財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-26 |
英訳名、表紙 | kaonavi, inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長CEO 佐藤 寛之 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03-6633-3258 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 年月事項2008年5月東京都港区において、株式会社ジャパンオペレーションラボ設立2012年4月タレントマネジメントシステム『カオナビ』事業開始2012年6月東京都港区南青山1丁目に本社移転2013年5月株式会社カオナビに商号変更2014年3月東京都港区南青山2丁目に本社移転2015年1月東京都港区南青山2丁目に本社移転2016年3月東京都港区赤坂に本社移転2016年7月ユーザー支援サービスを開始2017年2月東京都港区南青山2丁目に本社移転2017年3月株式会社リクルートホールディングスによる合同会社RSIファンド1号を通じた資本参加2017年8月『カオナビ』のAPI(注1)提供を開始2017年9月『カオナビ』と適性検査「SPI3」(注2)とのサービス連携をリリース2017年12月HRテクノロジー(注3)に関する調査・研究・情報発信を行う「カオナビHRテクノロジー総研」を当社内に設立2018年1月東京都港区元赤坂に本社移転2018年4月『カオナビ』のスマートフォンアプリ(iOS/Android)をリリース2018年5月ユーザーコミュニティの活動を開始2018年7月大阪オフィスを開設2018年11月名古屋オフィスを開設2019年3月東京証券取引所マザーズに株式を上場2019年6月スタートアップ企業への支援「カオナビ NEXT FUND」を開始2020年6月福岡オフィスを開設2020年12月東京都港区虎ノ門に本社移転2021年3月教育機関に特化した「カオナビ Academy Cloud」を提供開始2021年5月政府・行政系機関に特化した「カオナビ Government Cloud」を提供開始2021年11月当社の社会的な存在意義を明文化したパーパスを新たに策定、公表2022年1月顧客同士で活きた事例を学び合う場「カオナビキャンパス」をオープン2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズからグロース市場に移行2023年3月人事の専門家を検索できるサイト「カオナビキャンパスLab」をオープン2023年7月東京都渋谷区渋谷に本社移転2023年7月医療機関に特化した「カオナビ Medical Cloud」を提供開始2023年8月大手企業に特化した「カオナビ Enterprise Edition」を提供開始2024年1月TECH CREW株式会社(旧ワークスタイルテック株式会社)を株式取得により子会社化2024年4月予実管理システム『ヨジツティクス』事業開始2024年7月労務管理システム『ロウムメイト』事業開始(注)1.API Application Programming Interfaceの略称です。 APIを利用して自社のシステムと他社のシステムを連携することで、『カオナビ』上で外部サービスを利用できることになります。 2.SPI 株式会社リクルートマネジメントソリューションズが企業向けに運営する適性検査のことをいいます。 1963年に開発され、現在は最新版の「SPI3」が提供されております。 豊富な実証データと心理測定技術の融合により、受検者の資質を「知的能力」と「性格」から測定し、性格や職務適応性などを定量的に把握することが可能です。 3.HRテクノロジー HR(Human Resource)とテクノロジーを組み合わせた概念で、人事領域におけるテクノロジーを活用したイノベーションの総称をいいます。 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 (1)パーパス少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、労働生産性の低迷、多様な働き方への対応、テクノロジーの飛躍的進化など、日本の社会は大きく変容しています。 当社グループは、こうした変化を適切に捉えながら、人や社会に必要とされる存在であり続けることを目指しており、職歴・学歴や年収など目に見える事項だけでひとを判断するのではなく、さまざまな情報を集めて人物像に奥行きをもたせることで、ひとの可能性を正しく理解できる世界をつくりたいと考えております。 このような考えに基づき、当社グループが長期的に目指す姿や持続的に社会へ提供していく価値を明らかにするため、社会的な存在意義を明文化したパーパスを策定しております。 パーパス:“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える このパーパスのもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指してまいります。 (2)サービス概要当社グループは、HRテクノロジー領域におけるSaaS(注1)サービスを開発・提供しております。 具体的には、当社は、企業の人材情報をクラウド(注2)上で一元管理し、データ活用のプラットフォームとなるタレントマネジメントシステム(TMS)『カオナビ』を提供しております。 『カオナビ』は、社員の顔や名前、経験、評価、スキル、才能などの人材情報を一元管理して可視化することができ、最適な人材配置や育成といった企業の人材戦略をサポートするシステムです。 タレントマネジメントに役立つさまざまな機能を提供することで、次のような戦略的人事の実現に貢献します。 ① 人材情報の一元化・見える化② 人事業務の効率化③ 経営の意思決定支援④ 評価運用の効率化⑤ 採用のミスマッチ・ハイパフォーマー(注3)分析⑥ 人材配置・要員シミュレーション⑦ スキル管理・人材育成⑧ モチベーション分析・離職分析⑨ 従業員満足度調査・エンゲージメント(注4)向上⑩ リスキリング・学習管理また、さらなるサービスの拡充に向けて、2024年1月には労務管理をスマートフォンでも完結できるクラウドサービス『人事CREW』を提供するTECH CREW株式会社(旧ワークスタイルテック株式会社)を子会社化し、2024年7月に労務管理システム『ロウムメイト』を提供開始しました。 また、新規事業として2024年4月に予実管理システム『ヨジツティクス』を提供開始しました。 なお、当社グループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。 (3)『カオナビ』が選ばれる理由正解のないタレントマネジメントへの取り組みに対して、「システム」と「サポート」の両輪を顧客に提供できることが当社の強みとなって、『カオナビ』を活用する企業が増えております。 ① システム:柔軟性とユーザビリティを徹底的に追求したシステム設計『カオナビ』のシンプルなユーザー・インターフェースは、社員の誰もがマニュアル不要で直感的に操作することが可能であり、また、人材データベースを自由にカスタマイズすることができます。 人材情報のなかで必要とされる項目は企業や業界によって大きく異なります。 そのため、データベースに入力・保存できる項目が固定化されている場合、一部の情報がシステム化されず、紙やエクセルなどで別に管理する必要が生じてしまいます。 『カオナビ』の技術的特徴として、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でデータベースの設定やレイアウトをカスタマイズできるため、工数と費用をかけずに顧客自身で自由自在にデータベースを構築し、人材情報の一元管理を実現します。 また、機微性の高い人材情報を一元管理すると同時に、全社員での活用ができるよう、セキュアなアクセス管理が可能となっております。 ② サポート:タレントマネジメントの成功確率を高めるサポート体制当社に蓄積されたタレントマネジメントの活用ノウハウを、顧客に対して存分に提供しております。 経験豊富な専任スタッフによるサポートは勿論のこと、カスタマーサクセスの取り組みとして、他社と交流し活きた事例を学び合えるコミュニティ「カオナビキャンパス」を設立し、自社の課題に合わせた学習プログラムや豊富な活用事例を検索できるライブラリなどを体系的に提供しております。 また、顧客と人事分野の専門家をつなぐオンラインプラットフォーム「カオナビキャンパスLab」にて、人事コンサルタントや社会保険労務士などの専門知識や知見を活用する機会を提供することで、タレントマネジメントの支援体制を強化しております。 (4)ビジネスモデル当社グループは、企業を主な顧客としてクラウドサービス型でのサービス提供を行っております。 クラウドサービスとは、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由してソフトウエアをサービスとして提供する形態のことで、SaaSと呼ばれております。 当社グループは、自社のマーケティング活動と紹介パートナーからの紹介による新規顧客の獲得に加えて、販売パートナー及びOEM(注5)経由での販売も行っております。 当社グループの主要サービスである『カオナビ』の収益構造は、クラウド上で提供するサービスの利用料金を使用期間に応じて受領するサブスクリプション(月額課金)モデルとなっており、これをストック収益として計上しております。 『カオナビ』の利用料金は従業員の登録人数に応じた料金体系となっており、さらに利用プランに応じて料金が異なります。 各プランの概要は以下のとおりです。 *1:オプションサービスとしては、「パルスサーベイ」や「ワークフロー」、「ラーニングライブラリ」などがあります。 2012年4月に事業を開始して以来、『カオナビ』は継続的に成長し、2025年3月期におけるストック収益は8,542百万円、売上高ストック比率(注6)は89.8%となっております。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期(連結)2025年3月期(連結)ストック収益(百万円)2,9913,9305,1566,7238,542売上高ストック比率(%)87.987.486.188.289.8※当社は2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しております。 また、2024年3月期より連結財務諸表を作成しております。 サービスの継続利用が前提となるビジネスモデルのため、当社グループでは顧客のサービス活用推進を図るためのカスタマーサクセスやプロダクト開発・機能強化に注力しております。 (注)1.SaaSSoftware as a serviceの略語で、顧客側のコンピューターにソフトウエアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウエアを利用する形態のサービスをいいます。 2.クラウドクラウドコンピューティングの略語で、インターネット経由で必要な時に必要なだけITシステムを利用する仕組みの総称をいいます。 サーバーやソフトウエアなどのITシステムの設備を自社で保有することに比べ、ITシステムに関する開発や保守・運用の負担が軽減され、コスト削減に寄与します。 3.ハイパフォーマースキルや経験、ノウハウを生かして高い成果を生み出せる優れたパフォーマンスを持つ人材のことをいいます。 ハイパフォーマーの特徴や行動パターンを分析することで、人材育成のためのデータや、採用時に用いる採用基準への活用も期待できます。 4.エンゲージメント企業と従業員が相互に影響し合い、共に必要な存在として絆を深めながら成長できるような関係を築いていくことをいいます。 5.OEMOriginal Equipment Manufacturingの略語で、生産委託を受けてソフトウエアを開発し、他社のブランドとして当該他社が販売することをいいます。 6.売上高ストック比率売上高全体に占めるストック収益の比率をいいます。 [事業系統図] |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) TECH CREW株式会社(注)1東京都港区100クラウド労務管理システム『人事CREW』の提供所有55.1当社サービスの利用業務委託及び受託従業員の出向(その他の関係会社) 株式会社リクルートホールディングス(注)2東京都千代田区40,000リクルートグループの経営方針策定及び経営管理被所有20.6(20.6) -株式会社リクルート東京都千代田区350リクルートグループにおけるメディア&ソリューション事業管理及び事業推進被所有20.6(20.6) - 合同会社RSIファンド1号東京都千代田区9投資運用業被所有20.6 - (注)1.TECH CREW株式会社は、2025年4月1日にワークスタイルテック株式会社から社名変更しております。 2.有価証券報告書を提出している会社であります。 3.「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)HRテック事業406その他事業7合計413 (注)1.従業員数は就業人員数であります。 なお、臨時雇用者数については従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。 2.「その他事業」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(百万円)39434.22.66.9 (注)1.従業員数は就業人員数であります。 なお、臨時雇用者数については従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。 2.平均年間給与は、基準外賃金等を含んでおります。 3.当社の報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。 (3)労働組合の状況 労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しております。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1.男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2.労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者26.390.085.285.992.7- (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 ② 連結子会社連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える」というパーパスのもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指しております。 また、「人材情報を一元化したデータプラットフォームを築く」というビジョンに基づき、人材データベースを軸にさまざまなサービスと連携することで、より高い顧客体験価値を提供する人材データプラットフォームの構築を目指しております。 人事・人材関連サービスの領域には、「人事評価」「労務管理」「採用管理」「人材教育」など、いくつかの分野が存在しており、それぞれに特化したサービスが数多くありますが、業務の効率化や生産性向上に対して一定の効果は見られるものの、分野ごとの課題を解決するサービスに留まっております。 一方、人材データプラットフォームを築くことで、人材データベースを軸に多数のサービスが連携して運用され、これまで以上に効率化が進み、生産性が高まり、人材データが有効活用されると考えております。 人材データプラットフォームを構築し、ひとの可能性を正しく理解できる世界をつくり、個人のエンパワーメントを通じて個人のキャリアや働き方の多様化を支援してまいりたいと考えております。 (2)経営戦略及び経営指標当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、中期経営方針として、「継続的なARR(注1)の成長」、「収益性の向上」、「非財務的活動の推進」の3つを掲げております。 「継続的なARR」の成長に向けて、継続的な開発投資の実施、セールス体制の強化、サービス認知度向上のためのマーケティング投資、既存顧客に対するカスタマーサクセスを、これまで以上に機動的かつ抜本的に取り組んでまいります。 (3)経営環境公益財団法人日本生産性本部が2024年12月に発表した「労働生産性国際比較2024」によると、我が国の就業者1人当たりの労働生産性は、OECD加盟諸国38カ国の中で32位と、上位諸国とはかけ離れた実態が明らかになっております。 また、就業者1人当たりの労働生産性が低い中、内閣府が公表した令和6年版高齢社会白書によると、2040年までに生産年齢人口は7,000万人を割り込み、その先の2070年までに5,000万人を下回ると推計されております。 このような状況を踏まえ、今後の日本社会では、労働人口は減少するという前提のもと、いかに労働生産性を高めていくかが重要な命題になると考えております。 この点、近年の技術進歩により、テクノロジーの活用が労働生産性の向上に繋がると期待されております。 さらに、これまで企業の中でも裏方的な存在であった人事・総務といった“人材に関わる業務”は、企業の売上や利益に直結する業務ではないこともあり、テクノロジーの導入や効率化が遅れている分野でもありましたが、HRテクノロジーの普及に伴い、この分野にITを積極的に導入する企業が増えていると考えております。 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が発表した「企業IT動向調査報告書 2023」(2022年度調査)によると、雇用の流動化を背景に適材適所の人材配置・活用が求められており、2021年度調査と比較してタレントマネジメントを導入・検討する動きがさらに広がっております。 また、当社がターゲットとする従業員100人以上の企業は日本に約63,000社(注2)存在しており、市場の開拓余地は広大です。 このように、タレントマネジメントに対するニーズの高まりと市場の開拓余地を踏まえると、さらなる市場成長が見込めると考えております。 一方で、既存の競合企業に加えて、TMS以外のHRテクノロジー領域のサービスを展開する企業の参入など、競争環境が激化しています。 また、当該事業が成長市場であることに加え、参入障壁が必ずしも高いと言えないことから、今後、さらなる他社の新規参入により一層競争が激化すると認識しております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 上記の経営戦略等を推進する上で、当社グループとして捉えている対処すべき主要な課題は以下のとおりです。 ① サービスの普及拡大先述のとおり、タレントマネジメントシステムの導入ニーズは高まっており、その市場は今後さらなる成長が見込まれております。 当社グループは、今後も新規顧客の獲得に向けて、費用対効果を検討した上での積極的な広告宣伝などを通じたサービスの認知度向上を図るとともに、営業人員の拡充や顧客獲得プロセスの継続的な改善、紹介パートナー及びOEMを含む販売パートナーの拡大など営業機能の強化に努めてまいります。 ② 顧客エンゲージメントの強化当社のサービスを普及させていくには、既存顧客との関係性を強化し、継続的に『カオナビ』を利用していただくことも重要な課題であると認識しております。 当社は、これまでも『カオナビ』の導入や定着の支援、カオナビキャンパスを通じたセミナーやコミュニティなど顧客エンゲージメント強化のための取り組みに注力してまいりました。 「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)『カオナビ』が選ばれる理由」にも記載のとおり、カスタマーサクセスの取り組みとしてさまざまな施策を実施しております。 今後、これらの活動をより一層強化・推進して、顧客に『カオナビ』の導入効果を最大限享受していただくことに努めてまいります。 ③ サービスの改善と機能拡充インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、競争優位性を維持していくことは容易ではありません。 当社グループは、新規顧客の獲得及び既存顧客の継続的なサービス利用のため、このような技術トレンドを捉えた製品開発を継続してまいります。 当連結会計年度におきまして、当社グループは開発ロードマップを開示し、既存機能のアップデートや新機能のリリースを複数実行いたしました。 今後も、細やかな改善を積み重ねることでユーザビリティを徹底的に追求するとともに、多様化する顧客ニーズや潜在的な要望を的確に捉えた機能開発を行い、顧客体験価値の向上を目指した継続的なサービスの改善、機能の拡充に努めてまいります。 ④ 情報管理体制の継続的な強化当社グループは、顧客の従業員に関する個人情報を預かっており、その情報管理を強化していくことが重要な課題であると認識しております。 当社はプライバシーマークを取得し、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も継続して社内教育・研修の実施やシステムの整備などを行ってまいります。 また、2024年3月29日付で公表しました子会社であるTECH CREW株式会社(旧ワークスタイルテック株式会社)の個人情報漏えい事案に関しては、原因及び被害に関して調査を行い、既に再発防止策を講じて個人情報管理体制の強化を行っており、今後も継続的にグループ全体としてのシステム管理体制の見直しと徹底をすることで、グループ企業としての情報管理体制の強化を図ってまいります。 ⑤ セキュリティの継続的な向上当社グループサービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。 当社では、ISO27001(ISMS認証)、ISO27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)を取得して継続的なセキュリティマネジメント体制を構築しており、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストにも登録されております。 また、外部業者による脆弱性診断を継続的に実施し必要な対策を取るとともに、情報セキュリティ委員会の活動を通じて全社のセキュリティ・インシデント発生抑止や、全社員に対しても年次のセキュリティ研修を実施することで、セキュリティ体制の強化と向上に努めております。 当該対策に終わりはないと認識しており、グループ全体でセキュリティ向上に向けた対策を行ってまいります。 ⑥ 組織体制の強化当社グループの持続的な事業成長には、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を採用・育成し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。 当社は、働く場所や時間に縛られず自分に合った働き方を選択できるMy Work Style制度を導入し、従業員の働きがいや生産性の向上を図る取り組みを行っております。 今後も、当社グループのパーパスに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくため、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。 ⑦ サステナビリティへの取組気候変動問題への対応を含めた持続可能な社会の実現は、当社グループの持続的な成長の前提であり、これに貢献していくことが重要であると考えております。 当社グループは、「ステークホルダーの期待」と「パーパスとの関連度」の観点から、当社グループが対応すべき社会課題を抽出し、当社グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として特定、開示しております。 これらの重要課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献し、パーパスの実現を目指してまいります。 詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 (注)1.ARRAnnual Recurring Revenueの略で、四半期末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略で月額利用料の合計)を12倍して算出しています。 なお、MRRは管理会計上の数値です。 2.日本の従業員100人以上の企業数は、総務省・経済産業省が公表している「平成28年経済センサス-活動調査」に基づき当社が算出しております。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題を企業の社会的責任と認識し、今後、事業活動を通じてさまざまな課題に対し、積極的に対応してまいります。 (1)当社グループの重要課題(マテリアリティ) 当社グループにおいて、気候変動等の地球環境問題、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理などサステナビリティに関する課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上において、重要かつ優先的に取り組むべきマテリアリティを特定して、積極的・能動的に取り組んでおります。 他方、人的資本に関しては、パーパス実現に向け、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会を目指し、誰もが自分らしく働けるよう、さまざまな取り組みをしております。 そこで当社グループは、環境・社会・ガバナンスの属性から13の課題をマテリアリティとして特定し、さらに2領域4分野に分類することで、目指すべき方向性をより明確にしております。 当社グループはこれらの実現に向け、取り組みを行ってまいります。 (2)ガバナンス サステナビリティに関する方針、重要事項については、取締役や執行役員等を構成メンバーとする経営会議で審議のうえ、取締役会にて議論、決議することとしております。 また、重要な課題は、中期経営方針の中で取り上げる等、対応策の推進を図っております。 (3)戦略① 環境 当社グループは、気候変動を異常気象のリスクを増大させ、人類の生活基盤全体に影響を及ぼす重要な課題として捉えております。 現在、世界全体で脱炭素社会の実現に向け、カーボンニュートラルへのさまざまな取り組みが行われております。 当社グループにおいても、継続的に事業活動で排出される温室効果ガスを算定・モニタリングし、積極的に温室効果ガス削減に努め、気候変動の緩和に取り組んでまいります。 気候変動に関わる重要事項に関しては、経営会議及び取締役会において議論・決議を行っております。 ② 人的資本 経営目標の達成のためには、当社グループで働く一人ひとりが個性や才能を発揮し、自律的にキャリアを構築することが不可欠です。 当社の求める人材は、当社のバリューを体現する人材であり、自己の能力を磨き、自律的に働き方を選択することで成果を発揮する人材と定義し、「ユニーク・パフォーマー」と呼んでおります。 また、ユニーク・パフォーマーを確保・育成するための人材戦略の柱として、「多様な人材の確保」「成長支援」「柔軟な働き方」「Pay for Performance」の4つを掲げております。 ③ 人権の尊重 当社グループは、データやテクノロジーの活用により、社会に対して多大な便益が期待される一方で、プライバシーの侵害や差別等のリスクも生じかねないことから、事業活動全体において、全てのステークホルダーの人権を尊重することは重要な課題であると認識しております。 人権は、人種、性別、国籍、出自、信条、政治的意見などにかかわらず、全ての人類が持つ基本的で普遍的な権利です。 当社グループでは、取締役会の承認を受けた「カオナビ人権ポリシー」のもと、人権啓発を推進しております。 具体的には、経営会議において、人権意識の向上に資する取り組みに関する議論、実行の指示、内部通報窓口に寄せられた事項の調査・対処等の活動を行っております。 ④ 情報セキュリティ 当社グループサービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。 当社では、ISO27001(ISMS認証)、ISO27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)を取得して継続的なセキュリティマネジメント体制を構築し、2021年12月にはカオナビサービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストに登録されております。 また、全ての役員及び従業員が情報セキュリティ方針を遵守・運用するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)管理責任者を指名し、情報セキュリティ委員会を設置しております。 (4)リスク管理 当社グループは、中期経営方針の柱の1つとして、「非財務的活動の推進」を掲げております。 取締役会において、中期経営方針を決議し、サステナビリティの課題について議論しております。 サステナビリティを巡るリスクや機会については、担当部門によりリスク管理をしており、短期(~3年)、中期(4~10年)、長期(11年~)の時間軸で気候変動に伴うリスクと機会を評価しております。 認識した気候変動リスクと機会については、以下のとおりに対策を進めてまいります。 主なリスクリスク項目想定しているリスクの内容対策期間政策/規制温室効果ガス削減に関する規制強化や、排出権取引・炭素税等の導入等への対応におけるコスト増加温室効果ガス排出量の明示及び管理を実施しております。 二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指します。 中期(4~10年)物理自然災害等に起因するオフィスや設備等の損壊等により事業継続に影響を与えるリスクBCP(事業継続計画)、テレワーク推進、防災訓練、備蓄品の配備をしております。 短期(~3年)平均気温の上昇により熱中症が頻発、生産性低下や冷房使用の増加によるコスト増大のリスク長期(11年~)その他気候変動に対する取り組みが積極的でないとみなされた場合に生じうる資金調達への影響、レピュテーションリスク気候変動対策の積極的な推進と開示をしてまいります。 中期(4~10年) 主な機会機会項目想定している機会期間製品及びサービスサービス利用の過程において、顧客のペーパーレス化を促進(紙で保管されていた人材情報をクラウド上で保存等)しております。 短期(~3年) (5)指標及び目標 原則として、指標及び目標は当社グループ全体で管理していく方針ですが、指標に関する実績は単体のみで記載しております。 現状の社員数を連結で比較した時に連結と単体それぞれの集計数値は大きく乖離しないと判断しております。 ① 温室効果ガスの抑制 当社グループは、日本政府が発表した2050年のカーボンニュートラルへの方針に賛同しております。 サステナビリティに関する指標及び目標として、継続的に事業活動で排出される温室効果ガスの排出量を算定・モニタリングし、Scope1及び2は2028年までに、Scope3は2035年までに、排出量実質ゼロを目指してまいります。 目標の実現に向け、Scope3における各カテゴリをより精緻に算出しました。 温室効果ガス排出量 2023年3月期2024年3月期2025年3月期Scope1(t-Co2)都市ガス 該当なし該当なし該当なしScope2(t-Co2)オフィス電力 0.79.019.2Scope3(t-Co2)購入した製品・サービスカテゴリ13,137.74,341.15,822.5資本財カテゴリ2124.443.6-エネルギー関連活動カテゴリ3---輸送、配送(上流)カテゴリ412.49.619.9事業から出る廃棄物カテゴリ516.815.38.8出張カテゴリ652.1108.165.1雇用者の通勤カテゴリ714.619.626.6リース資産(上流)カテゴリ8---輸送、配送(下流)カテゴリ9---販売した製品の加工カテゴリ10---販売した製品の使用カテゴリ11---販売した製品の破棄カテゴリ12---リース資産(下流)カテゴリ13---フランチャイズカテゴリ14---投資カテゴリ15---(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ② 従業員サーベイ 経営目標の達成に向けた最重要指標は、従業員サーベイです。 従業員サーベイは、バリューの浸透度、エンゲージメント指数の2つの観点からユニーク・パフォーマーの育成状況を定期的に測定し、各種人事施策の改善に活用しております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期ユニーク・パフォーマー・サーベイ回答率(%)83.887.788.6バリュー浸透度(%)(注)186.685.386.6エンゲージメント指数(%)(注)283.579.681.7(注)1.ユニーク・パフォーマー・サーベイのうち、バリュー浸透に関する設問にポジティブな回答(「とてもそう思う」「ややそう思う」)をした割合2.ユニーク・パフォーマー・サーベイのうち、エンゲージメントに関する設問にポジティブな回答(「とてもそう思う」「ややそう思う」)をした割合 ③ 多様性の確保 さまざまなバックグラウンドを持った従業員が、それぞれの能力と個性を発揮し、変化に対応していくことが新たな価値創出に繋がると考え、人材戦略の柱の一つとして「多様な人材の確保」を掲げております。 キャリア採用者、女性、外国籍、障がいを持つ従業員など、多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行い、それぞれの能力と個性を発揮して活躍するための仕組みの構築に努めてまいります。 2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日外国籍社員の労働者の割合(%)0.40.71.5(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ・女性活躍推進 今後もさらなる女性の活躍推進を目指し、優秀な女性従業員の抜擢や男女間賃金格差の解消のほか、子どもを安心して出産し育てられる職場環境づくりや、育児サポートの制度を整備してまいります。 また、男性従業員が育児休業を取得することで、男性従業員の育児参加だけではなく、配偶者の育児負担を軽減し、配偶者のキャリア形成を支援することができると考えております。 育児休業取得者の経験談の紹介や育児休業取得者の上司への制度理解の促進等を通じて、男性従業員向けに制度の認知向上に取り組んでまいります。 これらの取り組みは、管理職に占める女性労働者の割合や男性労働者の育児休業取得率等の政府目標を達成することを目指し、以下の指標を通じて進捗を測っております。 2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日管理職に占める女性労働者の割合(%)24.422.926.3 2023年3月期2024年3月期2025年3月期労働者の男女の賃金の差異(%)86.484.585.2男性労働者の育児休業取得率(%)0.088.290.0女性労働者の育児休業取得率(%)100.0100.0100.0育児休業からの復帰率(%)100.0100.0100.0(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ・LGBTQ+に関する取り組み 婚姻関係にある配偶者に加えて、同性パートナーも社内規程上の配偶者として追加し、休暇や慶弔見舞金などにおいて、婚姻関係の有無による差別を解消してまいります。 ④ 成長支援 従業員が自身の仕事とキャリアに主体性を持ち、挑戦し続けることを支援することは、ユニーク・パフォーマーを育成するために重要であると考え、人材戦略の柱に「成長支援」を掲げております。 従業員が、自らのキャリアビジョンを明らかにし、その実現を図るため、自律的・継続的に自らのキャリア形成に取り組んでいる状態を目指してまいります。 ・研修制度の充実とキャリア申告制度 従業員自らが学ぶ機会を提供するため、階層別研修や社内研修制度の充実を図ります。 自身の現在地の振り返りと将来の見通しの明確化を目的としたWCM(Will、Can、Must)シートの運用、上司以外の従業員との1on1を通じた非連続のキャリアの模索、自身で思い描いたキャリアを申告し挑戦したいポジションに名乗りを上げるハンズアップ制度等により、従業員主体のキャリア構築を促してまいります。 この社内での自律的なキャリア実現をモニタリングする指標として、本部を越えた異動を実現した従業員の人数を指標としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期本部間の異動者数152125 ・兼業推奨 兼業は、従業員が普段と異なる業務を行うことで新たなスキルや経験を獲得し、視野を広げることに繋がるため、業務にも良い影響を及ぼすものと考え、従業員の兼業を推奨してまいります。 社内でのキャリア実現と合わせ、兼業率及び離職率は社外でのキャリア実現の指標と考えております。 いずれも適正な水準で推移しており、同水準であるかを確認しております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期社内研修年間延べ参加者数(人)1,207783476兼業率(%)23.018.120.3離職率(%)14.217.616.4(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ⑤ 柔軟な働き方 従業員一人ひとりが最も成果を最大化できる働き方を自ら選択できる環境を提供することは、ユニーク・パフォーマーの成果の発揮に必要不可欠であると考えており、人材戦略の柱に「柔軟な働き方」を掲げております。 そこで当社では、スーパーフレックス制度、勤務時間と休憩時間を柔軟に組み合わせて働くことを認めたスイッチワーク制度、リモートワーク制度等を総称して「My Work Style制度」として導入しております。 この「My Work Style制度」の浸透により、効率的な業務遂行が定着し、適正な労働時間を達成してまいります。 これらの指標として、リモートワーク率を測り、80%前後の水準を目安としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期リモートワーク率(%)82.080.378.8(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ⑥ Pay for Performance 従業員の成長や成果には、報酬やより成長できるポジションを提供することで報いることはユニーク・パフォーマーの確保・育成に重要であると考えており、人材戦略の柱に「Pay for Performance」を掲げております。 これらの取り組みの結果は、最年少管理職年齢、年俸額の高い増加率を達成した従業員の割合を指標としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期最年少管理職年齢(マネージャー)(歳)282829最年少管理職年齢(部長)(歳)282932最年少管理職年齢(本部長)(歳)343135最年少管理職年齢(執行役員)(歳)343536年間昇給10%以上の社員比率(%)24.021.124.2 |
戦略 | (3)戦略① 環境 当社グループは、気候変動を異常気象のリスクを増大させ、人類の生活基盤全体に影響を及ぼす重要な課題として捉えております。 現在、世界全体で脱炭素社会の実現に向け、カーボンニュートラルへのさまざまな取り組みが行われております。 当社グループにおいても、継続的に事業活動で排出される温室効果ガスを算定・モニタリングし、積極的に温室効果ガス削減に努め、気候変動の緩和に取り組んでまいります。 気候変動に関わる重要事項に関しては、経営会議及び取締役会において議論・決議を行っております。 ② 人的資本 経営目標の達成のためには、当社グループで働く一人ひとりが個性や才能を発揮し、自律的にキャリアを構築することが不可欠です。 当社の求める人材は、当社のバリューを体現する人材であり、自己の能力を磨き、自律的に働き方を選択することで成果を発揮する人材と定義し、「ユニーク・パフォーマー」と呼んでおります。 また、ユニーク・パフォーマーを確保・育成するための人材戦略の柱として、「多様な人材の確保」「成長支援」「柔軟な働き方」「Pay for Performance」の4つを掲げております。 ③ 人権の尊重 当社グループは、データやテクノロジーの活用により、社会に対して多大な便益が期待される一方で、プライバシーの侵害や差別等のリスクも生じかねないことから、事業活動全体において、全てのステークホルダーの人権を尊重することは重要な課題であると認識しております。 人権は、人種、性別、国籍、出自、信条、政治的意見などにかかわらず、全ての人類が持つ基本的で普遍的な権利です。 当社グループでは、取締役会の承認を受けた「カオナビ人権ポリシー」のもと、人権啓発を推進しております。 具体的には、経営会議において、人権意識の向上に資する取り組みに関する議論、実行の指示、内部通報窓口に寄せられた事項の調査・対処等の活動を行っております。 ④ 情報セキュリティ 当社グループサービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。 当社では、ISO27001(ISMS認証)、ISO27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)を取得して継続的なセキュリティマネジメント体制を構築し、2021年12月にはカオナビサービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストに登録されております。 また、全ての役員及び従業員が情報セキュリティ方針を遵守・運用するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)管理責任者を指名し、情報セキュリティ委員会を設置しております。 |
指標及び目標 | (5)指標及び目標 原則として、指標及び目標は当社グループ全体で管理していく方針ですが、指標に関する実績は単体のみで記載しております。 現状の社員数を連結で比較した時に連結と単体それぞれの集計数値は大きく乖離しないと判断しております。 ① 温室効果ガスの抑制 当社グループは、日本政府が発表した2050年のカーボンニュートラルへの方針に賛同しております。 サステナビリティに関する指標及び目標として、継続的に事業活動で排出される温室効果ガスの排出量を算定・モニタリングし、Scope1及び2は2028年までに、Scope3は2035年までに、排出量実質ゼロを目指してまいります。 目標の実現に向け、Scope3における各カテゴリをより精緻に算出しました。 温室効果ガス排出量 2023年3月期2024年3月期2025年3月期Scope1(t-Co2)都市ガス 該当なし該当なし該当なしScope2(t-Co2)オフィス電力 0.79.019.2Scope3(t-Co2)購入した製品・サービスカテゴリ13,137.74,341.15,822.5資本財カテゴリ2124.443.6-エネルギー関連活動カテゴリ3---輸送、配送(上流)カテゴリ412.49.619.9事業から出る廃棄物カテゴリ516.815.38.8出張カテゴリ652.1108.165.1雇用者の通勤カテゴリ714.619.626.6リース資産(上流)カテゴリ8---輸送、配送(下流)カテゴリ9---販売した製品の加工カテゴリ10---販売した製品の使用カテゴリ11---販売した製品の破棄カテゴリ12---リース資産(下流)カテゴリ13---フランチャイズカテゴリ14---投資カテゴリ15---(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ② 従業員サーベイ 経営目標の達成に向けた最重要指標は、従業員サーベイです。 従業員サーベイは、バリューの浸透度、エンゲージメント指数の2つの観点からユニーク・パフォーマーの育成状況を定期的に測定し、各種人事施策の改善に活用しております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期ユニーク・パフォーマー・サーベイ回答率(%)83.887.788.6バリュー浸透度(%)(注)186.685.386.6エンゲージメント指数(%)(注)283.579.681.7(注)1.ユニーク・パフォーマー・サーベイのうち、バリュー浸透に関する設問にポジティブな回答(「とてもそう思う」「ややそう思う」)をした割合2.ユニーク・パフォーマー・サーベイのうち、エンゲージメントに関する設問にポジティブな回答(「とてもそう思う」「ややそう思う」)をした割合 ③ 多様性の確保 さまざまなバックグラウンドを持った従業員が、それぞれの能力と個性を発揮し、変化に対応していくことが新たな価値創出に繋がると考え、人材戦略の柱の一つとして「多様な人材の確保」を掲げております。 キャリア採用者、女性、外国籍、障がいを持つ従業員など、多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行い、それぞれの能力と個性を発揮して活躍するための仕組みの構築に努めてまいります。 2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日外国籍社員の労働者の割合(%)0.40.71.5(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ・女性活躍推進 今後もさらなる女性の活躍推進を目指し、優秀な女性従業員の抜擢や男女間賃金格差の解消のほか、子どもを安心して出産し育てられる職場環境づくりや、育児サポートの制度を整備してまいります。 また、男性従業員が育児休業を取得することで、男性従業員の育児参加だけではなく、配偶者の育児負担を軽減し、配偶者のキャリア形成を支援することができると考えております。 育児休業取得者の経験談の紹介や育児休業取得者の上司への制度理解の促進等を通じて、男性従業員向けに制度の認知向上に取り組んでまいります。 これらの取り組みは、管理職に占める女性労働者の割合や男性労働者の育児休業取得率等の政府目標を達成することを目指し、以下の指標を通じて進捗を測っております。 2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日管理職に占める女性労働者の割合(%)24.422.926.3 2023年3月期2024年3月期2025年3月期労働者の男女の賃金の差異(%)86.484.585.2男性労働者の育児休業取得率(%)0.088.290.0女性労働者の育児休業取得率(%)100.0100.0100.0育児休業からの復帰率(%)100.0100.0100.0(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ・LGBTQ+に関する取り組み 婚姻関係にある配偶者に加えて、同性パートナーも社内規程上の配偶者として追加し、休暇や慶弔見舞金などにおいて、婚姻関係の有無による差別を解消してまいります。 ④ 成長支援 従業員が自身の仕事とキャリアに主体性を持ち、挑戦し続けることを支援することは、ユニーク・パフォーマーを育成するために重要であると考え、人材戦略の柱に「成長支援」を掲げております。 従業員が、自らのキャリアビジョンを明らかにし、その実現を図るため、自律的・継続的に自らのキャリア形成に取り組んでいる状態を目指してまいります。 ・研修制度の充実とキャリア申告制度 従業員自らが学ぶ機会を提供するため、階層別研修や社内研修制度の充実を図ります。 自身の現在地の振り返りと将来の見通しの明確化を目的としたWCM(Will、Can、Must)シートの運用、上司以外の従業員との1on1を通じた非連続のキャリアの模索、自身で思い描いたキャリアを申告し挑戦したいポジションに名乗りを上げるハンズアップ制度等により、従業員主体のキャリア構築を促してまいります。 この社内での自律的なキャリア実現をモニタリングする指標として、本部を越えた異動を実現した従業員の人数を指標としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期本部間の異動者数152125 ・兼業推奨 兼業は、従業員が普段と異なる業務を行うことで新たなスキルや経験を獲得し、視野を広げることに繋がるため、業務にも良い影響を及ぼすものと考え、従業員の兼業を推奨してまいります。 社内でのキャリア実現と合わせ、兼業率及び離職率は社外でのキャリア実現の指標と考えております。 いずれも適正な水準で推移しており、同水準であるかを確認しております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期社内研修年間延べ参加者数(人)1,207783476兼業率(%)23.018.120.3離職率(%)14.217.616.4(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ⑤ 柔軟な働き方 従業員一人ひとりが最も成果を最大化できる働き方を自ら選択できる環境を提供することは、ユニーク・パフォーマーの成果の発揮に必要不可欠であると考えており、人材戦略の柱に「柔軟な働き方」を掲げております。 そこで当社では、スーパーフレックス制度、勤務時間と休憩時間を柔軟に組み合わせて働くことを認めたスイッチワーク制度、リモートワーク制度等を総称して「My Work Style制度」として導入しております。 この「My Work Style制度」の浸透により、効率的な業務遂行が定着し、適正な労働時間を達成してまいります。 これらの指標として、リモートワーク率を測り、80%前後の水準を目安としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期リモートワーク率(%)82.080.378.8(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ⑥ Pay for Performance 従業員の成長や成果には、報酬やより成長できるポジションを提供することで報いることはユニーク・パフォーマーの確保・育成に重要であると考えており、人材戦略の柱に「Pay for Performance」を掲げております。 これらの取り組みの結果は、最年少管理職年齢、年俸額の高い増加率を達成した従業員の割合を指標としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期最年少管理職年齢(マネージャー)(歳)282829最年少管理職年齢(部長)(歳)282932最年少管理職年齢(本部長)(歳)343135最年少管理職年齢(執行役員)(歳)343536年間昇給10%以上の社員比率(%)24.021.124.2 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ② 人的資本 経営目標の達成のためには、当社グループで働く一人ひとりが個性や才能を発揮し、自律的にキャリアを構築することが不可欠です。 当社の求める人材は、当社のバリューを体現する人材であり、自己の能力を磨き、自律的に働き方を選択することで成果を発揮する人材と定義し、「ユニーク・パフォーマー」と呼んでおります。 また、ユニーク・パフォーマーを確保・育成するための人材戦略の柱として、「多様な人材の確保」「成長支援」「柔軟な働き方」「Pay for Performance」の4つを掲げております。 ③ 人権の尊重 当社グループは、データやテクノロジーの活用により、社会に対して多大な便益が期待される一方で、プライバシーの侵害や差別等のリスクも生じかねないことから、事業活動全体において、全てのステークホルダーの人権を尊重することは重要な課題であると認識しております。 人権は、人種、性別、国籍、出自、信条、政治的意見などにかかわらず、全ての人類が持つ基本的で普遍的な権利です。 当社グループでは、取締役会の承認を受けた「カオナビ人権ポリシー」のもと、人権啓発を推進しております。 具体的には、経営会議において、人権意識の向上に資する取り組みに関する議論、実行の指示、内部通報窓口に寄せられた事項の調査・対処等の活動を行っております。 ④ 情報セキュリティ 当社グループサービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。 当社では、ISO27001(ISMS認証)、ISO27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)を取得して継続的なセキュリティマネジメント体制を構築し、2021年12月にはカオナビサービスが「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストに登録されております。 また、全ての役員及び従業員が情報セキュリティ方針を遵守・運用するため、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)管理責任者を指名し、情報セキュリティ委員会を設置しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ② 従業員サーベイ 経営目標の達成に向けた最重要指標は、従業員サーベイです。 従業員サーベイは、バリューの浸透度、エンゲージメント指数の2つの観点からユニーク・パフォーマーの育成状況を定期的に測定し、各種人事施策の改善に活用しております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期ユニーク・パフォーマー・サーベイ回答率(%)83.887.788.6バリュー浸透度(%)(注)186.685.386.6エンゲージメント指数(%)(注)283.579.681.7(注)1.ユニーク・パフォーマー・サーベイのうち、バリュー浸透に関する設問にポジティブな回答(「とてもそう思う」「ややそう思う」)をした割合2.ユニーク・パフォーマー・サーベイのうち、エンゲージメントに関する設問にポジティブな回答(「とてもそう思う」「ややそう思う」)をした割合 ③ 多様性の確保 さまざまなバックグラウンドを持った従業員が、それぞれの能力と個性を発揮し、変化に対応していくことが新たな価値創出に繋がると考え、人材戦略の柱の一つとして「多様な人材の確保」を掲げております。 キャリア採用者、女性、外国籍、障がいを持つ従業員など、多様な人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行い、それぞれの能力と個性を発揮して活躍するための仕組みの構築に努めてまいります。 2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日外国籍社員の労働者の割合(%)0.40.71.5(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ・女性活躍推進 今後もさらなる女性の活躍推進を目指し、優秀な女性従業員の抜擢や男女間賃金格差の解消のほか、子どもを安心して出産し育てられる職場環境づくりや、育児サポートの制度を整備してまいります。 また、男性従業員が育児休業を取得することで、男性従業員の育児参加だけではなく、配偶者の育児負担を軽減し、配偶者のキャリア形成を支援することができると考えております。 育児休業取得者の経験談の紹介や育児休業取得者の上司への制度理解の促進等を通じて、男性従業員向けに制度の認知向上に取り組んでまいります。 これらの取り組みは、管理職に占める女性労働者の割合や男性労働者の育児休業取得率等の政府目標を達成することを目指し、以下の指標を通じて進捗を測っております。 2023年3月31日2024年3月31日2025年3月31日管理職に占める女性労働者の割合(%)24.422.926.3 2023年3月期2024年3月期2025年3月期労働者の男女の賃金の差異(%)86.484.585.2男性労働者の育児休業取得率(%)0.088.290.0女性労働者の育児休業取得率(%)100.0100.0100.0育児休業からの復帰率(%)100.0100.0100.0(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ・LGBTQ+に関する取り組み 婚姻関係にある配偶者に加えて、同性パートナーも社内規程上の配偶者として追加し、休暇や慶弔見舞金などにおいて、婚姻関係の有無による差別を解消してまいります。 ④ 成長支援 従業員が自身の仕事とキャリアに主体性を持ち、挑戦し続けることを支援することは、ユニーク・パフォーマーを育成するために重要であると考え、人材戦略の柱に「成長支援」を掲げております。 従業員が、自らのキャリアビジョンを明らかにし、その実現を図るため、自律的・継続的に自らのキャリア形成に取り組んでいる状態を目指してまいります。 ・研修制度の充実とキャリア申告制度 従業員自らが学ぶ機会を提供するため、階層別研修や社内研修制度の充実を図ります。 自身の現在地の振り返りと将来の見通しの明確化を目的としたWCM(Will、Can、Must)シートの運用、上司以外の従業員との1on1を通じた非連続のキャリアの模索、自身で思い描いたキャリアを申告し挑戦したいポジションに名乗りを上げるハンズアップ制度等により、従業員主体のキャリア構築を促してまいります。 この社内での自律的なキャリア実現をモニタリングする指標として、本部を越えた異動を実現した従業員の人数を指標としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期本部間の異動者数152125 ・兼業推奨 兼業は、従業員が普段と異なる業務を行うことで新たなスキルや経験を獲得し、視野を広げることに繋がるため、業務にも良い影響を及ぼすものと考え、従業員の兼業を推奨してまいります。 社内でのキャリア実現と合わせ、兼業率及び離職率は社外でのキャリア実現の指標と考えております。 いずれも適正な水準で推移しており、同水準であるかを確認しております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期社内研修年間延べ参加者数(人)1,207783476兼業率(%)23.018.120.3離職率(%)14.217.616.4(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ⑤ 柔軟な働き方 従業員一人ひとりが最も成果を最大化できる働き方を自ら選択できる環境を提供することは、ユニーク・パフォーマーの成果の発揮に必要不可欠であると考えており、人材戦略の柱に「柔軟な働き方」を掲げております。 そこで当社では、スーパーフレックス制度、勤務時間と休憩時間を柔軟に組み合わせて働くことを認めたスイッチワーク制度、リモートワーク制度等を総称して「My Work Style制度」として導入しております。 この「My Work Style制度」の浸透により、効率的な業務遂行が定着し、適正な労働時間を達成してまいります。 これらの指標として、リモートワーク率を測り、80%前後の水準を目安としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期リモートワーク率(%)82.080.378.8(注)計測した数値は単体のみで集計しております。 ⑥ Pay for Performance 従業員の成長や成果には、報酬やより成長できるポジションを提供することで報いることはユニーク・パフォーマーの確保・育成に重要であると考えており、人材戦略の柱に「Pay for Performance」を掲げております。 これらの取り組みの結果は、最年少管理職年齢、年俸額の高い増加率を達成した従業員の割合を指標としております。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期最年少管理職年齢(マネージャー)(歳)282829最年少管理職年齢(部長)(歳)282932最年少管理職年齢(本部長)(歳)343135最年少管理職年齢(執行役員)(歳)343536年間昇給10%以上の社員比率(%)24.021.124.2 |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。 あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、本項の記載内容は主要なリスクであり、当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。 当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績及び財政状態に及ぼす影響につきましては、合理的に予見することが困難なため記載しておりません。 また、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境に関するリスク① 競合について当社グループの各事業において、競合企業が存在しております。 また、当該事業が成長市場であること及び参入障壁が必ずしも高いとは言えないことから、今後、さらなる他社の新規参入により競争が激化する可能性があります。 競合企業の営業方針、価格設定及び提供する製品・サービス等は、当社グループが属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合企業に対して効果的な差別化を行うことができず、当社グループが想定している事業展開が図れない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、引き続き顧客のニーズを汲んだ製品・サービスの提供を進める方針であります。 ② インターネット利用の普及について当社グループは、インターネットを介してサービスを提供しております。 そのため、スマートフォンやタブレット型端末等の新しいデバイスの普及により、インターネットの利用環境が引き続き整備されていくと共に、同関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。 インターネットの普及に伴う弊害の発生、利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因によってインターネット利用の順調な発展が阻害された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、インターネットの普及に伴う情報セキュリティ等の社会動向、利用に関する新たな規制導入の動向を把握するべく努めております。 ③ 技術革新について当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に対して柔軟に対応する必要があります。 当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。 (2)事業内容及び当社グループサービスに関するリスク① システムトラブルについて当社グループのサービスは、インターネットを介して提供しておりますが、大規模なプログラム不良や自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、安定的なサービスの運営を行うために、サーバー設備の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する万全の備えをしております。 ② 解約について当社グループのサービスを導入した企業が、当社グループサービスを継続利用することで生じるストック収益につきましては、増加傾向にありますが、当社グループサービスの市場競争力の低下等によって解約が増加し、ストック収益が減少した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、顧客ニーズを的確に捉え、その要望を入念に吟味しながら、サービス機能の追加・改善、外部サービスとのAPI連携、サポート体制の充実など、顧客体験価値の向上を目指した継続的な機能・サービスの拡充に努めてまいります。 (3)法的規制及び知的財産権等に関するリスク① 個人情報保護について当社グループは、提供するサービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。 当社グループが保有する個人情報等につき漏えい、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。 従いまして、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、当社グループへの損害賠償請求又は信用の低下等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、2024年3月29日付で公表しました子会社であるTECH CREW株式会社(2025年4月1日にワークスタイルテック株式会社から社名変更)の個人情報漏えい事案に関して、今後関係各所から同社が損害賠償請求を受ける恐れがあります。 当該リスクに対しては、個人情報の外部漏えいの防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、アクセスできる社員を限定すると共に、個人情報保護規程等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びに当社グループに適用される関連ガイドラインを遵守してまいります。 また、当社は2012年7月に取得したプライバシーマークを更新し、個人情報の保護と厳重なる社内管理、漏えい防止に積極的に取り組んでおります。 さらに、内部監査室によるセキュリティ対策の有効性、実行についての継続的な監査の実施などのセキュリティ推進に必要な体制を構築しております。 ② 知的財産権について当社グループの提供するサービスが第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害する可能性については、当社グループの提供するサービスに関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。 また、将来当社グループが提供するサービスに関連して、当社グループが知的財産権を取得するよりも前に他の事業者等が特許権その他の知的財産権を取得する可能性があります。 これらの場合、当社グループに対する訴訟等が発生し、当社グループが提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、当該訴訟等への対応のために必要となるコストの発生により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、知的財産保護方針及び知的財産保護規程を制定し、当社グループの知的財産の保護及び他者の知的財産の侵害の防止を図るとともに、弁理士等の外部専門家を通じて調査を行っております。 ③ その他訴訟等について当社グループは、その事業活動の遂行過程において、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。 これらの手続は結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。 さらに、これらの手続において当社グループの責任を問うような判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対し、当社グループでは、事業活動の遂行に際し、法規制の適用を受ける業務の特定、リスクに応じた措置の実行、従業員に対する教育を実施し、コンプライアンスの強化に努めております。 (4)組織体制に係るリスク① 経営管理体制について当社グループは、事業の拡大に応じて内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る予定ですが、適切な対応がなされなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、今後、事業拡大に応じた人的・組織的対策を継続し、内部管理体制の充実を図る方針であります。 ② 人材の確保や育成について当社グループは、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しておりますが、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び事業拡大等に支障が生じることや、採用費が計画から乖離すること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。 (5)その他① 広告宣伝活動等の投資について当社グループの各事業において、新規顧客獲得数は非常に重要な要素であり、各サービスの認知度と関心の向上のため、これまでもWEB広告やTVCM等の広告宣伝活動やイベント出展等の販売促進活動を積極的に実施して、新規顧客の獲得に努めてまいりました。 広告宣伝活動等への投資については、今後も積極的に実施していく方針ですが、蓄積した知見に基づき期待される費用対効果や新規顧客獲得数が得られない等、当社グループの想定したとおりに営業収益が推移しない場合は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、継続的な市場動向への注視と広告宣伝の費用対効果の測定を行うことで最善のブランディングとなる広告宣伝活動への投資を選択する等により、リスクの低減に努めてまいります。 ② 新機能や新サービスの開発投資について当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、新機能や新サービスの開発活動を積極的に進めていく方針ですが、新機能の完成や新サービスのリリースまでには一定期間の研究開発投資を要するため、全社の利益率を低下させる可能性があります。 また、将来の事業環境の変化等により、新機能や新サービスの提供によるARRの成長が当社グループの想定したとおりに推移せず、投資に対して想定していた成果の獲得に繋がらなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、市場動向を十分に観察・分析するとともに、事業計画や全社利益の状況に応じて、拡充する新機能や新たなサービスの研究開発投資の実行を判断する方針であります。 ③ 子会社化により発生したのれんについて当社は、人材プラットフォームの拡大による持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、TECH CREW株式会社(2025年4月1日にワークスタイルテック株式会社から社名変更)の株式を取得して連結子会社としておりますが、それにより当社グループの連結財務諸表にのれんが発生しております。 当該株式取得にあたり、企業の事業計画や財務内容、契約関係等の事前調査を十分に行った上で株式の取得価額を決定しておりますが、想定していた事業のシナジー効果等が得られない、デュー・デリジェンスの限界等から、同社の業績が事業計画の通りに推移せずに当初期待していた投資のリターンが得られず、発生したのれんの減損損失が発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお当連結会計年度末におけるのれんの残高は546百万円であります。 ④ 企業への投資について当社は、当社グループの事業の強化、経営効率向上のため、当社グループの事業とのシナジーが期待される事業を展開している企業に対して資金支援を実施する『カオナビ NEXT FUND』を展開しております。 しかしながら、市場環境の変化や競争力の低下などにより、投資先企業が当初想定したとおりの事業展開ができない場合、当該会社の業績・財政状態の悪化により、投資有価証券評価損を計上する可能性があります。 また、これらの投資においては、予め対象会社の法務・財務リスクなどを調査・評価しておりますが、投資時点では顕在化していない内部統制上の問題や、法令に抵触する可能性もあります。 これらの問題が発生した場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対しては、年間出資上限額の設定や投資委員会による多方面からの慎重な検討を行いつつ、出資後も定期的なモニタリングを実施すること等により、リスクの低減を行っております。 ⑤ 配当政策について当社グループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。 内部留保資金については、財務体質を考慮しつつ今後の事業拡大のための資金として有効に活用していく所存であります。 ⑥ 繰延税金資産の回収可能性について繰延税金資産の計算は、将来の一定期間における事業計画に基づく課税所得に関する見積りを含めたさまざまな予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定と異なる可能性があります。 また、当社グループの事業は今後の市場の成長性が見込まれている一方で、新規顧客獲得数は競合他社の存在等により一定の不確実性を伴い、実際の課税所得の発生時期及び金額が見積りと異なった場合にも、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況a.資産 当連結会計年度末における資産合計は7,582百万円となり前連結会計年度末に比べ1,038百万円増加いたしました。 これは主に、現金及び預金が854百万円増加したことによるものです。 b.負債 当連結会計年度末における負債合計は5,005百万円となり前連結会計年度末に比べ773百万円増加いたしました。 これは主に、前受収益が670百万円増加したことによるものです。 c.純資産 当連結会計年度末における純資産合計は2,577百万円となり前連結会計年度末に比べ265百万円増加いたしました。 これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上295百万円があったことによるものです。 ② 経営成績の状況 当社グループは、「“はたらく”にテクノロジーを実装し、個の力から社会の仕様を変える」というパーパスのもと、テクノロジーによって一人ひとりの個性や才能を理解することで、個人のキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指しております。 その実現のため、「人材情報を一元化したデータプラットフォームを築く」というビジョンを掲げ、企業の人材情報をクラウド上で一元管理し、データ活用のプラットフォームとなるタレントマネジメントシステム(TMS)『カオナビ』を提供しております。 生産年齢人口の減少を背景に、生産性の向上、多様な働き方への対応、人材の定着や離職防止、採用の強化など、企業はさまざまな人事課題を抱えております。 その解決に向けて、TMSの導入ニーズは高まっており、その市場は今後さらなる成長が見込まれております。 当社グループは、中期経営方針として、「継続的なARR(注1)の成長」、「収益性の向上」、「非財務的活動の推進」の3つを掲げております。 継続的なARRの成長に向けた施策の一環として、人材データベースを軸にさまざまなサービスと連携して付加価値を高めることで、顧客に最適なUX(顧客体験)を提供する人材データプラットフォームの構築を目指しております。 このような方針のもと、直近では、当社グループはタレントマネジメントシステムにおいて、顧客体験価値の向上に向けた機能の開発・改善に注力し、学習管理機能「ラーニングライブラリ」やスキル管理機能「アビリティマネージャー」の強化をはじめとしたさまざまな機能改善に加えて、新機能として社内の膨大な文章データを整理・分析する「インサイトファインダー」をリリースしました。 また、新規事業として、2024年4月に予実管理システム「ヨジツティクス」、2024年7月に労務管理システム「ロウムメイト」をリリースしました。 さらに、積極的な人材採用や育成をはじめとした組織体制の強化、サービス認知度向上を加速するためのマーケティング活動、既存顧客に対するカスタマーサクセスの取り組みなどにも注力してまいりました。 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は売上高9,517百万円(前連結会計年度比24.8%増)、調整後営業利益(注2)631百万円(前連結会計年度比22.5%減)、営業利益536百万円(前連結会計年度比21.0%減)、経常利益301百万円(前連結会計年度比55.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益295百万円(前連結会計年度比57.7%減)となりました。 なお、当社グループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を従来の「タレントマネジメントシステム事業」から「HRテック事業」へ変更しております。 当該名称変更がセグメント情報に与える影響はありません。 (注)1.ARRAnnual Recurring Revenueの略で、四半期末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略で月額利用料の合計)を12倍して算出しています。 なお、MRRは管理会計上の数値です。 2.調整後営業利益営業利益+株式報酬費用+M&Aによるのれん償却費+その他一時費用 ③ キャッシュ・フローの状況 現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は前連結会計年度末に比べ854百万円増加し、5,542百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は1,097百万円となりました。 これは主に、前受収益の増加額670百万円、税金等調整前当期純利益の計上230百万円等の資金の増加があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は66百万円となりました。 これは主に、無形固定資産の取得による支出33百万円、有形固定資産の取得による支出23百万円等の資金の減少があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は178百万円となりました。 これは主に、株式の発行による収入96百万円の資金の増加があったものの、短期借入金の純減少額100百万円、支払手数料の支払額66百万円等の資金の減少があったことによるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。 b.受注実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。 c.販売実績販売実績は、次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)前年同期比(%)9,517124.8(注)1.当社グループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメントごとの記載はしておりません。 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。 この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。 経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。 特に、のれんの評価については重要な会計上の見積りが必要となります。 当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ② 経営成績の分析a.売上高 当連結会計年度における売上高は9,517百万円(前連結会計年度比1,892百万円の増加)となりました。 これは主に、マーケティングから受注に至る一連のプロセスにおいてモニタリング体制の強化と営業アプローチの改善を重ねて新規顧客を獲得していく一方で、既存顧客のサービス活用推進を図るためのカスタマーサクセスやプロダクト開発・機能強化に注力して解約率を低水準に抑えた結果、各事業が順調に成長したことによるものであります。 なお、当連結会計年度末のタレントマネジメントシステム『カオナビ』の利用企業社数は4,225社であり、前連結会計年度末比で548社増加しております。 b.売上原価、売上総利益 当連結会計年度における売上原価は2,279百万円(前連結会計年度比557百万円の増加)となりました。 これは主に、労務費、外注費及びサーバー費の増加によるものであります。 この結果、売上総利益は7,238百万円(前連結会計年度比1,335百万円の増加)となりました。 なお、当連結会計年度の売上総利益率は76.1%(前連結会計年度は77.4%)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業損益 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は6,702百万円(前連結会計年度比1,478百万円の増加)となりました。 これは主に、人員拡大に伴う人材関連費用とサービスの認知度向上のための広告宣伝等マーケティング費用、新機能や新サービスの開発による業務委託費が増加したことによるものであります。 この結果、営業利益は536百万円(前連結会計年度比143百万円の減少)となりました。 なお、当連結会計年度末の従業員数は413名であり、前連結会計年度比で91名増加しております。 d.経常損益 当連結会計年度において営業外収益が7百万円、営業外費用が242百万円発生しております。 この結果、経常利益は301百万円(前連結会計年度比373百万円の減少)となりました。 e.親会社株主に帰属する当期純損益 当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税が177百万円、法人税等調整額が△140百万円発生しております。 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は295百万円(前連結会計年度比403百万円の減少)となりました。 ③ 財政状態の分析 当連結会計年度における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費、広告宣伝費等の営業費用であります。 運転資金は自己資金を基本としており、投資資金は自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金残高は257百万円となっております。 また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は5,542百万円であり、流動性を確保しております。 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑥ 経営戦略の現状と見通し経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑦ 経営者の問題意識と今後の方針今後、当社グループが長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のさまざまな課題に対処していくことが必要であると認識しております。 当社グループがそれらの課題に対応するためには、経営者は常に事業環境の変化に関する情報を入手して分析を行い、当社グループの事業が企業の抱える人事課題の解決や戦略的人事の実現に繋がるためのサービス改善・機能拡充を継続的に行うことで企業に貢献するとともに、当社グループでサステナビリティを意識した事業活動や取り組みを行っていくことで持続可能な社会の実現にも寄与していきたいと考えております。 その結果、企業の働き方やマネジメントのあり方をより良いものに変え、個人一人ひとりの個性や才能が理解されることによるキャリア形成や働き方が多様化される社会の実現を目指し、当社グループ全体で各事業を展開していく方針であります。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループは「人材情報を一元化したデータプラットフォームを築く」というビジョンに基づき、人材データベースを軸にさまざまなサービスと連携することで、より高い顧客体験価値を提供する人材データプラットフォームの構築を目指しております。 その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は191百万円となりました。 主な研究開発活動の成果は以下のとおりです。 新機能のリリースタレントマネジメントシステム(TMS)『カオナビ』は、新機能開発により、人材データプラットフォームとしての価値を更に向上させるため、異動候補者などの通勤経路と交通費を自動算出し、社員の通勤を考慮した配置検討を可能にする「ロケーションサーチ」や、データベース項目を自由に選択して複数名の人材情報を一覧表示する「セレクトビュー」、生成AIを活用してテキストデータを整理・分析し、社内の膨大な社員の声からインサイトにつながる示唆をワンクリックで抽出する「インサイトファインダー」、現場異動案の集約から発令までをシームレスに実現する「フォーメーションビルダー」をリリースしました。 また、経営データをリアルタイムに可視化する予実管理システム『ヨジツティクス』は、経営データの一元化や正しい経営判断の支援を加速させるため、会計システムや販売管理システムから出力した実績データを取り込み、自動で仕分けを行う「会計データ連携機能」や、非財務指標の管理やデータ差異の要因分析を多角的に行う「KPI管理・マトリクス分析機能」をリリースしました。 なお、当社グループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度において、実施した設備投資等の総額は46百万円であり、その主な内容は、ハイスペックPCの取得費14百万円及び他社開発ソフトウエアの資産計上29百万円であります。 なお、当社グループの報告セグメントは、HRテック事業のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載は省略しております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は以下のとおりであります。 (1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物(百万円)車両運搬具(百万円)工具、器具及び備品(百万円)商標権(百万円)ソフトウエア(百万円)合計(百万円)本社(東京都渋谷区)業務設備8-2001543378大阪オフィス(大阪市北区)業務設備8-1--911フィリピンオフィス(フィリピン共和国マカティ市)業務設備-1---15 (注)1.現在、休止中の主な設備はありません。 2.従業員数は就業人員数であります。 なお、臨時従業員数については従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。 3.本社建物は賃貸物件であり、本社オフィスにおける年間支払賃借料は196百万円であります。 4.大阪オフィスの建物は賃貸物件であり、大阪オフィスにおける年間支払賃借料は20百万円であります。 5.フィリピンオフィスの建物は賃貸物件であり、フィリピンオフィスにおける年間支払賃借料は2百万円であります。 (2)国内子会社重要性が乏しいため、記載を省略しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 191,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 46,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 34 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 3 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,900,000 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 当社は有価証券報告書提出日現在において非上場会社であり、記載すべき事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 柳橋 仁機東京都渋谷区3,33827.96 合同会社RSIファンド1号東京都千代田区丸の内1丁目9-22,46020.60 MORGAN STANLEY & CO. INTERNATIONAL PLC(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)25 CABOT SQUARE, CANARY WHARF, LONDON E14 4QA, U.K.(東京都千代田区大手町1丁目9-7)6015.03 株式会社ラクス大阪府大阪市北区鶴野町1-95804.86 みずほ証券株式会社東京都千代田区大手町1丁目5-15674.74 NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN (CASHPB)(常任代理人 野村證券株式会社)1 ANGEL LANE, LONDON, EC4R 3AB, UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1丁目13-1)4443.72 佐藤 寛之東京都渋谷区3452.89 NOMURA INTERNATIONAL PLC A/C JAPAN FLOW(常任代理人 野村證券株式会社)1 ANGEL LANE, LONDON, EC4R 3AB, UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1丁目13-1)2622.20 JPモルガン証券株式会社東京都千代田区丸の内2丁目7-32392.00 株式会社アスパイア東京都港区麻布十番2丁目21-6-21052382.00計-9,07476.00(注)1.所有株式数は、千株未満を四捨五入して表示しております。2.当社代表取締役Co-CEO柳橋仁機(2025年6月25日に当社取締役を退任)の所有株式数は、同役員の資産管理会社である柳橋事務所株式会社が保有する株式数を含めた実質所有株式数を記載しております。3.2024年10月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、アセットマネジメントOne株式会社が2024年10月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)アセットマネジメントOne株式会社東京都千代田区丸の内一丁目8番2号543,4004.684.2025年2月26日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、ヴォイチェフ ヤクブ ポドバス(Wojciech Jakub Podobas)が2025年2月18日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%)ヴォイチェフ ヤクブ ポドバス(Wojciech Jakub Podobas)アラブ首長国連邦 ドバイ23,2000.20 5.2025年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、 合同会社RSIファンド1号及びその共同保有者であるキーストーン インベストメント ホールディングス エルピー(Keystone Investment Holdings, L.P.)が2025年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、上記大株主の状況に記載の 合同会社RSIファンド1号の所有株式数を除き、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。また、大量保有報告書(変更報告書)に基づき、主要株主の異動を確認したため、2025年4月1日付で臨時報告書(主要株主の異動)を提出しております。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(株)株券等保有割合(%) 合同会社RSIファンド1号東京都千代田区丸の内1丁目9-22,460,00020.60キーストーン インベストメント ホールディングス エルピー(Keystone Investment Holdings, L.P.)ケイマン諸島、グランド・ケイマン KY1-9008、ジョージ・タウン、エルギン・アベニュー190、ウォーカース・コーポレート・リミテッド8,718,07273.02 |
株主数-金融機関 | 2 |
株主数-金融商品取引業者 | 17 |
株主数-外国法人等-個人 | 2 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 62 |
株主数-個人その他 | 527 |
株主数-その他の法人 | 11 |
株主数-計 | 621 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 株式会社アスパイア |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 区分株式数(株)価額の総額(円)株主総会(2025年6月17日)での決議状況(取得期間 2025年6月17日)38,619,840,000当事業年度前における取得自己株式--当事業年度における取得自己株式--残存授権株式の総数及び価額の総額--当事業年度の末日現在の未行使割合(%)--当期間における取得自己株式38,619,840,000提出日現在の未行使割合(%)--(注)当期間における取得自己株式は、2025年6月17日開催の臨時株主総会の決議に基づき、同日に合同会社RSIファンド1号から取得したものであります。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式48120,562当期間における取得自己株式104456,570(注)当社は、2025年6月13日付で株式併合を行うとともに、定款変更により単元株式数の定めを廃止したため、当期間における取得自己株式は、2025年4月1日から2025年6月12日までの単元未満株式の買取りによるものであります。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式(注)111,595,200344,800-11,940,000合計11,595,200344,800-11,940,000自己株式 普通株式(注)228048-328合計28048-328(注)1.普通株式の発行済株式総数の増加344,800株は、新株予約権の行使による増加333,200株、譲渡制限付株式報酬としての新株発行による増加11,600株であります。 2.普通株式の自己株式数の増加48株は、単元未満株式の買取によるものであります。 |
Audit
監査法人1、連結 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月26日株式会社カオナビ 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士小松 亮一 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中瀬 朋子 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社カオナビの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社カオナビ及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項1.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年5月22日開催の臨時株主総会において、株式併合について付議し、承認可決された。 会社株式は東京証券取引所における上場廃止基準に従い、所定の手続を経て2025年6月11日をもって上場廃止となった。 2.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年6月17日開催の臨時株主総会において、第三者割当増資による募集株式の発行を行うことを決議し、同日に発行している。 3.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年5月13日開催の取締役会において、資本金及び資本準備金の額を減少することを決議し、2025年6月17日付の臨時株主総会(書面決議)で承認可決され、2025年6月17日付でその効力が発生している。 4.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年6月17日開催の臨時株主総会において、自己株式の取得に関する事項を決議し、同日に取得している。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 TECH CREW株式会社に係るのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、連結子会社であるTECH CREW株式会社(以下、TECH社という)に対して、連結貸借対照表上のれんを546百万円計上しており、総資産の7.2%を占めている。 連結財務諸表の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、企業結合により取得したのれんは、取得原価と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額で計上し、その効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却している。 また、減損の兆候の有無を検討し、減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定している。 会社は、当連結会計年度において、TECH社ののれんに減損の兆候があると判断しているが、割引前将来キャッシュ・フローがのれんを含む資産グループの帳簿価額を上回っているため、減損損失の認識は不要としている。 割引前将来キャッシュ・フローは、顧客数、顧客当たりの利用単価、解約率及びマーケティング活動の投資効率性等に関する経営指標を基礎としたTECH社の事業計画に基づいて算定されており、当該事業計画の主要な仮定は、新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しである。 当該主要な仮定は、将来予測を含むため不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。 また、のれんの額は多額であり、連結財務諸表に与える影響が大きい。 以上のことから、当監査法人は、TECH社に係るのれんの評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、TECH社に係るのれんの評価を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 のれんの減損の兆候判定及び認識の判定プロセスに関する内部統制を理解した。 これには、TECH社の事業計画の取締役会における承認を含んでいる。 (2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの評価 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となったTECH社の事業計画に含まれる主要な仮定である新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しの合理性を評価するため、経営者に対して質問したほか、以下の手続を実施した。 ・ 新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しについて、外部調査機関が公表しているHR Techクラウド市場の需要予測との整合性を検討した。 ・ 顧客数、顧客当たりの利用単価に関する仮定の適切性を評価するため、将来の顧客数及び顧客当たりの利用単価を、過去の実績と比較した。 ・ マーケティング活動の投資効率性に関する仮定の適切性を評価するため、将来の新規顧客の獲得数とその前提となるマーケティング費用の関係を、過去の新規顧客の獲得数とマーケティング費用の関係と比較した。 ・ 将来キャッシュ・フローの見積りの不確実性を評価するため、過年度に策定した事業計画と実績との比較検討を行った。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社カオナビの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社カオナビが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 TECH CREW株式会社に係るのれんの評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、2025年3月31日現在、連結子会社であるTECH CREW株式会社(以下、TECH社という)に対して、連結貸借対照表上のれんを546百万円計上しており、総資産の7.2%を占めている。 連結財務諸表の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、企業結合により取得したのれんは、取得原価と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額で計上し、その効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却している。 また、減損の兆候の有無を検討し、減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定している。 会社は、当連結会計年度において、TECH社ののれんに減損の兆候があると判断しているが、割引前将来キャッシュ・フローがのれんを含む資産グループの帳簿価額を上回っているため、減損損失の認識は不要としている。 割引前将来キャッシュ・フローは、顧客数、顧客当たりの利用単価、解約率及びマーケティング活動の投資効率性等に関する経営指標を基礎としたTECH社の事業計画に基づいて算定されており、当該事業計画の主要な仮定は、新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しである。 当該主要な仮定は、将来予測を含むため不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。 また、のれんの額は多額であり、連結財務諸表に与える影響が大きい。 以上のことから、当監査法人は、TECH社に係るのれんの評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、TECH社に係るのれんの評価を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 のれんの減損の兆候判定及び認識の判定プロセスに関する内部統制を理解した。 これには、TECH社の事業計画の取締役会における承認を含んでいる。 (2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの評価 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となったTECH社の事業計画に含まれる主要な仮定である新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しの合理性を評価するため、経営者に対して質問したほか、以下の手続を実施した。 ・ 新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しについて、外部調査機関が公表しているHR Techクラウド市場の需要予測との整合性を検討した。 ・ 顧客数、顧客当たりの利用単価に関する仮定の適切性を評価するため、将来の顧客数及び顧客当たりの利用単価を、過去の実績と比較した。 ・ マーケティング活動の投資効率性に関する仮定の適切性を評価するため、将来の新規顧客の獲得数とその前提となるマーケティング費用の関係を、過去の新規顧客の獲得数とマーケティング費用の関係と比較した。 ・ 将来キャッシュ・フローの見積りの不確実性を評価するため、過年度に策定した事業計画と実績との比較検討を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | TECH CREW株式会社に係るのれんの評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、2025年3月31日現在、連結子会社であるTECH CREW株式会社(以下、TECH社という)に対して、連結貸借対照表上のれんを546百万円計上しており、総資産の7.2%を占めている。 連結財務諸表の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、企業結合により取得したのれんは、取得原価と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額で計上し、その効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却している。 また、減損の兆候の有無を検討し、減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定している。 会社は、当連結会計年度において、TECH社ののれんに減損の兆候があると判断しているが、割引前将来キャッシュ・フローがのれんを含む資産グループの帳簿価額を上回っているため、減損損失の認識は不要としている。 割引前将来キャッシュ・フローは、顧客数、顧客当たりの利用単価、解約率及びマーケティング活動の投資効率性等に関する経営指標を基礎としたTECH社の事業計画に基づいて算定されており、当該事業計画の主要な仮定は、新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しである。 当該主要な仮定は、将来予測を含むため不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。 また、のれんの額は多額であり、連結財務諸表に与える影響が大きい。 以上のことから、当監査法人は、TECH社に係るのれんの評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 注記事項(重要な会計上の見積り) |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、TECH社に係るのれんの評価を検討するに当たり、主に以下の監査手続を実施した。 (1)内部統制の評価 のれんの減損の兆候判定及び認識の判定プロセスに関する内部統制を理解した。 これには、TECH社の事業計画の取締役会における承認を含んでいる。 (2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの評価 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となったTECH社の事業計画に含まれる主要な仮定である新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しの合理性を評価するため、経営者に対して質問したほか、以下の手続を実施した。 ・ 新規顧客の獲得による継続的な売上高の成長見通しについて、外部調査機関が公表しているHR Techクラウド市場の需要予測との整合性を検討した。 ・ 顧客数、顧客当たりの利用単価に関する仮定の適切性を評価するため、将来の顧客数及び顧客当たりの利用単価を、過去の実績と比較した。 ・ マーケティング活動の投資効率性に関する仮定の適切性を評価するため、将来の新規顧客の獲得数とその前提となるマーケティング費用の関係を、過去の新規顧客の獲得数とマーケティング費用の関係と比較した。 ・ 将来キャッシュ・フローの見積りの不確実性を評価するため、過年度に策定した事業計画と実績との比較検討を行った。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月26日株式会社カオナビ 取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士小松 亮一 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中瀬 朋子 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社カオナビの2024年4月1日から2025年3月31日までの第17期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社カオナビの2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項1.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年5月22日開催の臨時株主総会において、株式併合について付議し、承認可決された。 会社株式は東京証券取引所における上場廃止基準に従い、所定の手続を経て2025年6月11日をもって上場廃止となった。 2.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年6月17日開催の臨時株主総会において、第三者割当増資による募集株式の発行を行うことを決議し、同日に発行している。 3.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年5月13日開催の取締役会において、資本金及び資本準備金の額を減少することを決議し、2025年6月17日付の臨時株主総会(書面決議)で承認可決され、2025年6月17日付でその効力が発生している。 4.重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2025年6月17日開催の臨時株主総会において、自己株式の取得に関する事項を決議し、同日に取得している。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 TECH CREW株式会社に係る関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、「注記事項(重要な会計上の見積り)関係会社株式の評価」に記載のとおり、当事業年度において、TECH CREW株式会社(以下、TECH社という)に係る関係会社株式を803百万円計上しており、当該金額は総資産の10.4%を占めている。 当該株式は、超過収益力を反映して取得しているため、超過収益力の減少により実質価額が著しく低下しているか否かの検討が株式の評価において重要となる。 超過収益力の評価に当たっては、連結財務諸表に計上されているのれんと同様、不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。 また、TECH社に係る関係会社株式は多額であり、財務諸表に与える影響が大きい。 以上のことから、当監査法人は、TECH社に係る関係会社株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものとした。 連結財務諸表の監査報告書において、「TECH CREW株式会社に係るのれんの評価」を監査上の主要な検討事項に該当すると判断し、監査上の対応について記載している。 当該記載内容は、財務諸表監査における監査上の対応と実質的に同一の内容であることから、監査上の対応に関する具体的な記載を省略する。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 TECH CREW株式会社に係る関係会社株式の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は、「注記事項(重要な会計上の見積り)関係会社株式の評価」に記載のとおり、当事業年度において、TECH CREW株式会社(以下、TECH社という)に係る関係会社株式を803百万円計上しており、当該金額は総資産の10.4%を占めている。 当該株式は、超過収益力を反映して取得しているため、超過収益力の減少により実質価額が著しく低下しているか否かの検討が株式の評価において重要となる。 超過収益力の評価に当たっては、連結財務諸表に計上されているのれんと同様、不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。 また、TECH社に係る関係会社株式は多額であり、財務諸表に与える影響が大きい。 以上のことから、当監査法人は、TECH社に係る関係会社株式の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものとした。 連結財務諸表の監査報告書において、「TECH CREW株式会社に係るのれんの評価」を監査上の主要な検討事項に該当すると判断し、監査上の対応について記載している。 当該記載内容は、財務諸表監査における監査上の対応と実質的に同一の内容であることから、監査上の対応に関する具体的な記載を省略する。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | TECH CREW株式会社に係る関係会社株式の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
その他、流動資産 | 11,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 21,000,000 |
有形固定資産 | 38,000,000 |
ソフトウエア | 15,000,000 |
無形固定資産 | 44,000,000 |
投資有価証券 | 17,000,000 |
繰延税金資産 | 609,000,000 |
投資その他の資産 | 1,500,000,000 |
BS負債、資本
1年内返済予定の長期借入金 | 60,000,000 |