財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-06-24
英訳名、表紙EDP Corporation
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 藤森 直治
本店の所在の場所、表紙大阪府豊中市上新田四丁目6番3号
電話番号、本店の所在の場所、表紙06-6170-3871
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
当社は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」)のダイヤモンド単結晶製造技術の事業化を目的として、産総研ダイヤモンド研究センター長であった藤森直治(現当社代表取締役社長)を中心に設立されました。
2009年9月大阪府池田市緑丘一丁目8番31号に資本金10,000,000円で株式会社イーディーピーを設立2009年10月営業開始産総研の研究成果を活用した事業を行う設立5年以内のベンチャーに付与される「産総研発ベンチャー」の称号付与2010年10月2011年5月2011年10月2012年10月2012年11月2013年10月2015年4月2015年11月2017年11月2021年12月2022年2月2022年6月2022年11月 2023年8月2023年11月2024年1月2024年7月2024年9月2025年1月2025年2月2025年3月2025年4月2025年9月2026年3月2026年5月12.5mm長の長尺工具素材の発売国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)・イノベーション推進事業に採択本社及び本社工場を大阪府茨木市五日市一丁目7番24号に移転本社及び本社工場を大阪府豊中市上新田四丁目6番3号に移転1インチ(25x25mm)基板の発売(111)面(注1)研究用基板の発売大阪府茨木市横江一丁目17番3号に横江第1工場(現在は横江工場に改称)を設置Bドープエピ層(注2)付き基板の発売10x10mm種結晶(注3)の発売本社工場の稼働を停止し、横江第2工場(現在は開発部の拠点に変更)の設置準備を開始大阪府茨木市横江一丁目2番9号に横江第2工場(現在は開発部の拠点に変更)を設置東京証券取引所グロース市場に株式を上場大阪府茨木市四丁目26番6号に島工場を設置横江第1工場を横江工場に改称し、横江第2工場を開発部の拠点に変更低抵抗ダイヤモンド基板の発売15x15mm単結晶基板、種結晶の発売エス・エフ・ディー株式会社を設立SFD India Private Limitedを設立13x13mm大型低抵抗ダイヤモンド基板の発売エス・エフ・ディー株式会社によるラボラトリーグローンダイヤモンド宝石の発売30x30mm単結晶基板の発売SFD Antwerp BVを設立ダイヤモンド1インチ単結晶ウエハの発売エス・エフ・ディー株式会社によるカラーダイヤモンド宝石の発売連結子会社のエス・エフ・ディー株式会社を吸収合併ラボラトリーグローンダイヤモンド製造用20×20㎜までの大型種結晶の発売2インチウエハ製作用モザイク結晶の開発に成功(注)1.ダイヤモンド単結晶のデバイス応用に利用する結晶面の一つ。
最も硬い面でありますが、n形半導体(電子が移動する半導体)を作製する成長工程においては、P(リン)を含有する層を成長させやすいので、半導体関連の研究で使用されます。
また、量子デバイス用に、利用するN-Vセンターを整列することができる結晶面として利用されています。
   2.半導体材料として使用するには、その物質の中を電子もしくは正孔(通常の状態に比べ電子が足りない状態)のどちらかが移動できるようにすることが必要です。
このような2種類の半導体を、n形半導体(電子が移動する半導体)、p形半導体(正孔が移動する半導体)と呼びます。
ダイヤモンドは絶縁体でありますが、半導体化するには、周期律表のⅢ属元素(BやAl)やⅤ属元素(P、As、Sb)を混入させます。
n形半導体にはP(リン)を、p形半導体にはB(ボロン)を、結晶内に取り込ませれば(このことをドーピングという)それぞれの特性を持つ半導体となります。
中でも、Bドーピングしたダイヤモンドは、広い範囲の電気伝導率の制御が可能で、比較的利用が容易であります。
当社は、通常の基板上にBドープ層を成長させエピ基板や、高濃度のBを含有した低抵抗基板を製品化しております。
   3.種結晶とはラボラトリーグローンダイヤモンド宝石を製造するために、気相合成法(メタンなどの炭素を含んだガスを、何らかの手段で活性化し、1,000℃程度の温度でダイヤモンドを成長させる方法)でダイヤモンドを成長させるための、元となる結晶であります。
当社の主力製品で、代表的には7x7~15x15mmの形状を持ち、通常は0.3mmの厚さの板状のダイヤモンドであります。
事業の内容 3【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社イーディーピー)及び子会社2社により構成されており、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業を主たる業務としております。
なお、当社グループは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
当社はダイヤモンドの持つ優れた特性を広く利用する応用を開拓することで、ダイヤモンドを宝石として以外の価値を生み出して行くことを目標として2009年に設立しました。
特にダイヤモンドの半導体としての特性は、理論的には非常に優れているとされていましたが、実際に利用する場合には、素材が応用に適した形状等になっていないという課題があり、その解決を目指しました。
それは現在も続く課題で、半導体製造プロセスに使用する大面積のウエハを開発することです。
当初より、この課題解決には長期間を要すると見込まれましたが、平板上のダイヤモンド単結晶を製作する技術を産総研から移転して、これを果たすことを目指しました。
しかし、設立から3年程度で人工宝石製造がビジネスとなり始め、人工宝石製造に用いる元となる結晶(以下、「種結晶」という。
)を大量に供給するビジネスを開始し、企業規模を拡大しました。
人工ダイヤモンドは宝石や研磨剤として60年以上前から広く使われています。
1955年に超高圧合成法(注1)による人工合成技術が開発され、1981年には気相合成技術が開発され、各種の応用に人工ダイヤモンドが使用されています。
宝石については、天然ダイヤモンドが使用されてきましたが、10数年前から人工ダイヤモンドの製品が出始め、今では相当量の人工宝石が宝石店やネットで販売されております。
このような人工宝石は、ラボラトリーグローンダイヤモンド(人工ダイヤモンド:以下、「ラボグローンダイヤモンド」という。
)と呼ばれ、既に欧米のみならず全世界において、市場における認知が進んでおります。
当社はこの人工宝石を製造する手法の一つである気相合成法において、宝石を成長させるための元となる「種結晶」を主要製品として、2012年以来販売してきました。
販売先のラボグローンダイヤモンドのメーカーは、この種結晶を厚く成長させて原石を作り、これをカットと研磨を行い、宝石を作ります。
最終的には指輪等の宝飾品に加工して、消費者に届きます。
従って、当社は、ラボグローンダイヤモンド市場のサプライチェーンにおいて、最上流のポジションに位置しておりました。
当社は産総研の開発した大型ダイヤモンド結晶製造技術を移転し、それによって平板状の単結晶から種結晶を製造し、ラボグローンダイヤモンドを製造する企業への販売を主なビジネスとして行ってきました。
当社が販売しております種結晶は、7x7mm~15x15mmの正方形で、厚さが0.2mmや0.3mmの薄い板であります。
人工宝石製造会社は、これを気相合成法によって、3~10mmの厚さまで成長させます。
成長しますと形状としては粒状あるいは厚い板状の宝石の原料となる結晶(原石)ができあがります。
このような結晶を、カットし研磨しますと、ルース(裸石)になり、これを指輪等の宝飾品に取り付けます。
当社のユーザーは原石を作っている企業でありますが、多くの場合、原石を製作する企業は、ルースまで製作し、自ら宝飾品を製造したり、宝飾業者や宝石店にルースを販売しております。
当社は種結晶は直接もしくは商社を通じて人工宝石製造会社等に供給してきました。
一方、当社の生産技術は、産総研が開発した手法を元にしており、この技術の知的財産権は産総研が有し、当社は特許等実施許諾契約(契約期限2026年10月31日)を締結しており、当該契約に基づき、他の製品を含み、販売した製品金額から算出した実施料を、産総研に納入しております。
当社のこのような事業は、グローバルに展開していますが、その事業系統図を以下に示します。
当社種結晶の事業系統図宝石や研磨剤は、粒状のダイヤモンドを利用していますが、電子部品や光学部品等として利用する場合は、通常は板状の材料を使用します。
当社は、ダイヤモンドの単結晶を、ガスから成長させる人工的な手法で製作し、これを電子材料の分野などへも工業材料として販売しております。
一旦作製した粒状のダイヤモンドを切断して板状のダイヤモンドを作るのではなく、直接板状の単結晶ダイヤモンドを製造できることが大きな特徴です。
これによって、砥粒(注2)や宝石分野以外の応用分野にとっては適用しやすいとともに、当社が採用する気相合成法以外の他の製造手法や競合他社に比べ大型で良質な単結晶が製造できるという、優位性を持っております。
現在では、当社の製品は、次第に一般的になってきている人工宝石製造に用いる元となる種結晶、ダイヤモンドを半導体材料として様々なデバイス(注3)へ使うための基板、高発熱のデバイスを冷やすための材料(ヒートシンク)、原子レベルまでの精度が要求される精密加工切削工具等の分野において利用されております。
当社はこれらの分野へ製品を開発し、出荷しております。
ダイヤモンドは硬度が最も高いことから、従来から、石材などの硬質材料を切断、研磨する砥石として広く使われており、このための微小(0.3mm以下のもの)なダイヤモンド砥粒も、従来から一般的に人工合成技術によって作られておりました。
一方で、ある程度のサイズを持ったダイヤモンド単結晶は、宝石としては多くの人の目に入るものですが、切削工具や光学部品として、工業用にはごく少量しか使われておりませんでした。
最近になって、人工合成手法によって、ダイヤモンド宝石材料を製造する技術が完成し、大量の生産が行われるようになりました。
当社のダイヤモンド単結晶は、この製造において重要な役割を果たす種結晶として使用されております。
当社のダイヤモンド単結晶製造技術は、産総研によって基本技術が生み出され、当社がこれを実用化するために、数々の開発を進めてきました。
産総研はこの技術について基本的な知的財産権を持っており、当社は「産総研発ベンチャー」としてこれらの知的財産権の独占的実施権を有しています。
(1) 当社の製造技術①ダイヤモンドの人工合成技術ダイヤモンドは一般には天然に産するものと考えられていますが、現在使用されている工業用ダイヤモンドのほとんどは人工合成で製作されています。
ダイヤモンドの人工合成法は1955年に超高圧合成法が確立し、その後当社が採用する気相合成法を含む他の2種法が登場しました。
この中で気相合成法は、メタンなどの炭素を含んだガスを、何等かの手段で活性化し、1,000℃程度の温度でダイヤモンドを生成する方法であります。
1981年に、日本の無機材質研究所(現在の研究開発法人物質材料研究機構)が発表して、その後多くの研究者が取り組んだ手法です。
気相合成法とは物質形成手法の一つで、基本的には気相(ガス)から物質が生じる現象を利用します。
気相から元素を取り出す方法が2種類あり、物理的な手法(Physical Vapor Deposition ; PVD)と、化学的な手法(Chemical Vapor Deposition ; CVD)の2つに分類されます。
この内、CVD法のみでダイヤモンドを生成することができます。
CVD法では、ガスを原料として使用し、温度を上げる方法やその他の手段により、目的の物質を作り出すための反応を促進します。
ガスの活性化の手段の一つが放電現象によって発生するプラズマ(注4)であり、プラズマを利用することで、目的の物質を作り出すことが可能であります。
当社は、ダイヤモンドを成長させる手段として、プラズマを利用する「プラズマCVD法」を使用しております。
プラズマCVD法以外の手法でも、金属やセラミックス上にダイヤモンドを形成できますが、その場合は多結晶(非常に小さい単結晶粒子が固まったもの)のダイヤモンドとなります。
単結晶のダイヤモンドを生成させるには、ダイヤモンド単結晶の上に成長させることが必要です。
ある種のCVD法では、成長したダイヤモンドに、金属などの不純物が結果的に混入してしまう手法があります。
当社のダイヤモンドを利用する製品用途では、ほとんどの場合純粋なダイヤモンドを成長させることが必要で、そのために成長させるための成長手法は限定されます。
また、厚さ方向への成長速度が速すぎると、結晶が乱れたり、多結晶が発生することがあり、成長速度を制御できることも重要な要素です。
不純物の混入がほとんどなく、成長速度を制御できる方法は、プラズマCVD法です。
この方法は、反応ガスを放電などで生成するプラズマによって分解するもので、プラズマ生成手段は色々ありますが、当社は、この手段として2.45GHzの電波であるマイクロ波(注5)を採用しております。
各プラズマ発生源(装置)がダイヤモンド成長にとって有効であることは確かめられていますが、安定性と不純物制御の観点から、当社はマイクロ波を選択しています。
使用できるマイクロ波の周波数は電波法などで管理されており、2.45GHzもしくは915MHzの周波数の電波を使うことができます。
当社は現在、2.45GHzのマイクロ波を使った装置で、ダイヤモンドを成長させています。
この装置では、概ね直径約5cmの領域に、ダイヤモンドを形成できることが知られています。
この装置の大きな特徴は、長時間の運転を安定して行うことができることや、数mmといった厚いダイヤモンドを製造することができることであります。
②ダイヤモンド単結晶を成長させる技術単結晶とは、一つの結晶(構成する分子が規則正しく並んでいる状態)でできているもので、天然に産するダイヤモンドはほとんどが単結晶です。
多結晶は、微小な単結晶が集まったもので、結晶と結晶の隣り合う部分は結晶粒界と呼ばれ、分子の整列状態が乱れた状態になっています。
ダイヤモンド単結晶を、CVD法のダイヤモンドが成長できる条件下に置くと、その上を覆うように単結晶が積み上がってきます。
ここでは、成長させるための結晶を「親結晶」と言い、成長した結晶を「子結晶」と称します。
成長した子結晶は、成長させた親結晶と同じ原子配列となるので、成長後には親結晶と一体の単結晶となります。
成長装置形状等による限界はありますが、数mmといった厚さまでの成長は、各種の成長装置で実現しています。
単結晶の成長速度は1時間当たり1µm~20µmとされています。
つまり、1mm程度の厚さを作るのに、50時間(20µm/時間)~1,000時間(1µm/時間)が必要な成長速度です。
成長速度によってでき上がる結晶の特性は変化し、遅い成長速度である程、高品質の結晶が得られます。
成長速度が遅ければ、成長に要する製造コストは高くなります。
従って、求められる結晶品質によって、成長の条件を選択することが重要です。
気相成長した結晶の品質は、成長速度だけで決まるのではなく、混入する不純物や子結晶を成長させる親結晶の品質によっても左右されます。
不純物としては窒素(N)が代表的な元素ですが、成長中の反応ガスに含まれる窒素濃度が変化すれば、広い範囲の結晶品質の変化が見られます。
高窒素濃度の成長では、見た目にも黒くなり、結晶品質が悪くなります。
また、親結晶に結晶欠陥(分子の整列が乱れた部分)が多数あると、成長した結晶にこの欠陥が引き継がれます。
引き継がれる程度は、成長条件によってある程度制御は可能ですが、一般的にはより良い親結晶を使うことは、より良い子結晶を成長させることになります。
また、同じ成長条件で同じ親結晶を使っても、成長前の親結晶の表面が汚れていれば、それが子結晶の品質悪化の原因ともなります。
多くの半導体材料(シリコン、ガリウムひ素、炭化ケイ素等)は、小さな種結晶を成長させて大きくしており、シリコンの場合では30cm(12インチ)の直径を持つ単結晶ウエハも製作できます。
ダイヤモンドの気相からの成長では、この様に結晶の面積を拡大する方法は見つかっていません。
すなわち、あるサイズの親結晶から成長させても、親結晶のサイズよりそれほど大きくはならず、ただ単に厚さが増すだけです。
従って、ダイヤモンド単結晶の成長では、必ず最終的に必要なサイズの親結晶を使う必要があります。
単結晶を大型化するには、結晶の成長方向を変えて、繰り返し成長することが唯一の方法です。
当社でも4x4mm程度の小さな元結晶から、成長させる方向を6回ほど変更することで、12x12mm以上の面積を持つ大型単結晶を製作できました。
しかし、この手法を使っても、装置内でダイヤモンドが成長できる大きさには限界があり、製作できる形状も限られます。
また、複数回の成長を繰り返すため、大型結晶にするには非常に長時間の成長を安定的に行うことが必要です。
2025年2月13日には、以下の写真に示すような、世界最大級の30x30mm単結晶を基板として製品化することに成功しまし、それを公表しました。
この大型単結晶を開発するのには、2年以上の期間を要しました。
                 30x30mmの単結晶ダイヤモンドこのようにして成長したダイヤモンドは、原子の配列が完全なダイヤモンド単結晶であり、不純物を少なく制御できれば、純粋なダイヤモンドとなります。
宝石として使用されている天然ダイヤモンドのほとんどは、0.2%程度窒素を含有していますが、上記のように製作したダイヤモンドは、窒素量を0.0001%以下(1ppm)まで制御することが可能です。
純粋で結晶欠陥の少ないダイヤモンドほど、宝石としての価値も高くなりますが、高品質が必要となる半導体材料や光学材料としても適した性質を実現しています。
③当社の大型単結晶製造技術当社は産総研の技術を基にして、板状のダイヤモンド単結晶の量産技術を確立してきました。
産総研の開発した大型単結晶の製造技術は、以下の2つの特徴ある技術によって構成されており、その特許を産総研が保有しています。
a.イオン注入法(注6)を用いた、成長した単結晶の親結晶からの分離技術b.モザイク結晶の製造法(複数の単結晶を接続し、大面積の疑似単結晶を製作する技術)以下、これらの技術について概要を説明します。
a.イオン注入法を用いた、成長した単結晶の親結晶からの分離技術上記のように、ダイヤモンド単結晶上にダイヤモンド単結晶を成長させると、一体になった単結晶ができます。
親結晶と子結晶は、同じ結晶であるので境界は存在しません。
子結晶を親結晶から剥がさなければ、親結晶をもう一度使うことができません。
ダイヤモンドの切断は、レーザーによって行うことができるため、成長したダイヤモンドをレーザーによって切り離すことが考えられます。
数mm程度の小型のダイヤモンドをレーザー切断するのは短時間で可能で、大出力のレーザーも必要ありません。
切断部分が20x20mmといった大きさになると、レーザーがダイヤモンドに入り込む深さが限定されますので、切断に非常に長時間を要します。
このことは切断コストが高くなることを意味し、現在のところ強力なレーザーを用いても工業的に切断できる大きさには、30x30mmといった形状の限界があります。
近年利用が進んできたウォータージェットレーザーを使えば、ある程度大きな結晶を切断することは可能です。
しかし、ダイヤモンドデバイス生産で要求されているのが2インチ(5cm)ウエハと呼ばれる円盤状のダイヤモンド単結晶で、この場合は直径5cmを横に切る必要があり、実現はかなり難しいと考えられています。
そこでレーザー切断以外の方法で、以下の図に示す成長した結晶を切り離す技術を開発しました。
親結晶からの分離技術 この方法は、イオン注入を用いて、切り離す方法です。
イオン注入は、非常に高いエネルギーにより加速したイオン(電荷を帯びた分子等)を、物質表面にぶつける手法で、半導体デバイスの製造において不純物元素を半導体材料に入れるために使用されています。
少量のイオンが入った場合には、結晶は元のままを維持できますが、多量にイオンを注入した場合には、表面から侵入したイオンが一定の深さで止まりますが、その部分の結晶を乱します。
当社ではダイヤモンドに炭素イオンを打ち込みますが、イオンが止まった部分で結晶を崩し、カーボン状の領域を作ります。
しかし、一定の厚さの最表面はイオンが通過することができるので、ダイヤモンドの結晶は崩れておらず元の整列した状態を維持できます。
どのような深さまで侵入するかは、イオンの種類、イオンの加速エネルギー、注入する相手物質の結晶構造によって異なります。
ダイヤモンドの場合は、C+(炭素原子の電子が一つ少ないイオン)を使ってイオン注入していますが、ダイヤモンドを構成する炭素ですので、不純物混入の心配がなく処理が可能です。
1MeV(メガエレクトロンボルト;1,000,000Vの電圧で加速した状態)のC+イオンは約1.2µmの深さに侵入し、その周辺の結晶を崩します。
上記のように、これでも最表面はダイヤモンドの結晶が元のきちんとした整列状態を維持しています。
マイクロ波プラズマCVD法で、このイオン注入した結晶の表面にダイヤモンドを成長させると、最表面の結晶が崩れていませんので、ダイヤモンド単結晶が成長できます。
所定の厚さまで成長させた後でも、この親結晶と成長した結晶は、離れていません。
これを、電気化学的な手法を用いて、結晶が崩れた薄い部分を除去します。
そうすると、先に成長したダイヤモンドが親結晶から分離して、板として取り出すことができます。
イオン注入によって結晶が崩れる部分は、わずか1µm程度の薄い層ですので、エッチングによって喪失する部分はごくわずかです。
従って、親結晶はこの分離作業が完了した時、イオン注入前の形状で少しだけ薄い状態となります。
その表面に再度イオン注入を行って、同じような手順で新たな子結晶を製作することも可能です。
分離した子結晶は、基本的には親の結晶と同じ形状で、成長した厚さの板状です。
厚さは成長時間で制御できますので、必要な厚さまで成長を行えばいいということです。
この手法は、面積が大きな親結晶を使っても、同じように実現することができます。
すなわち、大型の親結晶が製作できれば、その後は、その同じサイズの単結晶を次々に製作できます。
デバイスの製作を目指すなら、2インチ(直径5cm)の親結晶を開発できれば、2インチの薄い板が製作できます。
b.モザイク結晶の製造法(複数の単結晶を接続し、大面積の疑似単結晶を製作する技術)2インチのウエハを作るために、2インチの単結晶を作る必要がありますが、これはまだ実現していません。
現在においては、30x30mmの単結晶が最大の形状であり、2インチにするためにはこれを接続して、2インチの大きさにすることが考えられます。
そこで、横方向の接続方法が開発されました。
上記の分離技術を使い、同じ親結晶から複数枚の子結晶を製作します。
この子結晶を横に並べ、その上にさらにダイヤモンドを成長させると、複数の子結晶は新たに成長した部分でつながります。
このようにして、1個の結晶ではなく、複数個の連結した結晶を得ることが可能です。
当社ではこのような連結した結晶のことを「モザイク結晶」と呼んでいます。
モザイク結晶を作る際の問題は単結晶同士の連結部分の結晶の品質にありました。
連結部分はいわゆる結晶粒界になるのですが、この状態が悪くなると、その部分に多結晶ができ、見た目にも黒い線ができます。
隣り合わせる結晶は、表面の結晶方位(注7)を合わせなくては、きれいに接続できませんが、それでも微妙な結晶方向の違いが発生するために、境界をきれいにすることは難しいことが知られています。
産総研の開発した技術は、以下の図に示すように、複数個の結晶を同じ親結晶から、上記a.の技術を使って分離した子結晶を使います。
モザイク結晶の製作技術同じ親結晶から複数個の結晶を作ることで、結晶面の揃った複数個の結晶を得ることができます。
これを横に並べ、その上に成長させることによって連結し、境界がきれいなモザイク結晶を得ることができます。
以下の図(30x30mmのモザイク結晶の写真)はこのような当社のモザイク結晶の例であります。
9個の約10x10mm単結晶が接合され、30x30mmの大きな一つの結晶として扱うことが可能であります。
 30x30mmのモザイク結晶の写真 ④生産プロセスへの適用当社の生産プロセスの全容は、以下の図のとおりであります。
当社の生産プロセス概略図当社の生産技術で重要なことは、製作したモザイク結晶を使って、親結晶からの分離技術を使い、同じサイズのモザイク結晶を作ることであります。
いわばモザイク結晶の複製を作り続けることで、多くの同じサイズのモザイク結晶を製作しております。
結晶粒界の内側は単結晶であり、その部分を切り取れば、単結晶の製品とすることができます。
モザイク結晶を親結晶として、親結晶からの分離技術によって、比較的薄い板を製作します。
製品ごとにダイヤモンドの厚さへの要求は異なりますが、厚い製品場合は分離した結晶にさらにダイヤモンドを積み増して、所定の厚さとします。
所定の形状への切断は、レーザーで行っています。
丸や四角形等の形状を、数10µmの長さ精度で切り出すことができます。
製品によっては表面の研磨が必要で、当社はスカイフ(注8)と呼ばれる手法で、10µm程の粒径を持った砥粒を研磨剤として使って研磨しております。
イオン注入を用いて成長した結晶を分離する手法は、個々の単結晶を使っていると、煩雑となるため、当社は複数個の単結晶を接合したモザイク結晶を使用しています。
すなわち、上図の親結晶は、10x10mmの単結晶が2~9つ接合したモザイク結晶となります。
完成する薄板も、同じように2~9個の単結晶が接合したモザイク結晶を得ることができます。
一つ一つの単結晶サイズが大きくなると、単結晶部分の面積が大きくなり、大きい単結晶製品を製作することが可能となります。
親結晶は、複数回使用することが可能ですが、表面状態が悪くなれば、再研磨を行ってきれいな表面に仕上げます。
何度かこれを繰り返すことができ、一つの親結晶から20個以上の子結晶を得ることも可能であります。
しかし、永久に親結晶を使えると言う訳ではなく、ある程度使用しますと割れたり、大きな欠陥が入ったりしますので、そのような状態になれば、親結晶としての使用を止めます。
親結晶は常にイオン注入する面の状態を、良い状態にすることが必要であります。
イオン注入を経て、分離が終わると、新しい子結晶の特性は、親結晶の表面状態の影響を強く受けます。
親結晶の管理は、当社製品の特性を良好に保つために、重要な管理項目であります。
当社は単結晶製品を大量に製造していますので、このモザイク親結晶を多数保有し、これらを次々に生産プロセスに投入し、分離したモザイク子結晶素材を使って製品を製作しております。
成長はマイクロ波プラズマCVD法と呼ばれる手法で、安定的に良質の単結晶を成長させることができます。
成長を薄い状態で止めれば、薄い素材ができます。
また、一旦分離した素材をさらに積み増して、厚い素材を作ることもできます。
現在のところ、製作できる結晶の厚さや大きさは、以下のような範囲です。
 a.大きさ:1x1mm~38x38mm(モザイク結晶を含む) b.厚さ:0.03mm~3mmモザイク結晶を構成する最大の単結晶は、現時点では30x30mmですので、モザイク結晶から作る単結晶の最大の大きさは30x30mmです。
30x30mm以上の大きさの場合は、モザイク結晶を製品としています。
当社は、このモザイク結晶で2インチウエハを製作することを検討しており、2026年5月27日に、上記の30x30mm単結晶を4個接続し、53x53mmのモザイク結晶の製作に成功したことを公表しました。
これによって、2インチウエハが製作可能なモザイク結晶が完成しましたので、それにイオン注入を行って、子結晶を分離する技術で2インチウエハを製造する計画です。

(2) 当社製品の特長 当社の単結晶は、上述の生産工程に関連して、以下に示すような特長を持っています。
①大型の単結晶当社は、大型の単結晶を、大量に製造することができます。
30x30mmの四角形の単結晶、38x38mmのモザイク結晶を製品として出荷しています。
単結晶として製品化している30x30mmは世界最大と考えられます。
②板状の形態天然や超高圧で製造したダイヤモンド単結晶は通常粒子状です。
用途の多くは板状で使用するため、粒子から板を切断によって製作することが求められます。
これに対し、当社は元々板状の単結晶を製作できますので、このような切断工程が必要ありません。
このために、板状の製品を製作するコストが安くなります。
③広い厚さ範囲当社の生産プロセスにおいて、成長させる結晶が薄いうちに(短時間で)成長を止めれば、薄板を製作できます。
一方、ある程度の厚さの板を作った後で、追加の成長を行えば厚板ができます。
当社の生産手法は、板厚に対する制限がほとんどないところが特徴で、板厚0.03~3mmまでの2桁の範囲の製品を生産することが可能です。
④様々な仕様の基板ダイヤモンドデバイスの研究開発は、未だ基礎的な研究段階です。
このため、研究者ごとに必要な基板が異なりますが、当社はこれに対応できる様々な仕様の基板を製品化しています。
高品質の基板、半導体層を通常の基板上に形成したエピタキシャル成長基板、表面の結晶面を特定したもの、結晶面を少し傾けた基板等々を生産することができます。
<用語解説>番号用語意味・内容注1超高圧合成法プレス等の装置を用いて、数万気圧、1000℃以上の高温の状態を作る手法をいいます。
金型などを用いて、超高圧条件に置きたい物質を閉じ込め、圧力を伝える物質を通して、プレス等の圧力をその物質に伝えます。
ダイヤモンドの超高圧合成法は、5万気圧で1,500℃という極限の条件で、金属中に溶けている炭素が、ダイヤモンドに変換されます。
注2砥粒硬いものを削るために、硬質物質を金属やプラスチックで固めた砥石に使用する粒状の硬質物質の総称であります。
また、研磨剤として粒子のままで使用することもあります。
ダイヤモンドの場合は、代表的には0.005~0.3mmの直径を持つ粒子を使用します。
注3デバイス広義には電子機器や部品を指します。
ここでは、主として動作する部品、とりわけ電子や正孔によって動作する半導体素子(論理素子、アンプ、センサー、発光素子等)を表しております。
注4プラズマ物質の4態の一つで、気体よりもさらに高温の条件で現れます。
気体の段階では分子は維持されていますが、プラズマになると、分子から電子が出るなどして、帯電粒子が生成されます。
イオンも混在することで、反応が起こりやすくなります。
プラズマの中にも段階によって異なる形態があり、当社が使用しているプラズマの状態は、非平衡プラズマと呼ばれております。
このプラズマでは、分子と電子やイオンは温度が異なっております。
実用的なプラズマの生成は、ほとんどの場合何らかの放電現象を用いております。
注5マイクロ波波長が1mm~1mを持つ電波の名称であります。
周波数では300MHz~300GHzであります。
加熱や通信に用いられる電波で、工業的に利用できる帯域が決まっております。
広く利用されているのは電子レンジで、2.45GHzの周波数であります。
ダイヤモンドを合成するために使う電波としては、この2.45GHzと915MHzの2種類があります。
注6イオン注入法イオンとは、通常の状態の原子が、電子を放出するか、余分に電子をもった状態で、+もしくは-の状態になっています。
このような状態であれば、+極もしくは-極に引き寄せられます。
引き寄せる電圧を高くすると、イオンは高速で移動し、高いエネルギーを持ちます。
このような高いエネルギーを持ったイオンを、物質にぶつける手法を、イオン注入法と呼びます。
高いエネルギーを持ったイオンは、被衝突物質に打ち込まれ、次第にエネルギーを奪われて停止します。
ぶつかった部分は、イオンによって物質の結晶が壊されますが、イオンの量によって結晶の破壊程度は異なります。
当社の場合には、炭素イオンを用いて、ダイヤモンドの表面から数µmの範囲にイオンが侵入し、ごく表面以外はダイヤモンドの結晶を壊し、カーボン状にしてしまいます。
注7結晶方位原子が整列した結晶では、並び方によって異なる面ができます。
この面の向きを方位といいます。
方位が異なっているということは、異なった面が対象となっているか、同じ面でも向いている方向が違っている、ということであります。
ダイヤモンドの場合は、(100)面と呼ばれる面で成長し、その側面も(100)面となるようにしています。
この側面の向きが異なることで、接続部の品質が低下します。
方位を完全に合わせるのは大変難しいのですが、モザイク結晶の作り方はこの問題を簡便に解決できる方法でもあります。
注8スカイフダイヤモンドの研磨を行う最も一般的な手法であります。
鋳鉄(いもの)の円盤の上にダイヤモンドの粉末状研磨剤を油で固定します。
この円盤を高速回転(数1,000回転/分)して、その上に削りたいダイヤモンドを押し付けます。
ダイヤモンドの表面は、1,500℃以上の高温となりますので、ダイヤモンドの粉末で削る効果と、高温で鉄とダイヤモンドが反応する効果の2つが並行して起こり、ダイヤモンドを研磨します。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社)SFD India Private Limitedインド・スーラット市30,000(千INR)ダイヤモンド応用製品の開発、製造、販売100役員の兼任ありSFD Antwerp BVベルギー・アントワープ市200(千EUR)ダイヤモンド応用製品の輸出入、開発及び販売100役員の兼任あり(注)1.当社は、完全子会社であるエス・エフ・ディー株式会社を2026年3月31日付で吸収合併いたしました。
2.SFD India Private Limitedの当社の議決権比率は、現地の会社法の規定(最低株主数の充足)に対応するため、当社取締役名義で保有している1株を含めて記載しております。
3.SFD Antwerp BVは、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
4.「主要な事業の内容」欄について、当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、連結子会社が行う主要な事業を記載しております。
従業員の状況 (2)【従業員の状況】
①連結会社の状況 2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業70(13)合計70(13)(注)1.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間の平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
2.臨時従業員には、嘱託社員、パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含んでおります。
3.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
②提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)67(13)48.45.04,8652.4(注)1.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間の平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
2.臨時従業員には、嘱託社員、パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含んでおります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与には、臨時雇用者数は含まれておりません。
5.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
③労働組合の状況 当社には、従業員の一部が加入している労働組合が結成されておりますが、従業員代表や労働組合と賃金等の労働条件について適宜協議・合意等を行っており、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
 連結子会社には、労働組合は結成されておりませんが、従業員代表と賃金等の労働条件について適宜協議・合意等を行っており、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
④使用人等のみに対して付与した新株予約権の内容 当社は、使用人等のみに対する新株予約権を付与しております。
当該新株予約権の内容については、「1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」に記載しております。
⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異a. 提出会社 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
b. 連結子会社 連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針当社グループは、優れた特性を持つダイヤモンドの広い応用によって、様々な分野でのイノベーションの創出を進め、地球規模での環境維持や各種の社会問題の解決を通じ、世界への貢献を目指しています。
当社グループで活動する従業員が、健康で充実した日々を送れるよう、様々な施策を講じています。
また、株主や顧客、取引先などのあらゆるステークホルダーへの責任を果たすことを、経営方針としています。

(2) 経営環境等当社グループの事業は、基本的には人工合成のダイヤモンドを販売する材料ビジネスですが、ほとんどがダイヤモンドの新しい応用を目指す分野に向けられています。
天然のダイヤモンドは形状や組成が広い応用に適さないことから、人工合成のダイヤモンドを使った開発が進められています。
また、伝統的な分野である宝石についても、人工合成ダイヤモンドへの転換が進んできており、米国では既に50%を超えるシェアになっているとの報道もあります。
これに伴って多数の企業が設立され、活発な市場環境となっています。
しかし、2024年3月期後半から、小型宝石を中心に価格低下が急激に起こり、製造会社の採算が悪化しました。
このために2025年3月期においてイスラエル、米国、インド、欧州等で関連企業の倒産や製造の停止が起こり、当社の種結晶事業にも大きな影響を与えました。
特に、当社の主要ユーザーの中には、小型宝石の生産を主体とする企業があり、その倒産などによる受注の減少が、売上の減少につながりました。
一方、工具用素材としての利用も既存市場と言えます。
その市場規模は安定的ではありますが、種結晶や基板及びウエハの市場と比較して市場規模が小さく、当社が幅広く参入する環境ではありません。
一方で、ダイヤモンドデバイスの開発は近年急速に活発化しています。
これはパワーデバイスとしてEVやHEVの電力制御等の用途へ適用できる可能性が高くなっており、量子センサーとして弱磁場計測が可能となる等の開発が進んでいます。
この用途は、競合する他の材料よりダイヤモンドの方が理論的には優れた特性を持っており、優位に立てるという可能性があるからです。
このためダイヤモンド素材市場は、次第に拡大してきましたが、デバイスの製品化には至っておらず、近い将来に形成されると考えられます。
デバイスの製作には、既存のデバイス製作プロセスを使用することが必須であり、このためには最小でも2インチウエハ(直径50mmの円盤状)を開発する必要があります。
その他にも様々な基板やウエハ、さらには基板やウエハの表面に薄い半導体動作層を形成したエピタキシャルウエハ等が商品として要求されています。
2インチウエハなどのインパクトのある製品が実用化できれば、当社としては大きな展開が可能となると考え、開発に注力しております。
現在製品を供給している分野について、市場環境を以下に示します。
①ダイヤモンドデバイスウエハ及び基板の市場ダイヤモンドデバイスの開発は、国家レベルの支援が広がっていること等で、この数年に活発化してきました。
現在検討されている主なデバイスとしては、以下のようなものが挙げられます。
1>大電力を制御するパワーデバイス2>高周波の大電力デバイス3>耐放射線デバイス4>量子コンピューター5>量子センサー(主として弱磁場のセンサー)これらのデバイスの開発の一部は実用に供するレベルの性能が確認され、量産への移行も視野に入っています。
さらに、その開発を各国政府が支援するプログラムも、日米欧豪の各国で進められており、ベンチャー企業の設立支援も行われております。
ベンチャー企業は各社ごとに開発製品の対象を持っており、そのために要求されるウエハ、基板及びエピタキシャルウエハは多岐に渡っております。
大電力制御のパワーデバイスの有力の応用は、EVやHEVの電力制御ユニットへの適用であります。
既に自動車メーカー及び部品メーカーがこの分野の開発に着手しておりますが、自動車への適用には非常に長期に渡る信頼性確認試験が必須であり、必ずしも早期に実用化するとは言えません。
当社はこの開発を手掛ける株式会社本田技術研究所(以下、「本田技術研究所」)と、共同研究を進めるべく、その基本合意書を2026年3月19日締結し、同年8月の共同研究契約の締結を進めるべく、テーマの設定などについて協議を行っています。
自動車に搭載するデバイスは、要求される価格が非常に厳しいことから、従前から使われているデバイス製造プロセスを利用することは必須の条件であります。
このためには最小でも2インチ(直径50mm)ウエハを実用化することが必要であり、要求されるコストを実現するには4インチ(直径100mm)以上のウエハを開発する必要があります。
当社は各デバイス開発機関が、それぞれのデバイスを製造するプロセスを確立するために、必要なウエハを供給できる時期について、ロードマップを示しております。
このロードマップは、最初に2024年11月に開示し、その中で1インチウエハから4インチウエハの開発時期を示しました。
1インチウエハにつきましてはほぼ計画通りに製品化できましたが、2インチウエハの開発は計画より約半年遅れております。
2026年5月27日に、2インチウエハ用のモザイク結晶の開発に成功したことを公表しましたが、2インチウエハについては現在製品化を進めており、2027年3月期下期に実現できると計画しております。
耐放射線デバイスは、規模の小さい応用であり、2インチウエハが製品化できれば生産が可能と考えられますので、比較的早い時期に実用化できると想定されます。
量子センサーは、弱磁場検出用として、バッテリーの寿命検知や、心磁場計測等の医療分野への応用が期待されています。
この場合にも製造コストが大きな課題となると考えており、2インチ以上のウエハを開発することは必須と考えられます。
しかしこの用途では、窒素(N)と空格子(V)のペアになった欠陥(N-Vセンターと呼ぶ)を制御することが必要で、上記の各応用のような単純なダイヤモンド単結晶ウエハでは、対応できない可能性もあり、今後必要な特性を把握して開発を行う所存です。
この市場においては、当社の持っている30x30mmの単結晶が最大であり、不純物含有量や欠陥密度などの特性面においても、当社製品は優位にあります。
競合する材料としては、金属などダイヤモンド以外の単結晶材料を基板として成長させたダイヤモンドを使う案が出ています。
これはヘテロエピタキシャルと呼ばれる手法で、最大4インチウエハも製造できることを複数の企業が公表しています。
しかしこの結晶は、一種の多結晶であり、デバイスの製作には問題があるというのが、開発機関の共通の見方です。
今後結晶性能が改善される可能性は否定できませんが、現時点においては、単結晶を基本とする当社のウエハ製作方針には、一定の優位性があるものと考えております。
②人工ダイヤモンド宝石製造用の種結晶市場a.人工宝石の製造と市場人工ダイヤモンド宝石は超高圧合成法と気相合成法によって製作されるダイヤモンド宝石です。
ダイヤモンドとしては、天然に比べ不純物が少なく純粋で、無色だけでなくピンク、ブルー、グリーン等の色がついたものも販売されております。
「Fortune Business InsightのLab Grown Diamonds Global Market Report 2026によれば、ダイヤモンド宝石市場でラボグローンダイヤモンドは34%以上の市場を獲得しており、今後10年間、年13%のペースで市場拡大が進むと予測されています。
一方、生産量の拡大によって価格低下も進行しております、同一のグレードなら天然の20%以下の価格で販売されているところもあります。
欧米においては、天然ダイヤモンドの採掘による自然破壊や、以前から指摘されている鉱山における児童労働等の問題があるため、人工ダイヤモンドのSDGsにおける優位点を意識する消費者が増加しております。
これに対応して、宝飾店においても人工宝石を積極的に販売するところが増加しております。
人工合成のダイヤモンドを製造する方法は、超高圧法と気相合成法があります。
気相合成法で作る人工ダイヤモンド宝石は、超高圧法で製造される宝石に比べ、高品質で大型のものを作ることが可能です。
このため、新規に人工宝石に参入する企業の多くは、気相合成法で製造しております。
特にインドにおいては、毎年多くの新規企業が設立され、既存企業の生産能力も大幅な拡大を続けております。
b.種結晶に要求される形状この気相合成法で製作している宝石は、製作するに際して種結晶が必要とされます。
通常は0.2mmないし0.3mm厚の薄い単結晶を種結晶として使用し、3~10mmの厚さに成長し、これをカット、研磨して宝石に仕上げます。
気相合成法では、結晶の成長は厚さ方向のみ成長しますが、面積方向の成長がほとんどありません。
このため、成長によって種結晶の形状からの面積的な拡大が無く、宝石としての形状は上部から見た形状と厚さの関係が一定であるため、種結晶形状が宝石の大きさ(カラット数)を決定します。
例えば、ブリリアントカットの場合では、直径と厚さの関係は約0.6です。
このように、種結晶のサイズが、最終的に宝石となるダイヤモンドの大きさを決めるため、大きな宝石の製造を目指すには、大きな種結晶が必要となります。
最近の人工宝石市場では、大型宝石の出荷が活発となっています。
天然ではほとんど市場で見られない5カラット以上の宝石を目指す動きもあり、当社は大型種結晶のニーズがあると見込んでおります。
当社は5x5mm~15x15mmの広い範囲の形状を持つ種結晶を製作できますが、当連結会計年度において12x12mm以上の大型種結晶の販売数が大幅に増加しています。
現在では成長装置を1,000台以上も保有する人工宝石製造会社が複数あり、これらの会社が必要とする月当たりの一つのサイズの種結晶は1,000個を超える場合もあります。
このような大量の種結晶を、品質の揃ったものとするためには、生産技術の安定が必要で、当社は既にこの能力を具備しております。
当社は2026年5月13日に、16x16mm~20x20mmの大型種結晶の販売を決断し、公表いたしました。
次項にも記載しましたが、インドでは大型の種結晶を用いて、一つの原石から複数の形状の異なる宝石を切り出す製造方法が普及し、種結晶の大型化が要求されてきました。
このような状況に鑑み、当社はこれまで出荷していなかった大型種結晶の販売に踏み切りました。
これによって新たなユーザーの獲得が可能となると考えております。
c.種結晶ビジネスの競合当社は種結晶を独自技術により製造し人工宝石製造会社等に販売しておりますが、当社の販売先である人工宝石製造会社の一部が、成長した結晶を薄く切断して、その表面を研磨することで、自社で種結晶を製作しております。
その場合には、当社と競合することになります。
この手法の製造コストは、現時点では当社より高いと判断しております。
また、金属等の基板上に成長した疑似単結晶を、種結晶として製造している企業もありますが、種結晶としての性能は当社種結晶より劣ることが判明しております。
インドの人工宝石製造会社は、大型の種結晶から大型の原石を製作し、そこから大小織り交ぜて複数個の宝石を切り出す技術を持っております。
このことによって、小型の宝石を大型の種結晶から作る技術が実現できており、小型種結晶の需要が減少したと考えられます。
また、このような技術を保有しない企業は、採算性の悪化から事業を停止することも起こったと考えられます。
宝石の結晶としての品質は、後述するような半導体デバイスに要求される結晶品質に比べると、一般的には悪いものでも使用できます。
宝石としての見映えは重要で、カラーやクラリティーは宝石鑑定の重要項目ですが、これらと結晶品質が必ずしも直接結びついているわけではありません。
そのため、当社の種結晶より品質が劣るとされている疑似単結晶の種結晶を利用する企業もたくさんあります。
d.宝石及び宝飾品人工宝石市場については、前述のとおり既に一定の市場が形成されており、多数の企業が参入しております。
一方で、市場規模は相応に大きく、また、日本国内においては海外市場と比較して普及の余地があるものと考えております。
そのため、当社が当該市場に取り組むことは、当社が製造するダイヤモンドの特長を活かした新たな事業機会の創出につながる可能性があるものと認識しております。
当社は大型単結晶を製作できることから、大型の宝石を製作できます。
また、薄く大型な原石を製作することで、これまでなかったようなデザインの宝石を開発することも可能です。
さらに、既に商品化しておりますように、ブルーやピンクのカラーダイヤも販売可能です。
多様な宝石を製作できることから、これらを組み合わせて新しいデザインの宝飾品を検討することも可能です。
このように、当社には独自の宝石や宝飾品を市場に出せる環境ができており、日本でダイヤモンドを生産しているという他にはない特徴を持っています。
これを最大限に利用して、Japan Made Diamondとして販売することを進めています。
この販売方法は、日本ブランドが有効な東アジア圏でも有力な販売手段となると考えられ、ブランド化を進める所存です。
一方で、宝石の製造コストは、インドや中国企業に比べて高くなることは避けられないと考えられますので、デザインのみならず、販売方法も戦略的に進める必要があると考えられます。
③光学部品及びヒートシンクダイヤモンドの持っている高熱伝導率や、光やX線を透過する特性を利用し、デバイスの除熱や、各種計測器、放射光施設等の部品などに利用されております。
5Gシステムに代表される先端通信分野や、データーセンターで用いられるパワーデバイス等では、高発熱のデバイスが使用されることから、熱を除去して安定的なデバイスの動作を実現する材料としてダイヤモンドの利用検討が進んでおります。
また、高出力レーザーや自動車で使用するパワーデバイスの実装において、ダイヤモンドの高熱伝導率を利用する試みも、広く行われています。
ダイヤモンドを光学部品として利用し、大エネルギー密度光の透過窓として利用したり、検査機器で使用するX線源のX線を透過する窓としての利用が開始されております。
また、放射光施設の窓材や計測機器に、適用することも検討が進んでいます。
これまでの市場は、散発的なアイデアで開発される部品の供給が多かったのですが、X線用窓が量産に移行した等の新しい動きがあります。
当社は現在開発が進んでいるヒートシンクとしての利用について、実現性が高く、将来の大型市場を形成できることを期待しています。
④工具素材ダイヤモンド単結晶を利用する切削、耐摩耗工具は、加工する相手材料が限定され、特殊な加工に限られております。
また、工具素材の全市場では、ほとんどが超高圧合成単結晶を使用しております。
超高圧合成単結晶のサイズが限定されていることから、当社の大型結晶への要求があります。
なお、工具素材については、積極的に販売拡大を行わない方針であります。
(3) 目標とする経営指標当社グループは先端技術を使っている製造業であり、製造設備への投資を継続的に行っていく必要があります。
このために、高い利益率を維持し、確固たる資金調達手段を保持することが重要と考えられます。
このような観点から、主な経営指標として、以下の経営指標を重視しております。
①売上高成長率②経常利益率③ROE④自己資本比率 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2027年3月期を始期とする以下の3ヶ年の中期経営計画を策定(2026年5月27日に公表)し、その最終年度である2029年3月期に、以下の数値の達成を目標としております。
第2の創業と位置づけ、当社グループ企業あげて取り組んでまいります。
<中期経営計画>(当社及びSFD India Private Limited、SFD Antwerp BVの連結ベース)                                        (単位:百万円) 2027年3月期2028年3月期2029年3月期売上高1,1001,5302,080営業利益又は営業損失(△)△283△5195経常利益又は経常損失(△)△18939189親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失(△)△19541321株当たり当期純利益又は当期純損失(△)(円)△10.360.217.01当社グループのビジネス分野は半導体デバイス開発に必要な素材であるウエハ・基板等(ダイヤモンドデバイス)及びラボグローンダイヤモンド関連の種結晶・ルースの2つで構成されております。
中期経営計画の達成に向けての、当社グループ共通の課題、それぞれの事業分野ごとの課題は以下のとおりです。
①ダイヤモンドデバイス分野の活動に係る課題ダイヤモンドの持つ優れた半導体特性を利用する、パワーデバイスや量子デバイス等に応用するための開発は世界各地で進められており、各国政府もこの開発に資金支援を行っております。
この数年の開発によって、ダイヤモンドデバイスの実用性の可能性が高まり、生産を目指したベンチャー企業等も設立されてきました。
しかし、本格的な量産にはまだ数年以上が必要と見られ、ウエハ等の市場形成はこれから進むと見られます。
半導体デバイスの量産のために既存の半導体プロセス技術を使うことは、コスト低減に重要な意味があり、その中では円盤状のウエハを使うことが必須です。
その最低の大きさは2インチウエハ(直径50mm)であり、この実用化が早まれば、量産技術の開発が進み、デバイス実用化が早まるとみられます。
当社グループは、単結晶の大型化を進め、最終的に4インチウエハの実用化を目指すロードマップを2024年11月に開示し、これに沿った開発を遂行しております。
30x30mmの世界最大級の単結晶を2025年2月に実用化し、これから1インチ(直径25mm)ウエハを2025年4月に製品化しました。
2インチウエハを製作するために、25x25mm以上の単結晶4個を横方向に接合したモザイク結晶で50x50mm以上のサイズのモザイク結晶を作り、そこから直径50mmの円盤を切断すれば2インチウエハとなります。
この2インチウエハを2025年末までに完成させることを目標とし、開発を行ってまいりましたが、目標時期での開発は完了しませんでした。
このような大面積のモザイク結晶では、接合部分に想定以上の応力が発生することが分かりました。
2インチモザイクウエハ開発は今後も継続して進めるとともに、次の目標である4インチウエハに向けた開発を開始しております。
50x50mm単結晶の開発は2028年3月の完成を目標としており、これを使った4インチモザイクウエハ開発が目標となります。
しかし、4インチウエハの開発については、先に示したロードマップ以外にも到達できる手法が考えられますので、今後は複数の手段を検討して、なるべく早く4インチウエハの実用化を目指してまいります。
さらに、自動車などの大電力を使用するパワー制御ユニットでは、縦型構造のデバイスが必要とされており、導電性を持つウエハ開発が強く要求されております。
当社は既に2024年8月に、高濃度のボロン(B)を含有する低抵抗基板を商品化し、このデバイス開発を行っている機関からの受注に応えてきました。
このダイヤモンドの製法は、通常のダイヤモンド結晶とは異なり、当社グループの基本技術であるイオン注入による分離技術が利用できず、異なった製作手順で作製しておりますので、大型ウエハの製造には新たな製造方法の開発を行う必要があり、この課題に取り組んでおります。
半導体応用のダイヤモンドウエハは、単にサイズだけを拡大すれば使用できるということではなく、ダイヤモンドの結晶品質や表面の粗さ等の改善すべき課題があります。
当社グループはそれらの課題にも取り組むために、研磨技術や形状計測等の技術開発にも着手しております。
また、これらの製品は、販売直後から量産に向けて低価格化が強く要求されます。
このような価格動向を事前に想定して、コスト削減を進めることも重要な開発要素です。
最終的にはこれらの技術を集約し、実用的に利用できるダイヤモンドウエハの規格を確立することが、普及への道筋と考えております。
2026年3月19日付で、当社は本田技術研究所とダイヤモンドウエハ等の共同研究を行うための意向確認書を締結しました。
本田技術研究所は本田技研工業株式会社が製造する自動車に係る技術開発を担っており、ダイヤモンドパワーデバイスをEVやHEV等で利用することを目標とした開発を進めております。
当社が材料の開発を担当し、この実用化に協力することで、開発期間の短縮や開発費用の削減を進める計画です。
当社グループにとっても、実用におけるダイヤモンドへの課題を明確にできることで、開発のスピードを上げることが期待できます。
当社グループは、他のダイヤモンドデバイス開発を進める各企業や研究機関とも密接にコミュニケーションを取っており、ユーザーの要求仕様を正確に把握し、開発計画に反映してまいりますが、それらも含めた現時点でのダイヤモンドデバイスの実用化に向けた当社グループとしての重要な課題を以下に列挙いたします。
ⅰ.2インチ~4インチへの大型モザイク結晶の作製技術開発とコスト削減ⅱ.目標とするデバイス性能へ対応できるレベルへのダイヤモンド結晶品質の向上ⅲ.低抵抗ダイヤモンドの2インチ、4インチウエハの開発ⅳ.高純度ダイヤモンド結晶の実用化(量子デバイス対応)ⅴ.エピタキシャル基板(薄いドーピングダイヤモンド等を成長した基板)の用途ごとの要求に対応する多様化への対応ⅵ.提携する各社とのコミュニケーションによる市場へのタイムリーな製品の投入 これらの各種の取り組みには、多額の研究開発投資が必要となります。
資金調達を多様化するとともに、国レベルの支援を受ける等の対応により、必要な設備投資を行ってまいります。
さらには、人的なリソースの拡充も重要であり、継続的な募集を行って、多数の人材を確保してまいります。
②ラボグローンダイヤモンド関連ビジネスに係る課題ラボグローンダイヤモンドの本格的な宝石ビジネスは10数年前に始まりましたが、市場アナリストの情報として、現在ではダイヤモンド宝石市場における流通量の20%以上にも達しているとの推定もあります。
米国では50%を超えたとの情報も出ており、いよいよラボグローンダイヤモンドが本格的に天然ダイヤモンドに置き換わる方向に進んでおります。
ビジネス規模は依然として急速に拡大しており、当社グループは2024年11月に公表した基本方針で、種結晶に偏重していたそれまでの取り組みを改め、宝石の販売などこの分野全体へのアクセスを行うことといたしました。
この方針の皮切りとして、2024年1月に宝石の製造販売を担う子会社エス・エフ・ディー株式会社(以下、「SFD」)を設立し、宝石販売を行うことを決断いたしました。
このビジネスを実施するためのグループとしての構造について、当社が原石を生産し、SFD India Private Limited(以下、「SFD India」)で加工し、SFDが国内及び東アジアで販売し、SFD Antwerp BV(以下、「SFD Antwerp」)が欧米市場で販売する、との構想で各社を設立しました。
SFD Indiaは当社が製造する種結晶を、インド国内で販売する役割も持つ計画でした。
しかしながらこれらの活動については、2つ問題が生じました。
その1つはSFD Indiaが種結晶や原石を当社から購入するための輸入ライセンスの取得に長期間を要したことです。
2026年2月に輸入ライセンスの取得を完了しておりますが、同地で在庫販売するための日本からの輸出許可が取得できておりませんので、まだインドでの種結晶の在庫販売を行うための体制が整っておりません。
2つ目は、SFD Antwerpが開始したEC(Electronic Commerce:電子商取引)が、SFDからのルースの供給が十分ではなかったこともあって、売上が想定を大きく下回ったことです。
これら2つのビジネスについての今後の課題を以下に示します。
種結晶は、2023年3月期までは主力製品として当社の発展に貢献してきましたが、その第4四半期から製品価格が大幅に低下したことによって需要が減少し、小型種結晶の販売は困難な状況を余儀なくされました。
ラボグローンダイヤモンド製造企業の自家用に製作する種結晶が増加したこと及びラボグローンダイヤモンド生産手法が変化し、大型の種結晶を用いた原石から複数の宝石を切り出すCAD-CAM技術も確立しました。
これにより、小型種結晶から大型種結晶への需要シフトが生じ、小型種結晶の販売が減少いたしました。
当社グループは、このような状況の変化に対する情報収集能力不足により対応が遅れました。
一方、宝石や宝飾品の販売については、当社グループとしては初めてのビジネスであり、販売体制の構築を進めてまいりましたが、まだその製造及び販売の体制は不十分な状況です。
Japan Made Diamondのコンセプトは、日本の宝石店などに支持されておりますが、それをどのように販売することで大きなブランドに育てることができるかは、まだ明確になっていない状況です。
また、販売方法の独自性をどのように発揮できるかについても、重要な課題と考えておりますが、以下の課題認識の下、適切に対応してまいります。
ⅰ.大型種結晶の要求に対応すべくこれまで販売してきた15x15mm以上の大型種結晶の販売を開始し、種結晶売上を回復する。
ⅱ.種結晶の安定的な販売のために、インドでのユーザー数を拡大し、長期的な受注を獲得する。
ⅲ.宝石の国内販売体制を確立し、Japan Made Diamondのブランド化を進める。
ⅳ.ルース及び装飾品のデザイン、製作ができる体制を整える。
ⅴ.ECの販売体制を構築する(SNSの利用等)。
宝石や宝飾品の販売につきましては、豊富な経験を有する外部人材の確保を積極的に進める必要があり、また、海外においても販売を可能とする組織作り、人材確保が課題と考えております。
③当社グループの共通の課題当社が東京証券取引所グロース市場へ上場して4年程度経過し、上場企業としての各業務フローは安定的な運用期に入っております。
内部統制報告制度(J-SOX)への対応をはじめ、上場企業に求められる管理体制の構築は概ね完了したものと認識しております。
これからさらに成長して行くためには、ガバナンスの強化だけでなく、経営企画、開発体制、人材確保等に関して、以下の課題があると考えております。
ⅰ.他社との連携先に公表した本田技術研究所との共同研究契約締結に向けての合意等、今後当社グループはダイヤモンドデバイスに関する各種の開発を、関連企業や大学、公立研究機関とともに技術開発を行い、それらの成果によって実用的な製品として市場に出すことを考えております。
ダイヤモンドのデバイスとしての応用は多岐に渡ると考えられており、要求される素材の形態、特性等は様々になると考えられます。
このように多種類のダイヤモンド素材の開発が可能となれば、当社グループがこの分野での主導的な地位を維持することができると考えられます。
しかし、連携当事者間において競合関係が生じるケースが大半であることから、当社グループとしては、各社の機密情報が相互に漏洩することのないよう、情報管理体制の徹底に最大限注力をしております。
また、開発項目の重複も、知的財産権を出願する場合に問題を起こす可能性があります。
一方で、連携先からの了承を得て、開発内容を学会発表などで発信することは、この分野の研究開発の活性化に貢献できると考えられます。
これから活発化する他社や他機関との連携において、問題のない契約を締結し、普段からコミュニケーションを欠かさず、当社グループの意思を正確に伝える等の努力を行ってまいります。
ⅱ.技術開発当社グループの大型単結晶技術は多くの技術内容で世界的に優位な地位にあり、今後もこの地位を維持することが重要であると認識しております。
製品そのものだけでなく、製造技術や評価技術等の幅広い分野での研究開発活動が必要です。
当社グループのビジネス分野であるラボグローンダイヤモンド関連産業においては、インドを中心に装置技術の発達や変化が常に発生しており、これらの情報を確実に入手し、対応策を講じることが重要です。
上記のように、2027年3月期からは他社や他機関との連携がデバイス関連素材の分野では重要な意味を持ってまいります。
これらの連携から得られる情報を利用することで、他社に先駆けた製品開発を行えると考えております。
また、当社グループの新しい技術開発内容を積極的に外部に発信することで、不特定多数の技術者などとの交流を活発化させ、新しいアイデアを創出することも重要と考えております。
ⅲ.連結子会社の管理当社グループは、ラボグローンダイヤモンド分野の事業活動のために、国内外に連結子会社を設立してまいりましたが、国内子会社であるSFDは、2026年3月31日に当社と吸収合併いたしました。
残る海外2社につきましても、今後どのような活動が可能であるか検討しております。
海外の連結子会社は、その国ごとの事情を理解できていなかったこともあり、想定していなかった困難な状況にも見舞われました。
当社グループはこのような状況の反省に立ち、ガバナンス強化を図りながら連結子会社の活動方針を検討してまいります。
ⅳ.人材の確保当社グループは、技術開発において世界の最先端を行く企業として、多様な技術開発人材の確保が必要な状況にあります。
また、販売についてもこれまでにない製品分野への対応が必要となっております。
これらの専門性を持った人材の確保は喫緊の課題です。
これまで主として人材紹介会社を経由して人材を採用してまいりましたが、専門性の高い人材の確保が困難な状況は、今後も継続するものと考えております。
今後は、当社ウェブサイトでの情報発信をこれまで以上に積極的に行うとともに、新卒者の採用を行って人材を育てることにも注力したいと考えております。
ⅴ.経営陣の高齢化と後継者の育成当社グループの部長以上の経営陣は、60歳以上の比率が高く、将来の後継者の育成と併せて、年齢構成を検討する必要があると認識しております。
次世代を担う若手人材の中間管理職への登用を積極的に進めるとともに、将来の経営を担うリーダー層の育成に向けた教育機会の提供を継続してまいります。
前連結会計年度には役員の平均年齢を下げることができましたが、将来の当社グループを担う経営体制を構築するという意味では、まだ不十分と考えております。
今後は、経営企画を担当する人材の採用などによって、将来の経営層を育成する必要があると考えております。
ⅵ.輸出管理経済安全保障の観点から、2022年12月に輸出貿易管理令の一部を改正する政令が施行され、ダイヤモンドの基板等が、新たな規制対象品目に入りました。
また、2025年5月にも輸出貿易管理令の改正があり、規制品であるダイヤモンドの輸出に際しては、より厳格な許可基準が適用されております。
当社グループといたしましても、法令遵守を最優先に、当局の動向を注視しつつ適切な輸出管理体制を維持してまいります。
当社グループは、2022年12月から2023年4月にかけてのダイヤモンド基板等の輸出について、経済産業省より2024年5月21日に「厳正な輸出管理の徹底について(厳重注意)」を受領しました。
この事態を厳粛に受け止め、同法令を遵守する立場から社内体制を整備し、関連規程等の制定を行って、再発防止に努めてまいりました。
しかしながら、ダイヤモンドデバイスが経済安全保障上の極めて重要な課題となっており、当社グループとしては従前以上に輸出について厳密な判断が求められる状況です。
当局との連絡を密にし、法令順守に万全を期して輸出業務を行ってまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ当社グループは、サステナビリティを実現するため、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定める2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGsの達成に、ラボグローンダイヤモンドの供給を通じて貢献しており、加えて企業行動規範の1つとして、地球環境の保全に貢献する活動に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて貢献することを定めております。
①ガバナンス当社では、サステナビリティの実現のため、関係各部門がそれぞれの業務分掌に基づき、責任をもって推進しておりますが、原則として四半期に1度の頻度で開催しているリスク管理委員会において、組織横断的に、関係各部門の活動に伴うサステナビリティに関するリスク及び機会を識別し、目標設定を行い、その進捗を管理しております。
また、結果については、取締役会に報告しております。
また、後述する人的資本に関する項目以外に、気候変動に関するリスクもテーマとして取り組んでおります。
具体的には、当社は、製品の製造過程で多くの電力を消費しており、CO2排出量を削減することは、重要な課題となっております。
当社は電力を消費している本社、横江工場、島工場及び開発部において、再生可能エネルギーを使用した電力を使用しております。
また、島工場のCO2排出量削減のため、2025年3月期において同工場に太陽電池を設置し、昼間に消費する電力の一部を太陽電池で賄うことを開始いたしました。
これにより、同工場の昼間の電力使用量の約6%の電力を、この太陽電池によって賄っておりますが、引き続きCO2排出量削減に取り組んでまいります。
②リスク管理当社では、サステナビリティに関するリスクを含むリスク全般について、リスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図ることを目的とし、原則として四半期に1度の頻度で開催しているリスク管理委員会において、発生したリスク及び予想されるリスクの評価や対応等に関する審議をしております。
当該リスク管理委員会において、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別、評価し、発生可能性と影響度合により、優先順位付けを行って、回避、軽減するか受容するか等の対策の決定を行うとともに、対策の進捗を管理しております。
また、結果については、取締役会に報告しております。
③SMETA (Sedex Members Ethical Trade Audit)を受審する計画当社は宝石の供給を行う上でSMETAの監査に合格することが必要と考え、所定の手続きを完了しております。
SMETA監査は、世界で最も広く利用されている社会監査の一つであり、サプライチェーンにおける持続可能性を推進するために重要な位置付けとなります。
横江工場、島工場を対象としたSMETA 4 Pillar初回監査を2025年4月に受審し、いくつかの指摘を受けました。
それらの課題に関し、2025年11月下旬にフォローアップ審査を受審し、全て対策済みとの判定を得ております。

(2) 人的資本当社は、優れた特性を持つダイヤモンドの広い応用によって、様々な分野でのイノベーションの創出を進め、地球規模での地球環境維持や社会問題の解決を通じ、世界への貢献を目指しています。
そのために「健康経営」を推進すべく、当社で活動する従業員及び派遣社員が健康で充実した日々を送り、活発に業務を遂行することを支援するために、以下の施策を進めております。
①戦略 a.人材育成方針  リスキリングのための講習等受講当社の各種の業務を遂行するために、各種のスキルが必要であります。
技術の変化、法令の改定、業務ソフトの変更等によって、必要なスキルが変化していくため、常に最新の必要なスキルを身に付ける必要があります。
このため、社内及び社外において講習等を受講することで、最新の知識を習得し、これを業務に活用していきます。
受講する回数は重要な指標となるため、一人当たりの年間受講回数の目標を設定しております。
 b.社内環境整備方針イ 業務遂行中の無事故を継続する当社は生産現場を有しているため、事故発生の可能性があります。
安全については十分注意をしているものの、対応が不十分であることによって、事故の発生が危惧されます。
このために部署ごとに無事故時間の目標を設定して、これを管理しております。
2025年3月期に引き続き、2026年3月期も完全無事故を達成したことにより、無事故労働時間500,000時間の達成をいたしましたが、改めて無事故労働時間(積分値)の目標を1,000,000時間に設定し、引き続き無事故労働時間の目標達成に取り組んでまいります。
ロ 女性役員、管理職比率当社はジェンダー平等を重要視する観点から、女性従業員の登用を進めております。
当社製品は消費者から遠い製造業であるため、ともすれば男性中心の活動になりがちです。
このような状態を改善するため、女性管理職を登用することを目標として、取り組んでおります。
部長職を2ポイント、課長職を1ポイントとして点数化し、目標値を決定しております。
②指標及び目標当社では、人的資本に係る上記の人材育成方針及び社内環境整備方針について、各施策における指標を設定しておりますが、当面の目標及び実績(2026年3月期)は以下のとおりです。
施  策到達目標2026年3月期の実績無事故労働時間の積分値(時間)1,000,000約600,000講習受講回数(回/人・年)2.00.9女性管理職比率(ポイント)10.02.0
戦略 ①戦略 a.人材育成方針  リスキリングのための講習等受講当社の各種の業務を遂行するために、各種のスキルが必要であります。
技術の変化、法令の改定、業務ソフトの変更等によって、必要なスキルが変化していくため、常に最新の必要なスキルを身に付ける必要があります。
このため、社内及び社外において講習等を受講することで、最新の知識を習得し、これを業務に活用していきます。
受講する回数は重要な指標となるため、一人当たりの年間受講回数の目標を設定しております。
 b.社内環境整備方針イ 業務遂行中の無事故を継続する当社は生産現場を有しているため、事故発生の可能性があります。
安全については十分注意をしているものの、対応が不十分であることによって、事故の発生が危惧されます。
このために部署ごとに無事故時間の目標を設定して、これを管理しております。
2025年3月期に引き続き、2026年3月期も完全無事故を達成したことにより、無事故労働時間500,000時間の達成をいたしましたが、改めて無事故労働時間(積分値)の目標を1,000,000時間に設定し、引き続き無事故労働時間の目標達成に取り組んでまいります。
ロ 女性役員、管理職比率当社はジェンダー平等を重要視する観点から、女性従業員の登用を進めております。
当社製品は消費者から遠い製造業であるため、ともすれば男性中心の活動になりがちです。
このような状態を改善するため、女性管理職を登用することを目標として、取り組んでおります。
部長職を2ポイント、課長職を1ポイントとして点数化し、目標値を決定しております。
指標及び目標 ②指標及び目標当社では、人的資本に係る上記の人材育成方針及び社内環境整備方針について、各施策における指標を設定しておりますが、当面の目標及び実績(2026年3月期)は以下のとおりです。
施  策到達目標2026年3月期の実績無事故労働時間の積分値(時間)1,000,000約600,000講習受講回数(回/人・年)2.00.9女性管理職比率(ポイント)10.02.0
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ①戦略 a.人材育成方針  リスキリングのための講習等受講当社の各種の業務を遂行するために、各種のスキルが必要であります。
技術の変化、法令の改定、業務ソフトの変更等によって、必要なスキルが変化していくため、常に最新の必要なスキルを身に付ける必要があります。
このため、社内及び社外において講習等を受講することで、最新の知識を習得し、これを業務に活用していきます。
受講する回数は重要な指標となるため、一人当たりの年間受講回数の目標を設定しております。
 b.社内環境整備方針イ 業務遂行中の無事故を継続する当社は生産現場を有しているため、事故発生の可能性があります。
安全については十分注意をしているものの、対応が不十分であることによって、事故の発生が危惧されます。
このために部署ごとに無事故時間の目標を設定して、これを管理しております。
2025年3月期に引き続き、2026年3月期も完全無事故を達成したことにより、無事故労働時間500,000時間の達成をいたしましたが、改めて無事故労働時間(積分値)の目標を1,000,000時間に設定し、引き続き無事故労働時間の目標達成に取り組んでまいります。
ロ 女性役員、管理職比率当社はジェンダー平等を重要視する観点から、女性従業員の登用を進めております。
当社製品は消費者から遠い製造業であるため、ともすれば男性中心の活動になりがちです。
このような状態を改善するため、女性管理職を登用することを目標として、取り組んでおります。
部長職を2ポイント、課長職を1ポイントとして点数化し、目標値を決定しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ②指標及び目標当社では、人的資本に係る上記の人材育成方針及び社内環境整備方針について、各施策における指標を設定しておりますが、当面の目標及び実績(2026年3月期)は以下のとおりです。
施  策到達目標2026年3月期の実績無事故労働時間の積分値(時間)1,000,000約600,000講習受講回数(回/人・年)2.00.9女性管理職比率(ポイント)10.02.0
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 人工宝石ビジネス市場の状況当社の最大の製品である種結晶の販売先市場であるラボグローンダイヤモンドの市場は、順調に拡大しております。
Fortune Business Insight、Lab Grown Diamonds Global Market Report 2026によれば、2025年にはラボグローンダイヤモンドの市場はダイヤモンド宝石市場の34%以上を占め、今後10年間は年率13%以上で成長すると予測されています。
また、米国においては既にラボグローンダイヤモンドは50%以上の市場を獲得しているとの報道が、多数見られます。
このような情勢から、当連結会計年度においてもラボグローンダイヤモンドは順調にそのシェアを広げ、天然との比率が逆転するのもそれほど遠くないと推察されます。
天然ダイヤモンドの有力な供給者であるデビアス社が、2024年3月期に2件の値下げを公表しました。
2023年10月に、天然ダイヤモンドを使ったブライダル用途の宝飾品を30%程度値下げすると公表し、2024年1月には、天然ダイヤモンド全般を30~40%値下げすると公表いたしました。
このことは、デビアス社が、天然ダイヤモンドがラボグローンダイヤモンドに価格競争で負けたことを認めたこととなる、と報道されております。
このようにラボグローンダイヤモンドは大きな市場を獲得しており、さらに高速に市場拡大が進むと見られます。
一方、生産量の拡大によって価格低下も進行しております。
また、欧米においては、天然ダイヤモンドの採掘による自然破壊や、以前から指摘されている鉱山における児童労働等の問題があるため、人工ダイヤモンドのSDGsにおける優位点を意識する消費者が増加しております。
これに対応して、宝飾店においても人工宝石を積極的に販売するところが増加しております。
気相合成法で作る人工ダイヤモンド宝石は、超高圧法で製造される宝石に比べ、高品質で大型です。
このため、新規に人工宝石に参入する企業の多くは、気相合成法で製造しております。
特にインドにおいては、毎年多くの新規企業が設立され、既存企業の生産能力も大幅な拡大を続けております。
上述のとおり、当社は、宝飾品としてのラボグローンダイヤモンドの認知は十分進んでおり、何らかの理由によって市場が消滅する可能性は、現時点でほとんどなくなったと考えております。
しかし、国内外の経済情勢の悪化や景気動向の減退等の理由により、市場の成長が鈍化したり、市場規模が縮小したりする場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
ラボグローンダイヤモンドの販売価格の低下が進んでも、魅力的な商品が出てこない場合には、市場規模の拡大が遅くなる可能性はあります。
このような変化に対しては、当社はその間に他の製品への転換を進めることで、当該リスクの分散を図っていきたいと考えております。

(2) 特定ユーザーへの過度の依存当社の売上に占める種結晶の比率は、当連結会計年度の売上高の22.7%となっており、前年度から36%ほど低下しました。
これはSFD Indiaの輸入ライセンスの取得が遅れ、日本からインドへの種結晶の輸出が難しい状況がありました。
種結晶市場の大幅な変化で、従来の方針であった長期的な受注の獲得は、期待できない状況になっております。
しかし、そのような中でも種結晶の最大のユーザーの売上比率は10.9%となっています。
今後は種結晶ビジネスの回復とともに、売上高に占める種結晶の大口ユーザーの売上比率は増加するものと考えられ、依然として依存率は高い状況が想定されます。
さらに、基板、ウエハ関係の第1位の大口ユーザーの売上比率は27.3%となっています。
このように、分野の異なる2ユーザーへの過度の依存状態ですので、単純な方針の変更でこれを解消できる状況にはありません。
基板、ウエハのユーザー数は次第に増加しているため、第1位のユーザーの比率は低下するものと予想しております。
特に、2027年3月期においては、各種のプロジェクトが進行すると見られますので、これまで受注量が少なかったユーザーからの受注拡大も期待でき、売上の分散が期待できます。
しかし、特定ユーザーへの過度の依存が継続すると、その企業やそれを取り巻く環境の変化によって、当社の受注が減少し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社としては、全体の企業規模拡大に並行して、ユーザーの分散や販売分野の分散を、積極的に推進してまいります。
(3) 知的財産権管理 ①産総研との独占実施契約当社の生産技術は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、「産総研」といいます。
)が開発した手法を元にしており、この技術の知的財産権は産総研が有しております。
当社は、産総研との間において、当社の製造技術に係る産総研が保有する特許の独占的通常実施権の許諾契約(以下、「原契約」といいます。
)を締結しております。
原契約及びその後の原契約の独占的通常実施権の許諾期間の変更契約による許諾期間が2023年10月31日に満了いたしましたため、2023年12月21日に、産総研の保有する特許の再実施許諾権付通常実施権を有する株式会社AIST Solutionsとの間において、原契約の独占的通常実施権の許諾期間の変更契約を締結し、許諾期間について3年間の延長を行っております。
なお、原契約及び原契約に基づく許諾期間の変更契約について、継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当社の帰責事由により、原契約及び原契約に基づく許諾期間の変更契約が解約され、原契約に基づく許諾期間の変更契約の許諾期間満了前に終了した場合には、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
2023年12月21日に締結した原契約に基づく許諾期間の変更契約による許諾期間は、2026年10月31日に満了を迎えますので、今回と同様に許諾期間の変更契約を締結する所存です。
仮に、この満了時期に許諾期間の変更契約が締結できない場合でも、非独占的通常実施権が特許の存続期間満了日まで付与される契約となっておりますが、他社が産総研に対して実施権を要求すること等により、産総研が他社と非独占的通常実施権を付与する契約を締結した場合は、当該他社は当社の競合となる可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
仮に、他社が産総研から実施権の許諾を受けた場合でも、多くのノウハウの確立や多数の親結晶の作製に年単位の時間が必要と考えられるため、当社が競争優位性を継続して確保できると考えております。
②知的財産権の取得方針、侵害等当社は、生産技術が漏洩することを防ぐため、これまで特許などの出願を行わない方針としておりました。
生産技術には多数のノウハウがあり、これが技術の実現には重要なカギとなっています。
しかし、製品に関連する特許などについては、当社が権利を保有することが重要である場合が出てきているため、前事業年度において、製品に係る特許を出願いたしました。
当連結会計年度において、実用製品をいくつか販売開始したこともあり、知的財産権の出願は重要な状況になっております。
今後もこのような知的財産権について権利化できるように、出願及び審査を進めてまいります。
また、技術的なよりどころとなっている産総研の特許群については、維持及び他社による模倣状況のチェックを行っております。
しかしながら、他社との間で知的財産権を巡る紛争が生じた場合や、他社から知的財産権を侵害された場合には、事業活動に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
主力製品である種結晶については、これまで出願された特許は見つかっておらず、公知となって長期を経過していることもあり、特許上の係争が起こる可能性は低いと考えております。
一方、宝石については、商標を含めさらに詳しい調査が必要と考えております。
デザインについては、判断が難しい部分がありますので、この分野に専門を持つコンサルタントなどからのアドバイスをもらうことを考えております。
(4) 生産技術の模倣当社は、産総研が保有する特許について、独占的通常実施権の許諾契約(その後の許諾期間の変更契約を含む。
)を締結して利用しております(許諾期間満了日:2026年10月31日、契約に含まれる特許数:特許の存続期間満了となったものを除き国内外の総件数15件、独占的通常実施権の継続はその時点で産総研及び産総研の保有する特許の再実施許諾権付通常実施権を有する株式会社AIST Solutionsと協議を予定、許諾期間満了後も各特許の存続期限まで非独占実施権は付与されます。
)。
当社では、特許の技術による種結晶製造のノウハウを確立するため、産総研と共同研究を行って来ており、製品化までのノウハウについては特許に記載されていないこともあり、他社が容易に模倣することは難しいと考えております。
しかしながら、他社が当社の技術を模倣し種結晶等の製造を行うことになった場合、事業活動に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、現在の独占的通常実施権の許諾契約は15件の特許を包括的に締結していますが、個々の特許の存続期限が今後次々に到来するので、それらの重要性に鑑み、契約書の内容を変更する必要が出てくると考えられます。
その時には、当社の事業継続と特許の期限を迎えていない技術の占有状況が維持でき、リスクを最小限とするよう、産総研及び株式会社AIST Solutionsと契約内容を協議いたします。
(5) 退職者による技術・ノウハウ流出当社の生産技術には産総研の特許権のほかに生産ノウハウがありますが、当社は漏洩が起こらないよう常に管理を行なっており、役職員の退職時には秘密保持誓約書を提出させることとしております。
しかし、生産ノウハウ等の情報流出及び新規製品の開発計画の漏洩が発生し、他社が当社の生産技術を模倣したり、同様の製品開発を行ったりする場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
産総研特許の範囲である基幹技術については、独占実施権で守られておりますので、流出してもリスクは大きくないと判断しております。
(6) 競合他社について①ユーザーが自家生産する種結晶との競合当社は種結晶を独自技術により製造し人工宝石製造会社等に販売しておりますが、当社の販売先である人工宝石製造会社から取引に際して当社から購入した種結晶から種結晶を再製作しない旨の宣誓書を入手しております。
しかし、当社の販売先である人工宝石製造会社の一部が、当社から購入した種結晶を利用して厚く成長させた結晶を薄く切断して、その表面を研磨することで、種結晶を製作しています。
その場合には、当社と競合することになります。
この方法の製造コストは、現時点では当社より高いと判断しておりますが、宝石製造会社の技術進捗や購入する装置が安価化することによって、当社の製造コストの優位性がなくなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
既にこの手法で種結晶を生産しているユーザーもありますが、一方では継続して当社の種結晶を購入しており、販売先としての関係は、状況を監視しながら継続いたします。
②疑似単結晶ダイヤモンドの種結晶への適用ダイヤモンド単結晶以外の物質を使って、その上に成長したダイヤモンドが、一定以上大きな結晶粒径となる場合があり、疑似的に単結晶と扱う場合があります。
セラミック単結晶基板にIr(イリジュウム)薄膜を成長させて一定の方向を向い結晶の基板を作る技術と、剣山状に加工したセラミック基板にダイヤモンドを成長することで単結晶の成長数を限定する技術が知られております。
20x20mm以上の大型の結晶を製作できるとの報告があります。
この結晶を種結晶として発売している企業があるとの情報を入手しております。
しかし、この結晶は原石の成長時に亀裂が発生するなどの問題に加え、カラーや結晶のゆがみ等のために、できあがった宝石は当社種結晶を使用した場合に比べ、歩留が悪いことが判明しております。
これは、完全な単結晶でないために、種結晶に残留する応力が影響するためと考えられております。
また、この製品を販売してきた企業は、2022年に米国のラボグローンダイヤモンド製造企業に買収されました。
その後インドにおいて、その結晶のコピーが販売されております。
上記のように、ラボグローンダイヤモンド企業は自家生産した種結晶を製作していますが、この疑似単結晶を作る動きが多く見られ、当社にとって大きな脅威となっております。
前事業年度において当社15x15mm種結晶を実用化しましたが、ブリリアントカットの場合この単結晶は10ct相当のルースを生産できますので、多くのユーザーにとっては十分な形状の種結晶を販売できる状況になっております。
当社は、2025年2月に30x30mm単結晶を実用化しましたが、15x15mm以上の種結晶を製品化することは、その結晶のコピーが作られることによって、当社の強みを削ぐことになると懸念しておりますので、種結晶の更なる大型化については慎重に検討してまいります。
2026年5月13日に、16x16mm~20x20mmの大型種結晶を販売することを公表しました。
既にインドユーザーから大型種結晶の注文が入っており、当社としてはこれに応えるため、早期の販売を決断いたしました。
③疑似単結晶大型ウエハ上記の疑似単結晶で、2インチ以上の大型ウエハが開発されたとの報告があります。
米国企業の1社は、5年前に4インチウエハの公開を行っていますが、未だに2インチウエハすら実用化できておりません。
この原因として、でき上がったウエハ素材が、フラットな形状となっておらず、研磨ができないという問題点が指摘されています。
また、実質的に多結晶としての特性で、単結晶として使用するのには多くの問題点がある、との指摘もあります。
当社は、大型の単結晶を開発し、それを横方向に接続するモザイク結晶で2インチ以上の大型ウエハを開発すべく取り組んでおり、2025年2月には30x30mmの世界最大の単結晶を実用化しました。
また、この単結晶を使った1インチウエハを2025年4月に実用化しました。
さらに4個の結晶を接続した2インチウエハを、2025年末までに実用化するというロードマップを公開しておりましたが、当連結会計年度において開発ができませんでした。
これは単結晶の接続部分に応力が発生し、割れたり、亀裂が発生したりする現象が起こったためです。
これを軽減するための方策を検討し、対応をとっているところです。
しかし、先行してこのようなウエハが実用化する可能性もあります。
大型のウエハが利用できることは、デバイス製造工程にとっては大きな利点があります。
このようなウエハの性能が向上すれば、当社が製品化を計画している大型ウエハの実用化に大きな影響を与える可能性があります。
2026年5月27日に、2インチウエハ製作用の53x53mmモザイク結晶の開発に成功したことを開示しました。
このモザイク結晶を用いて、従来の工程により2インチウエハの製作を進め、2027年3月期下期での2インチウエハの製品化に取り組んでまいります。
(7) 生産装置の陳腐化当社では種結晶の成長装置の性能向上等を目的として、産総研や装置製造会社との共同開発を実施し、2022年11月に新設された島工場において、新成長装置が稼働しました。
その性能は計画段階の想定と差異がなく、従来の成長装置よりも30%以上生産の効率が向上しました。
しかし、競合他社でもある人工ダイヤモンド宝石製造会社が成長装置の大幅な技術革新を実現した場合、当社の成長装置の性能が陳腐化することでコスト競争力が失われ、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、産総研とも共同研究などを通じて、成長装置の高度化を進める所存で、リスクを下げるような各種の対策を講じております。
(8) 重要な生産装置の重大な故障当社の生産工程において、必ず使用する必要があるイオン注入装置を2台保有しております。
しかし、製品が多角化してきたことで、一部のエピ基板の製造設備が1台しかないという状況も生まれております。
当社では定期的な設備点検により故障を防止する対策を行っておりますが、主要部品が壊れるなど長期にわたって当該装置が稼働できないという状況になった場合には、生産が完全に止まることとなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 特定人物への依存これまでの当社の新製品開発や新技術開発については、当社の代表取締役社長である藤森直治を中心として推進してまいりました。
当社は、産総研ダイヤモンド研究センター長であった藤森直治を中心に、ダイヤモンド単結晶製造技術の事業化を目的として設立されており、その技術の知見に対する依存度は極めて高いと言えます。
また、長年ダイヤモンド関連学会やビジネスに携わったことから、各方面に人脈を構築しており、それが当社のビジネスにも適用できております。
開発や生産に係る技術者を雇用、育成することで、藤森直治に依存しない体制の構築は進展しており、何らかの理由により業務執行できない事態となった場合でも開発や生産に大きな問題が発生する状況ではありません。
しかし、今後の新製品の開発遅れや、生産効率化の遅れなどにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 小規模組織であること及び人材確保当社は小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。
当社は事業の拡大を目指していますが、その実現には管理体制強化及び絶え間ざる技術革新が必要であり、管理部門、生産部門、開発部門で幅広く人材確保を進めています。
海外連結子会社での要員の確保も重要となると考えております。
しかしながら、計画通り人材の採用が実現できなかったり、必要とする能力を有する人材の応募が無かったりした場合には、適切な人材配置が困難となり事業拡大に制約が発生するなどにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 感染症等の影響(新型コロナウイルス等の感染症問題)について当社は新型コロナウイルス蔓延時においては、役職員に対し、テレワークやオフピーク通勤を奨励し、定期的にPCR検査を実施しました。
また、遠距離の出張の原則禁止や宴会を行わない等の蔓延防止策を講じました。
全国的な患者発生数の減少や、政府の蔓延防止施策の変更があり、当社は既に通常時の業務体制に戻っております。
しかし、新たな変異株などで、当社において感染症等が蔓延した場合、業務停止及び遅延によって、売上の減少、納期遅延等が生じる可能性があります。
また、当社の顧客に感染症等が蔓延した場合、顧客からの発注が止まることや、出荷停止、遅延等が生じる可能性があります。
さらに、当社の仕入先や外注先に感染症等が蔓延した場合には、調達及び製品製造の停止や遅延等が生じる可能性があります。
これら諸要因の動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 自然災害等当社の活動拠点の本社、横江工場及び島工場は、大阪府北摂地区に立地し、外注先は愛知県西部の臨海地域に立地と、活動拠点は分散しているため、両地域が同時に台風や地震で壊滅的な被害を受ける可能性は低い、と判断しております。
しかしながら、当社の生産能力の大部分は大阪府北摂地域に集中しているため、大阪府北部で大地震やその他操業に影響する災害などが発生した場合には、売上の減少、装置類の損傷による多額の補修費用の発生、停電による情報管理ネットワークの遮断等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13) 当社製品へのクレーム当社では生産する全ての製品について、万全の品質管理に努めるとともに、全ての工場の設備の予防保全に努めており、現時点において、品質に関する重大なクレーム及び納期に関するクレーム等は発生しておりません。
また、軽度のクレームには迅速に対応し、顧客の信頼を損ねないような対応を行っております。
クレームには真摯に原因の究明と、改善策の立案を行い、これを顧客に報告しております。
しかし、将来、製品の重大な品質クレームや重大な生産トラブルによる納期クレームが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 為替リスク当社は数多くの海外顧客との取引があり、海外顧客との取引(日本の商社経由の取引を含む)は外貨建て取引を採用しており、当社の取引高に占める外貨建の取引の割合は2023年3月期が95.3%、2024年3月期が67.4%、2025年3月期が65.0%、2026年3月期が51.5%となっております。
為替に関して円高のトレンドが明確となった場合には、為替予約によってリスクを回避することとしており、既にこのための体制を整えております。
最近3年間の変動状況から、140円/$以上の円安の水準では、為替予約を基本的には行わず、140円/$の水準に近づいた段階で為替予約を執行することを検討いたします。
(15) 米国の関税政策の影響トランプ大統領の就任で、米国の関税政策は大幅に変化しており、各国へ10%の関税率を適用し、交易の状況によってその上積みを行うとの方針が示されました。
このような関税が日本の輸出品に適用されますと、当社製品の米国内の価格が上昇します。
ユーザーから値下げ要求が来ることは予想されますが、米国への輸出品のほとんどが基板やウエハで、当社製品は他社が発売していないか、形状や特性で優位な位置にあります。
従って、値下げ要求に応じなくとも購買される可能性はあると考えられますが、先方の予算状況等によっては値下げが避けられない可能性もあります。
トランプ大統領の政策は日々変化する状況にあり、先を読み切れないところが対応の難しいところです。
日本とトランプ政権との交渉が上手く行かず、過大な関税がかかることとなれば、米国ユーザーとの取引が難しくなる可能性もあります。
その場合は、計画している基板やウエハの販売が増加せず、当社の経営成績及び財政状態が想定よりも悪化する可能性があります。
(16) 情報漏洩当社は、開発段階から顧客と共同で取り組んでいる案件について、秘密保持契約を締結し情報管理を行っております。
また、共同開発(研究)契約を締結して進めている案件もあります。
これらの契約は、契約していること自体が重要情報である場合もあり、役職員にはこの重要性を知らしめ、啓発、教育を行うと共に、秘密保持誓約書を提出させる等、情報漏洩の防止には万全を期しております。
しかし、情報の漏洩が発生した場合には、当社が賠償責任を負う可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社の情報が他社を通じて漏洩することについては、競合各社の活動状況を監視しております。
漏洩が疑われる状況になれば、契約相手にその旨伝達し、漏洩を止める所存です。
(17) 訴訟に関するリスク当社の事業又は活動に関連して、知的財産権、環境、労務等、様々な訴訟、紛争、その他の法的手段が提起される可能性があります。
2026年3月31日現在、2件の国内における訴訟案件がありますが、当社の経営成績と財政状態に重大な影響を及ぼす訴訟ではございません。
将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、主要製品であるウエハや、今後注力する宝石、宝飾品に関する係争については、注意を払っております。
(18) ストック・オプション及び新株予約権の行使による株式価値の希薄化当社は、取締役及び従業員等に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションを付与しております。
また、当社は2024年9月に第17回新株予約権の発行による資金調達を開始しました。
これによって当連結会計年度においては、1,080,000株が行使され、703,080千円の資金を調達しました。
当連結会計年度における希薄化率は7.51%でした。
なお、2024年9月に発行した第17回新株予約権は、当連結会計年度の末日において、すべて行使が完了しております。
また、2026年5月27日に新たな資金調達として、第三者割当による新株式及び第18回新株予約権の発行による資金調達を行うことを公表し、2026年6月16日に第三者割当による新株式及び第18回新株予約権の発行による払込が完了しております。
この第三者割当による新株式の発行より、発行済株式総数が472,500株増加し、第三者割当による新株式及び第18回新株予約権の発行による払込完了日(2026年6月16日)現在、発行済株式総数は15,947,100株となっております。
上記払込完了日(2026年6月16日)現在、これらのストック・オプション及び新株予約権による潜在株式数は、3,587,000株であり、上記払込完了日(2026年6月16日)現在の発行済株式総数15,947,100株の22.49%に相当しております。
これらのストック・オプション及び新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化することとなり、将来における株価に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 配当政策当社はこれまでの経営状況から、配当を行っておりません。
将来の社債発行や増資に際して、配当を行っていないことでの不利が発生し、必要な資金調達が出来ない事態がリスクとなる可能性があります。
それによって、必要な設備投資ができなかったり、遅れたりすることで、ビジネスの拡大が妨げられたり、顧客を失ったりする可能性があります。
今後当社は、利益を確保でき、配当に十分な剰余金を確保した場合には、配当の実施を検討いたしますが、現時点では実施時期は未確定です。
(20) 各工場及び土地の賃貸借契約が解除され、継続使用が困難となるリスク当社が活動している本社、各工場及び土地は、賃貸借契約で入居しております。
災害あるいは貸主の都合によって、この契約を解除され、退出を余儀なくされれば、全般の活動や生産活動に支障を来たします。
工場の移転期間中の減産や、インフラ設備の除去費用、さらに移転費用の負担があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
現状の契約期間は、横江工場が3年、開発部が2年と比較的短期間であることから、今後、契約期間の長期化に向けた対応を検討いたします。
(21) 法的規制等当社は事業活動において、輸出貿易管理令、製造物責任法、外国為替及び外国貿易法、特許法、中小受託取引適正化法、建築基準法、借地借家法、労働安全衛生法、消防法、廃棄物処理法、大気汚染防止法等の各種法的規制を受けておりますが、上記法的規制等の新設や改正等が行われた場合には、当社の事業活動が制約を受け、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、法令等の遵守に努めておりますが、何らかの理由で上記法的規制等への抵触が発生した場合、当社の事業活動が制約を受け、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経済産業省は、経済安全保障強化のため、「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」を制定し、2022年12月6日に施行されました。
その中に規制対象として半導体基板としての三酸化二ガリウム(Ga2O3)とダイヤモンドが追加されました。
当社は、研究用基板のみならず主力製品の種結晶等についても、関係機関や当局とコミュニケーションをとり、改正後の法令に則した対応等について確認を行ってきました。
当社は、当社の製造するダイヤモンドが半導体材料として不十分な特性を持っていることから、同政令改正後も輸出を継続しておりました。
これに対し2023年4月に経済産業省から、政令の趣旨に沿った的確な対応するようにとの指示があり、2023年4月以降、一時的に製品の輸出取引を保留しておりました。
2023年5月に、当局から、1,000千円/件以下の輸出案件に対して輸出を承認されたので、一部の製品の出荷を開始いたしました。
さらに、2023年6月に改正後の法令に則し、規制対象品として輸出許可申請を行って輸出許可を得るようにとの見解が示されました。
そのため、2023年6月下旬から各種製品の輸出申請を開始し、7月以降には、順次輸出許可を得て、出荷を開始いたしました。
2023年10月には一般包括許可を取得し、欧米やオーストラリアに対しては輸出許可を得ずに出荷できるようになりました。
これによって、これらの地域に関しては納期が長くなる事態は避けられるようになりました。
引き続き、特別一般包括許可を取得し、規制対象国以外には輸出許可を得ずに出荷できるように、申請手続きを準備しております。
なお、当社が2022年12月から2023年4月にかけて規制品目であるダイヤモンド基板等を、経済産業省の許可を得ずに輸出しておりましたことに関し、経済産業省より2024年5月21日に「厳正な輸出管理の徹底について(厳重注意)」を受領しました。
当社としては、今回の事態を厳粛に受け止め、貿易管理委員会を設置し、これまで以上に法令遵守を徹底し、社内体制を整備することにより、再発防止に努めております。
2024年1月に100%子会社であるエス・エフ・ディー株式会社を設立しており、同社においても輸出貿易管理令の遵守を厳格に行う必要がありましたが、2026年3月31日に当社に吸収合併しましたので、現在はリスクとなっていません。
また、2025年5月28日に「外国為替令及び輸出貿易管理令の一部を改正する政令」等の改正が施行され、その中の「提出書類通達」に規定の規制対象品目については、地方経産局ではなく、経済産業省(以下、「本省」という。
)の許可が必要となる旨の規定が設定されました。
当社の各種製品について、対象品目であるのかの調査を進めてまいりましたが、ダイヤモンドは規制品として輸出許可を経済産業省の本省へ申請することとなりました。
それまでは近畿経産局への申請を行い、概ね2週間以内に許可が出されていましたが、本省への申請となって許可までの期間が大幅に長くなりました。
これまでの実績としては2ヶ月ないし3ヶ月でした。
このことによって当社製品の納期が長期間となって、顧客にとっては必要な時期に当社製品を入手できない場合が発生することになりました。
これにより場合によっては受注が困難であったり、受注がキャンセルされたりするリスクが出てきました。
当社は顧客に対し輸出許可取得に要する期間を事前に説明していますが、顧客との関係に影響を与え、当社の営業成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記のほか、当社は種結晶販売体制の強化と宝石製作管理を目的として、2024年7月にラボグローンダイヤモンド関連企業が多数活動しているインドSurat市にSFD Indiaを設立し、SFD Indiaに種結晶の在庫を保有したうえで、同市のユーザーに対して直接販売を行うことを計画しておりました。
しかしながら、当該販売形態については、現時点において関係当局から必要な許可を取得できておらず、当面の間、当該計画を実行することは困難であると認識しております。
また、当社が製作した原石を現地に送付し、同地において加工を行う方法についても、必要な許認可の取得に長期間を要する可能性があるほか、原石の輸送、保管、加工及び管理に係る実務上の負担が増加する可能性があり、その実行可能性は現時点において不確実であります。
当社は、関係当局等と連携し、必要な許認可の取得可能性、実務上の対応方法について検討を進めてまいりますが、これらの対応が想定どおりに進まない場合、当社の事業展開、営業成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(22) 継続企業の前提に関する重要事象等当社グループ製品の主要なビジネス分野であるラボグローンダイヤモンド市場は、引き続き規模が拡大しておりますが、数年前から小型宝石を中心にした生産拡大による販売価格下落の影響を大きく受け、当社グループの種結晶販売は縮小いたしました。
当連結会計年度においてもこの傾向は続き、種結晶の売上は低迷いたしました。
2024年11月に当社グループとしては種結晶に偏重していたビジネス状況を変更するため、宝石の販売を開始し、デバイス関連のウエハや各種基板の開発及び販売を強化する方針に変更いたしました。
この方針の下に、宝石販売を行うSFDとSFD Antwerpを設立し、種結晶販売と宝石製作管理を行うSFD Indiaを設立いたしました。
しかし、SFD Indiaは種結晶等を日本から輸入するためのライセンスの取得が遅れ、その販売に着手できず、加工用原石の輸入も同様の状況にあるため、実質的に業務ができない状況にありました。
SFD Antwerpは事務所の設立に長期間を要し、EC(Electronic Commerce:電子商取引)や宝飾品企業等への宝石の販売が所期のレベルに達しませんでした。
両社は固有の問題が当連結会計年度に発生し、これらについて個別の対策が必要となっております。
このため、当連結会計年度の売上は前期を下回り、それに伴い営業活動によるキャッシュ・フローが継続して多額のマイナスとなるなど、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
2026年1月頃に、インドの種結晶大口ユーザーからの長期的な受注を獲得し、他のインドの複数のユーザーからも継続的に受注しておりますので、同年3月に輸出許可が得られ、出荷を開始しております。
しかし、輸出貿易管理令の改正が2025年5月28日に行われ、当社がインドへ輸出する種結晶等は経済産業省の本庁の許可が必要となり、許可に2か月以上を要する状況になっております。
このため、納期が長期化し、営業活動上の制約となっておりますが、SFD Indiaが立地するSurat市には多数のラボグローンダイヤモンド関連企業があり、当社種結晶の品質が高いことは周知されていることから、営業体制の確立によって今後は積極的な販売を進められる見込みであります。
宝石の販売については、国内において宝飾品企業や百貨店等との商談が始まっており、2026年1月に開催された東京国際宝飾展に出品したことで、さらに多くのユーザーとの商談が始まっております。
SFD Antwerpの活動については、2026年3月26日開催の当社取締役会において、同社を一時的に休眠状態とし、その間に新たな事業体制の検討を行う旨の方針を決議いたしました。
2026年3月31日付のSFDの当社への吸収合併による事業効率化を進めて国内販売を軌道に乗せることで、今後さらなる営業損失の発生にはつながらないものと見込んでおります。
一方、ダイヤモンドデバイスの開発は世界各国で活発化しており、開発する具体的なデバイスが明確になりつつあります。
これらに係る多岐にわたる基板、ウエハ及びエピタキシャル基板の引き合いが来ております。
ダイヤモンドデバイス向けの2インチのモザイクウエハの開発は、当連結会計年度中に目標とする品質・サイズを満たすモザイク結晶の作製には至らなかったものの、技術的課題の把握が進みました。
2インチウエハは、既に各ユーザーからの引き合いが始まっており、開発が完了すれば多数の受注を受けることとなると見込まれます。
日本にはダイヤモンドデバイス開発を手掛ける有力な企業が複数あり、これらの企業から各種のウエハ、基板、エピタキシャル基板の開発要請を受けております。
海外でもパワーデバイスや量子センサー等の開発が活発化しており、受注は増加傾向にあります。
今後は、各ユーザーの開発状況を精査し、有力なユーザーとは共同開発等を行うことを含めて連携関係を強化し、将来のダイヤモンド素材市場(ウエハ、エピ基板等)の確立に向けて、社内外の体制を整えてまいります。
このように各種の製品売上が増加する体制が整いつつありますが、これに加えて赤字体質からの脱却を目指して緊急経営改革を進めております。
受注状況に鑑みて不急の生産設備の停止や外注加工の縮小を行い、人件費、外注費や電力費の削減を実施しております。
また、一時的には現預金残高が減少しましたが、2024年9月に発行した第17回新株予約権は、当連結会計年度の末日においてすべて行使が完了し、所要の資金調達ができましたことから、当連結会計年度末において手元資金は十分に確保できております。
さらに、今後のウエハの開発に必要な資金の調達等を目的に、2026年5月27日に第三者割当による新株式及び第18回新株予約権の発行による資金調達を行うことを公表し、2026年6月16日に第三者割当による新株式及び第18回新株予約権の発行による払込が完了しております。
また、NEDO等の公的な支援についても採択されるような提案を検討すると共に、共同研究等を進める連携企業とも協力して公的資金の獲得を進めてまいります。
既に複数のテーマについて検討を開始しており、案件によっては国際的な枠組みの検討も進める所存です。
上述のとおり、受注状況の改善や資金調達が実施できたこともあり、今後の資金繰りについても安定して推移することが見込まれ、重要な懸念はないものと判断しております。
以上より、当社グループにおいては、今後の継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における紛争の継続に加え、米国及びイスラエルとイランの対立激化等を背景として、地政学リスクの高い状況が続きました。
パレスチナ情勢については、イスラエルとハマスの停戦合意が成立しましたが、レバノンやヨルダン川西岸地区における緊張が継続し、中東地域全体の不安定さが残りました。
また、2025年6月には米国とイスラエルが、イランの核関連施設等への攻撃を契機として軍事的緊張が高まり、2026年2月末以降はイラン指導部等を標的とした空爆やその後の報復措置等により、米国及びイスラエルとイランの対立が一段と深刻化しました。
2026年3月にはホルムズ海峡における航行制限・封鎖により、原油・天然ガスの海上輸送に支障が生じ、エネルギー価格、物流、金融市場を通じて世界経済に大きな影響を及ぼす可能性が高まりました。
また、2025年5月にはインド・パキスタンの紛争、2026年1月には米国がベネズエラの大統領を拘束するといったベネズエラへの軍事行動の発生等もあり、当連結会計年度においては、複数の地域における地政学リスクが重なり、世界経済の先行きは不透明な状況で推移しました。
米国が2025年4月に発動した相互関税措置により、国・地域ごとに異なる追加関税率が設定され、世界的な通商環境の不確実性が高まりました。
これにより、貿易取引の停滞や米国における輸入品価格の上昇等を通じた景気悪化が懸念され、また中国によるレアメタル等の輸出管理強化という対抗措置もあって、世界経済全体への影響が懸念されましたが、各国と米国との関税交渉による軽減もあって、世界経済への影響は限定的なものにとどまりました。
また、この関税政策は、米国の司法判断により、大統領令による関税の運用政策決定が違憲と判断され、この方針の見直しと超過課税の返還の動きがみられました。
日本経済については、米国の関税政策や各国との通商政策変更による影響が懸念されたものの、雇用・所得環境の改善や企業業績の底堅さ等を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。
政治面では、2025年7月の参議院選挙、2026年2月の衆議院選挙と、国政選挙が続きましたが、石破内閣の退陣及び高市内閣の発足など、政治情勢は大きく動きました。
株式市場では、米国株式の上昇や政策期待や企業業績の改善等を背景に株価が上昇し、日経平均株価は5万円台を突破しました。
物価上昇は当連結会計年度において継続するなか、金融政策面ではゼロ金利政策からの脱却が進んだものの、金利上昇は限定的なものにとどまりました。
当社グループ製品の主要なビジネス分野であるダイヤモンドデバイス関係の開発状況と、ラボラトリーグローンダイヤモンド(人工ダイヤモンド。
以下、「ラボグローンダイヤモンド」という。
)市場は、順調に推移していると見られます。
ダイヤモンドのデバイス応用では、パワーデバイスや量子デバイスの実用化への期待が高まっており、世界各国がその開発支援を本格化しております。
また、関連技術の研究開発や事業化を担うベンチャー企業は資金調達を進めており、工場の新設や新たなデバイス開発へ投資を行っております。
各国政府による支援策の整備が進むなか、大学や国立研究機関に加え、関連技術の研究開発や事業化を担う企業への支援も広がりつつあります。
 パワーデバイス分野では、米国のEV(電気自動車)への支援策の見直し等を背景に、EV向け開発需要の先行きに不透明感が生じております。
2025年3月に公表された国立研究開発法人産業技術総合研究所及び株式会社本田技術研究所(以下、「本田技術研究所」という。
)による共著論文で、電気自動車に適用することを想定したデバイスで、大電流動作が実現する可能性が示されたこともあり、日本や米国でこの分野の開発が進んでおります。
また、ダイヤモンドは高周波デバイスへの応用も期待され、レーダー等に用いられる高周波の大電力デバイスへの応用可能性も注目され、応用の可能性が広がっております。
さらに、量子デバイスとしての応用展開についても、多数の研究機関や企業において検討が進められております。
オーストラリアのQuantum Brilliance社は、ダイヤモンドを用いた量子アクセレレーターを米国の国立研究所に納入したと公表しました。
常温で動作し、スーパーコンピュータを補完する演算での活用が期待されております。
また、弱磁場を検知する手段としてダイヤモンドの量子センサーが優れた特性を有することについても、多数の公表が行われており、このセンサーによって地磁気によるGPSが開発できる可能性等のほか、心磁場や血流の検出を可能とする医療機器への応用可能性も示されております。
当社は既に公表した30x30mm単結晶を用いて、1インチ(直径25mm)ウエハを2025年4月に発売しました。
これまでにないサイズの単結晶ウエハであり、デバイス開発への起爆剤となると考えております。
一方、2024年11月公表のダイヤモンドウエハに関する当社開発ロードマップで示しました2インチ(直径50mm)のモザイクウエハの開発は、計画しておりました2025年12月までに完了しませんでした。
これまで作製してきた最大サイズである38x38mmのモザイク結晶に対し、約2倍の面積を有する2インチモザイク結晶の作製に取り組みましたが、接合時に発生する応力の影響等により、当連結会計年度中に目標とする品質・サイズを満たすモザイク結晶の作製には至らなかったものの、技術的課題の把握は進展しました。
2026年5月27日に、検討してきました2インチモザイクウエハ作製用の53x53mmのモザイク結晶の開発に成功し、これを公表しました。
このモザイク結晶を親結晶として、2インチウエハを製作する計画です。
2インチウエハは各ユーザーから発売を強く要請されており、2027年3月期下期から販売を開始することを計画しております。
 ダイヤモンドデバイス関連企業との継続的な情報交換を通じて、将来の実用化に向けた各企業のダイヤモンド素材に関するニーズを把握し、当社の開発計画に反映してまいりました。
その中で、2026年3月26日に公表しましたとおり、本田技術研究所とは、ダイヤモンドデバイス用材料の共同研究を実施することに合意し、2026年3月19日付で共同研究を実施するための意向確認書を締結しました。
ラボグローンダイヤモンド市場は当連結会計年度においても引き続き規模が拡大しております。
米国ではラボグローンダイヤモンドのダイヤモンド宝石市場におけるシェアが50%を大幅に超え(出典:Fortune Business Insight;Lab Grown Diamonds Global Market Report 2026)、世界での市場規模が3兆円を超えたとの推定もされています。
このことが原因ともなって、天然ダイヤモンドは大幅な販売の下落が生じているとの報道がされているなど、ダイヤモンド宝石市場でラボグローンダイヤモンドが主要な製品となりつつあります。
 ラボグローンダイヤモンド関連企業は、この1年の価格下落の影響を受けて、経営破綻や事業活動の休止等が発生しております。
デビアス社のラボグローンダイヤモンドブランドであるLIGHTBOX向けにラボグローンダイヤモンドを供給していたElement Six社のオレゴンの工場も、事業活動の休止に追い込まれたとの情報が広く知られています。
インドでも大規模な企業の経営破綻もありました。
一方で、インドでは経営破綻に追い込まれた企業から設備を購入し、事業拡大を進めた企業もありましたので、ラボグローンダイヤモンド関連企業全体としての活動規模が縮小したということではないと考えられます。
種結晶の市場では、インド国内や中国で大型の種結晶を販売する企業があるため、ラボグローンダイヤモンドの効率的な生産が可能となるために、大型種結晶を使用する企業が増加しております。
当社はこれまで15x15mmまでの種結晶を供給してまいりましたが、それ以上のサイズの種結晶へのニーズの増加に伴い、当社も15x15mm以上の面積を持つ種結晶の発売を準備してまいりました。
当社はインドSurat市にSFD India Private Limited(以下、「SFD India」という。
)を設立し、ラボグローンダイヤモンド関連企業が集積するこの地で当社種結晶を販売することを目指してきました。
当社からSFD Indiaに種結晶を輸出するには、SFD Indiaが輸入ライセンスを取得することが必要です。
2025年3月に現地事務所を決定し、輸入ライセンス取得に必要な様々な手続きを行ってきました。
必要な手続きが完了するまで8ヶ月以上の期間を要し、申請後に許可が出るまでにさらに2ヶ月を要しましたが、SFD Indiaで2026年2月に輸入ライセンスを取得いたしました。
SFD Indiaでの種結晶の販売については、インドSurat市現地で種結晶在庫を保有し、現地ユーザーへの直接販売又は営業担当者による訪問販売を行う形態を計画しておりました。
しかし、日本からSFD Indiaへの輸出許可申請に関し、経済産業省の担当部署より、安全保障上の観点から当該販売形態による許可取得は困難であるとの見解が示されたことから、SFD Indiaにおける販売方法については、当社からユーザーであるインド企業への直接販売を前提とした取引形態へ見直しております。
SFD Indiaによる現地での在庫による販売はできませんでしたが、インドのユーザーに対する営業活動を当社で継続してまいりました。
当連結会計年度第3四半期までは、受注実績はスポット的で限定的なものにとどまりました。
しかしながら、2026年1月~3月において複数のユーザーから、長期的な受注を獲得いたしました。
受注の一部は2027年3月期第1~第2四半期の受注分の予約も含まれておりました。
それら受注に係る輸出許可については、一部を2026年3月までに取得できましたので、同許可に基づき出荷を開始いたしました。
2027年3月期第2四半期連結会計期間まで出荷予約分などを含め、継続的な出荷が出来るよう輸出申請を進めております。
また、エス・エフ・ディー株式会社(以下、「SFD」という。
)の国内ユーザー向け宝石販売については、販売体制の構築を進めてまいりましたが、当連結会計年度においては本格的な販売拡大には至らず、販売実績は限定的なものにとどまりました。
当社が製造した原石を使って作製した宝石を、Japan Made Diamondとして販売するコンセプトは、国内の宝飾品業界から一定の賛同を得られているものの、サプライチェーンの整備はなお途上にあります。
また、SFD Antwerp BV(以下、「SFD Antwerp」という。
)においては、EC(Electronic Commerce:電子商取引)を通じて販売を当連結会計年度半ばから行ってまいりましたが、営業体制及び経理体制の整備に課題があり、本格的な販売拡大には至りませんでした。
このような状況を踏まえ、2026年3月31日付でSFDを当社に吸収合併し、従来重複していた間接部門の一体化による業務効率の向上及び意思決定の迅速化を図っております。
さらにSFD Antwerpにつきましても、当連結会計年度末より今後の事業運営方針の見直しを行っております。
以上のようにインドにおける種結晶販売及び宝石の販売については、本格的な拡大には至らず、当連結会計年度において純損失が膨らみました。
また、第17回新株予約権による資金調達は一部進展したものの、営業活動等による資金流出が継続したことから、手元流動性の確保が重要な経営課題となっておりました。
当社グループでは、こうした状況を踏まえ、当連結会計年度の途中より費用削減を進め、種結晶受注の減少に応じて製造ラインの一部稼働を制限するなど電力費を含む固定費の削減に取り組みました。
その後、2026年1月末以降、第17回新株予約権の行使が進展し、翌月には残存する第17回新株予約権の行使が完了したことにより、合計で約6億円の資金を調達しました。
これにより、手元流動性は改善し、当面の事業運営に必要な資金を確保しております。
しかし、当連結会計年度の業績動向を踏まえ、当社グループが保有する固定資産について将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当連結会計年度において1,066,796千円の減損損失を計上しました。
これら会計上の損失計上により、当連結会計年度の連結損益計算書においては多額の損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は516,552千円(前期比42.8%減)、営業損失は1,360,496千円(前期は976,294千円の営業損失)、経常損失は1,341,129千円(前期は989,231千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,415,745千円(前期は2,306,367千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
また、当連結会計年度の製品種類別売上高は、種結晶が117,197千円(前期比78.0%減)、基板及びウエハは349,489千円(前期比6.0%増)、光学部品及びヒートシンクは17,333千円(前期比18.0%増)、工具素材は10,088千円(前期比61.4%減)、原石は367千円(前期はなし)、宝石は22,075千円(前期は355千円)となりました。
なお、当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は1,924,417千円となり、前連結会計年度と比べ797,472千円減少しました。
その主な要因は、現金及び預金が616,584千円、商品及び製品が83,098千円、仕掛品が60,316千円減少したことであります。
固定資産は585,948千円となり、前連結会計年度と比べ1,069,928千円減少しました。
その主な要因は、有形固定資産が1,014,162千円減少したことであります。
この結果、総資産は2,510,365千円となり、前連結会計年度と比べ1,867,400千円減少しました。
(負債)当連結会計年度末における流動負債は321,526千円となり、前連結会計年度と比べ32,474千円減少しました。
その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が19,960千円、その他流動負債が26,700千円減少したことであります。
固定負債は479,136千円となり、前連結会計年度と比べ125,759千円減少しました。
その主な要因は、長期借入金が135,740千円減少したことであります。
この結果、負債合計は800,663千円となり、前連結会計年度と比べ158,234千円減少しました。
(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は1,709,702千円となり、前連結会計年度と比べ1,709,166千円減少しました。
その主な要因は、資本金が358,727千円、資本剰余金が358,727千円増加したものの、利益剰余金が2,415,745千円減少したことであります。
③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は825,326千円となり、前連結会計年度と比べ616,584千円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は968,711千円(前期は516,715千円の使用)となりました。
主な獲得要因として減価償却費が202,023千円、減損損失が1,066,796千円あったものの、主な使用要因として税金等調整前当期純損失が2,408,556千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は225,849千円(前期は77,962千円の使用)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出が201,666千円、無形固定資産の取得による支出が23,235千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は542,043千円(前期は1,249,065千円の獲得)となりました。
これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入が703,080千円あったものの、長期借入金の返済による支出が155,700千円あったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。
当連結会計年度における生産実績は以下のとおりであります。
生産高当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)生産高合計(千円)934,635109.1% (注)1.金額は製造原価によっております。
    2.当社グループの売上高及び生産高は、ダイヤモンド単結晶の製造のための設備の規模(生産能力)に依存します。
なお、最近2連結会計年度の当社の生産能力(カラットベース)は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)(カラット)(カラット)生産能力210,000210,000 b.受注実績 当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。
当連結会計年度における製品種類別の受注実績は以下のとおりであります。
製品種類当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)種結晶386,51274.8280,0293,326.8基板及びウエハ361,558116.617,279246.7光学部品及びヒートシンク16,682170.51,440230.4工具素材41,374153.827422.6宝石3,546997.9--原石367---合計810,04193.8299,0231,732.7 c.販売実績 当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。
当連結会計年度における製品種類別の販売実績は、以下のとおりであります。
製品種類当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)種結晶(千円)(注)2.117,19722.0基板及びウエハ(千円)349,489106.0光学部品及びヒートシンク(千円)17,333118.0工具素材(千円)10,08838.6原石(千円)367-宝石(千円)22,0756,211.9合計(千円)516,55257.2 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)本田技研工業113,19712.5140,90427.3FUTURE DIAMONDS(Greenlab)--56,09110.92.当社グループは、大型のダイヤモンド単結晶を大量に製造することができますが、当社グループの主要な製品である種結晶について、人工宝石市場における種結晶の大型化のニーズが増大しております。
なお、最近2連結会計年度におけるサイズ別の種結晶の出荷割合(出荷個数ベース)は以下のとおりであります。
種結晶サイズ前連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)割合(%)割合(%)7x7mm以下0.447.68x8~9x9mm26.34.910x10mm~11x11mm38.2-12x12mm8.610.713x13mm10.110.214x14mm10.39.815x15mm6.116.8
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
a.経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金需要のうち主なものは、ダイヤモンド単結晶の製造のための設備投資、研究開発費、人件費等の営業費用であります。
 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
 当社グループは、日常の運転資金については自己資金で賄い、自己資金では賄えない設備投資資金等については金融機関からの長期借入で賄うとともに、資本での調達を検討することとしております。
 なお、当連結会計年度末における借入金の残高は470,180千円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は825,326千円であります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための成長性を判断する客観的な指標として、①売上高成長率、②経常利益率、③ROE、④自己資本比率を重視しております。
①当連結会計年度における売上高成長率は、△42.7%となっております。
売上高成長率は、当社グループの成長性や事業進捗のペースを表す指標として、重視しております。
当社グループの事業進捗において、設備投資及び研究開発活動が重要ですが、設備投資及び研究開発活動の結果が売上高に結びつくことが必要であるため、売上高成長率の確保に努めてまいります。
②当連結会計年度における経常利益率は、△259.6%となっております。
経常利益率は、当社グループの売上高に対する収益性を表す指標として、重視しております。
当社グループの事業進捗及び競争優位性の確保にとって、設備投資及び研究開発活動が重要ですが、そのための長期的な資金として自己資金を継続的に確保することが必要であるため、一定の経常利益率の確保に努めてまいります。
③当連結会計年度におけるROEは、△94.3%となっております。
 ROEは、当社グループの投下資本に対する収益性を表す指標として、重視しております。
また、研究開発活動により、ダイヤモンド単結晶の新たな用途を開拓することにより事業領域の拡大を図ってまいります。
具体的には、大型単結晶の開発、ダイヤモンド半導体デバイス開発に必要な素材の開発や光学部品として必要な高品質結晶の開発を推進してまいります。
④当連結会計年度の自己資本比率は、68.1%となっております。
 当社グループの事業進捗にとって設備投資は重要ですが、財務の健全性を保つためには、自己資本比率を50%以上に保ちたいと考えております。
過度な借入を行うことがないよう、キャッシュ・フローにも注意を払っております。
研究開発活動 6【研究開発活動】
当社グループの研究開発活動は、(1)生産技術に関する研究開発、
(2)新製品に関する研究開発、(3)製造装置及び製造方法に関する研究開発、の3つのカテゴリーにおいて、優先順位を考慮して実施しております。
開発テーマは開発審査会を経て選定され、年度計画の下で開発の業務を行っています。
また、半期単位で開発審査会を開催し、開発状況の報告を行い、進捗状況を社内に周知しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、116,397千円であります。
2025年3月期の第3四半期連結会計期間から、生産部においても開発活動の一部を担う体制ができ、研究開発費は増加いたしましたが、当連結会計年度におきましても、この体制は継続しております。
研究開発活動の結果、当連結会計年度において、①1インチウエハの量産体制確立、②大型モザイク結晶の開発、③50x50mm単結晶の開発、④カラーダイヤの開発、について成果がありました。
研究開発活動の結果の具体的な内容は、以下に示すとおりです。
なお、当社グループは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 生産技術に関する研究開発2025年2月に発売を開始した30x30mmの単結晶を使って、1インチ(直径25mm)ウエハの開発を行いました。
レーザー切断で円形にカットし、その縁を砥石によって研磨して角を落とす加工を行い、1インチウエハを生産できる体制ができました。
2025年4月に1インチウエハの発売を公表し、ユーザーから受注することとなりました。
しかし、従前から販売してきたハーフインチウエハ(直径12.5mm)に比べて、研磨に非常に長時間を要したため、納期が長くなるとともに、ユーザーの要求する数量を出荷できない状況となりました。
研磨装置自体は、既に1インチウエハより大きなダイヤモンドの研磨を行ってきましたが、実際の製品としての製作では、納期を意識した工程管理が必要となりました。
総合的に問題点を抽出し、被研磨材の固定方法が不完全なために仕上がりに時間を要することを発見しました。
固定方法を改善したことで、研磨時間を約1/3に短縮でき、納期が大幅に改善するとともに、生産量を拡大することができました。
2025年3月期において、無色の宝石用原石の成長条件は確立しておりました。
しかし、当社の宝石ビジネスでの特徴を出すために、カラー宝石の製造技術を検討することとしました。
天然の原石においても、電子線照射でカラー化する技術があり、当社の原石に対しても同様の手法でブルーダイヤ製作の検討を行いました。
また、成長時に不純物元素を入れることで、ピンクなどのカラーを出すことも検討し、そのための成長条件を見つけることができました。
このようにして、ブルーとピンクのカラーダイヤを安定的に製造できる条件を確立し、2025年9月にこの製品化を開示いたしました。

(2) 新製品に関する研究開発当社グループが想定している新製品は、応用分野によって分かれており、以下のとおりであります。
①ダイヤモンド半導体デバイス開発等に必要な素材の開発a.ダイヤモンドウエハの開発ダイヤモンド半導体デバイス等の製作において必須の素材であり、2インチウエハの実用化を目指しています。
当社グループは2024年11月に大型ウエハ開発のロードマップを開示しました。
当該ロードマップで以下のような順序で開発を行うことを表明しました。
①25x25mm以上の単結晶開発②1インチウエハの開発③4個の25x25mm以上の単結晶の接続による2インチモザイクウエハの開発④50x50mm単結晶の開発⑤4個の50x50mm以上の単結晶の接続による4インチウエハの開発 このロードマップの①は2025年2月に完了する計画としておりましたが、2025年2月13日に30x30mm単結晶の実用化を開示することができ、この期限を守ることができました。
②の1インチウエハは、この大型単結晶を切断することで製作できますが、表面状態やエッジの処理等の付帯的な加工技術により、2025年4月に製品化を開示しました。
この大型単結晶を4個接続して、50x50mm以上のモザイク結晶を作ることで、③の2インチモザイクウエハを作製するためのモザイク親結晶の開発を進めました。
ロードマップでは、2025年12月末までにこれを完成する計画でしたが、これまでにない大型単結晶の接続により、想定外の応力が境界付近で発生し、割れや亀裂が起こりました。
この問題の解決は、当連結会計年度中にはできませんでした。
その後、成長条件や、接続する単結晶の厚さ等の応力に与える影響を調査し、53x53mmのモザイク結晶の作製に成功しました。
また、このような大面積の研磨は初めてのことで、全面を研磨できるまでには、想定以上に時間を要しましたが、これを達成し、2026年5月にこの2インチウエハ製作用モザイク結晶の開発の成功を開示しました。
当社はイオン注入を使う子結晶の分離技術があり、一旦親結晶ができれば子結晶を多数製作する技術があります。
従いまして、この親結晶を用いて2インチウエハ(直径50mm)を製作できると考えており、2027年3月期の下期には2インチモザイクウエハを製品化する計画です。
一方、30x30mm単結晶が完成しましたので、次の目標である④の50x50mm単結晶を開発すべく、その開発体制を構築してきました。
具体的には、このような大型結晶に成長させるための成長装置の整備を進めてきました。
50x50mm単結晶は2028年3月を開発目標時期としており、それに向けて設備投資や開発技術者の配置などを行っております。
b.ウエハ研磨技術の開発2インチウエハ以上のサイズは、当社の研磨工程としては初めての大面積であり、単純に研磨時間が長くなるだけでなく、新たな課題が出てくる可能性もあります。
場合によっては、新しい研磨装置の導入を含めた、根本的な解決が必要となる可能性も大きいと考えられます。
また、研磨工程で発生する最表面に応力が残留する薄い層を、どのように除去するかも半導体デバイス用途では非常に重要な課題であります。
上記のように1インチウエハの研磨工程の結晶固定方法の見直しにより、生産性は大幅に向上しましたが、2インチウエハがどのような状況になるかは、現時点では予測が難しく課題ごとに解決をはかってまいります。
一方、応力残留層の除去は、Si等で行われているCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学と機械的な研磨の両方を取り入れた手法)を適用して、ごく薄い層を除去することを検討しました。
これに使うスラリー(研磨材の入った液体)の選定を進めており、装置全体の構成について、ダイヤモンドを対象とすることによる各種の変更を、検討しております。
c.当社グループが出荷できる各種の基板既に発売してきた各種の基板、エピ成長基板をまとめると、当社グループは以下の表のようなラインナップを持っております。
非常に多種類の製品を実用化しておりますが、ユーザーからの要求に応えて更なる開発を継続しております。
②光学部品として必要な高品質結晶の開発ダイヤモンドは、熱伝導率が高く、熱膨張係数が小さいため、高エネルギービームの光学部品として適した材料です。
また、X線を透過するのにも適しています。
このような特性の組み合わせとして、強力なX線ビームを作り出す放射光施設で使う光学部品(特にモノクロメーターと呼ばれる部品)をダイヤモンド化することが、期待されています。
モノクロメーターに使用する結晶は、極限までの高品質とする必要があり、当社グループはこの結晶の開発を進めています。
この用途の場合は、X線ロッキングカーブ半値幅(FWHM)が理想値である4.1arcsecに近いことが必要ですが、当社グループは既に10arcsec以下の単結晶が製作できることを確認していますので、今後この応用についても関係するユーザーと協議を行ってまいります。
(3) 製造装置及び方法に関する研究開発2022年11月に稼働しました島工場に、産総研などとの共同研究の成果である、新型成長装置を導入しております。
この装置によって、成長面積を拡大できることが判明しました。
4インチウエハを製造する場合には、さらに成長面積の拡大が必要です。
このために、新型装置に投入できるマイクロ波パワーを増強した装置を導入しました。
この装置によって、均一に成長できる面積がおよそ30%程度拡大しました。
しかし、4インチウエハを製造するには成長面積はまだ不十分で、装置内部構造の検討が必要と考えています。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資については、ダイヤモンド単結晶の製造設備の増強、研究開発機能の充実・強化などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。
なお、有形固定資産(資産除去債務を除く。
)及び無形固定資産、建設仮勘定への投資を含めて記載しております。
当社はダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度の設備投資の総額は141,080千円の設備投資を行っております。
主な投資としては、ウエハ平坦度測定装置他関連設備、ダイヤモンド研磨機関連設備、成長装置関連設備になります。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
(1)提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数建物及び構築物機械及び装置土地その他合計(面積㎡)(名)本社(大阪府豊中市)事務所00-[655]0021(2)横江工場(大阪府茨木市)生産関連設備等00-[1,859]0017(5)開発部の拠点(大阪府茨木市)研究開発機械装置等00-[855]006(0)島工場(大阪府茨木市)生産関連設備等537,2910-[2,213]0537,29123(6)(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員は就業人員であり、また、( )は、嘱託社員及びパート並びに派遣社員の人員数を外書しております。
3.建物の帳簿価額には、資産除去債務に相当する金額を含めておりません。
4.帳簿価額のうち、「その他」は工具、器具及び備品であります。
5.建物及び土地の一部を賃借しております。
年間賃借料は本社が9,600千円、横江工場が17,400千円、開発部が7,956千円、島工場が24,000千円の合計58,956千円であります。
なお、賃借している土地面積は[ ]で外書きしております。
6.当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。
7.上記表に建設仮勘定は含まれておりません。
(2)在外子会社   記載すべき重要な設備はありません。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の生産能力増加率総額(千円)既支払額(千円)横江工場(大阪府茨木市)高真空成長装置新設、改造55,000-自己資金2026年5月2027年4月5%大面積成長装置(915MHz)15,000-自己資金2026年10月2027年10月10%島工場(大阪府茨木市)ウォータージェットレーザー120,000-自己資金2026年9月2027年10月20%原石成長装置120,000-自己資金2026年8月2027年5月10%大型研磨試作機50,000-自己資金2026年12月2027年10月-通常研磨装置40,000-自己資金2026年8月2027年3月-大型単結晶成長装置60,000-自己資金2026年10月2027年10月-開発部の拠点(大阪府茨木市)両面ラップ装置30,000-自己資金2026年8月2027年2月-ウエハ形状計測置30,000-自己資金2026年10月2027年2月-別立地(大阪府茨木市)用地購入180,000-自己資金2026年9月2027年4月-用地工事15,000-自己資金2026年10月2027年10月-(注)1.完成後の生産能力増加率については、2026年3月31日現在における生産能力を基準として、当該設備投資の稼働後の生産能力の増加率を計算して記載しております。
   2.当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

(2) 重要な設備の除却等  該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動116,397,000
設備投資額、設備投資等の概要141,080,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況48
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況5
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況4,865,000

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、原則として投資株式の保有を行わないこととしております。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。
③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2026年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
藤森直治大阪府箕面市1,0626.87
竹内工業株式会社名古屋市中川区清川町1-19115.89
加茂睦和茨城県土浦市3001.94
株式会社SBI新生銀行東京都中央区日本橋室町2-4-32771.79
北城恪太郎横浜市青葉区2711.75
モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社東京都千代田区大手町1-9-72581.67
株式会社フューチャーパートナーズ東京都港区北青山2-8-442501.62
株式会社槌屋名古屋市中区上前津2-9-292081.35
三星ダイヤモンド工業株式会社大阪府摂津市香露園32-122001.29
日本証券金融株式会社東京都中央区日本橋茅場町1-2-101060.69計-3,84524.85
株主数-金融機関3
株主数-金融商品取引業者42
株主数-外国法人等-個人69
株主数-外国法人等-個人以外38
株主数-個人その他22,983
株主数-その他の法人117
株主数-計23,252
氏名又は名称、大株主の状況日本証券金融株式会社
株主総利回り0
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)14,377,6001,097,000-15,474,600合計14,377,6001,097,000-15,474,600自己株式 普通株式411--411合計411--411(注)普通株式の発行済株式の株式数の増加1,097,000株は、譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加   17,000株、新株予約権の行使による増加1,080,000株です。

Audit

監査法人1、連結EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2026年6月24日株式会社イーディーピー 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士守谷 義広 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士仲 昌彦 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社イーディーピーの2025年4月1日から2026年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社イーディーピー及び連結子会社の2026年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
株式会社イーディーピーの固定資産の減損監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、人工ダイヤモンド単結晶を製造販売する事業を営んでおり、ダイヤモンド半導体デバイス関連素材とラボグローンダイヤモンド(Laboratory Grown Diamond:人工ダイヤモンド宝石)の2つで構成されている。
ダイヤモンド単結晶を成長させるための成長装置等により製造するため、保有する機械及び装置等の固定資産が重要である。
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、当連結会計年度末において減損会計の対象となった資産グループとして株式会社イーディーピーの有形固定資産等を537,292千円計上しており、当該金額は総資産の21.4%を占めている。
また、当連結会計年度の連結損益計算書において、株式会社イーディーピーの固定資産に係る減損損失を1,004,960千円計上している。
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、過年度において経営環境が著しく悪化し、当連結会計年度においても多額の損失を計上するなど、営業損益が継続してマイナスとなっていることから、引き続き減損の兆候が認められる。
減損損失の認識の要否を判定した結果、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループの帳簿価額を下回ることから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。
なお、回収可能価額は使用価値と正味売却価額のいずれか高い方の金額により算定しており、正味売却価額としている。
将来キャッシュ・フローの見積りは、会社が策定した中期経営計画を基礎として原石及び宝石販売並びに単結晶ウエハ販売の成長の見込等の不確実性を考慮しており、正味売却価額の算出に用いた重要な仮定は、外部の不動産鑑定士による不動産鑑定評価額である。
有形固定資産等の残高及び減損損失の計上額に金額的重要性があること、並びに不動産鑑定評価においては、複雑性を伴うため専門的な知見が求められることから、当監査法人は、株式会社イーディーピーの固定資産の減損が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、株式会社イーディーピーの固定資産の減損(固定資産の減損損失の認識の要否の判定及び減損損失の測定)を検討するにあたり、主として以下の手続を実施した。
・割引前将来キャッシュ・フローについて、不確実性を考慮した経営者の見積り方法を検討し、また当該キャッシュ・フロー算定上の仮定を理解するために、経営者に質問を実施した。
・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における将来の業績予測と実績を比較した。
・重要な仮定である不動産鑑定評価額を基礎とした正味売却価額を検討するために、以下の手続については、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
・経営者が利用した不動産鑑定の外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・不動産鑑定評価書の閲覧及び会社が評価を委託した不動産鑑定の専門家へ質問を行い、鑑定評価額の前提条件や採用した評価手法、評価額決定に至る判断過程を検討した。
・不動産鑑定評価額に関して、鑑定評価の基準となる価格時点から当連結会計年度末までに評価額を見直す状況変化が生じていないかを検討した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社イーディーピーの2026年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
 当監査法人は、株式会社イーディーピーが2026年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
株式会社イーディーピーの固定資産の減損監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、人工ダイヤモンド単結晶を製造販売する事業を営んでおり、ダイヤモンド半導体デバイス関連素材とラボグローンダイヤモンド(Laboratory Grown Diamond:人工ダイヤモンド宝石)の2つで構成されている。
ダイヤモンド単結晶を成長させるための成長装置等により製造するため、保有する機械及び装置等の固定資産が重要である。
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、当連結会計年度末において減損会計の対象となった資産グループとして株式会社イーディーピーの有形固定資産等を537,292千円計上しており、当該金額は総資産の21.4%を占めている。
また、当連結会計年度の連結損益計算書において、株式会社イーディーピーの固定資産に係る減損損失を1,004,960千円計上している。
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、過年度において経営環境が著しく悪化し、当連結会計年度においても多額の損失を計上するなど、営業損益が継続してマイナスとなっていることから、引き続き減損の兆候が認められる。
減損損失の認識の要否を判定した結果、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループの帳簿価額を下回ることから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。
なお、回収可能価額は使用価値と正味売却価額のいずれか高い方の金額により算定しており、正味売却価額としている。
将来キャッシュ・フローの見積りは、会社が策定した中期経営計画を基礎として原石及び宝石販売並びに単結晶ウエハ販売の成長の見込等の不確実性を考慮しており、正味売却価額の算出に用いた重要な仮定は、外部の不動産鑑定士による不動産鑑定評価額である。
有形固定資産等の残高及び減損損失の計上額に金額的重要性があること、並びに不動産鑑定評価においては、複雑性を伴うため専門的な知見が求められることから、当監査法人は、株式会社イーディーピーの固定資産の減損が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、株式会社イーディーピーの固定資産の減損(固定資産の減損損失の認識の要否の判定及び減損損失の測定)を検討するにあたり、主として以下の手続を実施した。
・割引前将来キャッシュ・フローについて、不確実性を考慮した経営者の見積り方法を検討し、また当該キャッシュ・フロー算定上の仮定を理解するために、経営者に質問を実施した。
・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における将来の業績予測と実績を比較した。
・重要な仮定である不動産鑑定評価額を基礎とした正味売却価額を検討するために、以下の手続については、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
・経営者が利用した不動産鑑定の外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・不動産鑑定評価書の閲覧及び会社が評価を委託した不動産鑑定の専門家へ質問を行い、鑑定評価額の前提条件や採用した評価手法、評価額決定に至る判断過程を検討した。
・不動産鑑定評価額に関して、鑑定評価の基準となる価格時点から当連結会計年度末までに評価額を見直す状況変化が生じていないかを検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結株式会社イーディーピーの固定資産の減損
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 会社は、人工ダイヤモンド単結晶を製造販売する事業を営んでおり、ダイヤモンド半導体デバイス関連素材とラボグローンダイヤモンド(Laboratory Grown Diamond:人工ダイヤモンド宝石)の2つで構成されている。
ダイヤモンド単結晶を成長させるための成長装置等により製造するため、保有する機械及び装置等の固定資産が重要である。
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、当連結会計年度末において減損会計の対象となった資産グループとして株式会社イーディーピーの有形固定資産等を537,292千円計上しており、当該金額は総資産の21.4%を占めている。
また、当連結会計年度の連結損益計算書において、株式会社イーディーピーの固定資産に係る減損損失を1,004,960千円計上している。
注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、会社は、過年度において経営環境が著しく悪化し、当連結会計年度においても多額の損失を計上するなど、営業損益が継続してマイナスとなっていることから、引き続き減損の兆候が認められる。
減損損失の認識の要否を判定した結果、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が資産グループの帳簿価額を下回ることから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上している。
なお、回収可能価額は使用価値と正味売却価額のいずれか高い方の金額により算定しており、正味売却価額としている。
将来キャッシュ・フローの見積りは、会社が策定した中期経営計画を基礎として原石及び宝石販売並びに単結晶ウエハ販売の成長の見込等の不確実性を考慮しており、正味売却価額の算出に用いた重要な仮定は、外部の不動産鑑定士による不動産鑑定評価額である。
有形固定資産等の残高及び減損損失の計上額に金額的重要性があること、並びに不動産鑑定評価においては、複雑性を伴うため専門的な知見が求められることから、当監査法人は、株式会社イーディーピーの固定資産の減損が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結注記事項(重要な会計上の見積り)
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結  当監査法人は、株式会社イーディーピーの固定資産の減損(固定資産の減損損失の認識の要否の判定及び減損損失の測定)を検討するにあたり、主として以下の手続を実施した。
・割引前将来キャッシュ・フローについて、不確実性を考慮した経営者の見積り方法を検討し、また当該キャッシュ・フロー算定上の仮定を理解するために、経営者に質問を実施した。
・経営者の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における将来の業績予測と実績を比較した。
・重要な仮定である不動産鑑定評価額を基礎とした正味売却価額を検討するために、以下の手続については、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
・経営者が利用した不動産鑑定の外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・不動産鑑定評価書の閲覧及び会社が評価を委託した不動産鑑定の専門家へ質問を行い、鑑定評価額の前提条件や採用した評価手法、評価額決定に至る判断過程を検討した。
・不動産鑑定評価額に関して、鑑定評価の基準となる価格時点から当連結会計年度末までに評価額を見直す状況変化が生じていないかを検討した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2026年6月24日株式会社イーディーピー 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士守谷 義広 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士仲 昌彦 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社イーディーピーの2025年4月1日から2026年3月31日までの第17期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社イーディーピーの2026年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
EY新日本有限責任監査法固定資産の減損 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社イーディーピーの固定資産の減損)と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
EY新日本有限責任監査法固定資産の減損 連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社イーディーピーの固定資産の減損)と同一内容であるため、記載を省略している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
EY新日本有限責任監査法
見出し、監査上の主要な検討事項、個別固定資産の減損
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別  連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(株式会社イーディーピーの固定資産の減損)と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

商品及び製品300,434,000
仕掛品540,374,000
その他、流動資産86,537,000
建物及び構築物(純額)537,291,000
工具、器具及び備品(純額)0
有形固定資産537,292,000
ソフトウエア0
無形固定資産0
長期前払費用5,217,000
投資その他の資産141,638,000

BS負債、資本

1年内返済予定の長期借入金135,740,000
未払金77,567,000
未払法人税等20,801,000
未払費用13,133,000
賞与引当金12,831,000
退職給付に係る負債25,181,000