財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-03-23
英訳名、表紙Noile-Immune Biotech Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 玉田 耕治
本店の所在の場所、表紙東京都港区芝大門二丁目12番10号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-5843-7819
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
2015年4月東京都中央区において国立研究開発法人国立がん研究センター(以下、国立がん研究センター)及び国立大学法人山口大学(以下、「山口大学」という。
)発のバイオテック企業として設立2015年9月山口大学とCAR-T細胞療法に関する共同研究契約を締結2015年9月国立がん研究センターとCAR-T細胞療法に関する共同研究契約を締結2015年10月山口大学より次世代型CAR-T細胞プラットフォーム技術に関する第三者へのサブライセンス権付き独占実施許諾を取得2017年8月武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」という。
)(※1)と共同研究開発に関する提携2018年12月武田薬品とNIB102及びNIB103導出に関するライセンス契約を締結(※2)2019年3月東京都港区に本店移転2019年8月Adaptimmune Therapeutics plc(※3)と共同開発に関する契約を締結2019年11月Autolus Therapeutics plc(※4)とライセンス契約を締結2020年7月武田薬品がNIB102の第Ⅰ相臨床試験を開始2021年12月武田薬品がNIB103の第I相臨床試験を開始2022年1月自社パイプラインNIB101の第I相臨床試験を開始2022年8月中外製薬株式会社(以下、「中外製薬」という。
)とPRIME技術に関するライセンス契約を締結2023年6月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2024年9月タカラバイオ株式会社(以下、「タカラバイオ」という。
)との共同開発に関する業務提携契約を締結(※5、※6)2025年6月NIB103の第Ⅰ相臨床試験の治験計画届書提出の完了※1 武田薬品とは、同社の100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Inc.を通じ契約しておりました。
※2 2024年6月に、同社とのライセンス契約を解消いたしました。
※3 Adaptimmune Therapeutics plcとは、同社の100%子会社であるAdaptimmune Limitedを通じ契約しております。
※4 Autolus Therapeutics plcとは、同社の100%子会社であるAutolus Limitedを通じ契約しております。
※5 自社創薬パイプラインの優先度を再設定し、NIB103を優先パイプラインとして開発することを決定しました。
※6 タカラバイオと共同で日本国内におけるNIB103の開発を進めています。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社は、「Create the Future to Overcome Cancer」「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という理念の下、独自技術を活用した固形がん(※1)に対するCAR-T細胞療法(※2)の開発を主たる事業領域として事業を展開しております。
 固形がんに対する安全かつ有効な治療薬の開発は世界的に求められている課題であり、高いニーズがあります。
当社は、山口大学及び同大学の技術移転機関である有限会社山口ティー・エル・オー(以下、山口TLO)から独占的に導入したPRIME技術(※3)を応用したCAR-T細胞という最新のがん免疫療法を介してこの課題を克服することを目指し、事業を展開しております。
PRIME技術は、投与するCAR-T細胞のみならず「患者の体内の免疫細胞」を活性化することで優れたがん治療効果を期待することができ、がん免疫応答を利用する多様な細胞医薬品や遺伝子治療を含めた幅広い再生医療の分野に応用できる可能性を有するプラットフォーム技術であります。
当社は、プラットフォーム技術であるPRIME技術に固形がんが発現する様々な抗原を標的とした治療技術を組み合わせることにより、固形がんの治療を目的とした様々な遺伝子改変免疫細胞療法を開発しております。
 当社は、自社が主導して創生する「自社創薬」に加えて、PRIME技術を他社にライセンスして医薬品開発を進める「共同パイプライン」の2つの事業モデルを有するハイブリッドビジネスモデルを構築しております。
これら事業展開により、PRIME技術の市場への展開や周知を加速化して早期の収益確保を図ると同時に、長期的には自社創薬により大型の販売収益を確保することにより、事業全体のリスク分散とサステナブルな成長を目指しております。
 なお、当社はがん免疫療法創薬事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の情報は記載を省略しております。
(1)当社の事業領域 日本国内において、がんの死亡数と罹患数は、人口の高齢化を主な要因として男女ともに増加し続けており、2024年のがん死亡数は約38万4千人、2021年のがん罹患数は約98万9千人と報告されております(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))。
日本人が生涯でがんに罹患する確率は、2021年データにおいて、男性で63%、女性で51%とされており(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(累積罹患リスク(グラフデータベース)))、また、各がん腫の5年生存率は、特にステージの進んだがんにおいて依然として低く、がんに対する効果的な治療法の開発や普及は極めて重要な社会的課題と言えます。
これまで以上に有効性の高い革新的がん治療法の登場は日本のみならず、世界中で強く期待されております。
医薬品事業の観点においても、がん領域は極めて大きな市場であり、多くのUnmet medical needs(※4)が存在します。
 従来、がんに対する治療法は外科療法、化学療法(抗がん剤)、放射線療法が主な方法でしたが、現在では、免疫の力を利用してがんを攻撃する「がん免疫療法」が重要な治療法の一つとして確立されています。
本来、免疫システムはウイルスや細菌など、自分自身以外の異物を認識し、排除する働きを有しており、がん細胞を認識し排除する能力もあることが知られております。
この能力を回復させたり、増強させたりすることでがんの治療を目指す創薬技術が「がん免疫療法」です。
特に、2018年のノーベル生理学・医学賞の受賞により注目を浴びた免疫チェックポイント阻害薬(※5)の開発により、がん免疫療法は大きな発展を遂げました。
従来のがん治療法では延命や根治することが難しかった進行がんに対して免疫チェックポイント阻害薬が治療効果を発揮しうることがわかっており、その適応範囲は世界中で拡大しております。
2024年の世界の医薬品市場において、免疫チェックポイント阻害薬の合計売上高は約600億ドルと報告されており、がん領域治療薬全体の1/4近くを占めています(出典:IQVIA Institute, Global Oncology Trends 2025)。
 しかしながら、免疫チェックポイント阻害薬にはまだ多くの課題があります。
免疫チェックポイント阻害薬は全てのがんに対して治療効果を発揮できるわけではなく、また治療効果が得られたとしても単剤での有効性は10-30%程度と言われております(出典:Clin Cancer Res. 2020 Sep 15;26 (18): 4842-4851)。
免疫チェックポイント阻害薬の効果がみられない患者では、がん細胞を攻撃する免疫細胞の能力が十分に回復・増強されていない状況であり、さらに強力で、かつ、免疫チェックポイント阻害薬とは異なる働きでがんを攻撃できるような新たな免疫療法が必要とされており、「CAR-T細胞療法」等にかかる研究開発が拡大しております。
(CAR-T細胞療法について) 免疫チェックポイント阻害薬は「免疫のブレーキを解除する」ことで免疫細胞、特にT細胞(※6)の能力を高めてがん細胞を攻撃する治療法ですが、それとは異なるアプローチとして、遺伝子改変技術(※7)を用いて「T細胞の能力を直接的に増強する」ことでがん細胞を攻撃する方法が「遺伝子改変T細胞療法」です。
特に、体外に取り出したT細胞に、がん細胞表面のがん抗原(※8)を認識するCAR(Chimeric Antigen Receptor:キメラ抗原受容体)遺伝子を導入することでCAR-T細胞を作製し、当該CAR-T細胞を大量に増やしてから患者に投与する「CAR-T細胞療法」が高い注目を集めております(図1)。
CARは、がん細胞を認識する抗体由来の部分と、T細胞の強い活性化を誘導するシグナル伝達部分、及びこの両者をつなぐ部分からなる人工的受容体(※9)で、CAR-T細胞は、がん細胞を見つけると強く活性化し、がん細胞を攻撃する一方で、がん抗原を持っていない正常細胞は攻撃しない、という特徴を有しております。
図1. CAR-T細胞療法のしくみ体外に取り出したT細胞にCAR遺伝子を導入したうえで培養し、大量のCAR-T細胞を作製して投与します。
CAR遺伝子はがんを認識する細胞外の抗体部分とT細胞のがん攻撃能力を高めるための細胞内シグナル部分から構成されます。
(通常型CAR-T細胞療法の課題)CAR-T細胞療法は、血液がん(※10)に対して非常に高い有効性が実証されており、日本を含めた複数の国で既に医薬品として承認され、従来の治療法では効果のない患者に対して高い治療効果を示しております。
しかしながら、血液がん以外の固形がんに対しては有効性が確立されておらず、さらに技術改良を進めた次世代型CAR-T細胞の技術開発及び臨床応用が急務とされております。
CAR-T細胞が血液がんに対して有効である一方、固形がんには効果を発揮しにくい原因として、塊を作らずに血管内やリンパ管内で増えていく血液がんではCAR-T細胞が一対一でがん細胞を攻撃できるのに対し、固形がんは塊として臓器の中でがん細胞が増えていくため、がん組織の内部にまでCAR-T細胞が到達することが難しい、ということが考えられます(図2)。
また、血液がんはCAR-T細胞の標的となるがん抗原を均一に持っておりますが、固形がんではがん抗原が不均一にしか出ておらず、CAR-T細胞のみで全てのがん細胞を攻撃するのが難しい、という原因が知られております。
固形がんは全てのがんの約9割を占めており(出典:WHO Cancer Tomorrow)、固形がんに対して有効性を発揮しうる技術を有する次世代型CAR-T細胞療法が開発されれば、がん治療薬市場に大きな影響を与えるものと考えられます。
なお、近時、CAR-T細胞療法が固形がんに対して一定の有効性及び安全性を示す研究結果も示されており(Claudin 18.2標的CAR-T細胞に関する第I相臨床試験の最終結果。
Nature Medicine volume 30, pages2224–2234 (2024) )、固形がんの治療に対するCAR-T細胞療法の可能性を示していると考えております。
図2. CAR-T細胞療法によるがん治療効果現在使われている通常のCAR-T細胞療法は、血液がんに対しては優れた有効性を発揮する一方、がんの約9割を占める固形がんに対しては有効性が弱く、新たな技術開発が求められております。
(2)PRIME CAR-T細胞療法 当社は、固形がんに対して効果を発揮する次世代型CAR-T細胞を創薬するために、当社代表取締役であり山口大学教授の玉田らが開発した「PRIME技術」を応用しております。
PRIME技術とは、免疫細胞の活性化や集積を誘導するサイトカイン(※11)やケモカイン(※12)を産生するようにCAR-T細胞などの免疫細胞に更なる遺伝子改変を加えた技術であり、当社はPRIME技術を搭載したCAR-T細胞療法を「PRIME CAR-T細胞療法」と称しております。
当社では、インターロイキン7(IL-7: interleukin-7)というサイトカインとchemokine (C-C motif) ligand 19(CCL19)というケモカインを同時に産生するPRIME CAR-T細胞を複数開発しており、これまでの様々な動物実験において、固形がんに対して従来のCAR-T細胞と比べて高い効果を発揮することが示されております。
これらのデータは玉田らのグループによりNature Biotechnology誌で発表されました。
 PRIME CAR-T細胞では固形がんの局所でCAR-T細胞自身がIL-7とCCL19を産生するように遺伝子改変しております(図3)。
CCL19はT細胞や抗原提示細胞(※13)である樹状細胞(※14)のがん局所への集積やがん組織内への浸潤を促進する働きがあります。
また、IL-7は集積したCAR-T細胞やT細胞の活性化や増殖を誘導すると同時に、その寿命を長くすることが知られております。
この際、PRIME CAR-T細胞から産生されるIL-7とCCL19は他のPRIME CAR-T細胞のみならず、体内のT細胞や樹状細胞も固形がんの組織内に浸潤させる機能を有しております。
図3. PRIME CAR-T細胞療法によるがん治療PRIME CAR-T細胞では通常のCAR遺伝子に加えて、IL-7とCCL19が搭載されており、免疫細胞を固形がんの内部に呼び寄せ、さらに増殖させて寿命を延ばすことで固形がんに対して治療効果を誘導します。
 集積した樹状細胞は、PRIME CAR-T細胞によって破壊されたがん細胞から様々ながん抗原を取り込み、体内のT細胞にがん抗原を提示してT細胞の活性化を誘導します(Cancer Immunol Immunother. 2026 Feb 7;75(3):68)。
このような現象をエピトープスプレッディング(エピトープ拡散)(※15)と呼び、一種類ではなく様々ながん抗原を出す固形がんに対して免疫療法の効果を誘導するために極めて重要なステップと考えられております。
また、IL-7はメモリーT細胞(※16)の生存を維持する働きがあることから、PRIME CAR-T細胞療法では通常のCAR-T細胞療法と比べて長期間、治療効果が持続することが期待されます。
このように、当社の技術は免疫細胞の集積や浸潤を増強し、増殖を誘導することからPRIME(Proliferation-inducing and migration-enhancing)技術と称しております(図4)。
図4. PRIME CAR-T細胞による固形がんへのアプローチPRIME CAR-T細胞ががん細胞を攻撃することにより、CARの標的とは異なる様々ながん抗原が放出され、CCL19とIL-7に反応して固形がんの内部に呼び寄せられて増殖した免疫細胞は、これらの様々ながん抗原を認識してがん細胞を攻撃することで、CAR-Tの標的を持たない固形がんに対しても治療効果を発揮できます。
(3)PRIME CAR-T細胞療法の非臨床研究データ 玉田らのグループが発表した研究では、PRIME CAR-T細胞を刺激するとPRIME CAR-T細胞からCCL19の分泌が促進され、ナイーブT細胞(※17)や樹状細胞(※18)の遊走(※19)が増加することを、培養容器の空間を2つに仕切り細胞が移動できるトランスウェル®(※20)という研究手法を用いて確認しました。
ナイーブT細胞や樹状細胞と、通常のCAR-T細胞やPRIME CAR-T細胞を分離し、通常のCAR-T細胞やPRIME CAR-T細胞を抗CD3抗体(※21)やPRIME CAR-T細胞の標的抗原で刺激したところ、PRIME CAR-T細胞の場合には、通常のCAR-T細胞と比べて、遊走してくるナイーブT細胞や樹状細胞の数が多いことが示されました(図5)。
図5. CCL19の効果を確認する細胞遊走試験CCL19を産生するPRIME CAR-T細胞は、ナイーブT細胞や樹状細胞の集積機能が通常のCAR-T細胞よりも増強していることが確認できました。
P値は統計学的な有意性を示し、P値が低いほど有意性が高く、0.05未満を有意差ありとしています。
 また、IL-7を産生するPRIME CAR-T細胞は、通常のCAR-T細胞と比較して、細胞分裂回数、生細胞数、生存率が高い傾向にあることが示されました。
細胞の分裂をモニターするために用いられる色素であるCyoTell™ BlueでPRIME CAR-T細胞もしくは通常のCAR-T細胞を染色し、標的抗原にて刺激したところ、1週間の経過で、PRIME CAR-T細胞は通常のCAR-T細胞と比較して、細胞分裂が多いだけでなく、生存率が高いことがわかりました。
(図6)。
図6. IL-7の効果を確認する細胞分裂試験及び生細胞数の確認試験IL-7を産生するPRIME CAR-T細胞は細胞分裂や生細胞数、生存率が通常のCAR-T細胞よりも増強していることが確認できました。
 現在当社が開発しているPRIME CAR-T細胞パイプラインは、サイトカインとケモカインの組み合わせとしてIL-7とCCL19を利用しております。
この組み合わせは決して無作為に選択されたものではありません。
ヒトの正常なリンパ組織(※22)には多くのT細胞が集積したT細胞領域と呼ばれる部分があり、その部分の形成にはIL-7とCCL19が重要な働きをしていることが知られております。
当社の開発しているPRIME技術は生体内で認められるIL-7とCCL19の生理学的機能を応用して固形がんの組織内にT細胞を集積させる、言い換えれば、生物の進化の過程でT細胞領域形成のために選択されたIL-7とCCL19という生理的な組み合わせを、遺伝子改変という科学技術を用いてCAR-T細胞に搭載し、がん治療のために応用したユニークな技術です。
これは、単にCAR-T細胞の活性化や増殖を誘導するためのサイトカインを搭載した他のCAR-T細胞技術とは大きくコンセプトが異なります。
 マウス実験モデルにおいて、CARターゲットのCD20(※23)を発現している肥満細胞腫(※24)であるP815-CD20(※25)を皮下接種して固形がんを形成させた後、無治療群、通常のCAR-T細胞療法群、IL-7のみを産生する細胞を用いたCAR-T細胞療法群、CCL19のみを産生する細胞を用いたCAR-T細胞療法群、PRIME CAR-T細胞療法群の5つの治療群にて、マウスの生存を観察しました。
その結果、最初の4つの処理群ではマウスの長期生存は観察されなかった一方で、PRIME CAR-T細胞処理群における全てのマウスが観察期間の最後まで生存することが確認されました(図7)。
図7. マウス実験モデルでのPRIME CAR-T細胞の固形がん治療効果IL-7とCCL19の両方を産生するPRIME CAR-T細胞は通常のCAR-T細胞に比べて優れたがん治療効果を発揮する一方、IL-7のみ、又はCCL19のみを産生するCAR-T細胞ではがん治療効果の増強は認められませんでした。
 さらに、PRIME CAR-T細胞療法がどのようなメカニズムで固形がんに対する優れた治療効果を発揮しているのかを調べるために、マウスに投与したCAR-T細胞の体内動態を観察できるシステムを利用して検討したところ、PRIME CAR-T細胞は固形がんの部分に効率的に集まっていることがわかりました。
通常のCAR-T細胞ではこのような現象は認められませんでした。
また、PRIME CAR-T細胞はがんの部分にのみ集まっており、それ以外の正常の臓器には集まっていないことも判明し、PRIME CAR-T細胞療法の安全性を示唆するデータも得られております。
PRIME CAR-T細胞で治療したマウスのがん組織を顕微鏡レベルで調べてみたところ、非常に多くの免疫細胞が集まっていることが証明されました。
さらに、集まっている細胞はPRIME CAR-T細胞のみならず、マウスの体内にもともとあった免疫細胞も含まれていることがわかりました。
このような現象は通常のCAR-T細胞療法では認められませんでした(図8)。
図8. PRIME CAR-T細胞の固形がんへの集積PRIME CAR-T細胞は固形がんの部分にのみ選択的に集まっていました。
がん組織内部においては、PRIME CAR-T細胞のみならず、もともと体内にあったT細胞も集まっていました。
(CD20をターゲットにしたモデルによるデータ) PRIME CAR-T細胞の優れた治療効果は、ヒトT細胞から誘導したPRIME CAR-T細胞を用いた実験でも示されております。
ヒトの肺がん細胞株を皮下接種した免疫不全マウス(※26)にヒトT細胞から作製したPRIME CAR-T細胞を投与したところ、がん細胞の増殖は顕著に抑えられることが判明しました(図9)。
このような効果はCARを遺伝子導入していないヒトT細胞や通常のCARを遺伝子導入したヒトT細胞では認められませんでした。
このように、IL-7とCCL19の組み合わせにより固形がんに対して強力な治療効果を発揮するPRIME CAR-T技術はヒトT細胞の場合でも優れた治療効果が認められました。
図9. ヒトT細胞から作製したPRIME CAR-T細胞によるがん治療効果ヒト肺がん細胞を接種した免疫不全マウスに、ヒトT細胞から作製したPRIME CAR-T細胞を投与したところ、腫瘍増殖が顕著に抑制されることが判明しました。
腫瘍接種後46日目のマウスの写真(右)において、PRIME CAR-T細胞治療では腫瘍が消失していることが認められました。
(GM2をターゲットにしたモデルによるデータ) (4)PRIME CAR-T細胞療法の臨床試験データ 武田薬品は、第39回米国がん免疫学会総会(Society for Immunotherapy of Cancers : SITC) において、NIB102 (TAK-102)の第Ⅰ相臨床試験に関する定量的臨床薬理解析およびメカニズムモデルについて発表しました。
NIB102 (TAK-102)による治療を受けた11人の患者において、用量制限毒性(DLT)(※27)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)(※28)ともに認められませんでした。
認められたすべてのサイトカイン放出症候群(※29)については大部分がグレード1で管理可能であり、投与用量3(5×108 CAR-T cells/人)までは、NIB102 (TAK-102)の安全性プロファイルが許容可能であることが示唆されました。
また、最良の反応として、治験担当医師の評価により5人の患者でSD(病状の安定)(※30)を達成しました。
DL2-02 患者では、関連する疾患バイオマーカー(※31)であるAFP(Alpha Fetoprotein)(※32)レベルの約50%減少が認められました(図10)。
図10. NIB102 (TAK-102)の第Ⅰ相臨床試験に関する定量的臨床薬理解析結果NIB102 (TAK-102)は用量漸増法により1×107から5×108 cells/bodyのCAR-T細胞が投与されましたが、CAR-T細胞の増加に伴い、患者の全腫瘍ボリュームが抑えられ、投与用量3(5×108 CAR-T cells/人)まではNIB102 (TAK-102)の安全性プロファイルが許容可能であることが示唆されました。
また、一部の症例ではCAR-T細胞の投与に伴い、がんの疾患マーカーであるAFPの一時的な低下が認められました。
(5)PRIME技術の拡張性と応用性 PRIME技術の根幹は、免疫細胞の集積や浸潤、増殖などを誘導するサイトカインやケモカインをCAR-T細胞に産生させることで、CAR-T細胞自体のがん攻撃能力を高めるのみならず、患者自身の免疫細胞を活性化し、固形がんに対する多様な攻撃を介して長期の治療効果を誘導することです。
従って、PRIME技術の適応はCARの認識する標的分子(※33)の種類に依存しません。
つまり、標的分子の数に応じてPRIME技術が拡張する可能性がある、ということです。
(PRIME技術と免疫チェックポイント阻害薬との併用効果)当社は、免疫チェックポイント阻害薬とPRIME CAR-T細胞の併用についても検討しています。
山口大学との共同研究で行ったマウス実験では、マウスにがん細胞を皮下接種して固形がんを形成させた後、PRIME CAR-T細胞とPD-1シグナル(※34)を遮断するPD-1抗体(※35)の両方を投与したところ、PRIME CAR-TとPD-1抗体との組み合せにおいて、それぞれの単独や、通常のCAR-T細胞とPD-1抗体との組み合せに比較して、より強力な腫瘍治療効果が認められました(図11)。
図11. PRIME CAR-T細胞と免疫チェックポイント阻害薬との併用効果CAR-T細胞の投与量を少なくし、PRIME CAR-T単独では治療効果が出にくい条件におけるマウスモデルにおいて、PRIME CAR-T細胞とPD-1抗体との組み合せは固形がんに対して優れた治療効果が認められました。
(PRIME技術のTCR-T細胞療法への応用)PRIME技術の適応はCAR-T細胞療法に限定されず、同様の遺伝子改変T細胞療法であるTCR-T細胞療法(※36)にも応用が可能であり、当社においては、既に「共同パイプライン」における契約実績もあります。
山口大学との共同研究で得られたデータでは、PRIME TCR-T細胞が、通常のTCR-T細胞と比較して優れた治療効果を示し、マウスを用いた動物モデルで通常のTCR-T細胞よりも腫瘍の増殖を抑制することが認められました(図12)。
図12. PRIME TCR-T細胞によるがん治療効果腫瘍細胞を皮下接種したマウスモデルにおいて、PRIME TCR-T細胞の投与は通常のTCR-T細胞の投与よりも強力な治療効果が認められました。
(PRIME技術の腫瘍溶解性ウイルスへの応用) さらに、当社のPRIME技術は上述の細胞療法のみならず、腫瘍溶解性ウイルス(※37)などの遺伝子治療を増強するためにも有用であることが期待されます。
サイトカインとケモカインの組み合わせを産生する腫瘍溶解性ウイルスが腫瘍を溶解してエピトープスプレッディングを引き起こし、患者自身のT細胞や樹状細胞が集積してPRIME技術特有の効果を発揮することが期待されます(関連特許出願済み)。
(PRIME技術の高い拡張性)PRIME技術は、NK細胞(※ 38)やγδ型T細胞(※39)を利用したがん免疫細胞療法、TIL療法(※40)、iPS細胞(※41)を利用したがん免疫療法などへの応用も期待されます。
また、現時点における当社の開発パイプラインはいずれも患者自身の免疫細胞から製造する自家(※42)のPRIME CAR-T細胞ですが、健常人の免疫細胞から製造する他家(※43)のCAR-T細胞についてもPRIME技術の応用が可能です。
なお、自家についても、製造期間を大幅に短縮し、短期間での細胞作製・患者への投与を実現し、さらに殺傷能力の増強および製造コスト低減を目指す短縮製造法や、製造の自動化を目指した研究開発を進めております。
さらに、従来は体外で作製していたCAR-T細胞ですがCAR発現遺伝子などを封入したナノ粒子を用いて生体内のT細胞へ送達することで、生体内においてCAR-T細胞を作成するin vivo CAR-Tの研究も進めております。
以上のように、PRIME技術はがん免疫応答を利用する多様な細胞医薬品や遺伝子治療を含めた幅広い再生医療の分野に応用できる可能性を有しており、当社はPRIME技術の高い拡張性を活かした事業展開を目指しております(図13)。
図13. PRIME技術の拡張性PRIME技術は様々ながん免疫細胞療法や腫瘍溶解性ウイルス療法、抗PD-1抗体との併用など、様々なモダリティに展開することが可能なプラットフォーム技術であり、他社技術との協働により更に多くのアプローチの開発が可能です。
(他家CAR-Tの開発(Allogeneic PRIME CAR-T))当社は、2020年よりゲノム編集技術(※44)の1つであるCRISPR-CAS3(※45)技術を有するC4U株式会社と共同研究を実施しました。
また、2023年2月には、多能性幹細胞から免疫細胞を作製する技術を有するリバーセル株式会社と共同研究及び事業化に関する提携を行い、それらの技術を用いた他家技術の研究開発を進めております。
他家によるCAR-T細胞療法が可能になれば、健常な細胞提供者から採取したT細胞を用いて大量に製造したCAR-T製品を保管しておくことで、量産化によるコスト削減効果も期待されます。
一般的に他家CAR-T細胞療法では骨髄移植や臓器移植と同様に拒絶反応が起こり得ることから、投与する他家CAR-T細胞についてはあらかじめゲノム編集などにより拒絶反応を抑える工夫が検討されます。
我々はこれまでに、TCR(T細胞受容体)遺伝子とbeta-2 microglobulin遺伝子の発現をCRISPR-CAS3技術にて阻害することで拒絶反応を抑えた他家CAR-T細胞(ヒト)の作製に成功しています(bioRxiv, https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2025.08.06.668737v1)。
さらに、当社のPRIME技術はがん患者自身の免疫機能を高める効果があるため、通常の他家CAR-T細胞よりも優れた効果が期待されますが、これまでに、他家CAR-T細胞においてPRIME技術の搭載によりがん治療効果が増強することをマウスモデルにて実証しております(Cancer Immunol Immunother. 2026 Feb 7;75(3):68)。
(次世代製法の開発) 自家については、製造期間を大幅に短縮し、短期間での細胞作製及び患者への投与を行う短縮製造法や、製造工程を自動化する研究開発を実施しています。
当社が開発を進める短縮製法(Swift技術)は、従来の10日~2週間の製造期間に対し3~4日間の短期間でCAR-T細胞を製造することが可能です。
これにより患者への投与を迅速に行うことができ、また製造コストの低減が期待されます。
さらに殺傷能力が増強することも確認されております(図14)。
短縮製法により作成されたSwift PRIME CAR-T細胞は、幹細胞メモリー型(SCM:stem cell memory)のT細胞を多く含み、従来のPRIME CAR-Tの1/30以下の細胞数にて同等あるいはそれ以上の腫瘍治療効果を発揮することがマウスモデルにおいて確認されております。
図14. Swift PRIME CAR-T当社は、従来のCAR-T製造に比べ、短期間でのPRIME CAR-T製造と機能向上を実現するSwift PRIME CAR-Tの開発に成功しています。
 また当社は、PRIME CAR-T細胞療法を多くのがん患者に提供するために、澁谷工業株式会社(以下、澁谷工業)と遺伝子改変免疫細胞の自動製造システムに関する共同開発を進めております。
当社が培ってきたCAR-T細胞培養のノウハウを応用し、高品質のCAR-T細胞を無菌状態にて効率的に自動培養できるシステムを開発しております。
これにより、複雑なCAR-T細胞の製造過程における人的ミスを回避し、大量のCAR-T細胞を連続製造することが可能となり、コストの削減や品質の安定化、迅速な治療薬提供に貢献できると考えております。
(In vivo CAR-T誘導によるがん治療) 自家CAR-T細胞および他家CAR-T細胞は、いずれも体外で製造したCAR-T細胞をがん患者へ投与しますが、in vivo CAR-TはCAR発現遺伝子を封入したナノ粒子などの担体をがん患者へ投与することで、生体内のT細胞へ送達して発現させ、生体内においてCAR-Tを誘導してがん細胞を攻撃するという治療法です(図15)。
これまでに東京大学との共同研究においてマウスの血液腫瘍モデルで有効性を示唆するデータが取得されており、今後のPRIME技術との組み合わせも視野に研究開発を推進しております。
図15. In vivo CAR-T誘導によるがん治療生体内でCAR-T細胞を誘導するin vivo CAR-T療法の研究開発を推進しています。
東京大学との共同研究において、マウス血液腫瘍モデルにて有効性を示唆するデータを取得しています。
(6)当社のビジネスモデルについて 当社は、自社研究や大学や研究機関との共同研究、また国内外の企業との共同研究開発を通じて、がん免疫療法に関する技術及びパイプラインの開発を進めております。
当該研究開発の結果として生まれた知的財産権は、自社又は共同研究を実施した研究機関との共同で特許を出願しております。
それらの知的財産権は、当社の研究開発過程にて医薬品として事業化の可能性を高めた後、国内外の製薬企業に対して特定の標的分子に限定して医薬品の開発、製造、販売の権利等をライセンスします。
当社は技術アクセス料、契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストン収入、販売額に応じたロイヤリティ、販売経過年数や販売目標の達成に応じたマイルストン収入等を得ることができます。
また、このほか、共同研究において研究開発費の負担金の支払いを受けることもあります。
[事業系統図] ①ハイブリッド型ビジネスについて 当社は、CAR-T細胞療法等を主軸にがんの治療法創出の研究・開発を行うがん免疫療法創薬事業の単一セグメントでありますが、開発主導の違いから、「自社創薬」及び「共同パイプライン」の2つの事業モデルを有しております。
「自社創薬」においては、当社は、自社が主導して開発を進行しており、また、「共同パイプライン」においては、PRIME技術を他社にライセンスして医薬品開発を進めております。
これら事業展開により、共同パイプラインを通じてPRIME技術の市場への展開や周知を加速化して早期の収益確保を図ると同時に、長期的には自社創薬により大型の販売収益を確保することにより、事業経営におけるリスク分散及びサステナブルな事業成長を目指しており、これにより、がん治療市場における競合他社との差別化を図ることができると考えております。
自社創薬共同パイプライン基礎技術基盤当社独自のPRIME技術創薬標的※自社が選定した標的抗原に対してPRIME技術を利用した医薬品開発を行う契約先が選定した標的抗原に対してPRIME技術を利用した医薬品開発を行う開発主導・開発コスト自社(ライセンス後は契約先)契約先収入形態(ライセンス後)・技術アクセス料・共同研究収入・契約一時金・開発マイルストン収入・販売開始年経過マイルストン収入・販売目標達成マイルストン収入・ロイヤリティ ・技術アクセス料・共同研究収入・契約一時金・開発マイルストン収入・販売開始年経過マイルストン収入・販売目標達成マイルストン収入・ロイヤリティ事業の特徴先行投資が多額になり、投資回収期間が長期になるが、収益規模は大型となりやすい先行投資は極めて少なく、早期の収益確保が可能だが、収益規模は中程度※創薬標的については、「自社創薬」と「共同パイプライン」で重複しないよう、当社で管理し調整しています。
   (a) 「自社創薬」「自社創薬」は、一般的な創薬事業と同様に当社が標的抗原の選定から開発まで手掛ける事業モデルであり、当社が選定した標的抗原に対してPRIME技術を利用したCAR-T等のパイプラインを創製し、当社が研究開発を主導して実施する事業モデルであります。
開発パイプラインについて、自社にて薬事承認取得を目指して開発を進め、承認段階又はその中途段階において製薬企業等にライセンスアウトすることにより収益獲得を図っております。
当社における研究開発費や人員等の開発コストが大きく、また、複数のパイプラインを同時に展開することが困難でありますが、研究開発の進捗及び開発確度が高まった段階でのライセンスアウトが可能となり、パイプライン当たりの契約総額は比較的大規模となる傾向があります。
当社は、自社にて臨床試験を実施し製造販売以降は製薬企業へのライセンスを行うことを基本方針としておりますが(下図自社創薬-モデルC)、ライセンス先となる製薬企業等のニーズや、研究開発状況、想定される開発コスト又は収益規模等の状況に応じてライセンスのタイミングを変更する又は将来的には医薬品の製造販売までを自社にて行う等の選択を戦略的に行う可能性もあります。
   (b) 「共同パイプライン」「共同パイプライン」は、PRIME技術を既に標的抗原を有する製薬企業等に対しライセンスする事業モデルであり、契約先が選定し当社と合意した標的抗原に対し、当社のPRIME技術を応用したCAR-T等の遺伝子改変免疫細胞等のパイプラインの研究開発を実施します。
早期段階でのPRIME技術のみのライセンスアウトが主体のため、一件当たりの契約総額は自社創薬に比較すると小規模となりますが、当社の開発投資や自社リソース投下は限定的であり、製薬企業のニーズに応じてパイプライン数が積み上がりやすい傾向があります。
これにより、ポートフォリオ拡大による競争上の優位性を得ることができ、また、標的抗原の増加によりPRIME技術の対象となり得る患者を拡大することも期待できます。
共同パイプラインに関する契約は、標的の選定やPRIME技術を組み合わせるためのCAR-Tなどの創製から開始する場合(下図共同パイプライン-モデルA)や、既にライセンス先が有するパイプラインにPRIME技術を上乗せする場合(下図共同パイプライン-モデルB)があります。
なお、自社創薬と共同パイプライン共通して、契約先の希望に応じて、特定の標的抗原決定に先立って技術評価を実施する場合があります(下図共同パイプライン-モデルC)。
なお、既に契約を締結している企業以外に、今後の継続的なアライアンス獲得に向け、常時候補企業との協議を実施しております。
②収入形態について 当社事業展開においては、「自社創薬」及び「共同パイプライン」ともに、契約締結又はライセンスアウト時における「契約一時金」、研究開発進展等の予め契約にて定めたマイルストンの達成時に得られる収入である「マイルストン収入」、医薬品上市後の販売に応じて一定率を受領する「ロイヤリティ」等の収益獲得を基本としておりますが、これら経済条件については個別パイプライン毎にライセンス企業と協議の上で決定されます。
 一般的な収入形態の概要は以下のとおりでありますが、各収入について当社が締結する全ての契約に設定されるとは限りません。
また、各収入については、会計上の収益認識タイミングとは必ずしも一致するものではありません。
技術アクセス料:PRIME技術の利用及び指導等に対し、契約先から得られる収入で、自社パイプラインや共同パイプラインにおけるPRIME技術に対する技術評価契約や共同研究契約を締結する際に設定します。
共同研究収入:共同研究契約やライセンス契約において、PRIME技術を用いた共同研究を実施する際に契約先から得られる収入で、当社の研究実費に基づき設定します。
契約一時金:共同研究契約やライセンス契約の契約時に設定し得られる収入で、アップフロント収入と表現することもあります。
基本的に自社創薬と共同パイプラインいずれのライセンス契約でも設定します。
開発マイルストン収入:ライセンス契約において、臨床試験の開始時や承認時など、契約で定めた開発の進捗に応じて得られる収入で、基本的に自社創薬と共同パイプラインいずれのライセンス契約でも設定します。
販売開始年経過マイルストン収入:ライセンス契約にかかる製品が上市された後に、設定した販売期間に達するごとに受領する収入で、自社創薬と共同パイプラインいずれのライセンス契約でも設定する場合があります。
販売目標達成マイルストン収入:ライセンス契約にかかる製品が上市された後に、設定した売上目標に達するごとに受領する収入で、自社創薬と共同パイプラインいずれのライセンス契約でも設定する場合があります。
ロイヤリティ:ライセンス契約にかかる製品が上市された後に、その売上に応じて設定した一定割合を受領する収入で、基本的に自社創薬と共同パイプラインいずれのライセンス契約でも設定します。
(7)パイプラインについて 当社の開発パイプラインや他社との共同プロジェクトとその進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月現在、標的抗原又は技術の異なる複数のプロジェクトを進めております。
※NIB102およびNIB103の水色のバーは武田薬品による当社への返還までの進捗を表します。
※開発、販売地域はアライアンス先の開発・販売戦略毎に異なります。
上記の情報には、現在入手可能な情報に基づく当社の判断による、将来に関する記述が含まれています。
そのため、上記の情報は様々なリスクや不確実性に左右され、実際の開発状況はこれらの見通しとは大きく異なる可能性があります。
NIB101概要固形がんの標的抗原であるGM2に対するPRIME技術を活用した自家CAR-T細胞療法パイプラインです。
協和キリン株式会社の協力により、同社で開発された抗GM2抗体由来の配列を利用し、CAR-Tが創製されました。
開発状況第I相臨床試験を中止しております。
今後のステップ共同開発を含めたあらゆるアプローチを介して開発の推進を目指しております。
対象となり得る患者について本試験においては、標準治療に不応・不適もしくは不耐であり、GM2の発現が確認された固形がん患者(小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫などを含む)がNIB101の対象となり得ると考えます。
ただし、これらの患者全てにPRIME CAR-Tが使用できる訳ではなく、病状や治療期間の問題等から治療を選択しない場合や、設備の問題等により治療を実施できない医療機関で治療を受ける場合等PRIME CAR-Tの使用に適さない場合も含まれます。
NIB102概要GPC3を標的とする、PRIME技術を活用した当社の自家CAR-T細胞療法パイプラインです。
開発状況武田薬品による第I相臨床試験が終了しました。
結果について以下の内容が発表されました。
・次世代型CAR-T細胞療法であるNIB102(TAK-102)は、11例中6例にてグレード1/2の軽微なCRS(Grade 1: 5例, Grade 2: 1例)を認めたが、すべてのケースは管理可能な安全性プロファイルを示した。
用量制限毒性(DLT)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)を認めた患者はいなかった。
・RECIST 1.1評価では11例中5名でStable disease(安定)、6例でProgressive disease(進行)であり、病勢コントロール率(DCR)は45%であった。
・さらなる試験での検討が必要ではあるものの、肝細胞がんの患者の1人は6ヵ月間持続的な抗腫瘍反応を示しており、いくつかの抗腫瘍活性の兆候と腫瘍の縮小が認められた。
NIB102(TAK-102)の細胞動態は、投与量の増加に伴い改善が認められた。
・バイオマーカーであるCCL19、IFN-γ、IL-6 についても NIB102(TAK-102)用量依存的な関係が認められ、NIB102(TAK-102)の用量が増加するほど活性が高まることが示された。
・症例数が少ないため、これらのデータを解釈する際には注意が必要である。
今後のステップ抗PD-1抗体との併用も含め、共同開発を含めたあらゆるアプローチを介して開発の推進を目指しております。
対象となり得る患者について標準治療に不応・不適もしくは不耐であり、GPC3の発現が確認された固形がん患者(肝細胞がん、胃がん、肺扁平上皮がんなどを含む)がNIB102の対象となり得ると考えます。
ただし、これらの患者全てにPRIME CAR-Tが使用できる訳ではなく、病状や治療期間の問題等から治療を選択しない場合や、設備の問題等により治療を実施できない医療機関で治療を受ける場合等PRIME CAR-Tの使用に適さない場合も含まれます。
NIB103概要Mesothelin(MSLN)を標的とする、PRIME技術を活用した当社の自家CAR-T細胞療法パイプラインです。
タカラバイオと共同で開発を進めております。
開発状況第Ⅰ相臨床試験を進行中。
今後のステップ2027年度内の第Ⅰ相試験の完了を目指しております。
対象となり得る患者について標準治療に不応・不適もしくは不耐であり、Mesothelinの発現が確認された固形がん患者(トリプルネガティブ乳がん、大腸直腸がん、卵巣がん、膵臓がんなどを含む)がNIB103の対象となり得ると考えます。
ただし、これらの患者全てにPRIME CAR-Tが使用できる訳ではなく、病状や治療期間の問題等から治療を選択しない場合や、設備の問題等により治療を実施できない医療機関で治療を受ける場合等PRIME CAR-Tの使用に適さない場合も含まれます。
NIB104概要EGFRvIIIを標的とする Swift PRIME CAR-Tを用いて開発中の当社の自家CAR-T細胞療法パイプラインです。
開発状況第I相臨床試験開始に向けて、非臨床試験を実施中です。
提携状況NIB104については、当社と医療機関が協力して医師主導第Ⅰ相臨床試験を実施し、その後適切な段階で製薬企業にライセンスする方針です。
現時点において、商業化に係る権利は全て当社が保有しております。
対象となり得る患者について標準治療に抵抗性であり、EGFRvIIIの発現が確認された膠芽腫(悪性脳腫瘍の一種)患者がNIB104の対象となり得ると考えます。
ただし、これらの患者全てにSwift PRIME CAR-Tが使用できる訳ではなく、病状や治療期間の問題等から治療を選択しない場合や、設備の問題等により治療を実施できない医療機関で治療を受ける場合等PRIME CAR-Tの使用に適さない場合も含まれます。
NIB105概要固形がんの標的抗原に対するPRIME技術を活用した当社の自家のCAR-T細胞療法パイプラインです。
開発状況第I相臨床試験開始に向けて、基礎研究を実施中です。
提携状況NIB105については、非臨床試験から臨床試験の段階まで自社で開発を進め、その後適切な段階で製薬企業にライセンスする方針です。
現時点において、商業化に係る権利は全て当社が保有しております。
ADAP01概要Adaptimmune Therapeutics plcが選定した標的抗原に対する、PRIME技術を活用した自家のTCR-T細胞療法の共同研究開発パイプラインです。
開発状況秘密保持契約の該当事項であるため非開示とさせていただきます。
提携状況Adaptimmune Therapeutics plcが全世界における独占的ライセンスを有します。
契約先から見込める収益について当社は、Adaptimmune Therapeutics plcよりアップフロント及び進捗に応じたマイルストン収入、また、上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取る権利を有しております。
AUTL01概要Autolus Therapeutics plcが選定した標的抗原に対する、PRIME技術を活用した自家のCAR-T細胞療法の共同開発パイプラインです。
開発状況秘密保持契約の該当事項であるため非開示とさせていただきます。
提携状況Autolus Therapeutics plcが全世界における独占的ライセンスを有します。
契約先から見込める収益について当社は、進捗に応じたマイルストン収入、また、上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取る権利を有しております。
CHUG01概要中外製薬が選定した標的抗原に対する、PRIME技術を活用した自家のCAR-T細胞療法の共同開発パイプラインです。
開発状況秘密保持契約の該当事項であるため非開示とさせていただきます。
提携状況中外製薬が全世界における独占的ライセンスを有します。
契約先から見込める収益について当社は、進捗に応じたマイルストン収入、また、上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取る権利を有しております。
(8)知的財産権(特許等)について 当社は医薬品の研究開発を行っており、知的財産権は重要な経営資源となります。
当社が出願人である又は当社がライセンスを有する登録済もしくは出願中の主な重要特許は次のとおりであります。
発明の名称発明の内容出願人出願国特許又は出願番号CAR発現ベクター及びCAR発現T細胞PRIME技術に関する発明山口大学日本米国欧州他 19か国特許第6161098号10,316,1023205720他免疫機能制御因子を発現する免疫担当細胞及び発現ベクターPRIME技術に関する発明山口大学日本米国欧州他 19か国特許第6561372号11,337,99717766732.6他キメラ抗原受容体パイプラインに関する発明当社日本米国欧州他 13か国特許第6761113号19/193,45424209637.8他抗GPC3抗体パイプラインに関する発明当社、山口大学、国立がん研究センター日本米国欧州他 14か国特許第6579640号11,718,66318738824.4他ヒトメソセリンを特異的に認識する細胞表面分子、IL-7、及びCCL19を発現する免疫担当細胞パイプラインに関する発明当社日本米国欧州他 15か国特許第7233720号18/409,19118892953.3他がんを治療するための医薬、組み合わせ医薬、医薬組成物、免疫応答性細胞、核酸送達媒体、及び製品パイプラインに関する発明当社 日本米国欧州他 15か国特許第7436056号17/771,99120880671.1      他抗EGFRviii抗体、ポリペプチド、前記ポリペプチドを発現する細胞、前記細胞を含む医薬組成物、前記細胞の製造方法、及び、前記ポリペプチドをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド又はベクターパイプラインに関する発明当社日本米国欧州他 7か国特願2023-53486118/579,30122842182.2      他※当社は、日本国内で特許出願を行うとともに、PCT(Patent Cooperation Treaty:特許協力条約)国際出願制度を利用しております。
PCT国際出願制度の下では、日本特許庁に対して国際出願を行うことで、その時点で有効な全てのPCT加盟国に対して国内出願を行ったのと同じ扱いを得ることができます。
また、PCTに基づき、国際調査又は国際予備審査を受けることで、各国における特許取得の可能性を事前に精査することができ、コストの効率化・適正化に繋がります。
(9)用語説明No.用語解説※1固形がん塊を作って増殖するがんであり、がんの中で血液がん以外のものを指す。
患者数では、がん全体の約9割を占める※2CAR-T細胞療法CARは Chimeric Antigen Receptorの略であり、キメラ抗原受容体と訳される。
CAR-T細胞療法はCARを発現するように改変されたT細胞を患者に投与することにより難治性のがんを治療する方法※3PRIME技術Proliferation-inducing and migration-enhancing技術の略で、がん免疫細胞療法の効果向上のため、特定のサイトカインとケモカインを免疫細胞に遺伝子導入して発現させる技術であり、当社創業者・代表取締役である玉田耕治らによって開発された技術※4Unmet medical needsいまだに治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズのことであり、例として難治性のがんに対する治療法などが代表的※5免疫チェックポイント阻害薬免疫細胞にブレーキ(抑制)をかけることが知られているPD1/PD-L1, CTLA-4/B7 などの免疫チェックポイント分子に対して阻害効果を有する物質であり、がんに対する免疫細胞の働きを亢進させることでがん治療効果を発揮する薬剤※6T細胞血液中に存在する白血球に含まれるリンパ球の一種であり、がんに対する免疫の攻撃において重要な役割を担う。
CAR-T細胞製造のもととなる細胞※7遺伝子改変技術細胞の遺伝子を操作して、新たな遺伝子を加えたり、既存の遺伝子を除いたりすることで細胞の機能を調節する技術※8がん抗原がん細胞にのみ発現する分子や、正常細胞と比べてがん細胞で多く発現する分子の総称であり、がん免疫療法の標的となるもので、がんの目印とも言われる分子※9人工的受容体生体が元来持っている分子とは異なり、新しいアミノ酸配列を有する蛋白として人工的に合成された細胞膜表面分子※10血液がん血液細胞が骨髄から分化していく過程のどこかにおいて細胞ががん化することによって生じるがんであり、患者数ではがん全体の約1割を占める※11サイトカイン免疫細胞に対して活性化や抑制、分化などの調節作用を有する物質の総称※12ケモカイン免疫細胞の体内での動きや臓器への浸潤を調節する機能を有する物質の総称※13抗原提示細胞がん抗原をT細胞に提示して、がん細胞に対するT細胞の活性化を誘導する機能を有する免疫細胞のこと※14樹状細胞抗原提示細胞の一種であり、細胞表面に突起を多数有するため、樹状細胞と呼ばれる。
抗原提示細胞の中でもT細胞の活性化を誘導する能力が特に高く、がんに対する免疫反応の誘導において重要な役割を有する細胞※15エピトープスプレッディング(エピトープ拡大)がん細胞が死滅した際にがん抗原が細胞外に放出され、それを樹状細胞が取り込んでT細胞に提示することにより、がんに対して攻撃性を有するT細胞が次々と活性化する現象のことであり、固形がんに対する効果的な免疫治療のためには極めて重要とされている現象※16メモリーT細胞活性化したT細胞の一部が生体内で長期間生存し、特定の抗原に対する反応性を保持し続けた状態のT細胞のことで、記憶T細胞とも呼ばれる細胞※17ナイーブT細胞抗原にさらされたことのないT細胞のこと。
抗原提示細胞からの抗原刺激を受けることにより、活性化され、機能分化してTh1細胞やTh2細胞などのエフェクターヘルパーT細胞に分化する細胞 No.用語解説※18樹状細胞抗原提示細胞の一種であり、細胞表面に突起を多数有するため、樹状細胞と呼ばれる。
抗原提示細胞の中でもT細胞の活性化を誘導する能力が特に高く、がんに対する免疫反応の誘導において重要な役割を有する細胞※19遊走細胞などが個体内のある位置から別の位置に移動すること※20トランスウェルボイデン・チャンバーとも呼称される。
細胞遊走を定量化する簡易測定において使用される細胞培養容器※21抗CD3抗体T細胞に発現するCD3分子に結合して刺激し、活性化するための抗体試薬※22リンパ組織リンパ節や脾臓のように、リンパ球の集まりによって出来ている組織のこと※23CD20当社の実験モデルにおいて、CARの標的として腫瘍細胞の細胞膜上に発現させた分子の名称※24肥満細胞腫免疫系を構成する細胞の一種である肥満細胞ががん化することにより形成された腫瘍細胞株※25P815-CD20肥満細胞腫であるP815にCARターゲットのCD20分子を発現させた腫瘍細胞株※26免疫不全マウス免疫細胞を欠損したマウスのことであり、拒絶反応を起こさないため、ヒトのがん細胞や免疫細胞を接種することが可能であり、ヒトT細胞の体内での機能を解析する実験に使用されるマウス※27用量制限毒性(DLT)薬剤を投与する臨床試験において、これ以上の増量ができない理由となる毒性のこと※28免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)CAR-T療法のようなエフェクター免疫細胞を輸注する治療法により誘発される中枢神経関連の副作用。
脳症、振戦、錯乱状態、失語症、傾眠、激越、感覚鈍麻、記憶障害、構語障害、幻覚、精神状態の変化といった症状を呈する。
※29サイトカイン放出症候群過剰な免疫反応に伴って細胞から多量のサイトカインが放出され、血中のサイトカイン濃度が高度に上昇することを原因として引き起こされる病態※30SD (Stable Disease)薬剤の投与後に評価対象の腫瘍の直径が30%以上縮小せず、20%以上増大もせず、かつ新しい腫瘍も生じない場合※31疾患バイオマーカーがんやその他の疾患において、病気の進行に伴って数値が上昇し、診断や治療効果判定の指標となる生体内の物質※32AFP (Alpha Fetoprotein)肝細胞がんにおいて血中の濃度が上昇する蛋白であり、肝細胞がんの診断や治療効果判定として用いられる指標※33標的分子がんの目印となり、治療の標的となるたんぱく質などのある特定の分子※34PD-1シグナル免疫細胞に発現するPD-1分子を介して伝達され、免疫細胞の機能を抑制するシグナル※35PD-1抗体免疫チェックポイント分子であるPD-1を阻害することでがん細胞による免疫細胞への抑制機能を阻害し、免疫細胞によるがん細胞への攻撃能力を高める働きをする抗体(チェックポイント阻害剤)※36TCR-T細胞療法TCRはT-Cell Receptorの略であり、T細胞受容体と訳される。
CAR-T細胞療法と同様に難治性のがんを治療する方法※37腫瘍溶解性ウイルスがん細胞に感染することで、がん細胞を死滅させるウイルスの総称 No.用語解説※38NK細胞自然免疫系に属する免疫細胞の一種で、標的細胞を傷害するナチュラルキラー活性を有する細胞※39γδ型T細胞T細胞の一種であり、γδ型のT細胞受容体を発現し、炎症などの免疫応答において機能を発揮する細胞※40TIL療法腫瘍浸潤リンパ球(Tumor-infiltrating lymphocyte:TIL)を用いたがん治療法のことであり、患者のがん組織内に集まっているTILを採取し、それらを培養・活性化して増やした後にがん患者に投与する方法※41iPS細胞人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells:iPS cells)のことであり、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することで、様々な細胞に分化できる分化万能性と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞※42自家患者自身の細胞※43他家健康な細胞提供者(ドナー)から採取した細胞※44ゲノム編集技術生物が持つ遺伝子の中の目的とする場所を高い精度で切断したり、挿入したりする技術であり、特定の遺伝子が担う形質を改良することが可能となる技術※45CRISPR-CAS3標的DNA配列に結合するガイドRNAとDNA切断活性を有するCAS3蛋白により細胞内のDNAを切断し、編集できる技術
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
該当事項はありません。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2025年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)23(5)44.13.67,075 事業部門の名称従業員数(名)事業企画研究部12(4)開発部4(0)管理部7(1)合計23(5)(注)1.従業員数は就業人員であり、常用の契約社員を含んでおります。
臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員を含みます。
)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、事業部門別の人数を記載しております。
(2)労働組合の状況当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づく公表義務の対象ではないため、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針当社は「Create the Future to Overcome Cancer」「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という企業理念の下、がん治療とがん免疫療法の現状と課題を熟知した医師達が、「No illness(がんという病を根絶させたい)」「No immunity, No life(免疫なくして生命は成り立たず)」という想いより、2015年4月に「ノイルイミューン・バイオテック」という社名にて当社を創業しました。
PRIME技術という革新的な治療プラットフォームを利用した効果的ながん治療法を開発し、多くの患者へ届け、がんを克服した社会の実現に貢献して参ります。
(2)経営戦略革新性の高いPRIME技術を中核として、ライセンス又は販売による大型の収入が期待でき高い成長性を持つ「自社創薬」と、多数の契約候補先・パイプライン候補・収益機会候補を持ち早期の収益確保が可能な「共同パイプライン」の2つの創薬ビジネスモデルを組み合わせることにより、安定感のある事業ポートフォリオを構成していきます。
一般的に創薬バイオテック企業は自社パイプラインの開発のために先行投資がかさみ損益分岐点が高く、黒字化が遅れる場合がありますが、当社はPRIME技術による「共同パイプライン」を併せ持つため、より早期の黒字化を可能としていく戦略を選択しております。
また、当社による医薬品の研究開発においては、PRIME技術に関するものを中心とした知的財産権やノウハウが重要な経営資源となります。
当社は、事業の運営及び拡大に必要な特許権等の知的財産権を、国内外において適時適切に出願及び登録することにより、知的財産権の保護の最大化を図る方針です。
当社が出願人である又は当社がライセンスを有する登録済もしくは出願中の特許については、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (8)知的財産権(特許等)について」をご参照ください。
当社は、その経験とPRIME技術を活かし、固形がんに対する次世代細胞療法を開発すべく、技術、創薬、製造、そして人材の確保と定着に継続的に投資することを通じて、最適な標的抗原の選定を含め、新たな分野である固形がんに対する遺伝子改変免疫細胞療法の研究開発を推し進めることにより、固形がん治療の領域における当社のプレゼンスの向上・確立を図ります。
(3)経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等当社は、現在研究開発段階にあり、売上高、利益率、ROA/ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりません。
当社は、「自社創薬」と「共同パイプライン」のハイブリッドビジネスモデルに基づき、PRIME技術の市場への展開や周知を加速化して早期の収益確保を図ると同時に、長期的には大型の販売収益を確保することにより、事業経営におけるリスク分散及びサステナブルな事業成長を実現することを目指し、当社の開発パイプライン及び他社との共同プロジェクトの進捗及びより一層のパイプラインの拡充を目標として事業活動を推進しています。
開発中の自社パイプラインについて、非臨床試験の段階においては開発段階を詳細に区切った作業工程表を作成しており、定期的なモニタリングを行い開発の進捗状況を適宜確認し管理しております。
第I相臨床試験など臨床試験においては、医療機関での治験実施の患者数等を目標管理しております。
共同パイプラインについては、提携した製薬企業等からの定期的な報告を受け、開発の進捗状況を適宜確認しております。
(4)経営環境①がん罹患率・生存率について日本国内において、がんの死亡数と罹患数は、人口の高齢化を主な要因としてともに増加し続けております。
男女ともがんの死亡数は増加し続けており、2024年のがん死亡数は、約38万4千人と報告されております(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計))。
同様に、男女ともにがんの罹患数は1985年以降増加し続けており、2021年のがん罹患数は約98万9千人と報告されております(国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))。
また、日本人が生涯でがんに罹患する確率は、男性で63%、女性で51%と報告されており、(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(累積罹患リスク(グラフデータベース)))、世界の2022年がん罹患者数は約1,996万人(出典:GLOBOCAN 2022)とされております。
また、各がん腫の5年生存率は、特にステージの進んだがんにおいて依然として低く、有効な治療法の開発が急務であります。
②世界のCAR-T細胞療法の市場についてがんによる死亡数は、2022年において世界で約970万人とされております(WHO CANCER Tomorrow)。
世界におけるがん治療薬の市場規模は拡大傾向にあり、2018年にはがん免疫療法の研究開発に対してノーベル生理学・医学賞が授与されたこともあり、がん免疫療法に対する期待が大いに高まっております。
さらに、最先端のがん免疫療法として遺伝子改変免疫細胞療法が製薬業界で存在感を高めており、中心となるCAR-T細胞療法の世界市場は年平均成長率23.35%(2024-2033年)で伸長し、2033年において302.5億ドルに達するとも予測されています(Vision Research Reports (Report Code:40008))。
③薬価の動向についてCAR-T細胞療法は、固形がんに対する治療法として上市されたものは現時点では存在しないものの、再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病やびまん性大細胞型B細胞リンパ腫といった血液がんに対する治療法として実用化されており、スイスの大手製薬企業のノバルティスファーマが開発したキムリア(一般名:チサゲンレクルユーセル)は、高い完全寛解率(※1)と比較的長期の寛解維持(※2)が臨床試験で実証され、医薬品として2017年8月に米国承認、2018年8月に欧州承認、2019年3月に日本承認となりました。
米国での薬価は475,000ドル(約5,200万円)、日本での薬価は3,349万円(収載時の薬価。
その後の改定により2021年7月時点では3,264万円)と決定されました。
また、日本においては、イエスカルタ(一般名:アキシカブタゲン シロルユーセル)とブレンヤンジ(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル)が再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対して承認されており、アベクマ(一般名:イデカブタゲン ビクルユーセル)が再発又は難治性の多発性骨髄腫に対して承認されています。
薬価はキムリアと同額となっております。
※1 完全寛解率:全てのがん病変が消失した患者の割合※2 寛解維持:全てのがん病変が消失し、再発が確認されていない状態 ④希少疾病用品目・先駆的品目の指定制度や早期承認制度等について厚生労働省が2015年度より試行的に実施していた先駆け審査指定制度は、薬機法において先駆的品目の指定制度として法制化され、2020年9月より施行されております。
これは、一定の要件を満たす画期的な医薬品等について、開発の比較的早期の段階から先駆的品目指定制度の対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査における優先的な取扱いをするものです。
加えて、薬機法においては、対象となる患者数が少ないために開発のインセンティブが小さい医薬品等について、一定の要件を満たす場合に、希少疾病用品目としての指定を受けることができるとされております。
希少疾病用品目として指定を受けた場合には、優先審査の対象となるほか、助成金の交付や税制上の優遇措置等を受けることができ、これにより、希少疾病に関する医薬品等の開発にインセンティブを付与し、そのアンメットメディカルニーズを解消することが企図されています。
当社で現在開発中のCAR-T製剤は、これらの指定制度の対象となりうる品目であることから、当社は研究開発を迅速化させるため、これらの指定制度(海外における同様の制度を含みます。
)を活用する可能性があります。
また、当社で現在開発中のCAR-T製剤は、薬機法上の再生医療等製品に該当するものであり、その性質上、製品の有効性を確認するための臨床データの収集、評価に長期間を要する場合があります。
他方で、再生医療等製品には条件及び期限付承認制度が存在し、限られた数の症例から有効性が推定でき、安全性が確認された場合には、その適正な使用の確保のために必要な条件及び7年を超えない範囲内の期限付きの承認を得られる可能性があります。
⑤CAR-T領域のグローバルでの開発競争の現状革新的ながん治療法であるCAR-Tの領域はグローバルで開発競争が過熱しており、大手製薬メーカーがCAR-Tに関する研究開発を行うバイオテック企業との共同開発、ライセンス又は買収を実施する事例は継続して発生しています。
近年では特に固形がんの治療を対象に新たな技術を用いたCAR-T細胞療法の開発を実施するバイオテック企業や、in vivo CAR-Tに関する研究開発を実施するバイオテック企業が国内外で精力的に活動しております。
中でも当社のPRIME技術は、CAR-T細胞を強化するだけでなく体内の免疫も誘導するユニークな技術であり、これはin vivo CAR-Tにおいても同様の優位性があると考えられます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は、固形がんに対する遺伝子改変免疫細胞療法の研究開発を推進すべく、以下の取組みを進めております。
①自社パイプラインの開発の推進当社は自社創薬パイプラインについて、共同開発を含めたあらゆるアプローチを介して開発の推進を目指すとともに、NIB104やNIB105の早期の臨床ステージ移行に取り組んで参ります。
②PRIME技術の基礎研究体制の拡大及び国内外の学術機関、民間機関等との共同研究開発の推進当社は山口大学との共同研究により、これまで複数のパイプラインを構築しております。
また、中核技術であるPRIME技術の改良や応用についての基礎研究を進めております。
今後も山口大学との緊密な連携や国内外の学術機関、民間機関等との共同研究開発により、より一層のパイプラインの拡充、及びPRIME技術の周辺知財の構築を図る方針であり、研究体制の拡充を図って参ります。
③臨床試験の推進当社は複数のパイプラインを構築しております。
これらのうち、NIB103を最優先のパイプラインとして臨床試験を推進し、臨床試験より得られたデータを評価することで、ライセンス先における開発の推進にも寄与するものと考えております。
なお、当社パイプラインNIB103については、タカラバイオと共同で開発を進めております。
④ライセンス先に対する支援PRIME技術のライセンス契約を締結した製薬企業に対し、臨床開発が滞りなく進められるよう、当社が技術的アドバイスを行い、また契約によっては分担業務を行い、ライセンス先との協力を継続的に行っていく方針であります。
⑤ライセンス契約の拡大に向けた体制拡充安定した事業ポートフォリオの構築とさらなる収益機会の獲得を目指すため、また当社パイプラインまたは技術のライセンスをより多くの国内外の製薬企業に広めるため、適切な人材確保を図って参ります。
⑥新しい事業機会を得るための外部機関との新たな連携当社はパイプライン拡充とともに、新たな形態のパイプラインの構築や、細胞医薬製造の効率化を目指しております。
その為、新たなゲノム編集技術や、遺伝子導入法、自動培養装置などの技術を持つ外部機関との連携の拡大を図っております。
⑦財務基盤の強化当社技術の改良や応用に係る基礎研究、及び開発活動には多額の資金を必要とします。
これまで数度にわたるエクイティファイナンスやパートナー企業からのライセンスに関する収入により資金を調達して参りましたが、2023年6月には東証グロース市場上場に伴う増資により更なる財務体制の強化を実現いたしました。
2024年度および2025年度は外部からの資金調達はせず手許資金にて研究開発活動を進めて参りました。
2026年以降、研究開発の推進及び加速化に併せ、必要に応じて適切な時期に資金調達を実施し、財務的基盤の強化を図ります。
⑧当社の正社員の採用、育成、登用当社の主要な業務は、原則として正社員によって運用することを基本方針としております。
その理由は、当社の経営理念に深く共感する当社のチームメンバーが、主体性をもって研究開発を行うこと、またライセンス先の製薬企業と接することが、事業推進の品質とスピードを向上させ、競合他社に対して大きな差別化の要素となり、当業界における最も優れた競争優位性であると考えているためです。
当社への入社志望者については、それまでの経歴や能力、潜在性を評価・選考し、最終面接時に当社の経営理念の説明を行い、候補者にとって共感できているかどうかを、当社の採用基準としております。
採用後の育成については、全社規模で実施するコンプライアンス研修の他、現場での上長によるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や、部門長によって個人別に計画した教育・能力開発研修スケジュールを実施しております。
社内登用については、事前に策定した個人別の目標管理シートに基づいて一定の成果をあげているかどうかを確認し、さらに重ねて当社の経営理念及び部門目標に沿った日常的な行動規範をしているかどうかについて、人事評価委員会による評価会議を経て、部門配置や昇格・昇給及び降格・降給を決定しております。
今後も上記の方法に基づき、研究開発の加速化、パイプラインの進捗等に対応し、必要に応じて適切かつ十分な人材確保に努めて参ります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方 当社は、PRIME技術を応用したCAR-T細胞という最新のがん免疫療法を介して、固形がんに対する安全かつ有効な治療薬を開発する事業を展開し、「がんを克服できる時代」の到来に貢献することを目指しています。
当社の研究開発活動は、国連で定められたSDGs(持続可能な開発目標)「17の目標」に含まれる「3 すべての人に健康と福祉を」に通ずるものです。
当社の事業活動を支えるのは当社で働くすべての従業員であり、従業員がいきいきと力を発揮できるような「働きやすい職場づくり」及び「人事育成」を目指し整備してまいります。

(2) サステナビリティに関する取組① ガバナンス 当社ではサステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他の経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。
詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」をご覧ください 。
② リスク管理 当社では、リスク管理規程を設け、特に管理すべきリスク項目を列挙・定義し、各所管部署が適切なリスク管理に責任をもっています。
また、それを適切に実施するため、代表取締役を議長とし、各部門長をメンバーとするリスクマネジメント会議を2か月に一度以上開催し、新リスクの洗い出しと評価及びリスクへの対応を決定し、リスク管理の事例共有等を行い、またリスク実現時にはその根本原因の解明と対応を協議することによりリスク管理の向上に努めています 。
(3) 人的資本に関する戦略(方針)、指標及び目標① 戦略(方針)従業員30名弱の当社にとって、必要な人材を採用し、その従業員がいきいきと働き、成長していくことは事業の成長において最も重要なドライバーです。
そのため当社のバリューの一つであるConsideration(許容)に基づき、多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員が働きやすく魅力を感じる職場づくり及び人事制度を目指しています。
働きやすい職場づくりにおいては、複数国籍の従業員の採用も始まり、従業員の状況に応じた多様な働き方に対するため、リモートワーク制他を維持しそれを進化させ、高度プロフェッショナル制度を含めた従業員一人一人に適した雇用形態を目指していきます。
人事育成面では、育成プランを個々の従業員と話し合いながら全員に設定しそれに基づいた日々のレビューを推進し、それに必要なトレーニングプログラムの充実を図ります。
② 指標及び目標 当社のサステナビリティへの取組みに係るリスクの評価と対応については、影響の重要性に応じて取り組むべき優先順位を決定し、目標を設定することとしております。
当社では、「①戦略(方針)」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に係る指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標についての目標を設定しておりません。
今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
戦略 ① 戦略(方針)従業員30名弱の当社にとって、必要な人材を採用し、その従業員がいきいきと働き、成長していくことは事業の成長において最も重要なドライバーです。
そのため当社のバリューの一つであるConsideration(許容)に基づき、多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員が働きやすく魅力を感じる職場づくり及び人事制度を目指しています。
働きやすい職場づくりにおいては、複数国籍の従業員の採用も始まり、従業員の状況に応じた多様な働き方に対するため、リモートワーク制他を維持しそれを進化させ、高度プロフェッショナル制度を含めた従業員一人一人に適した雇用形態を目指していきます。
人事育成面では、育成プランを個々の従業員と話し合いながら全員に設定しそれに基づいた日々のレビューを推進し、それに必要なトレーニングプログラムの充実を図ります。
指標及び目標 ② 指標及び目標 当社のサステナビリティへの取組みに係るリスクの評価と対応については、影響の重要性に応じて取り組むべき優先順位を決定し、目標を設定することとしております。
当社では、「①戦略(方針)」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に係る指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、当該指標についての目標を設定しておりません。
今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ① 戦略(方針)従業員30名弱の当社にとって、必要な人材を採用し、その従業員がいきいきと働き、成長していくことは事業の成長において最も重要なドライバーです。
そのため当社のバリューの一つであるConsideration(許容)に基づき、多様な国籍・バックグラウンド・スキル・経験・性別・家族構成・生活環境を持った社員が働きやすく魅力を感じる職場づくり及び人事制度を目指しています。
働きやすい職場づくりにおいては、複数国籍の従業員の採用も始まり、従業員の状況に応じた多様な働き方に対するため、リモートワーク制他を維持しそれを進化させ、高度プロフェッショナル制度を含めた従業員一人一人に適した雇用形態を目指していきます。
人事育成面では、育成プランを個々の従業員と話し合いながら全員に設定しそれに基づいた日々のレビューを推進し、それに必要なトレーニングプログラムの充実を図ります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ② 指標及び目標
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
当社の事業の運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。
当社は、これらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、このような諸策の成否には不確実性が存在します。
また、当社の事業はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、以下の記載はかかるリスクを網羅するものではありません。
当社は、医薬品等の開発を行っておりますが、医薬品等の開発には長い歳月と多額の研究費用を要し、また、各パイプラインの開発が成功するとは限りません。
特に、研究開発段階のパイプラインを有する研究開発型バイオテック企業は、その性質上、様々な不確実性とリスクを有するものであり、かかる企業に対する投資は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象としては相対的にリスクが高いものといえます。
当社のパイプラインはいずれも研究開発段階にあり、臨床試験の終了、規制当局による製造販売承認の取得又は販売開始に至っているものはありません。
当社への投資は、かかる当社の事業の性質、ステージ、状況、不確実性、リスク等を踏まえて行う必要があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)医薬品の研究開発事業一般に関するリスク①医薬品開発の不確実性について一般に、医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要するだけでなく、その成功確率も他産業に比して著しく低い状況にあります。
医薬品の製造販売を行うためには、規制当局から製造販売承認を取得する必要がありますが、そのためには多くの経営資源や時間を要する上、製造販売承認を適時に得られる保証はありません。
また、製造販売承認がなされる場合にも、当社の想定よりも限定された適応症に対してのみ承認がなされたり、医薬品の使用及び投与等について条件や制約が付加されたりする可能性もあります。
さらに、ある国又は地域で製造販売承認が得られたとしても、他の国又は地域で同様の承認が得られるとは限りません。
これらの事由により、研究開発の期間が延長された場合には、追加の資金投入が必要になるほか、特許権の存続期間満了までの期間が短くなり、投資した資金の回収に影響を及ぼします。
また、研究開発を中止した場合には、それまでに投じた研究開発資金を回収できなくなることになります。
また、当社は、国内外の研究開発を迅速化させるために、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度、希少疾病用再生医療等製品の指定制度並びに先駆的再生医療等製品の指定制度等(海外における同様の制度を含みます。
以下同じ。
)を活用する可能性がありますが、これらの制度の適用は規制当局の裁量に基づくため、当社の想定どおりにこれらの制度を活用できる保証はなく、研究開発、導出、製造販売承認の取得又は上市に当社の想定よりも長い期間と多額の費用が必要となる可能性があります。
さらに、規制当局から早期に条件及び期限付承認を取得できた場合であっても、製造販売開始後に有効性・安全性に関する追加調査を行うことが必要であり、かかる調査において有効性及び安全性が最終的に確認されなければ、承認は取り消される可能性があり、その場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、パイプラインの拡充を図るとともに、医薬品の開発や事業化について経験を有する人材を社内外に確保してプロジェクトを推進する体制の構築に努めております。
また、開発にあたっては、対象疾患に精通した医師等からの情報収集に努めるとともに、臨床試験の計画・実施に当たっては、規制当局との事前相談等を通じて適切な助言を得て開発を推進して参りますが、これらの施策が奏功しない可能性があります。
②臨床試験の計画及び実施並びに製造販売承認について医薬品の開発及び規制当局からの製造販売承認の取得に当たっては、臨床試験により、当該医薬品の有効性や安全性を確認する必要がありますが、臨床試験の計画及び実施は複雑なプロセスであり困難が伴います。
当社は臨床試験を完了した実績がなく、現在開発中のパイプラインにおいても、第I相臨床試験段階のものが存在するにとどまるため、臨床試験の経験が限定的であり、臨床試験を適切に計画・実施できない可能性があります。
また、臨床試験の設計及び実施に際しては、規制当局との折衝、臨床試験の手続に関する規制の遵守、被験者の確保及び維持等に関して、様々な問題や課題が生じる可能性があります。
臨床試験の被験者の確保及び維持に関しては、当社のPRIME CAR-T細胞療法に関する臨床試験は、標準治療に不応又は不適のがん患者を対象とするため、被験者となり得る候補者の数が限定的であり、一般的な医薬品の開発に比して被験者の確保が一層困難となる可能性があり、特に後期臨床試験においては、初期の臨床試験より規模が大きくなる結果、より多くの被験者の確保が必要となる可能性があります。
また、実施中の臨床試験における治療薬の有効性や安全性に関する否定的な結果が報告された場合や、遺伝子改変免疫細胞療法を含むバイオテクノロジーを用いた医薬品の安全性に関する社会の認識、新型コロナウイルス感染症等の公衆衛生上の問題の影響等により、PRIME CAR-T細胞療法に係る臨床試験の被験者となることを希望する者が減少した場合等には、当社はPRIME CAR-T細胞療法に関する臨床試験に必要な被験者を確保及び維持できない可能性があります。
また、研究開発の初期段階や前臨床試験での成功は、必ずしもその後の臨床試験の成功や規制当局の製造販売承認等が得られることを保証するものではありません。
研究開発の初期段階や前臨床試験で有望な結果が得られた場合であっても、その後の臨床試験で想定した結果が得られるとは限らず、また、製造販売承認に必要な有効性と安全性を実証するための十分なデータが得られるとは限りません。
加えて、ある段階の臨床試験の結果やその中間結果が仮に有望なものだったとしても、その後の段階の臨床試験においても有望な結果が得られることを示唆するものでもありません。
さらに、医薬品の承認審査過程は規制当局の大幅な裁量に服しており、前臨床試験及び臨床試験の結果について、規制当局により当社の想定と異なる解釈がなされたり、当社が提出したデータが不十分であるとして追加の試験が要求されたりする可能性や、開発期間中に規制当局の政策が変更される可能性があり、その場合には製造販売承認まで想定以上の時間を要し、また、追加の試験等のための費用が必要となります。
これらの事象等により、当社のパイプラインにおける臨床試験に想定以上の期間を要した場合には、医薬品の製造販売承認の取得及び上市のタイミングが当初の想定より遅れる結果、当社が収受するマイルストン収入やロイヤリティ等の受領時期も遅れる可能性があり、また、製造販売承認及び上市に至らなかった場合には、これらの収入が得られない可能性があり、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③副作用発現・製造物責任について医薬品には、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。
特に、当社のPRIME CAR-T細胞療法については、NIB102以外のパイプラインは第Ⅰ相臨床試験を完了しておらず、ヒトへの投与に関する安全性及び有効性は今後も継続的に検証されることから、その過程で予期せぬ副作用等の有害事象が発現する可能性があり、このような場合には、当該パイプラインの開発が遅延もしくは中止され、又は規制当局により追加の臨床試験もしくは非臨床試験が必要とされ、また、製造販売承認の取得後においても、追加調査が求められ、その結果によっては承認が取り消される可能性があります。
また、現在販売されている他社の血液がんに対するCAR-T製品について、米食品医薬品局(FDA)は、添付文書にてT細胞性悪性腫瘍が生じる可能性が有る旨を追記する要求を行っています。
一方で、FDAはこれらの製品により患者様が得られる全体的な利益は、潜在的なリスクを引き続き上回っているとしておりますが、入院や死亡などの重篤な有害事象を伴うT細胞悪性腫瘍のリスクを調査し、規制措置の必要性を評価するとしています。
これらの副作用が発現した場合、当社は、臨床試験の被験者や上市後に医薬品の投与を受けたがん患者その他の関係者から、高額な損害賠償請求を受ける可能性があります。
当社はこうした事態に備えて、一定の臨床試験に関する賠償責任保険に加入しておりますが、最終的に当社が負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。
これらの副作用等が生じた場合、当社の業績に直接的な悪影響を及ぼすばかりか、副作用によるネガティブなイメージにより、当社並びに当社が開発を行う医薬品及び関与する免疫細胞療法等に対する信頼に悪影響が生じるとともに、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
④国内外の薬事法その他の薬事に関する法規制について医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法(わが国においては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)、労働関連法令、個人情報保護法令、環境法令及びその他の関連法規等により、様々な規制の適用を受けております。
当社が適用される規制を遵守できない場合、規制当局から行政処分その他の措置を受ける可能性や、民事、刑事上の責任を問われる可能性があり、その結果、当社や当社の製品に対する信頼や評価を毀損するほか、事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
現在のところ、当社のパイプラインは研究開発段階にあり、わが国の厚生労働大臣、アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)等から、製造販売等に係る認可は受けておりませんが、今後、パイプラインの進捗に応じて、パイプラインの製造販売承認申請を国内外で行う可能性があります。
その場合には、製造販売のための体制整備が求められますが、かかる体制を適時かつ適切に構築できる保証はなく、その結果、製造販売承認が適時に得られない可能性があります。
また、当社の開発する医療用医薬品は、規制当局による製造販売承認が得られた場合でも、製造、表示、広告、市販後調査の実施、安全性や有効性等に関する情報の提出、薬機法上の広告規制など、様々な規制の適用を継続して受け、当社はこれを遵守する必要があります。
加えて、当社又は当社のライセンス先と、医療関係者等との間の取引関係は、反キックバックや詐欺防止等の販売活動への規制を含む国内外の薬事関連法規の適用を受ける可能性があります。
近年、多くの国の規制当局が承認後のモニタリングの強化に取り組んでおり、その結果、規制当局から製品使用の一時停止などの勧告がなされる可能性もあります。
さらに、国内外の薬事法及びその他の関連法規等は随時改定がなされるものであり、これらの変化が当社のPRIME CAR-T細胞療法に基づく治療薬の開発並びに製造及び販売にとって不利に働いたり、さらなる体制の整備・変更を求められることが考えられます。
また、当社は、国内外の研究開発において早期承認制度等を活用する可能性がありますが、かかる制度の利用も、関連法規等の改定による影響を受けることが考えられます。
こうした規制への対応は、当社の事業戦略に悪影響を与え、また、これに対応するために多額の費用を要するなど、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤医薬品行政について医療用医薬品の販売価格は、日本及びその他各国政府の薬価に関する規制の影響を受けます。
近時、医療費の抑制に向けた動きは世界的な動向となっており、国内においては医療費抑制策が継続的に行われ、定期的な薬価改定のほか、高額医薬品の利用の制限等を検討する政策動向も見られます。
かかる動向を受け、当社製品の薬価が当社の想定を下回り、又は当社製品への需要が減退した場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、PRIME CAR-T細胞療法を自社開発し、当該製品の販売により売上を得ること、又は国内外の製薬会社にライセンスを付与し、当該ライセンス先から上市後の販売額に応じたロイヤリティや、販売目標の達成に応じたマイルストン収入等を得ることを、基本的な事業方針としております。
そのため、当社は、国内外の薬価政策やライセンス先の薬価戦略の影響を受ける立場にあります。
当社の開発製品が上市された場合において、当該製品にとってネガティブな薬価改定やその他医療保険制度の改定がなされた場合は、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥医薬品の製造及び販売に関するリスクについて当社のCAR-T免疫細胞療法に用いる免疫細胞の製造は、複雑かつ時間を要するものであり、また、多額の費用を要します。
特に、当社の開発パイプラインにおいては、患者自身の免疫細胞から製造する自家のPRIME CAR-T細胞が先行しているところ、その製造に当たっては、対象患者から免疫細胞を採取する必要があり、また、採取した当該細胞の状態に影響されることから、本質的に複雑かつ時間を要し、その品質に不均一が生じ得ます。
また、免疫細胞の製造工程は、細胞の生存率の低下、細菌等の混入による汚染、機器の故障や不適切な操作等の影響を極めて受けやすく、かかる事象が生じた場合には、生産性や品質の低下、製造施設の閉鎖等による供給の停止又は遅延等につながる可能性があります。
加えて、免疫細胞の品質の維持が重要であるため、製造施設や供給網の整備も重要となります。
これらの事由により、当社の免疫細胞の製造に支障が生じた場合には、当社の研究開発又は製造販売の継続等に悪影響を及ぼす可能性があるほか、製薬企業や医療機関等における当社及び当社製品に対する評価及び信頼性が低下すること等により、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社のPRIME CAR-T細胞療法に基づく治療薬の販売については、公的保険の適用の有無を含む薬価、対象患者の人数、医療機関に求められる設備等の体制、使用及び投与等についての条件や制約、副作用の有無を含む安全性及び有効性、販売促進活動等の要因により、医療業界において当該治療薬が受け入れられない可能性があります。
また、当社は、製造販売承認を経て、医療用医薬品の製造及び販売に至った実績がないため、当社が製造販売承認を取得したとしても、当該医薬品の製造販売体制を適時かつ適切に構築できない可能性があります。
これらの事情により、当社の製品が十分に普及しない場合、当社の想定した売上を得ることができず、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業環境に由来するリスク①がんを対象とする医薬品に関する市場について近年、がんを対象とする医薬品に関する市場は急速に変化しており、CAR-T細胞療法を含む遺伝子細胞療法の分野についても市場規模の拡大が見込まれております。
他方で、かかる市場においては、国内企業のみならず、海外の大手製薬メーカー又はバイオテック企業等の参入も拡大しており、当社は、今後もこのような傾向が継続するものと想定しております。
このように、市場の拡大は、参入企業又は潜在的な競合企業の増加の要因となる可能性があります。
また、当社の研究開発活動は、技術の革新及び進歩の度合いが著しく速いバイオテクノロジー分野に属しており、異業種間の連携等により技術革新等が飛躍的に進展する可能性があり、当社のPRIME技術を上回る新たな技術が開発され得るなど、当社を取り巻く事業環境に急激な変化を生じさせるものと考えられます。
当社はこれら業界の動向について、積極的に情報収集を行う等の取組みを推進してまいりますが、当社がこうした事業環境の変化に柔軟に対応できなかった場合、新規治療法の開発等によりCAR-T細胞療法の市場における有用性が相対的に低下した場合や、世界経済や金融市場の変化に伴う患者の経済状態の悪化、ロシアとウクライナの軍事衝突や米国と中国間や中東諸国間の緊張関係をはじめとした地政学的な動向その他の理由によって当社の想定どおりに市場が拡大しない場合等には、当社の事業戦略が予想どおり進捗せず、又はその変更を余儀なくされる可能性があり、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
②他社との競合について当社が事業を展開するCAR-TやTCR-Tといった遺伝子改変免疫細胞療法の研究分野は今後の市場規模の拡大が見込まれているところ、既に国内外の製薬企業及びバイオテック企業等が参入しており、今後更に競争が激化する可能性があります。
競合他社は、当社や当社のライセンス先よりも多くの経営資源又は研究開発や販売に関する豊富な経験を有している場合があり、これらの企業が当社や当社のライセンス先に先んじて製造販売承認を取得した場合のほか、当社が研究開発の過程で必要とする第三者の知的財産権について独占的なライセンスを受け、又は他の大手製薬企業と提携すること等を通じて、当該分野において当社よりも先行した場合、当社事業の競争上の優位性が低下する可能性や、当社の事業展開において当社が想定する以上の資金が必要となる可能性があります。
以上のとおり、今後の競争激化により、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③為替変動について当社は、国内企業に限らず、海外の製薬企業との提携も積極的に行っており、かかる海外の製薬企業との提携に基づく収入は、米ドル等の外貨建てで収受することになります。
当社は、為替変動について、その動向を注視し、必要に応じて為替予約等のリスク低減手段を講じることもありますが、かかる手段は為替変動リスクの全てを回避するものではなく、急激な為替変動が生じた場合等には、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④市場規模の推計について当社は、TAM(Total Addressable Market)について、一定の仮定及び前提の下、第三者機関の提供する推計値等に基づき推計しています。
当社は、推計に当たり当社が信頼できると考えるデータを用いておりますが、推計値の正確性には限界があります。
当社のパイプラインの対象となるがんに対して新たに画期的な治療法が導入された場合や、薬価が想定より低額となった場合等、かかる将来予想に用いられたデータ、仮定又は前提が不正確又は不適切であった場合、実際の当該潜在的市場の規模は推計を大きく下回る可能性があります。
さらに、仮に潜在的市場の推計値が正確であった場合でも、競争やその他の要因により、当社のパイプラインが十分な市場シェアを獲得できる保証はありません。
(3)事業内容に由来するリスク①山口大学との関係について当社は、山口大学及び同大学の技術移転機関である有限会社山口ティー・エル・オーからPRIME技術に関する特許のライセンスを受けているほか、同大学との間で共同研究に基づく特許権を共同保有するなどしているため、当社の事業上、同大学との関係が非常に重要となっております。
同大学との間では、PRIME技術に係る同大学出願の特許及び同大学との共有特許について、日本国内における専用実施権を含む独占的ライセンスの許諾を受け、その対価として、契約一時金、マイルストン金及びかかる特許権を実施したことによる売上の一定料率に相当する金額を山口大学の技術移転機関としての有限会社山口ティー・エル・オーに支払うこと等を定めた以下の契約を締結しており、これらは当社の事業の根幹に関わる重要な契約であると認識しております。
当社は、現時点において、山口大学との取引については良好な関係を維持しつつ、当社又は当社の株主の利益を害することのないよう法規制を遵守するとともに、取締役会による監視等を通じて十分留意しておりますが、今後、当社と山口大学との間で問題が生じない保証はありません。
また、現時点で以下の契約の継続に支障をきたす要因として当社が認識しているものはありませんが、今後、同大学との関係性が悪化する等により以下の契約が終了もしくは解除された場合、又は当社にとって不利な契約改定が行われた場合には、当社のパイプラインに関する研究開発及び製造販売に支障が生じるほか、それにより当社の社会的信用が損なわれる可能性もあり、その結果として当社の事業、財務状況及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、以下の契約には、契約条項の違反を一定期間内に是正しない等の事由が、当事者の双方における契約解除事由として定められております。
当社が何らかの理由により当該条項に抵触するなどにより、これらの契約が解除された場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
契約書名契約当事者(契約締結日)契約内容共同研究契約書山口大学(2016年8月1日)後述の「5 重要な契約等 (1)共同研究開発に関する契約」をご参照ください。
共同研究契約書山口大学(2016年8月1日)後述の「5 重要な契約等 (1)共同研究開発に関する契約」をご参照ください。
共同研究契約書山口大学(2018年3月30日)後述の「5 重要な契約等 (1)共同研究開発に関する契約」をご参照ください。
実施許諾契約書山口大学、有限会社山口ティー・エル・オー(2018年10月1日)後述の「5 重要な契約等 (2)ライセンスインに関する契約」をご参照ください。
②PRIME技術を利用したCAR-T細胞療法を基盤とした事業に特化していることについて当社において、「PRIME技術」は重要な事業基盤であります。
当社は、当該技術を活用することにより、がん免疫細胞療法領域において、CAR-T細胞療法に基づく治療薬の自社創薬及び第三者への技術提供による共同パイプラインとしての展開を行っており、当該技術への依存度は極めて高いものと考えております。
CAR-T細胞療法は新しいがん免疫細胞療法であり、固形がんに対するCAR-T細胞療法については、当社のPRIME技術に基づくものか否かにかかわらず、現時点において、その有効性・安全性が臨床試験で確認済みのものや、規制当局による製造販売承認の取得又は販売開始に至っているものはありません。
そのため、当社のPRIME CAR-T細胞療法は、研究開発、臨床試験、規制当局からの製造販売承認の取得、安定的な製造・販売体制の確立、医療業界における受入れ・浸透の各プロセスにおいて、通常の医薬品等よりも時間及び費用を要する可能性があるうえ、その予測も困難です。
今後の臨床試験又は市販後調査において、PRIME CAR-T細胞療法について、治療効果等の有効性が十分に確認できない場合や副作用等による安全上の問題が発生した場合、当社の他のパイプラインを含む研究開発又は製造販売の継続等に影響を及ぼす可能性があるほか、製薬企業等における当社技術への評価及び信頼性が低下すること等により、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、安全性について、PRIME技術の構造・作用機序又は機能等に由来する重大な問題が判明した場合、当社基盤技術の信頼性及びその評価等を著しく毀損することから、特定のパイプラインに限らず、当社の全てのパイプラインに支障が波及する可能性があり、当社の今後の事業展開及び事業の継続性に重大な悪影響が生じ、事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、販売開始に至ったパイプラインを持たない研究開発型バイオテック企業であり、経営資源が限定的であるため、特定のパイプラインの開発を優先的に進めております。
そのため、後に大きな市場規模を有することとなるパイプラインについて、開発の機会を逃し、又は自社創薬ではなく共同パイプラインとして開発することとした結果、当社が得られる収益が限定的となる可能性があります。
③PRIME技術について有効性・安全性が確認されていないことについて当社は、これまでのPRIME CAR-T細胞療法に関する研究開発において、動物モデルを用いた試験では、がん治療等に係る一定の有効性を確認するとともに、当該試験において毒性・安全性に係る重篤な問題が生じていないことを確認しておりますが、その後の臨床試験において、人体に対する有効性・安全性が確認される保証はありません。
当社のパイプラインに関しても、NIB102以外は第Ⅰ相臨床試験を完了しておらず、現在進行中の第I相臨床試験において、ヒトに対する有効性・安全性が確認できる試験結果の獲得には至っておりません。
④製薬企業等のライセンス先について当社の事業は、PRIME技術や自社パイプラインに係る特許権等の第三者へのライセンスにより対価を得ることを基本的な事業方針としており、Adaptimmune Therapeutics plcの完全子会社であるAdaptimmune Limited、Autolus Therapeutics plcの完全子会社であるAutolus Limited及び中外製薬との間で、それぞれライセンスアウトに関する契約を締結しております(後述の「5 重要な契約等 (3)ライセンスアウトに関する契約」をご参照ください。
)。
かかる方針については、既存のライセンス先を失い又は新たなライセンス先を確保できない可能性や、仮に新たなライセンス先と契約を締結できた場合でも、当社に有利な条件ではない又は将来的に契約を維持できない可能性があります。
特に、当社のライセンス先は独自の創薬開発ターゲットを保有しており、当社は対象となる標的抗原を特定してPRIME技術のライセンスを独占的に許諾することになりますが、各企業がライセンスを希望する標的抗原が競合することがあり、その場合には、当社が選定したライセンス先以外の企業へのライセンスが制約される可能性があります。
当社は、標的抗原情報を管理することでかかる重複を未然に防止しておりますが、今後、企業がライセンスを希望する標的抗原が特定の抗原に集中するなど調整が困難になる事態が生じた場合、新たなライセンス先との契約に支障が生じるなど、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の事業収益の既存ライセンス先に対する依存度は高いものとなっております。
当社は、今後も新たなライセンス先を開拓することで各ライセンス先への依存度の分散・低下を図る方針でありますが、ライセンス先は一定の製薬企業等に限定されることなどから、当社の想定どおりに新たなライセンス先と契約を締結できる保証はありません。
加えて、ライセンス先の経営方針に著しい変更等が生じた場合については、契約が途中で終了する可能性があり、当社の事業及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、共同パイプラインや、自社創薬において当社がライセンスアウトした後のパイプラインについては、ライセンス先が各パイプラインの研究開発、製造及び販売に関する意思決定権を有しております。
当社は、ライセンス先による臨床試験の計画、製造販売承認の取得及びその後の販売促進活動をコントロールすることができないため、ライセンス先との関係性の悪化のほか、ライセンス先における研究開発戦略や事業方針の変更(ライセンス先のパイプライン間における優先順位の変更及び財務上の理由等による研究開発の中止、延期及び開発予算の見直し、並びにライセンス先によるサブライセンスの成否等を含みますが、これらに限られません。
)等により、各パイプラインの研究開発、製造及び販売の中止や遅延が生じる可能性があり、これにより、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社によるライセンス先の開発状況及び商業化に関する情報へのアクセスは限られており、当社は将来の収益を正確に予測できない可能性があるほか、当社が当社の株主に提供できる情報も、ライセンス先が公表した情報及び当社がライセンス先から取得した情報のうちライセンス先との契約上開示可能なものに限られます。
なお、当社のライセンス先は、当社との間のライセンス契約に基づいて支払われる可能性のあるマイルストン収入等の総額を公表する場合がありますが、かかる総額は、当該契約上設定された全ての支払条件の充足やオプションの行使を前提としており、当社が実際に受領する収入はこれよりも少額となる可能性があります。
⑤収益計上及びその変動性について当社事業において、ライセンス先である製薬企業等から受領する対価は、各ライセンス先との個別契約ごとに決定されており、主として、契約一時金、共同研究収入、マイルストン収入及びロイヤリティ等を、研究開発、製造販売承認の取得、販売開始等の進捗に応じて段階的に受領することが想定されます。
一般的に、医薬品等の開発期間は、基礎研究開始から上市まで非常に長期間に及ぶものです。
そして、上記の収益の発生については、その多くがライセンス先の製薬企業等の研究開発の進捗、製造販売承認の取得及び製造販売の状況等に依存しております。
したがって、これらが事業収益として計上されるには長期間を要する可能性があり、その時期を予見することはできず、また、各収入の支払条件を満たす進捗に至らず、これらの事業収益が計上されない可能性もあります。
このように、製薬企業等との契約締結の可否、契約締結時期及び研究開発等の進捗状況によって、当社の業績は大きく変動する傾向にあり、これによる業績の上期又は下期への偏重が生じる可能性、決算期ごとの業績変動要因となる可能性、又は各ライセンス先への事業収益の依存度が事業年度ごとに大きく変動する可能性があります。
⑥共同研究開発契約先への依存について当社は、複数の大学や民間企業等との共同研究開発を実施しております。
特に、山口大学とは、当社の事業の基盤であるPRIME技術の開発や改良に関する重要な共同研究を実施しております。
当社は、今後も、研究体制の充実と円滑な推進のため、共同研究先との間で良好な関係を維持し、当社又は株主の利益を害することがないよう、法規制を遵守するとともに、取締役会の監視等を通じて十分留意しつつ、当社の事業基盤となる共同研究を継続していく方針であります。
さらには、CAR-T細胞療法等の遺伝子改変免疫細胞療法の研究開発や、固形がんの治療法の問題点を克服する研究開発をより加速・拡大する目的で、大学及び公的研究機関並びに民間企業及び医療機関等との新たな共同研究開発や連携を、必要に応じて積極的に模索していきます。
しかしながら、これらの共同研究開発が当社の想定どおりに進捗しない可能性があるほか、契約内容によっては、当社において相応の費用負担が生じる可能性があります。
さらに、当該契約の更新が困難となった場合又は解除その他の理由により契約が終了した場合においては、当社事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当業界においては組織再編やM&Aが盛んであり、共同研究先が組織再編を行ったり、競合他社を買収し又は競合他社から買収されたりするなど、業界における競争の構図が短期間に塗り替えられる可能性があります。
こうした大規模な企業組織再編が当社の共同研究先に及んだ場合、当社の事業戦略及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦海外での事業展開について当社は、当社の開発するPRIME CAR-T細胞療法は、国内のみならず、海外のがん患者にとっても需要があるものと考えているため、米国や欧州等の海外での事業展開も進めており、現時点で複数の海外製薬企業に技術ライセンスを行っております。
しかし、海外における医薬品等の研究開発、製造及び販売等の過程においては、製造販売承認、公的保険や知的財産保護等に関する特有の法的規制及び取引慣行並びに政治・経済情勢等による制約を受ける可能性があり、その場合、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、PRIME CAR-T細胞療法に基づく治療薬を海外で製造・販売するには、原則として、当該国又は地域においてヒトを対象とした臨床試験を実施し、かかる臨床試験の結果を踏まえて、現地法に基づく規制当局の製造販売承認等を取得する必要があります。
仮に、日本において臨床試験により有効性・安全性が確認され、また、製造販売承認が得られたとしても、他の国又は地域において、同様に臨床試験で有効性・安全性が確認され、製造販売承認が得られる保証はありません。
他方、ある国又は地域において、有効性・安全性が確認できず、製造販売承認が取得できなかった場合等においては、他の国又は地域における製造販売承認の審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧環境問題について当社の研究開発活動においては、特定の危険物を管理・使用しており、それに伴い生じる廃棄物については法令に従った処理が求められております。
当社がそのような危険物等の取扱い及び処分に関して採用している安全策が、政府の求める基準に適合していないと判断された場合、規制当局から行政処分その他の措置を受ける可能性や、民事、刑事上の責任を問われる可能性があり、その結果、当社や当社の製品に対する信頼や評価を毀損するほか、事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当該危険物等による環境汚染、人身事故等が発生した場合、多額の賠償責任又は罰金が発生し、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)知的財産権に関するリスク①当社の保有する特許等の知的財産権について当社は、事業において様々な発明を行い、その発明を基に特許出願しております。
これらには、当社単独で出願しもしくは登録されているものや、共同研究先である山口大学により出願されもしくは登録されているもの、又は共同研究先である山口大学やその他の第三者と共同で出願されもしくは登録されているものがあります。
また、山口大学が出願・登録している権利については、ライセンス契約により当社に独占的な実施権が許諾されているものが存在します。
当社が他者と共有している特許権については、第三者へのライセンス等に際して他の共有者の同意が必要となる場合があり、また、当社がライセンスを受けている特許権については、第三者へのサブライセンス等に際して特許権者の同意が必要となる場合があるため、当社の想定どおりにライセンス先候補へのライセンスを実施できない可能性があります。
特許権の取得及び維持には一定のコストと時間を要し、出願中の発明全てについて特許査定がなされるとは限らず、法令上の手続の不備により出願が失効する可能性もあります。
また、特許権の登録がなされた場合でも、登録された特許権の範囲が十分でない可能性、特許異議申立てや特許無効審判が請求されることにより特許権の全部又は一部が無効と判断される可能性や、特許権について研究開発及び製造販売承認の取得に必要な存続期間を確保できない可能性などがあり、そのため、事業の保護や競争上の優位性をもたらさない場合もあります。
加えて、第三者より訴訟が提起された場合において、特許権の有効性や帰属などに関する法的な紛争が生じ、当社が実施する権利や当社の社会的信用に何らかの悪影響が生じる可能性があります。
さらに、当社が実施可能な特許に係る発明を上回る優れた技術の出現により、当社が実施可能な特許に係る技術が陳腐化する可能性があります。
こうした事態が生じた場合には、当社の事業戦略及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が保有する又はライセンスを受けている知的財産権が第三者により侵害される可能性もあります。
当社としては、このような場合には知的財産権保護のために必要な法的措置を検討していく方針ですが、費用対効果や当該第三者から特許無効審判等を提起される可能性なども勘案し、あえて法的措置に踏み切らない可能性も否定できず、また、法的措置を行った場合でも当社の請求又は主張が認められるとは限りません。
加えて、契約等に基づき、法的措置を行うこと等についてライセンス元又はライセンス先が当社に優先して判断できる権利を有している場合には、当社の意向どおりの対応が行われない可能性もあります。
これらの場合、当該第三者が当社と競合する製品の商業化を行う可能性も否定できず、そのような場合には、当社の事業及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、特許権に関する法律もしくはその解釈等の変更が行われ、又は、特許権者が第三者に対して実施許諾を与えることを強制する法律が適用された場合や、一部の国・地域において、米国、日本又は欧州諸国の法令と同程度の保護が与えられない場合には、当社による特許権の取得、実施又は保護に支障が生じ、当社の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
②第三者の知的財産権について当社は、特許権又は実施権などの一定の排他的権利を確保した上で事業を行っておりますが、当社が保有し又は第三者よりライセンスを受けている権利の行使が、当社の知らない間に第三者の権利を侵害している可能性があります。
当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施し、必要に応じて遅滞なくライセンス契約を締結しており、当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、これまで第三者との間で訴訟等の問題が発生したことはありませんが、今後もこれらの問題が発生しない保証はありません。
また、製薬企業等の第三者から、当社が当該第三者の企業秘密等を不正に使用している旨の主張がなされる可能性もあります。
今後、第三者から当社による権利侵害に関する訴訟等が提起された場合、当社は、弁護士や弁理士と協議の上、その内容に応じて個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該第三者の主張に合理的理由があるか否かにかかわらず、解決に多大な時間及び費用を要する可能性や、司法機関等からパイプラインの開発の停止等を命ぜられる可能性があり、当社の社会的信用が悪化するほか、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社が、当社の研究開発上必要な知的財産権のライセンスを第三者から取得・維持できるとは限らず、また、仮に当該第三者よりライセンスを取得できたとしても、かかるライセンスの範囲が不十分である可能性、当社に不利な条件を余儀なくされる可能性や非独占的な許諾にとどまり競合他社も当該知的財産権を利用できるなど、当社による当該知的財産権の利用に制約が生じる可能性があり、これにより、パイプラインの研究開発や上市が当社の想定より遅延し、当社の競争上の優位性が低下し、又は想定外の費用が生じること等により、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③職務発明に関する社内対応について当社が、職務発明規程に基づいて、職務発明の発明者である役職員・従業者等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は特許法第35条第4項に定める相当の利益を支払うことになります。
また、当社の元従業員や共同研究先等から、職務発明者又は共同発明者等として、当社の所有する又はライセンス付与された特許等について何らかの権利を有する旨の主張がなされ、当社への報酬その他の対価の支払請求がなされる等の問題が生じた場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材及び組織に由来するリスク①特定人物への依存について当社の次世代型CAR-T細胞療法の重要な基盤であるPRIME技術は、当社代表取締役であり、山口大学大学院医学系研究科免疫学教授の玉田耕治らが開発したものであり、当社は、玉田らの研究成果であるPRIME CAR-T細胞療法を事業化することを目的として設立され、現在においても、玉田の成果が当社の研究開発活動の基盤となっております。
また、玉田は、当社の最高経営責任者として、当社の経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の遂行に大きな影響力を有しております。
当社では、特定人物に過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、当面の間は玉田をはじめとする特定人物への依存度が高い状態で推移すると見込まれます。
このような状況のなかで、当該特定人物が何らかの理由により当社の役職員としての地位を喪失し、又は当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の研究開発等に重大な支障が生じるほか、当社と山口大学との関係にも悪影響を及ぼすなど、当社の事業戦略や経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
②人材の確保・育成等について当社の事業は、その大半が研究者や技術者等の専門性を有する人材に依存しており、かかる専門性を有する人材の獲得とOJT等を通じた人材育成に努めております。
しかしながら、投資に見合う人材の確保ができない場合、適切な人材育成が図れない場合、又はコア人材が社外流出した場合には、当社の業務遂行上の支障が生じ、又は事業拡大の制約要因となり、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発担当者により運営されておりますが、当社経営陣は、上場企業の経営経験については十分とはいえないこと等により、企業組織として未経験のトラブルに適時・適切に対応することができなかった場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③小規模組織について当社は、取締役5名、監査役3名及び従業員23名(2025年12月31日現在の直接雇用の正社員・契約社員のみ)の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっております。
今後、パイプラインの進捗及び拡大、海外展開といった事業の進展に伴う業容拡大に応じて、内部管理体制の拡充を図る方針でありますが、そのためには費用その他の経営資源を要します。
また、当社の事業活動は、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発担当者に強く依存しております。
現時点では、社内の限られた人員にて業務を遂行していくために、外部の人材を効率的に活用しておりますが、重要な役職員による職務遂行が困難となった場合や、事業の進展に応じて必要な人材や経営資源を適時かつ適切に拡充できない場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)第三者への依存に関するリスク当社は、医薬品の研究開発や製造など当社事業に係る多くの工程において、委託先等の第三者に依存しております。
当社は、国立がん研究センター又は当社のライセンス先が選定した施設を治験実施施設として臨床試験を行っており、また、開発業務受託機関(CRO)に臨床試験に関する業務を一部委託しております。
また、当社は免疫細胞の製造設備を有しておらず、開発中の全てのパイプラインに関する化合物の製造及び供給を第三者の医薬品製造受託機関(CMO)に委託しております。
さらに、当社の開発する医薬品につき規制当局から製造販売承認を取得した場合においても、当該医薬品の製造及び販売については、第三者に委託することを想定しております。
これらの工程に関して、当社が適時かつ適切な条件で第三者に対する委託等を行えない場合には、当社の研究開発や製造・販売等に支障が生じる可能性があります。
また、委託先等の事業活動を当社がコントロールすることはできないため、治験実施施設又は開発業務受託機関(CRO)による臨床試験の実施や医薬品製造受託機関(CMO)による製造及び供給等に係る法令の遵守を完全に確保することは困難であります。
加えて、医薬品の販売においても、販売委託先の販売活動を全て当社が管理することは困難であるため、効果的な販売活動が行われない可能性があります。
さらに、委託先等において法令に基づく体制整備の不備が発覚する等により、委託業務の遂行に支障・遅延をきたす事態となった場合や、委託先等との関係悪化等を理由に契約関係が解消され、当社が適時に代替策を講じることができなかった場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、医薬品の製造委託先の変更が必要となった場合には、CAR-T細胞の製造能力を有する事業者は限られている上、製造委託先の変更には長期間にわたる検証及び技術移転並びに規制当局による承認が必要とされることから、必要な規模及び生産能力を有する製造委託先を適時・適切に確保できない可能性があり、その場合、研究開発、製造販売承認の取得、製造及び販売が遅延する可能性があり、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)業績等に関するリスク 当社の過去5事業年度の業績等の概要は、以下のとおりであります。
回次第7期第8期第9期第10期第11期決算年月2021年12月2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月事業収益(千円)100,732625,783316,8187,5875,000研究開発費(千円)514,827334,804646,705579,875360,877経常損失(△)(千円)△792,615△384,202△1,127,594△962,035△797,116当期純損失(△)(千円)△795,035△386,622△1,130,014△964,455△793,536純資産額(千円)4,185,3344,300,6175,687,4524,725,4973,931,939総資産額(千円)4,271,0494,641,0325,778,9464,800,1724,011,579 ①社歴の浅さについて当社は、2015年4月に設立された社歴の浅い企業であって、その全てのパイプラインは研究開発段階にあり、また、上記「(3)事業内容に由来するリスク ⑤収益計上及びその変動性について」に記載のとおり、当社の業績は、製薬企業等との契約締結の可否、契約締結時期及び研究開発等の進捗状況によって、大きく変動する傾向にあります。
当社の直近3事業年度の業績は、2023年12月期、2024年12月期及び2025年12月期は、それぞれ、1,130,014千円、964,455千円、793,536千円の当期純損失となっております。
このように、過年度の業績から当社の将来の業績等を推測することは困難であります。
②多額の研究開発費に伴う損失計上の見通しについて当社は、CAR-T細胞療法研究分野における事業を展開するバイオテック企業であります。
一般的に、医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、期間損益の損失が先行する傾向にあります。
当社は、研究開発費として、2023年12月期では646,705千円、2024年12月期では579,875千円、2025年12月期では360,877千円をそれぞれ計上しております。
また、臨床試験のコストは、臨床試験を実施する開発パイプラインの進展や拡大、自社の創薬研究への積極的な取組み等により増加する可能性があり、多額の研究開発費が必要となると想定しております。
他方、当社も、ライセンス先との契約締結や開発の進捗に応じて、契約一時金や開発マイルストン収入などの収益を一時的に計上することがあるものの、開発マイルストン収入の一部やロイヤリティについては、臨床試験で有効な結果が得られ、又は製造販売承認が得られるまで受領することができません。
上記のとおり、当社では、主に自社創薬事業において多額の研究開発費が継続して必要となるため、現時点においても研究開発費等を賄う十分な事業収益の計上には至っておらず、多額の当期純損失を計上しております。
また、今後も安定した収益が獲得できるとは限らず、仮に安定した収益獲得を実現できたとしても、それに至るまでには相応の期間が必要であり、加えて、他の製薬企業との契約締結が進まない可能性や既存のライセンス先との契約解消等が生じる可能性もあるため、投下した研究開発費用を回収できる保証はありません。
当社は、今後も当面は損失の計上を想定しており、開発中の医薬品が上市され安定的な収益基盤が確立されるまでは、事業収益、当期純利益(損失)は不安定に推移し、当社の資金調達、研究開発の継続や事業の継続・拡大に悪影響を及ぼす可能性があります。
③資金繰りについて当社は、主に「自社創薬」における研究開発費用の負担により、長期に亘って先行投資の期間が続きます。
この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があります。
また、開発中のパイプラインが製造販売承認の取得に至らなかった場合、先行投資された資金は回収不能となります。
このため、当社製品が上市され、安定的な収益源が確保されるまでの期間においては、当社の資金繰りは極めて高いリスクに晒されており、財務基盤の強化のため、必要に応じて資金調達等を実施する可能性があります。
しかし、適切なタイミング及び条件で資金調達できる保証はなく、当社が必要な資金を調達できなかった場合は、当社の事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。
④調達資金使途について株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、医薬品の研究開発を中心とした事業費用に充当する計画です。
ただし、医薬品開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、また、当社の判断により調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その結果、調達した資金の投資が期待される利益に結びつかない可能性があります。
(8)その他のリスク①山口大学をはじめとする各大学・研究機関教職員の兼業に係る利益相反の回避について当社は、自社での研究開発活動のほか、山口大学と共同研究を実施しております。
また、同大学は当社の新株予約権を、同大学の技術移転機関である有限会社山口ティー・エル・オーは当社株式を、それぞれ保有しております。
加えて、当社の代表取締役である玉田耕治は山口大学大学院医学系研究科免疫学教授を兼業しているほか、各大学・研究機関の研究者が同様に当社顧問等として兼業しております。
上記に対しては、利益相反等の行為の発生を防止するため、社外役員が半数を占める任意の利益相反委員会を設置し、当該委員会が確認主体となって利益相反取引の有無や取引条件の妥当性に係る協議を行い、取締役会に報告する体制を整備しております。
このように、当社としては、利益相反等の行為が発生しないように法規制等を遵守するとともに、当社の企業運営上取締役会の監視等を通じて十分留意しておりますが、このような留意にかかわらず、利益相反等の行為が発生した場合には、当社の利益を損ねる可能性があるほか、社会的に指弾を受ける等の不利益を被り、その結果として、当社の業績等に悪影響を及ぼす可能性や当社の事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。
②資金調達について当社は、主に「自社創薬」事業において多額の研究開発費用を要します。
当社に資金需要が生じた場合は、増資を含む資金調達を検討する可能性がありますが、市場における需給環境の悪化等により、当社に有利な条件で適時に必要な資金を調達できる保証はありません。
また、増資を通じた資金調達の実施により、新規の投資家に対して既存株主より有利な条件で株式等が発行される可能性や、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化するとともに、当社株式の市場価格が下落する可能性があります。
また、負債性の資金調達を行う場合には、当社の事業活動を制約する契約条件が付される可能性もあります。
当社が機動的な資金調達を行うことができなかった場合には、当社の研究開発体制及び計画の見直しが必要となり、当社製品の上市が延期されるなど、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③新株予約権の行使による希薄化について当社は、会社の利益と役員及び従業員個々の利益を一体とし、職務に精励する動機付けを行うため、また、社外のリソースを有効に活用し当社事業の円滑な遂行を図る目的で、当社の役員、従業員及び社外協力者等に対し新株予約権を付与しております。
また、今後もインセンティブプランとしての新株予約権制度を継続していく方針であります。
当事業年度末現在における当社の発行済株式総数は43,301,765株でありますが、これに対して、新株予約権の対象である株式数の合計は2,689,500株であります。
当該新株予約権が行使された場合は、当社の株式価値は希薄化することとなり、株価へ影響を及ぼす可能性があります。
④感染症の感染拡大及び自然災害
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①経営成績の状況当社は、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という企業理念の下、当社の独自技術であるPRIME (Proliferation-inducing and migration enhancing)技術を用いた固形がんに対するCAR-TやTCR-Tなどの遺伝子改変免疫細胞療法の研究開発に取り組んでおります。
 当事業年度における当社事業の概況としまして、PRIME技術を基盤とした自社創薬事業及び共同パイプラインを引き続き推進いたしました。
自社創薬事業におきましては、当社パイプラインNIB103の臨床試験の開始に向け、6月には独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届書の提出と所定の調査が完了しており、現在投与開始に向けた準備を進めております。
NIB103以外の自社創薬パイプラインについては、共同開発を含めたあらゆるアプローチを介して開発の推進を目指すとともに、NIB104やNIB105の早期の臨床ステージ移行に取り組んで参ります。
また、当社はこれらに続く新たなパイプラインや次世代技術に関する研究について引き続き実施しております。
2017年より継続している山口大学との共同研究においては、引き続きCAR-TやTCR-Tを中心とした次世代型遺伝子改変細胞療法、他家細胞を利用したがん免疫細胞療法、次世代型PRIME技術に関する研究を実施しております。
なお、当社の取り組む事業に対し、7月には山口県の「令和7年度やまぐち再生医療等実用化・産業化推進補助金事業」及び宇部市の「宇部市再生医療等先端的研究開発実用化推進補助金」の採択が決定し、最長3年間の支援を受けることが決定しております。
以上の結果、当事業年度における事業収益は5,000千円(前年同期比34.1%減少)を計上した一方で、開発の継続により営業損失は797,255千円(前事業年度は1,069,183千円の営業損失)、経常損失は791,116千円(前事業年度は962,035千円の経常損失)、当期純損失は793,536千円(前事業年度は964,455千円の当期純損失)となりました。
なお、当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況(資産) 当事業年度末の総資産は4,011,579千円となり、前事業年度末に比べ788,592千円減少しました。
これは主に、現金及び預金が752,617‬千円減少したこと等によるものであります。
(負債) 当事業年度末の負債は79,639千円となり、前事業年度末に比べ4,964‬千円増加しました。
これは主に、未払金が7,641千円、未払費用が3,459千円増加し、契約負債が5,500千円減少したこと等によるものであります。
(純資産) 当事業年度末の純資産は3,931,939千円となり、前事業年度末に比べ793,557千円減少しました。
これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金が793,536千円減少したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。
)は、3,918,321千円となり、前事業年度末に比べ752,617千円減少しました。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動に使用した資金は、752,219千円(前事業年度は887,809千円の使用)となりました。
これは主に、税引前当期純損失791,116千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動に使用した資金は、378千円(前事業年度は557千円の収入)となりました。
保証金の差入による支出388千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動に使用した資金は、20千円(前事業年度は2,500千円の収入)となりました。
これは、自己株式の取得による支出20千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績 当社の販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社はがん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)がん免疫療法創薬事業      (千円)5,000△34.1合計              (千円)5,000△34.1(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)第一三共株式会社7,50098.95,000100.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものの内容及び金額は下記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社は、がん免疫療法分野において次世代を担うリーディングカンパニーを目指し、事業に取り組んでおります。
PRIME技術により固形がんに対するCAR-Tの有効性を高め、様々な固形がんに対するCAR-T細胞療法を創成するとともに開発能力を拡大するため、日々研究開発を進めております。
 当事業年度の経営成績及び財政状態に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について 上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社はがん免疫療法に特化した研究開発型バイオテック企業であり、資金需要の主なものは、研究人員にかかる人件費、研究用設備費用や研究開発のための外部委託費用などの研究開発費や、経営管理にかかる販売費及び一般管理費などの運転資金(事業費用)であります。
 当社は、今後の外部環境の変化に備えて、事業上必要な資金については手元資金で賄う方針としており、事業収益が限定される現在では、事業収益による資金の獲得のほか、第三者割当増資による調達を行っております。
手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により管理しております。
 今後は、さらなる新規パイプラインの獲得に向けて一時的に資金を要する場合や、急激な景気変動等により手元資金が不足する場合には、経費コントロールによる支出の抑制や第三者割当増資に伴う新株発行によるエクイティファイナンスを含めた多様な調達方法を、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に活用し、対応していく予定であります。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析 上記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社は、がん免疫療法に特化した研究開発型バイオテック企業として、設立以来積極的な研究開発を行っております。
詳細は、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。
 研究開発費の主な内訳は、大学等の研究機関や製薬企業との共同研究を含む当社が保有するパイプラインの開発費、次期パイプラインの基礎研究及び創薬研究、創薬基盤技術の研究、並びに特許出額に係る費用で構成されております。
 当事業年度における研究開発費の総額は360,877千円と事業費用全体の45.0%を占めております。
主な内訳として委託研究費が144,028千円、研究材料費が24,346千円、給料手当が85,338千円となっております。
 研究開発費の主な内容は、研究開発人員の人件費、研究施設に関する地代家賃、研究用材料費及び臨床開発の準備にかかる費用であります。
自社創薬パイプラインについては、当社パイプラインNIB103の臨床試験の開始に向け、6月には独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)への治験計画届書の提出と所定の調査が完了しており、現在投与開始に向けた準備を進めております。
なお、NIB103以外の自社創薬パイプラインについては、共同開発を含めたあらゆるアプローチを介して開発の推進を目指すとともに、NIB104やNIB105の早期の臨床ステージ移行に取り組んで参ります。
また、当社はこれらに続く新たなパイプラインや次世代技術に関する研究について引き続き実施しており、相応の研究開発費の発生を見込んでおります。
 共同パイプラインについては、2019年8月にAdaptimmune Therapeutics plc、2019年11月のAutolus Therapeutics plc及び2022年8月に中外製薬とライセンス契約を締結しており、各社が研究開発を実施しております。
また、2021年10月に技術評価契約を第一三共株式会社(以下、「第一三共」という。
)と締結しておりましたが、2025年7月に終了を発表しました。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 該当事項はありません。
 なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却などはありません。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社における主要な設備は、以下のとおりであります。
2025年12月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(名)建物附属設備(千円)工具、器具及び備品(千円)合計(千円)本社(東京都港区)がん免疫療法創薬事業事務所施設---15(1)湘南研究所(神奈川県藤沢市)がん免疫療法創薬事業研究施設---4(3)山口大学院研究所(山口県宇部市)がん免疫療法創薬事業研究及び事務所施設---4(1)(注)1.過年度において全額減損損失を計上しているため、期末帳簿価額はありません。
2.従業員数は就業人員であり、常用の契約社員を含んでおります。
臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員を含みます。
)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
3.上記事務所は賃借しているものであり、年間の賃借料は以下のとおりとなります。
事業所名(所在地)設備の内容年間賃借料(千円)本社(東京都港区)事務所施設17,047湘南研究所(神奈川県藤沢市)研究施設18,696山口大学院研究所(山口県宇部市)研究及び事務所施設1,080
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動360,877,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況44
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況4
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,075,000

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
武田薬品工業株式会社大阪府大阪市中央区道修町4丁目1-18,119,80018.75
株式会社鶴亀東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目20-1神宮北参道プレックス7階7,159,55016.53
玉田 耕治山口県宇部市3,750,0008.66
KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNG(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)34-6,YEOUIDO-DONG,YEONGDEUNGPO-GU,SEOUL,KOREA(東京都新宿区新宿6丁目27-30)3,678,7208.49
瀬戸 恭子東京都目黒区1,700,0003.92
大和日台バイオベンチャー投資事業有限責任組合東京都千代田区丸の内1丁目9-11,349,2003.11
荻原 弘子東京都中野区1,000,0002.30
佐古田 幸美山口県宇部市1,000,0002.30
和田 聡東京都目黒区956,9002.20
石崎 秀信東京都目黒区760,0001.75計-29,474,17068.06
株主数-金融機関1
株主数-金融商品取引業者19
株主数-外国法人等-個人32
株主数-外国法人等-個人以外30
株主数-個人その他7,870
株主数-その他の法人41
株主数-計7,993
氏名又は名称、大株主の状況石崎 秀信
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式12520,600当期間における取得自己株式--(注)当期間における取得自己株式には、2026年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-20,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-20,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式43,301,765--43,301,765合計43,301,765--43,301,765自己株式 普通株式(注)-125-125合計-125-125(注)普通株式の自己株式の増加125株は、単元未満株式の買取りによる増加であります。

Audit1

監査法人1、個別有限責任監査法人トーマツ
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2026年3月16日ノイルイミューン・バイオテック株式会社 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士鈴木 泰司 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中川 満美 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているノイルイミューン・バイオテック株式会社の2025年1月1日から2025年12月31日までの第11期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ノイルイミューン・バイオテック株式会社の2025年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
委託研究費の計上時期の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、「PRIME技術」を基盤として固形がんに対するCAR-T細胞療法の開発を進める研究開発型企業であり、治療薬の自社創薬及び第三者への技術提供による共同パイプラインの展開を行っている。
自社創薬におけるパイプラインの開発や基盤技術の研究のため長期にわたり研究開発投資を継続しており、当事業年度においては、自社創薬パイプラインであるNIB103の第Ⅰ相臨床試験が開始された。
当該臨床試験は外部の医薬品開発業務受託機関等を活用して推進されている。
この結果、2025年12月期の損益計算書に研究開発費を360,877千円計上しており、特に、注記事項(損益計算書関係)※2に記載している通り、「委託研究費」が144,028千円と最も多くを占めている。
委託研究に要した費用は委託した業務が完了し役務の提供を受けた時点を発生時として費用処理される。
この委託する業務の内容は多岐にわたっており、役務の提供を受けた時点についても業務の内容に応じて多様となりうる。
また、臨床試験にかかる医薬品開発業務受託機関への委託契約等については、複数の業務で構成されている場合もあり、業務ごとにその内容と役務の提供を受けた時点を把握し、それぞれの費用処理を行う必要がある。
このように、会社の研究開発費に占める委託研究費の割合は高く金額的な重要性が高いうえ、委託業務の内容が多岐にわたり一つの契約に複数の業務が含まれることから、委託研究費の計上時期に関する判断を誤るリスクが存在する。
以上から、当監査法人は委託研究費の計上時期の適切性を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、委託研究費の計上時期の適切性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価委託研究における契約締結から検収、費用計上を経て支払いに至るまでの委託研究費のプロセスにかかる業務フロー及び内部統制を理解し、特に、研究開発部門における委託業務の検収等、委託研究費の計上時期の適切性に対応するための統制に焦点を当て、その整備状況及び運用状況の評価を実施した。
(2)実証手続の実施取締役会等の議事録や研究開発にかかる関連資料の閲覧及び経営者への質問により各パイプラインの研究開発の進捗状況を把握したうえで、当事業年度に計上されている委託研究費から抽出した取引に対して、適切な時期に認識されているか否かを検討するため、以下の手続を実施した。
・契約実態に即した会計処理の検討委託先との委託契約に関する契約書や関連資料の閲覧及び研究開発担当者への質問の実施により、契約条件や委託業務の内容を把握し、委託研究費の会計処理が取引の実態に即して適切に行われているかを検討した。
・計上時期の適切性の検討 委託先から提出された報告資料等の閲覧、報告資料等に対する検収状況の検討及び請求書等との突合により、委託した業務が完了し役務の提供を受けた時点で費用が認識されているかを検討した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
委託研究費の計上時期の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、「PRIME技術」を基盤として固形がんに対するCAR-T細胞療法の開発を進める研究開発型企業であり、治療薬の自社創薬及び第三者への技術提供による共同パイプラインの展開を行っている。
自社創薬におけるパイプラインの開発や基盤技術の研究のため長期にわたり研究開発投資を継続しており、当事業年度においては、自社創薬パイプラインであるNIB103の第Ⅰ相臨床試験が開始された。
当該臨床試験は外部の医薬品開発業務受託機関等を活用して推進されている。
この結果、2025年12月期の損益計算書に研究開発費を360,877千円計上しており、特に、注記事項(損益計算書関係)※2に記載している通り、「委託研究費」が144,028千円と最も多くを占めている。
委託研究に要した費用は委託した業務が完了し役務の提供を受けた時点を発生時として費用処理される。
この委託する業務の内容は多岐にわたっており、役務の提供を受けた時点についても業務の内容に応じて多様となりうる。
また、臨床試験にかかる医薬品開発業務受託機関への委託契約等については、複数の業務で構成されている場合もあり、業務ごとにその内容と役務の提供を受けた時点を把握し、それぞれの費用処理を行う必要がある。
このように、会社の研究開発費に占める委託研究費の割合は高く金額的な重要性が高いうえ、委託業務の内容が多岐にわたり一つの契約に複数の業務が含まれることから、委託研究費の計上時期に関する判断を誤るリスクが存在する。
以上から、当監査法人は委託研究費の計上時期の適切性を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、委託研究費の計上時期の適切性を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価委託研究における契約締結から検収、費用計上を経て支払いに至るまでの委託研究費のプロセスにかかる業務フロー及び内部統制を理解し、特に、研究開発部門における委託業務の検収等、委託研究費の計上時期の適切性に対応するための統制に焦点を当て、その整備状況及び運用状況の評価を実施した。
(2)実証手続の実施取締役会等の議事録や研究開発にかかる関連資料の閲覧及び経営者への質問により各パイプラインの研究開発の進捗状況を把握したうえで、当事業年度に計上されている委託研究費から抽出した取引に対して、適切な時期に認識されているか否かを検討するため、以下の手続を実施した。
・契約実態に即した会計処理の検討委託先との委託契約に関する契約書や関連資料の閲覧及び研究開発担当者への質問の実施により、契約条件や委託業務の内容を把握し、委託研究費の会計処理が取引の実態に即して適切に行われているかを検討した。
・計上時期の適切性の検討 委託先から提出された報告資料等の閲覧、報告資料等に対する検収状況の検討及び請求書等との突合により、委託した業務が完了し役務の提供を受けた時点で費用が認識されているかを検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別委託研究費の計上時期の適切性
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

未収入金4,000
その他、流動資産980,000
長期前払費用4,195,000
投資その他の資産28,139,000

BS負債、資本

未払金16,130,000
未払法人税等23,610,000
未払費用31,176,000
資本剰余金4,025,098,000
利益剰余金-4,147,239,000
株主資本3,925,092,000
負債純資産4,011,579,000

PL

営業利益又は営業損失-797,255,000
受取利息、営業外収益6,404,000
営業外収益6,416,000
営業外費用277,000
法人税、住民税及び事業税2,420,000
法人税等2,420,000

PL2

当期変動額合計-793,557,000

FS_ALL

現金及び現金同等物の残高3,918,321,000
役員報酬、販売費及び一般管理費88,611,000
現金及び現金同等物の増減額-752,617,000

営業活動によるキャッシュ・フロー

棚卸資産の増減額(△は増加)、営業活動によるキャッシュ・フロー6,417,000
その他、営業活動によるキャッシュ・フロー20,719,000
小計、営業活動によるキャッシュ・フロー-755,308,000
利息及び配当金の受取額、営業活動によるキャッシュ・フロー又は投資活動によるキャッシュ・フロー5,423,000
法人税等の支払額、営業活動によるキャッシュ・フロー-2,420,000

概要や注記

連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組、経理の状況 当社は、財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。
具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、証券印刷会社や、監査法人等主催の各種セミナーへ参加しております。
主要な販売費及び一般管理費 ※3 販売費及び一般管理費のうち一般管理費に属する費用の割合は100%であります。
 主要な費目及び金額は次のとおりであります。
前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)役員報酬84,051千円88,611千円特許関連費68,58052,697給料手当113,42584,279支払報酬57,30943,863租税公課42,67154,961
顧客との契約から生じる収益の金額の注記 ※1 顧客との契約から生じる収益売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。
顧客との契約から生じる収益の金額は、財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
新株予約権等に関する注記 2.新株予約権及び自己新株予約権に関する事項区分新株予約権の内訳新株予約権の目的となる株式の種類新株予約権の目的となる株式の数(株)当事業年度末残高(千円)当事業年度期首増加減少当事業年度末提出会社ストック・オプションとしての新株予約権(注)------自社株式オプションとしての新株予約権(注)-----6,847合計-----6,847(注)上記の内容及び規模については、「(ストック・オプション等関係)」に記載しております。
配当に関する注記 3.配当に関する事項 該当事項はありません。
現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係  ※現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係 前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)現金及び預金勘定4,670,939千円3,918,321千円現金及び現金同等物4,670,939千円3,918,321千円
製品及びサービスごとの情報 1.製品及びサービスごとの情報 単一の製品及びサービスの区分の外部顧客への事業収益が損益計算書の事業収益の90%を超えるため、記載を省略しております。