財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-03-25
英訳名、表紙CHUGAI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長CEO  奥田 修
本店の所在の場所、表紙東京都北区浮間五丁目5番1号(上記は登記簿上の本店所在地であり、事実上の本社業務は下記「最寄りの連絡場所」において行っております。
電話番号、本店の所在の場所、表紙03(3968)6111
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
1925年3月上野十蔵、中外新薬商会を創業、医薬品の輸入販売を開始1927年医薬品製造に着手1943年3月株式会社に組織変更、商号を中外製薬株式会社(本社・東京都)に変更1944年4月㈱松永製薬所を吸収合併、松永工場開設(広島県)1946年9月鏡石工場建設(福島県)1956年3月株式を東京証券取引所(現在 ㈱東京証券取引所)に上場1957年4月浮間工場建設(東京都)1960年9月綜合研究所建設(東京都・高田研究所)1971年2月血液分析器及び試薬を発売、臨床検査薬機器分野へ進出3月藤枝工場建設(静岡県)1987年6月富士御殿場研究所建設(静岡県)1988年9月中惠薬品股份有限公司設立(台湾)1989年12月ジェン・プローブ・インコーポレーテッド買収(米国)1990年6月ローヌ・プーラン社(フランス、現在 サノフィ)との合弁企業として、中外ローヌ・プーラン設立(フランス、後 中外サノフィ-アベンティス・エスエヌシーへ社名変更)1990年7月宇都宮工場建設(栃木県)1993年5月中外ファーマ・ユーケー・リミテッド設立(英国)1994年1月ロンドン駐在事務所(1986年3月開設)を現地法人化し、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド設立(英国)1995年7月中外バイオファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド設立(米国)1997年3月中外診断科学㈱設立(東京都)12月中外ファーマ・マーケティング・リミテッド設立(英国、現在 中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド)2001年4月筑波研究所開設(茨城県)中外ファーマ・フランス・エスエーエス設立(フランス)2002年3月持株会社中外ユー・エス・エー・インコーポレーテッド設立(米国、現在 中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド)9月中外診断科学㈱の全株式を富士レビオ㈱に譲渡9月ジェン・プローブ・インコーポレーテッドをスピンオフ10月エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの戦略的アライアンスに基づき、中外製薬㈱と日本ロシュ㈱が合併し、ロシュ・ホールディング・リミテッドが親会社となる2003年12月高田研究所と松永工場を閉鎖2004年12月一般用医薬品事業をライオン㈱に譲渡、永光化成㈱の殺虫剤製造事業をライオンパッケージング㈱に譲渡2005年3月筑波研究所を閉鎖6月鏡石工場及び東北中外製薬㈱(福島県)をニプロ㈱に譲渡2006年5月浮間工場、藤枝工場、宇都宮工場及び鎌倉工場(神奈川県)における医薬品等の製造に関する事業を、会社分割により、子会社である中外製薬工業㈱(東京都)に承継2010年12月中外製薬工業㈱ 鎌倉工場を閉鎖2012年1月中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド設立(シンガポール)2014年3月日健中外製薬有限公司設立(中国)2015年海外子会社組織を統合・再編7月欧州:開発機能と販売機能を統合(再編後名称:中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド) 中国:医薬品学術情報提供機能と販売機能を統合(再編後名称:日健中外製薬有限公司) 台湾:開発機能と販売機能を統合(再編後名称:台湾中外製薬股份有限公司) 10月米国:米国の持株会社と開発子会社を統合(再編後名称:中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド)2016年6月泰州日健中外製薬工業有限公司設立(中国)2019年1月中外サノフィ-アベンティス・エスエヌシーの全株式を中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが取得し、社名を中外ファーマ・ヨーロッパ・ロジスティクス・エスエーエス(2024年3月に中外ファーマ・フランス・エスエーエスと統合)へ変更2019年2月中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチ設立(ドイツ)2022年4月中国における開発機能と販売機能等を統合(再編後名称:日健中外製薬有限公司)2022年10月中外ライフサイエンスパーク横浜建設(神奈川県)2023年3月富士御殿場研究所及び鎌倉研究所(神奈川県)を閉鎖2023年7月中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー設立(米国)
事業の内容 3【事業の内容】
当企業集団は、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。
)、子会社15社及び親会社の子会社2社により構成されており、主な事業内容と企業集団を構成する各会社の当該事業に係る位置づけの概要は次のとおりであります。
医薬品事業18社国内事業:当社が製造した医薬品を、全国の特約店を通じて販売しております。
製造については、一部医薬品の原材料をエフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド[本社:スイス]から購入しております。
また、中外製薬工業㈱及びジェネンテック・インコーポレーテッド[本社:米国]に医薬品の製造を委託しております。
研究業務については、㈱中外医科学研究所に医薬品の研究業務の一部を委託しており、また同社に研究用施設等の管理業務を委託しております。
開発業務については、㈱中外臨床研究センターに臨床開発業務の一部を委託しております。
また、中外製薬ビジネスソリューション㈱は当社の事務処理業務を請け負っております。
 海外事業:欧州では、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドが販売統轄会社として位置づけられております。
エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドが当社一部製品を輸入し販売しております。
欧州において、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド及び中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッドが英国における販売活動を、中外ファーマ・フランス・エスエーエスが欧州における輸入販売及びフランスにおける販売活動を、中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチがドイツにおける販売活動を行っております。
台湾において、台湾中外製薬股份有限公司が医薬品の販売を行っております。
中国においては、日健中外製薬有限公司が医薬品の販売を行い、医薬品学術情報を提供しております。
また、泰州日健中外製薬工業有限公司が医薬品の生産を行っております。
海外での研究開発活動は、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外製薬有限公司(中国)及び台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が医薬品の研究を行っております。
また、中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー(米国)及び中外ベンチャー・ファンド・エルピー(バミューダ)がスタートアップへの投資活動を行っております。
企業集団の関係概要図は次のとおりであります。
2025年12月31日現在・子会社のうち、上場している会社はありません。
・当社は、2025年11月にレナリスファーマ株式会社を取得し、同年12月に当社を存続会社とし、レナリスファーマ株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施しております。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権に対する所有(又は被所有)割合関係内容役員の兼任等資金取引営業上の取引設備の賃貸借(親会社) % ロシュ・ホールディング・リミテッドスイスバーゼル市百万スイス・フラン107持株会社(61.12)有─―─(連結子会社) 株式会社中外医科学研究所神奈川県横浜市百万円100医薬品事業100.00有─研究用材料の購入及び研究用器材施設などの管理委託社屋及び研究用設備の賃貸株式会社中外臨床研究センター東京都中央区百万円50医薬品事業100.00有運転資金の貸付臨床試験に関する業務の委託社屋の賃貸中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド米国ニュージャージー州米ドル1医薬品事業100.00有CMSによる資金の預り医薬品の研究開発の委託─中外ベンチャー・ファンド・エルエルシー米国マサチューセッツ州米ドル6,000,000医薬品事業100.00有――─中外ベンチャー・ファンド・エルピー(注)3バミューダハミルトン市米ドル57,520,415医薬品事業100.00[0.10]無――─中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド英国ロンドン市英ポンド8,677,808医薬品事業100.00有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の販売、開発・申請─中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッド英国ロンドン市英ポンド16,000,000医薬品事業100.00[100.00]有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の販売─中外ファーマ・フランス・エスエーエスフランスピュトー市ユーロ1,196,319医薬品事業100.00[100.00]有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の輸入販売、流通、薬事規制対応─中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチドイツフランクフルト市ユーロ25,100医薬品事業100.00[100.00]有CMSによる資金の預り当社製造の医薬品の販売─台湾中外製薬股份有限公司台湾台北市新台湾ドル33,376,000医薬品事業100.00有─当社製造の医薬品の販売、開発・申請─日健中外製薬有限公司中国江蘇省米ドル30,000,000医薬品事業100.00有─当社製造の医薬品の開発・申請、販売、学術情報の提供─泰州日健中外製薬工業有限公司中国江蘇省中国元125,000,000医薬品事業100.00[100.00]有─当社製造の医薬品の包装委託─中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッドシンガポールシンガポールドル21,500,000医薬品事業100.00有CMSによる資金の預り医薬品の研究開発の委託─中外製薬ビジネスソリューション株式会社東京都北区百万円66医薬品事業100.00有─当社の事務処理業務の委託社屋の賃貸 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権に対する所有(又は被所有)割合関係内容役員の兼任等資金取引営業上の取引設備の賃貸借(連結子会社) % 中外製薬工業株式会社(注)3東京都北区百万円80医薬品事業100.00有運転資金の貸付医薬品の製造委託土地社屋及び製造用設備の賃貸 (注)1.連結子会社の主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.議決権に対する所有(又は被所有)割合の[ ]内は、間接所有割合で内数であり、小数点第3位以下を切り捨てて記載しております。
3.上記のうち、中外製薬工業株式会社及び中外ベンチャー・ファンド・エルピーは特定子会社に該当しております。
4.当社は、2025年11月にレナリスファーマ株式会社を取得し、同年12月に当社を存続会社とし、レナリスファーマ株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施しております。
5.当社と一部の関係会社は、効率的な資金活用のために、CMS(キャッシュ・マネージメント・システム)を導入しております。
中外ファーマ・ユー・ケー・リミテッド、中外ファーマ・フランス・エスエーエス及び中外ファーマ・ジャーマニー・ジーエムビーエイチについては、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッドを介して資金の貸付・借入を行っております。
6.上記のうち、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社、及び連結財務諸表に重要な影響を与えている債務超過の状況にある会社はありません。
7.親会社の所有関係は次のとおりであります。
(参考:アライアンス基本契約等については、「第2 事業の状況 5.重要な契約等(1)エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの戦略的アライアンス」をご参照ください。
) 
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況2025年12月31日現在従業員数(人)7,872 (注)1.従業員数は就業人員数を記載しております。
2.当社グループは、医薬品事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、グループ全体での従業員数を記載しております。
(2)提出会社の状況2025年12月31日現在従業員数(人)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(円)5,10442才7カ月15年5カ月13,507,769 (注)1.従業員数は就業人員数を記載しております。
2.当社は、医薬品事業のみの単一セグメント・単一事業部門であるため、当社全体での従業員数を記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況当社グループには、当社及び国内関係会社(株式会社中外医科学研究所、株式会社中外臨床研究センター、中外製薬工業株式会社、中外製薬ビジネスソリューション株式会社)を対象とした中外製薬労働組合が組織されており、2025年12月末現在の組合員数は4,861名であります。
労使は、相互信頼をベースとした協力的な関係を維持しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社 当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1マネジャーに占める女性労働者の割合(%)(注)2男性労働者の育児休業取得率(%)(注)3男性労働者の育児休業日数(日)(注)4労働者の男女の賃金の差異(%)(注)5全労働者うち正規雇用労働者うちその他の雇用労働者21.219.293.437.781.481.276.3―管理職一般職94.785.3役員相当123.8G492.5部長相当95.7G387.6課長相当96.6G292.2G1108.1 <男女の賃金差異について>・当社は、年齢・属性に捉われず誰もが活躍でき、役割・成果に応じたメリハリのある評価・処遇の実現を目指した人事制度を運用しており、処遇は男女同一であり、現在の賃金差異は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
・管理職においては、職務等級制度により、ポジションに基づき賃金が決まることから94.7%と賃金差異は小さく、役職の階層別では95%を超える水準となっています。
・差異の要因の一つである女性マネジャー比率の向上に向け、2022年に2030年末時点のKPIを設定し、女性マネジャーの登用やキャリア形成支援を強化しています。
具体的には、若手女性社員を対象とした自部門外の女性マネジャーとの対話プログラム「ななめCheck-in」を実施し、64名の参加者がキャリア形成や仕事と育児の両立に関する示唆を得る機会となりました。
また、女性の後継候補人財に対し全経営役員が育成と登用を支援する「スポンサー制」も導入しています。
こうした施策を通じて、「マネジャーという役割に前向きになれた」「自身のキャリアの視野が広がった」などの声が寄せられ、挑戦意欲の醸成につながっています。
これらの結果、女性マネジャー比率は2022年の15.9%から2025年には19.2%まで上昇しています。
・2025年から導入した新人事制度においては、職務等級制度とジョブポスティングの仕組みを組み合わせることで、社員が年齢や属性にかかわらず主体的にキャリアを構築できる環境を整備しました。
ジョブポスティング応募者に占める女性の割合は30.0%、合格者に占める女性割合は35.2%と、全社の女性社員比率(33.9%)と同水準であり、性別に関わらず挑戦できる機会が確保されていることが示されています。
・一般職の賃金差異(85.3%)については、ライフイベントによる男女の育児休業・短時間勤務取得状況の差や、時間外勤務時間等の差異が主な要因です。
特に、育児休業・短時間勤務者の割合が多いG3(87.6%)においては、その影響が顕著にみられます。
当社では、男性の育児休業取得率は90%を超える高い水準にあるため、男女共に育児参画する企業文化の定着を目指し、男性の育児休業の長期取得に向けた目標を設定し、継続的に意識啓発や環境整備を進めています。
外部講師によるセミナーや、長期育児休業を取得した男性社員による座談会を通じて、本人・上司・同僚の声を共有し、職場の理解を促しました。
また、「夫婦セミナー」を開催し、社外の配偶者も参加可能とすることで、男女共に育児に参画し活躍できる社会の実現を目指しています。
これらの取り組みにより、男性の育休取得平均日数は2022年の18.9日から2025年には37.7日に増加しました。
・これらの取り組みにより、男女の賃金差異は2022年の77.7%から2025年には81.4%へと改善しています。
女性活躍推進の目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。
(注)1.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」の規定に基づいて算出しています。
但し、管理職の定義については、課長級(部下の有無に関わらない)の社員も含めており、当社基準で算出しています。
2.マネジャーに占める女性労働者の割合(%)は、部下のいる管理職(マネジャー)、プロジェクトリーダー、高度専門職等のポジションを担う者であり、当社基準で算出しています。
対象は中外製薬株式会社及び連結子会社を含めた人数です。
3.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。
4.男性労働者の育児休業取得日数(日)は、「公表前事業年度に復職した労働者の平均育児休業取得日数」を算出しています。
分子:公表前事業年度に育児休業を終了し、復職した労働者の合計育児休業取得日数(日)、分母:当該育児休業取得人数(人)5.労働者の男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。
・育児休業取得者、短時間勤務者(パートタイマ―を含む)の労働時間の補正は行っていません。
・一般職には4つの等級(G1~G4)があります。
・その他雇用労働者は、契約社員(シニア社員を含む)及びパートタイマーです。
・2025年内の海外勤務者、及び入社者(キャリア入社者、新卒入社者、転籍者)は含めていません。
・2025年12月末付の労働者数に基づき算出しています。
② 連結子会社 当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)6男性労働者の育児休業取得率(%)(注)7労働者の男女の賃金の差異(%)(注)8全労働者うち正規雇用労働者うちその他の雇用労働者中外製薬工業株式会社14.195.773.175.743.4―中外製薬ビジネスソリューション株式会社32.3―75.772.372.9常時雇用する労働者数:300人以下101人以上配偶者が出産した男性労働者の数:0育児休業を取得した男性労働者の数:0株式会社中外医科学研究所23.1100.077.981.241.5常時雇用する労働者数:300人以下101人以上株式会社中外臨床研究センター50.0100.083.385.6―常時雇用する労働者数:300人以下101人以上その他雇用労働者:女性人数は0 <男女の賃金差異について>・各グループ会社における男女の賃金差異に関する理由・背景については、上記の中外製薬株式会社と同様です。
(注)6.管理職に占める女性労働者の割合(%)は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。
但し、管理職の定義については、課長級(部下の有無に関わらない)の社員も含めており、当社基準で算出しています。
7.男性労働者の育児休業取得率(%)は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。
8.労働者の男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出しています。
・育児休業取得者、短時間勤務者(パートタイマ―を含む)の労働時間の補正は行っていません。
・その他雇用労働者は、契約社員(シニア社員を含む)及びパートタイマーです。
・2025年内の海外勤務者、及び入社者(キャリア入社者、新卒入社者、転籍者)は含めていません。
・2025年12月末付の労働者数に基づき算出しています。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針当社グループは、世界有数の製薬企業であるロシュとの戦略的アライアンスのもと、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」ことをMission(存在意義)とし、「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーター」となることをEnvisioned Future(目指す姿)に掲げています。
事業活動は、当社グループのCore Values(価値観)である「患者中心」、「フロンティア精神」、「誠実」に沿って推進しています。
経営の基本方針は、社会との共有価値を創造し、社会とともに発展することです。
この方針に基づき、患者中心の高度で持続可能な医療の実現に向けた価値創造モデルを策定し、2024年には重要課題(マテリアリティ)を総合的に見直しました。
この結果、重点的に取り組むべき16項目を特定し、評価にあたっては、「環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)」と、「企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)」の両面から精査しています。
ロシュとの戦略的アライアンスに加え、独自のサイエンス力と技術力を生かし、革新的創薬を柱とするイノベーションに集中することで、ESGやSDGsに代表される社会課題解決をリードする、世界のロールモデルを目指しています。
これらの取り組みは、社会全体の持続性向上に寄与するとともに、当社グループの長期的な発展を支える基盤になると確信しています。
(2)目標とする経営指標当社グループはイノベーションの創出による企業価値の向上を重視し、革新的な新薬の創出に優先的に経営資源の配分を行っています。
長期にわたる投資効率の指標としてCore ROICを重点的に管理するとともに、短中期的にも安定的な利益成長を達成できるよう、機動的で柔軟な事業運営に努めています。
また、株主が提供した自己資本に対する収益性を測るROEも重要な指標であると考え、Core ROICを基盤としつつ、ROEも重視することで、事業価値及び株主価値の最大化をともに追求していく方針です。
個別の開発テーマ等の投資判断におきましては、資本コストを踏まえた投資価値評価を行い、収益性と効率性を重視した意思決定を行っています。
当社は、2021年に成長戦略「TOP I 2030」(後述)を策定し、「R&Dアウトプット倍増」「自社グローバル品毎年上市」という目標の達成を目指して取り組んでいます。
「TOP I 2030」の推進にあたり、中期(3年)経営計画を廃止し、長期目標からバックキャストして現状とのギャップを埋めるための中間(3~5年後)目標を中期マイルストンとして設定・管理しています。
これにより、計画の進捗や環境変化に応じてアジャイルかつ柔軟に軌道修正を図りながら、長期的な目標達成を目指しています。
中期マイルストンの進捗や研究開発パイプラインの見通しの説明を通じて中長期的な事業活動の進捗の状況を開示し、その達成に向けた道筋を示すとともに、引き続き、単年度業績予想の公表や各説明会等の場で経営状況を説明し、当社の掲げる経営戦略の進捗を適時報告してまいります。
(3)環境認識と対処すべき課題世界には、未だ治療法のない疾患が数多くあります。
加えて、世界人口の増加と各国における高齢化進展に伴い、医薬品への期待・ニーズは一層高まっています。
また、ライフサイエンスや生成AI等のデジタル技術の飛躍的な進歩によって、異業種も含めた医療課題解決に向けたイノベーション創出機会が拡大しています。
一方、各国において医療費等の社会保障費増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策はますます厳しくなり、持続可能な医療の実現が世界共通の課題となっています。
限られた資源のもとで高度かつ持続可能な医療を実現するため、「真に価値あるソリューションだけが選ばれる」VBHC(Value Based Healthcare)の流れは着実に加速しています。
また、デジタルをはじめとする多様なプレーヤーがヘルスケア領域に参入することで、既存業界の枠を超えた競争もこれまで以上に熾烈化してきています。
加えて、国際政情不安による地政学リスクの増加、エネルギー価格、インフレ等による事業運営の不確実性の高まりとともに、地球環境保全や情報セキュリティ対策、AI(人工汎用知能)等の加速度的な技術革新への対応等、事業運営にあたり取り組むべき課題自体も広範になっております。
そのような中、革新的な医薬品の提供を使命とする私たちの最重要課題は、「イノベーションの追求」であると考えています。
患者さん一人ひとりにとって最適な医療の実現に向けて、新たな治療ターゲットの探索や創薬技術のさらなる革新により、アンメットメディカルニーズに応える新薬の創出が求められます。
さらに、ビッグデータやAIなどのデジタル技術の進化を柔軟に取り入れ、従来の創薬力にとどまらない能力を獲得・強化することが競争優位性を確保する鍵となります。
また、グローバル規模での財政圧力の増加によって製薬企業の経営環境が厳しさを増す中、限られた資源をイノベーションに集中投資できる体制への変革が一層求められています。
当社グループは、独自のサイエンス力と技術力、ロシュとの戦略的アライアンスを基盤として、国内トップクラスの成長を実現してまいりました。
ロシュの充実したパイプラインにより日本市場における安定した収益基盤を確保しながら、自社創製品の後期開発や販売ではロシュのグローバル・プラットフォームを活用する、高い生産性を実現するビジネスモデルにより、自社創薬に資源を集中し、革新的な研究開発プロジェクトを連続的に創出しています。
その結果、これまで6品目/9つのプロジェクトで当社創製医薬品(アクテムラ、アレセンサ、ヘムライブラ、エンスプリング、ネモリズマブなど)が米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)*」に指定されるなど、当社グループの創薬力は世界的に高い評価を受けています。
今後も、革新的新薬をいち早く創出・患者さんにお届けすることで、当社の企業価値向上と社会課題解決を目指してまいります。
* 画期的治療薬(Breakthrough Therapy):重篤または致命的な疾患や症状に対し、既存治療を上回る改善が期待される治療薬候補 (4)2030年に向けた成長戦略「TOP I 2030」当社グループは、ミッションステートメントに掲げたEnvisioned Future(目指す姿)の実現を目指し、2030年に到達すべきトップイノベーター像を具現化するとともに、その実現に向けた成長戦略「TOP I 2030」を策定し、2021年から展開しています。
2024年7月にはこれまでの進捗と成果について振り返り、戦略を精緻化しました。
2030年トップイノベーター像 1)「世界の患者さんが期待する」世界最高水準の創薬力を有し、世界中の患者さんが「中外なら必ず新たな治療法を生み出してくれる」と期待する会社2)「世界の人財とプレーヤーを惹きつける」世界中の情熱ある人財を惹きつけ、ヘルスケアにかかわる世界中のプレーヤーが「中外と組めば新しい何かを生み出せる」と想起する会社3)「世界のロールモデル」サステナビリティを事業活動の中心に据え、社会課題解決をリードする企業として世界のロールモデルである会社 「TOP I 2030」の二つの柱は、「世界最高水準の創薬の実現」と「先進的事業モデルの構築」です。
独自のサイエンス力と技術力を駆使して数々の革新的新薬を生み出してきた当社は、今後さらに創薬力を大きく向上させ、世界のアンメットメディカルニーズに応えるソリューションを継続的に世に送り出せる体制構築・強化を目指します。
具体的には、R&Dアウトプットを2030年までの10年間で2倍に拡大し、革新的な自社開発グローバル品を毎年上市できる会社を目指します。
そして、環境変化や技術進化を踏まえた先進的事業モデルの構築にも取り組んでまいります。
特にデジタルを活用したプロセスや価値創出モデルの抜本的な再構築によって、バリューチェーン全体にわたる生産性の飛躍的向上と、一人ひとりの患者さんにとっての価値・製品価値の拡大を目指してまいります。
「TOP I 2030」では、戦略の二本柱を実現するための具体策として、「創薬」「開発」「製薬」「Value Delivery」の各バリューチェーンとそれを支える「成長基盤」を合わせた「5つの改革」を掲げています。
①創薬改革 創薬においてはR&Dプリンシプルに基づき、低分子・抗体など既存技術の革新に加え、中分子など新たなモダリティへの挑戦を通じて、従来は困難とされてきた標的へのアプローチや、現状の技術では対応困難な作用機序の実現を目指しています。
また、有効性・安全性・DMPK*1・物性などあらゆる面で妥協のない高品質な開発候補分子の創出に取り組むことで、臨床開発における高い成功確率の実現に繋げてまいります。
私たちには国内アカデミアとのコラボレーションによって多くの医薬品を創製してきた歴史があり、現在は国内外のアカデミアやスタートアップとの連携にも積極的に取り組んでいます。
2024年1月からは米国を拠点とするコーポレートベンチャーキャピタルとして中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーも活動を開始し、自社単独での創薬にこだわるのではなく、外部の技術や標的をより積極的に探索し、自社の強みと融合させることで、創薬機会の拡大を目指します。
未解決の医療ニーズに応え、治癒・早期介入・予防につながる革新的な創薬を追求し、患者さんのQOL向上に引き続き貢献してまいります。
*1:生体内における薬剤の挙動のこと(薬物代謝/薬物動態) ②開発改革 「TOP I 2030」の取り組みが進むにつれ、臨床へ移行するプロジェクトが増加していきます。
臨床開発力とヒト予測力*2の融合による適切・迅速なGo/No-Go判断を行い、医薬品として実用化できる可能性が高いと判断された時点で、複数の適応症で同時開発を進め、プロジェクト全体の価値の早期最大化を目指します。
また、より早期の段階からTrue endpoint*3の実証に取り組み、後期開発に繋げることで患者さんへの提供価値を最大化します。
後期開発においてはデジタル技術やリアルワールドデータ(RWD)を活用し、臨床試験のあり方そのものを見つめ直すことで、業界をリードする新規価値の創出と更なるオペレーションモデルの変革を図っています。
さらにはロシュとの協働を通じて、開発戦略や試験計画への提言を行うことで成功確率の向上に寄与し、グローバルでの製品価値最大化にも貢献していきます。
これらの取り組みにより、プロジェクトの価値最大化と生産性向上を追求してまいります。
*2:ヒトの身体の中での薬の動態や生体反応をモデリング&シミュレーションすること*3:患者さんのQOL向上に寄与する真の価値 ③製薬改革 「R&Dアウトプット倍増」の目標に合わせて、中分子を始めとする新たな創薬アイディアを医薬品として患者さんへ届けるために、世界水準の製薬技術を追求します。
創薬・早期開発~製薬の機能間連携を今まで以上に強化し、高活性かつ薬剤化することの難易度が極めて高い化合物の原薬・製造・分析技術を確立することで、生産体制を整えていきます。
抗体分野においてもさらなる技術振興に取り組むことで、臨床開発品の選定から治験申請までの期間を短縮し、開発のスピードアップを実現します。
生産においては、デジタルやロボティクス活用を含めた生産技術力の強化によって効率化を図ると同時に、災害や地政学リスクに備え、頑健で競争力のある供給体制の構築に注力しています。
スマートファクトリーの実現に向けた各種取り組みと、上市後CMO*4など外部パートナーとの協働を通じたデュアルサイト戦略を基本とし、必要な設備投資にも積極的に取り組むことで、安定供給とグローバル水準の品質実現を目指してまいります。
*4:医薬品製造受託機関(Contract Manufacturing Organization:CMO) ④Value Delivery改革 Value Delivery機能においては、これまで以上に「患者さん中心の最適な治療選択に貢献する迅速なエビデンス創出」と「革新的な顧客エンゲージメントモデル確立による高度な価値提供」を追求します。
具体的には、ロシュやアカデミアとの協働を通じて質の高い臨床研究と製造販売後調査を実施し、市販後早期に価値の高いエビデンスを提供することを目指しています。
また、非臨床・トランスレーショナルリサーチの知見を活用し、副作用リスクの予測や重篤化回避に取り組むなど、個々の患者さんに寄り添った適正使用の取り組みを推進しています。
新たな顧客エンゲージメントモデルの確立においては、顧客との接点に劇的な変化が起こっている環境を踏まえ、リアル・リモート・デジタルを組み合わせたマルチチャネル戦略を展開しています。
今後さらに多様化する顧客のニーズに合わせ、柔軟なアプローチを選択できる体制を構築し、価値提供の最適化を図ってまいります。
組織の効率化に向けては、優先的に資源投入すべき業務の洗い出しと、成長・新規領域への資源シフトを進めており、それを実現するために、成熟品を中心とした第三者への譲渡など、スリム化も継続して検討していきます。
また、デジタル活用やアウトソーシング・業務集約など、これまでの慣習・プロセスに捉われない抜本的な変革を進めてまいります。
⑤成長基盤改革 各バリューチェーンにおける改革と並行して、イノベーションの創出と成長戦略の実現を支える「全社基盤」として、特に下記5つの領域を重点分野として継続強化に取り組んでまいります。
「人・組織」:経営戦略に基づいた人財マネジメント方針の徹底を通じて、人的資本の強化を進めていきます。
年齢・属性に拘わらずチャレンジを後押しする人事制度の運用を徹底するとともに、社員一人ひとりのキャリア開発を含めた自律的な学び/成長の支援、デジタル人財やサイエンス人財など、戦略遂行上の要となる高度専門人財の獲得や育成に注力します。
また、イノベーションを生み出す組織風土構築に向けたDE&Iの推進や、全従業員の健康を促進する施策などについてもより高いレベルを目指していきます。
「デジタル」:CHUGAI DIGITAL VISION2030で掲げた「デジタル技術によって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになる」に、継続して取り組みます。
具体的には、デジタルを活用した革新的な新薬創出と全てのバリューチェーンの生産性向上に向け、各機能における最重要課題の解決に向けた共創の取り組みを開始しています。
また、デジタル人財育成の強化及びビジネス価値向上に繋がるIT基盤の強化などを継続して推進し、イノベーション創出を支える全社基盤の構築を目指してまいります。
「サステナビリティ・環境」:サステナビリティを事業活動の中心に据えた上で、高い目標である中期環境目標2030の達成を目指して努力を継続する事により、社会への環境負荷軽減を目指します。
具体的には、CO2排出量やエネルギー消費量、フロン類使用量などの削減による「気候変動対策」、廃棄物排出量や水消費量の削減による「循環型資源利用」、有害廃棄物排出量の削減を通じた「生物多様性保全」などに継続して取り組んでいきます。
また、環境に加えて、ガバナンス向上やそのための情報開示の充実なども進めてまいります。
「クオリティ」:製品、情報、プロセスの質とそれを実現する人財により世界をリードし、中外クオリティを社外に対しても訴求・浸透させていきます。
そのために、患者さんの期待に応える製品・サービスを確実に提供するとともに、質と効率を両立する先進的手法の獲得、パートナーとの協働を推し進めます。
また、それら全てのベースとなる「クオリティカルチャー」を全てのバリューチェーンにおいて浸透させていきます。
「PHCソリュ―ション*5」:患者さんのニーズは多様かつ高度化しており、革新的医薬品の創出と提供においては、その価値証明や治療効果を最大化するために、病態や治療効果を精緻に診断・測定することで、個々の患者さんに最適な治療を可能とする試みが今後ますます重要となっていきます。
*5:病態や治療効果を精緻に診断・測定することで、個々の患者さんに最適な治療を可能とするSaMD(Software as a Medical Device)/バイオマーカー等の製品・サービス
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
詳細につきましては当社ホームページをご参照下さい。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
中外製薬ウェブサイト「サステナビリティサイト」(2025年活動情報は2026年5月頃公開予定)https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/index.html (1)サステナビリティ課題全般当社は、サステナビリティを事業活動の中心に据えて社会課題の解決をリードし、その活動を通じて創出される価値を様々なステークホルダーと共有し、社会と共に発展する「共有価値の創造」を経営の基本方針としています。
私たちの掲げるミッションは「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献すること」です。
そのミッションに基づき、私たちだからこそ生み出せるイノベーションで、「患者中心の高度で持続可能な医療」を実現することによって共有価値を創造します。
① ガバナンス当社のサステナビリティ全体の責任者は、取締役会ならびに経営会議の議長である代表取締役 CEO が担当しています。
当社は、サステナビリティに関連する課題は経営上の重要な課題として認識しており、取締役会においては、サステナビリティに関する方針の審議や各個別課題の進捗のモニタリングなどにより、サステナビリティに関する取り組みについて監督しています。
また、執行面の責任については経営会議メンバー全員が関与・コミットする体制となっており、サステナビリティに関する具体的な計画や政策、投資については、経営会議で審議を実施した上で、全社の経営戦略及び業務執行上の重要な意思決定を行っています。
より具体的かつ専門的な事案については、経営会議の諮問機関として四つの委員会が推進する体制となっています。
地球環境保全をはじめとするサステナビリティ全体に関する事項の俯瞰的・統合的な方針や戦略の策定ならびに実行についてはサステナビリティ委員会、法令順守や各種コンプライアンスに関連することはコンプライアンス委員会、リスクマネジメントについてはリスク管理委員会、サステナビリティに関するコミュニケーションについては広報IR委員会で議論する体制となっています。
各委員会の委員長は、いずれも経営会議のメンバーで構成されています。
<サステナビリティ委員会>サステナビリティ委員会は、当社グループ全般(中外製薬株式会社及び国内外の関係会社)と社会の長期的な発展と持続可能性を目指し、そのための方針・戦略策定、及びその実行の推進を行うことで、企業価値の持続的向上を図ることを目的とする経営専門委員会です。
ESG推進統括役員を委員長とし、広報IR統括役員、人事統括役員、リスク管理統括役員、コンプライアンス統括役員、経営企画部担当役員からなる委員により構成されています。
全社的なサステナビリティに関する方針の策定、マテリアリティやその指標等の策定、リスク及び機会の特定と対応、環境、人的資本、社会貢献など、サステナビリティの推進に関連する事項について協議する場となっています。
サステナビリティ委員会の2025年活動内容及び2026年活動計画については経営会議・取締役会へ報告を行いました。
<取締役のサステナビリティスキル>当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、サステナビリティを含む経営上の重要な課題をマテリアリティ(重要課題)として整理しています。
マテリアリティ(重要課題)は取締役会での議論や意見を踏まえて策定しており、マテリアリティ(重要課題)がスコープとする幅広い社会課題に対して、取締役の知識・スキルを確保するため、有識者による勉強会を定期的に開催しています。
<サステナビリティと役員報酬の連動>当社はサステナビリティに関する取り組みを業務執行取締役における報酬に組み込んでおり、2021年から運用しています。
当社の業務執行取締役の報酬の指標は、固定部分と業績連動に分けられており、業績連動部分の賞与において、財務成果だけでなく、環境対策などESG課題の達成状況も業績連動の指標に反映しています。
役員株式報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照下さい。
② 戦略当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、「患者中心の高度で持続可能な医療」の実現を目指しています。
この経営の基本方針に基づき、当社の価値創造のプロセス全体を表現したのが「価値創造モデル」です。
価値創造の源泉を活用しながら、サステナビリティを含む経営上の重要な課題を整理し、経営の方向性や方針を定める上での基軸(重要な要素)となるのがマテリアリティ(重要課題)です。
当社は、2019年に初めてマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
以降、社内外との対話を通じ、社会からの期待・要望や戦略の進捗のもと、随時アップデートし、価値創造戦略の基盤として活用してきました。
2024年には、ダブルマテリアリティ(環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)と企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ))の考え方に基づき、リスクと機会を分析し、総合的にマテリアリティの見直しを行いました。
見直しにあたり、医療関係者、患者団体、アカデミア、金融市場関係者、公益財団法人、NGOなど、幅広い外部ステークホルダーからの視点を積極的に取り入れると共に、事業活動を取り巻く将来の環境動向・リスクを踏まえ、当社が社会から期待され、求められている課題を網羅的に抽出しました。
また、将来にわたる事業環境の展望・分析に加え、サステナビリティに関するグローバルなイニシアチブであるSDGs、GRI(Global Reporting Initiative)、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)などを活用したギャップ分析を実施し、当社が十分に満たせていない事項なども精査して取り入れ、マテリアリティを価値創造の方針を考える基軸と捉え直し、従来の26項目から、16項目の重要課題を特定・集約しました。
また、「Challenges」、「Co-creation」、「Commitments」という3つの軸によるストーリーとして整理しています。
「Challenges」として、独自のサイエンス力と技術力、新たな発想で、革新的な医薬品とサービスの創出へ挑戦します。
その挑戦を支えるべく、「Co-creation」として、ロシュをはじめ多様なパートナーと真に求められている新しい価値を共創します。
そして、「Commitments」として、持続可能な社会に向け、ヘルスケアを中心とした社会課題の解決に取り組み、誠実かつ先進的に行動します。
これら3つの軸による価値創造を進めることにより、患者中心の高度で持続可能な医療を実現していきます。
「Challenges」においては、革新的な医薬品とサービスを連続的且つ継続的に創出することは当社の中核的な事業活動であり、社会課題解決に向けて重要な活動であると認識しています。
独自の技術を核とした創薬技術の確立や、開発品のポートフォリオの拡充に加え、患者さん一人ひとりに最適なソリューションを創出して提供することを重要な課題と捉えています。
また、保険医療のアクセスに関わる課題を解決すると共に、高い品質と安定的な製品供給、そして、患者さん及び臨床試験被験者の安全性を確保することが極めて重要な責務です。
「Co-creation」について、当社が解決を目指す高度かつ複雑な社会課題の解決に向けては、多様なパートナーとの連携による価値創出が不可欠と捉えています。
特に当社が重要視するのが、当社のイノベーション創出を支える社員です。
当社は人的資本に関する取り組みを強化しており、育成と成長、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、ウェルビーイングなどに関する様々な施策を展開しています。
また社外のパートナーとの連携も強化しており、オープンイノベーションの推進や戦略的な投資、政府機関等での活動にも積極的に参画しています。
また、デジタルトランスフォーメーションは、成長戦略におけるキードライバーの一つとして位置づけており、プライバシー保護に取り組みながら、デジタルテクノロジーの積極的かつ責任ある利活用を推進しています。
「Commitments」については、コーポレート・ガバナンスとステークホルダーエンゲージメントを重視しながら、高い倫理観に基づく事業活動と高度なリスクマネジメントを展開します。
地球環境の保全に留まらず、再興を目指して地球市民として世界最高水準の環境に関する取り組みを推進していきます。
これら重要課題を踏まえ、当社が中長期で目指す姿として、2030年のトップイノベーター像を策定し、その実現に向けた成長戦略として「TOP I 2030」を設定しています。
成長戦略についての詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
③ リスク当社が考えるサステナビリティに関する主要なリスクについては、全社的リスクマネジメントプロセスの中で可視化して特定しています。
リスク選考に係る方針を「リスクアペタイト ステートメント」として明示し、全社的に対処すべきリスクを「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けてリスク管理を行っています。
リスク管理の体制については、「リスク管理ポリシー」及び「リスク管理規程」を制定し、経営専門委員会として「リスク管理委員会」、各部門及び国内外の子会社ごとに「部門リスクコンプライアンス委員会」を設置しています。
その中でも、サステナビリティに関するリスクとしては、制度・規制・政策に関連するリスク、ITセキュリティ・情報管理に関するリスク、大規模災害、サプライチェーン、パンデミックなどの外部環境の動向に左右される事項、ならびに人権や地球環境問題などの企業市民としての社会的責任が大きい事項について、注視して取り組んでいます。
当社の考えるリスクの詳細と、当社グループにおけるリスクマネジメントについては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
④ 指標及び目標当社では重要課題について、外部環境の変化や、戦略の進捗、社会からの要請を踏まえて定期的に見直しを行い、それらを加味した単年度計画を立案し、進捗を管理することで、機動的な戦略遂行・計画の修正を行っています。
また、経営の基本方針である「共有価値の創造」のプロセス全体を表現した価値創造モデルを策定しております。
戦略の進捗ならびに外部環境変化の評価に基づき、機動的な資源配分の見直しや経営計画の修正を行い、目指す姿の実現に向けてアジャイルな対応を図っています。
価値創造モデルにおいては、価値創造の源泉となる経営資源(資本)を整理しています。
具体的には、①人財(人的資本)、②技術・知的財産(知的資本)、③ロシュや外部との協働(社会関係資本)、④製薬・設備(製造資本)、⑤環境・エネルギー(自然資本)、⑥財務・経営関連(財務資本)の6つを重要な源泉としており、それぞれに現状を定量・定性の両面から捉え、それを踏まえた重点テーマと課題を特定、認識し、対策を進めています。
その中で、とりわけ重視しているのが、イノベーションを起こし、当社の価値創造の原動力となる人的資本と、事業を支える重要な基盤となる自然資本です。
価値創造の源泉 カテゴリ重点テーマ価値創造の源泉課題認識と対策人財(人的資本)●社員の働きがい・生きがいの向上●イノベーション創出に資する人財の獲得・育成●DE&Iの継続的な推進●社員 組織風土(エンゲージメント、社員が活きる環境)●高度専門人財の獲得・育成●一人ひとりが主体性を発揮し、活躍できる環境構築●イノベーション創出への環境・仕組み構築と企業文化の維持向上技術・知的財産(知的資本)●マルチモダリティの進展●世界最高水準の創薬技術・基盤特許の拡充●デジタルによる創薬基盤強化●バイオロジーの深化●抗体エンジニアリング技術、低分子・中分子創薬技術●研究プロセス・ライブラリー●研究・製薬に関わる知的財産●研究開発投資への集中●マルチモダリティ技術補完と知財戦略充実●疾患バイオロジーの理解深耕、外部との協働ロシュや外部との協働(社会関係資本)●ロシュ・グループ等を通じた自社品のグローバル展開●技術、サイエンスおよびDXにおける外部協働●ステークホルダーとの対話●ロシュ品の独占販売権・インフラ●アカデミアとのネットワーク、スタートアップへの投資●患者団体・患者・投資家等との対話●ロシュとの協働における継続的かつ高い貢献●アカデミアやスタートアップ等との協働●患者団体等との共有価値創造に向けた活動製薬・設備(製造資本)●モダリティや技術進化、DXに対応した研究・生産の先鋭化●柔軟かつスピーディーな開発・次世代生産体制●安定供給・品質確保の徹底●研究拠点(横浜、浮間、シンガポール)●生産拠点(浮間、藤枝、宇都宮)●品質マネジメントシステム●R&Dアウトプット増大に対応する体制構築●品質・供給リスクへの継続的対応、リスク低減環境・エネルギー(自然資本)●気候変動対策や生物多様性保全への貢献●サーキュラーエコノミーに対応した資源循環●脱炭素・水資源管理に向けた技術・運用知見●環境マネジメントシステム●外部とのネットワーク●環境負荷とコストのベストミックスの推進●EHSリスクの低い製造プロセスの開発●外部パートナーとの連携財務・経営関連(財務資本)●収益構造の継続進化●戦略投資を確保するキャッシュ・フロー拡大●収益構造●継続的な再投資●資本市場での継続的な評価向上 (2)人的資本への取り組み① 当社における人的資本の位置づけ当社では、患者中心の高度で持続可能な医療の実現を目指す上でカギとなるのは「人財」だと考えています。
イノベーションを起こすのは人財であり、社員一人ひとりが価値創造の原動力だからです。
当社の成長戦略「TOP I 2030」で掲げる「R&Dアウトプット倍増」、「自社グローバル品 毎年上市」という高い目標を達成するためには、今まで以上に人財の「個」の力を高め、「人的資本」の価値を向上させる必要があると考えています。
自律型人財、すなわち、会社のビジョンと、自身のパーパスをシンクロさせ、主体的に考えながら周囲を巻き込んで事業を推進できる人財の育成は極めて重要な課題であり、そのような人財を「輝く社員」と定義し、輝く社員が増えイノベーションが生まれるよう、人財マネジメント方針に基づき様々な人事施策を講じています。
特に、2025年1月からは新人事制度を導入し、ジョブ型人事制度の拡大やジョブポスティング制度の導入、高度専門ポジションの拡充、雇用上限年齢の撤廃を進めることで、「個」の成長・挑戦を一層加速させながら、3つの個(描く・磨く・輝く)を実現し、個が変わり(輝く社員の増加)、会社が変わり、ひいては成長戦略「TOP I 2030」の達成に繋がることを目指しています。
② 戦略人財の価値を最大限に引き出すために、当社では人財マネジメント方針に基づき以下の戦略を実行しています。
・個を描く「社員一人ひとりがキャリアを描き、未来の自己実現と「TOP I 2030」とをシンクロさせる」ことをテーマに掲げ、次世代経営人財とサイエンス人財やデジタル人財等の高度専門人財の発掘・採用・育成に力を入れて取り組んでいます。
本取り組みを通じて、志を持って挑戦し続ける人財、Core Valuesを体現する人財、主体性のある人財を増加させることを目指しています。
社員が主体的にキャリアをデザインし、その実現に向けて成長・挑戦することを、より一層後押ししていきます。
・個を磨く「社員の自主性を尊重し、社員が挑戦し、自律的な学びや専門性を強化する」ことをテーマに掲げて、イノベーションを生み出すためには、個々のスキルアップと社員の挑戦を後押しする仕組みが不可欠です。
成長実感を促す人財育成、社外ネットワーク機会の創出、次世代経営人財の計画的な育成などができる体制の強化を目指しています。
自律的に挑戦・学習し自らの専門性を磨き続ける人財を支援すべく、ラーニングマネジメントシステムである「I Learning」による学びの強化、社内外における交流機会の創出に注力しています。
特に、戦略的提携アライアンス先であるロシュ社との人財交流は当社ならではの取り組みであり、育成への投資に継続的に取り組んでいきます。
・個が輝く「社員が自身の力を最大限に発揮し、挑戦によって成長が実現できる環境を整える」ことをテーマに掲げて、挑戦を促す風土、自律支援型マネジャー、多様性を活かすDE&Iを推進する組織文化を醸成し、それらをより強固なものとすることを目指しています。
具体的には、働きがい改革や女性活躍の推進、多様な社員がいきいきと活躍する環境づくり、「Check in(上司と部下の1on1)」を通じた自律支援型マネジメントの実践、健康経営の推進のほか、2025年1月から導入された新人事制度では、自ら手挙げで異動先を決められるジョブポスティング制度を導入し、社員自らがキャリアを描き、主体的に実行できる仕組みにして、社員一人ひとりの挑戦や成長を後押ししていきます。
このように、社員一人ひとりが自身の力を最大限に発揮し、イノベーション創出が促進されるための環境づくりを目指し、以下に取り組んでいます。
・「挑戦・成長」を推奨する組織文化の醸成「TOP I 2030」の実現に向けて、部門や職種、職位の違いに拘わらず自由闊達に議論する文化への変革を目指しています。
その一環として、社員の自発的な手挙げによるジョブポスティング制を導入しました。
導入初年度となる2025年のジョブポスティングでは、募集ポジション約1,000件に、約2,300件の応募がありました。
30~40代の応募が多いものの、年代に関わらず多くの社員が手を挙げて自身で描いたキャリアを掴んでおり、一般社員が「最大4段階の飛び級昇格」をする実績も出ています。
また、会社・組織目標とシンクロした未来に実現したい挑戦的な目標(ビヨンド目標)を設定し、その実現に向けて創出した価値を加点的に評価する新たな評価制度や、自身の想いと会社の目指す姿を重ね主体的行動によって社内外へ意義・影響を与えた活動を社員から募り、皆で発表し称え合う表彰制度等を通じて、社員の更なる挑戦・成長を後押ししています。
・働きがい改革の推進2022年より多様な社員一人ひとりの自己実現を目指して、自律的で柔軟性の高い働き方や主体的な行動による能力発揮を支援する「働きがい改革」を進めています。
社員一人ひとりの「働きがい」を高めるべく、キャリア自律や成長支援による「社員エンゲージメント向上」と時間と場所の柔軟性の高い働き方や上司・部下の「Check in(1on1)」での対話を通じた関係構築や成長・挑戦の後押し等による「多様な社員が活きる環境づくり」を両輪で推進し「TOP I 2030」実現に向けて輝く個の更なる増加を図り、グローバル好業績企業と同水準を目指します。
・DE&Iの推進「多様な価値観や専門性から革新は生み出される」を共通認識とし、異なる考え方やアイデアを尊重し合いながら、多様な人財がそれぞれ最大限の力を発揮し、インクルーシブな組織文化を醸成することで、共に挑戦し、イノベーションの促進を目指しています。
この実現に向けて、環境整備や社員の意識醸成、組織文化醸成に関わる様々な取り組みを推進しています。
女性活躍推進においては、女性を含め多様な人財が当たり前にビジネス上のあらゆる場面に参画し、意思決定の多様性を広げると共に、活躍できる状態を目指し、2030年末に全ての階層における女性マネジャー比率を社員比率と同水準とすることを目標に掲げています。
若手女性のキャリア形成・成長支援に向けた「ななめCheck in」を実施し、ポジション任用前の女性の早期からの自律的なキャリア形成の意識醸成及び成長を支援、そしてマネジャーやリーダーの視点や行動の理解を深め、マネジメントやリーダーシップに対する意識・行動変化を支援しています。
また、育児や介護、健康課題等と仕事の両立、LGBTQ、障がい者雇用といった社員一人ひとりを取り巻く様々な課題に取り組むことで、多様な社員が生き生きと活躍し、主体的に挑戦・成長できる環境づくりに継続して注力しています。
LGBTQの取り組みとして、当社には有志社員で構成されるLGBTQアライグループがあります。
LGBTQアライとは、LGBTQ+の課題に対して、LGBTQ+を理解し、支援する人のことを指します。
中外LGBTQアライグループのミッションステートメントとして「私たちはLGBTQ+やアライについて職場の理解と意識を高め、アライの仲間を増やしていきます。
」「あらゆる性のあり方を尊重し、社員誰もが自分らしく、いきいきと働ける職場風土を目指します。
」を掲げ、日々活動が行われています。
・健康経営の推進健康経営を働きがい改革の土台として位置づけ、「社員の自律的な健康管理」と「会社の積極的な働きかけ」にも注力しています。
特に、従業員の健康の観点では、喫煙率、がん再検査受診率、高ストレス者面談希望率(希望者/受検者)を重要指標として設定し、進捗のモニタリングを行いながら、誰もが充実して働き続けていくことを目的に様々な取り組みを加速させていきます。
③ 指標及び目標人財マネジメント方針で定める3つの「個」(描く・磨く・輝く)をそれぞれ強化することで「志を持って挑戦し続ける人財の増加」・「人財を支える仕組みの整備」・「挑戦・成長を促す文化の醸成」の実現を目指しています。
これら3つの実現・掛け合わせにより、人的資本の価値が向上し連続的なイノベーションの創出に繋がると考えており、その要素を因数分解し、成果指標として可視化・公式化しています。
公式は以下の図のように「3つの個」の枠組みに基づき設計しており、計9つのテーマ、17の重点指標を定義しています。
2030年に向けた数値目標を設定し、各指標を定期的にトラッキングしていくことで、集中的に取り組むべき課題と対策を明らかにし、連続的イノベーションを実現するための体制を整えています。
④ 重点指標とその進捗人的資本の向上に向けた3つの「個」(描く・磨く・輝く)に応じた9つのテーマ、17の重点指標の進捗は以下のとおりです。
(社員意識調査は隔年で実施) (3)気候変動への取り組み① 地球環境保全に関する考え方地球環境保全はすべての事業活動を支える重要な基盤であり、長期的視点で環境リスクを低減することは、気候変動や資源枯渇に備えた事業継続リスクへの対応であると考えます。
そして、将来コストの低減、イノベーションを生み出す施設・設備体制構築、ステークホルダーの信頼獲得につながることから、当社の企業価値向上にも大きく影響するものと考えています。
また、製薬企業として人々の健康に貢献するという当社のミッションを果たすためには、健康の前提となる地球環境の保全が不可欠であると考えています。
当社グループは世界的な環境コンセンサスを踏まえた挑戦的な「中期環境目標2030」を掲げ、ロシュや外部パートナーとの連携による革新的な環境保全活動とエビデンスに基づく能動的な情報開示により、環境課題の解決をリードする世界のロールモデルを目指していきます。
気候変動に関連する取り組みについては、2020年1月に気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しており、TCFDで推奨されているフレームワークに沿って情報開示しています。
また、生物多様性に関連する取り組みについては、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に賛同し、2025年6月にTNFD Adopterへ登録、TNFDで推奨されているフレームワークに沿って2025年7月に情報開示し、ステークホルダーとの対話にも活用しています。
② 戦略重点分野当社グループは2030年に到達を目指すトップイノベーター像とそれを実現するための新たな成長戦略「TOP I 2030」を策定しています。
その実現に向けた「成長基盤改革」の重点分野の一つに「サステナビリティ・環境」を設定し、2030年を最終年とする「中期環境目標2030」を推進しています。
「中期環境目標2030」では、環境課題分析からマテリアリティとして特定した気候変動・エネルギー対策、資源の循環促進・適切な水管理、生物多様性保全に基づき、以下3つの課題を重点分野として定め、積極的に環境保全活動に取り組んでいます。
なお、「中期環境目標2030」の進捗状況については、年1回、経営会議及び取締役会にて定期報告を実施しているほか、重要な事案については随時報告を実施しています。
・気候変動対策世界的な環境コンセンサスと比較してよりチャレンジングな目標を掲げ、温室効果ガスの排出量の削減とエネルギーの効率的使用の実現に向けて、ロシュ、外部パートナー及びアカデミアとの連携による新たな環境対策の創出及び推進に取り組みます。
・循環型資源利用廃棄物全体の削減目標だけでなく、主な海洋汚染源であるプラスチック廃棄物の削減についても目標を設定し、環境に配慮したプラスチックの共同技術開発やサーキュラーエコノミーに基づく事業活動の推進を通じて、廃棄物ゼロエミッションの実現に向けて取り組みます。
加えて、水は医薬品製造にとって重要な原材料の一つであり、世界的にも重要な資源であることから、水の使用量削減・汚染防止に取り組みます。
・生物多様性保全かけがえのない地球を次世代につなぐため、自然資本の保全・回復への取り組みに加え、研究開発型の製薬企業として多くの化学物質を取り扱っていることから、事業活動における環境インパクトに応じた独自の目標を設定し、製品製造プロセスの検証も含めた有害化学物質削減に取り組みます。
気候変動に関するリスクと機会のシナリオ分析結果当社グループのCO₂排出量は事業から直接排出される排出量(Scope 1、Scope 2)は少なく、大半はサプライチェーンから排出され、排出量(Scope 3)が多いことが特徴です。
このような認識に基づき、シナリオ分析を実施しました。
・シナリオ分析の前提条件中外製薬は、気候変動対策を検討するにあたり、脱炭素社会への移行に向けたシナリオについて国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示す、脱炭素への取り組みが進んだシナリオ(1.5℃)と緩和対策なく現状のまま社会が進むシナリオ(4℃)のそれぞれにおいて、どのようなビジネス上の課題が顕在化しうるかについて、全社を対象にシナリオ分析を実施しました。
分析対象は中外製薬グループ全体とし、原料調達を含めたサプライチェーン全体を考慮しています。
また、シナリオを想定する上での時間軸としてIPCCが報告書等においてマイルストーンとして設定する2030年及び2050年を見据えた分析を行っています。
・気候関連リスクの識別及び評価のプロセス中外製薬グループは、気候変動リスクを含むリスクを定量的に管理するツールとしてリスクマップを作成しています。
経営会議の諮問委員会の一つであるリスク管理委員会は、リスクマップで特定されたリスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定し、対応する部署を選定します。
特定したリスクについて影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)から固有リスクスコアを算出します。
固有リスクに対して既に講じた対策、対策を講じるための体制の有無、専門家の見解等のリスク低減・回避のための手段をスコア化し、固有リスクスコアから差し引いた残余リスクスコアに基づいて優先順位を決定します。
残余リスクが「高」に分類される3.67以上のリスクを、戦略面で重大な影響があると判定し、優先的に対応策を検討します。
なお、残余リスクの分類は高(3.67~5.00)、中(2.34~3.66)、低(1.00~2.33)の3段階であり、高、中、低の順に対応します。
・財務影響額の程度の定義特定したリスクに関する固有リスクスコアを算出する際の財務影響額の定義は以下のとおりです。
低位:1億円未満、中位:1億円以上50億円未満、高位:50億円以上 ・シナリオ分析の結果を受けての方向性シナリオ分析の結果、特定された気候変動に伴う当社のリスクと機会は以下のとおりです。
特定されたリスクと機会を踏まえ、当社グループとしては気候変動対策を積極的に推し進めるとともに、戦略や目標の設定に活かしていきます。
③ 指標及び目標当社グループは、中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2020年に前回の中期環境目標の結果分析や社会からの期待・要望の変化を踏まえ、より長期的な視点かつ包括的で、ロシュグループの環境目標とも整合性を持たせた意欲的な「中期環境目標2030」を策定しています。
また、中期環境目標2030の達成に向けて、ビジネスの成長に必要な投資枠(成長投資)とは別に、環境投資枠(環境投資)を設定し、2022年から環境投資額を試算しています。
環境負荷が相対的に大きい研究本部、製薬技術/生産技術本部における環境投資額は、累計で1,359億円と試算しています。
2025年度の実績は、下記ページにて2026年5月頃公開を予定しています。
「環境投資」ページhttps://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/environment/investment.html 気候変動対策に関する2024年及び2025年実績Scope 1+2 CO₂排出量及びサステナブル電力比率について当社グループは、化石燃料使用施設の電化推進、再生可能エネルギーへの転換等の施策を実施してきました。
その結果、2025年には中外製薬グループ全拠点において調達電力の100%再生可能エネルギー化を達成しました。
2024年及び2025年のCO₂排出量は、基準年比52.2%減の53,895トン及び55.8%減の49,887トンで、2025年目標である40%削減を達成しました。
Scope 1+2 エネルギー消費量についてコジェネレーションシステムによる電気・ガスの最適配分、新規施設へのヒートポンプ導入等の施策を推進してきました。
2024年及び2025年のエネルギー消費量は、基準年比12.3%減の6.3GJ/m²及び16.1%減の6.0GJ/m²で、2025年目標である5%削減を達成しました。
フロン類使用量削減について自然冷媒への転換を基本方針として、新規建設や設備更新時における計画的な削減を推進してきました。
2024年及び2025年のフロン類使用量は、基準年比16.8%減の37,027kg及び26.3%減の32,804kgで、2025年目標である25%削減を達成しました。
ただし、パッケージエアコン等のフロン類削減には大規模工事が必要となり、研究・生産活動への影響が懸念されることから、事業活動との調整を図りながら、解決策の検討を進めていきます。
Scope 3 CO₂排出量削減について当社グループは、サプライチェーン全体でのCO₂排出量を2030年までに基準年比30%削減する目標を掲げ、CO₂削減目標未設定のサプライヤーに対して目標設定及び推進を働きかけています。
2024年のCO₂排出量は基準年である2019年比で1.4%増の980,487トンでした。
製品・サービスの購入量減少に伴い、サプライヤーによるCO₂排出量(カテゴリー1)は削減したものの、新棟建設に伴う資本財(カテゴリー2)の増加により、全体として増加しました。
今後も2030年目標の達成に向けて、サプライヤーへの働きかけを継続していきます。
温室効果ガス排出量(Scope 1、Scope 2、Scope 3(カテゴリー2、4、5、6))については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)の国際保証業務基準(ISAE)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証を受け、当社ホームページ「サステナビリティに関するデータ集」で開示しています。
保証報告書又は限定的保証が付された2025年度の実績は、下記ページにて2026年5月頃公開を予定しています。
「サステナビリティに関するデータ集」ページhttps://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/data/policy.html
戦略 ② 戦略当社はサステナビリティを事業活動の中心に据えており、「患者中心の高度で持続可能な医療」の実現を目指しています。
この経営の基本方針に基づき、当社の価値創造のプロセス全体を表現したのが「価値創造モデル」です。
価値創造の源泉を活用しながら、サステナビリティを含む経営上の重要な課題を整理し、経営の方向性や方針を定める上での基軸(重要な要素)となるのがマテリアリティ(重要課題)です。
当社は、2019年に初めてマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
以降、社内外との対話を通じ、社会からの期待・要望や戦略の進捗のもと、随時アップデートし、価値創造戦略の基盤として活用してきました。
2024年には、ダブルマテリアリティ(環境や社会が企業に与える影響(財務マテリアリティ)と企業活動が環境や社会に与える影響(インパクトマテリアリティ))の考え方に基づき、リスクと機会を分析し、総合的にマテリアリティの見直しを行いました。
見直しにあたり、医療関係者、患者団体、アカデミア、金融市場関係者、公益財団法人、NGOなど、幅広い外部ステークホルダーからの視点を積極的に取り入れると共に、事業活動を取り巻く将来の環境動向・リスクを踏まえ、当社が社会から期待され、求められている課題を網羅的に抽出しました。
また、将来にわたる事業環境の展望・分析に加え、サステナビリティに関するグローバルなイニシアチブであるSDGs、GRI(Global Reporting Initiative)、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)などを活用したギャップ分析を実施し、当社が十分に満たせていない事項なども精査して取り入れ、マテリアリティを価値創造の方針を考える基軸と捉え直し、従来の26項目から、16項目の重要課題を特定・集約しました。
また、「Challenges」、「Co-creation」、「Commitments」という3つの軸によるストーリーとして整理しています。
「Challenges」として、独自のサイエンス力と技術力、新たな発想で、革新的な医薬品とサービスの創出へ挑戦します。
その挑戦を支えるべく、「Co-creation」として、ロシュをはじめ多様なパートナーと真に求められている新しい価値を共創します。
そして、「Commitments」として、持続可能な社会に向け、ヘルスケアを中心とした社会課題の解決に取り組み、誠実かつ先進的に行動します。
これら3つの軸による価値創造を進めることにより、患者中心の高度で持続可能な医療を実現していきます。
「Challenges」においては、革新的な医薬品とサービスを連続的且つ継続的に創出することは当社の中核的な事業活動であり、社会課題解決に向けて重要な活動であると認識しています。
独自の技術を核とした創薬技術の確立や、開発品のポートフォリオの拡充に加え、患者さん一人ひとりに最適なソリューションを創出して提供することを重要な課題と捉えています。
また、保険医療のアクセスに関わる課題を解決すると共に、高い品質と安定的な製品供給、そして、患者さん及び臨床試験被験者の安全性を確保することが極めて重要な責務です。
「Co-creation」について、当社が解決を目指す高度かつ複雑な社会課題の解決に向けては、多様なパートナーとの連携による価値創出が不可欠と捉えています。
特に当社が重要視するのが、当社のイノベーション創出を支える社員です。
当社は人的資本に関する取り組みを強化しており、育成と成長、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、ウェルビーイングなどに関する様々な施策を展開しています。
また社外のパートナーとの連携も強化しており、オープンイノベーションの推進や戦略的な投資、政府機関等での活動にも積極的に参画しています。
また、デジタルトランスフォーメーションは、成長戦略におけるキードライバーの一つとして位置づけており、プライバシー保護に取り組みながら、デジタルテクノロジーの積極的かつ責任ある利活用を推進しています。
「Commitments」については、コーポレート・ガバナンスとステークホルダーエンゲージメントを重視しながら、高い倫理観に基づく事業活動と高度なリスクマネジメントを展開します。
地球環境の保全に留まらず、再興を目指して地球市民として世界最高水準の環境に関する取り組みを推進していきます。
これら重要課題を踏まえ、当社が中長期で目指す姿として、2030年のトップイノベーター像を策定し、その実現に向けた成長戦略として「TOP I 2030」を設定しています。
成長戦略についての詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
指標及び目標 ④ 指標及び目標当社では重要課題について、外部環境の変化や、戦略の進捗、社会からの要請を踏まえて定期的に見直しを行い、それらを加味した単年度計画を立案し、進捗を管理することで、機動的な戦略遂行・計画の修正を行っています。
また、経営の基本方針である「共有価値の創造」のプロセス全体を表現した価値創造モデルを策定しております。
戦略の進捗ならびに外部環境変化の評価に基づき、機動的な資源配分の見直しや経営計画の修正を行い、目指す姿の実現に向けてアジャイルな対応を図っています。
価値創造モデルにおいては、価値創造の源泉となる経営資源(資本)を整理しています。
具体的には、①人財(人的資本)、②技術・知的財産(知的資本)、③ロシュや外部との協働(社会関係資本)、④製薬・設備(製造資本)、⑤環境・エネルギー(自然資本)、⑥財務・経営関連(財務資本)の6つを重要な源泉としており、それぞれに現状を定量・定性の両面から捉え、それを踏まえた重点テーマと課題を特定、認識し、対策を進めています。
その中で、とりわけ重視しているのが、イノベーションを起こし、当社の価値創造の原動力となる人的資本と、事業を支える重要な基盤となる自然資本です。
価値創造の源泉 カテゴリ重点テーマ価値創造の源泉課題認識と対策人財(人的資本)●社員の働きがい・生きがいの向上●イノベーション創出に資する人財の獲得・育成●DE&Iの継続的な推進●社員 組織風土(エンゲージメント、社員が活きる環境)●高度専門人財の獲得・育成●一人ひとりが主体性を発揮し、活躍できる環境構築●イノベーション創出への環境・仕組み構築と企業文化の維持向上技術・知的財産(知的資本)●マルチモダリティの進展●世界最高水準の創薬技術・基盤特許の拡充●デジタルによる創薬基盤強化●バイオロジーの深化●抗体エンジニアリング技術、低分子・中分子創薬技術●研究プロセス・ライブラリー●研究・製薬に関わる知的財産●研究開発投資への集中●マルチモダリティ技術補完と知財戦略充実●疾患バイオロジーの理解深耕、外部との協働ロシュや外部との協働(社会関係資本)●ロシュ・グループ等を通じた自社品のグローバル展開●技術、サイエンスおよびDXにおける外部協働●ステークホルダーとの対話●ロシュ品の独占販売権・インフラ●アカデミアとのネットワーク、スタートアップへの投資●患者団体・患者・投資家等との対話●ロシュとの協働における継続的かつ高い貢献●アカデミアやスタートアップ等との協働●患者団体等との共有価値創造に向けた活動製薬・設備(製造資本)●モダリティや技術進化、DXに対応した研究・生産の先鋭化●柔軟かつスピーディーな開発・次世代生産体制●安定供給・品質確保の徹底●研究拠点(横浜、浮間、シンガポール)●生産拠点(浮間、藤枝、宇都宮)●品質マネジメントシステム●R&Dアウトプット増大に対応する体制構築●品質・供給リスクへの継続的対応、リスク低減環境・エネルギー(自然資本)●気候変動対策や生物多様性保全への貢献●サーキュラーエコノミーに対応した資源循環●脱炭素・水資源管理に向けた技術・運用知見●環境マネジメントシステム●外部とのネットワーク●環境負荷とコストのベストミックスの推進●EHSリスクの低い製造プロセスの開発●外部パートナーとの連携財務・経営関連(財務資本)●収益構造の継続進化●戦略投資を確保するキャッシュ・フロー拡大●収益構造●継続的な再投資●資本市場での継続的な評価向上
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ② 戦略人財の価値を最大限に引き出すために、当社では人財マネジメント方針に基づき以下の戦略を実行しています。
・個を描く「社員一人ひとりがキャリアを描き、未来の自己実現と「TOP I 2030」とをシンクロさせる」ことをテーマに掲げ、次世代経営人財とサイエンス人財やデジタル人財等の高度専門人財の発掘・採用・育成に力を入れて取り組んでいます。
本取り組みを通じて、志を持って挑戦し続ける人財、Core Valuesを体現する人財、主体性のある人財を増加させることを目指しています。
社員が主体的にキャリアをデザインし、その実現に向けて成長・挑戦することを、より一層後押ししていきます。
・個を磨く「社員の自主性を尊重し、社員が挑戦し、自律的な学びや専門性を強化する」ことをテーマに掲げて、イノベーションを生み出すためには、個々のスキルアップと社員の挑戦を後押しする仕組みが不可欠です。
成長実感を促す人財育成、社外ネットワーク機会の創出、次世代経営人財の計画的な育成などができる体制の強化を目指しています。
自律的に挑戦・学習し自らの専門性を磨き続ける人財を支援すべく、ラーニングマネジメントシステムである「I Learning」による学びの強化、社内外における交流機会の創出に注力しています。
特に、戦略的提携アライアンス先であるロシュ社との人財交流は当社ならではの取り組みであり、育成への投資に継続的に取り組んでいきます。
・個が輝く「社員が自身の力を最大限に発揮し、挑戦によって成長が実現できる環境を整える」ことをテーマに掲げて、挑戦を促す風土、自律支援型マネジャー、多様性を活かすDE&Iを推進する組織文化を醸成し、それらをより強固なものとすることを目指しています。
具体的には、働きがい改革や女性活躍の推進、多様な社員がいきいきと活躍する環境づくり、「Check in(上司と部下の1on1)」を通じた自律支援型マネジメントの実践、健康経営の推進のほか、2025年1月から導入された新人事制度では、自ら手挙げで異動先を決められるジョブポスティング制度を導入し、社員自らがキャリアを描き、主体的に実行できる仕組みにして、社員一人ひとりの挑戦や成長を後押ししていきます。
このように、社員一人ひとりが自身の力を最大限に発揮し、イノベーション創出が促進されるための環境づくりを目指し、以下に取り組んでいます。
・「挑戦・成長」を推奨する組織文化の醸成「TOP I 2030」の実現に向けて、部門や職種、職位の違いに拘わらず自由闊達に議論する文化への変革を目指しています。
その一環として、社員の自発的な手挙げによるジョブポスティング制を導入しました。
導入初年度となる2025年のジョブポスティングでは、募集ポジション約1,000件に、約2,300件の応募がありました。
30~40代の応募が多いものの、年代に関わらず多くの社員が手を挙げて自身で描いたキャリアを掴んでおり、一般社員が「最大4段階の飛び級昇格」をする実績も出ています。
また、会社・組織目標とシンクロした未来に実現したい挑戦的な目標(ビヨンド目標)を設定し、その実現に向けて創出した価値を加点的に評価する新たな評価制度や、自身の想いと会社の目指す姿を重ね主体的行動によって社内外へ意義・影響を与えた活動を社員から募り、皆で発表し称え合う表彰制度等を通じて、社員の更なる挑戦・成長を後押ししています。
・働きがい改革の推進2022年より多様な社員一人ひとりの自己実現を目指して、自律的で柔軟性の高い働き方や主体的な行動による能力発揮を支援する「働きがい改革」を進めています。
社員一人ひとりの「働きがい」を高めるべく、キャリア自律や成長支援による「社員エンゲージメント向上」と時間と場所の柔軟性の高い働き方や上司・部下の「Check in(1on1)」での対話を通じた関係構築や成長・挑戦の後押し等による「多様な社員が活きる環境づくり」を両輪で推進し「TOP I 2030」実現に向けて輝く個の更なる増加を図り、グローバル好業績企業と同水準を目指します。
・DE&Iの推進「多様な価値観や専門性から革新は生み出される」を共通認識とし、異なる考え方やアイデアを尊重し合いながら、多様な人財がそれぞれ最大限の力を発揮し、インクルーシブな組織文化を醸成することで、共に挑戦し、イノベーションの促進を目指しています。
この実現に向けて、環境整備や社員の意識醸成、組織文化醸成に関わる様々な取り組みを推進しています。
女性活躍推進においては、女性を含め多様な人財が当たり前にビジネス上のあらゆる場面に参画し、意思決定の多様性を広げると共に、活躍できる状態を目指し、2030年末に全ての階層における女性マネジャー比率を社員比率と同水準とすることを目標に掲げています。
若手女性のキャリア形成・成長支援に向けた「ななめCheck in」を実施し、ポジション任用前の女性の早期からの自律的なキャリア形成の意識醸成及び成長を支援、そしてマネジャーやリーダーの視点や行動の理解を深め、マネジメントやリーダーシップに対する意識・行動変化を支援しています。
また、育児や介護、健康課題等と仕事の両立、LGBTQ、障がい者雇用といった社員一人ひとりを取り巻く様々な課題に取り組むことで、多様な社員が生き生きと活躍し、主体的に挑戦・成長できる環境づくりに継続して注力しています。
LGBTQの取り組みとして、当社には有志社員で構成されるLGBTQアライグループがあります。
LGBTQアライとは、LGBTQ+の課題に対して、LGBTQ+を理解し、支援する人のことを指します。
中外LGBTQアライグループのミッションステートメントとして「私たちはLGBTQ+やアライについて職場の理解と意識を高め、アライの仲間を増やしていきます。
」「あらゆる性のあり方を尊重し、社員誰もが自分らしく、いきいきと働ける職場風土を目指します。
」を掲げ、日々活動が行われています。
・健康経営の推進健康経営を働きがい改革の土台として位置づけ、「社員の自律的な健康管理」と「会社の積極的な働きかけ」にも注力しています。
特に、従業員の健康の観点では、喫煙率、がん再検査受診率、高ストレス者面談希望率(希望者/受検者)を重要指標として設定し、進捗のモニタリングを行いながら、誰もが充実して働き続けていくことを目的に様々な取り組みを加速させていきます。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ③ 指標及び目標人財マネジメント方針で定める3つの「個」(描く・磨く・輝く)をそれぞれ強化することで「志を持って挑戦し続ける人財の増加」・「人財を支える仕組みの整備」・「挑戦・成長を促す文化の醸成」の実現を目指しています。
これら3つの実現・掛け合わせにより、人的資本の価値が向上し連続的なイノベーションの創出に繋がると考えており、その要素を因数分解し、成果指標として可視化・公式化しています。
公式は以下の図のように「3つの個」の枠組みに基づき設計しており、計9つのテーマ、17の重点指標を定義しています。
2030年に向けた数値目標を設定し、各指標を定期的にトラッキングしていくことで、集中的に取り組むべき課題と対策を明らかにし、連続的イノベーションを実現するための体制を整えています。
④ 重点指標とその進捗人的資本の向上に向けた3つの「個」(描く・磨く・輝く)に応じた9つのテーマ、17の重点指標の進捗は以下のとおりです。
(社員意識調査は隔年で実施)
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
1.当社グループにおけるリスクマネジメント(1)ERM導入によるリスク管理の高度化当社グループでは、企業価値の最大化を図るため、事業活動に係るあらゆるリスクを可視化し、統合的に管理を行うERM(Enterprise Risk Management=全社的リスクマネジメント)のフレームワークを導入しています。
具体的には、リスク選好に係る方針を「リスクアペタイト ステートメント」として明示し、全社的に対処すべきリスクを「戦略リスク(=戦略の意思決定に内在するリスクや戦略の遂行を阻害するリスク)」と「オペレーショナルリスク(=事業の円滑な運営を阻害するリスク)」に分け、一元的に把握・整理・可視化することで、効果的・効率的な運用によるリスク管理の高度化を図っています。
また、適切な情報開示により、社外のステークホルダーへの説明責任を強化していきます。
(2)ITシステム活用によるリスク管理の効率化全社的なリスク情報の把握・分析・フィードバックを効率的に推進するため、独自のリスクマネジメントシステムを開発し、グローバルで運用しています。
このシステムには、各部門がリスクマップや年間リスク対応計画、インシデント報告、BCPマニュアル等を登録し、データベース化して一元管理することで、グループ全体のリスク分析や各部門での対策の状況をモニタリングしています。
2.中外製薬リスクアペタイト ステートメント当社グループでは、社会との共有価値を創造し、企業価値を高める企業活動の根幹となるミッションステートメント(=企業理念)を基点とした事業経営において、経営目標の達成や戦略遂行に影響を与える事象を「リスク」と捉えています。
戦略の意思決定や事業の円滑な運営を適切に行うために、リスクへの対応方針である「リスクアペタイト ステートメント」を定め、健全なリスクカルチャーの醸成を図るとともに、従業員の一人ひとりがこれに基づいて判断・行動することを徹底します。
●イノベーションの追求に伴うリスク・私たちの存在価値と成長の源泉は「イノベーションの追求」です。
最先端のサイエンスと技術、デジタルによる革新を追求することで世界のアンメットメディカルニーズに対する新たなソリューションを生み出し、高度で持続可能な医療の実現を通じて社会との共有価値を創造する「ヘルスケア産業のトップイノベーター」を目指します。
そのために、自社を取り巻く経営環境や自社の強み、患者ニーズやサイエンス・技術の見通し等を分析し、社会の期待や要請を適時・適切に捉えるとともに、経営戦略や各々のプロジェクトに潜在するリスクを特定し、経営資源の選択と集中、外部パートナーとの協働・連携の強化、デジタル技術の活用など然るべき対策を講じながら、リスクをとって積極果敢にイノベーション創出の機会を追求します。
・また、イノベーション創出には、従業員の多様性や人権を尊重することで、すべての従業員の能力が最大限発揮できる働きやすい環境の実現と、戦略目標達成・イノベーションを牽引するリーダー人財・高度専門人財の早期発掘・育成・獲得及び活躍促進が不可欠です。
そのため、私たちは、挑戦を奨励する組織文化・制度設計・意思決定を大切にしながら、高度かつ多様な人財が活躍し、イノベーションが創出されることを妨げるあらゆるリスクを低減することに努めます。
●製品の有効性・安全性/品質保証/安定供給を阻害するリスク・私たちが患者さんに価値を安定的にお届けするにあたっては、何よりも製品の有効性や安全性、そしてそれらを担保する品質が重要であると考えます。
・そのため、私たちの製品やイノベーションの追求には、予期せぬ副作用が生じるリスクが潜んでいることを意識しながら、有効性と安全性を十分に検証し、経済性も考慮のうえで高い品質を保証しなければなりません。
・私たちは、デジタル技術を活用しながら、自社のビジネスプロセス(研究、開発、製薬、マーケティング、メディカルアフェアーズ、医薬安全性、知的財産・信頼性保証)における適正な分業・協業や、グローバルサプライチェーンマネジメントの強化、グローバル品質システムの維持・向上を図るとともに、生産性向上や在庫管理の最適化など、経済性の側面での対策も進めながら、有効性・安全性が確保され、品質が保証された製品の安定供給を阻害するリスクを回避・低減することに努めます。
●コンプライアンスに反するリスク・私たちは、「企業倫理は業績に優先する」という考えのもと、法規制の遵守にとどまらず、社会的価値観や倫理観、公正さに基づく判断・行動を徹底します。
そのために、ミッションステートメント(=企業理念)やグループ コード・オブ・コンダクト、その他社内規程/ガイドラインを制定しており、これに反する判断・行動を認めず、コンプライアンスに反するリスクは一切受け入れません。
また、サプライチェーン全体におけるコンプライアンスを徹底するため、自グループ内のみならず、ビジネスパートナーに対しても、高い倫理観に基づく誠実な活動を求めます。
●企業市民としての社会的責任に関するリスク・私たち企業は、地球環境や社会システムのうえで成り立っており、これらを維持・発展させることは、企業市民としての私たちの責任であると考えます。
・私たちは、地域社会や国際社会が抱える課題に向き合い、中外製薬としてどのように貢献すべきかを考え、様々なステークホルダーと連携・協働しながら、事業活動のあらゆる場面において、環境保全や人権の尊重に努めることで、地球環境問題や社会的な差別・人権侵害の解消に貢献するとともに、医療・福祉を中心とした社会貢献活動に積極的に取り組むことで、企業市民としての役割・責任を果たせず、社会からの信頼を損なうリスクを低減することに努めます。
3.主要なリスク当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により重大な影響を受ける可能性があります。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しています。
当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針です。
なお、これらは当社グループにかかるあらゆるリスクを網羅したものではなく、記載以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
また、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営戦略に関連する潜在リスク(戦略リスク)① 技術・イノベーションについて当社グループは、ロシュとの戦略的アライアンスのもと、自社の強みである独自のサイエンス力と技術力をさらに強化することで、革新的な医薬品の創出に努めています。
そして、成長戦略「TOP I 2030」においては、RED機能(研究・早期開発)への経営資源の集中を推進しています。
特にこれまでの低分子・抗体医薬では解決できなかったアンメットメディカルニーズ(有効な治療方法が見つかっていない疾病に対する治療薬への要望)を満たすことが期待される中分子技術の開発に注力するとともに、生成AIを含むデジタル技術を活用し研究開発プロセスの効率化に積極的に取り組んでいます。
しかしながら、医薬品の研究開発には、常に不確実性(自社創薬・技術開発の遅れや失敗)が存在します。
このため、当社が目指す価値の創出や戦略の実行が遅延する影響が想定されます。
さらにサイエンス、医薬品開発、デジタルという日進月歩の分野では、破壊的な新技術・ソリューションや競争優位性の高い革新的な製品などの出現により、自社技術・プロジェクトの価値低下や開発計画の見直しが生じるリスクがあります。
また、当社グループは業務活動において、当社グループ所有、あるいは適法に使用許諾を受けたものであるとの認識の下で様々な知的財産権を使用していますが、当社グループの認識の範囲外で第三者による侵害や第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、当社技術・製品の価値や競争力の低下、さらには特許係争や特許権侵害訴訟に至るケースも考えられ、他社特許による技術の実施不能、製造・販売の差し止めや高額な損害賠償金の請求や実施料の支払いの発生など戦略遂行に重大な影響を与える可能性があり、他企業への委託・共同研究、他者との共創等の増加に伴い知的財産にかかわる情報の流出や漏洩が生じるリスクもあります。
こうしたリスクに対しては、最先端のサイエンス・技術の探求を怠らず、経営資源の選択と集中により自社技術の優位性を高めるとともに、マルチモダリティ戦略の追求や中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーによる投資を含む外部連携の強化により多様性を高めることに努めています。
中分子医薬の開発にあたっては関連する社内組織(創薬・開発・製薬)の連携強化、知的財産権については、外部の専門家やライセンス先との連携強化を含む、万一の特許訴訟に備えた知財戦略のさらなる強化、関連法規等の動向の継続的な注視、分析や、ノウハウを含めた営業秘密にかかわる情報管理の強化を行うことで、影響を最小化する積極的な知財対応を図ってまいります。
当社グループはリスクアペタイトに基づき、リスクをとって積極果敢にイノベーション創出を追求するとともに、職場環境や組織文化、人財育成などの面からもイノベーションを奨励する仕組みを強化し、イノベーション創出を妨げるリスクの低減に努めます。
② 制度・規制・政策ⅰ.医療制度・薬事規制・政策の変化国内外において高齢化の進展や医療費高騰などによる財政逼迫を背景とした薬剤費引き下げ政策の強化が進められています。
加えて、米国による医薬品関税や医薬品最恵国価格等の政策変更は、業界全体でサプライチェーンの大幅な見直しや米国と主要国との相対的な医薬品価格差の縮小につながりうる動きであり、日本におけるドラッグラグ・ドラッグロスの悪化をもたらすことが危惧されます。
社会保障関係費については、高齢化による自然増に加え足元の経済・物価動向等を踏まえた増加分を反映する方針が示され、医療費抑制の取り組みが一層強化されることが予想されます。
日本においては昨今の安全保障政策やこども・子育て政策の強化に伴う費用増大が進む一方、減税や社会保険料負担の軽減の議論も生じる環境において、社会保障財政への影響も一層大きくなることが懸念されます。
2026年度薬価制度改革では、新薬の薬価算定方法や薬価維持制度等は先送りとなり、2021年度に導入された中間年改定も含めて毎年薬価改定が実施される中、薬価引き下げ政策やバイオシミラー(バイオ後続品)等の振興政策が拡大すると、これまで以上に収益の低下等を招き、研究開発への投資を妨げるリスクがあります。
さらに、度重なる薬価制度や運用の変更は市場の予見性を低下させ、企業の経営計画に大きな影響を与えるリスクがあります。
また、海外においても、医療制度・薬事規制改革の内容や環境動向を適時適切に把握し、開発・薬事計画などの対応を進めているものの、規制対応等についての国内外の複雑な調整により、計画の修正や開発が遅延することが懸念されます。
一方、こうした政策により今後ますます「Value Based Healthcare(価値に基づく医療)」が進展し、真に価値のあるソリューションだけが選ばれる傾向がより一層強まると考えられます。
当社グループは、引き続き患者さんを含むビジネスパートナーへの高い価値の証明に注力し、継続的な次世代品の開発・知財対応、製品ポートフォリオ管理の強化、導出先とのグローバルな価格戦略や市場展開戦略の整合性確保を図ります。
そして、日本のみならずグローバルインテリジェンス機能の強化等に取り組んでまいります。
ⅱ.環境規制の更なる厳格化環境保全活動はすべての事業活動を支える重要な基盤であり、長期的視点で環境リスクを低減するだけでなく将来コストの低減、イノベーションを生み出す施設・設備体制構築にもつながるため、企業価値向上に大きく影響するものと考えています。
一方で、企業を取り巻く環境規制の更なる厳格化により、規制対応のために設備投資計画の見直し・遅延や、追加的な費用計上など環境投資の増大やサプライチェーンの見直しが生じる可能性があります。
規制動向のタイムリーな把握に加え、最新技術の動向把握と的確な取り入れを行っていくとともに、世界的な環境コンセンサスを踏まえた挑戦的な「中期環境目標2030」を掲げ、ロシュや外部パートナーとの連携による革新的な地球環境保全活動とエビデンスに基づく能動的な情報開示により、環境課題の解決をリードする世界のロールモデルを目指していきます。
③ 市場・顧客についてⅰ.市場・顧客の価値変化近年、競合品やバイオシミラー(バイオ後続品)の浸透加速による競争激化に加え、再生医療、細胞/遺伝子治療、核酸医薬など新たな治療手段(モダリティ)の進展や、予防・診断・治療・予後まで一貫した価値提供が求められるようになり、「治療」の価値が変化してきています。
さらに、近年、製薬企業における医薬品の情報提供体制、すなわち顧客タッチポイントのあり方も大きく変容しています。
このような状況において、市場での地位や製品競争力が低下し収益が悪化するリスク、あるいは顧客が期待するニーズやそれに伴う顧客タッチポイントの急速な変化等により、医薬品の情報提供体制の抜本的な見直しを迫られる可能性があります。
こうしたリスクに対応するべく、当社グループでは連続的な新薬の創出と製品ラインアップの多様化に努めるとともに、営業資源を適切に配分し、顧客が必要とするデータや情報提供を加速し、顧客エンゲージメントを強化してまいります。
そのためにもDXの推進による効率化と環境変化に迅速に対応できるフレキシブルな組織体制の構築を目指します。
ⅱ.経済安全保障・地政学リスクの高まりによる事業制限各国間の緊張の高まりによる先端技術、機微データ、戦略物資、人権への規制強化をはじめとした各国の経済安全保障政策の変化や、国際紛争等による物流への影響など、近年、経済安全保障・地政学リスクの高まりに端を発した企業活動への影響が高まっています。
これら国際情勢の急激な変化や武力衝突の発生によって、関連地域における事業制限・撤退(生産・R&D・販売拠点の喪失、利益減少、将来の機会損失)、関連地域におけるサプライチェーン停滞・供給遅延、経済安全保障規制の強化による研究開発活動や調達への制約などのリスクが生じる可能性があります。
これらの経済安全保障・地政学リスクに対して、当社グループでは、各国法制や政策の動向など外部情報をタイムリーに入手し、事業影響分析を行う社内体制の強化に取り組んでいます。
有事に備えた従業員安全管理体制の再整備、事業継続計画(BCP)の策定、研究開発活動への影響の分析やサプライチェーン全体の可視化に努めるとともに、安全在庫の確保や供給バックアップ体制(デュアルサイト化)の強化などを行っています。
④ 事業基盤についてⅰ.ロシュとの戦略的提携当社グループはロシュとの戦略的提携により、日本市場におけるロシュ・グループの唯一の医薬品事業会社となり、また日本以外の世界市場(韓国・台湾除く)ではロシュに当社製品の第一選択権を付与し、多数の製品及びプロジェクトを同社との間で導入・導出しています。
独自のビジネスモデルによって安定的な収益基盤を確立し、飛躍的な成長を遂げてまいりました。
これまでの戦略的提携における合意内容が変更となった場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。
また、ロシュの創薬・グローバルネットワークが不調に陥り、ロシュからの導入品による安定的な収益源が低下するリスクやロシュに導出した自社品のグローバル市場浸透の遅延や収益低下などのリスクがあります。
当社グループとしてはイノベーションを追求し、革新的な医薬品を連続的に創出するとともに、ロシュとの連携によりグローバル開発・マーケティング計画の策定及び実行の支援を強化するとともに、ロシュ・グループ全体の価値最大化に資する導出戦略の実行と、ロシュ戦略を踏まえた最適な導入戦略の実行と第三者からの導入の探索に努めてまいります。
ⅱ.人財獲得の遅れ、人財のミスマッチや不足・余剰、イノベーションの創出阻害当社は2025年に新たな人事制度を導入し、ジョブ型人事制度の全社展開により、適所適材に基づく人財配置の加速、タレントマネジメントの高度化を進めています。
本制度では、会社主導による異動から手挙げによる異動(ジョブポスティング)へのシフトにより、社員が年齢や属性に関係なく自らのキャリアをデザインし、その実現に向けて成長する人財を適切に処遇し、「挑戦・成長」を推奨する組織文化の醸成を図っています。
また、サイエンス人財やデジタル人財など戦略遂行上の要となる高度専門ポジションを大幅に拡充し獲得・定着・育成に注力しています。
一方、人財獲得ニーズの競合等による獲得の遅れや社内育成に要する時間、環境変化により求められる業務・質の変化による人財のミスマッチや不足、余剰等が発生するリスク、あるいは期待される組織文化が醸成されず、イノベーションの創出が阻害されるリスクなどが想定されます。
こうしたリスクに対応するべく、戦略遂行上の要となる人財要件を明確に定義・更新し、社外にも積極的に開示することで、計画的に獲得を目指す一方、社内では人財育成・スキル獲得に向けて、人財ポートフォリオの可視化やスキルマネジメントの強化などに努めています。
今後も、組織・人財への投資を強化し、環境動向を見極めた組織体制と戦略的な採用計画を実施するとともに、イノベーション創出を促進する人事戦略・組織風土改革の実行に努めてまいります。
ⅲ.デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進阻害すべてのバリューチェーンで生産性の飛躍的向上を図るべくデジタル投資を加速する一方、デジタル技術の導入や社内進展が遅れ、戦略実行が遅延するリスク、社内のデジタルケイパビリティ不足、デジタル活用に伴うリスクの理解不足等によりDXの停滞やトラブルが発生するリスクがあります。
例えば、生成AIの活用が遅れることによる競争力低下のリスクや生成AIのアウトプットの過信リスクが想定されます。
技術動向把握のアンテナ機能を拡充するとともに、専門部署強化と外部専門人財の積極活用によるケイパビリティの強化、生成AIの全社的活用推進とコンプライアンスリスク評価体制の強化に取り組みます。
(2)事業遂行におけるリスク(オペレーショナルリスク)① 品質・副作用についてⅰ.製品品質に関するリスク当社グループは、患者さんに価値の高い製品・サービスを安定的に提供することを重要課題と認識しております。
この目標を達成するため、製品や情報の質、業務プロセスの質、そしてそれらを支える人財の質を通じて事業の信頼性確保に努めております。
また、社外パートナー企業との定期的な品質・風土に関する議論の場を設けるなど、サプライチェーン全体での品質向上に取り組んでおります。
しかしながら、何らかの理由により製品品質に懸念が生じた場合には、患者さんへの影響はもちろんのこと、販売中止・製品回収、訴訟や損害賠償、社会的信頼の低下などを招く可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
このリスクに対処するため、パートナー企業のリスク評価及び連携を含めた品質保証活動の一層の強化・徹底を図ってまいります。
ⅱ.副作用に関するリスク医薬品・医療機器は各国規制当局の厳しい審査を受けて承認されます。
当社グループでは、承認後も医薬品の安全性監視活動を継続的に強化・徹底しております。
具体的には、「調査・副作用・治験データベースツール」を活用した患者さんの特性に応じた迅速な情報提供や、「治療支援アプリ」の運用、医療関係者向けの安全性コンサルテーション・ネットワーク体制の構築など、適正使用に向けた安全性情報提供活動の拡充に努めております。
しかしながら、万全の安全対策を講じたとしても、副作用等の健康被害を完全に防止することは困難です。
特に新たな重篤な副作用が発現した場合、「使用上の注意」への記載、販売中止、製品回収等の措置を講じる可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループは、これらのリスクに対して継続的に監視・評価を行い、適切な対策を講じることで、リスクの最小化と患者さんの安全確保に最大限努めてまいります。
② ITセキュリティ及び情報管理について業務上、各種ITシステムの利用において、従業員・アウトソーシング企業の不注意または故意による行為や、サイバー攻撃等の外部要因によりシステム障害や社外提供サービスの停止、提供情報の改ざん等が生じた場合、事業活動の停止・遅延・計画の見直しや、突発的な対応・対策費用などが発生する可能性があります。
また、万が一、研究開発等にかかる営業秘密や個人情報等が社外に流出した場合、競争優位性の喪失、社会的信頼の喪失、損害賠償などにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループはこれらのリスクに備え、情報管理及びサイバーセキュリティに関する社内ルールの策定、従業員への教育・訓練、システムの堅牢性・可用性の強化、サイバー攻撃・マルウェア感染などの監視(SOC)及びインシデントレスポンス(CSIRT)体制の構築、インシデントの早期対応策の策定(サイバーBCPの策定)を実施しています。
特に機密情報管理では、ITシステム面からも強化を図り、業務ファイルごとのアクセス管理、不注意または故意による情報流出の阻止及び流出後の拡散防止などの機能の運用を開始しております。
個人情報管理においては、ますます活発になる越境データ移転に対応するために、グローバルプライバシーガバナンス体制の構築を進めています。
「中外製薬グループプライバシー宣言」を定め、グローバル基準での適法対応を推進するとともに、データの利活用をコンプライアンス面からも支援しています。
また、これらの対策状況をグループ横断的に評価し強化するためのセキュリティガバナンス体制を構築し、継続的なリスクの低減に努めています。
③ 大規模災害等による影響について地震、台風、洪水等の自然災害、火災等の事故により、当社グループの事業所・営業所及び取引先の建物・設備等が深刻な被害を受けた場合、医薬品の供給停止や設備修復などの費用計上の発生、事業活動の制限による収益の低下など、業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)の策定・訓練実施、安全在庫確保、耐震対策など、従業員の安全と医薬品の安定供給のための体制を整備し、リスクの低減に努めています。
④ 人権について企業活動における人権侵害の発生は、企業イメージの低下、不買運動、訴訟提起や損害賠償の支払、人財の流出などに繋がり得るもので、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、職場におけるハラスメント等により、従業員の健康やメンタルヘルス、人財力の低下を招くリスクが高まります。
当社グループでは、「人権」を経営に重要な影響を及ぼすリスクの一つとして捉え、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権尊重のグループガバナンス体制を構築するとともに、重要な人権課題の特定、リスク評価と改善計画の策定・実行、ステークホルダーへの情報開示を含むデューデリジェンスの強化に取り組んでいます。
また、健康経営の推進、社内研修の継続実施、相談窓口の設置など職場環境の改善にも努めています。
⑤ サプライチェーンについて自然災害、事故、上記(1)③(ii)の経済安全保障・地政学リスクの発生等により当社の原材料調達先や外部製造委託先などのサプライヤーに被害や事業活動の制限が生じた場合、また、サプライチェーンにおけるコンプライアンス違反や環境問題などへの対応が遅延した場合、原材料の確保や生産の継続が困難となる可能性があり、社会的信頼の喪失や売上・シェアの低下により業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらサプライチェーンに係るリスクに備え、上記(1)③(ii)に記載の対策など、医薬品の安定供給のための体制を整備しています。
また、サプライヤーのみならず、重要なサードパーティ(取引先)を対象に包括的なリスク評価システムを導入し、リスクの一元的管理に取り組んでいます。
取引先におけるコンプライアンスや環境問題など当社グループだけでは解決できない課題に関し、連携・情報共有体制を構築し、取引先と協力して課題解決に努める方針です。
⑥ 地球環境問題について中長期の環境分析からマテリアリティとして特定した気候変動・エネルギー対策、資源の循環促進・適切な水管理、生物多様性保全に基づき、気候変動対策、循環型資源利用、生物多様性保全の3つの課題を重点分野として定め、2030年を最終年とした中期環境目標を推進しています。
環境関連法規等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に向けて努めていますが、万が一、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化した場合、対策費用や損害賠償責任を負うなどにより、業績に重大な影響を与える可能性があります。
また、将来における環境関連法規制の強化により、対策費用の増加や当社グループの研究、開発、製造、その他の事業活動が制限される可能性があります。
気候関連リスクについては、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言」のフレームワークに基づき、気候変動が当社へもたらすリスクと機会を織り込んだ定性評価及びシナリオ分析を実施し、全社リスクマネジメントの中で管理しています。
現時点では、長期的に大規模な事業転換を必要とする重大な気候関連リスクは特定されていません。
加えて、2021年には、弊社の温室効果ガス削減目標に対してScience Based Target(SBT)事務局よりSBT認定を取得しています。
自然関連リスクについては、「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言」のフレームワークに基づき、当社の事業活動における自然への依存と影響の分析を行うとともに、分析結果を踏まえたリスク・機会の特定と対応策を整理し、全社リスクマネジメントの中で管理を開始しました。
引き続き、バリューチェーンの上流および下流の分析を実施していきます。
TCFD・TNFD提言に基づく分析結果は下記ページで開示しています。
今後も継続的に分析・評価を行い、プロアクティブな環境課題の解決に取り組んでいきます。
なお、当社グループは、透明性・信頼性の高い環境情報を開示するため、毎年、環境パフォーマンスデータの第三者保証を取得しております。
2024年度のデータの詳細は、当社ホームページの「サステナビリティに関するデータ集」を参照下さい。
2025年度の実績は、下記ページにて2026年5月頃公開を予定しています。
・TCFD提言に基づく情報開示https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/environment/tcfd.html・TNFD提言に基づく情報開示https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/environment/biodiversity/docs/TNFD_disclosures_report.pdf・サステナビリティに関するデータ集https://www.chugai-pharm.co.jp/sustainability/data/policy.html
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況(単位:億円) 2025年12月期実績2024年12月期実績前年同期比連結損益(Core実績)売上収益12,57911,706+7.5%製商品売上高10,7789,979+8.0%その他の売上収益1,8011,727+4.3%売上原価△3,515△3,381+4.0%売上総利益9,0658,325+8.9%研究開発費△1,801△1,769+1.8%販売費及び一般管理費△1,032△1,022+1.0%その他の営業収益(費用)027-営業利益6,2325,561+12.1%当期利益4,5103,971+13.6% 連結損益(IFRS実績)売上収益12,57911,706+7.5%営業利益5,9885,420+10.5%当期利益4,3403,873+12.1% Core EPS(円)274.02241.31+13.6%Core 配当性向(%)99.340.6 - <連結損益の概要(IFRSベース)>当連結会計年度の売上収益は1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)、営業利益は5,988億円(同10.5%増)、当期利益は4,340億円(同12.1%増)となりました。
これらには当社が管理する経常的業績(Coreベース)では除外している無形資産の償却費14億円、無形資産の減損損失17億円、事業再構築費用133億円、経営判断による自社開発一括中止費用等164億円、及び事業所閉鎖に伴う固定資産売却益を含む事業所再編費用84億円(収益)が含まれています。
<連結損益の概要(Coreベース)>当連結会計年度の売上収益は、製商品売上高が増加し、1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)となりました。
売上収益のうち、製商品売上高は1兆778億円(同8.0%増)となりました。
国内製商品売上高は、後発品浸透や薬価改定等の影響を受けたものの、新製品のフェスゴ、ピアスカイ、主力品のバビースモ、エンスプリング、ヘムライブラが伸長し、前年同期を上回りました。
海外製商品売上高は、ロシュ向けのヘムライブラ及びアクテムラ輸出が増加したため、前年同期を上回りました。
その他の売上収益は、一時金収入が減少したものの、ヘムライブラに関する収入の増加等により1,801億円(同4.3%増)となりました。
製商品原価率は、為替影響及び製品別売上構成比の変化等により32.6%と前年同期比で1.3ポイント改善しました。
結果、売上総利益は9,065億円(同8.9%増)となりました。
研究開発費は創薬・早期開発への投資や開発プロジェクトの進展に伴う費用の増加等により1,801億円(同1.8%増)、販売費及び一般管理費は諸経費等の増加により1,032億円(同1.0%増)となりました。
その他の営業収益(費用)は0億円(前年同期は27億円の収益)となりました。
以上から、Core営業利益は6,232億円(同12.1%増)、Core当期利益は9期連続の増益を達成し、4,510億円(同13.6%増)となりました。
※Core実績について当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。
Core実績とは、IFRS実績に当社が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであります。
なお、当社が非経常事項と捉える事項は、事業規模や範囲などの違いによりロシュと判断が異なる場合があります。
当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
株主還元を行う際の指標には、Core EPS及びCore配当性向を指標として使用しております。
Core EPSは、Core実績をもとに算出された、当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であり、Core配当性向は、Core EPS対比の配当性向です。
<製商品売上高の内訳>(単位:億円) 2025年12月期実績2024年12月期実績前年同期比製商品売上高10,7789,979+8.0%国内製商品売上高4,7244,611+2.5%オンコロジー領域2,4652,477△0.5%スペシャリティ領域2,2582,134+5.8%海外製商品売上高6,0545,368+12.8% [国内製商品売上高]国内製商品売上高は、後発品浸透及び薬価改定等の影響を受けたものの、新製品及び主力品が伸長し、4,724億円(前年同期比2.5%増)となりました。
オンコロジー領域の売上高は、2,465億円(同0.5%減)となりました。
後発品浸透及び薬価改定の影響により、主力品の抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」の売上が減少しました。
また、抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」は、本剤を含む配合皮下注製剤である新製品の抗悪性腫瘍剤/抗HER2ヒト化モノクローナル抗体・ヒアルロン酸分解酵素配合剤「フェスゴ」への置き換えが進んだことを主因に売上が大幅に減少しました。
一方、「フェスゴ」の売上が大幅に増加したことに加え、2025年3月に発売した抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ」が順調に市場浸透したほか、主力品の抗悪性腫瘍剤/微小管阻害薬結合抗CD79bモノクローナル抗体「ポライビー」が堅調に推移しました。
スペシャリティ領域の売上高は、2,258億円(同5.8%増)となりました。
後発品浸透及び薬価改定の影響を受けたものの、主力品の眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ」、pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「エンスプリング」、血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ヘムライブラ」の売上が堅調に推移したことに加え、新製品のpH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「ピアスカイ」が好調に市場浸透しました。
[海外製商品売上高]海外製商品売上高は6,054億円(前年同期比12.8%増)となりました。
ロシュ向け輸出については、「ヘムライブラ」、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」が前年同期比で伸長しました。
② 財政状態の状況(単位:億円) 2025年期末実績2024年期末実績前期末比純営業資産(NOA)及び純資産純運転資本5,2704,487783長期純営業資産5,8334,989844純営業資産(NOA)11,1039,4761,627ネット現金9,7979,963△166その他の営業外純資産△643△425△218純資産合計20,25719,0151,242 連結財政状態計算書(IFRS実績)資産合計24,68622,0842,602負債合計△4,429△3,069△1,360純資産合計20,25719,0151,242 当連結会計年度末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ1,627億円増加し、1兆1,103億円となりました。
うち、純運転資本は営業債務が増加した一方で、営業債権の増加及び未収入金の増加等により前連結会計年度末に比べ783億円増加し、5,270億円となりました。
また、長期純営業資産は宇都宮工場におけるバイオ原薬製造棟(UT3)や注射剤棟(UTA)への投資、無形資産の増加等により前連結会計年度末から844億円増加し、5,833億円となりました。
次項「③ キャッシュ・フローの状況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含むネット現金は前連結会計年度末に比べ166億円減少し、9,797億円となりました。
その他の営業外純資産は主にリース負債の増加により前連結会計年度末から218億円減少し、△643億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ1,242億円増加し、2兆257億円となりました。
※純営業資産(NOA)及び純資産について連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。
一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。
なお、純営業資産(NOA)及び純資産にはCore実績のような除外事項はありません。
※純営業資産(NOA)について純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グループの業績を評価することを可能としております。
純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。
③ キャッシュ・フローの状況(単位:億円) 2025年12月期実績2024年12月期実績前年同期比フリー・キャッシュ・フロー営業利益5,9885,420+10.5%調整後営業利益6,5155,848+11.4%営業フリー・キャッシュ・フロー4,5214,934△8.4%フリー・キャッシュ・フロー2,7333,868△29.3%ネット現金の純増減△1662,573-% 連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績)営業活動によるキャッシュ・フロー3,8634,476△13.7%投資活動によるキャッシュ・フロー△2,013△2,274△11.5%財務活動によるキャッシュ・フロー△3,079△1,410+118.4%現金及び現金同等物の増減額△1,136815-%現金及び現金同等物の期末残高4,2665,402△21.0% 営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、6,515億円(前年同期比11.4%増)となりました。
調整後営業利益から純運転資本等の増加797億円や有形固定資産の取得による支出763億円等により、営業フリー・キャッシュ・フローは4,521億円(同8.4%減)の収入となりました。
純運転資本等の増加要因は前項「② 財政状態の状況」に記載したとおりです。
営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税1,911億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは2,733億円(同29.3%減)の収入となりました。
フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払2,994億円等を調整したネット現金の純増減は166億円の減少となりました。
また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は1,136億円減少し、当連結会計年度末残高は4,266億円となりました。
※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づいて作成しております。
一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。
なお、FCFにはCore実績のような除外事項はありません。
④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産の状況当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,193,060△7.2合計1,193,060△7.2 (注)IFRSに基づく金額を記載しております。
また、金額は売価換算(仕切単価ベース)であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。
b. 商品仕入実績当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,727△29.4合計1,727△29.4 (注)IFRSに基づく金額を記載しております。
また、金額は実際仕入高であり、百万円未満を四捨五入して記載しております。
c. 受注の状況当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d. 販売の状況当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)医薬品事業1,257,941+7.5合計1,257,941+7.5 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先当連結会計年度前連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド724,05357.6652,72555.8アルフレッサ ホールディングス株式会社及びそのグループ会社152,29212.1141,98112.1 2.IFRSに基づく金額を記載しております。
また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。
3.販売高は売上収益(製商品売上高とその他の売上収益)であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、これまで、運転資金並びに設備投資及び研究開発活動を自己資金で充当しております。
2021年度に始動しましたTOP I 2030 は「R&Dアウトプットの持続的な創出」に代表されるイノベーションへの継続的な経営資源の配分を掲げています。
引き続き資金流動性の確保と事業活動から創出されるキャッシュ・インフローの最大化に努めるとともに、継続的なイノベーション投資に必要な財務健全性を維持していく方針です。
また、計画外の急な資金需要が生じた場合の財源につきましては、金融機関からの借入や短期社債等を利用するなどの体制を整えており、既存の手許資金も含めて十分な流動性を確保しております。
今後についても資本財源は事業活動を通じて獲得した資金を基盤とする方針であり、継続的なイノベーションへの投資を通じ、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。
なお、資本配分としての配当につきましては、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案した上で、Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標としております。
③ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度のCore売上収益は、ロシュ向け輸出の増加及び国内の新製品及び主力品の伸長により1兆2,579億円(前年同期比7.5%増)となり、4年連続で1兆円を超えました。
製商品原価率は、製品別売上構成比の変化等により32.6%(同1.3%ポイント改善)、研究開発費・販売費及び一般管理費・その他の営業収益(費用)の合計は2,833億円(同2.4%増)となりました。
この結果、Core営業利益は6,232億円(同12.1%増)となりました。
また、長期にわたる投資効率の指標として重点的に管理しているCore ROIC*の実績は、税引後営業利益の増加により43.9%(前年比1.0%ポイント増)となりました。
2021年に開始した成長戦略「TOP I 2030」の5年目となる2025年は、創薬、開発、製薬、Value Delivery、成長基盤という5つの改革分野において、概ね順調な進展が見られました。
創薬においては、R&Dアウトプット倍増という非常にチャレンジングな目標達成に向け、様々な取り組みを進めております。
抗体、低分子に続く第3のモダリティである中分子は、今期新たに2プロジェクトが前臨床開発段階に進み、ポートフォリオの拡充は順調に進展しています。
また、強みとする抗体医薬品においても、次世代抗体技術の開発とプロジェクトの創出が進んでおります。
このような自社での創薬研究を加速すべく、ロボティクスによるラボオートメーション化や、AI等のデジタル基盤活用など、創薬力を最大限に発揮する体制を整備しました。
加えて、オープンイノベーションにも注力しており世界のアカデミア・バイオテック企業との提携を通じてイノベーション機会を追求しています。
2024年に活動を開始した中外ベンチャー・ファンド・エルエルシーは、既に7件の投資を実行しました。
組織強化の面では、米国のアカデミアやベンチャー企業とのネットワークをさらに強化するために米国サウスサンフランシスコにパートナリングオフィスを開設しました。
このように進捗は見られますが、先に述べたチャレンジングな目標達成のためには更なる強化の余地があると考えており、取り組みを加速していきます。
開発については、2025年は合計6プロジェクトが承認され、新薬・適応拡大を含め5プロジェクトが承認申請に移行しました。
また、第三者から第Ⅲ相臨床試験実施中の製品を導入したほか、ロシュ品・自社品含めて計6プロジェクトの第Ⅲ相国際共同治験、及び4プロジェクトの第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
なお、2025年は早期臨床開発段階にある自社品パイプラインのうち5プロジェクトの自社開発一括中止を決定しました。
早期開発プロジェクトの優先順位を見直し機動的かつ戦略的な開発加速を図るためです。
非臨床段階から最適な開発ルートを見定め、精度の高いGo/No-Go判断の実行と効果的な開発計画の策定によって開発を加速させることで、毎年上市の達成に向けて取り組んでいきます。
製薬では、R&Dアウトプット倍増に対応する頑健かつ競争力のある開発供給体制の実現を目指しています。
中分子プラットフォーム技術の構築において着実な進展がありました。
開発した独自技術を複数のプロジェクトに適用し、短期間で高難度・高活性の治験薬の製造供給を完遂するなど、技術確立が進みました。
また、低・中分子及びバイオ医薬品の製法開発機能の強化及び環境対策推進を目的として、浮間事業所(東京都北区)における新たな研究棟UKXの建設を決定しました。
開発プロジェクトが増える中で、同時に速やかな臨床試験入りや開発加速を実現するためには、製法開発機能の強化・拡充が喫緊の課題です。
Value Deliveryにおいては、多様化する顧客ニーズに対応し、患者さんや医療関係者が求める情報を的確かつ迅速に提供すべく、人・デジタルを融合したエンゲージメントモデルの進化と組織体制の変革が進んでおり、顧客満足度調査においても昨年に続き高い評価をいただいております。
また、個別化医療に資する独自エビデンスの創出、患者さんや医療現場に価値をもたらすエビデンスの創出を目指し、社内外データの統合的な活用にも継続して取り組んでいます。
今後も効率化を進めることで、高い生産性を維持していきます。
成長基盤の「人・組織」については、2025年から運用が開始された新人事制度では、ジョブ型人事制度の全社展開、ジョブポスティング制度の導入、雇用上限年齢の撤廃を行いました。
新人事制度により適所適財を加速するとともに、社員の挑戦と自律的なキャリア形成を後押ししていきます。
創薬力の高度化や全バリューチェーン効率化の柱である「デジタル」についても積極的な取り組みを行っております。
AIについては、全社基盤Chugai AI Platformを構築しアクティブユーザーが6割を超えるなど社員のAI活用が進展しているほか、創薬領域におけるAI活用も拡大し、臨床開発領域におけるSoftbank社とのAI-agent開発を始めました。
今後も生産性向上・新規価値創出に向けた全社的な取り組みを推進していきます。
世界水準でのサステナブル基盤としての「環境」については、気候変動対策、循環型資源利用、生物多用性保全を重点分野として定め、2030年をゴールとした挑戦的な環境目標を設定し、積極的に取り組んでいます。
概ね順調に進捗しておりますが、フロン類及び廃棄物の削減目標については達成に向けた課題があり、検討を継続しています。
なお、国際的な非営利団体であるCDP(Carbon Disclosure Project)により、気候変動及び水セキュリティの透明性とパフォーマンスにおけるリーダーシップが認められ、CDP2025のAリスト企業に選定されました。
継続的な取り組みと情報開示の結果、気候変動分野では4年連続、水セキュリティ分野では3回目のAリスト選定であり、気候変動・水セキュリティ分野でのダブルAリスト選定は3回目となります。
その他、当社では初となる遺伝子治療製品や有形医療機器の取り扱いに向けた法規制対応等を進め、クオリティマネジメント強化に向けた取り組みを行いました。
「PHCソリューション**」では、2024年4月に新設されたPHCソリューションユニットにてソリューション開発から事業化までの戦略立案を推進しています。
社会が求めるヘルスケアの提供価値への期待が高度化・多様化する中、医薬品と患者さんの間を繋ぎ、個別に最適化された提供価値を最大化することで、ヘルスケアシステム全体における創出価値の最大化へ貢献していきます。
*ROICについて投下資本利益率(ROIC:Return On Invested Capital)は事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。
**PHCソリューションについて医薬品以外のソリューション(製品・サービス)(プログラム医療機器、体外診断用医薬品、コンパニオン診断、デジタルバイオマーカーなど) ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループはIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 1.重要な会計方針等 (2)重要な会計上の判断、見積り及び前提」に記載のとおりです。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、医療用医薬品に関して国内外にわたる積極的な研究開発活動を展開しており、国際的に通用する革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
国内では、中外ライフサイエンスパーク横浜において創薬研究を行う一方、浮間研究所において工業化技術の研究を行っています。
また、海外では、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外製薬有限公司(中国)、台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が創薬研究に取り組んでいます。
当連結会計年度におけるCoreベースの研究開発費は1,801億円(前年同期比1.8%増)、売上収益研究開発費比率は14.3%となりました。
2025年1月1日から2025年12月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりです。
「がん領域」・抗悪性腫瘍剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2025年2月に切除不能な胞巣状軟部肉腫に対して、同年9月に再発または難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型に対して、適応拡大の承認をそれぞれ取得しました。
加えて、同年5月に切除不能な胸腺がんを対象として適応拡大の承認申請を行い、同年12月に承認を取得しました。
また、第Ⅲ相国際共同治験「CONTACT-02試験」の結果に鑑み、前立腺がん[二次治療](カボザンチニブ併用)を対象とする国内における開発を中止しました。
さらに、これまで実施された臨床試験結果に鑑み、早期乳がん(周術期)を対象とする開発を、第Ⅲ相国際共同治験「IMpower030試験」の結果に鑑み、非小細胞肺がん(周術期)を対象とする開発をそれぞれ中止しました。
・抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「AF802/RG7853」(製品名:「アレセンサ」)は、2025年6月に、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の固形がんを対象として適応拡大の承認申請を行いました。
・抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「RG7828」(製品名:「ルンスミオ」)は、2025年5月に、再発または難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫(「ポライビー」との併用)を対象として適応拡大の承認申請を行いました。
・抗悪性腫瘍剤/抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2025年8月に、神経線維腫症Ⅱ型を対象として適応拡大の承認申請を行いました。
また、第Ⅲ相臨床試験「BEAT-SC試験」の結果に鑑み、小細胞肺がん[一次治療](「テセントリク」との併用)を対象とする開発を中止しました。
・抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体「RG6026」は、2025年8月に、再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、及び再発または難治性マントル細胞リンパ腫を対象として国内第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・KRAS G12C阻害剤「RG6330」は、2025年10月に、非小細胞肺がん[一次治療]を対象として第Ⅰb/Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・PI3Kα阻害剤「RG6114」は、2025年7月に、PIK3CA遺伝子変異陽性乳がん(パルボシクリブ、フルベストラント併用)を対象として国内第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・「MINT91」は、2025年4月に、固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・pan-KRAS阻害剤「AUBE00」は、2025年6月に、固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗TIGITヒトモノクローナル抗体「RG6058」は、第Ⅲ相国際共同治験「SKYSCRAPER-01試験」、「SKYSCRAPER-03試験」、「SKYSCRAPER-07試験」、及び「SKYSCRAPER-14試験」の結果に鑑み、非小細胞肺がん[一次治療]、非小細胞肺がん(ステージⅢ)、食道がん(いずれも「テセントリク」との併用)、及び肝細胞がん[一次治療](「テセントリク」、「アバスチン」との併用)を対象とする開発をそれぞれ中止しました。
・抗HER2/CD3バイスペシフィック抗体「RG6194」は、戦略上の理由から、固形がんを対象とする開発を中止しました。
・RAS阻害剤「LUNA18」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。
・抗CD137アゴニストスイッチ抗体「STA551」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。
・抗潜在型TGF-β1モノクローナル抗体「SOF10」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。
・抗CLDN6/CD3/CD137トリスペシフィック抗体「SAIL66」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。
「免疫疾患領域」・免疫抑制剤「セルセプト」は、2025年3月に、難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)を対象として公知申請を行い、同年9月に適応拡大の承認を取得しました。
・抗TL1A抗体「RG6631」は、2025年4月に潰瘍性大腸炎を対象として、同年9月にクローン病を対象として、第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・当社は、IgA腎症を対象として国内第Ⅲ相臨床試験を実施中のエンドセリン/アンジオテンシンⅡ受容体二重拮抗薬「スパルセンタン」について、2025年11月に、レナリスファーマ株式会社の完全子会社化を通じて、日本、韓国、台湾における独占的な開発・販売権を取得しました。
「神経疾患領域」・ウイルスベクター製品「RG6356/SRP-9001」(製品名:「エレビジス」)は、2025年5月に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(エクソン8及び/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3歳以上8歳未満の歩行可能な方)の治療を目的とした再生医療等製品として国内で条件及び期限付承認に該当する製造販売承認を取得しました。
・抗アミロイドベータ/TfR1融合蛋白「RG6102」は、2025年11月に、アルツハイマー病を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、2025年4月に、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
「血液疾患領域」・血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤/抗血液凝固第Ⅸa/X因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ACE910/RG6013」(製品名:「ヘムライブラ」)は、2025年6月に、Ⅲ型フォン・ヴィレブランド病を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・pH依存的結合性ヒト化抗補体(C5)モノクローナル抗体「SKY59/RG6107」(製品名:「ピアスカイ」)は、ロシュが海外で実施した臨床試験の結果に鑑みて、鎌状赤血球症を対象とする開発を中止したことを受け、パイプラインから除外しました。
「眼科領域」・眼科用VEGF/Ang-2阻害剤/抗VEGF/抗Ang-2ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「RG7716」(製品名:「バビースモ」)は、2025年5月に、脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条に対する適応拡大の承認を取得しました。
また、同年5月に、非増殖糖尿病網膜症を対象として国内第Ⅲ相臨床試験を開始しました。
「その他の領域」・アンジオテンシノーゲンに対するRNAi治療薬「RG6615」は、2025年11月に、高血圧症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「GYM329/RG6237」は、2025年5月に、肥満症を対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・抗補体C1sリサイクリング抗体「RAY121」は、2025年3月に、第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗IL-8リサイクリング抗体「AMY109」は、これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を勘案し、自社開発を中止する経営判断をしました。
・「BRY10」は、これまでに得られているデータに鑑み、慢性疾患を対象とする開発を中止しました。
※本章において、金額は億円未満を四捨五入しております。
また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当社グループは生産設備の増強・合理化及び研究開発機能の充実・強化などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。
当連結会計年度における設備投資額は634億円であります。
主要なものは、宇都宮工場における中後期治験薬製造から初期商用生産を担うバイオ原薬製造棟(UT3)建設、初期商用の無菌注射剤製造棟(UTA)建設、浮間工場におけるバイオ原薬製造棟(UK3)の増強、北区浮間の事業用地購入などであります。
 ※本項において、金額は億円未満を四捨五入しております。
 
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は次のとおりであります。
(提出会社) 2025年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)(注)1従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び備品合計浮間地区(東京都 北区)医薬品の研究6,941(69)18,06724,56449,571674藤枝地区(静岡県 藤枝市)医薬品の研究350(217)6,70910,88517,944-宇都宮地区(栃木県 宇都宮市)子会社に賃貸している土地等2,087(122)09263,013-中外ライフサイエンスパーク横浜(神奈川県 横浜市)医薬品の研究40,803(159)83,97738,443163,223900 (中外製薬工業株式会社) 2025年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(百万円)(注)1従業員数(人)土地(面積千㎡)建物及び構築物機械装置及び備品合計浮間工場(東京都 北区)医薬品の製造--12,33722,05134,388725藤枝工場(静岡県 藤枝市)医薬品の合成--23,48949,46872,957429宇都宮工場(栃木県 宇都宮市)医薬品の製造--19,65018,30637,956527 (注)1.帳簿価額の内訳には、建設仮勘定は含まれておりません。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。
また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。
3.当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため「セグメントの名称」の記載を省略しております。
4.現在休止中の主要な設備はありません。
5.上記の他、主要な賃借設備として以下のものがあります。
全て建物の賃借であります。
(提出会社)事業所名(所在地)設備の内容従業員数(人)当期賃借料(百万円)本社事務所(東京都中央区)統轄業務施設2,0882,533関東南統括支店(東京都品川区)販売業務施設297243関西統括支店(大阪市淀川区)販売業務施設258138 (注)当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため「事業の種類別セグメントの名称」の記載を省略しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等重要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。
(提出会社)2025年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着手年月完成予定年月総額(百万円)既投資額(百万円)浮間事業所(東京都 北区)低・中分子及びバイオ医薬品の製法開発機能強化(UKX)80,0001,316自己資金2026年4月2028年8月 (中外製薬工業株式会社)2025年12月31日現在事業所名(所在地)設備の内容投資予定金額資金調達方法着手年月完成予定年月総額(百万円)既投資額(百万円)宇都宮工場(栃木県 宇都宮市)中後期治験/初期商用バイオ原薬製造(UT3)37,41833,220自己資金2023年6月2026年5月浮間工場(東京都 北区)バイオ原薬製造(改造工事)(UK3)20,3107,307自己資金2024年1月2027年6月 (注)1.IFRSに基づく金額を記載しております。
また、金額は百万円未満を四捨五入して記載しております。
2.当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため、「セグメントの名称」の記載を省略しております。
(2)重要な設備の除却等重要な設備の除却等の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動180,100,000,000
設備投資額、設備投資等の概要63,400,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況42
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況15
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況13,507,769
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は保有する投資株式について以下のとおり区分しております。
純投資目的:専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的に株式を保有する場合純投資目的以外:純投資目的に区分されない株式を保有する場合 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、当社の持続的な中長期的な企業価値の向上に資するため、医薬品販売等における取引または金融取引等の取引関係の維持・強化など経営戦略の一環として、必要と判断する企業の株式のみ保有し、また資本効率やリスク・リターンの観点などから適切な水準となるよう縮減に努めることを基本方針としております。
個別の政策保有株式について、保有目的の適切性、保有に伴う資本効率や取引の合理性等を具体的に精査し、保有の適否について取締役会で定期的に検証しております。
ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式16364非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式該当事項はありません。
みなし保有株式該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社16
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社364,000,000

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
ROCHE HOLDING LTD(常任代理人 西村あさひ法律事務所)Grenzacherstrasse 124, CH-4058Basel, Switzerland(東京都千代田区大手町1丁目1-2 大手門タワー)1,005,67061.10
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-1 赤坂インターシティAIR141,8878.62
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-1258,1853.53
STATE STREET BANK AND TRUSTCOMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1,BOSTON MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)22,9901.39
THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)WOOLGATE HOUSE, COLEMAN STREET LONDON EC2P 2HD, ENGLAND(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)21,9871.33
JP MORGAN CHASE BANK 385864(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF,LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)12,1910.74
SMBC日興証券株式会社東京都千代田区丸の内3丁目3-111,1970.68
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)25 BANK STREET, CANARY WHARF,LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)9,4790.57
住友生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都中央区八重洲2丁目2-1(東京都中央区晴海1丁目8-12)9,1500.55
HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES(常任代理人 香港上海銀行東京支店)1 QUEEN‘S ROAD CENTRAL, HONG KONG(東京都中央区日本橋3丁目11-1)7,4990.45
計―1,300,23979.00 (注)1.当社は自己株式33,344,248株を所有しておりますが、上記大株主の状況の記載から除いております。2.所有株式数は、千株未満を、また発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点第3位以下を、それぞれ切り捨てて記載しております。
株主数-金融機関76
株主数-金融商品取引業者46
株主数-外国法人等-個人181
株主数-外国法人等-個人以外1,017
株主数-個人その他57,274
株主数-その他の法人373
株主数-計58,967
氏名又は名称、大株主の状況HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES(常任代理人 香港上海銀行東京支店)
株主総利回り2
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式5,6137,184 当期間における取得自己株式45395 (注)1.当期間における取得自己株式には、2026年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる自己株式数は含めておりません。
2.金額は千円未満を四捨五入して記載しております。

Shareholders2

自己株式の取得-7,000,000

Audit

監査法人1、連結有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2026年3月25日中外製薬株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山田 真  指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士北村 雄二朗 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士宇津木 辰男 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている中外製薬株式会社の2025年1月1日から2025年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結財政状態計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結持分変動計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、中外製薬株式会社及び連結子会社の2025年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 連結財務諸表注記「9.無形資産」に記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書に計上されている無形資産54,539百万円には、進行中の研究開発資産である利用可能でない製品関連無形資産46,238百万円が含まれており、総資産の1.9%を占めている。
連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 有形固定資産、使用権資産及び無形資産の減損損失」に記載されているとおり、利用可能でない製品関連無形資産については、毎年減損の判定が行われている。
判定の結果、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
当該無形資産は、主に製品に係る技術導入契約又は個別の資産購入によって取得したものであり、取得時において事業性の評価が行われているが、研究開発競争の激化による新薬創出の難易度上昇や研究開発費の高騰等、研究開発プロセスに内在する不確実性のため、製品化に至らずに開発が中断されるリスクがある。
このため、研究開発プロジェクトの製品化の可否に関する経営者による判断が、無形資産の減損の判定に重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する、製品化の可否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、最新の開発進捗状況や製品を取り巻く環境の変化を加味して減損の判定が行われることを担保する統制に、特に焦点を当てた。
(2)製品化の可否に関する判断の妥当性の評価利用可能でない製品関連無形資産のうち一定の金額的重要性を有する資産について、経営者による減損の判定の前提となった研究開発プロジェクトの製品化の可否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・各研究開発プロジェクトの進捗状況について、取得時の事業性評価において計画されていたマイルストンの達成予定時期と当連結会計年度末までの達成実績を比較することにより、計画との乖離の有無を確認した。
・計画との乖離が検出された研究開発プロジェクトを対象として、製品化の可否に関する判断への重要な影響の有無を確認するため、研究開発部門のプロジェクト責任者に対して、各研究開発プロジェクトの進捗状況、対象とする適応症の臨床試験結果、並びに取得時の事業性評価以降における競合品やバイオ後発品の発売及び浸透状況について質問した。
また、研究開発活動の継続や事業性評価の見直しを検討するポートフォリオマネジメント委員会の議事録及び関連資料を閲覧した。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 連結財務諸表注記「2.セグメント情報」に記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において計上されている売上収益1,257,941百万円には、その他の売上収益180,138百万円が含まれており、売上収益の14.3%を占めている。
その他の売上収益には、ロイヤルティ収入及び協同パートナーとの利益分配契約からの収入(以下、「プロフィットシェア収入」という。
)で構成されるロイヤルティ及びプロフィットシェア収入と、主にライセンス導出契約からの収入で構成されるその他の営業収入が含まれている。
連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 収益」に記載されているとおり、知的財産のライセンスと交換に約束した売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤルティ収入は、その後の顧客の売上またはライセンスの使用に基づき認識されている。
プロフィットシェア収入は、協同パートナーとの利益分配契約からの収入で、協同パートナーが売上と売上原価を計上する際に認識している。
また、ライセンス導出契約からの収入は通常、製品や技術に関する知的財産をライセンスとして第三者に供与し、契約一時金、マイルストン及びその他類似した支払いの受領から認識されている。
ライセンス導出契約からの収入は、導出以降の履行義務が一切ない場合、会社はライセンスの供与をもって収益を認識している。
他方、ライセンス導出契約に研究、後期開発、規制当局承認、共同販促、製造への関与を含んでいる場合、導出以降の履行義務に対応する繰延収益に関しては、それぞれの履行義務を充足した時に収益を認識している。
導出されるライセンスは、通常は知的財産を使用する権利であり、一般的に契約ごとに固有のものである。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入については、契約相手先からの売上高等についての報告書に基づき計上され、その計算及び入力プロセスが自動化されていないため、収益認識の適切性に関して監査人がより注意を払う必要がある。
また、ライセンス導出契約からの収入は、契約ごとに取引条件が異なるため、個々の契約に含まれる履行義務の識別、複数の履行義務が含まれている場合の取引価格の配分及びそれぞれの履行義務の充足時点に関して経営者による複雑な判断を要する場面がある。
以上から、当監査法人は、ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、受取ロイヤルティ及び協同パートナーからの利益分配に係る金額並びに会計処理が、関連する報告書又は契約に基づくものであるか否かを検討する統制に、特に焦点を当てた。
(2)収益認識の適切性の評価ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入のうち一定の金額的重要性を有する取引について、それらの収益が適切に認識されているか否かを検証するため、主に以下の手続を実施した。
・ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入の計上額について、契約相手先からの報告書と整合していることを確認した。
・ロイヤルティ収入について、顧客の売上報告書数値に契約上のロイヤルティ料率を乗じた金額と、会社が計上したロイヤルティ収入を比較した。
・ライセンス導出契約に関する顧客との契約書を閲覧するとともに、履行義務が契約内容に基づいて適切に識別され、識別した各履行義務に配分された取引価格が合理的かどうか、及び各履行義務を充足した時点で収益が適切に認識されているかどうかを検討した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、経営者が清算若しくは事業停止の意図があるか、又はそれ以外に現実的な代替案がない場合を除いて、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、中外製薬株式会社の2025年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、中外製薬株式会社が2025年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 連結財務諸表注記「9.無形資産」に記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書に計上されている無形資産54,539百万円には、進行中の研究開発資産である利用可能でない製品関連無形資産46,238百万円が含まれており、総資産の1.9%を占めている。
連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 有形固定資産、使用権資産及び無形資産の減損損失」に記載されているとおり、利用可能でない製品関連無形資産については、毎年減損の判定が行われている。
判定の結果、資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
当該無形資産は、主に製品に係る技術導入契約又は個別の資産購入によって取得したものであり、取得時において事業性の評価が行われているが、研究開発競争の激化による新薬創出の難易度上昇や研究開発費の高騰等、研究開発プロセスに内在する不確実性のため、製品化に至らずに開発が中断されるリスクがある。
このため、研究開発プロジェクトの製品化の可否に関する経営者による判断が、無形資産の減損の判定に重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する製品化の可否に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する、製品化の可否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価利用可能でない製品関連無形資産の減損の判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、最新の開発進捗状況や製品を取り巻く環境の変化を加味して減損の判定が行われることを担保する統制に、特に焦点を当てた。
(2)製品化の可否に関する判断の妥当性の評価利用可能でない製品関連無形資産のうち一定の金額的重要性を有する資産について、経営者による減損の判定の前提となった研究開発プロジェクトの製品化の可否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・各研究開発プロジェクトの進捗状況について、取得時の事業性評価において計画されていたマイルストンの達成予定時期と当連結会計年度末までの達成実績を比較することにより、計画との乖離の有無を確認した。
・計画との乖離が検出された研究開発プロジェクトを対象として、製品化の可否に関する判断への重要な影響の有無を確認するため、研究開発部門のプロジェクト責任者に対して、各研究開発プロジェクトの進捗状況、対象とする適応症の臨床試験結果、並びに取得時の事業性評価以降における競合品やバイオ後発品の発売及び浸透状況について質問した。
また、研究開発活動の継続や事業性評価の見直しを検討するポートフォリオマネジメント委員会の議事録及び関連資料を閲覧した。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 連結財務諸表注記「2.セグメント情報」に記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において計上されている売上収益1,257,941百万円には、その他の売上収益180,138百万円が含まれており、売上収益の14.3%を占めている。
その他の売上収益には、ロイヤルティ収入及び協同パートナーとの利益分配契約からの収入(以下、「プロフィットシェア収入」という。
)で構成されるロイヤルティ及びプロフィットシェア収入と、主にライセンス導出契約からの収入で構成されるその他の営業収入が含まれている。
連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 収益」に記載されているとおり、知的財産のライセンスと交換に約束した売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤルティ収入は、その後の顧客の売上またはライセンスの使用に基づき認識されている。
プロフィットシェア収入は、協同パートナーとの利益分配契約からの収入で、協同パートナーが売上と売上原価を計上する際に認識している。
また、ライセンス導出契約からの収入は通常、製品や技術に関する知的財産をライセンスとして第三者に供与し、契約一時金、マイルストン及びその他類似した支払いの受領から認識されている。
ライセンス導出契約からの収入は、導出以降の履行義務が一切ない場合、会社はライセンスの供与をもって収益を認識している。
他方、ライセンス導出契約に研究、後期開発、規制当局承認、共同販促、製造への関与を含んでいる場合、導出以降の履行義務に対応する繰延収益に関しては、それぞれの履行義務を充足した時に収益を認識している。
導出されるライセンスは、通常は知的財産を使用する権利であり、一般的に契約ごとに固有のものである。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入については、契約相手先からの売上高等についての報告書に基づき計上され、その計算及び入力プロセスが自動化されていないため、収益認識の適切性に関して監査人がより注意を払う必要がある。
また、ライセンス導出契約からの収入は、契約ごとに取引条件が異なるため、個々の契約に含まれる履行義務の識別、複数の履行義務が含まれている場合の取引価格の配分及びそれぞれの履行義務の充足時点に関して経営者による複雑な判断を要する場面がある。
以上から、当監査法人は、ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、受取ロイヤルティ及び協同パートナーからの利益分配に係る金額並びに会計処理が、関連する報告書又は契約に基づくものであるか否かを検討する統制に、特に焦点を当てた。
(2)収益認識の適切性の評価ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入のうち一定の金額的重要性を有する取引について、それらの収益が適切に認識されているか否かを検証するため、主に以下の手続を実施した。
・ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入の計上額について、契約相手先からの報告書と整合していることを確認した。
・ロイヤルティ収入について、顧客の売上報告書数値に契約上のロイヤルティ料率を乗じた金額と、会社が計上したロイヤルティ収入を比較した。
・ライセンス導出契約に関する顧客との契約書を閲覧するとともに、履行義務が契約内容に基づいて適切に識別され、識別した各履行義務に配分された取引価格が合理的かどうか、及び各履行義務を充足した時点で収益が適切に認識されているかどうかを検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 連結財務諸表注記「2.セグメント情報」に記載されているとおり、中外製薬株式会社の当連結会計年度の連結損益計算書において計上されている売上収益1,257,941百万円には、その他の売上収益180,138百万円が含まれており、売上収益の14.3%を占めている。
その他の売上収益には、ロイヤルティ収入及び協同パートナーとの利益分配契約からの収入(以下、「プロフィットシェア収入」という。
)で構成されるロイヤルティ及びプロフィットシェア収入と、主にライセンス導出契約からの収入で構成されるその他の営業収入が含まれている。
連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 収益」に記載されているとおり、知的財産のライセンスと交換に約束した売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤルティ収入は、その後の顧客の売上またはライセンスの使用に基づき認識されている。
プロフィットシェア収入は、協同パートナーとの利益分配契約からの収入で、協同パートナーが売上と売上原価を計上する際に認識している。
また、ライセンス導出契約からの収入は通常、製品や技術に関する知的財産をライセンスとして第三者に供与し、契約一時金、マイルストン及びその他類似した支払いの受領から認識されている。
ライセンス導出契約からの収入は、導出以降の履行義務が一切ない場合、会社はライセンスの供与をもって収益を認識している。
他方、ライセンス導出契約に研究、後期開発、規制当局承認、共同販促、製造への関与を含んでいる場合、導出以降の履行義務に対応する繰延収益に関しては、それぞれの履行義務を充足した時に収益を認識している。
導出されるライセンスは、通常は知的財産を使用する権利であり、一般的に契約ごとに固有のものである。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入については、契約相手先からの売上高等についての報告書に基づき計上され、その計算及び入力プロセスが自動化されていないため、収益認識の適切性に関して監査人がより注意を払う必要がある。
また、ライセンス導出契約からの収入は、契約ごとに取引条件が異なるため、個々の契約に含まれる履行義務の識別、複数の履行義務が含まれている場合の取引価格の配分及びそれぞれの履行義務の充足時点に関して経営者による複雑な判断を要する場面がある。
以上から、当監査法人は、ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「2.セグメント情報」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「1.重要な会計方針等(3)会計方針 収益」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、受取ロイヤルティ及び協同パートナーからの利益分配に係る金額並びに会計処理が、関連する報告書又は契約に基づくものであるか否かを検討する統制に、特に焦点を当てた。
(2)収益認識の適切性の評価ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入のうち一定の金額的重要性を有する取引について、それらの収益が適切に認識されているか否かを検証するため、主に以下の手続を実施した。
・ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入の計上額について、契約相手先からの報告書と整合していることを確認した。
・ロイヤルティ収入について、顧客の売上報告書数値に契約上のロイヤルティ料率を乗じた金額と、会社が計上したロイヤルティ収入を比較した。
・ライセンス導出契約に関する顧客との契約書を閲覧するとともに、履行義務が契約内容に基づいて適切に識別され、識別した各履行義務に配分された取引価格が合理的かどうか、及び各履行義務を充足した時点で収益が適切に認識されているかどうかを検討した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2026年3月25日中外製薬株式会社取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士山田 真 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士北村 雄二朗 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士宇津木 辰男 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている中外製薬株式会社の2025年1月1日から2025年12月31日までの2025年事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、中外製薬株式会社の2025年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性」と実質的に同一の内容である。
このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性」と実質的に同一の内容である。
このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 個別財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「ロイヤルティ及びプロフィットシェア収入並びにライセンス導出契約からの収入の収益認識の適切性」と実質的に同一の内容である。
このため、個別財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

商品及び製品88,694,000,000
原材料及び貯蔵品79,571,000,000
未収入金100,370,000,000
その他、流動資産24,154,000,000
工具、器具及び備品(純額)12,812,000,000
土地53,097,000,000
建設仮勘定2,984,000,000
有形固定資産199,736,000,000
ソフトウエア41,000,000
無形固定資産70,000,000
投資有価証券16,282,000,000
長期前払費用46,261,000,000
繰延税金資産117,909,000,000
投資その他の資産265,912,000,000