財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-09-25
英訳名、表紙Qualtec Co.,Ltd.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 山口 友宏
本店の所在の場所、表紙大阪府堺市堺区三宝町四丁230番地
電話番号、本店の所在の場所、表紙072(226)7175(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月概要1993年1月電子部品・半導体製造に関する技術(品質改善)コンサルティングサービスを提供する株式会社太洋テクノサービス(現 当社)を大阪府堺市に設立1993年5月ゲーム基板(ファミリーコンピュータ)の品質改善指導を開始1994年10月本社を大阪市此花区に移転1995年6月SEM(電子顕微鏡)を導入(注1)故障解析サービスを開始1997年11月表面処理技術サービス(めっき試作)を開始(注2)ビルドアップ工法の研究を開始(注3)1998年5月CO2レーザ加工機(注4)、UV-YAGレーザ加工機(注5)を導入(微細加工事業開始)フィルドビアめっき法確立(注6)2004年9月大阪府堺市に再移転、社名を株式会社クオルテックに変更し、信頼性評価事業を本格化2004年10月実装材料・工法の研究と開発を開始2006年1月ISO/IEC17025規格の認証を取得し、自動車業界へ進出2007年3月NITE(製品評価技術基盤機構)よりilac-MRA(試験機関の国際相互承認)認定研磨(試料作製)事業において月産10,000個体制の確立2012年12月関東から東北地方への販売促進のため東京都大田区に東京営業所を開設2014年10月バイオ事業(ペットの遺伝子検査)を開始二次電池の研究・EMC(電磁両立性)(注7)コンサルティングサービスを開始2015年1月パワーサイクル試験機(注8)の開発・販売を開始2017年11月堺市堺区に本館(分析センター)竣工2018年4月CBC株式会社と自動車分野等における電子部品の安全を提供する信頼性評価ビジネスで業務提携2019年5月自動車関連企業の要望に迅速に対応するため、愛知県豊明市に名古屋品質技術センター開設2021年2月世界最大級の試験、検査、検証及び認証機関であるSGSグループ(本社スイス ジュネーブ)の日本法人であるSGSジャパン株式会社と合弁会社SGSクオルテック株式会社設立2023年7月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2023年12月事業領域拡大を図るため、Patentix株式会社と資本業務提携2024年2月九州地方への販売促進のため、熊本県熊本市に熊本営業所を開設2024年5月次世代半導体事業の研究拠点として、滋賀半導体研究開発センターを開設2024年11月堺市西区にパワエレテクノセンターを開設注1:Scanning Electron Microscopeの略。
光学顕微鏡では測定不可能なミクロレベルの表面構造を鮮明に観察することができる顕微鏡。
より詳細な観察分析に対応するため導入。
注2:主にめっきやコーティングにより、素材表面の性質を変えることを目的に施される処理。
顧客ニーズに対応するために導入。
注3:基板の上に導体を1層ずつ積み上げ多層化する工法。
電子部品に使用される基板の精密化が高まることへ対応するために研究を開始。
注4:炭酸ガスの中で放電を起こし発振させるレーザ機。
高密度、高微細の基板加工を可能とするために導入。
注5:波長が短く非常に高い集光性がある紫外線レーザ機。
熱影響の少ない加工を可能とするために導入。
注6:ビルドアップ基板(多層基板)の層間に穴を銅めっきで充填させる工法。
注7:Electro Magnetic Compatibilityの略。
電磁波により電子機器が誤作動しないかを確認する試験。
注8:パワー半導体(高電圧や大電流を取扱うことができる半導体)モジュールに使用される各部材の接合信頼性を評価するための機器。
事業の内容 3【事業の内容】
当社の事業につきましては、信頼性評価事業、微細加工事業及びその他事業の3つの柱で構成されております。
当社及び当社の関係会社の事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
また、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(信頼性評価事業)当事業においては、電子部品等に対する環境試験、電気試験、パワーサイクル試験等からなる信頼性評価試験、分析・故障解析、分析及びその前工程となる試料作製のための断面研磨、試験装置の設計、製造、販売等を行っております。
単なる解析業務にとどまらず、故障や不良の真因を見つけ出すための再現実験を行い、顧客の技術課題を根本から解決できる会社を志向し、企画提案力と技術力を融合した技術営業体制を構築しております。
また、近年では受託試験を通じて蓄積した技術・ノウハウを活かしたパワー半導体の信頼性評価装置の開発・販売にも積極的に取組んでおります。
当社では電気自動車の開発・普及が急速に拡大すると予測される以前から電気自動車の基幹部品であるインバータの中のパワー半導体の信頼性評価試験や故障解析に取組み、実績を積み上げてきました。
電子回路、ソフトウエア、水冷機構などの試験環境を自社内で開発できることから、顧客の多種多様なニーズに対応してまいりました。
また、信頼性評価試験の前後において、部品や基板の実装部の解析や評価、改善提案までトータルで対応できることで、パワー半導体の信頼性評価試験において強みを有しております。
近年では、信頼性評価試験を実施するだけでなく、国際規格に基づく試験の実施から規格認証の取得まで、トータルに対応できる体制を構築しております。
現在では、IPC(米国電子回路協会)やJEITA(電子情報技術産業協会)に参画し、信頼性評価試験の規格を策定する、いわゆるルールメーカーとしての活動にも力を入れております。
当事業では、顧客より試験や検査、分析、解析、加工、機器販売の役務提供の対価として収益を得ております。
(微細加工事業)当事業においては、ビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板(薄く柔らかい屈曲可能な基板)等に対する試作及び、それらの量産レーザ加工や新しい材料や最先端の材料への表面加工処理の条件出しから試作まで請け負っている表面処理技術を行っております。
スマートフォンから医療機器まで、あらゆる製品領域において、ジャンルを問わない幅広い対応力で顧客のニーズに対応してまいりました。
また、顧客の要望に応えるために必要な設備を揃えることで電子部品業界の技術的なニーズに応える体制を整えてまいりました。
温湿度などの少しの環境変化で加工の仕上がりに影響が出たり、設備ごとの個体差があるなど管理が非常に難しいレーザ加工機を自社では持たずアウトソーシングする基板メーカーに対して、大ロットの量産加工から新材料のレーザ加工性評価や極短納期の試作品加工まで、多様な依頼に柔軟に対応できることが当社の強みであり、20年以上の長きに亘って事業を継続できている理由であると考えております。
また、近年ではガラス基板や低誘電材など、レーザ加工が困難とされてきた素材に対しての加工やその評価を行っており、微細加工の特殊技術力を強化しております。
当事業では、顧客より加工の役務提供の対価として収益を得ております。
(その他事業)当事業においては、バイオ医薬品の製造工程に使用される製品(包装材料、シリンジなど)の受託試験を行うバイオ、品質コンサルティングや技術指導を行うゼロ・イノベーションによる指導を行っております。
顧客が開発する製品は、高品質かつ高い信頼性を求められており、その実現に向けて素材等の改善提案をしております。
そのために当社は、基礎実験や再現実験を繰り返し、ノウハウとデータの蓄積を地道に行ってまいりました。
当事業では、検査や指導の役務提供の対価として収益を得ております。
これらの事業に加えて研究開発部門を有しており、「オートモーティブとエネルギー」をキーワードにパワー半導体の実装関連、電池関連の信頼性についての研究開発を行っております。
・パワー半導体実装に関する研究市場が拡大しているパワー半導体について、当社はパワー半導体の信頼性評価試験であるパワーサイクル試験受託市場での実績を持っております。
その実績を活かし、当社の得意とする実装技術との融合による高信頼性品質を提供するために、次の研究開発に取組んでおります。
1)パワー半導体の接合不具合要因となる、ボイド/クラック現象の進展予測技術の研究2)はんだ接合部などのボイド/クラックについてX線画像をもとにした画像解析ソフトの開発3)はんだ接合部に関連する信頼性試験時間の短縮化に向けた研究4)高温接合に適した焼結材料の評価技術の開発・電池に関する研究自動車をはじめ様々な電子機器やインフラ設備において、電池は重要な基幹製品となっています。
当社では、長年に亘る水系電解液の研究開発で培ってきた電気化学に関する技術知見を電池の品質解析に活かすべく、キャパシタへの技術応用の試み、あるいは電池の性能判定に必要な特徴的な電気特性の抽出の研究を進めてまいりました。
その実績を活かし、高度化する電池特性に関する顧客ニーズにお応えすべく、次の研究に取組んでおります。
1)液系や固体系に関わらず、電池性能試験の基本のひとつとして提唱するインピーダンス特性の測定方法確立2)インピーダンス測定の知見を活かした、電池の寿命予測技術の開発3)多価金属二次電池材料、フッ化物固体二次電池材料の合成、解析を通し、電池としての品質維持に必要な技術要素の抽出及び性能評価法確立 事業の系統図は、次のとおりであります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金(千円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(関連会社) SGSクオルテック株式会社大阪府大阪市中央区10,000信頼性評価事業所有49各種試験サービスの提供役員の兼任あり(注)「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2025年6月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)257(29)43.46.45,063,974 セグメントの名称従業員数(人)信頼性評価事業166(20)微細加工事業17(-)その他14(-)全社(共通)60(9)合計257(29)(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。
)であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門、基礎研究部門に所属する従業員であります。
(2)労働組合の状況当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)   (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)   (注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者4.8100.073.977.261.3(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針当社は、分析・評価・加工の技術を磨き、表面処理・実装の開発を推進し、パワー半導体・医療機器・二次電池の分野で確固たるポジションを築き、未来品質の創造に貢献するという経営方針を掲げております。
環境性能と安全性能の評価技術を確立し、安心・快適な未来社会の実現に貢献いたします。
(2)経営環境(信頼性評価事業)自動車業界における「CASE(注)」を背景に、「クルマ」の概念が大きく変わろうとしています。
近年では環境問題への対応として掲げられたカーボンニュートラルの目標達成に向け、自動車の電動化(EV、PHV、HV等)に向けた開発が進められており、次世代車の普及は世界的に年々増加するものと見ております。
これらを背景に自動車の信頼性評価試験の市場では、特に電動化・自動運転に向けた車載機器の信頼性評価の需要が大きく伸びております。
製品固有の試験需要や電動化、自動運転技術に伴う高度な試験への対応、また試験設備への投資ハードルやソフト開発へのリソースシフトを目的に、外注市場規模も大きくなっております。
また、電動自動車に多く実装されるパワー半導体需要は今後も増加すると考えられ、加えてより高性能な半導体の開発も盛んに進められております。
(微細加工事業)当事業では、車載部品、ヘルスケア、通信その他の分野で拡大を続けてまいりました。
今後注力するヘルスケア分野では、バイオセンサ市場の成長が見込まれます。
市場成長に加えて開発サイクルが長く、参入障壁も高いことから、長期に亘る安定受注が期待できる市場であると考えております。
また、レーザ加工において当社が加工するビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板、表面処理技術による電子部品は車載部品、ヘルスケア、通信その他の幅広い分野に使用されていることから、どの分野においても微細加工の需要が増加すると見ております。
技術的な進歩は目まぐるしく、短小軽薄・高多層・高精細化が進み、当社が得意とする難加工材への加工ニーズがより一層高まると考えております。
(その他事業)その他事業に属するバイオ事業では、バイオ医薬品関連の産業化は、経産省主導の国家戦略として推進されております。
(注)CASE自動車業界において次世代技術やサービスを意味する「Connected(つながる)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared(共有)」、「Electric(電動化)」の4つの英語の頭文字をつなげた造語。
(3)経営戦略等当社では、今後も発展を続ける自動車業界において、そのパラダイムシフトの方向性を的確に把握、認識し、その変化に素早く対応できるように、日ごろから体制構築を図っております。
信頼性評価事業において、当社の強みは、「独立系検査会社」であることと、試験ラインナップが多いことで実現する、幅広い顧客のニーズにワンストップで応えられる「Total Quality Solution」が可能であることと認識しており、ケイパビリティの優位性があるものと考えております。
昨今の検査データ改ざんにみられる企業の不正を無くすことが当社の存在意義であり、メーカーが自らの検査データを改ざんする可能性があるような状況においては、当社のような中立な第三者が担う信頼性評価試験の重要性が高まると考えております。
当社は、これまで培った技術力を発揮することにより業界内での存在感を増していきたいと考えております。
当社は、品質検査や分析、測定などを行う試験所等に対する要求事項を定めた試験所認定と呼ばれるISO/IEC17025の認定を取得しており、当社の技術力は国際的に認められており、今後も同認定を維持してまいります。
高度な分析には高性能の装置や設備が不可欠になることから、以前より設備投資を行ってまいりました。
顧客の要望に応えるために必要な設備を揃えることで、技術やノウハウを蓄積しております。
「(2)経営環境」でも述べたとおり、CASEを背景に2030年頃からEV(電気自動車)市場が急拡大すると言われており、当社は日本でCASEを推進している企業と取引しております。
市場が急拡大する前段階にある試作品段階では、量産時の製品の安全性を確保するため、何度も信頼性評価試験が繰り返されます。
当社はこれらの需要を着実に獲得し、その後の量産品段階での需要獲得に繋げることを目指してまいります。
自家用車の電動化が進むその先には、モビリティの小型化や建設機械及び航空分野の電動化も進むものと予測されます。
そのような環境においても、これまでどおり当社の高度な技術力に基づいた信頼性評価試験を行うことで、顧客とともに成長できるパートナーとしての確固たる地位の獲得を目指してまいります。
更に、裾野の広い自動車業界に属する主要顧客との関係性を強化、確立することで、幅広く関連企業のニーズ開拓に繋げていきたいと考えております。
微細加工事業において、自動運転に関連した製品や医療機器などは各市場の拡大が続くと考えております。
それらの市場をターゲットに高付加価値、特殊用途、小ロット多品種でも製品ライフサイクルの長い製品に関する試作の受注拡大を進めており、これらの量産受注の獲得を目指してまいります。
当社は同事業において20年以上の歴史を持っており、大ロットの量産から、小ロット多品種の試作、材料評価まで幅広い対応力を持つ強みと24時間受付、稼働することで幅広いニーズをキャッチする体制を整えております。
また、フェムト秒グリーンレーザ加工(注)など特殊な材料の加工や特殊な工法が可能なことも強みのひとつであり、これら当社の強みを活かして医療分野などで大ロット製品の量産受注を目指すなど、ターゲット市場の開拓を進める考えです。
その他事業において、バイオ事業では、国家戦略として進められるバイオ医薬品関連の産業化の機運を契機に人員体制を強化し、バイオ医療関連製品の受託検査の受注伸長を図ります。
販売戦略としては既存顧客のニーズを的確に把握するための信頼関係強化に加え、当社の技術を必要とする新しい市場の開拓、拡大が必要であると認識しております。
そのため、顧客の高度なニーズへの迅速な対応を可能にするための体制強化策として、管理職を含む各拠点の人員増強、営業本部内へのマーケティング部の設置、熊本営業所を開設した九州地区の半導体や電子部品メーカーへの販路拡大や同業他社空白地帯(北海道、東北、中四国)への積極的な営業を展開し、潜在顧客の開拓に取組みます。
技術戦略としては、顧客の多種多様なニーズに対応できる技術陣が当社の強みであり、特異技術を駆使した特殊解析のニーズへの対応力を保つことで、競争優位性を確保し、更に高度なニーズにも応えられるよう、人材育成と技術の伝承に注力し、期待以上の提案ができる集団を目指してまいります。
当社が重要と考える自動車市場は、時代とともに変化しながらも益々成長する可能性を秘めていると考えており、同市場において当社は、顧客のニーズのひとつひとつに実直に応えることで着実な成長を目指します。
当社はこれからも、環境性能と安全性能の評価技術を確立し、安心・快適な未来社会の実現に貢献することを経営基本方針とし、「未来品質の創造」をスローガンに全てのステークホルダーのため、社業に邁進してまいります。
(注)フェムト秒グリーンレーザ加工パルス幅(時間幅)が数ピコ秒(1兆分の1秒)よりも短いレーザ加工で、熱拡散する時間を与えずに分子結合を切断、除去することで、熱影響の少ない高品位な加工を可能にする工法。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、継続的な事業拡大及び成長の観点から、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標としており、業界動向及び当社業績の推移等を勘案し、適切な目標設定を行い、企業価値向上に努めてまいります。
売上高を指標とすることは、当社の主要市場の成長や同業他社の売上高との比較、分析に有用であると考え重要な指標と位置付けております。
当社が市場での競争優位性を確保しつつ売上高を向上させるために、主要市場の動向を注視し、ニーズに応える技術力の向上に取組んでまいります。
併せて、事業の収益性、販売活動の効率性を図る観点から、売上高営業利益率を重要な指標と位置付けております。
当社が市場での競争優位性を確保するために、高い付加価値の提供と効率的かつ効果的な販売活動に取組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題分析・評価・加工の技術を磨き、表面処理・実装の開発を推進し、パワー半導体・医療機器・二次電池の分野で確固たるポジションを築き、未来品質の創造に貢献するという経営方針を掲げる当社が、持続的な企業価値の向上を図るうえで、対処すべき課題として認識している事項は以下のとおりであります。
① 自動車業界以外の柱となる業界の開拓当社の主要事業である信頼性評価事業においては、特に自動車業界に属する特定顧客への売上割合が高い状況です。
2025年6月期は、同事業におけるパワーサイクル試験や断面研磨、分析・解析の分野において、半導体業界への拡販活動で特定顧客への依存度を低減できたことと、微細加工事業において、ヘルスケア業界での試作受注が進むなど、一定のリスク低減が認められました。
引き続き顧客基盤の拡充を課題として、特定業界の売上割合の低減を進めてまいります。
② 設備の増強顧客が取組む新規開発には、様々な試験、分析が繰り返し行われます。
近年はより高度な試験、検査のニーズが高まっております。
また、半導体需要の増加に伴う試験、検査需要の増加に対応すべく、サービスの高度化やスピードの重要性が更に高まると考えております。
これに対応するため、パワエレテクノセンター(堺市西区)の新設とそれに伴う移転跡地の活用等により、当社は2025年6月期に「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載の設備投資を実施しました。
投資した設備を十分に活かすことを課題としつつ、今後も顧客ニーズを機動的に捉えた設備の増強を図り、顧客対応力と生産性向上を追求してまいります。
③ 技術力の向上顧客の新規開発フェーズでは、様々な困難に直面する場面が多くあり、その困難をともに解決する技術力を高める必要があると考えております。
顧客の求める新規技術やサービス提供力を高めるために、2025年6月期には部門間横断チームによる事業部門と研究開発部門の連携を開始しました。
今後、これらの試みを効果的に業務に活かすことを課題として、これまでの経験により蓄積された見識による技術力に加えて、新たな試験や検査への取組でより知見を深め、更なる技術力の向上を続けてまいります。
④ 新規事業の醸成次世代半導体基板開発において当社が強みとしている分析・解析で貢献するとともに、新たに、当社は2025年7月から次世代成長事業として、ユニバーサルめっき法(当社独自開発)によるコーティング技術の開発「MAP(Mist-Assisted universal Plating)プロジェクト」を始動いたしました。
近年、次世代成長産業は、原材料や装置等のコスト急騰によりそのコア事業の継続が難しく、また環境規制への対応も今まで以上に企業に求められています。
本プロジェクトでは、次世代成長産業を支えるための低コストかつ安定供給可能な環境配慮型技術の確立を目指します。
このユニバーサルめっき法により、高品質で緻密な機能性膜の形成が可能となり、「通信」「半導体」「医療」「航空宇宙」「再エネ」等の次世代成長産業の発展へ大きく寄与できる可能性に挑戦してまいります。
⑤ 優秀な技術者の採用・育成と労働環境づくり当社では、今後も益々高度化する顧客ニーズに応えるために、優秀な技術者の採用と育成が必要不可欠であると認識しております。
採用市場における競争激化により人材確保が難しい状況下で、当社は積極的な採用活動を進め、従業員数は「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおり増加いたしました。
採用した技術者の育成に努めるとともに、採用後も高いモチベーションを維持しながら安心して働くことができる労働環境づくりを課題として取組んでまいります。
⑥ 営業体制の強化当社の継続的な事業成長には、既存顧客のニーズを的確に把握するための信頼関係強化に加え、当社の技術を必要とする新しい市場の開拓、拡大が必要であると認識しております。
そのため、顧客の高度なニーズへの迅速な対応を可能にするための体制強化策として、2025年6月期は管理職を含む各拠点の人員増強、営業本部内へのマーケティング部の設置、2024年2月に営業所を開設した九州地区や同業他社空白地域への積極的な拡販活動等に取組みました。
増強した人員の早期戦力化を課題として、更なる体制強化を推進してまいります。
また、当社の技術力を広くアピールするための積極的な展示会への出展やホームページやメディアへの露出によるPR等も活用し、顧客開拓に取組んでまいります。
⑦ 情報セキュリティの強化当社では、技術や営業に関する情報、取引先の重要情報など多くの情報を取扱っており、情報セキュリティの強化が重要であると認識しております。
2025年6月期には、技術的対策としてのアクセス制御やマルウェア対策、物理的対策としての入退室管理、人的対策としてのセキュリティ教育訓練等に取組み、リスク低減が進みました。
今後も更なる情報セキュリティの高度化を課題として、規程等を整備しつつ、情報セキュリティ委員会を通じて、情報資産の機密性、完全性、可用性の視点から情報セキュリティの維持、向上の取組を行うなど、情報資産の流出や外部からの攻撃への対応策を徹底いたします。
それにより、情報資産の毀損による損害の防止や取引先からの信頼に応えるべく、情報セキュリティの強化を継続的に図り、万全な防御体制の構築を進めてまいります。
⑧ 内部管理体制の強化当社は、より一層の事業拡大を進めるうえで、また上場企業としての責務を果たすため、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。
2025年6月期は内部管理体制の高度化や社内教育としての下請法研修等に取組み、社内のリスクに対する感度を高めました。
ただし年々厳格化される法整備やルール強化等へ確実に対応するための体制強化を課題として、引き続きコンプライアンスを重視した経営管理体制を敷くことで、経営の公平性や透明性の確保を進めてまいります。
⑨ ESG・社会貢献活動の強化(環境負荷への低減策)当社は、様々な試験装置を稼働させる業種であることを踏まえつつ、日常業務における環境配慮を意識しています。
限りある資源を有効活用するため、顧客にサンプルをご返却する際に使用している梱包用の段ボール箱やノベルティとして配布したカレンダーを、再生紙を利用したものに変更しました。
今後も実行可能な施策を見極めながら、環境負荷低減に取組んでまいります。
(地域社会への貢献)地域との共生を重視し、地元人材の採用や地域企業との協力関係構築を通じて、地域に根差した企業活動を行っています。
堺市教育委員会による「企業による学びの応援プログラム」を通じて、技術・研究機関としての特徴を活かした小学校への出前授業を実施しております。
また、当社は自動車メーカーとともに、車の品質安全を保証し、交通事故ゼロを目指す立場です。
当社も事業においてかかわりのある自動車における事故で亡くなられたり、重度の後遺障害になられた方の残されたお子様に支援を行う機関を選定し、寄付を実施しました。
次世代への科学教育支援や教育の機会均等を図ることで、地域に根差した企業市民としての責任を果たしてまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス当社では、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制の強化策として、代表取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を設置しております。
同委員会は四半期に1度開催され、発生及び想定されるリスクの評価や対応等に関する審議を実施しております。
同委員会にて、サステナビリティの対応方針や実行計画の策定、これに基づくサステナビリティ推進活動の進捗の把握・評価・検証などを行い、取締役会の監督のもとサステナビリティ推進に取組んでおります。
(2)戦略当社の持続的成長には、顧客の多種多様なニーズに対応できる高い意欲と技術力を備えた技術者及び事業を支えるコーポレート職まで、様々なバックグラウンドと知見を持つ人材が、当社の価値創造の最大の源泉であると考えております。
よって当社では人材戦略として以下の取組を実施しております。
① 教育・研修制度の整備当社の各種業務を遂行するためには、その難易度に応じたスキルや知識が必要となります。
このため社内でのOJTのみに頼らず社外講習等を受講する等で最新の知識を習得し、これを業務に活用する動きを続けております。
一方で次代を担う人材育成を目的として、階層別研修の実施により新たなリーダーの育成とともにコンプライアンス教育にも注力しております。
② 採用活動新卒採用においては、採用支援業者との協力に加え、従業員の出身大学等への働きかけにも注力して前途有望な人材の採用を推進しております。
一方、中途採用においては、人材紹介会社との連携強化を行うとともに、一部の部署では派遣人材を育成後に正社員として登用する事例が増加する等、社内の人材ニーズに採用の間口を拡大して対応しております。
③ 働きやすい環境づくり当社では働き手の待遇改善を積極的に行い、定着率の向上につなげております。
有給消化の推進に加え、給与改定、残業時間削減等の待遇改善を実施しました。
働き方改善策として時短勤務等の柔軟な働き方に加え、育児、介護休暇の取得推奨にも注力しております。
また、ハラスメント防止対策としての内部通報制度に加え、様々な従業員の悩みへの対応を目的として人事相談窓口を設置して取組むことにより、離職率は低下の傾向にあります。
(3) リスク管理当社では、サステナビリティに関するリスクを含むリスク全般について、リスク管理の全社的推進と必要な情報共有を図ることを目的とし、原則四半期に1回開催しているリスク・コンプライアンス委員会において、発生したリスク及び予想されるリスクの評価や対応等に関する審議をしております。
同委員会において、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別、評価し、発生可能性と影響度合により優先順位付けを行って、回避、軽減するか受容するか等の対策の決定を行うとともに、対策の進捗を管理しております。
また、災害等により危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できるよう、同委員会内に部門を横断したBCP検討チームを設置し、必要な対策の策定と改善に向けた検討を継続的に行っております。
なお、同委員会の審議結果については取締役会に報告しております。
(4) 指標及び目標当社では、上記「
(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
指標目標実績(当事業年度)離職率2027年6月までに 5%以内7.9%男性労働者の育児休業取得率   (注)1.2027年6月までに90%以上100.0%管理職に占める女性労働者の割合 (注)2.2027年6月までに 8%以上4.8%労働者の男女の賃金の差異    (注)2.2027年6月までに85%以上73.9%(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
戦略 (2)戦略当社の持続的成長には、顧客の多種多様なニーズに対応できる高い意欲と技術力を備えた技術者及び事業を支えるコーポレート職まで、様々なバックグラウンドと知見を持つ人材が、当社の価値創造の最大の源泉であると考えております。
よって当社では人材戦略として以下の取組を実施しております。
① 教育・研修制度の整備当社の各種業務を遂行するためには、その難易度に応じたスキルや知識が必要となります。
このため社内でのOJTのみに頼らず社外講習等を受講する等で最新の知識を習得し、これを業務に活用する動きを続けております。
一方で次代を担う人材育成を目的として、階層別研修の実施により新たなリーダーの育成とともにコンプライアンス教育にも注力しております。
② 採用活動新卒採用においては、採用支援業者との協力に加え、従業員の出身大学等への働きかけにも注力して前途有望な人材の採用を推進しております。
一方、中途採用においては、人材紹介会社との連携強化を行うとともに、一部の部署では派遣人材を育成後に正社員として登用する事例が増加する等、社内の人材ニーズに採用の間口を拡大して対応しております。
③ 働きやすい環境づくり当社では働き手の待遇改善を積極的に行い、定着率の向上につなげております。
有給消化の推進に加え、給与改定、残業時間削減等の待遇改善を実施しました。
働き方改善策として時短勤務等の柔軟な働き方に加え、育児、介護休暇の取得推奨にも注力しております。
また、ハラスメント防止対策としての内部通報制度に加え、様々な従業員の悩みへの対応を目的として人事相談窓口を設置して取組むことにより、離職率は低下の傾向にあります。
指標及び目標 (4) 指標及び目標当社では、上記「
(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
指標目標実績(当事業年度)離職率2027年6月までに 5%以内7.9%男性労働者の育児休業取得率   (注)1.2027年6月までに90%以上100.0%管理職に占める女性労働者の割合 (注)2.2027年6月までに 8%以上4.8%労働者の男女の賃金の差異    (注)2.2027年6月までに85%以上73.9%(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ① 教育・研修制度の整備当社の各種業務を遂行するためには、その難易度に応じたスキルや知識が必要となります。
このため社内でのOJTのみに頼らず社外講習等を受講する等で最新の知識を習得し、これを業務に活用する動きを続けております。
一方で次代を担う人材育成を目的として、階層別研修の実施により新たなリーダーの育成とともにコンプライアンス教育にも注力しております。
② 採用活動新卒採用においては、採用支援業者との協力に加え、従業員の出身大学等への働きかけにも注力して前途有望な人材の採用を推進しております。
一方、中途採用においては、人材紹介会社との連携強化を行うとともに、一部の部署では派遣人材を育成後に正社員として登用する事例が増加する等、社内の人材ニーズに採用の間口を拡大して対応しております。
③ 働きやすい環境づくり当社では働き手の待遇改善を積極的に行い、定着率の向上につなげております。
有給消化の推進に加え、給与改定、残業時間削減等の待遇改善を実施しました。
働き方改善策として時短勤務等の柔軟な働き方に加え、育児、介護休暇の取得推奨にも注力しております。
また、ハラスメント防止対策としての内部通報制度に加え、様々な従業員の悩みへの対応を目的として人事相談窓口を設置して取組むことにより、離職率は低下の傾向にあります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 指標目標実績(当事業年度)離職率2027年6月までに 5%以内7.9%男性労働者の育児休業取得率   (注)1.2027年6月までに90%以上100.0%管理職に占める女性労働者の割合 (注)2.2027年6月までに 8%以上4.8%労働者の男女の賃金の差異    (注)2.2027年6月までに85%以上73.9%(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)市場環境に関するリスク① 自動車業界の構造変化に伴う業績変動リスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の主要事業である信頼性評価事業は、自動車業界が主要な顧客であり、当社の業績は同業界の研究開発の動向及び生産動向に強く影響を受けております。
今後、同業界の業界構造変化による研究開発の動向及び生産動向の大幅な変動、並びに他業種企業が同業界に新規参入することにより既存の同業界企業との間でシェア争いが発生した結果、いわゆるゲームチェンジが起こることにより同業界の構造が大きく変化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
この影響を最小限に留めるべく、積み上げてきた実績・技術を背景に、引き続き顧客基盤の拡充を図るとともに、新たな分野への進出による事業拡大を進め、同業界への依存度低減を図ってまいります。
② 技術革新に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の事業分野においては、自動車業界をはじめとして新しい技術が急速に発展しております。
当社においても当社事業分野における技術革新に対応するために、研究開発に対して多くの経営資源を投入しております。
加えて、学会の講演や各研修への参加、社内の定期的な勉強会等を通じて、技術革新の動向を把握するとともに、それに対応したサービスの提供ができるよう努めております。
しかしながら、当社の研究開発の成果が顧客要求水準を満たさず、顧客の求めるサービスとして適用されなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 重要な設備投資に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の事業分野においては、試験設備等が重要な差別化要因となっており、当社では他社との差別化を図るため積極的な設備投資を行っております。
しかし、市場環境の変化等により試験設備が陳腐化し投資額の回収が見込めなくなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 競合他社、新規参入に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社は、独立系検査会社であり第三者機関としての責務を果たすため、日々技術力の向上に努め、顧客の高水準のニーズに対応することで、競合他社と比較して優位性を確保できていると考えております。
また、既存顧客との関係強化や新規顧客への取引拡大により、各事業における競争優位性を維持・向上させる事業活動を行っております。
しかしながら今後、新規参入企業の増加や当社の技術力を上回る国内外の企業が出現する可能性があります。
これらにより、市場競争が激化し、当社が市場における競争力を維持できない場合や、顧客が競合他社のサービスに移行した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内製化に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社は、顧客との連絡を密に取り顧客の開発動向に係る方針転換について情報収集に努め、受注減少のリスクを低減するとともに顧客のニーズに対応する提案を行い、受注拡大に努めております。
しかしながら、当社の主要事業である信頼性評価事業や微細加工事業について、顧客が自ら設備投資を行い、あるいは顧客グループ内企業でそれらの事業を行う等の内製化が推進された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ エネルギー価格の変動に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社の信頼性評価事業における各種検査装置や微細加工事業におけるレーザ加工機といった当社設備の稼働コストは、電力等のエネルギー価格高騰による影響を受けております。
これらに対して、電力等のエネルギー消費量を抑えるなどの原価低減施策や販売価格の見直しなどによって対応できるよう努めておりますが、電力等のエネルギー価格の高騰に対応した十分な原価低減施策や販売価格の見直しを行えない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ 米国の関税政策に関するリスク  (顕在化の可能性:大/影響度:中/発生時期:1年以内)米国の関税政策については、現時点では直接的な影響は軽微なものと考えております。
これは当社が主に関与しているのが、自動車メーカーや電機メーカーの研究開発・設計段階における信頼性評価や分析・故障解析業務であり、これらは市場環境にかかわらず、顧客の次世代製品の競争力を確保するために不可欠な工程であり、基本的には中長期的な技術開発投資の一環として継続されるケースがほとんどであるのがその理由です。
しかし先行きは不透明な状況となっており、今後の米国の政策動向によっては当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)事業に関するリスク① 品質に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社では、高品質で顧客満足度の高いサービスが提供できるよう、従業員への教育による技術レベルの向上に努めておりますが、顧客が求める品質水準に至らない場合や、満足度の低下により受注の減少が生じた場合、提供したサービスに予期せぬ欠陥等が発生し、その欠陥に起因して顧客が被った損害の責任を負うこととなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 特定顧客への依存リスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の主要事業である信頼性評価事業においては、自動車業界の顧客(特にトヨタ自動車グループのサプライチェーンに関連する企業群)向けの売上割合が高い状況です。
株式会社デンソーとは長期間に亘って取引関係を構築しており、同社向け売上高は2025年6月期において597,248千円となり、当社売上高の14.8%を占めております。
当社は、自動車の電動化・電装化等により新たに見込まれる需要の取り込みや、自動車業界以外への業界シェア拡大に努めておりますが、同社グループの業績等が変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 継続的な受注獲得に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の事業が成長していくためには、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用が重要であると考えております。
これらを促進するために、提供サービスの拡大及び品質の向上に加えて、潜在的顧客及び受注獲得のための最適な営業活動の遂行に注力しております。
しかしながら、需要に応じたサービスが提供できない場合や、営業活動による効果が十分に得られない場合には、新規受注獲得や既存顧客からの受注が減少する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材確保及び育成に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の事業は、高い意欲と技術力を備えた人材に支えられています。
従って、優秀な人材の確保・育成・定着率の向上が経営上重要となります。
しかしながら、労働市場においては、少子高齢化による労働人口の減少により、中長期的には人材の確保が難しくなる傾向にあります。
当社といたしましては引き続き優秀な人材の確保に努め、人材育成に注力してまいります。
また、安全で働きやすい職場環境づくりに向け、適切な労働時間管理、長時間残業の撲滅、ハラスメント予防に関する社員教育の徹底などにも取組んでおりますが、雇用情勢や経済環境によっては、計画どおりの人材確保・育成ができず当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内部管理体制に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社では、企業価値を継続的、安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が不可欠であると認識し、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの充実・強化に努めております。
しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 特定時期への売上の集中リスク  (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社の主要事業である信頼性評価事業においては、顧客の決算期である3月に納期が集中することから、売上高及び利益は第3四半期(1月-3月)に増加し、第4四半期(4月-6月)には減少する傾向にあります。
また、第3四半期に予定していた試験や検査の完了及び検収が遅延した場合には、売上高及び利益の計上が第4四半期にずれることにより、当社の四半期の業績に変動が生じる可能性があります。
当社は特定の事業分野への依存を避けるべく、常に新たな技術分野への事業展開を図っておりますが、信頼性評価事業においては自動車業界における電動化の進展等により需要の拡大が見込まれることから、当面の間は当社の主要事業であり続けることが想定されるため、上記の変動のリスクは継続することが予想されます。
⑦ 顧客の与信リスク  (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社の主な顧客は大手企業で顧客数は多数に及びます。
当社は、与信管理規程を制定し、取引開始時に信用状況の調査及び与信限度額を設定し、顧客ごとに期日及び与信残高を管理するとともに、年1回与信限度額を見直し、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握及び軽減を図っております。
しかしながら、顧客の業績悪化により回収遅延や回収困難となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 減損会計適用に関するリスク  (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社は、各事業所における信頼性評価試験・分析装置をはじめとした有形固定資産を所有しております。
これらの資産については、減損会計を適用し、減損の兆候がある場合には当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。
しかし、将来の環境変化等により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク  (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社は、将来減算一時差異に係る繰延税金資産を計上しており、その回収可能性を評価しておりますが、繰延税金資産の計算は、将来の一定期間における事業計画に基づく課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果が予測・仮定とは異なる可能性があります。
事業計画の達成度合い等により、当該見積りを見直し、繰延税金資産の全部又は一部の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額と税金費用の計上が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク① コンプライアンスに関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社では、事業活動が法令及び内規を遵守して遂行されるよう、コンプライアンス規程を整備し、法令遵守の啓蒙活動や内部監査などを通じた検証を行っております。
しかしながら、当社の役員及び従業員、外部委託先等の第三者が法令等に違反した場合や、社会的に不適切とみなされる行為に及んだ場合には、法令等による処分や処罰、社会的制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、当社の社会的信頼が損なわれるだけでなく、従業員の身体的、精神的不安や金銭的損害を被ることにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社では、特許権の取得により知的財産権の保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、他社の有する知的財産権についても権利を侵害しないよう注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)その他のリスク① 災害の発生等によるリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)地震等の自然災害や火災・事故等により、当社の従業員や試験設備等が被害を受ける可能性があります。
これに伴う売上高の減少や試験設備等の修復又は代替のための費用が想定以上に発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 情報漏洩によるリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社では、顧客の機密情報を取扱っており、情報セキュリティに関する規程等の策定、機密データへのアクセス管理のほか、セキュリティエリアへの電子鍵による入退室管理や監視カメラでの出入り口の監視を行うなど情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 地政学的リスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化により引き起こされる物価の高騰や為替相場の変動等により景気動向が減速することで、顧客の業績悪化や投資行動が急激に変化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 主要株主に関するリスク  (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社株式の40.01%を当事業年度末日現在所有する主要株主である志方廣一氏は当社の創業者であり、当社取締役であるため、今後も当社の安定株主と認識しております。
引き続き当社の企業価値向上に努めてまいりますが、将来的に何らかの事情により、主要株主が保有する株式数が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況(資産)当事業年度末における総資産は4,346,082千円となり、前事業年度末に比べ205,351千円増加いたしました。
流動資産は2,522,985千円となり、前事業年度末に比べ371,020千円減少いたしました。
これは主に「売掛金」106,319千円増加、「現金及び預金」367,757千円減少、「電子記録債権」60,745千円減少及び「仕掛品」53,362千円減少によるものであります。
固定資産は1,823,096千円となり、前事業年度末に比べ576,371千円増加いたしました。
これは主にパワエレテクノセンター開設に係る工事や分析・試験設備等の取得に伴う「工具、器具及び備品」272,390千円、「建物」265,608千円、「リース資産」96,255千円の増加、及び「投資有価証券」49,999千円減少によるものであります。
(負債)当事業年度末における負債は1,068,995千円となり、前事業年度末に比べ84,243千円増加いたしました。
流動負債は665,933千円となり、前事業年度末に比べ23,178千円減少いたしました。
これは主に分析・試験設備の取得等に伴う「未払金」109,573千円増加、「未払費用」61,759千円減少、「未払法人税等」52,741千円減少及び「1年内返済予定の長期借入金」12,500千円減少によるものであります。
固定負債は403,062千円となり、前事業年度末に比べ107,422千円増加いたしました。
これは主に「リース債務」76,650千円増加及び「退職給付引当金」21,915千円増加によるものであります。
(純資産)当事業年度末における純資産は3,277,086千円となり、前事業年度末に比べ121,107千円増加いたしました。
これは主に「当期純利益」219,807千円の計上及び剰余金の配当98,700千円によるものであります。
② 経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、景気回復が緩やかに進んでいると考えられます。
インバウンド需要が回復し、消費は消費者マインドに弱さがみられるものの堅調な動きを見せております。
もっとも、円安の長期化や中国経済の先行き懸念、ウクライナ・中東の地政学的リスク、米国関税の政策運営等、わが国経済を取り巻く世界情勢は依然として予断を許さない状況となっております。
一方、当社を取り巻く環境は、主要顧客が属する自動車業界においては、電動化推進の動きが活発になっております。
環境問題に関しての脱炭素化への取組も加速しており、特に電力消費削減技術としてパワー半導体の需要が高まっております。
パワー半導体は自動車やエネルギー産業での使用が拡大しており、今後も開発競争が続くと見ております。
このような状況で、当社は主力事業である信頼性評価事業において成長戦略に向けた拡販体制増強を図り、車載及び半導体産業を中心に顧客需要に積極的に対応してまいりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高4,025,193千円(前年同期比11.1%増)となりました。
営業利益は主に労務費の計上により売上原価2,786,295千円(同10.5%増)を計上、給料手当、研究開発費を中心とした販売費及び一般管理費を854,111千円(同18.4%増)計上した結果、384,786千円(同0.9%増)となりました。
また、経常利益は、営業外収益にて主に固定資産売却益の計上により1,403千円(同9.7%減)を計上、営業外費用にて主に支払利息の計上により1,766千円(同89.1%減)を計上した結果、384,423千円(同4.8%増)となり、投資有価証券評価損等の特別損失の影響により当期純利益は219,807千円(同18.6%減)となりました。
売上高と営業利益はともに過去最高額を更新し、増収増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。
(信頼性評価事業)信頼性評価事業では、パワーサイクル試験において主要顧客からの受注が好調に推移していることや顧客の内製化の動きにより、過去販売したパワーサイクル試験装置の改造案件が業績を牽引しました。
信頼性試験では、顧客要望に対応した試験メニューの拡大により受注が順調に推移しました。
断面研磨も引き続き順調な受注推移となっております。
売上原価は成長戦略に向けた拡販体制増強により費用が膨らむも、売上総利益は増益となりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,553,606千円(前年同期比11.2%増)、営業利益1,061,076千円(同7.8%増)となりました。
(微細加工事業)微細加工事業では、レーザ加工において試作品加工が堅調な受注を獲得しております。
また、当事業年度より当セグメントとなった表面処理技術においては、主要顧客の開発案件受注が好調に推移したことにより業績に寄与しました。
売上原価は減価償却費が減少し、売上総利益は増益となりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高413,667千円(前年同期比8.2%増)、営業利益184,725千円(同42.3%増)となりました。
(その他事業)その他事業では、バイオにおいて厚生労働省案件である医療用消耗品の信頼性試験受注が好調に推移したことにより、売上高が大きく伸長しました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高57,919千円(前年同期比25.4%増)、営業損失13,422千円(前年同期は営業損失19,091千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、営業活動により514,294千円増加、投資活動により738,718千円減少、財務活動により143,344千円減少の結果、前事業年度末に比べ367,768千円減少し1,370,466千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は514,294千円(前年同期は637,627千円の増加)となりました。
これは主に「減価償却費」346,142千円及び「税引前当期純利益」314,886千円の資金の増加と、「未払費用の減少額」61,759千円、「売上債権の増加額」39,697千円及び「未払又は未収消費税等の増減額」33,843千円の資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果減少した資金は738,718千円(前年同期は429,881千円の減少)となりました。
これは主にパワエレテクノセンター開設等に伴う「有形固定資産の取得による支出」734,279千円の資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果減少した資金は143,344千円(前年同期は431,516千円の増加)となりました。
これは主に「配当金の支払額」98,363千円及び「長期借入金の返済による支出」30,000千円の資金の減少によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績イ.生産実績当社が提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから、記載を省略しております。
ロ.受注実績当社が提供する主要なサービスは、受注から売上計上までの期間が短期間であり、受注実績と販売実績に大きな乖離が生じないため、記載を省略しております。
ハ.販売実績当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)販売高(千円)前年同期比(%)信頼性評価事業3,553,606111.2微細加工事業413,667108.2その他57,919125.4合計4,025,193111.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社デンソー631,77817.4597,24814.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、各種経営課題に取組んでおります。
当社の信頼性評価事業のビジネスモデルの特徴として、固定比率の高いコスト構造となっており、売上高増が営業利益増に直結する傾向にあります。
現在は積極的な投資を推進しており、その影響により売上高営業利益率は概ね同水準で推移しております。
なお、当期の売上高は信頼性評価事業の受注が堅調に推移したことにより4,025,193千円となり、売上高営業利益率は9.6%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要の主なものは、設備投資資金として、主要事業である信頼性評価事業に係る信頼性評価試験及び分析・故障解析に関する新しい分野を開拓するための試験設備の購入であり、運転資金として、事業を拡大するための消耗部材の購入、サービスや技術向上を目的とする人員を確保するための人件費や外注費であります。
資本の財源及び資金の流動性について、設備投資資金及び運転資金は主として自己資金で充当し、必要に応じて借入及びリースによる資金調達を実施することを基本方針としています。
当事業年度において、設備投資資金及び運転資金は自己資金を充当し、現金及び現金同等物の残高は1,370,466千円となっております。
当社は、引き続き強固な財務基盤を構築するため、有利子負債の削減に努め、健全な財務状態、安定的なフリーキャッシュ・フローの創出を図り、成長を維持するために将来必要な設備投資資金及び運転資金を調達する予定であります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ.繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ロ.固定資産の減損処理固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
研究開発活動 6【研究開発活動】
当社は、事業の柱となる信頼性評価事業、微細加工事業を支えるべく、研究開発活動を推進しており、当事業年度における研究開発費は179,095千円となりました。
研究開発活動の主な成果は次のとおりであります。
なお、研究開発活動は事業セグメントを横断する内容となっているため、全社として研究開発活動の概要を開示しております。
<受託研究及びコンサルティング>・エレクトロマイグレーション現象やはんだ実装に関連した領域に加え、信頼性試験時間短縮や腐食に関連した受託研究案件を、当社の得意とする電気化学系の技術・知見を活かし、研究開発部の人的リソースを使って対応いたしました。
本件は当部門が技術的な窓口となり、当社事業部門と連携することで、事業部門の売上高にも貢献いたしました。
・車メーカーや車載機器製造メーカーでの経験を活かし、車載用電子機器を中心とした様々な種類のECU(エンジンコントロールユニット)やMCU(マイクロコントローラ)に対するノイズ対策についてのコンサルティングを実施いたしました。
<信頼性・分析関連>・電子部品の実装後の信頼性試験で発生するはんだクラックは電子製品の寿命や信頼性に大きく影響を及ぼします。
このはんだクラックの発生メカニズムを解明することは電子機器の寿命予測において貴重な知見をもたらします。
現在、当社はこのはんだクラックの発生メカニズムを解明するために、様々な部品の接合状態(チップ抵抗、チップコンデンサ、SOP(Small Outline Package)、BGA(Ball Grid Array)、半導体とリードフレームの界面など)を観察し、観察結果に人工知能技術を取り入れた新しい不具合解析手法を提供するアプリケーションの開発に注力しております。
研究成果については2024年9月に開催された溶接学会秋季全国大会や、MES2024(第34回マイクロエレクトロニクスシンポジウム)特別企画セッションなどで発表いたしました。
・二次電池チームにおいては、ガラスにおけるイオン交換技術に関連した研究活動を行い、その研究活動の成果として、2025年4月にChemistry Letters誌(日本化学会)に投稿した論文が掲載されました。
・電池の寿命予測に関する研究として、固体電池のインピーダンス測定の精度改善という需要に応えるための研究に取組んでいます。
インピーダンスを正しく測定することで、電池不具合に対する知見を獲得し、電池の寿命予測や電池交換における指標が得られることを期待しています。
当該技術についての現時点での研究成果を2024年11月の電池討論会で発表いたしました。
<製造技術関連>・人工知能研究チームにおいては、住友電気工業株式会社との共同研究において、知的障がい者の方がアノテーションから学習や評価に至る一連の業務を主動し、画像セグメンテーション用AIを開発可能とする「Human-in-the-loop」を実現する機械学習システムを開発しました。
この研究成果については2025年5月の人工知能学会全国大会にて発表いたしました。
当該技術は、当社の不良個所を自動検知するシステム「Qualap(AI画像検査プラットフォーム)」の改善や、当社内の様々な業務における人工知能技術の応用が期待できます。
・研磨業務の効率改善と技術の伝承を目的とした、研磨支援装置の開発を継続しています。
アーム型ロボットに対し、実研磨(精度±100μm)レベルでの対応が可能となりました。
現状では人が研磨状態を確認しながら作業をロボットに対応させていますが、将来的に自動で研磨作業が対応できるレベルに向けて改良・調整中であります。
<次世代成長事業>・新規次世代半導体材料である二酸化ゲルマニウム(以下、GeO2という。
)の研究開発拠点として、滋賀半導体研究開発センターを立ち上げ、Patentix株式会社とともに薄膜の成膜技術開発や成膜装置の開発を本格的に開始いたしました。
また、昨年8月にはPatentix株式会社とGeO2の有償サンプル出荷に向け、当社が出荷検査を行うことに基本合意を締結いたしました。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
当社では、分析・試験設備等の充実・強化を目的とした設備投資を継続的に実施しております。
なお、有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含めて記載しております。
当事業年度の設備投資の総額は、984,784千円であり、セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。
なお、重要な設備の除却又は売却等はありません。
(1)信頼性評価事業パワエレテクノセンター開設に係る工事や分析・試験設備を中心に809,996千円の投資を実施いたしました。
(2)微細加工事業表面処理技術への安全対策の緊急用シャワー等の装置充実を中心に12,344千円の投資を実施いたしました。
(3)その他事業バイオへの信頼性試験装置を中心に9,475千円の投資を実施いたしました。
(4)全社共通新規事業開発や研究開発の装置を中心に152,968千円の投資を実施いたしました。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
2025年6月30日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物機械及び装置工具、器具及び備品リース資産その他合計本社(堺市堺区)信頼性評価事業微細加工事業その他全社統括業務施設分析・試験設備322,299195,056311,154103,87714,022946,411190(21)パワエレテクノセンター(堺市西区)信頼性評価事業分析・試験設備260,8235,07451,403-17,853335,15323(3)名古屋品質技術センター(愛知県豊明市)信頼性評価事業分析・試験設備10,92236,56338,552069886,73528(5)東京営業所(東京都大田区)信頼性評価事業分析・試験設備36,982033,935--70,91710(-)(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、「構築物」及び「車両運搬具」等であり、「建設仮勘定」は含んでおりません。
2.土地及び事務所を賃借しており、年間賃借料は125,470千円であります。
3.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。
)であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
4.現在休止中の主要な設備はありません。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定額資金調達方法着手年月完成年月完成後の増加能力総額(千円)既支払額(千円)本社(堺市堺区)信頼性評価事業分析・試験設備150,000-リース2025年12月2025年12月(注)(注)完成後の増加能力については、計数把握が困難であるため、記載を省略しております。
(2)重要な設備の除却等経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動179,095,000
設備投資額、設備投資等の概要12,344,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況43
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況6
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況5,063,974
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式については、継続的取引関係がある企業との関係強化、緊密化を図る一方で、慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除するとともに、将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するか否かなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、中長期的な事業拡大と持続的発展のために、業務提携、取引の維持・拡大、事業の円滑な運営上必要と認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しないこととしております。
政策保有株式の保有の合理性は、原則として年1回、取締役会において、個別銘柄ごとの受取配当金、受取利息、時価及び評価損益や保有先との取引高などの定量面、及び取引の維持・拡大などの定性面を総合的に勘案し、保有に伴うリスクが見合っているかを検証しております。
検証の結果、保有の妥当性が認められない場合には縮減を進めてまいります。
ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式10非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。
ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社0

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年6月30日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
志方 廣一大阪府寝屋川市940,20040.01
CBC株式会社東京都中央区月島二丁目15番13号180,0007.66
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号45,3001.93
小田 昌平宮城県仙台市青葉区30,8001.31
西村 裕二東京都渋谷区28,5001.21
NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB)(常任代理人 野村證券株式会社)1 ANGEL LANE,LONDON,EC4R 3AB, UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋一丁目13番1号)23,3000.99
谷口 精治石川県金沢市21,0000.89
望月 和寿静岡県静岡市葵区20,1000.86
BBH LUX/BROWN BROTHERS HARRI MAN(LUXEMBOURG) SCA CUSTODIAN FOR SMD-AM FUNDS-DSBI JAPAN EQUITY SMALL CAP ABSOLUTE VALUE(常任代理人 株式会社三井住友銀行)80 ROUTE D‘ESCH LUXEMBOURG LUXEMBOURG L-1470(東京都千代田区丸の内一丁目1番2号)20,1000.86
井原 伸介東京都江東区20,0000.85
田村 光司奈良県生駒市20,0000.85計-1,349,30057.42(注)上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
株式会社日本カストディ銀行(信託口)      45,300株
株主数-金融機関3
株主数-金融商品取引業者16
株主数-外国法人等-個人13
株主数-外国法人等-個人以外10
株主数-個人その他2,071
株主数-その他の法人36
株主数-計2,149
氏名又は名称、大株主の状況田村 光司
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Shareholders2

発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)普通株式2,350,000--2,350,000

Audit1

監査法人1、個別有限責任 あずさ監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年9月24日株式会社クオルテック 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士福島 康生 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士三宅  潔 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社クオルテックの2024年7月1日から2025年6月30日までの第33期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社クオルテックの2025年6月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
信頼性評価事業の収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、電子部品等に対する信頼性評価事業において各種試験サービスを顧客へ提供している。
当該信頼性評価事業に係る売上高は、【注記事項】
「(セグメント情報等)【セグメント情報】
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」に記載のとおり、3,553,606千円であり、売上高の88.3%を占めている。
【注記事項】
「(重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、信頼性評価事業は、主に各種試験サービスの役務提供を履行義務として識別しており、原則として会社は顧客が検収した時点で履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識している。
信頼性評価事業の役務提供は、得意先の決算期である3月に納期が集中しており、主に以下の理由から、3月月次に顧客による検収が未了又は無いにもかかわらず売上が計上されるリスクが存在している。
● 納品から顧客による検収までの期間が一定ではない中で、3月の納品が多く、多数の検収確認を行う必要がある。
● 信頼性評価事業の役務提供は、納品時に財の移動を伴わず(出荷証憑等が存在せず)、売上証憑として顧客から回収する検収書への依存度が大きい。
● 取引毎に各種試験サービスの役務提供内容が異なり、履行義務等検収内容の実態把握を踏まえた検収日の確認を行う必要がある。
以上から、当監査法人は、信頼性評価事業の収益認識の適切性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、信頼性評価事業の収益認識の適切性を検討するため、監査チームの上位メンバーが関与して、主に以下の監査手続を実施した。
(1) 内部統制の評価売上の認識プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。
● 事業部門とは独立した管理部門の担当者が、売上データと顧客からの検収書の整合性を確認する仕組み及びその実効性の有無。

(2) 収益が適切に計上されているか否かの検討3月月次の売上が適切な会計期間に認識されていること、及び実在することを検討するため、過去の売上の月次趨勢等を踏まえ、3月月次の売上取引に対して、主に以下の監査手続を実施した。
● 取引の実態の有無に留意し、検収書等の根拠資料との突合を行い、取引の実在性を検討する。
● 3ヶ月経過となる6月末時点で未入金の売掛金に対し、未入金理由をヒアリングし、当該未入金理由に関する証拠を検討する。
● 事業年度の末日後に売上を取り消している場合は、取り消し理由をヒアリングし、取り消し理由に関する証拠を検討する。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
信頼性評価事業の収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、電子部品等に対する信頼性評価事業において各種試験サービスを顧客へ提供している。
当該信頼性評価事業に係る売上高は、【注記事項】
「(セグメント情報等)【セグメント情報】
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」に記載のとおり、3,553,606千円であり、売上高の88.3%を占めている。
【注記事項】
「(重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、信頼性評価事業は、主に各種試験サービスの役務提供を履行義務として識別しており、原則として会社は顧客が検収した時点で履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識している。
信頼性評価事業の役務提供は、得意先の決算期である3月に納期が集中しており、主に以下の理由から、3月月次に顧客による検収が未了又は無いにもかかわらず売上が計上されるリスクが存在している。
● 納品から顧客による検収までの期間が一定ではない中で、3月の納品が多く、多数の検収確認を行う必要がある。
● 信頼性評価事業の役務提供は、納品時に財の移動を伴わず(出荷証憑等が存在せず)、売上証憑として顧客から回収する検収書への依存度が大きい。
● 取引毎に各種試験サービスの役務提供内容が異なり、履行義務等検収内容の実態把握を踏まえた検収日の確認を行う必要がある。
以上から、当監査法人は、信頼性評価事業の収益認識の適切性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、信頼性評価事業の収益認識の適切性を検討するため、監査チームの上位メンバーが関与して、主に以下の監査手続を実施した。
(1) 内部統制の評価売上の認識プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。
● 事業部門とは独立した管理部門の担当者が、売上データと顧客からの検収書の整合性を確認する仕組み及びその実効性の有無。

(2) 収益が適切に計上されているか否かの検討3月月次の売上が適切な会計期間に認識されていること、及び実在することを検討するため、過去の売上の月次趨勢等を踏まえ、3月月次の売上取引に対して、主に以下の監査手続を実施した。
● 取引の実態の有無に留意し、検収書等の根拠資料との突合を行い、取引の実在性を検討する。
● 3ヶ月経過となる6月末時点で未入金の売掛金に対し、未入金理由をヒアリングし、当該未入金理由に関する証拠を検討する。
● 事業年度の末日後に売上を取り消している場合は、取り消し理由をヒアリングし、取り消し理由に関する証拠を検討する。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別信頼性評価事業の収益認識の適切性
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

電子記録債権、流動資産69,305,000
仕掛品103,312,000
原材料及び貯蔵品22,901,000
その他、流動資産12,463,000
工具、器具及び備品(純額)494,578,000
リース資産(純額)、有形固定資産103,877,000
有形固定資産1,563,615,000
ソフトウエア27,120,000
無形固定資産27,120,000
投資有価証券0
長期前払費用19,639,000
繰延税金資産172,938,000
投資その他の資産232,360,000

BS負債、資本

短期借入金120,000,000
1年内返済予定の長期借入金17,500,000
未払金267,965,000
未払法人税等56,858,000
未払費用97,099,000
リース債務、流動負債34,269,000
賞与引当金25,181,000
長期未払金17,055,000
資本剰余金1,066,550,000
利益剰余金1,818,436,000
株主資本3,277,086,000
負債純資産4,346,082,000

PL

売上原価2,786,295,000
販売費及び一般管理費854,111,000
営業利益又は営業損失184,725,000