財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-08-29 |
英訳名、表紙 | Elevator Communications Co., Ltd. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 薄田 章博 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都品川区南大井六丁目16番16号 鈴中ビル大森3階 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-5767-8111(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 当社は、エレベーターやエスカレーター等の昇降機インフラ社会において、特定のメーカーに縛られることなく、多様な種類のメンテナンスに対応できる独立系の保守会社として、全国各地のニーズに応えたいという想いから、2006年2月に設立されました。 それ以来、全国各地に支店及び出張所を拡大するとともに、災害時対応のIT活用等にも積極に取り組んでおります。 2006年2月エレベーターの保守・管理業務の受託を目的として、東京都豊島区西池袋に、当社を設立(資本金15,000千円)2006年8月当社本社を東京都港区南青山に移転2007年1月当社本社を東京都港区芝に移転2007年1月エレベーターのリニューアル業務の受託を開始2008年1月当社本社を東京都大田区大森北に移転2012年6月当社本社を東京都品川区南大井に移転2012年10月アップルエレベーター株式会社(本社:青森県八戸市)から青森地区のエレベーター保守事業を譲り受け2014年4月当社基幹システム上で遠隔監視・災害対応を管理する災害時発動機能「イージスモード」の運用開始2014年11月当社本社を東京都品川区南大井内で移転2015年2月有限会社平成エレベーター(本社:福岡県福岡市)から九州地区のエレベーター保守事業を譲り受け2018年12月建物管理事業を営むワンライフ株式会社(本社:東京都豊島区)を吸収合併2019年5月大阪地区でのエレベーター保守関連事業を目的として、エレベーターアクシス株式会社(本社:大阪府大阪市)を合弁設立2021年7月地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」の提供開始2025年4月札幌証券取引所アンビシャスに株式上場 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社は、エレベーターやエスカレーター等の昇降機を対象として、「すべてのお客様にスペシャリティメンテナンスをフェアプライスで」をミッションとして、点検、監視、保守、部品交換等のメンテナンスやリニューアルサービスを提供しております。 事業の遂行にあたっては、昇降機の品質及び性能の維持・向上、利用者の安心・安全の確保を最優先しつつ、高品質なサービスをリーズナブルかつ迅速に提供することを基本方針としております。 (1) 事業の特徴当社の事業の主な特徴は、以下のとおりであります。 ① リーズナブルな価格設定当社設立当時のエレベーター等のメンテナンス業界において、メーカーは、それぞれ自社や系列のメンテナンス会社を通じて、自社の製品のみのメンテナンスを行うことが一般的であり、価格やサービス内容に競争原理も働きにくい状況であったと想定しております。 当社は、独立系メンテナンス専業会社であり、開発及び製造コストの負担が想定される上記のメーカー及びメーカー系のメンテナンス会社と比較して、リーズナブルな価格設定が可能であります。 ② メーカー各社の昇降機に対応当社は、独立系メンテナンス専業会社として、国内主要メーカーである三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、東芝エレベータ株式会社、日本オーチス・エレベータ株式会社、フジテック株式会社の昇降機にオールマイティに対応したメンテナンスサービスを提供できます。 ③ 全国拠点網による広範かつ迅速な営業及びサポート対応当社は、本書提出日現在において、全国47支店及び出張所を構えており、広範な営業活動を行うとともに、これらの拠点近隣においては、災害発生等人命に関わる緊急時は、通報後速やかに現場到着できる体制を備えております。 ④ トータルサービスの提供当社は、保守業務において昇降機の点検を行った結果、経年劣化が著しい場合、装置の旧式化により時代のニーズに合わなくなった場合は、制御盤、巻上機、モーター等の主要装置のリニューアルを提案・実施することで、トータルなサービス提供が可能であります。 ⑤ ITを活用した緊急時対応当社は、災害や故障等の緊急時にタイムリーかつ適切に対処するため、ITを活用しております。 具体的には、QRコードから利用者が当社技術員と直接やりとりできるシステムの提供、社内システム上での災害一覧や災害マップの参照機能の導入等を行っております。 (2) 受注業務形態当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントでありますが、以下の2つの受注業務形態でサービスを提供しております。 受注業務形態概 要保守業務昇降機の点検、監視、緊急時対応保全・リニューアル業務昇降機の点検結果等に基づく、部品交換・修理、リニューアル 以下、上記の受注業務形態ごとに、具体的なサービス内容及び特徴について、記載いたします。 (3) 保守業務① 業務内容エレベーター及びエスカレーターは、集合住宅をはじめ、オフィスビルや高層ビル、ショッピングモール等で人々が効率よく移動するために設置された建物付属電機設備です。 これら設備は、適切な運用や操作はもとより、定期又は不定期の点検及び常時監視をすることにより、安全稼働のための機能及び性能を維持し続ける必要があります。 これらが適切に行われない場合は、重大な事故や故障に繋がり、利用者の生命や財産に多大な危害を及ぼす恐れがあります。 当社は、これらの事故やトラブルを未然に防ぎ、全ての利用者が安心してご利用いただけるよう、昇降機を対象として、点検及び監視を行う保守業務を行っております。 また、当該業務には、災害、事故、故障、停電等の緊急時の対応も含んでおります。 ② 保守業務の種類保守業務は、以下の点検、監視、緊急時対応に大別されます。 保守業務の種類概 要点 検 ビルオーナー等からの依頼により、当社の技術員が、定期又は不定期でエレベーター及びエスカレーター設備の点検を実施します。 また、必要に応じて、清掃、注油、調整、消耗品(電球、各種ヒューズ、ビス・ナット、各種リレーリード線等)の補充・交換等も適宜行います。 当該点検においては、経年劣化、損傷、変形、摩耗、腐食、発生音等の点から、異常・不具合・劣化等に関する調査も行い、改善すべき抜本的な指摘事項が抽出された場合は、ビルオーナー等に改善を提案し、「保全業務」として請け負います。 監 視 通信回線を利用して、24時間365日、当社センター専門スタッフがエレベーターの異常・不具合の発生状況について、遠隔監視を行っております。 あらかじめエレベーター運転のために必要とされる箇所を網羅的に特定し、通信回線等を利用して、エレベーター本体の運転状態や機器類等の動作状況を遠隔点検することができます。 緊急時対応 災害、事故、故障、停電等の緊急時に、安全を最優先し、また、当社独自のITシステムを駆使して、迅速に対応いたします。 例えば、エレベーター内に利用者が閉じ込められた際は、利用者はインターホンで当社コントロールセンターと直接通話でき、これにより、閉じ込め故障の状況や動力電源の停電状況の遠隔監視も可能となります。 (注) 建築基準法では、建築物の損傷や腐食等の劣化状況の定期的な点検の一環として、年1回、国家資格である昇降機等検査員による昇降機の定期検査が義務付けられております。 ③ 点検のプロセスについて点検のプロセスは、以下のとおりであります。 点検のプロセス概 要a.点検の実施 保守・点検作業を行う際に技術員は、点検する部分と作業内容が点検サイクルごとに記載されたシートを使い、初めての点検からサイクルごとにどこをチェックすべきかを把握しながら作業を効率的かつ安全に進めています。 物件や点検結果に関する情報については、当社基幹システム「Assist」に記録・蓄積されます。 なお、「Assist」には、過去の故障事例が蓄積されており、当該情報も参照し、点検に当たります。 b.検査・点検結果の報告 年1回の有人の法定検査、通常の有人あるいは、遠隔による任意点検のそれぞれについて、「定期検査報告書」、「点検作業報告書」及び「遠隔点検報告書」を作成し、ビルオーナー等に提出しております。 c.部品交換、修理等 必要に応じて、劣化した部品の交換や修理を行います。 交換部品は、原則としてメーカーの純正部品を推奨しております。 ④ 緊急時対応について災害や故障等の緊急時は、「すぐ駆けつけ、すぐ対応する」ことを最優先し、24時間365日体制で、ITを駆使し、以下のような独自の対応を行う仕組みがあります。 「Qサポ」による管理 当社独自の地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」により、エレベーター内に貼付されたステッカーのQRコードをご利用者自身が読み取り、直接復旧作業の連絡を取ることが可能となります。 また、「Qサポ」では、Googleマップ上で復旧対応時の現地技術員の位置情報が確認できるほか、おおよその現地技術員の到着時間も把握できます。 GPSによる管理 GPSにより、現地技術員の位置情報を常時把握でき、緊急時の現地技術員への出動命令(同時にエレベーターの異常内容を送信)、現地技術員からの状況報告を一括管理できます。 電話回線による対応 電話回線により、エレベーター内の利用者と当社センター専門スタッフや現地技術員との直接通話が可能となります。 「イージスモード」による対処 「イージスモード」は、当社基幹システム「Assist」上で遠隔監視と災害対応の管理を実現する災害時発動機能です。 これにより、大規模な災害が発生した場合でも、「イージスモード」に切り替えることで、物件情報が即座に共有され、当社センター専門スタッフと現地技術員は、「災害一覧」と「災害マップ」を参照しながら、リアルタイムで迅速な対応が可能となります。 (注) Google Maps及びGoogleマップは、Google Incの商標又は登録商標です。 ⑤ 「イージスモード」と「Qサポ」の内容2011年に発生した東日本大震災当時は、復旧要請の連絡を電話で受け、故障したエレベーターの場所を口頭で確認したのち、被害にあったエレベーターのある物件の把握、現地技術員への作業指示を行わなければならず、復旧対応に相応の時間を要しておりました。 当社では、当時のこれらの教訓を活かし、2014年4月に当社基幹システム「Assist」上の災害時発動機能「イージスモード」の導入、2021年7月に地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」(お客様閲覧システム及び契約者サイトの開始は2023年10月)の提供を開始いたしました。 a 「イージスモード」について<災害一覧> 被災した物件の情報を登録したデータをリアルタイムで社内共有することが可能となります。 復旧及びその対応状況等が、ひと目で確認でき、電話やメールでやりとりなく、スムーズな復旧作業を実現しております。 <災害マップ> 現地技術員は、登録されている災害マップを随時参照・確認しながら、自身のいる場所から最も近い現場に直行することで、迅速かつ効率的に復旧作業を行うことができます。 b 「Qサポ」について当社がメンテナンスを担当するエレベーター内には、「Qサポ」アクセス用のQRコードが記載されたステッカーが貼付されています。 突発的な災害時には、利用者自身で当該QRコードをスマートフォン等で読み取っていただき、直接、復旧要請の連絡が可能となります。 また、「Qサポ」を利用することにより、Googleマップ上で対象エレベーターの設置位置、復旧対応に駆けつける現地技術員の位置情報をリアルタイムでご確認できるほか、おおよその到着時刻を把握することができます。 復旧対応時の現地技術員の位置情報の可視化により、万が一、エレベーターに閉じ込められてしまった場合でも、ご利用者様の「安心」につながります。 ⑥ 保守業務の契約形態保守業務における契約形態は、以下の2つに大別されます。 契約形態概 要POG契約 契約期間1年間を原則として、月々定額で、エレベーターの機能維持を目的として、機器・装置の定期的な点検を実施、併せて、清掃・給油・調整・簡易消耗部品の取替え等を実施する契約形態(監視や緊急時対応含む。 )であります。 POGは、「Parts, Oil and Grease」の略称であります。 FM契約 POG契約内容に、劣化した部品の取替えや修理等まで行う契約形式であります。 FMは、「Full Maintenance」の略称であります。 (4) 保全・リニューアル業務① 業務内容エレベーターやエスカレーター等の昇降機は、日々の使用により機能劣化が進むため、適切なタイミングで交換、修繕が必要となります。 当社では、保守業務での点検結果により、改善すべき抜本的な指摘事項が抽出された場合に、部品交換やリニューアル等を行います。 ② 保全・リニューアル業務の種類保全・リニューアル業務は、以下の保全とリニューアルに大別されます。 保全・リニューアル業務の種類概 要保 全 点検結果に基づく指摘のもと行う、部品の取替え及び修理業務であります。 なお、保守業務のFM契約に関しても契約対象外の保全工事等については、有償で行う場合があります。 当社は、保守対象の昇降機の故障に関する統計データを蓄積しており、品質管理部門及び故障低減プロジェクトにおいて、故障分析を行っております。 分析の結果、故障の発生頻度が高い部品については、ビルオーナー等に対し、一斉に交換を促すことで、故障や長期停止の未然防止に貢献しております。 リニューアル 当社は、安全性、快適性、機能性を向上させるため、老朽化したエレベーター等の昇降機のリニューアル工事を計画的に実施しています。 主要部品や制御システムの交換、省エネ機能の導入を通じて、利用者の安心と利便性を確保し、建物全体の価値向上を図ります。 また、エレベーター設置から20年以上が経過すると、保守部品の入手が困難になり、部品交換や修理が困難になる場合があります。 当社では、信頼性・安全性・運用効率を高めるため、制御盤や巻上機等の主要部品の一式交換工事や既存設備の撤去を行い、継続的な稼働を支えています。 リニューアルには、以下の2種類があります。 ・制御リニューアル:主に制御系の更新を行います。 ・準撤去新設リニューアル:既製品の一部を継続・再利用し、撤去新設します。 また、エスカレーターについても、旧トラス(積載荷重を支える建物の骨組み)を再利用し、分割したエスカレーターのパーツを組立てる工法を採用したフルリニューアルも提供しており、通常の撤去新設と比べ、工数を約1/3の約3週間、コストを約50%削減した実績があります。 (注) エレベーターの耐用年数については、国税庁が定める法定年数は17年、公益社団法人ロングライフビル推進協会による計画耐用年数の指針に定める年数は20~25年程度とされております。 エレベーターで使用する部品については、一般的には、製造終了後、約25年で部品の供給がなくなることがほとんどであり、部品の供給停止後にエレベーターの故障が発生した場合は、迅速かつ適切な対応が困難となり、長期停止を余儀なくされる恐れもあります。 ③ リニューアルの対応リニューアルにおける目的別の当社の対応は、以下のとおりであります。 目 的当社の対応地震の対応 地震の初期微動(P波)を感知したときは、管制運転装置を起動し、強制的に最寄階に停止させた後、ドアを開くことで、利用者の閉じ込めを防止するものであります。 停電の対応 停電が発生したときは、バックアップ電源に切り替え、自動着床装置を起動し、自動的に最寄階まで運転した後、ドアを開くことで、利用者の閉じ込めを防止するものであります。 戸開走行の防止 エレベーターの安全対策として、制御機器や駆動装置の故障が発生した場合でも重大な事故を防ぐため、複数の安全装置が設置されています。 まず、ブレーキの二重化により、メインのブレーキが故障しても、補助ブレーキが作動してエレベーターを確実に停止させます。 また、特定距離感知装置を使い、ドアが開いた状態でエレベーターが移動しないように監視し、異常を検知した場合には動作を停止させます。 さらに、通常使用する制御装置だけでなく、独立した制御装置を設置することで、メインの制御装置が故障した際にも安全な運行を可能にしています。 このようなバックアップシステムにより、ドアが開いたままの走行(戸開走行)や挟まれ事故といった人命にかかわる事故を未然に防ぐ仕組みです。 意匠性の向上 当社が特許を取得した操作盤をはじめ、ドア、かご内(天井、壁等)のデザイン等を刷新し、新しいエレベーター空間を提供するものであります。 (5) 事業の系統図事業の系統図は、以下のとおりであります。 (注) 1.案件紹介者や代理店に対し、紹介料を支払う場合があります。 2.メーカーや他の独立系メンテナンス会社から、保守業務を受託するケースもあります。 3.建築基準法においては、昇降機等検査員による年1回の法定検査を実施し、その検査結果をビルオーナー等である昇降機所有者又は昇降機管理者に報告することが義務付けられております。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 2025年5月31日現在名称住所資本金又は出資金(千円)主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(関連会社) エレベーターアクシス株式会社大阪府東大阪市9,900昇降機メンテナンス事業30.3西日本エリアの情報共有。 技術員研修、災害時対応の相互協力。 (注) 1.「主要な事業の内容」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。 2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 提出会社の状況 2025年5月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)21642.25.14,430 (注) 1.従業員数は就業人員であります。 2.臨時雇用者数は、パートタイマー及び契約社員等が従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。 3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 4.当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。 (2) 労働組合の状況当社において、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表項目として選択していないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、エレベーターやエスカレーター等の昇降機のメンテナンス分野において、安全・安心を最優先とし、「すべてのお客様にスペシャリティメンテナンスをフェアプライスで」をミッションに掲げ、以下を推進しつつ、多様な顧客ニーズにきめ細かく対応することにより、収益性及び企業価値の向上を実現することを、経営の基本方針としております。 ・高品質メンテナンスの適正価格での提供・災害時の迅速対応体制の構築・建物の資産価値向上に貢献するリニューアルの促進 (2) 目標とする経営指標当社は、事業の進捗状況を定量的に把握・分析するため、売上高及び営業利益を重要な経営指標としており、また、高い成長と収益性を確保するため、売上高成長率と営業利益率についても重要な経営指標としております。 さらに、売上高を構成する要素として、保守業務及び保全・リニューアル業務の契約件数についても、重要な指標として捉えております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社を取り巻くエレベーター等の昇降機メンテナンス業界におきましては、既存の昇降機の改修需要の拡大、ビルオーナー等のコスト削減要求の増加等により、収益機会が増加しております。 また、一方で、昇降機の安全稼動への社会的要請、災害時の一層の素早い対応要請の高まり、高品質かつスピーディーなサービスの提供が求められております。 このような中長期の経営環境において、当社は、継続的な成長を実現するために、以下の経営戦略を実行してまいります。 ① 故障・事故予防の強化による好循環の創出保守業務及び保全・リニューアル業務に万全を期すことにより、昇降機の故障率低減や停止期間短縮、事故防止が図られ、多額な賠償コストを余儀なくされる事故を未然に防止しつつ、当社の営業利益を増大させることにより、ビルオーナー等との間で循環的にWin-Winの関係を構築できるものと考えております。 このような顧客利益や信用力の最大化により、以降の当社収益機会の拡大、それらを原資とした人材やシステムへの追加投資につなげるといった好循環の創出を図ります。 ② 多様な提案による収益機会の拡大営業強化による顧客接触機会を拡大し、ビルオーナー等の様々なニーズに対応することにより、収益機会の拡大を図ります。 ③ 顧客ニーズに合致した新たな付加価値サービスの提供以下のような地震災害時WEB復旧要請システム「Qサポ」の機能拡張により、顧客の潜在ニーズに対応したサービスを提供します。 ・ 故障やトラブル、大規模災害時等における迅速な復旧は勿論、現場情報等の有用情報をリアルタイムに共有及び活用することにより、ビルオーナー等が求める必要情報をよりきめ細かく提供・ 個々の物件状況、復旧想定や周辺エリアの情報等を一元化して提供することにより、ビルオーナー等の迅速な意思決定に寄与 ④ 財務基盤の強化上記①~③の一連の取り組みにより、安定した成長性を実現できる収益構造を構築することで、財務基盤の強化を図ります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社を取り巻くエレベーター等の昇降機メンテナンス業界におきましては、既存の昇降機の改修需要の拡大、ビルオーナー等のコスト削減要求の増加等により、収益機会が増加しております。 また、一方で、昇降機の安全稼動への社会的要請、災害時の一層の素早い対応要請の高まり、高品質かつスピーディーなサービスの提供が求められております。 これらの事業環境の下、本書提出日現在において、当社が認識する対処すべき主な課題は以下のとおりであり、これらの対応に尽力することが当社の社会的使命であると認識しております。 ① 人財の確保・育成等当社事業の競争力の根幹は、高品質なメンテナンスサービスを提供できる人財であり、それを実現できる人財の確保及び育成、また、外注業者を含めた品質管理の徹底は、極めて重要な課題であると認識しております。 当社は、これらの課題に対処するために、定期的な技術研修や積極的な人財採用活動を継続するとともに、首都圏等の特に採用が困難な事業拠点においては外部委託先も活用する所存であります。 また、外注業者を含めた品質管理についても、業務マニュアルの共有及び徹底、当社技術責任者による外注業者の業務状況の巡回確認等に取り組んでおります。 ② 営業の強化当社は、現在、全国47支店及び出張所に展開しておりますが、事業基盤をより強固にするためには、各拠点の営業人員の営業力、また、高品質かつスピーディーな対応力を向上させ、保守契約台数の増加を図ることが重要な課題であると認識しております。 当社は、これらの課題に対処するために、営業人員一人ひとりの営業力や対応力を高めるとともに、各地域で顧客に寄り添った営業スタイルを推進することにより、各地でのシェアを高めていく所存であります。 ③ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の充実当社が継続的かつ中長期に企業成長を継続し、企業価値の増大を実現するためには、経営や業務の質の向上を図る必要があり、その根幹となるコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の充実は重要な課題であると認識しております。 当社は、これらの課題に対処するために、取締役会における意思決定の充実、社外役員による経営のモニタリングの向上、内部監査の網羅性の向上等に取り組むことで、コーポレート・ガバナンスの充実に努める所存であります。 また、組織の機能性の向上、適材適所の人員配置、DX推進を含めた業務フローの最適化等に取り組むことで、内部管理体制の充実に努める所存であります。 なお、当社は、現在、研究開発等の先行的コストが軽微であるため、キャッシュ・フロー上及び財務上の懸念・課題は特にありません。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 昇降機メンテナンス事業を手掛ける当社は、「すべてのお客様にスペシャリティメンテナンスをフェアプライスで」というミッションの下、様々なステークホルダーとの調和を通じて、誠実な企業活動を遂行することが、サステナビリティの根底にあるべきと考えております。 具体的には、株主への企業価値の提供、昇降機の利用者への安全・快適性の提供、ビルオーナー等や協業取引先との良好な関係の形成、地域社会への貢献、環境への配慮、従業員等が働きやすい職場環境の形成について、日々取り組んでおります。 以下のサステナビリティに関する取り組みに関する事項については、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) ガバナンス当社では、これから直面するあるいは将来発生する可能性のあるリスクを識別し、識別したリスクに対して予防を講じ、当社の損失を最小限に図ることを実施し、倫理的なビジネス慣行、透明性、説明責任、効果的で責任ある経営を実施するため、コンプライアンス・リスク管理委員会及び取締役会において、投資家に開示すべき「事業等のリスク」のリスク項目、リスク内容及び対応策について、協議を行っております。 サステナビリティに関するリスクと機会についても他のリスクと同様にこうした体制の中で、ガバナンスを効果的に発揮できる体制を組成しております。 また取締役会においても、ステークホルダーとの積極的な関与を含む体制について、適宜協議をしていき、サステナビリティに関するリスクについて、対応を推進しております。 (2) 戦略当社は、サステナビリティを推進するうえで、事業運営の主体である人的資本が重要であると認識しております。 具体的には、人財の採用及び育成の強化、仕事と育児・介護の両立に向けた支援の充実、女性活動推進法への対応、人事考課制度や福利厚生の充実等により、多様な人財が働きやすい職場環境の整備に取り組んでおります。 人財の採用については、当社は全国47支店及び出張所において事業展開しており、各地域において現地採用を積極化することで、雇用機会の創出を通じた地域活性化にも注力しております。 また、全般的な人材難や少子高齢化に対処すべく、シニア世代の継続雇用を推進するほか、外国人労働者の採用及び雇用環境の整備も行うことで、多様な価値観の尊重とインクルージョンの推進を進めております。 採用後の人財育成については、OJTを通しての教育・研修制度の拡充、キャリアパスの明確化を行うことで、一人ひとりのスキルアップとやりがいの提供により、離職率の抑制に努めております。 また、当社は、昇降機という社会インフラを支える企業であり、昇降機の製造不良・欠陥、経年劣化、災害等に起因しうる利用者の人身事故の未然防止に取り組むことが、社会的責任であると認識しております。 当社は、国土交通省が定める「建築保全業務共通仕様書」、当社独自の厳格な安全基準等に忠実に従い、常に安全至上主義に徹した作業の精度を高めております。 (3) リスク管理当社では、サステナビリティやコンプライアンスを含む経営上のリスクについて、コンプライアンス・リスク管理委員会を定期的に開催し、経営上のリスクの網羅的な洗い出し、発生可能性、顕在化予測時期及び影響度のリスク評価、リスク対応策の検討、リスクのモニタリングを組織的に行うことで、リスクの最小化に努めております。 また、重要なリスクについては、当該委員会において、情報共有及び精査するとともに、取締役会に報告をしております。 (4) 指標及び目標当社は、従業員の心身の健康保持と生産性の向上を図る観点から、人的資本に関する重要な指標の一つとして有給休暇取得率80%以上を目標に掲げております。 しかしながら、2025年5月期における取得率実績は61.8%となり、前期の69.3%から減少いたしました。 この要因としては、①業務の性質上、突発的な対応や顧客対応が必要となる場面が多く、事前に計画的な休暇取得が難しいケースが一部で見受けられたこと、②途中入社者や退職者による年休未消化分の影響、③計画的な年休取得を促す制度や運用が一部で浸透しきらなかったことなどが挙げられます。 今後は、有給休暇の取得促進に向けた社内制度の見直し、部門別の取得状況の見える化と目標管理、および柔軟な業務体制の構築を通じた取得環境の整備を進め、目標達成に向けた取組を強化してまいります。 また、当社は、エレベーター・エスカレーターをご利用いただくすべての皆さまの安全を経営の最優先事項とし、瑕疵による利用者の「人身事故ゼロ」を不変の目標として掲げています。 2025年5月期において、業務委託先協力会社による保守点検作業中、安全柵の設置が不十分であったことを主因とする人身事故が1件発生しました。 当該事故は、国土交通省への届け出が必要な重要インシデントには該当しないものの、安全管理上重大な事案と認識しております。 当社は、事故発生直後に原因究明を実施し、再発防止策として、①安全柵の二重設置の義務化、②作業開始前に安全対策を実施し、その状況を撮影して会社へ報告・相互確認を行ったうえで作業を開始する仕組みの徹底、③近接センサー付き警報装置の導入を実施しました。 加えて、全従業員および業務委託先協力会社21社への周知徹底を図るとともに、業務委託先協力会社に対する現場安全監査の強化、事故情報および対応内容の社内共有体制の整備を行っています。 当社は、これらの取り組みを通じて安全文化の定着およびリスク管理体制の強化を図り、次期以降も「人身事故ゼロ」の目標達成に向けて継続的に取り組んでまいります。 |
戦略 | (2) 戦略当社は、サステナビリティを推進するうえで、事業運営の主体である人的資本が重要であると認識しております。 具体的には、人財の採用及び育成の強化、仕事と育児・介護の両立に向けた支援の充実、女性活動推進法への対応、人事考課制度や福利厚生の充実等により、多様な人財が働きやすい職場環境の整備に取り組んでおります。 人財の採用については、当社は全国47支店及び出張所において事業展開しており、各地域において現地採用を積極化することで、雇用機会の創出を通じた地域活性化にも注力しております。 また、全般的な人材難や少子高齢化に対処すべく、シニア世代の継続雇用を推進するほか、外国人労働者の採用及び雇用環境の整備も行うことで、多様な価値観の尊重とインクルージョンの推進を進めております。 採用後の人財育成については、OJTを通しての教育・研修制度の拡充、キャリアパスの明確化を行うことで、一人ひとりのスキルアップとやりがいの提供により、離職率の抑制に努めております。 また、当社は、昇降機という社会インフラを支える企業であり、昇降機の製造不良・欠陥、経年劣化、災害等に起因しうる利用者の人身事故の未然防止に取り組むことが、社会的責任であると認識しております。 当社は、国土交通省が定める「建築保全業務共通仕様書」、当社独自の厳格な安全基準等に忠実に従い、常に安全至上主義に徹した作業の精度を高めております。 |
指標及び目標 | (4) 指標及び目標当社は、従業員の心身の健康保持と生産性の向上を図る観点から、人的資本に関する重要な指標の一つとして有給休暇取得率80%以上を目標に掲げております。 しかしながら、2025年5月期における取得率実績は61.8%となり、前期の69.3%から減少いたしました。 この要因としては、①業務の性質上、突発的な対応や顧客対応が必要となる場面が多く、事前に計画的な休暇取得が難しいケースが一部で見受けられたこと、②途中入社者や退職者による年休未消化分の影響、③計画的な年休取得を促す制度や運用が一部で浸透しきらなかったことなどが挙げられます。 今後は、有給休暇の取得促進に向けた社内制度の見直し、部門別の取得状況の見える化と目標管理、および柔軟な業務体制の構築を通じた取得環境の整備を進め、目標達成に向けた取組を強化してまいります。 また、当社は、エレベーター・エスカレーターをご利用いただくすべての皆さまの安全を経営の最優先事項とし、瑕疵による利用者の「人身事故ゼロ」を不変の目標として掲げています。 2025年5月期において、業務委託先協力会社による保守点検作業中、安全柵の設置が不十分であったことを主因とする人身事故が1件発生しました。 当該事故は、国土交通省への届け出が必要な重要インシデントには該当しないものの、安全管理上重大な事案と認識しております。 当社は、事故発生直後に原因究明を実施し、再発防止策として、①安全柵の二重設置の義務化、②作業開始前に安全対策を実施し、その状況を撮影して会社へ報告・相互確認を行ったうえで作業を開始する仕組みの徹底、③近接センサー付き警報装置の導入を実施しました。 加えて、全従業員および業務委託先協力会社21社への周知徹底を図るとともに、業務委託先協力会社に対する現場安全監査の強化、事故情報および対応内容の社内共有体制の整備を行っています。 当社は、これらの取り組みを通じて安全文化の定着およびリスク管理体制の強化を図り、次期以降も「人身事故ゼロ」の目標達成に向けて継続的に取り組んでまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社は、サステナビリティを推進するうえで、事業運営の主体である人的資本が重要であると認識しております。 具体的には、人財の採用及び育成の強化、仕事と育児・介護の両立に向けた支援の充実、女性活動推進法への対応、人事考課制度や福利厚生の充実等により、多様な人財が働きやすい職場環境の整備に取り組んでおります。 人財の採用については、当社は全国47支店及び出張所において事業展開しており、各地域において現地採用を積極化することで、雇用機会の創出を通じた地域活性化にも注力しております。 また、全般的な人材難や少子高齢化に対処すべく、シニア世代の継続雇用を推進するほか、外国人労働者の採用及び雇用環境の整備も行うことで、多様な価値観の尊重とインクルージョンの推進を進めております。 採用後の人財育成については、OJTを通しての教育・研修制度の拡充、キャリアパスの明確化を行うことで、一人ひとりのスキルアップとやりがいの提供により、離職率の抑制に努めております。 また、当社は、昇降機という社会インフラを支える企業であり、昇降機の製造不良・欠陥、経年劣化、災害等に起因しうる利用者の人身事故の未然防止に取り組むことが、社会的責任であると認識しております。 当社は、国土交通省が定める「建築保全業務共通仕様書」、当社独自の厳格な安全基準等に忠実に従い、常に安全至上主義に徹した作業の精度を高めております。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するのではありません。 (1) 事業に関するリスク① 競合について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)当社が属するエレベーター等の昇降機メンテナンス業界は、メーカー本体やその系列の専門メンテナンス会社をはじめ、独立系のメンテナンス会社等、大小さまざまな事業者間で競合関係が継続しております。 当社としては、優位性を確保すべく、質の高いサービスの提供、良心的な価格設定、DXを活用した遠隔監視サービス等の付加価値の向上等に努めております。 しかしながら、競合関係が激化した場合は、受注の減少、価格優位性の低下等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 契約不適合責任について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)当社がリニューアル工事を実施したエレベーター等の工事実施部分については、一定の保証期間において、当社が瑕疵担保責任を負っており、当該期間中に故障や不具合等が生じた場合は、部品の無償修理及び交換等の対応を行うこととしております。 当社は、取扱説明書等に準拠した適切な据付、連結及び保守・点検管理の実施等により、必要な品質の維持に努めております。 しかしながら、想定外の当社による保守・メンテナンスのミスや漏れが生じた場合は、瑕疵担保責任の負担が増大し、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 昇降機の事故等について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社が手掛けるエレベーター等の昇降機メンテナンス事業においては、これら昇降機の製造不良・欠陥、経年劣化、災害等に起因して、利用者の人身事故を招く深刻なリスクが存在しております。 当社は、国土交通省が定める「建築保全業務共通仕様書」、当社独自の厳格な安全基準等に忠実に従い、常に安全至上主義に徹して作業を行っております。 また、作業員や外部協力業者を対象とした作業教育の徹底、万が一の事態に備えた損害賠償保険の加入等も行っております。 しかしながら、想定外の甚大な災害、利用者による不適切な使用、当社による保守・メンテナンスのミスや漏れが生じた場合は、損害賠償保険金で補填できない損失の発生、社会的信頼の失墜等を招き、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 法的規制について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社のエレベーター等の昇降機メンテナンス事業における法定検査に関しては、建築基準法に則り、国家資格である昇降機等検査員(本書提出日現在の当社従業員の資格取得者56名)による適格な検査の実施が義務付けられております。 また、エレベーター等のリニューアル(1件当たりの請負金額が税込みで500万円以上)においては、建設業法に基づく機械器具設置工事業に関する許可(有効期限:2030年8月2日)を取得する必要があります。 また、建設業法第29条において、不正な手段による許可の取得、役員等の欠格条項に抵触した場合、許可の取消を受ける旨等の許認可取消事由が定められております。 当社においては、必要な昇降機等検査員の員数の確保等、法的許認可の欠格要件に抵触しないよう留意するほか、コンプライアンス・リスク管理委員会の開催、コンプライアンス勉強会の実施等のコンプライアンス活動にも日頃から積極的に取り組んでおります。 しかしながら、想定外のコンプライアンス違反が発生した場合、法的許認可の欠格要件に抵触する事象が生じた場合、また、法規制の強化や新たな規制法令が制定された場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 特定の仕入先への依存について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)当社が手掛けるエレベーター等の昇降機メンテナンス事業においては、点検に併せて、部品交換等が発生するケースがほとんどでありますが、旧型エレベーター装置に関しては、純正部品等の在庫が枯渇する可能性があり、これらの仕入先も限定的であります。 当社においては、適切な部品在庫を確保するとともに、部品の再利用を促進し、さらに海外市場を含めた様々な調達方法を検討して、供給遅延や在庫不足に備えております。 しかしながら、想定以上の仕入先の在庫不足及び調達遅延が生じた場合、また、部品の希少化から部品価格が高騰し、そのコストを当社のサービス価格に転嫁できない場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システム障害について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社は昇降機メンテナンス事業において、DX化を推進し、年中無休・24時間体制での遠隔監視・対応等の利便性の高いサービスを提供するほか、エレベーター等に関する点検及び保守に関する様々な情報の一元化に取り組んでおります。 これらの仕組みは、コンピューターシステムと通信ネットワークで構成されており、当社は、システムの安定稼働、セキュリティ機能の強化、定期的なバックアップの実施等に努めております。 しかしながら、想定外の事故や災害等により、システム障害が発生した場合は、エレベーター等の正常な稼働が一時的に困難となり、損害賠償請求の発生、復旧のためのコストの増大のほか、社会的信頼の失墜等を招き、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 技術革新について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)エレベーター等の昇降機は、近年の技術の高度化及び多様化を背景として、新たなモデルが開発・製造されております。 当社は、国内の主要メーカーが製造するあらゆる機種に対応できるよう、これらの最新モデルに関する技術研究の積極化に努めております。 しかしながら、メーカーの技術革新の急速な進展に当社が対応できなかった場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) その他のリスク① 人財の確保及び育成について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社の昇降機メンテナンス事業においては、高度な専門スキルを持つ技術者、手厚い顧客サポートを行える営業人員等の人的リソースが収益を創出する重要な源泉であると認識しております。 当社においては、優秀な人財の採用及び育成の強化に取り組んでおります。 しかしながら、先行的に発生する採用コスト負担が過大になった場合、優秀な人財を採用できなかった場合、また、人財育成が遅延したり、期待通りの能力成果が発揮できなかった場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 作業員の労働災害について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)当社の昇降機メンテナンス事業においては、当社作業員によるエレベーター等の保守業務や保全・リニューアル業務を行っておりますが、その作業の性質上、作業員の怪我等の労働災害リスクが存在しております。 当社は、独自の安全作業に関するマニュアル等に忠実に従い、常に安全至上主義に徹して作業を行っております。 また、産業医の設置、安全衛生委員会の開催、作業員や外部協力業者を対象とした安全教育の徹底、万が一の事態に備えた労働災害保険の加入等も行っております。 しかしながら、想定外の重大な事故や労働災害が発生した場合は、労働災害保険金で補填できない事故の発生、社会的信頼の失墜等を招き、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 顧客情報の漏えいについて(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、昇降機メンテナンス事業において、個人情報等の重要な顧客情報を取得しております。 当社においては、これらの情報取得に際し、細心の注意を払うとともに、外部からの不正アクセス、社内の情報漏えいリスクの最小化を図るべく、「個人情報保護規程」等の社内規程を定め、厳格な情報保護活動に全社的に取り組んでおります。 しかしながら、想定外の事態によって顧客情報が外部に流出した場合は、損害賠償請求の発生、社会的信頼の失墜等を招き、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 特定人物への依存について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社の創業者であり、創業以来の事業推進者である代表取締役社長の薄田章博は、当社の事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、事業活動全般において、極めて重要な役割を果たしております。 当社では、過度に同人に依存しないよう、他の経営幹部の拡充及び育成並びに権限委譲や責任分散の推進により、依存リスクの最小化に取り組んでおります。 しかしながら、これらの取り組みが十分に進まず、想定外の理由により同人の業務遂行が困難となった場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 業務提携及び資本提携、買収等について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高)当社が事業の拡大及び多様化を図るうえでは、他社との業務提携及び資本提携、買収等が有効な手段であると認識しております。 当社では、今後も顧客の多様なニーズ等に対応すべく、これらの推進を継続していく方針でありますが、その意思決定にあたっては、今後の事業リスク等を十分かつ慎重に精査していく所存であります。 しかしながら、業務提携及び資本提携、買収等において、当初見込まれた効果が十分に得られなかった場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 知的財産権について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)当社は、昇降機メンテナンス事業において、技術の独自性の追求、ブランディングの強化を重視した事業展開を行っており、その一環として、商標権、意匠権及び特許権を取得しております。 今後においても、当社が継続的及び長期的に保護すべき知的財産権については、その登録を推進するとともに、他社が保有する知的財産権については、それを侵害しないよう、類似検索を励行するよう努めております。 しかしながら、当社が保有する知的財産権を他社が模倣し、当社の権利の主張が十分になされなかった場合、また、他社が保有する知的財産権を当社が故意に模倣し、損害賠償請求等がなされた場合は、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 繰延税金資産について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)当社は、会計処理として税効果会計を適用しており、将来の課税所得の見積りに基づき、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。 したがって、当該見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、または、税率変動等を含む税制の変更等があった場合は、対象期間において、繰延税金資産を減額し、税金費用を計上することになり、その結果として、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 新株予約権の権利行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、取締役及び従業員、外部協力者に対して、当社業容拡大に向けたインセンティブを目的として、新株予約権を発行・付与しております。 本書提出日現在、新株予約権による潜在株式は130,400株であり、発行済株式総数と当該潜在株式数の合計に対する割合は11.38%に相当しております。 したがって、これらの新株予約権の権利行使が実行された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。 ⑨ 配当政策について(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)当社は、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展のため、運転資金等の内部留保を踏まえ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。 しかしながら、現段階においては、当社は成長過程にあると認識しており、足元の運転資金等の内部留保の充実を優先することとし、配当を行っておりません。 将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針でありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要は、以下のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産の部)当事業年度末における資産は1,680,097千円となり、前事業年度末に比べ363,064千円増加いたしました。 これは主に、繰延税金資産が14,916千円減少した一方で、現金及び預金が41,360千円、仕掛品が84,678千円、原材料及び貯蔵品が59,000千円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (負債の部)当事業年度末における負債は1,326,837千円となり、前事業年度末に比べ113,137千円増加いたしました。 これは主に、長期借入金が68,954千円、買掛金が6,739千円それぞれ減少した一方で、未払法人税等が104,206千円、未払金が12,068千円、1年内返済予定の長期借入金が22,591千円、未払費用が19,267千円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (純資産の部)当事業年度末における純資産は353,259千円となり、前事業年度末に比べ249,927千円の増加となりました。 これは、当期純利益147,485千円の計上に伴う繰越利益剰余金の増加に加え、札幌証券取引所アンビシャスへの新規上場時に実施した公募増資及び第三者割当増資により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ51,221千円増加したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当事業年度における我が国経済は、エネルギー価格の高止まりや人手不足といった構造的課題を抱えつつも、緩やかな回復基調を示しました。 しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢等の地政学的リスクの懸念、世界的な物価上昇、金融・資本市場の変動等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。 当社が属するエレベーター等の昇降機メンテナンス業界においては、マンションストック戸数の増加やオフィスビルの新規開発の進展を背景に、設置台数は引き続き緩やかに増加しており、中長期的な保守・メンテナンス需要の拡大が見込まれます。 一方で、企業や不動産オーナーの間では、収益性確保を重視したコスト管理意識が強まり、保守契約の見直しやサービス内容の最適化といったニーズが高まっております。 また、設備の経年劣化に起因するリニューアル需要の拡大に加え、安全性や快適性の向上、故障予防や省エネルギー化への関心の高まりも、設備投資を後押しする要因となっております。 このような市場環境のもと、当社においては、顧客の経費削減ニーズに配慮しながら、エレベーターやエスカレーターの安全運行、故障対応及び災害時の早期復旧に応えるべく、既存拠点に加え、2024年9月に石垣支店(沖縄県)、同年12月に小樽支店(北海道)を新設し、営業・保守対応エリアの拡充を図りました。 これらにより、既存の近隣支店との連携による相乗効果も生まれ、故障対応及び復旧対応のさらなる迅速化を実現しております。 また、人財の確保と育成による技術力の向上に取り組むとともに、価格競争力と信頼性を兼ね備えた保守サービスの提供に努め、包括契約型点検プランの推進、老朽化設備に対するリニューアル提案等、営業体制の強化整備を行い、安定した収益基盤の確保と着実な成長につなげてまいりました。 当事業年度における業務形態別の売上高としては、保守業務については、保守管理契約台数が順調に推移し、売上高は1,783,532千円(前年同期比4.4%増)となりました。 また、保全・リニューアル業務については、部品供給停止設備物件に対する提案強化、施工管理体制の見直しに加え、改修需要の高まりも追い風となり、売上高は2,264,585千円(前年同期比42.9%増)となりました。 以上の結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は4,048,476千円(前年同期比23.0%増)、営業利益は264,702千円(同88.8%増)、経常利益は262,815千円(同91.1%増)、当期純利益は147,485千円(同98.3%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。 )の残高は、前事業年度末に比べ41,360千円増加し、563,834千円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は、以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動の結果得られた資金は50,143千円(前事業年度は389,832千円の収入)となりました。 これは主に、税引前当期純利益262,579千円の計上があった一方で、売上債権の増加による支出189,508千円、棚卸資産の増加による支出143,678千円の計上があったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動の結果支出した資金は15,705千円(前事業年度は14,756千円の支出)となりました。 これは主に、有形固定資産の取得による支出2,950千円、無形固定資産の取得による支出8,940千円の計上があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動の結果得られた資金は6,922千円(前事業年度は233,903千円の支出)となりました。 これは主に、長期借入れによる収入150,000千円、長期借入金の返済による支出196,363千円、新規上場に伴う株式の発行による収入102,442千円の計上があったこと等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績(生産実績)当社は、生産活動を行っていないため、生産実績に関する記載はしておりません。 (受注実績)当社は、保全・リニューアル業務において、受注活動を行っており、第20期事業年度における受注実績は、以下のとおりであります。 なお、当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 受注業務形態の名称当事業年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)保全・リニューアル業務2,451,203129.9657,592139.6合計2,451,203129.9657,592139.6 (注) 保守業務及びその他については、受注から売上計上までの期間が短いため、記載を省略しております。 (販売実績)第20期事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。 なお、当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 受注業務形態の名称当事業年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)販売高(千円)割合(%)前年同期比(%)保守業務1,783,53244.1104.4保全・リニューアル業務2,264,58555.9142.9その他3580.080.9合計4,048,476100.0123.0 (注) 主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。 当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っておりますが、見積り、予測については、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 財政状態の状況財政状態の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 ③ 経営成績等の状況に関する分析(売上高) 当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ757,232千円増加し、4,048,476千円(前年度比23.0%増)となりました。 保守業務の売上高につきましては、既存顧客による契約が継続したこと、新規契約が順調に伸長したこと等により、76,641千円増加し、1,783,532千円(前年度比4.4%増)となりました。 保全・リニューアル業務の売上高につきましては、部品供給停止物件への提案強化、施工管理体制の見直しに加え、改修需要の高まりも追い風となり、680,675千円増加し、2,264,585千円(前年度比42.9%増)となりました。 (売上原価、売上総利益) 当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ541,312千円増加し、2,787,393千円(前年度比24.1%増)となりました。 これは主に、保全・リニューアル業務での売上高が伸長したことに伴い、材料費が398,919千円、外注費が116,128千円それぞれ増加したこと等によるものであります。 以上の結果、売上総利益は、前事業年度に比べ215,920千円増加し、1,261,083千円(前年度比20.6%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ91,403千円増加し、996,380千円(前年度比10.1%増)となりました。 これは主に人件費が45,215千円、代理店を介した受注が増えたことに伴い、販売手数料が21,352千円増加したこと等によるものであります。 以上の結果、営業利益は、前事業年度に比べ124,516千円増加し、264,702千円(前年度比88.8%増)となりました。 (営業外損益、経常利益) 当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ9,222千円増加し、16,063千円(前年度比134.8%増)となりました。 これは主に、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金10,916千円(前事業年度はありません。 )を計上したこと等によるものであります。 当事業年度における営業外費用は、前事業年度に比べ8,427千円増加し、17,950千円(前年度比88.4%増)となりました。 これは主に、札幌証券取引所への新規上場に伴う上場関連費用9,869千円(前事業年度はありません。 )を計上したこと等によるものであります。 以上の結果、経常利益は、前事業年度に比べ125,311千円増加し、262,815千円(前年度比91.1%増)となりました。 (特別損益、法人税等及び当期純利益)当事業年度における特別利益の発生はありません。 当事業年度における特別損失は、固定資産除売却損235千円を計上しました。 当事業年度における法人税等は、前事業年度に比べ53,551千円増加し、115,094千円(前年度比87.0%増)となりました。 以上の結果、当期純利益は、前事業年度に比べ73,146千円増加し、147,485千円(前年度比98.3%増)となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況・検討内容キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑤ 財源及び資金の流動性に係る情報当社は、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。 当社資本の財源及び資金の流動性につきましては、サービス提供に必要な保全修理・工事におけるエレベーター等の部材調達、人件費等の販売費及び一般管理費等の支払いから販売代金の入金までの期間が運転資金需要となっております。 運転資金及び経常的な設備投資については、フリーキャッシュ・フロー、リース取引、並びに金融機関からの借入れによる資金調達を行うことを基本としておりますが、今後も事業活動を支える資金調達については、営業キャッシュ・フローの増加に努めるとともに、低コストかつ安定的な資金の確保を図り、多様な資金調達手段に取り組んでまいります。 当事業年度における借入金の残高は、463,605千円となっております。 キャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える原因経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ⑦ 経営者の問題認識と今後の方針経営者の問題認識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 ⑧ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおり、「売上高」、「売上高成長率」、「営業利益」、「営業利益率」及び「保守業務及び保全・リニューアル業務の契約件数」を重要な経営指標として管理しております。 なお、これらの指標につきましては、現状の進捗としては変動性が高く安定的ではないため、また、「保守業務及び保全・リニューアル業務の契約件数」については、契約分類が複雑になるものも存在するため、対外的な目標値の開示は差し控えております。 これらの指標に対する今後の方針としては、上記2軸の売上形態をそれぞれ強化していくことにより、売上高及び営業利益の拡大につなげていきたいと考えております。 また、顧客満足度の向上により、保守業務の契約件数の増加に繋がると考えており、お客様のご要望に対して、より迅速かつきめ細かに対応できるように、地域に密着したサポート体制を構築しております。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 該当事項はありません。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当事業年度における設備投資の総額は55,310千円であり、その主なものは、エレベーター関連設備として遠隔監視装置31,870千円、3D測定器11,550千円及び当社基幹システム「Assist」の改修費用8,940千円であります。 なお、当事業年度において、重要な設備の売却等はございません。 なお、当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 2025年5月31日現在事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物及び構築物工具及び備品土地(面積㎡)リース資産ソフトウエア合計本社(東京都品川区)オフィス業務設備(社内造作、遠隔操作システム他)2,7752,267―(―)75,96233,511114,51745 甲府支店(山梨県甲府市)を含む支店及び出張所47拠点 オフィス業務設備(社内造作他)4,8942,652―(―)――7,547171その他(東京都大田区)福利厚生施設他20,230―55,556 (122.47) ――77,786- (注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.従業員数は就業人員であります。 3.当社の報告セグメントは「昇降機メンテナンス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 4.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は、以下のとおりであります。 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容年間賃借料(千円)本社(東京都品川区)昇降機メンテナンス事業事務所20,980支店及び出張所47拠点その他(本社を除く)昇降機メンテナンス事業事務所60,980 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 42 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 5 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 4,430,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社では、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式としておりますが、原則として純投資目的である投資株式は保有しない方針であります。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年5月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) そらしづ株式会社神奈川県横浜市神奈川区金港町2番1号 パークタワー横濱ポートサイド2007500,00049.23 薄田 章博神奈川県横浜市神奈川区153,00015.06 村石 誠司神奈川県横浜市保土ヶ谷区48,4004.76 こたろう株式会社神奈川県横浜市保土ヶ谷区釜台町50番20号34,0003.34 六日市 拓也神奈川県横浜市鶴見区20,0001.96 渡邊 和則東京都板橋区10,0000.98 藤井 周千葉県松戸市8,8000.86 末岡 由紀北海道恵庭市8,0000.78 エレベーターコミュニケーションズ従業員持株会東京都品川区南大井六丁目16番16号 鈴中ビル大森3階8,0000.78 株式会社グットコムアセット東京都新宿区西新宿七丁目20番1号 住友不動産西新宿ビル17階7,2000.70 有限会社恒志堂北海道札幌市中央区南19条西14丁目2番35号7,2000.70 株式会社TMIトラスト福岡県福岡市中央区平尾浄水町13番19号7,2000.70計-811,80079.94 |
株主数-金融商品取引業者 | 3 |
株主数-外国法人等-個人 | 3 |
株主数-個人その他 | 474 |
株主数-その他の法人 | 19 |
株主数-計 | 499 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 株式会社TMIトラスト |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式に関する事項株式の種類当事業年度期首株式数当事業年度増加株式数当事業年度減少株式数当事業年度末株式数普通株式(株)47,497967,943―1,015,440 (注)1.2025年1月10日付で普通株式1株につき20株の割合で株式分割を行っております。 2.普通株式の発行済株式総数の増加902,443株は、株式分割による増加であります。 3.普通株式の発行済株式総数の増加50,000株は、新規上場に伴う公募増資による増加であります。 4.普通株式の発行済株式総数の増加15,500株は、新規上場に伴う第三者割当増資による増加であります。 2.自己株式に関する事項該当事項はありません。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 清友監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年8月28日エレベーターコミュニケーションズ株式会社取締役会 御中 清友監査法人 大阪事務所 指 定 社 員業 務 執 行 社 員 公認会計士矢本 博三 指 定 社 員業 務 執 行 社 員 公認会計士井川 浩典 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているエレベーターコミュニケーションズ株式会社の2024年6月1日から2025年5月31日までの第20期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、エレベーターコミュニケーションズ株式会社の2025年5月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 リニューアル業務売上高の期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、エレベーター等昇降機の保守業務及び保全・リニューアル業務を主たる事業としているが、定期的に売上を計上する保守業務と比較して、保全・リニューアル業務については不定期に売上が計上され、売上高も2,264,585千円と売上高全体の55%を占めるため相対的にリスクが高いと考えられる。 また、保全・リニューアル業務の中でも特にリニューアル業務については1件当たりの受注金額が多額となるケースが多いことから、当該業務に関する売上高の計上時期が会社の業績に重要な影響を及ぼす可能性がある。 「【注記事項】 (重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、保全・リニューアル業務に関しては、原則として履行義務の充足に従って収益を認識することとしているが、取引開始日から完全に履行義務が充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い工事契約については顧客が検収した時点で収益を認識しており、現状においては対象工事の大半は工期がごく短い工事契約であり顧客による検収時点で収益を認識している。 以上より、当監査法人はリニューアル業務に係る売上高の期間帰属の妥当性が監査上の主要な検討事項であると判断した。 当監査法人は、リニューアル業務に係る売上高の期間帰属の妥当性を検討するに当たり主として以下の監査手続を実施した。 ● リニューアル業務に係る売上高の計上プロセスに関連する会社の内部統制について、整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、特に顧客の検収サインを受領する作業報告書の入手及び工事完了日に基づいて売上が計上されている事実を確認する統制を重視した。 ● 顧客による検収時点で売上を計上しているリニューアル業務に係る売上の全件について、受注確認書や作業報告書等の外部証憑との突合を実施した。 ● 期末日におけるリニューアル業務に係る売掛金残高について、サンプルを抽出して残高確認手続を実施した。 ● 期末月に完成予定のリニューアル業務の内、一定金額以上の案件について、現場を視察するとともに、作業を担当した技術員への質問手続等を実施して工事完了事実を確認した。 ● 工事管理台帳における翌期6月の完工予定案件の内、一定金額以上の案件について業務管理システムにおける工事予定、部材の調達状況等を検討し、当期に計上されるべきリニューアル業務に係る売上の有無を確認した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 リニューアル業務売上高の期間帰属監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、エレベーター等昇降機の保守業務及び保全・リニューアル業務を主たる事業としているが、定期的に売上を計上する保守業務と比較して、保全・リニューアル業務については不定期に売上が計上され、売上高も2,264,585千円と売上高全体の55%を占めるため相対的にリスクが高いと考えられる。 また、保全・リニューアル業務の中でも特にリニューアル業務については1件当たりの受注金額が多額となるケースが多いことから、当該業務に関する売上高の計上時期が会社の業績に重要な影響を及ぼす可能性がある。 「【注記事項】 (重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、保全・リニューアル業務に関しては、原則として履行義務の充足に従って収益を認識することとしているが、取引開始日から完全に履行義務が充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い工事契約については顧客が検収した時点で収益を認識しており、現状においては対象工事の大半は工期がごく短い工事契約であり顧客による検収時点で収益を認識している。 以上より、当監査法人はリニューアル業務に係る売上高の期間帰属の妥当性が監査上の主要な検討事項であると判断した。 当監査法人は、リニューアル業務に係る売上高の期間帰属の妥当性を検討するに当たり主として以下の監査手続を実施した。 ● リニューアル業務に係る売上高の計上プロセスに関連する会社の内部統制について、整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、特に顧客の検収サインを受領する作業報告書の入手及び工事完了日に基づいて売上が計上されている事実を確認する統制を重視した。 ● 顧客による検収時点で売上を計上しているリニューアル業務に係る売上の全件について、受注確認書や作業報告書等の外部証憑との突合を実施した。 ● 期末日におけるリニューアル業務に係る売掛金残高について、サンプルを抽出して残高確認手続を実施した。 ● 期末月に完成予定のリニューアル業務の内、一定金額以上の案件について、現場を視察するとともに、作業を担当した技術員への質問手続等を実施して工事完了事実を確認した。 ● 工事管理台帳における翌期6月の完工予定案件の内、一定金額以上の案件について業務管理システムにおける工事予定、部材の調達状況等を検討し、当期に計上されるべきリニューアル業務に係る売上の有無を確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | リニューアル業務売上高の期間帰属 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
仕掛品 | 170,747,000 |
原材料及び貯蔵品 | 209,121,000 |
その他、流動資産 | 3,493,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 4,920,000 |
土地 | 55,556,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 75,962,000 |
有形固定資産 | 164,339,000 |
ソフトウエア | 33,511,000 |
無形固定資産 | 33,641,000 |
長期前払費用 | 300,000 |
繰延税金資産 | 15,270,000 |
投資その他の資産 | 34,026,000 |
BS負債、資本
1年内返済予定の長期借入金 | 174,548,000 |
未払金 | 71,041,000 |
未払法人税等 | 116,363,000 |
未払費用 | 77,579,000 |
リース債務、流動負債 | 33,376,000 |
賞与引当金 | 12,000,000 |
資本剰余金 | 96,302,000 |
利益剰余金 | 137,234,000 |
株主資本 | 351,847,000 |
負債純資産 | 1,680,097,000 |
PL
売上原価 | 2,787,393,000 |
販売費及び一般管理費 | 996,380,000 |
営業利益又は営業損失 | 264,702,000 |
受取利息、営業外収益 | 300,000 |
営業外収益 | 16,063,000 |
支払利息、営業外費用 | 6,872,000 |
営業外費用 | 17,950,000 |
特別損失 | 235,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 100,178,000 |
法人税等調整額 | 14,916,000 |
法人税等 | 115,094,000 |
PL2
当期変動額合計 | 249,927,000 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
減価償却費、営業活動によるキャッシュ・フロー | 56,238,000 |
賞与引当金の増減額、営業活動によるキャッシュ・フロー | 7,500,000 |
支払利息、営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,872,000 |