財務諸表
CoverPage
| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2026-06-24 |
| 英訳名、表紙 | Sumitomo Osaka Cement Co.,Ltd. |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 取締役社長 諸橋 央典 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区東新橋一丁目9番2号 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6370-2700(代表) |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | Japan GAAP |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2【沿革】 当社は、1994年10月に、住友セメント株式会社と大阪セメント株式会社とが合併し、商号を住友大阪セメント株式会社に変更しました。 住友セメント株式会社は、1906年、広瀬金七、岩崎清七らにより、セメントの製造・販売を目的とする会社としてその設立が企図され、1907年11月、商号を磐城セメント株式会社、資本金を100万円、本店を横浜市太田町3丁目52番として設立されました。 その後、1963年10月に商号を住友セメント株式会社に変更しました。 大阪セメント株式会社は、1917年、大阪窯業株式会社のセメント部として発足し、1926年12月、商号を大阪窯業セメント株式会社として設立されました。 その後、1963年7月に商号を大阪セメント株式会社に変更しました。 その主な変遷は次の通りであります。 1907年11月磐城セメント株式会社を設立1908年9月四倉工場を新設1925年7月日の出セメント株式会社を合併(八戸工場)1926年12月大阪窯業セメント株式会社を設立1940年12月富国セメント株式会社を合併(現・栃木工場)1941年11月七尾セメント株式会社を合併(七尾工場)1949年5月東京証券取引所の市場第一部に上場1950年12月東洋セメント株式会社を合併1952年6月伊吹工場を新設1954年7月浜松工場を新設1960年5月川崎セメント株式会社を合併(現・岐阜工場)1961年12月高知工場を新設1963年5月福島セメント株式会社(田村工場)及び住友石灰工業株式会社(現・山口事業所)を合併1966年6月滋賀興産株式会社を合併(多賀工場、彦根工場)同年9月赤穂第一工場を新設1975年7月七尾、多賀両工場を閉鎖同年12月赤穂第二工場を新設1977年9月八戸工場を分離し、八戸セメント株式会社を設立(現・連結子会社)1984年11月浜松工場を閉鎖1986年9月四倉工場を閉鎖1987年4月赤穂第一工場及び赤穂第二工場を統合し、赤穂工場とする。 同年12月秋芳鉱業株式会社を設立(現・連結子会社)1988年12月OAシステム事業部門を分離し、住友セメントシステム開発株式会社を設立(現・連結子会社)1990年4月住友金属工業株式会社(現・日本製鉄株式会社)と共同で和歌山高炉セメント株式会社を設立(現・連結子会社)同年同月株式会社エステックを設立(現・連結子会社)同年9月千代田エンジニアリング株式会社を株式の追加取得により子会社化(現・連結子会社)1994年1月スミセ建材株式会社を設立(現・連結子会社)同年3月青木海運株式会社を買収(現・エスオーシー物流株式会社、連結子会社)同年10月住友セメント株式会社と大阪セメント株式会社が合併、商号を住友大阪セメント株式会社に変更1996年3月彦根工場を閉鎖同年10月スミセ興産株式会社を合併2000年3月田村工場を閉鎖2001年4月泉石灰工業株式会社と栃木興産株式会社が合併(現・泉工業株式会社、連結子会社)2003年3月伊吹工場におけるセメント生産を中止2009年9月栗本コンクリート工業株式会社を株式の追加取得により子会社化(現・株式会社クリコン、連結子会社)2010年4月東京エスオーシー株式会社が市川エスオーシー生コン株式会社を合併(現・連結子会社)2013年4月エスオーシー建材株式会社と新北浦商事株式会社が合併(現・北浦エスオーシー株式会社、連結子会社)2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行 |
| 事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下当社という)と子会社45社及び関連会社13社で構成されております。 セメント事業については、セメントの製造・販売を中心とし、生コンクリートの製造・販売、セメント工場における電力の販売やリサイクル原燃料の受入処理、電設・営繕工事、各種品質試験サービス等の事業を行っております。 鉱産品事業については、石灰石や骨材の採掘・販売等を行っております。 建材事業については、コンクリート構造物向け補修材料等の製造・販売、その関連工事等を行っております。 光電子事業については、光通信部品及び計測機器等の製造・販売を行っております。 新材料事業については、各種セラミックス製品・各種ナノ粒子材料等の製造・販売を行っております。 その他事業については、遊休地を活用した不動産賃貸や情報処理サービス等を行っております。 当社グループの事業に係る位置づけ、及びセグメントとの関連は、次の通りであります。 セメント事業当社、八戸セメント㈱、及び和歌山高炉セメント㈱がセメントの製造を行い、当社経由でスミセ建材㈱、東海スミセ販売㈱及び北浦エスオーシー㈱などの特約販売店等に販売しております。 なお、その輸送にあたっては、エスオーシー物流㈱などが海上輸送を、和泉運輸㈱が陸上輸送を行っております。 また、当社がセメント系固化材の製造・販売及びセメント工場における電力の販売を行うほか、東京エスオーシー㈱などが当社から特約店を経由して供給しているセメントを主原料にして生コンクリートの製造・販売、泉工業㈱が建設発生土の中間処理及び木質チップ等の製造・販売等、㈱中研コンサルタントが各種品質試験サービス、千代田エンジニアリング㈱が各種電気設備工事及び電気炉等の設置工事、エスオーエンジニアリング㈱などが当社の場内営繕工事を行っております。 鉱産品事業当社が各地に所有する石灰石鉱山から、製鉄原料としての石灰石や道路工事用、生コンクリート製造用の骨材等を採掘、販売しているほか、滋賀鉱産㈱などが同様の事業展開、秋芳鉱業㈱が石灰石、骨材を採掘し、当社経由で販売を行っております。 建材事業当社がコンクリート構造物向け補修材料等の製造・販売やその関連工事を行っております。 また、㈱エステックが地盤改良工事等の施工、コンクリート構造物向け補修材料等を製造し当社経由での販売、㈱SNCがコンクリート2次製品を使用した各種工事の施工、㈱クリコンが各種コンクリート製品の製造・販売等を行っております。 光電子事業当社が光通信部品及び計測機器の製造・販売を行っているほか、㈱スミテックが各種汎用電子機器の製造・販売を行っております。 新材料事業当社が各種セラミック製品等、各種新素材の製造・販売を行っているほか、住龍納米技術材料(深セン)有限公司が機能性塗料を製造し、当社経由で販売を行っております。 その他事業当社が賃貸ビル及び倉庫等の不動産賃貸を行っております。 また住友セメントシステム開発㈱が各種ソフトウェアの製作・販売を行っております。 事業の系統図は次の通りであります。 |
| 関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 2026年3月31日現在名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) 八戸セメント㈱青森県八戸市100セメント80.0当社は各種セメントを仕入れております。 又、当社は工場用地を賃貸しております。 役員の兼任等…有和歌山高炉セメント㈱和歌山県和歌山市450セメント66.7当社は原料用ポルトランドセメントを供給し、同社より高炉セメントを仕入れております。 役員の兼任等…有エスオーシー物流㈱東京都千代田区300セメント100.0当社はセメント及びセメント原料の輸送を委託しております。 役員の兼任等…有エスオーシーマリン㈱東京都千代田区100セメント100.0(100.0)当社は子会社であるエスオーシー物流㈱を通じて用船しております。 役員の兼任等…有大窯ホールディングス㈱大阪府大阪市50セメント100.0当社は大窯ホールディングス㈱の子会社からエスオーシー物流㈱を通じて用船しております。 役員の兼任等…有タイヨウ汽船㈱大阪府大阪市20セメント100.0(100.0)当社は子会社であるエスオーシー物流を通じて用船しております。 役員の兼任等…有和泉運輸㈱東京都江東区42セメント100.0当社はセメントの輸送及びセメント供給拠点(サービス・ステーション)の管理等を委託しております。 役員の兼任等…有スミセ建材㈱東京都千代田区40セメント100.0当社はセメント等を販売しております。 役員の兼任等…有東海スミセ販売㈱愛知県名古屋市15セメント100.0当社はセメント等を販売しております。 役員の兼任等…有北浦エスオーシー㈱大阪府大阪市90セメント100.0当社はセメント等を販売しております。 役員の兼任等…有泉工業㈱栃木県佐野市40セメント100.0当社はセメント製造における場内作業及び建材製品の製造の委託、建設発生土等の処理の受託、木質チップ等の仕入を行っております。 又、土地・建物等を賃貸しております。 役員の兼任等…有東京エスオーシー㈱東京都港区60セメント100.0当社は原料用セメントを供給し、土地・建物等を賃貸しております。 役員の兼任等…有千代田エンジニアリング㈱東京都港区304セメント91.8当社は同社に工場の一部設備の維持管理を委託しております。 役員の兼任等…有エスオーエンジニアリング㈱大阪府大阪市110セメント100.0当社は設備工事及び営繕工事を発注しております。 役員の兼任等…有㈱中研コンサルタント大阪府大阪市15セメント100.0当社はコンクリート・材料の試験・分析を委託しております。 役員の兼任等…有秋芳鉱業㈱山口県美祢市250鉱産品100.0当社はセメント原料及び外販用石灰石を仕入れております。 役員の兼任等…有滋賀鉱産㈱滋賀県米原市40鉱産品100.0当社は土地・建物等を賃貸しております。 役員の兼任等…有㈱エステック大阪府大阪市300建材100.0当社は固化材等を販売し、コンクリート構造物向け補修材料等を仕入れております。 又、土地・建物等を賃貸しております。 役員の兼任等…有㈱SNC福岡県糟屋郡志免町50建材100.0当社は原料用セメントを供給しております。 又、工場用地の一部を賃貸しております。 役員の兼任等…有㈱クリコン滋賀県愛知郡愛荘町100建材90.0役員の兼任等…有㈱スミテック静岡県浜松市30光電子100.0当社は同社に計測機器の製造を委託しております。 役員の兼任等…有 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容住友セメントシステム開発㈱東京都港区100その他70.0当社は情報処理業務を委託しております。 役員の兼任等…有その他15社 (持分法適用関連会社) 八戸鉱山㈱青森県八戸市100鉱産品30.0当社はセメント原料を仕入れております。 役員の兼任等…無その他3社 (注) 1. 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。 2. 有価証券届出書及び有価証券報告書を提出している会社はございません。 3. 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 |
| 従業員の状況 | (2)【従業員の状況】 ① 連結会社の状況2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)セメント1,829 〔107〕鉱産品262 〔19〕建材338 〔82〕光電子81 〔58〕新材料258 〔305〕その他130 〔9〕全社(共通)147 〔15〕合計3,045 〔595〕 (注) 1. 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。 2. 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 ② 提出会社の状況2026年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)1,36442.918.17,338,7023.3 セグメントの名称従業員数(名)セメント833 〔52〕鉱産品41 〔0〕建材54 〔14〕光電子40 〔21〕新材料242 〔305〕その他7 〔1〕全社(共通)147 〔15〕合計1,364 〔408〕 (注) 1. 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。 2. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.平均年間給与の計算基礎からは、休職者・休業者を除いております。 4.嘱託を除いた従業員の平均年間給与は7,407,547円であります。 5. 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 ③ 労働組合の状況当社グループには、次の労働組合が組織されております。 なお、労使関係については特記するような事項はございません。 名称 住友大阪セメント労働組合組合員数 925名(2026年3月31日現在、出向者を含む。 ) ④ 従業員向け株式報酬制度 当社は、当社従業員を対象に株式報酬制度を導入しております。 本制度の内容については、「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。 ⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ア 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1、3)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2、3)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者3.792.669.371.582.7 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3. 当該指標に関する目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(5)人的資本経営に関する取組」に記載しております。 イ 連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)エスオーシーマリン㈱―女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画において、2023年4月1日から5年間で、「課長以上の管理職の女性労働者を1人以上増やす」ことを目標として公表しております。 (注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。 」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大及びコスト削減等に取り組んでまいります。 今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や米国の通商政策の影響等による下押しリスクがあり、景気の先行きは予断を許さない状況にあります。 セメント業界におきましては、能登震災復興需要等により、官公需は、前年並みと見込まれ、また、人手不足や建設コストの上昇等により、民需は、減少すると見込まれることから、セメント国内需要は、減少するものと思われます。 当社グループは、中長期ビジョンとして2035年のありたい姿「SOC Vision2035」を定めました。 本ビジョンにおいては、環境解決をキーワードとして、持続的な成長を通じて、社会から必要とされる存在感のある会社となることを目指しており、その最初のステップとして、「2023―25年度 中期経営計画」を策定し、次の通り取り組んでまいりました。 ①既存事業収益改善 (イ)セメント事業収益力回復 適正価格の確保に努め、セメント工場における化石エネルギー代替物の増量を目的とした設備投資、輸送力 の確保に努めてまいりました。 (ロ)次世代光通信部品のシェア獲得による収益改善 次世代光通信部品の開発に取り組んでまいりました。 ②成長基盤構築 (イ)半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化 新製造棟をはじめとする半導体製造装置向け電子材料の生産能力の増強及び次世代半導体製造装置向け電子 材料の開発に取り組んでまいりました。 (ロ)海外事業拡大 豪州ターミナル事業の収益安定化を進めるなど豪州事業の拡大に努めました。 また、新たにフィリピンにお いてセメント事業を行う企業に出資いたしました。 (ハ)脱炭素分野の新規事業開発 人工石灰石を使用した製品の開発等に取り組んでまいりました。 これらに加え、鉱産品事業は、秋芳鉱山船積バースの延伸を行い、鉱量確保のための新規鉱画開発を進め、 継続して事業の持続的な成長に取り組んでまいりました。 建材事業は、都市部における建築物の土木工事の受 注拡大に努め、建設ICTにより更なる省力化と生産性向上に取り組んでまいりました。 ③経営基盤強化 (イ)人財戦略 人財基本方針を策定し、多様な人財の採用による人財確保や人財育成のための研修強化に取り組んでまいり ました。 (ロ)研究開発戦略 高機能品事業分野、脱炭素分野の新規事業創出のための研究開発強化に努めてまいりました。 (ハ)知財戦略 知財スキル人財育成及び知財情報解析の経営戦略への活用(IPランドスケープ)の推進に努めてまいりまし た。 (ニ)DX戦略 AIを活用した業務ツールの試行、業務効率化に繋がるデジタル活用に取り組みました。 デジタル推進部の新 設によるDX推進、サイバーセキュリティ対策の強化等、経営基盤強化に取り組んでまいりました。 これらの取り組みを行ったものの、セメント事業においては、当初の想定よりも国内需要が低迷したほか、人手不足やインフレの加速、諸資材の高騰等の要因により、利益率は伸び悩みました。 また、高機能品事業は、販売数量回復の遅れにより、当初計画を下回りました。 その結果、ROE(自己資本当期純利益率)は、5.8%、ROIC(投下資本利益率)は、3.3%となりました。 当社グループは、「SOC Vision2035」の第2ステップとして事業ポートフォリオの変革推進をメインテーマに掲げた「2026―28年度 中期経営計画」を策定いたしました。 本中期経営計画では、前中期経営計画からの継続施策を早期に成果に結びつけ、成長に向けた基盤の一層の強化及び中長期ビジョンの達成を見据えた新規事業の始動を目的として、次の通り取り組んでまいります。 ①事業ポートフォリオ変革による利益成長 (イ)セメント事業を中心とした既存事業の収益安定化 セメント国内需要の動向を踏まえ、適正価格の実現、コスト構造改革及び生産・物流の全体最適化を通じ て、収益力の安定化に取り組むとともに、製品及び製造プロセスにおけるCO2削減を図り、カーボンニュート ラル施策を進めてまいります。 (ロ)成長分野の拡大(高機能品事業の利益成長) 高機能品事業について、半導体製造装置分野を中心に新製造棟の稼働を起点とした増産及びシェア拡大を推 進し、当社グループの成長分野として事業拡大と利益成長を目指してまいります。 (ハ)新規事業の始動 CO2資源化(人工石灰石等)について、前中期経営計画で推進した研究・実証フェーズを踏まえて、新規事 業の事業化に向けた取り組みを進めてまいります。 ②事業ポートフォリオ変革を支える経営基盤の強化 事業ポートフォリオ変革による利益成長を確実なものとするため、資本コストを意識した経営を進め、資本効率 の向上及び適切な財務・資本政策のため、以下の事項に取り組んでまいります。 (イ)適切な財務戦略・配当政策、政策保有株式の縮減 (ロ)事業別ROICによる事業別ポートフォリオ管理 ③事業ポートフォリオ変革を支える無形資産の成長 事業ポートフォリオ変革を支える基盤として、人的資本投資やDX投資の強化等を通じ、無形資産の成長に取り組 んでまいります。 これらの取り組みを通じて利益成長を図り、株主還元方針に沿って、安定配当を含めた持続的な株主還元を図ると ともに、政策保有株式の売却を含む資産圧縮等による資本最適化を通じて、2028年度の数値目標として、ROE9%以上及びROIC6%以上を目指してまいります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)基本方針当社グループは、「信用を重んじ確実を旨とする」住友の事業精神に基づき、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。 」と企業理念を定め、事業を通じて社会課題の解決に取り組んできました。 当社グループの持続的で健全な発展には、「地球温暖化防止」という国境を越えた社会課題への取組が必要不可欠だと考え、2020年には2050年カーボンニュートラルへ向けた長期ビジョン「SOCN2050」を策定し公表しました。 また、当社グループの中長期ビジョン「SOC Vision2035」においても、2035年のありたい姿として「環境解決企業」「脱石炭への挑戦」を打ち出し、ESG目標を設定し経営基盤強化を推進しております。 このような当社グループを取り巻く外部環境の変化を反映し、「SOCN2050」の改訂を進めております。 加えて、広範囲に及ぶサステナビリティ(持続可能性)を経営に取り入れていく必要があると考え、2050年のカーボンニュートラル実現とともに、「サプライチェーン等における人権尊重」に対しても、包括的に取り組んでいきます。 E(環境):「SOCN2050」を基に、2035年まで約1,000億円のカーボンニュートラル投資を実施、セメント 製造に関わるCO2排出量削減目標(注1)の実現、植林活動や海洋製品事業の展開によって 生物多様性の保全に貢献 (注1)セメント製造に関わるCO2排出量削減目標 …2030年度エネルギー起源CO2排出原単位30%削減(2005年度比)S(社会):事業拡大を見据えた人財確保・育成・定着、D&I・人権尊重を推進し、社会共存・共生を図るG(ガバナンス):企業経営の透明性、公平性を継続的に強化し、長期的な企業価値向上を図る (2)マテリアリティ当社グループは、企業活動を通じて重点的に取り組む社会課題を、5つのマテリアリティとして特定しております。 マテリアリティへの取組は、当社グループの成長と社会課題の解決を両立するもので、中長期の経営戦略の基盤となるものです。 マテリアリティ特定に当たり、従前から継続してきた事業やCSR活動を基礎に当社グループの企業理念を踏まえ、社内外のステークホルダーの関心や期待を反映した上で、当社グループが特に重要と考え、今後も取組を続けていく課題を特定しました。 (マテリアリティ特定プロセス) STEP1:課題の特定…マテリアリティ候補の収集・抽出 STEP2:優先順位付け…自社視点および社会視点における重要性評価の実施 STEP3:取締役会における重要性評価の実施 (マテリアリティ・マトリックス) マテリアリティ特定プロセスにおいて、想定される各課題に対する当社における重要度と社内外ステークホルダーにおける重要度をそれぞれ評価しました。 ①豊かな社会の維持・発展に貢献社会インフラを構築するために不可欠で、国民の安全・安心を守る国土強靭化に貢献するセメント製品・サービスの安定供給と、より便利で快適なIoT・ICT社会に必要な高機能品事業(光電子事業、新材料事業)の展開を通して、産業のイノベーションを支え、豊かな社会の維持・発展を目指します。 また、研究開発を継続して行い、製品の安全と品質を高めていきます。 ②地球環境への配慮環境負荷の少ない生産・発電・物流を追求して、地球環境保全を図ります。 「SOCN2050」に基づく取組を推進し、セメント工場における化石エネルギー代替となる廃棄物のエネルギー利用の拡大と、CCUS(注2)に繋がる技術開発を進めるとともに、工場・事業所ではエネルギーの効率的な利用、大気・水・土壌の汚染防止を進めていきます。 また、鉱山周辺での採掘後の鉱山跡地における植林活動を通じた森林復元や、海洋製品事業(魚礁・藻場礁)の展開、遊休粘土鉱山におけるツシマヤマネコ保護活動によって、生物多様性の保全に貢献します。 (注2)CCUS…CO2の回収(Capture)、利用(Utilization)、貯留(Storage)に関わる技術 ③循環型社会への貢献セメント製造を通して、産業廃棄物・一般廃棄物・副産物を安全かつ大量にリサイクルし、循環型社会に貢献します。 また、バイオマス発電事業により、地域の間伐材等を受け入れ、クリーンエネルギー創出と利用に対する役割を担っていきます。 ④人財の育成・活用社員向け研修や、ダイバーシティ推進など諸施策を通して、人財の育成と活用を図ります。 各職場では安全への取組を実施し、人権を尊重し、従業員が心身ともに健康に働けるような環境づくりを推進します。 ⑤ガバナンスの充実企業経営を規律する仕組みであるコーポレートガバナンスの充実により、経営の効率性を向上させるとともに、コンプライアンスを徹底することにより経営の健全性と透明性を確保し、継続的な企業価値の向上を実現させます。 (3)サステナビリティ委員会の設置当社グループの地球環境問題への取組と人権課題への取組を統括する機関として取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、全社の組織を横断して、事業活動と一体化したサステナビリティ推進に取り組んでおります。 同委員会の下に専門部会として、カーボンニュートラル及び環境(生物多様性、大気への排出、排水、廃棄物等)への取組を推進する「カーボンニュートラル・環境部会」と、労働・社会(サプライチェーン等における人権尊重等)への取組を推進する「労働・社会部会」を設置しております。 委員会及び部会は、議事内容を取締役会に定期的に報告し、重要な事項については取締役会に付議することで、取締役会が監督し、経営と一体としてサステナビリティ課題に取り組んでおります。 サステナビリティ委員会 組織図(2026年4月1日時点) (4)気候変動に関する取組(TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示)当社グループは2021年7月に、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同し、当社グループのCO2排出量の大部分を占めるセメント事業を含む全事業における気候変動が及ぼす影響についてシナリオ分析を行いました。 ガバナンス サステナビリティ委員会の下部組織である専門部会「カーボンニュートラル・環境部会」は定期的に開催され、気候変動問題に関する情報の集約、リスクの想定、対応策の立案、社内教育・啓蒙プログラム推進等、年度活動の計画立案及びその進捗管理等を行うと共に、その他の自然資本等に関わる環境課題の解決に向けても当部会を主体に取組を進めております。 カーボンニュートラル・環境部会において審議された重要な事項については取締役会へ報告し、審議されます。 また、カーボンニュートラル・環境部会を運営し、気候変動問題を中心としたサステナビリティ課題に関する事項を専属で司る「サステナビリティ推進室」を2021年4月に設置し、2025年4月1日からは「サステナビリティ推進部」へ改組し体制を強化しております。 戦略 <2030年時点において想定されているリスクと機会の財務インパクトの規模とその影響度分析>当社グループ全事業における気候変動の影響について、2030年を想定し、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などの専門機関が描くシナリオを参考に、分析を行いました。 気候変動がもたらすリスクは、低炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響(物理的リスク)に分けられます。 地球の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5℃以下または4℃上昇するシナリオを想定してシナリオ分析を行い、それぞれのリスクと機会について、影響度が高いと思われる項目を抽出しました。 2030年時点において想定されているリスクと機会の財務インパクトの規模及び影響度は、下記の通り評価しております。 分 類リスク機会1.5℃シナリオ4℃シナリオネガティブポジティブネガティブポジティブ移行リスク政策・規制・炭素税の 引き上げ ・温室効果 ガス排出や 化石エネ ルギーに 関する規制・化石エネルギーの価格 上昇によるコスト増加 ・保有自家発電設備が、 更なる非効率石炭火力 フェードアウト対象と なった場合の、売電 事業の縮小・喪失 ・工場使用電力を自家発電 から外部購入に切り替え た場合の電力コスト 増加 ・石炭代替熱エネルギー (廃プラスチック・ バイオマス燃料)の 更なる利用促進による 廃棄物処理事業の収益 拡大 ・工場跡地等の遊休地を 再生可能エネルギー発電 や植林に活用することに より新たな発想で新規 事業を創出大中中 技術・新技術の 開発・新技術の研究開発費や CN実現のための設備投資 増加による、コスト増加・CO2排出削減技術の向上 に伴う収益獲得(炭酸塩鉱物化、 人工光合成水素製造、 アンモニア・水素利用) ・CO2有効利用技術の進歩 と活用により、新規事業 を創出(メタン、メタノール、 プラスチック素材) ・保有未使用特許を 新たな市場で活用 小大 小 分 類リスク機会1.5℃シナリオ4℃シナリオネガティブポジティブネガティブポジティブ移行リスク市場・ユーザー 行動の変化・混合セメント使用量増加 によるクリンカ生産量 減少 ・炭素排出コストが低い国 からの低価格セメントの 国内への流入 ・海外低炭素型セメントの 国内における普及による セメントシェア圧迫 ・低炭素物流の志向による 物流コスト増加 ・低炭素型セメント、 低炭素型コンクリートの 更なる開発と普及促進による製品差別化に 伴い、低炭素型建設 構造物への採用が進む ことで事業が拡大 ・ヒートアイランド現象 低減効果、燃費向上 効果、耐久性の観点で LCAに優れたコンクリー ト舗装の普及拡大に より、セメント需要が 増加 大 小・リサイ クル市場・廃棄物、副産物の発生 減少による収集競争の 激化に伴う ①廃棄物の品質悪化、 処理費低下 ②副産物の品質悪化、 価格高騰 ・バイオマスエネルギーの 調達競争激化による 価格高騰 ・廃棄物、副産物利用技術 の進歩による受入品目の 増加 ・多様な廃棄物を収集、 前処理可能な設備を 活用した、廃棄物からの 資源抽出、精製、販売等 の新規事業分野の拡大 小小 ・高機能品事業―・気温上昇に伴う生活様式 やワークスタイルの変化 に起因するデータ通信量 増加により、省力デバイ ス需要が高まり、光通信 部品や半導体製造装置 部品の需要増加 中 中 分 類リスク機会1.5℃シナリオ4℃シナリオネガティブポジティブネガティブポジティブ移行リスク評判・ステーク ホルダーの 評価の変化・温室効果ガス排出企業への評価低下による資金調達難等 ・下記により企業評価が 向上し、資金調達や 社員採用に有利に働く ①積極的な気候変動対策 ②CO2利活用分野の 新規技術開発 ③新規事業推進 ④廃棄物、副産物処理の 貢献 中 小物理的リスク 急性的・自然災害 の頻発、 激甚化・大型台風、豪雨等頻発に よる生産拠点、サプライ チェーン寸断による 支障、復旧コスト増加 ・国土強靭化による インフラ整備、構築物の 補修、補強等に伴う セメント関連製品の 需要増加 ・災害廃棄物処理による 社会的価値の向上 中大大小慢性的・平均気温 の上昇、 慢性的な 異常気象 の発生・気温上昇による現場 従業員の健康、安全面 での労働力への悪影響 ・海面上昇を起因とする 高潮による臨海拠点の 浸水被害・省人化(工期短縮、 施工効率化)工法の 需要増加 ・海洋製品の需要拡大、 事業創出による新規 収益源の獲得 大小 炭素税の引き上げや化石エネルギーに関する規制が強化されました。 セメント製造及び自家発電設備で石炭を使用しながら他社石炭火力発電所から発生する石炭灰・石膏をセメント原料とする当社グループにとってコスト増加が想定される一方、石炭に代わる熱エネルギーとして廃プラスチックや木質バイオマスエネルギーの利用を高めることで、リサイクル処理収入による収益拡大と化石エネルギーの代替によるCO2排出量削減が期待できます。 また、CO2の排出削減を推進するためには、研究開発や設備投資によるコストの増加が予想されますが、同時に、技術力向上による新たな事業の創出、収益機会の獲得が期待できます。 低炭素社会への移行に際し、ユーザー行動の変容が想定されますが、製造過程でCO2を発生するセメントを敬遠し需要が減少する可能性がある反面、アスファルト舗装よりもライフサイクルコストに優れ、気温上昇を抑える効果も有するコンクリート舗装の評価の高まり、さらには橋梁や港湾、建築物の建て替えなど国土強靭化やインフラ整備の加速によりセメント需要が増加する可能性が高いと考えられます。 リサイクル市場では、廃棄物・副産物の発生量が減少することが想定され、廃棄物・副産物の調達に影響を及ぼす可能性がある一方で、廃棄物・副産物処理技術の向上に伴い受入れ可能な品目が拡大し、収益の増加が期待できます。 高機能品事業分野では、ライフスタイル、ワーキングスタイルの変革によるデータトラフィックの増大や脱化石エネルギーによる電力の増加に伴う需給逼迫リスクが増大することから、大容量、高速、省電力デバイスのニーズが高まり、光通信部品や半導体製造装置部品の需要増が期待できます。 4℃シナリオの物理的リスクでは、気候変動を原因とする平均気温の上昇や自然災害の頻発・激甚化により、生産部門での労働力への影響や生産拠点やサプライチェーンの被害増加が生じ、コスト増加が見込まれる反面、国土強靭化に資するセメント関連製品や省人化工法等の需要増加が見込まれます。 <2050年カーボンニュートラルへのロードマップ(2050年CNに向けた11のステップ)>セメント産業におけるカーボンニュートラルの達成のためには、化石エネルギー起源CO2を可能な限り削減した上で、排出量の約6割を占める主原料の石灰石由来のプロセス起源CO2(注3)の削減が不可欠です。 当社グループは2050年までに自社の技術革新・事業基盤の革新と共に、国内外のあらゆる削減方策を総動員して組み合わせる「削減ミックス」が重要と考えております。 当社グループが2050年カーボンニュートラルに向けて取り組む11のCO2削減施策を開発段階に応じて3段階に整理し、ロードマップとして策定しました。 本ロードマップは2050年カーボンニュートラルの実現を目的とした国の各政策や、ロードマップ等を参照して策定しております。 (注3)セメントの主原料である石灰石の炭酸カルシウム(CaCO3)がセメントの必須化合物である酸化カル シウム(CaO)に化学変化する過程で発生するCO2 住友大阪セメントグループ 2050年カーボンニュートラルに向けた11のステップ ①化石エネルギー・総エネルギー削減 エネルギー起源CO2の排出量削減に向けて、セメント工場での原料ミル最新鋭化等の省エネルギー・高効率な設備導入を進めます。 当社グループの化石エネルギー代替率は業界トップクラスであり、エネルギー原単位についてもトップクラスの効率を達成しております。 ②バイオマス・廃棄物エネルギー利用 セメント工場で、リサイクル処理・受入設備の投資を行い、バイオマス・廃棄物エネルギー(廃プラスチック、廃タイヤ、廃油等)の利用を増やし、化石エネルギー代替を進めます。 栃木工場と岐阜工場においては2023年度で代替率60%を超えており、業界トップクラスに位置しております。 ③電力削減・クリーン化 セメント工場で使用する電力は約80%を自家発電設備により供給しておりますが、バイオマス等非化石エネルギーの最大化を図ります。 栃木工場のバイオマス発電所では、石炭レス発電を可能としていることに加え、このクリーン電力により、本社オフィス使用電力は実質カーボンニュートラルとなっております。 ④クリンカ比率低減によるセメント低炭素化 セメント中の少量混合成分の上限を5%から10%に上げて、クリンカ比率低減を図る為にセメント業界を挙げてJIS改正を行い、セメントの低炭素化に取り組んでおります。 また高炉スラグの分量増加等、混合セメントの利用拡大を進めていきます。 ⑤カルシウム(Ca)含有廃棄物原料化による脱炭酸削減 一般焼却灰、廃コンクリート、廃石膏ボード等のCa含有廃棄物を収集し、「CO2を排出しないCa原料」として利用することで、天然石灰石の使用量を減らします。 ⑥人工石灰石の製造・利用によるCCU(注4) 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金での採択事業「多様なカルシウム源を用いた炭酸塩化技術の確立」では、下記図のように、カルシウム(Ca)含有廃棄物からカルシウム(Ca)を抽出し、セメント焼成で発生するCO2と再結合させる「CaとCO2のデュアル・リサイクル技術」で人工石灰石(CaCO3)を生成するCCUを実現する研究開発を推進しております。 (2030年までに総事業費73億円の研究開発プロジェクト) ―本技術は、セメント工場が排出するCO2を「削減」するのみならず、人工石灰石中にCO2を「固定化」する鉱物固定技術です。 CO2の鉱物固定は水素の技術の成熟を待たずに社会実装可能な技術として世界的にも注目を浴びており、中でも当社の人工石灰石製造技術は国内外から高い評価を得ております。 今後は人工石灰石の量産化に向けた知見の獲得を目的に、栃木工場敷地内に設置した人工石灰石のパイロットスケール試験製造設備(2025年4月稼働開始)において、効率的な運転方法の確立と各種実証試験を進めると共に、建設GX分野のみならず、製紙、樹脂、ゴムなどの非建設GX分野における利活用を目指し、原料利用の研究と社会実装に向けた事業性評価を開始しております。 (注4)CCU…Carbon dioxide Capture and Utilization=二酸化炭素の分離回収と有効利用⑦カーボンリサイクルセメント(CRC)の製造 上記⑥で製造した人工石灰石を使用したCRCを製造し、ゼネコンや二次製品メーカーに販売していきます。 2025年の大阪・関西万博においては、住友館の建築物や物品の一部に、当社のCRCが使用されました。 ⑧CO2利用革新技術による新規事業 環境解決企業として、CO2を資源と捉えて最大限に利用する新規事業化に取り組んでおります。 バイオマス発電所の排ガス中のCO2を農林業へ利用する取組や、藻場増殖礁を進化させ、急速に注目を集めるブルーカーボンによるCO2固定も検討し、多様な新事業を創出していきます。 ⑨水素・アンモニア・合成メタンの活用 2030年代後半以降の実用化を目指し、セメントキルンの燃焼に化石エネルギーと水素・アンモニアの混焼を用いる焼成技術の開発の検討を進めます。 また、セメント工場の排ガスからCO2を分離回収して製造した合成メタンを燃料として活用する方法も研究していきます。 ⑩CCS(注5) CCUで有効利用できないCO2は地中に貯留(CCS)する必要がありますが、設備規模、コストなどにおいて課題があります。 現在各地で検討が進んでおり、国内法も整備され始めております。 サプライチェーンの構築が必要となる為、パートナーと協働検討を始めております。 (注5)CCS…Carbon dioxide Capture and Storage=二酸化炭素回収・貯留技術 ⑪コンクリート供用中のCO2吸収(国際的コンセンサス) コンクリートやセメント製品はCO2を鉱物固定するCaなどが豊富に含まれ、大気中のCO2の鉱物固定源として有望です。 国際的にコンクリート構造物が供用期間中を通じて大気中のCO2を吸収・固定化する検討が進んでおります。 当社は通常のセメントの2倍以上の大気中CO2吸収固定速度を持つNETs(注6)技術実装製品の開発・試験施工に成功し、実用化の目途を付けました。 今後は定量的な評価方法のコンセンサスを得ることで、CO2排出量をオフセットする可能性を検討しております。 (注6)NETs…Negative Emission Technologies =大気中のCO2を回収・吸収し,貯留・固定化することで大気中のCO2除去に資する技術 リスク管理 当社グループは、サステナビリティ推進部を事務局とする「サステナビリティ委員会カーボンニュートラル・環境部会」においてCO2排出量削減の計画立案、進捗管理をグループ横断的に行っております。 当社グループの事業が気候変動によって受ける影響を識別・評価するため、気候変動のリスクと機会を抽出、分析し、必要に応じてサステナビリティ委員会カーボンニュートラル・環境部会や取締役会を通じて適切に対処します。 指標及び目標 当社グループは企業活動を通じて重点的に取り組む社会課題であるマテリアリティ(重要課題)の一つとして「地球環境への配慮」を掲げ、リサイクルによるエネルギー代替の推進やバイオマス発電の活用など地球温暖化防止に取り組んできました。 また、2020年12月には、2050年カーボンニュートラルへ向けた長期ビジョン「SOCN2050」を策定し、2050年までのあらゆる方策を通じて、当社グループの企業活動をカーボンニュートラルにすることに挑戦するとともに、サプライチェーンを通じて社会全体の脱炭素化への貢献をするための取組を進めております。 <2030年度のCO2排出削減目標> 当社グループのセメント工場は、これまで培ったリサイクル利用技術やその調達の最適化により国内トップクラスの化石エネルギー代替率及びリサイクル品使用原単位を実現しております。 加えて、国内外の先端省エネルギー基幹設備やバイオマス自家発電設備をいち早く導入するなど、セメント製造に係る温室効果ガス排出の削減に積極的に取り組んできました。 ・セメント製造に関わる2030年度エネルギー起源CO2排出原単位を2005年度比30%削減(排出量では45%削減相当)①リサイクル品の更なる利用拡大により化石エネルギー代替率トップクラスの堅持 目標:化石エネルギー代替率全社平均50%以上へ (当社グループ5工場8キルンのうち4キルンで化石エネルギー代替率80%超)②熱効率向上・電力消費の最小化により電気エネルギー削減(原料粉砕工程の最新鋭化)③自家発電で使用する化石エネルギー削減(木質チップなどバイオマス燃料増量) ・目標に対する進捗 (単位:kg-CO2/t-セメント)セメント製造に関わるエネルギー起源CO2排出原単位実績目標2005年度2024年度2030年度316263220 (単位:%)化石エネルギー代替率(全社平均)実績目標2005年度2024年度2030年度174350 <温室効果ガス排出実績(2024年度)> ・Scope1+2 ・Scope3 (5)人的資本経営に関する取組当社グループは、社員が安心して働くことができるように、安全・健康で働きやすい快適な職場環境づくりに努めております。 また社員一人ひとりが長きにわたりいきいきと働ける組織・職場づくりを目指し、能力や適性を活かして社会に貢献できる人財の育成と、活力ある会社づくりを目指しております。 ガバナンス サステナビリティ委員会の下部組織である専門部会「労働・社会部会」は定期的に開催され、労働・社会(サプライチェーン等における人権尊重等)への取組推進、情報集約、リスク想定と対応、社内教育・啓蒙、年度活動計画と進捗管理を行っております。 労働・社会部会において審議された重要な事項については取締役会へ報告し、審議しております。 また、取締役会の監督のもと、「人員計画」や「従業員エンゲージメントスコア」などの人的資本関連の状況を定期的にモニタリングし、継続的な価値向上に努めております。 なお、当社は、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項として、「取締役に対する株式報酬制度の一部改定の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、代表取締役を含む社内取締役・執行役員に対して、エンゲージメントスコアや女性管理職比率等、ESGに関する経営目標値を組み入れた長期インセンティブを報酬として導入することとなります。 戦略 ①人財基本方針 当社グループは、住友の事業精神に則り、企業の競争力の大きな源泉である「人財」を最重要の資本と捉えています。 2024年度に成長エンジンである人財の可能性を最大限に引き出し、企業価値を向上させるためのポリシーを明確化させるため、「人財基本方針」を策定しました。 「人財基本方針」は、当社グループの企業理念・行動指針を踏まえた、人財に対する考え方の中核をなす概念です。 社員一人ひとりを大切にする原則のもと、当社が求める社員像と社員への約束の原則をうたったもので、この方針をベースに当社の人事施策が実行され、個々の成長と当社の発展を目指します。 人財基本方針に基づく「求める社員像」は、「SOC Vision2035」の実現に向けた経営戦略と直接的に紐づいており、以下の3つのキーワードで定義しております。 求める社員像会社からの約束チェンジ&チャレンジ現状に満足せず、変化を楽しみ、新しい発想・推進力を持った人・変化の激しい時代において、前例にとらわれず柔軟な発想で、変革に前向きに挑戦し続ける人・新たな挑戦に、誠実さ、実直さを持ちながらリーダーシップを発揮する人変革に挑む社員を支援し、挑戦する姿勢を評価します。 ・変革に向け自律的に考え行動する社員に対し、挑戦できる機会・職場環境を提供します。 ・一歩踏み出す勇気と挑戦する姿勢を称賛し、評価します。 チームワーク互いを認め合い高め合いながら、組織とともに成長し続ける人・全ての人を尊重し、目標を達成する為に互いに高め合いながら、自らの成長を通じて組織の成長に貢献する人・様々な立場・役割の人と協働することで個人では成しえない価値を創造する人多様な人々が自身の力を発揮する為、互いを尊重し支援し合える会社を目指します。 ・自由に考えを発信し、仲間の意見を受け止め、明るく建設的な議論ができる心理的安全性の高い環境を提供します。 ・知識や技術を伝え合い与え合う風土を醸成するため、仲間を積極的に支援する社員を評価します。 プロフェッショナル自身の役割に誇りと情熱を抱き、自らを磨く向上心を持つ人・社会からの期待に応えるために知恵・技術・心を磨き、周囲と切磋琢磨する人・自ら高い目標を設定し、最後までやり遂げる人自ら学ぶことを応援し、成長の機会を提供することで、プロフェッショナル人財を育成します。 ・全ての社員の成長を促すため、様々な教育機会・経験機会の場を提供します。 ・自ら積極的に学び成長し、成果をあげる社員を評価します。 ②経営戦略と人財戦略の連動 当社グループは、中長期ビジョン「SOC Vision2035」のもと、カーボンニュートラルの実現(SOCN2050)、高機能品事業の拡大、新規事業立ち上げ(カーボンビジネス)、海外事業展開を通じた事業拡大及び事業ポートフォリオ変革を目指しております。 これらの経営戦略の実現には、各分野における「高度専門人財」及び製造現場を支える「技能職人財」の確保・育成・定着が不可欠であると認識しております。 事業環境が急速に変化する中、各分野の専門人財及び技能職人財を獲得・定着させられない場合、事業拡大の遅延や競争力低下を招く重大なリスクがあると認識する一方で、優秀な新規人財の獲得や積極的な人的資本投資による従業員エンゲージメント向上など、人的資本の質と量を高めることができれば、「SOC Vision2035」で掲げる事業ポートフォリオ変革と企業価値創造を加速させる強力な機会となります。 こうしたリスクと機会を踏まえた人財戦略として、当社グループは人事制度の改定やベースアップ等をはじめとした諸施策を実行しており、社員の処遇改善による就労意欲の向上や採用競争力の強化、新卒・キャリア採用の拡大、教育研修の拡充などを通じた企業価値の向上に取り組んでおります。 ③人財の育成及び社内環境整備に関する方針1)人財の育成・ダイバーシティの推進当社はものづくりだけでなく、成長エンジンとなる人財の育成に積極的に投資を行っております。 研修をはじめとした様々な教育・経験の機会を提供し、環境解決企業の一員として事業の発展に持続的に貢献していく市場価値の高いプロフェッショナル人財の育成と、チームワークで互いの得意分野の知識や技能を認め合い、伝え合い、与え合う風土を高めていくことが当社の目指す人財育成です。 階層別研修をはじめとする各種研修・支援制度を通じて、能力や適性を生かし、リーダーシップを発揮する社員の育成を図っております。 人財育成においては、特に「若手社員育成」「マネージャー育成」「次世代リーダー育成」「デジタル人財育成」の4領域を重点育成分野と定めており、各教育研修の機会の拡充を図っております。 なお、自己啓発支援として公的資格取得報奨金制度・通信教育講座補助・通学講座補助を整備し、社員の自律的なキャリア形成をしております。 また、多様な人財がいきいきと働ける企業を目指し、女性の積極採用並びに活躍の場の拡充に加え、育児・介護などとの仕事の両立支援に関する諸制度の拡充など様々な取組を行っております。 障がい者雇用にも積極的に取り組み、定着に向けた取組を進めています。 加えて、定年退職者を知識・技能経験を保有した貴重な人財と位置づけ、若年世代への着実な技術継承を行う為、希望者全員が65歳まで更新できる再雇用制度を導入しております。 キャリアを振り返り、自身の強みを活かした新たな役割を創造するため、57歳と59歳、定年後の60歳にキャリア研修を実施しております。 2)健康経営(well-being)への取組社員の健康保持増進に取り組むため、健康宣言「住友大阪セメントグループは、すべての社員がノビノビ・イキイキと心身ともに健康で、元気よく働くことができる、活気あふれる会社を目指します。 」を制定し、2022年度の初回認定以降、健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を継続して取得しております。 (健康経営優良法人2026(大規模法人部門)の認定を取得)男女とも仕事と生活を両立させながら意欲高く働き続けられる職場環境づくりを推進するため、法定を上回る育児・介護休業制度及び短時間勤務制度の整備や、一事業年度のうち、年次有給休暇取得奨励日を計画的に配置する事で年次有給休暇取得率の向上を図っております。 また、テレワーク制度・フレックス制度を整備することで、社員の多様で柔軟な働き方を実現しております。 健康に関する施策として女性特有の健康課題や運動機会増進・コミュニケーション活性化等を主軸として多様な取組を進めており、今後も明確な目標設定と具体的な取組を実施しながらPDCAサイクルを繰り返し、社員の健康増進に向けて取り組んでまいります。 3)安全衛生への取組社員の安全衛生は企業存立の基盤をなすものであり、安全衛生の確保は企業として重要な責務であると考えております。 当社グループは安全に厳しい企業として、災害ゼロを目指しており、職場単位の安全教育や、階層別安全教育、安全体感装置を用いた安全体感教育等を通じ、「安全に厳しい風土づくり」の醸成に努めております。 また、当社グループでは、全社の安全衛生・保安対策本部を設置し、事務局を中心とした定期的な連絡会の実施等、安全に対する一層の取組強化を行っております。 不安全行動と不安全状態の解消を徹底し、安全衛生水準の更なる向上と快適な作業環境の形成を図ります。 4)人権への取組住友大阪セメントグループは、住友の事業精神と当社グループの企業理念に基づき、高い社会規範の意識と企業倫理を持って事業活動を行うことを基本としており、人権尊重が経営の根幹であり、最も重要な課題の一つと認識し、サステナビリティ委員会 労働・社会部会と取締役会の審議を経て2023年8月に「住友大阪セメントグループ人権方針」を策定しました。 この人権方針の理解浸透を図るため、毎年12月の国際人権デーに合わせ、全社員を対象としてビジネスと人権に関するセミナーを実施しています。 また、リスクの洗い出しとマッピング実施により、当社の課題抽出を行い、重点課題への活動を継続していきます。 今後、当社グループ及びサプライチェーン全体で人権デュー・ディリジェンスを進めるなど、人権尊重のための継続的な取組をグループ全体で推進していきます。 5)従業員エンゲージメント向上の取組社員のエンゲージメントが高まることにより、人財の定着や生産性の向上につながることが期待されます。 当社では、2024年度に初めて「エンゲージメント調査」を実施しました。 調査の結果、総合共感度は64.78(2024年度の同一調査企業全体の平均値は63.9、うち製造業平均値は63.4)と良好な数値であり、「経営・職場ビジョンへの賛同」、「職場の目標達成への貢献」、「職場メンバーからの学習意欲」、「社会的倫理観に基づく行動・コンプライアンス遵守」への共感度が高いことが当社の強みです。 一方、「職務を通じたキャリアビジョン実現」、「会社への所属感や上司からメンバーへの動機付け」、「人事制度(給与、昇進昇格評価基準、勤務ロケーションなど)」が当社の課題であることが明らかとなりました。 これらの課題への対策として、役職者を対象とした「人財マネジメント研修」や2026年4月の人事制度改定等、エンゲージメント向上の施策に取り組んでおります。 2026年度以降も継続的に調査を実施し、調査結果の分析と各組織へフィードバックなどを通じて全社及び各組織における改善に向けた取組につなげていく予定です。 今後も従業員エンゲージメントの向上に向けて、課題発見、対策立案、実行、モニタリング、対策の見直しのサイクルを着実かつスピード感をもって循環させ改善を図っていきます。 ④従業員給与等の決定方針当社における従業員給与等の決定は、上記の人財戦略と一体的に設計されており、「SOC Vision2035の実現に必要な人財を確保・定着・動機付けすること」を基本的な考え方として、「チェンジ&チャレンジ」「チームワーク」「プロフェッショナル」という求める社員像の実践に向けて、短期・中期・長期それぞれの時間軸で社員の動機付けと生活安定を支える設計となっております。 1)給与水準の基本方針同業・同規模企業との比較を踏まえた競争力ある給与水準を維持することで、優秀な人財の採用力と社員の定着率を確保しております。 特に採用競争が激しい理工系専門人財獲得のため、労働市場の動向を継続的にモニタリングし、適切な水準の維持に努めております。 賃上げについては、物価上昇への対応と社員の生活水準維持・向上に加え、採用市場における給与競争力の確保を重要な観点として位置づけております。 2023年度以降、世間水準に見合うベースアップを実施しており、社員の実質的な所得向上と採用競争力の強化を両立しております。 今後も経営目標の達成状況と社会水準の動向を踏まえながら、持続的な賃上げを通じて人財への投資姿勢を継続的に示してまいります。 また、採用競争力の観点から初任給水準についても適宜見直しを実施し、採用力の強化を図っております。 2)給与等の決定方法当社は、金銭報酬(基本給・賞与・諸手当)、資産形成支援(持株会・株式報酬・確定給付企業年金・確定拠出企業年金)、福利厚生を体系的に組み合わせた処遇制度を設計し、社員の採用・定着・動機付けを総合的に支えております。 リスク管理 当社グループは、人事部を事務局とする「サステナビリティ委員会労働・社会部会」及び「安全衛生・保安対策本部」において、人的資本に関する重点課題対策の計画立案、進捗管理をグループ横断的に行っております。 当社グループの事業が人的資本によって受ける影響を識別・評価するため、人的資本に関するリスクと機会を抽出、分析し、必要に応じてサステナビリティ委員会労働・社会部会、安全衛生・保安対策本部や取締役会を通じて適切に対処します。 詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4)安全衛生・感染症リスク、(5)人権・ハラスメントリスク、(6)人財確保リスク」をご参照ください。 指標及び目標 人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。 なお、当社グループでは、当該指標については、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。 このため、上記の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。 |
| 戦略 | 戦略 <2030年時点において想定されているリスクと機会の財務インパクトの規模とその影響度分析>当社グループ全事業における気候変動の影響について、2030年を想定し、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などの専門機関が描くシナリオを参考に、分析を行いました。 気候変動がもたらすリスクは、低炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響(物理的リスク)に分けられます。 地球の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5℃以下または4℃上昇するシナリオを想定してシナリオ分析を行い、それぞれのリスクと機会について、影響度が高いと思われる項目を抽出しました。 2030年時点において想定されているリスクと機会の財務インパクトの規模及び影響度は、下記の通り評価しております。 分 類リスク機会1.5℃シナリオ4℃シナリオネガティブポジティブネガティブポジティブ移行リスク政策・規制・炭素税の 引き上げ ・温室効果 ガス排出や 化石エネ ルギーに 関する規制・化石エネルギーの価格 上昇によるコスト増加 ・保有自家発電設備が、 更なる非効率石炭火力 フェードアウト対象と なった場合の、売電 事業の縮小・喪失 ・工場使用電力を自家発電 から外部購入に切り替え た場合の電力コスト 増加 ・石炭代替熱エネルギー (廃プラスチック・ バイオマス燃料)の 更なる利用促進による 廃棄物処理事業の収益 拡大 ・工場跡地等の遊休地を 再生可能エネルギー発電 や植林に活用することに より新たな発想で新規 事業を創出大中中 技術・新技術の 開発・新技術の研究開発費や CN実現のための設備投資 増加による、コスト増加・CO2排出削減技術の向上 に伴う収益獲得(炭酸塩鉱物化、 人工光合成水素製造、 アンモニア・水素利用) ・CO2有効利用技術の進歩 と活用により、新規事業 を創出(メタン、メタノール、 プラスチック素材) ・保有未使用特許を 新たな市場で活用 小大 小 分 類リスク機会1.5℃シナリオ4℃シナリオネガティブポジティブネガティブポジティブ移行リスク市場・ユーザー 行動の変化・混合セメント使用量増加 によるクリンカ生産量 減少 ・炭素排出コストが低い国 からの低価格セメントの 国内への流入 ・海外低炭素型セメントの 国内における普及による セメントシェア圧迫 ・低炭素物流の志向による 物流コスト増加 ・低炭素型セメント、 低炭素型コンクリートの 更なる開発と普及促進による製品差別化に 伴い、低炭素型建設 構造物への採用が進む ことで事業が拡大 ・ヒートアイランド現象 低減効果、燃費向上 効果、耐久性の観点で LCAに優れたコンクリー ト舗装の普及拡大に より、セメント需要が 増加 大 小・リサイ クル市場・廃棄物、副産物の発生 減少による収集競争の 激化に伴う ①廃棄物の品質悪化、 処理費低下 ②副産物の品質悪化、 価格高騰 ・バイオマスエネルギーの 調達競争激化による 価格高騰 ・廃棄物、副産物利用技術 の進歩による受入品目の 増加 ・多様な廃棄物を収集、 前処理可能な設備を 活用した、廃棄物からの 資源抽出、精製、販売等 の新規事業分野の拡大 小小 ・高機能品事業―・気温上昇に伴う生活様式 やワークスタイルの変化 に起因するデータ通信量 増加により、省力デバイ ス需要が高まり、光通信 部品や半導体製造装置 部品の需要増加 中 中 分 類リスク機会1.5℃シナリオ4℃シナリオネガティブポジティブネガティブポジティブ移行リスク評判・ステーク ホルダーの 評価の変化・温室効果ガス排出企業への評価低下による資金調達難等 ・下記により企業評価が 向上し、資金調達や 社員採用に有利に働く ①積極的な気候変動対策 ②CO2利活用分野の 新規技術開発 ③新規事業推進 ④廃棄物、副産物処理の 貢献 中 小物理的リスク 急性的・自然災害 の頻発、 激甚化・大型台風、豪雨等頻発に よる生産拠点、サプライ チェーン寸断による 支障、復旧コスト増加 ・国土強靭化による インフラ整備、構築物の 補修、補強等に伴う セメント関連製品の 需要増加 ・災害廃棄物処理による 社会的価値の向上 中大大小慢性的・平均気温 の上昇、 慢性的な 異常気象 の発生・気温上昇による現場 従業員の健康、安全面 での労働力への悪影響 ・海面上昇を起因とする 高潮による臨海拠点の 浸水被害・省人化(工期短縮、 施工効率化)工法の 需要増加 ・海洋製品の需要拡大、 事業創出による新規 収益源の獲得 大小 炭素税の引き上げや化石エネルギーに関する規制が強化されました。 セメント製造及び自家発電設備で石炭を使用しながら他社石炭火力発電所から発生する石炭灰・石膏をセメント原料とする当社グループにとってコスト増加が想定される一方、石炭に代わる熱エネルギーとして廃プラスチックや木質バイオマスエネルギーの利用を高めることで、リサイクル処理収入による収益拡大と化石エネルギーの代替によるCO2排出量削減が期待できます。 また、CO2の排出削減を推進するためには、研究開発や設備投資によるコストの増加が予想されますが、同時に、技術力向上による新たな事業の創出、収益機会の獲得が期待できます。 低炭素社会への移行に際し、ユーザー行動の変容が想定されますが、製造過程でCO2を発生するセメントを敬遠し需要が減少する可能性がある反面、アスファルト舗装よりもライフサイクルコストに優れ、気温上昇を抑える効果も有するコンクリート舗装の評価の高まり、さらには橋梁や港湾、建築物の建て替えなど国土強靭化やインフラ整備の加速によりセメント需要が増加する可能性が高いと考えられます。 リサイクル市場では、廃棄物・副産物の発生量が減少することが想定され、廃棄物・副産物の調達に影響を及ぼす可能性がある一方で、廃棄物・副産物処理技術の向上に伴い受入れ可能な品目が拡大し、収益の増加が期待できます。 高機能品事業分野では、ライフスタイル、ワーキングスタイルの変革によるデータトラフィックの増大や脱化石エネルギーによる電力の増加に伴う需給逼迫リスクが増大することから、大容量、高速、省電力デバイスのニーズが高まり、光通信部品や半導体製造装置部品の需要増が期待できます。 4℃シナリオの物理的リスクでは、気候変動を原因とする平均気温の上昇や自然災害の頻発・激甚化により、生産部門での労働力への影響や生産拠点やサプライチェーンの被害増加が生じ、コスト増加が見込まれる反面、国土強靭化に資するセメント関連製品や省人化工法等の需要増加が見込まれます。 <2050年カーボンニュートラルへのロードマップ(2050年CNに向けた11のステップ)>セメント産業におけるカーボンニュートラルの達成のためには、化石エネルギー起源CO2を可能な限り削減した上で、排出量の約6割を占める主原料の石灰石由来のプロセス起源CO2(注3)の削減が不可欠です。 当社グループは2050年までに自社の技術革新・事業基盤の革新と共に、国内外のあらゆる削減方策を総動員して組み合わせる「削減ミックス」が重要と考えております。 当社グループが2050年カーボンニュートラルに向けて取り組む11のCO2削減施策を開発段階に応じて3段階に整理し、ロードマップとして策定しました。 本ロードマップは2050年カーボンニュートラルの実現を目的とした国の各政策や、ロードマップ等を参照して策定しております。 (注3)セメントの主原料である石灰石の炭酸カルシウム(CaCO3)がセメントの必須化合物である酸化カル シウム(CaO)に化学変化する過程で発生するCO2 住友大阪セメントグループ 2050年カーボンニュートラルに向けた11のステップ ①化石エネルギー・総エネルギー削減 エネルギー起源CO2の排出量削減に向けて、セメント工場での原料ミル最新鋭化等の省エネルギー・高効率な設備導入を進めます。 当社グループの化石エネルギー代替率は業界トップクラスであり、エネルギー原単位についてもトップクラスの効率を達成しております。 ②バイオマス・廃棄物エネルギー利用 セメント工場で、リサイクル処理・受入設備の投資を行い、バイオマス・廃棄物エネルギー(廃プラスチック、廃タイヤ、廃油等)の利用を増やし、化石エネルギー代替を進めます。 栃木工場と岐阜工場においては2023年度で代替率60%を超えており、業界トップクラスに位置しております。 ③電力削減・クリーン化 セメント工場で使用する電力は約80%を自家発電設備により供給しておりますが、バイオマス等非化石エネルギーの最大化を図ります。 栃木工場のバイオマス発電所では、石炭レス発電を可能としていることに加え、このクリーン電力により、本社オフィス使用電力は実質カーボンニュートラルとなっております。 ④クリンカ比率低減によるセメント低炭素化 セメント中の少量混合成分の上限を5%から10%に上げて、クリンカ比率低減を図る為にセメント業界を挙げてJIS改正を行い、セメントの低炭素化に取り組んでおります。 また高炉スラグの分量増加等、混合セメントの利用拡大を進めていきます。 ⑤カルシウム(Ca)含有廃棄物原料化による脱炭酸削減 一般焼却灰、廃コンクリート、廃石膏ボード等のCa含有廃棄物を収集し、「CO2を排出しないCa原料」として利用することで、天然石灰石の使用量を減らします。 ⑥人工石灰石の製造・利用によるCCU(注4) 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金での採択事業「多様なカルシウム源を用いた炭酸塩化技術の確立」では、下記図のように、カルシウム(Ca)含有廃棄物からカルシウム(Ca)を抽出し、セメント焼成で発生するCO2と再結合させる「CaとCO2のデュアル・リサイクル技術」で人工石灰石(CaCO3)を生成するCCUを実現する研究開発を推進しております。 (2030年までに総事業費73億円の研究開発プロジェクト) ―本技術は、セメント工場が排出するCO2を「削減」するのみならず、人工石灰石中にCO2を「固定化」する鉱物固定技術です。 CO2の鉱物固定は水素の技術の成熟を待たずに社会実装可能な技術として世界的にも注目を浴びており、中でも当社の人工石灰石製造技術は国内外から高い評価を得ております。 今後は人工石灰石の量産化に向けた知見の獲得を目的に、栃木工場敷地内に設置した人工石灰石のパイロットスケール試験製造設備(2025年4月稼働開始)において、効率的な運転方法の確立と各種実証試験を進めると共に、建設GX分野のみならず、製紙、樹脂、ゴムなどの非建設GX分野における利活用を目指し、原料利用の研究と社会実装に向けた事業性評価を開始しております。 (注4)CCU…Carbon dioxide Capture and Utilization=二酸化炭素の分離回収と有効利用⑦カーボンリサイクルセメント(CRC)の製造 上記⑥で製造した人工石灰石を使用したCRCを製造し、ゼネコンや二次製品メーカーに販売していきます。 2025年の大阪・関西万博においては、住友館の建築物や物品の一部に、当社のCRCが使用されました。 ⑧CO2利用革新技術による新規事業 環境解決企業として、CO2を資源と捉えて最大限に利用する新規事業化に取り組んでおります。 バイオマス発電所の排ガス中のCO2を農林業へ利用する取組や、藻場増殖礁を進化させ、急速に注目を集めるブルーカーボンによるCO2固定も検討し、多様な新事業を創出していきます。 ⑨水素・アンモニア・合成メタンの活用 2030年代後半以降の実用化を目指し、セメントキルンの燃焼に化石エネルギーと水素・アンモニアの混焼を用いる焼成技術の開発の検討を進めます。 また、セメント工場の排ガスからCO2を分離回収して製造した合成メタンを燃料として活用する方法も研究していきます。 ⑩CCS(注5) CCUで有効利用できないCO2は地中に貯留(CCS)する必要がありますが、設備規模、コストなどにおいて課題があります。 現在各地で検討が進んでおり、国内法も整備され始めております。 サプライチェーンの構築が必要となる為、パートナーと協働検討を始めております。 (注5)CCS…Carbon dioxide Capture and Storage=二酸化炭素回収・貯留技術 ⑪コンクリート供用中のCO2吸収(国際的コンセンサス) コンクリートやセメント製品はCO2を鉱物固定するCaなどが豊富に含まれ、大気中のCO2の鉱物固定源として有望です。 国際的にコンクリート構造物が供用期間中を通じて大気中のCO2を吸収・固定化する検討が進んでおります。 当社は通常のセメントの2倍以上の大気中CO2吸収固定速度を持つNETs(注6)技術実装製品の開発・試験施工に成功し、実用化の目途を付けました。 今後は定量的な評価方法のコンセンサスを得ることで、CO2排出量をオフセットする可能性を検討しております。 (注6)NETs…Negative Emission Technologies =大気中のCO2を回収・吸収し,貯留・固定化することで大気中のCO2除去に資する技術 |
| 事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、当連結会計年度において、事業を取り巻くリスク環境が変化していること、また当社グループの中長期ビジョン「SOC Vision2035」に対応したリスクマネジメントにするために、事業等のリスクの見直しをしております。 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)市場リスク ①セメント国内需要の減少リスク セメントの国内需要は、わが国の公共投資や民間設備投資等の動向に強く影響を受けるため、国内の公共投資や民間設備投資が急激に減少した場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、セメントは欠かすことができないものであり、中長期的には一定規模以上の需要は安定的に確保されることが予想され、また当面の国内需要の減少を見据え、効率的な生産・物流体制の見直しを行うとともに、さまざまなコスト削減や販売価格の改善にも取り組んでおります。 ②原材料の価格高騰リスク 主力事業であるセメント事業では、石灰石、粘土、石炭等さまざまな原材料を使用しているため、原材料の価格高騰はセメント製造コストの増加を招き、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、石灰石は当社グループの自社鉱山があるため、長期にわたって安定供給することができる体制が整っている一方、石炭は国際情勢の悪化等に伴う価格高騰や供給トラブルを招く可能性があるため、カーボンニュートラルへ向け石炭使用量削減を進めるとともに、地政学リスク低減に向けた分散調達を実施し、石炭価格上昇によるコスト増加分は販売価格への転嫁に努め、業績への影響の軽減を図っております。 ③高機能品事業(光電子事業、新材料事業)の市場変化に対するリスク 高機能品事業は、半導体製造装置用部品や光関連製品など電子デバイス関連製品が多く、市場における急速な技術革新や技術標準の進展、顧客所要の変化を受けるため、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、競争の激しい市場での厳しい要求に応えるべく、経営資源を投入し継続的に研究開発や改良に取り組んでおります。 ④固定資産の減損リスク 固定資産減損会計の適用に伴い、固定資産が収益性の低下や市場価値の下落により投資額の回収が見込めないと判断された場合、将来の収益計画等に関する予測に基づき、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する固定資産の減損処理が必要となります。 事業環境の変化等により、割引前将来キャッシュ・フローが資産グループの帳簿価額を下回ることで減損損失が発生した場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 (2)地球温暖化・カーボンニュートラルリスク 当社グループは、高レベルの資源・エネルギー効率でセメントを生産しておりますが、今後CO2の排出や化石燃料の利用に対する新たな規制等が導入された場合には、セメント事業を中心に事業活動が制約を受けコストが増加するなど、当社グループに重要な影響を受ける可能性があります。 そのため、2026年に改訂・公表した2050年カーボンニュートラルへ向けた長期ビジョン“SOCN2050”Version2.0に基づき、CO2排出削減への取組を進めております。 (3)自然災害リスク セメント工場は大型設備を有しているため、自然災害など予期せぬ事態により工場操業に支障をきたした場合、復旧するための時間やコストを浪費するなど、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、定期的な設備点検や災害防止パトロールを行い、生産計画に基づいた安定操業を図るべく万全の配慮を払い、また工場操業に支障をきたす事態が発生した場合でも、BCP(事業継続計画)を策定・運用していることで、操業リスクを最小限に抑制する施策を講じております。 なお、工場で操業に支障をきたす事態が発生した場合でも、セメント工場間の操業振替や業務提携先からの仕入等により、取引先に対するセメント供給は安定して行うことが可能であります。 (4)安全衛生・感染症リスク 当社グループは多くの操業要員によって製品を製造しているため、労働災害や感染症により操業要員を確保できない場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、安全に厳しい企業として災害ゼロを目指し、「安全に厳しい風土づくり」を醸成すべく、各種安全教育の実施や全社の安全衛生・保安対策本部での定期的な連絡会の実施等、安全に対する一層の取組強化を行っております。 また、感染症に対しては、罹患者が発生した場合の感染拡大を防止する施策として、当社策定の対応基本マニュアルを運用しております。 (5)人権・ハラスメントリスク 住友の事業精神と当社グループの企業理念に基づき、高い社会規範の意識と企業倫理を持って事業活動を行うことを基本としておりますが、事業活動を通じて直接・間接的に人権問題が発生した場合、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、人権尊重に対するコミットメント遵守のために、住友大阪セメントグループ人権方針を策定し、人権リスク評価マップによる重点課題への対応や人権デュー・ディリジェンス、役員や従業員対象の人権セミナーの実施などを通じて、私たちが事業活動において人権を侵害することがないよう取り組んでおります。 (6)人財確保リスク セメント事業を始め高機能品事業などさまざまな事業活動を永続的に行うためには、労働力の確保として優秀な人財を採用し雇用を維持する必要がありますが、採用人数が充足できない場合や優秀な人財の流出が発生した場合、当社グループは「SOC Vision2035」で掲げる事業ポートフォリオ変革や事業拡大が達成できない等の重要な影響を及ぼす可能性があります。 そのため、労働環境や労働条件を整備するなど魅力ある企業づくりを推進し、また多様な人財がいきいきと働ける企業を目指し、女性の積極採用並びに活躍の場の拡充、育児・介護などと仕事の両立支援に関する諸制度の充実に向けた取組も行っております。 (7)DXリスク 当社グループの事業環境は、デジタル技術の進化や市場環境の不確実性の高まり等により急速に変化しており、これらの環境変化に対応したDXへの取組が十分に進展しない場合、環境変化への適応が遅れ、リスクが顕在化する可能性があります。 具体的には、当社のDXへの取組が遅延し、他社がデジタル技術の活用による生産性向上やサプライチェーンの最適化等を通じて競争力を高めた場合、当社グループの収益性や市場競争力が低下するおそれがあります。 これに対し、当社では2025年4月にデジタル推進部を設置するとともに、DX戦略を策定・開示し、データ基盤の整備、業務改革、デジタル人財の育成に加え、企業文化及び組織改革を含めた取組を全社ロードマップ及びガバナンス体制のもとで推進することにより、リスクの低減に取り組んでおります。 (8)情報セキュリティリスク 当社グループは、取引先の顧客情報や社員の個人情報、研究開発に関する機密情報等の重要な情報を保有しており、サイバー攻撃や情報機器の脆弱性に起因した情報漏洩が発生した場合、当社グループの業績及び社会的信用に重要な影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、外部からのサイバー攻撃等に対して、セキュリティサービスの導入やインフラ基盤の整備を適宜実施するとともに、巧妙化・多様化する脅威に対応するため、定期的な情報セキュリティアセスメントを行い、その結果に基づく改善及び追加対策を実施しております。 また、人的要因による情報漏洩リスクの低減を目的として、全従業員を対象に標的型攻撃メール訓練を含む情報セキュリティ教育・啓発活動を定期的に実施しております。 これらの取組においては、訓練結果やアンケート等の分析を通じて教育内容や対策の見直しを行い、対応力の継続的な向上を図っております。 さらに、万が一情報セキュリティ事故が発生した場合には、被害の拡大防止及び早期復旧を目的として、関係部門が連携する対応体制を整備し、あらかじめ定めた手順に基づき適切に対応しております。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (経営成績等の概要)(1)財政状態及び経営成績の状況当期におけるわが国経済は、物価上昇の影響がみられたものの、雇用・所得環境の改善や経済対策等の効果もあり、緩やかな回復が続きました。 セメント業界におきましては、建設業界の慢性的な人手不足に加え、週休2日制浸透の影響により、官公需、民需ともに減少したことから、セメント国内需要は、前期を6.5%下回る30,532千トンとなりました。 一方、輸出は、前期を7.1%上回りました。 この結果、輸出分を含めた国内メーカーの総販売数量は、前期を3.8%下回る39,299千トンとなりました。 このような情勢の中で、当社グループは、当期を最終年度とする「2023―25年度 中期経営計画」に基づき、「既存事業収益改善」として、セメント事業収益力回復、次世代光通信部品の市場シェア獲得による収益改善、「成長基盤構築」として、半導体製造装置向け電子材料事業へのリソース集中投入による規模拡大・収益力強化、海外事業拡大(豪州事業)、脱炭素分野の新規事業開発、「経営基盤強化」として、人財戦略、研究開発戦略、知財戦略、DX戦略に係る諸施策に取り組んでまいりました。 以上の結果、当期の売上高は、セメント事業、新材料事業等で増収となったことから、223,686百万円と前期実績を1.9%上回りました。 損益につきましては、セメント事業等で増益となったことから、経常利益は、14,405百万円と前期に比べ5,038百万円の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損損失を特別損失に計上したことなどから、11,214百万円と前期に比べ2,205百万円の増益となりました。 事業別の概況は、次のとおりであります。 1. セメントセメントの国内販売数量が前期を下回ったものの、コストアップに対応した国内販売価格の値上げを実施したことなどから、売上高は、158,799百万円と前期に比べ2,359百万円(1.5%)増となり、営業利益は、5,495百万円と前期に比べ4,617百万円(526.0%)増となりました。 2. 鉱産品製品の価格改定をしたことなどから、売上高は、17,505百万円と前期に比べ137百万円(0.8%)増となったものの、採掘コストが増加したことなどから、営業利益は、2,986百万円と前期に比べ162百万円(5.2%)減となりました。 3. 建材コンクリート構造物補修・補強材及び重金属汚染対策材の販売数量が減少したことなどから、売上高は、23,020百万円と前期に比べ571百万円(2.4%)減となり、営業利益は、1,480百万円と前期に比べ358百万円(19.5%)減となりました。 4. 光電子光計測機器の販売数量が増加したことなどから、売上高は、2,732百万円と前期に比べ222百万円(8.9%)増となり、光通信部品のコスト削減等により、損益は、前期に比べ298百万円の好転となったものの、56百万円の営業損失となりました。 5. 新材料半導体製造装置向け電子材料の品種構成の影響等により、売上高は、18,074百万円と前期に比べ2,396百万円(15.3%)増となり、営業利益は、2,479百万円と前期に比べ214百万円(9.5%)増となりました。 6. その他ソフトウエアの販売が減少したことから、売上高は、3,553百万円と前期に比べ323百万円(8.3%)減となり、営業利益は、1,393百万円と前期に比べ223百万円(13.8%)減となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況当期の現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、営業活動によって34,539百万円増加し、また、投資活動によって28,566百万円減少し、財務活動によって5,954百万円減少したことなどにより、前期末に比べ77百万円の増加となりました。 その結果、当期末の資金残高は16,588百万円(前期比0.5%増)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、34,539百万円(前期比38.8%の収入増加)となりました。 これは、税金等調整前当期純利益16,041百万円、減価償却費23,591百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、28,566百万円(前期比30.9%の支出増加)となりました。 これは、固定資産の取得による支出32,661百万円、投資有価証券の売却による収入6,379百万円があったことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、5,954百万円(前期比11.5%の支出増加)となりました。 これはコマーシャル・ペーパーの発行による収入28,000百万円とコマーシャル・ペーパーの償還による支出31,000百万円があったことなどによるものです。 (生産、受注及び販売の状況)(1)生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)セメント86,61894.3鉱産品12,620111.9建材4,52794.0光電子1,733106.6新材料14,042107.5その他1,17292.3合計120,71497.5 (注) 金額は製造原価ベースによっております。 (2)受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)建材18,857120.73,55589.7その他422105.240-合計19,279120.33,59590.7 (注) 対象は、建材セグメントにおける各種工事、その他セグメントにおける各種ソフトウェア製作であります。 なお、上記以外のセグメントについては、受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、記載を省略しております。 (3)販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)セメント158,799101.5鉱産品17,505100.8建材23,02097.6光電子2,732108.9新材料18,074115.3その他3,55391.7合計223,686101.9 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下の通りであります。 (1)経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の概況については、「(経営成績等の概要)の(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 1 セメント需要、当社セメント販売数量の推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)セメント需要 国内需要(千トン)37,88237,28034,57732,65630,532 輸出(千トン)11,4848,1376,8558,2078,790当社販売数量 国内(千トン)8,3428,1457,7727,1966,971 輸出(千トン)1,5351,1509421,2681,375 計(千トン)9,8769,2958,7148,4648,346 2 売上高、損益の推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)売上高(百万円)184,209204,705222,502219,465223,686営業利益又は営業損失(△)(百万円)6,878△8,5557,2519,35113,648経常利益又は経常損失(△)(百万円)9,834△7,8498,4769,36714,405親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)9,674△5,71915,3399,00811,214総資産額(百万円)331,107356,558356,283353,029361,980売上高経常利益率(%)5.3△3.83.84.36.4総資産経常利益率(%)3.0△2.32.42.64.0 (2)財政状態(流動性及び資本の源泉)の分析当連結会計年度末の総資産は361,980百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,950百万円の増加となりました。 流動資産は103,655百万円となり、前連結会計年度末に比べて488百万円の減少となりました。 固定資産は258,324百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,438百万円の増加となりました。 流動資産減少の主な要因は、原材料及び貯蔵品の減少等によるものです。 固定資産増加の主な要因は、有形固定資産及び投資有価証券の増加等によるものです。 当連結会計年度末の負債の合計は164,031百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,662百万円の増加となりました。 流動負債は86,350百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,607百万円の増加となりました。 固定負債は77,680百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,054百万円の増加となりました。 流動負債増加の主な要因は、1年内償還予定の社債の増加等によるものです。 固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加等によるものです。 当連結会計年度末の純資産は197,948百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,288百万円の増加となりました。 主な要因は、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加等によるものです。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は、「(経営成績等の概要)の(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費・運搬費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。 資金調達は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行などにより確保しております。 最近5連結会計年度においては、2022年度は営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったことから、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行などにより必要となる現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )を確保いたしましたが、その後は営業活動によるキャッシュ・フローはプラスに転じ、得られた資金は設備投資等に活用いたしました。 有利子負債は、2026年3月期には86,422百万円となりました。 今後、当社グループは、2035年のありたい姿である「SOC Vision2035」を目指す中で、収益の改善・拡大に努め、営業活動で獲得した資金は、維持更新に加えてカーボンニュートラルや成長戦略への投資、株主還元等に活用していく方針であります。 1 キャッシュ・フローの推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)18,255△16,14643,73124,88534,539投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△16,062△19,818△15,350△21,816△28,566財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△7,99537,292△24,395△5,341△5,954現金及び現金同等物の期末残高(百万円)13,08514,50018,66216,51116,588 2 有利子負債の推移(最近5連結会計年度) 2022年3月(第159期)2023年3月(第160期)2024年3月(第161期)2025年3月(第162期)2026年3月(第163期)有利子負債残高(百万円)56,64199,71979,52983,33486,422純資産額(百万円)203,173184,591196,775193,660197,948有利子負債/純資産(%)27.954.040.443.043.7 (注) 有利子負債残高は短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金の合計額であります。 (4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。 当社グループは、これらの見積りの妥当性に対し継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。 |
| 研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を基本理念として、主力事業であるセメント・コンクリート、並びにその周辺分野である建設資材等に関する新技術・新製品の研究開発をはじめ、それらの基盤技術をベースとした光電子・新材料事業分野における研究開発に至るまで、幅広く積極的な研究開発活動を行っております。 当社グループの研究開発体制は、セメント・コンクリート研究所、新規技術研究所、建材事業部、光電子事業部、新材料事業部より構成されております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は3,559百万円であり、各セグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。 1. セメント当社のセメント・コンクリート研究所が、セメント事業に係わるセメント、コンクリート及びその関連分野の研究、開発を行っております。 なお、当事業に係る研究開発費は896百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。 ①セメント・固化材の品質及び環境負荷低減に対応したセメント製造技術に関する研究②資源循環型社会に向けたリサイクル資源の原燃料化に関する研究③コンクリート産業のDX・AIの利用技術に関する技術開発④SOCN2050を目指した低炭素化関連技術開発 2. 建材当社のセメント・コンクリート研究所が、建材事業に係わるセメント関連製品の研究、開発を行い、建材事業部が、それをもとに商品化及び改良、用途開発を行い、新商品の初期事業化を行っております。 また、建材事業部独自にて、電気防食、海洋製品の開発を手掛けております。 なお、当事業に係る研究開発費は202百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。 ①コンクリート床版補修材料の開発、高性能化②断面修復材の高機能化③省力化工法の開発④環境配慮型材料の開発 3. 光電子当社の新規技術研究所が光電子分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに光電子事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。 なお、当事業に係る研究開発費は703百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。 ①1.2Tbps/1.6Tbps伝送方式に適応したコヒーレント対応LN変調器の商品化②次世代小型光デバイス素子に対応した要素技術開発 4. 新材料当社の新規技術研究所が新材料分野の基礎研究及び商品開発を行い、それをもとに新材料事業部がその応用製品の商品化、並びに事業化の研究・開発を行っております。 なお、当事業に係る研究開発費は1,757百万円であり、当連結会計年度の主な成果としては以下の通りであります。 ①次世代半導体装置向け静電チャックの商品化及び用途展開②次々期静電チャックの差別化材料技術開発及び低コストプロセス技術開発③化粧品用材料の量産プロセス技術開発、機能性材料の基盤技術開発 |
| 設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、主力事業であるセメント事業においては、生産・物流の更なる合理化を通じ、その事業基盤の安定化を図っております。 また、セメント以外の事業分野においては、成長分野への重点的な経営資源の配分を行うことにより、収益の拡大を図るという中長期的な経営戦略に基づき、設備投資を実施しております。 当連結会計年度の設備投資額は、セメント事業16,158百万円、鉱産品事業5,395百万円、建材事業397百万円、光電子事業234百万円、新材料事業8,787百万円、その他事業571百万円、総額31,544百万円の設備投資を実施しました。 |
| 主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、次の通りであります。 (1)提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計栃木工場(栃木県佐野市)セメント生産設備2,7905,7321,191(507)―09,71497岐阜工場(岐阜県本巣市)セメント生産設備2,0385,334595(548)―77,97593赤穂工場(兵庫県赤穂市)セメント生産設備8,40312,2733,217(797)―6023,954164高知工場(高知県須崎市)セメント生産設備9,11217,617955(620)3621728,065140セメント供給拠点(サービス・ステーション)(全国60箇所)セメント保管基地4,9312,0828,686(395)[57]1,1321816,851―セメント・コンクリート研究所(千葉県船橋市他)セメント研究開発設備436179――2664270新規技術研究所新材料事業部光電子事業部(千葉県船橋市他)光電子及び新材料研究開発設備及び生産設備5,9801,227532(26)―2587,998282原料地(山口県美祢市他)セメント及び鉱産品原石用地――――15,74315,743―本社(東京都港区)全社その他の設備1,40503,697(876)―3415,444147 (2)国内子会社2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計八戸セメント㈱本社(青森県八戸市)セメント製造設備2,1842,423418(188)28245,07982エスオーシーマリン㈱本社(東京都千代田区)セメント船舶等494,11044(1)―14,206143大窯汽船㈱本社(大阪府大阪市)セメント船舶等―4,119― ――4,11975秋芳鉱業㈱本社(山口県美祢市)鉱産品石灰石採掘設備7,4463,81612(5)―3111,308124 (注) 1. 帳簿価額のうち、「その他」は工具、器具及び備品及び原料地勘定の合計であり、建設仮勘定は含めておりません。 2. サービス・ステーションには、一部賃借しているものがあり、賃借している土地の面積については〔 〕書きしております。 3. 原料地は、提出会社が全国各地に所有する採掘用地であり総面積は14,675千㎡であります。 4. 本社欄に記載している従業員数はセグメントにおいて「全社」に区分される従業員のことであり、本社ビルの在勤者数とは一致いたしません。 5. 本社欄に記載の土地及び建物及び構築物は各所に所在するものを含んでおります。 6. 現在休止中の主要な設備はございません。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、生産・物流の更なる合理化投資を通じ主力事業のセメント事業におけるコスト削減に努め、その事業基盤の安定化を図っております。 またセメント以外の事業分野については、成長分野への重点的な経営資源の配分を行うことにより、更なる業容の拡大を図るという中長期的な経営戦略に基づき投資計画を決定しております。 当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却等の計画は次の通りであります。 (1)新設事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手及び完了予定総額(百万円)既支払額(百万円)着工完了当社岐阜工場岐阜県本巣市セメント排ガス処理設備(No.2キルン)更新工事1,29681自己資金、社債発行資金及び借入金2025年7月2027年9月当社東京支店・東京エスオーシー㈱東京都港区セメント当社芝浦SS(サービス・ステーション)及び東京エスオーシー㈱芝浦工場設備等改修工事3,823―自己資金、社債発行資金及び借入金2025年11月2027年9月当社新材料事業部千葉県市川市新材料半導体製造装置向け電子材料生産能力増強(新製造棟建設他)工事13,10511,898自己資金、社債発行資金及び借入金2023年7月2027年3月秋芳鉱業㈱山口県美祢市鉱産品秋芳鉱山船積バース更新・延伸工事6,1895,640自己資金及び借入金2023年2月2026年8月当社東京支店新潟県上越市セメント直江津港SS貯蔵、出荷設備等の設置工事2,79129自己資金、社債発行資金及び借入金2025年8月2028年1月エスオーシーマリン㈱東京都千代田区セメント石灰石専用船(13,000t積1隻)建造3,640―自己資金及び借入金2026年5月2029年3月 (2)除売却等重要な設備について、当連結会計年度末時点で判明している除売却計画はございません。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 1,757,000,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 31,544,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 18 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,338,702 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的株式には、専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式には、それら目的に加え中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容・当社は、事業推進のうえで発生する協力関係の維持又は強化及び事業機会の創出のために必要と判断される企業の株式を保有しております。 当社が保有する株式(政策保有株式)に関しては、2026年4月28日の取締役会において、個別銘柄毎に、事業推進上の協力関係の維持・強化、事業機会の創出などを通して中長期的な企業価値の向上に資するものであるかといった観点から、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を検証しております。 ・ただし今後の事業環境の変化等により、必ずしも保有する必要がないと判断された株式については市場影響等考慮すべき事情に配慮したうえで適宜縮減を図ります。 また当社は、当社株式を政策保有株式として保有している会社から当社株式の売却の申出があった場合、当該会社との取引を縮減することその他の取引に関する制限を示唆することなどにより売却を妨げる行為は行いません。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式404,844非上場株式以外の株式1531,780 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式13,114取引関係の維持・強化に加え、将来的な事業展開の拡大や協業機会の創出を通じて、当社グループの中長期的な企業価値向上に資することから、増加しております。 非上場株式以外の株式――― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式――非上場株式以外の株式96,201 c.政策保有株式の縮減状況 当社は2022年5月12日の2021年度決算説明において、資本を有効活用し資本効率を向上させることを目的として、2024年3月期における政策保有株式残高を純資産比率20%未満まで縮減、その後2027年3月期における政策保有株式残高を純資産比率10%未満まで縮減する計画を公表いたしました。 上記計画に基づき、発行体との丁寧な対話を通じて縮減を実施した結果、当社の2026年3月期政策保有株式残高の純資産比率は17.0%となりました。 (ただし、目標を設定しました2021年度決算説明時点からの株価上昇影響を除くと11.4%まで縮減しております。 ) また、2026―28年度の中期経営計画において、政策保有株式の縮減計画の見直しを図り、本中期経営計画の最終年度である2029年3月期における政策保有株式残高を純資産比率10%未満まで縮減する計画を公表いたしました。 2022年3月期2026年3月期対2022年3月期 2029年3月期 (目標)政策保有株式残高(百万円)53,54033,684△19,855 10.0%未満純資産比率(%)26.417.0△9.3 (注)政策保有株式は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式のうち、政策保有を目的とするもので はなく、当社グループの企業価値向上に向けた事業投資目的で保有する株式を除いた投資株式の合計であり ます。 d.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 当社は個別の保有株式について資本コストを踏まえ、配当・取引額等に加え、経営戦略上の重要性や事業上の関係等を総合的に判断し保有しております。 定量的な保有効果については取引先との営業秘密との判断により記載しておりませんが、上記方針に基づいて保有の適否を検証しております。 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)三谷セキサン㈱999,553999,553セメント及び建材製品販売において取引があり、また当社の関連会社である滋賀セキサン㈱の共同出資関係にあることから主要な取引先の一つであります。 取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 有6,9566,437㈱ヨータイ2,372,7093,230,709セメント製造設備の資材調達における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社セメント工場の中長期的な安定操業に資するとの判断から、保有しております。 有4,2995,488三谷商事㈱1,719,1001,719,100セメント及び建材製品販売における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から保有しております。 また、同社は当社の特約販売店であります。 有3,9553,393 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)住友不動産㈱848,740565,370当社事業において不動産関連の取引があり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から保有しております。 なお株式数の増加については、株式分割によるものです。 無3,7273,162日鉄鉱業㈱1,291,800258,360セメント原材料調達における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて当社セメントの中長期的な安定生産に資するとの判断から、保有しております。 なお株式数の増加については、株式分割によるものです。 有3,2061,700ショーボンドホールディングス㈱1,782,400445,600建材製品販売における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 なお株式数の増加については、株式分割によるものです。 有(ショーボンド建設㈱が保有)2,5022,126住友林業㈱1,183,461525,987セメント販売及びセメント生産にかかる資材調達において取引があり、また発電事業における業務提携関係にあることから主要な取引先の一つであります。 取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 なお株式数の増加については、株式分割によるものです。 有1,6612,371㈱明電舎218,665326,665セメント製造設備の機材・工事発注において取引があり、取引関係の維持・強化を通じて、当社セメント工場の中長期的な安定操業に資するとの判断から、保有しております。 有1,6391,409ニチハ㈱343,640343,640セメント販売における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 無1,1091,022住友ベークライト㈱213,488426,488セメント事業において取引があり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 有1,0301,420住友重機械工業㈱185,198370,198セメント製造設備の機材・工事発注において取引があり、取引関係の維持・強化を通じて、当社セメント工場の中長期的な安定操業に資するとの判断から、保有しております。 無8711,129ナラサキ産業㈱109,000109,000セメント及び建材製品販売における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から保有しております。 また、同社は当社の特約販売店であります。 有480312㈱住友倉庫76,500151,500当社事業において不動産関連の取引があり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から保有しております。 有308418㈱テノックス12,32012,320固化材販売における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 無1713アジアパイルホールディングス㈱7,6007,600セメント及び建材製品販売における主要取引先の一つであり、取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 無106 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)住友電気工業㈱―167,059当事業年度において、全株式を売却しております。 無―411㈱ナカボーテック―10,000当事業年度において、全株式を売却しております無―50 みなし保有株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)――――――― ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式――――非上場株式以外の株式―――― 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式―――非上場株式以外の株式――― ④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 銘柄株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)――― ⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に 変更したもの 銘柄株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)――― |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 9 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 40 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4,844,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 15 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 31,780,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,114,000,000 |
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6,201,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 7,600 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 10,000,000 |
| 株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 取引関係の維持・強化に加え、将来的な事業展開の拡大や協業機会の創出を通じて、当社グループの中長期的な企業価値向上に資することから、増加しております。 |
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱ナカボーテック |
| 保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | セメント及び建材製品販売において取引があり、また当社の関連会社である滋賀セキサン㈱の共同出資関係にあることから主要な取引先の一つであります。 取引関係の維持・強化を通じて、当社の中長期的な企業価値向上に資するとの判断から、保有しております。 |