財務諸表
CoverPage
| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2026-06-22 |
| 英訳名、表紙 | SYSMEX CORPORATION |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 松井 石根 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 078(265)0500 |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | IFRS |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2【沿革】 提出会社(実質上の存続会社、本店:神戸市中央区)は、額面株式1株の金額を500円から50円に変更するため、1994年4月1日を合併期日として、東亞医用電子株式会社(形式上の存続会社、本店:神戸市西区)に吸収される形式での合併を行い、現在に至っております。 年月事項1968年2月東亞特殊電機株式会社(現TOA株式会社)が製造する血球計数装置の販売会社として兵庫県神戸市兵庫区下沢通5丁目4番地に東亞医用電子株式会社を設立1972年2月東亞特殊電機株式会社(現TOA株式会社)の医用電子機器開発製造部門の営業を譲受1973年5月兵庫県加古川市に加古川工場を新設し、営業部門、生産部門及び研究開発部門を集結1978年2月ブランドを「Sysmex」(シスメックス)に変更1980年10月ドイツにトーア メディカル エレクトロニクス ドイチュラント ゲーエムベーハー(現シスメックス ヨーロッパ エスイー)を設立1986年4月神戸市西区に神戸工場(現テクノパーク)を新設し、研究開発部門を移転1991年2月兵庫県小野市に小野工場(検体検査試薬生産)を新設し、試薬生産部門を移転1991年5月英国にトーア メディカル エレクトロニクス ユーケー リミテッド(現シスメックス ユーケー リミテッド)を設立1993年3月テクノセンター(現テクノパーク)本館を新設し、研究開発部門、物流部門、情報システム部門及びサービス部門を集結1994年4月4月1日を合併期日として形式上の存続会社である東亞医用電子株式会社(本店:神戸市西区)に吸収合併1995年3月ドイツにおける代理店であるデジタナ社の株式を取得して子会社化し、社名をシスメックス ゲーエムベーハー ドイチュラント(現シスメックス ドイチュラント ゲーエムベーハー)に変更1995年11月大阪証券取引所の市場第二部に株式を上場1996年7月東京証券取引所の市場第二部に株式を上場1997年2月米国にシスメックス インフォシステムズ アメリカ インク(現シスメックス アメリカ インク)を設立1998年2月シンガポールにシスメックス シンガポール ピーティーイー リミテッド(現シスメックス アジア パシフィック ピーティーイー リミテッド)を設立1998年10月社名をシスメックス株式会社に変更本社を神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号に移転2000年1月中国に希森美康医用電子(上海)有限公司を設立2000年3月東京証券取引所の市場第一部及び大阪証券取引所の市場第一部に指定神戸市西区(現テクノパーク敷地内)に中央研究所を新設フランスにシスメックス フランス エスエーアールエル(現シスメックス フランス エスエーエス)を設立2001年8月国際試薬株式会社(2006年4月シスメックス国際試薬株式会社へ社名変更)の株式を取得して子会社化2002年10月株式会社アール・エー・システムズ(現シスメックスRA株式会社)の株式を取得して子会社化 年月事項2004年4月株式会社シーエヌエー(現シスメックスCNA株式会社)の第三者割当増資を引き受け子会社化2004年7月神戸市西区に事業用不動産(現ソリューションセンター)を信託により取得2006年2月研究開発環境の拡張・整備のため、テクノセンター(現テクノパーク)に隣接する不動産を取得2013年4月韓国代理店を子会社化し、社名をシスメックス コリア カンパニー リミテッドに変更2014年6月個別化医療における遺伝子検査事業の発展のため、凸版印刷株式会社(現TOPPANホールディングス株式会社)の子会社である株式会社理研ジェネシスに資本参加兵庫県加古川市に新たな機器生産工場「アイ スクエア」を開設2016年5月株式会社理研ジェネシスの株式を凸版印刷株式会社(現TOPPANホールディングス株式会社)より追加取得して子会社化2018年7月米国にお客様向けトレーニング施設を拡張した新たなサポート拠点を開設2019年4月ドイツにシスメックス アールアンドディー センター ヨーロッパ ゲーエムベーハーを設立神戸市西区に新たなバイオ診断薬拠点「テクノパーク イーストサイト」を開設米国にシスメックス アールアンドディー センター アメリカズ インクを設立2021年2月ポルトガルにシスメックス ポルトガル エスエーを設立2022年2月サウジアラビアにシスメックス エルエルシーを設立2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行シスメックス国際試薬株式会社を吸収合併2022年5月アストレゴ ダイアグノスティックス エービーの株式を追加取得して子会社化し、社名をシスメックス アストレゴ エービーへ変更2022年8月株式会社ピロートの株式を取得して子会社化し、社名をシスメックスピロート株式会社へ変更2022年10月JCRファーマ株式会社と新会社アライドセル株式会社を共同設立2023年10月東京都江東区に新たな研究開発拠点「ヘルスケア サイエンス ハブ トーキョー」を開設2023年12月株式会社メガカリオンの株式を追加取得して子会社化2024年5月サウジアラビアにシスメックス ヘルスケア リージョナル ヘッドクォーターを設立2024年7月インドに診断薬・機器生産拠点を設立2025年3月シスメックスRA株式会社の工場を移転・拡張ケニアにシスメックス イースト アフリカ エルティーディーを設立2025年6月ギリシャにシスメックス グリース アイケーイーを設立2026年4月シスメックスメディカ株式会社を吸収合併日本電子株式会社の生化学検査事業を承継する新会社の株式を取得して子会社化し、シスメックス BioMajesty株式会社として事業運営を開始 |
| 事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当社と連結子会社80社及び関連会社等2社で構成されており、主として医療分野における検体検査機器及び検体検査試薬の開発、製造、販売、サービス並びに輸出入を行っております。 また、検体検査機器、検体検査試薬に加え、ソフトウェア、検体検査機器のメンテナンスや、学術サポート等幅広い製品とサービスを融合し、医療機関の多様な課題を解決するソリューションを提案しております。 当社グループは「本社統括」「米州統括」「EMEA統括」「中国統括」「AP統括」の各統括会社を中心としたセグメントで事業展開しております。 「本社統括」は当社が統括会社として製品の開発、製造、国内における販売及びサービスを担当し、一部の製品の開発、製造、国内及び海外における販売を「本社統括」に含まれる連結子会社が担当しております。 また、「米州統括」「EMEA統括」「中国統括」「AP統括」は米州、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、中国及びアジア・パシフィックの各地域において、製品の製造、販売等を各地域の統括会社を中心として連結子会社が担当しております。 これらは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループの事業系統図は、以下のとおりであります。 |
| 関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 (1) 連結子会社名称セグメントの名称住所資本金又は出資金事業内容議決権の所有割合関係内容役員の兼任資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携等直接所有(%)間接所有(%)合計(%)当社役員(人)当社従業員(人)シスメックス アメリカ インク米州統括米国イリノイ州千 US$22,000検体検査機器及び検体検査試薬の販売100-10012なし当社製品の販売等なしなしシスメックス リエージェンツ アメリカ インク米州統括米国イリノイ州千 US$1,500検体検査試薬の製造及び販売-100100--なし当社試薬製品の製造なしなしシスメックス ドウ ブラジル インダストリア エ コメルシオ リミターダ米州統括ブラジルパラナ州千 BRL200,878検体検査試薬の製造及び販売0.999.1100--なし当社試薬製品の製造及び販売なしなしシスメックス ヨーロッパ エスイーEMEA統括ドイツハンブルク市千 EUR120検体検査機器の販売及び検体検査試薬の製造、販売100-10022運転資金の貸付当社試薬製品の製造及び当社製品の販売なしなしシスメックス ドイチュラント ゲーエムベーハーEMEA統括ドイツハンブルク市千 EUR2,050検体検査機器及び検体検査試薬の販売100-100--なし当社製品の販売なしなしシスメックス ユーケー リミテッドEMEA統括英国ミルトンキーンズ市千 GBP400検体検査機器及び検体検査試薬の販売100-100--なし当社製品の販売なしなしシスメックス フランス エスエーエスEMEA統括フランスビルパンテ市千 EUR2,457検体検査機器及び検体検査試薬の販売18.681.4100--なし当社製品の販売なしなし希森美康医用電子(上海)有限公司中国統括中国上海市千 US$1,000検体検査機器及び検体検査試薬の販売100-10014なし当社製品の販売なしなし済南希森美康医用電子有限公司中国統括中国山東省済南市千 CNY18,229検体検査機器、検体検査試薬の製造及び販売100-100-4なし当社試薬製品の製造及び販売なしなしシスメックス アジア パシフィック ピーティーイー リミテッドAP統括シンガポール千 SG$11,500検体検査機器の販売及び検体検査試薬の製造、販売100-10012運転資金の貸付当社試薬製品の製造及び当社製品の販売等なしなしシスメックス インディア プライベート リミテッドAP統括インドムンバイ市千 INR464,942検体検査機器、検体検査試薬の製造及び販売4.395.7100-1なし当社製品の製造及び販売なしなしシスメックスRA株式会社本社統括長野県塩尻市百万円70検体検査機器及び周辺装置等の開発、製造100-100-4運転資金の貸付当社機器製品の製造等なしなしシスメックス パルテック ゲーエムベーハー本社統括ドイツゲルリッツ市千 EUR30検体検査機器及び検体検査試薬の開発、製造、販売100-100-3運転資金の貸付製品の供給なしなしオックスフォード ジーン テクノロジー アイピー リミテッド本社統括英国オックスフォードシャー州GBP453細胞遺伝学検査及びNGSに用いる診断用・研究用試薬の開発、製造、販売,サービス100-100-2なしなしなしなしシスメックス コリア カンパニー リミテッド本社統括韓国ソウル市千 KRW190,000検体検査機器及び試薬の販売100-100-4なし当社製品の販売なしなしその他 65社 (注)1.上記連結子会社のうちシスメックス アメリカ インク、シスメックス ドウ ブラジル インダストリア エ コメルシオ リミターダ、シスメックス ヨーロッパ エスイー、希森美康医用電子(上海)有限公司、及びシスメックスRA株式会社は、特定子会社であります。 また、その他に含まれている特定子会社は、ハイフェン バイオメッド エスエーエス、シスメックス エジプト エルエルシー、エスイーエル ジェネラル トレーディング エルエルシー、エスイーエル トレード エルエルシー、シスメックス エルエルシー及びシスメックス タイワン カンパニー リミテッドであります。 2.シスメックス アメリカ インク及び希森美康医用電子(上海)有限公司は、売上高(連結会社間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が100分の10を超えております。 主要な損益情報等 シスメックス アメリカ インク希森美康医用電子(上海)有限公司売上高124,292百万円87,301百万円税引前利益10,5469,684当期利益8,3567,074資本合計58,71358,248資産合計108,05886,373 (2) 関連会社等名称セグメントの名称住所資本金又は出資金事業内容議決権の所有割合関係内容役員の兼任資金援助営業上の取引設備の賃貸借業務提携等直接所有(%)間接所有(%)合計(%)当社役員(人)当社従業員(人)株式会社メディカロイド-神戸市中央区百万円100医療用ロボットのマーケティング、開発、設計、製造、販売及びアフターサービス50-5013なし同社製品の仕入等建物及び設備の賃貸借なしその他 1社 |
| 従業員の状況 | (2)【従業員の状況】 ① 連結会社の状況 2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)本社統括4,558(792)米州統括1,585(-)EMEA統括2,760(-)中国統括738(-)AP統括1,220(12)合計10,861(804)(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 ② 提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)3,011(505)42.412.88,835△3.3 2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)本社統括3,011(505)合計3,011(505)(注)1.従業員数は当社から社外への出向者124名を除き、社外から当社への出向者13名を含む就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。 ③ 労働組合の状況 当社の労働組合は、シスメックスユニオンと称し、2026年3月31日現在の組合員数は2,272名であります。 なお、労使関係は安定しております。 ④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異a.提出会社当事業年度管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)3労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1、2全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者11.380.466.976.647.5(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.シスメックスグループでは、性別に関係なく、グループ共通のグローバルHRポリシーに基づき職務・役割に応じた同一基準で報酬を定めており、同一労働における賃金差はありません。 一方で、管理職に占める女性労働者の比率が男性労働者よりも低いことや、パート従業員に占める女性労働者の比率が男性労働者よりも高いこと等が、男女の賃金差として表れている要因であると捉えております。 3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 b.連結子会社当事業年度名称管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2シスメックスCNA株式会社3.8100.0シスメックスRA株式会社(注)311.1-(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.男性労働者の育児休業取得率につきましては、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 4.労働者の男女の賃金の額の差異につきましては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 ⑤ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容 当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。 当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、創業以来の経営基本方針である「3つの安心」を再定義したグループ企業理念「Sysmex Way」及び「Shared Values」を定め、グループ全体で実践していく事でステークホルダーからの高い信頼の獲得と更なる飛躍を目指します。 (2) 長期経営戦略 医療を取り巻く環境は、人口動態の変化や生活環境の多様化並びに技術革新の進展を背景として今後一層大きく変化することが予測されております。 特に医療資源の有効活用の観点からは、医療DXの推進に加え、医療機能の分散化、予防医療や個人によるセルフメディケーションの重要性がますます高まると見込まれます。 また、医療の高度化の進展に伴い、新たな治療法の実用化や医療現場におけるロボット技術の活用等、医療の質及び運営効率の向上を実現する取り組みへの期待が高まっております。 このような中、当社グループではグループ企業理念「Sysmex Way」のもと、2033年度を最終年度とする以下長期ビジョンを含む長期経営戦略2033(VA33)を策定し、推進しております。 <長期ビジョン> 「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。 」 当社グループは、健康で長生きしたいという人々の普遍的な願いに寄り添い、一人ひとりの身体状態を正確に捉え、個々に最適な医療・サービスが提供されることにより、生涯にわたり健康な状態が維持できる社会の実現を目指します。 「ヘルスケアジャーニー」は当社グループが新たに提唱する概念であります。 人が一生の中(ライフステージ)で、自身のヘルスケアについて経験する各種イベントと、医療機関等を含む対応のプロセスを「旅路」として捉えるものであります。 「より良いヘルスケアジャーニーの実現」は世界の人々のQOL向上という重要な社会的課題の一つであります。 当社グループは、一人ひとりのヘルスケアジャーニーがより良いものになるよう、様々な協創を通じて新たな価値を提供し、社会にとって不可欠な存在として成長していくことを目指します。 当社が、創業以来取り組んでいるダイアグノスティクス事業はヘルスケアジャーニーの中で重要な役割を担うものであります。 高い成長と収益性を実現すると共に、更に強化することによる「イノベーションの創出」や新たな価値提供を目指す「新興国市場へのフォーカス」、一人ひとりの最適な治療に不可欠な「個別化診断」、健常・未病・予防のための「個別化予防」、慢性疾患等を持ちながらも日常生活を続けるための「予後モニタリング」に取り組んでまいります。 またダイアグノスティクス事業とは異なる領域である手術支援ロボットや再生細胞医療の治療領域への挑戦等、価値創出できる領域を選択・追加し、当社の成長につなげてまいります。 (3) 経営環境の認識 現在、当社事業及び経営を取り巻く環境は、特に地政学(地域紛争、右傾化)、経済安全保障(トランプ関税、報復合戦、資源の独占等)のリスクが世界的に拡大する中で先行きを見通すことが一層困難となっております。 足元では、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の変動や供給網の分断リスクに加え、主要国における通商政策の動向、更には金融・資本市場の変動等、不確実性の高い状況が継続しており、引き続き景気の下振れリスクに十分留意する必要があると見込まれます。 医療環境におきましては、引き続き新興国の経済成長や世界的な高齢化に伴う医療需要の拡大が継続すると見込まれております。 特に、不足している医療従事者の安全・生産性向上、医療経済性の改善、医療アクセスの向上といった医療の質・サービス向上への期待は今後も高まると想定しております。 加えて、人工知能(以下、AI)の普及をはじめ医療分野のDXは加速し、ロボット技術の実装・用途拡大も進展する予測であり、更なる成長機会の創出が期待されております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、長期ビジョンの実現を目指し、2026年4月より新たな中期経営計画 (2027年3月期から2029年3月期まで)をスタートさせました。 今後3年間で取り組むべき重点アクションを設定し、具体的施策の実行を推進しております。 本中期経営計画では、当社の強みを確かな成長機会とすべく、以下4つのテーマに優先的に取り組んでまいります。 ① ダイアグノスティクス事業の競争力強化 主力のヘマトロジー分野をはじめとする各領域にてAI等の最新技術を融合させた新製品をグローバル市場へ順次投入し、診断価値の深化による競争優位性を確立いたします。 また、高い成長が見込まれる新興国市場では、現地の医療ニーズに適した製品の提供と安定供給体制の強化を推進し、持続的な高成長を実現してまいります。 ② ダイアグノスティクス事業の強みを活かした医療DXとデータ活用の推進 世界190カ国以上に広がる顧客基盤に基づく豊富な検査データとAI解析技術を組み合わせ、シスメックス独自の医療DXソリューションを提供していきます。 検査結果に基づく適切な診療へのナビゲートに加え、AIを活用した検査室運営支援を通じた業務効率化の推進、更には公衆衛生支援等、医療課題の改善と医療経済性の両立に寄与する新たな価値創出に取り組んでまいります。 ③ バリューチェーン改革による収益性向上 グループ全体の収益性及び資本効率の改善を図るため、特に安定的な収益源である診断薬においてバリューチェーン全体での変革を実行いたします。 ④ 財務・資本戦略の再設計 資本効率の向上を図り、ROE 12.0%(2028年度)の達成を目標といたします。 有利子負債の活用による資本構成の最適化を検討すると共に、配当性向40%目途の累進配当及び機動的な自己株式取得により、株主還元を拡充いたします。 これらに加えて、地球環境の持続可能性が喫緊の課題となっている中、長期的な環境マネジメントの指針として「シスメックス・エコビジョン2033」を策定しており、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量や水消費量の削減、環境に配慮したグリーン調達等を継続して推進いたします。 このように製品・サービスの提供を通じた医療課題解決に取り組むと共に、環境への配慮や魅力ある職場の実現等、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)をグループ全体で推進し、多様なステークホルダーの皆様へ安心をお届けすると共に、サステナビリティ経営の実現を目指します。 (5) 目標とする経営指標 新たな中期経営計画では、2029年3月期を最終年度として、連結売上高600,000百万円、連結営業利益100,000百万円を達成することを目指します。 その初年度に当たる2027年3月期の連結業績予想につきましては、製品ラインアップの拡充や販売・サービス体制の強化等により、売上・利益共に伸張することを想定しており、売上高535,000百万円、営業利益58,000百万円を予想しております。 (注)2027年3月期の算定にあたりましては、通期の為替レートを対米ドル155.0円、対ユーロ180.0円、対中国元22.0円で想定しております。 なお、上記予想は、現時点で入手している情報に基づき算定したものであり、様々な要因により変動する可能性があります。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループは創業以来、お客様、取引先、従業員への「三つの安心」を提供することを大切にしてきました。 その姿勢は現在においても変わることなく、現在のグループ企業理念「Sysmex Way」及び「Shared Values」においても、株主様と社会を加えたステークホルダー全般を意識した経営、事業活動を通じて「安心」の提供に努めております。 2023年に長期ビジョン「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。 」を掲げ、その実現に向けてスタートさせた新しい長期経営戦略ではサステナビリティを重視した経営を推進しております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 <サステナビリティ経営について>(1) ガバナンス当社グループのサステナビリティ経営においては、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)及びサステナビリティ目標の設定について、経営会議において審議・決定しており、決定した内容は取締役会に報告しております。 各事業部門に展開されたサステナビリティ目標の進捗状況については、取締役会が定期的に報告を受け、監督を行っております。 また、当社グループの業績連動報酬は、連結業績に加え、中期経営計画の重点課題及びマテリアリティと連動したサステナビリティ目標の達成度を用いて決定しております。 また、株式報酬においても相対TSRや付加価値生産性、プロダクトロスゼロ化、環境配慮材料への完全代替等の指標を評価に組み込み、役員報酬とサステナビリティ推進を一体的に運用しております。 リスクマネジメント体制及び関連する委員会は「3 事業等のリスク」の図をご参照ください。 (2) 戦略当社グループは、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を両立させるため、事業活動を通じて取り組むべき優先的な重要課題(マテリアリティ)を特定し、これを中長期の経営戦略及び中期経営計画の基点としております。 特定したマテリアリティである「健康社会への価値創出」「イノベーションの創出」「責任ある製品・サービス・ソリューションの提供」「人的資本の最大化」「環境への負荷低減」「ガバナンスの強化」は、いずれも当社グループの事業活動及び価値創造に直結する重要なテーマであり、これらに内在するリスク及び機会を的確に捉え、戦略に反映することが不可欠であると認識しております。 ①健康社会への価値創出、イノベーションの創出当社グループは、革新的な検査・診断ソリューションを通じて、疾病の早期発見や予防、医療の質と効率性の向上に貢献し、健康社会への価値創出を目指しております。 AIやロボティクス等の技術革新や医療制度改革、新興国における医療ニーズの拡大は、新たな診断・治療のワークフロー創出や医療アクセス向上につながる大きな機会であります。 一方で、技術革新への対応遅延や競争激化、知的財産の侵害、経済・地政学的変動は、競争優位性低下や事業継続へのリスクとなります。 当社グループは、研究開発・生産・供給体制のグローバル分散や情報収集体制の強化により、地政学的・経済的な環境変化に対する事業継続性の確保にも取り組んでおります。 オープンイノベーションを含む研究開発投資の継続、AIの適切な活用体制の整備、知的財産の戦略的保護を通じて、社会課題の解決と持続的な成長の両立を図っていきます。 関連する主な事業等のリスク:①地政学、②経済動向、⑥技術革新、⑧医療制度改革、⑨知的財産、⑩安定供給、⑪品質 ②責任ある製品・サービス・ソリューションの提供当社グループは、医療に不可欠な製品・サービスを提供する企業として、患者さんや医療現場の安全を最優先に、高い品質・安全性と安定供給を果たす責任を有しております。 一方で、製品・サービスの品質不良や薬事規制への対応遅延、サプライチェーンの混乱は、検査の遅延や誤りを招き、医療の質や社会的信用の低下につながるリスクとなります。 当社グループは、設計・開発から販売後までの製品ライフサイクル全体において、品質マネジメント、法規制・コンプライアンス対応、グローバルに複線化した生産・調達体制を強化しております。 加えて、取引先における環境・人権・コンプライアンス等のESGリスクを把握・管理し、責任ある調達を推進することで、製品の信頼性と安定供給を確保し、競争優位性の確立と持続的成長につなげていきます。 関連する主な事業等のリスク:①地政学、④コンプライアンス、⑤人権、⑥技術革新、⑧医療制度改革、⑩安定供給、⑪品質 ③人的資本の最大化当社グループは、人材を持続的な成長を支える重要な経営資源の一つと捉えております。 グローバルな人材獲得競争の激化や人材流出、従業員の安全・健康への配慮不足は、事業推進力や競争力の低下につながるリスクとなります。 一方、多様な人材が安心して能力を発揮できる環境を整備し、エンゲージメントと付加価値生産性を高めることは、イノベーション創出や経営基盤強化につながる重要な機会であります。 当社グループは、「Sysmex Way」に基づき、人権尊重とDE&I※を前提とした人材育成、挑戦を促す評価・報酬制度、グローバルなキャリア形成支援を推進しております。 人的資本への戦略的な取り組みと透明性の高い情報開示を通じ、企業価値の向上と持続的成長を目指していきます。 関連する主な事業等のリスク:⑤人権、⑭人材確保※ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン ④環境への負荷低減当社グループは、気候変動や自然資本に関する環境課題を、中長期的な企業価値に影響を及ぼす重要な経営課題と捉えております。 環境規制の強化やエネルギー・原材料コストの上昇、気候変動に起因する自然災害は、事業コストやサプライチェーンの安定性に影響を及ぼすリスクとなります。 一方で、環境負荷低減を実現する製品・サービスへの需要拡大や、資源循環を通じたオペレーション効率化は、新たな成長機会でもあります。 当社グループは、「シスメックス・エコビジョン2033」に基づき、製品ライフサイクル全体を通じた環境負荷低減と資源循環の実現を戦略の中核に位置付けております。 TCFD・TNFD提言に基づく分析を通じて環境リスクと機会を戦略に統合し、再生可能エネルギーの活用、省資源・省エネルギー化、リサイクルを前提とした循環型バリューチェーンの構築を推進することで、事業のレジリエンス強化と持続的な環境価値の創出を目指していきます。 関連する主な事業等のリスク:① 地政学、② 経済動向、⑦ 環境、⑩ 安定供給 ⑤ガバナンスの強化当社グループは、グローバルに事業を展開する中で、法令違反や社会規範の逸脱、人権への不十分な配慮、事業活動全般における不適切な対応や情報管理上の不備が生じた場合、社会的信用やブランド価値を大きく損なうリスクを認識しております。 一方で、人権尊重を基盤とした企業活動や、高い倫理観に基づく公正で透明性のある事業運営、適切なデータ保護を含む情報セキュリティの確保は、顧客や社会からの信頼を高め、市場の健全化と中長期的な企業価値向上につながる重要な機会であります。 当社グループは、「Sysmex Way」に基づく高い倫理観のもと、コンプライアンス、人権、情報管理に関するガバナンス体制を強化し、透明性と説明責任の高い経営を通じて持続的成長を目指しております。 関連する主な事業等のリスク:④コンプライアンス、⑤ 人権、⑫ 情報システム・セキュリティ (3) リスク管理当社グループでは、サステナビリティに関連するリスク及び機会を適切に識別・評価し、経営に統合するため、優先すべき重要課題(マテリアリティ)の定期的な見直しを行っております。 2026年3月期においては、当社グループが社会及びステークホルダーに与える影響と、当社グループの財務的影響の双方を考慮する観点から、マテリアリティの再評価を実施いたしました。 まず、長期経営戦略及び中期経営計画、当社グループの事業活動及びバリューチェーン全体を踏まえ、当社グループの事業に関与する主要ステークホルダーと、影響・リスク・機会が生じ得る範囲を整理いたしました。 次に、サステナビリティに関するリスク及び機会を網羅的に把握するため、国際的なサステナビリティ開示の考え方やSASB基準等を参照すると共に、全社リスクマネジメントで管理するリスクも踏まえ、当社グループ事業と関連性のあるサステナビリティ項目を抽出いたしました。 抽出した各サステナビリティ項目について、当社グループへの影響及び社会・ステークホルダーへの影響の両面から評価を実施しております。 当社グループの業績に影響を及ぼすリスク及び機会については、短期・中期・長期の時間軸を考慮し、発生可能性及び業績への影響度の観点から評価を行いました。 これらの評価結果に基づき、類似する項目を整理・統合した上で重要度のマトリックスを作成しマテリアリティ候補を抽出いたしました。 特定したマテリアリティは、経営会議において審議・決定しており、決定した内容は取締役会に報告しております。 中期経営計画におけるサステナビリティ目標及びKPIの設定に反映し、各事業部門に展開しております。 ※本有価証券報告書におけるマテリアリティは、当社グループの業績に影響を及ぼすリスク及び機会を基準として特定しております。 なお、各マテリアリティを構成する重要課題や目標・KPIの検討にあたっては、社会・ステークホルダーへの影響評価も参考情報として活用しております。 (4) 指標と目標 当社グループのマテリアリティに関連する「サステナビリティ目標」を設定し、取り組みのモニタリングを行っております。 特に重要と考えられる指標と目標について以下に示します。 サステナビリティ目標の進捗状況 マテリアリティKPI※1目標実績2024年度2025年度2033年度(エコビジョン)2024年度2025年度健康社会への新たな価値創出イノベーションを通じた医療課題解決ヘマトロジー検査件数CBCテスト数(試薬数ベース)---2,904百万件※23,014百万件手術支援ロボットによる症例数手術支援ロボットシステム(株式会社メディカロイド製)を用いた症例数---5,209件7,857件医療アクセスの向上新興国・開発途上国売上高新興国・開発途上国の連結売上高---1,795億円1,574億円責任ある製品・サービス・ソリューションの提供品質と信頼の追求リコール件数販売している製品(機器・試薬)を対象として、自主回収・自主改修を実施した件数---6件※26件サプライチェーンマネジメントの強化CSR調査回答率(国内・海外一次サプライヤー)原材料一次サプライヤー(国内・海外)に対して、CSR調査に回答したサプライヤーの割合(海外関係会社の直サプライヤーは含まない)90%90%-95%95%環境への負荷低減製品ライフサイクルにおける資源循環プロダクトロスのゼロ化自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率(自社製品の未使用廃棄物の原価/売上高)0.20%0.18%0.1%未満0.40%0.18%リサイクル・環境配慮材料への完全代替容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率50%60%100%62%67%GHG排出量削減率(スコープ3)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ3)の削減率5%削減10%削減35%削減1%削減8%増加事業活動における環境負荷低減GHG排出量削減率(スコープ1、2)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ1、2)の削減率35%削減40%削減55%削減33%削減41%削減ガバナンスの強化コンプライアンス内部通報件数内部通報受付件数---17件50件魅力ある職場の実現エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア企業風土調査結果におけるエンゲージメント項目の好意的回答率75%75%-76%74%ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進女性マネジメント比率課長級以上の女性比率19%以上20%以上-18.7%19.7%人材の育成付加価値生産性付加価値生産性/人2,100万円2,250万円-2,144万円1,901万円 ※1 目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 ※2 計算方法の見直しにより、昨年度開示数値から変更いたしました。 翌事業年度からの主要サステナビリティ目標マテリアリティKPI※目標2026年度2027年度2028年度健康社会への価値創出①一人ひとりのQOL向上と健康寿命の延伸②医療従事者の安全・生産性の向上③医療経済性の向上④医療アクセスの向上ヘマトロジー検査件数CBCテスト数(試薬数ベース)---ハイクラス薬事承認数ハイクラス製品(仕入れ、現地生産等除く)の薬事許認可取得数(主要国)---新興国・開発途上国売上高新興国・開発途上国の連結売上高---イノベーションの創出⑤革新技術の実装と知的財産の創出・保護⑥独自のデータ・AIの活用売上高研究開発比率売上高に対する研究開発費の割合---責任ある商品・サービス・ソリューションの提供⑦品質と信頼の追求開示⑧レジリエントなサプライチェーン構築による安定供給の維持⑨各国医療行政への対応リコール件数販売している製品(機器・試薬)を対象として、自主回収・自主改修を実施した件数---薬事承認数全製品(仕入れ、現地生産等除く)の薬事許認可取得数(主要国)---人的資本の最大化⑩DE&Iの推進⑪人材の獲得と育成⑫健康増進と労働安全の推進エンゲージメントスコア企業風土調査結果におけるエンゲージメント項目の好意的回答率75%75%75%女性マネジメント比率課長級以上の女性比率21.0%21.0%21.0%付加価値生産性付加価値生産性/人2,100万円2,200万円2,300万円年間労働時間正社員一人当たりの年間総労働時間1,980時間1,975時間1,970時間環境への負荷低減⑬製品ライフサイクルにおける資源循環⑭水資源の効率的利用⑮気候変動への対応プロダクトロスのゼロ化自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率(自社製品の未使用廃棄物の原価/売上高)0.16%0.14%0.13%リサイクル・環境配慮材料への完全代替容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率70%75%80%GHG排出量削減率(スコープ1,2)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ1、2)の削減率44%削減46%削減48%削減GHG排出量削減率(スコープ3)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ3)の削減率7%削減18%削減20%削減水消費量削減率(主要試薬工場)2022年度を基準年度とする試薬生産量当たりの水使用量の削減率34pt削減44pt削減54pt削減ガバナンスの強化⑯法令遵守・人権尊重・高い倫理観に基づいた事業活動⑰情報システム・製品のサイバーセキュリティ対策倫理違反件数法律に違反した事象、およびグローバルコンプライアンスコード違反があったとして制裁処分が科された事象の合計件数---情報セキュリティ教育受講者数情報セキュリティに関するトレーニングの受講者数(延べ)--- ※ 目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 <人的資本> 当社グループは、長期経営戦略の基本戦略のひとつに掲げた「人的資本」において、持続的成長を可能にする人的資本ポートフォリオの最適化、高いエンゲージメントの実現、最高のチームワーク発揮による組織力最大化に取り組むため、中期経営計画における目標、指標を設定いたしました。 (1) ガバナンス 人的資本については、人事本部担当執行役員を議長とした人事委員会を定期的に開催し、持続的な成長と競争力を維持するための人材マネジメントプロセスを実行し、人的資本の最大化を図っております。 あわせて、各部門の担当執行役員及び担当執行役員により任命された部門教育推進者と人事部門で構成される人活会議にて、人材情報や育成状況を可視化しモニタリングを実施しております。 また、中央安全衛生委員会では、健康増進と労働安全推進等、働きやすい職場環境を整備するための活動を推進しております。 これらの活動状況や重要事項については、必要に応じて、内部統制委員会や執行役員会議等の経営会議にて討議・決定を行っております。 (2) 戦略 人材獲得競争の激化や人材流出のリスク、魅力ある職場の実現による経営基盤強化を機会として捉えております。 長期経営戦略においては、人的資本戦略を設定し、3つの人的資本の目指す姿に向けた取り組みを推進しております。 1つ目の「人材ポートフォリオの最適化」とは、戦略を推進し、企業の持続的な価値向上に寄与する人材が適切に配置されている状態を指します。 この実現に向けて、経営戦略が目指す事業領域や機能、スキル・専門性、多様性等多面的な視点で組織づくりに取り組みます。 こうした取り組みの進捗や実効性は、要員計画・人員数、平均教育時間、人件費といった指標を通じて把握しており、事業戦略に沿った人材の量的・質的な確保や育成に向けた人的資本投下が適切に行われているかを確認しております。 2つ目の「高いエンゲージメント」とは、従業員一人ひとりが心身共に充実し、個々の働きがいが実現されていることであります。 そのため、個々のウェルビーイングを向上させる職場環境の構築や、従業員の成長機会を提供していきます。 更に、公平かつ公正な機会の提供や、DE&Iの取り組みを推進する他、時間、場所、雇用形態に関わらず多様な人材が活躍できる仕組みを構築します。 これらの取り組みが従業員一人ひとりの体験価値や働きがいとして実感されているかについては、従業員エンゲージメントスコア、「Sysmex Way」及び「ウェルビーイング」に関する好意的回答率、女性マネジメント比率等を通じて継続的に確認しております。 3つ目が「最高のチームワークの発揮」であります。 チームワークを最大限発揮するためには、自主性を尊重し、チャレンジを促進する 企業風土と豊富なリーダー層の確保・育成が重要であります。 グローバルキーポジションの後継者の可視化や育成機会を充実することで、既存事業と新規事業をけん引するリーダーを持続的に確保・育成していきます。 組織風土についても、企業風土調査結果を従業員に公開し、対話を通じて向上に取り組みます。 こうした取り組みの成果は、従業員エンゲージメントや価値観への共感度に加え、一人当たり付加価値生産性を通じて確認しており、人的資本の活用が企業価値の創出につながっているかを把握しております。 (3) リスク管理 グループ全体のリスクマネジメント体制の中で、人的資本を含むリスクと機会全般におけるアセスメントを毎年実施し、影響度と発生可能性等の観点からリスクの重要度を分析・評価しております。 また、人事委員会と事務局を務める人事本部、また中央安全衛生委員会では、企業風土調査やココロの健康診断等の従業員からの声、ISO30414※の審査時に受けた第三者からの評価内容等、多面的に課題を抽出し、人的資本に関するリスクと機会に対して必要な取り組みを行っております。 ※ 国際標準化機構(International Organization for Standardization)のマネジメントシステム規格の一つで、人的資本情報について、定量化し、分析し、開示するための国際的な指標として設けられたガイドライン。 生産性やダイバーシティ等、人的資本に関する11の項目と58の指標で構成されている。 (4) 指標と目標 人的資本戦略では、実効性ある人的資本の活用及び成果のモニタリングのため、サステナビリティ目標の各指標に加え、モニタリング項目を設定して、適時適切な対応を実施いたします。 また、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドラインであるISO30414の認証を取得しております。 今後もこれらの開示情報を通じて人的資本経営の質を高め、社内外のステークホルダーとの対話を充実させてまいります。 指標2024年度(実績)2025年度(実績)2026年度(目標)インプット人的資本の投下に関する項目要員計画・人員数12,064人12,313人-平均教育時間24.7時間29.5時間40.0時間人件費1,424億円1,501億円-スループット従業員エクスペリエンス・企業カルチャーに関する項目従業員エンゲージメントスコア76%74%75%「Sysmex Way」好意的回答率※70%69%-「ウェルビーイング」好意的回答率※59%59%-女性マネジメント比率18.7%19.7%20%以上アウトプット人的資本の活用の成果に関する項目一人当たり付加価値生産性2,144万円1,901万円2,250万円※項目は当社を対象としております。 (注)1.要員計画・人員数は期末時点の人員数であります。 また、派遣労働者等を含んだ人員数であります。 2.目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 <気候変動> 当社グループは、長期経営戦略の基本戦略のひとつに掲げた「エコソーシャル」において、企業活動を通じた社会課題解決への変革を推進するため、中期経営計画における目標、指標を設定しております。 ※エコソーシャル:企業活動と社会課題解決との結合性を強化する取り組み (1) ガバナンス 当社グループは、取締役会の監督のもと、サステナビリティ関連の重要事項について適切なガバナンス体制を構築しております。 環境分野における執行責任者として、環境マネジメントオフィサー(取締役 常務執行役員 小野 隆)を任命し、そのもとで、気候変動及び自然資本を含む環境課題への対応を所管する環境管理委員会を定期的に開催しております。 環境管理委員会は、内部統制委員会が統括する全社的なリスクマネジメントの枠組みの下部組織として位置付けられており、気候関連及び自然資本に関するリスク及び機会への対応方針や施策の検討・推進を行っております。 これらの活動状況や重要事項については、取締役会の監督のもと、執行役員会議等の経営会議に報告され、必要に応じて討議・決定が行われております。 (2) 戦略 当社グループは、気候変動及び自然資本に関する課題が、当社の事業活動並びに中長期的な企業価値に重要な影響を及ぼし得ると評価しております。 これらに起因するリスク及び機会を経営戦略へ適切に反映するため、TCFD及びTNFDの各提言に基づき、気候変動と自然資本を統合的に捉えた分析を実施しております。 当該分析においては、外部の複数の気候・自然関連シナリオを参照し、当社グループの全事業及びサプライチェーン全体を対象として、短期(1年)、中期(~3年)、長期(~10年)の時間軸で、サステナビリティ関連のリスク及び機会が事業活動に与える影響を評価しております。 リスク及び機会が及ぼす財務的影響については、将来の営業利益への影響を基準として定性的に評価しております。 これらのリスク及び機会に対する当社の対応状況は、温室効果ガス排出量削減や資源使用量の低減等の指標及び目標として定量的に管理しており、その進捗は経営戦略の実行状況を評価する重要な要素として活用しております。 リスクと機会環境課題に対するリスクリスクカテゴリー想定されるリスク影響期間※財務的影響取り組み移行リスク政策気候変動自然資本法規制の変化により、原材料や技術の使用制限が発生し、製品供給が困難または高額な代替品が必要となる中長期Low各地域の統括拠点に品質保証・薬事部門を設置し、法務規制の変化に対応原材料の定期的なリスクアセスメントを実施し、代替原料への切替検討による安定供給の確保市場気候変動エネルギー・原材料・グローバル物流コストが増大する短~長期High再生可能エネルギーの導入や省エネルギー対策・設備の効率化、さらに輸送効率の高い濃縮試薬製品の対象拡大、ボーダレス物流網整備などによるエネルギーコストの抑制技術気候変動自然資本環境負荷の低い素材や技術への移行にともない、研究開発コストや設備投資が増加期待されたタイミングで環境規制に対応した製品の実用化が困難になる中長期Low法規制や顧客要請、市場・業界動向を踏まえた製品・技術開発の推進、および環境配慮型素材への計画的な代替評判気候変動自然資本顧客の環境意識の変化により、当社製品の環境負荷に対する批判が生じ、需要および競争力が低下する中長期High顧客の声を製品開発や品質改善に活用する仕組み(Voice of Customer:VOC)の活用、水平リサイクル可能な試薬容器開発など、環境配慮型の企画設計ならびに技術・製品開発の推進物理的リスク急性気候変動自然資本大規模な自然災害により、工場被災やサプライチェーンの寸断が生じ、生産や製品供給が困難になる短~長期High事業継続計画(BCP)に基づく、消費地近隣での分散生産体制の構築や、原材料の複数社購買・供給体制・輸送ルート・安全在庫の確保によるリスクを分散慢性気候変動自然資本干ばつにともなう地域的な水不足による製品の安定的な供給が困難になる中長期Middleリスクの定期モニタリング、事業継続計画(BCP)に基づくリスクを低減 ※ 短期:1年、中期:~3年、長期:~10年 環境課題に対する機会機会/カテゴリー想定される機会影響期間※財務的影響取り組み資源効率気候変動より効率的な輸送手段の利用やIoT活用によりオペレーションが最適化される短~長期Highグローバル物流プロセスのデジタライゼーションやリモートサービス、添付文書や表示値などの製品付随情報のデジタル化を通じ、CO2削減を推進気候変動自然資本梱包や製品設計の見直しによる原材料コストや廃棄物量が低下する短~長期High梱包資材や形態の見直しによる省資源化、脱プラスチック素材への代替、ドライアイスフリーの超低温輸送対象の拡大、プロダクトロスのゼロ化、製造・開発工程で排出される資源の有価物化により、廃棄物削減と資源循環を図るエネルギー気候変動省エネルギー化によるエネルギーコストの削減や低炭素エネルギーへのシフトによる社会的評価が向上する中長期Low省エネルギー対策や設備の効率化、再生可能エネルギーの導入やZEB認証取得、社用車の低燃費車への切替、電力消費量の高い既存製品切替促進を通じ、エネルギー使用量を低減製品とサービス気候変動自然資本自然環境の悪化にともなう長期的な疾患動向の変化により、新たな検査機会が創出され、検査需要が拡大する中長期Middleマラリアなどの感染症対策や薬剤耐性(AMR)に寄与する製品開発や、デジタル技術を活用した公的保健医療政策との連携強化に向けた活動を推進市場気候変動自然資本顧客の購入意識の変化により、環境に配慮した製品や非常時問わず対応可能な製品などへのニーズが高まるなど、新たな製品・サービスの創出機会が生まれる中長期Middle省電力・小型化製品や、省エネ・省資源技術を活かしたサーキュラーエコノミー型製品、診断薬の有効期限を延長する開発などの推進評判気候変動自然資本気候変動・自然資本への取り組みと情報開示により、金融市場での評価・期待が高まる短~中期LowTCFD・TNFD対応をはじめ、シスメックスサステナビリティデータブックなどによる環境情報の開示レジリエンス気候変動自然資本自然災害発生時における製品・サービスの安定供給により、顧客からの信頼が向上する中長期Middleグローバルな供給体制や原材料の複数社購買によるバックアップ体制を構築 ※ 短期:1年、中期:~3年、長期:~10年 (3) リスク管理 当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、全社的なリスクマネジメントの枠組みの中で体系的に管理しております。 取締役会の監督のもと、全社的なリスクマネジメントは、取締役社長が委員長を務める内部統制委員会が統括しており、同委員会の下部組織の一つとして、気候変動及び自然資本を含む環境関連のリスク及び機会を所管する環境管理委員会を設置しております。 環境管理委員会は、気候変動及び自然資本に関連する環境リスク及び機会について、識別及び評価を実施しております。 評価にあたっては、事業活動及びサプライチェーン全体を対象とし、外部シナリオ分析や自然資本評価手法(LEAPアプローチ等)を活用して、リスクの発現可能性及び事業への影響度を検討しております。 識別された重要なリスク及び機会については、影響の大きさ及び発現時期を踏まえて優先順位付けを行い、対応策を関係部門に割り当てると共に、進捗状況を継続的にモニタリングしております。 評価結果及び対応状況は、内部統制委員会に報告されると共に、重要な事項については、執行役員会議等の経営会議において討議・決定され、経営判断に反映されます。 また、環境管理委員会における評価結果は、内部統制委員会が主導する全社的なリスクアセスメントにもインプットされ、他の経営リスクとあわせて統合的に管理されております。 (4) 指標と目標 当社グループは、「2040年カーボンニュートラル宣言」及び2033年度を最終年度とする長期経営戦略において定める非財務目標の推進に向け、「シスメックス・エコビジョン2033」並びにサステナビリティ目標を設定しております。 これらの指標及び目標は、当社の戦略及びリスク管理において重要と評価したサステナビリティ関連のリスク及び機会に対応するものであります。 自然資本に関する指標及び目標については、TNFDの提言に基づきLEAPアプローチを通じた評価結果を反映し、全社の非財務目標体系に統合した上で、他の環境目標とあわせて一元的に管理しております。 具体的には、気候変動に関する目標として温室効果ガス排出量の削減、自然資本に関する目標として主要な試薬生産拠点における試薬生産量あたりの水消費量の削減、プロダクトロスのゼロ化(未使用自社製品の廃棄率0.1%未満)、リサイクル・環境配慮材料への完全代替等を設定しております。 これらの指標及び目標の進捗状況は、研究開発から生産、物流、廃棄に至る製品ライフサイクル全体でモニタリングされ、サステナビリティ関連のリスク低減及び機会創出に向けた取り組みの実効性を評価するために活用されております。 マテリアリティKPI※1目標実績2024年度2025年度2033年度(エコビジョン)2024年度2025年度環境への負荷低減製品ライフサイクルにおける資源循環プロダクトロスのゼロ化自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率(自社製品の未使用廃棄物の原価/売上高)0.20%0.18%0.1%未満0.40%0.18%リサイクル・環境配慮材料への完全代替容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率50%60%100%62%67%GHG排出量削減率(スコープ3)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ3)の削減率5%削減10%削減35%削減1%削減8%増加包装用資材削減率2019年度を基準年度とする包装材料総重量の削減率---4%削減25%削減サプライヤーエンゲージメント比率カテゴリー1, 2, 4, 9におけるSBTi認定取得又はSBTi認定に準ずるGHG排出削減にコミットするサプライヤー割合---40%40%事業活動における環境負荷低減GHG排出量削減率(スコープ1、2)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ1、2)の削減率35%削減40%削減55%削減33%削減41%削減再生可能エネルギー比率全電気使用量に対する再生可能エネルギー使用量の比率70%75%90%以上72%83%一人当たりエネルギー使用量削減率2022年度を基準年度とする一人当たりのエネルギー使用量の削減率2%削減3%削減-7%削減※217%削減水消費量削減率(主要試薬工場)2022年度を基準年度とする試薬生産量当たりの水使用量の削減率14pt削減23pt削減90pt削減31pt削減25pt削減総廃棄物量削減率2022年度を基準年度とする連結売上高当たりの事業活動に伴う総廃棄物量の削減率3%削減5%削減15%削減33%削減41%削減製商品廃棄額対売上高比率有効期限切れ等の理由により廃棄となった製商品の廃棄額の対連結売上高比率---0.5%0.3% ※1 目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 ※2 昨年度の有価証券報告書での開示数値は速報値であり、最終値に変更いたしました。 |
| 戦略 | (2) 戦略当社グループは、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を両立させるため、事業活動を通じて取り組むべき優先的な重要課題(マテリアリティ)を特定し、これを中長期の経営戦略及び中期経営計画の基点としております。 特定したマテリアリティである「健康社会への価値創出」「イノベーションの創出」「責任ある製品・サービス・ソリューションの提供」「人的資本の最大化」「環境への負荷低減」「ガバナンスの強化」は、いずれも当社グループの事業活動及び価値創造に直結する重要なテーマであり、これらに内在するリスク及び機会を的確に捉え、戦略に反映することが不可欠であると認識しております。 ①健康社会への価値創出、イノベーションの創出当社グループは、革新的な検査・診断ソリューションを通じて、疾病の早期発見や予防、医療の質と効率性の向上に貢献し、健康社会への価値創出を目指しております。 AIやロボティクス等の技術革新や医療制度改革、新興国における医療ニーズの拡大は、新たな診断・治療のワークフロー創出や医療アクセス向上につながる大きな機会であります。 一方で、技術革新への対応遅延や競争激化、知的財産の侵害、経済・地政学的変動は、競争優位性低下や事業継続へのリスクとなります。 当社グループは、研究開発・生産・供給体制のグローバル分散や情報収集体制の強化により、地政学的・経済的な環境変化に対する事業継続性の確保にも取り組んでおります。 オープンイノベーションを含む研究開発投資の継続、AIの適切な活用体制の整備、知的財産の戦略的保護を通じて、社会課題の解決と持続的な成長の両立を図っていきます。 関連する主な事業等のリスク:①地政学、②経済動向、⑥技術革新、⑧医療制度改革、⑨知的財産、⑩安定供給、⑪品質 ②責任ある製品・サービス・ソリューションの提供当社グループは、医療に不可欠な製品・サービスを提供する企業として、患者さんや医療現場の安全を最優先に、高い品質・安全性と安定供給を果たす責任を有しております。 一方で、製品・サービスの品質不良や薬事規制への対応遅延、サプライチェーンの混乱は、検査の遅延や誤りを招き、医療の質や社会的信用の低下につながるリスクとなります。 当社グループは、設計・開発から販売後までの製品ライフサイクル全体において、品質マネジメント、法規制・コンプライアンス対応、グローバルに複線化した生産・調達体制を強化しております。 加えて、取引先における環境・人権・コンプライアンス等のESGリスクを把握・管理し、責任ある調達を推進することで、製品の信頼性と安定供給を確保し、競争優位性の確立と持続的成長につなげていきます。 関連する主な事業等のリスク:①地政学、④コンプライアンス、⑤人権、⑥技術革新、⑧医療制度改革、⑩安定供給、⑪品質 ③人的資本の最大化当社グループは、人材を持続的な成長を支える重要な経営資源の一つと捉えております。 グローバルな人材獲得競争の激化や人材流出、従業員の安全・健康への配慮不足は、事業推進力や競争力の低下につながるリスクとなります。 一方、多様な人材が安心して能力を発揮できる環境を整備し、エンゲージメントと付加価値生産性を高めることは、イノベーション創出や経営基盤強化につながる重要な機会であります。 当社グループは、「Sysmex Way」に基づき、人権尊重とDE&I※を前提とした人材育成、挑戦を促す評価・報酬制度、グローバルなキャリア形成支援を推進しております。 人的資本への戦略的な取り組みと透明性の高い情報開示を通じ、企業価値の向上と持続的成長を目指していきます。 関連する主な事業等のリスク:⑤人権、⑭人材確保※ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン ④環境への負荷低減当社グループは、気候変動や自然資本に関する環境課題を、中長期的な企業価値に影響を及ぼす重要な経営課題と捉えております。 環境規制の強化やエネルギー・原材料コストの上昇、気候変動に起因する自然災害は、事業コストやサプライチェーンの安定性に影響を及ぼすリスクとなります。 一方で、環境負荷低減を実現する製品・サービスへの需要拡大や、資源循環を通じたオペレーション効率化は、新たな成長機会でもあります。 当社グループは、「シスメックス・エコビジョン2033」に基づき、製品ライフサイクル全体を通じた環境負荷低減と資源循環の実現を戦略の中核に位置付けております。 TCFD・TNFD提言に基づく分析を通じて環境リスクと機会を戦略に統合し、再生可能エネルギーの活用、省資源・省エネルギー化、リサイクルを前提とした循環型バリューチェーンの構築を推進することで、事業のレジリエンス強化と持続的な環境価値の創出を目指していきます。 関連する主な事業等のリスク:① 地政学、② 経済動向、⑦ 環境、⑩ 安定供給 ⑤ガバナンスの強化当社グループは、グローバルに事業を展開する中で、法令違反や社会規範の逸脱、人権への不十分な配慮、事業活動全般における不適切な対応や情報管理上の不備が生じた場合、社会的信用やブランド価値を大きく損なうリスクを認識しております。 一方で、人権尊重を基盤とした企業活動や、高い倫理観に基づく公正で透明性のある事業運営、適切なデータ保護を含む情報セキュリティの確保は、顧客や社会からの信頼を高め、市場の健全化と中長期的な企業価値向上につながる重要な機会であります。 当社グループは、「Sysmex Way」に基づく高い倫理観のもと、コンプライアンス、人権、情報管理に関するガバナンス体制を強化し、透明性と説明責任の高い経営を通じて持続的成長を目指しております。 関連する主な事業等のリスク:④コンプライアンス、⑤ 人権、⑫ 情報システム・セキュリティ |
| 指標及び目標 | (4) 指標と目標 当社グループのマテリアリティに関連する「サステナビリティ目標」を設定し、取り組みのモニタリングを行っております。 特に重要と考えられる指標と目標について以下に示します。 サステナビリティ目標の進捗状況 マテリアリティKPI※1目標実績2024年度2025年度2033年度(エコビジョン)2024年度2025年度健康社会への新たな価値創出イノベーションを通じた医療課題解決ヘマトロジー検査件数CBCテスト数(試薬数ベース)---2,904百万件※23,014百万件手術支援ロボットによる症例数手術支援ロボットシステム(株式会社メディカロイド製)を用いた症例数---5,209件7,857件医療アクセスの向上新興国・開発途上国売上高新興国・開発途上国の連結売上高---1,795億円1,574億円責任ある製品・サービス・ソリューションの提供品質と信頼の追求リコール件数販売している製品(機器・試薬)を対象として、自主回収・自主改修を実施した件数---6件※26件サプライチェーンマネジメントの強化CSR調査回答率(国内・海外一次サプライヤー)原材料一次サプライヤー(国内・海外)に対して、CSR調査に回答したサプライヤーの割合(海外関係会社の直サプライヤーは含まない)90%90%-95%95%環境への負荷低減製品ライフサイクルにおける資源循環プロダクトロスのゼロ化自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率(自社製品の未使用廃棄物の原価/売上高)0.20%0.18%0.1%未満0.40%0.18%リサイクル・環境配慮材料への完全代替容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率50%60%100%62%67%GHG排出量削減率(スコープ3)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ3)の削減率5%削減10%削減35%削減1%削減8%増加事業活動における環境負荷低減GHG排出量削減率(スコープ1、2)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ1、2)の削減率35%削減40%削減55%削減33%削減41%削減ガバナンスの強化コンプライアンス内部通報件数内部通報受付件数---17件50件魅力ある職場の実現エンゲージメントの向上エンゲージメントスコア企業風土調査結果におけるエンゲージメント項目の好意的回答率75%75%-76%74%ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進女性マネジメント比率課長級以上の女性比率19%以上20%以上-18.7%19.7%人材の育成付加価値生産性付加価値生産性/人2,100万円2,250万円-2,144万円1,901万円 ※1 目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 ※2 計算方法の見直しにより、昨年度開示数値から変更いたしました。 翌事業年度からの主要サステナビリティ目標マテリアリティKPI※目標2026年度2027年度2028年度健康社会への価値創出①一人ひとりのQOL向上と健康寿命の延伸②医療従事者の安全・生産性の向上③医療経済性の向上④医療アクセスの向上ヘマトロジー検査件数CBCテスト数(試薬数ベース)---ハイクラス薬事承認数ハイクラス製品(仕入れ、現地生産等除く)の薬事許認可取得数(主要国)---新興国・開発途上国売上高新興国・開発途上国の連結売上高---イノベーションの創出⑤革新技術の実装と知的財産の創出・保護⑥独自のデータ・AIの活用売上高研究開発比率売上高に対する研究開発費の割合---責任ある商品・サービス・ソリューションの提供⑦品質と信頼の追求開示⑧レジリエントなサプライチェーン構築による安定供給の維持⑨各国医療行政への対応リコール件数販売している製品(機器・試薬)を対象として、自主回収・自主改修を実施した件数---薬事承認数全製品(仕入れ、現地生産等除く)の薬事許認可取得数(主要国)---人的資本の最大化⑩DE&Iの推進⑪人材の獲得と育成⑫健康増進と労働安全の推進エンゲージメントスコア企業風土調査結果におけるエンゲージメント項目の好意的回答率75%75%75%女性マネジメント比率課長級以上の女性比率21.0%21.0%21.0%付加価値生産性付加価値生産性/人2,100万円2,200万円2,300万円年間労働時間正社員一人当たりの年間総労働時間1,980時間1,975時間1,970時間環境への負荷低減⑬製品ライフサイクルにおける資源循環⑭水資源の効率的利用⑮気候変動への対応プロダクトロスのゼロ化自社製造品、原材料、スペアパーツの未使用廃棄率(自社製品の未使用廃棄物の原価/売上高)0.16%0.14%0.13%リサイクル・環境配慮材料への完全代替容器と包装材のリサイクル・環境配慮材料の利用率70%75%80%GHG排出量削減率(スコープ1,2)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ1、2)の削減率44%削減46%削減48%削減GHG排出量削減率(スコープ3)2022年度を基準年度とするGHG排出量(スコープ3)の削減率7%削減18%削減20%削減水消費量削減率(主要試薬工場)2022年度を基準年度とする試薬生産量当たりの水使用量の削減率34pt削減44pt削減54pt削減ガバナンスの強化⑯法令遵守・人権尊重・高い倫理観に基づいた事業活動⑰情報システム・製品のサイバーセキュリティ対策倫理違反件数法律に違反した事象、およびグローバルコンプライアンスコード違反があったとして制裁処分が科された事象の合計件数---情報セキュリティ教育受講者数情報セキュリティに関するトレーニングの受講者数(延べ)--- ※ 目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2) 戦略 人材獲得競争の激化や人材流出のリスク、魅力ある職場の実現による経営基盤強化を機会として捉えております。 長期経営戦略においては、人的資本戦略を設定し、3つの人的資本の目指す姿に向けた取り組みを推進しております。 1つ目の「人材ポートフォリオの最適化」とは、戦略を推進し、企業の持続的な価値向上に寄与する人材が適切に配置されている状態を指します。 この実現に向けて、経営戦略が目指す事業領域や機能、スキル・専門性、多様性等多面的な視点で組織づくりに取り組みます。 こうした取り組みの進捗や実効性は、要員計画・人員数、平均教育時間、人件費といった指標を通じて把握しており、事業戦略に沿った人材の量的・質的な確保や育成に向けた人的資本投下が適切に行われているかを確認しております。 2つ目の「高いエンゲージメント」とは、従業員一人ひとりが心身共に充実し、個々の働きがいが実現されていることであります。 そのため、個々のウェルビーイングを向上させる職場環境の構築や、従業員の成長機会を提供していきます。 更に、公平かつ公正な機会の提供や、DE&Iの取り組みを推進する他、時間、場所、雇用形態に関わらず多様な人材が活躍できる仕組みを構築します。 これらの取り組みが従業員一人ひとりの体験価値や働きがいとして実感されているかについては、従業員エンゲージメントスコア、「Sysmex Way」及び「ウェルビーイング」に関する好意的回答率、女性マネジメント比率等を通じて継続的に確認しております。 3つ目が「最高のチームワークの発揮」であります。 チームワークを最大限発揮するためには、自主性を尊重し、チャレンジを促進する 企業風土と豊富なリーダー層の確保・育成が重要であります。 グローバルキーポジションの後継者の可視化や育成機会を充実することで、既存事業と新規事業をけん引するリーダーを持続的に確保・育成していきます。 組織風土についても、企業風土調査結果を従業員に公開し、対話を通じて向上に取り組みます。 こうした取り組みの成果は、従業員エンゲージメントや価値観への共感度に加え、一人当たり付加価値生産性を通じて確認しており、人的資本の活用が企業価値の創出につながっているかを把握しております。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (4) 指標と目標 人的資本戦略では、実効性ある人的資本の活用及び成果のモニタリングのため、サステナビリティ目標の各指標に加え、モニタリング項目を設定して、適時適切な対応を実施いたします。 また、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドラインであるISO30414の認証を取得しております。 今後もこれらの開示情報を通じて人的資本経営の質を高め、社内外のステークホルダーとの対話を充実させてまいります。 指標2024年度(実績)2025年度(実績)2026年度(目標)インプット人的資本の投下に関する項目要員計画・人員数12,064人12,313人-平均教育時間24.7時間29.5時間40.0時間人件費1,424億円1,501億円-スループット従業員エクスペリエンス・企業カルチャーに関する項目従業員エンゲージメントスコア76%74%75%「Sysmex Way」好意的回答率※70%69%-「ウェルビーイング」好意的回答率※59%59%-女性マネジメント比率18.7%19.7%20%以上アウトプット人的資本の活用の成果に関する項目一人当たり付加価値生産性2,144万円1,901万円2,250万円※項目は当社を対象としております。 (注)1.要員計画・人員数は期末時点の人員数であります。 また、派遣労働者等を含んだ人員数であります。 2.目標を「-」で表示している項目は、目標を設定しないモニタリング項目であります。 |
| 事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社グループは、主たる事業である検体検査分野を中心に、個別化医療や個別化予防、更にはメディカルロボット事業や再生細胞医療等の取り組みを推進し、医療機関に不可欠な製品・サービスを安定的に提供しております。 世界190以上の国や地域に製品・サービスを供給しており、当社グループの業績は、国内外で今後発生し得る様々な要因によって影響を受ける可能性があります。 当社グループでは、グループ内外における様々なリスクを組織的・体系的に管理する取り組みを推進しております。 事業の継続と発展のための成長戦略の実行により、顕在化するリスクを適切に識別・評価し、事業機会の創出と持続的な企業価値向上の両立を図ると共に、経営及びその持続性に影響を与える可能性について、それぞれの重要度に応じて予防及び発生時の対策を講じております。 また、それらの対応状況を共有することにより、投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまに安心いただけるよう取り組んでおります。 <リスク管理の体制及びプロセスについて> グループ全体のリスクマネジメントを推進する体制として内部統制委員会を設置し、事業部門から独立した組織である内部統制室が事務局を務めております。 内部統制委員会は、当社グループの内部統制・リスクマネジメント全般を統括しております。 内部統制委員会の委員長は取締役社長が務め、メンバーは取締役会長、担当執行役員及び常勤監査等委員、オブザーバーは社外取締役が務めております。 また、下図のとおり、主要なリスク領域については、コンプライアンス委員会等、関連委員会を設置しております。 各委員会はグループ横断的に活動を統括すると共に、部門・関係会社での取り組み状況を定期的にモニタリングし、内部統制委員会へ報告しております。 上述のリスクマネジメント体制において、当社グループは社内外の環境変化を考慮した上、毎年リスクアセスメントを実施しております。 リスクの抽出に漏れが生じないよう、主要なリスク領域を担当する委員会や部門、及び関係会社にてリスクを特定し、影響度と発生可能性等の観点からリスクの重要度を分析・評価しております。 その後、業務全般にわたるリスクを管轄する内部統制委員会や、戦略の意思決定に係るリスクを管轄するグローバル戦略会議・執行役員会議等において、グループ全体を俯瞰する観点から重点的に管理すべきリスクや具体的な対応計画等について審議・決定し、定期的に進捗をモニタリングしております。 以上のプロセスにおける審議及び報告内容はタイムリーに取締役会に報告され、必要に応じて審議されております。 <リスク及びその対応について> 有価証券報告書に記載した事業及び経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重大な影響を及ぼす可能性のある事項は14項目あり、それらを以下のとおりマクロ環境に由来するリスクとミクロ環境に由来するリスクに分類しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであると共に全てのリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクにより将来的に予期せぬ影響を受ける可能性があります。 ① 地政学に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>地政学的な緊張の高まりによる事業への影響 当社グループは、生産、販売・サービス、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しております。 国家間の対立・分断や貿易摩擦等、地政学的な緊張はますます高まっており、国家間紛争等のリスクが顕在化しております。 当社グループの活動拠点を有する国や周辺地域において、紛争や輸出入規制の厳格化、更なる自国産業保護の動き等が生じ、販売・調達等の事業活動が制限される可能性があります。 また、上述のような事業活動の制限のみならず、従業員等の安全に影響を及ぼす可能性があります。 <機会>製品・サービスの供給継続による信頼性向上 診断薬の現地生産化をグローバルに推進し、安定供給体制を強化することにより、お客様からの信頼性や競争力が向上する可能性があります。 更に、活動拠点を各地に有することにより、現地のニーズを的確に把握すると共に、きめ細やかに対応した製品・サービスを提供できる可能性があります。 対応 当社グループではグローバルなネットワークを活用し、地政学・経済安全保障のリスクを見据え、各国・地域の情勢に関する情報収集を継続的に行うと共に、グローバル調達や海外生産機能の強化に取り組んでおります。 特に、自国産業保護の動きが見られる国においては、現地での生産や部品・原材料の調達等が必要となる場合があるため、最新情報の把握に努めると共に、主に診断薬において現地への生産移管に向けた取り組みを行っております。 インドにおいては、Make in India 政策等に対応したグループ初の診断薬・機器双方の生産機能を備える新たな生産拠点が本格稼働し、現地生産を行っております。 また、中国やインドにおいては、各国内での原材料調達を推進し、グループの供給力強化に取り組んでまいります。 更に、国家間紛争等の有事の際には、人命保護を最優先に、安全保障に関する輸出入規制等を遵守しつつ、人道支援・医療に貢献する製品の供給が中断することがないよう対策を講じております。 今後も刻々と変化する世界情勢に対して、当社グループの事業への影響を考慮し、適切に対応してまいります。 ② 経済動向に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>経済情勢悪化による販売機会低下 当社グループは比較的需要が安定しているヘルスケアを主たる事業としておりますが、世界的な経済情勢の悪化により、各国政府の医療財政ひっ迫や医療機関における予算縮小等が発生した場合、設備投資意欲が低下し、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 特に、中国における医療費抑制政策等の影響に関しては、既に顕在化しております。 また、関税を含む輸出入規制や急速なインフレ進行、エネルギー価格の高騰、金利動向の変化等、経済環境の著しい変化により、原材料や各国の輸出入等に係るコストが更に増加し、業績へ影響を及ぼす可能性があります。 <機会>経済好況に伴う医療インフラへの投資増加 世界経済が好調に推移した際は、医療インフラへの投資増加等に伴い、当社グループの製品についても販売機会が拡大する可能性があります。 特に、インド・中南米等の人口増加及び経済成長が見込まれる新興国においては、医療水準向上のニーズが高まっており、検査需要の増加を背景に更なる市場の拡大が期待できます。 対応 当社グループは、不確実性が高まる中、各国・地域の市場環境の変化に関する情報を適宜グローバルに収集し、お客様に付加価値の高い製品・サービスを提供してまいります。 また、ロボティクスやAI等を活用した医療機関の収益向上に資するソリューションの提供により、検査の標準化・効率化を実現しております。 更に、経済成長及び人口増加に伴い、医療インフラへの投資が大きく期待される新興国において、多種多様な市場ニーズに適した製品の開発・市場導入を進め、医療アクセスや医療の質を向上させることにより、ユニバーサルヘルスカバレッジにも貢献しております。 特に、高成長市場であるグローバルサウスの中でも、インド、ブラジル、中東、アフリカ等に対し、戦略商品を展開し、成長を持続してまいります。 今後も、グループ全体で更なる付加価値の創出を進めてまいります。 ③ 為替の変動に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>円高による海外売上・資産の減少等、連結業績へのマイナス影響 <機会>円安による海外売上・資産の増加等、連結業績へのプラス影響 当社グループは海外関係会社及び代理店を経由して各国・地域へ販売を行っており、連結売上高に占める海外売上高の比率は、2025年3月期86.7%、2026年3月期88.3%と高い水準で推移しております。 海外関係会社の現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時に為替レートの変動による影響を受けるため、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼします。 為替が円高に推移した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 一方、円安時には海外関係会社における販管費等が円換算ベースで増加しますが、それを上回る売上増加により連結業績では好影響を受ける可能性があります。 なお、2026年3月期の売上高、営業利益における為替の1円変動の影響は、以下のとおりであります。 売上高営業利益USD798百万円207百万円EUR596百万円71百万円CNY4,089百万円2,993百万円 対応 外貨建営業債権、関係会社貸付金及び借入金等を含む、外貨建の債権債務について、主に為替予約を行うことによりリスクをヘッジしております。 また、診断薬を中心に生産拠点をグローバルに分散することにより、為替による影響を軽減させる措置を講じております。 ④ コンプライアンスに関わるリスクについて脅威・機会<脅威>コンプライアンス違反による社会的信用の失墜 当社グループはグローバルに事業を展開しており、関連する法令・規制は多岐にわたります。 法令違反や不正等が発生した場合、社会的信用を失墜させると共に、訴訟や賠償が発生する可能性があります。 また、予期しない法規制の大幅な変更や適用への対応に不備や遅れが発生した場合、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 法規制にとどまらず、社会規範の逸脱、倫理に反する行為等が発生した場合にも、社内外のステークホルダーの安心や信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 <機会>コンプライアンス遵守によるステークホルダーからの信頼性向上 当社グループは、コンプライアンスの遵守を、持続的な企業経営の重要な要素と捉えております。 グループ全体でのコンプライアンス遵守に向けた取り組みにより、社内外のステークホルダーからの更なる信頼性の向上が期待できます。 また、それらの取り組みによる健全な企業文化の醸成により、エンゲージメントが高まり生産性の向上、ひいては更なる企業価値の向上につながることが期待できます。 対応 当社グループでは、企業理念「Sysmex Way」及びそれに基づく「Shared Values」を踏まえ、コンプライアンスを「法令遵守と共に高い倫理観に基づいた正々堂々とした事業活動を行うこと」と定義しております。 コンプライアンス違反は社会的信用を失墜させる最も重要なリスクの一つと捉え、グループ全体のリスク管理体制の下で、コンプライアンスの統括組織としてコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスの推進・強化に取り組んでおります。 また、グループの役職員が遵守すべき特に重要なルールや行動のガイドラインとしてグローバルコンプライアンスコードを制定しております。 更に、当社グループは、全役職員が贈収賄や人権侵害等を含むコンプライアンス上の問題に関して相談・通報できるグローバル体制を構築している他、ビジネスパートナーの皆さまにも、当社グループのコンプライアンス違反若しくはその疑いがある行為について通報を受け付ける「パートナーホットライン」を設けております。 加えて、役職員への教育・啓発活動をコンプライアンス推進・徹底の基盤と位置付け、グループ全体で継続的な教育を実施しております。 当社は、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の調査を受け、同法に基づき当社が提出した確約計画が2025年2月に認定されました。 現在、当社は当該確約計画を着実に実行しております。 なお、本認定は、当社が独占禁止法に違反したことを認定するものではありませんが、独占禁止法違反の疑いにより公正取引委員会の調査を受けた事実を真摯に受け止め、当社グループは、確約計画の履行にとどまらず、独占禁止法の遵守をはじめとするコンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。 ⑤ 人権に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>人権対応の不備による社会的信用の低下 企業活動において人権を尊重することは非常に重要な要素の一つであり、各国においても様々な施策が講じられております。 当社グループの人権尊重に対する取り組みの不備や遅れにより、人種・性別等による差別や強制労働・児童労働等の人権侵害が発生した場合、取引先や投資家をはじめとするステークホルダーからの信用を低下させる可能性があります。 <機会>適切な人権対応による信頼性向上 多様な人材が安心して働きやすい環境を整備し受容するDE&Iの推進やサプライチェーンにおける差別の排除等、公正かつ持続可能な企業経営を推進し、人権に対して適切に対応することにより、ステークホルダーからの信頼性の向上、ひいては競争優位性の創出につながる可能性があります。 対応 当社グループでは、人権尊重と差別撤廃をグローバルコンプライアンスコードに掲げ、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」及びILO中核的労働基準の趣旨を踏まえ、人権を尊重した企業経営及び職場環境づくりに取り組んでおります。 また、人権方針においては、人権デュー・デリジェンスの実施を規定し、自社内にとどまらず、サプライチェーンに関わる外部パートナーを含め、人権への影響を特定し、負の影響を防止・緩和する取り組みを進めております。 強制労働・児童労働の禁止、ジェンダー・障がい・人種・思想等に対する差別の排除等、事業活動が人権侵害に関与・加担することのないよう、予防的に対処する仕組みを整備しております。 また、国内外に設けた内部通報窓口に加え、サプライチェーンを含む外部ステークホルダーからの人権に関する相談・通報を、第三者機関であるJaCERが運営する「対話救済プラットフォーム」から受け付けております。 通報窓口に寄せられた情報は適切に取り扱い、相談・通報者が不利益を受けないよう保護すると共に、必要な是正・救済措置を講じる体制を整備しております。 更にハラスメントの防止や、労働に関する正しい知識の浸透等を目的とする教育を実施し、人権侵害の未然防止に努めております。 ⑥ 技術革新に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>技術革新への対応遅延による競争優位性低下 近年の技術革新により、ヘルスケア領域においてもAI・ロボティクス等の技術が急速に高度化しており、遠隔医療ソリューション、AI診断等の技術の進展により、ビジネスモデルが大きく変化する可能性があります。 このような環境下においては、当社グループの対応が遅れることにより、競争優位性の低下を招く可能性があります。 また、社内のデジタル化やデータ活用の取り組みが十分に進展せず、その効果を発揮できない場合、業務の生産性・効率性が向上せず、結果として事業推進コストの増加や組織全体の競争力低下を招く可能性があります。 <機会>イノベーションによる付加価値向上 革新的技術の創出及び積極的な活用により、検査業務をはじめとする医療の効率化・高度化等の更なるイノベーションを実現することで、高付加価値な製品・サービスの提供が可能になります。 また、革新的技術の普及に伴うビジネスモデルの変革に対し、いち早く適応することにより、新たな市場機会の創出や販売機会拡大につながる可能性があります。 更に、データ活用を基盤とした社内の業務プロセスの見直しや、デジタル化による業務効率・生産性の向上は、企業価値の向上に寄与する可能性があります。 対応 当社グループは、企業理念「Sysmex Way」及びそれに基づく「Shared Values」を踏まえ、様々な技術開発を通じたイノベーションを創出し、社会課題の解決に資する製品・サービスの提供に努めております。 新たな技術の開発に向け積極的な投資を継続すると共に、大学や研究機関、企業等が持つ技術と当社グループの技術を融合させ、新たな臨床価値を効果的に生み出すオープンイノベーションを推進しております。 また、グループ内に蓄積されたデータの活用やAI・デジタル技術の導入を通じて、生産性・効率性の向上に取り組んでおります。 更に、世界各地にこれらの活動を促進する研究開発拠点を開設し、従来の検体検査領域のみならず、個別化医療や予防医療等への貢献に取り組んでおります。 その一環として、アルツハイマー病検査におけるプレゼンスの向上と市場浸透に取り組んでおります。 アルツハイマー病治療薬(抗アミロイドβ抗体薬)は認知症の進行を抑える効果が期待される一方で、一部の患者さんには副作用が現れることがあります。 当社は、この副作用リスクを予測する検査試薬について、国内で初めて製造販売承認を取得いたしました。 更に、富士レビオ・ホールディングス株式会社とのグローバルな販売協業を開始する等、早期市場参入による市場優位性の確保を図ると共に、アルツハイマー病検査をはじめとした免疫分野での更なる成長を目指してまいります。 また、近年高度化する医療現場において、検査プロセスの更なる自動化や、AIを活用した検査結果解析システムの開発等を進めることにより、生産性を高め、深刻化する検査技師不足を補う検査室の自動化を推進してまいります。 今後も、新たな技術やイノベーションの創出を通じて医療環境のデジタルトランスフォーメーションを進め、検査データとAIを軸とするデジタル戦略で、医療の現場や社会全体が抱える切実な課題の解決に取り組むことにより、人々の健康寿命の延伸へ貢献すると共に、持続的な成長を目指してまいります。 ⑦ 気候変動等の環境に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>環境対応の不備や自然災害による事業への影響 持続可能な社会への要請が高まる中、各国において環境負荷低減等の環境への配慮が一層求められております。 当社グループにおいて、規制等への対応の遅延や不適切な対応が生じた場合、罰則や入札制限等を招く可能性があります。 また、気候変動に由来する自然災害により、世界各国のお客様への製品安定供給や従業員等の安全へ影響を及ぼす可能性があります。 <機会>環境課題への取り組みによる信頼性・競争優位性向上 各国における環境に関する法規制等の情報を適宜把握し、プロアクティブに対応を実施することにより、ステークホルダーからの信頼性向上並びに販売機会の拡大につながる可能性があります。 また、環境に配慮した製品開発や生産活動等により付加価値を提供することは、競争優位性の更なる向上及び事業成長に寄与する可能性があります。 対応 当社グループでは、環境マネジメントを推進する組織として環境管理委員会を設置しております。 資源循環型社会の実現に取り組んでおり、製品・サービスを通じた社会課題解決と事業成長の両立により、持続的な環境・社会への価値提供を目指しております。 『シスメックス・エコビジョン 2033』を策定し、生産・開発・販売・サービス等のあらゆるバリューチェーンにおいて、水平リサイクル容器※1の採用、濃縮試薬の普及促進、ドライアイスフリー輸送の導入、脱動物由来の原材料を使用した製品の開発等、CO2排出や水使用、生物多様性等に配慮した環境配慮型製品・サービスを通じて環境負荷低減に取り組んでおります。 水平リサイクル容器※1は業界初のプラ新法に認定されました。 また、TNFD※2の提言に賛同し、業界で初となるTNFD Adopterへの登録を行いました。 更に、SBTi※3の認定を取得し、世界で唯一の独立した環境情報開示を行うCDPの2025年調査においても最高評価となるAリストに選定されました。 ヘルスケア業界においても気候変動と健康の関係性が注目され、国内外の医療機関から環境対応要請が高まっている中、グリーンイノベーションを推進し、自然環境の回復・再生を目指すネイチャーポジティブと持続可能な社会の実現に貢献するため、環境課題への取り組みを加速しております。 ※1 使用済み製品を原料として、再び同じ種類の製品を製造するリサイクル方法※2 Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)※3 Science Based Targets initiative(気候科学に基づき環境危機克服に取り組む国際的イニシアチブ) ⑧ 医療制度改革に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>医療制度改革等への対応不備・遅延による販売機会減少 当社グループの機器・診断薬製品の販売には薬事承認の取得が必要であり、各国において承認取得に関する要求事項が複雑・高度化する傾向にあります。 特に、近年ではデジタル技術やソフトウェアを活用した新たな診断手法の実用化等により、製品に関する規制の枠組みが見直される動きも見られております。 このような傾向は、対応コストを増加させる可能性があると共に、対応が遅れた場合は新製品の発売への影響等、市場獲得機会の喪失を招く可能性があります。 また、各国において保険収載に関する制度の見直しや、保険点数等の検査に係る費用引き下げ等が発生した場合は、当社製品の販売機会減少の可能性があります。 中国においては、医療費抑制政策である必要最小限の原則や集中購買制度等の影響が、既に顕在化しております。 <機会>規制やニーズへの迅速な対応による競争優位性向上 ヘルスケア業界での、欧州におけるIVDR※1をはじめとした厳格化する薬事規制への対応は、新規参入企業に対する障壁となり、当社グループの競争優位性が向上する要因となる可能性があります。 また、各国での医療財政の改善により医療機関の予算が増加した場合、販売機会の拡大が見込める可能性があります。 更に、新興国での医療制度拡充、及び医療インフラへの投資増加等により、需要の拡大が期待できます。 ※1 In Vitro Diagnostic Medical Devices Regulation(体外診断用医療機器規則)対応 薬事規制に対しては各国業界団体への参画等を通じて最新情報の把握に努めると共に、当社グループのグローバルなネットワークを活用した体制により、競争優位性を更に強化すべく適時的確な薬事承認の取得・維持に取り組んでおります。 各国・地域における様々な環境変化において、多様化・高度化するニーズを正確に捉えた上、個別化医療に資する新たな診断技術の開発を推進しております。 また、検体検査機器・診断薬・IT・サービス&サポートをトータルに保有する強みを活かし、医療ワークフローの効率化や疾病の早期発見、更には新興国における医療アクセス向上等の医療課題解決に取り組んでまいります。 2025年度には、グループ全体における品質保証・薬事のガバナンスを統括する「グローバルQARA統括部」を新設しております。 高度化・厳格化する各国規制に対応しつつ成長戦略を実行するため、今後も世界各国のお客様に安定的に製品をお届けするため、各国の制度改革や要請の変化に適切に対応してまいります。 ⑨ 知的財産に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>知的財産権の侵害や被侵害による事業への影響 当社グループは、特許、商標、意匠等の知的財産権をグローバルに出願しておりますが、一部又は全ての国で権利が付与されない可能性があります。 更に、当社グループの知的財産権を侵害する模倣品が市場に流通した場合、検査結果の信頼性が確保できず、医療機関及び患者さんへ影響をもたらす可能性があります。 また、当社グループの正当性の有無に関わらず、第三者の知的財産権の侵害に対する訴訟の提起や、ロイヤルティの支払い要求等の知的財産権を巡る紛争が生じる可能性があります。 <機会>知的財産権取得による独自性のある製品・サービスの提供 当社グループが保有する知的財産権の適切な保護により、独自性及び競争力の強化や、ブランドイメージの向上が期待できます。 また、当社グループが保有する知的財産権のみならず、第三者のライセンスを適切に活用することにより、更にイノベーションを加速させる可能性があります。 対応 当社グループでは、知的財産活動基本方針を定め、当社及び第三者の知的財産権を尊重し、全ての事業活動で創出された価値のある知的財産を積極的に権利化すると共に、第三者の知的財産権に対して適切に対応することにより、グローバルな競争優位性の確立を目指しております。 従業員に対しても社内教育を通じ、当社グループ及び第三者の知的財産権を尊重しながら事業活動を推進することを周知徹底しております。 更に、研究開発者の「知」の創造の推進と従業員のモチベーション向上を目的とした表彰制度を設けております。 また、当社グループの知的財産権侵害への対策として、グローバルに知的財産権を取得すると共に、徹底的に模倣品を排除することにより、お客様に安心して製品をお使いいただけるよう取り組んでおります。 重要なブランドの保護のために、新興国や開発途上国を含めグローバルに商標権の確保を進め、特にコーポレートロゴについては195の国・地域に商標権を出願しております。 これらの結果、全体の知的財産権のうち海外保有比率は約88%に達しております。 ⑩ 安定供給に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>調達や生産の中断・遅延による製品供給への影響 当社グループでは、医療機関が日々の検査を実施するために不可欠な検体検査機器及び診断薬等を世界各国のお客様に供給しております。 お客様への製品の供給が中断しないよう努めておりますが、急激な市況の変化、特定国・地域における政策動向、サプライヤーの事業停止等により、希少鉱物を含む部品・原材料等の調達が困難となり、製品供給に影響を与える可能性があります。 また、国家間紛争・貿易摩擦による流通ルートの遮断等が発生した場合や、生産工場・倉庫等を含むサプライチェーン拠点における大規模な自然災害や火災等の重大な事故、パンデミック等が発生した場合には、製品の安定供給に支障を及ぼす可能性があります。 <機会>製品・サービスの安定供給への取り組みによる安心の提供・信頼性向上 自然災害や重大な事故等、有事の際にも検査に必要な製品を安定的に供給し、医療業務を中断させる事態を回避すると共に、そのような有事に備えた体制の構築により、緊急時の製品の供給継続に対する信頼を獲得することは、更なるブランドイメージの向上につながる可能性があります。 対応 世界中に高品質な製品をお届けすることにより、正確な検査結果と確かな安心を提供し、医療を支えるという社会的使命のもと、当社グループはグローバルに製品・サービスの安定供給に取り組んでおります。 災害や地政学的要因等によるサプライチェーンの寸断・停滞にも備え、平時より製品・原材料の在庫の確保や原材料の複数社購買等に取り組むと共に、工場や倉庫での地震・風水害等の大規模災害に対する予防及び復旧対策の充実並びに代替輸送手段の確保等に取り組んでおります。 特に、当社グループ売上高の61.6%(2026年3月期)を占める診断薬に関しては、事業継続に必要な復旧期間を考慮した在庫確保に加え、複数拠点での生産を行っており、特に主力事業であるヘマトロジー分野の診断薬については、主要拠点間で相互供給のネットワークを構築し、安定的な供給を継続できる体制を整えております。 また、当社グループ全体で事業継続計画(BCP)を策定し、日頃から訓練により定着を図ることで、有事の際にも迅速に復旧し、医療機関の検査業務を継続いただけるよう備えております。 今年度竣工したシスメックスRA株式会社の新工場では、生産エリアの拡張による生産能力の拡大に加え、工場内物流の自動化を活かした原材料在庫の積み増しにより、グループ他工場での有事発生時においても、速やかなバックアップを可能とするBCP機能を強化いたしました。 更に、調達方針及びガイドラインを定め、取引先の皆さまと共に発展する企業を目指し、お客様に安心して製品をお使いいただけるよう取り組みを強化してまいります。 ⑪ 品質に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>製品・サービスの品質不良による信頼性の低下 ヘルスケア業界の製品においては高い品質と安全性が要求されますが、当社製品や仕入商品等に品質不良が発生した場合、医療機関での検査に遅れや誤りが発生し、お客様や患者さんへ影響を及ぼす可能性があります。 また、製品並びに当社グループ全体に対する信頼性の低下を招く可能性があると同時に、業績へ影響が生じる可能性があります。 <機会>品質向上による信頼性・競争優位性の向上 各国の法令・国際規格等に準拠する品質管理の仕組みの整備・運用を通じて更なる品質の向上を図ることにより、お客様からの信頼の獲得、並びに販売機会拡大につながる可能性があります。 また、当社グループでは創業以来、確かな品質によりお客様に安心をお届けすることを企業理念「Sysmex Way」に掲げており、これまで築き上げたブランドイメージは、企業価値並びに競争優位性の維持・向上につながる可能性があります。 対応 当社グループでは、各国の法令・国際規格等に準拠する品質維持のためのマネジメントにグループ全体で取り組んでおります。 グループの品質方針を策定し、製品・サービスの品質及び安全性のモニタリングと改善に向けた対策を行っております。 また、全ての生産拠点において品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001又はISO13485の認証を取得しております。 更に、製品の信頼性や安全性に関する情報を幅広く国内外から収集・分析し、製品の品質向上に活かしております。 また、グローバルでの品質保証・法規制対応を推進するため、QARA委員会を設置しております。 品質に係る法令が厳格化され、より迅速・適切なグローバルでの品質保証・法規制対応が求められる中、今後も更に強化を進め、当社グループの高品質な製品・サービスを通じた、グローバルな医療の質向上とお客様の安心の創出に取り組んでまいります。 ⑫ 情報システム・セキュリティに関わるリスクについて脅威・機会<脅威>サイバー攻撃等によるお客様及び事業への影響 当社グループの製品にはネットワークを活用したサービス機能が搭載されております。 万一、医療機関を標的としたサイバー攻撃により製品が感染した場合、検査業務の停止や、第三者による個人情報への不正なアクセスが行われる可能性があります。 また、社内においても各種情報システムを導入し業務効率化を図っており、事業上の情報の多くはネットワークを介して管理・運用されております。 これらのシステム及びネットワークにおける障害やサイバー攻撃によりシステムの稼働停止や機密情報の漏えいが発生した場合、又は生成AIの利活用における情報管理の不備により誤情報の提供や第三者の権利侵害等が発生した場合、当社グループの業務の効率性や信頼性の低下を招く可能性があります。 <機会>セキュリティ対応強化による製品・サービスの信頼性向上 製品・サービスにおけるセキュリティ対応を充実させることにより、製品への更なる信頼性向上や、お客様へ安心してご利用いただけるネットワークを活用したサービスの提供が可能になります。 また、セキュリティ強化を含めたDXの推進や適切な生成AIの活用等を通じ、適切な情報管理を行いながらグループ内の情報連携を強化することにより、更なる業務の効率化及び生産性の向上が期待できます。 対応 当社グループでは、お客様や患者さんに確かな安心をお届けするために、製品サイバーセキュリティ委員会を中心として、製品・サービスにおけるサイバーセキュリティ対策を進めております。 その一環として、「製品セキュリティポリシー」を定め、PSIRT※1を設置し、各地域の製品セキュリティ責任者と連携して、セキュリティポリシーに基づいた製品の設計・生産、及び販売後の脆弱性管理に取り組んでおります。 更に、お客様やビジネスパートナーの情報資産を保護することが、信頼と品質の証であると認識し、「情報セキュリティポリシー」を定め、情報セキュリティ委員会を中心に、情報資産の機密性、完全性、可用性の維持・向上に努めております。 情報システムやネットワーク回線の障害、あるいはコンピューターウイルスや外部からの情報システムへの侵入等による業務への影響を最小限に抑えるために、不正通信検知やマルウェアの隔離等の仕組みの導入、24時間の監視、CSIRT※2の設置、有事や重大インシデントに対する情報の早期入手のための外部団体加盟等によるセキュリティ対策や、事業継続に関する体制整備・訓練等、情報管理の厳格化に取り組んでおります。 加えて、グローバル基幹システムを含む重要システムについては、権限管理、変更管理、監視、バックアップ等を通じて安定稼働と業務継続を確保し、生産性・効率性の向上及び情報セキュリティの強化に取り組んでおります。 また、AI技術全般に関しても、従業員に対しセキュリティを考慮した利用ルールを周知すると共に、積極的な活用により、イノベーションを加速させる取り組みを推進し、企業活動の効率性・生産性を高めてまいります。 ※1 Product Security Incident Response Team(製品セキュリティインシデント対応チーム)※2 Computer Security Incident Response Team(コンピューターセキュリティインシデント対応チーム) ⑬ 企業買収等、投資に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>投資効果の発揮不足による戦略目標達成の遅延 当社グループは、研究開発や生産等の拠点拡充を図ると共に、ITインフラ及び最新技術等への積極的な投資や企業買収、資本提携等を通じた成長加速を目指しております。 これらの取り組みにおいて、経営環境の変化や事前に予測し得なかったリスクの顕在化等により、期待されていた効果が十分に発揮できず、戦略目標の達成に影響を及ぼす可能性があります。 <機会>投資効果の最大化によるビジネスの加速 経営戦略に基づき、長期的かつグローバルな視点で積極的な投資を行うことにより、事業基盤の強化や製品ポートフォリオの拡充に伴うお客様への新たな価値提供等、当初の想定以上に高いシナジーを発揮することで、戦略実現のスピードを加速させる可能性があります。 対応 当社グループでは、投資に対する検討・意思決定、及びPMI※1のモニタリングにおける仕組みの強化により、投資効果の最大化を目指しております。 投資判断については、事前に十分な調査を行った上、目的・効果・想定されるリスク等について経営会議等で審議し決定しております。 意思決定後においても、機動的な変化への対応と柔軟な軌道修正が重要であると捉え、定期的にモニタリングを実施し、投資に対する管理プロセス強化に取り組んでおります。 その一例として、日本電子株式会社の医用機器事業である生化学検査事業を譲り受けることにより、製品ポートフォリオの拡充及びグローバル展開の取り組みを進めております。 また、これまでのデジタル化投資により、社内業務の効率化と共に、検査データとAI活用による医療DXを推進してまいります。 今後も適切な意思決定のもと、事業成長に必要な投資については積極的なリスクテイクを行い、事業の拡大や新たな技術獲得を通じた高付加価値な製品・サービスの提供を継続し、当社グループの成長を加速させてまいります。 ※1 Post Merger Integration(合併・買収後の統合プロセス) ⑭ 人材確保に関わるリスクについて脅威・機会<脅威>人材獲得競争の激化及び人材流出による競争力低下 グローバルな人材市場における獲得競争は激化しており、それにより事業推進に必要な人材が獲得できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、職場環境の安全衛生の確保が十分でなかった場合、従業員の心身の健康を損ない、士気低下や人材流出等につながるおそれがあります。 <機会>人的資本の最大化による企業価値向上 当社グループは、事業戦略や技術戦略と同様に人的資本戦略を経営戦略の中核に位置付け、人材を価値創出の源泉として捉えております。 付加価値生産性を重要な指標として人的資本マネジメントを行うと共に、高度専門人材や次世代リーダーの育成・獲得に注力しております。 これらの取り組みは、企業価値向上に向けた本質的な取り組みとして外部からも評価されており、当社は「人的資本経営品質2025(ゴールド)」に選定されました。 人的資本の最大化を通じて付加価値創出力が高まることで、中長期的な企業価値向上につながる可能性があります。 対応 当社グループでは、人材を持続的成長のための重要な経営資源と捉えております。 企業理念「Sysmex Way」では、役職員に対し「多様性を受け入れ、一人ひとりの人格や個性を大切にすると共に、安心して能力が発揮できる職場環境を整えること、自主性とチャレンジ精神を尊重し、自己実現と成長の機会、成果に応じた公正な処遇を提供すること」を宣言しており、この考え方に基づき、人材育成及び人材活躍のための環境整備を推進しております。 従業員が自身のキャリアを主体的に形成できるよう、キャリア段階に応じた教育プログラムを提供すると共に、グループ全体でジョブ型人事制度を導入しております。 これによりライフイベントを経た後も、能力・ポテンシャルに応じた登用が可能な仕組みを実現しております。 また、全従業員を対象に、業務内容や生活スタイルに応じて働く場所や時間を選択できるハイブリッドワークスタイルを導入している他、信託型株式報酬をはじめとした魅力ある処遇制度の整備にも取り組んでおります。 更に、当社グループはアジアの製造業として初めて、人的資本情報開示に関する国際的なガイドラインであるISO30414を取得しております。 今後も透明性の高い人的資本情報の開示に努めると共に、人材確保と人材維持の両面で企業の持続的成長を支える人事制度を充実させ、人的資本の最大化を目指してまいります。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 1.経営成績等の概要 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の分析当連結会計年度における世界経済は、世界的なインフレ率の高止まりや米国の通商政策をめぐる不確実性が景気の不透明感として認識されたものの、世界経済全体としては穏やかな持ち直しが続きました。 米国では物価上昇の影響を受けつつも、個人消費や設備投資が堅調に推移し、欧州においても持ち直しの動きが見られました。 一方で、中国では国内需要の低迷が見られました。 加えて、中東情勢の悪化により、エネルギー資源等に関する世界的な供給網に混乱が生じる等、日本及び世界経済の先行きに対する不透明な状況が継続しております。 医療面におきましては、中国において医療費抑制政策が拡大しているものの、新興国の経済成長や世界的な高齢化に伴う医療需要の拡大が継続いたしました。 このような状況のもと、売上高は、米州、EMEA(欧州・中東・アフリカ)及びAP(アジア・パシフィック)では増収となったものの、日本及び医療費抑制政策の影響を受けた中国において大きく減収となった結果、全体でも減収となりました。 利益面では、減収に加え、売上原価率の上昇や販売費及び一般管理費の増加、事業環境の変化や戦略の変更等による減損損失を計上したため、減益となりました。 地域別売上高 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国内67,78613.358,60311.786.5 米州131,14825.8139,25427.9106.2 EMEA(欧州・中東・アフリカ)140,39827.6158,03431.6112.6 中国117,97023.289,46517.975.8 AP(アジア・パシフィック)51,33910.154,64910.9106.4海外計440,85786.7441,40388.3100.1合計508,643100.0500,006100.098.3 国内販売につきましては、ヘマトロジー分野及び血液凝固検査分野の機器、試薬の売上が減少いたしました。 その結果、国内売上高は58,603百万円(前期比13.5%減)、構成比11.7%(前期比1.6ポイント減)となりました。 海外販売につきましては、血液凝固検査分野における試薬等の売上が減少いたしました。 一方で、尿検査分野等における機器及び試薬、ヘマトロジー分野における試薬の売上が増加いたしました。 その結果、海外売上高は441,403百万円(前期比0.1%増)、構成比88.3%(前期比1.6ポイント増)となりました。 販売費及び一般管理費につきましては、事業規模拡大に伴う人員の増加並びにデジタル基盤構築に係る投資による償却費の増加により、164,351百万円(前期比9.0%増)となりました。 研究開発費につきましては、29,162百万円(前期比7.3%減)となりました。 この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は500,006百万円(前期比1.7%減)、営業利益は51,831百万円(前期比40.8%減)、税引前利益は49,051百万円(前期比38.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は35,457百万円(前期比33.9%減)となりました。 各セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。 ① 本社統括韓国では、ヘマトロジー分野の機器の売上が増加いたしましたが、日本において、ヘマトロジー分野及び血液凝固検査分野の機器、試薬の売上が減少いたしました。 またメディカルロボット事業においては、保守サービスの売上が増加した一方で、機器の売上が減少いたしました。 その結果、売上高は87,562百万円(前期比6.8%減)となりました。 利益面につきましては、減収に加え、売上原価率の悪化、販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は17,771百万円(前期比69.9%減)となりました。 ② 米州統括北米では、ヘマトロジー分野の機器及び試薬、尿検査分野の機器の売上が増加いたしました。 中南米では、尿検査分野における機器及び試薬の売上が増加いたしました。 その結果、売上高は130,456百万円(前期比6.1%増)となりました。 利益面につきましては、増収等により、セグメント利益(営業利益)は8,507百万円(前期比26.1%増)となりました。 ③ EMEA統括ヘマトロジー分野では、試薬の売上が増加いたしました。 また尿検査分野、血液凝固検査分野においても、主要国を中心に機器及び試薬の売上が増加し、その結果、売上高は152,110百万円(前期比12.1%増)となりました。 利益面につきましては、売上が増加いたしましたが、事業規模拡大に伴う販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は9,904百万円(前期比6.4%減)となりました。 ④ 中国統括医療費抑制政策による厳しい環境下において、ヘマトロジー分野の機器及び試薬の売上、血液凝固検査分野における試薬等の売上が大きく減少いたしました。 その結果、売上高は89,296百万円(前期比24.2%減)となりました。 利益面につきましては、販売費及び一般管理費が減少いたしましたが、減収の影響が大きく、セグメント利益(営業利益)は9,343百万円(前期比12.2%減)となりました。 ⑤ AP統括ヘマトロジー分野、血液凝固検査分野及び尿検査分野において、試薬の売上が増加いたしました。 その結果、売上高は40,581百万円(前期比6.1%増)となりました。 利益面につきましては、2024年8月に竣工したインドの新生産拠点の償却費等により売上原価率が悪化いたしましたが、増収により、セグメント利益(営業利益)は3,707百万円(前期比3.6%増)となりました。 (2) 財政状態の分析 当連結会計年度末の資産合計は、為替が円安に振れたこともあり、前連結会計年度末と比べて42,263百万円増加し、707,532百万円となりました。 この主な要因は、減損損失の計上によりのれんが10,066百万円減少したものの、棚卸資産が13,802百万円、未収法人所得税が7,511百万円、有形固定資産が20,185百万円、非流動資産の営業債権及びその他の債権が7,777百万円増加したこと等によるものであります。 負債合計は、前連結会計年度末と比べて1,121百万円増加し、201,856百万円となりました。 この主な要因は、未払法人所得税が9,804百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が2,251百万円、契約負債が2,671百万円、非流動負債のリース負債が6,153百万円増加したこと等によるものであります。 資本合計は、前連結会計年度末と比べて41,141百万円増加し、505,676百万円となりました。 この主な要因は、利益剰余金が13,432百万円、その他の資本の構成要素が30,810百万円増加したこと等によるものであります。 また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の69.7%から1.7ポイント増加して71.4%となりました。 (3) キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末より5,453百万円減少し、84,117百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。 <営業活動によるキャッシュ・フロー> 営業活動の結果得られた資金は、73,848百万円(前期比14,397百万円減)となりました。 この主な要因は、税引前利益が49,051百万円(前期比30,170百万円減)、減価償却費及び償却費が46,437百万円(前期比7,404百万円増)、減損損失が11,557百万円(前期比8,345百万円増)、法人所得税の支払額が29,720百万円(前期比1,996百万円増)となったこと等によるものであります。 <投資活動によるキャッシュ・フロー> 投資活動の結果使用した資金は、51,472百万円(前期比1,016百万円減)となりました。 この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が32,904百万円(前期比3,677百万円増)、無形資産の取得による支出が18,065百万円(前期比2,668百万円減)となったこと等によるものであります。 <財務活動によるキャッシュ・フロー> 財務活動の結果使用した資金は、37,659百万円(前期比13,337百万円増)となりました。 この主な要因は、配当金の支払額が22,441百万円(前期比4,360百万円増)、リース負債の返済による支出が11,316百万円(前期比754百万円増)となったこと等によるものであります。 (4) 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメント毎に示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)本社統括71,395104.3米州統括4,579102.4EMEA統括3,687105.2中国統括6,916118.1AP統括2,980137.0合計89,559106.0(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、以下のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)本社統括87,56293.2米州統括130,456106.1EMEA統括152,110112.1中国統括89,29675.8AP統括40,581106.1合計500,00698.3(注)セグメント間の内部売上高は相殺消去しております。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績の分析 当連結会計年度の売上高は前期比8,636百万円減少(1.7%減)の500,006百万円、営業利益は前期比35,752百万円減少(40.8%減)の51,831百万円、税引前利益は前期比30,170百万円減少(38.1%減)の49,051百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比18,212百万円減少(33.9%減)の35,457百万円となりました。 また、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度の12.0%から当連結会計年度は7.3%へと低下いたしました。 こうした中、2026年4月より2029年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画をスタートしており、長期ビジョン「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。 」の実現を目指して引き続き重要な課題に取り組み、2029年3月期の連結業績として、売上高600,000百万円、営業利益100,000百万円を達成することを目指します。 ① 売上高 当連結会計年度は、国内販売につきましては、ヘマトロジー分野及び血液凝固検査分野の機器、試薬の売上が減少いたしました。 その結果、国内売上高は58,603百万円(前期比13.5%減)、構成比11.7%(前期比1.6%ポイント減)となりました。 海外販売につきましては、血液凝固検査分野における試薬等の売上が減少いたしました。 一方で、尿検査分野等における機器及び試薬、ヘマトロジー分野における試薬の売上が増加いたしました。 その結果、海外売上高は441,403百万円(前期比0.1%増)、構成比88.3%(前期比1.6%ポイント増)となりました。 以上により、売上高は前連結会計年度に比べて8,636百万円減少(1.7%減)の500,006百万円となりました。 国内での売上高は58,603百万円と9,183百万円の減少(13.5%減)となり、海外での売上高は441,403百万円と546百万円の増加(0.1%増)となった結果、海外売上高比率は前期比1.6ポイント増加の88.3%となりました。 海外の地域別では、米州が139,254百万円(前期比8,105百万円増、6.2%増)、EMEAが158,034百万円(前期比17,635百万円増、12.6%増)、中国が89,465百万円(前期比28,504百万円減、24.2%減)、アジア・パシフィックが54,649百万円(前期比3,309百万円増、6.4%増)となりました。 ② 売上原価 売上原価は、前期比7,659百万円増加(3.2%増)の244,324百万円となりました。 また、売上原価率は48.9%(前期比2.4ポイント増加)でありました。 ③ 販売費及び一般管理費 販売費及び一般管理費は、主に事業規模拡大に伴う人員増加や販売促進活動、基幹システム稼働の結果、前期比13,502百万円増加(9.0%増)の164,351百万円となりました。 また、売上高に対する比率は32.9%(前期比3.2ポイント増加)でありました。 ④ 研究開発費 研究開発費は、主に短中期的業績に関わらないテーマの見直しや効率化の結果、前期比2,292百万円減少(7.3%減)の29,162百万円となりました。 また、売上高に対する比率は5.8%(前期比0.4ポイント減少)でありました。 ⑤ 損益の状況 営業利益は売上高の減少による売上総利益の収縮等により前期比35,752百万円減少(40.8%減)の51,831百万円、売上高営業利益率は10.4%(前期比6.8ポイント減少)となりました。 なお、為替の影響は、前連結会計年度と比較して92百万円の増益要因となりました。 税引前利益は、為替差益が2,078百万円(前期は為替差損が3,850百万円)となりましたが、営業利益が減益となったこと等によって、前期比30,170百万円減少(38.1%減)の49,051百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用が前期比11,968百万円減少(46.7%減)の13,676百万円となり、前期比18,212百万円減少(33.9%減)の35,457百万円となりました。 (2) 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループが事業を展開していく上で、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項については、「3 事業等のリスク」に記載しておりますので、ご参照ください。 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① 資金調達と流動性マネジメント 運転資金は必要に応じて短期銀行借入等で調達いたします。 各連結子会社については、運転資金確保のために必要に応じて銀行借入を行いますが、国内の子会社については、2003年10月より当社と各社との資金決済にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金の調達・運用を一元化して効率化を図っております。 更に、海外の一部の地域統括会社についても、2024年1月より当社と各社間でCMSによる資金融通を開始し、グループ内の流動性確保、資金効率向上に努めております。 また、当社は、現在、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりAA-(ダブルAマイナス)の発行体格付を取得しており、毎年レビューを受けて格付を更新しております。 高い格付は資本市場から資金調達する際の調達コストを低減するだけではなく、ステークホルダーや世間一般からの信用向上にも貢献します。 今後も格付を維持・向上していくために、売上高・利益と資産及び負債・資本のバランスに考慮してまいります。 設備投資等の長期資金需要に関しては、投資回収期間とリスクを勘案した上で調達方法を決定しております。 なお、当連結会計年度は、設備投資及び研究開発活動等の資金について、主に営業活動の結果得られた資金から充当しております。 ② 財政状態の分析 財政状態の分析については、「1.経営成績等の概要 (2) 財政状態の分析」に記載しておりますので、ご参照ください。 ③ キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析については、「1.経営成績等の概要 (3) キャッシュ・フローの分析」に記載しておりますので、ご参照ください。 (4) 重要な会計方針及び見積り 当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。 この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 3.重要性がある会計方針」に記載しておりますので、ご参照ください。 |
| 研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループはヘマトロジーをはじめとした既存領域の成長を目指し、ダイアグノスティクス事業における技術拡充を図っております。 また、個別化医療・検査の精緻化を実現するための、臨床価値の高い診断技術、リキッドバイオプシー技術の社会実装を目指して、新たな技術開発に取り組んでおります。 新規領域への挑戦として、検査・診断の価値を検査の場及びその対象を拡大することで高めると共に、個別化予防・予後モニタリングを実現するための技術開発にも取り組んでいきます。 また、メディカルロボット事業や再生細胞医療等の治療領域に対しても、シスメックスの強みを生かしていきます。 当連結会計年度における、主な研究開発活動の状況は以下のとおりであります。 (1) 2025年6月 当社と川崎重工業株式会社が共同出資する株式会社メディカロイド、一般社団法人日本外科学会及びNTT コミュニケーションズ株式会社は、兵庫県神戸市とフランス ストラスブール間において手術支援ロボット「hinotoriTM サージカルロボットシステム」を用いた遠隔ロボット手術の実証実験を成功させました。 当実証実験の成果は、安全かつ正確な遠隔手術の社会実装及び世界的な医療アクセスの大幅な向上に寄与することが期待されております。 (2) 2025年6月 当社は、2024年9月に申請していた血液中のゲノムDNAからAPOE 遺伝型※1を判定する「PrismGuideTMAPOE 遺伝型判定キット」の製造販売承認を取得いたしました。 国内初の承認を受けた本検査試薬は、アルツハイマー病患者さんにおいて、治療薬である抗アミロイドβ抗体薬の副作用の発現リスクを予測し、主治医と患者さんやそのご家族との共同意思決定(SDM)※2に貢献すると期待されております。 ※1 APOE遺伝型:脂質代謝に関わるアポリポタンパク質E(ApoE)をコードする遺伝子。 112番目と158番目のアミノ酸をコードする2つの一塩基置換(rs429358,rs7412)の組み合わせにより3つの遺伝型(ε2,ε3,ε4)が規定される。 ※2 共同意思決定(SDM):治療の意思決定過程において患者参画を推進し、主治医が患者さんにとってよりよい選択を共に行う。 (3) 2025年9月 当社の子会社である株式会社理研ジェネシスは、「OncoGuideTM OncoScreenTM Plus CDx システム」の製造販売承認を取得いたしました。 本製品は、「トルカプ®錠160mg/トルカプ®錠200mg」と「フェソロデックス®」との併用療法の適応となるPIK3CA、AKT1、又はPTEN 遺伝子変異を有するホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の手術切除不能又は再発乳がんに対するコンパニオン診断※3として使用可能となります。 ※3 コンパニオン診断(Companion Diagnostics: CDx):医薬品の効果や投与量を投薬前に予測するために、遺伝子等のバイオマーカーを調べる体外診断用医薬品又は医療機器。 CDxの使用により、最適な治療法や医薬品の選択が可能となる。 (4) 2025年9月 当社の子会社であるOxford Gene Technologyは、米国食品医薬品局(FDA)より、「CytoCell® KMT2A Breakapart FISHプローブキットPDx※4」のDe Novo制度を利用した市販前認可※5を取得いたしました。 今回の認可により、「Revuforj」のKMT2A 再構成(KMT2Ar)急性白血病※6のコンパニオン診断薬として、米国において本品の使用が可能になります。 ※4 CytoCell® KMT2A Breakapart FISHプローブキットPDx:OGTが提供するハイブリダイゼーションベースのFISH法による体外診断用キット。 急性白血病患者の骨髄検体を対象に、KMT2A 遺伝子再構成の検出を目的とし、高感度・高精度な診断をサポートします。 ※5 De Novo認可:米国食品医薬品局(FDA)が新しいタイプの医療機器を市販前確認するための制度であります。 既存の類似製品が米国市場に存在しない場合に適用され、安全性と有効性が十分に確認された場合に、新たな医療機器としてクラスI又はクラスIIに分類され、市場での販売が認められます。 ※6 KMT2A 再構成(KMT2Ar)急性白血病:KMT2A 遺伝子の再構成は、乳児を含む急性白血病で頻繁に認められ、治療や予後に重要な影響を与える遺伝子異常であります。 急性リンパ性白血病(ALL)や急性骨髄性白血病(AML)、混合表現型急性白血病(MPAL)等で検出され、複数のパートナー遺伝子が知られております。 (5) 2025年10月 当社の子会社である株式会社理研ジェネシスは、「OncoGuide OncoScreen Plus CDx システム」(以下、本製品)の保険適用を取得いたしました。 本製品は、ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の手術切除不能又は再発乳がんの患者さんを薬品の適応判定の補助を目的としたコンパニオン診断として使用される、次世代シーケンス法を用いたコンビネーション医療機器であります。 対応変異(PIK3CA、AKT1、又はPTEN)を検出することで、患者さん一人ひとりの最適な治療選択に貢献いたします。 (6) 2025年11月 当社は、高血圧の原因の一つである原発性アルドステロン症※7の早期診断を支援する免疫検査試薬「HISCLTM アルドステロン 試薬」及び「HISCLTM レニン試薬」(以下「本製品群」)を国内から販売開始いたしました。 全自動免疫測定装置HISCL-5000/HISCL-800(以下「HISCLシリーズ」)向けの検査項目拡充により、幅広い検査室のニーズにお応えすることが可能となりました。 このたび発売する本製品群は、院内に設置しているHISCLシリーズを用いることで、アルドステロンとレニンを迅速かつ高感度に測定することが可能となります。 これにより、原発性アルドステロン症の早期診断や治療方針の決定、更には患者さんの入院日数の短縮にも貢献いたします。 ※7 原発性アルドステロン症:原発性アルドステロン症は、副腎から分泌されるホルモン(アルドステロン)が過剰となり、血圧が上昇する疾患で、国内の高血圧患者の約5~10%が該当すると推定されております。 心血管疾患や脳卒中、腎障害等の合併症リスクが高いため、診断ガイドラインでは早期診断と治療方針の迅速な決定が推奨されております。 同ガイドラインでは、アルドステロンとレニンの2つのホルモンを検査することが有効とされておりますが、現状は外部検査機関への委託が主流であり、診断までに時間を要する点が課題となっております。 そのため、院内検査の推進による迅速な検査体制の整備が求められております。 なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は29,162百万円であります。 |
| 設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社グループは、急速な事業環境の変化に対応し、競争上の優位性をより強固にするため、生産能力の増強、新たな技術基盤の構築、既存事業における販売・サービス体制の強化等に積極的に投資を行っております。 当連結会計年度に実施いたしました設備投資の内訳は、以下のとおりであります。 セグメントの名称設備投資額本社統括24,882百万円米州統括9,477EMEA統括10,245中国統括255AP統括6,350計51,211消去△882合計50,328 設備投資の主な内容は、海外での事業成長に伴う顧客貸与用機器の取得や、デジタル化によるビジネスプロセスの改革を実現するためのデジタル基盤構築に係る投資等であります。 なお、設備投資の総額には、有形固定資産及び無形資産への投資が含まれておりますが、使用権資産への投資は含まれておりません。 また、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 |
| 主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 主要な設備の状況は、以下のとおりであります。 (1) 提出会社2026年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具工具、器具及び備品土地(面積㎡)合計テクノパーク(神戸市西区)研究開発設備及び生産設備等16,3516803,7215,340(116,373.86)26,0931,252(111)アイ スクエア(兵庫県加古川市)生産設備他1,9591176741,100(30,042.96)3,851109(176)ソリューション センター(神戸市西区)その他の設備1,1302224,9511,910(65,030.72)8,214576(32)加古川工場(兵庫県加古川市)生産設備41514029862(5,498.50)91570(119)小野工場(兵庫県小野市)生産設備621562144712(29,778.95)2,03964(22)研究開発センター(神戸市西区)その他の設備6631281540(12,619.02)1,48618(0)本社(神戸市中央区)その他の設備2,15212160-(-)2,325216(14) (2) 在外子会社2026年3月31日現在 会社名セグメントの名称事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具工具、器具及び備品建設仮勘定土地(面積㎡)合計シスメックス アメリカ インク米州統括本社(米国 イリノイ州)その他の設備7,3789742,868424399(76,930.68) 12,0461,245(-)シスメックス リエージェンツ アメリカ インク米州統括本社・工場(米国 イリノイ州)生産設備他1,36085421682-(-)2,92045(-)シスメックス ドウ ブラジル インダストリア エ コメルシオ リミターダ米州統括本社・工場(ブラジル パラナ州)生産設備他6287936,182708840(52,352.24)9,152203(-)シスメックス ヨーロッパ エスイーEMEA統括本社・工場(ドイツ ハンブルク市)生産設備他14,3228181,7683269(25,333.00)17,011691(-)希森美康医用電子(上海)有限公司中国統括本社(中国 上海市)その他の設備706-580--(-)1,287463(-)シスメックス アジア パシフィック ピーティーイー リミテッドAP統括本社(シンガポール)その他の設備52069696150-(-)1,437194(8)シスメックス インディア プライベート リミテッドAP統括本社・工場(インド ムンバイ市)生産設備他1,3818135,109-177(42,791.48)7,481363(-)(注)1.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。 2.現在休止中の主要な設備はありません。 3.上記には、主要な賃借している設備として、提出会社の本社や子会社が賃借している建物等が含まれております。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 当社グループの設備投資については、経済情勢、市場動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。 設備計画は原則的に連結会社各社が個別に策定しておりますが、計画策定にあたっては当社が全体の調整を図っております。 なお、当連結会計年度において、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 29,162,000,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 50,328,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 13 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,835,000 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 0 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社グループは、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を、純投資目的である投資株式として区分し、事業機会の創出又は協業相手や地域・社会との関係の構築・維持・強化により、持続的な企業価値向上に資することを目的として保有する株式を、純投資目的以外の目的である投資株式として区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式について、個別銘柄毎の株式の買い増しや処分、議決権の行使に際しては、投資先の中長期的な経済合理性、経営方針との関連性、協業相手や地域・社会との関係に関する状況や将来の見通しを踏まえ、当該株式を保有する目的と合理性を毎年、取締役会にて検証の上、判断しております。 また、毎年、保有銘柄のリストを基に、上記保有目的に照らし合わせて保有継続の適否を、取締役会で検証しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式122,552非上場株式以外の株式12,551 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式3649投資により、主に当社の新たな事業機会の創出に寄与することが期待されるため。 非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式1525当事業年度において、当社が保有していた株式会社カイノスの株式は、公開買付けへの応募により売却されております。 c.特定投資株式の銘柄毎の株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)TOA株式会社1,457,0001,457,000地域・社会との関係の構築・維持・強化により、持続的な企業価値向上に資することを目的として保有しております。 また、当社の経営方針・経営戦略等、事業の内容及びセグメント情報と関連付けた定量的な保有効果の記載は困難でありますが、時価や配当金を踏まえた投資先の中長期的な経済合理性、経営方針との関連性、協業相手や地域・社会との関係に関する状況や将来の見通しを踏まえ、当該株式を保有する目的と合理性を毎年、取締役会にて検証しており、2026年3月末時点を基準として保有継続の適否を判断しております。 なお、当事業年度において当該銘柄の株式数は増加しておりません。 有2,5511,347株式会社カイノス-230,000前事業年度では、免疫検査分野において同社が有する特徴ある診断薬の開発及び製品の供給体制を活かし、グローバル市場における様々な診断薬ニーズに細やかに対応した診断薬ポートフォリオの拡充を加速することを目的として、資本業務提携を行い同社株式を保有しておりました。 資本業務提携を通じて協業体制を強化することにより、持続的な企業価値向上に資することを目的として保有しておりました。 また、当社の経営方針・経営戦略等、事業の内容及びセグメント情報と関連付けた定量的な保有効果の記載は困難でありますが、協業事業の進捗状況の確認、時価や配当金を踏まえた投資先の中長期的な経済合理性、経営方針との関連性、地域・社会との関係に関する状況や将来の見通しを踏まえ、当該株式を保有する目的と合理性を毎年、取締役会にて検証しており、2025年3月末時点を基準として保有継続の適否を判断しておりました。 なお、当事業年度においては公開買付けへの応募により当該銘柄は全て売却しております。 無-288 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式22093209非上場株式以外の株式123,067122,320 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式50-非上場株式以外の株式100-1,999 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 12 |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 12 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,552,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,551,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 649,000,000 |
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 525,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 1,457,000 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 2,551,000,000 |
| 貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 3,067,000,000 |
| 受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 100,000,000 |
| 評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 1,999,000,000 |
| 株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 投資により、主に当社の新たな事業機会の創出に寄与することが期待されるため。 |
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 株式会社カイノス |
| 保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 前事業年度では、免疫検査分野において同社が有する特徴ある診断薬の開発及び製品の供給体制を活かし、グローバル市場における様々な診断薬ニーズに細やかに対応した診断薬ポートフォリオの拡充を加速することを目的として、資本業務提携を行い同社株式を保有しておりました。 資本業務提携を通じて協業体制を強化することにより、持続的な企業価値向上に資することを目的として保有しておりました。 また、当社の経営方針・経営戦略等、事業の内容及びセグメント情報と関連付けた定量的な保有効果の記載は困難でありますが、協業事業の進捗状況の確認、時価や配当金を踏まえた投資先の中長期的な経済合理性、経営方針との関連性、地域・社会との関係に関する状況や将来の見通しを踏まえ、当該株式を保有する目的と合理性を毎年、取締役会にて検証しており、2025年3月末時点を基準として保有継続の適否を判断しておりました。 なお、当事業年度においては公開買付けへの応募により当該銘柄は全て売却しております。 |
| 当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
| 大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2026年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-1 赤坂インターシティAIR72,15211.52 公益財団法人中谷財団東京都品川区大崎1丁目2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー8階38,6926.18 公益財団法人神戸やまぶき財団神戸市中央区栄町通2丁目4-14 日栄ビル2階36,0005.75 有限会社中谷興産神戸市須磨区前池町6丁目2-1234,3415.48 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-1229,8304.76 家次 和子兵庫県神戸市20,9093.34 和田 妙子兵庫県姫路市19,4893.11 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)16,7492.67 ルソール株式会社神戸市須磨区前池町6丁目2-1214,2502.27 NORTHERN TRUST CO.(AVFC) SUB A/C AMERICAN CLIENTS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5 NT, UK(東京都中央区日本橋3丁目11-1)9,7811.56計-292,19546.64(注)1.上記 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、72,152千株であります。なお、その主な内訳は、投資信託設定分32,054千株、年金信託設定分2,900千株、その他信託設定分37,198千株であります。2.上記 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、29,830千株であります。なお、その主な内訳は、投資信託設定分15,622千株、年金信託設定分2,411千株、その他信託設定分11,797千株であります。3.発行済株式数より除く自己株式数には、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の株式付与ESOP信託口が保有する当社株式4,517千株及び役員報酬BIP信託口が保有する当社株式438千株は含まれておりません。 4.2025年12月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者10社が2025年11月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含まれておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は、以下のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)ブラックロック・ジャパン株式会社東京都千代田区丸の内1丁目8-39,443,0001.50ブラックロック・アドバイザーズ・エルエルシー(BlackRock Advisers, LLC)米国 デラウェア州 ウィルミントン リトル・フォールズ・ドライブ 2511,113,3660.18ブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インク(BlackRock Financial Management, Inc.)米国 デラウェア州 ウィルミントン リトル・フォールズ・ドライブ 2511,337,7000.21ブラックロック・インベストメント・マネジメント (オーストラリア)リミテッド(BlackRock Investment Management (Australia) Limited)オーストラリア国 ニュー・サウス・ウェールズ州 シドニー市 チフリー・スクエア 2 チフリー・タワー レベル37671,3000.11ブラックロック(ネザーランド)BV(BlackRock (Netherlands) BV)オランダ王国 アムステルダム HA1096 アムステルプレイン 11,814,6280.29ブラックロック・ファンド・マネジャーズ・リミテッド(BlackRock Fund Managers Limited)英国 ロンドン市 スログモートン・アベニュー 121,723,1000.27ブラックロック・アセット・マネジメント・カナダ・リミテッド(BlackRock Asset Management Canada Limited)カナダ国 オンタリオ州 トロント市 ベイ・ストリート 161、2500号1,636,2110.26ブラックロック・アセット・マネジメント・アイルランド・リミテッド(BlackRock Asset Management Ireland Limited)アイルランド共和国 ダブリン ボールスブリッジ ボールスブリッジパーク 2 1階6,145,0790.98ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ(BlackRock Fund Advisors)米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 ハワード・ストリート 40010,287,0001.63ブラックロック・インスティテューショナル・トラスト・カンパニー、エヌ.エイ.(BlackRock Institutional Trust Company, N.A.)米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ市 ハワード・ストリート 4009,939,2951.58ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)リミテッド(BlackRock Investment Management (UK) Limited)英国 ロンドン市 スログモートン・アベニュー 123,533,4000.56 |
| 株主数-金融機関 | 40 |
| 株主数-金融商品取引業者 | 50 |
| 株主数-外国法人等-個人 | 147 |
| 株主数-外国法人等-個人以外 | 749 |
| 株主数-個人その他 | 45,228 |
| 株主数-その他の法人 | 400 |
| 株主数-計 | 46,614 |
| 氏名又は名称、大株主の状況 | NORTHERN TRUST CO.(AVFC) SUB A/C AMERICAN CLIENTS(常任代理人 香港上海銀行東京支店) |
| 株主総利回り | 0 |
| 株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
| 株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式2027,700当期間における取得自己株式--(注)1.当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 2.取得自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が取得した株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
| 自己株式の取得 | -3,204,000,000 |
Audit
| 監査法人1、連結 | 有限責任監査法人トーマツ |
| 独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2026年6月22日シスメックス株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 神戸事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 池田 賢重 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 川添 健史 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 福岡 宏之 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているシスメックス株式会社の2025年4月1日から2026年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、シスメックス株式会社及び連結子会社の2026年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。 )に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社に係るのれんの評価(Sysmex Partec GmbH及びOxford Gene Technology IP Limited並びにSysmex Astrego AB)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 連結財務諸表の「注記11 非金融資産の減損」に記載のとおり、当連結会計年度の連結損益計算書において、のれんに係る減損損失11,269百万円を計上している。 内訳は、Sysmex Partec GmbH(以下、「シスメックス パルテック」という。 )の資金生成単位に係るもの1,541百万円、Oxford Gene Technology IP Limited(以下、「オックスフォード ジーン テクノロジー」)の資金生成単位に係るもの2,695百万円、Sysmex Astrego AB(以下、「シスメックス アストレゴ」)の資金生成単位に係るもの7,032百万円である。 これらの子会社は、個別化医療や医療課題の解決に向けた新たなビジネス領域拡大や技術基盤の強化を目的として取得したものであり、将来の事業展開や会社とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を見込み、のれんが識別されていた。 しかしながら、当連結会計年度において、過去の経営成績の状況や計画に対する進捗、事業環境の変化、戦略の変更等を踏まえ、事業計画を再評価した結果、これらの子会社の資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、上述の減損損失が生じている。 会社は、のれんについて少なくとも年1回減損テストを実施しており、減損の兆候がある場合はその都度減損テストを行っている。 のれんの減損テストでは、使用価値に基づき回収可能価額を算定し、帳簿価額と比較して減損の要否を検討している。 使用価値は、経営者が承認した1~5年度分の財務予算と成長率を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引率を用いて現在価値に割り引くことにより算定している。 減損テストで用いられる財務予算は、新製品を含む製品の中期的な需要見通しや新たに進出する国や市場での需要見通し、取り組み中の事業関連施策による効果を考慮し、製品別、地域別の販売予測や関連費用を見積もる必要がある。 また、成長率は資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案し、割引率は資金生成単位が属する市場もしくは国の加重平均資本コストを基に算定する必要がある。 これらの仮定の選択は経営者の判断により大きく影響を受けるが、特に、シスメックス パルテックの事業及びオックスフォード ジーン テクノロジーの事業については、過去の経営成績の状況から市場導入時期や市場の反応に不確実性が伴うこと、また、シスメックス アストレゴの事業については、市場導入時期が薬事承認の状況に左右されることや、新製品に対する市場の反応に不確実性が伴うことから、これらの資金生成単位ののれんの減損テストで用いられる見積りは慎重な検討が必要であると判断し、当該事項を監査上の主要な検討事項として識別した。 当監査法人は、シスメックス パルテック及びオックスフォード ジーン テクノロジー並びにシスメックス アストレゴののれんの減損テストについて、以下の手続を実施した。 ・のれんの減損テストに関する業務フローを把握し、関連する内部統制の整備・運用状況について検討した。 ・のれんが関連する資金生成単位について、会社の組織構造及び内部報告体制との整合性を検討した。 ・割引率に関して会社が利用する外部の評価専門家の知識や経験を評価し、能力に問題がないことを検討した。 ・将来キャッシュ・フローの割引現在価値に基づく使用価値について、以下の手続を実施した。 ①将来キャッシュ・フローの基礎となる財務予算について、以下の検討を行った。 -シスメックス パルテック:適切な責任者及び担当者に対する質問及び基礎資料の閲覧により、主要製品の地域別市場導入時期、販売数量、価格及び関連費用の内訳が市場環境の分析結果や必要な活動内容を反映し、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 -オックスフォード ジーン テクノロジー:適切な責任者及び担当者に対する質問に加え基礎資料の閲覧により、主要製品の地域別・製品群別の販売予測が、取り組み中の事業関連施策や市場環境の分析結果と整合しており、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 -シスメックス アストレゴ:適切な責任者及び担当者に対する質問に加え基礎資料の閲覧により、製品別・地域別の薬事承認時期を勘案した市場導入時期、販売数量、価格及び関連費用の内訳が取り組み中の事業関連施策や市場環境の分析結果と整合しており、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 ②過去の財務予算と実績数値を比較することにより、財務予算が過度に楽観的又は保守的となっていないかを検討した。 ③割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家と連携したうえで、算出方法、使用されている指標及び算出上の仮定が、市場の状況や観察可能なデータに基づいて合理的と判断する範囲内であるかを検討した。 ④成長率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家と連携したうえで、採用されている値が、市場の状況や観察可能なデータに基づいて合理的と判断する範囲内であるかを検討した。 ⑤使用価値の算定を含む減損テストに関する計算ロジックの合理性について検討した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、シスメックス株式会社の2026年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、シスメックス株式会社が2026年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。 )に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以上(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 |
| 監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社に係るのれんの評価(Sysmex Partec GmbH及びOxford Gene Technology IP Limited並びにSysmex Astrego AB)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 連結財務諸表の「注記11 非金融資産の減損」に記載のとおり、当連結会計年度の連結損益計算書において、のれんに係る減損損失11,269百万円を計上している。 内訳は、Sysmex Partec GmbH(以下、「シスメックス パルテック」という。 )の資金生成単位に係るもの1,541百万円、Oxford Gene Technology IP Limited(以下、「オックスフォード ジーン テクノロジー」)の資金生成単位に係るもの2,695百万円、Sysmex Astrego AB(以下、「シスメックス アストレゴ」)の資金生成単位に係るもの7,032百万円である。 これらの子会社は、個別化医療や医療課題の解決に向けた新たなビジネス領域拡大や技術基盤の強化を目的として取得したものであり、将来の事業展開や会社とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を見込み、のれんが識別されていた。 しかしながら、当連結会計年度において、過去の経営成績の状況や計画に対する進捗、事業環境の変化、戦略の変更等を踏まえ、事業計画を再評価した結果、これらの子会社の資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、上述の減損損失が生じている。 会社は、のれんについて少なくとも年1回減損テストを実施しており、減損の兆候がある場合はその都度減損テストを行っている。 のれんの減損テストでは、使用価値に基づき回収可能価額を算定し、帳簿価額と比較して減損の要否を検討している。 使用価値は、経営者が承認した1~5年度分の財務予算と成長率を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引率を用いて現在価値に割り引くことにより算定している。 減損テストで用いられる財務予算は、新製品を含む製品の中期的な需要見通しや新たに進出する国や市場での需要見通し、取り組み中の事業関連施策による効果を考慮し、製品別、地域別の販売予測や関連費用を見積もる必要がある。 また、成長率は資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案し、割引率は資金生成単位が属する市場もしくは国の加重平均資本コストを基に算定する必要がある。 これらの仮定の選択は経営者の判断により大きく影響を受けるが、特に、シスメックス パルテックの事業及びオックスフォード ジーン テクノロジーの事業については、過去の経営成績の状況から市場導入時期や市場の反応に不確実性が伴うこと、また、シスメックス アストレゴの事業については、市場導入時期が薬事承認の状況に左右されることや、新製品に対する市場の反応に不確実性が伴うことから、これらの資金生成単位ののれんの減損テストで用いられる見積りは慎重な検討が必要であると判断し、当該事項を監査上の主要な検討事項として識別した。 当監査法人は、シスメックス パルテック及びオックスフォード ジーン テクノロジー並びにシスメックス アストレゴののれんの減損テストについて、以下の手続を実施した。 ・のれんの減損テストに関する業務フローを把握し、関連する内部統制の整備・運用状況について検討した。 ・のれんが関連する資金生成単位について、会社の組織構造及び内部報告体制との整合性を検討した。 ・割引率に関して会社が利用する外部の評価専門家の知識や経験を評価し、能力に問題がないことを検討した。 ・将来キャッシュ・フローの割引現在価値に基づく使用価値について、以下の手続を実施した。 ①将来キャッシュ・フローの基礎となる財務予算について、以下の検討を行った。 -シスメックス パルテック:適切な責任者及び担当者に対する質問及び基礎資料の閲覧により、主要製品の地域別市場導入時期、販売数量、価格及び関連費用の内訳が市場環境の分析結果や必要な活動内容を反映し、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 -オックスフォード ジーン テクノロジー:適切な責任者及び担当者に対する質問に加え基礎資料の閲覧により、主要製品の地域別・製品群別の販売予測が、取り組み中の事業関連施策や市場環境の分析結果と整合しており、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 -シスメックス アストレゴ:適切な責任者及び担当者に対する質問に加え基礎資料の閲覧により、製品別・地域別の薬事承認時期を勘案した市場導入時期、販売数量、価格及び関連費用の内訳が取り組み中の事業関連施策や市場環境の分析結果と整合しており、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 ②過去の財務予算と実績数値を比較することにより、財務予算が過度に楽観的又は保守的となっていないかを検討した。 ③割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家と連携したうえで、算出方法、使用されている指標及び算出上の仮定が、市場の状況や観察可能なデータに基づいて合理的と判断する範囲内であるかを検討した。 ④成長率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家と連携したうえで、採用されている値が、市場の状況や観察可能なデータに基づいて合理的と判断する範囲内であるかを検討した。 ⑤使用価値の算定を含む減損テストに関する計算ロジックの合理性について検討した。 |
| 全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
| 見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 関係会社に係るのれんの評価(Sysmex Partec GmbH及びOxford Gene Technology IP Limited並びにSysmex Astrego AB) |
| 内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表の「注記11 非金融資産の減損」に記載のとおり、当連結会計年度の連結損益計算書において、のれんに係る減損損失11,269百万円を計上している。 内訳は、Sysmex Partec GmbH(以下、「シスメックス パルテック」という。 )の資金生成単位に係るもの1,541百万円、Oxford Gene Technology IP Limited(以下、「オックスフォード ジーン テクノロジー」)の資金生成単位に係るもの2,695百万円、Sysmex Astrego AB(以下、「シスメックス アストレゴ」)の資金生成単位に係るもの7,032百万円である。 これらの子会社は、個別化医療や医療課題の解決に向けた新たなビジネス領域拡大や技術基盤の強化を目的として取得したものであり、将来の事業展開や会社とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を見込み、のれんが識別されていた。 しかしながら、当連結会計年度において、過去の経営成績の状況や計画に対する進捗、事業環境の変化、戦略の変更等を踏まえ、事業計画を再評価した結果、これらの子会社の資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、上述の減損損失が生じている。 会社は、のれんについて少なくとも年1回減損テストを実施しており、減損の兆候がある場合はその都度減損テストを行っている。 のれんの減損テストでは、使用価値に基づき回収可能価額を算定し、帳簿価額と比較して減損の要否を検討している。 使用価値は、経営者が承認した1~5年度分の財務予算と成長率を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引率を用いて現在価値に割り引くことにより算定している。 減損テストで用いられる財務予算は、新製品を含む製品の中期的な需要見通しや新たに進出する国や市場での需要見通し、取り組み中の事業関連施策による効果を考慮し、製品別、地域別の販売予測や関連費用を見積もる必要がある。 また、成長率は資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案し、割引率は資金生成単位が属する市場もしくは国の加重平均資本コストを基に算定する必要がある。 これらの仮定の選択は経営者の判断により大きく影響を受けるが、特に、シスメックス パルテックの事業及びオックスフォード ジーン テクノロジーの事業については、過去の経営成績の状況から市場導入時期や市場の反応に不確実性が伴うこと、また、シスメックス アストレゴの事業については、市場導入時期が薬事承認の状況に左右されることや、新製品に対する市場の反応に不確実性が伴うことから、これらの資金生成単位ののれんの減損テストで用いられる見積りは慎重な検討が必要であると判断し、当該事項を監査上の主要な検討事項として識別した。 |
| 開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記11 非金融資産の減損 |
| 監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、シスメックス パルテック及びオックスフォード ジーン テクノロジー並びにシスメックス アストレゴののれんの減損テストについて、以下の手続を実施した。 ・のれんの減損テストに関する業務フローを把握し、関連する内部統制の整備・運用状況について検討した。 ・のれんが関連する資金生成単位について、会社の組織構造及び内部報告体制との整合性を検討した。 ・割引率に関して会社が利用する外部の評価専門家の知識や経験を評価し、能力に問題がないことを検討した。 ・将来キャッシュ・フローの割引現在価値に基づく使用価値について、以下の手続を実施した。 ①将来キャッシュ・フローの基礎となる財務予算について、以下の検討を行った。 -シスメックス パルテック:適切な責任者及び担当者に対する質問及び基礎資料の閲覧により、主要製品の地域別市場導入時期、販売数量、価格及び関連費用の内訳が市場環境の分析結果や必要な活動内容を反映し、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 -オックスフォード ジーン テクノロジー:適切な責任者及び担当者に対する質問に加え基礎資料の閲覧により、主要製品の地域別・製品群別の販売予測が、取り組み中の事業関連施策や市場環境の分析結果と整合しており、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 -シスメックス アストレゴ:適切な責任者及び担当者に対する質問に加え基礎資料の閲覧により、製品別・地域別の薬事承認時期を勘案した市場導入時期、販売数量、価格及び関連費用の内訳が取り組み中の事業関連施策や市場環境の分析結果と整合しており、直近までの入手可能な事実を反映した見通しとなっていることを検討した。 ②過去の財務予算と実績数値を比較することにより、財務予算が過度に楽観的又は保守的となっていないかを検討した。 ③割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家と連携したうえで、算出方法、使用されている指標及び算出上の仮定が、市場の状況や観察可能なデータに基づいて合理的と判断する範囲内であるかを検討した。 ④成長率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家と連携したうえで、採用されている値が、市場の状況や観察可能なデータに基づいて合理的と判断する範囲内であるかを検討した。 ⑤使用価値の算定を含む減損テストに関する計算ロジックの合理性について検討した。 |
| その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
| 報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
| 監査法人1、個別 | 有限責任監査法人トーマツ |
| 独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2026年6月22日シスメックス株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 神戸事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 池田 賢重 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 川添 健史 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士 福岡 宏之 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているシスメックス株式会社の2025年4月1日から2026年3月31日までの第59期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、シスメックス株式会社の2026年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。 )に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社出資金及び関係会社株式の評価(Sysmex Partec GmbH及びOxford Gene Technology IP Limited並びにSysmex Astrego AB)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 財務諸表の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、2026年3月31日において、Sysmex Partec GmbH(以下、「シスメックス パルテック」という。 )に関する関係会社出資金が4,549百万円、Oxford Gene Technology IP Limited(以下、「オックスフォード ジーン テクノロジー」)に関する関係会社株式が8,569百万円、Sysmex Astrego AB(以下、「シスメックス アストレゴ」)に関する関係会社株式が1,529百万円計上されている。 関係会社株式及び関係会社出資金は、移動平均法による原価法を適用しているが、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて減損処理が必要となる。 会社は、シスメックス パルテックに関する関係会社出資金及びオックスフォード ジーン テクノロジーに関する関係会社株式並びにシスメックス アストレゴに関する関係会社株式については、連結財務諸表ののれんの評価で利用した将来の財務予算に基づく使用価値から実質価額を算定しており、のれん相当額の超過収益力を実質価額の算定に加味している。 したがって関係会社出資金及び関係会社株式の実質価額は、連結財政状態計算書に計上されているのれんと同様に経営者が承認した1~5年度分の財務予算と成長率を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引率を用いて現在価値に割り引くことにより算定している。 その結果、当事業年度において、シスメックス アストレゴに関する関係会社株式の実質価額が著しく低下したため、関係会社株式評価損が7,618百万円計上されている。 実質価額の算定には、シスメックス パルテック及びオックスフォード ジーン テクノロジー並びにシスメックス アストレゴに係るのれんの評価と同様に仮定の選択や経営者の判断が含まれており、これらの会社の関係会社出資金及び関係会社株式の評価は慎重な検討が必要であると判断し、当該事項を監査上の主要な検討事項として識別した。 関係会社出資金及び関係会社株式の評価に係る監査上の対応については、連結財務諸表に係る独立監査人の監査報告書の監査上の主要な検討事項「関係会社に係るのれんの評価(Sysmex Partec GmbH及びOxford Gene Technology IP Limited並びにSysmex Astrego AB)」を参照。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 |