財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-12-22
英訳名、表紙LIFULL Co., Ltd.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長執行役員  伊 東 祐 司
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区麹町一丁目4番地4
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-6774-1603
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
1997年3月神奈川県横浜市神奈川区で不動産物件情報を無料閲覧できるサービス業務を目的として資本金10,000千円で株式会社ネクストを設立1997年4月不動産・住宅情報サイト『HOME'S(ホームズ)』(現『LIFULL HOME'S』)の不動産業界向けASPサービスを提供開始1999年12月業務拡張のため事業所を東京都渋谷区へ開設大手不動産会社のWebサイト構築支援としてシステム開発事業を開始2001年7月業務拡張のため本社を東京都中央区新川一丁目へ移転2002年1月事業展開の拡張を目的とし楽天株式会社(現 楽天グループ株式会社)と資本提携2004年3月業務拡張のため本社を東京都中央区新川二丁目へ移転2005年4月大阪府大阪市北区に大阪支店を開設2006年2月ISMS及びBS7799の認証の同時取得業務拡張のため本社を東京都中央区晴海一丁目へ移転   6月福岡県福岡市中央区に福岡営業所を開設(2007年9月福岡支店に改称)   10月東京証券取引所マザーズ市場へ株式を上場2007年3月情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格「ISO/IEC27001:2005」へ移行   4月不動産事業者向けCRMサービスを提供する株式会社レンターズを株式交換により完全子会社化2008年6月愛知県名古屋市西区に名古屋営業所を開設(2013年12月名古屋支店に改称)2010年3月東京証券取引所市場第一部へ市場変更2011年1月業務拡張のため本社を東京都港区へ移転   12月業務拡張のため名古屋営業所(現 名古屋支店)を名古屋市中村区へ移転2014年11月スペインでアグリゲーションサイトを運営するTrovit Search, S.L.を完全子会社化2015年5月不動産事業者向けのインターネット・マーケティング事業を営む株式会社アクセリオン(2015年10月株式会社Lifull Marketing Partnersに改称)を連結子会社化   7月介護施設の情報サービスを分社化し、株式会社LIFULL seniorを設立2016年3月業務拡張のため福岡支店を福岡県福岡市博多区へ移転   6月北海道札幌市に札幌支店を開設   9月業務拡張のため名古屋支店を愛知県名古屋市西区へ移転2017年1月クラウドファンディングプラットフォームを運営する株式会社JGマーケティング(現 株式会社LIFULL Investment)を子会社化   4月社名を株式会社LIFULLへ変更業務拡張のため本社を東京都千代田区へ移転ソフトウェア、アプリケーションの開発事業を営むVietnam Creative Consulting Co., Ltd.(現LIFULL TECH VIETNAM COMPANY LIMITED)を子会社化   10月連結子会社の株式会社レンターズを当社を存続会社とし吸収合併2019年1月世界最大級のアグリケーションサイトを運営するMitula Group Limitedを完全子会社化   11月名古屋工業大学と産学連携し新しい建築技術開発を行う株式会社LIFULL ArchiTechを設立Trovit、Mitula等の持株会社、LIFULL CONNECT, S.L.をスペインに設立2020年7月不動産投資と収益物件の情報サイトを運営する健美家株式会社を完全子会社化2022年4月東京証券取引所プライム市場に移行   9月株式会社LIFULL Marketing Partners(現 株式会社DI Marketing Partners)の全株式を譲渡2023年2月 子会社のLIFULL CONNECT, S.L.がタイを中心に東南アジア地域で不動産取引を担うFazWaz Thailand Co., Ltd.の全株式を取得   8月業務拡張のため名古屋支店を愛知県名古屋市中村区へ移転   11月グループのサービス開発・運営を担うLIFULL TECH MALAYSIA SDN. BHD.を設立2024年1月不動産NFT事業とグループの金融関連事業の統括を行う株式会社LIFULL Financialを設立2025年1月LIFULL CONNECT, S.L.の全株式をCONNECT NEXT PTE. LTD. に現物出資し、海外事業を非継続事業に分類
事業の内容 3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社、連結子会社16社(国内11社、海外5社)より構成され、主要事業として、インターネットを活用した住まいとその周辺領域に関する情報サービス事業を展開しております。
当連結会計年度中に、当社の完全子会社であったLIFULL CONNECT, S.L.の全株式をCONNECT NEXT PTE.LTD.に現物出資したことにより、海外事業セグメントを非継続事業に分類しました。
これに伴い、報告セグメントを「HOME'S関連事業」の単一セグメントに変更しております。
(1) HOME'S関連事業当事業は、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」と不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」、及び関連事業で構成されています。

(2) その他 老人ホーム・介護施設の検索サイト「LIFULL 介護」や、地方創生事業等により構成されています。
また、当社には、eコマースを中心とした総合ネットサービスを展開する楽天グループ株式会社が18.57%出資しており、同社にとって当社は持分法適用関連会社となります。
以上述べた事項を事業系統図に示すと、次のとおりであります。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
 2025年9月30日現在名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(間接)〔被所有〕割合(%)関係内容(連結子会社) 株式会社LIFULL senior東京都千代田区57老人ホーム・高齢者住宅検索サイト「LIFULL介護」の運営 93.0家賃の受領管理業務受託株式会社LIFULL Investment東京都千代田区99ファンド運営、投融資、空き家利活用事業 100.0役員の兼任1名家賃の受領管理業務受託資金の貸付健美家株式会社東京都千代田区10不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」の運営 100.0家賃の受領管理業務受託その他13社 (持分法適用関連会社) Hash DasH Holdings株式会社東京都千代田区95金融持株会社 10.1役員の派遣1名その他1社 (その他の関係会社) 楽天グループ株式会社
(注)東京都世田谷区458,337EC、クレジット・ペイメント、ポータル・メディア、トラベル、証券、プロスポーツ、通信事業〔18.6〕広告宣伝の依頼等 (注)有価証券報告書の提出会社であります。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況2025年9月30日現在セグメントの名称従業員数(名)HOME'S関連事業814〔108〕その他104〔14〕合計918〔122〕 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除く)であります。
2.臨時従業員数は〔 〕に、年間の平均人員を外数で記載しております。
3.当社グループは、事業の種類毎の経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数の種類の事業に従事しております。
4.前連結会計年度末に比べ従業員が840名減少しております。
主な理由は、LIFULL CONNECT, S.L.を連結の範囲から除外したことによるものであります。

(2) 提出会社の状況2025年9月30日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(万円)667〔80〕37.48.4712 セグメントの名称従業員数(名)HOME'S関連事業649〔76〕その他18〔4〕合計667〔80〕 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く)であります。
2.平均年間給与は、従業員1人当たりの本給、賞与及び基準外賃金の合計額で算定しております。
3.臨時従業員数は〔 〕に、年間の平均人員を外数で記載しております。
(3) 労働組合の状況当社は、ネクスト従業員労働組合が結成されております。
労使関係に特記すべき事項はありません。
なお、連結子会社には、労働組合はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 提出会社当事業年度女性管理職比率(%)(注1)男性育児休業取得率(%)(注2)男女間賃金格差(%)(注3)全体正社員契約社員全体正規社員非正規社員24.6%52.6%52.6%―80.2%83.3%54.3% (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
  2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
  3.正規労働者の給与体系は男女同一の体系を適用しており、差異は男女の等級構成によるものと、短時間勤務者の男女の人数差によるものです。
非正規労働者の差異は、短時間勤務者の男女の人数差があること、高度な専門性を必要とする職務を担う契約社員に男女の人数差があるためです。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
将来に関する事項は、当連結会計年度末(以下、当期末)現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針LIFULLグループは、「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念とし、企業活動を行っています。
 コーポレートメッセージ「あらゆるLIFEを、FULLに。
」に掲げるとおり、事業を通じた社会課題の解決により、あらゆる人々が安心と喜びに満ちた自分らしい暮らしを実現できる世界を実現することを目指して企業活動を推進しています。
(2)対処すべき課題 当社グループは、以下のような課題に取り組んでまいります。
①HOME'S関連事業の強化不動産・住宅情報サイト『LIFULL HOME'S』と、不動産投資・収益物件の情報サイト『健美家』において、AI・生成AI等の最新技術を積極的に活用することで、不動産情報・住宅情報・物件性能評価・不動産事業者評価といった情報の網羅性を高め、可視化を推進し、一人ひとりにぴったりな住まい探しを支援する革進的な検索体験の創出と、ユーザー数の増加、顧客基盤の強化に取組み、ユーザーとクライアント双方に対する提供価値を増加させることで業績の拡大に努めてまいります。
②グループシナジーの強化住まい・暮らしの領域で多角的な情報サービスを展開する強みを活かし、グループ全体の事業拡大を推進します。
主要事業である『LIFULL HOME'S』で培った顧客・ユーザー基盤、ネットワークサービスの知見をグループ事業に展開し、AI・生成AI等の最新技術をグループ横断で活用しながら、グループのデータやリソースの連携を強化・高度化することで、各事業の競争力向上と業績の拡大に努めてまいります。
③不動産市場の活性化・拡大物件の新たな活用の提案や、AI・生成AI等を活用した不動産業界の業務効率化、事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)提案等によって、不動産市場の活性化と拡大に努めてまいります。
 ④M&A、事業提携の推進既存事業の拡充、AI・生成AI等を含む最新技術の獲得、人材獲得、及び新規事業への進出のため、M&Aや事業提携を推進してまいります。
⑤人材採用・育成、組織力の強化持続的な成長を実現するため、新卒及び中途社員の採用を進め、社内外の教育研修プログラムによる専門スキルの向上や、会社の価値観の共有を深めます。
また、非連続的な成長のため、AI・生成AI等の最新技術の活用推進により、業務の抜本的な効率化と事業推進の加速を図り、当社グループの人的資産及び組織力の強化に努めてまいります。
 
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
1.サステナビリティ全般LIFULLグループは、社是「利他主義」のもと、「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念とし、企業活動を行っています。
当社が掲げる公益志本主義の考え方に則り全ての社中(※)に貢献しながら、事業を通じて様々な社会課題を解決することで、社会とLIFULLグループの持続的な発展、さらにはWell-beingな社会の実現に取り組んでまいります。
※社中(Company): 当社ではあえてステークホルダー(利害関係者)ではなく社中(カンパニー)と呼びます。
広い意味でのカンパニー(仲間)です。
利害が対立する関係ではなく、同じ方向を向いて一緒に歩んでいく大切な仲間という意味です。
社中であるコンシューマー、クライアント、従業員、パートナー、株主、社会、地球環境に配慮した経営をしてまいります。
(1)ガバナンス当社取締役会は、サステナビリティに関する方針や重要案件の審議・決定を行うとともに、取り組み状況の評価・管理を行います。
サステナビリティ推進部門は、担当執行役員であるグループ経営推進本部長(現経営統括本部長)の監督の下、当社グループを横断しサステナビリティに関するリスクと機会の特定のために必要な情報のヒアリングを実施して取締役会へ報告、提言を行います。
決定した対応施策等の推進においては、サステナビリティ推進部門と各管轄部門、各子会社が参加するサステナビリティ推進会議(原則年4回実施)で連携をとり、グループ横断で迅速に活動を進めることのできる体制を整備しています。
※図内の組織名称は2025年9月末時点
(2)戦略サステナビリティ方針のもと、事業と社会課題の紐づけやマッピングを行い、「事業を通じて解決する社会課題」「事業活動を支える基盤」「グローバルな課題への取組み」の3つのカテゴリーで8つの重点テーマを定め、サステナビリティ課題(マテリアリティ)を特定し、これに取り組んでまいりました。
(事業を通じて解決する社会課題)テーマ1:住生活・あらゆる住み替えの選択の自由と利便性の向上 ・住宅弱者の解消 テーマ2:地方創生・空き家、遊休不動産などの新たな利活用促進 ・関係人口の拡大 ・投融資促進のための新たな仕組みの創設 テーマ3:超高齢社会・老後の介護の不安の解消 (事業活動を支える基盤)テーマ4:人材・社会課題を解決するリーダーの輩出 ・DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進 ・社員のWell-being テーマ5:情報セキュリティ・各国における個人情報保護関連法への対応 ・サイバー攻撃等への技術的・組織的対応力の強化 ・仕組みとしてのセキュアな環境の整備 テーマ6:ガバナンス・公正な事業活動を率先する人材・組織の育成 ・ガバナンス体制の強化 ・リスクマネジメントの強化 (グローバルな課題への取組み)テーマ7:環境・環境負荷の低減 テーマ8:人権・人権の尊重・DEIの推進 (3)リスク管理株式会社LIFULL社長執行役員を委員長とするリスク管理委員会を設置し、LIFULLグループに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを一元的に管理することで、LIFULLグループ全体でのリスク管理体制を構築しています。
事業活動全般に関わるリスクについては「事業等のリスク」欄に、気候変動に関わるリスクについては「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応」に記載しています。
(4)指標・目標各サステナビリティ課題に関する指標・目標は以下のとおりです。
住生活サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績あらゆる住み替えの選択の自由と利便性の向上物件データベースの拡充:物件DB数 3,000万件(※住宅ストック約6,000万の50%をカバー)28,352,687件28,639,868件28,904,997件安心、安全を届けるための新しい情報の拡充・「外国籍接客チェックリスト」をLIFULL HOME'S加盟店向けに提供開始・「高齢者接客チェックリスト」をLIFULL HOME'S加盟店向けに提供開始・おとり広告撲滅に向けて、新たに不動産管理会社5社と情報連携を開始・「LIFULL HOME'S FRIENDLY DOOR」に「家族に頼れない若者」「フリーランス」のカテゴリー追加・住宅弱者の住まい探し支援に特化したAIチャット「接客サポートAI by FRIENDLY DOOR(BETA版)」を提供開始・「AIホームズくんBETA LINE版」に新機能追加・国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」と連携し 通学区からの物件検索とエリア毎の不動産取引価格相場の確認が可能に・一人ひとりに寄り添った住まい探しをお手伝いする、GPTs版「LIFULL HOME'S」を提供開始・LIFULL HOME'Sが不動産ポータルサイトで「物件鮮度No.1 」獲得・LIFULL HOME'S「FRIENDLY DOOR」、外国語対応可能な不動産会社を探せる一覧ページをリリース・LIFULL HOME'Sの 「AIホームズくんBETA LINE版」が住宅弱者の住まい相談にも対応可能に・LIFULL HOME'Sが 「物件鮮度No.1 」を2年連続で獲得・LIFULL、「おとり物件」撲滅に向けて 不動産賃貸大手・レオパレス21との情報連携を開始 ・LIFULL HOME'S、自社開発AIによる「おとり物件」の検知・自動非掲載を開始・4月の太陽光発電設置義務化に向け、太陽光パネルの設置状況および設置物件の価格をLIFULL HOME'Sが調査・LIFULL HOME'Sが 「高齢者の就労と住まい探し」の実態調査を実施 ・煩雑な物件情報更新作業を効率化し、「物件鮮度」向上にも寄与する「LIFULL HOME'Sメンテナンス見える化ツール」が特許を取得住宅弱者の解消「FRIENDLY DOOR」の参画店舗数6,000店舗5,096店舗6,003店舗6,746店舗 地方創生サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績空き家、遊休不動産などの新たな利活用促進LIFULL HOME'S空き家バンクの累計登録物件数:10万件2.3万件 ・令和4年度国土交通省空き家対策モデル事業による、全国版空き家バンクの物件数増加及びマッチング促進事業・空き家バンクを運営する自治体の空き家対策業務の負担・実態の調査3.8万件 ・令和5年度国土交通省空き家対策モデル事業の推進(自治体等の物件情報と全国版空き家バンクとの情報連携等)・空き家の相談員の担い手育成の推進(LIFULL地方創生 スクール)・自治体データを活用した空き家の掘り起こし調査・空き家所有者の意識醸成を自治体と連携して推進(セミナー開催、冊子制作等)4.4万件 ・令和6年度国土交通省空き家対策モデル事業の推進(空き家所有者向け質問プラットフォームの構築等) ・空き家の相談員の担い手育成の推進(LIFULL地方創生 スクール)・LIFULL HOME'S等社内での既存の知見、リソースを活かしたサイト改善の実施 新たな再生事例の創出---関係人口の拡大増加関係人口(※2):のべ9.3万人7.6万人9.0万人9.3万人投融資促進のための新たな仕組みの創設地方創生分野におけるLIFULLグループの金融商品やサービスを通じた投融資総額の拡大900万円(1物件を購入し再生)1,007万円「地方創生」の課題「投融資促進のための新たな仕組みの創設」については、課題の趣旨に鑑み、30期以降の実績集計対象を、株式会社LIFULLに加えて、金融領域のグループ会社を通じた地方創生に資する投融資にも拡大いたしました。
(2024年12月変更)1,931万円 超高齢社会サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績老後の介護の不安の解消老人ホーム・介護施設検討におけるインターネット利用シェア:30%31.7%2023年9月期時点で中期ターゲットを達成したため、以降は調査を行っておりません。
人材サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績社会課題を解決するリーダーの輩出社会課題解決につながる事業提案ができる人材を増やす新規事業承認実績:1件事業責任者経験者数:25名※「人材」の課題「社会課題を解決するリーダーの輩出」については、進捗を測るための適切性を再検討し、30期以降の実績集計対象を「事業責任者の経験者数」に変更いたしました。
(2024年12月変更)事業責任者経験者数:25名DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進性別や年齢、国籍等の違いに関わらず自分らしく活躍する社員を増やすインクルージョンサーベイでのポジティブ評価:78%インクルージョンサーベイでのポジティブ評価:86%インクルージョンサーベイでのポジティブ評価:86%ジェンダーバイアスにより管理職やスペシャリスト(※4)を諦める人を減らす社員キャリア志向調査の結果: -管理職意向 男性43%、女性19% -スペシャリスト意向 男性38%、女性30%社員キャリア志向調査の結果: -管理職意向 男性50%、女性29% -スペシャリスト意向 男性34%、女性31%社員キャリア志向調査の結果: -管理職意向 男性47%、女性29% -スペシャリスト意向 男性32%、女性29%社員のWell-beingエンゲージメントを高める組織サーベイ結果:総合スコア3.8点/5点組織サーベイ結果:総合スコア3.9点/5点組織サーベイ結果:総合スコア4点/5点健康診断受診率100%健康診断受診率:100%健康診断受診率:100%健康診断受診率:100%ストレスチェック受検率を高めるストレスチェック受検率:94.3%ストレスチェック受検率:93.4%ストレスチェック受検率:94.8% 情報セキュリティサステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績各国における個人情報保護関連法への対応各国での個人情報保護関連法改正への対応体制の強化・60以上の国や地域に事業展開するLIFULL CONNECTおよびLIFULLの機能子会社であるLIFULL Tech Vietnam、LIFULL Tech Malaysiaについて、各社の対応体制および対応状況に関するチェックを実施・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを実施・60以上の国や地域に事業展開するLIFULL CONNECTおよびLIFULLの機能子会社であるLIFULL Tech Vietnam、LIFULL Tech Malaysiaについて、各社の対応体制および対応状況に関するチェックを実施・LIFULL Tech Vietnamにて、個人情報保護に関する政令13号(13/2023/ND-CP)に対応・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを実施・LIFULL Tech Malaysiaにて、個人情報保護法の改正に対応・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを継続実施本社機密情報管理委員会による半期ごとのチェッククリアチェッククリア(同左)チェッククリア(同左)チェッククリア(事業展開国での情報収集体制が構築されていることを確認)サイバー攻撃等への技術的・組織的対応力の強化情報セキュリティテスト合格率100%100%100.0%100.0%サイバーBCP演習の定期実施・前年度の演習で生じた課題への対応や、危機対策本部設置基準、対応マニュアルなどの見直しを実施・サイバー単独のBCPからオールハザード型 BCPへの移行にともない、演習は30期に実施予定・オールハザードBCPの方針整理を実施・危機的事象発生時の対策として記者会見演習を実施※2024年9月19日に公表いたしましたとおり、グループ会社の健美家においてサーバーへの不正アクセスが発生し、対応を行いました。
この事態を重く受け止め、再発防止のため、各種情報の保存場所、アクセス権の管理などの運用や社内教育などを一層強化してまいります。
・対策本部対応計画の改訂を実施・本部におけるBCP演習を実施仕組みとしてのセキュアな環境の整備M&Aした会社における半年以内のグループ会社セキュリティ基準への準拠率100%97.5%・22年9月期にグループ入りした対象3社はすべて準拠済み・23年9月期にグループ入りした対象2社は一部項目で準拠対応中・対象となる新規M&Aはなし・前期対応中の課題についてモニタリングを継続・社会的にみられる内部不正事案の増加と、それに伴う対策レベル水準の上昇を受け、内部不正対策の再点検を実施し、強化施策の検討を開始・対象となる新規M&Aはなし 社内ITシステムDX推進計画の遂行社内ITシステムのDX推進計画におけるセキュリティ強化策として予定していた内部不正対策の仕組みについては予定通り運用を開始DX推進計画は予定通り継続中・DX推進計画としてのWebフィルターの導入を完了・次期DX推進計画として既存セキュリティ体制の更なる改善のための点検を開始 ガバナンスサステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績公正な事業活動を率先する人材・組織の育成コンプライアンス及び内部統制に関する継続的な教育の実施・コンプライアンス研修3回実施(複合的なテーマで実施)・子会社におけるコンプライアンス研修の実施サポート・コンプライアンス研修4回実施(全社員向け2回、役職者向け1回、新入社員向け1回)・コンプライアンス研修3回実施(全社員向け1回、役職者向け1回、新入社員向け1回) 重大なコンプライアンス違反0件0件4件 会社経費の不正利用:4件(うち懲戒解雇3件)4件 会社経費の不正利用:4件 ガバナンス体制の強化取締役会実効性評価の実施と指摘事項への対応・取締役会実効性評価を実施・取締役会実効性評価を実施・取締役会実効性評価を実施。
・評価結果を踏まえ、「取締役会の在り方」について改善策を協議中 ・長期戦略検討の枠組みでマテリアリティの更新を検討中女性役員比率50%(2030年度)16.6%23.1%30.8%リスクマネジメントの強化グループ各社でのリスクベースの経営を促進する子会社での全社的リスク管理(ERM)の新規導入(国内1社、海外1社)海外想定リスクに関するプロジェクトを推進子会社での全社的リスク管理(ERM)の新規導入(国内1社、海外1社) グローバルな課題への取組みのうち、環境(環境負荷の低減)については、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応」欄に記載しております。
人権(人権の尊重・DEIの推進)については、目標、指標は設定しておりません。
※1 中期ターゲットの期日は、記載のあるもの以外は2025年9月期末※2 LIFULLグループの活動により移住や地方交流などの地域活性に関わった人の合計※3 誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価、「4 まあ発揮できる環境」+「5 発揮できる環境」の合計※4 「スペシャリスト」とは、特定の職種において高度な専門性を発揮し、会社に大きく貢献できると評価された人材。
当社では、組織マネジメントによる貢献を期待されるマネジメント職と同様に、高度な専門性による貢献を期待されるスペシャリストを、当社の中核人材のひとつに位置付けています。
※5 「あなたがLIFULLで働く上で、将来的に管理職になりたいと思いますか?」という設問に対して「なりたい」と回答した割合    ※6 5と同じ調査でスペシャリストになりたいと回答した割合 2.気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応当社は、気候変動問題を重要視し、サステナビリティ課題(マテリアリティ)の1つとして「環境負荷の低減」を設定しております。
あわせて、2023年10月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、TCFD提言に基づいた体制整備と情報開示を進めております。
(1)ガバナンス当社取締役会は、気候変動を含むサステナビリティに関する方針や重要案件の審議・決定を行うとともに、取り組み状況の評価・管理を行います。
サステナビリティ推進部門は、担当執行役員であるグループ経営推進本部長(現経営統括本部長)の監督の下、当社グループを横断し気候変動に関するリスクと機会の特定のために必要な情報のヒアリングを実施して取締役会へ報告、提言を行います。
決定した対応施策等はサステナビリティ推進部門と各管轄部門、各子会社が連携して遂行します。

(2)戦略当社は、TCFD提言に基づきシナリオ分析を行い、気候変動がもたらすリスクと機会、及び対策について下表のとおり特定しました。
分析にあたっては、脱炭素社会への移行によるCO2排出量削減に向けた動きが急速に進行した社会を想定した1.5℃シナリオを採用しました。
想定されるリスク事業インパクトリスクへの対応移行リスク政策・規則炭素税の導入による負担増中・省エネルギー施策による炭素排出量の削減 ・再生可能エネルギー導入による脱炭素化の推進 市場・サービス再生可能エネルギーへの転換(炭素税及び規制の導入を含む)によるコスト増中・省エネルギー性能の高いPCやオフィス機器等の導入・エネルギー効率の高いクラウドサービス等の導入気温上昇による社内電力需要の高まりによるコスト増発電コスト増加に伴う電気代高騰によるコスト増 気温上昇による運転コスト増に伴うサーバー運用コスト増 評判環境意識の高まりによる行動変容・価値観の変化に対応できない場合のレピュテーション低下や、事業の収益性の悪化 小・市場動向に合わせた商品・サービス開発・情報開示の充実とステークホルダーとの適切なコミュニケーション 気候変動への対策不足による、ステークホルダーからのレピュテーション・市場における評価の低下物理リスク異常気象による本社・事業所の水没等のリスクについては、現在のオフィス立地では可能性は低いため関連はないと判断しました。
-- 機会環境配慮サービスの提供機会の増加 (3)リスク管理当社グループでは、企業経営・事業継続に影響を及ぼす事業リスクの特定・評価・管理が重要な課題であると認識し、リスク管理委員会において、管理体制を整備しています。
気候変動リスクの管理はサステナビリティ推進部門が担当し、リスク管理委員会との連携を図っています。
担当執行役員であるグループ経営推進本部長(現経営統括本部長)は気候変動リスクについて年1回取締役会への報告を行っています。
(4)指標と目標当社では、二酸化炭素排出量を気候変動に関わる評価指標として、GHGプロトコルに基づき算定しています。
2025年9月期の排出量につきましては、原単位データが入手でき次第、2026年2月中にコーポレートサイトにて開示予定です。
(当社グループにおけるCO2排出量) 2022年9月期2023年9月期2024年9月期備考Scope1直接排出000 Scope2電力(tCO2)577.2595.8440.4オフィス出社頻度の高まりにより排出量増加 ■集計対象①Scope1 当社事業活動において直接的なエネルギーの燃焼は行っておりません。
②Scope2 本社および国内、海外拠点のオフィス、または住まいの窓口等の事業施設、店舗における他社から供給された電気の使用によるもの  ■算出方法Scope2 「電気事業者別排出係数一覧」を参照し、算定しているものです。
国内電力:電気事業者別排出係数海外電力:国際エネルギー機関が公表する国別の排出係数 (Scope3カテゴリー別CO2排出量)カテゴリー主要品目2022年9月期2023年9月期2024年9月期備考1業務用機器の購入(tCO2)369.7150.6230.3-1外部サービス(MtCO2)(※)107.538.982.14サービスプロバイダーの脱炭素への取組みにより排出量は減少。
今後も更に減少する見込み6出張(tCO2)115.1253.9279.0顧客訪問や海外出張の増加、ならびに海外研修の再開により排出量が増加7通勤(tCO2)32.1177.00123.7国内でのオフィス出社頻度の高まりにより排出量増加 ※カテゴリー1「外部サービス」のみ、単位をMtCO2に切り上げて表記しております(クラウドサービス等の利用における排出量が圧倒的に多いため) ■集計対象カテゴリー1(業務用機器):業務用PC、スマートフォン等の端末の購入カテゴリー1(外部サービス):AWS等外部のクラウドサービスの利用カテゴリー6:国内および海外への従業員の出張のための移動(宿泊に伴う排出は除く)カテゴリー7:従業員のオフィスへの通勤のための移動(通勤交通費を支給していない海外グループ会社、および交通手段別の原単位データを収集していない海外グループ会社は除く) ■算出方法:カテゴリー1(購入品):「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位DB」を参照し、購入金額に基づき算定しているものです。
カテゴリー1(サービス):サービスプロバイダーより提供されたCO2排出量を記載しているものです。
カテゴリー6:「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位DB」を参照し、出張に伴う旅費交通費の交通手段別に排出原単位を乗じて算出したものです。
カテゴリー7:「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位DB」を参照し、通勤交通費の交通手段別に排出原単位を乗じて算出したものです。
3.人的資本・多様性(1)LIFULLの人材戦略 当社は経営理念「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を掲げ、事業活動に取組んでおります。
様々な社会課題をビジネスによって解決し、あらゆる人々の暮らしに安心と喜びをもたらすことが当社の使命であり、人的資本をはじめとした各種資本の適切な投下により、多様な事業を通じた社会課題解決と利益創出の好循環を生み出すことを目指しています。
当社の人材戦略においては、社員が経営理念の実現を目指して内発的動機に基づき挑戦することを核とし、以下7つの重点テーマをおいています。
・すべての社員が経営理念を心から実現したいと考えている状態を目指し(①経営理念の共有)、・経営理念の実現のために社員に期待する思考、行動習慣となる企業文化を設計し浸透させ(②企業文化の設計・浸透)、・経営理念実現に必要な人材を確保し(③人材の確保)、これらを基盤として、・社員一人ひとりの内発的で多様な問題意識を起点とした挑戦を奨励し(④内発的動機に基づく挑戦)、そのために、・社員が安心して挑戦できる土台を整えつつ、社員の仕事・人生の充実を図り(⑤Well-being)、・個々人のアウトプットをチームの成果として最大化する仕組みをつくり(⑥チームの成果の最大化)・さらに仲間同士で違いを歓迎し、化学反応を起こす関係性を醸成すること(⑦違いを歓迎するチーム)に注力しています。

(2)指標及び目標経営理念の実現を目指す上で重視している主な指標は「社会課題解決に挑む事業数」と「社中分配前利益(※)」です。
人材戦略においてもこの2指標をモニタリングしながら、7つの重点テーマにおける各種施策、取組みを推進しています。
足元では利益の成長を全社的な課題としており、⑥チームの成果の最大化の中の指標として「一人当たり社中分配前利益」を定め、生産性の向上を図るために「KPIマネジメント」をはじめとした各種施策・取組みを進めてきました。
これらの結果、2024年9月期に12.9百万円だった一人あたり社中分配前利益は2025年9月期において16.2百万円(前期比+25.6%)に向上しております。
引き続き収益向上に取組み、創出した利益を社会課題解決に向けた新しい事業に投資して、経営理念の実現を目指してまいります。
※当社では、ステークホルダー(コンシューマー、クライアント、従業員、パートナー、株主、社会、地球環境)を広い意味での仲間という意味で「社中」と呼びます。
社会への貢献や事業活動の本質的な成果を図る指標として、従業員やパートナーへ配布する前の利益を「社中分配前利益」と定義し、追っています。
具体的には売上総利益から事業上必要なコストが差し引かれたもので、人件費や外注費といった社中分配にあたるコストが発生する手前の利益がそれにあたります。
指標2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績社会課題解決に挑む事業数※242322社中分配前利益(百万円)9,7469,88612,158 ※期末時点で継続する社会課題解決を目標に掲げる事業数。
その他、人材戦略の各重点テーマにおける指標及び目標は以下のとおりです。
重点取組み指標目標実績(2023年9月期)実績(2024年9月期) 実績(2025年9月期)経営理念の共有企業文化の設計・浸透役員が理念浸透にかける時間(年間) 126時間95時間133.5時間「会社の経営理念の実現に貢献したい」と回答した社員(※1)100%81.0%84.5%85.5%経営陣の経営理念体現度評価(※2)100%87.4%88.6%85.1%個人への投資内発的動機付けに基づく挑戦異動希望(キャリア選択)が実現した割合 62%78%46%挑戦スコア(※3)100%77.6%82.0%84.6%[1]Well-being健康診断受診率100%100%100%100%ストレスチェック受検率 94.3%93.4%94.8%Well-beingスコア(※4) 3.40点3.45点3.52点組織サーベイの総合スコア 3.8点3.9点4.0点チームへの投資チームの成果の最大化KPIマネジメントの実行度(※5) -78.7%79.4%事業責任者経験者数(※6) 29人25人25人一人あたり社中分配前利益 12.0百万円12.9百万円16.2百万円[2]違いを歓迎するチーム女性管理職比率(※7) 19.2%22.8%24.6%外国籍の従業員比率(※7) 3.9%3.5%3.7%中途社員比率(※7) 73.0%75.2%74.5%障害者雇用率(※7) 3.04%3.04%2.09%キャリア志向(※8)男性:管理職 43%50%47%女性:管理職 19%29%29%男性:スペシャリスト 38%34%32%女性:スペシャリスト 30%31%29%インクルージョンスコア(※9)100%78%86%86% ※1 「会社の理念の実現に貢献したいか」を5段階で評価。
4点または5点をつけた社員の割合※2 各経営陣が「経営理念を繰り返し魅力的に語っているか」、「戦略の概要やその戦略を策定した理由等を、わかりやすく説明しているか」、「戦略の実行にリーダーシップを発揮しているか?」等、経営理念実現に向けた経営陣の経営理念体現度を評価するアンケート ※3 現在の仕事は、チャレンジングかを5段階で評価。
「1 チャレンジング」及び「2 ややチャレンジング」と感じている社員の割合※4 目的、幸福、満足、ストレスに関する4つの設問の平均点※5 「KPIマネジメントを適切に実行できている」と感じている社員の割合※6 2019年9月期から2025年9月期の期間中に「社会課題解決に挑む事業」の責任者を経験した従業員の人数(退職者を除く)※7 従業員比率等は2025年9月末時点の実績を記載しております。
※8 「あなたがLIFULLで働く上で、将来的に管理職(またはスペシャリスト)になりたいと思いますか?」という設問に対して「なりたい」と回答した社員の割合※9 インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(2025年9月時点):誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価。
「4 まあ発揮できる環境」及び「5 発揮できる環境」の合計の比率 (3)各重点テーマにおける取組み①経営理念の共有当社では、社員は経営理念を実現するために集まった同志であり、会社は経営理念を実現するために組成されたチームと考えています。
すべての社員が常に経営理念を意識し、経営理念の実現を目指して行動できるよう、下記をはじめとした各種の取組みを行っております。
(経営陣による共有機会)毎月の全社総会の他、新卒入社者・派遣社員も含む中途入社者に向けて行う入社式、育児や介護からの復職者等に対するビジョンシェアリング、入社半年を過ぎた社員を対象に経営陣が持ち回りで講師となり教育する研修「ビジョンカレッジ」等、経営陣が率先して経営理念の共有を推進しています。
経営陣の理念共有にかける総時間は年間133.5時間以上に及びます。
(2025年9月期実績) (役員の心得アンケート/経営陣の経営理念体現評価)経営理念と一貫性のある経営を行うため、執行役員向けに三箇条の指針の指針(役員の心得)を定めています。
半年に一度、 社員アンケートを実施し、各経営陣が経営理念を繰り返し魅力的に語っているか、戦略の概要やその戦略を策定した理由等をわかりやすく説明しているか、戦略の実行にリーダーシップを発揮しているか等 、各指針の体現度について評価する機会を設けています。
2025年9月期評価では85.1%の社員が、経営陣が経営理念を実現するための行動ができていると評価しています。
(人事制度)人事評価制度には社是・経営理念・ガイドラインの体現度合いを評価する項目を設け、半年に一度フィードバックを行うことで、常に理念を意識して行動するように促しています。
(ビジョンツリー)当社では、社内のすべての組織で経営理念に紐づいた組織ビジョンを策定しています。
各組織のビジョンは所属している社員が意見を出しあい、各組織でどんなゴールをどう実現していくか言語化しています。
社員一人ひとりが組織ビジョンの策定に参加することで、それを実現するための業務に主体的に取り組むようになります。
各組織で策定したビジョンは「ビジョンツリー」という形でまとめ、経営理念から自分の所属組織まで順番に読んでいくことで、経営理念と日々の業務との繋がりを理解することができる仕組みになっています。
これらの活動の結果、85.5%の社員が「経営理念の実現に貢献したい」 と回答しています。
※2025年6月時点の組織サーベイ ②企業文化の設計・浸透当社では、経営理念を実現するために社員に期待する行動を定義した「ガイドライン」を策定しています。
事業戦略や外部環境の変化により社員に期待するべき行動も変わってくるため、ガイドラインは4~5年に一度の見直しを行っており、現行版は2023年10月に改定したものとなります。
時々の変化を反映したガイドラインを運用することで、常に状況に応じた行動の変容を促し、変化に強い企業文化を作りあげています。
また、人事評価における評価項目や同僚同士で行う360度フィードバックにおける項目には、ガイドラインの体現度合いを取り入れています。
③人材の確保当社では、経営理念の実現に向けて、必要に応じて新卒採用、中途採用、海外開発拠点の強化を行い、世界中で優秀な人材を確保しています。
特に、当社の事業にとって重要な職種の一つであるエンジニアについてはグローバルでの開発体制の構築を目指し、2017年にベトナムのVietnam Creative Consulting Co.,Ltdを子会社化(現LIFULL Tech Vietnam)、さらに2023年にマレーシアに子会社(LIFULL Tech Malaysia)を設立しています。
現在、国内拠点と海外拠点の連携を強化してグローバル開発体制を構築し、開発力を最大化するスキームを設計しています。
エンジニアの社員数は1年で18.2%増加し、2025年9月末時点で266名となっています。
これらの企業文化設計を基盤として、以下の「個人への投資」と「チームへの投資」を行っています。
④個人への投資「内発的動機付けに基づく挑戦」当社は人材戦略の核に「内発的動機」を置いています。
人はやりたいことに取り組んでいるときにこそもっとも熱中して成果を上げ、自発的に学び、大きく成長します。
よって、内発的動機に基づく挑戦機会づくりに投資することが、経営理念実現に向けたもっとも効果的な人的資本投資であるともに、社員のキャリアビジョンの実現にも効果的であると考え、様々な機会を設けています。
ア)経営理念実現に向けた挑戦機会様々なかたちの挑戦機会を提供することで、社員がガイドラインに則した「大胆な挑戦」をし、戦略的に多様な事業を生み出し続けていくための文化づくりを行っています。
(SWITCH/新規事業提案制度)社員が誰でも新規事業の立ち上げやグロースに関わることができる制度です。
31期は、役員と参加を希望した社員がチームを組み、新規事業の成長支援施策に取り組み、大きな成果を上げることができています。
本制度を通じ、社員は普段関わらない業務に挑戦することで、当事者意識の醸成と自律的な成長を促し、企業価値の向上に繋げています。
(クリエイターの日)変化の激しい技術開発領域やクリエイティブ領域における知識や能力を高めるため、通常業務を離れて、新たな技術やそのアウトプットに取り組むための社内制度です。
技術・アイデアの醸成や様々なプロジェクト発足の機会となっています。
(クリエイティブアワード)プロジェクトの成果やプロセスを社内で発表し、社員の投票によりグランプリを決める表彰制度です。
新しい価値の創出や、既存の機能等の改良・改善といった視点で高評価を獲得したプロジェクトについての知見の共有や、より多くの社員の挑戦意欲の向上に役立っています。
イ)キャリアビジョン実現に向けた挑戦機会当社では、社員の内発的動機付けを人材戦略の中心に据えているため、仕事の任命はできる限り本人のキャリアビジョンを尊重して行います。
社員のキャリアビジョンの実現を支援する制度や取組みを以下のように整備しています。
(キャリア選択制度)社員個人のキャリアビジョン実現の支援策として、半期に一度自身のキャリアビジョンに沿った部署の異動を希望することができるキャリア選択制度があります。
2025年9月期は希望した社員のうち46%の社員の異動希望が叶い、希望の部署に異動をしています。
(キャリフル/社内兼業制度)部署の異動を伴わない社内兼業制度「キャリフル」では、業務時間の10%を使って所属する部署以外での仕事を経験することができます。
2025年9月期は34名の社員が本制度を利用し、自身のキャリア形成や成長の機会として活用しています。
(キャリアライズ/兼業届出制度)当社では、自身の成長や会社の成長に繋がる場合に兼業を許可しています。
2025年9月期はこの「キャリアライズ」を利用して111名の社員が兼業を行っています。
(テクニカルスキル)社員が自ら専門性を高め、強みを発揮しながら成果を創出できるよう、約50の職種別テクニカルスキルの定義を策定しており、計画的に改定しています。
社員は半期に一度、目標設定し、テクニカルスキルの発揮状況の自己評価をおこないます。
上司はテクニカルスキルの定義に基づいたフィードバックを行うことで、社員の成長を支援しています。
また、すべての社員のスキルを可視化することで、チーム組成時に最適な候補人材を選出することが可能になっています。
(LIFULL大学)普段の業務や必須研修以外に、社員が自分の意志で学びたい分野の知識・経験を得られる学びの場として、社内大学「LIFULL大学」を設置しています。
各学びの場を「ゼミナール(ゼミ)」と名付け、年間約60のゼミを開催しています。
講師は原則として自薦や他薦により社員が務めます。
2025年9月期は、コーディングゼミ、提案力養成ゼミ、編集ゼミ、ファシリテーションゼミ、GAIに関するゼミ、アクセシビリティゼミ等、様々なゼミが社員の自発的な提案に沿ったテーマで開催されました。
ウ)プロジェクト文化当社には全社横断の「プロジェクト」が複数あり、有志社員によって運営されています。
経営理念の共有・浸透を掲げるビジョンプロジェクト、ダイバーシティ推進のためのD&I+委員会、社会貢献活動支援(One P's)委員会、クリエイティブアワード運営委員会、生成AIを活用し既存業務をアップデートするGyoumu Hackers等、会社全体の課題に目を向け、改善・提案していくために、多数の社員が自発的に参加、活動しています。
プロジェクトに参加する社員ののべ人数は、2025年9月末時点で全社で136人に上り、ボトムアップで会社をより良くするための様々な取組みを行っています。
エ)人材の抜擢現在当社では積極的な組織長への登用(抜擢)を行っています。
抜擢によって、リーダーのポテンシャルを有する人材の発掘や、抜擢された人材の周囲の人材によい刺激を与えることを目的としています。
2025年10月には、全社員の5.2%が新たに一つ上の組織階層に登用されました。
これら「内発的動機付けに基づく挑戦」を推奨する様々な機会や各取組みを通して、現在の仕事は、チャレンジングかを5段階で評価した結果、「チャレンジできている」と感じている人の割合は84.6%となりました。
このように挑戦の機会を創出し、実力主義による多様な人材を登用することで、経営理念の実現に向けた事業創出を可能とする人材の輩出を目指しています。
⑤個人への投資「Well-being」当社では、Well-beingを追求することは、社員の内発的動機に基づく挑戦や生産性の向上に繋がり、その結果として事業の持続的成長や企業価値の向上につながるものと考えています。
ア)心身の健康支援「まなぶ、はかる、しえんする」の3つの活動を柱に、社員が内発的動機に基づいてセルフケアができるような支援をおこなっています。
「まなぶ」においては、健康診断結果の読み方、産業医によるテーマ別のセミナーの定期開催等、自身でメンタルヘルス、フィジカルヘルスの向上に取り組めるように、専門家から様々な知見を得られる機会を提供しています。
「はかる」については、フィジカル、メンタル、エンゲージメント等の状態を定期的に測定して社員にフィードバックすることで、個々の課題、原因、打ち手を明確にします。
2024年4月から2025年3月の健康診断の受診率は100%(前期比+0ポイント)、2023年4月~2024年3月の睡眠習慣(適正な睡眠習慣を有する者の割合)73.4%(前期比▲2.3ポイント)、飲酒習慣(不適正な飲酒習慣を有する者の割合)14.9%(前期比▲0.1ポイント)、喫煙習慣(不適正な喫煙習慣を有している者の割合)率は17.3%(前期比▲0.7ポイント)となっています。
2025年9月期のストレスチェックの受検率は94.8%(厚生労働省の基準値:78%)でした。
高ストレス判定率は10.52% (同・基準値:14.2%)は昨年よりも0.03ポイント増加し、仕事の量的負荷も8.8点(同・基準値:8.4)と基準値を上回っていますが、一方で仕事のコントロールは9.0点(同・基準値:7.9)、上司の支援は8.9点(同・基準値:7.5)、同僚の支援は8.6点(同・基準値:8.1)と、健全な負荷がかかりつつも、自身で仕事のコントロールができ、上司・同僚からの支援がしっかり得られている状態を維持しています。
イ)多様で柔軟な働き方の推進フレックスタイム制、週休3日制度、事由を問わない短時間勤務、社員が自身のLIFEをFULLにするための休暇制度等、多様な事情を抱える社員が力を発揮できるよう制度を整えています。
近年では、ハイブリッドワークの環境下においても、新入社員が帰属意識を感じられるよう「コミュニケーションルール」を定め、全社・各チーム・上司それぞれの関係性において、心理的安全を確保するための基本のコミュニケーション設計を行い運用しています。
これらの活動の結果、Well-beingスコア※は、5点満点中3.52点(前期比+0.07ポイント)となりました。
 ※Well-beingスコア:目的、幸福、満足、ストレスに関する4つの設問の平均点 ⑥チームへの投資「チームの成果の最大化」当社では「生産性の向上」を全社的な組織課題と位置づけ、その向上に向けて様々な取組みを行っています。
ア)KPIマネジメント当社では、当社社外取締役でKPIマネジメントの第一人者である中尾隆一郎の指導のもと、全社でKPIマネジメントを実践しています。
KPIマネジメントとは、KPI(重要業績評価指標)をもとに目標達成までを管理するマネジメント方法です。
全組織において、目標達成に向け最も投資対効果の高い先行指標を特定し、リソースを集中するノウハウを浸透させることで、効果的に成果を上げるようになっています。
2025年9月時点で、79.4%の社員が、KPIマネジメントを適切に実行できていると回答しています。
イ)日次採算性向上KPIマネジメントを支える仕組みとして、社員が各業務にかかる工数を記録し、振り返りができる「工数管理」を導入しました。
時間配分を見直し、KGI(経営目標達成指標)達成につながるコア業務により多くの時間を充てられるよう改善することで、生産性を高めています。
ウ)ハイブリッドワーク当社では週3日オフィス勤務を基本のルールとしています。
管掌執行役員の承認のもと、「チームの成果の最大化」を目的に、チームごとに最適なルールに変更することも可能です。
エ)サクセッションプラン経営に大きな影響を及ぼす経営者や主要事業・機能責任者の後継者育成計画を立案し、育成しています。
取締役候補については指名委員会、執行役員以下の主要事業・機能責任者については未来人材会議という会議体をそれぞれ定期的に開催し、後継者候補人材の特定、育成状況のモニタリング、今後の育成計画の決定などを行っています。
オ)社会課題解決に挑む事業の責任者を経験した人数2019年9月期から2025年9月期の期間中に「社会課題解決に挑む事業」の責任者を経験した従業員の人数は25人となりました(退職者を除く)。
これらのチームの成果の最大化による生産性向上の取組みの結果、2025年9月期の一人あたり社中分配前利益は、16.2百万円(前期比+25.6%)と改善しました。
⑦チームへの投資「違いを歓迎するチーム」当社では、多様な個性を持つすべての社員が内発的動機に基づき挑戦できるよう、互いの違いを歓迎し、それぞれの力を最大限発揮できるチームをつくっています。
ア)心理的安全性向上に向けた取組み当社では、社員が上司や他のメンバーに対し、自分の考えや感情を率直に伝えることができ、間違ったことや反対意見を述べても安全だと感じられる雰囲気「心理的安全性」を重視しています。
ガイドラインでは「敬意をもって意志を伝え、決定には全力を尽くす」という条文を定め、相手に敬意を払いながら自分の意志を率直に伝えることを求めています。
これを可能にするための施策として「チームビルディングプログラム」を全社的に行っています。
互いのことを理解し、チームが「率直なコミュニケーションができる安全な場」と感じられるよう、各部門長がチームや個々の状態に合わせたプログラムを検討し、実施しています。
また、各部署内でのランチ会や飲み会などのコミュニケーション予算として月3,500円を支援しています。
さらに、ハイブリッドワークの環境下においても社員同士や新入社員が帰属意識を感じられるよう「コミュニケーションルール」を定め、上司との1on1の頻度や出社して顔を合わせる「コミュデイ」等、全社・各チーム・上司とメンバーそれぞれの関係性において、心理的安全を確保するための基本のコミュニケーション設計を行い運用しています。
また、全社的な部門を超えたコミュニケーションの機会としてサークル活動を支援しています。
1サークルに月1万円の支援金を支給しており、2025年9月末現在、約70のサークルが活動しており、社員の約53%が参加しています。
事業年度の初めには全社員が参加するキックオフイベントを開催しており、部門を超えた交流機会となっています。
イ)多様な人材の活躍当社では、多様な個性やバックグラウンドを持つ従業員一人ひとりが、互いの違いを歓迎し、それぞれの能力を存分に発揮できる組織風土を育むことでイノベーションを促進しています。
正社員の女性比率は2025年9月期39.6%となっております。
女性管理職比率は2022年9月期18.6%、2023年9月期19.2%、2024年9月期22.8%、2025年9月期24.6%と改善しています。
管理職の登用に関し、当社では男女問わず公平な機会を提供し、能力と人格を兼ね備えた人物を昇進の対象とするというポリシーから女性管理職比率の数値目標は設定しておりませんが、管理職やスペシャリストを目指す社員の割合(キャリア志向調査:2025年9月期時点、管理職意向:女性29%・男性47%、スペシャリスト意向:女性29%・男性32%)の性差を課題と捉え、管理職やスペシャリストを目指す女性社員の割合が男性社員と同程度になることを目標に、研修プログラム等を実施しています。
また、採用・登用にあたっては、ジェンダーなどの属性のみならず、知識・経験の多様性を重視しています。
全社に占める中途社員比率は2025年9月期では74.5%でした。
当社の障害者雇用率は2025年9月期末で2.1%(法定雇用率2.5%)です。
社内にジョブコーチの資格をもつ障害者職業生活相談員を選任しており、障害者が自身の特性や強みを発揮しながら、安心して仕事ができるようサポートしています。
その他、50歳になった社員のキャリアプランや人生設計を支援する「elFULL(エルフル)プログラム」の定期開催、事実婚パートナー、同性パートナーに対する各種休暇制度や慶弔見舞金制度の適用等も行っています。
これらの活動によって、86%(※)の社員が「今の職場は誰もが持ち得る力を最大限発揮できる環境だと感じている」と回答しています。
※インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(2025年9月時点):誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価。
「4 まあ発揮できる環境」及び「5 発揮できる環境」の合計の比率。
戦略
(2)戦略サステナビリティ方針のもと、事業と社会課題の紐づけやマッピングを行い、「事業を通じて解決する社会課題」「事業活動を支える基盤」「グローバルな課題への取組み」の3つのカテゴリーで8つの重点テーマを定め、サステナビリティ課題(マテリアリティ)を特定し、これに取り組んでまいりました。
(事業を通じて解決する社会課題)テーマ1:住生活・あらゆる住み替えの選択の自由と利便性の向上 ・住宅弱者の解消 テーマ2:地方創生・空き家、遊休不動産などの新たな利活用促進 ・関係人口の拡大 ・投融資促進のための新たな仕組みの創設 テーマ3:超高齢社会・老後の介護の不安の解消 (事業活動を支える基盤)テーマ4:人材・社会課題を解決するリーダーの輩出 ・DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進 ・社員のWell-being テーマ5:情報セキュリティ・各国における個人情報保護関連法への対応 ・サイバー攻撃等への技術的・組織的対応力の強化 ・仕組みとしてのセキュアな環境の整備 テーマ6:ガバナンス・公正な事業活動を率先する人材・組織の育成 ・ガバナンス体制の強化 ・リスクマネジメントの強化 (グローバルな課題への取組み)テーマ7:環境・環境負荷の低減 テーマ8:人権・人権の尊重・DEIの推進
指標及び目標 (4)指標・目標各サステナビリティ課題に関する指標・目標は以下のとおりです。
住生活サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績あらゆる住み替えの選択の自由と利便性の向上物件データベースの拡充:物件DB数 3,000万件(※住宅ストック約6,000万の50%をカバー)28,352,687件28,639,868件28,904,997件安心、安全を届けるための新しい情報の拡充・「外国籍接客チェックリスト」をLIFULL HOME'S加盟店向けに提供開始・「高齢者接客チェックリスト」をLIFULL HOME'S加盟店向けに提供開始・おとり広告撲滅に向けて、新たに不動産管理会社5社と情報連携を開始・「LIFULL HOME'S FRIENDLY DOOR」に「家族に頼れない若者」「フリーランス」のカテゴリー追加・住宅弱者の住まい探し支援に特化したAIチャット「接客サポートAI by FRIENDLY DOOR(BETA版)」を提供開始・「AIホームズくんBETA LINE版」に新機能追加・国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」と連携し 通学区からの物件検索とエリア毎の不動産取引価格相場の確認が可能に・一人ひとりに寄り添った住まい探しをお手伝いする、GPTs版「LIFULL HOME'S」を提供開始・LIFULL HOME'Sが不動産ポータルサイトで「物件鮮度No.1 」獲得・LIFULL HOME'S「FRIENDLY DOOR」、外国語対応可能な不動産会社を探せる一覧ページをリリース・LIFULL HOME'Sの 「AIホームズくんBETA LINE版」が住宅弱者の住まい相談にも対応可能に・LIFULL HOME'Sが 「物件鮮度No.1 」を2年連続で獲得・LIFULL、「おとり物件」撲滅に向けて 不動産賃貸大手・レオパレス21との情報連携を開始 ・LIFULL HOME'S、自社開発AIによる「おとり物件」の検知・自動非掲載を開始・4月の太陽光発電設置義務化に向け、太陽光パネルの設置状況および設置物件の価格をLIFULL HOME'Sが調査・LIFULL HOME'Sが 「高齢者の就労と住まい探し」の実態調査を実施 ・煩雑な物件情報更新作業を効率化し、「物件鮮度」向上にも寄与する「LIFULL HOME'Sメンテナンス見える化ツール」が特許を取得住宅弱者の解消「FRIENDLY DOOR」の参画店舗数6,000店舗5,096店舗6,003店舗6,746店舗 地方創生サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績空き家、遊休不動産などの新たな利活用促進LIFULL HOME'S空き家バンクの累計登録物件数:10万件2.3万件 ・令和4年度国土交通省空き家対策モデル事業による、全国版空き家バンクの物件数増加及びマッチング促進事業・空き家バンクを運営する自治体の空き家対策業務の負担・実態の調査3.8万件 ・令和5年度国土交通省空き家対策モデル事業の推進(自治体等の物件情報と全国版空き家バンクとの情報連携等)・空き家の相談員の担い手育成の推進(LIFULL地方創生 スクール)・自治体データを活用した空き家の掘り起こし調査・空き家所有者の意識醸成を自治体と連携して推進(セミナー開催、冊子制作等)4.4万件 ・令和6年度国土交通省空き家対策モデル事業の推進(空き家所有者向け質問プラットフォームの構築等) ・空き家の相談員の担い手育成の推進(LIFULL地方創生 スクール)・LIFULL HOME'S等社内での既存の知見、リソースを活かしたサイト改善の実施 新たな再生事例の創出---関係人口の拡大増加関係人口(※2):のべ9.3万人7.6万人9.0万人9.3万人投融資促進のための新たな仕組みの創設地方創生分野におけるLIFULLグループの金融商品やサービスを通じた投融資総額の拡大900万円(1物件を購入し再生)1,007万円「地方創生」の課題「投融資促進のための新たな仕組みの創設」については、課題の趣旨に鑑み、30期以降の実績集計対象を、株式会社LIFULLに加えて、金融領域のグループ会社を通じた地方創生に資する投融資にも拡大いたしました。
(2024年12月変更)1,931万円 超高齢社会サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績老後の介護の不安の解消老人ホーム・介護施設検討におけるインターネット利用シェア:30%31.7%2023年9月期時点で中期ターゲットを達成したため、以降は調査を行っておりません。
人材サステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績社会課題を解決するリーダーの輩出社会課題解決につながる事業提案ができる人材を増やす新規事業承認実績:1件事業責任者経験者数:25名※「人材」の課題「社会課題を解決するリーダーの輩出」については、進捗を測るための適切性を再検討し、30期以降の実績集計対象を「事業責任者の経験者数」に変更いたしました。
(2024年12月変更)事業責任者経験者数:25名DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進性別や年齢、国籍等の違いに関わらず自分らしく活躍する社員を増やすインクルージョンサーベイでのポジティブ評価:78%インクルージョンサーベイでのポジティブ評価:86%インクルージョンサーベイでのポジティブ評価:86%ジェンダーバイアスにより管理職やスペシャリスト(※4)を諦める人を減らす社員キャリア志向調査の結果: -管理職意向 男性43%、女性19% -スペシャリスト意向 男性38%、女性30%社員キャリア志向調査の結果: -管理職意向 男性50%、女性29% -スペシャリスト意向 男性34%、女性31%社員キャリア志向調査の結果: -管理職意向 男性47%、女性29% -スペシャリスト意向 男性32%、女性29%社員のWell-beingエンゲージメントを高める組織サーベイ結果:総合スコア3.8点/5点組織サーベイ結果:総合スコア3.9点/5点組織サーベイ結果:総合スコア4点/5点健康診断受診率100%健康診断受診率:100%健康診断受診率:100%健康診断受診率:100%ストレスチェック受検率を高めるストレスチェック受検率:94.3%ストレスチェック受検率:93.4%ストレスチェック受検率:94.8% 情報セキュリティサステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績各国における個人情報保護関連法への対応各国での個人情報保護関連法改正への対応体制の強化・60以上の国や地域に事業展開するLIFULL CONNECTおよびLIFULLの機能子会社であるLIFULL Tech Vietnam、LIFULL Tech Malaysiaについて、各社の対応体制および対応状況に関するチェックを実施・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを実施・60以上の国や地域に事業展開するLIFULL CONNECTおよびLIFULLの機能子会社であるLIFULL Tech Vietnam、LIFULL Tech Malaysiaについて、各社の対応体制および対応状況に関するチェックを実施・LIFULL Tech Vietnamにて、個人情報保護に関する政令13号(13/2023/ND-CP)に対応・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを実施・LIFULL Tech Malaysiaにて、個人情報保護法の改正に対応・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを継続実施本社機密情報管理委員会による半期ごとのチェッククリアチェッククリア(同左)チェッククリア(同左)チェッククリア(事業展開国での情報収集体制が構築されていることを確認)サイバー攻撃等への技術的・組織的対応力の強化情報セキュリティテスト合格率100%100%100.0%100.0%サイバーBCP演習の定期実施・前年度の演習で生じた課題への対応や、危機対策本部設置基準、対応マニュアルなどの見直しを実施・サイバー単独のBCPからオールハザード型 BCPへの移行にともない、演習は30期に実施予定・オールハザードBCPの方針整理を実施・危機的事象発生時の対策として記者会見演習を実施※2024年9月19日に公表いたしましたとおり、グループ会社の健美家においてサーバーへの不正アクセスが発生し、対応を行いました。
この事態を重く受け止め、再発防止のため、各種情報の保存場所、アクセス権の管理などの運用や社内教育などを一層強化してまいります。
・対策本部対応計画の改訂を実施・本部におけるBCP演習を実施仕組みとしてのセキュアな環境の整備M&Aした会社における半年以内のグループ会社セキュリティ基準への準拠率100%97.5%・22年9月期にグループ入りした対象3社はすべて準拠済み・23年9月期にグループ入りした対象2社は一部項目で準拠対応中・対象となる新規M&Aはなし・前期対応中の課題についてモニタリングを継続・社会的にみられる内部不正事案の増加と、それに伴う対策レベル水準の上昇を受け、内部不正対策の再点検を実施し、強化施策の検討を開始・対象となる新規M&Aはなし 社内ITシステムDX推進計画の遂行社内ITシステムのDX推進計画におけるセキュリティ強化策として予定していた内部不正対策の仕組みについては予定通り運用を開始DX推進計画は予定通り継続中・DX推進計画としてのWebフィルターの導入を完了・次期DX推進計画として既存セキュリティ体制の更なる改善のための点検を開始 ガバナンスサステナビリティ課題中期ターゲット(※1)2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績公正な事業活動を率先する人材・組織の育成コンプライアンス及び内部統制に関する継続的な教育の実施・コンプライアンス研修3回実施(複合的なテーマで実施)・子会社におけるコンプライアンス研修の実施サポート・コンプライアンス研修4回実施(全社員向け2回、役職者向け1回、新入社員向け1回)・コンプライアンス研修3回実施(全社員向け1回、役職者向け1回、新入社員向け1回) 重大なコンプライアンス違反0件0件4件 会社経費の不正利用:4件(うち懲戒解雇3件)4件 会社経費の不正利用:4件 ガバナンス体制の強化取締役会実効性評価の実施と指摘事項への対応・取締役会実効性評価を実施・取締役会実効性評価を実施・取締役会実効性評価を実施。
・評価結果を踏まえ、「取締役会の在り方」について改善策を協議中 ・長期戦略検討の枠組みでマテリアリティの更新を検討中女性役員比率50%(2030年度)16.6%23.1%30.8%リスクマネジメントの強化グループ各社でのリスクベースの経営を促進する子会社での全社的リスク管理(ERM)の新規導入(国内1社、海外1社)海外想定リスクに関するプロジェクトを推進子会社での全社的リスク管理(ERM)の新規導入(国内1社、海外1社) グローバルな課題への取組みのうち、環境(環境負荷の低減)については、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応」欄に記載しております。
人権(人権の尊重・DEIの推進)については、目標、指標は設定しておりません。
※1 中期ターゲットの期日は、記載のあるもの以外は2025年9月期末※2 LIFULLグループの活動により移住や地方交流などの地域活性に関わった人の合計※3 誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価、「4 まあ発揮できる環境」+「5 発揮できる環境」の合計※4 「スペシャリスト」とは、特定の職種において高度な専門性を発揮し、会社に大きく貢献できると評価された人材。
当社では、組織マネジメントによる貢献を期待されるマネジメント職と同様に、高度な専門性による貢献を期待されるスペシャリストを、当社の中核人材のひとつに位置付けています。
※5 「あなたがLIFULLで働く上で、将来的に管理職になりたいと思いますか?」という設問に対して「なりたい」と回答した割合    ※6 5と同じ調査でスペシャリストになりたいと回答した割合
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 に注力しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
(2)指標及び目標経営理念の実現を目指す上で重視している主な指標は「社会課題解決に挑む事業数」と「社中分配前利益(※)」です。
人材戦略においてもこの2指標をモニタリングしながら、7つの重点テーマにおける各種施策、取組みを推進しています。
足元では利益の成長を全社的な課題としており、⑥チームの成果の最大化の中の指標として「一人当たり社中分配前利益」を定め、生産性の向上を図るために「KPIマネジメント」をはじめとした各種施策・取組みを進めてきました。
これらの結果、2024年9月期に12.9百万円だった一人あたり社中分配前利益は2025年9月期において16.2百万円(前期比+25.6%)に向上しております。
引き続き収益向上に取組み、創出した利益を社会課題解決に向けた新しい事業に投資して、経営理念の実現を目指してまいります。
※当社では、ステークホルダー(コンシューマー、クライアント、従業員、パートナー、株主、社会、地球環境)を広い意味での仲間という意味で「社中」と呼びます。
社会への貢献や事業活動の本質的な成果を図る指標として、従業員やパートナーへ配布する前の利益を「社中分配前利益」と定義し、追っています。
具体的には売上総利益から事業上必要なコストが差し引かれたもので、人件費や外注費といった社中分配にあたるコストが発生する手前の利益がそれにあたります。
指標2023年9月期実績2024年9月期実績2025年9月期実績社会課題解決に挑む事業数※242322社中分配前利益(百万円)9,7469,88612,158 ※期末時点で継続する社会課題解決を目標に掲げる事業数。
その他、人材戦略の各重点テーマにおける指標及び目標は以下のとおりです。
重点取組み指標目標実績(2023年9月期)実績(2024年9月期) 実績(2025年9月期)経営理念の共有企業文化の設計・浸透役員が理念浸透にかける時間(年間) 126時間95時間133.5時間「会社の経営理念の実現に貢献したい」と回答した社員(※1)100%81.0%84.5%85.5%経営陣の経営理念体現度評価(※2)100%87.4%88.6%85.1%個人への投資内発的動機付けに基づく挑戦異動希望(キャリア選択)が実現した割合 62%78%46%挑戦スコア(※3)100%77.6%82.0%84.6%[1]Well-being健康診断受診率100%100%100%100%ストレスチェック受検率 94.3%93.4%94.8%Well-beingスコア(※4) 3.40点3.45点3.52点組織サーベイの総合スコア 3.8点3.9点4.0点チームへの投資チームの成果の最大化KPIマネジメントの実行度(※5) -78.7%79.4%事業責任者経験者数(※6) 29人25人25人一人あたり社中分配前利益 12.0百万円12.9百万円16.2百万円[2]違いを歓迎するチーム女性管理職比率(※7) 19.2%22.8%24.6%外国籍の従業員比率(※7) 3.9%3.5%3.7%中途社員比率(※7) 73.0%75.2%74.5%障害者雇用率(※7) 3.04%3.04%2.09%キャリア志向(※8)男性:管理職 43%50%47%女性:管理職 19%29%29%男性:スペシャリスト 38%34%32%女性:スペシャリスト 30%31%29%インクルージョンスコア(※9)100%78%86%86% ※1 「会社の理念の実現に貢献したいか」を5段階で評価。
4点または5点をつけた社員の割合※2 各経営陣が「経営理念を繰り返し魅力的に語っているか」、「戦略の概要やその戦略を策定した理由等を、わかりやすく説明しているか」、「戦略の実行にリーダーシップを発揮しているか?」等、経営理念実現に向けた経営陣の経営理念体現度を評価するアンケート ※3 現在の仕事は、チャレンジングかを5段階で評価。
「1 チャレンジング」及び「2 ややチャレンジング」と感じている社員の割合※4 目的、幸福、満足、ストレスに関する4つの設問の平均点※5 「KPIマネジメントを適切に実行できている」と感じている社員の割合※6 2019年9月期から2025年9月期の期間中に「社会課題解決に挑む事業」の責任者を経験した従業員の人数(退職者を除く)※7 従業員比率等は2025年9月末時点の実績を記載しております。
※8 「あなたがLIFULLで働く上で、将来的に管理職(またはスペシャリスト)になりたいと思いますか?」という設問に対して「なりたい」と回答した社員の割合※9 インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(2025年9月時点):誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価。
「4 まあ発揮できる環境」及び「5 発揮できる環境」の合計の比率 (3)各重点テーマにおける取組み①経営理念の共有当社では、社員は経営理念を実現するために集まった同志であり、会社は経営理念を実現するために組成されたチームと考えています。
すべての社員が常に経営理念を意識し、経営理念の実現を目指して行動できるよう、下記をはじめとした各種の取組みを行っております。
(経営陣による共有機会)毎月の全社総会の他、新卒入社者・派遣社員も含む中途入社者に向けて行う入社式、育児や介護からの復職者等に対するビジョンシェアリング、入社半年を過ぎた社員を対象に経営陣が持ち回りで講師となり教育する研修「ビジョンカレッジ」等、経営陣が率先して経営理念の共有を推進しています。
経営陣の理念共有にかける総時間は年間133.5時間以上に及びます。
(2025年9月期実績) (役員の心得アンケート/経営陣の経営理念体現評価)経営理念と一貫性のある経営を行うため、執行役員向けに三箇条の指針の指針(役員の心得)を定めています。
半年に一度、 社員アンケートを実施し、各経営陣が経営理念を繰り返し魅力的に語っているか、戦略の概要やその戦略を策定した理由等をわかりやすく説明しているか、戦略の実行にリーダーシップを発揮しているか等 、各指針の体現度について評価する機会を設けています。
2025年9月期評価では85.1%の社員が、経営陣が経営理念を実現するための行動ができていると評価しています。
(人事制度)人事評価制度には社是・経営理念・ガイドラインの体現度合いを評価する項目を設け、半年に一度フィードバックを行うことで、常に理念を意識して行動するように促しています。
(ビジョンツリー)当社では、社内のすべての組織で経営理念に紐づいた組織ビジョンを策定しています。
各組織のビジョンは所属している社員が意見を出しあい、各組織でどんなゴールをどう実現していくか言語化しています。
社員一人ひとりが組織ビジョンの策定に参加することで、それを実現するための業務に主体的に取り組むようになります。
各組織で策定したビジョンは「ビジョンツリー」という形でまとめ、経営理念から自分の所属組織まで順番に読んでいくことで、経営理念と日々の業務との繋がりを理解することができる仕組みになっています。
これらの活動の結果、85.5%の社員が「経営理念の実現に貢献したい」 と回答しています。
※2025年6月時点の組織サーベイ ②企業文化の設計・浸透当社では、経営理念を実現するために社員に期待する行動を定義した「ガイドライン」を策定しています。
事業戦略や外部環境の変化により社員に期待するべき行動も変わってくるため、ガイドラインは4~5年に一度の見直しを行っており、現行版は2023年10月に改定したものとなります。
時々の変化を反映したガイドラインを運用することで、常に状況に応じた行動の変容を促し、変化に強い企業文化を作りあげています。
また、人事評価における評価項目や同僚同士で行う360度フィードバックにおける項目には、ガイドラインの体現度合いを取り入れています。
③人材の確保当社では、経営理念の実現に向けて、必要に応じて新卒採用、中途採用、海外開発拠点の強化を行い、世界中で優秀な人材を確保しています。
特に、当社の事業にとって重要な職種の一つであるエンジニアについてはグローバルでの開発体制の構築を目指し、2017年にベトナムのVietnam Creative Consulting Co.,Ltdを子会社化(現LIFULL Tech Vietnam)、さらに2023年にマレーシアに子会社(LIFULL Tech Malaysia)を設立しています。
現在、国内拠点と海外拠点の連携を強化してグローバル開発体制を構築し、開発力を最大化するスキームを設計しています。
エンジニアの社員数は1年で18.2%増加し、2025年9月末時点で266名となっています。
これらの企業文化設計を基盤として、以下の「個人への投資」と「チームへの投資」を行っています。
④個人への投資「内発的動機付けに基づく挑戦」当社は人材戦略の核に「内発的動機」を置いています。
人はやりたいことに取り組んでいるときにこそもっとも熱中して成果を上げ、自発的に学び、大きく成長します。
よって、内発的動機に基づく挑戦機会づくりに投資することが、経営理念実現に向けたもっとも効果的な人的資本投資であるともに、社員のキャリアビジョンの実現にも効果的であると考え、様々な機会を設けています。
ア)経営理念実現に向けた挑戦機会様々なかたちの挑戦機会を提供することで、社員がガイドラインに則した「大胆な挑戦」をし、戦略的に多様な事業を生み出し続けていくための文化づくりを行っています。
(SWITCH/新規事業提案制度)社員が誰でも新規事業の立ち上げやグロースに関わることができる制度です。
31期は、役員と参加を希望した社員がチームを組み、新規事業の成長支援施策に取り組み、大きな成果を上げることができています。
本制度を通じ、社員は普段関わらない業務に挑戦することで、当事者意識の醸成と自律的な成長を促し、企業価値の向上に繋げています。
(クリエイターの日)変化の激しい技術開発領域やクリエイティブ領域における知識や能力を高めるため、通常業務を離れて、新たな技術やそのアウトプットに取り組むための社内制度です。
技術・アイデアの醸成や様々なプロジェクト発足の機会となっています。
(クリエイティブアワード)プロジェクトの成果やプロセスを社内で発表し、社員の投票によりグランプリを決める表彰制度です。
新しい価値の創出や、既存の機能等の改良・改善といった視点で高評価を獲得したプロジェクトについての知見の共有や、より多くの社員の挑戦意欲の向上に役立っています。
イ)キャリアビジョン実現に向けた挑戦機会当社では、社員の内発的動機付けを人材戦略の中心に据えているため、仕事の任命はできる限り本人のキャリアビジョンを尊重して行います。
社員のキャリアビジョンの実現を支援する制度や取組みを以下のように整備しています。
(キャリア選択制度)社員個人のキャリアビジョン実現の支援策として、半期に一度自身のキャリアビジョンに沿った部署の異動を希望することができるキャリア選択制度があります。
2025年9月期は希望した社員のうち46%の社員の異動希望が叶い、希望の部署に異動をしています。
(キャリフル/社内兼業制度)部署の異動を伴わない社内兼業制度「キャリフル」では、業務時間の10%を使って所属する部署以外での仕事を経験することができます。
2025年9月期は34名の社員が本制度を利用し、自身のキャリア形成や成長の機会として活用しています。
(キャリアライズ/兼業届出制度)当社では、自身の成長や会社の成長に繋がる場合に兼業を許可しています。
2025年9月期はこの「キャリアライズ」を利用して111名の社員が兼業を行っています。
(テクニカルスキル)社員が自ら専門性を高め、強みを発揮しながら成果を創出できるよう、約50の職種別テクニカルスキルの定義を策定しており、計画的に改定しています。
社員は半期に一度、目標設定し、テクニカルスキルの発揮状況の自己評価をおこないます。
上司はテクニカルスキルの定義に基づいたフィードバックを行うことで、社員の成長を支援しています。
また、すべての社員のスキルを可視化することで、チーム組成時に最適な候補人材を選出することが可能になっています。
(LIFULL大学)普段の業務や必須研修以外に、社員が自分の意志で学びたい分野の知識・経験を得られる学びの場として、社内大学「LIFULL大学」を設置しています。
各学びの場を「ゼミナール(ゼミ)」と名付け、年間約60のゼミを開催しています。
講師は原則として自薦や他薦により社員が務めます。
2025年9月期は、コーディングゼミ、提案力養成ゼミ、編集ゼミ、ファシリテーションゼミ、GAIに関するゼミ、アクセシビリティゼミ等、様々なゼミが社員の自発的な提案に沿ったテーマで開催されました。
ウ)プロジェクト文化当社には全社横断の「プロジェクト」が複数あり、有志社員によって運営されています。
経営理念の共有・浸透を掲げるビジョンプロジェクト、ダイバーシティ推進のためのD&I+委員会、社会貢献活動支援(One P's)委員会、クリエイティブアワード運営委員会、生成AIを活用し既存業務をアップデートするGyoumu Hackers等、会社全体の課題に目を向け、改善・提案していくために、多数の社員が自発的に参加、活動しています。
プロジェクトに参加する社員ののべ人数は、2025年9月末時点で全社で136人に上り、ボトムアップで会社をより良くするための様々な取組みを行っています。
エ)人材の抜擢現在当社では積極的な組織長への登用(抜擢)を行っています。
抜擢によって、リーダーのポテンシャルを有する人材の発掘や、抜擢された人材の周囲の人材によい刺激を与えることを目的としています。
2025年10月には、全社員の5.2%が新たに一つ上の組織階層に登用されました。
これら「内発的動機付けに基づく挑戦」を推奨する様々な機会や各取組みを通して、現在の仕事は、チャレンジングかを5段階で評価した結果、「チャレンジできている」と感じている人の割合は84.6%となりました。
このように挑戦の機会を創出し、実力主義による多様な人材を登用することで、経営理念の実現に向けた事業創出を可能とする人材の輩出を目指しています。
⑤個人への投資「Well-being」当社では、Well-beingを追求することは、社員の内発的動機に基づく挑戦や生産性の向上に繋がり、その結果として事業の持続的成長や企業価値の向上につながるものと考えています。
ア)心身の健康支援「まなぶ、はかる、しえんする」の3つの活動を柱に、社員が内発的動機に基づいてセルフケアができるような支援をおこなっています。
「まなぶ」においては、健康診断結果の読み方、産業医によるテーマ別のセミナーの定期開催等、自身でメンタルヘルス、フィジカルヘルスの向上に取り組めるように、専門家から様々な知見を得られる機会を提供しています。
「はかる」については、フィジカル、メンタル、エンゲージメント等の状態を定期的に測定して社員にフィードバックすることで、個々の課題、原因、打ち手を明確にします。
2024年4月から2025年3月の健康診断の受診率は100%(前期比+0ポイント)、2023年4月~2024年3月の睡眠習慣(適正な睡眠習慣を有する者の割合)73.4%(前期比▲2.3ポイント)、飲酒習慣(不適正な飲酒習慣を有する者の割合)14.9%(前期比▲0.1ポイント)、喫煙習慣(不適正な喫煙習慣を有している者の割合)率は17.3%(前期比▲0.7ポイント)となっています。
2025年9月期のストレスチェックの受検率は94.8%(厚生労働省の基準値:78%)でした。
高ストレス判定率は10.52% (同・基準値:14.2%)は昨年よりも0.03ポイント増加し、仕事の量的負荷も8.8点(同・基準値:8.4)と基準値を上回っていますが、一方で仕事のコントロールは9.0点(同・基準値:7.9)、上司の支援は8.9点(同・基準値:7.5)、同僚の支援は8.6点(同・基準値:8.1)と、健全な負荷がかかりつつも、自身で仕事のコントロールができ、上司・同僚からの支援がしっかり得られている状態を維持しています。
イ)多様で柔軟な働き方の推進フレックスタイム制、週休3日制度、事由を問わない短時間勤務、社員が自身のLIFEをFULLにするための休暇制度等、多様な事情を抱える社員が力を発揮できるよう制度を整えています。
近年では、ハイブリッドワークの環境下においても、新入社員が帰属意識を感じられるよう「コミュニケーションルール」を定め、全社・各チーム・上司それぞれの関係性において、心理的安全を確保するための基本のコミュニケーション設計を行い運用しています。
これらの活動の結果、Well-beingスコア※は、5点満点中3.52点(前期比+0.07ポイント)となりました。
 ※Well-beingスコア:目的、幸福、満足、ストレスに関する4つの設問の平均点 ⑥チームへの投資「チームの成果の最大化」当社では「生産性の向上」を全社的な組織課題と位置づけ、その向上に向けて様々な取組みを行っています。
ア)KPIマネジメント当社では、当社社外取締役でKPIマネジメントの第一人者である中尾隆一郎の指導のもと、全社でKPIマネジメントを実践しています。
KPIマネジメントとは、KPI(重要業績評価指標)をもとに目標達成までを管理するマネジメント方法です。
全組織において、目標達成に向け最も投資対効果の高い先行指標を特定し、リソースを集中するノウハウを浸透させることで、効果的に成果を上げるようになっています。
2025年9月時点で、79.4%の社員が、KPIマネジメントを適切に実行できていると回答しています。
イ)日次採算性向上KPIマネジメントを支える仕組みとして、社員が各業務にかかる工数を記録し、振り返りができる「工数管理」を導入しました。
時間配分を見直し、KGI(経営目標達成指標)達成につながるコア業務により多くの時間を充てられるよう改善することで、生産性を高めています。
ウ)ハイブリッドワーク当社では週3日オフィス勤務を基本のルールとしています。
管掌執行役員の承認のもと、「チームの成果の最大化」を目的に、チームごとに最適なルールに変更することも可能です。
エ)サクセッションプラン経営に大きな影響を及ぼす経営者や主要事業・機能責任者の後継者育成計画を立案し、育成しています。
取締役候補については指名委員会、執行役員以下の主要事業・機能責任者については未来人材会議という会議体をそれぞれ定期的に開催し、後継者候補人材の特定、育成状況のモニタリング、今後の育成計画の決定などを行っています。
オ)社会課題解決に挑む事業の責任者を経験した人数2019年9月期から2025年9月期の期間中に「社会課題解決に挑む事業」の責任者を経験した従業員の人数は25人となりました(退職者を除く)。
これらのチームの成果の最大化による生産性向上の取組みの結果、2025年9月期の一人あたり社中分配前利益は、16.2百万円(前期比+25.6%)と改善しました。
⑦チームへの投資「違いを歓迎するチーム」当社では、多様な個性を持つすべての社員が内発的動機に基づき挑戦できるよう、互いの違いを歓迎し、それぞれの力を最大限発揮できるチームをつくっています。
ア)心理的安全性向上に向けた取組み当社では、社員が上司や他のメンバーに対し、自分の考えや感情を率直に伝えることができ、間違ったことや反対意見を述べても安全だと感じられる雰囲気「心理的安全性」を重視しています。
ガイドラインでは「敬意をもって意志を伝え、決定には全力を尽くす」という条文を定め、相手に敬意を払いながら自分の意志を率直に伝えることを求めています。
これを可能にするための施策として「チームビルディングプログラム」を全社的に行っています。
互いのことを理解し、チームが「率直なコミュニケーションができる安全な場」と感じられるよう、各部門長がチームや個々の状態に合わせたプログラムを検討し、実施しています。
また、各部署内でのランチ会や飲み会などのコミュニケーション予算として月3,500円を支援しています。
さらに、ハイブリッドワークの環境下においても社員同士や新入社員が帰属意識を感じられるよう「コミュニケーションルール」を定め、上司との1on1の頻度や出社して顔を合わせる「コミュデイ」等、全社・各チーム・上司とメンバーそれぞれの関係性において、心理的安全を確保するための基本のコミュニケーション設計を行い運用しています。
また、全社的な部門を超えたコミュニケーションの機会としてサークル活動を支援しています。
1サークルに月1万円の支援金を支給しており、2025年9月末現在、約70のサークルが活動しており、社員の約53%が参加しています。
事業年度の初めには全社員が参加するキックオフイベントを開催しており、部門を超えた交流機会となっています。
イ)多様な人材の活躍当社では、多様な個性やバックグラウンドを持つ従業員一人ひとりが、互いの違いを歓迎し、それぞれの能力を存分に発揮できる組織風土を育むことでイノベーションを促進しています。
正社員の女性比率は2025年9月期39.6%となっております。
女性管理職比率は2022年9月期18.6%、2023年9月期19.2%、2024年9月期22.8%、2025年9月期24.6%と改善しています。
管理職の登用に関し、当社では男女問わず公平な機会を提供し、能力と人格を兼ね備えた人物を昇進の対象とするというポリシーから女性管理職比率の数値目標は設定しておりませんが、管理職やスペシャリストを目指す社員の割合(キャリア志向調査:2025年9月期時点、管理職意向:女性29%・男性47%、スペシャリスト意向:女性29%・男性32%)の性差を課題と捉え、管理職やスペシャリストを目指す女性社員の割合が男性社員と同程度になることを目標に、研修プログラム等を実施しています。
また、採用・登用にあたっては、ジェンダーなどの属性のみならず、知識・経験の多様性を重視しています。
全社に占める中途社員比率は2025年9月期では74.5%でした。
当社の障害者雇用率は2025年9月期末で2.1%(法定雇用率2.5%)です。
社内にジョブコーチの資格をもつ障害者職業生活相談員を選任しており、障害者が自身の特性や強みを発揮しながら、安心して仕事ができるようサポートしています。
その他、50歳になった社員のキャリアプランや人生設計を支援する「elFULL(エルフル)プログラム」の定期開催、事実婚パートナー、同性パートナーに対する各種休暇制度や慶弔見舞金制度の適用等も行っています。
これらの活動によって、86%(※)の社員が「今の職場は誰もが持ち得る力を最大限発揮できる環境だと感じている」と回答しています。
※インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(2025年9月時点):誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価。
「4 まあ発揮できる環境」及び「5 発揮できる環境」の合計の比率。
事業等のリスク 3 【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業や事業運営、及び投資家の投資判断に重要な影響を及ぼすと考えられるリスクを記載しています。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
また、以下の記載は、当社グループに係るすべてのリスクを網羅することを意図したものではありません。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
①事業戦略に関するリスク(HOME'S関連事業)(ア)問合せ数の減少について『LIFULL HOME'S』では、一部のサービスで顧客である不動産事業者と利用者のマッチング数に応じた成果報酬型の課金形式を採用しています。
当該価格体系は成果の数により収益が変動するため、事業環境の変化や『LIFULL HOME'S』自体の集客力の低下等により、顧客である不動産事業者に提供する成果の数が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)サービス料金体系について各種サービスの価格体系は、他企業における類似商品との価格対比や当社グループ商品の付加価値の向上、コストの変動等により、見直しを行う場合があります。
価格の見直しにより、クライアントの利用状況が大きく変化した場合や当社グループ商品に関してコストの変動を価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)クライアントの減少について『LIFULL HOME'S』では、当社の利用規約の違反による強制退会等、何かしらの事由により退会数が増加し、特に多数の支店を抱える団体等との間の大口契約が終了した場合には、クライアント数が減少することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)クライアントとユーザーとのトラブルについて当社は、情報審査部門を設置し、『LIFULL HOME'S』に掲載された情報が適正か随時確認しています。
能動的な調査に加え、AIやビッグデータを活用し間違いの可能性がある情報を迅速に特定する仕組みや、不動産管理会社が保有する成約・申込等のデータを毎日受領し、『LIFULL HOME'S』の掲載情報と照合して、該当する物件情報を自動で非掲載にする等、情報精度を向上させる取組みを実施しています。
またクライアントとユーザーとの間に何かしらのトラブルが発生し、ユーザーより当社へ連絡があった場合には、当社担当者より当該クライアントへ事実確認とユーザーへの説明及びトラブルの原因となった事項の改善を求めており、状況に応じて利用契約の解除を行う等の対応を行っています。
しかしながら、当社からクライアントへの改善要求は強制力を持つものではなく、クライアントとユーザーの間のトラブルが解消しない場合には、当社グループが提供するサービスの評判が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(オ)広告宣伝活動の効果について当社は、サイトの集客や認知度向上、ユーザー・クライアント獲得のため、積極的な広告宣伝投資を行っています。
サイト集客を目的としたWebマーケティングでは、何らかの理由で競合環境が激化した場合、キーワードを獲得するための広告単価が上昇することがあります。
また、ブランディングでは、効果測定等をもとに費用対効果が最大化するよう投資を行っていますが、投資効果を過大に見積もっていた場合や、サービスの不具合等、何らかの理由でブランド価値の棄損が生じた場合には、広告費が増大したり、投資額による効果が低下することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(新規事業)(ア)新規事業の開始について当社グループは、技術革新やビジネスモデルの変化のスピードが速いインターネットを基盤とした様々なサービスを展開しています。
既存サービスの競争力強化に向けた様々な取組みを実施する一方、新たな収益の柱となるサービスや、時代に合わせたサービスの創出を目的として、新規領域への参入にも取組んでいます。
新規事業の開始にあたっては、事前調査に基づく事業計画の策定と投資対効果の予測をしています。
しかしながら、新規事業による当社グループの事業及び業績への影響を確実に予測することは困難であり、事業環境の変化等により期待通りの成果を生まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新規に参入した市場やサービス内容等により、固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスク要因が当社グループのリスク要因となる可能性があります。
②企業経営に関するリスク(ア)M&A・出資に伴うリスクについて当社グループの成長戦略の実行に向けて、既存サービスの拡充、関連技術の獲得、人材の獲得や新規サービスの展開、その他戦略上重要な資産の獲得等を目的とした、積極的な買収(M&A)や合弁事業の展開を経営の重要課題として位置付けています。
当社グループは買収の検討に際し、対象企業の事業、財務、契約関係等について詳細なデューディリジェンスを実施することで極力リスクを回避するように努めており、定められた承認プロセスを経て投資判断していますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務が判明した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資時に対象企業の企業価値を過大に見積もっていた場合や、事業環境の変化等により計画が変更となる場合、内部統制システム等の統一や融合が進まない場合、投資企業の役職員を含むキーマンが何らかの理由により離職又は業務執行が困難になった場合等、投資後に何らかの事由により期待通りの成果を生まない場合には、当社グループの財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
業務提携や合弁事業においては、当社グループが支配権を有するとは限らないため、パートナー事業者との経営方針の相違や、当社グループ以外の企業からの資金調達を含む提携による戦略の変更等、投資決定時に期待した通りの成果を生まない場合には、かかる投資資本の回収ができなくなる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)グループ会社管理について当社は国内外のグループ各社に対して、LIFULLグループ経営理念の浸透を図ると共に、グループ会社管理規定に基づき決裁権限を定め、グループ会社の独立性にも考慮した管理体制を整備しています。
しかしながら、グループ会社の役職員等による不正の発生や、グループ会社管理が十分に機能しなかった場合には、当社グループの業績や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)外部検索エンジンへの依存について当社グループが運営するサイトに訪れるユーザーは概ね検索エンジン経由であり、これらの集客は検索エンジンの表示結果に依存しています。
検索エンジンの表示結果についてどのような条件により上位表示されるかは、各検索エンジンの運営者のポリシーやルールによるものであり、当社グループがその判断に介在する余地はありません。
積極的なブランディングプロモーション等独自の集客力強化に努めるとともに、検索結果において上位に表示されるべくSEO等の必要な対策を進めていますが、検索エンジンの運営者による上位表示方針の変更等、何らかの要因によって検索結果の表示が当社グループにとって優位に働かない状況が生じた場合には、当社グループが運営するサイトへの集客効果が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)システムトラブルについて当社グループのサービスの多くは、コンピューターシステムとそれを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。
そのためコンピュータウィルス・マルウェア等の進入やハッカー等による外部からの攻撃等に対処すべく各種のセキュリティ対策を実施しており、サーバーのデータについては常時バックアップ体制を構築しています。
しかしながらネットワーク又はコンピューターシステムにおけるハードウェアやソフトウェアの不具合や障害、第三者による外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、当社及び外注先の役職員による人為的なミス、災害や事故等による通信ネットワークの切断、急激なアクセス増によるサーバーの一時的な機能停止(またはダウン)、電力トラブル等が発生することで、一時もしくは一定期間にわたりサービスの一部又は全部の提供を中断する場合には、収益機会の喪失や当社グループのシステム自体への信頼低下及び損害賠償が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(オ)個人情報の取り扱いについて当社グループは、運営する各種サービスにおいて、氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、勤務先情報、生年月日、性別等の個人情報を取得しています。
また取引先の機密情報等、重要な情報を多数扱っています。
当社グループは、これらの情報の適正な管理を極めて重要な責務と考え、その取扱いには細心の注意を払うとともに、情報の取扱いに係わる社内規程の整備、定期的な従業員教育の実施、システムのセキュリティ強化、情報取扱い状況の内部監査等、情報管理の強化に努めています。
また、法令その他諸規則等の要請に基づき個人情報を開示すべき義務が生じた場合、顧問弁護士及び関係する監督官庁との慎重な審議を行った上で、その対応を確定しています。
このように、各種情報の保護に注力していますが、外部からの不正アクセスや社内管理体制の瑕疵等により、これらの情報の外部流出、消失、改ざん又は不正利用等が発生した場合には、損害賠償請求や適切な対応を行うための費用負担、収益機会の喪失、監督官庁からの処分、当社グループの社会的信用の失墜とそれに伴うユーザー及びクライアントの減少等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(カ)知的財産権等について当社グループの事業運営に重大な影響を与える特殊な技術、ビジネスモデル、商標、及び著作物等の使用に対する損害賠償請求等を受け、多額の支払いやサービスの停止等を余儀なくされた場合には、当社グループの業績や事業運営に重大な影響を与える可能性があります。
一方、当社グループが第三者により何かしらの権利を侵害された場合には、当社グループの権利保護のために、訴訟を含む費用が発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(キ)コンプライアンスについて当社グループは、法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス体制及び内部統制システムの強化を経営上の重要課題のひとつとして位置づけ、グループ各社の従業員等に対して適切な指示、指導を実施し、反社会的勢力との関係遮断や不正行為の防止・発見のために必要な予防策を講じています。
当社グループは事業の運営にあたり、必要に応じて関係機関への確認や弁護士等の外部専門家への相談を実施していますが、コンプライアンスをはじめとした内部統制システムには一定の限界があるため、リスクを完全に排除できるものではなく、当社グループや取引先に起因するものを含め、将来において法令違反等が生じた場合や、故意ではないものの法令その他諸規則の解釈の相違等により行政機関から行政指導等を受けた場合には、当社グループの信頼性や企業イメージの低下によるユーザー及び顧客の離反、もしくは訴訟を提起されるという事態が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また各種法令の解釈の見直しや条件の追加、当社グループの事業に不利な影響を与え得る規制の強化等が実施された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ク)人材の確保と育成について当社グループは主としてインターネットを活用し、住宅や高齢者向け施設といった様々な分野におけるサービスを提供しています。
そのためインターネットやIT技術をはじめとする研究・開発人材や、各サービス分野において専門性を有する人材が必要であり、各サービスの競争力強化に向けて人材の継続的な確保と育成を経営の重要課題として位置付けています。
しかしながら、近年様々な業界がDXに取組んでいることを背景に、特にIT人材の不足や、それに起因する雇用条件の上昇及び人材獲得競争の激化が進んでいます。
今後、各サービス分野や職種、及び地域における人材獲得競争の激化等により、優秀な人材の確保が困難となる場合や、人材流出が生じる場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③外部環境に関するリスク(ア)景気変動に伴うリスクについて当社グループが主として事業を展開しているインターネット広告市場は、インターネットの普及、スマートフォンの普及・利用拡大や、様々な分野におけるオンライン化等を背景に規模拡大を継続しています。
しかしながら、広告主の広告戦略は、事業の状況、事業環境の変化により決定されるため、景気変動による影響が大きく、今後景気が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)災害等のリスクについて当社グループでは、有事の際に備え、事業継続計画(BCP)を策定していますが、大規模災害や疫病・疾病の蔓延、地域・国際紛争といった想定を超えた災害が発生した場合は、当社グループの事業活動及びサービス提供自体が困難となる可能性があります。
また、災害の発生やその影響期間の長期化により、社会全体の経済活動が停滞した場合には、当社グループの提供するサービスに対するニーズが低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)同業他社について当社グループが運営する『LIFULL HOME'S』『健美家』『LIFULL介護』等のインターネット関連サービスには、複数の競合が存在しています。
またインターネット関連サービス以外のサービスについても同様に複数の競合が存在しています。
当社グループでは今後も当社サービスの競争力強化に向けた投資を実施し、他社との差別化に努める方針ですが、当社の競争力強化に向けた投資が計画通りの成果を上げられない可能性や、インターネット業界の参入障壁は低く新規参入が容易であること、革新的な技術やビジネスモデルの競合の出現等により、競合環境が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)技術革新について当社グループの各事業はICT(情報通信技術)を事業基盤としており、先進技術を積極的に活用することで各サービスの価値向上に取り組んでいます。
しかしながら、ICTの進歩はめまぐるしく、技術的・組織的な要因により当社グループにとって利用価値の高い技術への対応が遅れた場合には、導入している技術が陳腐化することで、提供する各サービスに対するユーザー、クライアント等の満足度が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新技術に対応するためのネットワーク関連機器及びソフトウェアの購入やライセンス料金、自社あるいは外部委託による開発等の費用が増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④その他のリスク(ア)配当政策について当社は、積極的な事業展開の推進により、利益の継続的な増加を目指す「将来の成長に対する投資」及び財務体質の充実・強化を図るための「内部留保」を中心に据えながら、「株主の皆様への利益還元」を重要な経営方針の一つとして位置付けています。
配当金は、中長期的な事業計画等を勘案して、毎期の業績に応じた弾力的な成果の配分を行うことを基本方針としており、当社グループの単年度の業績が赤字になった際は、配当金額をゼロとさせていただく可能性があります。
(イ)楽天グループ株式会社との関係について楽天グループ株式会社は、当社株式を保有する大株主であり、当社のその他の関係会社に該当します。
同社及びそのグループ企業と当社との間では、同社が運営するサイトへ当社の情報掲載や、Rakuten STAY VILLAの物件管理委託等の商取引関係がある等、広範囲に亘る友好的な関係にあります。
将来においても同社との関係が現状と同様のものであるか否かは不明であります。
同社との現在の関係が維持されなかった場合、取引高は当社グループの収益の中では比較的小さいものの、当社の今後の事業展開や資本政策に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当社グループは「常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念として掲げ、あらゆるステークホルダーに配慮した健全な事業活動を通じ、当社グループの企業価値向上と、持続的な社会の発展に貢献することを目指しております。
当期における事業環境は、国内においては、企業収益が堅調に推移したことから、雇用・所得環境に改善の動きがみられること等を背景に、緩やかな回復基調が続いております。
一方で、エネルギー価格の高騰や円安基調の継続等に起因する物価上昇感から、個人消費の回復はいまだ限定的なものとなっております。
当社の主要な事業領域である建設・不動産業界においては、資材費、人件費、エネルギー価格の高騰等により、新築着工件数の減少と新築物件の価格上昇が継続しており、2025年7月及び8月には、首都圏の新築マンションの平均販売価格が2カ月連続で1億円を超過しました(不動産経済研究所調べ)。
政府の中古住宅・リフォーム市場の後押しを受け、中古住宅領域が活況となっておりますが、首都圏では中古物件の価格、賃貸物件の賃料も上昇傾向が継続していることから、住宅価格の高止まりが続く中で、新規の住み替え需要が抑制され、当期(2024年10月~2025年9月)の全国移動者数は前期比△0.2%となっております(総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」より)。
また、海外においては、国際情勢の不安定感、世界的な金融引き締めの影響、為替変動等により、不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは、収益力の向上をはかるため、国内の主要事業への集中を目的としたグループの構造改革を行ってまいりました。
2024年11月に、収益性が悪化していた海外事業のリストラクチャリングを決定し、2025年1月にLIFULL CONNECT, S.L.の全株式をCONNECT NEXT PTE. LTD.に現物出資したことに伴って、海外事業を非継続事業に分類しました。
連結損益計算書上、非継続事業からの利益又は損失は継続事業と区分して表示しており、前期についても同様に組み替えて表示しております。
主力のHOME'S関連事業で、2021年より継続してきたサイト開発、前期からの営業強化等の施策効果によりトラフィックや問合せ数等の各種指標が好調に推移したことから、当期における連結業績は、売上収益28,127百万円(前期比+6.9%)となりました。
当期を最終年度とした中期経営計画の単体営業利益目標達成のため、戦略的投資を行いながらも、ブランディング等の広告宣伝費を最適化したことに加え、AI・生成AI活用等によって業務効率化が進み、営業利益3,815百万円(前期比+26.1%)、税引前当期利益3,805百万円(前期比+49.3%)となりました。
なお、前期の一時要因である子会社の株式会社LIFULL SPACEの売却益を除いた場合、営業利益は+80.3%の増益となります。
また、海外事業のリストラクチャリングの会計処理の一時的な影響により、当期利益5,310百万円(前期は当期損失8,462百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益5,317百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期損失8,463百万円)となりました。
なお、当期におけるセグメント毎の売上収益及びセグメント利益(損失△)は、以下のとおりです。
海外事業を非継続事業に分類したことにより、セグメントはHOME'S関連事業のみの単一セグメントに変更しております。
(単位:百万円)セグメントの名称売上収益セグメント利益(損失△)金額前期比(%)金額前期比(%)(1) HOME'S関連事業25,538+6.34,322+61.7
(2) その他2,596+13.5△361
(注)2 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.前期のセグメント損失は421百万円であります。
①HOME'S関連事業当セグメントは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」及び関連事業で構成されています。
LIFULL HOME'Sでは、これまで継続してきたクライアント・ユーザーへの価値提供の向上と競争力強化に向けて、より一人ひとりにぴったりな住まい探しを提案し、成約確度の高い送客を行えるよう、AI技術を活用した新機能の開発や、ユーザー体験の向上を目的としたUX・UIの改修、クライアントネットワークの拡大・強化に取り組んでおります。
国内の移動者数がほぼ横ばいで推移する中、各種施策の効果によりトラフィック・問合せ数等のすべての指標が順調に進捗し、当事業の売上収益は25,538百万円(前期比+6.3%)となりました。
主に広告宣伝費・営業費の抑制と、AI・生成AIの活用等による業務効率化により、セグメント利益は4,322百万円(同+61.7%)となりました。
②その他その他は、老人ホーム・介護施設の検索サイト「LIFULL 介護」、地方創生事業等により構成されています。
当期中に宿泊施設の運営ノウハウ等を獲得するため、Rakuten STAY VILLA4物件の信託受益権を取得しており、2024年12月からその売上・利益が計上されたことと、株式会社LIFULL seniorの収益性改善、地方創生事業の見直し等により、売上収益は2,596百万円(同+13.5%)、セグメント損失は361百万円(前期はセグメント損失421百万円、59百万円の改善)となりました。
 以下の項目等、より詳しい決算内容に関しては、当社投資家情報サイトより、2025年11月12日発表の「2025年9月期 決算説明資料」をご覧ください。
参考URL:https://LIFULL.com/ir/ <決算説明資料の主な項目>・簡易損益計算書      ・・・ 簡易損益計算書(IFRS)・セグメント別売上収益   ・・・ セグメント別売上収益(IFRS)・業績予想の進捗状況    ・・・ 簡易損益計算書、セグメント別売上収益・事業の状況        ・・・ 主な取組み状況・四半期別の業績推移    ・・・ 連結損益計算書(簡易版)、連結セグメント別損益・外部市況データ月別推移 ・・・ マンション発売戸数、マンション価格、新設住宅着工戸数、日本全国移動者数、日本人口   生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。
   販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)HOME'S関連事業25,5386.3その他2,59613.5内部取引△7-合計28,1276.9
(2) 財政状態(流動資産)流動資産の残高は18,522百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)に比べ3,066百万円減少しております。
この要因は、現金及び現金同等物の減少3,931百万円、売掛金及びその他の短期債権の減少139百万円、その他の短期金融資産の増加30百万円、その他の流動資産の増加81百万円、及び売却目的で保有する資産の増加891百万円であります。
(非流動資産)非流動資産の残高は22,392百万円となり、前期末に比べ2,790百万円増加しております。
この要因は、有形固定資産の増加2,233百万円、使用権資産の減少864百万円、のれんの減少9,568百万円、無形資産の減少1,788百万円、持分法で会計処理されている投資の減少7百万円、投資不動産の増加5,504百万円、その他の長期金融資産の増加6,159百万円、繰延税金資産の増加1,116百万円、及びその他の非流動資産の増加6百万円であります。
以上の結果、当期末の資産合計は40,915百万円となり、前期末に比べ275百万円減少しております。
(流動負債)流動負債の残高は5,732百万円となり、前期末に比べ4,562百万円減少しております。
この要因は、買掛金及びその他の短期債務の減少926百万円、借入金の減少2,728百万円、リース負債の減少100百万円、未払法人所得税の減少261百万円、その他の短期金融負債の増加100百万円、その他の流動負債の減少666百万円、及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債の増加20百万円であります。
(非流動負債)非流動負債の残高は8,958百万円となり、前期末に比べ2,265百万円増加しております。
この要因は、借入金の増加7,199百万円、リース負債の減少782百万円、引当金の増加527百万円、その他の長期金融負債の減少4,168百万円、繰延税金負債の減少485百万円、及びその他の非流動負債の減少25百万円であります。
以上の結果、当期末の負債合計は14,691百万円となり、前期末に比べ2,297百万円減少しております。
(資本)当期末における資本の残高は26,223百万円となり、前期末に比べ2,021百万円増加しております。
主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益による利益剰余金の増加5,317百万円、剰余金の配当による利益剰余金の減少93百万円、その他の包括利益によるその他の資本の構成要素の減少3,279百万円、株式報酬取引による資本金の増加10百万円、株式報酬取引による資本剰余金の減少37百万円、及び非支配持分の増加104百万円等であります。
(3) キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)区分 前連結会計年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)増減営業活動によるキャッシュ・フロー1,6714,8083,137投資活動によるキャッシュ・フロー△718△11,852△11,133財務活動によるキャッシュ・フロー△2,9773,8906,867現金及び現金同等物の減少額△1,876△3,040△1,164 当期における現金及び現金同等物(以下、資金)は、3,931百万円減少し、10,702百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、増加した資金は4,808百万円となり、前連結会計年度(以下、前期)の増加した資金1,671百万円と比べ、3,137百万円の増加となりました。
主な要因は、前期は条件付対価に係る公正価値変動額が785百万円発生していたこと、当期は支配喪失益が1,224百万円、債権放棄損が349百万円それぞれ発生したこと、税引前当期利益が3,805百万円と前期に比べ1,255百万円増加したこと、非継続事業からの税引前当期利益が457百万円と前期に比べ10,084百万円増加したこと、減価償却費及び償却費が1,393百万円と前期に比べ580百万円減少したこと、減損損失が200百万円と前期に比べ6,880百万円減少したこと、売掛金及びその他の短期債権の増減額が73百万円と前期に比べ305百万円減少したこと、買掛金及びその他の短期債務の増減額が△270百万円と前期に比べ81百万円増加したこと、棚卸資産の増減額が△85百万円と前期に比べ21百万円増加したこと、その他が704百万円と前期に比べ1,052百万円増加したこと、及び法人所得税の支払額が667百万円と前期に比べ153百万円減少したこと等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、減少した資金は11,852百万円となり、前期の減少した資金718百万円と比べ、11,133百万円の減少となりました。
主な要因は、前期は子会社株式の売却による収入が939百万円発生していたこと、当期は子会社の支配喪失による減少額が2,722百万円、関連会社株式の売却による収入が33百万円それぞれ発生したこと、資本性金融資産の取得による支出が53百万円と前期に比べ194百万円減少したこと、有形固定資産及び投資不動産の取得による支出が8,162百万円と前期に比べ7,912百万円増加したこと、敷金及び保証金の差入による支出が569百万円と前期に比べ525百万円増加したこと、貸付による支出が2,919百万円と前期に比べ252百万円増加したこと、及び貸付金の回収による収入が2,737百万円と前期に比べ770百万円増加したこと等であります。
 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、増加した資金は3,890百万円となり、前期の減少した資金2,977百万円と比べ、6,867百万円の増加となりました。
主な要因は、前期は非支配持分からの子会社持分取得による支出が65百万円発生していたこと、当期は短期借入金の返済による支出が3,475百万円と前期に比べ1,445百万円増加したこと、長期借入れによる収入が7,755百万円と前期に比べ7,655百万円増加したこと、配当金の支払額が93百万円と前期に比べ451百万円減少したこと、及びリース負債の返済による支出が647百万円と前期に比べ72百万円減少したこと等であります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上収益及び営業利益) 当連結会計年度(以下、当期)においては、さらなる収益力向上を目指して、海外事業のリストラクチャリングを実施し、国内の主要事業へ経営資源の集中を行いました。
主力の国内のHOME'S関連事業においては、数年間継続してきたサイト開発や営業の強化等の各種施策が奏功し、トラフィック、問合せ数等の各種指標が好調に推移しました。
この結果、当期における売上収益は28,127百万円(前期比+6.9%)となりました。
HOME'S関連事業の増収に加えて、戦略的投資を行いながらも主に広告宣伝費・営業費を最適化したこと、AI・生成AI活用等により業務効率化が進んだことで、営業利益は3,815百万円(前期比+26.1%)となりました。
なお、前期の一時要因である子会社の株式会社LIFULL SPACEの売却益を除いた場合、営業利益は+80.3%の大幅な増益となります。
(当期利益)法人所得税費用1,322百万円及び非継続事業からの当期利益2,827百万円等を計上した結果、当期利益は5,310百万円となりました。
 資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フロー)キャッシュ・フローの状況の分析は「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」を参照ください。
(資金需要)当社グループの資金需要は販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資や、将来の成長及び企業価値向上を目的としたM&Aによる投資であります。
(財務政策)当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先しております。
これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。
短期的な運転資金の調達並びに設備投資資金等の調達に関しましては、自己資金及び複数の金融機関より確保している融資枠からの借入金を基本としております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について ①会社の経営の基本方針「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念として掲げており、日本国内において不動産情報サービス事業を中心に、住まいに関わる情報を提供しております。
また、住まい領域に関連する、介護施設・老人ホーム、収益物件・不動産投資等の情報サービスを提供しております。
 ②目標とする経営指標当社グループが重視している経営指標は、売上収益、営業利益、営業利益率であり、事業上の指標として、HOME'S関連事業においては掲載物件数、顧客数、一顧客あたり平均売上(ARPA)、サイトの訪問者数、問合せ数(ユーザーから不動産会社等に対するメールや電話での問合せ)等を重視しております。
 ③中長期的な会社の経営戦略当社グループでは経営理念の達成に向けて、あらゆる人が安心と喜びをもって未来へと進んでいくためのサポートをしたいと考えております。
世の中に溢れている大量の情報を蓄積・整理・統合し、情報を必要としているユーザーに対し、AI・生成AI等の最新技術を活用しながら、様々なデバイスやチャネルを通じて最適な情報を提供することに取り組んでおります。
この戦略に基づき、「HOME'S関連事業を始めとする国内事業の強化」、「グループ事業のシナジー最大化」、「AI・生成AI等の最新技術の活用」に重点的に取り組んでまいります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しています。
この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社は、「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」という経営理念のもと、先進技術を積極的に活用しながら様々なサービス開発に取り組んできました。
近年の技術進歩は目覚ましく、AI、ロボット、IoEといった新たな技術の活用事例も出てきている中、当社でも現存技術の改善・改革を実行すると同時に、魅力ある新技術の開発、活用は必要課題であり、研究開発力の強化は当社にとって重要課題のひとつであると考えています。
当社では、積極的なAI技術の活用によりサービスの品質や業務の生産性向上を目指し、2018年からAI活用のための専門組織を設置しています。
当社グループの持つビッグデータやAI技術を活用し、レコメンデーションエンジンの研究開発や、機械学習による業務効率化につながる機能開発、住宅の平面間取り画像をもとに3Dモデルを生成する技術の開発等の取り組みを継続しています。
なお、当連結会計年度の研究開発費は162百万円であります。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資(ソフトウェアを含む)は2,887百万円であります。
その主な内容は、サービス機能等のソフトウェアの開発、什器備品の購入、不動産開発案件に係る土地等の取得等であります。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
提出会社2025年9月30日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(名)建物工具、器具及び備品リース資産土地(面積千㎡)ソフトウェア合計本社(東京都千代田区)HOME'S関連事業・その他事務所設備、ネットワーク関連設備等3,77753111,850(31)2695,962613〔78〕大阪支店(大阪市北区)HOME'S関連事業事務所設備等76---1432〔0〕福岡支店(福岡市博多区)HOME'S関連事業事務所設備等63---97〔1〕名古屋支店(名古屋市西区)HOME'S関連事業事務所設備等72---98〔0〕 (注)1.帳簿価額のうち、「ソフトウェア」にはソフトウェア仮勘定を含めて表示しております。
2.臨時従業員数は〔 〕に、年間の平均人員を外数で記載しております。
3.帳簿価額及び面積には、信託受益権分を含んでおります。
4.上記の他、主要な設備のうち賃借している設備の主な内容は、以下のとおりであります。
事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容年間賃借料(百万円)大阪支店(大阪市北区)HOME'S関連事業支店事務所17福岡支店(福岡市博多区)HOME'S関連事業支店事務所4名古屋支店(名古屋市西区)HOME'S関連事業支店事務所9
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動162,000,000
設備投資額、設備投資等の概要2,887,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況37
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況8
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況7,120,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、当該出資を通じた出資先との協業により当社の事業の発展及び当社グループの企業価値の向上に資するかどうかの判断に基づき決定しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容保有方針及び保有の合理性を検証する方法は、経営会議等において、定期的に、保有に伴うリスクやコスト及び保有によるリターン等の観点から採算性を検証した上で、出資先との業務提携等による事業面の効果も評価し、当社の事業の発展及び当社グループの企業価値の向上につながるかどうかを総合的に判断するものです。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式156,457非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式16,280CONNECT NEXT PTE,LTD.へ現物出資非上場株式以外の株式--― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社15
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社6,457,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社6,280,000,000
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社CONNECT NEXT PTE,LTD.へ現物出資

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2025年9月30日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
井上 高志東京都港区42,524,42333.19
楽天グループ株式会社東京都世田谷区玉川1丁目14-123,797,10018.57
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号8,049,2006.28
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-126,396,5004.99
CACEIS BK ES DCV CLIENTS(常任代理人 香港上海銀行)PASEO CLUB DEPORTIVO 1, EDIFICIO 4, PLANTA SEGUNDA POZUELO DE ALARCON MADRID SPAIN(東京都中央区日本橋3丁目11-1)2,114,4841.65
LIFULL 従業員持株会東京都千代田区麹町1丁目4-41,565,1591.22
伊東 祐司東京都目黒区1,531,9411.20
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140044(常任代理人 株式会社みずほ銀行)240 GREENWICH STREET,NEW YORK,NY10286 , U.S.A.(東京都港区港南2丁目15-1)1,507,6001.18
UBS AG LONDON A/C IPB SEGREGATED CLIENT ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ)BAHNHOFSTRASSE 45, 8001 ZURICH, SWITZERLAND(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)1,043,6440.81
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCTS M ILM FE (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)2 KING EDWARD STREET, LONDON EC1A 1HQ UNITED KINGDOM(東京都千代田区丸の内1丁目4番5号)1,023,6600.80
計―89,553,71169.89 1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第三位を四捨五入し ております。2.上記のほか当社所有の自己株式6,245,406株があります。3.井上高志氏、伊東祐司氏の所有株式数は、実質所有株式数を記載しております。4.2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社が2025年9月15日現在で次のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年9月30日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。   大量保有者   三井住友信託銀行株式会社  住所      東京都千代田区丸の内一丁目4番1号  保有株券等の数 1,300,000株  株券等保有割合 0.97%   大量保有者   三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社  住所      東京都港区芝公園一丁目1番1号  保有株券等の数 1,742,200株  株券等保有割合 1.30%   大量保有者   アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社  住所      東京都港区赤坂九丁目7番1号  保有株券等の数 4,812,800株  株券等保有割合 3.58%
株主数-金融機関9
株主数-金融商品取引業者30
株主数-外国法人等-個人105
株主数-外国法人等-個人以外114
株主数-個人その他13,438
株主数-その他の法人67
株主数-計13,763
氏名又は名称、大株主の状況BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCTS M ILM FE (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式   17735,463当期間における取得自己株式― ― (注)当期間における取得自己株式には、2025年12月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含まれておりません。

Shareholders2

自己株式の取得0

Audit

監査法人1、連結PwC Japan有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年12月22日 株式会社LIFULL取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士林  壮  一  郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士木  村  圭  佑 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社LIFULLの2024年10月1日から2025年9月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及びその他の注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社LIFULL及び連結子会社の2025年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・LIFULL CONNECT資金生成単位グループに配分されたのれんの評価当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前連結会計年度の監査上の主要な検討事項から「LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理」「CONNECT NEXT株式の公正価値評価」を追加し、「LIFULL CONNECT資金生成単位グループに配分されたのれんの評価」を除外し、以下の事項とした。
LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記36に記載されているとおり、会社は2025年1月21日付でLIFULL CONNECT, S.L.(以下、LIFULL CONNECT)社の役員に、会社が保有するLIFULL CONNECT株式の全てを譲渡し、対価としてCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)社の種類株式を5,931百万円取得した。
会社は、上記取引によりLIFULL CONNECTの支配を喪失し、連結損益計算書の非継続事業からの当期利益において、支配喪失益を1,224百万円計上した。
また、LIFULL CONNECTが属する海外事業を非継続事業に分類した。
会社は本取引により取得したCONNECT NEXT社の種類株式について、同社の将来キャッシュ・フローの割引現在価値にて算定した株主価値をもとに公正価値を算定している。
受取対価であるCONNECT NEXT社の種類株式の評価における主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
当該取引の会計処理において、主要な仮定は、経営者の主観的な判断や不確実性の影響を受けるとともに、高度な専門的判断を伴う。
さらに当該取引は、連結財務諸表において金額的に重要であることから、当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・ 経営者への質問及び会社の会議体の議事録の閲覧を通じてCONNECT NEXT社の経営環境を理解した。
・ 経営者への質問及び取締役会議事録を閲覧し、経営者が利用した外部の専門家による評価結果を考慮して、当該取引の価格を決定し、承認していることを確かめた。
・ 経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・ CONNECT NEXT社の将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を評価するため、当該見積りの基礎となった、経営者に承認された事業計画、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・ 評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
- 経営者がCONNECT NEXT社の種類株式の評価に使用した、株主価値の算定方法及び同社の種類株式相当の価値の評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社が展開する事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・ 移転したLIFULL CONNECTグループの支配喪失時点の資産、負債及び非支配株主持分の帳簿価額の妥当性を評価するため、LIFULL CONNECTグループの監査人に、支配喪失時の財務諸表の監査を依頼し、作業結果を評価した。
・ 支配喪失益の再計算を実施した。
CONNECT NEXT株式の公正価値評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記27及び36に記載されているとおり、会社は2025年9月30日現在、FVTOCIの資本性金融資産を6,109百万円計上しており、そのうち5,448百万円がCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)株式である。
当該CONNECT NEXT株式残高は、FVTOCIの資本性金融資産の合計額の89.1%、また連結総資産の13.3%に相当する。
連結財務諸表注記3に記載のとおり、会社はFVTOCIの資本性金融資産について、毎年公正価値評価を実施している。
当該CONNECT NEXT株式は市場性のない有価証券であり、公正価値測定を行う際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
将来キャッシュ・フローは、経営者が承認した今後5年間を限度とする事業計画を基礎に算定されており、事業計画の期間を超えたキャッシュ・フローは成長率を基礎にして見積られている。
公正価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
CONNECT NEXT株式残高は、連結財務諸表における金額的重要性が高いこと、また、事業計画における将来キャッシュ・フローの見積り、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の決定において、見積りの不確実性が高く、経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、CONNECT NEXT株式の公正価値評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、会社が実施したCONNECT NEXT株式の公正価値評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・  FVTOCIの資本性金融資産の公正価値評価に関連する内部統制を理解・評価した。
・  公正価値算定にあたり主要な仮定となる事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・  過年度の事業計画について実績と計画を比較した。
・  経営者との議論に基づき過去の業績や事業計画の内容を検討し、公正価値評価に使用された将来キャッシュ・フローの算定結果の合理性を評価した。
・  将来キャッシュ・フローについて、経営者に承認された事業計画との整合性を検討した。
・  評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
-    経営者が実施した、公正価値の算定における評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社の事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・  経営者が実施した公正価値の算定結果の妥当性を検証した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社LIFULLの2025年9月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、株式会社LIFULLが2025年9月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれる4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・LIFULL CONNECT資金生成単位グループに配分されたのれんの評価当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前連結会計年度の監査上の主要な検討事項から「LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理」「CONNECT NEXT株式の公正価値評価」を追加し、「LIFULL CONNECT資金生成単位グループに配分されたのれんの評価」を除外し、以下の事項とした。
LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記36に記載されているとおり、会社は2025年1月21日付でLIFULL CONNECT, S.L.(以下、LIFULL CONNECT)社の役員に、会社が保有するLIFULL CONNECT株式の全てを譲渡し、対価としてCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)社の種類株式を5,931百万円取得した。
会社は、上記取引によりLIFULL CONNECTの支配を喪失し、連結損益計算書の非継続事業からの当期利益において、支配喪失益を1,224百万円計上した。
また、LIFULL CONNECTが属する海外事業を非継続事業に分類した。
会社は本取引により取得したCONNECT NEXT社の種類株式について、同社の将来キャッシュ・フローの割引現在価値にて算定した株主価値をもとに公正価値を算定している。
受取対価であるCONNECT NEXT社の種類株式の評価における主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
当該取引の会計処理において、主要な仮定は、経営者の主観的な判断や不確実性の影響を受けるとともに、高度な専門的判断を伴う。
さらに当該取引は、連結財務諸表において金額的に重要であることから、当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・ 経営者への質問及び会社の会議体の議事録の閲覧を通じてCONNECT NEXT社の経営環境を理解した。
・ 経営者への質問及び取締役会議事録を閲覧し、経営者が利用した外部の専門家による評価結果を考慮して、当該取引の価格を決定し、承認していることを確かめた。
・ 経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・ CONNECT NEXT社の将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を評価するため、当該見積りの基礎となった、経営者に承認された事業計画、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・ 評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
- 経営者がCONNECT NEXT社の種類株式の評価に使用した、株主価値の算定方法及び同社の種類株式相当の価値の評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社が展開する事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・ 移転したLIFULL CONNECTグループの支配喪失時点の資産、負債及び非支配株主持分の帳簿価額の妥当性を評価するため、LIFULL CONNECTグループの監査人に、支配喪失時の財務諸表の監査を依頼し、作業結果を評価した。
・ 支配喪失益の再計算を実施した。
CONNECT NEXT株式の公正価値評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応連結財務諸表注記27及び36に記載されているとおり、会社は2025年9月30日現在、FVTOCIの資本性金融資産を6,109百万円計上しており、そのうち5,448百万円がCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)株式である。
当該CONNECT NEXT株式残高は、FVTOCIの資本性金融資産の合計額の89.1%、また連結総資産の13.3%に相当する。
連結財務諸表注記3に記載のとおり、会社はFVTOCIの資本性金融資産について、毎年公正価値評価を実施している。
当該CONNECT NEXT株式は市場性のない有価証券であり、公正価値測定を行う際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
将来キャッシュ・フローは、経営者が承認した今後5年間を限度とする事業計画を基礎に算定されており、事業計画の期間を超えたキャッシュ・フローは成長率を基礎にして見積られている。
公正価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
CONNECT NEXT株式残高は、連結財務諸表における金額的重要性が高いこと、また、事業計画における将来キャッシュ・フローの見積り、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の決定において、見積りの不確実性が高く、経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、CONNECT NEXT株式の公正価値評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、会社が実施したCONNECT NEXT株式の公正価値評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・  FVTOCIの資本性金融資産の公正価値評価に関連する内部統制を理解・評価した。
・  公正価値算定にあたり主要な仮定となる事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・  過年度の事業計画について実績と計画を比較した。
・  経営者との議論に基づき過去の業績や事業計画の内容を検討し、公正価値評価に使用された将来キャッシュ・フローの算定結果の合理性を評価した。
・  将来キャッシュ・フローについて、経営者に承認された事業計画との整合性を検討した。
・  評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
-    経営者が実施した、公正価値の算定における評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社の事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・  経営者が実施した公正価値の算定結果の妥当性を検証した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・LIFULL CONNECT資金生成単位グループに配分されたのれんの評価当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前連結会計年度の監査上の主要な検討事項から「LIFULL CONNECT株式の譲渡による支配喪失及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理」「CONNECT NEXT株式の公正価値評価」を追加し、「LIFULL CONNECT資金生成単位グループに配分されたのれんの評価」を除外し、以下の事項とした。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結CONNECT NEXT株式の公正価値評価
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 連結財務諸表注記27及び36に記載されているとおり、会社は2025年9月30日現在、FVTOCIの資本性金融資産を6,109百万円計上しており、そのうち5,448百万円がCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)株式である。
当該CONNECT NEXT株式残高は、FVTOCIの資本性金融資産の合計額の89.1%、また連結総資産の13.3%に相当する。
連結財務諸表注記3に記載のとおり、会社はFVTOCIの資本性金融資産について、毎年公正価値評価を実施している。
当該CONNECT NEXT株式は市場性のない有価証券であり、公正価値測定を行う際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
将来キャッシュ・フローは、経営者が承認した今後5年間を限度とする事業計画を基礎に算定されており、事業計画の期間を超えたキャッシュ・フローは成長率を基礎にして見積られている。
公正価値の見積りにおける主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
CONNECT NEXT株式残高は、連結財務諸表における金額的重要性が高いこと、また、事業計画における将来キャッシュ・フローの見積り、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の決定において、見積りの不確実性が高く、経営者による主観的な判断を伴うことから、当監査法人は、CONNECT NEXT株式の公正価値評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記27及び36
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記3
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、会社が実施したCONNECT NEXT株式の公正価値評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・  FVTOCIの資本性金融資産の公正価値評価に関連する内部統制を理解・評価した。
・  公正価値算定にあたり主要な仮定となる事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・  過年度の事業計画について実績と計画を比較した。
・  経営者との議論に基づき過去の業績や事業計画の内容を検討し、公正価値評価に使用された将来キャッシュ・フローの算定結果の合理性を評価した。
・  将来キャッシュ・フローについて、経営者に承認された事業計画との整合性を検討した。
・  評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
-    経営者が実施した、公正価値の算定における評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社の事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・  経営者が実施した公正価値の算定結果の妥当性を検証した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれる4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別PwC Japan有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年12月22日 株式会社LIFULL取締役会 御中 PwC Japan有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士林  壮  一  郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士木  村  圭  佑 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社LIFULLの2024年10月1日から2025年9月30日までの第31期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社LIFULLの2025年9月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前事業年度の財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・Mitula Group Limited及びLIFULL CONNECT, S.L.に対する投資の評価当事業年度の財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当事業年度の財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前事業年度の監査上の主要な検討事項から「LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理」「CONNECT NEXT株式の評価」を追加し、「Mitula Group Limited及びLIFULL CONNECT, S.L.に対する投資の評価」を除外し、以下の事項とした。
LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は2025年1月21日付でLIFULL CONNECT, S.L.(以下、LIFULL CONNECT)社の役員に、会社が保有するLIFULL CONNECT株式の全てを譲渡し、対価としてCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)社の種類株式を5,931百万円取得した。
会社は当該取引により、損益計算書上、関係会社株式売却益を特別利益として計上した。
会社は、本取引により取得したCONNECT NEXT社の種類株式について、同社の将来キャッシュ・フローの割引現在価値にて算定した株主価値をもとに取得価額を算定している。
受取対価であるCONNECT NEXT社の種類株式の評価における主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
当該取引の会計処理において、主要な仮定は、経営者の主観的な判断や不確実性の影響を受けるとともに、高度な専門的判断を伴う。
さらに当該取引は、財務諸表において金額的に重要であることから、当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・ 経営者への質問及び会社の会議体の議事録の閲覧を通じてCONNECT NEXT社の経営環境を理解した。
・ 経営者への質問及び取締役会議事録を閲覧し、経営者が利用した外部の専門家による評価結果を考慮して、当該取引の価格を決定し、承認していることを確かめた。
・ 経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・ CONNECT NEXT社の将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を評価するため、当該見積りの基礎となった、経営者に承認された事業計画、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・ 評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
- 経営者がCONNECT NEXT社の種類株式の評価に使用した、株主価値の算定方法及び同社の種類株式相当の価値の評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社が展開する事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・ 関係会社株式売却益の再計算を実施した。
CONNECT NEXT株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2025年9月30日現在、貸借対照表上、投資有価証券を6,488百万円計上しており、財務諸表の注記事項(重要な会計方針)1 に記載されているとおり、移動平均法による原価法により評価している。
そのうち、財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)1に記載されているとおり、6,280百万円がCONNECT NEXT株式である。
当該CONNECT NEXT株式残高は、投資有価証券合計額の96.7%、また総資産の16.8%に相当する。
投資有価証券の評価については、市場価格のない株式等であることから、その評価にあたり、会社は、発行会社の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下がないかを検討している。
実質価額の著しい低下が認められる場合には、回復可能性が事業計画等の十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、実質価額まで減損処理をしている。
CONNECT NEXT株式については、直近の財務諸表における1株当たり純資産との比較等により、実質価額について著しい低下がないかを判断することとしている。
検討の結果、会社はCONNECT NEXT株式の帳簿価額に対して、実質価額の著しい低下が認められなかったため、減損処理を行っていない。
CONNECT NEXT株式残高は、財務諸表における金額的重要性が高いこと、また、CONNECT NEXT株式は、財務諸表における金額的重要性が相対的に高く、減損処理が行われると、財務諸表に与える金額的影響が大きくなる可能性があるため、当監査法人は、CONNECT NEXT株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、会社が実施したCONNECT NEXT株式の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・ CONNECT NEXT株式の実質価額の著しい低下の有無の判定を含む、減損判定に関する内部統制を理解・評価した。
・ 経営者への質問及び会社の会議体の議事録の閲覧を通じてCONNECT NEXT社の経営環境を理解し、実質価額の著しい低下を示唆する状況の有無を確認した。
・ 実質価額を再計算し、帳簿価額と比較した。
・ 減損処理の要否を含む経営者が実施した評価結果の妥当性を検証した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
 以 上
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前事業年度の財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・Mitula Group Limited及びLIFULL CONNECT, S.L.に対する投資の評価当事業年度の財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当事業年度の財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前事業年度の監査上の主要な検討事項から「LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理」「CONNECT NEXT株式の評価」を追加し、「Mitula Group Limited及びLIFULL CONNECT, S.L.に対する投資の評価」を除外し、以下の事項とした。
LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は2025年1月21日付でLIFULL CONNECT, S.L.(以下、LIFULL CONNECT)社の役員に、会社が保有するLIFULL CONNECT株式の全てを譲渡し、対価としてCONNECT NEXT PTE.LTD.(以下、CONNECT NEXT)社の種類株式を5,931百万円取得した。
会社は当該取引により、損益計算書上、関係会社株式売却益を特別利益として計上した。
会社は、本取引により取得したCONNECT NEXT社の種類株式について、同社の将来キャッシュ・フローの割引現在価値にて算定した株主価値をもとに取得価額を算定している。
受取対価であるCONNECT NEXT社の種類株式の評価における主要な仮定は、事業計画における将来キャッシュ・フロー、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率である。
割引率はCONNECT NEXT社が展開する事業に関連する加重平均資本コストを基礎に算定しており、事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率は、当該事業が属する市場又は国の長期平均成長率を勘案して決定されている。
当該取引の会計処理において、主要な仮定は、経営者の主観的な判断や不確実性の影響を受けるとともに、高度な専門的判断を伴う。
さらに当該取引は、財務諸表において金額的に重要であることから、当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・ 経営者への質問及び会社の会議体の議事録の閲覧を通じてCONNECT NEXT社の経営環境を理解した。
・ 経営者への質問及び取締役会議事録を閲覧し、経営者が利用した外部の専門家による評価結果を考慮して、当該取引の価格を決定し、承認していることを確かめた。
・ 経営者が利用した外部の専門家の適性、能力及び客観性を評価した。
・ CONNECT NEXT社の将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を評価するため、当該見積りの基礎となった、経営者に承認された事業計画、割引率及び事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率の評価にあたり、経営者と議論し、仮定を選択した根拠を理解した。
・ 評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。
- 経営者がCONNECT NEXT社の種類株式の評価に使用した、株主価値の算定方法及び同社の種類株式相当の価値の評価方法を検証した。
- 割引率について、CONNECT NEXT社が展開する事業の状況を反映した加重平均資本コストが適切に算定されているかを検討した。
- 事業計画の期間を超えた期間に使用される成長率について、CONNECT NEXT社が展開する事業が属する市場又は国における平均成長率の予測と整合しているかを検討した。
・ 関係会社株式売却益の再計算を実施した。
CONNECT NEXT株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、2025年9月30日現在、貸借対照表上、投資有価証券を6,488百万円計上しており、財務諸表の注記事項(重要な会計方針)1 に記載されているとおり、移動平均法による原価法により評価している。
そのうち、財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)1に記載されているとおり、6,280百万円がCONNECT NEXT株式である。
当該CONNECT NEXT株式残高は、投資有価証券合計額の96.7%、また総資産の16.8%に相当する。
投資有価証券の評価については、市場価格のない株式等であることから、その評価にあたり、会社は、発行会社の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下がないかを検討している。
実質価額の著しい低下が認められる場合には、回復可能性が事業計画等の十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、実質価額まで減損処理をしている。
CONNECT NEXT株式については、直近の財務諸表における1株当たり純資産との比較等により、実質価額について著しい低下がないかを判断することとしている。
検討の結果、会社はCONNECT NEXT株式の帳簿価額に対して、実質価額の著しい低下が認められなかったため、減損処理を行っていない。
CONNECT NEXT株式残高は、財務諸表における金額的重要性が高いこと、また、CONNECT NEXT株式は、財務諸表における金額的重要性が相対的に高く、減損処理が行われると、財務諸表に与える金額的影響が大きくなる可能性があるため、当監査法人は、CONNECT NEXT株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、会社が実施したCONNECT NEXT株式の評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。
・ CONNECT NEXT株式の実質価額の著しい低下の有無の判定を含む、減損判定に関する内部統制を理解・評価した。
・ 経営者への質問及び会社の会議体の議事録の閲覧を通じてCONNECT NEXT社の経営環境を理解し、実質価額の著しい低下を示唆する状況の有無を確認した。
・ 実質価額を再計算し、帳簿価額と比較した。
・ 減損処理の要否を含む経営者が実施した評価結果の妥当性を検証した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前事業年度の財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・Mitula Group Limited及びLIFULL CONNECT, S.L.に対する投資の評価当事業年度の財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当事業年度の財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前事業年度の監査上の主要な検討事項から「LIFULL CONNECT株式の譲渡及びCONNECT NEXT株式の取得の会計処理」「CONNECT NEXT株式の評価」を追加し、「Mitula Group Limited及びLIFULL CONNECT, S.L.に対する投資の評価」を除外し、以下の事項とした。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別CONNECT NEXT株式の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

未収入金1,205,000,000
その他、流動資産7,000,000
工具、器具及び備品(純額)79,000,000
土地1,850,000,000
リース資産(純額)、有形固定資産11,000,000
有形固定資産6,410,000,000
ソフトウエア225,000,000
無形固定資産275,000,000
投資有価証券6,488,000,000
長期前払費用7,000,000
繰延税金資産3,798,000,000
投資その他の資産15,871,000,000