 <図7:HGFの生物活性> 実験動物を用いて疾患モデルを作製すると、体内のHGFタンパク質量が上昇し、疾患が治癒することが示され、HGFと組織修復の関係が明らかになってきました。 そこで、組換えヒトHGFタンパク質を疾患モデルに補充的に投与すると症状の軽減や治療効果が示されました。 組換えヒトHGFタンパク質を用いた研究は現在でも多くの疾患領域について行われておりますが、臨床応用の可能性がある代表的な疾患は下表のようになります。 <表2:組換えヒトHGFタンパク質の臨床応用の可能性がある疾患>疾患臓器疾患名生物活性腎臓急性腎障害・慢性腎不全・腎移植・糖尿病性腎症腎上皮細胞の保護・増殖、尿細管細胞の保護・増殖、形態形成誘導筋線維芽細胞の増殖抑制、線維化成分の抑制肝臓急性肝炎・劇症肝炎・肝硬変・胆道閉鎖症・脂肪肝・肝移植肝細胞、肝芽細胞の保護・増殖心臓・血管血管障害(閉塞性動脈硬化症・血管再狭窄防止等)・心筋梗塞・拡張型心筋症心筋細胞の増殖血管内皮細胞の保護・増殖、形態形成誘導神経系ALS・脊髄損傷急性期・脳梗塞・パーキンソン病・ハンチントン病・認知症神経細胞の保護、軸索*形成誘導グリア細胞の保護肺・気管支慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺線維症・気管支喘息肺上皮細胞の保護・増殖気管支上皮細胞の保護・増殖その他皮膚潰瘍・声帯瘢痕・炎症性腸疾患・角膜損傷各種細胞の保護・増殖、形態形成誘導筋線維芽細胞の増殖抑制、線維化成分の抑制※太字は当社が現在医薬品の開発をしている疾患 当社は、HGFの発見者である中村敏一氏(当時:大阪大学大学院医学系研究科教授)より2005年に組換えヒトHGFタンパク質の開発実施権の許諾を受け、難治性疾患を対象としたパイプラインとして開発を開始いたしました。 (4)製造体制 組換えヒトHGFタンパク質を医薬品として製造するためには、①原薬製造及び②製剤製造の大きく2種類に分けられる製造を行うことが必要です。 この2種類の製造についてはいずれも当社が実施権を保有しており、製造受託機関に委託して原薬及び製剤の製造を行っております。 医薬品の製造については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」という。 )及び「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(GMP*省令)に基づき、厳格な品質管理の下で製造を行う必要があります。 また、組換えタンパク質を医薬品として製造する場合には細胞を用いた製造法になるため、複雑で特別な技術が多数必要となります(図8)。 当社は、組換えヒトHGFタンパク質の製造方法(原薬製造及び製剤製造)のノウハウを有しており、2社の製造受託機関に原薬製造及び製剤製造を各々委託することにより、原薬及び製剤の供給を行っております。 <図8 製造工程の概略> 開発段階では、製品販売による収入が得られず、定期的な製造計画も決められないため、自社で製造設備を有して人材を確保・管理するよりも外部の受託機関を活用する方が経済的なリスクが低く、効率的と考えております。 また、難治性疾患を対象としているため、必要となる製品量も少ないことが想定されます。 したがいまして、開発から販売初期までは現在の製造体制を持続いたしますが、適応症の追加や拡大等、開発状況に応じてスケールアップ検討を進める予定です。 さらに、現在米国においてドラッグマスターファイル*の登録を完了しており、提携会社が米国において組換えヒトHGFタンパク質の開発を行う場合には、当社の製造法を提携会社に開示することなく当社が提携会社に原薬販売することが可能となる体制を構築しております。 (5)製剤開発 HGFは発見から長い年月が経過しているため、物質特許はすでに失効しておりますが、当社は医薬品の製剤として設計・開発する過程で2種類の製剤組成について特許を取得しております。 1つは長期的な安定性を目的とした凍結乾燥製剤(特許1)、もう1つは長期的な安定性に加え、神経疾患の治療に適用できるよう組成を改良した凍結乾燥製剤(特許2)です。 なお、凍結乾燥製剤(特許2)に関しては、神経疾患に限らず当社の声帯瘢痕パイプラインでも使用しております。 <表3:製剤組成に関する特許>(2024年9月30日現在) 特許の名称出願人最新状況特許1HGF製剤当社日本、米国、欧州、カナダ、韓国にて特許取得済特許2神経疾患の治療に適したHGF製剤当社日本、米国、欧州、カナダ、韓国にて特許取得済 (6)開発の状況 開発の状況を図9に示します。 臨床試験までステージが進んでいるパイプラインは4件(脊髄損傷急性期、ALS、声帯瘢痕、急性腎障害)、動物疾患モデルにおいて有効性が認められ、提携パートナーにより臨床試験が進められているパイプラインが1件(クラリス・バイオセラピューティクス社による眼科疾患)、基礎研究のステージにあるパイプラインが複数あります。 現在は最も開発ステージの進んでいる脊髄損傷急性期を対象とした医薬品開発に注力し、製造販売承認を得ることにリソースを集約しております。 一方、基礎研究については大学等との共同研究を継続し、新規適応症の開拓、新規シーズの探索を行っております。 <図9:パイプラインの開発状況>(2024年9月30日現在) ① 脊髄損傷急性期を対象とした開発 脊髄とは脳と体をつなぐ神経が集積している組織であり、脊椎と呼ばれる骨の中に保護されております。 脊髄損傷とは、事故や転倒により脊髄に強い外力が加わり、組織が損傷を受けた結果、運動神経や感覚神経の機能が失われ、運動障害や感覚障害を発症する疾患です。 国内では年間約6千人の新規患者が発生すると報告されております(Miyakoshi N et al. Spinal Cord 2021 Jun;59(6):626-634.)。 しかしながらこれまでのところ、損傷した脊髄に対する有効な治療法はなく、脊髄を囲む脊椎の骨折や脱臼を治療するための手術や、リハビリテーションによる残存神経機能の有効利用と日常生活動作の獲得など、対症療法のみとなっております。 <図10:脊髄損傷の発症メカニズムとHGFによる治療効果> HGFは神経細胞に対し保護作用を示すこと、軸索伸展*の促進作用があることから、脊髄損傷の治療薬として開発される可能性があると考えられます。 脊髄損傷は外力によって引き起こされる組織の損傷(一次損傷という。 )に続いて周辺組織に損傷が広がる二次損傷が起こります(図10)。 脊髄損傷の急性期においては、この二次損傷を抑えることが治療につながると考えられております。 当社では慶應義塾大学医学部整形外科との共同研究により、脊髄損傷モデル動物を用いて組換えヒトHGFタンパク質の薬理効果を確認する試験を実施したところ、運動機能評価において有効性が確認されました。 そこで、医薬品の開発に必要な非臨床試験(安全性試験、薬物動態*試験など)を実施して、臨床試験に開発ステージを進めました。 脊髄損傷急性期患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験結果の概要を表4に示します。 <表4:脊髄損傷急性期患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験結果の概要>デザイン多施設、無作為化、二重盲検*、並行群間*、プラセボ*対照比較試験*患者母集団18歳以上、75歳以下の頚髄損傷患者受傷後66-78時間の時点で改良Frankel分類*A/B1/B2に該当する患者用法用量0.6㎎/回、1回/週、計5回、脊髄腔内投与(HGF群:28例、プラセボ群:17例)主要評価項目評価基準安全性、抗体産生の確認ASIA motor score*の24週時におけるベースライン*からの変化量結果安全性及び忍容性*はいずれも良好であった。 ASIA motor scoreの24週時におけるベースラインからの変化量について有意な差がみられなかった。 副次評価項目評価基準神経学的評価項目の推移結果ASIA motor scoreの20週時におけるベースラインからの変化量について有意差を認めた。 主要評価項目のうち、安全性に関する項目については問題ないことが確認できましたが、有効性の指標としたASIA motor scoreの24週時(168日目)におけるベースラインからの変化量では有意な差が得られませんでした(図11)。 しかしながら、経時的な推移ではプラセボ群に比較してHGF投与群において機能回復の傾向が一貫しており、副次評価項目であるASIA motor scoreの20週時(140日目)におけるベースラインからの変化量について有意差が認められたことから、HGFが神経細胞を保護して、運動機能を回復させる効果についてPOCが得られたと考えております。 <図11:ベースラインからの変化量(公表論文より)> 本試験の結果を踏まえて、HGF(脊髄腔内投与用製剤:KP-100IT)は2019年9月に厚生労働省により脊髄損傷急性期を対象とした希少疾病用医薬品指定を受けました。 また、本試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaにも論文発表されております(オンライン公開:2020年5月22日、DOI: 10.1089/neu.2019.6854)。 この試験で得られたPOCを検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、下表に示す概要で2020年7月より第Ⅲ相試験を開始しました。 <表5:脊髄損傷急性期患者を対象とした第Ⅲ相試験計画の概要(終了)>デザイン非ランダム化、単群*、多施設共同試験患者母集団18歳以上、89歳以下の頚髄損傷患者受傷後66-78時間の時点でAIS* Aに該当する患者目標症例数:25症例用法用量0.6㎎/回、1回/週、計5回、脊髄腔内投与主要評価項目評価基準投与後6ヶ月のAISがC以上に改善した症例割合副次評価項目評価基準神経学的評価項目の推移有害事象の発生 第Ⅲ相試験は2023年4月に症例組入れを完了し、2023年10月に最終症例の最終観察日を終了しました。 2024年2月に第Ⅲ相試験の速報結果を得ており、国内での医薬品製造販売の承認申請に向けて本試験の結果をもとに、PMDAと協議を行い、粛々と申請準備を進めております。 ② 声帯瘢痕 声帯瘢痕とは、声帯の物性が固く変化(線維化、瘢痕化)して動きが悪くなるため、声が出しにくくなる音声障害を生じる疾患です。 発症原因は明らかになっていませんが、声帯の外傷や炎症、声帯の手術後などに起こりやすいことが知られております。 患者数については、小規模の疫学調査結果(平成21年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「声帯溝症の診断治療の確立と、標準化に向けたガイドラインの作成に関する研究」)から、国内に3,000~12,000人の患者がいると推定されております。 これまでのところ、声帯瘢痕に対する有効な治療法はなく、音声訓練等のリハビリテーション及び声帯の位置を移動する手術といった対症療法が中心となっております。 HGFの生物活性として線維化を抑制する抗線維化作用があるため、声帯瘢痕の治療にも活用できる可能性があると考えられます。 当社では、京都大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科及び公益財団法人先端医療振興財団(現 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構)との共同研究により、声帯瘢痕モデル動物の声帯内に組換えヒトHGFタンパク質を投与したところ、声帯機能の改善を認めました。 そこで、医薬品の開発に必要な非臨床試験(声帯内投与における試験)を追加で実施し、臨床試験に開発ステージを進めました。 声帯瘢痕患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験結果の概要を下表に示します。 <表6:声帯瘢痕患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験結果の概要>デザインオープンラベル、用量漸増試験(医師主導)患者母集団20歳以上65歳以下の声帯瘢痕患者用法用量1、3、10µg/片側声帯/回(各群6例)1回/週、計4回、両側声帯粘膜内局所投与主要評価項目評価基準安全性の確認結果声帯の充血が認められたが、軽度で回復しており、安全性上大きな問題は生じないと考えられた。 副次評価項目評価基準有効性評価指標及び評価時期の探索結果有効性評価指標として測定した5種類の評価項目のうち、3種類の評価項目について改善の傾向がみられた。 当該試験の主要評価項目である安全性の確認について、重篤な副作用は認められず、忍容性も良好であることが示されました。 また、副次評価項目において、改善傾向の見られる評価項目、評価時期についての知見が得られました。 この試験で得られたPOCを検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、下表に示す概要で2022年11月より京都府立医科大学附属病院において第Ⅲ相試験を開始しました。 2023年5月には、久留米大学医学部附属病院、東北大学病院、川崎医科大学附属病院、日本大学病院を治験実施医療機関として加え、2024年5月には、新たに山王メディカルセンターを追加し、現在合計6施設で症例登録を推進しております。 声帯瘢痕においてHGFのPOCが確認された場合には、HGFの抗線維化作用に基づく創薬コンセプトそのものが示されることになり、声帯瘢痕のみならず他の線維化が原因となる慢性疾患(慢性腎不全、肝硬変、肺線維症等)への適応拡大の可能性が示されると考えております。 <表7:声帯瘢痕患者を対象とした第Ⅲ相試験の概要>デザイン多施設共同ランダム化試験患者母集団18歳以上75歳以下の声帯瘢痕又は声帯溝症患者用法用量二重盲検期:20㎍のHGF又はプラセボの声帯粘膜内投与(週1回×4回)、観察24週間継続期:希望者にHGF20㎍を投与(週1回×4回)、継続観察24週間主要評価項目評価基準二重盲検期の観察期間24週目におけるVHI-10スコア*改善副次評価項目評価基準期間経過におけるVHI-10*スコアの改善率や変化量等 なお、本試験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE、研究開発課題:組換えHGFタンパク質を用いた難治性線維症治療薬の開発)の支援を受け実施しております。 ③ ALS ALSは「難病の患者に対する医療等に関する法律」において難病指定を受けている難治性神経疾患の1つで、運動神経細胞が選択的に障害を受けるため、筋力の低下、筋肉の萎縮が引き起こされる疾患です。 その結果、歩行困難、言語障害、嚥下障害及び呼吸障害等の症状が進行的に現れ、発症後3~5年で約80%の患者が死亡すると言われております。 国内患者数は約1万人(令和3年度特定医療費(指定難病)受給者証所持者数、難病情報センター)と報告されております。 国内ではすでに承認された医薬品が2剤ありますが、いずれも効果は限定的であり、より効果の高い新規治療薬の開発が強く望まれています。 実際の医療現場では、リハビリテーションによる生活動作の維持・獲得、鎮痛剤を用いた痛みの抑制などの対症療法が既存治療法となっております。 <図12:ALSの発症メカニズムとHGFの治療効果> ALSの発症要因は遺伝によるもの、グルタミン酸毒性によるもの、原因不明のものと様々ですが、運動神経細胞が障害を受け脱落することにより筋肉の萎縮が起こることが共通する現象であるため、運動神経細胞を保護することが治療効果につながると考えられます。 従って、前項の脊髄損傷同様に、HGFの神経細胞に対する保護作用、軸索伸展の促進作用はALSの治療につながる可能性があると考えられます(図12)。 当社では、東北大学医学部脳神経内科との共同研究により、ALSモデル動物を用いて組換えヒトHGFタンパク質の薬理効果を確認する試験を実施したところ、運動機能の回復、発症の遅延、生存期間の延長といった効果が確認されました。 そこで、医薬品の開発に必要な非臨床試験(安全性試験及び薬物動態試験など)を実施して、臨床試験に開発ステージを進めました。 ALS患者を対象とした第Ⅰ相試験結果の概要を下表に示します。 <表8:ALS患者を対象とした第Ⅰ相試験結果の概要>デザインオープンラベル*、用量漸増試験*、単回投与3群、反復投与2群(各群3例)患者母集団20歳以上、65歳未満のALS患者発症後3年以内のALS患者であってALS重症度分類*が1若しくは2の患者用法用量脊髄腔内に治験機器を埋込、皮下ポートを通じて治験薬を脊髄腔内に投与した。 単回投与は0.2mg、0.6mg、2.0mgで実施した。 反復投与(1週ごとに5回投与)は、0.6mg、2.0㎎の2用量で実施した。 主要評価項目評価基準安全性及び忍容性結果安全性及び忍容性はいずれも良好であった。 副次評価項目評価基準・薬物動態の解析・抗体の産生の有無結果・薬物動態学的特性を検討した結果、半減期は1.2-1.4日であり、反復投与による蓄積性はないものと考えられた。 単回投与、反復投与時ともに血中への移行はほとんどなかった。 ・抗体の産生は認められなかった。 当該試験の主要評価項目である安全性及び忍容性の確認について、重篤な副作用は認められず、良好であることが示されました。 また、副次評価項目として、適切な投与量を策定するために薬物動態を検討した結果、有効性を検討するために必要な投与量についての知見が得られました。 この試験で得られた結果を基に、POCの確認を目的とした第Ⅱ相試験を実施しております。 ALS患者を対象とした第Ⅱ相試験の概要は下表のとおりです。 <表9:ALS第Ⅱ相試験計画の概要>デザインプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(非盲検*非対照継続投与期を含む)(医師主導)患者母集団20歳以上、70歳以下のALS患者12週間の前観察期のALSFRS-Rスコア*の変化量が-1~-3の範囲にある患者目標症例数48例(HGF群32例、プラセボ群16例)用法用量脊髄腔内にカテーテルを挿入し、皮下ポートを通じて治験薬を脊髄腔内に投与する。 2.0㎎/回、1回/2週、24週(二重盲検期)希望者へのHGF投与24週(継続投与期)主要評価項目評価基準二重盲検期24週のALSFRS-Rスコア変化量の群間差副次評価項目評価基準長期投与における有効性及び安全性を確認する。 当該試験は、東北大学による医師主導治験として行われ、投与観察期24週時点でのALSFRS-Rスコアの変化量を主要評価項目として評価しましたが、HGF投与群とプラセボ群の間で統計的な有意差は認められませんでした。 また、事前に定めた副次評価項目においても両群間で統計的な有意差は認められませんでした。 一方、HGF投与群において進行の遅い症例もあり、本試験結果の解釈には、さらに詳細な解析が必要となります。 なお、安全性に関しては、HGF投与群とプラセボ群で有害事象の発現率は同程度であり、忍容性が確認されました。 2024年4月には、東北大学と、本第Ⅱ相臨床試験の追加解析として、検体試料のバイオマーカー解析に関する共同研究契約を締結しました。 本共同研究によって、効果の検出しやすい患者集団の特定など、次相試験のデザイン策定に重要な情報が得られることが期待されます。 ④ 急性腎障害 急性腎障害とは、腎臓の損傷、腎臓への血液供給不足、尿路の閉塞等により、数時間~数日という短い期間に急激に腎機能が低下する状態で、その結果、尿を介した老廃物の排泄ができなくなり、体内の水分や塩分量などを調節することができなくなる疾患です。 重篤な場合には救急医療が必要になり、死亡に至る場合もあります。 発症要因が多数あるため、原因を特定できない場合が多く、有効な治療法は確立されていません。 HGFは腎臓の細胞に対して保護効果や増殖作用を示すことから、急性腎障害の治療薬となる可能性があると考えられます。 当社は、米国の腎臓専門クリニック(Rogosin Institute)の協力を得て米国において臨床試験を行いました。 ただし、第Ⅰ相試験においては、組換えヒトHGFタンパク質の安全性を確認することが目的であるため、容態の不安定な急性腎障害患者を対象とすることは不適切であると判断し、比較的容態が安定している慢性腎不全患者を対象として試験を実施いたしました。 当該試験は、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:以下「FDA*」という。 )により、必要性の高い新薬の審査を優先的に行う制度であるFast Track*の認定を受けて実施しております。 試験結果の概要を下表に示します。 <表10:慢性腎不全患者を対象とした第Ⅰ相試験結果の概要>デザイン第Ⅰa相:オープンラベル、用量漸増試験(全9例)第Ⅰb相:プラセボ対照二重盲検試験(全15例)患者母集団18歳以上85歳以下の慢性腎不全患者用法用量第Ia相:3用量、静脈内単回投与第Ib相:2用量、1回/日、5回、静脈内反復投与主要評価項目評価基準安全性及び忍容性結果重篤な副作用及び死亡例はなかった。 副次評価項目評価基準薬物動態の解析結果単回投与で投与後速やかに消失し、反復投与で蓄積性はみられなかった。 当該試験において得られた情報を基に、次相試験として急性腎障害患者を対象とした臨床試験の計画を策定しております。 また、国内での臨床試験実施を想定した第I相試験の追加試験(日本人での最大耐用量を確認する小規模試験)についても同時に策定しております。 具体的には、急性腎障害を対象とした治験実施計画書の作成のため、医学専門家へのヒアリング、他社治験例の検討、バイオマーカー*調査等の検討を継続しております。 しかしながら、次相試験は比較的大規模なプラセボ対照二重盲検比較試験になることが想定されており、現状では当社単独で神経系の治験と並行しての開発継続は難しいと判断し、製薬企業等と提携し、開発資金を確保した上で開発を進める方針としております。 また現在、欧米において急性腎障害を対象とする競合品が第Ⅲ相試験の開発段階にあることから、その動向を注視しつつ、HGFの優位性を示すための開発を進めてまいります。 なお、静脈内投与は最も全身性に被験薬が到達するため、安全性の問題も発生しやすい投与経路になります。 当該試験において安全性が確認されたことで、他の投与経路の開発を進める上で重要な知見が得られたと考えております。 静脈内投与は様々な疾患に適応拡大しやすい投与経路であることから、急性腎障害に限らず、安全性及び有効性が効果的に確認できる疾患を策定しながら開発を進める方針です。 ⑤ その他のパイプライン 当社は、国内外の大学や企業との共同研究において基礎研究を行い、新規パイプラインの強化を進めております。 当社からは原薬あるいは治験薬の提供を行い、共同研究先にて有望なデータが得られた場合には成果を共有し、開発ステージを進める予定です。 <用語解説>用語意味・内容開発パイプライン医薬品になる可能性のある候補物質。 組換えDNA技術複数種のDNAを結合する技術。 POC(Proof Of Concept)新薬候補物質の有用性・効果が、患者を対象とする臨床試験によって確認され、治療薬になり得るという仮説(コンセプト)が実証されること。 シーズ開発パイプラインの基となる物質。 スペシャリティファーマ得意分野において一定の評価を得る開発力を有する製薬企業。 上市新しい製品として市場に出すこと。 ライセンスイン他社が持つ開発権や販売権などの権利を自社に導入すること。 ライセンスアウト自社の開発権や販売権などの権利を他社に使用許諾すること。 生物活性生体の特定の機能に作用する性質。 遊走細胞などが別の場所に移動する作用。 受容体特定の生物活性を有する物質と結合し、情報を伝える分子。 作用機序薬がその効果を発揮するための生化学的な反応の流れ。 軸索神経細胞から伸びた突起状の構造。 グリア細胞神経細胞を取り囲む神経細胞ではない細胞。 基礎研究新規物質の創製と候補物質の絞り込みをするための研究。 非臨床試験被験薬の有効性や安全性を確認するため臨床試験以外の動物などを用いた試験。 ヒトを対象としない生物学的試験研究。 臨床試験ヒト(患者又は健常者)を対象として行う試験で、被験薬の効果・安全性・動態を確認することを目的とする。 第Ⅰ相試験少数の健常者を対象に、安全性(人体に副作用は無いか)・薬物動態(被験薬が体にどのように吸収・分布・代謝・排泄されていくか)を確認する試験。 希少疾病においては、患者を対象に第Ⅰ相試験と第Ⅱ相試験をあわせて第Ⅰ/Ⅱ相試験として行うこともある。 第Ⅱ相試験比較的少数の患者に対して第Ⅰ相試験で安全性が確認された用量の範囲で被験薬が投与され、安全性、有効性、用法、用量を探索する試験。 第Ⅲ相試験多数の患者に対して被験薬を投与し、第Ⅱ相試験の結果で得られた有効性、用法、用量を確認する試験。 GMPGood Manufacturing Practiceの略で、適正製造規範と訳される。 原料の入庫から製造、出荷にいたる全ての過程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるように定められた規則とシステムであり、医薬品の製造に関しては、義務として課せられている。 用語意味・内容巻締容器であるガラスバイアルをゴム栓及びアルミキャップで閉塞する工程。 ドラッグマスターファイル医薬品の原料、材料、あるいは原薬の製造関連情報をあらかじめ審査当局に登録しておく制度。 最終製品を製造するメーカーに原料・材料の詳細情報を開示することなく治験申請や新薬承認申請を行うことができる。 プラセボ色、重さ、味及び匂いなど物理的特性を可能な限り被験薬(治験実施の目的となる、開発中の未承認有効成分を含む製剤)に似せ、かつ薬効成分を含まない「偽薬」のこと。 プラセボ群とは、それらを投与される試験群のこと。 軸索伸展神経細胞の軸索が伸びる作用。 二重盲検(比較試験)医師及び患者の両者がプラセボか被験薬かがわからない状態で行う試験。 試験終了後に開鍵(盲検化されていた情報を開示)し、被験薬投与群とプラセボ群の間で有効性や安全性を比較する。 並行群間(比較試験)複数の試験群が設定され、試験参加者がいずれかひとつの群に参加する試験。 プラセボ対照比較試験効果を調べたい被験薬の対照としてプラセボを使用し、薬効成分の有無により効果の違いを比較する試験。 改良Frankel分類四肢麻痺の機能障害を5段階に分類したFrankel分類を、さらに予後の違いから細分化したもの。 完全麻痺のAから正常のEまで11段階に分類される。 ASIA motor score米国脊髄障害学会による運動機能を評価する指標で、上肢(50点)と下肢(50点)の運動機能スコアの合計(100点)で構成される。 脊髄の各部位に関連した主要筋肉が動くかどうかを点数化したもの。 実施が容易で再現性が高いこと等を理由に広く普及している脊髄損傷急性期の評価項目。 ベースライン評価の際、基準となるもの。 脊髄損傷急性期を対象とした治験では、治験薬投与前のスコアがベースライン。 忍容性薬を被験者に投与した際に現れる副作用の程度。 副作用が発生したとしても被験者が十分に耐えられる程度であれば「忍容性が高い薬」とされる。 単群(試験)単一の試験群を設定して実施する試験。 AISASIA impairment scale、米国脊髄障害学会が定めた脊髄損傷の機能障害尺度。 最も重度のA(完全麻痺)から正常のEまで5段階に分類される。 オープンラベル医師及び患者の両方がどのような治療を受けているかがわかっている状態で行う試験。 用量漸増試験被験薬の用量を段階的に増やして投与する試験。 ALS重症度分類厚生労働省「特定疾患調査研究」において定められたALSの重症度。 軽度の1から重度の5まで5段階に分類される。 薬物動態薬物が体内に投与されてから排泄されるまでの過程。 非盲検投与された被験薬が盲検化されない試験。 ALSFRS-RスコアALS患者の日常生活活動を見るもので、12項目の動作について各々0~4の5段階で点数化するもの。 VHI-10スコア10項目の質問から、自分の声をハンディキャップと感じている程度を患者本人がスコア化する。 各質問は、0(障害なし)から4(最大障害)までの回答が設定されており、症状が悪化するほど高値となる。 FDA米国食品医薬品局。 食品や医薬品などについて、その許可や違反品の取締りなどの行政機関。 Fast Track重篤な疾患あるいは生命にかかわる疾患における治療開発の必要性がある疾患に対して、高い治療効果が期待できそうな新薬をFDAが優先的に審査する制度。 PMDA独立行政法人医薬品医療機器総合機構のこと。 健康被害救済、医薬品や医療機器などの承認審査、市販後における安全対策を業務としている。 バイオマーカー病気の進行や薬の効果などを体内の分子によって定量的に評価するための指標。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年9月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)1551.31.85,041(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。 (2)労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社は、「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し社会に貢献すること」を企業理念とし、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中し、事業展開をしております。 希少疾患を主な対象疾患とし、臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社開発により自社で医薬品製造販売承認を取得することを基本方針としております。 (2)会社を取り巻く経営環境 製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応してジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。 また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。 一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うと言われております。 これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」の作成がなされております。 また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品の条件付き早期承認制度や先駆的医薬品指定制度が法制化されました。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は創薬バイオベンチャーとして当社開発品の実用化に向けて、研究開発を促進しておりますが、継続的な売上を計上する段階には至っておりません。 従って経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の設定はしておりません。 しかしながら、開発の進捗を経営目標とし、その達成状況を今後の利益計上に至るまでの会社経営の指標と考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、創薬バイオベンチャーとして、難治性疾患を対象とした組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を行い、医薬品として実用化すべく事業を推進しております。 一方で医薬品としての事業化は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、当社は継続的な営業損失を計上している状況にあり、すべての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。 このような事業環境下、当社は、以下の点を対処すべき課題として取り組んでおります。 ① 進行パイプラインの開発の促進 当社は、国内臨床パイプラインとして難治性神経疾患である脊髄損傷(SCI)急性期、線維化疾患である声帯瘢痕(VFS)及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬の開発を行っております。 脊髄損傷急性期については、第Ⅲ相試験の患者組入れは2023年4月に完了し、最終症例の経過観察は2023年10月に終了しました。 その後、データ固定・解析を経て2024年2月に速報結果を得ました。 今後、総括報告書を完成させ、医薬品としての製造販売承認申請を目指して取り組んでまいります。 また、脊髄損傷急性期を対象とする米国での臨床開発及び製造開発(組換えヒトHGFタンパク質の製造法効率化)を資金調達の主たる目的とし、2023年9月に第13回新株予約権の発行を行い、2024年5月に全ての行使が完了しました。 声帯瘢痕については、第Ⅲ相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)の治験計画届書をPMDAに提出し受理され、2022年11月に京都府立医科大学附属病院において治験を開始しました。 2023年5月には、久留米大学医学部附属病院、東北大学病院、川崎医科大学附属病院、日本大学病院を治験実施医療機関として加え、2024年5月には、新たに山王メディカルセンターを追加し、現在合計6施設で症例登録を推進しております。 なお、治験の実施費用並びに治験薬の製造及び商用製剤の開発費用の調達を目的として、第10回新株予約権の発行を行い、2022年7月に全ての行使が完了しました。 さらに、本プロジェクトは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」課題として採択され、公的資金の活用も進めております。 ALSについては第Ⅱ相試験(医師主導治験)の患者組入れを終了し、2021年12月に最終症例の最終観察日が終了しております。 その後、データ解析が進められた結果、主要及び副次評価項目に関して実薬群とプラセボ群の間で統計的な有意差は認められませんでした。 一方、実薬群において進行が遅い症例もあり、本試験結果の解釈には、さらに詳細な解析が必要と考えております。 2024年4月には、東北大学と、本第Ⅱ相臨床試験の追加解析として、検体試料のバイオマーカー解析に関する共同研究契約を締結しました。 本共同研究によって、効果の検出しやすい患者集団の特定など、次相試験のデザイン策定に重要な情報が得られることが期待されます。 ② 新たなパイプラインの開発 当社は前述の3件のパイプラインのほか、米国において急性腎障害の第Ⅰa、Ⅰb相の臨床試験を終了しております。 現在、資金的観点から当該疾患に対する開発を一旦中止しておりますが、資金的余裕が出た段階で再開する計画であります。 また、多様な生物活性を持つHGFではその他多くの治療の論文が公表されており、今後の企業価値最大化の観点から、これらに対する医薬品を開発するパイプラインを新たに立ち上げる必要があります。 また、組換えヒトHGFタンパク質の臨床試験を複数実施した当社のこれまでの知見をもとに、新たなバイオ医薬品の開発等、難治性疾患のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上のためのパイプライン開発を行ってまいります。 ③ 原薬の量産・供給体制の確立 当社は現在、前述の4件の臨床パイプラインを開発中でありますが、これらのすべてが治療薬として実用化された場合、HGF原薬の量産体制を強化する必要があります。 また、当社の提携先(クラリス・バイオセラピューティクス社)において組換えヒトHGFタンパク質を用いた眼科領域での治療薬の開発が行われており、同社にHGF原薬を供給する契約を締結しております。 当社は2023年9月に同社と業務提携し、組換えヒトHGFタンパク質の製造法効率化に着手いたしました。 今後のグローバルでの必要量増大に対応し、全世界での安定供給を目指すことを目的としております。 ④ 財務体質の強化 当社は創薬バイオベンチャーであるため、研究開発費を補うための十分な収益を得るまでに長期の時間を要します。 そのため、資金的余裕を生じさせることが困難であります。 しかしながら、研究開発の促進を図るためには十分な資金を研究開発に投入する必要があることから、今後も引き続き、増資はもとより、HGF原薬供給や事業提携(共同開発等)による収益計上により、財務体質の強化を図ってまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 当社は、「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し、社会に貢献すること」という企業理念のもと、本業である医薬品の研究開発を通じて、社会課題を解決し、産業や社会の発展に貢献してまいりました。 昨今、人口増加、資源の枯渇、環境破壊、貧困の格差、人権問題、気候変動などの社会課題により社会全体の持続性が脅かされ、企業を取り巻く環境は大きく変化しサステナビリティ経営が非常に重要な課題となっています。 これまで当社が培ってきた強みや技術を結集し、事業を通じて社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。 (1)ガバナンス 当社ではサステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他の経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (2)戦略 当社では、人材の増強、組織の強化が重要な経営課題と考えており、人的資本の拡充に向けて積極的に取り組んでまいります。 具体的には、フルフレックス勤務制度の導入、社員のワークライフバランスの実現や生産性向上に向けたデジタル化を前提としたリモートワーク体制の構築、ストックオプション制度等、人材確保のための各種制度の整備並びに社内外の機会をとらえた社員教育を実施しております。 (3)リスク管理 当社のサステナビリティへの取組には、様々なリスクの発生可能性があります。 それらのリスク管理への取り組みとしましては、複雑・多様化したリスクを一元的に把握、取集した上で評価、予防を行い、また、リスクが顕在化した場合は迅速かつ的確に対応することにより被害を最小限に食い止め、再発を防止することを目的に「リスクマネジメント規程」、「コンプライアンス規程」を制定し、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会により統制を図っております。 コンプライアンス・リスクマネジメント委員会は 取締役会の下に設置され、コンプライアンス及びリスクマネジメントに係る体制の構築及びその推進に関する事項について検討、審議等を行います。 当該委員会は、原則四半期に1回の開催とし、議事録を作成して取締役会に報告をしています。 (4)指標及び目標 当社のサステナビリティへの取組に係るリスクの評価と対応については、経営資源の有限性の観点から、影響の重要性に応じて取り組むべき優先順位を決定し、目標を設定することとしております。 当社の人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する具体的な指標について、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりませんが、達成に向けて進捗を注視していくとともに、指標や目標の設定要否についても引き続き検討する予定です。 |
戦略 | (2)戦略 当社では、人材の増強、組織の強化が重要な経営課題と考えており、人的資本の拡充に向けて積極的に取り組んでまいります。 具体的には、フルフレックス勤務制度の導入、社員のワークライフバランスの実現や生産性向上に向けたデジタル化を前提としたリモートワーク体制の構築、ストックオプション制度等、人材確保のための各種制度の整備並びに社内外の機会をとらえた社員教育を実施しております。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社のサステナビリティへの取組に係るリスクの評価と対応については、経営資源の有限性の観点から、影響の重要性に応じて取り組むべき優先順位を決定し、目標を設定することとしております。 当社の人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する具体的な指標について、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりませんが、達成に向けて進捗を注視していくとともに、指標や目標の設定要否についても引き続き検討する予定です。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社では、人材の増強、組織の強化が重要な経営課題と考えており、人的資本の拡充に向けて積極的に取り組んでまいります。 具体的には、フルフレックス勤務制度の導入、社員のワークライフバランスの実現や生産性向上に向けたデジタル化を前提としたリモートワーク体制の構築、ストックオプション制度等、人材確保のための各種制度の整備並びに社内外の機会をとらえた社員教育を実施しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社のサステナビリティへの取組に係るリスクの評価と対応については、経営資源の有限性の観点から、影響の重要性に応じて取り組むべき優先順位を決定し、目標を設定することとしております。 当社の人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する具体的な指標について、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりませんが、達成に向けて進捗を注視していくとともに、指標や目標の設定要否についても引き続き検討する予定です。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。 中には当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、若しくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。 当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。 また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意いただく必要があると考えます。 また、当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。 特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資家の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)医薬品開発に係るリスク① 開発中パイプラインの不確実性について 当社は主要なパイプラインとして難治性神経疾患である脊髄損傷急性期、ALS及び声帯瘢痕の治療薬の開発を行っております。 脊髄損傷急性期については、第Ⅲ相試験の患者組入れは2022年4月に完了し、最終症例の経過観察は2023年10月に完了しております。 2024年2月に第Ⅲ相試験の速報結果を得ており、国内での医薬品製造販売の承認申請に向けて本試験の結果をもとに、PMDAと協議を行い、粛々と申請準備を進めております。 声帯瘢痕については、第Ⅲ相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)の治験計画届書をPMDAに提出し受理され、2022年11月に治験を開始し、現在合計6施設で症例登録を推進しております。 ALSについては、第Ⅱ相試験を終了しておりますが、追加解析として検体試料のバイオマーカー解析を東北大学と共同で進めております。 しかしながら、臨床試験で期待どおりの結果を得ることは不確実であり、PMDAとの協議において当該開発品が有効性を示していないと判断される可能性があります。 また、臨床試験中に重篤な副作用が発生した場合、安全性に疑義が生じ臨床試験を中断する可能性があります。 このような場合は、パイプラインの開発が遅延又は中止となり、その結果収益自体が計上できる状況に至らない可能性があります。 ② 開発の遅延について ①に示したように、当社は複数パイプラインで研究開発を行っておりますが、それぞれの開発段階で予想できない結果等(有効性や安全性の評価項目の未達、重篤な副作用発生、新型コロナウイルス感染症等の流行による症例組入れ停止等)が発生し、その後の開発について遅延が生じる可能性があります。 当該開発の遅延により、当初の予算を上回る資金需要やスケジュールの遅延が生じる可能性があります。 ③ 将来収益の不確実性について 当社は、多く有用な情報から最も確度の高い価格、市場規模、市場占有率等を考慮して将来の収益の計画を策定しております。 しかしながら、当社は、難治性疾患の治療薬を開発しており、類似製品の選定が困難な場合、及び類似製品からの価格の推定が困難な場合があり、将来の収益の計画が大きく変更する可能性があります。 また、製品の販売を開始するまでの時期については、収益が発生する場合の主な内容が契約一時金収入やマイルストーン収入であることから、収益の発生時期及び金額は開発の進捗により大きく変動する可能性があります。 ④ 潜在競合品について 当社が開発しているパイプラインについては、競合品の開発状況を注視しております。 当社開発製品の将来収益予想に影響を及ぼす可能性のある競合品は少ないと判断しておりますが、今後の競合品の開発状況の変化により、将来の収益性に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 知的財産侵害について 当社は事業展開において種々の知的財産権を使用しており、これらは当社所有若しくは適正に使用許諾を受けた権利であると認識しており、今後も第三者の知的財産権を使用することもあります。 当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施しておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。 今後、事業の進捗により、このようなリスクは増大するものと思われます。 また、当社は他社による特許権等知的財産権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える調査を実施しております。 これまでに、当社の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありませんが、研究開発型企業である当社は、知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合は、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 当社は株式会社ニューロゲン(代表取締役:米田喜子氏)より、組換えヒトHGFタンパク質を製造するためのマスターセルバンクの使用許諾を受けております(「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等 (1)技術受入契約」をご参照ください)。 株式会社ニューロゲンは、HGFのインデューサー(中国の生薬等に含まれ、摂取することにより体内のHGF産生を上昇させる活性を持つ物質)の研究開発を行うとともに、HGF関連資産を保有しております。 マスターセルバンクは組換えヒトHGFタンパク質の製造における起点となる細胞株であるため、当該使用許諾は主要な事業活動の前提となる事項でありますが、株式会社ニューロゲンとは長年にわたり良好な関係を維持しており、現時点でマスターセルバンクの継続的な使用に支障をきたす要因は発生しておりません。 マスターセルバンクは、当該使用許諾契約に基づき、当社がGMP準拠により適切に保管しております。 今後、当社がマスターセルバンクを使用できなくなる可能性は極めて低いと考えておりますが、何らかの理由により当該使用許諾契約が解除された場合には、当社の医薬品開発事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、以下に主要なパイプラインに関する当社所有の特許を記載しております。 対象表題出願国(地域)登録(出願)の状況脊髄損傷急性期脊髄損傷治療薬剤日本権利化 欧州14カ国(英国、フランス、ドイツ、スイスほか)で権利化 米国権利化 カナダ権利化 中国権利化 韓国権利化 香港権利化脊髄損傷急性期ALS声帯瘢痕神経疾患の治療に適したHGF製剤日本権利化欧州権利化 米国権利化 カナダ権利化 韓国権利化 ⑥ 医薬品に関する規制等について 当社は、医薬品を販売するにあたり「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」という)に基づき第1種医薬品製造販売業の許可を得た後に、組換えヒトHGFタンパク質による製品の製造販売承認を取得できるよう、薬機法に準拠した体制整備と医薬品開発の推進に努めております。 また、製造販売承認を得るため、申請書類に必要なデータ(品質、有効性、安全性)の取得、及び信頼性保証体制の整備に努めております。 しかしながら、製造販売業の許可については、薬機法に違反した事実が認められたり、薬機法の改正に対応することができない場合は、取り消される可能性があります。 また、組換えヒトHGFタンパク質による製品の品質、有効性及び安全性が認められない場合は、当該製品の製造販売承認が得られない可能性があります。 医薬品については前述の薬機法以外にもいくつかの法令によって規制されており、これらの規制に抵触することにより、販売の規制などの行政処分が執行される可能性があります。 ⑦ 医療制度改革について 我が国の医療制度は国民皆保険制度を基盤として、すべての国民が十分な医療行為を受けられる体制が敷かれております。 しかしながら、高齢化社会による昨今の医療費の増大を踏まえ、当該制度を維持すべく薬価改定を中心とした医療制度改革が実施されており、当社が予定している製品の販売価格に大きく影響する可能性があります。 ⑧ 損害賠償責任について 医薬品の臨床試験の実施に際しては、治験薬による重篤な副作用が発生する可能性があります。 当社は、当該リスクに対して損害賠償保険に加入しておりますが、当該保険の範囲外での賠償義務が生じる可能性があります。 また、医薬品として販売の承認を受けた後も、同様の重篤な副作用の発生の可能性を否定することは困難であり、これに対しても損害賠償保険に加入する予定にしておりますが、当該保険の範囲外での賠償義務が生じる可能性があります。 (2)製造に関するリスク① 原材料等の不足 当社は、製造受託機関に委託して、臨床試験の治験薬製造を行っており、また、今後の医薬品の製造を行う予定であります。 今後の医薬品製造に当たっては、汎用的ではない特殊な原材料等があるため、原材料等の不足が生じないように一定の原材料等の確保及び事前の原材料の確認、発注等一定の手当を行っておりますが、当該原材料が不足した場合、医薬品の安定的な供給に問題が生じる可能性があり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 少数サプライヤーへの依存 当社は前述のように特殊な原材料、消耗品等を使用しているため、少数のサプライヤーに依存して製造を行っております。 このため、サプライヤーサイドの事情により原材料等の供給が滞る可能性があります。 当社はセカンドサプライヤーの検討や一定程度の在庫量の確保等を進めておりますが、前述のとおり、原材料や消耗品等の供給に不足が生じた場合、将来製品の製造に遅延が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 製造の外部委託について 当社は原薬及び製剤の製造を外部委託することにより、製造に係る人件費や固定資産の減価償却費等、固定費を削減するとともに現預金残高を増加させ財務基盤を安定化させております。 また、製造を外部委託することにより、機動的な製造も可能となると考えております。 製造委託先との緊密な連絡体制や契約により当社製品の製造に支障が生じないようリスク管理を十分に行っておりますが、何らかの事情により委託先が当社が製造委託した原薬又は製剤を製造できなくなる可能性があります。 また、当社及び委託先それぞれにおいて品質管理体制を構築して、一定の品質を確保した原薬及び製剤の製造を実行しておりますが、管理の不備により品質上問題のある原薬又は製剤が使用された場合には、当社の信頼性が担保されず、事業推進に支障が生じる可能性があります。 ④ 技術・ノウハウの流出 組換えヒトHGFタンパク質を有効成分とする医薬品の製造に関しては、原薬の製造と凍結乾燥製剤の製造に分けることができますが、いずれも製造方法を特許として出願せず、ノウハウとして公表しない戦略をとっております。 当社役職員や製造委託先については、秘密保持契約等の締結によりこれらの製造に関する技術・ノウハウが流出しないような措置はとられているものの、何らかの理由により製造に関する技術・ノウハウが流出した場合、製造に関する優位性が失われ、他社により製造される可能性があります。 (3)事業開発に係るリスク① 提携先企業についてア 製薬企業との提携について 丸石製薬株式会社とは、当社が開発中である脊髄損傷急性期を対象とした製品が製造販売承認を得た際に独占的販売権を許諾する契約を締結しております。 この提携により同製品の販売網が構築されておりますが、何らかの事象(相手先企業の経営環境の悪化や経営方針の変更等)により、同社への販売が実現されない場合、同製品の売上が計画を下回る可能性があります。 当社は、販売数の低下を回避するためのバックアップ体制の構築を想定しておりますが、一時的な売上低下を回避することは難しいと考えております。 イ 医薬品卸企業との提携について 東邦ホールディングス株式会社とは、当社が開発中である脊髄損傷急性期を対象とした製品が製造販売承認を得た際に独占的卸売販売を行う契約を締結しております。 この提携により同製品を市場に供給するためのサプライチェーンが構築されております。 しかしながら、何らかの事象(相手先企業の経営環境の悪化や経営方針の変更等)により、提携先である同社による市場供給が困難になった場合、一時的に同製品の市場供給が難しくなる可能性があります。 当社は、市場供給の停止を回避するためのバックアップ体制を構築しておりますが、一時的な供給停止を回避することは難しいと考えております。 ウ クラリス・バイオセラピューティクス社との提携について 当社は米国のクラリス・バイオセラピューティクス社とHGF原薬の供給契約を締結しております。 しかしながら、何らかの事象(相手先企業の経営環境の悪化や経営方針の変更等)により同社が行っている医薬品開発が進捗しなかった場合、当社製品であるHGF原薬の供給がなくなり、売上が減少する可能性があります。 ② 国内外への事業展開についてア 国内での事業展開について 前述のとおり、開発が成功した場合の脊髄損傷急性期治療薬についての国内における独占的販売に関する契約については丸石製薬株式会社と、独占的卸売販売に関する契約については東邦ホールディングス株式会社と締結しており、今後の製品供給に関するサプライチェーンが構築されております。 しかしながら、現時点においては開発が成功した場合のVFS治験薬及びALS治療薬についての販売に関する提携がなされておらず、今後の事業開発の状況によっては、有効なサプライチェーンの構築が困難になることも考えられます。 イ 海外での事業展開について 前述のとおり、国内市場において、脊髄損傷急性期治療薬についてのサプライチェーンの構築を含め、製造販売承認がなされた後の市場供給過程が設定されておりますが、海外においては、製薬会社等との提携により、臨床試験の設定から構築する必要が生じます。 しかしながら、海外製薬会社等との提携が適時適切に行われない場合は、海外での事業展開が遅延する可能性が生じます。 (4)会社組織に係るリスク① 小規模組織について 当社組織は、取締役7名(非常勤取締役3名を含む。 )、監査役3名(非常勤監査役2名を含む。 )及び従業員15名から構成されております。 これは、当社が社外組織や個人を活用することにより固定費を低減し、収益を獲得するまでの期間における費用を低く抑える経営戦略に沿った組織体制を構築したことによるものであります。 当社の研究開発を行う医薬開発部及び信頼性保証部は取締役2名と従業員10名で構成されております。 今後の積極的な事業展開を踏まえて、人員の拡充を計画しておりますが、計画どおりの人材採用が行われない場合は、研究開発活動が遅延する可能性があります。 また、管理及び経営戦略業務を行う経営管理部及び経営戦略室は取締役1名と従業員5名で構成されております。 今後は、事業拡大に応じた内部管理体制の充実を考慮し、人員の拡充を計画しておりますが、計画どおりの人材採用が行われない場合は、内部管理体制が十分に構築できない可能性があります。 ② 資本構成についてア ベンチャーキャピタル等の株式保有比率 2024年9月30日現在、当社発行済株式総数は6,810,700株(潜在株式を除く。 )であり、うちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合等(以下、「VC等」という。 )が所有する株式数は6.0%を占めております。 一般に、VC等の出資目的は、公開後に当該株式を売却することによるキャピタルゲインの獲得であることから、今後もVC等による所有株式の売却が想定されます。 当該株式売却により、一時的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。 イ 新株予約権による希薄化 当社は、ストック・オプション制度を採用しており、取締役、従業員等に対して新株予約権を付与しており、今後も優秀な人材確保及び取締役、従業員等の企業価値向上への貢献意識を高めることを目的として、新株予約権を発行する可能性があります。 ストック・オプションを含めた新株予約権による潜在株式数は当事業年度末現在で354,000株となり、発行済株式総数と潜在株式数を合計した株式数に対して4.9%を占めております。 新株予約権の行使が進んだ場合、発行済株式総数が増加し、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。 ③ 特定人物への依存 代表取締役社長の安達喜一は経営方針の決定及び当社の事業活動全般に重要な役割を果たしております。 また、研究開発については専門的な知識が必要となるため特定の従業員に強く依存するところがあります。 当社では特定人物への依存が強くなり過ぎないよう業務内容を複数で共有するとともに人材の確保及び育成に努めておりますが、人材の拡充が進まない、人材が流出する等の事態が生じた場合には、当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (5)業績に係るリスク① 経営成績について 当社は研究開発型の創薬バイオベンチャー企業であり、多額の研究開発費を先行投資するビジネスモデルであるため、継続して当期純損失を計上しております。 計画どおりに開発を進め、当社製品が医薬品として承認されることにより早期に利益を計上することを目指しておりますが、研究開発の遅延により利益の計上が遅れる可能性があります。 ② 配当政策について 当社は、当事業年度末現在において、会社法上の配当可能利益がなく、創業以来、配当を実施しておりません。 早期に利益を計上したのち、財務体質の強化及び研究開発への投資とともに株主への利益還元を行うべく利益配当を考えております。 しかしながら、研究開発の遅延や収益見込が下回る等により利益配当が十分になされない可能性があります。 ③ 資金繰り及び資金調達について 当社のような創薬バイオベンチャー企業は、研究開発が先行して行われるため、研究開発期間中においては継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローは通常マイナスとなります。 現在、開発中であるKP-100ITが実用化され販売が本格的に開始されるまでの間、研究開発資金を含む事業資金は過去における増資資金、株式公開における調達資金で賄う予定でありますが、研究開発等、本格的な販売開始の遅延により資金がひっ迫する可能性があります。 この場合、新たな増資等によって追加の資金調達を行う必要が生じますが、適切なタイミングで資金調達ができなかった場合には、当社の事業継続に重要な懸念が生じる可能性があります。 また、新たな増資を行った場合、発行済株式総数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ④ 多額の研究開発費の発生について 当社の第22期事業年度における研究開発費の総額は、716,792千円(販売費及び一般管理費の74.8%)、第23期事業年度においては、643,266千円(販売費及び一般管理費の71.6%)であります。 一般に、新薬の開発には、長期に渡る年月と多額の費用が必要になります。 当社では現在、難治性神経疾患である脊髄損傷急性期及び声帯瘢痕を対象疾患とした臨床試験を実施中ですが、これら研究開発が当初計画よりも遅延する場合、又は当初期待していた結果が得られない場合、研究開発費が当初計画よりも増大し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況 製薬業界の概況としましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応してジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。 また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aにより企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。 一方、新薬開発については、対象患者が多く将来安定した多額の収益が得られる、いわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーが、その中心的役割を担うと言われております。 これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0バイオメディカル産業版」が作成されております。 日本国内での創薬を促進するため、医薬品の条件付き早期承認制度や先駆的医薬品指定制度も法制化されました。 このような事業環境下、当社は、組換えヒトHGFタンパク質(開発コード:KP-100)の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中して、以下の各事業活動を展開しました。 1.医薬開発活動について(ア)脊髄損傷(SCI)急性期 慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、脊髄損傷急性期患者を対象として第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施し、安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ました。 第Ⅰ/Ⅱ相試験で得られたPOC(プルーフ・オブ・コンセプト:研究開発中である新薬候補物質の有用性・効果が、ヒトに投与することによって認められること)を検証する目的で第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。 )に治験計画届書を提出しました。 2020年7月より第Ⅲ相試験を総合せき損センター、北海道せき損センター及び村山医療センターの3施設で開始しました。 2021年3月より神戸赤十字病院及び愛仁会リハビリテーション病院を加えた合計5施設を治験実施医療機関としており、2023年4月に患者組入れを終了し、2023年10月に最終症例の最終観察日が終了しました。 2024年2月に第Ⅲ相試験の速報結果を得ており、国内での医薬品製造販売の承認申請に向けて本試験の結果をもとに、PMDAと協議を行い、粛々と申請準備を進めております。 一方、米国での臨床開発の準備として、2023年9月に米国食品医薬品局(FDA)との事前相談を開始し、2023年11月にFDAよりpre-INDミーティングにかかる回答を受領しました。 その後、北米のKOL(キー・オピニオン・リーダー)との連携体制を構築し、IND申請*に向けた準備を進めております。 *米国食品医薬品局(FDA)に対する新薬治験開始申請 脊髄損傷急性期治療薬としての製造販売承認取得に向けて、組換えヒトHGFタンパク質の製造プロセスに関する各種試験も進めております。 原薬製造につきましては、承認申請に必要とされる実製造と同様のプロセスで行う試験製造(プロセスバリデーション)を前々事業年度に終了しました。 製剤製造のプロセスバリデーションも前事業年度に終了しました。 また、脊髄損傷を対象に、組換えヒトHGFタンパク質製剤のより効果的な投与方法や投与のタイミングを検討するために、2021年2月より慶應義塾大学医学部と共同研究を開始しております。 本共同研究において、慢性期完全脊髄損傷モデル動物に対して、慶應義塾大学が保有するiPS細胞由来神経幹/前駆細胞と当社が開発するHGF及びスキャフォールド(足場基材)を併用することにより運動機能の回復が得られることを見出し、2022年3月に同大学と当社は共同で特許出願を行い、2023年3月には当該特許出願に基づく優先権主張出願を行っております。 さらに、重度の脊髄損傷モデル動物に対して、急性期にHGFを投与することに加え、亜急性期にiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を移植したところ、各単独投与群に比べ顕著な運動機能の回復がみられたことから、2022年9月に本共同研究に基づく2件目の特許共同出願を行い、2023年9月には当該特許出願に基づく優先権主張出願を行いました。 HGF及びiPS細胞由来神経幹/前駆細胞の単独治療は既にヒトでの臨床段階に進んでいることから、両者の併用治療は、急性期及び亜急性期の脊髄損傷に対する次世代複合治療法として早期の実用化が期待されます。 2021年6月には、アジア太平洋脊椎外科学会とアジア太平洋小児整形外科学会の第13回合同学会(APSS-APPOS 2021、2021年6月9日~12日、於神戸国際会議場)において、脊髄損傷急性期での第Ⅰ/Ⅱ相試験に関する発表がAPSS CONGRESS Best Clinical Research Award(APSS会議最優秀臨床研究賞)を受賞しました。 2021年12月には、「神経疾患の治療に適したHGF製剤」の特許が欧州で登録されました。 本製剤は脊髄損傷急性期のみならず、筋萎縮性側索硬化症及び声帯瘢痕に対する臨床試験においても治験薬として使用されており、HGF製剤の適応拡大の基盤となるものです。 既に権利化されている日本、米国、カナダ、韓国に、欧州が加わることで、HGF医薬品のグローバルでの事業展開に有利な知財環境が構築できました。 (イ)声帯瘢痕(VFS) 声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。 その後、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、次相試験について京都府立医科大学と協議を重ね、2022年10月に第Ⅲ相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)の治験計画届書をPMDAに提出し受理されました。 その後、京都府立医科大学附属病院において治験を開始し、2023年1月には第1例目の被験者が症例登録されました。 2023年5月には、久留米大学医学部附属病院、東北大学病院、川崎医科大学附属病院、日本大学病院を治験実施医療機関として加え、2024年5月には、新たに山王メディカルセンターを追加し、現在合計6施設で症例登録を推進しております。 なお、治験の実施費用並びに治験薬の製造及び市販製剤の開発費用の調達を目的として、2021年11月に新株予約権の発行を行っており、2022年7月には全ての行使が完了しました。 さらに、本プロジェクトは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」課題として採択され、2022年4月より公的資金の活用も進めております。 (ウ)筋萎縮性側索硬化症(ALS) 2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において第Ⅱ相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)が実施されました。 2020年11月には患者組入れを終了し、2021年12月に最終症例の最終観察日が終了しております。 その後、東北大学においてデータ解析が進められた結果、主要及び副次評価項目に関して実薬群とプラセボ群の間で統計的な有意差は認められませんでした。 一方、実薬群において進行が遅い症例もあり、本試験結果の解釈には、さらに詳細な解析が必要となります。 なお、安全性に関しては、実薬群とプラセボ群で有害事象の発現率は同程度であり、忍容性が確認されました。 2024年4月には、東北大学と、本第Ⅱ相臨床試験の追加解析として、検体試料のバイオマーカー解析に関する共同研究契約を締結しました。 本共同研究によって、効果の検出しやすい患者集団の特定など、次相試験のデザイン策定に重要な情報が得られることが期待されます。 (エ)クラリス・バイオセラピューティクス社への原薬供給 当社は、2020年4月に米国のクラリス・バイオセラピューティクス社とLicense and Supply Agreementを締結し、同社が米国において眼科疾患を対象に臨床開発を進めるためのHGF原薬の供給を行っております。 当事業年度においては、同社の開発進捗に応じてHGF原薬の供給を行いました。 当社が提供した各種情報をもとに、同社は神経栄養性角膜炎を対象とする第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始するためのIND申請を2021年5月に実施しており、同年8月には1例目の投与が開始されております。 当社はこれを起点として、毎年定額の技術アクセスフィー(ロイヤリティ収入)を受領し、該当期間分を売上高に計上しております。 同社はカナダにおいても本試験を開始するベく、2022年7月に、Health Canada(カナダ保健省)に治験申請を行い承認されました。 米国とカナダの両国における本試験は、症例組入れが完了し、現在解析が進められております。 また、当社は2023年9月に同社と業務提携し、組換えヒトHGFタンパク質の製造法効率化に着手いたしました。 今後のグローバルでの必要量増大に対応し、全世界での安定供給を目指すことを目的としております。 (オ)その他の共同研究 2022年7月には、京都大学と、HGFの再生医療への応用研究に関する共同研究契約を締結しました。 バイオマテリアル技術を応用し、対象疾患に最適で効果的な次世代治療法の探索研究を行い、KP-100を他の難治性疾患に適応拡大することを目的としています。 また、当社は、2018年10月より、東京医科歯科大学と共同研究を実施しております。 2022年7月、潰瘍性大腸炎の難治性潰瘍の修復を目指した、自家腸上皮オルガノイド移植による臨床研究において、同大学により1例目の移植が行われました。 本移植治療に用いる腸上皮オルガノイドの作製には、当社のKP-100が用いられております。 2022年9月には、HGFタンパク質のさらなる可能性を追求するために、「HGFタンパク質を利活用した新しい研究テーマ」を幅広く多くの研究者から募集するオープンイノベーションを推進していくことを決定しました。 2024年4月には、岐阜大学と、HGFの特発性大腿骨頭壊死症への応用研究に関する共同研究契約を締結しました。 HGFは血管新生作用と骨再生作用を併せ持ち、既存薬のない特発性大腿骨頭壊死症の新たな治療薬になる可能性があります。 2024年6月には、金沢大学と、HGFの特発性肺線維症への応用研究に関する共同研究契約を締結しました。 当社は現在、線維化疾患のひとつである声帯瘢痕を対象に国内で第Ⅲ相臨床試験を実施しており、声帯瘢痕においてHGFタンパク質の医薬品開発に成功すれば、声帯瘢痕のみならず他の線維化が原因となる慢性疾患への適応拡大の可能性につながると考えております。 当社は、本共同研究の成果を活用し、線維化疾患の次のターゲットとして肺線維症への適応拡大を積極的に検討してまいります。 なお、当社は2023年9月に新株予約権を発行しており、調達資金の一部を非臨床段階の共同研究の推進・拡大を含む新規パイプラインの創製に用いることを決定しておりましたが、2024年5月に全ての行使が完了しました。 2.事業開発活動について 当事業年度においては、脊髄損傷急性期での海外展開を見据えて、海外製薬企業等との事業提携協議を中心に、事業開発活動を行いました。 2024年6月には、米国での脊髄損傷に関するシンポジウム「2nd Annual Spinal Cord Injury Investor Symposium」にて講演を行い、関係者とのネットワーキングを行いました。 また、脊髄損傷急性期を対象とする米国での臨床開発及び製造開発(組換えヒトHGFタンパク質の製造法効率化)の費用の一部を調達することを目的に、2023年9月に新株予約権を発行しておりましたが、2024年5月に全ての行使が完了しました。 これにより最大の医薬品市場である米国での開発戦略を明確化し、事業提携の協議を加速することを期待しております。 2021年9月には、当社パイプラインの主成分である組換えヒトHGFタンパク質(5アミノ酸欠損・糖鎖付加型、開発コード:KP-100)の国際一般名が、「Oremepermin Alfa」(オレメペルミン アルファ)に決定されました。 また、2024年5月には、日本医薬品一般的名称が、「オレメペルミン アルファ(遺伝子組換え)」に決定され、今後、国内での製造販売承認申請書類等、公式な場で本名称を使用することが可能になりました。 以上の結果、当事業年度の業績は以下のとおりとなりました。 当事業年度における売上高は80,038千円(前事業年度比15.6%の増加)となり、営業損失は817,882千円(前事業年度は、888,762千円の営業損失)、経常損失は754,961千円(前事業年度は、852,660千円の経常損失)、当期純損失は756,453千円(前事業年度は、854,151千円の当期純損失)となりました。 なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて138,373千円増加(前事業年度末比5.3%増)し、2,755,990千円となりました。 これは主として、新株予約権の行使に伴う増資等により現金及び預金が176,985千円増加したことによるものであります。 固定資産は、前事業年度末に比べて82千円増加(前事業年度末比7.9%増)し、1,122千円となりました。 これは、差入保証金が82千円増加したことによるものであります。 この結果、資産合計は、前事業年度末に比べて138,455千円増加(前事業年度末比5.3%増)し、2,757,113千円となりました。 (負債) 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて80,881千円減少(前事業年度末比38.7%減)し、128,172千円となりました。 これは主として、前受金が38,751千円増加した一方で、未払金が135,219千円減少したことによるものであります。 固定負債は、前事業年度末に比べて132,847千円増加(前事業年度末比34.2%増)し、520,748千円となりました。 これは主として、長期預り金の増加121,281千円によるものであります。 この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて51,966千円増加(前事業年度末比8.7%増)し、648,921千円となりました。 (純資産) 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて86,489千円増加(前事業年度末比4.3%増)し、2,108,192千円となりました。 これは主として、当期純損失を756,453千円計上した一方、新株予約権行使に伴う増資により、資本金及び資本準備金がそれぞれ419,711千円増加したことによるものであります。 なお、2024年9月に資本金505,957千円、資本準備金680,023千円をそれぞれ減少し、同額をその他資本剰余金に振り替えるとともに、当該その他資本剰余金1,185,981千円を繰越利益剰余金の欠損填補に充当しております。 この結果、資本金11,300千円、資本剰余金2,835,204千円、利益剰余金△756,453千円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、1,816,943千円となり、前事業年度末と比較して55,703千円増加しました。 当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、661,166千円の支出(前事業年度は689,095千円の支出)となりました。 これは主として、棚卸資産の減少額69,541千円の資金増加はあるものの、税引前当期純損失754,961千円及び未払金の減少額135,219千円の資金減少によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは121,363千円の支出(前事業年度は120,875千円の支出)となりました。 これは主として、定期預金の預入による支出121,281千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは838,233千円の収入(前事業年度は69,164千円の収入)となりました。 これは主として、新株予約権の行使による株式の発行による収入838,265千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 該当事項はありません。 b.受注実績 当社は受注生産を行っていませんので、受注実績の記載はしておりません。 c.販売実績 当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの情報は記載しておりません。 当事業年度の販売実績は以下のとおりです。 セグメントの名称当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)前年度比(%)医薬品開発事業(千円)80,03815.6合計(千円)80,03815.6(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。 相手先前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)クラリス・バイオセラピューティクス社69,250100.080,038100.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 また、財務諸表の作成に当たっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。 当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。 ② 経営成績の分析 当事業年度におきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高80,038千円(前事業年度比15.6%増加)、売上原価は発生なし(前事業年度は発生なし)、販売費及び一般管理費897,920千円(前事業年度比6.3%減少)、営業外収益62,920千円(前事業年度比44.9%増加)、営業外費用は発生なし(前事業年度は7,330千円)となりました。 この結果、当事業年度の営業損失は817,882千円(前事業年度は営業損失888,762千円)、経常損失は754,961千円(前事業年度は経常損失852,660千円)、当期純損失は756,453千円(前事業年度は当期純損失854,151千円)となりました。 (売上高) 当事業年度の売上高は、クラリス・バイオセラピューティクス社からのLicense and Supply Agreementに基づく技術アクセスフィー収入及びHGF原薬供給による売上であります。 (販売費及び一般管理費) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、主に声帯瘢痕の治験費用及び、製造開発に係る各種試験費用等の増加はあるものの、脊髄損傷の国内承認申請費用の期ずれ等により、研究開発費が減少しております。 (営業外収益) 当事業年度の営業外収益は、主に補助金収入が発生したことによるものです。 (営業外費用) 当事業年度の営業外費用は、発生しておりません。 ③ 財政状態の分析 当事業年度におきましては、当社は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、資産合計は、2,757,113千円となり、前事業年度末と比較して138,455千円増加し、負債合計は、648,921千円となり、前事業年度末と比較して51,966千円増加するとともに、純資産の残高は、2,108,192千円となり、前事業年度末と比較して86,489千円増加しました。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析 当事業年度におきましては、当社は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、営業活動によるキャッシュ・フローは661,166千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは121,363千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは838,233千円の収入となっております。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社は、複数のパイプラインの開発を行っておりますが、POCが確認されている脊髄損傷急性期の開発に優先的に資金を充当しております。 当事業年度において、脊髄損傷パイプライン関連の研究開発費は、その製品化に必要な製造関連研究開発費を含めて、208,529千円を計上しております。 また、新たに第Ⅲ相試験を開始した声帯瘢痕に208,688千円を計上しております。 当社は、事業上必要な資金については、手元資金で賄う方針としており、売上高や営業外収益による収入が現時点では限定的であるため、第三者割当増資並びに補助金等により調達を行っております。 手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により確保しております。 今後も、売上高、営業外収益による収入及び、補助金等による収入が生じることによる一定の財源は確保できる予定ですが、研究開発費の全額を賄うことは困難であるため、主要なパイプラインである神経疾患を中心に資金配分を行い、事業の黒字化を早急に達成するよう開発を進捗させる計画であります。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 (1)技術受入契約相手先の名称相手先の所在地契約の名称契約締結日契約期間契約内容株式会社ニューロゲン中村敏一氏日本マスターセルバンクの使用許諾およびアドバイザリー契約書2017年10月1日2017年10月1日から当社が組換えヒトHGFタンパク質の商業化のための努力を継続している間同社が同氏から使用許諾を受けている組換えヒトHGFタンパク質を産生するマスターセルバンクについて、当社に対し独占的に使用許諾する。 (注)1.原契約は2005年4月20日付けで締結されております。 2.2019年9月8日付けの中村敏一氏から株式会社ニューロゲンへのマスターセルバンクの譲渡にかかる契約により、中村敏一氏は契約当事者としての地位から離脱しております。 (2)脊髄損傷急性期を対象とした製品(KP-100IT)のバリューチェーンに関する契約相手先の名称相手先の所在地契約の名称契約締結日契約期間契約内容東邦ホールディングス株式会社日本株式引受契約書2020年2月21日2020年2月21日から当社株式を保有する期間中、右許諾は存続出資契約の付帯条項として、同社及びそのグループ会社に対し、国内における本製品の独占的卸売販売権を許諾する。 丸石製薬株式会社日本KP-100ITの独占的販売許諾等に関する契約書2020年8月28日2020年8月28日から本製品の発売開始後15年間同社に対し、国内における本製品の販売及びプロモーションを行う独占的権利を許諾する。 当社は許諾の対価として、以下を収受する。 ・契約一時金:契約締結時に受領済。 ・開発マイルストーン収入:製造販売承認申請時、薬価収載時(先駆指定審査制度の対象品目に指定された場合は一部を先行して受領)及び適応追加承認時に受領する。 ・販売マイルストーン収入:売上が年間で一定額を達成した際に受領する。 ・販売後ロイヤリティ収入:年間売上に一定の料率を掛けた金額を本製品の販売日から15年が経過するまで受領する。 ・当社は本製品を製造し、商業販売する全量を、薬価に一定率を乗じた単価で同社に販売する。 (3)組換えヒトHGFタンパク質(KP-100)の供給契約相手先の名称相手先の所在地契約の名称契約締結日契約期間契約内容クラリス・バイオセラピューティクス社米国License and Supply Agreement2020年4月13日2020年4月13日から同社が技術アクセスフィーを支払っている期間中同社に対し、眼科領域におけるKP-100を有効成分とした医薬品の開発、製造、販売、輸出入等を全世界で行うための独占的実施権を許諾する。 当社は許諾の対価として、以下を収受する。 ・契約一時金(受領済)・技術アクセスフィー収入:同社が実施する最初の臨床試験における初回投与を起点として、毎年定額を受領する。 ・当社は同社による開発(非臨床及び臨床試験)に必要なKP-100を定額の単価で販売する。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 国内臨床パイプラインごとの研究開発活動については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 1.医薬開発活動について」に記載のとおりです。 なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。 以上の結果、当事業年度の研究開発費の総額は643,266千円であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度中における設備投資について、記載すべき事項はありません。 なお、重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (2024年9月30日現在) 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物工具、器具及び備品合計本社(大阪府茨木市)本社設備---15(注)1.当社は医薬品開発事業の単一セグメントのため、セグメントの名称を省略しております。 2.現在休止中の主要な設備はありません。 3.過年度において、全額減損損失を計上しております。 4.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は下記のとおりであります。 事業所名(所在地)設備の内容年間賃借料(千円)本社(大阪府茨木市)本社事務所5,403本社(大阪府茨木市)本社設備1,793 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 643,266,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 51 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 2 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,041,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、原則として投資株式の保有を行わないこととしております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法、個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 現在保有している株式はないため、記載を省略しております。 b.保有株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報(前事業年度)特定投資株式 該当事項はありません。 みなし保有株式 該当事項はありません。 (当事業年度)特定投資株式 該当事項はありません。 みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年9月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本全薬工業株式会社福島県郡山市安積町笹川字平ノ上1-1500,8407.35 株式会社SBI証券東京都港区六本木1丁目6番1号329,1074.83 CYBERDYNE株式会社茨城県つくば市学園南2丁目2-1200,0002.94 山田 哲夫東京都小金井市168,0002.47 THVP-1号投資事業有限責任組合宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1124,7601.83 上田八木短資株式会社大阪府大阪市中央区高麗橋2丁目4-2111,8001.64 野村證券株式会社東京都中央区日本橋1丁目13番1号109,8001.61 丸石製薬株式会社大阪府大阪市鶴見区今津中2丁目4-2100,0001.47 株式会社リプロセル神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目8-11100,0001.47 安達 喜一大阪府箕面市85,9001.26計-1,830,20726.87 |
株主数-金融機関 | 1 |
株主数-金融商品取引業者 | 23 |
株主数-外国法人等-個人 | 11 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 14 |
株主数-個人その他 | 3,947 |
株主数-その他の法人 | 37 |
株主数-計 | 4,033 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 安達 喜一 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式4931当期間における取得自己株式--(注)当期間における保有自己株式数には、2024年12月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -31,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -31,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)5,522,2001,288,500-6,810,700(変動事由の概要) 普通株式の増加数の内訳は、次のとおりであります。 第13回新株予約権の行使による増加 1,258,500株ストック・オプションの行使による増加 30,000株 2 自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)8749-136(変動事由の概要) 単元未満株式の買取りによる増加 49株 |
Audit1
監査法人1、個別 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年12月23日 クリングルファーマ株式会社 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士栗原 裕幸 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中尾 志都 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているクリングルファーマ株式会社の2023年10月1日から2024年9月30日までの第23期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、クリングルファーマ株式会社の2024年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 委託研究に係る研究開発費の期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は複数の難治性疾患を対象として組換えヒトHGFタンパク質を用いた医薬品(以下、「HGF医薬品」という。 )の研究開発を行う創薬バイオベンチャーであり、会社にとって最も重要な活動は、HGF医薬品の早期実用化のために実施する研究開発活動である。 研究開発活動に要する費用は財務諸表において研究開発費として計上されており、【注記事項】 (損益計算書関係)に記載のとおり、当事業年度における研究開発費は643,266千円である。 会社は、自社での研究開発活動に加え、非臨床試験や臨床試験、製造法開発にかかる多くの研究開発活動を開発業務受託機関や製造受託機関に委託している。 委託研究に係る費用は、契約に基づき委託した研究開発の内容について検収を行い、役務の提供を受けたことが確定した時点で費用として処理される。 これらの業務委託契約は、契約金額が大きく、かつ、単一の契約に支払条件や費用の発生パターンの異なる活動が数多く含まれる。 委託研究に係る研究開発費の会計処理にあたっては、個々の業務委託契約に含まれる多様な活動について進捗状況を考慮して期間帰属を決定する必要があることから、不適切な会計期間に研究開発費が計上されるリスクが存在する。 以上より、当監査法人は、委託研究に係る研究開発費の期間帰属が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、委託研究に係る研究開発費の期間帰属を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・委託研究に係る研究開発費の期間帰属の妥当性に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価するため、関連文書の閲覧、関係する担当者への質問及び内部統制の実施記録の検証を、サンプルを抽出して実施した。 ・研究開発活動の進捗状況を理解するため、経営者への質問を実施するとともに、取締役会議事録及び関連資料を閲覧した。 ・開発業務受託機関や製造受託機関との契約内容や契約条件を把握するため、関連する契約書を閲覧した。 ・計上時期の妥当性を検討するため、計上から支払までの期間が長い未払金の計上残高について、関連資料との照合を実施した。 ・前渡金及び前払費用の計上残高について、費用計上時期が未到来であるかを検討するため、支払申請チェック一覧及び前渡金内訳内容と契約書や見積書といった関連資料との照合を実施した。 ・計上時期及び計上金額の妥当性を検討するため、期中及び期末日後の一定期間における研究開発費の計上取引について、請求書や試験報告書、業務報告書といった外部証憑との照合を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、クリングルファーマ株式会社の2024年9月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、クリングルファーマ株式会社が2024年9月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 委託研究に係る研究開発費の期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は複数の難治性疾患を対象として組換えヒトHGFタンパク質を用いた医薬品(以下、「HGF医薬品」という。 )の研究開発を行う創薬バイオベンチャーであり、会社にとって最も重要な活動は、HGF医薬品の早期実用化のために実施する研究開発活動である。 研究開発活動に要する費用は財務諸表において研究開発費として計上されており、【注記事項】 (損益計算書関係)に記載のとおり、当事業年度における研究開発費は643,266千円である。 会社は、自社での研究開発活動に加え、非臨床試験や臨床試験、製造法開発にかかる多くの研究開発活動を開発業務受託機関や製造受託機関に委託している。 委託研究に係る費用は、契約に基づき委託した研究開発の内容について検収を行い、役務の提供を受けたことが確定した時点で費用として処理される。 これらの業務委託契約は、契約金額が大きく、かつ、単一の契約に支払条件や費用の発生パターンの異なる活動が数多く含まれる。 委託研究に係る研究開発費の会計処理にあたっては、個々の業務委託契約に含まれる多様な活動について進捗状況を考慮して期間帰属を決定する必要があることから、不適切な会計期間に研究開発費が計上されるリスクが存在する。 以上より、当監査法人は、委託研究に係る研究開発費の期間帰属が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、委託研究に係る研究開発費の期間帰属を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・委託研究に係る研究開発費の期間帰属の妥当性に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価するため、関連文書の閲覧、関係する担当者への質問及び内部統制の実施記録の検証を、サンプルを抽出して実施した。 ・研究開発活動の進捗状況を理解するため、経営者への質問を実施するとともに、取締役会議事録及び関連資料を閲覧した。 ・開発業務受託機関や製造受託機関との契約内容や契約条件を把握するため、関連する契約書を閲覧した。 ・計上時期の妥当性を検討するため、計上から支払までの期間が長い未払金の計上残高について、関連資料との照合を実施した。 ・前渡金及び前払費用の計上残高について、費用計上時期が未到来であるかを検討するため、支払申請チェック一覧及び前渡金内訳内容と契約書や見積書といった関連資料との照合を実施した。 ・計上時期及び計上金額の妥当性を検討するため、期中及び期末日後の一定期間における研究開発費の計上取引について、請求書や試験報告書、業務報告書といった外部証憑との照合を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 委託研究に係る研究開発費の期間帰属 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
原材料及び貯蔵品 | 294,514,000 |
その他、流動資産 | 27,000 |
投資その他の資産 | 1,122,000 |
BS負債、資本
未払金 | 36,442,000 |
未払法人税等 | 1,490,000 |
未払費用 | 21,494,000 |
長期未払金 | 21,911,000 |
資本剰余金 | 2,835,204,000 |
利益剰余金 | -756,453,000 |
株主資本 | 2,089,944,000 |
負債純資産 | 2,757,113,000 |
PL
販売費及び一般管理費 | 897,920,000 |
営業利益又は営業損失 | -817,882,000 |
受取利息、営業外収益 | 10,000 |
為替差益、営業外収益 | 717,000 |
営業外収益 | 62,920,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 1,491,000 |
法人税等 | 1,491,000 |
PL2
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | 3,551,000 |
当期変動額合計 | 86,489,000 |
FS_ALL
現金及び現金同等物の残高 | 1,816,943,000 |
現金及び現金同等物の増減額 | 55,703,000 |
一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費 | 643,266,000 |
研究開発費、販売費及び一般管理費 | 643,266,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
受取利息及び受取配当金、営業活動によるキャッシュ・フロー | -10,000 |
補助金収入、営業活動によるキャッシュ・フロー | -62,011,000 |
棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー | 69,541,000 |
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー | 20,420,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | -816,977,000 |
利息及び配当金の受取額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は投資活動によるキャッシュ・フロー | 10,000 |
補助金の受取額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 36,011,000 |
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -1,491,000 |
概要や注記
連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み、経理の状況 | 当社は、財務諸表の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。 具体的には、会計専門誌の購読や開示支援専門会社からの印刷物等による情報提供等を通じて、積極的に情報収集に努めることにより、会計基準等の内容を適切に把握し、変更等への対応を行っております。 |
有形固定資産の減価償却累計額の注記 | ※1.有形固定資産の減価償却累計額 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)建物附属設備7,263千円7,263千円工具、器具及び備品21,082 〃21,082 〃 減価償却累計額には減損損失累計額を含んでおります。 |
受取手形、売掛金及び契約資産の金額の注記 | ※2.顧客との契約から生じた債権及び契約負債 顧客との契約から生じた債権については、流動資産の「売掛金」、契約負債については、流動負債の「前受金」に計上しております。 顧客との契約から生じた債権及び契約負債の金額は(収益認識関係)「3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報(1)契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。 |
契約負債の金額の注記 | ※2.顧客との契約から生じた債権及び契約負債 顧客との契約から生じた債権については、流動資産の「売掛金」、契約負債については、流動負債の「前受金」に計上しております。 顧客との契約から生じた債権及び契約負債の金額は(収益認識関係)「3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報(1)契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。 |
主要な販売費及び一般管理費 | ※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度1.2%、当事業年度0.5%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度98.8%、当事業年度99.5%であります。 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。 前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)研究開発費716,792千円643,266千円 |
一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費 | ※3 一般管理費に含まれる研究開発費の総額は、次のとおりであります。 前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日) 716,792千円643,266千円 |
顧客との契約から生じる収益の金額の注記 | ※1 顧客との契約から生じる収益 売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。 顧客との契約から生じる収益の金額は、財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。 |
新株予約権等に関する注記 | 3 新株予約権等に関する事項内訳目的となる株式の種類目的となる株式の数(株)当事業年度末残高(千円)当事業年度期首増加減少当事業年度末ストック・オプションとしての新株予約権-----18,247合計----18,247 |
配当に関する注記 | 4 配当に関する事項 該当事項はありません。 |
現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 | ※ 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係は、次のとおりであります。 前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)現金及び預金2,136,490千円2,313,475千円預入期間が3ヶ月を超える定期預金△375,250 〃△496,531 〃現金及び現金同等物1,761,239千円1,816,943千円 |
製品及びサービスごとの情報 | 1 製品及びサービスごとの情報 単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。 |
売上高、地域ごとの情報 | (1)売上高(単位:千円)米国合計80,03880,038 |
有形固定資産、地域ごとの情報 | (2)有形固定資産本邦以外に所在している有形固定資産の金額がないため、該当事項はありません。 |
主要な顧客ごとの情報 | 3 主要な顧客ごとの情報(単位:千円)顧客の氏名又は名称売上高関連するセグメント名クラリス・バイオセラピューティクス社80,038医薬品開発事業 |
貸借対照表 | ①【貸借対照表】 (単位:千円) 前事業年度(2023年9月30日)当事業年度(2024年9月30日)資産の部 流動資産 現金及び預金※3 2,136,490※3 2,313,475売掛金※2 7,560※2 -原材料及び貯蔵品364,056294,514前渡金21,06566,757前払費用14,00223,966未収消費税等74,29057,249その他15127流動資産合計2,617,6172,755,990固定資産 有形固定資産※1 -※1 -投資その他の資産 差入保証金1,0401,122投資その他の資産合計1,0401,122固定資産合計1,0401,122資産合計2,618,6572,757,113負債の部 流動負債 未払金171,66236,442未払費用5,20621,494未払法人税等1,4901,490前受金※2 26,000※2 64,751預り金4,6943,994流動負債合計209,054128,172固定負債 資産除去債務2,3052,305長期未払金10,34521,911長期預り金※3 375,250※3 496,531固定負債合計387,900520,748負債合計596,955648,921純資産の部 株主資本 資本金97,54611,300資本剰余金 資本準備金2,531,4742,271,162その他資本剰余金564,042564,042資本剰余金合計3,095,5172,835,204利益剰余金 その他利益剰余金 繰越利益剰余金△1,185,981△756,453利益剰余金合計△1,185,981△756,453自己株式△75△106株主資本合計2,007,0062,089,944新株予約権14,69618,247純資産合計2,021,7022,108,192負債純資産合計2,618,6572,757,113 |
損益計算書 | ②【損益計算書】 (単位:千円) 前事業年度(自 2022年10月1日至 2023年9月30日)当事業年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)売上高※1 69,250※1 80,038売上原価 製品期首棚卸高--当期製品製造原価--合計--製品期末棚卸高--製品売上原価--売上総利益69,25080,038販売費及び一般管理費※2,※3 958,012※2,※3 897,920営業損失(△)△888,762△817,882営業外収益 受取利息510補助金収入43,04862,011為替差益294717還付加算金83179その他01営業外収益合計43,43162,920営業外費用 新株予約権発行費7,330-営業外費用合計7,330-経常損失(△)△852,660△754,961税引前当期純損失(△)△852,660△754,961法人税、住民税及び事業税1,4901,491法人税等合計1,4901,491当期純損失(△)△854,151△756,453 |
株主資本等変動計算書 | ③【株主資本等変動計算書】 前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金 資本準備金その他資本剰余金資本剰余金合計当期首残高59,8772,493,805564,0423,057,848当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使)37,66837,668 37,668減資 欠損填補 当期純損失(△) 自己株式の取得 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計37,66837,668-37,668当期末残高97,5462,531,474564,0423,095,517 株主資本新株予約権純資産合計 利益剰余金自己株式株主資本合計 その他利益剰余金利益剰余金合計 繰越利益剰余金当期首残高△331,829△331,829△752,785,8203,3662,789,187当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使) 75,337 75,337減資 - -欠損填補 - -当期純損失(△)△854,151△854,151 △854,151 △854,151自己株式の取得 - -株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 11,32911,329当期変動額合計△854,151△854,151-△778,81411,329△767,484当期末残高△1,185,981△1,185,981△752,007,00614,6962,021,702 当事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金 資本準備金その他資本剰余金資本剰余金合計当期首残高97,5462,531,474564,0423,095,517当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使)419,711419,711 419,711減資△505,957△680,0231,185,981505,957欠損填補 △1,185,981△1,185,981当期純損失(△) 自己株式の取得 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計△86,246△260,312-△260,312当期末残高11,3002,271,162564,0422,835,204 株主資本新株予約権純資産合計 利益剰余金自己株式株主資本合計 その他利益剰余金利益剰余金合計 繰越利益剰余金当期首残高△1,185,981△1,185,981△752,007,00614,6962,021,702当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使) 839,422 839,422減資 - -欠損填補1,185,9811,185,981 - -当期純損失(△)△756,453△756,453 △756,453 △756,453自己株式の取得 △31△31 △31株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 3,5513,551当期変動額合計429,528429,528△3182,9383,55186,489当期末残高△756,453△756,453△1062,089,94418,2472,108,192 |
重要な会計方針、財務諸表 | (重要な会計方針)1 棚卸資産の評価基準及び評価方法原材料及び貯蔵品 先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定) 2 固定資産の減価償却の方法有形固定資産 定率法を採用しております。 主な耐用年数は次のとおりであります。 建物附属設備 5年~15年 工具、器具及び備品 2年~20年 3 繰延資産の処理方法新株予約権発行費 支出時に全額費用として処理しております。 4 収益及び費用の計上基準(収益の計上基準) 当社は、医薬品の研究開発を行っており、ライセンス契約等に基づく契約一時金収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入及び、製品販売収入を得ております。 当社の顧客との契約から生じる収益に関する主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。 ① 契約一時金収入 契約一時金収入は、履行義務が充足される一時点であるライセンスを付与した時点で収益を認識しております。 ② マイルストーン収入 マイルストーン収入は、契約上定められた履行義務であるマイルストーンが達成された時点で収益を認識しております。 ③ ロイヤリティ収入 ロイヤリティ収入は、知的財産のライセンスに関連して顧客が売上高を計上する時又は顧客が知的財産のライセンスを使用する時若しくは、売上高又は使用量に基づくロイヤリティの一部又は全部が配分されている履行義務が充足(あるいは部分的に充足)された時点で収益を認識しております。 ④ 製品販売収入 製品販売収入は、国内販売については製品の出荷時に、輸出販売については契約相手先の受領時に収益を認識しております。 5 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準 外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。 6 キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲 手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。 |
重要な会計上の見積り、財務諸表 | (重要な会計上の見積り)該当事項はありません。 |
税効果会計関係、財務諸表 | (税効果会計関係)1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳 前事業年度(2023年9月30日) 当事業年度(2024年9月30日)繰延税金資産 税務上の繰越欠損金(注)2785,676千円 882,334千円減価償却超過額3,677 〃 2,795 〃前受金5,982 〃 - 〃長期預り金46,559 〃 99,918 〃未払金5,400 〃 - 〃棚卸資産評価損- 〃 2,845 〃研究開発費1,248 〃 46,755 〃その他5,401 〃 7,006 〃繰延税金資産小計853,945千円 1,041,656千円税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額(注)2△785,676 〃 △882,334 〃将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額△68,269 〃 △159,321 〃評価性引当額小計(注)1△853,945 〃 △1,041,656 〃繰延税金資産合計-千円 -千円 (注)1.評価性引当額が187,710千円増加しております。 この増加の内容は、主に当事業年度に繰越期限切れを迎えた税務上の繰越欠損金と当事業年度に生じた税務上の繰越欠損金の差額であります。 2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額前事業年度(2023年9月30日) 1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超合計税務上の繰越欠損金(a)69,66418,44695,05912,054-590,452785,676千円評価性引当額△69,664△18,446△95,059△12,054-△590,452△785,676 〃繰延税金資産------- 〃(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。 当事業年度(2024年9月30日) 1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超合計税務上の繰越欠損金(a)18,44695,05912,054-113,148643,626882,334千円評価性引当額△18,446△95,059△12,054-△113,148△643,626△882,334 〃繰延税金資産------- 〃(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。 2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳 税引前当期純損失のため注記を省略しております。 |
収益認識関係、財務諸表 | (収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報 (単位:千円) 項目前事業年度当事業年度契約一時金収入--マイルストーン収入--ロイヤリティ収入69,25073,841製品販売収入-6,197顧客との契約から生じる収益69,25080,038その他の収益--外部顧客への売上高69,25080,038 2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報 「(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。 3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報(1)契約資産及び契約負債の残高等前事業年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)(単位:千円) 期首残高期末残高顧客との契約から生じた債権-7,560契約負債61,911-貸借対照表において、顧客との契約から生じた債権は「売掛金」、契約負債は「前受金」に含まれております。 契約負債は、ロイヤリティ収入における顧客からの前受金であり、収益の認識に伴い取り崩されます。 また、当事業年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、61,911千円であります。 契約負債の残高の変動に重要性はありません。 当事業年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)(単位:千円) 期首残高期末残高顧客との契約から生じた債権7,560-契約負債-64,751貸借対照表において、顧客との契約から生じた債権は「売掛金」、契約負債は「前受金」に含まれております。 契約負債は、ロイヤリティ収入における顧客からの前受金であり、収益の認識に伴い取り崩されます。 また、当事業年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額はございません。 契約負債の残高の変動に重要性はありません。 (2)残存履行義務に配分した取引価格 契約期間が1年を超える重要な契約がないため、実務上の便法を適用し、記載を省略しております。 |
重要な後発事象、財務諸表 | (重要な後発事象)(譲渡制限付株式報酬制度の導入) 当社は、2024年11月20日開催の取締役会において、役員報酬制度の見直しを行い、譲渡制限付株式報酬制度(以下「本制度」といいます。 )の導入を決議し、2024年12月20日開催の第23回定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。 )に付議し、決議されました。 1.本制度の導入目的等 本制度は、当社の取締役(社外取締役を除きます。 以下「対象取締役」といいます。 )を対象に、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的とした制度です。 本制度の導入に当たり、対象取締役に対しては①当社の普通株式、あるいは②当社の普通株式を取得するための金銭債権を報酬として支給することとなるため、本株主総会において係る報酬を支給することにつき株主の皆様のご承認を得られることを条件としており、当該ご承認をいただいております。 なお、2007年12月21日開催の第6回定時株主総会において、当社の取締役の報酬額は年額80百万円以内(使用人兼務取締役の使用人分給与は含みません。 )とし、また上記報酬枠とは別枠で2022年12月23日開催の第21回定時株主総会決議により取締役(社外取締役を除く)のストックオプション報酬限度額は年間1億円以内、新株予約権の上限数は年1,000個とする旨のご承認をいただいております。 今般、当社は、役員報酬制度見直しの一環として、上記ストックオプションに代えて本制度を新たに導入し、当社の対象取締役に対して本制度に係る報酬枠を上記報酬枠とは別枠にて設定することにつき、株主の皆様にご承認をいただきました。 なお、ストックオプションとしての新株予約権に関する報酬等の定めを廃止することとし、以後、対象取締役に対するストックオプションとしての新株予約権の新たな発行は行わないものといたしました。 2.本制度の概要 本制度に基づき対象取締役に対して支給する報酬は、①当社の普通株式、あるいは②当社の普通株式を取得するための現物出資財産としての金銭債権とし、対象取締役は、当社の取締役会の決議に基づき、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。 本制度に基づき対象取締役に対して支給する当社の普通株式又は金銭債権の総額は、年額1億円以内(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含みません。 )とし、当社が新たに発行又は処分する普通株式の総数は、年10万株以内(ただし、本株主総会の決議の日以降の日を効力発生日とする当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含みます。 )又は株式併合が行われた場合、当該効力発生日以降、分割比率・併合比率等に応じて、当該総数を、必要に応じて合理的な範囲で調整します。 )といたします。 本制度に基づき支給される報酬として、対象取締役に対して、金銭債権を支給せずに当社の普通株式を支給する場合、当該普通株式は、取締役の報酬として発行又は処分されるものであり、当該普通株式と引換えにする金銭の払い込みを要しないものといたしますが、対象取締役に対して支給する上記報酬額は、当社の普通株式の発行又は処分に係る各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引の終値)を基礎として当該発行又は処分される当社の普通株式1株当たりの金額として算出いたします。 一方、本制度に基づき支給される報酬として、対象取締役に対して、当社の普通株式を取得するための現物出資財産としての金銭債権を支給する場合には、本制度に基づき支給される金銭債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けるものといたします。 この場合における1株当たりの払込金額は各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会において決定します。 なお、各対象取締役への具体的な支給時期及び配分については、取締役会において決定いたします。 また、本制度による当社の普通株式(以下「本株式」といいます。 )の発行又は処分に当たっては、当社と対象取締役との間において、①一定期間(以下「譲渡制限期間」といいます。 )、本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、②一定の事由が生じた場合には当社が本株式を無償取得することなどをその内容に含む譲渡制限付株式割当契約が締結されることを条件といたします。 本株式は、譲渡制限期間中の譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができないよう、譲渡制限期間中は、対象取締役が野村證券株式会社に開設する専用口座で管理される予定です。 |
有形固定資産等明細表 | 【有形固定資産等明細表】 資産の種類当期首残高(千円)当期増加額(千円)当期減少額(千円)当期末残高(千円)当期末減価償却累計額(千円)当期償却額(千円)差引当期末残高(千円)有形固定資産 建物附属設備7,263--7,2637,263--工具、器具及び備品21,082--21,08221,082--有形固定資産合計28,346--28,34628,346-- |
引当金明細表 | 【引当金明細表】 該当事項はありません。 |
主な資産及び負債の内容 | (2)【主な資産及び負債の内容】 ① 現金及び預金区分金額(千円)現金32預金 普通預金1,816,911定期預金496,531計2,313,443合計2,313,475 ② 原材料及び貯蔵品区分金額(千円)原材料 主要材料8,688計8,688貯蔵品 消耗品885加工品284,940計285,826合計294,514 ③ 長期預り金区分金額(千円)研究開発資金496,531合計496,531 |
その他、財務諸表等 | (3)【その他】 当事業年度における四半期情報等(累計期間)第1四半期第2四半期第3四半期当事業年度売上高(千円)18,69043,02961,49480,038税引前四半期(当期)純損失(△)(千円)△169,113△365,471△517,303△754,961四半期(当期)純損失(△)(千円)△169,486△366,217△518,421△756,4531株当たり四半期(当期)純損失(△)(円)△29.53△60.21△82.76△118.21 (会計期間)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期1株当たり四半期純損失(△)(円)△29.53△30.60△22.96△35.00(注)第3四半期に係る四半期報告書は提出しておりませんが、第3四半期に係る各数値については金融商品取引所の定める規則により作成した四半期情報を記載しており、期中レビューは受けておりません。 |
提出会社の株式事務の概要 | 第6【提出会社の株式事務の概要】 事業年度毎年10月1日から翌年9月30日まで定時株主総会毎年12月基準日毎年9月30日剰余金の配当の基準日毎年9月30日毎年3月31日1単元の株式数100株単元未満株式の買取り 取扱場所大阪市中央区伏見町三丁目6番3号三菱UFJ信託銀行株式会社 大阪証券代行部株主名簿管理人東京都千代田区丸の内一丁目4番5号三菱UFJ信託銀行株式会社取次所-買取手数料無料公告掲載方法当社の公告方法は、電子公告としております。 ただし事故その他やむを得ない事由により電子公告をすることができないときは、官報に掲載しております。 当社の公告掲載URLは次のとおりであります。 http://www.kringle-pharma.com/株主に対する特典なし(注) 当社の単元未満株主は、以下に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨を定款に定めております。 (1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利(2)取得請求権付株式の取得を請求する権利(3)募集株式又は募集新株予約権の割当てを受ける権利 |
提出会社の親会社等の情報 | 1【提出会社の親会社等の情報】 当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。 |
その他の参考情報 | 2【その他の参考情報】 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。 (1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書 事業年度 第22期(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) 2023年12月25日近畿財務局長に提出。 (2)内部統制報告書及びその添付書類 2023年12月25日近畿財務局長に提出。 (3)四半期報告書及び確認書 第23期第1四半期(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月9日近畿財務局長に提出。 第23期第2四半期(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) 2024年5月13日近畿財務局長に提出。 (4)臨時報告書 2023年12月25日近畿財務局長に提出。 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(定時株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。 2024年8月26日近畿財務局長に提出。 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(臨時株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。 |
提出会社の保証会社等の情報 | 第二部【提出会社の保証会社等の情報】 該当事項はありません。 |
提出会社の経営指標等 | 第19期第20期第21期第22期第23期決算年月2020年9月2021年9月2022年9月2023年9月2024年9月売上高(千円)467,616289,756391,82969,25080,038経常損失(△)(千円)△116,341△299,676△330,339△852,660△754,961当期純損失(△)(千円)△117,831△301,166△331,829△854,151△756,453持分法を適用した場合の投資利益(千円)-----資本金(千円)300,00051,82059,87797,54611,300発行済株式総数(株)182,3854,334,7005,380,7005,522,2006,810,700純資産額(千円)2,188,5212,506,1492,789,1872,021,7022,108,192総資産額(千円)2,350,2422,635,6253,208,6912,618,6572,757,1131株当たり純資産額(円)599.97578.17517.75363.45306.871株当たり配当額(円)-----(1株当たり中間配当額)(-)(-)(-)(-)(-)1株当たり当期純損失(△)(円)△106.70△72.51△68.33△158.46△118.21潜在株式調整後1株当たり当期純利益(円)-----自己資本比率(%)93.195.186.876.675.8自己資本利益率(%)-----株価収益率(倍)-----配当性向(%)-----営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△146,461△560,92215,796△689,095△661,166投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)--△254,383△120,875△121,363財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)2,082,523595,904603,11269,164838,233現金及び現金同等物の期末残高(千円)2,102,5382,137,5202,502,0461,761,2391,816,943従業員数(名)911121315株主総利回り(%)--49.688.093.4(比較指標:東証グロース市場250指数)(%)(-)(-)(61.7)(64.7)(57.9)最高株価(円)-1,7809371,4041,328最低株価(円)-805419420394(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。 2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。 3.当社は、2020年2月28日付で第三者割当増資(C種優先株式31,664株の発行)を行い、資本金は574,960千円となり、2020年4月3日付で第三者割当増資(C種優先株式24,668株の発行)を行い、資本金は944,980千円となりましたが、2020年7月30日付で無償減資を行い、資本金は100,000千円となりました。 さらに、2020年8月31日付で第三者割当増資(普通株式5,000株の発行)を行い、資本金は300,000千円となり、発行済株式総数は、普通株式57,053株、A種優先株式61,000株、B種優先株式8,000株、C種優先株式56,332株となりましたが、2020年9月23日付で普通株式を対価とする取得条項に基づき、発行済優先株式の全てを当社が取得し、引き換えに優先株主に対して当社普通株式の交付を行い、同日付で当社が取得した優先株式の全てを消却しております。 なお、当社は、2020年9月16日開催の臨時株主総会決議に基づき、2020年9月23日付で、種類株式を発行する旨の定款の規定を廃止しております。 加えて、2020年11月12日付で普通株式1株につき20株の株式分割を行っております。 4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。 5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第19期におきましては、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、第20期から第23期におきましては、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。 6.自己資本利益率については、当期純損失であるため、記載しておりません。 7.第19期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。 また、第20期から第23期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。 8.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。 9.2020年11月12日付で普通株式1株につき20株の株式分割を行っており、第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。 10.第19期及び第20期の株主総利回り及び比較指標については、当社株式が2020年12月28日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、記載しておりません。 第21期、第22期及び第23期の株主総利回り及び比較指標は、第20期の末日における株価及び株価指標を基準として算定しております。 11.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所マザーズにおけるものであります。 なお、2020年12月28日をもって同取引所に株式を上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。 12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第21期の期首から適用しており、第21期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。 |