財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-07-30
英訳名、表紙ANYCOLOR Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役CEO  田角 陸
本店の所在の場所、表紙東京都港区赤坂九丁目7番2号 ミッドタウン・イースト11F
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-4335-4850(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEIfalse
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月概要2017年5月東京都新宿区において、いちから株式会社を資本金100万円で設立2017年11月東京都新宿区から東京都渋谷区に本店移転2018年1月VTuber(注1)グループ「にじさんじ」の始動を発表し、ライバー(注2)募集を開始2018年2月第1期の「にじさんじ」所属VTuber8名が活動を開始2018年5月ゲーム配信者に特化したVTuberグループ「にじさんじゲーマーズ」を開始2018年6月「にじさんじ」の候補生により構成される「にじさんじSEEDs」を開始2018年12月「にじさんじ」、「にじさんじゲーマーズ」、「にじさんじSEEDs」の3グループを「にじさんじ」に統合2019年2月「にじさんじ」の配信スケジュールサイト「いつから.link」のウェブブラウザ版の提供を開始2019年4月中国におけるVTuberグループ「VirtuaReal Project」の始動を発表し、ライバー募集を開始「いつから.link」のiOS・Androidアプリ版の提供を開始2019年7月インドネシアにおけるVTuberグループ「NIJISANJI ID」の始動を発表し、ライバー募集を開始2019年11月インドにおけるVTuberグループ「NIJISANJI IN」の始動を発表し、ライバー募集を開始2019年12月韓国におけるVTuberグループ「NIJISANJI KR」の始動を発表し、ライバー募集を開始2020年3月東京都渋谷区から東京都千代田区に本店移転2020年6月「にじさんじ」の英語圏に向けた公式YouTubeチャンネルを開設2020年9月「にじさんじ」専用のオンラインショップである「にじさんじオフィシャルストア」を開設2020年10月「にじさんじ」公式のファンクラブである「にじさんじ FAN CLUB」の提供を開始2021年4月インドにおけるVTuberグループ「NIJISANJI IN」の活動を休止2021年5月東京都千代田区から東京都港区に本店移転商号をいちから株式会社からANYCOLOR株式会社に変更英語圏におけるVTuberグループ「NIJISANJI EN」が活動を開始2021年6月VTuberとして活躍するためのタレント育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー」を開始2022年4月インドネシアにおけるVTuberグループ「NIJISANJI ID」と韓国におけるVTuberグループ「NIJISANJI KR」を、VTuberグループ「にじさんじ」に統合2022年6月東京証券取引所グロース市場に株式を上場2023年6月東京証券取引所プライム市場への市場区分変更 (注)1.VTuberとは、Virtual YouTuberの略称であり、YouTube(Google LLCが運営する動画配信プラットフォーム)上で独自に製作した動画を継続して公開している人物のうち、2Dまたは3Dのアバターを利用して活動するものの名称であります。
2.ライバーとは、動画配信活動を行う配信者の名称であります。
事業の内容 3【事業の内容】
(1)コーポレート・ミッション 当社は「魔法のような、新体験を。
」というコーポレート・ミッションを掲げており、今までにない新しいエンターテイメントの体験を世の中に提供することを目的に、サービス展開を行っております。
 テレビ・ラジオをはじめとした従来のメディアにおいては、コンテンツを制作するクリエイターが、視聴するユーザーにコンテンツを提供するという一方通行の形式が主体となっていました。
しかし、インターネットを通じて、誰もがコンテンツを発信するクリエイターになることが可能となることで、クリエイターとユーザーの垣根がなくなり、より多くのコンテンツが発信されるようになり、Google LLCが提供する動画配信プラットフォームであるYouTube等を用いたライブストリーミング(注)によって、ユーザーがリアルタイムで反応ができる双方向性のメディアが新しいメディアの形態として出現してきました。
 当社は、テクノロジーを活用して新しい体験を提供することで、エンターテイメントの更なる可能性を追求し、世の中の人々に楽しみを与えることを目指してまいります。
(注)インターネット上で、音声や動画をリアルタイムで配信すること。
(2)サービス概要 当社が運営するVTuberグループ「にじさんじ」は、本書提出日現在で約170名の多種多様なVTuberが所属するVTuberグループであり、ライブストリーミングによる双方向性のコミュニケーションを通じて、ファンコミュニティの構築を図っております。
更に、グッズ・デジタル商品の販売やイベントの開催等を通じて、VTuberコミュニティの盛り上がりを高めることができると考えております。
 VTuberとはVirtual YouTuberの略称であり、ライバーと呼ばれる現実の人間を、モーションキャプチャー技術(注)を利用してバーチャルキャラクター(アニメキャラクター)に置き換えることで、従来のアニメキャラクターでは表現できなかった詳細な表情や仕草を表現して、動画配信を行うことが可能になりました。
また、ユーザーはライブ配信のチャット機能を通じて、VTuberとコミュニケーションをとることが可能です。
 また、当社は国内だけではなく、英語圏及び中国を中心に海外でもVTuberビジネスを展開しており、各国のネットワークを活かし、VTuberコンテンツを世界へ配信しております。
(注)モーションキャプチャーとは、現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術であります。
(3)当社の事業分野別の内容 当社は動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであり、主な事業はVTuberグループ「にじさんじ」の運営であり、YouTubeにおいて動画配信を行うライブストリーミング領域を中心としながら、動画配信以外の接点を提供してVTuberの活動の幅を拡大する「コマース領域」及び「イベント領域」、当社が保有する当社所属VTuberに関するIP(Intellectual Property:知的財産)を用いて、顧客企業の商品やサービスのプロモーションを行う「プロモーション領域」でビジネスを展開しております。
① ライブストリーミング領域 ライブストリーミング領域においては、VTuberグループ「にじさんじ」の運営を中心に、VTuberとの双方向のコミュニケーションを通じてファンコミュニティの創出を図っております。
 新規VTuberのデビューにあたっては、VTuberの容姿を含む、キャラクター設定を当社でデザイン・設計し、当社が開催するオーディションへの応募者の中からライバーを選考しております。
その後、オーディションで選ばれたライバーとの間で業務委託契約を締結したうえで、当社が作成したVTuber活動に必要なアバター、VTuberの名称、当社が開発した自宅から自分一人で2D及び3Dでの配信を可能にするツール、YouTube等の配信アカウントやソーシャルネットワークサービス(以下「SNS」という。
)アカウントをライバーに貸与しています。
 以上のプロセスを経て活動を行うVTuberは、SNSや配信等を通じてファン等と相互のコミュニケーションが可能であり、各VTuberはバーチャル世界におけるタレントとして、テレビ番組に出演する等様々な活動領域に進出しております。
 当社に所属するVTuberは、YouTubeにおいて主にライブ配信動画を中心とした動画配信活動に従事しています。
ユーザーはVTuberによるライブ配信を視聴する中で、YouTubeに搭載されているチャット機能を通じて、VTuberと交流することが可能です。
また、ライブ配信動画は、リアルタイムでのライブ配信を視聴できなかったユーザーも、各VTuberのYouTubeチャンネルに過去動画が蓄積されており、ユーザーは当該動画を視聴することが可能です。
 当社は、収益の拡大に向けてVTuberに対してYouTubeにおける動画配信活動のサポートその他の各種サポートを行うとともに、「にじさんじ」グループとしての動画番組制作のサポート、自宅から配信可能な機材の貸与や配信スタジオの提供、動画内で使用される社外の著作物に関する権利確認や各種ガイドラインに沿った研修の実施等によるコンテンツの健全化対応、インターネット上での炎上事案を発生させないためのVTuberへのコンプライアンス研修、VTuberに対する誹謗中傷が発生した場合は、誹謗中傷に該当する発信の削除請求や警察への被害相談等を行っております。
 ライブストリーミング領域における収益は主にSuper Chat、YouTubeメンバーシップ、Google AdSense収益の3つで構成されています。
Super Chatとは、YouTubeが提供するサービスであり、YouTubeのライブ配信におけるチャット機能のうち、ユーザーが有料課金を行うことで当該ユーザーのコメントが目立つように固定表示される機能です。
ユーザーはその課金額に応じて、自分自身のチャットの色と固定表示される時間の長さが変わり、ユーザーは自分自身のコメントを色付けして強調させることで、VTuberにコメントを認識してもらう機会が増え、VTuberとユーザー間、ファン同士のコミュニケーションが促進されることに加え、ファンコミュニティにおけるユーザーの認知度を高めることにもつながります。
 YouTubeメンバーシップについても、YouTube上でのサービスの一つであり、ユーザーが一定の月額料金を支払うことによってYouTubeチャンネルのメンバーとなり、メンバーシップに加入したユーザー向けの限定動画、その他のアイテム等のメンバーシップ限定の特典を得られる制度です。
Google AdSense収益は、当社所属VTuberのYouTube上の動画を閲覧しているユーザーが、YouTube上に流れる広告を閲覧することにより、収益の一部をGoogle LLCから受領することによる収益です。
 ライブストリーミング領域における3つの収益のうち、Super Chat収益とYouTubeメンバーシップ収益については、Google LLCへの手数料を控除したネット金額を受領しておりますが、財務諸表上の収益にはSuper Chat収益とYouTubeメンバーシップ収益の総額を計上し、費用にGoogle LLCへの手数料を計上しております。
Google AdSense収益については、Google LLCからの受領額(ネット金額)を収益に計上しております。
また、ライバーに対しては、各VTuberのYouTubeチャンネルから稼得された収益のうち一部を支払います。
② コマース領域 当社はライブ配信で培ったファンコミュニティに向けて、ライブ配信以外でのVTuberと接する機会を増加させる観点から、様々な当社オリジナルのグッズやVTuberの音声を録音したデジタル商品(以下グッズとデジタル商品を総称して「コンテンツ」という。
)を販売しております。
コンテンツには、常時販売されている常設コンテンツの他、季節限定コンテンツや受注生産コンテンツ、イベント限定コンテンツ等の様々な形態があります。
加えて、VTuberの活動の幅の拡がりに応じて、歌手デビューを行うVTuberも増えており、それに応じて楽曲の販売等、新しいコンテンツ販売も増加しております。
 販売チャネルについては、「にじさんじ」公式のオンライン販売ウェブサイトである「にじさんじオフィシャルストア」を中心としながら、当社が主催するイベント会場における販売等と多岐にわたっております。
また、コンテンツの販売に加えて、2020年10月より、「にじさんじ」の公式ファンクラブである「にじさんじ FAN CLUB」の提供を開始しており、ファン同士やファンとVTuberとの間でのチャット機能等の有料サービスを提供しております。
当社では、販売するコンテンツの企画立案、コンテンツデザイン、コンテンツ制作の発注等を行っており、コンテンツを継続的に提供できるよう努めております。
コンテンツ収益には、コンテンツ販売による売上を計上しております。
また、ライバーに対しては、各VTuberに直接的に紐づくコンテンツの収益のうち一部を支払います。
③ イベント領域 コンテンツ販売に加え、当社はVTuberの魅力をイベント会場で体感してもらうことを目的に、当社所属のVTuberが出演する、音楽をはじめとしたイベントを主催しております。
当事業年度に実施した主要な施策として、前夜祭及び後夜祭を含めて2025年2月20日から24日まで幕張メッセにて開催された「にじさんじフェス2025」では、イベントホールで実施した6つの公演をはじめ、着ぐるみ&ヒーローショーなどのステージ、アトラクション、展示、協賛企業出展エリアなど多種多様な催しを実施しました。
 当社では、イベントの企画立案及び外部のイベント制作企業と協業しながらイベントの制作等を行っており、VTuberファンの方々にさらにファンになっていただけるよう努めております。
また、音楽レーベルとの関係を構築し、過去に複数の音楽レーベルから当社所属のVTuberが制作した楽曲の販売を行っております。
イベント収益には、イベント開催に伴うチケット収入等(共催の場合には、共催比率を乗じた金額)を計上しております。
④ プロモーション領域 プロモーション領域における収益は主にタイアップ広告、IPライセンス、メディア出演の3つ(以下「企業案件」という。
)で構成されています。
タイアップ広告とは、顧客企業の商品やサービスを動画等によりVTuberがプロモーションを行うもので、当社は顧客企業よりプロモーションの対価を受領します。
IPライセンスとは、当社が保有する当社所属VTuberに関するIP(Intellectual Property:知的財産)を顧客企業の商品やサービスに使用許諾を行うというもので、当社は顧客企業よりIPの使用料を受領します。
メディア出演とは、当社に所属するVTuberがテレビ、ラジオ、雑誌、インターネット配信その他の顧客企業のメディアに出演するもので、当社は所属VTuberの出演料を顧客企業より受領します。
当社では、顧客企業に対してVTuberのIP利用を提案し、企業案件受注後は実施に向けて顧客企業とVTuberの間に入ってサポートを行っています。
 VTuberの活動領域が拡がっていくことで、VTuberの認知度が高まり、IPとしての価値は次第に高まっていき、メディアでの活動の幅・出演機会は今後も増えていくものと考えています。
 また、当社はステルスマーケティング(注)を防止すること及び優良誤認を防止することを目的に提供表示に関するガイドラインを策定しており、顧客企業やファンからの信頼獲得に努めております。
企業案件収益には、顧客企業から受領した報酬を売上高として計上しております。
また、企業案件に従事したライバーに対して一定の報酬を支払います。
(注)何らかの宣伝・広報であることを消費者に隠して行う活動のこと。
[事業系統図] 以上に述べた当社の事業を、事業系統図によって示すと以下のとおりとなります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
 当社は、非連結子会社1社及び持分法非適用関連会社を1社有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)提出会社の状況 2025年4月30日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)532(34)31.82.34,968 (注)1.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、正社員、契約社員のみで算定しております。
4.当社は、動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)労働組合の状況 当社において労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.正規雇用労働者パート・有期労働者全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者18.650.0-78.383.182.9-(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものになります。
(1)経営方針 当社は、「魔法のような、新体験を。
」というコーポレート・ミッションを掲げており、今までにない新しいエンターテイメントの体験を世の中に提供することを目的に、VTuberグループ「にじさんじ」の運営等のサービス展開を行っております。
(2)経営環境① VTuberグループとしての特徴 当社の強みはVTuberによるライブ配信におけるVTuberとユーザーとの双方向のコミュニケーションを通じて培うVTuberとユーザーとのファンコミュニティであると考えています。
当社のVTuberビジネスにはその特性上、以下に掲げる3つの強みがあると考えております。
1.当社ではVTuberのイラスト、キャラクターを会社がデザイン・設定し、VTuberのIPを会社が保有しております。
会社がIPを保有することで、IPを活用したコマース領域やプロモーション領域への展開のしやすさや、ライバーの高い活動継続率などといった安定的な事業体制につながっております。
2.バーチャル世界においては現実世界における知名度を活かすことができず、バーチャル世界における知名度が重要となると当社では考えております。
有名キャラクターなどが一時的にVTuberビジネスを開始することはあっても、バーチャル世界での成功という観点では、ライブストリーミングを通じて獲得したファンとライバーとの信頼関係は他社の参入障壁となると考えております。
3.VTuberはバーチャルキャラクターであるため、ライバーの現実世界における制約(性別、職業、国籍等)を受けることなく配信が可能です。
また、定期的なコンプライアンス研修の実施や動画内容のパトロールを行うことでコンテンツの健全性を確保し、炎上の発生を抑えることに繋がると考えております。
② 当社の業績について 当社は、VTuberグループ「にじさんじ」の運営を起点として、ライブストリーミング領域、コマース領域、イベント領域、プロモーション領域を展開しており、VTuberをライブストリーミングにとどめることなく活動領域の拡大に取り組んで参りました。
 所属VTuber数の増加とサポート体制の拡充を両立することで、「にじさんじ」のファン数が着実に増加し、それによりコマース領域が大きく伸長しております。
また、VTuberの活動の幅の拡がりと共に認知度も高まることで、「にじさんじ」に企業案件を依頼いただける顧客企業が増加し、プロモーション領域も大きく伸長しております。
このようにコマース領域とプロモーション領域が中心となって、売上高の成長を牽引しております。
③ 当社所属VTuberとファンコミュニティについて 約170名のVTuberで構成されるVTuberグループ「にじさんじ」では、各VTuberの動画配信を視聴したユーザーとの間で、他の「にじさんじ」所属VTuberの動画配信の視聴やコマース領域、イベント領域及びプロモーション領域を通じた接点を持つこと等により、当該ユーザーの「にじさんじ」のファンとしての定着を図っております。
また、当社の新人VTuberは「にじさんじ」グループの一員としてデビューすることで、「にじさんじ」の既存ファンコミュニティを活用して、ファンを獲得することが可能となっております。
VTuberはキャラクターとしての魅力に加えて、ライバーと配信を通じたコミュニケーションを通じて各VTuberそれぞれがファンとの関係を築いていくという特徴があると考えております。
また、当社は特定のVTuberへの依存が低いと認識しており、幅広いVTuberの活動に支えられて運営を行っております。
それは収益分散状況に表れていると考えており、2025年4月期売上高のうち、約30%はTOP10のVTuberにより獲得された収益であり、約50%はTOP30のVTuberにより獲得された収益となっております。
こうした収益の分散状況から、仮に特定のVTuberが卒業をすることになったとしても収益基盤への影響が限定的であり、当社事業の継続性・安定性は高いと考えております。
④ VTuber市場の更なる成長可能性 VTuber市場は、誕生から間もない市場であり、VTuberの活動の幅の拡大に合わせて、アクセス可能な市場規模は今後も拡大していくと当社は考えております。
VTuberは、2016年12月頃より、バーチャルな存在として活動するYouTuberを呼称する用語として用いられるようになった言葉であり、2017年には主に個人で活動するVTuberが多く生まれました。
当社がVTuberグループ「にじさんじ」の活動を開始したのは2018年2月で、2018年以降は当社のように個人ではなくグループとして活動するVTuberが増加した時期であり、また、既存キャラクターのVTuber化や企業の広報宣伝を目的としたVTuberが誕生する等、VTuberはその活動を多様化していきました。
より長期的なビジョンでは、VTuberの活動を拡げることでアニメ業界を中心としたエンターテインメント業界の広大な市場を開拓していくことを目指してまいります。
ライブストリーミング領域においては、既存のYouTube配信やアニメの配信市場(2,501億円(注1))が類似した市場であると考えており、その一部を置き換えうると考えております。
同様に、コンテンツ販売においては国内アニメ市場のグッズ販売市場(7,008億円(注1))を、イベントは国内アニメ市場のライブ市場(1,081億円(注1))の一部を置き換えうると考えております。
また、プロモーション領域においては、日本の動画広告市場(7,249億円(注2))の一部を置き換えうると考えております。
加えて、今後VTuberが活動領域を拡げることで、更にアクセス可能な市場は拡がっていくと考えております。
例えば足元ではVTuberが歌手デビューを通じて、国内の音楽市場にアクセス可能となっているほか、VTuberがTVに出演する機会も増えていることから、今後リアルとバーチャルにおける芸能人/タレントの垣根がなくなっていくことで、VTuber市場が更に拡大する可能性があるものと考えております。
(注)1.一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2024」2.株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント、2024年国内動画広告の市場調査を発表」 (3)中長期的な経営戦略等 当社は中長期的な経営戦略として、引き続きVTuberの育成・デビューに取り組むとともに、エコシステムの強化を通してVTuber1人あたりの収益を拡大することを基本戦略としており、以下のような取組みを通じて①事業基盤の強化、②継続的なVTuberの輩出、③VTuber当たり収益の拡大を目指してまいります。
① 事業基盤の強化 当社では新規VTuberのデビューに加えて、既存VTuberの強化やユニットプロデュースの促進に合わせ各領域での人的リソースを強化しております。
当社事業に必要な人材としては、VTuber活動のプロデュースやサポートを行うための人員であるタレントマネージャーやプロデューサー、デザイナー、またVTuberの活躍機会の最大化を行うための人員であるグッズプランナー、法人営業、動画編集、イベントプランナーなどが挙げられます。
当社では採用広報の強化など組織的に採用戦略を展開することで、VTuberを支える会社基盤を強化してまいります。
 また、当社では2024年10月に配信スタジオへの設備投資を実施し、新スタジオは面積規模をこれまでの3倍の規模に拡張し、VTuberの人数増加や、多様なコンテンツ制作ニーズに対応しております。
新スタジオでは、様々な用途で活用可能な2D/3Dスタジオ、レコーティングスタジオ、個人配信ブースといった各種のスタジオ機能をこれまで以上の規模・クオリティに拡充し、配信コンテンツ、音楽、イベントなどの領域で魅力的なコンテンツの提供を実現いたします。
② 継続的なVTuberの輩出 当社では所属VTuberの活躍を通じて「にじさんじ」のファンコミュニティが拡大することで、「にじさんじ」というプラットフォームで活動を希望するライバー候補者の人数が増加し、それがより魅力的な才能に出会える可能性の最大化に繋がると考えております。
そのうえで当社では、継続的なVTuberの輩出は重要であると考えており、2025年4月期には19名の新規VTuberがデビューしております。
 また、当社は2021年6月にバーチャル・タレント・アカデミーと呼ばれるVTuberの養成所を開設しております。
ライバー候補の方々をVTuberとしてデビューさせる前段階において、配信トレーニング、ボイス・歌唱トレーニング、ダンス・モーショントレーニング、ファンとの向き合い方、動画編集・スタジオ活用能力の強化等、個々人が希望する活動の方向性等を加味しながら、能力の育成に努めております。
バーチャル・タレント・アカデミーではオーディションを定期的に開催しており、よりユニークな才能を持ったVTuberの輩出に向けた通常とは異なるオーディションも開催し、長期的な視点から現在所属するVTuberとは異なるファン層の開拓に繋がり得る人材を発掘することも目指しております。
2025年4月期には累計で4.1万人の方々からご応募いただいております。
③ VTuber当たり収益の拡大 当社では「にじさんじ」全体での大型施策を通じたグループとしての成長、ユニットプロデュースの展開を通じて、VTuber当たりでの収益機会の拡大を行っております。
ユニットプロデュースとは複数人のVTuberでVTuberユニットを組成し、VTuber個人としての活動に加えて、当該ユニットでの音楽コンテンツ、グッズ、ライブイベント、YouTubeでの番組コンテンツなどを提供するものです。
多様なVTuberが所属する当社の強みを活かしたユニット展開を加速し、既存ユニットの成長と新規ユニットの輩出を通してファンコミュニティのさらなる拡大を目指してまいります。
ユニット活動では、VTuber同士の掛け合いなどから新たな方向性や特徴が生まれることで従来とは違うファン層の開拓に繋がると考えております。
 また当社では、コマース領域での企画充実による各VTuberのファンコミュニティ拡大、スケジュール管理による機会損失の回避と販売機会の拡大を図るため、ファンコミュニティが求めるアイテムをより幅広く企画・供給出来る体制を整備しております。
またプロモーション領域では、幅広い業種の多種多様な案件に対応可能なセールス・プランニング体制の強化を図っており、ゲーム業界をはじめとした様々な業界のクライアント企業との間で、PR配信、IPコラボなどの案件を実施しております。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社のコーポレート・ミッションの実現及び持続的な成長と企業価値向上を表す指標として、売上高、各領域別売上高、営業利益、営業利益率を経営上重要な指標として位置付けております。
また、売上高の拡大には、にじさんじVTuber数、ANYCOLOR ID数の拡大が必要であると考えております。
以下では、当社のサービス別の売上高推移と営業利益を掲載しており、これらは多様な収益基盤を軸とした成長性と収益性の拡大を示していると当社では考えております。
領域別業績と営業利益の推移(単位:百万円) 2022年4月期2023年4月期2024年4月期2025年4月期売上高14,16425,34131,99542,876ライブストリーミング領域3,7105,0744,9935,055コマース領域7,16214,24718,93727,842イベント領域7851,6001,9062,820プロモーション領域2,3044,0485,8847,059その他領域(注1)20137127398営業利益(営業利益率)4,191(29.6%)9,410(37.1%)12,361(38.6%)16,279(38.0%) (注)その他領域には中国でのVTuberビジネス等を含んでおります。
KPIの推移 2022年4月期2023年4月期2024年4月期2025年4月期VTuber数(日本・英語圏)(名)129156158170ANYCOLOR ID数(万アカウント)5393126169 (5)優先的に対処すべき事業上の課題 当社の優先的に対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
なお、優先的に対処すべき財務上の課題はございません。
① サービスの健全性の確保 当社では、健全なコンテンツを発信していくことが、中長期的にはファンや顧客企業の獲得・蓄積に資すると考えており、当社に所属するライバーに対するコンプライアンス研修やコンテンツ管理に注力しております。
また、SNS等の普及により、インターネット上でのクリエイターに対する誹謗中傷等が社会的に問題となっております。
当社では、所属するライバー等をそうした脅威から保護するための体制の強化を進めてまいります。
② サービスの認知度向上 当社が今後も高い成長率を持続していくためには、VTuber及び「にじさんじ」の認知度を向上させ、継続的に新規ファンを獲得していくことが必要不可欠であると考えております。
これまでの活動を通じて、10代後半から20代の方々を中心に主には若年層の方々の間で一定の認知が広がってきているものの、更に幅広い層のファンを獲得するために、SNSを中心としたマーケティングや広報活動の拡充を推進してまいります。
③ ライバーの発掘と育成 当社にとって、所属するライバーの育成と、新規でのライバーの発掘は事業上の根幹をなすものとなっております。
当社は現在所属しているライバーに向けて、動画やコンテンツの制作に係る支援や企業案件の獲得、視聴者やファンの増加のための各種サポートを引き続き一層強化するとともに、VTuberの世界観やキャラクターデザインの改善等、様々な取り組みを継続してまいります。
また、未来のライバーの発掘や育成のために、これまでに実施しているオーディションの形に捉われず、様々な可能性を追求してまいります。
④ 新技術への対応 当社は、技術の発達によりエンターテイメントにおける新たな方法による表現が可能になり、ファンの方々に提供できる体験を進化させることができるという認識のもと、新技術への対応を適時に行うことが重要な課題であると考えております。
したがって、当社では、VRやAR等を含む、近年において次々と登場する新技術に対応すべく、必要な対応や投資を積極的に行ってまいります。
⑤ 優秀な人材の採用と育成 当社の継続的な成長には、事業拡大に応じた優秀な人材を採用するとともに、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。
当社のコーポレート・ミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築を行ってまいります。
また、採用後も、当社で存分に力を発揮することを後押しするために、業務を通じたトレーニングの他、研修制度等の充実にも努めてまいります。
⑥ 海外市場の開拓 当社では現在、英語圏及び中国を中心に海外でもVTuberビジネスを展開しておりますが、これらの地域におけるVTuberの普及は発展途上の段階であり、積極的に事業拡大を図っていく中で、海外におけるVTuberの浸透に努めてまいります。
また、現在進出していない国・地域におけるVTuberビジネスの可能性についても、継続的に検討してまいります。
⑦ 情報管理体制の強化 当社では、所属ライバーや顧客に関する個人情報を保有しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。
今後も社内規程の厳格な運用や、役職員に対する定期的な社内教育の実施、情報セキュリティシステムの整備等に取り組み、一層の情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。
⑧ 内部管理体制の更なる強化 当社の更なる成長のためには、業務の効率化や、事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の更なる強化が重要な課題であると認識しております。
今後も、事業上のリスクを適切に把握・分析したうえで、リスク管理規程やコンプライアンス規程等の改定、社内教育の充実等を通じて、適正な内部管理体制の整備に取り組んでまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス当社は、サステナビリティを巡る課題への取組を推進することが、収益機会の拡大及びリスクの減少につながり、中長期的な企業価値の向上に資するという観点から、人類、社会、経済、地球環境の持続可能性という文脈で、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を深めております。
当社では、原則週1回以上、代表取締役、常勤取締役、常勤監査等委員及び各事業領域を所管する執行役員、その他代表取締役が必要に応じて選任する役職員で構成される経営会議を開催し、サステナビリティを巡る課題の把握及びサステナビリティ推進のための各施策を迅速に協議しております。
 また、取締役会においては、代表取締役田角陸をサステナビリティに関する経営判断の最終責任者とし、定期的にサステナビリティを巡る課題への対応について審議を行うこととしております。
(2)戦略当社は、サステナビリティ関連のリスクとして、インターネット上での誹謗中傷をはじめとしたインターネットサービスに係る人権侵害を特に重要なものとして認識しております。
当社がインターネットを通じて新しいエンターテインメント・コンテンツを提供するうえで、コンテンツ提供者であるクリエイターに対する誹謗中傷は、クリエイターによる活動を妨害し、当社コンテンツの流布を阻害するものであります。
また、インターネットサービスに係る人権侵害は、大きな社会問題として認識されており、これに対する有効な対応策を講じなければ、文化の発展そのものが停滞することにもなりかねないものと認識しております。
 このように、当社は、当社にとっての上記リスクへの対策が、社会的な課題解決に直結するものとして、上記リスクをサステナビリティ関連の重要なリスクとして位置づけており、各種の対策を実施することとしております。
 具体的には、このリスクに対応するために社内に「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム」を設置、当社の発信力を活用したインターネットサービスに係る人権侵害に対する啓発活動、ステークホルダーとの連携を通じた問題解決に向けた情報の共有、有効な法的措置の検討及び実施といった取組を推進しております。
 当社の人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
 当社は、バリューの一つとして「思いやりで、向き合う。
」を掲げており、当社事業に関わり、様々なバックグラウンドを持つすべての人が互いに敬意を払うことで、それぞれの能力と熱意を引き出していくことを基本的な価値観としながら、サステナビリティの推進を強く意識した人材育成及び社会環境整備に関する制度を拡充しております。
 具体的には、社員表彰制度の採用、役職員のキャリアコース選択制度の採用、コンプライアンスや情報セキュリティをはじめとする全従業員に対する複数種類の研修の実施、フレックスタイム制の採用、育児休暇取得をはじめとする制度的休暇の取得の奨励、食費手当制度、社内規程に基づく副業の認可等を行っております。
(3)リスク管理 当社は、コーポレート・ガバナンスの強化を図りながら、サステナビリティ関連のリスクの管理を取締役会主導で実施しております。
取締役会やコンプライアンス委員会を通じて発見・分析されたサステナビリティ関連のリスクは、経営会議にも共有され、当該リスクに関連する部門の執行役員が具体的にその対応を実施しており、必要に応じて取締役会への報告も行われております。
(4)指標及び目標 当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する実績を評価する指標及び目標を具体的に定めておりませんが、当社がサステナビリティ関連のリスクとして特に重要と認識するインターネット上での誹謗中傷をはじめとしたインターネットサービスに係る人権侵害については、「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム」による活動実績(法的措置の件数等)を定期的に報告することとしております。
 その他のサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する実績を評価する指標及び目標についても、今後その精緻化を図ってまいります。
 また、当社は、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針における指標及び目標については、上記
(2)において記載した戦略の実施を通じ、サステナビリティを推進するうえで適切な指標及び目標を見定めてまいります。
戦略 (2)戦略当社は、サステナビリティ関連のリスクとして、インターネット上での誹謗中傷をはじめとしたインターネットサービスに係る人権侵害を特に重要なものとして認識しております。
当社がインターネットを通じて新しいエンターテインメント・コンテンツを提供するうえで、コンテンツ提供者であるクリエイターに対する誹謗中傷は、クリエイターによる活動を妨害し、当社コンテンツの流布を阻害するものであります。
また、インターネットサービスに係る人権侵害は、大きな社会問題として認識されており、これに対する有効な対応策を講じなければ、文化の発展そのものが停滞することにもなりかねないものと認識しております。
 このように、当社は、当社にとっての上記リスクへの対策が、社会的な課題解決に直結するものとして、上記リスクをサステナビリティ関連の重要なリスクとして位置づけており、各種の対策を実施することとしております。
 具体的には、このリスクに対応するために社内に「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム」を設置、当社の発信力を活用したインターネットサービスに係る人権侵害に対する啓発活動、ステークホルダーとの連携を通じた問題解決に向けた情報の共有、有効な法的措置の検討及び実施といった取組を推進しております。
 当社の人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
 当社は、バリューの一つとして「思いやりで、向き合う。
」を掲げており、当社事業に関わり、様々なバックグラウンドを持つすべての人が互いに敬意を払うことで、それぞれの能力と熱意を引き出していくことを基本的な価値観としながら、サステナビリティの推進を強く意識した人材育成及び社会環境整備に関する制度を拡充しております。
 具体的には、社員表彰制度の採用、役職員のキャリアコース選択制度の採用、コンプライアンスや情報セキュリティをはじめとする全従業員に対する複数種類の研修の実施、フレックスタイム制の採用、育児休暇取得をはじめとする制度的休暇の取得の奨励、食費手当制度、社内規程に基づく副業の認可等を行っております。
指標及び目標 (4)指標及び目標 当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する実績を評価する指標及び目標を具体的に定めておりませんが、当社がサステナビリティ関連のリスクとして特に重要と認識するインターネット上での誹謗中傷をはじめとしたインターネットサービスに係る人権侵害については、「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム」による活動実績(法的措置の件数等)を定期的に報告することとしております。
 その他のサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する実績を評価する指標及び目標についても、今後その精緻化を図ってまいります。
 また、当社は、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針における指標及び目標については、上記
(2)において記載した戦略の実施を通じ、サステナビリティを推進するうえで適切な指標及び目標を見定めてまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略  当社の人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
 当社は、バリューの一つとして「思いやりで、向き合う。
」を掲げており、当社事業に関わり、様々なバックグラウンドを持つすべての人が互いに敬意を払うことで、それぞれの能力と熱意を引き出していくことを基本的な価値観としながら、サステナビリティの推進を強く意識した人材育成及び社会環境整備に関する制度を拡充しております。
 具体的には、社員表彰制度の採用、役職員のキャリアコース選択制度の採用、コンプライアンスや情報セキュリティをはじめとする全従業員に対する複数種類の研修の実施、フレックスタイム制の採用、育児休暇取得をはじめとする制度的休暇の取得の奨励、食費手当制度、社内規程に基づく副業の認可等を行っております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標  また、当社は、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針における指標及び目標については、上記
(2)において記載した戦略の実施を通じ、サステナビリティを推進するうえで適切な指標及び目標を見定めてまいります。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
 当社では、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(特に重要なリスク)① 他社が運営している動画配信プラットフォームへの依存について 当社のライブストリーミング領域はYouTube等の他社が運営する動画配信プラットフォーム上において、サービスを提供しております。
しかしながら、当社が動画配信プラットフォームの運営会社の利用規約等に違反すること等に起因して先方との契約関係が終了し、当社のサービスが当該動画配信プラットフォーム上で展開できなくなった場合、または当該動画配信プラットフォームが利用者の減少により、動画配信媒体としての価値が低下した場合には、当社事業にも影響が生じ、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。
 当社では、動画配信ビジネス以外にも、コンテンツ販売やイベント等を通じて、動画配信プラットフォームのみに依存することなく、ファンの蓄積や収益の確保に努めており、当社の収益全体に占める動画配信ビジネスの比率は過度に高い状況にはないと認識しております。
また、単一のプラットフォームのみに依存することなく、ファンをSNS等の様々な箇所に蓄積しており、動画配信プラットフォームを移行する等の対応も可能な体制となっております。
② 人気VTuberへの依存について 当社が運営するVTuberグループ「にじさんじ」はグループとしてのデビューに加え、ライブ配信においてVTuberとのコミュニケーションを通じたユーザーとの絆を深めることで、特定のVTuberへの依存が低いと認識しており、幅広いVTuberが多くのファンによって支えられています。
一方でコンテンツ・IPサービスを展開しているうえで、人気VTuberへの依存、新規人気VTuberを生み出せないリスク等は常にリスクとして認識しており、当社の強みを生かして安定的にVTuberを増加させるとともに、ファンコミュニティの熱量を維持しつつ拡大していくことを目指します。
 人気VTuberのライバーが活動を休止・停止した場合や、スキャンダルや炎上によりVTuber活動に影響が生じた場合、当社がマネジメント戦略上の理由でVTuber活動を抑制した場合、ライバーとの間での業務委託契約はその期間が限定されており、毎回更新できる保証はなく、上記のような人気ライバーとの業務委託契約が更新に至らなかった場合、新規の人気VTuberを生み出すことができなかった場合等には、当社又は「にじさんじ」のレピュテーションや、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。
 当社では、VTuberの活動を幅広くサポートしており、ライバーの方々に安心して活動していただける体制の構築に努めております。
また、ライバーは「にじさんじ」所属VTuberとしての活動を当社から独立して行うということは困難であり、現在までの「にじさんじ」VTuberの引退は少数となっております。
③ 動画内容に不適切な内容が入ることによるレピュテーションリスク 当社では所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるような動画配信や活動をしないよう指導に努めております。
また、第三者からの指摘等により所属ライバーが不適切な活動を行っていることを認識した場合はすみやかに対処するように努めております。
しかしながら、当社の対応が不十分だった場合には、当社や所属ライバーのレピュテーション低下や訴訟、訴訟に至らないまでも紛争につながることで、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。
 当社では、健全なコンテンツを発信していくことが、中長期的にはファンや顧客企業の獲得・蓄積に資すると考えており、当社に所属するライバーに対するコンプライアンス研修やコンテンツ管理に注力しております。
当社では引き続き、当社や所属するライバーを不適切な内容の動画を配信することによるレピュテーション低下から保護するための体制の強化を進めてまいります。
(重要なリスク)(1)事業環境に関するリスク① インターネット環境等について 当社事業は、主としてインターネットを通じてサービスを提供しております。
近年におけるスマートフォンやタブレット型端末機器の普及等を背景として、一般ユーザーのインターネット利用環境は継続的に整備が図られ、インターネット上で提供されるサービス及びその利用は拡大傾向にあります。
 しかしながら、将来において、インターネット利用にかかる規制強化、利用料改定等を含む通信事業者の動向の変化、急速な技術革新が生じた場合、一般ユーザーのインターネット利用動向やその在り方に重大な変化が生じた場合、また当社においてこれらの外部環境変化への対応に支障が生じた場合は、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② VTuber業界の成長性について 当社の主軸であるVTuberビジネスは、コンテンツ市場の一端を成すものであり、特に事業の特性やファン層の類似性等の観点から、アニメ市場と密接に関連する市場であると考えており、これら市場の動向に影響を受ける可能性があると認識しております。
 当社では、インターネットの普及を通じて、コンテンツを制作するクリエイターと、それを体験するユーザーの垣根がなくなってきていること、SNS等を通じてクリエイターとユーザーでの間やユーザー相互のコミュニケーションの文化が醸成されてきていること等といった背景から、VTuber市場に潜在的に大きな成長可能性があると考えております。
 一方で、当社の事業領域については、比較的新しい市場であることや市場自体が成長途上にあると考えられること等から、現時点においては当該市場の定義が確立されたものにまで至っておらず、今後も定義や形を変えながら進化していくものと考えております。
昨今では、未成年者による高額課金が問題となっておりますが、当社は配信動画概要欄・弊社ホームページにおいて未成年者に向けて注意喚起文を掲載し、国民生活センターとも連携しながら当該問題へ対応しております。
当社は、市場の変化に応じた事業展開を推進していく方針ではありますが、今後において規制導入やその強化、業界におけるトラブル等による信頼性の毀損、その他の要因により当該市場の成長に支障が生じた場合、当社事業にも影響が生じ、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、製品・サービス分野における消費動向は、経済環境や社会情勢等に強く影響を受ける可能性があり、景気動向や雇用情勢、税制、災害その他により個人消費や企業の広告出稿等に著しい影響を及ぼす事象が生じた場合、当社事業にも影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合他社の動向について 当社が事業展開するVTuber市場においては、現在までにVTuber専業企業に加えて、ゲーム会社等のエンターテイメント企業、動画配信プラットフォーム企業、タレントマネジメント企業等の多くの企業が事業を展開しており、市場の競争環境は厳しさを増しております。
 当社はこれまでに培ってきたライバーへの各種活動のサポートやVTuber市場における「にじさんじ」ブランドの継続的な拡大を行ってきております。
また、既存キャラクターやタレントの活用ではなく、ライバーをプロデュースすることにより、事業を拡大してきており、動画配信に限らずコンテンツ販売やイベント開催、企業案件の獲得等、多岐に渡るサービスを展開している点は当社の強みであり、ゲーム会社等のエンターテイメント企業、動画配信プラットフォーム企業、タレントマネジメント企業等の潜在的な競合企業やアニメ等の他の動画コンテンツとの差別化に繋がると考えております。
 しかしながら、当社のこうした取り組みが予想通りの成果をあげられない場合や、より魅力的・画期的な特徴を持つサービスを展開する競合他社の出現により、当社が展開するサービスからのファンの離反等が生じる場合には、当社事業にも影響が生じ、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に関するリスク① Google LLCとの契約について 当社はGoogle LLCとの契約に基づき、当社が同社に対し、当社が管理する動画コンテンツの利用許諾を行う一方で、当社は、同社から提供されるツールを使用して、YouTube上において当該コンテンツを管理し、当該コンテンツから生じる収益の一定料率分を受領しております。
 当該契約は1年間の契約期間で、30日前の終了通知がない限り、さらに1年間自動更新されることになっております。
現時点で当該契約が解除になる事由は発生しておりませんが、当該契約が終了する契機は、当社の破産等の債務超過、事業の譲渡等による事由、当該契約条項で秘密保持や保証違反等の重要な条項違反があり、また、両当事者ともに30日前に通知することで中途解約することができるとされております。
 当該契約が解除された場合には、当社事業にも影響が生じ、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外展開について 当社では現在、英語圏及び中国を中心に海外でもVTuberビジネスを展開しておりますが、これらの地域におけるVTuberの普及は発展途上の段階であり、積極的に事業拡大を図っていく中で、海外におけるVTuberの浸透に努めております。
また、現在進出していない国・地域におけるVTuberビジネスの可能性についても、継続的に検討しております。
 しかしながら、こうした国及び地域におけるVTuberの普及は不確実性を伴うものであり、また言語、地理的要因、法制度・税制度を含む各種規制、経済的及び政治的不安、文化・ユーザーの嗜好や商慣習の違い、為替変動等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材及びライバーの確保の困難性、及びそれぞれの国・地域において競争力を有する競合他社との競争リスクが存在します。
当社がこのようなリスクに対処できない場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新規ビジネス開発について 当社ではVTuberビジネスに次ぐエンターテイメントビジネスとしてVTuberに限らず、「魔法のような、新体験を。
」顧客に提供すべく、事業活動を行っております。
今後もエンターテイメントの新たな可能性を信じて、積極的にまだ世の中にないようなエンターテイメントを創造し、そうしたサービスを事業上の軸となるよう、成長させていくことに努めております。
 しかしながら、新規ビジネスの立ち上げと拡大については、既存ビジネスよりもリスクが高いことを認識しております。
入念な市場分析や事業計画構築にも関わらず、予測とは異なる状況が発生し、計画通りに進捗しない場合には、投資資金を回収できず、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新について 当社は、技術の発達によりエンターテイメントの新たな表現が可能になり、ファンの方々に提供できる体験を進化させることができるという認識のもと、新技術への対応を適時に行うことが重要な課題であると考えております。
したがって、当社では、VRやAR等を含む、近年において次々と登場する新技術に対応すべく、必要な対応や投資を積極的に行ってまいります。
しかしながら、当社が展開する事業領域の技術が革新的に変化し、当社がその潮流についていくことができなかった場合や対応に想定以上のコストを要するような場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ システムトラブルについて 当社の事業は主としてインターネットを介して提供されており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。
当社では、安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っております。
しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピュータウィルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故等、当社の予測不可能な要因によってシステムがダウンした場合や、当社のシステム外でユーザーのアクセス環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制等に関するリスク① 個人情報管理について 当社では、所属するライバーや顧客に関する個人情報を保有しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。
今後も社内規程の厳格な運用や、役職員に対する定期的な社内教育の実施、情報セキュリティシステムの整備等に取り組み、一層の情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。
しかしながら、万が一に情報が漏洩した場合には、損害賠償費用の発生、社会的信用の失墜等により、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権の侵害・公序良俗違反について 当社では、当社が運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社が保有する商標、コンテンツ等についての保護を図るとともに、所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるような動画配信や活動をしないように所属VTuberへのコンプライアンス研修の実施、配信動画のモニタリングを行っております。
しかしながら、当社の知的財産権が第三者から保護されない場合や、第三者から知的財産権の侵害を主張される場合において、当社主張に対する防御または紛争の解決のために費用や損失が発生し、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ インターネット、アプリ等についての法令の解釈適用に関するリスク 当社の主な事業領域であるインターネット上での動画配信やライバーを活用した各種の事業は、新しい業態の事業であるため、当社の事業遂行に関連して、著作権法のほか、肖像権・プライバシー権、特定商取引法に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報の保護に関する法律、動画配信にかかる租税法等に関して、現行の法令及び権利内容の解釈適用上で論点が生じる可能性があり、その結果として当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)会社組織に関するリスク① 代表取締役CEO 田角陸への依存について 代表取締役CEOである田角陸は、当社の創業者であり、創業以来代表を務めております。
同氏は、VTuber事業の展開に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社では、取締役会等における役員及び幹部社員への情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を行っておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材に関するリスク 当社の継続的な成長には、事業拡大に応じた優秀な人材を採用するとともに、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。
当社のコーポレート・ミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築を行っております。
また、採用後も、当社で存分に力を発揮することを後押しするために、業務を通じたトレーニングのほか、研修制度等の充実にも努めております。
 しかしながら、人材獲得競争の激化や市場のニーズの変化等により、想定通りの採用が進まない等といった優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業体制及び内部管理体制の強化について 当社のさらなる成長のためには、業務の効率化や、事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
今後も、事業上のリスクを適切に把握・分析したうえで、社内規程や各種マニュアルの整備、社内教育の充実等を通じて、適正な内部管理体制の整備に取り組んでまいります。
また、当社は法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用しております。
 しかしながら、今後の急速な事業規模の拡大等により、十分な内部管理体制の構築に支障が生じた場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の財務報告にかかる内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社の財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
(5)経営成績及び財政状態等について  配当政策について 当社は企業価値の継続的向上を図るとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置付けております。
このような観点から、当社は将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続的に行うことを基本方針としております。
 具体的には、事業から生み出される利益については、事業費用や設備投資を通じたVTuber事業の成長、株主への還元、将来の投資を見据えた内部留保のバランスを考慮しながら活用していく方針です。
 そのうえで、剰余金の配当については配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的に実施することを目指しております。
 また、自己株式の取得は株式市場及び当社株価の動向等を勘案し機動的に実施してまいります。
 なお、2024年6月12日に公表した「中期的な成長に向けた経営方針」の中で掲げた、2025年4月期からの3年間の間に創出する利益を原資として300億円以上の株主還元を目指す方針に変更はありません。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における流動資産は25,622百万円となり、前事業年度末に比べ1,992百万円増加いたしました。
これは主に、売掛金が842百万円及び商品が1,506百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は3,521百万円となり、前事業年度末に比べ2,074百万円増加いたしました。
これは主に、有形固定資産が1,866百万円増加したこと等によるものであります。
 この結果、総資産は、29,143百万円となり、前事業年度末に比べ4,066百万円増加いたしました。
(負債) 当事業年度末における流動負債は7,175百万円となり、前事業年度末に比べ1,860百万円増加いたしました。
これは主に、買掛金が843百万円、未払法人税等が766百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は0円となり、前事業年度末に比べ45百万円減少いたしました。
これは長期借入金の減少によるものであります。
 この結果、負債合計は、7,175百万円となり、前事業年度末に比べ1,815百万円増加いたしました。
(純資産) 当事業年度末における純資産合計は21,968百万円となり、前事業年度末に比べ2,251百万円増加いたしました。
これは主に当期純利益11,510百万円の計上により利益剰余金が増加した一方で、市場買付により自己株式が7,499百万円増加したこと等によるものであります。
なお、2024年7月24日付で自己株式の消却を行い、利益剰余金及び自己株式がそれぞれ10,000百万円減少いたしました。
② 経営成績の状況 当社は「魔法のような、新体験を。
」というコーポレート・ミッションのもと、新しいエンターテイメントを提供する会社として、VTuberグループ「にじさんじ」の運営を主軸としたエンターテイメント領域での事業展開を行っております。
当社のVTuberビジネスは、主にYouTubeにおけるライブ配信動画を中心とした動画配信活動によるライブストリーミング領域、当社がIPを有するVTuberのオリジナルグッズや音声を録音したデジタル商品の販売を行うコマース領域、当社所属のVTuberが出演する、音楽をはじめとしたイベントを主催するイベント領域、企業からのタイアップ広告、IPライセンス、メディア出演等の案件であるプロモーション領域の4領域で構成されております。
 VTuberグループ「にじさんじ」及び「NIJISANJI EN」に所属するVTuber数は170人(前年同期比12名増加)となりました。
また、「にじさんじオフィシャルストア」や「にじさんじFAN CLUB」等の利用の際に必要となるIDであるANYCOLOR IDは1,687千ID(前年同期比33.6%増)となりました。
 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高42,876百万円(前年同期比34.0%増)、営業利益16,279百万円(前年同期比31.7%増)、経常利益16,214百万円(前年同期比31.4%増)、当期純利益11,510百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
 なお、当社は動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。
)は、前事業年度末に比べ472百万円減少し、15,818百万円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動により獲得した資金は11,184百万円(前事業年度は6,903百万円の獲得)となりました。
これは主に、税引前当期純利益16,214百万円、仕入債務の増加額843百万円の計上があった一方で、売上債権の増加額842百万円、法人税等の支払額4,059百万円及び棚卸資産の増加額1,506百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動により支出した資金は2,277百万円(前事業年度は658百万円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出2,150百万円、無形固定資産の取得による支出108百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動により支出した資金は9,379百万円(前事業年度は2,437百万円の支出)となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出7,511百万円、配当金の支払額1,970百万円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.商品仕入実績 当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。
事業領域の名称仕入高(百万円)前期比(%)コマース領域8,388144.4その他領域(注)256323.2合計8,445144.9 (注)1.当社は動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであるため、事業領域別の仕入実績を記載しております。
    2. その他領域には中国でのVTuberビジネス等を含んでおります。
c.受注実績 当社は概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。
d.販売実績 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
事業領域の名称販売高(百万円)前期比(%)ライブストリーミング領域5,055101.2コマース領域27,842147.0イベント領域2,820148.0プロモーション領域7,059120.0その他領域(注)29836.1合計42,876134.0 (注)1.当社は動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであるため、事業領域別の販売実績を記載しております。
    2. その他領域には中国でのVTuberビジネス等を含んでおります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度(自 2023年5月1日至 2024年4月30日)当事業年度(自 2024年5月1日至 2025年4月30日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ12,84840.222,94653.5Google LLC4,76614.94,89211.4 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容等(売上高) 当事業年度の売上高は、42,876百万円(前年同期比34.0%増)となりました。
 売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益) 当事業年度の売上原価は、22,767百万円(前年同期比35.6%増)となりました。
 主な要因は、所属VTuberへのサポート体制の拡充、リアルグッズ、デジタルグッズ等のコンテンツ領域への注力、VTuberを活用したプロモーション領域の拡大による制作原価、支払報酬等の増加によります。
この結果、売上総利益は20,109百万円(前年同期比32.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益) 当事業年度の販売費及び一般管理費は、3,829百万円(前年同期比34.6%増)となりました。
 主な要因は、人件費等の増加によります。
この結果、営業利益は、16,279百万円(前年同期比31.7%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益) 当事業年度において、営業外収益は38百万円、営業外費用は104百万円発生しました。
 主な要因は、支払手数料77百万円、固定資産除却損25百万円が発生したことによるものです。
この結果、経常利益は、16,214百万円(前年同期比31.4%増)となりました。
(特別損益、当期純利益) 当事業年度において税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を4,704百万円計上した結果、当期純利益は11,510百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
 なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資本の財源及び資金の流動性に関する分析 当社の運転資金需要のうち主なものは、ライバーへの報酬やコンテンツ制作原価等の売上原価や、人件費や地代家賃等の販売費及び一般管理費といった営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は、配信スタジオへの設備導入や新規サービスの開発費等であります。
 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としておりますが、エクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較した上で優先順位を検討して実施することを基本としております。
 なお、第8期事業年度末(2025年4月30日)における借入金の残高は45百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は15,818百万円となっております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。
 これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高、各領域別売上高、営業利益、営業利益率を経営上重要な指標として位置付けております。
また、売上高の拡大には、にじさんじVTuber数およびANYCOLOR ID数の拡大が必要であると考えております。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当事業年度において実施した設備投資の総額(有形固定資産及び無形固定資産)は、2,473百万円となりました。
その主な内容は、スタジオの新設及び本社事務所の改装であります。
 また、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
 なお、当社は動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
2025年4月30日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(百万円)工具、器具及び備品(百万円)ソフトウエア(百万円)合計(百万円)本社(東京都港区)本社事務所195120139455472(34)スタジオ(東京都江東区)スタジオ設備1,253705-1,95960(-) (注)1.帳簿価額には、建設仮勘定及びソフトウエア仮勘定の金額を含んでおりません。
2.現在休止中の主要な設備はありません。
3.本社は賃借しており、その年間賃借料は479百万円であります。
4.スタジオは賃借しており、その年間賃借料は117百万円であります。
5.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間平均人員を( )外数で記載しております。
6.当社は動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
当事業年度末現在における重要な設備の新設、改修計画は次のとおりであります。
(1)重要な設備の新設該当事項はありません。
(2)重要な設備の除却該当事項はありません。

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況32
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況2
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況4,968,000
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
 該当事項はありません。

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年4月30日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
田角 陸東京都港区26,794,02043.88
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-1赤坂インターシティAIR5,502,0009.01
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-123,360,1005.50
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント東京都千代田区六番町4-53,348,2105.48
KIA FUND 147-TOKIO MARINE(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)MINISTRIES COMPLEX, BLOCK NO 3, P.O.BOX 64, SAFAT 13001, KWAIT(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)795,8181.30
伊藤忠商事株式会社東京都港区北青山2丁目5-1号669,6301.10
JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7-3東京ビルディング641,5521.05
釣井 慎也SINGAPORE637,5001.04
GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)607,0930.99
BOFAS INC SEGREGATION ACCOUNT(常任代理人 BOFA証券株式会社)THE CORPORATION TRUST COMPANY, 1209 ORANGE ST, COUNTY OF NEW CASTLE WILMINGTON, DE US(東京都中央区日本橋1丁目4-1日本橋一丁目三井ビルディング)601,0480.98計-42,956,97170.34
株主数-金融機関11
株主数-金融商品取引業者30
株主数-外国法人等-個人79
株主数-外国法人等-個人以外211
株主数-個人その他15,314
株主数-その他の法人132
株主数-計15,777
氏名又は名称、大株主の状況BOFAS INC SEGREGATION ACCOUNT(常任代理人 BOFA証券株式会社)
株主総利回り1
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
     該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式60当期間における取得自己株式--(注) 当期間における取得自己株式には、2025年7月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-7,499,000,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-7,511,000,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)1、263,229,5401,325,2503,487,27161,067,519合計63,229,5401,325,2503,487,27161,067,519自己株式 普通株式(注)3、4775,2712,712,0063,487,2716合計775,2712,712,0063,487,2716(注)1.普通株式の発行済株式の株式数の増加1,325,250株は、ストック・オプションの行使によるものであります。
2.普通株式の発行済株式の株式数の減少3,487,271株は、自己株式の消却によるものであります。
3.普通株式の自己株式の株式数の増加2,712,006株は、自己株式の取得によるものであります。
4.普通株式の自己株式の株式数の減少3,487,271株は、自己株式の消却によるものであります。

Audit1

監査法人1、個別太陽有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年7月30日ANYCOLOR株式会社 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士本間 洋一 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士吹上  剛 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているANYCOLOR株式会社の2024年5月1日から2025年4月30日までの第8期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ANYCOLOR株式会社の2025年4月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
コマース領域に関する収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、注記事項「(セグメント情報等)【関連情報】
1.製品及びサービスごとの情報及び収益の分解情報」に記載のとおり、動画コンテンツ関連事業の単一セグメントにおいて、ライブストリーミング領域、コマース領域、イベント領域、プロモーション領域等へサービスを展開している。
このうち、当事業年度におけるコマース領域に係る売上高は27,842百万円であり、損益計算書における売上高の64.9%を占めている。
 コマース領域では所属VTuberのキャラクター商品販売等を行っており、注記事項「(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、顧客との契約に基づき約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識している。
 商品販売については、提携事業者を通じた委託販売、卸業者経由での販売といった商流の異なる取引や、イベント共催先との間で販売額に応じた収益分配を行う取引が含まれている。
このように取引の種類が複数存在し、取引によって収益の計上額や計上時期が異なることから、取引種類ごとの収益認識の適切性を判断するために慎重な検討が必要になる。
 以上から、当監査法人はコマース領域に関する収益認識が、当事業年度において特に重要であり監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、コマース領域に関する収益認識の適切性を判断するため、主に以下の監査手続を実施した。
・ コマース領域に関連した販売プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
・ コマース領域の主要取引先に対して期末売掛金の残高確認を実施した。
・ コマース領域における収益の計上額について、重要な計上漏れや計上誤りのリスクを評価するために、取引種類別の粗利率について月次推移分析を行い、他の月次と比較して粗利率が乖離しているものがないか確かめ、乖離しているものについては原因を調査するために質問を実施した。
・ 一定の基準に基づいて抽出した取引について、契約書の閲覧や会社への質問によって取引内容及び取引条件を把握したうえで、取引先からの販売レポート等の関連証憑と照合し、収益の計上額や計上時期が適切であるか検討した。
・ 共催イベントの企画商品等の一部について、販売額に契約で定めた共催比率を乗じた金額を収益として認識していることを再計算により確かめた。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
コマース領域に関する収益認識の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、注記事項「(セグメント情報等)【関連情報】
1.製品及びサービスごとの情報及び収益の分解情報」に記載のとおり、動画コンテンツ関連事業の単一セグメントにおいて、ライブストリーミング領域、コマース領域、イベント領域、プロモーション領域等へサービスを展開している。
このうち、当事業年度におけるコマース領域に係る売上高は27,842百万円であり、損益計算書における売上高の64.9%を占めている。
 コマース領域では所属VTuberのキャラクター商品販売等を行っており、注記事項「(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準」に記載のとおり、顧客との契約に基づき約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識している。
 商品販売については、提携事業者を通じた委託販売、卸業者経由での販売といった商流の異なる取引や、イベント共催先との間で販売額に応じた収益分配を行う取引が含まれている。
このように取引の種類が複数存在し、取引によって収益の計上額や計上時期が異なることから、取引種類ごとの収益認識の適切性を判断するために慎重な検討が必要になる。
 以上から、当監査法人はコマース領域に関する収益認識が、当事業年度において特に重要であり監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
 当監査法人は、コマース領域に関する収益認識の適切性を判断するため、主に以下の監査手続を実施した。
・ コマース領域に関連した販売プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。
・ コマース領域の主要取引先に対して期末売掛金の残高確認を実施した。
・ コマース領域における収益の計上額について、重要な計上漏れや計上誤りのリスクを評価するために、取引種類別の粗利率について月次推移分析を行い、他の月次と比較して粗利率が乖離しているものがないか確かめ、乖離しているものについては原因を調査するために質問を実施した。
・ 一定の基準に基づいて抽出した取引について、契約書の閲覧や会社への質問によって取引内容及び取引条件を把握したうえで、取引先からの販売レポート等の関連証憑と照合し、収益の計上額や計上時期が適切であるか検討した。
・ 共催イベントの企画商品等の一部について、販売額に契約で定めた共催比率を乗じた金額を収益として認識していることを再計算により確かめた。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別コマース領域に関する収益認識の適切性
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

BS資産

その他、流動資産48,000,000
工具、器具及び備品(純額)826,000,000
建設仮勘定65,000,000
有形固定資産2,341,000,000
ソフトウエア139,000,000
無形固定資産172,000,000
長期前払費用23,000,000
繰延税金資産328,000,000
投資その他の資産1,007,000,000

BS負債、資本

1年内返済予定の長期借入金45,000,000
未払金186,000,000
未払法人税等3,115,000,000
未払費用653,000,000
資本剰余金2,821,000,000
利益剰余金18,696,000,000
株主資本21,968,000,000
負債純資産29,143,000,000

PL

売上原価22,767,000,000
販売費及び一般管理費3,829,000,000
営業利益又は営業損失16,279,000,000
受取利息、営業外収益6,000,000
為替差益、営業外収益2,000,000
営業外収益38,000,000
支払利息、営業外費用0
営業外費用104,000,000
法人税、住民税及び事業税4,790,000,000
法人税等調整額-86,000,000
法人税等4,704,000,000

PL2

剰余金の配当-1,973,000,000
当期変動額合計107,000,000