CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-27 |
英訳名、表紙 | Perseus Proteomics Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長執行役員 横川 拓哉 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区日本橋箱崎町30番1号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6264-8268(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社は、2001年2月に東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体(注1)作製技術を基盤として、診断・創薬標的に対応する抗体の医療への活用を目指して設立されました。 年月概要2001年2月東京都文京区において当社設立2002年10月研究用試薬としての抗体販売を開始2003年4月国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト」に参加2003年7月本社を東京都渋谷区に移転2004年8月R&D Systems Inc.と研究試薬の販売に関する販売代理店契約を締結し、全世界で販売開始2004年9月本社を東京都目黒区に移転2005年9月核内受容体全48種類に対する抗体の販売を開始2006年9月中外製薬株式会社とグリピカン3抗体の特許を受ける権利等の譲渡に関する権利譲渡契約を締結(PPMX-T001)2008年9月研究用試薬「PTX3 ELISAキット」の販売を開始2008年11月グリピカン3抗体の第Ⅰ相試験が米国で開始(PPMX-T001)2009年1月富士フイルム株式会社が、第三者割当増資により、当社株式の76.68%を保有し当社の親会社となる2011年1月放射性同位体(注2)標識カドヘリン3抗体を富士フイルム株式会社に導出(PPMX-T002)2014年12月トランスフェリン受容体抗体が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム実用化挑戦タイプ(創薬開発)の課題として採択される(PPMX-T003)2015年9月薬物結合カドヘリン3抗体を富士フイルム株式会社に導出(PPMX-T004)2016年1月放射性同位体標識カドヘリン3抗体の第Ⅰ相試験が米国で開始(PPMX-T002)2018年3月富士フイルム株式会社は、第三者割当増資により、当社株式の保有割合が48.62%となり、当社のその他の関係会社となる2019年1月ファージディスプレイ技術の維持発展と抗体医薬品の研究開発促進を目的として愛知県名古屋市千種区に名古屋ラボを開設2019年11月当社初の自社治験となるトランスフェリン受容体抗体の真性多血症を対象とした第Ⅰ相試験が日本で開始(PPMX-T003)2020年4月放射性同位体標識カドヘリン3抗体医薬の抗がん剤の第Ⅰ相試験が日本で開始(PPMX-T002)2021年6月東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場2022年3月アグレッシブNK細胞白血病(ANKL)を対象とした研究開発が令和4年度の国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業プログラムの課題として採択される(PPMX-T003)2022年3月PPMX-T002及びPPMX-T004の富士フイルム株式会社との実施許諾契約を解除2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズ市場からグロース市場に移行2022年9月富士フイルム株式会社が、当社のその他の関係会社でなくなる2023年3月ANKLを対象とした医師主導第I/II相試験の治験計画届を提出し承認される(PPMX-T003)2023年7月本社を東京都中央区に移転2025年2月ANKLを対象とした研究開発が令和7年度のAMEDの創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業プログラムの課題として採択される(PPMX-T003)(注)1.抗体:抗原(免疫反応を引き起こす物質)の構造に応じて1対1の関係で特異的に結合する蛋白質。 この特異的な結合力を利用して、がんや感染症、疾患を診断・治療する医薬品(分子標的薬)に応用されます。 2.放射性同位体:放射線を放出する同位体(同じ陽子数で中性子数が異なるものを同位体という)。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社は東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体(※1)作製技術を基盤として、診断・創薬標的に対する抗体の医療への活用を目指して設立されました。 創業以来、医薬品シーズ(※2)抗体を創生することで、がん及びその他疾患の治療用医薬品の研究開発、及び関連業務を行っております。 LSBMで開発された蛋白質発現技術により、従来は作製することが困難だった標的蛋白質も免疫することが可能となり、そのような標的蛋白質に対する抗体の取得がより容易になりました。 これをハイブリドーマ法(動物免疫法)(※3)と組み合わせることで、親和性(※4)の高い抗体の効率的な取得を可能にしています。 さらに、当社は多様性に富むファージ抗体ライブラリ(※5)と当社独自の抗体スクリーニング(※6)技術を保有しており、対象とする疾患の細胞に適用することで、創薬標的を探索するとともに、従来のハイブリドーマ法で得られるものとは異なる特徴を持つ高機能シーズ抗体を取得することを可能にしています。 また、新たな抗体取得技術として、シングルBセルスクリーニング法(※7)の活用も開始しました。 当社の技術は、これらの抗体技術とシーズ探索技術を融合し、医療ニーズにマッチした医薬品シーズ抗体を取得することを特長としております。 また、当社は東京大学発であることを起点として、さらにそのネットワークを広げ、多くのアカデミアとの連携により「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」ことを企業理念としております。 <当社の抗体取得技術> 当社は以下のアプローチにより、シーズ探索を行っております。 第一は、動物に免疫して取得する一般的なハイブリドーマ法です。 グリピカン3やカドヘリン3(CDH3)に対する抗体はこの手法で取得しました。 第二は、動物を用いずに抗体を取得するファージディスプレイ法(※8)をがん細胞に適用することで、トランスフェリン受容体1(TfR1)に対する抗体を取得しております。 第三のシングルBセルスクリーニング法では、特定の抗原に対してのみ反応する抗体を生産するB細胞を単離し、モノクローナル抗体を取得します。 ハイブリドーマの作製が難しい動物種やヒトのモノクローナル抗体も取得することが可能です。 世界におけるバイオ医薬品市場の推移を見ると、年々バイオ医薬品の売上高は増加しており、2026年には約5,489億ドルに達するとも予測されています(出典:Evaluate®)。 また、2024年度の世界の医薬品の売上高上位10品目のうち、抗体医薬品(※13)は5品目を占めております(出典:日経BP社 「日経バイオテクONLINE」2025年5月19日掲載https://pharma.all.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/051500392/?ST=pb)。 このような事業環境の中で、当社は機能性の高い抗体を当社独自の技術で作製し治療薬として開発しているほか、抗体に放射性同位体や抗がん剤等を化学的に結合させ、がん細胞への攻撃力を高めた治療薬の研究開発も行っております。 (1)当社の事業モデル 当社の事業セグメントは、医薬品事業のみの単一セグメントでありますが、以下の各分野において製品化に向けた研究開発、ライセンス、製造方法の確立に取り組んでおります。 ① 創薬 当社は、長年の経験に基づいたハイブリドーマ法、独自のスクリーニング技術を取り入れたファージディスプレイ法、及びシングルBセルスクリーニング法により、高機能抗体を取得し、必要に応じて抗体に遺伝子工学的な改変あるいは化学的な修飾を施し、抗体医薬品候補として研究開発を進めております。 創薬の収益モデルは、国内外の製薬企業に対して、当社が開発した医薬品候補を導出(特定の医薬品を開発、販売するために必要な知的財産権の使用を許可すること)することによる契約一時金収入、開発の進捗に応じて支払われるマイルストーン収入、上市(※14)後に売上高の一定割合が支払われるロイヤリティ収入等を獲得することであります。 収入の形態内容契約一時金収入契約締結時に一時金として受け取る対価。 マイルストーン収入製薬企業等提携先が当社と契約締結後、当社又は提携先における研究開発が進捗し、契約上規定された特定の開発目標を達成した時の対価である開発マイルストーンと、医薬品販売後に、事前に設定した年間販売額を達成した時に受け取る収益である販売マイルストーンがあります。 ロイヤリティ収入上市後に当該製品売上高に対して契約に設定された一定割合を受け取る収入。 当社は、これまでに創出したがん治療用抗体のうち、肝臓がんを標的とする抗体及び固形がんを標的とする放射性同位体標識抗体を、それぞれ製薬企業である中外製薬株式会社及び富士フイルム株式会社に導出しております。 このうち富士フイルム株式会社に導出した2つの抗体(PPMX-T002及びPPMX-T004)は、同社の子会社の放射性医薬品事業の他社への譲渡により、2022年3月に実施権が返還されました。 現在、有効性を高めた新たな抗体医薬品としての開発をそれぞれ進めております。 また、難治性血液がんを標的とした抗体(PPMX-T003)は、2014年に国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)に採択された後、開発を進め、2018年より企業主体の開発に切り替えました。 その後、自社で実施した治験結果に基づいて導出活動を進めております。 この抗体については、導出活動中の対象疾患とは別の疾患においても開発を進めております。 なお、当社における抗体創薬の特長は、医薬品として高い薬理効果が期待できる新規抗体を効率的に取得することです。 この抗体の物質特許が事業のベースになり、その抗体を医薬品として患者さんに届けるべく非臨床試験、臨床試験及び薬事承認を得るまでいかに早く進めるかが課題となります。 導出は、一般的に、特許取得後すぐに大手製薬企業に導出するケース、自社で非臨床試験を完了してから導出するケース、自社単独であるいはパートナー企業と共同で臨床試験を実施し、パイプラインの価値を高めてから製薬企業に導出するケース等があります。 この導出の形態は、薬剤の特性、薬剤ごとに異なる臨床試験の計画、適応疾患及び開発費用等を勘案して決定いたします。 近年、抗体医薬品の認知度が高まる中、多数の抗体医薬品が上市され、抗体医薬品ビジネスの競争も激化しつつあります。 これに伴い、非臨床段階では有利な経済条件で導出することが難しくなりつつあります。 当社は、抗体医薬品を早期に患者さんに届けるため、自社でも臨床試験を実施し、製薬企業への導出を推進してまいります。 なお、各開発品の詳細については、後述「(3)当社の開発品」をご参照ください。 ② 抗体研究支援 当社は、これまでにがん等を対象とした抗体医薬品や研究用試薬の創出を通じて培ってきた技術や経験を活かして、抗体に関連した研究支援(受託)を実施しております。 特にアカデミアや製薬企業に対する抗体研究支援は、当社の創薬活動におけるネットワークを広げる等のシナジー効果があります。 a.抗体作製 動物細胞を利用した組換え蛋白質の生産系を利用して、薬効を確認する試験に使用することが可能な抗体の作製を行います。 一般にマウスなどを対象とした動物試験で使用する抗体の必要量は数十mg程度ですが、一般の試薬会社では100㎍単位で販売されるのに対し、組換え蛋白質として抗体の生産を委託会社に依頼した場合、数g単位のような過剰量であることも多く費用が高額になりがちです。 それに対し、当社は生産量にフレキシブルに対応することが可能です。 b.配列解析 抗体産生細胞(ハイブリドーマ、一般に一種類の抗体を産生する)から、抗体の遺伝子配列(※15)を決定します。 抗体の遺伝子配列は様々な標的との結合が可能となるように多様な組み合わせの配列を生成するという特有の特殊性を持つため、通常の配列決定法では一意に遺伝子配列を決めることが困難ですが、当社は独自に設計した遺伝子増幅用配列を用いることで、その抗体配列情報を解析することが可能です。 そして、この解析を行うことでこの結果をもとにした特許出願を行ったり、前述した組換え蛋白質として抗体作製に用いたりすることが可能となります。 c.その他の研究受託 抗体は物理的な安定性や薬理的な効果など様々な観点での試験が行われ、その用途に応じて、最適な抗体が選択される必要があります。 当社ではこれまでに培った抗体解析・評価ノウハウをもとに、ある標的に対して得られる多数の抗体群の中から、診断・治療に適した抗体を選別・提供するような研究受託を行います。 また前述した抗体作製技術によって作製した抗体などを利用して薬効試験を代行・コンサルティングするなど、当社の抗体開発経験をもとにした各種サービスを提供することで、アカデミアの研究を支援いたします。 ③ 抗体・試薬販売 当社では、がんや生活習慣病等、各種疾患のバイオマーカー(※16)となる核内受容体抗体を全48種類取り揃えており、世界の研究者に向けて研究用試薬として販売しております。 また、核内受容体抗体以外のその他の研究用試薬として、PTX3 ELISAキット(※17)、抗体薬物複合体(ADC)研究用の抗体試薬等も販売しております。 a.核内受容体抗体 核内受容体とは細胞内でホルモンなどと結合することで遺伝子の発現調節を行う蛋白質で、ヒトでは48種類存在します。 核内受容体は生命維持の根幹に関わる遺伝子調節機能を担っており、創薬標的としても注目されている蛋白質群です。 当社は、この核内受容体に対する抗体を全種類開発し、研究用抗体として世界の研究者に販売提供しております。 b.その他の研究用試薬 PTX3 ELISAキットは、血管炎症の程度を反映する指標と考えられている血液中のPTX3を高感度に測定できる研究用測定キットです。 炎症の程度を鋭敏に捉えるPTX3の特徴を活かし、血管炎症を伴う各種疾患の重症化を予測するためのPTX3迅速計測キットの開発も別途進めております。 また、ADC研究用抗体としては、ADCの血中薬物濃度測定等に用いることができる抗DM-1抗体、抗MMAE抗体、抗Exatecan抗体を販売し、ADCの研究開発に携わる研究者に提供しております。 <事業系統図> (2)当社の技術 治療用抗体を取得するために、当社では①標的探索、②抗体探索、③抗体工学、④機能性蛋白質発現技術の各技術を保有しております。 ① 標的探索a.トランスクリプトーム(※20)解析 抗体医薬品の新薬開発において最も重要なことの1つが、その疾患の治療標的となる細胞表面に存在する蛋白質が何であるかを効率的に絞り込んでいくことです。 当社では、油谷浩幸教授(LSBM)が構築したLSBMトランスクリプトームデータベースから得られた情報に基づき、治療標的となり得る有用な蛋白質を発掘し、がんの診断・治療に役立つ抗体を作製し、抗体医薬品候補として研究開発を行っております。 b.リバーストランスクリプトーム(※21)解析 疾患に関連した細胞(例えばがん細胞)の表面には、正常な細胞とは異なり、その疾患に特有の構造を持つ蛋白質が往々にして存在します。 これらの蛋白質は抗体の標的分子となるため、当社は、その疾患に特異的な蛋白質の構造を正確にとらえた抗体を多数取得し、ライブラリ化しております。 このようにして得られた抗体ライブラリには、診断や治療に有用な抗体が多数含まれていることが期待され、ここから様々な治療効果を示す抗体を選別し、その抗体が標的としている蛋白質の調査を進めていきます。 このようにして得られた有用な抗体群は、治療薬候補の抗体として研究開発が進められます。 ② 抗体探索 抗体を取得する方法として、当社ではファージディスプレイ法、ハイブリドーマ法及びシングルBセルスクリーニング法を実施しております。 また、ファージディスプレイ法によって取得した抗体を効率的にスクリーニングする技術として、当社独自の手法であるICOS法(Isolation of antigen/antibody Complexes through Organic Solvent method)を開発し、活用しております。 a.ファージディスプレイ法 動物を用いない抗体取得方法として、以下の2つの抗体ライブラリから特定の標的分子と結合する抗体配列を選別します。 当社は、保有する抗体ライブラリと独自のスクリーニング技術を組み合わせることで、薬剤となりうる抗体を取得しています。 優れた抗体は、狙った標的分子のみに強く結合する性質を持ち、これを特異性(※22)、高親和性と呼びます。 またその性質により、標的分子の機能を制御する場合は機能性抗体と呼ばれ、抗体医薬品においては重要な性能となります。 (a)ヒト抗体ライブラリ 当社は多種類のヒト抗体配列を揃えたヒトナイーブ抗体ライブラリ(※23)を保有しています。 抗体は、それぞれ2本のH鎖(重鎖:分子量が大きい)とL鎖(軽鎖:分子量が小さい)によって構成されています。 抗体の抗原認識に対する寄与度は、L鎖よりもH鎖の方がより大きいことが知られています。 そこで、当社は保有するヒト抗体ライブラリのH鎖の多様性を増やして、多彩な抗原を認識できる抗体の存在比率を大幅に高めることにより、標的分子に対して多数の抗体群を取得することを可能としました。 これにより、標的抗原に対して親和性の高い抗体を取得する可能性を向上させております。 また、標的抗原に対して多数のエピトープ(※24)を認識する抗体群を取得することで、機能性抗体を取得する確率も高めております。 ナイーブレパートリーと呼ばれる、体内の抗体の中でも特に未熟な抗体は、一般的に、免疫寛容(※25)を受けておらず、さまざまな標的に対する反応性を持っています。 当社ではそのような素材からライブラリに格納する抗体集団を構築する手法により、様々な標的分子に対して最適な抗体を作出することを可能にしております。 (b)VHH抗体ライブラリ VHH抗体(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain ※26)とは、ラクダ科の動物(ラクダ、ラマ、アルパカなど)の血液に含まれる重鎖のみから構成される特殊な抗体の抗原結合部分の分子を指します。 VHH抗体は、ヒトの抗体と比べて分子量が小さく、熱に強いという特性があり、用途に応じて複数のVHHを繋げたり、新しい機能をもたせたりと加工しやすい抗体として近年注目を集めています。 このため、医薬品だけでなく、研究用試薬や工業製品等の分野において幅広い用途への活用が期待されます。 特に、ラクダ科の中でもヒトコブラクダはアルパカやラマと比べてVHHの割合が高いという特長を有しており、当社はこうした優れた特性を持つヒトコブラクダの抗体配列を多種類揃えたナイーブ抗体ライブラリを保有しております。 (c)抗体スクリーニング技術 抗体医薬品の標的分子となる蛋白質は、細胞膜上に発現しますが、その蛋白質は折り畳まれて複雑な立体構造を作り出しています。 抗体は抗原認識の際に標的分子の持つ立体的な構造に大きく影響されますので、スクリーニングの際には細胞を用いることが効果的です。 しかしながら生きた細胞をそのままスクリーニングに使うと、標的に特異的でない多数の抗体も含まれてしまうという問題が生じます。 そのため、通常は精製された抗原がスクリーニングに使われますが、当該手法では、精製の過程で蛋白質の立体構造が失われてしまうため、標的蛋白質に対する最適な抗体を取得することは困難でした。 これを解決した方法が、当社が独自に開発したICOS法です。 ICOS法は有機溶剤を利用して、細胞が有機層に入る過程で、非特異的に吸着した抗体を細胞表面から除去する手法です。 これにより、細胞上に存在する蛋白質の立体構造を反映した、親和性の高い抗体のみを効率的に取得することが可能となりました。 また細胞膜上の蛋白質に限らず、通常免疫法では取得が困難な標的に対しても最適なスクリーニング技術を開発しており、蛋白質はもちろん、低分子等様々な標的に対する抗体を取得することができます。 b.ハイブリドーマ法 抗体作製技術の一つで、当社の抗体作製技術の出発点となっている基本的な重要技術です。 蛋白質等の標的分子をマウス等の動物に免疫することで、抗体を産生する細胞(ハイブリドーマ)を作出する、古典的ですが信頼性の高い手法です。 現在市販されている抗体医薬品の多くがこの手法で作られています。 抗体医薬品の主な標的である膜蛋白質の多くは、ヒト以外の動物でも同じ形で存在することが知られています。 この様な標的の場合、通常の免疫方法では免疫が自分自身を攻撃するのを防ぐ機構を持つために、ヒトを形作るのと同じ構造を持つ蛋白質に対する機能性抗体の取得は難しいことが知られています(この現象を免疫寛容といいます)。 しかし当社では、東京大学との多くの共同研究を通じて得た最先端の知識と、アジュバント(※27)と呼ばれる免疫増強剤の使用・投与方法の工夫といったノウハウを組み合わせることで、高い結合力で的確に標的に結合する抗体を効率的に取得しています。 c.シングルBセルスクリーニング法 シングルBセルスクリーニング法は、特定の抗原に対して反応する抗体を生産するB細胞を単離し、モノクローナル抗体を取得する方法です。 この方法は極めてまれな抗体産生細胞を高精度かつ高効率で特定することができるため、高い特異性と親和性を持つ抗体が取得できます。 また、得られた多数のB細胞から抗体遺伝子を取得することで効率よく多様な抗体を得ることが可能です。 得られた抗体遺伝子を使って抗体産生細胞を作ることができるため、ハイブリドーマの作製が難しい動物種のモノクローナル抗体でも生産することが可能です。 ③ 抗体工学a.抗体配列解析 抗体配列を100%正確に解析することは、後述する抗体デザインを行う上で極めて重要な操作となります。 抗体産生細胞が生産する抗体のアミノ酸の並びを解読するためには、細胞から抗体の遺伝子を取り出し、その遺伝子配列を決定する必要があります。 しかし抗体の遺伝子配列は、様々な標的との結合が可能となるように、多様な組み合わせの配列を生成するという特有の性質を持つため、通常の配列決定法では一意に遺伝子配列を決めることは困難です。 そこで当社では独自に設計した遺伝子増幅用配列(プライマー(※28))を用いて、その抗体配列情報を解析しています。 即ち、抗体産生細胞から抗体に翻訳される遺伝子領域を取り出し、その部分を独自に設計したプライマーを用いて増幅することで遺伝子配列を解析します。 これにより当社では非常に多様な抗体の配列情報を正確に決定します。 b.抗体医薬品設計 動物を免疫することによって得られた抗体は、そのままではヒトへの投与時に免疫原性などの問題が生じる可能性があるため、安全性を高める目的で、抗体のヒト化を実施します。 一方、ヒト抗体ライブラリを使ってファージディスプレイ法で得られた抗体はヒト抗体ですので、ヒト化の工程は不要です。 こうしたヒト化抗体またはヒト抗体を、そのままの形で薬として利用する場合もありますが、必要に応じて放射性同位元素(RI)や強力な抗がん剤を抗体と連結したり、複数の抗体を結合させたBispecific抗体を作製したりすることで、がん細胞など標的への攻撃効果をさらに高めることができます。 このように、ヒト抗体ライブラリや動物免疫により取得した抗体を様々に加工・設計することで、抗体を高度に進化させ、最新の治療手法に応用します。 ④ 機能性蛋白質発現技術(BV:Budded Virus) 高い結合力で的確に目標と結合する抗体を作製するには、標的となる蛋白質の細胞上での構造と機能を維持した状態で作製することが極めて重要です。 当社はこの課題を克服する手段の一つとして、LSBMにて浜窪隆雄教授を中心に開発したBV(Budded Virus)技術を活用しています。 この技術を用いると、標的蛋白質が構造と機能を保ったまま生産されるように遺伝子組換えを施したウイルスを昆虫細胞に感染させ、そこから放出されるウイルスを免疫源として直接利用することが可能です。 これにより従来は作製することが困難だった標的蛋白質も免疫することが可能となり、これまで作製困難だった標的に対する抗体の取得が、さらに容易になりました。 (3)当社の開発品 当社の開発パイプラインの進捗状況は以下のとおりです。 (注1)PV:真性多血症(注2)ANKL:アグレッシブNK細胞白血病 ① PPMX-T002 PPMX-T002は、導出先の富士フイルム株式会社の事業方針の変更により、2022年3月に実施権が返還され、新たな医薬品候補として開発を進めております。 a.特徴 がん細胞で多数発現しているCDH3を標的とする抗体に、イットリウム90(90Y)という放射性同位体(RI)を標識した抗がん剤候補です。 がん細胞上の標的に抗体が集積し、90Yが放射線を照射してがん細胞を殺傷する仕組みです。 PPMX-T002は、放射性同位体を標識した抗体(Armed抗体(※29))を用いた抗がん剤で、通常の抗体医薬品とは異なる作用メカニズムを持ちます。 一般的な抗体医薬品は、抗体ががん細胞表面に発現する特定の蛋白質に結合し、生体が持つ免疫機能を誘引することで標的細胞を攻撃しますが、免疫機能が低下した患者さんに対しては効果が弱くなります。 一方PPMX-T002は、遺伝子改変した抗体に放射性同位体を標識したもので、抗原抗体反応によってがん細胞に集積させ、放射線で直接がん細胞を攻撃することができます。 このため、患者さんの免疫機能の状態に関わらず、高い効果が期待できます。 また、PPMX-T002は、固形がんの細胞表面に多数発現しているCDH3を標的とし、肺がん、膵臓がん、大腸がん、卵巣がん等の細胞に高い集積性を有する抗体を用いています。 b.開発状況 富士フイルム株式会社による米国における進行性固形がん患者さんでの第Ⅰ相試験において、PPMX-T002の抗体が、投与された患者さんのがん組織に集積すること及び安全性が確認された用量で一部症例において腫瘍の縮小が確認されました。 ステージ4の患者さんを対象にした臨床試験で、15例中11例でSD(病勢安定)又はCR(完全寛解)という好成績が得られています。 また、CRの症例では投与後、次第に腫瘍が小さくなり26か月後には卵巣がんが消失した症例がありました。 その後、当社では抗腫瘍効果をさらに高める目的でRIを90Yからアクチニウム225(225Ac)へ変更し、動物実験で効果を検証しました。 これをもとに放射性医薬品開発会社を中心に導出を目指しております。 (出典 Subbiah et al. (2017) AACR Annual Meeting, Chicago, USA DOI: 10.1158/1538-7445.AM2017-CT097) 当社は、同社から米国における第Ⅰ相試験の治験データを含むすべての成果物を譲り受け、さらに有効性の高い放射性同位体標識抗体として開発を進めております。 c.対象疾患 CDH3陽性難治性固形がん(卵巣がん、胆道がん、頭頸部扁平上皮がん) d.ライセンスの状況 2011年1月に、当社及び富士フイルムRIファーマ株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)のPPMX-T002に関する権利(「研究・開発」及び「製造・販売」等)を富士フイルム株式会社に実施許諾する契約を締結しましたが、同社の子会社である富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業の他社への譲渡に伴い、2022年3月に当該契約を解除しました。 当該事業の承継先であるPDRファーマ株式会社と協議した結果、当社が今後の開発及び導出活動を主導することが決定しました。 ② PPMX-T003a.特徴 PPMX-T003は、ファージディスプレイ法により取得された抗体で、トランスフェリン受容体1(TfR1)を標的とします。 TfR1は、鉄と結合したトランスフェリンを細胞内に取り込むために、細胞膜上に発現しています。 細胞の生存には細胞内への鉄の取り込みが必須ですが、中でも赤血球になる前の細胞である赤芽球と、増殖が盛んな全てのがん細胞は極めて多くの鉄を必要とするため、TfR1が高発現していることが広く知られています。 このため、鉄の取り込みを阻害することで細胞内の鉄を枯渇させ、がん細胞を死滅させるという試みが、古くから行われてきました。 これまでに数多の研究者が抗TfR1抗体の研究開発に取り組んできましたが、臨床で使用可能な抗体はいまだ見出されておりません。 こうした中、当社は、独自のスクリーニング技術であるICOS法を取り入れたファージディスプレイ法により、極めて高い鉄取り込み阻害能を示す完全ヒト抗体を取得しました。 現在、幅広い血液疾患を対象とした治療薬の開発を計画しており、まずは真性多血症(PV:Polycythemia Vera)に対する治療薬開発を目指して、第Ⅰ相試験を国内で実施し、2024年6月に終了しました。 下の中央図は、PPMX-T003が、ブロッキング抗体としてTfR1からの鉄結合蛋白質の取り込みを阻害する様子を表しています。 右のグラフは、TfR1に対する結合阻害率を評価した競合アッセイデータです。 横軸は濃度で左に行くほど結合が強く(低濃度で阻害する)、下に行くほど結合阻害率が高いことを示します。 体内にあるトランスフェリンと比較して、PPMX-T003は、100倍以上結合が強いこと、また、完全に結合阻害していることがわかります。 A24は従来の抗体で、結合力も弱く阻害率が半分にも到達していません。 <がん細胞の鉄の取込みを阻害すると細胞死・増殖抑制するイメージ図、及びPPMX-T003の結合活性を従来の抗体と比較したデータ> PPMX-T003は、TfR1に結合することでがん細胞への鉄の取り込みを阻害し、強力な抗腫瘍効果を示しています。 これにより、化学療法剤で生じるような患者さんの大幅なQOL(※30)低下を伴わない治療効果が期待されます。 また、東海大学(2024年4月1日からは大阪大学)との共同研究においては、PPMX-T003の優れた鉄取り込み阻害能が、アグレッシブNK細胞白血病(ANKL)という超希少疾患にも有効である可能性が示されました。 患者由来腫瘍細胞を移植したマウスモデルによるPPMX-T003の投与実験で、極めて高いがん細胞増殖抑制効果及び生存期間の延長が確認され、2022年3月には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」に採択され、3ヵ年の支援を受けてきました。 本事業を受けて開始された医師主導第I/Ⅱ相試験(以下「本治験」)は、当事業年度内に終了する計画でしたが、超希少疾患のため予定どおりに被験者登録が進まず、治験調整医師の判断により、治験期間が1年延長されました。 なお、本治験は2025年2月に再び本事業に採択されております。 今後の被験者登録を加速するため、本報告書提出日現在、治験実施施設を7か所から9か所に増やしております。 このほか、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等の血液がん及び固形がんに対する治療薬としての作用機序を明確化するため、名古屋大学等と共同で創薬研究を推進しております。 以下のデータ(表)は様々な血液がん細胞に対する増殖抑制効果のデータです。 一番下の正常細胞(臍帯由来細胞)に対して、最下段以外の全てが種々のがん細胞で、そのEC50(細胞増殖を50%抑制するために必要な薬剤濃度)は2桁以上少なく、がん細胞が正常細胞に比較してPPMX-T003に敏感で、強く増殖抑制されることが示されています。 <正常細胞に対してがん細胞に強く作用するPPMX-T003の細胞増殖抑制の比較データ(表)>(注) 細胞株とは、がん組織から採取し、安定的に増殖・培養できるようにした実験用細胞のこと 以下のデータは担癌マウスを用いた動物実験データです。 急性骨髄性白血病(AML)や悪性リンパ腫で薬剤の用量依存的にがん細胞の増殖が抑制されていることが示されています。 いずれも横軸は日数、縦軸は腫瘍の大きさで、矢印は薬剤の投与を表しています。 二つのグラフはいずれも、薬剤無し(Control)で日数と共に急速に腫瘍体積が大きくなっています。 これに対してPPMX-T003を投与すると、投与量が増えるとともに腫瘍体積の増大が抑制されています。 特に30日目以降は、その後薬剤の投与が行われていないのに腫瘍体積は増えていません。 つまり、PPMX-T003は用量依存的に腫瘍体積の増加を抑制し、投与量が多い場合はがんを消失していることが確認できました。 (出典 Zhang et al.(2017) AACR Annual Meeting, Chicago, USA DOI: 10.1158/1538-7445.AM2017-5586) b.開発状況 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果最適展開支援プログラムの採択後、2018年にサルを用いた非臨床毒性試験(GLP毒性試験)を完了し、2015年に終了した予備試験と同様の結果を得ております。 また、本非臨床毒性試験完了をもって研究成果最適展開支援プログラムは終了し、2018年より企業主体の開発に切り替えました。 その後、自社で実施した治験結果に基づいて導出活動を進めております。 この抗体については、導出活動中の対象疾患とは別の疾患においても、新たな医薬品候補となる可能性が認められ開発を進めております。 PPMX-T003は種々の血液がんで治療効果が期待されますが、最初に真性多血症治療薬の開発に取り組んでいます。 真性多血症(PV)は赤血球が通常より多い疾患で血栓生成が問題です。 現在の治療法は、瀉血(しゃけつ)又は抗がん剤等の薬物療法です。 瀉血は体内の鉄分が不足するため、貧血や脱力感、うつ病、手足むずむず病等の精神症状を伴い、QOLが悪いという課題があります。 また、抗がん剤等の既存の薬物療法は骨髄抑制や2次がん発症リスク等の問題があります。 これに対して、PPMX-T003は、既存の治療法で問題となる副作用の大幅な低減が期待されます。 以下に真性多血症の標準的治療法と課題について図に示します。 <真性多血症と治療> 以下のデータは、順天堂大学における真性多血症の患者さんの瀉血検体を用いた内因性赤芽球コロニーの増殖試験の結果です。 PPMX-T003を加えた細胞培養の実験で、赤芽球コロニーの形成が阻害されていることがわかります。 これは、PPMX-T003の真性多血症治療薬としての可能性が、ヒトの検体を用いて検証された、重要な事例です。 (出典:第81回日本血液学会学術集会「抗TfR1抗体による真性多血症内因性赤芽球コロニーの形成阻害」) 2019年11月より健常人を対象とした第Ⅰ相試験を開始しました。 2021年3月に治験総括報告書が完成した健常人の第Ⅰ相試験では、日本人健康成人男性へのPPMX-T003の投与量0.25mg/kgまでの単回持続静脈内投与において、安全性が確認されたと考えております。 次に、PVを対象疾患と定めて第I相試験を国内で実施し、2024年6月に終了しました。 なお、この第I相試験の結果につきましては、2024年12月に行われた第66回全米血液学会(ASH)年次総会で、被験者都合により中止となった1例を除く5例において12週間の瀉血不要期間が達成されたことや、全6例においてヘマトクリット、ヘモグロビン等の赤血球パラメータで薬効が示唆されたことを報告しました。 また、「a.特徴」に記載のとおり、ANKLという超稀少疾患の治療薬となる可能性も示され、2023年4月より医師主導第I/Ⅱ相試験が実施されております。 2023年9月には、最初の2名の患者さんに投与が行われました。 稀少疾患であるため、被験者への投与が滞りなく行われるよう、全国7か所の基幹病院での治験実施体制を整備してまいりました。 その後、被験者の登録が滞ったため、さらに2か所の基幹病院を追加しております。 ANKLの有効な治療薬の開発に向けて、今後も治験を推進してまいります。 さらに、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等の血液がん及び固形がんの治療薬としての作用機構を明確化するため、名古屋大学等と共同で臨床効果に関する創薬研究を推進しております。 c.対象疾患 血液がん d.ライセンスの状況 本書提出日現在、グローバルでのライセンス活動を進めております。 ③ PPMX-T004 PPMX-T004は、導出先である富士フイルム株式会社の事業方針の変更により、2022年3月に実施権が返還されており、新たな医薬品候補として開発を進めております。 a.特徴 PPMX-T004は、PPMX-T002と同じく、がん細胞表面に存在するカドヘリン3(CDH3)を標的としています。 CDH3は、細胞間接着蛋白質として機能すると考えられています。 PPMX-T004は、遺伝子改変した抗体に薬物を結合した抗体薬物複合体(ADC)(※31)で、結合した薬物によって、本抗体と結合したがん細胞を殺傷することができるため、患者さんの免疫機能の状態に関わらず、高い効果が期待できます。 PPMX-T004では、固形がんの細胞表面に多く発現しているCDH3を標的とし、がん細胞に対し高い内在性を有する抗体を用いています。 b.開発状況 当社において、新たな医薬品候補として開発を進めております。 より有効性の高い薬剤と、薬剤と抗体とを結合させるためのリンカー(※32)の最適な組み合わせを見出し、マウスによる実験でも高い抗腫瘍効果を認めました。 これを受けて、現在は予備毒性試験を進めております。 c.対象疾患 CDH3を発現する固形がん d.ライセンスの状況 2015年9月に、PPMX-T004に関する権利(「研究・開発」及び「製造・販売」等)を富士フイルム株式会社に実施許諾する契約を締結しましたが、富士フイルム株式会社の事業方針の変更により、2022年3月に当該契約を解除しました。 より高い有効性が期待される薬剤やリンカーに変更した新たな医薬品候補として開発を進めており、本書提出日現在、導出先は決まっておりません。 ④ その他 当社は患者組織を利用することで取得した疾患特異的な標的候補を多数保有しております。 これら標的群に対する抗体取得を順次進めており、Naked抗体(※33)、Armed抗体等、多様なプラットフォームを用いた自社開発プログラムを推進中です。 <用語集> 用語説明※1抗体抗原(免疫反応を引き起こす物質)の構造に応じて1対1の関係で特異的に結合する蛋白質。 この特異的な結合力を利用して、がんや感染症、疾患を診断・治療する医薬品(分子標的薬)に応用されます。 ※2シーズ医薬品の候補となる物質。 ※3ハイブリドーマ法抗体を産生する細胞と不死化細胞を融合して、1種類の抗体を多量に産生する技術。 免疫方法や細胞の調整といった手法が確立され、ファージディスプレイ法と比較して安価で簡便であることから、広く一般的に行われています。 親和性の高い抗体が取得可能ですが、取得した抗体がヒト以外の動物由来のものであるため、医薬品として使用するためには抗体をヒト化する必要があります。 また、ファージディスプレイ法と比較して複雑な構造の標的分子に対する抗体の作成が困難です。 ※4親和性ある物質が特定の物質と選択的に結合しようとする性質、傾向。 ※5ファージ細菌に感染するウイルスの総称。 ファージに様々な遺伝子を組み込むことで細菌に人為的に特定の蛋白質を作らせることができます。 抗体ライブラリある特定の手段あるいは目的をもって構成された抗体あるいは抗体遺伝子の集合。 ※6スクリーニング様々な指標で目的とする物質を選択する操作。 ※7シングルBセルスクリーニング法特定の抗原に対してのみ反応する抗体を生産するB細胞を単離し、モノクローナル抗体を取得する方法。 ※8ファージディスプレイ法細菌に感染するウイルスであるファージに抗体分子を表出する技術。 標的分子と反応させることで、特異的に結合する抗体クローンを見つけ出すことができます。 ハイブリドーマ法と比較してヒト抗体ライブラリから直接ヒト抗体を取得できる利点がある一方、コストが高く、抗体ライブラリ作製に熟練が必要であることに加え、一般的には親和性の高い抗体の取得が困難です。 ※9マウス抗体マウスに免疫して得られた抗体。 ※10キメラ抗体遺伝子工学的手法によりマウス抗体の可変領域とヒト抗体の定常領域を連結したもの。 ※11ヒト化抗体遺伝子工学を用いてマウスで作成した抗体の抗原結合部位をヒト由来の抗体分子に移植して作製された抗体分子で、配列的にキメラ抗体より、ヒト抗体に近いものです。 ※12完全ヒト抗体蛋白質配列が全てヒト遺伝子に由来する抗体。 他の生物種由来の配列を含まないため、より安全性が高いと考えられています。 ※13抗体医薬品抗体の様々な機能を利用した医薬品。 抗体はその構造の同一性から、製造技術の確立が進み、バイオ医薬品としての開発が盛んに行われています。 ※14上市医薬品として承認され、実際に市販されること。 ※15抗体の遺伝子配列抗体は蛋白質の一種であり、そのアミノ酸配列を決定するDNA(デオキシリボ核酸)の塩基の並びのこと。 ※16バイオマーカー生体内の生物学的変化を定量的に把握するため、血中蛋白質量等の生体情報を数値化・定量化した指標。 疾患の有無や進行度合いの指標になります。 用語説明※17PTX3Pentraxin3の略。 体内の炎症により産生される炎症性蛋白質の一つ。 ELISAEnzyme-Linked Immunosorbent Assay(酵素免疫測定法)の略。 試料溶液中に含まれる目的物(一般的には蛋白質)を、これに特異的に結合する抗体で捕捉し、酵素反応に基づく発光、発色をシグナルとして検出することで目的物の濃度を計測する方法。 ※18CROContract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)の略。 製薬企業、医療機関、行政機関等の依頼により、医薬品、医療機器、食品(特定保健用健康食品)、化粧品等の臨床開発及び臨床試験(治験)に関わる業務を、受託、又は労働者派遣等で支援する機関のこと。 ※19CMOContract Manufacturing Organization(医薬品製造受託機関)の略。 製薬企業から医薬品(治験薬・市販薬を含む)の製造を受託します。 ※20トランスクリプトーム特定の状況下において細胞中に存在するmRNAの総体。 mRNA:Messenger RNA(伝令RNA)の略。 蛋白質に翻訳される遺伝子情報を持つRNA(遺伝子の情報を伝える物質)のこと。 ※21リバーストランスクリプトーム特定の状況下での発現産物の総体から発現産物を同定するトランスクリプトームから逆の過程を経ることから想起した造語。 ※22特異性抗体が特定の抗原にのみ結合して他とは結合しない性質。 ※23ヒトナイーブ抗体ライブラリ人のリンパ球由来抗体遺伝子をもとに構築された抗体配列の集合体。 ナイーブとはいまだ特性の抗原に対して刺激を受けていない状態。 刺激をうけると特定の抗原に対して特異性と親和性を向上させていきます。 ※24エピトープ抗体が標的とする物質の結合領域。 ※25免疫寛容体の中で作られる抗体が自分の細胞を攻撃しないように自己抗原に対する抗体をあらかじめ排除する機構。 抗体が作られる初期の段階で選別が行われます。 ※26VHH抗体ラクダ科動物が持つ特殊な抗体分子(重鎖抗体)の可変領域(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain antibody)の略称。 ※27アジュバント抗原と一緒に投与して、その効果を高めるために使用する物質。 ※28プライマー遺伝子を増幅する際の起点として使用されるDNA断片。 ※29Armed抗体放射性同位体や細胞傷害剤等を連結した抗体。 連結した物質の種類により、例えばがん細胞への攻撃力を高めるなどが期待できます。 ※30QOLQuality of Lifeの略。 日本語では「生活の質」「生命の質」と訳されます。 患者さんが、人間らしく満足行く生活が送れているのかという尺度として捉えられます。 ※31ADCAntibody Drug Conjugate(抗体薬物複合体)の略。 強力な細胞傷害活性を持つ薬物が連結されている抗体。 ADCは標的を介して細胞内部に取り込まれ、連結している薬物の効果で細胞を殺傷します。 ※32リンカーADCの構成物の一つで、抗体と薬物とを結合するものです。 薬物をいつ、どのように切断するかの制御も行います。 ※33Naked抗体何の修飾も施していない抗体。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)32 (2)47.97.37,536,012 当社は、医薬品事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。 事業部門の名称従業員数(人)研究開発部21 (2)事業開発部5(-)管理部6(-)合計32 (2)(注)1.従業員数は就業人員(社外から当社への出向者を含む。 )であります。 2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(嘱託社員・派遣社員)の年間平均人員であります。 3.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。 (2)労働組合の状況 当社には労働組合がありませんが、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社は、LSBMで開発された蛋白質発現技術、及びファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術、並びにシーズ探索技術を駆使して、がん及びその他の疾患の治療用抗体医薬品の研究開発を進めることで、世界の医療に貢献していくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標 当社における導出時の契約一時金とその後の継続的なマイルストーン等の収入は、当社又は導出先における研究開発の進捗に大きく左右されます。 そのため、当社では、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった数値的な目標となる経営指標は用いておりませんが、経営指標として、将来の売上に繋がるパイプラインの開発の進捗、パイプラインの拡充及び売上高を重要な目標と考え、事業活動を推進しております。 (3)中長期的な経営戦略 当社の中長期における重要課題は、継続的に新規抗体を創出することであり、そのために開発パイプライン充実に向けた探索研究を継続的に実施するとともに臨床開発を進めてまいります。 創薬ベンチャーである当社は、これらの研究開発を継続して行っていくために、研究開発体制の強化と研究開発資金の調達が不可欠であります。 そのために、新規提携先の確保、研究開発助成金の獲得とともに、必要に応じて、ライセンス契約の締結を始めとした国内外のパートナーとの提携や、資本市場からの資金調達を行いながら研究開発を推進してまいります。 (4)経営環境 当社の事業である抗体医薬はバイオ医薬品に属します。 世界におけるバイオ医薬品市場の推移を見ると、年々バイオ医薬品の売上高は増加しており、2026年には約5,489億ドルに達するとも予測されています(出典:Evaluate®)。 また、2024年度の世界の医薬品の売上高上位10品目のうち、抗体医薬品(※13)は5品目を占めております(出典:日経BP社 「日経バイオテクONLINE」2025年5月19日掲載https://pharma.all.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/051500392/?ST=pb)。 このように当社の事業環境は成長基調にあり、その中にあって、当社は医療ニーズの高い抗体医薬品を継続的に開発することにより、事業の成長が見込まれると考えています。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」ことを使命として、がん及びその他の疾患の治療用抗体医薬品の研究開発を進めております。 この使命のもとで、当社は、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。 ① 既存のパイプラインの開発と拡充 当社は現在、抗体医薬品候補として、PPMX-T002、PPMX-T003、PPMX-T004という3つのパイプラインの開発を進めております。 研究開発先行型のビジネスモデルであるため、既存のパイプラインの開発を着実に進め、導出することで収益を改善し、新たな医薬品候補を継続的に開発することが、企業価値向上には必須であると認識しております。 なお、それぞれのパイプラインの詳細及び具体的な進捗につきましては、「第1 企業の概況 3.事業の内容 (3)当社の開発品」及び「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 ② 次期パイプラインの探索研究 複数の大学研究機関との継続的な共同研究によって、次期パイプラインの創出に向けた、候補標的の評価データの収集を行っております。 また、標的に対する最適な抗体を獲得するための新技術導入も積極的に行っており、新たな抗体医薬品シーズの探索研究をさらに進めてまいります。 ③ 抗体研究支援及び抗体・試薬販売の拡大 抗体研究支援は、大学や研究機関との共同研究などを通じて得られた新たな顧客ニーズの発掘による支援メニューの拡充や、創薬企業ならではの細やかな研究支援により売上増を図ってまいります。 また、抗体・試薬販売は、新製品の継続的な投入を行うとともに、当社抗体の論文での使用例や、企業での使用例を具体的にホームページ等で訴求し、研究者や企業からの支持を拡大することで受注増を目指してまいります。 ④ 新しいサービスの提供 抗体医薬品業界においては、抗体薬物複合体(ADC)や放射性同位体標識抗体等のArmed抗体の研究開発も盛んとなっております。 当社の優れた抗体ライブラリや抗体技術を活用し、業界動向に沿った新たなサービスの提供を行ってまいります。 ⑤ 研究開発資金の調達 当社のビジネスモデルは、多額の研究開発費用が先行して必要となるため、ライセンス契約の締結を始めとした国内外のパートナーとの提携や資本市場からの資金調達により、研究開発資金の調達に努めてまいります。 ⑥ 企業基盤の強化 当社は優秀な人材を積極的に採用し、新たな抗体医薬品の開発をさらに積極的に進めてまいります。 また、ジェンダーや国籍を問わず、働きやすく、やりがいのある職場づくりに継続的に取り組み、社員の成長を促すことで企業基盤の強化に努めてまいります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)ガバナンス 2024年5月にコンプライアンス委員会をサステナビリティ委員会に改め、代表取締役社長を委員長とし、「企業と社会の持続可能性の両立」を目指し、サステナビリティ推進活動をさらに取り進めております。 法令遵守やコンプライアンスに関連すること及びリスクマネジメントに加え、社内のサステナビリティ推進活動にまつわる意思決定機関として、基本方針や戦略策定、目標の進捗管理、施策の審議などを担っております。 代表取締役社長は、サステナビリティ委員会からの報告・提案を受けその内容を精査した上で、取締役会に報告・上程し、各取締役は、取締役会において代表取締役社長から報告・上程された内容を審議・承認・監督いたします。 (2)戦略 ① 基本方針及びマテリアリティ 当社は、企業理念「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」のもと、独自の抗体技術を駆使して、新しい抗体医薬品の開発を目指しております。 中核事業である創薬事業を積極的に取り進めることにより、有用で安全な抗体医薬品を開発し、持続的成長による企業価値の向上と事業活動を通じた持続的な社会の実現に向けて取り組むことをサステナビリティ基本方針としております。 この基本方針に基づき、重点的に取り組むマテリアリティ(重要課題)は次の通りです。 マテリアリティ取組み革新的な医薬品の創製・重点研究領域の明確化による効率的な研究開発・国内外の製薬企業・アカデミア・ベンチャー企業との連携(オープンイノベーション)・GMP等関連法規の遵守・法令を遵守した研究・開発・生産・医薬品に関連する情報、関連法規等の教育・副作用情報の迅速な収集・報告環境に配慮した事業活動・効率的な空調システム、LEDの採用による電気消費量の削減・廃棄物、環境負荷物質の削減等従業員の多様性受入れ組織の一体感醸成・全ての人々の人権の尊重・従業員の働きがい醸成・従業員の能力開発・女性活躍推進コンプライアンスの徹底個人情報、秘密情報の保護・コンプライアンス関連規程の遵守・従業員への各種情報管理規程の周知徹底、継続教育・ITセキュリティ及び情報管理の徹底・サステナビリティ委員会によるコンプライアンス体制の維持・管理コーポレート・ガバナンスの強化・意思決定の迅速化・経営の妥当性に対する取締役会による監督機能の強化、企業活動の透明性の確保・報酬委員会による取締役報酬決定プロセスの透明化・内部監査の実施、経営層との連携・リスクマネジメント・安全で健康的な労働環境の形成② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ⑥ 企業基盤の強化」にも記載のとおり、「優秀な人材を積極的に採用し、新たな抗体医薬品の開発と拡充を図ること、また、働きやすく、やりがいのある職場づくりに継続的に取り組み、従業員の成長を促すこと」を基本方針とし、従業員がその能力を最大限発揮できるよう、働きやすく、安全で健康的な労働環境の形成に努めております。 また、優秀な人材の確保のための戦略として以下の施策を行っております。 a.採用、昇進・昇格、賃金について性別による差異を設けない方針とし、「女性が働く」ということを支援する風土を醸成しております。 b.「やりがいのある職場づくりに継続的に取り組む」に対応した施策として、人事評価結果に基づく処遇制度を実施しております。 c.ダイバーシティの一環として、2024年4月に2名、2025年4月に1名の外国人採用を行いました。 d.職場での従業員の安全を図るため、目的に応じ安全衛生委員会をはじめとする各委員会にて、従業員の健康及び職場における労働衛生対策を講じております。 (3)リスク管理 当社は、持続的な成長を確保するために、サステナビリティ委員会にて経営戦略に大きな影響を与えると想定されるサステナビリティ関連を含む重要リスクとその具体的な影響を分析し、各委員会(サステナビリティ委員会、防災安全委員会、安全衛生委員会、実験室安全委員会及び情報セキュリティ委員会)にて対策を構築し、実行しております。 また、各委員会の実施内容についてはサステナビリティ委員会へ定期的に報告を求め、その評価を行い、必要に応じ改善を求めます。 経営戦略に大きな影響を与えると想定されるサステナビリティ関連のリスク及び取組みは次の通りです。 重要リスク取組み腐敗防止・コンプライアンス規程の遵守・従業員への定期的な研修災害・感染症の発生・事業継続計画(BCP)の制定・定期的な訓練による行動力強化職場での従業員の安全確保・安全衛生委員会、実験室安全委員会等によるリスクの洗いだし及び対策ITセキュリティ及び情報管理に関する事故・毎年情報セキュリティ診断を実施し、必要な対策の追加・実施・従業員へのセキュリティハンドブックの配布・定期研修 (4)指標及び目標 当社はこれまで、「(2)戦略 ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針」に記載のとおり「女性が働く」ということを支援する風土を醸成してまいりました。 そのため、女性管理職比率と男女の賃金の差異について注視しており、目標値をそれぞれ50%、100%としております。 2025年3月期における「女性管理職比率」は33.3%(2025年4月1日時点)、「男女の賃金の差異」は79.7%です。 (注)1.上述の数値は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.男女の賃金の差異は正規雇用労働者を対象に算出しております。 また、賃金制度・体系において性別による差異は設けておりません。 男女の賃金の差異は賃金水準が高い男性管理職が多いことによるものであります。 |
戦略 | (2)戦略 ① 基本方針及びマテリアリティ 当社は、企業理念「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」のもと、独自の抗体技術を駆使して、新しい抗体医薬品の開発を目指しております。 中核事業である創薬事業を積極的に取り進めることにより、有用で安全な抗体医薬品を開発し、持続的成長による企業価値の向上と事業活動を通じた持続的な社会の実現に向けて取り組むことをサステナビリティ基本方針としております。 この基本方針に基づき、重点的に取り組むマテリアリティ(重要課題)は次の通りです。 マテリアリティ取組み革新的な医薬品の創製・重点研究領域の明確化による効率的な研究開発・国内外の製薬企業・アカデミア・ベンチャー企業との連携(オープンイノベーション)・GMP等関連法規の遵守・法令を遵守した研究・開発・生産・医薬品に関連する情報、関連法規等の教育・副作用情報の迅速な収集・報告環境に配慮した事業活動・効率的な空調システム、LEDの採用による電気消費量の削減・廃棄物、環境負荷物質の削減等従業員の多様性受入れ組織の一体感醸成・全ての人々の人権の尊重・従業員の働きがい醸成・従業員の能力開発・女性活躍推進コンプライアンスの徹底個人情報、秘密情報の保護・コンプライアンス関連規程の遵守・従業員への各種情報管理規程の周知徹底、継続教育・ITセキュリティ及び情報管理の徹底・サステナビリティ委員会によるコンプライアンス体制の維持・管理コーポレート・ガバナンスの強化・意思決定の迅速化・経営の妥当性に対する取締役会による監督機能の強化、企業活動の透明性の確保・報酬委員会による取締役報酬決定プロセスの透明化・内部監査の実施、経営層との連携・リスクマネジメント・安全で健康的な労働環境の形成② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ⑥ 企業基盤の強化」にも記載のとおり、「優秀な人材を積極的に採用し、新たな抗体医薬品の開発と拡充を図ること、また、働きやすく、やりがいのある職場づくりに継続的に取り組み、従業員の成長を促すこと」を基本方針とし、従業員がその能力を最大限発揮できるよう、働きやすく、安全で健康的な労働環境の形成に努めております。 また、優秀な人材の確保のための戦略として以下の施策を行っております。 a.採用、昇進・昇格、賃金について性別による差異を設けない方針とし、「女性が働く」ということを支援する風土を醸成しております。 b.「やりがいのある職場づくりに継続的に取り組む」に対応した施策として、人事評価結果に基づく処遇制度を実施しております。 c.ダイバーシティの一環として、2024年4月に2名、2025年4月に1名の外国人採用を行いました。 d.職場での従業員の安全を図るため、目的に応じ安全衛生委員会をはじめとする各委員会にて、従業員の健康及び職場における労働衛生対策を講じております。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社はこれまで、「(2)戦略 ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針」に記載のとおり「女性が働く」ということを支援する風土を醸成してまいりました。 そのため、女性管理職比率と男女の賃金の差異について注視しており、目標値をそれぞれ50%、100%としております。 2025年3月期における「女性管理職比率」は33.3%(2025年4月1日時点)、「男女の賃金の差異」は79.7%です。 (注)1.上述の数値は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.男女の賃金の差異は正規雇用労働者を対象に算出しております。 また、賃金制度・体系において性別による差異は設けておりません。 男女の賃金の差異は賃金水準が高い男性管理職が多いことによるものであります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ① 基本方針及びマテリアリティ 当社は、企業理念「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」のもと、独自の抗体技術を駆使して、新しい抗体医薬品の開発を目指しております。 中核事業である創薬事業を積極的に取り進めることにより、有用で安全な抗体医薬品を開発し、持続的成長による企業価値の向上と事業活動を通じた持続的な社会の実現に向けて取り組むことをサステナビリティ基本方針としております。 この基本方針に基づき、重点的に取り組むマテリアリティ(重要課題)は次の通りです。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社はこれまで、「(2)戦略 ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針」に記載のとおり「女性が働く」ということを支援する風土を醸成してまいりました。 そのため、女性管理職比率と男女の賃金の差異について注視しており、目標値をそれぞれ50%、100%としております。 2025年3月期における「女性管理職比率」は33.3%(2025年4月1日時点)、「男女の賃金の差異」は79.7%です。 (注)1.上述の数値は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.男女の賃金の差異は正規雇用労働者を対象に算出しております。 また、賃金制度・体系において性別による差異は設けておりません。 男女の賃金の差異は賃金水準が高い男性管理職が多いことによるものであります。 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。 投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。 当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であり、当社におけるリスク管理の体制として、問題があると認められる行為等については、コンプライアンス責任者から取締役会に適宜報告される体制としています。 他方で、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行っていただく必要があると考えます。 また、以下では投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、さらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意いただく必要があると考えます。 当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。 特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者が投資対象とするにあたり相対的にリスクが高い対象と考えられており、当社への投資はこれに該当します。 なお、文中の将来に関する記載は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク① 新薬開発の不確実性 当社は、抗体医薬品開発を行っておりますが、一般に医薬品開発の成功確率は、他産業と比較して極めて低いものとされています。 また、一般的に、医薬品開発は多額の研究開発投資と基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要すると考えられています。 そのため、基礎研究及び非臨床試験において高い効果が期待される新規抗体医薬品候補が見つかったとしても、その後の臨床試験において、期待した効果が得られなかった場合、重篤な副作用が生じた場合、当局の審査において承認が得られなかった場合などには、研究開発に遅れを生じたり、研究開発計画が延期あるいは中止されたりする可能性があります。 当社では、そのようなリスクを低減するために、当社で治験を実施する場合は、医師等の専門家の指導を受けて治験デザインの策定等を行っておりますが、医薬品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在及び将来の開発品についても以上と同様の不確実性のリスクが内在しております。 研究開発が遅れた場合や追加試験が必要となった場合には、計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となる可能性があり、その資金調達の実現自体にも不確実性があります。 また仮に開発に成功し、ライセンス契約の締結に至っても、その存続期間を特許権の有効期間が終了するまでの期間とするものもあり、ライセンス契約中にマイルストーンを達成できずに、当初想定した投資回収額を回収できないリスクもあります。 このようなリスクが顕在化した場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 法的規制及び医療保険制度について 医薬品業界は、各国において薬事法をはじめとする事業規制法、医療保険制度並びにその他関係法令等により様々な規制を受けております。 当社においては、現行の医薬品に関する日本をはじめとした先進国での承認基準や薬事規制を前提として事業計画を策定しておりますが、これらの基準及び規制は、技術の発展や市場の動向等に応じて適宜改定がなされる性質であります。 上述したとおり医薬品開発においては開発に長期間を要し、その期間内にこれらの基準及び規制、制度等が改定・変更される可能性があります。 当社では、法令や制度等の変更に係る情報を収集し、適切に対応する方針ですが、それら制度等の改定・変更により既存の研究開発の体制(組織的な体制、製造方法、開発手法、臨床試験の進め方、追加試験を行う必要性の発生等)の変更が必要となり、それにも拘わらず速やかに対処できず研究開発が遅延・中止となるリスクが存在するだけでなく、人員確保や設備投資に計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となるリスクがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 抗体医薬品市場について 当社は、主に抗体医薬品の開発を行っております。 当社は、医薬品業界動向を示すデータや予測などから抗体医薬品市場が安定的に成長すると見込んでおり、今後も継続的に業界動向の情報収集に努め、経営環境の変化に応じた事業運営を行う方針ですが、抗体医薬品と競合する低分子医薬品、中分子医薬品、核酸医薬品及び再生・細胞医療の開発・発展等により想定どおりに抗体医薬品市場が拡大しなかった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 技術革新について 当社が属する医薬品業界は、技術革新が著しく速いため、当社も創薬基盤技術を継続的に向上させるべく、研究開発を積極的に実施しております。 しかしながら、急激な技術革新等により新技術への対応に遅れが生じた場合、当社が保有する技術・ノウハウが陳腐化した場合、また、必要な技術進歩の常なる追求に伴い、想定を超える費用と時間を要した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 競合について 当社が携わる研究開発領域は、急激な市場規模の拡大が見込まれており、欧米を中心にベンチャー企業を含む多くの企業が参入する可能性があります。 当社では、早期の上市に向けた研究開発活動を続けており、特許の取得等によって競争優位性の確保に努めておりますが、競合他社の有する医薬品候補物質の研究開発が、当社の有する医薬品候補物質と同じ疾患領域で先行した場合、当社の事業の優位性は低下する可能性があります。 競合他社による新薬の登場により、当社の臨床試験において被験者の登録が停滞し臨床試験が遅延する可能性、目標被験者数に届かず臨床試験が中止となる可能性があります。 そうした場合、当社の事業戦略の変更などに伴い多額の資金が必要となる可能性があります。 さらに、競合する新薬の開発が先行し、又は競合新薬が上市されたことにより、事業性が大きく毀損されたと導出先製薬企業が判断する場合は、開発スケジュールが遅延する可能性があるだけでなく、ライセンス契約そのものの解消に至る可能性があります。 上市に至った場合においても、他社が同様の効果や、より安全性のある製品を販売した場合、適切な薬価が付かず、当初想定したロイヤリティが得られない等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 医療費の抑制政策に伴う価格引き下げについて 日本政府は、今後の人口の高齢化及びそれに伴うさらなる医療費の増加を抑制するため、薬価の引き下げ、ジェネリック医薬品の使用推進等の施策を行っております。 また、日本のみならず米国や諸外国においても、同様の傾向がみられます。 当社は、引き続き政策動向を注視し、経営環境の変化に応じた事業運営を行う方針ですが、今後の医療費抑制の政策に関する動向によっては、上市した医薬品に想定した適切な薬価が付かず、想定したロイヤリティが得られないなどにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 副作用について 当社が研究開発を実施した治験薬及び上市後の医薬品で、臨床試験段階から製品上市後にかけて、予期せぬ重篤な副作用が発現する可能性があります。 万が一重篤な副作用が発現した場合、製造物責任等を追求されることに伴い損害賠償リスクが発生する可能性があることから、保険の加入等により財政的な影響を回避又は最小限にしていくよう対応しております。 しかしながら、保険金の支払が、最終的に当社が負担すべきとされた損害賠償額の全額に満たない、又は保険金が支払われない可能性もあります。 その場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これ以外にも、最終的に当社への損害賠償が認められなかった場合であっても、また、損害賠償額の全額が保険で補てんされた場合であっても、損害賠償請求がなされたという事実により、当社に対してネガティブなイメージをステークホルダーが持ち、その結果、研究開発中の医薬品候補物質及び上市後の医薬品に対する信頼性が損なわれるならば、その後の当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 研究開発施設等における事故等の発生について 当社は、東京本社と名古屋ラボに研究開発施設を有しております。 当社では、実験室安全委員会を設け、研究開発施設における危険物の管理、教育訓練等を実施し、事故防止のための対応を徹底しておりますが、不可抗力を含めた何らかの原因により火災や環境汚染事故、感染等が発生した場合、研究開発活動の中断、停止、又は、損害賠償や風評被害等重大な損失を招く可能性があり、その場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、以下の⑨に記載のとおり、当社は、当社の研究開発業務の一部を専門機関である外部委託先(CRO-医薬品開発業務受託機関、治験実施施設、原薬・製剤の製造業者等)に委託しており、これら外部委託先において不可抗力を含めた何らかの原因により火災や環境汚染事故等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社及び外部委託先において地震、水害等の自然災害・その他の避けることの困難な事態の発生により、設備・インフラが支障をきたし稼働できない状況、従業員等が出社できない状況等、一時的又は長期にわたり業務が停止し、臨床開発を一時的又は長期にわたり休止せざるを得ない状況が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 外部委託先との連携について 当社は、経営の機動性・効率性の観点、コスト低減や専門性の高い分野における協業等の観点から主に以下の業務の一部を専門機関に委託しております。 ・原薬・製剤(治験薬)の製造・評価試験・薬理効果試験・毒性試験等の非臨床試験・臨床試験のモニタリング・データマネジメント・統計解析・治験実施施設における臨床試験 現在、委託先との関係は良好であり、今後も取引を継続してまいりますが、委託先における自然災害及び重大な感染症の流行等の不測の事態等により、原薬の安定供給に支障が生じる、適時なサービス業務を受けられなくなる、治験を含む研究開発活動が遅れる等の可能性があります。 この場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 上述した委託及びそれ以外の業務に関する委託について、予期せぬ契約の終了や契約内容の変更が行われないよう、委託先の経営状況の把握と、良好な関係の維持に努めておりますが、当社にとって不利な内容で契約の改定が行われた場合又は予期せぬ事情により契約が終了した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、外部委託先は日本国内のみならず海外の企業にも及んでおります。 今後も国内外を問わず、研究開発において最善かつ最適な企業・医療機関等を選択して業務の委託を行う予定であります。 海外の企業に業務を委託するに際して、国内外のコンサルタントを利用し、コミュニケーションを密にして情報収集に努めるなどトラブルを回避するための措置を講じておりますが、当該国における法令等及びその解釈等に伴い問題を生じる可能性、商取引慣行や買収等により現地の委託先と問題を生じる可能性、国際税務上の問題又は戦争・紛争等に伴う治安不安等により事業運営に制約を受ける可能性があります。 この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業遂行上のリスク① 重要な契約等について 当社の重要な契約の概要は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております。 現在、これら重要な契約の継続に支障はなく、当社としては予期せぬ契約の終了や契約内容の変更が行われないよう、委託先の経営状況の把握と、良好な関係の維持に努めておりますが、当該契約が期間満了、又は契約の相手方の経営状態の悪化や経営方針の変更に基づく契約解除その他の理由による終了、もしくは当社にとって不利な内容で改定が行われた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 大学との共同研究に係る費用負担について 当社は、医薬品シーズの探索を目的として、複数の大学との共同研究を行っておりますが、共同研究に係る費用の一部については当社が負担しております。 また、共同研究の進捗状況に応じて、追加的な費用を負担する場合もあります。 当社は、今後も大学との共同研究に積極的に取り組む方針であり、相応の共同研究費を負担する予定であります。 共同研究費については、大学との話し合いの上決定しておりますが、共同研究に係るテーマ等の状況により、当社が予定していない費用負担が発生することになった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 会社組織について 当社は、本書提出日現在、従業員が40名に満たない小規模な組織であり、内部管理体制も当該規模に応じたものであります。 今後の事業拡大に伴い、内部管理体制の充実を図る方針でありますが、必要な人員を確保できない場合、当社の今後の組織的な事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材育成・確保について 当社が成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人材の確保育成であります。 今後も、特に研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保育成が必要であると考えており、引き続き優秀な人材の確保育成を進めていく方針ですが、当社の想定する人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材が社外に流出した場合には、当社の事業、業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 特許について 当社は、様々な知的財産権を実施しており、これらは当社の保有する権利であるか、又は権利者から適法に使用許諾を受けた権利であると認識しております。 また、これらの知的財産権については登録済みとなっているものと出願・審査中のものがあります。 本書提出日現在、当社としては権利化されることを念頭に出願しておりますが、出願済みの発明について、その全てにつき特許が成立するとは限らないだけでなく、出願中の特許全てが権利化に至らない可能性があります。 また、優れた技術が出現した場合には、当社が実施する特許権に包含される技術が陳腐化する可能性があります。 これらの結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、特許の出願は、発明の内容、対象国等について費用対効果を考慮して行いますので、研究開発で得られたすべての発明につき出願するものではありません。 また、出願費用・維持費用等のコストを回収できない可能性があります。 他社において優れた特許発明がなされ、権利化される可能性は常に存在していることから、当社の特許が成立しても、他社の特許発明により、当社の特許が無力化される可能性は潜在的に存在します。 天然物に関連する特許については、日本・米国・欧州の特許庁において共通したガイドライン等が合意され、運用されておりますが、これとは別のガイドライン等に基づき運用している国があり、国によって法令・ガイドラインが異なり複雑な状況となる場合があります。 また国によってその法令・ガイダンス等が同一でも解釈や事実認定の方法・解釈が異なる場合があり、他国において当社が出願した特許が事前の想定どおりに取得・登録されない可能性があります。 日本を含め他国においても、解釈等の違いに基づいて、第三者が当社に通知・補償・支払いをすることなく当社の特許及びそれに関連すると考えられている技術を利用し、研究開発、医薬品・薬剤の製造販売をする可能性があります。 なお、現在、当社のパイプラインにおいて、その実施に支障となる、又は支障をきたす可能性のある特許権等は、調査した限りにおいて確認されておりません。 また、当社が実施許諾を受けた権利の契約が期間満了、又は契約の相手方の経営状態の悪化や経営方針の変更に伴い契約解除その他の理由による終了、もしくは当社にとって不利な内容での改定が行われる可能性があり、それらは当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 訴訟及び請求について 当社は、その事業が第三者の特許権等に抵触することを未然に防止するため、特許事務所と連携の上、特許調査を適時実施しております。 また、本書提出日現在において、当社の事業に関する特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟係属を含め、何らかの請求・主張を受けている事実はありません。 しかしながら、万が一、第三者との法的紛争が生じた場合には、この解決に時間及び多大な費用を要する可能性があります。 特に第三者の特許権等に抵触する形で事業を行っていた場合、当該第三者からの差止請求や損害賠償請求、高額な実施料の請求等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、製造物関連、環境関連、労務関連その他に関する訴訟が提起された場合には、その結果、当社の社会的信用が失墜を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 職務発明について 当社における職務発明の取扱いに関しては、発明・考案に関する規程を制定・運用し、当該規程に従い発明者に対して相当の対価を支払うこととしております。 また、本書提出日現在、当社において職務発明の対価の請求・主張を受けている事実はありません。 しかしながら、発明者との間で職務発明の対価の相当性についての係争やトラブル等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 風評上の問題の発生について 当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めており、本書提出日現在、以上に関して第三者から請求・主張を受けている事実はありません。 しかしながら、当社に関してマスコミ報道等において事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、主にホームページでのタイムリーな発表等により、適時に適切な情報の提供をすることとして、こうした風評の発生の予防に努めております。 ⑨ 災害、感染症等の発生に関する不確実性について 当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があり、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、重大な感染症の流行等が発生した場合や、研究開発部門の一時閉鎖等の不測の事態が発生した場合には、研究開発が遅延する可能性があり、その遅延の結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行拡大に対しては、『緊急コロナウイルス対策方針』を定めて、当該リスクの発生防止に努めてまいりました。 今後も同様の感染症の流行が発生した場合には、当該方針をベースとした対策を適宜講じてまいりますが、従業員又は従業員の家族等に感染者が発生し、当社全体に及んだ場合、研究開発や試薬販売等、事業の推進が困難になり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 地政学上のリスクについて当社が開発している医薬品候補について、治験薬の製造や保管等を海外の企業に依頼しております。 当社は、複数の国で依頼先候補を選定しており、こうしたリスクの低減を図っておりますが、依頼する国において政情不安等が発生した場合、治験薬の供給が途切れ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ ITセキュリティ及び情報管理について 当社は、ITセキュリティ及び情報管理について、情報セキュリティ管理規程、個人情報保護方針に沿って運用を行っておりますが、役職員、外部委託先の不注意又は故意の行為、又は第三者による意図的な攻撃(サイバーアタック)などにより、当社のシステムの停止、中断などセキュリティ上の問題や、秘密情報や個人情報の漏洩が発生する可能性があります。 当社は、研究開発を目的の中心に据えていることから、こうした問題点に対応し、できる限りリスクを低減するべく規程や手続を整備するとともに、内部監査、監査や必要に応じた外部専門家の関与により、セキュリティの強化に努めておりますが、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生した場合、当社の研究開発への悪影響、個人情報や知的財産等にかかる重大な機密情報の流出・漏洩が、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ コンプライアンスについて 当社の事業遂行にあたっては、薬機法の規制、製造物責任、環境に関する規制など、各種の法令の規制の適用下にあります。 当社は、内部統制評価基本方針、コンプライアンス管理規程等に基づき、全社において事業活動が法令及び内規を遵守して実施されるよう、コンプライアンス責任者の活動、内部監査、監査等を通じて検証しておりますが、当社の役職員、外部委託先等の第三者が、これらの法令等に違反した場合や、仮に法令違反に該当しなくとも社会的に不適切とみなされる行為に及んだ場合には、法令による処分、処罰などの制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、当社の社会的信頼・名誉が毀損するだけでなく、金銭的損害を被ることにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 配当政策について 当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。 株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の配当を検討する所存でありますが、当面は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。 ⑭ ベンチャーキャピタル及び投資事業組合の株式保有比率について 当事業年度末現在、当社の発行済株式のうちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下総称して「VC等」という。 )が保有している株式の所有割合は2025年3月31日現在で合計約4.6%となっております。 一般的にVC等が未公開株式に投資を行う目的は、株式公開後に当該株式を売却してキャピタルゲインを得ることであります。 今後、VCが所有する株式を市場にて売却した場合には、短期的に需給バランスが悪化し、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社株式の売却により、株主構成が大きく変化する可能性があります。 ⑮ 新株予約権について 当社はストック・オプション制度を設けており、優秀な人材の確保や、当社事業及び研究開発活動へのモチベーションの維持・向上を目的として、役員及び従業員に新株予約権を付与しております。 今後も上述した目的のため新たに新株予約権を付与していく予定であります。 これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 なお、当事業年度末現在、当社が発行した新株予約権にかかる潜在株式の数は716,000株であり、発行済株式総数14,759,500株に対する潜在株式数の割合は4.9%であります。 新株予約権の状況及び内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。 ⑯ 資金使途について 2021年6月の株式上場において公募増資により調達した資金の使途につきましては、主として既存パイプラインの研究開発費用に充当するほか、新規のパイプラインの研究開発・導入にも充当しております。 また、2024年2月20日の取締役会で決議した第28回新株予約権により調達した資金の使途につきましては、主としてPPMX-T004や新規パイプラインの開発等の研究開発費用及び運転資金に充当しております。 ただし、急激な外部環境の変化等を生じた場合、それに対応するために現時点における資金使途以外の使途に充当する、又は資金使途の充当時期が変更される可能性があります。 また、当社の計画どおりに使用したとしても、計画どおりの効果を上げられない可能性もあります。 (3)パイプラインに関するリスク 当社の開発するパイプラインは、上市までに数多くの開発課題を解決していく必要があります。 各パイプラインが抱えるリスクは以下のとおりです。 ① PPMX-T002について 当社及び富士フイルムRIファーマ株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)は、PPMX-T002に関する権利を富士フイルム株式会社に使用許諾し、富士フイルム株式会社が使用許諾後の研究開発費を負担しておりましたが、2022年3月に同社の事業方針の変更により、当該権利が返還されました。 富士フイルム株式会社が実施している米国での拡大第Ⅰ相試験は終了しました。 現在、より高い有効性が期待される放射性同位体(アクチニウム225)へ変更し、放射性医薬品開発会社を中心に導出を目指しておりますが、以下に記載する理由により、開発が遅延又は中止となる可能性があります。 ・放射性医薬品の開発協業先を選定できない可能性・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市されるなどの理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できなかった場合・主に安全性等に起因する理由に基づく規制当局による当該試験の中断又は中止命令が出た場合・医薬品候補物質の有効性及び安全性が認められる臨床試験成績が得られなかったと判断した場合・外部環境の変化 この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。 ② PPMX-T003について PPMX-T003は、当社が研究開発費を負担し、日本で実施した真性多血症治療薬としての第Ⅰ相試験は2024年6月に終了しました。 現時点で導出先及び契約内容は未定であり、上市までに長期間を要すると考えられます。 今後、以下に記載する理由により、開発が遅延又は中止となる可能性があります。 ・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市されるなどの理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できない場合・主に安全性等に起因する理由に基づき、規制当局による当該試験の中断又は中止命令が出た場合・臨床試験において期待する有効性及び安全性を示すデータが得られなかった場合・研究開発の後期を担う導出先が見つかるまでに想定を大幅に越える時間がかかった場合、又は見つからなかった場合・外部環境の変化 この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。 ③ PPMX-T004について PPMX-T004に関する権利を富士フイルム株式会社に使用許諾し、富士フイルム株式会社が使用許諾後の研究開発費を負担しておりましたが、2022年3月に同社の事業方針の変更により、実施権が返還されました。 今後、結合する薬物を、より高い有効性が期待される薬物に変更することも視野に、新たな医薬品候補として開発を進めてまいりますが、以下に記載する理由により、開発が遅延又は中止となる可能性があります。 ・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市されるなどの理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できない場合・主に安全性等に起因する理由に基づき、規制当局による当該試験の中断又は中止命令が出た場合・臨床試験において期待する有効性及び安全性を示すデータが得られなかった場合・医薬品候補物質の有効性及び安全性が認められる臨床試験成績が得られなかったと判断した場合・導出先が見つかるまでに想定を大幅に越える時間がかかった場合、又は見つからなかった場合・外部環境の変化 この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。 (4)業績等に関するリスク① 収益の変動及びその不確実性について 当社の収入は、主に抗体研究支援及び抗体・試薬販売に伴う比較的安定した収入と、導出する抗体の医薬開発に向けた製薬企業等との契約に基づく契約一時金等の収入の2つに分かれております。 製薬企業からの収入は、研究や開発の進捗に大きく左右されることから、当社又は導出先における研究開発の進捗に遅れが生じた場合や、導出先の研究開発方針に変更等が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社の期間損益は、製薬企業への導出契約に基づく契約一時金及び研究開発の進捗に伴うマイルストーン等により大きく変動する可能性があります。 ② 資金繰りについて 当社のような研究開発型の企業においては、開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。 当社においても営業キャッシュ・フローのマイナスが続いているため、増資による調達のほか、研究開発の進捗に合わせて提携先からの一時金やマイルストーンの形などで資金の確保に努める方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 税務上の繰越欠損金について 当社は当事業年度末現在において、税務上の繰越欠損金を有しており、現在は所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が課されておりません。 しかしながら、当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合、あるいは税制改正に伴い所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が発生した場合には、計画している当期純利益又は当期純損失並びにキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ④ 為替レートの変動について 当社は、抗体・試薬の海外への販売及び治験薬の製造等の海外への委託を実施しており、海外の取引先との間で外貨建取引を行っております。 当社の今後の事業規模の拡大に伴い、外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、上述したリスクは、当社が事業を行う上で予想される主たるリスクであり、既に述べましたとおり、リスクがこれらに限定されるものではありません。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要、及び経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度における世界経済は緩やかな回復を示したものの、中国経済の先行き懸念、ウクライナや中東の情勢等から、不透明な状況が継続しました。 国内経済は、一部に足踏みが残るものの緩やかに回復しましたが、物価上昇や米国の今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢等の影響に注意が必要な状況が続きました。 当社が属する医薬品業界におきましては、がんや認知症等、世界的に患者数が増えている疾患の治療法の確立が継続的な重要課題になっております。 当社におきましては、創薬領域を中心に、積極的な事業展開を図りました。 各領域における成果は次のとおりです。 a.創薬 当社の効率的な抗体取得プラットフォームを活用し、主にがん領域で抗体開発を進めております。 カドヘリン3(CDH3)を標的とするPPMX-T002及びPPMX-T004、トランスフェリン受容体1(TfR1)を標的とするPPMX-T003という3つの抗体の開発を進めているほか、これらに続く候補抗体の評価・検討を進めております。 当事業年度には、PPMX-T002及びPPMX-T003の導出を目指しておりましたが、達成できませんでした。 できる限り早期の導出に向けて活動を継続いたします。 次世代の創薬につきましては、効率的な抗体取得技術の整備を進めており、当事業年度には当社ファージライブラリを改良したPPMX抗体ライブラリ2の作製に成功いたしました。 これを用いて当社のデータベースを整備し、当社が独自に開発を進めているAI創薬により、取得が難しい高難度抗原に対する抗体取得を進めてまいります。 当社のパイプラインの開発状況は次のとおりです。 (a)PPMX-T002 PPMX-T002は、がん細胞で多数発現しているCDH3を標的とする抗体に、イットリウム90(90Y)という放射性同位体(RI)を標識した抗がん剤候補です。 がん細胞上の標的に抗体が集積し、90Yが放射線を照射してがん細胞を殺傷する仕組みです。 導出先の富士フイルム株式会社(以下「富士フイルム社」)の事業方針の変更により、2022年3月に実施権が返還され、新たな医薬品候補として開発を進めております。 富士フイルム社の子会社が米国で行った第I相試験においては、本抗体が標的のがん細胞へ集積することが確認されております。 当社は、抗腫瘍効果をさらに高める目的でRIを90Yからアクチニウム225(225Ac)へ変更し、動物実験で効果を検証しました。 これをもとに放射性医薬品開発会社を中心に導出を目指しております。 (b)PPMX-T003 PPMX-T003は、当社のファージライブラリの中から、ICOS法という独自のスクリーニング技術を活用して取得したユニークな完全ヒト抗体です。 標的は、細胞内への鉄の取り込みに関与し、増殖が盛んながん細胞に極めて多く発現するTfR1です。 本抗体がTfR1に結合すると、がん細胞内では鉄の取り込みが阻害され、それによってがん細胞は増殖が抑制され抗腫瘍効果が得られます。 PPMX-T003は、その増殖抑制効果から様々ながんに対する治療効果が期待できると考えられ、鋭意研究開発を進めております。 TfR1は、がん細胞のほかに、赤芽球細胞(赤血球になる前の細胞)にも極めて多く発現しています。 このため、まずは赤血球が異常に増える疾患である真性多血症(PV)を対象疾患と定めて第I相試験を国内で実施し、2024年6月に終了しました。 なお、この第I相試験の結果につきましては、2024年12月に行われた第66回全米血液学会(ASH)年次総会で、被験者都合により中止となった1例を除く5例において12週間の瀉血不要期間が達成されたことや、全6例においてヘマトクリット、ヘモグロビン等の赤血球パラメータで薬効が示唆されたことを報告しました。 本抗体はまた、アグレッシブNK細胞白血病(ANKL)という超希少疾患に対する有効な治療薬となる可能性も見出されており、2022年3月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」(以下「本事業」)に採択され、3ヵ年の支援を受けてきました。 本事業を受けて開始された医師主導第I/Ⅱ相試験(以下「本治験」)は、当事業年度内に終了する計画でしたが、超希少疾患のため予定どおりに被験者登録が進まず、治験調整医師の判断により、治験期間が1年延長されました。 なお、本治験は2025年2月に再び本事業に採択されております。 今後の被験者登録を加速するため、本報告書提出日現在、治験実施施設を7か所から9か所に増やしております。 このほか、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等の血液がん及び固形がんに対する治療薬としての作用機序を明確化するため、名古屋大学等と共同で創薬研究を推進しております。 当社は、PPMX-T003の価値最大化に向けて研究開発を進めると共に、早期の導出に向けて活動を継続いたします。 (c)PPMX-T004 PPMX-T004は、CDH3を標的とする抗体に薬物を結合した抗体薬物複合体(ADC)です。 ADCは、抗体に結合した薬物を細胞内に取り込ませることで、対象のがん細胞を特異的に殺傷することができるため、患者さん自身の免疫機能の状態に関わらず高い臨床効果が期待できます。 当社はPPMX-T004の抗体に結合させる最新の薬物及びリンカー等の最適な組み合わせを見出し、マウスによる実験でも高い抗腫瘍効果を認めました。 これを受けて、現在は予備毒性試験を進めております。 薬効と毒性のバランスの最適化は2026年3月期以降となる見込みです。 なお、当社は2024年10月にUBE株式会社とADCに関する共同研究契約を締結し、PPMX-T004のみならず、様々ながん抗原に対するADCの探索研究を進めております。 b.抗体研究支援 抗体研究支援の売上高は、規模の大きい案件の受注や案件数の増加、また、創薬企業ならではの知見を活かしたサービスの提供等により、24,351千円(前事業年度比17.4%増)となり、5期連続で増加しました。 なお、新たな抗体研究支援サービスとして、VHH抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング・作製サービスの提供を、2025年5月に開始しております。 c.抗体・試薬販売 抗体・試薬販売の売上高は96,024千円(前事業年度比20.5%増)となり、順調に進捗しました。 2024年11月には、ADCの研究開発に活用するための抗MMAE抗体を発売しました。 さらに、別のADC研究開発用抗体として抗Exatecan抗体を、疾患研究用抗体として抗GPR87抗体を、それぞれ2025年4月に発売しております。 また、湧永製薬株式会社と共同で開発しているPTX3迅速計測キットについては、2024年12月末時点で、心血管疾患の一種(非公開)を対象とした体外診断用医薬品としての臨床性能試験が完了し、現在製造販売承認へ向けた準備を進めております。 PTX3は、血管炎だけでなく、種々の炎症によっても血中濃度が上がることが知られており、今後多様な炎症性疾患の予後を予測する体外診断用医薬品としての研究開発を進めてまいります。 以上の結果、当事業年度の売上高は120,375千円(前事業年度比19.9%増)となりました。 損益につきましては、主にPPMX-T004の開発が計画より遅れていることにより、研究開発費が594,547千円となり、計画よりも減少した結果、営業損失は826,430千円(前事業年度は営業損失894,729千円)となり、損失額が前事業年度に比べ68,299千円減少しました。 経常損失は受取利息1,951千円や業務受託料等1,776千円による営業外収益3,727千円の計上、並びに新株予約権の行使による株式の発行に伴う租税公課3,271千円や為替差損2,887千円、及び新株発行費用等966千円による営業外費用7,126千円の計上により、829,829千円(前事業年度は経常損失879,380千円)となり、損失額は前事業年度に比べ49,551千円減少しました。 また、当社が保有する固定資産につきまして「固定資産の減損に係る会計基準」に基づく減損損失として72,510千円を特別損失に計上したこと等により、当期純損失は904,800千円(前事業年度は当期純損失1,104,460千円)と前事業年度に比べ199,660千円減少しました。 なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 財政状態については、次のとおりであります。 (資産) 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ125,027千円増加し、1,818,837千円となりました。 主に、新株予約権の行使による株式の発行等により現金及び預金が126,501千円増加したことによるものであります。 (負債) 当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ90,965千円増加し、386,431千円となりました。 主に、AMEDの「創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」への採択により交付された助成金である長期預り金が95,077千円増加したことによるものであります。 (純資産) 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ34,061千円増加し、1,432,406千円となりました。 主に、新株予約権の行使による株式の発行等により資本金と資本準備金がそれぞれ466,889千円増加した一方、当期純損失904,800千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。 経営成績については、次のとおりであります。 (売上高) 当事業年度の売上高は、120,375千円(前事業年度100,402千円、前事業年度比19.9%増)で、抗体研究支援、抗体試薬販売の売上はそれぞれ前事業年度比17.4%、20.5%増となりました。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は、16,324千円(前事業年度12,717千円、前事業年度比28.4%増)となりました。 この結果、当事業年度の売上総利益は、104,051千円(前事業年度87,685千円、前事業年度比18.7%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業損失) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、930,481千円(前事業年度982,415千円、前事業年度比5.3%減)となりました。 うち研究開発費は594,547千円(前事業年度616,004千円、前事業年度比3.5%減)となりました。 この結果、営業損失は826,430千円(前事業年度は営業損失894,729千円)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常損失) 当事業年度の営業外収益は、3,727千円(前事業年度は21,111千円、前事業年度比82.3%減)となりました。 主なものは、受取利息1,951千円や業務受託料等1,776千円であります。 当事業年度の営業外費用は、7,126千円(前事業年度は5,762千円、前事業年度比23.7%増)となりました。 主なものは、新株予約権の行使による株式の発行に伴う租税公課3,271千円や為替差損2,887千円であります。 この結果、経常損失は、829,829千円(前事業年度は経常損失879,380千円)となりました。 (特別利益、特別損失、当期純損失) 当事業年度の特別損失は、72,510千円(前事業年度は223,290千円、前事業年度比67.5%減)となりました。 当社の事業の特性上、現段階では、将来の収入の不確実性が高いことから、医薬品事業に係る資産の回収可能額をゼロとし、帳簿価額と備忘価額との差額72,510千円を特別損失に計上しました。 これらの結果を受け、当事業年度の当期純損失は、904,800千円(前事業年度は当期純損失1,104,460千円)となりました。 (パイプライン) パイプラインの状況については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)当社の開発品」をご参照ください。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ126,501千円増加し、1,667,921千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、719,485千円の支出となりました。 主に、AMEDからの助成金である長期預り金等によるキャッシュ・フローの増加があった一方、税引前当期純損失902,340千円の計上等による減少があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、75,157千円の支出となりました。 研究開発用の有形固定資産の取得による支出75,157千円による減少があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、923,381千円の収入となりました。 主に新株予約権の行使による株式の発行による収入932,269千円等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績 当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前事業年度比(%)医薬品事業120,375119.9合計120,375119.9(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)R&D Systems, Inc.27,81227.740,32433.5Pierce Biotechnology, Inc.27,43327.328,49023.7フナコシ株式会社(※)15,70315.6--Abcam plc(※)10,40310.4--(※)当事業年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この財務諸表の作成にあたっては、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。 また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。 経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。 特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。 (固定資産の減損処理) 当社は、固定資産のうち営業活動から生ずる損益が継続してマイナスになっている資産について、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。 (繰延税金資産) 繰延税金資産の回収可能性の判断については、将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上することになります。 当社は、税務上の欠損金が継続しており、繰延税金資産の回収可能性を合理的に見積もることは困難と判断し、繰延税金資産を計上していません。 ② 財政状態及び経営成績の分析 財政状態及び経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ③ キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 「3 事業等のリスク」に記載したとおり、外部環境、事業内容、組織体制等の様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 そのため、当社は常に業界の動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、内部管理体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社の主な資金需要は、PPMX-T003の開発及び創薬研究に係る研究開発費、並びに事業運営費等であります。 これらの費用は、当期は自己資金で賄い、その残金は、すべて銀行預金とし、資金の流動性を確保しております。 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ⑥ 経営者の問題意識と課題について 当社は、「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」ことを企業理念としております。 この企業理念実現のために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対して取り組んでまいります。 ⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった数値的な目標となる経営指標は用いておりませんが、経営指標として、将来の売上に繋がるパイプラインの開発の進捗、パイプラインの拡充及び売上高を重要な目標と考え、事業活動を推進しております。 なお、パイプラインの開発の進捗については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)当社の開発品」に記載しております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 (1)研究開発体制 当社は、新規抗体を見出す経験とノウハウを有する専門家集団であり、当社独自のファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術と、抗体技術(トランスクリプトームデータベースと抗原発現技術)を駆使して、がん及びその他疾患の治療用抗体の基礎研究、非臨床開発及び臨床開発を行っております。 当社は、本社ラボと名古屋ラボの2拠点により、研究開発体制を構築しております。 本社ラボは、新規抗体創薬に関するあらゆる研究開発業務を行っております。 また、これに関連した動物実験も行います。 名古屋ラボでは、ファージディスプレイ作製技術を維持発展させる研究及び当社の抗体医薬品プロジェクトの研究開発推進と新規抗体の継続的創出のための基礎研究を重点化して実施しております。 (2)開発品の状況 開発品に関する詳細は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。 当事業年度における当社の研究開発費の総額は594,547千円になりました。 研究開発費の主な内容は、PPMX-T003のアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)患者さんを対象とした医師主導第I/Ⅱ相試験の実施と、真性多血症(PV)患者さんの第Ⅰ相試験の実施と研究、PPMX-T004の予備毒性試験の実施及び基盤技術開発費用等であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当事業年度において、研究開発用器具備品の購入等で、74,532千円の設備投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却、売却等はありません。 また、当事業年度において計上した72,510千円の減損損失は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づくものです。 減損損失の詳細につきましては「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 損益計算書関係 ※4 減損損失」をご参照ください。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 2025年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(千円)工具、器具及び備品(千円)合計(千円)本社(東京都中央区)本社設備00027名古屋ラボ(愛知県名古屋市千種区)研究設備-005(注)1.本社の建物は賃借物件であり、年間賃借料は41,479千円であります。 2.建物は、賃借建物に施した建物附属設備の金額であります。 3.従業員数は就業人員であります。 4.当社の事業セグメントは、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 594,547,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 74,532,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 48 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 7 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,536,012 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 三菱UFJキャピタル株式会社東京都中央区日本橋二丁目3番4号284,9101.93 楽天証券株式会社東京都港区青山二丁目6番21号258,5001.75 富士フイルム株式会社東京都港区西麻布二丁目26番30号236,6101.60 東京短資株式会社東京都中央区日本橋室町四丁目4番10号232,1001.57 株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号199,2001.35 宮川 亮東京都世田谷区159,0001.08 日本証券金融株式会社東京都中央区日本橋茅場町一丁目2番10号158,1001.07 株式会社キースジャパン山梨県北杜市小淵沢町10060番地341151,5001.03 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社東京都千代田区大手町一丁目9番7号138,1000.94 山口 晴輝神奈川県川崎市幸区115,7000.78計-1,933,72013.11(注)2025年3月6日付で公衆の縦覧に供されている株券等の大量保有に関する変更報告書において、 株式会社SBI証券が2025年2月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末現在における実質所有株式数の確認ができておりませんので、上記大株主の状況は株主名簿上の所有株式数に基づき記載しております。なお、当該変更報告書の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%) 株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号685,5004.65 |
株主数-金融機関 | 3 |
株主数-金融商品取引業者 | 27 |
株主数-外国法人等-個人 | 26 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 19 |
株主数-個人その他 | 8,538 |
株主数-その他の法人 | 47 |
株主数-計 | 8,660 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 楽天証券株式会社 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)11,936,4002,813,100-14,749,500合計11,936,4002,813,100-14,749,500自己株式 普通株式50--50合計50--50(変動事由の概要)(注)普通株式の発行済株式の増加は、新株予約権の行使による増加であります。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月27日 株式会社ペルセウスプロテオミクス 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士岡野 隆樹 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士岡本 悠甫 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ペルセウスプロテオミクスの2024年4月1日から2025年3月31日までの第25期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ペルセウスプロテオミクスの2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項 重要な後発事象に記載されているとおり、会社は2025年5月21日開催の取締役会において、2025年6月27日開催の定時株主総会に資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分について付議することを決議し、同株主総会において承認可決された。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 研究開発費の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ペルセウスプロテオミクスは、がん及びその他疾患の治療用医薬品の研究開発及びその関連業務を行っており、財務諸表注記(損益計算書関係)に記載のとおり研究開発費が594,547千円計上されている。 研究開発費は、全て発生時に費用として処理される。 なお、外部に研究開発を委託した場合は、研究開発の内容について検収を行い、利用可能になった時点で費用として処理される。 株式会社ペルセウスプロテオミクスの研究開発は、自社での研究に加え、シーズの探索におけるアカデミアとの共同研究、CMO(医薬品製造受託機関)への治験薬の製造委託並びにCRO(開発業務受託機関)への臨床開発及び臨床試験に関わる業務委託により行われている。 これらの外部機関への業務委託のうち、特に臨床開発及び臨床試験に関わる業務委託については、委託する研究開発の内容が多岐にわたることから、それぞれの研究開発の内容が利用可能となったと判断される時点も多岐にわたることになる。 そのため、業務委託契約に従って研究開発の内容が利用可能となる時点が適切に認識されず、不適切な会計期間に研究開発費が計上されるリスクが存在する。 以上から、当監査法人は、研究開発費の期間帰属の適切性の検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、研究開発費の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価 研究開発費に係るプロセスに関連する内部統制の整備及び運用の状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に研究開発費の期間帰属の適切性に対応するための統制に焦点を当てた。 (2)適切な期間に研究開発費が計上されているか否かの検討 臨床開発及び臨床試験に係る研究開発費が適切な会計期間に認識されているか否か検討するため、以下の監査手続を実施した。 ● 個々の研究開発の進捗状況について、経営者及び研究開発責任者へ質問し、その回答と研究開発テーマ別の研究開発費の発生状況との整合性を確認した。 ● 金額的重要性があると判断した研究開発費の計上日について、外部機関からの作業結果報告資料等における研究開発の利用可能時点との整合性を確認した。 ● 契約金額や契約先等を考慮して稟議書台帳から業務委託契約を抽出し、契約書により研究開発に係る契約か否かについて確認した。 また、研究開発に係る契約に関しては、契約書、作業報告資料等を閲覧し、会計処理の必要性の有無や、契約に従って研究開発の内容が利用可能となった時点で研究開発費が認識されているか否かを確認した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ペルセウスプロテオミクスの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ペルセウスプロテオミクスが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1 上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 研究開発費の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 株式会社ペルセウスプロテオミクスは、がん及びその他疾患の治療用医薬品の研究開発及びその関連業務を行っており、財務諸表注記(損益計算書関係)に記載のとおり研究開発費が594,547千円計上されている。 研究開発費は、全て発生時に費用として処理される。 なお、外部に研究開発を委託した場合は、研究開発の内容について検収を行い、利用可能になった時点で費用として処理される。 株式会社ペルセウスプロテオミクスの研究開発は、自社での研究に加え、シーズの探索におけるアカデミアとの共同研究、CMO(医薬品製造受託機関)への治験薬の製造委託並びにCRO(開発業務受託機関)への臨床開発及び臨床試験に関わる業務委託により行われている。 これらの外部機関への業務委託のうち、特に臨床開発及び臨床試験に関わる業務委託については、委託する研究開発の内容が多岐にわたることから、それぞれの研究開発の内容が利用可能となったと判断される時点も多岐にわたることになる。 そのため、業務委託契約に従って研究開発の内容が利用可能となる時点が適切に認識されず、不適切な会計期間に研究開発費が計上されるリスクが存在する。 以上から、当監査法人は、研究開発費の期間帰属の適切性の検討が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、研究開発費の期間帰属の適切性を検討するため、主に以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価 研究開発費に係るプロセスに関連する内部統制の整備及び運用の状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に研究開発費の期間帰属の適切性に対応するための統制に焦点を当てた。 (2)適切な期間に研究開発費が計上されているか否かの検討 臨床開発及び臨床試験に係る研究開発費が適切な会計期間に認識されているか否か検討するため、以下の監査手続を実施した。 ● 個々の研究開発の進捗状況について、経営者及び研究開発責任者へ質問し、その回答と研究開発テーマ別の研究開発費の発生状況との整合性を確認した。 ● 金額的重要性があると判断した研究開発費の計上日について、外部機関からの作業結果報告資料等における研究開発の利用可能時点との整合性を確認した。 ● 契約金額や契約先等を考慮して稟議書台帳から業務委託契約を抽出し、契約書により研究開発に係る契約か否かについて確認した。 また、研究開発に係る契約に関しては、契約書、作業報告資料等を閲覧し、会計処理の必要性の有無や、契約に従って研究開発の内容が利用可能となった時点で研究開発費が認識されているか否かを確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 研究開発費の期間帰属の適切性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
その他、流動資産 | 15,646,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 0 |
有形固定資産 | 0 |
無形固定資産 | 0 |
投資その他の資産 | 42,862,000 |
BS負債、資本
未払金 | 61,012,000 |
未払法人税等 | 18,273,000 |
未払費用 | 41,607,000 |
資本剰余金 | 2,723,798,000 |
利益剰余金 | -3,808,501,000 |
株主資本 | 1,353,183,000 |
負債純資産 | 1,818,837,000 |
PL
売上原価 | 16,324,000 |
販売費及び一般管理費 | 930,481,000 |
営業利益又は営業損失 | -826,430,000 |
受取利息、営業外収益 | 1,951,000 |
営業外収益 | 3,727,000 |
営業外費用 | 7,126,000 |
特別損失 | 72,510,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 2,460,000 |
法人税等 | 2,460,000 |
PL2
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) | 5,083,000 |
当期変動額合計 | 34,061,000 |
FS_ALL
現金及び現金同等物の残高 | 1,667,921,000 |
売掛金 | 22,214,000 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | -2,237,000 |
現金及び現金同等物の増減額 | 126,501,000 |
一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費 | 594,547,000 |
研究開発費、販売費及び一般管理費 | 594,547,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,846,000 |
棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー | -906,000 |
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー | 4,819,000 |
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー | -719,517,000 |
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー | -1,927,000 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出、投資活動によるキャッシュ・フロー | -75,157,000 |
概要や注記
連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み、経理の状況 | 当社は、財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。 具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等についても的確に把握することができる体制を整備するため、開示支援専門会社等の主催する研修への参加や会計専門誌の定期購読を行っており、財務諸表等の適正性の確保に努めております。 |
主要な販売費及び一般管理費 | ※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度0.05%、当事業年度0.22%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度99.95%、当事業年度99.78%であります。 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。 前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)給料及び手当37,759千円39,638千円支払手数料109,456千円109,561千円研究開発費616,004千円594,547千円 |
一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費 | ※3 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額 前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)一般管理費616,004千円594,547千円 |
顧客との契約から生じる収益の金額の注記 | ※1 売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。 顧客との契約から生じる収益の金額は、財務諸表「注記事項(収益認識関係)(1)顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。 |
新株予約権等に関する注記 | 2.新株予約権等に関する事項内訳目的となる株式の種類目的となる株式の数(株)当事業年度末残高(千円)当事業年度期首増加減少当事業年度末ストック・オプションとしての第22回新株予約権------ストック・オプションとしての第24回新株予約権------ストック・オプションとしての第26回新株予約権------ストック・オプションとしての第27回新株予約権-----79,223第28回新株予約権(注)普通株式2,793,600-2,793,600--合計2,793,600-2,793,600-79,223(注)第28回新株予約権の当事業年度減少は、新株予約権の行使によるものであります。 |
配当に関する注記 | 3.配当に関する事項 該当事項はありません。 |
現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 | ※1 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)現金及び預金1,541,419千円1,667,921千円現金及び現金同等物1,541,419千円1,667,921千円 |
製品及びサービスごとの情報 | 1.製品及びサービスごとの情報財務諸表「注記事項(収益認識関係)(1)顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。 |
売上高、地域ごとの情報 | (1)売上高(単位:千円)日本米国合計51,29169,083120,375(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国に分類しております。 |
有形固定資産、地域ごとの情報 | (2)有形固定資産本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。 |
主要な顧客ごとの情報 | 3.主要な顧客ごとの情報(単位:千円)顧客の名称または氏名売上高R&D Systems, Inc.40,324Pierce Biotechnology, Inc.28,490(注)当社は、医薬品事業のみの単一セグメントとしているため、関連するセグメント名は記載を省略しております。 |
貸借対照表 | ①【貸借対照表】 (単位:千円) 前事業年度(2024年3月31日)当事業年度(2025年3月31日)資産の部 流動資産 現金及び預金1,541,4191,667,921売掛金13,66022,214製品1,3081,539貯蔵品3,0983,774前渡金3,0863,104前払費用5,47511,474未収消費税等70,15050,299その他12,74715,646流動資産合計1,650,9471,775,974固定資産 有形固定資産 建物1,2811,281減価償却累計額△1,281△1,281建物(純額)00工具、器具及び備品91,92189,397減価償却累計額△91,920△89,397工具、器具及び備品(純額)00有形固定資産合計00無形固定資産 その他00無形固定資産合計00投資その他の資産 長期前払費用0-差入保証金42,86242,862投資その他の資産合計42,86242,862固定資産合計42,86242,862資産合計1,693,8101,818,837 (単位:千円) 前事業年度(2024年3月31日)当事業年度(2025年3月31日)負債の部 流動負債 未払金53,46561,012未払費用57,48641,607未払法人税等13,07918,273預り金4,9463,973流動負債合計128,978124,866固定負債 長期預り金166,487261,564固定負債合計166,487261,564負債合計295,465386,431純資産の部 株主資本 資本金1,971,0192,437,908資本剰余金 資本準備金2,256,9082,723,798資本剰余金合計2,256,9082,723,798利益剰余金 その他利益剰余金 繰越利益剰余金△2,903,700△3,808,501利益剰余金合計△2,903,700△3,808,501自己株式△21△21株主資本合計1,324,2051,353,183新株予約権74,13979,223純資産合計1,398,3441,432,406負債純資産合計1,693,8101,818,837 |
損益計算書 | ②【損益計算書】 (単位:千円) 前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)売上高※1 100,402※1 120,375売上原価12,71716,324売上総利益87,685104,051販売費及び一般管理費※2,※3 982,415※2,※3 930,481営業損失(△)△894,729△826,430営業外収益 受取利息461,951業務受託料4,1361,772為替差益16,924-その他33営業外収益合計21,1113,727営業外費用 為替差損-2,887新株予約権発行費5,528-新株発行費-961租税公課2223,271その他115営業外費用合計5,7627,126経常損失(△)△879,380△829,829特別利益 固定資産売却益138-特別利益合計138-特別損失 本社移転費用69,403-減損損失※4 153,887※4 72,510特別損失合計223,29072,510税引前当期純損失(△)△1,102,533△902,340法人税、住民税及び事業税1,9272,460法人税等合計1,9272,460当期純損失(△)△1,104,460△904,800 |
株主資本等変動計算書 | ③【株主資本等変動計算書】 前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金 資本準備金資本剰余金合計その他利益剰余金 繰越利益剰余金当期首残高1,939,2522,225,1422,225,142△1,799,240当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使)31,76631,76631,766 当期純損失(△) △1,104,460自己株式の取得 株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計31,76631,76631,766△1,104,460当期末残高1,971,0192,256,9082,256,908△2,903,700 株主資本新株予約権純資産合計 利益剰余金自己株式株主資本合計 利益剰余金合計当期首残高△1,799,240△202,365,13431,4112,396,545当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使) 63,532 63,532当期純損失(△)△1,104,460 △1,104,460 △1,104,460自己株式の取得 △1△1 △1株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 42,72742,727当期変動額合計△1,104,460△1△1,040,92842,727△998,200当期末残高△2,903,700△211,324,20574,1391,398,344 当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (単位:千円) 株主資本 資本金資本剰余金利益剰余金 資本準備金資本剰余金合計その他利益剰余金 繰越利益剰余金当期首残高1,971,0192,256,9082,256,908△2,903,700当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使)466,889466,889466,889 当期純損失(△) △904,800株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 当期変動額合計466,889466,889466,889△904,800当期末残高2,437,9082,723,7982,723,798△3,808,501 株主資本新株予約権純資産合計 利益剰余金自己株式株主資本合計 利益剰余金合計当期首残高△2,903,700△211,324,20574,1391,398,344当期変動額 新株の発行(新株予約権の行使) 933,778 933,778当期純損失(△)△904,800 △904,800 △904,800株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 5,0835,083当期変動額合計△904,800 28,9775,08334,061当期末残高△3,808,501△211,353,18379,2231,432,406 |
重要な会計方針、財務諸表 | (重要な会計方針) 1.棚卸資産の評価基準及び評価方法(1)製品 総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)(2)貯蔵品 最終仕入原価法による原価法 2.固定資産の減価償却の方法有形固定資産 定額法を採用しております。 なお、主な耐用年数は次のとおりであります。 建物 2年~15年工具、器具及び備品 2年~10年 3.繰延資産の処理方法株式交付費 支出時に全額費用処理しております。 新株予約権発行費 支出時に全額費用処理しております。 4.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準 外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。 5.収益及び費用の計上基準 当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。 (1)創薬 創薬の収益モデルは、国内外の製薬企業に対して、当社が開発した医薬候補品を導出(特定の医薬品を開発、販売するために必要な知的財産権の使用を許可すること。 )することによる契約一時金収入、開発の進捗に応じて支払われるマイルストーン収入、上市後に売上高の一定割合が支払われるロイヤリティ収入等を獲得することであります。 当社が第三者との間で締結した開発品または製品の開発権、販売権等に関するライセンス契約等に基づいて受領した契約一時金は、ライセンス契約等において履行義務が一時点で充足される場合には、開発権、販売権等を付与した時点で収益として認識しており、マイルストーン収入は、契約上定められたマイルストーンが達成された時点で収益として認識しております。 ロイヤリティ収入は、契約相手先の収益等を基礎に算定されたライセンス契約等における対価であり、その発生時点を考慮して、収益として認識しております。 取引価格の算定については、顧客との契約において約束された対価で算定しております。 契約一時金、マイルストーン収入及びロイヤリティ収入は、契約に基づく権利の確定時点から主として1年以内に受領しております。 なお、重大な金融要素は含んでおりません。 取引価格の履行義務への配分額の算定にあたっては、1つの契約につき複数の履行義務は識別されていないため、取引価格の履行義務への配分は行っておりません。 (2)抗体研究支援 当社は、これまでにがん等を対象とした抗体医薬品や研究用試薬の創出を通じて培ってきた技術や経験を活かして、抗体に関連した研究支援(研究受託)を実施しております。 抗体研究支援については、顧客との契約内容に応じて、顧客に製品を引き渡した時点、または引き渡した製品について、顧客から検収報告を受領した時点で、顧客に製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客が当該製品に対する支配を獲得することにより、当社の履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。 取引価格の算定については、顧客との契約において約束された対価で算定しており、契約に基づく権利の確定時点から主として1年以内に受領しております。 なお、重大な金融要素は含んでおりません。 取引価格の履行義務への配分額の算定にあたっては、1つの契約につき複数の履行義務は識別されていないため、取引価格の履行義務への配分は行っておりません。 (3)抗体・試薬販売 当社では、がんや生活習慣病等、各種疾患のバイオマーカーとなる核内受容体抗体等を世界の研究者に向けて研究用試薬として販売しております。 当該抗体・試薬製品の販売については、顧客に製品を引き渡した時点で、顧客に製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客が当該製品に対する支配を獲得することにより、当社の履行義務が充足されると判断しており、収益を認識しております。 ただし、当該製品の国内での販売については、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転されるまでの期間が通常の期間であることから、出荷基準で収益を認識しております。 取引価格の算定については、顧客との契約において約束された対価で算定しており、契約に基づく権利の確定時点から主として1年以内に受領しております。 なお、重大な金融要素は含んでおりません。 取引価格の履行義務への配分額の算定にあたっては、1つの契約につき複数の履行義務は識別されていないため、取引価格の履行義務への配分は行っておりません。 6.キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲 手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期的な投資からなっております。 |
税効果会計関係、財務諸表 | (税効果会計関係) 1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳 前事業年度(2024年3月31日) 当事業年度(2025年3月31日)繰延税金資産 未払事業税3,414千円 4,842千円未払費用13,405 〃 11,557 〃減損損失78,320 〃 78,185 〃税務上の繰越欠損金(注)21,176,306 〃 1,494,810 〃その他0 〃 0 〃繰延税金資産小計1,271,447千円 1,589,396千円税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額(注)2△1,176,306 〃 △1,494,810 〃将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額△95,140 〃 △94,585 〃評価性引当額小計(注)1△1,271,447千円 △1,589,396千円繰延税金資産の合計-千円 -千円繰延税金資産の純額-千円 -千円(注)1.評価性引当額が317,948千円増加しております。 この増加の主な内容は、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額の増加に伴うものであります。 (注)2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額前事業年度(2024年3月31日) 1年以内(千円)1年超2年以内(千円)2年超3年以内(千円)3年超4年以内(千円)4年超5年以内(千円)5年超(千円)合計(千円)税務上の繰越欠損金※-47,26446,426-40,4011,042,2141,176,306評価性引当額-△47,264△46,426-△40,401△1,042,214△1,176,306繰延税金資産-------※税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。 当事業年度(2025年3月31日) 1年以内(千円)1年超2年以内(千円)2年超3年以内(千円)3年超4年以内(千円)4年超5年以内(千円)5年超(千円)合計(千円)税務上の繰越欠損金※47,26447,790-41,589268,6911,089,4741,494,810評価性引当額△47,264△47,790-△41,589△268,691△1,089,474△1,494,810繰延税金資産-------※税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。 2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳 前事業年度及び当事業年度において、税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しております。 |
収益認識関係、財務諸表 | (収益認識関係) (1)顧客との契約から生じる収益を分解した情報 当社の事業セグメントは、医薬品事業のみの単一セグメントであり、顧客との契約から生じる収益を分解した情報は以下のとおりであります。 (財又はサービスの種類別内訳)前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 日本米国合計創薬---抗体研究支援20,735千円-20,735千円抗体・試薬販売24,225千円55,442千円79,667千円顧客との契約から生じる収益44,960千円55,442千円100,402千円外部顧客への売上高44,960千円55,442千円100,402千円 当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 日本米国合計創薬---抗体研究支援24,351千円-24,351千円抗体・試薬販売26,940千円69,083千円96,024千円顧客との契約から生じる収益51,291千円69,083千円120,375千円外部顧客への売上高51,291千円69,083千円120,375千円 (2)顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報「(重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。 (3)顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報① 契約資産及び契約負債の残高等顧客との契約から生じた債権の残高は以下のとおりです。 なお、契約負債の残高はありません。 前事業年度当事業年度顧客との契約から生じた債権(期首残高)9,813千円13,660千円顧客との契約から生じた債権(期末残高)13,660千円22,214千円 ② 残存履行義務に配分した取引価格当社は当初に予想される契約期間が1年を超える重要な取引がないため、残存履行義務に配分した取引価格の注記を省略しております。 |
重要な後発事象、財務諸表 | (重要な後発事象) (資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分) 当社は、2025年5月21日開催の取締役会において、2025年6月27日開催の第25回定時株主総会に、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を付議することを決議し、同定時株主総会で承認可決されました。 1.資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を行う目的 欠損金を填補し財務体質を健全化することを目的として、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を行うものであります。 2.資本金及び資本準備金の額の減少の内容 会社法第447条第1項及び第448条第1項の規定に基づき、資本金及び資本準備金の額を減少させ、その他資本剰余金に振り替えるものであります。 (1)減少する資本金及び資本準備金の額資本金2,437,908,141円のうち1,937,908,141円資本準備金2,723,798,043円のうち1,870,593,146円(2)増加するその他資本剰余金の額その他資本剰余金3,808,501,287円 3.剰余金の処分の内容 会社法第452条の規定に基づき、資本金及び資本準備金の額の減少の効力発生を条件に、その他資本剰余金3,808,501,287円を全額減少させ、繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補に充当するものであります。 (1)減少する剰余金の項目及びその額 その他資本剰余金3,808,501,287円(2)増加する剰余金の項目及びその額 繰越利益剰余金3,808,501,287円 4.資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分の日程(1)取締役会決議日 2025年5月21日(2)定時株主総会決議日 2025年6月27日(3)債権者異議申述公告日 2025年6月30日(予定)(4)債権者異議申述最終期日 2025年8月29日(予定)(5)効力発生日 2025年9月1日(予定) |
有形固定資産等明細表 | 【有形固定資産等明細表】 資産の種類当期首残高(千円)当期増加額(千円)当期減少額(千円)当期末残高(千円)当期末減価償却累計額又は償却累計額(千円)当期償却額(千円)差引当期末残高(千円)有形固定資産 建物1,281--1,2811,281-0工具、器具及び備品91,92174,30276,826(71,459)89,39789,3972,8420有形固定資産計93,20274,30276,826(71,459)90,67890,6782,8420無形固定資産 その他7,867230226(226)7,8707,87030無形固定資産計7,867230226(226)7,8707,87030長期前払費用0824824(824)----(注)1.当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。 工具、器具及び備品On-chip Droplet Selector43,120千円 Nanopore_GridION11,380千円 Sage Saience/Blue Pippin3,780千円無形固定資産(その他)システム開発一次解析パイプライン再構築230千円2.当期減少額のうち主なものは次のとおりであります。 工具、器具及び備品On-chip Droplet Selector41,323千円 Nanopore_GridION11,142千円 Sage Saience/Blue Pippin3,701千円無形固定資産(その他)システム開発一次解析パイプライン再構築226千円3.当期減少額の( )内は内書きで減損損失の計上額であります。 |
引当金明細表 | 【引当金明細表】 該当事項はありません。 |
主な資産及び負債の内容 | (2)【主な資産及び負債の内容】 ① 流動資産a.現金及び預金区分金額(千円)現金40預金 普通預金別段預金1,667,602278小計1,667,881合計1,667,921 b.売掛金相手先別内訳相手先金額(千円)メディフォード株式会社6,820R&D Systems, Inc.6,812Abcam plc1,968その他6,613合計22,214 売掛金の発生及び回収並びに滞留状況当期首残高(千円)(A)当期発生高(千円)(B)当期回収高(千円)(C)当期末残高(千円)(D)回収率(%) (C)×100(A) + (B) 滞留期間(日) (A) + (D)2(B)365 13,660126,058117,50422,21484.152.1(注) 当期発生高には消費税等が含まれております。 c.製品品目金額(千円)抗体・試薬1,539合計1,539 d.貯蔵品区分金額(千円)実験用消耗品3,759その他15合計3,774 e.未収消費税等区分金額(千円)日本橋税務署50,299合計50,299 ② 流動負債a.未払金相手先別内訳相手先金額(千円)国立大学法人広島大学26,165エイツーヘルスケア株式会社4,857シミックファーマサイエンス株式会社3,704不二化学薬品株式会社3,247株式会社カーク3,006その他20,030合計61,012 ③ 固定負債a.長期預り金区分金額(千円)国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)261,564合計261,564 |
その他、財務諸表等 | (3)【その他】 当事業年度における半期情報等 中間会計期間当事業年度売上高(千円)59,390120,375税引前中間(当期)純損失(△)(千円)△494,203△902,340中間(当期)純損失(△)(千円)△495,433△904,8001株当たり中間(当期)純損失(△)(円)△35.90△63.41 |
提出会社の株式事務の概要 | 第6【提出会社の株式事務の概要】 事業年度毎年4月1日から翌年3月31日まで定時株主総会毎事業年度終了後3か月以内基準日毎年3月31日剰余金の配当の基準日毎年9月30日毎年3月31日1単元の株式数100株単元未満株式の買取り 取扱場所東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部株主名簿管理人東京都千代田区丸の内一丁目4番5号 三菱UFJ信託銀行株式会社取次所-買取手数料株式の売買の委託に係る手数料相当額として別途定める金額公告掲載方法当社の公告方法は、電子公告としております。 ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して行います。 公告掲載URLhttps://www.ppmx.com/株主に対する特典該当事項はありません。 (注)当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。 (1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利(2)会社法第166条第1項の規定による請求をする権利(3)株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利 |
提出会社の親会社等の情報 | 1【提出会社の親会社等の情報】 当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。 |
その他の参考情報 | 2【その他の参考情報】 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。 (1)有価証券報告書及びその添付書類、有価証券報告書の確認書 事業年度自 2023年4月1日2024年6月20日(第24期)至 2024年3月31日関東財務局に提出 (2)有価証券報告書の訂正報告書及び確認書 事業年度自 2022年4月1日2025年6月27日(第23期)至 2023年3月31日 事業年度自 2023年4月1日2025年6月27日(第24期)至 2024年3月31日 関東財務局に提出 (3)内部統制報告書及びその添付書類 事業年度自 2023年4月1日2024年6月20日(第24期)至 2024年3月31日関東財務局に提出 (4)半期報告書、半期報告書の確認書 第25期中自 2024年4月1日2024年11月14日至 2024年9月30日関東財務局に提出 (5)臨時報告書金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づくものである。 2024年6月20日金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の4の規定に基づくものである。 2025年5月21日 関東財務局に提出 |
提出会社の保証会社等の情報 | 第二部【提出会社の保証会社等の情報】 該当事項はありません。 |
提出会社の経営指標等 | 回次第21期第22期第23期第24期第25期決算年月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月売上高(千円)67,94771,93294,201100,402120,375経常損失(△)(千円)△410,107△481,681△689,604△879,380△829,829当期純損失(△)(千円)△413,216△599,023△786,999△1,104,460△904,800持分法を適用した場合の投資利益(千円)-----資本金(千円)604,0001,939,2521,939,2521,971,0192,437,908発行済株式総数(株)8,386,40011,759,40011,759,40011,936,40014,749,500純資産額(千円)1,083,7133,152,1542,396,5451,398,3441,432,406総資産額(千円)1,118,6263,300,5302,566,6501,693,8101,818,8371株当たり純資産額(円)128.86268.05201.13110.9491.741株当たり配当額(円)-----(うち1株当たり中間配当額)(-)(-)(-)(-)(-)1株当たり当期純損失(△)(円)△59.03△54.47△66.93△93.69△63.41潜在株式調整後1株当たり当期純利益(円)-----自己資本比率(%)96.6195.5092.1578.1874.40自己資本利益率(%)-----株価収益率(倍)-----配当性向(%)-----営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)△422,836△476,842△564,274△833,898△719,485投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)△2,824△33,868△212,989△150,343△75,157財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)1,011,0402,647,548△2063,943923,381現金及び現金同等物の期末残高(千円)1,069,3003,214,8522,444,9341,541,4191,667,921従業員数(人)1921242532(ほか、平均臨時雇用者数)(-)(-)(1)(3) (2)株主総利回り(%)-----(比較指標:-)(%)(-)(-)(-)(-)(-)最高株価(円)-1,0226278791,070最低株価(円)-285289255300(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。 2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため記載しておりません。 3.第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため期中平均株価が把握できず、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。 第22期から第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。 4.第21期から第25期の自己資本利益率は、当期純損失であるため記載しておりません。 5.第21期の株価収益率については、非上場であったため、また、第22期から第25期の株価収益率については、2021年6月22日に東京証券取引所マザーズ市場(現東京証券取引所グロース市場)に株式上場いたしましたが、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。 6.1株当たり配当額及び配当性向については、無配のため、記載しておりません。 7.株主総利回り及び比較指標については、2021年6月22日に東京証券取引所マザーズ市場(現東京証券取引所グロース市場)に株式上場したため記載しておりません。 8.第22期から第25期の最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(マザーズ市場)におけるものであります。 当社は、2021年6月22日に東京証券取引所マザーズ市場(現東京証券取引所グロース市場)に株式上場いたしましたので、第21期の最高株価、最低株価については、把握できませんので記載しておりません。 |