【EDINET:S100UH8H】臨時報告書

タイトル内容
提出書類、表紙臨時報告書
会社名、表紙理研コランダム株式会社
EDINETコード、DEIE01185
証券コード、DEI5395
提出者名(日本語表記)、DEI理研コランダム株式会社
提出理由 1【提出理由】
 当社は、会社法(平成17年法律第86号。
その後の改正を含みます。
以下同じです。
)第179条第1項に規定する特別支配株主であるオカモト株式会社(以下「オカモト」といいます。
)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。
)の通知を受け、2024年10月3日開催の取締役会において本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合 2【報告内容】
1.本株式売渡請求の通知に関する事項(1) 当該通知がされた年月日2024年10月3日 (2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名 商号オカモト株式会社本店の所在地東京都文京区本郷三丁目27番12号代表者の氏名代表取締役社長 岡本 邦彦 (3) 当該通知の内容 当社は、オカモトから、当社の会社法第179条第1項に定める特別支配株主として、当社の株主の全員(但し、当社及びオカモトを除きます。
以下「本売渡株主」といいます。
)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を以下「本売渡株式」といいます。
)の全部をオカモトに売り渡すことの請求に係る通知を2024年10月3日付で受領いたしました。
当該通知の内容は以下のとおりです。
① 本株式売渡請求をしない特別支配株主完全子法人(会社法第179条の2第1項第1号)該当事項はありません。
② 本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)オカモトは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。
)として、当該本売渡株主が所有する本売渡株式1株につき5,100円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)該当事項はありません。
④ 本売渡株式を取得する日(会社法第179条の2第1項第5号)2024年11月7日 ⑤ 本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)オカモトは、本株式売渡対価の全てをオカモトの現預金により支払うことを予定しています。
オカモトは、本株式売渡対価の支払のための資金に相当する額の銀行預金を保有しております。
⑥ その他本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)本株式売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付いたします。
但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(但し、本株式売渡対価の交付についてオカモトが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本株式売渡対価を交付いたします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項(1) 当該通知がされた年月日 2024年10月3日 (2) 当該決定がされた年月日 2024年10月3日 (3) 当該決定の内容 オカモトからの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った過程 オカモトが2024年8月9日から2024年9月24日までを買付け等の期間として行った当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
)に関し、当社が2024年8月9日に提出いたしました意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。
)の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、本公開買付けの結果、オカモトが当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全て(オカモトが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。
)を取得することにより、当社の株主がオカモトのみとなるよう当社を非公開化することを目的とした取引(以下「本取引」といいます。
)の一環として行われるものであり、本株式売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。
)と同一の価格に設定されています。
 当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下のとおり判断し、2024年8月8日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
 当社は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、当社は2024年4月30日にオカモトから、本取引の実施意向並びにスキーム及びスケジュールを記載した提案書(以下「本提案書」といいます。
)を受領したことを契機として、本取引の検討及びオカモトとの交渉に備えるため、2024年5月下旬に、オカモト及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。
)を、2024年5月下旬にオカモト及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。
)をそれぞれ選任しました。
また、当社は、当社がオカモトの連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性を担保するため、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、2024年5月22日付で、当社及び同日現在オカモトの関係会社(子会社23社(当社を含みます。
)。
以下、オカモト及びオカモトの子会社を総称して「オカモトグループ」といいます。
)から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
なお、本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。
)を設置し、本取引に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。
具体的には、2024年5月22日開催の当社取締役会の決議により、オカモト及び当社から独立した、当社の社外取締役兼独立役員である長﨑俊樹氏(弁護士)、社外取締役兼独立役員である齊藤了太氏(公認会計士・税理士、齊藤了太公認会計士事務所)、社外有識者である長谷川臣介氏(公認会計士、長谷川公認会計士事務所)及び社外有識者である高橋明人氏(弁護士、高橋・片山法律事務所)の4名から構成される特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値の向上に資するかという点を含む。
)、(ⅱ)本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されているか、(ⅲ)本取引の条件の妥当性が確保されているか、(ⅳ)本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。
)が当社の少数株主にとって不利益なものでないか、(ⅴ)当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、(ⅰ)から(ⅴ)を総称して「本諮問事項」といいます。
)について諮問いたしました。
また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本諮問事項に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(i)当社とオカモトの間での公正な交渉状況を確保するべく、本特別委員会が自らオカモトと交渉を行うこと、又はオカモトとの交渉を当社のアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、当社がオカモトとの間で行う本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与すること、(ii)本取引のために講じるべき公正性担保措置の程度を検討し、必要に応じて意見・提言すること、(iii)当社の財務若しくは法務等のアドバイザーを承認(事後承認を含む。
)した上で、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当該アドバイザーから専門的助言を受けること、又は、独自の財務若しくは法務等のアドバイザーを選任した上で当該アドバイザーから専門的助言を受けること(この場合の費用は当社が負担する。
)、及び(iv)本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当社の役職員から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領することの権限を付与することを決議いたしました。
また、2024年6月7日開催の第1回特別委員会において、山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすること並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所を当社のリーガル・アドバイザーとすることについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
 その上で、当社は、本取引の目的、本取引後の経営体制・方針、本取引の諸条件等について、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、オカモトとの間で複数回にわたる協議・交渉を重ねた上で、本取引の妥当性について検討してまいりました。
具体的には、当社は、本提案書を受領したことを受け、2024年7月3日に、本特別委員会を通じてオカモトに対するインタビューを実施し、本取引の背景(本取引に係る提案を上記の時期に行うに至った背景を含みます。
)、経緯、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。
その上で当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か等について並行的に検討を進めることとしつつ、本公開買付価格についてオカモトとの協議・交渉を2024年7月10日に開始しました。
 具体的には、本公開買付価格については、当社は、2024年7月10日にオカモトから本公開買付価格を1株当たり3,800円(提案日の前営業日である2024年7月9日の当社株式の終値(2,740円)に対して38.69%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,707円に対して40.38%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,652円に対して43.29%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,657円に対して43.02%のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を受けました。
その後、当社は、2024年7月12日に当社の少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないとして本公開買付価格の再提案の要請を行いました。
当該要請を受けて、当社は、オカモトから、当社からの要請を真摯に検討した結果として2024年7月17日に本公開買付価格を4,300円(提案日の前営業日である2024年7月16日の当社株式の終値(2,739円)に対して56.99%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,734円に対して57.28%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,658円に対して61.78%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,658円に対して61.78%のプレミアムを加えた価格)とする再提案を受けました。
これに対して、当社は、2024年7月18日に当社の第三者算定機関による当社株式価値の試算結果等を踏まえ、当社の少数株主の利益に配慮された金額とはいえないとして本公開買付価格の引上げを再度要請いたしました。
その後、当社は、オカモトから、2024年7月25日に本公開買付価格を4,750円(提案日の前営業日である2024年7月24日の当社株式の終値(2,732円)に対して73.87%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,744円に対して73.10%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,664円に対して78.30%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,658円に対して78.71%のプレミアムを加えた価格)とする提案を受けました。
これに対して、当社は、2024年7月26日に少数株主にとって十分な価格とはいえないとして、近時のPBRに関する議論を鑑みて、本公開買付価格をPBR1倍相当である1株当たり5,550円とする旨の提案を行いました。
その後、当社は、オカモトから、当社からの要請を真摯に検討した結果として、当社の少数株主の利益に配慮しつつも、PBRの算出元となる純資産が将来の収益性を反映するものではなく、継続企業である当社の株式価値を評価するにあたってはPBR1倍となる金額のみに依拠することが必ずしも合理的ではないとして、2024年7月31日に本公開買付価格を4,950円(提案日の前営業日である2024年7月31日の前営業日である2024年7月30日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値(2,744円)に対して80.39%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,735円に対して80.99%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,668円に対して85.53%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,657円に対して86.30%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。
)とする旨の再提案を受けました。
これに対して、当社は、2024年8月1日にアドバイザーの助言を踏まえて慎重に検討した結果、少数株主の利益に最大限配慮するべく、本公開買付価格を1株当たり5,300円とする旨の再提案を行いました。
 かかる交渉を経て、当社は、2024年8月6日にオカモトから本公開買付価格を1株当たり5,100円とする旨の最終提案を受けました。
当社は、当該提案について、その妥当性を本特別委員会に確認するほか、2024年8月7日付で山田コンサルから取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。
)の内容、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の法的助言の内容も踏まえて慎重に検討を行い、その結果、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年8月7日の終値に対して86.54%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して88.26%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して91.30%、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して92.24%といったプレミアム水準は、本取引と同様に非公開化を目的としたマネジメント・バイアウト(MBO)及び親会社による完全子会社化の事例(以下「本類似事例」といいます。
)(経済産業省が「M&A指針」を公表した2019年6月28日から、2024年6月6日までの間に公表された129件)におけるプレミアム水準(公表日の前営業日における終値に対して41.20%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.68%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して46.51%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して46.52%)との比較において、公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準を約40%程度も上回ることに鑑みると、当該価格は当社株式の市場株価に対して合理的なプレミアムが付されていると評価でき、また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載の山田コンサルによる市場株価法に基づく算定結果の範囲を上回っており、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
)に基づく算定結果のレンジの中央値を上回ることから、合理性を有すると判断するに至り、当社は当該提案を応諾することといたしました。
 このように、当社は、オカモトとの間で継続的に本公開買付価格の交渉を行ってまいりました。
 さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2024年8月7日付で答申書(以下「本答申書」といいます。
)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。
)。
その上で、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び山田コンサルから取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値の向上させることができるか、本公開買付価格は妥当なものか、特に買付予定数の上限・下限や撤回等の条件、二段階買収に関する事項など本公開買付価格以外の本取引の諸条件について本公開買付けの成立を不安定にしたり強圧性を生じさせたりする等、少数株主にとって不利となるような条件が設定されていないか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
 その結果、当社としても、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、オカモトの経営資源やノウハウを最大限活用して事業運営を行い、オカモトのグループ経営施策の当社従業員への浸透を図ることで、当社が創業以来培ってきた事業上の強みを併せて活用することにより、更なる成長を目指すためには、本取引によって当社がオカモトの完全子会社となり、オカモトグループが持つリソースを最大限に活用することが最善と考えるに至りました。
当社が本取引によって実現可能と考えるシナジーは以下のとおりです。
(ⅰ)技術融合を目的としたグループ内の人材連携・技術情報の共有及び顧客の相互紹介を通じた新たな販売機会の創出と営業力・販売力の強化 当社はオカモトグループの一員であるものの、上場会社としての独立性の観点や当社の少数株主の利益を考慮する必要性から、相互に派遣する人材の員数を制限する必要があり、また、営業秘密等の情報の流出を防ぐため、相互に派遣できる人材に一定の限界が存在しておりますが、完全子会社化により、技術者の人材交流や技術情報の共有が容易となる結果、さらなる技術力の向上が見込まれると考えております。
また、上場会社としての独立性や当社の少数株主の利益を考慮する観点から、どこまで顧客の相互紹介が可能かということが不明瞭であり、これまで積極的には行うことができていなかったものの、完全子会社化により、人材の相互活用を含め、より緊密な連携を取ることができるようになり、オカモトグループとしての一体感が醸成される結果、顧客の相互紹介がより積極的に可能になり、また、人材交流が活発となることで、クロスセル機会の拡充や営業・販売ノウハウの向上を図ることができ、ひいては当社を含むオカモトグループの企業価値向上に資するものと考えております。
(ⅱ)グローバルな成長に向けたグループ内の経営資源活用 当社がオカモトの連結子会社である間、オカモトの営業秘密等の情報の流出を防ぐために、オカモトの有する海外事業拠点等のプラットフォームを活用することは困難ですが、完全子会社化により、当該海外事業拠点等のプラットフォームをより活用することが可能となるため、当社の課題となっていた海外事業展開を推進し、当社固有の海外展開に係るコストを抑制しつつ、グローバル市場における当社製造製品の競争力強化に繋がるものと考えております。
(ⅲ)生産拠点見直しを含めた経営資源の効率的活用及びグループ意識改革によるコスト削減 当社は、現状国内3か所(埼玉県鴻巣市・群馬県利根郡みなかみ町・群馬県沼田市)に工場を有しておりますが、生産拠点が分散していることにより生産性の改善には限界があること、また、鴻巣工場周辺での市街化が進み、操業可能時間に大幅な制約があること等による生産効率性の低下等の課題を有しております。
本取引により当社をオカモトの完全子会社とすることによって、オカモトグループの有する工場(静岡県榛原郡吉田町・茨城県龍ヶ崎市・茨城県牛久市・福島県いわき市)等の製造設備の相互活用を進め、また製造技術の共有・移転を促進して将来的には製造設備の移動・集約も視野に入れることでグループ全体での生産拠点の再編、最適化がなされると想定しており、その結果当社を含むオカモトグループ全体としての生産効率性を向上させることができると考えております。
また、完全子会社化により、当社を含むオカモトグループ全体の従業員が、人材の相互活用を含め、より緊密な連携を取ることができるようになり、相互の生産ノウハウを共有することで、より広範な視点から生産効率を見直す機会の創出が可能となり、より効率性の高い生産方法を求めようとする意識改革が起こり、結果として生産能力の強化及び生産コストの削減が可能と考えております。
(ⅳ)上場維持コストの負担軽減 本取引の実行により、当社は有価証券報告書等の作成・情報開示、監査、株主総会の運営や株主名簿管理人の設置費用といった上場維持にかかるコストを削減し、また、上場を維持するための体制構築に投下していた経営資源を事業に投入することが可能になることから、当社の企業価値を向上させることが可能であると考えております。
 なお、既に当社とオカモトには親子会社関係があり、実質的にこれまでの事業運営体制と変わりがないため、特段の検討はしていないものの、今後当社が完全子会社となったとしてもデメリット・ディスシナジーが発生することは想定しておりません。
 以上を踏まえ、当社は、2024年8月8日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
 また、本公開買付価格(5,100円)が、(a)本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、かつ、DCF法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回ること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年8月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,734円に対して86.54%、直近1ヶ月間の終値単純平均値2,709円に対して88.26%、直近3ヶ月間の終値単純平均値2,666円に対して91.30%、直近6ヶ月間の終値単純平均値2,653円に対して92.24%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、本類似事例と比較して平均的な水準(本類似事例129件における市場株価へのプレミアムの平均値は、公表日の前営業日における終値に対して41.20%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.68%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値に対して46.51%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値に対して46.52%であります。
)以上のプレミアムが付されていること、(c)本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社とオカモトとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われ、より具体的には、当社において、本特別委員会との協議、山田コンサルによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や財務的見地からの助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言等を踏まえて、オカモトとの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格について妥当である旨の意見を述べ、かつ、特に買付予定数の上限・下限や撤回等の条件、二段階買収に関する事項など本公開買付価格以外の本取引の諸条件についても、本公開買付けの成立を不安定にしたり強圧性を生じさせたりする等、少数株主にとって不利となるような条件は設定されておらず、妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、当社は、2024年8月8日開催の取締役会において、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2024年6月30日現在の連結簿価純資産である4,993百万円を当社の同年6月30日現在の自己株式控除後の発行済株式数(901,958株)で割ることにより算出した1株当たり連結簿価純資産額である5,536円(円未満四捨五入)を下回っているものの、純資産価額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的ではなく、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産価額がそのまま換価されるわけではなく、製品及び商品を帳簿価額(487百万円)と同額で清算する場合には1年程度の販売期間が必要であることから、製品及び商品の販売体制の維持管理コストを考慮しなければならず、また、工場や営業所の処分に際しては解体費用及び土壌汚染調査費用等が必要になると考えております。
そのため、1株当たり簿価純資産額が当社の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考えられます。
なお、当社においては、製品及び商品の簿価純資産額での清算を前提とした場合の販売体制の維持管理コストについては見積もっていないため、本公開買付価格が具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。
以上の経緯の下で、当社は、2024年8月8日開催の取締役会において、取締役(監査等委員を含む。
)の7名全員(すなわち、増田富美雄氏、雨貝昇氏、石川和男氏、塩山勝徳氏、江口真一氏、長﨑俊樹氏及び齊藤了太氏)が審議及び決議に参加し、7名の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
 なお、当社の取締役のうち増田富美雄氏及び雨貝昇氏は、オカモトの出身ですが、いずれの者も当社のみに在籍してから5年間以上が経過しており、また、本取引に関し、オカモト側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記取締役会における審議及び決議に参加しております。
また、取締役(監査等委員を含む。
)の7名全員は、本特別委員会の意見を踏まえ、オカモトとの協議・交渉に関与しております。
その後、当社は、2024年9月25日、オカモトより、本公開買付けの結果について、当社株式357,619株の応募があり、買付予定数の下限(132,384株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、オカモトがその全てを取得することとなった旨の報告を受けました。
 この結果、2024年10月1日付(本公開買付けの決済の開始日)付で、オカモトの有する当社普通株式の所有割合(注)は、91.65%となり、オカモトは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注)「所有割合」とは、当社が2024年8月8日に公表した「2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2024年6月30日現在の発行済株式総数(922,128株)から、同日現在の対象者が所有する自己株式数(20,170株)を控除した株式数(901,958株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。
)をいいます。
 このような経緯を経て、当社は、オカモトより、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、2024年10月3日に開催の取締役会において、(ⅰ)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、2024年8月8日の当社取締役会において、本取引に際して設置された、当社及びオカモトグループから独立した特別委員会の意見を最大限尊重したうえ、本取引が当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(ⅱ)本株式売渡対価は、本公開買付けの買付価格と同一の価格であること、及び本取引の公正性を担保するための措置が十分に講じられており、特に特別委員会より本取引の条件(本公開買付けに係る買付価格を含む。
)の妥当性が確保されていると考えられる旨及び本取引に関する決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる旨の答申が出されていること等から、本売渡株主にとって相当な価格であり、少数株主である本売渡株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅲ)オカモトは、本株式売渡対価の支払を、同社の現預金によって行うことを予定しているところ、オカモトが2024年8月9日に提出した公開買付届出書の添付書類である2024年8月8日現在のオカモトの預金に係る残高証明書を確認した結果、本株式売渡対価の支払のための資金を確保できると合理的に認められること、及び、オカモトによれば、オカモトにおいて、本株式売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は生じておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことであること等から、オカモトによる本株式売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本株式売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(ⅳ)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)この他、本公開買付けの開始以降、2024年10月3日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないことを踏まえると、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、条件等は適正であると考えられるため、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
以 上