財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-09-26 |
英訳名、表紙 | Arent Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 鴨林 広軌 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都港区浜松町二丁目7番19号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6228-3393 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 当社グループは、現代表取締役副社長の佐海文隆を中心として、静岡県浜松市中区(現:中央区)に、各種ソフトウエアの受託開発及びスマートフォンアプリケーションの開発を目的として設立されました。 その後、現代表取締役社長の鴨林広軌が経営に参画し、千代田化工建設株式会社との取引開始を契機に、鴨林広軌が代表を務めており、新規事業立案及び企画を得意としていた株式会社ASTROTECH SOFTWARE DESIGN STUDIOSと、特に3Dを扱ったソフトウエア開発実務を得意としていた当社が、対等の立場で統合合併いたしました。 これは、事業企画(コンサルティング)からシステム開発、新規事業立上げ、及び運営を一気通貫で支援するという、当社ビジネスモデルの根幹となる部分になります。 そして本書提出日現在、「暗黙知を民主化する」というミッションと、「高度な暗黙知を実装したニッチトップなグローバル自社サービスを次々と開発できる企業になる」「クライアント企業の暗黙知を共創できる企業になる」というビジョンを掲げ、主に建設業界の課題を解決するサービス及びシステムを顧客に提供しております。 年月事業の変遷2012年7月現代表取締役副社長の佐海文隆を中心として、静岡県浜松市中区(現:中央区)に、各種ソフトウエアの受託開発及びスマートフォンアプリケーションの開発を目的として、株式会社CFlat(現 株式会社Arent)を設立2018年8月現代表取締役社長の鴨林広軌が本格的に経営に参画することで佐海文隆との複数代表体制となる2019年4月現代表取締役社長の鴨林広軌が代表を務めていた、システム開発会社である株式会社ASTROTECH SOFTWARE DESIGN STUDIOSを吸収合併 東京都中央区に本店移転(東京オフィスと浜松オフィスの2拠点となる)2020年6月商号を株式会社Arentに変更千代田化工建設株式会社と産業プラントの空間自動設計システムの開発、アップデート及び販売等に関する合弁会社の設立及び運営にかかる契約を締結2020年7月上記合弁契約に基づき、千代田化工建設株式会社と折半出資でプラントの空間自動設計システムを提案するVTP株式会社(現 株式会社PlantStream)を設立(2025年3月まで持分法適用関連会社)当社(株式会社Arent)と株式会社PlantStreamの間で、産業プラントの空間自動設計システムの開発、アップデート及び販売等を助成することを目的とした技術支援契約を締結2021年3月日清紡ホールディングス株式会社との共同出資により、Web3.0に関するDX事業を推進する株式会社VestOne(現 株式会社Arent AI)を設立(連結子会社)2021年4月株式会社PlantStreamより空間自動設計システム「PlantStream®」をリリース2022年4月 当社(株式会社Arent)より建築物の配筋検討プロセスの各工程を自動化・高速化するAutodesk Revitアドイン(※1)「LightningBIM 自動配筋」をリリース2023年3月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2024年1月当社(株式会社Arent)よりAutodesk Revitアドイン(※1)として、ファミリデータをクラウドで管理する「LightningBIM ファミリ管理」をリリース2024年3月高砂熱学工業株式会社とBIMを中核とした9つのSaaS群『PLANETS -開発コードネーム-』を共同開発2024年4月Arent Vietnam, Co., Ltd.を設立2024年8月株式会社VestOneを株式会社Arent AIへ社名変更し、生成AIに特化した事業へ事業転換2025年1月株式会社構造ソフトの全株式を取得し、完全子会社化2025年3月株式会社PlantStreamの株式を追加取得し、完全子会社化2025年7月株式会社スタッグの全株式を取得し、完全子会社化※1 図面作成ソフトウエア開発会社であるAutodesk社のBIMツール「Revit」の追加機能ソフトウエア。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社4社(株式会社構造ソフト、Arent Vietnam, Co., Ltd.、株式会社Arent AI、株式会社PlantStream ※2025年3月まで株式会社PlantStreamは持分法適用関連会社)により構成されており、主に建設業界及びプラントエンジニアリング業界の大手企業に対し、DXによる業務効率化・生産性向上を実現するためのコンサルティング及びシステム開発を行っております。 また自社開発やM&Aによって拡充した建設業界に特化したプロダクトの販売も強化しております。 当社グループは、「暗黙知を民主化する(※1)」をミッションに、属人化しブラックボックスと化した高度な暗黙知を見つけ出し、高い数学力、深い業界知識で解き明かし、ビジネス化することで、主に建設業界のニッチな課題を解決することを目指しております。 クライアント企業と共にBIM(※2)化、SaaS(※3)化された新たなシステムを開発し、未だに利用されている旧来からの非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、建設業界の大幅な業務効率化・生産性向上を実現してまいります。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 当社グループは、クライアント企業とDXにおけるパートナーとしての関係を構築し、継続的な協同関係を通じて、課題発見からプロダクトの共創開発、事業化までを実行し、開発した共創プロダクトについて、クライアント企業とのジョイントベンチャーを通じて販売してきました。 また、クライアント企業との協同を通じて得た業界の深いドメイン知識を活かす形で、自社プロダクトの開発・サービス提供を展開しております。 当社グループが提供しているプロダクト共創開発、共創プロダクト販売、自社プロダクトの内容は以下のとおりです。 1.プロダクト共創開発(当社、株式会社Arent AI)現在の当社グループのメインとなる事業であり、建設業界の大手企業等に対し、DX支援のためのコンサルティング・システム開発(主に準委任契約)を行っております。 当セグメントでは、コンサルティングから本開発、さらに事業化後の継続開発まで、長期にわたりクライアント企業と協同します。 コンサルティングでは、エンジニアリングにどう落とすかという視点からヒアリングや情報分析を行い、業界の状況、顧客の課題を深く把握し、3ヶ月程度でPoC(※4)やプロトタイプを作成します。 次にパートナー企業からのフィードバックを受け、対話をしながら、24か月程度でMVP(※5)を開発する本開発を行います。 これらをアジャイル開発(※6)により行う中で、初期フェーズに見られた、クライアント側に不足するIT知識、当社グループ側に不足する業務知識のギャップが埋まっていき、よりクライアントの実態に合ったシステムプロダクトを構築できます。 プロダクトの初期リリース後は、顧客の要望する追加機能の開発を行う継続開発のフェーズに移行し、プロダクトの利用終了まで、長期間にわたり継続的な収益獲得を期待できます。 主要な顧客である高砂熱学工業株式会社や、当社の関連会社であった株式会社PlantStreamは、このフェーズに移行した事例であり、当セグメントの主要顧客として、安定的な取引を継続します。 本開発の終了後は、年間50百万円~数億円規模の継続開発を行い、顧客の業務効率化と共に収益が拡大していくWin-Winの関係性を目指したビジネスモデルを構築しております。 また事例のリリースや展示会出展等で獲得した商談から、増強した営業体制や開発体制によって、次の事例につながる案件を獲得する好循環を実現することで、更なる事業成長に取り組んでまいります。 (参考:プロジェクト件数の推移) また、当社の連結子会社である株式会社Arent AIは、建設DXと親和性の高い「生成AI」に焦点を絞ったプロダクトの開発に取り組み2024年7月30日に法人向け生成AIツール「Bizgenie」をリリースしました。 2.共創プロダクト販売(株式会社PlantStream)1.のプロダクト共創開発による成果の商品化・外販を行っており、当社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamを通じて、主にプラントエンジニアリング業界に対し、プラント設計における配管作業を自動的に行うソフトウエア「PlantStream®」のライセンス販売を行い、利用期間に応じた継続的な収益を得ております。 プロダクト共創開発を進めていく中で、クライアント企業の社内システムとしてだけではなく、外販できるプロダクトとして事業化を進めることがあります。 事業化の手法は様々ですが、当社グループでは、クライアント企業との協力関係をより強固なものとしながら事業化を図る手段として、共同出資によるジョイントベンチャーの設立を選択肢の一つと考えております。 具体的な事例として当社は、千代田化工建設株式会社と「PlantStream®」をプラントエンジニアリング業界に特化したソフトウエアとして世界中のプラントオーナーやEPCコントラクター(※7)など向けに販売を目指すことを目的として、折半出資のジョイントベンチャーである株式会社PlantStreamを設立し、2021年4月には「PlantStream®」を世界に正式リリースしております。 「PlantStream®」は、プラント設計における膨大な配管作業を、各配管の間隔等の諸条件をクリアしながら自動的に行うツールであり、1分間に1,000本もの配管を行い、手作業が一般的であった従来の工数を削減するものです。 なお、共創プロダクト販売の売上高及びセグメント利益の金額は、当社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの財務情報の金額に当社の持分割合を乗じた金額であるため、連結損益計算書において、当セグメントの売上高は計上されず、持分法の会計処理を通じて、持分法による投資損失に反映されております。 また継続的な事業運営の基盤を整え、プラントエンジニアリング業界への更なる寄与を目指していくため千代田化工建設株式会社と協議を重ねた結果、2025年3月には株式会社PlantStreamを完全子会社化しております。 なお2025年4月以降の損益は自社プロダクトのセグメントに含めております。 3.自社プロダクト(当社、株式会社PlantStream、株式会社構造ソフト)主に建設業界に対し、自社開発やM&Aによって拡充したソフトウエアのライセンス販売等を行い、利用期間に応じた継続的な収益獲得を目指す事業です。 クライアント企業との協同を通じて得た業界の深い知識を活かす形で、自社プロダクトの開発・サービス提供も展開しております。 具体的な事例としては、米国のAutodesk社が提供するBIMツール「Revit」のアドイン(ソフトウエアへ機能を追加するプログラム)として「LightningBIM 自動配筋」や「Lightning BIM ファミリ管理」といった自社開発したプロダクトの他、株式会社構造ソフトが展開する構造計算および工程管理ソフト、株式会社PlantStreamが展開するプラント設計自動化ソフトのような、M&Aした子会社が保有する建設業界向けのソフトウエアがございます。 今後も業界特化型SaaSをM&Aによってグループ化して多層展開するプロダクト群戦略、業務システム内にAIを実装して既存システムをアップデートするAIブースト戦略、直販×提案型で利益率を向上させるコンサルティング直営業戦略を推進していくため、プロダクトラインナップの拡充に取り組んでまいります。 ※1 暗黙知とは、経験や勘に基づく知識で、言語化することが難しいものを指します。 当社グループは、暗黙知をソフトウエアとして形にし、誰もが使えるようにすることを「民主化」と呼んでおります。 ※2 Building Information Modelingの略であり、コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステムです。 BIMの活用により、設計者・施工者・施工主間のリアルタイムな情報共有を行うことで、修正にかかる手間の大幅な削減や、工程間の不整合及び手戻りの防止といった効果が期待されています。 ※3 Software as a Serviceの略であり、インターネットを経由し、ソフトウエアの機能を提供するサービスを指し、常に最新のソフトウエアを提供できる等の利点があります。 インターネットの普及により、いわゆるパッケージ製品の販売という形態から、移行が進んでおります。 ※4 Proof of Concept(概念実証)の略であり、新技術等の実現可能性を検証するために行う実験的工程を指す用語です。 ※5 Minimum Viable Product(実用最小限の製品)の略であり、顧客が求める必要最小限の機能を持った製品のことを指す用語です。 MVPの提供後、顧客からのフィードバック等を参考に、製品の改善を図ります。 ※6 開発工程を小さな機能単位に区切り、機能単位毎に要件定義・開発・テスト等を行い、その繰り返しにより集合体としての大きなシステムを構築する手法です。 仕様変更や追加開発の要望にも柔軟な対応が可能という利点があります。 ※7 Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)を一括して請け負う企業です。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) 株式会社Arent AI(注)3東京都港区50,900(千円)ソフトウエアの開発・販売90.0役員の兼任出向者の派遣ソフトウエア開発の委託ソフトウエア開発の受託管理業務の受託営業その他業務の受託本社の同居Arent Vietnam,Co.,Ltd.(注)2ベトナム11,989(百万VND)ソフトウエアの開発・研究100.0ソフトウエア開発の委託出向者の派遣経営指導株式会社PlantStream(注)2,4東京都港区100,000(千円)ソフトウエアの開発・販売100.0役員の兼任出向者の派遣資金の貸付ソフトウエア開発の受託知的財産の利用本社の同居株式会社構造ソフト(注)2,5東京都北区55,500(千円)ソフトウエアの開発・販売100.0役員の兼任ソフトウエア開発の受託 (注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 2.特定子会社に該当しております。 3.2024年8月1日付で「株式会社VestOne」は「株式会社Arent AI」に商号変更しております。 4.2025年3月17日付で株式を追加取得したことにより、持分法適用関連会社から変更し、連結子会社としております。 5.2025年1月6日付で全株式を取得したことにより、連結子会社としております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年6月30日現在セグメントの名称従業員数(人)プロダクト共創開発229(4)共創プロダクト販売自社プロダクト全社(共通)18(-)合計247(4) (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.当社グループは、同一の従業員が複数のセグメントに所属することがあるため、セグメント別の従業員数を記載しておりません。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 4.従業員数が前連結会計年度末と比べて94名増加しておりますが、その主な理由は、事業の拡大に伴う増員や連結子会社の増加によるものであります。 (2)提出会社の状況 2025年6月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)131(4)39.21.97,651 セグメントの名称従業員数(人)プロダクト共創開発116(4)自社プロダクト全社(共通)15(-)合計131(4) (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。 )であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.当社は、同一の従業員が複数のセグメントに所属することがあるため、セグメント別の従業員数を記載しておりません。 4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。 (3)労働組合の状況当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針 当社グループは、以下のミッションを掲げ、「建設業界のニッチ領域の課題を解決するデジタル事業を創造し続ける企業」として、職人が持つ高度な暗黙知をシステムとして具現化することで、クライアント企業の業務効率化から新事業の創出へとつなぐ新たな形のDXを実現します。 領域:巨大な建設業界建設業界は、非効率なレガシーシステムによる課題を抱える、数多くのニッチ領域で構成された市場 建設市場は国内だけで約75兆円(※1)の規模を持つ巨大な市場でありながら、SaaS化されている領域は施工管理等のごく一部に限られており、未だ非効率なレガシーシステムによる課題を抱えた数多くのニッチ領域が存在します。 当社グループは、「3Dを核としたシステム開発の技術力」、「建設業に特化した開発実績により蓄積したナレッジ」、「課題発見~プロダクト開発~事業化までの全工程をハンズオンで実施する事業創出力」の3つの強みを活かし、建設業界における労働生産性の低迷や就業者の高齢化の進行等の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築してまいります。 ※1 国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2025年度建設投資見通し」 事業:デジタル事業立ち上げ業界の大手企業と共創プロダクトを開発し、共に販売していく 当社グループは、クライアント企業との継続的な協同関係を通じて、DXにかかる課題発見から、課題を解決するプロダクトの共同開発、プロダクト販売の事業化までのプロセスを、一気通貫で支援いたします。 開発した共創プロダクトは、クライアント企業を通じて、又は当社とクライアント企業とのジョイントベンチャー等の設立を通じて、外部へ販売することにより、単なるソフトウエア開発の受託にとどまらない継続的な収益拡大を目指します。 特徴:ニッチ領域をBIM/SaaS化ニッチ領域のレガシーシステムに置き換わる新たなシステムを開発し、高いマーケットシェアを獲得する 当社グループは、建設業界にある数多くのニッチ領域に狙いを定め、自社及び共創でBIM化・SaaS化されたプロダクトを開発し、こうしたニッチ領域の非効率的なシステム(レガシーシステム)を置き換えていくことで、高いマーケットシェアを獲得し、高利益率を実現してまいります。 (2)経営環境・建設業界の状況 現在の建設業の労働生産性は製造業の約50%といわれており、また、業界の高齢化が進んでいる状況にあります。 当社グループは、建設業界は細分化された多重下請け構造が長年の課題を複雑化し、DXの推進が非常に難しい業界であるため、高齢化に伴い職人の暗黙知が消滅していく危機にあると考えており、こうした高度な暗黙知を、高い数学力・深い業界知識で解き明かし、モデル化する力でシステムへと昇華させ、誰もが使えるよう「知」の民主化を進めます。 建設業の労働生産性建設業就業者の年齢層別割合(出所)建設業の労働生産性:一般社団法人 日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック」2025年7月更新データ建設業就業者の年齢層別割合:同 2025年5月更新データ ・建設業界を取り巻く法規制 建設業界のDXの基盤となるBIM利用について、国土交通省は、建設業界の長年の課題である生産性向上を解決する手段として、以前から導入の検討を続けておりましたが、近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、各企業でのデジタル化が進んだことを背景に、2023年度からの公共事業におけるBIM利用の原則化を決定、その後のBIM利用の対象範囲を順次拡大していく方針を発表しております。 (出所:国土交通省「令和5年度のBIM/CIM原則適用に向けた進め方」) また、建設業への適用が5年猶予されていた時間外労働の上限規制について猶予期間が終了し、2024年4月より適用が開始されております。 (2019年施行 改正労働基準法 第36条) このような法規制等の状況により、業界の生産性向上はまさに喫緊の課題となっています。 当社グループは、3Dを核とした建設業界のDXに必要な技術を網羅しており、特にBIMに関しては、空間自動設計システム「PlantStream®」や、自動配筋ソフト「LightningBIM自動配筋」といったBIM関連製品を生み出してきた実績があります。 こうした技術力を活かし、建設業界の大幅な生産性向上を実現します。 ・市場規模 当社グループは、建設業界のIT投資額は、日本国内の建設投資見通し額約75兆円(出所:国土交通省総合政策局 情報政策課建設経済統計調査室「2025年度建設投資見通し」)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2025)」等を基に当社が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT投資割合を乗じることで、約1兆円程度と当社では試算しております。 そのうち当社グループがターゲットとする市場規模は、Strainer「建設業 売上高ランキング(2023年1月時点)」等を基に建設業界大手(売上高1,000億円以上)の売上高シェアを約55%と仮定し、約5,500億円と当社では試算しております。 その市場規模の中、前述のBIM原則適用、建設業における時間外労働の上限規制の適用開始の法規制の追い風の元、10%のシェア(売上高約550億円)獲得を目指し、建設業界の深い課題を解決することができる企業として、DX化において大きなポテンシャルを持つ建設業界内でのユニークなポジショニングを構築していきます。 また、建設業界においてIT投資が占める割合は他産業と比べて低く、これまで述べたような課題も残されているため、未開拓の市場が多く存在し、将来的には市場規模の更なる拡大も見込めるものと考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループは、クライアント企業に付加価値の高いサービスを提供し続け、M&Aによるプロダクトの拡充を続けることにより、事業の継続的な拡大と企業価値の向上を図ることが重要だと認識しており、事業の成長性を表す売上高成長率と、収益力を表す売上高営業利益率を重要な経営指標と考えております。 (4)経営戦略等 当社グループは、短期(~FY2025)的には、現在のメイン事業であるプロダクト共創開発におけるクライアントとの取り組み拡大に注力し、非連続成長の達成を目指してまいります。 そして、中長期(FY2025~)的には、当社グループが開発した建設業界各領域における「共創プロダクト群の拡販」及び「M&Aによるプロダクト拡充」を実行し、継続的成長を実現する構想を持っております。 (成長戦略のロードマップ) 短期的に実行する具体的なアクションは以下のとおりです。 ・プロダクト共創開発の堅実な遂行 当社グループは、現在、建設業界の複数社よりプロダクト共創開発の大型案件を受注し、開発を継続しております。 また新規の業界大手からの引き合いも増加しており、こうした案件を確実に事業化し、更なる収益拡大へとつなげるとともに、現在受注している開発を堅実に遂行し、高品質なプロダクトの作成に注力いたします。 ・PR、ブランディング施策による更なる案件の獲得 当社グループのクライアントとの取り組みをPR・ブランディングすることで、建設業界におけるDXのポジショニングを確立し、認知度拡大による更なる案件獲得につなげることを目指し、様々な媒体による広報活動の強化を実施してまいります。 ・開発体制の強化 当社グループの技術力を維持しながら、事業規模を拡大するためには、優秀なエンジニアの採用が必要不可欠です。 当社グループは、フルリモートワークも可能な環境を整備し、海外子会社を設立するなど、国内・海外を問わない積極的かつ柔軟な採用活動を展開し、開発体制の強化を進めております。 ・プロダクト事業の成長戦略の遂行 これまで主にDX事業を中心に展開してきましたが、近年はM&A戦略を通じてプロダクトラインナップを大幅に拡充し、以下の3つの戦略を軸に、事業成長を加速させていきます。 それぞれの戦略は単独でも成果を生み出しますが、同時に実行することで相乗効果を高め、リスクや突発的な変化にも柔軟に対応できる体制を構築します。 ①AIブースト戦略 業務用ソフトウエアにAI機能をあらかじめ組み込み、ユーザーが特別な操作や意識を必要とせずにAIの支援を受けられる「AIブースト戦略」を推進してまいります。 ②プロダクト群戦略 建設業界の現場課題に対応する中小規模のSaaSをグループに迎え、それぞれの経営の独立性を尊重しながら長期的に育成する「プロダクト群戦略」を推進してまいります。 ③コンサルティング直営業戦略 業界ナレッジに精通した営業体制を自社で構築し、製品説明にとどまらない課題起点のコンサルティング直営業を展開していきます。 この「コンサルティング直営業戦略」により、提案の幅と収益性を両立させながら、プロダクトのさらなる拡販と企業価値の向上を目指してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループの優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりであります。 なお、財務上の課題は、本書提出日現在において、当社の財務は安定しており、優先的に対処すべき課題がないため記載しておりません。 ①PlantStreamの顧客拡大、営業強化当社グループの想定する顧客は、国内外の大手EPCコントラクター、プラントオーナー、中小EPCコントラクター等であり、現在は国内顧客への販売を中心としておりますが、国外への販売拡大を目指し、営業活動を展開しております。 それにより売上は社数×ユーザー数で右肩上がりでの伸長を図っていく方針です。 ②デジタル新事業の拡大当社グループは、千代田化工建設株式会社とのプロダクト共創開発の成果である「PlantStream®」や高砂熱学工業株式会社と共同開発した「PLANETS -開発コードネーム-」等のリリースをはじめとして、建設業界・プラントエンジニアリング業界におけるDX支援の実績を重ねることで、着実に知名度が上がり、各クライアントからの受注が増加しております。 このような状況の中、売上高の成長及び売上高営業利益率の向上を目指すには、当社グループの強みである「技術力・ナレッジ・事業創出力」の3つを活かしながら、新事業の創出を実現できる案件を見きわめる必要があります。 当社グループは、建設業界のニッチ領域におけるシェア拡大につながる案件を積極的に獲得する方針です。 ③採用の強化、組織体制の整備当社グループの事業規模拡大が想定される中、一連のプロセスの実行において、コンサルタント、エンジニア、プログラマー、プロジェクトマネージャー等の様々なIT人材が必要となります。 積極的な採用活動を推進していく一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。 ④管理体制の強化当社グループは、成長段階にありここ数年で組織が急速に拡大しておりますが、事業の継続的な成長には業務運営の効率化やリスク管理のための十分な内部管理体制の整備、マネジメント人材の拡充が重要だと考えております。 このため、業務効率化のための社内基幹システムのリプレイスやバックオフィス業務の整備、経営の公正性及び透明性を確保するための内部監査の強化、監査役監査によるコーポレート・ガバナンスの充実などを行ってまいります。 また、組織の拡大ペースに合わせる形でマネジメント人材の採用や育成、教育研修等を実施していく方針です。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、以下の困難な課題を抱える建設業界において、DX支援のためのコンサルティング・システム開発を通して、課題の解決及びサステナビリティの向上に取り組んでまいりました。 (課題①:従業員の高齢化) 「建設業デジタルハンドブック」(一般社団法人 日本建設業連合会、2025年5月更新データ)によれば、2024年の建設業就業者の年齢別構成比は、55歳以上が36.7%(全産業では32.4%)、29歳以下が11.7%(全産業では16.9%)であり、他産業と比べても著しい高齢化が進んでおります。 円滑な世代交代が不可欠な状況であり、サステナビリティの向上における課題であります。 当社グループは「暗黙知を民主化する。 」というミッションを掲げ、その事業を通して、熟練工の持つ「暗黙知」をシステム化し、次世代へと受け継ぐことで、将来にわたる建設業の生産体制の維持に貢献しております。 (課題②:長時間労働) 同じく「建設業デジタルハンドブック」(2025年5月更新データ)によれば、2024年の建設業の年間労働時間は1,943時間(調査産業計では1,714時間)であり、調査産業計に比べて約229時間増の長時間労働となっております。 長時間労働の改善は、法規制の遵守という面にとどまらず、従業員の心身の健康を保ち、柔軟かつ多様な働き方を可能とする観点からも重要であり、サステナビリティの向上における課題であります。 当社グループは、プラント設計における配管作業を自動的に行うソフトウエア「PlantStream®」、建設設計における配筋検討プロセスを自動化するソフトウエア「LightningBIM 自動配筋」やファミリデータをクラウドで管理し、情報の手動修正やバージョン確認作業を不要にするソフトウエア「LightningBIM ファミリ管理」といったプロダクトを開発・提供し、手作業の削減等による生産性の向上を実現することで、課題の解決に貢献しております。 当社グループのこうした取り組みは、高度な数学力と3D技術を有するエンジニア等の人材により支えられており、人的資本の維持向上が、当社グループのサステナビリティ関連の最重要課題であると認識しております。 上記の認識の下、当社グループは下記の施策に取り組んでおります。 (1)ガバナンス 当社グループは、コーポレート・ガバナンスの一環として、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、及び管理するためのガバナンス体制を整備しております。 当社グループのコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。 特に最重要課題である人的資本の維持向上に関しては、月1回の定時取締役会において人員推移の報告を実施するなど、継続的なモニタリングを行っております。 (2)戦略 当社グループの経営方針・経営戦略等において、サステナビリティ関連の最重要課題は、高い技術力と深い業界知識を併せ持つエンジニア等の人材を中心とした人的資本の維持向上であります。 上記の課題に対応するため、当社グループでは、フルリモートワークの実施とフレックスタイム制の採用等により、場所や時間にとらわれず、各役職員の状況に応じた働き方を可能とする社内環境整備に努め、多様かつ優秀な人材の確保につなげる方針であります。 また、従業員の安全及び健康に関しては、ハラスメント等に関する相談窓口、心とからだの相談窓口を設置しており、随時相談の受付を行うとともに、定期的に全役職員を対象としたハラスメント防止研修を実施する等、多様な人材が心身の健康を保ち、その能力を十分に発揮できるような社内環境整備に努める方針であります。 (3)リスク管理 当社グループは、リスク管理規程を定めるとともに、四半期に1回のリスク管理委員会において、サステナビリティ関連のリスクを含む重要なリスクについて報告・審議・検討を行っております。 (4)指標及び目標 当社グループは、サステナビリティ関連の最重要課題である人的資本の維持向上の実現を目指し、多様な人材が活躍できる社内環境を整備するため、以下の指標を意識して各種施策に取り組んでおります。 なお、外国籍従業員の割合は当社グループの人材の多様性を示す指標の一つとして記載しておりますが、特定の数値にとらわれず人材を確保する観点から、目標値は設けておりません。 指標目標実績(当連結会計年度末)エンジニアのリモートワーク率100%(単体)100%(単体)外国籍従業員の割合-6%(単体) |
戦略 | (2)戦略 当社グループの経営方針・経営戦略等において、サステナビリティ関連の最重要課題は、高い技術力と深い業界知識を併せ持つエンジニア等の人材を中心とした人的資本の維持向上であります。 上記の課題に対応するため、当社グループでは、フルリモートワークの実施とフレックスタイム制の採用等により、場所や時間にとらわれず、各役職員の状況に応じた働き方を可能とする社内環境整備に努め、多様かつ優秀な人材の確保につなげる方針であります。 また、従業員の安全及び健康に関しては、ハラスメント等に関する相談窓口、心とからだの相談窓口を設置しており、随時相談の受付を行うとともに、定期的に全役職員を対象としたハラスメント防止研修を実施する等、多様な人材が心身の健康を保ち、その能力を十分に発揮できるような社内環境整備に努める方針であります。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標 当社グループは、サステナビリティ関連の最重要課題である人的資本の維持向上の実現を目指し、多様な人材が活躍できる社内環境を整備するため、以下の指標を意識して各種施策に取り組んでおります。 なお、外国籍従業員の割合は当社グループの人材の多様性を示す指標の一つとして記載しておりますが、特定の数値にとらわれず人材を確保する観点から、目標値は設けておりません。 指標目標実績(当連結会計年度末)エンジニアのリモートワーク率100%(単体)100%(単体)外国籍従業員の割合-6%(単体) |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社グループの経営方針・経営戦略等において、サステナビリティ関連の最重要課題は、高い技術力と深い業界知識を併せ持つエンジニア等の人材を中心とした人的資本の維持向上であります。 上記の課題に対応するため、当社グループでは、フルリモートワークの実施とフレックスタイム制の採用等により、場所や時間にとらわれず、各役職員の状況に応じた働き方を可能とする社内環境整備に努め、多様かつ優秀な人材の確保につなげる方針であります。 また、従業員の安全及び健康に関しては、ハラスメント等に関する相談窓口、心とからだの相談窓口を設置しており、随時相談の受付を行うとともに、定期的に全役職員を対象としたハラスメント防止研修を実施する等、多様な人材が心身の健康を保ち、その能力を十分に発揮できるような社内環境整備に努める方針であります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社グループは、サステナビリティ関連の最重要課題である人的資本の維持向上の実現を目指し、多様な人材が活躍できる社内環境を整備するため、以下の指標を意識して各種施策に取り組んでおります。 なお、外国籍従業員の割合は当社グループの人材の多様性を示す指標の一つとして記載しておりますが、特定の数値にとらわれず人材を確保する観点から、目標値は設けておりません。 指標目標実績(当連結会計年度末)エンジニアのリモートワーク率100%(単体)100%(単体)外国籍従業員の割合-6%(単体) |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境について①業界や市場動向について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループはIT業界においてプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を主たる業務としております。 建設業界のIT投資額については、日本国内の建設投資見通し額約75兆円(国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室「2024年度建設投資見通し」より)に対し、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書(2024)」を基に当社が見積もった建設・土木業界における売上高に占めるIT予算比率を乗じることで、約1兆円程度と当社では試算しております。 建設業界は2023年度よりBIMの原則適用、2024年より時間外労働の上限規制が始まっており、生産性を向上させるため、IT投資は継続的な成長が見込まれております。 当社グループは、高い数学力や深い業界知識を必要とするプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を行うことによって、建設業界のIT投資動向に左右されにくい事業の構築に努めておりますが、国内外の経済情勢や景気動向が変化し、企業がIT投資額を大幅に縮小した場合、当社グループの主たる顧客であるプラント・建設業界の市況が悪化した場合、あるいは予期せぬ事態等により市場成長率の鈍化又は市場規模が縮小する事態となった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ②競合他社について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)当社グループはプラント・建設業界の課題解決DX、ソフトウエア開発及びサービス提供を中心に事業展開をしてきており、数多くの競合企業が存在しております。 当社グループは、プラント・建設業界の深い知識を有するプログラマーの高い技術力を背景に競合他社との差別化を図っており、コンサルティング力や技術力の強化に努め競争優位性の確保に努めておりますが、当社グループの競争力が低下した場合には、受注が減少し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③技術革新への対応について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)IT業界は、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に速く、それに伴い、常に新しい技術やサービスが生み出されております。 当社グループの事業においては技術力が競争力の源泉であるため、技術革新への対応が遅れることは当社にとって重大なリスクになると考えております。 従いまして、技術革新に迅速に対応できるよう、常に市場動向を注視し技術革新への対応を講じることにより、今後も競争力のあるサービスを提供できるように取り組んでおります。 また優秀なITエンジニアの確保や社内勉強会の開催等による社員のスキルアップにも注力しております。 しかしながら、例えば、AI技術の急速な発達により、当社の採用するアルゴリズムより高速に計算が可能となる技術が実用化された場合等、予想以上の急速な技術革新や代替技術・汎用的な競合商品の出現等により、当社グループのサービスが十分な競争力や付加価値を確保できない場合には、新規受注の減少や既存顧客の離反を招来し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④システムリスクについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは事業及び社内管理の基盤をインターネット通信網に依存しており、通信ネットワーク機器の故障及び自然災害や火災・事故等によるシステム障害を回避すべく、稼働状況の監視、定期的なバックアップの取得等の未然防止・回避策を実施しております。 しかしながら、大地震等の自然災害が発生した場合の、電力供給やインターネットアクセスの制限等、コンピューターウイルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウエアの不具合、その他予測できない重大な事象が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業内容について①特定の販売先への依存について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)当社グループにおいて高砂熱学工業株式会社及び株式会社PlantStreamに対する売上高は高い水準にあります。 (販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合)相手先前連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)高砂熱学工業株式会社1,552,85052.81,239,23330.8株式会社PlantStream711,60324.2711,16617.7(注)株式会社PlantStreamに対する販売実績は、完全子会社化後の連結上の相殺処理を反映した金額であります。 株式会社PlantStreamは当社の関連会社でしたが、2025年3月に完全子会社化いたしました。 そのため今後、連結損益計算書の売上高には、株式会社PlantStreamに対する株式会社Arentの売上高に持分法を適用した金額ではなく、株式会社PlantStreamでのライセンス販売等による売上高の金額を計上することになりました。 そのため当該取引の依存リスクは解消される見込みです。 一方で高砂熱学工業株式会社とのプロダクト共創開発は順調に進捗しており、引き続き高い水準での取引関係が継続しております。 当社グループとして特定販売先への依存度は低下傾向にありますが、当社グループでは、今後もソフトウエア開発取引を継続しながら、他の既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得をすることによって、依存度が低下していくものと考えております。 しかしながら、依存度が想定どおり低下せず、当該との取引が縮小した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②情報セキュリティについて(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループでは、クライアント企業のシステム開発を手掛けているため、顧客側で保有している機密情報に触れる場合があります。 機密情報の取り扱いについては、情報システム管理規程、個人情報取扱規程等を整備し、定期的に社内研修を実施することにより周知徹底を図るとともに、外部機関の情報セキュリティに関する認証を取得するなど、適切な運用を義務づけております。 しかしながら、このような対策にも関わらず当社グループの人的オペレーションのミス、その他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)法的規制について①知的財産について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ソフトウエア業界においては、多くの特許出願がなされており、当社グループにおいても新技術に対して積極的に特許出願を行っております。 今後も数多くの特許出願が予測され、あわせて特許権侵害等の問題が生じることが考えられます。 当社グループでは、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。 また、リスク管理委員会・コンプライアンス委員会の活動を通して課題と対応策の検討を行っております。 しかしながら、このような対策にも関わらず、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、顧問弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②訴訟について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社グループは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。 しかしながら、事業を展開するなかで、当社グループが提供するサービスの不備等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。 その場合、当該訴訟に対する防御の為に費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)社内組織について①内部管理体制について(発生可能性:小、発生する時期:特定時期なし、影響度:小)当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。 業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②人材の採用・育成について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社グループは、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。 質の高いサービスの提供や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。 そのため、当社では採用体制の強化、人材育成計画・人事評価制度の向上を図る方針であります。 しかしながら、特にエンジニア等の一定の人材の確保に関する競争は激しく、当社グループの採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合、コアメンバー、熟練エンジニアの退職又は人材確保のためにより高額の報酬を支払うこととなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③特定の人物への依存に係るリスクについて(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)当社の代表取締役社長である鴨林広軌は、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定及び遂行において、重要な役割を果たしております。 当社グループでは、取締役会やその他会議体において役員及び従業員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。 しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他①株式の希薄化について(発生可能性:大、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)当社は、2019年12月に、役職員等に対して会社業績の向上への意識を強くさせるため、新株予約権信託を用いたインセンティブプランを導入する等、新株予約権の発行を行っております。 この新株予約権が行使された場合は、新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は468,400株であり、発行済株式総数6,538,085株の7.2%に相当しております。 ②資金使途について(発生可能性:小、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:中)株式上場時における公募増資による調達資金の使途については、当社グループの事業のさらなる拡大のため、広告宣伝費及び事業成長のための採用費用、人員増による人件費、自社プロダクトの開発費などに充当する予定であります。 しかしながら、上述に記載したように様々なリスク・不確実性のなかで事業運営を行っており、事業環境が変化することも考えられるため、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。 また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態の状況当連結会計年度の財政状態は以下のとおりとなりました。 (資産) 資産合計は、前連結会計年度末比1,024,091千円増加し、6,084,513千円となりました。 これは主に、のれんが839,108千円増加したことによるものです。 (負債) 負債合計は、前連結会計年度末比347,498千円増加し1,282,684千円となりました。 これは主に、連結子会社の追加によって契約負債が429,584千円増加した一方、償還により、社債及び1年内償還予定の社債が81,000千円減少したことによるものです。 (純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末比676,593千円増加し、4,801,829千円となりました。 これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が633,499千円増加したことによるものです。 ②経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な金融引締めの影響や中国経済の先行き懸念等が景気を下押しするリスクは存在するものの、雇用・所得環境が改善する下で緩やかに持ち直しつつあります。 また、AI技術の普及が急速に進むなど、企業のデジタル化・DX推進の流れは継続しており、当社グループが主なターゲットとする建設業界においても、時間外労働の上限規制等への対応が求められる中、DXによる生産性向上への関心が高まっています。 このような中、当社グループは、クライアントの課題を把握し、モデル化・実装まで一気通貫でDXを推し進めるためのソフトウエア開発及びサービス提供を行っております。 特に、建設業界のDX需要の高まりに狙いを定め、当社グループの強みの一つである「3Dを核としたシステム開発の技術力」を活かし、クライアント企業の業務効率化を実現する高品質なプロダクトの共創開発に注力しております。 また、当社グループは、プロダクト共創開発の更なる拡大とともにM&Aによるプロダクト群の拡充を目指しています。 これまでに開発したプロダクトである空間自動設計システム「PlantStream®」や、建設業界のBIM化を推進するソフトウエア「Lightning BIMシリーズ」に加えて、M&Aにて子会社化した株式会社構造ソフトのプロダクトなどの販売拡大を目指し、営業活動の強化に取り組んでおります。 この結果、当連結会計年度の売上高は4,028,518千円(前連結会計年度比37.0%増)、営業利益は1,690,673千円(同36.8%増)、経常利益は868,015千円(同9.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は633,499千円(同3.7%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (プロダクト共創開発) プロダクト共創開発では、建設業界からの大型の受託開発の受注等により、業績は堅調に推移いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は3,386,890千円(前連結会計年度比14.1%増)、セグメント利益は1,414,511千円(同2.6%増)となりました。 (共創プロダクト販売) 共創プロダクト販売では、空間自動設計システム「PlantStream®」の販売を進め、着実に顧客層を拡大いたしました。 この結果、当セグメントの売上高は274,979千円(前連結会計年度比18.4%増)となりましたが、ソフトウエア減価償却費等の計上により、セグメント損失は210,696千円(前連結会計年度は268,665千円の損失)となりました。 なお、共創プロダクト販売の売上高及びセグメント利益の金額は、当社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの財務情報の金額に当社の持分割合を乗じた金額であるため、連結損益計算書において、当セグメントの売上高は計上されず、持分法の会計処理を通じて、持分法による投資損失に反映されております。 (自社プロダクト) 自社プロダクトでは、2022年4月にリリースした自動配筋ソフト「Lightning BIM 自動配筋」の販売を進めるとともに、これに続くプロダクトの開発を継続して行い、2024年1月に「Lightning BIMシリーズ」の第2弾となる「Lightning BIM ファミリ管理」をリリースいたしました。 また連結子会社化した株式会社構造ソフト、株式会社PlantStreamの連結子会社化後の経営成績は「自社プロダクト」セグメントへ追加しております。 この結果、当セグメントの売上高は335,665千円(前連結会計年度比1,281.6%増)、セグメント損失は86,948千円(前連結会計年度は90,071千円の損失)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比26,468千円減少し、3,826,528千円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は840,732千円(前年同期は850,215千円の獲得)となりました。 これは主に、税金等調整前当期純利益1,092,600千円、法人税等の支払額383,375千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は841,386千円(前年同期は43,299千円の使用)となりました。 これは主に、M&Aによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出379,420千円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入155,540千円、関連会社貸付けによる支出500,000千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は19,555千円(前年同期は168,809千円の使用)となりました。 これは主に、社債の償還による支出81,000千円、株式の発行による収入53,163千円によるものであります。 前年同期比では、株式の発行による収入51,665千円が増加いたしました。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)前年同期比(%)プロダクト共創開発3,386,890114.1共創プロダクト販売274,979118.4自社プロダクト335,6651,381.6報告セグメント計3,997,535124.0調整額30,982-合計4,028,518137.0 (注)1.プロダクト共創開発の販売実績のうち、当社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamに対するものは、調整額において、持分法適用による未実現損益の消去を行っております。 2.共創プロダクト販売の販売実績の金額は、当社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの販売実績の金額に当社の持分割合を乗じた金額であるため、調整額において消去しております。 3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。 これは主に、自社プロダクトにおいて、M&Aによる連結子会社の売上の増加などによるものであります。 4.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)高砂熱学工業株式会社 1,552,85052.81,239,23330.8株式会社PlantStream711,60324.2711,16617.7(注)株式会社PlantStreamに対する販売実績は、完全子会社化後の連結上の相殺処理を反映した金額であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、その補足事項は以下のとおりであります。 (ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定、のれんの評価) 当社グループは事業用の重要な資産としてソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)及びのれんを保有しており、固定資産の減損の兆候が存在する場合には、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積りに基づき、減損の認識の要否の判定を実施しております。 判定の結果、減損損失を認識した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 なお、株式会社PlantStreamにおいて、ソフトウエアの減損損失を計上しており、当該減損損失の計上額は当連結会計年度において614,589千円であります。 この金額は当社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの財務情報の金額に当社の持分割合を乗じており、持分法による投資損失に含めております。 将来キャッシュ・フローの見積りは、事業計画を基礎としておりますが、主要な仮定として、将来における獲得見込み顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)並びに既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)があります。 主要な仮定は、いずれも不確実性を伴うため、今後の継続的な経営成績の悪化や経済環境の変化等により、事業計画と実際の経営成績に乖離が生じた場合、関係会社において固定資産の減損損失が発生し、当社の翌連結会計年度の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) 売上高は、前連結会計年度比1,088,992千円増加し、4,028,518千円(前連結会計年度比37.0%増)となりました。 これは主に、プロダクト共創開発における受注の増加やM&Aによる自社プロダクトの売上増加などによるものです。 将来的な事業化も見据えた大型の案件が進行中であり、規模を徐々に拡大しながら安定的に受注を獲得しております。 (売上原価、売上総利益) 売上原価は、前連結会計年度比241,121千円増加し、1,476,183千円(同19.5%増)となりました。 これは主に、売上高の増加に応じた労務費の増加によるものであります。 この結果、売上総利益は、前連結会計年度比847,871千円増加し、2,552,334千円(同49.7%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比393,390千円増加し、861,661千円(同84.0%増)となりました。 これは主に、採用強化に伴う採用教育費及び人件費の増加やM&Aの関連費用の発生などによるものであります。 この結果、営業利益は、前連結会計年度比454,480千円増加し、1,690,673千円(同36.8%増)となりました。 (営業外損益、経常利益) 営業外収益は、受取利息の増加等により前連結会計年度比10,685千円増加し、12,745千円(同518.8%増)となりました。 営業外費用は、持分法による投資損失の増加等により、前連結会計年度比559,017千円増加し、835,402千円(同202.3%増)となりました。 この結果、経常利益は、前連結会計年度比93,851千円減少し、868,015千円(同9.8%減)となりました。 なお当社グループの持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamは、2025年3月付で株式を追加取得したことにより連結子会社化しております。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比24,663千円減少し、633,499千円(同3.7%減)となりました。 ③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について 当社グループは、主な経営指標として売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しており、各指標の推移は以下のとおりです。 当連結会計年度の売上高成長率は、プロダクト共創開発における受注の増加やM&Aによる自社プロダクトの売上増加などの結果、37.0%となりました。 また、当連結会計年度の売上高営業利益率は、プロダクト共創開発の売上増加と、効率的な事業運営と適切なコスト投下の徹底の結果、引き続き高い水準を維持し、42.0%となりました。 いずれも高い水準を実現できたと考えております。 前連結会計年度当連結会計年度売上高成長率45.4%37.0%売上高営業利益率42.1%42.0% ④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、業績が堅調に推移する中、売掛債権の回収期間は1~2ヵ月程度の短期間を維持したため、840,732千円のプラスとなり、健全な状況と考えております。 投資活動によるキャッシュ・フローは、M&Aによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等の戦略的な成長投資の実行により、841,386千円のマイナスとなりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出や社債の償還による支出等により、19,555千円のマイナスとなりました。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,826,528千円となっており、十分な流動性を確保しております。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、主として内部資金を活用し、不足分は金融機関からの借入等により資金調達を行っております。 また、売掛金の未回収等の突発的な事象に備え、取引金融機関と当座貸越契約の締結により必要資金を調達できる体制をとっております。 当社の資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費及びM&Aの実行資金です。 この資金需要に対する財源は、営業活動で得られる自己資金と、銀行からの長期借入金を主に活用しておりますが、M&A等の高額な資金需要に対しては、取引金融機関からの借入等のほか、その規模に応じた適切な資金調達手段も検討してまいります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループは、当社グループが持つ建設業に関するドメイン知識を活かした業務改善DXの知見と3DCAD関連を中心とした技術力やAI技術に関する知識を活用し、新製品を開発するための研究開発を行っております。 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は66,799千円(セグメント間の取引消去後)となっております。 プロダクト共創開発 プロダクト共創開発では、連結子会社である株式会社Arent AIにおいて、2024年7月にリリースした法人向け生成AIプラットフォーム「BizGenie」の追加開発など変化の激しいAI技術に関する研究開発を進めてまいりました。 プロダクト共創開発に係る研究開発費は18,116千円(セグメント間の取引消去後)であります。 共創プロダクト販売 該当事項はありません。 自社プロダクト 自社プロダクトでは、プロダクト共創開発、共創プロダクト販売で培ったノウハウにより、当社独自のプロダクトの開発をしています。 具体的には、大林組とコラボ開発した、AIを実装した現場支援型スマート工程管理ソフト「PROCOLLA」の開発を進めてまいりました。 非効率なレガシーシステムに代わるBIM/SaaS化された新たなプロダクトを開発やM&Aでグループインした企業が保有するプロダクト等にAIを組み込む「AIブースト戦略」等で、建設業界の課題解決を図るとともに、高いマーケットシェアを獲得し、収益拡大につなげることを目指しております。 自社プロダクトに係る研究開発費は48,682千円(セグメント間の取引消去後)であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当社グループでは、プロダクト共創開発の拡大に伴う増員による業務用PC関連機器の購入やソフトウエアの開発などで160,078千円の設備投資を実施しました。 なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 (1)提出会社2025年6月30日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物工具、器具及び備品ソフトウエア合計東京オフィス(東京都港区)全社共通事務所設備等5,72823,89129,82959,448114(4)浜松オフィス(静岡県浜松市中央区)全社共通事務所設備等-3,2358464,08117 (注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。 3.上記の他、主要な賃借している設備の内容は、下記のとおりであります。 東京オフィス、浜松オフィスは建物を賃借しており、東京オフィスの年間賃借料は19,842千円、浜松オフィスの年間賃借料は5,645千円であります。 なお東京オフィスには子会社である株式会社Arent AI、株式会社PlantStreamが同居しております。 (2)国内子会社 2025年6月30日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)工具、器具及び備品ソフトウエア合計株式会社PlantStream東京オフィス(東京都港区)全社共通事務所設備等351500,568500,91910 (注)1.ソフトウエアにはソフトウエア仮勘定を含めております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等 該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 48,682,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 160,078,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 39 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 2 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,651,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ①投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、投資株式について、株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。 ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 該当事項はありません。 ③保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年6月30日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 鴨林広軌東京都港区2,304,88035.79 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番12号558,8008.68 佐海文隆静岡県浜松市中央区350,0005.44 SBI4&5投資事業有限責任組合東京都港区六本木一丁目6番1号303,9404.72 中川高志静岡県浜松市中央区270,5004.20 丸山篤史静岡県浜松市中央区263,0004.08 MSIP CLIENT SECURITIES(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 Cabot Square, Canary Wharf, London E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町1丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティサウスタワー)223,3783.47 大北尚永(常任代理人 みずほ証券株式会社)DEN HAAG SOUTH HOLLAND THE NETHERLANDS(東京都千代田区大手町一丁目5番1号)221,0003.43 野村信託銀行株式会社(投信口)東京都千代田区大手町2丁目2−2213,9003.32 株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号120,9001.88計-4,830,29875.01(注)1.発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。2.2024年12月20日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、レオス・キャピタルワークス株式会社が2024年12月13日時点で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年6月30日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下の通りであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数株券等保有割合レオス・キャピタルワークス株式会社東京都千代田区丸の内1丁目11番1号560,8009.04 |
株主数-金融機関 | 5 |
株主数-金融商品取引業者 | 21 |
株主数-外国法人等-個人 | 7 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 40 |
株主数-個人その他 | 1,622 |
株主数-その他の法人 | 22 |
株主数-計 | 1,717 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 株式会社SBI証券 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価値の総額(円)当事業年度における取得自己株式131777,220当期間における取得自己株式40200,400 (注)1.取得自己株式は、単元未満株式の買取り請求による自己株式の取得であります。 2.当期間における取得自己株式は、2025年9月19日までの期間について記載しております。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -777,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -777,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)1 6,205,380234,200-6,439,580合計6,205,380234,200-6,439,580自己株式 普通株式(注)276131-207合計76131-207 (注)1.発行済株式の普通株式の増加は、新株予約権の行使によるものであります。 (注)2.自己株式の普通株式の増加は、単元未満株式の買取り請求によるものであります。 |
Audit
監査法人1、連結 | あかり監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書 2025年9月26日株式会社Arent 取締役会 御中 あかり監査法人 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士中田 啓 指定社員業務執行社員 公認会計士進藤 雄士 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Arentの2024年7月1日から2025年6月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Arent及び連結子会社の2025年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項 重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年5月14日開催の取締役会において、株式会社スタッグの発行済株式の一部を取得したうえで、会社を株式交換完全親会社、株式会社スタッグを株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行うことを決議し、株式取得を2025年7月1日、簡易株式交換を2025年7月4日に完了している。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社PlantStreamの固定資産の減損損失に係る見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 当連結会計年度の注記事項「(重要な会計上の見積り)ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)及びのれんの評価」及び「(セグメント情報等)【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】 」に記載のとおり、株式会社PlantStreamにおいて、減損損失614,589千円が計上されている。 注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社PlantStreamの株式の取得」に記載のとおり、会社は2025年3月31日(みなし取得日)に会社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStream の株式を追加取得し、同社は会社の連結子会社となっているが、同社の事業計画の見直しを行い、同社の固定資産の減損損失の認識及び測定を行った時点において、同社は会社の持分法適用関連会社であったため、前述の減損損失の金額は、同社が計上した減損損失の金額に、同社の株式を追加取得する前の会社の持分割合(50%)を乗じた金額であり、当連結会計年度における連結損益計算書の持分法による投資損失に含まれている。 注記事項「(重要な会計上の見積り)ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)及びのれんの評価」に記載のとおり、資産又は資産グループに減損の兆候が存在する場合には、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローに基づき、減損の認識の要否が判定され、判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、当該帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。 当連結会計年度において株式会社PlantStreamは、その資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、当該回収可能価額として使用価値により測定している。 この使用価値の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、同社の取締役会にて承認された事業計画を基礎として見積もられるが、その中に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)、並びに将来キャッシュ・フローの割引現在価値の算定に使用する割引率は、経営者の主観や判断の占める要素が大きく、適切な仮定が採用されない場合には、固定資産の減損損失に係る見積りに影響を与え、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 当監査法人は、会社が実施した株式会社PlantStreamの固定資産の減損損失に係る見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。 ・割引前将来キャッシュ・フローの見積期間について、株式会社PlantStreamが保有する資産グループにおける主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。 ・割引前将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当連結会計年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・減損損失の認識の判定及び測定にあたって使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 株式会社PlantStreamの連結子会社化の会計処理の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社PlantStreamの株式の取得」に記載のとおり、会社は2025年3月31日(みなし取得日)に会社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの株式を追加取得し、同社を連結子会社化している。 持分法適用関連会社であった同社の連結子会社化は、段階取得に該当し、取得原価と持分法による評価額との差額について段階取得に係る差益224,584千円を計上している。 また、同社の取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回るため、その超過額をのれん440,165千円として計上している。 段階取得に係る差益及びのれんは、いずれも金額的重要性が高い。 株式会社PlantStreamの株式の取得価額は、同社の事業計画を基礎として算定された株式価値を踏まえ、交渉の上で決定されているが、当該事業計画に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)は、経営者の主観や判断の占める要素が大きい。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 当監査法人は、会社が実施した株式会社PlantStreamの連結子会社化の会計処理の妥当性を検討するために、主に以下の手続を実施した。 ・取引の目的及び取得価額決定の経緯を理解するために経営者への質問を実施した。 ・段階取得に係る差益の算定資料を閲覧し、算定方法について会計基準等を踏まえて検討した。 ・取得原価について検討するために、株式価値算定資料及び株式譲渡契約書を閲覧した。 ・株式価値算定に使用する将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当連結会計年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・株式価値算定に使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 株式会社PlantStreamの固定資産の減損損失に係る見積りの合理性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 当連結会計年度の注記事項「(重要な会計上の見積り)ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)及びのれんの評価」及び「(セグメント情報等)【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】 」に記載のとおり、株式会社PlantStreamにおいて、減損損失614,589千円が計上されている。 注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社PlantStreamの株式の取得」に記載のとおり、会社は2025年3月31日(みなし取得日)に会社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStream の株式を追加取得し、同社は会社の連結子会社となっているが、同社の事業計画の見直しを行い、同社の固定資産の減損損失の認識及び測定を行った時点において、同社は会社の持分法適用関連会社であったため、前述の減損損失の金額は、同社が計上した減損損失の金額に、同社の株式を追加取得する前の会社の持分割合(50%)を乗じた金額であり、当連結会計年度における連結損益計算書の持分法による投資損失に含まれている。 注記事項「(重要な会計上の見積り)ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)及びのれんの評価」に記載のとおり、資産又は資産グループに減損の兆候が存在する場合には、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローに基づき、減損の認識の要否が判定され、判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、当該帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。 当連結会計年度において株式会社PlantStreamは、その資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、当該回収可能価額として使用価値により測定している。 この使用価値の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、同社の取締役会にて承認された事業計画を基礎として見積もられるが、その中に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)、並びに将来キャッシュ・フローの割引現在価値の算定に使用する割引率は、経営者の主観や判断の占める要素が大きく、適切な仮定が採用されない場合には、固定資産の減損損失に係る見積りに影響を与え、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 当監査法人は、会社が実施した株式会社PlantStreamの固定資産の減損損失に係る見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。 ・割引前将来キャッシュ・フローの見積期間について、株式会社PlantStreamが保有する資産グループにおける主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。 ・割引前将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当連結会計年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・減損損失の認識の判定及び測定にあたって使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 株式会社PlantStreamの連結子会社化の会計処理の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社PlantStreamの株式の取得」に記載のとおり、会社は2025年3月31日(みなし取得日)に会社の持分法適用関連会社であった株式会社PlantStreamの株式を追加取得し、同社を連結子会社化している。 持分法適用関連会社であった同社の連結子会社化は、段階取得に該当し、取得原価と持分法による評価額との差額について段階取得に係る差益224,584千円を計上している。 また、同社の取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回るため、その超過額をのれん440,165千円として計上している。 段階取得に係る差益及びのれんは、いずれも金額的重要性が高い。 株式会社PlantStreamの株式の取得価額は、同社の事業計画を基礎として算定された株式価値を踏まえ、交渉の上で決定されているが、当該事業計画に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)は、経営者の主観や判断の占める要素が大きい。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 当監査法人は、会社が実施した株式会社PlantStreamの連結子会社化の会計処理の妥当性を検討するために、主に以下の手続を実施した。 ・取引の目的及び取得価額決定の経緯を理解するために経営者への質問を実施した。 ・段階取得に係る差益の算定資料を閲覧し、算定方法について会計基準等を踏まえて検討した。 ・取得原価について検討するために、株式価値算定資料及び株式譲渡契約書を閲覧した。 ・株式価値算定に使用する将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当連結会計年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・株式価値算定に使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社PlantStreamの連結子会社化の会計処理の妥当性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 持分法適用関連会社であった同社の連結子会社化は、段階取得に該当し、取得原価と持分法による評価額との差額について段階取得に係る差益224,584千円を計上している。 また、同社の取得原価は、受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を上回るため、その超過額をのれん440,165千円として計上している。 段階取得に係る差益及びのれんは、いずれも金額的重要性が高い。 株式会社PlantStreamの株式の取得価額は、同社の事業計画を基礎として算定された株式価値を踏まえ、交渉の上で決定されているが、当該事業計画に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)は、経営者の主観や判断の占める要素が大きい。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社PlantStreamの株式の取得」 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)2.株式会社PlantStreamの株式の取得」 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、会社が実施した株式会社PlantStreamの連結子会社化の会計処理の妥当性を検討するために、主に以下の手続を実施した。 ・取引の目的及び取得価額決定の経緯を理解するために経営者への質問を実施した。 ・段階取得に係る差益の算定資料を閲覧し、算定方法について会計基準等を踏まえて検討した。 ・取得原価について検討するために、株式価値算定資料及び株式譲渡契約書を閲覧した。 ・株式価値算定に使用する将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当連結会計年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・株式価値算定に使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | あかり監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年9月26日株式会社Arent 取締役会 御中 あかり監査法人 東京事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士中田 啓 指定社員業務執行社員 公認会計士進藤 雄士 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社Arentの2024年7月1日から2025年6月30日までの第13期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社Arentの2025年6月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項1.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年5月14日開催の取締役会において、株式会社スタッグの発行済株式の一部を取得したうえで、会社を株式交換完全親会社、株式会社スタッグを株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行うことを決議し、株式取得を2025年7月1日、簡易株式交換を2025年7月4日に完了している。 2.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年8月22日付開催の取締役会において、会社を吸収合併存続会社、完全子会社の株式会社PlantStreamを吸収合併消滅会社とする吸収合併契約の締結を決議し、同日付で吸収合併契約を締結している。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式(株式会社PlantStreamに対する投資)の評価の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年6月30日現在、貸借対照表上、関係会社株式を1,222,625千円計上している。 これには非上場の子会社である株式会社PlantStreamに対する投資が450,000千円含まれている。 また、注記事項「(損益計算書関係)※3.関係会社株式評価損」に記載のとおり、当事業年度の損益計算書上、同社に対する株式の評価損を1,474,765千円計上している。 注記事項「(重要な会計上の見積り)市場価格のない関係会社株式の評価」に記載のとおり、会社は、市場価格のない関係会社株式については、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除いて減損処理を実施することとしている。 株式会社PlantStreamに対する投資の評価に当たり、会社は当事業年度において同社の実質価額が著しく低下しており、かつ実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられないと判断したため、関係会社株式評価損を計上している。 注記事項「(重要な会計上の見積り)市場価格のない関係会社株式の評価」に記載のとおり、同社の株式の実質価額の算定には、同社の将来キャッシュ・フローの見積りが含まれており、当該見積りは同社の取締役会にて承認された事業計画を基礎としているが、当該事業計画に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)は、経営者の主観や判断の占める要素が大きい。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 当監査法人は、会社が実施した関係会社株式(株式会社PlantStreamに対する投資)の評価の妥当性を検討するために、主に以下の手続を実施した。 ・株式会社PlantStreamの株式の実質価額と取得原価とを比較検討し、経営者による減損処理に係る判断の妥当性を検討した。 ・株式会社PlantStreamの実質価額算定資料を入手し、実質価額が同社の財務数値を基礎として適切に算定されているかを検討した。 ・株式会社PlantStreamの株式の実質価額の算定に使用する将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当事業年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・実質価額算定に使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 関係会社株式(株式会社PlantStreamに対する投資)の評価の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年6月30日現在、貸借対照表上、関係会社株式を1,222,625千円計上している。 これには非上場の子会社である株式会社PlantStreamに対する投資が450,000千円含まれている。 また、注記事項「(損益計算書関係)※3.関係会社株式評価損」に記載のとおり、当事業年度の損益計算書上、同社に対する株式の評価損を1,474,765千円計上している。 注記事項「(重要な会計上の見積り)市場価格のない関係会社株式の評価」に記載のとおり、会社は、市場価格のない関係会社株式については、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除いて減損処理を実施することとしている。 株式会社PlantStreamに対する投資の評価に当たり、会社は当事業年度において同社の実質価額が著しく低下しており、かつ実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられないと判断したため、関係会社株式評価損を計上している。 注記事項「(重要な会計上の見積り)市場価格のない関係会社株式の評価」に記載のとおり、同社の株式の実質価額の算定には、同社の将来キャッシュ・フローの見積りが含まれており、当該見積りは同社の取締役会にて承認された事業計画を基礎としているが、当該事業計画に含まれる主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売額(単価に件数を乗じた金額)、既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)は、経営者の主観や判断の占める要素が大きい。 以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項として選定した。 当監査法人は、会社が実施した関係会社株式(株式会社PlantStreamに対する投資)の評価の妥当性を検討するために、主に以下の手続を実施した。 ・株式会社PlantStreamの株式の実質価額と取得原価とを比較検討し、経営者による減損処理に係る判断の妥当性を検討した。 ・株式会社PlantStreamの実質価額算定資料を入手し、実質価額が同社の財務数値を基礎として適切に算定されているかを検討した。 ・株式会社PlantStreamの株式の実質価額の算定に使用する将来キャッシュ・フローについて、取締役会によって承認された事業計画との整合性を検討した。 ・過年度に作成された事業計画と当事業年度の実績とを比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ・事業計画の基礎となる主要な仮定について、経営者等(株式会社PlantStreamの経営者等を含む)と協議を行った。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売単価について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、株式会社PlantStreamが定める1ライセンス当たりの定価を上回る単価になっていないことを確認した。 ・主要な仮定である将来における獲得見込みの顧客へのライセンス販売件数について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・主要な仮定である既存顧客及び将来における獲得見込み顧客の顧客単価上昇率・解約率(継続率)について、過去実績からの趨勢分析を実施するとともに、経営者等に対する質問、関連資料等により合理性を確認した。 ・実質価額算定に使用する割引率について、計算手法の適切性を評価するとともに、その妥当性を評価した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 関係会社株式(株式会社PlantStreamに対する投資)の評価の妥当性 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
仕掛品 | 8,312,000 |
その他、流動資産 | 45,400,000 |
建物及び構築物(純額) | 5,728,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 27,126,000 |
有形固定資産 | 32,854,000 |
ソフトウエア | 30,675,000 |
無形固定資産 | 30,675,000 |
長期前払費用 | 1,176,000 |
繰延税金資産 | 90,315,000 |