財務諸表
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| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2026-06-24 |
| 英訳名、表紙 | Furukawa Electric Co., Ltd. |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 取締役社長 森平 英也 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区大手町二丁目6番4号 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 東京(03)6281局8500 |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | Japan GAAP |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2 【沿革】 年 月経 歴1896年6月横浜電線製造株式会社として設立された。 1920年4月古河鉱業株式会社(現古河機械金属株式会社)より日光電気精銅所(現日光事業所)を取得し、商号を現在の古河電気工業株式会社に変更した。 1921年12月門司市(現北九州市門司区)所在の九州電線製造株式会社を買収し、その所属工場を九州電線製造所(旧九州事業所→現古河電工メタルケーブル株式会社九州工場)とした。 1949年5月株式を東京証券取引所に上場した。 1950年9月電池部門を分離独立させるため、古河電池株式会社を設立した。 1958年9月神奈川県平塚市に平塚電線製造所(現平塚事業所)を新設した。 1961年3月千葉県市原郡市原町(現市原市)に千葉電線製造所(現千葉事業所)を新設した。 1971年3月三重県亀山市に三重工場(現三重事業所)を新設した。 1972年8月古河電池株式会社の株式を東京証券取引所市場第一部に上場した(現在はプライム市場)。 1981年4月非鉄金属の総合メーカーとして将来の発展を図るため、古河金属工業株式会社を吸収合併した。 1987年2月横浜市西区に横浜研究所を新設した。 2001年11月米国LUCENT TECHNOLOGIES社(当時)の光ファイバ・ケーブル部門を買収した(現Lightera, LLC)。 2005年1月電力事業部門を当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスに営業譲渡した。 2015年4月当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスより海外電力ケーブル事業を譲り受けた。 2016年10月当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスより国内電力ケーブル事業を譲り受けた。 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行した。 2025年4月光ファイバ・ケーブル事業の再編を実施し、同事業を当社が新たに設立した連結子会社であるライテラジャパン株式会社に承継させた。 同年10月メタル電線事業の再編を実施し、同事業を当社の連結子会社である古河電工メタルケーブル株式会社に承継させた。 同年12月古河電池株式会社の株式を譲渡し、同社は当社の連結範囲から除外された。 2026年3月株式会社ビスキャスの解散に伴い、同社は当社の持分法適用範囲から除外された。 |
| 事業の内容 | 3 【事業の内容】 当企業集団は、インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の各事業において培われた技術を発展、応用した製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する研究及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。 当連結会計年度末における当企業集団の事業内容、各関係会社の当該事業に係わる位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。 インフラ当社、Lightera, LLC、Lightera LatAm S.A.、ライテラジャパン㈱、古河電工メタルケーブル㈱他が製造及び販売を行っております。 電装エレクトロニクス当社、古河AS㈱、古河マグネットワイヤ㈱他が製造及び販売を行っております。 機能製品当社、Trocellen GmbH、古河銅箔股份有限公司、台日古河銅箔股份有限公司他が製造及び販売を行っております。 サービス・開発等当社、古河日光発電㈱他が各種サービス事業及び新製品研究開発等を行っております。 なお、販売会社については、主に取り扱う製品の種類により、各セグメントに区分しております。 以上の項目を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。 |
| 関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 2026年3月31日現在名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社)古河産業㈱(注)8東京都港区700販売子会社100.0当社製品の販売、当社が同社より原材料の一部を購入。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付・借入(CMS)あり。 岡野電線㈱神奈川県大和市489インフラ100.0 (100.0)当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を販売。 役員の兼任等あり。 資金の借入あり。 古河電工メタルケーブル㈱(注)8東京都荒川区450インフラ100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。 このほか、当社が不動産及び設備を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 古河電工パワーシステムズ㈱(注)8横浜市青葉区450インフラ100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付・借入(CMS)あり。 MFオプテックス㈱(注)8兵庫県尼崎市310サービス・開発等80.0当社が同社製品の一部を購入・販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付・借入(CMS)あり。 古河樹脂加工㈱(注)8千葉市美浜区300機能製品100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入。 このほか、当社が不動産及び設備を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 ㈱古河テクノマテリアル(注)8神奈川県平塚市300電装エレクトロニクス100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 古河日光発電㈱(注)8栃木県日光市300サービス・開発等100.0当社が同社より電力の一部を購入。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付・借入(CMS)あり。 古河ネットワークソリューション㈱(注)8神奈川県平塚市150インフラ100.0当社が購買及び製造を受託、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の借入(CMS)あり。 古河AS㈱(注)3,8滋賀県犬上郡100電装エレクトロニクス100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容古河ファイテルオプティカルデバイス㈱(注)8千葉県市原市100インフラ70.6当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 古河精密金属工業㈱(注)8栃木県日光市100電装エレクトロニクス100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸・賃借。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 理研電線㈱(注)8東京都中央区100インフラ100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付・借入(CMS)あり。 ㈱白山石川県金沢市100インフラ67.1(67.1)役員の兼任等あり。 古河エレコム㈱(注)8東京都千代田区98販売子会社100.0当社製品の販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の借入(CMS)あり。 古河マグネットワイヤ㈱(注)8東京都千代田区96電装エレクトロニクス100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付(CMS)あり。 ミハル通信㈱(注)8神奈川県鎌倉市90インフラ100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品を販売。 このほか、当社が不動産を賃貸。 役員の兼任等あり。 資金の貸付・借入(CMS)あり。 Lightera, LLC(注)3アメリカ362百万米ドルインフラ100.0 (100.0)当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。 役員の兼任等あり。 資金の貸付あり。 Lightera LatAm S.A.(注)3ブラジル149百万レアルインフラ100.0 (100.0)当社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 American Furukawa,Inc.(注)3アメリカ109百万米ドル電装エレクトロニクス100.0(0.1)当社子会社製品の販売。 当社子会社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 資金の貸付あり。 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容古河銅箔股份有限公司台湾1,555百万台湾ドル機能製品100.0当社が同社製品の一部を販売。 役員の兼任等あり。 台日古河銅箔股份有限公司台湾1,475百万台湾ドル機能製品81.9当社子会社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 資金の貸付あり。 Furukawa Electric Singapore Pte. Ltd.シンガポール3百万米ドル販売子会社100.0当社製品の販売。 役員の兼任等あり。 Furukawa FITEL (Thailand) Co., Ltd.タイ580百万バーツインフラ100.0当社より原材料の一部を供給、当社が同社製品の一部を購入・販売。 役員の兼任等あり。 Furukawa Precision(Thailand) Co.,Ltd.タイ169百万バーツ電装エレクトロニクス100.0(50.0)当社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 Thai Furukawa Unicomm Engineering Co.,Ltd.タイ104百万バーツインフラ91.8(42.8)当社子会社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 Furukawa Automotive Parts(Vietnam) Inc.ベトナム18百万米ドル電装エレクトロニクス100.0(100.0)当社子会社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 資金の貸付あり。 PT. Tembaga Mulia Semanan Tbk.(注)4,6インドネシア12百万米ドル電装エレクトロニクス42.4当社子会社より原材料の一部を供給。 役員の兼任等あり。 Trocellen GmbHドイツ8百万 ユーロ機能製品100.0役員の兼任等あり。 資金の貸付あり。 その他86社 (持分法適用関連会社)山崎金属産業㈱(注)5東京都千代田区600電装エレクトロニクス25.0当社が同社より原材料の一部を購入。 当社製品を販売。 Asia Vital Components Co.,Ltd.(注)7台湾3,907百万台湾ドル機能製品15.4(2.4)役員の兼任等あり。 その他6社 (注)1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。 2.議決権の所有又は被所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 3.古河AS㈱、Lightera, LLC、Lightera LatAm S.A.、American Furukawa, Inc.は特定子会社に該当します。 4.PT. Tembaga Mulia Semanan Tbk.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等① 売上高146,499百万円 ② 経常利益1,397百万円 ③ 当期純利益1,041百万円 ④ 純資産額12,537百万円 ⑤ 総資産額34,494百万円 5.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社は、山崎金属産業㈱であります。 6.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社とした会社は、PT. Tembaga Mulia Semanan Tbk.であります。 7.持分は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としたものであります。 8.当社と一部の関係会社は、効率的な資金活用のために、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。 |
| 従業員の状況 | (2) 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)インフラ9,319電装エレクトロニクス34,934機能製品2,503サービス・開発等2,356合計49,112 (注)1.従業員数には、臨時従業員及び企業集団外への出向者を含めておりません。 2.サービス・開発等の従業員数には、当社の本部部門等、全社共通の業務に従事する人員数が含まれております。 (2) 提出会社の状況2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)4,00943.418.47,494,5977.3 セグメントの名称従業員数(人)インフラ1,053電装エレクトロニクス523機能製品842サービス・開発等1,591合計4,009 (注)1.従業員数には、臨時従業員及び出向者を含めておりません。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.サービス・開発等の従業員数には、当社の本部部門等、全社共通の業務に従事する人員数が含まれております。 (3) 労働組合の状況当社グループには、古河電気工業労働組合をはじめとする労働組合が組織されており、全日本電線関連産業労働組合連合会(日本労働組合総連合会加盟)等に所属しております。 なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者6.395.175.275.267.1 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ② 連結子会社当事業年度名称 管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者古河AS㈱2.268.269.071.20.0古河電工ビジネス&ライフサポート㈱15.80.070.866.463.1古河電工パワーシステムズ㈱5.542.975.784.760.8古河電工メタルケーブル㈱2.557.180.781.869.4ライテラジャパン㈱3.081.881.881.80.0ミハル通信㈱0.0100.063.766.927.2古河産業㈱5.357.162.464.747.5㈱古河テクノマテリアル 0.0100.064.867.40.0㈱白山9.550.067.071.931.9古河エレコム㈱5.0100.063.163.30.0 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ③ 提出会社・国内連結子会社グループ当年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者5.274.566.571.856.1 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針■古河電工グループの理念体系当社グループは、古河電工グループ パーパス(以下、パーパス)「『つづく』をつくり、世界を明るくする。 」を軸とした経営を推進しています。 当社グループのパーパスは、「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、ビジョン2030)に向けた全社戦略及び全ての経営判断・戦略立案の起点となる概念です。 古河電工グループ理念体系において、「パーパス」は私たちの存在意義、「ビジョン」は目指す姿を示し、「Core Values」は全社員が共有する共通の価値観として基盤を形成するものです。 これらは、全体が関係し合い、当社グループの持続的成長を支える枠組みです。 ■古河電工グループ パーパス*当社グループのパーパスは、経営の判断軸となり、多様なステークホルダーから真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業グループとして認知され、従業員が誇りを持って挑戦し続けるために定めた当社グループの存在意義を明文化したものです。 創業以来磨き続けてきた技術力と提案力を強みとし、さまざまな社会課題に向き合い挑戦することで、よりよい未来へとつながる「つづく」をつくることが当社グループの存在意義である、との思いを込めています。 また、創業者である古河市兵衛の「日本を明るくしたい」という思いを継承しつつ、グローバルに事業を展開していることを鑑みた表現にしています。 *「古河電工グループ パーパス」は、2024年3月に制定され、2024年4月19日から施行されています。 ■古河電工グループ ビジョン2030ビジョン2030は、当社グループが目指す姿を示しています。 急速に大きく変化する社会に貢献し続けるには、どう変わっていけばよいか、グループが一丸となって何をしていくべきか、そのゴールを明確に共有できるように、将来社会像やパーパスを踏まえて描いた当社グループの将来のありたい姿の時間軸と領域を明確にしたものです。 ビジョン2030で当社グループは「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報/エネルギー/モビリティの各領域及びこれらの融合領域において社会基盤を創り、また、更なる成長に向けては、新領域におけるこれまでにない新たな事業の創出にも取り組み、社会課題の解決を目指しています。 古河電工グループは「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報 / エネルギー / モビリティが融合した社会基盤を創る。 ■Core Values(コア・バリュー)パーパスを体現し、当社グループが持続的に成長していく上で、特に大事にし、より強化していきたい価値観としての5つを定め、「Core Values」としています。 ■古河電工グループのサステナビリティ基本方針当社グループは、パーパスのもと、ビジョン実現に向けた取組みを実行し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指します。 こうした基本的な考え方を、「古河電工グループ サステナビリティ基本方針」と制定しています。 古河電工グループ サステナビリティ基本方針古河電工グループは、「古河電工グループ パーパス」に基づき、収益機会とリスクを踏まえて設定した経営上の重要課題に取組み、社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指します。 社会課題を解決する事業の強化・創出に向けて、資本効率を重視しつつ、技術力と提案力を強みとした絶え間ないイノベーションや多様なステークホルダーとの共創により事業を変革し続けます。 国内外の法令、社会規範や倫理に従うとともに、適切な情報開示と積極的なコミュニケーションを通じて、全てのステークホルダーとの健全で良好な関係を維持・向上させ、社会の持続的な発展に貢献します。 (2)経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題本項は、当社グループの経営全体の方向性を示すものです。 25中計の振り返り、外部環境認識と当社が取り組むべき課題(対処すべき課題)、パーパスを軸としたサステナブルな経営、ビジョン2030実現及び持続的な成長に向けた経営方針と取組み、実行を支える体制、を記載しております。 また、これらのうち、サステナビリティ関連のリスク及び機会として重要性が高い「気候変動」及び「人的資本」については、「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」において詳細を記載しております。 1)25中計振り返り当社グループでは、ビジョン2030のありたい姿からのバックキャストで中間地点としての2025年の目指す姿を定義し、その実現に向け2025年度を最終年度とする4か年の中期経営計画「Road to Vision 2030 -変革と挑戦-」(以下、25中計)を2022年度に策定し、各施策に取り組んでまいりました。 具体的には、情報/エネルギー/モビリティの各領域及びこれらの融合領域における社会課題解決型事業の強化・創出を掲げ、収益の拡大に向けた取組みとして、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」及び「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」を推進、また、これらを下支えする「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいりました。 また、ビジョン2030を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義し、収益機会とリスクの両面でマテリアリティを特定し、それぞれに指標・目標を「サステナビリティ指標・目標」と設定しました。 この目標達成により、ビジョン2030を実現するとともに、SDGsの達成にも寄与すること、さらには、当社グループの中長期的な企業価値向上を目指して取り組んでまいりました。 (ⅰ)資本効率重視による既存事業の収益最大化成長性と収益性の指標を用いて事業の位置付けを可視化し、その結果に応じて経営資源を成長が見込まれる分野に集中して配分することにより、資本効率性を意識した経営管理を推進するとともに事業ポートフォリオの見直しを図ってまいりました。 事業ポートフォリオ最適化のため、事業の再編・撤退、企業買収等の事業ポートフォリオの変革を推進し、戦略投資枠の活用による積極的なM&Aや資本提携などを実施してまいりました。 〔主な事業ポートフォリオの最適化の取組み〕・光ファイバ・ケーブル事業の運営体制を刷新し、各地域における事業を統合。 新ブランド「Lightera*」のもと、一体となったグローバル経営により効率的かつ迅速な意思決定を可能とする体制を整備。 ・メタル電線事業を再編し、事業運営の効率化による相乗効果を発揮することで、多様化・高度化するニーズに迅速に対応。 ・光コネクタにおいて開発力・コスト競争力に強みを持つ会社や高速光変調器において世界トップレベルのシェアを有する会社を子会社化し、シナジーの発揮による成長市場における当社の優位性を確立。 ・一部の関係会社に関する株式売却により、成長分野への再投資に向けてノンコア事業や不採算事業を切り離すことで、資本効率を改善。 また、拡大が続くデータセンタ関連需要を確実に取り込むため、高速大容量・低遅延通信等の実現に貢献する製品群、及びサーバ等の高発熱化に対応する放熱・冷却製品群の製造能力を増強するとともに、これらの高付加価値製品の開発や増産、拡販を通じた収益基盤の拡大に取り組んでまいりました。 このほか、販売価格の適正化及び業務プロセス改善の取組みによる原価低減を図ってまいりました。 * Lightera: 当社グループの光ファイバ・ケーブル事業におけるブランド名称。 (ⅱ)開発力・提案力の強化による新規事業創出に向けた基盤整備素材力を核として長年培ってきた「メタル」「ポリマー」「フォトニクス」「高周波」の4つのコア技術を活用するとともに、デジタル技術やデータの利活用を推進し、課題解決を起点とした製品・サービスの開発・提供を通じて、新たな社会課題解決型事業創出に向けた基盤整備を図ってまいりました。 情報領域において、B5G*社会に対応するため、データトラフィックの増加への対応やデータセンタの高速大容量化・低消費電力化の推進が求められるなか、当社のコア技術であるフォトニクス技術及び高周波技術を生かし、光電融合を実現する高機能なフォトニクス製品を開発することにより、オール光ネットワークと高効率エネルギー社会の実現を図ってまいりました。 加えて新領域においては、市場視点でのマーケティング活動を通じて、自社技術に基づく知見を生かし国内外のパートナー企業と共創するとともに、部門横断的な事業開発を促進してまいりました。 具体的なテーマとして「ライフサイエンス」、「レーザ応用」、「超電導」及び「グリーンLPガス*」に注力し、事業化に向けた取組みを加速してまいりました。 「ライフサイエンス」については、医療・産業機器向け光ファイバ及び光関連部品を製造する会社を子会社化してフォトニクス技術の活用による非通信領域に関する事業の強化を進めてまいりました。 「レーザ応用」については、環境負荷の低減及び作業環境の安全性・快適性向上に貢献し、金属表面の塗膜や錆を非接触で除去できるレーザ施工システムに関して、複数の顧客との共同開発や実証実験を進め、大手鉄道会社において実運用が開始されました。 「超電導」については、次世代のエネルギー源として期待される核融合*炉の開発を進める英国の顧客に対する高温超電導線材の供給や同社への出資を通じたパートナーシップの強化などを推進してまいりました。 「グリーンLPガス」については、独自開発したラムネ触媒®をはじめとする複数の触媒及びこれらを用いたバイオガスの分子構造を変更するプロセスを開発することにより、高効率にグリーンLPガスを合成できる基盤技術の構築に取り組んでおり、さらに世界に先駆けてグリーンLPガスの量産に向けた実証プラントの建設を進めてまいりました。 * B5G(Beyond5G):5G(第5世代移動通信システム)を引き継ぎ高度化した次世代移動通信システム。 5Gの特徴(高速・大容量、低遅延、多数端末との接続)の更なる高度化に加えて、空・海・宇宙への利用領域の拡張、超低消費電力、超高信頼等の特徴を備えることが想定されている。 6G(第6世代移動通信システム)とも呼ばれる。 * グリーンLPガス:バイオガス(家畜の排泄物や生ゴミなどを発酵させた際に発生するメタンガスと二酸化炭素の混合ガス)やDAC(Direct Air Capture(直接空気回収技術))から得られる二酸化炭素、再生可能エネルギーを用いた水電解による水素など、これらの環境負荷の低い原料をもとに生成したLPガスのこと。 * 核融合:強力な超電導マグネットで高温プラズマ(数億度)を閉じ込め、核融合反応でエネルギーを発生させる。 核融合の燃料の元は海水(重水素(2H))であり、二酸化炭素(CO₂)を排出せずに発電可能で環境負荷も低いことから、核融合による発電は次世代のエネルギー源として期待されている。 (ⅲ)ESG経営の基盤強化環境(Environment)に関する取組みとして、脱炭素社会及び水・資源循環型社会への貢献等を掲げた「古河電工グループ環境目標2030」の各目標を達成するための施策に取り組んでまいりました。 太陽光発電設備の導入を進めるなど電力消費量に占める再生可能エネルギー比率の向上への取組みなどにより、温室効果ガス排出量削減率に関する目標値の早期達成につながりました。 このような施策への取組みが認められ、企業や自治体の環境情報開示を促進する国際的な非営利団体であるCDPから、2025年度に気候変動と水セキュリティの2分野で「Aリスト」、サプライヤーエンゲージメント評価で「リーダーボード(A)」に選定をされたほか、2026年1月には、環境省から非鉄金属業界初となる「エコ・ファースト企業」の認定を受けました。 社会(Social)に関する取組みとして、当社グループの存在意義を表す古河電工グループ パーパス「『つづく』 をつくり、世界を明るくする。 」を2024年3月に制定し、このパーパスについて従業員の理解促進及び共感の醸成を目的とした活動を実施し、これにより従業員が当社グループで働くことへの誇りをもつことにつなげることで従業員エンゲージメントの向上を推進してまいりました。 また、従業員個々人と組織がともに実行力を向上させ成長するため、現状をモニタリングする調査を実施し、その結果を踏まえた改善施策に取り組んでまいりました。 これらの取組みにより、「人材・組織実行力の強化」を着実に進め、人的資本投資を通じた持続的な企業価値向上を図ってまいりました。 ガバナンス(Governance)に関する取組みとして、コーポレートガバナンスの一層の充実を推進するため、2025年6月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。 また、ESGの取組みを一層推進するための仕組みとして、ESG連動報酬を加えた役員報酬制度を2023年7月から運用しております。 さらに、国際的な行動規範に基づき人権デューディリジェンスの仕組みを構築し、従業員及びサプライチェーンにおける人権リスクの再評価により新たに特定したリスクについて、それらを低減させる施策に取り組んでまいりました。 〔経営指標の振り返り〕25中計において、資本効率を意識した事業の強化と創出を行うため、投下資本利益率(ROIC)や自己資本利益率(ROE)等を経営指標として重視してまいりました。 これらの取組みの結果、2025年度に達成すべき基準として設定した各財務目標値は全て達成いたしました。 また、サステナビリティ目標値(25中計期間において毎年度達成すべき基準として設定した目標値を含む)についても概ね達成いたしました。 なお、目標が未達となった「従業員エンゲージメントスコア」についてはその改善に向けてパーパスの浸透活動を通じた組織風土の醸成を、「管理職層に占める女性比率」については管理職層の労働環境改善及びキャリアデザインに関する教育機会の提供等の取組みを、引き続き実施してまいります。 2025年度の財務目標値及び実績値 目標値実績値ROIC(税引後)6%以上12.2%ROE11%以上19.1%Net D/Eレシオ0.8以下0.6自己資本比率35%以上39.1%連結売上高1.1兆円以上1.3兆円連結営業利益580億円以上639億円親会社株主に帰属する当期純利益370億円以上725億円 2025年度のサステナビリティ目標値及び実績値サステナビリティ指標2025年度 目標2025年度 実績結果 (*7)環境調和製品売上高比率70%72.1%達成新事業研究開発費増加率 (2021年度基準)(※)125%156%3年間達成事業強化・新事業創出テーマに対するIPランドスケープ実施率100%(*1)100%(*1)達成温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)(2021年度基準)(*2)△18.7%△44%(見込)達成見込電力消費量に占める再生可能エネルギー比率(*2)30%53%(見込)達成見込従業員エンゲージメントスコア(*3) 8076未達成(単体)管理職層に占める女性比率7.0%6.3%未達成(単体)新規採用者に占めるキャリア採用比率(管理職層、総合職、一般職)(※)30% (*4)52.8%毎年達成全リスク領域に対するリスク管理活動フォロー率(※)100%100%毎年達成主要取引先に対するCSR調達ガイドラインに基づくSAQ(*5)実施率100%100%達成管理職に対する人権リスクに関する教育実施率(※)(*6)100%100%毎年達成 ※:単年度別目標型の指標。 その他は2025年度到達目標型の指標。 *1:2022年度に設定したテーマに関して全件実施を意味する100%を目標としたが、2024年度において達成済み。 *2:環境目標2030改定(2022年度)に伴い基準年度や目標値を改定。 *3:2022年度に目標値設定。 2023年度に対象範囲を国内外グループ会社に拡大、単体目標からグループ目標に変更。 *4:各年度30%程度を維持する事を意味する。 *5:SAQ(Self-Assessment Questionnaire):自己評価アンケート。 *6:2022年度に国内開始を目標として開始したが、毎年グループで100%達成。 *7:到達目標の場合は2025年度時点、各年目標の場合は達成年数を記載。 2)外部環境認識と当社グループが取り組むべき課題(対処すべき課題)(ⅰ)外部環境認識当社グループを取り巻く外部環境は、大きな変化が生じています。 これらは当社グループにとって大きな成長機会である一方、供給責任・人材確保などの重大リスクの増大を意味すると捉えています。 (ⅱ)経営上の重要課題これらを踏まえ、ビジョン2030を実現する経営戦略を具体化すべく、当社グループでは、約2年間にわたり、経営会議及び取締役会メンバーで約20回の討議機会を設け議論してまいりました。 その議論を経て、収益機会とリスク、財務と非財務の双方で、ビジョン2030の実現やその先の持続的な成長に大きく影響を与える可能性のある課題として優先的に対処すべき経営上の重要課題を、社会課題解決による価値創造を推進するための2項目、その価値創造を持続可能にする経営基盤を確立するための4項目、合わせて6項目に設定しました。 〔社会課題解決による価値創造を推進するための経営上の重要課題〕▷ 情報をベースとした社会基盤の創出▷ 社会課題解決に資する新しい事業への挑戦〔価値創造を持続可能にする経営基盤を確立するための経営上の重要課題〕▷ 事業・製品ポートフォリオの最適化▷ 労働生産性の向上▷ 人的資本の最大化▷ ガバナンスの強化・リスク耐性の向上 〔経営上の重要課題特定プロセス〕経営上の重要課題の特定は、Step1~Step4のプロセスで行いました。 まず、Step1では「外部要因」と「内部要因」に基づき社会課題を洗い出し、重要項目リストを作成しました。 Step2では「株主・投資家にとっての重要度」を高・中・低 で評価しました。 Step3では「ビジョン2030実現にとっての重要度」 をリスクと機会の発生可能性や時期、財務影響度などで高・中・低で評価しました。 Step4では、Step2~3で評価した優先度の高い項目を、「ビジョン2030実現にとっての重要課題」と「企業の社会的責任を果たしステークホルダーとの信頼関係強化に向けた重要課題」に分類し、さらに前者を整理し、ビジョン2030実現に向けた経営上の重要課題を特定しました。 なお、今後は定期的にこれらのステップを行い必要に応じて重要課題の見直しを行います。 ※なお、従来当社グループでは、ビジョン2030を実現するために当社グループが対処すべき経営上の重要課題を「マテリアリティ」と定義してまいりましたが、このたび、ビジョン2030の実現や持続的な企業価値向上に大きく影響を与える可能性のある課題(機会とリスク)(財務・非財務)を優先すべき「経営上の重要課題」と設定しました。 3)パーパスを軸としたサステナブルな経営当社グループは、25中計期間において、資本効率を重視した収益最大化のための事業構造改革、新事業創出の基盤整備を進めてまいりました。 また、ESG経営の基盤強化を重点施策の1つとし、価値創造プロセス設計のなかで、財務目標に加えて、環境・社会・ガバナンスに関する非財務項目についても目標を掲げ、持続可能な企業価値向上に向けて取り組んでまいりました。 2026年度以降は、パーパスに基づくサステナブルな経営を実践してまいります。 近年の外部環境変化を踏まえると、企業価値に影響する要素は財務・非財務の両面にまたがり、また、収益機会とリスクは一体的に追求していく必要性が増していることから、経営上の重要課題ごとに機会とリスク双方の戦略・施策・指標を明確化し、また、財務だけでなく非財務事項の将来財務価値を踏まえて総合的に管理し、企業価値向上に結び付けてまいります。 これらの考え方は、サステナビリティ基本方針に則るものであり、当社グループのパーパスに基づく経営の実践そのものでもあります。 当社グループはESG経営を超え、パーパスに基づいた経営を実現し、ビジョン2030の実現と持続的な成長を目指します。 4)ビジョン2030実現及び持続的な成長に向けた経営方針急速に変化する外部環境、それに伴う社会課題、そして当社グループの特徴、事業機会・リスクを総合的に勘案し、優先的に対処すべき経営上の重要課題を選定し、それらに注力することで、社会課題解決による価値創造の推進と持続的な価値創造の経営基盤の確立を目指します。 具体的には以下の通りです。 (ⅰ)基本戦略(26年度以降の価値創造戦略)当社グループは、4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を保有し、それら個々の領域に加え、特定市場に限定されない融合領域で社会課題解決に貢献できることを強みとしています。 またそれら幅広い領域でのステークホルダーとの信頼関係構築により、長年開発力・提案力を磨いてまいりました。 これらが当社グループの競争力の源泉です。 そこで、当社グループの持続的な事業成長のため、特に2030年に向けては、需要拡大が続くデータセンタ領域に経営資源を集中し、高速・大容量通信基盤の構築、情報の高度化とエネルギー問題の両立に貢献することによる価値創造を通じて、企業価値を向上します。 加えて、2030年以降のさらなる成長に向けて新領域での新事業創出にも果敢に挑戦し、社会課題解決による価値創造を継続してまいります。 また、これら注力領域の事業拡大を実現するため、競争力強化につながる様々な対応や長期的な視点での資本効率向上、資本コスト低減、ガバナンス体制・リスク耐性の強化を徹底し、2030年以降にもつづく価値創造を持続可能とする経営基盤を確立してまいります。 そして、これらの実効性を高めるため、2026年度から執行力を強化する組織体制に変更しました。 事業の組み替えや研究開発や営業などの本部機能を事業部門へ大幅移管するとともに、CXO*制を導入し経営上の重要課題ごとに担当CXOを置きました。 各重要課題には2030年の到達状態を示す成果指標とその実現のために日常的に管理・改善すべき行動・プロセス・結果を測る指標を設定します。 各CXOが経営者として経営全体に責任を持ちつつ、実効性ある取組みをスピード感を持って推進し、担当する経営上の重要課題の解決にあたります。 * CXO(Chief X Officer):各機能・重要課題に責任を持つ役員体制。 (ⅱ)経営上の重要課題に対する取組みビジョン2030の実現やその先の持続的な成長に大きく影響を与える可能性のある課題として優先的に対処すべき経営上の重要課題に設定した全6項目の考え方や具体的な取組みは次の通りです。 「社会課題解決による価値創造」と「価値創造を持続可能にする経営基盤確立」に分けて記載します。 〔社会課題解決による価値創造〕AIの急速な拡大・普及により世界のデータセンタ市場は高成長が見込まれ、大容量化・高密度化が加速しています。 これに伴い、電力消費量の増加も課題になっています。 こうした社会課題解決に貢献できる当社グループは、データセンタ関連市場を重要な収益機会と捉え、当該領域における事業の拡大を重点的に推進します。 加えて増加する電力消費量に伴うエネルギー問題の解決に資する領域への取組みも加速します。 さらに、中長期的な成長事業を一層強化・創出するため、人と社会の「つづく」をつくる、社会課題解決に資する新たな価値の創出、事業化を進めます。 ① 情報をベースとした社会基盤の創出データセンタ市場拡大を捉えることが当面の競争力の源泉です。 具体的には、データセンタ向け光関連製品等の拡販を継続するとともに、高付加価値製品へのシフト及びソリューション提供の拡充を進め、付加価値の向上を図ります。 また、データ処理量の爆発的増加に伴う電力需要拡大を背景とした脱炭素・電力レジリエンス強化の潮流が加速する中で、HVDC*や再エネ系統の大型投資が見込まれています。 当社グループは長期視点で、送電インフラ強化需要を捉えこの領域への貢献を進め、2030年以降の持続的成長の柱も構築します。 一方で、市場環境の変動リスクが大きいため、市況をいち早く捉え即座にアクションを起こせるように、主要顧客からの信頼感を一層高め共創関係の構築を強化します。 また、生産量拡大基調でも温室効果ガス排出量は抑制されている状態が主要顧客との取引前提条件となりつつあることや、炭素税や証書購入などによるコスト増抑制のため、生産体制の強化とともに温室効果ガス排出量抑制や再エネ比率向上などにも取り組みます。 こうして足元の成長機会を確実に収益拡大につなげます。 本課題の進捗については、注力領域における事業拡大、収益性、顧客基盤、供給体制、技術開発の進捗等を総合的に確認し、成長機会の獲得と資本効率の向上につながっているかを継続的にモニタリングしています。 * HVDC(High Voltage Direct Current):長距離・大容量送電に適した高電圧直流送電方式。 データセンタ領域の圧倒的拡大に関する施策:当社グループは、データセンタ関連市場の拡大を着実に取り込むため、ヒートシンク、 DFBレーザ*チップ・モジュール、超多心RRケーブルソリューション*、高周波基板用銅箔等、データセンタ領域の製品群を中心に、供給能力の増強及び事業基盤の強化を進めています。 25中計期間中には、サーマル製品の水冷モジュール工場拡張投資(フィリピン・平塚)や、ファイテルのDFBレーザチップ工場新設投資(FFTタイ)等を決定しました。 今後も、投資効果を確認しつつ必要な投資を段階的に実施していきます。 加えて、大手クラウド事業者(ハイパースケーラー)を含む主要顧客との直接的な接点を拡大し、製品仕様の検討段階から当社の技術・製品を提案することで、採用機会の拡大及び取引関係の強化を図ります。 さらに、CPO*(光電融合)や次世代サーマル等については、需要動向を踏まえた先行的な取り組みを進め、中長期の成長機会に備えた基盤整備を行ってまいります。 * DFB(Distributed Feedback):レーザ:特定波長の安定した発振に適した半導体レーザ。 * 超多心RR(Rollable Ribbons):ケーブルソリューション:細径高密度ケーブルソリューション。 * CPO(Co-Packaged Optics):半導体と光通信部品を近接実装し高速大容量通信と低消費電力化を図る技術。 再エネ・HVDC領域の成長基盤構築に関する施策:当社グループは、データセンタにおける情報の高度化とエネルギー問題の両立にも貢献すべく、再エネ・HVDC領域における事業成長基盤の構築も進めています。 広域系統・HVDC案件の需要拡大を見据え、25中計期間中には、HVDCケーブルの国内生産拠点の新設(千葉県富津市)を決定しました。 新工場の立上げを進めるにあたっては、主要工程に係る設備投資を機動的に実施し、AI/DX技術の適用による工程の自動化等による抜本的な生産性の向上と生産能力の増強、及び超長尺直流海底ケーブルの技術確立を進めていきます。 同時に、布設・工事に係るパートナー体制の確立を進め、供給から施工までの遂行力の向上を図ります。 ② 社会課題解決に資する新しい事業への挑戦当社グループは、中長期全社戦略の実現に向け、社会課題の解決を起点として新たな事業を創出・育成し、中長期での持続的な成長を支える新たな収益源の確立を目指しております。 25中計期間中は、ソーシャルデザイン統括部の新設、IPランドスケープ*の活用、外部連携・M&A・コーポレート・ベンチャー投資の活用等により、新規事業創出に向けた基盤整備を進めました。 今後は、有望な注力テーマとして設定したスケールアップテーマ(ライフサイエンス、超電導、レーザ応用)について事業化を加速するとともに、将来のスケールアップテーマへの移行を企図するインキュベーションテーマ(グリーンLPガス他)についても事業性の仮説検証と判断ゲート管理を通じて育成を進めてまいります。 本課題の進捗については、研究開発、顧客・パートナーとの共創、事業化に向けた検証、知的財産の活用、投資判断の進捗等を確認し、将来の事業化可能性と中長期的な企業価値への貢献を見極めながら管理しています。 * IPランドスケープ:経営戦略又は事業戦略の立案に際し、(1)経営・事業情報に知財情報を取り込んだ分析を実施し、(2)その結果(現状の俯瞰・将来展望等)を経営者・事業責任者と共有すること(引用:特許庁「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究報告書」)。 スケールアップテーマ候補に関する施策:医療機器CDMO*への進化を通じて成長加速を図るライフサイエンスライフサイエンス領域では、当社グループの光・メタル技術を基盤として、医療用部材の供給にとどまらず、医療機器CDMO(開発製造受託)事業への展開を進めております。 25中計期間中は、MFオプテックスの子会社化、ISO13485*の取得、製造能力及び設計開発能力の強化等を進め、品質・開発・製造を一体で担う体制整備を推進しました。 今後は、形状記憶合金や光技術を活かして医療機器メーカーとの共創を深めるとともに、必要に応じてM&Aも活用しながら、従来にない事業成長の加速を図ってまいります。 * CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization):製品の開発から製造までを受託する事業形態。 * ISO13485:医療機器に関する品質マネジメントシステムの国際規格。 核融合関連需要と応用市場の拡大を捉える超電導超電導領域では、高温超電導(HTS)線材、HTS応用製品及び低温超電導(LTS)線材を中心に事業展開を進めております。 各国における核融合発電実現に向けた技術検証の進展に伴い、高温超電導線材の需要拡大が見込まれており、当社グループは、米国Super Power Inc.社を中心にHTS線材供給能力の拡充と高性能差別化の両立を図っております。 25中計期間中には、トカマクエナジー社への出資を通じて市場開拓を加速するとともに、コイル事業の強化や関連用途の開発を進めました。 今後は、核融合発電関連の市場創成と需要伸長に貢献し続けるとともに、高磁場マグネットや電力供給ケーブル用途等への展開を通じて適用市場の拡大を図り、事業化を加速してまいります。 インフラ保全と産業高度化の両面で市場を拓くレーザ応用レーザ応用領域では、インフラ保全向けの「インフラレーザ®」と産業用途向けレーザ装置の双方を成長機会として捉え、事業展開を進めております。 インフラレーザ®は、環境負荷が低く母材を傷めにくい高精度加工技術を特徴に、鉄道、電力、船舶等の分野で採用拡大が進んでおります。 また、日亜化学工業(株)殿との共同運営ラボ「CELL」の設置により、顧客との共創体制を強化しました。 今後は、グループ内商流も活用しながら注力市場での拡販を進めるとともに、道路・橋梁等への適用に向けた高出力機開発、海外展開、レンタル等を含む新たなビジネスモデルの構築を通じて、事業のスケールアップを図ってまいります。 インキュベーションテーマ候補に関する施策:実証を通じて商用化への移行を見極めるグリーンLPガスグリーンLPガス領域では、脱炭素化と地産地消型エネルギー供給の実現に向け、グリーンLPガス製造プロセスの事業化を目指しております。 25中計期間中は、北海道においてベンチプラント建設を進めるとともに、道内製バイオガスを原料としたフィールド実証に着手し、実証段階への移行を進めました。 今後は、実証実験を通じて技術成立性及び事業性を見極めるとともに、パートナーとの連携によりビジネスモデルの構築を進め、商用化に向けた基盤整備を進めてまいります。 新規テーマ探索と知財戦略の活用により将来の成長機会を育成するその他インキュベーション上記テーマに加え、当社グループは、中長期での収益源を継続的に創出するため、新規テーマ探索を進めております。 25中計期間中は、全テーマでのIPランドスケープ活用の他、次世代フォトニクス事業創造プロジェクトの推進等により、新規テーマの探索・選別・育成基盤を強化しました。 また、知財を単なる権利保全の手段としてではなく、市場・競争環境の把握、注力領域の見極め、外部との連携先探索、事業化シナリオの具体化に活用することで、新規事業創出の実効性向上を図っております。 加えて、コーポレート・ベンチャー投資枠を活用し、スタートアップとの出資・提携を通じて必要な技術・人材・市場接点の獲得を進めております。 現時点でその他のインキュベーションテーマとしては、ソーシャルDX(「みちてん」「てつてん」*等)やエアロ・スペース(LiDAR*、ヒートパイプ等)の育成を進めております。 今後も、事業開発・知財・研究開発・外部連携を一体的に運用しながら、将来のスケールアップテーマにつながるテーマの継続的な創出を進めてまいります。 *「みちてん」「てつてん」:当社グループ独自のソーシャルDX関連事業。 道路付帯物や鉄道沿線設備の維持管理ソリューションを提供。 * LiDAR(Light Detection and Ranging):レーザ光を用いて距離や形状を計測する技術。 〔価値創造を持続可能にする経営基盤確立〕注力領域へのリソース確保のため、全事業での製品ポートフォリオ最適化を徹底し資本効率の向上を図ってまいります。 また、労働人口減少傾向下でも事業拡大を実現するため、生産性向上や人的資本最大化に取り組み、さらにはガバナンス強化、リスク耐性の向上などにより、長期的な資本コスト低減や持続的な価値創造につながる経営基盤を強化します。 ① 事業・製品ポートフォリオの最適化市場環境の変化への対応や成長戦略の推進のため、事業や製品ごとの収益性・成長性の強化と全社視点での経営資源の最適配分を進めます。 本課題の進捗については、各事業の収益改善、資本効率、投資回収、成長領域へのリソース配分状況等を確認し、全社として最適なポートフォリオの実現に向けてモニタリングしています。 資本効率化のためのポートフォリオに関する施策:当社グループにおける多様な事業のなかで、2030年に向けて成長が加速することが見込まれるデータセンタ関連事業を注力分野と位置付け経営資源を集中するとともに、全社の事業ポートフォリオ最適化に向けた検証を不断に続けてまいります。 製品ポートフォリオについては、既存事業を中心に環境の変化を先取りした新製品の創出と低収益化・不採算化した製品の縮小・撤退を実施することで、最も良好な状態を維持し、収益の最大化を図ってまいります。 ② 労働生産性向上注力領域における事業機会獲得と事業規模拡大を、人員増加のみに依存せずに実現するため、DX/AIの活用により工場の次世代化、設備の自動化、間接業務の効率化を強力に進め、労働生産性を抜本的に向上します。 本課題の進捗については、生産体制、業務効率、設備稼働、品質、安全、人的リソースの活用状況等を総合的に確認し、成長戦略の実行力向上と収益性改善につながっているかを管理しています。 労働生産性の抜本的向上に関する施策:DXと技術をフル活用した次世代工場の実現による生産性の飛躍的向上、安全・保全機能の強化を前提とした既存設備の稼働率最大化、生産ルールやプロセス改革を通じた品質・生産性向上、生成AI活用やAIエージェント強化、作業の見直しや自動化によるスタッフ業務効率化を進めます。 また、グローバル市場における営業チャネルの最適化を図り、営業生産性の向上にも取り組んでまいります。 ③ 人的資本の最大化注力領域の急拡大に対応するため、事業戦略と人材戦略を連動させ注力領域への人員確保や組織実行力の向上を進めます。 また、ジョブ型制度導入などによりマネジメント機能を強化、パーパスの共感・行動促進、従業員エンゲージメント向上などにより、多様な人材が各々の役割期待を理解し能力を発揮して事業拡大に貢献する人的資本の最大化を進めます。 本課題の進捗については、従業員エンゲージメント、採用・配置・育成の状況、人材定着、組織課題、働きやすい職場環境の整備状況等を総合的に確認し、経営戦略と人材戦略の連動を高めています。 人的資本の最大化と組織実行力の強化に関する施策:注力領域における事業機会の獲得と事業規模拡大を実現するため、事業戦略に基づく人事戦略を計画的に進めてまいります。 具体的には、HRBP*体制に変更し人事部門が各職場へ入り込み、パフォーマンス向上に向けて注力事業の人員確保とリソースシフトを機動的に運用、生成AIと人の最適な役割分担を前提とした業務再設計等を進めていきます。 さらに、ジョブ型人材マネジメントの基盤整備を進め、事業戦略の達成に必要な役割・職務を明確化し、適材適所の人材配置や計画的な育成を行うとともに、人材の能力発揮を高めます。 また、パーパス浸透活動を「認知・理解」から「行動・体現」フェーズへ転換し、パーパスと組織や一人ひとりとのつながりを示していくことで、持続的な企業価値向上に貢献しチームで成果を上げていく人材・組織実行力の強化を図っていきます。 詳細は「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」を参照してください。 * HRBP(Human Resources Business Partner):事業部門に入り込み、人材配置・育成・組織課題解決を支援する人事機能。 ④ ガバナンスの強化、リスク耐性の向上2026年度よりCXO制を導入し、各CXOが経営者として経営全体に責任を持ちつつ、担当する経営上の重要課題の解決に向け、スピード感ある意思決定と実効性の高い取組みを推進する体制へ変更しました。 これに伴い会議体も見直し、ガバナンスを強化します。 具体的には、各CXOが責任と権限を持って諸施策を遂行するとともに、新たにCXO会議を設置し、重要案件に関する論点整理と全社的視点での議論、リスク認識を考慮した課題解決策等の検討を行います。 CXO会議の結果を経営会議に提言することで、経営会議における意思決定の迅速化及び高度化を図ります。 また、不確実性が高まる環境下においても重大リスクを顕在化させず価値創造を継続・推進するため、変化を先取りした重要リスクの特定や是正、適切なリスクテイクの促進などを行います。 役員・従業員においてはCSR行動規範の徹底を継続し、さらに、調達・生産・物流などサプライチェーン全体でも人権尊重のための人権デューディリジェンスの実施やコンプライアンス対応力強化、安全衛生・品質・情報セキュリティ等の重要リスク領域の管理水準の向上を図り、強靭かつ安定したサプライチェーンの構築に取り組みます。 以上により、安定的な事業運営を支える組織基盤の強化を図り、成長フェーズにおける迅速で適切な意思決定とリスク耐性の向上を図ります。 本課題の進捗については、事業戦略・設備投資等の実施状況や、重要リスクの識別・評価及び対応策の実施状況、内部統制・コンプライアンス・サステナビリティ関連課題の進捗等を確認し、経営会議及び取締役会においてモニタリングを行っています。 (ⅲ)執行力強化のための体制ビジョン2030実現に向けた施策・目標の解像度を高めるとともに、注力分野で勝ち切るための実行力を確保する必要があるとの認識のもと、2026年度より執行力強化に向けた組織の見直しと会議体の再設計を実施しました。 ① 事業の組み換え・新事業の部門化データセンタ事業への取組み強化と新規事業育成加速のため、より迅速な対応を可能にする執行体制に変更しました。 事業の組み換えを通じて、事業ポートフォリオを柔軟に再編し、成長領域へのリソース集中を加速します。 具体的には、ビジョン2030で掲げる社会課題ごとに領域(セグメント)として組成し、事業戦略と組織体制の整合性を高めました。 また、各領域長及び各組織に明確なミッションを設定することで、事業・製品ポートフォリオの最適化を進めます。 加えて、新規事業育成を加速し注力領域の新事業部門化により、中長期での持続的な成長を支える新たな収益源を確立します。 これらにより、収益機会の最大化、新事業の育成を実現してまいります。 ② 本部機能の事業直結化注力領域の事業収益最大化のため、経営戦略や研究開発、営業や人事機能の一部を本部から事業部門へ移管しました。 従来の本部機能は全社的な視点で全体最適を推進できる一方で、顧客ニーズや市場変化への即応性に課題がありました。 そのため、事業戦略との一体化を図り、市場や顧客起点の計画立案や製品開発、スピード感ある提案や施策実行を実現し、価値創造を拡大していきます。 ③ CXO制導入と権限移譲による執行力強化経営上の重要課題は、事業部門・本部機能・サステナビリティ・リスク管理を横断する論点であり、従来の組織単位管理のみでは責任の所在や意思決定が曖昧になりやすかったことが課題でした。 そこで、各重要課題に対して担当CXOを置き役割とミッションを明確にしました。 経営上の重要課題の解決に向け、戦略立案から実行、モニタリング、軌道修正までの執行権限と、成果指標達成の責任を各CXOが一貫して担います。 各CXOが経営者として経営全体に強い責任感を持ちグループ全体最適の視点で重要課題を解決する責任者としてこれにあたります。 また、経営会議における意思決定の迅速化及び高度化のため、CXO会議を設置し、重要案件に関する論点整理と全社的視点での議論、リスク認識を考慮した課題解決策等の検討を行います。 これにより、データセンタ領域の伸長、再エネ・HVDCの推進、新規事業育成、生産性向上・人的資本最大化・ガバナンス強化を、横串で推進してまいります。 CXOと名称CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)CFO(チーフ・フィナンシャル・オフィサー)CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)CHRO(チーフ・ヒューマンリソース・オフィサー)CPO(チーフ・プロダクティビティー・オフィサー)CSCO(チーフ・サプライチェーン・オフィサー)CGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー) ④ サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会当社グループでは、サステナビリティに関する事項と、コンプライアンス・リスクを含むリスク管理事項について、実行の質・スピードを高めることを目的に、それぞれ「サステナビリティ委員会」「リスクマネジメント委員会」を設置し議論を集約しています。 サステナビリティ委員会には、経営上の重要課題の成果指標の進捗状況確認機能を付与しました。 審議または確認した事項について経営会議へ報告、必要に応じてCXO会議へ課題提起を行います。 経営会議が必要な議論や意思決定を行い取締役会に提案・報告、取締役会による監督を受けています。 サステナビリティ委員会は、委員長を社長、副委員長をCSO、委員を全CXOで構成し、原則年に2回開催します。 リスクマネジメント委員会は、リスクアセスメント結果を踏まえたリスク評価によりリスクを俯瞰し、経営上の重要課題と関連性の強いリスクを全社的に対応すべき重要リスクと定め、サステナビリティ委員会と連携して対応しています。 また、企業の社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係の強化に向けた重要課題につながるリスクについては、個別に委員会を設置して重点的に管理しています。 リスクマネジメント委員会は、委員長を社長、副委員長をCGO、委員を経営層で構成し、当社グループのリスク管理・内部統制・コンプライアンスについての課題を審議し、監督・推進する体制をとっています。 原則年に2回開催し、その活動内容を定期的に経営会議、取締役会に報告し、取締役会による監督を受けています。 経営上の重要課題は、機会とリスク両方の影響を捉えて特定しており、想定される阻害要因や、戦略遂行に伴い発生する可能性のあるリスク等も経営上の重要課題の各施策に盛り込んで対応しています。 リスク項目を担当する各部門は、年間の取組み計画と活動実績をリスクマネジメント委員会へ半期ごとに報告し、リスクマネジメント委員会はその取組み内容について、リスク管理が適切に行われているかを評価、必要に応じて指導を行っています。 これまでも、適切なリスク認識と優先的に対応すべきリスクを見極めるために定期的にリスクアセスメントを実施し、それらを通じて経営視点とオペレーショナル視点でリスクを俯瞰して全社的に対応すべき重要リスクを定め取り組んでまいりましたが、加えて、経営上の重要課題の各施策の達成、成果指標の進捗確認も行うことで、一層のリスクマネジメントに取り組んでまいります。 詳細については、「4[コーポレートガバナンスの状況等]」を参照してください。 また、気候関連、人的資本のリスクマネジメント及びリスクマネジメント委員会の詳細についてはそれぞれ「2[サステナビリティに関する考え方及び取組]」「3[事業等のリスク]」を参照してください。 (3)2030年度財務到達水準、資本政策2030年度財務到達水準は、営業利益2,500億円、自己資本利益率(ROE)20%、投下資本利益率(ROIC)15%としています。 パーパスを軸とした経営戦略のもと、データセンタ市場の伸張に合わせて関連事業を中心とした成長分野への投資を加速していきます。 投下資本利益額(FVA*)をモニターしながら事業・製品ポートフォリオが常に最適化された状態を目指し、営業利益水準やROE、ROICのさらなる向上を目指します。 なお、経営環境、財務状況を継続的に点検することで、その変化を経営上の重要課題に対する各施策の優先順位や資本配分に適切に反映し、必要に応じて、財務到達水準も見直してまいります。 * FVA(Furukawa Value Added):EVAを当社向けにアレンジし、社内管理指標として2022年度より導入。 〔2030年度財務到達水準〕 営業利益 2,500億円ROE 20%ROIC 15% (ご参考)2028年度の営業利益・営業利益率の見通し ※ データセンタ関連事業には、Lightera、サーマル、ファイテル、AT(半導体製造用テープ)、MD(メモリーディスク)、銅箔、光電融合デバイスが含まれます。 〔資本政策〕2030年度までの5年間合計の投資額は6,500億円(うち注力分野投資は5,000億円)を予定しています。 また、フリーキャッシュフローは5年間合計2,400億円です。 2026、2027年度については、大型投資の実行のため一時的に資金調達が拡大する見込みですが、2030年度以降は、先行投資分の刈り取り等を踏まえて投下資本の増加を抑制しつつ収益性を高めます。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 本章は、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載した経営戦略のうち、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、重要性の高いテーマごとに詳細に記載するものです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「当社グループのパーパスに基づき、収益機会とリスクを踏まえて設定した経営上の重要課題に取り組み、社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指す」をサステナビリティ基本方針に掲げています。 サステナビリティを単なるESG対応の“義務”ではなく“競争力の源泉”と捉え、社会課題の解決を通じて持続的な成長と企業価値を向上することと位置づけています。 2026年度からのパーパスを軸とした経営戦略のなかで、経営上の重要課題に取り組み、ビジョン2030の実現及び中長期的な企業価値向上を目指します。 このような考えのもと、当社グループの事業環境及び中長期的な経営への影響の観点から、サステナビリティ関連のリスク及び機会のうち重要性が高い事項について検討を行い、重要テーマを「気候変動」及び「人的資本」と判断し、取組みを推進しています。 具体的には以下に記載のとおりです。 なお、今後、サステナビリティ関連財務開示の高度化を見据え、段階的に整理を進めてまいります。 ※ サステナビリティ基本方針、経営上の重要課題の取組み等の詳細は、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」を参照してください。 ※ サステナビリティに関する詳細は、WEB「サステナビリティ」等を参照してください。 (1)気候変動当社グループは、気候関連のリスク及び機会が将来の財務の状況等に重要な影響を与えうると判断し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示を行っています。 また、当社グループでは長期の環境課題を認識し、課題解決に向けた取組みを推進するため「古河電工グループ環境ビジョン2050」を定め、「バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指す」ことを掲げています。 この環境ビジョン2050の実現と当社グループの持続的な成長を両立するため、気候移行計画の策定に着手しています。 今後も、気候関連の財務情報開示を継続的に充実させ、ステークホルダーの皆様との信頼関係の強化に繋げていきます。 ① ガバナンス気候関連のリスク及び機会については、経営会議及び取締役会での議論を経て策定した当社グループの経営上の重要課題「情報をベースとした社会基盤の創出」等に織り込み、経営戦略に明確に組み込みました。 この実行体制として、25中計まで気候関連の取組みを担っていた環境部とサステナビリティ推進室を経営企画部に統合(経営企画部サステナビリティ推進室を組成)し、経営戦略として一括で推進しています。 なお、サステナビリティ委員会においては、経営上の重要課題の成果指標を定点観測する機能を新たに付与し、温室効果ガス排出量削減等の活動を含むリスク及び機会への対応状況を確認しています。 また、経営上の重要課題については、当社グループの経営に関する重要事項について審議する機関である経営会議において定期的に報告・審議されています。 一方で、引き続き、リスクマネジメント委員会においては、事業等のリスク項目として「気候変動(カーボンニュートラル)」を設定しサステナビリティ委員会と連携して対応しているほか、物理リスクへの対応はリスクマネジメント委員会の特別委員会である中央防災・BCM推進委員会で自然災害等のリスク発生後の事業継続対策について定期的に議論されています。 なお、気候変動関連の業務執行状況は、取締役会に四半期ごとに報告・共有し、取締役会による監督を受けています。 詳細については、「4[コーポレートガバナンスの状況等]」を参照してください。 ② 戦略<古河電工グループの気候関連リスク及び機会の認識>当社グループは、将来の気候変動によるリスクや機会を多角的に把握し、経営判断や戦略策定に反映するため、事業ごとにシナリオ分析を実施しています。 2019年度から2025年度までに主要事業のシナリオ分析を完了し、事業ごとに特定した気候関連リスク及び機会のうち当社グループ全体の見通しに影響を与える可能性があるものは、リスクと収益機会の両面でビジョン2030実現に向けた経営上の重要課題に織り込まれています。 <シナリオ群の選択>国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、2021年度までは「2℃以下シナリオ」と「4℃シナリオ」の検討を進めてきました。 2022年度からは、2050年カーボンニュートラルへの取組みを加速するため、環境目標2030を改定し、SBT1.5℃認定にも申請したことに伴い、選択するシナリオを「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」に見直しました。 2025年度からは気候移行計画策定におけるシナリオ分析で使用する「1.5℃シナリオ」と「2℃以上シナリオ」に見直しました。 1.5℃シナリオ・IEA World Energy Outlookの NZE・IPCC RCP 2.6※2℃以上シナリオ・IEA World Energy Outlookの STEPS・IPCC RCP 8.5 ※ 1.5℃シナリオに基づき財務的影響を算定する際、記載されたシナリオのパラメーターが存在しない場合は、記載シナリオに最も近いシナリオのパラメーターを代替として使用しています。 <気候関連リスク及び機会の期間の定義>短期2028年度まで経営管理で使用する3年間のローリング期間中期2030年度までビジョン2030、環境目標2030達成年度長期2050年度まで環境ビジョン2050達成年度 <当社グループ全体に影響する気候関連リスク及び機会>区分気候関連リスク・機会の項目発現時期2030年における事業への影響度1.5℃2℃以上リスク移行リスク政策・規制カーボンプライシング適用によるコストの増加(自社、サプライチェーン)中~長期大小市 場再エネ調達コストの増加中~長期大小物理リスク急 性異常気象による大規模災害(大型台風、豪雨、豪雪、落雷)による建物被害気候災害等による納入先、調達先のサプライチェーンの寸断中~長期小小洪水・渇水による沿岸部工場の操業停止中~長期中大慢 性平均気温上昇による空調コストの増加中~長期中大機会市 場データセンタの消費電力低減に対する要求の高まりによる関連製品の売上・収益増短~中期大大自動車の電動化の進展に伴う軽量化及び高圧対応製品需要増加による売上・収益増大中再エネの普及及び電力需要増加に伴う基幹系送電網増強、電力ケーブル需要増加による売上・収益増大中製品及びサービスカーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミー対応要請に伴う低・脱炭素化製品、リサイクル製品の要求増による販売増中~長期大中次世代エネルギー導入拡大に向けた技術開発長期--光電融合導入拡大に向けた技術開発長期-- <気候関連リスク及び機会への対応戦略>i)移行リスク – カーボンプライシングへの対応気候変動リスクのうち移行リスクとして、自社やサプライチェーンにおいて炭素税や排出量取引制度等のカーボンプライシングが適用されることにより製品製造時のコストが増加する可能性があります。 これらのリスクに対応するため、環境目標2030及び環境ビジョン2050に脱炭素目標を定め、温室効果ガス排出量の着実な削減を推進しています。 2024年11月には環境ビジョン2050を改定し、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指すことを目標に掲げています。 また、環境目標2030においてはSBTイニシアチブ(SBTi)のガイダンスに基づき温室効果ガス排出量(スコープ1、2並びにスコープ3)削減の目標を設定し、SBT1.5℃の認定を取得しています。 事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の削減当社グループの収益機会として注力する「データセンタ領域」「再エネ・HVDC領域」の2つの領域においては、市場拡大に伴う製品需要の増加に対応するため供給能力の増強が予定されていますが、それに伴い温室効果ガス排出量(スコープ1、2)が増加しカーボンプライシングの影響によるリスク増大が懸念されます。 温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の削減は、2050年ネットゼロに向けたロードマップを策定し、取組みを推進しています。 経営上の重要課題「情報をベースとした社会基盤の創出」等による事業成長に伴い温室効果ガス排出量(スコープ1、2)が一定程度増加することが見込まれるのに対し、経営上の重要課題「労働生産性の向上」に対する施策において工場の次世代化、設備の自動化により労働生産性の向上のみならず、エネルギー効率の向上やエネルギー利用の最適化による一定の温室効果ガス排出量削減効果を見込んでいます。 更に、2050年ネットゼロの達成に向けては、再生可能エネルギーの積極的な利活用が不可欠であり、再生可能エネルギーの利用比率向上に向けた取組み(水力発電の活用、太陽光発電設備の設置、再生可能エネルギー由来電力の導入)を進めています。 バリューチェーンの温室効果ガス排出量(スコープ3)の削減当社グループのバリューチェーン排出量(スコープ3)のうち割合の高いカテゴリーは、カテゴリー1「購入した製品・サービス」及びカテゴリー11「販売した製品の使用」です。 このうち、カテゴリー1については当社グループ製品の原材料として使用量の多い「銅」「アルミ」「樹脂」をターゲットとし、「自社における削減努力」と「供給パートナーに対する働きかけ」の両面からアプローチを行っています。 自社においては、新材料使用量を削減し、再生材の活用を推進しています。 これまでにも当社グループの強みである「メタル」及び「ポリマー」の技術力を活かし、リサイクル材を使用した製品の開発、製造及び販売を行ってきました。 2025年度にはリサイクルや省資源化技術の研究開発を行うハブとしてサーキュラーエコノミーデザインセンターを設置し研究開発の取組みを推進しています。 供給パートナーに対しては、温室効果ガス排出量の算定及び削減の働きかけを行い、CSR調達ガイドラインに基づく自己評価調査票(SAQ)と併せて実施するアンケートにより購入製品に係る排出量データの把握に努めています。 さらに、原材料である「銅」「アルミ」「樹脂」の供給パートナーのうち当社グループへの供給量の多いパートナー(※)と対話を行い、気候変動に対する取組みについて意見交換を行っています。 ※ 当社グループでは、お取引先様を、価値を共創する「パートナー」とお呼びしています。 ii)移行リスク – 再エネ調達コスト増加への対応当社グループで利用している再生可能エネルギーの大部分を、再生可能エネルギー電力メニューの利用及び電力非化石証書の購入が占めています。 これらの手法は、比較的柔軟に調達可能である一方、社会全体での脱炭素化の進展に伴い需要が増加することで、価格上昇や調達困難となるリスクがあると認識しています。 加えて、温室効果ガス(GHG)プロトコルの改訂に向けた議論の中では、証書利用に関する同時同量性や供給可能性といった観点が示されており、従来の手法による温室効果ガス排出量削減の取扱いに関する考え方が見直される可能性もあります。 こうした外部環境の変化を踏まえ、当社グループでは、製造拠点を置く国・地域におけるエネルギー政策や制度、再生可能エネルギーの需給動向、国際的な基準改訂の議論状況等を継続的に把握し、価格変動リスクや制度変更リスクに適切に対応できる体制の整備を進めています。 事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の削減に向けては、エネルギーコストの中長期的な安定性や事業特性との整合を考慮しつつ、再エネ調達ポートフォリオの多様化を検討しており、2030年以降を見据えて、再生可能エネルギー電力メニュー及び電力非化石証書への依存度を段階的に低減し、水力発電・太陽光発電を中心とした自社設備の活用や、風力発電等を対象としたPPAの活用を組み合わせていくことを想定しています。 こうした背景を踏まえ、25中計の期間において「データセンタ領域」及び「自動車電装システム領域」の一部製造拠点においてはPPAによる太陽光発電を導入しています。 引き続き、古河日光発電(株)の水力発電設備や各製造拠点に設置した太陽光発電設備の安定的な運用を継続するとともに、PPAを含む多様な再生可能エネルギー調達手法について、事業戦略との整合や財務面での影響を踏まえながら、検討・準備を進めてまいります。 iii)物理リスク – 異常気象、気候災害への対応世界の気温上昇に伴いリスクが高まる気候関連災害による操業停止やサプライチェーン寸断等のリスクは、全社リスクマネジメントにおいてオペレーショナル視点のリスク「災害・感染症等の影響」として管理されています。 全社リスクマネジメント体制のもと、ISO22301による事業継続マネジメント(BCM)の促進や事業継続計画の策定・ブラッシュアップ等の施策を推進しています。 詳しくは、3[事業等のリスク]を参照してください。 iv)気候関連機会への対応26年度以降の価値創造戦略において、当社グループはデータセンタ関連市場を重要な収益機会と捉えています。 加えて、より長期的な収益機会として、脱炭素及び電力レジリエンス強化に伴う送電インフラの需要の増加を捉えています。 これらの収益機会には、気候関連で拡大する機会の考え方が包含されており、事業戦略の中で対応しています。 データセンタ領域においてはデータセンタの低消費電力化に貢献する製品として、当社グループの高出力・低消費電力技術を活かしたファイテル製品や光ファイバ・ケーブル製品、GPU等の高発熱化に対応するサーマル製品や高密度化に対応するAT製品を気候関連機会として認識しています。 また、再エネ・HVDC領域においては洋上風力向け海底ケーブルシステム及び直流送電システムを、新事業領域においてはエネルギー問題を解決する革新的な技術として核融合発電における超電導製品や、グリーンLPGも気候関連機会として捉えています。 これらの機会において主要顧客との共創関係の構築にあたり、顧客のカーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーへの対応要請にも確実に応えることで、当社グループへの信頼感の醸成と競争優位性の確保・向上を図ってまいります。 当社グループでは、製品のライフサイクル全体を総合的に評価し、環境負荷の低減に寄与する、又は良い環境影響を与える製品・サービスを「環境調和製品」と定義し、登録件数及び売上高比率の拡大に取り組んできました。 26年度以降は、製品のカーボンフットプリント算定を行い、その低減を目指す「環境配慮設計」の取組みへと転換します。 これにより、製品のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に把握するとともに、製品の特性や顧客の要求水準に応じた設計・材料・製造プロセスの改善を可能とし、自己宣言型の環境主張に基づく取組みから、顧客視点での製品の環境性能向上に向けた取組みへと進化させていきます。 成長分野への取組みを推進するにあたり、当社グループでは、日本国のGX戦略における成長志向型カーボンプライシング構想を踏まえ、経済産業省やNEDO等によるGX投資関連補助金の活用についても検討しています。 これにより、脱炭素化に資する設備投資や技術開発を進めながら、資金負担の軽減や投資効率の向上を図ることを想定しています。 あわせて、当社グループはGXリーグに参画し、排出量取引制度を含むカーボンプライシング関連政策やエネルギー・環境分野の制度動向を継続的に注視しています。 これらの動向を踏まえ、気候関連リスクと機会を一体として捉え、事業機会の創出とリスク低減の両立を図ってまいります。 ③ リスク管理<気候関連リスク及び機会の特定>気候関連リスク及び機会の特定に当たっては、事業ごとにシナリオ分析を実施しており、事業戦略及び計画をベースラインとして、Step1~Step3のプロセスで行っています。 まず、Step1では「外部情報」と「内部情報」を参考に、当社グループのみならずバリューチェーン全体での気候関連リスクと機会の項目リストを作成します。 Step2では洗い出した項目に対して、「当社グループに与える影響度」を点数化し優先順位を付けます。 Step3で、優先度の高い項目を気候関連リスク・機会の項目として特定します。 特定した気候関連リスク・機会の項目は1.5℃シナリオや2℃以上シナリオにおける影響パラメーターを用いて、2030年度における事業への影響度評価を行います。 事業ごとに特定した気候関連リスク及び機会は当該事業領域を管掌する領域長のほか、CSO及びCGOに報告されています。 なお、26年度以降の価値創造戦略の策定に伴い、「外部情報」及び「内部情報」を最新の情報に更新し、環境ビジョン2050に掲げるネットゼロ目標達成に向けた気候移行計画の策定において事業ごとのシナリオ分析を再実施し気候関連リスク及び機会の見直しを行っています。 <気候関連リスク及び機会の管理>「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2並びにスコープ3)」及び「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」はビジョン2030実現に向けた経営上の重要課題「情報をベースとした社会基盤の創出」に関連する指標としてサステナビリティ委員会にて指標の進捗状況と対応策をフォローしています。 気候関連リスクのうち自社にかかるカーボンプライシングによるリスクの管理に当たってはインターナルカーボンプライシング(Shadow price)を活用しています。 2019年度から事業部門ごとの温室効果ガス排出量を炭素価格(2025年度は2万円/トンCO2eを適用)によって試算し、四半期ごとの評価・掲示効果により、脱炭素化に向けた気候変動リスク回避への準備を促しています。 また、2023年度より、各事業部門が温室効果ガス排出量目標に対して未達成となった場合、再生可能エネルギー調達コスト増加分を各事業部門で負担するルールを定め、目標に達しない見込みの事業部門に対して再生可能エネルギーの導入計画の策定を促進しています。 <全社経営戦略・全社リスクマネジメントへの統合>当社グループはパーパスに基づくサステナビリティ経営を実践するにあたり、気候変動を含むサステナビリティ関連リスク及び機会を踏まえビジョン2030実現のための経営上の重要課題を特定しています。 詳細については、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](2)経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」を参照してください。 当社グループ全体のリスク管理において、「気候変動(カーボンニュートラル)」は経営視点でのリスク項目として掲げております。 詳細については、「3 [事業等のリスク]」を参照してください。 ④ 指標と目標<古河電工グループ環境ビジョン2050>(2024年11月改定)環境ビジョン2050では、環境に配慮した製品・サービスの提供及び循環型生産活動を通じ、バリューチェーン全体で持続可能な社会の実現に貢献することを掲げています。 脱炭素社会への貢献としては、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指しています。 <環境目標2030>(2022年11月改定)環境ビジョン2050の実現に向け、マイルストンとなる環境目標2030を設定しています。 脱炭素社会への貢献として、以下の2030年目標を掲げています。 (1)事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2) :2021年度比42%以上削減(2)バリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3):2021年度比25%以上削減スコープ1:自社工場・オフィスからの直接排出スコープ2:自社が購入した電力、熱等の使用による間接排出スコープ3:スコープ1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出) なお、当社グループの2030年温室効果ガス削減目標は、SBT(Science Based Targets, 科学的知見と整合した温室効果ガス排出量削減目標)1.5℃認定を、2023年7月に取得しています。 これは、パリ協定(※)が目指す「世界の平均気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑える努力をする」を達成する上で、当社グループの目標が科学的根拠に基づいていると認定されたものです。 ※ パリ協定:2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において採択された、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際的な協定。 <25中計におけるサステナビリティ指標・目標の実績>25中計においては、収益機会のマテリアリティ「社会課題解決型事業の創出(環境配慮事業)」のサステナビリティ指標として「環境調和製品売上高比率」を、リスクのマテリアリティ「気候変動に配慮したビジネス活動の展開」のサステナビリティ指標として「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)」及び「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」をそれぞれ設定し取り組んでまいりました。 「環境調和製品売上高比率」の向上に当たっては、2022年度以降4つの認定分類(※)のうち主に「地球温暖化防止(温室効果ガス排出の低減及び吸収・固定に寄与する機能を有する製品)」に分類される製品の登録を進めた結果、2025年度の目標を達成しました。 「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)」及び「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」については、主に再生可能エネルギーの導入を進めました。 導入した再生可能エネルギーは、電力会社が提供する再エネ電力メニューへの切り替えと非化石証書の購入が中心です。 特に「データセンタ領域」及び「再エネ・HVDC領域」に関連する事業での再エネ導入が進み、当該領域向け製品の一部製造拠点では消費電力の100%再エネ化を達成しています。 これらの結果、「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)」及び「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」の2025年度目標は大幅に達成の見込みです。 「温室効果ガス排出削減率(スコープ3)については、2025年度については排出量を算定中でありますが、2024年度実績はほぼ目標どおりに削減を進めており2030年目標を目指して引き続き削減を進めてまいります。 ※ 当社グループの環境調和製品は、「地球温暖化防止」「ゼロエミッション」「環境影響物質フリー」「省資源」の4つの分類のいずれかに該当します。 <2026年度以降の指標・目標> 2026年度以降も環境目標2030に掲げる温室効果ガス排出量削減率目標(スコープ1、2並びにスコープ3)、並びに電力消費量に占める再生可能エネルギー比率を指標に設定し、2030年時点で温室効果ガス排出量をスコープ1、2は2021年度比42%削減、スコープ3は同年度比25%削減、再エネ比率は50%以上を目指します。 2025年度実績において、スコープ1、2が環境目標2030の水準に到達する見込みですが、2026年度以降の事業成長に伴う排出量の大幅な増加の可能性や温室効果ガス(GHG)プロトコル改正議論の状況を鑑み2030年度目標を据え置いています。 一方で、環境目標2030の水準に達成後も引き続き環境ビジョン2050の達成に向けて着実に温室効果ガス排出量の削減及び再生可能エネルギーの導入を推進するために、2030年度より先のマイルストンとして2035年度目標である「古河電工グループ温室効果ガス削減目標2035」を設定しました。 指標(★:25中計サステナビリティ指標)範囲基準年度実績目標ビジョン2024年度2025年度2025年度2026年度2030年度2035年度2050年度★温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)※1グループ2021△34.8%△44%(見込)△18.7%△23.4%△42%△63%ネットゼロ温室効果ガス排出量削減率(スコープ3)グループ2021△8.8%(算定中)△11.1%△13.9%△25%△38%★電力消費量に占める再生可能エネルギー比率グループ-39.6%53%(見込)30%34%50%70%-★環境調和製品売上高比率 ※2グループ-74.0%72.1%70%---- ※1 当社グループが排出する温室効果ガスは、主にエネルギー起源による二酸化炭素(CO2)と六フッ化硫黄(SF6)です。 ※2 「環境調和製品売上高比率」指標については、25中計での目標を達成し経営指標としての管理や目標設定を終了しました。 今後は自己宣言型の環境主張に基づく取組みから、顧客視点での製品の環境性能向上に向けた取組みへと進化させていきます。 (2)人的資本(人材の多様性を含む。 )当社グループは、古河電工グループ パーパス(以下、パーパス)「『つづく』をつくり、世界を明るくする。 」を軸とした経営を推進しています。 パーパスは、「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、ビジョン2030)に向けた全社戦略及び全ての経営判断・戦略立案の起点となる概念です。 こうした考え方のもと、人的資本に関するリスク及び機会を踏まえた上で、経営上の重要課題のひとつである人的資本の最大化を図るための施策に取り組んでいます。 ① ガバナンス「人的資本の最大化」は価値創造を持続可能にする経営基盤確立に向けた重要課題であることから、人事戦略の立案・遂行の責任者としてCHROを置くとともに、その内容について経営会議にて討議・決議を行っています。 また、経営課題に直結する個別テーマについては、社長又はCHROを委員長とした委員会を設置し、戦略の策定と活動計画の決定、施策の実行を推進しています。 具体的には、高度な専門性を持つ人材を認定する「プロフェッショナル任用委員会」、働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンを促進する「HK(※1)・D&I(※2)委員会」、労働安全衛生に関する「古河電工グループ安全衛生委員会」を設置・開催しています。 こうした業務の執行状況については、取締役会に定期的に報告し、その監督を受けています。 ※1 HKは働き方改革の略称です。 ※2 D&Iはダイバーシティ&インクルージョンの略称です。 当社グループでは、従来のD&I活動で重視してきた「誰もが成長・実践の機会にアクセスできる=公平性」を踏まえて、2026年4月よりエクイティ(Equity)を明記し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)として取組みを進めています。 <当社グループの主な人事課題に対するガバナンス体制(※)> ※ 当社は2026年4月に実施した組織変更及びCXO制の導入を踏まえ、会議体・委員会の機能・役割の最適化に向けた見直しを進めています。 ② 戦略当社グループにおける人的資本に関する施策は、グループ全体で共有するパーパス及び経営方針を基盤とし、各社の事業特性、所在国の法律・制度及び労働市場環境等の違いを踏まえた上で、主体的に設計・運用しています。 本項では、当社における代表的な取組みを中心に記載していますが、これらの取組みは当社が主導して推進しているものであり、グループ各社においても同様の考え方のもと、各社の実情に応じて施策を展開しています。 <ビジョン2030における人材マネジメント戦略>当社グループでは、経営上の重要課題のひとつである「人的資本の最大化」を実現するため、人材・組織実行力(人と組織のやりきる力)の強化を人材マネジメント戦略の中核と位置づけています。 経営戦略・事業戦略の実行にあたり、対話を通じて個人と組織の成長ベクトルをすり合わせることで、実行力の向上を図り、社会課題の解決及びビジョン2030の実現につなげていきます(下図)。 多様な事業内容や市場環境、収益構造を有する当社グループは、戦略遂行に必要な人材を確保・配置するとともに、その成長を組織として支援することで、一人ひとりがやりがいを持って活躍し続けられる組織風土の醸成を目指しています。 こうした人と組織のありたい姿の実現に向け、経営上の重要課題の解決に資する人事施策をNeeds・Can・Willの3つの要素で捉え、具体的な活動に取り組んでいます(表1・表2)。 (表1)Needs・Can・Willの3要素についてNeeds・Can・Willとはありたい姿1)Needsを共有組織は、個人が活躍していく場を、役割や機能、組織、取り扱う情報の編成を通じて明確に示し、個人はそれを理解できる。 ・事業戦略遂行に必要な人材(当社グループが誠実に磨き続けてきた技術力と提案力を活かして、社会課題解決を起点とした事業創出や価値創造に向けて積極的に変革できる人材)が確保されている状態。 ・公平性の高い人事制度が公正かつ適切に運用されている状態。 2)Canを増やす組織は、個人が活躍していくための成長を支援し(知識や経験を得る機会の提供)、個人は自律的なキャリアを描き、自ら学ぶ。 ・事業戦略遂行の観点から必要とされるキャリアパスや能力・スキルを明示し、一人ひとりがキャリアゴールを明確に描き、自律的な学びを通じて成長できる状態。 ・当社グループの技術力と提案力を通じて顧客と共創し、顧客の課題解決と当社グループの収益拡大の両立を実現できる人材が育成されている状態。 3)Willを高める個人がその場に魅力を感じ、やりがいを得て、さらに成長し、活躍していく。 ・個人が当社グループのパーパスに共感し、成長し、活躍し続けたいと思えるようなエンゲージメントの高い組織風土が醸成されている状態。 ・人の成長・活躍をチームとしての成果へ繋げるリーダーシップが発揮され、チームマインドが醸成されている状態。 (表2)3要素2025年度の主な課題・主な取組み内容1)Needsを共有・事業戦略の遂行に必要な人材確保及び育成を目的として、サクセッションプラン及び育成計画の策定・実行に継続して取り組みました。 経営人材については、外部アセスメントを活用した人材プールの形成や外部研修への派遣を進めるとともに、育成計画に基づくタフアサインメントを含む計画的な異動を進めています。 ・事業環境の急激な変化(データセンタ需要の急拡大)に伴う注力領域への人材確保の課題に対し、社内公募制度等を通じた人員シフトに取り組みました。 あわせて、注力領域を中心とした採用ニーズに柔軟かつ迅速に対応できるよう、キャリア採用活動の改善を行うとともに、新規入社者の早期戦力化を目的としてオンボーディングの強化に取り組みました。 ・2026年度のジョブ型人事制度導入に向け、現行制度の分析や制度設計の検討等の準備に取り組みました。 具体的には、事業戦略の達成に必要な役割・機能の整理や、職務要件定義書の作成や処遇のあり方の整理を進めました。 ・「人権・労働慣行」及び労務分野に関するリスクについて、人権尊重に対する企業の責任を果たすため、古河電工グループ人権方針に基づいた事業活動の推進、人権デューディリジェンスを実施しています。 また、内部通報やコンプライアンス意識調査の結果を分析し、必要な改善策を実施しています。 2)Canを増やす・従来の階層別中心の教育体系を見直し、より多くの個人が主体的に知識・スキルを獲得できるよう、キャリア自律支援及びリスキリング(※)に関する取組みを継続しています。 ※ リスキリングの定義:新規・既存を問わず、業務遂行において必要な知識及びスキルを自律的に学ぶこと。 3)Willを高める・多様な個人がパーパスに共感し、能力・技術を発揮し続けられるよう、理念浸透、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進及びエンゲージメント向上に取り組みました。 ・「チームで成果を上げる」組織の実現を目指し、2020年に定めた「古河電工流上司心得七則(フルカワセブン)」を進化させ、上司に求められる行動様式として整理した「フルカワ・リーダーズコンピテンシー」を策定しました。 <当社グループ全体に影響する人的資本関連リスク及び機会>リスク及び機会リスク及び機会が顕在化した際に発生する事業戦略への影響と財務的影響※1発現時期※2指標()は範囲2030年度目標2025年度実績1)リスク注力領域(データセンタ関連等)における専門人材の不足により、案件獲得機会の逸失や品質低下による収益性悪化、並びに人員負荷や離職の増加につながるリスク(事業戦略への影響)・将来案件の受注競争力低下(受注単価や案件獲得率)・従業員の生産性低下・労働環境悪化による離職増加・安全意識の低下 (財務的影響)・事業機会の喪失・品質低下に伴う返品・改修等による追加コストの発生や収益機会の逸失による収益性悪化・フリーキャッシュフローの不安定化(採用・教育コスト先行)短期 従業員エンゲージメントスコア(グループ)※3 管理職層に占める女性比率(単体)※4 男性育休取得率(単体)※5 81 10% 100% 76 6.3% 95.1%2)機会パーパスの浸透により、判断軸の共有と日常業務における行動の変化が進み、従業員エンゲージメントの向上につながる機会(事業戦略への影響)・パーパスを判断軸とした意思決定や行動の浸透による、組織内の方向性の統一・事業戦略と日常業務との結び付きの明確化 (財務的影響)・従業員の定着率向上による採用・育成コストの抑制中期3)機会人材・組織実行力の強化により、事業遂行力が高まり、生産性向上や新規事業・新製品創出につながる機会(事業戦略への影響)・イノベーションの促進・新規事業創出や新規製品の増加・事業運営のレジリエンス強化 (財務的影響)・営業利益率の改善・従業員の定着率向上による採用・育成コストの抑制短期~中期 ※1 財務的影響について、当該リスク又は機会が顕在化した場合、事業機会の喪失や新たな事業創出・価値創造を通じた売上機会の拡大等が考えられますが、現時点ではその影響度を合理的に見積もることが困難であるため、定量的な数値情報は記載していません。 ※2 短期:1~3年(2028年まで)・中期:5年(2030年まで)と定義しています。 ※3 人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ」における総合指標である「従業員エンゲージメント」スコアを指標・目標に設定しています。 「人材・組織実行力」の構成要素である13のカテゴリー(企業理念、リーダーシップ、業務運営体制、コミュニケーション、ダイバーシティ、タレントマネジメント等)から測定しています。 ※4、※5 当該指標は、生産性向上に関するリスク及び機会を直接的に測定するものではありませんが、労働環境の改善や人材マネジメント上の取組みが進展した結果として現れるアウトカムの一つと位置づけています。 社会的要請も踏まえ、当社では重要な参考指標として継続的に管理しています。 <リスク及び機会への対応戦略>以下に記載する対応戦略は主に当社を中心に推進している取組みであり、グループ会社においては各社の事業特性や人材構成等を踏まえ、同様の考え方のもと個別に施策の立案・実行を行っています。 1)注力領域(データセンタ関連等)における専門人材の不足により、案件獲得機会の逸失や品質低下による収益性悪化、並びに人員負荷や離職の増加につながるリスクへの対応戦略 2025年度は、注力領域における専門人材不足への対応として、採用数の確保にとどまらず「必要な人材を、必要なタイミングで、早期に戦力化する」ことを目的に、人材採用力及びオンボーディングの強化に取り組みました。 キャリア採用については、これまでの人材紹介型の採用から、ポジション別にターゲティングを行う能動的な採用手法へ転換しました。 ダイレクトソーシングの活用拡大、リファラル採用及びリターン雇用を通じて、採用コストの抑制と定着確度の高い人材獲得の両立を図りました。 あわせて、事業戦略の遂行に必要な専門性の高い人材(プロフェッショナル人材)の採用にも注力しました。 これらの取組みに関連する採用プロセスについては、標準化・迅速化を進め、期中で変動する採用ニーズにも柔軟に対応できる運用体制を整備しました。 新卒採用については、将来に向けた人材基盤の強化を目的として、学生に対して入社後に担う職務内容や配属先となる事業の役割・特徴を具体的に説明し、入社後のミスマッチ低減と定着を重視した採用へシフトするとともに、入社後面談等のオンボーディングを強化しました。 これらの取組みは2026年度以降も継続して推進していきます。 2)パーパスの浸透により、判断の共有と日常業務における行動の変化が進み、従業員エンゲージメントの向上につながる機会への対応戦略 パーパスの浸透段階を「認知・理解」と「行動・体現」の2つのフェーズに分解し、浸透活動を展開するとともに、人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ」を活用して浸透状況を定量的に把握・可視化しています。 2024年度末に実施した従業員のパーパス認知度調査(2025年1月)の結果、パーパスに対する「認知・理解」が十分とはいえない状況が確認されました。 また、国内グループ会社及び当社の直接部門においては、「行動・体現」に関する回答が限定的であり、業務上の意思決定や行動との結び付きに伸びしろがあることを確認しました。 その後、2025年6月の調査結果では、「認知・理解」は一定の改善が見られたものの、依然として不十分な水準であり、「行動・体現」は当社が目標として掲げる50%水準には到達していませんでした。 これらの結果から、パーパスの内容自体は理解され始めている一方で、日常業務や現場において、どのようにパーパスを判断軸として用い、従業員一人ひとりの業務と結び付けていくかが十分に明確になっておらず、「認知・理解」と「行動・体現」のフェーズ間にギャップが存在していることが課題として認識されました。 こうした結果を踏まえ、2025年度は「認知・理解」の底上げを目的とした取組みを重点的に実施しました。 具体的には、パーパス紹介動画の制作・配信や社内イントラネット上での特設ページ公開、管理職向けガイドラインの発信、ポスターやクレドカードの配付等、多様なチャネルを通じた情報提供を行いました。 あわせて、部長層以上を対象とした理解浸透ワークショップの実施や、経営層によるメッセージ発信を通じ、パーパスへの理解促進に取り組みました。 2026年度以降は、パーパス浸透活動を「行動・体現」フェーズへと段階的に移行します。 具体的には、理解浸透ワークショップを課長層へ拡大するとともに、パーパスを起点とした部門方針・課題設定から個人目標設定への接続、並びに日常のマネジメントや対話の場面において、パーパスの視点を組み込む取組みを進めていきます。 これらの取組みを通じてパーパスを判断軸とした意思決定や行動が広がることで、従業員エンゲージメントの向上につながる機会になると捉えています。 3)人材・組織実行力の強化により、事業遂行力が高まり、生産性向上や新規事業・新製品創出につながる機会への対応戦略 人材・組織実行力(人と組織のやりきる力)の強化を人材マネジメント戦略の中核と位置づけ、従業員一人ひとりの自律的な学習と能力発揮を支える基盤づくり及び管理職層のマネジメント力向上に取り組んでいます。 2025年度は、リスキリング(※1)の考え方のもと、従来の集合型・画一的な研修に加え、従業員が自身の業務や課題に応じて、いつでも・どこでも主体的に必要な知識・スキルを学べる環境整備に継続して取り組みました。 具体的には、Eラーニングシステムを活用し、個人の自律的な学びや成長を継続的に支援しています。 また、2026年度のジョブ型人事制度導入に向けて、事業戦略の達成に必要な機能・役割及び職務の整理を進めるとともに、それらに求められるスキルの可視化に向けた検討を開始しました。 管理職層のマネジメント力強化については、階層別研修カリキュラムの刷新に向けた検討を行いました。 2026年度以降は、従業員一人ひとりが自身に求められる役割や能力を理解したうえで、自律的に学習できる環境整備に継続して取り組みます。 管理職層については、フルカワ・リーダーズコンピテンシーを軸に、事業戦略の遂行に必要なスキルを各種研修の場やEラーニングを通じて提供し、マネジメント力を強化していきます。 また、新たに導入するジョブ型人事制度とフルカワ・リーダーズコンピテンシーを反映した改定版360度フィードバックを実施し、管理職のマネジメント行動を多面的に可視化することで、「チームで成果を上げる」組織の実現に向けた行動を促進します。 さらに、経営戦略・事業戦略と人事施策の連動を強化し、HRBP(※2)が事業領域ごとの業務特性や人材構成を整理したうえで、より事業部門に踏み込んで改善活動を支援していきます。 これらの取組みを通じて人材・組織実行力が強化され、人材の多様性を活かした事業遂行力の向上に加え、新規事業・新製品の創出、生産性向上(※3)及び利益率改善の機会につながるものと捉えています。 ※1 当社のリスキリングは「新規・既存を問わず、業務遂行において必要な知識及びスキルを自律的に学ぶこと」と定義しています。 ※2 当社におけるHRBP(Human Resources Business Partner)とは、2026年4月の組織変更により、事業部門又は領域ごとに設置した人事課に配置され、人材配置・育成や組織運営上の課題解決を支援する役割と位置づけています。 ※3 労働生産性の向上については、経営戦略の実行を支える重要な取組みであることから、人・組織の持続的な成長と一体で進めていく方針です。 労働人口の減少や人材獲得競争の激化といった環境変化を踏まえ、デジタル技術の活用や業務プロセス改革による効率化を進めるとともに、働きやすい労働環境の整備や、一人ひとりが働きがいを感じられる職場づくりに取り組みます。 当社は、短期的な売上確保のための効率追求に偏ることなく人的資本の価値を高めることが、中長期的な企業価値向上につながる機会になると捉えています。 ③ リスク管理<人的資本関連リスク及び機会の管理>経営上の重要課題のひとつである「人的資本の最大化」に関する事項については、リスクの管理にとどまらず、収益拡大等の経営戦略とも密接に関係すると認識しています。 そのため、2022年度より人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ」を毎年実施し、人材・組織の状態を可視化しています。 その調査結果を踏まえ、組織課題の設定や改善施策の検討を行うとともに、人的資本に関するリスク及び機会を特定し、それらへの対応戦略を事業活動に反映するPDSサイクル(※)を回しています。 こうしたプロセスを通じて、リスク及び機会に関する認識を定期的に見直しながら、各施策の取組みに反映しています。 当社グループにおける現状の人的資本に関するリスク及び機会の認識については、②戦略<当社グループ全体に影響する人的資本関連リスク及び機会>に記載しています。 ※ PDSサイクルはPlan(計画)・Do(実行)・See(評価・見直し)を通じて、施策の継続的な改善を図る取組みのサイクルを指します。 ④ 指標と目標人的資本に関する取組みの進捗については、経営上の重要課題の一つである「人的資本の最大化」に資する指標を設定し、継続的に管理しています。 2025年度までは、人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ(以下、Eサーベイ)」における総合指標である「従業員エンゲージメントスコア」、「管理職層に占める女性比率」、「新規採用者に占めるキャリア採用比率」を管理してきましたが、キャリア採用比率については中期経営計画における当初目標値(30%)を達成しており、近年の実績も踏まえ指標の見直しを行いました。 2026年度以降は、Eサーベイにおける「従業員エンゲージメントスコア」について、人材・組織の状態を捉える指標として引き続き進捗の管理を行います。 「管理職層に占める女性比率」及び「男性育児休業取得率」については、人的資本に関するリスク及び機会を直接的に測定するものではないものの、人材マネジメント上の取組みや労働環境改善の進展を通じて現れるアウトカムの一つとして位置づけ、2030年度末までの目標達成に向けて、取組みを着実に推進していきます。 <実績と目標>1)従業員エンゲージメントスコア従業員がパーパスに共感し、当社グループで成長・活躍し続けたいと思えるようなエンゲージメントの高い組織風土を醸成することで、社会課題解決志向型の人材育成につながり、その人材の活躍が持続的な企業価値向上に貢献できると考えています。 そのために、人材・組織の状態を定量的に把握し、そこで得た課題に対する改善施策を事業活動に反映する目的で、2022年度より人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ(以下、Eサーベイ)」を実施しています。 この調査における総合指標である「従業員エンゲージメント」スコアを、経営上の重要課題のひとつである「人的資本の最大化」の指標として目標を設定し、各種施策に取り組んでいます。 2025年度のEサーベイ結果について、従業員エンゲージメントスコアは古河電工グループ全体で76となり、目標差では△4ポイントであったものの前年度差では+4ポイントと改善しました。 内訳を見ると、当社、国内グループ会社、海外グループ会社のいずれにおいても前年度と比べて改善が見られ、グループ全体として改善傾向が確認されました。 また、Eサーベイ結果に基づいて各部門との対話を進めた結果、パーパスや方針と個人の行動とのつながりをより明確にすること、管理職による組織内の対話やマネジメントの質をさらに高めること、並びに組織運営のあり方を整理することが、今後の改善に向けて重要であることが明らかとなりました。 これらの結果を踏まえ、2026年度は、職制を通じたパーパスの理解浸透の強化、管理職のマネジメント力向上、各事業戦略に即した組織・配置の適正化に取り組みます。 今後もEサーベイによるモニタリングと改善施策の反映を継続し、人的資本の最大化に向けた取組みを進めていきます。 指標範囲 2022年度2023年度2024年度2025年度2030年度従業員エンゲージメントスコア単体実績65636365-目標測定開始65---グループ(※1)実績-767276-目標--778081(※2) ※1 グループには、当社(単体)並びに国内外のグループ会社を含みます。 ※2 国別・業種別の平均スコアや当社グループのエンゲージメント実績の推移、他社動向等を踏まえ、中長期にわたる改善の実効性を重視する観点から目標水準を見直しました。 2030年度にはグループ全体で81とし、85到達時期を2035年度へ見直しました。 引き続き、人材・組織実行力の強化を通じてエンゲージメント向上に取り組んでいきます。 2)管理職層に占める女性比率多様な人材が意思決定に参画できる組織づくりに向けた重要な参考指標として管理職層に占める女性比率を位置づけ、2030年度末までに10%到達を目指して取り組み、その進捗を管理しています。 2025年度末時点における当社(単体)の管理職層における女性比率は6.3%となり、前年度から0.9ポイント上昇しました。 今後も、サクセッションプランに基づく計画的な育成やキャリア採用の継続、管理職の労働環境改善、キャリアデザインに関する情報提供等を通じて、中長期的な視点から基盤整備を進めつつ、着実なパイプライン形成に取り組んでいきます。 指標範囲 2022年度2023年度2024年度2025年度2030年度管理職層に占める女性比率単体実績4.8%5.4%5.4%6.3%-目標4.5%5.0%6.0%7.0%10.0%(※1)国内グループ(※2)実績3.6%4.3%4.7%5.2%(※3)- ※1 事業戦略に基づく技術系人材の採用拡大と、その母集団となる主に理系を専攻する学生の男女構成比の状況等を踏まえ、2030年度の管理職層に占める女性比率目標を10%とし、15%到達時期を2035年度へ見直しました。 今後も、管理職層における多様性の確保に向けて取り組んでいきます。 ※2 国内グループは当社(単体)を含みます。 ※3 国内グループについては、各社の制度・状況を踏まえた対応を進めており、現時点では共通の数値目標は設定していません。 (人材のパイプラインに関する参考指標)参考指標2024年度2025年度単体国内グループ (※1)単体国内グループ管理職候補層に占める女性比率14.4%-%15.5%-%新規採用者における女性比率16.2%-%16.8%25.7%従業員女性比率13.2%19.4%15.2%19.1% ※1 国内グループは当社(単体)を含みます。 一部グループ会社において出向受入者の数字を含めていない場合があります。 3)男性育児休業取得率多様な人材が活躍できる組織づくりに向けた参考指標として男性育児休業取得率を位置づけ、2030年度末までに100%取得を目指して取り組み、その進捗を管理しています。 2025年度末時点における当社(単体)の男性育児休業取得率は95.1%となり、取得率・取得日数ともに前年度から改善しました。 一方で、上司の各種制度の理解度や職場における人員体制、業務配分の状況によって取得状況に差が生じていることも確認されています。 今後は、制度周知や情報提供の充実に取り組み、男性育児休業を取得しやすい職場環境の整備を進めていきます。 指標2024年度2025年度2030年度単体国内グループ単体国内グループ単体(※3)育児休業取得率(※1)男性取得率77.2%70.4%95.1%74.5%100%出産人数101人186人61人153人-取得者数78人131人58人114人-平均取得日数(※2)50日-日74日60日-女性取得率115.4%105.0%105.3%102.0%-出産人数13人40人19人51人-取得者数15人42人20人52人-平均取得日数384日-日494日352日- ※1 「男性の取得率=当年度内に育休を開始した人数÷パートナーが出産した人数」、「女性の取得率=当年度内に育休を開始した人数÷出産者の人数」として提示しています。 また、産前産後休暇取得者は育休取得者には含みません。 ※2 「当年度育休取得者の平均取得日数」として提示しています。 ※3 国内グループについては、各社の制度・状況を踏まえた対応を進めており、現時点で共通の数値目標は設定していません。 また、実績把握の対象範囲を段階的に拡大しており、2025年度より集計体制を整備のうえ実績の把握に取り組んでいます。 <人的資本に関する主な実績(参考)>1)男女賃金差異について当社(単体)の正規従業員における賃金水準及び男女間賃金差異については、女性比率が約15%、管理職層に占める女性比率が約6%にとどまっているといった人員構成上の差異に加え、男性の時間外労働時間が相対的に多いことに伴う時間外手当の影響等により生じているものと認識しています。 近年は賃金の増減率及び正規従業員の男女間賃金差異については改善傾向が見られており、引き続き人材配置の多様化や管理職層の構成の変化等を通じて、中長期的な改善について検討していきます。 内訳2024年度2025年度単体国内グループ単体国内グループ雇用区分別平均賃金全従業員平均6,895千円-千円7,400千円6,438千円 男性平均7,149千円-千円7,691千円6,936千円 女性平均5,228千円-千円5,781千円4,614千円 女性÷男性73.1%65.1%75.2%66.5%正規従業員(※1)6,985千円-千円7,495千円6,913千円 男性平均7,248千円-千円7,790千円7,314千円 女性平均5,282千円-千円5,861千円5,250千円 女性÷男性72.9%71.8%75.2%71.8%非正規従業員4,985千円-千円5,060千円3,396千円 男性平均5,103千円-千円5,296千円3,976千円 女性平均3,616千円-千円3,554千円2,230千円 女性÷男性70.9%57.1%67.1%56.1% ※1 「総合職・一般職・休職者及び出向受入者を含み、出向者は含まない。 」として提示しています。 2)その他実績内訳2024年度2025年度単体国内グループ単体国内グループ一人当たり教育研修費117千円-千円106千円-千円平均勤続年数(正規従業員)(※1)正規従業員(※1)19.1年-年18.4年18.3年 男性19.7年-年18.9年-年 女性15.6年-年15.2年-年休暇取得(正規従業員)(※1)取得率67.9%-%69.2%70.0%付与日数23.3日-日23.1日22.3日取得日数15.8日-日16.0日15.6日1ヶ月当たり平均所定外労働時間(正規従業員(※1))23.4時間-時間23.5時間20.1時間離職率正規従業員(※1)3.4%-%3.3%4.1% 男性3.5%-%3.6%3.6% 女性2.9%-%1.8%4.8%障がい者雇用率(各年6月1日時点)2.61%-%2.58%2.41%正規従業員(※1)外国人比率0.6%-%0.8%1.4% ※1 「総合職・一般職・休職者及び出向受入者を含み、出向者は含まない。 」として提示しています。 |
| 事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社グループの業績、財務状況等は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受けます。 当社グループは、これらのリスクを認識した上で、リスクを最小化するためにリスク管理体制の整備・充実に努めており、詳細は以下「(1)リスクマネジメントの取組み」及び「(2)当社グループの重要なリスク」に記載しております。 (1)リスクマネジメントの取組み①リスク管理の基本方針当社グループは、パーパスのもと、ビジョン達成に向けた取組みを実行し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指す上でのリスクに対する姿勢を「リスク管理の基本方針」として制定しています。 古河電工グループ リスク管理の基本方針(2026年4月制定)古河電工グループは、「古河電工グループ パーパス」に基づき、・経営上の重要課題に取組み、レジリエンスの強化を通じて企業価値の向上を目指します。 ・事業活動に伴うリスクを特定・評価し、重要リスクを識別した上で適切なリスク対応を継続的に行います。 そのために、経営による定期的なレビューを行うとともに、ステークホルダーとの適時・適切なコミュニケーションを図ります。 ・戦略の実行に伴うリスクは適切な管理のもとに受け入れる一方、コンプライアンス違反は決して許容しません。 ②リスク管理体制当社グループは、「リスク管理・内部統制基本規程」を定め、委員長を社長、副委員長をCGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー)、委員を経営層で構成した「リスクマネジメント委員会」を設置し、当社グループのリスク管理、内部統制、コンプライアンスについての課題を審議し、各担当部門の活動を監督・推進する体制をとっています。 幹事はリスク管理部長が担当し、原則、年に2回開催しています。 リスクマネジメント委員会では、リスクアセスメント結果等を踏まえたリスク評価によりリスクを俯瞰し、経営上の重要課題と関連性の強い「事業ポートフォリオ」、「気候変動(カーボンニュートラル)」、「人材・組織」、「政治経済情勢」及び「人権・労働慣行」等のリスクを全社的に対応すべき重要リスクと定め、サステナビリティ委員会と連携して対応しています。 また、企業の社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係の強化に向けた重要課題につながりのある「災害・感染症等の影響」、「品質管理」、「従業員の安全・衛生」等のリスクについては、個別に委員会を設置して重点的に管理する体制を敷いております。 当社グループは、スリーラインモデルの考え方に基づき、リスク管理・内部統制に関する役割分担を整理しています。 第1ラインである事業部門、事業所、関係会社、第2ラインである各担当部門及び第3ラインである内部監査部門が、それぞれの役割に応じて相互に連携し、リスク管理及び内部統制の実効性向上に取り組んでいます。 ③リスク管理活動とモニタリング当社グループは、グループ全体の事業リスクの評価を通じて優先対応すべきリスクを見極めるために、年に1回、事業部門・事業所・関係会社といった組織単位で網羅的なリスクの洗い出し及び発生可能性と影響度の評価(リスクアセスメント)を実施し、その結果をリスクマネジメント委員会へ報告しています。 当社グループは、第1ラインとしてリスク対応を行う事業部門、事業所、関係会社に対して、第2ラインである各担当部門が「事業等のリスク」を含む各リスクへの対応の支援及び実施状況の確認を行うことでリスク管理の継続的な拡大と深化を図っています。 リスクマネジメント委員会は、それらの取組状況を評価し、その結果を総合したリスク管理活動全体の評価を取締役会に毎年定期的に報告しています。 さらに、第3ラインである内部監査部門による定期的な監査の実施により、第1ライン及び第2ラインの活動の有効性を検証し、監査結果を取締役会に報告しています。 これらの体制に加え、取締役会、経営会議、稟議等により重要な意思決定を行う際には、当該事案から予測されるリスク等を資料等に明示し、これらを認識した上で判断することとしています。 (2)当社グループの重要なリスク当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、発生可能性と影響度の双方が中以上の重要なリスクをリスク項目として以下に示します。 さらに、経営上の重要課題との関連性により、リスク項目を「経営視点のリスク」と「オペレーショナル視点のリスク」に分類しています。 特に経営視点のリスクは、それぞれ単独のリスクではなく、相互に連関したリスクであるとの認識のもと、各リスクに対する取組みを進めています。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 掲載順序リスク分類リスク項目影響度発生可能性関連する経営上の重要課題1経営視点のリスク事業ポートフォリオ大大②,③,⑥2新事業の創出大大①,②,⑥3気候変動(カーボンニュートラル)大大①,②,⑥4人材・組織大大④,⑤,⑥5政治経済情勢大大③,⑥6人権・労働慣行大中⑤,⑥7オペレーショナル視点のリスク災害・感染症等の影響大中⑥8品質管理大中⑥9法令違反等大中⑥10原料及び燃料価格の変動中大⑥11情報システム・情報セキュリティ中大⑥12為替・金利・株価変動中大⑥13研究開発・知的財産中大⑥14従業員の安全・衛生中中⑥15工事プロジェクトの採算悪化中中⑥16環境汚染・環境規制中中⑥17固定資産の減損中中⑥18資金管理中中⑥19開示・ブランド中中⑥ 関連する経営上の重要課題項目番号情報をベースとした社会の創出①社会課題解決に資する新しい事業への挑戦②事業・製品ポートフォリオの最適化③労働生産性の向上④人的資本の最大化⑤ガバナンスの強化・リスク耐性の向上⑥ 経営視点のリスクリスク項目リスクの内容主要な取組み事業ポートフォリオ・事業構成が経済動向や市場環境の変化に対応できないことによる、収益性・成長性の停滞・悪化・M&Aや外部との提携後に発生した市場環境の悪化等による、当初の期待水準に満たない収益又は効果・経営会議・取締役会等での定期的な事業ポートフォリオの構成の確認・検証、必要に応じた見直しの討議・実施・買収・提携の目的明確化と資産内容・リスクの事前把握・リスクと収益性を踏まえた適切な投下資本額での買収・提携・買収・提携後の投下資本の早期回収新事業の創出・新事業のテーマ探索及び技術開発と営業機能との連携不足から市場ニーズとの乖離が生じることによる新事業創出の遅延・新事業創出チームに営業機能を組み込み、テーマ探索及び技術開発と市場検証を一体で推進する体制の構築気候変動(カーボンニュートラル)・移行リスクとして、各国の温室効果ガス排出削減目標の引き上げ、政策による炭素税の負担増等による製造コストや材料調達コストの上昇・気候変動対策が不十分であることによるサプライチェーン、製品・サービス・労働市場からの排除・気候変動による洪水・渇水リスクの未認識による工場操業の停止・温室効果ガス排出削減についてバリューチェーン全体でネットゼロを目指すことを反映した環境ビジョン2050の改定、環境目標2030に則った削減の実行・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った気候移行計画の策定と情報開示の実施・日光地区の水力発電利用に加え、国内外での太陽光発電の設置と購入電力の再生可能エネルギーへの転換・気候変動による洪水・渇水リスクの把握と対応策の策定人材・組織・新規事業創出に向けた専門性を持つ人材や事業ポートフォリオマネジメントができる人材の不足・人材獲得や定着、育成、多様性が不十分なことによる人材の質的量的な不足・企業の持続的な成長の原動力である従業員エンゲージメントの低下・経営戦略と組織の不整合による人的資本の毀損・「古河電工グループPeople Vision」に基づく、個人と組織が成長ベクトルを合わせてともに成長し人材・組織の魅力を高める「人材・組織実行力」強化施策の実施・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン活動及び働き方改革の推進・従業員エンゲージメントの要素を含む人材・組織実行力調査によるモニタリングとHRBPによる現場主導の向上施策実行・経営戦略と連動したジョブ型人材マネジメント基盤(採用・配置・育成)の整備と適正な運用政治経済情勢・国際紛争の影響拡大に伴う、国家群間での経済制裁の影響等によるサプライチェーンの寸断。 特定の購入先への供給依存による供給不足、供給停止・各地域における政権交代や政策転換に伴う、関税政策や経済安全保障政策等の法規制の変更・強化の影響によるグローバル分業体制の見直し・景気悪化や顧客の設備投資、購買施策の変化による需要減退の影響が事業全体に及ぶことによる収益の低下・競争激化による製品及びサービスの優位性の低下・サプライチェーンの多重化(購入先の複数化、製造拠点の分散)、在庫数量の適正化、長期契約による安定調達・国際物流の主要ルートにおける潜在リスクの把握・政情変化や有事を想定したリスク分析と対応方針の策定・主要ビジネスの基盤強化による景気悪化に対する耐性強化、顧客動向や受注状況の定期的な把握・検証による急激な需要変動に対応できる体制の確立・価格競争力の維持強化に向けた効率的かつ合理的なものづくり体制の推進、高付加価値品の生産、製品ポートフォリオの最適化への積極的な取組み 経営視点のリスクリスク項目リスクの内容主要な取組み人権・労働慣行・企業としての人権尊重に対する責任を果たせず、潜在的又は実際に人権への負の影響が生じることに伴う、サプライチェーン、製品・サービス・労働市場からの排除・国連のビジネスと人権に関する指導原則が企業に求める3つの要件である「人権方針の策定」、「人権デューディリジェンスの実施」、「救済メカニズムの構築」に沿った取組みの推進・当社グループ人権方針に基づく、人権を尊重した事業活動の推進・当社グループの従業員を対象としたコンプライアンス意識調査結果等をふまえた改善策や人権リスクに対する教育の実施・主要取引先を対象とした、「古河電工グループCSR調達ガイドライン」に基づく自己評価調査(SAQ)の実施・責任ある鉱物調達の推進・救済メカニズムとしての内部通報制度及び一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)の活用 オペレーショナル視点のリスクリスク項目リスクの内容主要な取組み災害・感染症等の影響・異常気象によって起きる大型台風等による建物被害や洪水による工場操業の停止・大規模な地震や津波、火災、感染症大流行等による納入先、調達先のサプライチェーンの寸断・従業員等の大規模クラスター発生による事業継続不能・ISO22301による事業継続マネジメント(BCM)の促進・事業継続計画の策定・ブラッシュアップ、安否確認システムの有効活用・耐震性と安定した通信環境が確保された施設におけるデータセンタの設置・サプライチェーンの多重化・納入先、調達先の製造拠点調査・従業員等の在宅勤務、会議等でのリモート活用品質管理・製品及びサービスでの不具合の発生等による将来に予期せぬ損失補償の発生(特に、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等の関連製品で、不具合等の内容により多額な追加コストの発生)・お客様の期待する品質の実現を目指し、不具合の未然防止を図る取組み、並びに問題解決力を向上する活動の継続・品質管理に関するガイドラインをベースとした品質マネジメントシステムの継続的な強化・損害賠償請求に備えるための生産物賠償責任保険や生産物回収費用保険等への加入・当社グループの損失補償責任を限定する契約条項の検討 オペレーショナル視点のリスクリスク項目リスクの内容主要な取組み法令違反等(注)・事業展開する国内外の法令や規則に関するコンプライアンス違反・事業展開する上で適用される国内外の法令改正、規制当局から受ける規制強化(恣意的執行を含む)や法令解釈の厳格化による、事業制限や費用の増加等・法令違反等の事象が生じた場合の、各規制当局からの処分・制裁、取引先等関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等・禁輸国への輸出による行政処分、外国為替法違反、米中関係悪化による米国及び中国における輸出管理規則・法令の域外適用リスク・海外拠点での不適切会計や粉飾決算・各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更や移転価格税制等による税金コストの発生・各国の税務当局との見解の相違等による追加の税金コストの発生・「古河電工グループ パーパス」、「Core Values」、「古河電工グループCSR行動規範」を倫理法令遵守の基本とするコンプライアンス体制の構築・毎年の定期的なコンプライアンス自主点検とコンプライアンスセミナーやEラーニングを通じた、競争法上の規制や贈収賄防止等のテーマについての当社グループ内への教育、各所管部門による法改正情報の発信等・内部通報制度の運用によるコンプライアンス違反の防止、早期の発見及び是正・安全保障貿易管理や関税等に関して、関連する部署への教育及び内部監査の実施、海外輸出管理法令の専門弁護士との提携・国内領域の物流コンプライアンス違反の防止、物流効率化を目的とした特定荷主義務の履行・東南アジアや中国における地域統括会社による当該地域内の拠点における調達、経理、人事、法務等の業務統括の実施・データアナリティクスを活用した財務分析による統制の実施・税務に関する基本方針を定めることによる税務コンプライアンスに対する意識向上・各国における税法の遵守や税制や税務行政の変更への対応策の実行 原料及び燃料価格の変動・需給関係や投機的取引、世界情勢等の変動による、銅・アルミ等の非鉄金属やポリエチレン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNG価格の急激な変動・市況を反映した非鉄金属、合成樹脂、燃料価格等の製品販売価格への転嫁・先物取引を利用したヘッジ・生産活動におけるコスト低減や省エネ化・複数購買化による価格変動リスクの分散情報システム・情報セキュリティ・サイバー攻撃や不正アクセス等の外的要因や人為的要因等に起因する情報流出による不正使用、システム障害・レガシーシステム利用によるセキュリティリスクの増加・情報セキュリティ基本方針のもと、グループ全体へのセキュリティガバナンス強化、教育・支援活動・ゼロトラスト視点でのネットワークセキュリティ強化等の対策による情報資産の保護・レガシーシステム更新の中期的な取組みの実施為替・金利・株価変動・輸出入等の国外取引、外貨建債権・債務の円換算金額の変動・在外連結子会社等の現地通貨建の個別財務諸表の円換算金額の変動(米ドルに対し1円円高につき年間で約5億円の減益を予想)・金利上昇による資金調達コストの増加(当連結会計年度末の有利子負債残高は3,167億円)・先物為替予約等の活用・外貨建取引額のバランス化・長期固定金利調達の活用による金利上昇時の資金調達コスト増加抑制・キャッシュマネジメントシステム(CMS)を通じた資金効率改善や、財務体質の改善方針に基づく有利子負債の削減研究開発・知的財産(研究開発)・技術開発の遅れ、他社新技術による代替製品の台頭・研究開発データの改ざんによる訴訟、認証のはく奪、会社、製品の評判低下(知的財産)・知的財産における第三者の権利侵害に関する交渉や係争、第三者との不十分な技術契約に伴う紛争により、事業における直接的な損害や機会損失が発生・技術の流出や第三者からの模倣による企業競争力の低下・高い専門性を持つ人材の確保、育成・社外との共創による、技術開発の優位性の確保・設計開発段階からの知的財産権取得、他社特許調査や他社による権利行使抑制のカウンター特許出願・技術資産の創出と保全(機密、社外秘、部外秘の区分、電子データ含む情報管理の徹底)、知的財産関係の法令遵守のための教育、秘密保持等の契約書締結 オペレーショナル視点のリスクリスク項目リスクの内容主要な取組み従業員の安全・衛生・労働災害、交通事故、疾病等による、従業員の死亡、就業不可、障害の残存、長期休業、体調不良・製造設備の維持更新投資計画の実行遅れを背景とした、老朽設備の故障に起因する災害・安全推進活動の3本柱(安全人間化教育による安全知識の付与と実践、本質安全化活動による設備の安全化推進、安全管理レベルの向上による安全組織の構築)の確実な実践・産業保健中期計画に基づく年度ごとの衛生管理指針による、ヘルスリテラシー向上・メンタルヘルス対策・身体機能向上施策・睡眠対策・生活習慣改善・熱中症対策及び化学物質管理体制構築施策の各拠点での展開・リスクの高い老朽化設備に対する維持更新投資計画の適正な実行 工事プロジェクトの採算悪化(国内外共通)・工事途中での設計変更、建設資材及び労務費の高騰・ケーブル敷設工事における災害、疫病の発生、海洋条件や台風等天候の影響による追加費用の発生・重大な瑕疵や事故の発生、それに伴う工期遅れが生じた場合の、修復費用や損害賠償金の支払、長期間に渡る瑕疵補修保証の延長・コンソーシアムを組成した場合におけるパートナー企業のプロジェクト遂行能力の不足、分担業務の不履行等が生じた場合、予想外の大幅な費用負担の増大、追加費用の発生(海外)・海外工事案件における当該国での法規制の変更や政情不安、為替レートの変動・物品・工事それぞれの責任分解点・仕様と保証範囲の厳格な見極め、プロジェクト固有のリスク分析、合理的な条件での契約を締結する活動の強化・遂行段階におけるプロジェクトの進捗、採算状況等を適切にモニタリングすることによるリスクの低減・建設工事保険等の付保によるリスクヘッジ・コンソーシアム組成時の契約における責任関係の明確化、パートナー所管を含む工事プロジェクト全体の工事進捗管理の徹底環境汚染・環境規制・製造工程における有害物質の漏洩による環境保全上の問題の発生や、環境関連法令の改正等による新たな設備投資や対策費用の発生・土地の使用・処分等に対する制限・過去の製造状況等に伴う土壌汚染やアスベスト・PCB等の有害物質の処理について、関連法規制の強化等による追加の対策費用の発生・世界各国におけるRoHS指令やREACH規制等の製品含有化学物質に関わる規制に違反した場合の製品リコール、生産・販売中止等の損失・費用の発生・当社グループの生産拠点における、環境マネジメントシステム(ISO14001)に基づく、事業活動に関連する各種環境関連法規制の遵守と保全対策等の徹底・製品含有化学物質に関わる規制への対応としての、CSR調達ガイドライン及びグリーン調達ガイドラインの発行とパートナーの遵守状況の把握、並びに規制強化に対応した定期的な当社グループ内調査の実施固定資産の減損・市況や事業環境の悪化による収益性低下による固定資産の減損・投資委員会や経営会議等における投資計画の適切性に関する審議・投資後の定期的なモニタリング及びフォローアップ オペレーショナル視点のリスクリスク項目リスクの内容主要な取組み資金管理(資金調達)・金融環境悪化により、資金調達困難に陥る可能性と資金調達条件の悪化・成長投資の拡大に伴い資金調達額が増大し、資金調達に制約が発生する可能性や資金調達条件が悪化する可能性(与信管理)・取引先の財政状態や資金繰りの悪化に伴い、売掛債権が回収困難となることによる貸倒損失の発生・多様な資金調達手段の確保と、返済時期の分散化・コミットメントラインの設定と一定水準の手元資金の確保・資金調達コスト低減と資金調達の安定性を踏まえた適切な長期借入割合の確保・財務体質の改善・与信管理規程に基づく、取引先各社の与信状況の定期的モニタリングと、グループ関係会社内での与信情報共有等による売掛金回収事故と回収遅延リスクの最小化開示・ブランド・適切な情報開示がなされないことによる、信頼の低下・一貫性あるコミュニケーションの不足による認知機会や、イメージ向上機会の損失・重要事象の一元的な集約・管理及び重層的な内部チェックを通じた適時適切な情報開示・統一的なメッセージの複数メディア活用による発信強化・グループ統一ブランド運用による認知・イメージ向上 (注)当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の審査を受けております。 また、米国での一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める集団訴訟等において、当社や当社連結子会社がその被告となっております。 このほか、自動車メーカー等の顧客に対して、当社又は当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。 なお、これまで複数の原告・顧客等との間で和解が成立し、上記継続案件の当社決算への潜在的な金額的インパクトは大きくないものと認識しております。 今後も、これまでと同様、顧問弁護士とも連携しながら、早期解決、損失の最小化に向けて対応してまいります。 また、上記継続案件はいずれも自動車用部品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関するものであり、現時点においてはこれらの行為は行われておりません。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較分析に当たっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」の(企業結合に係る暫定的な会計処理の確定)をご参照ください。 (業績等の概要)(1)業績当期の世界経済については、米国では、通商政策等の影響により一部で調達コストが増加したほか、雇用の伸びが減速傾向となりましたが、AI関連投資の拡大や株価上昇を背景とする個人消費の増加が下支えとなり、景気は底堅く推移しました。 欧州では、通商環境の不透明感から輸出が弱含んだものの、設備投資は回復基調となり、景気は持ち直しの動きがみられました。 中国では、不動産市場の停滞の継続により個人消費は伸び悩み、設備投資も悪化し、景気は緩やかに減速しました。 また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化等不安定な経済環境が継続しました。 わが国の経済においては、AI関連を中心とした設備投資が堅調に推移した一方で、米国の通商政策の影響から輸出は伸び悩み、加えて賃金・所得の伸びは物価上昇を安定的に上回る状況には至らず、個人消費は力強さを欠き、景気の回復ペースは引き続き緩やかなものとなりました。 このような環境の下、当社グループでは、2030年におけるありたい姿を「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)として描き、そこからバックキャストして2025年に目指す姿の達成を見据えて策定した中期経営計画「Road to Vision 2030 -変革と挑戦-」(以下、「25中計」という)に基づき、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいりました。 当期の業績につきましては、光ファイバケーブル等のデータセンタ関連製品の増収、ワイヤハーネス等の自動車部品での増収、また銅地金価格の高騰の影響により、グループ全体の売上は増加しました。 損益面では、売上増による利益押上げに加えて生産性改善や販売価格の適正化に取り組んだことにより増益となりました。 これらの結果、連結売上高は1兆3,076億円(前期比8.8%増)、連結営業利益は639億円(前期比35.8%増)、連結経常利益は759億円(前期比56.4%増)となりました。 投資有価証券売却益193億円、退職給付制度改定益194億円等を特別利益に、減損損失16億円、貸倒引当金繰入額41億円等を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は725億円(前期比117.4%増)となりました。 なお、海外売上高は6,620億円(前期比3.8%増)で、海外売上高比率は50.6%(前期比2.4ポイント減)となりました。 単独の業績につきましては、売上高は3,869億円(前期比9.5%増)、営業利益は56億円(前期比270.0%増)、経常利益は292億円(前期比123.7%増)、当期純利益は609億円(前期比88.1%増)となりました。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)[セグメント情報]」の1.報告セグメントの概要に記載のとおり、事業セグメントの区分方法を変更しております。 以下の前期比較の数値については、前期の数値を変更後の区分で組み替えた数値との比較となっております。 〔インフラ〕情報通信ソリューション事業では、データセンタ関連製品の需要増加を背景に、高速大容量通信ネットワークの構築に貢献するローラブルリボンケーブルや、光通信に欠かせないコネクタ部品であるMTフェルール、通信速度の高速化に適したDFBレーザダイオードチップ等の高付加価値製品について、開発及び拡販を進め、売上の拡大を図ってまいりました。 あわせて、製造能力増強に向けた設備投資を実施いたしました。 さらに、増加する需要を着実に取り込むべく光ファイバ・ケーブル事業の運営体制を刷新し、グローバルに統一された戦略のもとで効率的かつ迅速な意思決定による事業運営を行うことで、収益拡大を図ってまいりました。 また、北米における光ファイバケーブルの拡販体制の整備を進めたことで、増収増益となりました。 エネルギーインフラ事業では、電力事業において、国内の超高圧地中線や再生可能エネルギー向け海底線及び地中線の堅調な需要を背景に、電力ケーブルの製造能力及び工事施工能力の増強に取り組んでまいりました。 また、事業再編を目的として中国子会社の全持分の譲渡を実施いたしました。 産業電線・機器事業においては、商圏・商流の活用による販路拡大、リソースの効率的な配分による競争力強化等のシナジー効果の最大化を目指し、当社グループ内のメタル電線事業の統合を実施いたしました。 また、軽量かつ柔軟性に優れ、布設作業の効率化・省力化に貢献するアルミCVケーブル等の機能線や、誤挿入防止機構により安全・迅速・スキルレスに使用できることから高い評価を受けているケーブル付きプラグインコネクタ等の注力製品の拡販に努めてまいりました。 また、利益確保を重視した受注活動と販売価格の適正化に取り組んだことで、売上高及び利益は前年同水準となりました。 これらの結果、当セグメントの連結売上高は3,709億円(前期比20.0%増)、連結営業利益は214億円(前期比276.1%増)となりました。 また、単独売上高は867億円(前期比11.4%減)となりました。 〔電装エレクトロニクス〕自動車部品事業では、米国の通商政策や為替、人件費の上昇等の影響を受け販売価格の適正化に取り組んだほか、国内向けのワイヤハーネスの堅調な需要を背景に生産拠点の重畳化・最適化や生産ラインの共有化・自動化等地政学リスクや事業環境の変化に対応可能な生産体制の強化に向けた施策を継続的に推進してまいりました。 また、電動自動車市場において高電圧に対応したワイヤハーネス等の製品開発及び拡販や、軽量化に適したアルミワイヤハーネスの拡販、及びこれらの製品の生産性改善に取り組んでまいりました。 これらの取組みにより、電池事業を行う子会社の非連結化の影響を受け減収となったものの増益となりました。 電装エレクトロニクス材料事業では、エレクトロニクス関連製品の需要が回復傾向にあるなか、無酸素銅製品群や高機能抵抗材用銅合金等の高付加価値製品の拡販を実施してまいりました。 また、販売価格の適正化や低採算品種の撤退を含む製品ミックスの改善に取り組んだことにより、銅地金価格の高騰や円安の影響を受けたものの、増収増益となりました。 これらの結果、当セグメントの連結売上高は7,651億円(前期比3.9%増)、連結営業利益は339億円(前期比3.9%増)となりました。 また、単独売上高は1,932億円(前期比21.0%増)となりました。 〔機能製品〕機能製品事業では、データセンタ関連投資の活況や再生可能エネルギー関連需要の増加を背景に、放熱・冷却製品、半導体製造用テープ、高周波基板用電解銅箔等の高付加価値製品の拡販に注力することで、売上の拡大を図ってまいりました。 このうち半導体製造用テープについては、2025年度より新工場が稼働し、製品の安定供給を開始いたしました。 これらの取組みにより、銅地金価格の高騰や為替の影響を受けたものの、増収増益となりました。 これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,611億円(前期比9.6%増)、連結営業利益は154億円(前期比8.9%増)となりました。 また、単独売上高は1,026億円(前期比11.7%増)となりました。 〔サービス・開発等〕水力発電、新製品の研究開発、不動産の賃貸、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート等を行っております。 なお、当社日光事業所においては、必要な電力のほとんどを本水力発電で賄っており、これが25中計におけるサステナビリティ目標「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率30%」の達成の一端を担っております。 当セグメントの連結売上高は422億円(前期比21.2%増)、連結営業損失は67億円(前期比13億円悪化)となりました。 また、単独売上高は44億円(前期比8.2%増)となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、705億円(前連結会計年度比+44億円)となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+1,049億円、減価償却費+432億円、売上債権及び契約資産の増減額(△は増加)△238億円、棚卸資産の増減額(△は増加)△261億円等により+281億円(前連結会計年度比△317億円)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入+293億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出△241億円、有形固定資産の取得による支出△461億円等により△471億円(前連結会計年度比△399億円)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)+135億円、長期借入れによる収入+497億円、長期借入金の返済による支出△339億円等により+199億円(前連結会計年度比+641億円)となりました。 (生産、受注及び販売の状況)当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額又は、数量で示すことはしておりません。 (財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)(1)財政状態の分析当連結会計年度末の資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ783億円増加して1兆664億円となりました。 現金及び預金が92億円、受取手形、売掛金及び契約資産が59億円、棚卸資産が159億円、投資有価証券が467億円増加しました。 流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は、前連結会計年度末に比べ49億円増加して1,668億円となりました。 有形・無形固定資産は、資本的支出で567億円の増加、減価償却で432億円の減少のほか、除売却による減少等により変動しております。 負債の部では、合計が前連結会計年度末に比べ169億円増加して6,311億円となりました。 借入金、社債、コマーシャル・ペーパーを含む有利子負債が3,167億円と前連結会計年度末比で105億円増加しました。 純資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ615億円増加して4,352億円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益の増加等により利益剰余金が659億円増加、その他の包括利益累計額が109億円増加しました。 これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比4.5ポイント上昇し39.1%となりました。 キャッシュ・フローの概況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (2)経営成績の分析当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度比8.8%増の1兆3,076億円、連結営業利益は、前連結会計年度比35.8%増の639億円となりました。 電装エレクトロニクス事業におけるワイヤハーネス等の自動車部品での増収や機能製品事業におけるデータセンタ関連製品での増収、また銅地金価格・為替の変動の影響により、グループ全体の売上は増加しました。 損益面では、高付加価値製品のラインナップ拡充や生産性の改善、販売価格の適正化に取り組んだことにより増益となりました。 営業外損益では、前連結会計年度に比べ受取配当金が37.3%、持分法による投資利益が56.0%増加しました。 この結果、連結経常利益は前連結会計年度比56.4%増の759億円となりました。 特別損益は、291億円の利益(純額)となりました。 投資有価証券売却益193億円、退職給付制度改定益194億円等を特別利益に、減損損失16億円、貸倒引当金繰入額41億円等を特別損失として計上いたしました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比117.4%増の725億円となりました。 なお、セグメント別の概況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(1)業績」に記載しております。 (3)資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループでは、事業活動の継続及び発展のための成長投資や運転資金需要に対して、営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の負債性調達や、資産の流動化等により、資金調達を実施しております。 具体的な調達手段については、市場環境や当社のバランスシート状況を踏まえ、経済合理性や財務構造の安定化の観点から判断しております。 また、日本、中国及びタイにおいては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、効率的な資金活用に努めております。 手元流動性については、手元現預金とコミットメントラインにより、短期的な支払リスクをカバー出来うる水準を確保しております。 (重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 |
| 研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループは、古河電工グループ ビジョン2030を達成するために、情報/エネルギー/モビリティ融合領域での社会課題解決に向け、積極的に研究開発へ取り組んでおります。 当事業年度における当社グループの研究体制は、国内の当社研究所等(サステナブルテクノロジー研究所、エレクトロニクス研究所、フォトニクス研究所、マテリアル研究所、デジタルトランスフォーメーション&イノベーションセンター)及び海外の Lightera Laboratories, LLC(米国)、 Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)、 Silicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric (米国)を中心に構成されております。 当連結会計年度における研究開発費は、前連結会計年度比11.7%増の28,423百万円であり、各セグメントの主な成果等は以下のとおりであります。 (1)インフラ① 当社は、データセンタや次世代高速通信分野における低消費電力・高密度実装の実現に向け、光電融合技術及びCopackaged Optics(CPO)関連技術の研究開発を推進しております。 2025年度は、Photonic Integrated Circuit(PIC)と光ファイバを高密度かつ高信頼で接続するCPO向け小型光コネクタ(Snap-Beam Connector™)の開発を進め、低損失な接続特性を40チャンネルコネクタやPIC表面結合型のコネクタで確認しました。 本成果はECOC2025などの国際会議への報告や、国際展示会OFC2026への出展を通じて対外発信を行い、事業化に向けた顧客評価を進めております。 ② 大規模な空間多重光ネットワークの実現に向けて、空間クロスコネクト装置とマルチコアファイバ光増幅器を用いた1,000km級の光ネットワークにおける実証実験に世界で初めて成功いたしました。 海底用2コアファイバのプレ量産スケールで世界最高レベルの低損失と低クロストーク特性を達成し、その結果を海洋光通信に関する国際学術会議SUBOPTIC2025にて報告し、高い注目を集めました。 以上、当該事業に係る研究開発費は15,808百万円であります。 (2)電装エレクトロニクス① カーボンニュートラルに向けた電動車市場の拡大に対する取組みとして、引き続き高圧ハーネス・高圧部品の開発に注力し、高圧製品のラインナップ拡充を進めております。 このほか、引き続き電動車用コネクタについては次世代製品の開発や表面処理を含む端子材料の開発を進めるとともに、自動車用ワイヤハーネスについては車両軽量化へのニーズに応えるため、当社独自のα端子を活用しアルミ電線の更なる適用部位拡大を進めております。 また、当社が開発したBSS®(鉛バッテリ状態検知センサ)が、過充電抑制による燃費向上及び過放電によるバッテリ上がり防止等に貢献しており、今後予想される車載電子機器の増加や頻繁なソフトウエアアップデートに向けて、精度とロバスト性の向上を図ることで拡販及び受注活動を進めております。 加えて当社はワイヤレス電力伝送について、軽量かつ金属異物を加熱し難い特徴を有する電界共振結合方式を用いて、世界トップクラスとなる9.1kWの電力伝送に成功しております。 高齢者や身体障がい者が自由に移動できる社会の実現に向けて、増加する小型モビリティ充電作業の負荷低減や車両内空間創出のため、本方式による安全・安心・快適なワイヤレス充電システム開発を進めています。 さらに素材開発としては、高強度・高導電・高機能な銅合金及び貴金属めっきの開発を引き続き行っております。 本開発により、電子機器における接続部品(コネクタ等)の多極化・高密度化、低ヤング率・高耐熱・高熱伝導によりパワー半導体モジュールの高機能化、電流を検出・制御する抵抗器(チップ抵抗器、シャント抵抗器等)の高性能化、電装品(ワイヤハーネス等)の高電圧化・大電流化への対応を進めております。 レーザ加工分野においては、一昨年11月に開設した愛知県刈谷市のレーザ加工ソリューションラボCELLを本格稼働し、多くのお客様にBlue-IRハイブリッドレーザ発振器BRACE®シリーズを含む当社製の産業用レーザ発振器を使って頂き、銅、アルミ、ステンレス等のレーザ加工処理技術を産業界へ浸透させてきました。 ② 自動運転に向けた取組みとしては、汚れや雪の付着、降雨の影響も受けにくく、安定して物体検知可能な車載用の24GHz帯周辺監視レーダの量産を継続しており、出荷累計1,000万個を達成しました。 クルマのみならず、建機や重機、フォークリフトなど様々な産業用車両や、インフラ側でも採用いただいております。 77GHz帯レーダに関しては、将来の多様な産業分野における活用を念頭に置き、基盤技術レベルでの研究開発を実施しており、センシング技術の高度化やシステム構成の検討など、技術的な基礎検討及び適用可能性の評価を中心に取り組んでおります。 これらの活動の一環として、北海道大学との連携による研究も進めております。 ③ シミュレーション技術及び分析技術に関する取組みとしては、大学や公的機関の先端分析装置を有効活用して研究開発の効率化を推進しており、ナノテラスを活用したコアリション制度に加入しました。 ワイヤハーネスなどの自動車用部品においては変形・応力シミュレーション、電子機器開発においては振動・熱流体・電磁界シミュレーションを進めております。 以上、当該事業に係る研究開発費は4,139百万円であります。 (3)機能製品① 急速に拡大するデータセンタ需要に対する取組みとして、建設工期短縮・省力化に貢献する開発を進めております。 再生可能エネルギーの地中送電に最適な電力用ケーブル保護管「SFVP」について、保護管同士の適切な離隔距離を確保しケーブル発熱による送電効率低下を防止する可変式スペーサを開発、発売を開始しました。 また、「SFVP」施工時の曲率半径や掘削溝の深さを非接触で測定し、施工現場の省力化に貢献する施工管理アプリケーション「F-pipeVision™」を開発、提供を開始しました。 ② データセンタで用いられる演算装置(CPU・GPU等)の放熱・冷却ソリューションとして、従来の空冷方式に加え水冷方式についても研究開発を進めました。 主力拠点FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS & PRODUCTS LAGUNA, INC.(フィリピン)の水冷モジュール製造工場を拡張し、また当社平塚工場で関連設備を増強し、2026年9月の量産開始に向けた準備を進めました。 ③ 情報分野においては、通信基地局用のルーター、スイッチや無線通信用のアンテナ、生成系AI用やデータセンタ用のサーバー等に使用されるプリント基板の高周波化が進展しており、高周波プリント基板を構成する銅箔の需要も高まっていることから、当社は、更なる高周波化にも対応できる次世代高周波プリント基板用銅箔「F0X-WS」の量産化を開始しました。 また、更なる高周波・多層化に対応する新商品の開発も進めております。 以上、当該事業に係る研究開発費は3,006百万円であります。 (4)サービス・開発等① 超電導分野では、低温超電導(以下LTS)線材及び高温超電導(以下HTS)線材双方の開発・製造リソースを持つ強みを生かし、顧客への新製品提案・開発を引き続き進めております。 超電導製品部では、LTS線材の開発・製造を行っており、顧客のコイル製造プロセスを効率化する自己融着機能を有する製品をラインナップしています。 SuperPower Inc.(米国)では、イットリウムHTS線材の開発・製造を行っており、LTS線材と共に、新素材や先端医薬の開発に欠かせない高磁場マグネットなどに利用されております。 先進核融合(以下フュージョン)の分野では、HTS線材の供給を通じて顧客との関係強化を進めており、そのうちトカマクエナジー社(英国)とは約1,000万ポンドの出資を通じて協力関係を築いてきましたが、この関係をさらに深め、日本における共同運営の活動拠点設立に向け覚書を締結しました。 また、一般社団法人フュージョンエネルギー産業協議会において、当社より同法人の常任理事として引き続き参画しているほか、フュージョンエネルギーの早期実現へ向け、学術・技術体系の構築と人材育成を産学連携で推進するため、東京大学と民間企業8社で社会連携講座を開設するなど、フュージョンエネルギー産業の育成に貢献しております。 また、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業ALCA-Nextの新規未来本格型研究開発において、京都大学への線材の提供を通じ、引き続きキロアンペア級の交流電流を低損失で流せるHTS集合導体ケーブルの開発を進めています。 さらに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「フロンティア育成事業」研究開発テーマ「産業用電磁石の極限性能に資する高温超電導集合導体の研究開発」が採択され、HTS集合導体の研究開発が本格始動いたしました。 本件研究開発のテーマは、「極限マテリアル」領域におけるHTS技術の革新を目指すものであり、医療機器、粒子加速器、電力貯蔵、フュージョンなど多分野への応用が期待されております。 ② Silicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric(米国)では、社会課題解決型の新技術や新事業の創出を目的に、スタートアップを中心としたイノベーションエコシステムのステークホルダーとのオープンイノベーションを積極的に推進しております。 現地アクセラレータと提携し、当社グループのコア技術とシリコンバレーに集まる技術やビジネスモデルを結合させ新たな顧客体験や価値創出を目指す共創に加え、米国内の大学と提携し当社の技術課題のみならず社会課題を解決する新技術の探索に取り組んでおります。 さらに、現地ネットワークを活用したVOC(Voice Of Customer)の収集、北米のエコシステム調査分析などのマーケティング、ユースケース探索や当社技術のインキュベーションの北米拠点として活動しております。 ③ ソーシャルデザイン統括部では、ライフサイエンス・社会インフラ維持管理DXソリューション・航空宇宙等の各領域において、当社の基盤技術に立脚した新事業開発を進めております。 ライフサイエンス領域では、ISO13485や医療機器製造業の認証・取得などの品質管理に係る事業基盤の強化に加え、2024年度に連結子会社化したMFオプテックス株式会社との連携強化を進め医療機器向け製品開発及び市場展開を行っております。 また、社会インフラ維持管理DXソリューションの領域では、「みちてん®」「てつてん®」に代表される製品・サービスの展開を加速させ、着実に進めております。 航空宇宙領域では、国立大学法人との社会連携講座を活用した自社技術を用いて開発した人工衛星の打ち上げ準備等、新たな事業取組みを加速させております。 ④ インフラ構造物のメンテナンスに使用するインフラレーザに関する分野では、営業統括本部内に設置したレーザ応用事業部にて、鉄道車両の塗膜除去などのメンテナンスに最適な小型レーザ施工システムを製品化いたしました。 また、船舶塗装の下地処理における錆・塗膜除去を行うためのレーザ施工システムの開発を行っており、実船での実証実験を進めております。 産業用レーザに関する分野では、光ファイバからの輝度で世界最高レベルとなる出力5kWの青色レーザ発振器を日亜化学工業株式会社と共同で開発し、多様な加工ニーズに対応しております。 ⑤ 2050年のカーボンニュートラル実現と持続可能なエネルギーの安定供給のために、化石燃料によらないグリーンLPガスの社会実装に向けて取り組んでおります。 国内では、グリーンLPガス製造技術の実証実験用プラントの建設を北海道鹿追町にて進めており、2026年度中に稼働開始を予定しております。 さらに、海外における製造・供給に向け、アストモスエネルギー株式会社及びSHVエナジー(オランダ)との基本合意書に基づく共創活動の結果、今後有望な事業への成長が期待できると判断し、2025年10月に基本合意書を2年間延長することを決定いたしました。 また、北海道大学との共創を通じて、様々な地域資源を最大限利活用した脱炭素社会・循環型社会の実現に向けて技術開発を進めるとともに、専門人材の育成に取り組んでおります。 ⑥ 近年の激甚化する自然災害への対策として、風水害発生時の自主避難を支援する自治体向けサービス「みんなんサポート®」を開発し、これまでに鹿児島県薩摩川内市・島根県美郷町など全9地区において実証実験を実施しております。 以降は、島根県美郷町の複数地区において、地域間の相互連携による災害対応力向上を目的とした実証実験を継続・発展させております。 具体的には、地区を越えた情報共有や協力体制の在り方を検証し、実効性の高い運用モデルの構築を進めております。 さらには、こうした取組みで得られた知見を活用し、他自治体への横展開や社会実装を見据えた検討を進めております。 以上、当該事業に係る研究開発費は5,469百万円であります。 |
| 設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループ(当社及び連結子会社)では、前連結会計年度比46.8%増の56,662百万円の設備投資を行いました。 各セグメントへの主な設備投資の概要は以下のとおりであります。 インフラセグメントにおいては、主に光半導体デバイスや光ファイバの製造能力増強投資、電力ケーブルの製造拠点構築を目的とした設備投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資は25,432百万円となりました。 電装エレクトロニクスセグメントにおいては、主に自動車用ワイヤハーネスの生産準備を目的とした設備投資、銅条製品の製造設備更新を目的とした設備投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資は14,332百万円となりました。 機能製品セグメントにおいては、主にデータセンタ向け水冷モジュールの新工場建設を目的とした設備投資を行った結果、当連結会計年度の設備投資は9,743百万円となりました。 また、サービス・開発等セグメントにおいては、主に新事業開発に関する製造拠点構築を目的とした設備投資を行った結果、4,176百万円となり、共通又は調整額は2,976百万円となりました。 当連結会計年度に完成した主要設備投資として、機能製品セグメントにおける半導体製造用テープ生産能力増強等があります。 |
| 主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。 (1) 提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び運搬具工具他(含む建設仮勘定)リース資産合計千葉事業所(千葉県市原市)インフラ、サービス・開発等光関連部品、電力ケーブル等の製造設備、研究開発設備3,097(658)10,9095,9704,137624,121761日光事業所(栃木県日光市)機能製品、電装エレクトロニクス、サービス・開発等伸銅品、メモリーディスク用アルミ基板等の製造設備、研究開発設備443(685)7,8505,9741,895216,166590平塚事業所(神奈川県平塚市)インフラ、機能製品、サービス・開発等機能樹脂製品、情報通信機器、放熱製品等の製造設備、研究開発設備493(213)3,9863,5554,192-12,227778三重事業所(三重県亀山市)インフラ、機能製品、電装エレクトロニクス光ファイバ・ケーブル、銅線、伸銅品、半導体製造用テープ等の製造設備1,003(532)10,2954,3961,185-16,880251銅箔事業部門(栃木県日光市)機能製品電解銅箔の製造設備1,057(154)4151,036600863,195168本社及び本社管轄(東京都千代田区)全社(全社的管理業務・販売業務)本社事務及び製品販売他6,434(185)4,4722,1721,62679615,5021,181横浜事業所(横浜市西区)サービス・開発等(研究開発)インフラ、機能製品及び電装エレクトロニクス等の研究開発施設・設備0(7)1,20669621-1,897258 (2) 国内子会社2026年3月31日現在会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び運搬具工具他(含む建設仮勘定)リース資産合計古河ファイテルオプティカルデバイス㈱(千葉県市原市)インフラ光半導体製品の製造設備-(-)4152,9372,522-5,876171古河日光発電㈱(栃木県日光市)サービス・開発等電力の発電・送電設備650(267)3,2813,499108-7,53940ライテラジャパン㈱(三重県亀山市)インフラ光ファイバケーブルの製造設備-(-)2,6983,4911,118-7,308300 (3) 在外子会社2026年3月31日現在会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び運搬具工具他(含む建設仮勘定)使用権資産合計Lightera, LLC(アメリカ・ ノークロス)インフラ光ファイバの製造設備1,110(161)8,4673,7373,00750716,831321台日古河銅箔股份有限公司(台湾・雲林県)機能製品電解銅箔の製造設備1,370(40)2,1205,74841934410,003261FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS AND PRODUCTS LAGUNA, INC.(フィリピン・ラグナ)機能製品放熱・冷却製品の製造設備-(-)1,1261,6704,8961,5359,228202Lightera LatAm S.A.(ブラジル・クリチバ)インフラ通信ケーブルの製造設備649(282)1,3002,5201,6052766,3521,117FURUKAWA AUTOMOTIVE SYSTEMS VINH LONG VIETNAM INC.(ベトナム・ヴィンロン)電装エレクトロニクスワイヤハーネスの製造設備-(-)3,1801,8891,4011,0397,5115,429 (注)子会社については、主要な事業所のみ記載しております。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当連結会計年度後1年間の設備投資計画は、150,000百万円であり、セグメント毎の内訳は次のとおりであります。 セグメントの名称2026年3月末計画金額( 百万円 )設備等の主な内容・目的光ソリューション25,000光ファイバの製造能力増強情報コンポーネント70,500水冷モジュールの新工場建設光半導体デバイスの製造能力増強エネルギーインフラ23,600電力ケーブル製造拠点構築自動車電装システム12,200自動車用ワイヤハーネス生産準備メタルソリューション5,800銅条製品の製造設備更新サービス・開発等12,900環境負荷を低減する新規開発合計150,000 (注)1.経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。 2.2026年4月1日付で、組織改正を行なっており、当該組織改正等に伴いセグメントの区分方法を変更しております。 上記は変更後のセグメント区分によって記載しております。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 5,469,000,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 2,976,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 18 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,494,597 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株式を「純投資目的投資株式」、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって得られる利益を投資目的とせず、その他の定量的又は定性的理由により、政策的に保有する株式を「純投資目的以外の目的である投資株式」と区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有方針、保有合理性検証の内容a.保有方針及び保有合理性の検証方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証内容当社は、資本効率の向上や当社の事業活動における必要性等の観点から保有意義があると判断した株式を保有し、保有に適さないと判断した株式については縮減を図るものとしております。 また、当社は毎年、取締役会において、「純投資目的以外の目的である投資株式」のうち全ての上場株式について、保有の適否について検証を実施しております。 検証においては、株式の保有に基づき得られる定量的な便益と当該株式の時価及び資本コストにより算出される保有コストとの比較のほか、事業機会の創出、取引関係及び事業における協力関係の維持・強化等も含めた総合的な観点により、保有の適否を判断しております。 個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容につきましては、後述の「c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄毎の株式数、貸借対照表計上額等に関する情報」の「保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由」欄に記載しております。 なお、保有する株式に関する議決権の行使については、議案の内容を検討し、その発行会社の株主価値の向上に資するものか否かを判断したうえで、すべての議案に対して議決権を行使しております。 発行会社の株主価値を毀損するおそれのある議案については、反対票を投じることも検討いたします。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式748,050非上場株式以外の株式1669,192 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)取得価額の合計額(百万円)取得理由非上場株式42,833 出資の合理性・必要性を十分に検討したうえで、中長期的な観点から、企業価値の向上に資すると判断したため非上場株式以外の株式421,168 退職給付制度改定に伴い退職給付信託を返還したため (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)売却価額の合計額(百万円)非上場株式129非上場株式以外の株式926,463 (注)前事業年度において、持分法適用関連会社であった㈱UACJの一部株式を売却したことにより、同社株式を純投資目的以外で保有する上場株式として計上することとなりました。 また、当事業年度において、退職給付制度の改定に伴い退職給付信託を返還したことにより、返還分を純投資目的以外で保有する上場株式として計上することとなりました。 その後、当事業年度にかけて㈱UACJの一部株式を更に売却するなど、純投資目的以外の目的である投資株式の縮減を図ったものの、昨今の株式市場の相場上昇等の影響を受けたことにより、当事業年度末時点における貸借対照表計上額は前事業年度末比で20,732百万円増加しました。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄毎の株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱UACJ (注1)12,746,0006,436,500 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 無29,40530,702横浜ゴム㈱ (注2)1,885,566564,366 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有10,9751,942日本ゼオン㈱ (注2)2,784,500831,500 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有4,8951,243愛知電機㈱565,540565,540 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社電装エレクトロニクスセグメント、機能製品セグメント等における事業強化のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 有3,9982,420 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)富士電機㈱ (注2)336,720- 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有3,562-㈱みずほフィナンシャルグループ473,700575,200 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有2,8832,330PT SUPREMECABLEMANUFACTURING &COMMERCE Tbk97,102,56097,102,560 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社電装エレクトロニクスセグメント、インフラセグメントにおける事業強化及びグローバル市場での拡販推進のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 無2,1171,811古河機械金属㈱491,827614,727 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有2,0921,284東海旅客鉄道㈱ (注2)410,000- 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社インフラセグメントにおける事業強化のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 無1,674-日本電設工業㈱307,871307,871 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社インフラセグメントにおける事業強化のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 有1,467646 因幡電機産業㈱ (注3)550,400275,200 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社機能製品セグメントにおける事業強化のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 有1,4311,045東日本旅客鉄道㈱375,000375,000 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社インフラセグメントにおける事業強化のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 無1,3591,107㈱ADEKA341,792511,792 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有1,2331,376 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)旭精機工業㈱425,000455,800 2025年12月開催の取締役会等における保有合理性検証の結果、当社電装エレクトロニクスセグメントにおける事業強化のため、同社との取引関係及び協力関係の維持・強化が必要であると定量的・定性的に判断し、同社株式の保有を継続しておりますが、定量的な保有効果については、発行体との関係性を考慮し、記載いたしません。 無1,001926澁澤倉庫㈱ (注4)447,040203,360 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有589658関東電化工業㈱375,000625,000 2025年12月開催の取締役会等において保有合理性を検証し、総合的な観点から保有意義があると判断しておりますが、定量的な保有効果についての記載は困難であります。 今後も保有意義、保有効果等の観点から保有の適否を判断いたします。 有505543㈱TOKAIホールディングス-380,000-無-373㈱アイデミー-76,900-無-48 (注)1.㈱UACJは、2025年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っており、保有株式数が前事業年度末時点に比べて増加しておりますが、当社は当事業年度に同社株式の一部を売却したため、実質的な保有株式数は前事業年度から減少しております。 2.前事業年度までみなし保有株式に区分していた横浜ゴム㈱、日本ゼオン㈱、富士電機㈱及び東海旅客鉄道㈱の株式については、退職給付制度の改定に伴う退職給付信託の返還により、当事業年度より特定投資株式へ区分を変更しております。 3.因幡電機産業㈱は、2025年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。 そのため、保有株式数が前事業年度末時点と比べて増加しておりますが、実質的な保有株式数に変化はありません。 4.澁澤倉庫㈱は、2025年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っており、保有株式数が前事業年度末時点に比べて増加しておりますが、当社は当事業年度に同社株式の一部を売却したため、実質的な保有株式数は前事業年度から減少しております。 5.「-」は、当該銘柄を保有していない、又は、特定投資株式以外に分類されていることを示しております。 みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)横浜ゴム㈱-1,321,200-有-4,547日本ゼオン㈱-1,953,000-有-2,919富士電機㈱-336,720-有-2,119東海旅客鉄道㈱-410,000-無-1,170 (注)前事業年度までみなし保有株式に区分していた横浜ゴム㈱、日本ゼオン㈱、富士電機㈱及び東海旅客鉄道㈱の株式については、退職給付制度の改定に伴う退職給付信託の返還により、当事業年度より特定投資株式へ区分を変更しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式を保有しておりません。 |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
| 株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 4 |
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 9 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 74 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 8,050,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 16 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 69,192,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2,833,000,000 |
| 株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 21,168,000,000 |
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 26,463,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 375,000 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 505,000,000 |
| 株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 出資の合理性・必要性を十分に検討したうえで、中長期的な観点から、企業価値の向上に資すると判断したため |
| 株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 退職給付制度改定に伴い退職給付信託を返還したため |
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 澁澤倉庫㈱ (注4) |