財務諸表

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提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-25
英訳名、表紙G-TEKT CORPORATION
代表者の役職氏名、表紙代表取締役社長 社長執行役員  高尾 直宏
本店の所在の場所、表紙埼玉県さいたま市大宮区桜木町一丁目11番地20
電話番号、本店の所在の場所、表紙048-646-3400(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIJapan GAAP
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
年月事項1952年6月高尾金属工業㈱:和歌山県田辺市に高尾金属工業株式会社を設立。
1953年11月菊池プレス工業㈱:自動車用部品の製造及び販売を目的として、東京都三鷹市下連雀592番地に菊池ボデー工業有限会社を設立。
1963年3月菊池プレス工業㈱:菊池プレス工業有限会社を資本金10,000千円の株式会社に改組、商号を菊池プレス工業株式会社に変更、本店を東京都三鷹市に置く。
1964年5月菊池プレス工業㈱:本田技研工業株式会社と取引を開始。
1966年11月高尾金属工業㈱:滋賀県甲賀郡土山町(現滋賀県甲賀市土山町)に滋賀工場建設。
1967年9月高尾金属工業㈱:本田技研工業株式会社と取引を開始。
1969年1月菊池プレス工業㈱:東京都西多摩郡羽村町(現東京都羽村市)に羽村工場を新設し、操業を開始。
1971年11月高尾金属工業㈱:本社所在地を和歌山県田辺市より滋賀県甲賀郡土山町(現滋賀県甲賀市土山町)に移転。
1984年5月アメリカ・オハイオ州に、菊池プレス工業株式会社、高尾金属工業株式会社、株式会社ヒラタ、株式会社本郷、American Honda Motor Co.,Inc.の5社合弁でK・T・H Parts Industries,Inc.を設立。
1987年9月菊池プレス工業㈱:本田技研工業株式会社の資本参加(出資比率9.52%)。
1988年5月アメリカ・オハイオ州に、菊池プレス工業株式会社、高尾金属工業株式会社、American Honda Motor Co., Inc.の3社合弁でJefferson Industries Corporationを設立。
1990年4月菊池プレス工業㈱:栃木県塩谷郡喜連川町(現栃木県さくら市)にテクニカルセンター及び栃木工場を新設し、操業を開始。
1991年4月高尾金属工業㈱:栃木県塩谷郡高根沢町にタカオ C&C(現C&C栃木)を新設。
1991年9月両社合弁:Jefferson Industries Corporationの本格的稼働により、K・T・H Parts Industries,Inc.から離脱。
1994年10月高尾金属工業㈱:タイ・アユタヤ県にTakao (Thailand) Co., Ltd.(現G-TEKT (Thailand) Co., Ltd.)を設立。
1996年4月菊池プレス工業㈱:日本証券業協会に株式を店頭登録1996年5月高尾金属工業㈱:タイ・ラヨン県にTakao Eastern Co., Ltd.(現G-TEKT Eastern Co., Ltd.)を設立。
1996年10月両社合弁:カナダ・オンタリオ州にJefferson Elora Corporationを設立。
1996年12月菊池プレス工業㈱:ブラジル・サンパウロ州に、Honda Motor do Brasil Ltda.との2社合弁でKP do Brasil Ltda.(現G-KT do Brasil Ltda.)を設立。
1997年1月高尾金属工業㈱:イギリス・グロスター州にStadoco Takao Europe(現G-TEKT Europe Manufacturing Ltd.)を設立。
1998年7月菊池プレス工業㈱:アメリカ・インディアナ州にAustin Tri-Hawk Automotive, Inc.を設立。
1999年3月高尾金属工業㈱:アメリカ・ミシガン州にTakao America Corporation(現G-TEKT America Corporation)を設立。
2000年7月両社合弁:アメリカ・ジョージア州にJefferson Southern Corporationを設立。
2001年10月両社合弁:中国広東省広州市にAuto Parts Alliance (China) Ltd.を設立。
2002年6月菊池プレス工業㈱:群馬県太田市に群馬工場を新設し、操業を開始。
2002年7月菊池プレス工業㈱:東京都羽村市に本店を移転。
2004年5月高尾金属工業㈱:タイ・ラヨン県にThai G&B Manufacturing Ltd.(現G-TEKT Eastern Co., Ltd.)を設立。
2004年12月菊池プレス工業㈱:ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))に株式を上場。
2005年3月両社合弁:中国湖北省武漢市にWuhan Auto Parts Alliance Co., Ltd.を設立。
2005年5月菊池プレス工業㈱:本田技研工業株式会社が当社発行済株式のうち900千株を追加取得し、筆頭株主である主要株主となる(出資比率20.7%)。
2005年9月菊池プレス工業㈱:中国広東省広州从化市(現広州市従化区)に、Conghua K&S Auto Parts Co.,Ltd.(現Conghua Auto Parts Alliance (China) Ltd.)を設立。
2007年2月両社合弁:インド・ラジャスタン州にGlobal Auto-Parts Alliance India Private Ltd.を設立。
2008年2月菊池プレス工業㈱:ISO/TS16949の認証を取得。
2009年9月菊池プレス工業㈱:埼玉県深谷市に埼玉工場を新設し、操業を開始。
年月事項2011年4月菊池プレス工業株式会社と高尾金属工業株式会社が合併。
商号を株式会社ジーテクトに変更し、本店を埼玉県さいたま市に移転。
2011年11月インドにおける事業再構築のため、連結子会社を再編することとし、インド・ラジャスタン州にG-TEKT India Private Ltd.を設立。
2012年2月インドネシア・西ジャワ州にPT.G-TEKT Indonesia Manufacturingを設立。
2012年3月メキシコ・グアナファト州に当社、株式会社エイチワンの2社合弁でG-ONE AUTO PARTS DE MEXICO, S.A. DE C.V.を設立。
2013年4月アメリカ・オハイオ州にG-TEKT North America Corporationを設立。
2013年9月メキシコ・グアナファト州にG-TEKT MEXICO CORP. S.A. DE C.V.を設立。
2014年3月PT.G-TEKT Indonesia ManufacturingがPT.Auto-Body Manufacturing Indonesiaを吸収合併。
2014年12月東京証券取引所 市場第一部へ市場変更。
2015年6月ドイツ・バイエルン州にG-TEKT (Deutschland) GmbH.を設立。
2017年10月中国・上海市にG-TEKT Shanghai Representative Officeを新設。
2017年12月スロバキア・ニトラ市にG-TEKT Slovakia, s.r.o.を設立。
2018年4月東京都羽村市にジーテクト東京ラボ(G-TEKT TOKYO LAB)を新設。
2019年12月スロバキア・ニトラ市のG-TEKT Slovakia, s.r.o.が操業を開始。
2020年4月株式会社格付投資情報センター(R&I)より信用格付「A-」を取得。
2021年10月中国広東省広州市にGuangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.を設立。
2021年12月東京都羽村市にジーテクト品質保証センター(G-TEKT Quality Assurance Center)を新設。
2022年2月中国・上海市の駐在員事務所G-TEKT Shanghai Representative Officeを子会社化し、G-TEKT (Shanghai) Technical & Trading Co., Ltd.に商号変更。
2022年3月中国広東省広州市のConghua K&S Auto Parts Co., Ltd.は、その全持分をAuto Parts Alliance (China) Ltd.に現物出資し、Auto Parts Alliance (China) Ltd.の子会社(当社の孫会社)となり、Conghua Auto Parts Alliance (China) Ltd.に商号変更。
2022年4月東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。
2022年11月G-TEKT America Corporationを完全子会社化。
2023年10月G-TEKT Eastern Co., Ltd.がThai G&B Manufacturing Ltd.を吸収合併。
2024年2月Global Auto-Parts Alliance India Private Ltd.を清算。
2025年2月中国広東省広州市のGuangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.が操業を開始。
2025年3月岐阜県海津市に中部工場を新設し、操業を開始。
事業の内容 3【事業の内容】
 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社20社及び持分法適用関連会社1社により構成され、日本、北米、欧州、アジア、中国、南米における自動車用部品の製造販売を主な事業内容としております。
 国内得意先向けには当社が自動車用部品を製造販売し、海外得意先向けの製造販売は、北米、欧州、アジア、中国、南米において現地の子会社及び関連会社が当社からの技術援助を受け行っております。
金型・治工具等の生産設備は主に当社及びG-TEKT (Thailand) Co., Ltd.及びAuto Parts Alliance (China) Ltd.がグループ内に供給しております。
[事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容役員の兼任資金援助営業上の取引設備の賃貸借当社役員当社従業員(連結子会社) Jefferson Industries Corporation(注)1米国・オハイオ州百万米ドル40自動車用車体プレス部品の製造・販売62.63--当社製品及び設備の販売-Jefferson Southern Corporation(注)1、3、4米国・ジョージア州百万米ドル23自動車用車体プレス部品の製造・販売100.021-当社製品及び設備の販売-(91.3)Austin Tri-Hawk Auto motive, Inc.(注)1米国・インディアナ州百万米ドル18自動車用車体プレス部品の製造・販売93.621-当社製品及び設備の販売-G-TEKT America Corporation(注)1米国・ミシガン州百万米ドル14自動車用車体プレス部品の製造・販売100.02--当社製品及び設備の販売-Jefferson Elora Corporation(注)1、3、4、6カナダ・オンタリオ州百万加ドル24自動車用車体プレス部品の製造・販売100.021-当社製品及び設備の販売-(88.8)G-TEKT North America Corporation(注)1米国・ミシガン州百万米ドル22営業・開発及びリサーチ100.021---G-TEKT MEXICO CORP. S.A. DE C.V.(注)1メキシコ・グアナファト州百万米ドル20自動車用車体プレス部品及び精密部品の製造・販売100.021債務保証当社製品及び設備の販売-G-TEKT Europe Manufacturing Ltd.(注)1英国・グロスター州百万ポンド12自動車用車体プレス部品の製造・販売100.02--当社製品及び設備の販売-G-TEKT Slovakia, s.r.o.(注)1、3スロバキア・ニトラ市百万ユーロ28自動車用車体プレス部品の製造・販売100.0(20.0)21債務保証当社製品及び設備の販売-G-TEKT (Deutschland) GmbH.ドイツ・バイエルン州万ユーロ55営業・開発及びリサーチ100.0-1---G-TEKT (Thailand) Co., Ltd.(注)1タイ・アユタヤ県百万バーツ140自動車用車体プレス部品の製造・販売52.321-当社製品及び設備の販売-G-TEKT Eastern Co., Ltd.(注)1タイ・ラヨン県百万バーツ581自動車用車体プレス部品の製造・販売100.02--当社製品及び設備の販売-G-TEKT India Private Ltd.(注)1インド・ラジャスタン州百万ルピー650自動車用車体プレス部品の製造・販売100.022-当社製品及び設備の販売-PT.G-TEKT Indonesia Manufacturing(注)1インドネシア・西ジャワ州百万米ドル61自動車用車体プレス部品及び精密部品の製造・販売100.022-当社製品及び設備の販売-Auto Parts Alliance (China) Ltd.(注)1、6中国広東省広州市百万米ドル38自動車用車体プレス部品及び精密部品の製造・販売100.031-当社製品及び設備の販売-Wuhan Auto Parts Alliance Co., Ltd.(注)1中国湖北省武漢市百万米ドル15自動車用車体プレス部品の製造・販売100.022-当社製品及び設備の販売- 名称住所資本金主要な事業の内容議決権の所有割合又は被所有割合(%)関係内容役員の兼任資金援助営業上の取引設備の賃貸借当社役員当社従業員Conghua Auto Parts Alliance (China) Ltd.(注)1、3、5中国広東省広州市百万元35自動車用車体プレス部品(小物部品)の製造・販売100.0(100.0)11-当社製品及び設備の販売-G-TEKT (Shanghai) Technical & Trading Co., Ltd.中国上海市百万円70営業・開発及びリサーチ100.022---Guangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.(注)3、5中国広東省広州市百万元227自動車用車体プレス部品の製造・販売100.0(100.0)11-当社製品及び設備の販売-G-KT do Brasil Ltda.(注)1ブラジル・サンパウロ州百万レアル52自動車用車体プレス部品の製造・販売100.0-1-当社製品及び設備の販売-(持分法適用関連会社) G-ONE AUTO PARTS DE MEXICO, S.A. DE C.V.メキシコ・グアナファト州百万米ドル60自動車用車体プレス部品の製造・販売50.0-1-当社製品及び設備の販売-(その他の関係会社) 本田技研工業株式会社(注)2東京都港区百万円86,067原動機及び輸送用器具、農機具、その他原動機を利用した機械器具の製造及び販売(被所有)---当社製品及び設備の販売-30.1(注)1.特定子会社に該当しております。
2.本田技研工業株式会社は、有価証券報告書を提出しております。
3.議決権の所有割合又は被所有割合の( )内は、間接所有割合であります。
4.Jefferson Southern Corporation、Jefferson Elora Corporationは、Jefferson Industries Corporationの子会社であります。
5.Conghua Auto Parts Alliance (China) Ltd.、Guangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.は、Auto Parts Alliance (China) Ltd.の完全子会社であります。
6.Jefferson Elora Corporation及びAuto Parts Alliance (China) Ltd.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。
)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
Jefferson Elora Corporation主な損益情報等(1)売上高43,238百万円(2)経常利益2,668百万円(3)当期純利益2,020百万円(4)純資産額12,487百万円(5)総資産額19,671百万円 Auto Parts Alliance (China) Ltd.主な損益情報等(1)売上高46,865百万円(2)経常利益1,024百万円(3)当期純利益592百万円(4)純資産額30,396百万円(5)総資産額41,559百万円
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)日本1,209(489)北米2,167(211)欧州1,058(3)アジア1,498(597)中国1,459(275)南米771(-)合計8,162(1,575)(注)1.従業員数は、他社から当社への出向者を含み、当社から他社への出向者を除く就業人員であります。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
(2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)前事業年度末比(人)平均年齢平均勤続年数平均年間給与(円)1,209(489)43(81)40歳7ヶ月16年4ヶ月6,705,268(注)1.従業員数は、他社から当社への出向者を含み、当社から他社への出向者及び海外子会社への駐在者を除く就業人員であります。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
3.平均年間給与(税込み)は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.提出会社は、「(1)連結会社の状況」における「日本」と同一であるため、セグメントの記載を省略しております。
(3)労働組合の状況 当社の労働組合は、ジーテクト労働組合と称し、JAMに加盟し、労使関係は相互信頼を基調として良好であり、紛争問題等が生じたことはありません。
また、2025年3月31日現在の組合員数は1,021名でユニオンショップ制であります。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社2025年3月31日現在 当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)   (注)1、3男性労働者の育児休業取得率(%)   (注)2、4労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、5全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者2.645.078.677.486.5(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.当社は、ダイバーシティ推進の重要テーマのひとつとして女性活躍推進を掲げ、当社独自の指標として女性役職者(「主任」・「班長」以上の役職)比率を掲げております。
当事業年度における実績は4.9%であります。
4.当社は育児休業制度に加え、子の出生から2ヶ月以内に3日間の特別休暇が取得可能な独自の育児休暇制度を設定しております。
当事業年度における当該休暇制度の取得率は94.0%であります。
5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。
なお、同一労働の賃金に差は一切なく、等級別人数構成の差によるものであります。
② 連結子会社 当社の連結子会社は全て海外子会社であり、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の適用範囲外であるため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
 以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針 当社は、次の経営理念とそれらを実現するための経営ビジョン(当社の進むべき方向性)を策定し、これらの経営方針とビジョンの下、グローバル競争に打ち勝つ企業規模と展開力を実現し、安全・環境に即した先進技術の追求を通じ、車体部品とトランスミッション部品の専門メーカーとして世界TOPを目指し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。
<経営理念>社是・人間性尊重・技術革新・堅実経営 行動指針・愛情と相互信頼をモットーに自己啓発に努めよう・先進技術を追求し良質廉価な製品を提供しよう・自主性をもち英知と機敏さで社会に貢献しよう <経営ビジョン> 情熱と革新を融合させ人とクルマと地球のより良い未来をかたちづくる (2)経営指標 当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、自己資本に対する収益性を高めること、そのために、売上・利益の持続的な拡大を図ること、そして株主還元による株主価値の向上を目指しています。
 健全な財務体質を維持向上するため、自己資本比率は50%以上を維持すること、同時に、資本効率の面では自己資本利益率(ROE)10%以上を目指します。
そのためには、安定した利益成長が求められます。
当社は売上・利益の拡大を図るため、売上高成長率及び売上高営業利益率の向上を目指します。
目標として、2030年度に売上高4,000億円、営業利益280億円、営業利益率7.0%を目指します。
また、設備産業の特性から、売上拡大のための設備投資と資産は効率性を重視し、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)の向上を目指します。
 また、当社グループは、株主の利益向上を経営の重要課題のひとつとしています。
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、安定的・継続的な株主還元を実施し、目標値として2031年3月期に株主資本配当率(DOE)を3.0%とするとともに、配当性向を2025年3月期から30%以上とすることを基本方針としています。
(3)会社の対処すべき課題 大変革期のただ中にある自動車業界にあって、事業会社としての生き残りを賭けて、当社グループでは以下の課題に重きを置いた取り組みを推進してまいります。
① 車体領域のシステムサプライヤー(Tier 0.5)への進化 自動車の電動化は、当初の想定よりも速度が鈍化しているものの、長期的には引き続き進展が見込まれており、自動車業界各社は、EVとして競争力ある車両開発や電池、モーターといった新たな領域の開発に工数を割くと同時に、世界各地で新たな調達網(サプライチェーン)の構築を進めています。
これらの多大な工数を賄うために、完成車メーカーは外部リソースとしてのサプライヤーの活用を拡大することが想定されています。
当社はこれを商機と捉え、これまで培った車体一台分解析技術と生産技術を駆使すると共に、外部とのアライアンスを積極的に検討、活用することで、一次メーカーと称される現在の「Tier 1」サプライヤーから一つ上のステージである「Tier 0.5」に進化し、開発から量産までを完成車メーカーから一括受注する「車体領域のシステムサプライヤー」としての事業モデルを確立することを目指しています。
 現在、開発連携、材料・設備調達、生産能力補完の観点から、企業間のアライアンス、すなわちジーテクトネットワークを構築し、必要な体制を確立する取り組みを推進しています。
その例として、技術力・開発力のさらなる強化を目的に、外部の各専門メーカーやエンジニアリングサービスプロバイダーと協力しています。
これにより増強されたリソースをもとに、東京都に所在する自社拠点の実証ラインにて複数のEV関連技術を実証しています。
また、材料メーカーやアルミダイキャストメーカーとの協業では、当社の戦略製品である「大型一体化製品」の開発効率を飛躍的に向上させています。
 今後も外部アライアンスの強化を継続するとともに、早期の事業化に向けて引き続き取り組んでまいります。
② スマートファクトリーの具現化 自動車の電動化は、当社の商品である車体部品の造りを大きく変え、生産方式、ひいては工場の在り方の変革を伴う可能性を秘めています。
次世代の工場では、これまで以上の生産性と信頼性を備えた高度かつ緻密な管理が求められており、これを実現するためのデジタル技術の活用が必須となっています。
また、昨今の製造業における若者離れや少子化等を背景とする労働人口の減少への対策として、生産工場の無人化も急務となっています。
当社では、生産ラインの自動化、自動検査システムの導入、現場から収集したビッグデータの活用等により、工場の無人化を図るとともに、ものづくりの根幹である品質と生産性を飛躍的に高めるための取り組みを進めています。
 先行する事例として、新工場として新たに稼働を開始した中部工場(岐阜県)及び南沙工場(中国・広東省)では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を前提とした最先端のテクノロジーを導入し、生産ラインの無人化に加え、AGV(無人搬送車)・AGF(無人搬送フォークリフト)の導入と自動倉庫システムとの連動による構内物流の無人化に取り組んでいます。
 当社におけるスマートファクトリー化への取り組みは、まだ道半ばですが、今後は、生産・検査の自動化によって得られた膨大なデータをクラウド上で一元管理し、生産を最適化することで、さらなる体質変革に繋げてまいります。
例えば、生産状況をリアルタイムで把握し、在庫数を適切な水準に保ち、顧客からの納入変更指示にも即座に対応して生産計画を柔軟に組み替えたりするなど、無駄のない最適な生産状態を維持できる体制の構築を目指します。
 さらに将来的には、工場内でボトルネックとなっている工程を特定し、生産効率の改善につなげるなど、ビッグデータをAIが分析・最適化することで、工場自体が知能を持った「究極のスマートファクトリー」を具現化し、世界のグループ各社に水平展開することで、グループ全体での品質向上・収益向上を図ってまいります。
③ 人的資本への投資 「人間性尊重」の社是に基づき、人財こそ最も重要な経営資源と位置づけ、人財育成方針に「すべての社員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップを支援すること」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財を創出すること」を掲げ、社員とともに当社が成長するための取り組みを推進しています。
 車体領域のシステムサプライヤー(Tier 0.5)への進化やスマートファクトリーの具現化といった喫緊の課題に対処するためには、既存技術を継承しながらもデジタル化技術を積極的に取り入れ発展させることと、その技術を活かしグローバルに変革することができる多様な人財が不可欠です。
 当社では、人財の多様性向上に関する各種指標を設定し、目標達成に向けて予実管理に努めています。
 そして、多様な人財の能力拡大・伸長のために、社員の成長と新たな挑戦への支援として、「管理職育成プログラム」、「業務遂行スキル向上」、「自主的で継続的な学びの支援」の3つのテーマを掲げ、それぞれの従業員に適した各種の教育研修・学習支援プログラムを提供しています。
また、次世代経営陣の育成のため、サクセッションプランを企図した育成計画を基に、対象者に対し、育成時点での業務アサインに加え、役員に必要な知識に関する教育プログラムの提供を予定しています。
 また、昨今の人財の流動化への対応として、従業員の定着化を目的とした人事制度の整備、福利厚生の充実、「健康経営」の推進・拡充等の「働きやすさ」の向上のみならず、従業員一人ひとりが「働きがい」や「ジーテクトで働く意義・メリット」を実感できることが重要であるという認識の下、経営層とのコミュニケーション強化、管理職層の研修拡充や若手層へのヒアリングによるマッチングの実施等のエンゲージメント向上施策を強化・推進しています。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
 将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
 当社グループにとってのサステナビリティとは、本業を通して様々な社会課題の解決に寄与することとともに、当社グループが持続的な成長と進化を遂げながら、社会の持続的な発展に貢献していくことであると考えています。
経営戦略の中に「地球環境への対応(気候変動対応)」と「人財の多様性向上」を重点施策として掲げ、あらゆるステークホルダーとの関係性を重要視し、サステナビリティに関する取組みを推進しています。
現代の様々な深刻な社会問題に対して対応していくため、当社はサステナビリティに関する基本方針を以下のとおり定めています。
(1)ガバナンス 当社グループは、サステナビリティの実現に向けて、株主、得意先、社員、地域社会を含むステークホルダーへの情報提供や対話を実施し、企業としての透明で健全な組織体制の下での継続的な事業活動を可能とする、適切なコーポレート・ガバナンスの確立を目指しています。
<サステナビリティ推進体制> 当社グループではサステナビリティへの取組み強化を目的として、CSR推進委員会にて自社及びサプライチェーンマネジメントを実施してきました。
2022年にはサステナビリティ会議体を定め、サステナビリティに関する施策・方針や取組み状況などについて経営会議や取締役会にて報告を行っています(年1回以上)。
(2)戦略、(3)リスク管理、及び(4)指標及び目標 自動車業界は100年に一度の変革期にあって、取り巻く環境は大きく変化しています。
当社は、人類全体の課題である脱炭素社会実現への貢献を最重要課題の一つとして認識し、事業活動におけるCO₂排出量の削減を図るとともに、電動化によって誕生する次世代市場を開拓する準備を業界に先駆けて行っています。
この課題を解決するためには、当社の従来の事業モデルを変革し、更なる進化を図るとともに、変革の担い手となる多様な人財の発掘・育成が必要であると考えています。
 以下に、「気候変動問題への取組み」と「人的資本に関する取組み」について、それぞれの内容の詳細を示します。

① 気候変動問題への取組み 2050年度カーボンニュートラルをグローバルで目指す当社グループとしては、製造と製品のライフサイクルに関連するCO₂の排出量を削減していく事が重要だと考え戦略を立案して取り組んでいます。
 まず、当社グループの生産時(Scope 1+2)における温室効果ガス(以下、GHG)排出量は、省エネ施策の実行と再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力への切替えで削減を行っていきます。
日本では先行して2023年5月に工場及び事業所の再エネ由来電力への切替えを完了しました。
海外現地法人におきましては、地域特性に鑑みて順次切替えを行っていきます。
なお2023年度には、南米ブラジル拠点G-KTBにおいて、再エネ由来電力への切替えとScope1のカーボンクレジットでのオフセットによりカーボンニュートラルを達成いたしました。
 次に、製品のライフサイクル(Scope 1~3)におけるGHG排出量は、購入した鋼板が大部分を占めているため、より環境負荷の少ない方法で製造された鋼板への切替えの検討や、リサイクル性に優れたアルミ製品の開発と生産技術を確立することで、GHG排出量削減に繋げていきます。
 また、自社加工工程におけるエネルギー使用量を削減する体制を強化し、省エネ施策の予実管理を通して、グローバルでの改善施策の水平展開を図り、GHG低減へ繋げていきます。
(ⅰ)気候変動に関する情報開示 当社グループは、環境マネジメントをマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げ、以前より環境経営に取り組んできました。
今後もTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿って、投資家をはじめとする幅広いステークホルダーへ、より積極的に情報開示を進めていきます。
気候変動に伴う事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ反映し推進していきます。
また、シナリオ分析や各リスクと機会の財務への影響等を検証するなど開示内容を充実していきます。
(ⅱ)ガバナンス 気候変動に関わる重要事項に対しては、経営企画部を担当する専務執行役員が代表取締役社長よりグローバル環境統括責任者に任命され、環境・気候変動関連リスク及び機会等を考慮した事業戦略についての上程、及びCO₂排出量の予実報告を行って推進しています。
 特定した重要なリスクと機会は、環境担当役員を中心に経営企画部門にて、事業戦略や方針管理に落とし込み定期的に経営層へ報告し協議を行っています。
加えて案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っていくこととしています。
(ⅲ)戦略 当社グループの事業活動における気候変動リスク低減に向けた環境戦略は、①省エネの取組み、②再エネの活用(自家発電を含む)です。
グローバルで拠点ごとに戦略の優先順位を付け、積極的に取り組んでいきます。
 気候変動に対する各国、各企業の投資や規制によりモビリティのあり様は大きく変容していくと考えられます。
その中で、自動車のZEV (Zero Emission Vehicle) への移行、特にEVへの移行が大きなリスクとも機会ともなります。
機会では自社製品を通じた環境対応として、①車体軽量化技術(部品のモジュール化)による自動車の燃費・電費性能向上への貢献、②電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア、セルケース)事業化に向けた独自技術習得による電動車普及への貢献が挙げられ、取り組んでおります。
 なお、関係の深い自動車業界の状況と社会の状況、拠点のある地域の特性などに鑑みてリスクと機会を次の表のとおり抽出し、事業及び財務の影響についてシナリオ分析をしています。
IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNet Zero Emissions(NZE)シナリオにおいては、2050年カーボンニュートラルに向けて電気自動車への移行が大きく進んでいくことが想定され、当社においては軽量化技術や電動車関連製品の製造技術を他社に先駆けた手の内化が、今後の売上拡大の機会として捉えており、戦略に影響を及ぼしています。
<リスクと機会>物理リスク:4℃以上シナリオに基づいて分析 移行リスク・機会:2℃未満シナリオに基づいて分析リスク・機会内容時間軸財務影響度物理リスク急性気候変動に伴うサプライチェーンの途絶による売上減少中期大洪水や海面上昇に伴う工場の操業停止による売上減少中期中慢性気温上昇により変化する職場環境の維持対応に伴う費用増加長期中移行リスク政策・法規制カーボンプライシングや国境炭素税を含めたGHG排出量規制強化への対応による投資・費用の増加短期大技術電動車シフトに関する技術対応の遅れによる失注に伴う売上減少短期大市場原材料(鋼板)のCN対応に伴う価格上昇による費用の増加中期大エネルギー価格の高騰による費用の増加長期中機会軽量化技術による自動車の燃費・電費性能向上への貢献に伴う売上の拡大中期大電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア)の売上拡大中期大DXに伴うエネルギー使用の効率化による費用低減短期中参照シナリオ・2℃未満シナリオ NZE(IEA 2022)・4℃以上シナリオ RCP8.5(IPCC AR5)時間軸・短期:5年未満、中期:10年未満、長期:2050年まで財務影響度・小:0.5億円から1億未満、中:1億円から5億円未満、大:5億円以上 (ⅳ)リスク管理 当社グループは、管理対象となっている気候変動のリスクと機会の項目において、グローバル環境部署と各海外現地法人の担当者や関連部署、中央環境推進委員会とディスカッションを行い、現段階で外部の方向性に大きなずれがないことを確認し、社内の対応施策の進捗状況を共有しています。
 事業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、各社の環境施策の進捗状況、今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。
(ⅴ)指標及び目標 気候変動のリスクと機会を管理する指標として、グローバルでのScope1~3のCO₂の排出量削減目標を定めています。
ジーテクトグローバルで排出されるScope1・2のCO₂排出におきましては、2013年度比で2030年には50%削減、2040年には100%削減を掲げています。
また、2050年にはサプライチェーンでの協力を得ながらScope1~3でカーボンニュートラルを目指しています。
2024年度における排出量におきましては、今後発行、開示される当社HP内のジーテクトレポート(統合報告書)またはCDP Climate Change2025をご参照ください。
② 人的資本に関する取組み 当社は、企業価値を高め、世界中のステークホルダーから信頼される車体領域のシステムサプライヤーを目指しています。
そのために、経営戦略の重要項目に「人財の多様性向上」を掲げ、従業員が活き活きと働ける環境づくりと一人ひとりが成長し活躍できる企業風土の醸成に努めています。
〇人財の育成及び社内環境整備に関する方針 ジーテクトは人財こそ最も重要な経営資源と位置付け、「全ての従業員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップの支援」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財の創出」を方針に定め、従業員と企業が共に成長する姿を目指しています。
(ⅰ)ガバナンス 人財戦略に関しては、事業管理本部長を委員長とし、各事業本部長を委員とする「人材開発委員会」において採用・育成・異動及び人事制度に関する具体的な事項の審議を行い、必要に応じて、経営会議、社長執行役員と取締役会に上申・決議を行っています。
また、人事担当役員を委員長とし、国内外の各拠点責任者を委員とする 「ダイバーシティ推進委員会」にて、性別、年代、職種等にかかわらず、従業員一人ひとりが強みを活かし、多様性の力で新しい価値を創造していく企業風土の醸成を目指しています。
(ⅱ)戦略 当社の4つの経営戦略のうち「人財の多様性向上」に基づき、人財づくりの強化を推進しています。
以下の項目について重点施策として取り組んでいます。
・従業員一人ひとりの成長を支援するための教育研修制度の検討・多様な人財の活躍を後押しする人事施策の新設や見直し・経営幹部候補人財の育成・新規事業領域や高度なIT知識を有する専門人財等の採用 a. 戦略的な取組み:自律的な学習の支援及びモチベーションアップにつながる支援 経営環境が大きく変化する中、従業員が自ら必要な知識や能力を習得する機会を部門横断的に設けています。
業務に活かせるスキルや知識習得、デジタルスキルの習得などに加えて、海外駐在を見据えた語学力向上のプログラムを実施しています。
また、職場の活性化やモチベーション向上に繋がる教育研修を実施しています。
・語学力向上支援:国内語学研修制度、海外駐在前語学研修制度、TOEIC無料受検や英語学習アプリなど・自己啓発支援:生産マイスター、ビジネスE-Learning、資格取得支援やデジタルスキル推進など・職場の活性化やモチベーションアップにつなげる支援:組織診断実施と結果フィードバック、部門横断型 の階層別研修、ハラスメント研修など b. 戦略的な取組み:タレントマネジメント 変革を続けるビジネス環境において、新たな価値創造をけん引していく人財の計画的育成と育成状況の可視化を行い、持続可能な成長を下支えする組織運営の仕組みづくりを推進しています。
具体的にはタレントマネジメントシステムを導入し、部門横断型に人財情報を可視化し、組織ごとに人財育成計画を検討するほか、人材開発委員会での議論や運営に役立てています。
c. 戦略的な取組み:多様なバックグラウンドを持つ人財が活きいきと働く環境づくり 当社は非現業部門においてフレックスタイム制度を導入しています。
2020年以降、オンライン会議やリモートワーク制度の拡充により、働く時間・場所や働き方の多様化を図りました。
継続的な活用により業務特性に応じた出社とリモートワークが、定着しつつあります。
 また、子育てと仕事の両立を目指す従業員を支援するため、育児休暇制度(※)や男女の育児休業制度の積極的な取得を推進し、時短勤務の期間を子どもが小学校3年生になる年まで取得が可能としています。
 加えて、多様な働き方や人財獲得のための制度として、夫婦のいずれかが海外駐在になった際に利用できる海外帯同休職制度、当社を退職後に再就職したい場合に利用できるカムバック制度、求職者が利用できる社員紹介制度や契約社員からの正社員転換制度など、積極的に制度の見直し・新設を推進しています。
※育児休暇制度は当社独自の特別休暇制度で、子の出生から2ヶ月以内に3日間取得することが可能 d. 戦略的な取組み:ダイバーシティ推進活動 「すべての従業員が自分の強みを活かし活き活きと働ける職場づくり/組織や従業員間の壁をなくした繋がりづくり/たくさんのイノベーションの種が育つ広場づくり」を基本方針に掲げ、多様性から生まれる活力により新しい価値を生み出し、ジーテクトの持続的成長に結びつける活動を推進するため、ダイバーシティ委員会を設置し活動しています。
女性活躍推進、男性の育児休業・休暇の取得の後押し、障がい者雇用やシニアの活躍などを重点テーマとし、課題解決のための具体的施策の実施を行っています。
e. 戦略的な取組み:健康経営の積極的推進 当社グループは、「情熱と革新を融合させ、人とクルマと地球のより良い未来をかたちづくる」というビジョンの実現に向けて、従業員一人ひとりとその家族が心身ともに健康であることが最も大切な財産と考え、「健康経営」の推進に注力し、社員のエンゲージメント向上につなげられるような施策に取り組んでいます。
特に重点課題として認識し取り組む項目は以下のとおりです。
①社員の生活習慣の向上・従業員の健康意識の改革教育・再検査等の積極的なフォロー②メンタルヘルス・メンタルヘルス研修の拡充・メンタル産業医による面談実施③喫煙者への禁煙意識の向上・禁煙プログラムの推進・禁煙支援の推進 (ⅲ)リスク管理 当社グループは、世界各国の拠点で従業員を採用して事業活動を行っていますが、景気変動や少子化などの様々な要因による労働市場の逼迫や人事施策の失敗等により、優秀な人財の確保が困難となる恐れがあります。
 当社グループでは従業員の定着を図るため、インフレーションに対応した給与水準見直しや福利厚生・従業員待遇の改善や体力・集中力を要する現場労働の自動化(機械化)による従業員の負荷低減等の施策を積極的に推進しています。
引き続き、従業員が安心して働き続けたいと思う環境を整備していきます。
リスク管理及び主なリスクについては、「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」をご参照ください。
(ⅳ)指標及び目標◆多様な働き方への環境整備と支援 ダイバーシティ推進の重点テーマのひとつとして女性活躍推進を推進しています。
・女性採用比率向上 目標:新卒及び中途採用における女性採用比率を2028年までに25%とする・女性役職者比率向上 目標:女性役職者(※)比率を2023年3月時点と比して2028年までに1.5倍とする    ※女性役職者とは「主任」・「班長」以上の役職・男性の育児休業取得の後押し 目標:男性の育児休業取得率を2028年までに30%以上とする・多様な働き方を支援する新規施策 目標:生産性を維持した多様な働き方実現に向けた新規施策を1つ以上実施する <実績> 2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度女性採用比率(%)16.18.911.13.39.4女性役職者(「主任」・「班長」以上)比率(%)3.54.15.04.94.9男性の育児休業取得率(%)5.76.620.835.045.0多様な働き方を支援する新規施策数82923
戦略 (2)戦略、(3)リスク管理、及び(4)指標及び目標 自動車業界は100年に一度の変革期にあって、取り巻く環境は大きく変化しています。
当社は、人類全体の課題である脱炭素社会実現への貢献を最重要課題の一つとして認識し、事業活動におけるCO₂排出量の削減を図るとともに、電動化によって誕生する次世代市場を開拓する準備を業界に先駆けて行っています。
この課題を解決するためには、当社の従来の事業モデルを変革し、更なる進化を図るとともに、変革の担い手となる多様な人財の発掘・育成が必要であると考えています。
 以下に、「気候変動問題への取組み」と「人的資本に関する取組み」について、それぞれの内容の詳細を示します。

① 気候変動問題への取組み 2050年度カーボンニュートラルをグローバルで目指す当社グループとしては、製造と製品のライフサイクルに関連するCO₂の排出量を削減していく事が重要だと考え戦略を立案して取り組んでいます。
 まず、当社グループの生産時(Scope 1+2)における温室効果ガス(以下、GHG)排出量は、省エネ施策の実行と再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力への切替えで削減を行っていきます。
日本では先行して2023年5月に工場及び事業所の再エネ由来電力への切替えを完了しました。
海外現地法人におきましては、地域特性に鑑みて順次切替えを行っていきます。
なお2023年度には、南米ブラジル拠点G-KTBにおいて、再エネ由来電力への切替えとScope1のカーボンクレジットでのオフセットによりカーボンニュートラルを達成いたしました。
 次に、製品のライフサイクル(Scope 1~3)におけるGHG排出量は、購入した鋼板が大部分を占めているため、より環境負荷の少ない方法で製造された鋼板への切替えの検討や、リサイクル性に優れたアルミ製品の開発と生産技術を確立することで、GHG排出量削減に繋げていきます。
 また、自社加工工程におけるエネルギー使用量を削減する体制を強化し、省エネ施策の予実管理を通して、グローバルでの改善施策の水平展開を図り、GHG低減へ繋げていきます。
(ⅰ)気候変動に関する情報開示 当社グループは、環境マネジメントをマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げ、以前より環境経営に取り組んできました。
今後もTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿って、投資家をはじめとする幅広いステークホルダーへ、より積極的に情報開示を進めていきます。
気候変動に伴う事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ反映し推進していきます。
また、シナリオ分析や各リスクと機会の財務への影響等を検証するなど開示内容を充実していきます。
(ⅱ)ガバナンス 気候変動に関わる重要事項に対しては、経営企画部を担当する専務執行役員が代表取締役社長よりグローバル環境統括責任者に任命され、環境・気候変動関連リスク及び機会等を考慮した事業戦略についての上程、及びCO₂排出量の予実報告を行って推進しています。
 特定した重要なリスクと機会は、環境担当役員を中心に経営企画部門にて、事業戦略や方針管理に落とし込み定期的に経営層へ報告し協議を行っています。
加えて案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っていくこととしています。
(ⅲ)戦略 当社グループの事業活動における気候変動リスク低減に向けた環境戦略は、①省エネの取組み、②再エネの活用(自家発電を含む)です。
グローバルで拠点ごとに戦略の優先順位を付け、積極的に取り組んでいきます。
 気候変動に対する各国、各企業の投資や規制によりモビリティのあり様は大きく変容していくと考えられます。
その中で、自動車のZEV (Zero Emission Vehicle) への移行、特にEVへの移行が大きなリスクとも機会ともなります。
機会では自社製品を通じた環境対応として、①車体軽量化技術(部品のモジュール化)による自動車の燃費・電費性能向上への貢献、②電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア、セルケース)事業化に向けた独自技術習得による電動車普及への貢献が挙げられ、取り組んでおります。
 なお、関係の深い自動車業界の状況と社会の状況、拠点のある地域の特性などに鑑みてリスクと機会を次の表のとおり抽出し、事業及び財務の影響についてシナリオ分析をしています。
IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNet Zero Emissions(NZE)シナリオにおいては、2050年カーボンニュートラルに向けて電気自動車への移行が大きく進んでいくことが想定され、当社においては軽量化技術や電動車関連製品の製造技術を他社に先駆けた手の内化が、今後の売上拡大の機会として捉えており、戦略に影響を及ぼしています。
<リスクと機会>物理リスク:4℃以上シナリオに基づいて分析 移行リスク・機会:2℃未満シナリオに基づいて分析リスク・機会内容時間軸財務影響度物理リスク急性気候変動に伴うサプライチェーンの途絶による売上減少中期大洪水や海面上昇に伴う工場の操業停止による売上減少中期中慢性気温上昇により変化する職場環境の維持対応に伴う費用増加長期中移行リスク政策・法規制カーボンプライシングや国境炭素税を含めたGHG排出量規制強化への対応による投資・費用の増加短期大技術電動車シフトに関する技術対応の遅れによる失注に伴う売上減少短期大市場原材料(鋼板)のCN対応に伴う価格上昇による費用の増加中期大エネルギー価格の高騰による費用の増加長期中機会軽量化技術による自動車の燃費・電費性能向上への貢献に伴う売上の拡大中期大電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア)の売上拡大中期大DXに伴うエネルギー使用の効率化による費用低減短期中参照シナリオ・2℃未満シナリオ NZE(IEA 2022)・4℃以上シナリオ RCP8.5(IPCC AR5)時間軸・短期:5年未満、中期:10年未満、長期:2050年まで財務影響度・小:0.5億円から1億未満、中:1億円から5億円未満、大:5億円以上 (ⅳ)リスク管理 当社グループは、管理対象となっている気候変動のリスクと機会の項目において、グローバル環境部署と各海外現地法人の担当者や関連部署、中央環境推進委員会とディスカッションを行い、現段階で外部の方向性に大きなずれがないことを確認し、社内の対応施策の進捗状況を共有しています。
 事業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、各社の環境施策の進捗状況、今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。
(ⅴ)指標及び目標 気候変動のリスクと機会を管理する指標として、グローバルでのScope1~3のCO₂の排出量削減目標を定めています。
ジーテクトグローバルで排出されるScope1・2のCO₂排出におきましては、2013年度比で2030年には50%削減、2040年には100%削減を掲げています。
また、2050年にはサプライチェーンでの協力を得ながらScope1~3でカーボンニュートラルを目指しています。
2024年度における排出量におきましては、今後発行、開示される当社HP内のジーテクトレポート(統合報告書)またはCDP Climate Change2025をご参照ください。
② 人的資本に関する取組み 当社は、企業価値を高め、世界中のステークホルダーから信頼される車体領域のシステムサプライヤーを目指しています。
そのために、経営戦略の重要項目に「人財の多様性向上」を掲げ、従業員が活き活きと働ける環境づくりと一人ひとりが成長し活躍できる企業風土の醸成に努めています。
〇人財の育成及び社内環境整備に関する方針 ジーテクトは人財こそ最も重要な経営資源と位置付け、「全ての従業員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップの支援」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財の創出」を方針に定め、従業員と企業が共に成長する姿を目指しています。
(ⅰ)ガバナンス 人財戦略に関しては、事業管理本部長を委員長とし、各事業本部長を委員とする「人材開発委員会」において採用・育成・異動及び人事制度に関する具体的な事項の審議を行い、必要に応じて、経営会議、社長執行役員と取締役会に上申・決議を行っています。
また、人事担当役員を委員長とし、国内外の各拠点責任者を委員とする 「ダイバーシティ推進委員会」にて、性別、年代、職種等にかかわらず、従業員一人ひとりが強みを活かし、多様性の力で新しい価値を創造していく企業風土の醸成を目指しています。
(ⅱ)戦略 当社の4つの経営戦略のうち「人財の多様性向上」に基づき、人財づくりの強化を推進しています。
以下の項目について重点施策として取り組んでいます。
・従業員一人ひとりの成長を支援するための教育研修制度の検討・多様な人財の活躍を後押しする人事施策の新設や見直し・経営幹部候補人財の育成・新規事業領域や高度なIT知識を有する専門人財等の採用 a. 戦略的な取組み:自律的な学習の支援及びモチベーションアップにつながる支援 経営環境が大きく変化する中、従業員が自ら必要な知識や能力を習得する機会を部門横断的に設けています。
業務に活かせるスキルや知識習得、デジタルスキルの習得などに加えて、海外駐在を見据えた語学力向上のプログラムを実施しています。
また、職場の活性化やモチベーション向上に繋がる教育研修を実施しています。
・語学力向上支援:国内語学研修制度、海外駐在前語学研修制度、TOEIC無料受検や英語学習アプリなど・自己啓発支援:生産マイスター、ビジネスE-Learning、資格取得支援やデジタルスキル推進など・職場の活性化やモチベーションアップにつなげる支援:組織診断実施と結果フィードバック、部門横断型 の階層別研修、ハラスメント研修など b. 戦略的な取組み:タレントマネジメント 変革を続けるビジネス環境において、新たな価値創造をけん引していく人財の計画的育成と育成状況の可視化を行い、持続可能な成長を下支えする組織運営の仕組みづくりを推進しています。
具体的にはタレントマネジメントシステムを導入し、部門横断型に人財情報を可視化し、組織ごとに人財育成計画を検討するほか、人材開発委員会での議論や運営に役立てています。
c. 戦略的な取組み:多様なバックグラウンドを持つ人財が活きいきと働く環境づくり 当社は非現業部門においてフレックスタイム制度を導入しています。
2020年以降、オンライン会議やリモートワーク制度の拡充により、働く時間・場所や働き方の多様化を図りました。
継続的な活用により業務特性に応じた出社とリモートワークが、定着しつつあります。
 また、子育てと仕事の両立を目指す従業員を支援するため、育児休暇制度(※)や男女の育児休業制度の積極的な取得を推進し、時短勤務の期間を子どもが小学校3年生になる年まで取得が可能としています。
 加えて、多様な働き方や人財獲得のための制度として、夫婦のいずれかが海外駐在になった際に利用できる海外帯同休職制度、当社を退職後に再就職したい場合に利用できるカムバック制度、求職者が利用できる社員紹介制度や契約社員からの正社員転換制度など、積極的に制度の見直し・新設を推進しています。
※育児休暇制度は当社独自の特別休暇制度で、子の出生から2ヶ月以内に3日間取得することが可能 d. 戦略的な取組み:ダイバーシティ推進活動 「すべての従業員が自分の強みを活かし活き活きと働ける職場づくり/組織や従業員間の壁をなくした繋がりづくり/たくさんのイノベーションの種が育つ広場づくり」を基本方針に掲げ、多様性から生まれる活力により新しい価値を生み出し、ジーテクトの持続的成長に結びつける活動を推進するため、ダイバーシティ委員会を設置し活動しています。
女性活躍推進、男性の育児休業・休暇の取得の後押し、障がい者雇用やシニアの活躍などを重点テーマとし、課題解決のための具体的施策の実施を行っています。
e. 戦略的な取組み:健康経営の積極的推進 当社グループは、「情熱と革新を融合させ、人とクルマと地球のより良い未来をかたちづくる」というビジョンの実現に向けて、従業員一人ひとりとその家族が心身ともに健康であることが最も大切な財産と考え、「健康経営」の推進に注力し、社員のエンゲージメント向上につなげられるような施策に取り組んでいます。
特に重点課題として認識し取り組む項目は以下のとおりです。
①社員の生活習慣の向上・従業員の健康意識の改革教育・再検査等の積極的なフォロー②メンタルヘルス・メンタルヘルス研修の拡充・メンタル産業医による面談実施③喫煙者への禁煙意識の向上・禁煙プログラムの推進・禁煙支援の推進 (ⅲ)リスク管理 当社グループは、世界各国の拠点で従業員を採用して事業活動を行っていますが、景気変動や少子化などの様々な要因による労働市場の逼迫や人事施策の失敗等により、優秀な人財の確保が困難となる恐れがあります。
 当社グループでは従業員の定着を図るため、インフレーションに対応した給与水準見直しや福利厚生・従業員待遇の改善や体力・集中力を要する現場労働の自動化(機械化)による従業員の負荷低減等の施策を積極的に推進しています。
引き続き、従業員が安心して働き続けたいと思う環境を整備していきます。
リスク管理及び主なリスクについては、「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」をご参照ください。
(ⅳ)指標及び目標◆多様な働き方への環境整備と支援 ダイバーシティ推進の重点テーマのひとつとして女性活躍推進を推進しています。
・女性採用比率向上 目標:新卒及び中途採用における女性採用比率を2028年までに25%とする・女性役職者比率向上 目標:女性役職者(※)比率を2023年3月時点と比して2028年までに1.5倍とする    ※女性役職者とは「主任」・「班長」以上の役職・男性の育児休業取得の後押し 目標:男性の育児休業取得率を2028年までに30%以上とする・多様な働き方を支援する新規施策 目標:生産性を維持した多様な働き方実現に向けた新規施策を1つ以上実施する <実績> 2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度女性採用比率(%)16.18.911.13.39.4女性役職者(「主任」・「班長」以上)比率(%)3.54.15.04.94.9男性の育児休業取得率(%)5.76.620.835.045.0多様な働き方を支援する新規施策数82923
指標及び目標 (2)戦略、(3)リスク管理、及び(4)指標及び目標 自動車業界は100年に一度の変革期にあって、取り巻く環境は大きく変化しています。
当社は、人類全体の課題である脱炭素社会実現への貢献を最重要課題の一つとして認識し、事業活動におけるCO₂排出量の削減を図るとともに、電動化によって誕生する次世代市場を開拓する準備を業界に先駆けて行っています。
この課題を解決するためには、当社の従来の事業モデルを変革し、更なる進化を図るとともに、変革の担い手となる多様な人財の発掘・育成が必要であると考えています。
 以下に、「気候変動問題への取組み」と「人的資本に関する取組み」について、それぞれの内容の詳細を示します。

① 気候変動問題への取組み 2050年度カーボンニュートラルをグローバルで目指す当社グループとしては、製造と製品のライフサイクルに関連するCO₂の排出量を削減していく事が重要だと考え戦略を立案して取り組んでいます。
 まず、当社グループの生産時(Scope 1+2)における温室効果ガス(以下、GHG)排出量は、省エネ施策の実行と再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力への切替えで削減を行っていきます。
日本では先行して2023年5月に工場及び事業所の再エネ由来電力への切替えを完了しました。
海外現地法人におきましては、地域特性に鑑みて順次切替えを行っていきます。
なお2023年度には、南米ブラジル拠点G-KTBにおいて、再エネ由来電力への切替えとScope1のカーボンクレジットでのオフセットによりカーボンニュートラルを達成いたしました。
 次に、製品のライフサイクル(Scope 1~3)におけるGHG排出量は、購入した鋼板が大部分を占めているため、より環境負荷の少ない方法で製造された鋼板への切替えの検討や、リサイクル性に優れたアルミ製品の開発と生産技術を確立することで、GHG排出量削減に繋げていきます。
 また、自社加工工程におけるエネルギー使用量を削減する体制を強化し、省エネ施策の予実管理を通して、グローバルでの改善施策の水平展開を図り、GHG低減へ繋げていきます。
(ⅰ)気候変動に関する情報開示 当社グループは、環境マネジメントをマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げ、以前より環境経営に取り組んできました。
今後もTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿って、投資家をはじめとする幅広いステークホルダーへ、より積極的に情報開示を進めていきます。
気候変動に伴う事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ反映し推進していきます。
また、シナリオ分析や各リスクと機会の財務への影響等を検証するなど開示内容を充実していきます。
(ⅱ)ガバナンス 気候変動に関わる重要事項に対しては、経営企画部を担当する専務執行役員が代表取締役社長よりグローバル環境統括責任者に任命され、環境・気候変動関連リスク及び機会等を考慮した事業戦略についての上程、及びCO₂排出量の予実報告を行って推進しています。
 特定した重要なリスクと機会は、環境担当役員を中心に経営企画部門にて、事業戦略や方針管理に落とし込み定期的に経営層へ報告し協議を行っています。
加えて案件に応じて、取締役会への報告・提言を年1回以上行っていくこととしています。
(ⅲ)戦略 当社グループの事業活動における気候変動リスク低減に向けた環境戦略は、①省エネの取組み、②再エネの活用(自家発電を含む)です。
グローバルで拠点ごとに戦略の優先順位を付け、積極的に取り組んでいきます。
 気候変動に対する各国、各企業の投資や規制によりモビリティのあり様は大きく変容していくと考えられます。
その中で、自動車のZEV (Zero Emission Vehicle) への移行、特にEVへの移行が大きなリスクとも機会ともなります。
機会では自社製品を通じた環境対応として、①車体軽量化技術(部品のモジュール化)による自動車の燃費・電費性能向上への貢献、②電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア、セルケース)事業化に向けた独自技術習得による電動車普及への貢献が挙げられ、取り組んでおります。
 なお、関係の深い自動車業界の状況と社会の状況、拠点のある地域の特性などに鑑みてリスクと機会を次の表のとおり抽出し、事業及び財務の影響についてシナリオ分析をしています。
IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNet Zero Emissions(NZE)シナリオにおいては、2050年カーボンニュートラルに向けて電気自動車への移行が大きく進んでいくことが想定され、当社においては軽量化技術や電動車関連製品の製造技術を他社に先駆けた手の内化が、今後の売上拡大の機会として捉えており、戦略に影響を及ぼしています。
<リスクと機会>物理リスク:4℃以上シナリオに基づいて分析 移行リスク・機会:2℃未満シナリオに基づいて分析リスク・機会内容時間軸財務影響度物理リスク急性気候変動に伴うサプライチェーンの途絶による売上減少中期大洪水や海面上昇に伴う工場の操業停止による売上減少中期中慢性気温上昇により変化する職場環境の維持対応に伴う費用増加長期中移行リスク政策・法規制カーボンプライシングや国境炭素税を含めたGHG排出量規制強化への対応による投資・費用の増加短期大技術電動車シフトに関する技術対応の遅れによる失注に伴う売上減少短期大市場原材料(鋼板)のCN対応に伴う価格上昇による費用の増加中期大エネルギー価格の高騰による費用の増加長期中機会軽量化技術による自動車の燃費・電費性能向上への貢献に伴う売上の拡大中期大電動車関連製品(バッテリーハウジング、モーターコア)の売上拡大中期大DXに伴うエネルギー使用の効率化による費用低減短期中参照シナリオ・2℃未満シナリオ NZE(IEA 2022)・4℃以上シナリオ RCP8.5(IPCC AR5)時間軸・短期:5年未満、中期:10年未満、長期:2050年まで財務影響度・小:0.5億円から1億未満、中:1億円から5億円未満、大:5億円以上 (ⅳ)リスク管理 当社グループは、管理対象となっている気候変動のリスクと機会の項目において、グローバル環境部署と各海外現地法人の担当者や関連部署、中央環境推進委員会とディスカッションを行い、現段階で外部の方向性に大きなずれがないことを確認し、社内の対応施策の進捗状況を共有しています。
 事業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、各社の環境施策の進捗状況、今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。
(ⅴ)指標及び目標 気候変動のリスクと機会を管理する指標として、グローバルでのScope1~3のCO₂の排出量削減目標を定めています。
ジーテクトグローバルで排出されるScope1・2のCO₂排出におきましては、2013年度比で2030年には50%削減、2040年には100%削減を掲げています。
また、2050年にはサプライチェーンでの協力を得ながらScope1~3でカーボンニュートラルを目指しています。
2024年度における排出量におきましては、今後発行、開示される当社HP内のジーテクトレポート(統合報告書)またはCDP Climate Change2025をご参照ください。
② 人的資本に関する取組み 当社は、企業価値を高め、世界中のステークホルダーから信頼される車体領域のシステムサプライヤーを目指しています。
そのために、経営戦略の重要項目に「人財の多様性向上」を掲げ、従業員が活き活きと働ける環境づくりと一人ひとりが成長し活躍できる企業風土の醸成に努めています。
〇人財の育成及び社内環境整備に関する方針 ジーテクトは人財こそ最も重要な経営資源と位置付け、「全ての従業員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップの支援」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財の創出」を方針に定め、従業員と企業が共に成長する姿を目指しています。
(ⅰ)ガバナンス 人財戦略に関しては、事業管理本部長を委員長とし、各事業本部長を委員とする「人材開発委員会」において採用・育成・異動及び人事制度に関する具体的な事項の審議を行い、必要に応じて、経営会議、社長執行役員と取締役会に上申・決議を行っています。
また、人事担当役員を委員長とし、国内外の各拠点責任者を委員とする 「ダイバーシティ推進委員会」にて、性別、年代、職種等にかかわらず、従業員一人ひとりが強みを活かし、多様性の力で新しい価値を創造していく企業風土の醸成を目指しています。
(ⅱ)戦略 当社の4つの経営戦略のうち「人財の多様性向上」に基づき、人財づくりの強化を推進しています。
以下の項目について重点施策として取り組んでいます。
・従業員一人ひとりの成長を支援するための教育研修制度の検討・多様な人財の活躍を後押しする人事施策の新設や見直し・経営幹部候補人財の育成・新規事業領域や高度なIT知識を有する専門人財等の採用 a. 戦略的な取組み:自律的な学習の支援及びモチベーションアップにつながる支援 経営環境が大きく変化する中、従業員が自ら必要な知識や能力を習得する機会を部門横断的に設けています。
業務に活かせるスキルや知識習得、デジタルスキルの習得などに加えて、海外駐在を見据えた語学力向上のプログラムを実施しています。
また、職場の活性化やモチベーション向上に繋がる教育研修を実施しています。
・語学力向上支援:国内語学研修制度、海外駐在前語学研修制度、TOEIC無料受検や英語学習アプリなど・自己啓発支援:生産マイスター、ビジネスE-Learning、資格取得支援やデジタルスキル推進など・職場の活性化やモチベーションアップにつなげる支援:組織診断実施と結果フィードバック、部門横断型 の階層別研修、ハラスメント研修など b. 戦略的な取組み:タレントマネジメント 変革を続けるビジネス環境において、新たな価値創造をけん引していく人財の計画的育成と育成状況の可視化を行い、持続可能な成長を下支えする組織運営の仕組みづくりを推進しています。
具体的にはタレントマネジメントシステムを導入し、部門横断型に人財情報を可視化し、組織ごとに人財育成計画を検討するほか、人材開発委員会での議論や運営に役立てています。
c. 戦略的な取組み:多様なバックグラウンドを持つ人財が活きいきと働く環境づくり 当社は非現業部門においてフレックスタイム制度を導入しています。
2020年以降、オンライン会議やリモートワーク制度の拡充により、働く時間・場所や働き方の多様化を図りました。
継続的な活用により業務特性に応じた出社とリモートワークが、定着しつつあります。
 また、子育てと仕事の両立を目指す従業員を支援するため、育児休暇制度(※)や男女の育児休業制度の積極的な取得を推進し、時短勤務の期間を子どもが小学校3年生になる年まで取得が可能としています。
 加えて、多様な働き方や人財獲得のための制度として、夫婦のいずれかが海外駐在になった際に利用できる海外帯同休職制度、当社を退職後に再就職したい場合に利用できるカムバック制度、求職者が利用できる社員紹介制度や契約社員からの正社員転換制度など、積極的に制度の見直し・新設を推進しています。
※育児休暇制度は当社独自の特別休暇制度で、子の出生から2ヶ月以内に3日間取得することが可能 d. 戦略的な取組み:ダイバーシティ推進活動 「すべての従業員が自分の強みを活かし活き活きと働ける職場づくり/組織や従業員間の壁をなくした繋がりづくり/たくさんのイノベーションの種が育つ広場づくり」を基本方針に掲げ、多様性から生まれる活力により新しい価値を生み出し、ジーテクトの持続的成長に結びつける活動を推進するため、ダイバーシティ委員会を設置し活動しています。
女性活躍推進、男性の育児休業・休暇の取得の後押し、障がい者雇用やシニアの活躍などを重点テーマとし、課題解決のための具体的施策の実施を行っています。
e. 戦略的な取組み:健康経営の積極的推進 当社グループは、「情熱と革新を融合させ、人とクルマと地球のより良い未来をかたちづくる」というビジョンの実現に向けて、従業員一人ひとりとその家族が心身ともに健康であることが最も大切な財産と考え、「健康経営」の推進に注力し、社員のエンゲージメント向上につなげられるような施策に取り組んでいます。
特に重点課題として認識し取り組む項目は以下のとおりです。
①社員の生活習慣の向上・従業員の健康意識の改革教育・再検査等の積極的なフォロー②メンタルヘルス・メンタルヘルス研修の拡充・メンタル産業医による面談実施③喫煙者への禁煙意識の向上・禁煙プログラムの推進・禁煙支援の推進 (ⅲ)リスク管理 当社グループは、世界各国の拠点で従業員を採用して事業活動を行っていますが、景気変動や少子化などの様々な要因による労働市場の逼迫や人事施策の失敗等により、優秀な人財の確保が困難となる恐れがあります。
 当社グループでは従業員の定着を図るため、インフレーションに対応した給与水準見直しや福利厚生・従業員待遇の改善や体力・集中力を要する現場労働の自動化(機械化)による従業員の負荷低減等の施策を積極的に推進しています。
引き続き、従業員が安心して働き続けたいと思う環境を整備していきます。
リスク管理及び主なリスクについては、「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」をご参照ください。
(ⅳ)指標及び目標◆多様な働き方への環境整備と支援 ダイバーシティ推進の重点テーマのひとつとして女性活躍推進を推進しています。
・女性採用比率向上 目標:新卒及び中途採用における女性採用比率を2028年までに25%とする・女性役職者比率向上 目標:女性役職者(※)比率を2023年3月時点と比して2028年までに1.5倍とする    ※女性役職者とは「主任」・「班長」以上の役職・男性の育児休業取得の後押し 目標:男性の育児休業取得率を2028年までに30%以上とする・多様な働き方を支援する新規施策 目標:生産性を維持した多様な働き方実現に向けた新規施策を1つ以上実施する <実績> 2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度女性採用比率(%)16.18.911.13.39.4女性役職者(「主任」・「班長」以上)比率(%)3.54.15.04.94.9男性の育児休業取得率(%)5.76.620.835.045.0多様な働き方を支援する新規施策数82923
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 〇人財の育成及び社内環境整備に関する方針 ジーテクトは人財こそ最も重要な経営資源と位置付け、「全ての従業員に成長の機会を提供し、自主的なスキルアップの支援」と「次の時代に向け新たな価値を生み出す人財の創出」を方針に定め、従業員と企業が共に成長する姿を目指しています。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 (ⅳ)指標及び目標◆多様な働き方への環境整備と支援 ダイバーシティ推進の重点テーマのひとつとして女性活躍推進を推進しています。
・女性採用比率向上 目標:新卒及び中途採用における女性採用比率を2028年までに25%とする・女性役職者比率向上 目標:女性役職者(※)比率を2023年3月時点と比して2028年までに1.5倍とする    ※女性役職者とは「主任」・「班長」以上の役職・男性の育児休業取得の後押し 目標:男性の育児休業取得率を2028年までに30%以上とする・多様な働き方を支援する新規施策 目標:生産性を維持した多様な働き方実現に向けた新規施策を1つ以上実施する <実績> 2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度女性採用比率(%)16.18.911.13.39.4女性役職者(「主任」・「班長」以上)比率(%)3.54.15.04.94.9男性の育児休業取得率(%)5.76.620.835.045.0多様な働き方を支援する新規施策数82923
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあることを認識しております。
 なお、以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
リスクの分類リスクの項目リスクの説明リスクの対策事業環境市場環境の変化 当社グループは、日本、北米、中国及びその他のアジア地域、南米、欧州と、世界各国において事業を展開し、現地の完成車メーカー及び関連部品メーカーに対し製品を供給しております。
これらの市場における景気後退による消費の低迷や税制変更による消費者の購買意欲の低下は、自動車の販売低下につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループは、事業展開をしている世界各国の市場の動向を注視し、設備投資の判断や適正な要員配置・経費管理等の面で迅速かつ的確な対応が取れるように努めております。
気候変動・環境規制への対応 温室効果ガス排出等による温暖化の深刻な影響に対し、地球環境の保全を喫緊の課題として取り組むことが求められています。
 各国が強化する環境規制や、ステークホルダーが求める脱炭素への事業を通じた貢献の要請に適切に対応できない場合、社会的評価の低下等による機会損失により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、「2050年度カーボンニュートラル」を目指し、生産時(Scope 1+2)における温室効果ガス排出量を省エネ施策の実行と再生可能エネルギー由来の電力への切り替えによって削減する取り組みを行っております。
製品のライフサイクル(Scope 1~3)における温室効果ガス排出量は、購入した鋼板が大部分を占めていることから、より環境負荷の少ない方法で製造された鋼板への切り替えの検討に加えて、リサイクル性に優れたアルミ製品の開発と生産技術の確立に取り組んでおります。
自動車のEV化 自動車業界では、脱炭素の実現のため、内燃機関の自動車からEVへの転換が進んでいます。
 従来の自動車と駆動系等の構造を異にするEVの普及は、新規参入による事業拡大の機会となる一方で、従来の部品の需要や、工場のあり方そのものを大きく変える可能性があります。
 研究開発・工場改革の遅延や頓挫等により、当社が適切に対応できない場合、受注を失い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、EVへの転換の速度が想定を下回る可能性もあり、その結果として国内外における動力源別の自動車生産及び販売比率が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社では、「EV関連事業の確立」を新経営戦略の一つとして掲げております。
研究開発費・設備投資として2022年から10年間で700億円を投入するとともに、EV関連事業として売上高1,000億円以上、営業利益率8%以上を達成することを目指して研究開発及び営業活動を推進しております。
 現在、これまで以上の生産性と信頼性を備えるスマートファクトリーの実現のため、製造工程に留まらない工場内物流も含めた工場の自動化を進めています。
 また、当面はEVのほかに、ハイブリッド車等を含む多様な動力源の需要が相当程度見込まれます。
当社では、自社製品が多様な動力源の自動車に適用されることを想定し、これまで培った車体一台解析技術と生産技術を駆使して、地域や製品に応じた外部とのアライアンスを新たに構築し、必要に応じて生産の外部委託を活用することで、開発から一括受注するクルマのシステムサプライヤー(Tier 0.5)への事業モデルの進化を目指しております。
事業運営市場ニーズに基づく技術開発 市場ニーズの把握は、技術開発リソースの配分決定にとって重要な指標となるものですが、市場ニーズの変化を予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合や適時に提供できない場合、想定よりも需要が伸びなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、投資負担が当社グループの財政状態又は業績に影響を与える可能性があります。
 国内に当社グループの研究開発・知財管理の中核拠点であるジーテクト東京ラボを置くとともに、北米(デトロイト)・欧州(ミュンヘン)に営業・技術・開発機能が一体となった営業・エンジニアリング拠点を設置しております。
これらの拠点間の連携を強化することで、市場ニーズの把握に努めるとともに、欧州ESP(Engineering Service Provider)と協業して新たな技術の研究開発に取り組んでおります。
新素材、新工法の普及 当社グループの取扱分野において新素材の普及が進んだ場合には、当社グループの製品と競合することとなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、ギガキャストの普及によって自動車の車体下側の部品の製法が大きく変わる可能性が示唆されており、将来的には、この工法の普及あるいは適用領域の拡大により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、従来の鋼板素材のみならず、欧州車を中心に採用が進むアルミ等の新素材の研究開発にも取り組んでおり、アルミのプレス加工については、量産技術を確立して欧州拠点にて生産を行っております。
 また、ギガキャスト技術に代わる現時点の最適解として、他社との協業・共同開発の下でアルミダイキャスト技術やホットスタンプ技術を用いた大型一体化部品の製品化に向けた開発・研究と得意先への提案活動を推進しております。
知的財産権 研究開発中の技術について他者が当社グループに先行して知的財産権を取得するなど、技術の権利化に劣後した場合には、製品化することができないことによる機会損失又は追加の費用の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループは、知的財産の管理に特化した専門の部署を設置し、知財戦略に基づいた知的財産権の調査・取得・管理を行っております。
 新規事業領域の知的財産の取得状況を精査するとともに、これからのビジネスの流れを先取りした知的財産権の取得に注力して取り組んでいます。
人財の確保 当社グループは、世界各国の拠点で従業員を採用して事業活動を行っておりますが、景気変動や少子化などの様々な要因による労働市場の逼迫や人事制度の構築・運用の失敗等により、優秀な人財の確保が困難となる恐れがあります。
 人財の採用難あるいは流出は、従業員の育成や能力向上の機会を損なうものであり、ひいては人財不足による事業活動全般の停滞を招き、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、従業員の定着を図るため、人事制度の見直し・拡充による福利厚生・従業員待遇の改善や、体力・集中力を要する現場労働の自動化(機械化)による従業員の負荷低減等の施策を積極的に推進、展開しています。
また、職場診断等の実施により、職場の現状を可視化し、働きやすい職場づくりのための施策立案につなげています。
 これらの取り組みを通じて、国内外の多様な人財が自ら学び、考え成長することを支援する環境作りと企業風土の醸成に努めております。
リスクマネジメント体制 当社グループは、海外において積極的な事業展開を図っております。
これらの国、地域においては、それぞれに様々なリスクが存在し、一様ではありません。
これらのリスクに対して当社グループが適切に対処できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、当社グループ全体でのリスク管理の重要性に鑑み、当社グループが進出している国ごとにリスクマップを作成しており、これに基づいて各子会社が最優先対応リスクを選定し、対策を推進しております。
対策状況については、日本本社が定期的なモニタリングを実施し、グループ全体でのリスクと対策の共有を行っております。
事業運営特定の販売先への依存 当社グループは、本田技研工業株式会社が総議決権の30%以上を所有しており、同社は当社のその他の関係会社に該当しているほか、連結売上高の概ね5割強を本田技研工業株式会社及びそのグループ会社が占めております。
同社グループの国内外における生産及び販売の動向、事業戦略や購買方針等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループは、本田技研工業株式会社との長期にわたる緊密な取引関係を通じ、生産及び販売の見通し、事業戦略や購買方針に関する将来の方向性を共有し、自社グループの投資・事業戦略の判断に活用しております。
 また、既存の取引先以外の取引先との取引を拡大するため、価格競争力のある開発提案による営業戦略を展開しており、これによって、特定の販売先への依存リスクの低減を図っております。
品質 当社グループの製品について、予期できない品質問題が発生した場合には、コストの発生や当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、関連法規を遵守し、国際的な品質管理基準に従って設計・製造を行い、品質ガバナンスを徹底することで品質向上に努めるとともに、カメラ映像や画像解析技術を活用した品質保証を進め、生産ライン内部での精度・品質検査の実現により、品質の信頼性向上に取り組んでおります。
 また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクトを通じて、グローバルでグループの品質情報を可視化し、モニタリングすることで、予知予防による管理を目指します。
さらには、新たな事業領域であるEV関連部品事業にふさわしい品質保証体制の確立にも取り組んでおります。
サプライチェーン 当社グループは、主要な部分品・購入品の調達について、当社グループ内外の調達先から供給を受けております。
このため、感染症の拡大あるいは洪水等の天災等により、調達先の操業が停止することで、調達ができない状況が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社では、主要サプライヤーの操業停止リスクについて、ハザードマップを基に調査を実施して各社の災害復旧体制を把握するとともに、災害発生・感染症の拡大に伴うサプライヤーの操業停止に備えた代替先確保に取り組んでいます。
 当社が金型の製作を委託する金型メーカーの中には、代替先の確保が困難な企業もありますが、金型製作のリードタイム短縮、工程分散をはかり、万一の際の物流確保などによるサプライチェーンの途絶リスクの低減・早期復旧を図っております。
為替 当社グループは、国際的な事業展開の結果、本邦通貨に対する外貨の価値変動が当社グループの業績に影響します。
当社グループの連結売上高の8割は海外子会社による現地生産であり、為替変動は本邦通貨への換算差額として、財政状態及び業績に影響があります。
 また、海外の販売先に対し金型・治工具等の生産設備を販売するなど、一部の製品及び部品等を輸出しております。
急激又は大幅な為替変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、製品及び部品の輸出に関して、為替予約等の手段で為替変動による影響の軽減を図っており、為替リスクに対する対策を行っております。
事業運営租税 当社グループは、日本、北米、中国及びその他のアジア地域、南米、欧州と、世界各国において事業を展開しておりますが、各国の税制変更、移転価格税制、税務コンプライアンス問題等により、予期せぬ税負担の発生や、各種の訴訟対応等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、税務ポリシーを制定しております。
事業活動を行うすべての国・地域において、租税に関する法令等を遵守し、適正な納税を通じ社会に貢献することを基本方針として、税務コンプライアンス意識の醸成に努め、税務当局との健全な関係構築の基づき、問題発生時には速やかに日本本社と現地子会社が連携して問題解決を図るガバナンス体制を構築しております。
コンプライアンス 当社グループは国内外の広範な法令に従って事業活動を展開しており、万が一、役職員による法令等の違反があった場合には、各種の訴訟や規制当局の訴追により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、コンプライアンスオフィサーを委員長とするコンプライアンス小委員会が主導して、自己検証、コンプライアンスに関する研修、社内啓発、企業倫理改善提案内容のレビューなどを行っており、例えば不正競争防止や腐敗防止などに関するグループ共通の基本方針を策定し、従業員への周知展開を行うなど、法令及び社内規程を遵守する体制を構築しております。
サイバーセキュリティ サイバー攻撃は日々巧妙化しており、エンドポイントの増加・多様化により防御範囲が拡大するとともに、攻撃者も変化していることから、侵入されることを前提とした新たな対策が必要となっております。
万が一、当社が標的となった場合に、重要な業務の中断や機密データ等の流出等、当社の業績あるいは社会的イメージに影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、情報セキュリティ部門を中心として、サイバーセキュリティに関するルールの見直しや現場設備の棚卸を行っております。
 さらには、日本本社を核として当社海外子会社に不正操作監視システム(EDR)を導入し、同システムによる監視を通じて、侵入されたとしても、不正操作・動作を即座に検知・遮断する体制をグループ全体で構築し、運用しています。
感染症・自然災害、地政学リスク等感染症の発生 新たな感染症の発生・世界的な拡大への対応として、各国政府等の行動制限要請がなされること等により、世界経済や当社あるいは得意先・取引先の事業活動が停滞することで、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、感染症の拡大に伴う操業停止中も支出が継続する労務費等の固定費に対して、日本本社等がグループ全体の手元流動性を確保する体制を整えております。
 生産領域の自動化、工場・事務所のレイアウト見直しやリモートワーク、関係先とのオンラインの活用等により、感染リスクの低減を図っています。
自然災害 当社グループは、国内外において工場を設け、プレス、溶接加工等の生産設備を活用し、現地で従業員を採用し、自動車部品の生産、販売を行っております。
これらの生産、販売活動は大地震、洪水、津波、竜巻などの自然災害に影響される可能性があります。
これらが発生した場合には、原材料や部品の調達、生産、販売に遅延や停止を生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント小委員会が主導して、従業員の安全確保を最優先として、リスクの把握・対策の実施・被害の最小化に向けた取り組みを継続的に行っています。
具体的には、拠点ごとの自然災害の被害想定と、想定に基づく初動対応体制の整備、復旧計画の検討を通じ有事への備えをしております。
地政学リスク 当社グループが進出する国、地域あるいはその周辺において、政情不安、国家間の政治的な緊張、戦争、紛争あるいはテロなどの地政学リスクが発生した場合、事業活動が制限、阻害され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループでは、グループ間で各国地政学リスクの共有を強化する一方で、各地域の調達等の面での自律化を進め、収益面でのバランスも図ってまいります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。
)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済については、高インフレの抑制を目的とした金融引締めが継続する中で底堅さを見せました。
また、米国による関税措置や、世界的な労務費と物価の高騰、急激な為替変動の影響もあり、先行き不透明な状況です。
自動車業界においては、電動化が進行する中で、BEV(バッテリーEV)のみならず多様な選択肢が見直されることとなり、ハイブリッド車とBEVがその主導的役割を果たしています。
国内完成車メーカーにおいても、ハイブリッド車の継続生産と並行してBEV開発を加速させており、一部のBEVが量産段階へ移行し始めています。
一方、中国完成車メーカーは、自国内での販売比率を伸張させるだけでなく、東南アジア市場においても存在感を高めています。
当社はこのような環境の中、工場自体が知能を持って最適化を行う「スマートファクトリー」を目指し、生産・検査・物流を無人化させた中部工場・南沙工場の稼働を開始しました。
開発領域では、クルマのシステムサプライヤー(Tier 0.5)に向けた取り組みの一つとして、既存の生産設備を活用しながら車体の構成部品数を削減できる大型一体化(モジュール化)製品の開発を推進しました。
このような環境の中、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末より17,257百万円増加し、321,386百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末より10,294百万円増加し、109,029百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末より6,963百万円増加し、212,357百万円となりました。
b.経営成績当連結会計年度の業績につきましては、売上高は339,233百万円(前期比1.6%減)、営業利益は16,380百万円(前期比0.8%増)、経常利益は17,529百万円(前期比7.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,440百万円(前期比6.0%減)となりました。
 セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、増減理由については、「
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b. 経営成績の分析」のセグメントの業績をご参照ください。
1)日本 売上高は、68,917百万円(前期比14.1%増)となり、営業利益は、5,665百万円(前期比24.3%増)となりました。
2)北米 売上高は、125,761百万円(前期比5.2%増)となり、営業利益は、5,025百万円(前期比24.6%増)となりました。
3)欧州 売上高は、37,520百万円(前期比3.3%増)となり、営業利益は、2,887百万円(前期比5.6%増)となりました。
4)アジア 売上高は、40,259百万円(前期比17.8%減)となり、営業利益は、1,569百万円(前期比48.9%減)となりました。
5)中国 売上高は、57,753百万円(前期比19.2%減)となり、営業損益は、145百万円の営業損失(前期は457百万円の利益)となりました。
6)南米 売上高は、18,055百万円(前期比5.3%増)となり、営業利益は、1,237百万円(前期比0.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)の期末残高は、31,201百万円となり、前連結会計年度に比べ1,645百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは22,540百万円の資金増加、投資活動によるキャッシュ・フローは30,045百万円の資金減少、財務活動によるキャッシュ・フローは、5,774百万円の資金増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本64,06125.6北米113,4324.5欧州21,7331.0アジア37,274△12.6中国54,439△19.3南米15,4312.4合計306,3720.0(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本63,38510.317,65516.5北米126,2563.730,2283.2欧州38,3232.89,20113.3アジア41,549△16.110,38614.4中国56,311△16.412,579△8.7南米17,632△4.04,548△8.5合計343,459△2.484,6005.3(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本60,88416.4北米125,3055.2欧州37,2443.3アジア40,239△17.8中国57,503△19.1南米18,0555.3合計339,233△1.6(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)Honda Development & Manufacturingof America, LLC60,85417.763,79218.8本田技研工業㈱31,3049.133,5289.9(注)前連結会計年度及び当連結会計年度双方について、当該割合が100分の10未満の相手先は記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
a.繰延税金資産 繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること等の理由で、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
マネジメントは、将来の利益計画に基づく課税所得の見積りは合理的に行われたものと考えておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
b.固定資産の減損 固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しております。
将来キャッシュ・フローは、計画策定時における合理的な情報等を基礎として策定された事業計画に基づいております。
この事業計画は、各種経済予測、顧客の生産計画などに関する経営者の判断に基づく仮定により影響を受け、半導体不足の影響によるサプライチェーンリスクが潜在する市場環境等、事業計画の前提とした条件や仮定には不確実性が含まれています。
 マネジメントは、前提や検討は妥当なものと考えておりますが、市場環境等の変化により、事業計画の変更が生じた場合、将来キャッシュ・フローが減少することによって、減損処理が必要となる可能性があります。
c.退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用 退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付に係る負債の割引率、年金資産の期待運用収益率等の仮定に基づいて算出しております。
割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有する優良社債の報告期間の期末日時点における市場利回りに基づいて決定し、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等に基づいて決定しております。
マネジメントは割引率、年金資産の期待運用収益率に使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析(資産合計) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ17,257百万円増加し、321,386百万円となりました。
流動資産は、主に仕掛品が増加し、前連結会計年度と比べて8,512百万円増加の141,416百万円となりました。
固定資産は、主に工具、器具及び備品、建設仮勘定並びに投資有価証券が減少した一方、建物及び構築物並びに機械装置及び運搬具が増加し、前連結会計年度と比べて8,744百万円増加の179,970百万円となりました。
(負債合計) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末より10,294百万円増加し、109,029百万円となりました。
流動負債は、主に短期借入金が増加し、前連結会計年度末と比べて8,841百万円増加の77,375百万円となりました。
固定負債は、主に長期借入金が増加し、前連結会計年度末と比べて1,452百万円増加の31,654百万円となりました。
(純資産合計) 主に、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末と比べて6,963百万円増加し、212,357百万円となりました。
b.経営成績の分析 当連結会計年度の業績は、南米セグメントにおける増産に加え、日本・北米・欧州セグメントにおいて金型・試作等の車種開発売上が増加しましたが、中国セグメントをはじめとした減産の影響により、売上高は339,233百万円(前期比1.6%減)となりました。
利益につきましては、営業利益は、インフレによる人件費高騰等があったものの、車種開発の利益寄与により、16,380百万円(前期比0.8%増)となりました。
経常利益は、円高等の為替影響により17,529百万円(前期比7.2%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上があったものの、中国事業の一部整理に伴う割増退職金等の計上等により、12,440百万円(前期比6.0%減)となりました。
受注生産台数(千台) 当連結会計年度の本田技研工業株式会社グループから受注した生産台数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)合計3,8033,296△507△13.3日本707693△14△2.0北米1,4251,399△26△1.8アジア421347△73△17.4中国1,173759△414△35.3南米77982126.9(注)上記数値は千台未満を四捨五入して表示しています。
増減率は一台単位まで計算しています。
 セグメントの業績は次のとおりであります。
1)日本 売上高は、生産台数の減少があったものの、金型・試作等の車種開発売上の増加や得意先からの補償の計上により、68,917百万円(前期比14.1%増)となりました。
営業利益は、インフレによる労務費の増加があったものの、車種開発売上の増加や補償の計上により、5,665百万円(前期比24.3%増)となりました。
2)北米 売上高は、生産台数の減少があったものの、機種構成変動や金型・試作等の車種開発売上の増加により、125,761百万円(前期比5.2%増)となりました。
営業利益は、インフレによる労務費の増加があったものの、量産売上の増加や車種開発売上の増加により、5,025百万円(前期比24.6%増)となりました。
3)欧州 売上高は、生産台数の減少があったものの、金型・試作等の車種開発売上の増加及び為替影響により、37,520百万円(前期比3.3%増)となりました。
営業利益は、車種開発売上の増加により、2,887百万円(前期比5.6%増)となりました。
4)アジア 売上高は、生産台数の減少及び金型・設備等の車種開発売上の減少により、40,259百万円(前期17.8%減)となりました。
営業利益は、量産売上及び車種開発売上の減少により、1,569百万円(前期比48.9%減)となりました。
5)中国 売上高は、生産台数の激減により、57,753百万円(前期比19.2%減)となりました。
営業損益は、生産台数減少による労務費の抑制や諸経費の削減があったものの、減収による影響が大きく、145百万円の営業損失(前期は457百万円の利益)となりました。
6)南米 売上高は、材料単価が下落したものの、生産台数の増加及び金型・設備等の車種開発売上の増加により、18,055百万円(前期比5.3%増)となりました。
営業利益は、ロイヤリティ負担の増加やインフレによる労務費の上昇があったものの、車種開発売上の増加や増産効果により、1,237百万円(前期比0.9%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ、1,645百万円減少し、31,201百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動のキャッシュ・フローは、22,540百万円の収入となりました。
主な収入は、税金等調整前当期純利益17,269百万円、減価償却費19,456百万円です。
前連結会計年度に対して、14,921百万円の収入減少となりました。
主な要因は、売上債権の減少額の減少です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動のキャッシュ・フローは、30,045百万円の支出となりました。
主な支出は、有形固定資産の取得による31,686百万円です。
前連結会計年度に対して、847百万円の支出減少となりました。
主な要因は、定期預金の払戻しによる収入の増加です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動のキャッシュ・フローは、5,774百万円の収入となりました。
主な収入は、短期借入金の純増8,763百万円、長期借入れ11,598百万円です。
前連結会計年度に対して、22,153百万円の収入増加となりました。
主な要因は、借入れの増加です。
(3)資本の財源及び資金の流動性a.資本政策 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、安定的・継続的な株主還元を実施し、目標値として2031年3月期までにDOE(株主資本配当率)を3.0%とするとともに、配当性向を2025年3月期から30%以上とすることを基本方針としております。
 事業活動によって得られた資金は、まず、成長投資及び研究開発費に向けられます。
敏速な投資実行と危機対応を可能にする自己資本の水準を維持するため、内部留保に充てられます。
b.資金調達の状況 当社グループは、運転資金及び設備投資資金を、内部資金又は借入により資金調達することとしています。
運転資金需要は、新規車種開発に伴い得意先に売却予定の金型・専用設備等の制作費用、量産部品製造のための原材料、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などによるものです。
 また、設備投資需要は、量産部品生産用汎用設備の取得や生産能力増強、あるいは新規生産拠点設立にかかる出資及び設備投資などによるものです。
 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
また、設備投資に関しては、将来の資金創出能力を見積もり、当該能力の範囲内で設備投資を行うことを基本としております。
 短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としております。
長期運転資金や設備投資資金は、金融機関からの長期借入を基本としています。
2020年4月に株式会社格付投資情報センター(R&I)から信用格付「A-」を取得し、維持しております。
今後、長短期の資金調達の多様化を図ってまいります。
 海外子会社については、自己資金及び子会社が取引通貨、通貨の安定性等を勘案して最も適切な通貨で金融機関からの資金調達を基本としております。
調達通貨の金利・為替の状況、子会社の財務状態等を勘案して、当社からの資金貸出を行うこともあります。
主要な借入先の状況(百万円)借入先前連結会計年度末当連結会計年度末増減額㈱三菱UFJ銀行17,77024,0566,286㈱三井住友銀行9,55710,249691㈱みずほ銀行4,8635,700837㈱埼玉りそな銀行1,1743,7282,554野村證券㈱2,0002,000-三井住友信託銀行㈱2,0381,177△860
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社グループは、環境負荷低減と脱炭素社会の実現、安全性の高い自動車づくりを実現するため、軽量・高強度な車体部品の開発・製造に関わる研究開発活動を推進しております。
この中で、環境規制、安全、EV化に関する先行技術や新製品の研究開発は、ジーテクト東京ラボにおいて当社の開発本部を中心にその役割を担っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,802百万円であり、主な研究開発のテーマは、次のとおりであります。
<電動車向け車体の研究開発> 車両の電動化は、脱炭素社会の実現に向けて自動車業界全体が推し進めている重要な施策の一つであり、今後、自動車OEMの電動車戦略の方向性がより定まっていくと考えられます。
当社は、OEMとの車体の開発共創の中で進化させてきた車体一台分解析技術を活用し、各OEMの多様なニーズに対応すべく、幅広い提案ができるように研究開発を推進しております。
 電動車の車体は、車体構造や電池を収めるバッテリーハウジングが部品群として複合的な機能をもつことが求められるため、仕様構築には高度な設計検討能力が必要となります。
この課題に対し、当社が今まで培ってきた車体一台分解析技術をさらに進化させ、それを活用することで、車体、バッテリーハウジング、シャーシ等を統合的に解析し、各コンポーネントに対して機能を最適に振り分けた仕様を構築してまいります。
また、近年は生産性を向上させるための車体コンポーネントの開発を進め主要顧客に対しての提案を進めております。
主な開発内容は以下のとおりです。
・各OEMのニーズに合わせて容易に構成できるフレキシブルな構造の構築・高い生産性をもった環境負荷の低い工法の選択と仕様構築・生産数増が見込まれるバッテリーハウジングの提案・ボディとパワートレインを繋ぐシャーシ部品領域の性能評価能力の獲得・EV車両としての衝突安全性と環境負荷低減に配慮した車一台分の最適仕様の構築・閉断面構造部材の車体への適用検討と仕様構築  電動パワートレイン関連部品は世界的なEV化の加速に伴いニーズが急拡大すると想定しており、当社グループでは新たな事業領域となる、駆動用モーターや駆動系減速装置関連部品等、当社グループの基盤技術を活かして貢献することができる領域についての量産技術の開発を推進しております。
当連結会計年度においては量産技術の実証ライン設置が完了しており、引き続き独自技術の確立を推進してまいります。
<先進技術開発> 環境対応要求とEV化の加速を受けて、従来の車体骨格部品向けの新素材の加工、接合技術の早期量産化に取り組んでおります。
また、EV化によりさらに厳しくなる強度要件、軽量化要求に対応していくための要素技術開発にも、他企業や大学とのアライアンス等を活用して取り組んでおります。
具体的には、以下のテーマを推進しております。
・低歪の高速連続接合・異種材料接合技術・接着接合・テーラードプロパティ・重量増となるEVに対応する高強度軽量素材の成形技術開発(鉄/アルミ/複合材)・アルミ押出材採用部品に変わる軽量廉価な構造部材開発・EV化対応に必要となる工法の選定と実証ライン構築等・LCA観点による将来技術の調査とCO₂排出量評価基準の策定・大型一体化による部品製造技術の適用検討と仕様構築 <生産技術開発> 生産技術開発の領域では、技術・営業領域で蓄積した技術基盤や専門の知見をもって、お客様と連携しながら、新規車種の生産準備である機種開発に従事するとともに、既存技術の進化に取り組み、コスト低減・開発期間の短縮・品質の信頼性向上を図り、企業競争力の強化に努めております。
(1)冷間ウルトラハイテンの加工技術開発 車体軽量化に伴う高強度部材の適用拡大が進む中、金型構造・型材・表面処理進化による耐荷重・耐摩耗性の向上、成型ひずみ予測技術進化による精度熟成工数の削減、新工法による成型課題の克服に取り組んでおります。
(2)ホットスタンプの加工技術開発 新冷却構造の開発、レーザーレスの実現に向けた取組みを進め、部品1個当たりの電力使用量削減を目指しております。
(3)プレス・溶接ラインにおける生産性・品質の信頼性向上の取組み ビジョンシステムを活用した部品投入・払い出しの要員の負担軽減、レーザースキャン・非破壊検査機器を組み合わせた部品精度・溶着強度保証のインライン化に取り組んでおり、生産性・品質の信頼性向上に努めております。
(4)トランスミッション部品の開発 トランスミッションメーカーのHEV・EVモーター一体型変速システム開発に追従した新規部品開発に取り組んでおります。
(5)バッテリーセルケースの加工技術開発 現在の主流である角筒セルケースは、絞り成形による上面開口タイプの開発を完了させ、両側面開口タイプの開発に着手しております。
材質は、主流のアルミだけでなく、強度・耐熱性に優れたスチールにも取り組んでおります。
<知的財産権戦略>(1)基本方針 技術開発や生産活動の過程で生み出される知的財産権を積極的に保護管理・運用を行い、経営計画に基づく知財戦略を進めることにより、当社の企業価値向上に注力しております。
また、将来の社会・顧客ニーズに応えるイノベーションの創出に向け、目指すべき開発の方向性を示すとともに、開発の推進に資する知財情報を提供できるよう、体制の強化を進めております。
(2)管理体制 当社グループでは、グループ全体を取りまとめる知財管理体制を構築し、技術・開発部門及び各生産拠点、グローバル拠点(S&E)に、知財部門との円滑な連携のため知財推進担当を置き、事業を安全に推進できるよう、開発・事業に関する障害特許に対してタイムリーに対策するとともに、隠れた技術やアイデアを抽出し特許取得につなげております。
 また、新事業領域における優位性の確保やコア技術の進化・獲得に向けて各本部と事業部ごとに議論する機会を設け、知的財産権の活用シナリオを明確にしたバックキャストでの推進を行うとともに、毎期の目標と実績を経営陣に報告し、取締役会による監督を行える仕組みを構築しております。
(3)全社の知的財産戦略 自動車業界のCASE、MaaSなどの大変革、さらには気候変動問題等、環境の変化にも俊敏かつ柔軟な対応が求められております。
このように世界で激しい変化が起きる状況において、これからのビジネスの流れを先取りした知的財産権の取得に力を入れて取り組んでおります。
特にBattery EV(BEV)へのシフトが世界的に加速している事で、BEV固有部品であるバッテリーハウジングのニーズに加え、主力製品であるホワイトボディにも更なる軽量化と高強度化が求められておりますが、製品の開発においては客先ニーズの把握が必要不可欠であり、また、価値あるモノを社会・お客様へ送り出すためには、ニーズの把握から描いた製品を具現化するための技術も欠かせません。
 そこで、知的財産の創出にあたっては、客先ニーズを営業本部が汲み取り、開発本部が製品の構造を検討提案し、技術・生産本部がそれらを品質よく製造する技術を手の内にできるよう、全社横断的な取り組みを実施しております。
各々の検討段階において、知財推進担当も開発に入り込む事で、海外地域拠点で必要となる技術の見極めを行った出願国の決定、IPランドスケープを活用した開発テーマの妥当性の検証や、ベンチマーク調査による競争優位検討を実施し、事業力強化を目指しております。
加えて、知財力向上が事業成長につながるという考えのもと、発明者研修等をはじめとした人財育成を継続的に実施し、発明者と知財部門が一丸となり知財戦略推進ができるよう取り組んでおります。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当連結会計年度は、新機種の立ち上げに伴う機種投資が5,430百万円(前期比51.4%増)となりました。
また、基礎投資は、日本の中部工場と中国のN-APACの新規稼働により28,943百万円(前期比241.2%増)となりました。
この結果、設備投資額の総計は、34,373百万円(前期比184.8%増)となりました。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
(1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)本社(埼玉県さいたま市大宮区)日本本社事務所73-51534(6,104.32)[1]埼玉工場(埼玉県深谷市)日本自動車部品製造1,6698982,0981,0385,704132(63,789.92)[100]滋賀工場(滋賀県甲賀市)日本自動車部品製造1,7611,1294789424,312343(100,090.28)[231]群馬工場(群馬県太田市)日本自動車部品製造3,0062,6852,1182,38310,193203(82,167.81)[99]埼玉工場羽村事業所・ジーテクトテクニカルセンター・ジーテクト品質保証センター(東京都羽村市)日本自動車部品製造・技術開発、金型・治工具等の設計・及び検証、品質保証2,2071,5399016085,257196(25,320.50)[27]ジーテクト東京ラボ(東京都羽村市)日本研究開発1,6452285902232,68751(5,393.27)[0]栃木工場(栃木県さくら市)日本自動車部品製造5181,617342962,575132(20,748.39)[28]C&C栃木(栃木県塩谷郡高根沢町)日本自動車部品開発16672895451871(5,884.51)[2]中部工場(岐阜県海津市)日本自動車部品製造6,0246,6291,35427314,28247(71,768.98)[1] (2)在外子会社2025年3月31日現在 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)Jefferson Industries Corporation本社及び工場(米国・オハイオ州)北米本社事務所自動車部品製造5,9914,03913628710,455592(618,518)[114]Jefferson Southern Corporation本社及び工場(米国・ジョージア州)北米本社事務所自動車部品製造1,734774-2002,709324(186,277)[37]Austin Tri-Hawk Automotive, Inc.本社及び工場(米国・インディアナ州)北米本社事務所自動車部品製造4,7332,246821457,207441(242,820)[0]G-TEKT America Corporation本社及び工場(米国・ミシガン州)北米本社事務所自動車部品製造96928204961,29951(36,988)[23]Jefferson Elora Corporation本社及び工場(カナダ・オンタリオ州)北米本社事務所自動車部品製造5,0854,01860745110,161631(360,170)[26]G-TEKT MEXICO CORP. S.A. DE C.V.本社及び工場(メキシコ・グアナファト州)北米本社事務所自動車部品製造1,2671,029252272,576123(45,553)[10]G-TEKT Europe Manufacturing Ltd.本社及び工場(英国・グロスター州)欧州本社事務所自動車部品製造5,4342,0081,313368,793737(134,844)[0]G-TEKT Slovakia, s.r.o.本社及び工場(スロバキア・ニトラ市)欧州本社事務所自動車部品製造4,8723,3026642089,048315(100,000)[3]G-TEKT (Thailand) Co., Ltd.本社及び工場(タイ・アユタヤ県)アジア本社事務所自動車部品製造6325483683,6575,207338(44,697)[132]G-TEKT Eastern Co., Ltd.本社及び工場(タイ・ラヨン県)アジア本社事務所自動車部品製造5,4727271,1052687,573559(140,092)[223]G-TEKT India Private Ltd.本社及び工場(インド・ラジャスタン州)アジア本社事務所自動車部品製造682358-2901,331211(106,513)[241]PT.G-TEKT Indonesia Manufacturing本社及び工場(インドネシア・西ジャワ州)アジア本社事務所自動車部品製造2,8651,5858241035,378390(73,078)[0]Auto Parts Alliance (China) Ltd.本社及び工場(中国広東省広州市)中国本社事務所自動車部品製造6,5115,530-2,46114,503966(138,294)[200]Wuhan Auto Parts Alliance Co.,Ltd.本社及び工場(中国湖北省武漢市)中国本社事務所自動車部品製造4,5631,674-2,0718,309308(97,058)[8] 会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額従業員数(人)建物及び構築物(百万円)機械装置及び運搬具(百万円)土地(百万円)(面積㎡)その他(百万円)合計(百万円)Conghua Auto Parts Alliance (China) Ltd.本社及び工場(中国広東省広州市)中国本社事務所自動車部品製造37649-77764182(22,100)[51]Guangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.本社及び工場(中国広東省広州市)中国本社事務所自動車部品製造4,2092,965-9228,0971(44,938)[15]G-KT do Brasil Ltda.本社及び工場(ブラジル・サンパウロ州)南米本社事務所自動車部品製造1,8842,1122821554,435771(245,639)[0](注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品であり、建設仮勘定を含んでおります。
2.従業員数の[ ]は、臨時従業員数の年間平均を外書しております。
3.在外子会社の帳簿価額は、3月決算会社の決算日及び12月決算会社の仮決算日である2025年3月31日の数値を記載しております。
4.Auto Parts Alliance (China) Ltd.、Wuhan Auto Parts Alliance Co.,Ltd.、Guangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.の土地は、土地使用権に基づき使用しております。
5.G-TEKT India Private Ltd.、Conghua Auto Parts Alliance (China) Ltd.の土地は、賃貸借契約に基づき使用しております。
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 当社グループの設備投資については、新規車種の展開、景気予測、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。
設備計画は連結会社各社が原案を作成し、計画策定に当たっては当社と各社間において調整を図っております。
 なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設の計画は次のとおりであります。
(1)提出会社及び在外子会社会社名事業所名所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年月完成後の増加能力総額(百万円)既支払額(百万円)着手完了当社群馬工場群馬県太田市日本生産拠点の工場拡張5,040890自己資金及び借入金2024年2月2025年12月生産能力増強自動車部品製造用設備1,705654自己資金及び借入金2024年5月2026年2月生産能力増強自動車部品製造用設備427281自己資金及び借入金2024年7月2026年1月新規車種生産設備Jefferson Industries Corporation米国・オハイオ州北米生産拠点の工場拡張3,61035借入金2024年6月2026年2月生産能力増強自動車部品製造用設備3,111201借入金2023年11月2026年3月新規車種生産設備Jefferson Elora Corporationカナダ・オンタリオ州北米自動車部品製造用設備987329自己資金及び借入金2024年4月2026年1月新規車種生産設備Auto Parts Alliance (China) Ltd.中国広東省広州市中国自動車部品製造用設備(金型・治工具等)463431自己資金2023年8月2025年11月新規車種生産設備Guangzhou Nansha Auto Parts Alliance (China) Ltd.中国広東省広州市中国自動車部品製造用設備70155借入金2024年3月2026年2月生産能力増強G-KT do Brasil Ltda.ブラジル・サンパウロ州南米自動車部品製造用設備661380自己資金及び借入金2024年12月2026年3月生産能力増強(注)経常的な設備の除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
研究開発費、研究開発活動1,802,000,000
設備投資額、設備投資等の概要34,373,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況40
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況16
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況6,705,268
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合か否かを基準として区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、取引関係の維持・強化、事業運営上の必要性、経済合理性等を総合的に判断のうえ、上場株式を保有することとし、取締役会において毎年の見直しを行い、保有する意義の乏しい銘柄については、適宜売却しています。
b. 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式11非上場株式以外の株式2204 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式17持株会への拠出による増加 (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式1818 c.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)阪和興業㈱39,22137,789(保有目的)長期的な取引関係の維持、強化(定量的な保有効果)定量的な保有効果については、記載が困難であります。
(株式数の増加)持株会への拠出による増加有191224アイダエンジニアリング㈱14,67414,674(保有目的)長期的な取引関係の維持、強化(定量的な保有効果)取得簿価配当利回りは当社の加重平均資本コストを上回っております。
有1313㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ-447,170(保有目的)長期的な取引関係の維持、強化(定量的な保有効果)取得簿価配当利回りは当社の加重平均資本コストを上回っております。
無-696
(注) 特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため記載しておりません。
保有の合理性の検証方法については、「② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおりであります。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
株式数が減少した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社2
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社204,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社7,000,000
株式数の減少に係る売却価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社818,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社14,674
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社13,000,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社持株会への拠出による増加
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社(保有目的)長期的な取引関係の維持、強化(定量的な保有効果)取得簿価配当利回りは当社の加重平均資本コストを上回っております。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
(2025年3月31日現在)
氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
本田技研工業㈱東京都港区南青山2丁目1-1号13,03530.04
高尾 直宏東京都港区3,4808.02
菊池 俊嗣東京都三鷹市3,1067.16
日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号 赤坂インターシティAIR3,0106.94
㈱日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-121,8164.19
ヨシダ トモヒロ大阪市淀川区1,1252.59
RE FUND 107-CLIENT AC(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)クウェート(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)6881.59
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)米国・マサチューセッツ(東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティA棟)5711.32
DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)PALISADES WEST 6300,BEE CAVE ROAD BUILDING ONE AUSTIN TX 78746 US(東京都新宿区新宿6丁目27番30号)4731.09
阪和興業株式会社東京都中央区築地1丁目13番1号4451.03計-27,75463.97 (注)1.当社代表取締役社長 社長執行役員 高尾直宏の所有株式数は、同役員の資産管理会社であるTKホールディングス㈱が保有する株式数を含めた実質所有株式数を記載しております。2.菊池俊嗣氏の所有株式数は、同氏の資産管理会社である㈱ケー・ピーが保有する株式数を含めた実質所有株式数を記載しております。
株主数-金融機関14
株主数-金融商品取引業者29
株主数-外国法人等-個人24
株主数-外国法人等-個人以外97
株主数-個人その他17,585
株主数-その他の法人160
株主数-計17,909
氏名又は名称、大株主の状況阪和興業株式会社
株主総利回り2
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
 該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(百万円)当事業年度における取得自己株式--当期間における取得自己株式--(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-353,000,000
自己株式の取得による支出、財務活動によるキャッシュ・フロー-475,000,000
発行済株式及び自己株式に関する注記 1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項 当連結会計年度期首株式数(株)当連結会計年度増加株式数(株)当連結会計年度減少株式数(株)当連結会計年度末株式数(株)発行済株式 普通株式43,931,260--43,931,260合計43,931,260--43,931,260自己株式 普通株式(注)852,363300,00020,7751,131,588合計852,363300,00020,7751,131,588(注)1.当連結会計年度期首及び当連結会計年度末の自己株式数には、信託が保有する自社の株式がそれぞれ307,166株、586,391株含まれております。
2.増加数の内訳は、次のとおりであります。
信託による自社の株式の取得による増加         300,000株3.減少数の内訳は、次のとおりであります。
信託による自社の株式の交付による減少          20,775株

Audit

監査法人1、連結有限責任監査法人トーマツ
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月25日 株式会社ジーテクト 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士會澤 正志 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士大橋 武尚 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ジーテクトの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ジーテクト及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
収益認識(金型設備売上の期間帰属)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社及び連結子会社は、金型設備の販売取引について顧客の検収、量産開始等に基づき収益認識を行っている((連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項の(4)重要な収益及び費用の計上基準参照)。
(収益認識関係)の「2.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」にあるように、当連結会計年度に係る売上高339,233百万円のうち14,070百万円が金型設備の売上である。
金型設備の販売取引は一取引当たりの金額が相体的に大きく、また利益率は量産品の販売取引に比べて高い。
金型設備については、検収や量産開始等により顧客へ支配が実質的に移転し、履行義務が充足されたと判断される時点において収益を認識している。
実質的な支配の移転は、それぞれの実態を把握したうえで履行義務充足時点の判断が必要である。
以上から、当監査法人は金型設備の売上高の期間帰属の妥当性が、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、金型設備の販売取引について、売上高の期間帰属の妥当性を検証するために、以下の監査手続を実施した。
①金型設備の販売取引における収益認識に関する内部統制の整備及び運用状況の評価手続を実施した。
②売上高の期間帰属の妥当性について、以下の実証手続を実施することで、支配の移転時点を検証した。
● 事前に入手した顧客の開発計画との比較● 顧客からの発注書、請求書との照合● 顧客からの検収書等がある場合は検収書等との照合や量産開始時期との関係の検討● 当該金型設備を利用した量産開始に係る証憑との照合 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ジーテクトの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
 当監査法人は、株式会社ジーテクトが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
収益認識(金型設備売上の期間帰属)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社及び連結子会社は、金型設備の販売取引について顧客の検収、量産開始等に基づき収益認識を行っている((連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項の(4)重要な収益及び費用の計上基準参照)。
(収益認識関係)の「2.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」にあるように、当連結会計年度に係る売上高339,233百万円のうち14,070百万円が金型設備の売上である。
金型設備の販売取引は一取引当たりの金額が相体的に大きく、また利益率は量産品の販売取引に比べて高い。
金型設備については、検収や量産開始等により顧客へ支配が実質的に移転し、履行義務が充足されたと判断される時点において収益を認識している。
実質的な支配の移転は、それぞれの実態を把握したうえで履行義務充足時点の判断が必要である。
以上から、当監査法人は金型設備の売上高の期間帰属の妥当性が、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、金型設備の販売取引について、売上高の期間帰属の妥当性を検証するために、以下の監査手続を実施した。
①金型設備の販売取引における収益認識に関する内部統制の整備及び運用状況の評価手続を実施した。
②売上高の期間帰属の妥当性について、以下の実証手続を実施することで、支配の移転時点を検証した。
● 事前に入手した顧客の開発計画との比較● 顧客からの発注書、請求書との照合● 顧客からの検収書等がある場合は検収書等との照合や量産開始時期との関係の検討● 当該金型設備を利用した量産開始に係る証憑との照合
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結収益認識(金型設備売上の期間帰属)
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 会社及び連結子会社は、金型設備の販売取引について顧客の検収、量産開始等に基づき収益認識を行っている((連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項の(4)重要な収益及び費用の計上基準参照)。
(収益認識関係)の「2.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」にあるように、当連結会計年度に係る売上高339,233百万円のうち14,070百万円が金型設備の売上である。
金型設備の販売取引は一取引当たりの金額が相体的に大きく、また利益率は量産品の販売取引に比べて高い。
金型設備については、検収や量産開始等により顧客へ支配が実質的に移転し、履行義務が充足されたと判断される時点において収益を認識している。
実質的な支配の移転は、それぞれの実態を把握したうえで履行義務充足時点の判断が必要である。
以上から、当監査法人は金型設備の売上高の期間帰属の妥当性が、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項の(4)重要な収益及び費用の計上基準
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結(収益認識関係)の「2.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 当監査法人は、金型設備の販売取引について、売上高の期間帰属の妥当性を検証するために、以下の監査手続を実施した。
①金型設備の販売取引における収益認識に関する内部統制の整備及び運用状況の評価手続を実施した。
②売上高の期間帰属の妥当性について、以下の実証手続を実施することで、支配の移転時点を検証した。
● 事前に入手した顧客の開発計画との比較● 顧客からの発注書、請求書との照合● 顧客からの検収書等がある場合は検収書等との照合や量産開始時期との関係の検討● 当該金型設備を利用した量産開始に係る証憑との照合
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。