財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-25 |
英訳名、表紙 | Fujibo Holdings, Inc. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 井上 雅偉 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都中央区日本橋人形町一丁目18番12号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 東京(03)3665-7641 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
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沿革 | 2 【沿革】 1896年3月富士紡績株式会社を設立。 1898年9月静岡県駿東郡に小山工場を新設し、操業開始。 1903年7月小名木川綿布株式会社を合併。 1903年8月日本絹綿紡績株式会社を合併。 1906年9月東京瓦斯紡績株式会社を合併。 社名を富士瓦斯紡績株式会社と改称。 1910年2月電気事業兼営を認可される。 1914年2月相模水力電気株式会社を合併。 1915年1月川崎工場を新設。 1920年12月中華紡織株式会社を合併。 1922年2月大分紡績株式会社、日華絹綿紡織株式会社、東洋絹糸紡績株式会社を合併。 1922年11月中国青島市に、青島工場を新設。 1923年3月満州紡績株式会社を設立。 金華紡織株式会社、日本紡織株式会社を合併。 1925年3月協同紡績株式会社を合併。 1927年5月富士電力株式会社を設立し、電気事業の設備・権利を同社に譲渡。 1929年11月鷲津工場を新設。 1934年10月東洋織布株式会社を合併。 1935年3月富士繊維工業株式会社を設立。 1935年12月相模紡績株式会社を合併。 1939年1月柳井化学工業株式会社を設立。 1939年12月富士繊維工業株式会社を合併。 1941年5月明正紡織株式会社を合併。 1943年7月帝国製絲株式会社を合併。 1945年8月太平洋戦争終結に伴い、在外資産接収される。 1945年12月社名を富士紡績株式会社と改称。 1949年3月政令により、再設立された旧帝国製絲株式会社へ八尾工場を返還。 1949年5月東京証券取引所、大阪証券取引所に株式上場。 1951年10月小坂井工場を新設。 1961年7月富士ケミクロス株式会社を設立。 1963年10月エチオピア国のエチオピア綿業株式会社に資本・経営参加。 1970年6月電子器事業所を新設。 1972年4月和歌山工場を新設。 富士運輸株式会社を設立。 1972年12月タイ国のタイテキスタイル株式会社に資本・経営参加。 1973年10月三光染業株式会社を合併。 1973年11月フジエラス株式会社を設立。 1975年2月エチオピア綿業株式会社、国有化される。 1975年10月帝国製絲株式会社を合併。 1975年12月株式会社フジボウアパレルを設立。 1976年5月商品開発研究所を新設。 1977年5月壬生川工場を分離し、フジボウ愛媛株式会社を設立。 1979年7月小坂井工場を分離し、フジボウ小坂井株式会社を設立。 1981年4月株式会社高田フジボウアパレル、株式会社敦賀フジボウアパレルおよび株式会社サドソーイングを設立。 1983年4月株式会社フジミドレスを設立。 1984年5月メダリオン株式会社を設立。 1984年12月和歌山工場を分離し、フジボウ和歌山株式会社を設立。 1985年1月株式会社中津フジボウアパレルを設立。 1986年12月フジボウカタン株式会社を設立。 1987年11月タイ国にタイフジボウガーメント株式会社を設立。 1991年9月タイ国にタイフジボウテキスタイル株式会社を設立。 1995年9月電子機器事業所(旧電子器事業所)を分離し、フジボウ電子株式会社を設立。 1995年12月フジボウ小坂井株式会社を吸収合併。 1999年3月タイフジボウガーメント株式会社は生産を中止。 1999年9月八尾工場は操業を休止。 2000年5月株式会社フジミドレスおよび株式会社フジミドレス大東解散。 2000年7月鷲津工場は操業を休止。 2001年3月メダリオン株式会社は豊門商事株式会社を吸収合併。 社名を豊門商事株式会社と改称。 2001年6月韓国に株式会社韓国富士紡を設立。 2001年8月中国に富士紡(常州)服装有限公司を設立。 2001年10月フジエラス株式会社はフジボウ小山株式会社に社名変更し、小山工場加工部門を営業譲受け。 タイ国にジンタナフジボウコーポレーションを設立。 2001年12月富士運輸株式会社は三泰貿易株式会社より営業譲受け。 社名を三泰貿易株式会社と改称。 2002年1月香港に富士紡(香港)有限公司を設立。 株式会社高田フジボウアパレル解散。 2002年3月台湾に富士紡服飾股份有限公司を設立。 2002年12月タイ国のタイテキスタイル株式会社株式を全量売却。 2005年7月フジボウテキスタイル株式会社(同年5月付でフジボウ小山株式会社より商号変更)はフジボウ和歌山株式会社を吸収合併。 2005年9月主要な事業グループを会社分割し、フジボウファイバー株式会社およびフジボウ小坂井株式会社を設立。 持株会社制に移行するとともに社名を富士紡ホールディングス株式会社と改称。 2005年12月株式会社中津フジボウアパレルは株式会社敦賀フジボウアパレルを吸収合併。 社名を株式会社フジボウソーイングと改称。 2007年9月 フジボウテキスタイル株式会社は繊維製品事業を株式会社フジボウアパレルに吸収分割した後に、フジボウファイバー株式会社に吸収合併。 フジボウファイバー株式会社は社名をフジボウテキスタイル株式会社と改称。 2007年12月株式会社韓国富士紡解散。 2010年10月フジボウテキスタイル株式会社はフジボウカタン株式会社を吸収合併。 2011年9月2012年6月中国に富士紡(上海)商貿有限公司を設立。 株式会社フジボウアパレルを分割会社とする会社分割を行い、フジボウトレーディング株式会社を設立。 2012年7月 2012年10月アングル・ミユキ株式会社を完全子会社化。 アングル・ミユキ株式会社は社名をアングル株式会社と改称。 フジボウ愛媛株式会社はフジボウ小坂井株式会社を吸収合併。 2013年4月柳井化学工業株式会社は東洋紡株式会社より医薬中間体、農薬中間体およびその他化学工業品の製造に係る事業を会社分割により承継。 2013年11月富士紡(香港)有限公司解散。 2014年3月フジボウ電子株式会社解散。 2014年9月豊門商事株式会社解散。 2016年3月富士紡服飾股份有限公司解散。 2016年10月富士化工株式会社は富士ケミクロス株式会社を吸収合併。 社名をフジケミ株式会社と改称。 2017年3月台湾に台湾富士紡精密材料股份有限公司を設立。 株式会社サドソーイング解散。 2018年4月フジケミ株式会社は三泰貿易株式会社を吸収合併。 2018年10月株式会社東京金型を完全子会社化。 2019年4月株式会社フジボウアパレルはフジボウトレーディング株式会社を吸収合併。 2019年12月富士紡(常州)服装有限公司解散。 2020年1月株式会社藤岡モールドを完全子会社化。 2020年3月株式会社フジボウソーイング解散。 2020年4月株式会社東京金型は株式会社藤岡モールドを吸収合併。 2020年10月株式会社フジボウアパレルはアングル株式会社を吸収合併。 2021年1月フジボウテキスタイル株式会社はフジボウ愛媛株式会社より合成繊維部門およびステンレス繊維部門を吸収分割により承継。 2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。 2022年10月フジケミ株式会社はフジボウテキスタイル株式会社より化成品部門を吸収分割により承継。 2022年11月株式会社GFIホールディングスおよび株式会社IPMを完全子会社化。 2023年2月株式会社IPMは株式会社GFIホールディングスを吸収合併。 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループは、富士紡ホールディングス株式会社(当社)及び子会社12社によって構成され、事業は、超精密加工用研磨材、不織布、化学工業製品の製造・販売、紡績糸及び編物などの素材から二次製品にいたる各種繊維工業品の製造、加工及び販売、車両、自動車部品等の販売、化成品、金型の製造・販売を行っております。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。 事業内容と当社及び関係会社の当該事業にかかる位置付け等は、次のとおりであります。 なお、セグメントと同一の区分であります。 区分主要製品等主要な会社の位置付け製造販売研磨材事業超精密加工用研磨材不織布合皮フジボウ愛媛㈱台湾富士紡精密材料股份有限公司フジボウ愛媛㈱フジケミ㈱台湾富士紡精密材料股份有限公司化学工業品事業化学工業製品柳井化学工業㈱柳井化学工業㈱生活衣料事業紡績糸編物機能性繊維等フジボウテキスタイル㈱タイフジボウテキスタイル㈱フジボウテキスタイル㈱タイフジボウテキスタイル㈱B.V.D.等二次製品フジボウテキスタイル㈱㈱フジボウアパレルジンタナフジボウコーポレーションフジボウテキスタイル㈱㈱フジボウアパレル富士紡(上海)商貿有限公司その他車両自動車部品等―フジケミ㈱化成品フジケミ㈱フジケミ㈱金型㈱東京金型㈱IPM㈱東京金型㈱IPM 以上の企業集団等について図示すると次のとおりであります。 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 名称住所資本金又は出資金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容(連結子会社) フジボウ愛媛㈱ (注)2 (注)3愛媛県西条市450研磨材事業100.0業務受託役員の兼任 当社役員4名 当社従業員6名資金援助土地・建物・設備の賃貸柳井化学工業㈱ (注)2 (注)4山口県柳井市300化学工業品事業100.0業務受託役員の兼任 当社役員4名 当社従業員4名資金援助㈱フジボウアパレル (注)2 (注)5東京都中央区100生活衣料事業100.0業務受託役員の兼任 当社役員4名 当社従業員3名フジボウテキスタイル㈱東京都中央区300同上100.0業務受託役員の兼任 当社役員4名 当社従業員5名資金援助土地・建物・設備の賃貸フジケミ㈱東京都中央区60研磨材事業その他(化成品、車両、自動車部品等)100.0業務受託役員の兼任 当社役員3名 当社従業員5名資金援助土地・建物・設備の賃貸㈱東京金型埼玉県越谷市10その他(金型)100.0業務受託役員の兼任 当社役員3名 当社従業員3名資金援助㈱IPM新潟県新潟市東区10同上100.0業務受託役員の兼任 当社役員3名 当社従業員3名富士紡(上海)商貿有限公司中国上海市百万元14生活衣料事業100.0役員の兼任 当社役員2名 当社従業員2名タイフジボウテキスタイル㈱ (注)6タイ国バンコク百万バーツ200同上99.9(99.9)役員の兼任 当社役員1名 当社従業員4名債務保証ジンタナフジボウコーポレーション (注)6タイ国ナコンパトム百万バーツ20同上99.9(99.9)役員の兼任 当社役員1名 当社従業員3名台湾富士紡精密材料股份有限公司 (注)2 (注)6台湾台南市百万NTドル700研磨材事業100.0(100.0)役員の兼任 当社役員2名 当社従業員5名債務保証 (注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。 2 特定子会社に該当しております。 3 フジボウ愛媛㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等(1) 売上高18,240百万円 (2) 経常利益4,447百万円 (3) 当期純利益3,009百万円 (4) 純資産額14,314百万円 (5) 総資産額26,452百万円 4 柳井化学工業㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等(1) 売上高13,474百万円 (2) 経常利益1,223百万円 (3) 当期純利益788百万円 (4) 純資産額7,456百万円 (5) 総資産額14,550百万円 5 ㈱フジボウアパレルについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等(1) 売上高5,050百万円 (2) 経常利益560百万円 (3) 当期純利益270百万円 (4) 純資産額3,363百万円 (5) 総資産額4,110百万円 6 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数で表示しております。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1)連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)研磨材事業443(91)化学工業品事業241(13)生活衣料事業416(36)その他110(29)全社(共通)109(13)合計1,319(182) (注) 1 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者は除き、グループ外からの出向者を含む)であり、臨時雇用者数(嘱託社員、季節社員及び待遇社員)は、年間の平均人数を( )外数で記載しております。 2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。 (2)提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)109(13)41.013.106,716,760 セグメントの名称従業員数(人)全社(共通)109(13)合計109(13) (注) 1 従業員数は就業人員(当社から他社への出向者は除き、他社からの出向者を含む)であり、臨時雇用者数(嘱託社員、季節社員及び待遇社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。 2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 (3)労働組合の状況当社グループには、富士紡績労働組合連合会があり、UAゼンセンに加盟しております。 労働組合との関係は相互信頼と協調精神により概ね順調に推移しております。 なお、2025年3月31日現在の組合員数は711人であります。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 当事業年度(2025年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 管理職に占める女性労働者の割合(%)男性労働者の育児休業取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)) 全労働者うち正規雇用労働者うち非正規雇用労働者当社18.20.072.274.0―フジボウ愛媛㈱2.40.062.374.453.7柳井化学工業㈱0.040.070.373.536.5当社及び国内連結子会社4.825.065.374.747.7当社及び国内外連結子会社9.8― ――― (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3 当社グループからグループ外への出向者は除き、グループ外からの出向者を含めて算出しております。 4 賃金には、賞与及び基準外賃金(通勤手当を含む)を含んでおります。 5 平均賃金の算出においては、正規、非正規雇用労働者ともに、年間の平均人数を用いております。 6 海外子会社の男性労働者の育児休業取得率の集計および労働者の男女の賃金の差異(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)の集計を実施していないため、記載を省略しております。 7 労働者の男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。 「―」は、女性非正規雇用労働者がいないため比較できないことを示しております。 なお、同一労働の賃金に差はなく、職群及び等級別人数構成の差によるものであります。 出向者は、出向先の従業員として集計しております。 8 上記指標のうち、一部目標を策定している指標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」に記載しております。 今後具体的な目標および目標達成にむけた施策を検討し、実行してまいります。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、一世紀を超える歴史の中で培った技術と経験を生かし、つねに時代が求める新しい技術・製品を提供することで先端産業を支え、人・社会・地球環境にとってより豊かで持続可能な未来の創造に貢献し続けることを企業理念としております。 IT関連の超精密加工用研磨材を主とした研磨材事業、医薬および機能化学合成製品等の中間体の受託生産を柱とした化学工業品事業、インナーウエアを中心とする製品に重点を置いた生活衣料事業などに積極的に経営資源を投入し、安定した収益体質の構築を目指しております。 また、健全な企業経営・会計慣行を維持し、透明性の高いキャッシュ・フロー経営を実践しております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目的として、利益目標(営業利益、当期純利益)およびROEを、また財務体質の強化を図るため自己資本比率を、それぞれ経営指標としております。 (3)経営環境当社グループは、持株会社である富士紡ホールディングス株式会社と事業子会社から構成され、超精密加工用研磨材・機能性不織布を扱う研磨材事業、ファインケミカル中間体の受託製造を行う化学工業品事業、紡績・テキスタイル・アパレルを中心とする生活衣料事業、車両・自動車部品等の輸出やプラスチック成形の技術開発などのその他の事業を展開しています。 研磨材事業は、半導体デバイス用途(CMP)、シリコンウエハー用途、ハードディスク用途、液晶ガラス用途など、様々なITデバイスをその製造工程でポリシングする超精密加工用研磨材を主要製品としており、世界中のITデバイス関連企業に販売しております。 最先端プロセス、次世代プロセスのITデバイス製造に対応可能な研磨材の開発を、最新の研究機器・検査機器・製造設備を用いて、ユーザーと共同で進めております。 当連結会計年度は、半導体市場の緩やかな回復を受けて、超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及によるHBMなどのメモリや最先端ロジック向け半導体の需要の増加とそれに伴う一部ユーザーの在庫水準の引き上げにより受注が増加しました。 シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保しました。 ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻り、液晶ガラス用途では期後半からTV需要の増加によってパネルの消費も加速しており、受注も回復しました。 化学工業品事業は、長年培った有機合成のノウハウを活かし、大手化学メーカーからの医薬原料、農薬、電材、機能性化学品など有機合成品の中間体の受託製造を行っております。 国内有数の化学工業品受託工場を保有し、多種多様な反応に対応できる生産設備で、優れた品質管理と確実な納期対応、高レベルの環境対応、徹底した安全管理のもと、高品質と多品種・小ロットのスピード生産体制で顧客のニーズに応えております。 当連結会計年度は、機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、農薬関連で世界的な在庫調整が継続しているものの、半導体を含む電子材料市場の緩やかな拡大と在庫調整の一巡により需要が回復し、受注が堅調に推移しました。 また、新規製品への取り組みが奏功し、工場の稼働は改善しました。 生活衣料事業は、インナーウエアを中心とする繊維製品および原糸や染色加工など高機能繊維素材の製造・加工・販売を行っております。 繊維製品では、原糸紡績から製品縫製までグループ内で一貫して携わる体制で産み出す高品質を武器に、多くのユーザーから支持されている「B.V.D.」や、ハイエンド商品を展開する「アサメリー」「エアメリー」などのブランドで、メンズ・レディースに幅広く展開する製品を、様々な販売チャネルで消費者に提供しております。 繊維素材では、長年培ってきた紡績・加工技術を駆使して開発した高機能素材を、ファッション衣料用途から産業資材用途まで、ユーザーニーズに合わせて提供しております。 当連結会計年度は、繊維素材は、物流費やエネルギーコストの高騰に加え、円安の影響を受けたことにより、厳しい環境が続きました。 繊維製品は、量販店の店舗減少や消費者の節約志向の高まりにより苦戦しました。 一方、ネット販売では、SNSや検索広告などのWebマーケティングを強化し、ネット専用製品を拡充することで、効果的な商品訴求を図りました。 また、高品質な日本製品が評価され、海外向け販売は好調に推移しました。 しかし、円安の進行に伴う原材料や資材の価格高騰が続いているため、利益面では粗利率が低下しました。 その他の事業は、デジタルカメラ・医療機器・自動車用部品の射出成形を行う化成品事業、プラスチック用射出成形金型の設計・制作を行う金型事業、中米カリブ海地域へ向けて自動車の輸出を行う自動車事業などで構成されています。 化成品部門では、デジタルカメラや医療機器、自動車に欠かせない高精度のプラスチック射出成形技術で、金型部門では、自動車用部品を中心に幅広いサイズの成形機に対応できる金型の設計・制作・メンテナンスで、激しいユーザーニーズの変化に対応しております。 当連結会計年度は、化成品部門は、医療機器用部品およびデジタルカメラ用部品の受注が堅調となり、前年比で増収となりました。 金型部門は、自動車メーカーの品質不正問題、大手企業の経営統合の動きやEV化シフトの遅れにより、依然として不透明な状況が続いています。 また、事務機器用金型が開発案件の端境期にあることや、車載コネクタやスマートフォン向けホットランナーの需要が低調であることから、厳しい状況が続きました。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画『増強21-25』を実行しています。 本中期経営計画では、未来のありたい姿から導出した2025年像と現状の延長線上の2025年像とのギャップを特定し、中期的に取り組む施策を着実に実施します。 加えて事業ポートフォリオの積極的な見直しと持続可能で儲かるビジネスへの転換を段階的に図ることにより、“圧倒的なニッチナンバーワン企業” をめざします。 計画期間5年間の前半3年を「高収益体質への転換と種まき」ステージ、後半2年を「非連続的成長の実現」ステージと位置づけ、収益機会の増加と提供価値の強化を施策の両輪として、『稼ぐ力』を強化いたします。 同時にDX(デジタルトランスフォーメーション)の継続・深化にも取り組み、各事業の成長基盤を連続的・非連続的に「増強」していきます。 さらに、社会の要請であるサステナブルな社会を創るための施策、人材確保や働き方改革への取り組みもこれまで以上に進めてまいります。 主力の研磨材事業では、2025年の半導体市場は、世界的なAI関連投資の盛り上がりを背景に、最先端ロジック向け半導体やメモリ需要が一層拡大すると予測されています。 特にAI関連では、データセンター向けの持続的な投資や、それに関連したデバイスの増加によって半導体の需要が高まっており、当社においても半導体生産の集積地である台湾に研究開発施設の建設を着実に進め、ユーザーからの要望にも迅速に応える体制を整えることで将来の売上拡大をめざしています。 一方で、EVやスマートフォン向けの半導体需要は依然低調であり、各用途の動向は複雑な状況にあります。 これら市場の変動に対応するため、市場環境や成長に応じた生産体制の整備に加え、米国新政権の関税政策の影響を見極めていく必要があります。 化学工業品事業では、化学業界全体の需要回復や半導体を中心とした電子材料市況の好転により、受注が増加傾向にあります。 機能性材料の需要拡大に対応するため、柳井工場と武生工場の連携を強化し、2026年の稼働をめざした新プラントの建設も進行中です。 生活衣料事業では、円安の進展により物価水準が高止まりし、厳しい事業状況が続いています。 そのような中、繊維製品のうちB.V.D.製品は、ECサイトやSNSなどの多様なメディアを活用し、認知度を高めることで商品の販売力を向上させる取り組みを行っています。 また、アングル製品は、好調な海外向けの販路拡大に取り組みます。 その他の事業では、化成品部門は、医療機器用途向けの更なる需要拡大に対応し、生産体制を整えることで、重点3事業に続く第4の柱事業としての育成に向けた基盤整備を進めています。 金型部門は、当面厳しい状況が続きますが、2025年度後半から回復の見通しとなります。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (サステナビリティに関する基本方針)当社グループは、サステナビリティを事業戦略の中核に組み入れた「サステナビリティ経営」を実践しております。 当社グループのサステナビリティ経営は、「儲ける」こと、成長性・収益性と社会貢献、誠実さに立脚した公正で透明性のあるSDGs経営をバランス良く実行していくことでサステナビリティを実現していくところに特徴があります。 企業は、財務面で収益を上げなければ株主への配当を実施することができず持続的成長は達成されません。 また、社会の公器という点に焦点を当て、適正な企業統治のもと、社会からより信頼される企業としてステークホルダーと強固な信頼関係を構築することが重要となります。 当社グループは、企業理念に掲げる「人・社会・地球環境にとってより豊かで持続可能な未来の創造に貢献し続ける」ことを実現するため、サステナビリティ経営を実践し、持続的な企業価値向上を目指してまいります。 (サステナビリティ推進体制)現在、世界は気候変動問題をはじめとする多くの深刻な社会課題に直面しており、その解決の担い手として、企業に対する社会の期待も高まっています。 こうしたなか、当社は中期経営計画「増強21-25」の始動にあわせ、SDGsに関連する重要課題への対応を通じたサステナビリティ経営を富士紡グループ全体で横断的に推進するため、2021年4月1日に「ESG推進委員会」を設置しました。 「ESG推進委員会」は、社長を委員長として、環境(Environment)分科会、社会(Social)分科会、ガバナンス(Governance)分科会の3つの分科会で構成されています。 当社グループがサステナビリティの課題に適切に対応するとともに、サステナビリティへの対応が中長期的な企業価値の向上につながるよう提言を行うこととしています。 サステナビリティ推進に関わる各種検討課題に各分科会で取り組み、重要度に応じてESG推進委員会、経営会議、取締役会に諮る体制となっています。 したがって、取締役会は経営全般にわたる重要な方針・施策を最終決定するとともに、経営会議、ESG推進委員会等の管理監督を行っています。 研磨材事業、化学工業品事業、生活衣料事業、その他の事業でそれぞれ求められるサステナビリティに関する課題は異なりますが、リスクと機会の観点から積極的に対応してまいります。 ■富士紡グループのサステナビリティ推進体制 当社グループが認識している重要なサステナビリティ課題である、(1)気候変動への対応および(2)人的資本についての考え方及び取組みは、以下のとおりであります。 (1)気候変動への対応当社グループは、低炭素化社会実現に向けた気候変動対応を経営上の重要課題と認識し、2021年11月に気候変動に関する情報開示の指針となるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース・Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に賛同を表明しました。 気候変動に関連するリスクと機会への対応について、TCFD提言に沿った情報開示を進め、将来の事業における財務的な影響を想定し、管理しています。 以下のとおり、TCFD提言に沿って、気候変動に関連する重要情報を開示します。 ① ガバナンス当社グループは、重要な環境関連目標や取り組みは社長が委員長を務める「ESG 推進委員会」で決定しております。 年2回開催される「ESG推進委員会」において、気候変動に関するリスクや機会を特定し、気候変動課題をESG推進委員会の分科会の一つである「環境分科会」で取り組み、重要度に応じてESG推進委員会、経営会議、取締役会に諮る体制でマネジメントを行っております。 取締役会は、ESG推進委員会等から気候変動課題に関わる経営全般にわたる重要な方針・施策の報告を受け、最終決定するとともにその進捗を管理監督しております。 ② リスク管理当社グループは、気候変動関連リスクを含む全社的なリスク情報を把握し、管理する体制を構築し、整備することに取り組んでおります。 リスクマネジメント体制においては、リスク管理委員会を設置し、リスク情報を収集・分析して、リスクが顕在化した場合の対策を講じています。 また、ESG推進委員会においても、気候変動関連リスクおよび機会を発生可能性および金額的重要性の観点から特定し、その対策を講じておりますが、リスクに対する具体的な取り組みにおいては、「環境分科会」が各事業会社と協働して、対策を検討・実行しております。 重要度に応じて、リスク管理委員会とESG推進委員会が、取締役会や経営会議に報告する等して、気候変動に係るリスクマネジメントに取り組んでおります。 ■富士紡グループ気候変動対応に関する体制図(ガバナンスおよびリスク管理) ③ 戦略気候変動関連のリスクと機会当社グループでは、気候変動関連のリスクと機会は、中長期にわたり事業活動に影響を与える可能性があると認識しております。 外部環境の変化や様々な状況下におけるリスクや機会を考慮するため、1.5℃~2℃未満シナリオ、4℃シナリオの複数の将来シナリオを想定し、2050年時点における当社グループの主要3事業(研磨材事業、化学工業品事業、生活衣料事業)において、重要な財務への影響を与える可能性のあるリスクと機会の洗い出しを行いました。 1.5℃~2℃未満の世界では、温室効果ガス削減のための規制が強化され、低・脱炭素化が進むことに伴う事業への影響、移行リスクが高まることが考えられるのに対し、4℃の世界では、規制などの移行リスクの影響は小さいものの異常気象などの物理的リスクが高まることが考えられます。 当社グループにおける気候変動に関連する主要なリスク・機会を、1.5℃~2℃未満シナリオ、4℃シナリオを前提として分析し、リスク低減および機会活用にむけた対策を整理しました。 発現時期については、短期・中期・長期と時間軸を設け、影響度については、利益に対する影響の大きさにより大中小の3段階で表現しております。 発現時期 「短期」1年以内、「中期」1年~5年、「長期」5年超影響度 「大」5億円超、「中」1億円~5億円、「小」1億円以下 <リスク>リスクの種類リスクカテゴリーリスクの概要発現時期影響度2050年リスク低減に向けた対策移行リスク政策・法的炭素税の導入中期大・徹底した省エネ活動・省エネ対応の効率的な設備への投資・再生可能エネルギーへの転換・太陽光発電の導入・使用燃料の見直し・プロセス改善等によるエネルギー効率向上市場・評判取引先企業からの低炭素化の要請短期~中期中投資家による評価の低下、レピュテーションリスク中期中物理的リスク急性異常気象台風、豪雨、落雷等の異常気象の激甚化中期中・リスク分散のための新工場建設・変電設備等の設置場所のかさ上げ・防水壁の建設慢性気温上昇干ばつによる水不足長期中・節水設備への更新・水の再利用(循環対応)サプライチェーン移行リスク増大(綿花栽培量減少による原材料価格上昇)長期中原材料調達先の多様化検討 <機会>機会カテゴリー気候変動による機会の概要発現時期影響度2050年機会活用に向けた対策市場・EVの急速的な普及・省電力半導体の需要増加 (シリコンからSiC/GaNシフト)中期~長期大パワー半導体等向け研磨材の販売増加仮想空間社会の広がり(あらゆるものを繋げる半導体需要増)中期~長期大・ポスト5G通信やセンサー等の半導体向けの 研磨材の販売増加・スマホ・HPC向けロジックIC向け研磨材の 販売増加世界人口増・農地面積減少による食料供給不足中期~長期大・農業生産の安定化ニーズ増加にともなう農薬 中間体の販売増加製品とサービス低炭素社会対応製品のニーズの高まり短期~中期中・環境に優しいパッケージ資材使用 (B.V.D.ブランドインナー等)・環境認証商品(蓄光繊維「ルミフィーロ」等)・廃材レス化成品(ホットランナー)資源の効率性循環型社会への対応短期~中期小・廃液を燃料への再利用・排水の再利用・節水設備への更新・衣料・繊維素材等のリユース、リサイクル業務プロセスの革新(DX等)中期~長期中・RPAの導入、IoTを活用した製品評価導入の検討・データ管理基盤の整備による廃棄在庫の低減、 適切な生産管理エネルギー源低炭素エネルギー社会移行短期~中期中・再生可能エネルギーの導入、使用拡大・工場建物のZEB(ネットゼロ・エネルギー・ ビル)対応・共同配送、顧客直送、船舶輸送推進などの 省エネ・低コスト活動レジリエンス災害に強い会社づくり中期中・リスク分散のための新工場建設・変電設備等の設置場所かさ上げ・防水壁の建設 当社グループを取り巻く外部環境の変化に応じて、重要なリスクと機会の見直しを適宜行い、戦略に反映させてまいります。 ④ 指標と目標当社グループの温室効果ガス排出量については、当社ホームページをご参照ください。 なお、2024年度の排出量は現在算定中であり、2025年9月に公表予定です。 https://www.fujibo.co.jp/sustainability/今後も生産拡大によるエネルギー使用量の増加が見込まれますが、再生可能エネルギーへの転換を積極的に推進し、さらなる温室効果ガスの排出削減に取り組みます。 今後は温室効果ガス削減目標を設定し、一層の環境に配慮した事業活動を継続することにより脱・低炭素型社会実現への貢献と企業価値向上を図ってまいります。 (2)人的資本当社グループは、「個を尊ぶ、和を育む~労働環境の指針」をビジョンとして掲げ、「社員一人ひとりに公平な機会と公正な評価を与え、切磋琢磨して共に向上し合える環境を創造するとともに、個を尊重することで、競争力とチームワークが育つ職場を創ること」を、人的資本にかかる基本方針として取り組んでおります。 当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。 ① 戦略a. 多様性の確保当社グループは、持続可能な社会を実現するため、事業活動を通じて進める重要な取り組みの一つとして、「多様性を受容し、個々の能力を最大限発揮できる環境づくり」を掲げ、性別・年齢・国籍・障がいなどの有無にとらわれない多様性を尊重し、安心して能力を発揮できるよう、職場環境の整備を進めております。 事業構造の高度化を進めてゆくなかで、多様性を尊重し、能力発揮機会の提供と労働環境の整備を推進することが、持続的な成長と企業価値の向上に資すると考えております。 多様性確保に向けた、具体的な社内環境整備として、以下に取り組んでおります。 ア. 柔軟な働き方の推進とワークライフバランスの向上・男女を問わない育児・介護の両立支援・フレックスタイム制度・在宅勤務・定年後再雇用制度・障がい者雇用・休暇取得の積極的推進 イ. 女性活躍推進雇用、昇進、報酬等について公平で平等な機会を確保しており、教育訓練や次世代育成の機会は男女の区別なく与えられています。 また、育児・介護両立支援のための休職制度などの充実によって、女性のスキルアップやキャリアを中断させない取り組みなど、さらなる女性活躍推進の取り組みを進めております。 b. 人財の育成当社グループは、長期の目指すべき姿として「圧倒的なニッチナンバーワン企業」を掲げております。 この実現に向け、従業員こそが企業の財産という認識のもと、その育成に取り組んでおります。 具体的な人財の育成方針として、「1.課題解決型人財を育成する」「2.グローバル人財を育成する」「3.次世代リーダーを育成する」ことを掲げております。 人的資本は企業価値の中核として考えており、人財への投資は会社の持続的成長を高めるうえで基盤となるものであることから、当社グループでは個人の知識やスキル、能力を引き出したり高めたりするための教育や研修機会を積極的に設けています。 社員一人ひとりの能力を高め、「持続可能な働き方」を実現していきます。 教育研修制度の拡充にも努めており、当社グループでは様々な研修制度によって従業員の成長を支援しています。 研修制度には教育訓練や次世代育成が含まれ、職場の安全教育、環境教育、自己啓発などメンタルヘルス教育も実施しております。 人財育成や業務に関わる研修だけでなく、職場環境や従業員の健康にも配慮し教育の機会を増やしております。 c. 従業員の健康および安全従業員の健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、ひいては業績向上や企業価値向上へ繋がることが期待されます。 健康経営を経営的視点から考え、戦略的に実践するため、健康経営の目的となる「健康経営宣言」と、健康経営を推進するための体制を策定しました。 本宣言および推進体制のもと、従業員の健康保持・増進に資する施策を進めることで、一人ひとりが健全な状態で安心していきいきと働ける社内環境の整備を進めております。 2024年に引き続き2025年3月には、経済産業省及び日本健康会議主催の「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。 当社グループは、従業員の安全衛生の徹底に取り組んでおります。 2010年に安全対策プロジェクトを発足し、2011年4月に安全衛生管理規程を制定しました。 全社的な安全衛生管理体制の整備や強化と全事業場を対象とした安全に関する定期的査察・指導を行い、労災ゼロ活動を推進しております。 ② 指標と目標当社グループは、人的資本にかかる戦略を実践するにあたり、人的資本にかかる指標を管理・モニタリングしております。 「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載した指標に加え、当社グループでモニタリングしている人的資本指標は、次のとおりであります。 項目対象当連結会計年度(2025年3月31日)目標達成時期女性管理職比率(注1)当社及び国内外連結子会社9.8%(14人/143人)女性管理職/管理職10%以上2026年3月末女性総合職比率16.2%(22人/136人)女性管理職候補/管理職候補8%以上2026年3月末外国人管理職比率11.2%(16人/143人)外国人管理職/管理職13%以上2026年3月末キャリア採用者管理職比率20.3%(29人/143人)キャリア採用者管理職/管理職17%以上2026年3月末 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 目標及びその達成時期は、中期経営計画「増強21-25」策定時(2021年3月末時点)に設定したものであり、2025年3月末時点で既に目標を達成している項目もあります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | a. 多様性の確保当社グループは、持続可能な社会を実現するため、事業活動を通じて進める重要な取り組みの一つとして、「多様性を受容し、個々の能力を最大限発揮できる環境づくり」を掲げ、性別・年齢・国籍・障がいなどの有無にとらわれない多様性を尊重し、安心して能力を発揮できるよう、職場環境の整備を進めております。 事業構造の高度化を進めてゆくなかで、多様性を尊重し、能力発揮機会の提供と労働環境の整備を推進することが、持続的な成長と企業価値の向上に資すると考えております。 多様性確保に向けた、具体的な社内環境整備として、以下に取り組んでおります。 ア. 柔軟な働き方の推進とワークライフバランスの向上・男女を問わない育児・介護の両立支援・フレックスタイム制度・在宅勤務・定年後再雇用制度・障がい者雇用・休暇取得の積極的推進 イ. 女性活躍推進雇用、昇進、報酬等について公平で平等な機会を確保しており、教育訓練や次世代育成の機会は男女の区別なく与えられています。 また、育児・介護両立支援のための休職制度などの充実によって、女性のスキルアップやキャリアを中断させない取り組みなど、さらなる女性活躍推進の取り組みを進めております。 b. 人財の育成当社グループは、長期の目指すべき姿として「圧倒的なニッチナンバーワン企業」を掲げております。 この実現に向け、従業員こそが企業の財産という認識のもと、その育成に取り組んでおります。 具体的な人財の育成方針として、「1.課題解決型人財を育成する」「2.グローバル人財を育成する」「3.次世代リーダーを育成する」ことを掲げております。 人的資本は企業価値の中核として考えており、人財への投資は会社の持続的成長を高めるうえで基盤となるものであることから、当社グループでは個人の知識やスキル、能力を引き出したり高めたりするための教育や研修機会を積極的に設けています。 社員一人ひとりの能力を高め、「持続可能な働き方」を実現していきます。 教育研修制度の拡充にも努めており、当社グループでは様々な研修制度によって従業員の成長を支援しています。 研修制度には教育訓練や次世代育成が含まれ、職場の安全教育、環境教育、自己啓発などメンタルヘルス教育も実施しております。 人財育成や業務に関わる研修だけでなく、職場環境や従業員の健康にも配慮し教育の機会を増やしております。 c. 従業員の健康および安全従業員の健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、ひいては業績向上や企業価値向上へ繋がることが期待されます。 健康経営を経営的視点から考え、戦略的に実践するため、健康経営の目的となる「健康経営宣言」と、健康経営を推進するための体制を策定しました。 本宣言および推進体制のもと、従業員の健康保持・増進に資する施策を進めることで、一人ひとりが健全な状態で安心していきいきと働ける社内環境の整備を進めております。 2024年に引き続き2025年3月には、経済産業省及び日本健康会議主催の「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。 当社グループは、従業員の安全衛生の徹底に取り組んでおります。 2010年に安全対策プロジェクトを発足し、2011年4月に安全衛生管理規程を制定しました。 全社的な安全衛生管理体制の整備や強化と全事業場を対象とした安全に関する定期的査察・指導を行い、労災ゼロ活動を推進しております。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | 当社グループは、人的資本にかかる戦略を実践するにあたり、人的資本にかかる指標を管理・モニタリングしております。 「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載した指標に加え、当社グループでモニタリングしている人的資本指標は、次のとおりであります。 項目対象当連結会計年度(2025年3月31日)目標達成時期女性管理職比率(注1)当社及び国内外連結子会社9.8%(14人/143人)女性管理職/管理職10%以上2026年3月末女性総合職比率16.2%(22人/136人)女性管理職候補/管理職候補8%以上2026年3月末外国人管理職比率11.2%(16人/143人)外国人管理職/管理職13%以上2026年3月末キャリア採用者管理職比率20.3%(29人/143人)キャリア採用者管理職/管理職17%以上2026年3月末 (注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2 目標及びその達成時期は、中期経営計画「増強21-25」策定時(2021年3月末時点)に設定したものであり、2025年3月末時点で既に目標を達成している項目もあります。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。 (1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動① 海外進出によるリスク研磨材事業においては、ユーザーに直結した製品作りとBCPの観点から、一部研磨材を台湾で生産しています。 生活衣料事業の「B.V.D.」ブランドのインナーウエアは、競争力のある製品作りとコスト削減による収益向上のため、タイ国他での生産を拡大し海外生産比率が9割を超えており、日本国内の他、台湾、香港にて販売しております。 自動車関連および機械類の輸出は中米カリブ海諸国向けであります。 各々の国において、予期しない政治及び経済体制の変化、テロ等社会的混乱などが生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 ② 為替相場の変動生活衣料事業においては、中国・タイ等で生産を行うなど、アジア地域における海外事業の拡大を図っており、為替リスクは日本サイドが負っております。 また、研磨材事業においては、営業収入に占める輸出比率が高いことから、主として米ドルに対する円高は、値下げ要求につながる可能性があります。 当社グループは、為替リスクに対して為替予約及び外貨建輸出入取引のバランス調整等を行い、可能な限りリスクヘッジを図り、為替相場の短期的変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的変動により、計画された調達・製造・販売が実行できないなど、為替相場の変動は財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (2)重要な契約に伴うリスク生活衣料事業における主力ブランド「B.V.D.」について、FTLジャパン㈱と、商標の使用権、日本国内・台湾における製造権及び独占的販売権、中国・香港・マカオ・シンガポール・タイにおける製造権及び非独占的販売権の契約を締結しております。 当社とFTLジャパン㈱は良好な協力関係にありますが、予期しない事態による契約の非更新は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (3)特定製品・顧客への依存度研磨材事業において重要な割合を占めるCMP(半導体)・シリコンウエハー・ハードディスク・液晶ガラス・一般工業品用途の研磨材製品の需要は、主たる販売先となっているIT業界の景気状況の影響を受けるため、日本・北米・アジア・欧州等の主要市場におけるIT業界の景気停滞及びそれに伴う需要の減少が起こる場合は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 化学工業品事業、化成品事業及び金型事業は、特定の顧客・製品への依存度が高く、受託先の動向、商品のライフサイクルの短さや景気状況の影響などに伴い、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を受ける可能性があります。 (4)知的財産に関するリスク開発した新製品については基本的に特許を取得する方針ですが、特許等によりその製造方法が開示され、生産ノウハウが競合他社に漏洩する可能性があるもの等については、出願を控える場合があります。 そのため、競合他社が当該特許を出願した場合、特許が受理される可能性があり、そのような事態に備え「先使用権による通常実施権」を主張できるよう努めておりますが、その解決に時間と費用を要することが予想されます。 また、独自の技術、ノウハウの全てを知的財産により完全に保護することは不可能と予測され、知的財産を使用して第三者が類似商品を製造すること等を効果的に防止できない可能性があります。 その場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があるとともに、取引先との関係の悪化を招く可能性があります。 (5)法的規制製品生産に対し規制される法律として、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法等があります。 当社グループとして規制値をクリアするため、対応装置等を設置しておりますが、今後これらの規制が強化された場合や他の物質が付加された場合、更なる設備投資が必要となり、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは個人情報取扱事業者に該当しており、個人情報保護法による規制を受けることとなります。 個人情報保護については、法律の遵守だけでなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。 当社グループは外部からの不正アクセス、ウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っておりますが、万一個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信頼の失墜につながり、今後の営業活動に影響を及ぼす可能性があるとともに、事後対応等に関するコストが発生し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (6)製造物責任当社グループは製造物責任賠償保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。 大規模な製造物責任賠償につながるような品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、この場合、当社グループの評価に重要な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 (7)自然災害・停電などによる影響当社グループは、操業の中断による悪影響を最小限に抑えるため、定期的な防災点検及び設備保全を行っております。 しかしながら、自然災害・停電などによる影響を完全に防止または軽減できる保証はなく、操業に影響する事象が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 また、災害などによりサプライヤーまたはサブサプライヤーの操業がストップし、原材料または基礎原料の供給が途絶えた場合には、当社グループの生産活動が阻害されることにより、業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8)新型コロナウイルス等感染症の影響当社グループの主要製品は、顧客が製品を製造する際の消耗部材や中間体、原材料、部品等と、インナーウエア等の最終消費財に大別されます。 前者は、新型コロナウイルス等の感染症の拡大により、都市ロックダウン等の影響で顧客が生産を縮小・停止した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、後者は、主要な顧客である百貨店や量販店などが営業を縮小、停止した場合、売上高をはじめとした業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、リスク管理・運営に関する基本事項を定めた「リスク運営規則」および「危機管理規則」に基づき、社長を委員長とする危機管理委員会を設置し、リスクが発生した場合または発生が予見される場合にその影響を限定し、その損失を最小限にとどめ、通常機能を回復させるための対策を実施しています。 具体的には、在宅勤務や国内外への出張制限、オフィスや生産現場でのソーシャルディスタンスの確保など、感染防止のための対策を実施しています。 (9)固定資産の減損当社グループは、土地や建物、製造設備等の有形固定資産、のれんやソフトウエア等の無形固定資産を保有しております。 主力の研磨材事業や化学工業品事業、第4の柱事業として基盤整備を進めている化成品事業において生産能力の増強などを目的とした設備投資を積極的に行う一方、生活衣料事業では事業環境の変化に対応するため、体質改善に向けた構造改革を進めております。 そのため、生活衣料事業において不採算分野からの縮小撤退を行った場合には、減損損失を計上する可能性があります。 当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産及び無形固定資産37,850百万円のうち、生活衣料事業における有形固定資産及び無形固定資産は2,114百万円であります。 また、買収によって発生したのれんは、事業収益の著しい低下などに伴い、回収可能価額が大きく下落し帳簿価額を下回った場合には、減損損失を計上する可能性があります。 減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、減損処理を行った場合、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (10)気候変動に関するリスク気候変動に関するリスクは、中長期にわたり当社グループの事業活動に重要な影響を与える可能性があると認識しております。 異常気象の激甚化に伴う操業停止や温暖化による原材料調達コストの上昇が生じ、当社グループの業績に、大きな影響を及ぼす可能性があります。 さらに、温室効果ガス削減のための規制が強化され、炭素税の導入や低・脱炭素化を進めるための投資や費用の発生により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。 当社グループでは、気候変動といった将来の不確実性に対処することは、持続的な企業価値向上ならびに持続可能な地球環境の実現に資するものであると考え、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示を進め環境負荷の軽減に取り組むとともに、将来生じると予想される、気候変動に関するリスクを低減するための対策を実施しています。 (11)人財確保に関するリスク当社グループは、長期の目指すべき姿として、「圧倒的なニッチナンバーワン企業」を掲げており、多様な人財がその能力を発揮できる環境を整備するとともに、多様な価値観、専門性を有した人財、すなわち女性人財やグローバル人財をも含めた高度な人財を確保することが重要と考えております。 しかしながら、少子高齢化により人財獲得競争が激化し、事業運営に必要な人財確保が困難となり人財の育成を推進することができない場合には、事業活動の遂行に支障が生じ、当社グループの持続的な成長の阻害要因となる可能性があります。 そのため、当社グループでは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本」で記載のとおり、人財の多様性を受容して「個を尊ぶ、和を育む」企業風土を創造し、ビジネススキルの習得や人間力形成といった人財育成に取り組み、様々な就業ニーズに対応できる環境整備を進めております。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善や個人消費の持ち直しが見られ、景気は緩やかな回復基調となりました。 しかしながら、米国新政権の関税政策変更、中東やウクライナに関連する地政学リスク、さらには円安傾向が続いた為替や原材料価格の高騰に伴う物価上昇など、依然として不透明な状況が続いています。 このような経営環境の下、当社グループは、2021年から2025年の5年間を計画期間とする中期経営計画『増強21-25』の基本戦略として、「事業ポートフォリオの改革」と「各事業の増強」に取り組んでいます。 計画4年目となる当期においては、事業の柱である研磨材事業は、半導体市場の緩やかな回復を背景に、特にAI関連向け先端半導体の需要増加に支えられ増加基調を維持しました。 また、化学工業品事業では、一部の機能性材料が堅調に推移したことに加え、電子材料を中心とした厳しい市況が底を打ち、回復傾向を示したため、全体として受注が増加しました。 生活衣料事業は、国内での販売が減少傾向にあるものの、海外市場での需要が高まり、海外向け衣料品の売上は堅調に推移しました。 この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比6,804百万円(18.8%)増収の42,912百万円、営業利益は3,658百万円(129.8%)増益の6,476百万円、経常利益は3,398百万円(103.7%)増益の6,675百万円となりました。 これに特別損益、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比2,359百万円(111.4%)増益の4,477百万円となりました。 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。 ア.研磨材事業2023年前半に底を打った世界の半導体市場は、2024年に入り緩やかな回復が続いています。 このような中、超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及によるHBMなどのメモリや最先端ロジック向け半導体の需要の増加とそれに伴う一部ユーザーの在庫水準の引き上げにより受注が増加しました。 シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保しました。 ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻り、液晶ガラス用途では期後半からTV需要の増加によってパネルの消費も加速しており、受注も回復しました。 この結果、売上高は前年同期比5,891百万円(43.9%)増収の19,307百万円となり、営業利益は3,641百万円(334.8%)増益の4,729百万円となりました。 イ.化学工業品事業機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、農薬関連で世界的な在庫調整が継続しているものの、半導体を含む電子材料市場の緩やかな拡大と在庫調整の一巡により需要が回復し、受注が堅調に推移しました。 また、新規製品への取り組みが奏功し、工場の稼働は改善しました。 この結果、売上高は前年同期比955百万円(7.6%)増収の13,474百万円となり、営業利益は328百万円(37.0%)増益の1,217百万円となりました。 ウ.生活衣料事業繊維素材は、物流費やエネルギーコストの高騰に加え、円安の影響を受けたことにより、厳しい環境が続きました。 繊維製品は、量販店の店舗減少や消費者の節約志向の高まりにより苦戦しました。 一方、ネット販売では、SNSや検索広告などのWebマーケティングを強化し、ネット専用製品を拡充することで、効果的な商品訴求を図りました。 また、高品質な日本製品が評価され、海外向け販売は好調に推移しました。 しかし、円安の進行に伴う原材料や資材の価格高騰が続いているため、利益面では粗利率が低下しました。 この結果、売上高は前年同期比14百万円(0.2%)増収の6,967百万円となり、営業利益は195百万円(25.0%)減益の586百万円となりました。 エ.その他化成品部門は、医療機器用部品およびデジタルカメラ用部品の受注が堅調となり、前年比で増収となりました。 金型部門は、自動車メーカーの品質不正問題、大手企業の経営統合の動きやEV化シフトの遅れにより、依然として不透明な状況が続いています。 また、事務機器用金型が開発案件の端境期にあることや、車載コネクタやスマートフォン向けホットランナーの需要が低調であることから、厳しい状況が続きました。 この結果、売上高は前年同期比57百万円(1.8%)減収の3,162百万円となり、営業利益は116百万円(197.8%)減益の57百万円の損失となりました。 ② 財政状態の状況(資産)資産合計は前連結会計年度末に比べて4,096百万円増加の66,608百万円となりました。 流動資産は1,362百万円増加の25,052百万円となりましたが、これは現金及び預金や棚卸資産が減少しましたが、売上債権が増加したことなどによります。 固定資産は2,733百万円増加の41,556百万円となりましたが、これは研磨材事業や化学工業品事業における設備投資により有形固定資産が増加したことによります。 (負債)負債合計は前連結会計年度末に比べて609百万円増加の19,148百万円となりました。 流動負債は742百万円増加の12,499百万円、固定負債は132百万円減少の6,649百万円となりました。 これは、長短借入金や設備関係支払手形などのその他流動負債が減少しましたが、仕入債務や未払法人税等が増加したことなどによります。 (純資産)純資産合計は前連結会計年度末に比べて3,486百万円増加し、47,460百万円となりました。 これは、剰余金の配当による減少が1,304百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が4,477百万円あったことなどによります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、売上債権の増加や法人税等の支払などがありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより8,656百万円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として固定資産の取得による支出により、6,543百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、短期借入金の減少や配当金の支払などにより、2,360百万円の支出となりました。 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて197百万円減少の8,048百万円となりました。 なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。 キャッシュ・フロー関連指標の推移 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率69.2%69.9%70.3%71.3%時価ベースの自己資本比率67.7%61.8%81.0%83.9%キャッシュ・フロー対有利子負債比率0.20.30.30.1インタレスト・カバレッジ・レシオ796.8350.9210.6422.6 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。 2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。 3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。 ④ 生産、受注及び販売の実績ア.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)研磨材事業16,58942.5化学工業品事業16,8108.0生活衣料事業3,8445.8その他2,791△11.3合計40,03617.8 (注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しておりません。 2 上記金額は有償受給取引における原材料等の仕入価格を含めた販売価格によるものであります。 イ.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)研磨材事業21,00737.54,36639.5化学工業品事業17,40210.34,74717.5その他2,770△19.8679△26.4合計41,18019.39,79321.0 (注) 1 セグメント間の取引については消去しておりません。 2 上記金額は有償受給取引における原材料等の仕入価格を含めた販売価格によるものであります。 ウ.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)研磨材事業19,30743.9化学工業品事業13,4747.6生活衣料事業6,9670.2その他3,162△1.8合計42,91218.8 (注) 1 セグメント間の取引については消去しております。 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)住友商事ケミカル㈱5,38014.98,22919.2三井化学㈱5,80116.15,87413.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容ア.財政状態(資産)流動資産は前連結会計年度末に比べて1,362百万円増加の25,052百万円となりました。 これは現金及び預金や棚卸資産が減少しましたが、研磨材事業の回復により売上債権が増加したことなどによります。 固定資産は前連結会計年度末に比べて2,733百万円増加の41,556百万円となりました。 有形固定資産は、研磨材事業及び化学工業品事業において設備投資を実施したことなどにより増加しました。 無形固定資産については、のれんの償却により減少しました。 資産合計は前連結会計年度末に比べて4,096百万円増加の66,608百万円となりました。 セグメント別では、研磨材事業は2,763百万円増加の25,026百万円、化学工業品事業は2,335百万円増加の14,089百万円、生活衣料事業は41百万円減少の5,870百万円、その他の事業は501百万円減少の5,022百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産などの調整額は458百万円減少の16,599百万円となりました。 (負債)流動負債は前連結会計年度末に比べて742百万円増加の12,499百万円となりました。 これは短期借入金やその他に含まれる設備投資に係る負債が減少しましたが、仕入債務や未払法人税等が増加したことなどによります。 固定負債は前連結会計年度末に比べて132百万円減少の6,649百万円となりました。 これは、長期借入金や退職給付に係る負債が減少したことなどによります。 負債合計は前連結会計年度末に比べて609百万円増加の19,148百万円となりました。 (純資産)株主資本は剰余金の配当による減少が1,304百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が4,477百万円計上されたことなどにより、3,195百万円増加しました。 その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加などにより、290百万円増加しました。 純資産合計は前連結会計年度末に比べて3,486百万円増加し、47,460百万円となりました。 イ.経営成績当連結会計年度の売上高は前年同期比6,804百万円(18.8%)増収の42,912百万円、営業利益は3,658百万円(129.8%)増益の6,476百万円となりました。 半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及によるHBMなどのメモリや最先端ロジック向け半導体の需要の増加とそれに伴う一部ユーザーの在庫水準の引き上げにより受注が増加しました。 シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保したことに加え、海外市場での需要が高まりました。 液晶ガラス用途は、期後半からTV需要の増加によってパネルの消費も進み、ハードディスク用途もデータセンター向け需要が戻りつつあり、売上が増加しました。 機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、農薬関連で世界的な在庫調整が継続しているものの、半導体を含む電子材料市場の緩やかな拡大と在庫調整の一巡により需要が回復し、一部の機能性材料を中心に受注が堅調に推移しました。 また、新規製品への取り組みが奏功し、工場の稼働は改善しました。 繊維素材は、物流費やエネルギーコストの高騰に加え、円安の影響を受けたことにより、厳しい環境が続きました。 繊維製品は、量販店の店舗減少や消費者の節約志向の高まりにより苦戦しました。 一方、ネット販売では、SNSや検索広告などのWebマーケティングを強化し、ネット専用製品を拡充することで、効果的な商品訴求を図りました。 また、高品質な日本製品が評価され、海外向け販売は好調に推移しました。 しかし、円安の進行に伴う原材料や資材の価格高騰が続いているため、利益面では粗利率が低下しました。 その他の事業では、化成品部門は、医療機器用部品およびデジタルカメラ用部品の受注が堅調となり、前年比で増収となりました。 金型部門は、自動車メーカーの品質不正問題、大手企業の経営統合の動きやEV化シフトの遅れにより、依然として不透明な状況が続いています。 また、事務機器用金型が開発案件の端境期にあることや、車載コネクタやスマートフォン向けホットランナーの需要が低調であることから、厳しい状況が続きました。 利益については、次世代事業の開発費の増加やのれん償却費等の発生もあり、減益となりました。 セグメント別の売上高・営業利益については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 営業外収益は、前年同期比233百万円(34.1%)減少の449百万円となりました。 これは、前連結会計年度に化学工業品事業において工場増設による補助金が発生したことなどによります。 営業外費用は固定資産賃貸費用や為替差損が増加したことにより、前年同期比26百万円(12.0%)増加の250百万円となりました。 この結果、経常利益は前年同期比3,398百万円(103.7%)増益の6,675百万円となりました。 特別利益は固定資産売却益や有価証券売却益などを計上し、214百万円となりました。 特別損失は固定資産処分損109百万円や減損損失141百万円などを計上し、251百万円となりました。 これから法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比2,359百万円(111.4%)増益の4,477百万円となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、IT業界の景気状況や競合他社の状況、法的規制などがあります。 詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループは、2021年度から2025年度を計画期間とする中期経営計画『増強21-25』を策定し、2021年4月よりこれを実行しています。 中期経営計画『増強21-25』では、2025年度の連結業績目標を売上高600億円、営業利益100億円、営業利益率16.7%、ROE10%以上、ROIC10%以上、自己資本比率65%以上としております。 2025年3月期実績2026年3月期目標売上高(百万円)42,91260,000営業利益(百万円)6,47610,000営業利益率(%)15.116.7ROE(%)9.810.0ROIC(%)9.110.0自己資本比率(%)71.365.0 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報営業活動によるキャッシュ・フローは、8,656百万円の収入となりました(前年同期比3,669百万円収入増)。 法人税等の支払768百万円、売上債権の増加1,399百万円などがありましたが、税金等調整前当期純利益が6,638百万円、減価償却費が3,382百万円計上されたことなどによります。 投資活動によるキャッシュ・フローは6,543百万円の支出となりました(前年同期比3,449百万円支出増)。 これは主として研磨材事業や化学工業事業を中心とした設備投資を実施したことなどによります。 財務活動によるキャッシュ・フローは2,360百万円の支出となりました(前年同期比573百万円支出増)。 これは、配当金1,299百万円の支払や、長短借入金1,007百万円返済したことなどによります。 資本の財源及び資金の流動性につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。 また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。 当社グループの運転資金需要の主なものは、商品・原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 投資資金需要の主なものは、設備投資、M&A等であります。 なお、重要な設備投資の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 連結財務諸表の作成にあたり、特に以下の事項は経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。 その他の重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 ア.固定資産の減損処理当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。 減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。 イ.繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。 繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当連結会計年度の研究開発活動は、研磨材事業等の分野で、製造・販売・研究一体体制の下、新規製品開発のための研究開発活動、製品品質の改良等を長期的視野にたって推進しております。 当連結会計年度は、研究開発費として1,747百万円投入しました。 セグメント別に研究開発活動を示すと、次のとおりであります。 (研磨材事業)超精密加工用研磨材関連では、半導体デバイス、シリコンウエハー、液晶ガラス、ハードディスク等研磨材の開発を推進しております。 研究開発費の金額は、1,666百万円であります。 (生活衣料事業)機能性繊維の開発を推進しております。 研究開発費の金額は、4百万円であります。 (その他)印刷方式による圧電センサー及びその回路形成、アルゴリズムの開発、新素材の成形方法の開発を推進しております。 研究開発費の金額は、76百万円であります。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当社グループでは、品質向上・能力増強、合理化・省力化、新製品の研究開発を目的として、研磨材事業および化学工業品事業を中心に総額6,145百万円の設備投資を実施しました。 当連結会計年度の設備投資の内訳は、次のとおりであります。 なお、有形固定資産の他、無形固定資産への投資を含めて記載しております。 セグメントの名称金額(百万円)研磨材事業3,628化学工業品事業2,287生活衣料事業51その他90全社(共通)87合計6,145 研磨材事業における設備投資は、フジボウ愛媛㈱において、品質向上・研究開発のための超精密加工用研磨材関連生産設備の新設及び更新を中心に実施しました。 化学工業品事業における設備投資は、柳井化学工業㈱において、生産能力増強のための新設及び生産設備の更新を中心に実施しました。 生活衣料事業における設備投資は、フジボウテキスタイル㈱において、生産設備の更新を中心に実施しました。 その他における設備投資は、フジケミ㈱において、化成品生産設備の新設を中心に実施しました。 全社(共通)における設備投資は、富士紡ホールディングス㈱において、本社ビル内装工事等を中心に実施しました。 また、所要資金は、自己資金によっております。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。 (1)提出会社 2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計本社(東京都中央区)―統括業務施設174――517430069(8)大阪支社(大阪市中央区)―統括業務施設100――71811 (2) (注) 上記の他、連結会社以外へ賃貸している設備内容は、下記のとおりであります。 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計(静岡県駿東郡 小山町)―賃貸用土地――264(15,029)――264―(―) (2)国内子会社 2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計フジボウ愛媛㈱本社工場(愛媛県西条市)研磨材事業研磨材製品生産設備3,0962,01267(234,536)―1,0006,176262(75)小山工場(静岡県駿東郡 小山町)同上同上136[5]64[0]705(32,073)[705]―15921[710]31(4)小坂井工場(愛知県豊川市)同上同上341130988(37,705)271,46921(3)大分工場(大分県大分市)同上同上2,0618961,880(80,040)―314,87041(7)柳井化学工業㈱本社工場(山口県柳井市)化学工業品事業有機合成品生産設備3,5301,709426(75,534)41565,827182(8)武生工場(福井県越前市)同上同上85290915(31,318)―401,81859(6) (3)在外子会社 2025年3月31日現在会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び運搬具土地(面積㎡)リース資産その他合計タイフジボウテキスタイル㈱本社工場(タイ国 バンコク)生活衣料事業繊維製品生産設備225126591(24,437)―13956100(1)台湾富士紡精密材料股份有限公司本社工場(台湾台南市)研磨材事業研磨材製品生産設備1,123411――51,53950(1)苗栗縣竹南研究開発センター(台湾苗栗縣竹南鎮)同上研磨材製品研究開発施設――1,153(2,219)――1,153― (注) 1 2025年3月末帳簿価額によっており、建設仮勘定は含んでおりません。 2 設備のうち[ ]内は、当社から賃借しているものであります。 3 設備のうち内は、科技部南部科學工業園區管理局から賃借しているものであります。 4 従業員数の( )は、臨時従業員を外書しております。 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等当連結会計年度末現在において計画中の重要な設備の新設、改修は次のとおりであります。 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了フジボウ愛媛㈱本社工場(愛媛県西条市)研磨材事業研磨材製品生産設備1,71439自己資金2025年1月2026年3月品質向上・合理化のため、殆どなし柳井化学工業㈱本社工場(山口県柳井市)化学工業品事業有機合成品生産設備6,2001,241同上2023年10月2026年4月生産能力14%向上台湾富士紡精密材料股份有限公司苗栗縣竹南研究開発センター(台湾苗栗縣竹南鎮)研磨材事業研磨材製品研究開発施設5,7001,153自己資金及び借入金2024年8月2027年4月研究開発施設のため、殆どなし (注) 在外子会社の投資予定額の既支払額については、当連結会計年度末における為替換算レート(1NTD=4.7642円)で算出しております。 (2)重要な設備の除却等当連結会計年度末現在において計画中の重要な設備の除却等はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 76,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 6,145,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 41 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 13 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 6,716,760 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式としております。 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容当社は、政策保有株式については、取引関係の維持・強化などにより、中長期的な成長戦略に資することを目的に保有します。 なお、定期的に全ての保有する株式について、発行会社との取引状況や、リターンとリスクを踏まえた経済合理性など、中長期的に当社グループの経営に資するものであるかを総合的に検証し、保有する必要が認められないと判断した場合には、発行会社との十分な対話の上、当該株式の縮減に向けた取り組みを進めてまいります。 当事業年度では、2024年7月開催の取締役会において個別銘柄ごとに上記の方法による検証を行い、保有の合理性を確認しております。 また、議決権の行使については、取引先および当社の中長期的な企業価値の向上や持続的な成長に寄与するものか、取引先の社会的責任やその他株主に対する背信的行為との関連性の有無についても総合的に勘案して、議案毎に判断することとしております。 b.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式1375非上場株式以外の株式101,286 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式―――非上場株式以外の株式――― (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式――非上場株式以外の株式2265 c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)丸全昭和運輸㈱50,00050,000物流体制の効率化と取引関係の維持・強化を図るため保有しております。 (注)1有300234クミアイ化学工業㈱343,359343,359化学工業品事業における販売先であり、良好な取引関係の維持・強化を図るため保有しております。 (注)1有284285㈱紀陽銀行115,998115,998資金調達等の円滑な金融取引や、事業情報の収集を図るため保有しております。 (注)1有267214積水化学工業㈱95,000195,000研磨材事業における販売先であり、良好な取引関係の維持・強化を図るため保有しております。 (注)1無241434㈱百五銀行78,00078,000資金調達等の円滑な金融取引や、事業情報の収集を図るため保有しております。 (注)1有5750片倉工業㈱20,00020,000生活衣料事業における販売先であり、良好な取引関係の維持・強化を図るため保有しております。 (注)1有4438㈱山口フィナンシャルグループ20,00020,000資金調達等の円滑な金融取引や、事業情報の収集を図るため保有しております。 (注)1有(注)23531グンゼ㈱13,31013,310生活衣料事業における販売先であり、良好な取引関係の維持・強化を図るため保有しております。 (注)1無3573㈱百十四銀行4,9004,900資金調達等の円滑な金融取引や、事業情報の収集を図るため保有しております。 (注)1有1714山喜㈱28,60028,600生活衣料事業における販売先であり、良好な取引関係の維持・強化を図るため保有しております。 (注)1無44㈱八十二銀行―20,000資金調達等の円滑な金融取引や、事業情報の収集を図るため保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。 無―20 (注) 1 定量的な保有効果については、個別の取引に関わることであるため記載が困難であります。 保有の合理性は、取引状況や経済合理性等により検証しております。 2 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。 みなし保有株式該当事項はありません。 ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式――――非上場株式以外の株式11,2061934 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式―――非上場株式以外の株式27―949 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 1 |
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 2 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 13 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 75,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 10 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1,286,000,000 |
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 265,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 28,600 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 4,000,000 |
貸借対照表計上額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 1,206,000,000 |
受取配当金の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 27,000,000 |
評価損益の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的である投資株式、提出会社 | 949,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱八十二銀行 |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 資金調達等の円滑な金融取引や、事業情報の収集を図るため保有しておりましたが、当事業年度に売却しております。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 有(注)2 |