財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-30 |
英訳名、表紙 | ACCESS CO., LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 大石 清恭 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区神田練塀町3番地 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6853-9088 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 年月事項1984年2月「有限会社アクセス」(出資金1百万円、本社:東京都千代田区)設立。 1986年9月オリジナルのTCP/IP「AVE-TCP」を開発、製品化。 1996年2月インターネット閲覧ソフトウェア「NetFront®」(現「NetFront®Browser」)を開発。 インターネットテレビ、ワープロ専用機に搭載。 11月「有限会社アクセス」を「株式会社アクセス」(資本金50百万円、本社:東京都千代田区)に組織変更。 1998年2月携帯電話向けコンパクトHTMLブラウザ「Compact NetFront®」(現「NetFront®Browser」)を開発。 1999年2月「Compact NetFront」をエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社(現:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ)の「iモード」向け携帯電話(三菱電機、富士通、日本電気)に搭載。 7月「ACCESS Systems America Inc.」(資本金600千米ドル、当社出資比率100%)設立。 2000年4月「株式会社アクセス」を「株式会社ACCESS」に商号変更。 2001年2月東京証券取引所マザーズ市場に株式上場。 (証券コード:4813)7月「株式会社アクセス・パブリッシング」(資本金200百万円、当社出資比率100%)設立。 「ACCESS Systems Europe GmbH」(出資金1,800千ユーロ、当社出資比率94.0%)設立。 2002年8月「ACCESS China Inc.」(資本金630千米ドル、当社出資比率94.0%)設立。 同社100%子会社「ACCESS (Beijing) Co., Ltd.」(資本金300千米ドル)設立。 2003年7月「株式会社ヴィ・ソニック」(資本金118百万円、当社出資比率100%)を子会社化。 8月「株式会社ヴィ・ソニック」を「株式会社ACCESS北海道」に商号変更。 11月ISO9001の認証を取得。 2004年2月アメリカ合衆国カリフォルニア州に米国支店を開設。 6月「ACCESS Systems America Inc.」を清算。 8月「C-Valley Inc.」(資本金1,500千米ドル、当社出資比率100%、議決権比率50.0%)に出資、子会社化。 同社100%子会社「C-Valley (Beijing) Information Technology Co., Ltd.」も子会社化。 2005年11月「RedSpyder Inc.」(資本金100千米ドル、議決権比率16.7%)に出資、子会社化。 「PalmSource Inc.」(資本金23,183千米ドル、当社出資比率100%)を買収、子会社化。 同社子会社「China MobileSoft Inc.」及びその子会社の「MobileSoft Technology (Nanjing)」、「PalmSource Europe SARL」も子会社化。 2006年2月「Naraworks Inc.」の株式を取得し、「ACCESS Seoul Co., Ltd.」(資本金200,000千ウォン、当社出資比率100%)に商号変更、子会社化。 3月「IP Infusion Inc.」(資本金20,165千米ドル、当社出資比率100%)の株式を取得、子会社化。 10月「PalmSource Inc.」を「ACCESS Systems Americas Inc.」に商号変更。 11月「PalmSource Europe SARL」を「ACCESS Systems France SARL」に商号変更。 2007年1月「China MobileSoft Inc.」及び「MobileSoft Technology (Nanjing)」を「ACCESS China Inc.」の子会社に再編。 5月「MobileSoft Technology (Nanjing)」を「アクセス(南京)有限公司」に商号変更。 9月「株式会社ACCESS北海道」を清算。 10月「IP Infusion Inc.」を「ACCESS Systems Americas Inc.」の子会社として再編。 2008年3月「ACCESS Systems Americas Inc.」から開発部門を切り離し「ACCESS Systems Americas USA Inc.」を設立し、「ACCESS Systems Americas Inc.」の子会社として再編。 年月事項5月「ACCESS Systems Europe Holdings B.V.」(資本金11,000千ユーロ、当社出資比率100%)設立。 7月「ACCESS Systems France SAS」を「ACCESS Systems Europe Holdings B.V.」の子会社として再編。 10月「China MoblieSoft Inc.」を清算。 2009年2月「ACCESS Systems Europe GmbH」を「ACCESS Systems Germany GmbH」に商号変更。 4月「RedSpyder Holdings Ltd.」を売却。 2010年2月「幕張研究開発センター」を千葉県千葉市美浜区に新設。 10月本店を東京都千代田区猿楽町2丁目8番16号から同区猿楽町2丁目8番8号に移転。 あわせて、「幕張研究開発センター」(千葉県千葉市美浜区)を「幕張オフィス」に改称。 11月「IP Infusion Europe B.V.」をオランダに設立。 12月「株式会社アクセス・パブリッシング」を清算。 2011年1月「ACCESS Systems USA Inc.」を「ACCESS Systems Americas Inc.」に統合。 「IP Infusion Software India Pvt. Ltd.」をインドに設立。 2月「ACCESS Systems Germany GmbH」を「ACCESS Europe GmbH」に商号変更。 12月「ACCESS China Inc.」を清算。 2012年1月「IP Infusion Inc.」を存続会社とし、「ACCESS Systems Americas Inc.」を吸収合併。 メディアサービス事業を東京カレンダー株式会社に会社分割。 4月「IP Infusion (Nanjing) Co., Ltd.」の株式を売却。 株式会社インターネットイニシアティブとの合弁会社「株式会社ストラトスフィア」を日本に設立。 2014年12月「リトルソフト株式会社」(資本金44百万円、当社出資比率20.45%)の株式を取得。 2015年10月「IP Infusion Europe B.V.」を清算。 2016年1月「ACCESS Systems France SAS」を清算。 「ACCESS AP Taiwan Co., Ltd.」を台湾に設立。 「幕張オフィス」を売却。 3月本店を東京都千代田区猿楽町2丁目8番8号から同区神田練塀町3番地に移転。 9月「株式会社ノア」(資本金10百万円、当社出資比率100%)を子会社化。 10月「株式会社ノア」を「株式会社ACCESS NOA」に商号変更。 2017年2月「株式会社ミエルカ防災」(資本金129百万円、当社出資比率29.96%)の株式を取得。 10月「株式会社ACCESS NOA」を「株式会社ACCESSテック」に商号変更。 2018年8月「Northforge Innovations Inc.」(資本金13,013千加ドル、当社出資比率100%)を買収、子会社化。 同社子会社「Northforge Innovations USA Inc.」、「Northforge Innovations Israel Ltd.」も子会社化。 2019年1月「株式会社ACCESSテック」の子会社として「ACCESS Taiwan Lab. Co., Ltd.」を台湾に設立。 4月「NetRange MMH GmbH」(出資金25千ユーロ、当社出資比率100%)を買収、子会社化。 「株式会社ACCESSテック」を「株式会社ACCESS Works」に商号変更。 2020年2月東京証券取引所市場第一部に市場変更。 7月「ACCESS AP Taiwan Co., Ltd.」の子会社として「ACCESS AP Singapore Pte. Ltd.」をシンガポールに設立。 2021年4月「Northforge Innovations USA Inc.」を解散。 9月「株式会社ACCESS Works」を清算。 2022年4月東京証券取引所プライム市場に市場変更。 年月事項2023年5月「Northforge Innovations Inc.」を「IP Infusion Canada Inc.」に商号変更。 7月「Northforge Innovations Israel Ltd.」を「IP Infusion Israel Ltd.」に商号変更2024年1月電子出版事業の一部を会社分割(新設分割)し、新設会社の全株式を株式会社ブックウォーカーに譲渡。 7月「ACCESS Europe GmbH」を存続会社とし、「NetRange MMH GmbH」を吸収合併。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社10社及び持分法適用関連会社3社より構成されており、国内外の携帯電話及び情報家電等のメーカー、通信ネットワーク等のインフラ事業者、電子書籍及び広告事業等を手掛けるサービス事業者、並びに一般企業を顧客とし、先進のITソリューションを提供しております。 報告セグメントごとの事業内容、当社と主要な関係会社の当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。 報告セグメント事業の内容主要な事業主体IoT事業本社及び台湾子会社を事業主体として、主として国内市場におけるIoT関連ソリューション及びソフトウェア等の提供を行っております。 株式会社ACCESSACCESS AP Taiwan Co., Ltd.ACCESS AP Singapore Pte. Ltd.アイティアクセス株式会社リトルソフト株式会社株式会社ミエルカ防災Webプラットフォーム事業本社、ドイツ、中国、韓国及び台湾子会社を事業主体として、国内及び海外市場における組み込みブラウザをはじめとしたWebプラットフォーム関連ソリューション等の提供を行っております。 株式会社ACCESSACCESS Europe GmbHACCESS Seoul Co., Ltd.ACCESS (Beijing) Co., Ltd.ACCESS Taiwan Lab. Co., Ltd.アイティアクセス株式会社ネットワーク事業米国、カナダ、インド及びイスラエル子会社を事業主体として、ネットワーク機器向けソフトウェア及びホワイトボックス向け統合Network OS等の提供を行っております。 IP Infusion Inc.IP Infusion Software India Pvt. Ltd.IP Infusion Canada Inc.IP Infusion Israel Ltd. (事業系統図)以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容連結子会社 IP Infusion Inc.(注)3、4米国カリフォルニア州115,781千米ドルネットワーク事業100.0資金の貸付 ソフトウェア等の販売先役員の兼任2名IP Infusion Software India Pvt. Ltd.インドバンガロール市1,000千印ルピーネットワーク事業100.0(100.0)役員の兼任1名IP Infusion Canada Inc.カナダケベック州13,013千加ドルネットワーク事業100.0(100.0)役員の兼任2名IP Infusion Israel Ltd. イスラエルラーナナ市100新シェケルネットワーク事業100.0(100.0)-ACCESS Europe GmbH(注)3ドイツオーバーハウゼン市15,279千ユーロWebプラットフォーム事業100.0資金の貸付ソフトウェア等の仕入先ソフトウェア等の販売先役員の兼任2名ACCESS Seoul Co., Ltd.韓国ソウル特別市2,200百万ウォンWebプラットフォーム事業100.0資金の貸付ソフトウェア等の販売先役員の兼任1名ACCESS (Beijing) Co., Ltd.中国北京市20,000千米ドルWebプラットフォーム事業100.0ソフトウェア等の仕入先ソフトウェア等の販売先役員の兼任1名ACCESS AP Taiwan Co., Ltd.台湾台北市24,500千台湾ドルIoT事業100.0ソフトウェア等の仕入先ソフトウェア等の販売先役員の兼任1名ACCESS AP Singapore Pte. Ltd.シンガポール420千星ドルIoT事業83.33(83.33)役員の兼任1名ACCESS Taiwan Lab. Co., Ltd.台湾台北市14,300千台湾ドルIoT事業100.0資金の貸付ソフトウェア等の仕入先ソフトウェア等の販売先役員の兼任1名持分法適用関連会社 アイティアクセス株式会社神奈川県横浜市港北区200,000千円IoT事業Webプラットフォーム事業15.0ソフトウェア等の販売先リトルソフト株式会社東京都豊島区44,900千円IoT事業20.45役員の兼任1名株式会社ミエルカ防災東京都千代田区26,990千円IoT事業28.59- (注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。 2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。 なお、IP Infusion Inc.は、IP Infusion Software India Pvt. Ltd.、IP Infusion Canada Inc.、IP Infusion Israel Ltd.の議決権の100%を保有しております。 ACCESS AP Taiwan Co., Ltd.は、ACCESS AP Singapore Pte. Ltd.の議決権の83.33%を所有しております。 3.資本金に資本剰余金を含めて記載しております。 4.特定子会社であります。 5.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 6.IP Infusion Inc.(その連結子会社を含む)の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)は、連結売上高に占める割合が10%を超えておりますが、セグメント情報におけるネットワーク事業の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)に占める割合が90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年1月31日現在セグメントの名称従業員数(人)IoT事業237(3)Webプラットフォーム事業122(1)ネットワーク事業432 全社(共通)39 (2)合計830(6) (注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。 )であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員は除いております。 )は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 2.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。 (2) 提出会社の状況2025年1月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)317 (2)40.39.57,610,036 2025年1月31日現在セグメントの名称従業員数(人)IoT事業210 Webプラットフォーム事業67 ネットワーク事業1 全社(共通)39 (2)合計317 (2) (注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。 )であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員は除いております。 )は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 2.平均年間給与には、賞与及び基準外賃金を含め、株式報酬費用は除いております。 3.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。 (3) 労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者1.85125.082.982.982.6- (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 (1) 当社の経営の基本方針当社グループは、1984年の設立以来、独立系の研究開発型ソフトウェア企業として、「すべての機器をネットにつなぐ」を目標に掲げ、それを実現するためのコア技術を世界中の通信事業者や通信機器メーカー、家電メーカー等に提供し、急速に進展するICT化・スマート化を技術面から支えてまいりました。 現時点においては既に携帯電話や情報家電をはじめとする様々な情報端末のネットワーク化による連携はもはや一般化しており、現在は遍在化したスマートセンサーとあらゆるモノがネットワーク化し、その基盤上に新たな製品やサービスが次々と創出され続けております。 そのような中、当社グループは「CONNECT YOUR DREAMS TO THE FUTURE.」をスローガンに掲げ、すべての機器をネットにつないできた先駆的存在として、これからも当社グループの「つなぐ」技術により新たな価値創造に資する技術・製品を開発・提供し続けあらゆるステークホルダーに貢献することが当社グループの使命であることを明示するとともに、それらの取り組みを通じて企業価値の向上に取り組んでおります。 また、意思決定の軸として、以下のとおり企業理念を定めております。 Vision Statement:『技術』『知恵』『創造性』と『勇気』で世界を革新し続ける独立系、企画・研究型企業Core Value : Unique、Fair、Open-minded (2) 目標とする経営指標主な経営指標として、連結ベースでの売上高及び営業利益並びにそれらの成長性を重視し、当社グループ全体の収益性及び成長性の中長期的な向上を図ってまいります。 (3) 経営環境及び中長期的な会社の成長戦略2024年は、中東情勢の緊迫化、欧米における高金利水準の継続、中国経済の先行き懸念も相まって、世界経済全体の不透明さが続き、IT情報サービス産業においても、引き続きDX化の推進とそれに伴うIT投資への意欲も旺盛ではあるものの、一部企業においては引き続き投資判断に慎重な姿勢も見受けられる状況でした。 このような環境下において、前連結会計年度において事業ごとに選択と集中を含む経営判断を実施したことを踏まえ、当連結会計年度においては、IoT事業及びWebプラットフォーム事業につきましては、両セグメントの黒字化を目標に取り組み、その結果、IoT事業においては一部事業の譲渡による売上減をカバーする事業成長により、Webプラットフォーム事業においては既存製品の堅調な売上推移に支えられ、ともにセグメント黒字化を実現いたしました。 他方、ネットワーク事業においては想定より事業成長が遅れたことに加え、製品開発コストの上昇等もあり、前連結会計年度から赤字幅が拡大する結果となりました。 2026年1月期(2025年2月~2026年1月)においては、IoT事業については、ハードウェア提供も含む総合的な提案によりプロフェッショナルサービスをさらに拡大・深耕し、積極的な事業拡大を図ります。 Webプラットフォーム事業については、グローバル体制を見直し、採算性の高い日本を中心とした地理的拡大を図るとともに、TV・車載の両事業がともに全体の収益安定化に貢献できるよう推進してまいります。 ネットワーク事業につきましては、サービスプロバイダー向けのネットワークOS提供による事業拡大を継続するとともに、今後も大きな成長が予想されるAI関連のデータセンター向けの案件パイプラインの構築と拡大に努めてまいります。 また、Tier1オペレーターに向けての取り組みも引き続き進めていく所存であります。 当連結会計年度 事業方針当連結会計年度 ハイライト翌連結会計年度 事業方針IoT事業 IoT分野・注力事業であるプロフェッショナルサービスに営業及び開発リソースを傾注してDX需要を取り込むことで、収益性を維持しつつ事業規模の拡大を図る・主力事業であるプロフェッショナルサービスの売上高は順調に拡大し、前期末に一部事業譲渡を行った電子出版事業の分をカバーし更に拡大成長・前期までの事業成果を活用し、プロフェッショナルサービスに引き続き注力し、ディスプレイ等のハードウェアも含めた事業規模の拡大を図る その他・台湾事業における収益性確保に重点を置き、事業の安定化に努める・台湾事業において、事業効率化による収益性向上を図ることに注力・台湾事業における安定的な売上成長及び収益向上に努めるWebプラットフォーム事業・TV、車載向けブラウザにおける売上の安定性を高め、次世代のコンテンツ配信システム等を含む、事業領域拡大の足掛かりを構築・車載インフォテインメント向け分野は、徐々に受注が増加傾向・欧州拠点において、効率的な運営のため再編・適正化された海外拠点ではより収益性の意識した事業運営を実行・採算性の高い日本を中心にした地理的拡大・TV、車載向けブラウザにおける売上の安定性を高め、技術を活用し、多様なデバイスで最適なコンテンツ視聴体験の提供を目指すネットワーク事業・ネットワーク機器分野における投資抑制の市場動向はあるものの、引き続きTier2/3通信事業者を中心に、事業規模を拡大する・Tier1通信事業者や大手サービス事業者に対しては、受注まで相応の期間を要することを前提に継続的に取り組む・新規顧客数及び売上について想定より成長が遅れ、コスト面においても開発コストの上昇等の影響を受ける形となった・サービスプロバイダー向けのネットワークOS提供による事業拡大に加え、AI関連データセンタービジネス需要にも注力・Tier1通信事業者や大手サービス事業者に対しては、受注まで相応の期間を要することを前提に継続的に取り組む なお、セグメント別の事業環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 (4) 会社の対処すべき課題前述の中長期的な会社の成長戦略を実現するにあたり、以下を当社グループの優先的に対処すべき課題と認識し、その遂行に向けて取り組んでおります。 ① 内部統制及びガバナンスの改善当社のネットワーク事業を主に担う連結子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「当該米国子会社」という。 )において、2025年1月期第2四半期末(2024年7月31日)時点で特定顧客向けの多額の売掛金が長期間にわたり滞留していたことから、当社の会計監査人から当該売掛金の回収可能性に懸念がある旨の指摘がありました。 これを受け、当該売掛金の回収期間の長期化の原因等を調査するため、当社は2024年10月15日に社内調査委員会を設置し社内調査を開始しました。 その後、当該売掛金の発生原因となった取引や別の顧客との取引について不適切な売上計上の疑義が生じたことに伴い、調査の専門性及び客観性をより高めるため、当社は2024年11月29日に当社と利害関係を有さない外部専門家を中心とした特別調査委員会を設置し特別調査を開始しました。 また、特別調査の過程において本件売上計上の疑義に類似する事案やソフトウェア資産に係る会計処理の適否に関する疑義が検出されたため、調査対象事項を拡大して特別調査を継続してまいりました。 当社は2025年6月30日に特別調査委員会から調査報告書を受領し、これを受け当社は過年度より当該米国子会社において売上の過大計上や売上の早期計上、ソフトウェア資産の過大計上=研究開発費等の過少計上があったこと等の複数の不適切な会計処理があったことが判明いたしました。 その主な原因は、同社において事業規模が拡大する反面、それに対応できるだけのとりわけ財務報告に関連する内部牽制の仕組みが十分に構築できていなかったこと、さらにその礎となる信頼性ある財務報告に対する一部のマネジメントの姿勢や規範意識が不十分であったことにあると認識しております。 これらの改善にあたっては、事業規模や重要性に見合った管理体制を構築し、さらに当社グループ全体において日本の上場企業グループであることを自覚し、その規範意識を強化・向上させていくことがとりわけ重要な課題であると認識しております。 当社は特別調査委員会の調査報告書における指摘・提言を真摯に受けとめ、実効性のある再発防止策を策定の上、経営トップ自らの強いコミットメントのもと、内部統制及びガバナンスの改善を図ってまいります。 ② 多様性のある優秀な人材の確保・育成と生産性向上のための環境整備 当社グループの事業推進を下支えする基盤となる人材の確保と組織力強化、企業風土の醸成・ダイバーシティの推進に取り組んでまいります。 人材確保においては、個々のスキルの卓越性に加えて、高い当事者意識・目的意識・職業倫理を持ち、部署等の垣根を越えた適切なリーダーシップやチームワークを発揮できる優秀な人材の採用・育成に努めてまいります。 環境整備の面では、働き方、業務内容やキャリアプランの多様性を考慮した人事施策の導入や労働環境の整備を推進し、生産性の向上に取り組んでまいります。 ③ 成長分野への積極投資とグローバルで通用する製品力・技術力及びサービス創出機能の強化並びに注力事業分野の売上拡大 当社グループが事業成長を実現するにあたっては、技術力を継続的に強化するとともに、絶え間ない技術革新から生み出される先進的な技術をいち早く獲得・事業化し、また、社会動向の変化に適応した顧客価値を創出していくことが重要課題であると認識しております。 具体的な取り組みとして、当社グループ内での製品開発投資を拡大し製品力・技術力及びサービス創出機能の強化を図るとともに、M&Aを積極活用し当社技術・事業を補完できるパートナー企業の開拓に取り組んでまいります。 また投資継続している注力事業分野につきましては、販売チャネルの拡充や顧客サポート体制の強化を通じて売上拡大を図るとともに、市場動向及び事業状況を注視しながら投資規模を都度見直し、収益性の維持・改善に努めてまいります。 (5) その他、会社の経営上重要な事項当社は、当社グループのネットワーク事業を主に担う連結子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「当該米国子会社」といいます。 )における一部取引について、不適切な売上計上の疑義が生じたため、2024年11月29日に特別調査委員会を設置し、調査を進めてまいりました。 当社は、2025年6月30日に特別調査委員会から調査報告書を受領し、その結果、当該米国子会社において、以下の事実が判明しました。 (a) ソフトウェアのライセンスの販売取引に関し、本体契約と同時期に顧客をリスクフリーにするサイドレターを別途締結し、当該米国子会社が実質的にリスクを継続的に保持する条件となっていたにもかかわらず、本体契約のみに基づき売上を計上していたこと(売上高の過大計上)。 (b) ソフトウェアのライセンスの販売取引に関し、収益認識の条件が充足されていない状況であるにもかかわらず、虚偽の取引証憑や資料を作成して売上を計上していたこと(売上高の早期計上)。 また、特別調査委員会の調査に並行して、当社側で当該米国子会社のソフトウェア資産計上額の点検を行った結果、ソフトウェア開発費の資産計上範囲について、同社の規定方針からの逸脱が判明したため、あるべきソフトウェア資産計上額の再算定を行った結果、以下の事実が判明しました(以下、これらの事案を合わせて「本件事案」といいます。 )。 (c) ソフトウェアの資産計上額の算定根拠となる集計データの内容区分に関する不適切な操作や、ソフトウェアの計上タイミングの根拠となる取引証憑の不適切な改変が行われており、その結果、過去に遡って当該米国子会社におけるソフトウェア資産計上額が過大計上であったこと(ソフトウェアの過大計上=研究開発費等の過少計上)。 これらは、いずれも当該米国子会社の一部のマネジメント(内、1名は当社の取締役も兼務。 以下同じ。 )が関与する形で進められたものでしたが、当社は、これら売上高の過大計上及び早期計上、並びにソフトウェアの過大計上について関連する会計処理を過年度に遡って訂正する必要があると判断し、2021年1月期から2024年1月期の有価証券報告書、2023年1月期第2四半期から2025年1月期第1四半期までの四半期報告書及び2025年1月期半期報告書について、訂正報告書を提出いたしました。 なお、当社財務諸表におけるこれらの訂正による影響を勘案すると、2019年4月17日開催の第35回定時株主総会において決議された総額117,875千円の配当及び2020年4月22日開催の第36回定時株主総会において決議された総額118,123千円の配当は、いずれもその全額が会社法及び会社計算規則により算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。 今後、当該配当に関する事実関係等の確認、社内関係者の責任の検討及び超過の原因となった本件事案に対する再発防止も含めた取り組みを進めてまいります。 当社は、本件事案に関し調査報告書で判明した事実と原因分析に関する報告を踏まえ、改めて財務報告に係る内部統制の再評価を行った結果、当社及び当該米国子会社の全社的な内部統制、並びに当該米国子会社の決算・財務報告プロセス、収益認識プロセス及び原価計算プロセス(ソフトウェア資産計上プロセスを含む)の一部に不備があったことを識別いたしました。 当社は、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。 本件事案における売上の過大計上及び早期計上、並びにソフトウェアの過大計上の不適切な会計処理が長期間にわたり行われてきた原因及び内部統制上の不備として、以下を認識しております。 (1) 米国子会社における不備について① 全社統制(統制環境)の不備本件事案では、予算対実績やネットワーク事業に対する期待を意識した当社の米国子会社の一部のマネジメントが、売上取引に関する取引条件の交渉(サイドレター含む)や売上計上の根拠証憑や資料の不適切な改変、並びにソフトウェア資産計上のための根拠データの操作や取引証憑の不適切な改変に関与する形で進めており、概して当該米国子会社の一部のマネジメントがその立場を利用し、同社の内部統制を無効化することにより、不適切な売上計上やソフトウェア資産計上を行っていた、というものでした。 従って、当該米国子会社の一部のマネジメントにおいて、信頼性ある財務報告に対する姿勢や規範意識が不十分であったものと認識しております。 また、事業規模が拡大する当該米国子会社において、特に会計処理に関して、当該米国子会社のCFOに管理機能が集中し続けていた結果、財務報告に関連する内部牽制の仕組みが十分に構築できておりませんでした。 加えて、当該米国子会社全体において、日本の上場企業である当社グループの一員としての意識が必ずしも十分に醸成できていなかった点も認識しております。 ② 収益認識プロセスに係る内部統制の不備本件事案における売上の過大計上や早期計上は、当該米国子会社のマネジメントが関与する形で進めており(売上計上の根拠証憑の不適切な改変等も含む)、当該米国子会社内での自立的な内部統制が機能しづらい状況における処理でした。 このような状況に至った背景として、当該米国子会社において、収益認識に関する一連の社内ルールが十分詳細に設定がなされていない中、新規取引先に対する十分な調査(代表者や会社実態の把握も含む)や、契約書等についても系統立った網羅的な保管が十分になされておらず、また、ライセンス売上に対して、ライセンス管理システム上の各種情報(顧客側におけるダウンロードの実績や、バージョン情報等)との整合性を別途確認するような手続までは求められていなかったことが、本件事案のような不適切な売上計上の温床となった可能性がある点、すなわち、収益認識プロセスに係る内部統制上の不備を認識しております。 ③ 原価計算プロセス(ソフトウェア資産計上プロセスを含む)に係る内部統制の不備本件事案におけるソフトウェアの過大計上は、当該米国子会社の他のマネジメントの意を汲んだCFOが指示する形で進められており、特に開発費のソフトウェア計上(資産計上)に関しては、会計処理の承認も含め当該CFOが広く権限を有していたため、当該米国子会社内での自立的な内部統制が実質的には機能しない状況における処理でした。 このような状況に至った背景として、当該米国子会社では、開発費のソフトウェア計上(資産計上)の要件やその集計プロセスに関する社内ルールが、同社におけるソフトウェアの開発実態を十分反映した形で設定されておらず、そのことが本件事案のような不適切なソフトウェアの過大計上の温床となった可能性がある点、すなわち、ソフトウェア資産計上プロセスに係る内部統制上の不備を認識しております。 ④ 決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備当該米国子会社のCFOが本件事案における各種不適切な会計処理を承認していたため、同社における決算・財務報告プロセスの会計仕訳入力時のCFOレビュー・承認プロセスには不備があったものと認識しております。 (2) 当社における全社的な内部統制の不備について① 全社統制(統制環境、情報と伝達)の不備当社業務執行取締役(海外担当)が、米国子会社の取締役を兼務しており、当社取締役でありながら当該米国子会社側における不適切な会計処理に関与していたことから、当社側においても信頼性ある財務報告に対する姿勢や規範意識が必ずしも十分ではなかったものと認識しております。 また、当社取締役会における業務執行取締役と社外役員(特に社外取締役)との関係性において、率直な議論ができない状況があり、業務執行取締役にはネガティブ情報の取締役会への上程に対する消極的な姿勢がありました。 その結果、本件事案に関する重要な情報も、当社取締役会及び監査役に適切に伝達・共有されず、取締役会による業務執行取締役の監督が必ずしも十分にできていなかったと認識しております。 ② 全社統制(リスクの評価と対応)の不備本件事案は当社の米国子会社における事案であり、当該米国子会社は当社によるグループ会社化後、ネットワーク事業において中心的な役割を果たし、ネットワーク事業の拡大に伴い当社グループ全体における重要性も高まってきておりました。 一方、当社側において、本件事案のような子会社のマネジメントが関与した不適切な会計処理に関するリスク認識が必ずしも十分にできておらず、その結果、後述する統制活動やモニタリング体制の強化、当該米国子会社における取引実態についての情報収集等が十分になされず、当該米国子会社での特定の取引先との取引の急速な拡大、代金回収の大幅な遅延、直接の取引先ではない第三者からの入金といった状況についても、適切なリスク対応ができておりませんでした。 ③ 全社統制(統制活動、モニタリング)の不備前述のとおり、本件事案のような子会社のマネジメントが関与した不適切な会計処理に関するリスク認識が十分ではなかった結果、当該米国子会社の企業規模等の拡大に対し、当社の管理部門や内部監査部門による統制活動やモニタリングの強化が十分には行えておりませんでした。 当該米国子会社のCFOのレポーティングライン(報告経路)が当該子会社のCEOのみとなっており、当社側からの統制が効きづらい状況が続く中、現地側からの情報収集も含め、海外拠点に対する第2線・第3線としての統制活動やモニタリングについて、十分な体制構築ができておりませんでした。 これらの全社的な内部統制、決算・財務報告プロセス、収益認識プロセス及び原価計算プロセスにおける不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。 なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、特別調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を講じて適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。 (米国子会社における改善策)(1) 米国子会社におけるマネジメント体制の刷新当該米国子会社において本件事案への関与が認められた同社取締役及びCFOについては、本件事案に関する経営責任を明確化の上、体制の刷新を進めます。 具体的には、同社のCEO及びCFOを変更し、関与者の財務報告への影響力を早急に排除するとともに、当面は当社からの人員による、もしくは当社への報告義務を持たせた外部専門家を活用した監視監督を行います。 (2) 米国子会社における管理体制の強化当該米国子会社の現在の規模に見合った管理体制を構築するため、新たに法務・コンプライアンス担当人材も採用の上、管理部門の人員を増強します(必要に応じ外部専門家の支援も受ける体制を構築いたします)。 その上で、同社CFOに集中していた権限を、経理・財務と法務・コンプライアンスの第2線の両機能に分化し、相互に牽制を働かせる管理体制を構築いたします。 また、同社のCFOには当社CFOへの直接報告義務を課し、当社からのモニタリングの実効性を高めます。 (3) 海外拠点における意識改革当該米国子会社を含む当社の海外拠点において、当社グループの一員としての意識の醸成を行うため、特に財務報告の重要性等についての継続的な教育を実施いたします。 (4) 収益認識に関する社内規程等の再整備当該米国子会社における多様な取引形態や取引の実情を踏まえ、改めて収益認識に関する社内規程の見直しを行い、取引類型に応じた会計処理方針の規程の詳細化・具体化を行います。 またこれらの規程や設定趣旨については、同社の経理部門のみならず、営業部門等関連部門へも周知徹底するとともに、継続的な意識づけを行います。 (5) 本件事案を踏まえた収益認識に係る業務フローの再構築本件事案を踏まえて、収益認識に関する各種業務プロセスの見直しと再構築を進めます。 具体的には、取引先管理の強化(取引開始時の審査項目の見直しを含む)や、各種契約書の事前チェックの強化(会計的なリスクの事前評価や、契約が複数のものからなる場合の各契約間の相互関連の評価、契約への署名や決裁の権限・職務分掌の明確化等)、出荷(Shipment)管理の強化(エンジニア部門内における独立したチェック体制の構築、出荷の成立要件の明確化、出荷証憑における例外の明確化等)等について改めて商流ごとに各種プロセスと手続の改善及び周知徹底を進めます。 (6) ソフトウェアの資産計上に関する社内規程等の再整備当該米国子会社におけるソフトウェア開発の実情を踏まえ、改めてソフトウェアの資産計上に関する社内規程の見直しを行い、資産計上を行う費用の範囲(計上開始と計上終了のタイミングも含む)について社内規程の詳細化・具体化を行います。 またこれらの規程や設定趣旨については、同社の経理部門のみならず、エンジニア部門等関連部門(ソフトウェア開発を行う当社の他の子会社も含む)へも周知徹底するとともに、継続的な意識づけを行います。 (7) 本件事案を踏まえたソフトウェア資産計上に係る業務フローの再構築本件事案を踏まえて、ソフトウェア資産計上に関する各種業務プロセスの見直しと再構築を進めます。 具体的には、ソフトウェア開発に関わるエンジニアによる工数入力の正確性の向上のための仕組みの構築、経理部門における手作業による工数データの修正作業についてのチェック等の改善を進めます。 加えて、特にソフトウェア計上時期に関しては、エンジニア部門から報告された情報を経理部門が承認することで相互牽制が働く体制を構築いたします。 (当社における改善策)(1) 当社における意識改革と経営トップのコミットメント財務報告に関する当社全体の意識向上のため、継続的な教育を実施いたします。 全社的な教育においては、財務報告やコンプライアンス等の内容を織り込むとともに、特に経営幹部向けの教育においては、財務報告、ビジネスエシックス、経営者のインテグリティ等に関する体系的・継続的な研修を行います。 また、それらに先立ち、当社経営トップが再発防止に向けた強いリーダーシップを発揮すべく、本件事案の総括を行い、反省し、どうあるべきかを考えたうえで、当社の全役職員に対し、自らを含め全社的に意識改革をしていく必要がある点、経営トップ自らが責任をもって主導していくという点を、トップメッセージとして発信いたします。 (2) 当社におけるガバナンスの改善取締役会における業務執行側と社外取締役との間に健全な緊張関係を維持しながら、率直かつ建設的な議論ができるような環境を整えるため、特に取締役会における情報伝達の観点から、経営会議において共有・議論された内容のうち、重要なものが過不足なく取締役会に共有される仕組みと、後述する第2線・第3線における内部統制において検出された重要なリスク情報が漏れなく取締役会に報告される仕組みを構築いたします。 (3) 当社から米国子会社へのコントロールの強化当該米国子会社CFOのレポーティングライン(報告経路)を当社に設定したうえで、同社のCFOの採用・評価・解雇に関する人事についても、当社CFOが権限を持つ体制整備を進めます。 また当該米国子会社において一定の統制体制の運用が整うまでの当面の間は、外部専門家の協力も得ながら、当社CFOが当該米国子会社に各四半期決算の都度、現地に赴き、重要な取引や契約、会計処理等について直接確認を実施するようにいたします。 (4) 当社の管理部門(第2線)の強化当社の管理体制の全般的なリソースについて拡充を図るとともに、特に海外拠点の管理とコントロールを強化いたします。 具体的には、海外拠点の事業部門・経理・法務から当社への報告体制を整備し第2線同士での連携を強化いたします。 また、四半期毎に金額的に特に重要性の高い取引については、従前より当社の経理が行っていた取引証憑の確認に加え、当社法務も連携したうえで、関連契約書のレビューや取引担当者への質問を実施することで、会計・法務面から財務報告観点からのリスクを意識したレビューを実施するようにいたします。 なお、海外拠点の販売管理システム等の重要性の高い業務システムについては、当社の管理部門に閲覧権限を付与し、必要に応じて現地の各種データを直接確認できるような体制も構築いたします。 (5) 当社の内部監査部門(第3線)の強化当社の内部監査部門についても、体制の増強を進め、特に海外拠点に対する内部監査の強化を行います。 定期的に当社の経理部門等の第2線の問題意識や懸念事項を吸い上げ、財務報告観点からのリスク分析を行ったうえで、内部監査の計画や手続の立案を行うとともに、当面は外部専門家の支援も受けながら海外拠点の現地監査をより深度あるものにいたします。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。 企業が継続的に活動していく上で、サステナビリティは重要な課題であると認識しております。 私たちの製品・サービスが顧客の課題を解決することを通じて、様々な社会課題の解決に資する新たな価値を創造し、社会の発展に貢献していくことで、当社の企業価値向上につなげてまいります。 当社グループは、「技術」「知恵」「創造性」と「勇気」で世界を革新し続ける独立系、企画・研究型企業というVision Statementのもと、IoT化を支える技術・製品を開発・提供し続けることにより社会の変革と新たな価値創造に貢献するとともに、ガラパゴス化に陥ることなくグローバルにスケールするビジネスモデルを構築し、企業価値の向上を目指してまいりました。 引き続きこれらの実現に取り組むとともに、持続的な開発目標(SDGs)やESGを経営に取り入れ、サスティナブルな社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。 (1)サステナビリティに関する取組①ガバナンス 当社は、代表取締役社長執行役員を議長とするサステナビリティワーキンググループを設置し、気候変動を含むサステナビリティに関連する事項に関し、リスクの発生頻度と事業への影響度合いを考慮しながら特定・分析・評価をしております。 評価の結果、自社の事業活動に大きな影響を及ぼすと判断した事項については、対応策の立案・実行その他必要な事項の実施に関してモニタリングを行い、管理しております。 サステナビリティワーキンググループで検討、決定された気候変動を含めたサステナビリティに関連する事項は、取締役会と経営会議に年1回以上報告されるものとし、コンプライアンス・リスク管理委員会で特定された他のリスクと共に取締役会で審議し、必要に応じて指示を行う等、取締役会を主体として全社的なリスク管理体制を構築し適切に監督しております。 当社のサステナビリティに関する取り組みは、以下のサイトをご覧ください。 当社ウェブページ:https://www.access-company.com/esg/ ②戦略 当社グループは「CONNECT YOUR DREAMS TO THE FUTURE.」をスローガンに掲げており、すべての機器をネットにつないできた先駆的存在として、「つなぐ」技術により、新たな価値創造に資する技術・製品を開発・提供し続け、あらゆるステークホルダーに貢献していくことを当社グループの使命としております。 これらの実現に向けて、当社で特定したサステナビリティ課題への対応策の立案・実行その他必要な事項のモニタリングを継続的に行うとともに、具体的な指標・目標を設定し、中長期的な事業戦略と連携して、企業価値向上に取り組んでまいります。 事業戦略に関する詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 ③リスク管理 当社グループのリスク管理の詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 また、気候変動に関するリスク・機会の概要については、以下のサイトをご覧ください。 当社ウェブページ:https://www.access-company.com/esg/environment/ ④指標及び目標 当社グループは、環境負荷の低減を含めた気候変動に対する取り組みを評価・管理するため、温室効果ガス(GHG)排出量を算定しており、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に、可能な限り1.5℃に抑える努力をするというパリ協定で示された世界共通の長期目標に寄与するべく、気候変動に対する対応を推進してまいります。 当社におけるScope1及びScope2のGHG排出量の実績は以下のとおりです。 今後、当社連結子会社のScope1及びScope2のGHG排出量と、サプライチェーン全体の排出量を把握するため、Scope3の排出量算定を検討してまいります。 温室効果ガス(GHG)排出量(注1)項目2022年1月期2023年1月期2024年1月期2025年1月期Scope1(t-CO2)(注2)0000Scope2(t-CO2)(注3)141.0133.1114.0120.4Scope1,2合計141.0133.1114.0120.4電気使用量(kwh)318,437293,415283,601284,156CO2排出量原単位(t-CO2/百万円)(注4)0.0240.0220.0200.019 (注) 1.算定範囲は提出会社単体となります。 2.Scope1はオフィスにおけるガス直接使用にかかる温室効果ガス排出量となります。 3.Scope2はオフィスにおける電気使用にかかる温室効果ガス排出量となります。 4.GHG排出量原単位は、GHG排出量を単体売上高(百万円)で除して算定しております。 (2)人的資本に関する取組①ガバナンス 当社グループは、上場企業として透明性と公正性を重視したコーポレート・ガバナンスを整備し、企業価値向上とステークホルダーからの信頼確保、そして事業の持続的な成長を目指しております。 具体的には取締役の指名・報酬については、過半数が社外取締役から成る指名・報酬委員会に諮問し、組織の透明性と公正性を担保しています。 また、採用や育成等の重要な人材施策、人員・人件費に関する計画、組織の改定等の人材戦略に関しては、代表取締役社長執行役員を議長とする経営会議にて、具体的な課題や施策について審議し、決議しております。 ②戦略 当社グループにおける「人事に関する基本方針」として、人材を最も重要な経営資本として定義しており、従業員一人ひとりの価値観や独創性、プロフェッショナリズムを重んじ、国籍、性別、年齢等を問わず、多様な人材の確保、育成、管理職への登用、従業員が健康で生き生きと働ける環境整備等を行い、個の能力が最大限に発揮できるよう、従業員の成長を支援するとともに、イノベーション創出につながる風土の醸成を目指すものとなっております。 人材の多様性を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針については、以下のとおり取り組んでまいります。 [人的資本に関する投資方針] 当社の人的資本に関する投資方針は以下のとおりであり、人材戦略として3つの観点で人的資本投資を行い、中期経営計画達成に向け経営戦略の実現を図ってまいります。 1.人への投資:人の能力・人材の最大化・価値観・独創性・プロフェッショナルを重んじた多様な人材を確保・育成する。 ・国籍・性別・年齢等を問わず、管理職への登用、成長の支援を行う。 2.働く環境整備への投資:エンゲージメント向上・従業員が健康で生き生きと働ける多様な働き方の環境整備を行う。 ・社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の基盤整理を行う。 3.カルチャー・組織風土への投資:新たな価値を共創する「挑戦」や「D&I」の風土を醸成・人権の尊重、心理的安全性を確保し、イノベーションを創出する風土を醸成する。 ・多様な人材が価値創造を生み出せるようダイバーシティ&インクルージョンを実践する。 [人材育成及び社内環境整備に関する方針] 人材の多様性を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針については、以下のとおり取り組んでまいります。 1.人材育成方針 ACCESSの源泉は「人材」であり、従業員一人ひとりの能力を活かし、持続的な学習意欲・成長意欲を向上させることがACCESSの成長エンジンとなります。 一人ひとりがプロフェッショナルとして能力を最大限に発揮できるよう、人材育成体系を整備し、自発的な成長を促す育成、挑戦機会を提供します。 ・一人ひとりが経験から学び、成長につなげることを推進 ・従業員の目指すキャリアと会社が期待する役割を共有し、評価とフィードバックを重ねることで従業員の成長を支援 ・自らが得た技術、知識、経験を仲間と共有し合い、共に成長していくことを推奨 ・グローバル視点で物事を考える志向性を重んじ、自らのチャレンジによって、海外での業務経験を積める環境を支援(人材育成体系) 人材育成体系は、「全社共通」と「専門職種」の大きく2つの育成体系から構成されており、従業員一人ひとりの個性、多様性、キャリアに合わせた、教育や挑戦の機会を提供しています。 研修については、会社が参加者を指名し受講するほか、研修ラインナップの中から本人希望もしくは上司推薦により受講することができます。 また、自らのキャリアを実現したいという従業員の挑戦を支援する「自己啓発支援」制度があります。 (社内での学びの場) ACCESSでは、オープンな学び場として「技術勉強会」や「プレゼン大会」が定期的に開催されています。 自らが得た技術、知識、経験を共有することで知見を広げ、学ぶきっかけを得る場でもあり、従業員同士の交流の場にもなっています。 また、定期的な上司との「1on1コミュニケーション」や組織ごとの「人材育成会議」等を通じて、従業員一人ひとりのキャリアや成長度合いと向き合い、評価とフィードバックを重ねることで成長支援を行います。 (グローバル人材育成) グローバル人材育成としては、ACCESSグループ各国の多様な人材との交流、海外での業務経験を通じて、技術・知識・勇気・創造性を得るとともに、各国の文化の多様性を理解し、異文化ネットワークを構築することで、ACCESSグループ全体の一体感を醸成していきます。 多様な個性をもった従業員が各国で活躍することを通して、グローバルでの連携を強化し、製品開発や事業創造、組織力強化に活かしていきます。 2.社内環境整備方針 ACCESSは、従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大限発揮できるよう、それぞれのライフステージに合わせて安心して働き続けられるよう労働環境の整備を進めています。 ワークライフバランスの充実に向けて、多様な勤務体系を可能とするフレックスタイム制や裁量労働制・リモートワーク勤務制度等を整備するほか、従業員の希望に応じた兼業・副業が行える環境整備も進めております。 従業員が健康を維持・増進し、仕事へのモチベーションや成長意欲を向上させるため、従業員の健康管理に関する取り組み、育児・介護・看護といったライフイベントを支えるための休暇・休職や短時間勤務、積立有給制度等、福利厚生を整備しています。 組織風土を把握し従業員エンゲージメント向上を図るため、定期的なエンゲージメントサーベイを実施し、調査結果の確認・分析を行うとともに、課題解決に向けた各種施策の導入検討を行う等、組織的な改善活動に取り組んでいます。 (福利厚生の取組) 確定拠出企業年金、確定給付企業年金、株式報酬制度(J-ESOP)、積立有給休暇、誕生日休暇、リモートワーク勤務制度(部門横断型のコミュニケーションの取組) ビアバッシュ(エンジニアを中心にビールや軽食を楽しみながらカジュアルな雰囲気で交流を深める)、Rookies Bar(新卒・中途入社3年以内の方々が集まって飲食しながら交流を深める会)、ランチ会(お弁当を食べながら交流を深める)、サークル活動(ボルダリング、競技プログラミング部、テニス部など)(心身の健康状況把握の取組)定期健康診断、婦人科検診、ストレスチェック(メンタルヘルス対策の取組) 社内相談窓口の設置、産業医や外部専門医師による面談、衛生委員会からの定期的な情報発信、1on1コミュニケーション、メンタルヘルス研修等、さまざまな支援施策を推進 ③リスク管理 当社グループが継続的に事業の発展を遂げるためには、専門技術に精通した人材や経営・組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要と考えております。 少子高齢化に伴い、必要な人材を継続的に獲得する為、国内では新卒採用の充足に加えキャリア採用の強化に向け、BPO等の活用も含め、採用体制の強化を進めております。 また、就業場所の柔軟性を確保するため、リモートワークを前提とした就業体系とする制度導入など、働き方の柔軟性を高めた人材採用も行っております。 人材育成面におきましては、上司との定期的な1on1や年2回の人材育成会議による年間育成計画の策定・見直しを通して、一人ひとりのキャリア形成や育成方針に沿った、能力向上の機会の提供に努めております。 また、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す為の社内環境整備に努めるほか、定期的なエンゲージメントサーベイを実施し、従業員の働きがいをモニタリングする仕組みを構築し、その結果をコンプライアンス・リスク管理委員会に報告しております。 詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ④指標及び目標 当社グループはVisionに則り「世界を革新し続ける」企業を目指す上で、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営課題の一つと位置付けて推進しております。 現在当社では、従業員ならびに新規採用者に占める女性割合が低水準で推移しており、女性管理職の確保に繋がっていないことが課題と認識しております。 2027年1月期までには、管理職に占める女性管理職比率については、連結会社で19%以上、提出会社に関しては新規採用者に占める女性割合を毎年25%以上を目標とし、積極的な女性管理職登用、女性雇用及び女性が安心して就業・成長できる環境を整備・構築するとともに女性活躍に関する情報発信に努めてまいります。 また、当社の源泉である人材の育成については、人材育成方針に基づき、持続的な学習意欲、成長意欲の向上を引き出すための教育機会を提供し、一人ひとりの個性、多様性、キャリアを踏まえつつ、専門性やマネジメント育成に努めてまいります。 指標集計対象2024年1月期実績2025年1月期実績目標(2027年1月期まで)1 管理職に占める女性割合連結会社11.7%16.9%19%2 管理職に占める女性人数連結会社14名20名24名3 新規採用者に占める女性割合提出会社10%32.1%毎年25%4 有給休暇取得率(有給休暇取得平均日数)提出会社67.3%(11.8日)62.6%(10.9日)70%(13日)5 定期健康診断受診率提出会社95.0%96.2%99%6 ストレスチェック回答率提出会社97.4%98.4%99%7 1人当たり研修時間提出会社14時間/年12時間/年20時間/年8 1人当たり研修費提出会社40,384円40,166円45,000円 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクとしては、次に挙げるものが考えられます。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、投資家による投資判断は本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <特に重要なリスク>顕在化の可能性が比較的高く、顕在化した時の影響が非常に大きいと考えるリスクは以下のとおりとなります。 ① 製品開発・事業投資について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループが属するソフトウェア業界は、技術開発競争が激しく、常に市場ニーズが変化し続けているため、技術や製品のライフサイクルが短期化しております。 当社グループが適時かつ的確に市場ニーズを捉えた新製品や新技術を開発できなかった場合や、当社製品を上回る革新的な技術・製品が他社によって開発された場合には、当社製品の市場優位性の低下を招き、研究開発活動やソフトウェア資産への投資額が回収できず、当社グループの成長戦略、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループの成長戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び中長期的な会社の成長戦略」に記載のとおりでありますが、当社グループは、これまでに培った顧客基盤と技術領域を活かすことができ、競争優位性を有する分野に製品開発・事業投資を行っております。 また、当該製品・事業に対し市場環境やポジショニングに関する分析を行い、営業戦略や開発計画の精度向上に努めております。 さらに、投資前においては客観的な視点における事業計画の評価・分析を徹底し、投資後においては事業進捗のモニタリング強化や正確な計数管理を実施することにより、適時適切な経営判断が行えるよう努めております。 ② プロジェクト管理について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 受託開発工程において、顧客からの仕様変更や当初見積を超過する作業の発生等により、プロジェクトの進捗が開発計画から大きく逸脱した場合、計画外の追加開発コストや、納期遅延に伴う違約金及び顧客の信用失墜による機会損失が発生し、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 [リスクへの対応策] 受託開発の実施に際しては、顧客との契約において当社と顧客との責任範囲及び要件定義を明確にした上で、引き合い・見積り・受注段階から、プロジェクトマネージャーを中心とした期限管理、コスト管理等のプロジェクト管理の徹底に努めております。 またその前提として、これらの取り組みの中心となるプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーのポジションに質・量ともに十分な人員を配置できるよう、組織体制の継続的な見直しや積極的な採用活動にも取り組んでおります。 さらに、担当執行役員によるモニタリングや技術スペシャリストによる勉強会を実施するなど、不採算案件や案件遅延等の発生防止に努めております。 ③ 人材確保及び労務管理について[リスクの内容と顕在化した際の影響] ソフトウェア業界における世界的な人材獲得競争の激化により、当社グループが必要とする専門技術や販売・マーケティング、経営戦略・グローバルな組織マネジメントといった能力を有する人材を確保できなかった場合及び人材獲得後の育成が適切になされなかった場合には、事業計画の達成に支障が生じ、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、過重労働や不適切な労務管理、ハラスメントの発生等によって当社グループの信用が著しく低下した場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 様々な採用チャネルを活用した多様な人材の確保、教育制度の充実等による適切な人材育成に努めております。 また、魅力的な報酬制度や公正な人事評価制度の構築、定期的なエンゲージメントサーベイ、リモートワークの推進をはじめとした働きやすい労働環境の整備等、従業員の働きがいを維持・向上させるための取り組みを実施しております。 また、当社製品(Linkit勤怠)を活用した従業員の勤怠状況の把握、ハラスメントに関する社内規程の整備及び社内教育の実施、外部窓口の設置を含めた内部通報制度の充実により、不適切な労務管理やハラスメントの発生防止及び早期発見に努めております。 <重要なリスク>顕在化の可能性の高さにかかわらず、顕在化した時の影響が大きいと考えるリスクは以下のとおりとなります。 ① 継続企業の前提に関する重要事象等[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループは、過年度より継続的に営業損失を計上していたことに加え、当連結会計年度においては2024年10月15日以降の社内調査及び2024年11月29日以降の特別調査に関連する調査費用も含め、多額の親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、資金水準が低下傾向にあります。 また、当社グループは、特にネットワーク事業において事業成長に向けて継続的にソフトウェアの機能追加・改善のための研究開発費を投入しておりますが、他方で特定の大口顧客との取引に不確実性が残存しており、将来の売上高が当初見込みより減少するリスクがあります。 このような場合、営業活動によるキャッシュ・フローが減少し、当社グループ全体として資金繰りに関する懸念が生じることになることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象が存在している状況にあります。 [リスクへの対応策] ガバナンス上必要な手続きも含め、当該大口顧客との取引の継続的な実現に向けた取り組みを着実に実行するとともに、当該大口顧客との取引も含む顧客動向及び当社グループ内におけるエンジニアリングリソースの適時適切な把握に努めてまいります。 また、既存顧客の深耕や新規顧客への営業活動強化等を通じ、幅広い顧客から成る強固な事業基盤の構築に取り組んでまいります。 これらの取り組みを通じ、万が一当該大口顧客との取引継続が困難であることが判明した際には、当社グループは当該大口顧客向け案件に係る研究開発費や短期的な事業成果に直結しない諸費用等を縮減し、事業規模を適正化させることが可能と判断しております。 以上のことから、当社は、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 加えて、当社グループは中長期的な資金需要を勘案し、資本市場での資金調達あるいは銀行借入について継続的に検討を行い財務基盤の強化を図ってまいります。 ② 当社製品の品質について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 製品開発における欠陥や瑕疵等、とりわけソフトウェアにおけるバグが発生する可能性は、完全には排除できません。 当社グループが販売した製品において、欠陥や瑕疵が発生した場合、追加的に発生する対応作業、顧客への補償や機会損失等が発生し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループは、品質管理部門を中心として、ソフトウェア開発における開発プロセスや品質マニュアルを定義し、社員向け教育やそれらの継続的な改善に取り組んでおります。 また、各技術領域に精通した技術スペシャリスト及び品質管理部門によるレビューを通じ、品質の徹底管理に取り組んでおります。 ③ 情報セキュリティについて[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループは、顧客情報、個人情報を含む重要な機密情報を取り扱っておりますが、悪意を持った第三者によるサイバー攻撃や情報事故等を含む予期せぬ事象によりこれらの情報の漏洩が発生した場合、信用失墜や顧客等からの損害賠償請求等のほか、当社技術の流出に伴う競合他社に対する競争力の低下等により、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが顧客に提供する製品・サービスにおいて情報セキュリティ上の問題が生じた場合においても、顧客から損害賠償請求を受ける可能性があります。 [リスクへの対応策] 上述のリスクや昨今の社会情勢も踏まえ、当社グループは情報管理を経営の重要事項と位置付けており、当社において、2019年4月に情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格「ISO/1EC 27001:2013」及び「JIS Q 27001:2014」の認証を取得し、各種法令等や個人情報の管理に係るプライバシーポリシーに沿った情報管理体制の運用・強化及び社員の意識向上を目的とした社内教育・啓発活動を行っております。 さらにサイバー攻撃対策、ネットワーク管理、入退館におけるセキュリティシステムの導入等、外部からの侵入・攻撃等にも様々な対策を講じ、運用監視体制を強化した上で、これらの見直しも継続的に行っております。 また、当社製品の開発にあたっては、開発プロセスや品質マニュアルを定義及び運用し、かつセキュリティ領域における技術スペシャリストによるレビューを行った上で、第三者による脆弱性診断を適時適切に実施するなどの対策を講じることにより情報セキュリティの強化に取り組んでおります。 ④ 知的財産権について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 第三者が、特許権、商標権、ソフトウェアに係る著作権等の当社グループの知的財産権の侵害が発生した場合には、結果的に競合他社に対する競争力の低下を招くおそれがあり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、侵害事実等の有無にかかわらず、当社グループの技術が第三者の知的財産権を侵害している旨の申立てを受けたり、当社グループが意図せず第三者の知的財産権を侵害してしまったりした場合等には、高額の費用を要する訴訟又はライセンス契約の締結、関連する当社製品の販売停止等に至る場合があり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループは、自社開発又は第三者との共同開発によって蓄積する技術や、製品の販売に必要な名称やロゴについて、日本及び主要国において積極的に特許出願や商標出願を行い、当社グループの知的財産権の保護に努めております。 また、製品開発時や新たなビジネスモデルの検討時には、事前に適切な調査を実施し、さらに顧客等との契約においては、知的財産権に関する責任の所在・範囲を明確に規定し、過大な責任を負うことのないようする等、第三者の知的財産権の侵害防止に努めております。 また、知的財産権に関する社内教育を定期的に実施し、自社の知的財産権の保護と第三者の知的財産権の侵害防止に向けたリテラシーの向上に努めております。 ⑤ 法的規制やコンプライアンスについて[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループの事業は、関連する各国の各種法的規制の適用を受けております。 そのため、当社グループの事業に関連する法的規制等が新設、改正、又は解釈の変更がなされた場合、当社グループの現在又は将来における事業活動が大きく制約される可能性やコストの増加を招く可能性があり、その規模によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの取締役や従業員による不正行為・コンプライアンス違反が生じた場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客から取引を停止されたり、多額の課徴金や損害賠償を請求されたりするなど、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループは、企業理念に加え、当社グループ役職員全員が実践すべき行動の基準・規範を定めた「企業行動基準」及び「コンプライアンス・リスク管理規程」を制定し、実践しております。 また、代表取締役社長執行役員及び管理関係部門の責任者をメンバーとし、常勤監査役2名をオブザーバーとするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しており、各部門のリスク状況の区分・把握・報告、規程の立案・制定を含むリスク管理体制の整備を行うとともに、未然防止策・対応策の立案・実行その他必要な事項の実施に関し、モニタリングを行い、これらの活動状況に関し、適時取締役会に対し、報告を行っております。 加えて、当社グループにおける業務及び内部統制の有効性、効率性及びコンプライアンスの観点から内部監査を実施し、必要に応じて改善に向けた提案を行うとともに、結果については代表取締役社長執行役員及び経営会議に報告しております。 さらに、取締役及び従業員によるコンプライアンスの徹底に向けて、法令・ガイドライン・社内規程等の遵守に向けた継続的な社内教育を実施するとともに、外部窓口の設置を含めた内部通報制度の充実を図っております。 ⑥ 輸出管理法令の遵守について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループは、製品・サービスを国内外で開発・提供しているため、日本及び海外の輸出管理法令を遵守して事業を展開する必要があり、とりわけ当社の米国子会社であるIP Infusion Inc.は、米国の輸出管理規則や経済制裁関連法令などを遵守する必要があります。 当社グループにおいては、これらの規制の対象となる取引の実施に際し、弁護士からの助言を受け、契約書において米国を含む各国の輸出管理法令の遵守を表明させる旨の条項を設けるなどの対応を講じております。 他方、輸出管理法令の遵守に関する当社グループにおける従前の取組みについては、関連法令の遵守に向けた子会社の業務プロセス、取引先に対するスクリーニングの深度等に改善するべき点があると認識しています。 仮に当該リスクが顕在化して規制当局から制裁を受けるなどした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループとしては、弁護士からの助言に基づいて、輸出管理法令の解釈や適用範囲の確認、子会社の業務プロセスに関する社内ルールの整備、取引先に対するスクリーニングの徹底、適切な規制当局向け手続の実施等の取組みを徹底してまいります。 ⑦ 訴訟等について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 取引先又はその他の第三者との間において、予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。 訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化等により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループは、顧客を中心とした取引先等とのトラブルを未然に防ぐため、当社製品の品質、プロジェクト管理及び知的財産権について対応策を実施するとともに、複雑なライセンス契約や受託開発をはじめとした取引先等との契約においては、責任の所在・範囲を明確に規定し、過大な責任や履行義務を負うことのないよう努めております。 また、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化にも継続的に努めております。 さらに、訴訟等が生じた場合にも迅速で的確な対応がとれるよう、弁護士をはじめとした外部専門家に適時適切に相談できる体制を整えております。 ⑧ 災害および感染症の流行等について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 大地震・台風等の自然災害、予期せぬ事故・テロ・紛争等あるいは感染症の流行等、国内外の拠点所在地において想定を超える大災害等が発生した場合において、当社グループの施設等の損壊や閉鎖、交通・通信・物流といった社会インフラの混乱、顧客を含む取引先への被害が発生した場合等、その状況によっては、当社グループの事業活動・営業活動が阻害され、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、今後新型コロナの再流行が起こった場合や別の感染症の流行が発生した場合には、経済活動の世界的な低調化、顧客との接点の減少、各企業における投資の抑制や案件の延期、当社製品の試験評価の遅延や中断等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループは、上述のような災害や感染症の流行等が発生した場合の事業への影響を最小限に留めるため、事業継続計画(BCP)を策定しております。 当該BCPの社内周知徹底や運用テストの実施に継続的に取り組むとともに、オンライン会議を活用した商談の実施、リモートでの製品開発体制の整備を含むリモートワーク環境の活用などにより、有事の際の影響を最小限に留めるよう努めております。 ⑨ 経済状況の変動について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループは、製品・サービスをグローバルの顧客に提供しており、その売上収益は、世界における需要、景気、物価変動、産業・業界動向に影響を受けます。 特に、当社グループの製品を搭載した半導体・最終製品の出荷減少は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社製品を搭載した半導体・最終製品の出荷減少の兆候がみとめられ、それに伴い当社グループの売上収益減少のおそれがある場合、リカバリー策を速やかに講じられるよう市場動向や顧客状況を注視し、適時に情報を把握するよう努めております。 ➉ 地政学リスクについて[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループは、米国、ドイツをはじめとして海外にも拠点を持ち、製品・サービスをグローバルで開発・提供しています。 そのため、国際情勢の変化に伴う関係国の政策や法的規制の変更は、企業活動にも大きく影響します。 特に、各国の輸出規制、技術移転の制限、関税の引き上げ等により事業活動が制限を受け、グローバルでの製品・サービスの開発・提供に支障をきたす場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 各拠点所在国における現地弁護士を含む外部専門家とも連携し、国際情勢、法的規制変更及び政策変更等を定期的にモニタリングすることにより、地政学リスク顕在化の兆候、事業環境の変化及びこれらの業績への影響を早期に把握し、速やかに対応策を講じられるよう努めております。 ⑪ M&Aについて[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループは、事業戦略の推進にあたってM&A取引を継続的に検討・実行しておりますが、適切な条件でM&A取引が実行されなかった場合や、取引時に想定したシナジー効果が達成されなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 さらに、これらのM&A取引の結果として、のれんを含む各種無形固定資産を有しております。 事業環境の変化等の事由によりこれらの資産の経済価値が低下し、減損処理や想定外の償却に至った場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが取引関係の維持・強化を目的とした出資や、資金運用を目的とした投資を行った場合、投資先の経営状況や時価等の変動状況により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] M&Aや投資に係る具体的な案件の検討の前段階において、関連部門が定期的に情報交換や議論を実施することにより各事業戦略に合致する案件をスクリーニングし、当社グループに損失が発生する可能性が高い案件を早期に回避できるよう努めております。 具体的なM&Aや投資案件の実行プロセスにおいては、対象となる企業の十分な事前調査(各種デューデリジェンス等)を実施しており、その際には弁護士をはじめとした外部専門家を活用することで、当社グループへの損失が発生するリスクの低減を図っております。 M&Aや投資案件の完了後、子会社となった対象企業については、当社関連部門が毎月の実績を確認して異常値の早期把握に努め、適宜子会社のCEOや経理責任者にヒアリングを行うなどの対応を行っております。 さらに、当該子会社の取締役会等の会議体に当社の経営企画部門が参加するなど、適宜経営支援も実施しております。 持分法適用会社については、当社経営企画部門が関連部門や担当取締役・執行役員と適時適切な情報交換を行い、財務情報や事業状況の把握に努めております。 ⑫ 為替変動について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 当社グループの海外における業績や外貨建ての資産・負債は連結財務諸表作成時に円換算されることから、為替相場に大幅な変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 為替リスクを伴う資金運用を行わないほか、外貨建ての資産の保有額を必要最小限とすることにより、為替変動による財政状態及び経営成績に対する影響を最小限とするよう努めております。 ⑬ 気候変動について[リスクの内容と顕在化した際の影響] 気候変動を原因とした集中豪雨や大型台風など自然災害の増加・激甚化により、自社拠点や関連施設の被災、サプライチェーンの寸断が生じた場合に、サービス供給の停止や普及コストの発生などが想定されるほか、気候変動に関る各種政策・規制への対応や、調達コスト、事業運営コストの上昇等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 [リスクへの対応策] 当社グループは、気候変動に関する対応を重要な経営課題と認識し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言への賛同を表明しております。 TCFDのフレームワーク(「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」)に沿った評価・分析に関しては、気候変動を含むサステナビリティに関する事項について、代表取締役社長執行役員を議長とするサステナビリティワーキンググループを設置し、リスクの発生頻度や事業の影響度等について特定・分析・評価・対応策の検討を実施し、これらの取組状況については定期的にモニタリングを実施し、取締役会に報告を行うこととしております。 また、環境負荷の軽減を含めた気候変動に対する取組みを評価・管理するため、温室効果ガス(GHG)排出量を算定し、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に、可能な限り1.5℃に抑える努力をするというパリ協定で示された世界共通の長期目標及び、日本政府が掲げるカーボンニュートラル宣言に寄与すべく対応を推進してまいります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2024年2月1日~2025年1月31日)における世界経済は、中東情勢の緊迫化、欧米における高金利水準の継続、中国経済の先行き懸念も相まって、世界経済全体の不透明さが続きました。 IT情報サービス産業においては、引き続きDX化の推進とそれに伴うIT投資への意欲も旺盛ではあるものの、一部企業においては引き続き投資判断に慎重な姿勢も見受けられました。 このような環境下において、当社グループはやIoT事業・Webプラットフォーム事業の安定化に取り組むとともに、ネットワーク事業を注力分野に据え、ホワイトボックス市場における更なる事業規模の拡大を推進しました。 その結果、IoT事業及びWebプラットフォーム事業については増収増益し、セグメント損益が黒字化いたしましたが、注力分野であるネットワーク事業の売上高は、想定より成長が遅れたことに加え、開発コストの上昇等もあり、セグメント利益は赤字が拡大いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高159億30百万円(前年同期比5.4%増加)、営業損失22億59百万円(前連結会計年度は営業損失19億77百万円)となり、前連結会計年度との比較においては増収減益となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 ○ IoT事業通信技術、クラウド技術、アプリ開発力、センシング技術等をワンストップで提供できる強みを活かし、企業のいかなるDX需要にも対応できるIoTプロフェッショナルサービスや、自社開発の各種IoTソリューションを主軸に事業展開しております。 また、アジア地域に進出する日本の通販事業者向けに、オムニチャネルでの販路拡大機能と物流等のバックオフィス機能を統合した業務支援クラウドサービス「CROS®」の提供を行っております。 当連結会計年度につきましては、前年度に電子出版事業の一部を会社分割及び株式譲渡を実施した反動があったものの、主軸であるIoT分野におけるIoTプロフェッショナルサービスにおいて、旺盛なDX投資需要を背景に位置情報の利活用やエネルギーマネジメント、生成AIに関連する引き合い等が大きく増加したことでカバーし、順調な売上拡大を実現しました。 以上の結果、売上高及びセグメント損益において前期比で増収増益し黒字転換いたしました。 IoT事業前連結会計年度当連結会計年度前年同期比外部顧客への売上高5,267百万円5,576百万円5.9%セグメント損益△27百万円156百万円- ○ Webプラットフォーム事業ドイツ・中国・韓国に設置している現地法人と連携し、国内外の市場においてスマートデバイス、情報家電や各種デバイス向けに豊富な搭載実績を持つ高性能・高機能ウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズをはじめとした組み込みソフトウェア製品を提供しており、グローバルでのシェア拡大を推進しております。 また、中長期的な成長施策としてTV・放送及び車載インフォテインメント用途向けにコンテンツや動画の配信システム・サービスプラットフォームの事業育成を図っております。 当連結会計年度につきましては、日本を含むアジア地域においては総じて当社ブラウザを搭載したロイヤリティやライセンス収入が堅調に推移したほか、車載インフォテイメント分野での受注も徐々に上向きになり始めました。 以上の結果、売上高及びセグメント損益において前期比で増収増益し黒字転換いたしました。 Webプラットフォーム事業前連結会計年度当連結会計年度前年同期比外部顧客への売上高2,066百万円2,292百万円11.0%セグメント損益△106百万円49百万円- ○ ネットワーク事業米国子会社IP Infusion Inc.を中核としてインドやカナダ等に開発拠点を設置しており、ネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォームの開発・提供から事業をスタートして現在はホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」の事業拡大に注力しております。 ホワイトボックスは、更なる通信トラフィックの増加が見込まれる中、データセンター事業者、通信キャリア、IXP(インターネット相互接続ポイント)事業者等においてネットワークインフラ設備投資・運用コストを大幅に低減しつつ運用の自由度を高める有力な手段と目されており、世界的に市場が拡大しつつあります。 この様な環境の中、IP Infusion Inc.では通信事業者向けのCSR(Cell Site Router)やデータセンター、光転送システム(Routed Optical Networking)、ブロードバンドアグリゲーション等の多用途に対応可能なホワイトボックスソリューションを展開しております。 また世界各地域において有力な事業基盤を有する大手ディストリビューターやグローバルSIerとの提携を通じ、通信事業者へのホワイトボックスソリューションやサポート等の安定的な提供に取り組んでおります。 当連結会計年度につきましては、引き続き「OcNOS®」の事業拡大にあたりTier2/3通信事業者からの案件獲得に傾注し、販売・技術パートナー網の更なる拡充に取り組み、ハードウェアも含めたバンドル調達を求める顧客需要にも対応しながら様々な顧客ニーズに対応してきましたが、売上高については想定より成長が遅れたことに加え、開発コストの上昇等もあり、赤字幅が拡大する結果となりました。 以上の結果、売上高及びセグメント損益において前期比で増収減益となりました。 ネットワーク事業前連結会計年度当連結会計年度前年同期比外部顧客への売上高7,783百万円8,061百万円3.6%セグメント損益△1,836百万円△2,488百万円- なお、営業外収益として為替差益2億72百万円、持分法による投資利益89百万円、特別損失として減損損失4億68百万円、特別調査費用等26億44百万円、法人税等調整額として税金費用1億30百万円を計上しております。 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高159億30百万円(前年同期比5.4%増加)、営業損失22億59百万円(前連結会計年度は営業損失19億77百万円)、経常損失18億84百万円(前連結会計年度は経常損失19億24百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失53億83百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失22億31百万円)となり、前連結会計年度比では増収減益となりました。 当社グループの当連結会計年度末の資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、前渡金、使用権資産、その他投資その他の資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ12億9百万円増加して215億29百万円となりました。 負債は、契約負債、特別調査費用等引当金、その他固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ62億79百万円増加し114億77百万円となりました。 純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失53億83百万円により、50億69百万円減少し100億51百万円となりました。 その結果、自己資本比率は46.5%(前連結会計年度末は74.2%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて2億49百万円増加し、105億59百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金は11億34百万円の増加(前連結会計年度は96百万円の増加)となりました。 その主な要因は、税金等調整前当期純損失50億6百万円を計上した一方、減価償却費11億90百万円、特別調査費用等26億44百万円の計上、契約負債の増加29億55百万円、売上債権及び契約資産の減少15億35百万円等によるものであります。 前連結会計年度との比較では、売上債権及び契約資産の減少額が増加した一方で、棚卸資産の増加額が増加いたしました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金は10億68百万円の減少(前連結会計年度は15億71百万円の減少)となりました。 その主な要因は、無形固定資産の取得による支出が10億4百万円であったことであります。 前連結会計年度との比較では、無形固定資産の取得による支出額が増加いたしました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金は50百万円の減少(前連結会計年度は27百万円の減少)となりました。 前連結会計年度との比較では、自己株式の取得による支出額が増加いたしました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)IoT事業4,461,527101.9Webプラットフォーム事業1,239,25299.1ネットワーク事業3,072,872123.2合計8,773,652108.0 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.金額は販売価格によっており、ソフトウェアのうち自社開発分(資産計上分)を含んでおります。 b. 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)IoT事業4,750,73995.0904,85680.8Webプラットフォーム事業1,060,675113.7189,783261.4ネットワーク事業2,400,617169.6950,465250.4合計8,212,032111.72,045,105130.1 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.Webプラットフォーム事業における受注残高の増加は、大型の受注があったことによるものです。 3.ネットワーク事業における受注高及び受注残高の増加は、大型の受注があったことによるものです。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)IoT事業5,576,331105.9Webプラットフォーム事業2,292,974111.0ネットワーク事業8,061,597103.6合計15,930,903105.4 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.ネットワーク事業における販売実績の増加は、顧客数の増加によるものです。 3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)UniLab Solutions GmbH3,097,49920.53,315,16220.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断をおこなっておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 (資本の財源及び資金の流動性についての分析)当社グループは、自社製品・サービス提供によるストック収益を中心とし、かつグローバルにスケール可能な事業構造への変革を推進しており、特にホワイトボックスソリューションを主としたネットワーク事業での事業成長に注力しております。 その実現にあたっては、通常の事業活動に加え、ソフトウェアに係る継続的な研究開発や製品開発投資を軸に、必要に応じM&A等の外部成長施策を遂行することを想定しております。 なお、2026年1月期における製品開発投資は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、13億94百万円を計画しております。 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は105億59百万円であることから、これらの資金需要については手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによって充当することを想定しておりますが、中長期的な資金需要を勘案し、資本市場での資金調達あるいは銀行借入について継続的に検討を行い財務基盤の強化を図ってまいる所存です。 |
経営上の重要な契約等 | 5 【経営上の重要な契約等】 資本業務提携契約契約会社名相手先契約名称契約概要契約締結日契約期間名称所在地株式会社ACCESS日本電信電話株式会社日本資本業務提携契約書(※1)IOWNに必要とされるUI/UXを実現するための研究開発及びネットワークOS「Beluganos」に関する研究開発・商用化とグローバル市場での販売・サポートの強化2023年12月12日契約期間の定めなし (※1)当社は、日本電信電話株式会社(以下「NTT」という)との資本業務提携契約書(以下「本資本業務提携契約」という)において、以下の内容を合意しています。 ① NTTグループ(NTTを含み、NTTの子会社及び関連会社を総称していう。 以下同じ。 )が所有する当社株式の持株比率が10%超である間、(ⅰ) NTTは1名の当社取締役候補者を指名する権利を有すること、(ⅱ)当社が当社の子会社であるIP Infusion Inc.(以下「IPI」という)の株式の全部若しくは一部又はIPIの事業の全部若しくは一部につき、NTTグループ以外の第三者に譲渡しようとする場合、NTTが優先提案権を有すること。 ② NTTは、当社がIPIの株式の国内外の金融商品取引所への上場申請を行うことを決定する場合、代替提案を行うことができ、当社が、当該代替提案よりも原案の方が自らの企業価値の向上に資すると合理的に判断できない場合は当該代替提案を採用すること。 ③ NTTグループは、当社以外の第三者から当社株式を取得する場合(但し、かかる取得によりNTTグループの持株比率が本資本業務提携契約締結日時点の持株比率を上回ることとなる場合に限る。 )、当社と誠実に協議の上、事前に書面による合意が整った場合に限り、かかる取得を実施することができること。 ④ NTTグループは、当社における新株発行等を行う場合、持株比率に応じた引受権を有すること。 連結子会社における契約契約会社名相手先契約名称契約概要契約締結日契約期間名称所在地IP Infusion Inc.(連結子会社)Fujitsu Network Communications Inc.米国RESELLER AGREEMENTIP Infusion Inc.のソフトウェアに関する販売・サポートの強化(※2)2022年6月16日2022年6月16日から2027年6月15日まで以降1年毎に自動更新IP Infusion Inc.(連結子会社)UniLab Solutions GmbHドイツ覚書OcNOSのソースコード提供等に係る合意(※2)2024年3月5日契約期間の定めなし (※2)IPIが締結している上記の各契約等において、IPIは各契約等の相手方との間で、第三者よりIPIの全株式又は全資産の取得に関する提案等がなされた場合には相手方が入札に参加することを可能とする旨、及び、潜在的な株式取得者と同等の条件で、相手方が株式取得に参加することを可能とする旨を合意しています。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は3,272百万円であります。 また、当連結会計年度における研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。 ① IoT事業IoTサービスの本格的な普及に向けて、ネットワークにつながるデバイスの種類・数量の大幅な増加が見込まれる中、当社グループのソフトウェア技術の適用範囲を拡大すべく、生成系AI開発基盤や既存プロダクトの更なる進化に向けての研究開発に取り組みました。 IoT事業 連結研究開発費 54百万円 ② Webプラットフォーム事業Webプラットフォーム事業における既存のブラウザ等の技術を活用した取り組みをより拡大すべく、関連する技術等の研究開発に取り組みました。 Webプラットフォーム事業 連結研究開発費 29百万円 ③ ネットワーク事業ネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォーム「ZebOS®」シリーズの機能向上を継続的に推進するほか、ネットワークインフラ設備投資・運用コストの大幅な低減と運用の自由度向上を実現するホワイトボックス向け統合Network OSである「OcNOS®」の研究開発を行いました。 ネットワーク事業 連結研究開発費3,189百万円 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当連結会計年度において、当社グループは1,508百万円の設備投資を行いました。 その主な内容は、開発用ハードウェア等の購入による有形固定資産の取得552百万円、ソフトウェアの開発等による無形固定資産の取得956百万円であり、セグメント毎の状況は以下のとおりであります。 ① IoT事業各種IoTサービス及びIoTプラットフォーム等を中心に総額26百万円の投資を実施いたしました。 ② Webプラットフォーム事業高機能Webブラウザを中心に総額306百万円の投資を実施いたしました。 ③ ネットワーク事業ホワイトボックス向け統合Network OS等を中心に総額1,175百万円の投資を実施いたしました。 なお、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。 (1) 提出会社2025年1月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物工具、器具及び備品リース資産ソフトウェア合計秋葉原オフィス(東京都千代田区)IoT事業Webプラットフォーム事業 全社ソフトウェア事務所設備他102,21616,868-600,441719,526317 (2) (注) 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員は除いております。 )は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 (2) 在外子会社2025年1月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物及び構築物工具、器具及び備品リース資産使用権資産ソフトウェア合計IP InfusionInc.本社(米国カリフォルニア州)ネットワーク事業ソフトウェア事務所設備他-35,412-489,126144,953669,49172(-)IP InfusionSoftware IndiaPvt. Ltd.本社(インドバンガロール市)ネットワーク事業事務所設備他-301,175-242,728-543,903308(-) (注) 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員は除いております。 )は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当社グループの設備投資は、自社開発ソフトウェアが主であり、市場環境や投資対効果、回収可能性等を勘案して計画を策定しております。 なお、当連結会計年度後1年間の重要な設備投資計画のセグメントごとの内訳は、以下のとおりであります。 (1) 重要な設備の新設等セグメントの名称投資予定額(百万円)設備等の主な内容・目的IoT事業20市場販売目的ソフトウェア及び顧客へサービスを提供するための自社利用ソフトウェアの開発Webプラットフォーム事業340市場販売目的ソフトウェアの開発ネットワーク事業1,034市場販売目的ソフトウェアの開発 (注) 1.上記計画に伴う所要資金は、自己資金を充当する予定であります。 2.経常的な設備の更新のための除却・売却を除き、重要な設備の除却・売却の計画はありません。 3.投資予定額は一部、資産計上されず費用処理される可能性のある部分を含んでおります。 |
研究開発費、研究開発活動 | 3,189,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 1,175,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 40 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 10 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 7,610,036 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的には専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当金によって利益を受けることを目的とするものを区分し、純投資目的以外の目的である投資株式には中長期的な企業価値の向上に寄与すると政策的に判断した株式を区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容上場株式の政策保有は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、長期的・安定的な取引関係の維持・強化を図るなど経営戦略の一環として、必要と判断した企業の株式のみ保有し、資本効率やリスク・リターンの観点から、適切な水準となるように努めております。 当社及び政策保有株式を有する当社グループ各社の取締役会は、毎年、個別の政策保有株式について、保有目的の適切性や取引の合理性、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査し、保有の適否を検証しております。 なお、個別の政策保有株式の保有の適否の検証の結果、保有継続が適当でないと判断された政策保有株式は売却対象とし、政策保有株式の縮減を行うこととしております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式21,459非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式該当事項はありません。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 ④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの該当事項はありません。 ⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,459,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年1月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 清原 達郎東京都港区12,600,00033.18 日本電信電話株式会社東京都千代田区大手町1-5-15,134,60013.52 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1-8-12,563,4006.75 椎橋 正則東京都文京区895,5002.36 株式会社日本生物材料センター東京都文京区本郷6-21-4693,0001.82 金子 博昭和歌山県和歌山市671,4001.77 JP JPMSE LUX RE BARCLAYS CAPITAL SEC LTD EQ CO(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)1 CHURCHILL PLACE LONDON-NORTH OF THE THAMES UNITED KINGDOM E14 5HP(東京都千代田区丸の内1-4-5)519,2041.37 BNYMSANV RE GCLB RE JP RD LMGC(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)BOULEVARD ANSPACH 1, 1000 BRUXELLES, BELGIUM (東京都新宿区新宿6-27-30)513,5941.35 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2-7-3390,1791.03 株式会社日本カストディ銀行(信託E口)東京都中央区晴海1-8-12365,5000.96計-24,346,37764.11 (注)1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下3位を四捨五入しております。2.上記のほか、当社所有の自己株式1,987,870株があります。3.2025年1月9日付で株式会社SBI証券より、当社株式に係る大量保有報告書の変更報告書(報告義務発生日 2024年12月31日)が関東財務局長に提出されておりますが、当事業年度末日における実質所有株式数の確認ができておりませんので、上記大株主の状況には含めておりません。当該変更報告書の内容は以下のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)株式会社SBI証券東京都港区六本木一丁目6番1号2,393,8895.99 |
株主数-金融機関 | 10 |
株主数-金融商品取引業者 | 26 |
株主数-外国法人等-個人 | 54 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 44 |
株主数-個人その他 | 10,432 |
株主数-その他の法人 | 99 |
株主数-計 | 10,665 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 株式会社日本カストディ銀行(信託E口) |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式1520当期間における取得自己株式-- (注)当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -20,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 (注)39,806,000156,100-39,962,100合計39,806,000156,100-39,962,100自己株式 普通株式 (注)2,212,255180,41539,3002,353,370合計2,212,255180,41539,3002,353,370 (注) 1. 普通株式の発行済株式の株式数の増加156,100株は、譲渡制限付株式報酬としての新株発行によるものであります。 2. 普通株式の自己株式の増加180,415株は、譲渡制限付株式報酬制度対象者の退職に伴う無償取得180,400株及び単元未満株式の買取りによる増加15株であります。 3.普通株式の自己株式の減少39,300株は、株式給付規程に基づく株式給付信託(J-ESOP)が保有する株式の給付によるものであります。 4.普通株式の自己株式数には、株式給付規程に基づく株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式(当連結会計年度期首404,800株、当連結会計年度末365,500株)が含まれております。 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月30日株式会社ACCESS取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士齋 藤 慶 典 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士上 野 陽 一 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ACCESSの2024年2月1日から2025年1月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ACCESS及び連結子会社の2025年1月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 IP Infusion Inc.における不適切な売上計上への対応 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、当連結会計年度におけるネットワーク事業に属する米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )の売上高は7,863,933千円であり、連結売上高の49.4%を占めている。 注記事項(追加情報)に記載のとおり、株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )は、当監査法人によるIPI社における売掛金の回収期間の長期化に関する指摘を契機として調査を実施した。 当該調査の過程において、一部取引について不適切な売上計上の疑義が生じたため、外部専門家を中心とした特別調査委員会による調査を実施した。 特別調査委員会による調査を受け、過年度よりIPI社において、IPI社の一部のマネジメント(IPI社CEO及びCFO並びにIPI社のマネジメントを兼務している会社の一部の取締役)の関与により、以下のような複数の不適切な売上計上が判明したため、会社は過年度の連結財務諸表の訂正を実施した。 ● 本体契約と同時期に顧客をリスクフリーにするサイドレター等を別途締結し、IPI社が実質的にリスクを継続的に保持する条件となっていたにもかかわらず、本体契約のみに基づき売上を計上(売上高の過大計上)● 収益認識の条件が充足されていない状況であるにもかかわらず、履行義務の充足を仮装する取引証憑や資料などを作成して売上を計上(売上高の早期計上)また、当該調査及び当監査法人による監査手続の実施過程において、以下のような不正による重要な虚偽表示を示唆する状況が確認された。 ● 実在性に疑義がある取引先の存在● 取引先と異なる相手先からの入金による売掛金の回収● 当監査法人が所属する海外ネットワークファームが送付した取引先への確認状に関してIPI社のCEO及びCFOによる取引先への回答案の提示一連の状況より、IPI社の売上高の実在性及び期間帰属について、不正による重要な虚偽表示リスクを識別し、より適合性が高く、より証明力が強く、又はより多くの監査証拠を入手するため、追加的な監査手続を実施する必要がある。 以上から、当監査法人は、IPI社における不適切な売上計上への対応が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、IPI社における不適切な売上計上に対応するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 特別調査委員会による調査の適切性の評価● 特別調査委員会を構成する外部の弁護士及び公認会計士が専門性及び客観性を有しているか否かを評価した。 ● 特別調査委員会の調査報告書を通読し、また、特別調査委員会と適宜意見交換を行うことで、特別調査委員会が実施した調査の範囲、調査手続、調査結果を評価した。 (2) 不正による重要な虚偽表示を示唆する状況の識別● 売上高の過大計上や早期計上などの不正を示唆する状況の有無を確かめるため、取引先別の売上高及び売掛金残高の分析を行った。 ● 売上高を意図的に操作した可能性のある取引の有無及びその内容を確かめるため、特別調査委員会によりスクリーニングされた関係者の電子メールを閲覧した。 なお、当該手続の実施に際して、当監査法人が所属する国内ネットワークファームの不正調査の専門家が関与した。 (3) 不正による重要な虚偽表示を示唆する状況への対応● 上記 (2)の手続により識別された不正による重要な虚偽表示を示唆する状況について、経営者に質問を実施するとともに、以下の監査手続を実施した。 ・ 取引条件、取引内容及び取引の経済的実態を確かめるため、特別調査委員会の調査結果も踏まえて取引に関する契約書・覚書等の網羅性を確認した上で、契約書・覚書等及び関連する電子メール等を閲覧した。 ・ 収益認識に関する履行義務を充足していることを確かめるため、顧客から注文されたライセンスを提供していることを示す根拠となる証憑と突合した。 ・ 一部の取引先について実在性を確かめるため、取引先の登記簿謄本や外部調査機関による取引先の調査報告書等を入手し、閲覧した。 ・ 一部の取引で検出された売上先と異なる相手先からの入金について、売掛金の回収とすることの妥当性を確認するため、弁護士による法的見解書を閲覧した。 IP Infusion Inc.におけるソフトウェアの不適切な資産計上への対応監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )の当連結会計年度の連結貸借対照表において、ソフトウェア1,618,298千円が計上されている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、このうち1,024,402千円は、米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )が属するネットワーク事業に係るソフトウェアである。 また、注記事項(連結損益計算書関係※4)に記載のとおり、連結損益計算書の販売費及び一般管理費9,317,066千円には研究開発費3,272,946千円が含まれている。 このうちIPI社が属するネットワーク事業に係る研究開発費は3,189,377千円であり、販売費及び一般管理費の34.2%を占めている。 特別調査委員会による調査を受け、IPI社のCFO又はCFOの指示を受けたファイナンス部門の担当者により、以下のようにソフトウェアの不適切な資産計上が行われていることが判明したため、会社は過年度の連結財務諸表の訂正を実施した。 ● ソフトウェアの資産計上開始の根拠となる技術的実現可能性に係る証憑を改変することにより、資産計上要件を満たさない支出の資産化● ソフトウェアの資産計上額の算定根拠となる工数集計データの内容区分を費用から資産に不適切に振り替えることにより、費用として区分されるべき支出の資産化一連の状況より、IPI社におけるソフトウェアの資産計上について、不正による重要な虚偽表示リスクを識別し、より適合性が高く、より証明力が強く、又はより多くの監査証拠を入手するため、追加的な監査手続を実施する必要がある。 以上から、当監査法人は、IPI社におけるソフトウェアの不適切な資産計上への対応が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、IPI社におけるソフトウェアの不適切な資産計上に対応するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 特別調査委員会による調査の適切性の評価● 特別調査委員会を構成する外部の弁護士及び公認会計士が専門性及び客観性を有しているか否かを評価した。 ● 特別調査委員会の調査報告書を通読し、また、特別調査委員会と適宜意見交換を行うことで、特別調査委員会が実施した調査の範囲、調査手続、調査結果を評価した。 (2) ソフトウェアの不適切な資産計上に対する手続● ソフトウェアの不適切な資産計上の経緯等を把握するため、特別調査委員会によりスクリーニングされた関係者の電子メール及びインタビュー議事録を閲覧した。 なお、当該手続の実施に際して、当監査法人が所属する国内ネットワークファームの不正調査の専門家が関与した。 ● ソフトウェアの資産計上開始日の正確性を検討するため、以下の監査手続を実施した。 ・ ファイナンス部門がソフトウェアの資産計上開始の根拠とした証憑と、システムから当監査法人が直接入手した証憑を突合し、両者が一致しないことから、技術的実現可能性に係る証憑が改変されていることを確かめた。 ・ 訂正後のソフトウェアの資産計上開始日の正確性を検討するため、ソフトウェアの開発を行うエンジニアリング部門の責任者に質問し、技術的実現可能性に係る関連資料を閲覧した。 ● ソフトウェアの資産計上額の算定根拠となる工数集計データにおける内容区分の正確性を検討するため、以下の監査手続を実施した。 ・ ファイナンス部門がソフトウェアの資産計上額の算定根拠として作成したデータの内容区分と、エンジニアリング部門による工数集計データの内容区分を突合し、両者が一致しないことから、内容区分が振り替えられていることを確かめた。 ・ 振替前の内容区分の分類の正確性を検討するため、ソフトウェアの開発を行うエンジニアリング部門の責任者に質問し、内容区分に係る関連資料を閲覧した。 株式会社ACCESSのソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )は、IoT事業セグメント及びWebプラットフォーム事業セグメントにおいて、主として国内市場におけるIoT関連ソリューション及びソフトウェア等の提供並びにWebプラットフォーム関連ソリューション等の提供を行っている。 当連結会計年度の会社の売上高(連結相殺消去前)は6,466,358千円であり、ソフトウェアのライセンスの供与(以下、「ライセンス供与」という。 )及び顧客からのソフトウェアの受託開発(以下、「受託開発」という。 )に係る売上高が含まれている。 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.(ホ)に記載のとおり、ライセンス供与が「知的財産を使用する権利」に該当する場合は、履行義務を充足した一時点で、受託開発は原則として履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識している。 ライセンス供与は、会社が顧客に付与した製品の使用許諾が「知的財産にアクセスする権利」と「知的財産を使用する権利」のいずれに該当するかにより収益を認識する時点が異なる。 会社によるライセンス供与がいずれの権利に該当するかは、使用許諾を付与する製品、使用許諾の内容及び契約に含まれる他の財又はサービスの内容を勘案して判断する必要がある。 また、受託開発は作業フェーズごとに分割して契約されることがあり、各作業フェーズで顧客に提供する成果物及び顧客との契約の内容を勘案して、履行義務をどのように識別するか判断する必要がある。 さらに、注記事項(追加情報)に記載のとおり、米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )において、不適切な売上計上(過大計上及び早期計上)が行われていたことを受け、会社におけるライセンス供与の収益認識において同様の状況が生じていないかどうかを検討する必要が生じた。 以上から、当監査法人は、会社のライセンス供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、会社のライセンス供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性を確かめるため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 売上高の認識プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、収益認識会計基準の適用の妥当性を検討するための根拠証憑と照合する仕組みやその実効性の有無に焦点を当てた。 (2) 収益認識会計基準の適用の妥当性の検討 収益認識会計基準の適用の妥当性を確かめるため、一定の条件に該当する取引を対象に、必要に応じて関係部門の担当者に質問するとともに、主に以下の監査手続を実施した。 ● ライセンス供与における売上高の期間帰属の適切性を検討するために、以下の監査手続を実施した。 ・ ライセンス供与と一体として処理することによって売上高の期間帰属に影響するようなソフトウェア・アップデート、テクニカル・サポート等の義務の有無を確かめるために、契約書を閲覧した。 ・ 売上高の期間帰属の適切性を確認するために、ライセンス供与に係る証憑を閲覧した。 ● 受託開発の履行義務の識別の適切性を検討するために、以下の監査手続を実施した。 ・ 顧客に提供される成果物の内容及び顧客との合意内容を確かめるために、主として提案書や契約書を閲覧した。 ・ 顧客に提供される成果物の内容及び顧客との合意内容に基づき、履行義務が適切に識別されているかどうかを検討した。 また、IPI社において不適切な売上計上が行われていたことを受け、会社におけるライセンス供与について、特別調査委員会の調査結果を理解した上で、取引先別の売上高及び売掛金残高の分析、売上高のマイナス計上の有無等の検討を行うことにより、IPI社と同様の状況が生じていないかどうかを確認した。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ACCESSの2025年1月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ACCESSが2025年1月31日現在の財務報告に係る内部統制は開示すべき重要な不備があるため有効でないと表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項 内部統制報告書に記載されているとおり、会社及び米国子会社の全社的な内部統制、並びに米国子会社の決算・財務報告プロセス、収益認識プロセス及び原価計算プロセス(ソフトウェア資産計上プロセスを含む)には開示すべき重要な不備が存在しているが、会社は開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は全て財務諸表及び連結財務諸表に反映している。 これによる財務諸表監査に及ぼす影響はない。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 IP Infusion Inc.における不適切な売上計上への対応 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、当連結会計年度におけるネットワーク事業に属する米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )の売上高は7,863,933千円であり、連結売上高の49.4%を占めている。 注記事項(追加情報)に記載のとおり、株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )は、当監査法人によるIPI社における売掛金の回収期間の長期化に関する指摘を契機として調査を実施した。 当該調査の過程において、一部取引について不適切な売上計上の疑義が生じたため、外部専門家を中心とした特別調査委員会による調査を実施した。 特別調査委員会による調査を受け、過年度よりIPI社において、IPI社の一部のマネジメント(IPI社CEO及びCFO並びにIPI社のマネジメントを兼務している会社の一部の取締役)の関与により、以下のような複数の不適切な売上計上が判明したため、会社は過年度の連結財務諸表の訂正を実施した。 ● 本体契約と同時期に顧客をリスクフリーにするサイドレター等を別途締結し、IPI社が実質的にリスクを継続的に保持する条件となっていたにもかかわらず、本体契約のみに基づき売上を計上(売上高の過大計上)● 収益認識の条件が充足されていない状況であるにもかかわらず、履行義務の充足を仮装する取引証憑や資料などを作成して売上を計上(売上高の早期計上)また、当該調査及び当監査法人による監査手続の実施過程において、以下のような不正による重要な虚偽表示を示唆する状況が確認された。 ● 実在性に疑義がある取引先の存在● 取引先と異なる相手先からの入金による売掛金の回収● 当監査法人が所属する海外ネットワークファームが送付した取引先への確認状に関してIPI社のCEO及びCFOによる取引先への回答案の提示一連の状況より、IPI社の売上高の実在性及び期間帰属について、不正による重要な虚偽表示リスクを識別し、より適合性が高く、より証明力が強く、又はより多くの監査証拠を入手するため、追加的な監査手続を実施する必要がある。 以上から、当監査法人は、IPI社における不適切な売上計上への対応が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、IPI社における不適切な売上計上に対応するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 特別調査委員会による調査の適切性の評価● 特別調査委員会を構成する外部の弁護士及び公認会計士が専門性及び客観性を有しているか否かを評価した。 ● 特別調査委員会の調査報告書を通読し、また、特別調査委員会と適宜意見交換を行うことで、特別調査委員会が実施した調査の範囲、調査手続、調査結果を評価した。 (2) 不正による重要な虚偽表示を示唆する状況の識別● 売上高の過大計上や早期計上などの不正を示唆する状況の有無を確かめるため、取引先別の売上高及び売掛金残高の分析を行った。 ● 売上高を意図的に操作した可能性のある取引の有無及びその内容を確かめるため、特別調査委員会によりスクリーニングされた関係者の電子メールを閲覧した。 なお、当該手続の実施に際して、当監査法人が所属する国内ネットワークファームの不正調査の専門家が関与した。 (3) 不正による重要な虚偽表示を示唆する状況への対応● 上記 (2)の手続により識別された不正による重要な虚偽表示を示唆する状況について、経営者に質問を実施するとともに、以下の監査手続を実施した。 ・ 取引条件、取引内容及び取引の経済的実態を確かめるため、特別調査委員会の調査結果も踏まえて取引に関する契約書・覚書等の網羅性を確認した上で、契約書・覚書等及び関連する電子メール等を閲覧した。 ・ 収益認識に関する履行義務を充足していることを確かめるため、顧客から注文されたライセンスを提供していることを示す根拠となる証憑と突合した。 ・ 一部の取引先について実在性を確かめるため、取引先の登記簿謄本や外部調査機関による取引先の調査報告書等を入手し、閲覧した。 ・ 一部の取引で検出された売上先と異なる相手先からの入金について、売掛金の回収とすることの妥当性を確認するため、弁護士による法的見解書を閲覧した。 IP Infusion Inc.におけるソフトウェアの不適切な資産計上への対応監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )の当連結会計年度の連結貸借対照表において、ソフトウェア1,618,298千円が計上されている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、このうち1,024,402千円は、米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )が属するネットワーク事業に係るソフトウェアである。 また、注記事項(連結損益計算書関係※4)に記載のとおり、連結損益計算書の販売費及び一般管理費9,317,066千円には研究開発費3,272,946千円が含まれている。 このうちIPI社が属するネットワーク事業に係る研究開発費は3,189,377千円であり、販売費及び一般管理費の34.2%を占めている。 特別調査委員会による調査を受け、IPI社のCFO又はCFOの指示を受けたファイナンス部門の担当者により、以下のようにソフトウェアの不適切な資産計上が行われていることが判明したため、会社は過年度の連結財務諸表の訂正を実施した。 ● ソフトウェアの資産計上開始の根拠となる技術的実現可能性に係る証憑を改変することにより、資産計上要件を満たさない支出の資産化● ソフトウェアの資産計上額の算定根拠となる工数集計データの内容区分を費用から資産に不適切に振り替えることにより、費用として区分されるべき支出の資産化一連の状況より、IPI社におけるソフトウェアの資産計上について、不正による重要な虚偽表示リスクを識別し、より適合性が高く、より証明力が強く、又はより多くの監査証拠を入手するため、追加的な監査手続を実施する必要がある。 以上から、当監査法人は、IPI社におけるソフトウェアの不適切な資産計上への対応が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、IPI社におけるソフトウェアの不適切な資産計上に対応するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 特別調査委員会による調査の適切性の評価● 特別調査委員会を構成する外部の弁護士及び公認会計士が専門性及び客観性を有しているか否かを評価した。 ● 特別調査委員会の調査報告書を通読し、また、特別調査委員会と適宜意見交換を行うことで、特別調査委員会が実施した調査の範囲、調査手続、調査結果を評価した。 (2) ソフトウェアの不適切な資産計上に対する手続● ソフトウェアの不適切な資産計上の経緯等を把握するため、特別調査委員会によりスクリーニングされた関係者の電子メール及びインタビュー議事録を閲覧した。 なお、当該手続の実施に際して、当監査法人が所属する国内ネットワークファームの不正調査の専門家が関与した。 ● ソフトウェアの資産計上開始日の正確性を検討するため、以下の監査手続を実施した。 ・ ファイナンス部門がソフトウェアの資産計上開始の根拠とした証憑と、システムから当監査法人が直接入手した証憑を突合し、両者が一致しないことから、技術的実現可能性に係る証憑が改変されていることを確かめた。 ・ 訂正後のソフトウェアの資産計上開始日の正確性を検討するため、ソフトウェアの開発を行うエンジニアリング部門の責任者に質問し、技術的実現可能性に係る関連資料を閲覧した。 ● ソフトウェアの資産計上額の算定根拠となる工数集計データにおける内容区分の正確性を検討するため、以下の監査手続を実施した。 ・ ファイナンス部門がソフトウェアの資産計上額の算定根拠として作成したデータの内容区分と、エンジニアリング部門による工数集計データの内容区分を突合し、両者が一致しないことから、内容区分が振り替えられていることを確かめた。 ・ 振替前の内容区分の分類の正確性を検討するため、ソフトウェアの開発を行うエンジニアリング部門の責任者に質問し、内容区分に係る関連資料を閲覧した。 株式会社ACCESSのソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )は、IoT事業セグメント及びWebプラットフォーム事業セグメントにおいて、主として国内市場におけるIoT関連ソリューション及びソフトウェア等の提供並びにWebプラットフォーム関連ソリューション等の提供を行っている。 当連結会計年度の会社の売上高(連結相殺消去前)は6,466,358千円であり、ソフトウェアのライセンスの供与(以下、「ライセンス供与」という。 )及び顧客からのソフトウェアの受託開発(以下、「受託開発」という。 )に係る売上高が含まれている。 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.(ホ)に記載のとおり、ライセンス供与が「知的財産を使用する権利」に該当する場合は、履行義務を充足した一時点で、受託開発は原則として履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識している。 ライセンス供与は、会社が顧客に付与した製品の使用許諾が「知的財産にアクセスする権利」と「知的財産を使用する権利」のいずれに該当するかにより収益を認識する時点が異なる。 会社によるライセンス供与がいずれの権利に該当するかは、使用許諾を付与する製品、使用許諾の内容及び契約に含まれる他の財又はサービスの内容を勘案して判断する必要がある。 また、受託開発は作業フェーズごとに分割して契約されることがあり、各作業フェーズで顧客に提供する成果物及び顧客との契約の内容を勘案して、履行義務をどのように識別するか判断する必要がある。 さらに、注記事項(追加情報)に記載のとおり、米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )において、不適切な売上計上(過大計上及び早期計上)が行われていたことを受け、会社におけるライセンス供与の収益認識において同様の状況が生じていないかどうかを検討する必要が生じた。 以上から、当監査法人は、会社のライセンス供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、会社のライセンス供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性を確かめるため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 売上高の認識プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、収益認識会計基準の適用の妥当性を検討するための根拠証憑と照合する仕組みやその実効性の有無に焦点を当てた。 (2) 収益認識会計基準の適用の妥当性の検討 収益認識会計基準の適用の妥当性を確かめるため、一定の条件に該当する取引を対象に、必要に応じて関係部門の担当者に質問するとともに、主に以下の監査手続を実施した。 ● ライセンス供与における売上高の期間帰属の適切性を検討するために、以下の監査手続を実施した。 ・ ライセンス供与と一体として処理することによって売上高の期間帰属に影響するようなソフトウェア・アップデート、テクニカル・サポート等の義務の有無を確かめるために、契約書を閲覧した。 ・ 売上高の期間帰属の適切性を確認するために、ライセンス供与に係る証憑を閲覧した。 ● 受託開発の履行義務の識別の適切性を検討するために、以下の監査手続を実施した。 ・ 顧客に提供される成果物の内容及び顧客との合意内容を確かめるために、主として提案書や契約書を閲覧した。 ・ 顧客に提供される成果物の内容及び顧客との合意内容に基づき、履行義務が適切に識別されているかどうかを検討した。 また、IPI社において不適切な売上計上が行われていたことを受け、会社におけるライセンス供与について、特別調査委員会の調査結果を理解した上で、取引先別の売上高及び売掛金残高の分析、売上高のマイナス計上の有無等の検討を行うことにより、IPI社と同様の状況が生じていないかどうかを確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 株式会社ACCESSのソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(セグメント情報等)に記載のとおり、株式会社ACCESS(以下、「会社」という。 )は、IoT事業セグメント及びWebプラットフォーム事業セグメントにおいて、主として国内市場におけるIoT関連ソリューション及びソフトウェア等の提供並びにWebプラットフォーム関連ソリューション等の提供を行っている。 当連結会計年度の会社の売上高(連結相殺消去前)は6,466,358千円であり、ソフトウェアのライセンスの供与(以下、「ライセンス供与」という。 )及び顧客からのソフトウェアの受託開発(以下、「受託開発」という。 )に係る売上高が含まれている。 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.(ホ)に記載のとおり、ライセンス供与が「知的財産を使用する権利」に該当する場合は、履行義務を充足した一時点で、受託開発は原則として履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識している。 ライセンス供与は、会社が顧客に付与した製品の使用許諾が「知的財産にアクセスする権利」と「知的財産を使用する権利」のいずれに該当するかにより収益を認識する時点が異なる。 会社によるライセンス供与がいずれの権利に該当するかは、使用許諾を付与する製品、使用許諾の内容及び契約に含まれる他の財又はサービスの内容を勘案して判断する必要がある。 また、受託開発は作業フェーズごとに分割して契約されることがあり、各作業フェーズで顧客に提供する成果物及び顧客との契約の内容を勘案して、履行義務をどのように識別するか判断する必要がある。 さらに、注記事項(追加情報)に記載のとおり、米国子会社であるIP Infusion Inc.(以下、「IPI社」という。 )において、不適切な売上計上(過大計上及び早期計上)が行われていたことを受け、会社におけるライセンス供与の収益認識において同様の状況が生じていないかどうかを検討する必要が生じた。 以上から、当監査法人は、会社のライセンス供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(セグメント情報等) |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.(ホ) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、会社のライセンス供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性を確かめるため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 売上高の認識プロセスに係る内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価にあたっては、収益認識会計基準の適用の妥当性を検討するための根拠証憑と照合する仕組みやその実効性の有無に焦点を当てた。 (2) 収益認識会計基準の適用の妥当性の検討 収益認識会計基準の適用の妥当性を確かめるため、一定の条件に該当する取引を対象に、必要に応じて関係部門の担当者に質問するとともに、主に以下の監査手続を実施した。 ● ライセンス供与における売上高の期間帰属の適切性を検討するために、以下の監査手続を実施した。 ・ ライセンス供与と一体として処理することによって売上高の期間帰属に影響するようなソフトウェア・アップデート、テクニカル・サポート等の義務の有無を確かめるために、契約書を閲覧した。 ・ 売上高の期間帰属の適切性を確認するために、ライセンス供与に係る証憑を閲覧した。 ● 受託開発の履行義務の識別の適切性を検討するために、以下の監査手続を実施した。 ・ 顧客に提供される成果物の内容及び顧客との合意内容を確かめるために、主として提案書や契約書を閲覧した。 ・ 顧客に提供される成果物の内容及び顧客との合意内容に基づき、履行義務が適切に識別されているかどうかを検討した。 また、IPI社において不適切な売上計上が行われていたことを受け、会社におけるライセンス供与について、特別調査委員会の調査結果を理解した上で、取引先別の売上高及び売掛金残高の分析、売上高のマイナス計上の有無等の検討を行うことにより、IPI社と同様の状況が生じていないかどうかを確認した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月30日株式会社ACCESS取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士齋 藤 慶 典 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士上 野 陽 一 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ACCESSの2024年2月1日から2025年1月31日までの第41期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ACCESSの2025年1月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 (ソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性)財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「ソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「株式会社ACCESSのソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性」と実質的に同一の内容である。 このため、財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 (ソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性)財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「ソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「株式会社ACCESSのソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性」と実質的に同一の内容である。 このため、財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | (ソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性) |
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別 | 財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「ソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項「株式会社ACCESSのソフトウェアのライセンスの供与及び受託開発に係る収益認識会計基準の適用の妥当性」と実質的に同一の内容である。 このため、財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
受取手形、売掛金及び契約資産 | 3,912,585,000 |
商品及び製品 | 757,847,000 |
仕掛品 | 27,242,000 |
その他、流動資産 | 230,650,000 |