財務諸表
CoverPage
| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2026-06-19 |
| 英訳名、表紙 | KOA CORPORATION |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 向山 浩正 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 長野県伊那市荒井3672番地(上記は登記上の本店所在地であり、実際の業務は下記の場所で行っております。 ) 長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪14016番地 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | (0265) 70-7171(代表) |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | Japan GAAP |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2 【沿革】 年月事項1940年3月東京市荏原区(現 東京都品川区)に向山一人により興亜工業社を創立1941年12月長野県伊那町(現 伊那市)に伊那工場を設置1947年5月株式会社組織に変更6月東京都渋谷区に東京支店を設置1950年12月社名を興亜電工株式会社と改称1961年12月株式を東京証券取引所市場第二部に上場1962年10月株式を名古屋証券取引所市場第二部に上場1969年8月長野県下伊那郡阿南町に阿南興亜電工株式会社(現 興亜エレクトロニクス株式会社,連結子会社)を設立1973年11月マレーシア国マラッカ市にKOA DENKO(MALAYSIA)SDN.BHD.(現 連結子会社)を設立1974年11月東京都千代田区に興亜販売株式会社を設立(現 連結子会社)1980年4月アメリカ合衆国ペンシルバニア州にKOA SPEER ELECTRONICS,INC.(現 連結子会社)を設立1981年1月シンガポール共和国にKOA DENKO(S)PTE. LTD.(現 連結子会社)を設立1984年1月長野県上伊那郡箕輪町にイーストウイング(工場)を開設9月株式を東京証券取引所及び名古屋証券取引所市場第一部に指定替え上場10月石川県鹿島郡鹿島町(現 中能登町)に鹿島興亜電工株式会社(現 連結子会社)を設立1986年4月社名をKOA株式会社と改称(登記上の商号は「コーア株式会社」)8月台湾高雄市に高雄興亜股份有限公司(現 連結子会社)を設立1992年1月中華人民共和国上海市に上海興亜電子元件有限公司(現 連結子会社)を設立3月長野県飯田市に匠の里(工場)を開設1993年6月香港にKOA ELECTRONICS(H.K.)LTD.(現 連結子会社)を設立8月東京都渋谷区より府中市へ東京支店を移転し、むさし野工房を開設1995年2月ドイツ連邦共和国にKOA Europe GmbH(現 連結子会社)を設立1996年10月中華人民共和国上海市に上海可爾電子貿易有限公司(現 連結子会社)を設立2000年6月中華人民共和国江蘇省太倉市に興和電子(太倉)有限公司(現 連結子会社)を設立2001年8月多摩電気工業株式会社(現 真田KOA株式会社,連結子会社)を株式交換により子会社化2012年9月長野県下伊那郡阿智村に七久里の杜(工場)を開設2013年10月真田KOA株式会社が長野県上田市に真田の郷(工場)を開設2015年6月登記上の商号をKOA株式会社に変更2016年1月長野県上伊那郡南箕輪村に試験、研究開発拠点West Wing、新物流拠点South Wingを開設2016年4月福岡県北九州市に北九州研究所を設置2017年8月ドイツ連邦共和国のVIA electronic GmbH(現 連結子会社)を株式取得により子会社化2018年4月鹿島興亜電工株式会社が日本電子応用株式会社を吸収合併2019年1月長野県伊那市の西山工場に新工場棟を増築2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行4月名古屋証券取引所の市場区分の見直しにより、名古屋証券取引所の市場第一部からプレミア市場に移行4月鹿島興亜電工株式会社が富山県砺波市にとなみの庄(工場)を開設2024年6月執行役員制度を導入2024年8月長野県上伊那郡南箕輪村に開発生産棟さくらウイングを開設2025年4月KOA DENKO(MALAYSIA)SDN.BHD.がマレーシア国マラッカ市に新工場を開設 |
| 事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(以下、「当社グループ」という。 )は、当社、子会社19社及び関連会社2社で構成され、主な事業内容は、電子機器等の回路部品(抵抗器、IC、複合部品等)の開発・製造・販売であり、企業集団内の位置づけは次のとおりであります。 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。 (1) 日本(生産拠点)高度技術製品、高付加価値製品の生産等を目的として、当社及び興亜エレクトロニクス㈱を含む連結子会社4社が抵抗器、IC等の生産を担当しております。 (販売拠点)当社9ヶ所の営業所及び連結子会社の興亜販売㈱が担当しております。 (2) アジア(生産拠点)生産コスト面の有利性及びグローバルな事業展開を目的として、連結子会社の高雄興亜股份有限公司、上海興亜電子元件有限公司、興和電子(太倉)有限公司、KOA DENKO(MALAYSIA)SDN.BHD.及び非連結子会社の無錫興和電子陶瓷有限公司が抵抗器等の生産を担当しております。 (販売拠点)連結子会社のKOA DENKO(S)PTE. LTD.、KOA ELECTRONICS(H.K.)LTD.、上海可爾電子貿易有限公司及び持分法適用関連会社の大興電工股份有限公司が担当しております。 (3) アメリカ(販売拠点)連結子会社のKOA SPEER HOLDING CORP.及びKOA SPEER ELECTRONICS,INC.が担当しております。 (4) ヨーロッパ(販売拠点) 連結子会社のKOA Europe GmbHが担当しております。 (研究開発拠点)連結子会社のVIA electronic GmbHが担当しております。 以上に述べた企業集団の概要図は次のとおりであります。 |
| 関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任(人)資金援助営業上の取引設備等の賃貸(連結子会社) 興亜エレクトロニクス㈱ (注)2長野県下伊那郡阿南町400百万円電子部品事業1002-当社に製品を納入当社が機械・土地を賃貸興亜販売㈱東京都千代田区10百万円電子部品事業1002-当社が製品を納入-鹿島興亜電工㈱ (注)2石川県鹿島郡中能登町300百万円電子部品事業1002当社が資金を貸付当社に製品を納入-興亜化成㈱長野県伊那市100百万円電子部品事業90[10]1当社が資金を貸付当社に製品を納入当社が工場・土地を賃貸真田KOA㈱長野県上田市100百万円電子部品事業1002当社が資金を貸付当社に製品を納入-高雄興亜股份有限公司台湾高雄市51,000千NT$電子部品事業1002-当社に製品を納入-KOA DENKO(S)PTE.LTD.シンガポール共和国ベンデマーロード47,333US$電子部品事業100--当社が製品を納入-上海興亜電子元件有限公司中華人民共和国上海市6,000千US$電子部品事業1002-当社に製品を納入-興和電子(太倉)有限公司 (注)2中華人民共和国江蘇省274百万RMB電子部品事業100(14.3)2-当社に製品を納入-KOA ELECTRONICS(H.K.)LTD.香港カオルーン1,500千HK$電子部品事業100--当社が製品を納入-上海可爾電子貿易有限公司 (注)5中華人民共和国上海市1,659千RMB電子部品事業100(50)1-当社が製品を納入-KOA Europe GmbH (注)2、4ドイツ連邦共和国イツェホー767千EUR電子部品事業100(45)1-当社が製品を納入-KOA SPEER HOLDING CORP.アメリカ合衆国ネバダ州1,210US$電子部品事業1001---KOA SPEER ELECTRONICS,INC. (注)2、4アメリカ合衆国デラウエア州1,000US$電子部品事業100(100)--当社が製品を納入-KOA DENKO(MALAYSIA)SDN.BHD. (注)2マレーシア国マラッカ市654百万M$電子部品事業100(4.8)1当社が資金を貸付当社に製品を納入-VIA electronic GmbH (注)6ドイツ連邦共和国ヘルムスドルフ455千EUR電子部品事業100(90)1当社が資金を貸付当社が研究開発を委託当社が機械を賃貸(持分法適用関連会社) 大興電工股份有限公司台湾台北市39,000千NT$電子部品事業39.03-当社が製品を納入- (注)1.上記のうち有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 2.特定子会社であります。 3.「議決権の所有割合」欄の( )書は内数で間接所有割合であり、[ ]書は外数で緊密な者等の所有割合であります。 4.連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えておりますが、セグメントの売上高に占める割合が90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。 5.連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。 主要な損益情報等は次のとおりであります。 名称売上高(百万円)経常利益(百万円)当期純利益(百万円)純資産額(百万円)総資産額(百万円)上海可爾電子貿易有限公司11,0254783562,5094,6636.2026年5月29日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるVIA electronic GmbHは清算することを決議しており、現在同社は清算手続き中であります。 |
| 従業員の状況 | (2) 【従業員の状況】 ① 連結会社の状況 2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)日本2,482アジア1,771アメリカ72ヨーロッパ84合計4,409(注)従業員数は就業人員であります。 ② 提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)1,66940.717.15,923,6994.4(注)1.従業員数は就業人員であります。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.提出会社の従業員数はセグメント区分「日本」におけるものであります。 ③ 労働組合の状況 提出会社及び連結子会社2社において労働組合が結成されております。 それぞれ上部団体の全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加盟して健全な歩みを続けており、労使関係は相互信頼の基盤のもとに安定しております。 なお、2026年3月末における組合員数の合計は1,740人であります。 ④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異a. 提出会社当事業年度管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)(注)1.3男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.4労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1.5全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者2.9677.4271.4572.1655.82(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.管理職に占める女性労働者の割合は2026年3月31日時点の実績です。 4.男性労働者の育児休業取得率は2025年4月1日~2026年3月31日の実績です。 5.労働者の男女の賃金の差異は2025年1月1日~2025年12月31日の実績です。 なお、労働者の男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率等によるものであり、賃金制度・体系においては性別による差異はありません。 b. 連結子会社当事業年度名称男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.3労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1.4全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者興亜エレクトロニクス㈱100.072.471.779.0鹿島興亜電工㈱100.079.780.269.8真田KOA㈱100.080.380.473.2(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.男性労働者の育児休業取得率は2025年4月1日~2026年3月31日の実績です。 4.労働者の男女の賃金の差異は2025年4月1日~2026年3月31日の実績です。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 会社の経営の基本方針 当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業ミッションとして、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。 (2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 今後の経済見通しにつきましては、世界経済は緩やかな回復傾向にあるものの、中東情勢の不安定化により先行きは不透明な状況が続くと考えられます。 中東情勢の緊張が長期化した場合には、エネルギー価格の上昇を通じて物価上昇圧力が高まり、景気減速につながる可能性があります。 当社グループの属する電子部品業界におきましても、自動車向けやAI関連機器向けの需要は堅調に推移する一方、物価上昇に伴う需要減速等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。 利益面におきましては、貴金属相場の高騰により原材料価格が上昇しており、価格是正及びコストダウン等の対応を進めてまいりますが、実現までのタイムラグによる一時的な収益悪化が想定されます。 また、為替変動等の懸念材料があります。 このような経営環境下において当社グループは、2030年に向けた長期ビジョン、『2030ビジョン』を策定しております。 さらに、当社グループでは『2030ビジョン』を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、機会とリスクの両面から次の通りマテリアリティを特定しました。 これらマテリアリティへの取り組みを通して経済的価値(事業)と社会的価値(ESG)の創出を目指します。 カテゴリーマテリアリティ取組テーマ環境CO2削減と経済性の両立デジタルツールを活用し製品・設備の両面から生産性を向上Scope1+2とScope3のGHG排出量を削減社会未来を創る人材の確保と育成多様性の向上自律的なキャリアの支援社員が生き生きと働ける環境の整備人材ポートフォリオの構築地域社会との連携による価値の創造将来にわたる地域の活性化とKOAの発展の好循環の実現ガバナンスガバナンス強化によるグループ経営基盤強化グループ全体での情報セキュリティの強化株主・投資家と企業との建設的な対話の実現事業自社の基盤技術を核とした、社会課題の解決に向けた価値提供技術環境・産業構造の変化への対応事業ポートフォリオ経営の強化顧客との信頼関係の強化B2B事業における信頼性・専門性・差別化要素の強化強靭でフェアなサプライチェーンの構築グローバル供給体制の最適化お取引先様との信頼の強化経済安全保障対策製品の安全性と品質の追求 また、当社グループは2030ビジョンの実現に向けた取り組みを3つのフェーズに分けて進めており、2025年度からはフェーズ2である「2027中期経営計画(2025~2027年)」の目標達成に向けて、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力してまいりました。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題エレクトロニクス業界は、CASE(Connectedコネクテッド、Autonomous自動運転、Shared & Servicesシェアリングとサービス、Electrification電動化)をキーワードに進化する自動車分野に加え、AI技術の急速な普及を背景としたAIサーバー・データセンター関連市場の拡大などにより、中長期的な成長が期待されております。 自動車市場においては、新車販売台数の成長率鈍化や一部地域における電動化投資の調整が見られるものの、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転機能の高度化、車載電子制御の高度化、xEVにおける統合ECU化・高電圧化の進展などにより、1台当たりに搭載される電子部品の点数は増加傾向にあります。 また、AIサーバー分野においても、高速通信、大電流化、高密度実装、低消費電力化への対応を背景に、高信頼性・高性能な電子部品への需要が拡大しております。 このような市場環境のなか、電子部品メーカーには、国際的な価格競争力に加え、品質、信頼性、供給能力、技術提案力、環境対応力などを総合的に備えた企業体制が求められております。 さらに、地政学リスクやサプライチェーンの分断リスクが高まるなか、複数地域での供給体制構築やBCP対応力の重要性も一層高まっております。 このような業界環境のもと、当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質・信頼性・供給能力を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来社会の実現に貢献することで、「お客様から最初にお声がかかる会社」を目指してまいります。 具体的には、「ゼロディフェクト・フロー」の構築を目指した品質・信頼性のさらなる向上に加え、デジタル技術や自働化技術を活用した生産性向上、需要変動に柔軟に対応できる供給体制の強化を推進してまいります。 また、AI関連、次世代モビリティ、エネルギーなどの成長市場に対し、顧客ニーズより先行したデザインイン活動を通じた高付加価値製品の提案を強化し、積極的な拡販及びコスト構造改革を進めてまいります。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 サステナビリティの視点が企業経営において必須となっている現代、KOAは企業としての責任を自覚し、その役割を果たしていくべきだと考えます。 KOAは、5つの主体(株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球)との信頼関係の構築を企業ミッションとしています。 このミッションを基盤にサステナビリティを意識し、取締役会の監督のもとガバナンス・経営戦略・リスク管理を統合して運用します。 法令遵守と企業倫理を基盤に、品質・安全を核に据えたものづくり、責任ある調達、環境負荷の低減を着実に進め、人権尊重・多様性・公正な機会を重視した人的基盤を強化します。 品質・安全・環境・人権などの基本原則をグローバルに適用し、地域貢献や次世代育成を進め、これらを通じて、持続可能で誰一人取り残されない社会の実現と中長期の企業価値向上を目指します。 (1) ガバナンスとリスク管理 当社グループのリスクマネジメントは、当社グループに物理的、経済的もしくは信用上の損失または不利益を生じさせるすべての可能性(リスク)を積極的に予見し、適切に評価するとともに、最小のコストで最良の結果が得られるよう、機会損失の低減やリスクの回避・軽減及び移転その他必要な措置を事前に講じるよう取り組んでいます。 あわせて、物理的、経済的もしくは信用上の利益を生じさせるすべての可能性(機会)についても同時に把握・評価し、対応を行っています。 当社グループは、全社的な機会とリスクを管理するため、社長執行役員を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しています。 委員会で特定されたサステナビリティ関連を含む機会とリスクへの対応策は、経営の重点テーマとして各専門委員会が集まる事務局会議で議論され、中期経営計画などの経営方針・経営戦略の立案や見直しに反映しています。 2022年度からは、関係部門の責任者も事務局会議に参加し実効性を高めています。 当社グループのサステナビリティ推進は、コンプライアンス基本方針のもと、取締役会が方針・重要課題・KPIの策定と進捗を監督しています。 リスク管理委員会の下部組織である環境(環境委員会)、 安全衛生(安全衛生委員会)、倫理・法令遵守(倫理・コンプライアンス委員会)の取り組みは、各委員会の担当部門が全社KPIを踏まえて目標を設定し、各部門・拠点が実行します。 担当部門は進捗を管理・評価し、結果を取りまとめて年次レビューで取締役会に報告し、必要な見直しは取締役会が承認します。 調達は責任ある調達方針に基づき、人権・環境・品質の期待をサプライヤーと共有します。 これらを経営計画・リスク管理と連動させ、開示をいたします。 取締役会は、サステナビリティを経営の最重要課題の一つとして認識し、その取り組み全体を監督する最終的な責任を負っています。 例えば、環境委員会からは気候変動対応などの重要課題に関する方針やリスク、対応策の進捗について定期的に報告を受け、事業戦略との整合性を議論し、適切な監督と助言を行います。 こうした取締役会の主体的な関与を通じて、サステナビリティ経営の実効性を高め、中長期的な企業価値向上を目指す体制を構築しています。 なお、マテリアリティへの取り組みは7Pに開示しておりますが、そのうちで特に重要性の高い「CO2削減と経済性の両立」(気候変動への対応)と「未来を創る人材の確保と育成」(人的資本)を次項以降で開示しております。 (2) 気候変動への対応 近年、世界中で異常気象や自然災害による被害が甚大化し、気候変動への対応は企業経営の大きな課題となっています。 当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures : TCFD)提言に準じて、気候変動が当社の活動に影響を及ぼす財務上の影響について分析を行い、リスクの低減と機会の獲得のための対応を進めています。 ① ガバナンス 取締役会の監督のもと、社長執行役員を委員長とし、執行役員と委員長が指名したメンバーで構成されたリスク管理委員会において気候変動を含むリスクと機会を特定しています。 委員会で特定された機会とリスクへの対応策は経営の重点テーマとして取締役会に報告され、中期経営計画などの経営方針・経営戦略の立案や見直しに反映しています。 あわせて、年2回環境委員会を開催し、関係部門や各拠点の責任者も参加して、目標進捗・設定及び脱炭素に向けたアクションを審議しています。 ② 戦略i.シナリオ分析a.シナリオ分析の前提当社は、気候変動が将来にわたって与えるリスク・機会とその影響を評価し、リスクへの対応策の柔軟性と戦略のレジリエンスを高めることを目的に、段階的にシナリオ分析に取り組んでいます。 シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した1.5℃シナリオ、及び、不十分な気候関連政策・規制により気温上昇幅が最大となる3℃シナリオの2つのシナリオを想定しています。 その上で、事業環境に関わる重要なトレンド(自然環境や社会の変化、技術革新など)を踏まえた影響要因を抽出し、TCFD提言に沿って移行リスクや物理リスク、気候変動への対応による機会を特定しました。 参照した既存シナリオ1.5℃シナリオ「Net‐Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(IEA、2022年)「Representative Concentration Pathways(RCP2.6)」(IPCC、2014年)3℃シナリオ「Stated Policy Scenario(STEPS)」(IEA、2022年)「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」(IPCC、2014年) b.シナリオ分析の結果 当社としての重要事項環境規制技術革新地域・社会分断社会状況と当社への影響1.5℃シナリオ・環境規制が高まり、自社・サプライチェーンの規制が強化され、再エネ需要拡大やEV移行も進む。 [機会]・環境対応車関連部品の売上増加・再エネ関連機器向け部品売上増加[リスク]・自社・サプライチェーンへの炭素税による事業運営(製造・原料調達)コストの増加・EV移行に伴う中国国籍企業の販売割合拡大による日本製品の売上減少・創エネ・蓄エネ・省エネを中心に革新技術が次々と導入される(例:水素・蓄電池)。 [機会]・エネルギー関連機器向け部品売上増加・再エネ普及・価格低下による自社・サプライチェーンの脱炭素化コスト減少[リスク]・希少資源の需要増加による再エネ関連資材の調達コスト増加・国際的な分断の中で環境対策が進んだ場合、過度な国境炭素税の導入などが想定される。 [機会]・激甚災害減少による自社のBCP対策コスト減少[リスク]・非効率な規制対策コスト(移行リスク)の増加3℃シナリオ・不十分な対策による激甚災害の多発。 加えて、水資源の利用に対する制限も生まれる。 [機会]・BCP関連機器向け部品売上増加[リスク]・サプライチェーン断絶リスクに備えた事業継続コスト増加・取水制限に伴う操業停止による売上減少・エネルギー関連の既存技術が残り、再エネ新技術の普及・開発が遅れる。 [リスク]・再エネ調達が困難になり自社脱炭素化コストの増加・国際的な分断から、対応策が遅れて激甚災害が増加する。 [リスク]・自社のBCP対策コスト増加シナリオ共通影響-・CASE技術の進展やトリリオンセンサ社会への転換の中で、デジタル機器の需要が増加する。 [機会]・車載センサなどの関連機器向け売上増加[リスク]・加速度的な技術革新による研究開発コスト増加・国際的な分断が進んだ場合は経済成長が停滞する一方、国際協調が達成できた場合、南アジア・アフリカを含む世界全体での経済が成長する。 ・国内でも、地方部の発展が達成された場合、地方企業でも人材・競争力が確保できる。 [機会]・南アジア・アフリカなどでの市場発展で売上増加・国内地方発展に伴う競争力確保で売上増加[リスク]・デカップリングによる市場縮小で売上減少・国内都市集中に伴う地方の人材不足により、競争力が低下し売上減少 ⅱ.当社事業に重大な影響を及ぼすリスクと機会 種別概要影響の時間軸影響額対応リスク[物理的リスク:急性]生産拠点の豪雨災害による道路の寸断、サプライチェーンの物流停止に伴う売上高減少短期7億~22億円長野県南部の生産規模(約50%)・復旧期間1~3週間と想定製品の複数拠点生産によるリスク分散[移行リスク:規制]エネルギーコスト増加、燃料調整費や再エネ賦課金など社会システム上避けられない負担の増加中期1億~3億円/年炭素税($50~$150/t)が導入されることを想定拠点ごとに最適な省エネ・創エネ施策の推進機会AIサーバー・データセンターインフラの増加による省エネ・高効率化に貢献する抵抗器の需要増加中期25億~49億円AI関連売上実績と市場成長率に基づき、2030年度時点の2025年度比売上高増加分を試算。 市場成長の当社売上への影響は50~100%の範囲で算定。 成長市場への積極拡販及び新製品の開発影響を受ける時間軸は、 短期:0~3年、中期3~10年、長期10~30年程度と想定しています。 ③ リスク管理リスク管理委員会が実施する機会とリスクの管理プロセスにおいて、重要性評価や対応状況のモニタリングを実施しています。 ④ 指標・目標 当社は、2030ビジョンの実現に向け、GHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、地球との共生を目指しています。 この取り組みの基本方針として、「カーボンフリー製品の実現に挑戦する取り組みを通じて、5つの主体との信頼関係を構築する」を掲げ、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減、ガバナンス体制の強化、積極的な情報開示などを進めています。 当社のGHG排出量削減目標は、2026年3月にScience Based Targets initiative (SBTi)より、パリ協定における「1.5℃目標」に整合した科学的根拠に基づく目標として認定を取得しました。 Scope1+2目標については、基準年から申請時点で利用可能な直近年度までの削減実績を踏まえ、SBTiの基準に基づく目標水準として設定しています。 目標の概要は、以下のとおりです。 対象範囲基準年目標年削減目標Scope1+22020年度2030年度80.57%削減Scope3(カテゴリ1:購入した製品・サービス、カテゴリ2:資本財)2024年度2034年度35.0%削減 目標達成に向けては、再生可能エネルギーの導入、省エネルギー活動の推進、サプライチェーンにおける排出量の把握などに取り組んでいます。 2025年度の実績は以下の通りとなる見込みです。 ※2024年度のScope3総量は、SBT認定取得に伴う算定方法の見直しを反映し、以前公表していた値を見直しています。 (3) 人的資本 当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりで、主にKOA単体での取り組みとなります。 「KOAが考える人的資本とは」~“人こそが持続的成長の源泉” 地域共生型の製造業として、長期雇用・現場力・技術力を基盤に、 高度な技術・専門能力を高めながら、明るく、働きがいをもって活躍する社員を積極的に応援すること~ KOAにおける人的資本とは、創業以来の価値観と事業戦略に直結していることにあります。 特に、創業の精神である「農工一体」「伊那谷に太陽を」という考え方が、人を単なる労働力ではなく、地域・家族・暮らしを支える存在として重視する文化につながっています。 KOAは株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球という「5つの主体」との信頼関係の構築を企業ミッションに掲げており、人的資本もこの枠組みの中に位置づけております。 そのような中で特長となる4つの視点をご紹介します。 人材観・企業文化 社員一人ひとりの成長や幸福、地域との共生を重視する文化があり、長期雇用・現場重視・チームワーク・地域密着を重んじています。 人材ポートフォリオ 戦略実行に必要な役割及び人材要件を明確にし社内へ開示してまいります。 社員一人ひとりが自身のキャリアを自律的に描く、重要な役割を果たします。 人材育成・リスキリング 自律的な教育への投資とグローバルに共創できる次世代人材育成が重要なテーマと捉えています。 エンゲージメント・働きがい 定着率が高く、成長への挑戦が働きがいにつながる安定した雇用基盤を持ちうる点も特長の1つです ① 戦略 ⅰ.経営戦略と人的資本への「依存と影響」 当社グループは、次世代モビリティ、AI関連、GX市場を注力市場とし、新製品を早期にデザインインして売上・利益を拡大する経営戦略を掲げています。 特にAIサーバの電源等では高電圧化が必須であり、次世代製品開発が進んでいます。 成長市場へ先行して高付加価値品を開発・販売するという経営戦略の実現には、事業変革を牽引する「次世代経営人材」、「高度専門人材」やDXによる業務改革を現場で実践する「AI経営実践人材」、タイムリーな拡販を実行する「グローバル共創組織」、そして「成長への挑戦とPDCA文化」という5つの要素が人材・組織・文化において求められます。 「求められる人材・組織・文化の補足説明」次世代経営人材 当社の創業の精神、4つの価値観、5つの主体との信頼関係を構築するというミッションに基づいた持続的な企業価値向上を実現するため、市場・顧客・技術動向を的確に捉え、グローバルな視点で経営資源配分を含む大胆な事業変革ができる次世代の経営人材を計画的に育成する必要がある。 高度専門人材 Essential Parts of the Worldを実現するには高い研究開発力、顧客の回路上の課題を解決する技術営業力、高効率の生産体制を構築する生産技術力・工程設計力・生産管理力、経営効率を上げるデジタル技術活用力など業界トップに立つために世界レベルの高度専門能力と経験を持った人材を多く配置する必要がある。 AI経営実践人材 人よりもAIが経営の中心となり業務を動かす前提で、AIを実装し経営改革を実践できる人材を各組織に配置する必要がある。 ※AI経営とは、単にAIをツールとして使うのではなく、AIを経営の中心に据えて使っていく(経営の意思決定を含め、AIを使える社員だけでなく全社員がAIを中心に働く)と定義する。 グローバル共創組織 ワールドワイドで先行的に顧客に新製品を開発しデザインインするには、本社のマーケティングチームの深い見識考察を世界中のSE(セールスエンジニア)・FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)と同期化し、タイムリーに顧客に情報提供、製品提案する組織体制と仕組みを構築する必要がある。 また、マーケティングチームのアウトプットに基づきエリア・アプリ別販売戦略、製品戦略、生産戦略を立案実行できる仕組みを構築する。 成長への挑戦とPDCA文化 失敗を恐れずにアジャイルにあらゆる挑戦のアクションを続けるとともに、納期と結果にこだわって前進し続ける企業文化を醸成する必要がある。 ⅱ.人材育成方針 当社は、「人こそが持続的成長の源泉である」との考えのもと、経営戦略の実現に向けた人材戦略を人的資本経営の中核に位置付けています。 以下の4つの経営課題に対応した人材育成を推進することで、組織の競争力と社会への価値提供力を高めてまいります。 a.新製品・新事業の事業化加速 仮説立案・検証力の強化を目的としたイノベーション人材の育成、ならびに高度専門人材の獲得と育成に注力します。 産学官との連携も推進し、先端技術・知見の社内展開を図ります。 b.成長市場のビジネス拡大 営業推進・KPS強化を担うことができる人材の育成を通じて、業務革新及びグローバル市場への対応力を高めます。 専門性と実践力を併せ持つ人材を継続的に育成します。 c.組織力の向上 適所適材の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しと、次世代リーダー育成を推進します。 あわせて挑戦を評価する新たな人事制度の定着により、社員の成長と組織パフォーマンスの向上を目指します。 d.働きがい・多様性の実現 多様な人材が活躍できる環境整備を進め、特に女性管理職比率の向上を重要目標として取り組んでいます。 グローバル人材の採用・育成にも注力し、多様性と包摂性のある職場文化の醸成を進めます。 ⅲ.社内環境整備方針 当社は、すべての社員が多様な個性を活かし、最大限の能力を発揮できるよう、以下の整備に取り組みます。 a.柔軟な働き方 社員の能力向上や能力発揮につながる柔軟な働き方の制度として、資格取得支援・フレックスタイム制度の導入や副業・在宅勤務・短時間勤務制度等の見直しを推進します。 b.心理的安全性の高い職場づくり エンゲージメントサーベイ、ハラスメント防止研修や1on1ミーティングを通じて、誰もが安心して意見を言え、失敗を恐れず挑戦できる職場環境を目指します。 c.ダイバーシティ推進 性別・年齢・国籍・障がいの有無などに関係なく、多様な価値観を受け入れ誰もが活躍できる環境を整える取り組みを推進します。 d.健康で安全な労働環境 社員の健康を守る健康経営と職場環境の改善により、安全に働ける職場づくりを推進します。 これらを通じて、社員の自律と挑戦を後押しし、企業価値の持続的向上を実現します。 ⅳ.従業員給与等の決定方針等(新人事制度への移行) Essential Parts of the Worldを実現するには業界トップに立つために世界レベルの高度専門能力と経験を持った人材を多く配置する必要があります。 当社は2026年度より、従来の年功的な「人基準」から、担っている役割の大きさと挑戦を処遇の軸とする「仕事(役割)基準」の新人事制度を本格導入しました。 特に管理職層『マネジメント職群』において、組織の維持・運営を担う『管理職ライン』に加え、全社的な戦略課題を専任で担う『戦略課題解決ライン』を新設し、専門的な分野の柔軟な人材配置を可能としました。 また、高度な専門スキルを追求する職人的な専門職層『マイスター職群』を継続し、新たに職務要件書を用いて役割基準の任命を行うことで、スピード感をもち役割の大きさと報酬のバランスを図ることのできる制度へ進化させております。 ② 指標及び目標 2026年3月期においては、以下の指標を用いて人材戦略の進捗と成果をモニタリングしています。 ⅰ.人材戦略と連動した独自指標(進捗と成果) 女性管理職比率:2025年3月期実績は0.68%、2026年3月期実績では2.96%となり、目標に向けて着実に上昇しています。 この1年間は性差の無い経営への転換を旗印に執行役員から管理職クラスに対する多様性研修会の開催をはじめ、社内の意識改革に努めて参りました。 当社は2027年3月末までに同比率を3.00%とする目標を掲げ、多様な人材が幅広く活躍できる制度整備と意識改革を強力に推進します。 ESG項目2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期目標Society 人的資本(KOA単体)女性管理職比率0.68%2.96%3.00%(注)提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。 ⅱ.人材戦略と連動した今後の取り組み 現在当社では、以下の取り組みを進めており、人材戦略との連動を図る指標の選定を進めています。 職務要件書(高度専門人材の任用): 戦略実現に必要な役割と能力要件を明確化した職務要件書を整備し、採用・配置の基準として活用することで、戦略から定義した高度専門人材ポートフォリオに対する充足率の向上につなげます。 社内公募制度(人材流動性の向上):社内人材の最適配置を図り、組織の持続的な成長促進のために社内公募制度をスタートしました。 2025年度は4ポジションの求人があり、保有資格を活かして1ポジションの異動が決定しました。 さらに人材ニーズを掘り起こし、社員の挑戦意識、モチベーション向上を促すとともに社内人材の最適配置と組織活性化を図ってまいります。 資格取得報奨金制度(リスキリングの推進):自律的な学びを促すため2025年7月に制度を開始しました。 初年度は50件の申請があり、IT・情報系(19件)や製造・技術系資格(15件)を中心に活用が進んでいます。 ESG項目2025年3月期実績2026年3月期実績Society 人的資本(KOA単体)参考指標職務要件書数-22件社内公募制度ポジション数-4件資格取得報奨金申請数-50件(注)提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。 |
| 戦略 | ② 戦略i.シナリオ分析a.シナリオ分析の前提当社は、気候変動が将来にわたって与えるリスク・機会とその影響を評価し、リスクへの対応策の柔軟性と戦略のレジリエンスを高めることを目的に、段階的にシナリオ分析に取り組んでいます。 シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること」を想定した1.5℃シナリオ、及び、不十分な気候関連政策・規制により気温上昇幅が最大となる3℃シナリオの2つのシナリオを想定しています。 その上で、事業環境に関わる重要なトレンド(自然環境や社会の変化、技術革新など)を踏まえた影響要因を抽出し、TCFD提言に沿って移行リスクや物理リスク、気候変動への対応による機会を特定しました。 参照した既存シナリオ1.5℃シナリオ「Net‐Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(IEA、2022年)「Representative Concentration Pathways(RCP2.6)」(IPCC、2014年)3℃シナリオ「Stated Policy Scenario(STEPS)」(IEA、2022年)「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」(IPCC、2014年) b.シナリオ分析の結果 当社としての重要事項環境規制技術革新地域・社会分断社会状況と当社への影響1.5℃シナリオ・環境規制が高まり、自社・サプライチェーンの規制が強化され、再エネ需要拡大やEV移行も進む。 [機会]・環境対応車関連部品の売上増加・再エネ関連機器向け部品売上増加[リスク]・自社・サプライチェーンへの炭素税による事業運営(製造・原料調達)コストの増加・EV移行に伴う中国国籍企業の販売割合拡大による日本製品の売上減少・創エネ・蓄エネ・省エネを中心に革新技術が次々と導入される(例:水素・蓄電池)。 [機会]・エネルギー関連機器向け部品売上増加・再エネ普及・価格低下による自社・サプライチェーンの脱炭素化コスト減少[リスク]・希少資源の需要増加による再エネ関連資材の調達コスト増加・国際的な分断の中で環境対策が進んだ場合、過度な国境炭素税の導入などが想定される。 [機会]・激甚災害減少による自社のBCP対策コスト減少[リスク]・非効率な規制対策コスト(移行リスク)の増加3℃シナリオ・不十分な対策による激甚災害の多発。 加えて、水資源の利用に対する制限も生まれる。 [機会]・BCP関連機器向け部品売上増加[リスク]・サプライチェーン断絶リスクに備えた事業継続コスト増加・取水制限に伴う操業停止による売上減少・エネルギー関連の既存技術が残り、再エネ新技術の普及・開発が遅れる。 [リスク]・再エネ調達が困難になり自社脱炭素化コストの増加・国際的な分断から、対応策が遅れて激甚災害が増加する。 [リスク]・自社のBCP対策コスト増加シナリオ共通影響-・CASE技術の進展やトリリオンセンサ社会への転換の中で、デジタル機器の需要が増加する。 [機会]・車載センサなどの関連機器向け売上増加[リスク]・加速度的な技術革新による研究開発コスト増加・国際的な分断が進んだ場合は経済成長が停滞する一方、国際協調が達成できた場合、南アジア・アフリカを含む世界全体での経済が成長する。 ・国内でも、地方部の発展が達成された場合、地方企業でも人材・競争力が確保できる。 [機会]・南アジア・アフリカなどでの市場発展で売上増加・国内地方発展に伴う競争力確保で売上増加[リスク]・デカップリングによる市場縮小で売上減少・国内都市集中に伴う地方の人材不足により、競争力が低下し売上減少 ⅱ.当社事業に重大な影響を及ぼすリスクと機会 種別概要影響の時間軸影響額対応リスク[物理的リスク:急性]生産拠点の豪雨災害による道路の寸断、サプライチェーンの物流停止に伴う売上高減少短期7億~22億円長野県南部の生産規模(約50%)・復旧期間1~3週間と想定製品の複数拠点生産によるリスク分散[移行リスク:規制]エネルギーコスト増加、燃料調整費や再エネ賦課金など社会システム上避けられない負担の増加中期1億~3億円/年炭素税($50~$150/t)が導入されることを想定拠点ごとに最適な省エネ・創エネ施策の推進機会AIサーバー・データセンターインフラの増加による省エネ・高効率化に貢献する抵抗器の需要増加中期25億~49億円AI関連売上実績と市場成長率に基づき、2030年度時点の2025年度比売上高増加分を試算。 市場成長の当社売上への影響は50~100%の範囲で算定。 成長市場への積極拡販及び新製品の開発影響を受ける時間軸は、 短期:0~3年、中期3~10年、長期10~30年程度と想定しています。 |
| 指標及び目標 | ④ 指標・目標 当社は、2030ビジョンの実現に向け、GHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、地球との共生を目指しています。 この取り組みの基本方針として、「カーボンフリー製品の実現に挑戦する取り組みを通じて、5つの主体との信頼関係を構築する」を掲げ、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減、ガバナンス体制の強化、積極的な情報開示などを進めています。 当社のGHG排出量削減目標は、2026年3月にScience Based Targets initiative (SBTi)より、パリ協定における「1.5℃目標」に整合した科学的根拠に基づく目標として認定を取得しました。 Scope1+2目標については、基準年から申請時点で利用可能な直近年度までの削減実績を踏まえ、SBTiの基準に基づく目標水準として設定しています。 目標の概要は、以下のとおりです。 対象範囲基準年目標年削減目標Scope1+22020年度2030年度80.57%削減Scope3(カテゴリ1:購入した製品・サービス、カテゴリ2:資本財)2024年度2034年度35.0%削減 目標達成に向けては、再生可能エネルギーの導入、省エネルギー活動の推進、サプライチェーンにおける排出量の把握などに取り組んでいます。 2025年度の実績は以下の通りとなる見込みです。 ※2024年度のScope3総量は、SBT認定取得に伴う算定方法の見直しを反映し、以前公表していた値を見直しています。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりで、主にKOA単体での取り組みとなります。 「KOAが考える人的資本とは」~“人こそが持続的成長の源泉” 地域共生型の製造業として、長期雇用・現場力・技術力を基盤に、 高度な技術・専門能力を高めながら、明るく、働きがいをもって活躍する社員を積極的に応援すること~ KOAにおける人的資本とは、創業以来の価値観と事業戦略に直結していることにあります。 特に、創業の精神である「農工一体」「伊那谷に太陽を」という考え方が、人を単なる労働力ではなく、地域・家族・暮らしを支える存在として重視する文化につながっています。 KOAは株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球という「5つの主体」との信頼関係の構築を企業ミッションに掲げており、人的資本もこの枠組みの中に位置づけております。 そのような中で特長となる4つの視点をご紹介します。 人材観・企業文化 社員一人ひとりの成長や幸福、地域との共生を重視する文化があり、長期雇用・現場重視・チームワーク・地域密着を重んじています。 人材ポートフォリオ 戦略実行に必要な役割及び人材要件を明確にし社内へ開示してまいります。 社員一人ひとりが自身のキャリアを自律的に描く、重要な役割を果たします。 人材育成・リスキリング 自律的な教育への投資とグローバルに共創できる次世代人材育成が重要なテーマと捉えています。 エンゲージメント・働きがい 定着率が高く、成長への挑戦が働きがいにつながる安定した雇用基盤を持ちうる点も特長の1つです ① 戦略 ⅰ.経営戦略と人的資本への「依存と影響」 当社グループは、次世代モビリティ、AI関連、GX市場を注力市場とし、新製品を早期にデザインインして売上・利益を拡大する経営戦略を掲げています。 特にAIサーバの電源等では高電圧化が必須であり、次世代製品開発が進んでいます。 成長市場へ先行して高付加価値品を開発・販売するという経営戦略の実現には、事業変革を牽引する「次世代経営人材」、「高度専門人材」やDXによる業務改革を現場で実践する「AI経営実践人材」、タイムリーな拡販を実行する「グローバル共創組織」、そして「成長への挑戦とPDCA文化」という5つの要素が人材・組織・文化において求められます。 「求められる人材・組織・文化の補足説明」次世代経営人材 当社の創業の精神、4つの価値観、5つの主体との信頼関係を構築するというミッションに基づいた持続的な企業価値向上を実現するため、市場・顧客・技術動向を的確に捉え、グローバルな視点で経営資源配分を含む大胆な事業変革ができる次世代の経営人材を計画的に育成する必要がある。 高度専門人材 Essential Parts of the Worldを実現するには高い研究開発力、顧客の回路上の課題を解決する技術営業力、高効率の生産体制を構築する生産技術力・工程設計力・生産管理力、経営効率を上げるデジタル技術活用力など業界トップに立つために世界レベルの高度専門能力と経験を持った人材を多く配置する必要がある。 AI経営実践人材 人よりもAIが経営の中心となり業務を動かす前提で、AIを実装し経営改革を実践できる人材を各組織に配置する必要がある。 ※AI経営とは、単にAIをツールとして使うのではなく、AIを経営の中心に据えて使っていく(経営の意思決定を含め、AIを使える社員だけでなく全社員がAIを中心に働く)と定義する。 グローバル共創組織 ワールドワイドで先行的に顧客に新製品を開発しデザインインするには、本社のマーケティングチームの深い見識考察を世界中のSE(セールスエンジニア)・FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)と同期化し、タイムリーに顧客に情報提供、製品提案する組織体制と仕組みを構築する必要がある。 また、マーケティングチームのアウトプットに基づきエリア・アプリ別販売戦略、製品戦略、生産戦略を立案実行できる仕組みを構築する。 成長への挑戦とPDCA文化 失敗を恐れずにアジャイルにあらゆる挑戦のアクションを続けるとともに、納期と結果にこだわって前進し続ける企業文化を醸成する必要がある。 ⅱ.人材育成方針 当社は、「人こそが持続的成長の源泉である」との考えのもと、経営戦略の実現に向けた人材戦略を人的資本経営の中核に位置付けています。 以下の4つの経営課題に対応した人材育成を推進することで、組織の競争力と社会への価値提供力を高めてまいります。 a.新製品・新事業の事業化加速 仮説立案・検証力の強化を目的としたイノベーション人材の育成、ならびに高度専門人材の獲得と育成に注力します。 産学官との連携も推進し、先端技術・知見の社内展開を図ります。 b.成長市場のビジネス拡大 営業推進・KPS強化を担うことができる人材の育成を通じて、業務革新及びグローバル市場への対応力を高めます。 専門性と実践力を併せ持つ人材を継続的に育成します。 c.組織力の向上 適所適材の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しと、次世代リーダー育成を推進します。 あわせて挑戦を評価する新たな人事制度の定着により、社員の成長と組織パフォーマンスの向上を目指します。 d.働きがい・多様性の実現 多様な人材が活躍できる環境整備を進め、特に女性管理職比率の向上を重要目標として取り組んでいます。 グローバル人材の採用・育成にも注力し、多様性と包摂性のある職場文化の醸成を進めます。 ⅲ.社内環境整備方針 当社は、すべての社員が多様な個性を活かし、最大限の能力を発揮できるよう、以下の整備に取り組みます。 a.柔軟な働き方 社員の能力向上や能力発揮につながる柔軟な働き方の制度として、資格取得支援・フレックスタイム制度の導入や副業・在宅勤務・短時間勤務制度等の見直しを推進します。 b.心理的安全性の高い職場づくり エンゲージメントサーベイ、ハラスメント防止研修や1on1ミーティングを通じて、誰もが安心して意見を言え、失敗を恐れず挑戦できる職場環境を目指します。 c.ダイバーシティ推進 性別・年齢・国籍・障がいの有無などに関係なく、多様な価値観を受け入れ誰もが活躍できる環境を整える取り組みを推進します。 d.健康で安全な労働環境 社員の健康を守る健康経営と職場環境の改善により、安全に働ける職場づくりを推進します。 これらを通じて、社員の自律と挑戦を後押しし、企業価値の持続的向上を実現します。 ⅳ.従業員給与等の決定方針等(新人事制度への移行) Essential Parts of the Worldを実現するには業界トップに立つために世界レベルの高度専門能力と経験を持った人材を多く配置する必要があります。 当社は2026年度より、従来の年功的な「人基準」から、担っている役割の大きさと挑戦を処遇の軸とする「仕事(役割)基準」の新人事制度を本格導入しました。 特に管理職層『マネジメント職群』において、組織の維持・運営を担う『管理職ライン』に加え、全社的な戦略課題を専任で担う『戦略課題解決ライン』を新設し、専門的な分野の柔軟な人材配置を可能としました。 また、高度な専門スキルを追求する職人的な専門職層『マイスター職群』を継続し、新たに職務要件書を用いて役割基準の任命を行うことで、スピード感をもち役割の大きさと報酬のバランスを図ることのできる制度へ進化させております。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ② 指標及び目標 2026年3月期においては、以下の指標を用いて人材戦略の進捗と成果をモニタリングしています。 ⅰ.人材戦略と連動した独自指標(進捗と成果) 女性管理職比率:2025年3月期実績は0.68%、2026年3月期実績では2.96%となり、目標に向けて着実に上昇しています。 この1年間は性差の無い経営への転換を旗印に執行役員から管理職クラスに対する多様性研修会の開催をはじめ、社内の意識改革に努めて参りました。 当社は2027年3月末までに同比率を3.00%とする目標を掲げ、多様な人材が幅広く活躍できる制度整備と意識改革を強力に推進します。 ESG項目2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期目標Society 人的資本(KOA単体)女性管理職比率0.68%2.96%3.00%(注)提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。 ⅱ.人材戦略と連動した今後の取り組み 現在当社では、以下の取り組みを進めており、人材戦略との連動を図る指標の選定を進めています。 職務要件書(高度専門人材の任用): 戦略実現に必要な役割と能力要件を明確化した職務要件書を整備し、採用・配置の基準として活用することで、戦略から定義した高度専門人材ポートフォリオに対する充足率の向上につなげます。 社内公募制度(人材流動性の向上):社内人材の最適配置を図り、組織の持続的な成長促進のために社内公募制度をスタートしました。 2025年度は4ポジションの求人があり、保有資格を活かして1ポジションの異動が決定しました。 さらに人材ニーズを掘り起こし、社員の挑戦意識、モチベーション向上を促すとともに社内人材の最適配置と組織活性化を図ってまいります。 資格取得報奨金制度(リスキリングの推進):自律的な学びを促すため2025年7月に制度を開始しました。 初年度は50件の申請があり、IT・情報系(19件)や製造・技術系資格(15件)を中心に活用が進んでいます。 ESG項目2025年3月期実績2026年3月期実績Society 人的資本(KOA単体)参考指標職務要件書数-22件社内公募制度ポジション数-4件資格取得報奨金申請数-50件(注)提出会社を対象範囲としているため、連結子会社は含んでおりません。 |
| 事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える定量的な影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 当社は、グループのリスク管理について、全社的な機会とリスクを管理するため、リスク管理規程に基づき、リスク管理委員会を設けています。 委員は、これまで全ての取締役と互選により選出された委員長が指名したメンバーで構成されておりましたが、2025年1月より、執行役員及び社長執行役員である委員長が指名したメンバーで構成するように変更いたしました。 リスク管理委員会は、年2回開催しており、経営の重点テーマとなる機会とリスクの特定(見直し・更新)、対応方針の決定、活動進捗のモニタリングを実施しています。 委員会で特定された機会とリスクへの対応策は経営の重点テーマとして取締役会に報告され、中期経営計画などの経営方針・経営戦略の立案や見直しに反映しています。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 海外展開について 当社グループは、市場のグローバル化に対応して生産及び販売拠点を海外に展開しております。 このため、進出国の経済動向及び政治・社会情勢に変化が起こった場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、経済安全保障をはじめとする輸出入規制や外貨規制、米国貿易政策の変更、法令・税制等の変更など予測できない事態が発生した場合も当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、移転価格税制に基づく課税リスクへの対応として、グループ内に移転価格ポリシーを導入の上、税務の専門家を利用してグループ内の移転価格税制に係る文書を作成し当該リスクの低減に努めております。 (2) 原材料について 当社グループの主要製品に使用する原材料には、貴金属相場の影響を大きく受けるものが含まれております。 原材料価格が急騰した場合には、顧客への価格転嫁により対応いたしますが、十分な転嫁ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、調達先の分散やお取引先様との信頼関係の構築等により安定的に原材料を調達できるように努めておりますが、調達先の生産活動・サプライチェーンが、紛争や自然災害・事故の発生あるいは法律・規制の予期しない変更等の要因により停止される場合や、調達先の事業運営上のトラブル、事業性判断等の都合により生産中止となる場合、原材料の安定調達が困難となり顧客への供給責任を果たせず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 自然災害やパンデミック、紛争等の発生について 当社グループの一部の製品は世界の複数拠点で生産するなどの一定のリスク分散が図られておりますが、地震・洪水等の大規模な自然災害やパンデミック、紛争等の発生により、当社の営業拠点や生産拠点の使用が困難な状況になり、あるいは従業員の多くが被害を受けた場合や交通網の遮断・エネルギー供給の停止・通信の不通などにより、営業活動の混乱や生産の遅延・停止等を受けて当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 人材について 当社グループは、社員・家族との間に信頼関係を構築することを企業ミッションの一つとする中で人材の採用と育成を行っております。 事業計画の達成やイノベーションへのチャレンジのために社員一人ひとりが信頼しあったチームワークの中で自分の力を精一杯出し切り、仕事の充実感を味わいつつ目標を達成していける職場環境を目指しております。 また、多様な社員が適所適材で活躍し、能力を発揮してもらうために、年齢・性別・場所に限定されずに働ける職場環境整備や制度改訂を進めております。 しかしながら少子高齢化や人材の流動化、人材の採用・育成が不十分である場合や、多様性を重要な意思決定に活かすことができない場合、経営戦略の実行力不足・イノベーションの停滞などにより競争力を失い、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) サイバーセキュリティについて コンピューターウイルスの侵入や高度なサイバー攻撃等により、情報漏洩や改ざん、システム停止等の被害を受けるリスクがあります。 これに対して当社グループは、サイバー攻撃に対してハードウエアの装備と機密情報の保護のための全社的な研修の実施、情報の機密性・完全性・可用性を維持・向上することを目的とした「情報セキュリティ委員会」の設置等により情報セキュリティの確保に取り組んでおりますが、このような事態が発生した場合は、追加対応や損害賠償等の多額の費用負担により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 競争力の低下について 当社グループは事業を展開する市場において激しい競争に晒されており、電子部品の製品価格が低下する傾向にあります。 当社グループでは価格低下に対して新製品の投入並びにコスト削減等により利益の確保に努めておりますが、競争の更なる激化が予想され、新製品のリリースが遅延した場合や、コスト削減が実現できなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、製品価格が大きく下落する場合は棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。 また、業績の悪化により有形固定資産の減損の要否の判定が行われた場合に、その結果として減損処理を行う可能性があります。 (7) 製品の欠陥について 当社グループは、「Quality 1st」を経営方針のひとつとして掲げ、「ゼロディフェクト・フローの構築」に向けた改善活動を進めておりますが、万一製品の欠陥により市場クレームやリコールなどの重大な問題が発生した場合、多額の損害賠償金の支払いや売上の減少等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 為替レートの変動について 当社グループは、生産及び販売拠点を海外に展開しているため各国での外貨建て取引があります。 このため、為替変動リスクに関しては為替予約を締結する事によりリスクを最小にする努力を行っておりますが、為替の大幅な変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 棚卸資産について 当社グループの棚卸資産は、生産拠点においては受注生産を基本にリードタイム短縮を図り棚卸資産の削減に努めております。 一方で、供給責任を果たすための同一品目の複数拠点生産推進による生産移管時の仕掛品や、災害時における事業継続に備えるための原材料など、目的を持った在庫は増やしてきております。 また、お客様の短納期要求に対応するため、主に海外の販売拠点においては製品在庫を保有しておりますが、今後のお客様の需要回復に備えるために、近年は適正在庫量を増加させております。 このような在庫の増加については、生産、販売の拠点ごとに棚卸回転率による管理や、リスクの変化による適正在庫量の見直しを徹底しておりますが、予想を超える急激な環境変化により、保有在庫の中に販売が見込まれない在庫が発生した場合は、棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。 (10) 経済状況について 当社グループは、売上高の9割以上を電子部品が占めております。 電子部品は家電等の民生機器や自動車、産業機器等の幅広い分野で使用されているため、特定業界の景気動向による影響を受けにくい傾向にありますが、景気変動に伴う個人消費や企業の設備投資の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主力製品である抵抗器において、自動車向けの販売比率が高まってきており、自動車の販売台数や技術動向の変化による当社グループへの影響について注視が必要です。 (11) 気候変動について 近年、世界中で異常気象や自然災害による被害が甚大化し、気候変動への対応は企業経営の大きな課題となっています。 当社グループでは、気候関連財務情報開示タスクフォース提言に準じて、気候変動がグループの財務に及ぼす影響について分析を行い、リスクの低減と機会の獲得のための対応を進めています。 当社グループ事業に重大な影響を及ぼす主なリスクは、物理的リスクとして、生産拠点の豪雨災害による道路の寸断、サプライチェーンの物流停止に伴う売上高の減少、移行リスクとして、エネルギーコスト増加、燃料調整費や再エネ賦課金などの社会システム上避けられない負担の増加などがあります。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当社グループ」という。 )の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度の世界経済は、回復と停滞が混在する不安定な状況が続きました。 欧米のインフレの沈静化とともに景気持ち直しの兆しが見られた一方で、高水準の金利政策の継続による投資の抑制や、地政学的リスクも経済活動の重しとなり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの属する電子部品業界におきましては、カーボンニュートラルの実現に向け環境対応車への移行が進んでおり、中長期的には自動車向け市場の拡大が見込まれております。 当期においては全体として需要は緩やかに回復しました。 このような環境のもと、当社グループは2030ビジョンの実現に向けた取り組みを3つのフェーズに分けて進めており、2025年度からはフェーズ2である「2027中期経営計画(2025年~2027年)」の目標達成に向けて、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力してまいりました。 販売面におきましては、為替が円安傾向で推移し、在庫調整の影響を受けていた産業機器向け需要が回復したことに加え、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向け需要が堅調に推移したこと等により、当連結会計年度の売上高は72,287百万円(前年同期比8,166百万円増、12.7%増)となりました。 利益面におきましても、原材料価格の上昇がありましたが、売上の増加等により、営業利益3,646百万円(前年同期比2,470百万円増、210.0%増)、材料作業屑処分益530百万円、補助金収入662百万円等を計上したことにより、経常利益5,223百万円(前年同期比3,979百万円増、320.1%増)、また、保有有価証券の一部売却により投資有価証券売却益209百万円を計上した一方、固定資産処分損54百万円、減損損失114百万円等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3,951百万円(前年同期比3,690百万円増)となりました。 セグメントの経営成績は、日本においては売上高57,842百万円(前年同期比6,204百万円増、12.0%増)、セグメント利益1,335百万円(前期はセグメント損失1,056百万円)、アジアにおいては売上高38,549百万円(前年同期比4,762百万円増、14.1%増)、セグメント利益1,549百万円(前年同期比156百万円増、11.2%増)、アメリカにおいては売上高11,503百万円(前年同期比540百万円増、4.9%増)、セグメント利益113百万円(前年同期比134百万円減、54.2%減)、ヨーロッパにおいては売上高13,801百万円(前年同期比1,676百万円増、13.8%増)、セグメント利益587百万円(前年同期比114百万円増、24.2%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前連結会計年度末に比べ2,610百万円増加し、当連結会計年度末には27,410百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により増加した資金は9,069百万円(前連結会計年度は8,101百万円の増加)となりました。 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,264百万円の計上、減価償却費7,096百万円の非資金項目の調整等によるものです。 主な減少要因は、売上債権の増加1,621百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は7,061百万円(前連結会計年度は23,939百万円の減少)となりました。 主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出7,489百万円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により減少した資金は510百万円(前連結会計年度は11,252百万円の増加)となりました。 主な減少要因は、長期借入金の返済による支出3,204百万円等によるものです。 主な増加要因は、長期借入れによる収入4,007百万円等によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本51,030115.3アジア21,124109.7アメリカ157185.6ヨーロッパ--合計72,311113.7(注)1.金額は、販売価格によっております。 2.上記の金額には、商品仕入を含んでおります。 b. 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本23,666120.45,923131.5アジア25,587123.54,132125.3アメリカ12,187112.72,403141.1ヨーロッパ14,008114.11,204120.8合計75,449118.913,664130.1 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本22,247111.0アジア24,751117.9アメリカ11,487104.8ヨーロッパ13,801113.8合計72,287112.7(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の当社グループの資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末と比べて10,185百万円増加し、当連結会計年度末は151,550百万円となりました。 当連結会計年度の負債は、支払手形及び買掛金等の減少により、前連結会計年度末と比べて281百万円減少し、当連結会計年度末は62,973百万円となりました。 当連結会計年度の純資産は、為替換算調整勘定等の増加により、前連結会計年度末と比べて10,466百万円増加し、当連結会計年度末は88,577百万円となりました。 売上高は、72,287百万円(前年同期比8,166百万円増、12.7%増)となりましたが、この要因としましては、日本や欧州で顧客の在庫調整が進むとともに、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどのAI関連機器向けの需要が堅調に推移したことによります。 利益面におきましては、営業利益は3,646百万円(前年同期比2,470百万円増、210.0%増)となりましたが、この要因は、中国、マレーシアの新工場建設による減価償却費等の固定費の増加や、下期には金属相場の高騰による減益影響がありましたが、前述した売上高の増加や、徹底した設備投資、経費の抑制を実施した結果によるものと分析しています。 経常利益は、5,223百万円(前年同期比3,979百万円増、320.1%増)となりましたが、この要因は、前述の営業利益の増加に加え、設備投資に対する補助金収入や為替差益などの営業外収益が増加したことによるものと分析しています。 親会社株主に帰属する当期純利益は、3,951百万円(前年同期比3,690百万円増)となりましたが、この要因は、法人税等1,312百万円を計上したことによるものと分析しています。 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社グループは、ROE(自己資本利益率)6.2%、ROIC(投下資本利益率)4.7%を目標値とした、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」ことをコンセプトに掲げ、製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、ならびに企業体質の強化に注力しております。 当連結会計年度におけるROEは4.7%(前年同期比4.4ポイント改善)、ROICは2.1%(前年同期比1.9ポイント改善)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。 当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めています。 研究開発費については、前連結会計年度の3,576百万円と比較し55百万円(1.5%)増加し、3,631百万円となりました。 また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、注力する製品の生産能力拡大、新製品の開発、国内外の製造拠点での品質や生産性向上等のための設備投資です。 当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の25,510百万円と比較し、17,872百万円(70.1%)減少し、7,638百万円となりました。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 このため、当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を実施することとしています。 設備投資に充当する資金調達の一環として、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結し借入れを実施しておりますが、これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。 また主要な取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、安定的な資金調達が適時実施可能と認識しています。 なお、当社は資金調達の機動性を高めるため、複数の金融機関との間に2,000百万円の借入枠(コミットメントライン)を設定しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 a. 貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。 将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。 b. 退職給付債務の算定当社グループは確定給付制度を採用しております。 退職給付債務及び勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。 数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 c. 繰延税金資産 繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、回収可能な範囲において資産計上しております。 しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断し法人税率が引き下げられた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 d. 投資有価証券の減損処理 当社グループでは投資有価証券を保有しており、評価方法は市場価格のない株式等以外のものについては時価法を、市場価格のない株式等については原価法を採用しております。 保有する有価証券につき、市場価格のない株式以外のものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、市場価格のない株式等は投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、合理的な基準に基づいて投資有価証券の減損処理を行っております。 当社グループでは投資有価証券について必要な減損処理をこれまでに行ってきておりますが、この基準に伴い、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現状の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生し、減損処理が必要となる可能性があります。 |
| 研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、持続可能な社会の実現に向け、社会課題の解決に貢献するために必要不可欠な新製品を創出する活動を継続しています。 高品質・長期信頼性が要求される自動車や産業機器の分野において、多くのイノベーションが起きている、xEV(電動車)・AIサーバー・GX(グリーン トランスフォーメーション)の市場に注力し、お客様の困り事を解決する新製品の開発に取り組んでいます。 xEV市場では、多くの自動車メーカはBEV(バッテリー電気自動車)をメインとした開発が強化されてきましたが、直近では欧米でのBEVの販売が低迷している状況から、PHEV(プラグインハイブリッド自動車)やHEV(ハイブリッド自動車)の開発も強化してきています。 そのような状況の中、自動車はSDV(Software Defined Vehicle)化の大きな技術革新が起きており、自動車の購入後もソフトウェアのアップデートにより機能や性能を更新でき、“ハードが主役の車からソフトが主役の車”へと進化しています。 SDV化は、AI機能の搭載や各ECU(Electronic Control Unit)間の高速データ通信により自動車の各種制御を短時間でできるようになるため、完全自動運転の実現に大きく貢献する技術として期待されています。 AIサーバー市場では、世の中のあらゆる場面で生成AIの活用が進んでおり、高性能なAIサーバーの需要が急増しています。 AIサーバーは通常のサーバーに比べ3~5倍の消費電力が必要なため、将来増大していくと予測されているデータセンターの消費電力を低減するために、ハードウェアの低消費電力化、高効率の電源システム、効率の良い冷却システム、そして大量のデータを超高速で通信するための光通信技術など、さまざまな技術開発が進んでいます。 GX市場では、脱炭素社会の実現に向けて、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの利用が拡大しています。 再生可能エネルギーによる発電は自然環境の状況により発電量が変動して不安定なため、電力の需要変動に対して安定した電力供給ができるように、電気を貯めておく蓄電池や、電気を水素など別の形に変えて蓄えておく蓄電装置の需要が増加しています。 再生可能エネルギーの拡大のために、効率よく電気をつくり、効率よく電気を貯めるための技術革新が進んでいます。 このような背景から、当社グループは長年培ってきた基盤技術を活かし、高精度・高信頼な抵抗器、センサ素子やセンサモジュール製品の開発を進めています。 xEV向けには、大電流を小型で高精度に検出する長辺電極シャント、大電流による基板パターンの発熱を低減する大電流用金属チップ、各種センサにおいて精度よく長期間安定した検出回路を可能にする超小型高精度薄膜チップ抵抗器など、SDV化に貢献できる新製品の開発を進めています。 AIサーバー向けには、高電圧を精度よく長期間安定して検知できる高電圧検出デバイダー、大電流を高精度に検出するシャントモジュール、光通信回路で使用される超小型高精度薄膜チップ抵抗器などの新製品の開発を進めています。 GX向けには、電源電圧を高精度で長期間安定して検出する高電圧検出デバイダー、大電流を高精度に検出できるシャントモジュール等の新製品を開発しています。 研究活動としては、製品の性能を更に向上し付加価値のあるものにするために、各種材料の基礎研究を強化しています。 そして計算化学の技術を取り入れた新材料の開発加速、製品開発のリードタイム短縮のための新たなシミュレーション技術の構築、将来の新製品のための新しいプロセスの基礎開発など、基礎研究や新技術の導入など将来に向けた研究開発も積極的に進めています。 また、将来に向けた新製品や新事業の創出のために、開発マーケティングの強化を進めています。 世の中の変化から将来必要になる新製品を市場の要求に合致したタイミングで上市できるよう、注力市場の動向を注視し、先行開発を行っているお客様から困り事の声を集め、困り事を解決する新製品を立案し、市場性を見極めて開発を行う、マーケティングの新体制の構築を進めています。 なお、当連結会計年度の研究開発費は3,631百万円となりました。 また、当社グループの研究開発活動は、セグメント区分における「日本」、「ヨーロッパ」にて行われております。 |
| 設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループは、品質向上、新製品の開発、量産設備向け等を中心に総額5,954百万円の設備投資を実施しました。 日本においては品質向上、新製品の開発、量産設備向け等に対する設備投資、アジアにおいては抵抗器等の量産等に対する設備投資、アメリカ、ヨーロッパにおいては販売活動のための投資を実施しました。 当連結会計年度の設備投資の内訳は次のとおりであります。 (単位:百万円)日本アジアアメリカヨーロッパ計1,1524,70735595,954(注)上記の金額には無形固定資産が含まれております。 |
| 主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計本社他(長野県上伊那郡箕輪町他)日本電子部品の製造設備11,7185,3184,444(309)342,23323,7491,669(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.上記の金額には無形固定資産が含まれております。 (2) 国内子会社2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計興亜エレクトロニクス㈱本社他(長野県阿南町他)日本電子部品の製造設備1,07213050(16)-1051,359300鹿島興亜電工㈱本社他(石川県中能登町他)日本電子部品の製造設備2,427978402(47)-473,855255真田KOA㈱本社他(長野県上田市他)日本電子部品の製造設備2,2282,3161,782(27)137767,117220(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.上記の金額には無形固定資産が含まれております。 (3) 在外子会社2026年3月31日現在会社名(本社所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計高雄興亜股份有限公司(台湾高雄市)アジア電子部品の製造設備80101-(-)76195104上海興亜電子元件有限公司(中華人民共和国上海市)アジア電子部品の製造設備33275-(-)11236556133興和電子(太倉)有限公司(中華人民共和国江蘇省)アジア電子部品の製造設備3,8354,526-(-)-6589,019625KOA DENKO(MALAYSIA)SDN.BHD.(マレーシア国マラッカ市)アジア電子部品の製造設備19,0765,614-(-)-4,64629,337791(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.上記の金額には無形固定資産が含まれております。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等当連結会計年度末現在における設備投資計画は4,100百万円であり、主なものは以下のとおりであります。 2026年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)提出会社本社他(長野県上伊那郡箕輪町他)日本電子部品の製造設備等1,947-自己資金2026年4月2027年3月-連結子会社KOADENKO(MALAYSIA)SDN.BHD(マレーシア国マラッカ州)アジア電子部品の製造設備等 1,078-借入金2026年4月2027年3月7%程度増加(注)1.提出会社の完成後の増加能力につきましては、生産品目が多種多様にわたっており、算定が困難であるため記載しておりません。 2.上記の金額には無形固定資産を含んでおります。 (2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 3,631,000,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 5,954,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 17 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,923,699 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合には純投資目的、それ以外の目的の場合には純投資目的以外の目的である投資株式として区分をしております。 いわゆる政策保有株式は、この純投資目的以外の目的である投資株式に含まれます。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、取引を強化する目的等で政策保有株式として取引先等の株式を保有しております。 これら株式の保有にあたっては、取引関係の強化等によって得られる当社の利益と投資額等を総合的に勘案して投資可否を判断しております。 取締役会は、政策保有株式について、定期的に保有状況を確認するとともに、保有に係るトータルリターン等のパフォーマンスと保有に伴う損失発生等のリスクを比較・分析し、保有継続の妥当性を検証しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式380非上場株式以外の株式134,402 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式11持株会(注)株式の分割、株式移転、株式交換、合併等により変動した銘柄を除いております。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式179(注)株式の分割、株式移転、株式交換、合併等により変動した銘柄を除いております。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱小糸製作所525,000525,000(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3有1,280964㈱FUJI88,54888,548(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3有412185アルプスアルパイン㈱132,536132,536(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3無275201ニデック㈱42,33642,336(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3無83105 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)SOMPOホールディングス㈱104,709104,709(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(定量的な保有効果) (注)3無 (注)2629473㈱八十二長野銀行 (注)4275,295275,295(保有目的)取引金融機関としての取引の円滑化を図るため(定量的な保有効果) (注)3有530290岡谷電機産業㈱256,000256,000(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3有4854㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ197,000197,000(保有目的)取引金融機関としての取引の円滑化を図るため(定量的な保有効果) (注)3無 (注)2512396㈱日立製作所105,000105,000(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3無468363パナソニック ホールディングス㈱37,87237,872(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3無9767㈱村田製作所9,0009,000(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3無3020ダイヤモンド電機㈱40,72536,577(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3(株式数が増加した理由)持株会により増加無2321アイホン㈱3,1683,168(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3無88㈱ナカヨ-31,200(保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3(株式数が減少した理由)株式公開買い付け(TOB)に応じて全株式を売却有-79(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 2.㈱三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行㈱、損害保険ジャパン㈱が当社の株式を保有しております。 3.当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した方法について記載いたします。 当社は、個別の政策保有株式について当社の保有方針に合致しているかどうかを検証しており、2025年3月末時点の政策保有株式に対する検証の結果、現状保有する政策保有株式はいずれも保有方針に沿った目的で保有していることを確認しております。 4.㈱八十二銀行は、2026年1月1日付で㈱長野銀行を吸収合併し㈱八十二長野銀行に社名変更しております。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 80,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4,402,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,000,000 |
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 79,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 3,168 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 8,000,000 |
| 株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 持株会 |
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱ナカヨ |
| 保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的)取引関係等の安定化・強化のため(業務提携等の概要)当社製品の販売の維持・強化(定量的な保有効果) (注)3 |