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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2024-09-27 |
英訳名、表紙 | CanBas Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 河邊 拓己 |
本店の所在の場所、表紙 | 静岡県沼津市大手町2丁目2番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 055-954-3666 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月事項2000年 1月新規抗がん剤の研究開発を目的として愛知県豊田市に設立2001年 1月静岡県沼津市大岡の静岡県沼津工業技術センター付設インキュベーション施設内に研究所を開設2002年 4月本社・研究所を静岡県沼津市通横町に移転、動物実験施設を静岡県沼津工業技術センター内に開設2003年 1月オリジナルペプチドTAT-S216を最適化した抗がん剤候補化合物CBP501について特許出願2005年 2月CBP501単剤の臨床第1相試験開始申請を米国食品医薬品局(FDA)が承認2005年 5月CBP501単剤の臨床第1相試験を米国で開始(終了済)2006年 2月米国特許庁よりCBP501にかかる物質特許を取得2006年10月CBP501と従来型抗がん剤シスプラチンの併用による臨床第1相試験を米国で開始(終了済)2007年 3月CBP501とそのバックアップ化合物について、武田薬品工業株式会社と共同事業化契約を締結2007年11月日本国特許庁よりCBP501にかかる物質特許を取得2008年 4月当社の薬剤スクリーニング法によって見出された抗がん剤候補低分子化合物CBS9100シリーズについて特許出願2008年 5月CBP501・シスプラチン・細胞傷害性抗がん剤ペメトレキセドの3剤併用臨床第1/2相試験の第1相パートを米国で開始(終了済)2008年 8月欧州特許庁よりCBP501にかかる物質特許を取得2008年11月CBP501・シスプラチン・ペメトレキセドの3剤併用臨床第1/2相試験の第2相パート(対象:悪性胸膜中皮腫)を米国で開始(終了済)2009年 6月CBP501・シスプラチン・ペメトレキセドの3剤併用臨床第2相試験(対象:非小細胞肺がん)を米国で開始(終了済)2009年 9月東京証券取引所マザーズ市場に株式上場2010年 6月CBP501とそのバックアップ化合物にかかる武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を解消2010年 9月本社・研究所・動物実験施設を静岡県沼津市大手町に移転・集約2011年12月米国特許庁よりCBS9106にかかる特許を取得2014年10月日本国特許庁よりCBS9106にかかる特許を取得2014年12月CBS9106について、Stemline Therapeutics, Inc.(以下「Stemline社」)とライセンス契約(当初、日本・中国・台湾・韓国を除く全世界対象。 2018年8月に修正。 )を締結2015年12月米国特許庁よりCBP501にかかる用途特許を取得2016年 5月CBS9106、臨床第1相試験(対象:固形がん)を米国で開始(終了済)2016年 6月欧州特許庁よりCBS9106にかかる特許を取得2017年10月CBP501・シスプラチン・免疫チェックポイント阻害抗体ニボルマブの3剤併用臨床第1b相試験を米国で開始(終了済)2018年 8月CBS9106についてStemline社とのライセンス契約を修正し、対象地域を日本・中国・台湾・韓国を含む全世界に拡大2018年 9月日本国特許庁よりCBP501にかかる用途特許を取得2019年10月欧州特許庁よりCBP501にかかる用途特許を取得2021年12月CBP501・シスプラチン・ニボルマブの3剤併用臨床第2相試験を米国で開始2022年 4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行2023年 6月日本国特許庁よりIDO/TDO阻害剤にかかる特許を取得2024年 2月米国FDAからCBP501臨床第2b相臨床試験開始承認を取得 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は、抗がん剤の基礎研究(創薬コンセプトの検討、当該コンセプトに基づき構築した手法による医薬品候補化合物の選別、簡易動物実験、既に開発段階に進んだ抗がん剤候補化合物に関する基礎データの収集・解析等。 )、早期臨床開発(臨床試験開始申請直前に実施する「前臨床試験」ならびに臨床試験の前半部分。 )および後期臨床開発(新薬承認申請を目指す臨床試験の後半部分。 )に取り組んでいる創薬企業です。 なお、当社は、医薬品事業の単一セグメントです。 (1) 基本戦略 当社は、自社独特の創薬アプローチを活かした抗がん剤の基礎研究および臨床開発に取り組む、創薬ベンチャー企業です。 特定領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬基盤技術(「創薬エンジン」とも呼ばれます。 )を基に実施することで技術とプロダクトの両方を自社で創出するのが「創薬企業」であり、創薬プラットフォームを持たず開発途上の化合物を外部から導入して一定の開発ののち製薬企業へ導出する企業とは大きく異なるビジネスモデルを志向しています。 この付加価値の高いビジネスモデルを完成させ、企業価値の最大化を図るための、当社の基本戦略は次のとおりです。 ・当社独自の創薬アプローチを活かした研究開発に特化集中する。 ・当社の有する薬剤スクリーニング法により創出・獲得した複数の医薬品候補化合物によって、開発パイプラインを構築する。 ・抗がん剤の開発経験が豊富で当社の開発戦略に合致するCRO等の外部専門機関、科学顧問団を活用する。 ・当社の権利を最大限確保するため、開発パイプラインの特性や開発段階、当社の財務体力等に応じ、自社で後期開発段階まで進めるほか、適切な戦略提携を製薬企業等との間で行うことによって、価値連鎖を補完・完結する。 当社は、上記の戦略を適切に実行することにより、医薬品候補化合物の開発を速やかに進め、いち早く上市して当社の企業価値を高めるとともに、当社の開発リスクを分散低減していきたいと考えています。 (2) 創薬事業 一般に創薬(新薬の創出)は、(ア) 創薬コンセプト(科学的根拠に立脚し、ある方法によって疾患を治療し得ると考え、その作用を有する化合物等が新しい医薬品になり得るとする仮説。 )に基づいて候補化合物を探索・選別する「探索」段階(イ) (ア)で獲得された候補化合物について試験管内や動物での実験を実施し候補化合物の分子構造等を調整する「最適化」段階(ウ) 臨床試験開始申請に必要なデータを揃える前臨床試験を実施する「前臨床試験」段階(エ) 規制当局の許可を得て臨床試験(医薬品としての承認を得るために行うヒト試験。 )を実施する「臨床試験」段階の順に進行します。 臨床試験段階はさらに、主に候補化合物の安全性を確認する第1相試験、比較的少数の患者様で候補化合物の有効性・安全性および用法用量を探索的に検討する第2相試験、医薬品として薬効を証明する第3相試験に大別されます。 通常の医薬品において臨床第1相試験は健康なボランティアを被験者としますが、当社が開発を目指す抗がん剤の領域では、抗がん剤に多い重篤な副作用への懸念から、末期がん患者ボランティアの方を被験者として臨床第1相試験を実施します。 このため、第1相試験の前半では主に安全性を確認しつつ薬効の手応えのあるがん腫を選定し、当該がん腫に絞り込んで薬効を探る「拡大相試験」を第1相試験の後半に実施する手法が多く採られます。 この手法によるCBP501臨床第1b相試験の結果から、膵臓がんをCBP501臨床第2相試験の対象に選定し、現在はCBP501の有効性・安全性および用法用量を検討する臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験の準備を進めています。 (3) 当社の開発パイプライン 「開発パイプライン」とは、創薬製薬領域において、開発中の医薬品候補化合物群を指す語です。 一般に医薬品開発は成功確率が低く、リスク分散の意味でいかに豊富で有望なパイプラインを継続的に有するかが製薬企業や創薬企業の中長期的な企業価値の基本となります。 新たなパイプラインを確保する方法は、当社のような創薬企業にとっては専ら自らの創薬コンセプトに基づいた新規候補化合物の「探索」「最適化」となります。 製薬企業等においては、自社による創出のほか、創薬企業等との提携に基づくライセンスによるパイプライン獲得が図られます。 創薬企業の長期的な目的は新薬の承認獲得とその売上による収益獲得です。 しかし、それに至るために必要な長期間かつ莫大な資金(一般にひとつの医薬品を開発するために必要な期間は約15年・必要な資金は数百億円といわれます。 )を独力で確保することは難しく、多くの場合、短期中期的な目標として、自社で開発中の候補化合物について製薬企業等との提携を成立させ当該候補化合物を相手方開発パイプラインのひとつとすることによるライセンス収益の獲得と財務基盤の安定・強化を目指すこととなります。 しかしながら、その状況は変わりつつあり、創薬企業が製薬企業等と提携するのでなく投資家や市場から資金を調達して独力で新薬承認獲得まで進む開発戦略が採用されるケースが増加しています。 この変化の要因としては、① 製薬企業の多くが「承認された又は承認が確実となった超後期開発品」や「新しい作用機序やモダリティ(治療手段)の早期開発品」に集中した提携方針を採用するようになり、最もリスクとリターンの大きな開発途上の候補化合物に関する提携意欲が薄れていること② 臨床試験の平均的な規模が比較的小さくなったことと、投資家や市場からの資金調達環境が大幅に改善されたこととが相まって、必ずしも製薬企業の資金に頼らずとも新薬承認獲得までの開発が可能になったこと③ 製薬企業との提携は必ずしも最速かつ成功確率最大の開発進行に寄与せず、むしろ阻害要因にもなりかねないと知られてきたことなどが挙げられます。 したがって現在、創薬企業はこれらの選択肢の中から、各パイプラインに最適な開発戦略を立案することが求められています。 当社の開発パイプラインは次のとおりです。 《CBP501》CBP501は、当社独自のスクリーニング(薬剤探索)から獲得された、蛋白質カルモジュリンの制御機能を調整し複数の作用により免疫コールド(がんを攻撃するT細胞の乏しい状態。 )ながんを免疫ホット(T細胞が存在しがんを攻撃できる状態。 )ながんにすることで抗がん活性を示す、独特の抗がん剤(免疫着火剤)です。 過去の試験で得られたデータから、免疫系抗がん剤との併用により薬効を高める効果が期待できることがわかりました。 現在は免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床第2相試験(対象:膵臓がん)を終え、次相臨床試験の準備を進めています。 《CBS9106》当社が創出した可逆的CRM1(XPO1)阻害剤であるCBS9106は、前臨床試験を終了した段階で、同化合物の開発・製造・商業化にかかる全世界(当初は日本および中国・台湾・韓国を除いていましたが、2018年8月にこれら除外地域をなくす修正を実施しました。 )における独占的権利を米国Stemline Therapeutics, Inc.に供与するライセンス契約を締結しました。 現在Stemline社は、CBS9106(felezonexor)の臨床第1相試験を完了し、次相臨床試験の計画が進められています。 《後続パイプライン》上記2つの臨床開発段階のパイプラインのほか、がんの治癒を目指す新しいコンセプトから創出し前臨床試験のための準備を開始したCBT005、CBP501の研究開発過程で新たに得られた知見を踏まえて創出したCBP-A08、静岡県立大学との共同研究により最適化を進めているIDO/TDO阻害剤など、新規候補化合物の創出・開発パイプラインの拡充に向けて、探索研究を実施しています。 化合物併用対象探索創出最適化前臨床試験臨床試験提携・共同研究第1相第2相第3相CBP501シスプラチン・ニボルマブ膵臓がん3次治療■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ CBS9106(felezonexor)なし固形がん■■■■■■■■■■■■□□□□ Stemline社CBT005未定 ■■■■■■■■■ CBP-A08未定 ■■■■■■■■ IDO/TDO阻害剤未定 □□□□■■ 静岡県立大※表中の■は自社による進捗、□は他社による進捗を示す。 (4) 当社事業の当面の課題と施策 当社事業における当面の課題と施策は、概ね優先順位順に次のとおりです。 ① CBP501について開発を加速し、成功確率を最大化する。 当社は現在、最先行の抗がん剤候補化合物CBP501に関して、製薬企業等との提携関係に依存しない「創薬パイプライン型」の開発を志向しています。 ② 基礎研究を継続し、既存パイプラインに関する知見を深め、次世代パイプラインの創出を図る。 当社は、臨床開発段階のプロジェクトのほか、前述のとおり、基礎研究活動を絶えず実施しています。 また、研究開発にかかる知的財産権の管理等の費用も継続的に発生しています。 これらの取組みは、当社の中長期的な収益獲得と企業価値向上に欠かせないものですが、それらの成果による現実の収益を獲得するまでには一定の期間を要することから、間接金融による資金調達は極めて困難です。 したがって、これらの課題と施策を可能とするための直接金融による継続的な資金調達も併せて当面の優先的な課題と施策のひとつと位置づけています。 (5) 製薬企業との戦略提携を含む開発体制の選択 医薬品の開発プロセスは、通常、長い期間と莫大な費用を必要とします。 このことから、当社のような創薬企業が、基礎研究・臨床開発・製造・上市・販売および上市後のフォローアップなどを単独で行うことは困難であることから、製薬企業等との間で適切な提携関係を構築し、固定費の増加を回避しつつ将来の継続的な開発・承認・上市に至る体制の確保を図るのが一般的な戦略であるとこれまで一般に言われ、早期臨床開発と後期臨床開発の役割分担の形が世界的な標準となっていると言われてきました。 しかしながら前述のとおり、①製薬企業等の提携方針の変化に伴う開発途上化合物に対する提携意欲の低下、②臨床試験の規模が比較的小さくなったことと創薬企業の資金調達環境が大幅に改善されたことから製薬企業の資金に頼らずとも新薬承認獲得までの開発が可能になったこと、③製薬企業との提携は最速かつ成功確率最大の開発進行に寄与せず、むしろ阻害要因にもなりかねないと知られてきたこと、などの理由から、この状況は大きく変化し、創薬企業は製薬企業等との提携に依存しない各パイプラインに最適な開発戦略を立案・選択することが求められています。 一方で、創薬企業と製薬企業等との戦略提携は、両者のリスク分担や利益配分などの考え方を反映し、特許等の排他的な実施権を供与する対価としてロイヤルティを得る形態(いわゆるライセンスアウト)のみならず、さまざまなバリエーションが存在しており、化合物の特性や開発の状況等に応じてこれらを活用することももちろん考えられます。 現在当社は、CBP501に関しては、2010年6月に武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を解消した後、臨床試験を当社単独で進めてきました。 現在は、承認申請までの臨床試験完遂を目指す資金調達を実施するとともに、すべての臨床試験を当社のリスク負担で実施し中長期的な企業価値の最大化を図る「創薬パイプライン型」開発を志向しています。 これと並行して、地域等を区切った部分的な新規提携パートナーの獲得を目指す活動も進めています。 一方、CBS9106については、2014年12月、Stemline社と全世界(当初は日本および中国・台湾・韓国を除いていましたが、2018年8月にこれら除外地域をなくす修正を実施しました。 )における独占的権利を供与するライセンス契約を締結し、戦略提携に基づき当社にとって比較的リスクの小さな開発体制を選択しました。 現在同社は、CBS9106(felezonexor)の臨床第1相試験を完了し、次相臨床試験の計画が進められています。 (6) 研究開発における外部機関との連携 当社は、がん領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬エンジンを基に実施する創薬企業として、基礎研究から臨床開発・上市に至る各ステップにおいて、外部との提携関係(委受託関係を含みます。 )を活用しています。 基礎研究および最適化の段階においては、最適化の過程で必要となる新規候補化合物の合成業務を、この領域において経験豊富な企業に委託しています。 また前述の次世代化合物の創出に向けて、東京大学医学部附属病院およびファルマバレープロジェクト(一般財団法人ふじのくに医療城下町推進機構、静岡県立大学)との共同研究を進めています。 臨床開発においては、抗がん剤の臨床開発に専門性を持つ大手CROとの緊密な提携関係を構築しています。 また、当社は、抗がん剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者による科学顧問会議(SAB)を組成しています。 SABのチェアマンであるダニエル・D・ヴァンホフ教授は、全米がん学会会長・米国がん治療学会会長を歴任した著名ながん臨床研究者で、これまで20年以上にわたり多数の抗がん剤の臨床試験に携わっています。 同氏を議長とするSABミーティングは、2002年3月の発足以来、概ね年2回定期的に開催され、当社の研究開発全般に関する情報交換や議論を行っています。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2024年6月30日現在従業員数(人)平均年齢(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)11(-)49.315.76,617(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(人材派遣会社からの派遣社員を含みます。 )は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。 2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。 3.当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しています。 (2)労働組合の状況 労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者33.3-87.887.8-男性労働者の育児休業取得率計算の対象となる事例は不発生でした。 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。 なお、当社は少人数組織の為、平均年間賃金算出に当たり当事業年度における勤務月数による調整を行っています。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 経営方針と経営環境 当社は、独自の創薬エンジンを基に基礎研究および臨床開発を実施することにより、技術とプロダクトの両方を自社で創出する「創薬企業」として、付加価値の獲得を目指すビジネスモデルを志向しています。 臨床上の治療満足度に改善の余地がみられるがん領域は、引き続き新薬開発のターゲットとして有望な領域の一つとして考えられており、世界の製薬会社やバイオベンチャーが研究開発力の強化に取り組んでいます。 当社は、これまでに蓄積してきた研究成果を生かし、世界のがん領域の市場のニーズに合致した抗がん剤を開発することを目指しています。 当社の属する抗がん剤開発の領域では近年、開発競争の中心が免疫チェックポイント阻害抗体およびその併用療法に移行しています。 この薬剤は画期的な薬効を発揮する一方で、恩恵を受ける患者さんの比率が小さいことから、これを拡大するための多様な試みがなされています。 そのひとつは併用であると目されており、各社がさまざまな併用の組み合わせによる臨床試験を繰り広げています。 当社は、これまでに実施した臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって、CBP501とシスプラチンを免疫チェックポイント阻害抗体と併用することによって薬効が増強される知見を獲得しました。 これを踏まえ、当面のCBP501開発の主軸を当該併用に置く方針です。 なお、文中の将来に関する記載は当事業年度末現在において当社が判断したものです。 当社の経営陣は、当社が行っている事業の環境について、入手可能な情報と経験に基づいた仮定により、経営判断を行っています。 (2) 優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況① 事業活動において優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況(a) CBP501の臨床試験推進 後続化合物で構成されるパイプライン戦略などにより開発リスクの分散や低減は図っているものの、CBP501は当社の将来の事業計画において最初の上市品と想定している化合物であり、この開発の成否が当社事業計画の実現の鍵を握っていると言えます。 失敗・遅延のリスクを最小限に抑え、かつ、最も早期に適切な適応による新薬承認を受け、CBP501の上市を実現することが、当社の中長期的な企業価値の源泉であり、事業活動において最も重要な課題です。 現在、抗がん剤開発競争の中心的存在は免疫チェックポイント阻害抗体です。 この薬剤は画期的な薬効を発揮する一方で、恩恵を受ける患者さんの比率が小さいことから、これを拡大するための多様な試みがなされています。 そのひとつは他の抗がん剤や抗がん治療との併用であると目されており、各社がさまざまな併用の組み合わせによる臨床試験を繰り広げています。 当社は、これまでに実施した臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって得られた知見に基づき、CBP501とシスプラチンを免疫チェックポイント阻害抗体と併用することによって薬効を増強するデータを獲得しました。 現在、当該3剤併用による臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験の準備を進めています。 (b) 創薬エンジンの改良・充実と新規化合物パイプライン獲得 当社のような創薬企業にとって、新規の開発候補化合物パイプラインを継続的に創出・獲得し候補化合物の最適化を実施する創薬エンジンは競争力の源泉であり、その改良と充実は将来の継続的な成長のために必須のものです。 当社ではこれまで、正常細胞とがん細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自の細胞表現型スクリーニングを中軸とする創薬エンジンから、臨床開発段階の抗がん剤候補化合物CBP501、CBS9106を創出してきました。 これら化合物の臨床試験進捗や提携獲得により、当社の創薬エンジンは、外部第三者の評価を経てコンセプトの確立を図ることができたと考えています。 また最近では、CBP501臨床試験データから得られた知見に基づき、創業以来の細胞表現型スクリーニングとは別に、「がん免疫」「がん幹細胞」など個別の作用に着目した候補化合物創出を実施しています。 この取り組みから当社は、近い将来の新規パイプライン候補となるCBT005、CBP-A08を獲得し、さらに次世代のパイプラインとなるべき新たな基礎研究を進めています。 これらの取り組みによって当社は、将来的な継続性ある競争力の強化と企業価値の最大化を図っていきます。 ② 経営基盤において優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況(開発戦略推進のための資金調達) 当社は、CBP501に関して、これまでの臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって得られた知見に基づき、臨床試験を進めています。 一方、当社のような創薬企業は、最初の製品が上市するまでは安定的な収益源がなく、候補化合物の研究開発費用の負担により、長期に亘って先行投資の期間が続きます。 この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。 当社も創業以来継続的に営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローは大半の期にマイナスを計上しています。 また、当社は、当事業年度末において現金及び預金を1,888,200千円保有しているものの、現時点において安定的な収益源を有していません。 この現状を踏まえて当社は、それぞれの開発プロジェクトの進展および開発ポートフォリオの拡充に伴い増加する資金需要に対応するため、さらには抗がん剤の開発体制の強化のため、プロジェクト毎に製薬企業との戦略提携の実現に向けた活動を展開しています。 また、必要に応じて適切な時期に新株発行等による資金調達を実施しています。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社は、事業目標「より良い抗がん剤を一日も早く患者さんにお届けすること」及びこれを実現するための企業理念「フェアであること」「科学的・倫理的・経済的に正しい道を最短の距離・時間で進むこと」に基づき、医薬品分野のバリューチェーンにおける存在意義のある会社として持続的に成長し、世界の医療の発展と、がんで失われる生命・健康・時間の最小化に寄与することを目指します。 また、環境問題をはじめとする社会課題への対応を経営の重要事項として捉え、さまざまな側面から持続可能な社会の実現を目指しています。 さらに、上場企業としてのガバナンスを重視し、役職員が適法適正に業務を遂行するために定めている行動規範の徹底と、財務報告の信頼性と透明性を高める仕組みを構築するとともに、常に最新の科学的知見を活用した価値創造によって、継続的な企業価値の向上を目指しています。 当社のサステナビリティ基本方針は次のとおりです。 1.事業活動全般におけるDXの推進による地球環境への貢献と労働環境の整備2.多様なプロフェッショナル人材が活躍する働きがいのある職場づくり3.健全な成長のためのコーポレートガバナンスの強化 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) ガバナンス 当社は、サステナビリティに関する活動の推進及び統括するための委員会として「サステナビリティ推進委員会(仮称)」の設置による取組みを検討しています。 同委員会は、社外独立取締役を中心に構成し、環境問題をはじめとする社会課題に関して取組むべきテーマを検討・整備し、課題に対する対応方針及び具体的施策の立案、重要課題の項目及びその指標の設定、施策の進捗管理などについて、取締役会の諮問に応えるとともに、必要に応じて委員会から取締役会に提案することを目的とする方針です。 (2) 戦略 当社におけるサステナビリティに関する取組方針の概要は次のとおりです。 (人材育成方針) 当社の手掛ける創薬事業には多様な領域のプロフェッショナル人材の貢献が不可欠であり、人材の多様性の確保を含む人材の育成と働きがいのある職場づくりは特に重要な課題と認識しています。 人材育成方針としては、社員ひとりひとりが自立し自律する主体的な市民(シティズン)として、平等・博愛はもちろん、互恵・相互扶助の精神、コンプライアンス、コミュニケーションを相互に高め、高潔な人格を錬成するよう図っています。 (社内環境整備) 多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員がそれらと無関係に適正かつ公正に評価され、個々の能力を最大限発揮できるよう設計され実施されている現行の制度をさらに充実させるとともに、個々のワーク・ライフ・バランスの尊重などによって、すべての役職員が最大のパフォーマンスを発揮する職場環境を作ることで、業務の生産性向上と個々の生活の質の向上を併せて実現していきます。 当社ではコアタイムを設けたフレックスタイム制を運用しており、また有給休暇の取得奨励(平均取得率実績約80%)、産休後の職場復帰サポート(創業来の職場復帰率実績100%)、男性育休取得奨励(直近の取得率実績100%)等を通じて個々のワーク・ライフ・バランスに資する社内環境を整備しています。 (3) リスク管理 当社は、それぞれの分野に関し各管掌取締役が認識した重要なリスクについて速やかに取締役会構成員で共有し、必要に応じ社外専門家を含めた協議を経て、研究開発計画・財務計画をはじめとする事業計画に反映しています。 (4) 指標および目標 当社は単一の事業所において従業員11名により事業を運営しており、当社のようなフラットな小規模・少人数組織においては、上記「 (2) 戦略」において記載した(人材育成方針)および(社内環境整備)の運用状況の把握は各管掌取締役による直接のモニタリングが有効であると考えられ、よって特段のモニタリング用指標を設定していません。 なお、当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、「5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 |
戦略 | (2) 戦略 当社におけるサステナビリティに関する取組方針の概要は次のとおりです。 (人材育成方針) 当社の手掛ける創薬事業には多様な領域のプロフェッショナル人材の貢献が不可欠であり、人材の多様性の確保を含む人材の育成と働きがいのある職場づくりは特に重要な課題と認識しています。 人材育成方針としては、社員ひとりひとりが自立し自律する主体的な市民(シティズン)として、平等・博愛はもちろん、互恵・相互扶助の精神、コンプライアンス、コミュニケーションを相互に高め、高潔な人格を錬成するよう図っています。 (社内環境整備) 多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員がそれらと無関係に適正かつ公正に評価され、個々の能力を最大限発揮できるよう設計され実施されている現行の制度をさらに充実させるとともに、個々のワーク・ライフ・バランスの尊重などによって、すべての役職員が最大のパフォーマンスを発揮する職場環境を作ることで、業務の生産性向上と個々の生活の質の向上を併せて実現していきます。 当社ではコアタイムを設けたフレックスタイム制を運用しており、また有給休暇の取得奨励(平均取得率実績約80%)、産休後の職場復帰サポート(創業来の職場復帰率実績100%)、男性育休取得奨励(直近の取得率実績100%)等を通じて個々のワーク・ライフ・バランスに資する社内環境を整備しています。 |
指標及び目標 | (4) 指標および目標 当社は単一の事業所において従業員11名により事業を運営しており、当社のようなフラットな小規模・少人数組織においては、上記「 (2) 戦略」において記載した(人材育成方針)および(社内環境整備)の運用状況の把握は各管掌取締役による直接のモニタリングが有効であると考えられ、よって特段のモニタリング用指標を設定していません。 なお、当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、「5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (人材育成方針) 当社の手掛ける創薬事業には多様な領域のプロフェッショナル人材の貢献が不可欠であり、人材の多様性の確保を含む人材の育成と働きがいのある職場づくりは特に重要な課題と認識しています。 人材育成方針としては、社員ひとりひとりが自立し自律する主体的な市民(シティズン)として、平等・博愛はもちろん、互恵・相互扶助の精神、コンプライアンス、コミュニケーションを相互に高め、高潔な人格を錬成するよう図っています。 (社内環境整備) 多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員がそれらと無関係に適正かつ公正に評価され、個々の能力を最大限発揮できるよう設計され実施されている現行の制度をさらに充実させるとともに、個々のワーク・ライフ・バランスの尊重などによって、すべての役職員が最大のパフォーマンスを発揮する職場環境を作ることで、業務の生産性向上と個々の生活の質の向上を併せて実現していきます。 当社ではコアタイムを設けたフレックスタイム制を運用しており、また有給休暇の取得奨励(平均取得率実績約80%)、産休後の職場復帰サポート(創業来の職場復帰率実績100%)、男性育休取得奨励(直近の取得率実績100%)等を通じて個々のワーク・ライフ・バランスに資する社内環境を整備しています。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (4) 指標および目標 当社は単一の事業所において従業員11名により事業を運営しており、当社のようなフラットな小規模・少人数組織においては、上記「 (2) 戦略」において記載した(人材育成方針)および(社内環境整備)の運用状況の把握は各管掌取締役による直接のモニタリングが有効であると考えられ、よって特段のモニタリング用指標を設定していません。 なお、当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合、男性の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、「5 従業員の状況 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 以下において、経営者が当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に関してリスク要因と考える主な事項を記載しています。 また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項、他の事項と比してリスク顕在化のおそれが低い事項、リスクが顕在化した場合の影響が他の事項と比して軽微な事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で必要と考えられる事項については、投資家および株主に対する積極的な情報開示の観点から開示しています。 これらに該当する事項には、項目名の末尾に注を付しています。 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項および本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。 また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全部を網羅したものではないことにご留意いただく必要があります。 なお、文中の将来に関する記載は当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 創薬事業全般に関するリスク 当社は、自社創出の候補化合物群を医薬品として開発する事業を主業務としています。 医薬品の研究開発の分野は、巨大製薬企業をはじめとする多数の強力な競合が存在し、さらに当社を含むいわゆる創薬ベンチャー企業が技術革新の質とスピードを競い合う業界です。 また、開発から製造および販売に至る過程では、多くの規制に従って、長期間にわたり多額の資金を投入して事業活動を推進する必要があります。 その将来性は不確実性を伴うものであり、当社の現在および将来における事業についてもこのようなリスクが附随しています。 ① 医薬品開発の不確実性について 製品上市に至る医薬品開発の過程は長期かつ多額の費用を要するもので、開発が成功する確率は決して高くなく、開発のいずれの段階においても中止や遅延の判断をすることは稀ではありません。 医薬品開発においては、様々な開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において、開発続行の可否が判断されます。 一般的に、その開発途上で中止の決定を行うことは稀なことではなく、開発が順調に進み製品化される確率は低いものとされています。 このリスクを低減・分散するため、一般には開発パイプラインに医薬品候補化合物を複数保有し、かつ、それぞれの候補化合物にバックアップ化合物を保有することによって、ひとつの候補化合物の開発において何らかの障害が発生した場合の対応策とすることが行われています。 当社においては、互いに独立した複数の候補化合物を開発パイプラインに持ち、それぞれについてバックアップ化合物を保有することによって、開発過程において何らかの障害が発生した場合の事業遂行上のロスを最小限に留めるよう努めています。 しかしながら、当社のような規模の創薬企業にとって、ひとつの医薬品候補化合物が開発から脱落することはきわめて大きな影響があります。 また、バックアップの類似化合物といえども医薬品開発上は新規の化合物として取り扱われることから、当該化合物の開発には遅延が生じることとなります。 障害発生までに獲得した類似化合物での知見を活用することにより遅延の幅や遅延に伴う追加費用を縮小できる可能性はあるものの、研究開発に当初予想以上の期間および費用がかかることは否めず、その場合には当社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 将来収益の不確実性について 当社が開発を進めている製品の販売から収益を得るには、当社が単独または第三者と共同で、市場性のある医薬品の開発、許認可当局からの承認、製造および販売のすべての段階において成功を収めることが必要です。 当社は、これらの活動において成功しない可能性があり、また、成功したとしても、当社の事業活動を継続するために必要な採算性を確保する十分な収益を得ることができない可能性もあります。 当社は現在、臨床試験段階の候補化合物を有し、これらの開発を推進し製品上市に至ることによって製品売上高またはロイヤルティ等による事業収益を獲得するべく事業活動を行っています。 しかしながら、現時点において製品販売に関する売上高はなく、現実に製品として上市するまでには相当の期間を要すると予想され、また、現実に製品として上市される保証はありません。 なお、当社は、現時点で想定している適応疾患の選定や提携手法・マーケティング手法等について、既承認の抗がん剤の市場規模やマーケティング実績等をもとに十分に将来の採算性を見込めるものと判断していますが、万一この判断が誤っていた場合、あるいはこの判断の基礎となる状況に変化が発生し当社がその変化に迅速に対応できなかった場合には、当社の財政状態や経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 ③ 遵守すべき法的規制等および医療保険制度等の不確実性について 当社の事業計画は、現行の法的規制および医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提としています。 しかしながら、当社が開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでには相当の期間を要し、その間これらの規制や制度・価格設定動向等が変動しない保証はありません。 もしこれらに大きな変動が発生した場合には、当社の計画する経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 潜在的な競合について 当社の潜在的な競合相手は、主要な製薬企業、バイオ関連企業、大学、その他の研究機関等多岐にわたります。 それら競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財務状況等について当社と比較して優位にある企業が多数あり、当社開発品と競合する医薬品について、有効性の高い製品を効率よく生産および販売する可能性があります。 したがって、許認可当局によって当社の製品候補の販売承認が得られた場合であっても、これら競合相手との競争次第で、当社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。 ⑤ 賠償問題発生リスクについて(※現時点において本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。 ) 医薬品の臨床試験を実施する際には、薬剤による副作用などに伴う賠償問題が発生するリスクが伴います。 これに関し当社は、必要と認める損害保険への加入などによって、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限にするべく対応しています。 しかしながら、賠償額が当該保険により補償される範囲を超える可能性は否定できず、その場合には財政状態や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 また、医薬品の開発および製造には、製造物責任賠償のリスクが内在します。 当社は将来、開発したいずれかの医薬品が健康被害を引き起こし、または臨床試験、製造、営業もしくは販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負い、当社の業務および経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、製造物責任賠償請求がなされることによるイメージ低下により、当社および当社の医薬品に対する信頼が損なわれ、当社の事業に影響を与える可能性があります。 (2) 当社事業遂行上のリスク① 開発資金の確保について 当社のような創薬ベンチャー企業が基礎研究・臨床開発・製造・上市・販売および上市後のフォローアップ等をすべて単独で行うためには、資本市場からの資金調達によるか、もしくは、製薬企業等との間で適切な提携関係を構築し開発費の多くを提携先製薬企業等が負担する戦略提携による必要があります。 当社は、最先行化合物CBP501に関し、2010年6月に武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を解消し、以来現在に至るまで、提携パートナーを有しない状態で臨床開発をはじめとする事業活動を継続してきました。 CBP501の今後の臨床試験については、資本市場からの資金調達による「創薬パイプライン型」開発を志向しつつ、必要に応じて提携パートナーの獲得も模索していきます。 しかしながら、資本市場からの資金調達には不確実性が伴います。 また、提携パートナー獲得活動はその候補となる製薬企業等との交渉によるものであり、成立の不確実性が存在するほか、必ずしもその後の開発推進に十分な資金の確保をもたらすものではありません。 これらのリスクが顕在化し、開発資金の確保が大幅に遅れもしくはできなかった場合には、臨床試験スケジュールの遅延により当社の事業戦略や経営成績、財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 臨床試験データについて 当社は、これまでに実施した臨床試験等から、CBP501およびCBS9106についてはいずれも、医薬品開発を進めるうえで有望な有効性および安全性データが得られていると判断しています。 また、これらの開発計画および当社の事業計画についても、当該判断に基づいて作成されています。 しかしながら、これら開発化合物の有効性および安全性等が許認可当局に確認され新薬承認および上市に至るまでには、将来のピボタル試験(新薬承認申請のための最終的な検証試験)を経る必要があります。 本剤に限らず一般的な医薬品開発に共通することですが、これら今後の臨床試験においては、有効性が確認されず、または重要な安全上の懸念事項が発生するなどの問題が生じる可能性があります。 こうした場合には、CBP501・CBS9106の開発計画の変更もしくは開発中止により、当社の事業計画の実現が困難となり、当社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 開発パイプラインの拡充について 当社は、自社で臨床開発を続けている最先行化合物CBP501、既にライセンスアウトに成功しているCBS9106に続き、今後も新規医薬品候補化合物を自社で獲得・創出しパイプラインを拡充していくことを基本戦略としています。 この戦略を確実に推進するために当社は現在も、創薬アプローチの見直し、スクリーニング法の改良など、新規候補化合物の獲得・創出の可能性を高める努力を続けています。 しかしながら、当社の創薬アプローチやスクリーニング法によって現在すでに開発途中にあるもの以外の候補化合物を探索創出できる保証はありません。 今後の研究において新たな候補化合物が創出されず、または何らかの理由で当社のスクリーニング法による新規医薬品候補化合物の獲得・創出に支障が生じた場合には、当社の研究開発の基本戦略の変更を余儀なくされ、当社の事業戦略や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (3) 会社組織に関するリスク① 業歴が浅いことについて(※現時点において本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。 ) 当社は、2000年1月に設立された、業歴の浅い企業です。 また当社は、事業領域をいわゆる創薬領域に特化した特異な企業であり、将来は当社が開発した抗がん剤上市により事業収益を計上し利益を確保する計画ですが、現時点までに製品売上による事業収益がありません。 今後、未だ経験していない事業上のトラブルが社内外で発生する可能性は否定できず、当社の業績に影響を及ぼすと考えられる様々な事項について網羅的に予想し予め対処しておくことは現状においては困難です。 ② 小規模組織であることについて(※本リスク顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。 ) 当社の研究開発活動は比較的少人数による体制を敷いています。 また、既存パイプラインの開発推進および今後の新規医薬品候補化合物のパイプライン化に伴い、さらなる研究開発人員の増加を計画しています。 しかしながら、何らかの理由により、計画どおりの人員の確保が出来ない場合、あるいは既存人員の大量の流出等が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 ③ 少数の事業推進者への依存について 当社の事業戦略を成し遂げるには、当社事業戦略を推進する各部門の責任者と研究開発員に強く依存するところがあります。 今後も当社は優秀な人材の確保および社内教育に努めていきますが、人材の確保および社内人材の教育が計画どおりに進まない場合、ならびに人材の流出が生じた場合には、当社の事業戦略や研究開発の推進に支障をきたす可能性があります。 また、当社はこれまで、創業科学者であり当社の競争力の源泉となっている技術の創出者・発明者でもある河邊拓己を中心として基礎研究・研究開発をはじめとする事業の全般を推進してきました。 河邊は現在も代表取締役社長として当社の意思決定および事業運営にあたって広範かつ中心的な役割を担っています。 当社は、少数の事業推進者に過度に依存しない体制を構築すべく経営組織の強化を図っていますが、当面は河邊への依存度が高い状態で推移することが見込まれるため、何らかの理由により河邊が当社の業務を遂行するにあたって困難をきたした場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 科学顧問会議(SAB)について(※本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。 ) 当社は、社長の諮問機関として、抗がん剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者による科学顧問会議(SAB)を組成しています。 SABミーティングは、2002年3月の発足以来概ね定期的に開催され、基礎研究から臨床開発に至る情報交換や議論を行っています。 今後も当社は優秀なSABメンバーの確保に努めていきますが、現在のメンバーとの間の契約が更新されないなど、何らかの理由によりメンバーの確保が困難となった場合またはメンバーの流出が生じた場合には、当社の研究開発の推進に何らかの支障をきたす可能性があります。 ⑤ 研究開発の主要部分に関するアウトソーシングについて(※現時点において本リスクの顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。 ) 当社は、自社を少人数体制で運用しつつ機動的な事業運営を図るため、広く社外に有能な専門家の参加を求め、以下に掲げる研究開発の主要な部分についてはアウトソーシング契約に基づく外部委託に依存しています。 ・化合物の最適化およびこれに関連する化合物合成業務 ・前臨床試験および臨床試験に用いる、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造設備およびその品質管理・製造管理に関する規則)に準拠した原薬製造業務 ・臨床試験のコーディネート(CRO) これらの契約につき、当社にとって不利な契約条件変更が行われた場合、または契約期間満了、解除、その他何らかの理由によりこれらの契約が終了した場合は、当社の研究開発の推進に支障をきたし、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 自然災害について 当社は、事業活動の中心となる設備や人員が本社周辺に集中しており、地理的なリスク分散ができていません。 データの分散バックアップやリモート業務体制の拡充等によってリスクの低減は図っているものの、本社周辺地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊、事業活動の停滞によって、当社の財政状態や経営成績は影響を受ける可能性があります。 (4) 知的財産権に関するリスク① 特許の状況について 当社の研究開発に関する特許は、すべて自社保有のものです。 その主要な特許は以下のとおりです。 対象発明の名称所有者国際公開番号登録状況CBP501およびそのバックアップ化合物群抗がん治療の効力を推定するための感受性試験当社2005/014856米国において成立しています。 ペプチド及びペプチド模倣物の併用投与並びにがん患者の部分母集団に対する治療当社2014/207556米国、欧州主要国および日本において成立しています。 ペプチド及びペプチド模倣物並びにT細胞活性化及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の併用によるがん治療当社2017/069291米国、日本において成立しています。 CBS9106をはじめとするCBS9100シリーズDNA傷害を増強することによる抗がん活性をもつ化合物当社2009/031040米国、欧州主要国および日本において成立しています。 IDO/TDO阻害剤IDO/TDO阻害剤(注)22019/078246日本において成立しています。 (注)1.欧州主要国とは、欧州特許庁加盟国のうち、当社の特許戦略上有意義と判断し得る国を指します。 具体的には、ドイツ、スイス、英国、フランス、ベルギー、イタリアなどです。 2.当社と公益財団ふじのくに医療城下町推進機構((旧)一般社団法人ファルマバレープロジェクト支援機構)の共有特許です。 出願中の各特許については、特許出願時に特許性等に関する十分な調査を行ってはいますが、すべての特許出願について特許を受けられるとは限りません。 当社の出願中の特許が成立しなかった場合、他社の競合品に対して特許権を行使することができず、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 さらに、当社事業領域を包含するバイオテクノロジー関連産業においては、日々熾烈な研究開発競争が繰り広げられており、当社の特許が成立し当社技術を保護できたとしても、当社の研究開発を超える優れた開発力により、当社の特許が淘汰または無力化されるおそれは常に存在しています。 仮にそのような研究開発が他社によりなされた場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの特許が発行された場合にも、これらの権利を維持していくための費用が今後当社の負担になる可能性もあります。 なお、本項に記載した事項については、現在、これらの状況に支障もしくは支障の発生を懸念される事項は存在していません。 ② 訴訟およびクレームについて(※本リスクの顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。 ) 当事業年度末現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟およびクレームが発生した事実はありません。 また、当社は、今後発生し得るこのような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては弁護士との相談や特許事務所を通じた特許調査を適宜実施しており、現時点において、当社事業が第三者の特許権等に抵触する可能性は低いものと認識しています。 しかしながら、当社のような研究開発型の企業にとって、差止請求、損害賠償請求、実施料請求等の知的財産権侵害問題の可能性を完全に排除することは困難です。 また、当社が第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、解決に時間および多大の費用を要する可能性があり、さらに、当社が第三者の特許権等を侵害していた場合、当該第三者から差止請求権や損害賠償請求権を行使されたり、高額な実施料を請求されたりすることにより、当社の事業戦略、経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特許の確保に関するリスクについて(※現時点において本リスクの顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。 ) 当社が職務発明の発明者である役員・従業員等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は発明者に対して特許法第35条第3項に定める「相当の対価」を支払わなければなりません。 これまでに対価の支払について発明者との間で問題が生じたことはありませんが、対価の相当性につき紛争が発生する可能性を将来にわたり完全に排除することはできません。 紛争が生じた場合や、発明者に追加の対価を支払わなければならない場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 また、当社が過去に譲り受けた特許および出願特許について、当社または前保有者が第三者により使用権や担保権の主張を受ける可能性を完全に排除することはできず、かかる主張を受けた場合には、当社の事業戦略、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 情報管理について 当社が研究もしくは開発している途上の知見、技術、ノウハウ等、重要な機密情報が流出した場合には、当社の事業戦略、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このリスクを低減するために当社は、役職員、SABメンバー、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結するとともに、個別の事情に応じた情報開示を行うなど、厳重な情報管理に努めています。 しかしながら、役職員、SABメンバー、取引先等によりこれが遵守されなかった場合には、重要な機密情報が漏洩する可能性があり、かかる場合には当社の事業に影響を与える可能性があります。 (5) 経営成績の推移について① 過年度における業績推移について 当社の主要な経営指標等の推移は以下のとおりです。 回次第21期第22期第23期第24期第25期決算年月2020年6月2021年6月2022年6月2023年6月2024年6月事業収益(千円)110,000108,945---営業利益(千円)△566,800△547,671△846,438△965,965△1,262,041経常利益(千円)△573,686△555,112△854,327△1,283,062△1,208,349 当社の現在までの事業収益は、過去に受託した委託研究の対価ならびに提携契約に基づく収益のみであり、当社が開発した抗がん剤の製品売上による事業収益は未だ計上していません。 また、現在まで、抗がん剤開発のための研究開発活動に伴う費用計上が収益を上回り、営業損失、経常損失を計上する状態が続いています。 このため、過年度の財務経営指標は期間業績比較を行うための材料としては不十分であると考えられ、今後の当社業績を予測する材料としては不十分な面があります。 ② 資金繰りについて 当社のような創薬企業の財務上の特徴は、最初の製品が上市するまでは安定的な収益源がなく、候補化合物の研究開発費用の負担により、長期に亘って先行投資の期間が続くことです。 この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。 当社も創業以来継続的に営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローは大半の期にマイナスを計上しています。 また、当社は、当事業年度末において当面の事業活動の継続に影響のない水準の現金及び預金を有しているものの、現時点において安定的な収益源を有していません。 このため、先行投資期間においては、現在進めているアライアンス活動で獲得する新規提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の形で営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるほか、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローのプラスにより補填する方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合には、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 (6) 為替変動リスクについて(※本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。 ) 当社が実施する海外での臨床試験においては、研究開発費等の支出に外貨建取引が含まれる場合があります。 その場合、当社は、外貨建取引の計画時と決済時の間の為替変動リスクを回避するために外貨建取引の支出計画に基づき外貨を事前購入するなどの方法でリスク回避を図る場合がありますが、この為替変動リスクを完全に回避できるとは限らず、この為替変動リスクが顕在化した場合には当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また為替変動に伴う当社保有外貨評価額の変動により、四半期会計期間および事業年度において為替差損益を計上し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について 当社は、当社取締役(監査等委員を含む。 )、従業員および社外協力者等の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を導入しており、会社法の規定に基づき新株予約権を従業員に対して付与しています。 また、当社は、資金調達を目的として、新株予約権を発行しています。 その総量は、当事業年度末現在における当社の発行済株式総数の9.6%にあたります。 今後についても優秀な人材確保のために、同様のインセンティブプランを継続して実施する可能性があります。 また、新株予約権を活用した資金調達を実施する可能性もあります。 このため、既に付与された、もしくは今後付与される当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株あたりの株式価値は希薄化する可能性があります。 (8) 継続企業の前提に関する重要事象等について 当社が手がける創薬事業は、医薬品として承認された製品の売上による事業収益の計上までに多額の資金と長い時間を要する等の特色があります。 当社は創業以来現時点まで製品の売上による事業収益を計上しておらず、また、現時点において、医薬品として承認された製品、承認が確実となっている開発品のいずれも有していません。 現在開発を進めている医薬品候補化合物は、CBP501については、膵臓がんを対象とした次相臨床試験の準備段階、CBS9106については臨床第1相試験を終了し次相臨床試験の計画段階にあります。 これらの候補化合物の開発が今後順調に進捗し医薬品として承認され事業収益に寄与する保証はなく、また、順調に進捗した場合にはさらに多額の資金を投入して開発を進める必要があり、この資金の源泉となる製薬企業等との提携等が必要となるところ、当社は現時点において、CBP501については製薬企業等との提携関係を有しておらず、CBS9106については提携パートナーを有しているもののこれによる収益は当社の事業費用の全額を賄うには至っていません。 この状況により当社には、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。 当該状況を解消するべく、当社は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、⑤ 資本の財源および資金の流動性についての分析」に記載のとおり、必要に応じて資金調達等を実施するほか、CBP501にかかる追加的な戦略提携などによる収益の獲得に努めます。 あわせて後続のパイプラインに関しても、その開発状況に応じて早期アライアンスの獲得活動あるいは資金調達を進めていきます。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 業績等の概要① 業績 当社は、独自の創薬アプローチに基づき、抗がん剤の基礎研究および臨床開発に取り組んでいます。 当社の開発パイプライン中で最も先行している化合物CBP501は、非小細胞肺がん(扁平上皮がんを除く。 )および悪性胸膜中皮腫を対象とした臨床第2相試験を過去に終了し、当該臨床試験のデータの詳細解析から、「がん微小環境」「がん免疫」「がん幹細胞」などに関わるCBP501の多様な作用がわかってきました。 この知見は、後続パイプラインとなる新規候補化合物の創出・探索のみならず、現在進めている臨床試験(現在は臨床第2相試験を成功裏に終了し次相臨床試験の準備中です。 )にも活かされています。 CBP501に関しては、提携パートナーに依存せず自社で新薬承認まで進める「創薬パイプライン型」開発を志向する傍ら、当面の事業収益源となる提携パートナーの確保を目指した活動も積極的に展開しています。 しかしながら、当事業年度中の提携パートナーの確保には至りませんでした。 2つ目の候補化合物CBS9106については、提携パートナーである米国 Stemline社は進行固形がん患者を対象とし主に安全性の評価を目的とした臨床第1相試験を完了し、次相臨床試験の計画を進めています。 さらに当社は、これら2つの候補化合物の後続パイプラインとなる新規候補化合物の探索・創出に向けて、当社独自の薬剤スクリーニング法による探索研究と、CBP501に関する新たな知見を基にした「次世代CBPプロジェクト」からの創出に取り組み、候補化合物CBP-A08を獲得しています。 また、この一環として当社は、関係諸機関との共同研究を実施しています。 以上の結果、当事業年度の研究開発費は、例年水準の基礎研究費支出に次相臨床試験準備を含むCBP501臨床試験費用ならびに次世代プロジェクト関連支出が加わり、前事業年度比312,452千円増加の983,493千円となりました。 販売費及び一般管理費は、前事業年度比16,376千円減少の278,547千円となり、研究開発費と合わせた事業費用は、前事業年度比296,076千円増加し、1,262,041千円となりました。 この結果、営業損失は1,262,041千円(前事業年度営業損失965,965千円)となり、営業外収益として為替差益59,270千円を計上したことなどにより経常損失は1,208,349千円(前事業年度経常損失1,283,062千円)、当期純損失は1,209,599千円(前事業年度当期純損失1,244,108千円)となりました。 なお、当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。 ② キャッシュ・フロー 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、日常的な研究費ならびに販売費及び一般管理費の支出、CBP501臨床試験関連費用(現在は臨床第2相試験を終了し次相臨床試験の準備中)支出ならびに次世代プロジェクト関連の支出等により、1,280,192千円の減少(前事業年度1,398,936千円の減少)となりました。 なお、欧州における臨床第3相試験開始が困難となった場合には速やかに米国臨床第2b相試験を開始できるよう米国臨床試験のCRO(臨床試験実施機関)に対して計上してきた前渡金が、米国で備えるべき準備に区切りがついたことから、一部返還(当事業年度末をまたぐものは未収入金へ振替)されました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローには変動はありませんでした(前事業年度も変動なし。 )。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使にともなう株式の発行による収入等により、1,538,270千円の増加(前事業年度2,272,621千円の増加)となりました。 これらに加え、外貨建預金について現金及び現金同等物に係る換算差額12,327千円を計上した結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ270,405千円増加し、1,888,200千円となりました。 (2) 生産、受注および販売の実績① 生産実績 当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしていません。 ② 受注実績 当社は受注生産を行っていませんので、受注実績の記載はしていません。 ③ 販売実績 当事業年度の販売実績はありません。 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 ① 重要な会計方針および見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。 この財務諸表の作成にあたりましては、決算日における資産および負債、会計期間における収益および費用について会計上の見積りを必要としています。 この見積りに関しては、過去の実績、適切な仮定に基づいて合理的に計算していますが、実際の結果と相違する場合があります。 当社の重要な会計方針は、財務諸表の注記事項(重要な会計方針)に記載しています。 ② 当事業年度の財政状態の分析 当事業年度末の総資産は2,432,855千円となり、前事業年度末比346,856千円の増加となりました。 純資産の部においては、新株予約権の行使および譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金および資本準備金がそれぞれ808,078千円増加する一方で当期純損失の計上により繰越利益剰余金が1,209,599千円減少しました。 資産の部においては、流動資産の現金及び預金が270,405千円増加しました。 欧州における臨床第3相試験開始が困難となった場合には速やかに米国臨床第2b相試験を開始できるよう米国臨床試験のCRO(臨床試験実施期間)に対して計上してきた前渡金が、米国で備えるべき準備に区切りがついたことから一部返還され前渡金が257,824千円の減少となり、この内当事業年度末をまたぐ返還額を振り替えたことなどにより未収入金が206,175千円増加しました。 また、譲渡制限付株式報酬費用および欧州での臨床試験保険費用として長期前払費用29,831千円を当事業年度から計上しています。 負債の部においては、流動負債の未払金が59,723千円の減少となりました。 ③ 当事業年度の経営成績の分析 当事業年度においては、当社の主要プロダクトであるCBP501について製薬企業等との提携獲得活動により収益確保に努めてきましたが、当事業年度内の契約締結には至りませんでした。 また、研究開発費については、例年水準の基礎研究費支出の他、次相臨床試験準備を含むCBP501臨床試験関連の支出および次世代プロジェクト関連の支出により、前事業年度比312,452千円増加の983,493千円となりました。 販売費及び一般管理費は、前事業年度比16,376千円減少の278,547千円となり、研究開発費と合わせた事業費用は、前事業年度比296,076千円増加し、1,262,041千円となりました。 この結果、営業損失は前事業年度比296,076千円損失増の1,262,041千円となり、営業外収益として為替差益59,270千円を計上したことにより経常損失は前事業年度比74,712千円損失減の1,208,349千円、当期純損失は前事業年度比34,508千円損失減の1,209,599千円となりました。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗がん剤の上市後において製品売上高の計上により利益を確保する計画ですが、それまでの先行投資期間においては抗がん剤の研究開発費負担等から損失を計上する予定です。 なお、先行投資期間においては、主に提携製薬会社からの収入が損益改善に寄与する可能性があります。 当社が新たに提携パートナーを確保した場合には、契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の収入を受取る可能性があり、当面は開発の進捗状況および当該提携獲得活動の状況が当社の損益に大きな影響を与えます。 ⑤ 資本の財源および資金の流動性についての分析 当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗がん剤の上市後に製品販売による収入を計上する計画ですが、それまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画です。 先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローのプラスにより補填するほか、新規提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の形で営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努める方針です。 当事業年度の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、次相臨床試験準備を含むCBP501臨床試験関連の支出ならびに次世代プロジェクト関連の支出等により、1,280,192千円の減少(前事業年度1,398,936千円の減少)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローには変動はありませんでした(前事業年度も変動なし。 )。 財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使にともなう株式の発行による収入等により、1,538,270千円の増加(前事業年度2,272,621千円の増加)となりました。 これらに加え、外貨建預金について現金及び現金同等物に係る換算差額12,327千円を計上した結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ270,405千円増加し、1,888,200千円となりました。 |
経営上の重要な契約等 | 5【経営上の重要な契約等】 (1) ライセンス契約相手方の名称国名契約品目契約締結日契約内容契約期間Stemline Therapeutics, Inc.米国CBS91062014年12月26日(修正:2018年8月14日)CBS9106の開発・製造・商業化にかかる全世界における独占的権利の供与契約期間の定めなし(注)上記のライセンス契約においては、契約締結日付で契約一時金を、以降は技術アドバイザリーフィーを、それぞれ当社で事業収益に計上しています。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社は、独特の創薬アプローチに基づく抗がん剤の研究開発活動を行っています。 当社は医薬品事業の単一セグメントであり、当事業年度における研究開発費は983,493千円です。 (1) 研究開発体制 基礎研究部門については沼津本社を拠点としています。 探索研究については、当社独自の薬剤スクリーニング法による探索を行っています。 この探索を効率的に推進するために、当社スクリーニング法の改良に努め、新規医薬品候補化合物の創出・獲得の可能性を高める努力を行っています。 最適化段階においては、最適化の過程で必要となる新規候補化合物の合成および最適化作業の一部を、この領域において経験の豊富なアウトソーシング先に委託しています。 臨床開発においては、抗がん剤の開発経験が豊富な大手グローバルCROとの緊密な提携関係により、柔軟な臨床試験運営を可能としています。 また、当社は、社長の諮問機関として、抗がん剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者からなる科学顧問会議(SAB)を組成しています。 SABのチェアマンであるダニエル・D・ヴァンホフ教授は、全米がん学会会長・米国がん治療学会会長を歴任した著名ながん臨床研究者で、これまで20年以上にわたり200種類以上の抗がん剤の臨床試験に関わっています。 当社は、同氏を議長とするSABミーティングを、2002年3月の発足以来年2回定期的に開催し、研究開発全般に関する情報交換や議論を行っています。 当事業年度末日現在、当社の研究開発人員数は11名と、少人数による体制を敷いていますが、上記の連携関係を十分に活用することにより、既存パイプラインの研究開発推進と新規開発候補化合物の獲得を効率的かつ積極的に推進しています。 (2) 薬剤スクリーニング法について 創薬事業において基本技術となるのは、当該領域の特性に合致した効率の良い薬剤候補化合物のスクリーニング法およびその評価システムです。 当社では設立以来、独自のスクリーニング法の構築と改良に注力してきました。 現在当社が保有するすべての抗がん剤候補化合物は、この技術により自社で探索し、最適化を進めた結果として創出・獲得されたものです。 当社は、現在も、この領域における将来にわたる競争優位確保を目的として、このスクリーニング法のさらなる改良に取り組んでいます。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社は、医薬品事業の単一セグメントです。 当事業年度については、設備投資はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社における主要な設備は、以下のとおりです。 2024年6月30日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物工具、器具及び備品合計本社(静岡県沼津市)医薬品事業本社機能基礎研究簡易薬効試験---11(-)(注)1. 上記の金額には消費税等は含まれていません。 2. 本社については建物を賃借しており、年間賃借料は24,000千円です。 3. 従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しています。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社の設備投資については、研究開発用設備を中心に、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して決定しています。 なお、当事業年度末現在における重要な設備の新設、改修計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 983,493,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 49 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 16 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,617,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2024年6月30日現在氏名または名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 楽天証券株式会社東京都港区青山2丁目6番21号397,6002.20 西村彰石川県金沢市340,0001.88 株式会社SBI証券東京都港区六本木1丁目6番1号150,7440.83 BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2 KING EDWARD STREET, LONDON EC1A 1HQ UNITED KINGDOM(千代田区丸の内2丁目7-1 決済事業部)150,2600.83 大和証券株式会社東京都千代田区丸の内1丁目9番1号111,5000.61 株式会社三星住発新潟県新潟市西区五十嵐1の町6676-7106,0000.58 森村剛大阪府堺市99,7000.55 柴田達宏福井県福井市88,6000.49 中上静東京都目黒区80,0000.44 野村證券株式会社東京都中央区日本橋1丁目13番1号78,1000.43計-1,602,5048.89(注)2024年7月4日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書(大量保有)において、 株式会社SBI証券が2024年6月28日現在で以下の株式を保有している旨が記載されているものの、当社として2024年6月30日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めていません。なお、同変更報告書の内容は次のとおりです。提出者 株式会社SBI証券住所 東京都港区六本木1丁目6番1号保有株券等の数 1,049,744株株券等保有割合 5.82% |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 36 |
株主数-外国法人等-個人 | 54 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 24 |
株主数-個人その他 | 14,185 |
株主数-その他の法人 | 101 |
株主数-計 | 14,403 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 野村證券株式会社 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式109,440当期間における取得自己株式--(注)当期間における取得自己株式には、2024年9月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれていません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -9,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -9,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)16,395,6551,628,000-18,023,655合計16,395,6551,628,000-18,023,655 (注) 普通株式の発行済株式総数の増加1,628,000株は、新株予約権の行使(1,560,000株)および譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行(68,000株)による増加です。 2.自己株式に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)自己株式 普通株式(注)58810-598合計58810-598 (注) 普通株式の自己株式の株式数の増加10株は、単元未満株式の買取請求によるものです。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人ト ー マ ツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2024年9月27日株 式 会 社 キ ャ ン バ ス 取 締 役 会 御 中 有限責任監査法人ト ー マ ツ 静 岡 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士森田 健司 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士石黒 宏和 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社キャンバスの2023年7月1日から2024年6月30日までの第25期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社キャンバスの2024年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する経営者による対応策の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は研究開発型創薬ベンチャー企業であり、開発から製品が上市されるまでの期間は多額の製品開発費用が先行して計上され、その間、企業価値を高めるためにパイプラインの臨床試験の継続実施及び基礎研究による次世代パイプライン創出を進めるとともに事業の安定的な継続性を維持するために資金を確保することが重要となる。 会社は、当期においては事業収益が発生しておらず、営業損失、当期純損失が過年度より継続して発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 このような状況において、経営者は、当該事象又は状況を解消するための対応策として、当事業年度末の現金及び預金残高1,888,200千円(貸借対照表計上額)を基礎として翌事業年度の資金収入及び資金支出に基づく資金計画を策定している。 また、第5【経理の状況】 1【財務諸表等】 (1)【財務諸表】 【注記事項】 (重要な後発事象)に記載のとおり、2024年7月1日から2024年9月27日までの間に、当期末時点で未行使の第19回新株予約権の全部及び第20回新株予約権の一部が権利行使された結果、1,154,746千円の資金調達がなされている。 経営者は当該資金計画等を踏まえて、当事業年度末から翌12ヶ月間の資金繰りに重要な懸念はないと判断し、財務諸表において継続企業の前提に関する重要な不確実性の注記を行っていない。 資金計画は、年度予算をもとにした支出及び収入の予測に基づき作成される。 支出予測には現在進行中の臨床試験に要する将来の資金支出の見積りが必要であり、これには臨床試験の今後の推移についての経営者による仮定が含まれる。 また、収入予測には資金調達による将来の資金収入の見積りが必要であり、これには既発行の新株予約権の今後の権利行使等の資金調達の推移についての経営者による仮定が含まれる。 これらの仮定は不確実性を伴い、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断に影響を及ぼす。 以上から、当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断及び対応策の妥当性の評価が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断及び対応策の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。 (資金支出及び資金調達の実績の検証)・会社の当期の資金支出及び資金調達の状況、資金残高の状況を検討した。 ・当期の資金支出については、会計帳簿と証憑類との突合を行った。 ・当期に実行された資金調達及び後発事象に記載された資金調達については、新株予約権の行使取引の検討を行った。 検討にあたっては、会計帳簿と証憑類との突合を行った。 ・期末時点での預金残高について残高確認を行った。 (資金支出及び資金調達の将来予測の合理性の評価)・期末日から1年後の資金残高予測へ反映すべき事項の把握のため、取締役会議事録や稟議書の閲覧を行った。 ・現在進めている医薬品候補化合物の開発に関するリスクの状況及び資金計画の実行可能性に関する評価について経営者に対して質問を行い、経営者の見解を入手した。 ・資金計画の合理性を評価するために、主な資金支出である次相臨床試験費用に関して計画を閲覧し、前相臨床試験の発生実績との比較を実施するとともに、支出の見積りの正確性を確かめるために委託先との契約書を閲覧した。 ・主な資金収入である新株予約権の行使による調達に関して、新株予約権の行使価額及び行使による発行株式数について決算日以降の行使実績との比較を実施した。 ・上記手続の検討結果を踏まえて、経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の2025年6月30日までの期間の資金繰りを独自に見積もり、資金収入が資金支出を上回るか否かを検討し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるか否かについて評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社キャンバスの2024年6月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社キャンバスが2024年6月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 継続企業の前提に関する経営者による対応策の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は研究開発型創薬ベンチャー企業であり、開発から製品が上市されるまでの期間は多額の製品開発費用が先行して計上され、その間、企業価値を高めるためにパイプラインの臨床試験の継続実施及び基礎研究による次世代パイプライン創出を進めるとともに事業の安定的な継続性を維持するために資金を確保することが重要となる。 会社は、当期においては事業収益が発生しておらず、営業損失、当期純損失が過年度より継続して発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在している。 このような状況において、経営者は、当該事象又は状況を解消するための対応策として、当事業年度末の現金及び預金残高1,888,200千円(貸借対照表計上額)を基礎として翌事業年度の資金収入及び資金支出に基づく資金計画を策定している。 また、第5【経理の状況】 1【財務諸表等】 (1)【財務諸表】 【注記事項】 (重要な後発事象)に記載のとおり、2024年7月1日から2024年9月27日までの間に、当期末時点で未行使の第19回新株予約権の全部及び第20回新株予約権の一部が権利行使された結果、1,154,746千円の資金調達がなされている。 経営者は当該資金計画等を踏まえて、当事業年度末から翌12ヶ月間の資金繰りに重要な懸念はないと判断し、財務諸表において継続企業の前提に関する重要な不確実性の注記を行っていない。 資金計画は、年度予算をもとにした支出及び収入の予測に基づき作成される。 支出予測には現在進行中の臨床試験に要する将来の資金支出の見積りが必要であり、これには臨床試験の今後の推移についての経営者による仮定が含まれる。 また、収入予測には資金調達による将来の資金収入の見積りが必要であり、これには既発行の新株予約権の今後の権利行使等の資金調達の推移についての経営者による仮定が含まれる。 これらの仮定は不確実性を伴い、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断に影響を及ぼす。 以上から、当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断及び対応策の妥当性の評価が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、継続企業の前提に関する重要な不確実性の有無についての経営者による判断及び対応策の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。 (資金支出及び資金調達の実績の検証)・会社の当期の資金支出及び資金調達の状況、資金残高の状況を検討した。 ・当期の資金支出については、会計帳簿と証憑類との突合を行った。 ・当期に実行された資金調達及び後発事象に記載された資金調達については、新株予約権の行使取引の検討を行った。 検討にあたっては、会計帳簿と証憑類との突合を行った。 ・期末時点での預金残高について残高確認を行った。 (資金支出及び資金調達の将来予測の合理性の評価)・期末日から1年後の資金残高予測へ反映すべき事項の把握のため、取締役会議事録や稟議書の閲覧を行った。 ・現在進めている医薬品候補化合物の開発に関するリスクの状況及び資金計画の実行可能性に関する評価について経営者に対して質問を行い、経営者の見解を入手した。 ・資金計画の合理性を評価するために、主な資金支出である次相臨床試験費用に関して計画を閲覧し、前相臨床試験の発生実績との比較を実施するとともに、支出の見積りの正確性を確かめるために委託先との契約書を閲覧した。 ・主な資金収入である新株予約権の行使による調達に関して、新株予約権の行使価額及び行使による発行株式数について決算日以降の行使実績との比較を実施した。 ・上記手続の検討結果を踏まえて、経営者が作成した資金計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の2025年6月30日までの期間の資金繰りを独自に見積もり、資金収入が資金支出を上回るか否かを検討し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるか否かについて評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 継続企業の前提に関する経営者による対応策の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 267,584,000 |
長期前払費用 | 29,831,000 |
投資その他の資産 | 124,389,000 |
BS負債、資本
未払金 | 45,355,000 |
未払法人税等 | 45,282,000 |
資本剰余金 | 7,572,485,000 |
利益剰余金 | -12,853,099,000 |
株主資本 | 2,304,619,000 |
負債純資産 | 2,432,855,000 |
PL
営業利益又は営業損失 | -1,262,041,000 |
受取利息、営業外収益 | 32,000 |
為替差益、営業外収益 | 59,270,000 |
営業外収益 | 59,305,000 |
営業外費用 | 5,613,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 1,250,000 |
法人税等 | 1,250,000 |
PL2
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | 2,166,000 |
当期変動額合計 | 408,714,000 |
FS_ALL
現金及び現金同等物の残高 | 1,888,200,000 |
役員報酬、販売費及び一般管理費 | 57,608,000 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 12,327,000 |
現金及び現金同等物の増減額 | 270,405,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
為替差損益(△は益)、営業活動によるキャッシュ・フロー | -12,327,000 |
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー | -109,914,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | -1,278,974,000 |
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -1,250,000 |
概要や注記
連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み、経理の状況 | 当社は、財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。 具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、セミナーへ参加等の取組みを行っています。 |
主要な販売費及び一般管理費 | ※2.販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度該当なし、当事業年度該当なし、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度100.0%、当事業年度100.0%です。 販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額は次のとおりです。 前事業年度(自 2022年7月 1日 至 2023年6月30日) 当事業年度(自 2023年7月 1日 至 2024年6月30日)役員報酬58,358千円57,608千円給与手当30,79231,311公租公課110,22787,284支払手数料31,01732,606 |
新株予約権等に関する注記 | 3.新株予約権等に関する事項区分新株予約権の内訳新株予約権の目的となる株式の種類新株予約権の目的となる株式の数(株)当事業年度末残高(千円)当事業年度期首当事業年度増加当事業年度減少当事業年度末提出会社第19回新株予約権(注)普通株式2,250,000-1,560,000690,0004,202第20回新株予約権普通株式1,000,000--1,000,0005,340ストック・オプションとしての新株予約権-----26,705合計-----36,247 (注) 第19回新株予約権の当事業年度における減少は、新株予約権の行使によるものです。 |
配当に関する注記 | 4.配当に関する事項 該当事項はありません。 |
現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 | ※ 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 前事業年度(自 2022年7月 1日至 2023年6月30日)当事業年度(自 2023年7月 1日至 2024年6月30日)現金及び預金勘定1,617,795千円1,888,200千円預入期間が3ヶ月を超える定期預金- - 現金及び現金同等物1,617,795 1,888,200 |
製品及びサービスごとの情報 | 1. 製品およびサービスごとの情報 外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。 |
売上高、地域ごとの情報 | (1) 売上高 外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。 |
有形固定資産、地域ごとの情報 | (2) 有形固定資産 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。 |
主要な顧客ごとの情報 | 3. 主要な顧客ごとの情報 外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。 |
貸借対照表 | ①【貸借対照表】 (単位:千円) 前事業年度(2023年6月30日)当事業年度(2024年6月30日)資産の部 流動資産 現金及び預金1,617,7951,888,200貯蔵品772728前渡金367,747109,923前払費用13,23634,753未収入金61,409267,584未収消費税等6,7027,275流動資産合計2,067,6642,308,466固定資産 投資その他の資産 長期前払費用-29,831その他18,33594,558投資その他の資産合計18,335124,389固定資産合計18,335124,389資産合計2,085,9992,432,855 負債の部 流動負債 未払金105,07845,355未払法人税等44,62645,282預り金4,1411,351流動負債合計153,84691,988負債合計153,84691,988 純資産の部 株主資本 資本金6,777,5567,585,635資本剰余金 資本準備金6,764,4067,572,485資本剰余金合計6,764,4067,572,485利益剰余金 その他利益剰余金 繰越利益剰余金△11,643,499△12,853,099利益剰余金合計△11,643,499△12,853,099自己株式△392△401株主資本合計1,898,0712,304,619新株予約権34,08136,247純資産合計1,932,1522,340,867負債純資産合計2,085,9992,432,855 |
損益計算書 | ②【損益計算書】 (単位:千円) 前事業年度(自 2022年7月 1日 至 2023年6月30日)当事業年度(自 2023年7月 1日 至 2024年6月30日)事業収益--事業費用 研究開発費※1 671,040※1 983,493販売費及び一般管理費※2 294,924※2 278,547事業費用合計965,9651,262,041営業損失(△)△965,965△1,262,041営業外収益 受取利息2132為替差益4,03659,270その他-2営業外収益合計4,05859,305営業外費用 社債利息1,169-株式交付費319,9775,544その他969営業外費用合計321,1555,613経常損失(△)△1,283,062△1,208,349特別利益 新株予約権戻入益40,204-特別利益合計40,204-税引前当期純損失(△)△1,242,858△1,208,349法人税、住民税及び事業税1,2501,250法人税等合計1,2501,250当期純損失(△)△1,244,108△1,209,599 |
株主資本等変動計算書 | ③【株主資本等変動計算書】 前事業年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計 資本準備金資本剰余金合計その他利益剰余金利益剰余金合計 繰越利益剰余金当期首残高5,286,3275,273,1765,273,176△10,399,391△10,399,391△297159,814当期変動額 新株の発行1,491,2291,491,2291,491,229 2,982,459当期純損失(△) △1,244,108△1,244,108 △1,244,108自己株式の取得 △94△94株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計1,491,2291,491,2291,491,229△1,244,108△1,244,108△941,738,257当期末残高6,777,5566,764,4066,764,406△11,643,499△11,643,499△3921,898,071 新株予約権純資産合計当期首残高90,874250,688当期変動額 新株の発行 2,982,459当期純損失(△) △1,244,108自己株式の取得 △94株主資本以外の項目の当期変動額(純額)△56,793△56,793当期変動額合計△56,7931,681,463当期末残高34,0811,932,152 当事業年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金自己株式株主資本合計 資本準備金資本剰余金合計その他利益剰余金利益剰余金合計 繰越利益剰余金当期首残高6,777,5566,764,4066,764,406△11,643,499△11,643,499△3921,898,071当期変動額 新株の発行808,078808,078808,078 1,616,156当期純損失(△) △1,209,599△1,209,599 △1,209,599自己株式の取得 △9△9株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計808,078808,078808,078△1,209,599△1,209,599△9406,547当期末残高7,585,6357,572,4857,572,485△12,853,099△12,853,099△4012,304,619 新株予約権純資産合計当期首残高34,0811,932,152当期変動額 新株の発行 1,616,156当期純損失(△) △1,209,599自己株式の取得 △9株主資本以外の項目の当期変動額(純額)2,1662,166当期変動額合計2,166408,714当期末残高36,2472,340,867 |
重要な会計方針、財務諸表 | (重要な会計方針)1. 棚卸資産の評価基準および評価方法最終仕入原価法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定。 )2. 固定資産の減価償却の方法(1)有形固定資産 定率法(ただし、建物(2016年3月31日以前に取得した建物附属設備を除く。 )については定額法。 ) なお、主な耐用年数は以下のとおりです。 建物 3~18年工具、器具及び備品 2~10年(2)無形固定資産 自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法3. 繰延資産の処理方法株式交付費 支出時に全額費用として処理しています。 4. キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲 手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。 5. その他財務諸表作成のための基礎となる事項消費税等の会計処理 消費税および地方消費税の会計処理は税抜方式によっており、控除対象外消費税および地方消費税は、当事業年度の費用として処理しています。 |
有価証券関係、財務諸表 | (有価証券関係) 該当事項はありません。 |
税効果会計関係、財務諸表 | (税効果会計関係)1. 繰延税金資産の発生の主な原因別の内訳 前事業年度(2023年6月30日) 当事業年度(2024年6月30日)税務上の繰越欠損金(注)1,498,036千円 1,762,995千円その他83,582 88,112繰延税金資産小計1,581,618 1,851,107税務上の繰越欠損金にかかる評価性引当額(注)△1,498,036 △1,762,995将来減算一時差異等の合計にかかる評価性引当額△83,582 △88,112評価性引当額小計△1,581,618 △1,851,107繰延税金資産合計- - (注)税務上の繰越欠損金およびその繰延税金資産の繰越期限別の金額前事業年度(2023年6月30日) 1年以内(千円)1年超2年以内(千円)2年超3年以内(千円)3年超4年以内(千円)4年超5年以内(千円)5年超(千円)合計(千円)税務上の繰越欠損金(※)81,862104,606109,598122,538114,386965,0431,498,036評価性引当額△81,862△104,606△109,598△122,538△114,386△965,043△1,498,036繰延税金資産------- 当事業年度(2024年6月30日) 1年以内(千円)1年超2年以内(千円)2年超3年以内(千円)3年超4年以内(千円)4年超5年以内(千円)5年超(千円)合計(千円)税務上の繰越欠損金(※)104,606109,598122,538114,386148,9001,162,9651,762,995評価性引当額△104,606△109,598△122,538△114,386△148,900△1,162,965△1,762,995繰延税金資産-------(※)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。 2. 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳 前事業年度(2023年6月30日) 当事業年度(2024年6月30日)法定実効税率29.9% 29.9%(調整) 評価性引当額の増減△21.2 △ 22.3繰越欠損金の消滅△9.5 △ 6.7その他0.7 △ 1.0税効果会計適用後の法人税等の負担率△0.1 △ 0.1 |
収益認識関係、財務諸表 | (収益認識関係) 該当事項はありません。 |
重要な後発事象、財務諸表 | (重要な後発事象)新株予約権の権利行使 2024年7月1日から2024年9月27日までの間に、当期末時点で未行使の第19回新株予約権の全部および第20回新株予約権の一部が以下の通り権利行使された結果、資本金および資本準備金がそれぞれ580,542千円増加しました。 ・行使新株予約権個数 10,900個・行使価額の総額 1,154,746千円・発行した株式の種類および数 普通株式 1,090,000株 |
有形固定資産等明細表 | 【有形固定資産等明細表】 該当事項はありません。 |
引当金明細表 | 【引当金明細表】 該当事項はありません。 |
主な資産及び負債の内容 | (2)【主な資産及び負債の内容】 流動資産(a) 現金及び預金区分金額(千円)預金 普通預金1,765,200外貨普通預金123,000合計1,888,200 (b) 貯蔵品品名金額(千円)研究用貯蔵品728合計728 (c) 未収入金区分金額(千円)臨床試験関係267,579その他4合計267,584 |
その他、財務諸表等 | (3)【その他】 ① 当事業年度における四半期情報等(累計期間)第1四半期第2四半期第3四半期当事業年度事業収益(千円)----税引前四半期(当期)純損失金額(△)(千円)△194,497△393,340△552,943△1,208,349四半期(当期)純損失金額(△)(千円)△194,809△393,965△553,880△1,209,5991株当たり四半期(当期)純損失金額(△)(円)△11.19△22.37△31.21△67.90 (会計期間)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期1株当たり四半期純損失金額(△)(円)△11.19△11.18△8.87△36.38 ② 決算日後の状況 該当事項はありません。 ③ 訴訟 該当事項はありません。 |
提出会社の株式事務の概要 | 第6【提出会社の株式事務の概要】 事業年度7月1日から6月30日まで定時株主総会9月中基準日6月30日剰余金の配当の基準日12月31日 6月30日1単元の株式数100株単元未満株式の買取り 取扱場所東京都府中市日鋼町1-1三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部株主名簿管理人東京都千代田区丸の内一丁目4番5号三菱UFJ信託銀行株式会社取次所-買取手数料株式の売買の委託にかかる手数料相当額として別途定める金額公告掲載方法電子公告により行います。 ただし、事故その他やむを得ない事由が生じた場合は、日本経済新聞に掲載して行います。 電子公告掲載URL: https://www.canbas.co.jp/ir株主に対する特典該当事項はありません。 (注)当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨、定款に定めています。 ・会社法第189条第2項各号に掲げる権利・会社法第166条第1項の規定による請求をする権利・株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利 |
提出会社の親会社等の情報 | 1【提出会社の親会社等の情報】 当社は、親会社等はありません。 |
その他の参考情報 | 2【その他の参考情報】 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。 (1) 有価証券報告書およびその添付書類ならびに確認書 事業年度(第24期) (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) 2023年9月26日関東財務局長に提出 (2) 内部統制報告書およびその添付書類 2023年9月26日関東財務局長に提出(3) 四半期報告書および確認書 (第25期第1四半期) (自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月10日関東財務局長に提出 (第25期第2四半期) (自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月9日関東財務局長に提出 (第25期第3四半期) (自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) 2024年5月10日関東財務局長に提出(4) 臨時報告書 2023年9月27日関東財務局長に提出 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書です。 |
提出会社の保証会社等の情報 | 第二部【提出会社の保証会社等の情報】 該当事項はありません。 |
提出会社の経営指標等 | 提出会社の経営指標等 回次第21期第22期第23期第24期第25期決算年月2020年6月2021年6月2022年6月2023年6月2024年6月事業収益(千円)110,000108,945---経常損失(△)(千円)△573,686△555,112△854,327△1,283,062△1,208,349当期純損失(△)(千円)△572,790△531,034△855,577△1,244,108△1,209,599持分法を適用した場合の投資利益(千円)-----資本金(千円)4,589,0444,954,9525,286,3276,777,5567,585,635発行済株式総数(株)7,036,4408,738,54011,537,54016,395,65518,023,655純資産額(千円)236,902437,972250,6881,932,1522,340,867総資産額(千円)1,263,2831,295,610790,7092,085,9992,432,8551株当たり純資産額(円)21.5840.3513.85115.77127.871株当たり配当額(円)-----(うち1株当たり中間配当額)(-)(-)(-)(-)(-)1株当たり当期純損失金額(△)(円)△83.64△70.01△88.31△83.03△67.90潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額(円)-----自己資本比率(%)12.027.220.291.094.7自己資本利益率(%)-----株価収益率(倍)-----配当性向(%)-----営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△552,921△688,572△719,814△1,398,936△1,280,192投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△72-182--財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)901,659728,800282,7512,272,6211,538,270現金及び現金同等物の期末残高(千円)1,112,3341,154,754737,7751,617,7951,888,200従業員数(人)1112111211(外、平均臨時雇用者数)(-)(-)(-)(-)(-)株主総利回り(%)95.051.383.0157.369.4(比較指標:東証グロース市場250指数)(%)(113.2)(135.0)(74.0)(91.2)(73.9)最高株価(円)1,0687558882,9751,263最低株価(円)437365162528411(注)1. 当社は連結財務諸表を作成していませんので、連結会計年度にかかる主要な経営指標等の推移については記載していません。 2. 事業収益には、消費税等は含まれていません。 3. 第21期、第22期、第23期、第24期、および第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載していません。 4. 第21期、第22期、第23期、第24期、および第25期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載していません。 5. 第21期、第22期、第23期、第24期、および第25期の株価収益率については、1株当たり当期純損失金額であるため記載していません。 6. 株主総利回りの比較指標は東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、「東京マザーズ指数」から「東京グロース市場250指数」へ変更しています。 7. 最高株価および最低株価は2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所マザーズ市場におけるものです。 |