corp
| 沿革 | 2 【沿革】 年月概要2015年7月東京都文京区においてサスメド合同会社を設立2015年10月国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」といいます。 )Technology Commercialization Program(TCP)に採択2016年2月株式会社に組織変更2016年3月NEDO起業家候補(SUI)プログラムに採択2016年9月不眠障害用アプリの臨床試験を国内2施設で開始2017年4月NEDO研究開発型ベンチャー支援事業(STS)プログラムに採択2017年8月本社移転(東京都中央区日本橋本町三丁目11番5号日本橋ライフサイエンスビル2)2018年6月ブロックチェーン技術を用いた臨床開発支援システムの実証試験を開始2018年11月NEDO企業間連携スタートアップに対する事業化支援(SCA)プログラムに採択2019年2月DTx開発支援サービス提供開始2019年2月経済産業省の委託事業「飛躍 Next Enterprise」に採択2019年4月「ブロックチェーン技術を用いた臨床研究モニタリングの実証に関する新技術等実証計画」が厚生労働大臣、経済産業大臣より認定2019年5月機械学習自動分析システムの提供開始2019年7月経済産業省、日本貿易振興機構、NEDOによるスタートアップ支援プログラム「J-startup」に選定2019年7月「臨床現場での意思決定を支援する人工知能基盤の開発」がNEDOのAIに関する技術開発事業に採択2019年12月本社移転(東京都中央区日本橋本町三丁目8番5号日本橋本町三丁目ビル5階)2020年4月国立研究開発法人国立がん研究センターとの共同研究が厚生労働科学研究費(がん対策推進総合研究事業)に採択2020年5月株式会社スズケンとの資本業務提携契約を締結2020年7月「Patient Journeyを理解し、臨床開発での意思決定を支援する人工知能基盤の開発」が2年連続でNEDOのAIに関する技術開発事業に採択2020年8月住友商事株式会社、日本ケミファ株式会社との資本業務提携契約を締結2020年9月沢井製薬株式会社との資本業務提携契約を締結2020年10月シミック株式会社とデジタル治療の開発支援に関する業務提携契約を締結2020年12月「ブロックチェーン技術によるモニタリング業務の代替」が経済産業省及び厚生労働省より承認2021年2月国立大学法人東北大学並びに一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会と慢性腎臓病患者向け治療用アプリの共同開発を開始2021年4月国立大学法人東京医科歯科大学(現 国立大学法人東京科学大学)とのブロックチェーン技術を用いたモニタリング手法の開発が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」といいます。 )の「研究開発推進ネットワーク事業」に採択2021年6月EPSホールディングス株式会社とブロックチェーン技術を活用した治験業務の効率化を目的に業務提携契約を締結2021年7月国立研究開発法人国立がん研究センター東病院とオピオイド誘発性便秘症を含む便秘症治療の最適化に向けた共同研究を開始2021年8月乳がん患者向けアプリ開発がAMEDの「医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靭化事業」に採択 年月概要2021年10月本社移転(東京都中央区日本橋本町三丁目7番2号MFPR日本橋本町ビル10階)2021年11月不眠障害用アプリの国内検証的試験において主要評価項目を達成2021年12月東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場2021年12月不眠障害用アプリに関する塩野義製薬株式会社との販売提携契約を締結2022年2月厚生労働省に不眠障害用アプリの製造販売承認を申請2022年3月国立大学法人九州大学と心房細動における経皮的カテーテル心筋焼灼術のエキスパート治療を提案する人工知能モデル開発に向けた共同研究を開始2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場へ移行2022年5月国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとデータ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発を開始2022年6月アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社)と世界初のブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する業務委託契約を締結2022年6月 公益財団法人がん研究会有明病院との症例データベースの構築及びデータ解析に関する共同研究を開始2022年11月杏林製薬株式会社と耳鼻科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結2023年2月不眠障害用アプリの製造販売承認を取得2023年9月国立大学法人東北大学とブロックチェーン技術による医療機器のリアルワールドデータ(RWD)活用を推進するための基本合意書を締結2023年9月あすか製薬株式会社と産婦人科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結2024年2月文部科学省より科学研究費助成事業指定研究機関の承認2024年8月厚生労働省に不眠障害用アプリの製造販売承認事項一部変更承認を申請2024年9月監査等委員会設置会社へ移行2025年9月不眠障害用アプリの製造販売承認事項一部変更承認を取得2026年5月中央社会保険医療協議会において不眠障害用アプリの保険収載を了承2026年6月「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売開始 |
| 事業の内容 | 3 【事業の内容】 (1) ビジネスモデルの概要当社は、「ICT(※1)の活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること」をミッションに、医薬品、医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されている「デジタル治療(Digital Therapeutics、以下「DTx」といいます。 )」の開発を中心として事業展開を行っております。 また、DTxの開発にあたって独自に構築した臨床試験システムを汎用化し、製薬企業、学術研究機関、医療機関、医薬品開発業務受託機関(Contract Research Organization、以下「CRO」といいます。 )等の第三者へ提供することで業界全体での創薬プロセスの効率化を、加えて、世の中に膨大に蓄積されている医療データの利活用を目的として開発した機械学習による自動分析システムを製薬企業、学術研究機関等へ提供することで効果的・効率的な医療サービスの実現を目指しております。 当社のセグメントは①治療用アプリの開発と提供を行う「DTxプロダクト事業」、②汎用臨床試験システムと機械学習自動分析システム並びにこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つとなります。 なお、「DTxプロダクト事業」のうち、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」については、2026年5月に保険収載(※2)が了承され、2026年6月より販売を開始いたしました。 (ビジネスモデルイメージ図) (2) 医薬産業を取り巻く現状と課題2015年9月の国連サミットにおいてSDGs: Sustainable Development Goalsが採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するための目標が掲げられました。 SDGsの目標の中の1つに「すべての人に健康と福祉を」という項目が挙げられており、「持続可能な医療」が世界的にも求められております。 一方で国内に目を向けると、2024年度の医療給付費は44.8兆円、GDPの7.0%に相当する規模となっており、高水準で推移しております(出典:国立社会保障・人口問題研究所「令和6年度 社会保障費用統計」)。 この高い医療費水準は高齢化の進行によって医療を必要とする人口が増加したこと及び長期の療養が必要になる慢性疾患が増加したことに加えて、高額な医薬品の普及など医療の高度化による影響も強く受けております。 慢性疾患への対応では、DTxと呼ばれる新しい治療法が、コストを抑えながら適切な医療を患者に提供する手段として注目されております。 DTxは、スマートフォンのアプリケーションなどの形態をした、ソフトウェアによる治療手段で、規制当局の承認を得た科学的根拠に基づく医療機器である、という点で一般的なヘルスケアアプリケーションとは異なります。 DTxでは、患者の医療へのアクセスが通常の医療と比べて容易になり、加えて医療機関外での活動データの蓄積が可能となることから、「治療中断率が高い」「適切/適時/適量の治療介入が行えず、結果として療養が長期にわたる」という慢性疾患特有の課題解決につながることが期待されておりますが、ようやく導入期に差し掛かった段階にあります。 (治療用アプリの立ち位置) (治療用アプリと一般的なヘルスケアアプリの違い) 一般的に有体物である医薬品や医療機器では、非臨床試験(※3)として、人体への投与・使用の可否判断を目的とした動物実験等の生物医学的試験の実施が必要となりますが、治療用アプリでは、それらが省略できるほか、医療機器承認後の製造過程においても、ソフトウェア自体が製品となるため製造設備が不要であることに加え、工程管理や品質管理などが比較的容易であり、開発コスト、開発期間、販売後の収益性といった多くの面で大きくリスクを低減できます。 (治療用アプリ開発のプロセス:コストと期間) 医療の高度化に関しては、近年、新しい医薬品・医療機器の開発コストが高騰し続けており、グローバルの大手製薬企業から収集したデータによる推計に基づいて医薬品の開発コストを一剤当たりで比較すると、1990年代に3億1千8百万ドルだったものが2010年には17億7千8百万ドルと5倍以上に膨れ上がっております(出典:医薬産業政策研究所「製薬産業を取り巻く現状と課題」(2014))。 そして、このような開発コストの高騰は、高額な薬価に繋がり、最終的には社会保障費の増加を引き起こします。 そうした中、厚生労働省を中心に後発医薬品の使用が継続的に推進されておりますが、後発医薬品の普及は社会保障費の抑制につながる反面、新薬の開発に対する民間企業のインセンティブを減少させる可能性もあります。 製薬産業については、2024年時点での売上上位100品目の医薬品に関して特許発明者の所在地を創出国として定義した場合、日本の新薬創出能力はアメリカ、スイス、ドイツに次いで世界第4位(出典:医薬産業政策研究所「世界売上高上位医薬品の創出企業の国籍 -2024年の動向-」(2026))に回復しておりますが、国際競争力の維持は引き続き我が国にとって最重要課題の1つとなっております。 新しい医薬品・医療機器を開発する際には、臨床試験・治験といった臨床開発が行われますが、労働集約的で煩雑なプロセスやそれに伴う実施費用の高額化が開発コストの高騰に直結する課題とされており、近年は、臨床試験データをリモートで取得する「リモート治験」が欧米の製薬企業を中心に取り組まれております。 リモート治験においても、被験者の識別(なりすまし防止)、医療データの安全な取得・保管・利用など、通常の臨床試験とは異なる課題があり、解決のための手段が求められております。 日本では、新薬開発前のシーズ発掘、新薬開発プロセスや市販後調査の効率化を目的として、リアルワールドデータ(以下、「RWD」といいます。 )(※4)と呼ばれるレセプト(※5)や電子カルテなどの匿名化された患者単位の医療データを分析する専門部署を2015年ごろから製薬企業が立ち上げ、それに呼応する形で2016年に厚生労働省がレセプトデータベースを公開、2018年には独立行政法人医薬品医療機器総合機構がMID-NET(※6)の本格運用を開始するなど、既に海外では活用が進んでいるRWDを我が国でも活用しようという動きになっております。 新薬開発に関しても、医薬品・医療機器の開発にRWDの活用を可能とするためのガイドラインとして「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」や「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」が厚生労働省より発出されています。 このようなRWDの分析・活用には、分析担当者が日常使用しているような表計算ソフトウェアでは機能・容量面で不十分であり、巨大なデータセットでも取扱可能な統計分析専用のツールやAI(人工知能)機能を組み込んだソフトウェアなどが使用されておりますが、分析結果の根拠が不明確など、医療業界で求められる水準への対応が難しいことや、分析結果の利用に際して後処理に多大な工数を要することが課題となっております。 (3) 具体的な製品又はサービスの特徴当社は、前項で述べてきた「医療に対する国家歳出の増大」という課題に対して、「治療用アプリ開発」による新しい治療法の提案、「汎用臨床試験システム」の提供による創薬プロセスの効率化による開発コストの適正化、「機械学習自動分析システム」の提供による医療データの活用による医薬産業のバリューチェーン全体の効率化という大きく3つの方向性から課題を解消すべく事業活動を行っております。 ①「DTxプロダクト事業」セグメント〔治療用アプリ開発〕当社は、アンメットメディカルニーズ(※7)への解決策の提案を目指して、慢性疾患や認知行動療法(※8)、運動療法(※9)が有効とされる疾病に対する複数のDTxの開発を行っております。 2026年6月より「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売を開始し、採用医療機関の拡大や医療機関及び患者に対する認知度の向上に取り組んでおります。 本書提出日現在における開発中のパイプライン(※10)は以下のようになっており、中でも耳鳴治療用アプリは検証的試験(※11)を開始しており、開発が最も進捗しております。 また、乳がん運動療法や慢性腎臓病、月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリは次の試験に向けて準備を行なっております。 (当社の治療用アプリの開発パイプライン) 厚生労働省の調査によると、日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と調査に回答しております(出典:厚生労働省「e-ヘルスネット」不眠症)。 また、睡眠障害による日本の経済損失は年間880~1,380億ドルに上るという試算もある(出典:RAND Corporation 「RAND Health Quarterly, 2017; 6(4):11」)ため、睡眠障害の治療は医療経済的観点での喫緊の課題となっております。 中でも不眠障害(不眠症)に対する治療法は、米国国立衛生研究所(NIH)の指針では認知行動療法(CBT-I)が第一選択とされておりますが、日本は睡眠薬による治療が中心であり、その処方量が先進国の中でも多く、厚生労働省が多剤処方(※12)に対して保険点数を減算するなどにより処方減に取り組んでおりますが結果として中小規模の医療機関の経営に大きな影響を及ぼしております。 不眠障害に対する認知行動療法は2026年6月から国内でも保険適用対象となり、これからの普及が期待されているところです。 このような外部環境の中、当社は、薬物治療や対面式の認知行動療法とは区別された新たな治療選択肢の確立を目指して、認知行動療法をコンセプトとした治療コンテンツを提供するプログラム医療機器(※13)の開発を進めておりましたが、2026年6月より、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売を開始いたしました。 事業推進上、対処すべき課題としては、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の採用医療機関の拡大や認知度の向上に加え、開発中の他のパイプラインの治験の成功による医療機器承認と、保険収載及び収益確保が可能となる保険点数の実現が挙げられます。 (「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の提供プロセス) 「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」については、学会での展示やウェビナーの実施等のプロモーション活動に取り組むことで医療機関に対する働きかけを推進し、いち早く普及させてまいります。 具体的に、医師向けには一般社団法人日本睡眠学会で臨床試験の成果に関する解説並びに認知行動療法をコンセプトとする治療コンテンツを提供するアプリに関する啓発を代表取締役社長の上野を中心に行い、潜在患者を含む一般消費者向けには睡眠薬を使用しない不眠障害の治療に関する情報提供として、当社が開設した不眠症に関する疾患啓発サイト「眠りの道しるべ」を通じて信頼性の高い情報を積極的に発信してまいります。 「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」以外のパイプラインとしては、乳がん患者向けの運動療法を国立研究開発法人国立がん研究センターと、「人生会議」という愛称でも知られるアドバンス・ケア・プランニング(以下、「ACP」といいます。 )を提供する治療用アプリを東京慈恵会医科大学と共同で開発しております。 2023年には男女合わせて103,424人が乳がんに罹患しており(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))、2024年には男女合わせて16,005人が乳がんによって死亡しています(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省 人口動態統計))。 累積罹患リスクで見ると女性の9人に1人が生涯で乳がんに罹患するとされており、部位別では最も罹患率の高い疾患となっています(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「累積罹患リスク」)。 海外の論文では、運動療法の実施によって死亡率が低下することが実証されており(Holmes MD et al. JAMA 2005;293:2479-2486)、一般社団法人日本乳癌学会が発行している「乳がん診療ガイドライン」でも運動療法が推奨されていますが、医療者の時間的リソースに対する負担が大きく、現状は普及に課題を抱えています。 当社は、現状のリソース面での課題を克服しつつ効果の実証された運動療法を患者に提供するために、国立研究開発法人国立がん研究センターと共同で治療用アプリを開発しております。 臨床研究では、身体機能や予後(※14)の指標である最高酸素摂取量がアプリでの介入により有意に改善し、その結果について論文を発表いたしました(Ochi et al.,2021, BMJ Support Palliat Care)。 現在は、今後の臨床試験に向けてプロトコル(※15)の検討を行っております。 ACPは、人生の最終段階における治療や療養についてあらかじめ考え、患者やその家族と医療者の間で繰り返し話し合い共有する自発的な取り組みのことです。 ACPの実施によって早期に緩和ケアに取り組んだ結果、予後の延長やQOL(※16)の改善といった効果が実証されており(Temel JS et al. N Engl J Med. 2010 Aug 19;363(8))、アメリカや台湾では医療保険の適用対象としてACPが実施されています。 日本でも、ACPによる早期緩和ケアと意思決定支援による患者の不安・抑うつ症状の改善、加えて死亡直前の抗がん剤投与の減少による医療費の適正化を目的として、国全体でACPの普及啓発に努めています。 そのような環境の中、当社は、東京慈恵会医科大学との共同研究において、進行がん患者に対するACP用プログラム医療機器を開発しており、2020年から厚生労働科学研究費「がん対策推進総合研究事業」に採択されております。 PoC(※17)取得に向けた探索的試験(※18)を完了しており、その結果については米国臨床腫瘍学会のオーラルセッションで発表を行っております。 現在は、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を実施しており、引き続き、ACP用プログラム医療機器の提供によって、不適切な治療の中止と患者自身の不安・抑うつ症状の改善を目指し、取り組みを進めてまいります。 また、慢性腎臓病患者向けに運動療法を提供する治療用アプリを国立大学法人東北大学並びに一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会と共同で開発しております。 慢性腎臓病は心不全、心筋梗塞、脳血管障害などのリスク因子であり、その患者数は日本国内で1,300万人と推計されています(出典:厚生労働省「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患患者対策の更なる推進を目指して」2018年7月)。 慢性腎臓病患者の発症要因としては糖尿病や高血圧などの生活習慣病が挙げられ、生活習慣の変化とともに患者数が増加しております。 また、国内の透析患者数は約33万人、透析治療にかかる医療費は患者1人あたり年間500万円と高額であり、総医療費の4%(約1兆6,000億円)を占めている(出典:ニッセイ基礎研究所「人工透析の増加-慢性腎臓病の早期発見は進むか?」2018年)ことから、日本の社会保障費の適正化を図る上で慢性腎臓病患者の透析治療への移行を食い止めることが喫緊の課題となっております。 慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制においては、腎臓リハビリテーションが有効であることが示され、一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会が発刊したガイドラインでも推奨されていますが、その普及にあたっては、各医療機関での医師や理学療法士などのリソース不足が課題となっています。 当社は、現状のリソース面での課題を克服しつつ効果が示されている腎臓リハビリテーションを患者に提供することを目指して、治療用アプリを開発しております。 現在は、PoC取得に向けた探索的試験を完了し、今後の臨床試験に向けたプロトコルの検討を行っております。 また、2022年11月には杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区、以下「杏林製薬」といいます。 )との間で、耳鼻科領域において、耳鳴に対する新たな治療選択肢の提供を目指し、治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結いたしました。 本書提出日現在、検証的試験を開始しております。 さらに、2023年9月にあすか製薬株式会社(本社:東京都港区、以下「あすか製薬」といいます。 )との間で、産婦人科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結し、2025年1月より開始した特定臨床研究(※19)において期待する有効な結果が確認できたことから、次の開発段階に進むことに合意しております。 加えて、持続性知覚性姿勢誘発めまいに対して国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている治療用アプリに関して、2024年8月より実施していた臨床研究の結果が2026年5月の「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において報告されております。 ②「DTxプラットフォーム事業」セグメント〔汎用臨床試験システム〕前項で記載した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の開発過程において獲得したノウハウをベースに、効率的な臨床試験を実施するためのシステム開発を行っております。 リクルーティング(※20)の効率化やモニタリング(※21)コストの削減などを通じて医薬品・医療機器の開発コストの適正化が期待できる「リモート治験」が2017年頃から欧米を中心に広がってきていますが、日本では試験データの真正性の確保に課題を残しており、ごく限定的な範囲でのみ実施されている状況です。 当社のシステムには、リモート治験における上記の課題を解決するために、被験者として適切な対象かどうかを判定する「適格性判定」、データ入力者の本人性を確認する「なりすまし防止」、ブロックチェーン技術(※22)(特許第6563615号、特許第6245782号、特許第6340494号、特許第6530578号、特許第6245783号、ほか)を用いた「データ改竄耐性」、臨床試験データの欠損を防ぐ「デジタル指導」など、リクルーティングから臨床試験データの解析まで、一貫してデータの真正性を確保するための幅広い機能に関する特許技術を実装しております。 「データ改竄耐性」の機能に関しては実証実験結果を国際医学雑誌上で論文として発表しており(Motohashi et al., 2019, JMIR)、労働集約的になっている実地でのモニタリング業務の代替によって大幅な臨床試験コストの削減を目指しております。 本システムに関しては、共同研究契約を国立がん研究センター中央病院と締結後、乳がん患者に対する運動療法アプリを構築し、2019年5月より臨床研究を行っておりました。 本臨床研究の実施にあたって採用したシステム構成では、臨床研究データの効率的な信頼性担保を目的としてインフラ部分に上記ブロックチェーン技術を採用しており、経済産業省・厚生労働省の大臣認証を得た上で内閣府の規制のサンドボックス制度(※23)に採択されております。 GCP省令(※24)第21条において「1.治験依頼者は、モニタリングに関する手順書を作成し、当該手順書に従ってモニタリングを実施しなければならない。 2.前項の規定によりモニタリングを実施する場合には、実施医療機関において実地に行われなければならない。 ただし、他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合は、この限りではない。 」とされているものの、「他の方法」にどのようなものがあるか、「十分にモニタリングを実施することができる」とはどのような状態か、が不明確な状況でした。 当社は、規制のサンドボックス制度の中で①ブロックチェーン技術の実装により当社が構築したシステムを使用して適切な改ざん防止措置が講じられ、②被験者や医療機関(利害関係者でないもの)が入力した情報(原資料等)が直接的に報告データに反映される等の手法を用いることが「十分にモニタリングを実施することができる」場合に該当することを確認し、報告を行いました。 この報告を受けて、内閣府が「治験データ等と原資料との一致性が確保できるようブロックチェーン技術を活用するときは、その一致性を確認するための実地でのSDV(Source Data Verification)(※25)が求められないことが治験依頼者等にあらかじめ明らかとなるよう、解釈の明確化その他必要な措置を講じる」ことを成長戦略フォローアップの中で明示しました。 サンドボックス制度の研究成果については、国際医学雑誌上で論文として発表しております(Hirano et al., 2020, JMIR)。 その後、グレーゾーン解消制度(※26)において、当社システムの利用によって実地での照合作業を省略したとしてもGCP省令第21条に違反するものではないこと、並びにこの解釈が医薬品のみではなく、医療機器や再生医療等製品の治験、特定臨床研究でも適用可能であることの確認を要請し、2020年12月には厚生労働省から、当該システムを利用することで実地での照合を省略することはGCP省令に違反するものではなく(ただし、データを直接連携・同期していない部分についての一致性の確認まで一概に不要とは言えず、データの一致性の確認以外の業務については引き続き適切に実施する必要がある)、また、医薬品以外にも本件の解釈が適用可能であるという回答を得ました。 (臨床試験における業務フローの比較) 2022年6月には、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社、本社:東京都港区、代表者:ソナ・キム)との間で企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する業務委託契約を締結し、同社においてナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験、ならびに閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。 また、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験や杏林製薬と共同研究開発を進めている耳鼻科領域での治療用アプリ、Heartseed株式会社(本社:東京都港区、代表者:福田 惠一)の虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした心筋再生医療HS-005(カテーテル投与)の第I/II相試験などの企業治験においても当社の臨床試験システムが活用されています。 そのほか2023年10月には、2021年に採択された国立大学法人東京医科歯科大学(現 国立大学法人東京科学大学)とのAMED「研究開発推進ネットワーク事業」において、当社のブロックチェーン技術を活用した手法が従来の手法に比してモニタリング業務にかかる工数を削減する旨の成果が報告されており、今後も、アカデミア及び製薬企業を中心とする事業会社を対象に本システムの普及に努め、臨床試験の効率化を目指してまいります。 加えて、当社のブロックチェーン技術の臨床試験以外での活用を目指し、2022年5月には国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとの間で共同研究を開始しております。 本共同研究は、ブロックチェーン技術を精神疾患レジストリ(※27)に拡大適用することによりRWDの質の担保をシステムで実現することを目的としたもので、AMEDの「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択されております。 また、2023年9月には国立大学法人東北大学と静脈疾患レジストリの構築に関する基本合意を締結し、2024年12月には統合型静脈疾患レジストリシステムを構築し、現在、企業へ提供しております。 〔機械学習自動分析システム〕医療業界で求められているRWDの活用に向けて、Awesome Intelligenceという名称で分析基盤を開発し、クラウドサービス(※28)としての提供を開始しております。 既存のAIシステムでは、その判断基準がAI内で学習データと呼ばれる大量のデータに基づいて自律的に構築されるため、システムを操作する人間側には判断基準やその根拠が示されず、ブラックボックス型(※29)になってしまうことが医療分野での利用に際して課題となっております。 一方で、当社が開発したAwesome Intelligenceでは、分析結果を導き出す際にシステムが注目した特徴量(※30)の寄与度を明示するようなホワイトボックス型(※31)の機械学習をコアアルゴリズムとすることで、医療分野で求められる判断理由の説明を可能としております。 また、データサイエンス領域での経験が十分でない医療関係者でも柔軟に分析が行えるように、データの前処理の自動化や分析結果の出力などにより利便性を高めた仕様としております。 当期においても、因果探索基盤技術の開発に関する国立大学法人滋賀大学との共同研究をはじめ、複数の製薬企業や学術研究機関、医療機関において活用されました。 (Awesome Intelligenceの概要) 〔DTx開発支援〕自社での治療用アプリ開発並びに治療用アプリを対象とした臨床試験実施の経験に基づいて、治療用アプリの開発を目指す企業を支援しております。 治療用アプリを開発するためには、その制作段階において、臨床ニーズの特定から治療アルゴリズムの検討、及びアルゴリズムのアプリケーションへの実装が必要となり、加えて、治療用アプリの制作が完了した後も臨床試験のプロトコル検討、治療用アプリの管理システムの構築、実際の臨床試験の運用までが求められます。 アプリケーション開発と臨床開発という異なる専門性をワンストップで提供することで、既にシーズを保有している企業の効率的な治療用アプリ開発を実現しております。 また、治療用アプリの制作においては、患者への介入方法、介入を決定するアルゴリズム、患者データの取得といった複数の機能を汎用的なモジュールとして用意し、それらモジュールの組み合わせだけで迅速にアプリケーションの開発を行うことができるシステム基盤を構築しております。 当該システム基盤の活用によってアプリケーションの開発期間が短縮できるため、PoC取得に要する時間も短縮が可能です。 <用語解説>※1ICTInformation and Communication Technology。 情報通信技術。 ※2保険収載健康保険制度の適用対象となること。 ※3非臨床試験臨床試験における人体への投与・使用の可否を判断することを目的に、動物、培養した細胞、コンピュータ上のシミュレーション等を用いて、開発中の医薬品や医療機器の有効性、安全性の評価・証明を行うための試験。 ※4リアルワールドデータ調剤レセプトデータ、保険者データ、電子カルテデータなど、臨床現場で得られる診療行為に基づく情報を集めた医療ビッグデータ。 ※5レセプト患者が受けた保険診療について、医療機関が保険者に提出する月ごとの診療報酬明細書。 患者に対して、どのような診断・検査・治療が行われ、処方された薬剤の内容が記載されている。 ※6MID-NETMedical Information Database Network。 国内の複数の大規模医療機関が保有する電子カルテやレセプト(保険診療の請求明細書)等の電子診療情報をデータベース化して解析するためのシステム。 ※7アンメットメディカルニーズまだ有効な治療法が確立されていない疾病に対する、新しい治療薬や治療法への患者、医師からの強い要望。 ※8認知行動療法個人の認知や行動に働きかけることで病態を改善する治療法。 ※9運動療法運動を行うことで、障害や疾患の治療を行う治療法。 ※10パイプライン研究開発段階にある製品の候補品のこと。 ※11検証的試験対象となる薬物、医療機器の使用方法、治療方法を決める試験。 第三相試験とほぼ同じ意味。 ※12多剤処方1回の処方で複数種類の薬剤を投与すること。 睡眠薬の場合、3種類以上の処方で減算対象となる。 ※13プログラム医療機器疾病の診断、治療又は予防等を目的とする単体のプログラム(ソフトウェア)であって、医療機器に該当し医薬品医療機器等法の規制を受けるもの。 AIによる診断支援システムや医師の処方が必要な治療用アプリなどが挙げられる。 ※14予後手術や病気、創傷の回復の見込み。 ※15プロトコル臨床試験実施計画書。 ※16QOLQuality Of Life。 治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質。 ※17PoCProof Of Concept。 新しい技術や理論、原理、手法、アイデアなどに対して、実現可能か、目的の効果や効能が得られるかなどを確認するために実験的に行う検証工程のこと。 治療用アプリの開発では、検証的試験の開始前に行われる。 ※18探索的試験検証的試験における用法、用量、試験デザイン、主要評価項目を検討するための試験。 第二相試験とほぼ同じ意味。 ※19特定臨床研究臨床研究のうち製薬企業等から資金提供を受けて実施される臨床研究、または国内で未承認・適応外の医薬品等を用いて行われる臨床研究であり、臨床研究法に準拠して実施。 ※20リクルーティング臨床試験において被験者を募集すること。 ※21モニタリング医療機関で行われる臨床試験がGCP(Good Clinical Practice、医薬品の臨床試験の実施基準)、治験実施計画書、各種手順書等に基づき、適正に行われていることを調査する業務。 ※22ブロックチェーン技術情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種。 暗号技術の活用により、データの耐改竄性・透明性が実現できるとされている。 ※23規制のサンドボックス制度IoT、ブロックチェーン、ロボット等の新たな技術や、プラットフォーマー型ビジネス、シェアリングエコノミーなどの新しいビジネスモデルの社会実装に向け、規制官庁の認定を受けた実証を行い、その結果を用いて規制の見直しにつなげていく制度。 ※24GCP省令医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice)。 治験を行う製薬企業、病院、医師が遵守しなければならない規則。 ※25SDV(Source Data Verification)提出されたデータ(主に症例報告書)を原資料と照合・確認し、データの質を保証するGCP省令等の要請に基づき実施される臨床試験(治験)におけるモニタリング作業の1つ。 ※26グレーゾーン解消制度事業者が現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても、安心して新事業活動を行い得るよう、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度。 ※27レジストリ医療の向上や新薬開発、市販後調査等へ利用することを目的として、特定の疾患や健康状態等について、治療内容、治療経過などの医療情報や健康情報を収集して構築したデータベース。 実際の医療環境下で取得されたリアルワールドデータの一つ。 ※28クラウドサービス従来コンピューター端末にインストールすることで利用していたデータやソフトウェアをネットワーク経由で利用者に提供するサービス。 ※29ブラックボックス型AIの判断・分析結果について、その結果に至った根拠が説明不可能なシステム。 ※30特徴量物事や事象などの特徴が表現されたデータ。 ※31ホワイトボックス型AIの判断・分析結果について、その結果に至った根拠が説明可能なシステム。 |
| 関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
| 従業員の状況 | (2) 【従業員の状況】 ① 提出会社の状況 2026年6月30日現在 従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)5038.12.98,8442.4 報告セグメントの名称従業員数(名)DTxプロダクト事業35DTxプラットフォーム事業全社共通15合計50 (注) 1.従業員数は、就業人員数であります。 なお、臨時従業員の総数が、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。 2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。 3.当社は、セグメントごとの経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数の事業に従事しております。 4.全社共通として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 5.前事業年度末に比べ従業員数が7名増加しております。 主な理由は、体制強化に向けた人材採用によるものであります。 ② 労働組合の状況 当社の労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。 ③ 使用人等のみに対して付与する新株予約権の内容 使用人等のみに対して付与する新株予約権の内容について「1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ① ストックオプション制度の内容」に記載しております。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、医療現場におけるアンメットメディカルニーズに対して、IT技術の活用による新たなソリューションを提供することで社会へ価値を生み出し、医療が必要な全ての患者に最適な医療を提供し続けることができる、持続可能な社会の実現に貢献することを事業活動の目的としております。 上記の目的を実現するため、当社では以下のミッション、ビジョン、バリュー、行動指針を定め、経営を行っております。 <ミッション>ICTの活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること<ビジョン>持続可能な医療(Sustainable Medicine)の実現<バリュー>サイエンスと専門性の融合によって新たな医療を切り拓く<行動指針>・常に社会的意義を考える・本質的な成果にこだわる・プロフェッショナルとして尊重する・成長を楽しむ・客観的に考え主体的に動く (2) 目標とする経営指標現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりませんが、DTxプロダクト事業では、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売加速に向けた採用医療機関数や月間処方数並びに長期的視点での収益の最大化のために財務指標に先行する開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗度合いを、DTxプラットフォーム事業では、収益の継続的な増加を実現するため契約件数を重要な経営指標として位置付けております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略DTxプロダクト事業では、DTxシーズの横断的な探索及び市場性の高い案件の選択と深耕に加え、治療用アプリの継続的な上市および普及が重要だと考えております。 シーズの探索では、代表取締役社長の上野を中心に当社役職員が保有する業界内でのネットワークを最大限活用するとともに、機械学習自動分析システムの導入によるRWDの分析や販売後調査を通じて、医療機関・学術研究機関・製薬企業が抱えるDTxシーズの発掘を行ってまいります。 案件の選択と集中については、高い収益性が見込まれる案件に十分なリソース配分を行うための投資判断基準を構築して、臨床試験の各相で案件の適切な取捨選択を行い、加えて、自社で完結することに固執せず販売権の導出等、他社との連携による早期収益化の方策を検討してまいります。 DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでは、サンドボックス制度での研究成果とそれを踏まえたグレーゾーン解消制度での当社の確認に対する厚生労働省からの回答に基づき、臨床試験における実地モニタリングを省略するためのデファクトスタンダートを目指しております。 2027年4月にはICH-E6(R3)に基づく改訂GCP省令の施行が予定されており、これまで問題となっていた過剰な品質管理(オーバークオリティ)等の是正が求められていますが、当社システムの活用により、実地モニタリング業務の省略・効率化に加え、被験者募集プロセスの効率化やデータ欠損の防止による臨床試験品質の向上及び試験期間の短縮など、製薬企業や学術研究機関における研究開発コストのさらなる低減を実現してまいります。 さらに、機械学習自動分析システムでは、RWDを対象としたユースケースを蓄積しながら、新たな機能開発と使いやすいUI/UX(User Interface/User Experience)の改善を継続的に行い、新たな契約の獲得と顧客単価の向上を目指してまいります。 DTx開発支援においても、支援実績を積み上げると同時に、システム基盤の機能拡充を図り、更なる効率化を目指してまいります。 (4) 経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題今後事業及び収益の拡大を図るために当社が対処すべきDTxプロダクト事業での主な課題は、2026年6月より販売を開始した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の医療機関及び患者に対する認知の向上や処方可能な医療機関の拡大により、いち早く市場に浸透させることであります。 加えて、後続の開発パイプラインに関して、それぞれの医療機器製造販売承認の取得と十分な収益が確保できる水準での保険収載を確実に実現することであります。 さらに、臨床ニーズに対応した新たな治療用アプリの開発に着手し、それらを継続的に市場に投入していくことも長期的な課題として認識しております。 また、DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでの課題は、規制に対応したうえで臨床開発コストの低減に着実に寄与することだと考えております。 その他、継続的な成長と企業価値の向上を目指すうえで対処しなければならない各機能面での課題を以下のように考えております。 (営業活動における課題)当社は、国内外の製薬企業や医療機関等と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約を獲得・推進するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。 また、販売を開始した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」をいち早く普及させるため、自社主催のウェビナー及び学会への出展等によるプロモーション活動を積極的に実施してまいります。 (研究開発活動における課題)当社は、DTxプロダクト事業において治療用アプリの治験システム、治療用アプリを搭載した端末装置、および治療用アプリのプログラムに関する特許技術を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。 また、DTxプラットフォーム事業に分類される汎用臨床試験システムおよび機械学習自動分析システムは今後の活用に大きな可能性を秘めております。 当社は、自社システムの優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び学術研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。 (内部管理・統制における課題)当社は、継続的に企業価値を高めていくためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の1つであると認識しております。 経営の効率化を図りながら、一方でその健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に企業価値を向上させることが、株主をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考えております。 企業価値向上のために、俊敏さを備えた全社的に効率的な組織の構築を必要条件としつつ、業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)サステナビリティ全般① ガバナンス及びリスク管理当社は、「ICTの活用によって持続可能な医療(Sustainable Medicine)を社会に提供し続けること」をミッションに掲げており、当社の事業活動そのものを通じて社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上の両立に努めております。 当該ミッションを達成するためのガバナンス体制として、当社では、取締役会を中心に、ミッションや経営戦略との関連性を踏まえ、サステナビリティに関する重要課題や方針、具体的な対策等について議論を行っており、経営と一体となった、実効性のあるサステナビリティ活動を推進しております。 なお、具体的な施策については、取締役会での議論をもとに、社内の関係部署において社内横断的に取り組んでおります。 また、サステナビリティに関する重要課題に関する各種リスクについては、リスク及び機会の識別及び評価を行い、その管理方法について検討の上、関係部署と連携し、対応することとしております。 具体的には、原則として3ヶ月に1度の頻度でリスク管理委員会を開催し、リスク評価とモニタリング、リスクの見直しを実施し、その内容について取締役会へ報告を行なっております。 取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有していることから、リスク管理委員会から報告のあった内容を含め、当社のサステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての討議・監督を行なっております。 なお、具体的なリスクの内容、管理体制は「3 事業等のリスク」をご参照ください。 また、具体的なガバナンス体制及びリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。 ② 戦略、指標及び目標当社ではサステナビリティに関する重要課題を選定するとともに、それぞれに対する戦略を策定し、サステナビリティ活動に取り組んでおります。 社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上を一体と考える当社では、これらの重要課題に適切に対応する戦略を定め、取り組んでいくことが、ひいては当社の企業価値向上にも寄与するものと考えております。 当社のサステナビリティに関する重要課題については、上記のガバナンス及びリスク管理を通じて以下のプロセスにより検討を行っております。 (特定のプロセス)ステップ1 SASBやGRIなどが公表している各種指標やSDGs、ESG評価機関などの評価手法を参考に、当社の事業内容、経営計画を勘案の上、当社と関係するサステナビリティの課題項目を抽出(課題の抽出)ステップ2 取締役会において、ステークホルダーにとっての重要度と、当社のミッションや経営戦略との関連性など当社にとっての重要度の両観点から、その妥当性や網羅性を議論(抽出した課題の評価)ステップ3 上記議論を踏まえ、重要課題及びその具体的な実施策を検討(重要課題の特定)ステップ4 取締役会での審議、承認を経て決定(重要課題の決定) 上記プロセスを経て、当社では、サステナビリティに係るマテリアリティ及び当該マテリアリティに対する戦略の概要を以下のとおり確定しております。 特定・整理を行った重要課題については、当社のサステナビリティ活動の基本とし、当該重要課題の解決に向けた具体的な取り組みを推進しております。 分類マテリアリティ戦略の概要指標E(環境)環境への貢献自社事業の推進による持続的な医療の実現自社アプリ・システムの開発、提供の推進-医療課題解決のための製品・サービスの提供S(社会)人材育成・社内環境整備社員の成長と活躍推進・副業の実施件数多様な人材の活躍(多様な働き方)・年休取得率・子の看護休暇取得日数・リモートワーク実施率・フレックス制度に対する社員の評価社員の健康と安全・健康診断受診率・ストレスチェック受検率・平均所定外労働時間G(ガバナンス)コーポレート・ガバナンスの強化コーポレート・ガバナンス-コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)・重大なコンプライアンス違反0件リスクマネジメント(BCP管理、情報セキュリティ)・年1回のBCP更新と社内訓練の実施・ISMS認証の維持知的財産の活用及び創出環境の強化- サステナビリティに関する重要課題は当社の事業進捗や事業を取り巻く環境の変化に応じて、定期的に見直しを実施していきます。 (2)環境及び社会への貢献に関する考え方及び取組① 取り組みの説明当社は、治療用アプリの研究開発及び提供、汎用臨床試験システムの普及を通じて、日本医療が抱える社会課題を解決し、持続的な医療の実現を目指しており、当社事業の推進そのものがサステナビリティに資すると考えております。 a 環境への貢献治療用アプリは、その特性上、製造工場の稼働や流通過程における温室効果ガスの排出、水資源の利用・汚染、開発・検査機材等の産業廃棄物の発生、不要となった原材料・包装材の廃棄等の開発、製造の過程で一般的に発生が予想される環境負荷が発生せず、社会全体の環境負荷の低減に貢献します。 b 医療課題解決のための製品・サービスの提供(a)医療費の増加現在我が国では、医薬品や医療機器の開発コストが高騰し、それに伴い高額な薬価が設定されることで医療費が増加する傾向にあります。 さらに、適切な治療法が十分に普及していない疾患については、治療の選択肢が限定されるため、結果的に治療期間の長期化等を招き、医療費の増加傾向を加速させる一因となっております。 一般的に有体物である医薬品や医療機器では、非臨床試験として、人体への投与・使用の可否判断を目的とした動物実験等の生物医学的試験の実施が必要となりますが、治療用アプリでは、それらが省略できるため、開発期間の短縮、開発コストの圧縮等が可能となり、また、医療機器製造販売承認後の製造過程においても、治療用アプリではソフトウェア自体が製品となるため、製造設備が不要となり、それに伴い工程管理や品質管理等が容易となるなど、通常の医薬品や医療機器に比べて、開発・製造の各プロセスにわたって発生し得る各種リスクを低減することで医療費の適正化を図ります。 また、新たな治療選択肢を医療現場に提供することで、処方の適正化とそれによる治療期間の短縮により、増加する医療費の抑制に貢献します。 また、当社のブロックチェーン技術を実装した汎用臨床試験システム『SUSMED SourceDataSync®』は、モニタリング業務の工数と費用を削減することで、開発コストの圧縮を実現し、医療費の抑制に寄与します。 (b)アンメットメディカルニーズ現在、我が国の医療現場におけるアンメットメディカルニーズについては、有効な医薬品・医療機器が存在せず、患者に対して必要な治療を十分に提供できていないばかりか、その対応を現場の医師に依存する状況が続いており、社会問題となっている医師の長時間労働を加速させる一因ともなっています。 当社が開発を進める治療用アプリは、治療効果が実証されているにも関わらず患者に十分行き届いていない治療の提供を可能とするとともに、医師の長時間労働に依存する現状の見直しを図り、医師の働き方改革に貢献することで、医療現場におけるアンメットメディカルニーズの解消を図り、持続性のある医療提供体制の構築に寄与するものです。 なお、具体的な当社パイプラインの内容や進捗状況については「第1 企業の概況 3 事業の内容(3)具体的な製品又はサービスの特徴①「DTxプロダクト事業」セグメント」をご参照ください。 (c)ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロス国内の未承認薬数は、年々増加傾向にあり、このようなドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの問題は、現在深刻な社会問題とされ、その対応は喫緊の課題となっております。 2023年12月には、内閣府において「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」が設置され、ドラッグ・ロスの発生や医薬品の安定供給等の課題について検討が進められているところです。 このようなドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの原因の一つとして医薬品や医療機器開発に要する膨大な時間と多額の開発コストが挙げられるところ、当社のブロックチェーン技術を実装した汎用臨床試験システム『SUSMED SourceDataSync®』は、臨床試験のモニタリング業務の工数と費用の大幅な削減を実現し、医薬品や医療機器の開発コストを圧縮することで、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの改善に寄与します。 (d)医療データの利活用医療データは社会保障政策、創薬、医療機器開発、その他の健康・医療ビジネス等、幅広い分野での利活用が期待される一方で、品質が担保された医療データであることの重要性も指摘されており、医療分野での使用に耐えられる品質水準の確保が課題となっております。 汎用臨床試験システム『SUSMED SourceDataSync®』に実装されている当社のブロックチェーン技術は、高度な耐改竄性を有していることから、臨床試験への導入によりデータの改竄を防止することに加え、販売後においてもデータクオリティが担保されたレジストリの構築を可能とすることで、幅広い分野で利活用できる高い品質が担保されたデータを提供します。 (3)人的資本に関する考え方及び取組① 戦略当社は、医療現場におけるニーズとIT技術を有機的に組み合わせ、新しい医療をつくり、持続可能な医療(Sustainable Medicine)を実現することをミッションとしております。 そのためには、医療を中心とした社会課題の解決に強い関心を持つ様々な分野のプロフェッショナルが協力し、一人ひとりが本来有している専門性を更に高めながら研究開発・事業化を推進していける環境の整備及び高い専門性を有した社員の貢献に報いるための制度の構築が重要だと考えております。 当社は、以下に示す5つの「行動指針」を定め、採用基準の1つとするとともに、これらの価値観に基づく環境整備、制度構築に取り組んでおります。 ② 指標及び目標当社では、以下の3点を上記の戦略への取組における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。 a 社員の成長と活躍推進b 多様な人材の活躍(多様な働き方)c 社員の健康と安全 a 社員の成長と活躍推進当社は、研究開発型の企業として、学会等での講演や論文発表、知的財産権の創出などを積極的に行っており、「本質的な成果にこだわる」「成長を楽しむ」という行動指針に示されているように、社員に対しても、職務発明取扱規程を定め、研究開発の実施、研究成果の公表、知的財産権の出願等を推奨し、当事業年度における発明報奨金の支給対象者は2名となりました。 また、社員自身のスキルを高めることができる機会として副業を許可しており、当事業年度は、短期のものも含めて延べ8件の副業が行われました。 副業に関する定量的な目標は設定しておりませんが、今後も社員のスキル獲得のための副業が可能となるような環境の整備を進めてまいります。 b 多様な人材の活躍(多様な働き方)当社は、より良い医療の実現のため、様々な分野のプロフェッショナルが協力し、研究開発・事業化を推進しています。 医師、薬剤師、看護師、弁護士などの国家資格保有者、医学、生命科学、物理学などの博士号保有者といったプロフェッショナル人材が当社のビジネスを支えています。 また、「プロフェッショナルとして尊重する」という行動指針を定め、上記の資格や学位の有無にかかわらず、異なる経験や専門性を持つメンバーがお互いにその多様性を認め、尊重し合う企業文化の醸成に取り組んでおります。 その一環として、働き方の多様性を確保するために、リモートワークと出社のハイブリット勤務、コアタイムのないフルフレックスタイム制度等を導入しております。 働き方に関する指標は以下のとおりです。 指標2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(実績)年休取得率81.8%71.5%76.1%子の看護等休暇取得日数(延べ)11.5日12.5日20日リモートワーク率100%(週3日以上50.0%)100%(週3日以上66.7%)100%(週3日以上60.9%)フルフレックス制度を評価している100%100%100% 多様な働き方を可能とする環境整備に努めてきた結果、リモートワーク率は100%を維持しています。 フルフレックス制度とあわせ、社員が働き方を選択しやすい環境が定着しております。 一方で、リモートワークを週3日以上活用する社員の割合は、前事業年度の66.7%から5.8ポイント低下し60.9%となりました。 事業拡大に伴い、対面でのやり取りによる生産性の向上やコミュニケーションの活性化というメリットの観点で、出社を選択する機会が増加しています。 今後も、社員一人ひとりのライフスタイルや、業務や職種の特性にあわせた柔軟な働き方が実現できるよう、環境整備を進めてまいります。 また、法改正に伴う『子の看護等休暇』の対象範囲拡大に対応したことにより、同休暇の取得日数は延べ20日に増加いたしました。 上記指標以外においても、男性社員の育児休暇取得が3件ありました。 引き続き、社員のライフステージの変化や組織体制の変更を視野に入れ、更に多様な働き方を可能とする環境を目指した制度づくりを推進してまいります。 c 社員の健康と安全医療分野で事業を行う企業として、まず働く社員が健康であることが重要と考えており、健康診断や健康増進イベントの参加率向上など、身近な取組から社員の健康対策を推進しています。 当事業年度においては、従業員数が50名を超えたことに伴い、産業医を選任するとともに衛生委員会を中心とした安全衛生管理体制を整備いたしました。 これらに加え、ストレスチェックの継続的な実施や面談指導体制の整備など、社員のメンタル面での健康や安全のサポートを行っております。 健康診断受診率、ストレスチェック受検率はともに4期連続で100%を維持しております。 社員1人あたりの平均所定外労働時間は14時間43分/月となりました。 事業拡大に伴い業務量が増加傾向にありますが、採用による体制強化および業務効率化を継続的に進めております。 指標2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(実績)健康診断受診率100%100%100%ストレスチェック受検率100%100%100%平均所定外労働時間(月)9時間28分11時間6分14時間43分 以上の重点項目への取り組みの結果、当事業年度に実施したエンゲージメントサーベイでは、エンゲージメント率を示すeNPS®※(employee Net Promoter Score®)は-30.00でした。 定着率は83.7%となり、前事業年度の82.1%からわずかに上昇いたしました。 さらなる人員の拡充を見据えて、継続して新入社員受け入れ体制の整備にも取り組んだ結果、当事業年度の新入社員で年度内の離職者は発生いたしませんでした。 引き続き、本採用後のアンケート実施や個別のニーズに合わせた柔軟なサポートなど、多様な施策および運用を継続的に展開し、さらなる定着を図ってまいります。 また、社員の貢献に報いるための制度として、評価制度に準じたストック・オプション制度を設けています。 ミッションの実現および、中長期的な業績や企業価値の向上を社員一丸となって目指していきたいというメッセージを元に設計し、半期毎の評価に基づいたストック・オプションの付与を定期的に実施しております。 今後も、優秀な人材の定着や活躍を目的とした組織運営を行ってまいります。 ※NPS及びNet Promoter Scoreは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。 (4)コーポレート・ガバナンスに関する考え方及び取組当社では、以下の4点を「(1)サステナビリティ全般 ② 戦略、指標及び目標」に記載のコーポレート・ガバナンスの強化における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。 a コーポレート・ガバナンスb コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)c リスクマネジメント(BCP管理・情報セキュリティ)d 知的財産の活用及び創出環境の強化 a コーポレート・ガバナンス当社は、実効性のあるコーポレート・ガバナンスがサステナビリティの実現に不可欠と考え、適正なコーポレート・ガバナンス体制を整備することで、経営の健全性及び透明性、効率性の確保と充実に努めております。 具体的には、取締役会(毎月)、監査等委員会(毎月)、ガバナンス委員会(年2回以上)を定期的に開催するとともに、内部監査によりガバナンス・プロセスの評価を行っております。 各会議及び内部監査の状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。 b コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)サステナビリティの実現には公正で透明性の高い事業運営と各従業員の高い倫理観を維持・強化していくことが不可欠と考えます。 当社におけるコンプライアンスを徹底させるため、定期的なコンプライアンス推進委員会の開催のほか、役職員向けの情報発信・全社勉強会の実施・理解度の測定と評価といった取り組みを通じて、当社の役職員におけるコンプライアンス意識の向上に努めております。 このようなコンプライアンスに対する考え方を踏まえ、当社では、重大なコンプライアンス違反0件の達成を本取り組みの指標として掲げており、2026年6月期の重大なコンプライアンス違反の件数は0件となっております。 c リスクマネジメント(BCP管理・情報セキュリティ)当社は、大規模地震、風水害、感染症の流行など将来の不確実性に対し、事業継続に向けた対策を継続的に実施する観点から、「事業継続計画(BCP)」の作成・定期的な見直しを行い、事業に関わる様々なリスクの顕在化の防止、影響の最小化を図っております。 また、実効的な「事業継続計画(BCP)」とするため、全社での定期的なBCP訓練を実施しております。 また、当社の事業においては、情報の喪失、改ざん、外部への漏洩等を未然に防ぐことが不可欠であると考え、ISMS(ISO27001)認証を取得・維持し、継続的な情報セキュリティマネジメント体制の構築、定期的なリスク分析・評価及びモニタリングによるリスク低減を図っております。 またISMS認証の規格に基づく研修及びテストを年に一度、全社員を対象に実施し、社員の情報セキュリティへの意識と知識の向上に取り組んでいます。 このようなリスクマネジメントに対する考え方を踏まえ、当社では、年1回以上のBCP更新と社内訓練の実施及びISMS認証の維持を本取り組みの指標として掲げており、2026年6月期はBCPの更新及び社内訓練を各1回実施し、また、ISMS認証を維持しております。 d 知的財産の活用及び創出環境の強化研究開発を通じて創出する知的財産は当社の競争力の源泉であり、重要な経営資産です。 そのため当社では創出した知的財産を適切に保護・管理するとともに、知的財産の創出環境を強化するため、従業員が業務の中で知的財産の創出及び活用を意識できる環境作りを目指しております。 このような環境作りの一環として、当社では、知的財産に関する従業員教育を継続的に実施しております。 また、発明報奨金制度を導入しており、当事業年度は、同制度に基づき、従業員2名が報奨金の支給対象となりました。 さらに、当社では、学術研究機関・製薬企業とも連携を強化の上、当社が培ってきたノウハウを有効活用し、継続的な研究開発に取り組むことで、知的財産の創出環境の強化と当社が保有する知的財産の活用を推進しております。 |
| 戦略 | ② 戦略、指標及び目標当社ではサステナビリティに関する重要課題を選定するとともに、それぞれに対する戦略を策定し、サステナビリティ活動に取り組んでおります。 社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上を一体と考える当社では、これらの重要課題に適切に対応する戦略を定め、取り組んでいくことが、ひいては当社の企業価値向上にも寄与するものと考えております。 当社のサステナビリティに関する重要課題については、上記のガバナンス及びリスク管理を通じて以下のプロセスにより検討を行っております。 (特定のプロセス)ステップ1 SASBやGRIなどが公表している各種指標やSDGs、ESG評価機関などの評価手法を参考に、当社の事業内容、経営計画を勘案の上、当社と関係するサステナビリティの課題項目を抽出(課題の抽出)ステップ2 取締役会において、ステークホルダーにとっての重要度と、当社のミッションや経営戦略との関連性など当社にとっての重要度の両観点から、その妥当性や網羅性を議論(抽出した課題の評価)ステップ3 上記議論を踏まえ、重要課題及びその具体的な実施策を検討(重要課題の特定)ステップ4 取締役会での審議、承認を経て決定(重要課題の決定) 上記プロセスを経て、当社では、サステナビリティに係るマテリアリティ及び当該マテリアリティに対する戦略の概要を以下のとおり確定しております。 特定・整理を行った重要課題については、当社のサステナビリティ活動の基本とし、当該重要課題の解決に向けた具体的な取り組みを推進しております。 分類マテリアリティ戦略の概要指標E(環境)環境への貢献自社事業の推進による持続的な医療の実現自社アプリ・システムの開発、提供の推進-医療課題解決のための製品・サービスの提供S(社会)人材育成・社内環境整備社員の成長と活躍推進・副業の実施件数多様な人材の活躍(多様な働き方)・年休取得率・子の看護休暇取得日数・リモートワーク実施率・フレックス制度に対する社員の評価社員の健康と安全・健康診断受診率・ストレスチェック受検率・平均所定外労働時間G(ガバナンス)コーポレート・ガバナンスの強化コーポレート・ガバナンス-コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)・重大なコンプライアンス違反0件リスクマネジメント(BCP管理、情報セキュリティ)・年1回のBCP更新と社内訓練の実施・ISMS認証の維持知的財産の活用及び創出環境の強化- サステナビリティに関する重要課題は当社の事業進捗や事業を取り巻く環境の変化に応じて、定期的に見直しを実施していきます。 |
| 指標及び目標 | ② 指標及び目標当社では、以下の3点を上記の戦略への取組における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。 a 社員の成長と活躍推進b 多様な人材の活躍(多様な働き方)c 社員の健康と安全 a 社員の成長と活躍推進当社は、研究開発型の企業として、学会等での講演や論文発表、知的財産権の創出などを積極的に行っており、「本質的な成果にこだわる」「成長を楽しむ」という行動指針に示されているように、社員に対しても、職務発明取扱規程を定め、研究開発の実施、研究成果の公表、知的財産権の出願等を推奨し、当事業年度における発明報奨金の支給対象者は2名となりました。 また、社員自身のスキルを高めることができる機会として副業を許可しており、当事業年度は、短期のものも含めて延べ8件の副業が行われました。 副業に関する定量的な目標は設定しておりませんが、今後も社員のスキル獲得のための副業が可能となるような環境の整備を進めてまいります。 b 多様な人材の活躍(多様な働き方)当社は、より良い医療の実現のため、様々な分野のプロフェッショナルが協力し、研究開発・事業化を推進しています。 医師、薬剤師、看護師、弁護士などの国家資格保有者、医学、生命科学、物理学などの博士号保有者といったプロフェッショナル人材が当社のビジネスを支えています。 また、「プロフェッショナルとして尊重する」という行動指針を定め、上記の資格や学位の有無にかかわらず、異なる経験や専門性を持つメンバーがお互いにその多様性を認め、尊重し合う企業文化の醸成に取り組んでおります。 その一環として、働き方の多様性を確保するために、リモートワークと出社のハイブリット勤務、コアタイムのないフルフレックスタイム制度等を導入しております。 働き方に関する指標は以下のとおりです。 指標2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(実績)年休取得率81.8%71.5%76.1%子の看護等休暇取得日数(延べ)11.5日12.5日20日リモートワーク率100%(週3日以上50.0%)100%(週3日以上66.7%)100%(週3日以上60.9%)フルフレックス制度を評価している100%100%100% 多様な働き方を可能とする環境整備に努めてきた結果、リモートワーク率は100%を維持しています。 フルフレックス制度とあわせ、社員が働き方を選択しやすい環境が定着しております。 一方で、リモートワークを週3日以上活用する社員の割合は、前事業年度の66.7%から5.8ポイント低下し60.9%となりました。 事業拡大に伴い、対面でのやり取りによる生産性の向上やコミュニケーションの活性化というメリットの観点で、出社を選択する機会が増加しています。 今後も、社員一人ひとりのライフスタイルや、業務や職種の特性にあわせた柔軟な働き方が実現できるよう、環境整備を進めてまいります。 また、法改正に伴う『子の看護等休暇』の対象範囲拡大に対応したことにより、同休暇の取得日数は延べ20日に増加いたしました。 上記指標以外においても、男性社員の育児休暇取得が3件ありました。 引き続き、社員のライフステージの変化や組織体制の変更を視野に入れ、更に多様な働き方を可能とする環境を目指した制度づくりを推進してまいります。 c 社員の健康と安全医療分野で事業を行う企業として、まず働く社員が健康であることが重要と考えており、健康診断や健康増進イベントの参加率向上など、身近な取組から社員の健康対策を推進しています。 当事業年度においては、従業員数が50名を超えたことに伴い、産業医を選任するとともに衛生委員会を中心とした安全衛生管理体制を整備いたしました。 これらに加え、ストレスチェックの継続的な実施や面談指導体制の整備など、社員のメンタル面での健康や安全のサポートを行っております。 健康診断受診率、ストレスチェック受検率はともに4期連続で100%を維持しております。 社員1人あたりの平均所定外労働時間は14時間43分/月となりました。 事業拡大に伴い業務量が増加傾向にありますが、採用による体制強化および業務効率化を継続的に進めております。 指標2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(実績)健康診断受診率100%100%100%ストレスチェック受検率100%100%100%平均所定外労働時間(月)9時間28分11時間6分14時間43分 以上の重点項目への取り組みの結果、当事業年度に実施したエンゲージメントサーベイでは、エンゲージメント率を示すeNPS®※(employee Net Promoter Score®)は-30.00でした。 定着率は83.7%となり、前事業年度の82.1%からわずかに上昇いたしました。 さらなる人員の拡充を見据えて、継続して新入社員受け入れ体制の整備にも取り組んだ結果、当事業年度の新入社員で年度内の離職者は発生いたしませんでした。 引き続き、本採用後のアンケート実施や個別のニーズに合わせた柔軟なサポートなど、多様な施策および運用を継続的に展開し、さらなる定着を図ってまいります。 また、社員の貢献に報いるための制度として、評価制度に準じたストック・オプション制度を設けています。 ミッションの実現および、中長期的な業績や企業価値の向上を社員一丸となって目指していきたいというメッセージを元に設計し、半期毎の評価に基づいたストック・オプションの付与を定期的に実施しております。 今後も、優秀な人材の定着や活躍を目的とした組織運営を行ってまいります。 ※NPS及びNet Promoter Scoreは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (3)人的資本に関する考え方及び取組① 戦略当社は、医療現場におけるニーズとIT技術を有機的に組み合わせ、新しい医療をつくり、持続可能な医療(Sustainable Medicine)を実現することをミッションとしております。 そのためには、医療を中心とした社会課題の解決に強い関心を持つ様々な分野のプロフェッショナルが協力し、一人ひとりが本来有している専門性を更に高めながら研究開発・事業化を推進していける環境の整備及び高い専門性を有した社員の貢献に報いるための制度の構築が重要だと考えております。 当社は、以下に示す5つの「行動指針」を定め、採用基準の1つとするとともに、これらの価値観に基づく環境整備、制度構築に取り組んでおります。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ② 指標及び目標当社では、以下の3点を上記の戦略への取組における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。 a 社員の成長と活躍推進b 多様な人材の活躍(多様な働き方)c 社員の健康と安全 a 社員の成長と活躍推進当社は、研究開発型の企業として、学会等での講演や論文発表、知的財産権の創出などを積極的に行っており、「本質的な成果にこだわる」「成長を楽しむ」という行動指針に示されているように、社員に対しても、職務発明取扱規程を定め、研究開発の実施、研究成果の公表、知的財産権の出願等を推奨し、当事業年度における発明報奨金の支給対象者は2名となりました。 また、社員自身のスキルを高めることができる機会として副業を許可しており、当事業年度は、短期のものも含めて延べ8件の副業が行われました。 副業に関する定量的な目標は設定しておりませんが、今後も社員のスキル獲得のための副業が可能となるような環境の整備を進めてまいります。 b 多様な人材の活躍(多様な働き方)当社は、より良い医療の実現のため、様々な分野のプロフェッショナルが協力し、研究開発・事業化を推進しています。 医師、薬剤師、看護師、弁護士などの国家資格保有者、医学、生命科学、物理学などの博士号保有者といったプロフェッショナル人材が当社のビジネスを支えています。 また、「プロフェッショナルとして尊重する」という行動指針を定め、上記の資格や学位の有無にかかわらず、異なる経験や専門性を持つメンバーがお互いにその多様性を認め、尊重し合う企業文化の醸成に取り組んでおります。 その一環として、働き方の多様性を確保するために、リモートワークと出社のハイブリット勤務、コアタイムのないフルフレックスタイム制度等を導入しております。 働き方に関する指標は以下のとおりです。 指標2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(実績)年休取得率81.8%71.5%76.1%子の看護等休暇取得日数(延べ)11.5日12.5日20日リモートワーク率100%(週3日以上50.0%)100%(週3日以上66.7%)100%(週3日以上60.9%)フルフレックス制度を評価している100%100%100% 多様な働き方を可能とする環境整備に努めてきた結果、リモートワーク率は100%を維持しています。 フルフレックス制度とあわせ、社員が働き方を選択しやすい環境が定着しております。 一方で、リモートワークを週3日以上活用する社員の割合は、前事業年度の66.7%から5.8ポイント低下し60.9%となりました。 事業拡大に伴い、対面でのやり取りによる生産性の向上やコミュニケーションの活性化というメリットの観点で、出社を選択する機会が増加しています。 今後も、社員一人ひとりのライフスタイルや、業務や職種の特性にあわせた柔軟な働き方が実現できるよう、環境整備を進めてまいります。 また、法改正に伴う『子の看護等休暇』の対象範囲拡大に対応したことにより、同休暇の取得日数は延べ20日に増加いたしました。 上記指標以外においても、男性社員の育児休暇取得が3件ありました。 引き続き、社員のライフステージの変化や組織体制の変更を視野に入れ、更に多様な働き方を可能とする環境を目指した制度づくりを推進してまいります。 c 社員の健康と安全医療分野で事業を行う企業として、まず働く社員が健康であることが重要と考えており、健康診断や健康増進イベントの参加率向上など、身近な取組から社員の健康対策を推進しています。 当事業年度においては、従業員数が50名を超えたことに伴い、産業医を選任するとともに衛生委員会を中心とした安全衛生管理体制を整備いたしました。 これらに加え、ストレスチェックの継続的な実施や面談指導体制の整備など、社員のメンタル面での健康や安全のサポートを行っております。 健康診断受診率、ストレスチェック受検率はともに4期連続で100%を維持しております。 社員1人あたりの平均所定外労働時間は14時間43分/月となりました。 事業拡大に伴い業務量が増加傾向にありますが、採用による体制強化および業務効率化を継続的に進めております。 指標2024年6月期(実績)2025年6月期(実績)2026年6月期(実績)健康診断受診率100%100%100%ストレスチェック受検率100%100%100%平均所定外労働時間(月)9時間28分11時間6分14時間43分 以上の重点項目への取り組みの結果、当事業年度に実施したエンゲージメントサーベイでは、エンゲージメント率を示すeNPS®※(employee Net Promoter Score®)は-30.00でした。 定着率は83.7%となり、前事業年度の82.1%からわずかに上昇いたしました。 さらなる人員の拡充を見据えて、継続して新入社員受け入れ体制の整備にも取り組んだ結果、当事業年度の新入社員で年度内の離職者は発生いたしませんでした。 引き続き、本採用後のアンケート実施や個別のニーズに合わせた柔軟なサポートなど、多様な施策および運用を継続的に展開し、さらなる定着を図ってまいります。 また、社員の貢献に報いるための制度として、評価制度に準じたストック・オプション制度を設けています。 ミッションの実現および、中長期的な業績や企業価値の向上を社員一丸となって目指していきたいというメッセージを元に設計し、半期毎の評価に基づいたストック・オプションの付与を定期的に実施しております。 今後も、優秀な人材の定着や活躍を目的とした組織運営を行ってまいります。 ※NPS及びNet Promoter Scoreは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。 |
| 事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 医療機器の研究開発・医療業界に関するリスク① 研究開発の不確実性について当社は治療用アプリ及びプラットフォームシステムの開発を事業領域としており、特に治療用アプリの開発には医薬品と同じく相当程度の時間と投資が必要となります。 治療用アプリの開発では臨床試験の結果や、規制当局からの要望・指導、関連する法令の変更・改訂等によって計画に不確実性が生じ、開発方針の変更、開発の延期もしくは中止などを招くことによって当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 個々の治療用アプリの開発リスクの低減には限界があるため、学術研究機関との連携強化、治療用アプリ開発プラットフォームの活用によって、効率的なシーズ探索を行い、継続的に開発パイプラインの充実を図る方針としております。 ② 副作用、製造物責任について通常、医療機器は本来期待する効果と共に、期待されない副作用が生じる可能性があります。 治療用アプリに関しては、一般の医薬品や医療機器と同様にその安全性に関して臨床試験の中で十分に検討され、また、侵襲性が低く副作用が発生した場合の深刻度も相対的に高くはありませんが、上市後に、より多く使用される段階で予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。 当社は、上記の副作用発生に起因する補償又は賠償に対応するために、想定しうる範囲で治験保険や製造物責任保険への加入を予定しておりますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性があります。 さらに、重篤な副作用や死亡例の発生は、製品及び企業イメージを大きく損ね、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等と併せて、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 医薬品医療機器等法その他の規制について当社が属する医療機器等の業界は研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度並びにその他関係法令等により、様々な規制を受けています。 当社が開発している治療用アプリは医療機器に該当し、厚生労働大臣による医療機器製造業あるいは医療機器製造販売業の登録が必要となります。 この登録は5年ごとの更新が必要となるため、更新が認められない場合には、治療用アプリの開発を継続できなくなる可能性があります。 当社では、人員体制の拡充強化、適正な業務フローの実施を継続的に行い、登録更新に必要な要件を満たしていく方針としております。 また、当社が開発した治療用アプリやシステムの使用が規制当局によって承認されない場合、それらの上市や他社へのサービス提供が困難になる可能性があります。 さらに、承認を取得できた場合であっても健康保険の対象として保険収載されない、もしくは期待通りの保険点数が付与されない場合、当社の財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ パートナー企業との連携関係について当社における開発パイプラインの一部は、製薬企業等のパートナー企業との契約関係に基づき推進されており、パートナー企業による研究開発費用の負担に加えて、開発の進捗に応じたマイルストン収入やロイヤリティを受領する予定となっております。 しかし、パートナー企業における経営戦略の変更や経営状況の悪化、組織再編等の重大な事象が発生したことによる開発方針の見直しにより、契約関係の継続が困難となる可能性があります。 このような事態が生じた場合、将来の研究開発費用の負担増加や、マイルストン収入やロイヤリティの喪失により、当社の中長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、パートナー企業との関係維持に努めるとともに、単独での開発継続を可能とする組織体制の構築にも取り組んでいく方針としております。 ⑤ 「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売について当社は、これまでに実施した臨床試験等に基づき、2026年5月に中医協にて「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の保険収載が了承され、2026年6月より販売を開始しております。 当社の事業計画は、現時点における経済環境、医療ニーズを前提に作成しておりますが、競合製品・競合技術の台頭や、保険点数の見直しなどの制度変更が生じた場合には、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」が普及するスピードや販売金額が想定を下回り、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業活動に関するリスク① 小規模組織及び少数の事業推進者への依存について当社は、本書提出日現在において常勤取締役4名、非常勤取締役3名及び従業員52名の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっていますが、今後、業容拡大に応じた継続的な管理部門の体制強化により内部管理体制の拡充を図る方針であります。 また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。 そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、もしくは人材の流出が生じた場合には、当社の中期的な事業活動に支障が生じ、財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社での人的資本に関する考え方及び取組は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する考え方及び取組」をご参照ください。 ② 特定人物への依存について当社の創業者であり代表取締役社長である上野太郎は、当社の経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の推進において、当社の最高責任者として影響力を有しております。 このため当社は上野に過度に依存しない体制を構築すべく、複数の取締役による業務管掌領域の分担をはじめとした経営組織の強化を図っておりますが、上野が何らかの理由により当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の短期的な事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 治療用アプリ業界の競争環境について治療用アプリやそれに類似する医療機器の開発に携わる企業は、我が国ではまだ少ないものの、海外では既に上場している企業もあり、日本の製薬企業が海外の治療用アプリを日本に導入して臨床試験を開始するなど、国内での競争環境は厳しくなりつつあります。 当社が開発を進めているパイプラインを対象とした、競合企業との研究・開発、臨床試験、販売等の事業活動での競争結果により、当社の治療用アプリの上市が計画通りに進行しない場合、当社の中期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、知的財産権の獲得を中心とした参入障壁の構築により、競争優位性を維持していく方針としております。 ④ 訴訟等について当社は、本書提出日現在、提起されている訴訟はありませんが、将来、何らかの事由の発生によって訴訟等による請求を受ける可能性を完全には回避できません。 こうした事態が生じた場合、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 知的財産権当社では、研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を利用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。 一方で、当社が現在出願している特許が全て成立する保証はなく、さらに、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える他社の優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しています。 当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、保有している知的財産の有効活用並びに新たな知的財産権の構築のために、一定規模の研究開発投資を安定的、継続的に実施していく方針としております。 また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに、当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。 しかし、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 情報セキュリティについて当社はシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するためにシステムの多重化をはじめとして様々な手段を講じておりますが、ウイルス、権限のないアクセス、自然災害、通信エラーあるいは電気障害などが引き起こす事故が発生する可能性を否定することはできません。 システム障害、セキュリティ侵害等が発生した場合、当社が保有する臨床試験における重要な情報等が喪失又は流出する可能性があります。 データの喪失あるいは機密情報の流出を招いた場合、データ復旧のために金銭的・時間的に多大な負担を余儀なくされ、特定の開発品の開発スケジュールが遅延することはもとより、損害賠償請求や当社の社会的信用の失墜、取引先企業との提携関係の解消など、当社の中期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (3) 業績・財務及び資本政策等に関するリスク① マイナスの繰越利益剰余金の計上について当社は、デジタル機器やIoT技術を治療に取り入れた治療用アプリの研究開発を主軸とするベンチャー企業であります。 治療用アプリの研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。 当社も第2期(2017年6月期)から当事業年度(2026年6月期)については当期純損失を計上しております。 当社は、治療用アプリのシーズ獲得とパイプライン開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指していますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性があり、その場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。 今後は、保有する開発パイプラインの他社への導出やマイルストン収入の獲得など、より早期に収益計上を可能とする方策についても検討していく方針であります。 ② 剰余金の分配について当社は、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、当面は配当等による株主への還元は行わない方針としております。 また「① マイナスの繰越利益剰余金の計上について」に記載したとおり、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れた場合、剰余金の分配についても遅れる可能性があります。 ③ 資金繰りについて当社は、研究開発型企業として多額かつ長期にわたる研究開発費用の負担が続くため、継続的に営業損失を計上しており、現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。 このため、安定的な収益源を確保するまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 今後は、他社との共同研究開発体制の構築、保有する開発パイプラインの他社への導出、マイルストン収入の獲得など、多様な資金調達手段を確保していく方針であります。 また、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売により、安定的な収益源の確立を目指してまいります。 ④ 新株発行による資金調達について当社は医療機器の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。 その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ⑤ 新株予約権の行使及び株式の追加発行等による株式価値の希薄化について当社は、当社取締役、従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用し、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、取締役会の承認により、当社取締役、従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っております。 今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。 本書提出日現在において、これら新株予約権による潜在株式数は851,700株であり、発行済株式総数16,868,100株の5.0%に相当します。 また当社の取締役に対して、中長期的な企業価値の向上に対するインセンティブとして譲渡制限付株式を付与する制度を導入しており、今後も当該制度による譲渡制限付株式を付与する可能性があります。 従って、今後新株予約権が行使された場合や譲渡制限付株式が発行された場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社は、治療用アプリ開発及び製造販売を行う「DTx(デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」、並びに汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムの提供及びこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つの事業を展開し、ブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術の応用で業界に新たな価値を生み出し社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。 DTxプロダクト事業では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。 本アプリに関しては、2026年8月26日付で、塩野義製薬株式会社との間で締結しておりました販売提携契約に基づく保険収載に伴うマイルストン収入の額を2億円とすることで合意するとともに、当該販売提携契約の終了に関する合意書を締結しました。 今後は、当社単独で本アプリの販売を推進してまいります。 また、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいては、検証的試験を開始し、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。 今後は、共同研究開発及び販売に関する契約に基づき、開発進展などに応じたマイルストン収入の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。 さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。 今後は開発段階などに応じたマイルストン収入として総額最大23億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。 進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。 本アプリについては、東京慈恵会医科大学と産学連携講座を開設し、社会実装を目指していくこととしています。 その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。 さらに、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリについては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されるなど、開発は順調に進捗しております。 今後も長期的視点での収益の最大化のために、財務指標に先行する開発パイプラインの件数や、臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付けて事業運営を行ってまいります。 DTxプラットフォーム事業では、当社のブロックチェーン技術を活用した治験管理システム(SUSMED SourceDataSync®)を利用し、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社)において、ナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。 また、国立大学法人東北大学と進めていたSUSMED SourceDataSync®の活用による統合型静脈疾患レジストリシステムの構築が完了し、企業へ提供しております。 本レジストリシステムを医療機器の使用成績調査で利活用することにより、効率的に医療機器の使用成績の評価や適正使用の推進が可能となり、医療現場での作業負荷が大幅に軽減することが期待されます。 さらに、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験、Heartseed株式会社が実施する虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした企業治験並びに杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリの検証的試験においても、SUSMED SourceDataSync®を活用しております。 今後も医療分野においてブロックチェーン技術を活用することで、医療データの信頼性向上及び臨床開発コストの適正化の実現を目指してまいります。 アカデミアとの取り組みにつきましては、今後もアンメットニーズや医療の持続可能性に寄与する研究開発活動を引き続き強化してまいります。 こうした事業活動の結果、当事業年度における業績は、事業収益497,211千円(前事業年度比7.4%増)、営業損失330,161千円(前事業年度は299,479千円の損失)、経常損失325,530千円(前事業年度は294,673千円の損失)、当期純損失382,691千円(前事業年度は298,404千円の損失)となりました。 なお、東京都の働くパパママ育業応援奨励金制度に係る交付額確定などによる「助成金等収入」4,736千円を営業外収益に計上しております。 また、当社は、営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることが見込まれるため、全社資産について「減損損失」67,471千円を特別損失に計上しております。 減損損失の金額の内訳は工具器具備品3,449千円、建設仮勘定64,021千円となります。 セグメント別の概況は、以下のとおりです。 (DTxプロダクト事業)当セグメントは、治療用アプリ開発及び製造販売で構成されております。 治療用アプリ開発では、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいて、特定臨床研究が完了し、その結果を踏まえて開始した検証的試験において、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。 さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。 進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。 その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。 また、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリにおいては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されました。 治療用アプリの製造販売では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。 この結果、本事業の事業収益は340,234千円(前年同期は300,000千円)、セグメント利益は103,418千円(前年同期は118,092千円)となりました。 (DTxプラットフォーム事業)当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。 汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験を実施しました。 その他、SUSMED SourceDataSync®を活用した臨床試験の実施に関する提案活動を積極的に展開しております。 機械学習自動分析システムの提供に関する活動につきましては、継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。 この結果、本事業の事業収益は156,977千円(前年同期は162,988千円)、セグメント利益は76,958千円(前年同期は33,133千円)となりました。 (資産) 当事業年度末における流動資産合計は、4,027,580千円となり、前事業年度末に比べ435,048千円減少いたしました。 これは主に売掛金及び契約資産が258,359千円、前払費用が1,781千円増加した一方、現金及び預金が699,836千円減少したこと等によるものであります。 当事業年度末における固定資産合計は、190,526千円となり、前事業年度末に比べ150,182千円増加いたしました。 これは無形固定資産が72,424千円、投資その他の資産が71,356千円、有形固定資産が6,402千円増加したことによるものであります。 (負債) 当事業年度末における流動負債合計は、147,943千円となり、前事業年度末に比べ22,002千円増加いたしました。 これは主に未払消費税等が10,124千円減少した一方、未払金が17,172千円、未払費用が6,269千円、契約負債が5,561千円増加したこと等によるものであります。 当事業年度末における固定負債合計は、零となり、前事業年度末に比べ6,390千円減少いたしました。 これは、資産除去債務の減少によるものです。 (純資産) 当事業年度末における純資産合計は4,070,163千円となり、前事業年度末に比べ300,478千円減少いたしました。 これは主に譲渡制限付株式報酬としての新株発行等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ17,876千円、新株予約権が46,553千円増加した一方、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が382,691千円減少したこと等によるものであります。 なお、2026年5月25日効力発生の減資により、資本金が107,104千円減少し、資本剰余金が107,104千円増加しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,698,300千円(前事業年度は4,398,137千円)となりました。 当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果支出した資金は474,454千円(前事業年度は432,477千円の支出)となりました。 これは主に、減少要因として、税引前当期純損失378,891千円、売上債権及び契約資産の増加額258,359千円、未払消費税等の減少額10,124千円があった一方、増加要因として、株式報酬費用84,074千円、減損損失67,471千円、未払金の増加額17,077千円、減価償却費10,174千円等があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は228,130千円(前事業年度は19,970千円の支出)となりました。 これは、無形固定資産の取得による支出82,334千円、有形固定資産の取得による支出74,042千円、敷金及び保証金の差入による支出71,753千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果増加した資金は2,747千円(前事業年度は3,665千円の増加)となりました。 これは主に、株式の発行による収入3,167千円等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b 受注実績当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 c 販売実績当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)DTxプロダクト事業340,234113.4DTxプラットフォーム事業156,97796.3合計497,211107.4 (注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。 相手先前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)杏林製薬株式会社--240,00048.3あすか製薬株式会社300,00064.8100,00020.1株式会社コラボスクエア92,32519.973,23014.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針および見積り当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。 その作成において、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは固定資産の減損損失であり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (損益計算書関係) ※4 減損損失」に記載しております。 ② 経営成績等に関する分析(事業収益)当事業年度の事業収益は、497,211千円(前事業年度は462,988千円)となりました。 これは主に、DTxプロダクト事業において、耳鳴治療用アプリの検証的試験において当該アプリの利用が開始されたことによるマイルストン収入及び月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリの特定臨床研究において期待する有効な結果が確認されたことに伴うマイルストン収入を収益計上したこと、並びにDTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムに係る収益が順調に推移したこと等によるものです。 (事業費用、営業損失)当事業年度の事業原価については17,387千円(前事業年度は12,264千円)となりました。 これは主に、DTxプラットフォーム事業における臨床試験システムの提供・利用による事業収益の増加に伴い事業原価が増加したこと等によるものです。 当事業年度の研究開発費は247,459千円(前事業年度は273,634千円)となりました。 これは主に、DTxプロダクト事業における既存パイプラインの開発に係る人件費が増加した一方で、DTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムのソフトウェア開発に係る人件費を資産計上したこと等によるものです。 当事業年度の販売費及び一般管理費は、562,525千円(前事業年度は476,569千円)となりました。 これは主に、事業規模の拡大による人件費の増加等によるものです。 その結果、営業損失は330,161千円(前事業年度は299,479千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失)当事業年度の営業外収益は、5,026千円(前事業年度は11,815千円)となりました。 これは主に、助成金等収入4,736千円等によるものです。 また、当事業年度の営業外費用は395千円(前事業年度は7,009千円)となりました。 これは主に、株式交付費338千円等によるものです。 その結果、経常損失は325,530千円(前事業年度は294,673千円)となりました。 (特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純損失)当事業年度の特別利益は、14,137千円(前事業年度は2,234千円)となりました。 これは、新株予約権戻入益7,747千円、資産除去債務戻入益6,389千円によるものです。 また、当事業年度の特別損失は、67,498千円(前事業年度は4,755千円)となりました。 これは主に、固定資産の減損損失67,471千円等によるものです。 当事業年度における法人税等合計は3,800千円(前事業年度は1,210千円)となりました。 その結果、当期純損失は382,691千円(前事業年度は298,404千円)となりました。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④ 資本の財源及び資金の流動性について当社の最重要課題は、販売を開始した不眠障害用アプリの普及及び収益拡大を図ることです。 また、治療用アプリ開発のプラットフォームを活用して複数のパイプラインを組成し、治療用アプリの開発に取り組むとともに、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの開発も継続してまいります。 これらの研究開発に必要な資金については、自己資金を充当する方針です。 加えて、今後、不眠障害用アプリの販売拡大により得られる収益を研究開発へ再投資することで、企業価値の最大化を目指してまいります。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 |
| 研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社は、治療用アプリ開発を行う研究開発型の企業として、経営資源を治療用アプリ及び医療業界向けのプラットフォームシステムの開発に集中しております。 治療用アプリにおける開発のパイプラインについては「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。 当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は247,459千円で、事業費用全体の約29.9%と大きな割合を占めております。 その内訳は、DTxプロダクト事業において主に治療用アプリの開発にかかる人件費及び外部委託費として198,664千円、DTxプラットフォーム事業においてプラットフォーム機能開発にかかる人件費、外部委託費及びサーバ費用を中心として48,794千円となっております。 当社としては、今後も研究開発活動を継続していく方針であり、相応の研究開発費用が発生していく見込みとなります。 |
| 設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当事業年度においては、事業基盤及び経営基盤の強化などを目的として設備投資を実施しております。 なお、有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含めて記載しております。 当事業年度の設備投資の総額は156,472千円であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。 (1) DTxプロダクト事業該当事項はありません。 (2) DTxプラットフォーム事業当事業年度の主な設備投資は、汎用試験システムに係る自社利用ソフトウェアの開発を中心とする総額82,334千円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 (3) 全社共通当事業年度の主な設備投資は、本社移転に係る設備等を中心とする総額74,138千円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。 |
| 主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 2026年6月30日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)ソフトウェア合計本社(東京都中央区)DTxプラットフォーム事業汎用臨床試験システム88,69088,69050 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)新本社 (東京都中央区)全社共通本社移転に係る建物附属設備等97,40164,022自己資金2026年6月2026年9月- (注) 完成後の増加能力については、合理的な算出が困難であるため、記載しておりません。 (2) 重要な設備の除却等 経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備等の除却等の計画はありません。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 247,459,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 156,472,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 38 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,844,000 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
| 大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2026年6月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 上野 太郎東京都文京区6,973,60041.3 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番12号1,262,1007.4 株式会社ヘルシア佐賀県佐賀市高木瀬町大字長瀬1225番地4806,3004.7 株式会社スズケン愛知県名古屋市東区東片端町8番地700,0004.1 第一生命保険株式会社東京都千代田区有楽町1丁目13番1号583,1003.4 BBH CO FOR ARCUS JAPAN VALUE FUND(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)PO BOX 1093, QUEENSGATE HOUSE, SOUTH CHURCH STREET GEORGE TOWN CAYMAN ISLANDS KY1-1102 (東京都千代田区丸の内1丁目4番5号)374,7002.2 三菱UFJ eスマート証券株式会社東京都千代田区霞が関3丁目2番5号368,2002.1 JP JPMSE LUX RE UBS AG LONDON BRANCH EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)BAHNHOFSTRASSE 45 ZURICH SWITZERLAND 8098(東京都千代田区丸の内1丁目4番5号)321,8001.9 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K. (東京都千代田区大手町1丁目9番7号)289,9001.7 サワイグループホールディングス株式会社大阪府大阪市淀川区宮原5丁目2番30号245,0001.4計-11,924,70070.7 (注) 1.持株比率は、小数点第2位以下を切り捨てて小数点第1位まで表示しております。2.上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりです。株式会社日本カストディ銀行 1,262,100株 |
| 株主数-金融機関 | 3 |
| 株主数-金融商品取引業者 | 18 |
| 株主数-外国法人等-個人 | 17 |
| 株主数-外国法人等-個人以外 | 22 |
| 株主数-個人その他 | 4,134 |
| 株主数-その他の法人 | 25 |
| 株主数-計 | 4,219 |
| 氏名又は名称、大株主の状況 | サワイグループホールディングス株式会社 |
| 株主総利回り | 1 |
| 株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
| 株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 会社法第155条第7号による普通株式の取得区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式9693当期間における取得自己株式-- (注) 当期間における取得自己株式には、2026年9月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
| 自己株式の取得 | -93,000 |
| 自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -93,000 |
| 発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)16,822,70045,400-16,868,100 (変動事由の概要)譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加37,700株新株予約権(ストック・オプション)の行使による増加7,700株 2 自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末普通株式(株)6,14896-6,244 (変動事由の概要)単元未満株式の買取りによる増加 96株 |