財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-27 |
英訳名、表紙 | VALTES HOLDINGS CO.,LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役会長兼社長 田中 真史 |
本店の所在の場所、表紙 | 大阪市西区阿波座1丁目3番15号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | (06)6534-6570(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 2004年4月ソフトウェアテストサービスの提供及びソフトウェアテスト技術者の派遣を目的として、当社設立(資本金30,000千円)2004年7月一般労働者派遣事業許可を取得2006年1月東京オフィスを開設2006年3月大阪テストセンターを開設2006年8月横浜テストセンターを開設2007年5月名古屋オフィス兼テストセンターを開設2007年11月東京本部を開設し、東京オフィスを廃止2008年12月情報セキュリティマネジメントシステム「ISO27001」認証取得2009年7月東京本部及び横浜テストセンターを統合、移転2009年12月名古屋オフィスを開設し、名古屋オフィス兼テストセンターを廃止2012年10月バルテス・モバイルテクノロジー株式会社(現バルテス・イノベーションズ株式会社、連結子会社)を設立2013年1月福岡オフィスを開設2014年2月VALTES Advanced Technology, Inc.(現連結子会社)をフィリピン共和国に設立2015年5月有料職業紹介事業許可を取得2015年12月ISTQB※パートナープログラム 「Platinum Partner」に認定2016年9月事業拡大に伴い名古屋オフィスを移転2017年5月事業拡大に伴い東京本社を移転(現:東京第2テストセンター)2017年12月ISTQB※パートナープログラム 「Global Partner」に認定2018年9月事業拡大に伴い大阪本社を移転2019年5月東京第3テストセンターを開設 東京証券取引所マザーズに株式を上場2019年8月事業拡大に伴い福岡オフィスを移転2020年8月株式会社アール・エス・アール(現連結子会社)の全株式を取得2022年4月株式会社ミント(現連結子会社)の全株式を取得 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行2023年2月事業拡大に伴い東京本社を移転2023年4月株式会社シンフォー(現連結子会社)の全株式を取得 バルテス分割準備株式会社(現バルテス株式会社、連結子会社)を設立2023年6月事業拡大に伴い名古屋オフィスを移転2023年10月持株会社体制へ移行し、バルテス・ホールディングス株式会社へ商号変更2023年11月フェアネスコンサルティング株式会社(現連結子会社)の全株式を取得2024年11月タビュラ株式会社(現連結子会社)の全株式を取得※世界130ヵ国以上のソフトウェアテスト技術者認定組織(International Software Testing Qualifications Board)。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社グループは、「品質向上のトータルサポート企業」を目標に掲げ、ソフトウェアの品質に関わるサービスを提供しております。 ソフトウェアの進化は、今後益々社会を便利にする一方、品質面での問題、不具合等が生じた際の社会に与える影響は大きくなり、品質の重要性は増すものと考えられます。 当社グループはこうした変化を積極的に捉え、提供サービスを通じて、豊かで安全なICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))社会の実現へ貢献していく事を目指しております。 当社グループは2025年3月末現在において、当社及び連結子会社8社で構成されております。 ソフトウェアテスト事業、開発事業及びセキュリティ事業を提供しており、この3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「ソフトウェアテストサービス事業」、「Web/モバイルアプリ開発サービス事業」及び「オフショアサービス事業」の3区分から、「ソフトウェアテスト事業」、「開発事業」及び「セキュリティ事業」の3区分に変更しております。 事業別セグメントを構成する主要な関係会社については、後述の事業系統図をご参照ください。 なお、持株会社である当社は特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1)ソフトウェアテスト事業(当社及び連結子会社3社)当事業では、製造業やソフトウェアベンダー(※1)に対して、ソフトウェアの不具合により顕在化するリスクを回避するため、開発工程における品質計画の立案、開発プロセスの改善、ソフトウェアの不具合を発見、または重大な不具合が発生していない事を確認する為のテスト計画、テスト設計、テストケースの作成、テスト実行及びテストサマリレポートの作成まで、第三者の中立的立場で提供しております。 また、提供する成果物においては、ソフトウェアテストの統合的な国際規格であるISO/IEC/IEEE 29119(※2)に準拠しており、グローバルな要件にも対応が可能です。 当事業が対象とするサービス提供領域は、エンタープライズ系(業務システムや基幹システム等)、Web・スマートフォン系(Webサイトやモバイルアプリケーション等)、組込系(AV機器や家電、産業機器、IoT機器等)、その他、幅広いものとなっており、テスト対象におきましても、予定した動作が正確に作動するか否かの機能性に限定せず、例えば実運用を想定したユーザー数からのアクセスや、営業活動継続によるデータ量の蓄積、継続性、耐久性の面など様々なニーズに対応したものとなっております。 さらに当事業においては、長年蓄積した知見をもとに自社開発したソフトウェアテストツールサービス、セキュリティツールサービス及びソフトウェアテストに関する教育サービスも提供しております。 なお、当社グループのフィリピン法人であるVALTES Advanced Technology,Inc.において、当社グループを窓口とした日本企業や在比日系企業に向けて上記サービスの提供を行っております。 当社グループが提供するソフトウェアテスト事業のフローは以下のとおりです。 また、当社グループが提供する主なソフトウェアテストサービスは以下のとおりであります。 サービス名概要1.ソフトウェアテスト サービス単機能テストから、システムテスト支援、多端末テスト、テスト自動化、受入テスト支援など、様々なソフトウェアのテストを顧客に代わり、当社グループの専門知識を持つエンジニアが目的に応じて最適なテストパターンを抽出し、アプリケーションやシステムの品質を支えるテストサービスを多種多様な業界に提供しております。 2.品質コンサルティングサービス開発したソフトウェアをテストするソフトウェアテストサービスに対し、品質コンサルティングサービスでは、品質のPMO・QMO(※4)としてソフトウェア開発工程の上流工程を含む全体における品質確保のプロセス確立・標準化など、品質マネジメントを支援しております。 3.ソフトウェア品質 セミナーサービス (バルカレ)当社グループのエンジニアにも実施しているソフトウェア品質教育を顧客の開発者、品質担当者、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどを対象にセミナーとして提供しております。 当社グループの教育コンテンツは現在23コースあり、集合研修形式やオープン講座形式、eラーニングと様々な形式で提供しております。 コースによっては英語化もされており、英語での研修も可能となっております。 4.デジタル放送テスト サービス多種多様なデジタル放送に関するテストサービスを提供し、受信機の機能テストだけでなく、放送規格に則ったシステムになっているかの規格テストや、規格では定められていない異常時のテスト、テスト用データ作成などのサービスを提供しております。 5.セキュリティ・脆弱性診断(※5)サービスWebシステムやモバイルアプリケーション、またIoT機器に対しての外部からの侵入(ハッキング)などが行える隙が無いかを確認する診断サービスや、またSaaS型WAFサービス(※6)「PrimeWAF」を提供しております。 6.テストツール提供 サービスソフトウェアテストを効率化し、システムの高品質化とリリースのスピードアップを実現させるべく、テスト自動化ツール「T-DASH」、テスト管理ツール「QualityTracker」、クラウド型モバイルテストサービス「AnyTest」を提供しております。 7.出版・情報発信・ サイト運営ソフトウェア開発に携わるすべての人のために、ソフトウェア品質改善だけにとどまらず、業界のトレンド情報やマネジメント手法など、エンジニアが必要とする価値ある情報を発信するWebサイト「Qbook」を運営しております。 また、書籍においては、エンジニア向けの新書「いちばんやさしいソフトウェアテストの本」、「ソフトウェアテストの教科書」、「ソフトウェアテスト規格の教科書」を出版しております。 なお、当社グループは、主に2つの提供形態及び3つの契約形態によりソフトウェアテスト事業を提供しております。 提供形態概要テストセンターテストサービス当社グループにテストセンターを設置し、顧客のニーズに合わせたテスト環境を構築し、ソフトウェアテストサービスを提供しております。 オンサイトテストサービス労働者派遣事業の免許を保持しており、顧客のニーズに合わせた人材を提供しております。 契約形態概要派遣契約労働者派遣契約に基づき当社グループのエンジニアを顧客先に派遣し、顧客の指揮命令下でサービスの提供を行っております。 準委任契約当社グループの指揮命令下において顧客との契約内容に応じた役務提供を行っております。 請負契約主に当社グループのテストセンターにてテストを行い、テストレポート等の成果物を顧客に納品しております。 (2)開発事業(連結子会社5社)当事業では、ソフトウェア・システムの開発請負及び開発要員派遣等のサービスを提供しております。 ソフトウェア・システムの開発において、企画から、要件定義、開発、UI/UXを含むデザイン、リリース、運用までワンストップで提供が可能です。 開発ドキュメントが無い状態のソフトウェアに対して、ソフトウェアからドキュメントを作成するリバースエンジニアリングサービスも当事業に含まれます。 また、メタバース(※7)分野で注目を集めるxR技術の習得を進め、建築、不動産、自動車、映像等の業界をターゲットにサービス展開を進めております。 なお、ソフトウェアの品質向上をグループ経営方針としており、当社グループによるソフトウェアテスト、セキュリティサービスチームからの教育によるセキュアコーディング(※8)を施したソフトウェア開発サービスを提供しております。 (3)セキュリティ事業(連結子会社1社)当事業では、セキュリティ診断(脆弱性診断)サービスを提供しております。 Webシステムやモバイルアプリケーション、またIoT機器に対しての外部からの侵入(ハッキング)などが行える隙が無いか、システムの安全性を調査し、潜在的な脆弱性を発見するサービスとなります。 ※1 ソフトウェアベンダーソフトウェアを製造・販売する会社である。 ※2 ISO/IEC/IEEE 29119ISO、IEC、IEEEという3つの標準化団体が合同で策定したソフトウェアテストの統合的な国際規格の名称。 ※3 WBSWBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクト全体を細かい作業に分割した構成図である。 「作業分割構成」「作業分解図」などと呼ばれることもある。 プロジェクトを理解し、管理する上でプロジェクトの各工程を担当者毎の作業レベルに展開し、ツリー構造にまとめたもので、分解した作業の開始日や終了日を矢印で可視化する。 ※4 PMO・QMOPMO(Project Management Office)とは、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムを言う。 QMO(Quality Management Office)とは、組織における個々の品質管理の支援を積極的に行う部門や構造システムを言う。 ※5 脆弱性診断コンピュータ又はネットワーク全体のセキュリティに弱点を作り出すコンピュータソフトウェアの欠陥や仕様上の問題点を診断する。 ※6 SaaS型WAFサービスSaaS(Software as a Service)型WAF(Web Application Firewall)サービスとは、通信ネットワークなどを通じて、利用者が必要なものを必要なときに呼び出して使う利用形態において、WebサーバーやWebアプリケーションに対して、外部からの攻撃から守るサービスである。 ※7 メタバースコンピュータ上に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスのこと。 英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語である。 ※8 セキュアコーディング悪意のある攻撃者等による攻撃に耐え得る堅牢なプログラムを書くことを意味し、不注意な設計やバグに起因する脆弱性を作り込まないコーディング作法の総称をいう。 [事業系統図]当社グループの事業系統図は、以下のとおりです。 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合(%)関係内容(連結子会社) バルテス株式会社(注)3、4大阪市西区90,000千円ソフトウェアテスト事業100.0役員の兼任 1名業務の委受託資金の借入バルテス・モバイルテクノロジー株式会社(注)3、6大阪市西区50,000千円開発事業セキュリティ事業100.0役員の兼任 1名業務の委受託資金の貸付株式会社アール・エス・アール(注)3広島市中区10,000千円開発事業100.0役員の兼任 1名業務の委受託債務保証株式会社ミント(注)3東京都千代田区11,000千円ソフトウェアテスト事業100.0役員の兼任 2名業務の委受託株式会社シンフォー(注)3東京都中央区60,000千円開発事業100.0役員の兼任 2名業務の委受託資金の借入フェアネスコンサルティング株式会社(注)3、6東京都千代田区10,000千円開発事業100.0役員の兼任 1名業務の委受託タビュラ株式会社(注)3東京都千代田区1,000千円開発事業100.0役員の兼任 1名業務の委受託VALTES AdvancedTechnology,Inc.(注)3、5フィリピン共和国マカティ市10,000千ペソソフトウェアテスト事業99.9役員の兼任 1名業務の委受託債務保証資金の貸付 (注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。 2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。 3.特定子会社に該当しています。 4.バルテス株式会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等(1)売上高8,847,205千円 (2)経常利益724,290千円 (3)当期純利益526,121千円 (4)純資産額1,403,994千円 (5)総資産額2,741,634千円5.債務超過会社であり、債務超過の金額は2025年3月末時点で39,802千円です。 6.2025年4月1日付で、当社の完全子会社であるバルテス・モバイルテクノロジー株式会社を存続会社とし、フェアネスコンサルティング株式会社を消滅会社とする吸収合併を実施し同日付で商号を「バルテス・イノベーションズ株式会社」に変更しております。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ソフトウェアテスト事業612(84)開発事業116(26)セキュリティ事業15(-)報告セグメント計743(110)全社(共通)74(6)合計817(116)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、平均臨時雇用人員を( )外数で記載しています。 2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。 3.従業員の増加の主な理由は、業容拡大に伴う採用によるものです。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)89(6)39.34.96,023 セグメントの名称従業員数(人)ソフトウェアテスト事業15(-)全社(共通)74(6)合計89(6)(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、平均臨時雇用人員を( )外数で記載しています。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。 3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。 (3)労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しています。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者12.850.055.958.560.4-(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ②主要な連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者バルテス株式会社4.866.780.577.7107.0-(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.バルテス株式会社以外の連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「私たちは品質にコミットし、安心・安全なICT社会の実現に貢献します」、「私たちはICT社会に貢献する人材を育成します」、「私たちは多くの価値を創り、お客様と共に歓びを分かち合います」を企業理念とし、提供サービスを通じて、豊かで安全なICT社会の実現へ貢献していく事を目指しております。 (2) 経営戦略等 当社グループは、品質向上のトータルサポート企業として、ソフトウェアテストをはじめ、品質コンサルティングやテスト自動化支援など、ソフトウェア開発の全工程で品質向上支援サービスを展開しております。 2024年5月には、さらなる成長を目指して中期経営計画を策定し、「ソフトウェアテスト市場の社会的価値を高めるバリューアッププラットフォーマーへ」という10年ビジョンの下、当社の誇るソフトウェアテストナレッジの普及と、テストツール事業・教育事業等の人に依存しないビジネスモデルの拡充によって、生産性の向上に注力してまいりました。 他方、外部環境に目を移すと、近年急速に進むAI技術の拡大は、短期的にはAI利用ニーズの高まりによる事業拡大の好機となる一方で、中長期的には企業による開発内製化の加速や、労働集約型ビジネスの代替につながり、業界全体にとって大きなリスクとなりつつあります。 当社グループでは、これらAIの拡大による事業機会の活用とリスク排除を目的に、当連結会計年度より「生成AIテスト設計ツール」の開発に着手し、当社独自のテスト知見や豊富なデータを活用することで、当年3月にプロトタイプの社内実装を開始するに至りました。 併せて、近い将来、様々な競合他社がAIテストツール開発に追随してくる可能性が高いことから、生成AIテストツールへの開発投資をより積極的にすすめ、開発スピードの更なる向上によって、技術的アドバンテージを保持する必要があると判断し、当年2月、従来の「安定的な労働集約型ソフトウェアテスト事業を軸とする成長」から、「生成AIテストツール開発への積極投資」に基本方針を転換することといたしました。 今後は、中期経営計画に生成AIテストツール開発への積極投資方針を加味し、生成AIサービスを含むツールサービスや教育サービス等の拡大を通じて、業界全体の技術力向上と、豊かで安全なICT社会の実現に努めるとともに、当社グループの生産性向上を推し進め、より一層の企業価値向上に努めてまいります。 (3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが属する情報サービス業界において、米国の政策動向や中国経済の見通し、ウクライナ情勢や中東情勢等による為替や資源高の影響もあり、先行き不透明な状況は継続するものと予想されます。 一方で人件費の上昇は当面継続するものと想定されることから、国内企業において生産性向上は喫緊の課題であり、リモートワーク、クラウド環境の導入、IoT、AI、5G、メタバースなどのDXに関連するIT投資や、企業防衛のためのセキュリティ対策投資へのニーズは増大し、情報サービス業界の市場の成長は底堅く継続するものと認識しております。 このような経営環境の中で、当社グループは今後更なる成長を実現する上で以下の事項を経営課題として重視しております。 ①人的資本への投資拡大 当社グループが継続的に企業価値を向上させていくためには人的資本への効率的投資が経営上の最重要課題であると認識しております。 特に現状ではPM層/ハイレイヤーの不足が主たるボトルネックとなっていると課題認識したうえで、これら人員の拡充のために、リファラル採用制度等の導入、充実した社内研修メソッドによる教育制度の充実、業界別ナレッジの蓄積による高スキル化及び外部人材の有効活用といった諸施策を積極的に展開し、成長阻害要因の排除と事業規模の拡大に努めてまいります。 ②エンタープライズ領域拡大 デジタル技術の発展により、旧来の大規模基幹システムが大容量高速通信時代に対応できない等のシステム老朽化問題が発生しており、これに起因するシステム等の切り替えの作業「マイグレーション」の増加によって、特に歴史のある大手企業は多大な負担を強いられております。 当社グループでは現状拡大を続けるソフトウェアテスト市場の中でも、これら基幹システムを指す「エンタープライズ系」領域の市場は、特に拡大可能性の高い最重点市場であると認識し、当市場の早期開拓を重要課題ととらえております。 この開発拡大のために、経験豊富なPM層/ハイレイヤーの採用、専門部署の設置、エンタープライズ領域に強い外部企業との取引拡大及び業界固有(特に金融業界)ナレッジの蓄積を推し進め、参入障壁構築による価格競争の回避、案件規模の拡大及び利益率の向上を目指してまいります。 ③知的財産の拡大 あらゆる要素がデジタル化されていく中で、従前の有形固定資産の設備投資に頼らず、知的財産への投資を通じてビジネスモデルを抜本的に変革し、高い利益率で新たな成長を実現する企業が現れてまいりました。 一方で、これら新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例(デジタルディスラプション)も増加しております。 特に、近年急速に進むAI技術の拡大は、短期的にはAI活用ニーズの高まりによる事業拡大の好機となる一方で、中長期的には企業による開発の内製化の加速や労働集約型ビジネスの代替につながるなど、IT業界全体にとって大きなデジタルディスラプションリスクとなり得ると認識しております。 当社においても、今後これら外部環境の変化に対応しつつ高い利益率を維持するためには、知的財産への投資を拡大することが必須であると認識し、これを欠くことのできない重要課題の一つとして位置付けております。 この推進のために、当社が強みとするソフトウェアテストのノウハウ、エンジニア教育ノウハウ及び各業界における固有ナレッジを基盤に、テスト自動化ツールT-DASH(※1)、クラウド型のセキュリティ対策サービスPrimeWAF(※2)、いつでもどこでも実機テストが出来るAnyTest(※3)、テスト管理ツールQualityTracker(※4)、ソフトウェア品質向上のためのプラットフォームQbook(※5)、教育サービスのバルカレ(※6)及び企業向けオンライン教育サービスのバルデミー(※7)等のツール及び教育サービスの拡大を進めるとともに、2025年3月に社内実装された生成AIテスト設計ツールTestScape(※8)の機能強化と、その他テストツールへの生成AI機能の拡大を目指してまいります。 上記サービスを通じて当社グループの品質管理技術を業界に波及させ、業界全体の技術力及び信用力の向上を図ると共に、これら人に依存しないビジネスモデルの拡大によって当社グループの生産性向上も進めてまいります。 また新規ソフトウェア開発や新技術企業とのアライアンスも積極的に行い、新たな企業価値の創造に努めてまいります。 ④M&Aによる拡大と組織強化 加速するIT化、デジタル化の影響により今後も国内ソフトウェアテスト市場は高い成長率を維持するものと見込んでおりますが、それゆえに今後のIT人材の不足傾向も明らかであり、従前のままの拡大戦略を踏襲すれば機会損失のリスクも相応に高まるものと考えております。 加えて気候変動リスクや地政学的リスクも近年大きく上昇しております。 当社ではこれらのリスクに対応するために、M&Aによる事業ポートフォリオの更なる拡大が必須であると認識し、これを重要課題の一つに位置付けております。 近年当社グループは、「品質向上のトータルサポート企業」をスローガンとして掲げ、主にソフトウェアテスト事業を展開する「バルテス株式会社」、「VALTES Advanced Technology,Inc.」及び「株式会社ミント」、開発事業及びセキュリティ事業を展開する「バルテス・イノベーションズ株式会社」(2025年4月グループ企業の「バルテス・モバイルテクノロジー株式会社」が同「フェアネスコンサルティング株式会社」を吸収合併し、名称変更いたしました。 )、主に開発事業を展開する「株式会社アール・エス・アール」、「株式会社シンフォー」及び「タビュラ株式会社」等、グループのサービス多面化と優秀なエンジニアの確保を目標に、M&Aによる業容拡大を続けてまいりました。 加えて2023年10月にホールディングス体制に移行したことで、M&Aでの拡大に適した水平的グループガバナンス体制の整備に注力し、個々の企業の自律的運営と経営効率化を推し進めております。 今後も積極的なM&A展開とそれに適した体制整備によって、多角化型の事業ポートフォリオを拡大し、リスクに対するレジリエンス(耐性)とリスクに対応する力であるダイナミックケイパビリティ(自己変革能力)を向上させてまいります。 ※1 T-DASH非エンジニアでも“カンタン”にWebアプリケーションの動作確認を行うことが可能なテスト自動化ツール。 URL https://service.valtes.co.jp/t-dash/従来のソフトウェアテストの自動化を阻んでいた、メンテナンスコスト・技術的難易度に対し、T-DASHは、コードを書かず、”日本語”で作られたテストケースと、画面を定義することで自動化スクリプトを作成することができ、“回数無制限”でテストを自動実行することが可能なツール。 弊社試算で手動テストと比較し、最大50%のコスト削減が可能。 ※2 PrimeWAF当社グループが展開するクラウド型のセキュリティ対策サービス。 URL https://security.valtes.co.jp/primewaf/Webサイトを始めとしたWebアプリケーションに対する様々なサイバー攻撃を可視化、防御ができ、また非常に簡単に導入可能なクラウド型のWAFサービス。 「WAF(Web Application Firewall)」は、一般的なファイアウォールでは防げないWebアプリケーションに対する不正な攻撃を防御するセキュリティシステムとして注目されている。 ※3 AnyTest当社グループが展開するクラウド上でモバイル端末実機を遠隔操作できるサービス。 URL https://service.valtes.co.jp/anytest/エミュレーターではなく、実端末を国内のサーバーで管理しており、操作ラグが少なく、ストレスのないスムーズな遠隔操作が出来る。 豊富な機種・OSのラインナップを有し、月額5,000円から利用可能。 ※4 QualityTracker当社グループが展開するクラウドベースでテスト実行時の進捗管理、テストケースの管理が可能になるツール。 URL https://service.valtes.co.jp/qualitytracker/EVM(Earned Value Management)を採用し、工数=仕事量ベースで管理することにより、各テストの進行状況がリアルタイムで表示され、正確な進捗管理が可能。 また、管理者のコスト削減にも大きな効果が期待されるツール。 ※5 Qbook当社グループが運営するソフトウェア品質向上のためのプラットフォーム。 URL https://www.qbook.jp/“品質”を意味する「Quality」と、”知識の源”を意味する「book」に由来し、ソフトウェア開発やテストに関わる人に向けて、現場で役立つ情報を発信するWebサイト。 日々の知識向上につなげるコラム提供やソフトウェア品質の勉強用書籍の検索など、品質のスキルアップや現場の仕事で活用できるコンテンツを掲載。 ※6 バルカレ当社グループが展開するテストの専門家が体系化したソフトウェアテストの教育サービス。 URL https://service.valtes.co.jp/s-test/education/「企業向け講座」「オープン講座」「e-ラーニング」の3つの教育メニューから構成され、多数のプロジェクト経験により培われた品質向上のノウハウを集約し、人材育成に役立てるコンテンツを提供。 ※7 バルデミー当社が展開するソフトウェアテストの企業向けオンライン教育サービス。 URL https://service.valtes.co.jp/valdemy/より実践に近いプログラムと、バルテスの現役テストエンジニアによる添削コンテンツで、現場でもすぐに活用可能な実践的なスキル・技法の習得が可能なオンライン教育プログラム。 ※8 TestScape当社が自社実装する生成AIテスト設計ツール。 ソフトウェアテスト専門事業者として積上げた豊富な実績と独自のテスト進行基準「QUINTEE®」をベースに、仕様書/参考資料からテストケースを生成AIで自動作成。 「テスト明細」、「テストマップ」、「機能確認動作一覧」といった中間生成物も併せて作成することからテストケース作成の過程・根拠の検証が可能。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高増加率、売上総利益率、人材の確保を重要な経営課題と認識していることから営業利益率を重視しております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。 <サステナビリティに関する考え方> 当社グループは、企業理念である、安心・安全なICT社会を維持・発展、社会課題の解決に寄与するため、事業活動を通じて社会が求める高品質なサービスの提供と、加速し続けるICT社会の変化にイノベーションを起こすプロフェッショナルな人材育成が、持続可能な社会の発展に貢献できると考えております。 豊かな知見から生まれた教育プログラムと安心・安全なサービスの提供から、バルテスらしい形でサステナビリティを重視した経営にて「人と社会に品質を」を実践し、社会の持続的な発展に貢献してまいります。 (1)ガバナンスⅰ.基本的な考え方 当社グループは、ICT社会の加速する変化と持続可能な社会の実現を果たすため、当社取締役会の監督のもと、代表取締役が委員長となり、サステナビリティに係る取組や、環境・人権方針の策定、当社グループへの浸透と進捗状況のモニタリングを行うサステナビリティ委員会を設置しております。 また、取締役会において原則年1度、サステナビリティ委員会での議論や活動状況を報告し、取締役会のレビューを受け、当社グループ経営にフィードバックすることで意思決定の迅速化とガバナンスの両立を図ってまいります。 ⅱ.管理体制 なお、当社グループのガバナンスの管理体制につきましては、第4 提出会社の状況(4.コーポレートガバナンスの状況等)に記載のとおりであります。 ⅲサステナビリティ委員会での議論1.サステナビリティに係る取り組み及び情報開示に関する事項人的資本「人材育成方針」や「社内環境整備方針」及び方針に紐づく「指標及び目標」を検討多様性 「女性管理職比率」「男性の育児休業取得率」「男女間賃金格差」を検討2.サステナビリティの基本方針に関する事項サステナビリティに係る重要方針決定(サステナビリティ方針、マテリアリティ、環境・人権方針など)3.ESGに関するリスクと機会への対応に関する事項ESG関連リスクとして想定されるものを検討(戦略、オペレーション、ファイナンス、コンプライアンス)4.経営の重要課題(マテリアリティ)の特定、分析に関する事項マテリアリティの特定、マテリアリティの指標及び目標設定、PDCAの仕組み構築5.TCFD対応、気候変動に関する事項気候変動に関するリスク・機会のフレームワークを策定と情報開示と透明性向上を検討6.社会貢献活動に関する事項金融、人材教育、地域貢献、災害支援、財団などあらゆる促進に向けた取り組み分野への支援を検討 (2)戦略<人材の多様性の確保、人材育成の方針及び社内環境整備の方針と具体的な取り組み> 当社グループの優位性は、業界一と自負する独自の教育制度により、人材不足が激しく採用競争の厳しいIT業界において、新卒社員や若手のキャリアチェンジ組をエンジニアに育成し、高品質なサービスを提供できる体制が整っている点にあると考えております。 新卒・未経験者については2カ月間(320時間)、経験者であっても1カ月間(160時間)の研修期間を設けており、研修期間中は案件のアサインはなく、技術習得に専念をいたします。 個人のスキルやポテンシャルに加え、当社グループの標準化されたテスト設計手法を身につけることで、安定的かつ高品質のサービス提供や、案件開始後のトラブルを未然に防ぐなどの効果を発揮しております。 当社グループが社内研修として実施しているコンテンツの一部は、ソフトウェア品質セミナーサービスや各種出版物として外部へ提供を行うなど、高いレベルのものであると自負しております。 各種サービス、出版物の内容につきましては、第1 企業の概況(3 事業の内容)に記載のとおりであります。 また、従業員のウェルビーイング向上にも意を配し、「環境」、「報酬」、「制度」の充実を行っております。 環境直請け構造のビジネスモデル、ホワイト企業認定、えるぼし認定、「バルテスいいね!プロジェクト」(共に働き続けたいと思える取組みやイベントの実施)、自社ツール利用による業務効率化、バルバー(社内バー)設置 等報酬従業員向け譲渡制限付株式報酬付与、福利厚生サービス、確定拠出型年金制度 等制度研修制度、産業保健師の活用、有休奨励日の設定、男性育休取得の推奨、オンボーディング制度、オンライン含む懇親会補助、フレックスタイム制度、若手社員向け住宅制度(JISEDAI手当) 等これらを充実させることにより、従業員が働きやすいと思える環境を整え、人材の定着化を図ってまいります。 (3)リスク管理 当社グループのリスク管理においては重点リスクをコンプライアンス委員会にてモニタリング、評価・分析を行っております。 サステナビリティ委員会とコンプライアンス委員会が連携することによりサステナビリティの課題を含む事業リスクについての対策の検討が可能となり、当社グループに必要な指示が迅速に行える体制となっております。 また、マテリアリティの選定から分析に基づいたリスク管理についてサステナビリティ委員会において報告と議論を実施しております。 管理体制の詳細は、第4 提出会社の状況(4.コーポレートガバナンスの状況等)に記載のとおりであります。 (4)指標及び目標<人的資本に関する指標> 前述に記載のサステナビリティ戦略において、当社グループは、人的資本を最重要視しております。 人材教育においては、前述の入社後の研修に加え、当社グループ従業員がカリキュラムを自由に選択し、無償で利用できる「バルゼミ」と、当社グループのみならず業界全体の高品質化を図るべく「無償セミナー」を提供しております。 バルゼミに関しては、当社グループが創業以来培ってきた、ソフトウェアテスト、品質管理のノウハウを体系化したQUINTEE(注1)を活用し、ソフトウェアテストにおけるスキルやレベルに応じた多彩なカリキュラムを用意しており、さらに技術コンテンツだけでなく、対話や語学、構成力等のコンテンツを組み合わせることで、高品質なサービス提供に向けた育成をおこなっております。 カリキュラムは平均して年間10講座以上を新設しており、コマ数は400を超えるに至っています。 通常、自己で負担し外部受講する品質の講座でありながらも、強制ではなく、スキルアップを目指した向上心の高い社員が自ら選択し、日常的に活用しております。 一方、無償セミナーに関しては、ソフトウェアの品質改善にとどまらず、業界のトレンド情報やマネジメント手法など、エンジニアが必要とする価値あるセミナーを無償で提供しています。 企業理念のひとつである「私たちはICT社会に貢献する人材を育成します」に基づき、業界のリーディングカンパニーとして、自社のノウハウの外部への発信をおこない定着化することで、別の企業理念にある「安心・安全なICT社会の実現に貢献します」を実現させていく所存です。 上述する人材教育に関する取組みついて、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。 (注1)「QUINTEE」とは、ソフトウェア開発の品質向上・生産性向上の知見を、ソフトウェアテストを主軸に体系化したバルテスのテストメソッドの呼称です。 「QUINTEE」はテストの国際規格ISO/IEC/IEEE 29119に準拠する形で作成されており、日本のソフトウェア開発における生産性の向上に寄与できるよう、当社がこれまでの経験から蓄えた知識を体系化しています。 当初、2026年3月期において「バルゼミ」講座数120講座、受講者数2,216人を目標としておりましたが、QUINTEEをはじめとする当社がリリースするツールの研修機会が増加したことにより、2025年3月期の時点でこの目標を達成いたしました。 今後は、2027年3月期を新たな基準年度とし、改めて目標値を設定のうえ、人材育成に関する取り組みをさらに推進してまいります。 指標目標2027年3月期実績2023年3月期2024年3月期2025年3月期バルゼミ講座数134講座87講座99講座120講座バルゼミ受講者数(延べ)2,542人1,620人1,914人2,306人無償系セミナー数70件16件12件32件無償系セミナー受講者数6,200人1,050人1,480人4,855人 人材教育のみならず、従業員がいきいきと活躍できるような職場環境を目指し、女性従業員や障がいのある従業員の活躍促進、ワークライフバランスに配慮した各種の支援制度の整備(出産・育児・介護に関する支援制度、フレックスタイム制度、テレワークの活用等)、長時間労働の削減対策や有給休暇取得の促進等の取り組みを進めております。 当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績 2026年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期有給休暇取得率80.0%以上81.1%73.7%78.9%男性育児休業取得率70.0%以上50.0%60.0%64.3% |
戦略 | (2)戦略<人材の多様性の確保、人材育成の方針及び社内環境整備の方針と具体的な取り組み> 当社グループの優位性は、業界一と自負する独自の教育制度により、人材不足が激しく採用競争の厳しいIT業界において、新卒社員や若手のキャリアチェンジ組をエンジニアに育成し、高品質なサービスを提供できる体制が整っている点にあると考えております。 新卒・未経験者については2カ月間(320時間)、経験者であっても1カ月間(160時間)の研修期間を設けており、研修期間中は案件のアサインはなく、技術習得に専念をいたします。 個人のスキルやポテンシャルに加え、当社グループの標準化されたテスト設計手法を身につけることで、安定的かつ高品質のサービス提供や、案件開始後のトラブルを未然に防ぐなどの効果を発揮しております。 当社グループが社内研修として実施しているコンテンツの一部は、ソフトウェア品質セミナーサービスや各種出版物として外部へ提供を行うなど、高いレベルのものであると自負しております。 各種サービス、出版物の内容につきましては、第1 企業の概況(3 事業の内容)に記載のとおりであります。 また、従業員のウェルビーイング向上にも意を配し、「環境」、「報酬」、「制度」の充実を行っております。 環境直請け構造のビジネスモデル、ホワイト企業認定、えるぼし認定、「バルテスいいね!プロジェクト」(共に働き続けたいと思える取組みやイベントの実施)、自社ツール利用による業務効率化、バルバー(社内バー)設置 等報酬従業員向け譲渡制限付株式報酬付与、福利厚生サービス、確定拠出型年金制度 等制度研修制度、産業保健師の活用、有休奨励日の設定、男性育休取得の推奨、オンボーディング制度、オンライン含む懇親会補助、フレックスタイム制度、若手社員向け住宅制度(JISEDAI手当) 等これらを充実させることにより、従業員が働きやすいと思える環境を整え、人材の定着化を図ってまいります。 |
指標及び目標 | (4)指標及び目標<人的資本に関する指標> 前述に記載のサステナビリティ戦略において、当社グループは、人的資本を最重要視しております。 人材教育においては、前述の入社後の研修に加え、当社グループ従業員がカリキュラムを自由に選択し、無償で利用できる「バルゼミ」と、当社グループのみならず業界全体の高品質化を図るべく「無償セミナー」を提供しております。 バルゼミに関しては、当社グループが創業以来培ってきた、ソフトウェアテスト、品質管理のノウハウを体系化したQUINTEE(注1)を活用し、ソフトウェアテストにおけるスキルやレベルに応じた多彩なカリキュラムを用意しており、さらに技術コンテンツだけでなく、対話や語学、構成力等のコンテンツを組み合わせることで、高品質なサービス提供に向けた育成をおこなっております。 カリキュラムは平均して年間10講座以上を新設しており、コマ数は400を超えるに至っています。 通常、自己で負担し外部受講する品質の講座でありながらも、強制ではなく、スキルアップを目指した向上心の高い社員が自ら選択し、日常的に活用しております。 一方、無償セミナーに関しては、ソフトウェアの品質改善にとどまらず、業界のトレンド情報やマネジメント手法など、エンジニアが必要とする価値あるセミナーを無償で提供しています。 企業理念のひとつである「私たちはICT社会に貢献する人材を育成します」に基づき、業界のリーディングカンパニーとして、自社のノウハウの外部への発信をおこない定着化することで、別の企業理念にある「安心・安全なICT社会の実現に貢献します」を実現させていく所存です。 上述する人材教育に関する取組みついて、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。 (注1)「QUINTEE」とは、ソフトウェア開発の品質向上・生産性向上の知見を、ソフトウェアテストを主軸に体系化したバルテスのテストメソッドの呼称です。 「QUINTEE」はテストの国際規格ISO/IEC/IEEE 29119に準拠する形で作成されており、日本のソフトウェア開発における生産性の向上に寄与できるよう、当社がこれまでの経験から蓄えた知識を体系化しています。 当初、2026年3月期において「バルゼミ」講座数120講座、受講者数2,216人を目標としておりましたが、QUINTEEをはじめとする当社がリリースするツールの研修機会が増加したことにより、2025年3月期の時点でこの目標を達成いたしました。 今後は、2027年3月期を新たな基準年度とし、改めて目標値を設定のうえ、人材育成に関する取り組みをさらに推進してまいります。 指標目標2027年3月期実績2023年3月期2024年3月期2025年3月期バルゼミ講座数134講座87講座99講座120講座バルゼミ受講者数(延べ)2,542人1,620人1,914人2,306人無償系セミナー数70件16件12件32件無償系セミナー受講者数6,200人1,050人1,480人4,855人 人材教育のみならず、従業員がいきいきと活躍できるような職場環境を目指し、女性従業員や障がいのある従業員の活躍促進、ワークライフバランスに配慮した各種の支援制度の整備(出産・育児・介護に関する支援制度、フレックスタイム制度、テレワークの活用等)、長時間労働の削減対策や有給休暇取得の促進等の取り組みを進めております。 当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績 2026年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期有給休暇取得率80.0%以上81.1%73.7%78.9%男性育児休業取得率70.0%以上50.0%60.0%64.3% |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | (2)戦略<人材の多様性の確保、人材育成の方針及び社内環境整備の方針と具体的な取り組み> 当社グループの優位性は、業界一と自負する独自の教育制度により、人材不足が激しく採用競争の厳しいIT業界において、新卒社員や若手のキャリアチェンジ組をエンジニアに育成し、高品質なサービスを提供できる体制が整っている点にあると考えております。 新卒・未経験者については2カ月間(320時間)、経験者であっても1カ月間(160時間)の研修期間を設けており、研修期間中は案件のアサインはなく、技術習得に専念をいたします。 個人のスキルやポテンシャルに加え、当社グループの標準化されたテスト設計手法を身につけることで、安定的かつ高品質のサービス提供や、案件開始後のトラブルを未然に防ぐなどの効果を発揮しております。 当社グループが社内研修として実施しているコンテンツの一部は、ソフトウェア品質セミナーサービスや各種出版物として外部へ提供を行うなど、高いレベルのものであると自負しております。 各種サービス、出版物の内容につきましては、第1 企業の概況(3 事業の内容)に記載のとおりであります。 また、従業員のウェルビーイング向上にも意を配し、「環境」、「報酬」、「制度」の充実を行っております。 環境直請け構造のビジネスモデル、ホワイト企業認定、えるぼし認定、「バルテスいいね!プロジェクト」(共に働き続けたいと思える取組みやイベントの実施)、自社ツール利用による業務効率化、バルバー(社内バー)設置 等報酬従業員向け譲渡制限付株式報酬付与、福利厚生サービス、確定拠出型年金制度 等制度研修制度、産業保健師の活用、有休奨励日の設定、男性育休取得の推奨、オンボーディング制度、オンライン含む懇親会補助、フレックスタイム制度、若手社員向け住宅制度(JISEDAI手当) 等これらを充実させることにより、従業員が働きやすいと思える環境を整え、人材の定着化を図ってまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | (4)指標及び目標<人的資本に関する指標> 前述に記載のサステナビリティ戦略において、当社グループは、人的資本を最重要視しております。 人材教育においては、前述の入社後の研修に加え、当社グループ従業員がカリキュラムを自由に選択し、無償で利用できる「バルゼミ」と、当社グループのみならず業界全体の高品質化を図るべく「無償セミナー」を提供しております。 バルゼミに関しては、当社グループが創業以来培ってきた、ソフトウェアテスト、品質管理のノウハウを体系化したQUINTEE(注1)を活用し、ソフトウェアテストにおけるスキルやレベルに応じた多彩なカリキュラムを用意しており、さらに技術コンテンツだけでなく、対話や語学、構成力等のコンテンツを組み合わせることで、高品質なサービス提供に向けた育成をおこなっております。 カリキュラムは平均して年間10講座以上を新設しており、コマ数は400を超えるに至っています。 通常、自己で負担し外部受講する品質の講座でありながらも、強制ではなく、スキルアップを目指した向上心の高い社員が自ら選択し、日常的に活用しております。 一方、無償セミナーに関しては、ソフトウェアの品質改善にとどまらず、業界のトレンド情報やマネジメント手法など、エンジニアが必要とする価値あるセミナーを無償で提供しています。 企業理念のひとつである「私たちはICT社会に貢献する人材を育成します」に基づき、業界のリーディングカンパニーとして、自社のノウハウの外部への発信をおこない定着化することで、別の企業理念にある「安心・安全なICT社会の実現に貢献します」を実現させていく所存です。 上述する人材教育に関する取組みついて、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。 (注1)「QUINTEE」とは、ソフトウェア開発の品質向上・生産性向上の知見を、ソフトウェアテストを主軸に体系化したバルテスのテストメソッドの呼称です。 「QUINTEE」はテストの国際規格ISO/IEC/IEEE 29119に準拠する形で作成されており、日本のソフトウェア開発における生産性の向上に寄与できるよう、当社がこれまでの経験から蓄えた知識を体系化しています。 当初、2026年3月期において「バルゼミ」講座数120講座、受講者数2,216人を目標としておりましたが、QUINTEEをはじめとする当社がリリースするツールの研修機会が増加したことにより、2025年3月期の時点でこの目標を達成いたしました。 今後は、2027年3月期を新たな基準年度とし、改めて目標値を設定のうえ、人材育成に関する取り組みをさらに推進してまいります。 指標目標2027年3月期実績2023年3月期2024年3月期2025年3月期バルゼミ講座数134講座87講座99講座120講座バルゼミ受講者数(延べ)2,542人1,620人1,914人2,306人無償系セミナー数70件16件12件32件無償系セミナー受講者数6,200人1,050人1,480人4,855人 人材教育のみならず、従業員がいきいきと活躍できるような職場環境を目指し、女性従業員や障がいのある従業員の活躍促進、ワークライフバランスに配慮した各種の支援制度の整備(出産・育児・介護に関する支援制度、フレックスタイム制度、テレワークの活用等)、長時間労働の削減対策や有給休暇取得の促進等の取り組みを進めております。 当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績 2026年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期有給休暇取得率80.0%以上81.1%73.7%78.9%男性育児休業取得率70.0%以上50.0%60.0%64.3% |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業環境についてのリスク ① ソフトウェアテスト業務のアウトソーシングについて 当社グループは、メーカーやソフトウェアベンダーの顧客に対して、ソフトウェアテストの実施サービスや、その他ソフトウェアに関する品質向上支援サービスを提供しております。 従来、ソフトウェアテスト業務は顧客企業内で行われておりましたが、ソフトウェアテストに関する専門的知識を有しない一般の開発エンジニアによるテスト実行は効率が悪いため、テスト専門事業者に委託することが工数の短縮及び品質面の向上につながるとの認識が広がっていることや、国内IT産業におけるエンジニア不足によって貴重なリソースをテストではなく開発に集中させたいというソフトウェアベンダーが増えていること、またDXの拡大によって一般ユーザー企業の負担が増加し、受入テストや品質管理を、第三者機関としてテスト専門事業者に委託するケースが増えていることなどから、今後もソフトウェアテスト業務をアウトソーシングするニーズは拡大するものと認識しております。 当社グループは、品質向上のための情報サイトや、書籍、冊子の刊行を通して、品質の重要性や専門知識の必要性を発信し、アウトソーシングのメリットが認知されるように努力しておりますが、今後経済状況や顧客の経営方針の変化にて社内リソースでテストを行う内製化へ進んだ場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 法的規制に関するリスク 当社グループの事業収益には顧客企業内に当社グループの人員を常駐させる人材派遣業務によるものが含まれており、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。 )に基づき、厚生労働大臣の「労働者派遣事業」の許可を取得し、人材派遣を行っております。 労働者派遣法では、労働者派遣事業主としての欠格事由を同法第6条において、また、当該事業許可の取消事由を同法第14条において定めており、該当した場合には、厚生労働大臣が事業許可の取消、業務の停止を命じることができる旨を定めております。 現在、当社グループはこれらの法令に定める欠格事由及び取消事由に該当する事実はないものと認識しておりますが、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場をとりまく状況の変化等に応じて今後も適宜改正されることが予想され、その改正内容によっては当社グループの事業が制約され、あるいは経済的負担が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 海外事業展開について 当社グループは、ソフトウェアテスト事業において国内企業の海外展開のサポートと英語圏への事業範囲拡大を目的として積極的に展開する経営方針のもと、フィリピンに連結子会社VALTES Advanced Technology,Inc.を設立しております。 しかしながら、海外での事業活動においては、政治経済の変化における法律、規制の変更、雇用制度や労使慣行の相違、自然災害や為替変動など、予期せぬ影響を受ける可能性があり、このような場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 新規事業展開及びM&Aによる事業拡大について当社グループは、「品質向上のトータルサポート企業」を目標としており、ソフトウェアテスト以外の領域においても積極的な事業展開を行い、新しい価値を創造する企業としてのブランドを醸成していくことが重要な課題であると認識しております。 こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテスト事業を拡大させる一方で、既存事業との関連性、収益性、社会性、従業員の士気向上への影響等を考慮した上で、新規事業への投資やM&Aによる事業拡大を進めております。 現在、子会社のバルテス・イノベーションズ株式会社(2025年4月グループ企業のバルテス・モバイルテクノロジー株式会社が同フェアネスコンサルティング株式会社を吸収合併し、名称変更いたしました。 )においては開発事業を、子会社VALTES Advanced Tecnology,Inc.においてはソフトウェアテスト事業をそれぞれ新規事業として展開しております。 さらに近年は株式会社アール・エス・アール、株式会社ミント、株式会社シンフォー及びタビュラ株式会社をグループインするなど、M&Aによる水平的事業拡大にも注力しております。 今後も新規事業展開及びM&Aによる事業拡大を積極的に進めてまいりますが、状況によっては設備投資や人的投資等の追加施策の実施によって、利益率が低下する可能性があります。 また、当初計画目標を達成できなかった場合は、それまでの投資が回収できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 価格競争について当社グループは、ソフトウェアテスト業界において、これまで蓄積したソフトウェアテストに関するノウハウや特定業界におけるナレッジを活用して各種テストを行うことにより、他社との差別化を進めております。 一方で、金銭などの決済を行う機能や個人情報管理などの機能を持たない、比較的シンプルなモバイルアプリケーションのソフトウェアテストにおいては、低価格提示を優位とする競合他社が発注先に選定されることがあります。 当社グループは、引き続き潜在市場が大きくかつ高い技術を必要とするエンタープライズ領域の拡大に注力することで競合他社との差別化と参入障壁の構築を進め、競合他社との価格競争回避を図ってまいりますが、顧客が発注先選定をする際の判断基準がコストである場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 他社との競合について 当社グループのソフトウェアテスト事業では、ソフトウェアテストに特化した専門会社として独自のノウハウを蓄積し、各テストを通じて、ソフトウェアの品質向上、開発プロセスの改善に努めております。 しかしながら、当社グループの競合他社が資本力、知名度、人材調達力などにおいて、当社グループより優れている場合があります。 競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービス提供に取り組んだ場合、当社グループが計画通りにサービス提供が出来ない、顧客企業の獲得・維持が出来ないことも考えられます。 当社グループは競合他社に先駆けてサービス提供を行い、ノウハウを蓄積して品質の高いソフトウェアテスト等を顧客企業へ提供する事を取り組んでおりますが、競合他社と比較して優位性を保てなくなった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 大規模自然災害等の異常事態について 当社グループは、国内で複数の事業拠点、海外ではフィリピンにおいて事業を運営しております。 大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミック等の異常事態が当社の想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。 当社グループでは、事業復旧の早期化・省力化を図るため、オフィスの分散化や在宅勤務が可能なテレワークを導入しております。 また、有事の際にはすでに定めている事業継続計画に基づき、事業リスクの最小化に向けた施策を推進してまいります。 ⑧ 技術の進化や革新に対する適応 当社グループは主にソフトウェアテスト事業において、長年蓄えた専門的ノウハウによって顧客の信頼を獲得し、事業の拡大成長を続けております。 一方でIT業界は急速に変化しており、近年急速に拡大するAI技術をはじめ、新しい技術やビジネスモデルが常に現れ、既存のビジネスモデルや業界に革命的な変化をもたらすデジタルディスラプションが発生する場合があります。 当社グループがこれら急激な環境変化に適応できない場合、競争力の低下によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、これら変化への対応のために、生成AIテストツール技術を中心とした知的財産への投資拡大に注力するとともに、積極的なM&A展開とそれに適した体制整備によって、多角化型の事業ポートフォリオを拡大し、これらデジタルディスラプションリスクに対するレジリエンス(耐性)とダイナミックケイパビリティ(自己変革能力)を向上させてまいります。 (2) 事業内容についてのリスク ① 人材の確保について当社グループでは、事業拡大に伴って優秀な人材の確保とその育成が重要な課題となっております。 特にソフトウェアテスト事業及び開発事業においては、旺盛な顧客需要にこたえるべく恒常的に多数の従業員を確保する必要があり、外部リソースを活用した募集活動に留まらず、人事担当の増員によるアプローチ強化や、M&Aによる人材の確保にも努めております。 またバルゼミを始めとした人材育成コンテンツ・メソッドを充実させ、人材の早期教育にも注力しております。 一方で、当社グループの属するソフトウェアテスト市場及びIT市場の拡大によって、競合他社との人材獲得競争が激化した場合は、当社グループの人材が外部に流出することや、人材確保に支障をきたすことも想定されます。 このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 不採算プロジェクトについて当社グループにおいては、顧客からソフトウェアテスト及びその他開発等を受託するにあたり、あらかじめサービスの対価や納期を定めた請負契約を締結する場合があります。 当該契約を締結したプロジェクトについては、原則として受注金額が契約時に確定し、定められた納期までにプロジェクトを完成して納品する責任が当社グループに発生します。 これらの受注にあたっては、発生が見込まれるコストと適正な利益を乗せたものを見積り金額として提示しております。 また、受注後は進捗状況を監督する案件管理者を選任し、原則として社内関係者に週次で進捗状況及びプロジェクト終了までの見込み工数を報告することとしております。 大規模プロジェクト等、リスクの高いプロジェクトについては、ソフトウェアテスト部・開発部会議において、受注前の見積り金額の妥当性や受注後の進捗状況をモニタリングし、プロジェクトに係る適正な利益を確保するよう努めております。 しかしながら、全てのプロジェクトに対して正確に必要コストを見積もることは困難であり、仕様変更や追加作業に起因する作業工数の増大等が発生する可能性があります。 また、当社グループの提供するサービスにおいて、予期せぬ不具合等が発生し、手直し等の追加コストの発生や損害賠償が発生する可能性があります。 この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ サービスの契約不適合について 当社グループが提供するソフトウェアテスト事業及び開発事業には、顧客企業から受託するテスト業務及び開発業務があります。 顧客企業は、当社グループによるサービス提供の完了後に、委託業務における検収確認を実施した上で製品の発売、リリース等をしておりますが、発売、リリース後に不具合が発生する場合があります。 当社グループは受託案件においての契約不適合責任は、品質を保証するものではない旨、また受託規模の範囲において契約不適合責任を行う旨を契約書に記載し免責条項等を規定しております。 しかしながら、何らかの事情により契約不適合責任あるいは損害賠償責任等を追及される可能性は否定できず、このような場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 主要顧客との取引について当社グループは、主要顧客とは継続的で良好な関係を築いております。 しかしながら、主要顧客の製品開発や社会環境の変化等の要因により、主要顧客との取引に著しい変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ システムダウンや障害について 当社グループは、顧客へのサービス提供をインターネット環境に依存しております。 自社設備や第三者が所有し運営する通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼働するようにサーバーの二重化、冗長化、また脆弱性をついた攻撃への対策等を行っておりますが、災害や事故、ハッカー攻撃により、通信ネットワーク障害や、コンピューターウィルス被害があった場合には、受託業務が継続できなくなる可能性があります。 このような場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 情報管理について 当社グループの事業活動において、個人情報、顧客情報の取得及び顧客企業の機密情報を保有しております。 これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏洩及び紛失などから守るための管理体制を構築するとともに、ファイルの持ち出しを禁止する情報漏洩防止ソフトウェア導入や脆弱性診断、アクセス管理などの技術的対策を実施、従業員への定期セキュリティ教育とセキュリティチェックの実施など、適切と考える安全処置を講じております。 しかしながら、万が一、情報漏洩等の事故が起きた場合には、顧客企業をはじめとするステークホルダーからの信頼を著しく低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 顧客との紛争の可能性について当社グループのサービスは製品・システムそのものの品質を保証しているわけではなく、当社グループが行ったサービスの範囲の中で責任を負う形態となっております。 受託する契約においては、作業範囲、作業項目等を明確にした見積仕様書を作成し、当社グループの責任範囲の明示を行い、また顧客先でサービス提供する契約においては、契約書での作業概要明記などを行い管理しております。 更にISMS(※)の取得やセキュリティ教育、当社グループ独自のマニュアル運用など顧客との意思疎通の円滑化、問題の早期発見などに努め、顧客との紛争が生じないように指導、管理しております。 しかしながら、当社グループが提供したサービスを経て販売する製品、システムの中に不具合があった場合や、当社グループ従業員による機密情報の漏えいや、器物破損等、顧客に多大な損害を与える様な事象が発生した場合において契約の解約、損害賠償請求等、顧客との紛争が発生する可能性があります。 ※ISMSとは「情報セキュリティマネジメントシステム」の略です。 当社はISMSの規格である「ISO/IEC 27001:2013」及び「JIS Q 27001:2014」への適合について証明を受けております。 ⑧ 業績の下半期偏重について当社グループが提供するソフトウェアテストサービスは、その提供対象となる顧客のサービス・製品などのリリースが下半期となることが多いため、当社グループの売上高及び利益についても下半期に偏重する傾向にあります。 特に第1四半期においては、採用や教育、研修に力を入れることもあり、営業赤字となる可能性があります。 (3) 事業体制に関するリスク① 代表者への依存について 代表取締役田中真史は、当社設立の中心人物であり、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしており、同氏に対する当社グループの依存度は高くなっております。 当社グループは、同氏への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化、経営幹部への教育、採用を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、インバウンド需要の拡大等によって緩やかな回復基調にある一方で、米国の政策動向や中国経済の見通し、ウクライナ情勢や中東情勢等による為替や資源高の影響もあり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループが属する情報サービス業界は、行政によるデジタル化推進、クラウド環境の導入、IoT、AI、5G、メタバースなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するIT投資を積極的に行う企業の増加や、セキュリティ需要の増加などを背景に、中長期的には市場規模の拡大が継続するものと見込まれます。 特に近年急速に進むAI技術の拡大は、短期的にはAI利用ニーズの高まりによる事業拡大の好機となる一方で、中長期的には企業による開発の内製化の加速や、労働集約型ビジネスの代替につながり、業界全体にとって大きなリスクとなり得ると認識しております。 このような状況の下、当社グループの主力サービスであるソフトウェアテスト事業におきましては、潜在市場規模が大きく、かつ参入障壁の高いエンタープライズ系(注1)領域の開拓への注力を継続し、売上規模と利益率の向上に努めてまいりました。 また、上記AIの拡大による事業機会の活用とリスク排除を目的に、前期初より「生成AIテスト設計ツール」の開発に着手しておりましたが、創業以来ソフトウェアテスト専門事業者として積上げた豊富な実績データをもとに、開発は想定以上に順調に進み、当年3月にプロトタイプの社内実装を開始するに至りました。 併せて、近い将来様々な競合他社がAIテストツール開発に追随してくることが想定されるため、当年2月には、上記AI開発におけるアドバンテージ(当社独自のテスト知見を基盤とする)を今後も保ち続けるために、より積極的なAI開発投資の拡大と、スピードをさらに向上させる必要があると判断いたしました。 そのため、従来の「安定的な労働集約型ソフトウェアテスト事業を軸とする成長」から、「生成AIテストツール開発への積極投資」へ基本方針を転換することを決定いたしました。 一方でソフトウェアテスト事業におきましては、近年の事業規模の成長スピードに組織体制が追い付かず、PM層/ハイレイヤーや営業人員の不足がボトルネックとなり、成長の停滞が見られるようになったため、これらボトルネックの解消に向けた組織改編及び採用施策の強化を推進してまいりました。 これら施策による一定の効果は現れ始めているものの、まだ十分とは言えず、PM層/ハイレイヤー及び営業人員の採用が喫緊の重要課題となっております。 第4四半期においては上記施策の効果により、売上高が伸長したことに加え、販管費のコントロールも適切になされたことから、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに、2月14日に修正開示いたしました業績予想を上回る実績となりました。 その結果、当連結会計年度の売上高は10,795,074千円(前期比4.2%増)となりました。 各段階利益は、営業利益940,888千円(同12.2%増)、経常利益944,123千円(同11.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益589,094千円(同14.0%増)となりました。 (注1)エンタープライズ系 企業の業務システムや情報システム、金融機関、病院、鉄道など大規模かつ社会基盤を支える情報システムなどに含まれ、それらの中心となる制御システムの総称。 各セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 なお、当社は、当連結会計年度より、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等の注記)」に記載のとおり、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。 [ソフトウェアテスト事業] 当事業においては、近年注力をしておりますエンタープライズ系領域案件を中心に業績は堅調に推移いたしました。 従前どおり、上流工程·PMO(注2)·QMO(注3)や、大型マイグレーション(注4)案件への参画は順調に進みましたが、第3四半期に発生した一部大型案件の顧客都合による終了もあり、案件規模は縮小いたしました。 一方で前期から取り組むボトルネック解消施策の効果が現れ始めたことで、案件数は増加傾向にあり、当第4四半期の収益拡大につながりました。 その結果売上高は9,073,301千円(前期比0.8%増)となりました。 また案件管理の徹底による売上総利益率の向上と販管費の適切なコントロールにより経営の効率化が進んだ結果、セグメント利益は1,071,452千円(同24.6%増)となりました。 (注2)PMO(Project Management Office)組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム(注3)QMO(Quality Management Office)組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システム(注4)マイグレーションソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること[開発事業] 当事業においては、開発案件が順調に増加したことに加えて、タビュラ株式会社を新規連結したこともあり売上高は順調に拡大いたしました。 一方で上半期に発生した不採算案件の影響や、同案件の対応のための組織強化コストの増加、タビュラ社のM&A手数料等の影響が大きく利益率は低下いたしました。 その結果、外部顧客に対する売上高は1,506,122千円(前期比31.5%増)となり、セグメント損失は62,597千円(前年同期は13,593千円のセグメント利益)となりました。 [セキュリティ事業] 当事業においては、第4四半期は順調に売上拡大し、上半期不振をカバーするに至り、外部顧客に対する売上高は215,651千円(前年同期比0.8%増)となりました。 一方で広告宣伝費等の増加により、セグメント利益は11,652千円(同65.5%減)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は前連結会計年度末より176,133千円増加し1,916,852千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は603,226千円(前期比31.8%増)となりました。 これは主に売上債権及び契約資産の増加額327,516千円、法人税等の支払又は還付額等による減少254,941千円があった一方で、税金等調整前当期純利益を914,123千円、減価償却費を100,340千円、のれん償却額を141,029千円計上したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は865,662千円(前期比0.7%増)となりました。 これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出642,030千円、有形固定資産の取得による支出111,656千円、無形固定資産の取得による支出90,996千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により得られた資金は439,156千円(前期比29.7%減)となりました。 これは主に短期借入金の借入700,000千円、長期借入金の返済による支出116,904千円、自己株式の取得による支出112,733千円、配当金の支払額81,023千円があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 該当事項はありません。 b.受注実績 当社グループが行う全ての事業は、受注から売上計上までの期間が短いため、記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、以下のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)前年同期比(%)ソフトウェアテスト事業9,073,3010.8開発事業1,506,12231.5セキュリティ事業215,6510.8合計10,795,0744.2 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。 経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ432,655千円増加し、10,795,074千円(前期比4.2%増)となりました。 これは主に、開発事業おける案件増加とタビュラ株式会社の新規連結によるものです。 各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、ソフトウェアテスト事業が84.0%、開発事業が14.0%、セキュリティ事業が2.0%となりました。 (売上総利益) 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ216,910千円増加し、3,210,613千円(同7.2%増)となり、売上総利益率は29.7%と前連結会計年度(28.9%)から0.8ポイントの増加となりました。 これは主に、ソフトウェアテスト事業における案件管理の徹底による生産性向上の影響によるものです。 (営業利益) 当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ102,365千円増加し、940,888千円(同12.2%増)となり、営業利益率は8.7%と前連結会計年度(8.1%)から0.6ポイントの増加となりました。 これは、売上高の増加及び売上総利益率の上昇によるものです。 (経常利益) 当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ96,081千円増加し、944,123千円(同11.3%増)となり、経常利益率は8.7%と前連結会計年度(8.2%)から0.5ポイントの増加となりました。 これは、営業利益の増加によるものであります。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度の特別利益の計上はありません(前連結会計年度の特別利益の計上もありません。 )。 当連結会計年度は投資有価証券評価損30,000千円を特別損失に計上しました(前連結会計年度は投資有価証券評価損30,000千円を特別損失に計上しました。 )。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ72,440千円増加し、589,094千円(同14.0%増)となりました。 財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における流動資産は3,988,487千円となり、前連結会計年度末に比べ462,184千円増加いたしました。 これは主に現金及び預金の増加176,294千円、売掛金及び契約資産の増加352,600千円によるものであります。 固定資産は2,519,733千円となり、前連結会計年度末に比べ651,380千円増加いたしました。 これは主に福岡オフィス移転等に伴う有形固定資産の増加88,093千円、のれんの計上等に伴う無形固定資産の増加554,804千円、投資有価証券の増加1,612千円、差入保証金の減少9,755千円によるものであります。 この結果、総資産は6,508,220千円となり、前連結会計年度末に比べ1,113,565千円増加いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は2,560,531千円となり、前連結会計年度末に比べ761,362千円増加いたしました。 これは主に短期借入金の増加700,000千円、1年内返済予定の長期借入金の減少7,766千円、未払消費税等の増加75,438千円によるものであります。 固定負債は685,706千円となり、前連結会計年度末に比べ85,063千円減少いたしました。 これは主に長期借入金の減少83,926千円によるものであります。 この結果、負債合計は3,246,238千円となり、前連結会計年度末に比べ676,299千円増加いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は3,261,982千円となり、前連結会計年度末に比べ437,265千円増加いたしました。 これは主に取得等による自己株式の増加90,446千円及び親会社株主に帰属する当期純利益589,094千円の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。 この結果、自己資本比率は49.9%(前連結会計年度末は52.3%)となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高増加率、売上総利益率、人材の確保を重要な経営課題と認識していることから営業利益率を重視しております。 当連結会計年度における売上高増加率は4.2%と前連結会計年度(14.4%)から10.2ポイントの低下、売上総利益率は29.7%と前連結会計年度(28.9%)から0.8ポイントの増加、営業利益率は8.7%と前連結会計年度(8.1%)から0.6ポイントの増加となりました。 引き続きこれらの指標について上昇するように取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況の分析 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 投資を目的とした資金需要は、M&A投資、設備投資及びソフトウェアの開発費用等によるものであります。 資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、運転資金については自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,605,438千円となっております。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,916,852千円となっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産及び負債の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、過去の実績や現況に基づいた合理的な基準による見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 また、重要な会計方針等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 及び 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。 ④経営者の問題認識と今後の方針について当社グループが高品質なサービスを継続的に提供していくために、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営課題に対処することが必要であると認識しております。 また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 ソフトウェアテスト事業において、生成AIテスト設計ツール(TestScape)、ソフトウェアテストの進捗管理ツール(Quality Tracker)、クラウド型のセキュリティ対策サービス(PrimeWAF)、セキュリティ事業において、脆弱性の自動診断ツール(サイバー攻撃自動診断)、ペネトレーションテストシステムの開発を行いました。 当連結会計年度における研究開発費は58,277千円(ソフトウェアテスト事業55,879千円、セキュリティ事業2,397千円)であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度に実施いたしました当社グループの設備投資の総額は、169,593千円であります。 なお、有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含めて記載しております。 その主なものは、福岡オフィスの拡張移転にかかる内装工事、企業向けソフトウェア品質教育サービス「バルデミー」及びテスト自動化ツール「T-DASH」など自社開発ツールの機能追加にかかるものであります。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 (1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物附属設備工具、器具及び備品リース資産ソフトウエア合計大阪本社(大阪市西区)ソフトウェアテスト事業及び開発事業事務所設備等48,6607,640-23,69679,99742[6]東京本社他(東京都千代田区)ソフトウェアテスト事業及び開発事業事務所設備等59,76919,123-55,051133,94447[-]名古屋オフィス(名古屋市中区)ソフトウェアテスト事業事務所設備等28,2489,033--37,281-[-]福岡オフィス(福岡市博多区)ソフトウェアテスト事業及び開発事業事務所設備等52,77223,983--76,755-[-](注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.建物は賃借物件であり、年間賃借料は221,887千円(大阪本社54,369千円、東京本社他106,294千円、名古屋オフィス15,373千円、福岡オフィス45,850千円)であります。 3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は、平均臨時雇用人員を[ ]外数で記載しております。 4.名古屋オフィス、福岡オフィスの設備は、子会社であるバルテス株式会社へ貸与しております。 (2)国内子会社2025年3月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(人)建物附属設備工具、器具及び備品リース資産ソフトウエア合計バルテス株式会社大阪本社(大阪市西区)ソフトウェアテスト事業事務所設備等1,019668--1,688118[34]バルテス株式会社東京本社他(東京都千代田区)ソフトウェアテスト事業事務所設備等-782-17,03417,816372[30](注)1.現在休止中の主要な設備はありません。 2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は、平均臨時雇用人員を[ ]外数で記載しております。 (3)在外子会社重要性が乏しいため、記載を省略しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設重要な設備の新設等の計画はありません。 (2)重要な設備の除却等重要な設備の除却等の計画はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 58,277,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 169,593,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 39 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 5 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,023,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、専ら株式の価値の変動、または配当の受領によって利益を得ることを目的とする投資株式を保有目的が純投資である投資株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容非上場株式のみ保有しているため、記載を省略しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(千円)非上場株式1100,000非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄)該当事項はありません。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 100,000,000 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 田中 真史東京都千代田区8,57142.68 バルテス・ホールディングス社員持株会大阪市西区阿波座1-3-151,3246.60 株式会社ポリアフ東京都千代田区麹町3-2-131,1805.88 大薗 雅嗣大阪府柏原市3691.84 角田 誠神奈川県横浜市戸塚区2291.14 上田八木短資株式会社大阪府中央区高麗橋2-4-21880.94 住友生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都中央区八重洲2-2-1(東京都中央区晴海1-8-12)1800.90 北口 慶堺市西区1500.75 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区2-7-31470.73 合同会社YMT京都市西京区御陵大枝山町4-29-21260.63計-12,46662.07 (注) 株式会社ポリアフは、当社代表取締役会長兼社長である田中真史が株式を保有する資産管理会社であり、当社株式に係る同氏の共同保有者であります。 |
株主数-金融機関 | 3 |
株主数-金融商品取引業者 | 23 |
株主数-外国法人等-個人 | 15 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 19 |
株主数-個人その他 | 8,415 |
株主数-その他の法人 | 81 |
株主数-計 | 8,556 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 合同会社YMT |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(千円)当事業年度における取得自己株式9,18041当期間における取得自己株式3,227-(注)当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日現在までの単元未満株式の買取り及び無償取得による株式数は含めておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -112,733,000 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | -112,733,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式及び自己株式に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式21,450,000 21,450,000合計21,450,000 21,450,000自己株式 普通株式 (注)1,194,206250,38079,4331,365,153合計1,194,206250,38079,4331,365,153(注)自己株式の増加、減少数の内訳は、次のとおりであります。 取締役会決議に基づく取得による増加 241,200株単元未満株式の買取による増加 80株譲渡制限付株式の無償取得による増加 9,100株譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少 56,633株ストック・オプションの行使による減少 22,800株 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月27日バルテス・ホールディングス株式会社 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士溝 静太 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士福島 康生 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているバルテス・ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、バルテス・ホールディングス株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 請負契約に関する売上高及び売上総利益の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 バルテス・ホールディングス株式会社及び連結子会社(以下「バルテスグループ」という。 )は、主にソフトウェアテスト事業、開発事業及びセキュリティ事業において、顧客と請負契約を締結している。 請負契約による売上高は2,166,595千円であり、連結売上高の20%を占めている。 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準及び(収益認識関係)に記載のとおり、バルテスグループは、請負契約について、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時まで、原価回収基準により収益を認識している。 原価回収基準とは、履行義務を充足する際に発生する費用のうち、回収することが見込まれる費用の金額で収益を認識する方法をいう。 バルテスグループは、「履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時」を、顧客の検収時と考えている。 その結果、顧客検収までの期間は売上原価見合の売上高を損益ゼロで計上し、顧客の検収時に売上総利益見合の売上高を計上している。 契約内容や顧客に応じて検収に要する期間が異なる点、決算期末月の3月下旬に顧客検収が集中する傾向にあり、決算締め日までの短期間に顧客検収の有無を把握して売上計上する必要がある点から、顧客検収の有無を誤って把握した場合、売上高及び売上総利益の期間帰属を誤るリスクがある。 以上から、当監査法人は、請負契約に関する売上高及び売上総利益の期間帰属の適切性の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、請負契約に関する売上高及び売上総利益の期間帰属が適切であるか否かを検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 請負契約に関する売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。 ● 営業部門とは独立した部門の担当者が、検収に基づく最終売上の計上日付と顧客からの検収書の日付を照合する統制 (2) 適切な期間に売上計上されているかの検討 請負契約に関する売上高及び売上総利益が適切な会計期間に認識されているか否かを検討するため、以下の契約について、売上総利益見合の売上高計上日付と顧客からの検収書の日付の整合性を確認した。 ● 期末月に売上総利益見合の売上高を計上した請負契約から抽出した契約● 2025年3月期に売上総利益見合の売上高を計上した請負契約のうち、当初検収予定日が2025年4月以降だった契約● 受注から検収までの期間が、請負契約の平均的な期間と比べて短い契約 準委任契約及び派遣契約に関する未請求売上高の正確性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 バルテス・ホールディングス株式会社及び連結子会社(以下「バルテスグループ」という。 )は、主にソフトウェアテスト事業及び開発事業において、顧客と準委任契約及び派遣契約(以下、「準委任契約等」という。 )を締結している。 準委任契約等による売上高は8,447,734千円であり、連結売上高の78%を占めている。 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準及び(収益認識関係)に記載のとおり、バルテスグループは、準委任契約等について、役務提供に応じて売上計上を行うとともに、顧客の締め日に合わせて勤怠や作業内容に関する顧客承認を受け、売上代金の請求を行っている。 このため、顧客の締め日が月末日と異なる場合、当該締め日から月末日までの期間の役務提供については、月末日に未請求売上高を概算計上している。 未請求売上高は、請求済み売上高と比較して、売上計上を誤るリスクが相対的に高い。 以上から、当監査法人は、準委任契約等に関する未請求売上高の正確性の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、準委任契約等に関する未請求売上高の正確性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 準委任契約等に関する売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。 ● 営業部門とは独立した部門の担当者が、勤怠情報と売上計算資料を照合する統制● 経理部門責任者が、未請求売上高の計上を承認する統制 (2) 未請求売上高の正確性の検討 未請求売上高を概算計上している契約を対象に、期末日後に提出した顧客承認済みの勤怠情報を閲覧し、未請求売上高の再計算を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、バルテス・ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、バルテス・ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 請負契約に関する売上高及び売上総利益の期間帰属の適切性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 バルテス・ホールディングス株式会社及び連結子会社(以下「バルテスグループ」という。 )は、主にソフトウェアテスト事業、開発事業及びセキュリティ事業において、顧客と請負契約を締結している。 請負契約による売上高は2,166,595千円であり、連結売上高の20%を占めている。 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準及び(収益認識関係)に記載のとおり、バルテスグループは、請負契約について、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時まで、原価回収基準により収益を認識している。 原価回収基準とは、履行義務を充足する際に発生する費用のうち、回収することが見込まれる費用の金額で収益を認識する方法をいう。 バルテスグループは、「履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時」を、顧客の検収時と考えている。 その結果、顧客検収までの期間は売上原価見合の売上高を損益ゼロで計上し、顧客の検収時に売上総利益見合の売上高を計上している。 契約内容や顧客に応じて検収に要する期間が異なる点、決算期末月の3月下旬に顧客検収が集中する傾向にあり、決算締め日までの短期間に顧客検収の有無を把握して売上計上する必要がある点から、顧客検収の有無を誤って把握した場合、売上高及び売上総利益の期間帰属を誤るリスクがある。 以上から、当監査法人は、請負契約に関する売上高及び売上総利益の期間帰属の適切性の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、請負契約に関する売上高及び売上総利益の期間帰属が適切であるか否かを検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 請負契約に関する売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。 ● 営業部門とは独立した部門の担当者が、検収に基づく最終売上の計上日付と顧客からの検収書の日付を照合する統制 (2) 適切な期間に売上計上されているかの検討 請負契約に関する売上高及び売上総利益が適切な会計期間に認識されているか否かを検討するため、以下の契約について、売上総利益見合の売上高計上日付と顧客からの検収書の日付の整合性を確認した。 ● 期末月に売上総利益見合の売上高を計上した請負契約から抽出した契約● 2025年3月期に売上総利益見合の売上高を計上した請負契約のうち、当初検収予定日が2025年4月以降だった契約● 受注から検収までの期間が、請負契約の平均的な期間と比べて短い契約 準委任契約及び派遣契約に関する未請求売上高の正確性監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 バルテス・ホールディングス株式会社及び連結子会社(以下「バルテスグループ」という。 )は、主にソフトウェアテスト事業及び開発事業において、顧客と準委任契約及び派遣契約(以下、「準委任契約等」という。 )を締結している。 準委任契約等による売上高は8,447,734千円であり、連結売上高の78%を占めている。 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準及び(収益認識関係)に記載のとおり、バルテスグループは、準委任契約等について、役務提供に応じて売上計上を行うとともに、顧客の締め日に合わせて勤怠や作業内容に関する顧客承認を受け、売上代金の請求を行っている。 このため、顧客の締め日が月末日と異なる場合、当該締め日から月末日までの期間の役務提供については、月末日に未請求売上高を概算計上している。 未請求売上高は、請求済み売上高と比較して、売上計上を誤るリスクが相対的に高い。 以上から、当監査法人は、準委任契約等に関する未請求売上高の正確性の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は、準委任契約等に関する未請求売上高の正確性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 準委任契約等に関する売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。 ● 営業部門とは独立した部門の担当者が、勤怠情報と売上計算資料を照合する統制● 経理部門責任者が、未請求売上高の計上を承認する統制 (2) 未請求売上高の正確性の検討 未請求売上高を概算計上している契約を対象に、期末日後に提出した顧客承認済みの勤怠情報を閲覧し、未請求売上高の再計算を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 準委任契約及び派遣契約に関する未請求売上高の正確性 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | バルテス・ホールディングス株式会社及び連結子会社(以下「バルテスグループ」という。 )は、主にソフトウェアテスト事業及び開発事業において、顧客と準委任契約及び派遣契約(以下、「準委任契約等」という。 )を締結している。 準委任契約等による売上高は8,447,734千円であり、連結売上高の78%を占めている。 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準及び(収益認識関係)に記載のとおり、バルテスグループは、準委任契約等について、役務提供に応じて売上計上を行うとともに、顧客の締め日に合わせて勤怠や作業内容に関する顧客承認を受け、売上代金の請求を行っている。 このため、顧客の締め日が月末日と異なる場合、当該締め日から月末日までの期間の役務提供については、月末日に未請求売上高を概算計上している。 未請求売上高は、請求済み売上高と比較して、売上計上を誤るリスクが相対的に高い。 以上から、当監査法人は、準委任契約等に関する未請求売上高の正確性の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準及び(収益認識関係) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、準委任契約等に関する未請求売上高の正確性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 準委任契約等に関する売上高の計上プロセスに関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 評価に当たっては、特に以下に焦点を当てた。 ● 営業部門とは独立した部門の担当者が、勤怠情報と売上計算資料を照合する統制● 経理部門責任者が、未請求売上高の計上を承認する統制 (2) 未請求売上高の正確性の検討 未請求売上高を概算計上している契約を対象に、期末日後に提出した顧客承認済みの勤怠情報を閲覧し、未請求売上高の再計算を実施した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任 あずさ監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月27日バルテス・ホールディングス株式会社 取締役会 御中 有限責任 あずさ監査法人 大阪事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士溝 静太 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士福島 康生 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているバルテス・ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第21期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、バルテス・ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応バルテス・ホールディングス株式会社の貸借対照表には、関係会社株式2,916,478千円が計上されており、総資産の61%を占めている。 関係会社株式については、実質価額が著しく低下したときは、減損処理が行われる。 関係会社株式のうち将来の超過収益力等を加味した価額で取得したものは、当事業年度末における超過収益力等の価値を実質価額に加味して減損処理の要否を判断する。 そのため、取得時点から当該超過収益力等が減少し、将来の期間にわたってその状態が続くと予想される場合は、実質価額が著しく低下している限り、減損処理をしなければならない。 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価には、経営環境に対する経営者の判断が重要な影響を及ぼす。 また、関係会社株式の取得価額の決定に当たり利用した取得対象会社の事業計画には、売上高成長率や人件費単価の上昇率、割引率等の主要な仮定が含まれる。 以上から、当監査法人は、将来の超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価の妥当性を検討するため、主に以下の手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 超過収益力等を加味した実質価額の見積りを含む、関係会社株式の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 (2) 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価の妥当性の検討 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ● 経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を通じ て、各関係会社の経営環境を理解し、超過収益力等 の減少の有無を確認した。 ● 株式取得時に利用した事業計画の達成状況を踏ま え、超過収益力等の減少の有無を検討した。 (3) 超過収益力等を加味して取得した関係会社株式の取 得価額の妥当性の検討当事業年度に超過収益力等を加味して取得した関係会社株式の取得価額の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ● 株式価値評価の基礎となる取得対象会社の事業計画 について、売上高成長率や人件費単価の上昇率等 の主要な仮定の適切性を、外部公表データと比較し 評価した。 ● 当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価 の専門家を利用して、専門家が独自に算定した割引 率をもとに感応度分析を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれておりません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応バルテス・ホールディングス株式会社の貸借対照表には、関係会社株式2,916,478千円が計上されており、総資産の61%を占めている。 関係会社株式については、実質価額が著しく低下したときは、減損処理が行われる。 関係会社株式のうち将来の超過収益力等を加味した価額で取得したものは、当事業年度末における超過収益力等の価値を実質価額に加味して減損処理の要否を判断する。 そのため、取得時点から当該超過収益力等が減少し、将来の期間にわたってその状態が続くと予想される場合は、実質価額が著しく低下している限り、減損処理をしなければならない。 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価には、経営環境に対する経営者の判断が重要な影響を及ぼす。 また、関係会社株式の取得価額の決定に当たり利用した取得対象会社の事業計画には、売上高成長率や人件費単価の上昇率、割引率等の主要な仮定が含まれる。 以上から、当監査法人は、将来の超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価の妥当性を検討するため、主に以下の手続を実施した。 (1) 内部統制の評価 超過収益力等を加味した実質価額の見積りを含む、関係会社株式の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。 (2) 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価の妥当性の検討 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ● 経営者への質問及び取締役会議事録の閲覧を通じ て、各関係会社の経営環境を理解し、超過収益力等 の減少の有無を確認した。 ● 株式取得時に利用した事業計画の達成状況を踏ま え、超過収益力等の減少の有無を検討した。 (3) 超過収益力等を加味して取得した関係会社株式の取 得価額の妥当性の検討当事業年度に超過収益力等を加味して取得した関係会社株式の取得価額の妥当性を検討するため、以下の手続を実施した。 ● 株式価値評価の基礎となる取得対象会社の事業計画 について、売上高成長率や人件費単価の上昇率等 の主要な仮定の適切性を、外部公表データと比較し 評価した。 ● 当監査法人が属する国内ネットワークファームの評価 の専門家を利用して、専門家が独自に算定した割引 率をもとに感応度分析を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 超過収益力等を加味した価額で取得した関係会社株式の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
未収入金 | 301,354,000 |
その他、流動資産 | 164,625,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 59,781,000 |
建設仮勘定 | 23,426,000 |
有形固定資産 | 272,658,000 |
ソフトウエア | 78,748,000 |
無形固定資産 | 1,550,593,000 |