財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2026-03-26
英訳名、表紙Carna Biosciences, Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 吉野公一郎
本店の所在の場所、表紙神戸市中央区港島南町一丁目5番5号
電話番号、本店の所在の場所、表紙078-302-7039(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
(1) 当社設立の経緯1999年4月にオランダの製薬企業 Organon N.V.(以下「N.V.オルガノン」という)は、鐘紡株式会社より新薬事業の営業譲渡を受け、この中の研究部門が母体となり、同社の日本法人である日本オルガノン株式会社(以下「日本オルガノン」という)内に医薬研究所が開設されました。
当該研究所は、2001年よりキナーゼ(*)に特化して、新規キナーゼ探索、遺伝子クローニング、キナーゼの発現、キナーゼのアッセイ(*)系構築を行ってきました。
ところがその後、N.V.オルガノンは、主力製品の特許切れにより業績に陰りが見えたため、全世界的なリストラを開始し、その結果、2002年11月には日本オルガノンの医薬研究所の存続が不透明となりました。
そこで、当時の日本オルガノンの医薬研究所の幹部である当社創業メンバーは、医薬品のターゲットとしてキナーゼが高い注目を集めていることから、キナーゼ関連の創薬及び創薬支援事業には大きなビジネスチャンスがあると判断し、日本オルガノンから分離・独立してバイオベンチャーを設立することを日本オルガノン及びN.V.オルガノンに打診、話し合いの結果、2003年4月にカルナバイオサイエンス株式会社を設立しました。

(2) 当社社名の由来当社の社名である「カルナ(Carna)」はローマ神話の「人間の健康を守る女神」です。
また「身体の諸器官を働かせる女神」、「人間生活の保護女神」などとも言われています。
当社は生命科学「バイオサイエンス(Bioscience)」を探究することで「人々の生命を守り、健康に貢献することを目指す。
」ことを基本理念としています。
当社はまさに「カルナ(Carna)=人間の健康を守る女神」でありたいと考えています。
年月概要 2003年4月日本オルガノン株式会社をスピンオフし、兵庫県神戸市にキナーゼ(*)に特化した創薬支援事業及び創薬事業の展開を目的として、カルナバイオサイエンス株式会社(資本金10百万円)を設立2003年10月神戸国際ビジネスセンター(KIBC)にて業務を開始2004年8月神戸バイオメディカル創造センター(BMA)に研究室を新規開設し、低分子化合物の初期評価を行うための動物実験を開始2007年10月創薬研究(*)のさらなる加速を目的として、神戸健康産業開発センター(HI-DEC)に化学実験施設を新規開設2008年3月ジャスダック証券取引所NEOに株式を上場2008年4月CarnaBio USA, Inc.を米国マサチューセッツ州に設立(現 連結子会社)2008年12月神戸バイオメディカル創造センターに本社及び研究所(以下「本社」、「BMAラボ」という)を移転集約2010年4月ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所との合併に伴い、大阪証券取引所(NEO市場)に株式を上場2010年10月大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(グロース)に株式を上場2013年7月大阪証券取引所及び東京証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(グロース)に株式を上場2019年2月米国カリフォルニア州に臨床開発オフィスを開設2022年4月東京証券取引所グロース市場に市場区分を変更
(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
事業の内容 3 【事業の内容】
(1) 事業の背景① キナーゼへの着目がん疾患、リウマチなどの免疫・炎症疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患では、生体恒常性機能に異常をきたしており、生体内では異常なシグナル伝達が起こっていることが知られています。
この原因と考えられている分子のひとつに、細胞内外の情報伝達をつかさどるキナーゼ(*)と呼ばれる酵素があります。
このキナーゼが遺伝子変異やストレスなどによって異常な働きになった場合には、シグナル伝達機能に支障をきたし病気につながることが知られています。
当社は、このキナーゼを主な創薬標的として画期的な新薬の創製を目指し研究開発を行っております。
② キナーゼ阻害薬の活躍がん、炎症、リウマチなどの疾患では、細胞のなかに存在する特定のキナーゼが遺伝子変異やストレスなどによって異常な働きになり、それが原因となって生体恒常性機能に異常を引き起こしていることが徐々に明らかになってきました。
しかしながら、キナーゼは生体内に500種類近く存在し、生命機能において大変重要な働きを担っているため、近年になるまで、キナーゼを阻害する薬の開発は副作用懸念のために進んでいませんでした。
その流れを変えたのが、2001年に米国で販売が開始されたBCR-ABLチロシンキナーゼを選択的に阻害する慢性骨髄性白血病治療薬のグリベック® (一般名:イマチニブ、製造販売元:Novartis AG)の成功です。
この成功により、特定のキナーゼの働きのみを選択的に抑制する、安全で有効な分子標的薬(*)の研究が製薬企業で活発に進められるようになり、その後、様々ながんの治療薬として次々に大型のキナーゼ阻害薬(*)が誕生し、多くのがん患者に届けられています。
また、免疫・炎症疾患を対象としたゼルヤンツ®(一般名:トファシチニブ、製造発売元:Pfizer Inc. )が、米国FDA(U.S. Food and Drug Administration)により承認されると、キナーゼは、がん疾患のみならず、様々な疾患の創薬標的として認知され、その研究開発が拡がりをみせました。
さらに最近では、欧米の製薬企業だけでなく、わが国の製薬企業が開発した低分子のキナーゼ阻害剤が相次いで上市されるなど、今後もブロックバスターと呼ばれる大型新薬を目指した製薬企業によるキナーゼ阻害薬の開発は発展していくものと予想されます。
さらに、がん治療分野における画期的な進展として、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるオプジーボ®(一般名:ニボルマブ、製造発売元:小野薬品工業株式会社等)に代表されるがん免疫療法に基づくバイオ医薬品の相次ぐ承認が挙げられます。
一部の患者では治療により寛解する等、これまでにない成果を挙げていますが、多くの患者に効果が出るよう、こうしたがん免疫療法薬の効果をさらに高めることが重要な課題となっています。
その代表的なアプローチとして、がん免疫療法薬と他の低分子医薬品との併用療法が注目されており、そのような薬剤の一つとしてキナーゼ阻害薬が成果を挙げつつあります。
特に、エーザイ株式会社が開発したレンビマ®は、抗PD-1抗体であるキイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ、製造販売元:Merck & Co., Inc.)との併用で高い抗腫瘍効果を示したことから、メガファーマとの大型提携に発展しています。
このように、キナーゼ阻害薬は、単剤としての効果のみならず、これら併用療法において治療効果を高める薬剤としても大いに期待されます。
上記のような分子標的薬は、特定の疾患において特異的に発現している標的分子を選択的に阻害するため、効果的でかつ副作用が少ないという特徴をもっており、加えてコンパニオン診断による投薬前の事前検査を行うことで、治療効果が高いと判定された患者への投薬が可能となり、より高い安全性と治療効果をもたらし、個別化医療の実現に着実に近づくことが期待されます。
2025年時点で、米国FDAにより承認されたキナーゼ阻害薬は約100剤に達しているとされており、さらに、世界中の製薬企業やバイオベンチャーにおいて、新規キナーゼ阻害薬の研究開発及び臨床試験が進められています。
(注)図中のATP(*)については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載の用語解説をご参照ください。
③ 低分子経口薬(分子標的薬)の社会的価値細胞内にあるキナーゼという酵素をターゲットとするキナーゼ阻害薬は、従来の治療薬と比較して治療効果が高く、副作用が少ないと考えられることから、分子標的薬の重要なカテゴリーとして、世界各国の大手製薬企業や研究機関、バイオベンチャーにおいて、活発な研究開発が進められています。
現在、医薬品として認可され、上市(*)されている薬剤は、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、注射により患者に投与される抗体などの高分子(バイオ)医薬品であり、もうひとつは、当社が研究開発を行っている経口投与可能な低分子医薬品です。
近年、抗体がバイオ医薬品として注目を集めておりますが、主に細胞で培養し製造されるため複雑な製造工程を有していることから、比較的薬価が高いものが多く、医療経済を圧迫する一因ともなっています。
また、注射剤であることから、患者は投与を受けるために通院を要し、肉体的な負担が比較的大きい薬といえます。
他方、当社が研究開発を行っているキナーゼ阻害薬等の低分子医薬品は経口投与可能であり、医師による処方により患者自身が自宅等で服用できることから身体的負担が少なく、さらに化学合成により比較的安価に製造されるため薬価を低く抑えることができ、医療経済上においても優しいものであることから、開発途上国などを含む世界中の患者に広く提供可能な薬といえます。
また、抗体は高分子薬であることから細胞膜を透過することができず、細胞外の分子のみが標的となりますが、キナーゼ阻害薬等の低分子阻害薬は細胞膜を透過することが可能なことから、細胞内の分子を標的とすることができ、抗体で治療できない疾患の治療薬の開発が可能となります。

(2) 事業内容当社グループは、当社(カルナバイオサイエンス株式会社)及び連結子会社(CarnaBio USA, Inc.)により構成されており、「創薬事業」及び「創薬支援事業」の2つを主たる事業として展開しております。
当社グループの事業内容及び当社と子会社の当該事業における位置づけは次のとおりです。
区分事業内容主要な会社創薬事業当社の創薬研究(*)の成果物である医薬品の特許をはじめとする知的財産権のライセンスを製薬企業等に導出し、契約一時金収入、マイルストーン収入及びロイヤリティ収入等を獲得する事業です。
自社単独及び他社・他機関と共同でキナーゼ阻害薬等の基礎研究、創薬研究及び開発を行っております。
当社CarnaBio USA,Inc. 創薬支援事業製薬企業やバイオベンチャー、大学等の研究機関で実施される創薬研究を支援するための製品・サービスを販売、提供することによって収入を獲得する事業です。
具体的には、製品として、キナーゼ阻害薬の研究において試薬として用いられるキナーゼタンパク質とキナーゼの阻害活性を評価するアッセイ(*)キットを販売しております。
さらに、受託サービスとして、製薬企業等が創り出した化合物(*)のキナーゼプロファイリング(*)及びスクリーニング(*)等の実施、キナーゼに係るアッセイ開発、並びに当社及び当社の協力会社が開発したセルベースアッセイ(*)サービスの提供等を行っております。
当社、CarnaBio USA,Inc.
(注) セグメントは事業の区分と同一であります。
新薬の創薬標的を同定し、その標的に有効な医薬品候補化合物を創製して、さらにその有効性・安全性を確かめ医薬品としてわが国の厚生労働省や米国FDA等の規制当局に承認申請を行い、承認を得るまでの過程を「創薬」といいます。
当社グループは、この「創薬」の中でも、特にキナーゼ阻害薬を創製するための基盤となる技術、いわゆる「創薬基盤技術」をベースに、「創薬事業」及び「創薬支援事業」を展開していることが特徴です。
当社グループの事業内容の系統図は以下の通りです。
① 創薬事業当社グループの創薬事業は、キナーゼ阻害薬等の創薬研究、前臨床試験および臨床試験を実施し、そこから得られた新薬候補化合物の知的財産権に基づく開発・商業化の権利を製薬企業等に導出(ライセンスアウト)し、その対価として収益を受領するビジネスモデルとなっています。
この対価には、製薬企業等へ医薬品候補化合物を導出した時点で受領する契約一時金、その後の研究開発の進展に伴い目標を達成した時点で受領するマイルストーン収入、さらに新薬の上市後の売上に応じて受領するロイヤリティ収入があります。
a.キナーゼ阻害薬等の研究開発当社グループは、創薬事業において、これまでにない画期的なキナーゼ阻害薬等の新薬創製に係る研究開発を行っております。
研究開発テーマは、アンメット・メディカル・ニーズの高い、いまだ十分な治療方法が確立していない疾患を中心に選定しており、特にがん、免疫・炎症疾患を重点疾患領域として、画期的な新薬の創製を目指し研究開発を行っております。
当社グループでは、自社単独で行う研究開発プログラムに加えて、製薬企業、大学及び公的研究機関等とも共同研究を実施しております。
当社グループの創薬事業においては、比較的早期に有効性が確認できるがん領域は最大フェーズ2試験まで自社で実施し、パイプラインの価値向上を目指す方針です。
それ以外の疾患はフェーズ1試験もしくは前臨床試験まで自社で実施し、製薬企業等へ導出(ライセンスアウト)することを基本方針としています。
当社グループは、自社もしくは共同研究で創出した医薬品候補化合物の知的財産権に基づく開発・商業化の権利を製薬企業等に導出(ライセンスアウト)することによって、ライセンス契約締結時における契約一時金、前臨床試験や臨床試験等の各ステージの開始/完了時、承認申請時、承認取得時等の目標達成に伴うマイルストーン収入、並びに新薬の上市後にその売上高等に対する目標達成に伴うマイルストーン収入、さらに当該売上高等に対する一定の割合をロイヤリティ収入として受け取る収益モデルを想定しております。
なお、本報告書提出日時点で、当社グループは、共同研究プログラムを含む2つの創薬プログラムを製薬企業に導出(ライセンスアウト)しております。
また、3つの臨床開発段階の創薬プログラムを保有しており、そのうち2つのプログラムについてフェーズ1試験を実施中です。
残り1つのプログラムについては、2023年にフェーズ1試験を完了し、現在パートナリング活動を進めております。
b.新薬の研究開発プロセスについて<新薬の研究開発プロセス及び一般的な期間>※ 当社グループの創薬事業は、がん領域については最大フェーズ2試験、それ以外の疾患はフェーズ1試験もしくは前臨床試験まで自社で実施する方針です。
上表の点線部以降の各ステージは、導出先の製薬企業等が手がけることになります。
(a) 創薬研究創薬研究の初期段階では、疾患に関連すると想定される遺伝子やタンパク質を標的とし、その標的が創薬の対象として妥当であるか、また有望性があるかを検討します。
基礎研究段階で創薬の標的となりうることが確認されると、その標的に対するハイスループットスクリーニング(HTS)を実施し、一定の基準を満たしたヒット化合物の選出を行います。
そのヒット化合物の中からさらに医薬品になる可能性のある構造を持ったリード化合物(*)の創出研究を行います。
見出されたリード化合物は、試験管内での標的に対する作用や疾患モデル動物での治療効果を評価する薬理試験や毒性試験を通して、リード化合物の化学構造を最適化していきます。
このとき、経口吸収性や体内での安定性などを評価する薬物動態試験も実施し、標的への作用だけでなく薬としての特性も同時に明らかにしていきます。
動物を用いた試験が必要な場合には、動物愛護の観点に配慮しつつ、科学的観点に基づく適正な動物実験等を実施します。
そして、前臨床試験段階に進めるべき医薬品候補化合物を決定します。
(b) 前臨床試験医薬品の臨床試験実施に必要な前臨床試験は、薬理試験、薬物動態試験、安全性試験の3種類に大別されます。
これらの試験のうち、薬機法に基づき、「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令(医薬品GLP(*)省令)」で定められている試験についてはGLP基準で実施します。
前臨床試験の結果を総合的に判断し、選択した医薬品候補化合物を臨床試験に進めるべきか否かを決定します。
(c) 臨床試験(治験)前臨床試験で薬効、安全性と薬物動態が確認された医薬品候補化合物は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP(*)省令)に従い、ヒトに投与して、まずは安全性や薬物動態を評価します。
その後、疾患に対する薬剤の効果を検討していきます。
当社が手掛ける新薬に関する治験は一般的に以下のように実施されます。
フェーズ1試験では、原則として同意を得た少数の健康な被験者に治験薬を投与し、安全性や体内動態を確認します。
当社は、免疫・炎症疾患などがん以外の疾患はフェーズ1試験もしくは前臨床試験まで自社で実施し、それ以前のいずれかの段階で製薬企業等へ導出することを基本方針としています。
抗がん剤の場合は、フェーズ1試験で患者に投与することで、POC(Proof of Concept)を確認できることが多く、このためフェーズ2試験では、フェーズ1試験で決定された投与量の有効性・安全性についての検討が行われます。
当社は、がん領域は最大でこのフェーズ2試験まで自社で実施する方針です。
② 創薬支援事業当社グループは、製薬企業やバイオベンチャー、大学等の各種研究機関を顧客とし、キナーゼ阻害薬の創薬研究において基盤となる技術、いわゆる「創薬基盤技術」に基づく製品及びサービスを提供することで、顧客の創薬活動を支援する創薬支援事業を展開しております。
特に、創薬における研究プロセスの初期段階であるヒット化合物の抽出から前臨床試験の手前までの研究段階(新薬候補となる新規化合物の創製及び絞り込み)に焦点を当てて、キナーゼ阻害薬の研究開発における品質及び信頼性向上ならびにコスト圧縮や期間短縮などの効率化に寄与することを通じて、製薬企業等における新薬の創製に貢献するとともに、当社の自社創薬に係る研究開発資金を自ら捻出し、創薬事業に融通しています。
キナーゼ阻害薬等の新薬の研究開発を行うプロセスは、1)創薬ターゲットの同定、2)スクリーニング及びリード化合物の創出、3)リード化合物の最適化といった段階を経て、前臨床試験ならびにその後の臨床試験へと進みますが、当社グループの創薬支援事業においては、これら1)、2)、3)の段階において必須となる以下の製品及びサービスを提供しております。
a.キナーゼタンパク質b.アッセイ開発c.プロファイリング・スクリーニングサービスd.セルベースアッセイサービスe.その他関連サービス 製薬企業や創薬ベンチャー企業が他社との創薬競争を勝ち抜くためには、他社に先んじて新薬を開発し、医薬品として規制当局の承認を経て上市する必要があります。
創薬のスピード向上を図るためには、外部リソースの積極的な活用が重要であり、製薬企業等は、キナーゼに関する専門的技術を基盤とするアッセイ系構築、プロファイリング・スクリーニング、X線結晶構造解析(*)並びにセルベースアッセイ等のアウトソースを引き続き活用すると考えられます。
また、創薬研究の担い手が創薬ベンチャー企業を中心とする状況のなかで、十分な社内リソースを保有しない企業も多く、これらサービスへの需要は引き続き高いと見込まれます。
当社は創薬基盤技術を駆使し、引き続き、顧客ニーズに合致した付加価値の高い製品・サービスの開発・提供を進め、売上拡大を図ってまいります。
<創薬研究プロセス及び当社グループ創薬支援事業の事業領域> a.キナーゼタンパク質当社グループは、2024年12月末時点で、変異体を含め750種類以上のキナーゼタンパク質を主に製薬企業等に販売しております。
また、表面プラズモン共鳴 (SPR)やバイオレイヤー干渉法 (BLI)といった物質間の相互作用を評価する系(解析機器)で利用可能なビオチン化キナーゼタンパク質(*)についても200種類以上販売しており、品揃えを拡大中です。
少量(5㎍)から大量(mgレベル)まで幅広く供給できる体制を整え、また、既存の品ぞろえにないキナーゼタンパク質についても、顧客の要望に応じて、特注でキナーゼタンパク質の製造・販売を行うなど、顧客ニーズに合致した高品質のキナーゼタンパク質を製造・販売し、売上の拡大を図っております。
b.アッセイ開発・アッセイキット当社グループは、遺伝子クローニングの技術、活性のある/ないキナーゼを発現し抽出する技術、基質(*)探索及びアッセイ系構築に関する各種の知見ならびに技術を蓄積しています。
2003年にヒトゲノムが解読され、これによって簡単にヒトの遺伝子を取得できるようになりましたが、高い活性を有するキナーゼを取得するには、組み換え(リコンビナント)タンパク質の構造、発現細胞の選択及びその培養方法、キナーゼの高純度精製技術などのノウハウが必要です。
キナーゼの活性を測るために必要な基質についても、当社が保有する基質ライブラリーを用い、個々のキナーゼに対応する基質を探索したデータが蓄積されています。
これらの知見により、アッセイプラットフォーム(*)(TR-FRET法(*)、IMAP®(*)等)それぞれに対応したアッセイキットを開発し、当社で製造したキナーゼタンパク質、それに適合した基質、アッセイバッファー(希釈液)及びプロトコル(手順書)を一式にしたキナーゼ活性測定キットとして販売をおこなっております。
その他のキナーゼについても顧客より要望があれば、カスタムでアッセイ系の開発を行うサービスを提供しています。
c-1.プロファイリングサービスリード化合物の最適化段階では、副作用の少ない新規医薬品候補化合物を創製するため、毒性試験等を実施しつつ、標的とする特定のキナーゼのみを選択的に阻害し、阻害すべきでないキナーゼは阻害しない化合物を見つけ出すことが重要となります。
そのため、化合物が多数のキナーゼに対して示す阻害作用を、網羅的かつ迅速に見極める測定方法として、プロファイリングが最適な手法と考えられます。
当社グループは、2025年12月末時点で300を超えるキナーゼ製品についてプロファイリングが可能です。
また、そのうち相当数のキナーゼ製品については、より生体内に近いATP(*)濃度である1mMでのプロファイリングが可能です。
これらの技術を活用し、顧客からお預かりした化合物について、キナーゼに対する阻害率の測定、50%阻害濃度(IC50値)の測定を行い、その結果を報告するサービスを提供しております。
これにより、顧客である製薬企業等は、特定のキナーゼのみを阻害する選択性の高い化合物を見いだすことが可能となります。
また、顧客がプロファイリングを発注するにあたり、キナーゼの選定に迷う場合に備え、QuickScout®パネル(MAPキナーゼカスケードのキナーゼ31種類をあらかじめ選択したプロファイリングパネルなど、複数種類のプロファイリングパネル)も用意しております。
当社グループのサービスを利用することで、顧客は化合物の網羅的なプロファイリングが可能となり、新薬開発に向けた時間とコストを削減することが可能となります。
さらに、強い阻害効果を示すキナーゼ阻害剤(*)の中には、キナーゼへの結合が遅いもの(slow binder)もあることが知られています。
このような化合物を評価する際、アッセイ時のキナーゼ反応の前に化合物と対象キナーゼとのプレインキュベーション(事前にキナーゼと化合物を反応させること)を実施することにより、本来の化合物の阻害活性を算出することが可能となります。
顧客からの要望に基づき、Mobility Shift Assay法(*)で室温でのキナーゼ活性の安定性が確認されたキナーゼ製品について、本サービスを提供しています。
通常の測定では適正な評価が難しいslow binderの評価に有益なサービスです。
当社グループは、プロファイリング及び後述のスクリーニングを行うために、Revvity, Inc.(米国、以下「レビティ社」という)のアッセイ機器(LabChip® EZ Reader)を使用し、自動化を図ることにより効率的なアッセイを行ってまいりましたが、レビティ社は2024年末でLabChip® EZ Readerのサポートを終了しました。
そのため、当社はSCIEX社のBioPhase 8800を代替機として選定し、Mobility Shift Assay法の新しいプロトコルと測定システムの開発に成功し、2024年5月に、BioPhase 8800を用いた新規プロファイリングサービスを開始しました。
これにより、当社は信頼性の高いMobility Shift Assay Systemを使用したキナーゼのアッセイサービスを提供できる唯一の企業となり、既存顧客へ従来と同様のサービス提供を継続するとともに、新規顧客への当該サービスの訴求に注力しております。
加えて、顧客層の拡大を目指し、顧客ニーズの高いアッセイプラットフォームを用いたプロファイリングサービスの開発にも着手しています。
c-2.スクリーニングサービススクリーニングとは、顧客からお預かりした化合物について、当社が構築したアッセイ系を用い、特定のキナーゼに対する阻害活性の有無などの特定の性質を、一度に多数の化合物について評価し、その結果を報告するサービスです。
特に、数十万化合物の中からヒット化合物を探索する過程で用いられる大規模アッセイ(ハイスループットスクリーニング(HTS))を効率的に実施するためには、試薬を混ぜるだけで反応が検出できるホモジニアスなアッセイ系構築のノウハウが必要です。
当社グループは、上記c-1.に記載の通り、2025年12月末時点で、300を超えるキナーゼ製品のアッセイ系を構築しており、これらアッセイ系を用いて顧客からお預かりした化合物の中から、特定のキナーゼに対して阻害活性を示すものを選び出すためのスクリーニングサービスを提供しております。
また、当社のアッセイ系は環境への負荷を考慮して、洗浄・分離の工程を必要とせず且つ放射性同位体を使わないアッセイ系を複数のアッセイプラットフォーム(*)(Mobility shift assay法、TR-FRET法(*)、IMAP®(*)等)で構築し、スクリーニングを実施しております。
d.セルベースアッセイサービス上記のプロファイリング・スクリーニングサービスは、バイオテクノロジー技術を駆使して、細胞内から抽出したキナーゼという酵素の活性(リン酸化)について、キナーゼ阻害薬がどのくらい阻害するかしないかを試験管の中で確認するためのものでありますが、セルベースアッセイサービスは、細胞レベルでのアッセイであり、細胞内に存在するキナーゼが、キナーゼ阻害薬によりどれくらい阻害される/されないか等を確認する評価系です。
より実際の生体内の環境に近いレベルで薬剤の効果を確認することができます。
当社グループは、2024年12月末現在で、下記の自社提供ならびに協力会社の販売代理店となり、下表のセルベースアッセイサービスを提供しております。
サービス提供会社名主なサービスの内容当社Promega Corporation(以下、プロメガ社)が提供するNanoBRET™テクノロジーを用いて細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービス当社相補型スプリットルシフェラーゼ(*)アッセイ技術を用いたGPCR阻害薬研究やタンパク質間相互作用(*)の評価に有効な安定発現細胞株の製造販売ならびにタンパク質間相互作用の評価に利用可能な安定発現細胞株の提供及び受託開発Oncolines B.V.(オランダ、Oncolines社)同社が開発したがん細胞パネルを用いた薬剤評価サービスであるOncolines™ や同サービスの結果に基づく薬剤併用効果を解析するサービスであるSynergyFinder™ 等の提供 これらのセルベースアッセイサービスは、キナーゼ阻害薬の研究が深化するにともない需要が高まり、より安価に、より迅速に、細胞レベルにおいてリン酸化シグナルの状態を解析することを望む顧客において、広く利用されております。
e.その他関連サービス当社グループは2016年8月にSARomics Biostructures AB(スウェーデン、サロミクス社)と販売代理店契約を締結し、サロミクス社が提供するX線結晶構造解析サービス並びに結晶化グレードタンパク質の販売等を行い、当社グループを通じ顧客に提供しております。
③ 同一の創薬基盤技術で顧客の創薬研究の支援と自社の創薬研究を行うことについて当社グループの創薬支援事業は、当社の創薬研究により見出されたキナーゼ阻害薬の創製に係るさまざまな技術、知見、ノウハウの集大成である「創薬基盤技術」を駆使して事業を行っています。
この「創薬基盤技術」は、世界最大クラスのキナーゼコレクション、数万種類のキナーゼフォーカス化合物ライブラリー、高品質な各種アッセイプラットフォーム及びキナーゼプロファイリングパネル等、キナーゼに係る創薬技術により構成されており、長年の創薬研究において培われた当社の重要な財産であります。
この「創薬基盤技術」を当社の創薬研究のみならず、世界の製薬企業、バイオベンチャー及び研究機関に対して提供することにより、画期的な新薬をより早く世に送り届ける一翼を担いたいとの思いから、新薬の創製を自ら行なう創薬事業と同時に他社をサポートする創薬支援事業を行っています。
同時に、創薬支援事業で獲得した資金を創薬事業に融通することにより、創薬事業における創薬研究のスピード化を図ることもその目的としております。
しかしながら、一つの会社の中に自社の知的財産を創造する機能と、他社の知的財産の創造を支援する機能が共存していることは、顧客に対して顧客情報の秘匿性の確保についての懸念を与えかねません。
当社グループは、創薬支援事業が創薬事業と顧客に関する情報を共有することを禁止しております。
また、プロファイリング・スクリーニングサービスの委託契約において、顧客からの委託を受けて行ったプロファイリング・スクリーニングの結果を用いた顧客の研究成果について、全て顧客に帰属する旨の契約を締結するとともに、顧客データへのアクセス権を厳密に設定、管理し、それらへのアクセスログをすべて記録する等、社内において全ての顧客情報の秘匿性に万全を期しており、情報セキュリティ及び管理体制の向上にも常に取り組んでいます。

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合関係内容(連結子会社)CarnaBio USA, Inc.米国マサチューセッツ州1,400千米ドル創薬支援事業創薬事業100%当社の製品・サービスの販売臨床開発業務の委託役員の兼任3名
(注) 1. 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2. CarnaBio USA, Inc. は特定子会社であります。
3. 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4. CarnaBio USA, Inc. は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等① 売上高259,607千円 ② 経常損失27,710千円 ③ 当期純損失28,489千円 ④ 純資産額295,409千円 ⑤ 総資産額323,663千円
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2025年12月31日現在セグメントの名称従業員数(名)創薬事業33[5]創薬支援事業20[6]全社(共通)8[2]合計61[13]
(注) 1. 従業員数は就業人員であります。
2. 従業員数欄の[ ]外書きは、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3. 全社(共通)として記載されている従業員数は、経営管理本部等の従業員であります。

(2) 提出会社の状況2025年12月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)57[13]47.611.67,919 セグメントの名称従業員数(名)創薬事業32[5]創薬支援事業17[6]全社(共通)8[2]合計57[13]
(注) 1. 従業員数は就業人員であります。
2. 従業員数欄の[ ]外書きは、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3. 平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況労働組合が結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略当社は、創薬事業においては、アンメット・メディカル・ニーズの高い未だ有効な治療方法が確立されていない疾患を中心に、特にがん、免疫・炎症疾患を重点領域として画期的な新薬の開発を目指して研究開発に取り組み、また、創薬支援事業においては、新たなキナーゼ阻害薬(*)創製のための製品・サービスを製薬企業等へ提供するため、営業活動に取り組んでおります。
創薬事業は、当社の研究部門が創製した医薬品候補化合物の知的財産権に基づく開発・商業化の権利を製薬会社等に導出(ライセンスアウト)し、その対価として契約一時金、一定の開発段階を達成した際のマイルストーンペイメント収入、新薬の上市後の売上高に応じた販売マイルストーンやロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルです。
また、創薬支援事業は高品質なキナーゼタンパク質製品や正確なプロファイリング(*)・スクリーニングサービス(*)を製薬企業などの研究所へ販売・提供することで、安定的な収入を獲得し、創薬事業における研究開発のスピードアップに寄与しています。
① 創薬事業 当社の創薬研究は、アンメット・メディカル・ニーズが高いがんおよび免疫・炎症疾患を重点領域としており、有望創薬プログラムへ研究リソースを重点的に投入し、創薬の成功確率の向上と研究期間の短縮に努めながら、当社が培ってきたキナーゼ(*)に関する創薬基盤技術などを利用して、新規性の高い画期的な医薬品候補化合物の創出を目指しています。
当社の創薬事業は、製薬企業出身者が中心となって、当社のコア技術であるキナーゼ創薬基盤技術を中心に、様々な創薬標的に対する低分子医薬品の創薬研究を実施しており、次々と独自の新たなパイプラインを生み出すことができることが大きな特長となっています。
また、大学等アカデミアとの共同研究も積極的に推進し、新しいコア技術の開発や新規創薬テーマの発掘のための研究を行なっています。
 当社は、がん領域については最大臨床試験のフェーズ2まで、それ以外の疾患についてはフェーズ1または前臨床試験までのいずれかの段階で当社の創薬プログラムを製薬企業等に導出することを基本方針としております。
導出契約は、導出時の研究開発のステージが高くなるほど収益性が高くなることが見込まれますが、その反面、導出に至るまでの開発リスクは高まり、必要な研究開発費は多額になります。
反対に、前臨床段階など早期に導出することを想定した場合、ヒトに対する臨床データがなく、臨床開発リスクが考慮されるために、導出先製薬企業等から獲得する収益は低くなる可能性があります。
当社が創出した医薬品候補化合物が臨床試験を経て上市する成功確率を高めるためには、臨床開発段階のパイプラインを複数保有することが重要です。
当社は、自社で臨床試験を実施し、創薬パイプラインの価値を最大限に高めたうえで導出することを中期的な経営の基本方針として掲げていますが、競合状況や導出先製薬企業との頻回な面談による情報収集により、当社にとって最大価値を生み出せるよう戦略的かつ臨機応変に導出交渉に取り組んでまいります。
 以上の方針に基づき活動した結果、これまでに複数の製薬企業(ジョンソン・エンド・ジョンソン社、シエラ社、ギリアド社、バイオノバ社、フレッシュ・トラックス・セラピューティクス社)への導出を実現いたしました。
 現在、当社は、臨床開発段階のパイプラインとして、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:慢性リンパ性白血病(CLL)などの血液がん)、BTK阻害剤 sofnobrutinib(AS-0871、対象疾患:免疫・炎症疾患)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がん)の3つのパイプラインを保有しています。
 CLL等の血液がんを対象疾患とするBTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763)については、現在、米国においてフェーズ1b試験を実施しています。
現在までの臨床試験の途中結果及び非臨床試験の結果は、docirbrutinib(AS-1763)の高い安全性と幅広い薬剤耐性変異型BTKに対する効果を示唆しており、既存のBTK阻害薬に対して不耐(副作用により投与継続が困難な状態)の患者及び薬剤耐性の発生により既存のBTK阻害薬が効かなくなった患者の新たな治療の選択肢となることが期待されます。
また、既存のBTK阻害薬市場は2024年時点で約120億ドル*(約1.8兆円、為替レート150円換算)に達しており、非常に大きな市場を形成していることから、docirbrutinib(AS-1763)は、3次治療での早期承認で、ブロックバスター(年間売上1,000億円以上の医薬品)となるポテンシャルを十分に有していると考えており、さらに2次治療、1次治療での承認の可能性も有していると考えております。
着実に臨床試験を進めることによりパイプラインの価値を高め、大型のライセンス契約に繋げてまいりたいと考えております。
本剤については、現時点で、ライセンス契約締結後にパートナー(ライセンス先)によるフェーズ2試験の実施を想定しており、2026年中の契約締結を目指しています。
 新規抗がん剤候補のCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)については、最大フェーズ2試験まで実施して有効性を確認したのちに導出する方針ですが、治験を継続しながらパートナリング活動も行っていく方針です。
本剤については、現在、国内において固形がん、血液がんを対象とするフェーズ1試験を実施しており、さらに、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬としてより効果が期待される3剤併用のフェーズ1b試験(医師主導治験)を計画しております。
本フェーズ1b試験は、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、白血病科のDr. Abhishek Maitiを責任医師とする医師主導治験(IIT)としての実施を目指しており、現在、Clinical Trial Agreement(CTA)の締結並びに試験開始に向けた準備を進めています。
 また、探索段階にある創薬プログラムにつきましても、画期的な新薬創製を目指し、早期ステージアップを目指して研究を推進いたします。
② 創薬支援事業当社の創薬支援事業は、当社の創薬基盤技術に基づくキナーゼ関連製品およびサービスの高い品質を強みとし、その創薬基盤技術を基にして顧客の要望に的確に応える学術サポートを通じて、世界的なシェアを拡大し、安定的な収益を獲得することを基本方針としています。
この獲得した収益を創薬事業に投じることで研究開発のスピードアップに寄与することが、創薬支援事業の重要なミッションです。
地域別には、市場規模が大きくバイオベンチャーが次々誕生する北米での売上増、また、CROや製薬企業が成長し、底堅い市場が形成された中国での売上拡大が重要と考えており、引き続き注力してまいります。
製品別では、当社が品ぞろえや品質において圧倒的な競争優位性を有し、マーケットポテンシャルの高いビオチン化タンパク質の品ぞろえをさらに強化してまいります。
また、2025年下半期には、顧客の利便性向上を目的として、タンパク質を用いた実験(アッセイ)に不可欠な試薬(アッセイバッファー、基質)の販売を開始するとともに、当社ホームページ上に、実験系の立ち上げをサポートする情報をまとめた「キナーゼアッセイサポートポータル」を公開しました。
同ポータルは、日本語、英語に加え、著しく拡大した中国市場への訴求のため、中国語においても公開しており、今後さらに情報を拡充する予定です。
これらの試薬及び情報を活用することで、顧客は限られたリソースの中でも、当社タンパク質製品を用いて、簡便かつ効率的に、かつ迅速に信頼性の高い実験系を構築することが可能となり、当社製品のさらなる利用促進が期待されます。
プロファイリング・サービスにおいては、再現性・正確性を備えた信頼性の高いデータを継続して提供することを方針としております。
当社のみが提供している、信頼性の高いMobility Shift Assay System を用いたプロファイリングサービスに加え、顧客層の拡大を目指し、顧客ニーズの高いアッセイプラットフォームを用いたプロファイリングサービスの開発にも着手しています。
さらに、近年では、信頼度の高いプロファイリングデータを創薬プロセス上必要とするAI創薬企業からの受注が売上に貢献しており、2025年末には新規案件を獲得しております。
今後も引き続き、AI創薬企業からの受注拡大を目指してまいります。
また、タンパク質販売、プロファイリングサービスともに、顧客の多様なニーズに精度高く対応した特注製品の開発や特注試験の受注を積極的に行っています。
特注タンパク質の開発からアッセイまで一貫したサービスの提供も行っており、キナーゼにおける高度な技術力を生かした高付加価値のサービスを提供しています。
また、プロメガ社のNanoBRETTMテクノロジーを用いて細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービスについても、継続して市場への浸透に取り組んでまいります。
これら新製品、サービスを顧客に積極的に提案するとともに、顧客ニーズに合致した新製品、サービスをさらに開発し提供することで売上の拡大に取り組んでまいります。
以上の取り組みを通して、創薬ベンチャーとして飛躍的な成長を実現し、当社の企業価値を高めていく方針です。
③ 目標とする経営指標創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高、営業利益率の改善を重要な経営指標としております。
当連結会計年度においては、タンパク質販売は前年並みで推移したものの、前年に米国及び欧州の大口顧客において研究テーマやプロジェクトが進展したことに伴い需要が減少し、一昨年と比較すると低迷いたしました。
また、プロファイリングサービスおよびセルベースアッセイサービスも低迷したことから、その結果、前年に引き続き、創薬支援事業において、営業損失を計上いたしました。
現在、利益率の高い内製の製品・サービスであるタンパク質販売やプロファイリングサービスを中心に売上拡大を図るべく、前項「②創薬支援事業」で示した取り組みを進めております。
これにより、売上高の拡大、営業利益の確保および営業利益率の改善に取り組んでまいります。
創薬事業については、医薬品候補化合物の導出後の安定的な収益を獲得するまでに相応の期間を要するため、短期的な経営指標で業績評価を行うことは適切ではありません。
研究開発中の創薬パイプラインの進捗、導出先からのマイルストーン収入、上市後のロイヤリティの安定的な獲得が中期的な目標となります。

(2) 対処すべき課題当社は創薬ベンチャーとして、画期的な新薬を一日も早く世に送り出すことを目指して事業を行っております。
当社の事業価値を拡大するために、創薬パイプラインの研究開発を着実に進め、導出に繋げることを最優先の課題と考えております。
現在、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:慢性リンパ性白血病(CLL)などの血液がん)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がん)のフェーズ1臨床試験を実施しており、臨床試験関連費用を中心に多額の先行投資を必要としております。
翌連結会計年度以降に必要となる臨床試験実施のための費用と今後の資金計画を検討した結果、翌連結会計年度以降に先行投資として実施する研究開発に必要な資金が当連結会計年度末時点の手許資金では十分でない可能性があることから、当連結会計年度末において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在していると判断しております。
当社は、当該状況を解消し、事業価値の拡大を目指して、以下の課題に取り組んでおります。
① 開発段階のパイプラインの臨床試験の推進並びにライセンス契約締結による導出一時金及びマイルストーン収入の獲得当社は、開発段階の創薬パイプラインとして、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:CLLなどの血液がん)、BTK阻害剤 sofnobrutinib (AS-0871、対象疾患:免疫・炎症疾患)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がん)を保有しております。
BTK阻害剤 docirbrutinib については、CLLを含む成熟B細胞腫瘍(血液がんの一種)の治療を目的として開発しており、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科教授 Nitin Jain医師を治験主導医師として、米国においてフェーズ1b試験を実施中です。
また、CDC7阻害剤 monzosertib については、固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がんを対象とするフェーズ1試験を日本で実施しており、さらに、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬としてより効果が期待される3剤併用のフェーズ1b試験(医師主導治験)を計画しております。
本フェーズ1b試験は、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、白血病科のDr. Abhishek Maitiを責任医師とする医師主導治験(IIT)としての実施を目指しており、現在、Clinical Trial Agreement(CTA)の締結並びに試験開始に向けた準備を進めています。
当社の事業価値を高めるために、これらの臨床試験を着実に進めていくことが最も重要であると認識しております。
なかでも、docirbrutinibは、現在までの非臨床試験の結果及び臨床試験の途中結果において、ブロックバスター(年間売上1,000億円以上の医薬品)となるポテンシャルを十分に有していると考えており、着実に臨床試験を進めることによりパイプラインの価値を高め、大型のライセンス契約に繋げてまいりたいと考えております。
docirbrutinibは、現時点で、ライセンス契約締結後にパートナー(ライセンス先)によるフェーズ2試験の実施を想定しており、2026年中の契約締結を目指しています。
monzosertibについては、最大でフェーズ2試験まで実施して有効性を確認したのちに導出する方針です。
また、BTK阻害剤 sofnobrutinib(AS-0871、免疫・炎症疾患対象)については、フェーズ1試験を完了しており、フェーズ2試験以降はライセンス契約の締結または共同開発先との提携により実施することを目指して、パートナリング活動を推進しております。
当社は、これらのパイプラインについて新たなライセンス契約の締結に注力しており、導出一時金の獲得に努めてまいります。
② 創薬支援事業における営業キャッシュ・フローによる資金確保創薬支援事業では、キナーゼに関する深い専門知識を生かした技術営業を中心に、品質の高い製品・サービスの訴求や既存顧客に対するきめ細やかなフォローを継続しています。
また、新規顧客の発掘、獲得に注力しており、特に多くのメガファーマ、バイオベンチャーが集積している米国において、新規顧客へのリーチを重点的に進めています。
さらに、当社製品・サービスの認知度向上および高品質であることの訴求を目的として、Webサイトや各種デジタルプラットフォームを活用した情報発信や、学会への積極的な参加などの広報活動を強化していく計画です。
製品別では、収益の主力であるタンパク質に関して、当社が品ぞろえや品質において圧倒的な競争優位性を有し、マーケットポテンシャルの高いビオチン化タンパク質の品ぞろえを強化しています。
また、当社タンパク質製品の利用促進のため、顧客において、当社タンパク質製品を使用し迅速に信頼性の高い実験系の立ち上げを行うことができるように、実験に不可欠な試薬の販売を開始するとともに、当社ホームページ上に、実験系の立ち上げをサポートする情報をまとめた「キナーゼアッセイサポートポータル」を公開しました。
同ポータルは、日本語、英語に加え、大規模に成長した中国市場への訴求のため、中国語においても公開しており、今後さらに情報の拡充を図る予定です。
プロファイリング・サービスにおいては、再現性・正確性を備えた信頼性の高いデータを継続して提供することを方針としております。
当社のみが提供している、信頼性の高いMobility Shift Assay System を用いたプロファイリングサービスに加え、顧客層の拡大を目指し、顧客ニーズの高いアッセイプラットフォームを用いたプロファイリングサービスの開発にも着手しています。
さらに、信頼性の高いプロファイリングデータはAI創薬において不可欠であり、大量の一括需要が見込まれることから、AI創薬企業からの受注拡大を目指してまいります。
さらに、タンパク質販売、プロファイリング・サービスともに、顧客の多様なニーズに精度高く対応した特注製品の開発や特注試験の受注を積極的に行っております。
以上のとおり、キナーゼに関する深い専門知識を生かし、品質の高いキナーゼ関連の製品サービスの訴求、きめ細やかな営業サポートを継続するとともに、新規顧客の獲得に注力し、売上の拡大に取り組み、資金確保に努めてまいります。
③ 新たな資金調達の実施当社は、前述のとおり、パイプラインの導出による契約一時金の獲得および創薬支援事業による営業キャッシュ・フローによる資金確保に努めてまいります。
さらに、先行投資として実施する研究開発は資金の状況を勘案しながら実施してまいります。
また、当社は、2026年1月29日に、以下の内容の無担保普通社債(以下「本社債」)、行使価額修正条項付新株予約権(以下「本新株予約権」)及び新株式(以下「本新株式」)の発行による資金調達(以下「本資金調達」)の実施を決議し、2026年2月17日に予定どおり本社債、本新株予約権および本新株式を発行いたしました。
2024年及び2025年においては、臨床開発費用に必要な資金を随時調達する方針のもと、第三者割当増資及び新株予約権付社債の割当により、小規模な資金調達を複数回実施いたしました。
一方で、docirbrutinib(AS-1763)の臨床試験関連費用を中心に多額の投資が継続しており、2026年においても引き続きdocirbrutinib(AS-1763)及びmonzosertib(AS-0141)の開発費用を中心とした創薬研究開発に、継続的かつ安定した投資が必要です。
また、当連結会計年度末において保有する現金及び預金は516百万円であり、今後の資金推移を考慮すると、財務基盤の強化を図る必要があると判断し、今般、大規模な資金調達を実施することといたしました。
本社債の概要名称カルナバイオサイエンス株式会社第2回無担保普通社債社債の総額1,850,000,000円払込期日2026年2月17日償還期日2028年2月17日利率年率0%発行価額額面100円につき金92.5円償還価額額面100円につき金100円 (注)本社債の償還には、本新株予約権の行使による調達金額を充当する予定です。
本新株予約権の概要名称docirbrutinib(AS-1763)開発促進新株予約権割当日2026年2月17日新株予約権の総数76,983個(新株予約権1個につき100株)発行価額総額15,011,685円(新株予約権1個につき195円)当該発行による潜在株式数7,698,300株(本新株予約権1個につき100株)調達資金の額総額3,015,039,195円(注1)調達資金の額は、本新株予約権の発行価額の総額と、当初行使価額に基づき全ての本新株予約権が行使されたと仮定して算出された行使価額の合計額です。
本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合及び当社が取得した新株予約権を消却した場合には、調達資金の額は減少します。
(注2)本新株予約権の行使価額は行使時点における当社普通株式の株価水準に連動して修正されるため、調達資金の額は変動いたします。
行使価額当初行使価額は389.7円とします。
2026年2月19日(同日を含む。
)以後、本新株予約権の各行使請求の通知が行われた日(以下「修正日」といいます。
)の属する週の前週の最終取引日(以下「修正基準日」といいます。
)の東証における当社普通株式の普通取引の終値(同日に終値がない場合には、その直前の終値)の90%に相当する金額の0.1円未満の端数を切り上げた金額(以下「修正基準日価額」といいます。
)が、当該修正基準日の直前に有効な行使価額を0.1円以上上回る場合又は下回る場合には、行使価額は、当該修正日以降、当該修正基準日価額に修正されます(修正後の行使価額を以下「修正後行使価額」といいます。
)。
但し、かかる算出の結果、修正後行使価額が下限行使価額である216.5円を下回る場合には、修正後行使価額は下限行使価額とします。
本新株予約権の行使期間2026年2月18日から2028年2月17日までの期間 本新株式の概要払込期日2026年2月17日発行新株式数46,200株発行価額1株につき金433円払込金額の総額20,004,600円募集又は割当て方法(割当予定先)当社代表取締役社長 吉野公一郎氏 に対して第三者割当の方法によって割り当てます。
また、本資金調達に関する決議に併せて、第1回新株予約権付社債の買入消却(以下「本買入消却」)を決議しており、2026年2月17日に予定どおり本買入消却を実施いたしました。
なお、本買入消却費用については、本社債の払込金額を充当しております。
本買入消却の内容社債の名称カルナバイオサイエンス株式会社第1回無担保転換社債型新株予約権付社債買入消却実施日2026年2月17日買入消却の対象及び買入価額第1回新株予約権付社債の全部(250,000,000円)額面100円につき100円 本社債、本新株予約権及び本新株式の発行並びに本買入消却の実施日(2026年2月17日)において、1,496百万円(本社債及び本新株予約権の発行価額の総額並びに本新株式の払込金額の総額から、本買入消却費用を控除後の金額)を実質的に調達し、当面の必要資金を確保いたしました。
しかしながら、株価動向により本新株予約権による調達金額が想定を下回った場合には、docirbrutinibの臨床試験関連費用を中心に、多額の投資を必要としていることから、資金が不足する可能性があり、その場合には、必要に応じて新たな資金調達を検討してまいります。
以上のとおり、当社は上記課題に取り組みますが、現時点において、これらの取り組みによる資金流入は確定しているものを除き未確定であるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと判断しております。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方、取り組み状況は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、創薬事業において画期的な医薬品の研究開発を推進し、また、創薬支援事業においては、製薬企業等の医薬品の開発をサポートするため、キナーゼを中心とした製品、サービスを販売提供しております。
創薬事業においては、アンメットメディカルニーズの高いがん領域及び免疫・炎症疾患領域に重点をおき、経口投与可能な低分子医薬品を開発しています。
当社グループは、医薬品の開発或いは医薬品の開発のサポート事業を通して、新薬により人が病気を克服することを目指し、サステナビリティ(持続可能な社会の実現)に貢献してまいります。
(1)ガバナンス及びリスク管理当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他の経営上のリスク及び機会の一部として監視及び管理しております。
詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい。

(2)戦略、指標及び目標当社は、事業の性質上、高度な専門的知識、能力及び経験を有する人材の維持確保が不可欠であると認識しており、重要なサステナビリティ項目として認識しております。
優秀な人材を確保するために、その専門能力、経験等を踏まえた上で、性別、年齢、国籍等にとらわれることなく、多様な人材を受け入れる採用活動を行っております。
また、採用後においても、属性による区別は設けず、公平な人事活動を実施しております。
さらに、基本的な人事施策を確実に実施するとともに、社員がワークライフバランスを実現しやすくするために、フレックスタイム制度、法定を超える育児・介護短時間勤務制度、各種特別休暇制度等を導入しております。
また、インセンティブ報酬として譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。
なお、当社は、性別、年齢、国籍等にかかわらず、その能力、経験等を重視し採用活動、人事活動を実施しているため、現時点において、人材に関する定量的な目標値の設定は行っておりません。
指標や目標の設定要否について、継続して検討してまいります。
なお、従業員に占める女性の割合(2025年末時点・連結ベース)は、62%です。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 創薬事業に関するリスク① 医薬品の開発全般に係るリスク新薬の研究開発には長い期間と多額の研究開発投資を必要としますが、上市(*)までの期間において有効性や安全性などの観点から開発中止や延期となるリスクがあります。
また、医薬品候補化合物の治験、新薬の製造・販売は各国の薬事関連法等の法的規制を受けており、新薬の上市のためには各国の規制当局による厳格な審査を経て、製造・販売の承認を得る必要があり、承認が得られないリスクまたは予定していた時期に上市できないリスクがあります。
これは、当社がパイプラインを導出した場合も同様であり、研究開発投資を回収できず、予定していた収入を得られないことで、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 導出したパイプラインに関するリスク当社が製薬企業等に導出した創薬パイプラインは、導出先企業が研究開発を実施し、当社はその開発の進捗に応じたマイルストーン収入を導出先企業から受領し、上市後は当該医薬品の売上高に応じたロイヤリティ収入を計上します。
しかし、医薬品候補化合物の研究開発に係る一般的なリスクに加え、導出先企業の経営戦略の変更により、開発スケジュールが変更になった場合、または開発が中断された場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 導出計画に関するリスク当社が創製した医薬品候補化合物の製薬企業等との導出交渉において、交渉相手先企業等の経営方針、研究開発方針の変更等により導出交渉が困難になる可能性があります。
また、導出交渉を行っている医薬品候補化合物と同等性能以上の競合品が他社より創製された場合は、導出交渉が困難になる可能性があります。
導出交渉の過程において、医薬品候補化合物に対する交渉相手先の評価が想定を下回る場合は、導出スケジュール及び導出交渉の成否に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 創薬支援事業に関するリスク① キナーゼ阻害薬に係る製品・サービスに特化するリスク当社グループの創薬支援事業は、主としてキナーゼ(*)タンパク質に関する製品、サービスを提供しているため、キナーゼ阻害薬(*)の研究開発を進める製薬企業等の減少により、当社グループの事業方針の変更を余儀なくされる可能性、または当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの予想どおり製薬企業等によるキナーゼ阻害薬の研究開発に関連したアウトソースの市場が拡大しない場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 製薬企業の研究部門を顧客とするリスク当社グループは製薬企業の研究部門を主要な顧客としております。
製薬企業の創薬研究(*)は、秘匿性が高く、その進捗により研究テーマ自体の変更が起こり得るなど不確定要素が多いため、当該進捗状況により、予定通り当社グループに対しての発注が行われない可能性があり、その場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ サプライヤー等に影響されるリスク当社がプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスを提供するために使用する測定機器の安定稼動ならびに使用するチップ等消耗品の購入に支障が生じる場合、または、当社がNanoBRET™テクノロジーを用いた細胞内でのキナーゼ阻害剤の作用を評価する受託試験サービスを提供するにあたり使用するプロメガ社のアッセイキットの購入に支障が生じる場合などは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社は、レビティ社のLabChip® EZ Readerを測定機器として、プロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスを実施しておりましたが、レビティ社は、LabChip® EZ Readerのサポートを2024年末で終了しました。
そのため、当社はSCIEX社のBioPhase 8800を代替機とする測定システムの開発を進め、2024年5月にBioPhase 8800を用いたサービスを開始しました。
④ 提携先の製品・サービスに関するリスク当社グループは、提携先である海外のOncolines社、SARomics社、IniXium社及びAssayQuant社の製品・サービスを代理店として特定地域に提供しておりますが、提携先の事情及び当社グループとの関係の変化等により取り扱うことができなくなった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 資金調達について① 損失計上の見通しと資金の確保について当社はこれまでにない画期的な新薬を創製する創薬ベンチャーとして、非臨床・臨床試験費用をはじめとする多額の研究開発資金を、中長期的に先行投資するビジネスモデルとなっております。
そのため、当面、損失の計上が継続する可能性があり、資金の確保が課題であります。
当社は各事業におけるキャッシュ・フロー獲得のみならず、公募増資、新株および新株予約権の第三者割当等によって資金調達を行ってまいりました。
今後も、資金調達についてその最適な方法やタイミング等を適宜検討してまいりますが、必要な資金調達を円滑に実施できない場合には、当社グループの事業が計画通りに進捗しない、あるいは事業継続が困難となる可能性があります。
② 資金調達による株式価値の希薄化について当社は、創薬パイプラインの創製、開発のために多額の研究開発資金を先行投資するビジネスモデルとなっております。
当該研究開発資金には、創薬支援事業及び創薬事業における収入を充当してまいりますが、不足する場合には、必要に応じて、新株発行等による資金調達を実施する可能性があります。
その場合には、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(4) 継続企業の前提に関する事項当社は、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:慢性リンパ性白血病(CLL)などの血液がん)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がん)のフェーズ1臨床試験を実施しており、臨床試験関連費用を中心に多額の先行投資を必要としております。
翌連結会計年度以降に必要となる臨床試験実施のための費用と今後の資金計画を検討した結果、翌連結会計年度以降に先行投資として実施する研究開発に必要な資金が当連結会計年度末時点の手許資金では十分でない可能性があることから、当連結会計年度末において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在していると判断しております。
当社は、当該状況を解消するため、以下の課題に取り組んでおります。
① 開発段階のパイプラインの臨床試験の推進並びにライセンス契約締結による導出一時金及びマイルストーン収入の獲得当社は、開発段階の創薬パイプラインとして、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:CLLなどの血液がん)、BTK阻害剤 sofnobrutinib (AS-0871、対象疾患:免疫・炎症疾患)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がん)を保有しております。
BTK阻害剤 docirbrutinib については、CLLを含む成熟B細胞腫瘍(血液がんの一種)の治療を目的として開発しており、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科教授 Nitin Jain医師を治験主導医師として、米国においてフェーズ1b試験を実施中です。
また、CDC7阻害剤 monzosertib については、固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がんを対象とするフェーズ1試験を日本で実施しており、さらに、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬としてより効果が期待される3剤併用のフェーズ1b試験(医師主導治験)を計画しております。
本フェーズ1b試験は、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、白血病科のDr. Abhishek Maitiを責任医師とする医師主導治験(IIT)としての実施を目指しており、現在、Clinical Trial Agreement(CTA)の締結並びに試験開始に向けた準備を進めています。
当社の事業価値を高めるために、これらの臨床試験を着実に進めていくことが最も重要であると認識しております。
なかでも、docirbrutinibは、現在までの非臨床試験の結果及び臨床試験の途中結果において、ブロックバスター(年間売上1,000億円以上の医薬品)となるポテンシャルを十分に有していると考えており、着実に臨床試験を進めることによりパイプラインの価値を高め、大型のライセンス契約に繋げてまいりたいと考えております。
docirbrutinibは、現時点で、ライセンス契約締結後にパートナー(ライセンス先)によるフェーズ2試験の実施を想定しており、2026年中の契約締結を目指しています。
monzosertibについては、最大でフェーズ2試験まで実施して有効性を確認したのちに導出する方針です。
また、BTK阻害剤 sofnobrutinib(AS-0871、免疫・炎症疾患対象)については、フェーズ1試験を完了しており、フェーズ2試験以降はライセンス契約の締結または共同開発先との提携により実施することを目指して、パートナリング活動を推進しております。
当社は、これらのパイプラインについて新たなライセンス契約の締結に注力しており、導出一時金の獲得に努めてまいります。
② 創薬支援事業における営業キャッシュ・フローによる資金確保創薬支援事業では、キナーゼに関する深い専門知識を生かした技術営業を中心に、品質の高い製品・サービスの訴求や既存顧客に対するきめ細やかなフォローを継続しています。
また、新規顧客の発掘、獲得に注力しており、特に多くのメガファーマ、バイオベンチャーが集積している米国において、新規顧客へのリーチを重点的に進めています。
さらに、当社製品・サービスの認知度向上および高品質であることの訴求を目的として、Webサイトや各種デジタルプラットフォームを活用した情報発信や、学会への積極的な参加などの広報活動を強化していく計画です。
製品別では、収益の主力であるタンパク質に関して、当社が品ぞろえや品質において圧倒的な競争優位性を有し、マーケットポテンシャルの高いビオチン化タンパク質の品ぞろえを強化しています。
また、当社タンパク質製品の利用促進のため、顧客において、当社タンパク質製品を使用し迅速に信頼性の高い実験系の立ち上げを行うことができるように、実験に不可欠な試薬の販売を開始するとともに、当社ホームページ上に、実験系の立ち上げをサポートする情報をまとめた「キナーゼアッセイサポートポータル」を公開しました。
同ポータルは、日本語、英語に加え、大規模に成長した中国市場への訴求のため、中国語においても公開しており、今後さらに情報の拡充を図る予定です。
プロファイリング・サービスにおいては、再現性・正確性を備えた信頼性の高いデータを継続して提供することを方針としております。
当社のみが提供している、信頼性の高いMobility Shift Assay System を用いたプロファイリングサービスに加え、顧客層の拡大を目指し、顧客ニーズの高いアッセイプラットフォームを用いたプロファイリングサービスの開発にも着手しています。
さらに、信頼性の高いプロファイリングデータはAI創薬において不可欠であり、大量の一括需要が見込まれることから、AI創薬企業からの受注拡大を目指してまいります。
さらに、タンパク質販売、プロファイリング・サービスともに、顧客の多様なニーズに精度高く対応した特注製品の開発や特注試験の受注を積極的に行っております。
以上のとおり、キナーゼに関する深い専門知識を生かし、品質の高いキナーゼ関連の製品サービスの訴求、きめ細やかな営業サポートを継続するとともに、新規顧客の獲得に注力し、売上の拡大に取り組み、資金確保に努めてまいります。
③ 新たな資金調達の実施当社は、前述のとおり、パイプラインの導出による契約一時金の獲得および創薬支援事業による営業キャッシュ・フローによる資金確保に努めてまいります。
さらに、先行投資として実施する研究開発は資金の状況を勘案しながら実施してまいります。
また、当社は、2026年1月29日に、以下の内容の無担保普通社債(以下「本社債」)、行使価額修正条項付新株予約権(以下「本新株予約権」)及び新株式(以下「本新株式」)の発行による資金調達(以下「本資金調達」)の実施を決議し、2026年2月17日に予定どおり本社債、本新株予約権および本新株式を発行いたしました。
2024年及び2025年においては、臨床開発費用に必要な資金を随時調達する方針のもと、第三者割当増資及び新株予約権付社債の割当により、小規模な資金調達を複数回実施いたしました。
一方で、docirbrutinib(AS-1763)の臨床試験関連費用を中心に多額の投資が継続しており、2026年においても引き続きdocirbrutinib(AS-1763)及びmonzosertib(AS-0141)の開発費用を中心とした創薬研究開発に、継続的かつ安定した投資が必要です。
また、当連結会計年度末において保有する現金及び預金は516百万円であり、今後の資金推移を考慮すると、財務基盤の強化を図る必要があると判断し、今般、大規模な資金調達を実施することといたしました。
本社債の概要名称カルナバイオサイエンス株式会社第2回無担保普通社債社債の総額1,850,000,000円払込期日2026年2月17日償還期日2028年2月17日利率年率0%発行価額額面100円につき金92.5円償還価額額面100円につき金100円 (注)本社債の償還には、本新株予約権の行使による調達金額を充当する予定です。
本新株予約権の概要名称docirbrutinib(AS-1763)開発促進新株予約権割当日2026年2月17日新株予約権の総数76,983個(新株予約権1個につき100株)発行価額総額15,011,685円(新株予約権1個につき195円)当該発行による潜在株式数7,698,300株(本新株予約権1個につき100株)調達資金の額総額3,015,039,195円(注1)調達資金の額は、本新株予約権の発行価額の総額と、当初行使価額に基づき全ての本新株予約権が行使されたと仮定して算出された行使価額の合計額です。
本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合及び当社が取得した新株予約権を消却した場合には、調達資金の額は減少します。
(注2)本新株予約権の行使価額は行使時点における当社普通株式の株価水準に連動して修正されるため、調達資金の額は変動いたします。
行使価額当初行使価額は389.7円とします。
2026年2月19日(同日を含む。
)以後、本新株予約権の各行使請求の通知が行われた日(以下「修正日」といいます。
)の属する週の前週の最終取引日(以下「修正基準日」といいます。
)の東証における当社普通株式の普通取引の終値(同日に終値がない場合には、その直前の終値)の90%に相当する金額の0.1円未満の端数を切り上げた金額(以下「修正基準日価額」といいます。
)が、当該修正基準日の直前に有効な行使価額を0.1円以上上回る場合又は下回る場合には、行使価額は、当該修正日以降、当該修正基準日価額に修正されます(修正後の行使価額を以下「修正後行使価額」といいます。
)。
但し、かかる算出の結果、修正後行使価額が下限行使価額である216.5円を下回る場合には、修正後行使価額は下限行使価額とします。
本新株予約権の行使期間2026年2月18日から2028年2月17日までの期間 本新株式の概要払込期日2026年2月17日発行新株式数46,200株発行価額1株につき金433円払込金額の総額20,004,600円募集又は割当て方法(割当予定先)当社代表取締役社長 吉野公一郎氏 に対して第三者割当の方法によって割り当てます。
また、本資金調達に関する決議に併せて、第1回新株予約権付社債の買入消却(以下「本買入消却」)を決議しており、2026年2月17日に予定どおり本買入消却を実施いたしました。
なお、本買入消却費用については、本社債の払込金額を充当しております。
本買入消却の内容社債の名称カルナバイオサイエンス株式会社第1回無担保転換社債型新株予約権付社債買入消却実施日2026年2月17日買入消却の対象及び買入価額第1回新株予約権付社債の全部(250,000,000円)額面100円につき100円 本社債、本新株予約権及び本新株式の発行並びに本買入消却の実施日(2026年2月17日)において、1,496百万円(本社債及び本新株予約権の発行価額の総額並びに本新株式の払込金額の総額から、本買入消却費用を控除後の金額)を実質的に調達し、当面の必要資金を確保いたしました。
しかしながら、株価動向により本新株予約権による調達金額が想定を下回った場合には、docirbrutinibの臨床試験関連費用を中心に、多額の投資を必要としていることから、資金が不足する可能性があり、その場合には、必要に応じて新たな資金調達を検討してまいります。
以上のとおり、当社は上記課題に取り組みますが、現時点において、これらの取り組みによる資金流入は確定しているものを除き未確定であるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと判断しております。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
(5) 組織体制について当社は限られた人材により業務執行を行っておりますが、取締役及び従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分があることから、当該者の退職等により当社グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替変動リスクについて当社グループは、日米欧の製薬企業等を顧客とするグローバルな販売及び導出活動を展開しており、総売上高に対する海外売上高の割合は2024年12月期は68.8%、2025年12月期は70.8%と高くなっております。
また、臨床試験に関わる業務を海外の医薬品開発製造受託機関(CDMO)および医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しております。
こうした売上および費用は、米ドルやユーロ等の外貨で計上されることになり、大幅な為替相場の変動があった場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 知的財産権について① 創薬事業における知財リスク当社グループが創製した医薬品候補化合物について、第三者によってすでに特許出願されている等の理由により当社グループの想定どおりに特許が取得できない場合、又は第三者より特許侵害があるとして訴訟を提起された場合は、当社グループの事業方針及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 創薬支援事業における知財リスク当社グループの保有する多くの技術的ノウハウが、技術革新等により陳腐化した場合、また、第三者によって技術的ノウハウが先行的に特許出願され、権利化された場合は、当社グループが保有する技術の優位性が損なわれ、創薬支援事業の業績に影響が生じる可能性があります。
③ 特許に関わる訴訟リスク創薬支援事業に関し、当社グループが販売したキナーゼタンパク質、アッセイ(*)用キット等の製品、もしくは、当社グループが提供したプロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベースアッセイ(*)サービス等の中に、第三者が特許を保有するキナーゼや技術等があった場合、特許侵害訴訟を提起され、当該製品の販売差止や当該サービスの提供禁止のほか、多額の賠償金の支払いを求められる可能性があります。
(8) その他のリスク① 事業所の一極集中について当社グループは、本社機能及び研究開発機能を神戸市のポートアイランドにある神戸バイオメディカルセンター(BMA)内に構えております。
BMAは1995年の阪神淡路大震災の教訓をもとに2004年に建設されたビルディングで、十分な耐震性、防火体制、自家発電機能を備え、24時間の警備体制が取られています。
当社グループのビジネスの鍵になるキナーゼ遺伝子すべてについては、それらが失われることがないよう、BMA内の異なる部屋で二重に保管されているとともに、一部の重要な生物資源については別地方の保管サービスを利用し、バックアップ体制を整えております。
また、ビジネスに必要な機器及び装置等については、損害保険がかけられております。
さらに、緊急時に被害を最小限にすべく対応できるよう社内の緊急連絡体制を整えています。
また、キナーゼタンパク質製品の在庫を米国子会社であるCarnaBio USA, Inc.に分散させる対策をとっております。
しかしながら、大規模な地震、台風や風水害その他の自然災害等の発生により、本社機能及び研究開発機能が同時に災害等の甚大な被害を受けた場合は、当社グループの研究開発設備等の損壊あるいは事業活動の停滞によって、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループの設備に関わる長時間の停電等による業務遅滞及び製品への影響について当社グループが創薬支援事業の営業・物流拠点及び研究開発機能を有する神戸市において、長時間の停電等によりキナーゼタンパク質(*)の製造及び保管ならびに化合物(*)の評価設備の稼動等を中断する事象が発生した場合は、キナーゼタンパク質を保管している冷凍庫が停止し、これに伴うキナーゼタンパク質の失活(活性を失う)等により製品として出荷できないことが考えられます。
当社はこの対策として、キナーゼタンパク質製品の在庫を米国子会社であるCarnaBio USA, Inc.に分散して保管しております。
また、長時間の停電は、化合物の評価設備(測定機器、分注機器等)の稼動を止めることから、顧客へのサービス提供の遅延を招く恐れがあります。
このような事態が発生した場合は、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社グループの技術の情報漏洩について当社グループが保有するキナーゼタンパク質の製造技術やアッセイ開発に関する技術等は、何らかの理由により人材の流出が起こった場合は技術情報等が流出する可能性があり、製品開発や製造に影響を及ぼす可能性があります。
また、人材の流出により、社外へノウハウが流出した場合は、当社グループの製品等の模倣製品が出現する可能性も考えられます。
これらのことにより、万一当社グループの技術的な優位性が維持できなくなった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 営業機密の漏洩について当社グループが行う創薬支援事業におけるプロファイリング・スクリーニングサービスおよびセルベースアッセイサービスは、顧客である製薬企業等から化合物(*)の情報をお預かりする立場にあります。
従って、当社グループは、すべての従業員との間において顧客情報を含む機密情報に係る秘密保持契約を締結しており、さらに退職後も個別に同契約を締結して、顧客情報を含む機密情報の漏洩の未然防止に努めております。
しかしながら、万一顧客の情報等が外部に漏洩した場合は、信用低下を招き、当社グループの経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 創薬研究と創薬支援事業を同時に行うことで制約を受ける可能性について当社グループのプロファイリング・スクリーニングサービスおよびセルベースアッセイサービスの提供を望む顧客(製薬企業等)が当該サービスに係る契約を締結する際、当社グループが自ら創薬研究を行っていることが、顧客にとって顧客情報の秘匿性確保についての懸念材料となる可能性があります。
その場合、顧客との契約条件に制約事項が増え、その結果、当該サービスの採算性の悪化、又は事業別に分社せざるを得ない等の影響を受ける可能性が考えられます。
その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当社は、創薬事業においてはアンメット・メディカル・ニーズの高い未だ有効な治療方法が確立されていない疾患を中心に、特にがん、免疫・炎症疾患を重点領域として画期的な新薬の開発を目指して研究開発に取り組み、また、創薬支援事業においては新たなキナーゼ阻害薬創製のための製品・サービスを製薬企業等へ提供するため営業活動に取り組んでおります。
当連結会計年度のセグメント別の事業活動は以下のとおりです。
①創薬事業創薬事業においては、がん領域でベストインクラスの可能性を有する次世代非共有結合型BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763)に注力し、現在、患者を対象とした臨床試験を米国で実施しています。
docirbrutinibは、現在までの非臨床試験の結果及び臨床試験の途中結果において、ブロックバスター(年間売上1,000億円以上の医薬品)となるポテンシャルを十分に有していると考えており、着実に臨床試験を進めることによりパイプラインの価値を高め、大型のライセンス契約に繋げてまいりたいと考えております。
また、ファーストインクラスを目指して、CDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)の開発も進めており、患者を対象とした臨床試験を日本で実施しています。
docirbrutinibについては、現時点で、ライセンス契約締結後にパートナー(ライセンス先)によるフェーズ2試験の実施を想定しており、2026年中の契約締結を目指しています。
monzosertibについては、最大でフェーズ2試験まで自社で実施し、有効性を確認したのちに導出する方針ですが、並行して、製薬企業等とのパートナリング活動も積極的に行う方針です。
免疫・炎症疾患領域では、当社が創出した、もう1つの非共有結合型BTK阻害剤sofnobrutinib(AS-0871)の開発を進め、健康成人を対象としたフェーズ1試験が2023年第4四半期に完了しました。
sofnobrutinibについては、フェーズ2試験以降をライセンス契約の締結若しくは共同開発先との提携により実施することを目指しており、現在、パートナリング活動を実施中です。
さらに、当社は、米国ギリアド・サイエンシズ社(以下「ギリアド社」)に、当社が創出した新規脂質キナーゼDGKα阻害剤の創薬プログラムを導出しており、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ」)とは、精神神経疾患を標的とした創薬プログラムの共同研究を行っています。
臨床開発段階のパイプライン化合物標的対象疾患概況docirbrutinib(AS-1763)BTK血液がんフェーズ1b試験(患者対象、米国)を実施中多施設共同試験主導:テキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科 教授 Nitin Jain医師・用量拡大パート 前倒しで投与開始(2024年10月)、実施中・用量漸増パート 患者登録を完了(2024年12月)・アメリカ血液学会(ASH2025)において有望な途中結果及び新たな非臨床研究の結果を発表(2025年12月)sofnobrutinib(AS-0871)BTK免疫・炎症疾患・フェーズ1試験(健康成人対象、オランダ)を完了安全性、忍容性、並びに良好な薬物動態プロファイルと薬力学作用を確認・他のBTK阻害薬との差別化に重要な非臨床試験(胚・胎児発生毒性試験)を実施、良好な結果を入手・パートナリング活動を実施中monzosertib(AS-0141)CDC7/ASK固形がん血液がんフェーズ1試験(患者対象、日本)を実施中治験実施施設:国立がん研究センター中央病院及び東病院がん研有明病院(固形がん・用量拡大パートから参加)(固形がん)用量漸増パート:完了用量拡大パート:最後の患者の治験が終了、データ解析中(血液がん・単剤試験)用量漸増パート:最後の患者の治験が終了、データ解析中 フェーズ1b試験(患者対象、米国)を準備中(血液がん・3剤併用試験)米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターと締結した覚書に従い、医師主導治験の開始に向けて準備中主導:テキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科 Abhishek Maiti医師 導出済みパイプライン 対象疾患進捗状況契約一時金マイルストーン総額ロイヤリティ契約地域契約時期受領済マイルストーンDGKα阻害剤ギリアド社へ導出がん免疫※20M$(約21億円)450M $(約675億円)上市後の売上高に応じた一定の料率全世界2019年6月マイルストーン2回達成計15M$(約18億円)住友ファーマとの共同研究精神神経疾患開発候補化合物を選定中80百万円(契約一時金+研究マイルストーン)約106億円上市後の売上高に応じた一定の料率全世界2018年3月 ※本パイプラインの状況につきましては、後述の「ギリアド社に導出した創薬プログラム(DGKα阻害剤)」をご参照下さい。
*受領済の契約一時金及びマイルストーンは受領時の為替レート、マイルストーン総額は150円/ドルで換算。
各パイプラインの概況は以下のとおりです。
BTK阻害剤 docirbrutinib (AS-1763、対象疾患:慢性リンパ性白血病(CLL)などの血液がん)docirbrutinib(AS-1763)は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍(血液がんの一種)の治療を目的として開発中の経口投与可能なBTK阻害剤です。
現在までの臨床試験の途中結果及び非臨床試験の結果は、docirbrutinib(AS-1763)の高い安全性と幅広い薬剤耐性変異型BTKに対する効果を示唆しており、既存のBTK阻害薬に対して不耐(副作用により投与継続が困難な状態)の患者及び薬剤耐性の発生により既存のBTK阻害薬が効かなくなった患者の新たな治療の選択肢となることが期待されます。
また、既存のBTK阻害薬市場は2024年時点で約120億ドル*(約1.8兆円、為替レート150円換算)に達しており、非常に大きな市場を形成していることから、docirbrutinib(AS-1763)は、3次治療での早期承認で、ブロックバスター(年間売上1,000億円以上の医薬品)となるポテンシャルを十分に有していると考えており、さらに2次治療、1次治療での承認の可能性も有していると考えております。
着実に臨床試験を進めることによりパイプラインの価値を高め、大型のライセンス契約に繋げてまいりたいと考えております。
*Source: Clarivate <docirbrutinib(AS-1763)臨床試験の流れ>docirbrutinib(AS-1763)の臨床試験は、ヒトでの安全性、薬物動態等の検討を早期に行うため、まず健康成人を対象としたフェーズ1試験をオランダにおいて実施しました。
その後、フェーズ1試験の結果を基にして、米国において患者を対象としたフェーズ1b試験を計画し、2023年8月に投与を開始、現在実施中です。
本剤については、現時点で、ライセンス契約締結後にパートナー(ライセンス先)によるフェーズ2試験の実施を想定しており、2026年中の契約締結を目指しています。
<フェーズ1b試験の状況>本剤のフェーズ1b試験は、2ライン以上の全身治療歴を有する慢性リンパ性白血病(CLL)・小リンパ球性リンパ腫(SLL)及びB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-cell NHL)の患者を対象としており、用量漸増パートと用量拡大パートから構成されています。
用量漸増パートについては、2023年8月に投与を開始し、2024年12月に全ての患者登録を完了しました。
用量拡大パートは、当初、用量漸増パートで計画していた最大用量(600mg BID*)の評価を行い、最大耐用量を確定した後に開始する予定でしたが、用量漸増パートの途中経過において、docirbrutinib(AS-1763)の高い安全性と忍容性、並びに治療効果の期待できる十分な血中薬物濃度と高い全奏効率を確認することができたことから、治験責任医師の合意のもと、6用量目(600mg BID*)の開始を待たずに、用量拡大パートへ移行することを決定し、2024年10月に投与を開始しました。
用量拡大パートは、CLL・SLL患者を対象としたコホート1、B-cell NHL患者を対象としたコホート2、及びpirtobrutinib投与歴のある患者を対象としたコホート3の3つのコホートで構成されており、用量漸増パートの結果に基づき、コホート1及びコホート2については3用量(300、400、500mg BID*)、コホート3については2用量(400、500mg BID*)を選択しています。
コホート1及びコホート2について、最初の用量(低用量 300mg BID*)への患者エントリーが完了しており、2026年2月時点で、次用量(中用量 400mg BID*)への患者組み入れが進行中です。
コホート3については、最初の用量(中用量 400mg BID*)への患者組み入れが進んでいます。
また、治験実施施設は13施設に拡大しており、患者エントリーの加速が期待されます。
*BID : 1日2回 <学会発表:ASH2025>2025年12月開催の第67回アメリカ血液学会年次総会(American Society of Hematology Annual Meeting & Exposition)において、フェーズ1b試験の途中結果並びに新たな非臨床研究に関する発表が行われました。
治験データに関する発表は、治験主導医師であるテキサス大学MDアンダーソンがんセンター白血病科教授Nitin Jain医師により行われ、docirbrutinib(AS-1763)が、良好な安全性の結果とともに、複数の前治療歴を有する慢性リンパ性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)及びワルデンシュトレーム・マクログロブリン血症(WM)患者において有望かつ持続的な奏功を示したことが報告されました。
非臨床研究に関する発表では、MDアンダーソンがんセンター・トランスレーショナル・モレキュラー・パソロジー科教授のVarsha Gandhi 博士との共同研究成果として、docirbrutinib(AS-1763)が、薬剤耐性変異型BTKを導入したがん細胞株に対して細胞レベルで有効であること、ベネトクラクスと併用することで、薬剤耐性変異型BTKを導入したがん細胞株や患者由来のCLL細胞に対してより効果的に細胞死が誘導されることなどを報告いたしました。
BTK阻害剤 sofnobrutinib (AS-0871、対象疾患:免疫・炎症疾患)sofnobrutinib(AS-0871)は、BTKキナーゼを阻害してB細胞、マクロファージ、マスト細胞などの免疫細胞の活性化を抑制することにより、免疫・炎症疾患の治療を目指す経口剤として開発を進めています。
本剤については、オランダにおいて、健康成人を対象としたフェーズ1試験を実施しました。
本フェーズ1試験は、2021年中に完了したSAD試験及び2021年12月から開始した反復投与用量漸増(MAD)試験の2つの試験として実施し、2023年11月にMAD試験の臨床試験報告書が最終化されました。
フェーズ1試験の結果から、sofnobrutinib(AS-0871)の安全性、忍容性、並びに良好な薬物動態プロファイルと薬力学作用が確認され、フェーズ2への移行が支持されました。
さらに、sofnobrutinib(AS-0871)の重要な標的疾患の一つとして、慢性突発性蕁麻疹(CSU)を想定しております。
CSUは全世界の約1%が罹患していると考えられており、その市場規模は2023年で約22億ドル(約3,300億円、為替レート150円換算)とされています。
さらに2032年には約54億ドル(約8,100億円、為替レート150円換算)に達すると予想されています*。
既存のBTK阻害剤の多くは、催奇形性が認められるため妊娠可能な女性への使用が制限されていますが、sofnobrutinib(AS-0871)は、胚・胎児発生毒性試験において、催奇形性が認められなかったことから、皮膚疾患治療薬として多くの患者の治療の選択肢となることが期待されます。
sofnobrutinib(AS-0871)については、フェーズ2試験以降の開発をライセンス契約の締結若しくは共同開発先との提携により実施することを目指しており、フェーズ1試験及び追加した非臨床試験の結果を受けて、製薬企業等とのパートナリング活動を実施中です。
* https://www.credenceresearch.com/report/chronic-spontaneous-urticaria-market CDC7阻害剤 monzosertib (AS-0141、対象疾患:固形がん・急性骨髄性白血病(AML)などの血液がん)monzosertib(AS-0141)は、CDC7キナーゼを阻害して細胞の増殖を抑制し悪性腫瘍の治療を目指す経口剤として開発を進めています。
現在、固形がん、並びに急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia, AML)などの血液がんを対象としたフェーズ1試験を実施中です。
がん領域の本剤については、最大でフェーズ2試験まで実施して有効性を確認したのちに導出する方針ですが、並行して、製薬企業等とのパートナリング活動も積極的に行う方針です。
また、本剤に関して想定される市場規模については、血液がんに関して、急性骨髄性白血病(AML)治療薬の市場規模が2023年には約38億ドル(約5,700億円、為替レート150円換算)と見込まれており、今後も継続的な拡大が予測されています*。
固形がんに関しては、現在、フェーズ1試験のデータを詳細に解析している段階であり、今後、開発方針が決まれば、monzosertib(AS-0141)の市場規模についてお知らせいたします。
* https://www.bccresearch.com/market-research/pharmaceuticals/acute-myeloid-leukemia-market.html <monzosertib(AS-0141)臨床試験の全体像> <フェーズ1試験>(固形がん)本剤については、日本国内において、切除不能進行・再発又は遠隔転移を伴う固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を、2021年6月に開始しました。
本試験は用量漸増パート及び用量拡大パートの2段階で構成されています。
用量漸増パートは、当初、1日2回、5日間連日経口投与、2日間休薬する投与スケジュールで実施し、80mg BID*までの用量において、安全性、忍容性が確認されました。
その後、薬効を最大化するために、投与スケジュールを、2日間の休薬をしない連日投与に変更し、引き続き用量漸増パートを実施しました。
2025年1月に、最大耐用量及び用量拡大パートで使用する用量を決定し、2025年4月に用量漸増パートの投与を完了しました。
用量拡大パートについては、2025年2月に投与を開始し、2025年中に計画していた患者数の登録を完了し、最後の患者が治験を終了しました。
現在、本パートで得られたデータの解析を進めております。
* BID : 1日2回 (血液がん)成功確度を高めるため、非臨床試験の結果から有効性が期待される血液がん患者の登録も可能となるようにプロトコールを変更し、2024年8月にこれらの患者を対象とした用量漸増パートを開始しました。
本パートでは、低用量群から固形がんで決定された用量拡大パートの用量群まで患者をエントリーし、高い安全性と忍容性を確認し、現在までに最後の患者が治験を終了しました。
今後、本パートで得られたデータの解析を進めてまいります。
<非臨床研究>また、非臨床研究において、monzosertib(AS-0141)と急性骨髄性白血病(AML)治療薬であるDNAメチル基転移酵素(DNMT)阻害薬及びB細胞リンパ腫因子-2(BCL-2)阻害薬との3剤併用により優れた抗腫瘍効果が得られることが確認されました。
この成果は、2025年4月に開催されたアメリカ癌学会年次総会(American Association for Cancer Research Annual Meeting)において発表されています。
<フェーズ1b試験(医師主導治験)>フェーズ1試験及び非臨床試験の知見を踏まえ、日本国内で実施している血液がんを対象としたフェーズ1試験(単剤)においては、用量拡大パートへの移行は行わず、急性骨髄性白血病(AML)の治療薬としてより効果が期待される3剤併用のフェーズ1b試験(医師主導治験)を計画しています。
本フェーズ1b試験は、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、白血病科のDr. Abhishek Maitiを責任医師とする医師主導治験(IIT)として実施することを目指しており、現在、Clinical Trial Agreement(CTA)の締結並びに試験開始に向けた準備を進めています。
ギリアド社に導出した創薬プログラム(DGKα阻害剤)2019年6月に、米国のギリアド社と、当社が創製したDGKα阻害剤の創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与するライセンス契約を締結しています。
本契約の対象には、本創薬プログラムから創出されるすべての化合物が含まれます。
本ライセンス契約に基づき、ギリアド社は本創薬プログラムからGS-9911を見出し、2023年12月に固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を開始しましたが、2025年8月に、ギリアド社におけるポートフォリオの優先付けに基づく決定により、当該フェーズ1試験への新規患者登録が中止されました。
一方で、本ライセンス契約は、引き続き有効に存続しており、本プロジェクトチームが同プログラムの研究開発を引き続き主導しているとの連絡を受けております。
なお、本ライセンス契約においては、契約一時金20百万ドルのほか、開発状況や上市などの進捗に応じて最大で450百万ドル(約675億円、1ドル150円で換算)のマイルストーン・ペイメント、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ることが定められています。
これまでに当社は、ギリアド社から契約一時金及び2回のマイルストーン・ペイメントを受領しており、合計で35百万ドル(約40億円)を受領しております。
住友ファーマとの共同研究プログラム2018年3月に住友ファーマと共同研究契約を締結しており、精神神経疾患領域における新規キナーゼ阻害剤の創出を目指して共同研究を実施しています。
本契約の共同研究期間は2025年3月27日まででしたが(2021年12月に延長)、当該研究期間において新薬候補化合物が見出されたことから、当該化合物のさらなる評価を行うため、共同研究期間を2027年3月27日までさらに延長し、共同研究を継続することで両社が合意いたしました(2025年3月)。
本共同研究により見出されたキナーゼ阻害剤のうち住友ファーマが事業化を進めると判断したもの(以下「本剤」)について、住友ファーマが臨床開発および販売を全世界で独占的に実施する権利を有します(がんを除く全疾患)。
また、本契約に基づき、住友ファーマは当社に対して契約一時金および研究マイルストーンとして最大8千万円を支払うこととなっており、このうち契約一時金(50百万円)を2018年12月期第2四半期に受領しています。
今後、住友ファーマが本剤の臨床開発・販売への移行を決定した場合、住友ファーマは当社に対して、開発段階、販売額目標達成に応じた開発・販売マイルストーンとして総額で最大約106億円を支払う可能性があります。
さらに、販売後、住友ファーマは本剤の販売額に応じた一定のロイヤリティを当社に支払います。
以上の結果、臨床試験費用を中心に研究開発へ積極的に投資したことにより、当連結会計年度の同事業の研究開発費は1,766百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。
また、創薬事業の売上計上はなく(前連結会計年度は売上の計上はなし)、営業損失は2,024百万円(前連結会計年度は2,041百万円の営業損失)となりました。
②創薬支援事業創薬支援事業では、キナーゼに関する深い専門知識を生かした技術営業を中心に、品質の高い製品・サービスの訴求や既存顧客に対するきめ細やかなフォローを継続しています。
また、新規顧客の発掘、獲得に注力しており、特に多くのメガファーマ、バイオベンチャーが集積している米国において、新規顧客へのリーチを重点的に進めています。
さらに、当社製品・サービスの認知度向上および高品質であることの訴求を目的として、Webサイトや各種デジタルプラットフォームを活用した情報発信や、学会への積極的な参加などの広報活動に取り組んでおります。
収益の主力であるタンパク質販売に関しては、顧客の利便性向上を目的として、タンパク質を用いた実験(アッセイ)に不可欠な試薬(アッセイバッファー、基質)の販売を開始するとともに、当社ホームページ上に、実験系の立ち上げをサポートする情報をまとめた「キナーゼアッセイサポートポータル」を9月下旬に公開しました。
同ポータルは、日本語、英語に加え、著しく拡大した中国市場への訴求のため、中国語においても公開しており、今後さらに情報の拡充を図る予定です。
これらの試薬及び情報を活用することで、顧客は限られたリソースの中でも、当社タンパク質製品を用いて、簡便かつ効率的に、かつ迅速に信頼性の高い実験系を構築することが可能となり、当社製品のさらなる利用促進が期待されます。
また、顧客のニーズに細やかに対応するため、ビオチン化タンパク質及び変異体タンパク質の品揃えの強化に取り組んでおります。
プロファイリングサービスにおいては、当社は、信頼性の高いMobility Shift Assay System を使用した試験を受託・実施できる唯一の企業として、現在、安定的にサービスを提供しています。
さらに、顧客層の拡大を目指し、顧客ニーズの高いアッセイプラットフォームを使用したプロファイリングサービスの開発に着手しています。
また、近年では、プロファイリングデータを創薬プロセス上必要とするAI創薬企業からの受注が売上に貢献しており、当社では引き続き新たな受注獲得を目指しています。
2025年末には新規案件を獲得しており、2026年の売上に寄与する見込みです。
また、タンパク質販売、プロファイリングサービスともに、顧客の多様なニーズに精度高く対応した特注製品の開発や特注試験の受注を積極的に行っています。
特注タンパク質の開発からアッセイまで一貫したサービスの提供も行っており、キナーゼにおける高度な技術力を生かした高付加価値のサービスを提供しています。
当連結会計年度において、国内では主要客向けの大型特注タンパクの受注が寄与し、タンパク質販売は好調に推移しました。
一方で、大口顧客の研究フェーズがプロファイリングの利用頻度が低い段階にあることなどの影響により、プロファイリング・サービスの需要は低調に推移しました。
米国においては、タンパク質販売はバイオベンチャーからの受注獲得により前年並みを維持し、プロファイリングサービスはAI創薬企業からの受注が引き続き好調で増収となりました。
一方、NanoBRETTMサービスの需要が低迷したため、米国全体では減収となりました。
欧州では、大口顧客の研究の進展に伴い、キナーゼタンパク質を使用しないフェーズに移行したため、引き続き低調に推移しました。
その他の地域においては、主要顧客である中国CRO向けのタンパク質販売が好調に推移し、増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度における創薬支援事業の売上高は579百万円(前連結会計年度比9.0%減)、営業損失は50百万円(前連結会計年度は34百万円の営業損失)となりました。
売上高の内訳は、国内売上が169百万円(前連結会計年度比14.9%減)、北米地域は259百万円(前連結会計年度比6.2%減)、欧州地域は47百万円(前連結会計年度比22.2%減)、その他地域は102百万円(前連結会計年度比3.3%増)です。
これら創薬事業及び創薬支援事業の活動の結果、2025年12月期の連結売上高は579百万円(前連結会計年度比9.0%減)となりました。
地域別の売上は、連結ベースで国内売上高が169百万円(前連結会計年度比14.9%減)、海外売上高は409百万円(前連結会計年度比6.3%減)となりました。
損益面につきましては、営業損失が2,074百万円(前連結会計年度は2,076百万円の営業損失)、経常損失は2,144百万円(前連結会計年度は2,080百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,171百万円(前連結会計年度は2,178百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
第20期、第21期、第22期及び第23期のセグメントごとの売上、研究開発費及び営業損益は、以下の通りです。
(単位:千円)回次第20期(連結)第21期(連結)第22期(連結)第23期(連結)決算年月2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期売上高1,386,7481,625,889636,235579,057 創薬支援事業1,100,703918,239636,235579,057 創薬事業286,045707,650――研究開発費1,882,3191,903,8591,886,9061,851,353 創薬支援事業122,041130,511124,76284,824 創薬事業1,760,2781,773,3481,762,1431,766,529営業利益(△損失)△1,269,888△1,116,978△2,076,104△2,074,972 創薬支援事業452,752225,567△34,159△50,690 創薬事業△1,722,641△1,342,546△2,041,945△2,024,281
(2) 財政状態の状況当社グループの連結の財政状態の概要につきましては、以下のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は1,229,648千円となり、前連結会計年度末と比べて1,542,466千円の減少となりました。
その内訳は、現金及び預金の減少1,591,695千円等であります。
負債は920,430千円となり、前連結会計年度末と比べて623,670千円の増加となりました。
その内訳は、転換社債型新株予約権付社債の増加681,250千円等であります。
純資産は309,217千円となり、前連結会計年度末と比べて2,166,137千円の減少となりました。
その内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失2,171,470千円の計上等であります。
また、自己資本比率は25.1%(前連結会計年度89.3%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて1,591,695千円減少し、516,789千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により減少した資金は2,159,363千円(前連結会計年度は1,374,806千円の減少)となりました。
これは主に税金等調整前当期純損失2,169,619千円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により減少した資金は25,009千円(前連結会計年度は13,060千円の減少)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出9,280千円、投資有価証券の取得による支出15,743千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により増加した資金は604,711千円(前連結会計年度は567,441千円の増加)となりました。
これは主に転換社債型新株予約権付社債の発行による収入632,821千円によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、キナーゼ阻害薬等を創製するための研究開発ならびにその基盤となる技術である「創薬基盤技術」を強化するための研究開発へ積極的に先行投資し、将来の飛躍的な成長を目指しております。
そのための研究開発に係る費用は、創薬支援事業が生み出すキャッシュ・フロー及び創薬事業における導出契約やマイルストーン達成に基づく収入、ならびに資本市場等から調達した資金等により充当しております。
創薬事業からの収益は、導出契約の成否、導出先製薬企業等における開発の進捗、導出活動の進捗及び当社の研究開発の進捗等により影響を受け安定的ではなく、現時点においては、2本のパイプラインの臨床試験を実施中のため、研究開発費への先行投資が多額になっております。
また、創薬支援事業の黒字を継続し安定的に推移してまいりましたが、前連結会計年度より業績が悪化いたしました。
しかしながら、当社グループは、中長期的な経営方針に基づき、積極的に創薬事業に先行投資を行い、研究開発を推し進めることで、当社の企業価値を高めていく方針です。
そのための資金を獲得するために、創薬支援事業からの収益力を高めるとともに、当社にとって最適な資金調達方法を検討し、研究開発資金の確保に努めてまいります。
(5) 生産、受注及び販売の状況1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)創薬支援事業772,37069.6
(注) 1. 金額は、販売価格によっております。
2. 創薬事業については、生産を行っていないため記載しておりません。
2) 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)創薬支援事業42,46290.4
(注) 1. 金額は、仕入価格によっております。
2. 創薬事業については、商品仕入を行っていないため記載しておりません。
3) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)創薬支援事業588,97796.623,012175.8創薬事業――――合計588,97796.623,012175.8 4) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)創薬支援事業579,05791.0創薬事業――合計579,05791.0
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)Shanghai Universal Biotech Co., Ltd.92,47214.596,55416.7 (6) 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針・経営戦略 ③目標とする経営指標」に記載のとおり、創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として、継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高、営業利益率の改善を重要な経営指標としております。
当連結会計年度においては、タンパク質販売は前年並みで推移したものの、前年に米国及び欧州の大口顧客において研究テーマやプロジェクトが進展したことに伴い需要が減少し、一昨年と比較すると低迷いたしました。
また、プロファイリングサービスおよびセルベースアッセイサービスも低迷したことから、その結果、前年に引き続き、創薬支援事業において、営業損失を計上いたしました。
(7) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。
この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)等の低分子医薬品の創製研究(*)及び開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。
さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。
当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,851,353千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。
(1) 創薬事業当社は、創薬事業において、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に低分子医薬品の創薬研究開発を行なっています。
2025年12月末現在で、臨床開発段階にある3つのパイプラインを保有し、ならびに2つのパイプラインを導出しています。
そのうち、BTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763、対象疾患:CLLなどの血液がん)およびCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141、対象疾患:固形がん・AMLなどの血液がん)のフェーズ1試験を実施中であり、当連結会計年度においては、当該臨床試験を推進するために、臨床試験費用、治験薬製造関連費用等に積極的な投資を行いました。
また、住友ファーマ社と2018年3月より精神神経疾患を標的とした共同研究を実施しており、順調に進捗しております。
これらのパイプラインの開発状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載の各パイプライン別の概況をご参照ください。
この他、次世代パイプラインの構築として、画期的な新薬創製を目指し様々な創薬研究プログラムを実施しております。
これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続しております。
当事業に係る研究開発費は、1,766,529千円であり、主に臨床試験関連費用、人件費、化合物合成委託費用、研究材料費等で構成されています。
また、当社は臨床試験に必要な原薬および製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関(CDMO)に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関(CRO)に委託しており、臨床試験関連費用にはこれらの業務委託費用が含まれています。

(2) 創薬支援事業創薬支援事業の研究開発では、キナーゼタンパク質に特化するメーカーとして、新たなキナーゼタンパク質製品の開発に継続的に取り組んでおり、特に主力製品であるビオチン化タンパク質の品揃えを積極的に拡充しています。
ビオチン化タンパク質については、当社は品ぞろえや品質において圧倒的な競争優位性を有しています。
また、プロファイリング・サービスにおいては、次世代アッセイ機器によるプロファイリングシステムの開発に成功し、2024年5月に予定通りサービスを開始しました。
当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでおります。
また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、84,824千円であり、主に新製品・サービスの開発に係る人件費および材料費で構成されています。

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資の総額は、10,233千円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。
(1) 創薬支援事業 生産能力の向上・強化推進等のため、1,208千円の設備投資を行いました。
 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。

(2) 創薬事業 創薬研究の強化・効率化等のため、7,681千円の設備投資を行いました。
 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
(3) 共通 設備の更新等のため、1,343千円の設備投資を行いました。
 なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社2025年12月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物工具、器具及び備品リース資産その他合計本社・BMAラボ(神戸市中央区)共通統括業務施設、製造・研究施設―――――57本社・BMAラボ(神戸市中央区)創薬支援事業製造・研究施設―――――17本社・BMAラボ(神戸市中央区)創薬事業研究施設―――――32
(注)1. 帳簿価額のうち「その他」は、ソフトウエア及び電話加入権であります。
2. 現在休止中の主要な設備はありません。
3. 本社・BMAラボの創薬支援事業、創薬事業共通の設備については、創薬支援事業及び創薬事業を含む全ての部門が共同に使用しているため、従業員数には、提出会社の全従業員数を記載しております。
4. 本社及びBMAラボは賃借物件で、その概要は以下のとおりであります。
事業所名床面積(㎡)年間賃借料(千円)本社・BMAラボ1,920.0078,531
(2) 在外子会社  該当事項はありません。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等該当事項はありません。

(2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。
 
研究開発費、研究開発活動84,824,000
設備投資額、設備投資等の概要7,681,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況48
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況12
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,919,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動による利益や、配当金の受け取り等によっての利益確保を目的としている投資を純投資目的である投資株式、それ以外の投資を純投資目的以外の目的である投資株式としております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、純投資目的以外の目的で保有する投資株式について、当該株式の保有に係る当社の事業運営上の有効性や期待される寄与等を踏まえ、取締役会において個別銘柄ごとにその保有の適否を判断しております。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式――非上場株式以外の株式116,796 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(千円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式116,796 投資先との関係維持・強化のため (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 該当事項はありません。
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(千円)貸借対照表計上額(千円)東洋証券㈱26,000― 創薬パイプラインへの多額の先行投資が必要な当社においては財務戦略が極めて重要であり、国内証券会社として各種財務機能を有する同社との関係維持・強化は、当社の財務戦略における活用可能な選択肢の拡大に寄与し得るものと判断し、当社は同社株式を保有しております。
 なお、保有効果については定量的な算定が困難であるため、数値での記載は行っておりません。
保有の合理性は、上記 a.に記載の方法により、前述の保有目的が妥当であることを検証しております。
無16,796― ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社16,796,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社16,796,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社26,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社16,796,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 投資先との関係維持・強化のため
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社東洋証券㈱
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 創薬パイプラインへの多額の先行投資が必要な当社においては財務戦略が極めて重要であり、国内証券会社として各種財務機能を有する同社との関係維持・強化は、当社の財務戦略における活用可能な選択肢の拡大に寄与し得るものと判断し、当社は同社株式を保有しております。
 なお、保有効果については定量的な算定が困難であるため、数値での記載は行っておりません。
保有の合理性は、上記 a.に記載の方法により、前述の保有目的が妥当であることを検証しております。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2025年12月31日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.955,6124.99
川村 剛東京都町田市555,5002.90
小野薬品工業株式会社大阪府大阪市中央区道修町2丁目1番5号504,5002.63
上原 俊彦東京都港区500,0002.61
堀田 和男愛知県岡崎市468,8002.44
吉野 公一郎大阪府吹田市333,9001.74
小川 義水東京都千代田区255,0001.33
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)PETERBOROUGH COURT 133 FLEET STREET LONDON EC4A 2BB UNITED KINGDOM195,2411.02
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2 KING EDWARD STREET, LONDON EC1A 1HQ UNITED KINGDOM180,3040.94
鈴木 隆啓愛知県名古屋市中区149,0000.77
計―4,097,85721.41
(注) 1. 吉野公一郎氏の所有株式数には、役員持株会における持分を含めておりません。2. 2024年10月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、アトス・キャピタル・リミテッド(Athos Capital Limited)が2024年10月11日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年12月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)アトス・キャピタル・リミテッド(Athos Capital Limited) 香港 コーズウェイ・ベイマテソン通り1、 タイムズスクエア、タワーツー31階1,400,0007.33
株主数-金融機関4
株主数-金融商品取引業者19
株主数-外国法人等-個人31
株主数-外国法人等-個人以外24
株主数-個人その他9,434
株主数-その他の法人64
株主数-計9,576
氏名又は名称、大株主の状況鈴木 隆啓
株主総利回り0
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
 
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式125当期間における取得自己株式――
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
 

Shareholders2

自己株式の取得-5,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1  発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)19,107,50043,000―19,150,500 (変動事由の概要) 譲渡制限付株式報酬の付与による増加     43,000株 2  自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)11,12412―11,136 (変動事由の概要) 単元未満株式の買取りによる増加          12株

Audit

監査法人1、連結有限責任監査法人トーマツ
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2026年3月24日 カルナバイオサイエンス株式会社取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 大 阪 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士西  方     実 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士安  場  達  哉 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているカルナバイオサイエンス株式会社の2025年1月1日から2025年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、カルナバイオサイエンス株式会社及び連結子会社の2025年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
継続企業の前提に関する重要な不確実性継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、翌連結会計年度以降に必要となる臨床試験実施のための費用と今後の資金計画を検討した結果、翌連結会計年度以降に先行投資として実施する研究開発に必要な資金が当連結会計年度末時点の手許資金では十分でない可能性があることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。
なお、当該事象又は状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。
連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は連結財務諸表に反映されていない。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。
研究開発費の期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社はキナーゼ関連の創薬事業及び創薬支援事業を行っており、特に創薬事業(新薬の研究開発)においては中長期にわたり多額の研究開発投資を必要としている。
連結損益計算書注記に記載の通り、会社は2025年12月期において、1,851,353千円の研究開発費を計上しており、総費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計2,654,029千円)の69.8%を占めている。
当連結会計年度はBTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763)においてフェーズ1b試験及びCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)においてフェーズ1試験の臨床開発を実施しているため、会社の総費用に占める研究開発費の重要性が高くなっている。
会社は、臨床試験に必要な原薬及び製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関に委託している。
これらの委託先の多くは海外の機関であり、委託契約は多数の試験内容から構成されている。
会社は外部へ委託している原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験について、各契約に基づき検収等を行い、契約で定められた条件を充足していることを確認し、役務提供を受けたことが確定した時点で費用計上を行っている。
しかし、原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験の重要性が高くなっていることやそれらの契約内容も複雑化していることから、役務提供の完了に関する判断誤りが生じる可能性があり、費用計上の期間帰属を誤る可能性がある。
このように研究開発活動が会社のビジネスの重要な事業活動であり、その進捗に対する投資家の関心も高く、財務諸表全体に与える影響も大きい。
また、研究開発費の大半を占める臨床開発費の処理について、契約ごとに異なる費用認識の態様や費用発生時期の決定に専門的判断が必要となるといった状況を考慮し、研究開発費の期間帰属を監査上の主要な検討事項と判断した。
会社の研究開発費の期間帰属を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)研究開発費の適時な計上に関し、契約で定められた条件の充足を確認し、役務提供を受けたことが確定した時点で費用計上を行う内部統制の整備及び運用状況の有効性について評価を行った。

(2)研究開発費の計上時期の適切性について、以下の検討を実施した。
・研究開発に関する方針、原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験の外注先選定に関する方針並びに各パイプラインの進捗状況について経営者に質問を行った。
・各パイプラインの開発状況と研究開発費の発生状況について総括的な理解を行うとともに、両者の比較分析を行い、重要な乖離の有無を検討した。
・研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるための手続として、研究開発費の計上額からサンプルを抽出し、研究開発費の計上時期と、契約書や役務提供の完了を示す根拠資料(委託先からの報告書等)の内容及び役務提供完了時期の整合性を確かめた。
また、委託先への確認手続を期末日を基準日として実施した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、カルナバイオサイエンス株式会社の2025年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、カルナバイオサイエンス株式会社が2025年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。
研究開発費の期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社はキナーゼ関連の創薬事業及び創薬支援事業を行っており、特に創薬事業(新薬の研究開発)においては中長期にわたり多額の研究開発投資を必要としている。
連結損益計算書注記に記載の通り、会社は2025年12月期において、1,851,353千円の研究開発費を計上しており、総費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計2,654,029千円)の69.8%を占めている。
当連結会計年度はBTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763)においてフェーズ1b試験及びCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)においてフェーズ1試験の臨床開発を実施しているため、会社の総費用に占める研究開発費の重要性が高くなっている。
会社は、臨床試験に必要な原薬及び製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関に委託している。
これらの委託先の多くは海外の機関であり、委託契約は多数の試験内容から構成されている。
会社は外部へ委託している原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験について、各契約に基づき検収等を行い、契約で定められた条件を充足していることを確認し、役務提供を受けたことが確定した時点で費用計上を行っている。
しかし、原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験の重要性が高くなっていることやそれらの契約内容も複雑化していることから、役務提供の完了に関する判断誤りが生じる可能性があり、費用計上の期間帰属を誤る可能性がある。
このように研究開発活動が会社のビジネスの重要な事業活動であり、その進捗に対する投資家の関心も高く、財務諸表全体に与える影響も大きい。
また、研究開発費の大半を占める臨床開発費の処理について、契約ごとに異なる費用認識の態様や費用発生時期の決定に専門的判断が必要となるといった状況を考慮し、研究開発費の期間帰属を監査上の主要な検討事項と判断した。
会社の研究開発費の期間帰属を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)研究開発費の適時な計上に関し、契約で定められた条件の充足を確認し、役務提供を受けたことが確定した時点で費用計上を行う内部統制の整備及び運用状況の有効性について評価を行った。

(2)研究開発費の計上時期の適切性について、以下の検討を実施した。
・研究開発に関する方針、原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験の外注先選定に関する方針並びに各パイプラインの進捗状況について経営者に質問を行った。
・各パイプラインの開発状況と研究開発費の発生状況について総括的な理解を行うとともに、両者の比較分析を行い、重要な乖離の有無を検討した。
・研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるための手続として、研究開発費の計上額からサンプルを抽出し、研究開発費の計上時期と、契約書や役務提供の完了を示す根拠資料(委託先からの報告書等)の内容及び役務提供完了時期の整合性を確かめた。
また、委託先への確認手続を期末日を基準日として実施した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結研究開発費の期間帰属
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 会社はキナーゼ関連の創薬事業及び創薬支援事業を行っており、特に創薬事業(新薬の研究開発)においては中長期にわたり多額の研究開発投資を必要としている。
連結損益計算書注記に記載の通り、会社は2025年12月期において、1,851,353千円の研究開発費を計上しており、総費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計2,654,029千円)の69.8%を占めている。
当連結会計年度はBTK阻害剤docirbrutinib(AS-1763)においてフェーズ1b試験及びCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)においてフェーズ1試験の臨床開発を実施しているため、会社の総費用に占める研究開発費の重要性が高くなっている。
会社は、臨床試験に必要な原薬及び製剤の開発・製造を医薬品開発製造受託機関に、臨床試験の実施に関わる業務を医薬品開発業務受託機関に委託している。
これらの委託先の多くは海外の機関であり、委託契約は多数の試験内容から構成されている。
会社は外部へ委託している原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験について、各契約に基づき検収等を行い、契約で定められた条件を充足していることを確認し、役務提供を受けたことが確定した時点で費用計上を行っている。
しかし、原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験の重要性が高くなっていることやそれらの契約内容も複雑化していることから、役務提供の完了に関する判断誤りが生じる可能性があり、費用計上の期間帰属を誤る可能性がある。
このように研究開発活動が会社のビジネスの重要な事業活動であり、その進捗に対する投資家の関心も高く、財務諸表全体に与える影響も大きい。
また、研究開発費の大半を占める臨床開発費の処理について、契約ごとに異なる費用認識の態様や費用発生時期の決定に専門的判断が必要となるといった状況を考慮し、研究開発費の期間帰属を監査上の主要な検討事項と判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結損益計算書注記
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 会社の研究開発費の期間帰属を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)研究開発費の適時な計上に関し、契約で定められた条件の充足を確認し、役務提供を受けたことが確定した時点で費用計上を行う内部統制の整備及び運用状況の有効性について評価を行った。

(2)研究開発費の計上時期の適切性について、以下の検討を実施した。
・研究開発に関する方針、原薬及び製剤の開発・製造や臨床試験の外注先選定に関する方針並びに各パイプラインの進捗状況について経営者に質問を行った。
・各パイプラインの開発状況と研究開発費の発生状況について総括的な理解を行うとともに、両者の比較分析を行い、重要な乖離の有無を検討した。
・研究開発費の期間帰属の適切性を確かめるための手続として、研究開発費の計上額からサンプルを抽出し、研究開発費の計上時期と、契約書や役務提供の完了を示す根拠資料(委託先からの報告書等)の内容及び役務提供完了時期の整合性を確かめた。
また、委託先への確認手続を期末日を基準日として実施した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別有限責任監査法人トーマツ
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2026年3月24日 カルナバイオサイエンス株式会社取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 大 阪 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士西  方     実 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士安  場  達  哉 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているカルナバイオサイエンス株式会社の2025年1月1日から2025年12月31日までの第23期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、カルナバイオサイエンス株式会社の2025年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定(社会的影響度の高い事業体の財務諸表監査に適用される規定を含む。
)に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
継続企業の前提に関する重要な不確実性継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、翌事業年度以降に必要となる臨床試験実施のための費用と今後の資金計画を検討した結果、翌事業年度以降に先行投資として実施する研究開発に必要な資金が当事業年度末時点の手許資金では十分でない可能性があることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。
なお、当該事象又は状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。
財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は財務諸表に反映されていない。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。
研究開発費の期間帰属会社はキナーゼ関連の創薬事業及び創薬支援事業を行っており、特に創薬事業(新薬の研究開発)においては中長期にわたり多額の研究開発投資を必要としている。
損益計算書注記に記載の通り、会社は2025年12月期において、1,851,353千円の研究開発費を計上しており、総費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計2,535,087千円)の73.0%を占めている。
当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(研究開発費の期間帰属)と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。
研究開発費の期間帰属会社はキナーゼ関連の創薬事業及び創薬支援事業を行っており、特に創薬事業(新薬の研究開発)においては中長期にわたり多額の研究開発投資を必要としている。
損益計算書注記に記載の通り、会社は2025年12月期において、1,851,353千円の研究開発費を計上しており、総費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計2,535,087千円)の73.0%を占めている。
当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(研究開発費の期間帰属)と同一内容であるため、記載を省略している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載されている事項のほか、以下に記載した事項を監査報告書において監査上の主要な検討事項として報告すべき事項と判断している。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別研究開発費の期間帰属
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 会社はキナーゼ関連の創薬事業及び創薬支援事業を行っており、特に創薬事業(新薬の研究開発)においては中長期にわたり多額の研究開発投資を必要としている。
損益計算書注記に記載の通り、会社は2025年12月期において、1,851,353千円の研究開発費を計上しており、総費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計2,535,087千円)の73.0%を占めている。
当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(研究開発費の期間帰属)と同一内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

商品及び製品106,302,000
仕掛品11,609,000
原材料及び貯蔵品36,190,000
その他、流動資産76,389,000
投資有価証券28,534,000
投資その他の資産101,709,000