財務諸表
CoverPage
| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2026-06-23 |
| 英訳名、表紙 | Nissui Corporation |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長執行役員 田 中 輝 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区西新橋一丁目3番1号 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 東京03(6206)7037 |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | Japan GAAP |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2 【沿革】 当社は1911年5月、田村市郎が田村汽船漁業部を創立し、下関港を根拠地としてトロール漁業の経営に着手してから、1919年、田村汽船漁業部が共同漁業株式会社となり、1929年には、根拠地を戸畑漁港に移転し、わが国資本漁業の最大手となるに至りました。 その後1935年4月、株式会社日産水産研究所を設立、1937年には社名を「日本水産株式会社」に改称しました。 1943年3月、水産統制令にもとづき日本海洋漁業統制株式会社を日本水産の漁撈部門中心に設立(冷蔵、販売部門は現「㈱ニチレイ」となる)し、1945年12月社名を「日本水産株式会社」に復しました。 2022年12月に社名を「株式会社ニッスイ」に改称して今日に至っており、当社グループの概要は次のとおりであります。 年月概要1943年3月日本海洋漁業統制株式会社を設立。 1945年12月日本水産株式会社に社名を変更。 1949年5月東京証券取引所に株式を上場。 1952年10月戸畑工場にて魚肉ソーセージの本格的生産を開始。 1955年6月報國水産株式会社(現・株式会社ホウスイ)を子会社とする(2022年4月に全株式売却)。 1958年2月株式会社日産水産研究所が社名を株式会社日産研究所に変更。 1961年5月事業目的に農畜産物の生産、加工及び売買を追加。 1961年6月八王子総合工場が竣工(陸上加工事業へ本格進出)。 1962年1月株式会社日産研究所が社名を日水製薬株式会社(現・島津ダイアグノスティクス株式会社)に変更(2022年9月に全株式売却)。 1974年3月合弁会社NIPPON SUISAN(U.S.A.), INC.(アメリカ)を設立(現・NISSUI USA,INC.・連結子会社)。 1974年5月合弁会社UNISEA, INC.(アメリカ)を設立(現・連結子会社)。 1978年10月合弁会社EMPRESA DE DESARROLLO PESQUERO DE CHILE S.A.(チリ)を設立(現・連結子会社)。 1982年6月事業目的に医薬品の製造及び売買を追加。 1982年11月「EPA(エイコサペンタエン酸)」(栄養補助食品)販売を開始。 1984年8月報國水産株式会社が社名を株式会社ホウスイに変更(2022年4月に全株式売却)。 1986年6月事業目的にレストラン・飲食店の経営、不動産の売買・賃貸借及び管理、有価証券の保有及び運用などを追加。 1988年12月サケ養殖会社SALMONES ANTARTICA S.A.(チリ)を買収(現・連結子会社)。 1990年2月NIPPON SUISAN AMERICA LATINA S.A.(チリ)を設立(現・NISSUI AMERICA LATINA S.A.・連結子会社)。 1990年8月川崎冷凍工場が竣工。 (現・日水物流株式会社・連結子会社)1990年12月日水製薬株式会社(現・島津ダイアグノスティクス株式会社) 東京証券取引所第二部に株式を上場(2022年9月に全株式売却)。 1993年4月ニッスイ・エンジニアリング株式会社を連結子会社化(現・連結子会社)。 1994年1月大分海洋研究センターが竣工。 1994年3月姫路総合工場が竣工。 1998年1月日本クッカリー株式会社を設立(現・株式会社日本デリカサービス・連結子会社)1999年7月東京総合物流センターが竣工。 (現・日水物流株式会社・連結子会社)2001年1月SEALORD GROUP LTD.(ニュージーランド)へ資本参加。 2001年10月NIPPON SUISAN (U.S.A.), INC.(アメリカ、現・NISSUI USA,INC.)が北米において家庭用の水産調理冷凍食品「ゴートンズ」「ブルーウォーター」の事業を買収。 2004年1月伊万里油飼工場が竣工。 (現・ファームチョイス株式会社・連結子会社)2004年1月黒瀬水産株式会社を連結子会社化(現・連結子会社)。 2004年11月株式会社ハチカンを設立(現・連結子会社)。 2005年7月GORTON'S INC. (アメリカ、現・連結子会社)が、北米において業務用の水産調理冷凍食品会社KING&PRINCE SEAFOOD CORP.(アメリカ、現・連結子会社)を買収。 年月概要2006年4月NIPPON SUISAN(U.S.A.), INC.(アメリカ、現・NISSUI USA,INC.)が北米において水産物販売会社F.W.BRYCE, INC.(アメリカ、現・連結子会社)を買収。 2006年4月NORDIC SEAFOOD A/S(デンマーク)へ資本参加(現・連結子会社)。 2006年5月西南水産株式会社を連結子会社化(現・株式会社ニッスイまぐろ・連結子会社)。 2006年11月日水製薬株式会社(現・島津ダイアグノスティクス株式会社) 東京証券取引所第一部銘柄に指定(2022年9月に全株式売却)。 2007年4月鹿島工場が竣工。 2007年4月日水物流株式会社を設立(現・連結子会社)。 2007年10月CITE MARINE S.A.S(フランス)へ資本参加(現・連結子会社)。 2008年4月株式会社北海道日水を設立(現・連結子会社)。 2008年6月青島日水食品研究開発有限公司(中国)を設立(現・連結子会社)。 2008年10月共和水産株式会社を連結子会社化(現・連結子会社)。 2008年12月北海道ファインケミカル株式会社を設立(現・連結子会社)。 2009年3月TN Fine Chemicals Co.Ltd(タイ)を設立(2024年7月清算結了)。 2009年12月博多まるきた水産株式会社を設立(現・連結子会社)。 2010年7月デルマール株式会社を連結子会社化(2021年7月に吸収合併)。 2011年4月創業100周年の記念事業の一つとしてニッスイグループの研究開発拠点「東京イノベーションセンター」が竣工。 2012年4月金子産業株式会社を連結子会社化(現・連結子会社)。 2013年12月弓ヶ浜水産株式会社を設立(現・株式会社ニッスイサーモン・連結子会社)。 2014年8月本社を現在地(東京都港区)に移転。 2015年10月稚内東部株式会社を連結子会社化(現・連結子会社)。 2016年8月ファームチョイス株式会社を設立(現・連結子会社)。 2017年5月鹿島医薬品工場が竣工。 2021年7月デルマール株式会社を吸収合併し、Thai Delmar Co., Ltd.を子会社化(現・連結子会社)。 2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。 2022年4月株式会社ホウスイの全株式を売却し、持分法適用会社から除外。 2022年9月日水製薬株式会社(現・島津ダイアグノスティクス株式会社)の全株式を売却し、連結子会社から除外。 2022年12月日本水産株式会社から株式会社ニッスイに社名変更。 2023年7月NC・GDホールディングス株式会社を設立(2024年7月吸収合併)、株式会社グルメデリカを連結子会社化(2024年7月吸収合併)。 2024年4月株式会社ニッスイまぐろを設立(現・連結子会社)。 2024年7月NC・GDホールディングス株式会社・日本クッカリー株式会社・株式会社グルメデリカの3社を合併し、日本クッカリー株式会社の商号を「株式会社日本デリカサービス」に変更。 2026年1月SALMONES ANTARTICA S.A.(チリ)がサケ養殖会社PESQUERA YADRAN S.A.(チリ)を買収。 (現・連結子会社)2026年4月弓ヶ浜水産株式会社から株式会社ニッスイサーモンに社名変更。 |
| 事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社71社及び関連会社27社で構成され、水産事業、食品事業、ファイン事業及び物流事業を主な内容とし、さらに各事業に関連する研究及びサービス等を展開しております。 当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。 ○水産事業………当社及び連結子会社[黒瀬水産㈱、NISSUI USA, INC.他38社]、非連結子会社1社[持分法適用会社]、並びに関連会社㈱大水他18社[持分法適用会社]で漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を行っております。 ○食品事業………当社及び連結子会社[㈱日本デリカサービス、GORTON'S, INC.他18社]、並びに関連会社5社[持分法適用会社]で加工事業及びチルド事業を行っております。 ○ファイン事業…当社及び連結子会社1社で医薬品原料、機能性原料(注1)及び機能性食品(注2)などの生産・販売を行っております。 ○物流事業………連結子会社[日水物流㈱他2社]及び関連会社2社[うち持分法適用会社1社]で冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を行っております。 ○その他…………連結子会社[ニッスイ・エンジニアリング㈱他5社]及び関連会社1社で船舶の建造・修繕、運航、エンジニアリング等を行っております。 (注1)サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。 (注2)主に通信販売している機能性表示食品「ごま豆乳仕立てのみんなのみかたDHA」、特定保健用食品 「イマークS」などの健康食品。 事業の系統図は次のとおりであります。 |
| 関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所主な事業内容資本金(百万円)議決権の所有割合(%)役員関係内容兼任及び出向(人)転籍(人)資金営業上の取引設備の賃貸借(連結子会社) 黒瀬水産㈱宮崎県串間市水産事業498100.041短期資金の預り製品の仕入―金子産業㈱長崎県長崎市水産事業90100.031短期資金の貸付製品の販売、仕入同社の土地、建物を当社が賃借㈱ニッスイサーモン注2鳥取県境港市水産事業125 100.0 61短期資金の貸付製品の販売、仕入―共和水産㈱鳥取県境港市水産事業9595.031短期資金の預り商品の仕入同社の建物を当社が賃借ファームチョイス㈱佐賀県伊万里市水産事業50100.042短期資金の貸付製品及び商品の販売、仕入同社の土地を当社が賃借㈱北九州ニッスイ福岡県北九州市食品事業98100.042短期・長期資金の貸付製品及び商品の販売、仕入当社の土地、建物等を賃貸㈱日本デリカサービス東京都品川区食品事業1,94870.033短期・長期資金の貸付製品の仕入― 日水物流㈱東京都港区物流事業2,000100.035短期・長期資金の貸付債務保証主に当社に製品及び商品の保管サービス等を提供当社の土地、建物等を賃貸、また同社の建物を当社が賃借ニッスイ・エンジニアリング㈱東京都港区その他100100.033短期資金の預り主に当社に機械設備等を納入当社の建物を賃貸 名称住所主な事業内容資本金(百万円)議決権の所有割合(%)役員関係内容兼任及び出向(人)転籍(人)資金営業上の取引設備の賃貸借NISSUI AMERICA LATINA S.A.注6SANTIAGO CHILE水産事業千米ドル281,513100.030―当社の商品買付業務の委託―SALMONES ANTARTICA S.A.注6SANTIAGO CHILE水産事業千米ドル198,071100.0(100.0)70債務保証商品の販売、製品の仕入―EMDEPES注3注6SANTIAGOCHILE水産事業千米ドル277,561100.0(100.0)40―製品の仕入―PESQUERA YADRAN S.A.注6PUERTO MONTTCHILE水産事業千米ドル106,078100.0(100.0)70―――NORDIC SEAFOOD A/SHIRTSHALS DENMARK水産事業千デンマーククローネ1,650100.0(100.0)20債務保証製品の販売、製品及び商品の仕入―UNISEA, INC.WASHINGTON U.S.A.水産事業千米ドル3,505100.041長期資金の貸付製品及び商品の仕入―NISSUI USA, INC.注6WASHINGTONU.S.A.水産事業千米ドル23,281100.031債務保証製品及び商品の販売、仕入―F.W. BRYCE, INC.注7MASSACHUSETTS U.S.A水産事業 ―(千米ドル14,854)100.0(100.0)31―商品の販売―KING & PRINCE SEAFOOD CORPORATIONGEORGIAU.S.A.食品事業米ドル0.01100.0(100.0)31―商品の販売―GORTON'S, INC.MASSACHUSETTSU.S.A.食品事業米ドル10100.0(100.0)31―――CITE MARINE S.A.S.KERVIGNACFRANCE食品事業千ユーロ14,000100.0(100.0)20―――THREE OCEANS FISH COMPANY LTD.EAST YORKSHIRE UNITED KINGDOM食品事業千イギリスポンド 4075.0(75.0)20債務保証――THAI DELMAR CO., LTD.SAMUTPRAKARNTHAILAND食品事業千タイバーツ72,00090.050―製品及び商品の仕入―その他48社 名称住所主な事業内容資本金(百万円)議決権の所有割合(%)役員関係内容兼任及び出向(人)転籍(人)資金営業上の取引設備の賃貸借(持分法適用会社) ㈱大水注5 大阪府大阪市水産事業10031.603―製品及び商品の販売、商品の仕入―その他25社 (注) 1.主な事業内容の欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。 2.弓ヶ浜水産株式会社は、2026年4月1日付で株式会社ニッスイサーモンへ商号変更しております。 3.EMDEPESは、EMPRESA DE DESARROLLO PESQUERO DE CHILE S.A.の略称です。 4.議決権の所有割合の( )内は間接所有割合で内数です。 5.有価証券報告書を提出しております。 6.特定子会社に該当しております。 7.資本金に該当する金額が無い関係会社については、資本金に準ずる金額として資本準備金(又はそれに準ずる金額)を資本金欄において( )内で表示しております。 |
| 従業員の状況 | (2)【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況(2026年3月31日現在)セグメントの名称従業員数(人)水産事業4,617〔2,819〕食品事業4,929〔6,221〕ファイン事業255〔34〕物流事業738〔92〕その他719〔71〕全社(共通)268〔47〕合計11,526〔9,284〕 (注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しております。 (2) 提出会社の状況(2026年3月31日現在)従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)1,489〔1,137〕42.8215.808,506,1661.8 セグメントの名称従業員数(人)水産事業243〔91〕食品事業791〔970〕ファイン事業187〔29〕物流事業0〔0〕その他0〔0〕全社(共通)268〔47〕合計1,489〔1,137〕 (注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度 管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休職取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金割合)(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期雇用労働者 全体9.191.159.372.976.3 生産部門以外--63.567.664.5 生産部門--56.075.478.5 (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.管理職に占める女性労働者の割合については、他社への出向者を除いております。 4.当社は組織の中で担う役割と行動で等級を区分し、それぞれの役割に応じた成果によって等級を定める役割等級制度を運用しており、同一役割等級内における性別の違いによる賃金の差はありません。 賃金は基本給及び賞与、基準外賃金を含んでおります。 但し、時間外勤務などの変動要因によるものは除いています。 <職位別人員構成比(Pコース)>役割等級制度のコースの一つに将来のマネジメントを担うPコースがあります。 Pコースにおける人員構成は初任級から徐々に女性職員比率が下がっており、特に女性管理職(課長級や部長級)及び係長級の母集団形成が充分でなく、男女の賃金差異の要因となっています。 長期ビジョンとして2030年に執行役員・管理職に占める女性の比率を20%とすることを目標に掲げており、管理職に占める女性比率向上に向けて、新卒、及び経験者採用における女性職員の計画的な採用や育成を進めています。 なお、これらの取り組みにより、近年次期管理職候補となり得る係長級においては、女性比率が向上してきており、男女の賃金の差異は縮小していくと考えています。 <職位別 人員構成比> (%) <職位別 年間平均賃金> (万円) <係長級の女性比率の推移(過去5年間)> (%) <男性育児休業取得率> 2030年度に「育児期の社員が取得期間の長短にかかわらず安心して育児休業を取得できる状態」を目標に掲げ、育児休業制度の利用環境の整備や復職後の仕事と育児の両立支援施策の拡充に取り組んでいます。 これらの取り組みにより、2023年度以降、男性の育児休業取得率は概ね高水準で推移しており、取得の定着が進んでいます。 ④ 男性労働者の育児休業取得率の推移(過去5年間) 5.生産部門においては、女性のパート・有期雇用労働者数が多く全労働者平均に与える影響が大きくなっています。 <生産部門、生産部門以外における雇用管理区分の構成比> (%) ② 開示対象となる連結子会社当事業年度 管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休職取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金割合)(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者共和水産株式会社37.520060.089.736.5株式会社ニッスイサーモン0.066.778.774.195.2金子産業株式会社0.010074.274.274.0黒瀬水産株式会社4.5079.679.6-株式会社北海道ニッスイ6.3-59.172.469.6博多まるきた水産株式会社12.5-47.273.068.6株式会社ハチカン13.610073.681.685.6モガミフーズ株式会社50.0085.0104.195.7株式会社北九州ニッスイ0-60.669.388.5日豊食品工業株式会社7.710069.485.377.3株式会社日本デリカサービス15.781.369.279.690.0株式会社チルディー0.0-86.378.8100.5株式会社北陸フレッシュフーズ12.5-69.269.957.3日水物流株式会社7.766.769.769.7-東京水産運輸株式会社3.1-100.1100.1-キャリーネット株式会社5.3058.358.3-日本海洋事業株式会社4.081.860.763.128.0ニッスイマリン工業株式会社25.0076.076.0- (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.共和水産株式会社において、パート・有期雇用労働者の男女の賃金の差異が大きい要因は、男性の定年再雇用者と、女性のパート労働者との賃金・人数の差によるものであります。 4.日本海洋事業株式会社において、パート・有期雇用労働者の男女の賃金の差異が大きい要因は、男性の嘱託船員と、女性のパート労働者との賃金・人数の差によるものであります。 5.上記表における「-」につきましては、対象者がいないことを示しております。 (4)労働組合の状況当社グループには、2026年3月31日現在日本食品関連産業労働組合総連合会に所属するニッスイアドベンチャークラブ(組合員数1,414人)等があります。 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 <ミッションと長期ビジョン>当社グループのミッションは、時代や環境の変化に応じた“食”の新たな可能性の追求を通じて、社会課題を解決することです。 ミッションは、土台にある 「創業の理念と5つの遺伝子」 とステークホルダーへのコミットを示す 「サステナビリティ行動宣言」 に基づいており、時代や環境の変化に応じた“食”の新たな可能性の追求を通じて、長期ビジョン 「GOOD FOODS 2030」の実現と持続的な成長を目指します。 当社がこれまで110余年かけて培った資源アクセス力、研究開発力、生産技術、品質保証力、世界各国に張り巡らせたグローバルリンクス・ローカルリンクスで構成される*バリューチェーンの強みと特長を活かし、「心と体を豊かにする新しい食」、「社会課題を解決する新しい食」を提供してまいります。 *「バリューチェーンの強みと特長」の詳細は「統合報告書2025」P.16をご覧ください。 https://www.nissui.co.jp/ir/download/integrated_report/2025_integrated_report_a4all.pdf <長期ビジョン「2030年のありたい姿」> 長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」の達成に向け、マルチステークホルダーへ配慮しながら持続可能な社会への価値を創造する“サステナビリティ経営”を推進するとともに、ROIC活用により成長分野へ経営資源を集中する“事業ポートフォリオマネジメント”を強化し、企業価値向上に努めます。 海外マーケットでの伸長、養殖事業・ファインケミカル事業の成長と差別化を加速し、2030年には、海外所在地売上高比率を50%、売上高1兆円、営業利益500億円を稼げる企業を目指します。 (中期経営計画の基本戦略の進捗状況) 事業ポートフォリオマネジメントの深化事業のROICスプレッド・成長性・ミッション親和性を評価し、最適な経営資源配分と事業戦略を推進します。 2025年度は南米養殖会社の買収などを通じて、重点成長分野である海外成長の加速及び養殖事業の強化を進めました。 さらに、体質強化分野である北米水産加工及び南米漁業会社の生産性向上による収益改善に取り組みました。 グローバル展開の加速北米・欧州を中心に事業規模拡大を加速させ、水産フライに加え第二の柱を育成するとともに、アジア事業の拡大とグローバルサウスでの事業機会を探索します。 2027年度までに海外所在地売上高比率を43%程度に高める目標を掲げており、2025年度は資源アクセスの強化と海外販路の拡大等を目的として南米養殖会社を買収しました。 また、海外食品工場の新設・増設を通じて、生産能力の向上と物流効率化を進めました。 これらの取り組みにより、2025年度の海外所在地売上高比率は41.2%となりました。 新規事業・事業境界領域の開拓“心と体を豊かにする”“さまざまな社会課題を解決する”イノベーティブな食を通じて成長に繋げます。 2025年度は食の可能性を引き出し、新しい価値を共創することを目的に、パートナー企業及び事業アイデアを募集するプログラム「Nissui Open Innovation 2025」を実施しました。 また、社員の起業家精神の醸成と挑戦する風土づくりを目的に、2020年度から新規事業アイデアの社内公募を実施しており、2025年度の応募件数は前年度を大きく上回る約80件となりました。 「PAWSOME DELI」のようなペットフード事業や、「黒瀬ぶり」の皮という未利用資源を活用したアップサイクル素材「namino leather」など、新たな価値創出につながる取り組みを進めています。 DXの推進全体最適を志向したDXにより、業務はもとより製品・サービス・働き方などを革新します。 2025年度は、養殖ブリの3D魚体計測システムを開発し、従来の人手による体型データ収集の課題を解決しました。 これにより、高精度かつ大量のデータ収集が可能となり、魚体重推定モデルの精度向上を実現しました。 今後は、病気の早期発見による養殖魚のウェルフェア改善や、適切な給餌量設定によるコスト削減・環境負荷低減につなげていきます。 また、DX推進を自分ごと化し、自らの業務に即して捉え実行に移せる「DX人財」の育成にも取り組み、社内全体でのDX推進力強化を図っています。 サステナビリティと事業戦略の連動強化黒瀬ぶりの養殖の様なサステナビリティ基点でのビジネスモデルを構築し競争優位を獲得します。 また、ステークホルダーとの共創でマテリアリティに取り組み、企業価値を向上させます。 2025年度発行の「TNFDレポート」では、重点成長分野である養殖事業を対象として、自然への依存・影響分析並びにリスク・機会評価の深化に加え、当社の具体的な取り組みについて開示しています。 資金調達面では本邦初となるブルー・ネイチャーボンドを発行しました。 調達した資金は、完全養殖かつASC・MEL等の認証を取得済みの養殖事業に充当し、水産資源の生物多様性の保全と持続的な利用を一層推進していきます。 人的資本経営とブランディングの推進競争力の源泉である人的資本とブランディングの取り組みを強化します。 2025年度は、ミッションの体現及びビジョンの実現に向け、「人財マネジメントポリシー」を策定しました。 本ポリシーに基づき人財戦略を推進することで、人的資本経営に取り組んでいます。 経営戦略と連動したリスクマネジメント重要リスク対応を一元管理し、優先順位をつけ経営戦略を遂行します。 2025年度は当社グループを取り巻く各リスクが中長期的な重要課題・事業戦略に及ぼす影響を判断する「リスク評価基準」を策定しました。 今後はこれを活用してリスクの重要度を客観的かつ統一的に評価し、優先順位に応じた具体的なリスク低減策や初動対応計画の策定、リソースの再配分を行うことで、不確実性に対する経営のレジリエンス強化に努めていきます。 グループガバナンスの強化グループ会社取締役会の実効性を高め、グループ経営の基盤を強化します。 2025年度は、グループ会社役員の指名・報酬制度の整備、人財基盤強化を目的とした取締役研修の実施、監査指摘事項のグループ内共有などを通じて、グループガバナンスの強化を進めました。 <マテリアリティ>当社グループでは、マテリアリティを「当社グループの成長と中長期的な企業価値向上に向けて優先的に取り組むべき経営上の重要課題」と位置付けています。 特定した10のマテリアリティは全社のリスクマネジメントとも連動しており、マテリアリティをリスクマネジメントの基点として、中長期的な経営戦略を見据えた重要リスクを特定しています。 また、マテリアリティを踏まえた新中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」における基本戦略を実行することで、長期ビジョンの実現に向けて取り組むとともに、ミッションで掲げる「健やかな生活とサステナブルな未来の実現」へ貢献していきます。 マテリアリティの特定プロセス 当社グループでは、2016年度に特定したマテリアリティに基づき、サステナビリティ経営への進化に取り組んできましたが、外部環境の複雑化に対応すべく、2023年度に見直しを行いました。 STEP1:当社グループが取り組むべき社会課題の抽出と整理多様な社会ニーズ・要請に対応するため、SDGsやサステナビリティ情報開示ガイドライン、ESG評価項目、規制当局や行政からの要請事項、ステークホルダーエンゲージメントの内容などから社会課題を抽出。 当社グループの事業領域や各部門で行ったリスクと機会の分析や役員によるワークショップの結果をもとに、マテリアリティ候補をリストアップしました。 STEP2:サステナビリティ委員会におけるレビューサステナビリティ委員会において、当社グループのビジネスモデルの持続性に関するディスカッションを実施。 リストアップしたマテリアリティ候補について、不足している項目がないか、レビューを行いました。 STEP3:ステークホルダーによる重要度評価サステナビリティ委員会でレビューしたマテリアリティ候補について、社内外のステークホルダー(従業員、労働組合、海外グループ会社、NPO/NGO、学識経験者、投資家(株主)、国際機関、行政、業界団体、取引先、将来世代)にアンケートを実施し、ステークホルダーにとっての重要度と当社グループにとっての重要度の二軸で課題の重要度を測定しました。 STEP4:役員ワークショップ、社外取締役によるレビュー重要度評価の結果をもとに、役員によるワークショップを実施。 マテリアリティマトリックスを最終化し、マテリアリティ候補を特定しました。 また、社外取締役によるマトリックス及びマテリアリティ候補のレビューも実施しました。 STEP5:外部有識者による妥当性評価外部有識者4名(投資家、NGO、学識経験者)より、マテリアリティの特定プロセス及び最終案について、妥当性の評価をいただきました。 STEP6:役員による再討議を経て取締役会にて決議外部有識者からのご意見を踏まえ、サステナビリティ委員会と執行役員会で複数回の討議を重ね、サステナビリティ委員会にてマテリアリティ最終案を審議。 その後、取締役会決議により当社グループが取り組むマテリアリティを特定しました。 (注)マテリアリティ及びマテリアリティ特定プロセスの詳細については、サステナビリティサイトをご参照ください。 https://nissui.disclosure.site/ja/themes/85 マテリアリティ推進体制見直したマテリアリティについては、それぞれ対応する推進組織を設置し、執行役員以上が責任者を務め経営視点で取り組むことで、持続可能な社会に向けて価値を創造するサステナビリティ経営を推進しています。 <中期経営計画と基本戦略>2030年の長期ビジョン実現に向け、中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」において以下3つの基本戦略で取り組みます。 (基本戦略) 〇事業ポートフォリオマネジメントの深化 事業のROICスプレッド・成長性・ミッション親和性を評価し、最適な経営資源配分と事業戦略を推進します。 〇グローバル展開の加速北米・欧州を中心に事業規模拡大を加速。 水産フライに加え第二の柱を育成するとともに、アジア事業の拡大とグローバルサウスでの事業機会を探索します。 〇新規事業・事業境界領域の開拓“心と体を豊かにする”“さまざまな社会課題を解決する”イノベーティブな食を通じて成長に繋げます。 〇DXの推進全体最適を志向したDXにより、業務はもとより製品・サービス・働き方などを革新します。 〇サステナビリティと事業戦略の連動強化サステナビリティ基点でのビジネスモデルを構築し競争優位を獲得します。 また、ステークホルダーとの共創でマテリアリティに取り組み、企業価値の向上を目指します。 〇人的資本経営とブランディングの推進ニッスイの競争力の源泉を強化し、Recipe2では人的資本とブランディングの取り組みを強化し企業価値の向上を目指します。 〇経営戦略と連動したリスクマネジメント重要リスク対応を一元管理し、優先順位をつけ経営戦略に落とし込みます。 〇グループガバナンスの強化グループ会社取締役会の実効性を高め、グループ経営の基盤を強化します。 <中期経営計画における投資と財務戦略>成長と財務安全性の両立を図り、3年間の株主還元は総還元性向40%以上を目指します。 投資については、中計3年間で1,500億円程度を計画しています。 (完成ベース) |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 (1)サステナビリティ全般ニッスイグループは創業以来、さまざまな自然の恵みを活用して事業を行ってきました。 創業の理念、ミッションに掲げるサステナブルな事業活動は私たちの重要な使命です。 私たちはニッスイの5つの遺伝子(お客様を大切にする、現場主義、グローバル、イノベーション、使命感)、サステナビリティ行動宣言に基づき、ステークホルダーの皆さまとの連携・協働のもと、事業を通じてマテリアリティ(重要課題)に取り組み、社会課題の解決を目指します。 (イ)取締役会当社グループの取締役会は、社会課題への取り組みを進めながら持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促すため、ミッション・ビジョン、中長期の経営戦略など大きな方向性を示すとともに、執行上の重要な意思決定と適切な監督を行うことを役割と考えています。 また、マテリアリティやサステナビリティ中長期目標などのサステナビリティ経営に関わる重要事項の決議を行います。 サステナビリティ課題への対応や目標進捗については、サステナビリティ委員会における検討内容の定期的な報告を受け、監督しています。 また、長期ビジョンの実現及び中期経営計画の達成に向け、取締役(社外取締役を除く)の報酬体系について、基本報酬に加え、業績連動報酬及び株式報酬を組み合わせた構成としています。 2025年度からの中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」の開始にあわせ、業績に連動する変動報酬の比率を高めるとともに、株式報酬の会社業績評価指標に、水産資源の持続可能性目標達成度、自社グループ拠点のCO2排出量削減、従業員エンゲージメントのミッション浸透度のスコア向上、重点リスク対応目標達成度などの非財務(サステナビリティ)目標を設定しています。 (ロ)サステナビリティ委員会当社グループでは、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けてサステナビリティ経営を進めており、その推進組織として、全執行役員と社外取締役で構成し、CEOを委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。 年6回開催するサステナビリティ委員会では、各部会からの報告や提案を受けてサステナビリティを巡る課題に係る具体的な目標や方針、施策を検討しており、取締役会への定期的な報告を通じて、取締役会からの意見や助言をその取り組みに反映しています。 なお、サステナビリティを巡る各課題については、サステナビリティ委員会傘下のテーマ別の7つの部会及び執行役員会・品質保証委員会・経営基盤リスク委員会傘下の部会において、委員長が指名した部会長(執行役員)と、部会長により任命されたメンバーで部門横断的に対応を行っています。 当社グループでは、サステナビリティ経営を長期ビジョン達成のための柱の一つとして位置付け、環境価値、社会価値、人財価値、経済価値の4つの価値創出を目指しています。 サステナビリティ課題をリスクと機会の両面から捉え、環境価値、社会価値、人財価値の創出に取り組むことで非財務資本を強化し、経済価値の創出につなげます。 2025年度を初年度とする中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」においては、サステナビリティ経営の深化を基本戦略の一つとし、競争力の源泉となる人的資本とブランディングの取り組みを強化するとともに、マテリアリティ基点でビジネスモデルを構築することで競争優位を獲得し、企業価値の向上を目指しています。 当社グループは、事業活動の妨げとなるリスクの未然防止に努め、緊急時には人命尊重を第一に損失の発生を最小限に抑え、被災者支援など社会への配慮を行うとともに経営資源の保全と事業の継続に最善を尽くすことで、企業価値を維持・向上していくことをリスクマネジメントの基本方針としています。 サステナビリティ課題を含む重要リスクについては、執行役員会、サステナビリティ委員会、品質保証委員会、経営基盤リスク委員会が中心に対応し、社長直轄の組織であるリスクマネジメント委員会が、全社重要リスクを一元的に把握・管理する統合リスク管理機能として審議・承認し、取締役会へ報告することで、全社的リスクマネジメントシステムの構築とその維持・向上に努めています。 リスク対応に優先順位を付け、全社的重要リスクを経営戦略や事業活動に反映することで、将来の成長機会とリスクの適切なマネジメントに取り組んでいます。 リスクの詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご覧ください。 中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」において、経済価値、環境価値、社会価値及び人財価値の創出に向け、10のKPIを定めました。 関連するマテリアリティの推進組織により、各指標の進捗をモニタリングし、結果に基づき取り組みに反映していきます。 重点テーマ指標基準年度単位2030年度目標2027年度目標2025年度実績健康課題の解決当社指定の「健康領域商品」売上2021年度3倍2倍1.1倍責任ある調達1次サプライヤーアセスメント比率-100%(ニッスイグループの主要サプライヤー)100%(国内グループの主要サプライヤー)98.4%(ニッスイ個別)製品の安全安心・品質保証食品安全の第三者認証・適合証明取得率-100%(ニッスイグループ)100%(国内グループ)集計中商品回収等の重大品質事故-発生ゼロ発生ゼロ1件従業員エンゲージメント従業員エンゲージメントスコア(注1)2021年度20%のスコア上昇18%のスコア上昇19.6%のスコア上昇女性活躍女性幹部職比率(注1)-20%15%9.1%水産資源の持続可能性持続可能な調達比率-100%85%75%(注2)CO2排出量削減CO2排出量(Scope1、2)2018年度総量30%削減20%削減7.7%削減(注3)2050年カーボンニュートラル----プラスチック削減容器包装におけるプラスチック使用量(注1)2015年度原単位30%削減15%削減13.9%削減 (注1):対象範囲はニッスイ個別(注2):調査は3年ごとに実施しており、上記数値は、2022年を対象として2024年に公表した第3回調査結果に基づくもの。 (注3):グループ会社の経営統合等によって生じた構造的変化を反映し、目標の基準年度である2018年度の数値を再計算した。 (2)テーマ別課題≪人権の尊重に関する取り組み≫企業活動のグローバル化と多様化が進む中、国内外のバリューチェーン全体で人権尊重の取り組みが求められています。 当社グループは、事業に関わる全てのバリューチェーンにおいて、人権を最優先に尊重すべきとの認識のもと、「国際人権章典」及び「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に記された人権を支持し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた取り組みを進めています。 人権の尊重に関する取り組みは、サステナビリティ委員会傘下の「人権部会」、「サステナブル調達部会」の2部会を中心に対応しており、リスクに応じて関連するその他の部会と連携しながら対応を行っています(注)。 各部会では方針や戦略の立案・実行を行い、サステナビリティ委員会に報告しています。 年6回開催されるサステナビリティ委員会では、各部会からの報告や提案を受けてサステナビリティを巡る課題に係る具体的な目標や方針、施策を検討しています。 また、取締役会への定期的な報告を通じて、取締役会からの意見や助言をその取り組みに反映しています。 (注):上記以外に経営基盤リスク委員会傘下の「労務安全衛生部会」、「倫理部会」とも連携しています。 ニッスイグループは、「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー(GOOD FOODS 2030)」という長期ビジョンを掲げ、持続可能な社会の実現に向けて人権の尊重を企業価値向上の重要な要素と位置付けています。 人権への負の影響を防止・軽減するための取り組み (イ)方針によるコミットメント(人権方針の策定)当社グループでは、2020年9月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「ニッスイグループ人権方針」を策定し、人権の尊重を経営課題として位置付けました。 本方針は企業活動のグローバル化・多様化に伴い、国内外のバリューチェーンにおける人権尊重の取り組みが求められる中、当社グループの事業に関わる全てのバリューチェーンにおいて、人権を最優先に尊重すべきであるとの認識のもと、この責任を果たしていくことを改めて表明したものです。 また、本方針は当社グループの役員及び従業員に適用するとともに、サプライヤーを含むビジネスパートナーの皆さまにも本方針を支持し人権の尊重に努めていただくことをお願いしています。 本方針の周知方法は以下のとおりです。 人権方針の周知対象方法ステークホルダーウェブサイトサプライヤーサプライヤーガイドライングループ内従業員人権研修(年1回) (ロ)人権デューデリジェンスの実施重要人権リスクの特定当社グループのバリューチェーンにおける実際の又は潜在的な人権への負の影響の把握のため、2024年7月に部門横断型のワークショップ形式による人権リスクアセスメントを実施し、3つの重要人権リスクを特定しました。 これらのリスクについては、実態の把握及び低減に向け、重点的な対応を進めています。 人権リスクアセスメントのプロセスは「リスク管理」の項に記載しています。 重要人権リスク主な対応策2025年度 進捗・実績①サプライチェーン上の強制労働、児童労働1.国内外の1次サプライヤー525社へのガイドライン周知、同意取得(対象:ニッスイ個別)2.SAQ(注)を用いたリスクの把握、改善支援(対象:ニッスイ個別)3.取引の多寡や品目特性に応じたリスク評価、対応1.同意確認書の回収率:98.2%(2023-2025年度)2-1.SAQの回答率:98.4%(2023-2025年度)2-2.SAQ結果に基づく基準未達項目への書面による改善要請、現地訪問による支援、モニタリング3-1.Sedexバイヤー会員への加盟3-2.外国人労働者を雇用する製造委託先への訪問確認、ヒアリング:4社②日本における外国人労働者の労働環境1.外国人を雇用する当社グループの国内全事業所を対象とした労働環境調査の実施2.多言語対応等による労働災害防止3.外国人労働者向けアンケート、相談窓口の整備による職場環境の把握1.国内全47事業所を対象に調査、共通課題への対応を実施2.掲示物・マニュアル・教育等の多言語化、ピクトグラム等の活用をグループ内で展開3-1.外国人労働者を対象としたストレスチェック(9言語)、職場環境満足度アンケート(9言語)を一部事業所で実施3-2.外部相談窓口(23言語)を継続運用③重大労働災害、事故1.労働災害の発生傾向に基づく類似災害の防止2.グループ安全大会、安全宣言を通じた安全意識の向上3.リスクアセスメントの実施によるリスク低減1-1.国内グループ内の労働災害事例の共有、注意喚起、対策の横展開1-2.休業災害:58件、死亡災害:0件2-1.安全大会において社長による安全宣言の発信、表彰、講話を実施2-2.各事業所・個人の安全宣言を新たに実施3-1.国内各事業所においてリスクアセスメントに基づく安全対策(KYT活動、掲示物等の安全教育、安全パトロール)を実施3-2.安全管理に関する能力開発研修修了者数:204名 (注)SAQ:Self-Assessment Questionnaire。 自己評価調査票。 (ハ)救済措置(苦情処理メカニズムの整備)当社グループでは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえ、自社だけでなく専門の第三者機関と連携してグリーバンスメカニズムを構築し、救済へのアクセスを確保しています。 社内及び社外の窓口で通報を受け付ける内部通報制度に加え、2023年度から国内の生産事業所や漁業における外国人労働者を対象として、責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)が提供する企業協働プログラムに参画し、23言語に対応した相談窓口を設置しています。 また、サプライヤーをはじめとする幅広いステークホルダーを対象として、ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に参加し、ビジネスと人権に関する苦情・通報窓口を設置しています。 また、上記以外に、お客様と直接対話する仕組みとして、お客様サービスセンターを設置しています。 「消費者の安全や知る権利」も企業活動の中で尊重すべき人権と考え、お客様の声をタイムリーに受け止め、正確な情報をお伝えすることを心がけています。 (イ)人権リスクを識別・評価・管理するプロセス当社グループのバリューチェーンにおける実際の又は潜在的な人権への負の影響を把握するため、人権部会において人権リスクアセスメントを実施しています。 外部環境の変化に対応し、国や専門機関、NGOの報告書や苦情・通報窓口への通報・相談内容、ステークホルダーとの対話を通じて収集した情報をもとに、新たなリスクの特定や優先順位の決定を行っています。 直近では2024年7月にアセスメントを実施し、サステナビリティ委員会での議論を経て、同年10月に重要リスクを特定しました。 2025年度以降は、人権部会において年1回リスクの見直しを行うとともに、人権リスクアセスメント(重要リスクの特定)は、中期経営計画の策定タイミング(3年に一度)を目安に実施する計画です。 直近では2026年2月に当該見直しを実施しました。 リスクアセスメントの手法バリューチェーンの各プロセスにおいて、「一般的・業界横断的な人権リスク」と「水産業・ニッスイグループ特有の人権リスク」の2つの視点からリスクの洗い出しを行っています(下図参照)。 特に後者の分析では、国別リスクや魚種別リスクといった視点も取り入れ、より詳細な評価を行っています。 抽出されたリスクに対しては、発生頻度や可能性、発生時の影響の大きさを基準とした「インパクトアセスメント」を実施し、重要なリスクを特定・絞り込んでいます。 2024年度の人権リスクアセスメントで特定した重要人権リスクとその対応については、「戦略」の項に記載しています。 人権リスクアセスメントワークショップにより抽出された人権リスク (ロ)総合的リスク管理への統合状況人権部会やサステナブル調達部会で特定された人権リスクは、全社重要リスクを一元的に把握・管理する統合リスク管理機能であるリスクマネジメント委員会に共有され、全社グループ視点で経営戦略への反映や優先度に応じた対応策の実行が図られています。 リスクマネジメント委員会で特定した人権に関連する重要リスクは以下のとおりです。 分類重要リスク重要リスク管理組織報告先経営戦略リスクサプライチェーンの環境・人権に関するリスクサステナブル調達部会人権部会サステナビリティ委員会→リスクマネジメント委員会経営基盤リスク労働安全衛生に関するリスク労務安全衛生部会経営基盤リスク委員会→ リスクマネジメント体制と重要リスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご覧ください。 当社グループは、人権の尊重に関する指標を設定し、その進捗をモニタリングしています。 主要な指標と目標、及び実績は以下のとおりです。 指標目標2025年度実績1次サプライヤーアセスメント比率2030年度 100%(グループの主要なサプライヤーを含む)98.4%(2023-2025年度、対象:ニッスイ個別)外国人労働者の労働環境モニタリング外国人を雇用する全ての事業所で実施47/47事業所人権研修受講者数、受講率対象者における受講率100%ニッスイ個別:2,873名、94.8%グループ会社:3,816名、91.5% (イ)1次サプライヤーアセスメント比率ニッスイ個別の1次サプライヤー(直接の取引関係がある国内外のサプライヤー)に対し、SAQによる確認を進めています。 特に優先度の高い項目において基準を満たさない場合には、書面による改善依頼を送付、又はサプライヤーを訪問して改善に向けたアドバイスを行うとともに、その取り組み状況を継続的にモニタリングしています。 SAQへの回答率は2023年度から2025年度までの累計で98.4%となりました。 2030年までに海外も含めたグループの主要サプライヤーにも対象を広げ、100%実施を目標に取り組みを進めています。 (ロ)外国人労働者の労働環境モニタリング国内のグループ会社で外国人を雇用する全生産事業所を対象に年1回の労働環境調査(全80項目のセルフチェック)を実施しています。 調査では深刻な人権侵害リスクの兆候は認められていませんが、一部の事業所において言語面の課題が確認されており、人権部会より国内のグループ各社に対して多言語化対応の周知を図っています。 グループ全体で統一した対応を進め、その対応状況を人権部会で確認しています。 また、国内グループ会社の生産拠点47事業所に在籍する外国人労働者を対象に、23言語に対応した第三者相談窓口(JP-MIRAIアシスト)を導入し、労働問題から生活まわりの相談まで、外国人労働者がワンストップで相談できるハードルの低い仕組みを導入しています。 (ハ)従業員に対する人権研修実施状況従業員(注)を対象とした人権研修を継続的に実施しており、2025年度には6,689名がeラーニング研修を受講しました。 今後も毎年研修を実施し、従業員一人ひとりへの人権方針の浸透と意識向上を図ります。 (注):2025年度はニッスイ個別の全従業員と国内グループ会社の役員・幹部職・一般社員が対象 これらのKPIは人権部会・サステナブル調達部会を中心にPDCAサイクルで取り組みを改善しており、サステナビリティ委員会や取締役会に定期報告され、目標達成度合いや課題が議論されています。 また、目標と指標は外部環境の変化やステークホルダーの声を踏まえてアップデートしています。 ≪気候変動及び自然資本・生物多様性への対応≫当社グループのビジネスは自然資本に依存しており、さまざまな生態系サービスの恵みを受けて事業を行っていることから、自然資本の持続可能性が損なわれることは、大きなリスクであると認識しています。 また、気候変動は当社グループを取り巻くさまざまなリスクと関連しており、生物多様性や生態系の変化とも相互に影響し合い、原材料調達などのリスクにも大きく影響します。 こうした認識のもと、当社グループでは、気候変動と自然資本・生物多様性を相互に関連する重要な環境課題として捉え、TCFD及びTNFD提言のそれぞれの考え方に基づき、リスク・機会及び対応策を整理しています。 なお、気候変動と自然資本・生物多様性は相互に関連することから、各提言に基づく整理において、一部のリスク・機会及び対応策は相互に関連又は重複しています。 ①気候変動への対応(TCFD提言への取組)気候変動問題については、CFOがプロジェクトオーナーを務める部門横断型プロジェクト「TCFD対応プロジェクト」においてリスク・機会の分析と財務インパクトに応じた対応策の検討を行い、検討結果をサステナビリティ委員会での審議を経て取締役会に報告し、取締役会からの意見や助言を反映しています。 CO2排出量削減などの気候変動緩和策については、サステナビリティ委員会傘下の環境部会がグループ全体の取り組みを推進しています。 連結売上高の95%以上を占める水産事業、食品事業、ファインケミカル事業を対象とし、TCFD提言に基づく気候変動のシナリオ分析を2つのシナリオで実施しました。 気候変動リスクと機会の特定、財務インパクトの評価を行い、その対応策を検討しました。 明確化された重要なリスクと機会に対して、対応策を講じることで、リスクの低減と機会の確実な獲得につなげ、気候変動に対してレジリエントな状態を目指します。 (イ)戦略におけるシナリオ分析の概要TCFDの提言に従い、気候変動シナリオ分析を実施しました。 分析対象は水産事業と食品事業、ファインケミカル事業とし、バリューチェーン全体を幅広く分析しました。 1.5℃/2℃及び4℃の気温上昇時の世界を想定し、リスク・機会の抽出と2030年における財務インパクトの評価、及び対応策を検討しました。 その結果、1.5℃/2℃シナリオでは炭素税の導入による操業コストが事業成長の阻害要因となり、積極的な温室効果ガス削減とともに生産活動の効率化に取り組み、新たな顧客需要を捉えることにより、事業成長につなげることが可能であることがわかりました。 また、4℃シナリオでは自然災害の激甚化に伴う物理リスクが事業成長の阻害要因となり、養殖事業の高度化に取り組みこれらのリスクに対応することで収益への影響を最小化することが必要であることがわかりました。 シナリオ世界観の描写1.5℃/2℃シナリオ(RCP2.6)●社会からの脱炭素への要求により、コーポレートやバリューチェーン全体に対して、脱炭素に向けた規制や対応要請が強まる●社会からの脱炭素への要求により、脱炭素な過程で生産された原材料の仕入れや持続可能な漁業・養殖が必要になる●消費者や小売業者の志向変化により、低カーボンな製造・製品や持続性に配慮した調達品の取引や販売が求められる4℃シナリオ(RCP8.5)●自然災害の激甚化に伴い、養殖・製造・物流等拠点の被災リスクが高まり、被災した場合、供給・運営停止などのリスクが高まる●自然災害の激甚化や気温上昇により、植生や海洋環境が変化することで、作物の収量や水産資源の漁獲量・生産量の減少リスクが高まる●自然災害が頻発することで災害食に対する需要の増加や、気温変化により健康状態が悪化することで健康ニーズを満たす製品要望が高まる 1.5℃/2℃シナリオリスク/機会分類想定される主なリスクと機会事業インパクト影響時期財務インパクト主な対応策移行リスク規制環境関連規制強化による影響カーボンプライシングの導入による対応コストの増加中期大・事業所毎の排出量削減目標の設定・再エネ導入拡大、省エネ設備投資省エネ・温室効果ガス排出等の規制強化による対応コストの増加・容器包装プラスチック削減・モーダルシフト、輸送効率化・フードロス削減 ・ICP(注1)導入の検討フロン規制強化による脱フロン要請の高まり中期大・自然冷媒への切り替え評判気候変動対応が不十分な場合の投資家・金融機関からの評判低下-中期大・Scope 3まで含めたCO2削減目標の設定・気候変動対応情報の積極開示機会製品とサービス消費者の購買行動の変化(環境意識の高まり、持続可能性への配慮) 持続可能性に配慮した製品に対する需要増加短期大・取り扱い水産物の資源状態調査の継続実施・環境配慮商品や認証品の取り扱い拡大低カーボン需要の高まりによる代替タンパクへの需要増加中期大・代替タンパク商品の開発、拡大低カーボンとしての水産物の需要増加長期中・LCA(注2)の実施と積極的な情報発信資源の効率性省エネ技術導入、再エネ・燃料転換による操業コスト低減エネルギーの消費量削減、効率化に伴う操業コストの低減中期中・エネルギー高効率な省エネ設備対応 影響時期は、短期(3年以内)、中期(3-10年以内)、長期(10-20年程度)とした。 (注1)ICP:インターナルカーボンプライシング(注2)LCA:ライフサイクルアセスメント 4℃シナリオリスク/機会分類想定される主なリスクと機会事業インパクト影響時期財務インパクト主な対応策物理リスク急性風水害の激甚化による事業停止リスク/管理コスト増加製造/物流拠点被災による被害中期中・拠点の分散によるリスクヘッジ・物理的被害に備える保険内容の見直し・BCP見直し、社内訓練の実施養殖施設の損壊による被害短期小・浮沈式生け簀の導入、施設の補強・赤潮発生を予測し、被害を最小化・陸上養殖への対応強化異常気象による原材料(米・鶏肉)の調達リスク原材料調達コストの増加短期中・産地の分散化や調達先の多様化によるリスク低減異常気象による原材料(水産物)の調達リスク漁獲量減少と調達コストの増加長期小・EPA原料魚油(カタクチイワシ)の在庫確保・代替原料(ポストEPA)の開発急性・慢性渇水による操業停止リスク養殖拠点の渇水被害短期中・高リスク拠点の特定、移転、設備強化製造/物流拠点の渇水被害短期中・使用水の節約、井水の使用・拠点の分散によるリスクヘッジ慢性海洋環境の変化による水産物の調達リスク天然魚、養殖魚の漁獲量の減少中期小・調達ネットワークの構築・陸上養殖の対応強化・高温耐性品種の開発、養殖適地の探索養殖飼料向け原料魚の漁獲量減少・調達コスト増加中期大・代替飼料の開発(低魚粉配合飼料)機会製品とサービス災害や気候変動に対応する製品・サービスを通じた需要増加天然資源減少に伴う養殖需要の増加短期大・陸上養殖の対応強化・高温耐性品種の開発、養殖適地の探索スマート養殖対応によるコスト低減短期中・AI、IoTを活用した効率化、省人化気温上昇に伴う健康意識の高まり健康需要を満たす製品の需要増加短期中・健康領域商品の販売拡大・水産物の機能性追求 影響時期は、短期(3年以内)、中期(3-10年以内)、長期(10-20年程度)とした。 (ロ)カーボンプライシングの影響財務インパクトの中でも特に影響が大きかったカーボンプライシングについては、将来CO2排出量(Scope1、2)を2030年売上予測に基づいて算出し、2℃シナリオ、4℃シナリオごとのIEAの予測(注1)による炭素価格を掛け合わせて運営コストの影響金額を算出しました。 2030年目標であるCO2排出量を総量で30%削減することにより、グループ全体で2℃シナリオでは56.0億円、4℃シナリオでは17.4億円の削減につながることがわかりました。 2℃シナリオ4℃シナリオ対応策なし(注2)対応策あり(注3)対応策なし(注2)対応策あり(注3)▲106.5億円▲50.5億円▲33.1億円▲15.7億円 炭素税:2℃シナリオ時 135ドル/t‐CO2、4℃シナリオ時 42ドル/t‐CO2と仮定、為替レートはいずれのシナリオも1ドル=150円と仮定(注1)IEA World Energy Outlook 2023(注2)対応策なし:Scope1、2を対象とし、基準年度(2018年度)と同様の原単位でCO2が排出されると仮定(注3)対応策あり:Scope1、2を対象とし、2030年目標を達成することでCO2排出量が2018年度から30%削減されると仮定 (ハ)天然水産資源(カタクチイワシ・スケソウダラ)の影響評価調達量が多く重要な魚種であるカタクチイワシとスケソウダラについて、FAOのモデルを使用して2種類のシナリオで2030年、2050年の漁獲可能量の変化を評価しました。 その結果、1.5℃シナリオにおいては両魚種ともに微減が予想されました。 4℃シナリオにおいては、カタクチイワシは2030年、2050年ともに減少となり、スケソウダラは2030年は微増、2050年は増加が予想されました。 2030年時点での漁獲可能量の変化率は大きくないため、財務への影響は軽微であることが確認されました。 しかし、2050年の漁獲可能量の変化率は比較的大きいため、特に減少が予想されるカタクチイワシについては、対応策を確実に進めていく必要があります。 漁獲可能量の変化率 (%)出所:FAO (国連食糧農業機関)「Impacts of climate change on fisheries and aquaculture(2018)」を参考に当社推計 (ニ)水リスクの評価水リスク評価のグローバルスタンダードのうち、2021年度は世界自然保護基金(WWF)のWater Risk Filterを用いて国内の製造・物流拠点全体の評価を行いましたが、水リスク評価の際には拠点別の影響額を試算するために浸水深のデータが必要であることから、2022年度以降は分析粒度が細かくより精緻なデータ収集が可能である世界資源研究所(WRI)のAqueduct(アキダクト)を用いて、国内・海外の生産・物流拠点別に評価を行いました。 水害による生産中断に伴う機会損失については、各拠点の所在地に示されるAqueductの浸水深により拠点別に運転停止日数・在庫毀損率を特定し、財務影響金額を算定しました。 財務への影響は中程度であることを確認しました。 また、水ストレス(渇水)については、最も高いリスクレベルに該当する拠点が1拠点あることを確認しました。 加えて、南米の生産拠点の一部が、水ストレスの高い地域に所在していることがわかりました。 最も高いリスクレベルに該当する拠点においては、使用水の削減や水使用効率の向上に向けた設備改善に加え、使用水の循環利用などの取り組みを進めています。 今後は継続的に使用水の削減に取り組むとともに、水リスク評価方法の精緻化についても検討を進めていきます。 ■Aqueductによる洪水リスク評価結果(拠点数)浸水幅1.5℃/2℃4℃河川沿岸河川沿岸0m646764670-0.5m1281390.5-1m87761-2m0202 84848484 ■Aqueductによる渇水リスク評価結果(拠点数)と水使用量渇水レベル1.5℃/2℃、4℃拠点数2025年度 水使用量(千㎥)低(Low)34768低‐中(Low-medium)252,506中‐高(Medium-high)238,661高(High)121極めて高い(Extremely high)1170 8412,126 (ホ)戦略への反映シナリオ分析の結果を受けて、中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」でも引き続き、優先度の高い対応策から事業計画に反映し、戦略との整合を図っています。 基本戦略項目内容事業ポートフォリオ強化グローバル展開の加速北米・欧州を中心とした事業成長●資源アクセス力の強化●サステナビリティ情報開示の強化●代替タンパク商品の拡大新規事業・事業境界領域の開拓社会課題を解決するイノベーティブな食を通じた成長●新規事業開発(藻類関連・廃棄物のアップサイクル等)●素材の機能性強化●養殖技術の深化生産性の革新業務効率化の定着●養殖の高度化(AI・IoT活用)●スマートファクトリー化サステナビリティ経営の深化サステナビリティと事業戦略の連動強化温室効果ガス排出削減●省エネルギー推進、燃料転換、再生可能エネルギーの利活用、モーダルシフト推進 ●養殖事業モデルの先鋭化●特定フロンから自然冷媒への移行●代替タンパク商品の販売拡大プラスチック削減●容器包装のプラスチック削減、石油由来バージンプラスチックの低減 ●事業活動に伴う廃プラスチック排出抑制●物流資材のプラスチック削減、リサイクル推進水産資源の持続的な利用●取り扱い水産物の資源状態調査の継続実施●各種水産エコラベル認証取得率向上と認証原料の取り扱 い拡大健康訴求の強化●健康領域商品の拡大 ●素材の機能性強化 (イ)リスクを識別・評価・管理するプロセス当社グループは、気候変動を中長期的な事業活動に影響を及ぼす重要な経営課題の一つと認識しています。 そのため、CFOがプロジェクトオーナーを務める部門横断型プロジェクト「TCFD対応プロジェクト」において、連結売上高の大部分を占める水産事業、食品事業、ファインケミカル事業を対象に、バリューチェーン全体を踏まえた気候変動リスクと機会の識別・評価を行っています。 リスクと機会の識別・評価にあたっては、1.5℃/2℃シナリオ及び4℃シナリオを用いたシナリオ分析を実施し、移行リスク、物理リスク及び機会について、想定される事業インパクト、影響時期、財務インパクトを整理しています。 特に財務影響が大きいと考えられるカーボンプライシング、水産資源への影響、水リスクなどについては、外部機関のシナリオや評価ツールも活用しながら、影響額やリスク水準の把握に努めています。 これらの分析結果をもとに、優先的に対応すべきリスクと機会を特定したうえで、対応策を検討しています。 検討された対応方針や対応策は、サステナビリティ委員会での協議・審議を経て、事業戦略や中期経営計画に反映し、リスクの低減と機会の獲得につなげています。 (ロ)総合的リスク管理への統合状況サステナビリティ委員会傘下の環境部会やTCFD対応プロジェクトで特定された気候変動に関連するリスクは、全社重要リスクを一元的に把握・管理する統合リスク管理機能であるリスクマネジメント委員会に共有され、全社グループ視点で経営戦略への反映や優先度に応じた対応策の実行が図られています。 分類重要リスク重要リスク管理組織報告先経営戦略リスク気候変動の対応に関するリスク環境部会サステナビリティ委員会→リスクマネジメント委員会 リスクマネジメント体制と重要リスクについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご覧ください。 長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」において、2018年度比で、2030年にCO2排出量を総量で30%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを掲げています。 グループグローバルでの目標達成に向け、各事業所における省エネルギー施策の実施やエネルギー使用量の少ない高効率設備への更新、再生可能エネルギーの使用など、CO2削減計画を策定し、積極的に取り組んでいきます。 Scope3についてはGHGプロトコルに整合した環境省のガイドラインに従い、15のカテゴリーに分け算定しました。 今後はデータの精度向上を図り、排出量の多いカテゴリー1の削減方法の検討などを行い、当社グループにおけるCO2排出量の削減をさらに推進します。 また、調達する天然水産物、プラスチック、フードロス、水などについても、持続可能な利用を実現するための目標と施策をそれぞれ掲げ、取り組みを推進していきます。 (イ)CO2排出量の推移(Scope1、2) (ロ)CO2排出量の推移(Scope3) 単位2022年度2023年度2024年度カテゴリー1購入した製品・サービスt-CO22,297,0142,514,3772,703,165カテゴリー2資本財t-CO281,241107,296120,946カテゴリー3Scope 1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動t-CO261,77965,65066,956カテゴリー4輸送、配送(上流)t-CO262,18168,03587,582カテゴリー5事業から出る廃棄物t-CO213,39614,54516,070カテゴリー6出張t-CO21,2281,3171,347カテゴリー7雇用者の通勤t-CO23,2063,4283,506カテゴリー8リース資産(上流)t-CO2対象外対象外対象外カテゴリー9輸送、配送(下流)t-CO2除外除外除外カテゴリー10販売した製品の加工t-CO2除外除外除外カテゴリー11販売した製品の使用t-CO2除外除外除外カテゴリー12販売した製品の廃棄t-CO26,2176,0326,069カテゴリー13リース資産(下流)t-CO2対象外対象外対象外カテゴリー14フランチャイズt-CO2対象外対象外対象外カテゴリー15投資t-CO2対象外対象外対象外合計t-CO22,526,2622,780,6813,005,640 (ハ)第三者保証について2021年度から2024年度のScope1、2、3(カテゴリー1~7、12計)の実績については、任意の第三者保証((株)サステナビリティ会計事務所(所在:東京都千代田区)によるISAE3000、ISAE3410に基づく限定的保証)を取得しています。 (ニ)目標と実績指標2030年目標2025年度実績測定・判定方法CO2排出量30%削減7.7%削減CO2排出実績(注1)(対象:Scope1、2 基準年度:2018年度 単位:総量)2050年カーボンニュートラル--冷媒の特定フロン使用ゼロ国内:特定フロン冷媒の保有27.0%海外:特定フロン冷媒を保有する会社3/15社特定フロン冷媒を使用した設備の使用率(対象:ニッスイグループ)水の使用量20%削減1.2%増加水の使用量(対象:ニッスイ国内グループ 基準年度:2015年度 単位:原単位)廃棄物100%74.1%ゼロエミッション率99%以上の事業所割合フードロス30%削減15.3%削減生産事業所における動植物性残渣の廃棄量(対象:ニッスイ国内グループ 基準年度:2017年度 単位:原単位)100%96.8%生産事業所における動植物性残渣のリサイクル率(対象:ニッスイ国内グループ)50%削減26.0%削減製品廃棄量(対象:ニッスイ個別 基準年度:2020年度 単位:総量)プラスチック30%削減13.9%削減容器包装におけるプラスチック使用量(対象:ニッスイ個別 基準年度:2015年度 単位:原単位)30%削減14.2%削減事業所におけるプラスチック排出量(対象:ニッスイ国内グループ 基準年度:2017年度 単位:原単位)持続可能な調達比率水産物の持続可能な調達比率100%75%(注2)ODP(注3)による評価手法(FishSourceスコア1~5による判定)で、「Well Managed(優れた管理)全てのスコアが8以上」「Managed(管理)同以上」を持続可能と位置付け (注1)グループ会社の経営統合等によって生じた構造的変化を反映し、目標の基準年度である2018年度の数値を再計算した。 (注2)調査は3年ごとに実施しており、上記数値は、2022年を対象として2024年に公表した第3回調査結果に基づくもの(注3)ODP:Ocean Disclosure Project。 SFP(Sustainable Fisheries Partnership)が2015 年に設立した、シーフードの調達を自主的に開示するためのオンライン報告プラットフォーム。 ②自然資本・生物多様性への対応(TNFD提言への取組)当社グループは、自然資本及び生物多様性の保全が、持続可能な事業活動の基盤であると認識しています。 この認識のもと、環境憲章の行動方針において「自然環境及び生物多様性の保全と、資源の持続的利用に配慮した活動の推進」を掲げています。 当社グループの強みは、世界各地から水産物をはじめとした素材を調達できる資源アクセスにあり、価値創造の源泉となっています。 一方で、当社グループの事業活動は、自然資本に大きく依存するとともに、これらに影響も与えています。 地球や海の恵みの上に事業が成り立っていることを常に認識し、バリューチェーンにおける自然への依存と影響を把握したうえで、事業活動による負の影響の回避・軽減に努めるとともに、自然の復元・再生につながる取り組みを進めています。 また、当社グループは、2023年9月にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラムに加盟し、2023年12月にTNFD Adopterに登録しました。 TNFD提言に基づく情報開示としてTNFDレポートを発行しており、初回となる「TNFDレポート2023」では、TNFDの4つの柱(ガバナンス、戦略、リスクと影響の管理、指標と目標)に沿って、自然への依存と影響、リスクと機会を網羅的に整理し、情報開示の基盤を構築しました。 2026年1月には、2回目の発行となるTNFDレポート2025を発行し、これまでの取り組みを踏まえ、当社グループの重点成長分野である養殖事業を対象に、評価設計・分析範囲・検証性を高めることで、2023年度版から開示の範囲と深度を拡充しました。 (注):TNFD提言への取り組みの詳細は、TNFDレポートをご参照ください。 https://nissui.disclosure.site/assets/pdf/254/2025_tnfd_ja.pdf 自然資本・生物多様性に関連する取り組みは、「水産資源持続部会」、「サステナブル調達部会」、「海洋環境部会」、「プラスチック部会」、「環境部会」、「人権部会」の6部会を中心に対応しており、各部会では方針や戦略の立案・実行を行い、サステナビリティ委員会に報告しています。 年6回開催されるサステナビリティ委員会では、各部会からの報告や提案を受けてサステナビリティを巡る課題に係る具体的な目標や方針、施策を検討しています。 また、取締役会への定期的な報告を通じて、取締役会からの意見や助言をその取り組みに反映しています。 (イ)LEAPアプローチ(注)に沿った「依存と影響」の診断と「リスクと機会」の評価当社グループは、世界各地から水産物を調達し、素材の力を最大限に引き出すR&D、加工・生産、品質保証を通じて、高付加価値商品を世界のあらゆる世代のお客様に提供しています。 当社グループのバリューチェーンは、漁獲・養殖から加工・販売までを自社グループ内で広く担い、外部との連携も含めて川上から川下までを一体的に運営している点が特長です。 水産資源を食品・原材料・飼料・機能性素材など多様な形でお客様に提供しており、「一つの資源が多層的に価値を生み出しながら循環する姿」を体現することで、資源の有効活用と持続的な価値創出を実現しています。 (注)LEAPアプローチ:TNFDが開発した、自然関連のリスクと機会を評価するためのガイダンス。 分析プロセスであるLocate、Evaluate、Assess、Prepareの頭文字をとったもの。 イ.評価のスコーピング対象カテゴリーと範囲の選定にあたり、SBTN(Science Based Targets Network)のHigh Impact Commodity List v1.1を参照しました。 当社グループのバリューチェーンの根幹をなす「天然水産物」と「養殖水産物」がHigh Impact Commodityに該当しており、SBTNによる文献レビューによると、自然への影響要因として、天然水産物は「海洋生態系の利用」「海洋生態系の変化」「その他の資源利用」「気候変動」「海洋汚染」が、養殖水産物は「海洋生態系の転換」「海洋汚染」「気候変動」が挙げられています。 また、TNFDが推奨するオンラインツールである「ENCORE(注)」の2024年更新版を使用し、バリューチェーンにおける評価対象活動の絞り込みを行いました。 その結果、当社グループのバリューチェーンにおいては、漁業と養殖の事業活動が自然へ大きく依存し、また影響を与える可能性があることを確認しました。 よって、自然との直接的な接点が大きい上流工程である「漁業」及び「養殖」を今回の評価対象としました。 (注)ENCORE:ビジネスセクターと生産プロセスごとの自然資本への依存と影響を評価するツール。 ロ.依存と影響の診断当社グループの操業やバリューチェーンの実態に即し、代表的な依存と影響の経路を想定したうえで自社による評価を行い、自然への依存と影響の関係を以下のとおり整理しました。 依存と影響の把握には、「ENCORE」に代表されるオンラインツールが広く用いられますが、オンラインツールによる評価は業界共通の一般的な内容にとどまりやすく、自社事業の特徴を十分に反映した分析が難しいため、自社による評価を重視しています。 自然への依存と影響(漁業) ■自社にとって特に重要と考える項目依存/影響分類項目(生態系サービス/インパクトドライバー)説明代表的な経路・例依存生態系サービス(基盤)海洋の利用漁場の環境条件及び水産資源の再生産力に依存海洋生態系の健全性、海況、産卵場・餌場の維持生態系サービス(供給)生物資源の供給・遺伝資源対象資源の再生産力・遺伝的多様性に依存資源量・年齢構成の健全性、遺伝資源の維持生態系サービス(供給)燃料の利用漁船の燃料として化石燃料に依存重油の使用生態系サービス(調整・維持)生息地、産卵場、回遊経路重要生息地の健全性に依存沿岸藻場・干潟・サンゴ礁、回遊経路の連結性生態系サービス(調整・維持)水質の自浄・希釈透明度・溶存酸素など水質の安定に依存富栄養化・汚濁の少ない海域での操業生態系サービス(調整・維持)気候・海象の安定海況の安定性に依存気候変動に伴う資源移動・悪天候増加の影響影響気候変動温室効果ガス排出(燃料消費)地球温暖化への影響漁船の燃料燃焼に伴うCO2排出陸、淡水、海洋利用の変化生息地の攪乱底生ハビタットの物理的な攪乱底引き網漁業による海底接触資源使用、資源補充生物資源の採捕(過剰採捕を含む)資源量や年齢構成を損なう可能性過剰漁獲資源使用、資源補充混獲、保全対象種(ETP種)への影響目的外生物の捕獲、偶発的致死海鳥・海獣類などの混獲汚染、汚染除去漁具の海洋流出海洋生物の被害、生息地損傷、プラスチック汚染ネット・ロープの喪失、漂流汚染、汚染除去汚染(排水・廃棄物・油など)海水・底質の汚染有機物・固形廃棄物の流出、燃料油の漏出汚染、汚染除去騒音・光などの攪乱感受性の高い生物への行動影響船舶の騒音、夜間照明 自然への依存と影響(養殖) ■自社にとって特に重要と考える項目依存/影響分類項目(生態系サービス/インパクトドライバー)説明代表的な経路・例依存生態系サービス(基盤)陸・淡水・海洋の利用生産空間としての水域環境の健全性に依存沿岸・海域・内水面の環境容量生態系サービス(供給、調整・維持)水供給・水質(温度・塩分・溶存酸素量・透明度)健全な水環境に強く依存取水の量・質、流況、希釈能力生態系サービス(供給)生物資源の供給・遺伝資源(種苗・飼料)種苗・飼料原料の安定供給に依存魚粉・魚油、植物性原料、種苗生態系サービス(供給)燃料の利用給餌作業や飼料製造で化石燃料に依存重油・軽油の使用生態系サービス(調整・維持)気候・海象の安定極端気象・海況変動の影響を受けやすい高水温、赤潮、台風、洪水影響気候変動温室効果ガス排出(燃料・電力・原料サプライチェーン)地球温暖化への影響作業船、エアレーション、輸送陸、淡水、海洋利用の変化陸上・淡水・海洋生態系の利用生態系への影響施設設置に伴う生息地転換資源使用、資源補充/陸、淡水、海洋利用の変化飼料原料の調達影響(陸・海洋)原料由来の資源、土地への圧力小型魚資源、大豆生産地の森林など資源使用、資源補充保全対象種を含む野生生物への影響野生生物との接触・偶発的致死養殖場周辺の野生動物(海獣類・鳥類)との接触資源使用、資源補充淡水の利用地域全体の水資源への負荷河川水・地下水の取水汚染、汚染除去栄養塩・有機物の排出富栄養化や底質悪化残餌・排泄物などの堆積汚染、汚染除去医薬品・化学物質の使用水質汚染・耐性化リスク水産用医薬品や生け簀網の防汚剤汚染、汚染除去疾病・寄生虫の伝播周辺海域への影響、収量損失周辺養殖場への魚病の伝播汚染、汚染除去漁具の海洋流出海洋環境への影響、プラスチック汚染養殖用フロートの流出汚染、汚染除去固形廃棄物(資材・残餌・斃死魚・加工残渣など)生態系・景観・衛生への影響使用済み資材の流出、不適切処理侵略的外来種の導入・除去養殖魚の逃亡在来種・遺伝的多様性への影響設備破損や気象災害時の逃亡 ハ.リスクと機会の評価漁業及び養殖が海洋・河川・沿岸生態系のサービスに強く依存し、同時に影響も及ぼしうるという事業特性に着目し、セクター全体の視点から自然関連のリスクと機会を整理しました。 本評価はTNFDのシナリオ分析ガイダンスに基づき、物理的リスク(生態系サービスの変化)と移行リスク(政策・規制・市場の変化)という不確実性を考慮しています。 当社では、自然関連の定量シナリオが十分に整備されていない現状を踏まえ、TNFDが例示する探索的シナリオを参照しつつ、TCFD対応で用いている気候シナリオ(1.5℃/2℃、4℃)の前提を組み合わせ、当社グループの実情に即した2つの検討シナリオを設計しました。 本分析は簡易的であり、シナリオ分析としては発展途上にありますが、既存の枠組みも活用しながら自社の状況に合わせて工夫するという考え方に沿って、気候変動と自然関連のリスクと機会を一体として検討するものです。 シナリオ1は、政策・規制の強化や投資家・消費者の関心の高まりにより、自然の回復に向けた取り組みが広がる世界観です。 シナリオ2は、移行が十分に進まず、地域ごとに対応が分かれ、自然の劣化が進行する世界観です。 2つのシナリオを用いることで、将来像に関する前提に幅を持たせ、リスクと機会の検討に偏りが生じにくいよう整理しています。 シナリオの概要シナリオ(注)世界観リスクと機会の要点シナリオ1TCFD:1.5℃/2℃(RCP2.6)×TNFD #1Ahead of thegame脱炭素が進展し、自然を守る取り組みも広がる。 環境の悪化は局所的に生じるが、適切な管理・対策により影響を抑制できる 環境の変化• 制度と市場がかみ合い、自然配慮の投資・製品・調達が広がる• 局所的な悪化は生じるが、計画的対策で大きな後戻りは避けられる• トレーサビリティや認証の普及が進む 事業への影響(漁業・養殖)• 養殖は、水量・水質の管理や設備更新の追加コストは増えるが、段階的・計画的に対応可能• 認証水産物の普及やサプライチェーンの可視化が進み、高付加価値市場の機会が広がる自然関連の開示、トレーサビリティ、認証などの要件強化に伴う対応コストの増加が想定される一方、これらへの適切な対応や持続可能な操業の実施は、市場アクセスや評価の向上といった機会につながるシナリオ2TCFD:4℃(RCP8.5)×TNFD #3 Sand in thegears自然環境の悪化が速く、大きい。 そのうえ、国や業界のルールが国ごとにバラバラで対策が進みにくい 環境の変化• 沿岸の保護機能が弱まり、洪水・高潮の被害が増えやすい。 川や海の水質悪化・高水温も発生しやすい• ルールや支援策が地域ごとに異なり、企業は長期投資より目先の対応に追われがちとなる• 急な悪化が生じやすく、対応が後手に回ると費用負担が膨らむ 事業への影響(漁業・養殖)• 漁業は、資源量や来遊時期の振れ幅が拡大• 養殖は、水温の上昇や赤潮の増加などにより、摂餌効率の悪化や魚病の増加、斃死率の増加につながる• 保険の引受制限や保険料の上振れ、拠点の防護強化・移転や分散、循環水利用などの投資負担が大きくなりやすい漁業では水産資源の減少に伴う調達量の減少とコスト上昇が大きなリスクとなる。 養殖では高水温・水質悪化・赤潮や魚病の増加、高潮・洪水の激化などにより、生産性低下・操業停止・保険・防災投資の増加が見込まれる。 一方で、養殖魚の健康管理や淡水の循環利用といったレジリエンス向上策は、影響の緩和とコスト耐性の強化に資する機会となる (注):本シナリオは、気候変動に関する温度経路の想定と、TNFDが示す自然関連シナリオの文脈(社会・政策など)を、それぞれ独立に参照して当社で設定した検討用シナリオです。 両者を掛け合わせた「公式シナリオ」が存在することを示すものではありません。 ■自社にとって特に重要なリスクと機会(漁業)リスク/機会分類想定される主なリスクと機会事業インパクト影響時期財務インパクト主な対応策シナリオ1シナリオ2物理的リスク慢性水産資源の減少調達量の減少(サプライチェーンの不安定化)調達コストの上昇中期~長期小~中中~大資源アクセスのさらなる強化調達ネットワークの構築養殖事業の強化代替原料の開発急性・慢性海水温の変化に伴う資源状態・漁場・種の変化調達量の減少(サプライチェーンの不安定化)調達コストの上昇短期~長期小~中中~大移行リスク政策漁業規制の強化調達量の減少(サプライチェーンの不安定化)短期~中期中~大-資源アクセスのさらなる強化調達ネットワークの構築養殖事業の強化代替原料の開発市場消費者の購買行動変化や小売業からの要請拡大(トレーサビリティ・認証など)対応後れによる売上機会の損失対応コストの発生(例:認証取得費用)中期~長期中~大-MSC認証などの取得・維持資源状態調査の継続と情報発信評判(環境への対応が不十分な場合の)投資家・金融機関からの評判の低下投資金融資産の引き揚げ短期~中期中~大-責任ある取り組みと積極的な情報発信、対話技術/市場天然漁獲物から代替タンパク(植物由来・培養魚肉など)への需要シフト売上の減少長期小~大-漁業における環境負荷の低減LCA評価と消費者への情報発信代替タンパクの研究開発賠償責任法律や規制への違反売上・利益の減少、ブランド価値毀損罰金や操業制限短期~長期中~大-地域ルールも含めた法規制遵守の徹底機会資源効率/自然資源の持続可能な利用調達水産物の持続可能性確保サプライチェーンの安定化、販路拡大中期~長期中~大-調達における資源状態の確認漁業認証取得や認証品の取り扱い増市場/評判資本持続可能性に配慮した水産物に対する需要の高まり(消費者、小売業)売上の拡大中期~長期中~大-MSC認証などの取得・維持持続可能な水産資源調達と情報発信 ■自社にとって特に重要なリスクと機会(養殖)リスク/機会分類想定される主なリスクと機会事業インパクト影響時期財務インパクト主な対応策シナリオ1シナリオ2物理的リスク急性魚病の蔓延魚の斃死による資産の喪失、養殖成績の低下評判低下、周辺漁業者との関係悪化短期~中期小中~大独自の養殖魚健康管理システムによる予防管理、魚のストレス軽減高リスク拠点の特定、養殖場移転急性・慢性渇水による淡水養殖場の操業停止取水制限による操業への影響魚病の蔓延による種苗品質の低下養殖コストの増加短期~中期小中~大水リスクの低い拠点の選定、高リスク拠点の特定・移転、設備強化閉鎖循環方式への移行水源の森林保全活動急性・慢性海洋環境の変化による飼料向け水産物の供給減養殖飼料向け原料魚の漁獲量減少による調達量への影響や調達コスト増加短期~中期小~中中~大代替飼料の開発・活用副産物の有効活用急性・慢性気候変動や海流変化による海水温の上昇養殖成績の低下赤潮の発生養殖適地の変化海水温上昇への適応策に伴うコストの増加短期~中期小中~大浮沈式生け簀の導入海中給餌技術の確立新規養殖エリアの開拓選抜育種による高温耐性系統の作出移行リスク政策養殖における環境規制の強化事業拡大への制約業規模縮小や養殖場の閉鎖罰金や課税、ライセンス料による財務影響中期~長期中~大-養殖漁場の環境モニタリング飼料・給餌における海洋環境への負荷低減沖合養殖への移行淡水養殖場における閉鎖循環方式への移行養殖魚の逃亡発生防止地域社会との共生市場消費者の購買行動変化や小売業からの要請拡大対応後れによる売上機会の損失対応コストの発生中期~長期中~大-ASC・BAP・MELなどの認証取得飼料のトレーサビリティ確保評判(環境への対応が不十分な場合の)投資家・金融機関からの評判の低下投資金融資産の引き揚げ短期~中期中~大-海洋環境への負荷低減と積極的な情報発信・対話技術環境負荷が少ない技術への移行の後れ技術や設備の導入に伴う費用の増加対応に後れた場合の事業競争力や優位性の低下中期~長期中~大-経営資源の集中による対応強化サステナブルファイナンスによる資金調達機会資源効率/製品とサービス/自然資源の持続可能な利用天然水産資源に依存しない養殖技術の開発、完全養殖による自然資源への負荷軽減競争優位性の確立品質向上と安定供給の実現、養殖コストの低減短期~長期大-養殖技術開発への経営資源集中ブリ養殖における人工種苗100%の継続資源効率/自然資源の持続可能な利用飼料効率の向上による自然資源への依存度低減養殖コストの低減競争優位性の確立中期~長期中~大-選抜育種による優良系統の作出養殖飼料における魚粉・魚油使用の削減種苗品質や飼料品質の向上製品とサービス/自然資源の持 |
| 戦略 | 当社グループでは、サステナビリティ経営を長期ビジョン達成のための柱の一つとして位置付け、環境価値、社会価値、人財価値、経済価値の4つの価値創出を目指しています。 サステナビリティ課題をリスクと機会の両面から捉え、環境価値、社会価値、人財価値の創出に取り組むことで非財務資本を強化し、経済価値の創出につなげます。 2025年度を初年度とする中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」においては、サステナビリティ経営の深化を基本戦略の一つとし、競争力の源泉となる人的資本とブランディングの取り組みを強化するとともに、マテリアリティ基点でビジネスモデルを構築することで競争優位を獲得し、企業価値の向上を目指しています。 |
| 指標及び目標 | 中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」において、経済価値、環境価値、社会価値及び人財価値の創出に向け、10のKPIを定めました。 関連するマテリアリティの推進組織により、各指標の進捗をモニタリングし、結果に基づき取り組みに反映していきます。 重点テーマ指標基準年度単位2030年度目標2027年度目標2025年度実績健康課題の解決当社指定の「健康領域商品」売上2021年度3倍2倍1.1倍責任ある調達1次サプライヤーアセスメント比率-100%(ニッスイグループの主要サプライヤー)100%(国内グループの主要サプライヤー)98.4%(ニッスイ個別)製品の安全安心・品質保証食品安全の第三者認証・適合証明取得率-100%(ニッスイグループ)100%(国内グループ)集計中商品回収等の重大品質事故-発生ゼロ発生ゼロ1件従業員エンゲージメント従業員エンゲージメントスコア(注1)2021年度20%のスコア上昇18%のスコア上昇19.6%のスコア上昇女性活躍女性幹部職比率(注1)-20%15%9.1%水産資源の持続可能性持続可能な調達比率-100%85%75%(注2)CO2排出量削減CO2排出量(Scope1、2)2018年度総量30%削減20%削減7.7%削減(注3)2050年カーボンニュートラル----プラスチック削減容器包装におけるプラスチック使用量(注1)2015年度原単位30%削減15%削減13.9%削減 (注1):対象範囲はニッスイ個別(注2):調査は3年ごとに実施しており、上記数値は、2022年を対象として2024年に公表した第3回調査結果に基づくもの。 (注3):グループ会社の経営統合等によって生じた構造的変化を反映し、目標の基準年度である2018年度の数値を再計算した。 |
| 事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 (1)当社グループのリスクマネジメント①リスクマネジメントの考え方当社は、『リスクマネジメント規程』において、企業の存続に影響を与えると考えられる事象発生の不確実性を「リスク」、企業が経営を行っていく上で事業に関連する内外の様々なリスクを適切に管理する活動を「リスクマネジメント」と定義しており、適切な「リスクマネジメント」の実行が経営の重要課題であると認識しています。 ②リスクマネジメントの基本方針当社グループでは、事業活動の妨げとなるリスクの未然防止に努め、緊急時には人命尊重を第一に損失の発生を最小限に抑え、被災者支援など社会への配慮を行うとともに経営資源の保全と事業の継続に最善を尽くすことで、企業価値を維持・向上していくことをリスクマネジメントの基本方針として「リスクマネジメント規程」において定めています。 ③リスクマネジメント体制当社は、リスクマネジメントの実効性を高めるため、全社的リスクマネジメントシステムの構築とその維持・向上を任務とする、社長直轄の組織であるリスクマネジメント委員会を設置しています。 同委員会は全執行役員によって構成され、社長が委員長を務め、リスクマネジメント担当執行役員は、取締役会へ定期的に活動報告をしています。 また、当社のグループ経営において極めて重要度が高く優先的に対応すべきと判断したリスクを「重要リスク」として定義し、全社横断的なリスク対応計画の管理責任を負う「重要リスク管理組織」をそれぞれ設置しています。 この重要リスク管理組織が各リスク対応の中心となって、グループ全体のリスクを適宜、的確に捉える体制を敷き、重要リスク対応を全社グループ視点で一元管理して経営戦略に落とし込み、将来の成長の機会とリスクの的確なマネジメントに取り組んでいます。 ・重要リスクの特定 (重要リスク管理組織の特定)・重要リスク対応計画の審議 (重要リスク管理組織が策定・報告)・重要リスク対応計画実行のレビュー (過年度総括・評価・是正)・重要リスク対応計画の網羅的な把握・確認 (次年度計画の全社集約・一元化) ■リスクマネジメント推進体制図 ④リスクマネジメントプロセス当社グループでは、新しいリスクマネジメント体制において、中長期的な経営戦略を見据えた重要リスクを特定するため、外部環境の変化を踏まえたマテリアリティをリスクマネジメントの起点とし、年間のPDCAサイクルでリスクマネジメント活動を推進しています。 重要リスクの見直しはマテリアリティを見直すタイミングで、定期的に実施しています。 ただし大きな環境変化があった場合は、年度の進捗確認・評価で議論します。 ⑤重要リスクの特定プロセス当社グループは、中長期的に企業価値を維持・向上していくためには、政治・経済・社会・テクノロジーなどの外部環境の変化がもたらすリスクと機会に戦略的に対応することが重要と考えています。 当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記述のとおり、昨今の外部環境の変化を捉えたマテリアリティの見直しを行い、その過程でマテリアリティに関連するリスクを抽出・分析し、リスク属性で整理した結果、17のリスク項目を特定しました。 それらを後述する基準で評価して中長期的な重要課題・事業戦略に重大な影響を及ぼすと認識するリスク項目を11の重要リスクとして特定しています。 ■重要リスクの特定プロセス また、プラスとマイナスの影響を持ち併せたリスクを「経営戦略リスク」(中長期的/攻め=機会に転化)、マイナスの影響を主とするリスクを「経営基盤リスク」(短期的/守り:抑制と最小限化)と分類して、それぞれ評価指標を整理しています。 ⑥ リスク評価基準 リスク評価にあたっては、経営戦略リスクと経営基盤リスクの各リスク特性を考慮し、異なる評価軸でのリスクマトリックスとしています。 特に経営戦略リスクは、今すぐに顕在化しないものの、中長期的な戦略上で対策開始の必要性が高いリスクを重要リスクとして特定するため、一般的な「発生可能性」でなく「緊急度」の評価軸としています。 ■リスクマトリックス (※■のリスクを重要リスクとして特定) ⑦ リスクマネジメントの高度化に向けて 今後はリスクマネジメントの高度化に向けて、従来の経験や知見に基づいた定性的なリスク評価に加え、影響度を数値化して定量的に把握することで、リスクの客観的な可視化を図るため、現在、シナリオ分析を通じた定量的影響の評価に取り組んでいます。 具体的には、気候・自然関連リスク、大規模災害リスク、情報セキュリティリスク、地政学リスク等について、顕在化した場合の財務的影響の算定・分析を進めています。 この結果を基に、優先順位に応じた具体的な低減策や初動対応計画の策定及びリソースの再配分を行っていくことで、不確実性に対する経営のレジリエンス強化と企業価値の向上に努めていきます。 (2)重要リスク当社グループの戦略・事業その他を遂行する上での重要リスクについて、投資家の判断に重大な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。 以下に記載したリスクは、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。 なお、本文中における将来に関する事項は別段の記載がない限り当年度末において当社が判断した内容に基づきます。 ■ニッスイグループ 重要リスク ≪経営戦略リスク≫(戦略1)人的資本への対応に関するリスク〔概要〕当社グループの経営計画達成のために、事業創出・企画運営の能力のある経営を担う人財、海外国内を問わず活躍できるグローバル人財やプロフェッショナル人財、各生産拠点で成果を上げる人財の確保と育成が必要ですが、日本国内の少子高齢化と人口減少が進むにつれ、国内での優秀な人財確保が難しくなりつつあります。 また、多様な人財が働けるダイバーシティ対応に後れをとると、必要な人財確保が困難になると想定されます。 本リスクへの対応体制として、当社グループでは、経営戦略と連動した人財戦略・人財育成を実行しており、人財育成・労働力確保については人財確保部会、ミッションへの共感とブランディングに関してはブランディング部会がそれぞれ中心となり、マテリアリティ・リスク対応活動を推進する体制を整備しています。 ________________________________________________________________________________〔関連するマテリアリティ〕・人財育成と多様な人財の活躍・労働力確保と生産性の向上・ミッションへの共感とブランディング________________________________________________________________________________〔主な機会〕・人財の確保・育成による事業拡大、生産性向上への貢献・現場労働力の確保による生産性向上________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕・多様な人財が活躍する環境構築の遅れによって事業に必要な人財※の不足が顕在化し、生産性の停滞、事業拡大の停滞などの影響が想定されます。 ・生産年齢人口減少への対応不足によって現場労働力の不足が発生し、生産性停滞、事業拡大の停滞などの影響が想定されます。 ・社内外ブランディングの構築失敗によって従業員エンゲージメントの低下やレピュテーションの低下が顕在化し、人財確保の難化などの影響が想定されます。 ※経営人財、グローバル人財、DX人財のほか、サステナビリティ人財、R&D人財など________________________________________〔主な対応策〕当社グループは、ミッションの実現及び中期経営計画の達成に向け、人的資本を最も重要な経営資源と位置付け、経営戦略と連動した人財マネジメントを推進してきました。 特に、海外事業、養殖事業、ファインケミカル事業等の成長領域において必要となるグローバル人財及び高度な専門性を有する人財の確保・育成を重点課題と認識し、人財ポートフォリオの最適化に取り組んでいます。 人財の確保・育成にあたっては、グループ横断の推進体制である「人財確保部会」を中心に、事業戦略に基づく必要人財の質・量の定義、人財需給ギャップの把握及び人財ポートフォリオの最適化を進めるとともに、採用・育成・配置に関する方針の策定及び各社施策への展開を通じて、これらを一体的に推進しています。 これにより、必要な人財の安定的な確保とグループ全体での人財確保力の強化を図るとともに、事業拡大及び生産性向上の実現を目指していきます。 また、経営人財については「人財育成委員会」を中心に後継者育成及びパイプラインの強化を進めるとともに、グローバル人財については海外出向や短期派遣等の実践機会を通じて育成を強化してきました。 また、多様な人財が活躍できる環境整備及び従業員エンゲージメント向上についても重要な経営課題と位置付けています。 当社では、経営と社員が経営テーマについて直接対話する「One Table Meeting」、エンゲージメントサーベイに基づく改善活動や「GOOD FOODS Talk」を通じて、ミッションへの理解・共感を主体的な行動へつなげる取り組みを推進しています。 これらの取り組みについては、エンゲージメントスコアやミッション浸透度等の指標を継続的にモニタリングし、施策の改善につなげています。 さらに、当社グループにおいては、「One Table Meeting」や「GOOD FOODS Talk+」を通じて、グループ全体の共創を考え、企業価値向上に向けた施策浸透、ミッションの理解・共感及び行動への展開を進めています。 今後は、グループ会社へのエンゲージメントサーベイの展開も予定しており、グループ全体での対話や実践活動を通じて、社員一人ひとりの主体的な行動を促すとともに、個人の行動を組織的な実践へとつなげる組織風土の醸成を図っていきます。 加えて、採用ブランディング活動として、当社グループが求める人財像と求職者が当社グループを選ぶ動機が一致するようなコミュニケーションを強化し、人財確保力の向上に取り組んでいます。 また、少子高齢化に伴う労働力不足への対応として、多様な働き方の実現や労働環境の改善に加え、デジタル化・自動化による省人化・省力化を推進し、現場労働力の確保と生産性向上を図っていきます。 これらの取り組みを通じて、必要な人財の確保とリテンションの強化を図るとともに、環境変化に柔軟に対応可能な人財ポートフォリオの構築を推進しています。 今後も、人的資本への投資を通じて事業成長及び収益性向上を実現し、企業価値の持続的向上を図っていきます。 ※詳細は「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」をご参照ください。 (戦略2)気候変動への対応に関するリスク〔概要〕 近年、世界的に気候変動が深刻化しており、その影響はますます顕著になっています。 温暖化に伴う異常気象や自然災害の激甚化は、当社グループの原材料調達、生産、物流、販売等のあらゆる事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 また、気候変動への対応を目的とした各国・各地域における規制の強化や市場動向の変化によって、対応コストの増加や事業環境の変化が生じ、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 本リスクへの対応体制として、サステナビリティ委員会傘下の環境部会が中心となり、マテリアリティ及びリスクへの対応活動を推進する体制を整備しています。 ________________________________________________________________________________〔関連するマテリアリティ〕・脱炭素・循環型社会への貢献________________________________________________________________________________〔主な機会〕・省エネ、高効率設備の導入による生産性向上・コスト削減・GHG排出量削減によるカーボンプライシング影響の軽減・サステナブル、低カーボン製品への需要の高まりに伴う水産物の販売機会拡大________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕台風、豪雨、洪水等の風水害の激甚化や渇水等の発生によって、当社グループの生産拠点、物流機能、調達網等に被害や停滞が発生し、顕在化した場合には、事業停止に伴うビジネス機会の喪失、供給の遅延・中断、復旧対応コストの増加などの影響が想定されます。 また、異常気象や海洋環境の変化によって、天然魚及び養殖魚の漁獲量・生産量の減少や原材料調達の不安定化が発生し、顕在化した場合には、調達コストの増加、原料確保の難化、商品供給への影響などが想定されます。 さらに、カーボンプライシングの導入や、省エネルギー・GHG排出等に関する規制の強化によって、追加的な設備投資や運営対応が必要となり、顕在化した場合には、対応コストの増加や収益性の低下などの影響が想定されます。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕 当社グループでは、2018年度比でCO2排出量を2030年までに30%削減する目標を設定し、その達成に向けた取り組みを継続的に推進しています。 生産拠点においては、省エネルギーの推進、高効率機器への更新、自然冷媒への切り替え、燃料転換、魚油・廃油の燃料活用に加え、太陽光発電設備の導入や再生可能エネルギー由来電力への切り替えを進め、CO2排出量の削減に取り組んでいます。 あわせて、CO2排出量の実績や各施策の進捗を継続的に確認し、必要に応じて施策の見直しを図っています。 今後もこれらの取り組みを着実に推進し、脱炭素化に向けた対応を一層強化することで、目標達成を目指していきます。 また、気候変動に伴う漁獲量の減少や調達コストの上昇への対応として、産地の分散化、調達ネットワークの強化、代替原料の開発等を進め、サプライチェーンのレジリエンス向上を図っています。 今後も、変化する事業環境への適応力を高め、安定的かつ持続可能な原材料調達体制の構築を推進していきます。 さらに、風水害の激甚化や渇水による事業停止リスクへの対応として、BCPの見直しやハザードマップ等を活用した詳細なリスク評価を実施するとともに、必要に応じて拠点の移転・分散を検討しています。 今後も気候変動に伴うリスクを継続的に評価し、事業継続性の向上とレジリエンス強化を図っていきます。 ※詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)テーマ別課題 気候変動への対応(TCFD提言への取組)」をご参照ください。 (戦略3)生物多様性への対応に関するリスク〔概要〕水産資源の減少や海洋環境の変化は、当社グループの漁業、養殖、原材料調達等の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 また、水産資源の減少に伴う漁獲制限等の規制強化や、水産物の流通量減少による価格上昇・消費行動の変化は、市場環境や販売機会に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、近年、容器包装や事業活動に伴うプラスチック使用が海洋環境へ与える影響が社会課題として注目されており、海洋汚染や生態系への影響に適切に対応できない場合には、当社グループの原料調達、食の安全性、企業評価等に影響を及ぼす可能性があります。 本リスクへの対応体制として、サステナビリティ委員会傘下の水産資源持続部会、海洋環境部会が中心となり、マテリアリティ及びリスクへの対応活動を推進する体制を整備しています。 ________________________________________________________________________________〔関連するマテリアリティ〕・海洋の生物多様性の主流化________________________________________________________________________________〔主な機会〕・水産物の持続的調達によるサプライチェーンの安定化・消費者の購買行動変化(持続可能性に配慮した製品の需要増加)による売上の拡大・サステナブルな養殖技術開発による事業のレジリエンス強化と競争優位性の確立・対応策の推進によるステークホルダーからの評判の向上________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕水産資源の枯渇化や海洋環境の変化によって、従来の漁場や海面養殖場の不適地化、漁獲量の減少、調達難が発生し、顕在化した場合には、調達コストの増加、原料確保の不安定化、商品の供給制約などの影響が想定されます。 また、漁業における漁獲制限や養殖における環境規制の強化、魚病の発生によって、事業活動上の制約や養殖魚の斃死等が発生し、顕在化した場合には、生産量の低下、収益性の悪化、安定供給への支障などの影響が想定されます。 さらに、生物多様性や海洋環境への配慮に関する対応の遅れによって、ステークホルダーからの信頼低下や評判の低下が生じ、これが顕在化した場合には、販売機会の逸失や企業価値の毀損などの影響が想定されます。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕 当社グループでは、TNFDのLEAPアプローチ(注1)を活用し、事業活動による自然への依存と影響の把握を進めることで、自然資本への負の影響の回避・軽減に取り組んでいます。 今後も、分析結果を踏まえた対応の高度化を図るとともに、自然資本への負の影響の回避・軽減に向けた取り組みを推進していきます。 また、水産資源の持続的な利用に向け、持続可能な調達比率を2030年までに100%とする目標を設定し、3年ごとに「取り扱い水産物の資源状態調査」を実施しています。 調査結果を踏まえ、調達の見直しや認証品の取扱比率向上等の対応策を講じることで、持続可能な水産物の利用につなげています。 養殖事業においては、自動給餌制御システムの活用や養殖漁場の沖合化などにより海洋環境への負荷の軽減を図るとともに、天然種苗に依存しない完全養殖の拡大や陸上養殖の推進にも取り組んでいます。 今後も、環境負荷のさらなる軽減と安定的な生産体制の構築に向け、技術開発と事業展開を推進していきます。 さらに、海洋のサステナビリティ課題への対応については、様々な業界イニシアティブを通じて、国内外のステークホルダーと連携した取り組みを進めています。 今後も業界内外との協働を深め、海洋生態系の保全と水産資源の持続可能な利用に貢献していきます。 (注1)LEAPアプローチ: TNFDが開発した、自然関連のリスクと機会を評価するためのガイダンス。 分析プロセスであるLocate、Evaluate、Assess、Prepareの頭文字をとったもの。 ※詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 自然資本の持続可能性向上に向けた対応 生物多様性への対応(TNFD提言への取組)」をご参照ください。 (戦略4)サプライチェーンの環境・人権に関するリスク〔概要〕 企業活動のグローバル化が進む中、サプライチェーンにおける環境や人権への負の影響が顕在化しており、国際機関や各国政府による基準策定や法整備が進められています。 当社グループにおいても、事業活動に関連して、環境及び人権に関するリスクを適切に把握し、対処することが求められています。 サプライチェーン上で環境配慮や人権尊重が不十分な問題が発生した場合には、調達の困難化にとどまらず、訴訟、行政処分、企業イメージの低下、不買運動等につながる可能性があります。 本リスクへの対応体制として、サステナビリティ委員会傘下の人権部会、サステナブル調達部会が中心となり、マテリアリティ及びリスクへの対応活動を推進する体制を整備しています。 ________________________________________________________________________________〔関連するマテリアリティ〕・持続可能なサプライチェーンの構築________________________________________________________________________________〔主な機会〕・対応策の推進による安定的な調達、生産、供給の実現と競争力の向上・対応策の推進によるステークホルダーからの評判の向上やグローバルなブランド価値の向上________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕サプライチェーンにおける環境・人権対応の強化や販売先からの調達基準の高度化によって、既存調達先の見直しや対応水準の引上げが必要となり、顕在化した場合には、調達コストの上昇や調達の不安定化、販売機会の逸失などの影響が想定されます。 また、環境問題や人権侵害等を直接引き起こし、又は間接的に関与したと認識される事案が発生し、顕在化した場合には、訴訟や行政罰の対象となるほか、評判低下やブランド価値の毀損などの影響が想定されます。 さらに、環境・人権デューデリジェンスの義務化や規制強化によって、調査・是正・管理体制の整備が必要となり、顕在化した場合には、追加的な対応コストの増加や事業運営への負荷増大などの影響が想定されます。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕 当社グループでは、バリューチェーンにおける実際又は潜在的な人権リスクの把握と対応を継続的に進め、ライツホルダーへの負の影響の防止・軽減に努めています。 今後も人権デューデリジェンスの実効性向上を図り、人権尊重の取り組みを継続的に強化していきます。 また、サプライチェーン全体で環境・人権リスクを低減するため、サプライヤーとの協力関係を重視し、「サプライヤーガイドライン」を通じて、強制労働や児童労働の禁止に加え、IUU漁業に由来する水産物及び原材料の取り扱いを禁止するよう求めています。 一次サプライヤーに対しては、ガイドラインの配布・説明を行い、同意確認書の回収を進めるとともに、SAQ(自己評価アンケート)や対話を通じて遵守状況を確認しています。 あわせて、優先的に確認すべき原材料や産地の特定を進め、より詳細な確認体制の整備を図っています。 グループでは、年1回「外国人労働者の労働環境調査」を実施し、各事業所における外国人労働者の労働環境を確認することで、負の影響の防止・軽減に努めています。 さらに、救済の仕組みとして、グループ内の内部通報制度とは別に、外部プラットフォームを活用した外国人労働者向け相談窓口を設置し、サプライヤーをはじめとするその他のステークホルダーに対しても同様の相談窓口を提供しています。 今後も、サプライチェーン全体における環境・人権リスクの低減を図るとともに、責任ある事業活動を推進していきます。 ※詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)テーマ別課題 人権の尊重に関する取り組み」をご参照ください。 (戦略5)海外事業展開に関するリスク〔概要〕当社グループの主要戦略の一つとして、海外展開の加速を目指し、水産・食品事業における北米・欧州でのさらなる拡大とアジアでの事業基盤構築、ファインケミカル事業における医薬品原料の海外展開を掲げています。 しかしながら、事業展開する国において、経済環境及び法規制の変更等の各国固有のリスクが顕在化した場合、当社グループの事業の基本的戦略や収支に影響を与える可能性があります。 ________________________________________________________________________________〔関連するマテリアリティ〕・グローバル展開の加速________________________________________________________________________________〔主な機会〕・販路拡大、市場開拓・資源アクセス強化に伴うサプライチェーンの強靭化・対応策の推進によるグローバルなブランド価値の向上________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕・税制、漁獲枠、賃金、規制など各国の政治的判断による方向性の変換によって、事業環境の変化が発生し、当社グループの事業の基本的戦略や収支に影響を与える可能性があります。 ・海外子会社におけるガバナンス不全や社内管理の不備等によって不祥事が発生し、当社グループの事業運営に影響を与える可能性があります。 ・為替の急激な変動によって海外子会社の業績に影響が生じ、当社グループの収支に影響を与える可能性があります。 ・その他の地域的特殊性及びこれらの諸要因の急激な変化によって事業環境の変化が生じ、当社グループの事業の基本的戦略や収支に影響を与える可能性があります。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕当社グループでは、2030年に海外所在地売上高比率50%を目指しており、グループガバナンスの取り組み強化を進めてきました。 当社グループの強みの一つに「グローバルリンクス」があり、資源アクセスから生産・販売に至る各機能を担う国内外の企業ネットワークで、各社が独自の強みを生かしつつシナジーを発揮していることが特色です。 食文化や価値観は世界各地で異なることから、意思決定の迅速性の観点などにおいて現地マネジメントに裁量を委ねるべきところは委ねる一方で、リスクコントロールや資本効率などの観点でグリップを利かせたグローバルガバナンスの強化を進めています。 ガバナンスの実効性を高めるためには、ルールづくりや管理・監査などのシステムを強化することに加え、「新しい“食”の創造」というミッションを共有し、志を同じくすることが重要であると考え、ミッションや長期ビジョンの浸透に継続的に取り組んできました。 今後も海外事業におけるリスクと機会の継続的な把握・評価及び適切な対応を通じて、これまで以上のシナジー創出や付加価値の向上に努めていきます。 ≪経営基盤リスク≫(基盤1)製品の安全安心・品質に関するリスク〔概要〕 品質に対する消費者の関心が一層高まる中、国内外を問わず安全で安心な商品を提供していくことが強く求められています。 食を取り扱う当社グループにおいても、より高い品質管理と安心につながる信頼性や透明性が求められていると認識しています。 品質事故や表示偽装などのお客様の安全・安心を脅かす品質不正が発生した場合、当社グループ全体に対する信用が損なわれるとともに、ブランド価値が大きく毀損し、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。 本リスクへの対応体制として、お客様一人一人に安全・安心で、価値ある品質の商品をお届けし、健やかな生活とサステナブルな未来を実現するという品質保証の理念を達成するため、品質方針では食品安全文化の醸成に取り組みます。 そのための行動指針では、全ての役職員がお客様起点で品質及び食品安全のリスクを考え、行動することとし、各種品質保証基準も定めています。 ________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕・製造物責任、リコール、自主回収による経済損失・品質事故・トラブルによる顧客信頼の低下(ブランド価値毀損)・新規事業、拡大事業(健康訴求商品等)における品質リスクの拡大・グループ会社(国内外)のニッスイブランド以外の商品の品質保証水準の管理不十分________________________________________________________________________________〔主な対応策〕当社グループでは、品質保証憲章に基づく食品安全文化の醸成と、品質保証理念のもと品質方針、行動指針を定め、品質保証体制の整備・強化を進めてきました。 製品の安全性を確保するため、関連法規より厳格な独自の「ニッスイ品質保証基準」を定め、HACCP(注1)管理を前提とした「ニッスイ工場認定基準」を核に、使用水・薬剤管理・防虫管理・樹脂部品・原材料・包材・アレルギー物質コンタミ防止・フードディフェンス等の各種基準を整備しています。 ニッスイブランド商品はニッスイ工場認定基準により認定した工場のみで生産しており、認定後も品質保証部による定期的な監査を実施、工場指導を実施しています。 また工場間の情報共有や課題解決を目的とし、工場経営者会議、工場品質管理担当者会議などを定期的に開催するとともに、食品安全の第三者認証であるFSSC22000(注2)の認証取得を生産工場で推進してきました。 加えて、原材料情報の一元管理体制の構築、グローバルでの検査体制の確立及びエクセレントラボによる検査精度の向上にも取り組んでいます。 今後も、従業員への品質教育の強化に努め、食品安全文化の醸成を推進し、製品の安全・安心と品質の維持・向上に取り組んでいきます。 (注1) HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。 食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因(ハザード)を把握し、原材料の入荷から製品出荷までの各工程において、それらの危害要因を除去又は低減するために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理手法。 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会が提唱し、各国に採用が推奨されています。 日本では2020年の食品衛生法改正により、HACCPに基づく衛生管理が義務化されています。 (注2)FSSC22000 : Food Safety System Certificationの略。 FSSC22000財団(Foundation FSSC22000)により開発された食品安全のためのマネジメントシステム規格。 食品小売業界が中心の非営利団体、国際食品安全イニシアティブ(GFSI:Global Food Safety Initiative)により、食品安全の認証スキームの一つとして承認された規格です。 (基盤2)情報セキュリティに関するリスク〔概要〕今後、生産・物流・販売のシステム連携の進展に伴い、システム停止が事業活動に及ぼす影響は拡大する可能性があります。 システム停止は、ハードウェア障害、ソフトウェアの不具合や脆弱性、人為的ミスなど様々な要因で発生しますが、近年は外部からのサイバー攻撃など情報セキュリティリスクが大きな懸念となっています。 情報セキュリティインシデントが発生した場合、システム停止による影響に加え、信頼性の低下や損害賠償等の費用負担が生じ、当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 本リスクへの対応体制として、情報セキュリティインシデントが発生した場合には、「情報セキュリティ基本方針」のもと、「情報セキュリティ部会」が中心となり迅速なシステム復旧対応を行う体制を整備しています。 ________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕・外部脅威(サイバー攻撃、フィッシング等)、内部過失(紛失/盗難、システム障害等)、内部不正 (不正操作、情報持ち出し等)により、システム停止に伴う製品供給・サービス提供の遅延・中断、ビジネス機会の損失による収益減少、信頼性の低下、損害賠償等の影響が想定されます。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕グループ経営を進める中、当社グループ内でデータ漏洩、システム破壊が発生した場合、グループ全体の事業に大きく影響を及ぼす可能性があります。 このため、国内グループでは、個人情報や経営・事業・研究等に関する重要情報の漏洩・紛失の防止に向け、「情報セキュリティ基本方針」等の規程・ルールの徹底、システムの管理体制の強化、教育・訓練を含む人的対策を推進してきました。 また、各対策の到達目標を具体的に設定するとともに、ニッスイグループIT部門会議を定期的に開催し、グループ全体におけるセキュリティ対策水準の向上と均質化を図っています。 さらに、2024年度からは海外グループを含む全グループを対象としてサイバー攻撃のリスクが高い社外公開サーバの脆弱性を検知するサービスを導入し、脆弱性等のリスクを検知した場合、グループ会社に通知し是正措置を促す体制を構築しました。 是正措置の実施状況について定期的にモニタリングしています。 加えて、サイバー攻撃の高度化・巧妙化を踏まえ、2025年度は強固なサイバーインシデント対応体制の構築やバックアップ環境保護、ネットワーク監視システムの構築、従業員へのセキュリティ教育の継続的な実施に取り組みました。 今後は、グループ共通(海外含む)のセキュリティポリシー・ルールを整備するとともに、平時・有事のサイバーセキュリティ情報連携活動を通じて、子会社のガバナンスを強化することで、各社がリスクに応じて自律的にセキュリティを強化できる状態を目指します。 今後も、グループ会社の情報セキュリティ対策が有効に機能しているか定期的な確認や、情報セキュリティ対策の有効性の継続的な評価・改善を通じて、グループ全体のサイバーレジリエンス向上に取り組んでいきます。 (基盤3)コンプライアンスに関するリスク〔概要〕 当社グループは、日本及び事業を行う海外における多岐にわたる法規制の適用を受けており、当社グループによる法令違反や社会規範に反した行動等により、営業停止等の制裁、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受ける可能性があります。 また、お客様をはじめとしたステークホルダーの信頼を失うことにより、レピュテーションやブランド価値が大きく毀損し、当社グループの事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。 本リスクへの対応体制として、当社グループでは、国内外の法令及び社内諸規程の遵守を徹底し、企業としての責任を果たすため、倫理憲章を制定したうえで、コンプライアンス向上施策の策定・実施を担う倫理部会を設置しています。 また、法令等に違反している疑いのある行為について、当社グループの役職員が通報できる内部通報制度を設けており(社内外に窓口を設置)、倫理部会が内部通報制度の適正な運営を担っております。 ________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕当社グループ会社や役職員による法令違反、社会規範に反した行為等の不祥事の発生及びそれらへの対応不足、対応遅れ等によって、営業停止等の事業への悪影響、損害賠償責任の発生、及び株価下落等の経済的な損失、並びに法令上の処罰、社会的制裁及びレピュテーション低下等の影響が想定されます。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕当社は、内部通報制度の適切な運営やコンプライアンスアンケートの実施等により、法令等に違反する疑いのある行為やコンプライアンス課題を早期発見し、関係する役員・部門と協働して、個別事象の是正はもちろん、必要な場合に再発防止策も含め検討のうえ実施しています。 また、コンプライアンス向上施策として、コンプライアンス研修や法令改正等の動きに合わせた研修・周知等を実施しています。 さらに、2020年度からは、当社グループの子会社と個別にコンプライアンスワークショップを実施しコンプライアンスに関するありたい姿を共有、各社のコンプライアンス課題・施策について協議を行い、施策の実施状況についてフォローすることにより、当社グループ全体のコンプライアンス向上を推進しています。 今後は、グローバル・コンプライアンス体制を構築することを目指し、ニッスイグループの統一的な行動規範の整備及びグローバル内部通報制度の導入等の検討を進め、今後も当社グループ全体のコンプライアンス向上に取り組んでいきます。 (基盤4)大規模自然災害・事故に関するリスク〔概要〕大規模な地震、津波、台風、洪水等の自然災害は近年激甚化・頻発化の傾向にあり、国内外を問わず各地で大規模災害が発生しています。 国内においても、首都直下地震や南海トラフ地震等の発生が高い確率で想定されており、今後も中長期的に自然災害による影響が懸念されています。 これらの大規模災害が発生した場合、当社グループ従業員及びその家族への被害、事務所・工場等の拠点設備の損壊、電力・ガス・水道等のユーティリティーの停止、物流の停滞等により、重要な経営資源が損失し、事業活動の停止又は縮小が発生する可能性があります。 その結果、当社グループの事業継続及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 本リスクへの対応体制として、当社グループでは、大規模災害に直面した場合でも人命を第一とした上で、従業員・お客様・ステークホルダーにとって必要な支援・サービス等を継続するため、「災害BCP基本方針」のもと、速やかに災害対策本部を立ち上げる体制を整備しています。 ________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕大規模な自然災害(地震、噴火、津波、風災、水災等)や火災・爆発事故等が発生した場合、当社グループの従業員及び施設設備に人的・物的被害が生じる可能性があります。 これに伴い、生産設備の停止、物流機能の停滞、サプライチェーンの分断等が発生し、製品供給やサービス提供の遅延・中断、ビジネス機会の損失による収益減少など、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕当社グループでは、大規模自然災害や事故等の発生時に迅速かつ適切な対応を行うため、災害対策本部を中心とした危機管理体制の整備を進めてきました。 災害発生時には、各拠点やグループ各社から迅速に情報を収集し、適切な判断・対応を行うため、安否確認や拠点被害報告等の情報収集システムを活用し、初動対応及び事業継続対応を実施しています。 また、オールハザード型BCP(注1)への更新に向け、災害対策本部初動対応マニュアルの見直しや、BCP策定のための事業影響度分析を実施するとともに、自然災害リスク(地震等)の定量評価を行い、当社への影響の把握に取り組んでいます。 さらに、社内教育としては、拠点訓練の実効性向上に向けた支援のほか、定期的な災害対策本部訓練や従業員向けのシステム操作確認訓練及び防災教育e-learningを実施し、初動対応力の強化を図ってきました。 今後も、災害リスクの継続的な評価とBCPの高度化を進めるとともに、訓練・教育の充実及び危機管理体制の強化を通じて、事業継続能力とレジリエンスのさらなる向上に取り組んでいきます。 (注1) オールハザード型BCP : リスク(原因事象)を問わず、必要な経営資源が何らかの理由で被害を受けた場合の(結果事象)の影響に基づき、対応策を考える事業継続計画 (基盤5)労働安全衛生に関するリスク〔概要〕 近年、企業における労働災害や各種ハラスメント、労働時間管理に対する社会的監視は一層厳しさを増しており、情報化社会の進展により不祥事は瞬時に顕在化し、その対応の適否が企業価値に直結する可能性があります。 また、労働者の権利意識の高まりは潜在的課題を顕在化させ、社会的責任の履行が一層強く求められています。 当社グループにおいても、これらの問題は単なる法令遵守にとどまらず、経営基盤に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクとして認識しております。 本リスクへの対応体制として、企業価値向上に最も重要な要素である「人財」を守り、その多様性を尊重して働きやすい職場環境の維持向上を図るため、当社グループ各事業の統括責任者により構成する「労務安全衛生部会」が中心となり、グループ横断的にリスクを把握・共有し、適切な対策を迅速に講じることができる体制を整備しております。 ________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕・労働災害の発生によって、従業員の生命・身体に重大な被害を及ぼすとともに事業運営への支障が発生し、これらが継続的に発生した場合には、操業停止等の行政処分、社会的評価や生産性の著しい低下などの影響が生じる可能性があります。 ・法令違反となる労働慣行、過労による疾病及びハラスメントの発生によって、休職・退職の増加及び社会的信用の毀損が生じ、人財確保への影響が生じる可能性があります。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕 当社グループでは、従業員を守る「安全」を最優先とすることを不変の基本方針として位置付け、「ニッスイグループ安全宣言」のもと、各社・各事業所における安全活動を推進してきました。 2025年度からは、安全最優先の考え方を改めて徹底し、管理者のみならず従業員一人ひとりが自ら及び同僚の安全を守るという意識のもと、安全活動に主体的に参画し、それが定着した「安全文化の醸成」に取り組んでいます。 2026年度は、全事業所・全従業員参画による「安全宣言」の継続的な実践に加え、安全文化をグループ共通の価値観として浸透させるための教育ツールの整備・展開を進めます。 また職長教育やリスクアセスメント実践者教育等の階層別教育の強化に加え、管理者や安全担当者に限らず全従業員が安全パトロールに参画できる体制の構築を進め、他職場とのクロスパトロールの拡充を図り、従業員一人ひとりの意識向上及び安全活動全体の高度化を図ります。 昨年度は国内グループ全体で1ヶ月休業災害ゼロを達成しましたので、2026年度は2ヶ月連続の達成を目指し、最終的には労災ゼロという理想に近づけていきます。 ハラスメントについては、2022年に経営トップから国内グループ全体に発信した「ハラスメント撲滅宣言」に基づき、「ハラスメントをしない、させない、許さない、そして見過ごさない」という強力な企業風土づくりに取り組んでいます。 2026年度は引き続き実態を把握・分析し、その結果を踏まえた対応体制の整備及び必要な教育研修を実施するとともに、カスタマーハラスメント防止に関する法令の動向も踏まえてグループとしての対応方針を明確化し、周知徹底を図っていきます。 労働時間管理についても、毎月の勤怠状況の確認を通じて、法令及び労使協定の遵守を徹底しており、これを継続します。 加えて、当社グループに対しては、各社の課題への対応状況及び運営の適切性を確認するため、定期的な実態調査を実施するとともに、必要に応じて個別対応を実施していきます。 その結果として、36協定等の順守に加えて、労働時間全体の対前年比削減の実現を目指します。 当社海外グループに対する活動は、各地域の法規制や運用状況の把握を起点とした基盤整備が課題であると認識しており、安全宣言に示す安全最優先の理念を改めて海外グループ会社にも展開し、それを契機として安全活動に関する海外各社との情報共有・連携の具体化を図ります。 今後も、安全文化のさらなる定着と労働災害の未然防止に向けて、安全管理体制及び教育体制の高度化を進めるとともに、ハラスメント防止や適正な労務管理の徹底を通じて、従業員が安心して働くことのできる職場環境の整備を推進します。 また、海外グループ会社を含めたグループ共通の安全基準の整備と運用の強化を進め、グローバルベースでの労働安全衛生水準の向上に取り組んでいきます。 (基盤6)地政学的問題に関するリスク〔概要〕 近年、地政学的な要因が事業に影響を及ぼす可能性を考慮する必要性が高まっていると認識されています。 例えば、当社グループが事業を展開するエリアにおいて、国境封鎖、制裁、輸出入規制、主要輸送ルートの遮断など国際貿易が阻害されるリスクが想定され、これらが顕在化した場合には、当社グループの中長期経営方針の実行や業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。 ________________________________________________________________________________〔主なリスクと影響〕・サプライチェーンにおける政治的・軍事的・社会的な情勢変化等によって、製品供給・サービス提供の遅延や中断・停止が発生し、ビジネス機会の喪失などの影響が想定されます。 ________________________________________________________________________________〔主な対応策〕 当社グループでは、紛争、経済制裁、輸出規制の強化等の地政学的リスクに関する動向について、国内外の情報源を活用した継続的な情報収集及び分析を行ってきました。 加えて、複数のリスクシナリオに基づく影響評価を実施しています。 現状、主に事業展開国・地域におけるカントリーリスクの調査及び評価を中心に対応を進めておりますが、地政学リスクは地域を超えてサプライチェーンや物流網、エネルギー価格等へ影響を及ぼすことから、海外拠点を含めたリスク把握及び対応体制のさらなる強化が重要課題であると認識しています。 これを踏まえ、主要原材料・製品について調達先の分散化や代替調達先の確保、複数拠点からの供給体制の構築を進めるとともに、海外拠点を含めた情報収集ネットワークの整備や、有事を想定した対応方針の策定・訓練の実施等に取り組んでいます。 また、サプライチェーンの可視化及び在庫戦略の見直しを通じて供給途絶リスクの低減を図るほか、定期的なモニタリングにより対応策の高度化を進めています。 今後も、中東情勢をはじめとするグローバルな情勢変化を注視しながら、海外を含むリスク管理体制の強化とサプライチェーンの強靭化を推進し、事業活動への影響の最小化に努めていきます。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調が継続した一方、地政学リスクや米国の関税政策に伴う景気の下振れリスク、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。 世界経済(連結対象期間1-12月)については、欧米を中心に景気は底堅く推移したものの、地政学リスクの継続により先行き不透明な経済環境が続いています。 当社グループでは、2025年4月にスタートした「中期経営計画GOOD FOODS Recipe2」にて「海外事業の成長」「養殖事業の高度化」「不採算事業のターンアラウンド」を掲げ、事業ポートフォリオの強化を推進しています。 当連結会計年度においては、前期に苦戦した漁撈・養殖事業及び北米水産加工事業の改善が進むとともに、チルド事業が堅調に推移しました。 このような状況下、当連結会計年度の営業成績は、売上高は9,312億65百万円(前期比451億39百万円増)、営業利益は404億30百万円(前期比86億51百万円増)、経常利益は431億87百万円(前期比78億86百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は275億17百万円(前期比21億36百万円増)となり、売上高、各段階利益とも過去最高を更新しました。 (単位:百万円) 売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益2026年3月期931,26540,43043,18727,5172025年3月期886,12631,77935,30125,381前期増減45,1398,6517,8862,136前期比105.1%127.2%122.3%108.4% セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円) 売上高前期増減前期比営業利益前期増減前期比水産事業380,15116,093104.4%17,7709,351211.1%食品事業500,98529,926106.4%29,632921103.2%ファイン事業16,9821,137107.2%839△5294.1%物流事業16,61579100.5%2,410△42784.9%その他16,531△2,09788.7%499△42554.0%全社経費---%△10,720△714107.1%合計931,26545,139105.1%40,4308,651127.2% ①水産事業水産事業につきましては、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでおります。 <当連結会計年度の概況>水産事業では売上高は3,801億51百万円(前期比160億93百万円増)となり、営業利益は177億70百万円(前期比93億51百万円増)となりました。 漁撈事業:前期比で増収、増益〈日本〉・ブリ・アジ・サバの漁獲が好調、かつ販売価格の上昇もあり増収・増益となりました。 〈南米〉・2隻中1隻を減船したことにより漁獲量は減少しましたが、経費削減により赤字幅の縮小に努め減収・増益となりました。 養殖事業:前期比で増収、増益〈日本〉・短期養殖本まぐろの生産比率上昇による利益改善や、ブリの販売価格上昇に加え、ギンザケの増産が寄与し増収・増益となりました。 〈南米〉・ギンザケの販売数量増加、北米向け販売の強化に加え、加工度を高めた付加価値品の生産比率上昇や市況影響などにより販売価格も上昇したうえ、生残率の向上などによる養殖コストの低減もあり増収・増益となりました。 加工・商事事業:前期比で増収、増益〈日本〉・魚油の販売数量増加や鮭鱒の価格改定の効果等により第3四半期から持ち直してきたものの、上期の影響が残り累計では増収・減益となりました。 〈北米〉・加工事業は、スケソウダラのフィレ生産比率を向上させることで赤字幅の縮小に努めつつ、すりみの販売価格上昇の効果もありました。 商事事業ではグループ品であるマダラ・鮭鱒・カニをはじめ販売が堅調に推移し、全体で増収・増益となりました。 〈欧州〉・イタリア、ベネルクス、イギリスでの販売が堅調に推移したものの、EU諸制度対応による経費増加の影響もあり増収・減益となりました。 ②食品事業食品事業につきましては、加工事業及びチルド事業を営んでおります。 <当連結会計年度の概況>食品事業では売上高は5,009億85百万円(前期比299億26百万円増)となり、営業利益は296億32百万円(前期比9億21百万円増)となりました。 加工事業:前期比で増収、減益〈日本〉・販売は家庭用のちくわ・フィッシュソーセージが順調に推移し、業務用も外食・量販店惣菜向け冷凍食品が堅調に推移しました。 利益面では、原料価格上昇などを受け価格改定を実施したものの、特に家庭用冷凍食品でタイムラグや価格改定後の販売数量の減少もあり減益となりました。 〈北米〉・家庭用は販売が堅調に推移しシェアを拡大しましたが、業務用が外食需要減少や米国関税による原料価格上昇の影響を受け、全体では増収・減益となりました。 〈欧州〉・チルド白身魚フライ向け原料価格上昇の影響を受けたものの、フランス、イギリス及びスペインでの販売が好調に推移したことにより増収・増益となりました。 チルド事業:前期比で増収、増益・コンビニエンスストアの販売促進効果が大きく、弁当・惣菜などの販売が前期に引き続き好調に推移し増収・増益となりました。 ③ファイン事業ファイン事業につきましては、医薬品原料、機能性原料(注1)及び機能性食品(注2)などの生産・販売を行っております。 <当連結会計年度の概況>ファイン事業では売上高は169億82百万円(前期比11億37百万円増)となり、営業利益は8億39百万円(前期比52百万円減)となりました。 ・医薬品原料の販売やサプリメント向け機能性原料の国内販売が堅調に推移したものの、原価高の影響もあり増収・減益となりました。 ④物流事業物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでおります。 <当連結会計年度の概況>物流事業では売上高は166億15百万円(前期比79百万円増)となり、営業利益は24億10百万円(前期比4億27百万円減)となりました。 ・物流の2024年問題を背景とした人員増に伴う人件費増加や、燃料費の上昇により増収・減益となりました。 (注1) サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。 (注2) 主に通信販売している機能性表示食品「ごま豆乳仕立てのみんなのみかたDHA」、特定保健用食品「イマークS」などの健康食品。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)水産事業197,0314.3食品事業441,71910.4ファイン事業12,865△4.8合計651,6168.1 (注) 1.金額は、販売価格によります。 ②受注実績受注生産は行っておりません。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)水産事業380,1514.4食品事業500,9856.4ファイン事業16,9827.2物流事業16,6150.5その他16,531△11.3合計931,2655.1 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社SCI103,83011.7123,18013.2 (2)財政状態(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減 流動資産332,568376,08443,516 (うち 棚卸資産)195,008224,27829,270 固定資産302,309373,42571,115資産合計634,878749,509114,631 流動負債226,179276,41650,236 固定負債122,758163,14940,390負債合計348,938439,56690,627純資産合計285,939309,94324,003 資産合計は前連結会計年度末に比べて1,146億31百万円増の7,495億9百万円(18.1%増)となりました。 流動資産は435億16百万円増の3,760億84百万円(13.1%増)となりました。 売上増加などにより受取手形及び売掛金が82億68百万円増加したこと、棚卸資産が292億70百万円増加したことが主な要因です。 固定資産は711億15百万円増の3,734億25百万円(23.5%増)となりました。 新規連結化や設備投資などにより有形固定資産が375億18百万円増加したこと、無形固定資産が209億35百万円増加したことが主な要因です。 負債合計は前連結会計年度末に比べて906億27百万円増の4,395億66百万円(26.0%増)となりました。 流動負債は502億36百万円増の2,764億16百万円(22.2%増)となりました。 支払手形及び買掛金が220億41百万円増加したこと、短期借入金が138億98百万円増加したことが主な要因です。 固定負債は403億90百万円増の1,631億49百万円(32.9%増)となりました。 社債が100億円増加したこと、長期借入金が251億1百万円増加したことが主な要因です。 純資産合計は前連結会計年度末に比べて240億3百万円増の3,099億43百万円(8.4%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益を275億17百万円計上したこと、剰余金の配当を92億37百万円行ったこと、円安の影響により為替換算調整勘定が72億86百万円増加したことなどによります。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報①キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減営業活動によるキャッシュ・フロー40,37953,24212,862投資活動によるキャッシュ・フロー△30,393△61,403△31,010財務活動によるキャッシュ・フロー△11,45213,12924,582現金及び現金同等物期末残高18,68624,2515,565 営業活動によるキャッシュ・フローは、532億42百万円の収入(前期比128億62百万円の収入増)となりました。 税金等調整前当期純利益及び減価償却費の合計が697億14百万円となった一方で、棚卸資産の増加をはじめ運転資本の増加による資金の減少が79億12百万円、法人税等の支払額が79億24百万円あったことなどによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは、614億3百万円の支出(前期比310億10百万円の支出増)となりました。 主に国内外の新工場建設を含む生産能力増強に向けた有形固定資産の取得による支出が430億76百万円、PESQUERA YADRAN S.A.等に係る連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が190億47百万円あったことが主な要因です。 財務活動によるキャッシュ・フローは、131億29百万円の収入(前期は114億52百万円の支出)となりました。 社債の発行による収入が100億円、長期借入れによる収入が408億29百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が251億89百万円、配当金の支払額が92億26百万円あったことが主な要因です。 ②資金調達方針当社は、事業活動を円滑に行うため、コストを抑えた安定資金の調達を目指し、銀行借入等の間接金融に加え、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行等の直接金融も活用することで、資金調達手段の多様化を推進しております。 資金調達については、スワップ等を利用した長期固定資金と変動の短期資金のバランスを概ね1:1を基本に、経済情勢等に応じ長期固定資金の比率を上げるなど、機動的に対応することで金利変動リスクを低減し安定資金を確保しています。 調達通貨は円・米ドル・ユーロを基本に各国の事業規模に応じた調達とすることで為替リスクを軽減しています。 また、複数の金融機関とコミットメントラインを設定しており、経済環境の急激な変化による資金調達難等の流動性リスクに備えております。 資金の効率性の側面では、国内はキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を活用、海外は各国の税制等を考慮のうえ、海外グループ間の資金融通等を本社で一元管理しています。 なお、北米は日本同様、統括会社でCMSを導入し北米における資金を管理しています。 ③調達方法四半期ごとにグループの資金需要を予想し市場環境を考慮したうえで、最適な資金調達方法を策定、取締役会で審議しています。 長期資金については、毎期の償還額にも配慮しつつ、長期間に亘り構築してきた幅広くかつ良好な関係にある複数の金融機関からの借入に加え、社債の発行等の直接金融も活用することで、調達基盤の強化を図っております。 また、シンジケート・ローンや社債(ブルー・ネイチャーボンド)、健康経営・環境対応などESG関連の格付けを活用した調達も行っています。 短期資金については、従来の借入枠の活用に加え、コマーシャル・ペーパーの発行を通じて市場から資金需要に応じて直接調達を行っております。 今後もコストを抑えた安定資金を調達するため、信用格付「A」を活用した調達を含め、間接金融と直接金融のバランスを最適化しながら、資金調達手段の多様化を図ってまいります。 (4)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。 連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産等の減損、繰延税金資産の回収可能性などの資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。 過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 なお、特にIFRSを適用している在外子会社で保有する生物資産の評価(在池魚評価)については、生物資産を販売費用等の追加コスト控除後の公正価値で測定し、取得原価との差額の変動額を純損益として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生残率等を見積もる必要があることから、市場動向や養殖成績などによって公正価値評価額が大きく変動する可能性があります。 海外及び国内養殖会社の仕掛魚の評価、国内養殖会社の固定資産の減損、PESQUERA YADRAN S.A.及びその子会社の海面使用権の評価に関する見積りや前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (5)今後の方針について今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 |
| 研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、水産品、食品、医薬品を含む機能性素材及び養殖技術において「食」と「健康」に関する研究開発を行っています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5,002百万円であります。 なお、中期経営計画において水産、食品、ファイン事業の主要3事業の個々の強化に加え、それぞれの事業領域の境目となる分野で融合を進めることでより高い成果を目指していることから、全ての研究開発費にかかる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しております。 当連結会計年度における研究開発の主な概要は次のとおりであります。 当社においては、東京イノベーションセンターを中心に水産・食品・ファイン事業に関連する技術開発、商品開発活動を展開しております。 水産品に関しては、限られた水産資源を独自技術によって付加価値化及び有効活用するための取り組みを進めています。 食品に関しては、味・香りの基礎研究や米、野菜、鶏等の原料まで遡った研究を行い、独自の加工技術と組み合わせた食品の高付加価値化と生活者起点の商品開発に取り組んでいます。 また、タンパク質摂取の在り方の多様化に対応するために、植物タンパク質の利用研究も行っています。 機能性素材に関しては、高純度EPAの研究を深化させるとともに、新しい機能性脂質、スケソウダラのタンパク質「速筋タンパク」の機能性に関する研究開発などを進めています。 養殖に関しては、大分海洋研究センターを中心にブリをはじめとした養殖魚の育種、陸上養殖、ウナギ種苗生産などの研究を行っています。 |
| 設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、既存事業の増強、効率及び維持管理などのための設備を中心に合計442億82百万円の投資を行いました。 水産事業においては、船舶の建造及び修繕、ドックの維持更新などに対して101億77百万円の投資を行いました。 食品事業においては、加工工場及びチルド食品工場の生産体制の維持、増力化、省力化、新商品生産のための製造能力の増強などにより281億円の投資を行いました。 ファイン事業においては、医薬品原料工場の生産体制の維持、増力化、省力化、新商品生産のための製造能力の増強などにより18億57百万円の投資を行いました。 物流事業においては24億89百万円、その他事業においては7億78百万円の投資を行いました。 全社(共通)においては、8億79百万円の投資を行いました。 (単位:百万円)セグメントの名称前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)水産事業11,73510,177食品事業17,42928,100ファイン事業1,1911,857物流事業2,1052,489その他161778全社資産1,427879合計34,05144,282 |
| 主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (1) 提出会社(2026年3月31日現在)事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具船舶(隻数)土地(面積千㎡)リース資産その他合計中央研究所(東京都八王子市他)水産事業、食品事業及びファイン事業 研究開発設備1,820408-2,578(24)-1454,953146[26]八王子総合工場(東京都八王子市)食品事業食品製造設備3,5463,064-242(69)-3137,167146[328]姫路総合工場(兵庫県姫路市)食品事業食品製造設備2,2881,811-1,419(13)-2335,753106[334]安城工場(愛知県安城市)食品事業食品製造設備1,0221,174-872(22)12173,09940[174]つくば工場(茨城県つくば市)ファイン事業ファイン製品製造設備610445-829(23)-351,92130[8]鹿島油脂・医薬品工場(茨城県神栖市)ファイン事業ファイン製品製造設備3,787636-1,475(65)-1,5127,41276[9] (2) 国内子会社(2026年3月31日現在)会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具船舶(隻数)土地(面積千㎡)リース資産その他合計共和水産㈱本社及びまき網漁船等(鳥取県境港市)水産事業本社及びまき網漁船等165106,197(22)354(203)28146,771162[12]㈱日本デリカサービス伊勢崎工場(群馬県伊勢崎市)食品事業チルド食品製造設備2,790613-740(33)-214,16646[226]㈱日本デリカサービス八千代工場(千葉県八千代市)食品事業チルド食品製造設備1,160485-739(13)-192,40449[464]㈱日本デリカサービス伊丹工場(兵庫県伊丹市)食品事業チルド食品製造設備681480-1,252(15)-202,43351[316]㈱日本デリカサービス群馬工場(群馬県伊勢崎市)食品事業チルド食品製造設備1,884559-489(29)19503,00454[205]㈱北九州ニッスイ宇部工場(山口県宇部市)食品事業食品製造設備1,4441,074-189(30)9492,76860[46]日水物流㈱川崎物流センター(神奈川県川崎市川崎区)物流事業冷蔵倉庫設備534103-1,528(10)-102,17622[1]日水物流㈱箱崎物流センター(福岡県福岡市東区)物流事業冷蔵倉庫設備223190-1,642(22)-62,06233[4]日水物流㈱大阪舞洲物流センター(大阪府大阪市此花区)物流事業冷蔵倉庫設備4,697379-2,345(24)-87,43032[5] (3) 在外子会社(2026年3月31日現在)会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具船舶(隻数)土地(面積千㎡)リース資産その他合計UNISEA, INC.ダッチハーバー工場(ALASKA,U.S.A.)水産事業水産加工設備2641,959-85(93)1961,6664,174259[577]SALMONES ANTARTICA S.A.チロエ工場(CHILOE,CHILE)水産事業鮭鱒養殖・水産加工設備3,2621,841-420(255)-4585,983682[699]SALMONESANTARTICA S.A.アイセン工場(AYSEN,CHILE)水産事業鮭鱒養殖・水産加工設備2,780277-24(217)-3303,412160[9]PESQUERAYADRAN S.A.ケジョン工場(注)4(QUELLON,CHILE)水産事業鮭鱒養殖・水産加工設備1,353530-368(57)-952,348596[10]GORTON'S, INC.グロスター工場(MASSACHUSETTS,U.S.A.)食品事業食品製造設備2,8051,308-409(24)2402915,055433[2]GORTON'S, INC.レバノン工場 (注)1(INDIANA,U.S.A.)食品事業食品製造設備8,6382,052--(-)〔26〕5633,11014,36561[-]KING & PRINCE SEAFOOD CORPORATIONブランズウィック工場(GEORGIA,U.S.A.)食品事業食品製造設備1,6652,001-57(32)1262604,112304[2]CITE MARINE S.A.S.ケルビニャック工場 (注)1(KERVIGNAC,FRANCE)食品事業食品製造設備1,1213,202-267(76)〔19〕3,0661887,8461,053[238]CITE MARINE S.A.S.プルメリン工場(PLUMELIN,FRANCE)食品事業食品製造設備3,491682-70(107)521,5905,888138[44]THAI DELMAR CO., LTD.AIEスワンナプーム工場(SAMUTPRAKARN,THAILAND)食品事業食品製造設備2,2631,530-1,203(42)-825,079128[479] (注) 1.土地を賃借しております。 賃借している土地の面積については、〔 〕で外書きしております。 2.帳簿価額のうち「その他」は、「工具器具及び備品」及び「建設仮勘定」の合計であります。 3.従業員数は就業人員であり、臨時従業員は[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。 4.PESQUERA YADRAN S.A.社のケジョン工場については、企業結合時に調整された全面時価評価法による評価差額調整前の数値であります。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画はありません。 (2)重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 5,002,000,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 44,282,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 16 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,506,166 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式としています。 なお、当社は、純投資目的である投資株式を保有していません。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社事業の拡大、持続的な発展のために様々な企業との協力関係が必要であるとの認識に基づき、当社との事業上の関係やコストを勘案し、特に中長期的な取引の維持・強化に繋がる場合に、当該企業の株式を政策的に保有することを原則としており、保有意義が希薄化した場合は売却することとしています。 全ての政策保有株式については、毎年取締役会において中長期的な視点から経済合理性、保有目的等を踏まえて、個別銘柄毎に検証を行っています。 具体的には、保有株式について「個別銘柄毎に設定した取引目標に対する達成状況や過去3年間の取引状況」、「投下資本収益率の目標に対する達成率」等の指標により保有の妥当性を判断しています。 2015年度末から2025年度末で銘柄数は129から72へ削減(2025年度は一部売却を含め上場株式5銘柄(うち持ち合い2銘柄)、非上場株式2銘柄の合計7銘柄)、純資産割合は30%超から10%程度まで引き下げています。 2026年度も数銘柄を売却する予定です。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式321,681非上場株式以外の株式4031,987 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式422持株会による株式の取得のため (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式23非上場株式以外の株式52,314 c.特定投資株式及びみなし投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、定量的な保有効果(注2)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)キッコーマン㈱3,500,0003,500,000原料を仕入れている取引先(食品):戦略的な取引関係を維持し、原料・商品の安定調達を図るため有5,0225,043㈱みずほフィナンシャルグループ799,005799,005総合的な金融取引先:安定的な資金調達や信託・証券業務など総合的な金融取引の維持強化を図るため無(注3)4,8633,236持田製薬㈱1,200,0001,200,000当社製品を販売している取引先(ファイン):戦略的な取引関係を維持、強化するため有4,1523,816加藤産業㈱508,708508,708当社製品を販売している取引先(食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため有3,4082,507松田産業㈱409,248409,248当社製品を販売している取引先(水産):戦略的な取引関係を維持、強化するため有2,5451,422イオン㈱1,158,918384,725 当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため(株式数が増加した理由)保有目的に沿った持株会による株式の取得及び株式分割により、当該事業年度において保有株数が774,193株増加した無2,1831,442中央魚類㈱479,600479,600当社製品を販売している取引先(水産):戦略的な取引関係を維持、強化するため有1,9471,587SOMPOホールディングス㈱312,300624,600保険取引において取引関係の維持・強化を図るため無(注3)1,8772,823㈱セブン&アイ・ホールディングス845,079845,079当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無1,7941,827横浜魚類㈱1,238,0001,238,000当社製品を販売している取引先(水産):戦略的な取引関係を維持、強化するため有756721中部水産㈱239,520239,520当社製品を販売している取引先(水産):戦略的な取引関係を維持、強化するため有694658ニチモウ㈱240,000240,000当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため有599459 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、定量的な保有効果(注2)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ふくおかフィナンシャルグループ100,000200,000主要な資金調達先:安定的な資金調達などの金融機関取引の維持強化を図るため無(注3)589786㈱ライフコーポレーション97,29097,290当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無247188㈱サガミホールディングス105,250105,250当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無192173日本マクドナルドホールディングス㈱21,45019,490当社製品を販売している取引先(食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため(株式数が増加した理由)保有目的に沿った持株会による株式の取得無177111エイチ・ツー・オー リテイリング㈱55,36455,364当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無132125㈱アークス33,93733,937当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無12898㈱サトー商会38,80038,800当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無8979カネ美食品㈱21,78021,780当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無7670尾家産業㈱25,30025,300当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無6349SEAFARMS GROUP LTD283,230,208283,230,208製品を仕入れている取引先(水産):戦略的な取引関係を維持し、原料・商品の安定調達を図るため無6253㈱イズミ48,00016,000当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため(株式数が増加した理由)株式分割により、当事業年度において保有株数が32,000株増加した無4950 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、定量的な保有効果(注2)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ブルーゾーンホールディングス4,4004,400当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無4140セントラルフォレストグループ㈱15,00015,000当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無4146㈱マミーマートホールディングス27,5005,500当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため(株式数が増加した理由)株式分割により、当事業年度において保有株数が22,000株増加した無3826㈱リテールパートナーズ25,01025,010当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無3133㈱平和堂9,8839,883当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無2925ユナイテッドスーパーマーケットホールディングス㈱29,47629,476当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無2624イオン九州㈱8,5738,413当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため(株式数が増加した理由)保有目的に沿った持株会による株式の取得無2320ヤマエグループホールディングス㈱6,3006,300当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無1815㈱ヤマザワ14,52014,520当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無1616㈱ハチバン4,4004,400当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無1414イオン北海道㈱15,84015,840当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無1413㈱フジ5,5005,500当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無1111 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、定量的な保有効果(注2)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ヒガシマル9,3719,367当社製品を販売している取引先(水産):戦略的な取引関係を維持、強化するため (株式数が増加した理由)保有目的に沿った持株会による株式の取得無911ミニストップ㈱4,8314,831当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無88アルビス㈱1,3201,320当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無33㈱コスモス薬品400400当社製品を販売している取引先(食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無23㈱ヤマナカ5,0005,000当社製品を販売している取引先(水産・食品):戦略的な取引関係を維持、強化するため無22㈱トーホー-43,600-無-151㈱ロック・フィールド-12,067-無-19㈱オークワ-2,582-無-2 (注) 1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 2.定量的な保有効果は、取引実績や目標を記載することによるビジネスへの影響を鑑み記載していません。 保有の合理性の検証方法については、「株式の保有状況」②-a.に記載のとおりです。 3.当該株式の発行者は当社の株式を保有していませんが、当該株式の発行者の子会社が当社の株式を保有しています。 |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 32 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,681,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 40 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 31,987,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 22,000,000 |
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,314,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 5,000 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 599,000,000 |