臨時報告書

タイトル内容
提出書類、表紙臨時報告書
会社名、表紙パシフィックシステム株式会社
EDINETコード、DEIE05687
証券コード、DEI3847
提出者名(日本語表記)、DEIパシフィックシステム株式会社
提出理由  当社は、会社法(平成17年法律第86号。
その後の改正を含みます。
以下同じです。
)第179条第1項に規定する特別支配株主である太平洋セメント株式会社(以下「太平洋セメント」といいます。
)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。
)の通知を受け、2025年10月27日開催の当社取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。
その後の改正を含みます。
)第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。
その後の改正を含みます。
)第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。
特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合 1.本株式売渡請求の通知に関する事項(1)当該通知がされた年月日2025年10月27日 (2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名商号太平洋セメント株式会社本店の所在地東京都文京区小石川一丁目1番1号代表者の氏名代表取締役社長 田浦 良文 (3)当該通知の内容太平洋セメントは、会社法第179条第1項に定める当社の特別支配株主として、同法第179条の3第1項に基づき、当社の株主(ただし、当社及び太平洋セメントを除きます。
)の全員(以下「本売渡株主」といいます。
)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。
)の全部(以下「本売渡株式」といいます。
)を太平洋セメントに売り渡すことの請求を行うことを決定したとのことであり、当社は、2025年10月27日付で太平洋セメントから以下の内容の通知を受領いたしました。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して、本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号及び同項第3号)太平洋セメントは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。
)として、その有する本売渡株式1株につき6,850円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。
)(会社法第179条の2第1項第5号)2025年11月28日 ⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)太平洋セメントは、本売渡対価の全てを、太平洋セメントが保有する現預金を原資として支払うことを予定しております。
太平洋セメントは、太平洋セメントが2025年8月12日から当社株式に対して実施した公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として、株式会社みずほ銀行作成の2025年8月12日付残高証明書を提出しております。
太平洋セメントにおいて、本売渡対価の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識しておりません。
⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179 条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。
ただし、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社の指定した方法により(本売渡対価の交付について、太平洋セメントが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本売渡対価を支払うものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項(1)当該通知がされた年月日2025年10月27日 (2)当該決定がされた年月日2025年10月27日 (3)当該決定の内容太平洋セメントからの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程本株式売渡請求は、当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び太平洋セメントが所有する当社株式を除きます。
)を取得し、当社を太平洋セメントの完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。
)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、太平洋セメントによる当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
)における当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。
)と同一の価格に設定されています。
当社は、当社が2025年8月12日付で提出いたしました意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。
)の「3 ,[当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下のとおり判断し、2025年8月8日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
当社は、本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2025年4月23日、太平洋セメントより本取引の検討及び協議を開始したい旨並びに正式な提案書は後日改めて提出する旨の初期的な申し入れを受け、また、2025年5月19日に、太平洋セメントから、本公開買付け及びその後の当社の株主を太平洋セメントのみとするための一連の手続により当社株式の全てを取得し、当社を完全子会社化することに関する法的拘束力を持たない提案書(以下「本提案書」といいます。
)が提出されたことを踏まえ、当該提案内容を検討するにあたり、本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、2025年5月下旬、太平洋セメント及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。
)を、太平洋セメント及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。
)をそれぞれ選任いたしました。
また、当社は、当社が太平洋セメントの連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性を担保するため、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、2025年5月26日付で、当社グループ(当社及びその子会社を総称していいます。
以下同じです。
)を含む太平洋セメントグループ(太平洋セメント及びその子会社並びに関連会社を総称していいます。
以下同じです。
)から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
)を設置し、本取引に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。
具体的には、2025年5月26日開催の当社取締役会の決議により、太平洋セメント及び当社から独立した、当社の独立社外取締役である腰原貞利氏、独立社外取締役である阿部真弓氏(社会保険労務士)、独立社外監査役である高橋嘉明氏(公認会計士・税理士)の3名から構成される特別委員会を設置し、設置以来、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。
更に、本特別委員会は、第1回特別委員会において、委員の互選により、腰原貞利氏を委員長として選定しました。
なお、当社の独立社外取締役である松下満俊氏は、同氏が所属する法律事務所と太平洋セメントとの間で取引関係が一定程度存在するため、本取引に係る手続の公正性を担保する観点から、本特別委員会の委員として選任しておりません。
また、当社は、本特別委員会に対し、(ア)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するか否かを含む。
)、(イ)本取引の条件の公正性及び妥当性(本取引の実施方法及び本公開買付けにおける買付け等の価格が妥当か否かを含む。
)、(ウ)本取引の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。
)、(エ)上記(ア)から(ウ)を踏まえ、本取引を行うことが当社の少数株主(一般株主)にとって公正であると考えられるか、(オ)本公開買付けについて当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、(ア)から(オ)を総称して「本諮問事項」といいます。
)について諮問いたしました。
また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本諮問事項に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ア)当社が選任したアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)を承認する権限、(イ)当社が選任したアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)に専門的助言を求める権限、(ウ)当社の取締役、従業員その他特別委員会が必要と認める者に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、(エ)合理的に必要な範囲で、当社の費用負担において、特別委員会独自のアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザーその他のアドバイザー)及び第三者評価機関を選任し、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他特別委員会が必要と判断する事項を委託する権限、(オ)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与することを決議いたしました。
また、2025年6月10日開催の第1回特別委員会において、山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすること並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所を当社のリーガル・アドバイザーとすることについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けました。
その上で、当社は、本取引の目的、本取引後の経営体制・方針、本取引の諸条件等について、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、太平洋セメントとの間で複数回にわたる協議・交渉を重ねた上で、本取引の妥当性について検討してまいりました。
具体的には、当社は、本提案書を受領したことを受け、2025年6月26日に、本特別委員会を通じて太平洋セメントに対するインタビューを実施し、本取引の背景(本取引に係る提案を上記の時期に行うに至った背景を含みます。
)、経緯、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。
その上で当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か等について並行的に検討を進めることとしつつ、本公開買付価格について太平洋セメントとの協議・交渉を2025年7月11日に開始しました。
具体的には、本公開買付価格については、当社は、2025年7月11日、太平洋セメントから本公開買付価格を5,800円(提案日の前営業日である2025年7月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値4,685円に対して23.80%のプレミアムを加えた価格)とする初回提案を受けました。
その後、当社は、2025年7月15日、当社の少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないとして、本公開買付価格の再提案の要請を行いました。
当該要請に対して、当社は、太平洋セメントから、本公開買付価格に関する検討を行った結果として、2025年7月22日、本公開買付価格を6,200円(提案日の前営業日である2025年7月18日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値4,790円に対して29.44%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第2回提案を受けました。
これに対して、当社は、2025年7月23日、当社の第三者算定機関による当社株式の株式価値算定の試算結果及び類似事例における一般的なプレミアム水準を踏まえ、少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないとして、本公開買付価格の再提案の要請を行いました。
当該要請に対して、当社は、太平洋セメントから、本公開買付価格に関する検討を行った結果として、2025年7月28日、当社に対して、本公開買付価格を6,500円(提案日の直近の取引成立日である2025年7月24日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値4,800円に対して35.42%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第3回提案を受けました。
これに対して、当社は、2025年7月29日、当社の第三者算定機関による算定結果及び当社の足元の財政状態、本公開買付けによるシナジーの反映並びに本取引と同様に非公開化を目的とした親会社による完全子会社化の事例(以下「本類似事例」といいます。
)におけるプレミアム率を踏まえ、本公開買付けに対して応募推奨を行うために必要と考える価格水準及び少数株主の利益の観点からは未だ十分な水準といえる金額とはいえないとして、本公開買付価格の再提案の要請を行いました。
当該要請に対して、当社は、太平洋セメントから、本公開買付価格に関する検討を行った結果として、2025年8月4日、当社に対して、本公開買付価格を6,700円(提案日の前営業日である2025年8月1日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値5,170円に対して29.59%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第4回提案を受けました。
これに対して、当社は、2025年8月5日、第4回提案における提案価格は、少数株主に一定程度配慮された価格である一方で、当社の第三者算定機関の株式価値の試算結果を踏まえると、少数株主の利益に最大限配慮した価格であると判断するためには更なる価格の引上げの必要があり、また、現状の当社の株価に対するプレミアム率の点でも十分に満足できる水準には届いていないことから、本公開買付価格の今一歩の引上げを要請すべきであると考え、本公開買付価格を7,000円とする旨の対案を提示しました。
当該要請に対して、当社は、太平洋セメントから、本公開買付価格に関する検討を行った結果として、2025年8月6日、当社に対して、太平洋セメントとして当該時点で検討し得る最大限の水準であるとして、本公開買付価格を6,850円(提案日の前営業日である2025年8月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値5,130円に対して33.53%のプレミアムを加えた価格)とする旨の第5回提案を受けました。
当社は、当該提案について、その妥当性を本特別委員会に確認するほか、2025年8月7日付で山田コンサルから取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(山田コンサル)」といいます。
)の内容、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の法的助言の内容も踏まえて慎重に検討を行いました。
その結果、本公開買付けの公表日の前営業日である2025年8月7日の終値に対して32.50%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して40.48%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して43.67%、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して51.18%といったプレミアム水準は、本類似事例のうち、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日から2025年7月14日までの間に公表された77件におけるプレミアム水準(公表日の前営業日における終値に対して39.22%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して42.04%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.70%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して39.87%)との比較において、公表日の前営業日である2025年8月7日の終値及び同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値との関係では、本類似事例におけるプレミアム水準を下回っているものの、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値及び同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値との関係では、本類似事例におけるプレミアム水準を上回っていること、また、当社株価の上場来最高値である5,190円(2025年8月1日のザラ場。
)に対して31.98%のプレミアムが付されていることに鑑みると、当該価格は当社株式の市場株価に対して合理的と考えられる水準のプレミアムが付されていると評価でき、また、本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(3)算定に関する事項」に記載の山田コンサルによる市場株価法に基づく算定結果の範囲を上回っており、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
)に基づく算定結果のレンジの範囲内であることから、合理性を有すると判断するに至り、当社は当該提案を応諾することといたしました。
このように、当社は、太平洋セメントとの間で継続的に本公開買付価格の交渉を行ってまいりました。
さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2025年8月7日付で答申書(以下「本答申書」といいます。
)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。
)。
その上で、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び山田コンサルから取得した本株式価値算定書(山田コンサル)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本公開買付価格は妥当なものか、特に買付予定数の上限・下限や撤回等の条件、二段階買収に関する事項等の本公開買付価格以外の本取引の諸条件について本公開買付けの成立を不安定にしたり強圧性を生じさせたりする等、少数株主にとって不利となるような条件が設定されていないか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社としても、本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、太平洋セメントグループが持つリソースを最大限に活用することが最善と考えるに至りました。
当社が本取引によって実現可能と考えるシナジーは以下のとおりです。
(ⅰ)当社グループを含む太平洋セメントグループ全体としてのDX戦略の推進と当社グループの企業価値の向上当社グループが保有するデジタル技術と太平洋セメントグループが保有する技術・ノウハウを融合させることにより、当社グループを含めた太平洋セメントグループ全体及び各業務プロセスが抱える課題の解決に向けて、DX戦略の推進を強力に進めることができ、当社もその推進の一手を担うことが可能であると考えております。
当社グループとしても、太平洋セメントグループのサプライチェーン全体、太平洋セメントグループを取り巻く業界に向けた販路拡大や技術経験の積上げによって、更なる成長と、企業価値の向上が期待できるものと考えております。
(ⅱ)当社グループにおける太平洋セメントグループのリソース活用・短期的な利益に囚われない中長期的な視点での投資促進当社グループは、太平洋セメントの完全子会社となることにより、太平洋セメントグループのリソース(人的・物的・財務的・情報・ブランド等)を今まで以上に、広く深く活用することが期待でき、それらのリソースの活用によって、当社は、当社の同業他社と比べて、強力な競争優位を確立することができるものと考えております。
具体的には、顧客のニーズに対応するための技術開発投資や、人的資本に対する投資、広報・マーケティングに対する投資等を含む臨機応変な資金供給や、太平洋セメントグループの各部門のノウハウを持った人材と情報システムを適用する現場(太平洋セメントグループが持つ工場、鉱山、研究所等)といったリソースを活用し、技術力及び現場適用力が得られるという点で競争優位性を獲得できると考えております。
また、当社は、長期ビジョン(当社)及び本中期経営計画(当社)において、AIやセンシング技術、オリジナルパッケージ、新商品・新技術への研究開発投資を最重要施策としておりますが、上場会社である当社は、短期的な収益やキャッシュ・フローを優先せざるを得ない場合もあり、このような研究開発が停滞することも考えられます。
当社が、太平洋セメントの完全子会社となることで、当社グループは短期的な利益に捉われず、中長期的な視点で企業価値の向上に必要となる研究開発や投資を推進しやすい経営環境が実現できるものと考えております。
(ⅲ)太平洋セメントグループ及び当社グループ間のコーポレート機能の効率化による生産性の向上近年、採用競争の激化による優れた専門人材の継続的な確保に伴う人材採用コストの増加及び人材定着・従業員満足度の向上のための管理・教育コストの負担の増加、そして安全衛生・健康経営対応等、会社の抱える人的・金銭的コストはますます増えており、当社グループのみで会社管理の質を維持・向上させながら、増加する管理コストを負担することは容易ではなくなっております。
当社は、本取引の実行により、当社グループと太平洋セメントグループの間で重複しているコーポレート機能を共通化することで、管理業務の効率化による生産性の向上と、当社グループ全体の管理コストの最適化を実現することができると考えております。
(ⅳ)当社における上場維持コストの負担軽減当社において当社株式の上場維持のために必要な人的・経済的コストは年々増加しており、今後も、かかるコストが当社の経営上のさらなる負担となる可能性も否定できないと認識しております。
具体的には、決算短信や有価証券報告書等の継続的な情報開示、金融商品取引法監査、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に関する費用と、それらの対応にかかる人員配置が挙げられますが、本取引の結果、当社株式が上場廃止となることで、これらの当社株式の上場の維持のために必要であったコストを削減することが可能となります。
また、上記のようなこれまで上場維持のために投下していた経営資源を事業活動に振り向けることで、より一層の企業価値の向上が実現できるものと考えております。
なお、当社が太平洋セメントの完全子会社となり、上場廃止となった場合でも、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達は当面想定していないこと、当社のこれまでの実績及び取引先との関係を通じて当社のブランド力や社会的信用力は既に確立できていること、また、既に当社と太平洋セメントには親子会社関係があり実質的にこれまでの事業運営体制と変わりがないことから、デメリットは限定的であると判断しております。
以上を踏まえ、当社は、2025年8月8日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引により当社を完全子会社化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、本公開買付価格(6,850円)が、(a)本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(3)算定に関する事項」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、かつ、DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2025年8月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値5,170円に対して32.50%、直近1ヶ月間の終値単純平均値4,876円(小数点以下を四捨五入。
以下、終値単純平均値の計算において同じです。
)に対して40.48%、直近3ヶ月間の終値単純平均値4,768円に対して43.67%、直近6ヶ月間の終値単純平均値4,531円に対して51.18%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、本類似事例と比較して公表日の前営業日である2025年8月7日の終値及び同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値との関係では、本類似事例におけるプレミアム水準を下回っているものの、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値及び同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値との関係では、本類似事例におけるプレミアム水準を上回っていること、また、当社株価の上場来最高値である5,190円(2025年8月1日のザラ場。
)に対して31.98%のプレミアムが付されていることに鑑みると、当該価格は当社株式の市場株価に対して合理的と考えられる水準のプレミアム(本類似事例77件における市場株価へのプレミアムの平均値は、公表日の前営業日における終値に対して39.22%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値に対して42.04%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.70%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値に対して39.87%であります。
)が付されていること、(c)本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社と太平洋セメントとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われ、より具体的には、当社において、本特別委員会との協議、山田コンサルによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や財務的見地からの助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言等を踏まえて、太平洋セメントとの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格について妥当である旨の意見を述べ、かつ、特に買付予定数の上限・下限や撤回等の条件、二段階買収に関する事項等の本公開買付価格以外の本取引の諸条件についても、本公開買付けの成立を不安定にしたり強圧性を生じさせたりする等、少数株主にとって不利となるような条件は設定されておらず、妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、当社は、2025年8月8日開催の取締役会において、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上の経緯の下で、当社は、2025年8月8日開催の取締役会において、取締役の6名のうち、加藤勉氏を除く5名全員(すなわち、渡邊泰博氏、大久保光敏氏、山上浩司氏、腰原貞利氏、阿部真弓氏)が審議及び決議に参加し、5名の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、当社取締役のうち渡邊泰博氏及び大久保光敏氏は、過去に太平洋セメントの従業員としての地位を有していたものの、いずれの者も太平洋セメントの従業員の地位を有しなくなってから5年間以上が経過しており、かつ、本取引に関し、太平洋セメント側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記取締役会における審議及び決議に参加しております。
また、上記取締役会には、当社の監査役3名全員が出席し、いずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役のうち加藤勉氏は、太平洋セメントの従業員を兼務しており、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、利益相反の可能性を排除する観点から、当社の立場において太平洋セメントとの協議及び交渉には一切関与しておらず、上記取締役会における審議及び決議に参加しておりません。
その後、当社は、2025年9月25日、太平洋セメントより、本公開買付けの結果について、当社株式478,940株の応募があり、買付予定数の下限(14,400株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、太平洋セメントがその全てを取得することとなった旨の報告を受けました。
この結果、太平洋セメントは、当社の総株主の議決権の数の90%以上を所有するに至り、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
このような経緯を経て、当社は、2025年10月27日に、太平洋セメントより、本意見表明報告書の「3 [当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由]」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、2025年10月27日に開催の取締役会において、(ⅰ)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、2025年8月8日開催の当社取締役会において、本取引に際して設置された、当社及び太平洋セメントグループから独立した本特別委員会の意見を最大限尊重した上、本公開買付けを含む本取引により当社を完全子会社化することが、当社の企業価値の向上に資するものと判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(ⅱ)本売渡対価は、本公開買付価格と同一であり、本取引の公正性を担保するための措置が十分に講じられており、特に本特別委員会より、本取引の条件の公正性及び妥当性(本取引の実施方法及び本公開買付価格を含む。
)は確保されていると認められる旨及び本取引を行うことが当社の少数株主(一般株主)にとって公正であると考えられる旨の答申が出されていること等から、本売渡株主にとって合理的な価格であり、少数株主である本売渡株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅲ)太平洋セメントは、本売渡対価の全てを、太平洋セメントの保有する現預金を原資として支払うことを予定しているところ、太平洋セメントが2025年8月12日から当社株式に対して実施した公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として、株式会社みずほ銀行作成の2025年8月12日付残高証明書を提出しており、当該残高証明書を確認した結果、当社としても、太平洋セメントによる本売渡対価の支払のための資金を確保できると合理的に認められること、及び、太平洋セメントによれば、太平洋セメントにおいて、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は生じておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことであること等から、太平洋セメントによる本売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(ⅳ)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)その他、本公開買付けの開始日以降、2025年10月27日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないことを踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、条件等は公正であると判断し、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役6名のうち、引き続き、加藤勉氏が太平洋セメントの従業員を兼務しており、本取引に関して構造的な利益相反状態にあるため、利益相反の可能性を排除する観点から、加藤勉氏を除く5名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。
また、上記の取締役会には当社の監査役3名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。
以上