財務諸表

CoverPage

提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-06-25
英訳名、表紙NIKON CORPORATION
代表者の役職氏名、表紙代表取締役 兼 社長執行役員 CEO 大 村 泰 弘
本店の所在の場所、表紙東京都品川区西大井1丁目5番20号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3773)1111(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
  1917年7月測距儀、顕微鏡などの光学機器の国産化を目指し、東京計器製作所の光学計器部門と岩城硝子製造所の反射鏡部門を統合、三菱合資会社社長岩崎小彌太の出資をもって日本光学工業株式会社を設立(直後に藤井レンズ製造所を合併)1918年1月大井第一工場(現・本社/イノベーションセンター)を新設1949年5月東京証券取引所に株式上場1953年10月米国にNikon Sales Inc.(現・Nikon Inc.)を設立1963年10月桜電子工業株式会社(現・株式会社栃木ニコン)に経営参加1968年7月オランダにNikon Europe N.V.(現・Nikon Europe B.V.)を設立1971年7月相模原製作所を新設1982年8月米国にNikon Precision Inc. を設立1984年12月熊谷製作所を新設1988年2月ニコンカメラ販売株式会社(現・株式会社ニコンイメージングジャパン)を設立1988年4月商号を日本光学工業株式会社から、株式会社ニコンに変更1990年10月タイに Nikon (Thailand) Co., Ltd. を設立1991年1月水戸製作所を新設1995年6月シンガポールにNikon Singapore Pte. Ltd.を設立2004年10月横須賀製作所を新設2005年4月中国に Nikon Imaging (China) Sales Co., Ltd. を設立2009年10月単元株式数を100株に変更2009年10月ベルギーのMetris NV(現・Nikon Metrology Europe NV)を完全子会社化2015年5月英国の Optos Plc を完全子会社化2016年6月監査等委員会設置会社へ移行2021年4月米国のMorf3D Inc.(現・Nikon AM Synergy Inc.)に出資、子会社化2023年4月米国にNikon Advanced Manufacturing Inc.を設立2023年9月ドイツのSLM Solutions Group AG(現・Nikon SLM Solutions AG)を完全子会社化2024年4月米国のRED.com, LLC(現・RED Digital Cinema, Inc.)を完全子会社化2024年7月本社を東京都品川区に移転
事業の内容 3 【事業の内容】
 当社グループは、株式会社ニコン(当社)及び連結子会社82社並びに持分法を適用した関連会社及び共同支配企業10社より構成されており、映像事業、精機事業、ヘルスケア事業、コンポーネント事業、デジタルマニュファクチャリング事業等を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引等当社役員(人)当社従業員(人)(連結子会社)  ㈱栃木ニコン栃木県大田原市363光学ユニット、交換レンズ、対物レンズ、光学部品、機械部品等の製造100.0-8当社製品の製造 ㈱栃木ニコンプレシジョン栃木県大田原市204半導体/FPD露光装置用ユニット、投影レンズの製造100.0-6当社製品の製造 ㈱仙台ニコン宮城県名取市480各種製品の設計・試作・量産、装置の設計・制作など100.0-6当社製品の製造 ㈱宮城ニコンプレシジョン宮城県刈田郡200半導体/FPD露光装置用ユニットの製造100.0-5当社製品の製造 ㈱ニコンテック東京都品川区200半導体/FPD露光装置の保守サービス、中古機販売等100.0-7当社製品のアフターサービス ㈱ニコンイメージングジャパン東京都品川区400カメラ等の販売、サービス100.0-4当社製品の販売、アフターサービス ㈱ニコンソリューションズ東京都品川区310眼科用医療機器等の輸入販売・サービス、顕微鏡、測定機、X線検査装置等の販売・サービス100.015当社製品の販売、アフターサービス ㈱ニコンビジョン東京都品川区300望遠鏡、双眼鏡等の開発、製造、販売、サービス100.0-6当社製品の開発、製造、販売、アフターサービス ㈱ニコンシステム神奈川県横浜市50コンピュータソフトウェアの開発・サポート100.0-7当社製品に係るIT開発、サポート ㈱ニコンビジネスサービス東京都品川区200福利厚生業務、資材調達業務、物流業務100.0-6当社の厚生、工務、総務関連業務、及び当社製品に係る物流業務 ㈱ニコン・セル・イノベーション東京都品川区1,000再生医療向け細胞受託生産事業等100.013- 光ガラス㈱秋田県湯沢市224光学ガラス、光学ガラスプレス部品等の製造、販売100.0-5当社部品の製造、販売 Nikon Precision Inc.OregonU.S.A.US$1,000半導体装置の輸入販売、保守サービス、中古機の販売100.0(100.0)-4当社製品の販売、アフターサービス Nikon Inc. ※1 New YorkU.S.A.US$1,000カメラ等の輸入販売、サービス100.0(100.0)-4当社製品の販売、アフターサービス Nikon Instruments Inc.New YorkU.S.A.US$1顕微鏡の輸入販売、保守サービス100.0(100.0)14当社製品の販売、アフターサービス Nikon Americas Inc.New YorkU.S.A.US$2,101米国におけるグループ会社の資金の集中的調達・管理・運用等100.0-2米州子会社の持株会社 RED Digital Cinema, Inc.CaliforniaU.S.A.US$1,000業務用シネマカメラの開発、製造、販売、サービス100.0-5当社製品の開発、製造、販売、アフターサービス Nikon Metrology, LLC ※1MichiganU.S.A.千US$74,615顕微鏡、測定機およびX線CT等に関する製品の販売、サービスおよび三次元計測に関する製品の開発、製造100.0 (100.0)-4当社製品の開発、製造、販売、アフターサービス Nikon AM Synergy Inc. ※3CaliforniaU.S.A.US$4,479アディティブマニュファクチャリングの設計および製造100.0-1- Nikon Canada Inc.OntarioCanada千CAN$3,300カメラ、顕微鏡等の輸入販売、サービス100.0-1当社製品の販売、アフターサービス 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引等当社役員(人)当社従業員(人) Nikon PrecisionEurope GmbHLangenGermany千EUR4,090半導体装置の保守サービス、中古機の販売100.0(100.0)-3当社製品のアフターサービス Nikon SLM Solutions AGLübeckGermany千EUR50金属アディティブマニュファクチャリングにおける統合ソリューションの提供100.0-3当社製品の開発、製造、販売、アフターサービス Nikon Europe B.V. ※1、2AmstelveenThe Netherlands千EUR20欧州におけるグループ会社の資金の集中的調達・管理・運用等。
カメラ、顕微鏡等の輸入販売、サービス100.0-7当社製品の販売、アフターサービス Nikon Metrology Europe NV※1LeuvenBelgium千EUR 102,394顕微鏡、測定機およびX線CT等に関する製品の販売、サービスおよび三次元計測に関する製品の開発100.0(100.0)-3当社製品の開発、販売、アフターサービス Optos PlcScotlandUnited Kingdom千Stg£1,524超広角走査型レーザー検眼鏡等の製造、販売、サービス100.012当社製品の開発、製造、販売、アフターサービス Nikon Hong Kong Ltd.Hong KongChina千HK$5,500カメラ等の輸入販売、サービス100.0-1当社製品の販売、アフターサービス Nikon Holdings Hong Kong LimitedHong KongChina千HK$108,360アジア・オセアニアにおけるグループ会社のCSR・内部監査の推進100.0-2中国子会社の持株会社 Nikon SingaporePte. Ltd.Singapore千S$33,164カメラ、顕微鏡、測定機等の輸入販売、サービス、半導体装置の保守サービスと中古機の販売100.0-8当社製品の販売、アフターサービス Nikon AustraliaPty LtdSydneyAustralia千AU$4,000カメラ等の輸入販売、サービス100.0(100.0)-1当社製品の販売、アフターサービス Nikon India Private LimitedGurgaonIndia千INR80,000カメラ等の輸入販売、サービス100.0(100.0)-3当社製品の販売、アフターサービス Nikon (Thailand)Co., Ltd. ※1AyutthayaThailand百万Baht1,260デジタルカメラ、交換レンズ、デジタルカメラ用ユニットの製造100.0-9当社製品の製造 Nikon PrecisionKorea Ltd.Gyeonggi-DoKorea百万Won300半導体/FPD装置の保守サービス、中古機の販売100.0-6当社製品のアフターサービス Nikon Imaging KoreaCo., Ltd.SeoulKorea百万Won4,000カメラ等の輸入販売、サービス100.0-3当社製品の販売、アフターサービス Nikon PrecisionTaiwan Ltd.TaiwanR.O.C千NT$43,000半導体/FPD装置の保守サービス、中古機の販売100.0(10.0)-6当社製品のアフターサービス Nikon Imaging (China)Sales Co., Ltd. ※1、2ShanghaiChina千US$10,000カメラ等の輸入販売、サービス100.0(100.0)-6当社製品の販売、アフターサービス Nikon Precision (Shanghai) Co., Ltd.ShanghaiChina千CNY25,269半導体/FPD露光装置、顕微鏡、眼科機器、測定機、エンコーダ等のマーケティング、販売、保守サービス100.0(100.0)16当社製品の販売、アフターサービス Nikon Lao Co., Ltd.Savannakhet ProvinceLao P.D.R.百万LAK60,000デジタルカメラ用ユニットの組み立て100.0(100.0)-2当社製品の製造 Nikon Middle East FZEDubaiUAE千AED7,000中東、アフリカ、西・南アジアにおけるカメラ等の輸入販売、サービス100.0(100.0)-1当社製品の販売、アフターサービス その他44社 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引等当社役員(人)当社従業員(人)(持分法を適用した関連会社及び共同支配企業)  ㈱ニコン・エシロール東京都墨田区3,586メガネレンズ等の開発、製造、販売、サービス50.0-5- ㈱ニコン・トリンブル東京都大田区96測量機の開発、製造、販売、サービス50.0-3-その他8社
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を示しております。
2 役員の兼任欄の当社従業員には執行役員を含めております。
3 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4 ※1:特定子会社を示しております。
5 ※2:Nikon Europe B.V.及びNikon Imaging (China) Sales Co., Ltd.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。
)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
当該会社の主要な損益情報等は次のとおりであります。
Nikon Europe B.V.  (1)売上収益        74,856百万円  
(2)税引前利益 2,721百万円  (3)当期利益 2,126百万円  (4)資本合計 69,821百万円  (5)資産合計 99,581百万円   Nikon Imaging (China) Sales Co., Ltd.  (1)売上収益        71,248百万円  
(2)税引前利益 3,117百万円  (3)当期利益 2,331百万円  (4)資本合計 13,307百万円   (5)資産合計 22,030百万円 6 ※3:Nikon AM Synergy Inc.については債務超過会社であり、債務超過の金額は次のとおりであります。
Nikon AM Synergy Inc.  14,818百万円
従業員の状況 (2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)映像事業7,646精機事業2,746ヘルスケア事業2,095コンポーネント事業1,339デジタルマニュファクチャリング事業802その他4,406全社(共通)894合計19,928
(注) 従業員数は就業人員です。
② 提出会社の状況2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)4,65641.913.77,989,362△6.1 セグメントの名称従業員数(人)映像事業688精機事業1,166ヘルスケア事業326コンポーネント事業618デジタルマニュファクチャリング事業72その他1,106全社(共通)680合計4,656
(注) 1 従業員数は、就業人員です。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
③ 労働組合の状況当社の労働組合は、当社の従業員(他社への出向者を含む。
)をもって構成するニコン労働組合があり、JAMに加盟しています。
2026年3月31日現在の組合員数は、4,321人です。
なお、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。
④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異提出会社及び主要な連結子会社の状況は以下のとおりです。
名称管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)全労働者正規雇用労働者非正規労働者(株)ニコン8.0101.081.681.6-(株)栃木ニコン2.3140.075.476.367.3(株)ニコンシステム3.6125.088.986.590.0(株)ニコンプロダクトサポート-100.077.380.282.8(株)栃木ニコンプレシジョン-150.071.974.174.3 (注)1 連結子会社は、常用雇用者数が301名以上となる連結子会社を対象に記載しています。
2 管理職に占める女性労働者の割合は2026年3月31日時点を基準日として、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は当事業年度を対象期間として、それぞれ算出しています。
3 男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
過年度に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業等を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
4 労働者の男女の賃金の差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
当社グループでは、年齢や性別などに関わらず、パフォーマンスを重視した公正な評価・処遇を行い、従業員一人ひとりの職務・役割の遂行や成果の創出を促進しています。
賃金差異の主な要因は、等級別人数構成の差や、育児休業及び時短勤務等の利用によって給与が減額しているもののうち女性の比率が高いことが挙げられます。
5 当社の女性活躍推進に係る指標や取り組みについては、「第2[事業の状況] 2[サステナビリティに関する考え方及び取組] (6)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、これに関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績」に記載しています。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループを取り巻く事業環境は、「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (業績等の概要) (1)業績」に記載のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)中期経営計画(2022-2025年度) 中期経営計画(2022-2025年度)策定にあたっては、まず2030年のありたい姿をイメージし、その実現に向けて2025年に到達するべき目標を定め、施策を積み上げました。
ニコンには、ものづくりを革新するテクノロジーや高度なソリューションをグローバルに広げる力・ブランド、そしてステークホルダーからの支持といった3つの強みがあります。
これらを活かし、2030年の「人と機械が共創する社会」に新たな価値を提供し続けたいと考え、2030年のありたい姿を「人と機械が共創する社会の中心企業」としました。
これに向けて、お客様と伴走し、お客様の欲しいモノやコトの「本質」を理解した上で、お客様のイノベーションを支える存在になることを目指しました。
本計画においては、映像事業が比較的堅調に推移したものの、他の事業では外部環境の影響を受けやすい収益構造の改善に課題が残りました。
また、新規事業への投資やM&Aの実行を通じて成長ドライバーの育成に取り組んだものの、収益性や資本効率の観点で課題を残しました。
売上収益は目標とした7,000億円を複数年度で達成し、経営基盤の整備も着実に進展させた一方、市場環境の急変の中、新たな取り組みに経営資源を分散した結果、強みとするべきビジネスの改善が進まず、営業利益率及びROEは大幅未達となりました。
なお、当社グループは、2026年5月8日に、2026-2030年度を対象とする中期経営計画を発表しました。
概要は以下のとおりです。
(2)中期経営計画(2026-2030年度)新たな中期経営計画(2026-2030年度)は、前中期経営計画において描いた2030年のありたい姿である「人と機械が共創する社会の中心企業」の実現に向け、その取り組みを加速する後半フェーズと位置づけています。
前中期経営計画では、新たな事業の創出・育成に向けて幅広い領域に取り組みました。
その中で見えてきた強み及び課題を踏まえ、本中期経営計画では、競争優位性のある事業に経営資源を集中し、選んだ事業の成長の牽引を図ります。
① 中期経営計画全体像本中期経営計画策定にあたり、「信頼と創造」という企業理念のもと、当社グループの理念体系としてミッション、ビジョン、バリューを再定義しました。
新たに定めたバリュー「お客さまのニーズ、実現したいものに挑み続ける」「コスト、スピードに挑み続ける」「製品の精度や強靭性に挑み続ける」により、ビジョンである「人と機械が共創する社会の中心企業」の実現を目指します。
本中期経営計画においては、財務規律を重視しながら企業価値向上につながる注力分野に経営資源を投入することを基本方針とし、各事業の役割を明確に定め、収益性の改善と資本効率の向上を図ります。
「映像」「ヘルスケア」「インダストリー*」は、安定利益創出事業として、顧客の拡大及び提供価値の強化により、全社のキャッシュ・フローを支える役割を担います。
「デジタルマニュファクチャリング」「精機」は、企業価値最大化に挑戦する事業として、有望市場及び差別化領域で積極的な投資を行い、長期的な成長を目指します。
また、「事業による社会価値創造」「多様な人材と組織力の強化」「共創型バリューチェーンの深化」を価値創造のための重点テーマに設定し、経営基盤を強化するとともにサステナビリティを重視した経営を推進します。
2030年度の数値目標として、売上収益1兆円、営業利益800億円、全社ROIC 7%、ROE 10%を掲げています。
*当社グループは、2026年度より、報告セグメント「コンポーネント事業」の名称を「インダストリー事業」に変更しました。
② 収益計画本中期経営計画前半では、短期的な業績回復を実現し、2030年度には800億円の営業利益達成を目指します。
成長を期待するビジネスとしては、デジタルシネマカメラ、大型金属3Dプリンター、半導体露光装置・デジタル露光装置を掲げ、経営資源を重点的に配分して、2030年以降の本格的成長を目指します。
計画実行に際しては、内部管理に最適化させたROIC(投下資本利益率)をベースとした投資管理、事業モニタリングを徹底し、収益性改善と統制の強化を推進します。
③ 持続的成長を支える経営基盤当社グループは、企業理念である「信頼と創造」に基づき、持続的成長の実現に向けた経営基盤の強化に取り組んでいます。
人的資本経営においては、多様な人材の育成と活躍機会の拡充を通じ、組織力の向上を図ります。
ものづくりの分野では、需要変動等に対応できる柔軟な生産体制の構築と生産性向上に取り組みます。
また、顧客及び従業員重視のDXを推進し、データ及びデジタル技術の活用による業務効率化、価値創出の高度化を進めます。
経営管理面では、ガバナンス及びリスクマネジメントの強化を通じ、グローバル経営の実効性向上に努めます。
さらに、サステナビリティに関する取り組みを重要課題として位置づけ、事業活動と一体的に推進することで、社会からの信頼の確保と中長期的な企業価値の向上を目指します。
④ 資本配分本中期経営計画では、最大8,000億円の資本配分を行います。
資本配分にあたっては、研究開発型企業としての成長と、資本効率及び財務健全性の両立を重視しながら、90%を成長投資に充当し、そのうち50%以上を、注力分野を擁する事業に集中します。
こうした方針により中長期の収益向上を図るとともに、株主還元のさらなる充実を目指します。
⑤ ありたい姿の実現ニコンのビジョンは「人と機械が共創する社会の中心企業」です。
このビジョンの実現を目指し、新中期経営計画のもと、常に社会への貢献を念頭に置きながら、全ステークホルダーの期待にお応えできるよう、持続的な企業価値向上の実現を目指します。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 当社グループが目指すサステナビリティ当社グループでは、企業理念である「信頼と創造」を事業活動の中で具現化することで、持続可能な社会に貢献しつつ自社の持続的成長を図ることが、サステナビリティと考えています。
この考えを主文とし、それを支える4つの意志を「サステナビリティ方針」として取締役会で決定しています。
この方針のもと、当社グループでは、社会的責任に対する会社の基本姿勢と、それに基づき従業員がとるべき行動の規準を定めた「ニコン行動規範」を策定しています。
サステナビリティ方針ニコングループは、企業理念である「信頼と創造」を事業活動の中で具現化することで、持続可能な社会への貢献と自社の持続的成長の双方を目指します。
・ニコンならではの製品・サービスを生み出し、事業活動を通して、環境・社会課題の解決やSDGs達成に貢献することを目指します。
・自らの事業が環境・社会に与える影響を常に客観的に評価し、課題を継続的に改善していくことで、より良い影響を環境や社会にもたらすよう努めます。
・積極的にステークホルダーとの対話を行うことで、社会の変化を的確にとらえるとともに、ステークホルダーからの要請や期待に応え、自らの活動を常に見直します。
・法令等を遵守するにとどまらず誠実・公正に行動するとともに、適切な情報開示を行います。
(2) ガバナンスサステナビリティ方針をグループ全体に展開し、サステナビリティ戦略を着実に進めていくために、当社グループでは、社長執行役員を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置しています。
委員には、経営委員会メンバー、全事業部長、全本部長を任命しており、監査等委員がオブザーバーとして参加しています。
本委員会では、マテリアリティの見直しをはじめ、それらの課題に対する戦略や目標の設定、各施策の進捗管理、実績の評価及び改善の指示など、サステナビリティに関する活動全般の審議や管理を実施するほか、マテリアリティを中心としたサステナビリティに関するリスクと機会のモニタリングも行っています。
また、本委員会の傘下には、「環境部会」と「サプライチェーン部会」、「人権部会」があり、それぞれの分野における具体的な取り組みを検討し、適宜、本委員会に上申するとともに、年に1回活動を報告しています。
なお、2026年4月より欧州におけるサステナビリティ関連の多様な要請やステークホルダーからの期待に沿った活動を行うため、本委員会の傘下部会として「欧州部会」を新たに設置しました。
本委員会は、原則として年2回開催とし、2025年度についてはマテリアリティの見直しや次年度の目標などに関する臨時開催を含め、計3回開催しました。
審議内容は、取締役会に少なくとも年に1回報告し、取締役会は委員会の活動の妥当性、リスクや機会について監督しています。
これらのサステナビリティに関する取り組みやその目標達成に対する経営の責任を明確にするため、当社の役員報酬制度には、サステナビリティ戦略や人的資本経営への取り組みに対する評価が連動する仕組みを取り入れています。
役員報酬の詳細は「第4[提出会社の状況] 4[コーポレート・ガバナンスの状況等] (4)[役員の報酬等]」に記載のとおりです。
さらに、各事業部や本部においても、年度計画の中で、サステナビリティと事業の双方を一体とした目標を立案しています。
このうちサステナビリティに関する目標は、サステナビリティ委員会で、妥当性の審議や進捗状況の管理を行うとともに、目標管理制度によって、各部門、各従業員にも展開しています。
これにより、サステナビリティがグループ全体に浸透し、目標達成に向けて取り組みが推進される仕組みとしています。
なお、サステナビリティに関するリスクと機会を適切に把握、特定していくため、また、それに対する戦略や指標・目標、実績など、サステナビリティへの取り組み全般にわたって客観的に評価し、継続的に改善していくため、ステークホルダー・エンゲージメントが重要と考えています。
そこで、お客様、株主、従業員、事業パートナー、社会など、当社グループのステークホルダーに対し、IR、顧客とのミーティング、地域社会やNGOとの対話、従業員アンケートなど、さまざまな機会や手法により、積極的にコミュニケーションを図っています。
<サステナビリティ推進体制図(2026年3月31日時点)> <2025年度のサステナビリティ委員会及び傘下部会の主な議題>委員会/部会役割委員長/部会長開催主な議題サステナビリティ委員会サステナビリティに関する課題の特定、戦略や指標・目標の設定、進捗管理など社長執行役員2025年5月・マテリアリティの見直し・人権への取り組み進捗・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)推進・再生可能エネルギー導入計画・2024年度目標に対する実績2025年12月・マテリアリティの見直し・人権部会報告・ニコンEMS*の運用(方針制定と規定改定)・2025年度目標に対する進捗2026年3月・マテリアリティの見直しとKPI・Corporate Sustainability Reporting Directive(CSRD)への対応・2026年度目標・グループ会社のISO14001認証環境部会環境に関するリスクと機会の評価、戦略や指標・目標の設定、進捗管理など生産本部長2025年9月・「ニコンEMS運用方針」の制定及び「ニコン簡易EMS運用規定」の改定・2025年度アクションプランの進捗・2025年度ISO14001外部審査、本部EMSアセスメント報告・有害化学物質特例認定状況報告・再生可能エネルギー導入進捗状況報告2026年2月・2025年度アクションプランの実績見込みと2026年度目標・ISO14001マネジメントレビュー・「ニコン環境マネジメントシステムマニュアル」改定・環境中期目標の変更・グループ会社のISO14001認証・塩化メチレンリサイクル報告・有害化学物質特例認定状況報告・EMS組織体制変更(2026-2027年度) 委員会/部会役割委員長/部会長開催主な議題サプライチェーン部会サプライチェーンに関するリスク等への対応方針・活動計画の設定、進捗管理など生産本部調達・物流統括部長2025年4月・海外M&A先のガバナンス強化・CSR調達・責任ある紛争鉱物調達・調達先品質改善活動・脱炭素化の推進・サプライチェーン見える化・下請法・取引基本契約書の締結推進・グリーン調達2025年10月人権部会人権に関するリスクと機会の評価、戦略や指標・目標の設定、進捗管理など経営管理本部長2025年10月・重要な人権課題2025年度アクションプラン進捗・AI倫理ポリシー・人権リスク調査結果・カスタマーハラスメント対応・人権に関する苦情・相談窓口開設・労働組合とのエンゲージメント2026年2月・重要な人権課題2026年度アクションプラン・人権リスク調査改善計画 * Environmental Management Systemの略称。
環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくための組織体制や手続き等の仕組み (3) 戦略当社グループでは、サステナビリティ方針を実行していくために、中期経営計画や年度計画の策定と併せてサステナビリティに関する計画を立案しています。
中期経営計画(2022-2025年度)においても、事業を支える経営基盤の一つにサステナビリティ戦略を位置づけ、事業戦略と一体のものとして立案しています。
サステナビリティ戦略では、企業理念である「信頼と創造」に基づき、当社グループのマテリアリティ(重点課題)を、ステークホルダーや社会からの「信頼」を得るために必要なことと、事業による社会的価値の「創造」に関することの両視点から捉えています。
その上で、中期経営計画で掲げる「2030年のありたい姿」を実現するために必要なマテリアリティごとのありたい姿と、それらのリスクと機会の双方に適切に対応するための戦略、指標・目標を定めています。
当社グループのマテリアリティは、以下のステップに基づき、経営ビジョンや事業のバリューチェーンとの関連性が高いサステナビリティの課題を抽出し、それらの影響度を評価しています。
その上で、候補としたものをサステナビリティ委員会などで経営層が審議して、経営委員会で決定しています。
また、社会や事業環境の変化に合わせて1~3年に一度見直しています。
中期経営計画(2022-2025年度)を策定した際には、ステークホルダーの観点を重視して従業員の意見を広く集めるとともに、社外有識者と経営層がディスカッションした結果を踏まえてマテリアリティの一部を変更しました。
<マテリアリティ選定プロセス>ステップ1 社会課題の抽出:GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダード(GRIスタンダード)やISO26000、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、SDGsなどから社会的課題を洗い出し、経営ビジョンや事業のバリューチェーンなどを踏まえ、当社グループと関連性の高い課題を34項目抽出 ▼ステップ2 重要度評価:ESG評価機関などが優先する課題、NGOをはじめとした社外や社内とのコミュニケーション、サステナビリティ先進企業のベンチマークなどを踏まえ、抽出した各課題の「社会への影響度」(経済、社会、環境に対する影響度合い)と「ステークホルダーへの影響度」(ステークホルダーの評価や意思決定に対する影響度合い)の双方を評価し、マテリアリティの候補を抽出 ▼ ステップ3 マテリアリティの特定・決定:サステナビリティ委員会で経営層が審議を重ねて12のマテリアリティを特定し、各課題において当社グループの2030年度目標を定め、経営委員会で決定 ▼ステップ4 各マテリアリティに対する目標設定:事業による社会価値の「創造」を中期経営計画の中に盛り込むとともに、各マテリアリティに関する目標を策定 <マテリアリティごとのリスクと機会、ありたい姿と戦略>マテリアリティリスク機会ありたい姿戦略事業①コア技術による社会価値創造多様化する社会において、お客様の体験価値やイノベーション創出に寄与するソリューションを提供できないことによる、顧客の信頼喪失、業績低下社会システムやライフスタイルを改変するソリューションの提供により、社会課題解決へ貢献することによる、持続的成長人と機械が共創する社会の中心企業成長ドライバー、サービス・コンポーネントの拡大②信頼に応える品質の維持・向上お客様ニーズの多様化、高度化に対応できないことによる、信頼喪失、業績低下安全・環境に関する法規制の厳格化に対応した品質が確保できないことによる、市場喪失、社会的信用の失墜お客様ニーズや法規制に対応した品質を確保・向上することによる、お客様と社会からの信頼の向上創造的かつ効率的なものづくりと高い品質による、ブランド価値の向上、事業成長安全、環境、セキュリティに配慮した競争力のある製品・サービスの提供品質マネジメントの高度化と定着環境③脱炭素化の推進気候変動によって増加する気象災害による資産価値の低下や操業停止カーボンプライシング制度などによる財務影響の発生十分な気候変動対策ができないことによる、市場喪失や社会的信用の失墜気候変動の緩和に貢献するビジネスの拡大気候変動対策によるバリューチェーンのレジリエンス向上2050年度までにバリューチェーン全体のネットゼロを実現Scope1、2、3の削減と再生可能エネルギーの導入加速④資源循環の推進資源利用やリサイクル・廃棄物処理・情報開示に関する規制の強化によるコストの増大気候変動を含む水リスクの発生による自社・バリューチェーンでの操業への影響資源循環の取り組みや水リスクへの対処が十分でない場合の市場喪失や社会的信用の失墜サーキュラーエコノミーに貢献するビジネスの拡大資源使用量や廃棄物処理量の削減による事業コストの削減資源循環や水リスクに関するステークホルダーの要求への適切な対応による信頼の獲得バリューチェーン全体における資源消費の最小化と資源循環利用の最大化資源消費量の削減と廃棄物等の削減取水量削減につながる水の有効利用⑤汚染防止と生態系への配慮製品の有害化学物質や操業における大気・排水・土壌の汚染防止に関する規制の強化による事業コストの増大有害物質からの転換に伴う調達リスクの発生ステークホルダーの要請の高まりに対応できない場合の市場喪失や社会的信用の失墜生物多様性保全に貢献するビジネス拡大規制や各種の要請に確実に対応することによるステークホルダーからの信頼獲得バリューチェーンにおける人の健康と生態系への負の影響ゼロ化学物質の適切な使用と生態系への影響・依存の低減 マテリアリティリスク機会ありたい姿戦略社会・労働⑥レジリエントなサプライチェーンの構築自然災害や感染症、紛争などにより原材料や部品の調達が困難になることによる、事業機会の喪失、業績の低下サプライチェーンにおける人権や労働環境、安全衛生、環境などの問題発生による、ブランドイメージの毀損、ステークホルダーからの信頼の低下ESGの観点を持った調達や、調達パートナーとの協働による、サプライチェーンの安定性の向上、事業展開の安定それによる、お客様の信頼獲得、ブランド価値と企業価値の向上事業リスクや社会課題に対し、常に健全な状態が保たれたサステナブルなサプライチェーンサプライチェーンのリスクアセスメントと有事に即応できる仕組み構築⑦人権の尊重バリューチェーンにおける人権の保護・伸長を怠ることによる、ライツホルダーに対する人権侵害による悪影響そうした事態による、ブランド価値の毀損、お客様や社会からの信頼失墜、業績低下人権の保護・伸長に取り組むことによる、社会からの信頼やブランド価値の向上ディーセント・ワークによる、従業員の働きがいや生産性の向上、優秀な人材の確保・定着促進サプライチェーン全体で責任ある調達に取り組むことによる、レジリエントなサプライチェーンの構築事業活動におけるライツホルダー*の人権尊重の取り組みの定着ニコン人権方針による人権啓発と人権デューディリジェンスの実施⑧ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン従業員が持つ多様な価値観、知識、経験、スキル、専門性等が発揮されない職場による、従業員モチベーションの低下、人材の流出、人材獲得力の低下多様性を受容しない組織が行う意思決定や組織運営における同質性のリスクの発生マイノリティや、ユーザーの多様性に配慮しない製品開発、サービス、広告などによる、企業価値の低下DEIの定着による、優秀な人材の獲得と定着、生産性の向上やイノベーションの創出、それによる会社の持続的な成長お客様や社会のニーズに寄り添った製品やサービス、ソリューションの提供による、事業の拡大・成長多様性を受容し事業活動に活かす企業文化の実現Nikon Global DEI Policyの浸透、多様な人材が活躍できる環境整備及びDEIの事業活動への展開⑨従業員の健康と安全従業員の健康と安全が確保されないことによる労働損失の発生職場の負荷偏重による新たな労働災害や従業員の心疾患の発生さらなる生産性低下や社会的信用の失墜すべての人が健康、安全、心豊かに働けることによる、事業計画の遂行従業員のヘルスリテラシーが向上し、健康安全諸活動に自主的に参画する仕組みづくりや職場環境を形成することによる、年度計画の遂行、盤石な人材基盤の構築安全かつ快適な職場環境下で一人ひとりが心身の健康を実感しながら能力を発揮ニコングループ健康安全方針の浸透と、健康安全活動の実施 ガバナンス⑩コンプライアンスの徹底重大なコンプライアンス違反の発生による、ステークホルダーからの信頼失墜、ブランド毀損、ペナルティ、それらによる事業機会の喪失、損失の発生国際的なガイドラインを踏まえた倫理的で誠実な業務活動による、ステークホルダーからの信頼維持、持続的成長倫理観ある健全な職場環境の構築による、従業員のモチベーションとパフォーマンスの向上コンプライアンス違反の発生ゼロニコン行動規範の浸透⑪コーポレート・ガバナンスの強化公正で透明な経営が確保できないガバナンス体制による、ステークホルダーからの信頼の低下、取締役会の実効性の低下適切なリスクテイクの判断の基盤がないことによる、事業機会の損失、持続的成長の阻害実効性のある公正で透明なガバナンスの構築による、会社のレジリエンスの強化、ステークホルダーからの信頼の維持・向上適切なリスクテイクを支える環境を整えることによる、事業機会の獲得・拡大、経営の安定、持続的成長透明性・効率性が高くステークホルダーに信頼されるガバナンス取締役会の実効性評価の継続実施と多様性向上⑫リスクマネジメントの強化事業環境の変化や発生が予想されるリスクに適切かつ計画的に対応できないことによる、経営上重大な被害の発生社会情勢や環境の変化に対して、自社における経営上の重要リスクを的確に把握して、優先度をつけて対応することによる、ステークホルダーからの信頼、健全な関係の維持・発展重要リスクに対する対策が適切に講じられている環境変化と経営戦略に即した全社的リスクマネジメント体制の確立 * 人権の主体となる人のことであり、人権を侵害されている、又はされる可能性がある人々を指す なお、当社グループでは、2026年4月より新たな中期経営計画(2026-2030年度)をスタートするにあたり、「マテリアリティ」を見直すとともに、サステナビリティ重視の経営を掲げ、特に注力して取り組む「重点テーマ」を選定しました。
具体的には、事業と連動した3つの「価値創造のための重点テーマ」として、「事業による社会価値創造」「多様な人材と組織力の強化」「共創型バリューチェーンの深化」を特定しました。
当社グループが事業を通じて貢献していく貢献領域としては、「心の豊かさ」「医療高度化と健康」「デジタル社会の未来」「ものづくりソリューション」と定めました。
また、人・社会・地球環境の課題と向き合い、持続可能な社会の一員として責任を果たすための8つの「信頼向上のための重点テーマ」として、「バリューチェーンにおける人権尊重」「製品・サービスの品質と安全」「サプライチェーンのレジリエンス」「情報セキュリティ・サイバーセキュリティ」「気候変動への対応」「資源循環の推進」「汚染防止と生態系への配慮」「コンプライアンスの徹底」を特定しました。
この8つの重点テーマに対しては、それぞれ、ありたい姿と戦略、指標・目標を定め、価値創造を支えていきます。
<中期経営計画(2026-2030年度)における重点テーマ> (4) リスク管理サステナビリティ関連のリスクは、専門的な対応が継続して必要なものとして、サステナビリティ委員会においてリスクの把握、評価、及び対応を審議しています。
具体的には、ESGに関する外部調査やその結果の分析、業界団体などからの情報収集、ステークホルダーとのダイアログ、人権リスク調査やグループ内サステナビリティ調査、調達パートナーへのCSR調査・監査などを通じて、マテリアリティを中心としたリスクと機会の把握に努めています。
把握したリスクと機会は、サステナビリティ委員会とその傘下部会の事務局及び関係する部門が適時共有、評価しています。
中でも重要なリスクと機会については、サステナビリティ戦略部担当役員と協議のうえ、サステナビリティ委員会又はその傘下部会の議題とし、対応を審議しています。
サステナビリティ全般に係るリスクと機会については、マテリアリティを見直すプロセスの中で把握、評価し、マテリアリティの選定時に活かしています。
また、当社グループのリスク全般を管轄する「リスク・コンプライアンス委員会」と、サステナビリティのリスク管理に関する連絡会を設置しています。
連絡会では、定期的に情報を共有し、両委員会で対応すべき案件や事案の洗い出しなど、必要に応じた対応を連携して行っています。
その上で、リスク・コンプライアンス委員会において、経営に重大な影響を及ぼすリスク全体に対する対応を適切に管理しています。
リスク・コンプライアンス委員会の詳細は「3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
(5) 指標及び目標当社グループで定める各マテリアリティについて、指標・目標、当事業年度における実績は以下のとおりです。
今後も社会の動向や会社の事業活動の変化などを踏まえ、ステークホルダーと対話しながらサステナビリティに関するマテリアリティや戦略、それに対する指標・目標を見直していきます。
<マテリアリティに関する指標及び目標と2025年度実績>マテリアリティ指標目標(達成年度)2025年度実績事業①コア技術による社会価値創造成長ドライバーの連結営業利益に占める比率40%以上(2030年度)※事業拡大に取り組んだが、連結営業利益が赤字となったため本指標は算出せずサービス・コンポーネントの連結営業利益に占める比率50%以上(2030年度)②信頼に応える品質の維持・向上事業環境の変化に対応した品質マネジメントシステムの見直し計画の達成度100%(毎年度)100%・グローバル化に対応した新しい品質管理指針(QMD)を2026年3月に制定品質マネジメントシステムの運用状況モニタリング・改善計画の実施率100%(毎年度)100%・計画に従い、8つの部門及び会社のアセスメントを実施品質に関する基本教育の理解度(事業部、グループ生産会社)80%以上(2025年度)92%*1・事業部、国内外グループ生産会社に対し品質管理検定(QC検定)3級・4級のeラーニング教育を実施・海外グループ会社への品質管理基本教育のトライアル完了環境③脱炭素化の推進Scope1、2削減率(2022年度比)*257%(2030年度)64.5%Scope3削減率(2022年度比)*225%(2030年度)・新製品に対してLCA*3算出100%実施・新製品の約59%を環境配慮製品に認定再生可能エネルギー導入率100%(2030年度)76.0%④資源循環の推進廃棄物総排出量削減率(2018年度比)10%以上(2030年度)15.8%淡水消費量削減率(2018年度比)5%(2030年度)10.6%製品へのリサイクル材使用率5%以上(2030年度)・映像製品の一部にリサイクル材採用など⑤汚染防止と生態系への配慮製造プロセスにおける有害化学物質の使用使用ゼロ(2030年度)・有害化学物質ガイドラインに基づき、禁止ランク物質のうちPRTR*4対象の物質の新規投入量を2023年度比で16%削減製品における有害化学物質の含有含有ゼロ(2030年度)・法規制違反ゼロFSC認証紙*5又は再生紙の比率(カタログ、取扱説明書、梱包箱)100%(2030年度)・製品カタログ、取扱説明書の電子化及びFSC認証紙化を実施・新規発注分の製品カタログについては、96%がFSC認証紙対応 マテリアリティ指標目標(達成年度)2025年度実績社会・労働⑥レジリエントなサプライチェーンの構築人権デューディリジェンス実施*6率(重点的に取り組む調達パートナー)100%(2025年度)100%・重点的に取り組む調達パートナーのCSR調査票診断を実施(対象:4社)・2024年度CSR監査・書面改善要請の改善完了(対象:監査2社、書面改善1社)・2024年度調査報告書公表と2025年度責任ある鉱物調査及び人権デューディリジェンスを実施サプライチェーンのBCP体制把握*7100%(2025年度)100%・重要な調達先拠点情報(2次迄)の可視化完了(51社)⑦人権の尊重人権方針浸透度100%(2030年度)・経営層向け会議及び社内ポータル、ニュースレターにて人権方針の改定を周知・国内全従業員に対しeラーニングによる教育を実施・海外従業員向けの教育教材を地域統括拠点へ展開。
各地で教育を実施自社における人権デューディリジェンス(RBA*8ベースの人権リスク調査)実施率100%(2025年度)100%・ニコン本社及び全製作所、国内外全グループ会社において人権リスク調査を実施し、結果に基づく改善計画策定完了。
改善計画の実行開始⑧ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンNikon Global DEI Policy浸透度100%(2030年度)・地域統括拠点と協議の結果、地域差を考慮し、各地域・各社で従業員への浸透活動を行うとともに、現地の状況に即した取り組みを実施・ポリシーを読んだことがある人の割合は、2023年度調査より約8pt向上(ニコン:87.7%、グループ会社:83.3%)・部課長向けDEI研修の実施と、プレマネジメント層(課長代理・係長)への拡大(部長・課長:99名、課長代理・係長:82名)女性管理職比率(ニコン)8.0%以上(2025年度)・女性管理職比率8.0%(ニコン)(2026年3月31日時点)・新卒採用における女性比率34.2%(ニコン)(2026年4月入社)⑨従業員の健康と安全業務起因性、業務遂行性の高い労働災害件数60件以下(2025年度)43件・転倒関連の災害リスク確認と転倒リスク測定、各リスクアセスメントを実施(国内ニコングループ)・雇入れ時教育、職長教育、特別教育、作業主任者能力向上教育等を実施・国内外グループ会社への情報を共有(災害事例や措置等含む)定期健康診断有所見率(国内ニコングループ)前回全国平均*9以下(毎年度)53.5%(国内ニコングループ)・産業医、保健スタッフによる保健指導や受診勧奨を必要な従業員に対して実施・ヘルスリテラシー教育の一環として、男性更年期セミナー、女性更年期セミナー、適正飲酒セミナーを実施ストレスチェック高ストレス者率(ニコン)前回全国平均*10以下(毎年度)13.8%(ニコン)・ストレスチェック、高ストレス者への産業医面接指導、個別カウンセリング、入社者に対する体験カウンセリングを実施・ラインケアの一環として管理職向けストレスチェック集団分析結果読み方説明会を実施・コミュニケーション能力向上、セルフケアの一環として、アンガーマネジメント基礎研修を実施 マテリアリティ指標目標(達成年度)2025年度実績 ガバナンス ⑩コンプライアンスの徹底コンプライアンス意識の定着*1195%以上(2025年度)96%・行動規範の浸透のため、eラーニングや、コンプライアンス推進担当者による職場での教育を実施・意識調査を実施し職場ごとの浸透度を確認。
結果が低調だった部門へヒアリングを実施し、改善施策などを協議内部通報制度の認知度*1195%以上(2025年度)97%・国内ニコングループでは、企業倫理コーディネーター連絡会で制度を周知(新任向け説明会で制度におけるその役割を再確認、制度利用にあたっての注意喚起) ⑪コーポレート・ガバナンスの強化取締役会の実効性評価と重点課題対応100%(毎年度)100%・2024年度実効性評価で抽出した課題について、モニタリング強化に向けた対応等を実施・2025年度実効性評価を実施、2026年4月の取締役会に結果を報告、対応を協議取締役会のダイバーシティ ステークホルダーの要請に応える取締役会構成の最適化(毎年度)・2026年度の取締役会構成を指名審議委員会で審議、決議。
次年度以降の体制も継続的に検討⑫リスクマネジメントの強化リスクアセスメントに基づく重要リスクの特定と施策実施の進捗度100%(毎年度)100%・グループ全体の重要リスクをリスク・コンプライアンス委員会にて審議、特定し、取締役会に報告。
新中期経営計画策定時に、ユニットごとに影響が大きい重要リスクを特定し、その対応を立案。
モニタリングの実施主体と対象リスクを決定し、リスク・コンプライアンス委員会にて報告情報セキュリティ:・各国法令への対応を見据え、製品サイバーセキュリティ対策の全社的な基盤を構築し、製品インシデント対応手順、仕組みを整備・国内外の事業部門及びグループ会社と連携してNikon-PSIRT*12体制を整備し、脆弱性報告窓口の開設、SBOM*13管理基盤とセキュア開発ルールの導入を完了 *1 理解度テストまで完了した受講率*2 Scope1は直接的な温室効果ガス排出、Scope2は間接的な温室効果ガス排出、Scope3はScope1、2を除く間接的な温室効果ガス排出*3 Life Cycle Assessmentの略称。
ライフサイクル全体の環境負荷を評価する手法*4 Pollutant Release and Transfer Registerの略称。
化学物質排出移動量届出制度 *5 適切に管理された森林の木材を使って作られたことが保証されている紙*6 調査や監査により是正が必要な場合は改善完了まで実施*7 BCP体制構築に必要とされるサプライチェーンの範囲を調達先の社数にて管理*8 Responsible Business Alliance*9 厚生労働省が公表する製造業の全国平均値。
2024年度は59.4%*10 ストレスチェック委託業者が公表する全国平均値。
2024年度は14.7%*11 ニコングループ意識調査により確認*12 Product Security Incident Response Teamの略称。
製品インシデント発生時の対応を行う専門組織*13 ソフトウェア部品表 (6) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、これに関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績① 人材に対する基本的な考え方当社グループは、「信頼と創造」という企業理念のもと、コア技術である光利用技術と精密技術をベースに製品やソリューションを提供しています。
人々や産業における希望や期待に応え、より豊かな社会の実現をサポートするグローバル企業です。
その担い手となるのは、「当社グループで働く多様な人材」です。
当社グループはこれまでも、様々な能力や価値観、経験を持つ人材が集まり、その才能を活かし合うことで、創立100年を超える実績と世界に誇る高いものづくり力を築き上げてきました。
従業員一人ひとりの成長と、その力を最大限に活かし合うことが、チームや組織力を向上させ、当社グループの成長につながっていきます。
さらなるグローバル化や価値観の多様化が進む中で、当社グループと、そして従業員一人ひとりが社会やお客様から求められる存在になるためには、会社と従業員が共に成長していく関係でなければなりません。
そのために、当社グループは会社の目指す方向性や組織の目標を明確に示し、これに連動した人材戦略を実行することで、多様な従業員がその能力を最大限に発揮し、自身と当社グループの成長を実感できる環境や活躍の機会を提供していきます。
従業員に求められるのは、その機会を逃すことなく、主体的・継続的にスキルを磨き続ける姿勢です。
当社グループは、成長に向けて挑戦し、努力する従業員を支援するとともに、成果を出し、組織に貢献した従業員には、その活躍に公正かつ公平に報いていきます。
また、変化に対応し、多様化する社会やお客様の課題に応えるためには、当社グループで働く人材が持つ多様な知識や経験、価値観、専門性などを活かす必要があります。
共に働くメンバーの個性や能力を認め合い、活かし合うことのできる職場環境や企業文化の醸成に向け、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」(DEI)を推進していきます。
このことが、当社グループの社会やお客様への価値提供力を高め、従業員のやりがいやエンゲージメントを高めることにつながり、チームのため、自分の成長のために主体的に考え、行動する、自律した「個」の形成へとつながる好循環を生み出します。
当社グループは多様な従業員一人ひとりと共に成長し、企業理念である「信頼と創造」の実現と、持続可能な社会に貢献し続ける企業を目指します。
<2026年3月31日時点> ② 中期経営計画と連動した人材戦略中期経営計画(2022-2025年度)の軸となる方針は、ソリューション提供の強化による「主要事業の安定化」と「戦略事業の収益拡大」です。
また、世界中のお客様が求めているモノやコトの「本質」を理解し、完成品・コンポーネント・サービスをお客様にとって最適な形で提供していくことは、すべての事業に共通する戦略であり、当社グループのコア技術と他社とのオープンイノベーションを組み合わせるなど、社内外のシナジー強化にも取り組みながらビジネスモデルの変革を進めます。
こうした経営戦略の担い手となる人材には、次のような要素が求められます。
・環境変化に柔軟に対応し、社会・顧客起点の発想や価値提供ができること・組織やチームの目標達成のために自律的に考え、行動できること・国・地域・事業を超えて多様な人材や組織と協働できること・新たな価値観と既存の価値観を掛け合わせ、シナジー創出ができること特に、成長領域においては、顧客開発とソリューションビジネスの強化をリードする人材の獲得が急務となっています。
また、既存領域においては、当社グループの強みである「ものづくり」を支える人材が今後不足する見込みです。
このように、ありたい姿の実現に向けた人材の質的転換と量的確保が求められる中、世界的な人材流動化や獲得競争の激化があり、経営戦略を実践する人材の確保への危機意識が高まっています。
こうした経営戦略上の要請や現状認識を踏まえ、当社グループでは、人材の「獲得」「育成」「活躍」の3点を人的資本経営の考え方に基づく人材戦略の柱に据え、それぞれ以下の方針のもとで各施策を展開しています。
経営戦略と人材戦略を一体のものとして推進を図るため、求められる人材やスキルの具体的な定義や各施策の検討は、社長執行役員以下の経営層が中心となり、人事部門と連携のうえ行っています。
2025年度は、中期経営計画(2022-2025年度)の期間における各施策の振り返りや、新たな中期経営計画(2026-2030年度)の策定に向け、課題整理等を行いました。
<人材戦略の3つの柱と取り組み> 獲得育成活躍方針事業運営上必要な人材を安定的に確保する。
経営戦略上獲得が急務な人材については新規採用やM&A等により早期獲得を目指す。
業務遂行に必要なスキルや役割、キャリアパスなどを明確化し、自律的な成長を促すための幅広い教育、育成の機会を提供する。
中核人材やグローバル人材については戦略的な登用や配置により計画的に育成する。
多様な従業員が自律的に成長する姿勢とチームに貢献する意識を持ち、その能力を最大限に発揮できる環境(制度・職場環境・企業文化等)の構築を推進する。
重点項目・ビジネス開発人材、技術営業など重点的に獲得・採用ブランディングの強化・獲得プロセス・体制の強化・雇用・労働条件の柔軟化・中核人材の早期選抜と計画的な育成・人材グローバル化に向けた戦略配置・キャリアデベロップメント、リスキルプログラムの拡充・若手・キャリア採用者が成長活躍できる環境整備・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進・実力・意欲重視の抜擢・登用主な進捗(2022-2025年度)・国内グループにおいて4期連続の賃上げの実施、4期合計で2,400名超の新規採用を行い、多様な知と経験の獲得や年齢分布の是正等が進展・新卒採用における職種別採用(2022年度導入)の実施による適材適所の人材配置の強化・経営トップ自らが「経営人材」を早期に選抜、経営層が育成主導・各事業におけるソリューションエンジニアの定義及び選抜と計画的育成、経営層によるモニタリングの実施・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンに関するニコングループ共通の考え方を示した「Nikon Global Diversity, Equity & Inclusion Policy」を制定、マネジメント向け研修の導入など階層別の理解浸透策を実施・キャリア採用者の定着や活躍を支援する教育やモニタリング制度など環境整備・海外出向者の処遇、福利厚生制度の抜本的な見直しの実施 なお、2026年度から開始する新たな中期経営計画においては、人的資本経営に関する考えを継続させたうえで、ソリューションエンジニアなど、組織の要として「活躍」する人材を「育成」するフェーズへシフトしていきます。
③ 人材戦略を支える基盤となる人事制度当社グループでは、対話・コミュニケーションを重視し、従業員の意欲を引き出し、能力を最大限に発揮できる職場環境を整備することを基本方針として、会社ごとに人事制度を定めています。
また、年齢や性別などにかかわらず、パフォーマンスを重視した公正な評価・処遇を行い、従業員一人ひとりの職務・役割の遂行や成果の創出を促進しています。
そして適性や能力、意欲に応じた職務や役割を従業員に付与し、自律的にキャリアを考え、能力開発に取り組むことを支援しています。
当社においては、年齢や性別等を問わず、担当する職務・役割の水準や、その成果を重視して処遇を決定する職責等級制度を導入しています。
全従業員にプロフェッショナルとしての自律性や専門性を求める狙いから、時間管理対象の組合員層を「プロフェッショナル等級」に格付け、時間管理対象外の従業員(非組合員層)を「高度プロフェッショナル等級」、役職につく場合は「マネジメント等級」に格付けます。
プロフェッショナル等級の月例賃金は、「基本給」のほか、条件を満たす場合に支給する手当で構成します。
高度プロフェッショナル等級及びマネジメント等級の月例賃金は、「月手当」と、条件を満たす場合に支給する手当で構成します。
いずれの等級においても年に2回、賞与を支給します。
全等級において、評価は、職責評価と成績評価の2種類により行います。
担当する職務・役割の水準を評価する職責評価に基づいて等級区分を決定し、基本給又は月手当を決定します。
さらに、各評価期間における個々人の成果に対する成績評価は、賞与金額の算定に用います。
なお、プロフェッショナル等級においては、成績評価の結果を基本給にも反映します。
各職責、各等級における報酬水準は、外部機関による報酬調査データ等を参考にし、競合他社の動向をベンチマークすることにより、市場に対し競争力のある水準を担保しています。
各人の職務・役割やパフォーマンスを重視した仕組みとすることで、一人ひとりの成果・成長を企業価値向上につなげ、企業理念の実現と、持続可能な社会に貢献し続ける企業を目指します。
④ 人材戦略を支える基盤となる文化・環境(ⅰ) ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン当社グループでは、DEI推進を人的資本経営における重要施策の一つと位置づけ、年齢や性別、国籍等を問わず、多様な従業員一人ひとりが、その能力を最大限に発揮し、活躍することのできる機会の提供と環境整備に取り組んでいます。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンに関するニコングループ共通の考え方を示した「Nikon Global Diversity, Equity & Inclusion Policy」(Nikon Global DEI Policy)を従業員一人ひとりの判断や行動のベースとなる大切な考え方として浸透させるべく、「Nikon Global DEI Policy浸透度」をグローバル共通のKPIに設定しています。
Nikon Global DEI Policyの内容を従業員により分かりやすく伝えるためのコミュニケーションブックの発行のほか、トップメッセージの継続的な発信等を行っています。
また、組織運営の中核を担うマネジメント層の意識改革をグローバル共通のテーマと位置づけ、国内外グループ会社の社長向けワークショップの開催や、当社部課長向けのDEIマネジメント研修の導入等を行いました。
当社グループは、Nikon Global DEI Policyの下、一人ひとりがチームの一員としての居場所を感じ、個々の能力を活かし合うことのできる職場環境や企業文化の醸成を図るとともに、各地の法令や事業特性などを踏まえた具体的な取り組みを、グループ全体で、又は会社・事業ごとに推進していきます。
KPI対象範囲目標値2025年度実績Nikon Global DEI Policy浸透度ニコングループ100%(2030年度)ポリシーを読んだことがある人の割合は、2023年度調査より約8pt向上(ニコン:87.7%、グループ会社:83.3%) なお、当社における多様な従業員の活躍推進に関する取り組みは、以下のとおりです。
・女性活躍推進一般的に、技術系職種に占める女性の割合は他の職種に比べて低く、技術系職種の従業員が多い当社においても、女性活躍推進は重要な課題の一つです。
女性が当社の意思決定や組織運営により深く関わり、多様な視点をもたらす状態を目指し、その活躍状況を測る指標の一つとして「女性管理職比率」をKPIに設定しています。
職場における計画的な育成・登用の推進、キャリア開発支援など、比率向上に向けた取り組みを実施しています。
また、女性従業員数を安定的に確保するため、「新卒採用における女性比率」を25%以上とする目標を2016年度から継続的に掲げ、技術系分野をはじめとした女性向けの採用イベント等にも積極的に参加しています。
さらに、女性のみならず、育児や介護など、多様な事情を持つ従業員がライフステージに応じた柔軟な働き方の選択ができるよう、制度や環境の整備にも取り組んでいます。
これらの多様な働き方に対する支援や継続的な取り組みが評価され、厚生労働大臣より「プラチナくるみん」「えるぼし(2段階目)」の認定を取得しています。
KPI対象範囲*目標値2025年度実績女性管理職比率株式会社ニコン2025年度末までに8%以上8.0%新卒採用における女性比率株式会社ニコン25%以上 34.2% * 当社グループでは、「Nikon Global DEI Policy浸透度」をグローバル共通の指標に設定しています。
DEIに関する課題は、国や地域、各社や事業特性や状況によって異なることから、Nikon Global DEI Policyの下、その具体的な課題設定は各社、事業毎に一任しています。
こうした背景から、女性活躍推進については、当社では目標設定及び進捗管理を実施して取り組んでいるものの、グループ全体としては実施していません。
そのため、上記指標に関するグループ全体の目標及び実績の記載は困難であり、当社のみを対象範囲として記載しています。
・キャリア人材の活躍支援中期経営計画(2022-2025年度)の期間において、キャリア人材の採用を強化しました。
当社がこれまで培ってきた技術とともに、新たな領域へ向かうためには、多様なスキル・知識・経験を活かすことが重要です。
前職で培った知見を存分に発揮できるよう、キャリア人材の定着促進や活躍を支援する研修・教育、定期モニタリングを実施するなど、早期活躍を目指したフォロー体制を強化しています。
2026年3月末時点における当社の管理職に占めるキャリア採用者の割合は38.2%です。
<株式会社ニコン> <女性従業員比率・女性管理職比率の推移>     <管理職に占めるキャリア採用者の比率> そのほか、障がい者やシニア従業員など多様な従業員の活躍支援に関する取り組みを実施しています。
当社における取り組みの詳細は、「サステナビリティ報告書」をご参照ください。
2025年度の情報は、当社ウェブサイト(https://www.jp.nikon.com/company/sustainability/report/)に2026年7月中旬に公開予定です。
(ⅱ) 従業員の健康と安全従業員の健康と安全は、企業活動の基盤です。
従業員が心身ともに健康かつ安全な状態で働くことができる職場環境を整備・提供することは、組織の活力や生産性の向上につながると考えています。
この考えのもと、当社グループでは「ニコングループ健康安全方針」を策定し、同方針に基づく施策を「健康安全活動」として毎年展開しています。
当社グループは、法令遵守、安全管理の徹底による労働災害の抑止を重点項目と位置づけ、次のKPIを設定して、グループ全体の労働災害の発生防止に努めています。
KPI対象範囲目標値2025年度実績業務起因性、業務遂行性の高い労働災害の発生数ニコングループ60件以下43件 国内ニコングループにおいては、従業員の健康の保持・増進(ヘルスリテラシーの向上)及び対話による活力ある職場環境づくり(コンフォート、コミュニケーションの向上)を重点項目と位置づけ、教育やイベントの実施等各施策に取り組むとともに、次のKPIを設定しています。
KPI対象範囲*1目標値2025年度実績定期健康診断における有所見率国内ニコングループ毎年度:前回全国平均*2以下53.5%ストレスチェックにおける高ストレス者率株式会社ニコン毎年度:前回全国平均*3以下13.8% *1 定期健康診断・ストレスチェックのいずれも日本国内の制度であること、また、ストレスチェックについては日本国内でも実施義務の有無は会社規模によって異なることから、グループ全体を対象とするKPI設定やデータ管理は行っていません。
そのため、「定期健康診断における有所見率」については国内ニコングループ、「ストレスチェックにおける高ストレス者率」については当社を対象範囲として記載しています。
*2 厚生労働省公表の製造業の全国平均値。
2024年は59.4%*3 ストレスチェック委託業者公表の全国平均値。
2024年は14.7% そのほか、当社グループにおける従業員の健康と安全に関する具体的な取り組みの詳細は、「サステナビリティ報告書」をご参照ください。
2025年度の情報は、当社ウェブサイト(https://www.jp.nikon.com/company/sustainability/report/)に2026年7月中旬に公開予定です。
(7) 気候変動への対応当社グループでは、「気候変動への対応」を重要な社会課題と認識し、脱炭素化の推進をマテリアリティの一つとしています。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が推奨する開示項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿って気候関連情報を体系的に整理し開示しています。
「脱炭素社会の実現」をニコン環境長期ビジョンと位置づけ、2050年度までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量の実質ゼロ*1を達成することを目指しており、2030年度までの削減目標とあわせてScience Based Targets(SBT)イニシアチブ*2からネットゼロ目標として認定を受けています。
これらの目標の達成に向け、当社グループでは製品、事業所、物流などのバリューチェーンの各段階での温室効果ガス排出の削減に取り組んでいます。
また一方で、気候変動によるビジネスにおける機会を認識しており、社会の脱炭素化に貢献する製品・ソリューションの提供に注力しています。
*1 バリューチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)を90%削減し、残余排出量はSBTイニシアチブが定める基準に従って中和すること。
*2 気候変動など環境分野に取り組む国際NGOのCDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)による国際的な共同イニシアチブ。
パリ協定の「世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べて2℃未満に抑える」という目標に向け、科学的根拠に基づく削減のシナリオと整合した企業の温室効果ガス削減目標を認定している。
① ガバナンス当社グループでは、社長執行役員が委員長を務めるサステナビリティ委員会においてサステナビリティに関するリスクと機会を特定、戦略と指標・目標、ならびにその実績を審議、脱炭素関連の投資可否を決定しています。
そして本委員会傘下の環境部会において、気候変動に関するリスクと機会を検討、戦略と指標・目標の起案及び進捗管理を実施しています。
サステナビリティ委員会での決定に基づき、サステナビリティ戦略部門が全社の気候変動対応を推進しています。
本委員会の活動状況は少なくとも年1回取締役会に報告し、取締役会にて気候変動を含む環境関連の活動の妥当性、有効性やリスクについて管理・監督しています。
2025年度は、サステナビリティ委員会を3回、環境部会を2回開催し、気候変動対応に関する事項を審議・決定しました。
なお、サステナビリティ委員会の詳細は「(2)ガバナンス」に記載のとおりです。
<環境推進体制図(2026年3月31日時点)> ② 戦略当社グループは、マテリアリティの一つに「脱炭素化の推進」を設定し、気候関連リスクと機会についてシナリオ分析を行い、リスクと機会を評価、特定しています。
これらに基づき、中期経営計画を通して対策、実行し、気候変動を含むサステナビリティへの取り組みに対する評価を役員報酬に反映しています。
なお、ニコンでは、2026年4月からの中期経営計画(2026-2030年度)に合わせて「マテリアリティ」を見直し、サステナビリティ戦略と経営戦略とを一体のものとして特に注力して取り組む「重点テーマ」を選定しました。
人・社会・地球環境の課題と向き合い、持続可能な社会の一員として責任を果たすため「信頼向上のための重点テーマ」として「気候変動への対応」を特定し、取り組みを継続しています。
③ リスク管理リスク・コンプライアンス委員会が当社グループのリスクを全社的に管理するとともに、サステナビリティ委員会が専門的見地から気候変動を含む環境リスクについて把握・評価し、対応を協議しています。
各委員会で議論、承認された内容は、取締役会に報告されます。
特定したリスクの潜在的影響額については、中期経営計画の財務シミュレーションにおいて、他の潜在的要素とともに把握・認識しています。
特定したリスクにおいて、法規制に関係するリスク、全社的に関係するリスク、複数の事業をまたがって関係するリスクなどは優先度を上げて対応しています。
なお、リスク・コンプライアンス委員会の詳細は「3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
④ 指標及び目標指標目標Scope1、2削減率*1、*2(2022年度比)2030年度:57%2025年度:52%Scope3削減率*3(2022年度比)2030年度:25%2025年度:・LCA手法を活用した環境負荷低減・環境配慮製品創出50%以上再生可能エネルギー導入率(RE100*4にコミットしている目標)2030年度:100%2025年度:71% *1 Scope1 敷地内における燃料の使用などによる直接的な温室効果ガス排出のこと*2 Scope2 購入した電気・熱の使用により発生する間接的な温室効果ガス排出のこと*3 Scope3 バリューチェーンにおける事業活動に関する間接的な温室効果ガス排出のこと(Scope1、2を除く)*4 CDPと非営利組織The Climate Groupがパートナーシップのもと運営する国際的イニシアチブ。
事業活動で使用する電力の100%を再生可能エネルギーで調達することを目標としている 2025年度の温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)及び電力の再生可能エネルギー使用率は以下の結果になりました。
引き続き、ニコン環境中期目標に沿って脱炭素化の推進に取り組みます。
気候変動シナリオ分析について当社グループでは、気候関連リスクと機会について、事業の特性や生産拠点・事業所の立地条件、近年の気候変動起因による自然災害の度合いと頻度、業界の動向、関連する法令の動向、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の気候変動予測に用いられているRCP(代表的濃度経路)シナリオや外部の調査機関による調査結果・シナリオを総合的に考慮した分析を行い、2℃及び4℃シナリオ下におけるリスクの評価、特定を行っています。
2℃シナリオでは、温室効果ガス排出規制などの強化やそれに伴う市場要求を認識し、4℃シナリオでは、洪水などの自然災害の増加や気温上昇を認識しています。
いずれのシナリオにおいても、再生可能エネルギーへの移行によるコストの変化を認識し、財務への影響を考慮して事業戦略として気候変動への適応対策を行っています。
リスク分析は継続して実施し、精度を高めていきます。
<気候変動によるニコングループへのリスク>・財務影響 大:100億円以上、中:10億円~100億円、小:10億円以下・緊急度  高:3年以内、中:3~10年、低:10年以上ニコングループへのリスク財務影響緊急度対応物理(急性・慢性)・台風・水害などの気象災害が増加した場合、主要生産拠点(日本・タイなど)やサプライヤーの拠点の被災、物流網の寸断などにより供給/操業が停止したり資産価値が低下したりする可能性がある。
また、海面上昇によりこれらのリスクの発生確率が高まる可能性がある。
大中・レジリエントなサプライチェーンの構築・BCMの推進・平均気温が上昇した場合、冷房などの空調設備の負荷増大により電力コストが増加する可能性がある。
特に、精密機器の製造・輸送などの過程で必要な厳密な温度管理が困難になる、又は管理コストが増加する可能性がある。
小低・積極的な省エネ活動の推進・長期的な降水パターンの変化や干ばつの発生により水資源の利用が制約され、操業に悪影響が生じる可能性がある。
中低・取水量の削減・水資源のリサイクル促進移 行 政策・法規制・炭素税等のカーボンプライシング政策が導入・拡大された場合、事業コストが増大する可能性がある。
また、サプライヤーへの適用により仕入価格が上昇する可能性がある。
・事業拠点を有する国のエネルギー政策の変更により、電気料金が上昇し、事業コストや仕入コストが増加する可能性がある。
大中・省エネの推進、再エネ導入による温室効果ガス排出の削減・モーダルシフトや物流ルート改善による温室効果ガス排出の削減・サプライヤーへの温室効果ガス排出削減の要請技術・製品使用時の排出削減、製造法・素材の低炭素化に乗り遅れた場合、販売機会が減少する可能性がある。
大低・省エネの推進、再エネ導入による温室効果ガス排出の削減・製品の省エネ性能向上・新素材・製造法の構築市場・評判・顧客の脱炭素要求に十分に応えられない場合、販売機会が減少する可能性がある。
・脱炭素対応が十分でない場合、評価・評判を損ない、株価や売上に影響する可能性がある。
中低・省エネの推進、再エネ導入による温室効果ガス排出の削減・積極的な情報開示の推進 <気候変動によるニコングループにとっての機会>・時間的範囲 短期:3年以内、中期:3~10年、長期:10年以上ニコングループにとっての機会時間的範囲・脱炭素社会の実現に貢献する技術やビジネス展開に対する消費者/機関投資家などからの評価が高まり、売上が増加し株価が上昇する可能性がある。
- 社会のエネルギー効率向上に貢献する光を使った付加加工や微細加工- 既存部品の補修などで製品の長寿命化に貢献する付加加工- ものづ
戦略 (3) 戦略当社グループでは、サステナビリティ方針を実行していくために、中期経営計画や年度計画の策定と併せてサステナビリティに関する計画を立案しています。
中期経営計画(2022-2025年度)においても、事業を支える経営基盤の一つにサステナビリティ戦略を位置づけ、事業戦略と一体のものとして立案しています。
サステナビリティ戦略では、企業理念である「信頼と創造」に基づき、当社グループのマテリアリティ(重点課題)を、ステークホルダーや社会からの「信頼」を得るために必要なことと、事業による社会的価値の「創造」に関することの両視点から捉えています。
その上で、中期経営計画で掲げる「2030年のありたい姿」を実現するために必要なマテリアリティごとのありたい姿と、それらのリスクと機会の双方に適切に対応するための戦略、指標・目標を定めています。
当社グループのマテリアリティは、以下のステップに基づき、経営ビジョンや事業のバリューチェーンとの関連性が高いサステナビリティの課題を抽出し、それらの影響度を評価しています。
その上で、候補としたものをサステナビリティ委員会などで経営層が審議して、経営委員会で決定しています。
また、社会や事業環境の変化に合わせて1~3年に一度見直しています。
中期経営計画(2022-2025年度)を策定した際には、ステークホルダーの観点を重視して従業員の意見を広く集めるとともに、社外有識者と経営層がディスカッションした結果を踏まえてマテリアリティの一部を変更しました。
<マテリアリティ選定プロセス>ステップ1 社会課題の抽出:GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダード(GRIスタンダード)やISO26000、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、SDGsなどから社会的課題を洗い出し、経営ビジョンや事業のバリューチェーンなどを踏まえ、当社グループと関連性の高い課題を34項目抽出 ▼ステップ2 重要度評価:ESG評価機関などが優先する課題、NGOをはじめとした社外や社内とのコミュニケーション、サステナビリティ先進企業のベンチマークなどを踏まえ、抽出した各課題の「社会への影響度」(経済、社会、環境に対する影響度合い)と「ステークホルダーへの影響度」(ステークホルダーの評価や意思決定に対する影響度合い)の双方を評価し、マテリアリティの候補を抽出 ▼ ステップ3 マテリアリティの特定・決定:サステナビリティ委員会で経営層が審議を重ねて12のマテリアリティを特定し、各課題において当社グループの2030年度目標を定め、経営委員会で決定 ▼ステップ4 各マテリアリティに対する目標設定:事業による社会価値の「創造」を中期経営計画の中に盛り込むとともに、各マテリアリティに関する目標を策定 <マテリアリティごとのリスクと機会、ありたい姿と戦略>マテリアリティリスク機会ありたい姿戦略事業①コア技術による社会価値創造多様化する社会において、お客様の体験価値やイノベーション創出に寄与するソリューションを提供できないことによる、顧客の信頼喪失、業績低下社会システムやライフスタイルを改変するソリューションの提供により、社会課題解決へ貢献することによる、持続的成長人と機械が共創する社会の中心企業成長ドライバー、サービス・コンポーネントの拡大②信頼に応える品質の維持・向上お客様ニーズの多様化、高度化に対応できないことによる、信頼喪失、業績低下安全・環境に関する法規制の厳格化に対応した品質が確保できないことによる、市場喪失、社会的信用の失墜お客様ニーズや法規制に対応した品質を確保・向上することによる、お客様と社会からの信頼の向上創造的かつ効率的なものづくりと高い品質による、ブランド価値の向上、事業成長安全、環境、セキュリティに配慮した競争力のある製品・サービスの提供品質マネジメントの高度化と定着環境③脱炭素化の推進気候変動によって増加する気象災害による資産価値の低下や操業停止カーボンプライシング制度などによる財務影響の発生十分な気候変動対策ができないことによる、市場喪失や社会的信用の失墜気候変動の緩和に貢献するビジネスの拡大気候変動対策によるバリューチェーンのレジリエンス向上2050年度までにバリューチェーン全体のネットゼロを実現Scope1、2、3の削減と再生可能エネルギーの導入加速④資源循環の推進資源利用やリサイクル・廃棄物処理・情報開示に関する規制の強化によるコストの増大気候変動を含む水リスクの発生による自社・バリューチェーンでの操業への影響資源循環の取り組みや水リスクへの対処が十分でない場合の市場喪失や社会的信用の失墜サーキュラーエコノミーに貢献するビジネスの拡大資源使用量や廃棄物処理量の削減による事業コストの削減資源循環や水リスクに関するステークホルダーの要求への適切な対応による信頼の獲得バリューチェーン全体における資源消費の最小化と資源循環利用の最大化資源消費量の削減と廃棄物等の削減取水量削減につながる水の有効利用⑤汚染防止と生態系への配慮製品の有害化学物質や操業における大気・排水・土壌の汚染防止に関する規制の強化による事業コストの増大有害物質からの転換に伴う調達リスクの発生ステークホルダーの要請の高まりに対応できない場合の市場喪失や社会的信用の失墜生物多様性保全に貢献するビジネス拡大規制や各種の要請に確実に対応することによるステークホルダーからの信頼獲得バリューチェーンにおける人の健康と生態系への負の影響ゼロ化学物質の適切な使用と生態系への影響・依存の低減 マテリアリティリスク機会ありたい姿戦略社会・労働⑥レジリエントなサプライチェーンの構築自然災害や感染症、紛争などにより原材料や部品の調達が困難になることによる、事業機会の喪失、業績の低下サプライチェーンにおける人権や労働環境、安全衛生、環境などの問題発生による、ブランドイメージの毀損、ステークホルダーからの信頼の低下ESGの観点を持った調達や、調達パートナーとの協働による、サプライチェーンの安定性の向上、事業展開の安定それによる、お客様の信頼獲得、ブランド価値と企業価値の向上事業リスクや社会課題に対し、常に健全な状態が保たれたサステナブルなサプライチェーンサプライチェーンのリスクアセスメントと有事に即応できる仕組み構築⑦人権の尊重バリューチェーンにおける人権の保護・伸長を怠ることによる、ライツホルダーに対する人権侵害による悪影響そうした事態による、ブランド価値の毀損、お客様や社会からの信頼失墜、業績低下人権の保護・伸長に取り組むことによる、社会からの信頼やブランド価値の向上ディーセント・ワークによる、従業員の働きがいや生産性の向上、優秀な人材の確保・定着促進サプライチェーン全体で責任ある調達に取り組むことによる、レジリエントなサプライチェーンの構築事業活動におけるライツホルダー*の人権尊重の取り組みの定着ニコン人権方針による人権啓発と人権デューディリジェンスの実施⑧ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン従業員が持つ多様な価値観、知識、経験、スキル、専門性等が発揮されない職場による、従業員モチベーションの低下、人材の流出、人材獲得力の低下多様性を受容しない組織が行う意思決定や組織運営における同質性のリスクの発生マイノリティや、ユーザーの多様性に配慮しない製品開発、サービス、広告などによる、企業価値の低下DEIの定着による、優秀な人材の獲得と定着、生産性の向上やイノベーションの創出、それによる会社の持続的な成長お客様や社会のニーズに寄り添った製品やサービス、ソリューションの提供による、事業の拡大・成長多様性を受容し事業活動に活かす企業文化の実現Nikon Global DEI Policyの浸透、多様な人材が活躍できる環境整備及びDEIの事業活動への展開⑨従業員の健康と安全従業員の健康と安全が確保されないことによる労働損失の発生職場の負荷偏重による新たな労働災害や従業員の心疾患の発生さらなる生産性低下や社会的信用の失墜すべての人が健康、安全、心豊かに働けることによる、事業計画の遂行従業員のヘルスリテラシーが向上し、健康安全諸活動に自主的に参画する仕組みづくりや職場環境を形成することによる、年度計画の遂行、盤石な人材基盤の構築安全かつ快適な職場環境下で一人ひとりが心身の健康を実感しながら能力を発揮ニコングループ健康安全方針の浸透と、健康安全活動の実施 ガバナンス⑩コンプライアンスの徹底重大なコンプライアンス違反の発生による、ステークホルダーからの信頼失墜、ブランド毀損、ペナルティ、それらによる事業機会の喪失、損失の発生国際的なガイドラインを踏まえた倫理的で誠実な業務活動による、ステークホルダーからの信頼維持、持続的成長倫理観ある健全な職場環境の構築による、従業員のモチベーションとパフォーマンスの向上コンプライアンス違反の発生ゼロニコン行動規範の浸透⑪コーポレート・ガバナンスの強化公正で透明な経営が確保できないガバナンス体制による、ステークホルダーからの信頼の低下、取締役会の実効性の低下適切なリスクテイクの判断の基盤がないことによる、事業機会の損失、持続的成長の阻害実効性のある公正で透明なガバナンスの構築による、会社のレジリエンスの強化、ステークホルダーからの信頼の維持・向上適切なリスクテイクを支える環境を整えることによる、事業機会の獲得・拡大、経営の安定、持続的成長透明性・効率性が高くステークホルダーに信頼されるガバナンス取締役会の実効性評価の継続実施と多様性向上⑫リスクマネジメントの強化事業環境の変化や発生が予想されるリスクに適切かつ計画的に対応できないことによる、経営上重大な被害の発生社会情勢や環境の変化に対して、自社における経営上の重要リスクを的確に把握して、優先度をつけて対応することによる、ステークホルダーからの信頼、健全な関係の維持・発展重要リスクに対する対策が適切に講じられている環境変化と経営戦略に即した全社的リスクマネジメント体制の確立 * 人権の主体となる人のことであり、人権を侵害されている、又はされる可能性がある人々を指す なお、当社グループでは、2026年4月より新たな中期経営計画(2026-2030年度)をスタートするにあたり、「マテリアリティ」を見直すとともに、サステナビリティ重視の経営を掲げ、特に注力して取り組む「重点テーマ」を選定しました。
具体的には、事業と連動した3つの「価値創造のための重点テーマ」として、「事業による社会価値創造」「多様な人材と組織力の強化」「共創型バリューチェーンの深化」を特定しました。
当社グループが事業を通じて貢献していく貢献領域としては、「心の豊かさ」「医療高度化と健康」「デジタル社会の未来」「ものづくりソリューション」と定めました。
また、人・社会・地球環境の課題と向き合い、持続可能な社会の一員として責任を果たすための8つの「信頼向上のための重点テーマ」として、「バリューチェーンにおける人権尊重」「製品・サービスの品質と安全」「サプライチェーンのレジリエンス」「情報セキュリティ・サイバーセキュリティ」「気候変動への対応」「資源循環の推進」「汚染防止と生態系への配慮」「コンプライアンスの徹底」を特定しました。
この8つの重点テーマに対しては、それぞれ、ありたい姿と戦略、指標・目標を定め、価値創造を支えていきます。
<中期経営計画(2026-2030年度)における重点テーマ>
指標及び目標 (5) 指標及び目標当社グループで定める各マテリアリティについて、指標・目標、当事業年度における実績は以下のとおりです。
今後も社会の動向や会社の事業活動の変化などを踏まえ、ステークホルダーと対話しながらサステナビリティに関するマテリアリティや戦略、それに対する指標・目標を見直していきます。
<マテリアリティに関する指標及び目標と2025年度実績>マテリアリティ指標目標(達成年度)2025年度実績事業①コア技術による社会価値創造成長ドライバーの連結営業利益に占める比率40%以上(2030年度)※事業拡大に取り組んだが、連結営業利益が赤字となったため本指標は算出せずサービス・コンポーネントの連結営業利益に占める比率50%以上(2030年度)②信頼に応える品質の維持・向上事業環境の変化に対応した品質マネジメントシステムの見直し計画の達成度100%(毎年度)100%・グローバル化に対応した新しい品質管理指針(QMD)を2026年3月に制定品質マネジメントシステムの運用状況モニタリング・改善計画の実施率100%(毎年度)100%・計画に従い、8つの部門及び会社のアセスメントを実施品質に関する基本教育の理解度(事業部、グループ生産会社)80%以上(2025年度)92%*1・事業部、国内外グループ生産会社に対し品質管理検定(QC検定)3級・4級のeラーニング教育を実施・海外グループ会社への品質管理基本教育のトライアル完了環境③脱炭素化の推進Scope1、2削減率(2022年度比)*257%(2030年度)64.5%Scope3削減率(2022年度比)*225%(2030年度)・新製品に対してLCA*3算出100%実施・新製品の約59%を環境配慮製品に認定再生可能エネルギー導入率100%(2030年度)76.0%④資源循環の推進廃棄物総排出量削減率(2018年度比)10%以上(2030年度)15.8%淡水消費量削減率(2018年度比)5%(2030年度)10.6%製品へのリサイクル材使用率5%以上(2030年度)・映像製品の一部にリサイクル材採用など⑤汚染防止と生態系への配慮製造プロセスにおける有害化学物質の使用使用ゼロ(2030年度)・有害化学物質ガイドラインに基づき、禁止ランク物質のうちPRTR*4対象の物質の新規投入量を2023年度比で16%削減製品における有害化学物質の含有含有ゼロ(2030年度)・法規制違反ゼロFSC認証紙*5又は再生紙の比率(カタログ、取扱説明書、梱包箱)100%(2030年度)・製品カタログ、取扱説明書の電子化及びFSC認証紙化を実施・新規発注分の製品カタログについては、96%がFSC認証紙対応 マテリアリティ指標目標(達成年度)2025年度実績社会・労働⑥レジリエントなサプライチェーンの構築人権デューディリジェンス実施*6率(重点的に取り組む調達パートナー)100%(2025年度)100%・重点的に取り組む調達パートナーのCSR調査票診断を実施(対象:4社)・2024年度CSR監査・書面改善要請の改善完了(対象:監査2社、書面改善1社)・2024年度調査報告書公表と2025年度責任ある鉱物調査及び人権デューディリジェンスを実施サプライチェーンのBCP体制把握*7100%(2025年度)100%・重要な調達先拠点情報(2次迄)の可視化完了(51社)⑦人権の尊重人権方針浸透度100%(2030年度)・経営層向け会議及び社内ポータル、ニュースレターにて人権方針の改定を周知・国内全従業員に対しeラーニングによる教育を実施・海外従業員向けの教育教材を地域統括拠点へ展開。
各地で教育を実施自社における人権デューディリジェンス(RBA*8ベースの人権リスク調査)実施率100%(2025年度)100%・ニコン本社及び全製作所、国内外全グループ会社において人権リスク調査を実施し、結果に基づく改善計画策定完了。
改善計画の実行開始⑧ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンNikon Global DEI Policy浸透度100%(2030年度)・地域統括拠点と協議の結果、地域差を考慮し、各地域・各社で従業員への浸透活動を行うとともに、現地の状況に即した取り組みを実施・ポリシーを読んだことがある人の割合は、2023年度調査より約8pt向上(ニコン:87.7%、グループ会社:83.3%)・部課長向けDEI研修の実施と、プレマネジメント層(課長代理・係長)への拡大(部長・課長:99名、課長代理・係長:82名)女性管理職比率(ニコン)8.0%以上(2025年度)・女性管理職比率8.0%(ニコン)(2026年3月31日時点)・新卒採用における女性比率34.2%(ニコン)(2026年4月入社)⑨従業員の健康と安全業務起因性、業務遂行性の高い労働災害件数60件以下(2025年度)43件・転倒関連の災害リスク確認と転倒リスク測定、各リスクアセスメントを実施(国内ニコングループ)・雇入れ時教育、職長教育、特別教育、作業主任者能力向上教育等を実施・国内外グループ会社への情報を共有(災害事例や措置等含む)定期健康診断有所見率(国内ニコングループ)前回全国平均*9以下(毎年度)53.5%(国内ニコングループ)・産業医、保健スタッフによる保健指導や受診勧奨を必要な従業員に対して実施・ヘルスリテラシー教育の一環として、男性更年期セミナー、女性更年期セミナー、適正飲酒セミナーを実施ストレスチェック高ストレス者率(ニコン)前回全国平均*10以下(毎年度)13.8%(ニコン)・ストレスチェック、高ストレス者への産業医面接指導、個別カウンセリング、入社者に対する体験カウンセリングを実施・ラインケアの一環として管理職向けストレスチェック集団分析結果読み方説明会を実施・コミュニケーション能力向上、セルフケアの一環として、アンガーマネジメント基礎研修を実施 マテリアリティ指標目標(達成年度)2025年度実績 ガバナンス ⑩コンプライアンスの徹底コンプライアンス意識の定着*1195%以上(2025年度)96%・行動規範の浸透のため、eラーニングや、コンプライアンス推進担当者による職場での教育を実施・意識調査を実施し職場ごとの浸透度を確認。
結果が低調だった部門へヒアリングを実施し、改善施策などを協議内部通報制度の認知度*1195%以上(2025年度)97%・国内ニコングループでは、企業倫理コーディネーター連絡会で制度を周知(新任向け説明会で制度におけるその役割を再確認、制度利用にあたっての注意喚起) ⑪コーポレート・ガバナンスの強化取締役会の実効性評価と重点課題対応100%(毎年度)100%・2024年度実効性評価で抽出した課題について、モニタリング強化に向けた対応等を実施・2025年度実効性評価を実施、2026年4月の取締役会に結果を報告、対応を協議取締役会のダイバーシティ ステークホルダーの要請に応える取締役会構成の最適化(毎年度)・2026年度の取締役会構成を指名審議委員会で審議、決議。
次年度以降の体制も継続的に検討⑫リスクマネジメントの強化リスクアセスメントに基づく重要リスクの特定と施策実施の進捗度100%(毎年度)100%・グループ全体の重要リスクをリスク・コンプライアンス委員会にて審議、特定し、取締役会に報告。
新中期経営計画策定時に、ユニットごとに影響が大きい重要リスクを特定し、その対応を立案。
モニタリングの実施主体と対象リスクを決定し、リスク・コンプライアンス委員会にて報告情報セキュリティ:・各国法令への対応を見据え、製品サイバーセキュリティ対策の全社的な基盤を構築し、製品インシデント対応手順、仕組みを整備・国内外の事業部門及びグループ会社と連携してNikon-PSIRT*12体制を整備し、脆弱性報告窓口の開設、SBOM*13管理基盤とセキュア開発ルールの導入を完了 *1 理解度テストまで完了した受講率*2 Scope1は直接的な温室効果ガス排出、Scope2は間接的な温室効果ガス排出、Scope3はScope1、2を除く間接的な温室効果ガス排出*3 Life Cycle Assessmentの略称。
ライフサイクル全体の環境負荷を評価する手法*4 Pollutant Release and Transfer Registerの略称。
化学物質排出移動量届出制度 *5 適切に管理された森林の木材を使って作られたことが保証されている紙*6 調査や監査により是正が必要な場合は改善完了まで実施*7 BCP体制構築に必要とされるサプライチェーンの範囲を調達先の社数にて管理*8 Responsible Business Alliance*9 厚生労働省が公表する製造業の全国平均値。
2024年度は59.4%*10 ストレスチェック委託業者が公表する全国平均値。
2024年度は14.7%*11 ニコングループ意識調査により確認*12 Product Security Incident Response Teamの略称。
製品インシデント発生時の対応を行う専門組織*13 ソフトウェア部品表
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
(1) リスク管理体制と運用状況当社グループでは、会社の持続的発展を目的に、企業経営・事業継続に重大な影響を及ぼすあらゆるリスクに対し、識別・評価・管理が重要な課題であるという認識のもと「リスク・コンプライアンス委員会」を設置して、リスク管理を行っています。
リスク・コンプライアンス委員会は、リスク管理担当役員であるCRO(Chief Risk Management Officer)を委員長とし、委員は経営委員会の構成員等として、年に2回定期的、また必要に応じて随時開催しています。
全社的な見地でリスクを把握し、重点対象のリスクについて継続的なモニタリングや、機動的な支援ができる体制を構築する等、当社グループを取り巻くリスクを適切に管理する体制整備に努めています。
専門的な対応が必要な事案は、サステナビリティ委員会及び品質委員会並びにそれらの傘下部会にて、リスクを把握するとともに対策を審議し、グループ全体で対応しています。
当社の委員会やコーポレート・ガバナンス体制の模式図は「第4[提出会社の状況] 4[コーポレート・ガバナンスの状況等] (1)[コーポレート・ガバナンスの概要] ②企業統治の体制の概要」に記載のとおりです。
(2) リスクの把握と対策当社グループでは、当社グループが抱えるリスクを把握するため、リスクアセスメントとして「リスク把握調査」を毎年実施しています。
この調査は、当社の部長相当以上及び国内・海外グループ会社社長を対象に実施しているもので、全社的な重要リスクの洗い出しや分析・評価を行い、対応状況をモニタリングしています。
調査結果をもとに、回答数や影響が大きいリスクを分析し、かつ社外のリスク認識も加味した「リスク相関図」を作成した上で、経営陣との協議を通じて、重要リスク(重要戦略リスク、重要オペレーションリスク)を特定し、リスク・コンプライアンス委員会にて報告しています。
また、中期経営計画の策定時に、事業部門及び管理部門において自部門に与える影響の大きさを踏まえ、特に目配りすべき重要リスクを目標や施策に展開しています。
当社グループの戦略・事業その他を遂行する上で、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なテーマは以下のとおりです。
これらのリスクは、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられるほかのリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 事業、経営に関するリスク・リスク映像事業の主要製品であるデジタルカメラは、ミラーレスカメラ市場での厳しい競争に加えて、部品の価格高騰や調達の遅れによる影響が生じており、市場環境悪化の可能性があります。
精機事業が扱うFPD露光装置の需要は、ディスプレイ市場自体は安定的に需要が見込める市場ですが、設備投資の縮小継続により露光装置需要の回復が伸び悩む可能性があります。
半導体露光装置の対象市場である半導体市場は、大きく成長が見込まれるものの、当社グループの主要顧客が設備投資計画を変更した場合等、当社グループの収益に影響を及ぼす恐れがあります。
また、デジタルマニュファクチャリング事業においては、金属付加加工における統合ソリューションをグローバルで提供する企業を買収する等、事業の拡大を進めていますが、関連する市場の成長が想定よりも鈍い場合等は、期待される規模への成長に届かない可能性があります。
・対応映像事業は、今後拡大が見込まれる業務用動画市場の開拓を目指すため、買収した企業と協働で新製品の開発を行うとともに、生産販売面での最適化、サプライチェーンや物流の改革、徹底したコストダウン、デジタルマーケティングの強化、開発効率化等に取り組み、事業の収益体質強化を引き続き進めています。
FPD装置事業は、露光装置の需要が落ち込む環境下でも一定の利益を確保するため、新規露光装置及びサービスビジネスによる収益拡大やトータルコスト低減を進めています。
半導体装置事業は、収益性を重視した事業方針の下、関連領域での人員配置を見直す取り組み等を通じて、事業構造の見直しに努めています。
また、ArFドライ及び液浸露光装置、デジタル露光装置の開発や既存顧客以外の開拓を積極的に進めるとともに、サービスビジネスを拡大していきます。
また、デジタルマニュファクチャリング事業では、デジタル化が進む製造業に対して独自の価値を提供し、競争力のある新製品を市場に導入すること等で、新たな市場の形成を進めていきます。
中期経営計画の進捗は取締役会等で定期的にモニタリングを行い、市場や競合の動向を注視しつつ、タイムリーに戦略を検討・修正できる体制としています。
② 研究開発に関するリスク・リスク当社グループの事業分野は厳しい競争下にあり、高度な研究開発の継続によって製品の開発が常に求められています。
そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための適切な投資を常に継続する必要があります。
しかし、投資の成果が十分に上がらず新製品、次世代技術の開発や市場投入がタイムリーに行えない場合や、当社グループが開発した技術が市場に受け入れられなかった場合、あるいはゲームチェンジ等抜本的な変化により当社グループの技術が不要となる場合、企業価値が低下し、収益が減少する可能性があります。
・対応当社グループでは「技術戦略委員会」にて、注力すべき新領域の開拓や既存事業の競争力向上につながる技術戦略を明確にし、技術開発の方向性と重点投資分野を決定しています。
幅広い社会的課題やニーズに積極的に応えながら、当社グループの長期的な成長を実現していきます。
③ 各種規制・制度変更に関するリスク・リスク当社グループはグローバルに事業を展開しているため、生産及び販売活動の多くが日本国外であり、連結売上収益に占める海外売上収益比率は高くなっています。
多くの国々において、輸出入規制、情報セキュリティ、個人情報保護、競争法、労働法、腐敗防止、移転価格税制等、各種法規制の適用や企業の社会的責任を求められています。
これら法規制や社会的責任として求められる内容は大きく変わる可能性があり、その変化により事業活動費用の増加や事業の制約、レピュテーションリスク等を受ける可能性があります。
・対応当社グループでは、「リスク・コンプライアンス委員会」によるリスク整理・管理に加え、専門的な対応が必要なリスクに対しては、その傘下の輸出審査委員会で対応を図るとともに、サステナビリティ委員会及び品質委員会並びにそれらの傘下部会でもリスクのモニタリング及び対応をしています。
その中で、規制の変更に関してグループ全体で情報を収集後、当該情報に基づいた実務プロセスへのフィードバックや規制を踏まえた戦略を立案する等、さらなる体制強化に取り組んでいます。
④ M&A、戦略的出資に関するリスク・リスク当社グループは、新規事業の創出や既存事業領域の拡大、事業シナジー実現のために、M&Aや戦略的出資を行っています。
市場環境の著しい変化や対象企業の人材流出等により所期の成果を達成できない場合、のれんや有価証券等の減損損失により、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応当社グループは事業戦略に基づき、M&A対象、戦略的出資先を探索し、対象企業の価値やリスク等のデューディリジェンスを行っています。
また、買収や出資後は、当初の目的に対する進捗を取締役会や経営陣による定期モニタリング等を通じて行い、必要に応じて戦略の軌道修正を図っています。
⑤ 地政学のリスク・リスク前述のとおり、当社グループはグローバルに事業を展開しているため、海外市場への依存が大きくなっています。
海外での事業展開は、世界経済全体の動向に加え、政治問題、貿易摩擦や紛争等の影響、暴動・テロ・戦争等による社会の混乱により、事業活動に大きな障害や損失が生じる可能性があります。
また、外国為替相場が急激又は大幅に変動した場合は、当社グループの収益や財政状況に多大な影響を及ぼす恐れがあります。
近年はとりわけ中東情勢の悪化から来るサプライチェーンの問題や米中貿易摩擦等の地政学リスクが、マクロ経済や当社グループの事業活動、半導体部品等のサプライチェーン等に影響を及ぼす恐れがあります。
・対応当社グループでは、リスク・コンプライアンス委員会によるリスク整理・管理に加え、傘下の委員会や、サステナビリティ委員会及び品質委員会並びにそれらの傘下部会にて、リスクのモニタリング及び対応をしています。
当該リスクが顕在化する可能性やその影響レベルについては、社会情勢等により左右されるため、具体的に予測することは困難ですが、情報収集及び事業に与える影響の分析を行い、対策を検討、実施しています。
また、当社グループは、売上規模と販売地域に応じた為替ヘッジを行っています。
⑥ 調達のリスク・リスク近年、グローバル規模の異常気象や自然災害、地政学的な影響等により、労務費、原材料価格、エネルギーコストが大きく変動しています。
また、半導体メモリの不足に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的な影響により、一部供給不安や価格高騰、出荷制限の影響が出る可能性があります。
これにより、従来の価格リスクに加え、必要な数量・納期での確保が困難となる供給リスクが高まり、生産継続への影響が懸念されています。
加えて、サプライチェーンにおける人権、労働環境、安全衛生、脱炭素といった社会・環境課題への関心の高まりを背景に、調達リスクは多様化・複雑化しています。
・対応サプライチェーンの様々な領域において、不確実性と変動性の高い状況が継続しています。
このような環境下において、当社グループは供給確保を最優先としたレジリエントなサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
具体的には、サプライチェーンの可視化を強化し、生産副資材を含む逼迫品目の全社横断的な需給状況を把握するとともに、調達パートナーとの連携強化により供給ルートの複線化を推進しています。
さらに、BCPの策定・高度化に加え、需要変動を踏まえたリスクシナリオ管理及び早期エスカレーション体制を整備し、温室効果ガス排出量の把握や人権デューディリジェンスの強化等を通じて、ESGの視点で持続可能な調達基盤の構築を進めています。
これらの取り組みにより、急激に変化する外部環境にも柔軟かつ迅速に対応し、リスクの低減と安定供給の確保、さらには持続的な成長の実現を目指しています。
⑦ 環境のリスク・リスク気候変動に起因する異常気象や洪水、渇水等の自然災害や感染症の拡大により、開発・生産拠点及び調達先等に甚大な損害が生じた場合、操業に影響が生じたり、生産や出荷が遅延したりする恐れがあります。
また、脱炭素社会に向けた動きが加速する中、各国において炭素税等の政策・法規制の導入又は導入検討が進んでおり、エネルギーや原材料のコストが増加するリスクがあります。
環境政策・法規制等により、基準の遵守や情報開示等の対応が求められ、年々強化される傾向にあります。
対応が十分ではないと、行政処分等による生産への影響や課徴金、社会的信用の失墜等会社経営に甚大な損害を与える可能性があります。
特に化学物質等に関連する法規制が強化された場合、必要な材料・副資材の入手が困難になる可能性があります。
また、環境表示や環境訴求に関する規制も強まっており、これらを十分に踏まえた販促活動ができない場合、グリーンウォッシュと受け止められ、ブランド価値の毀損や社会的信用の低下を招く可能性があります。
・対応当社グループは、気候変動や天然資源の枯渇、廃棄物問題、有害化学物質による汚染などの環境問題を自社の存続にも関わる問題と捉えて、サステナビリティ委員会や関連する委員会、部会でリスクのモニタリングを行い、さまざまな対策を講じるとともに、地球環境に配慮した経営を行っています。
また、グループ全体で省エネルギー活動や再生可能エネルギーの活用、開発・生産プロセスの効率化等をはじめとしたバリューチェーン全体での温室効果ガス削減やBCPの策定に取り組んでいます。
社内の規程類を整備し、担当者の教育等を実施することで、バリューチェーンを含めた管理体制を強化するほか、規制の変更等を適時に把握するよう努めています。
また、法規制よりも厳しい自主基準値を設けることにより、環境汚染の未然防止を図っています。
加えて、環境表示や環境訴求に関しては、関連部門が連携して内容の確認を行うことで、適切な販促活動の徹底に努めています。
⑧ 人材に関するリスク・リスク当社グループの事業成長と競争力の維持には、高度な技術や専門知識、能力を有する多様な人材の確保が不可欠です。
有能な人材を採用・育成できず、あるいは主要な人材が離職した場合、事業活動の停滞や知識・ノウハウの社外流出を招き、当社グループの成長や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に労働流動性が高い国や地域における人材流出の危険性は高いと考えられます。
特に当社を含む国内グループ会社においては、過去の事業環境や採用動向等に起因する従業員の年齢構成の偏りが生じています。
今後、ベテラン層の高齢化や退職が進むにあたり、中堅・若手層が不足した場合、当社グループの競争力の源泉である技術・技能の伝承や業務ノウハウの引き継ぎが適切に行われないリスクがあります。
・対応当社グループは、企業理念実現の担い手となるのは「ニコングループで働く多様な人材」であるという考えのもと、経営戦略と連動した人材戦略を推進しています。
従業員がその能力を最大限に発揮できるよう、多様な価値観を認め、活かし合う企業文化や職場環境を醸成するとともに、主体的な挑戦・活躍機会の提供、公正な評価・処遇を通じて人材の定着とエンゲージメント向上を図っています。
国内においては、毎年一定人数の新卒採用の継続等により、従業員の年齢構成の平準化を図っています。
技術・技能の伝承については、業務プロセスの標準化・システム化を進めるとともに、世代を超えた知識・ノウハウの共有を組織的に推進し、次世代を担う中堅・若手人材の計画的な育成に努めています。
⑨ 情報資産とサイバーセキュリティのリスク・リスク当社グループは、技術情報や取引先及び顧客情報等の多くの情報資産を保有しており、サイバー攻撃や故意、過失、災害等により、情報システムの重大な障害や個人情報の不正利用、情報セキュリティ事故を生じさせた場合、当社グループの企業価値の毀損や、損害賠償請求を受けるリスクがあります。
個人情報保護や、製品のセキュリティ要件に関する世界各国の法令に違反した場合、厳罰に処される可能性があります。
また、デジタル化が急速に進むなか、社内システムの老朽化や業務の複雑化・属人化、基幹システムのサポート終了等が、業務の非効率となる可能性があります。
・対応当社グループでは、個人情報保護を含む情報管理において代表取締役 兼 社長執行役員を最高責任者に定めるとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に準拠した業務プロセスを構築しています。
サイバー攻撃に対し高い防御力を維持し、インシデントの早期発見と対応のため、様々なセキュリティ対策を行い、グローバルで一括して監視・対応する運用体制の改善・強化を進めています。
情報セキュリティレベルの向上を図るとともに、情報取り扱いに関する社内規程の整備や従業員教育等を実施しています。
また、近年、他社において事業継続に重大な影響を及ぼすインシデントが多発していることを踏まえ、サイバーレジリエンス体制の強化を進めています。
また、基幹システム更新プロジェクトを推進することで、デジタル化による業務の効率化、デジタルマーケティングの強化、サービスプラットフォームの整備等を強化していきます。
なお、近年増加するサイバー攻撃リスクへの対応を強化するため、2026年4月から、新たにCISO(Chief Information Security Officer)を定め、リスク・コンプライアンス委員会の傘下委員会として情報セキュリティ委員会を設置しました。
⑩ 知的財産、訴訟のリスク・リスク当社グループは、製品開発に伴って多くの知的財産権を取得、保有し、他社にライセンス供与もしています。
当社グループの知的財産権を他社が無断使用すること等に起因して提訴に至った場合、大きな訴訟費用が発生する可能性があります。
一方で、他社、個人等より、知的財産権を侵害したとして、製造・販売の差し止めや損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの収益や財政状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。
また、事業のグローバル展開に伴い、国・地域により法制度や救済手段が異なるため、紛争の長期化や想定外のコスト・影響が生じる可能性があります。
・対応既存事業の成長や新事業の創生につながる「知的財産戦略」を策定し、この戦略に従って知的財産活動を継続的に推進しています。
研究開発活動によって生み出された技術や製品・サービスに関する特許、意匠、商標等の知的財産を保護しています。
将来を見据えた知的財産の創生と権利化を各事業部門や研究開発部門と協働しながら行うことで、市場における競争優位の確立を図っています。
また、法務・知的財産部門と関連部門で連携して、他社知的財産権の調査等を適宜実施し、他社知的財産権の侵害の未然防止に努めています。
あわせて、特許・意匠・商標等を組み合わせた「知財ミックス」により、製品・サービスを包括的に保護し、各事業の「事業戦略」を知的財産の側面から支えています。
知的財産活動は、知財部門・事業部門・研究開発部門が価値観と戦略を共有しながら推進しています。
加えて、模倣品対策やブランド保護の観点から、ECサイト等の状況確認や関係機関との連携等を通じ、侵害の抑止・早期対応に取り組んでいます。
⑪ 災害、感染症等のリスク・リスク大地震・火災・洪水等の自然災害(異常気象、気候変動に起因するものを含む)による水・電力・通信網等のインフラストラクチャーや物流機能の障害や感染症の拡大等に伴い、事業活動に大きな障害や損失が生じる可能性があります。
当社グループの開発・製造拠点や調達先等に壊滅的な損害が生じた場合、操業が中断し、生産や出荷に遅延が生じるおそれがあります。
これによって生産や販売が制約され、事業の復旧に多大な費用が生じた場合、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応当社グループでは、大規模災害や感染症等の発生に備えてBCPを策定し、定期的に見直しています。
当社では、「首都直下地震」等の大規模地震を想定し、主要事業部門のBCPの再点検・アップデートを行い、事業継続のための施策を実施しています。
また、国内グループ会社を含めて、大規模地震発生時の行動についての教育や、災害時を想定した安否確認及び通信訓練等の各種訓練を実施しています。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)(1) 業績当連結会計年度における市場・顧客動向について、映像事業においては、デジタルカメラ市場は販売台数・金額とも堅調に推移しました。
精機事業においては、FPD関連分野は、中小型パネル用、大型パネル用、いずれも設備投資は堅調に推移しました。
一方、半導体関連分野は、引き続きAI関連半導体の需要は堅調であったものの、それ以外のデバイスは低調に推移しました。
ヘルスケア事業においては、ライフサイエンスソリューション分野で、政治・経済環境を背景に、米州を中心に一部地域において市況の停滞が見られました。
アイケアソリューション分野では米州を中心に、市況は回復基調が続いており、足元は堅調に推移しました。
コンポーネント事業においては、インダストリアルソリューションズ事業では、半導体や電子部品市場は回復基調にありました。
カスタムプロダクツ事業では、EUV関連市場減速の影響を受け、低調に推移しました。
デジタルマニュファクチャリング事業においては、金属アディティブマニュファクチャリング分野は、引き続き防衛及び宇宙領域が市場を牽引しました。
当社グループは、中期経営計画(2022-2025年度)のもと、事業を進展させるとともに、経営基盤の整備を進めました。
当連結会計年度は、映像事業では、当社と子会社RED Digital Cinema, Inc.の技術を融合したデジタルシネマカメラ「ZR」を発表し、精機事業では、ニコン初となる半導体製造の後工程向けデジタル露光装置「DSP-100」の受注を開始しました。
成長ドライバーの展開は着実に進捗したものの、デジタルマニュファクチャリング事業において、非金融資産に係る減損損失を計上したこと等により業績は期初の想定を大きく下回りました。
当該減損損失の計上については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 15.非金融資産の減損損失 (2)認識した減損損失及び認識に至った事象及び状況 (当連結会計年度)」をご参照ください。
このような状況の下、当社グループの連結業績は、売上収益は6,771億63百万円、前期比381億22百万円(5.3%)の減収、営業損失は1,124億48百万円(前年同期は24億22百万円の営業利益)、税引前損失は1,065億11百万円(前年同期は45億33百万円の税引前利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は860億88百万円(前年同期は61億23百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
セグメント情報は次のとおりです。
映像事業においては、ニコン初のデジタルシネマカメラ「ZR」が販売を牽引しました。
しかし、製品ミックスの変化や競争環境の激化に伴うプロモーション費用の増加による平均販売単価の下落に加え、関税影響やMark Roberts Motion Control Limitedの株式譲渡契約に関連した一時費用等もあり、減収減益となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は2,900億53百万円、前期比1.8%減、営業利益は167億15百万円、前期比59.5%減となりました。
精機事業においては、FPD露光装置分野における装置販売台数や半導体露光装置分野におけるArFドライ及び液浸露光装置の販売台数が減少し、事業全体では減収減益となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は1,672億58百万円、前期比17.2%減、営業損失は45億65百万円(前年同期は15億44百万円の営業利益)となりました。
ヘルスケア事業においては、アイケアソリューション分野で欧米を中心に堅調に推移し増収となり、細胞受託生産ソリューション分野も前連結会計年度に引き続き好調に推移しました。
しかしながら、ライフサイエンスソリューション分野において、米国市場の停滞や関税影響を受けたことに加え、アイケアソリューション分野においても、関税影響や一部取引に係る引当金の増額計上が利益を圧迫したことから、事業全体としては減収減益となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は1,119億22百万円、前期比3.9%減、営業利益は15億61百万円、前期比76.8%減となりました。
コンポーネント事業においては、インダストリアルソリューションズ事業では、電子部品・半導体向け画像測定システム等の販売が堅調に推移しました。
産業機器事業関連での構造改革の効果や製品ミックスの変化による収益性向上もあり、増収増益となりました。
カスタムプロダクツ事業では、EUV関連コンポーネントの販売がEUV関連市場減速の影響を受け、減収減益となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は761億76百万円、前期比2.8%増、営業利益は95億53百万円、前期比33.0%増となりました。
デジタルマニュファクチャリング事業においては、大型装置の販売台数増加に加え、為替効果もあり増収となりました。
一方で、上記のとおり非金融資産に係る減損損失を計上したこと等により、営業損失が拡大しました。
これらの結果、当事業の売上収益は280億90百万円、前年同期比20.3%増、営業損失は1,062億82百万円(前年同期は152億25百万円の営業損失)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費及び償却費430億87百万円、減損損失991億41百万円の計上があった一方、税引前損失の計上、棚卸資産の増加、仕入債務及びその他の債務の減少、前受金の減少、法人所得税の支払があり、44億39百万円の支出(前年同期は482億58百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の売却による収入が357億2百万円、有形固定資産の売却による収入が53億29百万円、事業譲渡による収入が30億円あった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が557億38百万円あり、126億3百万円の支出(前年同期は699億88百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払が164億47百万円、長期借入金の返済による支出が156億18百万円、社債の償還による支出が100億円、リース負債の返済による支出が80億47百万円あった一方、短期借入金の増加が351億11百万円、長期借入れによる収入が160億円あり、8億58百万円の収入(前年同期は198億8百万円の支出)となりました。
上記に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額によって106億29百万円増加した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ55億54百万円減少し、1,580億36百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)映像事業177,479△6.1精機事業105,574△0.9ヘルスケア事業44,3302.9コンポーネント事業60,4531.3デジタルマニュファクチャリング事業14,5320.8合計402,368△2.5
(注) 金額は製造者販売価格によって算出し、付属品仕入額を含んでおります。

(2) 受注状況当連結会計年度における受注残高は、次のとおりであります。
なお、精機事業を除いては見込生産を主としておりますので記載を省略しております。
セグメントの名称受注残高(百万円)前期比(%)精機事業112,8823.9合計112,8823.9 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)映像事業290,053△1.8精機事業167,258△17.2ヘルスケア事業111,922△3.9コンポーネント事業76,1762.8デジタルマニュファクチャリング事業28,09020.3その他3,664△8.7合計677,163△5.3 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上や、グループ内の会計基準統一による経営基盤の強化を目指し、2017年3月期有価証券報告書における連結財務諸表からIFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたって採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記] 3.重要性がある会計方針、4.見積り及び判断の利用」をご参照ください。
 
(2) 財政状態の分析当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べて355億7百万円減少し、1兆750億7百万円となりました。
これは主に、棚卸資産が253億40百万円、繰延税金資産が153億4百万円、未収入金等の増加によりその他の流動資産が52億75百万円、有形固定資産が42億85百万円増加した一方、使用権資産、のれん及び無形資産が710億円、退職給付に係る資産が106億89百万円、現金及び現金同等物が55億54百万円減少したためです。
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べて155億20百万円増加し、4,868億11百万円となりました。
これは主に、仕入債務及びその他の債務が88億33百万円、繰延税金負債が80億90百万円、その他の金融負債が19億30百万円減少した一方、社債及び借入金が263億87百万円、その他の流動負債が43億70百万円、引当金が25億70百万円増加したためです。
当連結会計年度末における資本の残高は、前連結会計年度末に比べて510億27百万円減少し、5,881億96百万円となりました。
これは主に、在外営業活動体の換算差額等の増加によりその他の資本の構成要素が418億6百万円増加した一方、親会社の所有者に帰属する当期損失の計上や剰余金の配当等により利益剰余金が939億46百万円減少したためです。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要) 
(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
 (3) 経営成績の分析当連結会計年度における売上収益は、主に精機事業における装置販売台数減少により、381億22百万円減の6,771億63百万円(前連結会計年度は7,152億85百万円)となりました。
売上原価は、減収影響に伴い、34億15百万円減の3,999億3百万円(前連結会計年度は4,033億18百万円)となりました。
販売費及び一般管理費は、労務費や保守修繕費の増加の一方、研究開発費や広告宣伝費の減少により、59億8百万円減の2,892億48百万円(前連結会計年度は2,951億55百万円)となりました。
その他営業収益は、土地売却益や事業譲渡益の計上により、84億69百万円増の107億10百万円となりました。
その他営業費用は、固定資産の減損損失や構造改革関連費用などの計上により、945億39百万円増の1,111億70百万円となりました。
これらの結果、営業損失は1,124億48百万円(前連結会計年度は24億22百万円の営業利益)となり、1,148億70百万円の減益となりました。
1,148億70百万円の営業減益の影響により、1,065億11百万円の税引前損失(前連結会計年度は45億33百万円の税引前利益)となり、1,110億44百万円の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期損失は、法人所得税費用マイナス204億76百万円の計上により860億88百万円(前連結会計年度は61億23百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
なお、当社グループの課題につきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」を、またセグメント別の分析は、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要) (1)業績」をそれぞれご参照ください。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、自己資本比率50%以上を目安として一定の財務健全性の確保を前提に置きながら、投資資本の運用効率を重視し、持続的な成長のために資本コストを上回る収益が見込める投資に資金を活用することで企業価値の最大化を実現すると同時に、安定的な株主還元を実施することで株主の要求にも応えることを資本管理の方針としております。
運転資金や経常的に発生する設備投資資金については、現在保有する現金や預金で賄い、持続的成長に向けた投資については、配分可能な現金や預金、及び営業活動から創出されるキャッシュ・フローを源泉とした資金で賄うことを原則としております。
また、機動的な資本配分を実現するため、国内外のグループ会社が保有する資金をグローバル・キャッシュ・マネージメント・システムにより効率的に管理することでグループ内の資金の流動性を高め、これを有効活用しております。
なお、当社は市場の混乱や、当社が事業を遂行する上でのリスクに晒されているため、こうした要因が資金繰りを圧迫する事態への備えとして十分な手元流動性(現預金、コミットメントライン等)の確保に努めており、事業環境に急激な変化を与え得る様々な不確実性を前提としても当面安定的な経営が可能な状態にあります。
当社グループの資金状況は、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要) 
(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますとおり、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは44億39百万円の支出となり、投資活動によるキャッシュ・フローは126億3百万円の支出であったため、170億41百万円のマイナスのフリー・キャッシュ・フローとなりました。
また、有利子負債を控除したネットキャッシュ残高はマイナス817億72百万円になりました。
なお、当連結会計年度後1年間の設備投資計画は750億円を予定しており、主に生産能力の最適化と設備の維持・更新を図るためのものであります。
また、当連結会計年度後1年間の研究開発投資は735億円を予定しております。
当該設備投資及び研究開発投資の資金は、主に営業キャッシュ・フローを源泉とした資金の範囲で賄うことを予定しております。
設備投資計画の詳細につきましては、「第3[設備の状況]3[設備の新設、除却等の計画]」をご参照ください。
以上の記載事項のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月25日)現在において判断したものであります。
また、分析に記載した実績値は百万円未満を四捨五入して記載しております。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
ニコンは、光利用技術と精密技術をコア技術として、「光学技術」「材料技術」「精密加工技術」「精密計測技術」「ソフトウェア・システム技術」「画像処理技術」など、多岐にわたる技術に展開しています。
これらの技術を組み合わせて生みだされた製品やサービスは、多様な価値を社会に提供し、ニコンが目指す未来の可能性を切り拓いていきます。
全社の技術戦略を統括する役員(CTO:Chief Technology Officer)を委員長とする技術戦略委員会にて、中長期の計画に基づき重点投資分野と技術開発の方向性を決定しています。
基盤技術や将来技術の開発を担うコーポレート系研究開発部門と製品開発を担う事業部門、そしてグループ会社とが連携して技術開発を進めています。
大学、研究機関やスタートアップを含む企業との共同開発も積極的に行っています。
また科学技術の発展のために、大学の寄付研究部門を通してこれまでの研究開発から得た知見を社会に還元しています。
研究開発の成果は、学会での発表や学術論文投稿を通じて社外にも積極的に発信しています。
また、社外での評価が特に高い成果に関しては「Nikon Research Report」としてまとめ、発行しています。
詳細は、当社ウェブサイト(https://www.jp.nikon.com/company/technology/nrr/)をご参照ください。
当連結会計年度の研究開発投資は77,195百万円でした。
なお、当社グループは開発投資の一部について資産化を行っており、資産開発投資には無形資産に計上された開発費を含んでいます。
当連結会計年度における主な開発状況は次のとおりです。
① 映像事業レンズ交換式デジタルカメラでは、映画制作やハイエンドのプロダクション、クリエイター市場への本格参入を図るため、ニコンとグループ会社のRED Digital Cinema, Inc.(以下、「RED」)の技術を融合したデジタルシネマカメラ「ニコン ZR」を開発、発売しました。
REDのカラーサイエンスに基づく「R3D NE」及び「シネマティック動画」モードをニコンのカメラとして初搭載しました。
RED機と同等のカラーマッチの実現に加え、内蔵マイク及び外部マイク入力における32bit float収録に世界で初めて*1対応し、シネマ領域において高品質なソリューションを提供します。
交換レンズでは「ニコン Z マウント」を採用したミラーレスカメラ対応の製品を開発しました。
フルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ対応のレンズでは、クラス初*2となるインターナルズーム機構を採用し、クラス最軽量*2を実現した標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」、携行性に優れた標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-105mm f/4-7.1」を発売。
なお、2026年4月には、卓越した描写力と次世代の高性能AFを両立した大口径望遠ズームレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II」を発売しました。
また、APS-Cサイズ/DXフォーマットミラーレス対応のレンズでは、開放F値2.8ならではのボケ表現や暗所撮影に適した標準ズームレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/2.8 VR」、明るく軽量な標準マイクロレンズ「NIKKOR Z DX MC 35mm f/1.7」をラインアップに加えました。
映像事業に係る研究開発投資の金額は24,012百万円です。
*1 レンズ交換式カメラにおける内蔵マイク、カメラに搭載された3.5mmミニジャックの音声収録において。
*2 2025年8月22日現在発表済みの、焦点距離広角側24mm、望遠側70mm、開放F値2.8一定のフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ対応交換ズームレンズにおいて。
ニコン調べ。
② 精機事業FPD露光装置分野では、FPD露光装置として初めて*1UV-LED光源を採用し、高解像かつ高生産でありながら環境負荷低減を実現した、第8世代プレートサイズ対応の「FX-88SL」「FX-88SLD」を開発し、受注を開始しました。
半導体露光装置分野では、業界最高水準*2の重ね合わせ精度を実現しながら、高い生産性を発揮するArFスキャナー「NSR-S333F」を開発し、受注を開始しました。
また、アライメントステーション「Litho Booster 1000」の開発を進めています。
本製品は、計測精度や生産性向上によりお客様の生産における歩留まり向上に大きく貢献することが期待されます。
精機事業の新規分野である半導体アドバンストパッケージング分野では、高解像度かつ大型基板に対応した、デジタル露光装置「DSP-100」を開発し、受注を開始しました。
加えて、フレキシブルエレクトロニクスの開発に必要な一連の装置を備えた共創プラットフォーム「S3S LAB」を新たに開設しました。
「S3S LAB」では、ニコンが独自開発した最先端の「Roll to Roll(R2R)*3マスクレス露光装置」をはじめ、デバイス製造に必要な周辺装置も完備し、お客様の試作品製造から量産プロセス開発まで一貫してサポートします。
精機事業に係る研究開発投資の金額は21,622百万円です。
*1 2025年10月23日時点で発表済みのFPD露光装置において。
ニコン調べ。
*2 2025年9月25日時点で発表済みのArFスキャナーにおいて。
ニコン調べ。
*3 ロール状のフィルムなどの基材に連続的に加工を施し、再びロール状に巻き取る製造方式のこと。
基材を1枚ずつ処理する枚葉方式に比べて連続性に優れ、生産性が高い特長がある。
③ ヘルスケア事業ライフサイエンス分野では、将来の成長に向けた製品群の技術開発や開発体制の強化を推進するとともに、市場ニーズの変化を捉えた製品及びソリューションの創出に取り組み、顕微鏡デジタルカメラ「Digital Sight 100」を開発、発売しました。
本製品は、最大視野数25の広視野撮影に対応し、作業効率を高めます。
ニコンのミラーレスカメラ「Z9」と共通の画像処理エンジン「EXPEED 7」を採用し、高速画像処理により4Kの高い解像度と優れた色再現性向上に効果を発揮します。
また、画像統合ソフトウェア「NIS-Elements LE」と組み合わせることで、研究現場における標本の観察や記録、データ活用などの効率化に貢献します。
ヘルスケア事業に係る研究開発投資の金額は7,952百万円です。
④ コンポーネント事業インダストリアルソリューションズ事業においては、X線/CT検査装置の「VOXLS 20 C 225」を開発し、発売を開始しました。
ニコン独自のX線源「反射型回転ターゲット」を搭載し、高分解能はそのままに高速化を実現。
省スペース設計ながらデュアルX線源を搭載でき、225 kV反射型回転ターゲットは高い生産性を実現、160 kV透過型ターゲットは高解像度を提供するため、製造現場から研究施設まで様々なニーズに対応します。
半導体、電子部品、自動車、航空宇宙、積層造形、医療機器など幅広い分野に貢献します。
カスタムプロダクツ事業では、ビジネスが多様化する中、様々なニーズに対応するために、多分野に渡る技術開発を実施しています。
「固体レーザー分野」では、既存193nm固体レーザーシステムで増幅のために必要な光源となる「ラマンレーザー」の内製化開発を進め、内部の光回路を改善することにより、性能の安定化、長寿命化につながる成果を得ました。
「特注分野」では、異物検査装置向け技術について、食品業界から他の業界への水平展開を図り、画像処理技術と最新のAIアルゴリズムを組み合わせることにより、産業界で求められる様々な異物や欠陥などを検出できる画像認識技術の構築を行いました。
社会的課題である人手不足の緩和に寄与できる技術と考えており、今後もさらなる改良に取り組みます。
コンポーネント事業に係る研究開発投資の金額は5,137百万円です。
⑤ デジタルマニュファクチャリング事業PBF(Powder Bed Fusion)タイプの金属アディティブマニュファクチャリング装置では、高さ1.5mまでの大型部品の造形が可能な「NXG XII 600E」の販売が拡大し、造形品の量産化に向けた生産性向上に貢献する中、さらなる高品質と高生産性を目指した装置の開発を進めています。
DED(Directed Energy Deposition)タイプについては、高精度な金属アディティブマニュファクチャリング装置「Lasermeister LM300A」及び3Dスキャナー「Lasermeister SB100」は、主にエネルギー分野、航空分野において、タービン部品の補修や摩耗した金型の補修用途での運用が開始されつつあり、補修部品が廃棄されずに再利用可能になることでCO2削減に貢献していきます。
また、2024年に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業の技術開発テーマ「宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術」のうち「宇宙用途に適用可能な精密部品を対象とした金属3D積層に係る装置開発及び基盤技術開発」に採択されました。
国内最大級の大型金属3D積層システム本体及び本システムを活用した宇宙用途に適用可能な精密部品の低コスト化、リードタイム短縮等の世界市場を勝ち抜く造形技術を開発・実証することを目指しています。
デジタルマニュファクチャリング事業に係る研究開発投資の金額は7,598百万円です。

(注) 事業別に記載している研究開発投資の金額には、内部消去額を含んでいます。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当社グループは生産設備の合理化、省力化、新製品対応、研究開発部門の強化等のための設備投資を行っております。
当連結会計年度の設備投資の総額は59,803百万円で、工作機械等生産設備の更新、整備を行いました。
セグメントごとでは、映像事業においては10,914百万円、精機事業においては9,723百万円、ヘルスケア事業においては9,158百万円、コンポーネント事業においては4,682百万円、デジタルマニュファクチャリング事業においては4,846百万円、その他においては6,141百万円、各セグメントに配分していない全社資産については14,341百万円の設備投資を行いました。
また、設備投資額には、有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資額を含んでいます。
なお、生産能力に重要な影響を及ぼすような設備の売却、撤去等はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計本社 (東京都品川区)映像事業精機事業 ヘルスケア事業コンポーネント事業デジタルマニュファクチャリング事業その他 全社資産本社機能研究開発施設設備29,6813,95312(32)1,1105,91140,6662,841横須賀製作所(神奈川県横須賀市)精機事業その他生産設備601931―1156572,304123相模原製作所(神奈川県相模原市)コンポーネント事業その他生産設備6,2193,9932,922(70)494,10317,285383熊谷製作所(埼玉県熊谷市)精機事業その他生産設備2,4711,3653,658(108)1251,7539,372933水戸製作所(茨城県水戸市)コンポーネント事業その他生産設備6,4815,1841,687(96)321,53214,917231
(2) 国内子会社2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計㈱栃木ニコン栃木県大田原市その他生産設備6,5301,9421,318(195)3102,55412,6541,134㈱栃木ニコンプレシジョン栃木県大田原市その他生産設備85345135(5)72831,493405㈱仙台ニコン宮城県名取市その他生産設備1,524192426(57)1573782,676255㈱宮城ニコンプレシジョン宮城県刈田郡その他生産設備1,30425487(44)1421312,089199㈱ニコン・セル・イノベーション東京都江東区ヘルスケア事業生産設備2,08665―9412,8515,943118光ガラス㈱秋田県湯沢市その他生産設備647431166(57)181,3902,652186 (3) 在外子会社2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産その他合計Nikon Inc.New YorkU.S.A.映像事業販売設備57013801(31)221031,510113Nikon Precision Inc.CaliforniaU.S.A.精機事業販売設備1,01416684(22)866152,415287Nikon(Thailand)Co., Ltd.AyutthayaThailand映像事業生産設備3,8932,524918(138)6946,51514,5434,641Nikon SLMSolutionsAGLübeckGermanyデジタルマニュファクチャリング事業生産設備販売設備3,0971,739823(69)2267096,594491
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品及び建設仮勘定等の合計であります。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は75,000百万円であり、生産能力の最適化と設備の維持・更新を図るためのものであります。
なお、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。
セグメントの名称2027年3月末計画金額(百万円)設備の主な内容・目的主な資金調達方法映像事業11,000新製品生産、合理化・省力化自己資金等精機事業13,000新製品生産、諸設備の維持・更新自己資金等ヘルスケア事業11,000新製品生産諸設備の維持・更新、拠点整備自己資金等コンポーネント事業5,000新製品生産、諸設備の維持・更新自己資金等デジタルマニュファクチャリング事業4,000新製品生産自己資金等その他10,000諸設備の維持・更新、拠点整備自己資金等全社資産21,000諸設備の維持・更新基幹システム(IT投資)、拠点整備自己資金等合計75,000--
(注)  経常的な設備の更新のための除・売却を除き、重要な設備の除・売却の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動7,598,000,000
設備投資額、設備投資等の概要14,341,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況42
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況14
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,989,362
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、投資株式のうち、保有することに事業戦略上の意義が認められるものについて、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式として区分しています。
なお、当社では、保有目的が純投資目的である投資株式は保有しておりません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式(ⅰ) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容政策保有株式として上場株式を保有する場合、政策保有株式毎に、その事業戦略上の意義及び合理性、株主総利回りや関連取引収益などの保有に伴う便益・リスク、当社の資本コストその他の観点も踏まえ、取締役会において定期的に検証・評価を実施し、その結果、保有の必要性・合理性が低いと判断した銘柄については売却の可能性を含め、慎重に検討します。
本方針に基づいて取締役会にて検証した結果、一部の政策保有株式については売却することが相当であるものと判断し以下に記載しておりますが、当事業年度において8銘柄186億93百万円の上場株式を売却しております。
なお、過去3事業年度における上場株式の売却額等は以下のとおりです。
2023年度2024年度2025年度銘柄数(銘柄)1998金額(百万円)16,6147,59118,693 (ⅱ) 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式181,220非上場株式以外の株式1843,597 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式120当社の精密計測技術を新たな産業分野で活用するため非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式4957非上場株式以外の株式818,693 (ⅲ) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 (特定投資株式) 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)東京海上ホールディングス(株)1,071,9351,427,935同社との間では、保険契約等の取引関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
有*7,8348,191(株)めぶきフィナンシャルグループ5,684,8696,394,869同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有*6,7824,641三菱地所(株)1,214,2371,821,237同社株式については、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しておりましたが、保有の意義、合理性、その他事業戦略上の意義を踏まえ、取締役会において検証・評価した結果、当該株式の売却を進めています。
有5,2474,429ウシオ電機(株)1,464,3171,464,317同社との間では、精機事業を中心に取引関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
有4,1232,710(株)京都フィナンシャルグループ909,876909,876同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有*3,6952,070(株)百十四銀行432,978432,978同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有3,6181,505(株)しずおかフィナンシャルグループ841,250841,250同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有*2,1561,365三菱瓦斯化学(株)508,637678,637同社株式については、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しておりましたが、保有の意義、合理性、その他事業戦略上の意義を踏まえ、取締役会において検証・評価した結果、当該株式の売却を進めています。
有1,8291,578(株)エスケーエレクトロニクス568,400568,400同社との間では、ガラス事業において取引関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
有1,7111,334(株)アバールデータ646,700646,700同社との間では、精機事業を中心に取引関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
有1,6671,451(株)滋賀銀行171,900171,900同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有1,601904(株)タムロン1,208,000302,000同社との間では、映像事業において取引関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
なお、株式数の増加は、株式分割によるものです。
有1,1961,045(株)オキサイド250,000250,000同社との間では、カスタムプロダクツ事業を中心に取引関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
無1,059285(株)七十七銀行40,00040,000同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有367190Essilor Luxottica S.A.6,5006,500同社との間では、眼鏡レンズに関する合弁企業である株式会社ニコン・エシロールを共同経営するといった業務提携関係があり、事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しております。
有237280三井住友トラストグループ(株)40,56240,562同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有*199151第一生命ホールディングス(株)122,60045,975同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
なお、株式数の増加は、株式分割によるものです。
有*174208(株)りそなホールディングス61,17061,170同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しております。
有*10579日本電子(株)-2,300,000事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しておりましたが、当事業年度に売却を実施しております。
有-10,534 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)Oxford Nanopore Technologies PLC-2,857,160事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しておりましたが、当事業年度に売却を実施しております。
無-567(株)ヘリオス-1,537,400事業の円滑な推進及び取引関係の強化・維持のため保有しておりましたが、当事業年度に売却を実施しております。
無-417
(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
また、「*」は、当該発行会社は当社株式を保有していませんが当該発行会社の子会社が当社株式を保有しています。
2.保有効果は定量的なものに限らないため、定量的な保有効果の記載は困難ですが、政策保有株式ごとに、その事業戦略上の意義及び合理性、株主総利回りや関連取引収益などの保有に伴う便益・リスク、当社の資本コストその他の観点も踏まえ、取締役会において定期的に検証・評価を実施しております。
(みなし保有株式) 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ-5,355,500同社との間では、資金借入等の取引関係があり、財務活動の円滑化のため保有しておりましたが、当事業年度に売却を実施しております。
有*-10,770
(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
また、「*」は、当該発行会社は当社株式を保有していませんが、当該発行会社の子会社が当社株式を保有しています。
2.保有効果は定量的なものに限らないため、定量的な保有効果の記載は困難ですが、政策保有株式ごとに、その事業戦略上の意義及び合理性、株主総利回りや関連取引収益などの保有に伴う便益・リスク、当社の資本コストその他の観点も踏まえ、取締役会において定期的に検証・評価を実施しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社8
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社18
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,220,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社18
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社43,597,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社20,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社18,693,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社61,170
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社105,000,000
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社当社の精密計測技術を新たな産業分野で活用するため
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社(株)アバールデータ