財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-06-17
英訳名、表紙DAIKEN MEDICAL CO.,LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 山田 雅之
本店の所在の場所、表紙大阪府和泉市あゆみ野二丁目6番2号
電話番号、本店の所在の場所、表紙0725-30-3150
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月概要1968年11月医療器具製造販売を目的として、大研医器株式会社を大阪市北区木幡町(現大阪市北区西天満)に設立1971年7月医療機器の製造業許可を取得1980年2月主に整形外科用材料の仕入販売を行うため大研メディカル株式会社(後に大研産業株式会社)を大阪市北区に設立1980年5月東京都中央区に東京営業所(現東京支店)開設1981年4月大阪市東区(現大阪市中央区)に大阪営業所(現大阪支店)開設1984年2月大研メディカル株式会社が大研産業株式会社に商号変更1990年9月医療用吸引器「フィットフィックス」の開発・販売1997年4月携帯型ディスポーザブル注入器「シリンジェクター」の開発・販売1999年10月大阪府和泉市に本社機能を移転、研究棟・アセンブリーセンターを新設2001年2月大研産業株式会社が大研医工株式会社に商号変更2001年4月開発・製造部門を大研医工株式会社に分離2003年4月経営効率の向上を図るため大研医工株式会社を吸収合併2007年5月大阪市中央区に本社機能を移転2009年3月東京証券取引所市場第二部に上場2010年10月東京証券取引所市場第一部に指定2017年7月大阪府和泉市に和泉アセンブリーセンターを増設2019年6月大阪府和泉市に本店移転2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行2023年10月東京証券取引所での上場市場の変更を選択し、プライム市場からスタンダード市場へ移行
事業の内容 3【事業の内容】
 当社は、研究開発型医療機器メーカーとして、主に麻酔関連・病院内感染防止関連製品の企画開発・製造販売を行っております。
なお、当社には、親会社、子会社、関連会社及びその他の関係会社はありません。
 当社の製品開発の特徴は、麻酔関連・病院内感染防止関連の医師、看護師及び臨床工学技士を中心とした医療現場のニーズを開発担当者が直接聞き、特許を含め独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としていることであります。
国内の医療機関の多くが、欧米メーカーを中心とした輸入医療機器に依存しており、この欧米主導の医療機器業界において、当社は医療現場第一主義に徹し、現場の小さな声も拾い上げ、製品化することに注力しております。
 また、当社は基礎研究・製品開発から製造にいたるまで、基本的にすべて当社で行っており、量産に係わる生産技術・品質管理においてもISO規格(EN ISO 13485:2016)に基づき管理運営しております。
 当社は、単一セグメントのため、当社製品を5つの製品群に分類し、それぞれの事業の内容を以下に記載いたします。
(1)吸引器関連 病院内感染防止関連の製品であり、手術室、集中治療室、病棟等において医療配管設備を吸引源とし、血液、組織液、唾液等の体液や体液を含んだ排液を吸引する非電動式の真空吸引器であります。
従来はガラス製の吸引容器が使用されており、洗浄、再使用されておりましたが、感染予防の観点から近年プラスチック製のディスポーザブル(使い捨て)容器に置き換わってきております。
(主な製品)フィットフィックス 蓋部分とボトル部分から構成されるプラスチック製の凝固剤一体型の密閉容器であり、排液量が比較的多い、手術室、集中治療室等で使用いたします。
蓋部分に凝固剤があらかじめ充填されており、蓋部分を押すことにより凝固剤が投下され、蓋を開けることなく排液を凝固することができます。
容器ごと焼却処分をするため、排液に接触することなく、排液からの感染を防止しております。
手術の規模によっては、数個のフィットフィックスを連結して使用いたします。
キューインポット 本体とディスポーザブルであるプラスチック製のライナー(袋)で構成され、排液量が比較的少ない病棟等で使用いたします。
ライナーには凝固剤が入っており、吸引した排液を固めることができます。
使用したライナーは、排液に接触することなく、そのまま焼却処分ができるため、病棟での感染症対策として利用されております。
(2)注入器関連 麻酔関連の製品であり、主に手術後の痛みを軽減する目的でカテーテル(医療用の細いチューブ)等に接続し、局所麻酔剤や鎮痛剤を微量、持続的に投与するために使用する加圧式医薬品注入器であります。
 一般的に病院施設内で使用されますが、一部では医師の管理指導のもと、在宅でも使用されております。
本製品は電気を使用せず軽量で携帯ができ、局所麻酔剤や鎮痛剤を投与できるため、患者のQOL(Quality Of Life:生活の質)向上を考慮しております。
(主な製品)シリンジェクター 加圧方式に大気圧を利用した注入器であり、一定速度で薬液を注入いたします。
バルーンジェクター 加圧方式にバルーン(風船)の収縮力を利用した注入器であり、一定速度で薬液を注入いたします。
比較的大容量の薬液を投与する際に使用いたします。
PCA装置 シリンジェクター及びバルーンジェクターに付属させて使用する装置であります。
PCA(Patient Control Analgesia:患者自身による鎮痛法)装置を付属させた場合、患者自身の操作により一定範囲内で注入量を操作し、鎮痛のコントロールを行います。
エイミー 予め設定された流量又は投与量に従って持続投与、間欠投与又はボーラス投与を行う輸液ポンプであり、スマートフォンのアプリケーションを用いて術後疼痛管理を行います。
(3)電動ポンプ関連 麻酔関連の製品であり、極めて微量の薬液を精密に制御しながら持続的に投与するために使用するME機器(医用電気機器)であります。
(主な製品)シリンジポンプ 医薬品を充填したシリンジ(注射器)の押し子を制御することによって精密かつ持続的に医薬品を投与する機器であります。
シリンジポンプは薬液投与の制御が高精度であるため、手術室や集中治療室等で使用いたします。
輸液ポンプ 医薬品を充填した輸液バッグやバイアル(医薬品容器)に輸液セットを接続し、その輸液セットのチューブをしごくことによって医薬品を投与する機器であります。
輸液ポンプは、集中治療室や病棟等で使用いたします。
(4)手洗い設備関連 手洗い水装置関連の製品であり、手術室、集中治療室、病棟等において医療従事者の衛生的な手洗いに使用される設備装置であります。
(主な製品)ステリキープⅡ 水道配管設備に接続設置し、フィルター等で濾過を行い、手洗い用の無菌水又は殺菌水を供給する装置であります。
ワイペル 滅菌済みのディスポーザブルタオルであり、摩擦による脱落繊維がほとんど無く、繊維が手に残らず安全面を考慮した製品であります。
(5)その他 上述の4つの製品群に分類されない製品であります。
(主な製品)ブレスウォーム 手術室やその他処置室で患者の身体の一部を保護するために使用される不織布オイフで、吸湿発熱繊維(アクリレート系繊維)を配合することにより保温性を高めた製品であります。
気管支ブロッカーチューブ 胸部外科手術を行う際の分離肺換気を目的に使用されるカテーテルであり、先端に設置されたカフ(風船)を気管支内で膨張、閉塞させることで分離肺換気を行うものであります。
ダブルルーメン気管支チューブ 呼吸器外科手術などの際に分離肺換気を目的に使用されるチューブであります。
ディスポーザブル パルプシステム 従来、院内におけるポータブルトイレでの汚物処理は、プラスチック容器を洗浄・消毒して使い回しておりましたが、この容器を使い捨てにし、廃棄処理を容易にすることで、医療従事者や患者に衛生的で快適な医療環境を提供するシステムであります。
 主要製品の取引関連図は次のとおりであります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
 記載すべき関係会社はありません。
従業員の状況
(2)【従業員の状況】
①提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(名)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(千円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)185(110)42歳11ヶ月12年8ヶ月6,465△1.0(注)1 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の期中平均人員であります。
2 臨時従業員には、パートタイマー、契約社員及び嘱託社員を含み、派遣社員を除いております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
②労働組合の状況 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
③管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率 及び労働者の男女の賃金の額の差異当事業年度管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)   (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)   (注)2.労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1.全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者(注)3.7.728.637.658.777.2(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 男性の非正規労働者には定年による再雇用や専門知識を有する専門職の嘱託雇用を含んでおります。
  上記嘱託雇用を除いた非正規労働者の賃金の額の差異は52.8%であります。
④使用人等のみに対して付与した新株予約権の内容当社は、使用人等のみに対する新株予約権を付与しております。
当該新株予約権の内容については、「1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」に記載しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針 当社は、「我々は現在の医療を見つめ明日の医療の創造を通して社会に貢献します。
」という企業理念の下に、新しい医療の世界を切り開くべく未知なる技術と価値ある製品開発に全知全能を傾けております。
 一.私たちは医療現場と協力し常に新しい医療機器の開発と需要の創造に努めます。
 二.私たちは一人ひとりが不可能を可能にできるよう挑戦的に仕事にあたります。
 三.私たちは社会人として又企業人として全人格的な成長を通して企業の発展のため励みます。
 以上の基本方針3項目を掲げて当社事業運営の目的としており、全役職員が徹底実行し、医療を進化させ社会貢献できるよう日々取り組んでおります。
また、当社製品ブランド名であるクーデック(COOPDECH)はクーデターバイテクノロジーという意味を持つ造語であり、独創の技術でドラスティックな医療革命を目指すという想いを表現しております。
安易に時流に乗らず、常に新しい可能性に挑戦し続け、人が誰もやらない、しかも人類の生命に関する極めて価値の高い仕事を、当社の研究開発製品を通して形にしていきたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略 当社の研究開発の特徴は、麻酔・手術室関連の医師、看護師及び臨床工学技士を中心とした医療現場の潜在ニーズをできるだけ同じ目線で開発担当者が捉えるように努め、特許を含め独創的な技術を駆使して製品化することを基本理念としていることであります。
また、当社は研究・開発から製造・販売に至るまで、基本的に全て一貫して行っており、量産に係わる生産技術・品質管理においてもISO規格(EN ISO 13485:2016)に基づき管理運営しております。
今後とも現場第一主義を貫き、革新性・安全性を担保した新製品を確実に上市できる体制を維持強化してまいります。
 以上のことを今後も継続させていきつつ、既存のトップラインの製品については更なるシェア向上を目指し、また、価格競争が激しい海外市場でも拡販でき、かつ新たな領域への進出を可能にする新製品の研究開発を進め、飛躍的な業績及び企業価値の拡大をできるだけ早い時期に実現させていく所存であります。
(3)目標とする経営指標 当社は、医療機器製造と医療機器販売が事業のほとんどであるため、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に計るための有用な指標であると考えております。
 新製品開発においては、ターゲットとする売上高総利益率を一律に定め、増加する研究開発費等の将来の成長に向けた投資を抑えることなく、会社全体として売上高経常利益率20%を念頭においた経営戦略の検討、活動を基本としております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足による医療人材確保等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきている中で、国内外のメーカーとの価格競争及び原材料価格の高騰や円安進展による仕入価格の高騰等により、引き続き厳しい状況で推移するものと思われます。
 このような状況のもと、当社の営業・技術・製造が一体となって、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるよう市場競争力を高め、さらなる業績の向上、企業価値の増大に向けて邁進するとともに、顧客にとって不可欠なパートナーであり続けることを目指して取り組んでまいります。
また当社が対処すべき課題として以下のことに取り組んでまいります。
① 既存製品の拡充・新製品の開発とその拡販  当社は、国内市場のマーケットリーダーとして「サクションの大研(吸引器…フィットフィックス、キューインポット)」、「ポンプの大研(注入器…シリンジェクター、バルーンジェクター、エイミーPCA)」のイメージをより一層定着させるとともに、独創的な製品の研究開発活動をさらに強化し、最先端医療を支える当社のイメージを確立するよう取り組んでおります。
  中長期的な成長戦略の柱として推進している「マイクロポンプ関連製品」の第一弾である「クーデックエイミーPCA」は、2021年の発売以来、医療現場での評価を着実に積み重ねてまいりました。
急性期の術後疼痛緩和から無痛分娩、在宅領域まで幅広い場面で採用が進み、現在では当社の注入器分野における主要製品の一つとして、安定した成長を続けております。
  今後は、これまでの市場浸透をさらに確かなものとするとともに、「クーデックエイミーPCA」に続く後続製品の早期開発・上市を進め、「マイクロポンプ関連製品」を当社の新たな事業基盤へと育成してまいります。
② 海外販売の拡充  当社の売上は依然として国内市場への依存度が高く、直近の海外売上高比率は5%未満にとどまっております。
  国内のみならず「世界で戦える競争力をもった医療機器メーカー」への進化を掲げる中で、海外展開の強化は重要な経営課題の一つと認識しております。
  現在進めている「クーデックエイミーPCA」の海外展開に向けた体制整備については、欧州市場への展開を最優先事項としており、欧州での販売に向け、有力パートナーとの強固な関係性を維持しながら、遅れが生じているMDR(欧州医療機器規則)の認証取得に向けた対応を着実に進めております。
さらには、欧州のみならず、他地域での「クーデックエイミーPCA」の早期上市に向けた販売体制の構築も同時並行で進めております。
  今後も、海外市場における製品ラインアップの拡充と販売網の強化を図り、グローバル市場での競争力向上に向けて取り組んでまいります。
③ サプライチェーンの更なる高度化  インフレ進行や為替変動の影響により、原材料や部材の調達コストが上昇する傾向が続いております。
加えて、中東情勢の混乱による影響もあり、当社を取り巻く外部環境として不確実性の高い状態が続くものと見込まれます。
  このような外部環境の変化に対応し、製造コストの低減と安定的な供給体制を確立することは、当社にとって重要な経営課題となっております。
  当社では、生産・在庫・物流等のデータを活用し、生産活動の最適化を図り、生産効率の向上、原価低減を進めるべく取り組んでおります。
具体的には、リードタイムの短縮及び在庫量の適正化による物流改革、複数社購買・生産体制の再構築等によるサプライチェーンの最適化、加工歩留り等の製造効率の向上などに目標を定め継続的に取り組んでおります。
  今後も、サプライチェーンの高度化と強靭化を推進し、安定的かつ効率的な生産体制の実現に努めてまいります。
④ 優秀な人材の確保、教育の強化  当社の企業価値は、従業員一人ひとりの力によって創出されるものです。
当社の競争力を高めるため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として活躍が期待できる中途採用も積極的に進めております。
また、人材育成の面では、教育・研修プログラムの刷新を行い、成長機会の拡充に取り組んでおります。
  さらに、従業員の給与水準の向上や効率的な働き方の実践など、人的投資の強化にも注力しております。
これらの取り組みを通じて、優秀な人材の確保と育成を一層推進し、持続的な企業成長につなげてまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
 当社は、ステークホルダーの皆様との対話を尊重し、「明日の医療の創造を通して社会に貢献します」という経営理念の実践を通じ持続可能な社会の実現並びに企業価値の向上を目指すうえで、下記のとおり、サステナビリティ基本方針を策定しております。
1.地球環境問題を見据えた独創的な製品の提供を通じて社会の持続的な発展に貢献します。
2.人材の多様性を尊重し国籍、性別、年齢等を問わない人材を採用、育成、活用することにより企業価値の  創出に努めます。
3.法令や社会規範等を遵守し公正な企業活動を行うことにより企業価値の向上に努めます。
 上記サステナビリティ基本方針に基づき、地球環境問題やダイバーシティの問題に継続的に取り組んでおります。
具体的な取り組み事項としては、気候変動に係るリスク対応としてのCO2排出削減、プラスチックごみの削減や女性、外国人の管理職への登用等であります。
とりわけ気候変動への取組は、気候変動が当社の財務に与える影響に適切に対処するため、気候変動のリスクと機会を正確に把握し、適切な目標を設定した上で必要な対策を行っております。
 TCFDの提言を継承したISSB(国際サステナビリティ基準審議会)の基準およびIFRS財団の動向を踏まえ、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標について積極的な開示を推進してまいります。
(1)ガバナンス①気候関連のリスク及び機会に関する取締役会の監視体制 当社は、2008年にリスク管理規程を定め、役職員が中心となり会社に対するリスク管理体制を整備してまいりました。
この体制において役職員はコンプライアンスに関するリスク、品質・研究開発に関するリスク、内部統制・財務報告・情報システムに関するリスク、事務手続に関するリスク、(機密)情報漏洩に関するリスク、インサイダー取引に関するリスク、環境・災害・事件等に関するリスク、反社会的勢力に関するリスク等を認識し、その分析および排除を徹底するという方針を定めております。
特に部門長はリスクの洗い出しおよび防止に努め、総合的な調整を行う必要があると判断する場合には、代表取締役社長を筆頭とする内部統制委員会に報告することとしております。
また、重要度の高いリスクについては、取締役会に報告のうえ、対応方針の検討および必要な対策の決定を行うことで、リスク管理の実効性向上を図っております。
②気候関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割 当社代表取締役社長は、前述のとおり、内部統制委員会の長として当社のリスクのうち総合的な調整を行う必要があるものについて報告を受け、各部門長に対して対応策の実施を指示するという役割を担っております。
気候関連のリスクおよび機会の評価・管理は、会社全体の総合調整を要するものであり、内部統制の対象となります。

(2)戦略 当社は、気候変動が事業や財務に与える影響を把握するため、 国際エネルギー機関(IEA)の「NZE2050」や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の知見などをもとに、「気温上昇を1.5℃に抑える未来」と「約4℃まで上昇する未来」の2つのシナリオを想定して分析を行っております。
 その結果をふまえ、当社は気候変動に対する強靭性(レジリエンス)を高めるための体制を整え、識別されたリスクへの対応と、機会の活用に取り組んでまいります。
①気候変動によるリスクと機会 気候変動に関するリスクには、さまざまな種類がありますが、大きく分けて、「移行リスク」と「物理的リスク」の2つに分類されます。
・移行リスク 気候変動への対応が進む中で生じるリスクであり、 現行および新たな規制リスク、法規制リスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクなどが含まれます。
・物理的リスク 気候変動そのものによって生じるリスクで、台風や豪雨などの急性リスクと、気温や降水パターンの変化といった慢性リスクに分けられます。
 一方、機会とは、気候変動への対応を通じて生まれる前向きな影響を指します。
これには、新たな市場の機会、レジリエンスの向上、資源の効率性、エネルギー源の転換、製品・サービスの革新などが含まれます。
 当社では、これらのリスクと機会について、調達および売上への影響を、短期(1年未満)・中期(1~3年)・長期(3~10年)の視点から、財務的影響の大きさを高・中・低の3段階で評価・分析しております。
 2024年度の分析結果は以下のとおりであります。
<1.5℃シナリオ>  当社では、気温上昇を1.5℃に抑える未来を想定し、NZE2050等の国際的なシナリオに基づき、移行リスクおよび機会を評価しておりますが、2024年度は以下のような要因が新たに分析に反映されました。
・低炭素鉄製品や低炭素電力の価格が中長期的に下がる見通し・GX-ETS制度など新たな規制の本格稼働が迫っていること これにより、以下のような影響が想定されます。
★移行リスク分析・規制リスク(現行/新たな規制) GX-ETS制度などの新たな規制の本格稼働が迫っており、特に調達先である製造業への影響がある程度見込まれますが、現時点では段階的かつ限定的と考えられます。
また、販売先である医療・福祉分野では、直近での規制強化は限定的と考えられます。
そのため、調達および売上の両面において、規制リスクは、短期・中期・長期のいずれにおいてもおおむね中程度と評価しております。
・法規制リスク 低炭素鉄製品や低炭素電力の価格が中長期的に下がり、各業界の脱炭素対応が進む可能性が高くなったため、訴訟問題につながる可能性への影響度が低くなっております。
・技術リスク 低炭素技術の価格低下により、調達先では中長期的にリスクが緩和される一方で、医療・福祉分野では、長期的に技術開発の影響を受ける可能性があります。
・市場リスク 顧客の嗜好や市場の変化により、調達面では中期的に中程度の影響が見込まれますが、長期的にはやや低下する傾向です。
売上面では、長期的に中程度の影響が想定されます。
・評判リスク 気候変動への対応が遅れることで顧客や株主からの信頼低下につながる可能性がありますが、脱炭素対応の進展により、前年より影響度はやや低下しております。
★機会分析・市場の機会 民間金融機関による支援制度などのインセンティブ制度の充実により、製造業分野で新たな市場への参入が進むと予想されます。
これにより、当社の調達面・売上面ともに中長期的な機会が見込まれます。
・レジリエンスの向上 省エネ対策や再エネプログラムへの参加が進むことで、エネルギー使用量の多い調達先(製造業など)にとってメリットが生まれ、長期的に当社の財務にも良い影響を与えると考えられます。
・資源の効率性 製造業における生産や輸送手段の効率化が進むことで、調達コストの最適化が期待され、中長期的に財務面での機会が生まれると見込まれます。
・エネルギー源の転換 政策インセンティブの活用や炭素市場への参画が進むことで、調達面では中長期的に中程度のプラス影響が見込まれます。
・製品・サービスの革新 調達先である製造業では、低排出製品の需要が高まり、それに応える低炭素製品・サービスの開発が進むと予想されます。
また、販売先である医療・福祉業界でも、将来的に低排出製品へのニーズが高まると見込まれ、長期的に売上向上の機会となる可能性があります。
 このように、当社では気候変動への対応をリスクだけでなく、成長の機会としても捉え、中長期的な視点での戦略を進めております。
<4℃シナリオ>  当社では、IPCCのRCP8.5シナリオに基づき、気温が約4℃上昇する未来を想定し、気候変動によって生じる物理的リスクを評価しておりますが、これらの物理リスクについて、調達・売上の両面で短期・中期・長期すべての期間において「影響度は低い」と評価されました。
 現時点では、当社の主要な調達先や販売先が位置する地域において、極端気象や慢性的な気候変動による直接的な財務的影響は限定的であると判断しております。
 ただし、将来的な気候変動の進行や災害リスクの変化に備え、必要な対策を継続的に検討・実施してまいります。
②組織戦略のレジリエンス 当社では、このような組織に対するリスクと機会の分析結果を踏まえ、組織戦略において、その対策を講じることで組織のレジリエンス強化に努めています。
具体的には、内部統制委員会においてリスクへの対策を議論・決定し、部門長を通じて各部門において対策を実施しております。
 1.5℃シナリオにおいては、脱炭素化の進展に伴う政策・規制の強化や市場環境の変化が想定されることから、当社の事業活動に関連する調達環境やサプライチェーンへの影響について検討を進めております。
また、調達先の多様化や在庫管理の適正化など、実行可能な範囲でのリスク低減策を検討しております。
 顧客である医療機関については、地域特性や災害リスクなどが当社の供給体制に及ぼし得る影響について検討を進めております。
これらの検討を踏まえ、気候変動の影響下でも安定的に製品を供給できるよう、営業体制やサポート体制の強化に努めております。
 気候変動による正の影響については、物流手段の変化や市場ニーズの変化を踏まえ、新たな輸送手段や新市場の把握に努め、当社の調達コストの低減につながる可能性について検討しております。
 4℃シナリオにおける自然災害等の影響による調達コスト増大のリスクに対しては、サプライチェーンの脆弱性を踏まえ、調達先の見直しや国内生産への切り替えなど、事業継続性を確保するための対応策について検討を進めております。
 このように、当社では、シナリオ分析の結果を組織のレジリエンス強化に役立てております。
(3)リスク管理①気候関連リスク及び機会を識別・評価・管理するプロセス 当社では、先述の内部統制体制において、気候変動に関連するリスクおよび機会を識別・評価・管理しております。
そのプロセスは各部門におけるリスクの識別、部門長への報告、部門長の評価を経て内部統制委員会への報告、同委員会における対応策の決定・各部門長への指示、部門長から各部門への指示、各部門における対応策の実施というプロセスで管理されております。
また各部門では常時リスクの識別を行い、リスクのうち総合的調整が必要となるリスクが把握された場合、その都度内部統制委員会に付議しております。
このように当社では常時リスクのモニタリングを行い、リスクの発生に応じて対応する体制を整えております。
②組織のリスク管理における気候リスクの統合 気候関連リスクは、当社の総合的調整を要するリスクの一つであり、組織における他のリスクとともに当社の内部統制体制において統合されております。
元々、当社の想定するリスクには、環境や災害に関するものが含まれておりますが、気候変動に伴うリスクもこの一環であり、その性質から組織全体で総合的に対応すべきものと認識しております。
 このように、気候関連リスクは当社の内部統制体制を通じて組織のリスク管理に適切に統合されております。
(4)指標と目標①気候関連リスク及び機会の評価指標 気候関連のリスクおよび機会に関する評価指標は、表のとおりであります。
当社では、シナリオ分析で用いたリスク・機会の分類ごとに指標を設定し、これらを継続的にモニタリングすることで、財務への影響度を評価しております。
 リスクについては、移行リスクと物理的リスクに大別しておりますが、特にCO2排出規制や市場環境の変化に伴うコスト増、さらには評判リスクについては、当社への影響が大きいと見込まれることから、重点的に注視しております。
 また、機会については、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスといった分類ごとに指標を設定しております。
なかでも、交通の効率化や新エネルギーの普及、新製品・新市場の拡大といった要因は、当社に与える影響が大きいと認識しており、これらの指標の動向を継続的に把握し、その分析に努めております。
②Scope別温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスク 当社の温室効果ガス(GHG)排出量について、GHGプロトコルに基づき2024年度(2024年4月~2025年3月)のScope1、Scope2、Scope3の全項目を算定いたしました。
 その結果、Scope1およびScope2は全体の約5.3%にとどまり、事業活動全体に占める割合は限定的であります。
一方、Scope3が全体の約94.7%と最大の割合を占めることとなっております。
 前年度(2023年度)との比較では、Scope1およびScope2は多少の増減はあるものの、排出量自体が小さいことから概ね横ばいで推移しております。
一方、Scope3については、製造委託先や物流に伴う排出が中心であるものの、前年度比で約0.5%の減少となりました。
 これらの結果を踏まえ、当社では引き続きサプライチェーン全体の排出量の把握と管理を進めてまいります。
 Scope3は、当社にとってサプライチェーンにおける間接的なCO2排出であり、その削減には取引先企業の取り組みが不可欠であります。
しかし、取引先におけるCO2削減には追加的なコストが発生する可能性があり、その結果として、当社が購入する製品や原材料の価格に転嫁されるリスクがあります。
このため、Scope3の削減が進む一方で、調達価格の上昇につながる可能性がある点については、今後も重要なリスクとして認識し、継続的に注視してまいります。
 なお、当社のScope3排出量は、外部専門事業者の支援のもと、当社が提供する活動データおよび環境省排出原単位データベース(Ver.3.5)、AIST-IDEA(Ver.2.3)の排出量原単位に基づき算定しております。
算定にあたっては、一次データの取得が困難である場合、業界標準や既存データベース等の二次データを使用しており、当社サステナビリティ担当部門においても算定方法および結果の妥当性を確認しております。
Scope3排出量は、算定手法やデータの入手可能性に応じ、将来的に見直される可能性があります。
2022年度2023年度2024年度Scope1207 t-CO2195 t-CO2207 t-CO2Scope2786 t-CO21,069 t-CO21,011 t-CO2Scope323,498 t-CO222,091 t-CO221,971 t-CO2総排出量24,491 t-CO223,354 t-CO223,189 t-CO2    ※ 本算定は、GHGプロトコルに基づき、外部専門組織であるカーボンフリーコンサルティング株式会社     の監修により実施しました。
③気候関連リスク及び機会を管理する目標及び実績 温室効果ガス排出量の算出結果を踏まえ、当社では2030年までにScope1およびScope2の温室効果ガス排出量(CO2相当量)について、一定規模の削減を目指しております。
 2025年度における具体的な取り組みとしては、本社、商品開発研究所および和泉アセンブリーセンター(大阪府和泉市)において、変圧器への節電ユニットの設置等、電力使用量削減に向けた総合的な施策を実施いたしました。
これらの取り組みにより、電力使用量の抑制に一定の効果が見られ、Scope2におけるCO2排出量の削減に寄与したものと認識しております。
 当社製造部門においては、主要製品に係る原材料の使用方法や物流の在り方について、将来的な効率化に向けた検討を進めております。
これらの取り組みは、Scope3のカテゴリー1(原材料等)およびカテゴリー4(輸送・配送)におけるCO2排出量の抑制に向けた基盤づくりとして位置づけております。
 その他、LED電球の導入をはじめとした社内施設および設備の省エネ化、より一層のペーパーレス化、離席時のPC電源オフの習慣化、社用車使用時のエコドライブ推進など、日常業務におけるエネルギー使用の効率化に向けた取り組みについても、引き続き検討を進めてまいります。
 Scope3につきましては、当社にとって間接的な排出であるため、調達先の理解と協力が不可欠であります。
このため、将来的な生産体制の在り方として、製品や部材の内製化を含む選択肢について検討を進めております。
これらの検討は、サプライチェーン全体の排出構造を見直すための基盤づくりとして位置づけており、長期的な温室効果ガス排出量(CO2相当量)の削減に向けた取り組みの一環と認識しております。
 このように、当社では気候変動に関するリスクおよび機会を適切に管理するため、今後もこれらの取り組みを着実に進めてまいります。
(5)人的資本・多様性への取組 当社の人材育成方針、社内環境整備方針は下記のとおりであります。
人材育成方針 社員は重要な経営資源、社員の育成は重要な経営投資と位置づけ、「明日の医療の創造を通して社会に貢献します」という経営理念のもと、個の力を強くすることにより企業価値の向上、企業の競争力の強化を目指します。
1.部下育成は上長の最も重要な責務のひとつと位置づけ業務を通じたOJTを実施します。
2.中長期的な育成の観点から計画的な教育や人事異動を実施します。
3.人材の質をより高めていくために研修制度の構築を行います。
社内環境整備方針 社員が長く働きやすい職場環境を整備するため、職場の安全と心身の健康を守るとともに、差別のない健全な職場環境の確保に取り組みます。
1.健康診断やストレスチェックを実施し、相談窓口を設け社員ひとりひとりの心と身体の健康保持・増進に努め   ます。
2.各種ハラスメントの禁止を周知徹底すると共に、相談窓口を設置することで職場における良好なコミュニケー  ションを確保します。
3.有給休暇の時間単位の取得を制度化し、より働きやすい環境を整備します。
指標目標実績(2023年度)実績(2024年度)実績(2025年度)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 ※12027年6月までに15%3.8%3.8%7.7%男性労働者の育児休業取得率 ※22027年6月までに50%0.0%40.0%28.6%年次有給休暇取得率2027年6月までに80%64.5%64.8%63.5%※1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
※2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
戦略
(2)戦略 当社は、気候変動が事業や財務に与える影響を把握するため、 国際エネルギー機関(IEA)の「NZE2050」や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の知見などをもとに、「気温上昇を1.5℃に抑える未来」と「約4℃まで上昇する未来」の2つのシナリオを想定して分析を行っております。
 その結果をふまえ、当社は気候変動に対する強靭性(レジリエンス)を高めるための体制を整え、識別されたリスクへの対応と、機会の活用に取り組んでまいります。
①気候変動によるリスクと機会 気候変動に関するリスクには、さまざまな種類がありますが、大きく分けて、「移行リスク」と「物理的リスク」の2つに分類されます。
・移行リスク 気候変動への対応が進む中で生じるリスクであり、 現行および新たな規制リスク、法規制リスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクなどが含まれます。
・物理的リスク 気候変動そのものによって生じるリスクで、台風や豪雨などの急性リスクと、気温や降水パターンの変化といった慢性リスクに分けられます。
 一方、機会とは、気候変動への対応を通じて生まれる前向きな影響を指します。
これには、新たな市場の機会、レジリエンスの向上、資源の効率性、エネルギー源の転換、製品・サービスの革新などが含まれます。
 当社では、これらのリスクと機会について、調達および売上への影響を、短期(1年未満)・中期(1~3年)・長期(3~10年)の視点から、財務的影響の大きさを高・中・低の3段階で評価・分析しております。
 2024年度の分析結果は以下のとおりであります。
<1.5℃シナリオ>  当社では、気温上昇を1.5℃に抑える未来を想定し、NZE2050等の国際的なシナリオに基づき、移行リスクおよび機会を評価しておりますが、2024年度は以下のような要因が新たに分析に反映されました。
・低炭素鉄製品や低炭素電力の価格が中長期的に下がる見通し・GX-ETS制度など新たな規制の本格稼働が迫っていること これにより、以下のような影響が想定されます。
★移行リスク分析・規制リスク(現行/新たな規制) GX-ETS制度などの新たな規制の本格稼働が迫っており、特に調達先である製造業への影響がある程度見込まれますが、現時点では段階的かつ限定的と考えられます。
また、販売先である医療・福祉分野では、直近での規制強化は限定的と考えられます。
そのため、調達および売上の両面において、規制リスクは、短期・中期・長期のいずれにおいてもおおむね中程度と評価しております。
・法規制リスク 低炭素鉄製品や低炭素電力の価格が中長期的に下がり、各業界の脱炭素対応が進む可能性が高くなったため、訴訟問題につながる可能性への影響度が低くなっております。
・技術リスク 低炭素技術の価格低下により、調達先では中長期的にリスクが緩和される一方で、医療・福祉分野では、長期的に技術開発の影響を受ける可能性があります。
・市場リスク 顧客の嗜好や市場の変化により、調達面では中期的に中程度の影響が見込まれますが、長期的にはやや低下する傾向です。
売上面では、長期的に中程度の影響が想定されます。
・評判リスク 気候変動への対応が遅れることで顧客や株主からの信頼低下につながる可能性がありますが、脱炭素対応の進展により、前年より影響度はやや低下しております。
★機会分析・市場の機会 民間金融機関による支援制度などのインセンティブ制度の充実により、製造業分野で新たな市場への参入が進むと予想されます。
これにより、当社の調達面・売上面ともに中長期的な機会が見込まれます。
・レジリエンスの向上 省エネ対策や再エネプログラムへの参加が進むことで、エネルギー使用量の多い調達先(製造業など)にとってメリットが生まれ、長期的に当社の財務にも良い影響を与えると考えられます。
・資源の効率性 製造業における生産や輸送手段の効率化が進むことで、調達コストの最適化が期待され、中長期的に財務面での機会が生まれると見込まれます。
・エネルギー源の転換 政策インセンティブの活用や炭素市場への参画が進むことで、調達面では中長期的に中程度のプラス影響が見込まれます。
・製品・サービスの革新 調達先である製造業では、低排出製品の需要が高まり、それに応える低炭素製品・サービスの開発が進むと予想されます。
また、販売先である医療・福祉業界でも、将来的に低排出製品へのニーズが高まると見込まれ、長期的に売上向上の機会となる可能性があります。
 このように、当社では気候変動への対応をリスクだけでなく、成長の機会としても捉え、中長期的な視点での戦略を進めております。
<4℃シナリオ>  当社では、IPCCのRCP8.5シナリオに基づき、気温が約4℃上昇する未来を想定し、気候変動によって生じる物理的リスクを評価しておりますが、これらの物理リスクについて、調達・売上の両面で短期・中期・長期すべての期間において「影響度は低い」と評価されました。
 現時点では、当社の主要な調達先や販売先が位置する地域において、極端気象や慢性的な気候変動による直接的な財務的影響は限定的であると判断しております。
 ただし、将来的な気候変動の進行や災害リスクの変化に備え、必要な対策を継続的に検討・実施してまいります。
②組織戦略のレジリエンス 当社では、このような組織に対するリスクと機会の分析結果を踏まえ、組織戦略において、その対策を講じることで組織のレジリエンス強化に努めています。
具体的には、内部統制委員会においてリスクへの対策を議論・決定し、部門長を通じて各部門において対策を実施しております。
 1.5℃シナリオにおいては、脱炭素化の進展に伴う政策・規制の強化や市場環境の変化が想定されることから、当社の事業活動に関連する調達環境やサプライチェーンへの影響について検討を進めております。
また、調達先の多様化や在庫管理の適正化など、実行可能な範囲でのリスク低減策を検討しております。
 顧客である医療機関については、地域特性や災害リスクなどが当社の供給体制に及ぼし得る影響について検討を進めております。
これらの検討を踏まえ、気候変動の影響下でも安定的に製品を供給できるよう、営業体制やサポート体制の強化に努めております。
 気候変動による正の影響については、物流手段の変化や市場ニーズの変化を踏まえ、新たな輸送手段や新市場の把握に努め、当社の調達コストの低減につながる可能性について検討しております。
 4℃シナリオにおける自然災害等の影響による調達コスト増大のリスクに対しては、サプライチェーンの脆弱性を踏まえ、調達先の見直しや国内生産への切り替えなど、事業継続性を確保するための対応策について検討を進めております。
 このように、当社では、シナリオ分析の結果を組織のレジリエンス強化に役立てております。
指標及び目標 (4)指標と目標①気候関連リスク及び機会の評価指標 気候関連のリスクおよび機会に関する評価指標は、表のとおりであります。
当社では、シナリオ分析で用いたリスク・機会の分類ごとに指標を設定し、これらを継続的にモニタリングすることで、財務への影響度を評価しております。
 リスクについては、移行リスクと物理的リスクに大別しておりますが、特にCO2排出規制や市場環境の変化に伴うコスト増、さらには評判リスクについては、当社への影響が大きいと見込まれることから、重点的に注視しております。
 また、機会については、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスといった分類ごとに指標を設定しております。
なかでも、交通の効率化や新エネルギーの普及、新製品・新市場の拡大といった要因は、当社に与える影響が大きいと認識しており、これらの指標の動向を継続的に把握し、その分析に努めております。
②Scope別温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスク 当社の温室効果ガス(GHG)排出量について、GHGプロトコルに基づき2024年度(2024年4月~2025年3月)のScope1、Scope2、Scope3の全項目を算定いたしました。
 その結果、Scope1およびScope2は全体の約5.3%にとどまり、事業活動全体に占める割合は限定的であります。
一方、Scope3が全体の約94.7%と最大の割合を占めることとなっております。
 前年度(2023年度)との比較では、Scope1およびScope2は多少の増減はあるものの、排出量自体が小さいことから概ね横ばいで推移しております。
一方、Scope3については、製造委託先や物流に伴う排出が中心であるものの、前年度比で約0.5%の減少となりました。
 これらの結果を踏まえ、当社では引き続きサプライチェーン全体の排出量の把握と管理を進めてまいります。
 Scope3は、当社にとってサプライチェーンにおける間接的なCO2排出であり、その削減には取引先企業の取り組みが不可欠であります。
しかし、取引先におけるCO2削減には追加的なコストが発生する可能性があり、その結果として、当社が購入する製品や原材料の価格に転嫁されるリスクがあります。
このため、Scope3の削減が進む一方で、調達価格の上昇につながる可能性がある点については、今後も重要なリスクとして認識し、継続的に注視してまいります。
 なお、当社のScope3排出量は、外部専門事業者の支援のもと、当社が提供する活動データおよび環境省排出原単位データベース(Ver.3.5)、AIST-IDEA(Ver.2.3)の排出量原単位に基づき算定しております。
算定にあたっては、一次データの取得が困難である場合、業界標準や既存データベース等の二次データを使用しており、当社サステナビリティ担当部門においても算定方法および結果の妥当性を確認しております。
Scope3排出量は、算定手法やデータの入手可能性に応じ、将来的に見直される可能性があります。
2022年度2023年度2024年度Scope1207 t-CO2195 t-CO2207 t-CO2Scope2786 t-CO21,069 t-CO21,011 t-CO2Scope323,498 t-CO222,091 t-CO221,971 t-CO2総排出量24,491 t-CO223,354 t-CO223,189 t-CO2    ※ 本算定は、GHGプロトコルに基づき、外部専門組織であるカーボンフリーコンサルティング株式会社     の監修により実施しました。
③気候関連リスク及び機会を管理する目標及び実績 温室効果ガス排出量の算出結果を踏まえ、当社では2030年までにScope1およびScope2の温室効果ガス排出量(CO2相当量)について、一定規模の削減を目指しております。
 2025年度における具体的な取り組みとしては、本社、商品開発研究所および和泉アセンブリーセンター(大阪府和泉市)において、変圧器への節電ユニットの設置等、電力使用量削減に向けた総合的な施策を実施いたしました。
これらの取り組みにより、電力使用量の抑制に一定の効果が見られ、Scope2におけるCO2排出量の削減に寄与したものと認識しております。
 当社製造部門においては、主要製品に係る原材料の使用方法や物流の在り方について、将来的な効率化に向けた検討を進めております。
これらの取り組みは、Scope3のカテゴリー1(原材料等)およびカテゴリー4(輸送・配送)におけるCO2排出量の抑制に向けた基盤づくりとして位置づけております。
 その他、LED電球の導入をはじめとした社内施設および設備の省エネ化、より一層のペーパーレス化、離席時のPC電源オフの習慣化、社用車使用時のエコドライブ推進など、日常業務におけるエネルギー使用の効率化に向けた取り組みについても、引き続き検討を進めてまいります。
 Scope3につきましては、当社にとって間接的な排出であるため、調達先の理解と協力が不可欠であります。
このため、将来的な生産体制の在り方として、製品や部材の内製化を含む選択肢について検討を進めております。
これらの検討は、サプライチェーン全体の排出構造を見直すための基盤づくりとして位置づけており、長期的な温室効果ガス排出量(CO2相当量)の削減に向けた取り組みの一環と認識しております。
 このように、当社では気候変動に関するリスクおよび機会を適切に管理するため、今後もこれらの取り組みを着実に進めてまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 人材育成方針 社員は重要な経営資源、社員の育成は重要な経営投資と位置づけ、「明日の医療の創造を通して社会に貢献します」という経営理念のもと、個の力を強くすることにより企業価値の向上、企業の競争力の強化を目指します。
1.部下育成は上長の最も重要な責務のひとつと位置づけ業務を通じたOJTを実施します。
2.中長期的な育成の観点から計画的な教育や人事異動を実施します。
3.人材の質をより高めていくために研修制度の構築を行います。
社内環境整備方針 社員が長く働きやすい職場環境を整備するため、職場の安全と心身の健康を守るとともに、差別のない健全な職場環境の確保に取り組みます。
1.健康診断やストレスチェックを実施し、相談窓口を設け社員ひとりひとりの心と身体の健康保持・増進に努め   ます。
2.各種ハラスメントの禁止を周知徹底すると共に、相談窓口を設置することで職場における良好なコミュニケー  ションを確保します。
3.有給休暇の時間単位の取得を制度化し、より働きやすい環境を整備します。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 指標目標実績(2023年度)実績(2024年度)実績(2025年度)管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 ※12027年6月までに15%3.8%3.8%7.7%男性労働者の育児休業取得率 ※22027年6月までに50%0.0%40.0%28.6%年次有給休暇取得率2027年6月までに80%64.5%64.8%63.5%
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)製品開発の進度に係るリスク 当社は、新技術や新製品の開発を目指し、研究開発投資や設備投資を行っておりますが、様々な環境動向等により、当社の事業成長を可能にする新製品研究開発の対応不足が生じると、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当該リスクが生じる可能性については、研究開発テーマの新規性や進歩性の程度による部分が大きいと考えますが、数ある開発テーマの中から現場ニーズと製品コンセプト、想定される投資採算などから開発テーマの選択と集中を慎重に検討実施し、製品開発過程の常時見直しと進行テーマの各フェーズにおけるチェック・確認機能の強化に取り組み、当社の開発リソースを最大限有効に活用できるよう取り組んでおります。
(2)製品の販売価格引下げに伴うリスク 国策としての医療費抑制政策によって償還価格(病院が特定保険医療材料を使用した場合に、国に対して請求する価格)は低下傾向にあり、医療機器販売業者による医療機関への販売価格もこれに連動し、低下傾向にあります。
また、複数の医療機関の購買をまとめ上げた共同購買体制等もあり、医療機関のメーカーに対する販売価格下落圧力は強まっております。
 当社において、原価低減や業務効率全般にわたっての改善を進めておりますが、効果が限定される場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当該リスクに対する対応策として、製品の市場動向、競合他社の状況、行政の動向等当社を取り巻く経営環境に関する情報を的確かつ早期にキャッチアップし、中長期的な視点から次世代製品開発に反映することを前提に、当社の強みである医療現場のニーズを汲み取った独創性の高い医療機器の開発、提供を強化、推進してまいります。
(3)法的規制に伴うリスク 当社が行っております医療機器の開発、製造及び販売については、国内では医薬品医療機器法により規制を受けますが、改正法が2014年11月に施行され、品質管理、安全管理体制の一層の強化と充実が求められております。
 これまで当社は医薬品医療機器法に係る許認可の否認や承認の取消しを受けたことはありませんが、医薬品医療機器法第75条においては当該取消事由が定められており、何らかの理由により当該取消事由が生じた場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
許可の種類有効期限関連する法令取消等となる事由第一種医療機器製造販売業許可2030年3月医薬品医療機器法第75条に該当した場合の取消又は更新漏れ医療機器製造業登録2030年3月〃〃高度管理医療機器等販売業許可2026年10月~2031年10月〃〃医療機器修理業許可2027年10月~2031年1月〃〃  なお、欧州市場へ輸出するにはMDD/MDR(欧州医療機器指令/規則)の要求事項を満たす必要があり、米国市場へはFDA(連邦食品・医薬品・化粧品法)の要求事項を満たす必要があります。
当社は輸出先国の法律に係る許認可の否認や承認の取消しを受けたことはありませんが、法規制等が変更、強化された場合は当社の業績及び事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
 当社の海外売上比率は、2026年3月期において3.2%であり、海外における法規制のリスクが当社の現状の業績に与える影響は小さいものと考えます。
しかしながら、今後は、海外売上比率を高めていくことを中長期の成長の柱としておりますことから、海外市場の規制要求対応を含め海外拡販体制強化のための人員確保、育成に努め、中長期の事業拡大につなげてまいります。
(4)製品の安全性に係るリスク 当社は、高度な技術を要する医療機器を取り扱っており、品質管理の充実に常に努めておりますが、様々な要因による不良品発生や医療現場での不適切な取扱いの可能性を完全に否定することはできません。
医療事故等が発生した場合には製造物責任によって係争等に発展する可能性があり、また製造工程での不具合発生により、自主回収を行う可能性があります。
その場合は、特別的な損失として自主回収関連費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社の責に帰すべき事由による賠償責任の発生に対しましては、生産物賠償責任保険に加入することでそのリスクの軽減を図っております。
(5)特定製品への依存に係るリスク 当社の主力製品であるフィットフィックスを中心とした吸引器関連製品の売上比率が全体の60%を超えてきており、過度な価格競争による販売価格低下等により、当社の業績及び事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
吸引器関連の売上高及び売上比率は、2025年3月期 6,396百万円(64.3%)、2026年3月期 6,529百万円(63.5%)であります。
 このため、当社の収益性は、より一層厳しさの増す医療機関の経営環境と特定製品への依存度の高い商品構成に起因した主力製品の販売単価下落に大きく影響を受けるリスクがあります。
 ただし、吸引器関連でも病棟向けのキューインポットなど今後も高い成長性が見込まれるものもあり、中長期的には「マイクロポンプ関連製品」をはじめとしたラインナップ拡充に加え、大きな伸びしろとなりうる海外販売の拡大に向けた製品開発、体制準備を強力に進めることで収益構造の改善を図ってまいります。
(6)知的財産権に係るリスク 当社は研究開発に注力しており、知的財産権の確保並びに他社による知的所有権への侵害防止に努めておりますが、係争に発展する可能性を完全には否定できず、その場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、医療機器の製造販売には許可や承認を必要とし、比較的参入障壁が高い業界ではありますが、さらに競合他社を排除するため、当社は、自社開発製品を知的財産権で保護しております。
医療現場と密接な関係を築き営業活動を行っておりますが、権利満了に伴う新規参入により競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 医療機関の医療事故に対する意識が非常に高いことから、総じて医療機器の商品サイクルは長くなっております。
当社のトップライン製品につきましては、特許切れ以降も引き続き医療現場では高い評価を頂いておりますが、価格競争の点からも、当社といたしましては、信頼を得ている顧客を維持し、さらに満足度を高めるため、新たな特許を織り込んだ新製品開発を進めることで、権利満了による影響を最小化するよう努めております。
(7)人材確保、育成に係るリスク 医療現場の顧客満足度を高めていくためには、顧客の業務及び先進技術に関する専門知識を常に習得・蓄積する必要があり、事業推進に必要な人材を適時適切に確保し育成・活用できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 こうした課題に対処するため、当社は、従業員の給与水準の向上及び効率的な働き方を実践するなど、競争力確保のための人的投資強化施策を積極的に実施しております。
働くうえで一層魅力的な企業となり、企業文化の継承力と創造性を併せ持った人材を育成して適所に配置することに努めてまいります。
(8)製造拠点の集中、自然災害に係るリスク 当社が販売している注入器関連製品は主に大阪府和泉市の当社アセンブリーセンターにて製造しております。
製造工場が地震や火災等の災害を被った場合、生産設備の機能停止による製造停止、修繕費用発生等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、製造委託先の業績悪化等サプライチェーンの崩壊により、生産に支障をきたした場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社といたしましては、複数社の購買体制、複数生産拠点体制を基本とし、リスクとコストのバランスを図りながら、最大限リスク低減を図れるよう取り組んでおります。
(9)中東情勢による原材料の価格変動および調達に関するリスク 当社製品に使用される主要原材料は、プラスチック等の石油関連製品を中心としており、これらの価格は原油・ナフサ等の国際市況や為替動向、地政学的リスクの影響を受けます。
そのため、産油国の動向や需給バランスの変化等により原材料価格が高騰した場合、製造原価の上昇を通じて当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社の生産活動は外部サプライヤーからの原材料および部品の供給に依存しており、サプライヤーの需給逼迫や物流混乱等により供給が中断または遅延した場合、生産・出荷に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 加えて、原材料価格の上昇分を販売価格へ適時に転嫁できない場合には、収益性が低下する可能性があります。
 これらのリスクに対しては、複数サプライヤーからの購買や新規調達先の開拓による調達先の多様化、代替原材料の検討、国内外の調達バランスの最適化等により安定供給体制の構築を図るとともに、適切なタイミングでの価格交渉やコスト低減施策を実施することでリスクの低減に努めております。
(10)為替相場の変動に伴うリスク 輸出による製品販売、輸入仕入取引においては、外貨建取引を行う場合もあり、為替相場の変動リスクがあります。
現時点において、当社の海外売上比率は3.2%であり為替変動の影響は限定的でありますが、今後輸出取引が増えると為替リスクが高まる可能性があります。
また、輸入仕入取引についても、その大部分が円建ての取引のため為替変動の影響は限定的でありますが、円安を主因として海外サプライヤーからの仕入価格の値上げ要求が高まることにより調達コストが高騰し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 為替変動リスクに関しましては、為替リスク管理規程を整備し、適切なリスクヘッジの検討ができる体制を構築し、為替予約等によりリスク低減できる環境を整えております。
また、仕入価格の高騰については、サプライチェーンの高度化、生産効率化等、原価低減活動により、調達コストの削減の取り組みを進めております。
(11)ITセキュリティに係るリスク 当社では、生産管理、販売管理、会計や決済業務、開発設計など主要な業務について、ITを活用しております。
外部からのサイバー攻撃等により、サービスの停止や、機密情報等の情報漏洩等が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、文書・情報管理に関する規定を整備し、情報セキュリティに関する各種インフラ整備や社員教育等を行うことにより、情報セキュリティを強化し、リスク低減を図っております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、内需の回復を背景に、緩やかながら景気回復基調で推移しました。
しかしながら、物価上昇の継続による個人消費の下押し、中東情勢による原油高、アメリカの通商政策による収益圧迫など、企業を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
 また、当社を取り巻く事業環境は、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきており、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるような製品供給体制が望まれております。
 このような状況のもと、当社は、高品質製品の常時安定供給を優先事項と掲げ、医療現場と密着した営業活動の推進、品質を確保しながらもコスト競争力をもった生産体制の構築並びに独創的な製品の研究開発活動の強化に取り組んでまいりました。
 これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて185百万円増加し、11,366百万円となりました。
 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて75百万円減少し、3,589百万円となりました。
 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて261百万円増加し、7,777百万円となりました。
b.経営成績 当事業年度の経営成績については、次のとおりです。
  売上高   10,290百万円   (前期比増減 339百万円増 (前期比 3.4%増) )  営業利益  1,277百万円   (前期比増減 234百万円減 (前期比 15.5%減) )  経常利益  1,274百万円   (前期比増減 235百万円減 (前期比 15.6%減) )  当期純利益  922百万円   (前期比増減 174百万円減 (前期比 15.9%減) )  なお、経常利益の前事業年度との増減内容は次のとおりです。
  販売数量の増加等による売上総利益の増加                    +140百万円  その他製造原価増減等による売上総利益の減少                  △285百万円  販管費等の増加による減少                            △91百万円 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて217百万円減少し、2,778百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績 当社の事業は、医療機器等の製造販売及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社の製品群別に記載しております。
a.生産実績当事業年度における生産実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。
製品群生産高(千円)前期比(%)吸引器関連4,071,299+10.2注入器関連1,534,756+5.2電動ポンプ関連121,140+58.0手洗い設備関連293,227+14.6その他306,042+28.4合計6,326,465+10.5(注)金額は、製造原価により算定しております。
b.受注実績当社は、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績当事業年度における販売実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。
製品群販売高(千円)前期比(%)吸引器関連6,529,449+2.1注入器関連2,317,102+4.5電動ポンプ関連190,464△12.6手洗い設備関連651,272+5.4その他602,694+19.8合計10,290,984+3.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 このうち重要な会計上の見積りとして「変動対価(売上取引に係る未確定の値引額)の額の見積り」があります。
当社の顧客が当社製品をユーザーに販売した後、値引の請求を当社が受ける場合がありますが、同一製品であっても顧客がどのユーザーに販売するかによって値引額は変動することとなります。
そのため、事業年度末において顧客からユーザーへの販売がまだ行われておらず、顧客からの値引請求額が未確定の部分について、顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分であり、変動対価に該当します。
当社は、当該変動対価の額を見積り、売上高に反映させています。
なお、顧客が保有する製品をどのユーザーに販売するかは事業年度末時点で未確定であることから、顧客が過去実績と同一の販売比率でユーザーに販売するという仮定の下、主要な顧客や製品群ごとの過去一定期間の実績値引率に基づいて、変動対価の額を見積っております。
 その他の重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等1)財政状態(資産合計) 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて185百万円増加し、11,366百万円となりました。
 流動資産は、前事業年度末に比べて43百万円増加し、7,028百万円となりました。
これは主として、現金及び預金が217百万円減少したものの、製品が148百万円、売掛金が89百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
 固定資産は、前事業年度末に比べて142百万円増加し、4,338百万円となりました。
これは主として、有形固定資産が112百万円、投資その他の資産が20百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
(負債合計) 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて75百万円減少し、3,589百万円となりました。
 流動負債は、前事業年度末に比べて108百万円減少し、2,721百万円となりました。
これは主として、短期借入金が200百万円増加したものの、電子記録債務が371百万円減少したこと等によるものです。
 固定負債は、前事業年度末に比べ32百万円増加し、867百万円となりました。
これは主として、長期借入金が21百万円増加したこと等によるものです。
(純資産合計) 純資産は、前事業年度末に比べて261百万円増加し、7,777百万円となりました。
これは主として、当期純利益を922百万円計上し、配当金を660百万円支払ったことによる利益剰余金の差引増加等によるものです。
2)経営成績(売上高) 売上高は、10,290百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
これは主として、フィットフィックス(吸引器関連)及びクーデックエイミーPCA(注入器関連)の販売が好調に推移したこと等によるものです。
(営業利益) 営業利益は、1,277百万円(前年同期比15.5%減)となりました。
これは主として、売上高が増加したものの、材料コストの上昇による売上総利益の減少並びに、人件費及び研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加したこと等によるものです。
(経常利益) 経常利益は、1,274百万円(前年同期比15.6%減)となりました。
これは主として、営業利益が減少したこと等によるものです。
(当期純利益) 当期純利益は、922百万円(前年同期比15.9%減)となりました。
これは主として、経常利益が減少したこと等によるものです。
3)キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。
)は、前事業年度末に比べて217百万円減少し、2,778百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は567百万円(前期比553百万円減)となりました。
これは主として、税引前当期純利益を1,246百万円、減価償却費を258百万円それぞれ計上したものの、仕入債務が350百万円減少し、法人税等を372百万円支払ったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は330百万円(前期比161百万円増)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得により、327百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により使用した資金は455百万円(前期比240百万円減)となりました。
これは主として、長期借入れにより500百万円調達したものの、配当金を660百万円支払い、長期借入金の返済額として488百万円支出したこと等によるものです。
 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の経営に影響を与える大きな要因として、医療費抑制政策をはじめとする国による社会保障政策への動向があります。
医療費の抑制に加え、医療現場における感染症への対応、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきており、国内外メーカーとの競争激化等により、当社の経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。
 このような状況の中、当社の強みである医療現場と密着した製品開発、営業活動にもとづく新たな医療サービスを提供できる独創的な新製品開発と生み出された新製品の販売推進により他社の追随を許さないトップメーカーとしての地位の確保と新市場創出、開拓を推進してまいります。
 当社の主力製品の状況は次のとおりです。
 (吸引器関連) 主に手術室で使用される吸引器「フィットフィックス」は、1990年の発売から30年以上が経過しておりますが、手術件数の増加に伴い、販売数量は引き続き増加傾向にあります。
一方、病棟で使用される「キューインポット」は、院内感染防止および看護師の業務負担軽減への貢献を背景に、普及が進んでおります。
 当社は、手術室分野で培ったノウハウを活かし、これまで300床以上の急性期大規模病院において高いシェアを維持してまいりましたが、近年は300床未満の中小病院や慢性期病院への展開にも注力し、新規採用の拡大を図っております。
 このような状況のもと、当事業年度におきましては、フィットフィックスの販売量が堅調に推移したことにより、吸引器関連の年間売上高は6,529百万円(前期比2.1%増)となりました。
 今後も、フィットフィックスの安定的な販売拡大とキューインポットのさらなる拡販・市場浸透を推進するとともに、原材料価格の高騰に対応した適切な価格転嫁を進め、増収の確保に取り組んでまいります。
 (注入器関連) 手術後の疼痛管理に使用されるディスポーザブル持続注入器「シリンジェクター」および「バルーンジェクター」については、麻酔手技の変化や医療経済性の観点から、医療現場のニーズに変化が見られております。
 当社はこれに対応すべく、製品ラインナップの強化を目的として、マイクロポンプを採用した高い流量精度と優れた管理性を有する持続注入器の開発を進めてまいりました。
完成した新製品「クーデックエイミーPCA」については拡販を推進しており、当初想定していた急性期医療機関に加え、在宅医療や無痛分娩などの産科領域を含む多様な分野からの引き合いが増加しております。
これらを背景に、本製品は当社の事業領域拡大に寄与する重要な製品と位置付けております。
 このような状況のもと、当事業年度におきましては、手術件数が堅調に推移したことに加え、「クーデックエイミーPCA」の販売が好調に推移したことにより、注入器関連の年間売上高は2,317百万円(前期比4.5%増)となりました。
 今後は、差別化された製品力とトップシェアメーカーとしての営業力を最大限に発揮し、新製品の拡販を推進するとともに、市場シェアのさらなる拡大を図り、増収の確保に取り組んでまいります。
 上記に記載した主力製品が当社事業の大半を占めるため、その売上進展及びその収益性が当社の営業利益、経常利益、当期純利益に大きく影響することとなります。
 当社といたしましては、医療に従事するメーカーとして人命の安全を確保しながらも製品の安定供給を果たすための生産・供給体制の構築を経営課題と認識し、取り組んでおります。
 また、「医療現場第一主義」の研究開発型メーカーとして当社の特徴でもある独創的な製品を開発し、供給することにより医療現場が抱える課題解決を図っていくことを第一に考えながら、新製品については、国内のみならず海外での販売拡大を目指し、海外販売比率を高めることで事業規模の拡大とさらなる経営基盤の強化・確立を図ってまいります。
 c.資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社の事業活動における運転資金需要につきましては、製品を製造するための国内外の仕入先からの部材仕入、製造経費、営業管理費や荷造運賃などの販売費及び一般管理費があります。
 設備資金需要につきましては、製品製造にあたっての設備の維持・金型の更新投資や新製品開発にあたっての設備や金型の新規投資があります。
さらには、インフラとして生産効率や事務効率の向上を目的とした投資等があります。
(財務政策) 当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入による資金調達を行っております。
基本的に、経常的な設備投資については、減価償却費の範囲内にとどめ、一定程度のキャッシュポジションを維持した上で余剰資金については有利子負債の削減に充当しております。
 また、過度に金利変動リスクに晒されないよう短期借入と長期借入のバランスを図りつつ、タイミングをみて長期借入へシフトするなど、資金調達コストの低減・安定にも努めております。
 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に図るための有用な指標であると考えております。
当事業年度における「売上高総利益率」は、38.4%(前期比2.8ポイント悪化)であります。
また、「売上高経常利益率」については、12.4%(前期比2.8ポイント悪化)であります。
 主要2指標の悪化の主要因は、主力製品であるフットフィックスの堅調な売れ行きと新製品(特にクーデックエイミーPCA)の販売が好調に推移したものの、為替の影響により主力製品の輸入材料の調達コストが上昇したことが売上総利益率の悪化に繋がりました。
 売上高経常利益率の悪化につきましては、売上総利益が減少したこと、人件費及び研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加したこと等の影響によります。
 当該経営目標数値の達成に向けた計画骨子として、下記3点の重点施策を実施してまいります。
1.既存事業における収益基盤の強化 主としてキューインポットの慢性期病院への拡販を推進し、潜在市場への普及拡大を図ります。
加えて、療養・在宅領域向けに開発中の電動式キューインポットについて、早期の市場投入を実現し、療養施設および在宅市場への展開も加速させ、潜在需要の顕在化と市場拡大を推進してまいります。
 また、既存製品については採用シェアの維持・強化に加え、市場環境に応じた価格戦略を適時実行し、吸引器を中心とした強固な収益基盤を確立します。
 これらを通じて、新規成長領域への投資余力の創出を図ります。
2.サプライチェーンの高度化 生産・在庫・物流等のデータを活用し、生産活動の最適化を図り、生産効率の向上、原価低減を進めてまいります。
具体的には、リードタイムの短縮及び在庫の適正化による物流改革、複社購買・生産体制の再構築等によるサプライチェーンの最適化、加工歩留り等の製造効率の向上などに目標を定め、粗利益増加、粗利率の改善を図ります。
3.中長期的成長エンジンとなるマイクロポンプ関連製品の投入と開発 マイクロポンプ関連製品の第1弾製品として上市した「クーデックエイミーPCA」の拡販を進めてまいります。
 当社の主戦場である急性期の医療機関への拡販に本腰を置きながらも潜在的にニーズの高い在宅市場やクリニックへの展開も積極的に推進してまいります。
 さらには、マイクロポンプをキーデバイスとした注入器分野での派生商品の開発にも着手しており、早期上市、拡販に向けた取り組みを進めております。
 当社といたしましては、医療現場のニーズを汲み取った改良品の上市や既存製品の拡販により競争力強化を図ること、新製品の上市により新たな事業の柱を創出することにより、特定製品に依存した収益構造からの脱却を図り、売上高総利益率の改善に努めるとともに、生産効率の改善や固定費削減にも取り組み収益性の改善に努めてまいります。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社は、医療現場の課題を起点に、独創的な医療機器の開発を行う研究開発型の医療機器メーカーであります。
 当社は、研究開発型の医療機器メーカーとして、血液凝固技術、メカトロニクス技術、エンジニアリングプラスチックによる接着、溶着等の接合技術、MEMS(※)開発に必要な精密加工技術等のコア技術を蓄積し、新たな技術開発の基盤としております。
また大学や研究機関等との共同研究にも積極的に取り組み、各分野の医師のご理解、ご協力のもと、協力体制を構築し、医療現場の課題を当社の課題として捉え、細部までこだわりぬいた製品の開発を行っております。
 これら強固な基盤の上に、今後は当社の強みを発揮できる分野、将来有望な新製品の開発に経営資源を集中させ、顧客が望んでおられる新しい医療機器を一日も早く医療現場にお届けすることが当社の研究開発の基本戦略であります。
 加えて当社は、顧客に信頼される製品を開発することは当然のこと、医療の「現場ニーズ」の源泉に立ち返り、他社との差別化・高付加価値を伴った独創的な製品に結びつくような企画、研究、開発を推し進めております。
企画、研究段階では、医療従事者との人脈を活かしたマーケティング活動を通して医療現場の潜在ニーズを探り、近い将来において、医療に貢献しうる新技術の研究や製品のプロトタイプ(試作品)による妥当性を確認することで本ニーズの信憑性を確実なものとし、開発段階では、量産性を可能とするべく、開発の初期段階から設計部門と生産部門とで、生産方法や製造原価等の情報を共有しながら進める“設計製造コンカレント開発”を常態化させております。
 当社研究開発部門の2026年3月期末の在籍者数は20名であり、当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は368百万円であります。
(※) MEMSとは、Micro Electro Mechanical Systemsの略称であり、機械要素部品、センサー、アクチュエータ、電子回路等を微細加工技術により集積化する技術であります。
自動車、家電、産業機器等に加え、医療分野においても今後の応用拡大が期待されている技術であります。
 現在、主に取り組んでいる研究開発活動は次のとおりであります。
(1)マイクロポンプ技術を活用した薬液注入器及び派生製品の開発 当社は、超小型マイクロポンプをキーデバイスとした薬液注入器の開発を進めております。
 本テーマは、2014年に国立研究開発法人日本医療研究開発機構、いわゆるAMEDが実施する医工連携事業化推進事業として採択され、国立大学法人岡山大学及び学校法人川崎学園川崎医科大学との共同研究開発として開始したものであります。
 従来の薬液注入器は、薬剤の種類、投与量、投与精度、使用環境等に応じて複数の機器を使い分ける必要があり、医療機関における機器管理負担や導入コストの増加、操作方法の違いに起因する医療安全上の課題が存在しております。
 当社は、マイクロポンプ技術を活用することで、より安全で使いやすく、かつ多様な投与ニーズに対応可能な薬液注入器の実現を目指しております。
これにより、医療従事者の負担軽減、医療安全の向上、患者様のQOL向上に貢献することを目的としております。
 この研究開発成果の第一弾として、当社はマイクロポンプを搭載した医薬品注入器「クーデックエイミーPCA」の製造販売承認を取得し、販売を開始いたしました。
上市後は急性期医療機関を中心に普及を進めており、在宅医療を含む新たな使用領域への展開可能性についても検討を進めております。
 さらに、海外市場での販売に向け、現地認証取得に向けた準備や販売パートナー候補の選定を進めております。
今後は、「クーデックエイミーPCA」で培った技術基盤、薬事対応、臨床現場との連携経験を活かし、マイクロポンプ技術を応用した派生製品の開発を推進してまいります。
(2)化学療法領域に向けた薬液注入ソリューションの開発 近年、がん治療においては、外来化学療法や在宅での持続注入など、治療環境の多様化が進んでおります。
これに伴い、患者様の生活の質に配慮しながら、安全かつ確実に薬剤投与を行うための医療機器に対するニーズが高まっております。
 当社は、マイクロポンプを搭載した薬液注入器「クーデックエイミーPCA」の技術を応用し、化学療法領域における新たな製品開発を進めております。
 本開発では、株式会社ジェイ・エム・エスとの連携により、当社の薬液注入技術と、同社の閉鎖式薬剤移注システム「ネオシールド」をはじめとする抗がん薬曝露対策デバイスを組み合わせることで、抗がん薬の安全な取り扱いと正確な投与を支援する新たなソリューションの提供を目指しております。
 両社は、COOPDECH Amy × NEOSHIELD Project、いわゆるCAN Projectを立ち上げ、製品仕様の検討及び市場調査を実施いたしました。
がん診療連携拠点病院を中心とした医療機関への聞き取り調査を通じて、医療現場におけるニーズを確認し、2023年5月19日に業務提携契約を締結しております。
 当該製品については、2024年度に薬事申請を実施しており、今後、量産設備の立ち上げ、品質保証体制の整備等を進め、2026年度後期の上市を予定しております。
今後は、化学療法領域における医療安全、医療従事者の曝露リスク低減、患者様の治療環境の改善に貢献する製品として、事業化を進めてまいります。
(3)療養・在宅領域に向けた電動式キューインポットの開発 当社の既存製品である「キューインポット」は、排液を貯留し、そのまま廃棄可能なライナーを備えた喀痰吸引器であり、医療従事者が安全かつ簡便に排液処理を行える点を特徴としております。
病棟用吸引器市場において一定の評価を得ている一方、使用にあたって真空配管設備を必要とするため、慢性期病院、小規模施設、介護施設、在宅医療等では使用環境に制約がありました。
 高齢化の進展や療養場所の多様化に伴い、喀痰吸引を必要とする患者様は今後も増加することが見込まれております。
 また、医療機関だけでなく、療養施設や在宅現場においても、安全性、操作性、衛生性に優れた吸引器へのニーズが高まっております。
 このような環境変化を踏まえ、当社は、既存のキューインポットで十分に対応しきれなかった市場への展開を目的として、電動式キューインポットの開発を進めております。
 本製品は、自社開発の専用ポンプを搭載することで、高い吸引性能と軽量・コンパクトな設計の両立を目指しております。
 また、既存のキューインポットと同じライナーを使用可能とすることで、医療機関における消耗品管理や運用面での親和性を高め、既存製品との併用を容易にする設計としております。
 本製品は、2025年度にマーケットトライアルを実施した後、2027年度の量産を予定しております。
 当社は、当該製品を通じて、療養・在宅領域における吸引処置の安全性及び利便性向上に貢献するとともに、既存の病棟用吸引器市場に加え、新たな使用環境への市場拡大を目指してまいります。
(4)産官学医連携による新規医療機器テーマの創出 当社は、将来の成長を支える新製品パイプラインの拡充を重要な研究開発課題と位置付けております。
その一環として、2026年4月に神戸大学大学院医学研究科メドテックイノベーションセンター内に研究開発拠点を開設いたしました。
 本拠点では、大学、医療機関、研究機関、行政等との連携を通じて、医療現場の課題や未充足ニーズを探索し、当社のコア技術及び製品開発力を活かした新規医療機器テーマの創出を推進してまいります。
 また、同センターが有する研究開発ラボ、メディカルデバイス工房等の環境を活用し、臨床ニーズの把握、試作開発、評価をより迅速に進めることで、研究開発テーマの具体化及び事業化可能性の検証を強化してまいります。
 加えて、本拠点を医療機器開発人材の育成の場としても活用し、臨床現場の課題を理解し、技術、薬事、品質、事業性を総合的に捉えられる人材の育成に取り組んでまいります。
 当社は、当該拠点を活用した産官学医連携を通じて、医療現場起点の研究開発をさらに加速させるとともに、日本発の医療機器イノベーションの創出に取り組み、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当事業年度におきましては、生産設備の増強、研究開発機能の充実・強化を目的として、236百万円の設備投資を行いました。
これは主として、生産設備関連155百万円によるものです。
 なお、重要な設備の除却、売却はありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
2026年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物機械及び装置土地(面積㎡)その他合計商品開発研究所(大阪府和泉市)研究開発設備353,99622,4181,703,670(20,490)51,2043,555,83725
(2)和泉アセンブリーセンター(大阪府和泉市)本社事務所生産設備1,297,324103,26323,95982(100)本社分室他(大阪市中央区)本社分室事務所営業設備8,984--4,70613,69128(1)(注)1 帳簿価額のうち「その他」は、構築物、工具、器具及び備品、リース資産、車両運搬具、ソフトウエアであります。
2 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
3 現在休止中の主な設備はありません。
4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の期中平均人員であります。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。
(2)重要な設備の除却等 経常的な設備の更新のための除却を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動368,000,000
設備投資額、設備投資等の概要236,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況42
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況12
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,465,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標0
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
 当社は政策保有株式を原則保有しない方針のため、該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2026年3月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
山田 圭一堺市堺区5,46219.01
山田 満堺市堺区4,00013.92
山田 雅之東京都世田谷区3,12910.89
公益財団法人山田満育英会大阪市中央区船越町1丁目6番6号1,0003.48
関家 圭三東京都港区9503.31
大研医器従業員持株会大阪府和泉市あゆみ野2丁目6-22660.93
寺田 恭子神戸市須磨区2580.90
羽根 一徳東京都北区2000.70
山田 すみれ堺市南区2000.70
磐下 裕司愛知県一宮市1790.62計-15,64554.46(注) 上記のほか、当社所有の自己株式3,111千株があります。
株主数-金融機関3
株主数-金融商品取引業者19
株主数-外国法人等-個人17
株主数-外国法人等-個人以外51
株主数-個人その他14,801
株主数-その他の法人75
株主数-計14,966
氏名又は名称、大株主の状況磐下 裕司
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
 該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1 発行済株式及び自己株式に関する事項株式の種類当事業年度期首増加減少当事業年度末発行済株式 普通株式(株)31,840,000--31,840,000自己株式 普通株式(株)3,111,563--3,111,563

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2026年6月17日 大研医器株式会社 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士松  本     学 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士西     芳  範 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている大研医器株式会社の2025年4月1日から2026年3月31日までの第58期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、大研医器株式会社の2026年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
変動対価(売上取引に係る未確定の値引)の額の見積りの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 大研医器株式会社は、顧客に対して医療機器製品の製造及び販売を行っている。
顧客が製品をユーザーに販売した後、値引の請求を顧客から受ける場合があり、同一製品であっても、顧客がどのユーザーに販売するかによって値引額は変動する。
 【注記事項】
(重要な会計方針)に記載のとおり、当事業年度末において顧客からユーザーへの販売がまだ行われておらず、顧客からの値引請求額が未確定の部分は、顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分であり、変動対価に該当するため、当該変動対価の額は売上高に反映される。
【注記事項】
(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、大研医器株式会社は、当事業年度の売上高に含めるべき変動対価の額を見積った結果、267,976千円を当事業年度の売上高の控除項目として反映させている。
 顧客が保有する製品をどのユーザーに販売するかは事業年度末時点で未確定であることから、経営者は、顧客が過去実績と同一の販売比率でユーザーに販売するという仮定の下、主要な顧客や製品群ごとの過去一定期間の実績値引率に基づいて、変動対価の額を見積っているが、当該経営者の判断には不確実性が伴う。
 以上から、当監査法人は、変動対価に関する見積りが、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。
 当監査法人は、変動対価に関する見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 変動対価の見積りに関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に以下の点に焦点を当てた。
・過去一定期間の実績値引率を正確に算定するための統制・算定した実績値引率から、変動対価の額を正確に見積るための統制 (2)経営者による見積りの合理性の評価 経営者による見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・主要な顧客や製品群ごとの値引率推移の分析により、経営者が見積りに用いた実績値引率の算定対象期間の合理性について評価した。
・主要な顧客や製品群ごとの値引率推移の分析、前事業年度末における変動対価の見積額と当事業年度の実績額との比較、直近の販売価格状況に関する販売責任者への質問及び取締役会議事録の閲覧により、過去一定期間の実績値引率に基づいて変動対価の額を見積ることの合理性について評価した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、大研医器株式会社の2026年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、大研医器株式会社が2026年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
変動対価(売上取引に係る未確定の値引)の額の見積りの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 大研医器株式会社は、顧客に対して医療機器製品の製造及び販売を行っている。
顧客が製品をユーザーに販売した後、値引の請求を顧客から受ける場合があり、同一製品であっても、顧客がどのユーザーに販売するかによって値引額は変動する。
 【注記事項】
(重要な会計方針)に記載のとおり、当事業年度末において顧客からユーザーへの販売がまだ行われておらず、顧客からの値引請求額が未確定の部分は、顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分であり、変動対価に該当するため、当該変動対価の額は売上高に反映される。
【注記事項】
(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、大研医器株式会社は、当事業年度の売上高に含めるべき変動対価の額を見積った結果、267,976千円を当事業年度の売上高の控除項目として反映させている。
 顧客が保有する製品をどのユーザーに販売するかは事業年度末時点で未確定であることから、経営者は、顧客が過去実績と同一の販売比率でユーザーに販売するという仮定の下、主要な顧客や製品群ごとの過去一定期間の実績値引率に基づいて、変動対価の額を見積っているが、当該経営者の判断には不確実性が伴う。
 以上から、当監査法人は、変動対価に関する見積りが、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。
 当監査法人は、変動対価に関する見積りの合理性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 変動対価の見積りに関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に以下の点に焦点を当てた。
・過去一定期間の実績値引率を正確に算定するための統制・算定した実績値引率から、変動対価の額を正確に見積るための統制 (2)経営者による見積りの合理性の評価 経営者による見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・主要な顧客や製品群ごとの値引率推移の分析により、経営者が見積りに用いた実績値引率の算定対象期間の合理性について評価した。
・主要な顧客や製品群ごとの値引率推移の分析、前事業年度末における変動対価の見積額と当事業年度の実績額との比較、直近の販売価格状況に関する販売責任者への質問及び取締役会議事録の閲覧により、過去一定期間の実績値引率に基づいて変動対価の額を見積ることの合理性について評価した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別変動対価(売上取引に係る未確定の値引)の額の見積りの評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

電子記録債権、流動資産1,339,433,000
仕掛品88,884,000
その他、流動資産57,047,000
工具、器具及び備品(純額)145,904,000
土地1,703,670,000
リース資産(純額)、有形固定資産17,669,000
建設仮勘定320,044,000
有形固定資産4,043,839,000
ソフトウエア14,170,000
無形固定資産22,623,000
長期前払費用4,394,000
繰延税金資産205,725,000
投資その他の資産272,050,000

BS負債、資本

短期借入金920,000,000
1年内返済予定の長期借入金470,020,000
未払金366,466,000
未払法人税等169,547,000
未払費用76,604,000
リース負債、流動負債5,725,000
資本剰余金400,875,000
利益剰余金8,676,333,000
株主資本7,746,499,000
負債純資産11,366,782,000

PL

売上原価6,339,444,000
販売費及び一般管理費2,673,919,000
営業利益又は営業損失1,277,620,000
受取利息、営業外収益1,859,000
為替差益、営業外収益2,357,000
営業外収益9,152,000
支払利息、営業外費用12,338,000
営業外費用12,364,000
特別利益404,000
固定資産除却損、特別損失28,699,000
特別損失28,699,000
法人税、住民税及び事業税345,673,000