財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-07-29
英訳名、表紙Astroscale Holdings Inc.
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長兼CEO 岡田 光信
本店の所在の場所、表紙東京都墨田区錦糸四丁目17番1号
電話番号、本店の所在の場所、表紙03-3626-0085
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2 【沿革】
提出会社の設立時点の親会社であるASTROSCALE PTE. LTD.は、創業者である代表取締役社長兼CEOの岡田光信が、2013年5月に将来の世代のために、安全で持続可能な宇宙開発を実現することを目指して、スペースデブリ(宇宙ゴミ。
以下、「デブリ」)を除去することを目的とする初の民間企業として、シンガポールにて創業しました。
その後、上記の事業目的のもと、研究開発拠点として、2015年2月には日本に、2017年3月には英国に連結子会社を設立しました。
2018年11月には合同会社アストロスケールを設立し、同年12月に同社を株式会社化し、商号を「株式会社アストロスケールホールディングス」に変更しました。
2019年1月には株式会社アストロスケールホールディングスが、組織再編により当社グループの親会社となりました。
株式会社アストロスケールホールディングスの沿革は次の通りであります。
年月概 要2018年11月小型衛星及び宇宙機器等の研究開発事業、宇宙空間の保全事業、並びに宇宙利用サービス事業を営む会社の株式を保有することにより、当該会社の事業活動を支配・管理することを目的として、東京都墨田区に資本金10千円で合同会社アストロスケールを設立。
2018年12月合同会社アストロスケールを株式会社化し、当社の商号を株式会社アストロスケールホールディングスに変更。
2019年1月当社の親会社であるASTROSCALE PTE. LTD.と、当社の連結子会社であるAstroscale Singapore Pte. Ltd.との間で、ASTROSCALE PTE. LTD.を被合併会社、Astroscale Singapore Pte. Ltd.を合併会社とし、その対価として当社の普通株式及び優先株式をASTROSCALE PTE. LTD.の株主に割当交付するAmalgamation(注1)を実施したことにより、当社が当社グループの親会社となる。
2019年3月軌道上サービスの事業開発等を目的とした連結子会社、Astroscale U.S. Inc.を米国に設立。
2020年3月静止衛星に対する寿命延長サービス等を提供するための技術開発等を目的とした連結子会社、Astroscale Israel Ltd.をイスラエルに設立。
2020年6月イスラエルに所在する連結子会社Astroscale Israel Ltd.がEffective Space Solutions R&D Ltd.(イスラエル)から寿命延長サービス(Life Extension Service)事業を譲受。
2021年3月連結子会社の経営管理と資金供給の観点からAstroscale Singapore Pte. Ltd.の連結子会社である株式会社アストロスケール及びAstroscale Ltdの全株式の譲渡を受け、株式会社アストロスケール及びAstroscale Ltdは、当社の完全連結子会社となる。
2021年3月英国宇宙庁よりミッションライセンスを取得し、デブリ除去技術実証衛星(ELSA-d)を搭載したロケットの打上げに成功、ELSA-d技術実証実験が始動。
2021年8月ELSA-dによる模擬デブリの捕獲に成功。
2022年1月~4月ELSA-dにより、自律制御機能と航法誘導制御アルゴリズムや絶対航法から相対航法への移行を含むデブリ除去のためのコア技術を実証。
2023年5月本社を東京都墨田区内で移転。
2023年6月軌道上サービスの事業開発等を目的とした連結子会社、Astroscale France SASをフランスに設立。
2024年2月当社グループのサービサー衛星であるADRAS-Jを搭載したロケットの打上げに成功。
2024年6月東京証券取引所グロース市場に株式を上場。
2024年5月~11月ADRAS-Jにより、対象デブリ後方約50mへの接近及び定点観測(計3回)並びに周回観測(計4回)に成功。
その後、2回の最終接近を実施しPAF(注2)の下方約15mへの接近・位置付けに成功。
さらに、各段階でアボート(注3)による衝突回避機能の有効性を実証。
 
(注) 1.シンガポール会社法上の組織再編。
以下同じ。
2.PAF:Payload Attach Fitting の略称。
ロケットと衛星をつなぐ台座。
将来デブリの除去としてその捕獲や軌道離脱も行うミッションADRAS-J2で捕獲箇所として想定。
3.アボート:対象物体への衝突を回避するためマヌーバを実施し安全な距離まで待避すること。
ASTROSCALE PTE. LTD.の沿革は次の通りであります。
年月概 要2013年5月シンガポールに資本金280千シンガポールドルで設立。
2014年8月航空宇宙関連部品製造を行う株式会社由紀精密(現 由紀ホールディングス株式会社の子会社)との業務資本提携契約を締結。
2015年2月デブリの除去に関する小型衛星、宇宙機器、製造機器等の設計、研究、開発、加工、組立、保守及び販売等を目的とした連結子会社、株式会社アストロスケールを東京都墨田区に設立。
2017年3月地上管制、ライセンシング、保険契約の締結等を目的とした連結子会社、Astroscale Ltdを英国に設立。
2018年7月神奈川県横浜市戸塚区に自社アンテナを設置。
2018年11月連結子会社として、合同会社アストロスケールを東京都墨田区に、当社グループの研究・開発及び製造・販売を統括する中間持株会社として、Astroscale Singapore Pte. Ltd.をシンガポールに設立。
2019年1月当社の連結子会社であるAstroscale Singapore Pte. Ltd.を合併会社、当社の親会社であったASTROSCALE PTE. LTD.を被合併会社とし、その対価として当社の普通株式及び優先株式をASTROSCALE PTE. LTD.の株主に割当交付するAmalgamationを実施したことにより、当社の完全連結子会社となる。
関係会社の状況 4 【関係会社の状況】
名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有(又は被所有)割合(%)関係内容(連結子会社) AstroscaleSingapore Pte. Ltd.
(注)2、7シンガポール147,088千米ドル軌道上サービス事業100.0役員の兼任あり2名株式会社アストロスケール
(注)5東京都墨田区10,000千円軌道上サービス事業100.0役員の兼任あり3名資金援助Astroscale Ltd
(注)2、6英国オックスフォードシャー州57,000千英ポンド軌道上サービス事業100.0役員の兼任あり2名資金援助Astroscale U.S. Inc.米国コロラド州100米ドル 軌道上サービス事業100.0資金援助Astroscale Israel Ltd.イスラエルテルアビブ100 新シェケル軌道上サービス事業100.0[100.0](注)3-Astroscale France SASフランストゥールーズ100,000 ユーロ軌道上サービス事業100.0資金援助
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の[ ]内は間接所有割合で内数です。
4.上記連結子会社で有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
5.株式会社アストロスケールについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。
)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
IFRSに基づいて作成された同社の財務諸表における主要な損益情報等は以下の通りです。
主要な損益情報等 ①売上収益        963,352千円②営業損失       2,520,272千円③当期損失       2,989,480千円④資本合計      △13,352,843千円⑤資産合計       11,661,393千円6.Astroscale Ltdについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。
)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
IFRSに基づいて作成された同社の財務諸表における主要な損益情報等は以下の通りです。
主要な損益情報等 ①売上収益       1,695,545千円②営業損失       5,691,851千円③当期損失       5,713,222千円④資本合計       2,845,959千円⑤資産合計       9,043,170千円7.本書提出日現在において、シンガポール子会社であるAstroscale Singapore Pte. Ltd.は休眠状態にあります。
従業員の状況 5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況当社グループで行う事業の部門別での従業員数は以下の通りであります。
2025年4月30日現在セグメントの名称部門名従業員数(名)軌道上サービス事業Engineering(日本)148(11)Engineering(海外)277(14)全社共通(日本)71(5)全社共通(海外)81(5)合計577(35)
(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。
)であり、臨時雇用者数(アルバイト及びパートタイマーを含み、人材派遣会社からの派遣社員を除く。
)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.全社共通は、渉外部門及び管理部門の従業員であります。
3.当社グループは、軌道上サービス事業の単一セグメントであるため、部門別の従業員数を記載しております。
4.従業員の著しい増減は、業容拡大に伴う採用数の増加によるものです。

(2) 提出会社の状況2025年4月30日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)3545.42.612,145 セグメントの名称部門名従業員数(名)軌道上サービス事業Engineering5全社共通30合計35
(注) 1.従業員数は、出向者を含まない就業人員数であり、役員は含めておりません。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社共通は、渉外部門及び管理部門の従業員であります。
4.当社は、軌道上サービス事業の単一セグメントであるため、部門別の従業員数を記載しております。
(3) 労働組合の状況当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
② 連結子会社連結子会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)
(注)1株式会社アストロスケール18.2-
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.男性労働者の育児休業取得率については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、開示義務の対象外となるため、記載を省略しております。
3.労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、開示義務の対象外となるため、記載を省略しております。
4.海外の連結子会社については、開示義務の対象外となるため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針当社グループのミッションは、軌道上サービスを通じて宇宙機の安全な航行を確保し、宇宙空間の持続的な利用を実現することにあります。
このミッションの実現に向けて、当社グループは、技術開発、事業開発、さらには法規制作りへの働きかけなど、複数の課題解決に同時並行で取り組んでおります。
当社グループは、高速道路におけるロードサービスのように、軌道上サービスを宇宙空間における定常的・恒久的な基盤インフラサービスとして確立し、成長著しい軌道上サービス分野において世界のリーダーとなることで、グローバルな収益機会の獲得を目指しています。
当社グループの事業は、技術開発を中核とするディープテック領域に属し、市場が未成熟な段階から立ち上げる市場創造型のビジネスであり、ミッションの性質に即したグローバル経営を特徴としております。
草創期にある軌道上サービス市場において、当社グループは世界に先駆け着実に受注を積み重ねています。
当社グループは、常に企業価値の継続的な向上を目指し、その目指す姿を見据えた経営を行っております。
(a) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、企業価値の継続的な向上を図るための客観的な指標として、①軌道上サービスミッションの受注状況並びに②ミッションごとの開発スケジュールの進捗管理を重視しております。
「第1 企業の概況 3 事業の内容 3.3 開発・運用状況」に詳述の通り、当社グループは各国のオフィスを通じて多様な用途の軌道上サービスミッションをグローバルに受注しており、技術革新の加速と市場シェアの拡大が、当社グループのミッション実現への近道であると考えております。
このため、①軌道上サービスミッションの受注状況を重視しています。
具体的には、当社グループの将来収益を生み出し事業の推進・成長を支えるパイプラインの確保状況を測定するための「受注残総額」を重要な経営指標等として位置づけております。
受注残総額の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 3 生産、受注及び販売の実績 b. 受注実績」をご参照ください。
また、「第1 企業の概況 3 事業の内容 3.2 開発方針」に詳述の通り、当社グループは開発スケジュールに沿って、システムズエンジニアリングのⅤ字モデルにおける各審査を着実にクリアすることが、品質管理、事業の進捗及びプロジェクト収益の実現に直結すると考えており、②ミッションごとの開発スケジュールの進捗管理も重視しております。
(b) 当社グループの強み当社グループの競争優位性は、以下の点にあります。
まず技術面においては、世界初となるデブリ除去実証衛星「ELSA-d」による宇宙実証及びデブリ観測衛星「ADRAS-J」の打上げに成功しております。
当社は、2025年6月時点において、当社グループ以外に、非協力物体に対するRPO技術の宇宙実証に成功した競合事業者の存在を認識しておりません。
当社グループは、軌道上サービスのコア技術であるRPO技術を自社開発し、当該技術に関する知的財産権を保有しております。
コア技術を自社開発することで初めて、継続的な技術改善を行うことができると当社グループは考えております。
次に事業面では、日本、英国、米国、フランスといった宇宙産業の主要地域に拠点を構え、各地域において研究開発チームを組成し、契約を受注しております。
当社グループのミッションの達成のためには、グローバルに同時並行で活動することが不可欠であり、当社グループ各社は、各地域において、豊富な経験に加え、政府機関や宇宙機関及び各地域の宇宙産業界等との広範なネットワークを兼ね備えた経営陣を擁し、各地域に根ざした企業として活動しております。
加えて、当社グループは、各国・各地域における宇宙政策や法規制づくり等の整備に関しても積極的に提言・関与しており、軌道上サービスの利用拡大を通じた当社グループのミッションの実現に取り組んでおります。
また、それらの国・地域での取り組みを統括し、当社グループをグローバルに成長させるため、多様かつ多面的なバックグラウンドを有する経営陣及び取締役会を構成しております。

(2) 企業価値向上に向けた取り組み(a) 企業価値の考え方一般に、企業価値とは、企業が生み出すキャッシュ・フローを、割引率(将来の価値を現在の価値に換算する際の利率)とキャッシュ・フローの成長率との差で除したものとして算出されます。
この計算式において、分子であるキャッシュ・フローの最大化を図り、分母にあたる割引率は、キャッシュ・フローを損なうリスク(割引率)を低減させることで安定性を高め、さらにキャッシュ・フローの成長率を向上させることが、企業価値の最大化に寄与すると考えられています。
このような考え方を踏まえ、当社グループが捉える企業価値向上の要因は、以下の式によって表すことができます。
当社グループは、企業価値を持続的な価値創造の原動力と位置付けております。
具体的には、(1)財務価値、(2)無形資産から創出される将来価値、そして(3)当社グループの存在の不可欠性に基づく総合的な価値を当社グループの企業価値の主要な構成要素と考えております。
上記(2)における当社グループの無形資産とは、特許群や営業秘密といった知的資産、当社グループのブランド、国際的な会議体や各国の政府、宇宙機関、宇宙関連企業、アカデミアなどとのネットワーク、さらに世界5カ国に亘るグローバルな経営管理プロセスなどを指します。
また、上記(3)における当社グループの存在の不可欠性とは、宇宙の持続的開発がグローバルアジェンダになる中、当社グループの技術開発の進展状況、顧客との取り組み、軌道上ミッションにおけるベストプラクティスや法規制づくりに関する考え方や知見が、多くの場面で参照され、また必要とされていることを意味します。
このように、宇宙の持続的開発に不可欠な存在としての立ち位置を維持することは、当社グループが最先端の情報を取得・発信し、様々なステークホルダーとの信頼関係を醸成し、ひいては市場におけるリーダーとしての地位を確立することに貢献すると考えております。
(b) 着実なキャッシュ・フローの創出当社グループは、技術開発型かつ市場創造型の企業として、これまで投資活動によるキャッシュ・アウトフローが先行しており、営業活動によるキャッシュ・フローも赤字の状態にあります。
こうした状況を踏まえ、当社グループではフリー・キャッシュ・フローの創出に向けて、戦略的なKPIと財務的なKPIを設定しております。
定性的な観点では、世界に先駆けて実証したコアRPO技術を活用し、ビジネスセグメントの拡充と各サービスの事業化を推進することが重要であると考えております。
そのため、当社グループは、まず4つの軌道上サービスについて、最短で2028年4月期までに顧客との契約に基づく宇宙空間でのミッションを完了することで、サービスの提供事例と提供価値を証明することを目指しております。
また同時に、軌道上ミッションの機会をより多く獲得することで、技術の革新と成熟化を加速させ、コスト削減を図り、市場において先行的にシェアを獲得することを目指しております。
当社グループは、2025年4月期以降、各国拠点において複数のミッションを同時に開発するフェーズへと段階的に移行しつつあり、最短で2030年には、各種軌道上サービスがあたりまえと認識されるようになることを目指しております。
財務的なKPIとしては、損益計算書(PL)面では売上総利益の黒字化、営業利益の黒字化に向けて、キャッシュ・フロー(CF)面ではフリー・キャッシュ・フローの黒字化に向けて取り組んでまいります。
貸借対照表(BS)面では、仕入債務回転期間や売上債権回転期間の最適化に加え、設計・開発から製造工程までを常に見直し、バランスシートが過度に膨まないよう事業活動を遂行してまいります。
当社グループが開発する軌道上サービスにおいては、現在、各ミッションに係る顧客からのサービス仕様に関する要求がそれぞれ異なっております。
そのため、現段階でサービサーの設計において汎用性を追求すると、当社グループのソリューションは重厚超大になりコストが増大する可能性があります。
したがって、当社グループでは、安全性や品質を一定に保ち、また、可能な範囲で共通化を進めながらも、まずは個別ミッションにおける顧客の要求の最適化を優先しております。
コスト最適化のためには、まずコストの透明化が重要であると考えており、ヒト・モノ・カネ・情報を集約し適切に分配し活用することを実現するべく、2023年4月期よりERP(Enterprise Resource Planning)システムの導入を検討し、2025年4月期中より運用を開始いたしました。
中長期的には、各拠点間ですべての技術を共有・共通化することには、各国間の輸出管理規制等の法令遵守の観点から制約があるものの、可能な範囲で汎用的な設計への進化を図ってまいります。
また、技術戦略及び技術ロードマップについては、CTOを中心に常に見直しを行っており、当社グループの技術が各国で成熟化していく過程において、常に最適なコスト構造を追求し、フリー・キャッシュ・フローの創出につなげてまいります。
(c) 資本コスト(WACC)の低減資本コストの低減は、事業の不確実性を抑え、持続的な成長を支える体制を整えることと同義であると当社グループは認識しております。
当社グループでは、単一のミッションや地域への集中を避け、ISSA、LEX、ADR、EOLといった複数のサービスを複数地域にわたって展開しており、本書提出日現在、9件の顧客ミッションに取り組んでおります。
今後も複数のミッションを受注し、パイプラインのさらなる分散を進めることで、事業全体の不確実性の低減を図ってまいります。
また、当社グループは、事業面での進捗に加え、社会的にも持続可能な企業であることを目指し、ESGの観点を常に意識した経営に取り組んでおります。
(i) 環境(E:Environment)当社グループの事業は、宇宙環境の持続利用や宇宙技術・データの活用を通じて、地球社会の持続的開発に資するものであり、「E」は当社グループの中心的なテーマとなっております。
(ii) 社会(S:Social)当社グループは、企業価値を高める行動が豊かな社会の実現につながると考えており、その観点から、従業員のダイバーシティの確保や労働環境の改善に日々取り組んでおります。
2025年4月末時点において、当社グループの従業員は35カ国以上の国籍で構成されており、女性比率(28%)やエンジニア比率(73%)は先端技術企業としては高い水準を維持しております。
(iii) ガバナンス(G:Governance)当社グループは、健全な経営を行うための管理体制を重視しており、取締役会は国籍・性別・専門的背景において多様性に富み、卓越した経歴を有するメンバーによって構成されています。
2025年4月末時点において、社内取締役と社外取締役の比率は3対3です。
当社グループのESGに関する取り組みについては、下記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」もご参照ください。
これらの取り組みを前提としつつ、当社グループは資本コストや財務の安定性に十分配慮しながら、負債(Debt)と資本(Equity)の最適な構成についても検討を進めております。
(d) 事業の成長の維持・促進当社グループでは、事業の成長の維持・促進とは、中長期的な価値創造のための基盤を築くことであると考えております。
当社グループは、事業の成長に向けて、保有するコアRPO技術を以下のように活用してまいります。
短中期的には、世界各国で増加しつつある軌道上サービスの事業機会を獲得し、ミッションを成功に導くことが、当社グループの成長の促進に繋がります。
そのためには、世界の主要国に事業拠点及び研究開発チームを保有する必要がありますが、2023年に新たにフランス子会社を設立したことで、宇宙産業における主要国・地域を網羅できる体制が整いました。
現在、当社グループは宇宙産業における世界の主要地域である日本、英国、米国、フランスに拠点を有し、各地域で研究開発チームを組成し、契約を受注しております。
特に、直近では防衛関連需要が急速に高まっており、日本、英国、米国においてそれぞれ防衛関連のミッション契約を受注しております。
当社グループは、非防衛の政府機関からの需要の伸びに加え、防衛関連需要を軌道上サービスの成長ドライバーと考えており、引き続き米国をはじめとする各国の政府機関・防衛機関との間で、軌道上サービスの提供に関する積極的な協議を継続してまいります。
当社グループ各社は、各地域において豊富な経験を有する経営陣を擁し、政府機関・宇宙機関・宇宙産業界との広範なネットワークを活かし、地域に根ざした企業として活動しております。
なお、案件獲得には1件につき1〜5年程度の期間を要するため、常に将来の顧客ニーズを見据えた営業活動を展開しております。
中長期的には、政府機関からの需要を契機として民間需要の創出・取り込みを図ることが、事業成長の促進に繋がると考えております。
EOLサービス及びLEXサービスに関して潜在的な民間需要が存在しており、中長期的に民間事業者向けのLEXサービスが立ち上がり、その後、EOLサービスが立ち上がると想定しております。
LEXについては、サービサーがクライアント衛星を捕獲したまま軌道変更や軌道維持を支援する方法に加え、捕獲後に燃料補給を行い離脱する方法についても、主要国において研究が進められており、当社グループは燃料補給ミッション2件について契約済又は選定済です。
EOLについては、打上げ前の衛星へのドッキングプレート装着に関する契約を着実に受注しておりますが、さらなる契約獲得に向けて、衛星運用者や衛星メーカーとの議論を継続しております。
当社グループでは、LEXサービサーがクライアント衛星の燃料補給口に対応できるように、また、EOLのサービサーがドッキングプレートに接近・捕獲できるように、エコシステム構築に尽力してまいります。
さらに、軌道上サービスに対応した衛星バスの他企業への提供についても検討を進めております。
長期的には、RPO技術を活用した新たなビジネスセグメント、すなわち衛星やその部品の再利用・交換、製造・修理といったサービス市場の創出を目指し、技術ロードマップの策定と技術開発に取り組んでまいります。
また、軌道上サービスに必要なRPO技術以外の周辺技術についても、当該技術が当社グループの企業価値向上に資すると判断した場合には、自社開発に加え、M&Aによる獲得も視野に入れてまいります。
AI技術については、すでにシミュレーション、契約書作成、マーケティング等に活用しておりますが、RPO技術への応用に関する研究も開始しております。
さらに、後述のような世界的な法規制づくりへの積極的な参画も、当社グループの市場規模拡大及び事業成長の維持・促進に寄与すると考えております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループは世界に先駆け着実に受注を積み重ねているものの、軌道上サービス市場は草創期にあり、当社グループを取り巻く環境には引き続き高い不確実性が存在しております。
また、宇宙事業は、研究開発から顧客開拓、衛星の設計・開発、打上げ、運用等に至るまで、長期間を要する特性を有しています。
一方で、宇宙環境問題の深刻化と宇宙空間の持続利用に対する社会的な認識は、2020年以降急速に高まりを見せています。
2023年5月には、G7外務大臣会合、科学技術大臣会合、そしてG7広島サミットにおいてデブリ問題が取り上げられ、公式声明(コミュニケ)において、宇宙の持続利用が喫緊の課題であること、及びデブリの低減(これ以上増加させないこと)並びに改善の必要性が明記されました。
さらに、2024年6月のG7プーリア・サミットのコミュニケでは、宇宙の持続可能性に関する基準及び規制の策定に向けた取り組みが明記され、デブリ低減に向けてより踏み込んだ内容が示されました。
また、2024年9月に開催された国際本部の未来サミットにおいて、「未来のための協定(Pact for the Future)」が全193か国の加盟国が参加する国連総会において全会一致で決議されました。
協定の行動目標56番に、宇宙の探査と利用に関する国際協力を強化することが規定されており、具体的には、宇宙の安全で持続可能な利用は、SDGsの達成において重要な役割を果たすとし、スペースデブリや宇宙交通管理等に関する新たな枠組みについて、国連宇宙空間平和利用委員会(UN COPUOS:United Nations Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)で議論すること、関係する民間セクターを含め利害関係者が宇宙の安全性と持続可能性の向上に関する政府間プロセスに貢献できるように関与を求めること等が決定されました。
このように、宇宙の持続利用は、主要先進国のみならず世界における重要課題の一つとして認識されるようになり、各国において具体的な行動が求められる段階に至っております。
こうした状況を受け、軌道上サービス市場の拡大を見越した企業による参入表明が世界各地で相次いでおりますが、当社グループはその中にあって、先駆的な技術開発企業としてのポジションを確立してまいりました。
競争環境が今後さらに激化することが予想される中、技術開発の推進、事業化の加速、関連法規制の整備への働きかけ、そして安定的なキャッシュ・フローの創出をいかに継続していくかが、当社グループにとって極めて重要な課題であると認識しております。
これらの課題に対処し、中長期的な持続的成長の実現のため、当社グループは以下の通り取り組んでおります。
■技術開発軌道上サービスに使用される衛星の開発、打上げ及び運用は、極めて複雑なプロセスを伴います。
開発の過程では、地上において宇宙環境を模擬的に再現した各種試験を実施した上で宇宙空間へ打ち上げますが、宇宙空間において衛星に予期せぬ故障が発生し、システム全体に影響を及ぼすことでミッションの成否に関わるリスクが生じる可能性があります。
さらに、コストやスケジュールに関する制約、政府等による許認可制度や公募内容などの条件も加わり、先進的な技術開発を進めることは非常に困難な課題となっております。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、開発段階に応じた審査体制の整備、品質・信頼性に関する管理基準等の策定、開発工程の文書化の徹底など、再現性があり、かつ改善可能な開発手法を採用しております。
当社グループが必要とする技術のうち、非協力物体へのRPO技術を含むコア技術については、自社設計・自社開発を行っており、継続的な技術向上が可能な体制を構築しています。
これにより、非協力物体へのRPO技術等を活用した軌道上サービスという新たな選択肢を衛星オペレーターに提供してまいります。
また、自社技術の優位性を確保するため、当社グループでは長期的な技術ロードマップを定期的に更新し、様々な事業機会を通じて技術的優位性を継続的に維持できるよう、研究開発体制の強化及び知的財産ポートフォリオの充実を図ってまいります。
なお、本書提出日現在における当社グループの技術開発に関する取り組みについては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 3 研究開発の状況」に記載しております。
■事業開発政府機関・宇宙機関からの事業機会を獲得するためには、宇宙産業における世界の主要地域に拠点を保有すること、並びに各拠点がそれぞれの国・地域の政府機関・宇宙機関及び宇宙業界と密接な関係を築き、関係性を深めていくことが必要です。
本書提出日現在における事業上の取り組みについては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 2.3 4つの軌道上サービス、3.3 開発・運用状況」に記載しております。
宇宙業界では、政府機関・宇宙機関、民間事業者のいずれも、数年から数十年単位で政策や事業計画を策定しています。
当社グループは、ISSA、LEX、ADR、EOLといった各種サービスに関し、中長期的な視点から潜在顧客との議論を重ね、コア技術であるRPO技術に対する顧客ニーズやサービス提供のタイミングについて理解に努めてまいります。
草創期にある軌道上サービス市場において、当社グループは世界に先駆け着実に受注を積み重ねています。
当社グループは、獲得した事業機会を確実に遂行し、提供価値をグローバルに具現化することで更なる需要を喚起し、事業の加速を図ってまいります。
さらに、後述のような法規制づくり等に関する議論にもリソースを配分し、グローバルな貢献を通じて軌道上サービスの活性化と、当社グループのミッションである宇宙の持続利用の早期実現に取り組んでまいります。
■法規制作りへの働きかけデブリ除去に必要な環境整備としての「法規制作り」は、2つの観点に分類することが可能です。
当社グループでは、ひとつを「制度構築」、すなわち「宇宙の持続利用に資するような、各国の宇宙法政策及び二国間・多国間等の国際的な協調関係に基づく枠組みづくり」と定義し、もうひとつを「標準化」、すなわち「宇宙の持続利用に資するような、宇宙機の設計や運用に関する基準づくり」と定義しております。
それぞれの観点に基づき、当社グループは以下のとおり取り組みを進めております。
a. 制度構築について制度構築とは、各国においてデブリ増加への対応やデブリ除去を促進・実現するための国内法規制等を整備することに加えて、長期的には各国間の国際的な連携・協調を通じて、デブリ除去がグローバルに実施される体制を構築することを目指しております。
例えば、各国は強制力を伴う国内法規制により、ミッション許可等の制度(米国では、衛星運用事業者に付与される周波数ライセンスの管理も含む)を通じて、デブリ増加を抑制するための措置を事業者に要求することができます。
また、各国は、行動計画の策定等の政策を通じて、自国由来のデブリの低減・除去を推進することも可能です。
デブリ低減に関する議論は、2000年代以降、国際機関間スペースデブリ調整委員会(IADC)やUN COPUOSなどの国際機関において進められてきましたが、米国、欧州、日本などの各国では、さらなる措置に関する議論が活発化しており、当社グループも可能な限りこれらの議論に参画しております。
米国では、深刻化するデブリ問題を受けて、米国連邦通信委員会(FCC)が2004年に策定した周波数の許可に際して考慮されるデブリ低減ガイドラインの見直しに関するパブリックコメントを募集しました。
これに対し、当社グループは米国企業7社をとりまとめ、2019年2月に計8社共同でコメントを提出しました。
このコメントは米国内の関係者の間で広く参照され、2020年4月に公表された新たなFCCの立法案公告においても、当社グループの共同コメントが言及されています。
その後、FCCは、同ガイドラインを見直し、2022年9月には、いわゆる「25年ルール」(高度2,000km以下の軌道を周回する衛星の場合、運用終了から25年以内に大気圏に突入するような設計にする旨のガイドライン)を「5年」に短縮する命令を発出し、2024年9月に発効しました。
さらに、2024年1月には、軌道上サービス認可の枠組みに関する立法案公告の草案が発出されました。
欧州では、宇宙機関の宇宙活動に関するイニシアティブとして、ESAが2022年に「Zero Debris Approach」を公表し、2030年までに地球軌道及び月軌道におけるデブリの生成を停止することを目標に掲げました。
これに基づき、ESAは2023年11月に、デブリ低減に関する要求を定めた技術ガイドラインである「ESA Space Debris Mitigation Requirements」を見直し・公表するとともに、民間事業者等40団体と共同で「ゼロ・デブリ憲章」を策定・公表しました。
同憲章では、2030年までにデブリ生成ゼロを実現するための基本原則や目標値などが定められています。
英国では、2023年6月にチャールズ国王が、宇宙の持続可能性を促進するための枠組みとして「アストラ・カルタ(宇宙大憲章)」を公表しました。
さらに、国際連合の専門機関である国際電気通信連合(ITU)は、2023年11月の無線通信総会において、デブリ除去を含む軌道上サービスなどの新技術を考慮し、低軌道上の衛星に対する「安全かつ効率的な軌道離脱および/または廃棄の戦略と方法論に関するガイダンス」の研究を行うことを決議しました(決議ITU-R 74)。
また、先述の2023年のG7広島サミット及び2024年G7プーリア・サミットのコミュニケや、2024年に国連総会において決議された「未来のための協定(Pact for the Future)」のように、宇宙空間の持続利用に対する社会的な認識は世界レベルに拡大しております。
このように、世界の主要国及び国際的な団体において、宇宙の持続利用に向けた対応は、提案・検討の段階から実施の段階へと移行しつつあります。
b. 標準化について衛星の設計や運用に関する国際的な標準化の議論は、衝突回避能力、運用終了時の廃棄処理、無害化、デブリ低減、打上げサービスの選択、デブリ除去サービス、サイバーセキュリティ、RPO実施時の安全性確保や情報の共有など、多岐にわたるテーマを対象としています。
これらの事項については、国際団体、政府機関、NPOなど、様々な場で議論が進められております。
当社グループは、先端技術を保有する企業として、標準化を最重要課題の一つと位置付け、積極的に取り組んでおります。
日本、米国、英国、フランスにグローバルなポリシーチームを配置し、標準化に関する主要な会議体に参加するとともに、一部の会議体ではリーダーシップを執るなど、独自のポジションを築いております。
また、各国の宇宙機関や主要国の政策決定者・担当省庁とも緊密に連携し、世界各国の議論動向を踏まえた整合性の確保に貢献するとともに、当社グループのミッションにも先進的に反映させることで、業界全体のベストプラクティスの形成に寄与してまいります。
当社グループが積極的に関与している標準化に関する会議体の一つに、Consortium for Execution of Rendezvous and Servicing Operations (以下「CONFERS」)があります。
本会議体は、米国国防総省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、以下「DARPA」)がシードマネーを提供して設立された業界団体です(現在はDARPAからの資金的援助を受けずに運営されています)。
CONFERSは、RPOに関する自主的なコンセンサスに基づくベストプラクティスを策定しており、ISOなどの標準化団体によって、軌道上サービスに関するこれらのベストプラクティスが採用されることが期待されています。
当社グループは、CONFERSの設立初期から主要メンバーとして参画しており、現在はExecutive Memberとして活動しております。
■許認可等への対応当社グループは、必要な許認可の取得を行い、適用される各国の法令を遵守するよう努めております。
一般的に、衛星の運用に関しては、衛星を運用する事業主体が所在する国の当局が求める技術・安全性などの要件を満たすことで、当該当局から運用の許可を得ることができます。
これを「ミッション許可」と呼びます。
ELSA-dでは英国宇宙庁(UKSA)から、ADRAS-Jでは内閣府から、それぞれミッション許可を取得しました。
衛星の物体登録については、ELSA-d及びADRAS-Jともに日本が登録国となっております。
衛星との通信に使用する周波数の利用についても、ITUの規定に基づき、各国の法令に従って必要な手続きが定められています。
日本の場合、電波法に基づき、他国の地上無線局に有害な干渉を与えない(または他国から干渉を受けない)ようにするため、総務省を通じて国際周波数調整を行った上で、総務大臣への申請により無線免許を取得します。
また、衛星の運用に必要な地上局(人工衛星との通信を行うために地上に設置するアンテナやデータ送受信装置等)の使用については、地上局が所在する国ごとに必要な許可を取得する必要があります。
当社グループは、ELSA-d及びADRAS-Jの運用に関して、日本、米国、カナダをはじめとする複数の国から必要な許可を取得しております。
その他にも、輸出管理に関する許可や危険物輸送等に係る許可の取得など、必要な手続きを適切に実施しております。
今後実施予定のISSA、LEX、ADR、EOLといった各ミッションにおいても、上記のような許認可の取得が必要となります。
さらに、当社グループは、RPO技術が先進的な技術であることを踏まえ、ミッションの目的や運用の透明性を確保するため、自主的な取り組みも行っております。
ELSA-dやADRAS-Jのミッションの目的・内容については、国際的な学会等での発表や論文提出に加え、展示会、講演会、SNS、メディアなどを通じた広報活動を通じて開示しているほか、政府関係者などに対しても必要な説明を行っております。
加えて、両衛星にはレトロリフレクター(レーザ反射を有する機構)を搭載しており、地上から軌道上での位置を詳らかに把握できるよう配慮されています。
また、当社グループは、衛星とデブリとの衝突可能性のリスク評価及び衝突回避のため、世界の主要なSSA(Space Situational Awareness:宇宙状況把握)プロバイダーと契約を締結しております。
保険の組成については、顧客との責任分担のあり方や保険料の相場などを踏まえて、ミッションごとに適切に対応してまいります。
例えば、ELSA-dは自社資金によるミッションであり、打上げ失敗に備えた打上げ保険、ミッション失敗に備えたミッション保険及び軌道上で第三者に損害を与えた場合に備えた第三者賠償責任保険に加入しました。
ADRAS-Jでは、軌道上での第三者賠償責任保険にのみ加入しております。
なお、宇宙条約第6条では、非政府団体(企業、研究機関など)による宇宙活動であっても、「自国の宇宙活動」については当該国が国際的な責任を負うことが定められており、また、宇宙活動に起因する損害についての国際的な責任については、損害責任条約が具体的な定めを設けております。
特定のミッションについて複数の国が関係する場合に、条約上は複数の打上げ国間で連帯して責任を負うこととされていますが、その具体的な責任分担のあり方などについては十分な国家実行がなく民間事業主体の責任のあり方(当該国と民間事業主体との関係や、民間事業者間での責任分担)についても現時点では不明確な点が多く残されています。
このため、当社グループでは、保険の組成を通じてこれらのリスクを事前に低減しておりますが、保険に加入している場合であっても、ミッション遂行に際して予期せぬ損害賠償責任を将来的に負う可能性があることを認識しております。
■資金調達当社グループは、多額の先行投資と長期の開発期間を要する人工衛星及び宇宙機器の研究開発に従事していることから、2020年4月期以降、フリー・キャッシュ・フローの赤字が継続しております。
今後も、軌道上サービスを目的とした人工衛星の開発を加速するとともに、多種多様な軌道上サービスの需要に対応するための技術適用の拡大を図るため、先行投資を継続する必要があり、資金調達を行っていく必要があります。
このため、当社は資金調達手段の確保・拡充に向けて、2024年6月に東京証券取引所グロース市場に株式上場し、6月から7月にかけて20,070百万円を調達いたしました。
その後、2025年3月に株式会社りそな銀行とのコミットメントラインにより3,000百万円を調達し、2025年5月には、上場時には見られなかった防衛関連需要の顕在化や民間向け寿命延長サービスの急速な関心の高まりを背景とした事業機会の確実な獲得と競争優位性の向上のため、海外募集による新株式の発行により10,985百万円を調達いたしました。
今後はこれまでに調達した資金で実施した投資を基に事業進捗を更に加速し、早期の損益分岐及びフリー・キャッシュ・フロー黒字化を目指してまいります。
借入金の借り換えを除き、現時点で資金調達は計画しておりませんが、今後魅力的な投資機会が生じた場合、必要に応じて機動的な調達を可能とすべく、引き続き資金調達手段の多様化を図ってまいります。
■人材獲得当社グループは、軌道上サービスに必要な先進技術の研究開発、衛星の設計から製造・試験に至る衛星製造プロセス、さらには衛星の運用までを自社で一貫して行っております。
そのため、今後の人工衛星の開発や技術適用の拡大に伴い、複数の開発ラインを同時に進行させるためには、適切な人材の確保が不可欠です。
具体的には、株式上場等を通じて当社グループの知名度を高め、新卒・中途を問わず積極的な採用活動を推進してまいります。
また、長期的な雇用の安定を図るため、社内における教育・研修体制を充実させ、人材の育成にも注力してまいります。
■安定的なキャッシュ・フローの創出当社グループは、先端的なRPO技術等を活用した軌道上サービス事業に特化し、これらの技術の多角的な展開・拡大を目指しております。
これまでに構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、対象となるデブリや運用中の衛星に対して、コストパフォーマンスに優れたソリューションを提供することで、安定的なキャッシュ・フローの創出を図ってまいります。
このように、当社グループは経営環境における課題を解決しつつ、デブリ除去を含む軌道上サービスを通じて安定的なキャッシュ・フローを確保し、それを背景とした規律ある成長投資と継続的な株主価値の向上の両立を目指してまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス当社グループは、長期的かつ持続可能な宇宙利用の実現に貢献する軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指す企業であり、サステナビリティは当社グループのビジョン及びミッションの中核をなしております。
そのため、経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準のうち、「Space Sustainability」や「ESG経営による顧客への付加価値の提供」を最重要テーマとして事業運営に取り組んでおります。
また、当社グループは、持続可能な宇宙利用の実現に留まらず、地球環境の保全や人的多様性の確保といったサステナビリティ(持続可能性)に関する取り組みが、経営上の重要な課題であると認識しております。
当社では、取締役兼COOを筆頭として各主要部門の役職員により構成される「ESGワーキンググループ」がサステナビリティ及びESGに関する検討を行い、経営課題としての内容の重要性に応じて、適宜取締役会への報告・付議を行ってまいります。
当社グループでは、こうした取り組みをより一層推進するべく、ガバナンス体制の強化に努めてまいります。
詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

(2) 戦略当社グループは、「将来の世代の利益のための安全で持続可能な宇宙開発」というビジョンを追求するなかで、宇宙においても地球においても、すべての人にとって持続可能な未来を実現できるような事業運営に取り組むことを基本方針としております。
かかる基本方針の下、ESGワーキンググループでは、外部のコンサルタントと連携して、当社グループに関連するESG関連トピックの特定及び現状分析のほか、ESGへの取り組みに関するフレームワークの検討を進めております。
また、2023年には、当社のグローバル事業全体を通じて、企業としてのカルチャー及びサステナビリティへのコミットメントの根拠となる全社的なサステナビリティ戦略を策定いたしました。
同戦略においては、製品やサービスのライフサイクルの最適化(環境保全)、ダイバーシティ・公平性・インクルージョン、従業員の健康と安全の追求並びに人材採用及び育成(人材)、ガバナンス強化及び企業倫理(責任ある事業展開)、法規制の策定への働きかけや国際的な標準化の推進(Space Sustainabilityの構築)などを注力すべき領域として掲げております。
(3) リスク管理当社グループでは、リスク管理が経営の最重要課題の一つであるとの認識から、「グローバルリスクマネジメント規程」を定め、独立したリスク管理機関としてリスク管理委員会を設置しております。
当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会についても、その他経営上のリスク及び機会と一体的に、リスク管理委員会において監視及び管理しておりますが、今後の状況に応じて、サステナビリティに係るリスク管理の強化を検討してまいります。
事業活動に伴う重大なリスクの顕在化を防ぎ、万一リスクが顕在化した場合でもその影響を最小限に留めることで、企業価値の維持・向上を図っております。
リスク管理委員会の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
また、当社グループに関するリスクの詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(4) 指標及び目標本書提出日現在において、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関して、当社グループの実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち重要なものについて、該当事項はありません。
また、本書提出日現在において、当社は、「
(2) 戦略」に記載の人材の採用及び育成並びに社内環境整備に関する方針に係る指標及び当該指標を用いた具体的な目標を設定しておりません。
今後、これらの方針に関連する指標のデータ収集及び分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
戦略
(2) 戦略当社グループは、「将来の世代の利益のための安全で持続可能な宇宙開発」というビジョンを追求するなかで、宇宙においても地球においても、すべての人にとって持続可能な未来を実現できるような事業運営に取り組むことを基本方針としております。
かかる基本方針の下、ESGワーキンググループでは、外部のコンサルタントと連携して、当社グループに関連するESG関連トピックの特定及び現状分析のほか、ESGへの取り組みに関するフレームワークの検討を進めております。
また、2023年には、当社のグローバル事業全体を通じて、企業としてのカルチャー及びサステナビリティへのコミットメントの根拠となる全社的なサステナビリティ戦略を策定いたしました。
同戦略においては、製品やサービスのライフサイクルの最適化(環境保全)、ダイバーシティ・公平性・インクルージョン、従業員の健康と安全の追求並びに人材採用及び育成(人材)、ガバナンス強化及び企業倫理(責任ある事業展開)、法規制の策定への働きかけや国際的な標準化の推進(Space Sustainabilityの構築)などを注力すべき領域として掲げております。
指標及び目標 (4) 指標及び目標本書提出日現在において、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関して、当社グループの実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報のうち重要なものについて、該当事項はありません。
また、本書提出日現在において、当社は、「
(2) 戦略」に記載の人材の採用及び育成並びに社内環境整備に関する方針に係る指標及び当該指標を用いた具体的な目標を設定しておりません。
今後、これらの方針に関連する指標のデータ収集及び分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
1 財政状態及び経営成績の状況2025年1月のNovaspaceの発表によると、全世界政府の宇宙関連支出は2024年に前年対比10%成長して1,350億米ドルに達し、そのうち防衛関連は前年比約24%増の720億米ドルと顕著に増加しました。
日本では、総額1兆円規模とされている宇宙戦略基金について、2024年7月より複数のテーマについて公募が開始されております。
2025年3月には、内閣府より宇宙戦略基金第二期として各技術開発テーマの目標及び内容に関する実施方針が新たに公表されました。
総予算3,000億円のうち、新たなサービスの創出として軌道上サービスに465億円程度の予算が割り当てられる予定であり、宇宙技術戦略にも位置付けられているキー技術のうち軌道上サービス分野等での投資を加速することも明記されています。
また、2025年4月に発表された米国宇宙軍のSpace Force Doctrine Document 1(宇宙軍の基本方針文書)では、宇宙領域を再定義し、優れた国家宇宙能力の重要性、民間企業との強力なパートナーシップと商業宇宙ソリューションの統合に注力、などが明示され、今後の軌道上サービスの活用の可能性が示されております。
上記のような取り組みを受けて、当社ビジネスの更なる拡大が期待されます。
軌道上サービスに必要不可欠なRPO(ランデブ・近傍運用)技術に関しまして、当社グループは、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」のミッションにおいて、観測対象のデブリから約15mの距離までの近接に民間企業として世界で初めて成功し、2025年2月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)との契約を成功裏に完了いたしました。
この成功は、RPO技術の実証という点において、当社グループにとって、大きな進展となりました。
この重要な進展以外にも英国宇宙庁(UKSA)が主導する英国デブリ除去ミッションのソリューションであるCOSMIC(Cleaning Outer Space Mission through Innovative Capture)の開発において、2025年2月に現在の契約フェーズ(フェーズ2)の中間レビューを、2025年5月に最終レビューを達成するなど、着実に進展しております。
これらの取り組みの成果として、当社グループは軌道上サービス市場を創出し、着実にその高まる需要を取り込んでおります。
2025年4月期における受注又は採択の実績は、20件41,613百万円となりましたが、主要な案件は以下の通りです。
(政府機関案件・民間案件)・2024年7月、ELSA-M最終フェーズ(フェーズ4)の契約を締結。
・2024年8月、商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅡの大型契約をJAXAと締結。
・2024年9月、COSMICフェーズ2の契約をUKSAと締結。
・2025年1月、CAT-IODフェーズAの契約を欧州宇宙機関(ESA)と締結。
・2025年1月、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択。
・2025年1月、ISSA-J1に係るフェーズ2の交付決定通知書を受領。
・2025年3月、Airbus Constellations Satellites SASより、100個以上の第2世代ドッキングプレートの大規模契約を初めて受注。
(防衛関連案件)・2025年1月、BAE Systems plcとOrpheusミッションに関する契約を締結。
・2025年2月、日本の防衛省と大型契約を締結。
・2025年4月、契約済のAPS-Rについて、打上げ及び軌道上実証も新たに含める延長契約を米国宇宙軍と締結。
当社グループでは、これらの契約を今後軌道上サービスの開発及び商業化に貢献する重要なミッションと位置付けております。
このように、当社グループは各国で複数の案件の契約を締結し、受注実績において世界でリードしております。
コアRPO技術の実証を2度成功させている当社グループが、軌道上サービスの担い手としての先駆的なポジションを引き続き堅持しております。
このように、世界的に宇宙関連支出や軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは軌道上サービスの事業機会の拡大に向けて、積極的に事業提携や技術開発の強化に取り組んでおります。
2024年8月には当社の英国連結子会社であるAstroscale Ltdが、Airbus Defence and Space社と軌道上サービスとデブリ除去における協業の可能性に関する覚書を締結し、2025年3月には当社の日本連結子会社である株式会社アストロスケールが、宇宙状況把握(SSA)や軌道上サービス分野において、インド市場及び第三国市場に向けた協業関係を構築すべく、インド現地企業3社(Digantara社、Bellatrix Aerospace社、MEMCO Associates (India) Private Limited社)それぞれとの間で、将来的な提携に向けて覚書を締結しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、以下の通りとなりました。
a.財政状態の状況・資産当連結会計年度における流動資産は26,224,713千円となり、前連結会計年度末に比べ8,478,596千円増加しました。
これは主に、現金及び現金同等物が7,104,637千円増加したことによるものです。
非流動資産は7,400,577千円となり、前連結会計年度末に比べ155,884千円増加しました。
これは主に、その他の金融資産が308,790千円増加したことによるものです。
この結果、資産合計は33,625,291千円となり、前連結会計年度末に比べ8,634,481千円増加しました。
・負債当連結会計年度における流動負債は20,507,468千円となり、前連結会計年度末に比べ11,643,042千円増加しました。
これは主に、引当金が727,430千円減少し、営業債務及びその他の債務が455,497千円減少した一方で、借入金が6,038,000千円増加(うち、5,000,000千円は非流動負債からの振替による増加)し、顧客との契約に基づく前受金の受領により契約負債が5,379,596千円増加し、また、繰延収益が1,320,819千円増加したことによるものです。
非流動負債は6,991,467千円となり、前連結会計年度末に比べ3,733,559千円減少しました。
これは主に、引当金が1,595,355千円増加した一方で、借入金が5,099,960千円減少(うち、5,000,000千円は非流動負債への振替による減少)したことによるものです。
この結果、負債合計は27,498,936千円となり、前連結会計年度末に比べ7,909,483千円増加しました。
・資本当連結会計年度における資本合計は6,126,355千円となり、前連結会計年度末に比べ724,997千円増加しました。
これは主に、東京証券取引所グロース市場に上場した際の新株の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ10,035,054千円増加したこと、当期損失の計上によって利益剰余金が21,551,603千円減少したこと、また、その他の包括利益の計上によってその他の資本の構成要素が1,810,402千円増加したことによるものです。
b.経営成績の状況当連結会計年度の売上収益は、ADRAS-Jのプロジェクトが完了したことやELSA-Mフェーズ3のプロジェクトが終盤を迎えたことを受けて減少する結果となり、売上減少に加えてELSA-Mフェーズ4に係る受注損失引当金繰入額を計上したことや、開発進捗に伴って補助金案件に係る開発費用(APS-R、ISSA-J1)及び未受注案件に係る先行開発費用(LEXI-P等)が増加していることを主な要因として、前連結会計年度に引き続き、営業損失、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失を計上することとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益2,456,956千円(前年同期比13.9%減)、営業損失18,755,004千円(前年同期は営業損失11,555,724千円)、税引前当期損失21,550,288千円(前年同期は税引前当期損失9,219,842千円)、当期損失21,551,603千円(前年同期は当期損失9,181,329千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失21,551,603千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失9,181,329千円)となりました。
ご参考までに、当連結会計年度における当社グループのプロジェクト収益(注)は6,088,555千円(前年同期比30.5%増)となりました(うち、政府補助金収入は3,631,599千円)。
なお、セグメントごとの経営成績については、当社グループは、「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注)プロジェクト収益は、国際財務報告基準(IFRS)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標です。
プロジェクト収益は以下により算出しております。
「プロジェクト収益=売上収益+政府補助金収入」 なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。
当社グループにおけるこの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
2 キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,104,637千円増加し、21,300,864千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、12,250,750千円の支出となりました。
これは主に、税引前当期損失(△)21,550,288千円の計上に対して、営業債務及びその他の債務の増加額や補助金収入、為替差損益等の調整項目があったことに加え、補助金の受取額5,566,176千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、1,043,993千円の支出となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出582,015千円や定期預金の預入による支出320,000千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、20,818,761千円の収入となりました。
これは主に、短期借入金の純増加額に係る収入4,038,000千円や東京証券取引所グロース市場に上場した際の株式の発行による収入19,854,446千円、長期借入金の返済による支出3,099,960千円によるものです。
3 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、軌道上サービス事業における研究開発を主たる活動としており、受注生産形態をとるに至っていないため、また、当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)受注総額受注残総額金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)軌道上サービス事業30,704,117452.029,695,461545.6合   計30,704,117452.029,695,461545.6
(注) 1.受注総額は、特定の期間において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。
受注残総額は、特定の期間までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当該特定の期間の末日までに収益計上がなされていない金額をいいます。
当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
2.上記受注残総額のほか、当連結会計年度末において、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ISSA-J1フェーズ3)に係る想定受注残総額としては、3,808百万円(当連結会計年度末時点)を見込んでおります。
また、2025年1月22日付で、株式会社アストロスケールが経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択され、その想定契約金額は、総額最大12,000百万円(間接経費、消費税等を含む)です。
後続フェーズ及び採択済の案件については、契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、最終合意に基づく実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。
3.参考までに、当連結会計年度末時点における受注残総額に、当連結会計年度末時点における(注)2.の想定受注残総額及び想定契約金額を単純合算した金額は、44,413,300千円(前年同期比:155.6%)となりますが、(注)1.乃至2.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
4.当連結会計年度において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額及び受注残総額に著しい変動がありました。
これは主に、以下の受注による増加です。
・ELSA-Mフェーズ4をEutelsat OneWeb社より受注(契約金額:13.95百万ユーロ)・CRD2フェーズⅡをJAXAより受注(契約金額:12,000百万円)・ISSA-J1に係るフェーズ2の交付決定通知書を受領(補助金の最大額:6,313百万円)・BAE Systems plcよりISSAミッションを受注(契約金額:5.15百万英ポンド)・日本の防衛省と大型契約を締結(契約金額:6,609百万円)。
・契約済のAPS-Rについて、打上げ及び軌道上実証も新たに含める延長契約を米国宇宙軍と締結(増加契約金額:11.73百万米ドル)。
c.販売実績当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)軌道上サービス事業2,456,95686.1合   計2,456,95686.1
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
相手先第6期連結会計年度(自 2023年5月1日至 2024年4月30日)第7期連結会計年度(自 2024年5月1日至 2025年4月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Network Access Associates Limited(Eutelsat OneWeb社)1,275,63544.7848,31134.5国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)625,16321.9870,59435.4英国宇宙庁(UKSA)341,78912.0380,23215.5 2.製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
販売高(千円)前年同期比(%)受託収益(注1)2,437,63988.0その他の売上収益(注2)19,31723.9合   計2,456,95686.1
(注) 1.受託収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の売上収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.売上収益当連結会計年度における売上収益は、ADRAS-Jのプロジェクトが完了したことやELSA-Mフェーズ3のプロジェクトが終盤を迎えたことを受けて、計上される売上収益が減少したことにより、2,456,956千円(前年同期比13.9%減)となりました。
b.売上原価、売上総利益当連結会計年度における売上原価は、主にELSA-Mフェーズ4に係る受注損失引当金繰入額を計上したことにより、6,337,551千円(前年同期比24.3%増)となりました。
その結果、売上総損失は3,880,594千円(前年同期は2,245,294千円の損失)となりました。
c.販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用、営業利益当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、開発進捗に伴って補助金案件に係る開発費用(APS-R、ISSA-J1)及び未受注案件に係る先行開発費用(LEXI-P等)が増加したことに加え、事業拡大に伴う人員拡充等により、人件費及び関連する諸経費が増加し、19,104,897千円(前年同期比63.3%増)となりました。
その他の収益については、プロジェクトに係る政府補助金収入が増加したことにより、4,230,488千円(前年同期比77.3%増)となりました。
その他の費用については、当連結会計年度に計上するものはありませんでした。
これらの結果、営業損失は18,755,004千円(前年同期は11,555,724千円の損失)となりました。
d.金融収益及び金融費用、法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益当連結会計年度における金融収益及び金融費用は、主に為替差損益です。
法人所得税費用については、1,315千円の納付(前年同期は38,513千円の還付)となりました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は21,551,603千円(前年同期は9,181,329千円の損失)となりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。
この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載の通りであります。
③経営戦略の現状と見通し「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループが構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、対象となるデブリや運用中の衛星に対して、コストパフォーマンスに優れたソリューションを提供するなど、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指しています。
④経営者の問題意識と今後の方針について経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、安全かつ安定的で持続可能なサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。
そのため、経営者は、現在の事業環境及び入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めていきます。
⑤キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2 キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資本管理及び流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.金融商品」に記載しています。
また、当連結会計年度における資金の主な増減要因については、上記に記載しています。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、各国のオフィスを通じて多様な用途の軌道上サービスミッションをグローバルに受注しており、技術革新の加速と市場シェアの拡大が、当社グループのミッション実現への近道であると考えております。
このため、売上収益や売上総利益、税引前営業利益等の各種業績指標の管理に加え、企業価値の継続的な向上を図るための客観的な指標として、軌道上サービスミッションの受注状況等を重視しております。
具体的には、当社グループの将来収益を生み出し事業の推進・成長を支えるパイプラインの確保状況を測定するための「受注残総額」を重要な経営指標等として位置づけております。
受注残総額の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 3 生産、受注及び販売の実績 b. 受注実績」をご参照ください。
研究開発活動 6 【研究開発活動】
当社グループは、「将来の世代の利益のための安全で持続可能な宇宙開発」というビジョンを実現するため、軌道上サービス事業に係る研究開発を実施しています。
より良い人工衛星技術の実現を目指し、当社グループが構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、対象となるデブリや運用中の衛星に対して、コストパフォーマンスに優れたソリューションを提供するなど、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指しています。
なお、当社グループは、軌道上サービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(研究開発活動の目的及び主要課題)通信衛星コンステレーション事業者及び人工衛星等を保有する各国政府機関等に対して、安全かつ効率的なデブリ除去サービスを安定的に供給していくこと及び当社グループ内での人工衛星技術の中長期的なロードマップを策定していくことを目標に、情報通信技術に関わる最先端技術の動向の把握、対外的なデモンストレーションを含む研究開発及び事業化検討を目的としています。
また、次世代のグローバル通信インフラの核と位置付けられる衛星技術の実現を目指すコンステレーション事業者との協業を踏まえた、宇宙空間における共同軌道上実証実験をはじめ、社内外の人工衛星運用戦略の策定を目的としています。
当社はこれまで、軌道上サービスに必要な技術開発の基盤としてデブリ除去に必要な一連の技術(RPO技術の重要な部分を包含します。
)を実証した「ELSA-d」に加え、軌道上のロケット上段部へのRPOを行う、商業サービスのための実証ミッション「ADRAS-J」を実施してきました。
今後もミッションを通じた機能拡張等により、顧客ニーズを踏まえた軌道上サービスの適用範囲の拡大に努めています。
(研究開発の体制)当社グループでは、国内子会社である株式会社アストロスケール、海外子会社であるAstroscale Ltd、Astroscale U.S. Inc.、Astroscale Israel Ltd.及びAstroscale France SASを拠点にて研究開発を行っています。
宇宙関連事業では、製造に係るノウハウの蓄積が競争上極めて重要であるため、設計、加工、組立、保守等の主要な製造プロセスに関する研究開発は自社で実施しています。
軌道上サービスの早期実現を目指し、各国エンジニアリング部門の密接な連携のもと、全社一丸となって研究開発活動を行う組織体制となっています。
(研究成果)当連結会計年度における研究開発費の総額は10,923,701千円となりました。
研究開発費は以下の3つの主要な要素から構成されています。
これらの費用は、当社グループが掲げる「安全で持続可能な宇宙開発」の実現に向けた技術的挑戦を支える重要な投資であり、軌道上サービス事業の拡大と多角化に資するものです (1) 未受注案件の先行開発費用将来の事業化を見据えた技術の先行開発に係る費用であり、主にAstroscale U.S. Inc.による寿命延長サービス用衛星初号機「LEXI-P」の開発が該当します。
当連結会計年度における未受注案件の先行開発費用は6,008,087千円となりました。
なお、「LEXI-P」に係る先行開発費用は、政府向けの販売案件として契約した場合は収益認識が開始され、民間企業向けのサービス案件として契約した場合は資産計上されることを想定しており、いずれの場合でも収支は改善することを見込んでおります。

(2) 政府補助金案件の開発費用主にAPS-RやISSA-J1など、政府機関からの補助金を受けて実施するプロジェクトに係る費用です。
これらは収入として政府補助金収入が計上される一方、対応する費用は研究開発費としても認識されます。
当連結会計年度における政府補助金案件の開発費用は4,693,465千円となりました。
(3) その他の研究開発費用上記に該当しない、当社グループが独自に実施する研究開発活動に係る費用です。
軌道上サービスの技術的基盤強化や、人工衛星技術の中長期的なロードマップに基づく開発などが含まれます。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費用は222,149千円となりました。
設備投資等の概要 1 【設備投資等の概要】
当社グループでは、研究開発機能の充実・強化、衛星運用設備の拡充等を目的とした設備投資を継続的に実施しております。
当社グループは、軌道上サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。
当連結会計年度の設備投資の総額は949,936千円(無形資産を含む)となりました。
その主な内容は、国内子会社における建物附属設備の追加取得及び開発機能の強化等を目的とした開発製造拠点への投資に係るものです。
なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
主要な設備の状況 2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次の通りであります。
当社グループは、軌道上サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。
(1) 提出会社持株会社であり、主要な設備はありません。

(2) 国内子会社2025年4月30日現在会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物使用権資産工具、器具及び備品その他合計株式会社アストロスケール日本本社(東京都墨田区)本社機能兼研究開発設備1,391,1952,000,594356,951159,6433,908,384184(14)株式会社アストロスケール地上局設備(神奈川県横浜市戸塚区)地上局設備60,021-3,788-63,809-
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。
3.帳簿価額のうち「その他」は、機械装置であります。
なお、金額には建設仮勘定を含んでおりません。
4.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書きしております。
(3) 在外子会社2025年4月30日現在会社名事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物使用権資産工具、器具及び備品その他合計Astroscale Ltd英国本社・工場(英国オックスフォードシャー州)本社機能兼研究開発設備544,547381,39647,12972,5641,045,638207(3)Astroscale U.S. Inc.米国本社・工場(米国コロラド州)本社機能兼研究開発設備236,864143,285133,725-513,87489
(2)Astroscale U.S. Inc.米国DC拠点(米国コロンビア特別区)本社機能--3,266-3,2668Astroscale Israel Ltd.イスラエル本社・工場(イスラエルテルアビブ)本社機能兼研究開発設備92,915165,80638,700-297,42135(12)
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.IFRSに基づく金額を記載しております。
3.帳簿価額のうち「その他」は、機械装置であります。
なお、金額には建設仮勘定を含んでおりません。
4.従業員数の( )は、臨時従業員数を外書きしております。
設備の新設、除却等の計画 3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等該当事項はありません。

(2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。
研究開発費、研究開発活動10,923,701,000
設備投資額、設備投資等の概要949,936,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況45
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況3
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況12,145,000

Investment

株式の保有状況 (5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を純投資目的の株式と考え、それらを主たる目的とせず、中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を純投資目的以外の目的である株式と考えております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社グループの事業に貢献する積極的な保有意義がある場合のみ、投資株式を保有する方針としております。
当社グループが提供する軌道上サービスにおいては、多様かつ高度な技術の開発が要求されることから、高い技術力を持つ取引先との業務提携等によって技術開発の速度向上といった事業上の成果が見込まれる場合においては、投資株式を保有することとしております。
個別銘柄の保有の適否については、経営会議等において、出資先との協業等の事業面の効果も含め、株式保有による事業上のリターンを検討し、株式保有に伴うリスクやコストと比較のうえ、当社グループの企業価値の向上に資するものかどうかを総合的に判断しております。
b. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式10非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄) 該当事項はありません。
c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報(特定投資株式)該当事項はありません。
(みなし保有株式)該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社0

Shareholders

大株主の状況 (6) 【大株主の状況】
2025年4月30日現在
氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
岡田 光信 東京都港区24,840,30021.14
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂一丁目8番1号4,680,0003.98
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海一丁目8番12号4,584,4003.90
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合東京都港区虎ノ門一丁目23番1号4,263,6003.63
株式会社グーニーズ東京都港区麻布台一丁目3番1号3,827,9333.26
ヒューリック株式会社東京都中央区日本橋大伝馬町7丁目3番3,671,4003.12
ASエースタート1号投資事業有限責任組合東京都港区三田三丁目5番27号2,950,2002.51
三菱電機株式会社東京都千代田区丸の内二丁目7番3号2,649,7002.25
スペース・エースタート1号投資事業有限責任組合東京都港区三田三丁目5番27号2,597,0002.21
日本グロースキャピタル投資法人東京都千代田区大手町二丁目2番2号2,523,7002.15
計―56,588,23348.15
(注) 前事業年度末において主要株主であった株式会社INCJは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっております。
株主数-金融機関13
株主数-金融商品取引業者37
株主数-外国法人等-個人114
株主数-外国法人等-個人以外93
株主数-個人その他36,161
株主数-その他の法人348
株主数-計36,766
氏名又は名称、大株主の状況日本グロースキャピタル投資法人
株主総会決議による取得の状況 (1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。

Audit

監査法人1、連結EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書 2025年7月29日株式会社アストロスケールホールディングス取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士齊藤 直人 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士川岸 貴浩 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社アストロスケールホールディングスの2024年5月1日から2025年4月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及びその他の注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社アストロスケールホールディングス及び連結子会社の2025年4月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
強調事項連結財務諸表注記「31.後発事象」に記載されているとおり、会社は2025年5月8日開催の取締役会において海外募集による新株式の発行を決議し、2025年5月23日に払込が完了した。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
受注損失引当金に関連する原価総額の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社グループは、スペースデブリ除去等の宇宙空間における軌道上サービスに関する技術の研究開発及び実証を行っている。
連結財務諸表注記「17.引当金」に記載のとおり、受注損失引当金2,832,519千円が当連結会計年度の連結財政状態計算書に計上されているが、これは英国の連結子会社において認識されたものである。
連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)引当金」に記載のとおり、会社グループは、受注するプロジェクトのうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を受注損失引当金として計上している。
連結財務諸表注記「4.重要な会計上の見積り及び判断
(2)受注損失引当金」に記載のとおり、会社グループは、プロジェクトの開始時点及びその後の状況に応じて最善の見積りを行い、プロジェクトに対する見積総原価及び見積総収益を算定している。
原価総額の見積りは、軌道上サービスに係る技術の新規性、個別性が強いことに加え、期間が長期にわたるため、専門的な知識と経験に基づく一定の仮定と判断を要し、不確実性を伴う。
またプロジェクト開始後に判明する事実の存在や当初想定し得ない技術的な問題の発生等によって作業内容に変更が生じる場合があり、適時・適切に原価総額の見積りに反映されない場合には、見積総原価を誤る可能性がある。
以上から、当監査法人は、受注損失引当金に関連する原価総額の見積りが、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、英国の連結子会社において認識された受注損失引当金に関連する原価総額の見積りを評価するに当たり、当該連結子会社における見積りの検討に構成単位の監査人を関与させ、主要な開発プロジェクトに主として以下の監査手続を実施した。
・契約時における原価総額の見積りとその後の実績を比較することによって、経営者の原価総額の見積りプロセスの評価を行った。
・原価総額の見積りについて、原価見積明細を閲覧し、材料費、労務費等の原価要素が積上げにより計算されているか検討した。
また原価見積明細のうち、一定の基準値以上のものについては、プロジェクト責任者への質問や見積書等その根拠となる資料との照合を実施した。
・原価総額の見積りにおいて影響を考慮すべき仕様又は作業内容の変更の有無、原価総額の見直しの要否の判断の妥当性を検討するため、プロジェクト責任者に質問を行い、プロジェクトの進捗状況や原価の発生状況に照らして回答を評価した。
・英国の連結子会社で作成された受注損失引当金を含む予算について、経営者によって承認された予算との整合性を検討した。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
受注損失引当金に関連する原価総額の見積り監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社グループは、スペースデブリ除去等の宇宙空間における軌道上サービスに関する技術の研究開発及び実証を行っている。
連結財務諸表注記「17.引当金」に記載のとおり、受注損失引当金2,832,519千円が当連結会計年度の連結財政状態計算書に計上されているが、これは英国の連結子会社において認識されたものである。
連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)引当金」に記載のとおり、会社グループは、受注するプロジェクトのうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を受注損失引当金として計上している。
連結財務諸表注記「4.重要な会計上の見積り及び判断
(2)受注損失引当金」に記載のとおり、会社グループは、プロジェクトの開始時点及びその後の状況に応じて最善の見積りを行い、プロジェクトに対する見積総原価及び見積総収益を算定している。
原価総額の見積りは、軌道上サービスに係る技術の新規性、個別性が強いことに加え、期間が長期にわたるため、専門的な知識と経験に基づく一定の仮定と判断を要し、不確実性を伴う。
またプロジェクト開始後に判明する事実の存在や当初想定し得ない技術的な問題の発生等によって作業内容に変更が生じる場合があり、適時・適切に原価総額の見積りに反映されない場合には、見積総原価を誤る可能性がある。
以上から、当監査法人は、受注損失引当金に関連する原価総額の見積りが、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、英国の連結子会社において認識された受注損失引当金に関連する原価総額の見積りを評価するに当たり、当該連結子会社における見積りの検討に構成単位の監査人を関与させ、主要な開発プロジェクトに主として以下の監査手続を実施した。
・契約時における原価総額の見積りとその後の実績を比較することによって、経営者の原価総額の見積りプロセスの評価を行った。
・原価総額の見積りについて、原価見積明細を閲覧し、材料費、労務費等の原価要素が積上げにより計算されているか検討した。
また原価見積明細のうち、一定の基準値以上のものについては、プロジェクト責任者への質問や見積書等その根拠となる資料との照合を実施した。
・原価総額の見積りにおいて影響を考慮すべき仕様又は作業内容の変更の有無、原価総額の見直しの要否の判断の妥当性を検討するため、プロジェクト責任者に質問を行い、プロジェクトの進捗状況や原価の発生状況に照らして回答を評価した。
・英国の連結子会社で作成された受注損失引当金を含む予算について、経営者によって承認された予算との整合性を検討した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結受注損失引当金に関連する原価総額の見積り
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 会社グループは、スペースデブリ除去等の宇宙空間における軌道上サービスに関する技術の研究開発及び実証を行っている。
連結財務諸表注記「17.引当金」に記載のとおり、受注損失引当金2,832,519千円が当連結会計年度の連結財政状態計算書に計上されているが、これは英国の連結子会社において認識されたものである。
連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)引当金」に記載のとおり、会社グループは、受注するプロジェクトのうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を受注損失引当金として計上している。
連結財務諸表注記「4.重要な会計上の見積り及び判断
(2)受注損失引当金」に記載のとおり、会社グループは、プロジェクトの開始時点及びその後の状況に応じて最善の見積りを行い、プロジェクトに対する見積総原価及び見積総収益を算定している。
原価総額の見積りは、軌道上サービスに係る技術の新規性、個別性が強いことに加え、期間が長期にわたるため、専門的な知識と経験に基づく一定の仮定と判断を要し、不確実性を伴う。
またプロジェクト開始後に判明する事実の存在や当初想定し得ない技術的な問題の発生等によって作業内容に変更が生じる場合があり、適時・適切に原価総額の見積りに反映されない場合には、見積総原価を誤る可能性がある。
以上から、当監査法人は、受注損失引当金に関連する原価総額の見積りが、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「17.引当金」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(10)引当金」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、英国の連結子会社において認識された受注損失引当金に関連する原価総額の見積りを評価するに当たり、当該連結子会社における見積りの検討に構成単位の監査人を関与させ、主要な開発プロジェクトに主として以下の監査手続を実施した。
・契約時における原価総額の見積りとその後の実績を比較することによって、経営者の原価総額の見積りプロセスの評価を行った。
・原価総額の見積りについて、原価見積明細を閲覧し、材料費、労務費等の原価要素が積上げにより計算されているか検討した。
また原価見積明細のうち、一定の基準値以上のものについては、プロジェクト責任者への質問や見積書等その根拠となる資料との照合を実施した。
・原価総額の見積りにおいて影響を考慮すべき仕様又は作業内容の変更の有無、原価総額の見直しの要否の判断の妥当性を検討するため、プロジェクト責任者に質問を行い、プロジェクトの進捗状況や原価の発生状況に照らして回答を評価した。
・英国の連結子会社で作成された受注損失引当金を含む予算について、経営者によって承認された予算との整合性を検討した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年7月29日株式会社アストロスケールホールディングス取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士齊藤 直人 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士川岸 貴浩 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社アストロスケールホールディングスの2024年5月1日から2025年4月30日までの第7期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社アストロスケールホールディングスの2025年4月30日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
強調事項注記事項「(重要な後発事象)」に記載されているとおり、会社は2025年5月8日開催の取締役会において海外募集による新株式の発行を決議し、2025年5月23日に払込が完了した。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項「(重要な会計上の見積り)(1)財務諸表に計上した金額」に記載のとおり、当事業年度の財務諸表に計上されている関係会社株式は2,856,255千円、関係会社株式評価損7,041,428千円であり、主に英国の連結子会社に対するものである。
関係会社株式は、取得原価をもって貸借対照表価額としているが、実質価額が著しく低下した場合、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額処理をすることとしている。
会社は、各社の純資産額を基礎として実質価額を算定しているが、特に英国の連結子会社は受注損失引当金を計上しており、純資産額に重要な影響を与えている。
受注損失引当金に関連する原価総額の見積りは、プロジェクトに対する専門的な知識と経験に基づく一定の仮定と判断を要し、不確実性を伴う。
またプロジェクト開始後に判明する事実の存在や当初想定し得ない技術的な問題の発生等によって作業内容に変更が生じる場合があり、適時・適切に原価総額の見積りに反映されない場合には、見積総原価を誤る可能性がある。
以上から、当監査法人は関係会社株式の評価が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、英国の連結子会社に関する関係会社株式の評価が適切になされているかどうかを検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・会社持分の実質価額と取得原価との比較により、実質価額の著しい下落の有無の判定及び関係会社株式評価損が適切に測定されているか検討した。
・英国の連結子会社の純資産額に重要な影響を与える受注損失引当金の評価に係る監査上の対応については、連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「受注損失引当金に関連する原価総額の見積り」に記載のとおりである。
その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項「(重要な会計上の見積り)(1)財務諸表に計上した金額」に記載のとおり、当事業年度の財務諸表に計上されている関係会社株式は2,856,255千円、関係会社株式評価損7,041,428千円であり、主に英国の連結子会社に対するものである。
関係会社株式は、取得原価をもって貸借対照表価額としているが、実質価額が著しく低下した場合、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、相当の減額処理をすることとしている。
会社は、各社の純資産額を基礎として実質価額を算定しているが、特に英国の連結子会社は受注損失引当金を計上しており、純資産額に重要な影響を与えている。
受注損失引当金に関連する原価総額の見積りは、プロジェクトに対する専門的な知識と経験に基づく一定の仮定と判断を要し、不確実性を伴う。
またプロジェクト開始後に判明する事実の存在や当初想定し得ない技術的な問題の発生等によって作業内容に変更が生じる場合があり、適時・適切に原価総額の見積りに反映されない場合には、見積総原価を誤る可能性がある。
以上から、当監査法人は関係会社株式の評価が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、英国の連結子会社に関する関係会社株式の評価が適切になされているかどうかを検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・会社持分の実質価額と取得原価との比較により、実質価額の著しい下落の有無の判定及び関係会社株式評価損が適切に測定されているか検討した。
・英国の連結子会社の純資産額に重要な影響を与える受注損失引当金の評価に係る監査上の対応については、連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項「受注損失引当金に関連する原価総額の見積り」に記載のとおりである。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別関係会社株式の評価
その他の記載内容、個別 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

その他、流動資産210,633,000
投資その他の資産4,431,476,000

BS負債、資本

短期借入金6,426,000,000
1年内返済予定の長期借入金2,000,000,000
未払金332,725,000
未払法人税等1,210,000
未払費用115,305,000
資本剰余金16,732,562,000
利益剰余金-23,408,254,000
株主資本3,621,794,000
負債純資産17,929,082,000

PL

販売費及び一般管理費1,928,410,000
営業利益又は営業損失-1,925,943,000
受取利息、営業外収益9,356,000
営業外収益9,404,000
支払利息、営業外費用536,485,000
営業外費用13,479,303,000
特別利益7,281,000
特別損失8,018,483,000
法人税、住民税及び事業税1,210,000
法人税等1,210,000

PL2

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)279,608,000
当期変動額合計-2,733,673,000

FS_ALL

役員報酬、販売費及び一般管理費122,670,000

概要や注記

主要な販売費及び一般管理費 ※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次の通りであります。
(単位:千円) 前事業年度(自 2023年5月1日至 2024年4月30日)当事業年度(自 2024年5月1日至 2025年4月30日)役員報酬114,510122,670従業員給料手当315,686417,343株式報酬費用99,037309,024支払報酬465,917428,743支払手数料220,315279,490 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度1.4%、当事業年度1.2%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度98.6%、当事業年度98.8 %であります。