財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-06-16
英訳名、表紙RICOH COMPANY,LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役 社長執行役員・CEO  大山 晃
本店の所在の場所、表紙東京都大田区中馬込一丁目3番6号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3777)8111(大代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
1936年2月財団法人理化学研究所における発明、考案の工業化を目的とする理化学興業株式会社の感光紙部門を独立し、理研感光紙株式会社として設立。
1938年3月商号を理研光学工業株式会社に変更し、光学機器の製造販売を開始。
1949年5月東京及び大阪両証券取引所市場に株式を公開。
1954年4月東京都大田区に大森光学工場を新設(現・本社事業所)。
1955年5月小型卓上複写機の製造販売を開始。
1961年5月大阪府池田市に感光紙工場を新設(現・池田事業所)。
1961年10月東京及び大阪両証券取引所市場第一部に上場。
1962年6月静岡県沼津市で製紙工場の操業を開始し、原紙から感光紙の一貫生産を実施(現・沼津事業所)。
1962年12月米国に現地法人RICOH OF AMERICA INC.を設立(現・RICOH USA, INC.)。
1963年4月商号を株式会社リコーに変更。
1967年7月宮城県柴田郡に東北リコー株式会社を設立。
1971年5月神奈川県厚木市に事業所を新設し、大森事業所より事務機製造の一部を移転(現・厚木事業所)。
1971年6月オランダに現地法人RICOH NEDERLAND B.V.を設立(現・RICOH EUROPE HOLDINGS B.V.)。
1973年1月米国に現地法人RICOH ELECTRONICS,INC.を設立。
1976年12月リコークレジット株式会社を設立(現・リコーリース株式会社)。
1978年12月香港に現地法人RICOH BUSINESS MACHINES,LTD.を設立(現・RICOH HONG KONG LTD.)。
1981年3月大阪工場に電子部品を開発、製造する電子技術開発センターを新設(現・池田事業所)。
1982年5月福井県坂井市に感光紙製造工場を新設(現・福井事業所)。
1983年12月英国に現地法人RICOH UK PRODUCTS LTD.を設立。
1985年10月静岡県御殿場市に複写機器製造工場を新設し、厚木事業所より複写機器製造の一部を移転。
1986年4月神奈川県横浜市に創立50周年を機に研究所を新設し、大森事業所より研究開発部門の一部を移転(現・横浜仲町台事業所)。
1987年4月仏国に現地法人RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.を設立(現・RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.)。
1991年1月中国に現地法人RICOH ASIA INDUSTRY (SHENZHEN) LTD.を設立。
1995年3月米国のOA機器販売会社SAVIN CORPORATIONを米国の現地法人RICOH CORPORATIONを通じて買収。
1995年9月英国のOA機器販売会社GESTETNER HOLDINGS PLCを買収(現・RICOH EUROPE PLC)。
1996年1月リコーリース株式会社の株式を東京証券取引所に上場。
1996年12月シンガポールに現地法人RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.を設立。
1997年3月米国に現地法人RICOH SILICON VALLEY,INC.を設立(現・RICOH INNOVATIONS CORPORATION)。
1999年8月香港のOA機器販売会社INCHCAPE NRG LTD.を香港の現地法人RICOH HONG KONG LTD.を通じて買収。
2001年1月米国のOA機器販売会社LANIER WORLDWIDE,INC.を米国の現地法人RICOH CORPORATIONを通じて買収。
2002年10月中国に現地法人RICOH CHINA CO.,LTD.を設立。
2003年4月東北リコー株式会社を完全子会社化。
2004年10月日立プリンティングソリューションズ株式会社を買収。
2005年8月神奈川県海老名市にリコーテクノロジーセンターを開設し、開発部門を統合。
2005年11月東京都中央区に本社事業所を移転。
2007年1月Danka Business Systems PLCの欧州におけるOA機器の販売・サービス網をオランダの現地法人RICOH EUROPE B.V.(現・RICOH EUROPE HOLDINGS B.V.)を通じて譲り受け。
2007年6月International Business Machines Corporation (IBM) との共同出資会社であるINFOPRINT SOLUTIONS COMPANY, LLCが営業開始。
2008年5月タイに現地法人RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.を設立。
2008年8月リコーエレメックス株式会社を完全子会社化。
2008年10月米国のOA機器販売会社IKON Office Solutions,Inc.を米国の現地法人RICOH AMERICAS CORPORATIONを通じて買収(現・RICOH USA, INC.)。
2010年7月株式会社リコーの販売事業部門及び国内の販売会社7社を合併しリコージャパン株式会社を設立。
2010年8月リコーテクノロジーセンター(神奈川県海老名市)敷地内に新棟が完成。
2011年10月HOYA株式会社のPENTAXイメージング・システム事業を買収(現・リコーイメージング株式会社)。
2013年4月リコーテクノロジーズ株式会社へ、国内製造子会社及び株式会社リコーの設計機能の一部を移管。
リコーインダストリー株式会社へ、国内製造子会社及び株式会社リコーの生産機能の一部を移管。
2014年7月リコージャパン株式会社へ、国内販売関連会社を統合。
2014年10月リコーインダストリアルソリューションズ株式会社へ、国内製造子会社及び株式会社リコーの光学機器及び電装ユニット外販事業を移管。
2016年4月リコー環境事業開発センター(静岡県御殿場市)を開設。
2017年11月中国に現地法人RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.を設立。
2018年1月東京都大田区に本社事業所を移転。
2018年3月リコー電子デバイス株式会社(現・日清紡マイクロデバイス株式会社)の発行済株式の80%を日清紡ホールディングス株式会社へ譲渡(2021年12月に当社が保有する全株式を日清紡ホールディングス株式会社に譲渡)。
2018年8月リコーロジスティクス株式会社(現・SBSリコーロジスティクス株式会社)の発行済株式の66.6%(小数点第二位以下を切り捨て)をSBSホールディングス株式会社へ譲渡。
2020年4月リコーリース株式会社の発行済株式の約20%をみずほリース株式会社へ譲渡。
2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行。
2022年9月株式会社PFUを買収(発行済株式の80%を取得し連結子会社化)。
2024年7月東芝テック株式会社と複合機等の開発・生産に関する合弁会社エトリア株式会社を組成。
2025年3月株式会社PFU株式の20%を追加取得し完全子会社化。
2025年10月エトリア株式会社に沖電気工業株式会社が参画。
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社229社、関連会社17社で構成されております。
当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。
開発については、主として当社が担当しております。
また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。
また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。
 事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。
また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。
当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
<デジタルサービス>当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器及び消耗品の販売・保守サービスをはじめ、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといった領域において、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するオフィスサービスを提供しております。
<デジタルプロダクツ>当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンター・スキャナー等の画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEMを含む)に取り組んでおります。
<グラフィックコミュニケーションズ>当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。
商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品(プロダクションプリンター等)・サービスを提供しております。
産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地等、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンター等を製造・販売しております。
(上記3事業セグメントにおける主要な子会社)(設計及び開発・生産・その他)国内…エトリア㈱、リコーインダストリー㈱、㈱PFU、リコーPFUコンピューティング㈱米州…ETRIA MANUFACTURING USA INC.欧州…RICOH UK PRODUCTS LTD.、RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.その他地域…SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.、RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.、RICOH MANUFACTURING (THAILAND) LTD.、TOSHIBA TEC INFORMATION SYSTEMS (SHENZHEN) CO., LTD.、ETRIA LOGISTICS & PROCUREMENT H.K. LIMITED、ETRIA TRADING ASIA LIMITED、ETRIA MANUFACTURING MALAYSIA SDN. BHD.、OKI DATA MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD. (販売・サービス・サポート)国内…リコージャパン㈱、リコーITソリューションズ㈱米州…RICOH AMERICAS HOLDINGS, INC.、RICOH CANADA INC.、RICOH USA, INC.、PFU AMERICA, INC.、RICOH SOUTH AMERICA DC S.A.欧州…RICOH EUROPE HOLDINGS PLC、RICOH SVERIGE AB.、RICOH UK LTD.、PFU (EMEA) LIMITED、PFH TECHNOLOGY GROUP UNLIMITED COMPANY、RICOH DEUTSCHLAND GMBH、DOCUWARE GMBH、RICOH INTERNATIONAL B.V.、RICOH NEDERLAND B.V.、RICOH EUROPE SCM B.V.、RICOH BELGIUM N.V.、REX-ROTARY S.A.S.、RICOH FRANCE S.A.S.、RICOH SCHWEIZ AG、RICOH ITALIA S.R.L.、NPO SISTEMI S.R.L.、RICOH ESPANA S.L.U.その他地域…RICOH CHINA CO., LTD.、RICOH ASIA PACIFIC OPERATIONS LTD.、RICOH HONG KONG LTD.、RICOH THAILAND LTD.、RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD.、RICOH AUSTRALIA PTY, LTD.、RICOH NEW ZEALAND LTD. <インダストリアルソリューションズ>当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。
サーマル事業:製造・流通・物流・医療の現場で使われるバーコードラベル用の感熱紙、熱転写リボン、及び機能性包材市場のラベルレスサーマルを製造・販売しております。
産業プロダクツ事業:製造業向けの自動化設備や検査装置、自動車業界向けを中心とした精密部品を製造・販売しております。
(主要な子会社)(生産・その他)国内…リコーエレメックス㈱その他地域…RICOH ELECTRONICS, INC.、RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.、RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD. <その他>当事業セグメントには、360度カメラにソフトウェアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木等の現場のデジタル化に寄与するSmart Vision事業をはじめ、社会課題に対応する新規事業やカメラ関連事業等があります。
(主要な子会社)(生産・その他)国内…リコーイメージング㈱、リコークリエイティブサービス㈱その他地域…RICOH IMAGING PRODUCTS (VIETNAM) CO.,LTD. (販売・サービス・サポート)米州…RICOH IMAGING AMERICAS CORPORATION欧州…RICOH IMAGING EUROPE S.A.S. <事業系統図>以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
(連結子会社)2026年3月31日現在名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容リコーインダストリー㈱神奈川県厚木市100百万円プロダクションプリンター等の製造100.0当社のプロダクションプリンター等の製造リコーエレメックス㈱愛知県岡崎市3,456百万円デジタルサービス向けデバイス・精密機器の製造販売100.0当社のデジタルサービス向けデバイスの製造リコージャパン㈱*1,3東京都大田区2,517百万円デバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務リコーITソリューションズ㈱神奈川県横浜市250百万円ネットワークシステムの開発・構築・販売100.0当社製品のネットワークシステムの開発・構築・販売㈱PFU*1石川県かほく市 15,000百万円スキャナ・インダストリーコンピューティング製品等の開発・製造・販売・サービス及びITインフラ構築100.0スキャナ・インダストリーコンピューティング製品等の開発・製造・販売・サービス及びITインフラ構築リコーイメージング㈱東京都大田区100百万円デジタルカメラ等光学機器の販売100.0デジタルカメラ等光学機器の販売リコークリエイティブサービス㈱東京都大田区60百万円施設管理業務広告・印刷業100.0当社施設管理業務広告印刷等の委託業務リコーPFUコンピューティング㈱神奈川県海老名市350百万円電装ユニットの製造販売100.0当社製品部品の製造エトリア㈱*1神奈川県横浜市500百万円デジタルサービス向けデバイスの開発・設計80.7当社のデジタルサービス向けデバイスの開発・設計 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容RICOH ELECTRONICS, INC.*4米国ジョージア州27,120千米ドルサーマルメディアの製造販売100.0(100.0)当社のサーマルメディアの製造販売ETRIA MANUFACTURINGUSA INC.*1,4米国ジョージア州128,700千米ドルデジタルサービス向けデバイス関連消耗品の製造100.0(100.0)当社のデジタルサービス向けデバイス関連消耗品の製造RICOH UK PRODUCTS LTD.*4英国テルフォード5,500千スターリングポンドデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品の製造100.0(100.0)当社のデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品の製造RICOH INDUSTRIE FRANCE S.A.S.仏国ヴェトルスハイム22,105千ユーロサーマルメディアの製造販売100.0当社のサーマルメディアの製造販売RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO.,LTD.*4中国無錫市436,417千元サーマルメディアの製造販売99.0(10.0)当社のサーマルメディアの製造販売SHANGHAI RICOHDIGITAL EQUIPMENTCO.,LTD.*4中国上海市42,340千米ドルデジタルサービス向けデバイスの製造販売100.0(55.3)当社のデジタルサービス向けデバイスの製造販売RICOH MANUFACTURING(CHINA) LTD. *4中国東莞市31,000千米ドルデジタルサービス向けデバイスの製造100.0(100.0)当社のデジタルサービス向けデバイスの製造TOSHIBA TECINFORMATIONSYSTEMS(SHENZHEN)CO.,LTD.*4中国深圳市83,069千元複合機及び関連商品等の製造100.0(100.0)複合機及び関連商品等の製造ETRIA LOGISTICS& PROCUREMENTH.K. LIMITED*4中国香港2,000千香港ドル複合機及びその関連商品等の販売100.0(100.0)当社グループ向け資材調達、複合機及びその関連商品等の販売ETRIA TRADINGASIA LIMITED*1,4中国香港1,339,769千香港ドルデジタルサービス向けデバイスの販売拠点への提供100.0(100.0)デジタルサービス向けデバイスの当社の販売拠点への提供ETRIA MANUFACTURINGMALAYSIA SDN. BHD.*4マレーシアペナン35,000千マレーシアリンギット複合機関連商品等の製造100.0(100.0)複合機関連商品等の製造OKI DATAMANUFACTURING(THAILAND)CO.,LTD.*4 タイアユタヤ県420,000千タイバーツプリンター及び関連商品等の製造100.0(100.0)プリンター及び関連商品等の製造RICOH IMAGINGPRODUCTS (VIETNAM)CO.,LTD.*4 ベトナムハノイ11,000千米ドルデジタルカメラ等光学機器の製造100.0(100.0)デジタルカメラ等光学機器の製造RICOH MANUFACTURING(THAILAND) LTD.*4タイラヨーン県1,427,000千タイバーツデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品の製造100.0(100.0)当社のデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品の製造RICOH AMERICASHOLDINGS, INC.*1米国ニュージャージー州1,342,000千米ドル米州地域における販売持株会社100.0当社の米州地域における販売持株会社当社より資金の貸付…有RICOH CANADA INC.*4カナダオンタリオ州79,891千カナダドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容RICOH USA, INC.*1,3,4米国ペンシルバニア州885,342千米ドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務PFU AMERICA, INC.*4米国カリフォルニア州50,000千米ドルスキャナ等の販売及びサービスの提供100.0(100.0)スキャナ等の販売及びサービスの提供RICOH IMAGINGAMERICAS CORPORATION*4米国ニュージャージー州0千米ドルデジタルカメラ等光学機器の販売100.0(100.0)デジタルカメラ等光学機器の販売RICOH SOUTH AMERICADC S.A.*4ウルグアイモンテビデオ3,310千米ドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH EUROPEHOLDINGS PLC*1英国ロンドン52,962千スターリングポンド欧州地域における販売持株会社100.0当社の欧州地域における販売持株会社RICOH SVERIGE AB.*4スウェーデンストックホルム5,106千スウェーデンクローナデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH UK LTD.*4英国ノーサンプトン30,000千スターリングポンドデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務PFH TECHNOLOGYGROUP UNLIMITEDCOMPANY*4アイルランドコーク14,210千ユーロITサービス販売100.0(100.0)ITサービス販売PFU (EMEA) LIMITED*4英国アクスブリッジ13,762千ユーロスキャナ等の販売及びサービスの提供100.0(100.0)スキャナ等の販売及びサービスの提供RICOH DEUTSCHLANDGMBH*4独国ハノーファー8,750千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務DOCUWARE GMBH*4独国ミュンヘン168千ユーロCSP (Contents Service Platform) の開発・販売100.0(100.0)CSP (Contents Service Platform) の開発・販売RICOH INTERNATIONALB.V.*4オランダアムステルフェーン18千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH NEDERLANDB.V.*4オランダスヘルトヘンボス309千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH EUROPESCM B.V.*4オランダベルヘンオプゾーム27千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容RICOH BELGIUM N.V.*4ベルギーヴィルヴォールド47,771千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務REX-ROTARY S.A.S.*4仏国サンドニ24,683千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH FRANCE S.A.S.*4仏国ランジス12,895千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH IMAGING EUROPE S.A.S.*4仏国ランジス750千ユーロデジタルカメラ等光学機器の販売100.0(100.0)デジタルカメラ等光学機器の販売RICOH SCHWEIZ AG*4スイスチューリッヒ2,252千スイスフランデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH ITALIAS.R.L.*4イタリアミラノ4,260千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務NPO SISTEMI S.R.L.*4イタリアミラノ2,100千ユーロITサービス販売100.0(100.0)ITサービス販売RICOH ESPANA S.L.U.*4スペインマドリッド879千ユーロデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH CHINA CO.,LTD.中国上海市328,541千元デバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH ASIA PACIFIC OPERATIONS LTD.*4中国香港350,842千香港ドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH HONG KONGLTD.*4中国香港50,120千香港ドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH THAILAND LTD.*4タイバンコク346,913千タイバーツデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH ASIA PACIFICPTE. LTD.シンガポール31,672千シンガポールドルアジア・パシフィック地域における販売持株会社100.0当社のアジア・パシフィック地域における販売持株会社RICOH AUSTRALIAPTY, LTD.*4オーストラリアニューサウスウェールズ68,730千豪ドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容RICOH NEW ZEALAND LTD.*4ニュージーランドオークランド14,070千ニュージーランドドルデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供100.0(100.0)当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務RICOH EUROPE FINANCE LIMITED*4英国ロンドン5,890千ユーログループ各社への資金管理業務の提供100.0(100.0)当社グループへの資金管理業務の提供当社より資金の貸付…有その他 174社 (関連会社)2026年3月31日現在名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容SBSネクサ―ド㈱*4東京都大田区448百万円物流及び船積通関業務33.3(33.3)当社のデジタルサービス向けデバイス等の物流船積通関業務リコーリース㈱*2東京都千代田区7,897百万円総合リース業33.7当社製品のリース及びレンタルその他 15社   *1 特定子会社に該当しております。
*2 有価証券報告書を提出しております。
*3 リコージャパン㈱及びRICOH USA, INC.は連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。
<主要な損益情報等> (単位:百万円)名称リコージャパン㈱RICOH USA, INC.売上高803,246484,052税引前当期純利益15,7101,467当期純利益10,611659純資産額35,618237,023総資産額244,142532,026    RICOH USA, INC.は、前連結会計年度末において債務超過の状態にありましたが、当連結会計年度に実施した増資により、当連結会計年度末において債務超過は解消しております。
*4 議決権の所有割合の( )内の数字は間接所有割合(内数)です。
従業員の状況
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)デジタルサービス47,620デジタルプロダクツ15,503グラフィックコミュニケーションズ5,556インダストリアルソリューションズ1,977 その他3,195 全社(共通)1,784合計75,635
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は重要性がないので記載を省略しております。
② 提出会社の状況2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)4,596(733)45.420.09,061,7435.3 セグメントの名称従業員数(人)デジタルサービス792デジタルプロダクツ464グラフィックコミュニケーションズ967インダストリアルソリューションズ290その他332全社(共通)1,751合計4,596
(注) 1 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日7.5時間換算)であります。
2 臨時従業員には、嘱託(シニアを含む)、パート・アルバイトの従業員を含み、人材派遣社員、業務委託、請負の従業員を除いております。
3 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
③ 労働組合の状況当社及び一部の連結子会社において労働組合が結成されておりますが、労使関係については特に記載すべき事項はありません。
④ 多様性に関する指標  当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
  a.女性活躍推進法及び育児・介護休業法に基づく開示提出会社及び連結子会社正社員に占める女性比率(%)管理職に占める女性比率(%)男性の育児休業取得率(%)男女の賃金格差(%)全従業員うち正社員うちパート・有期雇用者㈱リコー19.910.093.380.878.686.6リコージャパン㈱21.29.8101.683.680.195.5エトリア㈱11.33.2102.277.277.069.2㈱PFU21.010.590.679.477.690.7リコーITソリューションズ㈱26.116.594.485.486.578.2リコーインダストリー㈱22.68.8100.072.879.070.6リコーエレメックス㈱21.53.8100.075.478.373.0PFU ITサービス㈱10.31.071.473.574.089.9リコークリエイティブサービス㈱29.815.185.779.285.171.2リコーPFUコンピューティング㈱27.28.0166.775.377.563.1リコーイメージング㈱15.45.1-87.287.076.5迫リコー㈱34.717.1-72.181.882.2㈱ソフトコム25.413.6-81.178.573.1PFUテクノワイズ㈱44.218.8100.070.979.179.1 (注) 1 上記は社員100名以上又は「えるぼし」認定企業を対象としております。
2 正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点となります。
3 管理職に占める女性比率及び男女の賃金格差については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。
4 男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。
なお、男性の育児休業取得率算出にあたっての各条件は厚生労働省発行のリーフレット「男性の育児休業取得率等の公表について」の記載に準じております。
また、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
5 「-」は対象となる従業員が無いことを示しております。
6 男女の賃金格差について、基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
  b.連結会社の状況 正社員に占める女性比率(%)管理職に占める女性比率(%)男性の育児休業取得率(%)男女の賃金格差(%)全従業員うち正社員うちパート・有期雇用者管理職当社及び連結子会社30.117.9-86.384.991.4111.6当社及び国内連結子会社20.39.497.579.078.081.093.1 (注) 1 正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点となります。
2 管理職に占める女性比率及び男女の賃金格差については、出向者を出向元の従業員として集計しております。
3 当社及び国内連結子会社の男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。
なお、男性の育児休業取得率算出にあたっての各条件は厚生労働省発行のリーフレット「男性の育児休業取得率等の公表について」の記載に準じております。
また、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
4 男性の育児休業取得率については、海外連結会社のデータ収集を実施していないため「-」とし、記載を省略しております。
5 男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。
なお、賃金は基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。
基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
6 当社における男女間賃金格差は管理職では 93.5%となります。
7 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定 https://jp.ricoh.com/sustainability/data
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)変わること、変わらないこと当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。
それは創業の精神である「人を愛し  国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。
「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、AI技術の普及と発展によって世の中のはたらき方が変わっていく状況においても、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(2) リコーの中期展望・中期経営戦略’26:5年先を見据えた中期経営戦略当社グループは、2026年4月からスタートした中期経営戦略’26(以下、中経’26)において、従来の3年間の策定から、5年先を見据えた毎年のローリング方式へと転換しました。
外部環境の不確実性が高まり、変化のスピードが加速する中、3年間の戦略を固定的に策定する方法では、前提条件の変化に十分対応できないと考えています。
また単年度計画のみでは、中長期的な成長投資や事業構造転換を効果的に進めることはできません。
このような認識のもと、中経’26では5年先の目指す姿から逆算するバックキャスティングの考え方を取り入れ、将来像と現状のギャップを踏まえた戦略を策定しました。
これを毎年ローリングで見直すことで、環境変化への対応力と実行力を高め、単年度計画を確実に達成しながら持続的な企業価値向上を目指します。
・中経’26:目指す姿当社グループは、デジタルサービスの会社として進化を続け、お客様の「はたらく場(ワークプレイス)」において、自社及び他社の製品・サービス、ソフトウェアを組みあわせることで、お客様の競争優位性及び差別化に貢献するインテグレーターを目指しています。
これにより、グローバルにおいて持続的な価値提供が可能な事業構造の構築を進めていきます。
オフィスプリンティング事業においては、エトリア株式会社(以下、エトリア)を通じて環境性能に優れた技術を活用し、エンジンシェア*1の拡大を図ることで、引き続き安定した収益基盤を確保します。
商用・産業印刷事業においては、安定収益を生み出すとともに、インクジェット技術を活用し、お客様のコスト低減や環境対応に資する新たな成長事業の創出に取り組みます。
当社グループは、資本効率を重視した経営を一層強化し、ROEが株主資本コストを継続して上回る状態を実現することで、企業価値及びTSRの向上を目指しています。
その実現に向け、アセットライト*2化の推進、アセットライトな事業の拡大並びにストック利益の着実な積み上げを通じてROICの改善と安定収益の確保を図っていきます。
これらの取り組みにより、柔軟な資本構成(Debt/Equity)の選択肢を持ちつつ、成長投資と株主還元を両立させることが可能となり、長期的かつ持続的な企業価値の向上につなげていきます。
*1 エンジンシェア:エトリアが製造した複合機・プリンター基幹部分の市場シェア*2 アセットライト:資産の保有を最小限に抑え、財務を軽くする経営手法 ・中経’26:目標とKPI当社グループは、株主資本コストを上回るROEの早期実現を、最優先で取り組むべき財務目標と位置づけています。
直近の目標として、株主資本コスト(2025年12月時点:7.5~8.0%)を上回るROEの早期実現を目指し、さらに2030年度目標としてROE10%以上と設定しました。
ROE10%以上を達成するための水準としてROICは7%以上を目標とし、そのために安定収益となるストック利益は15%以上の成長、成長投資は3,500億円程度の実施、そして人的資本戦略と生産性の向上による人的資本ROI*は25%以上を目指します。
加えて、ネットD/Eの割合は0.4以下とします。
これらの定量目標の管理と達成を通じて、事業成長と資本効率の改善を実現し経営の実行力を高めていきます。
* 人的資本ROI: 人的資本の投入に対するリターンを表す指標。
((売上高-人件費以外の経費)/人件費-1)×100で計算される。
人件費は、販売費及び一般管理費(販管費)に含まれるもの 当社グループは、中経’26で掲げる目指す姿の実現及び目標達成に向け、基本方針として、1. ストック利益の積み上げによる収益性向上、2. 継続的なコスト構造の見直し、3. 人材の活性化の3点に取り組みます。
1. ストック利益の積み上げによる収益性向上顧客からの信頼の証しとしてストック利益を重要指標とし、継続的な積み上げを通じて、収益性の向上及び事業基盤の安定化を図ります。
① 地域特性に応じた最適なインテグレーションによる提供価値の拡大各地域の顧客ニーズや事業環境に応じて、自社・他社の商材・サービス・ソフトウェアを組みあわせた最適な価値提供を行うことで顧客との関係性を深化させ、継続的な取引拡大とストック利益の積み上げにつなげます。
② 高収益なサービスポートフォリオ・共通モジュール拡大とガバナンスの強化収益性の高いサービスと地域にまたがって共通化されたモジュールを拡大するとともに、本社による各地域へのガバナンスを強化することで、収益の質を高め安定的なストック利益の創出を図ります。
③ 事業ポートフォリオの進化に基づく戦略的M&Aワークプレイスエクスペリエンス・プロセスオートメーションの領域を中心に強みをさらに強くすること、必要な能力を獲得して事業ポートフォリオを進化させることを目的に各地域において戦略的なM&Aを活用します。
④ 販売体制の強化とエトリアによる競争優位な商品投入(オフィスプリンティング)オフィスプリンティング事業においては、MIFマネジメントの徹底と販売チャネル戦略の見直しによる販売体制の強化と、エトリアにおける技術シナジーを活かした競争力の高い製品を継続的に市場に投入するとともに、循環型設計による環境負荷を低減する製品の市場投入により、ストック利益の維持・拡大を図ります。
⑤ インクジェット技術による収益力向上・事業領域の拡大(商用・産業印刷)商用・産業印刷分野において、インクジェット技術を強みとして、商用インクジェットプリンターの稼働台数拡大とインクジェットヘッド事業の成長、インクジェットヘッドの新規アプリケーション拡大を進めることで、安定収益の拡大と成長機会の創出につなげます。
2. 継続的なコスト構造の見直し事業ポートフォリオの進化や事業環境の変化に対応するため、継続的なコスト構造の見直しを進めます。
グローバルでの経費構造改革とアセットライト化を主要戦略とし、収益性と資本効率の向上を図ります。
具体的には、AX・DXを活用して、バックオフィス業務やグローバルSCMの改革に取り組み、事業特性に応じた適正なコスト水準への転換・経費構造の最適化を推進していきます。
あわせて、事業・個社のポートフォリオ最適化、収益性が低下した資産の整理、拠点統廃合にも取り組み、資産の効率的な活用や資産の圧縮によりアセットライトな事業構造への転換を推進します。
これらの取り組みを通じて、投下資本の抑制とキャッシュ創出力の強化を図り、ROICの改善を実現していきます。
3. 人材の活性化事業戦略の実行と成長を支える基盤として、人材の活性化を基本方針と位置づけています。
事業成長を支える能力の獲得・人材ポートフォリオの最適化と、個人が能力を最大限に発揮できる環境・制度の整備等の人的資本施策を主要な戦略として推進していきます。
まず、事業成長を支える能力の獲得・人材ポートフォリオ最適化を進めます。
そのために、グローバル人材の活用、従来から取り組んできた顧客接点人材の技術系資格取得の推進とリスキリングの継続・強化、必要に応じてM&Aを通じた人材・能力の獲得も活用し、成長領域における専門性及び実行力の強化を図ります。
あわせて、デジタル・AIを活用した業務改革により生産性を高め、創出された人的リソースを成長領域へ再配置することで、事業ポートフォリオの進化に即した人材ポートフォリオの最適化を進めます。
個人が能力を最大限に発揮できるようにする人的資本政策では、既に導入しているリコー式ジョブ型人事制度のさらなる進化や、報酬制度の改革に取り組み、社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる仕組みの整備を進めます。
これらの取り組みにより、社員一人ひとりの価値創出力を高め、人的資本ROIを向上させるとともに、企業価値向上に寄与する企業文化を醸成し、持続的な事業成長と企業価値向上を実現していきます。
将来財務(ESG)の視点ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からのESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めています。
中経’26では、ESGと事業成長の同軸化をさらに進め、その創出価値として、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」への貢献と企業価値向上を目指します。
3つのPとは、Prosperity(経済)、People(社会)、Planet(地球環境)を指します。
それぞれの領域において2030年までに実現することをKGI*として設定しました。
環境・社会・ステークホルダーに及ぼす影響(インパクト)と自社財務への影響(リスク及び機会)を評価し、特定した6つのマテリアリティと15のESG目標に対する取り組みを通じて、これらのKGIの達成を目指します。
* KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標 成長を支える資本政策当社グループは、ステークホルダーの皆様のご期待に応えながら、株主価値及び企業価値を最大化することを目指しています。
専門家の意見も取り入れながら、様々な手法・複数の視点で当社の資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。
事業ポートフォリオマネジメント及びROIC経営を推進し、資産効率を高め、ROEの改善に努めます。
企業価値最大化の実現に向けて、厳正な事業ポートフォリオマネジメントのもと合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。
当社グループの事業ポートフォリオマネジメントは、ROIC等の収益性や市場性という従来型の切り口に加えて、デジタルサービスとの親和性の観点からも評価しています。
さらに、資本効率向上に重要であるストック利益比率の観点も取り入れます。
この4つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、そして事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として進化を続けるために必要な経営基盤の強化に努めています。
また、中経’26で目指すROE10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するために、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。
さらに、主要施策は全社レベルのROICツリーにも反映し、財務数値化が難しいグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化し、将来財務につなげています。
これを「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標との関連性を明確にすることで、KGIとKPIのマネジメントを実施しています。
このような取り組みを通じ、中長期的にROE 10%超を継続できる資本収益性の実現を目指します。
なお、当連結会計年度のROEは 5.1%、ROICは 4.0%となりました。
* ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債) キャッシュ・アロケーション資本政策においては、リスク評価に基づき最適な資本構成を追求し、投資の原資に借入も活用しながら、負債と資本のバランスをとった事業投資を進めます。
オフィスプリンティング事業等の成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する方針です。
また、地政学リスクや事業環境の変化に適切に対応するため、格付の維持に努め十分な資金調達余力を確保するとともに、成長に必要な資金を確保していきます。
加えて、成長投資領域の安定事業化や新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、最適資本構成については柔軟に調整していく考えです。
事業活動によって創出した営業キャッシュ・フローについては、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的かつバランスよく配分していきます。
特に成長投資については、欧米におけるワークプレイスエクスペリエンス領域やアプリケーションサービス領域でのM&A投資等、ワークプレイスのインテグレーターとしての事業成長に必要な投資を着実に進めています。
財務規律を考慮しながら企業価値の最大化を目指し、引き続き成長投資を推進するとともに、運転資本の改善に努め営業キャッシュ・フロー創出力の強化を図ります。
その上で有利子負債も活用しながら戦略的に投資原資を確保していきます。
株主還元方針株主還元方針については、引き続き総還元性向 50%を目安とする方針を堅持します。
配当利回りを意識し、利益成長に沿った継続的な増配を目指します。
自己株式取得等の追加還元策については、経営環境や成長投資の進捗を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。
また、この株主還元方針を踏まえ、2026年5月に 250億円の自己株式取得を決定しました。
翌連結会計年度の配当見通しについては、前年度から1株当たり 4円増配し年間 44円を予定しています。
当社グループは、成長投資と株主還元の両立を基本とし、資本効率を重視した資本政策を推進します。
営業キャッシュ・フローを成長投資と株主還元に計画的に配分するとともに、安定収益を背景に有利子負債も活用し、柔軟かつ規律ある資本構成を維持します。
総還元性向 50%を目安とした株主還元を継続しながら、ROIC・ROEの改善を通じて、持続的な企業価値向上を実現していきます。
* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り (3)翌連結会計年度の見通し翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高 27,000億円、営業利益 950億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 620億円としました。
ワークプレイスサービスにおけるストック収益の拡大が、利益成長をけん引する見通しです。
そのために、中経‘26の初年度として、ワークプレイスサービスにおける既存顧客へのサービス契約拡大・深耕、グローバルでの高収益なサービスポートフォリオ・共通モジュール拡大等の施策を推進します。
一方で、半導体メモリや石油関連部材等の価格上昇に伴うコスト増加を見込んでおり、価格対応やコスト構造の見直し等によりその影響の吸収に努めるものの、一部については業績への影響を織り込んでいます。
インフレに伴う人件費等の増加も見込まれますが、経費コントロール及びコスト構造改革の継続により、これらの影響に対応していきます。
事業環境は引き続き不透明な状況が続きますが、変化に対して機動的な対応を行い、お客様の競争優位と差別化に貢献するインテグレーターとなるべく変革を進めてまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ方針当社グループは、三愛精神に基づき、経済(Prosperity)、社会(People)、地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会を、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」として表しています。
この3つのPのバランスを保ちつつ発展し続ける社会の実現に向け、1998年に世界に先駆け「環境経営」を提唱し、約30年にわたり「環境保全と利益創出の同時実現」に取り組んできました。
この取り組みを土台に、「ESGと事業成長の同軸化」を方針に掲げ、ESGを非財務ではなく、3~10年後の財務につながる「将来財務」と位置づけ、ESG/SDGsの経営戦略、経営システムへの統合を進めてきました。
中期経営戦略’26(以下、中経’26)では、「Three Ps Balance」への貢献において、2030年までに3Pの各領域で実現することをKGIとして設定しました。
また、企業価値向上と「Three Ps Balance」への貢献に向けて、社会・お客様要請、中経戦略を踏まえて、6つのマテリアリティ(重要社会課題)を特定しています。
詳細については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/sdgs ① ガバナンス環境・社会・グループ経営のガバナンス分野における課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質向上につなげる目的でESG委員会を設置し、取締役会による監督体制を構築しています。
サステナビリティに関する重要な事項については、ESG委員会や関連部門との会議体において定期的に議論され、経営としての意思決定に反映されています。
これにより、サステナビリティに関する取り組みが、事業や経営判断と一体となって推進されています。
a. 監督体制(a)サステナビリティ・ガバナンス取締役会においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会を踏まえた当社のマテリアリティ決定や、ESGに関する方針・事業計画の確定・執行及びリスク・機会に対する監督・助言・モニタリングを行っています。
ESG関連の議題について、2025年度は全体議案のおよそ2割程度の時間を割いて審議しました。
具体的には、マテリアリティとKPIを含む次期中経戦略や2026年度重点経営リスク、役員報酬連動に関して議論を行いました。
また、社外取締役とは個別意見交換の場を設け、CSRO*より社会動向や取り組みの最新情報を提供するとともに、グローバルの推進体制や販売区との連携等、個々の取り組みに対して議論を行いました。
* CSRO:Chief Sustainability & Risk Management Officer <サステナビリティに関する直近の取締役会討議内容>・中経’26(マテリアリティとKPI含む)・2026年度重点経営リスク・CEO評価、役員評価・報酬制度(長期インセンティブ:LTI等) (b)取締役のサステナビリティスキル・スキル開発持続的な株主価値・企業価値の向上に不可欠と考えるESGの取り組みを推進するため、「サステナビリティ」のスキルを取締役の主要なスキルの一つに選定しています。
具体的には、事業を通じた社会課題解決や「気候変動への対応」「循環型社会の実現」等、当社にとって重要なサステナビリティ課題への知見・経験があることを指しています。
取締役及び監査役のスキルマトリックスについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等
(2)役員の状況」をご参照ください。
また、取締役のスキル開発については、ESG動向を踏まえた当社にとってのESG課題を取締役会及びガバナンス検討会で定期的に報告することで理解を深めています。
更に現場視察や勉強会等のトレーニングを通して、適切な経営判断及び経営監督を行うための基盤を醸成しています。
<2025年度のサステナビリティテーマを含むトレーニング実績>・現場視察:2回(先端技術研究所、沼津・御殿場事業所)・勉強会:1回(ペロブスカイト太陽電池) (c)ESG指標と取締役報酬の連動第21次中期経営戦略(以下、21次中経)においては、ESGの取り組みを経営に反映させることを目的に、ESG指標と社内取締役報酬との連動を行いました。
具体的には、業績連動型賞与への「DJ BIC Indices *年次レーティング」の組み込み、業績連動型株式報酬へのESG目標の組み込みを実施しました。
中経’26からは、中長期的な企業価値向上との連動を一層強化することを目的として、ESG目標を含む新たな業績連動報酬体系を導入しています。
詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。
* DJ BIC(Dow Jones Best-in-Class) Indices:従来の「Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)」が名称変更されたもので、S&Pグローバルの評価に基づき、持続可能性に優れた企業を選出する世界的なESG指数 b. 執行体制(a)ESG委員会環境・社会・ガバナンス分野における課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質向上につなげることを目的にESG委員会を設置しています。
ESG委員会は、CEOを委員長とし、四半期に一度開催する意思決定機関です。
ESG委員会では、サステナビリティ領域における事業の将来のリスク・機会や、マテリアリティの特定、ESG目標の設定、再エネ投資等について審議しています。
重要な審議内容については、取締役会の承認を経て決定しています。
2025年度のESG委員会での主な議題については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅸ)ESG委員会」をご参照ください。
(b)ESG指標と執行役員報酬の連動21次中経においては、執行役員に対しても、業績連動型賞与への「DJ BIC Indices年次レーティング」の組み込み、業績連動型株式報酬へのESG目標の組み込みを実施しました。
また担当領域におけるESG目標を評価指標の一部として報酬に連動させることで、ESG目標達成に対するコミットメントを強化しています。
中経’26においても、ESGを含む中長期的な企業価値向上との連動を一層強化することを目的として、業績連動型株式報酬へのESG目標の組み込みと、担当領域におけるESG目標を評価指標の一部とする報酬連動を継続しています。
(c)推進体制ESG戦略本部を設置し、CSROが担当役員としてESG活動を推進しています。
ESG委員会での決定事項を含むESGに関する重要テーマは、各機能部門組織、ビジネスユニットに具体的な目標・施策として落とし込まれており、その進捗状況についてはESG委員会において定期的に確認しています。
② 戦略a. 顧客のESG要求とESG戦略への反映各国・地域での規制強化やサプライチェーン全体での人権・環境配慮要請の高まりを背景に、顧客との商談において、契約書にESG関連の要求が盛り込まれるケースやESGの取り組み状況を確認されるケースが増加しています。
最近では、環境ラベル取得、再生材の使用率等の製品に関わる項目に加え、SBTi*1によるGHG*2排出ネットゼロ目標認定取得やサプライチェーンも含めた人権リスクの対応等、要求の高度化が進んでいます。
また、商談参加の前提条件として、ESG外部評価のスコアやレーティングの提出依頼も増えており、EcoVadis*3スコア開示要求の累計件数は、2020年度末の149件に対し、2025年度末は396件となっています。
なお、開示要求数全体の2割程度はFortune Global 500*4の企業からの要請です。
このような状況を受け、中経’26では、ESGを成長戦略そのものとして進化させ、ESGによる事業貢献の加速、事業成長を支える先進的なESGマネジメントの強化、ESGグローバルトップの実現につなげるコミュニケーションと体制強化に取り組み、持続的な企業価値向上を目指します。
*1 SBTi(Science Based Targets initiative):企業の温室効果ガス(GHG)削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ*2 GHG(Green House Gas):温室効果ガス*3 EcoVadis:企業の環境・社会・ガバナンス側面を評価する国際的な評価機関であり、多くのグローバル企業がサプライヤーの選定に評価結果を活用*4 Fortune Global 500:米国の経済誌Fortuneが毎年公表する、世界の企業を売上高順にランキングした上位500社の一覧 b. サステナビリティ関連リスク・機会の識別及びマテリアリティ特定のプロセス当社グループでは、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」に向け、中経戦略におけるマテリアリティを特定し、その評価指標としてESG目標(将来財務目標)を設定しています。
マテリアリティ及びESG目標は、バリューチェーン全体を見据え、環境・社会・ガバナンスに関する課題を幅広く抽出し、リスク・機会・インパクトの評価と、経営層・ステークホルダー・各担当部門との議論を経て、ESG委員会での審議及び取締役会の承認により決定しています。
図1 中経’26におけるリスクと機会の識別及びマテリアリティの特定プロセスStep1課題の抽出・開示基準(ESRS*1、SASBスタンダード*2)、WEFグローバルリスク*3、SDGsを参照し、サステナビリティ関連課題リストを抽出・重点経営リスクやマテリアリティ・事業戦略を考慮して、分類、整理、統合・注視すべき19の社会課題を特定Step2課題の優先順位付け・重点経営リスクの評価プロセスやESRSを参考に、リスク・機会・インパクトの評価基準を策定・注視すべき19の社会課題に対して、関連部門とともにリスク・機会・インパクトを洗い出し、評価基準に沿って評価を実施・評価結果をベースに、優先度の高い課題を特定し、マテリアリティとして整理Step3経営での審議とステークホルダーへのヒアリング・ESG委員会にて特定したマテリアリティとESG目標を設定する領域を審議・株主・投資家・有識者・当社グループ各拠点のESG担当者との意見交換Step4各部門の中経戦略との整合・ESG目標設定・優先度の高い社会課題と関連したリスク・機会・インパクトを踏まえ、各組織において、中経戦略における施策とそのKPIとしてのESG目標を検討・最終的に6つのマテリアリティ、11の社会課題、15のESG目標を設定Step5経営の意思決定・ESG委員会にて、マテリアリティ及びESG目標を審議・決定し、中経戦略の財務目標とともに、取締役会にて承認の上、開示 *1 ESRS:EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づき、企業のサステナビリティ情報開示事項を定めた欧州の報告基準*2 SASBスタンダード:企業価値に影響するサステナビリティ情報の開示を目的とした業種別基準。
当社グループはHardware業種を参照*3 WEFグローバルリスク:世界経済フォーラム(WEF)が公表する、世界の主要リスクを整理した報告書 c. 中経’26におけるマテリアリティとリスク・機会特定されたマテリアリティに関連するリスクと機会は、以下表のとおりです。
なお、時間軸(緊急度)の評価基準は重点経営リスクと共通です。
詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
時間軸と短・中・長期の関係は以下表のとおりです。
時間軸(緊急度)1年以内3年以内5年以内10年以内30年以内短・中・長短期中期中期長期長期 <Prosperity(持続可能な経済)>マテリアリティ:“はたらく”の変革社会課題①:生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消* VC:バリューチェーン区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクデジタル化ニーズに対応した価値提供の不足により、印刷量減少を成長事業で十分に補完できない可能性短期下流お客様の「生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消」に貢献する商品・サービスの地域特性に応じた提供<対象商品サービスの例>・ITサービス・ワークプレイスエクスペリエンス・プロセスオートメーション・マネージドサービス・オフィスプリンティング・商用産業印刷①収益構造の移行に係るリスク(戦略リスク)機会過重労働や人手不足を背景とした生産性向上へのニーズ短期下流-場所を問わない働き方や環境変化に対応するための質の高いコミュニケーションへのニーズ短期下流生産性向上及び創造性の発揮を目的としたAI活用へのニーズ短期下流地域・組織・個人の違いに起因するデジタル格差解消へのニーズ短期下流 マテリアリティ:“はたらく”の変革社会課題②:イノベーションの加速区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク顧客ニーズや技術動向の変化による、R&D投資効果の下振れ中期自社外部との共創活動を通じた外部技術の取り込みにより、強みとなる技術の獲得確度を向上<外部との連携事例>・産業技術総合研究所との知識集約型デジタルサービス創出に関する共同研究・ペロブスカイト太陽電池によるNEDO*採択(他2社との共同開発・実証事業)・東京科学大学、アーヘン工科大学(ドイツ)との次世代デジタルプリンティング技術に関する共同研究④中長期を見据えた戦略的R&Dに係るリスク(戦略リスク)機会外部連携による技術開発の加速及び領域拡大を通じた、多様化する顧客ニーズに応える技術・製品開発の実現 中期自社・下流- * NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構):エネルギー・地球環境問題の解決や日本の産業技術力の強化のため、委託事業や補助金などにより技術開発を支援する政府の機関 マテリアリティ:安心安全なデジタル社会の実現社会課題③:情報セキュリティ確保・顧客のプライバシー保護区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクセキュリティガバナンスの不十分さに起因する、方針や対策の不統一及び組織・事業ごとの対応遅れ中期自社・サイバーセキュリティに関する国際規格やフレームを参考に作成されたガイドライン等に基づく、経営視点の成熟度向上・セキュリティ対策及び監視体制の強化と、事業継続計画(BCP)及びITシステムの復旧計画の整備・訓練の実施・プロダクトセキュリティに関わる品質マネジメントの強化・セキュリティ教育や社会的動向を踏まえたセキュリティ活動の実施と開示・SCS評価制度*を踏まえたセキュリティ対策ソリューションの提供(日本)⑤情報セキュリティリスク(戦略リスク) サイバー攻撃を受けた場合の、業務システムの停止・誤作動、データの改ざん・漏洩・破壊等による事業活動への広範な影響中期自社製品・サービスにおけるセキュリティ対策不足に起因する、顧客でのセキュリティインシデント発生及び信頼性低下中期下流機会世の中の動向に即したセキュリティ方針や対応状況の情報開示を通じた、市場からの信頼及びブランド価値の向上中期下流-顧客の情報セキュリティ対策ニーズ拡大に伴う、セキュリティ強化に資する製品・サービス提供機会の拡大短期下流 * SCS評価制度:取引先を含むサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策を客観的な基準で可視化・評価する仕組み。
中堅・中小企業も対応を求められる マテリアリティ:安心安全なデジタル社会の実現社会課題④:倫理的な技術開発と活用区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク技術・製品・サービス開発における技術倫理対応不足に起因する、社会的信頼低下及び事業機会損失中期下流・商品・サービスに対するテクノロジーアセスメントの体制を整備・継続的な教育による社員の倫理判断力向上・生成AIのガバナンス体制と運用プロセスの確立④中長期を見据えた戦略的R&Dに係るリスク(戦略リスク) データ・AI・ITに関するガバナンス不十分さに起因する、情報漏洩、誤情報に基づく業務遂行や意思決定、AI倫理基準を逸脱した利用の発生中期自社③デジタルテクノロジー(AI等)の活用と推進に係るリスク(戦略リスク) 機会AI等の新技術活用に伴う倫理的課題への関心の高まりを背景とした、先駆的な取り組みによるブランド価値向上及び顧客信頼の獲得中期下流- マテリアリティ:公正な企業活動社会課題⑤:人権尊重区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク従業員の人権への配慮不足に起因する、モチベーション低下、離職、訴訟、レピュテーション毀損中期自社・人権尊重ガイドに基づく人権SAQ評価・改善・苦情処理メカニズムの運用・改善・ハイリスクサプライヤーへの改善活動を強化・推進・サプライヤーへの人権デュー・ディリジェンスを間接材、リセール、グローバルへも拡大展開⑦ESG/SDGsの深化に係るリスク(戦略リスク) サプライチェーンにおける人権配慮不足に起因する、罰金や取引先からの選定除外、レピュテーション毀損中期上流機会増加する商談時のサプライチェーン人権対応要求への先行対応による商談機会の獲得中期下流- マテリアリティ:公正な企業活動社会課題⑥:企業倫理・コンプライアンスの徹底区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクコンプライアンス問題の発生及び不十分な対応に起因するレピュテーション毀損 短期自社・コンプライアンス遵守(心理的安全性が確保された組織風土の醸成や人権・ハラスメント問題を含む)のための教育。
相談・通報の啓発・コンプライアンス違反に関する相談窓口を設置③コンプライアンスリスク(オペレーショナルリスク)機会コンプライアンスを徹底することで企業評価が向上しステークホルダーからの信頼を獲得中期自社- <People(持続可能な社会)>マテリアリティ:多様な人材の活躍社会課題⑦:社員エンゲージメント向上とD&I区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク包摂性を欠く職場環境による、優秀な人材の離職及び採用競争力の低下中期自社・EVP(Employee ValueProposition)を中核としたカルチャー浸透、トータルリワードの展開、多様なキャリアに応じた育成体系構築、研修環境の深化なし機会多様な人材の活躍による、多角的な視点を活かした商品・サービスの開発及び提供中期自社- マテリアリティ:多様な人材の活躍社会課題⑧:社員の能力開発区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク将来の経営人材育成及び高度な技術人材(デジタル・AI等)の確保・育成・リスキリングの進展不足に起因する、事業ポートフォリオ変革と新たな価値創出の停滞による業績及び中長期的成長への悪影響中期自社・デジタル・技術スキルの獲得を目的とした教育カリキュラム及び実践型教育の拡充。
AI人材を含む技術人材の計画的な育成・強化・中長期的なリーダーシップパイプライン構築のための選抜研修・アセスメント・若手リーダーの育成②人材の確保・育成・管理リスク(戦略リスク)機会デジタルスキル人材の育成による、競争優位の獲得、収益向上中期自社- マテリアリティ:コミュニティとの共生社会課題⑨:企業と地域社会の関係構築区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク地域住民の権利を軽視した活動による地域社会からの反発・ブランド価値の低下による企業価値の毀損中期すべて・若者支援や森林保全等社員参加型のグローバルな社会貢献活動実践・事業所周辺住民・自治体との対話なし機会地域社会や環境に配慮した事業活動を通じた社会的信頼の向上、円滑な事業活動、優秀な人材採用の確保短期すべて- <Planet(持続可能な地球環境)>マテリアリティ:脱炭素・循環型社会の実現社会課題⑩:気候変動の緩和と適応 社会課題⑪:資源枯渇・資源循環区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクカーボンプライシング(炭素税・排出量取引)やサーキュラーエコノミー政策(再生材利用促進、プラ包装材課税等)等による、原材料への価格転嫁・調達コスト上昇中期上流・事業戦略を踏まえた脱炭素・省資源の実践<主な取り組み>・自社の省エネルギー・再生可能エネルギー施策の積極展開・環境配慮型商品の開発・販売・製品再生・部品再生事業の強化・ESG対応を伴う商談獲得・省エネルギー、省資源、創エネ関連事業の強化・DXを支援するソリューションの開発・販売⑦ESG/SDGsの深化に係るリスク(戦略リスク) 脱炭素・循環型社会に向けた環境規制・顧客要求への対応の遅れに起因する収益減中期下流リモートワークの増加や省資源のためのペーパーレス化が進むことによる収益減中期下流機会高まるGHG削減・再エネ導入・再生材活用要請への対応加速による競争優位の確立短期すべて- ③ リスク管理a. サステナビリティ関連リスクの管理サステナビリティ関連のリスクと機会については、当社グループ全体のリスクマネジメントの対象である重点経営リスクと同様の評価基準を用いて、時間軸(緊急度)及び影響度の観点から評価し、優先順位付けを行っています。
リスクと機会の識別プロセスの詳細については、「図1 中経’26におけるリスクと機会の識別及びマテリアリティの特定プロセス」をご参照ください。
また、マテリアリティとして特定したリスクと機会のうち、経営に大きな影響を及ぼす「重点経営リスク」と重複するリスクに関しては、重点経営リスクの運用プロセスに統合し、管理しています。
それ以外のリスク及び機会については、各部門の中経戦略、事業計画の中で管理・モニタリングしています。
b. リスクマネジメント体制当社グループでは「リスクマネジメント」を事業に関する社内外の様々な不確実性を適切に管理し、経営戦略や事業目的を遂行していく上で不可欠のものと位置づけ、全役員・全従業員で取り組んでいます。
リスクマネジメントを遂行する上でのガバナンス体制として、取締役会がリスクマネジメントに関する経営者の職務の執行が有効かつ効率的に行われているかを監督する役割と責任を担っています。
リスクマネジメント体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅺ)リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」をご参照ください。
④ 指標及び目標当社グループは、マテリアリティに対する取り組みの進捗を管理・評価するためのKPIを、ESG目標として設定しています。
ESG目標は、事業戦略及び中経戦略と整合する形で設定されており、進捗状況を事業計画とともにモニタリングしています。
a. 中経’26における新マテリアリティに紐づくESG目標Three Psマテリアリティ社会課題指標2026年度目標2030年度目標Prosperity “はたらく”の変革生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消①顧客からの評価*1日本:33%北米:35%中南米:56%欧州:32%APAC*2:36%日本:40%北米:38%中南米:63%欧州:40%APAC*2:45%イノベーションの加速②共創プロジェクト比率*343%(当該年度目標のみ開示)安心安全なデジタル社会の実現情報セキュリティ確保・顧客のプライバシー保護③セキュリティ経営成熟度*4(2030年度目標に対する進捗率)80%倫理的な技術開発と活用④テクノロジーアセスメント*5人材増加率(前年度比)30%増公正な企業活動人権尊重⑤グループ会社のローリスク率*650% ⑥ハイリスクサプライヤー数*70社企業倫理・コンプライアンスの徹底⑦コンプライアンス成熟度*8平均3.0ptPeople 多様な人材の活躍社員エンゲージメント向上とD&I ⑧エンゲージメントスコア*93.964.14⑨女性管理職比率グローバル:18.3% 日本:9.7%(当該年度目標のみ開示) 社員の能力開発⑩デジタルスキルレベル2以上のスキル*10保有数延べ13,200スキルコミュニティとの共生企業と地域社会の関係構築⑪社会貢献活動への社員参加率(延べ参加人数ベース)87%Planet 脱炭素・循環型社会の実現気候変動の緩和と適応⑫GHGスコープ1,2削減率(2015年比)65% 75% ⑬GHGスコープ3削減率(2015年比)36% 40% ⑭使用電力の再生可能エネルギー比率57%85%資源枯渇・資源循環⑮製品の新規資源使用率76%以下60%以下 *1 各地域の戦略に沿った調査を行い、価値提供を通じて「課題解決を支援するパートナー」として評価いただいた顧客の割合を測定*2 APAC:アジアパシフィック*3 研究開発プロジェクト全体における、外部組織との共創を行ったプロジェクトの比率*4 サイバーセキュリティに関する国際規格やフレームワークを参考に作成されたガイドライン等に基づく成熟度評価*5 企画・開発段階から技術の社会的・倫理的影響を予見・評価し、リスク低減策を整理して商品・サービスに反映させる活動*6 リコーグループ人権リスク評価における重要項目すべてに対応が出来ているグループ会社の割合*7 RBA(Responsible Business Alliance:グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟)の行動規範に基づく「リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範」の、要求事項に準拠していない項目が複数あるサプライヤーの数*8 法令、社内規程、行動規範を遵守する従業員の意識や仕組み(コンプライアンス体制)が、どの程度浸透・機能しているかを段階的に評価*9 Gallup社のQ12Meanスコア(高い組織パフォーマンスを予見するための12要素に対する評価スコア)を採用*10 IPAのDXスキル標準に基づき当社として設定した人材類型ごとのデジタル推奨資格・スキル ※指標目標の選定にあたっては、SASBスタンダード(Hardware業種)のガイダンスを情報源として参照し、その適用可能性を考慮しています。
なお、SASBスタンダードの開示トピックに関連する指標については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/report/guideline b. 21次中経におけるマテリアリティとESG目標の結果21次中経では、「デジタルサービスの会社への変革」と「社会・お客様要請への対応」の視点から16のESG目標を設定し、うち13指標で目標を達成することができました。
未達成となった①顧客からの評価、⑮エンゲージメントスコア、⑯女性管理職比率については中経’26でも継続して目標設定し、課題対応を進めます。
▪ ESG目標の実績(事業を通じた社会課題解決)マテリアリティ注力事業21次中経ESG目標(2025年度末)実績2023年度2024年度2025年度“はたらく”の変革•オフィスサービス•Smart Vision 等①顧客からの評価*1 29% 日本:26.3%北米:39.3%中南米:  64.8%*2欧州:24.5%APAC:17.4% 日本:26.8%北米:38.6%中南米:  45.5%*2欧州:28.2%APAC:30.8%5地域中4地域で達成日本:32.4%北米:39.6%中南米:  49.5%*2欧州:28.9%APAC:40.0%地域・社会の発展•GEMBA(オフィス以外(店舗・倉庫等)を対象とした保守・サービス)•自治体ソリューション•教育ソリューション 等②生活基盤向上貢献人数 2,350万人1,794万人2,235万人4,329万人脱炭素社会の実現•環境配慮型複合機•商用印刷•シリコーントップライナーレスラベル•ラベルレスサーマル 等 ③GHGスコープ1,2削減率(2015年比) 50%47.8%*359.2%*365.4%*4④GHGスコープ3削減率(2015年比) 35%39.1%*339.0%*342.6%*4⑤使用電力の再生可能エネルギー比率 40%30.8%*342.8%*355.7%*4⑥削減貢献量 1,400千t1,059千t1,448千t1,437千t循環型社会の実現⑦製品の新規資源使用率80%以下78.9%78.3%76.8%*4 *1 デジタルサービスの会社としてご評価いただけた顧客の割合*2 中南米はソリューション顧客を対象にした調査*3 組織体制の変更に伴い、開示対象範囲を見直し、関連する数値を再算出しています*4 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定https://jp.ricoh.com/sustainability/materiality ▪ ESG目標の実績(経営基盤の強化)マテリアリティ21次中経ESG目標(2025年度末)実績2023年度2024年度2025年度責任あるビジネスプロセスの構築⑧CHRBスコア*5ICTセクタートップセルフアセスメント実施完了。
目標に対して55%の進捗率セルフアセスメント再実施。
目標に対して90%の進捗率ICTセクタートップレベル⑨NIST SP800-171準拠自社基盤事業環境カバー率80%以上保護すべき情報の特定及びアセスメント実施中保護すべき情報の特定と計画策定完了。
一部対策完了90.7%⑩低コンプライアンスリスクグループ企業比率80%以上高リスク組織に対してパルスサーベイ実施完了高リスク組織において改善策を策定。
一部実施完了96.3%オープンイノベーションの強化⑪共同研究・開発契約のウェイト25%23.0%22.7% 26.4%⑫デジタルサービス特許出願比率*660%54.7%64.6%67.8%多様な人材の活躍⑬リコーデジタルスキルレベル2以上の人数(国内)4,000人2,855人4,658人6,811人⑭プロセスDXシルバーステージ認定者育成率*740%21.1%34.2%54.0%⑮エンゲージメントスコアグローバル:3.91日本:3.69北米:4.18中南米:4.14欧州:4.01APAC:4.15グローバル:3.79日本:3.57北米:4.00中南米:3.90欧州:3.92APAC:4.03グローバル:3.84日本:3.61北米:4.00中南米:3.95欧州:3.90APAC:4.20グローバル:3.89日本:3.67北米:4.02中南米:3.98欧州:3.98APAC:4.28⑯女性管理職比率グローバル:20%日本:10%グローバル:16.5%日本:7.7%グローバル:17.2%日本:8.4%グローバル:17.9%*8日本:9.4% *5 CHRB(Corporate Human Rights Benchmark)スコア:機関投資家とNGOが設立した人権関連の国際イニシアチブ。
5セクター(食品・農業,アパレル,採掘,ICT,自動車)のグローバル企業から選定して評価*6 特許出願数に占めるデジタルサービス貢献事業に関する特許出願数の割合*7 プロセスDXの型に基づいたプロセス改善実績のある人材の育成率(母数は各ビジネスユニットの育成対象組織総人員数)*8 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定https://jp.ricoh.com/sustainability/materiality c. 社会課題解決型事業の売上高実績21次中経では、「ESGと事業成長の同軸化」の進捗をより具体的にステークホルダーに示すため、社会課題解決に貢献する事業とその売上高目標を設定しました。
各社会課題解決型事業の売上が順調に伸長し、すべてのマテリアリティで21次中経目標を達成することができました。
特に、「地域・社会の発展」については、自治体ソリューション、GIGAスクール関連の教育ソリューションが想定以上に伸長し、目標を大幅に達成しました。
マテリアリティ社会課題解決型事業21次中経目標(2025年度末)実績2023年度2024年度2025年度“はたらく”の変革オフィスサービスSmart Vision 等10,170億円9,260億円10,060億円10,260億円地域・社会の発展GEMBA(オフィス以外(店舗・倉庫等)を対象とした保守・サービス)自治体ソリューション教育ソリューション 等320億円200億円280億円660億円脱炭素社会の実現循環型社会の実現環境配慮型複合機商用印刷シリコーントップライナーレスラベルラベルレスサーマル 等4,280億円3,150億円4,100億円4,570億円 d. 社外からの評価ESGへの取り組みが評価され、国内外のESGインデックスの組み入れ銘柄として採用されています。
2025年度はESG情報開示を拡充したことと、強みである環境配慮型商品の売上や投資の拡大、気候変動対応へのアドボカシー活動等が評価され、各評価においてグローバルトップレベルへ前進しました。
ESG評価・指標2023年度2024年度2025年度備考日経サステナブル総合調査 SDGs経営編/日経SDGs経営大賞5つ星5つ星/「プライムシート企業」認定5つ星/「プライムシート企業」認定7年連続5つ星Global100*172位51位87位4年連続選定EcoVadisGOLDPLATINUMPLATINUM2024年度より上位1%CDP*2(気候変動)AAA6年連続ACDP*2(水セキュリティ)AAA3年連続ADJ BIC IndicesWorld IndexWorld IndexAsia PacificIndexAsia PacificIndex 8年連続選定GPIF6指数*3選定選定選定2022年度より全指数選定MSCIは2023年度よりAAA *1 Global100:カナダのCorporate Knights社が、環境・社会・ガバナンスの側面から企業を評価し、持続可能性に優れた企業100社を選定・公表するランキング*2 CDP:企業の環境分野の情報開示を促し、気候変動、水セキュリティ、フォレスト等の取り組みを評価する国際的な非営利団体*3 GPIF6指数:MSCI日本株ESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、FTSE JPX Blossom Japan Index、FTSE JPX Blossom Japan Sector Relative Index、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数、Morningstar 日本株式ジェンダー・ダイバーシティ・ティルト指数(除くREIT)
(2) 環境分野(気候変動・資源循環)への対応① ガバナンス「(1) サステナビリティ方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略当社グループは、気候変動、資源枯渇、生物多様性、汚染等の環境課題への対応を、中長期的な成長及び企業価値向上に不可欠な経営課題と認識しています。
これらの環境課題から特定される、事業及び財務に影響を及ぼすリスクと機会を、研究開発投資や設備投資を含む戦略的意思決定に反映しています。
また、「脱炭素・循環型社会の実現」をマテリアリティとして特定し、これに紐づく4つのESG目標(将来財務目標)を設定しています。
a. シナリオ分析の考え方当社グループは、2018年8月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同提言に基づく気候関連のリスク・機会に関するシナリオ分析を毎年度実施しています。
2024年度からは、気候変動に加え、資源枯渇、生物多様性、汚染等の複数の環境分野における相互影響も踏まえ、TNFDのフレームワークも活用した統合的な評価へと対象を拡大しています。
評価プロセスの詳細については、「Ricoh Group Sustainability Report 2025」をご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/report/sustainability b. シナリオ分析の結果(a)環境関連リスクの評価及び対応当社グループは、シナリオ分析を通じて特定した環境関連リスクについて、重点経営リスクの考え方に基づき、緊急度(発現可能性)及び影響度(財務インパクト)の観点から評価を行っています。
評価結果は以下表のとおりです。
環境規制・規格への対応遅延やペーパーレス化等に伴う市場環境の変化に加え、自然災害の激甚化等が、事業継続や収益性に重要な影響を及ぼすリスクとして認識しています。
特に、環境規制・規格への対応の遅れは、商談機会の損失や市場競争力の低下につながる可能性があり、また、自然災害の激甚化は、サプライチェーン寸断や生産停止等を通じて、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらの評価結果を踏まえ、優先度に応じたリスク対応を進めることで、環境関連リスクに対するレジリエンスの向上を図っています。
移行リスク(1.5℃シナリオ*1)  ※分野の記載については、気候変動:気候、資源枯渇:資源、生物多様性:生物、汚染:汚染で表します 分野リスクタイプ/リスク項目リスクシナリオ(当社グループへの影響)緊急度影響度当社グループの対応気候 資源政策・規制①政策強化による調達コストの上昇・サプライヤーへのカーボンプライシング(炭素税・排出量取引)やサーキュラーエコノミー政策(再生材利用促進、プラ包装材課税等)により原材料への価格転嫁が進み調達コストが上昇5年以内10億円~200億円・サプライヤーにおける脱炭素活動支援・小型、軽量化、再生材活用等による新規資源使用率の削減気候 資源 汚染政策・規制②規制強化、顧客要求への対応遅れ・1.5℃目標達成、循環型社会構築に向けた製品/企業の環境規制の強化、顧客要求も厳格化。
対応遅れにより商機を逃し、収益減少3年以内10億円~200億円・SBTi1.5℃目標に資する省エネルギー・再生可能エネルギー施策の積極展開・CFP、SuMPO EPD、製品再生材含有率等の情報開示・サステナビリティの取り組みを活用した資金調達気候 資源市場③消費者行動の変化に伴う業績影響・オフィス向け複合機やプリンター市場における、ペーパーレス化に伴うプリント出力の想定以上の減少、部品調達等コスト上昇による業績影響3年以内10億円~200億円・既存オフィスプリンティング事業の顧客基盤の維持・拡大と社内プロセスの効率化による収益性の向上・他社との協業による複合機を含むエッジデバイス供給体制の最適化・商品競争力強化による利益率の向上・オフィスサービス事業のストック収益の積み上げ加速気候 資源 生物 汚染評判④社会的信用の失墜、ブランド価値の毀損・不法投棄等の環境関連法の違反、森林破壊への関与、グリーンウォッシュ、生物多様性や人権に配慮しない再エネ調達による社会的信用の失墜1年以内10億円~200億円・環境マネジメントシステムの徹底・産業廃棄物管理体制の強化・持続可能な原材料調達の促進・地域社会との共生へ配慮した再エネ導入促進・社員へのグリーンウォッシュ啓発教育 *1 1.5℃シナリオ:2100年までの平均気温上昇が1.5℃未満に抑えられている世界 物理リスク(4℃シナリオ*2)分野リスクタイプ/リスク項目リスクシナリオ(当社グループへの影響)緊急度影響度当社グループの対応気候急性①自然災害の急激な増加・気候変動により異常気象の激甚化が進み、自社生産拠点やサプライヤーにて想定以上の風水害が発生することでサプライチェーンの寸断等により生産停止、販売機会の損失が拡大、気候変動対応費用(災害対策、事業所移転、電力費)の増大5年以内10億円~200億円・サプライチェーンにおける水害リスクの評価・分析と対策・国内拠点における水害対策強化気候急性②感染症の流行感染症の拡大による以下の事象が発生・部品供給、製品工場の製造、輸送機関の遅延や停止・販売会社への供給遅延や停止10年以内10億円~200億円・有事を想定したBCP対応・重要部品の複数仕入先選定又は代替品の選定・リモートワーク等の新しい働き方を想定したBCP訓練気候 資源 生物急性③森林資源の減少・温暖化により森林火災、害虫等の森林被害が増えるとともに、規制が強化され、紙の調達コストが上昇10年以内~10億円・剥離紙を用いないシリコーントップライナーレスラベルによる原紙利用の削減・用紙調達方針に基づく持続可能な紙調達の推進・森林保全活動強化(100万本未来の森プロジェクト) *2 4℃シナリオ:2100年までの平均気温上昇が4℃上昇する世界 (b)環境関連機会と財務貢献効果当社グループは、環境課題への対応が事業リスクの低減にとどまらず、自社製品・サービスの提供価値及び企業価値の向上につながる重要な事業機会であると認識しています。
特に、お客様からのGHG排出削減や省資源化に対する要請の高まりを背景として、環境配慮型製品、省エネルギー・創エネルギー関連ソリューション、お客様の環境負荷低減を支援するDXソリューション等への需要が拡大しており、競争優位性の向上や商談獲得につながっています。
2025年度においては、これらの関連製品・サービスが1兆円規模の売上に貢献しています。
主な実績は以下表のとおりです。
分野2025年度実績の概要2025年度 財務貢献効果緩和への貢献気候変動資源枯渇生物多様性汚染① 環境配慮型製品・ソリューションの提供オフィスプリンティング、商用印刷事業:エネルギースターラベルに適合した画像製品サーマル事業:シリコーントップライナーレスラベル、ラベルレスサーマル約13,290億円気候変動資源枯渇② 製品再生・部品再生ビジネスの展開 効率的な回収・再生、再生機販売約320億円気候変動資源枯渇③ ESG対応を伴う商談の獲得ESG要件のある入札、商談への対応約860億円気候変動④ 省エネ、創エネ関連ソリューションの提供 GX事業(国内):電力小売、Smart MES、EV、蓄電池の利活用、太陽光発電 約250億円適応への貢献気候変動資源枯渇⑤ DXを支援するソリューションの提供スクラムシリーズ(国内)、ワークプレイスエクスペリエンス事業約3,050億円 c. サステナビリティへの取り組みを活用した資金調達当社グループは、脱炭素や資源循環をはじめとしたESGへの取り組みを強化し、サステナビリティを活用した資金調達を積極的に推進しています。
2020年に三菱UFJ銀行と初のサステナビリティ・リンク・ローンを締結して以来、みずほ銀行の「Mizuho Eco Finance」や三井住友信託銀行の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」等を利用した融資契約を締結し、継続的に資金調達を行っています。
d. 気候変動分野に対する方針及び取り組み当社グループは、「気候変動」をグローバル社会が直面する重要な社会課題の一つと認識しています。
その上で、IPCC*等の科学的知見やパリ協定等の国際的な合意を尊重し、バックキャスティングの考え方に基づいて脱炭素目標を設定しています。
目標達成に向けては、サプライチェーン全体のGHG排出量を可視化した上で、脱炭素目標の達成に向けた取り組みを進めています。
また、スコープ1,2及びスコープ3の主要カテゴリーについて、2040年までのGHG削減ロードマップを策定し、経済合理性も踏まえながら移行計画を推進しています。
さらに、お客様への環境配慮型製品・ソリューションの提供を通じて、社会全体のGHG排出削減にも取り組んでいます。
詳細については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/environment/zero_carbon_society * IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル。
世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)によって設立された政府間組織 <2040年目標達成に向けた脱炭素ロードマップ>(ⅰ)スコープ 1,2脱炭素ロードマップ ・徹底した省エネ・燃料転換の推進生産拠点においては製造プロセス改善、高効率・省エネ設備導入を進めています。
非生産拠点においては日本国内では事業所のZEB化*1を拡大し、海外では省エネ型オフィスへの移転を促進させます。
社有車においては車両運用効率化や低燃費車導入に加えエコドライブを徹底します。
また、現状では困難なスコープ1削減の課題に対しては、2030年以降の施策として、設備の電化、水素・CCS*2等の将来技術の導入検討を本格化させるとともに、社有車においてはEV、燃料電池車等への転換を拡大させていくことを想定しています。
*1 ZEB:先進的な建築設計、省エネルギー設備の導入による省エネに加え、再生可能エネルギーの活用等による創エネにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指す取り組み*2 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage):二酸化炭素回収・貯留 ・再生可能エネルギーの積極的な利活用当社グループは2017年4月に日本企業として初めてRE100*に参加し、RE100基準に適合する再生可能エネルギー由来の電力の総電力量に対する割合で算出される再生可能エネルギー比率の目標(相対指標)を設定しています。
各拠点所在地での最適な手段による再エネ電力導入を進め、海外全拠点及び国内主要生産拠点では2030年までに使用電力の再エネへの100%転換を目指します(グループ全体の再エネ率目標は85%)。
日本国内では有志企業とともに再エネ電力のコストダウン、調達手段の多様化や、地域と共生する再エネ開発促進を政府に働きかけ、再エネ導入加速に尽力します。
* RE100:事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ (ⅱ)スコープ3主要カテゴリー(Cat.1, 4, 11) 脱炭素ロードマップスコープ3においてはカテゴリー1(調達)、カテゴリー4(輸送)、 カテゴリー11(使用)の3カテゴリーで合計の3分の2以上を占めるため、2030年までに3カテゴリーの排出量を基準年比40%まで削減する施策を中心に展開していきます。
主要な削減策として、複合機・プリンターの小型・軽量化や省エネルギーに取り組んできました。
今後はこれらに加え、再生機販売、再生材料の利活用に関する施策を拡大していきます。
低炭素材料の採用拡大や輸送に係る脱炭素活動についても着手し、中長期的に効果を見込んで取り組んでいます。
スコープ3の削減活動を通じて、バリューチェーンの脱炭素に貢献していきます。
e. 資源循環分野に対する方針及び取り組み当社グループが目指す持続可能な社会の実現には、社会全体が循環型社会へ移行していくことが必要です。
1994年に制定した「コメットサークル」は、循環型社会実現のコンセプトとして、製品メーカー・販売者としての当社グループの領域にとどまらず、その上流から下流までを含む製品ライフサイクル全体で環境負荷低減を図る考え方を示したものです。
このコンセプトに基づき、省資源方針として、徹底的な資源の有効利用と循環の推進に加え、再生製品の提供や低環境負荷かつ持続可能な資源への切替・積極活用を進めており、製品の新規資源使用率を指標として管理しています。
製品に使用する新規資源の削減施策として、小型・軽量化、長寿命化や、製品・部品リユース及びリサイクル材、リニューアブル材を増やす活動を行っています。
これらを統合して、バージン材の使用量を減らしていく取り組みを実施しています。
さらに、この活動は、新規資源の採掘によるGHG排出を回避することで、当社グループのGHG排出の多くを占めるスコープ3カテゴリー1を削減することにもつながります。
③ リスク管理「(1) サステナビリティ方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標以下の指標は、当社グループのサステナビリティに関する取り組みの進捗や成果を把握するとともに、事業運営やリスク管理の状況を評価するための重要な情報であると考えています。
a. 気候変動分野(a)指標及び目標当社グループは、事業を通じた脱炭素社会の実現を目的として脱炭素目標を設定しており、徹底した省エネ活動の推進や、積極的な再生可能エネルギーの利活用の拡大により、GHG排出削減が従来の想定を上回って進捗しています。
これを踏まえ、2030年度におけるスコープ1,2のGHG排出削減目標を従来の63%から75%へ(基準年:2015年度)引き上げました。
スコープ3(カテゴリー1,4,11)については、40%削減目標を継続しています。
また、これまでスコープ1~3の合算で2050年度90%削減(基準年:2015年度)としていた目標から、スコープ1,2及びスコープ3について、それぞれ2040年度、2050年度までに90%削減する個別目標を設定し、目標を引き上げました。
これらの目標は、SBTiの「Net-Zero Standard」に基づくネットゼロ目標として認定されています。
再生可能エネルギーの目標に関しても2030年度に50%から85%へ引き上げました。
気候変動分野における環境目標については、適宜、見直しを行っています。
▪ リコーグループ環境目標(気候変動分野)* 7種類の温室効果ガス(CO2,CH4,N2O,HFCs,PFCs,SF6,NF3)を含む* 2030年度目標のGHGスコープ1,2,3、2040年度目標のGHGスコープ3:自助努力による削減率を設定したグロス目標。
2040年度目標のGHGスコープ1,2、2050年度目標のGHGスコープ1,2、及びGHGスコープ3は、排出量を自助努力で基準年比90%削減(グロス目標)とし、残余排出は国際的に認められる方法(2023年11月発行のISO14068-1:2023に準ずる)でオフセットすることでネットゼロを達成(ネット目標)* 各GHG削減目標の算定においては、セクター別脱炭素アプローチは使用していない 当社グループにおける主な気候関連指標の目標及び実績*は以下表のとおりです。
単位2015年度 (基準年)2023年度2024年度2025年度2030年度 (目標年)温室効果ガス排出量 スコープ11,000t-CO2e160.6106.496.892.1ースコープ2: マーケットベース327.1148.4102.376.7ースコープ2: ロケーションベースー206.9204.0197.1ー合計: スコープ1及びスコープ2487.7254.8199.1168.8121.9スコープ3: 調達・輸送・使用カテゴリー2,3951,4581,4601,3731,436 Cat.1 調達1,5791,1051,0851,069ーCat.4 輸送295253229186ーCat.11 使用521100146118ー使用電力 再生可能エネルギー比率%ー30.842.855.785.0 * 第三者検証中の暫定値。
確定値及びScope3の全カテゴリーは2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定https://jp.ricoh.com/sustainability/data* 組織体制の変更に伴い、開示対象範囲を見直し、関連する数値を再算出* 小数点第1位までの表示にあたっては、小数点第2位以下を四捨五入しているため、表内の数値の合計が一致しない場合があります (b)算出条件以下の条件にて、温室効果ガス排出量を算出・開示しています。
・温室効果ガス排出範囲:経営支配力アプローチ採用当社グループでは、事業方針の導入・実施権限を有する事業・施設に対する環境影響を総合的に管理するため、経営支配力アプローチを採用しています。
・温室効果ガス測定方法:見積による測定当社グループでは、グローバル拠点の温室効果ガス排出量を迅速・効率的に把握するため、見積による測定方法を採用しています。
(c)その他指標・内部炭素価格の導入当社グループは、移行リスクにおいて、カーボンプライシング政策によるサプライヤーからの調達コスト上昇を評価することを目的に、スコープ3カテゴリー1(調達)に対する内部炭素価格(シャドウプライス)を20,300円/tCO2*で設定しています。
*IEA World Energy OutlookでNZEシナリオの前提条件として設定されている炭素価格(2030年時点・先進国の値)を参照して設定 b. 資源循環分野(a)指標及び目標当社グループにおける製品の新規資源使用率・使用量の目標及び実績*は以下表のとおりです。
単位2023年度2024年度2025年度2030年度(目標年)2050年度(目標年)製品の新規資源使用率%78.978.376.86012製品の新規資源使用量千t61.666.867.6ーー * 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定https://jp.ricoh.com/sustainability/data (3) 人権への対応① ガバナンス「(1) サステナビリティ方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略当社グループは、事業活動及びサプライチェーン全体における人権尊重を、事業運営を支える基盤的要素として位置づけるとともに、人権課題への適切な対応を重要な経営課題として認識しています。
国際的に認められた人権に関する原則を踏まえ、人権方針の策定、人権デュー・ディリジェンス*の実施、通報・相談体制の整備等を通じて、人権課題への対応を推進しています。
また、自社及びサプライチェーンにおける児童労働・強制労働、差別、プライバシー侵害等の人権課題への対応を進めるとともに、責任ある鉱物調達や労働安全衛生の強化等を通じて、人権尊重の取り組み強化を図っています。
これらの取り組みは、事業戦略及びリスク管理プロセスと連動させながら継続的に見直しを行い、人権課題に起因するリスクの低減及び顕在化の防止につなげています。
* 人権デュー・ディリジェンス:人権に関する負の影響を認識し、それを防止・対処するために実施すべきプロセス ③ リスク管理「(1) サステナビリティ方針 ③リスク管理」をご参照ください。
加えて、人権への対応に関するリスク管理は以下のとおりです。
a. 人権デュー・ディリジェンス経営層の責任のもと、サプライチェーン全体で人権デュー・ディリジェンスに継続して取り組んでいます。
1.人権への影響評価人権リスク管理の重要性を考慮し、2022年より人権影響評価を毎年実施しています。
当社グループにとっての15の代表的な人権リスクについて人権影響評価を実施し、顕著な人権課題の特定を行っています。
2023年に顕著な人権課題の見直しをしましたが、今後は原則として3年毎に見直しを実施します。
人権影響評価の対象会社数は、2025年度は109社でした。
人権影響評価はスコアリングにて定量的に評価しており、優先対応項目の対応率は2024年度の96.0%から2025年度には97.7%へと、1.7ポイント改善しました。
一方で、サプライチェーン全体を対象とした継続的な監視・管理等未然防止に向けた運用面の仕組みについては、さらなる定着が必要であることがわかりました。
[2023年の影響評価で特定された顕著な人権課題]7つ(強制労働、過剰・不当な労働時間、労働・安全衛生、差別・ハラスメント、テクノロジー・AIに関する人権問題、プライバシーの権利、サプライチェーン上の人権問題) 2.負の影響の防止・軽減顕著な人権課題については、人権対応責任部門が関連部門と連携し、負の影響の防止・軽減に向けた取り組みを推進しています。
代表的な人権リスクへの対応として、2024年に、人権リスクごとに守るべき基準を定めた「リコーグループ人権尊重のためのガイド」を策定しました。
本ガイドをグローバルに展開し、顕著な人権課題への対応を優先しながら、各社における対応ポイントの実践を通じて人権リスクの低減に取り組んでいます。
主要な国内外グループ会社では、本ガイドに基づくセルフアセスメントを年次で実施しており、結果のフィードバックやベストプラクティスの共有、改善支援を行っています。
また、顕著な人権課題の一つである「サプライチェーン上の人権問題」への対応として、責任ある鉱物資源調達に関する調査を実施しています。
2025年度の調査票回収率は、目標100%に対し97%(2026年5月末時点)でした。
紛争鉱物の使用撲滅に向け、部品単位での含有状況調査や、RMAP*認証製錬所への取引切替を要請しています。
* RMAP(Responsible Minerals Assurance Process):紛争鉱物問題に取り組む米国組織 RMI(Responsible Minerals Initiative)が実施する製錬所認定プログラム 3.モニタリング生産拠点については、労働安全衛生や人材の多様な雇用形態を踏まえ、人権リスク管理の重要性が高いと認識し、継続的にモニタリングを行っています。
主要な生産拠点では、RBAのリスクセルフアセスメントを用いたESGリスク評価を年次で実施し、負の影響の特定及び是正対応を行っています。
また、一部の生産拠点では、2年ごとに第三者監査(RBA VAP*)を受審し、国際的なESG要件への適合状況を確認しています。
これまで監査を受審した6拠点すべてで認証を取得しており、2026年2月には、タイの生産拠点で当社グループ初のプラチナ認証を取得しました。
RBA認証取得状況は、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/society/human-rightsさらに、購買金額上位80%以上を占める重要サプライヤーを中心に、ESGリスクセルフアセスメントを通じた人権リスク評価を年次で実施しています。
高リスクと判断されたサプライヤーに対しては、改善に向けた助言や現場監査を通じて是正を要請しています。
今後も人権デュー・ディリジェンスの取り組みを継続し、人権尊重の取り組みを強化していきます。
* VAP(Validated Assessment Program):RBA行動規範に対する準拠状況を第三者監査機関が確認するプログラム 4.情報開示ESG委員会で経営層へ報告するとともにウェブサイトやサステナビリティレポートで開示し
戦略 ② 戦略a. 顧客のESG要求とESG戦略への反映各国・地域での規制強化やサプライチェーン全体での人権・環境配慮要請の高まりを背景に、顧客との商談において、契約書にESG関連の要求が盛り込まれるケースやESGの取り組み状況を確認されるケースが増加しています。
最近では、環境ラベル取得、再生材の使用率等の製品に関わる項目に加え、SBTi*1によるGHG*2排出ネットゼロ目標認定取得やサプライチェーンも含めた人権リスクの対応等、要求の高度化が進んでいます。
また、商談参加の前提条件として、ESG外部評価のスコアやレーティングの提出依頼も増えており、EcoVadis*3スコア開示要求の累計件数は、2020年度末の149件に対し、2025年度末は396件となっています。
なお、開示要求数全体の2割程度はFortune Global 500*4の企業からの要請です。
このような状況を受け、中経’26では、ESGを成長戦略そのものとして進化させ、ESGによる事業貢献の加速、事業成長を支える先進的なESGマネジメントの強化、ESGグローバルトップの実現につなげるコミュニケーションと体制強化に取り組み、持続的な企業価値向上を目指します。
*1 SBTi(Science Based Targets initiative):企業の温室効果ガス(GHG)削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ*2 GHG(Green House Gas):温室効果ガス*3 EcoVadis:企業の環境・社会・ガバナンス側面を評価する国際的な評価機関であり、多くのグローバル企業がサプライヤーの選定に評価結果を活用*4 Fortune Global 500:米国の経済誌Fortuneが毎年公表する、世界の企業を売上高順にランキングした上位500社の一覧 b. サステナビリティ関連リスク・機会の識別及びマテリアリティ特定のプロセス当社グループでは、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」に向け、中経戦略におけるマテリアリティを特定し、その評価指標としてESG目標(将来財務目標)を設定しています。
マテリアリティ及びESG目標は、バリューチェーン全体を見据え、環境・社会・ガバナンスに関する課題を幅広く抽出し、リスク・機会・インパクトの評価と、経営層・ステークホルダー・各担当部門との議論を経て、ESG委員会での審議及び取締役会の承認により決定しています。
図1 中経’26におけるリスクと機会の識別及びマテリアリティの特定プロセスStep1課題の抽出・開示基準(ESRS*1、SASBスタンダード*2)、WEFグローバルリスク*3、SDGsを参照し、サステナビリティ関連課題リストを抽出・重点経営リスクやマテリアリティ・事業戦略を考慮して、分類、整理、統合・注視すべき19の社会課題を特定Step2課題の優先順位付け・重点経営リスクの評価プロセスやESRSを参考に、リスク・機会・インパクトの評価基準を策定・注視すべき19の社会課題に対して、関連部門とともにリスク・機会・インパクトを洗い出し、評価基準に沿って評価を実施・評価結果をベースに、優先度の高い課題を特定し、マテリアリティとして整理Step3経営での審議とステークホルダーへのヒアリング・ESG委員会にて特定したマテリアリティとESG目標を設定する領域を審議・株主・投資家・有識者・当社グループ各拠点のESG担当者との意見交換Step4各部門の中経戦略との整合・ESG目標設定・優先度の高い社会課題と関連したリスク・機会・インパクトを踏まえ、各組織において、中経戦略における施策とそのKPIとしてのESG目標を検討・最終的に6つのマテリアリティ、11の社会課題、15のESG目標を設定Step5経営の意思決定・ESG委員会にて、マテリアリティ及びESG目標を審議・決定し、中経戦略の財務目標とともに、取締役会にて承認の上、開示 *1 ESRS:EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づき、企業のサステナビリティ情報開示事項を定めた欧州の報告基準*2 SASBスタンダード:企業価値に影響するサステナビリティ情報の開示を目的とした業種別基準。
当社グループはHardware業種を参照*3 WEFグローバルリスク:世界経済フォーラム(WEF)が公表する、世界の主要リスクを整理した報告書 c. 中経’26におけるマテリアリティとリスク・機会特定されたマテリアリティに関連するリスクと機会は、以下表のとおりです。
なお、時間軸(緊急度)の評価基準は重点経営リスクと共通です。
詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
時間軸と短・中・長期の関係は以下表のとおりです。
時間軸(緊急度)1年以内3年以内5年以内10年以内30年以内短・中・長短期中期中期長期長期 <Prosperity(持続可能な経済)>マテリアリティ:“はたらく”の変革社会課題①:生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消* VC:バリューチェーン区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクデジタル化ニーズに対応した価値提供の不足により、印刷量減少を成長事業で十分に補完できない可能性短期下流お客様の「生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消」に貢献する商品・サービスの地域特性に応じた提供<対象商品サービスの例>・ITサービス・ワークプレイスエクスペリエンス・プロセスオートメーション・マネージドサービス・オフィスプリンティング・商用産業印刷①収益構造の移行に係るリスク(戦略リスク)機会過重労働や人手不足を背景とした生産性向上へのニーズ短期下流-場所を問わない働き方や環境変化に対応するための質の高いコミュニケーションへのニーズ短期下流生産性向上及び創造性の発揮を目的としたAI活用へのニーズ短期下流地域・組織・個人の違いに起因するデジタル格差解消へのニーズ短期下流 マテリアリティ:“はたらく”の変革社会課題②:イノベーションの加速区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク顧客ニーズや技術動向の変化による、R&D投資効果の下振れ中期自社外部との共創活動を通じた外部技術の取り込みにより、強みとなる技術の獲得確度を向上<外部との連携事例>・産業技術総合研究所との知識集約型デジタルサービス創出に関する共同研究・ペロブスカイト太陽電池によるNEDO*採択(他2社との共同開発・実証事業)・東京科学大学、アーヘン工科大学(ドイツ)との次世代デジタルプリンティング技術に関する共同研究④中長期を見据えた戦略的R&Dに係るリスク(戦略リスク)機会外部連携による技術開発の加速及び領域拡大を通じた、多様化する顧客ニーズに応える技術・製品開発の実現 中期自社・下流- * NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構):エネルギー・地球環境問題の解決や日本の産業技術力の強化のため、委託事業や補助金などにより技術開発を支援する政府の機関 マテリアリティ:安心安全なデジタル社会の実現社会課題③:情報セキュリティ確保・顧客のプライバシー保護区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクセキュリティガバナンスの不十分さに起因する、方針や対策の不統一及び組織・事業ごとの対応遅れ中期自社・サイバーセキュリティに関する国際規格やフレームを参考に作成されたガイドライン等に基づく、経営視点の成熟度向上・セキュリティ対策及び監視体制の強化と、事業継続計画(BCP)及びITシステムの復旧計画の整備・訓練の実施・プロダクトセキュリティに関わる品質マネジメントの強化・セキュリティ教育や社会的動向を踏まえたセキュリティ活動の実施と開示・SCS評価制度*を踏まえたセキュリティ対策ソリューションの提供(日本)⑤情報セキュリティリスク(戦略リスク) サイバー攻撃を受けた場合の、業務システムの停止・誤作動、データの改ざん・漏洩・破壊等による事業活動への広範な影響中期自社製品・サービスにおけるセキュリティ対策不足に起因する、顧客でのセキュリティインシデント発生及び信頼性低下中期下流機会世の中の動向に即したセキュリティ方針や対応状況の情報開示を通じた、市場からの信頼及びブランド価値の向上中期下流-顧客の情報セキュリティ対策ニーズ拡大に伴う、セキュリティ強化に資する製品・サービス提供機会の拡大短期下流 * SCS評価制度:取引先を含むサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策を客観的な基準で可視化・評価する仕組み。
中堅・中小企業も対応を求められる マテリアリティ:安心安全なデジタル社会の実現社会課題④:倫理的な技術開発と活用区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク技術・製品・サービス開発における技術倫理対応不足に起因する、社会的信頼低下及び事業機会損失中期下流・商品・サービスに対するテクノロジーアセスメントの体制を整備・継続的な教育による社員の倫理判断力向上・生成AIのガバナンス体制と運用プロセスの確立④中長期を見据えた戦略的R&Dに係るリスク(戦略リスク) データ・AI・ITに関するガバナンス不十分さに起因する、情報漏洩、誤情報に基づく業務遂行や意思決定、AI倫理基準を逸脱した利用の発生中期自社③デジタルテクノロジー(AI等)の活用と推進に係るリスク(戦略リスク) 機会AI等の新技術活用に伴う倫理的課題への関心の高まりを背景とした、先駆的な取り組みによるブランド価値向上及び顧客信頼の獲得中期下流- マテリアリティ:公正な企業活動社会課題⑤:人権尊重区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク従業員の人権への配慮不足に起因する、モチベーション低下、離職、訴訟、レピュテーション毀損中期自社・人権尊重ガイドに基づく人権SAQ評価・改善・苦情処理メカニズムの運用・改善・ハイリスクサプライヤーへの改善活動を強化・推進・サプライヤーへの人権デュー・ディリジェンスを間接材、リセール、グローバルへも拡大展開⑦ESG/SDGsの深化に係るリスク(戦略リスク) サプライチェーンにおける人権配慮不足に起因する、罰金や取引先からの選定除外、レピュテーション毀損中期上流機会増加する商談時のサプライチェーン人権対応要求への先行対応による商談機会の獲得中期下流- マテリアリティ:公正な企業活動社会課題⑥:企業倫理・コンプライアンスの徹底区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクコンプライアンス問題の発生及び不十分な対応に起因するレピュテーション毀損 短期自社・コンプライアンス遵守(心理的安全性が確保された組織風土の醸成や人権・ハラスメント問題を含む)のための教育。
相談・通報の啓発・コンプライアンス違反に関する相談窓口を設置③コンプライアンスリスク(オペレーショナルリスク)機会コンプライアンスを徹底することで企業評価が向上しステークホルダーからの信頼を獲得中期自社- <People(持続可能な社会)>マテリアリティ:多様な人材の活躍社会課題⑦:社員エンゲージメント向上とD&I区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク包摂性を欠く職場環境による、優秀な人材の離職及び採用競争力の低下中期自社・EVP(Employee ValueProposition)を中核としたカルチャー浸透、トータルリワードの展開、多様なキャリアに応じた育成体系構築、研修環境の深化なし機会多様な人材の活躍による、多角的な視点を活かした商品・サービスの開発及び提供中期自社- マテリアリティ:多様な人材の活躍社会課題⑧:社員の能力開発区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク将来の経営人材育成及び高度な技術人材(デジタル・AI等)の確保・育成・リスキリングの進展不足に起因する、事業ポートフォリオ変革と新たな価値創出の停滞による業績及び中長期的成長への悪影響中期自社・デジタル・技術スキルの獲得を目的とした教育カリキュラム及び実践型教育の拡充。
AI人材を含む技術人材の計画的な育成・強化・中長期的なリーダーシップパイプライン構築のための選抜研修・アセスメント・若手リーダーの育成②人材の確保・育成・管理リスク(戦略リスク)機会デジタルスキル人材の育成による、競争優位の獲得、収益向上中期自社- マテリアリティ:コミュニティとの共生社会課題⑨:企業と地域社会の関係構築区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスク地域住民の権利を軽視した活動による地域社会からの反発・ブランド価値の低下による企業価値の毀損中期すべて・若者支援や森林保全等社員参加型のグローバルな社会貢献活動実践・事業所周辺住民・自治体との対話なし機会地域社会や環境に配慮した事業活動を通じた社会的信頼の向上、円滑な事業活動、優秀な人材採用の確保短期すべて- <Planet(持続可能な地球環境)>マテリアリティ:脱炭素・循環型社会の実現社会課題⑩:気候変動の緩和と適応 社会課題⑪:資源枯渇・資源循環区分内容時間軸VC*への影響主な施策関連する重点経営リスクリスクカーボンプライシング(炭素税・排出量取引)やサーキュラーエコノミー政策(再生材利用促進、プラ包装材課税等)等による、原材料への価格転嫁・調達コスト上昇中期上流・事業戦略を踏まえた脱炭素・省資源の実践<主な取り組み>・自社の省エネルギー・再生可能エネルギー施策の積極展開・環境配慮型商品の開発・販売・製品再生・部品再生事業の強化・ESG対応を伴う商談獲得・省エネルギー、省資源、創エネ関連事業の強化・DXを支援するソリューションの開発・販売⑦ESG/SDGsの深化に係るリスク(戦略リスク) 脱炭素・循環型社会に向けた環境規制・顧客要求への対応の遅れに起因する収益減中期下流リモートワークの増加や省資源のためのペーパーレス化が進むことによる収益減中期下流機会高まるGHG削減・再エネ導入・再生材活用要請への対応加速による競争優位の確立短期すべて-
指標及び目標 ④ 指標及び目標当社グループは、マテリアリティに対する取り組みの進捗を管理・評価するためのKPIを、ESG目標として設定しています。
ESG目標は、事業戦略及び中経戦略と整合する形で設定されており、進捗状況を事業計画とともにモニタリングしています。
a. 中経’26における新マテリアリティに紐づくESG目標Three Psマテリアリティ社会課題指標2026年度目標2030年度目標Prosperity “はたらく”の変革生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消①顧客からの評価*1日本:33%北米:35%中南米:56%欧州:32%APAC*2:36%日本:40%北米:38%中南米:63%欧州:40%APAC*2:45%イノベーションの加速②共創プロジェクト比率*343%(当該年度目標のみ開示)安心安全なデジタル社会の実現情報セキュリティ確保・顧客のプライバシー保護③セキュリティ経営成熟度*4(2030年度目標に対する進捗率)80%倫理的な技術開発と活用④テクノロジーアセスメント*5人材増加率(前年度比)30%増公正な企業活動人権尊重⑤グループ会社のローリスク率*650% ⑥ハイリスクサプライヤー数*70社企業倫理・コンプライアンスの徹底⑦コンプライアンス成熟度*8平均3.0ptPeople 多様な人材の活躍社員エンゲージメント向上とD&I ⑧エンゲージメントスコア*93.964.14⑨女性管理職比率グローバル:18.3% 日本:9.7%(当該年度目標のみ開示) 社員の能力開発⑩デジタルスキルレベル2以上のスキル*10保有数延べ13,200スキルコミュニティとの共生企業と地域社会の関係構築⑪社会貢献活動への社員参加率(延べ参加人数ベース)87%Planet 脱炭素・循環型社会の実現気候変動の緩和と適応⑫GHGスコープ1,2削減率(2015年比)65% 75% ⑬GHGスコープ3削減率(2015年比)36% 40% ⑭使用電力の再生可能エネルギー比率57%85%資源枯渇・資源循環⑮製品の新規資源使用率76%以下60%以下 *1 各地域の戦略に沿った調査を行い、価値提供を通じて「課題解決を支援するパートナー」として評価いただいた顧客の割合を測定*2 APAC:アジアパシフィック*3 研究開発プロジェクト全体における、外部組織との共創を行ったプロジェクトの比率*4 サイバーセキュリティに関する国際規格やフレームワークを参考に作成されたガイドライン等に基づく成熟度評価*5 企画・開発段階から技術の社会的・倫理的影響を予見・評価し、リスク低減策を整理して商品・サービスに反映させる活動*6 リコーグループ人権リスク評価における重要項目すべてに対応が出来ているグループ会社の割合*7 RBA(Responsible Business Alliance:グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟)の行動規範に基づく「リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範」の、要求事項に準拠していない項目が複数あるサプライヤーの数*8 法令、社内規程、行動規範を遵守する従業員の意識や仕組み(コンプライアンス体制)が、どの程度浸透・機能しているかを段階的に評価*9 Gallup社のQ12Meanスコア(高い組織パフォーマンスを予見するための12要素に対する評価スコア)を採用*10 IPAのDXスキル標準に基づき当社として設定した人材類型ごとのデジタル推奨資格・スキル ※指標目標の選定にあたっては、SASBスタンダード(Hardware業種)のガイダンスを情報源として参照し、その適用可能性を考慮しています。
なお、SASBスタンダードの開示トピックに関連する指標については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/report/guideline b. 21次中経におけるマテリアリティとESG目標の結果21次中経では、「デジタルサービスの会社への変革」と「社会・お客様要請への対応」の視点から16のESG目標を設定し、うち13指標で目標を達成することができました。
未達成となった①顧客からの評価、⑮エンゲージメントスコア、⑯女性管理職比率については中経’26でも継続して目標設定し、課題対応を進めます。
▪ ESG目標の実績(事業を通じた社会課題解決)マテリアリティ注力事業21次中経ESG目標(2025年度末)実績2023年度2024年度2025年度“はたらく”の変革•オフィスサービス•Smart Vision 等①顧客からの評価*1 29% 日本:26.3%北米:39.3%中南米:  64.8%*2欧州:24.5%APAC:17.4% 日本:26.8%北米:38.6%中南米:  45.5%*2欧州:28.2%APAC:30.8%5地域中4地域で達成日本:32.4%北米:39.6%中南米:  49.5%*2欧州:28.9%APAC:40.0%地域・社会の発展•GEMBA(オフィス以外(店舗・倉庫等)を対象とした保守・サービス)•自治体ソリューション•教育ソリューション 等②生活基盤向上貢献人数 2,350万人1,794万人2,235万人4,329万人脱炭素社会の実現•環境配慮型複合機•商用印刷•シリコーントップライナーレスラベル•ラベルレスサーマル 等 ③GHGスコープ1,2削減率(2015年比) 50%47.8%*359.2%*365.4%*4④GHGスコープ3削減率(2015年比) 35%39.1%*339.0%*342.6%*4⑤使用電力の再生可能エネルギー比率 40%30.8%*342.8%*355.7%*4⑥削減貢献量 1,400千t1,059千t1,448千t1,437千t循環型社会の実現⑦製品の新規資源使用率80%以下78.9%78.3%76.8%*4 *1 デジタルサービスの会社としてご評価いただけた顧客の割合*2 中南米はソリューション顧客を対象にした調査*3 組織体制の変更に伴い、開示対象範囲を見直し、関連する数値を再算出しています*4 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定https://jp.ricoh.com/sustainability/materiality ▪ ESG目標の実績(経営基盤の強化)マテリアリティ21次中経ESG目標(2025年度末)実績2023年度2024年度2025年度責任あるビジネスプロセスの構築⑧CHRBスコア*5ICTセクタートップセルフアセスメント実施完了。
目標に対して55%の進捗率セルフアセスメント再実施。
目標に対して90%の進捗率ICTセクタートップレベル⑨NIST SP800-171準拠自社基盤事業環境カバー率80%以上保護すべき情報の特定及びアセスメント実施中保護すべき情報の特定と計画策定完了。
一部対策完了90.7%⑩低コンプライアンスリスクグループ企業比率80%以上高リスク組織に対してパルスサーベイ実施完了高リスク組織において改善策を策定。
一部実施完了96.3%オープンイノベーションの強化⑪共同研究・開発契約のウェイト25%23.0%22.7% 26.4%⑫デジタルサービス特許出願比率*660%54.7%64.6%67.8%多様な人材の活躍⑬リコーデジタルスキルレベル2以上の人数(国内)4,000人2,855人4,658人6,811人⑭プロセスDXシルバーステージ認定者育成率*740%21.1%34.2%54.0%⑮エンゲージメントスコアグローバル:3.91日本:3.69北米:4.18中南米:4.14欧州:4.01APAC:4.15グローバル:3.79日本:3.57北米:4.00中南米:3.90欧州:3.92APAC:4.03グローバル:3.84日本:3.61北米:4.00中南米:3.95欧州:3.90APAC:4.20グローバル:3.89日本:3.67北米:4.02中南米:3.98欧州:3.98APAC:4.28⑯女性管理職比率グローバル:20%日本:10%グローバル:16.5%日本:7.7%グローバル:17.2%日本:8.4%グローバル:17.9%*8日本:9.4% *5 CHRB(Corporate Human Rights Benchmark)スコア:機関投資家とNGOが設立した人権関連の国際イニシアチブ。
5セクター(食品・農業,アパレル,採掘,ICT,自動車)のグローバル企業から選定して評価*6 特許出願数に占めるデジタルサービス貢献事業に関する特許出願数の割合*7 プロセスDXの型に基づいたプロセス改善実績のある人材の育成率(母数は各ビジネスユニットの育成対象組織総人員数)*8 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定https://jp.ricoh.com/sustainability/materiality c. 社会課題解決型事業の売上高実績21次中経では、「ESGと事業成長の同軸化」の進捗をより具体的にステークホルダーに示すため、社会課題解決に貢献する事業とその売上高目標を設定しました。
各社会課題解決型事業の売上が順調に伸長し、すべてのマテリアリティで21次中経目標を達成することができました。
特に、「地域・社会の発展」については、自治体ソリューション、GIGAスクール関連の教育ソリューションが想定以上に伸長し、目標を大幅に達成しました。
マテリアリティ社会課題解決型事業21次中経目標(2025年度末)実績2023年度2024年度2025年度“はたらく”の変革オフィスサービスSmart Vision 等10,170億円9,260億円10,060億円10,260億円地域・社会の発展GEMBA(オフィス以外(店舗・倉庫等)を対象とした保守・サービス)自治体ソリューション教育ソリューション 等320億円200億円280億円660億円脱炭素社会の実現循環型社会の実現環境配慮型複合機商用印刷シリコーントップライナーレスラベルラベルレスサーマル 等4,280億円3,150億円4,100億円4,570億円 d. 社外からの評価ESGへの取り組みが評価され、国内外のESGインデックスの組み入れ銘柄として採用されています。
2025年度はESG情報開示を拡充したことと、強みである環境配慮型商品の売上や投資の拡大、気候変動対応へのアドボカシー活動等が評価され、各評価においてグローバルトップレベルへ前進しました。
ESG評価・指標2023年度2024年度2025年度備考日経サステナブル総合調査 SDGs経営編/日経SDGs経営大賞5つ星5つ星/「プライムシート企業」認定5つ星/「プライムシート企業」認定7年連続5つ星Global100*172位51位87位4年連続選定EcoVadisGOLDPLATINUMPLATINUM2024年度より上位1%CDP*2(気候変動)AAA6年連続ACDP*2(水セキュリティ)AAA3年連続ADJ BIC IndicesWorld IndexWorld IndexAsia PacificIndexAsia PacificIndex 8年連続選定GPIF6指数*3選定選定選定2022年度より全指数選定MSCIは2023年度よりAAA *1 Global100:カナダのCorporate Knights社が、環境・社会・ガバナンスの側面から企業を評価し、持続可能性に優れた企業100社を選定・公表するランキング*2 CDP:企業の環境分野の情報開示を促し、気候変動、水セキュリティ、フォレスト等の取り組みを評価する国際的な非営利団体*3 GPIF6指数:MSCI日本株ESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、FTSE JPX Blossom Japan Index、FTSE JPX Blossom Japan Sector Relative Index、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数、Morningstar 日本株式ジェンダー・ダイバーシティ・ティルト指数(除くREIT)
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ② 戦略21次中経の人的資本施策の振り返り当社グループの人的資本の考え方は、社員の「“はたらく”に歓びを」と、事業成長を同時実現することです。
その実現に向けて、21次中経の人的資本施策として、下図のとおり「自律」「成長」「“はたらく”に歓びを」の3つを柱に掲げていました。
各施策の実施結果については「④指標及び目標」をご参照ください。
中経’26における人的資本戦略2026年度にスタートする中経’26においては、人的資本戦略によって事業成長を加速します。
下図はその全体像を示しており、「企業価値向上に寄与する企業文化の醸成」を軸に、「事業成長を支えるケイパビリティの獲得と人材ポートフォリオ最適化」と「個人の能力を最大限に発揮させる人的資本施策」の両輪で取り組みを推進します。
これらを支える基盤としてカルチャー変革を進め、主体性と挑戦を尊重する組織風土へ転換します。
以下に示す人材戦略を一体で実行し、2030年度に人的資本ROI25%以上、エンゲージメントスコア4.14の達成を目指します。
・中経’26における人的資本の位置づけ当社グループは、デジタルサービス企業としての競争力確立に向け、人的資本を経営戦略の重要要素と位置付けています。
詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
(2) リコーの中期展望 」をご参照ください。
・求める人材(資質・スキル)の定義当社グループは、中経’26の実行に必要な人材として、デジタルサービス領域(ITサービス、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス等)に加え、プリンティングを含む各事業領域で価値を創出できる人材、AI・データ活用により業務・プロセス変革を推進できる人材、並びにグローバルに協働して顧客価値を拡大できる人材を重視しています。
加えて、自律的に学び挑戦する姿勢、成果へのコミットメント、変化対応力、リーダーシップを重要な要件としています。
・具体的な人材戦略(1)デジタル人材の確保・育成:必要なスキル・人材要件を明確化した要員計画を起点に、採用・M&A・育成(リスキリング/アップスキリング等)を組み合わせて必要なケイパビリティを獲得します。
あわせて、社内認定制度等の学習環境を整備し、デジタル/AI人材の育成と重点領域への再配置を加速します。
(2)グローバル最適な確保・配置・育成:海外を含むタレント情報の可視化とタレントプールの活用により、重点領域へ人材を最適配置します。
次世代経営人材のパイプラインを拡充し、計画的な育成プロセスを運用します。
(3)日本におけるジョブ型マネジメント推進:リコー式ジョブ型人事制度を深化させ、評価・報酬制度及びトータルリワードを経営戦略と連動させます。
役割・責任に基づくジョブグレード運用を徹底し、成果と成長への動機付けを強化します。
(4)カルチャー変革の推進:リコーウェイの実践を基軸に、マネジメントが変革のリーダーシップを発揮し、社員一人ひとりが主体的に目標達成へコミットする風土への転換を進めます。
あわせて、Employee Value Proposition(EVP)を中核とした戦略的コミュニケーションを展開し、グローバルで一貫した価値観の浸透と企業ブランドの強化を図ります。
さらに、経営と社員の対話強化を通じてエンゲージメントを高めるとともに、挑戦や多様性を受け入れる組織文化を醸成し、変化に強く成果創出につながるカルチャーを実現します。
人的資本戦略を踏まえた給与等の決定方針当社は、当社グループの人的資本戦略に基づき、事業目標の達成及び持続的な企業価値向上に必要な人材の獲得・定着・成長を重要な経営課題と位置づけています。
その実現に向けて、リコー式ジョブ型人事制度を導入し、事業戦略に対応した組織及びポジションを明確に設計したうえで、各ポジションの役割・責任・重要度に応じてジョブグレード及び報酬を決定しています。
また、外部労働市場の動向や水準を踏まえ、常に市場競争力のある賃金水準を確保することを基本方針とし、社員一人ひとりが安心して挑戦し、成果を発揮し続けられる報酬制度の構築に努めています。
・基本給の決定リコー式ジョブ型人事制度のもとで、役割の重要性や責任の重さ等に基づいて決定される従業員のジョブグレードに基づいて基本給が決定される仕組みとなっております。
また、毎年4月に個人の発揮成果にもとづいた定期昇給、及び物価水準や世間動向を踏まえた賃金改善を含めた昇給を実施しています。
・賞与の決定グループの連結業績によって賞与支給月数が決定される賞与算定式を導入しております。
賞与算定式で決定された支給水準、ジョブグレード、及び個人の業績成果に基づいて、個人の賞与額が決定される仕組みとなっています。
・報酬サーベイの活用報酬水準の妥当性を客観的に確認するため、外部の報酬ベンチマークを活用し、ジョブグレードごとの市場競争力を定期的に検証しています。
その結果を踏まえ、ジョブ価値の変化や個人の成果・成長に応じた適切な昇給・処遇改定を行うことで、挑戦を担う人材が継続的に活躍できる環境を整備しています。
 上記の取り組みを通じて、社員一人ひとりが自律的に役割と成果に向き合い、成長と挑戦を実感できる人事・報酬制度を実現するとともに、人的資本の向上及び従業員エンゲージメントの強化を図り、企業価値の持続的な向上につなげていきます。
インクルーシブな企業文化とワークライフ・マネジメント(WLM)イノベーションは、多様な人材がそれぞれの強みを活かして協働することで生まれます。
そのため当社グループは、誰もが能力を最大限発揮できる環境づくりを進め、「インクルーシブな企業文化」と「ワークライフ・マネジメント」を経営戦略の一つとして推進しています。
具体的には、「リコーグループ企業行動規範」を企業カルチャーの基本として、社員への周知・浸透に向けたコミュニケーションを徹底しています。
あわせて、価値観や背景の違いを尊重し、グローバルで一体となって働くための考え方・行動指針を制定しています。
「リコーグループでは、世界中すべての人びとのユニークな才能、経験、知見を結集し、新たなイノベーション創出に取り組みます。
」 このメッセージは、あらゆる多様性や価値観を互いに受け入れ、グローバルの社員が一つのチームとして働く決意を示すものとして、22言語で各極に発信しています。
これらの取り組みを通じて、すべての社員が敬意をもって尊重される職場づくりを推進しています。
さらに、機会の公平性の考え方の浸透に向け、経営トップからのメッセージ発信や国際女性デーに合わせたグローバルイベント等を行っています。
加えて、ワークライフ・マネジメントの観点から、すべての社員が働きやすい環境で勤務できるように、当社グループでは両立支援のための各種制度の整備に加え、ハイブリッドワークを実施しています。
これにより、場所にとらわれることのない働き方を実現しつつも、必要に応じてオフィスでコミュニケーションもとれる形をとっており、新しい働き方を率先して実施しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ④ 指標及び目標当社グループの人的資本戦略における主要指標は、21次中経においては、「IDPに基づく異動率」「デジタル研修履修率」「社員エンゲージメント」「女性管理職比率」と定めていました。
「IDPに基づく異動率」の向上に向けては、今までの自身のキャリアを可視化する「キャリアシート」と今後の自律的な成長のための育成計画「IDP」を作成、更新しながら、マネージャーとの対話を通じて、その実現を目指した結果、2025年度では、IDPに基づく異動率は74%となり、目標とした60%を上回っています。
「デジタル研修履修率」に関しましては、前述の価値創造モデルにおける戦略要素の一つである、「プロセスDXと高い生産性」に焦点を当て、全社員のプロセスDX人材の社内認定制度*1の取得を目指し、2025年度では98%の社員が、プロセスDX人材のブロンズ認定を完了しています。
全社的なデジタル素養の底上げは着実に進展しています。
加えて、社員の能力開発については、経済産業省が策定したデジタルスキル標準(DSS)に基づき、デジタルスキルレベル2(現場でデジタルスキルを活用できるレベル)の認定人数を指標として設定し、スキル習得の高度化を推進してきました。
一方で、実態として一人の社員が複数のスキルを取得するケースが増加していることを踏まえ、2026年度以降は個人単位の認定人数ではなく、獲得されたスキルの総量をより適切に反映する「延べスキル数」を指標として管理していきます。
これにより、社員一人ひとりのスキルの幅と深さの双方を可視化し、組織全体のデジタル競争力の一層の強化を図ります。
2025年度の延べ12,000スキルに対し、2026年度は13,200スキルへと拡大することを目指します。
「社員エンゲージメント」は継続的に従業員の会社に対する共感・貢献意欲を表す重要な指標です。
2024年度の結果を踏まえ、各販売極やビジネスユニットごとにメッセージングの強化などを実施した結果、2025年度は3.89(前年比+0.05)に向上しました。
目標値の3.91にはわずかに届かなかったものの、従業員エンゲージメントは毎年着実に改善しています。
2030年度の目標値4.14の達成に向けて、今後も取り組みを強化していきます。
また、D&Iの観点から重要となる多様性のある組織づくりにも取り組んでいます。
「女性管理職比率」は、グローバル連結で17.9%*2(前年比+0.7ポイント)、国内連結で9.4%(同+1.0ポイント)となりました。
また、当社単体では10.0%(同+1.3ポイント)となっています。
2026年度の目標であるグローバル連結18.3%、国内連結9.7%の達成に向け、引き続き比率向上に取り組み、多様性のある組織への変革を推進していきます。
*1 プロセスDX人材の社内制度認定:当社グループでは、デジタル技術を活用し仕事やプロセスのリデザインをする「プロセスDX」 の考え方や手法を学び、社内で認定を受ける制度を策定しています。
この認定制度はブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ の4種類のレベルがあり、ブロンズではプロセスDXを実践するための基本的な考え方や手法を理解している状態を認定条件とし ています。
*2 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定 https://jp.ricoh.com/sustainability/data
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。
(1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)
(2) 事業領域固有の重要なリスク(各地域・ビジネスユニットリスク)(3) その他各機能領域のリスク(機能別組織リスク) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅しているわけではありません。
当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
■「重点経営リスク」の選定プロセスGMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし合わせ、経営に大きな影響を及ぼすリスク(利害関係者への影響含む)を網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。
(図1参照) 図1:重点経営リスクの選定プロセス ■重点経営リスク運用プロセスの高度化当社グループでは、成長に向けて適切にリスクを取るという経営の考え方を明確にし、重点経営リスクのリスクマネジメントが戦略目標の達成に貢献するよう、リスクマネジメントの運用プロセスを高度化いたしました。
具体的には、中期経営戦略に基づき、「取るべきリスク」と「取らないリスク」を整理した上で重点経営リスクを選定するとともに、各リスクにKRI(主要リスク指標)を設定しております。
取るべきリスクについては、KRIを通じてリスク兆候や進捗を継続的に把握するとともに、環境変化に応じて対応策を柔軟に見直しております。
一方、取らないリスクについては、KRIにより兆候を早期に検知し、想定を超える場合には、速やかに回避・抑制に向けた対応を行う仕組みとしております。
このようにリスクの選定とモニタリングを一体で行うことで、成長とリスク抑制の両立を図るリスクマネジメントを推進しております。
・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。
戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。
・外部環境、内部環境の変化に加え、経営陣のリスクに対する見解を加味してリスクの特定と分類を行い、それぞれのリスクにおいて緊急度・影響度・リスクマネジメントレベルを検討し、リスクの評価を行っています。
(図2参照) 図2:重点経営リスクの評価プロセス ・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。
なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (XI) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」をご参照ください。
■事業等のリスク(詳細)(1) 当社グループの経営上重要なリスク重点経営戦略リスクリスク項目名:①収益構造の移行に係るリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Cリスクの説明:事業環境の変化を踏まえ、事業ポートフォリオマネジメントを通じた再構築と成長分野への戦略的投資等を行うことで、収益構造の移行を進め、中期的なROE向上を目指しております。
構造改革やコスト最適化が計画どおり進捗しない可能性や、印刷量の減少が加速した場合、成長事業で十分に補完ができず、収益性の改善や中期目標の達成に遅れが生じる可能性があり、これにより企業価値に影響を及ぼすリスクがあります。
リスクの対策:本リスクの対応は、中経’26にも織り込まれており、以下の施策を実行しております。
収益構造の移行を着実に進めるため、事業ポートフォリオマネジメントを通じた資源配分の最適化を推進しております。
成長事業への投資については、重点領域を定め投資委員会による投資判断及び投資後のモニタリングを強化し、シナジー創出と収益化の確度向上に取り組んでおります。
収益化・コスト最適化のため、バックオフィス改革及びグローバルSCM改革などによる経費構造改革を進め、収益性の底上げを図っております。
単年度業績目標の達成確度を向上させるため、各事業の業績管理及びKPI管理に加え、必要な対策を迅速に講じることができる経営管理体制の強化に取り組んでおります。
これらの施策を中経’26の毎年のローリングに反映することで、事業環境の変化に応じた機動的な戦略修正を行っております。
重点経営戦略リスクリスク項目名:②人材の確保・育成・管理リスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベル要員計画に係るリスク33C人材育成に係るリスク42Cデジタル・技術人材育成に係るリスク32Cリスクの説明:デジタルサービスの会社への変革を成し遂げ、中長期的に成長を続けることは、人材に大きく依存しております。
このような認識のもと、中経’26では、テーマ別に要員計画を策定し、不足が見込まれる機能やスキルのギャップを計画的に解消することを目指しております。
ただし、要員計画を精緻に進めていく過程で、短期的に現場の工数増加や調整負荷が生じる可能性があります。
また、対応を最小限にとどめた場合には、中経’26の達成に必要な人材・スキルの不足が解消されず、要員計画が形骸化するリスクも想定されます。
特に、将来の経営人材の計画的な育成、及びデジタルサービスの競争力を支える高度な技術人材(デジタル・AI等)の確保・育成・リスキリングが十分に進まない場合、事業ポートフォリオの変革や新たな価値創出が停滞し、結果として、当社グループの業績や中長期的な成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。
リスクの対策:事業目標の達成に向けて、中経’26に基づく要員計画の高度化を進めております。
事業戦略の実行に必要な人材について量・質の両面から課題を明確化し、獲得・育成・配置に関する重点施策を定めております。
計画の実行にあたっては、各組織の自律的な取り組みと全社横断の施策を組みあわせ、採用ルートの拡充やグループ内再配置の促進を通じて、要員計画に関するリスクの低減を図っております。
このような取り組みと並行して、グローバルな組織をリードするリーダーに必要な素養を定め、それに沿った中長期的なリーダーシップパイプライン構築のための選抜研修・アセスメント・若手リーダーの育成などを包括的に進めております。
加えて、デジタルサービスを支える技術人材については、デジタル・技術スキルの獲得を目的とした教育カリキュラム及び実践型教育の拡充を進め、AI人材を含む技術人材の計画的な育成・強化に取り組んでおります。
また、前年度に一新した管理職研修を当年度も引き続き展開し、自律を促す環境をつくるために必要な管理職の意識変革のための研修を、国内当社グループ*の管理職を対象に実施しております。
*リコージャパンは同様の研修を自社で展開しているため対象外 重点経営戦略リスクリスク項目名:③デジタルテクノロジー(AI等)の活用と推進に係るリスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベルデジタル先端技術の導入及び活用リスク52Cデジタル活用に伴う情報管理及び倫理リスク43Cリスクの説明:当社グループは、長期的な競争力強化及び価値創出を目的として、生成AIやデジタルツインなどの先端技術の導入・活用に向けた投資を継続的に実施するよう取り組んでおります。
あわせて、これらの技術活用に不可欠なデータ基盤の強化やIT基盤の刷新も進めております。
これにより短期的には投資負担が増加する可能性がありますが、目的に向けて重要な取り組みと考えております。
一方、デジタルテクノロジー(生成AIを含む)の活用の拡大に伴い、データ・AI・ITに係るガバナンスが十分に機能しない場合、社内外の第三者への情報漏洩、生成AIの誤情報に基づく業務遂行や意思決定、AI倫理基準を逸脱した利用が発生する可能性があります。
これらの事象が発生した場合、業務の停止・遅延や品質低下、是正対応に伴う追加コストの発生、取引先からの信頼低下及びブランド価値の毀損などを通じて、当社グループの業績及び成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。
リスクの対策:短期的な投資負担については、業績への影響を抑えるため、基幹システム刷新について段階的に展開を完了させつつ、その効果の確実な創出を進めております。
あわせて、データ基盤及びガバナンスの強化を通じて、生産性向上や事業成長への貢献を図っております。
さらに、これまで取り組んできたプロセス・IT・データ三位一体での生産性向上の施策に生成AIを組みあわせ、AIトランスフォーメーションを推進しております。
これらの取り組みにより、ITの内製化や生産性向上を通じて、業績への影響を抑制していきます。
 また、情報漏洩、生成AIの誤情報、AI倫理基準逸脱の利用等への対応として、デジタルテクノロジー活用の拡大を支える、データ・AI・ITに係るガバナンスの強化を一層進めております。
特に生成AIについては、従業員が安心・安全に利活用できるよう、ガバナンス体制及び運用プロセスの確立に加え、リテラシー向上に向けた教育を継続的に実施します。
あわせて、AIガードレールの導入やリスクが高いと想定される領域に対するアセスメントを優先的に進めております。
これらの必要な対策を早期に講じることで、重大なインシデントの未然防止及び影響最小化を図ります。
重点経営戦略リスクリスク項目名:④中長期を見据えた戦略的R&Dに係るリスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベル中長期的なR&D活動に係るリスク32C技術倫理・テクノロジーアセスメントに係るリスク33Cリスクの説明:当社グループは、当社独自のテクノロジーを基盤としてお客様とともに新たな価値を創出することを経営の重要課題と位置づけております。
この考え方のもと、成長領域・新規領域を中心に、中長期的な競争力及び企業価値の向上に資する将来の顧客価値の源泉となり得る技術のR&Dに取り組んでおります。
このようなR&D活動においては、市場・顧客ニーズや技術動向の変化等により、R&D投資の成果が想定どおり得られない可能性があります。
しかし、将来の事業基盤の確立や競争優位の獲得に向けては、R&D投資を戦略的に推進していくことが重要であると考えております。
一方で、技術倫理への対応不足や、社会的影響への配慮を欠いた技術・サービスの提供が行われた場合、企業に対する信頼・信用が損なわれるとともに、社会に望ましくない影響を及ぼすリスクがあります。
リスクの対策:R&D活動については、R&D初期段階に市場・顧客の仮説検証を組み込んだMIOI型R&Dプロセス*を全社に展開しております。
得られた知見の活用に加え、アカデミアや外部企業との共創活動を通じて外部技術を積極的に取り込むことで、テーマの見直しや早期の方向転換を可能とし、当社の強みとなる技術の獲得確度向上及びR&D投資の最適化を図っております。
これらの取り組みを通じて、不確実性を適切に管理しつつ、将来に向けた価値創出に資するR&D活動を継続しております。
また、技術倫理やテクノロジーアセスメントへの対応不足により、社会的信頼の低下などが生じるリスクに対しては、教育の継続的な実施及びテクノロジーアセスメント体制の整備を通じて、R&D段階から適切な管理を行っております。
企業価値及び社会的責任の観点から、未然防止を基本としつつ、顕在化した場合には影響の最小化を図ります。
*MIOI型R&Dプロセス:Market-In及びOpen Innovationの考え方に基づく、当社グループのR&Dプロセス 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑤情報セキュリティリスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベルセキュリティガバナンスリスク42D事業継続に係るリスク43D製品・サービスの信頼性に係るリスク42D市場からの信用に係るリスク32Cリスクの説明:デジタルサービスの拡大や業務のデジタル化に伴い、情報セキュリティに関する重要性が高まっております。
サイバー攻撃の高度化や法規制・顧客要求の変化などを踏まえ、情報セキュリティを確保するための体制整備・運用強化に取り組んでおりますが、以下のようなリスクがあります。
 ・セキュリティガバナンスリスクセキュリティガバナンスとは、当社グループが保有・取り扱う情報資産を適切に管理・保護し、情報セキュリティに関するリスクを継続的に把握・低減するための、経営主導による組織的な取り組みになります。
デジタルサービスの拡大や業務のデジタル化が進展する中、セキュリティに関する意思決定、役割・責任の明確化、方針やルールの整備、及び運用状況の把握を、グループ全体で行うことが一層重要となっております。
しかしながら、セキュリティガバナンスの構築や運用が不十分な場合、グループ全体としての方針や対策の統一が図られず、各組織や事業における対応にばらつきが生じる恐れがあります。
その結果、当社グループ全体の事業活動に影響を及ぼすリスクがあります。
・事業継続に係るリスク巧妙化・高度化するサイバー攻撃の増加により、当社グループが保有・運用する業務システムに対して、不正アクセスやマルウェア感染、ランサムウェア攻撃などが発生するリスクが高まっております。
これらの攻撃により、業務システムの停止や誤作動、データの改ざん、漏洩、破壊などが発生した場合、販売・製造・サービス提供・社内業務等の事業活動に広範な影響を及ぼす可能性があります。
また、インシデント発生後の影響範囲や被害内容によっては、原因調査や復旧対応に時間を要し、事業の一部又は全部が長期間停止する恐れがあります。
これにより顧客へのサービス提供の遅れや取引先への影響、追加的な対応コストの発生等を通じて、事業継続や経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。
・製品・サービスの信頼性に係るリスク当社グループはデジタルサービスを通じて顧客に価値を提供しており、製品・サービスの安全性及び信頼性の確保は、事業活動の継続や顧客との信頼関係維持において重要な要素となっております。
一方で、製品・サービスにおけるセキュリティ対策が不十分な場合、ソフトウェアやシステムの脆弱性を起因とした不正アクセスや情報漏洩、サービス停止等のセキュリティインシデントが発生する恐れがあります。
これらの事象が発生した場合、顧客の業務や情報資産に影響を及ぼすのみならず、当社グループの製品・サービスに対する信頼性の低下を招く可能性があります。
その結果、事業活動並びに中長期的な競争力に影響を及ぼすリスクがあります。
・市場からの信頼に係るリスク巧妙化・複雑化するサイバー攻撃が続く中、従業員や委託先を含む関係者のセキュリティリテラシーが十分でない場合、対応ミスや不適切な情報管理を起因とするセキュリティインシデントが発生する恐れがあります。
また、世の中の動向に即したセキュリティ活動の方針や対応状況がステークホルダーに十分に示されない場合、インシデントの有無に関わらず、市場からの信頼低下やブランド価値の毀損につながるリスクがあります。
リスクの対策:各国における国策レベルでの対策、及び変化し続ける情報セキュリティ情勢の把握が求められる中、グローバルに活動拠点がある当社グループにとって適切な対策を検討・推進することは、最重要課題の1つとなっております。
 ・セキュリティガバナンスリスクへの対策セキュリティガバナンスの強化を重要課題と位置づけ、グループ全体で統一したセキュリティ方針及び管理体制の構築・運用に取り組んでおります。
具体的には、セキュリティに関する意思決定プロセスや役割・責任の明確化を図るとともに、セキュリティ委員会体制の整備・強化を通じて、各事業・関係会社を含めたガバナンスの浸透を推進しております。
また、規程やルールの整備及び遵守状況の把握・点検を継続的に実施することにより、グループ全体としてのセキュリティ水準の維持・向上を図っております。
・事業継続に係るリスクへの対策巧妙化・高度化するサイバー攻撃に備え、業務システムに対するセキュリティ対策及び監視体制の強化を進めております。
具体的には、外部の脅威情報を継続的に収集・分析するとともに、保有するITシステムの常時監視を行い、不正アクセスやマルウェア感染などの兆候を早期に検知できる体制を構築しております。
さらに、インシデント発生時における影響を最小限に抑えるため、重要な事業・業務プロセスを対象とした事業継続計画(BCP)及びITシステムの復旧計画の整備・訓練を段階的に実施しております。
これにより、迅速な対応及び早期復旧を可能とし、事業活動への影響低減を図っております。
・製品・サービスの信頼性に係るリスクへの対策製品・サービスの企画・設計段階からセキュリティを考慮する「セキュア・バイ・デザイン」の考え方を取り入れ、プロダクトセキュリティに関わる品質マネジメントの強化を進めております。
また、発売済みの製品や提供中のサービスについても、継続的な脆弱性の確認を行い、問題が確認された場合には速やかに是正対応を実施する体制を整備しております。
加えて、製品・サービスに関するセキュリティ課題を適切に把握・対応するための専用窓口の設置や、脆弱性対応に関するガイドラインの整備を進めるとともに、各国の法規制や顧客要求の変化への対応を通じて、安全性及び信頼性の維持・向上に努めております。
・市場からの信頼に係るリスクへの対策従業員及び委託先を含む関係者全体のセキュリティリテラシー向上を目的として、継続的な教育・訓練を実施しております。
これにより、人的要因を起因とするセキュリティインシデントの抑止を図っております。
また、世の中の脅威動向や法規制、顧客要求の変化を踏まえたセキュリティ活動の方針を整理し、その取り組み状況について定期的な点検及び可視化を行っております。
さらに、必要に応じて社外への情報開示を行うことで、当社グループのセキュリティ対応に関する透明性を高め、市場やステークホルダーからの信頼確保に努めております。
重点経営戦略リスクリスク項目名:⑥グループガバナンスに係るリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:社内外の環境変化が激しさを増す中、当社グループが健全な成長を維持していくために、グループガバナンスの強化が非常に重要であると認識しております。
その認識のもと、中経’26に基づき組織変更や権限委譲を進めております。
これにより、ガバナンスの不足や方針の不整合が生じ、戦略の実行が遅延する恐れがありますが、意思決定の迅速化や自立的な事業運営の促進を目的としたものであり、対策を講じております。
なお、グループガバナンスの強化については、その在り方が事業運営の健全性に大きな影響を及ぼすため、本社の管理監督が過度である場合には適正な事業運営が阻害され、不十分である場合には不正や不祥事によりブランドイメージや信頼性が低下するリスクがあります。
リスクの対策:変更や権限委譲が生じた組織に関しましては、権限管理や本社による重要事項のモニタリング、ガバナンスプロセスの明確化などを通じ、組織の自律性とガバナンスの適切なバランス維持に取り組みます。
さらに、組織体制の検討時には、グループガバナンスのリスクを極小化するために、リスクに対して柔軟かつ迅速に対応できるよう、ガバナンス面の考慮をより強化いたします。
また、当社グループ各社が全社方針のもとで自律的にガバナンスを整備・運用できるよう、本社及び主管管理部門が連携し、各社固有の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じた適切な指導及び管理監督を行います。
重点経営戦略リスクリスク項目名:⑦ESG/SDGsの深化に係るリスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベル人権42B環境保全(脱炭素)41C環境保全(資源循環/生物多様性)42Cリスクの説明:ESG/SDGsへの対応を事業活動及び中長期的な成長に影響を及ぼす重要な経営課題と位置づけております。
人権への配慮、脱炭素への対応、資源循環/生物多様性保全への取り組みを特に重要なリスクと捉え、事業活動を推進しております。
これらの分野における対応が競合他社に比べて遅れた場合、商談機会の損失などの事業面での悪影響にとどまらず、社会的信用の低下、ブランド価値の毀損など、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
リスクの対策:ESG/SDGsに係るリスクへの対応として、以下の取り組みを強化しております。
まず、人権に係る対応として、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを構築し、主要な当社グループ各社を対象に、年次で人権リスク評価を実施し、課題や改善点を特定しております。
これらの結果を踏まえ、継続的な改善活動を通じて、人権リスクの低減に取り組んでおります。
また、環境保全への対策として、SBTi*により認定されたネットゼロ目標に基づき、脱炭素ロードマップと再エネ導入計画を策定し、脱炭素に向けた取り組みを推進しております。
さらに、製品における様々な環境関連規制/規格の動向を継続的に把握し、適切な対応を検討しております。
あわせて、事業所管理においては、土壌地下水汚染に関する調査・対応計画の立案を進めることで、環境リスクの低減に努めております。
*SBTi(Science Based Targets initiative):企業のGHG削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ 重点経営戦略リスクリスク項目名:⑧地政学リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル44Cリスクの説明:当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、各国・各地域における政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりは、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。
各国における法規制の強化や、国家間の対立・牽制の激化などの地政学リスクが顕在化した場合、サプライチェーンの混乱や事業運営の制約、並びに市場環境の変化を通じたビジネス機会の損失や業績への悪影響が生じるリスクがあります。
リスクの対策:地政学リスクに対する予防及び対応プロセスの強化に取り組んでおります。
具体的には、各国における法規制や政策動向に関する情報収集を強化するとともに、重要部品については複数の仕入先を選定するなど、サプライチェーンの安定性向上を図っております。
また、地政学リスクが事業活動に与える影響については、経営レベルで継続的に審議し、状況に応じて迅速かつ適切な対応を行っております。
あわせて、米国の政策動向や多様なリスクの連鎖が国際情勢に及ぼす影響について、短期的な視点とともに、中長期的な視点も含め、対応体制を整備しております。
重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:①製品供給に係るリスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベル地震・噴火・台風32Bリスクの説明:大規模地震、津波、洪水、サプライヤーの供給停止及び地政学リスクによる不測の事態が発生した場合に備え、事業への影響を可能な限り抑制し、早期復旧を図るための各種対策を講じております。
一方、不測の事態の内容や規模によっては、部品供給の遅延や停止、製品工場の製造遅延や停止、輸送機関の遅延や停止、販売会社への供給遅延や停止等が発生し、ビジネス機会を損失するリスクが考えられます。
リスクの対策:リスク発生時を想定した以下の予防・対応プロセスを強化しております。
 ・有事を想定した在庫の確保・重要部品別に複数仕入先の選定又は代替品の選定・購買、生産などの領域ごとのアラートレベルの設定と運用・リモートワークなどの新しい働き方を想定したBCP訓練加えて、机上訓練のみならず一定の実践を常態的に行っております。
今後も有効性の確認と改善を継続的に行います。
重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:②国内外の大規模な災害/事件事故リスク 緊急度影響度リスクマネジメントレベル国内:地震・噴火13C国内:風水雪害51C国外:大規模な自然災害/事件事故31Cリスクの説明:国内外で発生する大規模な自然災害・事件・事故において、人的/物的被害が生じた場合でも、事業への影響を最小限に抑え、迅速に復旧できるよう各種対策を講じております。
一方、自然災害・事件・事故の内容や規模によっては、経営に著しい影響を及ぼすリスクが考えられます。
リスクの対策:当該リスク対応において、主に以下の対策を行っております。
国内・災害発生時に適切に対応できる仕組みを構築し、継続的な見直しを行っております。
・災害による被害の発生を防ぎ、万一発生した場合にも被害を最小限に抑えるため、国内当社グループ合同での災害対策訓練、事業所単位での防災訓練(夜間避難訓練を含む)、建屋の耐震対応や有事使用設備の点検・維持など災害に強い職場づくりに取り組んでおります。
・「南海トラフ地震」及び「南海トラフ地震臨時情報」発表時の対応について、従業員及び災害対策本部が、有事に命を守る行動を含む適切な対応がとれるよう、ガイドラインに基づいた具体的な取り組みを進めております。
・水害リスク対応として、大規模水害発生時の復旧行動計画を策定し、計画に基づく机上訓練や実地訓練を行っております。
また、比較的リスクの高い拠点での水害対策工事、水害リスク情報の可視化ツールの運用等、当社グループ全拠点で水害対策の施策を展開するとともに、従業員の対応力を強化しております。
・火山噴火リスク対応として、当社グループ国内火山噴火(富士山を含む)ガイドラインに基づきリスクの把握と可視化を行い、リスク拠点における対策強化を進めるとともに、従業員の対応力向上に取り組んでおります。
国外・海外の関連会社を対象とした危機対応標準を制定し、自然災害・事件・事故が発生した場合の、対応基本方針を定めるとともに、各組織の役割及び責任を明確にしております。
・海外関連会社の重大な自然災害リスクを把握し、第三者の情報と差異があった場合は必要な対応を指示、危機発生時の報告ルートを確認、BCP構築・運用に課題がある会社の支援を実施する等、海外関連会社の危機対応力を強化しております。
重点経営オペレーショナルリスクリスク項目名:③コンプライアンスリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル51Cリスクの説明:コンプライアンス問題の発生を未然に防止し、万一発生した場合にも適切に対応できるよう、企業行動規範の周知徹底、教育・研修の実施、並びに通報体制の整備などを通じてコンプライアンス遵守体制の強化に取り組んでおります。
一方、法令違反、ハラスメント、社内ルールや当社グループ企業行動規範に反する行動等のコンプライアンス問題が発生し、適切な対応がなされなかった場合には、社会的問題に拡大するリスクが考えられます。
リスクの対策:国内・国外・コンプライアンス遵守(心理的安全性が確保された組織風土の醸成や人権・ハラスメント問題を含む)のための教育を実施しております。
・コンプライアンス違反に関する相談窓口を設置しております。
・コンプライアンス違反の事例を共有し、適切な対処を学ぶ機会を設けております。
・コンプライアンス違反を発見した際の相談・通報の啓発を行っております。
国内・管理職向けのコンプライアンス遵守・労務管理教育を実施しております。
・当社グループの労務責任者と、労務事案の共有と事例を通じた勉強会、労働関連法規改訂内容と対処の共有をしております。

(2) 事業領域固有の重要なリスクリスク項目名:①オフィスプリンティング市場における環境変化緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:オフィス向け複合機やプリンター市場における、ペーパーレス化に伴うプリント出力の想定以上の減少や、部品調達などのコスト上昇が、業績に影響を与える可能性があります。
リスクの対策:オフィスプリンティング事業においては、顧客基盤の維持・拡大に加え、販売から生産までを俯瞰する体制への見直し、部品調達コスト上昇を抑制するための仕様変更、全体SCMの徹底した効率化及びオペレーショナルエクセレンスの推進等、収益性の向上に向けた各種施策を講じております。
また、複合機を含むエッジデバイスの供給体制については、他社との協業を進め、最適な生産・開発体制を構築することで競争力のある製品を提供し、利益率の向上に取り組んでおります。
さらに、全社ポートフォリオの観点では、ワークプレイスサービスの領域において、プロセスオートメーション及びワークプレイスエクスペリエンスを中心に着実に成長を実現しており、ストック収益の拡大を通じて、オフィスプリンティング領域におけるリスク低減を進めております。
*エッジデバイス:文字・写真・音声・動画などの様々な情報の出入り口となる複合機やカメラをはじめとしたデータ処理機能を持つネットワーク機器 リスク項目名:②インテグレーターとしての成長に必要なリソース確保の遅れに係るリスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:インテグレーターとして成長するために必要な、自社及び他社の商材・サービスを組みあわせて価値提供を行うリソースの確保や強化が十分に進まない、又は遅れる可能性があります。
リスクの対策:インテグレーターとしての成長に必要なリソースの拡充に向けて、人的資本戦略に基づくグループ全体の社員のスキルの底上げに加え、顧客との共創を推進する人材の登用・育成、グローバルな人材活用の促進に取り組んでおります。
あわせて、各地域における知見をグループで共有できる体制整備や、事業横断での人材育成・配置転換を通じて、顧客課題に対する価値提供力の向上に取り組んでおります。
また、技術力及び自社IPの強化・拡充を進め、インテグレーターとしての差別化につながる基盤の構築を図っております。
必要に応じて、技術・人材・IPの獲得を目的としたM&Aや外部パートナーとの連携を活用することで、能力の確保と強化を進めております。
これらの取り組みにより、顧客への提供価値及び競争力の向上を着実に進め、インテグレーターとしての事業成長と収益拡大に対するリスクの低減を図っております。
リスク項目名:③商用印刷事業の成長リスク緊急度影響度リスクマネジメントレベル42Cリスクの説明:関税政策変更を発端とした北米市場の需要低迷、部品調達コストの上昇、ペーパーレス化の拡大による企業内の大量印刷需要の減少やプリント出力量の集約・統合などの影響により、商用印刷事業の業績が下振れする可能性があります。
リスクの対策:商用印刷事業の業績下振れリスクを低減するために、欧米代理店との関係強化、新興国市場の開拓、部品調達コスト上昇影響を抑制するための適切な販売価格転嫁を進めております。
また、事業ポートフォリオマネジメントの実施により、今後も市場成長が見込まれる高付加価値領域や、インクジェット技術・製品へのリソース投入を強化し、事業構造の変革に取り組んでおります。
リスク項目名:④サーマル市場の成長鈍化、収益性の低下緊急度影響度リスクマネジメントレベル32Cリスクの説明:サーマル市場は、世界的な人口増加に伴う消費財需要の拡大により堅調に成長している一方で、コモディティ化が進行しております。
グローバルに事業を展開しているが、世界情勢の急激な変化等により市場成長が鈍化し、収益性悪化や過剰在庫・設備稼働率の低下を通じて業績に影響が生じる可能性があります。
リスクの対策:業績変動リスクを低減するために市場動向のモニタリング体制を強化し、需要予測の精緻化と日常管理体制の強化を進めております。
また、各地域の景気動向による需要の増減がある中で、グローバルの販売網・生産インフラを活用し、最適な地域での生産・供給オペレーションを実施することで収益性の安定化に努めております。
また、包装資材に直接印字するスマートパッケージング事業を拡大することにより、社会課題の解決に貢献するとともに収益の安定化を図っております。
(3) その他各機能領域のリスクリスク項目名:①のれん、固定資産の減損緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Bリスクの説明:企業買収の際に生じたのれん、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。
これらの資産については、今後の事業計画との乖離や市場の変化等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクの対策:資産の取得に際して、投資金額及び内容に応じた所定の手続きを実施し、投資対効果の検討等様々な点を考慮し実行の是非を決定しております。
また、外部への投資案件は、GMCの諮問委員会である投資委員会にて、財務・戦略・リスク視点での妥当性を審議し、GMCへ見解を上申しております。
決裁された投資案件に関して、同委員会が進捗モニタリングを定期的に行うことによりリスクへの対策を講じていく仕組みを構築しております。
リスク項目名:②繰延税金資産緊急度影響度リスクマネジメントレベル23Cリスクの説明:税効果会計を適用し、将来減算一時差異及び繰越欠損金等に対して繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産は、事業計画を基礎とした将来の課税所得に対して回収可能性を検討しております。
将来の課税所得の見積りが、現在の課税所得の見積りよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
リスクの対策:繰延税金資産の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の見積り及び税務戦略を考慮しております。
将来の課税所得の見積りに関しては事業計画を基礎として、各ビジネスユニットが業績の進捗をモニタリングし、計画の達成を阻む要因があれば、自律的かつ迅速に対応できる体制を構築しております。
リスク項目名:③知的財産権の保護緊急度影響度リスクマネジメントレベル21Bリスクの説明:知的財産権を重要な経営資源と捉え、現在及び将来の自社事業とそれを支える技術等の保護、差別化とその拡大のために、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を獲得しておりますが、競合他社が同等の技術等を開発して独自性が低下するリスクや、各国特許庁の審査で狙いどおりの権利獲得ができず十分な保護が得られないリスクがあります。
また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害するとして、第三者から、販売の差し止めや損害賠償金の支払い等を求める警告を受けるリスクや、訴訟を提起されるリスクがあります。
更に、新規事業立上げで、他社との協業、共同研究や共同開発が活性化していることに伴い、知的財産権に関する契約が増えておりますが、当該契約でトラブル等が発生すると、自社事業に悪影響を与えるリスクが大きくなります。
リスクの対策:特許等の出願前に先行技術調査を徹底すると共に、各国の知的財産に係る法律、審査基準やプロセスを把握し、知的財産権獲得の精度向上に努めております。
また、自社製品・サービスを市場に提供する前に、第三者の知的財産権の調査と、自社製品・サービスと第三者の知的財産権との対比検討を徹底しております。
第三者の知的財産権を侵害するリスクがある場合、外部の弁護士や弁理士による鑑定、必要であれば設計変更、ライセンス交渉やライセンス取得を行い、第三者との係争リスクを低減しております。
「知的財産権の保護」を業績に影響を及ぼすリスクとして重要視し、過去に発生した、知的財産権に関する契約トラブル事例を形式知化し、トラブルの予防とリスク低減をしております。
リスク項目名:④製品品質・製造物責任緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:製造・販売する製品に、以下のような事象が発生することで、お客様の信頼や社会的信用を失墜させ、企業ブランドや製品ブランドが毀損され事業継続が困難になるリスクが考えられます。
・重大な安全性問題(人損・焼損)・安全・環境法規制問題・品質問題の長期化リスクの対策:「製品品質・製造物責任」に対する予防・対応プロセスを強化しております。
・機器の信頼性・安全性の向上に向け、故障・事故が生じるメカニズムの分析精度を高め、問題の再発・未然防止策を開発過程に反映し、リスク低減につなげております。
・万が一、問題が発生した際に市場対応が迅速かつ確実に行われるために、体制を整備しております。
・各国における安全・環境法に準拠した製品をお客様に提供するため、現地と密に連携をとり適切な標準・ガイドの制定、定期的な見直しを実施しております。
リスク項目名:⑤公的な規制への対応(輸出入管理)緊急度影響度リスクマネジメントレベル53Bリスクの説明:事業活動を行う中で、以下のような要因により会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
・輸出入関連法違反に対する輸出停止措置等の行政制裁による生産・販売への影響、社会的信用の失墜による取引の機会損失、罰金や刑事罰・国際的有事等の外的要因に起因する各国輸出規制法違反による罰金や刑事罰リスクの対策:・代表取締役社長執行役員・CEOをトップとし、専任組織である輸出入管理統括部門によって構成されるグループ輸出入管理委員会体制によるガバナンスの強化を行っております。
・当社グループ役員及び従業員への定期的な教育、事業部門及び当社グループへの輸出入管理に特化した内部定期監査、関連部署への法令改定情報の迅速な周知を行っております。
・専門部門による輸出前の該非判定・顧客審査含む必要審査の実施による法令の厳格な遵守等を行っております。
リスク項目名:⑥公的な規制への対応(独占禁止法/競争法)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、独占禁止法及び競争法の違反が発生した場合、課徴金納付命令等の行政当局による処分や刑事罰、官公庁との取引停止、社会的信用の失墜によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
リスクの対策:独占禁止法及び各国競争法の遵守徹底のため、各地域の法務部門等が主導し、各国競争法の遵守、教育活動及び発生時対応の強化に努めております。
リスク項目名:⑦公的な規制への対応(環境)緊急度影響度リスクマネジメントレベル52Bリスクの説明:事業活動を行う中で、各種環境関連法の違反が発生した場合、行政処分等による生産への影響、課徴金の負担、刑事罰、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損によるビジネスへの悪影響等、会社に甚大な損害を与えるリスクがあります。
リスクの対策:環境マネジメントシステムを構築し、定期的なアセスメントによる環境関連法の遵守徹底と共に、規制変化等のタイムリーな把握・対応を行っております。
また、M&Aにおいても環境デュー・ディリジェンスを適切に実施しリスクの未然防止に努めております。
収集した環境パフォーマンスデータを積極的に開示すると共に、主要データに関しては第三者検証を受ける等、透明性・信頼性の確保に努めております。
リスク項目名:⑧為替レートの変動緊急度影響度リスクマネジメントレベル43Cリスクの説明:生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州その他地域で行っており、事業活動において以下のような為替レートの変動による影響を受けます。
・海外子会社の現地通貨建ての業績が各事業年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書及び連結包括利益計算書への為替レート変動・現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結財政状態計算書に計上されることによる、資産・負債額への為替レート変動リスクの対策:・為替変動に関して、米ドル、ユーロ及び円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を実施しております。
また、ヘッジ取引を行うことのできる会社又は組織は限定されており、それらは財務ルールとして徹底されております。
・当社グループ全体として決済におけるネッティングを最大限に行うことにより、為替リスクを最小化しております。
・海外子会社の資産・負債の通貨マッチングを実施しております。
リスク項目名:⑨確定給付制度債務緊急度影響度リスクマネジメントレベル22Bリスクの説明:確定給付制度債務及び年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいてこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。
現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になるリスクがあります。
リスクの対策:政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、年金委員会にて定期的に財政再計算を行い、また適宜制度の見直しを検討・実施しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。

(2) 経営成績経営を取り巻く経済環境当連結会計年度の世界経済は、緩やかな物価上昇の継続や主要国における安定した緩和的な金融政策、AI関連の投資の活発化等に支えられ、底堅く推移しました。
他方、保護主義的な通商政策や地政学上の緊張等を背景に不確実性が高い状況が続き、金融資本市場でも不安定な動きが見られました。
足元でも中東地域における軍事的緊張の高まりを背景に、エネルギー価格の上昇圧力やサプライチェーンへの影響が懸念されています。
日本経済は、雇用・所得環境の改善に支えられ緩やかな回復基調を続けていますが、食料品を中心とした物価上昇の影響で、実質賃金が伸び悩む状況が続きました。
このような経済情勢を背景に、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方が定着し、AIやITの進化に伴って業務プロセスも変わり続けています。
プリンティング需要は減少傾向にあり、顧客課題・ニーズも変化していますが、業務のデジタル化や生産性向上を支えるデジタルサービスへの需要は一層高まっています。
なお、主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 150.79円(前連結会計年度に比べ 1.86円の円高)、対ユーロが 174.81円(同 10.95円の円安)となりました。
当連結会計年度の業績当連結会計年度は当社グループ(当社及び関係会社)にとって、2023年4月よりスタートした第21次中期経営戦略の最終年度となりました。
当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指して取り組みを進めました。
当社グループが注力している領域は、はたらく人を単純作業から解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、そしてワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。
この注力領域において、グローバルの顧客基盤や顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供しています。
*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料等収益の源泉となる等の経済価値を有するもの 当連結会計年度は、付加価値の高いストック契約の獲得等、オフィスサービス事業での利益成長を図るとともに、オフィスプリンティング事業においては2024年7月に組成した東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社「エトリア株式会社」(以下、エトリア)による複合機等の開発・生産でのシナジー効果の創出、及び効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの販売施策の徹底により収益維持・改善に取り組みました。
なお、2025年10月にはエトリアに沖電気工業株式会社(以下、沖電気)が参画し、開発・生産体制のさらなる強化を進めています。
また企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めてきました。
米国の新たな関税政策の導入に対しては、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネル等の各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上高は、26,083億円となり、前連結会計年度に比べ 3.2%増加となりました(為替影響を除くと 1.8%の増加)。
オフィスプリンティング事業ではノンハードの弱含みに加え、米国の関税政策の影響を受けハードの売上が減少しましたが、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売の貢献、及びオフィスサービス事業の成長等もあり、増収となりました。
地域別では、国内は引き続き好調なオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。
パソコンの買い替えやセキュリティ強化の需要の取り込みや、それに伴うサービス・サポート契約の獲得も寄与し、ITサービスが伸長しました。
また、情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューション等が好調で、アプリケーションサービスも増収となりました。
さらに、オフィスプリンティング事業のハードの販売増加や、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売等により、前連結会計年度と比べ 9.2%の増加となりました。
海外では、米州においては、関税政策の影響による先行き不透明感から企業投資が弱含み、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業においてハードを中心に売上が減少しました。
オフィスサービス事業においては、成長領域に経営資源を集中し事業成長を加速させるため、オーディオビジュアル(AV)インテグレーターである米国のPresentation Products, Inc.(以下、PPI)及びカナダのET Groupを買収しワークプレイスエクスペリエンスの成長に向けた取り組みを進めた一方、米国のマネージドITサービス事業を売却しました。
これらの結果、米州全体の売上は、前連結会計年度比 4.7%の減少となりました(為替影響を除くと 3.6%の減少)。
欧州・中東・アフリカにおいては、米国の関税政策による景況悪化懸念等から、オフィスプリンティング事業のハード・ノンハードが弱含みで推移しました。
オフィスサービス事業においては、企業のITインフラ投資に対する慎重姿勢が続いていましたが、当連結会計年度下半期以降は買収企業とのシナジー施策効果の発現やITインフラ需要の改善等により、回復の兆しが見られます。
通期ベースでは、円安の影響もあり、売上は前連結会計年度比 3.8%の増加となりました(為替影響を除くと 2.6%の減少)。
その他の地域においては、オフィスプリンティング事業における価格競争や、中国での産業用インクジェットヘッドの需要低迷の影響を受け、前連結会計年度比 横ばいとなりました(為替影響を除くと 0.8%の減少)。
以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 0.5%の減少となりました。
なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 2.8%の減少となります。
売上総利益は、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業の売上減少の影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加え、円安の影響等もあり、前連結会計年度に比べ 2.4%増加し 8,891億円となりました。
販売費及び一般管理費は、事業成長やインフレによる人件費等の経費増加、及び欧州での基幹システム統合に伴う一時費用の計上や円安の影響による増加があったものの、前連結会計年度に実施した企業価値向上プロジェクトの費用が減少したことや、その効果等により、前連結会計年度に比べ 0.5%減少し 8,151億円となりました。
その他の収益には、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益や、主に国内で実施した固定資産売却に伴う売却益を計上しております。
前連結会計年度には、当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しており*、結果として、その他の収益は前連結会計年度に比べて増加し 237億円となりました。
のれんの減損は、創薬支援事業や一部地域のオフィスサービス事業等においてのれんの減損損失を計上したことにより、損失が増加しました。
*2024年11月25日付で開示した「当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断および通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べて 268億円増加し 907億円となりました。
金融収益及び金融費用は、為替差益の減少等により、前連結会計年度に比べ金融収益が減少しました。
持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。
税引前利益は前連結会計年度に比べ 222億円増加し 922億円となりました。
法人所得税費用は、税引前利益の増加に加え、一部地域における事業環境及び再編等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性に関する見積もりを変更したこと等により、前連結会計年度に比べ 111億円増加しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて 99億円増加し 556億円となりました。
当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度に比べ増加し 1,494億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
                    (単位:百万円) 前連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日当連結会計年度自 2025年4月1日至 2026年3月31日増減金額(%)金額(%)金額(%)デジタルサービス売上高計1,930,109100.01,988,530100.058,4213.0 外部顧客向け1,930,109 1,988,530 58,4213.0営業損益32,2981.727,9781.4△4,320△13.4デジタルプロダクツ売上高計584,626100.0587,148100.02,5220.4 外部顧客向け157,065 186,395 29,33018.7営業損益28,7414.931,5805.42,8399.9グラフィックコミュニケーションズ売上高計292,663100.0284,043100.0△8,620△2.9 外部顧客向け292,663 284,043 △8,620△2.9営業損益23,1597.918,6366.6△4,523△19.5インダストリアルソリューションズ売上高計113,209100.0106,608100.0△6,601△5.8 外部顧客向け112,192 106,232 △5,960△5.3営業損益△1,821△1.62,4632.34,284-その他売上高計56,245100.061,697100.05,4529.7 外部顧客向け35,847 43,114 7,26720.3営業損益△5,597△10.0△3,382△5.52,215-消去又は全社営業損益△12,951 13,438 26,389 a. デジタルサービス当連結会計年度のオフィスサービス事業は国内においてはセキュリティや働き方改革関連のサービスに加え、パソコンの買い替え需要とそれに伴うサービス・サポート契約の獲得が寄与し、ITサービスが伸長しました。
また情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューションなどの好調により、アプリケーションサービスも増収となりました。
アプリケーションサービスにおいては、2025年4月、インターネットなど外部のネットワーク環境から遮断された社内環境で安心・安全に生成AIを活用するための「RICOH オンプレLLM スターターキット」の提供を開始しました。
導入から運用までワンストップで支援します。
病院をはじめとしたセキュリティやプライバシー、ガバナンスの観点から外部のネットワーク環境から遮断された社内専用環境でAIを利用したいと考えるお客様への導入を進めました。
さらに、2025年10月に金融業に特化した業務内容や専門用語を学習させた「金融業務特化型LLM」を、2025年12月には低コストでのプライベートLLM*導入を可能とするコンパクトで高性能なLLMを開発しました。
今後も、業種特化モデルの開発を進めるとともに、当社の強みであるマルチモーダル性能とあわせて、LLMラインアップのさらなる強化を進めます。
米州においては、ワークプレイスエクスペリエンスは成長したものの、BPSの減収に加え、米国のマネージドITサービス事業の売却や円高の影響もあり、売上が減少しました。
欧州・中東・アフリカでは、円安の影響により売上が増加したものの、実質では減収となりました。
買収会社とのシナジー施策の進展によりITサービスの提供が拡大し、またDocuWareのクラウドサービスが成長をけん引したことで、アプリケーションサービスも伸長しました。
一方、米国の関税政策による景況悪化懸念などから需要が弱まり、ITインフラやワークプレイスエクスペリエンスの売上は減少しました。
体制強化においては、ワークプレイスエクスペリエンス領域では、2025年5月にブラジルのGo2neXtを、2026年1月、米国のPPI、さらに2月にカナダのET Groupに加え、チリのValueTechを買収し、注力領域での投資を米州中心に進めました。
オフィスプリンティング事業では、ハードについては日本において堅調に推移したものの、米国では米国関税政策の影響や、欧州では景況感の不透明感などからお客様の投資意欲の弱まりが見られ、海外では減少しました。
ノンハードについては、欧州を中心に弱含みが続いており売上は減少しました。
デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 3.0%増加し 19,885億円となりました(為替影響を除くと 1.4%の増加)。
オフィスサービスの利益成長を測るKPIであるストック売上は、前年度に比べ 6%増加し、4,196億円となりました。
営業利益については、国内を中心としたオフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加えて、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益計上があった一方、オフィスプリンティング事業におけるノンハードの利益減少や、米国の関税政策の影響や資産・体制の見直し・強化に伴う一時費用の計上(欧州における基幹システム統合等)等、下押し要因もありました。
これらの結果、デジタルサービス全体の営業利益は 279億円となり、前連結会計年度に比べ 43億円減少しました。
*プライベートLLM:お客様の業務に特化してカスタマイズしたLLM b. デジタルプロダクツ 当連結会計年度は2024年7月に当社と東芝テックの合弁会社として発足したエトリアに、2025年10月、独自のLED技術などに強みを持つ沖電気が新たに参画し、3社の合弁会社として活動を開始しました。
エトリアでは、共通エンジン開発や生産体制の最適化、購買の効率化等、シナジー創出を着実に進めました。
オフィス向けの複合機・プリンターにおいては、新製品を発売しラインアップを拡充しました。
2025年5月、高い生産性、DXへの対応力に加え、最新のセキュリティ機能を搭載したA3カラー複合機「RICOH IM C8010/C6510」を、2025年7月、平均86%(質量比)*1の部品リユース率を実現したA3カラー再生複合機「RICOH IM C6000F CE/C2500F CE」を、2026年1月、名刺や小サイズ原稿の読み取りに対応したA3モノクロ複合機「RICOH IM 6010/4510/3510/2510」を発売しました。
株式会社PFUにおいては、2025年10月、廃棄物分別特化AIエンジン「Raptor VISION BATTERY」を発売しました。
廃棄物処理施設でごみのX線透過画像を、PFU独自アルゴリズムを用いたAIエンジンにて画像認識処理を行い、リチウムイオン電池の有無を高精度に検知します。
今後自治体をはじめ多くの施設における火災を防ぎ、安定稼働に貢献します。
また、産業用コンピュータの製造・販売においては、2025年4月にリコーインダストリアルソリューションズ株式会社と株式会社PFUの産業用コンピュータ事業を統合し、リコーPFUコンピューティング株式会社を設立しました。
当年度は、2025年6月に発売した、工作機械や産業用ロボットなどのFA*2機器や医療機器向けの、熱や振動といった厳しい産業環境においても安定稼働が可能な国産の産業用ボードコンピュータ「RICOH IT11」を始めとする産業用コンピュータや組込みコンピュータの新製品を発売しました。
デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 18.7%増加し 1,863億円となりました。
またセグメント間売上高を含む売上高では 0.4%増加の 5,871億円となりました。
エトリアから東芝テック及び沖電気への製品販売も寄与し売上が増加した一方で、米国の関税政策の影響等により主に海外向けのハードの売上が減少し、セグメント間売上高を含む売上高は微増となりました。
前連結会計年度実施した企業価値向上プロジェクトや継続して取り組む生産・開発の体質強化等の効果もあり、デジタルプロダクツ全体の営業利益は 315億円となり、前連結会計年度に比べ 28億円増加しました。
*1 本体標準構成(定期交換部品を除く)でのリユース率 *2 FA:ファクトリーオートメーション c. グラフィックコミュニケーションズ商用印刷事業においては、アナログからデジタルへの転換期を迎えており、お客様の様々なデジタル印刷ニーズに応える製品とソリューションの提供が求められています。
当連結会計年度は、商用デジタル印刷でトップブランドの地位を確立するため、主力トナー機の先進国でのシェア拡大と新興国での成長、また2023年に発売した高速インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」や2024年発売のロール紙専用の高速インクジェット・プリンティング・システムの最上位機種「RICOH Pro VC80000」の販売拡大等、戦略機種の拡販によりノンハード収益の積み上げを図りました。
新製品として、2025年5月に基本性能と印刷品質の向上により、企業内印刷・商用印刷の幅広いニーズに対応したカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5410S/C5400S」を発売しました。
産業印刷事業においては、欧州地域における産業印刷事業を担う新会社Ricoh Printing Solutions Europe Ltd.を設立し、2025年4月から事業活動を開始しました。
欧州地域における産業用インクジェットヘッドやテキスタイル印刷機等の販売、エンジニアリングサポート、インク評価等の機能を集約し、お客様への一貫した専門的なサポートを実現します。
また、産業印刷のコア技術であるインクジェット技術の知見を高め、本社研究開発部門、他地域拠点との連携により、新たなインクジェットの価値をお客様に提供していきます。
グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 2.9%減少し 2,840億円となりました(為替影響を除くと 4.1%の減少)。
商用印刷事業において、プロダクションプリンターのノンハードは引き続き堅調に推移しましたが、ハードは米国を中心に関税政策の影響による投資控えが見られ、売上が減少しました。
経費の抑制や前年度に実施した企業価値向上プロジェクトの効果はあったものの売上の減少による利益減少を吸収し切れず、グラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は 186億円となり、前連結会計年度に比べ 45億円減少しました。
d. インダストリアルソリューションズ当連結会計年度、サーマル事業においては、国内において環境負荷低減に貢献する剥離紙の無いサーマルラベル等、社会課題解決型製品の販売を伸ばしました。
また、メディアに直接印字が可能なラベルレスサーマルは製品の視認性や作業工程の簡素化等の顧客価値が評価され、2025年5月から冷凍弁当の製造・販売を手がける株式会社シルバーライフの冷凍食品のパッケージとして採用されました。
冷凍食品のラベルレスサーマルの採用は業界初の取り組みとなります。
ラベルレスサーマルの導入により、お客様の工数削減と環境負荷低減を実現しました。
産業プロダクツ事業においては、堅調な事業環境の中、お客様のモノづくり現場の生産効率向上に寄与する自動化設備において、原価低減や設計プロセス変革による収益力強化に取り組みました。
インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 5.3%減少し 1,062億円となりました(為替影響を除くと 6.4%の減少)。
サーマル事業において、米州における物流需要減少の影響が継続しましたが、日本や欧州では堅調に推移しました。
前年度に実施したオプティカル事業の譲渡の影響により売上が減少しましたが、事業譲渡の影響を除くと前年並みの売上となります。
コストダウンやプライシングコントロールによる収益性向上に加え、前年度にオプティカル事業の譲渡に伴う一時費用を計上していた反動もあり、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は 24億円となり、前連結会計年度に比べ利益が 42億円増加しました。
e. その他その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 20.3%増加し 431億円となりました(為替影響を除くと 19.4%の増加)。
カメラ関連事業がRICOH GRシリーズを中心に好調が継続し、増収増益となりました。
新規事業創出のための先行投資や創薬支援事業においてのれんの減損損失を計上したこと等により、その他全体の営業損益は 33億円(損失)となりましたが、事業の選択と集中の効果もあり、前連結会計年度に比べ 22億円改善しました。
f. 消去又は全社消去又は全社の配賦不能費用には、上記セグメントに帰属しない損益を計上しております。
前連結会計年度に国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上していた一方、当連結会計年度は主に国内で実施した固定資産売却益を計上したこと等により、営業損益は前連結会計年度に比べ利益が 263億円増加しました。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。
当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。
① 生産実績前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)(百万円)前連結会計年度比(%)デジタルサービス---デジタルプロダクツ495,989547,66710.4グラフィックコミュニケーションズ192,559177,460△7.8インダストリアルソリューションズ106,01298,291△7.3その他41,52956,79336.8合計836,089880,2115.3 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。
② 受注実績当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)(百万円)前連結会計年度比(%)デジタルサービス1,930,1091,988,5303.0デジタルプロダクツ157,065186,39518.7グラフィックコミュニケーションズ292,663284,043△2.9インダストリアルソリューションズ112,192106,232△5.3その他35,84743,11420.3合計2,527,8762,608,3143.2 (注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。
(3) 財政状態資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,830億円増加し 25,401億円となりました。
前連結会計年度末と比較して、沖電気のエトリア参画に伴い承継資産等が増加しました。
為替及び沖電気の承継資産の影響を除いた試算では 170億円の増加となります。
主要通貨の当連結会計年度の期末日レートは、対米ドルが 159.88円(前連結会計年度に比べ 10.36円の円安)、対ユーロが 183.41円(同 21.33円の円安)となりました。
資産の部では、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ 141億円増加しました。
また、国内売上の増加に伴い営業債権及びその他の債権が 472億円増加しました。
さらに、沖電気の事業統合や米州における買収等による連結加入に加え、米国関税の影響による仕入コスト増加等により棚卸資産が 320億円増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 503億円増加し 13,527億円となりました。
主に円安による為替影響により、営業債務及びその他の債務、並びにその他の流動負債が増加しました。
一方で、社債及び借入金が流動負債と非流動負債を合わせ 85億円減少しました。
資本合計は、前連結会計年度末から 1,327億円増加し、11,874億円となりました。
資本の部では、当期利益の計上及び円安により在外営業活動体の換算差額が増加しました。
また、沖電気のエトリア参画に伴い資本剰余金及び非支配持分が増加しました。
結果として親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,260億円増加し 11,561億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ 1.8ポイント増加し 45.5%となりました。
(4) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 212億円増加し 1,581億円の収入となりました。
当連結会計年度は、棚卸資産の増加や、前連結会計年度に実施した国内のセカンドキャリア支援制度の退職加算金の支払い等の支出の増加はあったものの、前連結会計年度では当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴う預り金の返還により支出が増加しており、結果として現金収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 68億円減少し 725億円の支出となりました。
前連結会計年度は、オプティカル事業の売却による収入、当連結会計年度は米国のマネージドITサービス事業の売却や主に国内で実施した固定資産の売却による収入等があり、結果として現金支出が減少しました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 280億円増加し 855億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 375億円増加し 830億円の支出となりました。
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ借入債務による調達が減少したこと等により現金支出が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 116億円増加し 1,934億円となりました。
当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。
資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 
(2) リコーの中期展望 成長を支える資本政策」をご覧ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期親会社所有者帰属持分比率48.7 %43.3 %45.4 %43.7 %45.5 %時価ベースの親会社所有者帰属持分比率36.5 %28.1 %35.7 %38.1 %29.4%債務償還年数2.9 年5.4 年2.8 年3.2 年2.7年インタレスト・カバレッジ・レシオ26.9 倍13.2 倍32.3 倍26.1 倍21.0倍 親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。
現金及び資産負債総合管理 事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。
この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。
その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。
各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。
この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。
為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。
当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。
自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
資金源泉 当社グループは主に手元資金及び現金同等物の活用と併せて、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。
流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,934億円、信用枠は 3,905億円であり、そのうち未使用残高は 3,855億円でありました。
当社は 1,500億円(信用枠 3,905億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。
これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。
当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。
また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。
2026年6月16日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。
必要資金及び契約債務 当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。
お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。
さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。
各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、使命と目指す姿を「“はたらく”に歓びを」と定めており、“はたらく”に寄り添い 変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくります。
研究開発分野においては、技術投資のROI向上を目指し、R&D投資の注力領域への集中と、投資配分のガバナンス強化を図っております。
その一環として、価値創造プロセスをマーケットイン型/オープンイノベーション型にシフトし、より市場ニーズに即した成果創出を促進しております。
デジタルサービスの会社としての拡大に向けて、デジタルサービスの開発・運用に必要な基本機能と高い拡張性を備えたクラウドの共通基盤「RICOH Smart Integration(RSI)」を展開しております。
RSIは、リコーグループがグローバルで提供するアプリケーションやサービスをつなぐ中核プラットフォームとして進化を続けており、商品開発の効率化とコスト削減を通じて、イノベーション創出を可能にしております。
また、デジタルサービスを創出・加速するデジタル人材に加え、商品・サービスを支えるモノづくりに関わる人材を対象とした、技術者コミュニティを設置し、延べ約6,000人の技術者が各技術分野に登録され、グループ横断で社内外との交流や技術者教育の推進に取り組んでおります。
さらに、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。
7年目を迎えた当連結会計年度においては、当プログラムへの参加を希望する社外255件、社内65件の応募がありました。
社内外の審査員によるコンテストを通過したスタートアップ企業と社内メンバーによる新規事業テーマには、当社グループ内に登録されている専門性を有する251名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用し、挑戦する人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。
また、BtoB領域における最新のデジタルサービスを牽引するスタートアップへの戦略的な投資を目的としたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「RICOH Innovation Fund」を2023年度に設立しました。
本ファンド設立以降の累計出資先は国内外10社となりました。
これらの出資を通じて、スタートアップの成長を支援するとともに、協業によるお客様への新たな価値提供を進めております。
国際会計基準の適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。
無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 77,496百万円です。
(1) デジタルサービス当社グループは、成長領域である「プロセスオートメーション」と「ワークプレイスエクスペリエンス」の提供に注力し、グローバルに均質なサービスを提供します。
プロセスオートメーション領域においては、デジタル技術による業務プロセスの自動化・最適化を通じて、タスクの極小化と生産性の向上を実現するとともに、AI技術を活用し、お客様が保有するデータ価値の最大化を図ります。
AI技術を用いて紙や電子データの取り込みからワークフロー運用、データ活用に至る全プロセスを統合・自動化するSaaS型オーケストレーション・プラットフォーム「RICOH Intelligent Automation」は、一部地域でのパイロット導入を経て、展開を加速しております。
また、チリのValue Tech社の買収により、中南米地域におけるエンドツーエンドの包括的な価値提供体制を強化しました。
AI技術においては、経済産業省主導の国内生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC」へ2期連続で採択され、第3期において高度な論理的推論性能(リーズニング性能)を備えたマルチモーダルLLM(大規模言語モデル)の開発を完了しました。
また、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」や自社LLMを包含し、導入・運用を支援する「RICOH オンプレLLMスターターキット」の提供を開始しております。
企業向けAIプラットフォーム「Hi.DEEN」の先行提供を通じ、クラウド・オンプレミスの双方で、企業内の「暗黙知」を含む情報資産の利活用に向けたお客様のDX/AXを実現する価値提供を加速します。
さらに、お客様の業務課題に寄り添い、AI導入と定着を一貫して支援するために、株式会社ライズ・コンサルティンググループとの合弁会社設立に向けた基本合意に至りました。
ワークプレイスエクスペリエンス領域においては、デジタル技術によりシームレスなコミュニケーションと質の高いコラボレーションを実現し、お客様に最適な環境を提供しております。
デスクやスペースの予約管理機能や利用状況に基づく最適化を行うことでワークプレイスのより効率的な活用を目指し、従業員のウェルビーイングやエンゲージメント向上に寄与する「RICOH Spaces」は、サービスを先行展開していた欧州・北米・中南米に加え、当連結会計年度において日本国内での提供を開始しました。
また、AVインテグレーションを含むグローバルなワークプレイスサービス提供能力の強化に向けて、ブラジルのGo2neXt社、カナダのET Group社、米国のPPI社の買収に加え、複数のパートナーシップ契約を締結しました。
これらの展開加速により、世界中の拠点で統一されたユーザー体験を提供するインテグレーターとして、多様な人材が能力を最大限に発揮できる柔軟な働き方を実現し、お客様の組織全体の創造力と生産性の向上を力強くサポートしております。
また、価値共創拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」に、AI技術を活用した次世代のはたらき方を先取りし体感できる新たなワークショップルームを開設しました。
当社グループは、自社内でのデジタルサービスやAI技術の実践から得られた知見を活かし、DX・GXを通じてお客様の課題解決に向けて伴走し、ESGの観点も踏まえた価値提供を行ってまいります。
当社グループは、デジタル技術によって、業務プロセスの最適化による組織の生産性向上と、コミュニケーションとコラボレーションに最適なワークプレイスの提供を実現し、お客様の創造力の発揮を支援してまいります。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 13,159百万円です。

(2) デジタルプロダクツ当社グループは、生産台数世界No.1のA3カラー複合機、販売額世界No.1のドキュメントスキャナーの提供を通じ、お客様の“はたらく”の変革を支えるデバイスを開発・生産しております。
さらに、販売額国内No.1の組込コンピューターの提供を通じて産業界の成長に貢献しております。
当連結会計年度においては、環境配慮型商品のラインナップ拡充に取り組みました。
複合機では「RICOH IM C6000F CE/C2500F CE」を新たに発売しました。
これにより、前連結会計年度に発売した「RICOH IM C4500F CE/C3000F CE」とあわせて、A4ヨコ連続出力速度25~60枚/分まで幅広い業務ニーズに対応したCE(Circular Economy)機を取り揃えております。
これらCE機は平均86%(質量比)の部品リユース率を実現し、また、内蔵ソフトウェアをバージョンアップすることで新しい機能を追加できる「RICOH Always Current Technology」の搭載により長期にわたり快適に使用できる設計としております。
周辺機では、業界最大枚数となる針なし綴じ技術を新たに開発し、本技術を搭載した「RICOH IM C8010/C6510」を発売しました。
本技術により最大20枚までの用紙を綴じることが可能となり、金属針の使用削減に貢献しております。
さらに素材面では、再資源化を促進する施策として、ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)加盟各社と樹脂コンパウンドメーカーとが共同開発したポリスチレン再生プラスチックを、業界に先駆けて一部複合機のサプライに採用することを決定しました。
これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に向けたモノづくりをさらに前進させました。
ドキュメントスキャナーでは、ScanSnapシリーズの新たなフラッグシップモデルとして「ScanSnap iX2500」を発売しました。
本製品には、業務用スキャナー向けに自社開発した次世代SoC(System on a Chip)「iiGA」を搭載しました。
本SoCの搭載により、ScanSnap史上最速となる毎分45枚の高速スキャンを実現するとともに、業務用スキャナーで採用されている色ずれ/モアレ低減等の高画質化処理を個人向けスキャナーにおいても実装しました。
このような取り組みの結果、株式会社BCNが主催する「BCN AWARD 2026」において、スキャナ部門最優秀賞(年間販売台数シェアNo.1)を16年連続で受賞しました。
産業用コンピュータでは、2025年4月に設立したリコーPFUコンピューティング株式会社から複数の新製品を市場に投入しました。
大容量データ処理が求められる半導体製造装置や、システム停止が許されない医療・社会インフラ分野に向けては、拡張性及びセキュリティ対策を備えた組込みコンピュータ「AR8300モデル320P」を発売しました。
また、生産設備やロボット制御等製造現場のDX推進の用途に向け、処理性能、消費電力及び安定稼働に配慮した組込みコンピュータ「iC11000」を発売しました。
さらに、熱や振動といった厳しい環境下での使用が想定される工作機械、FA(ファクトリーオートメーション)機器等に向け、安定稼働、高温対応を重視した産業用ボードコンピュータ「IT11」を発売しました。
これらの取り組みを通じ、様々な産業分野におけるお客様の用途や要求に対応する産業用コンピュータのプラットフォームを拡充しました。
体制面では、複合機の開発・生産を担うエトリアに2025年10月に沖電気が参画し、当社、東芝テック、沖電気の3社の技術を融合した商品開発を開始しました。
また2026年2月には、モノづくり体質の強化を目的として、エトリアが有する日本国内の複合機、プリンター、サプライ、キーパーツ等の生産機能を結集したエトリアマニュファクチャリングジャパン株式会社を発足しました。
今後も、競争力ある商品開発と体質強化を継続し、世界に必要とされ続けるモノづくりのリーディングカンパニーへの歩みを進めていきます。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 31,445百万円です。
(3) グラフィックコミュニケーションズ当社グループは、高品質かつ信頼性の高い製品・サービスの提供を通じて、印刷現場のデジタル化を推進しております。
これにより、自動化・省人化及びプロセスの可視化を実現し、お客様の収益力の向上に貢献しております。
加えて持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通じた社会課題解決も積極的に推進しております。
商用印刷分野においては、印刷業のお客様に対して、生産性向上に資する高速インクジェット印刷機、ゴールド・シルバー等の特色トナー等の高付加価値機能の電子写真印刷機、並びに上流から下流までの工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っております。
これにより、Offset to Digitalを加速させ、お客様の現場プロセスのデジタル化を牽引していきます。
そのため、インクジェット技術、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術の開発を継続して行っております。
また、電炉鋼板や再生プラスチックを使用した製品の開発を行い、環境負荷を低減しております。
当連結会計年度においては、カラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5410S/C5400S」を発売しました。
本製品は、ウォームアップタイムの大幅な短縮、業界初の針なし綴じ、画像位置精度の向上により、様々な販促物の制作ニーズに対応します。
また、名刺や領収書等の小サイズ原稿の読み取りにも対応し、DXを促進します。
産業印刷分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発及び製品化に注力し、製品ラインナップの拡充を進めております。
MHシリーズヘッドは高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評を頂いており、主にサイングラフィックス分野で使用されております。
また、MEMS技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドも新規で採用いただけるお客様が増えております。
欧州地域においては、産業用インクジェットヘッド、テキスタイル印刷機の販売、エンジニアリングサポート等のお客様に対する一貫した専門的サポートをRicoh Printing Solutions Europe Limited (本社:英国)にて開始しております。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 17,831百万円です。
(4) インダストリアルソリューションズサーマル事業分野においては、世界で高いシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高品質の製品・サービスを提供し続けることで、お客様の信頼獲得を目指しております。
高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(発色材料の安全性を高めたフェノールフリーラベル)が北米市場をはじめグローバルに浸透してきております。
また、剥離紙のないサーマルラベル(SLL)は食品POSラベルに加え、ファーストフード等の用途でも大手ユーザーに価値を認められ、今後の事業成長が大きく期待されております。
一方、スマートパッケージングビジネスの環境負荷を低減する「ラベルレスサーマル*」は省資源化、人手不足緩和を背景とした工程自動化及び現場における食品のロングライフ化等のニーズにより、需要が大きく拡大しています。
また、独自技術(マイクロ波により自然に孔が開き、蒸気を逃がす技術)の蒸通フィルムは、お客様のDXにつながるパッケージングの新たな価値提供を実現でき、今後ソリューション提案を進めることでパッケージ業界の変革に貢献します。
 *ラベルレスサーマル:印字機能を有する基材へ文字・コードの可変情報を直接印字することで、商品の視認性を高め、業務の効率化、コストダウンを可能にする当社の印字プロセス 産業プロダクト事業分野は、基盤となる生産技術(梱包・搬送・組立技術)とIoT、AI、画像認識等の最先端技術を融合し、医療、素材業界等様々な分野で競争力の高い自動化ソリューションを提供しております。
また、現場の安全、少人化、作業負荷低減等のニーズから自動化設備の需要が高まり、車載向けリチウムイオンバッテリー外観検査装置等は安全・信頼性を高める検査ラインとして高く評価され、事業が急速に拡大しております。
これからも様々なニーズに応じた最適なラインを提案、構築することで製造現場における価値を提供し続け、導入から運用、その後のサポートまで幅広く現場の効率化に貢献していきます。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 1,568百万円です。
(5) その他事業当社グループのもつ技術のさらなる活用と、オープンイノベーションを通じた新規事業創出により社会課題解決に取り組みます。
同時に各事業の状況を見極め、メリハリのある経営資源配分と意思決定を行っております。
■デジタルカメラ分野デジタルカメラ分野を担うリコーイメージング株式会社では、GRとPENTAXの2つのブランド価値をより高め、デジタル手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化させております。
当社グループでは、100年近くに及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンGR ENGINE7やPRIME Vと、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。
また、当社独自のボディ内手ぶれ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手ぶれ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。
これらの技術に加え、高度な電子部品集積技術や独自の機構設計により、特にGRシリーズでは高画質や速写性、携帯性というカメラの本質的な価値を追求し、写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラをシリーズで提供しております。
当連結会計年度は、これらの技術で開発されたコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR IV」に加え、当社のインクジェット技術により開発されたハイライト部を拡散するHDF(Highlight Diffusion Filter)を搭載した「RICOH GR IV HDF」、カラーフィルターを排除してモノクローム写真専用構造に像面位相差AFを組み込んだ撮像素子を採用し、圧倒的な解像感と、高速・高精度なピント合わせを両立した「RICOH GR IV Monochrome」を開発し、発売しております。
■スマートビジョン分野・ワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」とクラウドサービスを連携させ、ワークフロー全体の効率化を実現するソリューションを提供・多様な現場の業務DXと生産性向上を支援する「RICOH360 ビジネスパッケージ」の提供により、建設・不動産分野での実績を軸に他業種展開を進め新規顧客の獲得と事業成長を実現・ビジネス現場で求められる耐久性・効率性・操作性に優れた様々な機能を搭載した新製品「RICOH360 THETA A1」を発売 ■バイオメディカル分野・当社独自のヒトiPS細胞分化誘導技術を用いたiPS創薬でお客様の新薬開発に貢献・高品質なmRNAの製造受託サービスにおいて製薬企業やアカデミアからの治験薬案件をさらに獲得することにより新たな革新的医薬品の創出を支援し事業を拡大・子会社のリコーバイオサイエンシズ株式会社が株式会社東芝及びメディリッジ株式会社と業務提携を行い、mRNA-LNPの国内一貫製造支援を実現 ■インクジェット電池分野・当社の分散技術応用インクと独自のインクジェット技術の組み合わせにより、自由な位置・膜厚・形状での電池材料印刷装置を開発・革新的な電池製造プロセスにより、材料ロス削減による環境負荷/コストの削減、リチウムイオン電池の性能向上、全固体電池の実用化に貢献・パートナーとの連携により電池材料印刷製造技術の実用化検証を加速し、本格事業展開に向けた重要技術を獲得 なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 4,073百万円です。
(6) 基礎研究分野 当社グループは、商品の差別化につながる基礎研究分野として、お客様の業務革新及び時間・場所に捉われない新しい働き方の実現に向けた研究開発を推進しております。
具体的には、当社独自のヘッド技術、機能性材料技術、分析・シミュレーション等の基盤技術を活用したインクジェット技術の研究開発の強化や、画像処理技術、データサイエンス、AIを応用したシステムソリューション開発を行っております。
また、将来を見据え、フォトニクス技術及びMEMS技術を活用したセンシング技術・エッジデバイス技術、並びにこれらの技術とAIを融合したAI融合技術及びシステム化技術やデジタルツインの研究開発に取り組んでおります。
これらのコア技術を起点に中長期的な事業機会の創出及び社会課題の解決に資する技術の確立を目的として、以下の領域に注力して研究開発を行っております。
・インクジェットヘッドをコアとした領域:インクジェット技術を活用し、カーボンニュートラルの実現に向け、ペロブスカイト太陽電池の低コスト・高生産工法、並びに塗着効率を極限まで高めた自動車塗装工法の研究開発及び実証実験に取り組んでおります。
なお、ペロブスカイト太陽電池については、社会実装に向けた技術開発及び実証事業が、NEDOのグリーンイノベーション基金に採択されました。
・ドキュメント・ワークフローを扱う領域:将来を見据えた技術として、人や物の位置情報、人の行動・作業等をセンシングしデジタル化することでワークプレイスのデジタルツインを生成し、働く人それぞれに適した支援を行う技術の研究開発に取り組んでおります。
加えて、分析・シミュレーション等の共通基盤技術については、当社グループの研究・開発・設計・生産の各現場に継続的に展開し、新たな価値提供の創出、開発効率の向上及び品質向上を図っております。
これらの技術により、業務の高度化と現場起点の価値創出の両面から、お客様への提供価値の拡大を図ってまいります。
さらに、当社グループはオープンイノベーションを積極的に推進しており、多数の外部パートナーとの共創を進めております。
共創は国内にとどまらず、欧州・米国・アジア等の研究機関、大学、企業及びスタートアップ等との間でも展開しております。
このような取り組みの一環として、応用と実現の可能性を高めるための要素技術に関して、インクジェットヘッドをコアとした領域においては、東京科学大学及びアーヘン工科大学と三者合同による共同研究に取り組んでおります。
また、共通基盤技術分野の一つである光学技術領域においては、NHK放送技術研究所と共同で取り組んでいる360度映像技術に関する研究成果を、「映像情報メディア学会 2025年冬期大会」にて発表しました。
一方、ドキュメント・ワークフローを扱う領域においては、国立研究開発法人産業技術総合研究所及び株式会社AIST Solutionsと連携して設立した「知識集約型デジタルサービス創出連携研究室」を、2025年5月に発表しました。
同研究室では、多様なワークプレイスにおける知的生産性の革新を目指し、デジタルツイン技術を活用したサービス創出に取り組んでおります。
また、同年9月には、世界最大級のオープンイノベーションプラットフォームであるPlug and Playとパートナーシップ契約を締結し、最先端技術を有するスタートアップとの連携を通じて、ワークプレイス領域を中心とした新たなソリューションの創出を進めております。
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 9,420百万円です。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の設備投資金額は 48,890百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)(百万円) 主な設備投資の目的・内容 デジタルサービス21,86721,321デジタルサービス関連のインフラ投資デジタルプロダクツ13,72012,798生産設備の拡充、更新及び生産性向上グラフィックコミュニケーションズ5,7587,119生産設備の拡充、更新及び生産性向上インダストリアルソリューションズ3,6583,688生産設備の拡充、更新及び生産性向上その他1,9341,504新規事業に関連する設備投資等本社又は全社2,0512,460社内DX投資等合計48,98848,890
(注) 上記設備投資に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により賄っております。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社2026年3月31日現在事業所名(所在地)事業の種類別セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び器具備品土地(千㎡)使用権資産合計本社事業所(東京都大田区)本社、デジタルサービス、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他開発用設備、その他設備4,739 365119(10)335,248911横浜仲町台事業所(神奈川県横浜市都筑区)全社その他設備1,1471643,200(17)34,514234リコーテクノロジーセンター(神奈川県海老名市)デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ及びその他開発用設備13,9964844,944(89)22519,6492,594厚木事業所(神奈川県厚木市)デジタルプロダクツ及びグラフィックコミュニケーションズデジタルサービス向けデバイス生産設備2,3361,7712,011(98)26,12098沼津事業所(静岡県沼津市)デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ及びインダストリアルソリューションズデジタルサービス向けデバイス関連消耗品等生産設備2,997846436(84)24,281126福井事業所(福井県坂井市)デジタルプロダクツ及びインダストリアルソリューションズデジタルサービス向けデバイス関連消耗品等生産設備1,2061,4341,120(93)-3,76069池田事業所(大阪府池田市)全社その他設備1,75125198(19)-2,10057
(2) 国内子会社2026年3月31日現在会社名(所在地)事業の種類別セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び器具備品土地(千㎡)使用権資産合計リコーインダストリー㈱(神奈川県厚木市)グラフィックコミュニケーションズプロダクションプリンター等生産設備4,5622,885234(151)2347,915675エトリア㈱(神奈川県横浜市)デジタルプロダクツデジタルサービス向けデバイス等の開発・設計及びその他の設備1,6722,488957(51)5255,6422,117エトリアマニュファクチャリングジャパン㈱(静岡県沼津市) デジタルプロダクツデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品生産設備10,1477,2072,205(93)319,562822リコーエレメックス㈱(愛知県岡崎市)デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ及びインダストリアルソリューションズデジタルサービス向けデバイス・精密機器生産設備2,4912,5873,244(546)808,402417リコージャパン㈱(東京都大田区)デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズその他設備5,83011,5532,248(49)11,71431,34514,695㈱PFU(石川県かほく市)デジタルサービス及びデジタルプロダクツスキャナ・インダストリーコンピューティング製品等生産設備3,6221,4301,178(121)3,7469,9763,232リコークリエイティブサービス㈱(東京都大田区)その他その他設備3576-(-)1,4151,526594  (3) 在外子会社2026年3月31日現在会社名(所在地)事業の種類別セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び器具備品土地(千㎡)使用権資産合計RICOH ELECTRONICS, INC. (米国 ジョージア州)インダストリアルソリューションズサーマルメディア生産設備9864,044401(289)7666,197666ETRIA MANUFACTURING USA INC. (米国 ジョージア州)デジタルプロダクツ及びグラフィックコミュニケーションズデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品生産設備282,728-(-)-2,756265RICOH INDUSTRIE FRANCES.A.S. (仏国 ヴェトルスハイム)デジタルプロダクツ及びインダストリアルソリューションズサーマルメディア生産設備8004,58173(210)-5,454532RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD.(中国 無錫市)インダストリアルソリューションズサーマルメディア生産設備1,7682,424-[64]264,218243SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD. (中国 上海市)デジタルプロダクツデジタルサービス向けデバイス生産設備9121,474-[59]-2,386903RICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.(中国 東莞市)デジタルプロダクツデジタルサービス向けデバイス生産設備8,7126,207-[93]-14,9192,169TOSHIBA TEC INFORMATION SYSTEMS (SHENZHEN) CO., LTD.(中国 深圳市)デジタルプロダクツ複合機等の生産設備-249-(-)1,3541,603986OKI DATA MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD.(タイ アユタヤ県)デジタルプロダクツプリンター及び関連商品等の製造4641,9351,499(110)873,9851,189RICOH MANUFACTURING(THAILAND) LTD.(タイ ラヨーン県)デジタルプロダクツ及びインダストリアルソリューションズデジタルサービス向けデバイス及び関連消耗品生産設備4,2504,864907(137)3410,0552,353RICOH USA INC. 他米州販売会社 36社デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズその他設備3,25413,11296
(2)24,13140,59314,947RICOH EUROPE HOLDINGS PLC 他欧州販売会社 89社デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズその他設備1,4898,616-(-)19,70529,81014,134RICOH ASIA PACIFIC PTE. LTD. 他その他地域販売会社 15社デジタルサービス及びグラフィックコミュニケーションズその他設備3298,792-(-)7,25916,3805,160
(注) 1 上表には、建設仮勘定は含まれておりません。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 ㈱PFUの数値は各社の連結決算値です。
4 RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD.、SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.及びRICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.の土地は、連結会社以外から賃借しており、賃借している土地の面積については、[ ]内で外書きしております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度後1年間の設備投資計画は 60,000百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称2026年度計画金額(百万円)設備等の主な内容・目的ワークプレイスサービス11,800ワークプレイスサービス関連のインフラ投資デジタルプロダクツ22,500生産設備の拡充、更新及び生産性向上、販売用資産等グラフィックコミュニケーションズ17,300生産設備の拡充、更新及び生産性向上インダストリアルソリューションズ3,800生産設備の拡充、更新及び生産性向上その他1,900新規事業、カメラ事業に関連する設備投資等本社又は全社2,700社内DX投資等合計60,000
(注) 1 上記設備投資に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により賄う予定です。
2 次期連結会計年度より、事業の種類別セグメントの見直しを実施いたします。
変更後の事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
新セグメント主な事業内容ワークプレイスサービスIT機器(パソコン、サーバー、ネットワーク機器等)、及び関連するサービス・サポート、ソフトウエア、ドキュメント関連サービス、ソリューション、並びに機器の導入・利用を支援するファイナンスソリューション等の提供デジタルプロダクツ複合機、プリンター、印刷機、広幅機、FAX、スキャナ、ネットワーク関連等の機器、並びに関連する消耗品等の製造・販売、及びサービス、サポートの提供、並びにオートIDシステム、電装ユニット等の製造・販売グラフィックコミュニケーションズカットシートPP(プロダクションプリンター)、連帳PP、インクジェットヘッド、作像システム、産業プリンター等機器、機能印刷、及び関連する消耗品の製造・販売、並びにサービス、サポート、ソフトウエア等の提供インダストリアルソリューションズサーマルペーパー、サーマルメディア、精密機器部品等の製造・販売その他デジタルカメラ、360度カメラ、環境、ヘルスケア等
研究開発費、研究開発活動4,073,000,000
設備投資額、設備投資等の概要2,460,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況45
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況20
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況9,061,743
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資以外の目的である投資株式としております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、業務提携や、協働ビジネス展開等の円滑化及び強化の観点から、配当等のリターンも勘案しつつ、今後の当社グループの発展に必要かつ有効と認められる場合に限り、関連するパートナーの株式等を保有することができるものとしております。
具体的には、毎年取締役会において個別銘柄ごとに保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を検証し、中長期的に保有の意義が認められなくなったと判断される銘柄については縮減を図るものとしております。
b. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式28324非上場株式以外の株式712,501 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式以外の株式3907 c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)サイボウズ㈱1,740,1001,740,100協業関係の発展・強化、パートナーシップ構築を目的として保有しております。
資本業務提携を通じて、クラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」を基盤とし、国内外におけるデジタルサービス事業の展開を加速しております。
当事業年度受取配当金 121百万円。
無3,5964,860三愛オブリ㈱1,113,3201,113,320デジタルサービス事業において、業務効率化に関するソリューションの提供を行っており、安定的な販売仕入取引関係の維持及び強化を目的として保有しております。
当事業年度受取配当金 111百万円。
有2,6831,917㈱大塚商会780,000780,000当社グループの基盤事業である画像系分野(MFP/LP/POD)において販売台数トップシェアを誇る国内最大のビジネスパートナーであり、今後の安定的な事業関係の維持及び、両社の強み・リソースを活かした協業ビジネス展開等のさらなる取引関係強化・ビジネス領域拡大を目的として保有しております。
当事業年度受取配当金 70百万円。
有2,3562,524Sindoh Co., Ltd.313,748313,748当社グループ製品のOEM供給を取引内容とし、安定的な販売・仕入取引関係の維持及び強化を目的として保有しております。
当事業年度受取配当金 46百万円。
無1,6221,199ウシオ電機㈱500,429500,429当社グループが取り扱う商品・サービスに関して、安定的な販売仕入取引関係の維持及び強化を目的として保有しております。
当事業年度受取配当金 35百万円。
有1,408926東海旅客鉄道㈱200,000200,000当社グループが取り扱う商品・サービスに関して、安定的な販売取引関係の維持及び強化を目的として保有しております。
当事業年度受取配当金 6百万円。
無816570スタンレー電気㈱5,8135,813当社グループが取り扱う商品・サービスに関して、安定的な販売仕入取引関係の維持及び強化を目的として保有しております。
有1616久光製薬㈱―118,100当事業年度に売却しております。
有―477 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)エヴィクサー㈱―200,000当事業年度に上場廃止しております。
無―240Hmcomm㈱―64,000当事業年度に売却しております。
無―54 みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円) 貸借対照表計上額(百万円) ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ7,790,0007,790,000退職給付信託契約による議決権行使の指図権限。
無20,51115,896三愛オブリ㈱5,800,0005,800,000退職給付信託契約による議決権行使の指図権限。
有14,22310,233スタンレー電気㈱1,300,0001,300,000退職給付信託契約による議決権行使の指図権限。
有3,7723,682ウシオ電機㈱1,388,0001,388,000退職給付信託契約による議決権行使の指図権限。
有3,9902,651㈱みずほフィナンシャルグループ544,500544,500退職給付信託契約による議決権行使の指図権限。
無3,3472,235
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりませ   ん。
2 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
3 当該株式の発行者が子会社の経営管理を行うことを主たる業務とする場合に該当すると考えられる者  等については、その者の子会社の保有状況を含めて当社の株式の保有の有無を記載しております。
4 定量的な保有効果は個別の取引条件を開示できないため記載が困難であります。
なお、保有の合理性  については、業務提携や、協働ビジネス展開等の円滑化及び強化の観点から、配当等のリターンも勘  案しつつ、今後の当社グループの発展に必要かつ有効と認められるか、保有に伴う便益やリスクが資  本コストに見合っているか等の観点から検証しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式当社は保有目的が純投資目的である投資株式を保有しておりません。
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社3
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社28
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社324,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社7
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社12,501,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社907,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社5,813
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社16,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社544,500
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的であるみなし保有株式の明細、提出会社3,347,000,000
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社Hmcomm㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社当事業年度に売却しております。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社