財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-25 |
英訳名、表紙 | Tokyo Electric Power Company Holdings, Incorporated |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表執行役社長 小早川 智明 |
本店の所在の場所、表紙 | 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 03(6373)1111(大代表) |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2 【沿革】 1951年5月関東配電株式会社及び日本発送電株式会社から、設備の出資及び譲渡を受け、東京電力株式会社設立電燈廣告株式会社は設立時において子会社(「東電広告株式会社(1962年5月商号変更)」)1951年8月東京、大阪の両証券取引所市場第一部に上場(2012年7月大阪証券取引所上場廃止)1953年3月尾瀬林業観光株式会社の株式を取得し子会社化(「尾瀬林業株式会社(1972年4月商号変更)」)1953年7月東京計器工業株式会社の株式を取得し子会社化1954年4月東興業株式会社設立(「東電工業株式会社(1961年9月商号変更)」)1955年4月東電不動産株式会社設立(現・連結子会社)*東電不動産株式会社から東電不動産管理株式会社に商号変更(1973年1月)*東電不動産管理株式会社から東電不動産株式会社に商号変更(2005年4月)1955年11月東電フライアッシュ工業株式会社設立(現・連結子会社「東京パワーテクノロジー株式会社」)*東電フライアッシュ工業株式会社から東電環境エンジニアリング株式会社に商号変更(1975年6月)*東電環境エンジニアリング株式会社から東京パワーテクノロジー株式会社に商号変更(2013年7月)1957年6月東京礦油株式会社設立*東京礦油株式会社から株式会社テプコーユに商号変更(1987年12月)*株式会社テプコーユから東電リース株式会社に商号変更(2011年7月)1957年12月スター礦油株式会社の株式を取得し子会社化(「株式会社テプスター(1987年12月商号変更)」)1957年12月南明興産株式会社の株式を取得し子会社化(「東電フュエル株式会社(2011年7月商号変更)」)1960年12月株式会社東電建設設計事務所設立(現・連結子会社「東電設計株式会社(1966年7月商号変更)」)1961年10月名古屋証券取引所市場第一部に上場(2012年6月同証券取引所上場廃止)1963年8月姫川電力株式会社の株式を取得し子会社化(現・連結子会社「東京発電株式会社(1986年6月商号変更)」)1977年7月東京計算サービス株式会社設立(現・連結子会社「株式会社テプコシステムズ(2001年10月商号変更)」)1977年7月東京電材輸送株式会社設立(現・連結子会社「東電物流株式会社(1999年7月商号変更)」)1979年9月東京電設サービス株式会社設立(現・連結子会社)1980年2月東新建物株式会社設立(「東新ビルディング株式会社(1996年10月商号変更)」)1980年4月東京リビングサービス株式会社設立1982年9月東電営配サービス株式会社設立(「株式会社東電ホームサービス(1987年10月商号変更)」)1982年10月東双不動産管理株式会社設立(現・連結子会社)1984年4月株式会社ティー・ピー・エス設立(「東電ピーアール株式会社(2000年1月商号変更)」)1987年9月東京都市サービス株式会社設立(現・持分法適用関連会社)1987年9月東京レコードマネジメント株式会社設立(現・連結子会社)1989年11月株式会社テプコケーブルテレビ設立1997年4月テプコ・リソーシズ社設立(現・連結子会社)1999年7月トウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・インターナショナル社設立2000年3月マイエナジー株式会社設立2000年6月株式会社アット東京設立(現・持分法適用関連会社)2000年10月株式会社ファミリーネット・ジャパン設立(現・連結子会社)2000年12月日本ファシリティ・ソリューション株式会社設立(現・連結子会社)2000年12月パシフィック・エルエヌジー・シッピング社設立2001年8月東電タウンプランニング株式会社設立(現・連結子会社)2002年2月パシフィック・ユーラス・シッピング社設立2002年2月ティーエムエナジー・オーストラリア社設立2002年12月東京臨海リサイクルパワー株式会社設立2003年3月テプコ・オーストラリア社設立2003年3月テプコ・ダーウィン・エルエヌジー社設立2003年6月東京ティモール・シー・リソーシズ(米)社の株式を取得し子会社化これに伴い、同社の子会社である東京ティモール・シー・リソーシズ(豪)社を子会社化2004年3月株式会社ユーラスエナジーホールディングスの株式を取得し子会社化 2004年9月株式会社パワードコムの株式を取得し子会社化これに伴い、同社の子会社である株式会社ドリーム・トレイン・インターネット、フュージョン・コミュニケーションズ株式会社、株式会社ファミリーネット・ジャパン(現・連結子会社)を子会社化*株式会社ドリーム・トレイン・インターネット及びフュージョン・コミュニケーションズ株式会社の株式を株式会社パワードコムより取得(2005年12月)2005年5月株式会社リビタ設立2005年5月トウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・インターナショナル・パイトンⅠ社設立2005年11月リサイクル燃料貯蔵株式会社設立(現・連結子会社)2005年11月シグナス・エルエヌジー・シッピング社設立2006年1月株式会社パワードコム解散(KDDI株式会社と合併)2006年1月TEPCOトレーディング株式会社設立2006年1月東電パートナーズ株式会社設立2007年1月吸収分割により、FTTH事業及び心線貸し事業をKDDI株式会社に継承2007年8月フュージョン・コミュニケーションズ株式会社の株式を全数譲渡2007年8月株式会社当間高原リゾートの取締役会の構成員の過半数を、当社の役員若しくは使用人である者が占めたことにより子会社化(現・連結子会社)2007年8月株式会社ドリーム・トレイン・インターネットの株式を全数譲渡2007年11月マイエナジー株式会社解散(2008年3月清算結了)2008年10月東電不動産株式会社と尾瀬林業株式会社との共同新設分割により、東電用地株式会社を設立(現・連結子会社)2009年4月東新ビルディング株式会社消滅(2009年4月1日「東電不動産株式会社」に吸収合併)2011年7月南明興産株式会社が承継会社となり、株式会社テプコーユ及び株式会社テプスターの燃料事業を吸収分割により継承し、東電フュエル株式会社に商号変更2011年7月株式会社テプコーユが存続会社となり、株式会社テプスターを吸収合併し、東電リース株式会社に商号変更2011年7月株式会社テプスター消滅(2011年7月1日「東電リース株式会社」に吸収合併)2011年7月東電ピーアール株式会社解散(2011年11月清算結了)2012年1月株式会社リビタの株式を一部譲渡し非関係会社化2012年1月株式会社ユーラスエナジーホールディングスの株式を一部譲渡し関連会社化2012年5月東京都市サービス株式会社の株式を一部譲渡し関連会社化(現・持分法適用関連会社)2012年6月名古屋証券取引所市場第一部上場廃止2012年7月大阪証券取引所市場第一部上場廃止2012年7月東京リビングサービス株式会社の株式を全数譲渡2012年10月株式会社アット東京の株式を一部譲渡し関連会社化(現・持分法適用関連会社)2013年1月福島復興本社設置2013年3月株式会社テプコケーブルテレビ解散(2013年6月清算結了)2013年7月東電環境エンジニアリング株式会社が存続会社となり、東電工業株式会社及び尾瀬林業株式会社を吸収合併し、東京パワーテクノロジー株式会社に商号変更2013年7月東電工業株式会社消滅(2013年7月1日「東京パワーテクノロジー株式会社」に吸収合併)2013年7月尾瀬林業株式会社消滅(2013年7月1日「東京パワーテクノロジー株式会社」に吸収合併)2013年7月株式会社ティ・オー・エスが承継会社となり、株式会社東電ホームサービスの営業関連事業を吸収分割により継承し、テプコカスタマーサービス株式会社に商号変更(現・連結子会社)2013年7月東電タウンプランニング株式会社が存続会社となり、株式会社東電ホームサービス及び東電広告株式会社を吸収合併2013年7月株式会社東電ホームサービス消滅(2013年7月1日「東電タウンプランニング株式会社」に吸収合併)2013年7月東電広告株式会社消滅(2013年7月1日「東電タウンプランニング株式会社」に吸収合併)2013年12月ティーエムエナジー・オーストラリア社清算結了2014年10月東京計器工業株式会社解散(2015年2月清算結了)2015年4月東京電力燃料・火力発電事業分割準備株式会社設立(現・連結子会社「東京電力フュエル&パワー株式会社(2016年4月商号変更)」)2015年4月東京電力送配電事業分割準備株式会社設立(現・連結子会社「東京電力パワーグリッド株式会社(2016年4月商号変更)」) 2015年4月東京電力小売電気事業分割準備株式会社設立(現・連結子会社「東京電力エナジーパートナー株式会社(2016年4月商号変更)」)2015年6月吸収分割により、燃料輸送事業及び燃料トレーディング事業を東京電力燃料・火力発電事業分割準備株式会社に継承2015年10月株式会社JERAが承継会社となり、東京電力燃料・火力発電事業分割準備株式会社の燃料輸送事業及び燃料トレーディング事業を吸収分割により継承これに伴い、TEPCOトレーディング株式会社、パシフィック・エルエヌジー・シッピング社、パシフィック・ユーラス・シッピング社、シグナス・エルエヌジー・シッピング社は非関係会社化2015年11月東電リース株式会社の株式を全数譲渡ホールディングカンパニー制に移行2016年4月「東京電力ホールディングス株式会社」へ商号変更し、燃料・火力発電事業を「東京電力フュエル&パワー株式会社」、送配電事業を「東京電力パワーグリッド株式会社」、小売電気事業を「東京電力エナジーパートナー株式会社」に承継2016年7月株式会社JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー株式会社の既存燃料事業(上流・調達)及び既存海外火力IPP事業を吸収分割により承継これに伴い、トウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・インターナショナル社、テプコ・オーストラリア社、東京ティモール・シー・リソーシズ(米)社、トウキョウ・エレクトリック・パワー・カンパニー・インターナショナル・パイトンⅠ社、テプコ・ダーウィン・エルエヌジー社、東京ティモール・シー・リソーシズ(豪)社は非関係会社化2017年8月TRENDE株式会社設立2017年8月TEPCOホームテック株式会社設立(現・連結子会社)2018年4月株式会社PinT設立(現・連結子会社)2018年5月東京電力ベンチャーズ株式会社設立(現・連結子会社)2019年4月株式会社JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー株式会社の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継これに伴い、東電フュエル株式会社、東京臨海リサイクルパワー株式会社は非関係会社化2019年10月テプコ・ソリューション・アドバンス株式会社を設立し、テプコカスタマーサービス株式会社の営業関連業務(電気料金の計算・収入管理等)、屋内配線調査を承継2019年10月東京電力リニューアブルパワー株式会社設立(現・連結子会社)2019年10月株式会社e-Mobility Power設立(現・連結子会社)2020年1月テプコ・リニューアブル・パワー・シンガポール社設立(現・連結子会社)2020年4月東京電力リニューアブルパワー株式会社が承継会社となり、当社の再生可能エネルギー発電事業を吸収分割により承継2020年6月飯舘バイオパートナーズ株式会社設立(現・連結子会社)2021年12月東京電力タイムレスキャピタル第二号投資事業有限責任組合設立(現・連結子会社)2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行2022年6月TF内幸町特定目的会社への出資により子会社化(現・連結子会社)2022年8月株式会社ユーラスエナジーホールディングスの株式を全数譲渡2022年11月フローテーション・エナジー社の株式を取得(現・連結子会社)2023年6月TRENDE株式会社の株式を全数譲渡2024年4月東京電力タイムレスキャピタル共同投資第一号投資事業有限責任組合設立(現・連結子会社)2024年10月東電パートナーズ株式会社の株式を全数譲渡 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社66社及び関連会社68社(2025年3月31日現在)で構成され、電気事業を中心とする事業を行っている。 報告セグメントは「ホールディングス」、「フュエル&パワー」、「パワーグリッド」、「エナジーパートナー」、「リニューアブルパワー」の5つとしている。 各報告セグメントの主な事業内容は、以下のとおりである。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなる。 [ホールディングス]経営サポート、各基幹事業会社(東京電力フュエル&パワー㈱、東京電力パワーグリッド㈱、東京電力エナジーパートナー㈱、東京電力リニューアブルパワー㈱)への共通サービスの効率的な提供、原子力発電等(主要な関係会社)東電不動産㈱、東京パワーテクノロジー㈱、東電設計㈱、㈱テプコシステムズ、テプコ・リソーシズ社、東双不動産管理㈱、東京電力ベンチャーズ㈱、東京電力タイムレスキャピタル第二号投資事業有限責任組合、東京電力タイムレスキャピタル共同投資第一号投資事業有限責任組合、TF内幸町特定目的会社、リサイクル燃料貯蔵㈱、㈱当間高原リゾート、東京レコードマネジメント㈱、飯舘バイオパートナーズ㈱、㈱e-Mobility Power、KK6安全対策共同事業㈱、嬬恋蓄電所合同会社、ソーラー・ルーフトップ・シーイー・ナイン社、ロゴス・テプコ・リニューアブルズ社、㈱日立システムズパワーサービス、エナジー・アジア・ホールディングス社、日本原燃㈱、日本原子力発電㈱、㈱東京エネシス、ロゴス・テプコ・シンガポール1・ホールド社、ロゴス・テプコ・シンガポール・アセット・アルファ社 [フュエル&パワー]火力発電による電力の販売、燃料の調達、火力電源の開発、燃料事業への投資(主要な関係会社)東京電力フュエル&パワー㈱、㈱JERA [パワーグリッド]送電・変電・配電による電力の供給、送配電・通信設備の建設・保守、設備土地・建物等の調査・取得・保全(主要な関係会社)東京電力パワーグリッド㈱、東京電設サービス㈱、東電タウンプランニング㈱、東電用地㈱、テプコ・ソリューション・アドバンス㈱、テプコ・パワー・グリッド・ユーケー社、東電物流㈱、ディープ・シー・グリーン・エナジー(香港)社、㈱関電工、グリーンウェイ・グリッド・グローバル社、㈱東光高岳、㈱昭栄電気産業、㈱アット東京、トライトン・ノール・オフト・ビッドコ社、トライトン・ノール・オフト社 [エナジーパートナー]お客さまのご要望に沿った最適なトータルソリューションの提案、充実したお客さまサービスの提供、安価な電源調達(主要な関係会社)東京電力エナジーパートナー㈱、テプコカスタマーサービス㈱、㈱ファミリーネット・ジャパン、日本ファシリティ・ソリューション㈱、㈱PinT、TEPCOホームテック㈱、東京エナジーアライアンス㈱、TEPCO i-フロンティアズ㈱、T&Tエナジー㈱、㈱LIXIL TEPCOスマートパートナーズ、エバーグリーン・マーケティング㈱、エナジープールジャパン㈱、虎ノ門エネルギーネットワーク㈱、東京都市サービス㈱ [リニューアブルパワー]再生可能エネルギー発電による電力の販売、設備の維持管理、国内外における再生可能エネルギー電源の新規開発・投資(主要な関係会社)東京電力リニューアブルパワー㈱、テプコ・リニューアブル・パワー・シンガポール社、フローテーション・エナジー社、東京発電㈱、グリーン・ボルト・ホールド社、セノス・ホールド社、ベト・ハイドロ社、ダリアリ・エナジー社、ベトナム・パワー・デベロップメント社、クンチャナ・エナジー・レスタリ社、オフショア・ウインド社、小安地熱㈱、グリーン・ボルト・オフショア・ウインドファーム社、セノス・オフショア・ウインドファーム社 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次頁のとおりである。 [事業系統図](注)1.◎印を付した会社は、当連結会計年度において、新たに当社グループに加えた会社である。 2.当連結会計年度において除外した関係会社 ・連結子会社:東電パートナーズ㈱ 、森ヶ崎エナジーサービス㈱ 、ハウスプラス住宅保証㈱、HFP試験センター合同会社 ・持分法適用関連会社:エイドン・リニューアブルズ社 |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 (1) 連結子会社2025年3月31日現在名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合役員の兼任等関係内容東京電力フュエル&パワー㈱東京都千代田区30,000燃料・火力発電事業を営む関連会社の事業活動管理100.0%有資金貸借取引東京電力パワーグリッド㈱ (注)2,3東京都千代田区80,000一般送配電事業、不動産賃貸事業及び離島における発電事業100.0%無資金貸借取引、被債務保証東京電力エナジーパートナー㈱ (注)2,4東京都千代田区260,000小売電気事業、ガス事業等100.0%有電気の販売、資金貸借取引東京電力リニューアブルパワー㈱ (注)2,3東京都千代田区1,000再生可能エネルギー発電事業等100.0%有資金貸借取引東電不動産㈱東京都中央区7,831事業所・社宅の賃貸・管理100.0%有事業所・社宅用建物の賃借東京パワーテクノロジー㈱東京都江東区100発電設備等の工事・運転・保守、環境・エネルギー事業、尾瀬地域事業100.0%有発電(原子力)関連設備の工事・運転・保守、環境保全・調査、山林・土地管理の委託東電設計㈱東京都江東区40土木・建築及び電気設備の設計・監理100.0%有発電設備等の設計及び監理の委託㈱テプコシステムズ東京都江東区350システムの開発・保守100.0%有システムの開発・保守業務の委託東京電設サービス㈱東京都台東区50電力設備、鋼・コンクリート構造物、再エネ設備等のコンサルティング・設計・工事・点検診断・監視制御100.0%(100.0%)有-テプコ・リソーシズ社カナダブリティッシュコロンビア州24,696万カナダドルウランの採掘及び製錬・販売100.0%有-東双不動産管理㈱福島県双葉郡20事業所・社宅の賃貸・管理100.0%有事業所・社宅用建物の賃借東電タウンプランニング㈱東京都港区100配電設備の建設・保全、電柱広告の販売・管理、地中化・地域開発におけるコンサルティング・工程調整100.0%(100.0%)有-東電用地㈱東京都荒川区100電柱敷地・送電線用地など東電保有土地の管理、電柱敷地・送電線用地の取得、用地業務におけるコンサルティング100.0%(100.0%)有-テプコ・ソリューション・アドバンス㈱東京都港区10電気・ガスのバックオフィス業務(申込受付・料金計算・収入管理など)、電気のフィールド業務(出向サービス業務、調査業務など)、BPO事業100.0%(100.0%)有-テプコ・パワー・グリッド・ユーケー社英国7,527万英ポンド欧州における送配電事業への投資・融資と管理、これらに関する経営、技術、財務、管理業務のコンサルティング及び技術・ノウハウ・情報の販売100.0%(100.0%)有-テプコカスタマーサービス㈱東京都港区10電気等エネルギー利用に係る機械器具等の販売、施工工事、修理、リース、電気工事業及び管工事業100.0%(100.0%)有-㈱ファミリーネット・ジャパン東京都港区490マンション向けインターネット接続サービス、一括受電サービス、電力卸及び小売電気・ガス事業等100.0%(100.0%)有-日本ファシリティ・ソリューション㈱東京都品川区490エネルギーサービス100.0%(100.0%)有-(株)PinT東京都千代田区400小売電気事業及び小売ガス事業等100.0%(100.0%)有-東京電力ベンチャーズ㈱東京都千代田区50新規事業の創出・投資・運営サポート100.0%有- 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合役員の兼任等関係内容東京電力タイムレスキャピタル第二号投資事業有限責任組合東京都千代田区23,784水関連産業の中堅・中小規模企業等を対象とした投資事業100.0%(100.0%)無-東京電力タイムレスキャピタル共同投資第一号投資事業有限責任組合東京都千代田区11,050日本国内において主たる事業を行う会社その他の事業体に対する投資100.0%(100.0%)無-TF内幸町特定目的会社東京都千代田区9,623特定資産の譲受け並びにその管理及び処分100.0%(100.0%)無-テプコ・リニューアブル・パワー・シンガポール社シンガポール8,610万米ドル水力発電事業に係る持株会社100.0%(100.0%)有-フローテーション・エナジー社英国エディンバラ21,570万英ポンド洋上風力発電事業の開発、建設及び運営100.0%(100.0%)有-東京発電㈱東京都台東区12,500発電及び電気の販売80.0%(80.0%)有-東電物流㈱東京都品川区50電力用資機材等の調達・保管・輸配送・通関、物品及び機材の販売・レンタル80.0%(80.0%)有-リサイクル燃料貯蔵㈱青森県むつ市3,000原子力発電所から発生する使用済燃料の貯蔵・管理及び、これに付帯関連する事業80.0%有-㈱当間高原リゾート新潟県十日町市100ホテル、ゴルフ場の経営80.0%有施設の利用東京レコードマネジメント㈱東京都品川区20情報記録類の作成、保管、管理業務70.0%(70.0%)有情報記録類の作成、保管、管理業務の委託飯舘バイオパートナーズ㈱福島県相馬郡300発電事業、熱供給事業、燃料供給事業60.0%(20.0%)有-㈱e-Mobility Power東京都港区10,000充電サービス及び充電ネットワークサービス事業54.7%有-TEPCOホームテック(株)東京都墨田区475新築及び既存建築物の省エネルギー化に関する企画、提案、設計及び施工、建築設備機器の販売及び設置等51.0%(51.0%)有-その他33社 (注) 1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。 2.特定子会社に該当している。 3.有価証券報告書を提出している。 4.東京電力エナジーパートナー㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。 )の連結売上高に占める割合が100分の10を超えているが、セグメント情報の売上高に占める当該連結子会社の売上高の割合(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。 )が100分の90を超えるため、主要な損益情報等の記載を省略している。 (2) 持分法適用関連会社2025年3月31日現在名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合役員の兼任等関係内容ディープ・シー・グリーン・エナジー(香港)社 (注)2香港1,512万米ドル海外工業団地における配電・小売事業50.0%(50.0%)有-㈱JERA (注)2、3東京都中央区100,000燃料調達事業、燃料上流事業、燃料輸送事業、燃料トレーディング事業、国内火力発電事業、海外発電・エネルギーインフラ事業、その他付帯関連する事業50.0%(50.0%)有-東京エナジーアライアンス㈱東京都渋谷区50小売ガス事業、ガス卸事業、電気卸事業、ガス事業に関する保安業務等50.0%(50.0%)有-TEPCO i-フロンティアズ㈱ (注)2東京都千代田区25電気、ガス、水道等の引越し手続きを一元的に行うインフラサービス等50.0%(50.0%)有-T&Tエナジー㈱ (注)2静岡県静岡市125小売ガス事業、小売電気事業等50.0%(50.0%)有-KK6安全対策共同事業㈱ (注)2新潟県柏崎市150柏崎刈羽原子力発電所6号機の安全対策工事50.0%有原子力発電所の安全対策工事の委託嬬恋蓄電所合同会社 (注)2東京都千代田区8発電事業、電力取引、蓄電池及びその付随設備の運用・管理50.0%無-グリーン・ボルト・ホールド社英国エディンバラ10,588万英ポンド洋上風力開発事業50.0%(50.0%)有-セノス・ホールド社英国エディンバラ3,090万英ポンド洋上風力開発事業50.0%(50.0%)有-ソーラー・ルーフトップ・シーイー・ナイン社タイ1,800万タイバーツタイにおける産業用需要家向け屋根置き太陽光発電コーポレートPPA事業49.0%(49.0%)有-㈱関電工 (注)3東京都港区10,264発・送・変・配電及び通信設備の建設・保修、火力・原子力発電所の電気・計装工事、内線・空調関係工事47.2%(47.2%)有発電設備の工事の委託グリーンウェイ・グリッド・グローバル社シンガポール3,516万シンガポールドル送配電事業、次世代インフラ等の投資・運営、新事業インキュベーション、グローバル人材育成44.0%(44.0%)有-ロゴス・テプコ・リニューアブルズ社 (注)2シンガポール1,220万米ドル太陽光発電事業にかかわる持株会社40.0%(40.0%)有-㈱LIXIL TEPCO スマートパートナーズ東京都墨田区450太陽光発電システム販売及び小売電気事業40.0%(40.0%)有-ベト・ハイドロ社シンガポール1,696万米ドル水力発電事業に係る持株会社36.4%(36.4%)有-㈱東光高岳 (注)3東京都江東区8,000送・変・配電設備の製造及び据付工事、取引用計器の取替工事、建物・構築物の電気工事35.2%(35.2%)有-エバーグリーン・マーケティング㈱東京都中央区504小売電気事業34.0%(34.0%)有-エナジープールジャパン㈱東京都港区45デマンドレスポンス事業34.0%(34.0%)有-虎ノ門エネルギーネットワーク㈱東京都港区490電気事業、熱供給事業34.0%(34.0%)有-㈱昭栄電気産業東京都葛飾区20電気工事の設計、調査、施工、監理、保守33.8%(33.8%)有-東京都市サービス㈱東京都中央区400熱供給事業、熱供給設備の運転、保守及び管理33.4%(33.4%)有-㈱日立システムズパワーサービス東京都港区100システムの開発・保守及びシステム運用等33.4%有システムの開発・保守及びシステム運用業務等の委託㈱アット東京東京都江東区13,378データセンター事業33.3%(33.3%)有- 2025年3月31日現在名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有割合役員の兼任等関係内容ハウスプラス住宅保証㈱東京都港区1,207建築確認検査業務、住宅性能評価業務、住宅瑕疵担保責任保険業務等32.4%(32.4%)有-ダリアリ・エナジー社ジョージア8,423万ジョージアラリジョージア国における水力発電事業31.4%(31.4%)有-ベトナム・パワー・デベロップメント社ベトナム10,658億ベトナムドンベトナム国における水力発電事業30.1%(30.1%)有-エナジー・アジア・ホールディングス社英領バージン諸島7万米ドル原子燃料事業にかかわる持株会社30.0%有-日本原燃㈱青森県上北郡六ヶ所村400,000使用済核燃料の再処理29.7%有ウランの濃縮、使用済燃料の再処理、高レベル放射性廃棄物の一時保管及び低レベル放射性廃棄物の埋設の委託日本原子力発電㈱東京都台東区120,000原子力発電による電気の卸供給28.3%(0.1%)有-㈱東京エネシス (注)3東京都中央区2,881発電・変電設備等の工事・保守、情報通信設備の設計・工事27.1%有発電(水力・火力・原子力)設備工事の委託クンチャナ・エナジー・レスタリ社インドネシア2,858万米ドルインドネシア国における再生可能エネルギー事業25.0%(25.0%)有-トライトン・ノール・オフト・ビッドコ社英国1,000英ポンド英国トライトンノール洋上風力発電所における送電事業への投資20.0%(20.0%)有-オフショア・ウインド社英国マンチェスター1,000英ポンド洋上風力開発事業19.0%(19.0%)有-小安地熱㈱秋田県湯沢市100蒸気・熱水等の地熱エネルギーによる発電事業15.0%(15.0%)有-グリーン・ボルト・オフショア・ウインドファーム社英国エディンバラ100英ポンド洋上風力開発事業0.0%(0.0%)有-セノス・オフショア・ウインドファーム社英国エディンバラ100英ポンド洋上風力開発事業0.0%(0.0%)有-トライトン・ノール・オフト社英国1,000英ポンド英国トライトンノール洋上風力発電所における送電事業の管理・運営0.0%(0.0%)有-ロゴス・テプコ・シンガポール1・ホールド社シンガポール1米ドル太陽光発電事業にかかわる持株会社0.0%(0.0%)有-ロゴス・テプコ・シンガポール・アセット・アルファ社シンガポール1シンガポールドル太陽光発電事業0.0%(0.0%)有-その他7社 (注) 1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。 2.共同支配企業である。 3.有価証券報告書を提出している。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1) 連結会社の状況2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ホールディングス12,845〔358〕フュエル&パワー0〔0〕パワーグリッド20,449〔1,228〕エナジーパートナー3,139〔13〕リニューアブルパワー1,641〔7〕合計38,074〔1,606〕 (注) 「従業員数」は就業人員数(出向人員等を除く)であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載している。 (2) 提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)7,20045.021.98,595,666 (注) 1.当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしていない。 2.「従業員数」は就業人員数であり、出向人員等は含まない。 3.「平均年間給与(税込み)」は、基準外賃金を含む。 4.59歳到達年度までに「再雇用や転籍により65歳まで就労する」又は「60歳の定年まで就労する」のいずれかの就労形態を選択する。 ただし、転籍を選択する特別管理職に限り、先行して57歳到達年度に転籍を行う。 5.労働組合の状況について特記するような事項はない。 (3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異① 提出会社 当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業等取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者6.388.984.483.384.6 (注)3,4 (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。 3.「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業等取得率」「労働者の男女の賃金の差異」に関する取り組み等については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」を参照。 4.当社の女性社員比率は12.4%、男女別の社員平均年齢は男性が45.4歳、女性が44.0歳である。 ② 連結子会社 当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業等取得率(%)労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者東京電力パワーグリッド㈱5.889.1 (注)379.279.867.0 (注)4東京電力エナジーパートナー㈱11.193.3 (注)382.181.087.3 (注)4東京電力リニューアブルパワー㈱2.985.2 (注)375.873.177.7 (注)4東電不動産㈱6.9100.0 (注)373.177.965.2 東京パワーテクノロジー㈱3.178.0 (注)3 (注)572.474.052.9 東電設計㈱2.255.0 (注)283.682.168.5 ㈱テプコシステムズ8.273.7 (注)281.881.6- 東京レコードマネジメント㈱16.750.0 (注)279.286.882.3 東京電設サービス㈱1.0100.0 (注)294.480.895.3 東電タウンプランニング㈱4.2100.0 (注)3 (注)582.577.872.3 東電用地㈱6.966.7 (注)2 (注)582.483.878.9 テプコ・ソリューション・アドバンス㈱16.7100.0 (注)2 (注)570.776.475.9 東電物流㈱3.0150.0 (注)2 (注)584.690.983.1 TEPCO光ネットワークエンジニアリング㈱3.7-(対象者なし) (注)285.981.175.8 東電ハミングワーク㈱9.1-(対象者なし) (注)3112.1112.1-(対象者なし) 東双不動産管理㈱12.0- --- ㈱当間高原リゾート-66.0 (注)2--- ㈱ファミリーネット・ジャパン19.175.0 (注)2--- 日本ファシリティ・ソリューション㈱2.1- --- 東京発電㈱2.9-(対象者なし) (注)277.376.7-(対象者なし) (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。 3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。 4.「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業等取得率」「労働者の男女の賃金の差異」に関する取り組み等については「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」を参照。 5.育児休業等取得率の数値は正規雇用のみ。 ③ 東京電力ホールディングス株式会社及び基幹事業会社 当事業年度補足説明管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業等取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1全労働者うち正規雇用労働者うちパート・有期労働者6.489.281.981.473.3 (注)3,4 (注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。 3.「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業等取得率」「労働者の男女の賃金の差異」に関する取り組み等については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」を参照。 4.基幹事業会社は東京電力フュエル&パワー㈱、東京電力パワーグリッド㈱、東京電力エナジーパートナー㈱及び東京電力リニューアブルパワー㈱の4社である。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 (1) 経営環境及び経営方針等当社グループを取り巻く経営環境は、カーボンニュートラルの実現を目指す世界的な潮流、激甚化・広域化する自然災害に対応したレジリエンス強化の要請、国際情勢を受けた全世界的な燃料価格の高騰など、大きく変化している。 このような事業環境の変化に対応していくため、第四次総合特別事業計画(以下、「四次総特」という。 )のもと、原子力事業における一連の不適切事案等により毀損した地域や社会の皆さまからの信頼回復に最優先で取り組むほか、多核種除去設備等処理水(以下、「ALPS処理水」という。 )の海洋放出については、2021年4月に国から示された基本方針を踏まえ、安全性の確保と風評影響を最大限抑制するための取り組みを主体的に行っていく。 加えて、カーボンニュートラルや防災を軸とした新たな価値を提供するビジネスモデルへと転換を図り、更なる収益力拡大と企業価値向上を実現していく。 (https://www.tepco.co.jp/about/corporateinfo/business_plan/overall_special_plan.html) [東京電力ホールディングスグループ経営理念] (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等四次総特のとおり、賠償・廃炉に関して、当社グループ全体で年間約5,000億円程度の資金を確保する。 加えて、年間約4,500億円規模の利益創出も可能な収益基盤を目指す。 (3) 経営環境及び対処すべき課題等小売事業の競争激化や原子力発電所の長期停止、ESG・SDGsに代表される社会的課題に対する意識の高まり、自然災害の激甚化・広域化に伴う防災・電力レジリエンスの強化に向けた社会的要請に加え、新型コロナウイルス感染症の流行がもたらした経済・社会活動の変容など、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化している。 このような事業環境変化のなかでも、多様化する社会的な要請にお応えするため、当社グループは安定供給の継続に最大限尽力しながら、「カーボンニュートラル」と「防災」を軸とした、新たな価値を提供するビジネスモデルへと事業構造の変革を図り、収益力向上につなげていく。 また、当社グループは一丸となって、福島第一原子力発電所の事故を決して風化させることなく、福島への責任を全うするため、「復興と廃炉の両立」を推進していくとともに、引き続き、2021年4月に国から示された「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」を踏まえ、安全を最優先として海洋放出を進めるとともに、関係者の皆さまの理解醸成に向けた丁寧な説明を積み重ねていく。 柏崎刈羽原子力発電所では、7号機において、燃料装荷後に実施する健全性確認を一通り実施し、原子炉の起動に必要な設備の機能が十分に発揮できることを確認した。 6号機においては、設計及び工事計画の認可と保安規定変更の認可を取得するとともに、必要な安全対策工事および対象となる使用前事業者検査を実施した後、原子炉への燃料装荷を開始した。 引き続き、コミュニケーションブースや発電所の視察などを通じて、原子力の必要性や、発電所の状況をお伝えし、皆さまのご疑問やご懸念にお答えすることで、より一層、ご理解を深めていただけるよう取り組んでいく。 電力供給の面では、2024年度冬季は、皆さまの省エネ・節電への継続的なご協力により、安定供給を確保することができた。 2025年度夏季の、7月の東京エリアを含む広域ブロックの厳気象H1需要に対する予備率は、最低限必要な3%を確保しているものの、電源の計画外停止や燃料調達リスク等に備え、引き続き最大限対応していく。 また、昨今、電力業界では、公正な競争や事業者への信頼を揺るがす事案が発生している。 このような状況を踏まえ、当社グループとしては、社内体制の強化や社員教育などを通じて、関係法令の遵守を徹底するとともに、不適切な行為の防止に努めていく。 さらには、ワークライフバランスの実現と幸福度の向上を目的に、社員一人ひとりが快適に働くことができる環境づくりや、人と組織が最大限のパフォーマンスを発揮できる働き方の実現を目指して、“TEPCO Work Innovation”を推進していく。 ① 当年度の施策[ホールディングス]<福島事業>イ.福島復興に向けた取り組み当社は、これまでの賠償に加え、中間指針第五次追補等を踏まえた追加賠償などをすすめ、当年度末までに累計11兆5,442億円をお支払いしてきた。 追加賠償については、請求されていない方々へのご請求の呼びかけを継続し、対象者の約9割の方々へのお支払いが完了した。 また、新型コロナウイルス感染症対策として、福島県外で働く社員の復興推進活動への派遣を一時中断していたが、昨年5月から派遣を再開し、全社員一丸となってご帰還に向けた環境整備に取り組んでいる。 ロ.福島第一・第二原子力発電所の廃炉福島第一原子力発電所については、敷地舗装や陸側遮水壁等による地下水流入量の低減を継続するなど、汚染水発生量の低減を図ってきたほか、燃料デブリの取り出しについては、2号機において、昨年9月に試験的取り出しに着手し、昨年11月にはテレスコ式装置を用いて燃料デブリの採取に成功した。 この取り出し着手により、廃炉作業は中長期ロードマップにおける新たな段階に移行した。 また、ALPS処理水の海洋放出については、国際原子力機関(以下、「IAEA」という。 )から国際的な安全基準に合致し、人及び環境に与える放射線の影響は無視できる程度との評価をいただき、2023年8月に政府による放出開始の判断が示されたことを受けて、放出を開始した。 放出開始後も、引き続きIAEAによるレビューを受け、海域モニタリングを強化するなど、客観性・透明性の確保に取り組むとともに、ホームページや国内外のメディアなどの様々な媒体を通じて、正確でわかりやすい情報発信に努めてきた。 さらに、ALPS処理水の海洋放出の進捗により、使用しなくなったタンクの解体にも着手し、燃料デブリの取り出し関連施設を設置する敷地を確保している。 一部の国・地域による輸入停止措置の影響を受ける国産水産品については、販売イベントの開催等に加え、食品卸売事業者と流通促進に向けた包括連携協定を締結するなど、消費の拡大や国内外の販路開拓等にも取り組んできた。 また、ALPS処理水の海洋放出に伴う被害については、適切な賠償に努めてきた。 福島第二原子力発電所については、廃止措置計画に定めた廃止措置工程に基づき、第1段階となる解体工事準備期間の主要な作業プロセスである、使用済燃料乾式貯蔵施設の設置に向けた準備を進めている。 <経済事業>ハ.原子力発電事業の取り組み柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向け、7号機については、燃料装荷後の健全性の確認をすすめ、原子炉の起動に必要な設備の機能が十分に発揮できることを確認した。 6号機については、新規制基準適合性審査に真摯に対応し、設計及び工事計画の認可と保安規定変更の認可を取得するとともに、必要な安全対策工事および対象となる使用前事業者検査を実施した後、原子炉への燃料装荷を開始した。 柏崎刈羽原子力発電所における使用済燃料に関する取り組みでは、プールの貯蔵率が9割を超えている7号機から、貯蔵量に余裕がある3号機への使用済燃料380体の号機間輸送を実施した。 リサイクル燃料貯蔵株式会社のリサイクル燃料備蓄センターでは、新規制基準に基づく安全対策工事等を完了し、柏崎刈羽原子力発電所からの使用済燃料集合体69体を収納する一基目のキャスクの輸送を行った。 原子力災害時の避難に関するご懸念の声に対しては、自治体が策定する避難計画の実効性を高めるため、新潟県との原子力防災に関する協力協定に基づき、自治体をはじめ関係機関と連携しながら、原子力防災訓練を積み重ねてきた。 また、日本のエネルギー事情や発電所の安全対策、原子力災害に対する備えについて、地域のみなさまにご理解いただけるよう、コミュニケーションブースや大規模な説明会などを開催し、対面での理解活動に取り組んできた。 あわせて、発電所の視察の受け入れを拡大するとともに、SNSなども含めた様々な手段による情報発信も幅広く実施してきた。 ニ.持続的な成長の実現に向けた取り組み省エネルギーが進展する一方で、データセンターの新増設や電化の推進などにより国内の電力需要は増加に転じることが見込まれている。 こうした事業環境の変化を的確に捉えるため、安定供給とカーボンニュートラルの両立を軸に原子力事業や送配電事業等において必要な投資を進めてきた。 一方で投資の増加に加えて、昨今の物価や金利上昇なども重なり足元のフリーキャッシュフローはマイナスとなっている。 こうした厳しい財務状況のなか、グループの総力を挙げて効率的なコスト削減に取り組むとともに、経営資源の効率的かつ機動的な配分を行うため、個別事業ごとの優先順位付けによる投資の厳選を進めるなど、事業の選択と集中に取り組んできた。 [フュエル&パワー]・供給力確保とクリーンエネルギー供給基盤の構築燃料調達の不確実性が世界的に増大し、安定供給の重要性が高まるなか、燃料の価格高騰・調達リスクを踏まえた供給力の確保や、カーボンニュートラル達成に向けた再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤の構築を株式会社JERAに求めるとともに、その課題解決に向けて、同社を支援・監督してきた。 株式会社JERAは、具体的な取り組みとして、JERA Global Markets社を通じたLNG調達の最適化等により燃料を安定的かつ機動的に確保したほか、最新鋭の五井火力発電所1~3号機の営業運転を開始するなど、供給力の確保に努めてきた。 また、2035年度までに2013年度比でCO2排出量60%以上の削減を目指す「JERA環境コミット2035」を踏まえ、水素・アンモニアへの燃料転換に取り組むとともに、bp社との間で、両社の洋上風力発電事業を統合するJERA Nex bp社を設立する旨の合意をするなど再生可能エネルギー事業も推進してきた。 [パワーグリッド]・送配電ネットワークの強靭化と事業領域の拡大電力供給の信頼度を確保しながら、効率的でサステナブルな事業運営に取り組んできた。 具体的には、レベニューキャップ制度のもとでの高経年化設備の着実な更新をすすめるとともに、データセンターの新増設等により増加する電力需要に対応するため、千葉県印西市に超高圧変電所や地中送電線を新設し、昨年6月に運用を開始するなど、健全な送配電ネットワークの維持と強靭性の向上に取り組んだ。 また、物流等における社会課題に着目し、他の送配電事業者と柱上変圧器の共同輸送に関する実証実験を行うなど、調達改革にも取り組んだほか、DXの推進等を通じ、業務の効率化によるコスト低減をはかるなど、生産性の向上に努めてきた。 加えて、他社と共同で設立した事業体が世界で初めてドローン航路を整備し、送電設備の巡視・点検を行うためのドローンやシステム等の提供サービスを開始したほか、ベトナムにおいてエネルギーマネジメントに関する実証に取り組むなど、国内外で送配電ネットワークの新たな価値創造や事業領域の拡大に向けた取り組みを加速してきた。 [エナジーパートナー]・社会情勢の変化に応じた新たな価値の提供自然災害の激甚化やカーボンニュートラルの潮流を受け、エネルギーの地産地消に取り組んできた。 具体的には、再開発事業において、AIを活用し効率的に電気と熱エネルギーの地産地消を可能とする仕組みを導入するとともに、街区全体の防災力を向上させる取り組みに着手した。 ご家庭のお客さまに対しては、テレビCM・キャンペーンや多様なチャネルを用いた営業活動を通じて、太陽光発電設備やおひさまエコキュート、蓄電池を活用した新しい生活スタイルをご提案し、多くのお客さまにご採用いただいた。 また、余剰となった再生可能エネルギーの活用や電力の需給バランスを確保するための調整力の創出に向けて、法人のお客さまに太陽光発電と蓄熱槽を組み合わせたデマンドレスポンスサービスの提供を開始したほか、蓄電池メーカー等と家庭用蓄電池の遠隔制御の実証を行った。 加えて、現在の費用構造を踏まえ、2025年4月からの料金について適正化をはかり、収支の安定化に取り組んできた。 [リニューアブルパワー]・国内外における再エネ発電事業の推進国内水力発電事業において、当年度は5箇所の既設水力発電所のリパワリングを完了させ、発電電力量のさらなる増加と設備信頼度の向上に取り組んだほか、ドローンの自律飛行によるダム点検作業を実証するなどDXを活用した保安業務の高度化を推進し、事業基盤の強化に取り組んできた。 洋上風力発電事業においては、住友商事株式会社と設立したみらいえのしま合同会社が長崎県西海市に事務所を開設し、同市江島沖の海底地盤調査を実施するなど着床式洋上風力発電の事業開始に向けた準備を着実に進めてきた。 また、他事業者と共同で設立した浮体式洋上風力技術研究組合を通じて、浮体式洋上風力発電事業におけるコストとリスクを低減させる共通基盤技術の開発を行い、商用化に取り組んできた。 さらに、海外子会社であるFlotation Energy社が手掛ける浮体式洋上風力プロジェクトがイギリスにおける再エネ支援スキームのオークションにおいて落札を果たすなど、国外においても洋上風力発電事業を推進してきた。 ② 優先的に対処すべき課題[ホールディングス]<福島事業>イ.「3つの誓い」に基づく賠償と復興に向けた取り組み当社は、引き続き、中間指針第五次追補等を踏まえた追加賠償の請求をされていない方々への呼びかけを実施するなど、「3つの誓い」として掲げた「最後の一人まで賠償貫徹」、「迅速かつきめ細やかな賠償の徹底」、「和解仲介案の尊重」に基づき、迅速かつ適切な賠償を進めていく。 あわせて、特定帰還居住区域の環境整備など、ご帰還に向けた取り組みを行うとともに、地域の皆さまとのコミュニケーションを大切にしながら、引き続き環境再生・復興推進活動を継続していく。 また、廃炉関連製品の製造工場の建設等による就労機会の創出や産業基盤の整備等に向けた取り組みを他社とともにすすめるなど、福島の復興に貢献していく。 ロ.地域と共生した福島第一原子力発電所の廃炉の貫徹長期にわたる廃炉の貫徹に向け「廃炉中長期実行プラン」のもと、現場・現物を踏まえたプロジェクト管理と安全・品質管理の機能の強化を図り、安全・着実かつ計画的に廃炉作業を進めていく。 燃料デブリの取り出しについては、2号機の段階的な取り出し規模の拡大に向け、研究開発の成果を廃炉作業に適用するためのエンジニアリングを進めるとともに、取り出し規模のさらなる拡大に向けて、まず3号機において、燃料デブリ取り出し工法評価小委員会の提言等を踏まえて、取り出し方法を決定する。 使用済燃料プールからの燃料取り出しについては、1号機への大型カバーの設置完了と2号機における燃料取り出しの開始に向けて、安全かつ着実に取り組んでいく。 また、「復興と廃炉の両立」の方針のもと、地元企業の参画拡大や域外企業の誘致を通じて、浜通り地域における廃炉関連産業の形成を推進し、地域の雇用創出や人財育成、産業・経済基盤の創造に貢献していく。 ALPS処理水の海洋放出にあたっては、実施計画に基づく安全・品質の確保や科学的根拠に基づく情報の国内外への発信、海域モニタリングの強化など、政府の基本方針を踏まえた取り組みを着実に進めていく。 また、IAEAによるレビューを通じた客観性・透明性の確保に努めていく。 さらに、ALPS処理水の放出に伴う風評影響を最大限抑制すべく、国内外の理解醸成に向けた科学的根拠に基づく情報発信に加えて、一部の国・地域による国産水産品の輸入停止措置に対しては、国内外の販売イベント等を通じた消費拡大や代替販路の確保など、引き続き流通促進活動に取り組んでいく。 また、ALPS処理水の海洋放出に伴う被害に対しては、適切に賠償していく。 <経済事業>ハ.原子力発電事業の取り組み電力供給のレジリエンス強化やカーボンニュートラル社会の実現などの観点から、柏崎刈羽原子力発電所は必要不可欠な電源である。 技術的準備が完了した7号機に続き、6号機についても再稼働に向けた準備を着実にすすめることで、7号機の特定重大事故等対処施設の設置期限を迎える本年10月以降も、発電所としての稼働を継続できる状態とし、日本の電力供給の安定化と電源の脱炭素化に貢献していく。 緊急時の対応については、関係機関との連携を密にしながら、原子力防災訓練を積み重ねていくことで、対応力の向上をはかっていく。 また、自治体が作成する避難計画の実効性を高めるため、関係する自治体のご意見を踏まえ、事業者として可能な限り最大限の支援を行っていく。 あわせて、自然災害への備えとして、当社施設の活用など、住民の方々への支援についても検討を進めていく。 地域のみなさまの信頼やご理解が得られるよう、これまで以上に理解活動に取り組み、地域のみなさまの声を事業運営に活かしていく。 ニ.当社グループの事業戦略と収益力向上への取り組みDXやGXの進展に伴い、国内の電力需要の増加が見込まれるなど、当社グループをとりまく事業環境は大きく変化している。 こうした環境変化を大きなビジネスチャンスと捉え、国内の電気事業において必要な投資を引き続き進めるとともに、発電事業、送配電事業、小売事業における施策を有機的に連携させ、当社グループの収益基盤を強化していく。 また、足元の設備投資が大幅な増加に加え、物価や金利上昇なども相まって厳しい財務状況が続いている中でも福島への責任を貫徹するため、不断の経営改革や投資の厳選をはじめとした最大限の経営合理化を進めるとともに、原子力損害賠償・廃炉等支援機構と協議のうえ第五次総合特別事業計画を策定し、安定供給・カーボンニュートラルの両立と企業価値の向上に向けて取り組んでいく。 [フュエル&パワー]カーボンニュートラルの実現が求められるなか、国際情勢の悪化を受けてエネルギー安全保障の重要性が一段と高まるなど、株式会社JERAを取り巻くグローバルな事業環境は変化し続けている。 こうした事業環境のもと、同社は供給力の確保及び「JERAゼロエミッション2050」に向けた再生可能エネルギーの開発・導入や水素・アンモニア等を組み合わせたゼロエミッション火力発電の実現に向けた取り組みを行っている。 東京電力フュエル&パワー株式会社は、株式会社JERAにおけるこのような課題への対策が、同社の施策に随時、柔軟に反映されるよう、事業計画の策定への関与とその進捗に対するモニタリング等による質の高いコミュニケーションを通じて、支援・監督していく。 こうしたなか、株式会社JERAが余剰電力の一部をスポット市場に供出しておらず昨年11月に電力・ガス取引監視等委員会から業務改善勧告を受けたことについては、大変重く受け止めており、同社が策定した再発防止策の着実な実行状況を引き続き注視していく。 [パワーグリッド]今後も省エネルギー化がすすむ一方で、生成AIの普及に代表されるDXの進展や、GX推進に伴う電化の促進等による電力需要の増加が見込まれている。 こうした状況下において、地域のレジリエンス強化などの送配電ネットワークに対する新たな要請や、労務費・資材市況の上昇、施工力の確保といった課題も踏まえつつ、関係機関や事業者と連携し、適地における先行的・計画的な系統整備を図るなど、効率的かつ確実な設備保全・拡充の取り組みを進めていく。 加えて、他業種も含めた国内外の事業者との協業・連携等を通じて事業領域の拡大にも取り組んでいく。 また、情報管理に関する体制整備の不備等に対する業務改善計画に基づく取り組みを確実にすすめ、引き続き内部統制システムの一層の強化をはかり、一般送配電事業の中立性・信頼性を確保していく。 [エナジーパートナー]お客さまから選ばれ続けるパートナーとなるために、事業の選択と集中をすすめ、エネルギーコストの削減・安定化とカーボンニュートラルの実現といったお客さまのニーズにあわせたご提案を行っていく。 具体的には、エネルギーコストの安定化に対するお客さまのニーズに応じた料金プランの充実をはかるとともに、卸電力市場を通じた市場調達と相対取引による電源調達を組み合わせた最適な調達ポートフォリオの構築に努めていく。 また、太陽光発電設備と蓄電池等を活用したエネルギーの地産地消を推進し、カーボンニュートラルに資する設備サービス事業をより一層強化していく。 加えて、データセンターや半導体工場の新増設に伴う電力需要の増加が見込まれるため、これを好機と捉え、一層の需要獲得と収益拡大に取り組んでいく。 [リニューアブルパワー]水力発電所のリパワリングやダムの運用高度化による発電電力量のさらなる増加に取り組むとともに、IoT技術の活用による設備保全業務の効率化を推進し、国内水力発電事業の収益性を向上させていく。 また、これまで培った技術力やノウハウを最大限活用した技術支援により、海外における水力発電所のバリューアップにも取り組んでいく。 洋上風力発電事業については、長崎県西海市江島沖での運転開始に向けた開発を着実にすすめるほか、国内外における案件を積み上げ、事業拡大に向けた競争力強化に取り組んでいく。 さらに、浮体式洋上風力発電の技術開発をすすめ、国内における広域かつ大規模な商用化の早期実現をめざしていく。 こうした取り組みを通じて、再生可能エネルギーの長期安定電源化を推進し、主力電源化を実現していく。 (注)本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。 本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。 (1) カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み① ガバナンス・リスク管理当社グループは、気候変動のリスク及び機会を含むESG対応を重要な経営課題と認識し、当社の取締役会は責任者(ESG担当役員)を選任している。 当社の取締役会は、戦略、行動計画及び業績目標の進捗等を確認するなど気候変動のリスク及び機会について監督している。 また、当社の社長を委員長とするESG委員会にて定期的にESG課題について審議しており、リスク管理委員会と連携している。 重要なテーマについては、当社の取締役会等で活発な議論を行っている。 [東京電力ホールディングス株式会社の体制]② 戦略当社グループは、ビジョン達成に向けた価値創造を実現するための戦略として、2022年4月にカーボンニュートラルに関する事業方針を公表した。 2019年に日本のエネルギー企業として初めてTCFD提言に賛同して以降、再生可能エネルギー発電事業会社を分社化するなど先行的な取り組みを進めており、安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けて事業構造を変革し、社会とともに持続可能な成長を実現していく。 今後は、現在の大規模電源・大量送電から、自家発電・自家消費といった地産地消型の社会に移行していくと想定されるが、当社グループの強みである「電力を中心としたエネルギーに関する幅広く、また深い技術や知見」は、どのようなシナリオとなっても必要不可欠である。 このような状況を踏まえ、当社グループは、ベースロード電源として水力・原子力・地熱を活用していくとともに、洋上風力をはじめとした再生可能エネルギーの開発に取り組んでいく。 また、「貯めて使う」地産地消型システムを推進するため、これまでの電気(kWh)の販売事業から、お客さまに密着した設備サービス事業にビジネスモデルの軸を大胆にシフトし、お客さま設備から生み出されるエネルギー資源を集めて、需給調整・環境価値取引等のニーズに応えられるようアグリゲーション事業を展開する。 これらの新たな事業は社会・コミュニティ等の「まち」単位で、面的に拡大していく。 ビジネスモデルの変革にあたっては、設備サービス・アグリゲーション事業の全国展開を最重点分野とし、アライアンスを進めながら現在の事業体制の組み換えも含めたグループ再編も視野に入れた事業構造変革を検討していく。 [ビジネスモデルの変革] ③ 指標及び目標当社グループはカーボンニュートラルの実現に向けて、「2030年度に販売電力由来のCO2排出量を基準年度比で50%削減(※)」、さらには「2050年におけるエネルギー供給由来のCO2排出実質ゼロ」という目標を掲げ取り組んでいく。 (※)Scope1、2、3の販売電力由来。 Scope1、2は2019年度比、Scope3は2013年度比。 2023年度の販売電力由来のCO2排出量の実績は7,840万t-CO2であった。 [カーボンニュートラルロードマップ] なお、2023年度の当社及び基幹事業会社を対象とした温室効果ガス排出量はScope1が20万t-CO2、Scope2(※)が590万t-CO2であった。 (※)電力購入先ごとの排出係数に基づき算定する基準(マーケット基準)にて算出している。 (2) 人的資本当社及び基幹事業会社は、事業環境変化の中にあっても、福島への責任を果たすため、電力の安定供給を果たしながら、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを進めている。 こうした事業を進める基盤は人であり、人をかけがえのない財産と捉え、人的資本への積極的な投資に取り組んでいる。 人と組織のありたい姿を示したHR-Visionを掲げ、5つの優先領域を設定した人財マネジメント方針を策定し、これらを実践することで、社員一人ひとりが経営理念を体現する世界に通用するプロフェッショナル人財へと成長することを後押ししている。 また、人権に対する社会的な意識が高まる中、一人ひとりが人権尊重の大切さを理解し、行動することで、安心・安全に働ける環境を築き、それをありたい姿の実現に結び付けていく。 ① ガバナンス・リスク管理当社及び基幹事業会社は、人財リソースの確保への対応を重要な経営課題と認識しており、取締役会は、執行役の中から人財戦略の責任者(CHRO)を選任し、毎月の業務執行状況の報告を受けるなどして、人財戦略、行動計画及び業績目標の進捗等をモニタリング・監督している。 また当社の執行役会並びに執行役を中心とした経営会議等では、全社的な課題の抽出や対応方針について審議している。 また、当社及び基幹事業会社に影響を与える外部環境とそれに関係するリスクの発現可能性、発現した場合の影響度、時間軸を総合的に評価し、人的資本経営・人権尊重の取り組みに活かしている。 ② 戦略当社及び基幹事業会社は、既存の電気事業を安定的に運営することで、電力の安定供給を果たすとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、分散型エネルギーリソースを活用した設備サービス事業の推進など事業構造の変革を進めている。 そのためには、電気事業を支える人財を安定的に確保し、DXや事業創造など重要経営課題に必要な人財を確保、育成・配置するリソースマネジメントを戦略的に実行することにより、「両利きの経営」をさらに加速していく必要があり、経営戦略と連動した人財戦略として、5つの優先領域を設定し、取り組みを重点的に進めることで、社員一人ひとりの意欲や能力、組織のパフォーマンスの最大化をめざしていく。 また、CHROをはじめ、各事業主体のCOOや企画担当役員をメンバーとしたHR委員会を設け、HRに関する全社大の重要経営課題について議論を行っている。 その中では、事業戦略と人財戦略との整合を図るとともに、HRや各主体が課題解決に向けて責任を持って取り組むサイクルを構築している。 [人財戦略について] ※ 上記は当社及び基幹事業会社を対象としている。 <優先領域1:リソースマネジメント>電気事業を支える人財の確保に向けては、採用手法の多様化により、新卒社員、即戦力社員を計画的に採用するとともに、若年層のリテンションやミドル層、シニア層がより意欲・パフォーマンス高く活躍し続けられる魅力ある仕組みを整備している。 一方で、重要経営課題に必要な人財を優先配置するとともに、事業構造の変革や経営基盤の強化に向けては、中長期にわたり事業戦略上重要なスキル領域(DX、事業創造、海外事業)を特定し、将来、どこでどのようなスキルを持った人財が必要かを明らかにした上で、担い手となる人財を質・量ともに計画的に確保、育成することで、仕事と人の最適化をめざしていく。 <優先領域2:「両利きの経営」を加速する人事戦略>取り巻く環境の変化に対応し、事業を牽引できる経営リーダーや技術・技能の継承を推進する電力プロフェッショナル人財、新たな事業を創造できる稼ぐ力を持った人財の育成に向けたサイクルを構築し、挑戦・選択できる機会を付与している。 また、社員一人ひとりのスキルや経験等の人財情報を一元管理し、タレントマネジメントによる、適所適財を実現していく。 特に、経営リーダーの育成に向けては、ビジネスを牽引できる経営リーダーを安定・継続的に輩出できるよう、候補人財の選抜や育成を目的とした戦略的人財育成委員会を設置し、選抜、育成、モニタリング等の育成サイクルに経営層が直接関わり、指名委員会と連携した後継者育成の仕組みを構築している。 また、稼ぐ人財の育成として市場のニーズや競争状況に適応しながら、革新的な発想や戦略を展開し、新しいビジネスアイデアを実現するために、適性のある人財を社内から発掘し、研修や自律的な学習支援、OJTなどを通じて育成している。 <優先領域3:DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)>人と組織がともに成長し、創造性の高い、レジリエントな組織構築に向けて、性別・年代などの多様な人財が、お互いの違いを尊重し、受け入れるとともに、多様な視点を活かす「両利きの経営」の基盤となるDEIを推進している。 DEIを実現させるため、性別や多世代が融合するコラボレーション、育児や介護と仕事の両立、障がい、LGBTQ等の施策や、ガイドライン・ガイドブックをグループ全体に展開して理解を深め、誰もが自分らしく働けるインクルーシブな組織・風土づくりを推進している。 <優先領域4:TEPCO Work Innovation>社員一人ひとりのワークライフバランスの実現と幸福度向上を目的に、快適に働くことができる環境づくりを進めており、仕事と働き方の変革の推進に向けた様々な取り組みを展開している。 働き方の選択肢の多様化や労働時間マネジメントの適正化などの働き方改革とカイゼン・DXを用いた業務改革に一体的に取り組むことで、人と組織が最大限のパフォーマンスを発揮できる働き方の実現を目指している。 また、社員一人ひとりの“個”に着目し、個人の力が最大限発揮できるよう、1on1ミーティングやマネジメント教育の充実など個人の成果と成長に向き合う対話・支援型のマネジメント力を強化するための取り組みを展開し、社員の成長や組織の活力向上を促進している。 <優先領域5:基盤強化>人と組織の活力、生産性を高める上では、社員のエンゲージメントを向上させることが極めて重要と考え、「社員幸福度」を総合KPIとして設定している。 また、「社員幸福度」を構成する3つの重要指標として、社員一人ひとりの「働きがい」、「成長実感」、「ワークライフバランス」を設定し、全社員対象の社員意識調査で測定している。 調査の結果は、経営会議や企業倫理委員会等に報告すると同時に、社外有識者からもご意見をいただき、全社的な施策の検討・実施につなげている。 また、速やかに各組織にフィードバックし、自職場の強みや弱みの理解を促した上で、エンゲージメント向上につながる施策の自律的な展開を推進している。 さらには、社員意識調査の結果を活用して、活力ある働き方を実践している現場第一線職場へ訪問・ヒアリングを行い、取り組みを社内広報で紹介するなど、好事例の社内展開にも取り組んでいる。 また、人権尊重の取り組みとして、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した人権尊重の仕組みを構築し、あらゆるステークホルダーの人権が尊重されるよう、人権への負の影響の防止と軽減するための取り組みを行っている。 具体的には、「東京電力グループ人権方針」をコミットメントとし、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)を展開するとともに、救済メカニズムを構築し運用している。 人権DDについては、「自社」「連結子会社」「サプライヤー」を優先対応スコープとして特定し、取り組みを進めている。 ガバナンスの体制としてCHROが委員長を務める人権委員会において、計画の審議・モニタリングや、人権に関するリスク低減策の議論・提言を実施する等、PDCAサイクルを主導している。 取り組み状況は定期的に取締役会へ報告しており、取締役会が執行側を監督する体制も整えている。 また、取り組みの実効性を高めるためには社員の理解が欠かせないため、社員の人権方針理解度や職場における人権尊重度について2030年度目標を設定し、研修等を実施している。 事業活動を行う国や地域の法改正等、外部環境の変化にも目を配り対応することで、グローバルビジネスにおけるリスクの予見や管理にも寄与するものと考えており、当社グループが信頼され選ばれ続ける企業グループとなるため、社内外のステークホルダーとともに人権尊重の取り組みを推進している。 ③ 指標及び目標当社及び基幹事業会社は、人財戦略の総合KPIとして、「社員幸福度」と「人的資本ROI」を設定している。 また、「社員幸福度」、「人的資本ROI」の向上に向けて、HR-Visionや5つの優先領域への取り組みにおける主要なKPIを設定し、成果や進捗を評価しているほか、依願退職率や長時間労働者数等のリスクに関するKPIを設定し、指標のモニタリングを行っている。 今後も企業価値向上に寄与する効果的・効率的な人的資本への投資の実行に向けて、人的資本の可視化、KPIのモニタリングや刷新を進める。 [指標について] [当社及び基幹事業会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異]<管理職に占める女性労働者の割合>2024年度末の管理職に占める女性労働者の割合は6.4%(2023年度末6.0%、2022年度末5.9%、2021年度末5.8%)であり、女性の採用・育成強化等により、次世代女性リーダーの拡大を進めている。 女性社員の中からミドルマネジメント人財を選抜し、育成プログラムとして一元管理している。 各人の適性等を踏まえた経験・スキル付与など、更なる育成強化を図っている。 <男性労働者の育児休業等取得率>2024年度の男性労働者の育児休業等取得率は89.2%である。 セミナー開催やメッセージ配信により性別役割分業意識を払拭し、性別等の属性に関わらず誰もが活躍できる職場環境を整えるとともに、男女ともに家庭と仕事の両立を実現できる働き方の変革に取り組んでいる。 <労働者の男女の賃金の差異>2024年度の労働者の男女の賃金の差異は81.9%であり、2023年度からはほぼ横ばい傾向にある。 当社及び基幹事業会社では、同じ役割であれば男女で賃金の差は設けていないが、主に以下の要因により女性より男性の賃金が高くなっていると考えている。 イ.女性の出産・育児期のキャリアの断絶性別役割分業意識による出産・育児期のキャリア断絶により、一時的に仕事をペースダウンする女性が多く、結果として賃金が高い傾向にある管理職層の比率が女性に比べ男性の方が高くなっている。 ロ.若年層女性従業員の増加女性活躍推進の観点から女性の採用を強化しており、結果として賃金の低い傾向にある若年層の比率が男性に比べ女性の方が高くなっている。 ハ.扶養手当など諸手当の支給有無の差女性よりも男性の方が家族を扶養している割合が高い等、諸手当が支給されている比率が女性に比べ男性の方が高くなっている。 <今後の取り組み>イ.キャリア継続への支援2023年4月より、育児休業を取得した社員の復職支援施策として、関東近郊35か所の企業主導型保育所の利用を可能とする制度を導入している。 また、育児休業の取得等により不足しがちな経験を補完するため、キャリア実現の意識を高めるキャリア形成支援を行うとともに、リーダー育成等の様々な研修を提供している。 加えて、リモートワーク制度やフレックスタイム制度の活用により、通勤時間の削減や柔軟な勤務が可能となり、社員の働き方の選択肢が拡大している。 引き続きTEPCO Work Innovationを推進し、場所や時間に囚われず働き、キャリアを継続できる環境を整えていく。 ロ.若年層女性従業員の確実な育成当社及び基幹事業会社では、長期的な視点で人財を育成している。 若年層に対しては、階層別研修をはじめ、自律的な学びの機会を付与し、個人が持つ能力を発揮できるよう成長を後押ししている。 その他詳細は、当社のホームページ及び「TEPCO統合報告書2024」を参照。 (https://www.tepco.co.jp/about/ir/library/annual_report/) |
戦略 | ② 戦略当社グループは、ビジョン達成に向けた価値創造を実現するための戦略として、2022年4月にカーボンニュートラルに関する事業方針を公表した。 2019年に日本のエネルギー企業として初めてTCFD提言に賛同して以降、再生可能エネルギー発電事業会社を分社化するなど先行的な取り組みを進めており、安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けて事業構造を変革し、社会とともに持続可能な成長を実現していく。 今後は、現在の大規模電源・大量送電から、自家発電・自家消費といった地産地消型の社会に移行していくと想定されるが、当社グループの強みである「電力を中心としたエネルギーに関する幅広く、また深い技術や知見」は、どのようなシナリオとなっても必要不可欠である。 このような状況を踏まえ、当社グループは、ベースロード電源として水力・原子力・地熱を活用していくとともに、洋上風力をはじめとした再生可能エネルギーの開発に取り組んでいく。 また、「貯めて使う」地産地消型システムを推進するため、これまでの電気(kWh)の販売事業から、お客さまに密着した設備サービス事業にビジネスモデルの軸を大胆にシフトし、お客さま設備から生み出されるエネルギー資源を集めて、需給調整・環境価値取引等のニーズに応えられるようアグリゲーション事業を展開する。 これらの新たな事業は社会・コミュニティ等の「まち」単位で、面的に拡大していく。 ビジネスモデルの変革にあたっては、設備サービス・アグリゲーション事業の全国展開を最重点分野とし、アライアンスを進めながら現在の事業体制の組み換えも含めたグループ再編も視野に入れた事業構造変革を検討していく。 [ビジネスモデルの変革] |
指標及び目標 | ③ 指標及び目標当社グループはカーボンニュートラルの実現に向けて、「2030年度に販売電力由来のCO2排出量を基準年度比で50%削減(※)」、さらには「2050年におけるエネルギー供給由来のCO2排出実質ゼロ」という目標を掲げ取り組んでいく。 (※)Scope1、2、3の販売電力由来。 Scope1、2は2019年度比、Scope3は2013年度比。 2023年度の販売電力由来のCO2排出量の実績は7,840万t-CO2であった。 [カーボンニュートラルロードマップ] なお、2023年度の当社及び基幹事業会社を対象とした温室効果ガス排出量はScope1が20万t-CO2、Scope2(※)が590万t-CO2であった。 (※)電力購入先ごとの排出係数に基づき算定する基準(マーケット基準)にて算出している。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ② 戦略当社及び基幹事業会社は、既存の電気事業を安定的に運営することで、電力の安定供給を果たすとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、分散型エネルギーリソースを活用した設備サービス事業の推進など事業構造の変革を進めている。 そのためには、電気事業を支える人財を安定的に確保し、DXや事業創造など重要経営課題に必要な人財を確保、育成・配置するリソースマネジメントを戦略的に実行することにより、「両利きの経営」をさらに加速していく必要があり、経営戦略と連動した人財戦略として、5つの優先領域を設定し、取り組みを重点的に進めることで、社員一人ひとりの意欲や能力、組織のパフォーマンスの最大化をめざしていく。 また、CHROをはじめ、各事業主体のCOOや企画担当役員をメンバーとしたHR委員会を設け、HRに関する全社大の重要経営課題について議論を行っている。 その中では、事業戦略と人財戦略との整合を図るとともに、HRや各主体が課題解決に向けて責任を持って取り組むサイクルを構築している。 [人財戦略について] ※ 上記は当社及び基幹事業会社を対象としている。 <優先領域1:リソースマネジメント>電気事業を支える人財の確保に向けては、採用手法の多様化により、新卒社員、即戦力社員を計画的に採用するとともに、若年層のリテンションやミドル層、シニア層がより意欲・パフォーマンス高く活躍し続けられる魅力ある仕組みを整備している。 一方で、重要経営課題に必要な人財を優先配置するとともに、事業構造の変革や経営基盤の強化に向けては、中長期にわたり事業戦略上重要なスキル領域(DX、事業創造、海外事業)を特定し、将来、どこでどのようなスキルを持った人財が必要かを明らかにした上で、担い手となる人財を質・量ともに計画的に確保、育成することで、仕事と人の最適化をめざしていく。 <優先領域2:「両利きの経営」を加速する人事戦略>取り巻く環境の変化に対応し、事業を牽引できる経営リーダーや技術・技能の継承を推進する電力プロフェッショナル人財、新たな事業を創造できる稼ぐ力を持った人財の育成に向けたサイクルを構築し、挑戦・選択できる機会を付与している。 また、社員一人ひとりのスキルや経験等の人財情報を一元管理し、タレントマネジメントによる、適所適財を実現していく。 特に、経営リーダーの育成に向けては、ビジネスを牽引できる経営リーダーを安定・継続的に輩出できるよう、候補人財の選抜や育成を目的とした戦略的人財育成委員会を設置し、選抜、育成、モニタリング等の育成サイクルに経営層が直接関わり、指名委員会と連携した後継者育成の仕組みを構築している。 また、稼ぐ人財の育成として市場のニーズや競争状況に適応しながら、革新的な発想や戦略を展開し、新しいビジネスアイデアを実現するために、適性のある人財を社内から発掘し、研修や自律的な学習支援、OJTなどを通じて育成している。 <優先領域3:DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)>人と組織がともに成長し、創造性の高い、レジリエントな組織構築に向けて、性別・年代などの多様な人財が、お互いの違いを尊重し、受け入れるとともに、多様な視点を活かす「両利きの経営」の基盤となるDEIを推進している。 DEIを実現させるため、性別や多世代が融合するコラボレーション、育児や介護と仕事の両立、障がい、LGBTQ等の施策や、ガイドライン・ガイドブックをグループ全体に展開して理解を深め、誰もが自分らしく働けるインクルーシブな組織・風土づくりを推進している。 <優先領域4:TEPCO Work Innovation>社員一人ひとりのワークライフバランスの実現と幸福度向上を目的に、快適に働くことができる環境づくりを進めており、仕事と働き方の変革の推進に向けた様々な取り組みを展開している。 働き方の選択肢の多様化や労働時間マネジメントの適正化などの働き方改革とカイゼン・DXを用いた業務改革に一体的に取り組むことで、人と組織が最大限のパフォーマンスを発揮できる働き方の実現を目指している。 また、社員一人ひとりの“個”に着目し、個人の力が最大限発揮できるよう、1on1ミーティングやマネジメント教育の充実など個人の成果と成長に向き合う対話・支援型のマネジメント力を強化するための取り組みを展開し、社員の成長や組織の活力向上を促進している。 <優先領域5:基盤強化>人と組織の活力、生産性を高める上では、社員のエンゲージメントを向上させることが極めて重要と考え、「社員幸福度」を総合KPIとして設定している。 また、「社員幸福度」を構成する3つの重要指標として、社員一人ひとりの「働きがい」、「成長実感」、「ワークライフバランス」を設定し、全社員対象の社員意識調査で測定している。 調査の結果は、経営会議や企業倫理委員会等に報告すると同時に、社外有識者からもご意見をいただき、全社的な施策の検討・実施につなげている。 また、速やかに各組織にフィードバックし、自職場の強みや弱みの理解を促した上で、エンゲージメント向上につながる施策の自律的な展開を推進している。 さらには、社員意識調査の結果を活用して、活力ある働き方を実践している現場第一線職場へ訪問・ヒアリングを行い、取り組みを社内広報で紹介するなど、好事例の社内展開にも取り組んでいる。 また、人権尊重の取り組みとして、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した人権尊重の仕組みを構築し、あらゆるステークホルダーの人権が尊重されるよう、人権への負の影響の防止と軽減するための取り組みを行っている。 具体的には、「東京電力グループ人権方針」をコミットメントとし、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)を展開するとともに、救済メカニズムを構築し運用している。 人権DDについては、「自社」「連結子会社」「サプライヤー」を優先対応スコープとして特定し、取り組みを進めている。 ガバナンスの体制としてCHROが委員長を務める人権委員会において、計画の審議・モニタリングや、人権に関するリスク低減策の議論・提言を実施する等、PDCAサイクルを主導している。 取り組み状況は定期的に取締役会へ報告しており、取締役会が執行側を監督する体制も整えている。 また、取り組みの実効性を高めるためには社員の理解が欠かせないため、社員の人権方針理解度や職場における人権尊重度について2030年度目標を設定し、研修等を実施している。 事業活動を行う国や地域の法改正等、外部環境の変化にも目を配り対応することで、グローバルビジネスにおけるリスクの予見や管理にも寄与するものと考えており、当社グループが信頼され選ばれ続ける企業グループとなるため、社内外のステークホルダーとともに人権尊重の取り組みを推進している。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ③ 指標及び目標当社及び基幹事業会社は、人財戦略の総合KPIとして、「社員幸福度」と「人的資本ROI」を設定している。 また、「社員幸福度」、「人的資本ROI」の向上に向けて、HR-Visionや5つの優先領域への取り組みにおける主要なKPIを設定し、成果や進捗を評価しているほか、依願退職率や長時間労働者数等のリスクに関するKPIを設定し、指標のモニタリングを行っている。 今後も企業価値向上に寄与する効果的・効率的な人的資本への投資の実行に向けて、人的資本の可視化、KPIのモニタリングや刷新を進める。 [指標について] [当社及び基幹事業会社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異]<管理職に占める女性労働者の割合>2024年度末の管理職に占める女性労働者の割合は6.4%(2023年度末6.0%、2022年度末5.9%、2021年度末5.8%)であり、女性の採用・育成強化等により、次世代女性リーダーの拡大を進めている。 女性社員の中からミドルマネジメント人財を選抜し、育成プログラムとして一元管理している。 各人の適性等を踏まえた経験・スキル付与など、更なる育成強化を図っている。 <男性労働者の育児休業等取得率>2024年度の男性労働者の育児休業等取得率は89.2%である。 セミナー開催やメッセージ配信により性別役割分業意識を払拭し、性別等の属性に関わらず誰もが活躍できる職場環境を整えるとともに、男女ともに家庭と仕事の両立を実現できる働き方の変革に取り組んでいる。 <労働者の男女の賃金の差異>2024年度の労働者の男女の賃金の差異は81.9%であり、2023年度からはほぼ横ばい傾向にある。 当社及び基幹事業会社では、同じ役割であれば男女で賃金の差は設けていないが、主に以下の要因により女性より男性の賃金が高くなっていると考えている。 イ.女性の出産・育児期のキャリアの断絶性別役割分業意識による出産・育児期のキャリア断絶により、一時的に仕事をペースダウンする女性が多く、結果として賃金が高い傾向にある管理職層の比率が女性に比べ男性の方が高くなっている。 ロ.若年層女性従業員の増加女性活躍推進の観点から女性の採用を強化しており、結果として賃金の低い傾向にある若年層の比率が男性に比べ女性の方が高くなっている。 ハ.扶養手当など諸手当の支給有無の差女性よりも男性の方が家族を扶養している割合が高い等、諸手当が支給されている比率が女性に比べ男性の方が高くなっている。 <今後の取り組み>イ.キャリア継続への支援2023年4月より、育児休業を取得した社員の復職支援施策として、関東近郊35か所の企業主導型保育所の利用を可能とする制度を導入している。 また、育児休業の取得等により不足しがちな経験を補完するため、キャリア実現の意識を高めるキャリア形成支援を行うとともに、リーダー育成等の様々な研修を提供している。 加えて、リモートワーク制度やフレックスタイム制度の活用により、通勤時間の削減や柔軟な勤務が可能となり、社員の働き方の選択肢が拡大している。 引き続きTEPCO Work Innovationを推進し、場所や時間に囚われず働き、キャリアを継続できる環境を整えていく。 ロ.若年層女性従業員の確実な育成当社及び基幹事業会社では、長期的な視点で人財を育成している。 若年層に対しては、階層別研修をはじめ、自律的な学びの機会を付与し、個人が持つ能力を発揮できるよう成長を後押ししている。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載している。 また、必ずしもこれに該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示している。 当社では、社長を統括責任者、最高リスク管理責任者をリスク運用・管理責任者とするリスク管理体制を整えており、各基幹事業会社の社長、リスク管理担当役員等と連携することにより、平時・リスク顕在化時における当社グループのリスク管理を統括している。 取締役及び執行役は、当社及びグループ会社の事業活動に関するリスクを定期的に、また必要に応じて把握・評価し、毎年度の経営計画に適切に反映している。 また、グループ全体のリスク管理が適切になされるよう社内規程を整備している。 当該リスクは、社内規程に従い、業務所管箇所が、職務執行の中で管理することを基本とし、複数の所管に関わる場合は、組織横断的な委員会などで審議の上、適切に管理している。 経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについては、執行役社長を委員長とする「リスク管理委員会」において、リスクの顕在化を予防するとともに、万一顕在化した場合には迅速かつ的確に対応することにより、経営に及ぼす影響を最小限に抑制している。 加えて、従業員に対して、関係法令教育や社内規程・マニュアルの教育を定期的に実施している。 しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にあり、以下のリスクが顕在化した場合、事業に大きな影響を与える可能性がある。 なお、各リスク項目の記載順序については、事業への影響度や発現可能性などを踏まえて判断した重要度に基づいている。 本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。 ① 福島第一原子力発電所の廃炉 影響度特大発現可能性高想定されるリスク内容当社では、「東京電力HD(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に基づき安全に最大限留意しつつ、廃炉作業を進めているが、これまでに経験のない燃料デブリの取り出しにかかる技術的に不透明かつ未解明な課題や、身体汚染、汚染水の漏えいなどのトラブルが発生した場合には、廃止措置が計画通りに進捗しない可能性がある。 ALPS処理水については、政府の基本方針を踏まえ海洋放出を開始しているが、設備の点検漏れや確認不足、操作ミスなどに伴う設備停止などのトラブルの発生、ALPS処理水のモニタリング結果や設備状態に関する情報発信の不十分さ、不誠実な賠償の対応などに伴い、地域や社会の皆さまからのご理解が得られず、これを継続できない可能性がある。 汚染水については、地下水流入抑制対策など重層的な対策により着実に発生量の抑制が進められているが、大雨などにより、計画通りに汚染水発生量の抑制ができない可能性がある。 こうした廃炉の取り組みが円滑に進まず、計画以上に長期に及ぶ場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策廃炉作業は世界でも前例のない取り組みであり、今後の進むべき大きな目標である中長期ロードマップなどをベースに、徐々に得られる新たな情報や知見を踏まえ「廃炉中長期実行プラン」を策定している。 「復興と廃炉の両立」を通した「福島への責任を貫徹」を目指し、地域や社会の皆さまのご理解をいただきながら進めるべく、廃炉作業の進捗と今後の見通しについて、より丁寧にわかりやすくお伝えしていく。 今後も2号機燃料デブリ試験的取り出しなどを通し、新たな情報や知見を一つひとつ集め、「廃炉中長期実行プラン」を進捗や課題に応じて定期的に見直しながら、30~40年後の廃止措置終了に向け、安全に最大限留意しつつ、計画に基づき着実に対応を進めていく。 これまでに発生したトラブルを踏まえ、福島第一原子力発電所は、前例に乏しい取り組みが山積していることに加え、高線量下の厳しい環境であることを再認識し、作業毎にリスクを抽出して対策を考え、実行する活動を継続している。 さらに、燃料デブリの試験的取り出しの中断事案等を踏まえ、当社は実施主体として、作業の準備段階から細部にわたる手順を確認するなどの対策を進めてきた。 また、地元企業をはじめ、廃炉に携わる企業との間で、発注側、受注側の立場を超え、廃炉の目的を共有し、達成するため「ワンチーム」をキーワードとして現場レベルでの協働体制の構築を進めていく。 ALPS処理水の海洋放出にあたっては、社内において関係部署を横断的に統括する体制を整備し、①設備運用の安全・品質の確保、②迅速なモニタリングと正確な情報発信、③IAEAレビュー等を通じた透明性の確保、④風評対策、そして損害が発生した時の適切な賠償に努めていく。 また、その状況を関係者や社会の皆さまに適時お伝えさせていただき、国内外から信頼いただけるよう取り組んでいく。 さらに、建屋屋根の補修や陸側遮水壁内側におけるフェーシングなど重層的な対策を講じるとともに、局所的な建屋止水を進めるなど更なる抑制対策により、汚染水の発生量の抑制を図っていく。 ② 電気の安定供給 影響度特大発現可能性高想定されるリスク内容大規模自然災害、設備事故、テロ・暴動などの妨害行為、燃料調達支障、感染症の発生などにより、長時間・大規模停電などが発生し、安定供給を確保できなくなる可能性がある。 これらの場合、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があるとともに、社会的信用を低下させ、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策計画段階における供給力不足(予備率不足)に対しては、2024年度の容量市場運用開始に伴い、国及び電力広域的運営推進機関が主体となり供給側の対策(kW公募など)並びに需要側の対策(デマンドレスポンスなど)の需給両面の対策を検討するが、当社は安定供給の維持に向け協力し、適切に対応していく。 日々の運用においては、週次で短期的な需給見通しの確認を行い、広域予備率をもとに適切なタイミングで追加の供給力電源の稼働やデマンドレスポンスなどの発動並びに情報発信を行っていく。 自然災害の激甚化・広域化については、電力レジリエンスの強化を軸に据え、内閣府中央防災会議などの被害想定をベースとした設備の補強を促進している。 設備事故の未然防止の観点からは、計画的かつ効率的に経年設備の更新を進めることで安定供給の維持に取り組んでいる。 テロ・暴動などの妨害行為へは、関係機関との平時からの緊密な連携により備えている。 被害軽減の観点からは、複数の送電系統を連系する設備の多重化により、設備の故障時に停電範囲や停電時間を極小化する取り組みを進めるとともに、被災設備の早期復旧に向けては、デジタル技術の積極的活用や、分散型電源として蓄電池・電動車両なども活用した電力供給手段の多様化、復旧資機材の確保や当社グループ一体での災害対応体制の整備、各種ハザードを想定した社内訓練や海上・陸上自衛隊、さらには国・自治体・一般送配電事業者などの関係者との連携・協働の強化などを図っている。 燃料調達については、国際情勢の緊迫化などに伴う、世界的なLNG需要の拡大による燃料調達リスクに対しても、引き続き、株式会社JERAにおいて燃料ポートフォリオの柔軟性やJERA Global Marketsによる燃料トレーディングを活用し、可能な限り安定的かつ柔軟な燃料調達に努めていくとともに、当社としてモニタリングに努めていく。 感染症対策については、基本的な感染対策の徹底やテレワーク・時差出勤の活用により社員の健康と安全を確保するとともに、感染症拡大に伴うエネルギー産業の構造変化、社会の動向を踏まえたビジネスモデルへの変化についても注視しながら必要な対応を適切に実施していく。 ③ 原子力発電・原子燃料サイクル 影響度特大発現可能性高想定されるリスク内容国による原子力政策の見直しや原子力規制委員会による安全規制の見直しなどにより、当社グループの原子力発電事業や原子燃料サイクル事業の運営は影響を受ける可能性があるとともに、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 原子力発電は、第7次エネルギー基本計画において「再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することが必要不可欠である。 」と記載されており、カーボンニュートラル実現に不可欠であることに加え、低廉で安定的な電力の供給、レジリエンス強化の観点からも重要な電源であり、二度と過酷事故を起こさないという決意のもと、安全対策の強化や組織の改革に取り組んでいる。 しかしながら、原子力発電の再稼働の見通しが立たない場合、火力燃料費の増加や不要となる核燃料資産の発生、発電設備の資産性の評価などにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 使用済燃料の再処理、放射性廃棄物の処分、原子力発電施設などの解体のバックエンド事業については、多額の資金と長期にわたる事業期間が必要になるが、その処理が滞ることなく適切に実施されるよう制度措置がされている。 具体的には、使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分、原子力発電施設などの解体については、それに要する費用を拠出する制度が措置されている。 こうした国による制度措置などによりバックエンド事業に関する不確実性は低減されているが、制度措置などの見直しや制度外の将来費用の見積額の増加、日本原燃株式会社の六ケ所再処理施設などの稼働状況、同ウラン濃縮施設に係る廃止措置のあり方などにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 対応策原子力発電に関しては、柏崎刈羽原子力発電所7号機の健全性確認を実施し、原子炉の起動に必要な主要設備の機能が発揮できることを確認したところである。 また、6号機についても再稼働に向け準備を進めているところ。 引き続き、発電所の安全性向上や核物質防護に関する改善の取り組みを一つひとつ積み上げていくとともに、地域の皆さまのご不安や心配される点に対して、発電所の取り組みを丁寧に説明していく。 さらに、当社は、本社機能の一部を発電所の立地する新潟県柏崎市へと移転し、本社と発電所の一体的な運営により、現場重視の事業運営を進め、地域の皆さまの声を発電所運営に活かすことができる体制を構築していく。 バックエンド事業に関しては、国の政策や関連する制度措置に則って適切に対応していくことで不確実性の低減を図るとともに、今後の政策、制度の動向を注視していく。 また、六ケ所再処理事業やウラン濃縮事業などの原子燃料サイクル事業の推進に協力していく。 高レベル廃棄物の最終処分については、当社は、廃棄物の発生者として基本的な責任を有する立場から、お問い合わせ窓口を設置するなど、国や原子力発電環境整備機構(NUMO)と連携しながら、地層処分の実現に向け、理解活動に積極的に取り組んでいる。 ④ 電源調達費用、販売価格、販売電力量 影響度特大発現可能性高想定されるリスク内容電源調達費用、販売価格は、国際情勢の緊迫化、外国為替相場の変動などに伴う燃料価格・卸電力市場価格の高騰や電源調達構造の変化の影響を受ける可能性がある。 これに加えて、販売価格は、小売市場の競争状況による影響を受ける可能性がある。 また、販売電力量は、気温や天候の影響、経済活動、生産活動に加え、節電や省エネルギー、カーボンニュートラル社会の実現に向けた対応など政策面、さらに小売市場の競争状況などの影響を受ける可能性がある。 これらにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 ただし、一定の範囲内の燃料価格・外国為替相場・卸電力市場価格の変動については、「燃料費調整制度」及び、「燃料費等調整制度」により、業績への影響は緩和される。 対応策電源調達費用、販売価格に関しては、電力デリバティブを活用したヘッジ取引、調達先の拡大などによるコスト削減などで、上述リスクの影響の最小化を図っている。 また、「特別高圧・高圧」のお客さまを対象に最新の販売動向、電源調達動向を適切に料金に反映させていただくため、燃料費等調整の算定諸元の見直しをさせていただいた。 販売電力量に関しても、価格変動を抑制する料金プランを求めるお客さまからのニーズに応じて、市場価格調整の割合が異なる3種類の電気料金プランの提供を開始させていただいた。 今後もより一層、徹底した経営効率化に取り組むとともに、お客さまニーズや市況に応じたサービスの提供や販売価格算定における原子力発電の再稼働の一部織り込みによる卸電力市場価格などの影響幅の圧縮なども実施し、お客さまのご負担を軽減しつつ、当社グループの財政状態の改善を図っていく。 ⑤ 火力発電用燃料価格 影響度大-特大発現可能性中-高想定されるリスク内容LNG、原油、石炭などの価格は、燃料国際市況や外国為替相場の動向などにより変動し、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 特に国際情勢の緊迫化などを受けた全世界的な燃料価格の高騰により、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 対応策株式会社JERAにおいて、世界最大級の調達規模を梃子に構築している価格競争力、価格変動リスク対応力に優れた燃料ポートフォリオ、JERA Global Marketsによる燃料トレーディング及び先物市場におけるヘッジの活用などにより燃料価格変動に伴うリスク対応に努めていく。 ⑥ 電気事業制度・エネルギー政策変更 影響度大-特大発現可能性中想定されるリスク内容電気事業における制度変更を含めたエネルギー政策の見直し、地球温暖化に関する環境規制の強化など、事業を進めていく上での政策面での変化への対応により、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 対応策エネルギー政策や電気事業に係る制度、環境規制に関する動向など必要な情報を幅広く、積極的に収集し、関係箇所で連携しながら様々な場を通じて当社グループの考え方を説明するとともに、必要な対応を実施していく。 ⑦ お客さまサービス 影響度大-特大発現可能性中-高想定されるリスク内容法令に反するお客さま応対などにより、お客さまからの当社グループ及び当社が提供するサービスへの満足度や社会的信用が大きく低下し、当社グループの業績、財政状態及び円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策当社グループは、2021年7月に新たな経営理念を定め、その下で総合特別事業計画に示す具体的戦略の実現に向けて、お客さまのために変革を恐れず挑戦する新たな企業文化を確立し、信頼され、選ばれ続ける企業になることを目指している。 販売活動などを担う東京電力エナジーパートナー株式会社においては、お客さまサービスの向上のために、実務に即した研修・教育や応対スクリプトの整備などを行うとともに、電話・訪問の機会を通じて収集した「お客さまの声」を業務改善に活かしている。 また、同社社長を委員長、弁護士及び消費者団体役員を社外委員、関係役員・部室長を委員とする営業品質管理委員会(半期に1回以上開催)において、不適切事例の再発防止に向けた各種取り組み、関連法令の改正への対応状況及びお客さまのWeb手続きの改善などの営業品質向上の取り組みを社内横断的に評価・確認し、更なる業務の改善に活かしている。 ⑧ 安全確保・品質管理・環境汚染防止 影響度大-特大発現可能性中-高想定されるリスク内容当社グループは、あらゆる事業、部門、事業所において、安全確保、品質管理、環境汚染防止に加え、それらの状況について透明性・信頼性の高い情報公開の徹底に努めているが、作業ミス、法令・社内ルール違反などによる事故や人身災害、大規模な環境汚染の発生、不適切な広報・情報公開により、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策当社グループは、企業の社会的責任を果たすため「東京電力グループ企業行動憲章」を制定し、そのもとで、事業活動のあらゆる場面において安全を最優先に掲げ、安全管理の取り組みについて、法令の遵守及び現場を起点とした安全活動による実効性があるルール・施策を策定・展開し、継続的に評価・改善に取り組んでいる。 特に、原子力事業では、管理者が現場における設備・人の状況を定期的に確認・改善するなど、現地現物を重視した安全・品質の向上に加え、外部専門家による指導・助言なども踏まえながら継続的な改善に取り組んでいく。 品質管理や環境管理についても、規程・マニュアルなどにより遵守すべきルールを定め徹底するとともに、内部監査などによりその遵守状況を確認し、必要な改善を適宜実施している。 情報公開については、お客さまや地域、社会の皆さまに必要な情報が正確に迅速に伝わることを意識して取り組んでいる。 ⑨ 企業倫理遵守 影響度大-特大発現可能性中-高想定されるリスク内容当社グループは、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取り組みに努めているが、法令違反などの企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下するなど、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 中でも、昨今、企業への要請の高まりが見られる「人権」については、社員、グループ会社社員の理解不足に起因する人権侵害が発生した場合、当社への批判などにより、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 また、原子力事業においては、安全文化醸成並びに核セキュリティ文化醸成の方針のもと、従事者に具体的に求められる行動を明確化し、一人ひとりが実践できるよう教育や対話活動などに取り組んでいる。 しかしながら、これらの取り組みが不十分な場合には、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策「東京電力グループ企業行動憲章」及び「東京電力グループ企業倫理遵守に関する行動基準」を定め、会社としての方向性や役員・従業員が遵守すべき具体的行動を明確にするとともに、社長を委員長とし社外有識者を含めた委員で構成する東京電力グループ企業倫理委員会を設置し、企業倫理の定着を図るための諸施策の審議・決定及びその実践状況について指導・助言を受け、組織ごとに企業倫理責任者・企業倫理担当者を配置することにより、東京電力グループ一体となった定着活動を実施している。 また、定期的に実施する意識調査において定着度合いを確認し、その結果を踏まえ、今後の活動方針を決定している。 さらに、東京電力グループ大で利用できる企業倫理相談窓口を社内外に設置し、グループ全体で企業倫理に反する行為の未然防止を図っている。 人権尊重の推進にあたっては、国際連合のビジネスと人権に関する指導原則に準拠した「東京電力グループ人権方針」(2021年8月)に基づき取り組んでいる。 具体的には、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築、eラーニングや研修による教育、救済メカニズムとしてあらゆるステークホルダーが利用可能な通報窓口の設置などを実施しており、これら取り組みのプロセスや実効性の評価結果を積極的に情報開示している。 原子力事業においては、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護事案などを受け、経営層による所員との対話活動や対話活動などから得られた意見に基づいた「柏崎刈羽原子力発電所の志」の作成、外部人材の登用などの施策により、内部コミュニケーションや所員のモチベーションの改善を行い、地域の皆さまから信頼される発電所を実現するための取り組みを継続して行っている。 ⑩ 情報管理・セキュリティ 影響度大-特大発現可能性高想定されるリスク内容サイバー事案や作業ミス、社内ルール違反などに伴い、電力供給やお客さまサービスに支障を与えた場合、及び当社グループが保有するお客さま情報や業務上の重要な情報が流出した場合には、当社グループの社会的信頼が失墜し、事業運営に甚大な影響を及ぼす可能性がある。 対応策高度化・巧妙化するサイバー事案に関しては、原子力事業進展や地政学変化を踏まえた脅威分析、防御対策、常時監視、対応・復旧訓練などあらゆる手段を用いてサイバーセキュリティ強化に努めている。 重要な情報の管理に関しては、社内規程の整備や情報流出などによって生じるお客さまや社会への影響について社員へ教育・啓発を行うとともに、社内システムの適正なアクセス制御や外部記憶媒体への情報書き出し制限などのシステム上の対策も実施している。 ⑪ 資材調達 影響度大発現可能性高想定されるリスク内容大規模災害の発生、国際情勢の緊迫化、感染症の蔓延などの影響によるサプライチェーンの混乱に加え、物価上昇、建設業をはじめとする担い手不足、さらに国内外調達先の倒産・撤退や海外依存度の高い資材の供給量低下といったサードパーティリスクの高まりにより、調達コストが高騰し、計画的な調達が阻害され、当社グループの業績、財政状態及び円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 また、当社のサプライチェーンにおいて当社グループ又は調達先が万が一、環境破壊や人権侵害に加担していたことが判明した場合、社会的信用を低下させ、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策当社グループにおけるサプライチェーンの持続的な確保に向けて、調達先については、取引先登録制度を採用し、あらかじめ適格性を担保するとともに、パートナーシップ構築宣言に示す当社グループのサプライチェーン全体の共存共栄を目指し、競争と共創拡大の方針のもと、調達先の多様化を図っている。 資材の納品遅れや製造不能の発生については、早期発注に加え、代替品の検討や在庫管理の徹底と工程調整による欠品リスクの回避、予備品の確保などで対処している。 物価上昇や担い手不足に対しては、サプライヤと十分に連携したうえで資材、要員確保を計画することで調達コストの抑制に努めるほか、地元企業の活用拡大にも取り組んでいる。 サードパーティリスクに対しては、サプライヤの動向把握や代替取引先の発掘に努めている。 また、環境問題・人権問題への社会的関心の高まりや、その重要性に鑑みて、「東京電力グループ調達基本方針」、「サステナブル調達ガイドライン」に則った、環境や人権問題に対する取り組み状況の確認や対話を通じた信頼関係の構築などを行うことで、サプライチェーン全体での持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいる。 ⑫ 物価・金利の変動 影響度大発現可能性高想定されるリスク内容当社グループは、国内電気事業に必要な発電・送変電・配電設備等の多数の設備を保有し、これらの設備の建設・更新工事等を計画的に進めていくために多額の投資資金が必要であり、近年は減価償却費を上回る設備投資額となっている。 なお、これらの必要資金に充当するため自己資金のほか金融機関からの借入及び社債の発行により資金を調達しており、当社グループの有利子負債残高は、2025年3月末時点で6兆5,097億円(総資産の43%に相当)となっている。 このため、物価・金利の変動については、設備投資・支払利息等の変動に繋がることから、今後の動向により、当社グループの業績及び財政状態に影響を受ける可能性がある。 対応策設備投資については、電気の安定供給の確保を大前提とした上で、中長期にわたる徹底的な投資精査・経営合理化を図り、収益性・資本効率性の最大化を目指していく。 また、支払利息に関しては、固定金利の社債発行で資金調達を実施するなど、金利変動リスクの低減に努めている。 ⑬ 気候変動等に関する取り組み 影響度大発現可能性中想定されるリスク内容当社グループは、「販売電力由来のCO2排出量を2013年度比で2030年度に50%削減」「2050年におけるエネルギー供給由来のCO2排出実質ゼロ」という目標を宣言し、カーボンニュートラル社会の実現に挑戦しているが、成長志向型カーボンプライシングを含むGX推進法の成立などCO2に関する規制の強化や、需要側での太陽光や蓄電池などの自家発電・自家消費、地産地消の広がりによる販売電力量の低下などにより、当社グループの業績、財政状態及び事業運営、企業イメージに影響を及ぼす可能性がある。 また、ESGに関する投資家の行動変容などにより、当社グループの資金調達や株価に影響を及ぼす可能性がある。 対応策当社グループの目標達成に向けては、長期的な安定供給とCO2削減を両立させつつ、ビジネスの軸を「カーボンニュートラル」にシフトし、当社グループ一体となり再エネ電源などのゼロエミッション電源の開発とエネルギー需要の電化促進の両輪での取り組みを展開していく。 今後の規制強化に対しては、GX推進法などの温暖化対策に関する制度設計など必要な情報を幅広く・積極的に収集し、関係箇所で連携しながら様々な場を通じて当社グループの考え方を説明するとともに、必要な対応を実施していく。 また、大規模電源・大量送電から、自家発電・自家消費といった地産地消型の社会への移行に対しては、これまでの電気(kWh)の販売事業から、お客さまに密着した設備サービス事業にビジネスモデルの軸を大胆にシフトし、新たな事業を社会・コミュニティなどの「まち」単位で、面的に拡大して取り組みを進めていく。 ビジネスモデルの変革にあたっては、設備サービス・アグリゲーション事業の全国展開を最重点分野としアライアンスを進めていく。 ESGに関する投資家の行動変容に対しては、ESG委員会やESG担当役員の設置など世界的なESGの潮流を経営に取り込む体制を整備し、ESG課題の抽出と社内改革などの対策、ESG情報開示を充実するとともに、カーボンニュートラルロードマップに記載した取り組み事項や生物多様性等の新たな要請にも着実かつ的確に対応しつつ、株主・投資家の皆さまとのエンゲージメントを通じて当社事業や取り組みに対する理解を深めていく。 ⑭ 四次総特に基づく経営改革 影響度大発現可能性中-高想定されるリスク内容当社グループは、福島への責任を果たしていくため、賠償・廃炉の資金確保や企業価値の向上を目指して、生産性改革、再編・統合を含めた連携などの推進及び事業基盤の強化などの非連続の経営改革に取り組んでいくとともに、原子力発電所を運営する主体として、地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまからの信頼回復の取り組みを最優先事項として位置付け、抜本的な改革に取り組んでいくが、信頼回復が十分に進まず、当社グループの業績、財政状態及び事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 加えて、2025年3月の四次総特変更認定に際する大臣指示も踏まえ、収支改善策の検討を推進するとともに、DX/GXの進展などの環境変化を捉えた安定供給と脱炭素の両立に向けた取り組み、アライアンス等も含む中長期的な企業価値向上に向けた取り組みについて取りまとめ、次期総特に反映する必要があるが、内外情勢の変化や検討の遅延などにより、検討とりまとめが遅れた場合、収支財務や事業運営に影響を及ぼす可能性がある。 対応策四次総特に基づく経営改革を実現していくために、責任者・期限・達成すべき内容などをアクションプランとして作成し、取り組みを進めている。 また、各アクションプランの進捗状況については重要度に応じたモニタリングを実施し、PDCAを回すことで計画を達成していく。 地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまからの信頼回復に向けて、経営層を含む組織全体で自己の弱点・課題を認識し、自律的に改善が進む組織になるよう原子力をはじめ経営改革を着実に進めるとともに、カイゼンを基軸とした生産性改革などによる経営合理化や、カーボンニュートラルや防災を軸とした新たな価値の提供などにより、企業価値の向上を実現していく。 なお、取り組みの推進にあたっては、2023年12月に原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会より発出された「東京電力による経営改革の取り組み等の検証・評価結果」の提言内容も踏まえながら、経営改革を着実に実行していく。 また、次期総特に向けた検討については、共同策定する原子力損害賠償・廃炉等支援機構を含め、社内外の関係組織と密に連携しながら、工程遅延が生じないよう、収支改善策や事業環境変化を捉えた取り組み等の検討、経営審議に向けた工程管理を進めていく。 ⑮ 機構による当社株式の引き受け 影響度大発現可能性中-高想定されるリスク内容当社は、2012年7月31日に原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」という。 )を割当先とする優先株式(A種優先株式及びB種優先株式。 以下A種優先株式及びB種優先株式をあわせて「本優先株式」という。 )を発行した。 A種優先株式には、株主総会における議決権のほか、B種優先株式及び普通株式を対価とする取得請求権が付されている。 また、B種優先株式には、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会における議決権は付されていないが、A種優先株式及び普通株式を対価とする取得請求権が付されている。 機構は、本優先株式の引受けにより総議決権の2分の1超を保有しており、株主総会における議決権行使などにより、当社グループの事業運営に影響が生じる可能性がある。 今後、機構によりB種優先株式のA種優先株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合、又は本優先株式について、普通株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合には、既存株式の希釈化が進む可能性がある。 特に、普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合には、既存株式の希釈化が進む結果として、持株会社である当社の株価が下落する可能性があるほか、当該普通株式を機構が市場売却した場合には、売却時の市場環境などによっては、さらに持株会社である当社の株価に影響を及ぼす可能性がある。 対応策当社グループ一体となって福島への責任貫徹を第一に、社会からの信頼回復、企業価値向上に向けて、経営合理化や原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会からの提言への対応も含め、引き続き最大限の努力を行っていく。 ⑯ 電気事業以外の事業 影響度大発現可能性中想定されるリスク内容当社グループは、海外事業を含む電気事業以外の事業を実施している。 これらの事業は、当社グループの経営状況の変化に加え、国際情勢の緊迫化、気候変動、顧客ニーズの変容、市況の変化(物価高騰、金利上昇、他社動向など)、サプライチェーン上の人権侵害、従業員の生命・身体に対する脅威などにより、投融資時点で想定した結果をもたらさず、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。 対応策当社グループの事業や従業員の安全に影響を与えうる政治的経済的な情勢、特に地政学リスクの高まりといった変化や潮目に対する感度を高くし、海外事務所と連携しながらタイムリーに現地情報を収集するなどしてリスクの回避並びに低減に努めている。 また、実施案件については、実施前には建設費の高騰や金利上昇等による投資採算性のリスク評価を含む厳格な投融資審査基準を設けて案件を厳選するほか、実施中は収益性やリスクに係るモニタリングを四半期ごとに行い不採算事業は撤退・縮小するなど、投資パフォーマンスの向上に努めている。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要は次のとおりである。 ① 財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態[資産・負債・純資産]当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ3,915億円増加し、14兆9,869億円となった。 これは、関係会社長期投資が増加したことなどによるものである。 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,434億円増加し、11兆2,008億円となった。 これは、有利子負債が増加したことなどによるものである。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,481億円増加し、3兆7,861億円となった。 これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによるものである。 この結果、自己資本比率は25.1%と前連結会計年度末に比べ1.0ポイント上昇した。 ロ.経営成績[概要]当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1.6%減の6兆8,103億円、経常利益は同40.2%減の2,544億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同39.8%減の1,612億円となった。 [売上高]当連結会計年度における各セグメントの売上高(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが7,962億円(前連結会計年度比12.4%増)、フュエル&パワーが37億円(前連結会計年度比2.8%減)、パワーグリッドが2兆3,452億円(前連結会計年度比6.4%増)、エナジーパートナーが5兆5,598億円(前連結会計年度比3.2%減)、リニューアブルパワーが2,121億円(前連結会計年度比34.2%増)となった。 総販売電力量は、前連結会計年度比0.1%減の2,286億kWhとなった。 [経常損益]当連結会計年度における各セグメントの経常損益(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが△507億円(前連結会計年度△1,271億円)、フュエル&パワーが577億円(前連結会計年度比67.0%減)、パワーグリッドが549億円(前連結会計年度比65.0%減)、エナジーパートナーが2,879億円(前連結会計年度比11.7%減)、リニューアブルパワーが536億円(前連結会計年度比18.8%増)となった。 [親会社株主に帰属する当期純利益]当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、特別利益に原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金873億円を計上した一方、特別損失に原子力損害賠償費803億円、災害特別損失626億円を計上したことなどから、1,987億円となった。 ここに、法人税、住民税及び事業税358億円、法人税等調整額10億円、非支配株主に帰属する当期純利益5億円を計上し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1,612億円となった。 なお、1株当たり当期純利益は100円67銭となった。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前連結会計年度末に比べ3,086億円(25.0%)減少し、9,264億円となった。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度比46.3%減の3,612億円となった。 これは、未払費用が減少したことなどによるものである。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度比23.0%増の8,592億円となった。 これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の収入は、前連結会計年度比64.1%減の1,941億円となった。 これは、短期借入れによる収入が減少したことなどによるものである。 ③ 生産及び販売の実績当社グループは、原子力発電等を行う「ホールディングス」、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「エナジーパートナー」及び再生可能エネルギー発電等を行う「リニューアブルパワー」の5つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。 加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の実績については、電気事業のみを記載している。 イ.発電実績 種別2024年度(百万kWh)前年同期比(%)発電電力量水力発電電力量10,70696.9火力発電電力量159102.5原子力発電電力量--新エネルギー等発電電力量73128.9発電電力量合計10,93897.1 (注) 1.上記発電実績には、連結子会社の一部を含んでいる。 2.2019年4月1日付けで㈱JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー㈱の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継させた。 これにより、火力発電電力量は東京電力パワーグリッド㈱の離島における発電電力量である。 ロ.販売実績(a) 総販売電力量 種別2024年度(百万kWh)前年同期比(%) 小売販売電力量187,18395.4卸販売電力量41,439127.4総販売電力量228,62199.9 (注) 連結子会社の一部を含んでいる。 (b) 電気料収入 種別2024年度(百万円)前年同期比(%)電気料収入4,314,73897.1 (注) 1.連結子会社の一部を含んでいる。 2.電気料収入は小売販売電力量に相当する。 3.「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス価格激変緩和対策事業」「酷暑乗り切り緊急支援」、及び「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、国が定める値引き単価による電気料金の値引きを行っており、その原資として補助金(以下、「当該補助金」という。 ) 176,379百万円を受領している。 内訳は「パワーグリッド」が751百万円、「エナジーパートナー」が175,628百万円である。 電気料収入には当該補助金収入を含んでいない。 (c) 託送収入 種別2024年度(百万円)前年同期比(%)託送収益1,597,429101.7 (注) セグメント間取引消去前。 ④ 託送供給料金東京電力パワーグリッド株式会社は、2023年12月1日、電気事業法第18条第1項に規定された「託送供給等約款」の変更に係る認可申請(発電側課金制度の導入に伴う供給条件の設定及び電気事業法第17条の2第4項の規定により2023年11月24日に経済産業大臣から承認された「託送供給等に係る収入の見通し」の変更に基づく新たな料金を設定)を経済産業大臣に行い、2024年1月17日に経済産業大臣の認可を受け、2024年4月1日から実施している。 主要託送供給料金は下記のとおりである。 託送供給料金表(消費税等相当額を含む料金単価) 単位料金単価(円)接続送電サービス低圧電灯定額接続送電サービス電灯料金10Wまで1灯 1か月につき35.5410W超過 20Wまで〃71.0920W 〃 40W 〃〃142.1940W 〃 60W 〃〃213.2860W 〃 100W 〃〃355.47100W 〃 100Wまでごとに〃355.47小型機器料金50VAまで1機器 1か月につき106.1750VA超過 100VAまで〃212.34100VA 〃 100VAまでごとに〃212.34電灯標準接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき230.67SB・主開閉器契約1kVA 1か月につき152.24SB契約;5Aの場合1契約 1か月につき76.12SB契約;15Aの場合〃228.36電力量料金1kWhにつき6.97電灯時間帯別接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき230.67SB・主開閉器契約1kVA 1か月につき152.24SB契約;5Aの場合1契約 1か月につき76.12SB契約;15Aの場合〃228.36電力量料金昼間時間1kWhにつき7.36夜間時間〃6.64電灯従量接続送電サービス〃10.76動力標準接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき731.97主開閉器契約〃461.14電力量料金1kWhにつき4.54 単位料金単価(円)接続送電サービス低圧動力時間帯別接続送電サービス基本料金実量契約1kW 1か月につき731.97主開閉器契約〃461.14電力量料金昼間時間1kWhにつき4.79夜間時間〃4.35動力従量接続送電サービス〃16.54高圧高圧標準接続送電サービス基本料金1kW 1か月につき653.87電力量料金1kWhにつき1.84高圧時間帯別接続送電サービス基本料金1kW 1か月につき653.87電力量料金昼間時間1kWhにつき1.93夜間時間〃1.75高圧従量接続送電サービス〃12.55ピークシフト割引1kW 1か月につき555.80特別高圧特別高圧標準接続送電サービス基本料金〃423.39電力量料金1kWhにつき0.91特別高圧時間帯別接続送電サービス基本料金1kW 1か月につき423.39電力量料金昼間時間1kWhにつき0.94夜間時間〃0.89特別高圧従量接続送電サービス〃7.85ピークシフト割引1kW 1か月につき359.89予備送電サービス高圧予備送電サービスA〃87.62予備送電サービスB〃109.20特別高圧予備送電サービスA〃71.13予備送電サービスB〃86.37系統連系受電サービス基本料金1kW 1か月につき87.01基本料金(離島のお客さま)〃79.85電力量料金1kWhにつき0.28系統設備効率化割引割引AA-11kW 1か月につき30.86A-2(受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合)〃5.72A-2(受電電圧が標準電圧140,000V以下の場合)〃11.44A-3(受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合)〃2.86A-3(受電電圧が標準電圧140,000V以下の場合)〃5.72割引BB-11kW 1か月につき48.99B-2〃17.80 (注) 1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。 2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。 3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。 ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。 4.系統設備効率化割引とは、需要地近郊や既に送配電設備が手厚く整備されている地域など、送配電設備の追加増強コストが小さい地域に接続する電源に対して、発電側課金の負担額を軽減するものである。 5.従来適用してきた近接性評価割引は、新たに導入する割引制度と趣旨や割引の考え方が重複している面もあることから廃止する。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものである。 ① 経営成績等当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、引き続き燃料価格や卸電力市場価格の低下がみられたものの、労務費・資材価格の高騰などにより、依然として厳しい状況が続いた。 こうした状況のもと、当社グループは、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)の進展に伴う電力需要の増加に対応するうえで必要な設備投資を適切に実施してきた。 これに伴い、フリーキャッシュフローのマイナスが続いているが、グループの総力を挙げて徹底的なコスト削減や事業の選択と集中をはじめとする不断の経営合理化を進めてきた。 当社グループの当連結会計年度の小売販売電力量は、主に特別高圧・高圧の分野において、厳しい競争環境が続いたことなどから、前連結会計年度に比べ4.6%減の1,872億kWhとなった。 このため、卸販売電力量が増加したものの、総販売電力量は、前連結会計年度に比べ0.1%減の2,286億kWhとなった。 当連結会計年度の連結収支については、売上高(営業収益)は、燃料価格の低下等により燃料費等調整額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ1.6%減の6兆8,103億円となった。 経常損益は、主に燃料費等調整制度の期ずれの影響が悪化したことなどから、前年度に比べ40.2%減の2,544億円となった。 また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金873億円を特別利益として計上した一方、原子力損害賠償費と災害特別損失を合わせ1,430億円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,612億円の利益となった。 当連結会計年度における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。 [ホールディングス]販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度に比べ12.4%増の7,962億円となった。 一方、当連結会計年度の特別負担金が前連結会計年度よりも減少したことなどから、経常損益は前連結会計年度比764億円増の507億円の損失となった。 [フュエル&パワー]持分法適用関連会社である株式会社JERAにおいて、燃料費調整制度の期ずれ影響が悪化したことなどから、経常利益は前連結会計年度比67.0%減の577億円となった。 [パワーグリッド]託送収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比6.4%増の2兆3,452億円となった。 一方、需給調整に係る費用や修繕費が増加したことなどから、経常利益は前連結会計年度比65.0%減の549億円となった。 [エナジーパートナー]燃料価格の低下等により燃料費等調整額が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比3.2%減の5兆5,598億円となった。 加えて、燃料費等調整制度の期ずれ影響が悪化したことなどから、経常利益は前連結会計年度比11.7%減の2,879億円となった。 [リニューアブルパワー]販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比34.2%増の2,121億円となった。 これに伴い、経常利益は前連結会計年度比18.8%増の536億円となった。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況イ.キャッシュ・フロー等(a) キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。 (b) 有利子負債2025年3月31日現在の社債、長期借入金、短期借入金、コマーシャル・ペーパーについては、以下のとおりである。 当連結会計年度(2025年3月31日) 1年以内(百万円)1年超2年以内(百万円)2年超3年以内(百万円)3年超4年以内(百万円)4年超5年以内(百万円)5年超(百万円)社債304,000220,000359,000376,000315,0001,961,000長期借入金12,4534,38816,92728,36210219,617短期借入金2,867,871-----コマーシャル・ペーパー25,000-----合計3,209,324224,388375,927404,362315,1021,980,617 上記については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項(注2)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額」にも記載。 ロ.財務政策当社グループとして、総合特別事業計画(2012年5月に主務大臣より認定。 )において機構から1兆円の出資を受けるとともに、取引金融機関に対し追加与信及び借換え等による与信を維持することなどをお願いしており、ご協力をいただいている。 これらの機構や金融機関の支援・協力のもとで、自己資本比率の改善、公募社債市場への復帰を2017年3月に実現しており、2024年度はパワーグリッドにおいて4,300億円の公募社債を発行し、リニューアブルパワーにおいて400億円のグリーンボンドを発行した。 引き続き社債の発行を継続するなど、当社グループの自律的な資金調達力の回復もはかっていく。 金融機関からの借入金や社債の発行により調達した資金は、電気事業等に必要な設備資金、借入金返済及び社債償還等に充当している。 設備投資計画については、「第3 設備の状況」のとおりであり、借入金返済及び社債償還の予定については、「② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況 イ.キャッシュ・フロー等 (b) 有利子負債」のとおりである。 また、当社グループでは、グループ全体でより効率的な資金の運用を図る観点からグループ金融制度を採用している。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等四次総特のとおり、賠償・廃炉に関して、当社グループ全体で年間約5,000億円程度の資金を確保する。 加えて、年間約4,500億円規模の利益創出も可能な収益基盤を目指す。 当連結会計年度における経常利益は2,544億円となった。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 当社グループの技術開発については、「東京電力ホールディングス㈱福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」並びに「四次総特」に基づき、「中長期ロードマップに基づいた廃炉の推進に向けた技術開発」、「原子力安全の確保と電気の安定供給の達成に資する技術開発」及び「カーボンニュートラル実現に向けた技術開発」を中心として取り組んでいる。 当連結会計年度の研究開発費の総額は、20,325百万円である。 なお、セグメントごとの研究開発費の内訳は、ホールディングスが8,393百万円、パワーグリッドが10,235百万円、エナジーパートナーが970百万円、リニューアブルパワーが726百万円である。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 設備投資については電気の安定供給維持に必要最低限な水準まで絞り込む一方、福島第一原子力発電所での廃炉・汚染水対策等を行った結果、当連結会計年度の設備投資額は、867,481百万円となった。 なお、セグメントごとの設備投資額の内訳(セグメント間取引消去前)は、以下のとおりである。 セグメントの名称項目設備投資額(百万円)ホールディングス原子力246,573原子燃料58,237その他40,740合計345,551フュエル&パワー -パワーグリッド送電161,461変電77,559配電186,396業務26,106その他8,710合計460,235エナジーパートナー業務11,718その他18,626合計30,344リニューアブルパワー水力・新エネルギー等35,930その他1,045合計36,976総計873,106 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 連結ベース及び提出会社の主要な設備の状況については、以下のとおりである。 (1) セグメントごとの設備概況 2025年3月31日現在セグメントの名称帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地建物機械装置その他相殺消去額等計ホールディングス(13,983)72,777269,916817,217△26,3791,133,53112,622フュエル&パワー(-)-31121△03320パワーグリッド(21,715)367,885150,1873,957,231△47,2994,428,00420,089エナジーパートナー(-)-19,03182,722△124101,6293,139リニューアブルパワー(227,071)15,28410,238391,891△0417,4131,547計(262,769)455,948449,6845,249,084△73,8046,080,91337,397 (注) 1.「土地」の( )内は面積(単位千㎡)である。 2.「従業員数」には建設工事専従者677(HD:223、PG:360、EP:0、RP:94)人を含まない。 (2) 提出会社 2025年3月31日現在区分セグメントの名称設備概要帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地建物機械装置その他計原子力発電設備ホールディングス発電所数1か所(9,732)19,370135,106743,711898,1885,056最大出力8,212,000kW業務設備ホールディングス-(29)2112,7549,68012,6461,913計-(9,761)19,581137,861753,391910,8346,969 (注) 1.福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所は、電気事業法に基づく廃止手続きを実施したため、原子力発電設備の発電所数に含まない。 ただし、「帳簿価額」、「土地」の面積及び「従業員数」には含んでいる。 2.「土地」の( )内は面積(単位千㎡)である。 3.上記のほか借地面積は1,234千㎡である。 その主なものは、原子力発電設備用借地1,234千㎡である。 4.「帳簿価額」には貸付設備71百万円、事業外固定資産37百万円及び附帯事業固定資産16百万円を含まない。 5.「従業員数」には建設工事専従者等231人を含まない。 6.上記設備には福利厚生施設を含んでいる。 主要発電設備 原子力発電設備 2025年3月31日現在発電所名セグメントの名称所在地出力(kW)土地面積(千㎡)福島第一ホールディングス福島県双葉郡大熊町-3,970福島第二ホールディングス福島県双葉郡楢葉町-1,527柏崎刈羽ホールディングス新潟県柏崎市8,212,0004,206 (注) 福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所は、電気事業法に基づく廃止手続きを実施したため、廃止となっている。 また、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震の影響等により、柏崎刈羽原子力発電所の全号機が停止している。 (3) 国内子会社 2025年3月31日現在会社名区分セグメントの名称設備概要帳簿価額(百万円)従業員数(人)土地建物機械装置その他計東京電力フュエル&パワー㈱業務設備フュエル&パワー-(-)-311213330東京電力パワーグリッド㈱水力発電設備パワーグリッド発電所数1か所(0)0029300最大出力50kW東京電力パワーグリッド㈱内燃力発電設備パワーグリッド発電所数10か所(73)9242,3945,2128,53040最大出力58,360kW東京電力パワーグリッド㈱新エネルギー等発電等設備パワーグリッド発電所数4か所(5)2151208001,1360最大出力3,415kW東京電力パワーグリッド㈱送電設備パワーグリッド架空電線路 (9,721)150,4957,2411,289,1941,446,9301,429亘長14,825km回線延長28,453km地中電線路 亘長6,551km回線延長12,692km支持物数49,656基東京電力パワーグリッド㈱変電設備パワーグリッド変電所数1,613か所(10,607)158,81263,094443,226665,1331,685出力1,500,000kW 283,077,410kVA調相設備容量49,795,260kVA東京電力パワーグリッド㈱配電設備パワーグリッド架空電線路 (285)14,54424,6002,185,2922,224,4375,917亘長347,462km電線延長1,034,192km地中電線路 亘長20,194km電線延長36,459km支持物数6,032,164基変圧器個数2,627,073個変圧器容量112,801,845kVA東京電力パワーグリッド㈱業務設備パワーグリッド本社1か所 総支社10か所電力所2か所 等(991)23,91936,78126,10186,8034,546東京電力エナジーパートナー㈱業務設備エナジーパートナー-(-)-78916,76417,5532,404東京電力リニューアブルパワー㈱水力発電設備リニューアブルパワー発電所数163か所(221,910)8,2247,503353,624369,352794最大出力9,797,694kW東京電力リニューアブルパワー㈱新エネルギー等発電等設備リニューアブルパワー発電所数5か所(230)6,04141,6917,7389最大出力50,770kW東京電力リニューアブルパワー㈱業務設備リニューアブルパワー-(-)-2619801,242327東京発電㈱水力発電設備リニューアブルパワー発電所数77か所(4,917)9932,06332,32335,379251最大出力191,367kW東京発電㈱新エネルギー等発電等設備リニューアブルパワー発電所数3か所(12)19 4062,0502,47520最大出力3,190kW (注) 1.変電設備出力の上段1,500,000kWは周波数変換設備の出力である。 2.「土地」の( )内は面積(単位千㎡)である。 3.上記のほか借地面積は189,716千㎡である。 その主なものは、送電設備用借地181,739千㎡である。 4.「従業員数」には建設工事専従者等511人を含まない。 5.上記設備には福利厚生施設を含んでいる。 水力発電設備 2025年3月31日現在会社名発電所名セグメントの名称所在地水系出力(kW)土地面積(千㎡)最大常時東京電力リニューアブルパワー㈱鬼怒川リニューアブルパワー栃木県日光市利根川127,0003,500594東京電力リニューアブルパワー㈱今市リニューアブルパワー栃木県日光市利根川1,050,000-910東京電力リニューアブルパワー㈱塩原リニューアブルパワー栃木県那須塩原市那珂川900,000-1,017東京電力リニューアブルパワー㈱矢木沢リニューアブルパワー群馬県利根郡みなかみ町利根川160,000-34東京電力リニューアブルパワー㈱玉原リニューアブルパワー群馬県利根郡みなかみ町利根川1,200,000-921東京電力リニューアブルパワー㈱神流川リニューアブルパワー群馬県多野郡上野村利根川・信濃川940,000-1,752東京電力リニューアブルパワー㈱葛野川リニューアブルパワー山梨県大月市富士川・相模川1,200,000-1,367東京電力リニューアブルパワー㈱秋元リニューアブルパワー福島県耶麻郡猪苗代町阿賀野川107,5007,2001,202東京電力リニューアブルパワー㈱安曇リニューアブルパワー長野県松本市信濃川623,000-3,253東京電力リニューアブルパワー㈱水殿リニューアブルパワー長野県松本市信濃川245,000-895東京電力リニューアブルパワー㈱新高瀬川リニューアブルパワー長野県大町市信濃川1,280,000-2,162東京電力リニューアブルパワー㈱中津川第一リニューアブルパワー新潟県中魚沼郡津南町信濃川127,00013,900343東京電力リニューアブルパワー㈱信濃川リニューアブルパワー新潟県中魚沼郡津南町信濃川181,00088,400457 主要送電設備 2025年3月31日現在会社名線路名セグメントの名称種別電圧(kV)亘長(km)東京電力パワーグリッド㈱西群馬幹線パワーグリッド架空500(一部1,000kV設計)168.07東京電力パワーグリッド㈱南新潟幹線パワーグリッド架空500(一部1,000kV設計)110.75東京電力パワーグリッド㈱南いわき幹線パワーグリッド架空500(一部1,000kV設計)195.40東京電力パワーグリッド㈱福島幹線パワーグリッド架空500181.62東京電力パワーグリッド㈱福島東幹線パワーグリッド架空500171.35東京電力パワーグリッド㈱新豊洲線パワーグリッド地中50039.50東京電力パワーグリッド㈱葛南世田谷線パワーグリッド地中27532.50東京電力パワーグリッド㈱千葉葛南線パワーグリッド地中27530.38 主要変電設備 2025年3月31日現在会社名変電所名セグメントの名称所在地最高電圧(kV)出力(kVA)土地面積(千㎡)東京電力パワーグリッド㈱新野田パワーグリッド千葉県野田市5007,800,000288東京電力パワーグリッド㈱新京葉パワーグリッド千葉県船橋市5007,500,000373東京電力パワーグリッド㈱房総パワーグリッド千葉県市原市5006,690,000239東京電力パワーグリッド㈱新富士パワーグリッド静岡県駿東郡小山町5006,690,000325東京電力パワーグリッド㈱新古河パワーグリッド茨城県猿島郡境町5006,000,000234 主要業務設備 2025年3月31日現在会社名事業所名セグメントの名称所在地土地面積(千㎡)東京電力パワーグリッド㈱本社パワーグリッド東京都千代田区 ほか356東京電力パワーグリッド㈱総支社等パワーグリッド東京都新宿区 ほか659 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却等の計画については、以下のとおりである。 (1) 概要連結ベースの2025年度の設備投資計画は、951,465百万円である。 セグメントごとの設備投資計画の内訳(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが406,858百万円、フュエル&パワーが1百万円、パワーグリッドが467,855百万円、エナジーパートナーが28,557百万円、リニューアブルパワーが50,767百万円である。 なお、重要な設備の除却、売却等の計画はない。 (2) 2025年度設備投資計画設備投資計画については、電気の安定供給の確保を前提とした上で、中長期にわたる徹底的な経営合理化により設備投資額を抑制するよう努めていく。 主要な設備計画水力会社名件名セグメントの名称出力(千kW)着工運転開始東京電力リニューアブルパワー㈱葛野川 1号機 2号機 3号機 4号機リニューアブルパワー各4001号機 1992年11月2号機 1992年11月3号機 1997年8月4号機 1997年8月1号機 1999年12月2号機 2000年6月3号機 2035年度以降4号機 2014年6月東京電力リニューアブルパワー㈱神流川 1号機 2号機 3号機 4号機 5号機 6号機リニューアブルパワー各4701997年2月1号機 2005年12月2号機 2012年6月3号機 2035年度以降4号機 2035年度以降5号機 2035年度以降6号機 2035年度以降 原子力会社名件名セグメント の名称出力(千kW)着工運転開始東京電力ホールディングス㈱東通 1号東通 2号ホールディングス各1,3851号 2011/12号 未定1号 未定2号 未定 送電会社名件名セグメントの名称電圧(kV)亘長(km)着工運転開始東京電力パワーグリッド㈱鹿島海浜線接続変更パワーグリッド2754番線:0.22024年12月(4番線)2025年4月(4番線)東京電力パワーグリッド㈱福島幹線山線接続変更パワーグリッド5001号線:1.12号線:1.12024年6月2025年5月(1号線)2025年8月(2号線)東京電力パワーグリッド㈱千葉印西線増設パワーグリッド2753番線:10.54番線:10.52024年5月2027年2月(3番線)2025年11月(4番線)東京電力パワーグリッド㈱東清水線新設パワーグリッド27518.8(既設流用6.4含む)2023年4月2027年1月東京電力パワーグリッド㈱北武蔵野線増設パワーグリッド27513.92024年9月2027年5月東京電力パワーグリッド㈱MS18GHZ051500アクセス線(仮称)新設パワーグリッド2751号線:0.12号線:0.12026年9月2027年8月(1号線)2027年9月(2号線)東京電力パワーグリッド㈱新宿線引替パワーグリッド2751番線:22.1→21.22番線:19.9→21.23番線:19.8→21.22019年9月2030年8月(1番線)2032年11月(2番線)2027年12月(3番線)東京電力パワーグリッド㈱東新宿線引替パワーグリッド2752番線:23.4→5.03番線:23.4→5.32026年度2032年11月(2番線)2027年12月(3番線)東京電力パワーグリッド㈱新袖ヶ浦線新設パワーグリッド5001号線:0.12号線:0.12027年7月2028年11月(1号線)2029年5月(2号線)東京電力パワーグリッド㈱G5100026アクセス線新設パワーグリッド5000.52024年6月2028年12月東京電力パワーグリッド㈱城北線新設パワーグリッド27520.92022年9月2033年8月 変電会社名件名セグメントの名称電圧(kV)増加出力着工運転開始東京電力パワーグリッド㈱新豊洲変電所変圧器増設パワーグリッド275/66300MVA2024年10月2026年1月東京電力パワーグリッド㈱新所沢変電所変圧器増容量パワーグリッド500/2751,000MVA2025年4月2026年4月(4B)2027年6月(5B)東京電力パワーグリッド㈱千葉印西変電所変圧器増設パワーグリッド275/66600MVA2025年4月2026年5月(4B)2027年2月(1B)東京電力パワーグリッド㈱豊岡変電所変圧器増設パワーグリッド275/154450MVA2024年11月2026年6月東京電力パワーグリッド㈱新富士変電所変圧器廃止パワーグリッド275/154△200MVA―2026年10月(廃止)東京電力パワーグリッド㈱中東京変電所変圧器増容量パワーグリッド275/154200MVA2024年3月2026年12月(1B)2027年2月(2B)東京電力パワーグリッド㈱江東変電所変圧器増容量パワーグリッド275/66150MVA2025年10月2027年1月東京電力パワーグリッド㈱新富士変電所変圧器増設パワーグリッド500/154750MVA2024年10月2027年2月東京電力パワーグリッド㈱北相模変電所変圧器増設パワーグリッド275/66600MVA2024年11月2027年6月東京電力パワーグリッド㈱北多摩変電所変圧器増容量パワーグリッド275/66200MVA2025年7月2027年6月(2B)2029年6月(3B)東京電力パワーグリッド㈱南多摩変電所変圧器増容量パワーグリッド275/66100MVA2026年1月2027年6月東京電力パワーグリッド㈱東毛変電所変圧器増容量パワーグリッド275/66150MVA2026年1月2027年11月東京電力パワーグリッド㈱房総変電所変圧器増容量パワーグリッド275/154250MVA2026年3月2027年12月東京電力パワーグリッド㈱京浜変電所変圧器増設パワーグリッド275/154450MVA2025年11月2028年3月東京電力パワーグリッド㈱新所沢変電所変圧器廃止パワーグリッド500/275△1,000MVA―2028年3月(廃止)東京電力パワーグリッド㈱荏田変電所変圧器増設パワーグリッド275/66300MVA2027年3月2028年6月東京電力パワーグリッド㈱新飯能変電所変圧器増設パワーグリッド500/2751,500MVA2027年3月2029年3月東京電力パワーグリッド㈱鹿島変電所変圧器増容量パワーグリッド275/66200MVA2028年6月2029年5月(7B)2030年5月(8B) |
研究開発費、研究開発活動 | 726,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 873,106,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 22 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 8,595,666 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5) 【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方当社では、投資有価証券に該当する株式のうち、短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有するものを「保有目的が純投資目的である投資株式」、それ以外を「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」としている。 ② 提出会社における株式の保有状況当社については以下のとおりである。 (1) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容(非上場株式以外の株式)成長戦略を踏まえた中長期的な連携の必要性や、当社事業の円滑な遂行と持続的成長等を総合的に勘案して、企業価値向上に資する必要最小限の株式を保有することを基本とし、全株式を取締役会で個別に検証した結果、全ての銘柄について保有が適当と判断している。 ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式723,864非上場株式以外の株式13,889 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式40非上場株式以外の株式-- ハ.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱日本製鋼所742,800742,800定量的な保有効果の記載は困難であるものの、上記(1)イ.の保有の合理性を検証する方法に従って取締役会で個別に検証した結果、同社は原子力・水力の主要部材を製造しており、事業上の関係を勘案し、同社との良好な関係の維持・強化を図るため継続して保有している。 無3,8892,516 (2) 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項なし。 ③ 東京電力タイムレスキャピタル第二号投資事業有限責任組合における株式の保有状況提出会社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)である東京電力タイムレスキャピタル第二号投資事業有限責任組合については以下のとおりである。 (1) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式該当事項なし。 (2) 保有目的が純投資目的である投資株式保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額並びに事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額 区分当事業年度前事業年度銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式121,900121,900非上場株式以外の株式---- 区分当事業年度受取配当金の合計額(百万円)売却損益の合計額(百万円)評価損益の合計額(百万円)非上場株式---非上場株式以外の株式--- ④ 東京電力エナジーパートナー株式会社における株式の保有状況提出会社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が次に大きい会社である東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、「東京電力エナジーパートナー」という。 )については以下のとおりである。 (1) 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容(非上場株式以外の株式)成長戦略を踏まえた中長期的な連携の必要性や、事業の円滑な遂行と持続的成長等を総合的に勘案して、企業価値向上に資する必要最小限の株式を保有することを基本とし、全株式を取締役会で個別に検証した結果、全ての銘柄について保有が適当と判断している。 ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式242,705非上場株式以外の株式19,771 (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式26営業パートナーの人財育成を図り、設備販売を拡大するための出資非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- ハ.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 特定投資株式 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由東京電力エナジーパートナーの株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)日本瓦斯㈱4,380,0004,380,000定量的な保有効果の記載は困難であるものの、上記(1)イ.の保有の合理性を検証する方法に従って取締役会で個別に検証した結果、同社との業務提携の維持や、新事業への展開による収益強化を目的として継続して保有している。 (業務提携概要)電気・都市ガスの小売事業における業務提携。 無9,77111,254 (2) 保有目的が純投資目的である投資株式該当事項なし。 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 72 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,864,000,000 |
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3,889,000,000 |
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 742,800 |
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 3,889,000,000 |
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | ㈱日本製鋼所 |
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 定量的な保有効果の記載は困難であるものの、上記(1)イ.の保有の合理性を検証する方法に従って取締役会で個別に検証した結果、同社は原子力・水力の主要部材を製造しており、事業上の関係を勘案し、同社との良好な関係の維持・強化を図るため継続して保有している。 |
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社 | 無 |
Shareholders
大株主の状況 | (6) 【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 原子力損害賠償・廃炉等支援機構 東京都港区赤坂1丁目11番44号1,940,00054.75 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 東京都港区赤坂1丁目8番1号210,5795.94 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8番12号66,7961.88 東京電力グループ従業員持株会 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号50,0221.41 東京都 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号42,6761.20 UBS AG LONDON A/C IPBSEGREGATED CLIENT ACCOUNT (常任代理人 シティバンク エヌ・エイ東京支店)BAHNHOFSTRASSE 45, 8001 ZURICH,SWITZERLAND ( 東京都新宿区新宿6丁目27番30号)27,5590.78 株式会社三井住友銀行 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号26,9450.76 日本生命保険相互会社 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号26,4000.75 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS( 東京都港区港南2丁目15番1号)23,4650.66 JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM ( 東京都港区港南2丁目15番1号)20,3280.57計-2,434,77368.71 なお、所有株式に係る議決権の個数の多い順上位10名は、以下のとおりである。2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有議決権数(個)総株主の議決権に対する所有議決権数の割合(%) 原子力損害賠償・廃炉等支援機構 東京都港区赤坂1丁目11番44号16,000,00050.09 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 東京都港区赤坂1丁目8番1号2,105,7906.59 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8番12号667,9692.09 東京電力グループ従業員持株会 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号500,2211.57 東京都 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号426,7671.34 UBS AG LONDON A/C IPBSEGREGATED CLIENT ACCOUNT (常任代理人 シティバンク エヌ・エイ東京支店)BAHNHOFSTRASSE 45, 8001 ZURICH,SWITZERLAND ( 東京都新宿区新宿6丁目27番30号)275,5900.86 株式会社三井住友銀行 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号269,4560.84 日本生命保険相互会社 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号264,0050.83 STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS( 東京都港区港南2丁目15番1号)234,6520.73 JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM ( 東京都港区港南2丁目15番1号)203,2830.64計-20,947,73365.59 |
株主数-金融機関 | 66 |
株主数-金融商品取引業者 | 75 |
株主数-外国法人等-個人 | 1,354 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 432 |
株主数-個人その他 | 433,802 |
株主数-その他の法人 | 1 |
株主数-計 | 1 |
氏名又は名称、大株主の状況 | JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行) |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1) 【株主総会決議による取得の状況】 該当事項なし。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式31,00421,795,532当期間における取得自己株式3,9761,641,195 (注) 「当期間における取得自己株式」には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれていない。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -21,000,000 |
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項種類当連結会計年度期首株式数(千株)当連結会計年度増加株式数(千株)当連結会計年度減少株式数(千株)当連結会計年度末株式数(千株)発行済株式 普通株式1,607,017--1,607,017A種優先株式1,600,000--1,600,000B種優先株式340,000--340,000合計3,547,017--3,547,017自己株式 普通株式4,9093314,941合計4,9093314,941 (注) 普通株式の自己株式の株式数の増加33千株は、単元未満株式の買取りによる取得等であり、減少1千株は、単元未満株式の買増請求による売渡し等である。 |
Audit
監査法人1、連結 | EY新日本有限責任監査法人 |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月25日東京電力ホールディングス株式会社取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人東 京 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士春 日 淳 志 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士飯 田 昌 泰 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士前 川 和 之 <連結財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている東京電力ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、東京電力ホールディングス株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 強調事項1.「注記事項 連結貸借対照表関係 8.偶発債務 (2)原子力損害の賠償に係る偶発債務 当連結会計年度」に記載されているとおり、ALPS処理水の海洋放出を開始して以降、外国政府からの輸入停止措置等による損害が発生しているが、当連結会計年度末においては、被害状況の全容を確認できていないことなどから、損害賠償請求実績等の入手可能なデータにより合理的な算定が可能な金額を除き、その賠償額を合理的に見積もることができない。 また、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成23年8月30日 法律第110号)に基づき講ぜられる廃棄物の処理及び除染等の措置等が、国の財政上の措置の下に進められている。 当該措置に係る費用のうち、当連結会計年度末で当該措置の具体的な実施内容等を把握できる状況になく、費用負担の在り方について国と協議中である費用等については、合理的に見積もることができない。 なお、係る原子力損害の賠償に対し原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」(平成23年8月10日 法律第94号)に基づき、申請のあった原子力事業者に対し必要な資金援助を行うこととされている。 2.「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項 (9)実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に必要な費用の計上方法 追加情報 福島第一原子力発電所の廃炉費用の計上方法」に記載されているとおり、福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉費用の見積りについては、被災状況の全容の把握が困難であることから、今後変動する可能性がある。 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 福島第一原子力発電所の事故の収束及び廃止措置等に向けた費用又は損失に係る引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「重要な会計上の見積り」に記載されているとおり、福島第一原子力発電所の事故の収束及び廃止措置等に向けた費用又は損失として「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下、「中長期ロードマップ」)及び「廃炉中長期実行プラン」に基づき連結貸借対照表に災害損失引当金を592,764百万円、特定原子力施設炉心等除去準備引当金を29,112百万円、特定原子力施設炉心等除去引当金を163,034百万円計上している。 福島第一原子力発電所の廃炉は過去に実例のない困難な取り組みであり、廃炉中長期実行プランに基づく費用の見積り及び海外原子力発電所の事故における費用実績額に基づく概算額で計上している廃炉費用の見積りは変動する可能性があるものの、会社は以下のとおり現時点で入手可能な情報に基づき合理的な見積りが可能な範囲における概算額を計上している。 (1) 通常の見積りが可能なもの会社は、2025年3月27日に公表した廃炉中長期実行プランでは、廃炉の主要な作業プロセスを提示した。 当連結会計年度末においては、これに基づき個々の対策に要する費用の見積りを行っている。 ただし、必要となる対策にはこれから具体的な検討が行われるものも多い。 このため、当該対策に必要となる費用又は損失の見積りについては、主として現在進められている国や他の機関による研究の状況や実施内容が類似する過去の作業内容に基づく重要な仮定を含んでおり、現時点における経営者の判断及び仮定に依存する。 (2) 通常の見積りが困難なもの工事や作業の具体的な内容を現時点では想定できず、通常の見積りが困難な費用又は損失については、海外原子力発電事故における実績額に基づく見積額を計上している。 当該見積りは廃炉に必要となる作業の種類、範囲及び量は発電機の基数に比例するという重要な仮定に基づいており、経営者による判断に依存し、不確実性を含んでいる。 当監査法人は、これらの費用又は損失の見積りにおける経営者の判断の重要性及び金額の重要性から、当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、この監査上の主要な検討事項に対応するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価・ 災害損失引当金、特定原子力施設炉心等除去準備引当金及び特定原子力施設炉心等除去引当金の見積りに関連する内部統制の理解、整備状況及び運用状況を評価した。 (2) 通常の見積りが可能なものの評価・ 災害損失引当金の網羅性を評価するため、中長期ロードマップの進捗状況、具体的な対策の検討状況や当該対策に基づく見積りの可否、変動リスクについて経営者及び外部機関と協議した。 加えて、廃炉中長期実行プランの詳細工程表と引当金算定資料を入手し、計上範囲の整合を検討した。 ・ 個々の対策に要する費用の見積額を評価するため、金額的重要性に基づき抽出したサンプルについて契約書や設計予算書を閲覧した。 ・ 災害損失の見積りプロセスを評価するため、事前の見積額と確定額又は再見積額との比較を行った。 ・ 特定原子力施設炉心等除去準備引当金及び特定原子力施設炉心等除去引当金に計上された金額を評価するため、廃炉等積立金の取戻しに関する計画と照合した。 (3) 通常の見積りが困難なものの評価・ 具体的な対策に基づく見積りの可否及び重要な仮定の見直しの要否を評価するため、現時点における燃料デブリ取り出しのための対策工事の検討状況について経営者及び外部機関と協議した。 柏崎刈羽原子力発電所の原子力発電設備等の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、注記事項「重要な会計上の見積り」に記載されているとおり、連結貸借対照表において、柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力発電設備、建設仮勘定及び核燃料等を合計1,104,375百万円計上している。 柏崎刈羽原子力発電所は、2012年3月に定期点検のため6号機の稼働を停止して以降、現在まで長期にわたり不稼働状態が継続している。 会社は、総合特別事業計画の下で、新規制基準への対応とともに、地元の理解を得るべく、原子力発電所の再稼働に向けたプロセスを進めている段階である。 経営者はこのような状況を減損の兆候と判断し、減損損失の認識の検討を行っている。 減損損失の認識の検討は、柏崎刈羽原子力発電所1号機から7号機を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位である資産グループとし、柏崎刈羽原子力発電所の稼働により得られる割引前将来キャッシュ・フロー総額と資産グループの帳簿価額を比較する方法で行った。 その結果、会社は減損を不要と判断している。 将来キャッシュ・フローの見積りに含まれる重要な仮定は、事業計画に基づく原子力発電所の稼働状況、稼働のため必要となる安全対策工事に係る追加コスト、将来の電力価格である。 当監査法人は、見積りにおける経営者の判断の重要性及び金額の重要性から、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、この監査上の主要な検討事項に対応するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 原子力発電所の稼働状況の見通しを評価するため、経営者や外部機関と、会社の事業計画、安全対策工事及び原子力規制委員会による安全規制審査の進捗等について協議を行い、再稼働及び長期にわたる安全・安定運転に向けて必要となる許認可について確認した。 ・ 原子力発電所の稼働に必要となる追加コストを評価するため、今後実施する安全対策工事等の内容を把握した。 加えて、追加コストの見積りについて適切な責任者に質問を行うとともに、政府が公表した将来の発電コスト及び予算との整合性を検討した。 ・ 将来の電力価格等の想定を評価するため、会社が算定に用いた価格について、日本卸電力取引所における取引価格、6号機の長期脱炭素電源オークション(応札年度:2024年度)約定を含む容量市場の約定価格や政府が公表した将来の発電コスト等との整合性を検討した。 ・ 原子力発電所の稼働状況の変化による将来キャッシュ・フローの変動を評価するため、複数の稼働パターンによる将来キャッシュ・フローの分析を行った。 その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、東京電力ホールディングス株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、東京電力ホールディングス株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管している。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていない。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 福島第一原子力発電所の事故の収束及び廃止措置等に向けた費用又は損失に係る引当金監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」、「重要な会計上の見積り」に記載されているとおり、福島第一原子力発電所の事故の収束及び廃止措置等に向けた費用又は損失として「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下、「中長期ロードマップ」)及び「廃炉中長期実行プラン」に基づき連結貸借対照表に災害損失引当金を592,764百万円、特定原子力施設炉心等除去準備引当金を29,112百万円、特定原子力施設炉心等除去引当金を163,034百万円計上している。 福島第一原子力発電所の廃炉は過去に実例のない困難な取り組みであり、廃炉中長期実行プランに基づく費用の見積り及び海外原子力発電所の事故における費用実績額に基づく概算額で計上している廃炉費用の見積りは変動する可能性があるものの、会社は以下のとおり現時点で入手可能な情報に基づき合理的な見積りが可能な範囲における概算額を計上している。 (1) 通常の見積りが可能なもの会社は、2025年3月27日に公表した廃炉中長期実行プランでは、廃炉の主要な作業プロセスを提示した。 当連結会計年度末においては、これに基づき個々の対策に要する費用の見積りを行っている。 ただし、必要となる対策にはこれから具体的な検討が行われるものも多い。 このため、当該対策に必要となる費用又は損失の見積りについては、主として現在進められている国や他の機関による研究の状況や実施内容が類似する過去の作業内容に基づく重要な仮定を含んでおり、現時点における経営者の判断及び仮定に依存する。 (2) 通常の見積りが困難なもの工事や作業の具体的な内容を現時点では想定できず、通常の見積りが困難な費用又は損失については、海外原子力発電事故における実績額に基づく見積額を計上している。 当該見積りは廃炉に必要となる作業の種類、範囲及び量は発電機の基数に比例するという重要な仮定に基づいており、経営者による判断に依存し、不確実性を含んでいる。 当監査法人は、これらの費用又は損失の見積りにおける経営者の判断の重要性及び金額の重要性から、当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、この監査上の主要な検討事項に対応するため、主として以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価・ 災害損失引当金、特定原子力施設炉心等除去準備引当金及び特定原子力施設炉心等除去引当金の見積りに関連する内部統制の理解、整備状況及び運用状況を評価した。 (2) 通常の見積りが可能なものの評価・ 災害損失引当金の網羅性を評価するため、中長期ロードマップの進捗状況、具体的な対策の検討状況や当該対策に基づく見積りの可否、変動リスクについて経営者及び外部機関と協議した。 加えて、廃炉中長期実行プランの詳細工程表と引当金算定資料を入手し、計上範囲の整合を検討した。 ・ 個々の対策に要する費用の見積額を評価するため、金額的重要性に基づき抽出したサンプルについて契約書や設計予算書を閲覧した。 ・ 災害損失の見積りプロセスを評価するため、事前の見積額と確定額又は再見積額との比較を行った。 ・ 特定原子力施設炉心等除去準備引当金及び特定原子力施設炉心等除去引当金に計上された金額を評価するため、廃炉等積立金の取戻しに関する計画と照合した。 (3) 通常の見積りが困難なものの評価・ 具体的な対策に基づく見積りの可否及び重要な仮定の見直しの要否を評価するため、現時点における燃料デブリ取り出しのための対策工事の検討状況について経営者及び外部機関と協議した。 柏崎刈羽原子力発電所の原子力発電設備等の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応会社は、注記事項「重要な会計上の見積り」に記載されているとおり、連結貸借対照表において、柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力発電設備、建設仮勘定及び核燃料等を合計1,104,375百万円計上している。 柏崎刈羽原子力発電所は、2012年3月に定期点検のため6号機の稼働を停止して以降、現在まで長期にわたり不稼働状態が継続している。 会社は、総合特別事業計画の下で、新規制基準への対応とともに、地元の理解を得るべく、原子力発電所の再稼働に向けたプロセスを進めている段階である。 経営者はこのような状況を減損の兆候と判断し、減損損失の認識の検討を行っている。 減損損失の認識の検討は、柏崎刈羽原子力発電所1号機から7号機を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位である資産グループとし、柏崎刈羽原子力発電所の稼働により得られる割引前将来キャッシュ・フロー総額と資産グループの帳簿価額を比較する方法で行った。 その結果、会社は減損を不要と判断している。 将来キャッシュ・フローの見積りに含まれる重要な仮定は、事業計画に基づく原子力発電所の稼働状況、稼働のため必要となる安全対策工事に係る追加コスト、将来の電力価格である。 当監査法人は、見積りにおける経営者の判断の重要性及び金額の重要性から、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、この監査上の主要な検討事項に対応するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 原子力発電所の稼働状況の見通しを評価するため、経営者や外部機関と、会社の事業計画、安全対策工事及び原子力規制委員会による安全規制審査の進捗等について協議を行い、再稼働及び長期にわたる安全・安定運転に向けて必要となる許認可について確認した。 ・ 原子力発電所の稼働に必要となる追加コストを評価するため、今後実施する安全対策工事等の内容を把握した。 加えて、追加コストの見積りについて適切な責任者に質問を行うとともに、政府が公表した将来の発電コスト及び予算との整合性を検討した。 ・ 将来の電力価格等の想定を評価するため、会社が算定に用いた価格について、日本卸電力取引所における取引価格、6号機の長期脱炭素電源オークション(応札年度:2024年度)約定を含む容量市場の約定価格や政府が公表した将来の発電コスト等との整合性を検討した。 ・ 原子力発電所の稼働状況の変化による将来キャッシュ・フローの変動を評価するため、複数の稼働パターンによる将来キャッシュ・フローの分析を行った。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | 柏崎刈羽原子力発電所の原子力発電設備等の評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 会社は、注記事項「重要な会計上の見積り」に記載されているとおり、連結貸借対照表において、柏崎刈羽原子力発電所に係る原子力発電設備、建設仮勘定及び核燃料等を合計1,104,375百万円計上している。 柏崎刈羽原子力発電所は、2012年3月に定期点検のため6号機の稼働を停止して以降、現在まで長期にわたり不稼働状態が継続している。 会社は、総合特別事業計画の下で、新規制基準への対応とともに、地元の理解を得るべく、原子力発電所の再稼働に向けたプロセスを進めている段階である。 経営者はこのような状況を減損の兆候と判断し、減損損失の認識の検討を行っている。 減損損失の認識の検討は、柏崎刈羽原子力発電所1号機から7号機を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位である資産グループとし、柏崎刈羽原子力発電所の稼働により得られる割引前将来キャッシュ・フロー総額と資産グループの帳簿価額を比較する方法で行った。 その結果、会社は減損を不要と判断している。 将来キャッシュ・フローの見積りに含まれる重要な仮定は、事業計画に基づく原子力発電所の稼働状況、稼働のため必要となる安全対策工事に係る追加コスト、将来の電力価格である。 当監査法人は、見積りにおける経営者の判断の重要性及び金額の重要性から、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 「重要な会計上の見積り」 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 「重要な会計上の見積り」 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、この監査上の主要な検討事項に対応するため、主として以下の監査手続を実施した。 ・ 原子力発電所の稼働状況の見通しを評価するため、経営者や外部機関と、会社の事業計画、安全対策工事及び原子力規制委員会による安全規制審査の進捗等について協議を行い、再稼働及び長期にわたる安全・安定運転に向けて必要となる許認可について確認した。 ・ 原子力発電所の稼働に必要となる追加コストを評価するため、今後実施する安全対策工事等の内容を把握した。 加えて、追加コストの見積りについて適切な責任者に質問を行うとともに、政府が公表した将来の発電コスト及び予算との整合性を検討した。 ・ 将来の電力価格等の想定を評価するため、会社が算定に用いた価格について、日本卸電力取引所における取引価格、6号機の長期脱炭素電源オークション(応札年度:2024年度)約定を含む容量市場の約定価格や政府が公表した将来の発電コスト等との整合性を検討した。 ・ 原子力発電所の稼働状況の変化による将来キャッシュ・フローの変動を評価するため、複数の稼働パターンによる将来キャッシュ・フローの分析を行った。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |