財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-06-12
英訳名、表紙Ajinomoto Co., Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表執行役社長  中村 茂雄
本店の所在の場所、表紙東京都中央区京橋一丁目15番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(5250)8111
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月概要1907年 5月合資会社鈴木製薬所設立。
1908年 7月池田菊苗博士が調味料グルタミン酸ソーダの製造法特許取得。
同年9月鈴木三郎助(二代)がその商品化を引受。
1909年 5月うま味調味料「味の素®」一般販売開始。
1912年 4月鈴木個人の事業として営んでいた「味の素®」の事業を合資会社鈴木製薬所が継承し、同時に同社は合資会社鈴木商店に商号変更。
1914年 9月川崎工場完成、操業開始。
1917年 6月㈱鈴木商店を設立し、これに合資会社鈴木商店の営業の一切を譲渡し、合資会社鈴木商店は目的を「有価証券及び不動産の取得売買」と変更。
1925年12月㈱鈴木商店を新設し、これにそれまでの合資会社鈴木商店及び㈱鈴木商店の営業の一切を譲渡し、両社とも解散(現 味の素㈱設立)。
1932年10月味の素本舗株式会社鈴木商店に商号変更。
1935年 3月宝製油㈱を設立。
油脂事業に着手。
1940年12月鈴木食料工業㈱に商号変更。
1943年 5月大日本化学工業㈱に商号変更。
   12月佐賀県に佐賀工場を設置(現 九州事業所)。
1944年 5月宝製油㈱を合併。
1946年 2月味の素㈱に商号変更。
1949年 5月株式上場。
1956年 1月必須アミノ酸(輸液用)発売。
アミノ酸事業に着手。
    7月ニューヨーク味の素社を設立(現 味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社)。
   12月神奈川県に中央研究所を設置。
1958年 5月ユニオンケミカルズ社を設立(現 フィリピン味の素社)。
1960年 4月1961年 3月タイ味の素社を設立。
三重県に四日市工場を設置(現 東海事業所)。
    7月マラヤ味の素社を設立(現 マレーシア味の素社)。
1963年 3月米国のコーンプロダクツ社(現 コノプコ社)と提携(合弁会社 クノール食品㈱発足)。
1967年10月本社に化成品部を設置。
化成品事業に本格着手。
1968年 2月ペルー味の素社を設立。
1969年 7月インドネシア味の素社を設立。
1970年11月「ほんだし®」発売。
   12月味の素レストラン食品㈱を設立(現 味の素冷凍食品㈱)。
冷凍食品事業に着手。
1973年 8月米国のゼネラルフーヅ社と提携(合弁会社 現 味の素AGF㈱発足)。
1974年12月味の素インテルアメリカーナ社を設立(現 ブラジル味の素社)。
1981年 9月「エレンタール®」発売。
医薬品事業に着手。
1982年 5月アスパルテーム輸出開始。
甘味料事業に着手。
1987年 6月クノール食品㈱を子会社とする。
年月概要1989年 9月ベルギーの化学会社オムニケム社(現 味の素オムニケム社)の全株式を取得。
1996年12月味の素(中国)社を設立。
2000年10月冷凍食品事業を分社化し、味の素冷凍食品㈱に統合。
2001年 4月油脂事業を分社化し、味の素製油㈱に統合(現 ㈱J-オイルミルズ)。
2003年 2月日本酸素㈱から味の素冷凍食品㈱が㈱フレックの全株式を取得。
2003年4月に味の素冷凍食品㈱は㈱フレックを合併。
    7月アミラム・フランス社保有のうま味調味料の生産・販売会社であるオルサン社(現 欧州味の素食品社)の全株式を取得。
2007年 2月ヤマキ㈱の株式を一部取得し、資本・業務提携。
2011年11月味の素アニマル・ニュートリション・グループ㈱(2011年9月設立)に飼料用アミノ酸事業運営を移管。
2014年11月 2015年 4月     4月味の素ノースアメリカ社(現 北米味の素社)が米国の冷凍食品の製造・販売会社であるウィンザー・クオリティ・ホールディングス社の全持分を取得。
アメリカ味の素冷凍食品社がウィンザー・クオリティ・ホールディングス社を吸収合併し、味の素ウィンザー社に商号変更(現 味の素フーズ・ノースアメリカ社)。
味の素ゼネラルフーヅ㈱(現 味の素AGF㈱)を子会社とする。
2016年 4月医薬事業を行う味の素製薬㈱が、エーザイ㈱の消化器疾患領域に関する事業の一部を吸収分割により承継したことにより、当社の持分法適用会社となり、EAファーマ㈱に商号変更。
   11月アフリカ諸国で事業展開する大手加工食品メーカーであるプロマシドール・ホールディングス社の株式33.33%を取得し、同社を持分法適用会社とする。
2019年 4月川崎工場・東海事業所の一部及び味の素パッケージング㈱の生産体制をクノール食品㈱に集約・再編し、同社の商号を味の素食品㈱に変更。
2021年 7月味の素アニマル・ニュートリション・グループ㈱を合併。
2023年12月北米味の素社が米国の遺伝子治療薬CDMOであるフォージ・バイオロジクス・ホールディングス社(現 フォージ・バイオロジクス社)の全持分を取得。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループは、当社、連結子会社105社及び持分法適用会社15社より構成され、調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ、冷凍食品、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、更にその他の事業活動を行っております。
 当社グループの当該事業における位置づけは次のとおりです(☆印は持分法適用会社)。
報告セグメント製品区分主要な会社調味料・食品調味料 味の素食品㈱ 味の素AGF㈱ タイ味の素社 タイ味の素販売社 ワンタイフーヅ社 インドネシア味の素社 インドネシア味の素販売社 アジネックス・インターナショナル社 ベトナム味の素社 フィリピン味の素社 マレーシア味の素社 ナイジェリア味の素食品社 ブラジル味の素社 ペルー味の素社☆プロマシドール・ホールディングス社栄養・加工食品ソリューション&イングリディエンツ 欧州味の素食品社 味の素ベーカリー㈱ デリカエース㈱☆ヤマキ㈱冷凍食品冷凍食品 味の素冷凍食品㈱ 味の素フーズ・ノースアメリカ社ヘルスケア等医薬用・食品用アミノ酸 味の素ヘルシーサプライ㈱ 味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社 上海味の素アミノ酸社バイオファーマサービス(CDMO) 味の素オムニケム社 フォージ・バイオロジクス社ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等) 味の素ファインテクノ㈱その他 味の素ダイレクト㈱その他製造受託☆EAファーマ㈱油脂☆㈱J-オイルミルズ (注)1物流☆F-LINE㈱サービス他 味の素エンジニアリング㈱ ㈱味の素コミュニケーションズ☆NRIシステムテクノ㈱(注)1.当社グループの中で、国内の証券市場に上場している会社は次のとおりです。
     東証プライム市場(提出日現在):㈱J-オイルミルズ  なお、事業系統図は次のとおりです(☆印は持分法適用会社)。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
(1)親会社 該当ありません。
(2)連結子会社名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)(注)1関係内容役員の兼任営業上の取引設備の賃貸借味の素冷凍食品㈱(特定子会社)東京都中央区百万円9,537冷凍食品100.0あり同社の製品を当社が購入及び販売、同社の原材料を当社が共同購入し供給当社が建物等を賃貸味の素食品㈱(特定子会社)神奈川県川崎市川崎区百万円4,000調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ100.0あり同社の製品を当社が購入及び販売、同社の原材料を当社が共同購入し供給当社が建物等を賃貸味の素AGF㈱(特定子会社)東京都渋谷区百万円3,862栄養・加工食品100.0あり同社の製品を当社が購入及び販売、同社の原材料を当社が共同購入し供給当社が建物等を賃貸味の素ヘルシーサプライ㈱東京都中央区百万円380その他(ヘルスケア等)100.0なし同社の製品を当社が購入及び販売、当社の製品を同社が購入及び販売なし味の素エンジニアリング㈱東京都大田区百万円324その他100.0なし当社の業務を同社が請負当社が建物等を賃借味の素ファインテクノ㈱神奈川県川崎市川崎区百万円315ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)100.0なし同社の製品を当社が購入、同社の業務を当社が請負なし味の素トレーディング㈱東京都港区百万円200その他(ヘルスケア等)100.0なし当社の製品を同社が購入及び販売、当社の原材料を同社が購入し供給なし㈱味の素コミュニケーションズ東京都中央区百万円100その他100.0なし当社の業務を同社が請負、当社の製品を同社が購入及び販売当社が建物等を賃貸味の素フィナンシャル・ソリューションズ㈱東京都中央区百万円100その他100.0なし当社の業務を同社が請負なし味の素ベーカリー㈱東京都中央区百万円100ソリューション&イングリディエンツ100.0なし当社の原材料を同社が購入なし㈱ジーンデザイン大阪府茨木市百万円59バイオファーマサービス(CDMO)100.0なし当社の製品を同社が購入及び販売なし味の素デジタルビジネスパートナー㈱東京都中央区百万円51その他100.0なし当社の業務を同社が受託し代行なしAGF鈴鹿㈱三重県鈴鹿市百万円23栄養・加工食品100.0(100.0)なしなしなしAGF関東㈱群馬県太田市百万円20栄養・加工食品100.0(100.0)なしなしなし味の素ダイレクト㈱東京都中央区百万円10その他(ヘルスケア等)100.0なし同社の製品を当社が購入及び販売なし 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)(注)1関係内容役員の兼任営業上の取引設備の賃貸借デリカエース㈱埼玉県上尾市百万円200ソリューション&イングリディエンツ90.0なしなしなし味の素アセアン地域統括社タイ千タイバーツ1,408,488地域統括会社100.0あり当社の業務を同社が請負なしタイ味の素社タイ千タイバーツ796,362調味料99.8(0.0)あり同社の製品を当社が購入及び販売、当社の製品を同社が購入及び販売なしタイ味の素販売社タイ千タイバーツ50,000調味料100.0(100.0)なしなしなしワンタイフーヅ社タイ千タイバーツ60,000栄養・加工食品60.0(35.0)あり同社の製品を当社が購入なしタイ味の素ベタグロ冷凍食品社(注)2タイ千タイバーツ764,000冷凍食品50.0(50.0)なしなしなし味の素ビジネスセンター(タイランド)社(注)2タイ千タイバーツ10,000調味料・食品、冷凍食品49.0(49.0)なしなしなしインドネシア味の素社インドネシア千米ドル8,000調味料51.0なし当社の製品を同社が購入なしインドネシア味の素販売社インドネシア千米ドル250調味料100.0(80.0)なし当社の製品を同社が購入及び販売なしアジネックス・インターナショナル社インドネシア千米ドル44,000ソリューション&イングリディエンツ95.0なし同社の製品を当社が購入及び販売なしベトナム味の素社ベトナム千米ドル50,255調味料100.0あり当社の製品を同社が購入なしマレーシア味の素社マレーシア千マレーシアリンギット65,102調味料50.4なし同社の製品を当社が購入及び販売、当社の製品を同社が購入及び販売なしフィリピン味の素社フィリピン千フィリピンペソ1,259,444調味料95.0あり当社の製品を同社が購入及び販売なし味の素(中国)社(特定子会社)中国千米ドル104,108その他(ヘルスケア等)100.0なしなしなし上海味の素アミノ酸社中国千中国元99,352医薬用・食品用アミノ酸61.0(59.0)あり同社の製品を当社が購入及び販売、当社の原材料を同社が購入なしシンガポール味の素社シンガポール千シンガポールドル1,999ソリューション&イングリディエンツ100.0あり当社の製品を同社が購入及び販売なし北米味の素社(特定子会社)アメリカ米ドル0地域統括会社100.0ありなしなしフォージ・バイオロジクス社(特定子会社)アメリカ千米ドル65,573バイオファーマサービス(CDMO)100.0(100.0)あり当社の業務を同社が請負なし味の素フーズ・ノースアメリカ社(注)3アメリカ千米ドル15,030冷凍食品100.0(100.0)あり当社の製品を同社が購入及び販売なし 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)(注)1関係内容役員の兼任営業上の取引設備の賃貸借味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社アメリカ米ドル0ソリューション&イングリディエンツ100.0(100.0)あり同社の製品を当社が購入及び販売、当社の製品を同社が購入及び販売なし味の素キャンブルック社アメリカ千米ドル34,280その他(ヘルスケア等)100.0(100.0)ありなしなしブラジル味の素社(特定子会社)ブラジル千ブラジルレアル913,298調味料100.0あり同社の製品を当社が購入及び販売、当社の製品を同社が購入及び販売なしペルー味の素社ペルー千ヌエボソル45,282調味料99.6あり当社の製品を同社が購入及び販売なし欧州味の素食品社フランス千ユーロ35,000ソリューション&イングリディエンツ、冷凍商品100.0(0.0)あり当社の製品を同社が購入及び販売なしフランス味の素冷凍食品社フランス千ユーロ12,000冷凍食品100.0(100.0)なしなしなし味の素オムニケム社ベルギー千ユーロ21,320バイオファーマサービス(CDMO)100.0(0.0)あり同社の製品を当社が購入及び販売、当社の製品を同社が購入及び販売なしナイジェリア味の素食品社ナイジェリア千ナイジェリアナイラ24,225,000調味料100.0ありなしなしイスタンブール味の素食品社トルコ千トルコリラ751,949調味料100.0ありなしなしポーランド味の素社ポーランド千ズロチ39,510栄養・加工食品100.0ありなしなしニュアルトラ社アイルランドユーロ0その他(ヘルスケア等)100.0(100.0)ありなしなしアグロ2アグリ社スペイン千ユーロ2,027その他(ヘルスケア等)100.0(100.0)なしなしなしその他 59社------- (注)1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
 (注)2.議決権の所有割合は50%以下ですが、実質的に支配しているため子会社としております。
 (注)3.味の素フーズ・ノースアメリカ社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等(1)売上高             174,744百万円
(2)営業利益又は営業損失(△)   △1,629(3)当期純利益又は当期純損失(△)  △749(4)資産合計            150,180(5)純資産合計           111,747 (3)持分法適用会社名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容役員の兼任営業上の取引設備の賃貸借EAファーマ㈱(関連会社)東京都中央区百万円9,145その他40.0なし同社の製品・原薬を当社が受託製造当社が建物等を賃借㈱J-オイルミルズ(関連会社)(注)1東京都中央区百万円10,000その他27.2あり同社の製品を当社が購入及び販売当社が建物等を賃貸プロマシドール・ホールディングス社(共同支配企業)英領ジャージー島千米ドル0栄養・加工食品33.3なしなしなしその他 12社(注)2------- (注)1.㈱J-オイルミルズは有価証券報告書を提出しております。
 (注)2.「その他」には共同支配企業2社を含んでおります。
(4)その他の関係会社 該当ありません。
従業員の状況 (2)【従業員の状況】
①連結会社における状況 2026年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)調味料・食品22,316(4,211)冷凍食品5,348(3,343)ヘルスケア等5,219(345)その他1,101(546)全社(共通)803(-)合計34,787(8,445) (注)1.従業員数は就業従業員数です。
 (注)2.従業員数欄の( )内は、臨時従業員の年間平均雇用人員数を外数で記載しております。
②提出会社の状況 2026年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)平均年間給与の対前事業年度増減率(%)3,705(218)43.518.910,613,4792.4 セグメントの名称従業員数(人)調味料・食品1,695(55)冷凍食品51(-)ヘルスケア等1,094(121)その他62(42)全社(共通)803(-)合計3,705(218) (注)1.従業員数は、就業従業員数です。
 (注)2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
 (注)3.従業員数欄の( )内は、臨時従業員の年間平均雇用人員数を外数で記載しております。
<味の素㈱の従業員給与・賞与の額や内容の決定に関する方針> 味の素㈱の一般職の報酬は、等級ごとに期待に応じた給与レンジを定めており、「個人業績(行動評価)」の結果に基づいて次年度昇給を決定し、「個人業績(成果評価)×会社業績」の結果に基づいて次年度賞与の支給額を決定しています。
管理職においては、担当する職務のグレードに応じた給与レンジを定めており、「個人業績(行動評価×成果評価)×会社業績」の結果に基づいて次年度の昇降給および賞与の支給額を決定しています。
これらの行動評価は味の素グループの共通価値観であるAGWと連動、成果評価はASVと連動しています。
加えて、会社業績、物価上昇などの社会環境、外部報酬市場の観点から労働組合と議論を重ね、必要に応じた賃金の見直しを実施しており、2025年度は一律16,000円の賃上げを実施しました。
これらの結果、2025年度の味の素㈱の平均年間給与の対前事業年度増減率は+2.4%でした。
③労働組合の状況 特記すべき事項はありません。
④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異(ⅰ)提出会社当事業年度管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の額の差異(%)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者16.089.672.175.065.2 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
 (注)2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
当取得率の算出においては、正規雇用労働者を対象としています。
<味の素㈱の男女の賃金の額の差異について> 味の素㈱の報酬制度は等級やグレードに応じて男女の賃金レンジを一本化していますが、男女賃金の差異については以下の要因により生じております。
 正規労働者は一般職においては階層別の賃金差異は出産・育児などのライフイベントによる休職の影響が大きく、一般職(上級)で89.3%、一般職(初・中級)で91.1%でした。
管理職においては階層別の賃金の差異が管理職(上級)で97.0%、管理職(初・中級)で96.5%と上位職になるにつれて賃金差は縮小傾向にあります。
しかしながら、給与水準が高い管理職における女性従業員の比率が低いため、正規労働者での男女賃金格差は75.0%となります。
味の素㈱における女性管理職比率は16%と前年に対して+2%改善したことから、2025年度の正規雇用労働者の男女の賃金差異は75.0%(前年+2.5%)と改善しました。
引き続き、女性管理職のパイプライン形成に取り組むことで、今後も賃金の差異は段階的に縮小していくと考えます。
 非正規労働者では、パートタイム従業員よりも賃金の高いシニア再雇用社員における男女比率の差が主要因です。
今後の日本での労働人口減少を踏まえ、正規・非正規労働者を問わない女性活躍を推進してまいります。
(ⅱ)連結子会社当事業年度名称管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の額の差異(%)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者味の素冷凍食品㈱10.166.754.974.885.0味の素食品㈱8.9100.078.278.976.6味の素AGF㈱14.890.080.578.589.9味の素ファインテクノ㈱15.583.391.193.443.4AGF鈴鹿㈱-71.476.176.1-㈱味の素コミュニケーションズ14.0100.069.186.255.6味の素エンジニアリング㈱4.250.077.174.371.2味の素デジタルビジネスパートナー㈱53.2100.069.177.7108.0AGF関東㈱11.1100.078.279.358.1味の素構内サービス㈱-100.061.281.581.7味の素ヘルシーサプライ㈱27.760.056.678.462.4味の素ベーカリー㈱--74.374.389.6 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
 (注)2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
当取得率の算定においては、正規雇用労働者を対象としています。
 (注)3.AGF鈴鹿㈱、味の素構内サービス㈱および、味の素ベーカリー㈱の3社は女性管理職が0名となっています。
 (注)4.味の素ベーカリー㈱は育児休業取得対象となる男性労働者が0名でした。
<グループ全体における女性管理職比率> グループ全体での女性管理職比率は28%、日本地域は15%となっています。
海外における管理職に占める女性労働者の割合は、労働者に占める女性労働者の割合よりも高い水準にあります。
一方、日本においては、管理職に占める女性労働者の割合は、労働者に占める女性労働者の割合よりも低く、女性管理職比率は日本特有の課題であると考えています。
(人) 合計男性%女性%味の素グループ総数従業員合計34,78723,92869%10,85931%  管理職5,1013,69372%1,40828%  一般職29,52020,12568%9,39532%  嘱託16611066%5634%  日本従業員合計8,4945,92670%2,56830%  管理職2,1351,80785%32815%  一般職6,1934,00965%2,18435%  嘱託16611066%5634%  アジア従業員合計13,9729,92471%4,04829%  管理職1,49895264%54636%  一般職12,4748,97272%3,50228%  欧州*1従業員合計3,2142,08165%1,13335%  管理職46329363%17037%  一般職2,7511,78865%96335%  米州従業員合計9,1075,99766%3,11034%  管理職1,00564164%36436%  一般職8,1025,35666%2,74634% *1:ヨーロッパおよびアフリカ諸国
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
<Our Philosophy(*1)の実行力を磨き続ける> 味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)のもと、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)(*2)と味の素グループWay(AGW)(*3)に基づき、2025年度は、全社戦略から事業戦略・機能戦略の磨き込みを進めてきました。
「パーパスからちゃんと考え、健全な危機感を持って構想し、ちゃんと実行すること」、そしてパーパスを具現化する人と組織づくりに真正面から向き合った期間でした。
My Purposeワークショップ(*4)のグループ全社展開などを通じ、一人ひとりのパーパスを具体的な目標と挑戦につなげ、エンゲージメント(*5)を高めています。
中期ASV経営 2030ロードマップも中盤に差し掛かり、価値創造の源泉である4つの無形資産(人財・技術・顧客・組織)と企業文化を進化させ、構想力・実行力を一層高めることで、継続的成長に向けた日々の挑戦を積み重ねてまいります。
 *1 味の素グループの企業活動におけるもっとも重要な理念を体系化したもの:志・ASV・AGW *2 創業以来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取組み *3 従業員が働く上での価値観・基本的考え方・姿勢:「新しい価値の創造」、「開拓者精神」、「社会への貢献」、「人を大切にする」 *4 従業員が自身の志「My Purpose」を言語化し、味の素グループの志(パーパス)との重なりを見出すためのプログラム *5 従業員が会社や仕事に対しての愛着や貢献の意志をより深めること。
 また、2030年までに、「環境負荷を50%削減」と「10億人の健康寿命を延伸」の2つのアウトカム実現に向けて、事業活動を通じて、ネガティブインパクトを着実に削減するだけでなく、強みであるアミノサイエンス®を活かし、社会へポジティブなインパクトを創出する技術やノウハウ、製品やサービスを展開します。
<味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)> 味の素グループは、長期にわたり持続的に社会価値と経済価値を共創し続けるための重要な事項(マテリアリティ)を設定しています。
 価値創造のフレームワーク(考え方)に基づいて多様な関係者の皆様とも対話を重ね、味の素グループがマルチステークホルダーから期待されていること、そして社会に対して提供していく価値の視点から、味の素グループが現在取り組む「重要テーマ」を6項目に整理しています。
<「中期ASV経営 2030ロードマップ」3年目を終えて> 2030年のありたい姿とその実現への道筋をバックキャスト(*6)して示した「中期ASV経営 2030ロードマップ」を2023年2月に発表してから3年が経過しました。
味の素グループは、従来型の3ヵ年中期経営計画を廃止し、長期視点のありたい姿から導かれる「経営が示す挑戦的目標」(ASV指標(*7))を起点に、既存事業からのフォーキャスト(*8)とバックキャストの双方の視点を組み合わせながら、事業モデル変革による新事業創出とオーガニック成長の確実な推進に取り組んでいます。
 *6 将来実現したい状態を起点に現在を振り返り、今何をすべきか考える未来起点の発想法。
 *7 味の素グループが事業を通じて得る財務パフォーマンスを示す経済価値指標と、提供・共創したい価値に基づく社会価値指標から成る、更なる成長やチャレンジを後押しする指標。
 *8 現在の延長線上で未来を予測する発想法。
<7つの全社戦略を中核としたASV経営の進化と実行体制の強化> 2025年2月からの中村新体制のもと、味の素グループは、中期ASV経営 2030ロードマップの進捗を踏まえ、全社戦略を中核とするASV経営の進化に取り組んでいます。
具体的には、取締役会が示した「7つの重要な経営事項」と連動した、中長期成長戦略、ポートフォリオ戦略、財務・資本戦略、組織の実行力のスピードアップ×スケールアップ、サステナビリティ戦略、ステークホルダー・エンゲージメントおよびコーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの強化の7つの全社戦略を一体的に設計・運用し、事業・機能・地域を横断した資源配分および意思決定の高度化を進めています。
そして、全社戦略の実行を支える基盤が人財、組織、企業文化であると考えます。
そのため本年4月からの新執行体制では、全社戦略と人財・組織を統合する責任者としてChief Human Resources Officer(CHRO)を設置するとともに、経営機能の専門性と執行力を強化することで、更なるASV経営の進化を目指す体制を整備しました。
引き続き、事業環境の変化を的確に捉えながら、2026年度は特に、ポートフォリオの最適化、人財・組織を含む無形資産の強化、ならびに組織運営の進化を通じて、より多くの人・社会・地球のWell-beingに貢献する企業として安定的かつ持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
 企業価値の向上に向けて、味の素グループの企業価値算定式における分子の「着実なキャッシュ・フロー創出」では、オーガニック成長、EBITDAマージン向上、ROICを重視する経営の推進、原料・製造コスト等各種コストの効率化、適正在庫管理、サプライチェーンマネージメント(SCM)の強化等、成長力と稼ぐ力の両方に磨きこみをかけていきます。
分母の「資本コスト低減」では、サステナビリティ推進を通じたサステナブルファイナンスの活用、リスクマネジメント強化、借入コスト低減、適切な財務レバレッジの活用を行い、「成長率向上」では短中長期の事業戦略の構想力と実行力を高めます。
そして、さらなるスピードアップ×スケールアップを実現します。
企業価値算定式を意識し、それぞれの組織で工夫・努力・挑戦を重ね、組織の枠を超えた価値創造への挑戦をグループ一丸となって継続していきます。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
<味の素グループのサステナビリティに対する考え方> 味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」ことを志(パーパス)として、サステナビリティをASV経営の根幹に位置付けています。
サステナビリティの取組みを事業戦略と一体で推進し、社会価値と経済価値を共に創出することで、持続的な事業成長と企業価値の向上を目指しています。
中期ASV経営 2030ロードマップでは、味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)である6つの重要テーマに沿ってリスクと機会の両面を踏まえた具体的な取組みを進めています。
 味の素グループの事業は、健全なアグリフードシステム、すなわち食資源を生み出し消費する社会システムと、それを支える豊かな地球環境の上に成り立っています。
そして、このシステムは地球環境の変化に直面する一方で、自然資本の損失にも大きな影響を及ぼしています。
地球環境が限界を迎えつつある現在、環境変化への適応と自然の再生に向けた対策は、社会全体および私たちの事業の持続的成長にとって喫緊のテーマです。
気候変動、生物多様性、サーキュラーエコノミー(循環経済)、人権の尊重などの領域で取組みを推進し、事業活動に伴うネガティブインパクト(負の影響)の低減と、事業基盤のレジリエンス向上を図っています。
また、栄養バランスのとれた食生活や食を通じたこころの豊かさの実現、予防・治療の進化等への貢献に向けて、各種施策を展開しています。
これらの取組みは、人々のWell-beingの向上に寄与するとともに、アミノサイエンス®を活かした価値提供を通じ、成長機会の創出につながるものと考えています。
 味の素グループは、事業活動を通じて、ネガティブインパクト(負の影響)を着実に低減するだけでなく、強みであるアミノサイエンス®を活かし、多様なステークホルダーと共に、バリューチェーンおよびそれらを超えて、社会へよりポジティブなインパクト(良い影響)を創出していくことを目指しています。
そして、これらの取組みを通じて、「事業基盤のレジリエンス向上」と「成長機会の創出」を両立させ、社会の繁栄、健康でより豊かな暮らしの実現と企業価値の持続的な向上を図っていきます。
 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス 当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は、2026年4月1日現在で以下のとおりです。
 コーポレート・ガバナンス体制の詳細につきましては、コーポレート・ガバナンスの状況等の(1)コーポレート・ガバナンスの概要をご参照下さい。
 また、味の素グループでは、グループ各社およびその役員・従業員が順守すべき考え方と行動の在り方を示した味の素グループポリシー(AGP)を誠実に守り、内部統制システムの整備とその適正な運用に継続して取り組むとともに、サステナビリティを積極的なリスクテイクと捉える体制を強化し、持続的に企業価値を高めています。
サステナビリティ関連指標の報酬方針への反映に関しては、コーポレート・ガバナンスの状況等の(4)役員の報酬等をご参照下さい。
 持続可能性の観点から企業価値を継続的に向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、その概要は2026年4月1日現在で以下のとおりです。
 取締役会は、重要な経営事項の一つとして中長期サステナビリティ戦略を審議、またサステナビリティ諮問会議の答申を受けて外部有識者との意見交換を実施する等、ASV経営の指針となる味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)を決定するとともに、サステナビリティに関する戦略策定や取組みの執行を監督しています。
 サステナビリティ諮問会議は、取締役会の下部機構としてサステナビリティの観点で味の素グループの企業価値向上を追求するための提言を行うことを目的に設置されました。
2023年4月から開始した第二期サステナビリティ諮問会議では、取締役会の諮問事項である「マテリアリティの実装(Implementation)、実装化の情報開示と対話(Communication)、ステークホルダーとの関係構築(Partnership)」について執行の取組みを評価し、2025年3月に取締役会への最終答申を行いました。
最終答申では、一企業を超えた大きな価値提供のために「ステークホルダーとの関係構築(Partnership)」の強化が期待されました。
それを受け2025年度は国際機関および金融機関との連携も視野に入れ「サステナビリティに関するルールメイキング」と「サステナブルファイナンス」の2つのテーマを設定し、取締役と外部有識者との意見交換会を2回実施しました。
議論の内容は執行にも共有しています。
 経営会議は、下部機構としてサステナビリティ委員会と経営リスク委員会を設置し、味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会を特定し、対策の立案、進捗管理を行う体制を構築しています。
なお、2025年度はサステナビリティ委員会から4回、経営リスク委員会から2回の活動報告を受けています。
 サステナビリティ委員会は、経営リスク委員会と連携して味の素グループへの影響評価とともに重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定・抽出を行い、経営会議に提案します。
そして、サステナビリティに関するリスクと機会に対して対策を検討・立案し、進捗管理を行います。
また、味の素グループ全体のサステナビリティ戦略策定、戦略に基づく取組みの推進、事業計画へのサステナビリティ視点での提言と支援、ESGに関する社内情報の取りまとめを行います。
 経営リスク委員会は、サステナビリティ委員会と連携して味の素グループへの影響評価とともに重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定・抽出を行い、経営会議に提案します。
そして、特に経営がイニシアチブをもって対処すべきリスク(地政学リスク、情報セキュリティリスク等)について、リスクマネジメントのための諸方策を立案、進捗管理を行うことで、リスクおよび危機に迅速かつ的確に対応できる強固な企業体質を目指します。

(2)戦略 地球環境は限界に近づきつつあり、環境変化への対応はもはや先送りできない状況にあります。
豊かな地球環境と健全な社会を次世代に受け継ぐことは私たちの責務であり、味の素グループの事業の持続的成長にとっても不可欠です。
とりわけ気候の安定化は喫緊のテーマでありネイチャーポジティブ、すなわち自然の損失を止め、回復軌道に乗せることが強く求められています。
この他にもサーキュラーエコノミー(循環経済)、栄養バランスのとれた食生活、人権等、様々な課題は相互につながっており、統合的に取り組んでいくことが必要です。
 味の素グループ全体の調達の7割は農畜水産物であり、自然の恵み、つまり生態系サービスに支えられたアグリフードシステムに大きく依存しています。
このシステムは、温室効果ガス(GHG)総排出量の2割超を占め、エネルギー産業に次ぐ大きな排出源であり、地球環境に大きな影響を与えている一方で、気候変動や自然資本の損失といった環境変化の影響を直接受けるという脆弱性も併せ持っています。
また、世界では食料の3分の1が廃棄されており、人口の3分の1にあたる28億人が健康的な食へのアクセスを持ちません。
これらの構造的課題は味の素グループにとって重要なリスクであると同時に、変革を通じた価値創出の機会でもあります。
 このように変革の余地が大きいアグリフードシステムにおいて、味の素グループは発酵副産物を肥料・飼料とするバイオサイクルの構築に取り組み、栄養素を循環させることで農畜産物の生産を支援し、地域環境や農家の生活向上に尽力してきました。
近年はこれらの活動をもとに、農畜産業の環境負荷削減や自然の再生と、食料の生産性向上の両立を目指した事業を展開しています。
また、110年を超える歴史の中で、製品・ソリューションの提供を通じ、世界各地の食文化やおいしさに妥協することなく、栄養バランスの良い食事をサポートしてきました。
調理や食事を共にすることが、栄養だけでなく心の豊かさ、すなわち主観的なWell-beingと関係することも世界レベルで明らかになってきました。
 味の素グループは、調味料、加工食品、冷凍食品等の食品事業やヘルスケア、電子材料等、強みであるアミノサイエンス®をベースとして幅広く事業を展開しています。
これからも有形・無形の資産を活かし、科学者、政策決定者、ビジネスリーダー等のグローバル、ローカルのステークホルダーと共に、ネガティブインパクト(負の影響)を着実に低減するとともに、バリューチェーン全体およびそれらを超えて社会へよりポジティブなインパクト(良い影響)を創出し、事業基盤のレジリエンス向上と成長機会の創出の両立を目指してまいります。
 これらの活動のベースとして、人財資産を全ての無形資産の源泉と考え、従業員のエンゲージメントが企業価値を高める重要な要素と位置付けています。
志を持った多様な人財が、生活者・顧客に深く寄り添い、イノベーションの共創に挑戦できるよう、人財への投資を通じてASV経営の実行力を高め、人・社会・地球のWell-beingに貢献していきます。
(3)リスク管理 「中期ASV経営 2030ロードマップ」を実現する上で、的確にリスクを把握し、これに迅速かつ適切に対応することが極めて重要です。
サステナビリティ委員会と経営リスク委員会は両委員会の間に取り残されるリスクがないよう緊密に連携して、味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定・抽出を行い、経営会議へ提案します。
そして、その対策立案と定期的な進捗管理について、サステナビリティに関する事項はサステナビリティ委員会で行い、経営がイニシアチブをもって対処すべきリスク(地政学リスク、情報セキュリティリスク等)は経営リスク委員会で行います。
 なお、国内外の各現場では、個別の事業戦略や現地の政治・経済・社会情勢を考慮してリスクを特定し、対応策を策定するリスクプロセスを回しています。
経営リスク委員会は、リスクプロセスを継続的に改善するとともに、各現場が特定したリスクを取りまとめ、経営がイニシアチブをもって対処すべきものに対応します。
また、各事業・法人においては、有事に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、経営リスク委員会は、その有効性を常に検証するための体制を整備し、リスクへの対応状況を定期的に監視・管理しています。
サステナビリティ委員会、経営リスク委員会に常勤監査委員が出席し、リスク管理の取組みをモニタリングしています。
(4)指標及び目標 味の素グループは、現在取り組む6つの重要テーマ(P.15参照)に沿って、環境負荷等ネガティブインパクト(負の影響)の低減に加え、強みであるアミノサイエンス®を活かした社会全体へのポジティブなインパクト(良い影響)の創出も含め、事業を通じて生じ得るリスクと機会の両面を踏まえた目標・KPIを定めています。
 そして味の素グループ全体を対象とする主要な取組みについては、その取組みおよび実績の進捗を経営会議で確認しています。
6つの重要テーマ全体の取組みと目標・KPIは、「味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わる対象領域、取組みと目標・KPI」(P.38)をご参照下さい。
 ※気候変動、生物多様性保全、人的資本に関する実績の進捗を含む詳細は、P.20以降をご参照下さい。
(5)外部機関等からの主な評価CDP気候変動Aリストなでしこ銘柄PRIDE指標(ゴールド)健康経営優良法人(ホワイト500)SX銘柄 <味の素グループの気候変動に対する考え方>(1)ガバナンス 気候変動課題に対する当社のガバナンスは、<味の素グループのサステナビリティに対する考え方>に記載のとおりです。

(2)戦略 味の素グループは、食品事業について調味料・食品から冷凍食品まで幅広い商品領域を持ち、またヘルスケア等の分野にも事業を展開しています。
気候変動は、大規模な自然災害による事業活動の停止、農作物や燃料などの原材料調達への影響、製品の消費の変化など、さまざまな形でグループの事業に影響を与えます。
①シナリオ分析の前提 2025年度も、2100年に地球の平均気温が産業革命後より1.5℃又は4℃上昇するというシナリオで(*1)、グローバルのうま味調味料、および国内・海外の主要な製品を対象とし2030年時点と2050年時点の気候変動による影響に関するシナリオ分析を実施しました。
 中長期における生産に関する事項として、気候変動の影響のうち、渇水、洪水、海面上昇、原料の収量変化等を物理的リスクとして、カーボンプライシングやその他の法規制の強化およびエネルギー単価の上昇、消費者嗜好の変化等を移行リスクとして捉え分析しました。
 1.5℃と4℃シナリオにおける2030年時点の平均気温差は0.2℃程度であり物理的リスクに大きな差が見られないと考え、平均気温差が1℃程度予想され物理的リスクに差があると考えられる2050年時点のシナリオ分析のリスクと機会を②・③の表において示しています。
 なお、これまでに当社が実施したシナリオ分析に係る前提の推移を要約すると以下のとおりです。
2020年度(*2)2021年度(*2)2022年度(*2)2023年度以降(*2)事業うま味調味料(グローバル)、国内の主要な製品うま味調味料(グローバル)、国内の主要な製品うま味調味料(グローバル)、国内・海外の主要な製品うま味調味料(グローバル)、国内・海外の主要な製品発現の時期2030年2030年/2050年2030年/2050年2030年/2050年シナリオ2℃/4℃2℃/4℃1.5℃/4℃1.5℃/4℃売上高基準カバレッジ24%24%55%65% *1 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるSSP1-1.9(1.5℃シナリオ)、SSP5-8.5(4℃シナリオ)および国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオ等を参照しています。
 *2 過年度に実施したシナリオ分析の結果については、過年度に発行したサステナビリティレポートをご参照ください。
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/library/databook.html ②シナリオ分析:リスク1.5℃シナリオ(2050年):温室効果ガス排出量削減に向けた一定の政策的対応が行われ、化石燃料の消費が減少する場合リスク平均気温上昇洪水・渇水の重大性と頻度の上昇製品に対する命令および規制消費者嗜好の移り変わり右の対象は味の素グループ全体カーボンプライシングメカニズムリスクの分類移行リスク物理的リスク移行リスク移行リスク移行リスク事業インパクトカーボンプライシングによる原料調達のコストアップ(コーヒー豆ほか)創業時より実施している供給継続対策使用する原料に関する法規制の強化によるコストアップ(想定:原料のトレーサビリティやリサイクル使用の法規制)気温上昇による需要減(想定:みそ汁、スープ類、ホットコーヒー、加熱調理からレンジ調理へのシフト)カーボンプライシングにより、使用する燃料のコストアップ潜在的財務影響(*3)2億円/年僅少--2030年:270億円/年(*4)2050年:630億円/年(*4)対応策・原料産地の支援・別製法で作られた原料の検討・調達地域の多様化・代替原料の研究開発・サプライチェーン上下流の包括的な協力体制構築・特定の原料に依存しない製法の検討・栄養価値訴求を通じた喫食の習慣化を図るコミュニケーション・アイス飲用に適したマーケティング活動・レンジ調理メニューの探索・提案・内部カーボンプライシングによる財務影響の見える化・燃料転換・再生可能エネルギー利用・環境配慮型の製法開発 4℃シナリオ(2050年):温室効果ガス排出量削減に向けた政策的対応を行わない、成り行きの場合リスク平均気温上昇洪水・渇水の重大性と頻度の上昇消費者嗜好の移り変わり燃料のコスト増加リスクの分類物理的リスク物理的リスク移行リスク移行リスク事業インパクト農畜水産物の生産性低下によるコストアップ(想定1:養殖の生育環境悪化、想定2:家畜の増体率や生産性の低下、想定3:乳牛の乳量低下、想定4:家畜の感染症流行、想定5:農産物の生育不良や病害虫流行)原料調達のコストアップ、操業停止、納期遅延による売上高の減少(想定1:タイの洪水、想定2:タイの渇水、想定3:日本の局地豪雨による冠水) 気温上昇による需要減(想定:みそ汁、スープ類、ホットコーヒー、加熱調理からレンジ調理へのシフト)化石系の燃料や電力の価格上昇潜在的財務影響(*3)90億円/年1億円/年-40億円/年対応策・調達地域の多様化・サプライヤー・農家との連携強化・エキス削減レシピの開発・代替原料の研究開発・高温耐性品種の導入・販売価格への反映・調達地域の多様化・代替原料の研究開発・節水生産の継続・改善・供給体制・物流体制の整備・栄養価値訴求を通じた喫食の習慣化を図るコミュニケーション・手軽な加熱調理コミュニケーションへの改善・アイス飲用に適したマーケティング活動・レンジ調理メニューの探索・提案・燃料転換・再生可能エネルギー利用・環境配慮型の製法開発 *3 為替は1ドル=150円で計算。
 *4 SBT(Science Based Targets)イニシアチブに認定された味の素グループの2018年度の基準温室効果ガス排出量に、IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオに相当する2030年CO2価格の予測:新興国=25$/t-CO2、ブラジル・中国・インド・インドネシア=90$/t-CO2、先進国=140$/t-CO2、2050年CO2価格の予測:新興国=180$/t-CO2、ブラジル・中国・インド・インドネシア=200$/t-CO2、先進国=250$/t-CO2を乗じて算出。
4℃シナリオは現状の成り行きでありCO2価格の上昇は想定しておりません。
③シナリオ分析:機会1.5℃シナリオ(2050年):温室効果ガス排出量削減に向けた一定の政策的対応が行われ、化石燃料の消費が減少する場合機会低排出量商品およびサービス消費者嗜好の移り変わり機会の分類製品およびサービス製品およびサービス事業インパクト生活者や顧客のエシカル志向の拡大により環境負荷が低い製品として売上増加・健康志向によるニーズ拡大=売上増加・気温上昇による飲料などのニーズ拡大=売上増加対応策・環境配慮型の製法や製品の開発・ESGの高評価を取得する取組み推進・低環境負荷を証明する信頼性のあるデータ強化・中大容量品へ顧客嗜好をシフトする推進策・栄養価値が向上する製品開発・栄養価値訴求を通じた喫食の習慣化を図るコミュニケーション・環境配慮型の製法や製品の開発 4℃シナリオ(2050年):温室効果ガス排出量削減に向けた政策的対応を行わない、成り行きの場合機会低排出量商品およびサービス消費者嗜好の移り変わり機会の分類製品およびサービス製品およびサービス事業インパクト生活者や顧客のエシカル志向の拡大により環境負荷が低い製品として売上増加・健康志向によるニーズ拡大=売上増加・気温上昇による飲料などのニーズ拡大=売上増加対応策・環境配慮型の製法や製品の開発・低環境負荷を証明する信頼性のあるデータ強化・中大容量品へ顧客嗜好をシフトする推進策・栄養価値が向上する製品開発・栄養価値訴求を通じた喫食の習慣化を図るコミュニケーション・環境配慮型の製法や製品の開発 ④シナリオ分析結果の戦略への反映(ⅰ)事業戦略への反映 シナリオ分析における事業への影響を踏まえ、今後一層の温室効果ガス排出量削減に向け、燃料転換・再生可能エネルギー利用・環境配慮型の製法に関する投資を計画していきます。
また、サステナビリティに対する取組みが製品の付加価値向上につながる「ASV」の実現に向けて、新たな事業戦略の策定に取り組んでまいります。
 また、2026年度以降のシナリオ分析においては、各種情報源のデータ更新と合わせてリスク・機会の見直しをしていきます。
(ⅱ)資金調達戦略への反映 当社は、各種取組みに対して必要な資金については、サステナブルファイナンスを基本としています。
2021年10月のサステナビリティボンド発行を第一弾に、2022年1月のポジティブ・インパクト・ファイナンスによるコミットメントライン契約(2024年1月に増額更新)を締結し、同年12月にはサステナビリティ・リンク・ローンによるコミットメントライン契約(2025年12月に更新)を締結しました。
さらに、2023年6月にサステナビリティ・リンク・ボンド発行と継続的にサステナブルファイナンスによる調達を行っています(*5)。
また、直近では2024年3月および4月に新たなサステナビリティ・リンク・ローンを2件契約しました。
 これら資金調達により、味の素グループが掲げる2030年までの2つのアウトカムのうちの1つ「環境負荷を50%削減」の実現、および持続可能な社会の実現に向けた取組みをより一層加速させていきます。
 *5 これらの詳細に関しては、以下の「サステナブルファイナンス」サイトをご参照ください。
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/sustainability/finance/ (3)リスク管理 気候変動課題に対する当社のリスク管理は、<味の素グループのサステナビリティに対する考え方>に記載のとおりです。
(4)指標及び目標 味の素グループはSBT(Science Based Targets)イニシアチブより、ネットゼロを含む温室効果ガス排出削減目標について2024年12月に新たな認定を取得しました。
これにより、味の素グループはネットゼロを含む温室効果ガス排出削減目標の取組みへさらに加速させるため、戦略の見直しを進めています。
①目標 [Near-term目標]スコープ1+2:    2030年度までに温室効果ガス排出量を2018年度基準で50.4%削減スコープ3:     2030年度までに温室効果ガス排出量を2018年度基準で30%削減スコープ3 FLAG(*6):2030年度までにFLAG関連排出量を2018年度基準で36.4%削減森林減少根絶:   森林減少に関連する主要な製品について、2025年12月31日までに森林減少を行わないことを約束 *6 林業や農業等の土地集約型セクター(Forest, Land and Agriculture)での森林から農地への土地利用転換や土地利用に伴って発生する温室効果ガス排出量     [Long-term目標]スコープ1+2+3:  2050年度までに温室効果ガス排出量を2018年度基準で90%削減スコープ3 FLAG: 2050年度までにFLAG関連排出量を2018年度基準で72%削減   ②2025年度実績 スコープ1+2の合計温室効果ガス排出量については、前年度比およそ123,000t-CO2eの削減となりました。
インドネシア味の素社において再生可能エネルギー証書を調達したことが削減につながりました。
 スコープ3の温室効果ガス排出量(全カテゴリー対象)については、前年度比は原材料の1次データ取得のほか算定精度の向上によりおよそ5%減少しました。
基準年である2018年度比では(基準年以降に味の素グループ外となった会社の排出量の遡及なし)味の素グループの総生産量が減少したことが主な原因で21%減少となりました。
    なお、SBTイニシアチブの基準に準じて2019年度以降に味の素グループ外となった会社の排出量を遡及したスコープ1+2排出量およびスコープ3排出量(カテゴリー11除く)に関する、SBTイニシアチブの認定を受けた2030年度のスコープ1+2排出量目標(2018年比△50.4%)とスコープ3排出量目標(カテゴリー11除く、2018年比△30%)に対するそれぞれの削減実績は49%と15%となりました。
スコープ1+2に関しては、現時点での計画によりおよそ9割の達成目途が見えていますが、一層の排出量削減に向け、更なる削減活動を検討してまいります。
スコープ3に関しては、原料サプライヤーとのエンゲージメントのさらなる推進による1次データ取得や削減取組みの推進、低温室効果ガス原料の共同購買などにより温室効果ガス排出量の削減に向けて取組みを進めてまいります。
<SBTイニシアチブの基準に準じて2019年度以降に味の素グループ外となった会社を遡及したスコープ1+2排出量およびスコープ3(カテゴリー11除く)排出量とそれぞれの削減率> [温室効果ガス排出の測定方法等に関する開示] 味の素グループでは、温室効果ガス排出については、「温室効果ガスプロトコルの企業算定及び報告基準(2004年)」(以下「GHGプロトコル(2004年)」という。
)を参考にした社内規定に従って測定しています。
スコープ1,2,3の活動量は、主に生産拠点における値を対象としています。
なお、温室効果ガス排出量の定量化は、活動量データの測定、および排出係数の決定に関する不確実性並びに地球温暖化係数の決定に関する科学的不確実性にさらされています。
(ⅰ)スコープ1温室効果ガス排出 当連結会計年度における活動量に、当連結会計年度末において入手可能な最新の環境省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」に定める排出係数を乗じることにより算定しています。
(ⅱ)スコープ2温室効果ガス排出(マーケット基準) 味の素グループ国内拠点は、当連結会計年度における電力契約ごとの電力使用量に、当連結会計年度末において入手可能な最新の環境省の「電気事業者別排出係数」における電力契約ごとの排出係数を乗じることにより、見積りの方法に基づきマーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出を測定しています。
 また、味の素グループ海外拠点は、当連結会計年度における電力契約ごとの電力使用量に、当連結会計年度末において入手可能な最新の国際エネルギー機関(IEA)の国別排出係数を乗じることにより、見積りの方法に基づきマーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出を測定しています。
 なお、再生可能エネルギー由来電力、非化石証書およびI-REC等のうち、「GHGプロトコル スコープ2ガイダンス」等を参考にした品質要件に適合すると判断したものを算定に反映しています。
(ⅲ)スコープ3温室効果ガス排出 味の素グループは、社内規定に基づき、スコープ3温室効果ガス排出の測定にあたってスコープ3カテゴリー分類のうち主なものについて、次の活動量および排出係数を用いて見積りの方法により測定しています。
 カテゴリー1(購入した製品・サービス):各製造拠点の生産量に、原料および包材については該当する製品もしくはあてはめ製品のカーボンフットプリント(CFP)の原料(含む包材)段階のCFP原単位を排出係数として乗じることにより、見積りの方法に基づき測定しています。
 カテゴリー4(輸送、配送(上流)):各製造拠点の生産量に、該当する製品もしくはあてはめ製品のCFPの輸送段階(上流(原料)、自社が費用負担する下流(製品))のCFP原単位を排出係数として乗じることにより、見積りの方法に基づき測定しています。
 カテゴリー11(販売した製品の使用):国内外の製品のうち、冷凍食品・カップスープ・即席麺・インスタントコーヒーの生産量に、それぞれのCFPの使用段階のCFP原単位を排出係数として乗じることにより、見積りの方法に基づき測定しています。
※:スコープ3カテゴリー1については、主要原材料の一部について1次データを使用しています。
③目標達成に向けた取組み スコープ1+2の目標を達成するための施策として、省エネルギー活動や温室効果ガス発生の少ない燃料への転換、バイオマスや太陽光等の再生可能エネルギー利用、エネルギー使用量を削減するプロセスの導入を進めています(国内グループ会社における再エネ証書の調達など)。
 スコープ3については、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス総排出量の約60%を原材料が占めていることから、原料サプライヤーへの温室効果ガス削減の働きかけや、再生農業を中心とした農業施策による温室効果ガス削減、新技術導入に向けた検討を進めています。
<味の素グループの生物多様性に対する考え方>(1)ガバナンス 生物多様性に対する当社のガバナンスは、<味の素グループのサステナビリティに対する考え方>に記載のとおりです。

(2)戦略 味の素グループは、食品事業について調味料・食品から冷凍食品まで幅広い商品領域を持ち、またヘルスケア等の分野にも事業を展開していることから、当社事業は、農、畜、水産資源や遺伝子資源、水や土壌、昆虫等による花粉媒介などのさまざまな自然の恵みに大きく依存しています。
これら自然の恵みは、多様な生物とそれらのつながりによって形作られる健やかな生物多様性によって提供されていますが、生物多様性は現在、過去に類を見ない速度で失われており、生物多様性の保全および森林破壊の防止と水資源の保全が世界的に喫緊の課題となっています。
味の素グループは、2025年4月に生物多様性ガイドラインを改定し、生物多様性の保全および森林破壊の防止と水資源の保全においては、気候変動、水や土壌、廃棄物、人権等の環境や社会課題とも密接に関わっているため、相互が効果的になるように課題解決に向けた取組みを進めていきます。
①LEAPアプローチ LEAPアプローチは、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が提唱するガイダンスで、企業および金融機関内の自然関連のリスクと機会を科学的根拠に基づいて体系的に評価をするためのプロセスを示しています。
 2023年度は、味の素グループ事業の評価対象に関して、LEAPアプローチによる依存・影響の分析からリスク・機会の評価を実施しました。
2024年度は、Assess(評価)において、物理リスクの財務影響が大きいサトウキビの詳細分析を行いました。
2025年度は、インドネシア製糖研究所(P3GI)と協働し、農家の生計向上ならびに環境負荷の低いサトウキビの生産の両立に向けた農法の検証に取り組んでいます。
(ⅰ)対象原料の選定 売上高カバレッジ8割となる事業における原料を対象に、SBTs for Natureが提供するHigh Impact Commodity(HIC)に該当もしくはHigh Impact Commodity List(HICL)に収載されかつ、調達量が多い12の原料を選定しました。
選定原料は、サトウキビ、キャッサバ、トウモロコシ、生乳、大豆、菜種、米、牛、コーヒー、パーム、銅、原油です。
なお、HICLに該当しているが包装資材である紙については対象外としました。
(ⅱ)分析結果原料、製造、販売、消費の4工程について、LEAの3ステップを分析。
Locate(発見)Evaluate(診断)Assess(評価)分析概要対象事業について、味の素グループ事業のサプライチェーン全体における、生物多様性損失の危機が大きいエリアを把握しました。
味の素グループ事業のサプライチェーンにおける自然への依存と影響の要素を特定しました。
それら要素に対する指標と閾値を設定して依存・影響の将来状態(2050年)を定量的に診断しました。
将来状態で劣化が進む依存と影響の要素に関して、シナリオにてリスクを予想しました。
それらの結果に対して、味の素グループの対応状況を踏まえた財務影響を試算し、リスク・機会の大きさを評価しました。
ツール以下のツールを各ステップで組み合わせて分析しました。
(ENCORE、SBT’s High Impact Commodity List、SBTN Materiality Screening Tool、Geographic Information System、World Database Protected Area、IUCN Red List、GLOBIO、Aqueduct、Aqueduct Water Atlas、Nature Map Explore、Aqueduct Global Maps、Past and future trends in grey water footprints of anthropogenic nitrogen and phosphorus inputs to major world rivers、International Institute for Applied Systems Analysis、What a Waste) 結果味の素グループ事業のサプライチェーン(上流、自社、下流)における自然(水、土壌、生態系など)との接点を特定するため、地球全体を評価単位エリア(25km-50km四方)に区分けし、自然劣化を踏まえて詳細分析すべき評価単位エリアを特定しました。
全対象2.4万評価単位エリアのうちLocateでは、生物多様性の重要性エリア・急速劣化エリア・棄損可能性エリア・高い水ストレスのエリア・先住民居住エリアのいずれかに該当するエリアは2万評価単位エリアと特定しました。
Locateで特定した2万評価単位エリアにおいて、味の素グループ事業のサプライチェーンにおける各段階(上流、自社、下流)での自然への依存と影響の要素について、指標と閾値を設定して2050年時点での依存・影響度を想定分析しました。
自然毎に劣化傾向は異なり、森・大気は全世界で劣化するが、水・土は特定地域に偏重することを確認しました。
特に、菜種の調達国では、それらの生産地で土質が劣化する可能性があることを確認しました。
Evaluateにおいて2050年時点で一定程度劣化する可能性があると特定した自然に関して、自然保全と経済発展が両立されるシナリオ(SSP1(*7))と自然劣化・経済停滞となるシナリオ(SSP3(*7))の二つのシナリオにて、どのようなリスクが発生しうるか予想しました。
共に自然の劣化により多種リスクが生じ得るが、特に財務面の影響が大きいと確認したものは、慢性的な物理リスクによる原料調達価格の高騰でした。
調達額の高騰が大きい原料は、トウモロコシ・サトウキビでした。
サトウキビはタイ、トウモロコシはアメリカでの土壌の劣化が原因でした。
*7 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)議長に呼応して新シナリオ作成を目的として立ち上げられたコミュニティである統合評価モデルコンソーシアムが開発した共通社会経済経路(SSP:Shared Socioeconomic Pathways)。
SSP1:自然保全と経済発展が両立されるシナリオ。
SSP3:自然劣化・経済停滞となるシナリオ。
(ⅲ)サトウキビの詳細分析結果 上記LEAの3ステップ分析にて最もリスクが高い原料の一つであるサトウキビにおいて、2050年に自然劣化が特に大きいと予想した国であるタイ・インドネシア・ブラジルの詳細分析をしました。
詳細分析内容は、全調達製糖工場を対象として各製糖工場を中心としたサトウキビ調達圏内の任意の4農地における、水リスク・森林減少リスク・土壌劣化リスクをデータベース分析しました。
分析の結果、相対的にリスクの高い(森林減少)製糖工場の所在地域は、インドネシア/バニャンギ・ジェンベル・ペカロンガン・ぺマラン、タイ/スコータイでした。
 2025年度は、サトウキビ農地における水リスク・森林減少リスク・土壌劣化リスクの実地調査を踏まえて、インドネシア製糖研究所(P3GI)と協働し、農家の生計向上ならびに環境負荷の低いサトウキビの生産の両立に向けた農法の検証に取り組んでいます。
②分析結果の戦略への反映(ⅰ)事業戦略への反映 2026年度は、Prepare(準備)ステップのターゲット設定を検討します。
生物多様性に関する課題は、気候変動、水や土壌、廃棄物、人権等の環境や社会課題とも密接に関わっているため、相互が効果的になるように課題解決に向けた取組みを進めていきます。
また、サステナビリティに対する取組みが製品の付加価値向上につながる「ASV」の実現に向けて、新たな事業戦略の策定に取り組んでまいります。
(ⅱ)資金調達戦略への反映 当社は、各種取組みに対して必要な資金については、<味の素グループの気候変動に対する考え方>に記載している内容と同様に進めてまいります。
(3)リスク管理 生物多様性に対する当社のリスク管理は、<味の素グループのサステナビリティに対する考え方>に記載のとおりです。
(4)指標及び目標 分析精度を向上させた生物多様性に関する課題および、それと密接に関わっている気候変動、水や土壌、廃棄物、人権等の環境や社会課題それぞれが、効果的になるように課題解決に向けた取組みが進められる指標と目標を設定していきます。
<味の素グループの人的資本に対する考え方>(1)ガバナンス 人的資本に対する当社のガバナンスは〈コーポレート・ガバナンスの状況等〉に記載のとおりです。
加えて、味の素グループの健全な成長を支えるための人財育成に関わる事項の推進を目的として、経営会議の下部機構として人財委員会を設置しています。
人財委員会は最高経営責任者、または最高経営責任者が指名した執行役が委員長を務め、最高経営責任者が指名した執行役をもって構成されます。
同委員会では執行役候補者の策定、経営人財および人財リーダーの育成、執行理事およびGroup Executive Managerポジション(2026年3月末時点で合計120ポジション)の認定・登用、多様な人財層の形成に関する事項を審議しています。
2025年度は全7回の議論を実施しました。

(2)人財戦略 味の素グループが、志(パーパス)「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を実現するためには、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)による社会価値と経済価値の共創を推進し、それを支える行動指針として体系化されたAGW(味の素グループWay)を実行していくことが重要です。
 味の素グループの成長戦略は、食品事業を着実な成長の基盤とし、バイオ&ファインケミカル事業で飛躍的な成長を実現し、さらに両事業の融合領域で新たな価値を創出することです。
その実現に向けて、アミノサイエンス®を競争優位の源泉として捉え、食の領域で培ってきた「おいしさ設計技術®」、健康・医療に向けた科学的知見、電子材料やバイオファーマサービスに代表される先端技術をつなぎ合わせ、成長の力として束ねていく必要があります。
 この成長戦略を確実に実行するためには、事業ポートフォリオの高度化とそれにアラインしたグローバル人財ポートフォリオを再構築し、それを世界の各拠点、各事業による自律分散型と、本社の中央集権型のバランスを取って推進する必要があります。
これらの成長の源泉である4つの無形資産(人財・技術・顧客・組織)を相互に連動させ、実行力としてスケールしていくことが重要であり、技術資産と顧客資産をつなぎ、イノベーションを生み出す起点となる人財資産への取組みを、特に強化しています。
 味の素グループの「志」に共感して集まった多様な従業員一人ひとりが、コンフォートゾーン(自身にとって慣れた環境)を超えた「挑戦」を通じて、戦略を実行する個の力を磨きます。
さらに、その力を活かし「知・経験×属性」の観点から「多様性(DE&I(*8))」を推進することで、チームとしてのイノベーション創出につなげていきます。
これらを支える重要な基盤が従業員と家族の「Well-being」です。
味の素グループは「志」「挑戦」「多様性(DE&I)」「Well-being」の4つの“つなげる”というコンセプトのもと、人財資産への取組みをグローバルに展開しています。
(人財投資額(機会投資含む):2025年度150億円、23-30累計1,000億円以上)これらの取組みは人財資産の強化にとどまらず、組織資産として蓄積され、無形資産全体の強化につながるものと考えています。
*8 Diversity, Equity and Inclusion 4つの“つなげる”戦略 会社と人財を「志」でつなげる味の素グループは、多様な従業員が自身の志を言語化し、内発的に動機を高めることが 「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」の原動力になると考えています。
味の素グループ全体で共有する「Our Philosophy(志・ASV・AGW)」の浸透と体現を通じて、会社と人財を志で“つなげる”ことを目指します。
戦略と人財を「挑戦」でつなげる味の素グループは、2030ロードマップで掲げる挑戦的な高い目標を実現するためには、 AGW(新しい価値の創造、開拓者精神、社会への貢献、人を大切にする)のより一層の活性化が重要と考えています。
失敗を恐れずに味の素グループらしい挑戦の機会とリーダーシップを提供し、従業員一人ひとりがコンフォートゾーンを超える文化を醸成し、戦略と人財を挑戦で“つなげる”ことを目指します。
グローバルで「多様」な人財をつなげる味の素グループは、グローバルに食品とバイオ&ファインケミカル、地域、ジェンダー、キャリア、障がい等の観点で多様な人財を社内外から求め、融合することがイノベーション創出に重要であると考えます。
お互いを尊重する文化の醸成とマネジメントの高度化を通じて、グローバルで多様な人財を“つなげる”ことを目指します。
「Well-being」と従業員をつなげる味の素グループは、従業員やその家族の生活基盤である身体的・精神的な健康、経済的な豊かさの向上が人財資産の基盤であると考えています。
味の素グループで働いていると自然に健康になる環境・マネジメントや資産形成支援を通じてWell-beingと従業員を“つなげる”ことを目指します。
 4つの“つなげる”戦略のうち、「志」「Well-being」に関する取組みはグローバルで堅調に推移しています。
一方で、「挑戦」、「多様性(DE&I)」は課題が相対的に大きく、重点的な強化が必要と認識しています。
挑戦に関する課題: バイオ&ファインケミカルの電子材料事業の高成長を支えるのは「高速開発システム」です。
新規事業や新製品の原動力として、「高速開発システム」を他領域へ展開するにはその基盤となる挑戦文化の強化が不可欠です。
挑戦文化の醸成が十分でない場合、成長領域への展開が遅れ、2030ロードマップで掲げる挑戦的なASV指標の達成に影響を及ぼす可能性があります。
多様性に関する課題: 食品事業の新地域・新商品展開や、バイオ&ファインケミカル事業の飛躍的な成長を実現するには、「知・経験×属性」の観点で味の素グループの多様性を有機的に融合させることが不可欠です。
多様性の融合が進まない場合、新たな知見・経験の獲得が遅れるリスクがあります。
会社と人財を「志」でつなげる 多様な事業をグローバルに展開する味の素グループは、事業や地域の拡大に伴い、グループの力を結集する求心力をいかに高めるかが重要なテーマとなっています。
その求心力の源泉として、「Our Philosophy」への共感を高め、ASVの自分ごと化を進めています。
この取組みの一環として、「理解/納得」、「共感/共鳴」、「実行/実現」、「モニタリング/改善」のステップからなるASVマネジメントサイクルを導入しています。
2025年度は、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化する「My Purpose ワークショップ」を継続的に実施するとともに、従業員が自身の志を起点に、アミノサイエンス®を通じた事業創造と社会課題解決を体感的に学ぶシミュレーション型のワークショップ「Our Philosophy チャレンジ」を展開しました。
部門横断の共創や挑戦を通じて、Our Philosophyの実行力を高め、志を具体的な行動につなげる人財の育成を図っています。
これらの取組みの結果、エンゲージメントサーベイ(以下、ES)における「志」(「会社の指針となる価値観を支持している」等の7設問で構成)のスコアは89(前年差+1)でした。
戦略と人財を「挑戦」でつなげる 売上高・事業利益成長を大きく牽引したバイオ&ファインケミカルの電子材料事業の好調を支えているのは、「高速開発システム」です。
高速開発システムは、①「顧客ニーズを先読みする」、②「複数のソリューションを並行して迅速に開発する」、③「フィードバックに基づき継続的にソリューションを改善する」の3つのKey Success Factorにより、市場・顧客環境の急速な変化に対応する手法です。
この考え方は電子材料事業にとどまらず、他の事業・機能にも応用可能であり、2030の挑戦的なASV指標の実現、さらにはその先の新事業・新製品創出の原動力になると考えています。
 その実現を支えるのが、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化することにより高まる「挑戦」への意欲です。
味の素㈱では「挑戦」の機会提供として、「手挙げでの異動」および「TRY&A-CROSS(社内副業制度)」を拡大しています。
これらは海外を含むグループ会社でも展開が進んでおり、ESにおける「挑戦」(「上司は失敗から学ぶことを奨励してくれる」等の6設問で構成)のスコアは87(前年差+1)でした。
挑戦文化をより一層強化するにあたり、今日できることを明日に先送りせず、継続的成長を目指し、昨日よりも少しでも良い方向へ向かおうとする日々の活動を全て「挑戦」と考え、AGWに則った多様な「挑戦」を後押しするために、挑戦と成果が適切に結びつく制度運用を進めていきます。
グローバルで「多様」な人財をつなげる 味の素グループは、食品事業を中心に各地域の文化・嗜好性に対応することで、高いローカル市場対応力を発揮し、グループ個社が自律自走で事業を拡大してきました。
このローカル市場対応力は、今日の食品事業の成長を牽引する強みです。
一方、長期的な事業拡大に向けては、食品事業における新たな地域・国での事業拡大や新商品の導入、バイオ&ファインケミカル事業における新領域創出が不可欠であり、そのためには「知・経験×属性」の観点でDE&Iを推進し、チームの実行力を高め、イノベーション創出につなげることが重要であると考えています。
 グループのリーダーシップ層(執行役・執行理事・Group Executive Manager:137ポジション)の多様性については、性別、国籍、所属籍等の観点での多様性が2025年度は27%と順調に推移しています。
対象ポジションでは、Ready(1年~3年)、Next(5年以内)、Future(8年以内)の期間でサクセッションプランを作成し、次世代リーダー層の人財プール形成、戦略的な育成・登用を強化しています。
 また、味の素㈱においては、新領域、成長領域における専門性獲得の観点からキャリア採用を推進しており、2025年度の「1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率」は40%、全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比」は20%でした。
また、味の素㈱の女性管理職比率は、16%と対前年+2%と増加しましたが、女性従業員比率33%と比較して依然として低い水準であり、引き続き女性管理職のパイプライン形成が課題と捉えています。
これに対して、「AjiPanna Academy(アジパンナ・アカデミー)等の一般職女性育成支援を推進しており、2025年度の研修参加者43名のうち97%が管理職への挑戦意向を示しています。
また、ESの結果、半数を超える女性従業員が上位の職位への意欲を示しており、20代~30代の女性従業員では70%(前年+4%)となります。
また、30代の女性の従業員比率は36%、20代の女性従業員比率は40%と増加傾向にあり、段階的に女性管理職比率は向上するものと考えています。
知・経験の融合をさらに加速するためには、グローバル視点で「適所・適財」「適時・適量」な人財配置が重要です。
味の素グループでは、国際間異動ガイドラインを整備し、日本と海外拠点間のみならず海外拠点間の異動を進めていますが、さらに実効性を高めるため、事業ポートフォリオにアラインした人財ポートフォリオの明確化、グローバル共通の人事ポリシーおよびガイドラインの構築に取り組んでいます。
「Well-being」と従業員をつなげる 身体的・精神的な健康の観点では、「味の素グループで働いていると自然に健康になる」を目指す姿として、グローバルで健康経営を推進しています。
経済的な豊かさの観点では、グループ会社が地域・事業の外部報酬市場と比較して競争力のある報酬体系を目指しています。
これらの取組みの結果、ESにおける「Well-being」(「職場の栄養改善に取り組んでいる」や「適正報酬を受け取っている」等の7設問で構成)のスコアは85(前年差+1)でした。
主要KPI:ESにおけるASV実現プロセスのモニタリング 4つの“つなげる”戦略に基づく人的資本投資の成果を測る主要KPIとして、味の素グループではESにおけるASV実現プロセスをグローバルでモニタリングしています。
2025年度の結果は78(前年差+2)であり、2025年度目標の80に対して未達となりました。
 未達の主因は、全社課題として掲げていた生産性向上(承認プロセスの課題)に関連する設問「私は、この会社では日常業務で物事を決定するまでにかなり多くの承認を得なければならないと思う」が、前年差+9ポイントと大幅に改善したものの、依然として低位であったことです。
2025年度は真因把握を目的として新たに「私は日々の業務において、意思決定を得るうえで、不必要な承認は最小限に抑えられていると思う」を導入し、新設問のスコアは78でした。
この結果、承認は多いが、ガバナンスや業務・製品品質の観点から不必要な承認だとは捉えていない回答者が多数存在することが確認されました。
 これを踏まえ、2026年度からはASV実現プロセスにおける生産性向上(承認プロセスの課題)の設問を新設問へ置き換えます。
一方で、自由記述では事前説明の多さや承認基準の曖昧さに関する課題が提起されていることから、引き続き改善に取り組んでいきます。
なお、本設問の変更に伴い、2030年度のASV実現プロセスの目標値を85から88に引き上げます。
FY23FY24FY25旧設問前年差 FY25新設問ASV実現プロセス767678+2 84志への共感939394+1 94顧客志向919091+1 91ASV自分ごと化767677+1 77チャレンジの奨励818385+1 85インクルージョンによる共創787980+1 80生産性向上 旧設問(承認プロセスの課題)282028+9 -生産性向上 新設問(承認プロセスの課題)---- 78イノベーション創出8588870 87社会・経済価値の創出787980+1 80 (3)リスク管理 人的資本に関する当社のリスク管理は、<味の素グループのサステナビリティに対する考え方>に記載のとおりです。
加えて、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方に記載のガバナンス体制のもと、経営会議において重要な業務執行の意思決定を行い、ガバナンス・ルールに沿って取締役に提案・報告を実施しています。
中村新体制で定めた、7つの全社戦略の実行力を高める為に、2026年4月より、全社戦略と人財・組織をつなぐ責任者としてChief Human Resources Officer (CHRO)を設置しました。
(4)指標及び目標人的資本に関する主たる指標対象2023年度実績2024年度実績2025年度実績2026年度目標2030年度目標志従業員エンゲージメントスコア(*9)(ASV実現プロセスの9設問の平均値)グローバル-(76%)-(76%)84%(78%)84%(-)88%(85%) 持続可能なエンゲージメントスコアグローバル85%88%89%90%90%挑戦手挙げでの異動比率味の素㈱41%45%51%55%70% 自身にとって挑戦と思えることを1つでも達成できたと答えた人の割合グローバル-89%90%90%90%多様性リーダーシップ層の多様化グローバル22%25%27%28%30%(DE&I)女性管理職比率グローバル27%27%28%28%40% 味の素㈱14%14%16%18%30% 1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率味の素㈱48%49%40%50%50%以上 全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比味の素㈱17%19%20%22%30%Well-beingWell-beingに関するエンゲージメントスコアグローバル83%84%85%86%90% プレゼンティーズム(仕事の生産性)の改善(*10)味の素㈱74%74%75%75%75%以上 アブセンティーズム(病欠)の低減味の素㈱2.4日2.3日2.2日2.1日1.8日*9 従業員エンゲージメントスコア:2025年度より生産性向上(承認プロセスの課題)設問変更に伴い集計方法見直し。
( )内は旧設問ベースのスコア*10 WHO-HPQの設問を活用し、直近4週間の勤務日における自身の総合的なパフォーマンスを10段階で自己評価し、全回答者の平均値を10倍して算出
戦略
(2)戦略 地球環境は限界に近づきつつあり、環境変化への対応はもはや先送りできない状況にあります。
豊かな地球環境と健全な社会を次世代に受け継ぐことは私たちの責務であり、味の素グループの事業の持続的成長にとっても不可欠です。
とりわけ気候の安定化は喫緊のテーマでありネイチャーポジティブ、すなわち自然の損失を止め、回復軌道に乗せることが強く求められています。
この他にもサーキュラーエコノミー(循環経済)、栄養バランスのとれた食生活、人権等、様々な課題は相互につながっており、統合的に取り組んでいくことが必要です。
 味の素グループ全体の調達の7割は農畜水産物であり、自然の恵み、つまり生態系サービスに支えられたアグリフードシステムに大きく依存しています。
このシステムは、温室効果ガス(GHG)総排出量の2割超を占め、エネルギー産業に次ぐ大きな排出源であり、地球環境に大きな影響を与えている一方で、気候変動や自然資本の損失といった環境変化の影響を直接受けるという脆弱性も併せ持っています。
また、世界では食料の3分の1が廃棄されており、人口の3分の1にあたる28億人が健康的な食へのアクセスを持ちません。
これらの構造的課題は味の素グループにとって重要なリスクであると同時に、変革を通じた価値創出の機会でもあります。
 このように変革の余地が大きいアグリフードシステムにおいて、味の素グループは発酵副産物を肥料・飼料とするバイオサイクルの構築に取り組み、栄養素を循環させることで農畜産物の生産を支援し、地域環境や農家の生活向上に尽力してきました。
近年はこれらの活動をもとに、農畜産業の環境負荷削減や自然の再生と、食料の生産性向上の両立を目指した事業を展開しています。
また、110年を超える歴史の中で、製品・ソリューションの提供を通じ、世界各地の食文化やおいしさに妥協することなく、栄養バランスの良い食事をサポートしてきました。
調理や食事を共にすることが、栄養だけでなく心の豊かさ、すなわち主観的なWell-beingと関係することも世界レベルで明らかになってきました。
 味の素グループは、調味料、加工食品、冷凍食品等の食品事業やヘルスケア、電子材料等、強みであるアミノサイエンス®をベースとして幅広く事業を展開しています。
これからも有形・無形の資産を活かし、科学者、政策決定者、ビジネスリーダー等のグローバル、ローカルのステークホルダーと共に、ネガティブインパクト(負の影響)を着実に低減するとともに、バリューチェーン全体およびそれらを超えて社会へよりポジティブなインパクト(良い影響)を創出し、事業基盤のレジリエンス向上と成長機会の創出の両立を目指してまいります。
 これらの活動のベースとして、人財資産を全ての無形資産の源泉と考え、従業員のエンゲージメントが企業価値を高める重要な要素と位置付けています。
志を持った多様な人財が、生活者・顧客に深く寄り添い、イノベーションの共創に挑戦できるよう、人財への投資を通じてASV経営の実行力を高め、人・社会・地球のWell-beingに貢献していきます。
指標及び目標 (4)指標及び目標 味の素グループは、現在取り組む6つの重要テーマ(P.15参照)に沿って、環境負荷等ネガティブインパクト(負の影響)の低減に加え、強みであるアミノサイエンス®を活かした社会全体へのポジティブなインパクト(良い影響)の創出も含め、事業を通じて生じ得るリスクと機会の両面を踏まえた目標・KPIを定めています。
 そして味の素グループ全体を対象とする主要な取組みについては、その取組みおよび実績の進捗を経営会議で確認しています。
6つの重要テーマ全体の取組みと目標・KPIは、「味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わる対象領域、取組みと目標・KPI」(P.38)をご参照下さい。
 ※気候変動、生物多様性保全、人的資本に関する実績の進捗を含む詳細は、P.20以降をご参照下さい。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
(2)人財戦略 味の素グループが、志(パーパス)「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を実現するためには、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)による社会価値と経済価値の共創を推進し、それを支える行動指針として体系化されたAGW(味の素グループWay)を実行していくことが重要です。
 味の素グループの成長戦略は、食品事業を着実な成長の基盤とし、バイオ&ファインケミカル事業で飛躍的な成長を実現し、さらに両事業の融合領域で新たな価値を創出することです。
その実現に向けて、アミノサイエンス®を競争優位の源泉として捉え、食の領域で培ってきた「おいしさ設計技術®」、健康・医療に向けた科学的知見、電子材料やバイオファーマサービスに代表される先端技術をつなぎ合わせ、成長の力として束ねていく必要があります。
 この成長戦略を確実に実行するためには、事業ポートフォリオの高度化とそれにアラインしたグローバル人財ポートフォリオを再構築し、それを世界の各拠点、各事業による自律分散型と、本社の中央集権型のバランスを取って推進する必要があります。
これらの成長の源泉である4つの無形資産(人財・技術・顧客・組織)を相互に連動させ、実行力としてスケールしていくことが重要であり、技術資産と顧客資産をつなぎ、イノベーションを生み出す起点となる人財資産への取組みを、特に強化しています。
 味の素グループの「志」に共感して集まった多様な従業員一人ひとりが、コンフォートゾーン(自身にとって慣れた環境)を超えた「挑戦」を通じて、戦略を実行する個の力を磨きます。
さらに、その力を活かし「知・経験×属性」の観点から「多様性(DE&I(*8))」を推進することで、チームとしてのイノベーション創出につなげていきます。
これらを支える重要な基盤が従業員と家族の「Well-being」です。
味の素グループは「志」「挑戦」「多様性(DE&I)」「Well-being」の4つの“つなげる”というコンセプトのもと、人財資産への取組みをグローバルに展開しています。
(人財投資額(機会投資含む):2025年度150億円、23-30累計1,000億円以上)これらの取組みは人財資産の強化にとどまらず、組織資産として蓄積され、無形資産全体の強化につながるものと考えています。
*8 Diversity, Equity and Inclusion 4つの“つなげる”戦略 会社と人財を「志」でつなげる味の素グループは、多様な従業員が自身の志を言語化し、内発的に動機を高めることが 「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」の原動力になると考えています。
味の素グループ全体で共有する「Our Philosophy(志・ASV・AGW)」の浸透と体現を通じて、会社と人財を志で“つなげる”ことを目指します。
戦略と人財を「挑戦」でつなげる味の素グループは、2030ロードマップで掲げる挑戦的な高い目標を実現するためには、 AGW(新しい価値の創造、開拓者精神、社会への貢献、人を大切にする)のより一層の活性化が重要と考えています。
失敗を恐れずに味の素グループらしい挑戦の機会とリーダーシップを提供し、従業員一人ひとりがコンフォートゾーンを超える文化を醸成し、戦略と人財を挑戦で“つなげる”ことを目指します。
グローバルで「多様」な人財をつなげる味の素グループは、グローバルに食品とバイオ&ファインケミカル、地域、ジェンダー、キャリア、障がい等の観点で多様な人財を社内外から求め、融合することがイノベーション創出に重要であると考えます。
お互いを尊重する文化の醸成とマネジメントの高度化を通じて、グローバルで多様な人財を“つなげる”ことを目指します。
「Well-being」と従業員をつなげる味の素グループは、従業員やその家族の生活基盤である身体的・精神的な健康、経済的な豊かさの向上が人財資産の基盤であると考えています。
味の素グループで働いていると自然に健康になる環境・マネジメントや資産形成支援を通じてWell-beingと従業員を“つなげる”ことを目指します。
 4つの“つなげる”戦略のうち、「志」「Well-being」に関する取組みはグローバルで堅調に推移しています。
一方で、「挑戦」、「多様性(DE&I)」は課題が相対的に大きく、重点的な強化が必要と認識しています。
挑戦に関する課題: バイオ&ファインケミカルの電子材料事業の高成長を支えるのは「高速開発システム」です。
新規事業や新製品の原動力として、「高速開発システム」を他領域へ展開するにはその基盤となる挑戦文化の強化が不可欠です。
挑戦文化の醸成が十分でない場合、成長領域への展開が遅れ、2030ロードマップで掲げる挑戦的なASV指標の達成に影響を及ぼす可能性があります。
多様性に関する課題: 食品事業の新地域・新商品展開や、バイオ&ファインケミカル事業の飛躍的な成長を実現するには、「知・経験×属性」の観点で味の素グループの多様性を有機的に融合させることが不可欠です。
多様性の融合が進まない場合、新たな知見・経験の獲得が遅れるリスクがあります。
会社と人財を「志」でつなげる 多様な事業をグローバルに展開する味の素グループは、事業や地域の拡大に伴い、グループの力を結集する求心力をいかに高めるかが重要なテーマとなっています。
その求心力の源泉として、「Our Philosophy」への共感を高め、ASVの自分ごと化を進めています。
この取組みの一環として、「理解/納得」、「共感/共鳴」、「実行/実現」、「モニタリング/改善」のステップからなるASVマネジメントサイクルを導入しています。
2025年度は、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化する「My Purpose ワークショップ」を継続的に実施するとともに、従業員が自身の志を起点に、アミノサイエンス®を通じた事業創造と社会課題解決を体感的に学ぶシミュレーション型のワークショップ「Our Philosophy チャレンジ」を展開しました。
部門横断の共創や挑戦を通じて、Our Philosophyの実行力を高め、志を具体的な行動につなげる人財の育成を図っています。
これらの取組みの結果、エンゲージメントサーベイ(以下、ES)における「志」(「会社の指針となる価値観を支持している」等の7設問で構成)のスコアは89(前年差+1)でした。
戦略と人財を「挑戦」でつなげる 売上高・事業利益成長を大きく牽引したバイオ&ファインケミカルの電子材料事業の好調を支えているのは、「高速開発システム」です。
高速開発システムは、①「顧客ニーズを先読みする」、②「複数のソリューションを並行して迅速に開発する」、③「フィードバックに基づき継続的にソリューションを改善する」の3つのKey Success Factorにより、市場・顧客環境の急速な変化に対応する手法です。
この考え方は電子材料事業にとどまらず、他の事業・機能にも応用可能であり、2030の挑戦的なASV指標の実現、さらにはその先の新事業・新製品創出の原動力になると考えています。
 その実現を支えるのが、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化することにより高まる「挑戦」への意欲です。
味の素㈱では「挑戦」の機会提供として、「手挙げでの異動」および「TRY&A-CROSS(社内副業制度)」を拡大しています。
これらは海外を含むグループ会社でも展開が進んでおり、ESにおける「挑戦」(「上司は失敗から学ぶことを奨励してくれる」等の6設問で構成)のスコアは87(前年差+1)でした。
挑戦文化をより一層強化するにあたり、今日できることを明日に先送りせず、継続的成長を目指し、昨日よりも少しでも良い方向へ向かおうとする日々の活動を全て「挑戦」と考え、AGWに則った多様な「挑戦」を後押しするために、挑戦と成果が適切に結びつく制度運用を進めていきます。
グローバルで「多様」な人財をつなげる 味の素グループは、食品事業を中心に各地域の文化・嗜好性に対応することで、高いローカル市場対応力を発揮し、グループ個社が自律自走で事業を拡大してきました。
このローカル市場対応力は、今日の食品事業の成長を牽引する強みです。
一方、長期的な事業拡大に向けては、食品事業における新たな地域・国での事業拡大や新商品の導入、バイオ&ファインケミカル事業における新領域創出が不可欠であり、そのためには「知・経験×属性」の観点でDE&Iを推進し、チームの実行力を高め、イノベーション創出につなげることが重要であると考えています。
 グループのリーダーシップ層(執行役・執行理事・Group Executive Manager:137ポジション)の多様性については、性別、国籍、所属籍等の観点での多様性が2025年度は27%と順調に推移しています。
対象ポジションでは、Ready(1年~3年)、Next(5年以内)、Future(8年以内)の期間でサクセッションプランを作成し、次世代リーダー層の人財プール形成、戦略的な育成・登用を強化しています。
 また、味の素㈱においては、新領域、成長領域における専門性獲得の観点からキャリア採用を推進しており、2025年度の「1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率」は40%、全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比」は20%でした。
また、味の素㈱の女性管理職比率は、16%と対前年+2%と増加しましたが、女性従業員比率33%と比較して依然として低い水準であり、引き続き女性管理職のパイプライン形成が課題と捉えています。
これに対して、「AjiPanna Academy(アジパンナ・アカデミー)等の一般職女性育成支援を推進しており、2025年度の研修参加者43名のうち97%が管理職への挑戦意向を示しています。
また、ESの結果、半数を超える女性従業員が上位の職位への意欲を示しており、20代~30代の女性従業員では70%(前年+4%)となります。
また、30代の女性の従業員比率は36%、20代の女性従業員比率は40%と増加傾向にあり、段階的に女性管理職比率は向上するものと考えています。
知・経験の融合をさらに加速するためには、グローバル視点で「適所・適財」「適時・適量」な人財配置が重要です。
味の素グループでは、国際間異動ガイドラインを整備し、日本と海外拠点間のみならず海外拠点間の異動を進めていますが、さらに実効性を高めるため、事業ポートフォリオにアラインした人財ポートフォリオの明確化、グローバル共通の人事ポリシーおよびガイドラインの構築に取り組んでいます。
「Well-being」と従業員をつなげる 身体的・精神的な健康の観点では、「味の素グループで働いていると自然に健康になる」を目指す姿として、グローバルで健康経営を推進しています。
経済的な豊かさの観点では、グループ会社が地域・事業の外部報酬市場と比較して競争力のある報酬体系を目指しています。
これらの取組みの結果、ESにおける「Well-being」(「職場の栄養改善に取り組んでいる」や「適正報酬を受け取っている」等の7設問で構成)のスコアは85(前年差+1)でした。
主要KPI:ESにおけるASV実現プロセスのモニタリング 4つの“つなげる”戦略に基づく人的資本投資の成果を測る主要KPIとして、味の素グループではESにおけるASV実現プロセスをグローバルでモニタリングしています。
2025年度の結果は78(前年差+2)であり、2025年度目標の80に対して未達となりました。
 未達の主因は、全社課題として掲げていた生産性向上(承認プロセスの課題)に関連する設問「私は、この会社では日常業務で物事を決定するまでにかなり多くの承認を得なければならないと思う」が、前年差+9ポイントと大幅に改善したものの、依然として低位であったことです。
2025年度は真因把握を目的として新たに「私は日々の業務において、意思決定を得るうえで、不必要な承認は最小限に抑えられていると思う」を導入し、新設問のスコアは78でした。
この結果、承認は多いが、ガバナンスや業務・製品品質の観点から不必要な承認だとは捉えていない回答者が多数存在することが確認されました。
 これを踏まえ、2026年度からはASV実現プロセスにおける生産性向上(承認プロセスの課題)の設問を新設問へ置き換えます。
一方で、自由記述では事前説明の多さや承認基準の曖昧さに関する課題が提起されていることから、引き続き改善に取り組んでいきます。
なお、本設問の変更に伴い、2030年度のASV実現プロセスの目標値を85から88に引き上げます。
FY23FY24FY25旧設問前年差 FY25新設問ASV実現プロセス767678+2 84志への共感939394+1 94顧客志向919091+1 91ASV自分ごと化767677+1 77チャレンジの奨励818385+1 85インクルージョンによる共創787980+1 80生産性向上 旧設問(承認プロセスの課題)282028+9 -生産性向上 新設問(承認プロセスの課題)---- 78イノベーション創出8588870 87社会・経済価値の創出787980+1 80
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (4)指標及び目標人的資本に関する主たる指標対象2023年度実績2024年度実績2025年度実績2026年度目標2030年度目標志従業員エンゲージメントスコア(*9)(ASV実現プロセスの9設問の平均値)グローバル-(76%)-(76%)84%(78%)84%(-)88%(85%) 持続可能なエンゲージメントスコアグローバル85%88%89%90%90%挑戦手挙げでの異動比率味の素㈱41%45%51%55%70% 自身にとって挑戦と思えることを1つでも達成できたと答えた人の割合グローバル-89%90%90%90%多様性リーダーシップ層の多様化グローバル22%25%27%28%30%(DE&I)女性管理職比率グローバル27%27%28%28%40% 味の素㈱14%14%16%18%30% 1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率味の素㈱48%49%40%50%50%以上 全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比味の素㈱17%19%20%22%30%Well-beingWell-beingに関するエンゲージメントスコアグローバル83%84%85%86%90% プレゼンティーズム(仕事の生産性)の改善(*10)味の素㈱74%74%75%75%75%以上 アブセンティーズム(病欠)の低減味の素㈱2.4日2.3日2.2日2.1日1.8日*9 従業員エンゲージメントスコア:2025年度より生産性向上(承認プロセスの課題)設問変更に伴い集計方法見直し。
( )内は旧設問ベースのスコア*10 WHO-HPQの設問を活用し、直近4週間の勤務日における自身の総合的なパフォーマンスを10段階で自己評価し、全回答者の平均値を10倍して算出
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
(1)味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会 味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」ことを志(パーパス)として掲げ、サステナビリティをASV経営の根幹に位置づけています。
この考え方を踏まえ、6つの重要テーマ(マテリアリティ)に対し、16のトピックを特定し、組織横断的な管理が必要なグループ全体のリスク及び機会を下表のとおり整理しました。
 トピック、リスク及び機会の特定においては、影響と発生可能性、志(パーパス)及び事業戦略との関連性、経営リスク委員会における影響評価の結果を考慮しています。
具体的には、SASBスタンダードにおける開示トピック(「加工食品」「バイオテクノロジー・医薬品」「半導体」)を参照の上、開示トピックでは捕捉しきれないマクロ環境の変化も補完するため、世界経済、地政学、規制動向、技術動向及び業界動向等に関する外部レポートも参照しました。
その上で、味の素グループの事業特性及び事業環境の不確実性を加味してトピックを定め、リスク及び機会となり得る事象の調査及び分析を行いました。
なお、これらの特定及び判断は、本有価証券報告書作成時点で入手可能な情報及び合理的と考える前提に基づくものです。
今後、当社グループを取り巻く事業環境や事業内容等の変化に応じて、定期的な見直しを行います。
サステナビリティ委員会と経営リスク委員会の役割に関しては、サステナビリティに関する考え方及び取組の(1)ガバナンスを参照下さい。
6つの重要テーマトピックリスク機会持続可能な地球環境の実現気候変動の深刻化による食糧不足気候変動の進行に伴う異常気象や災害の頻発に伴い、農畜産物への被害が増加し、原材料の調達価格・物流費が上昇するリスク-脱炭素制度の進展農業・畜産事業者の脱炭素規制対応コストの増加により、価格転嫁や生産縮小に伴う供給減を通じて、原材料の調達価格が上昇するリスク脱炭素制度の進展に伴い、農業・畜産事業者の排出削減ニーズが高まり、温室効果ガス削減に資するAjiPro®-L等の製品・サービスの売上の増加につながる機会-脱炭素制度の進展に伴い、炭素税が導入されることで、低炭素製法で製造するMSG*1等の競争優位性が高まり、売上増につながる機会*1 Monosodium Glutamate淡水資源制約・使用規制の強化淡水資源の枯渇進行を背景とする水コスト上昇に伴い、調達コストの上昇や取引先の生産停滞に連動した売上が低下するリスク- 食を通じたウェルビーイングの実現政府の農業支援(スマート農業等)や食糧安全保障政策-政府支援により、生産性向上と供給の安定化・効率化が進むことで、主要原材料の調達単価や緊急調達・輸送等の付随コストが低減し、原価改善につながる機会人口増加によるたんぱく質クライシス世界的な人口増加に伴う動物性たんぱく質需要の急拡大により供給が逼迫し、食肉調達価格や食肉使用製品の原価が上昇するリスク世界的な代替たんぱく質の需要拡大により、代替たんぱく質の製造に必要な培地・アミノ酸等の関連事業の拡大及び売上増加につながる機会ウェルビーイング志向の高まり・需要動向の変化(※本トピックは、「食を通じたウェルビーイングの実現」「先端医療・予防への貢献」の両重要テーマに関連)心身両面の健康・ウェルビーイング志向の高まりに伴い、食品の栄養成分表示等への対応コストが上昇するリスク心身両面の健康・ウェルビーイング志向の高まりに伴い、基準や規制等に沿った製品・サービスの売上増加につながる機会先端医療・予防への貢献-心身両面の健康・ウェルビーイング志向の高まりに伴い、先端医療分野(肥満症治療薬等)における売上の増加につながる機会創薬エコシステム体制を含む医薬品業界の事業構造の変化-医療費の抑制を目的とした規制変化に伴う、CDMOの生産・供給体制の変化により、CDMO事業の受注・収益の増加につながる機会スマートソサエティの進化への貢献半導体を巡る安全保障政策の動向や競合技術の進化各国における調達先多元化や国産化要件、競合の技術革新に伴い、当社素材の代替技術が普及し、製品の顧客採用率低下及び市場シェア低下により売上が減少するリスク-世界的な半導体需要拡大-デジタル化・AI普及を背景とした半導体の需要拡大に伴い、ABF®*2の販売数量が増加し、売上の拡大につながる機会*2 Ajinomoto Build-up Film多様な価値観・人権の尊重人的資本市場の変化労働市場の変化に伴い、AGWを体現する人財の採用・育成が計画どおりに進まない場合、イノベーション推進の停滞を通じて競争力が低下するリスク労働市場が変化する中、AGWを体現する人財の採用や育成戦略の実現によって、イノベーションや新規テーマの創出が進み、競争力が向上する機会工場運営の人財確保の困難により、現場の実行力が低下し、操業体制の維持・技能継承にかかる人件費が上昇するリスク-価値観や思想、嗜好の多様化ハラール・ビーガン等の多様な社会的ニーズに対応するための認証取得、原材料管理・製造要件・表示対応等のコストが増加するリスクハラールやビーガン等、多様な価値観を持つ新たな顧客層の獲得により、関連製品の売上の増加につながる機会 経営基盤の強化外部からのサイバー攻撃基幹システム停止により業務が滞るリスク情報詐取・漏洩により多大な損失が生じるリスク結果として企業の信頼を毀損するリスク、訴訟などの法的責任を負うリスク-地政学的対立とグローバル規模の貿易戦争地政学リスクの顕在化による従業員の安全が脅かされるリスクと、サプライチェーンが寸断されるリスク輸出入における高関税による価格競争力低下、売上減少リスク競合企業に対して当社製品の競争力が相対的に高まり、販売が拡大する機会台湾海峡問題のエスカレーション従業員の安全及び事業継続に対するリスク特定地域からの原料調達が困難となるリスクシーレーンの安全確保のため原材料コストが上がるリスク-甚大な自然災害の発生災害発生地域の従業員の安全及び事業継続に対するリスクサプライチェーン寸断のリスク-AI技術の高度化AIの高度活用をする他社と比べ競争劣位に陥るリスクAIの活用に伴い生じる、機密秘密の不正流出、フェイク情報の拡散、AIガバナンスの不十分さによる法規制違反、倫理上の問題、誤った経営判断等の発生リスクAIの高度活用を深化させることで、業務効率化や生産性向上に加え、研究開発や事業戦略、リスクマネジメントにおける分析及び意思決定の高度化が進み、さらに、イノベーションの創出を促進することにより、中長期的な競争優位の強化につながる機会
(2) 味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わる対象領域、取組みと目標・KPI 「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)」に記載のとおり、現在の味の素グループが取り組む6つの「重要テーマ」①「持続可能な地球環境の実現」②「食を通じたウェルビーイングの実現」③「先端医療・予防への貢献」④「スマートソサエティの進化への貢献」⑤「多様な価値観・人権の尊重」⑥「経営基盤の強化」に対して、対象領域、取組み及び目標・KPIは以下になります。
6つの重要テーマ対象領域取組み目標・KPI持続可能な地球環境の実現気候変動緩和と適応・温室効果ガス排出削減 -2030年度:スコープ1+2  50.4%削減(対2018年度)       スコープ3   30%削減(対2018年度)       スコープ3 FLAG 36.4%削減(対2018年度) -2050年度:ネットゼロ、電力再生可能エネルギー化100%(対2018年度) -飼料用アミノ酸を活用したソリューションの提供による、牛由来の温室効果ガス排出削減(政府、地方自治体、乳業・畜肉メーカーとの連携によるエコシステムの構築)・持続可能な農業への貢献 -バイオスティミュラント製品の展開拡大(肥料削減による温室効果ガス削減(緩和)、環境ストレス耐性の向上(適応)、収穫物の品質向上、劣化土壌の改善) -バイオサイクル(循環型アミノ酸発酵サイクル)の拡大・環境負荷の低い食品素材や製法で作られた食品・素材の提供と生活者の行動変容促進(細胞性食品や精密発酵などの技術開発、バイオマス発酵やプラントベースを用いた食品開発)自然資本生物多様性保全・TNFDの情報開示フレームワークに基づいた情報開示 -SBTi for Natureに沿った評価・優先順位の検討森林破壊防止・森林破壊ゼロ -対象原材料:パーム油、大豆、牛肉、紙、コーヒー水資源の保全・水使用量削減 -2040年度:15%削減(対2018年度)持続可能な調達・重要原料の持続可能な調達比率100% -2030年度:対象原材料:紙、パーム油、大豆、コーヒー豆、牛肉、サトウキビ・アニマルウェルフェア向上の推進サーキュラーエコノミー(循環経済)廃棄物ゼロエミッション・資源化率 -99%以上維持プラスチック廃棄物削減・プラスチック廃棄物削減 -2030年度:ゼロ化・当社マイクロプラスチック代替素材を活用したパーソナルケア製品の提供による生活者の行動変容促進フードロス削減・フードロス削減 -原料受け入れからお客様納品まで50%削減継続(対2018年度) -2050年度:製品ライフサイクル全体で50%削減(対2018年度) -レシピ等情報発信や地域(行政、流通等)との連携による家庭内フードロス削減への貢献 -当社業務用(BtoB)製品を活用した、顧客におけるロス削減 食を通じたウェルビーイングの実現健康・栄養食を通じた健康・栄養課題の解決・栄養バランスのとれた食生活への貢献(2030年度) -栄養バランスの良い*3 製品を年間21億食提供 *3 Health Star Rating(HSR)ランク3.5以上 -減塩した調味料により年間11億食分の減塩に貢献 -甘味料により年間7億人の減糖に貢献 -栄養バランスの良いメニューの提供 -栄養に役立つ情報の発信・こころの豊かさへの貢献 -調理、共食のWell-beingへの貢献を可視化し指標化を目指す。
その知見をブランド価値向上につなげる先端医療・予防への貢献治療・予防の進化・アミノ酸の生理機能や栄養機能を活用した製品の利用機会拡大 -2030年度:2倍(対2020年度)・メディカルフード領域の強化 -2030年度:提供数2倍(対2024年度)・輸液等医薬品向けの高品質な医薬用アミノ酸の安定供給・培地や先端医療素材のサービスソリューション提供型ビジネスへの進化・バイオ医薬品開発製造受託サービスの強化及び領域拡大スマートソサエティの進化への貢献先端半導体パッケージ材料提供・エコシステム創出を通じた先端半導体進化・半導体の進化に貢献するイノベーション創造のスピードアップと先端材料の提供拡大、半導体バリューチェーンにおける共創エコシステムの強化・光電融合分野などの先端半導体分野における技術及び材料の開発の実現多様な価値観・人権の尊重人権責任ある雇用・国際基準に則った人権・環境デュー・ディリジェンスの着実な推進 -サプライチェーン上の取組み  深掘性:国別人権リスク評価結果に基づく人権影響評価の実施、及び予防・是正措置、モニタリング  網羅性:「サプライヤー取引に関するグループポリシーガイドライン」に基づくサプライヤーの実態把握及び改善に向けた伴走、モニタリング -グループ従業員の取組み -グループ法人(製造サイト)における人権リスク抽出と実態把握  グローバルグループ法人における実施率:2026年70%以上、2030年100% -上記に基づき適切な予防・是正措置の実施経営基盤の強化人的資本人財の活用・ASV実現プロセスESスコア -2030年度:88%・リーダーシップ層の多様化ダイバーシティ -2030年度:30%・女性管理職比率 -2030年度:40%・挑戦する人財の促進 -「ASVアワード」の推進・従業員のリテラシー向上 -環境、健康・栄養、人権、DX などのリテラシー向上施策の展開事業環境変化レジリエンス強化・経営インテリジェンス機能の強化による、将来からバックキャストした経営リスク・機会の検討と戦略への活用・グローバルな品質保証システム、戦略的知財ポートフォリオ構築・コンプライアンス意識向上のための継続的な施策・安全衛生に関するアセスメント・監査・点検の継続実施・減損や為替・金利変動リスクの極小化、柔軟な資金調達によるリスク軽減
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要 当社グループは、IFRS会計基準の適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。
当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 事業ポートフォリオの変化を支える財務・資本戦略  味の素グループは、2030年ありたい姿の実現に向けて、食品事業を基盤とした安定的な成長に加え、バイオ&ファインケミカル領域での飛躍、さらに融合領域における新たな価値創出を推進しています。
この成長戦略を支える根幹は、キャッシュ・フロー創出力の強化と、それを長期的な価値創造へ確実に繋ぐ投資規律の徹底にあります。
 キャッシュ・フロー創出力強化に向けては、より成長が見込める分野への投資、飛躍的な成長分野に向けてのM&A、そして競争優位が見込めなくなった分野の売却(D)を実行していく必要があります。
そして、EBITDAの増加に伴い、デット・キャパシティ(借入余力)も大きく増やすことができ、この余力を使って、更なる成長投資の原資とすることができます。
また、長期的な価値創造へ確実に繋ぐ投資規律を徹底するためには、人財やガバナンスをしっかりと強化していく必要があります。
これら成長を支える実行のために様々な戦略がありますが、その中で、特に4つの戦略にふれたいと思います。
 まずは、戦略を支えるFP&A人財投資です。
戦略1の事業の成長を支えるFP&A(Financial Planning & Analysis)チームのグローバルでのノウハウの獲得と展開は、人財投資そのものです。
FP&Aチームは、DXやAIも活用したローリング・フォーキャストを進化させて、将来のリスクと機会をタイムリーに経営メンバーに助言することで企業価値の向上に貢献します。
 次に、ありたい姿を実現する成長には、戦略2のファイナンス視点に裏打ちされたM&A、売却の確実な実行が欠かせません。
ファイナンス視点に基づいたM&A、売却によって株式価値の向上を図ります。
 そして、財務戦略の重要な要素であるグローバル・タックス・マネジメントでは、タックス・マネジメントに秀でた戦略・実行チームが大型設備投資や大型M&Aプロジェクトなどに初期段階で参加し、最適な納税ストラクチャーを組成し、実効税率の低減などを行っていきます。
 最後に、適切な成長には、成長を支える責任あるガバナンスが不可欠です。
グループ・グローバルな経営を支えるために、財務・資本に関わる30のポリシー、プロシージャー、およびガイドラインの徹底と進化をはかり、成長の妨げを抑制すると同時に、創造する価値の最大化を実現していきます。
<2030年ありたい姿、その実現を支える戦略> ①2030ロードマップに向けた各指標の状況 当社は、企業価値の算定式の考え方の元、企業価値向上の基本を「将来キャッシュ・フローの最大化」と「資本コストの最適化」と考えています。
そして、中長期的な企業価値向上に向けて、収益性、成長性、資本効率および財務健全性のバランスを重視した経営を推進しております。
<企業価値の算定式>  2025年度、味の素グループは、売上高・事業利益ともに前年度に続き過去最高を更新し、事業利益は2桁%成長を継続し、7期連続の増益でした。
特に、ファンクショナルマテリアルズやバイオファーマサービス(CDMO)を中心とするヘルスケア領域が成長を牽引するとともに、調味料・食品および冷凍食品を含む食品事業においても増益を確保し、ポートフォリオ全体で着実な収益拡大を実現しました。
 また、営業キャッシュ・フローは2,393億円と前年を上回り過去最高を更新するなど、収益成長に裏付けられた高いキャッシュ創出力を維持しており、持続的な成長投資と株主還元を支える財務基盤は一層強化されています。
 2030年に向けて掲げるASV指標については、2025年度実績としてROE 17.7%、ROIC 11.8%、オーガニック成長率3.7%、EBITDAマージン率17.1%となりました。
これらはすべて中長期目標に対して順調な進捗を示しており、とりわけ資本効率および収益性に関しては前倒しでの目標達成も視野に入る水準に到達しています。
 資本コストの最適化に向けては、資本効率の向上と財務健全性の維持の両立を基本方針とし、ネット有利子負債/EBITDA倍率を主要な財務規律指標として運用しています。
2025年度はEBITDAの着実な拡大に加え、余剰資金の圧縮等により、同倍率は1.6倍と目標レンジ(2.0倍以内)を維持し、適切なレバレッジコントロールを実現しました。
 資本配分においては、事業成長を前提としたキャッシュ創出力の強化を軸に、無形資産を含む成長投資を積極的に実行しています。
2026年度は約1,300億円規模の設備投資を計画し、次世代成長領域への投資を加速するとともに、運転資本の改善を通じて更なるキャッシュ創出力の向上を図ってまいります。
 株主還元については、株主配当を累進配当方針のもと、ノーマライズドEPSを基準とした安定的な配当を継続しております。
また、自己株式取得を含めて3か年の総還元性向を50%以上(対親会社の所有者に帰属する当期利益)としております。
来期においても増配を継続する計画とし、資本効率の改善と株主価値の最大化を意識した還元を推進していきます。
(注)ノーマライズドEPSに基づく配当=(事業利益×(1-味の素グループ標準税率27%))÷発行済株式総数×還元係数35% <2030ロードマップで定めた目標と進捗> ②キャピタル・アロケーションの方針 当社のキャピタル・アロケーション方針は、加重平均資本コスト(WACC)を上回るリターンの創出を基本として実行しています。
 まず、持続的なオーガニック成長の実現に向けた投資、そして飛躍的な成長に向けたM&A等に重点的に資本を配分します。
そして自己株式取得等による株主還元への配分を残ったキャッシュから行うことを基本としております。
 持続的なオーガニック成長の実現に向けて、事業基盤の強化と、よりリターンを高めていくための設備投資を重要な投資と位置付けとしており、2026年度には約1,300億円の設備投資を見込んでおります。
また、融合領域に向けた既存事業のシナジー創出や新たな飛躍的成長機会の獲得を目的としたM&Aも検討しており、2023年度にForge社の買収を行ったように、今後も当社の飛躍的成長につながるM&A案件には積極的に投資を実施していく方針です。
 一方で競争優位の見込みが薄れた分野では、売却を含む戦略的な資源再配分を行います。
顧客・競合・環境の変化を前提に継続的に見直しを行い、成長性・収益性・リスクのバランスを踏まえ、新たに設置した全社成長戦略会議での検討を通してキャピタル・アロケーションを一段と高度化します。
<キャピタル・アロケーションの考え方> ③キャッシュ・フロー創出に向けた施策 キャッシュ・フロー創出は、設備投資だけでなく、人的資本を含む無形資産への投資も欠かせません。
様々なキャッシュ・フロー創出に繋がる施策をグループ・グローバルの人財で常に共有化することは、結果として人財投資に繋がることとなり、経営の良いサイクルとなると考えています。
そのためにも、グローバルな事業運営の経験のあるFP&A人財を活用し、更なる価値向上を図りたいと考えています。
以下に施策事例を少しご紹介したいと思います。
 まずは、「EBITDAマージン改善のための棚卸方法見直し」についてです。
生産工場において、監査を実施するために実地棚卸を行うことで、ある一定期間の出荷が制限されることがあります。
この実地棚卸にかえて、生産を止めない循環棚卸(Cycle Count)を行うことで出荷の制限をなくし、売上を増大させて、EBITDAマージンの向上に繋げております。
 次に、北米コンシューマー事業におけるFP&Aの取組です。
工場別、カテゴリー別、チャネル別、限界利益別などの多面的な視点でシミュレーションを行い、会社のキャッシュ・フローが最大化される分析を経営陣に提供しています。
 最後に「やへか」の活動です。
これは日本におけるオペレーション改善の基本フレームワークです。
削減可能なコスト・ムダをなくし、削減できたリソースを成長に振り向けるために、既存業務を「やめる」、「へらす」、「かえる」の3つの視点で、AIも活用しながら、主体的に業務改善を行っています。
この取組によりオペレーション時間を削減し、削減できたリソースをより高い企業価値を生む業務にシフトしています。
2025年度は年間600件を超える「やへか」を行いました。
<キャッシュ・フロー創出に向けた施策事例>  株主・投資家の皆さまへのメッセージ キャピタル・アロケーションの厳格な管理のもと、収益性とともに効率性の高い成長投資を推進し、更なる効率性改善と経営リスク管理の高度化・進化を継続、2030年度に2022年度比でEPS3倍を念頭にした持続的な企業価値の向上と長期的リターンの実現に、CEOの中村とその経営メンバーにて邁進してまいります。

(2) 生産、受注及び販売の実績 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの原材料として使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
 このため生産、受注及び販売の実績は、「(4) 当連結会計年度の経営成績の分析」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(3) 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。
この連結財務諸表の作成に当たって必要な見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び同「5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析 当連結会計年度の売上高は、調味料・食品セグメント及びヘルスケア等セグメントの増収等により、前期を531億円上回る1兆5,837億円(前期比103.5%)となりました。
 事業利益は、ヘルスケア等セグメント及び調味料・食品セグメントの増益等により、前期を218億円上回る1,811億円(前期比113.7%)となりました。
 営業利益は、事業利益の増益に加え、当期に当社の保有する固定資産の一部(本社ビル土地及び建物)を譲渡し、固定資産売却益を計上したこと等により、前期を854億円上回る1,994億円(前期比175.0%)となりました。
 親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増益等により、前期を644億円上回る1,346億円(前期比191.6%)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況 セグメントごとの業績は、次のとおりです。
対前期実績売上高(億円)事業利益(億円)第148期前期増減前期比第148期前期増減前期比調味料・食品9,369409104.6%1,43089106.6%冷凍食品2,9039100.3%84△4565.0%ヘルスケア等3,415131104.0%662205145.1%その他149△1789.4%60△395.1%全社共通費(注)2--- △425△27106.9%合計15,837531103.5%1,811218113.7%(注)1.各セグメントの主要製品につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」をご参照ください。
(注)2.各報告セグメントに帰属しない全社共通費は、従来、マネジメント・アプローチに基づき一定の基準で各報告セグメントに配分しておりましたが、各報告セグメントの業績をより適切に評価するため、当連結会計年度より各報告セグメントに配分しない方法に変更しており、前連結会計年度に当該変更を遡及適用しております。
この変更に伴い、前連結会計年度における各報告セグメントのセグメント損益は調味料・食品セグメントで201億円、冷凍食品セグメントで49億円、ヘルスケア等セグメントで138億円、その他で9億円増加する一方、各報告セグメントに帰属しない全社共通費で398億円減少しております。
なお、各報告セグメントに帰属しない全社共通費は、主に親会社の管理部門にかかる費用です。
① 調味料・食品セグメント 調味料・食品セグメントの売上高は、販売増により、前期を409億円上回る9,369億円(前期比104.6%)となりました。
事業利益は、増収効果等により、前期を89億円上回る1,430億円(前期比106.6%)となりました。
<主要な変動要因>・調味料は、日本、海外とも販売増により、増収。
・栄養・加工食品は、全体で増収。
日本は、主に単価上昇効果により大幅増収。
海外は、為替影響や単価上昇効果により増収。
・ソリューション&イングリディエンツは、主に加工用うま味調味料の販売減により減収。
<主要な変動要因>・調味料は、日本、海外とも増収効果等により、増益。
・栄養・加工食品は、全体で大幅増益。
日本は、増収効果等により大幅増益。
海外は、増収も、原材料コスト増加等により減益。
・ソリューション&イングリディエンツは、減収に伴い、全体で大幅減益。
② 冷凍食品セグメント 冷凍食品セグメントの売上高は、全体で前年並みとなり、前期を9億円上回る2,903億円(前期比100.3%)となりました。
事業利益は、主に北米の減益により、前期を45億円下回る84億円(前期比65.0%)となりました。
<主要な変動要因>・全体で前年並み。
<主要な変動要因>・主に北米の減益により、全体で大幅減益。
③ ヘルスケア等セグメント ヘルスケア等セグメントの売上高は、味の素アルテア社売却の影響があるも、電子材料の販売好調の影響等により、前期を131億円上回る3,415億円(前期比104.0%)となりました。
事業利益は、電子材料の増収効果やバイオファーマサービス&イングリディエンツの増益等により、前期を205億円上回る662億円(前期比145.1%)となりました。
<主要な変動要因>・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、味の素アルテア社売却の影響を除き、全体で大幅増収。
 医薬品・食品用アミノ酸は、販売増により増収。
 バイオファーマサービス(CDMO)は、味の素アルテア社売却の影響を除き、増収。
・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、電子材料の販売好調により大幅増収。
・その他は、全体で減収。
<主要な変動要因>・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)ともに増益となり、全体で大幅増益。
・ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)は、大幅増収に伴い大幅増益。
・その他は、戦略的費用の投入等により全体で大幅減益。
④ その他 その他の事業の売上高は、前期を17億円下回る149億円(前期比89.4%)となり、事業利益は、前期を3億円下回る60億円(前期比95.1%)となりました。
当連結会計年度の連結損益計算書の段階ごとの概況① 売上高 売上高は前期を531億円上回る1兆5,837億円(前期比103.5%)となりました。
地域別に見ますと、日本では、前期を461億円上回る5,717億円(前期比108.8%)となりました。
海外では、前期を69億円上回る1兆119億円(前期比100.7%)となりました。
海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ4,646億円(前期比105.2%)、3,824億円(前期比92.1%)及び1,649億円(前期比111.4%)となりました。
売上高海外比率は63.9%(前期は65.7%)となりました。
なお、売上高は販売元の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
② 売上原価、販売費、研究開発費及び一般管理費、持分法による損益 売上原価は、売上高の増加に伴い、前期から67億円増加し、9,865億円(前期比100.7%)となりました。
売上原価の売上高に対する比率は、1.7ポイント改善し、62.3%となりました。
販売費は、主として広告費の増加や為替影響等により、前期から133億円増加し、2,253億円(前期比106.3%)となりました。
研究開発費は、前期から11億円増加し、321億円(前期比103.8%)となりました。
一般管理費は、従業員給付費用の増加や為替影響等により、前期から117億円増加し、1,666億円(前期比107.6%)となりました。
持分法による損益は、81億円の利益(前期は63億円の利益)となりました。
③ 事業利益 事業利益は、前期を218億円上回る1,811億円(前期比113.7%)となりました。
地域別に見ますと、日本では932億円(前期比126.5%)、海外では1,336億円(前期比106.2%)となりました。
海外の地域別では、アジア、米州及び欧州でそれぞれ919億円(前期比104.7%)、269億円(前期比105.8%)及び146億円(前期比116.8%)となりました。
事業利益海外比率は73.7%(前期は79.0%)となりました。
なお、事業利益は販売元の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
 セグメント別の事業利益の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記7.セグメント情報」をご参照ください。
④ その他の営業収益(費用) その他の営業収益は、当社の保有する固定資産の一部(本社ビル土地及び建物)を譲渡し、固定資産売却益を計上したこと等により、前期から436億円増加し、485億円(前期比984.3%)となりました。
その他の営業費用は、前期にアルテア社におけるのれん及び固定資産の減損損失の計上があったこと等により、前期から199億円減少し、303億円(前期比60.4%)となりました。
⑤ 営業利益 営業利益は、前期を854億円上回る1,994億円(前期比175.0%)となりました。
⑥ 金融収益(費用) 金融収益は、前期から2億円増加し、90億円(前期比102.6%)となりました。
金融費用は、前期から21億円減少し、123億円(前期比85.4%)となりました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期利益 親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を644億円上回る1,346億円(前期比191.6%)となり、基本的1株当たり当期利益は138円36銭(前期は69円77銭)となりました。
(5) 当連結会計年度の連結財政状態の分析 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆7,211億円に対して912億円増加し、1兆8,123億円となりました。
これは主として、換算為替の影響による各資産残高の増加に加え、有形固定資産の増加があったことによるものです。
 負債合計は、前連結会計年度末の9,078億円に対して602億円増加し、9,680億円となりました。
これは主として、仕入債務及びその他の債務の増加があったことによるものです。
 資本合計は、前連結会計年度末の8,132億円に対して310億円増加し、8,442億円となりました。
自己株式の取得があったことにより減少した一方で、円安の進行に伴う在外営業活動体の換算差額による増加があったこと等によるものです。
資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、7,708億円となり、親会社所有者帰属持分比率は42.5%となりました。
セグメントごとの概況は、次のとおりです。
① 調味料・食品セグメント 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の6,537億円に対して714億円増加し、7,252億円となりました。
② 冷凍食品セグメント 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の2,065億円に対して105億円増加し、2,170億円となりました。
③ ヘルスケア等セグメント 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の4,524億円に対して282億円増加し、4,807億円となりました。
(6) キャッシュ・フローの分析当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況 (億円) 2025年3月期2026年3月期差額営業活動によるキャッシュ・フロー2,0982,393294投資活動によるキャッシュ・フロー△773△842△68財務活動によるキャッシュ・フロー△1,376△2,256△879現金及び現金同等物に係る換算差額△15123139現金及び現金同等物の増減額△67△580△513現金及び現金同等物の期末残高1,6471,066△580  営業活動によるキャッシュ・フローは、2,393億円の収入(前期は2,098億円の収入)となりました。
税引前当期利益が1,961億円であり、減価償却費及び償却費889億円があったものの、法人所得税の支払額393億円があったこと等によるものです。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、842億円の支出(前期は773億円の支出)となりました。
有形固定資産の売却による収入459億円があったものの、有形固定資産の取得による支出964億円があったこと等によるものです。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、2,256億円の支出(前期は1,376億円の支出)となりました。
自己株式の取得による支出1,300億円、配当金の支払額431億円及び社債の償還による支出250億円があったこと等によるものです。
 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,066億円となりました。
(7) 当連結会計年度の資金の流動性及び資金の調達、使途① 資金の流動性について 当連結会計年度は短期流動性に関し、コミットメントライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段によって十分な手元流動性を確保しております。
 また、十分な手元流動性比率の維持に加え、主要取引銀行と締結しているコミットメントラインにより資金の安全性を確保しており、当連結会計年度末のコミットメントラインの未使用額は円貨で2,000億円、外貨で100百万米ドルです。
さらに、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備しております。
② 資金の調達 当連結会計年度の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、事業資金に関し、コマーシャル・ペーパー発行等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途 当連結会計年度の資金の使途は、主として事業資金であります。
(8) 経営上の目標の達成状況について 経営上の目標の達成状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社グループは2030年に向け、「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」企業になることを目指します。
ここでアミノサイエンス®とは、創業以来、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスを総称したものであり、また、それらを社会課題の解決やWell-beingの貢献につなげる、当社グループ独自の科学的アプローチであり、他企業が容易には真似できない当社グループの競争優位の源泉のひとつとなります。
2030年に向け、フードシステムで繋がる健康栄養課題の解決と環境への貢献をセットで取組み、「環境負荷を50%削減」と「10億人の健康寿命を延伸」の2つのアウトカムを実現していきます。
また、当社グループの成長戦略では、中長期の成長が期待される市場において、当社グループならではの強みであるアミノサイエンス®を活かし、持続的に社会価値を提供できる、4つの成長領域(ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーン)にフォーカスし、既存事業の確実な成長と、事業モデル変革(BMX)による成長ドライブにより、2030年に向けて飛躍的な成長を目指します。
 当連結会計年度における当社グループの研究開発費は32,108百万円です。
 また、当社グループが保有している特許は国内外合わせて約4,280件です。
 当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。
(1) 調味料・食品セグメント 当社食品研究所が中心となり、味の素AGF㈱、味の素冷凍食品㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携し、味、香り・風味、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、製品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。
 また、日本国内の少子化・高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった課題に対し、「おいしさ」、「食へのアクセス(あらゆる人に栄養を届ける)」、「地域や個人の食生活」の3つを妥協しない基本姿勢とし、課題解決先進国の日本で磨いたモデルをグローバルに展開しています。
グローバルな製品開発体制のもと、マーケティング力、ブランド力を強みに、各国生活者の嗜好とニーズに適応した調味料、加工食品の開発に継続して取り組んでいます。
<調味料(日本)> 日本市場においては、家庭調理における簡便性と、本格的なおいしさを両立することを目的として、調味設計技術や心理的価値設計技術の高度化を進めています。
「Cook Do®」シリーズ等では、当社独自の心理的価値設計技術「AJI-EMap®」を活用し、生活者が料理に期待する満足感や高揚感を可視化したうえで、味や香り、コク、後味の設計に反映しています。
また、「おいしさ設計技術®」に基づき、油脂や香辛料の配合設計、熱変化を考慮した風味設計を行うことで、調理工程のばらつきがあっても安定した品質が得られる製品づくりを実現しています。
さらに、粉体化技術、混合技術、溶解制御技術を組み合わせることにより、調理時の扱いやすさと再現性を高めています。
 2025年度には、中華・韓国合わせ調味料や汎用調味料分野を中心に、こうした技術を応用した新製品を展開しました。
「Cook Do® きょうの大皿®」シリーズでは、ごまの風味と香辛料の香りにだしや発酵調味料のコクを組み合わせた<ごま担々風 豚大根炒め用>を展開し、肉と野菜をフライパンで炒めるだけで満足感の高い主菜を調理できる設計としています。
また、「Cook Do® KOREA!」シリーズでは、本場韓国コチュジャンや牛だしを基軸に、にんにくやごま油の香味を最適化した<ビビンバ炒め用>を展開し、家庭で本格的な韓国メニューを手軽に再現できる品質設計を行っています。
 加えて、加熱調理プロセスに着目した製品として、「スチーミー®」シリーズから<むね肉のしっとり蒸し鶏用>を展開しました。
独自の配合と圧力スチームパウチを用いることで、電子レンジ調理でも水分保持性を高め、ぱさつきやすい鶏むね肉をしっとりと仕上げる技術を実現しています。
 さらに、主食・洋風調味料分野では、フライパンひとつで調理可能な「パスタキューブ®」<香味ボロネーゼ>を展開し、ビーフのコクや香味野菜、ハーブの風味を最適に組み合わせることで、家庭では再現が難しい味わいを提供しています。
 また、素材選定の観点では、山梨県の自然循環農法で平飼いされた鶏卵を使用した<平飼いたまごのマヨネーズ>を展開し、原料由来のコクやまろやかさを活かした品質設計を行っています。
 これらの取組みを通じて、当社グループは、調理工程の簡素化と品質の再現性向上を両立させるとともに、日本の食卓に根差した調味料価値の深化と、生活者の多様化する嗜好や調理シーンへの対応を進めています。
<調味料(海外)> 海外市場では、各国・地域の食文化、嗜好、健康課題や社会課題を踏まえた製品開発を進めています。
ベトナム味の素社ではマヨネーズのおいしさそのままで、従来品より30%脂質をカットした「Aji-mayo®」を開発しました。
これは、味の満足感を維持しながら栄養課題の改善に貢献する研究開発成果の社会実装例です。
また、インドネシア味の素社では、日本で培われたペースト状調味料の設計・製造ノウハウを生かして、手早く仕上がる煮物用調味料を開発し、生活者の家事時間短縮に役立っています。
 今後も当社グループの独自素材の活用や独自技術に裏打ちされたおいしさの追求とともに健康価値や調理利便性を高めた製品開発を継続強化し、現地の生活者の嗜好に合うおいしさや、健康を始めとする生活の向上に貢献していきます。
<栄養・加工食品(日本)> 2025年度の栄養・加工食品分野においては、即席食品や簡便調理食品に対する生活者ニーズの高度化を踏まえ、「おいしさ」と「栄養価値」を両立させる製品開発を継続して進めています。
 スープ類や麺(パスタ)加工食品では、香味野菜の加熱・粉体化技術の活用や、湯戻り性向上の検討により、家庭調理においても満足感の高い味わいと食感を実現する設計を行っています。
これらの技術は、「クノール® カップスープ」ポタージュシリーズに加え、もちもちとした食感のパスタを特長とする「スープDELI®」パスタ入りスープ製品に応用されています。
 2025年度には、パスタ量を増量し一品での満足感を高めた「スープDELI® PASTA+」として、<完熟トマトのパスタ>及び<3種チーズのカルボナーラ>を展開しました。
独自の湯戻り性制御技術により、簡便調理でありながら食べ応えのある食感を実現しています。
 また、スープと麺・具材の一体感に着目した配合設計を行い、「Yum Yum®」ブランドの<トムヤムクンヌードル>においても、現地の本格感と食べ応えの両立を図っています。
さらに、たんぱく質やアミノ酸などの栄養素を日常の食事の中で無理なく摂取できるよう、配合設計や溶解性技術の高度化を進めています。
「味の素KK プロテインみそ汁」では、当社独自の「おいしさ設計技術®」を活用し、味噌汁のおいしさをしっかり感じられる味わいで、かつ溶解性技術によりお湯に溶けやすく仕上げています。
 加えて、スープ分野では、パンの食感とスープのおいしさを両立する新製法を採用した「クノール® サクサクdeコパン」を展開しました。
お湯を注いだ後もパンのサクサク食感が持続する構造設計により、即席スープでありながら食体験価値の向上を図っています。
 さらに、和風即席食品分野では、当社が長年培ってきた「だし」の研究成果を活かした「だし屋のみそ汁」を展開しました。
だし素材の特長を活かした粉末設計により、忙しい日常においても手軽にだしの効いた味わいを楽しめる即席みそ汁を実現しています。
 これらの取組みを通じて、当社グループは、簡便調理と品質・栄養価値の両立を図るとともに、生活者の多様な食シーンに対応した栄養・加工食品の価値創出を推進しています。
<栄養・加工食品(海外)> 海外の栄養・加工食品分野では、事業を展開する各国・地域の食文化、嗜好、資源、原料、ステークホルダーを尊重しながら、アミノ酸のはたらきを活かした製品開発を進めています。
具体的には、減塩やたんぱく質摂取といった健康課題に対応するため、おいしさを維持しながら栄養価値を高める配合設計や加工技術を活用し、各ローカル市場に適した製品を提供しています。
例えば、タイ味の素では即席麺「Yum Yum®」について、「おいしさ設計技術®」の応用により、食塩低減に伴う塩味の低下やコク・風味の減衰を補う配合を開発し、減塩を進めています。
今後も、当社グループの独自素材や独自技術に裏打ちされたおいしさの追求とともに、健康価値領域における研究開発を継続的に強化し、各地域の生活者の嗜好に合ったおいしさと栄養改善への貢献を目指します。
<コーヒー類> 2025年度のコーヒー類分野においては、生活者の嗜好や飲用シーンの多様化を踏まえ、コーヒー本来のおいしさを維持しながら、健康価値や利便性を付加した製品開発を進めています。
抽出設計、香味設計、配合技術を高度化することで、日常生活に無理なく取り入れられる飲料価値の拡張に取り組んでいます。
 健康志向への対応としては、《「ブレンディ®」 毎日の腸活コーヒー》シリーズにおいて、“おいしさはそのまま”に、コーヒーとしての飲みやすさと腸内環境への配慮を両立する設計を行っています。
2025年度には、飲用習慣への導入のしやすさを高めた<袋60g>タイプ、<スティックブラック14本>を展開しました。
これにより、日常的なコーヒー飲用を通じた健康価値の提供を進めています。
 スティック製品のリニューアルでは、新たなクリーミングパウダーを使用することで《「ブレンディ®」 スティック》ユーザーが味わいにおいて重要視しているミルク感を向上させ、それぞれのフレーバーに最適な味わいのバランスを実現することでおいしさを刷新しました。
また、嗜好性の拡張を目的として、《「ブレンディ®カフェラトリー®」 スティック》では、素材の組み合わせや香り立ちに着目した製品開発を行っています。
“芳醇シリーズ”の一つとして、グレープフルーツとジャスミンティーを組み合わせた<芳醇グレープフルーツジャスミンティー>を開発し、茶系飲料とフルーツの香味バランスを追求した設計を実現しています。
これにより、甘さや香りを重視する生活者層にも対応しています。
 さらに、《「ブレンディ®」 ポーション》シリーズでは、家庭内におけるアイス飲用やアレンジ需要の高まりを背景に、果実や茶葉、抹茶素材の配合設計を通じた製品開発を進めています。
2025年度には、<フルーツティー 3種の果物ミックス>及び<抹茶オレベース>を新たに展開するとともに、<紅茶>について風味改良を行いました。
加えて、《「ブレンディ®」 マイボトルスティック》では、携帯性や簡便性に優れた飲用形態に着目し、初の機能性表示食品として“いいこと毎日シリーズ”3品種を開発しました。
マイボトルに溶かすだけで手軽に健康習慣を取り入れられる設計とすることで、外出時や職場での飲用シーンにも対応しています。
 これらの研究開発を通じて、当社グループは、コーヒー・飲料分野において、おいしさ、健康価値、飲用シーンの多様化を両立した製品設計を推進しています。
<ソリューション&イングリディエンツ> 2025年度においては、欧米を中心に伸長し、かつ顧客からの要望も大きいクリーンラベル市場を念頭に置き、発酵トマト、コク味物質含有酵母エキスなどの発酵技術を活用した独自素材の開発と製品応用を通じて、家庭用・業務用の両分野でおいしさ価値の向上に取り組んでいます。
 発酵トマト素材については、スパイス感、フレッシュなトマト感を付与・増強する技術として開発を進め家庭用、業務用の両分野に活用を開始しています。
家庭用では「クノール®カップスープ」<完熟トマトまるごと1個分使ったポタージュ>などのトマト使用製品に対してフレッシュなトマト風味の立ち上がりや厚みを補い、原料高騰や加熱工程後でも満足感のある味わいの実現に寄与するものです。
また、加工用では発酵トマトを配合した「アロマックス®」「パンチアップ®」を発売し、スパイス感、フレッシュ感を付与する原料として食品加工メーカーへの展開が進んでいます。
 酵母エキス素材については、先味のコク増強機能に着目し、最終製品での熟成感や濃厚感の付与、塩味感の向上に寄与する技術として開発され、当社家庭用の風味調味料シリーズ等に展開しています。
これら発酵技術は北米をはじめグローバルな機能検証が行われており、多様な領域で、味の立ち上がりと奥行きを両立する独自素材として活用を進めています。
 調味料・食品セグメントに係わる研究開発費は、8,388百万円です。

(2) 冷凍食品セグメント 味の素冷凍食品㈱研究開発センターと海外グループ会社の開発部門を中心に、現地の嗜好とニーズに適応した商品開発に取り組んでいます。
さらに、当社食品研究所との連携により、減塩等の健康価値の向上に取り組んでいます。
<冷凍食品(日本)> 2025年度の冷凍食品分野においては、生活者のライフスタイルの多様化や調理時間の短縮ニーズの高まりを背景に、日常の食卓利用から個食、健康志向まで幅広い喫食シーンに対応する製品開発を進めています。
食卓カテゴリーを中心としたラインアップ拡充に加え、調理の簡便性、品質の安定性、栄養価値を両立させる設計を通じて、冷凍食品の提供価値向上に取り組んでいます。
 冷凍「AJINOMOTO BRANDギョーザ」では、味の素冷凍食品㈱が有する原料配合、焼成条件設計、油脂設計等の独自技術を活用し、調理時の剥離性や仕上がり品質の安定性を高める開発を継続しています。
羽根の素の配合改良や加熱条件の最適化により、フライパン調理や電子レンジ調理においても、皮の食感と中具のジューシーさを両立した品質設計を実現しています。
また、大容量パックやトレイレス包装の採用により、家庭内での保存性や使い勝手にも配慮した設計を行っています。
 から揚げなどの冷凍鶏肉加工食品分野では、簡便調理とおいしさを両立させる技術開発を進めています。
若鶏もも肉を使用した定番品に加え、スパイスや漬け込み条件、加熱プロセスを最適化することで、家庭では調理が難しいメニューを手軽に提供する製品開発に取り組んでいます。
2025年度には、本格的なスパイスの香りとやわらかくジューシーな食感を実現した<ひとくちタンドリーチキン>を展開するとともに、鶏もも肉にソイプロテインを配合し、高たんぱく化と食感・風味を両立させた<たんぱく鶏もも唐揚げ>を新たに開発しました。
これらの製品では、独自の配合設計や下味技術により、健康志向とおいしさの両立を図っています。
また、高たんぱくニーズへの対応として、<たんぱく豚肉餃子><たんぱく豚肉焼売>など、たんぱく質を効率よく摂取できる冷凍食品の開発を進めています。
栄養価を高めながらも、肉感や食べ応えを損なわない設計とすることで、日常の食事の中で無理なくたんぱく質を摂取できる製品を提供しています。
 外食品質を家庭で手軽に楽しめる冷凍食品として展開している「ザ★®」ブランドや、「洋食亭®」ハンバーグでは、原料配合や加熱条件、ソース設計の見直しを通じて、風味や食感の向上を図っています。
食卓の主菜としての満足感を高めるとともに、電子レンジ調理に適した品質設計を行うことで、調理負担の軽減にも取り組んでいます。
 さらに、お弁当用途向けの「おべんとPON®」シリーズでは、自然解凍対応やスティック型包装といった独自の容器・包装設計により、調理の手間削減と廃棄物削減を両立しています。
加えて、製造過程で発生する規格外品を活用した「未来CYCLE」シリーズとして<ふぞろいプチカヌレ>を展開し、フードロス削減とおいしさの両立に向けた新たな取組みも進めています。
 このほか、冷凍米飯や丼の具といった分野においても、本格的な味わいと簡便調理を両立するための配合設計や製法開発を行っています。
 これらの研究開発を通じて、当社グループは、冷凍食品を多様な食シーンに適応させるとともに、利便性、おいしさ、栄養価値を備えた製品の提供を強化しています。
<冷凍食品(海外)> 北米や欧州では、日本食人気の定着やアジアンフード需要の拡大を背景に、リテール市場を中心としたアジアン冷凍食品市場が引き続き成長しています。
北米では、これまでアジアンマーケットやクラブストアを中心に展開してきた餃子について、一般リテール向けに羽根つき餃子を発売し、日本で培った調理性とおいしさを訴求した商品ラインアップの拡充を進めました。
併せて、小売チャネルでの展開やプロモーション活動を通じて、より幅広い消費者層への認知拡大が図られています。
 欧州では、餃子や和風スナック類などの製品ラインアップを拡充し、リテール市場での展開を強化しました。
既存製品の改良に加え、現地の嗜好や喫食シーンに対応した商品開発を進めることで、非アジア系生活者層への浸透が進み、販売エリアの拡大につながっています。
 ASEAN及び中南米市場では、本格的な冷凍食品市場への参入に向けた取組みを進めました。
市場特性やオペレーション適性の検証を行うとともに、供給スキームの構築を進めています。
 今後も、日本で培われた生産技術や商品開発力を活かし、簡便な調理とおいしさを両立した製品の提供に加え、健康機能や付加価値を備えた冷凍食品の開発を継続することで、海外冷凍食品事業の持続的な成長に貢献していきます。
 冷凍食品セグメントに係わる研究開発費は、1,956百万円です。
(3) ヘルスケア等セグメント 当社バイオ・ファイン研究所、食品研究所、味の素バイオファーマサービス事業(ベルギー、米国、日本、インド)、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社(ロシア)、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発部門とも連携し、世界中の人々の健康や生活に貢献するための商品及びソリューションを提供しています。
<医薬用・食品用アミノ酸> 医薬用・食品用アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めています。
また、動物細胞培養用の培地事業は味の素CELLiST Korea社をプラットフォームとし、国内外のバイオ医薬品メーカーとの開発を継続、拡大しています。
<バイオファーマサービス(CDMO)> バイオファーマサービス分野は、低分子、中分子から高分子、そして遺伝子治療に関わる包括的な原薬や中間体の製法開発からGMP製造に至るまで、ベルギー、米国、日本、インドを拠点に、一貫したサービスを提供するグローバルな医薬品開発製造受託機関(CDMO)事業です。
革新的な独自プラットフォーム技術である「AJIPHASE®」、「CORYNEX®」、「AJICAP®」をはじめ、オリゴ核酸合成、抗体薬物複合体(ADC)、高活性原薬製造、連続フロー製造などのサービスを、前臨床から商業製造まで幅広く提供しています。
 オリゴ核酸分野では、㈱ジーンデザインでの固相合成による少量多品種対応から、「AJIPHASE®」の液相合成技術を用いた大量製造までをカバーする開発・製造体制を構築し、味の素オムニケム社との連携強化を通じて、事業を推進しています。
ADC分野では、独自の部位特異的抗体修飾技術「AJICAP®」を活用し、原薬製造プロセスの効率化や品質安定性向上に取り組んでおり、アステラス製薬㈱とのライセンス契約締結や、NJ Bio社やPiramal Pharma Solutions社との提携による顧客への研究開発支援拡充など、外部展開を進めています。
また、微生物発現技術「CORYNEX®」においてもOlon社との提携により需要の高いペプチド・タンパク質の効率的かつ持続可能な製造環境を整備するなど、外部との協力関係の強化を通じて、事業拡大及び社会貢献の最大化を推し進めています。
 2023年度に子会社化した米国の遺伝子治療薬CDMOであるForge Biologics社は、バリューチェーン上の要所であるアデノ随伴ウイルス(AAV)及びプラスミドの製造能力を有し、高純度・高収率のAAVベクター製造サービスを提供しています。
また、当社とAAVの生産性向上を目的とした培地等の共同開発などによる技術基盤の強化を進め、遺伝子治療薬CDMO分野における研究開発・供給体制の拡充を図っています。
<ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)> 電子材料分野においては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代PC、データセンター向けサーバー、5G通信ネットワーク用途を中心に、「ABF™」の開発を推進しています。
「ABF™」は、高い絶縁信頼性、加工適性、微細配線対応力を特長とし、先端半導体パッケージにおけるビルドアップ層用材料として幅広く採用されています。
 近年、データトラフィックの急増や生成AIの普及を背景に、半導体パッケージには、さらなる高速・大容量通信と低消費電力化が求められています。
これに対応するため、当社グループでは、電気配線と光配線を同一パッケージ内で融合させる光電融合パッケージ向け材料の研究開発にも取り組んでいます。
具体的には、高周波帯における低誘電率・低誘電正接特性や、熱・機械的信頼性の確保といった要求に対応する材料設計を進めています。
 これらの研究開発を通じて、当社グループは、従来の電子回路基板用途にとどまらず、次世代半導体パッケージや先端通信インフラを支えるキーマテリアルとして、「ABF™」の適用領域拡大と付加価値向上を図っています。
<その他>-機能性栄養食品- 「アミノバイタル®」は、当社が100年以上にわたり培ってきたアミノサイエンス®の知見をスポーツ分野に展開し、1995年に発売した機能性栄養食品ブランドです。
長年にわたりトップアスリートや高強度で運動を行う人を中心に支持されるとともに、国際的なスポーツ大会や競技現場において、アミノ酸補給に関する知見の検証や製品設計の高度化に取り組んできました。
これらの取組みは、実使用環境に即した研究開発の重要なフィードバック基盤となっています。
 近年は、スポーツ実施層の裾野拡大や健康意識の高まりを背景に、運動を習慣とするより幅広い生活者のこころとからだの健康に貢献することを目的として、研究開発領域を日常生活へと拡張しています。
発売30周年の節目にあたる2025年度には、朝食のプラス1品や間食など、普段の生活の中で手軽に摂取できるゼリードリンク「アミノバイタル®ami活」を開発しました。
 本製品では、エネルギー源となるアラニン・プロリン、BCAAやアルギニンなどのアミノ酸3,000mgを配合するとともに、ビタミンや食物繊維など不足しがちな栄養素も同時に摂取できる設計としています。
開発にあたっては、当社グループ独自の目標品質設計技術である「AJI-PMap®」を活用し、ゼリー飲料が多く飲用される朝の時間帯に好ましい官能特性を設定することで、果物を食べているかのような独特な食感と味わいを実現しています。
 また、身体機能の維持・向上に着目した製品として、「アミノバイタル®CONNECT関節サポート」を展開しています。
本製品は、コラーゲンに多く含まれるアミノ酸に着目し、ひざ関節に違和感を持つ人において関節の違和感を軽減する機能が報告されている、6種のアミノ酸(セリン、アスパラギン酸ナトリウム、グルタミン酸、グリシン、アラニン、プロリン)を主成分(4,000mg)とする設計としています。
 これらの研究開発を通じて、当社グループは、トップアスリートを支えてきた科学的知見を基盤としながら、日常生活における運動習慣や健康維持までを視野に入れた機能性栄養食品の価値創出を進め、アミノサイエンス®の社会実装を継続的に拡大しています。
-健康基盤食品- 健康基盤食品分野においては、日常生活の中で無理なく継続できる健康習慣の形成を支えることを目的に、アミノ酸や機能性成分の生理機能に関する研究を基盤とした製品開発を進めています。
2025年度には、エネルギー代謝に着目した機能性表示食品の展開を強化しました。
 「カプシEX®」は、辛くない唐辛子に多く含まれるジヒドロカプシエイトを機能性関与成分として配合し、日常のエネルギー代謝の一部である安静時のエネルギー消費の向上をサポートする製品です。
これまで通信販売を中心に展開してきましたが、2025年度には店頭向け製品として<60粒入袋(一般用)>を新たに発売し、より多くの生活者が日常的に取り入れやすい提供形態へと拡張しました。
 本製品は、強い運動や特別な行動を伴わず、日常生活の延長線上で健康管理を行いたいという生活者ニーズに応えることを意図した設計としており、当社が進める「健康基盤食品」の考え方を体現する製品の一つです。
当社グループは今後も、科学的根拠に基づく機能性素材と、継続しやすい摂取形態を組み合わせることで、生活者の健康維持・増進を支える製品開発を推進していきます。
-パーソナルケア素材- 当社グループは1972年に、グルタミン酸を原料としたアミノ酸系洗浄剤「アミソフト®」を発売して以来、半世紀以上にわたり、世界55カ国、5,000社以上の化粧品メーカー等に対し、アミノ酸由来の化粧品・トイレタリー製品向け原料を提供してきました。
アミノサイエンス®を基盤とする当社グループのパーソナルケア素材は、肌や髪へのやさしさに加え、保湿性や感触、環境適性にも優れる素材として、スキンケア、ヘアケア、メークアップ製品など幅広い分野で活用されています。
 スキンケア及びメークアップ化粧品向けにアミノ酸由来機能性粉体「AMIHOPE® SB-201」を開発し、2025年度に上市しました。
本品は、アミノ酸由来成分による独自の表面設計技術により、粉体同士の凝集を抑制し、なめらかな感触と均一な塗布性を両立した設計としています。
また、従来の粉体素材と比較して、使用感や仕上がりの向上に加え、環境適性にも配慮した素材として、多様な化粧品処方への展開が期待されています。
 素材メーカーとしての強みを活かし、当社は自社のアミノ酸系化粧品素材に特化したスキンケアブランド「JINO(ジーノ)」を展開し、素材研究と製品開発を一体化した研究開発を進めています。
2025年度には、「ジーノ」<アミノシューティカル クリーム>を刷新し、通販サイト限定で展開しました。
本製品では、生体内でのアミノ酸のはたらきに着目し、様々な機能を持つアミノ酸を23種類配合してあらゆる肌悩みに応えてきましたが、今回のリニューアルでは当社バイオ・ファイン研究所が長年にわたり蓄積してきた皮膚科学研究に基づく独自の「アミノ美肌理論®」を採用し、肌細胞の状態を整えるアプローチを強化しました。
 また、「ジーノ」ブランドでは、肌のゆらぎやバリア機能に着目した研究成果を製品に反映しています。
2026年2月には、アミノ酸系保湿成分「ELDEW®」を高濃度配合した「ジーノ」<アミノ バリア オイル>を通販サイト限定で発売し、アミノ酸由来成分によるうるおい保持と外的刺激からの保護を両立する設計を行いました。
この成分は、化粧品原料としても、唇や肌の保湿保持を目的としたスキンケアやメークアップ製品に広く採用されています。
 さらに、当社は皮膚構造を構成するタンパク質に着目し、角層から真皮に至る「4つの美肌タンパク質」にアプローチする独自のスキンケア概念を確立しました。
この研究成果は、「ジーノ」<アミノシューティカル クリーム>のリニューアルなどを通じて製品に反映されており、アミノ酸組成バランスに基づく多層的な保湿・ハリケア設計を実現しています。
 これらの研究開発を通じて、当社グループは、アミノサイエンス®に基づく素材技術と製品開発を両輪として、肌の健やかさと生活者のWell-beingに貢献するパーソナルケア素材の価値創出を進めています。
 ヘルスケア等セグメントに係わる研究開発費は、11,292百万円です。
(4) その他 その他セグメントに係わる研究開発費は、88百万円です。
(5) 全社 当社が想定する2030~50年の未来図からバックキャストし、グループの将来を担うと期待される領域での事業展開を見据え、関係する研究テーマを全社研究とし、資源を集中的に投資し、開発を進めています。
全社研究では、当社の食品研究所、バイオ・ファイン研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端研究・技術を活用し、グループ内の各研究所とともに様々な事業に向けた新技術・独自素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。
 無形資産への投資も増強していきます。
まず技術資産には、「おいしさ設計技術®」や先端バイオ・ファイン技術に代表されるアミノサイエンス®が挙げられます。
今後、より一層顧客に寄り添うためにはデジタルのケイパビリティが欠かせないと考えています。
顧客と技術をマッチングさせイノベーションを生み出す人財資産、顧客資産、それらの基盤となる組織資産への投資も増強していきます。
<オープンイノベーション> 当社は、オープンイノベーションを積極的に推進しており、国内外の企業や研究機関等と連携することで、これまでにない新しい価値の創造を重要な経営テーマと位置付けています。
イノベーション戦略チームは、当社グループにおける成長領域のイノベーションをグローバルに加速するため、社内のさまざまな組織(コーポレートベンチャーキャピタル、研究開発部門、事業部門など)や世界各地の外部パートナーと連携し、オーガニック及びインオーガニックの双方の成長戦略の立案・実行を担っています。
 本チームは、日本、北米、欧州、ラテンアメリカ、ASEANを拠点として活動を展開しており、北米では、スタートアップ等とのパートナリング体制の強化や先端イノベーション情報の収集を加速するため、米国シリコンバレー(カリフォルニア州パロアルト市)にコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の拠点を新設しました。
さらに、ヘルスケアをはじめとする成長領域のイノベーションをグローバルに加速する観点から、イノベーション・エコシステムの中心地であるボストンエリアにも拠点を構え、先端技術や外部パートナーとの連携を推進しています。
 加えて、欧州及びASEANにおいても、大学・研究機関やスタートアップなど多様なイノベーションプレーヤーとの連携を進め、各地域の特性を踏まえた技術探索や協業機会の創出に取り組んでいます。
これらのグローバル拠点は、次世代事業の創出に向けて、世界の先端イノベーション動向に直接アクセスし、出資、協業、M&Aなどを迅速に検討・判断するためのインテリジェンス機能(Search, Access & Partnering)を担う、イノベーション戦略チームのグローバルな活動を支える基盤となっています。
 2025年度の主なオープンイノベーションは下記のとおりとなります。
-ヘルスケア領域- 当社グループは、アミノサイエンス®を基盤とした先端バイオ技術の活用により、付加価値の高いヘルスケア事業への転換を進めています。
2023年度には、米国の遺伝子治療薬CDMOであるForge Biologics社を完全子会社化し、遺伝子治療をはじめとする次世代医薬分野への本格参入を通じて、ヘルスケア領域の成長加速と高収益化を推進しています。
 Forge Biologics社との協働では、遺伝子治療薬の開発において要素技術となるウイルスベクター製造の高効率化を可能とする、細胞培地用サプリメントを開発しました。
当社が長年培ってきたアミノ酸及び培地設計に関する知見を活かし、ウイルスベクター製造工程の効率化や品質安定化を目指します。
 また、バイオ医薬品分野では、抗体薬物複合体(ADC)を含む次世代医薬品の製造を支える技術開発にも取り組んでおり、2025年度にはアステラス製薬㈱と、ADC原薬の開発・製造に関する技術ライセンス契約を締結しました。
これにより、当社が保有するバイオ医薬品の開発・製造技術について外部展開を進めるとともに、先端医薬品分野における技術基盤の強化を図っています。
 さらに、メディカルニュートリション領域では、カナダの外科栄養スタートアップ企業であるEnhanced Medical Nutrition社(オンタリオ州)への出資を完了しました。
本出資を通じて、米国を拠点とする味の素キャンブルック社及び、英国・アイルランドを拠点とするニュアルトラ社による既存のメディカルフード事業と連携し、周術期を含む患者の栄養課題に対するソリューション開発を一層強化しています。
-フード&ウェルネス領域- 当社は、食を起点としたWell-beingの実現に向けて、フード&ウェルネス領域において、デジタル技術や外部パートナーとの協業を通じた新たな価値創出を進めています。
2025年度には、給食・社員食堂などの業務用市場を対象に、栄養設計・献立作成・運営効率化を一体で支援する仕組みの構築に取組みました。
 具体的には、給食業界向けシステム・パッケージソフトの開発を行う株式会社カイテクノロジーとの協業により、当社の栄養設計に関する知見と、同社の業務システムを組み合わせ、おいしさ・栄養・価格という多面的な顧客ニーズに応える最適な献立提供のための実証実験を開始しました。
本実証では、AIを活用した献立作成や栄養管理支援を通じて、栄養バランスの確保と現場業務の負荷軽減の両立を検証しています。
 また、医療施設や企業を対象とした食事・栄養管理の高度化を目的に、アプリケーションサービスプロバイダー事業を開始しました。
本事業では、当社の栄養設計技術やデータを活用し、専門性の高い栄養管理や献立支援をデジタルサービスとして提供することで、利用者の健康増進と運営効率の向上を支援しています。
 さらに、働く人の食環境改善を目的として、置き型社食®サービスを展開する株式会社OKANとの協業を開始しました。
本協業を通じて、オフィスや工場など多様な就業環境において、栄養バランスに配慮した食事へのアクセスを向上させ、従業員の健康意識や行動変容を促す取組みを進めています。
 当社は今後も、アミノサイエンス®を基盤とした栄養設計技術や商品と、外部パートナーのデジタル技術・サービスを掛け合わせることで、個人・組織それぞれの食の課題に対応し、フード&ウェルネス領域におけるWell-beingの社会実装を加速していきます。
-ICT領域- 「ABF™」は、高性能半導体に不可欠な絶縁材として、半導体パッケージの進化とともに高い成長を続けています。
その競争力の源泉は、アミノサイエンス®を起点とした独自の材料技術に加え、半導体産業のバリューチェーン上のキープレイヤーとの密接な共創エコシステムにあります。
顧客や関連企業との協働を通じて、次世代半導体パッケージに求められる特性を先取りし、それを材料設計へ迅速に反映できる体制を構築しています。
 また、当社グループは、高分子化学に関する知見や分子設計能力、配合処方技術を活かした高速開発システムを強みとしており、これにより「ABF™」を継続的に進化させてきました。
「ABF™」の進化は、微細配線化や高速通信、低消費電力化といった半導体パッケージの高度化を支え、AI、データセンター、自動運転など、社会のICTインフラの発展に貢献しています。
 さらに、データ通信量の増大に伴う消費電力の増加という課題に対応するため、光と電気を融合した次世代半導体パッケージにおいても、「ABF™」で培った材料技術や共創の枠組みを活かし、低消費電力化と高性能化を両立するソリューションの提供を目指しています。
 加えて、「ABF™」を中核としながら、その周辺領域への技術展開も進めています。
磁性材料、封止材、ABF-RCC(樹脂付き銅箔)などの開発を通じて、半導体材料領域での価値提供を拡張するとともに、2030年以降を見据え、バイオエレクトロニクスをはじめとする新たなICT分野についても外部パートナーと連携した探索活動を行っています。
 このように、当社グループのICT分野におけるオープンイノベーションは、単独技術の開発にとどまらず、共創エコシステムと高速開発を両輪とすることで成立しています。
今後も、社会やユーザーのニーズを先取りしながら技術を進化させ、半導体産業に不可欠なイノベーションプロバイダーとして、スマート社会の実現に貢献していきます。
-グリーン領域- 当社グループは、強みであるアミノサイエンス®を活かし、サステナブルな食システムの構築やアグロ事業を通じ、2030年にGHG削減のポジティブインパクト160万トン/年の創出を目指しています。
グリーン領域では、グリーンフード事業、アグロ事業、畜産飼料事業を通じて、持続可能な地球環境及び生活者のWell-beingに貢献するサステナブルな食の提供に共に取組みます。
 昨年から先進国事業モデルの開発と実証をシンガポールからスタートし、「Atlr.72®(アトリエ・セブンツー)」ブランドのスイーツを販売しています。
今年度は主食カテゴリーに展開し直営店での販売実証と改良をアジャイルに行い継続需要が見込めた製品を加工食品として一般小売チャネルに広げていく高速開発モデルを実践します。
 また、次世代のサステナブルな食の拡大に向けて、植物性たんぱく質を活用した「次世代のサステナブルな食(バージョン2)」を展開するオーストラリアのv2food Pty Ltd(v2フード社)への出資を行いました。
これによりv2フード社が有する植物性たんぱく質に関する知見及び技術と、当社の「おいしさ設計技術®」やグローバルな事業基盤を組み合わせた、より環境負荷の低い素材・食品の開発と社会浸透を加速していきます。
 アグロ事業では、バイオスティミュラント事業を中心に、農業の効率化、作物の高品質化、環境負荷の低減に貢献しています。
日本政府とブラジル政府が推進する日伯グリーン・パートナーシップ・イニシアティブ(日伯GPI)の取組みの一つである「ブラジル劣化農地回復モデルに向けた実証調査」プロジェクトにパートナーとして参画することを決定し、ブラジル国内のモデル農場にて、液体葉面散布剤「AJIFOL®」「AMINO Arginine」等のバイオスティミュラント製品を提供し、その効果を検証します。
副生物の有効活用と、農地への還元を通じたバイオサイクルの確立により、持続的なアグリフードシステムへの貢献を目指します。
 さらに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「バイオものづくり革命推進事業」に対し、当社は「環境保護と食品供給の安定化を実現する精密発酵技術の開発」を提案し採択されました。
本研究では、当社が培ってきた発酵生産の知見と独自の先端バイオ技術に加え、AIやシミュレーションを活用して、目的たんぱく質を効率的かつ安定的に商業生産するための生産プロセス開発の高度化・迅速化を進め、社会実装を見据えた技術基盤の強化を図ります。
 全社に係わる研究開発費は、10,382百万円です。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社及び連結子会社では、生産部門の合理化及び品質向上を目的とした設備投資のほか、成長が期待できる製品分野への投資を継続的に行っております。
 当連結会計年度の設備投資額の内訳は次のとおりです。
セグメントの名称設備投資金額(百万円)主な内容調味料・食品58,536食品生産設備の建設及び増強等冷凍食品10,744食品生産設備の建設及び増強等ヘルスケア等27,833医薬品生産設備の増強等その他837情報設備の更新等小 計97,952-全社5,264情報設備の更新等合 計103,216-(注)設備投資金額には、無形資産への投資金額も含まれております。
 また、当連結会計年度において、以下の主要な設備を売却しております。
事業所名セグメントの名称所在地設備の内容帳簿価額(百万円)売却時期本社調味料・食品、冷凍食品、ヘルスケア等、その他東京都中央区京橋本社ビル土地(一部借地)及び建物4,5562026年2月
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社及び連結子会社における主要な設備は、以下のとおりです。
(1)提出会社 2026年3月31日現在事業所名セグメントの名称所在地設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産(面積千㎡)その他合計川崎事業所川崎工場各研究所調味料・食品冷凍食品ヘルスケア等その他神奈川県川崎市川崎区調味料・加工食品製造設備、アミノ酸製造設備、研究開発施設等29,9194,4253,89734,66342,9091,144(370)(64)東海事業所調味料・食品ヘルスケア等その他三重県四日市市調味料・加工食品製造設備、アミノ酸製造設備等9,6249,7331,104331,04821,544443(238)(88)九州事業所調味料・食品ヘルスケア等佐賀県佐賀市調味料・加工食品製造設備、アミノ酸製造設備等6,4008,7637772,45132118,714200(231)(6)(66)各支社調味料・食品冷凍食品東京都港区他販売設備他2,779133,3885,28922011,692514(8)(-)本社他調味料・食品冷凍食品ヘルスケア等その他東京都中央区他本社ビル、販売設備他4,7581,0571,10722,65799130,5711,404(28)(14)(-)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品であり、建設仮勘定を含んでおりません。
(注)2.従業員数の( )内は臨時従業員数を外数で記載しております。
(注)3.使用権資産のうち土地については、土地の面積を外書で記載しております。
(注)4.使用権資産の主な増加は、本社移転に伴い、新たにオフィスの賃借を開始したことによるものです。
(2)国内子会社 2026年3月31日現在セグメントの名称会社名所在地設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産(面積千㎡)その他合計調味料・食品冷凍食品味の素食品㈱他3社神奈川県川崎市川崎区他食料品等製造設備等22,12144,0356,14010,0991,69484,0922,279(408)(68)(3,171)ヘルスケア等味の素ファインテクノ㈱神奈川県川崎市川崎区他電子材料等製造設備等15,8923,21778552,18622,087451(71)(11)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品であり、建設仮勘定を含んでおりません。
(注)2.従業員数の( )内は臨時従業員数を外数で記載しております。
(注)3.使用権資産のうち土地については、土地の面積を外書で記載しております。
(3)在外子会社 2026年3月31日現在地域会社名セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)使用権資産(面積千㎡)その他合計アジアタイ味の素社他10社調味料・食品冷凍食品ヘルスケア等その他調味料・加工食品製造設備、アミノ酸製造設備等50,98677,20313,77410,1249,841161,9299,362(5,257)(1,299)(1,947)米州味の素フーズ・ノースアメリカ社他4社調味料・食品冷凍食品ヘルスケア等調味料・加工食品製造設備、アミノ酸製造設備等66,65649,5595,32812,1642,248135,9578,773(10,270)(20)(124)欧州味の素オムニケム社他1社冷凍食品ヘルスケア等加工食品製造設備、医療用アミノ酸製造設備6,29321,1131,22258092330,1331,297(706)(57)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具及び備品であり、建設仮勘定を含んでおりません。
(注)2.従業員数の( )内は臨時従業員数を外数で記載しております。
(注)3.使用権資産のうち土地については、土地の面積を外書で記載しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設、合理化、改修会社、事業所在地名セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)日本東京都中央区その他本社移転対応4,8501,389自己資金2025年11月2026年8月-日本香川県さぬき市、埼玉県越谷市冷凍食品生産拠点の再編および増強3,800342自己資金2026年4月2027年6月-日本三重県四日市市調味料・食品ユーティリティ設備の更新11,00098自己資金2025年10月2029年3月-日本神奈川県川崎市川崎区調味料・食品共用施設の更新8,230-自己資金2026年4月2030年3月-アジアフィリピン調味料・食品食品生産工場の建設23,6705,880自己資金2026年5月2031年3月-米州アメリカヘルスケア等アミノ酸生産設備の増強3,5502,395自己資金2022年8月2027年11月- (2)重要な設備の除却等 重要な設備の除却等の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動10,382,000,000
設備投資額、設備投資等の概要103,216,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況44
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況19
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況10,613,479
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資 目的である投資株式を専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株 式とし、純投資目的以外の目的である投資株式を政策保有株式としております。
  ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、株式の保有を通じた保有先との取引および提携等が当社グループの企業価値向上に資すると判断される銘柄(以下「戦略的保有銘柄」という。
)を除き、原則として政策保有株式を保有しません。
 戦略的保有銘柄に該当するかは、個別銘柄毎に、保有に伴う便益(定性効果)があるか、当社グループ売上高がWACC(加重平均資本コスト)等に対する取引要求額に見合っているか(定量効果)を確認し、総合的に判断します。
 また、戦略的保有銘柄の該当適否を毎年取締役会で検証したうえで検証の結果をコーポレート・ガバナンス報告書で開示します。
 なお、戦略的保有銘柄でないと判断された銘柄については売却方法の詳細を決定したうえで適切な時期に売却します。
加えて、戦略的保有銘柄と判断された銘柄であっても、外部環境の変化などを踏まえ売却することがあります。
b.議決権行使 当社は、長期的な企業価値の向上に資するよう政策保有株式の議決権を行使します。
組織再編などにより、株主価値が大きく毀損される事態や社会的不祥事等コーポレート・ガバナンス上の重大な懸念事項が生じている場合には反対票を投じます。
c.政策保有株主 当社は、当社の株式を政策保有株式として保有している会社(政策保有株主)からその株式の売却等の意向が示された場合には、取引の縮減を示唆することなどを行わず、売却等を妨げません。
d.政策保有株式の縮減について 当社は、コーポレートガバナンス・コード導入以降、政策保有株式の縮減を進めてまいりました。
 2025年度は、非上場株式4銘柄、非上場株式以外の株式1銘柄、合計5銘柄を売却し、売却額は25億円となりました。
    
(注) 2020年度からCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)投資開始       e.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式639,334非上場株式以外の株式1820,442(注)当社は「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)のもと、新事業モデル創出に繋がるスタートアップ等への出資・投資やパートナリング戦略構築等の継続的な活動強化等を通じて、2030ロードマップの実現を目指しています。
上記銘柄数には非上場株式19銘柄(貸借対照表計上額6,813百万円)、非上場株式以外の株式1銘柄(貸借対照表計上額298百万円)の新事業モデル創出を目的とする出資・投資が含まれております。
(当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式74,929新事業モデル創出に繋がるスタートアップ等への出資・投資のため増加しています。
非上場株式以外の株式215事業関係強化のための取引先持株会への加入により、増加しています。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式4598非上場株式以外の株式11,916    f.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱セブン&アイ・ホールディングス2,982,8492,982,849調味料事業、栄養・加工食品事業、ソリューション&イングリディエンツ事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
無6,3346,451伊藤忠食品㈱339,129339,129調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
有4,4012,550長谷川香料㈱900,000900,000バイオ・発酵技術を活用したナチュラルフレーバーの研究開発・事業化等に関する業務提携契約を締結しております。
同社株式は、業務提携の推進のため保有しております。
有2,5422,532 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)イオン㈱1,312,399434,861調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
事業関係のより一層の強化のため取引先持株会に加入しており、当事業年度において保有株数が4,803株増加しています。
また、同社が実施した株式分割により、当事業年度において保有株式数が872,735株増加しています。
無2,4731,630加藤産業㈱318,017318,017調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
有2,1301,567ハウス食品グループ本社㈱451,6431,124,843ソリューション&イングリディエンツ事業における主要顧客であり、また、食品物流を担うF-LINE㈱に共同出資しております。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進及び食品物流での関係維持と情報共有のため保有しております。
有1,3773,063Heartseed㈱172,400172,400再生医療用培地事業の重要顧客、かつ共同開発パートナーであります。
同社株式は上記事業の成長、及び再生医療分野に関連する情報収集のため保有しております。
無298377セントラルフォレストグループ㈱106,000106,000調味料事業、栄養・加工食品事業、ソリューション&イングリディエンツ事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
有291327㈱ダスキン45,00045,000油脂製品における主要顧客であります。
同社株式は、上記製品における円滑な取引の推進のため保有しております。
無189163㈱アークス27,87027,870調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
無10581丸大食品㈱44,65744,657ソリューション&イングリディエンツ事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
無10175 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)尾家産業㈱37,95037,950ソリューション&イングリディエンツ事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
無9474㈱バローホールディングス15,84015,840調味料事業、栄養・加工食品事業、ソリューション&イングリディエンツ事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
無5737㈱マルイチ産商25,80825,808調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
有3028㈱ヤマナカ15,04015,040調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
有78㈱リテールパートナーズ3,0003,000調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
無34㈱平和堂598546調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、上記事業における円滑な取引の推進のため保有しております。
事業関係のより一層の強化のため取引先持株会に加入しており、当事業年度において保有株数が52株増加しています。
無11エイチ・ツー・オー リテイリング㈱100100調味料事業、栄養・加工食品事業及び冷凍食品事業における主要顧客であります。
同社株式は、株主総会への参加等を通じ事業戦略に有用な情報の収集及び上記事業における円滑な取引の維持のため保有しております。
無00(注)1.業務提携等の概要については、株式発行会社及びその関係会社との業務提携等を含む記載としております。
(注)2.保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクがWACC(加重平均資本コスト)に見合っているかを精査し、保有の適否を毎年取締役会で検証しております。
ただし、個別銘柄の定量効果の内容及び保有適否の検証結果については、取引関係や株式市場に与える影響等を鑑みて開示を控えさせて頂きます。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社7
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社63
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社9,334,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社18
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社20,442,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社4,929,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社15,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,916,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社100
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社0
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社新事業モデル創出に繋がるスタートアップ等への出資・投資のため増加しています。
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社事業関係強化のための取引先持株会への加入により、増加しています。
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社加藤産業㈱