財務諸表
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| 提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
| 提出日、表紙 | 2026-03-26 |
| 英訳名、表紙 | NIKKISO CO., LTD. |
| 代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長執行役員 加藤 孝一 |
| 本店の所在の場所、表紙 | 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 |
| 電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-3443-3711(代表・番号案内) |
| 様式、DEI | 第三号様式 |
| 会計基準、DEI | IFRS |
| 連結決算の有無、DEI | true |
| 当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
| 沿革 | 2【沿革】 年月概要1953年12月米国ミルトン・ロイポンプの輸入販売および火力発電所用ボイラ水質調整装置の計画と主要部機器の納入販売を主要業務として「特殊ポンプ工業株式会社」を創立1955年4月米国ミルトン・ロイポンプの技術を導入し、国産化に移行1956年5月東京都渋谷区豊沢町に本社および工場完成1959年10月商号を「日本機械計装株式会社」に変更1960年7月日本初の人工心臓を開発し、東京大学木本外科に提供1960年11月東村山工場(現東村山事業所/日機装技術研究所)完成1961年10月東京証券取引所市場第二部上場1967年8月人工腎臓装置の販売開始1968年10月東京都渋谷区恵比寿に本社屋完成、本店移転1968年11月商号を「日機装株式会社」に変更1969年8月国産初の人工腎臓装置完成1971年2月東京および大阪証券取引所市場第一部上場1973年2月日機装エイコー株式会社を設立(連結子会社)1973年10月Nikkiso Deutschland GmbHをドイツに設立(現Nikkiso Pumps Europe GmbH・連結子会社)1974年9月静岡工場および研究所(現静岡事業所)完成1981年8月静岡工場(現静岡事業所)に炭素繊維複合材料開発プラント建設、CFRPなどの製造販売開始1987年1月静岡製作所(現静岡事業所)に複合材製品工場完成1995年4月金沢製作所完成1996年6月Nikkiso LNG Testing, Inc.をアメリカに設立(現Nikkiso Cryo, Inc.・連結子会社)1997年1月Nikkiso Medical GmbHをドイツに設立(2025年2月に全株式を譲渡)1998年12月東村山製作所内R&Dセンター総合館完成2000年1月Microtrac, Inc.をアメリカに設立(2019年7月に全株式を譲渡)2001年2月Nikkiso Vietnam MFG Co.,Ltd.をベトナムに設立(連結子会社)2003年10月大阪証券取引所市場第一部上場廃止2006年12月MeSys GmbH Medizinische Systemeの全出資持分取得(現NIKKISO Medical Europe GmbH・連結会社)2008年12月Nikkiso Vietnam, Inc.をベトナムに設立(連結子会社)2009年8月LEWA Management GmbHの全出資持分を取得(2022年8月に全株式を譲渡)2010年5月威高日機装(威海)透析機器有限公司を中国に設立(持分法適用会社)2011年7月恵比寿ガーデンプレイスタワー(東京都渋谷区恵比寿)に本店移転2011年11月日本ベル株式会社の全株式を取得(2019年7月に全株式を譲渡)2013年7月Geveke B.V.(オランダ)の全株式を取得(2022年8月に全株式を譲渡)2014年1月米国バクスターの急性血液浄化療法(CRRT)に関する事業を取得(2025年2月に全株式を事業譲渡)2014年4月生産拠点再編に伴なう金沢製作所航空宇宙工場およびメディカル工場完成(静岡製作所の航空宇宙工場(旧複合材工場)およびメディカル工場の生産機能の一部を移管)2014年7月白山工場(石川県)完成2015年2月Nikkiso Cryo, Inc.(アメリカ)がAtlas Copco社グループのクライオジェニックポンプ事業を譲受2016年8月AquiSense Technologies LLC(アメリカ)の全株式を取得(連結子会社) 年月概要2017年3月宮崎日機装株式会社を設立(連結子会社)2017年8月2018年10月Cryogenic Industriesグループ(アメリカ)の全株式を取得(連結子会社)宮崎日機装株式会社の航空宇宙工場完成2019年7月 マイクロトラック・ベル株式会社(連結子会社)およびMicrotrac, Inc.(連結子会社)の全株式を譲渡2019年9月台湾プラスチックグループとの合弁会社 福機装股份有限公司を台湾に設立(持分法適用会社)2020年6月2020年11月M.E.Nikkiso Vietnam Co.,Ltd. をベトナムに設立(連結子会社)Nikkiso Medical America, Inc.をアメリカに設立(連結子会社)2021年1月2021年4月 2021年6月宮崎日機装株式会社のインダストリアル工場完成Cryogenic Industriesグループ(アメリカ)の組織改編(Clean Energy&Industrial Gases グループに改称(以下、CE&IGグループ)、Nikkiso Cryo, Inc.(アメリカ)を同グループ傘下に編入)メディカル事業の研究研修施設「M.ReT 宮崎」完成2022年8月LEWA GmbHグループおよびGeveke B.V.グループの全株式を譲渡2023年1月東村山製作所を日機装技術研究所(新設)と東村山事業所(新設)に改編2023年10月Nikkiso Europe GmbH(ドイツ)を分割会社とする新設分割により、NIKKISO Medical Europe GmbHをドイツに設立(連結子会社)2025年2月 日機装(上海)実業有限公司(連結子会社)およびNikkiso Europe GmbH(連結子会社)の全株式を譲渡 |
| 事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当社ならびに連結子会社43社および持分法適用会社4社で構成され、製品の製造方法または製造過程およびサービスの提供方法などにより「工業部門」、「医療部門」の2つのセグメントにて事業活動を展開しています。 工業部門は、その取扱い製品によりインダストリアル事業、航空宇宙事業に区分し、医療部門は、メディカル事業のみで構成されており、それぞれ国内外で製造、販売およびメンテナンスを行なっています。 当社および当社の関係会社の事業における当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。 なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に掲げるセグメントの区分と同一です。 工業部門インダストリアル事業(主な会社) ポンプ・システム事業産業用ポンプ・システム当社日機装エイコー㈱宮崎日機装㈱上海日機装ノンシールポンプ有限公司キャンドモータポンプ往復動ポンプ液化ガス・産業ガス関連機器・装置当社宮崎日機装㈱Cryogenic Industries, Inc.極低温用ポンプ(サブマージドポンプ/遠心ポンプ/往復動ポンプ)熱交換器/気化器極低温用プロセスプラント(空気分離装置/液化装置)極低温用機器パッケージソリューション(燃料充填ステーション/液化ガス中継ステーション)精密機器事業発電プラント向け水質調整装置当社火力・原子力等の発電所向け試料採取装置薬液注入装置放射線モニタリング装置電子部品製造関連装置当社セラミック基板製造システム製品産業用除湿機シンタリング装置「3Dシンター」航空宇宙事業(主な会社) 民間航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形品および金属接着部品当社宮崎日機装㈱Nikkiso Vietnam, Inc.逆噴射装置部品(カスケード/ブロッカードア/トルクボックス)主翼部品(前方固定翼/ウィングレット/フラップ/スポイラー/主脚扉)リージョナルジェット用翼部品(エルロン/シュラウド)胴体部品(カーゴドア)エンジン部品(ファンケースライナー)キャビン用部品(カート用パネル)eVTOL用構造部材人工衛星用部品医療部門メディカル事業(主な会社) 血液透析事業血液透析関連製品当社上海日機装貿易有限公司威高日機装(威海)透析機器有限公司Nikkiso Vietnam MFG Co., Ltd.M.E.Nikkiso Vietnam Co., Ltd.M.E.Nikkiso Co., Ltd.Nikkiso Medical America, Inc.NIKKISO Medical Europe GmbH多用途透析装置多人数用透析液供給装置透析通信システム(「フューチャーネット」)透析用剤溶解装置逆浸透精製水製造システム人工腎臓透析用剤(「Dドライ透析剤S」)透析用血液回路セット中空糸型透析器(ダイアライザー)血液透析ろ過器(ヘモダイアフィルター)微粒子ろ過フィルター(「カットール」)その他マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス(「アクロサージ」)アフェレシス関連製品(「イムノピュア」)創薬研究用ヒト腎細胞 3D-RPTEC®当社 事業の系統図は次のとおりです。 |
| 関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金または出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)役員の兼任営業上の取引・資金援助等(連結子会社) 日機装エイコー株式会社埼玉県入間郡90汎用小型ポンプ、水処理用ろ過装置の製造・販売100---上海日機装ノンシールポンプ有限公司中国上海市千人民元22,799ノンシールポンプの製造・メンテナンス100---Cryogenic Industries, Inc.(注)3アメリカカリフォルニア州米ドル1液化ガス関連のプラントエンジニアリング、CE&IGグループの経営方針策定・経営管理100(100)-有資金援助宮崎日機装株式会社 (注)3宮崎県宮崎市100CFRP製民間航空機部品、産業向け特殊ポンプ、その他製品の製造100-有資金援助製品購入Nikkiso Vietnam,Inc. (注)3ベトナムフンイエン千米ドル37,000航空機器部品等の製造100--資金援助債務保証上海日機装貿易有限公司中国上海市千人民元3,880血液透析関連製品・パーツ等の輸入・販売100-有-M. E. Nikkiso Co.,Ltd.(注)4タイチャチュンサオ千バーツ30,000医療用機器の消耗部品の製造・販売50-有-M.E.Nikkiso Vietnam Co.,Ltd.(注)4ベトナムクアンガイ千米ドル16,000血液透析用回路の製造50(50)-有-Nikkiso Vietnam MFG Co.,Ltd.ベトナムホーチミン千米ドル4,828血液透析用回路の製造100-有-Nikkiso Medical America, Inc.アメリカテネシー州米ドル1血液透析関連製品の販売・メンテナンス100(100)---NIKKISO Medical Europe GmbHドイツハンブルク千ユーロ25血液透析関連製品の販売・メンテナンス100--製品販売Nikkiso America,Inc. (注)3アメリカカリフォルニア州米ドル10米国事業の統括・管理100---その他 31社 名称住所資本金または出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)役員の兼任営業上の取引・資金援助等(持分法適用会社) 威高日機装(威海)透析機器有限公司中国山東省威海市千人民元74,508当社技術に基づくメディカル部門製品の製造・販売・メンテナンス49.0-有-その他 3社 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。 2.「議決権の所有割合」欄の( )は、間接所有の割合を内書で記載しています。 3.特定子会社です。 4.持分は100分の50以下ですが、実質的に支配しているため子会社としたものです。 5.有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。 6.上記連結子会社43社すべてについて、売上高(連結会社相互間の内部売上を除く)の連結売上収益に占める割合がそれぞれ100分の10以下であるため、主要な損益情報等の記載を省略しています。 |
| 従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年12月31日現在セグメントの名称従業員数(名)工業部門3,619[326]医療部門4,221[13]全社(共通)280[14]合計8,120[353](注)1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書で記載しています。 2.臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いています。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属している人員数です。 (2)提出会社の状況 2025年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)2,104[23]43.212.76,788,035 セグメントの名称従業員数(名)工業部門624[7]医療部門1,228[7]全社(共通)252[9]合計2,104[23](注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書で記載しています。 2.臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いています。 3.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。 (3)労働組合の状況 労働組合は、当社に日機装労働組合があり2025年12月31日現在の組合員総数は674人です。 労使関係について特に記載すべき事項はありません。 また、連結子会社においても、労使関係について特に記載すべき事項はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1,3全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者6.182.061.160.470.6(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 3.労働者の男女の賃金の差異に関する説明・当社の賃金制度は、同一の職務・等級であれば同一の賃金を支払うこととして、年齢、性別により賃金の差は設けておりません。 ・「正規雇用労働者」における差異は、管理職および総合職(会社の総合的、管理的、専門的業務に従事する社員)に占める男性の割合が高く、専任職(会社の経験的、定型的業務に従事する社員)および製造現場で働く地域限定正社員に占める女性の割合が高いことが要因となっています。 「管理職」、「総合職」、「専任職」、「地域限定正社員」ごとの男女賃金の差異は次のとおりです。 男女賃金の差異管理職89.9%総合職83.5%専任職92.3%地域限定正社員77.0%・「パート・有期労働者」における差異は、役割・責任に応じて処遇を決定する定年後再雇用者に占める男性の割合が高く、その役割・責任が大きい傾向があることが要因となっています。 ・ 人材活躍の最大化のために、女性管理職比率の引き上げ、総合職への女性の登用を図っていきます。 ②連結子会社当事業年度名称管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1,3全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者宮崎日機装㈱-72.079.178.140.1(注)1.宮崎日機装㈱の女性正規雇用労働者の年齢層が低いことから、女性管理職は存在しません。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。 3.労働者の男女の賃金の差異に関する説明・「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。 ・宮崎日機装㈱の賃金制度は、同一の職務・等級であれば同一の賃金を支払うこととして、年齢、性別により賃金の差は設けておりません。 ・「パート・有期労働者」における差異は、役割・責任に応じて処遇を決定する定年後再雇用者に占める男性の割合が高く、その役割・責任が大きい傾向があることが要因となっています。 |
| 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、社会の一員として健全な倫理・価値観を社会と共有しながら、法令・定款・社会規範を遵守し、株主、顧客、従業員とその家族、取引先、債権者等の当社グループの利害関係者と良好な関係を構築するとともに、人々の良質な暮らしの実現のために、他にない技術の提供を通じて、流体を扱う多様な産業、航空宇宙、透析医療等の暮らしの根幹分野で創造的な貢献を果たすことを経営の理念とし、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 このような経営の理念のもと、それぞれの事業分野において、独創的な技術を活かし、市場のニーズに応えた特長ある製品、サービスを提供することにより社会に貢献することを、経営の基本方針としています。 (2)中長期的な経営戦略および目標とする経営指標①中期経営計画「NIKKISO 2028 – Toward a Healthier World」(対象期間:2026年~2028年) 当社グループは、2023年から3か年の中期経営計画「Nikkiso 2025 フェーズ2」(以下、「中計フェーズ2」)を推進してきました。 中計フェーズ2の対象期間を通して不採算事業の整理が進み、全社の収益性の改善が図られたことに加え、事業環境の変化に伴なう航空宇宙事業、メディカル事業の施策・業績実現の遅れを低炭素関連市場の拡大によるインダストリアル事業の好調が支えた結果、最終年度2025年の営業利益は目標である140億円を上回る結果となりました。 足元では地政学リスクの高まり等による市場環境の変化がよりそのスピードを増しています。 当社グループは、こうした環境変化に適切に対応し、ビジネス機会を創出することでこれまで発展、拡大してきました。 しかしながら、今後の企業価値の最大化および持続的な成長の実現に向けては、より長期的な視点を持って既存のビジネスモデル・ビジネス領域からの更なる飛躍を模索する必要があるため、当社グループは「10年後(2035年)にありたい姿」を定め、その実現に向けた通過点として、2026年から始まる3ヵ年の新中期経営計画「NIKKISO 2028 – Toward a Healthier World」(以下、「NIKKISO 2028」)を策定しました。 ●「NIKKISO 2028」は、以下の5本の柱を基本方針として据え、企業価値の最大化および持続的な成長を目指します。 ・「品質」を原点に、確かな価値の創出・技術革新への飽くなき追求と社会実装の加速・長期ビジョン実現に向けた事業・製品ポートフォリオの拡大・再構築・資本効率の最大化と収益力の強化・グローバル事業インフラ・ガバナンスの強化 ●長期ビジョンの実現に向けて、継続成長を見込むLNG関連事業や海外血液透析事業等での利益創出をベースに、脱炭素関連ビジネス等、新規ビジネス領域への積極的な投資を実行します。 併せて、成長の鈍化が見込まれる事業の構造転換を図ります。 このように、「NIKKISO 2028」では、これまでの事業活動に基づいた成果の刈り取りを確実に行なうとともに、10年後にありたい姿に向けた新たな事業機会の開拓と経営基盤を強化することで、その最終年度となる2028年には売上収益2,700億円、営業利益220億円(営業利益率 8.1%)、ROE9.0%以上の達成を目指します。 (3)経営環境および対処すべき課題①事業の課題と取り組み「NIKKISO 2028」の初年度となる2026年12月期は、全社では増収増益とする計画です。 足元では、不採算事業の整理による利益体質への転換や、成長ドライバーとなるインダストリアル事業の拡大、航空機産業の市場回復、血液透析事業のグローバル展開の加速等により、売上収益は拡大局面にありますが、長期ビジョン実現に向けた先行投資を果敢に実行することで、収益性は2025年12月期並みにとどまる見込みです。 このような全社的な事業環境および業績見通しを踏まえ、各事業の状況と今後の取り組みは以下のとおりです。 インダストリアル事業は、低炭素関連投資の拡大が見込まれる市場環境を背景に、製品の拡充や新規領域の開拓を進め、増収増益を見込んでいます。 航空宇宙事業についても、産業全体での増産体制の進展を背景に増収増益を見込んでいます。 メディカル事業は、国内血液透析市場の鈍化が見込まれる一方、海外市場は中国市場を含め堅調に推移する見通しであり、2027年以降の米国市場への本格的な進出に向けた準備を着実に進めていきます。 そのため、経費先行局面となり収益面では2025年12月期並みとなる計画です。 ②品質保証体制の見直しに関する対応状況前事業年度において、一部ポンプ製品について、出荷前に実施すべき社内規程に基づく耐圧検査の一部を実施していなかった事実が確認されました。 当社は直ちに社内調査を実施するとともに、2025年2月に外部有識者を含む特別調査委員会を設置しました。 2025年8月に受領した同委員会の調査報告書では、耐圧検査の未実施が一部ポンプ製品で継続していたことが認定され、品質保証と品質管理体制の不備が原因として指摘されました。 なお、製品の安全性および業績への重大な影響はないことが確認されています。 当社は、同調査報告書による再発防止に関する提言を受け、当事業年度において、インダストリアル事業本部における製造部門と検査部門の分離、ならびに品質保証部門と品質管理部門の役割の再定義等の組織体制の見直しや、業務フローの明確化等の業務プロセスの改善により、牽制機能を果たしうる組織体制への変更を柱とする再発防止策を策定しました。 これらの再発防止策の実行にあたっては、改善プロジェクトチームを組織し、各種施策を順次実行するとともに、全社的な品質保証意識の醸成のための取り組みを開始しました。 取締役会は引き続き、再発防止策の有効性と、品質保証体制の改善について継続的に監督しています。 |
| サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 (1)サステナビリティ基本方針と重要なサステナビリティ課題(マテリアリティ) 現在、世界は経済の拡大と持続可能な社会に向けた脱炭素化という難しい社会課題に直面しています。 これらの社会課題の解決に貢献することは、社会の一員である企業の社会的責務であり、かつ企業にとって大きなビジネスチャンスです。 また、人的資本の強化は企業の成長そのものを左右していく極めて重要な課題です。 このような基本認識のもと、当社グループは社会的責務を果たしながら、脱炭素化を大きな成長機会として捉え、社会実装を見据えた技術開発に着手しています。 液化水素、液体アンモニアの制御技術、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の加工技術など、サステナビリティ課題の解決に貢献できる技術力を保有する当社グループにとって、脱炭素化の動きは大きな成長機会になると確信しています。 また、人的資本の強化に関しては、当社グループでは従来、各々の事業が既存の事業、技術、顧客との関係構築に必要な人材育成や強化を行ない、こうした取り組みによって強化された人材によって事業の優位性は維持されてきました。 しかしながら、脱炭素、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの社会の大きな変化に対応するためには、既存の枠組みを超えて新たな事業や技術の創出に挑戦していくような組織基盤への変革が必要です。 そうした課題感から、事業戦略の実現に必要な組織、人材ポートフォリオの検討を開始し、組織の中核となる人材育成方針やその活躍の最大化ができる環境整備方針を策定し、人的資本への投資を強化しています。 当社グループにおけるサステナビリティの取り組みは、私たちが大切にしてきた「人々の良質な暮らしの実現のために、流体を扱う多様な産業、航空機、透析医療など暮らしの根幹にかかわる分野で創造的な貢献を果たす」、この考えの実践そのものです。 表1に当社グループの企業理念とマテリアリティの関係を記載します。 表1≪日機装グループ企業理念とマテリアリティの関係≫日機装グループ企業理念テーママテリアリティHealthier Worldすべてのいのちが、生き生きと輝く未来。 ■ 社会の発展に貢献する新しい価値創造① 技術の活用による持続可能な社会・産業基盤の創造② 環境負荷低減の取り組み■ 社会基盤を支える製品・サービスの安定供給③ 安全・安心な製品づくり④ サプライチェーンマネジメントの強化■ すべての従業員が力を最大限発揮できる環境づくり⑤ 人的資本の最大化■ 経営基盤の強化⑥ リスクマネジメントの強化 なお、以下において将来に関する事項を記載することがありますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (2)サステナビリティ課題等(注1)に関する当社グループのガバナンス[サステナビリティ委員会 によるサステナ課題関連のリスク・機会の識別、評価、管理の統合] 取締役会の監督のもと、サステナビリティ課題等に関する識別、評価および管理ならびに監督に関わる主要な組織として、サステナビリティ委員会ならびに各種専門委員会およびサステナビリティ推進室を設置しています(図1)。 各組織の役割と活動の概要は次のとおりです。 ■ サステナビリティ委員会・サステナビリティ課題等およびその管理のための具体的行動計画ならびに各部門の事業・業務計画が相互に整合するよう、各部門の責任者(注2)で構成し、四半期ごとに年4回開催することを基本とします。 ・本委員会の主要な役割は、取締役会の監督のもとにあって、事業に関連するサステナビリティ課題等を把握し、リスクを適切にコントロールするとともに、サステナビリティ課題の解決への貢献を通じて中長期的に当社グループの企業価値を向上させる成長機会を探索、追求することにあります。 この主要な役割を果たすため、本委員会は、サステナビリティ課題等に取り組む各組織を統合する役割と責任も負います。 また、本委員会は、原則として年2回、サステナビリティ課題に関する活動の進捗、成果を取締役会に報告し、その監督を受けます。 当期における本委員会の活動内容と取締役会への報告内容の概要は表2に記載のとおりです。 ■ 各種専門委員会 気候変動、人的資本、人権、情報セキュリティなどを含むサステナビリティ課題ならびに税務、為替変動、技術確認、サプライチェーン確保、自然災害、感染症、コンプライアンス、製品の品質保証など事業の主要なリスクと機会について、専門的に識別、評価、管理します。 現在は、リスク管理・コンプライアンス委員会、環境推進委員会などを設置しています。 各種専門委員会の活動の進捗、成果は定期的にサステナビリティ委員会に報告します。 ■ サステナビリティ推進室 サステナビリティ委員会の事務局機能を果たすことを通じて、サステナビリティ委員会に統合される各種専門委員会や関係各部のサステナビリティ課題等の管理活動を支援します。 図1≪サステナビリティ委員会によるサステナビリティ課題等の統合的管理体制≫ (注1)サステナビリティ課題等:本章においては、気候変動、人的資本などのサステナビリティ課題に関連するリスク・機会を含むリスク全般および収益機会を総称する語として使用します。 (注2)サステナビリティ委員会の構成:本有価証券報告書提出日現在、4人の社内取締役を含む、事業本部長・コーポレート本部長らで構成します。 [取締役会によるサステナビリティ課題等の管理組織に対する監督]・原則として期初に、サステナビリティ推進室ならびに各種専門委員会および関係部署は連携して、サステナビリティ課題等を識別し、評価し、またその管理のための具体的行動計画案を起案のうえ、サステナビリティ委員会に上程します。 ・サステナビリティ委員会は、上程されたサステナビリティ課題等とこれらを管理するための具体的な行動計画について、サステナビリティ課題等を巡る社会情勢等および当社グループの存在意義等を考慮して重要事項を決定します。 ・取締役会は、原則として年2回、サステナビリティ委員会からサステナビリティ課題等の取り組みに関する進捗状況の報告を受けることを通じて、サステナビリティ課題等を管理する組織およびその活動の進捗を監督します(当期における取締役会報告内容の概要は表2に記載のとおりです。 )。 ・取締役会は年度予算、事業計画、投資等の重要な業務執行の決定を行なう際は、サステナビリティ委員会により特定されるサステナビリティ課題等とその管理のための具体的行動計画をその他の経営に関する事情とあわせ考慮します。 表2≪当期におけるサステナビリティ委員会の活動内容および取締役会への報告内容≫ 会議体審議・報告内容2025年2月第1回サステナビリティ委員会前期の実績報告と当期の取り組みテーマの検討2025年3月取締役会前期有価証券報告書において開示するガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標の内容の報告2025年7月第2回サステナビリティ委員会当期の取り組みテーマに関する中間報告2025年9月取締役会当期に取り組むサステナビリティ活動(GHG排出量削減、ビジネスと人権などを含む取り組みテーマ)の中間の報告2025年12月第3回サステナビリティ委員会当期の取り組みテーマに関する期末の進捗報告、マテリアリティ・取り組みの見直しについての検討事項 (3)サステナビリティ課題等に関する当社グループのリスク管理[サステナビリティ課題に関連するリスク・機会を識別・評価・管理するプロセスとリスク管理全体への統合] サステナビリティ委員会は、当社のリスク管理全体のプロセスにおいて、気候変動、人的資本、人権、サイバーセキュリティなどサステナビリティ課題のリスクと機会ならびにサステナビリティ課題以外のリスクと機会を対象として、識別、評価、管理を行ないます。 すなわち、当社においては、気候関連リスク・機会を含むサステナビリティ課題に関連するリスク・機会の識別、評価、管理は、リスクおよび機会の全般を識別等するためのプロセスで統合的に実施されることとしています。 以下、当期における本プロセスの流れを時系列で説明します。 (4)重要なサステナビリティ課題(マテリアリティ) サステナビリティ委員会は当社のリスク管理全体のプロセスにおいて、気候変動、人的資本、人権、サイバーセキュリティなどサステナビリティ課題のリスクと機会だけでなく、サステナビリティ課題以外のリスクと機会をも対象として、識別、評価を行ないます。 これらのサステナビリティ課題等の識別、評価の過程において、以下を実施します。 ・当社グループのマテリアリティを基準として、サステナビリティとしての重要性を精査、抽出したものを当社グループの重要なサステナビリティ課題として位置づけます。 ・また、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの識別、評価もあわせて行ないます(このうち「事業等のリスク」の詳細は後記 3 事業等のリスク をご参照ください。 )。 以下において、重要なサステナビリティ課題として、気候変動、人的資本、人権および情報セキュリティに関する当社グループの考え方および取り組みをご説明します。 ① 気候変動(TCFD提言に基づく開示) 気候変動にかかわる社会課題の解決に貢献することは、社会の一員として健全な社会倫理・価値観を共有することを経営理念とする当社グループが負う社会的責務であるとともに、当社グループの経営上の重要な課題と位置づけています。 ・インダストリアル事業は、低・脱炭素社会への移行に適合すべく、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験、火力発電利用に適合した液化アンモニアポンプ開発に成功するなど、社会実装を見据え、先行して技術開発に着手しています。 ・航空宇宙事業は、脱炭素燃料への転換が求められる民間航空機や次世代移動手段向けの装置設備等の軽量化需要が収益機会になると見込んでいます。 ・メディカル事業は、血液透析関連製品のサプライチェーンが気候変動に伴なう異常気象の影響をうけ、停止または切断するリスクを軽減・適合することが重要課題のひとつとなっています。 ①-1 ガバナンスとリスク管理 気候変動に伴なうリスクと機会に対する監督体制およびそのプロセスは、それぞれ前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ①-2 戦略:リスクおよび機会の特定、経営に及ぼす影響、それらに対する経営戦略の適合性(レジリエンス)[事業環境に関する想定] 2100年の気温上昇を産業革命前と比較し1.7℃に抑える気候関連のシナリオ、2.5℃上昇するシナリオおよび4℃上昇するシナリオを使用して、次の事業環境を想定します。 ■ 低炭素社会へ移行する事業環境(「1.7℃上昇の事業環境」) 各国政府によるすべての気候変動関連の公約が完全かつ期限内に達成され、2100年の気温上昇を産業革命前と比較し、1.7℃に抑えるシナリオ(IEA World Energy Outlook 2024のAPS(注3)などを参照)に基づく。 <想定する事業環境>・この事業環境において、エネルギー源は原子力、再生可能エネルギー、CO2の回収・貯留(CCS)、それに利用を加えたCCUSを前提とする火力発電、再生可能エネルギー由来のグリーン水素となる。 ・太陽光、風力、原子力、電気自動車、ヒートポンプ、水素、炭素回収の7つのクリーンエネルギー技術が安価で安全なエネルギー転換の鍵となる。 これらの技術は、2050年までのCO2排出削減量の4分の3を占め、バイオエネルギーや地熱など、他の再生可能エネルギーやエネルギー効率が残りを補完する。 ・とりわけ水素、アンモニアは脱炭素排出型エネルギーとして重要な選択肢となり、発電(燃料電池、タービン)、輸送(自動車、船舶、航空機、鉄道等)、産業(製鉄、化学、石油精製糖)の様々な分野の低・脱炭素化に貢献する。 ■ 化石燃料に一部依存する社会が発展的に存続する事業環境(「2.5℃上昇の事業環境」) 再生可能エネルギーの導入は加速するものの、現在の各国の政策以外に新たな政策がない場合には、2100年の気温上昇が産業革命前と比較し、2.5℃になると予測するシナリオ(IEA World Energy Outlook 2024、同2023のSTEPS(注4)などを参照)に基づく。 <想定する事業環境>・この事業環境では、化石燃料の利用は一部継続される。 ・クリーンエネルギーの導入が加速、2030年までに3種類の化石燃料(石油、天然ガス、石炭)の需要すべてがピークに達する。 クリーンエネルギーの供給は、2023年から2035年の間に総エネルギー需要を上回る成長を遂げる。 太陽光と風力の急増に牽引され、クリーンエネルギーは2030年代半ばに最大のエネルギー源となる。 ・とはいえ、天候による発電量の変動をカバーして需給のバランスを調整するための電源として、出力をコントロールしやすい天然ガス火力の重要性が当面むしろ高まる。 また、エネルギー安全保障などの観点から、水素・アンモニア関連分野への投資は継続する。 ■ 4℃上昇する事業環境 各国が気候政策を導入しない結果、GHG排出量が非常に多く、2100年の気温上昇が1850~1900年を基準として4℃上昇するとのシナリオ(IPCC(注5) 第6次評価報告書など参照)に基づく。 <想定する事業環境>・この事業環境では、当社グループが事業展開するアジア、北米および欧州のほとんどの地域において、熱波を含む極端な高温、大雨、台風、洪水等自然災害の強度と頻度が増し、また海面水位が上昇し続ける。 [認識する事業環境における事業別のリスク・機会の及ぼす影響と経営戦略・対応策の適合性(レジリエンス)] 以下に当社グループの主要事業について実施した、気候変動に伴なうリスクおよび機会に関するシナリオ分析の結果の概要を掲載します。 以下に掲載するリスクおよび機会は、サステナビリティ委員会が統合するサステナビリティ課題等に関する識別、評価のプロセスを経て、当期においてあらためて判別されたものです。 結論として、本有価証券報告書提出日現在において、合理的に入手可能な情報に基づき気候変動に伴なうリスクおよび機会に関するシナリオ分析を実施した結果、以下に記載する当社グループの経営戦略・対応策は複数の気候変動シナリオから想定される事業環境のいずれにも適合しうると判断します。 (注3)APS:IEA(International Energy Agency 国際エネルギー機関)の3つのシナリオのひとつ。 APS(公約シナリオ)はNDC(国が決定する貢献)や長期的なネット・ゼロ目標を含む、各国政府によるすべての気候変動関連の公約を考慮し、それらが完全かつ期限内に達成されると仮定するシナリオ。 これによれば、年間CO2排出量は2022年以降まもなくピークに達した後、2050年までに120億トンまで急速に減少し、2100年の気温上昇は1.7℃となる。 (注4)STEPS:IEAの3つのシナリオのひとつ。 STEPS(既存政策シナリオ)はエネルギー、気候、関連産業政策を含む最新の政策設定に基づく見通しを提供するシナリオ。 これによれば、世界全体のエネルギー由来のCO2排出量が2025年に年間370億トンでピークに達し、2050年には320億トンに減少する。 その結果、2100年の気温上昇は2.5℃となる。 (注5)IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル。 世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織。 全事業に共通 <移行リスク>(注6)時間軸(注7)リスクの種類リスクの種類財務的影響内容重要度(注8)中期長期政策・法規制リスク(1.7℃上昇の事業環境)炭素税の導入など脱炭素社会への移行に向けた法規制の変更・原資材調達コスト、製造コストの上昇。 ・既存資産の早期除却、設備の早期更新負担。 中評判リスク(2.5℃上昇、4℃上昇の事業環境)脱炭素移行対策の遅れ・顧客・取引先から選別されることによる取引の減少・従業員の士気低下、人材流失、人材確保の困難中長期市場リスク(1.7℃上昇の事業環境)再生可能エネルギー価格の上昇、化石燃料の利用減少によるエネルギー価格の上昇・国内よりもエネルギーコスト等の割安な国や地域へ製造拠点を移転するための先行設備投資中・原資材調達コスト、製造コストの負担・既存資産の早期除却、エネルギー高効率装置への更新負担大◆ 経営戦略・対応策・業績と両立するバランスのとれたGHG排出量の削減対策を継続します。 ・費用対効果を踏まえ、長期安定的な調達の方策を検討し、再生可能エネルギーを適時に導入します。 <機会>時間軸機会の種類機会の内容財務的影響内容重要度中期長期資源の効率性(1.7℃上昇の事業環境)製造方法、製品輸送手段の効率性の向上工場の操業コスト、製品輸送コストの節減中◆ 経営戦略・対応策 工場の操業、輸送コストに好影響を及ぼす方策を適時に導入します。 <物理的リスク(注9)>時間軸リスクの種類リスクの内容財務的影響内容重要度短期中期長期急性リスク(4℃上昇の事業環境)異常気象の増加、激甚化・サプライチェーン分断リスクへの対応費用の増加・施設、設備の保守管理、修繕コストの増加・異常気象を回避するサプライヤーの生産拠点移転に伴なう原材料調達コストの上昇・従業員の出勤率悪化、生産性低下、操業度の低下、工場閉鎖大慢性リスク(4℃上昇の事業環境)異常気象に起因する新たな疾病罹患の繰り返しの発生・社内の感染対策費、従業員の福利厚生費の増加中(4℃上昇の事業環境)・常態的な気温上昇・労働条件・環境整備等に関する法規制の厳格化・空調コスト増加・厳格化する法規制への対応コスト増加中◆ 経営戦略・対応策・在庫の積み増し、サプライヤーの複線化、実効的なBCP対策の継続的改善による災害時における本社・本部機能の確保、漏れのない効果的な損害保険の継続的付保、拠点設置時の危険地域該当性の事前評価、在宅勤務やフレックス制の効率的活用、感染対策物品の備蓄などを維持、実施していきます。 ・血液透析事業においては、災害発生時に故障製品の状態をただちに把握できる遠隔監視および復旧作業を遠隔指示できるシステムの普及拡大とサービスの機能強化を急ぎます。 (注6)移行リスク:低炭素社会への移行に関連したリスク(TCFD最終報告書2017年6月)。 (注7)時間軸:財務への重要な影響を与える可能性のある具体的な気候関連事項について次の時間的範囲(短期、中期、長期)で想定します。 短期(現在~1年間)、中期(短期超~6年間)、長期(中期超~) 以下本文で同じ。 (注8)重要度:当該リスクと機会の発生可能性と発生した場合の財務的、人的影響度の2軸で評価します。 ・大(①財務的または人的な影響の大きさにかかわらず、頻繁に発生する ②発生可能性にかかわらず、財務的または人的な影響が極めて甚大)・中(稀にまたはしばしば発生し、財務的または人的影響が一定程度を超えると予想)・小(大中以外)以下本文で同じ。 (注9)物理的リスク:気候変動の物理的影響に関連したリスク(TCFD最終報告書2017年6月)。 ≪低炭素社会への移行に関する計画(移行計画)≫<目標>2019年(23,286t-CO2)を基準年とし、当社単体および国内主要連結子会社を対象として、Scope1および同2のCO2総排出量(t-CO2)について、2025年15%減、2030年30%減とすることを目標とします。 <取り組み済の削減策>■ 金沢製作所(血液透析装置など血液透析関連製品を製造する国内基幹工場)における取り組み○ 2024年から、同製作所において消費する電力全量を実質的な再生可能エネルギーに切り替える計画(注10)を本格的に進めています。 ・オンサイトPPA(太陽光)の導入(注11):2023年3月運用開始(年間発電量 615MW h GHG年間削減量295t- CO2)・非化石証書の購入:2024年5月から購入継続。 ・オフサイト・バーチャルPPAの導入(注11):2024年9月運用開始。 北陸電力㈱の委託する発電事業者が日本国内に新たに開発する10か所の太陽光発電所から、発電にともない生み出される年間3.5Gwh分の追加性のある環境価値を非化石証書として、20年間にわたり調達します。 これにより、同製作所のCO2排出量は年間1,680t- CO2削減する見込みです。 ■ 宮崎日機装(航空宇宙事業、インダストリアル事業の国内基幹生産拠点)における取り組み○ 2024年6月、オンサイトPPA(太陽光)の運用開始(年間発電量 873MWh GHG年間削減量 404t- CO2) (注10)当社金沢製作所の消費電力全量の実質再生可能エネルギー100%化:本有価証券報告書提出日現在、当社金沢製作所では電力の一部をオンサイトPPA(2023年4月から運用開始)の方法で調達するほか、エネルギー高効率の生産設備への更新などにより、消費電力節減とCO2排出削減に努めていますが、これらの施策によっても削減しきれないCO2が残ります。 この残存するCO2について、オフサイト・バーチャルPPA(2024年9月から一部運用開始)による環境価値の調達や非化石証書(2024年5月から購入)の活用により、本製作所にて消費する電力全量を、CO2を排出しない実質的な再生可能エネルギー由来電力に切り替える計画を進めています。 本計画の達成により、年間約7,400t-CO2の削減を目指します。 (注11)オンサイトPPA/オフサイト・バーチャルPPA:PPA(Power Purchase Agreement :電力購入契約) は、電力需要家が発電事業者から直接再生可能エネルギーを購入する契約形態であり、そのうちオンサイトPPAは需要家の敷地内に建設する発電所で発電された太陽光の電気価値と環境価値の両方を需要家が調達する手段です。 これに対して、オフサイト・バーチャルPPAは、需要家の敷地外に建設する専用発電所で発電された再生可能エネルギーの環境価値のみを需要家が調達する手段とされます。 ①-3 指標及び目標:温室効果ガス排出量削減に関する指標及び目標<指標> 当社単体および国内主要連結子会社のScope1および同2におけるCO2排出量(総排出量基準・基準年2019年)<目標> 2019年(23,286t-CO2)を基準年とし、当社単体および国内主要連結子会社を対象として、Scope1および同2のCO2総排出量(t-CO2)について、2025年15%減、2030年30%減とすることを目標とします。 <実績> 2025年(1月~12月) 12,996t-CO2(基準年比 44.19%減) 基準年 2019年実績削減目標(基準年比)2023年(基準年比)2024年(基準年比)2025年(基準年比)23,286t-CO224,787t-CO2(6.44%増)14,745t-CO2(36.68%減)12,996t-CO2(44.19%減)2025年19,793t-CO2 (15%減)2030年16,300t-CO2 (30%減) ② 人的資本 当社グループの経営戦略の実現に不可欠となる人的資本について、その考え方および取り組みを以下に記述します。 ②-1 ガバナンスとリスク管理 人的資本に対する監督体制とプロセスは、それぞれ前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ②-2 戦略 当社グループの経営戦略の実現に必要な人材を育成・強化、維持する人材戦略(「人材活躍の最大化」)は以下のとおりです。 なお、以下の人材戦略は、本有価証券報告書提出日現在、当社単体への適用を想定しています。 海外子会社は労働関連規制、労働慣行、労働契約等が日本国内と異なります。 そのため、各海外子会社の現状を把握したうえで、より適合する人的資本施策を立案することに向け、当期、海外子会社の担当者と実質的な意見交換、情報交換を開始しました。 イ 人材の育成等に関する戦略(中核人材と専門人材の育成等および女性の活躍推進)■ チームメンバーや協力企業などを巻き込み組織やプロジェクトを牽引する『中核人材』の育成等・事業単位、職種単位、職場単位で『中核人材』の候補者を定期的に選抜し、事業横断的次世代リーダーの育成プログラムを企画・遂行します。 当期では、候補者を選抜し、約1年間にわたり各事業に関する経営方針や事業戦略などの情報収集および課題分析を行ない、課題解決手段と自らの役割やアクションの検討に取り組んでいます。 また、付加価値の高い事業の創出、技術や製品の開発などのプロジェクトを牽引する役割を経験させ、実践的な育成に取り組みます。 ・部下の自律的な成長を促す社内風土の醸成のため、管理職および管理職候補の組織マネジメント力向上に向けた教育を継続的に行ない、上司が部下のチャレンジを後押しし、積極的に仕事を任せることを促します。 当期では、その一環として、中途入社者向けOJT指導員研修を開始し、中途入社者が即戦力として活躍できるよう、所属長とOJT指導員らがチームとなって中途入社者をサポートしていく体制づくりと取り組みを実施しました。 ■ 事業の最前線で高度な技能・知識・経験をもって「技術の日機装」の根幹を支える『専門人材』の育成等・創業以来、当社が大切にする価値観や技術・技能の伝承を含め、計画的に技術・技能そして現場力の向上を目指し、各事業における中長期の経営戦略の実現に必要な組織の機能と目指す人材像を事業単位、職種単位、職場単位で明確にします。 そのうえで、各単位できめ細やかな人材育成体系とプログラムを策定するとともに、従業員が有する経験・スキル情報の可視化を行ないます。 ・管理職向け人事制度に、マネジメントコースに加え、技術・技能・営業・サービスなどの「専門性」を職務等級基準としたプロフェッショナルコースを新設し、「専門性」による能力発揮と業績への貢献を評価する、『専門人材』の活躍を促進する制度を導入しています。 ・研究開発に適した環境を整備し、持続可能な研究開発体制を構築するとともに、人材の育成や技術のイノベーション創出を図ることを目的とした新研究棟の建設を進めています。 新研究棟は2027年5月に竣工する予定です。 ■ 女性の活躍推進・当社では、様々な事業領域で、営業職や技術職、技能職、事務職として多くの女性従業員が活躍しています。 ・育児や介護をしながら柔軟に働ける環境を設け、また次世代リーダー育成プログラムに女性従業員も選抜し、女性管理職を育成するとともに、将来の管理職候補となる総合職への女性の登用を図っていきます。 詳細については、「5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 ・現在、女性総合職の採用活動には、多くの女性従業員がリクルーターとして活躍しています。 ロ 人材育成等の制度に関する戦略(適正な評価・昇降格・処遇と従業員の希望を尊重する配置転換)・従業員の自発的なチャレンジと成長を促すために、評価段階数の細分化による評価手法を高度化することで、目標に対する成果を上げた従業員を適切に評価します。 これらの仕組と運用によって、入社年次にかかわらず、昇格可能となる環境を整え、個人の能力のみならず組織全体のパフォーマンス向上、活性化、多様性確保を図っています。 他方、目標達成が難しい従業員に対しても継続してフォローを行ない、パフォーマンスの底上げを図ります。 ・キャリアアップを目指す従業員が他部門の業務にチャレンジする機会を提供する社内公募制度や従業員が異動希望を申告できる自己申告制度を拡充し、従業員のキャリアや仕事に関する希望を尊重し、自主性を最大限発揮できる環境を整備しています。 なお、社内公募制度は、従来、求人件数や応募期間などに一定の制限を設けていましたが、制度の実効性を高めるため、制限を緩和する見直しを検討しています。 ハ 労働環境に関する戦略■ 柔軟な働き方・育児をしながら働くすべての従業員のため、子どもが小学校4年生に進級するまで利用できる時間短縮勤務制度のほか、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、従業員のワークライフバランスを充実し、より働きやすい環境を創出するために、在宅勤務、スーパーフレックス・タイム勤務制(注12)、「時間単位の年次有給休暇」制度を導入しました。 「時間単位の年次有給休暇」制度は、在宅勤務、スーパーフレックス・タイム勤務制の導入が困難な工場等の従業員にとっても、ワークライフバランスを充実することに役立っています。 ・柔軟な働き方や組織運営に関する社内優良事例を水平展開・共有することにより、各制度の運用の幅を広げ、会社全体で多様かつ柔軟な働き方を促進します。 (注12)スーパーフレックス・タイム勤務:始業時刻、終業時刻を朝5時から夜10時までの時間帯に従業員が自主的に決定でき、1か月単位で労働時間を精算する当社単体に適用する制度。 ■ 労働安全衛生・「労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格(ISO45001)」と同水準のシステム構築を推進し、労働環境改善を図ります。 ・労働災害発生の未然防止など、健康と安全に関わるリスクを管理するために安全衛生委員会を毎月開催するほか、2か月に一度の全社単位の中央安全衛生連絡会で管理面の強化を図ります。 これにより、労働安全に関する事例を共有し、組織としての確実な法令対応や類似の労働災害発生防止に努めます。 当期では、拠点の労働安全衛生の担当者が定期的に他の拠点を相互に視察し、改善点を指摘し合うとともに良い取り組み事例を全社に水平展開する取り組みを開始しました。 ■ 従業員の健康管理・従業員が活き活きと働き、能力を最大限に発揮できるよう、健康管理の強化を図ります。 その方策として定期健康診断の受診率100%はもちろんのこと、二次検診対象者の再受診率100%を目指し、対象者に対する受診の呼びかけや二次検診費用を会社が負担するなどフォローアップ体制を確立します。 ・従業員の健康増進について、現在、社内外に相談窓口を設けていますが、試験的な運用として、一部事業所で専門知識を持った産業保健師・カウンセラーによる従業員の健康管理促進に取り組みます。 さらにメンタル疾患による休務を予防するため、上司に対するラインケア教育なども行ないます。 ■ 働きやすい職場づくりの実現・すべての従業員がハラスメントに関する正しい知識を保有し、ハラスメントの早期発見や予防を目的とした研修を実施します。 特に人間関係における相互の意識のズレや周囲を萎縮・不快にさせる言動に焦点を当て、ハラスメント一歩手前の問題要因の芽を摘み取ることで、心理的安全性が確保された組織の土台づくりを行ないます。 当期では、全従業員を対象に、職場で発生しやすいハラスメントや相手を萎縮・不快にさせてしまうケーススタディを活用し、すべての従業員が安心して働くことができる職場環境を考える研修を実施しました。 ②-3 指標及び目標 人的資本に関する方針について、当社単体に適用する指標の内容、当該指標を用いた定量的な目標及び実績は次のとおりです。 (注)1.上記指標・目標の欄に記載する実績の数値および目標の数値は、当社単体のものであり、当該年の12月末を基準日とします。 2.公募案件充足の達成率については、2025年に社内公募制度の実効性向上を目的とした見直しを実施したため、当該年は公募を行なっておらず、実績値を記載していません。 3.二次検診受診率および有給休暇取得率の対象期間は毎年4月から翌3月までの一年間としているため、2023年および2024年の実績については、当該対象期間に基づく数値を記載しています。 なお、2025年の実績(※)については、同年4月から12月末時点までの9か月間の実績値を記載しています。 ③ その他の重要なサステナビリティ課題:人権 および情報セキュリティ 「ビジネスと人権」の両立は社会のあらゆる意義ある活動の目的であり、「情報セキュリティ」は安心で安全な社会を構築する根幹であり、これらなくして社会の持続的な成長は考えられません。 今や気候変動、人的資本に並ぶ重要なサステナビリティ課題であると認識しています。 従来、当社グループ内部においては、人権の尊重および職場の健全性の維持に努めてきました。 意思に反する労働の強制や児童労働の禁止、求人、雇用、昇進などにおける人種、国籍、宗教等による不当差別の禁止、職場における差別的言動、ハラスメントなどの敵対的な人間関係を生む行為の禁止を規定化し、従業員に対する啓もう活動を継続的に実施するなど、内部通報制度を拡充してきました。 また、当社グループの事業の継続性を確保する観点から、情報セキュリティの確保、維持に努めています。 他方、国内外のサプライチェーン上の人権に対してこれまで十分な対応に努めていたとは言えず、さらに貢献すべき重要な課題と認識しています。 また当社グループの事業は血液透析事業など暮らしの根幹にかかわる分野で不可欠な機能を果たしており、情報セキュリティに対するこれまでの対応をさらに強靭化する必要も再確認しています。 そこで、当期、「人権」および「情報セキュリティ」を、気候変動および人的資本に並ぶ当社グループの重要なリスクとして位置づけ、あらためて具体的な対応に着手しました。 ③-1 人権≪ガバナンスとリスク管理≫サステナビリティ委員会による統合的管理体制のもと法務部門が管理*前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ≪戦略≫サプライチェーンにおける人権侵害リスクを把握し、優先度の高い箇所から防止/軽減を図る。 ・人権リスク対応における実施項目・内容の調査・検討・人権ポリシー策定と研修教育、社内外への取り組みの公表開示・人権デューディリジェンス実施≪指標及び目標≫現状把握を踏まえ、ビジネスと人権の両立の観点から、適切な指標と目標を検討≪実績≫人権ポリシーの検討および人権デューディリジェンス実施の準備 ③-2 情報セキュリティ≪ガバナンスとリスク管理≫サステナビリティ委員会による統合的管理体制のもと情報システム委員会が管理*前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ≪戦略≫本社・国内関係会社および海外関係会社のITガバナンスおよび情報セキュリティ強化を推進する。 ≪指標及び目標≫・本社・国内グループ会社の情報セキュリティ強化・海外グループ会社の情報セキュリティ強化・IT-BCPの確立・サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度の認定取得≪実績≫・情報セキュリティ基準のリリース・海外子会社に対する情報セキュリティ対策状況の定期実施を開始・ASM(Attack Surface Management、攻撃対象領域管理)の定期実行を開始・サイバーセキュリティインシデント対応訓練の定期実施を開始 |
| 戦略 | ②-2 戦略 当社グループの経営戦略の実現に必要な人材を育成・強化、維持する人材戦略(「人材活躍の最大化」)は以下のとおりです。 なお、以下の人材戦略は、本有価証券報告書提出日現在、当社単体への適用を想定しています。 海外子会社は労働関連規制、労働慣行、労働契約等が日本国内と異なります。 そのため、各海外子会社の現状を把握したうえで、より適合する人的資本施策を立案することに向け、当期、海外子会社の担当者と実質的な意見交換、情報交換を開始しました。 |
| 指標及び目標 | ②-3 指標及び目標 人的資本に関する方針について、当社単体に適用する指標の内容、当該指標を用いた定量的な目標及び実績は次のとおりです。 (注)1.上記指標・目標の欄に記載する実績の数値および目標の数値は、当社単体のものであり、当該年の12月末を基準日とします。 2.公募案件充足の達成率については、2025年に社内公募制度の実効性向上を目的とした見直しを実施したため、当該年は公募を行なっておらず、実績値を記載していません。 3.二次検診受診率および有給休暇取得率の対象期間は毎年4月から翌3月までの一年間としているため、2023年および2024年の実績については、当該対象期間に基づく数値を記載しています。 なお、2025年の実績(※)については、同年4月から12月末時点までの9か月間の実績値を記載しています。 ③ その他の重要なサステナビリティ課題:人権 および情報セキュリティ 「ビジネスと人権」の両立は社会のあらゆる意義ある活動の目的であり、「情報セキュリティ」は安心で安全な社会を構築する根幹であり、これらなくして社会の持続的な成長は考えられません。 今や気候変動、人的資本に並ぶ重要なサステナビリティ課題であると認識しています。 従来、当社グループ内部においては、人権の尊重および職場の健全性の維持に努めてきました。 意思に反する労働の強制や児童労働の禁止、求人、雇用、昇進などにおける人種、国籍、宗教等による不当差別の禁止、職場における差別的言動、ハラスメントなどの敵対的な人間関係を生む行為の禁止を規定化し、従業員に対する啓もう活動を継続的に実施するなど、内部通報制度を拡充してきました。 また、当社グループの事業の継続性を確保する観点から、情報セキュリティの確保、維持に努めています。 他方、国内外のサプライチェーン上の人権に対してこれまで十分な対応に努めていたとは言えず、さらに貢献すべき重要な課題と認識しています。 また当社グループの事業は血液透析事業など暮らしの根幹にかかわる分野で不可欠な機能を果たしており、情報セキュリティに対するこれまでの対応をさらに強靭化する必要も再確認しています。 そこで、当期、「人権」および「情報セキュリティ」を、気候変動および人的資本に並ぶ当社グループの重要なリスクとして位置づけ、あらためて具体的な対応に着手しました。 ③-1 人権≪ガバナンスとリスク管理≫サステナビリティ委員会による統合的管理体制のもと法務部門が管理*前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ≪戦略≫サプライチェーンにおける人権侵害リスクを把握し、優先度の高い箇所から防止/軽減を図る。 ・人権リスク対応における実施項目・内容の調査・検討・人権ポリシー策定と研修教育、社内外への取り組みの公表開示・人権デューディリジェンス実施≪指標及び目標≫現状把握を踏まえ、ビジネスと人権の両立の観点から、適切な指標と目標を検討≪実績≫人権ポリシーの検討および人権デューディリジェンス実施の準備 ③-2 情報セキュリティ≪ガバナンスとリスク管理≫サステナビリティ委員会による統合的管理体制のもと情報システム委員会が管理*前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ≪戦略≫本社・国内関係会社および海外関係会社のITガバナンスおよび情報セキュリティ強化を推進する。 ≪指標及び目標≫・本社・国内グループ会社の情報セキュリティ強化・海外グループ会社の情報セキュリティ強化・IT-BCPの確立・サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度の認定取得≪実績≫・情報セキュリティ基準のリリース・海外子会社に対する情報セキュリティ対策状況の定期実施を開始・ASM(Attack Surface Management、攻撃対象領域管理)の定期実行を開始・サイバーセキュリティインシデント対応訓練の定期実施を開始 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | イ 人材の育成等に関する戦略(中核人材と専門人材の育成等および女性の活躍推進)■ チームメンバーや協力企業などを巻き込み組織やプロジェクトを牽引する『中核人材』の育成等・事業単位、職種単位、職場単位で『中核人材』の候補者を定期的に選抜し、事業横断的次世代リーダーの育成プログラムを企画・遂行します。 当期では、候補者を選抜し、約1年間にわたり各事業に関する経営方針や事業戦略などの情報収集および課題分析を行ない、課題解決手段と自らの役割やアクションの検討に取り組んでいます。 また、付加価値の高い事業の創出、技術や製品の開発などのプロジェクトを牽引する役割を経験させ、実践的な育成に取り組みます。 ・部下の自律的な成長を促す社内風土の醸成のため、管理職および管理職候補の組織マネジメント力向上に向けた教育を継続的に行ない、上司が部下のチャレンジを後押しし、積極的に仕事を任せることを促します。 当期では、その一環として、中途入社者向けOJT指導員研修を開始し、中途入社者が即戦力として活躍できるよう、所属長とOJT指導員らがチームとなって中途入社者をサポートしていく体制づくりと取り組みを実施しました。 ■ 事業の最前線で高度な技能・知識・経験をもって「技術の日機装」の根幹を支える『専門人材』の育成等・創業以来、当社が大切にする価値観や技術・技能の伝承を含め、計画的に技術・技能そして現場力の向上を目指し、各事業における中長期の経営戦略の実現に必要な組織の機能と目指す人材像を事業単位、職種単位、職場単位で明確にします。 そのうえで、各単位できめ細やかな人材育成体系とプログラムを策定するとともに、従業員が有する経験・スキル情報の可視化を行ないます。 ・管理職向け人事制度に、マネジメントコースに加え、技術・技能・営業・サービスなどの「専門性」を職務等級基準としたプロフェッショナルコースを新設し、「専門性」による能力発揮と業績への貢献を評価する、『専門人材』の活躍を促進する制度を導入しています。 ・研究開発に適した環境を整備し、持続可能な研究開発体制を構築するとともに、人材の育成や技術のイノベーション創出を図ることを目的とした新研究棟の建設を進めています。 新研究棟は2027年5月に竣工する予定です。 ■ 女性の活躍推進・当社では、様々な事業領域で、営業職や技術職、技能職、事務職として多くの女性従業員が活躍しています。 ・育児や介護をしながら柔軟に働ける環境を設け、また次世代リーダー育成プログラムに女性従業員も選抜し、女性管理職を育成するとともに、将来の管理職候補となる総合職への女性の登用を図っていきます。 詳細については、「5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 ・現在、女性総合職の採用活動には、多くの女性従業員がリクルーターとして活躍しています。 ロ 人材育成等の制度に関する戦略(適正な評価・昇降格・処遇と従業員の希望を尊重する配置転換)・従業員の自発的なチャレンジと成長を促すために、評価段階数の細分化による評価手法を高度化することで、目標に対する成果を上げた従業員を適切に評価します。 これらの仕組と運用によって、入社年次にかかわらず、昇格可能となる環境を整え、個人の能力のみならず組織全体のパフォーマンス向上、活性化、多様性確保を図っています。 他方、目標達成が難しい従業員に対しても継続してフォローを行ない、パフォーマンスの底上げを図ります。 ・キャリアアップを目指す従業員が他部門の業務にチャレンジする機会を提供する社内公募制度や従業員が異動希望を申告できる自己申告制度を拡充し、従業員のキャリアや仕事に関する希望を尊重し、自主性を最大限発揮できる環境を整備しています。 なお、社内公募制度は、従来、求人件数や応募期間などに一定の制限を設けていましたが、制度の実効性を高めるため、制限を緩和する見直しを検討しています。 ハ 労働環境に関する戦略■ 柔軟な働き方・育児をしながら働くすべての従業員のため、子どもが小学校4年生に進級するまで利用できる時間短縮勤務制度のほか、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、従業員のワークライフバランスを充実し、より働きやすい環境を創出するために、在宅勤務、スーパーフレックス・タイム勤務制(注12)、「時間単位の年次有給休暇」制度を導入しました。 「時間単位の年次有給休暇」制度は、在宅勤務、スーパーフレックス・タイム勤務制の導入が困難な工場等の従業員にとっても、ワークライフバランスを充実することに役立っています。 ・柔軟な働き方や組織運営に関する社内優良事例を水平展開・共有することにより、各制度の運用の幅を広げ、会社全体で多様かつ柔軟な働き方を促進します。 (注12)スーパーフレックス・タイム勤務:始業時刻、終業時刻を朝5時から夜10時までの時間帯に従業員が自主的に決定でき、1か月単位で労働時間を精算する当社単体に適用する制度。 ■ 労働安全衛生・「労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格(ISO45001)」と同水準のシステム構築を推進し、労働環境改善を図ります。 ・労働災害発生の未然防止など、健康と安全に関わるリスクを管理するために安全衛生委員会を毎月開催するほか、2か月に一度の全社単位の中央安全衛生連絡会で管理面の強化を図ります。 これにより、労働安全に関する事例を共有し、組織としての確実な法令対応や類似の労働災害発生防止に努めます。 当期では、拠点の労働安全衛生の担当者が定期的に他の拠点を相互に視察し、改善点を指摘し合うとともに良い取り組み事例を全社に水平展開する取り組みを開始しました。 ■ 従業員の健康管理・従業員が活き活きと働き、能力を最大限に発揮できるよう、健康管理の強化を図ります。 その方策として定期健康診断の受診率100%はもちろんのこと、二次検診対象者の再受診率100%を目指し、対象者に対する受診の呼びかけや二次検診費用を会社が負担するなどフォローアップ体制を確立します。 ・従業員の健康増進について、現在、社内外に相談窓口を設けていますが、試験的な運用として、一部事業所で専門知識を持った産業保健師・カウンセラーによる従業員の健康管理促進に取り組みます。 さらにメンタル疾患による休務を予防するため、上司に対するラインケア教育なども行ないます。 ■ 働きやすい職場づくりの実現・すべての従業員がハラスメントに関する正しい知識を保有し、ハラスメントの早期発見や予防を目的とした研修を実施します。 特に人間関係における相互の意識のズレや周囲を萎縮・不快にさせる言動に焦点を当て、ハラスメント一歩手前の問題要因の芽を摘み取ることで、心理的安全性が確保された組織の土台づくりを行ないます。 当期では、全従業員を対象に、職場で発生しやすいハラスメントや相手を萎縮・不快にさせてしまうケーススタディを活用し、すべての従業員が安心して働くことができる職場環境を考える研修を実施しました。 |
| 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ②-3 指標及び目標 人的資本に関する方針について、当社単体に適用する指標の内容、当該指標を用いた定量的な目標及び実績は次のとおりです。 (注)1.上記指標・目標の欄に記載する実績の数値および目標の数値は、当社単体のものであり、当該年の12月末を基準日とします。 2.公募案件充足の達成率については、2025年に社内公募制度の実効性向上を目的とした見直しを実施したため、当該年は公募を行なっておらず、実績値を記載していません。 3.二次検診受診率および有給休暇取得率の対象期間は毎年4月から翌3月までの一年間としているため、2023年および2024年の実績については、当該対象期間に基づく数値を記載しています。 なお、2025年の実績(※)については、同年4月から12月末時点までの9か月間の実績値を記載しています。 ③ その他の重要なサステナビリティ課題:人権 および情報セキュリティ 「ビジネスと人権」の両立は社会のあらゆる意義ある活動の目的であり、「情報セキュリティ」は安心で安全な社会を構築する根幹であり、これらなくして社会の持続的な成長は考えられません。 今や気候変動、人的資本に並ぶ重要なサステナビリティ課題であると認識しています。 従来、当社グループ内部においては、人権の尊重および職場の健全性の維持に努めてきました。 意思に反する労働の強制や児童労働の禁止、求人、雇用、昇進などにおける人種、国籍、宗教等による不当差別の禁止、職場における差別的言動、ハラスメントなどの敵対的な人間関係を生む行為の禁止を規定化し、従業員に対する啓もう活動を継続的に実施するなど、内部通報制度を拡充してきました。 また、当社グループの事業の継続性を確保する観点から、情報セキュリティの確保、維持に努めています。 他方、国内外のサプライチェーン上の人権に対してこれまで十分な対応に努めていたとは言えず、さらに貢献すべき重要な課題と認識しています。 また当社グループの事業は血液透析事業など暮らしの根幹にかかわる分野で不可欠な機能を果たしており、情報セキュリティに対するこれまでの対応をさらに強靭化する必要も再確認しています。 そこで、当期、「人権」および「情報セキュリティ」を、気候変動および人的資本に並ぶ当社グループの重要なリスクとして位置づけ、あらためて具体的な対応に着手しました。 ③-1 人権≪ガバナンスとリスク管理≫サステナビリティ委員会による統合的管理体制のもと法務部門が管理*前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ≪戦略≫サプライチェーンにおける人権侵害リスクを把握し、優先度の高い箇所から防止/軽減を図る。 ・人権リスク対応における実施項目・内容の調査・検討・人権ポリシー策定と研修教育、社内外への取り組みの公表開示・人権デューディリジェンス実施≪指標及び目標≫現状把握を踏まえ、ビジネスと人権の両立の観点から、適切な指標と目標を検討≪実績≫人権ポリシーの検討および人権デューディリジェンス実施の準備 ③-2 情報セキュリティ≪ガバナンスとリスク管理≫サステナビリティ委員会による統合的管理体制のもと情報システム委員会が管理*前記 (2)および(3)の監督体制とプロセスに従っています。 ≪戦略≫本社・国内関係会社および海外関係会社のITガバナンスおよび情報セキュリティ強化を推進する。 ≪指標及び目標≫・本社・国内グループ会社の情報セキュリティ強化・海外グループ会社の情報セキュリティ強化・IT-BCPの確立・サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度の認定取得≪実績≫・情報セキュリティ基準のリリース・海外子会社に対する情報セキュリティ対策状況の定期実施を開始・ASM(Attack Surface Management、攻撃対象領域管理)の定期実行を開始・サイバーセキュリティインシデント対応訓練の定期実施を開始 |
| 事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載します。 なお、以下の記載はすべてのリスクを網羅したものではありません。 想定困難なリスクや重要性が低いと判断した他のリスクの影響を受ける可能性も否定できません。 また、当社グループは、以下記載の主要なリスクに対して、実効的と判断する対応策を継続的に実施していますが、これらの対応策によっても当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼすことを完全に防止できるものではありません。 以下の記載中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在における当社グループの判断によるものです。 (1)法令・規制変更に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、複数地域において事業運営を行なっており、各国・地域の法令・規制動向を注視しながら製品調達および販売活動を進めています。 特に、医療機器等に関わる調達要件や現地化比率に関しては、事業遂行に影響を及ぼし得るため、制度変更の可能性を慎重に把握しています。 しかしながら、特定地域で部品や装置に関する調達比率の引上げが法制化または実質的に要求される場合、求められる調達条件を満たせないと、入札参加の制約や販売機会の減少が生じる可能性があります。 また、法令・規制の新設・変更・厳格化が発生した場合、事業運営やサプライチェーン再構築に追加コストが発生し、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 <現在の対応策>当社グループは、法令・規制変更に伴なう事業影響を最小化するため、複数地域の法令・規制に関する情報収集を継続的に実施し、変更内容を早期に把握することで、制度改定への対応方針の策定や事業計画への反映を適時に行ない、リスク低減に努めています。 また、調達方針の見直しや評価プロセスの迅速化を進め、要求される調達条件への柔軟な対応力を高めています。 さらに、製品の適合性を確保するため、技術検証体制の強化や現地拠点との連携強化を図り、将来的な規制強化にも耐え得る体制構築に取り組んでいます。 (2)税務に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、グローバルに生産・販売拠点を有しており、グループ会社間で国際取引が多く発生しています。 これらの取引価格については、各国の移転価格税制に準拠するよう管理を行なっていますが、税務当局や税関当局との見解に相違がある場合、追加の税負担やペナルティが発生する可能性があります。 また、世界各国において租税法令の改廃や新制度の導入がある場合、税負担が増加する可能性があります。 <現在の対応策>税務当局との見解相違を回避するため、移転価格税制に関して取引金額が大きいグループ会社との取引には移転価格ポリシーを定めて運用を行なっています。 また、各国の法令に従って移転価格文書を作成し、価格の妥当性を検証しています。 さらに、租税法令の改廃に対応するため、組織再編成など重要な取引については専門家の助言を得ながら、関係国法令への準拠性を高めています。 (参考)※2021年7月8日、当社グループが2017年8月に買収したClean Energy & Industrial Gasesグループの外国子会社3社に対してタックス・ヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないとして、同社らの親会社となる日機装インターナショナル株式会社の2018年度事業所得金額に係る更正処分等を受けました。 当社グループは本更正処分等を不服として東京地方裁判所に取消訴訟を提起しておりましたが、2025年5月16日、当社グループの請求を棄却する判決が言い渡されました。 その後、当社グループは東京高等裁判所へ控訴しましたが、2026年1月29日、同様に請求を棄却する判決が下されました。 これを受け、当社グループは本判決を不服とし、2026年2月12日、最高裁判所に対し上告手続き(上告受理申立て等)を行ないました。 現在も係争中であり、引き続き、当社グループとしての正当性を主張してまいります。 (3)為替変動に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品およびサービスを提供しています。 主な取引通貨は米ドルとユーロであり、これらの通貨の為替変動が当社グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループ全体では、外貨建売上が外貨建仕入を上回り、また外貨建資産が外貨建負債を上回っているため、円高が進行した場合には、収益やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。 <現在の対応策>当社グループでは、外貨建資産・負債残高について継続的にモニタリングを行なっています。 また、必要に応じて一部を円貨へ転換するほか、一括かつ多額の外貨取引については、為替予約やその他のヘッジ手段を活用し、為替リスクの低減に向けた対応を実施しています。 (4)事業環境変化に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、国内透析装置市場で高いシェアを占めていますが、国内透析患者数は中長期的には減少に転ずると予想されます。 国内患者数減少という市場構造変化に対応できない場合、国内血液透析事業の経営成績等が悪化する可能性があります。 <現在の対応策>国内患者数減少という市場構造変化への対応をするために、治療の安全性や利便性ならびに経済性に寄与する顧客のニーズに応える製品を提供しつづけるとともに、米国をはじめとした海外販売増加に取り組みます。 (5)気候変動、低・脱炭素化社会への移行に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、グローバルに事業を展開しており、温室効果ガス(GHG)排出量の削減や水・廃棄物等の適切な管理に対する社会的要請の高まりや、サステナビリティに関する法令や規制の動きについて細心の注意を払っています。 しかしながら、これらへの対応が不十分な場合は、サプライチェーンにおいてリスクの高いサプライヤーとして認識され、取引関係に支障を及ぼすおそれがあります。 また、エネルギー価格の上昇により、製造コストが上昇する可能性があります。 <現在の対応策>当社グループが、企業の社会的責任を果たすことに加え、安全性の高いサプライヤーとして良好な取引関係を維持するために、GHG排出量の測定と削減目標を定め、各種取り組みを行なっている他、水・廃棄物の適切な処理・再資源化による環境負荷低減に努めています。 また、サステナビリティに関する法令や規制の動きに関しては、情報収集を行ない、対応方法を検討し実行しています。 さらに、費用増加の可能性があるエネルギー価格の上昇については、省エネルギー対策・再生エネルギーの活用・カーボンオフセットなどの組み合わせによる対応を行なっています。 (6)技術革新・事業展開の遅れに関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、技術進歩の速い市場において複数事業を展開し、新製品・新プロセスの開発と事業拡大を進めています。 主要市場の技術動向や顧客要求の変化に関しては、開発のスピードと適合性を確保することを重視しています。 しかしながら、市場・顧客ニーズの変化を適切に捉えられない場合、新製品の開発・上市が遅延し、競争力が低下する可能性があります。 また、新素材・新製法・需要シナリオの転換への対応が遅れる場合、開発コストや期間の増大、投資回収計画との乖離が発生する可能性があります。 <現在の対応策>当社グループでは、市場・技術の変化速度に対応するため、顧客・研究機関・サプライヤー等との連携を強化し、要素技術や新素材・新製法の開発を加速するとともに、量産化を見据えた実証を段階的に進めています。 また、開発・事業化の遅延リスクを抑制するため、外部情報の機動的な取り込みを通じて開発インプットを高度化し、優先順位づけと資源配分の見直しを適時に実施しています。 加えて、需要や規格の変化に備えるため、段階的な改良投入(マイナーチェンジ等)による製品ライフサイクル管理と、次世代製品の早期開発着手を並行して進め、部品の供給終了等にも対応できる体制を整えています。 (7)製品・サービスの品質に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、インダストリアル、航空宇宙、メディカルの各事業本部において多様な製品を設計・製造し、グローバルに生産・販売拠点を有しています。 製品・サービスの品質に関しては、国際的な品質基準や各国の法令・規制に適合するよう万全を期して対応しています。 しかしながら、万一法令・規格・顧客要求への不適合や品質不正が発生した場合、リコールや顧客対応等に伴なう多額のコストが発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 <現在の対応策>当社グループにとって、品質に関わるガバナンスの強化は経営上の重要事項と捉え、全社を挙げて品質保証体制の強化に取り組んでいます。 製品・サービスの品質不具合を未然に防止するため、ISO9001 をはじめとする品質マネジメントシステムの有効性を定期的に評価し、その適正な運用の確保に努めています。 また、国内外の生産拠点に対するコンプライアンス監査を通じて、業務運用プロセスの適正性を確認し、コンプライアンス上のリスク低減を推進しています。 さらに、全従業員を対象とした遵法意識および品質意識の向上を目的とする教育を継続的に実施し、組織全体のコンプライアンス意識の向上に取り組んでいます。 (8)サプライチェーンに関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、多様な原材料・部品を調達しています。 地政学リスクやインフレ、需要回復・増産動向、通商政策や規制の変更、特定地域への依存、主要部材の生産終了(EOL)やサプライヤーの事業撤退等の影響により、供給の逼迫や納期の長期化、価格の上昇および物流コストの増加が生じる可能性があります。 また、サプライヤーの選択肢が限定されることや、物流・保管体制の変更が必要となる場合には、部材供給の遅延・途絶により生産の停止・遅延が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 <現在の対応策>当社グループは、重要部材のデュアル/マルチソーシングや調達先の地域分散、新規サプライヤーの開拓、在庫・物流体制の最適化等により、供給途絶およびコスト上昇への耐性強化を図っています。 また、需要動向を踏まえた生産・調達計画の精緻化に加え、設計段階からの代替材料・代替仕様の事前検討を進め、EOLや事業撤退リスクへの対応力を高めています。 加えて、調達本部の設置や特定国・地域への過度な依存からの脱却を志向した製品開発も検討しています。 (9)人事採用・確保と人材育成に関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、生産・開発・販売をはじめとする多様な専門分野で事業を推進するため、必要な人材の確保・育成を重要課題として位置付けています。 しかし、人材獲得競争の激化により、計画どおりに必要な人材を確保できない場合、事業戦略やグローバル展開の遂行に遅れが生じる可能性があります。 また、優秀人材や経験豊富な人材の流出が進んだ場合、技術・技能の伝承が滞り、当社グループの技術力や事業推進力の低下につながる可能性があります。 加えて、育成機会の不足等により従業員の成長が停滞した場合には、組織全体の競争力の減退を招く可能性もあります。 <現在の対応策>当社グループは、競争力ある報酬水準の検討やチャレンジを後押しし、やりがいと働きがいを実感できる人事制度への見直しを進めるとともに、働きやすい職場作りや定着促進のための施策などを通じて、採用と定着の強化に取り組んでいます。 また、人材育成の観点では、要職のサクセッションプラン策定、将来の事業推進の核となる人材の選抜と計画的な育成などの教育体系の再構築を進めています。 これらの取り組みにより、当社グループは事業成長を支える人材基盤の強化および技術力の持続的向上を図っています。 (10)情報セキュリティに関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、クラウドサービスや社内ネットワークを活用して業務を行なっています。 情報セキュリティに関しては、外部からの不正アクセスやマルウェア感染の脅威に晒されています。 システムの脆弱性が放置された場合、機密情報の漏えいや業務停止の可能性があります。 また、従業員の操作ミスや不適切な権限管理により、データ改ざんや情報漏えいが発生する可能性があります。 <現在の対応策>外部攻撃による情報漏えいを防止するために、ファイアウォールや侵入検知システムを導入し、定期的な脆弱性診断を実施しています。 また、内部要因によるリスクを低減するために、従業員へのセキュリティ教育を定期的に行なっています。 さらに、当社グループ全体でのセキュリティ対策の標準化を推進し、情報セキュリティレベルの継続的な向上に取り組んでいます。 (11)コンプライアンスに関するリスク<想定されるリスク>当社グループは、多様な背景を持つ従業員で構成されており、また、事業活動は世界各地へ広がり続けています。 そのため、各国・地域で高度化・複雑化する法規範や社会規範、倫理基準を理解し、適切に対応すること、さらに、変化する社会の価値観をとらえ、企業文化や制度を進化させることが、当社グループの企業価値向上のための重要なテーマであると認識しています。 しかしながら、コンプライアンス活動が従業員に十分浸透しない場合、法令違反などの問題が発生する可能性があります。 その結果、行政処分や罰金、訴訟費用の発生、信用低下、ブランド価値の毀損が発生する可能性があります。 <現在の対応策>当社グループは、コンプライアンス活動を従業員へ確実に浸透させるため、各国・地域の法規範および社会規範・倫理を遵守すること、ならびに多様な価値観を尊重することを基本方針としています。 その取り組みとして、「日機装グループ グローバル行動規範」を含む各種規範・規程を定期的に見直し、周知・運用を行なっています。 さらに、グローバル内部通報制度を整備し、利用を促進しています。 加えて、コンプライアンス教育を継続的に実施し、従業員一人ひとりの意識向上に努めています。 (12)ガバナンスに関するリスク<想定されるリスク>当社グループとして、企業価値の向上と業務の適正を確保する体制を整備していますが、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しない場合や、国内外のグループ会社全体の統制が不十分な場合、法令違反等のコンプライアンス違反を招き、企業の信用失墜や事業継続に支障をきたし、その結果、企業価値が低下するなど当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 <現在の対応策>当社グループは、ガバナンスが全社的に機能するよう、グループ会社の重要事項に関する決裁・報告プロセスを整備し、事業運営の透明性と適正性を確保しています。 また、事業規模や事業環境の変化に応じて、権限や報告項目の見直しを継続し、統制レベルの適正化を図っています。 |
| 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)業績等の概要① 財政状態及び経営成績の状況中期経営計画「Nikkiso 2025 フェーズ2」(以下、「中計フェーズ2」)の最終年度となる2025年の当社グループの事業環境は、米国における関税引き上げやそれに伴なう物価上昇、米中対立の影響を受けたサプライチェーンの不確実性の高まり、国内血液透析市場の需要減少など、外部環境は依然として先行き不透明な状況が続きました。 インダストリアル事業の主要市場であるLNG分野は、米国の気候変動政策の見直しやエネルギー安全保障の観点から重要性が高まっており、設備投資需要は足元では拡大基調にあります。 それに伴ない、次世代エネルギー分野は、地域ごとに市場の進展速度や投資意欲にばらつきが生じており、投資需要の優先度が既存エネルギーであるLNGに移行するという変化が見られます。 航空宇宙事業では、航空機産業の需要回復を背景に、サプライチェーンの再構築による増産が進む一方、部品供給の遅延や人材不足により供給面の不透明感が続いていましたが、こうした制約の解消が進むことで業界全体の生産活動の回復ペースが加速しており、2025年後半からその状況がより鮮明になってきています。 メディカル事業の主要市場である血液透析市場では、国内では医療機関による設備投資意欲が鈍化していますが、海外市場は、中国での需要回復が進んでいるほか、欧州は堅調に推移、アジア地域でも患者数の増加や医療水準の向上により市場は拡大しています。 こうした事業環境のもと、当連結会計年度において、インダストリアル事業では、産業ガス・LNG関連の継続した受注に加え、LNG事業の新たな展開として宇宙産業向けビジネスの大型案件を受注しました。 売上収益については、これら受注済み案件の着実な遂行に加え、産業用ポンプ・システム事業における事業構造改革の取り組みが奏功し、前年から増益となりました。 航空宇宙事業は、当中間期までは、サプライチェーンの回復遅れによる顧客の一時的な在庫調整等により減収減益となりましたが、当第3四半期以降、業界全体の増産基調による需要の拡大により、2025年通期では増収増益を達成しました。 メディカル事業では、海外市場が成長を牽引し、前年から増益となりました。 また、中計フェーズ2の基本方針の一つである事業ポートフォリオの再構築については、2025年をもって、深紫外線LED事業およびCRRT(急性血液浄化療法)事業からの撤退を概ね完了しました。 またヘルスケア事業についても、事業撤退を決定しています。 これら不採算事業の整理に一定の目処が付いたことにより利益体質への転換は着実に進展しています。 なお、当連結会計年度における一過性の損益として、CRRT事業譲渡益455百万円、ヘルスケア事業の棚卸資産評価損等410百万円を計上しています。 この結果、当連結会計年度の当社グループ業績は以下となり、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、子会社株式譲渡益を計上した2022年12月期を除けば、創業以来の最高益となり、2025年通期業績予想を上回る結果となりました。 (単位:百万円) 2024年12月期(実績)2025年12月期(実績)前年同期比 2025年12月期(業績予想)業績予想比増減増減額増減率 受注高222,024231,411+9,386+4.2% 246,500△15,089売上収益213,379215,642+2,263+1.1% 230,500△14,858営業利益6,39815,331+8,933+139.6% 14,000+1,331税引前利益10,01017,255+7,245+72.4% 14,700+2,555親会社の所有者に帰属する当期利益7,95713,652+5,695+71.6% 11,300+2,352 事業セグメント別の事業環境と業績概況は次のとおりです。 事業主要製品2025年12月期の事業・受注環境2025年12月期の業績概況インダストリアル事業液化ガス・産業ガス関連機器・装置・LNG分野の設備投資需要は足元では拡大基調にあり、北米、欧州、アジア地域の液化・受入基地等の案件で活発な動きが継続。 ・水素、アンモニア等の次世代エネルギー分野は、地域ごとに市場の進展速度や投資意欲にばらつきが生じており、投資需要の優先度がLNGに移行。 ・新規領域への受注活動に取り組み、宇宙産業向けビジネスの大型案件を受注。 主要プレイヤーであるCE&IGグループは下記の通りです。 ・受注済案件を着実に遂行し、売上収益および粗利益は増加。 ・体制整備に伴なう固定費の増加により減益。 ・低・脱炭素市場に向けた技術、製品開発に加え体制整備を継続中。 産業用ポンプ・システム・受注高は前年並み、受注残の遂行に注力中。 ・事業構造改革が奏功、収益性の回復が継続し、大幅に増益。 精密機器・電子部品市場は依然として設備投資の調整局面が続くものの、受注高は前年を上回る。 ・前年同期比で増益。 航空宇宙事業民間航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形品・航空機産業の需要回復を背景に、サプライチェーンの再構築による増産が進む一方、部品供給の遅延や人材不足により供給面の不透明感が続いていたが、こうした制約の解消が進むことで業界全体の生産活動は、後半期にかけて回復のペースの加速が明確になってきている。 ・業界全体の増産に伴ない、主力製品カスケードなどの出荷が増加し、前年同期比で増収。 ・円高による減益要因はあるものの、製品ミックスの改善および増収効果により前年同期比で増益。 メディカル事業血液透析関連製品・国内の血液透析患者数は、中長期的には緩やかな減少傾向に転じると予想される。 ・患者数が世界最大の中国市場では、設備投資需要の拡大による成長が期待される一方、国産化政策の進展により現地メーカーが増加し、競争環境が変化。 ・中国以外のアジア地域では、経済発展や医療体制の整備を背景として市場拡大が続く見通し。 ・血液透析装置の国内販売は、医療機関の設備投資が引き続き抑制的に推移したことにより前年同期を下回る。 ・海外販売は、中国市場の需要回復に加え、欧州での販売拡大等も寄与し、前年同期比で増収。 ・米国市場展開については、2025年5月に血液透析装置の販売許認可を取得し、2026年1月からの販売開始に向け、初期受注の獲得および販促活動を進行中。 次のステップとして、上位機種となる多用途型血液透析装置の許認可取得に向けた対応を継続しており、製品ラインアップ拡充による事業拡大を図る。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは+17,619百万円となりました。 これは主に運転資本の増加に伴い、資金流出があったものの、税引前利益の増加および非金融費用の計上によるものです。 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは+133百万円となりました。 これは主に有形固定資産の取得による支出があった一方、連結範囲の変更を伴う関係会社株式等の売却による収入があったことによるものです。 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは△9,787百万円となりました。 これは主に借入による収入が借入金の返済による支出を下回ったことや、リース負債の返済による支出があったことによるものです。 これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて9,920百万円増加し、44,584百万円となりました。 (参考)キャッシュ・フローの関連指標の推移は次のとおりです。 2023年12月期2024年12月期2025年12月期親会社所有者帰属持分比率(%)42.043.044.2時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)23.019.828.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率5.7△16.36.2インタレスト・カバレッジ・レシオ18.2△6.415.8親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い(注1)各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。 (注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。 (注3)有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としています。 (2)生産、受注および販売の実績 ① 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)工業部門137,914+4.9医療部門89,166+61.0合計227,080+21.5(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。 2.金額は、販売価格によっています。 ② 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)工業部門152,912+9.2115,602+2.8医療部門78,498△4.23,094△11.3合計231,411+4.2118,696+2.4(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)工業部門136,750+5.1医療部門78,891△5.3合計215,642+1.1(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。 (3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 重要性がある会計方針及び見積り 本連結財務諸表の作成にあたって採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」をご参照ください。 ② 財政状態ⅰ)資産 当連結会計年度末の資産合計は358,129百万円となり、前連結会計年度末に比べて32,565百万円増加しました。 現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権ならびに長期金融資産が増加したことが主な要因です。 ⅱ)負債 当連結会計年度末の負債合計は197,900百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,342百万円増加しました。 その他の流動負債、繰延税金負債が増加したことが主な要因です。 ⅲ)資本 当連結会計年度末の資本合計は160,228百万円となり、前連結会計年度末に比べて18,222百万円増加しました。 当期利益の計上による利益剰余金の増加と、その他の資本の構成要素が増加したことが主な要因です。 ③ 経営成績 当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ④ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性ⅰ)資金需要 当社グループの資金需要は、主として、設備新設、改修等に係る投資や、製品製造のための材料及び部品等の製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金です。 ⅱ)資金の源泉 当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローによって得られた資金の活用および、金融機関からの借入による資金調達を行なっています。 ⅲ)流動性 当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを安定的に確保するとともに、必要に応じて金融機関からの資金調達を行なうことで、事業運営に必要な資金を適切に確保できる体制を整えております。 さらに、資金管理においては、当社が国内子会社を対象に資金集中管理を実施するほか、海外子会社も含めたグループ全体で資金の有効活用を図り、手元流動性の最適化に努めています。 |
| 研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループは、各事業分野において、独創的な技術を駆使し、顧客ニーズに合わせた新製品、新技術のための研究、開発を積極的に行なっています。 工業分野では、インダストリアル事業において、LNG液化基地・受入基地向け大型ポンプの機能・効率向上や、燃料電池車・船舶向け水素ポンプや、発電所・船舶向けアンモニアポンプの開発など、将来のエネルギーシフトを見据えた開発を推進しています。 航空宇宙事業においては、民間航空機のジェットエンジン燃料の削減およびCO2削減に貢献する炭素繊維強化樹脂(CFRP)成形製品の新しい用途開発や独自開発・共同研究を通じた新材料(樹脂・繊維)・新製法の開発および製品化にも積極的に取り組んでいます。 医療分野では、医療機関と患者様に貢献するため、今まで以上に安心・安全・確実な透析医療を提供できる製品の開発を推進しており、次世代の透析治療に対応するための基礎研究を進め、血液透析装置の機能向上、次期血液透析装置の開発に取り組んでいます。 また、再生医療や創薬に必要な機器・デバイスの製品化を目指し、細胞培養方法と細胞実験用ツールの開発および腎前駆細胞を大量かつ高品質で培養できるシステムの研究開発も進めています。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,435百万円です。 |
| 設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度の設備投資は、生産設備の能力増強投資を中心に、更新投資、合理化投資も含めて総額7,122百万円を実施しました。 セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりです。 (1)工業部門 当連結会計年度の設備投資は、CE&IGグループにおける工場建物ならびに試験設備への投資を中心とする総額3,323百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却または売却はありません。 (2)医療部門 当連結会計年度の設備投資は、国内における血液透析装置ならびに透析通信システム開発への投資を中心とする総額2,067百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却または売却はありません。 (3)全社(共通) 当連結会計年度の設備投資は、東村山市における新研究棟建設への投資を中心とする総額1,731百万円の投資を実施しました。 なお、重要な設備の除却または売却はありません。 |
| 主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 (1)提出会社(2025年12月31日現在) 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計日機装技術研究所/東村山事業所(東京都東村山市)工業部門医療部門生産設備等4,72435740(22.0)521,3796,555477〔11〕静岡事業所(静岡県牧之原市)医療部門生産設備等121--365097〔3〕金沢製作所(石川県金沢市及び白山市)医療部門生産設備等3,0341,1501,369(99.7)4001946,149652〔3〕宮崎事業所(宮崎県宮崎市)工業部門医療部門生産設備等5799-142632-本社及び営業所(東京都渋谷区ほか)-その他の設備3043896(1.0)701911,466851〔5〕 (2)国内子会社(2025年12月31日現在) 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計宮崎日機装(株)本社工場(宮崎県宮崎市)工業部門生産設備等7,7181,3401,275(166.2)-26510,600427〔6〕 (3)在外子会社(2025年12月31日現在) 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積千㎡)リース資産その他合計CE&IGグループ工場(アメリカカリフォルニア州)工業部門生産設備等5,4162,6692,027(116)8,60032,02450,7371,556〔265〕NikkisoVietnam,Inc.本社工場(ベトナムフンイエン)工業部門生産設備等4,2402,247-〔83.1〕7053397,531887〔6〕NikkisoVietnam MFG Co., Ltd.本社工場(ベトナムホーチミン)医療部門生産設備等421445-〔21.8〕126471,0401,406〔-〕M.E.Nikkiso Vietnam Co.,Ltd.本社工場(ベトナムクアンガイ)医療部門生産設備等1,984874-〔85.0〕674143,548230〔-〕M.E.Nikkiso Co., Ltd.本社工場(タイチャチュンサオ)医療部門生産設備等309844-〔38.9〕6981261,9791,242〔-〕(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品等です。 2.現在休止中の主要な設備はありません。 3.土地の〔 〕は、連結会社以外からの賃借面積を記載しています。 4.従業員数の〔 〕は、臨時従業員数を外書で記載しています。 |
| 設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)日機装(株)日機装技術研究所/東村山事業所(東京都東村市)工業部門医療部門新研究棟の建設12,4001,991自己資金及び借入金等2025年10月2027年5月(注)2(注)1.金額には消費税等は含まれていません。 2.完成後の増加能力につきましては、合理的な算出が困難なため、記載を省略しています。 3.宮崎日機装(株)における新工場建設計画は、2025年9月に中止することを決定しました。 中止に伴ない、当該設備の今後の投資予定額はありません。 (2)重要な設備の除却等 生産能力に重要な影響を及ぼすような設備の除却等の計画はありません。 |
| 研究開発費、研究開発活動 | 3,435,000,000 |
| 設備投資額、設備投資等の概要 | 2,067,000,000 |
Employees
| 平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 43 |
| 平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 13 |
| 平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,788,035 |
| 管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
| 全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
| 非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
| 株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式とし、それ以外の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式としています。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の適否に関する取締役会における検証の内容1)当社は、取引先等との安定的・長期的な取引関係の構築・業務提携・取引関係強化等の観点から、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合、当該取引先等の株式を保有することがあります。 2)毎年定期的に、中長期的な経済合理性や、当該取引先等との関係の維持・強化の観点のほか、保有に伴なうさまざまな便益やリスクと資本コストとのバランス等を総合的に勘案したうえで、その保有適否等について定期的に検証し、その結果を取締役会に報告するものとします。 3)議決権の行使については、株主価値が大きく毀損される事態やコーポレート・ガバナンス上の重大な懸念が生じている場合などを除き、取引先等との関係強化に生かす方向で議決権を行使します。 b. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式316非上場株式以外の株式2130,983 (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式1167非上場株式以外の株式2373 c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額に関する情報 特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)山東威高血液浄化制品股份有限公司10,485,839-当社メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 無9,290-太平電業㈱1,144,950381,650当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有2,4761,919住友不動産㈱292,000292,000当社事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有2,2961,442 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱ダイフク453,000453,000当社メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有2,2321,494日揮ホールディングス㈱1,077,6021,077,602当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有2,0471,417シンフォニアテクノロジー㈱178,600178,600当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有1,6191,146岩谷産業㈱961,600961,600当社インダストリアル事業・メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有1,5841,729新日本空調㈱483,800241,900当社メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有1,521987㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ489,220489,220当社の資金調達および資金決済などの金融取引に関し、安定した取引関係の維持を目的として保有。 有1,219903西華産業㈱475,950158,650取引関係の維持・強化のため保有しておりますが、当事業年度に一部売却を実施しております。 有1,129769オークマ㈱297,200297,200当社事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有1,0781,013東京応化工業㈱178,200178,200当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有1,034629日本光電工業㈱485,200485,200当社メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有8161,046因幡電機産業㈱297,600148,800当社メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有758582㈱しずおかフィナンシャルグループ250,500250,500当社の資金調達および資金決済などの金融取引に関し、安定した取引関係の維持を目的として保有。 有609321サンワテクノス㈱155,907155,907当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有462352㈱みずほフィナンシャルグループ75,35675,356当社の資金調達および資金決済などの金融取引に関し、安定した取引関係の維持を目的として保有。 有429291三信電気㈱75,40075,400当社メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有236148三菱鉛筆㈱36,40036,400当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有7983 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注1)及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)水道機工㈱10,00010,000当社インダストリアル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有しておりましたが、売却を予定しております。 有3117東亜ディーケーケー㈱33,00033,000当社インダストリアル事業・メディカル事業に関わる安定した取引関係の維持・拡大を目的として保有。 有2825MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱-83,277保険取引を主とした取引関係の維持・強化を目的に保有しておりましたが、当事業年度に売却を実施しております。 有-287三井住友トラストグループ㈱-17,782取引関係の維持・強化のため保有しておりましたが、当事業年度に売却を実施しております。 有-65 (注)1.定量的な保有効果については記載が困難となっております。 保有の合理性の検証については、上記「a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会における検証の内容」に記載の通り実施しております。 (注)2.山東威高血液浄化制品股份有限公司は、2025年6月に上海証券取引所へ新規上場したことにより出資金から特定投資株式へ移動しております。 (注)3.太平電業㈱は、2025年9月30日付で株式分割を行ない、普通株式1株につき3株の割合で割当を受けております。 (注)4.新日本空調㈱は、2024年12月31日付で株式分割を行ない、普通株式1株につき2株の割合で割当を受けております。 (注)5.西華産業㈱は、2025年9月30日付で株式分割を行ない、普通株式1株につき3株の割合で割当を受けております。 (注)6.因幡電機産業㈱は、2025年11月30日付で株式分割を行ない、普通株式1株につき2株の割合で割当を受けております。 ・みなし保有株式 該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
| 株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
| 銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 16,000,000 |
| 銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 21 |
| 貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 30,983,000,000 |
| 株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 373,000,000 |
| 株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 33,000 |
| 貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 28,000,000 |
| 銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 因幡電機産業㈱ |