財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-27 |
英訳名、表紙 | SHINNIHON CORPORATION |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 髙見 克司 |
本店の所在の場所、表紙 | 千葉県千葉市美浜区ひび野一丁目4番3 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 043(213)1111(代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1923年現会長の祖父金綱秀蔵は、東京都新宿区神楽坂で「金綱工務店」を看板に神社仏閣、料亭等数奇屋造りを請負う建築業をはじめました。 1949年現会長の父金綱徳太郎が二代目として家業を引継ぎ千葉県に営業拠点を移しました。 1964年5月千葉県千葉市中央区椿森にて現取締役会長金綱一男が建設業法による一般建設業許可のうち建築一式工事・大工工事を千葉県知事より受け事業を継承いたしました。 その後の主な変遷は、次のとおりであります。 年月事項1964年10月有限会社金綱工務店を設立し、主に住宅建築の業務を開始1968年2月建設業法による一級建築士事務所免許を千葉県知事より取得1969年2月資本金1百万円の株式会社に改組1970年1月本店を千葉県千葉市中央区都町に移転1972年4月 商号を新日本建設株式会社に変更宅地建物取引業法による宅地建物取引業者免許を千葉県知事より取得1973年9月建設業法による特定建設業の許可のうち建築工事業・土木工事業を千葉県知事より取得1974年2月本店を千葉県千葉市中央区都町(旧本店の隣接地)に移転1975年8月 建物の保守及び維持管理を目的とする株式会社建設保全サービス協会(現株式会社新日本コミュニティー)を設立(現連結子会社)1976年8月 建設業法による特定建設業の許可のうち建築工事業、一般建設業の許可のうち土木工事業、とび・土工工事業の許可を建設大臣(現国土交通大臣)より取得1984年4月 営業本部内に不動産販売部を設置、自社開発の分譲住宅、マンションの販売から不動産の仲介まで業務を拡張1989年12月日本証券業協会に店頭売買銘柄として登録1992年2月 建設業法による特定建設業の許可のうち土木工事業、とび・土工工事業の許可を建設大臣(現国土交通大臣)より取得1994年10月東京証券取引所市場第二部に上場1995年5月不動産事業の拡充発展を図るため、新日本不動産株式会社を設立(現連結子会社)1999年3月「ISO 9001」認証取得(登録範囲は建築・土木構造物の設計、施工及び付帯サービス)2002年3月東京証券取引所市場第一部に上場2002年3月本店を千葉県千葉市美浜区ひび野に移転2004年9月「ISO 14001」環境マネジメントシステム認証取得2006年10月フェニックス・キャピタル株式会社より株式会社建研の全株式を取得(現連結子会社)2006年10月中国不動産市場へ進出するため、中国遼寧省瀋陽市に新日興進(瀋陽)房地産有限公司を設立2006年10月 中国瀋陽市における開発プロジェクトに参画するため新日興進(瀋陽)房地産有限公司を通じて、新実業国際集団(瀋陽)房地産開発有限公司の出資持分51%を取得2009年3月中国瀋陽市における開発プロジェクトにおける共同事業解消に伴い、新日興進(瀋陽)房地産有限公司が保有する、新実業国際集団(瀋陽)房地産開発有限公司の全出資持分を譲渡2018年10月中国瀋陽市における開発プロジェクトを精算するため、新日興進(瀋陽)房地産有限公司の全出資持分を譲渡2019年9月「ISO 45001」労働安全衛生マネジメントシステム認証取得2020年1月ZEHデベロッパー(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)登録2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行2024年10月会社設立60年 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社3社(㈱建研、㈱新日本コミュニティー及び新日本不動産㈱)、非連結子会社2社(リハウスビルドジャパン㈱及びSHINNIHON AMERICA, INC.)、関連会社3社(㈱ならしのスクールランチ、MICE IR千葉㈱、PFIこしがや教育推進整備㈱)の計9社で構成されており、建設事業及び開発事業等を主たる業務として事業活動を展開しております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。 なお、以下に示す区分は、セグメントと同一であります。 建設事業(イ)当社は、建築・土木工事を請負い、企画、設計及び施工しております。 (ロ)子会社㈱建研は、主に自社及び提携工場で製造するプレキャスト及びプレストレストコンクリート部材を主材とする建築・土木工事、アウトフレーム工法による耐震補強工事を請負い、企画、設計及び施工しております。 また、当社から一部建設工事を請負い、施工しております。 (ハ)子会社㈱新日本コミュニティーは、小規模工事及び管理を受託しているマンションの大規模修繕工事等を当社及び得意先より請負い、施工しております。 開発事業等(イ)当社は、土地を取得して建物を建設し、分譲又は土地・建物を一括にて販売しております。 また、オフィスビル等を保有し、賃貸しております。 (ロ)子会社㈱新日本コミュニティーは、当社保有物件及び当社販売・建築物件の一部について、当社及び当社の販売・請負先より、マンション・ビル管理を受託しております。 (ハ)子会社新日本不動産㈱は、新日本ビル(当社の本社社屋)及び集合住宅を保有し、当社及び得意先に賃貸しております。 ※非連結子会社2社及び関連会社3社につきましては、重要性がないため記載を省略しております。 事業の系統図は次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有(被所有)割合関係内容所有割合(%)被所有割合(%)(連結子会社) ㈱新日本コミュニティー千葉県千葉市美浜区20建設事業及び開発事業等100.0―当社販売・建築物件の管理業務を販売・請負先より受託しております。 役員の兼任 4名(連結子会社) 新日本不動産㈱ (注)2千葉県千葉市美浜区379開発事業等100.0―新日本ビル(当社の本社社屋)を保有し、当社に賃貸しております。 当社が貸付けを行っております。 役員の兼任 4名(連結子会社) ㈱建研 (注)2東京都中央区100建設事業100.0―当社の施工協力を行っております。 役員の兼任 4名(その他の関係会社) ㈱シンニホンコム (注)4千葉県千葉市中央区20当社株式の保有―33.7営業上の取引 なし役員の兼任 2名 (注) 1 連結子会社の主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。 2 特定子会社に該当しております。 3 上記子会社のうち有価証券報告書又は有価証券届出書を提出している会社はありません。 4 当社の議決権を33.7%所有する大株主でありますが、当該会社は当社設立者である取締役会長金綱一男の財産保全会社であり、財務諸表等規則上の親会社等に該当するものではありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(名)建設事業537(57)開発事業等96(11)全社(共通)27(6)合計660(74) (注) 1 従業員数は就業人員であります。 2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。 3 全社(共通)は、総務部等管理部門の従業員であります。 (2) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)51937.811.98,361,632 セグメントの名称従業員数(名)建設事業429開発事業等70全社(共通)20合計519 (注) 1 従業員数は就業人員であります。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3 平均臨時雇用人員については、当該臨時従業員の総数が従業員の100分の10未満であるため記載を省略しております。 4 全社(共通)は、総務部等管理部門の従業員であります。 (3) 労働組合の状況労働組合はありませんが、労使関係は良好であり、特に記載すべき事項はありません。 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 ① 提出会社当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者0.040.063.060.459.9 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。 ② 連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者 全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者㈱建研5.650.050.0―(注2)63.563.675.0 ㈱新日本コミュニティー6.3―――(注2)78.270.567.2 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。 3 新日本不動産㈱は、小規模であるため記載を省略しております。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「建設を通じ社会に貢献することを崇高な使命とする」を経営理念に掲げ、「自主先進の経営」、「戦略的経営」、「人を育てる経営」を経営の基本スタンスとし、「企業文化の創生と共に21世紀日本の新しい建設産業をリードする高資質企業」、「建設を通してより豊かな社会創りに貢献する生活総合サポート企業」を経営ビジョンとしております。 社会構造と顧客ニーズの変化に柔軟に対応できる、高度なデベロッパー機能を持つ高資質な総合建設業として、顧客をはじめ株主の皆様のご期待と信頼にお応えできる企業グループを目指しております。 (2) 経営戦略等当社グループは、従来の建設受注産業から建設販売産業への転換を目指し、経営戦略の基本方針を「変化する時代のニーズを捉え、顧客志向に基づいた戦略を徹底」、「企業規模の拡大と組織強化による優れた収益力と強固な財務基盤を構築し、企業価値の向上を図る」としております。 また、当社グループ独自のビジネスモデルである建設事業と開発事業を併せ持つ一貫体制や時代のニーズに応える技術力、建設の需要を生み出す企画提案型営業、環境に配慮したZEH-Mや太陽光発電設備の導入や高齢者向け施設の開発等の「価値を創造する力」を最大限活かし、先見性を持って、環境の変化に柔軟に対応する経営により、着実に安定成長することを目標としております。 (3) 経営環境今後のわが国経済は、賃金と物価の好循環が期待される一方、米国の関税政策が自動車産業を中心とした輸出企業に与える影響が見通せず、先行きは不透明な状況となっております。 当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では労務不足が続くなか、輸出企業を中心とした設備投資需要の減少が懸念されます。 一方、開発事業等では首都圏のマンション市場における需給バランスはおおむね均衡しているものの、今後の販売価格の上昇や金利の動向が顧客の購入意欲に影響を与えるおそれがあります。 (4) 対処すべき課題当社グループは、建設事業と開発事業によるシナジー効果の更なる拡充による一層の企業価値の向上を目指し、以下の事項に取り組んでまいります。 ① 企画開発力、営業力の強化・付加価値営業の徹底による特命受注の強化・工場、倉庫、商業、教育施設、宿泊施設等、非住宅設備投資案件への取組強化② 自社製販一貫体制の更なる改善による高品質な商品、サービスの提供 ・駅近の好立地に絞った事業用地の仕入・自社ブランドマンションにおけるZEH-M、太陽光発電設備の標準化促進・高齢者向け住宅の開発によるシニア市場への参入③ 労務不足、資材コスト上昇への対応・新規協力業者の開拓による安定的な調達先の確保・PC工法や新資材の採用による工期短縮及び原価低減・物件規格化・大量調達による安定的な資材調達及び原価低減④ 人材関連投資の拡充・賃金の引き上げ及び働きやすい環境の整備による優秀な人材の確保・研修制度の拡充等による人材育成の強化及びマネジメント力の向上⑤ 働き方改革を踏まえた継続的な業務改善による生産性向上・DX推進による業務効率化及び総労働時間削減・施工管理手法の改善による時間短縮及びコスト削減⑥ リスク管理、コンプライアンスの徹底・工事受注、用地仕入時等における事業リスク管理の徹底・法令、社会規範を遵守した業務遂行の徹底・施工プロセスの確実な検証による重大な施工瑕疵の発生防止と現場事故0運動の徹底 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) ガバナンス当社グループは、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため常務会にて検討し、重要事項等を適宜、取締役会に報告しております。 常務会は、社長執行役員髙見克司を議長とし、鈴木政幸、高橋苗樹及び金綱康人の4名で構成されております。 取締役会は、常務会から報告を受けた重要事項等を必要に応じて審議するとともに、指導、監督しております。 (2) 戦略① 気候変動への対応当社グループは、TCFD提言に基づき抽出したリスクと機会を常務会にて分析し、重要なリスクと機会及びその影響度を特定して対応策を検討いたしました。 その概要は、以下のとおりであります。 シナリオ分類項目期間影響度対応策1.5℃機会環境に配慮した建築物の需要が拡大する中期中・ZEH-Mの取組拡大・太陽光充電設備及びEV充電設備の導入推進リスク炭素税導入によりコストが上昇する長期中・PC工法や新素材の採用による工期短縮及び原価低減4℃機会異常気象により被災した建物の移転や再建築需要、防災減災関連工事が増加する中期中・防災減災工事に関する施工能力の維持向上リスク平均気温の上昇により工事現場での熱中症発生数が上昇し工期が遅延する長期小・通気性の良い作業着や対策商品の採用・業務効率化による酷暑作業時間の削減異常気象により資材調達先が被災する長期大・資材調達先を含めた協力会社の拡大及び連携強化 ※1 1.5℃シナリオ気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5~2℃未満に抑えることを目指したシナリオ。 1.5℃目標達成に向けた気候変動対策の推進により、各種規制が強化、市場‧消費者の環境意識も高まり、移行リスクが顕在化する。 ※2 4℃シナリオ気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。 物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されている。 ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針当社グループは、「人を育てる経営」を経営の基本目標の一つとして、人材育成及び社内環境整備を行っております。 人材育成の前提として、獲得した人材の定着率向上を目標として設定するとともに、必要なスキルを身につけさせるため、各年次、職位ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度、OJTによる指導等を行っております。 また、スキルの維持、更なる向上のためのリスキル、学び直し等を行い、継続的な育成に取り組んでおります。 さらに、労働者不足への対応、生産性向上、女性活躍推進の観点から、新卒女性採用比率及び女性管理職数の目標を設定し、性別や年齢、国籍等に関係なく様々な人材が活躍できる環境の整備を推進するとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用を積極的に行っております。 (3) リスク管理サステナビリティ全般に関する事項を含む全社的なリスクと機会は、常務会において検討しております。 常務会は、サステナビリティに係るリスクと機会について、経営・財務・事業等への影響を考慮し、現状の再評価と新規事象の抽出を行い、リスクと機会を特定しております。 特定した事象について、リスク軽減及び機会獲得のための対応方針と具体策を検討して関係部署に展開するとともに、その対応状況をモニタリングしております。 また、重要事象については、対応方針や対応状況等を取締役会に適宜報告しております。 (4) 指標及び目標① 気候変動への対応当社は、脱炭素に向けた取り組みとしてCO2排出量を測定(スコープ1及びスコープ2)し、2030年までに2024年3月期比で20%の削減目標を設定いたしました。 当社における直近の排出量は以下のとおりであります。 なお、連結子会社の開示については、算出にかかるコスト等に鑑み、算出を見送っております。 (単位:t-CO2) 2024年3月期当事業年度増減比率スコープ1 (直接排出)324.30349.857.9%スコープ2 (間接排出)3,573.502,560.87△28.3%合計3,897.812,910.73△25.3% ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針当社グループでは、上記「 (2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績(当連結会計年度)新卒女性採用比率2030年3月までに30%14.6%女性管理職数2026年4月までに2名3名社員定着率(3年間)2030年3月までに90%79.8% |
戦略 | (2) 戦略① 気候変動への対応当社グループは、TCFD提言に基づき抽出したリスクと機会を常務会にて分析し、重要なリスクと機会及びその影響度を特定して対応策を検討いたしました。 その概要は、以下のとおりであります。 シナリオ分類項目期間影響度対応策1.5℃機会環境に配慮した建築物の需要が拡大する中期中・ZEH-Mの取組拡大・太陽光充電設備及びEV充電設備の導入推進リスク炭素税導入によりコストが上昇する長期中・PC工法や新素材の採用による工期短縮及び原価低減4℃機会異常気象により被災した建物の移転や再建築需要、防災減災関連工事が増加する中期中・防災減災工事に関する施工能力の維持向上リスク平均気温の上昇により工事現場での熱中症発生数が上昇し工期が遅延する長期小・通気性の良い作業着や対策商品の採用・業務効率化による酷暑作業時間の削減異常気象により資材調達先が被災する長期大・資材調達先を含めた協力会社の拡大及び連携強化 ※1 1.5℃シナリオ気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5~2℃未満に抑えることを目指したシナリオ。 1.5℃目標達成に向けた気候変動対策の推進により、各種規制が強化、市場‧消費者の環境意識も高まり、移行リスクが顕在化する。 ※2 4℃シナリオ気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。 物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されている。 ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針当社グループは、「人を育てる経営」を経営の基本目標の一つとして、人材育成及び社内環境整備を行っております。 人材育成の前提として、獲得した人材の定着率向上を目標として設定するとともに、必要なスキルを身につけさせるため、各年次、職位ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度、OJTによる指導等を行っております。 また、スキルの維持、更なる向上のためのリスキル、学び直し等を行い、継続的な育成に取り組んでおります。 さらに、労働者不足への対応、生産性向上、女性活躍推進の観点から、新卒女性採用比率及び女性管理職数の目標を設定し、性別や年齢、国籍等に関係なく様々な人材が活躍できる環境の整備を推進するとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用を積極的に行っております。 |
指標及び目標 | (4) 指標及び目標① 気候変動への対応当社は、脱炭素に向けた取り組みとしてCO2排出量を測定(スコープ1及びスコープ2)し、2030年までに2024年3月期比で20%の削減目標を設定いたしました。 当社における直近の排出量は以下のとおりであります。 なお、連結子会社の開示については、算出にかかるコスト等に鑑み、算出を見送っております。 (単位:t-CO2) 2024年3月期当事業年度増減比率スコープ1 (直接排出)324.30349.857.9%スコープ2 (間接排出)3,573.502,560.87△28.3%合計3,897.812,910.73△25.3% ② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針当社グループでは、上記「 (2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績(当連結会計年度)新卒女性採用比率2030年3月までに30%14.6%女性管理職数2026年4月までに2名3名社員定着率(3年間)2030年3月までに90%79.8% |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | 当社グループは、「人を育てる経営」を経営の基本目標の一つとして、人材育成及び社内環境整備を行っております。 人材育成の前提として、獲得した人材の定着率向上を目標として設定するとともに、必要なスキルを身につけさせるため、各年次、職位ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度、OJTによる指導等を行っております。 また、スキルの維持、更なる向上のためのリスキル、学び直し等を行い、継続的な育成に取り組んでおります。 さらに、労働者不足への対応、生産性向上、女性活躍推進の観点から、新卒女性採用比率及び女性管理職数の目標を設定し、性別や年齢、国籍等に関係なく様々な人材が活躍できる環境の整備を推進するとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用を積極的に行っております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社グループでは、上記「 (2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。 当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。 指標目標実績(当連結会計年度)新卒女性採用比率2030年3月までに30%14.6%女性管理職数2026年4月までに2名3名社員定着率(3年間)2030年3月までに90%79.8% |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 建設事業に係るリスク当社グループが属する建設業界では、建設市場の縮小による競争の激化、建設労働者及び資材等の価格の急激な上昇とその確保難、関係法令の改正等のリスクが存在しております。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、受注高の減少、労務・資材単価の上昇や工期の遅れ等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 当該リスクを最小化するため、建物の付加価値を向上させる企画提案型の営業に注力して受注を確保するとともに、既存の協力業者だけでなく新規協力業者の開拓に常に取り組む等、建設労働者及び資材を安定的に確保するための活動を行っております。 (2) 開発事業に係るリスク当社グループが属する不動産業界では、地価の動向や物件の需給環境等の影響を受けやすく、景気悪化、金利上昇等の経済情勢の変化や関係法令の改正等のリスクが存在しております。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、顧客の購買意欲の減退や棚卸資産等の価値が下落する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 当該リスクを最小化するため、用地取得の際に、駅近や実需層向け等、景気悪化の影響を受けにくい物件を選定するとともに、環境の変化を踏まえ、慎重に販売戦略を検討する等、不動産市況の動向、顧客のニーズに応じた仕入活動及び販売活動を行っております。 (3) 取引先の信用リスク当社グループの発注者や協力業者等の取引先が信用不安に陥るリスクが存在しております。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、工事代金の回収不能や工事の遅延等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 当該リスクを最小化するため、取引先の信用調査を徹底するとともに、代金回収の早期化に努める等、取引先の信用リスクを低減させる活動を行っております。 (4) オペレーショナルリスク当社グループにおいて、法令違反や不適切な契約の締結、訴訟、紛争その他の法的手続等の発生、事務処理ミス、不正の発生、社内情報の流出、システム障害等が発生するリスクが存在しております。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループが保有する資産の毀損や社会的信用の低下等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 当該リスクを最小化するため、法務室による法務リスクの管理や、監査室による内部監査の実施、情報セキュリティーの強化等、内部統制の拡充に努め、オペレーショナルリスクを低減させる活動を行っております。 (5) 災害等に係るリスク地震、風水害等の自然災害及び事故、火災、テロ等の人的災害、感染症の大流行やその他予想し得ない災害が発生するリスクが存在しております。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループが保有する資産の毀損、従業員や取引先等への影響が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要は、次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の関税政策による影響が懸念されるなか、国内では好調な企業業績を背景に雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調で推移しました。 当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では、設備投資需要は好調だったものの、労務不足や資材価格の高止まりにより収益環境は厳しい状況が続きました。 一方、開発事業等では、マンションの平均販売価格が最高値を更新するなか、首都圏マンション市場は都心部の富裕層向けを中心におおむね堅調に推移しました。 このような環境のなか、当社グループの連結業績は、次のとおりとなりました。 売上高につきましては前期比1.4%減の1,316億62百万円となり、その内訳は完成工事高732億66百万円、開発事業等売上高583億95百万円となりました。 利益につきましては、営業利益は前期比4.2%増の183億10百万円、経常利益は前期比4.0%増の183億69百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比4.3%増の128億16百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 なお、セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。 (建設事業)当セグメントの売上高は前期比2.6%増の733億71百万円となり、セグメント利益(営業利益)は前期比19.3%増の51億5百万円となりました。 (開発事業等)当セグメントの売上高は前期比6.0%減の583億95百万円となったものの、利益率が改善したことから、セグメント利益(営業利益)は前期比0.8%増の142億37百万円となりました。 また、当連結会計年度末において、総資産は前連結会計年度末と比べて48億円増加し、1,729億54百万円(うち流動資産1,586億93百万円、固定資産142億61百万円)、負債合計は前連結会計年度末と比べて44億16百万円減少し、506億41百万円(うち流動負債485億6百万円、固定負債21億35百万円)、純資産合計は前連結会計年度末と比べて92億17百万円増加し、1,223億13百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて355億20百万円減少し、486億53百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度末と比べて90億45百万円減少し、26億54百万円となりました。 この主な要因は、税金等調整前当期純利益および仕入債務の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度末と比べて341億87百万円減少し、マイナス344億34百万円となりました。 この主な要因は、定期預金の預入れによる支出によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)前連結会計年度末と比べて18億59百万円減少し、マイナス37億40百万円となりました。 この主な要因は、配当金の支払額によるものであります。 ③ 受注及び販売の実績a.受注実績 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)建設事業(百万円)87,64989,9202.6開発事業等(百万円)54,53264,29317.9合計(百万円)142,182154,2148.5 b.売上実績 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)建設事業(百万円)71,37573,2662.7開発事業等(百万円)62,14258,395△6.0合計(百万円)133,517131,662△1.4 c.繰越実績 セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)建設事業(百万円)88,326104,98018.9開発事業等(百万円)22,74728,64525.9合計(百万円)111,073133,62520.3 (注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。 2 セグメント間取引は相殺消去しております。 なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。 受注高及び売上高の状況イ.受注高、売上高及び次期繰越高(単位:百万円)期別区分前期繰越高当期受注高計当期売上高次期繰越高前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)建設事業建築工事64,54372,945137,48862,36175,126土木工事―――――計64,54372,945137,48862,36175,126開発事業等30,35652,74783,10360,35622,747合計94,899125,692220,592122,71897,873当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建設事業建築工事75,12681,558156,68460,96795,717土木工事―――――計75,12681,558156,68460,96795,717開発事業等22,74758,94081,68756,35225,335合計97,873140,498238,372117,319121,052 (注) 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注高に増減額を含めております。 したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。 ロ. 受注高の受注方法別比率工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。 期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)建築工事58.241.8100.0土木工事―――当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事54.645.4100.0土木工事――― (注) 百分比は請負金額比であります。 ハ.売上高 期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)建設事業建築工事5,38356,97862,361土木工事―――計5,38356,97862,361開発事業等―60,35660,356合計5,383117,335122,718当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建設事業建築工事3,47257,49560,967土木工事―――計3,47257,49560,967開発事業等―56,35256,352合計3,472113,847117,319 (注) 前期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 (発注者)(工事名称)流山市(仮称)流山市立市野谷小学校新築工事学校法人ケイ・インターナショナルスクールケイ・インターナショナル東京校舎体育館棟建設工事関電不動産開発㈱(仮称)千葉市花見川区幕張町6丁目マンションプロジェクト新築工事大成有楽不動産㈱他(仮称)オーベル新松戸Ⅳ計画新築工事中央日本土地建物㈱(仮称)北区豊島6丁目計画新築工事 当期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 (発注者)(工事名称)日鉄興和不動産㈱他(仮称)千葉市稲毛区小仲台5丁目計画新築工事KIC春日部2特定目的会社KIC春日部ディストリビューションセンター2新築工事㈱モリモト(仮称)杉並区堀之内2丁目計画新築㈱テラモト(仮称)テラモト成田工場新施設新築工事㈱モリモト(仮称)練馬区豊玉北6丁目計画新築工事 ニ.次期繰越高(当事業年度) 区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)建設事業建築工事10,12085,59695,717土木工事―――計10,12085,59695,717開発事業等―25,33525,335合計10,120110,931121,052 (注) 繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。 (発注者)(工事名称)(完成予定)東京ガス不動産㈱台東賃貸住宅新築工事・台東ビル解体工事2026年10月アパホーム㈱、アパマンション㈱(仮称)アパホテル〈日本橋小伝馬町駅前南〉新築工事2028年4月大和地所レジデンス㈱(仮称)木更津市富士見三丁目計画新築工事2026年9月第一交通産業㈱(仮称)相模原駅前計画新築工事2027年11月㈱長谷工コーポレーション墨田区緑1丁目計画2028年5月 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の状況(売上高、売上総利益)売上高は、前連結会計年度と比べて18億54百万円減少(1.4%減)し、1,316億62百万円となりました。 この主な要因は、開発事業等売上高が減少したことによるものであります。 売上総利益は、前連結会計年度と比べて6億67百万円増加(2.9%増)し、235億50百万円となりました。 この主な要因は、利益率が改善したことによるものであります。 (販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて65百万円減少(1.2%減)し、52億39百万円となりました。 この主な要因は、広告宣伝費が減少したことによるものであります。 この結果、営業利益は、前連結会計年度と比べて7億33百万円増加(4.2%増)し、183億10百万円となりました。 (営業外損益、経常利益)営業外収益は、前連結会計年度と比べて34百万円減少(33.5%減)し、68百万円となりました。 営業外費用は、前連結会計年度と比べて0百万円増加(9.0%増)し、9百万円となりました。 この結果、営業外損益は59百万円の利益(前連結会計年度は94百万円の利益)となり、経常利益は、前連結会計年度と比べて6億98百万円増加(4.0%増)し、183億69百万円となりました。 (特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)特別利益は発生しませんでした(前連結会計年度も発生なし)。 特別損失は発生しませんでした(前連結会計年度も発生なし)。 この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べて6億98百万円増加(4.0%増)し、183億69百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて5億30百万円増加(4.3%増)し、128億16百万円となりました。 b.財政状態の状況(資産)流動資産は、前連結会計年度末と比べて63億24百万円増加し、1,586億93百万円となりました。 この主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が58億44百万円増加したことによるものであります。 固定資産は、前連結会計年度末と比べて15億24百万円減少し、142億61百万円となりました。 この主な要因は、建物・構築物8億50百万円、土地9億54百万円を販売用不動産に振替えたことによるものであります。 この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて48億円増加し、1,729億54百万円となりました。 (負債)流動負債は、前連結会計年度末と比べて44億23百万円減少し、485億6百万円となりました。 この主な要因は、支払手形・工事未払金等が64億89百万円減少したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末と比べて6百万円増加し、21億35百万円となりました。 この主な要因は、役員退職慰労引当金が17百万円増加したことによるものであります。 この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて44億16百万円減少し、506億41百万円となりました。 (純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比べて92億17百万円増加し、1,223億13百万円となりました。 この主な要因は、利益剰余金が90億73百万円増加したことによるものであります。 c.キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の現状に対する認識及び分析・検討内容セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。 (建設事業)建設事業セグメントでは、建物の付加価値向上をベースにした企画提案型営業を推進することにより、引き続き特命受注を強化するとともに、非住宅案件の受注強化に取り組んでまいりました。 その結果、当セグメントの売上高は前期比2.6%増の733億71百万円となり、セグメント利益(営業利益)は前期比19.3%増の51億5百万円となりました。 また、セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて92億17百万円増加し、327億27百万円となりました。 この主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことによるものであります。 (開発事業等)開発事業等セグメントでは、用地取得から企画・設計・施工・分譲・管理・アフターサービスまで全て当社グループで行う「自社製販一貫体制」による安心・安全の自社マンションブランド「EXCELLENT CITY」シリーズにおいて、環境に配慮したZEH-Mへの取り組み等によりブランド力を強化するとともに、大型の再開発プロジェクトへの参画や高齢者向け施設の開発等、収益構造の多角化を図ってまいりました。 その結果、当セグメントの売上高は前期比6.0%減の583億95百万円となったものの、利益率が改善したことから、セグメント利益(営業利益)は前期比0.8%増の142億37百万円となりました。 また、セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて10億92百万円減少し、919億19百万円となりました。 この主な要因は、販売用不動産が減少したことによるものであります。 ② 資本の財源及び資金の流動性に関する分析当社グループは、今後の事業展開に備えるための資金の流動性の確保と内部留保の充実及び株主への利益還元等を総合的に勘案しながら、健全なバランスシート及び最適な資本構成を維持し、財務体質のより一層の強化を図ってまいります。 そのため、資金運用を短期的な預金等に限定するとともに、事業用地の取得や開発物件の建築資金等の短期的な運転資金は、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び借入枠の実行による金融機関からの短期借入れ、再開発事業等の大型プロジェクトや設備投資等の長期的な資金は、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入れによる方針であります。 グループ各社の資金は、当社において一元管理しており、必要に応じて各社の資金を融通しております。 なお、有利子負債(リース債務)の期末残高は僅少であり、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて355億20百万円減少(42.2%減)し、486億53百万円となりました。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発活動は、建設事業セグメントにおけるPC工法等の研究開発であります。 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は6百万円であります。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 該当事項はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 (1) 提出会社2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物・構築物車両運搬具及び工具器具備品土地リース資産合計面積(㎡)金額本社(千葉県千葉市美浜区) (注)1建設事業及び開発事業等955――469490賃貸不動産(宮城県仙台市若林区他) (注)2開発事業等3,63207,892.073,983―7,616― (2) 国内子会社2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物・構築物機械及び装置車両運搬具及び工具器具備品土地リース資産その他合計面積(㎡)金額新日本不動産㈱本社(千葉県千葉市美浜区他) (注)1、2開発事業等4500―2,314.03890――1,3411㈱建研水口工場(滋賀県甲賀市)建設事業739336353,601.009848―1,52212 (注) 1 本社社屋は連結子会社新日本不動産株式会社より一括賃借しております。 2 土地及び建物の全部又は一部を連結会社以外へ賃貸しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1) 重要な設備の新設等該当事項はありません。 (2) 重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 6,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 38 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 12 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,361,632 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を得ることを目的とする投資株式を純投資目的の投資株式、物件紹介等の取引関係を維持・強化し、当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると判断する投資株式を政策保有株式として区分しております。 なお、当社は、純投資目的の投資株式は保有しない方針であります。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、保有先企業との取引状況や保有先企業の財政状態及び経営成績、保有株式の時価等の状況を継続的にモニタリングするとともに、少なくとも年1回、取締役会に政策保有株式の状況を報告し、当社の保有目的である物件紹介等の取引関係の維持・強化につながるか、当社グループの中長期的な企業価値向上に資するか等を総合的に勘案し、保有するすべての投資株式について保有の合理性を検証し、必要に応じて売却を検討しております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式621非上場株式以外の株式51,255 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式13取引関係を強化するための株式累積投資による取得であります。 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式――非上場株式以外の株式―― c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式特定投資株式は、取締役会において検討した結果、保有目的である物件紹介等の取引関係の維持・強化及び当社グループの中長期的な企業価値向上に資すると判断したため、継続して保有しているものであります。 定量的な保有効果については、建設事業における請負工事の発注や紹介、開発事業における土地情報の紹介、資金の借入および運用等の状況を総合的に勘案して保有の合理性を検証しておりますが、保有先企業との取引において秘密保持に関する条項が含まれているため記載しておりません。 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱千葉銀行701,587698,805(保有目的)上記に記載のとおりであります。 (業務提携等の概要)物件紹介、金融取引等(定量的な保有効果)上記に記載のとおりであります。 (株式数が増加した理由)取引関係を強化するための株式累積投資による取得であります。 有981881㈱京葉銀行135,004135,004(保有目的)上記に記載のとおりであります。 (業務提携等の概要)物件紹介、金融取引等(定量的な保有効果)上記に記載のとおりであります。 有121102㈱千葉興業銀行79,60079,600(保有目的)上記に記載のとおりであります。 (業務提携等の概要)物件紹介、金融取引等(定量的な保有効果)上記に記載のとおりであります。 有10386㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ12,87112,871(保有目的)上記に記載のとおりであります。 (業務提携等の概要)物件紹介、金融取引等(定量的な保有効果)上記に記載のとおりであります。 無 (注)22520㈱オリエンタルランド8,0008,000(保有目的)上記に記載のとおりであります。 (業務提携等の概要)工事発注(定量的な保有効果)上記に記載のとおりであります。 無2338 (注)1 保有銘柄数が60銘柄に満たないため、貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下である銘柄についても記載しております。 2 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループは当社株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社株式を保有しております。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 6 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 21,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 5 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,255,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 8,000 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 23,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 取引関係を強化するための株式累積投資による取得であります。 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱オリエンタルランド |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | (保有目的)上記に記載のとおりであります。 (業務提携等の概要)工事発注(定量的な保有効果)上記に記載のとおりであります。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 株式会社シンニホンコム千葉県千葉市中央区春日1-7-419,70033.68 株式会社ユニオンサイト千葉県千葉市中央区春日1-7-46,76111.56 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(注2)東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 3,6686.27 株式会社千葉銀行 千葉県千葉市中央区千葉港1-2 2,0783.55 株式会社京葉銀行(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)千葉県千葉市中央区富士見1-11-11(東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR)1,7222.94 公益財団法人新日育英奨学会千葉県千葉市美浜区ひび野1-4-3 1,7002.91 株式会社日本カストディ銀行(信託口)(注3)東京都中央区晴海1-8-121,3122.24 東方地所株式会社 千葉県千葉市中央区新田町16-17 1,0831.85 清原達郎東京都港区1,0331.77 INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)ONE PICKWICK PLAZA GREENWICH, CONNECTICUT 06830 USA(東京都千代田区霞が関3-2-5) 7091.21 計―39,77168.00 (注)1 上記のほか当社所有の自己株式2,871千株があります。2 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式の内訳は、投資信託1,506千株、年金信託64千株、その他信託2,097千株であります。3 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式の内訳は、投資信託633千株、年金信託51千株、その他信託620千株、課税株6千株であります。 |
株主数-金融機関 | 18 |
株主数-金融商品取引業者 | 27 |
株主数-外国法人等-個人 | 14 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 167 |
株主数-個人その他 | 4,601 |
株主数-その他の法人 | 100 |
株主数-計 | 4,927 |
氏名又は名称、大株主の状況 | INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社) |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式1010当期間における取得自己株式―― (注) 当期間における取得自己株式数には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | 0 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1 発行済株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)61,360,720――61,360,720 2 自己株式に関する事項株式の種類当連結会計年度期首増加減少当連結会計年度末普通株式(株)2,870,971101―2,871,072 (変動事由の概要) 単元未満株式の買取による増加 101株 |
Audit
監査法人1、連結 | 太陽有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月27日新日本建設株式会社取締役会 御中 太陽有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士久 塚 清 憲 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士上 原 啓 輔 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている新日本建設株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、新日本建設株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1に記載されているとおり、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約については、履行義務の充足に係る工事進捗度(以下、進捗度という。 )を合理的に見積り、当該進捗度に基づき収益を認識している。 当連結会計年度において一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る完成工事高は70,946百万円であり、売上高合計131,662百万円の53.9%を占めており、その金額的重要性は高い。 会社は、実行予算に基づき工事原価総額を算定し、定期的な工事報告に基づいて、工種ごとに施工割合を把握することにより、工事原価総額に対する期末時点の進捗度を見積り、工事収益総額に当該進捗度を乗じて工事収益を算定している。 会社は、実行予算に基づいて工事原価総額の見積りを行っているが、実行予算の改訂により工事原価総額及び進捗度の見積りに変動が生じる可能性がある。 また、会社は、工種ごとに施工割合を把握することで、工事原価総額に対する期末時点の進捗度を見積っていることから、当該プロセスは経営者の判断が求められる重要なプロセスとなる。 以上により、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識について、重要な不確実性が存在することから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 工事契約ごとの収支管理や工期管理に関する会社の内部統制の整備状況を理解するとともに、運用状況を検証した。 これには、工事原価総額の見積りにおける実行予算、定期的な工事報告及び実際の進捗度と実行予算上の予定進捗度に一定以上の乖離がある場合に工種ごとに差異原因を明確化した査定表の作成プロセスが含まれる。 ・ 工事収益総額の見積りについては、一定の基準により抽出した工事契約について、契約金額及び契約内容に関して工事請負契約書との証憑突合を行い、会社が認識している契約金額の正確性を検証するとともに、必要に応じて工事契約の状況について工事責任者に対する質問を実施した。 ・ 工事原価総額の見積りの妥当性に関連して、以下の監査手続を実施した。 - 実行予算上の原価率が過去の工事における実績原価率と一定以上の乖離がある工事物件について、経理責任者にその理由を質問した。 - 一定の基準により抽出した工事物件について、工事原価総額の見積りの正確性を検証するため、協力会社との契約書又は注文請書との突合を実施した。 - 完成済工事物件の工事収益、工事原価、工事利益について、確定額と実行予算書との乖離状況を検証し、工事原価総額に関する見積りの不確実性を評価した。 ・ 進捗度の見積りの妥当性に関連して、以下の監査手続を実施した。 - 工事現場の現況と定期的な工事報告に記載された進捗度に重要な乖離がないことを確かめるため、一定の基準により抽出した工事物件について視察を実施した。 - 実行予算上の予定進捗度と定期的な工事報告に記載された進捗度に一定以上の乖離がある場合、工種ごとの差異原因を把握した。 - 進捗度の計算の正確性を検証するために、一定の基準により抽出した工事物件について、進捗度が工事原価総額に対する施工割合を工種ごとに乗じて算出されていることを再計算により検証した。 開発事業における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当連結会計年度の連結貸借対照表において、販売用不動産及び開発事業等支出金を合計で56,012百万円計上しており、当該金額は、当連結会計年度末における総資産172,954百万円の32.4%を占めている。 会社は、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2に記載されているとおり、当連結会計年度末における販売用不動産及び開発事業等支出金の正味売却価額が取得原価よりも下落した場合には、当該正味売却価額をもって連結貸借対照表価額としている。 販売用不動産の正味売却価額は、販売見込額及び販売経費の将来発生見込額、又は不動産鑑定評価額に基づき個別物件ごとに評価しており、開発事業等支出金の正味売却価額は、完成後販売見込額、工事原価及び販売経費の将来発生見込額に基づき個別物件ごとに評価している。 販売用不動産及び開発事業等支出金の正味売却価額の算定の基礎となる販売見込額又は完成後販売見込額は、経済情勢、市場環境等の影響を受けるとともに、開発事業等支出金の工事原価の将来発生見込額については、用地の仕入から開発の完成・販売まで複数年にわたることがあり、開発計画の見直し等によって影響を受けるため、経営者の判断が含まれることとなる。 以上により、開発事業における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価は、経営者の判断が介在するものであるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、開発事業における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価の妥当性について、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 販売用不動産及び開発事業等支出金の評価プロセスに係る会社の内部統制の整備状況を理解するとともに、運用状況を検証した。 ・ 前連結会計年度末における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価額と当連結会計年度における販売実績とを比較し、正味売却価額に関する見積りの不確実性を評価した。 ・ 販売用不動産の販売見込額については、販売実績又は近隣相場等の外部情報と比較検討した。 また、不動産鑑定評価額については、不動産鑑定士の適性、能力及び客観性について検討するとともに、一定の基準により抽出した物件について、近隣相場等の外部情報と比較検討した。 ・ 販売用不動産の正味売却価額の算定の基礎となる販売経費の将来発生見込額に関しては、直近の実績販売経費率と比較検討した。 ・ 開発事業等支出金の正味売却価額の算定の基礎となる完成後販売見込額に関しては、近隣相場等の外部情報と比較検討した。 ・ 開発事業等支出金の正味売却価額の算定の基礎となる工事原価及び販売経費の将来発生見込額に関しては、直近の実績原価率や実績販売経費率と比較検討した。 ・ 一定の基準により抽出した開発事業等支出金について、容積率や開発許可の取得状況、開発用地における開発規制の内容等、評価の前提となる諸条件の合理性を検証するとともに、取締役会議事録や稟議書等を通査し、当初開発計画との重要な乖離の有無について確かめた。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、新日本建設株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、新日本建設株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1 上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2 XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)1に記載されているとおり、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約については、履行義務の充足に係る工事進捗度(以下、進捗度という。 )を合理的に見積り、当該進捗度に基づき収益を認識している。 当連結会計年度において一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る完成工事高は70,946百万円であり、売上高合計131,662百万円の53.9%を占めており、その金額的重要性は高い。 会社は、実行予算に基づき工事原価総額を算定し、定期的な工事報告に基づいて、工種ごとに施工割合を把握することにより、工事原価総額に対する期末時点の進捗度を見積り、工事収益総額に当該進捗度を乗じて工事収益を算定している。 会社は、実行予算に基づいて工事原価総額の見積りを行っているが、実行予算の改訂により工事原価総額及び進捗度の見積りに変動が生じる可能性がある。 また、会社は、工種ごとに施工割合を把握することで、工事原価総額に対する期末時点の進捗度を見積っていることから、当該プロセスは経営者の判断が求められる重要なプロセスとなる。 以上により、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識について、重要な不確実性が存在することから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識の検討に当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 工事契約ごとの収支管理や工期管理に関する会社の内部統制の整備状況を理解するとともに、運用状況を検証した。 これには、工事原価総額の見積りにおける実行予算、定期的な工事報告及び実際の進捗度と実行予算上の予定進捗度に一定以上の乖離がある場合に工種ごとに差異原因を明確化した査定表の作成プロセスが含まれる。 ・ 工事収益総額の見積りについては、一定の基準により抽出した工事契約について、契約金額及び契約内容に関して工事請負契約書との証憑突合を行い、会社が認識している契約金額の正確性を検証するとともに、必要に応じて工事契約の状況について工事責任者に対する質問を実施した。 ・ 工事原価総額の見積りの妥当性に関連して、以下の監査手続を実施した。 - 実行予算上の原価率が過去の工事における実績原価率と一定以上の乖離がある工事物件について、経理責任者にその理由を質問した。 - 一定の基準により抽出した工事物件について、工事原価総額の見積りの正確性を検証するため、協力会社との契約書又は注文請書との突合を実施した。 - 完成済工事物件の工事収益、工事原価、工事利益について、確定額と実行予算書との乖離状況を検証し、工事原価総額に関する見積りの不確実性を評価した。 ・ 進捗度の見積りの妥当性に関連して、以下の監査手続を実施した。 - 工事現場の現況と定期的な工事報告に記載された進捗度に重要な乖離がないことを確かめるため、一定の基準により抽出した工事物件について視察を実施した。 - 実行予算上の予定進捗度と定期的な工事報告に記載された進捗度に一定以上の乖離がある場合、工種ごとの差異原因を把握した。 - 進捗度の計算の正確性を検証するために、一定の基準により抽出した工事物件について、進捗度が工事原価総額に対する施工割合を工種ごとに乗じて算出されていることを再計算により検証した。 開発事業における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、当連結会計年度の連結貸借対照表において、販売用不動産及び開発事業等支出金を合計で56,012百万円計上しており、当該金額は、当連結会計年度末における総資産172,954百万円の32.4%を占めている。 会社は、【注記事項】 (重要な会計上の見積り)2に記載されているとおり、当連結会計年度末における販売用不動産及び開発事業等支出金の正味売却価額が取得原価よりも下落した場合には、当該正味売却価額をもって連結貸借対照表価額としている。 販売用不動産の正味売却価額は、販売見込額及び販売経費の将来発生見込額、又は不動産鑑定評価額に基づき個別物件ごとに評価しており、開発事業等支出金の正味売却価額は、完成後販売見込額、工事原価及び販売経費の将来発生見込額に基づき個別物件ごとに評価している。 販売用不動産及び開発事業等支出金の正味売却価額の算定の基礎となる販売見込額又は完成後販売見込額は、経済情勢、市場環境等の影響を受けるとともに、開発事業等支出金の工事原価の将来発生見込額については、用地の仕入から開発の完成・販売まで複数年にわたることがあり、開発計画の見直し等によって影響を受けるため、経営者の判断が含まれることとなる。 以上により、開発事業における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価は、経営者の判断が介在するものであるため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、開発事業における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価の妥当性について、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 販売用不動産及び開発事業等支出金の評価プロセスに係る会社の内部統制の整備状況を理解するとともに、運用状況を検証した。 ・ 前連結会計年度末における販売用不動産及び開発事業等支出金の評価額と当連結会計年度における販売実績とを比較し、正味売却価額に関する見積りの不確実性を評価した。 ・ 販売用不動産の販売見込額については、販売実績又は近隣相場等の外部情報と比較検討した。 また、不動産鑑定評価額については、不動産鑑定士の適性、能力及び客観性について検討するとともに、一定の基準により抽出した物件について、近隣相場等の外部情報と比較検討した。 ・ 販売用不動産の正味売却価額の算定の基礎となる販売経費の将来発生見込額に関しては、直近の実績販売経費率と比較検討した。 ・ 開発事業等支出金の正味売却価額の算定の基礎となる完成後販売見込額に関しては、近隣相場等の外部情報と比較検討した。 ・ 開発事業等支出金の正味売却価額の算定の基礎となる工事原価及び販売経費の将来発生見込額に関しては、直近の実績原価率や実績販売経費率と比較検討した。 ・ 一定の基準により抽出した開発事業等支出金について、容積率や開発許可の取得状況、開発用地における開発規制の内容等、評価の前提となる諸条件の合理性を検証するとともに、取締役会議事録や稟議書等を通査し、当初開発計画との重要な乖離の有無について確かめた。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約に係る収益認識 |