財務諸表

CoverPage

提出書類、表紙有価証券報告書
提出日、表紙2025-06-25
英訳名、表紙ADVANTEST CORPORATION
代表者の役職氏名、表紙代表取締役兼経営執行役員社長 Group COO 津久井 幸一
本店の所在の場所、表紙東京都千代田区丸の内1丁目6番2号
電話番号、本店の所在の場所、表紙東京(03)3214-7500(代表)
様式、DEI第三号様式
会計基準、DEIIFRS
連結決算の有無、DEItrue
当会計期間の種類、DEIFY

corp

沿革 2【沿革】
 当社(形式上存続会社 合併前商号 東新工業株式会社)は、タケダ理研工業株式会社の株式額面変更のため、1974年4月1日を合併期日として同社を吸収合併し、合併後において被合併会社の営業活動を全面的に継承いたしました。
したがって、実質上の存続会社は被合併会社であるタケダ理研工業株式会社でありますから、以下の記載は実質上の存続会社についてのものであります。
なお、タケダ理研工業株式会社は1985年10月1日付で現商号の株式会社アドバンテストに社名変更いたしております(子会社のうち社名変更している会社について、以下では変更後の社名で記載しております)。
1954年12月電子計測器専門メーカーとして、資本金50万円をもってタケダ理研工業株式会社を愛知県豊橋市に設立1957年2月本店を東京都板橋区に移転1959年4月本部機構ならびに工場を東京都練馬区旭町1丁目32番1号に新築移転1975年1月本店を東京都練馬区に移転1976年2月富士通株式会社が当社に資本参加1982年6月子会社Advantest America, Inc.を米国に設立1983年2月東京証券取引所市場第二部に株式上場1983年6月子会社Advantest Europe GmbHをドイツに設立1983年6月本社事務所を東京都新宿区の新宿NSビルに開設1984年5月群馬工場を群馬県邑楽郡邑楽町に開設1985年9月東京証券取引所市場第一部に株式上場1986年10月子会社Advantest (Singapore)Pte. Ltd.をシンガポールに設立1987年7月大利根R&Dセンタ(現 埼玉R&Dセンタ)を埼玉県北埼玉郡大利根町(現 加須市新利根)に開設1990年3月子会社Advantest Taiwan Inc.を台湾に設立1996年10月群馬R&Dセンタを群馬県邑楽郡明和町に開設2001年5月群馬R&Dセンタ2号館を完成2001年9月ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場(2016年4月 NYSE上場廃止)2002年6月北九州R&Dセンタを福岡県北九州市八幡東区に開設2004年9月本社事務所を東京都千代田区の新丸の内センタービルディングに移転2010年7月子会社株式会社アドバンテストマニュファクチャリングおよび子会社株式会社アドバンテスト カスタマサポートを吸収合併2011年7月Verigy Ltd.の普通株式全株を取得し、完全子会社化2018年6月本店を東京都千代田区に移転2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行
事業の内容 3【事業の内容】
 株式会社アドバンテスト(以下「当社」)の企業グループ(以下「当社グループ」)は、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。
(半導体・部品テストシステム事業部門) 半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。
この事業部門は、SoC半導体デバイス向けのSoCテスト・システム、メモリ半導体デバイス向けのメモリ・テスト・システムなどの製品群を事業内容としております。
 この事業部門の生産活動は、当社および複数の外部委託企業が担当しております。
 販売活動は、主に当社が国内および一部海外ユーザー(韓国、中国等)を担当し、その他の海外ユーザーについてはAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc. および Advantest (Singapore) Pte. Ltd.等が担当しております。
 開発活動は、当社、Advantest Europe GmbHおよびAdvantest America, Inc.等が担当しております。
(メカトロニクス関連事業部門) メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。
 この事業部門の生産活動は当社グループおよび複数の外部委託企業で行われ、販売活動は半導体・部品テストシステム事業部門と同様の担当で行っております。
 開発活動は、主に当社で行っております。
(サービス他部門) サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。
 当社企業グループ内の事業活動を系統図で示せば以下のとおりであります。
事業系統図 上記以外に連結子会社が31社あります。
 連結子会社(国内7社、海外32社、合計39社)
関係会社の状況 4【関係会社の状況】
名称住所資本金主要な事業の内容議決権に対する所有割合(%)関係内容役員の兼任等資金援助営業上の取引設備の賃貸借(連結子会社)Advantest America,Inc.米国カリフォルニア州千米ドル4,059テストシステム等の開発・販売100.0ありあり当社製品の開発・販売なしAdvantest Test Solutions, Inc.米国カリフォルニア州千米ドル2,500システムレベルテスト製品等の設計・販売 (100.0)100.0ありなし当社製品の設計・販売なしEssai, Inc.米国アリゾナ州千米ドル500テストソケット等の設計・製造・販売(100.0)100.0ありなし当社製品の設計・製造・販売なしAdvantest EuropeGmbHドイツミュンヘン市千ユーロ10,793テストシステム等の開発・販売 100.0ありなし当社製品の開発・販売なしAdvantest TaiwanInc.台湾新竹縣千ニュータイワンドル500,000テストシステム等の販売100.0ありなし当社製品の販売なしAdvantest(Singapore) Pte.Ltd.シンガポール千シンガポールドル15,300テストシステム等の販売100.0ありなし当社製品の販売なしAdvantest KoreaCo., Ltd.韓国天安市百万ウォン9,516テストシステム等の販売支援(62.5)100.0ありなし当社製品の製造・販売支援なしAdvantest (China)Co., Ltd.中国上海市千米ドル8,000テストシステム等の販売支援(100.0)100.0ありなし当社製品の販売支援なしその他 31社  (注)1.特定子会社はAdvantest America, Inc.、Advantest Europe GmbH、Advantest Taiwan Inc.、Advantest Korea Co., Ltd.であります。
2.上記のうち、有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。
3.Advantest America, Inc.、Advantest Taiwan Inc.およびAdvantest Korea Co., Ltd.は連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。
主要な損益情報等は以下のとおりであります。
なお、数字は現地の会計基準をベースとしております。
主要な損益情報等(百万円)売上高経常利益当期純利益純資産額総資産額AdvantestTaiwan Inc.239,12510,1768,15215,16389,835Advantest America, Inc.124,48610,64710,850118,038215,238Advantest Korea Co., Ltd.90,0638,7906,86725,13539,5094.議決権に対する所有割合欄の上段の( )内の数字は間接所有割合であります。
従業員の状況 5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)半導体・部品テストシステム事業部門3,613(312)メカトロニクス関連事業部門723(90)サービス他部門2,423(143)全社(共通)242(53)合計7,001(598) (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。
)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属している人員であります。
(2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年令(才)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)1,988(461)45.8320.1510,491,797 セグメントの名称従業員数(人)半導体・部品テストシステム事業部門1,254(291)メカトロニクス関連事業部門382(89)サービス他部門144(33)全社(共通)208(48)合計1,988(461) (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、税込み支給額で、基準外給与および賞与を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属している人員であります。
(3)労働組合の状況 当社および連結子会社には、アドバンテスト労働組合等が組織されており、アドバンテスト労働組合は全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加盟しております。
 なお、労使関係について特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異① 提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3全労働者正規雇用労働者非正規雇用労働者3.666.674.073.285.7 (注)1.(1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
(2)提出会社からの出向者を含み、提出会社への出向者を含んでおりません。
2.(1)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
(2)提出会社からの出向者を含み、提出会社への出向者を含んでおりません。
(3)子供の出生時に最大5日間取得できる特別有給休暇取得者は含んでおりません。
   (参考)2024年度の男性社員の育児休職または特別有給休暇の取得率:83%       2024年度の男性社員の育児休職取得者の平均取得期間:53日3.(1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
(2)「正規雇用労働者」とは、正規雇用の従業員であります。
(3)「非正規雇用労働者」とは、嘱託(有期、無期)およびパート・アルバイトであります。
(4)「全労働者」とは、正規雇用労働者および非正規雇用労働者であります。
(5)男女の賃金の差異における労働者には、以下を含んでおりません。
・取締役(社外取締役含む)・執行役員・提出会社への出向者・提出会社からの出向者(6)男女の賃金の差異における賃金は、手当等を含んだ給与の総支給額および賞与支給額で算出しております。
(7)男女の賃金の差異(%)=女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100として算出しております。
(8)男女の賃金の差異が生じている背景として、正規雇用労働者においては管理職中の女性比率が全労働者中の女性比率と比べて低いこと、育児短時間勤務を選択する労働者に女性が多いこと、非正規雇用労働者においては定年後に再雇用された労働者の賃金が定年時の賃金に準じていることにより、正規雇用労働者の賃金の差異の影響を受けていることなどがあります。
4.当社グループの女性管理職比率を含む人的資本に関するその他の指標は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方および取組(1)サステナビリティ全般⑤指標および目標」に記載しております。
(参考)当社グループの女性管理職比率および男性社員の育児休職取得率向上のための取り組み 当社グループでは、常に多様な価値観を受け入れ、人種・性別・年齢・国籍などに関係なく活躍できる企業風土づくりを推進しています。
2025年3月末現在で全従業員のうち女性の割合は全体の22.0%(前連結会計年度末21.8%)、管理職における割合は9.7%(前連結会計年度末9.4%)であり、女性従業員の採用と管理職に占める女性比率のさらなる向上が課題です。
 当社では、もともと男性比率が高い技術系の学生の採用が多く、従来の採用活動では女性が当社に応募するための動機付けができていませんでした。
こうした状況を踏まえて、特に技術系の女性に対して当社の魅力を伝えることに注力し、女性向けのPRを強化しています。
ウェブサイトや採用パンフレットでも女性社員の活躍を広く伝え、また、就職イベントでは、女性向けの制度やキャリアプランなどの説明を行い、アドバンテストの女性社員がどのように活躍しているかを紹介しています。
 また、社員には様々なライフステージの変化があることを踏まえ、個々人の状況に応じて柔軟な働き方ができるようワークライフ・バランスへの取り組みに力を入れています。
 テレワークを必要に応じて活用するほか、育児・介護との両立支援制度として、100%有給保証の妊娠通院・妊娠障害休暇制度、法定を上回る水準の育児休職、介護休職制度、短時間勤務制度などを整備しています。
 男性の積極的な育児参加支援としては、子育て中の男性社員やその上司向けの個別相談、育児関連制度の案内、育児休職取得の意思確認や取得する際のサポートを行っています。
また、2022年度から子の出生後8週間以内に育児休職を取得した場合、4週間を限度として育児休職補助金を支給することを制度化しました。
 取り組みの詳細については、当社グループホームページに掲載している統合報告書およびサステナビリティレポートをご参照ください。
  統合報告書(https://www.advantest.com/ja/about/annual.html)  サステナビリティレポート(https://www.advantest.com/ja/sustainability/report/)② 国内子会社 国内子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象でないため、記載を省略しております。
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 1【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針:「The Advantest Way」 当社グループは、経営理念として「先端技術を先端で支える」を掲げています。
すなわち、「世界中の顧客にご満足いただける製品・サービスを提供するためにたえず自己研鑽に励み、最先端の技術開発を通して社会の発展に貢献する」ことが当社グループの使命であり、またこれを追求し続けることで当社グループの社会的な存在意義は拡大するものと認識しています。
 また過去からの事業拡大に向けた取り組みの結果、当社グループは多様な文化、言語、慣習、価値観を内包する組織となっていることから、経営理念に即した事業活動を行う前提として、共通価値観の醸成や共通の行動原則が重要となっています。
 これらを総合し、当社グループは2019年に、過去から有していた企業理念体系「The Advantest Way」を発展させ、当社グループが今後進むべき方向性と大切にすべき価値観を包含するものへ改定しました。
現在の当社グループの中長期的な経営戦略や事業活動は、すべてこの改定版「The Advantest Way」に沿って展開されています。
当社グループは、「The Advantest Way」に沿った活動を実践し続けることで顧客や社会への提供価値を最大化し、各ステークホルダーからより厚い信頼を得られるよう努めます。
 「The Advantest Way」は、以下の6要素から構成されます。
1. 経営理念(パーパス&ミッション):「先端技術を先端で支える」2. ビジョン・ステートメント:「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ(Be the most trusted and valued test solution company in the semiconductor value chain)」3. コア・バリュー:「INTEGRITY」4. 「サステナビリティ基本方針」5. 「行動指針」:「本質を究める」6.「行動基準」 1~3は、社会発展への貢献と中長期的な企業価値向上に向けて当社グループがどうありたいか、なにをなすべきかを規定しています。
4~6は、望まれるステークホルダーとの関係性や、業務遂行にあたり役員や従業員に求める価値観やふるまいなどを定めています。
(2)中長期経営方針「グランドデザイン」 当社グループは、経営理念である「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、長期的にどうありたいか、そしてそのために何をなすべきかなどの当社グループの進むべき方向性を、2018年より中長期経営方針「グランドデザイン」として定めています。
 2018年版の「グランドデザイン」のもとでは、第1期と第2期の二つの中期経営計画を推進し、当初の構想を超えた規模とスピードで当社グループの市場シェア向上、業容拡大、収益性改善を実現しました。
 そして2024年、当社グループをさらに発展させるため、また当社グループが顧客や社会にとって価値ある存在であり続けるため、「グランドデザイン」をそれまでの経営・事業体制の変化や当時最新の長期事業環境見通しを踏まえた内容へ改定しました。
 当社グループは今後、この改定版「グランドデザイン」に則り、ステークホルダーへの提供価値の拡大と経営基盤の強化に努めてまいります。
<ビジョン・ステートメント>「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ」(Be the most trusted and valued test solution company in the semiconductor value chain) 当社グループは、提供価値の拡大を通じ、すべてのステークホルダーから半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーとなることを目指します。
<長期事業環境認識と対処すべき課題> マクロ的な事業環境における将来の不確実性は、今後も高い状態が継続すると予想されます。
気候変動、地政学的リスク、人口動態の変化など、世界を取り巻く問題はより深刻化しており、社会課題の複雑化が飛躍的に進んでいます。
 一方で、AIに代表される、これら社会課題を解決するためのイノベーションが多様な産業でダイナミックに進行しています。
社会的イノベーション基盤となる半導体に対しては、さらなる性能改善と経済合理性確保に向けた企業間・地域間連携の拡大や、域内供給体制の強化などが今後見込まれます。
これらに沿い、半導体バリューチェーンは、その複雑さをさらに増しつつ、中長期的な発展を遂げていくと想定しています。
 さらに半導体テストの技術的な潮流について展望すると、さらなる微細化、新アーキテクチャーの採用、先端パッケージの採用など、半導体の高性能化とエネルギー効率向上を実現するための技術進化が、半導体テストの複雑性を今後も持続的に引き上げていく見通しです。
とりわけ、今後の半導体市場の最大の成長牽引役と予想されるAIやHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)関連の半導体において、テストの複雑性は一層顕著となると見込まれます。
 このように複雑性の進行が業界のキートレンドとなる中、半導体テスト関連市場は、顧客のテスト能力増強投資を通じ、中長期的な市場成長を遂げると予想しています。
また今後のテスト・ソリューションにおいては、半導体の品質保証プロセスにおける効率性向上をもたらす、より高度な自動化が望まれる方向と分析しています。
こうした潮流下、当社グループは、より性能に優れる製品の開発・販売に加え、それら製品群を発展・統合した新たなソリューションやサービスの提供がさらなる成長機会となると見込んでおり、その機会の具体化を今後の中長期成長施策の基軸とする方針です。
また業界全体が複雑化する中にあっては当社グループ自身においても効率が重要であり、経営および事業全般にわたってさまざまな効率性の向上に取り組みます。
<経営における長期的目標> 半導体は、サステナブルな社会の実現や多様な産業の発展に向けて今後も不可欠な存在とされています。
そして現在の当社グループにおけるほぼすべての事業は、より性能に優れた半導体の実現と普及に深く結びつくものとなっています。
このことから当社グループが経営理念に基づき、先端の技術開発を通じてより良い半導体の開発と普及に寄与していくことは、自社の持続的な成長のみならず、さらなる「安全・安心・心地よい」社会実現に向けても直接的に貢献する行為であり続けると考えます。
 今後当社グループは、先述のテストの複雑化への対応などを含めた顧客課題の解決を軸としながらサステナブルな社会実現につながる取り組みを推進し、それを通じて各ステークホルダーに対して提供する経済的・社会的価値を多面的かつバランスよく拡大することを、経営における長期的な目標とします。
(3)第3期中期経営計画(MTP3、2024~2026年度)の概要 半導体テスト関連市場は、短期的なダウンサイクルを織り込みつつも、中長期的に成長を続けると見込んでいます。
また半導体市場の拡大に加え、半導体の複雑性への対応が業界における構造課題となる中で、当社グループの事業機会は中長期的に拡大するものと考えています。
 そうした環境下、当社グループは、改定した「グランドデザイン」に則り策定した第3期中期経営計画を推進することで、中長期的なステークホルダーへの提供価値拡大に取り組みます。
<戦略>1. Outpace the growth in our core market (コア市場の成長率を上回る成長実現) 当社グループの今後のコア市場においては、半導体の生産量増加、半導体の高性能化、そして半導体の複雑性進行への対応が重要な成長機会となると想定しています。
これに対しては、個々のテスト・ソリューションの性能向上に加え、顧客に“Automation of Test”、すなわち半導体テストの効率性向上をもたらす新たな価値を、当社グループが擁する多様な製品・ソリューション群の有機的な結合や社外パートナーとの連携などを通じて創造します。
これらにより、市場成長率を上回る事業成長を引き続き実現することを目指します。
 当戦略領域における2024年度の主な進捗は以下となります。
・テスト需要の変化を先読みした顧客訴求力ある製品の拡販や重点顧客・地域戦略を通じ、引き続き半導体テスタ(ATE)市場において過半のシェアを維持・AI/HPCデバイス用新電源モジュールや次世代メモリ向けテスト・システムなど、新たなキー・テスト・ソリューションを複数発表・今後の半導体の技術展望に基づき、成長領域に向けた研究開発投資やマーケティング施策を積極的に実施 2. Expand adjacently / new businesses (近縁市場・新規事業領域への展開) 半導体の高性能化や複雑性が進行する中では、より広く、統合されたテスト・ソリューションが望まれます。
当社グループはこれまでもシステムレベルテストやテスト周辺機器への事業展開を進めてきましたが、今後もこのアプローチを継続することで顧客への提供価値をさらに拡大します。
具体的には、当社製品のインストールベースを活用したフィールド・サービスやAdvantest Cloud SolutionsTMの販促に取り組むほか、Applied Research & Venture Teamによる事業機会創生にも挑戦します。
 当戦略領域における2024年度の主な進捗は以下となります。
・シリコン検証を自動化する画期的なソリューション「SiConicTM」の提供開始により、半導体の設計検証工程とシリコン検証工程における当社グループの事業機会を拡大・顧客の将来のニーズに応える高性能なトータル・テスト・ソリューション実現に向け、プローブカード・メーカーであるTechnoprobe S.p.A.(イタリア)、FormFactor, Inc.(米国)、株式会社日本マイクロニクス(日本)と戦略パートナーシップ契約を締結・テストエンジニアリングサービス強化に向けた戦略投資として、Salland Engineering International B.V.社(オランダ)を買収 3. Drive operational excellence (オペレーショナル・エクセレンスへの取り組みを推進) 当社グループは、技術、ノウハウ、リソースの活用を部門横断的に進めることで、半導体業界におけるテスト課題を解決していきます。
また、当社グループのステークホルダーすべてにとって価値がある企業となるためには、製品や技術面の優秀さだけではなく、あらゆるオペレーションの効率性と効果性を高めていく必要があると認識しています。
それに向け、DXを通じた社内オペレーションの迅速化と省人化、強靭なサプライチェーンの構築、有能人財の登用や社員教育の拡充などによる人的資本強化、AIやデータ・アナリティクスを活用した社内生産性向上などに取り組みます。
 当戦略領域における2024年度の主な進捗は以下となります。
・サプライチェーン管理の高度化により、テスト需要の旺盛な伸びに対する追従力を強化・社内オペレーションの迅速化と業務効率向上に向け、積極的なIT投資を実施・価値創造の源泉である人的資本の強化に向け、従業員エンゲージメント向上施策を展開 4. Enhance sustainability (サステナビリティの取り組み強化) 気候変動や人権問題をはじめとするサステナビリティ課題に対する能動的かつ積極的なアクション、法令遵守や企業倫理の徹底を含めた責任ある事業活動の遂行、リスクマネジメントの強化やコーポレート・ガバナンスの高度化などを通じて企業価値向上基盤をさらに強化するとともに、各ステークホルダーからより厚い信頼を得られるよう努めます。
またサステナビリティに関する取り組みの推進にあたっては、その根源となるものは企業内の共通カルチャーや価値観であることから、これらの醸成と浸透にも努めます。
 当戦略領域における2024年度の主な進捗は以下となります。
・ステークホルダーに対する提供価値の拡大に向け、サステナビリティに関する基本方針や行動計画を刷新するとともに新たな中期KPIを設定 <経営指標> MTP3では、上記の4つの戦略を通じて収益拡大、収益性改善、資本効率向上を図ることで、企業価値の向上に取り組みます。
これに沿い、MTP3において重視する経営指標を売上高、営業利益率、当期利益、投下資本利益率(ROIC)、基本的1株当たり当期利益(EPS)とし、これらの向上に努めます。
なお各指標の進捗を中長期視点で評価するため、経営指標には市場変動の影響を平準化できる3か年平均の値を用います。
MTP3の初年度にあたる2024年度は、すべての経営指標において目標値を超過しました。
MTP3(2024~2026年度)平均目標*12024年度実績*2売上高5,600~7,000億円7,797億円営業利益率22~28%29.3%当期利益930~1,470億円1,612億円投下資本利益率*3(ROIC)18~28%31.5%基本的1株当たり当期利益(EPS)127~202円218.67円*1 MTP3財務目標値の前提とした為替レートは1米ドル=140円、1ユーロ=155円*2 2024年度の為替レート実績は1米ドル=153円、1ユーロ=164円*3 投下資本利益率:NOPAT÷投下資本(期首・期末平均)。
NOPAT:営業利益×(1-税負担率25%)。
  投下資本:借入金+社債+資本合計(リース負債含まず) <コスト・利益構造> 優れたテスト・ソリューションの販売促進、サプライチェーンマネジメントや製造オペレーションの最適化などを通じ、売上総利益率の改善に取り組みます。
また研究開発投資や人的資本強化投資など、持続的な価値創造の源泉となる費用については積極的に投下する一方、DX化などの経営効率や業務生産性を高める施策を展開することで収益構造の継続的な改善に努めます。
他方で、世界経済や当社の市場環境における将来の不確実性は高い状態にあります。
環境変化に即した機動的な財務マネジメントを遂行していくことで、上記経営目標の達成に努めます。
<資本政策、株主還元> 資本政策として、研究開発、設備増強、M&A等の成長に向けた事業投資を優先します。
半導体市場の長期的拡大と半導体のさらなる高性能化に即して当社グループの将来キャッシュ創出力が拡大するよう、MTP3期間中に予想される累計6,000億円以上の営業キャッシュ・フロー(研究開発費控除前)を、中核事業におけるオーガニック成長投資ないしノン・オーガニック成長投資、および近縁市場への事業展開の加速に振り向けます。
また、資本効率と資本コストに配慮したバランスシート管理の見地から負債(デット)も柔軟に活用してまいります。
さらに経営基盤の強化および持続的企業価値創造のために財務健全性を維持した上で適正な資本構成を図る方針であります。
 2024年4月から開始したMTP3の3年間における株主還元方針は、安定した事業環境を前提として、配当については1株当たり通期30円を最低限とする方針のもと、安定的・継続的な配当実施に努めてまいります。
総還元性向※に関しては、MTP3期間の3年間合計で50%以上を目途といたします。
 また手元現金水準については、平時における目安を1,000~1,200億円と見積もっています。
成長投資や運転資本への資金需要を超えて余裕資金が生じる場合は、配当や自己株式取得を通じて株主に還元します。
(※) 総還元性向:(配当額+自己株式取得額)÷連結当期利益 <成長投資と株主還元実績> MTP3(2024~2026年度)3か年累計想定2024年度実績研究開発費約2,100億円714億円設備投資約600億円210億円M&A等の戦略投資約1,000億円223億円株主還元額 (配当額+自己株式取得額)1,400億円以上787億円総還元性向50%以上49% (4)2025年度の経営環境および取り組み 今後の当社グループを取り巻く事業環境を展望しますと、暦年2025年の半導体市場は、前年に引き続きAI関連向け半導体需要が牽引するものと見ています。
半導体試験装置市場においても、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の需要回復にはなお時間を要するものの、半導体の複雑化および生産拡大を背景に、AI関連向け試験装置需要は引き続き高水準に推移するものと見込んでいます。
AIに関連した半導体に参入する企業の増加も、この需要に寄与するものと考えます。
 一方で世界経済を俯瞰しますと、継続する地政学リスク、急激な為替変動リスクなど、当社グループを取り巻く事業環境は先行きの不透明感が強まっています。
 当社グループは、外部環境の変化にたえず注意を払い、機敏かつ柔軟に対応するとともに、引き続き第3期中期経営計画で掲げた施策を推し進めることで中長期的なステークホルダーへの提供価値拡大に取り組んでまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組 2【サステナビリティに関する考え方および取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般①基本的な考え方 「経営方針、経営環境および対処すべき課題等」で記載したとおり、当社グループは、中長期経営方針「グランドデザイン」にて、「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ」をビジョン・ステートメントとしています。
このビジョンを体現する企業であるべく、当社グループは、顧客課題の解決を軸としながら、サステナブルな社会実現につながる各種取り組みを今後一体的に推進します。
そして同時に、当社グループを取り巻く各ステークホルダーの期待や要請を事業活動に適切に反映していくことで、当社グループの存在意義や提供価値を経済的にも社会的にもバランスよく、かつ多面的に拡大することを目指します。
<ステークホルダー> 当社グループは、経営理念と中長期的に当社事業に与える影響度に鑑み、株主・資本市場、従業員、顧客、サプライヤー、パートナー、地球環境を、重要なステークホルダーと位置付けています。
<ステークホルダーへの提供価値> 当社グループが主要なステークホルダーに提供すべき価値の主なものは以下と分析しています。
当社グループはステークホルダーにこれらの価値を提供するとともに、ステークホルダーに負の影響を与える事象を発生させないよう取り組むことで、ステークホルダーからさらなる信頼をかち得るよう努めます。
ステークホルダー提供価値(アウトカム)株主・資本市場 - 中長期的な企業価値の向上従業員 - 従業員満足度の向上顧客 - 顧客課題の解決を通じた顧客の事業成長への貢献 - 顧客の環境課題改善への寄与サプライヤー - 事業成長機会の拡大 - 持続可能な社会価値の共創パートナー - エコシステム/ビジネスパートナー:パートナーとの協働を通じた業界における課題解決、相互の事業成長機会の促進 - 地域社会:人々がより豊かに暮らせる社会づくりへの貢献地球環境 - 持続可能な地球環境への貢献  また、当社グループがサステナブルな社会実現への貢献と自社の成長の両立を果たすためには、事業活動を通じたステークホルダー価値の創造に加え、企業価値向上の基盤となるグループ・ガバナンスをさらに強化していくことが不可欠と認識しています。
この考えに沿い、当社グループは、法令遵守や企業倫理の徹底を含めた責任ある事業活動の遂行、コーポレート・ガバナンスの高度化、およびリスクマネジメントの強化といった取り組みを推進します。
②戦略 当社グループは、社会的貢献拡大とステークホルダーへの提供価値のさらなる創造を図るという観点のもと、「The Advantest Way」の構成要素として「サステナビリティ基本方針」を策定し、これを基盤にサステナブル経営の推進に努めています。
 さらに、当社グループは、サステナビリティ課題への対応を中期経営計画における戦略の1つと位置付けています。
サステナビリティに関する中長期的なリスク分析や課題について、マテリアリティ評価を実施し、経営会議において審議しています。
また、個々の目標やありたい姿を中期的な行動計画として設定することで事業成長戦略と社会課題解決に向けた取り組みを一体的に推進しています。
<マテリアリティ評価> 当社グループは、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の発行したサステナビリティ開示基準を参考に、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、投資家の判断に影響を与える合理的な可能性があるサステナビリティ関連リスクおよび機会の識別を行いました。
当社グループは、マテリアリティ評価を実施する上で、気候変動に係る検討において一部シナリオ分析を行っております。
 マテリアリティ評価を実施するにあたり、当社グループのバリューチェーンを整理したうえで、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)スタンダードや欧州連合(EU)の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に定められる「欧州サステナビリティ報告基準」(ESRS)、当社グループと同じ産業において事業を営む企業による開示情報等を参照し、当社グループにとって重要である可能性のあるサステナビリティ関連リスクおよび機会を識別しました。
識別したサステナビリティ関連リスクおよび機会を基に、社外ステークホルダーとのコミュニケーションや関連するCxOおよび部署との協議を通じて各リスクおよび機会の重要性を判定しました。
サステナビリティ関連リスクおよび機会の重要性は、発生可能性および発生した場合の財務的影響を踏まえ評価しております。
マテリアリティ評価のプロセスおよび重要であると判定したサステナビリティ関連リスクおよび機会については、経営会議において審議の上、取締役会に報告を行っています。
マテリアリティ評価は毎年度実施し、具体的な目標をサステナビリティ行動計画に反映していく予定です。
マテリアリティ評価の結果、当社グループとして優先的に取り組むべき項目を以下のように特定しています。
そのうち、特に重要と思われる、気候変動、自社の従業員、バリューチェーン内の労働者について、「(2)気候変動関連の取り組み」「(3)人権の尊重」「(4)人的資本」において、それぞれ現状の課題認識、当社グループとしての取り組みを記載しています。
項目リスク機会気候変動移行リスク・気候変動関連規制への対応や再生エネルギー導入拡大に伴う事業コスト増加・当社製品のエネルギー効率が顧客要求水準を満たさないことによる販売への影響物理的リスク・気候変動に起因する災害による物流インフラや生産への影響、甚大な損失の発生、事業機会の喪失・環境性能に優れた製品開発による顧客からの信頼性向上を通じた、競争優位性維持と事業成長・主要製品の工期短縮、物流最適化、サプライチェーンのローカライゼーションを通じたエネルギー使用量削減による事業コスト削減および環境負荷軽減 汚染・汚染や対策規制要件を満たすための対応費用や、未処理水等の水域への流出や有害物質等の土壌への流出が発生した場合の対応費用の発生―サーキュラーエコノミー―・製品の再利用戦略による、サステナビリティに係る新たなビジネスモデルの創出、ブランドイメージの向上や環境意識の高い顧客の開拓自社の従業員・会社の魅力低減による人財流出、採用難、それに伴う労働生産性・技術優位性の低下・労働安全衛生管理の不備・怠慢に起因する労働災害・事故による、従業員の安全および事業継続への影響・コンプライアンス違反や人権侵害が発生した場合の事業への影響および信用の低下・ジェンダーエクイティ推進の不足に起因する従業員満足度やモチベーションへの悪影響、また、これに伴う効率的な事業運営の阻害・充実した育成制度やワークライフ・バランスによる採用機会の拡大および継続的なトレーニング・研修を通じたさらなる競争力の強化・多様な人材の活用によるイノベーションや成果、課題解決力の向上・ポジティブな職場環境の促進および労使間のオープンなコミュニケーションを通じた従業員のコミットメントとパフォーマンスの向上バリューチェーン内の労働者・児童労働、劣悪な労働環境、紛争鉱物の使用等、サプライチェーンにおける人権侵害に関わる事象に伴う事業への影響および信用の低下― <サステナビリティ行動計画2024-2026> 当社グループのサステナビリティ推進に向けて、顧客価値向上など事業上の価値創造に関わる課題、人的資本高度化など事業基盤の強化に関わる課題、経営執行体制の見直しなど経営基盤強化に関わる課題、社会・環境面における規制やリスク対応に関する課題、サステナビリティに関する国際開示基準の動向などを踏まえ、ステークホルダーと自社の双方の観点から今後重要と認識した課題を抽出し、これを中期経営計画の下位計画となる「サステナビリティ行動計画」として整理しています。
さらに「サステナビリティ行動計画」において個々の課題ごとに設定した目標の達成に向け、活動を戦略的に推進しています。
当社グループにおける重要性の変化に応じ、「サステナビリティ行動計画」における活動項目および目標は定期的に見直されます。
 2024年度を初年度とする第3期中期経営計画(MTP3)における「サステナビリティ行動計画」の内容および目標については、⑤指標および目標を参照ください。
③ サステナビリティに関する推進体制とガバナンス<推進体制> 当社グループは、「サステナビリティ基本方針」に基づき、 Group CEOを含めた各CxOを個々の課題の責任者に設定しながら全体の活動を推進しています。
さらに、「サステナビリティ行動計画」を各ユニット単位での毎年の具体的な事業計画へ落とし込むことで、全体の取り組みを着実に進捗させるよう努めています。
 また、サステナビリティに関する取り組みをグループ全体で機動的に推進していくために、当社グループは、経営会議直結の組織である「サステナブル経営推進ワーキンググループ (SMWG)」を2020年度より設置しています。
この組織は、すべてのビジネス・ユニット、ファンクショナル・ユニット、リージョナル・ユニットのリーダーで構成される全社委員会であり、その統括リーダーはGroup CEOが務めています。
この委員会において、各ユニットにおけるESG課題の重要性分析等を基に、全社横断的に対処すべきサステナビリティ課題についてのアップデートや議論を定期的に行うことで、サステナブル経営のさらなる推進と深化を図っています。
 当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みは、その全体の進捗状況が定期的に経営会議に報告され、必要に応じて是正策の検討がなされます。
<ガバナンス> 当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みは、案件の重要性に応じて個別に取締役会への報告や監督を受けるなど、取締役会の関与のもとで推進されています。
SSBJによるサステナビリティ開示基準を参照し、当社グループ全体を対象に実施したマテリアリティ評価においても、その内容に対し、経営会議で審議の上、取締役会に報告されました。
 これに加え、役員報酬制度として、当社グループの経営理念およびビジョンのもと、企業価値向上に資する制度とすることを目指し、2024年6月に報酬制度を一部変更し、業績連動型株式報酬の副指標の一つとしてサステナビリティ評価を採用しています。
報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。
サステナビリティに関する推進体制(提出日現在)CSO: Chief Strategy Officer、CHO: Chief Human Capital Officer、Group COO: Group Chief Operating Officer ④ リスク管理 当社グループは、経営会議において、サステナビリティ課題のリスクと機会について議論をしています。
 当社グループのリスクマネジメントにおけるプロセス詳細は、「3. 事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制について」に記載のとおりであります。
サステナビリティに関わる重要なリスクに関しても、経営会議における定期的な課題把握およびSMWGが各ユニットの施策立案と活動をサポートすることを通じ、他の事業リスクと同等の体制でマネジメントされます。
サステナビリティに関する重要な機会については、リスクと同様に経営会議で把握し、SMWGが具体的な戦略策定と機会の実現に向けた活動をサポートする体制としています。
 その他、気候変動については、SMWGが気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく気候関連リスクおよび機会に対してシナリオを設定し、分析および評価を行っています。
 気候変動に関するリスクおよび機会の管理については、「(2)気候変動関連の取り組み ①ガバナンス」に記載しております。
⑤ 指標および目標 当社グループが重要と認識するサステナビリティ領域・課題、およびそれらの指標や目標については、統合報告書やサステナビリティレポート等を通じ、ステークホルダーに対し適時適切な情報開示となるよう努めています。
その一環として、主要な指標に関しては第三者による保証を取得しています。
<「サステナビリティ行動計画2024-2026」2024年度の結果> 2024年度以降の当社グループのサステナビリティに関する中期的な取り組みの全体像およびそれぞれの中期目標は以下のとおりです。
 サステナビリティに関する新たな中期的な行動計画の策定にあたっては、中長期経営方針「グランドデザイン」および第3期中期経営計画(MTP3)と連動した取り組みとなるよう、取り組むべきテーマをステークホルダーへの提供価値拡大という観点に基づくものへ全面的に再編するとともに、それら各テーマに対する中期目標を新たに設定しています。
「サステナビリティ行動計画2024-2026」の中で、②戦略<マテリアリティ評価>に基づき、当社グループとして主要な項目として認識し開示する、提出日現在におけるKPI、目標値および2024年度実績は以下のとおりです。
第三者による保証の取得の過程にある指標および見直し中の指標については、2025年10月を目途に、当社グループのホームページ上で掲載予定です。
今後、当社グループにとってのマテリアリティ評価に基づき、行動計画の内容も随時更新されます。
ステークホルダー重点テーマ目標担当役員(注1)KPI目標値(2026年度)結果(2024年度)従業員多様性の尊重ジェンダー・ダイバーシティの推進CHO女性管理職比率(注2)11%9.7%従業員エンゲージメント魅力ある企業文化の醸成、浸透CHO離職率自己都合離職率がMTP2期間平均(5.9%)を下回る4.4%CHOGallup社サーベイのスコア(注3)3.803.76人財への投資Advantest Development Frameworkに基づく育成推進CHO教育・研修費用8.0億円6.8億円サプライヤーサプライチェーンにおける人権の尊重、公正な取引サプライチェーンにおけるサステナビリティの浸透CSCO指定取引先に対するデュー・ディリジェンスの実施率(注4)100%100%地球環境温室効果ガス排出削減(スコープ1+2)スコープ1+2におけるGHG排出量削減CSOGHG排出量削減率65%減(2018年度比)75%減提出日現在の概算値再生可能エネルギーの導入CSO再生可能エネルギー導入率80%85%提出日現在の概算値サーキュラーエコノミーへの貢献3Rの推進によるリサイクル率の向上3R:Reduce/Reuse/RecycleCSO廃棄物リサイクル率(日本・海外)日本: 90%以上海外: 73%以上日本: 93%海外: 64%提出日現在の概算値全社の水使用量を2016年度の水準に維持するCSO水資源使用量288,000㎥/年 以下296,781㎥/年提出日現在の概算値\ 重点テーマ目標担当役員(注1)KPI目標値(2026年度)結果(2024年度)ガバナンス責任ある事業活動の徹底公正かつ透明性の高い職場の実現CCOコンプライアンスサーベイ(注5)における『内部通報窓口の利便性が向上した』との回答率(注6)50%以上82.8%労働安全衛生の維持・向上CHO重大な(休職に至る)労働災害発生率(LTIR:Lost Time Incident Rate)00.35 (注)1.担当役員一覧は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ①役員一覧」に記載のとおりであります。
2.提出会社の女性管理職比率は、「第1 企業の概況 5.従業員の状況」に記載しております。
3.グループ全体でのサーベイは3年に1回実施しております。
今回は2024年度実施のサーベイのスコアを記載しています。
4.取引金額ベースで上位85%を占めるTier1サプライヤーおよびそれらの主要サプライヤーであるTier2サプライヤーに対してデュー・ディリジェンスを実施します。
これらのサプライヤーを指定取引先として定めています。
5. グループ全体でのコンプライアンスサーベイは3年に1回実施しております。
6.全従業員が内部通報窓口の利用を希望するものではないことを踏まえ、内部通報窓口の利便性向上について「知らない」とした回答を除き算出しております。
(2)気候変動関連の取り組み<TCFD提言への取り組み> 当社グループはThe Advantest Wayのもと、長期的な視点で「緩和策」と「適応策」の取り組みを継続し、重要な社会課題である気候変動への対策に事業を通して貢献します。
当社グループはTCFDに賛同しており、本項目では、TCFDの提言に沿って気候変動関連の重要情報を開示します。
① ガバナンス 当社グループにおける気候変動関連の事項を含む環境経営推進体制は、Group CEOを統括リーダーとするSMWGにおける環境経営グローバル・リードのもと、ビジネス・ユニット、ファンクショナル・ユニット、リージョナル・ユニットで構成されています。
 当社グループ全体の気候変動関連目標は、「サステナビリティ行動計画」において定められており、同行動計画は経営会議における議論および承認を経て策定されています。
同行動計画における気候関連目標は、SSBJによるサステナビリティ開示基準、TCFD、CSRD、ESRSなどの各種基準やフレームワーク、法令等を参照しつつ、業界団体における環境関連コンソーシアム等の動向を踏まえながら毎年見直しています。
 SMWGは、グローバル・サステナビリティ・ミーティングにおいて、気候関連目標を含むサステナビリティ関連の目標を定めたサステナビリティ行動計画の取り組み・達成状況について報告しており、経営層の確認および承認を得ています。
また、気候関連リスクおよび機会の分析においては、経営会議が報告を受けたうえで、承認を行い、取締役会に報告を行っております。
② 戦略 当社グループは、気候変動を、当社グループが事業を継続すると同時に持続可能な社会の実現に貢献するために重要なテーマの1つとしてとらえ、対策を推進しています。
気候変動対策の推進においては、顧客や取引先などの社外ステークホルダーとの協働が不可欠であることから、GHG排出量削減と再生エネルギー導入を中心に、気候変動問題における課題ごとに中期的な目標を定め、社内外一体となったタスクフォース(TF)を設置し、気候変動課題に対する責任ある取り組みを推進しています。
 具体的には、顧客との協働によるスコープ3カテゴリー11(販売した製品の使用に関する排出量)に対処するためのTF1「製品開発におけるCO2削減」およびTF3「顧客との協働によるCO2削減」、サプライヤーとの協働によるスコープ3カテゴリー1(購入した製品・サービスに関する排出量)に対処するためのTF2「取引先との協働によるCO2削減」、自社の生産プロセスによる直接排出スコープ1+2に対処するためのTF4「省エネ設備、再エネ導入による事業活動上のCO2削減」の4つのTFを通じ、活動を展開しています。
CO2削減を推進するためのタスクフォースタスクフォースアプローチ先具体的な活動TF1スコープ3 カテゴリー11(販売した製品の使用)飛躍的に複雑化する半導体のための最適なテスト・ソリューション開発TF2スコープ3 カテゴリー1(購入した製品・サービス)取引先との協働によるCO₂削減TF3スコープ3 カテゴリー11(販売した製品の使用)顧客との協働によるCO₂削減TF4スコープ1+2(自社の生産プロセスによる直接排出や購入する電力)省エネ設備、再エネ導入による事業活動上のCO₂削減 <気候変動のリスクと機会> 当社グループは、TCFDの分類に沿って、気候変動のリスクと機会を検討し、定期的に見直すことにより、気候変動がもたらすリスクと機会を把握し、自社のレジリエンス向上に取り組んでいます。
これらのリスクと機会について「重要度」と「影響度」による評価を行うとともに、「短期(2027年まで)・中期(2030年まで)」と「長期(2050年まで)」の時間軸に分類しました。
 シナリオ分析においては、1.5℃/2℃、4℃ともに、以下の時間軸で検討しております。
・移行リスクや機会に関するシナリオは政策動向などを正確に反映させるため2030年・物理的リスクに関するシナリオは、すでに物理的影響が顕在化していること、また、将来的に気温が上昇した場合にはより物理的影響が大きくなると考えられることを踏まえ、2030年および2050年 (気候変動関連のリスク) 気候変動関連の事業リスクについては、①主に1.5℃/2℃未満シナリオの途上に起こる「脱炭素社会への移行に関連したリスク」と、②世界のCO2排出量削減未達により4℃シナリオに至った場合に発生する「気候変動に伴う物理的影響に関連したリスク」の2つのシナリオに関し、TCFDの分類に沿って検討しました。
 物理的リスクについては、自社生産拠点を対象に、2030年時点、2050年時点での浸水被害による影響を試算しています。
リスクの評価を行った結果、自社生産拠点のうち、群馬工場および埼玉R&Dセンタ、Essai, Inc.(米国アリゾナ州チャンドラー)に水害リスクが存在することが判明しています。
群馬工場においては特別高圧変電所更新時に嵩上げを行ったほか、止水板の設置等の水害対策を行っており、埼玉R&Dセンタにおいても水害対策の実施を予定しています。
Essai, Inc.のチャンドラー工場においては、雨期の多雨への対策として、排水設備を導入しています。
また、オールハザード型の事業継続マネジメントの取り組みを通じ、気候変動による影響を含めたあらゆる災害に対応できるよう対策を進め、レジリエンスの向上に努めています。
1.5℃/2℃未満シナリオ:脱炭素社会への移行リスクカテゴリー主なリスク対応・戦略時間軸政策・法規制・気候変動関連規制への対応による事業コスト増加(炭素税、法令対応費用、部品調達費用等)・自社拠点への再生可能エネルギー導入の促進・サプライヤーの脱炭素支援短期技術・市場・環境低負荷対応の前倒し、または脱炭素に係る領域(カーボンフットプリント等)での競争環境の激化による研究開発費増・顧客からの低炭素技術に係るニーズに応えられないことでの評価の変化や販売機会損失による売上高減少・省エネ性能(低電力/小型化)とテスト性能向上の両立による自社製品の付加価値向上・環境性能に優れた製品の販売促進・次世代の省エネ研究・開発に対応する人財づくり短・中期評判・気候変動問題に対する取り組みへの評判低下による競争環境悪化、および投資家評価変化 ・気候変動への取り組みを含むサステナビリティ経営の推進(サステナビリティ行動計画2024-2026の目標達成)・気候変動に関連するデータおよび取り組みの適切な開示短・中期 4℃シナリオ:気候変動に伴う物理的リスクカテゴリー主なリスク対応・戦略時間軸急性大型台風や降雨量の増加による・自社生産拠点での被害に伴う復旧費用発生や売上高減少・サプライチェーンの寸断に伴う売上高減少・水害対策の計画、実施・オールハザード型事業継続マネジメントの推進短期~長期 (気候変動関連の機会) 気候変動対策が強化された脱炭素社会においては、半導体が大きく貢献します。
デジタル革命による半導体需要のすそ野の広がりなど、今後半導体生産数は増加の一途をたどることが想定できます。
並行して半導体の技術進化・複雑化により、半導体試験の質と量が高まります。
1チップ当たりのテスト内容の強化と半導体の物理的な増加、この2つの要素の掛け算で半導体テストの需要が増加することが見込まれます。
したがって、当社グループは、テスト当たりの全体的なカーボンフットプリントを競合他社と比較して削減できることを前提に脱炭素社会を気候変動の機会と認識しました。
こうした技術進化のための研究開発費や次世代の技術に対応する人財づくりなど、先行的な投資も行い、当社グループは、半導体テストの事業と新たな半導体技術に対応する製品開発を通じて未来の脱炭素社会の実現に貢献していきます。
気候変動関連の機会カテゴリー主な機会対応・戦略時間軸製品およびサービス・市場ハイエンドSoCやHBMなど、AI/HPC向け半導体の旺盛な市場伸長に伴うテスト需要の増加・電力最適化とテスト性能向上の両立・新たなテスト方式の研究とテスト装置の開発短・中期EV移行や電力変換効率を高めるSiC(炭化ケイ素)/GaN(窒化ガリウム)半導体の需要拡大に伴う、パワー半導体向けテスタ事業の拡張・新たなテスト方式の研究とテスト装置の開発・高度化するテストニーズに対するソリューションの提供およびテスト効率の最適化短・中期環境性能に優れた製品開発による顧客からの信頼性向上を通じた競争優位性維持と事業成長・サステナビリティ行動計画2024-2026に基づく電力最適化製品導入の着実な実施短・中期 ③ リスク管理 当社グループでは、事業経営の阻害要因となるものをリスクとしてとらえ、全社的なリスクマネジメントの体制を整備しています。
全社的なリスクマネジメント体制は、「3. 事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制について」に記載のとおりでありますが、気候変動が及ぼすリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。
具体的には、気候変動に伴う緊急性のあるリスクと、将来起こりうるリスクの事案の分析・評価を行い、そのリスクを回避・軽減する施策を実施しています。
④ 指標および目標 気候変動関連に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標および目標」に記載しております。
当社グループでは、気候変動対策の中長期目標として、2050年度にスコープ1+2におけるGHG排出量ゼロを目標として掲げ、また、スコープ1+2におけるGHG排出量を2026年度に2018年度比でGHG排出量を65%削減する目標を掲げております。
国内拠点における再生可能エネルギーの導入が着実に進展した結果、スコープ1+2に関して、2024年度において2018年度比で75%のGHG排出量削減を見込んでおり、目標を前倒しで達成する見通しです。
こうした進捗を踏まえ、2025年度以降のスコープ1+2におけるGHG排出量削減目標について、見直しを検討しております。
なお、当社グループは2030年度のスコープ3のGHG排出量削減目標を策定しておりますが、当社グループを取り巻く事業環境の変化を踏まえ、現在、スコープ3のGHG排出量削減目標値の見直しを行い、目標達成に向けた具体的な施策を検討するとともに、当社の実務に即した形で運用可能であり、かつ投資家にとって理解がしやすいスコープ3GHG排出量に係る指標の策定を目指しております。
以下に記載の2024年度のGHG排出量は、提出日現在における概算値であり、今後他の主要な実績数値と同様にEY新日本有限責任監査法人による第三者保証を取得し、2025年10月を目途に、当社グループのホームページ上で掲載予定です。
 統合報告書(https://www.advantest.com/ja/about/annual.html) サステナビリティレポート(https://www.advantest.com/ja/sustainability/report/) GHG排出量実績(スコープ1+スコープ2)(注1)単位:千t-CO2e対象範囲2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度(注2)国内19.6819.1416.2511.8311.049.151.17海外18.4514.7111.9313.219.438.928.38合計38.1333.8528.1825.0420.4718.079.55 GHG排出量実績(スコープ3)単位:千t-CO2e対象範囲2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度(注2)カテゴリー1489.53400.46482.02671.61966.74881.841,095.98カテゴリー111,175.02855.011,151.981,319.351,991.311,519.502,324.23その他(注3)28.6235.3749.4061.9580.2670.11集計中合計1,693.161,290.841,683.412,052.923,038.312,471.46集計中(注)1.スコープ2はマーケット基準で算定しています。
   2.2024年度のGHG排出量は提出日現在の概算値です。
   3.当社グループの事業においては、カテゴリー10(販売した製品の加工)、カテゴリー13(リース資産(下流))、カテゴリー14(フランチャイズ)、カテゴリー15(投資)に該当する活動を実施していないため、集計対象外としています。
(3)人権の尊重 当社グループは、「自社の従業員」および「バリューチェーン内の労働者」の人権を優先的に取り組むべき重要な項目であると認識しています。
① ガバナンス当社グループにおける自社の従業員の人権課題についてはCHO(Chief Human Capital Officer)をトップとして、グローバル共通の取り組み体制および各地域個別の取り組み体制を整備しています。
コンプライアンスに関するリスクは、すべてCCO(Chief Compliance Officer)に情報が適時または定期的に集約され、CCOから経営会議や取締役会に報告される体制となっています。
当社では2023年7月からCHOがCCOを兼務しているため、人権擁護・人事苦情処理委員会等に届く人に関するリスク情報も含めてすべてCCOに集約されます。
兼務によって情報が一元的に集められるガバナンスとなっております。
 また、人権方針と重点施策の見直しは定期的に行われており、自社のみならずサプライチェーン上でも人権を尊重した事業活動が継続できるよう、サプライヤー選定や取引条件の中にも、人権の項目を取り入れ、責任ある企業行動への協力を要請しているほか、レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)行動規範をベースとした「サプライチェーンCSRガイドブック」を発行し、サプライヤーとともに人権や労働に関する国際規範に準拠していけるよう努力しています。
CSCO(Chief Supply Chain Officer)をトップとして、サプライチェーンにおける人権の尊重、公正な取引に向けたグローバル共通の取り組み体制および各地域個別の取り組み体制を整備しています。
2024年4月のGroup CEOの交代に伴い、国際的規範に基づいて、あらためてアドバンテストグループ人権方針の見直しを行いました。
改定にあたっては、労働組合を含む社内の関連各部署をはじめ、社外の人権専門家にもヒアリングを行い、意見やアドバイスを踏まえて案を作成し、経営会議で審議・承認の上、改定しました。
② 戦略 グローバルに事業を展開している当社では、世界の人々の人権が守られなければ、当社ビジネスの持続的な成長が見込めなくなることを認識しています。
その考え方は、「The Advantest Way」でも明文化され、国連グローバル・コンパクトの10原則、世界人権宣言およびビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)を含む、国際的に認められた人権に関する原則を支持し尊重するとともに、この行動基準を私たちの事業活動の基盤とすることを約束しています。
当社グループは、サプライチェーンを通じた活動においても人権が尊重されるよう、ステークホルダーとのエンゲージメントも重視しています。
人権方針の内容は、調達方針ならびにサプライチェーンCSR推進ガイドブックにも反映され、事業により人権に影響を与えうる可能性のあるステークホルダーには、そのステークホルダー自身だけでなく調達パートナーにまで配慮するよう依頼しています。
また、人権に関しては国または地域ごとの法令対応も必要になるため、法務部門とも連携しながら人権に関する法令を遵守しています。
 これらの人権の取り組みの一部である、当社グループの人権方針は次のとおりです。
a. アドバンテストグループ人権方針 当社グループは、「先端技術を先端で支える」ことで「安全・安心・心地よい」社会の実現に貢献しています。
私たちは、グローバルに事業活動を行う中で影響を受けるすべての人の人権が守られなければならないことを認識しています。
その考え方はアドバンテストグループの「The Advantest Way」で明文化されており、この「アドバンテストグループ人権方針」は、「The Advantest Way」に基づき、アドバンテストグループの人権尊重の責任を表明するものです。
1.国際的規範の尊重私たちは、「世界人権宣言」「国連グローバル・コンパクト10原則」「国際人権章典」「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」等の人権に関する国際規範を支持、尊重し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権尊重の取り組みを推進していきます。
2.人権尊重の責任私たちは、自社のみならずサプライチェーンを含む事業活動において、人権に対する負の影響が生じた場合や、負の影響を助長したことが明らかになった場合には、是正に向けて適切な救済措置と防止・軽減措置を行うことで人権尊重に対する責任を果たします。
3.適用の範囲本方針は、アドバンテストグループの役員と全従業員(正社員・契約社員・派遣社員を含むすべての社員)に対し適用されます。
また、サプライヤーその他のビジネスパートナーに対しても、本方針に沿った事業活動を行うことを奨励しています。
4.適用法令の遵守アドバンテストグループが事業活動を行う国または地域における法と規則を遵守するとともに、法令と国際規範に乖離がある国や地域においては、それぞれの国と地域の法令規則に可能な限り配慮をしつつ、人権に関する国際規範を尊重する取り組みを推進します。
5.人権デュー・ディリジェンス私たちは、自らの事業活動による顕在的または潜在的な人権への負の影響に対処するため、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、継続的に人権リスクを評価・特定し、人権への負の影響の防止と軽減に取り組みます。
6.教育私たちは、本方針と人権デュー・ディリジェンスが理解され、自らの事業活動の全般にわたって効果的に実行されるよう、役員と全従業員に適切な教育の推進と人権に対する意識の啓発を継続的に実施していきます。
7.情報の開示私たちは、本方針に基づく人権尊重の取り組みの状況について、サステナビリティ・ウェブサイトや統合報告書などにて報告していきます。
8.対話・協議私たちは、人権に関する当面の重点課題を、「アドバンテストグループ人権に関する重点課題」として別途定め、本方針に基づいて適切に取り組んでいきます。
また、当社のサプライヤー、ビジネスパートナーなどによる人権への負の影響が、アドバンテストグループの事業活動に直接つながっている場合は、相手方との対話と協議に基づいて、人権を尊重し侵害をしないように対処を求めます。
なお、人権に関する重点課題については、社会や事業の動向などの変化により適宜ステークホルダーとの対話や協議を通じて見直す必要があることを理解しています。
9.救済へのアクセス私たちは、人権侵害を効果的に防止・是正するために救済へのアクセスを確保・促進します。
当社では従業員、サプライヤー、その他の外部のステークホルダーを含む誰もが、コンプライアンス相談窓口を利用して匿名で通報することができます。
また、通報を理由として通報者に不利益を与えるなどの報復行為を禁止しています。
b. 人権に関する重点課題当社が事業との関連性を踏まえ、重点的に取り組んでいる人権課題は以下の6つです。
これらの重点課題において、私たちは人権に関するリスクを評価・特定し、人権への負の影響の防止と軽減ができるよう、様々な方法で人権デュー・ディリジェンスに取り組み始めています。
1.差別の排除私たちは、一人ひとりの人権を尊重し、人種・信条・性別・年齢・国籍・民族・宗教・社会的身分・身体的障害・疾病・性的指向などによる差別を排除します。
2.児童労働・強制労働の禁止私たちは、法令で定められた就業最低年齢に満たない児童の雇用、および法令で禁じられた強制労働・奴隷労働および人身売買による労働を一切させません。
3.労働基本権の尊重 私たちは、誠実な労使コミュニケーションを通して堅固な信頼関係を築き、お互いが協力しあうことで従業員と会社がともに発展することを目指します。
結社の自由ならびに労働者の団結権および団体交渉権をはじめとする労働基本権を尊重します。
4.適切な賃金の支払いおよび労働時間の管理 私たちは、従業員の労働時間を適切に管理し、各国・地域の法令に則った適正な賃金を支払います。
また、賃金の支払い額は従業員の成果や職歴、労働時間など客観的な実績に基づいてのみ決定されます。
5.安全な職場環境の確保および健康管理 私たちは、私たちの健康、安全および個々の健やかな成長のため、快適な職場環境を維持することに努めるとともに、豊かな個性の伸長を支援します。
6.差別的言動、暴力行為、ハラスメントの禁止 私たちは、いかなる差別的言動、暴力行為、セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、誹謗中傷等個人の尊厳を傷つける行為を行いません。
③ リスク管理全体的なリスクマネジメント体制は、「3. 事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制について」に記載のとおりでありますが、人権に関するリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。
そのほか、当社グループは、自社の事業活動がサプライチェーン上のステークホルダーを含めた人々に対し、負の影響を与えていないかどうかを把握するため、アセスメントの仕組みを取り入れ、人権リスクの特定・評価および防止、軽減措置に努めています。
グローバル共通の企業倫理ヘルプラインを設置し、職場だけでは解決が難しい人権についての問題や相談がある場合に、企業倫理相談室に報告・相談できる制度を設けています。
匿名での報告・相談が可能な仕組みを取り入れており、また、主要な言語である16言語での報告を受け付けています。
スマートフォンなどのモバイル端末から報告・相談できるよう、QRコードを記載したポスターも各事業所に掲示しています。
報告・相談事項は企業倫理相談室が中心となって対応し、報告者・相談者が不利益な扱いや報復行為を受けることがないよう、万全な注意を払っています。
また、ヘルプラインの相談・報告をより行いやすくするため、外部の法律事務所(弁護士)への通報窓口も設けています。
なお、これらのヘルプラインは海外からも利用が可能であり、グローバルイントラネットのトップページにリンクを貼っています。
また、国内においては、労働組合とともに人権擁護・人事苦情処理委員会も設置し、国内の人権問題についての相談を受け付けています。
相談者のプライバシーに十分配慮したうえで人権擁護・人事苦情処理委員会が適切な対応を実施し、迅速な解決を図っています。
当社は、この活動を通して、従業員一人ひとりがお互いの人権を尊重し、安心して働くことのできる職場づくりに努めています。
④ 指標および目標人権に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標および目標」に記載しております。
また、自社の人権に関する取り組みが国際的に求められる基準になっているかどうかを把握するため、積極的に外部サステナビリティ機関のアセスメントも受けています。
2023年度からは、EcoVadis社が実施するセルフアセスメントに回答し、国際標準とのギャップ把握に努めました。
同社のセルフアセスメントは、「環境」、「労働と人権」、「倫理」、「持続可能な調達」の4つのテーマで企業の持続可能性を包括的に評価しており、多くのグローバル企業が同評価をサプライヤー選定における重要な基準として参照しています。
(4)人的資本① ガバナンス 当社グループでは、2022年にCHO(Chief Human Capital Officer)を設置し、CHOを頂点とするグローバル共通の人事課題への取り組み体制および各地域個別の人事課題への取り組み体制を整備しました。
また、人的資本に関する事項の決裁権限については、グローバル組織およびグローバル職務権限規定で定めており、重要な事項の決裁にあたっては、CHOの事前承認またはCHOの決裁を求め、適宜取締役会に報告するなど、グループ全体を考えたガバナンスを確保しています。
② 戦略 先述のとおり、当社グループは、経営理念「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、中長期経営方針「グランドデザイン」を策定し、それを実現するための戦略課題に取り組んでいます。
 これらの戦略課題実現にあたっては、人的資本、研究開発資本、製造資本、顧客関係資本等の整備、強化が必須です。
人的資本は、これらの資本の基盤となるものでもあります。
したがって、当社グループの人事戦略は、経営戦略と密接に結びついたものである必要があります。
そのため当社グループは、人的資本の総合力を高めるべく、「個人の力」と「組織の力」を両輪として、様々な取り組みを進めています。
「個人の力」を高めるために、当社グループは従業員の能力開発に一層の力を入れると同時に、採用およびリテンションプログラムの改善等を通じて必要な人財の確保を進めています。
また、「組織の力」を高めるために、エンゲージメントの向上や多様な人財の定着・活躍に取り組んでいます。
さらに、これらの両輪をつなぐものとして、経営理念の体現に必要な人事制度を継続的に見直しています。
 これらの人事戦略の一部である、当社グループの人財育成基本方針および社内環境整備方針は次のとおりです。
a. 人財育成基本方針 当社グループは、人財を当社グループの持続的成長に不可欠な人的資本としてとらえ、人財の育成は人的資本への投資であり、育成により高めた「個人の力」とこれを活かす「組織の力」の両輪が従業員エンゲージメントを高め、当社グループの価値創造を推し進めると確信しています。
The Advantest Way、コア・バリュー「INTEGRITY」を礎に、技術戦略や卓越した経営戦略のもとで、人財開発フレームワークに基づき、積極的、継続的かつ公正に人財の育成に取り組みます。
1.キャリア自律 私たちは、従業員が積極的にキャリアアップすることを奨励し、目指すキャリアに求められる経験や知識を得るためのリソースやサポートを提供します。
2.グローバル人財 私たちは、長期的な視野に立ち、グローバルな視点で専門性やマネジメントリテラシーを高める機会を提供し、人財を育成します。
3.最先端人財 私たちは、経営理念「先端技術を先端で支える」を体現するため、長所をさらに伸ばすことにより、最先端にチャレンジするハイパフォーマーの育成を目指します。
4.Advantest Development Framework 私たちは、The Advantest Wayおよび経営戦略に基づき、当社のすべての従業員のため、キャリアアップに求められるスキルをAdvantest Development Frameworkとして表し、必要なリソースを提供します。
b. 社内環境整備方針 当社グループは、人財を当社グループの持続的成長に不可欠な人的資本としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことが当社の企業価値向上に直結することを認識し、The Advantest Way、経営戦略およびこの基本方針に基づき、積極的、継続的かつ公平に人的資本に関する社内環境の整備に取り組みます。
1.企業文化 私たちは、The Advantest Wayが、多様性に富む当社従業員をグローバルに結束したチームをつくる企業文化の礎であることを理解し、すべての従業員が日々の業務生活の中でThe Advantest Wayを体現、実践できるよう、継続的にThe Advantest Wayの定着および浸透に取り組みます。
2.人財開発・育成 私たちは、意欲ある当社従業員の自律的なキャリア形成を促すため人財開発・育成の強化に取り組みます。
人財の力強さと課題は、定期的なエンゲージメントサーベイにより把握し、適宜、当社の人財開発・育成の施策およびアクションプランに反映していきます。
3.健康経営 私たちは、健康宣言のもと、従業員の健康維持・増進に経営的な視点から戦略的に取り組みます。
4.働き方、職場環境 私たちは、従業員一人ひとりがワークライフ・バランスを実現できるよう、多様な働き方を受け入れ奨励し、支援を行います。
また、オフィス環境を整備するだけでなく、リモート勤務環境の強化についても必要なサポートを提供します。
③ リスク管理 全社的なリスクマネジメント体制は、「3 事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント体制について」に記載のとおりでありますが、人的資本に関するリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。
そのほか、「(3)人権の尊重 ③リスク管理」に人権に関するリスク管理について記載しております。
④ 指標および目標 人的資本に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標および目標」に記載しております。
(参考)当社グループの取り組み ・人財育成への取り組み 当社グループでは、「人財育成基本方針」、「社内環境整備方針」に基づき、すべての従業員のため、キャリアアップに求められるスキルを表した「Advantest Development Framework」を定め、このフレームワークに従い、さまざまな育成施策を推進しています。
 従来の施策の継続、強化とともに、当社では、2024年より、すべての管理職を対象とした研修プログラム「MP-2(Management Program 2)」をスタートしました。
これは、管理職が自らのポジションに求められる責任とスキルを正しく理解・強化し、定期的な研修を通じて組織全体のパフォーマンスを向上させることを目的としたプログラムです。
初年度の2024年度は、「自らの立ち位置を知る」というテーマで、360度サーベイ、TOEIC、外部講師による業界セミナーの3つの施策を実施しました。
 また、社内技術交流をさらに拡大し、自由な発想と知識の交流、コミュニケーションの活性化を促進する「RAKUICHI構想」に基づき、2024年に社内交流イベント第1回「RAKUICHI」を開催し、エンジニアだけでなくコーポレート部門も参加し、様々なテーマによるプレゼンテーションやポスターセッションが行われました。
 その結果、当社グループの2024年度の教育・研修費用は6.8億円となりました。
・従業員エンゲージメント向上への取り組み 当社グループでは、2024年に2021年以来となるエンゲージメントサーベイを実施しました。
その結果、スコアは3.64から3.76へ、Engaged(熱意のある)従業員の比率は26%から32%へと、いずれも改善しています。
また、「INTEGRITY」を優れた行動で実践し、企業文化の変革に大きく貢献した従業員を推薦し、感謝を伝える「The INTEGRITY Award」については、2024年度のノミネーションが400件を超えました。
 現在、「The Advantest Way」やコア・バリュー「INTEGRITY」を企業文化として定着させる「INTEGRITY」ワークショップや、マネージャー層に向けた、リーダーシップに重点を置いた「Leading with INTEGRITY」ワークショップ、「The INTEGRITY Award」などの取り組みを継続するとともに、マネージャーのエンゲージメントスコアが低い組織のエンゲージメントが低くなる傾向にあることから、マネージャー層に向けた新たな取り組みについても実施していきます。
 なお、当社グループの女性管理職比率および男性社員の育児休職取得率向上のための取り組みは、「第1 企業の概況 5.従業員の状況」に記載しております。
戦略 ②戦略 当社グループは、社会的貢献拡大とステークホルダーへの提供価値のさらなる創造を図るという観点のもと、「The Advantest Way」の構成要素として「サステナビリティ基本方針」を策定し、これを基盤にサステナブル経営の推進に努めています。
 さらに、当社グループは、サステナビリティ課題への対応を中期経営計画における戦略の1つと位置付けています。
サステナビリティに関する中長期的なリスク分析や課題について、マテリアリティ評価を実施し、経営会議において審議しています。
また、個々の目標やありたい姿を中期的な行動計画として設定することで事業成長戦略と社会課題解決に向けた取り組みを一体的に推進しています。
<マテリアリティ評価> 当社グループは、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の発行したサステナビリティ開示基準を参考に、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、投資家の判断に影響を与える合理的な可能性があるサステナビリティ関連リスクおよび機会の識別を行いました。
当社グループは、マテリアリティ評価を実施する上で、気候変動に係る検討において一部シナリオ分析を行っております。
 マテリアリティ評価を実施するにあたり、当社グループのバリューチェーンを整理したうえで、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)スタンダードや欧州連合(EU)の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に定められる「欧州サステナビリティ報告基準」(ESRS)、当社グループと同じ産業において事業を営む企業による開示情報等を参照し、当社グループにとって重要である可能性のあるサステナビリティ関連リスクおよび機会を識別しました。
識別したサステナビリティ関連リスクおよび機会を基に、社外ステークホルダーとのコミュニケーションや関連するCxOおよび部署との協議を通じて各リスクおよび機会の重要性を判定しました。
サステナビリティ関連リスクおよび機会の重要性は、発生可能性および発生した場合の財務的影響を踏まえ評価しております。
マテリアリティ評価のプロセスおよび重要であると判定したサステナビリティ関連リスクおよび機会については、経営会議において審議の上、取締役会に報告を行っています。
マテリアリティ評価は毎年度実施し、具体的な目標をサステナビリティ行動計画に反映していく予定です。
マテリアリティ評価の結果、当社グループとして優先的に取り組むべき項目を以下のように特定しています。
そのうち、特に重要と思われる、気候変動、自社の従業員、バリューチェーン内の労働者について、「(2)気候変動関連の取り組み」「(3)人権の尊重」「(4)人的資本」において、それぞれ現状の課題認識、当社グループとしての取り組みを記載しています。
項目リスク機会気候変動移行リスク・気候変動関連規制への対応や再生エネルギー導入拡大に伴う事業コスト増加・当社製品のエネルギー効率が顧客要求水準を満たさないことによる販売への影響物理的リスク・気候変動に起因する災害による物流インフラや生産への影響、甚大な損失の発生、事業機会の喪失・環境性能に優れた製品開発による顧客からの信頼性向上を通じた、競争優位性維持と事業成長・主要製品の工期短縮、物流最適化、サプライチェーンのローカライゼーションを通じたエネルギー使用量削減による事業コスト削減および環境負荷軽減 汚染・汚染や対策規制要件を満たすための対応費用や、未処理水等の水域への流出や有害物質等の土壌への流出が発生した場合の対応費用の発生―サーキュラーエコノミー―・製品の再利用戦略による、サステナビリティに係る新たなビジネスモデルの創出、ブランドイメージの向上や環境意識の高い顧客の開拓自社の従業員・会社の魅力低減による人財流出、採用難、それに伴う労働生産性・技術優位性の低下・労働安全衛生管理の不備・怠慢に起因する労働災害・事故による、従業員の安全および事業継続への影響・コンプライアンス違反や人権侵害が発生した場合の事業への影響および信用の低下・ジェンダーエクイティ推進の不足に起因する従業員満足度やモチベーションへの悪影響、また、これに伴う効率的な事業運営の阻害・充実した育成制度やワークライフ・バランスによる採用機会の拡大および継続的なトレーニング・研修を通じたさらなる競争力の強化・多様な人材の活用によるイノベーションや成果、課題解決力の向上・ポジティブな職場環境の促進および労使間のオープンなコミュニケーションを通じた従業員のコミットメントとパフォーマンスの向上バリューチェーン内の労働者・児童労働、劣悪な労働環境、紛争鉱物の使用等、サプライチェーンにおける人権侵害に関わる事象に伴う事業への影響および信用の低下― <サステナビリティ行動計画2024-2026> 当社グループのサステナビリティ推進に向けて、顧客価値向上など事業上の価値創造に関わる課題、人的資本高度化など事業基盤の強化に関わる課題、経営執行体制の見直しなど経営基盤強化に関わる課題、社会・環境面における規制やリスク対応に関する課題、サステナビリティに関する国際開示基準の動向などを踏まえ、ステークホルダーと自社の双方の観点から今後重要と認識した課題を抽出し、これを中期経営計画の下位計画となる「サステナビリティ行動計画」として整理しています。
さらに「サステナビリティ行動計画」において個々の課題ごとに設定した目標の達成に向け、活動を戦略的に推進しています。
当社グループにおける重要性の変化に応じ、「サステナビリティ行動計画」における活動項目および目標は定期的に見直されます。
 2024年度を初年度とする第3期中期経営計画(MTP3)における「サステナビリティ行動計画」の内容および目標については、⑤指標および目標を参照ください。
指標及び目標 ⑤ 指標および目標 当社グループが重要と認識するサステナビリティ領域・課題、およびそれらの指標や目標については、統合報告書やサステナビリティレポート等を通じ、ステークホルダーに対し適時適切な情報開示となるよう努めています。
その一環として、主要な指標に関しては第三者による保証を取得しています。
<「サステナビリティ行動計画2024-2026」2024年度の結果> 2024年度以降の当社グループのサステナビリティに関する中期的な取り組みの全体像およびそれぞれの中期目標は以下のとおりです。
 サステナビリティに関する新たな中期的な行動計画の策定にあたっては、中長期経営方針「グランドデザイン」および第3期中期経営計画(MTP3)と連動した取り組みとなるよう、取り組むべきテーマをステークホルダーへの提供価値拡大という観点に基づくものへ全面的に再編するとともに、それら各テーマに対する中期目標を新たに設定しています。
「サステナビリティ行動計画2024-2026」の中で、②戦略<マテリアリティ評価>に基づき、当社グループとして主要な項目として認識し開示する、提出日現在におけるKPI、目標値および2024年度実績は以下のとおりです。
第三者による保証の取得の過程にある指標および見直し中の指標については、2025年10月を目途に、当社グループのホームページ上で掲載予定です。
今後、当社グループにとってのマテリアリティ評価に基づき、行動計画の内容も随時更新されます。
ステークホルダー重点テーマ目標担当役員(注1)KPI目標値(2026年度)結果(2024年度)従業員多様性の尊重ジェンダー・ダイバーシティの推進CHO女性管理職比率(注2)11%9.7%従業員エンゲージメント魅力ある企業文化の醸成、浸透CHO離職率自己都合離職率がMTP2期間平均(5.9%)を下回る4.4%CHOGallup社サーベイのスコア(注3)3.803.76人財への投資Advantest Development Frameworkに基づく育成推進CHO教育・研修費用8.0億円6.8億円サプライヤーサプライチェーンにおける人権の尊重、公正な取引サプライチェーンにおけるサステナビリティの浸透CSCO指定取引先に対するデュー・ディリジェンスの実施率(注4)100%100%地球環境温室効果ガス排出削減(スコープ1+2)スコープ1+2におけるGHG排出量削減CSOGHG排出量削減率65%減(2018年度比)75%減提出日現在の概算値再生可能エネルギーの導入CSO再生可能エネルギー導入率80%85%提出日現在の概算値サーキュラーエコノミーへの貢献3Rの推進によるリサイクル率の向上3R:Reduce/Reuse/RecycleCSO廃棄物リサイクル率(日本・海外)日本: 90%以上海外: 73%以上日本: 93%海外: 64%提出日現在の概算値全社の水使用量を2016年度の水準に維持するCSO水資源使用量288,000㎥/年 以下296,781㎥/年提出日現在の概算値\ 重点テーマ目標担当役員(注1)KPI目標値(2026年度)結果(2024年度)ガバナンス責任ある事業活動の徹底公正かつ透明性の高い職場の実現CCOコンプライアンスサーベイ(注5)における『内部通報窓口の利便性が向上した』との回答率(注6)50%以上82.8%労働安全衛生の維持・向上CHO重大な(休職に至る)労働災害発生率(LTIR:Lost Time Incident Rate)00.35 (注)1.担当役員一覧は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ①役員一覧」に記載のとおりであります。
2.提出会社の女性管理職比率は、「第1 企業の概況 5.従業員の状況」に記載しております。
3.グループ全体でのサーベイは3年に1回実施しております。
今回は2024年度実施のサーベイのスコアを記載しています。
4.取引金額ベースで上位85%を占めるTier1サプライヤーおよびそれらの主要サプライヤーであるTier2サプライヤーに対してデュー・ディリジェンスを実施します。
これらのサプライヤーを指定取引先として定めています。
5. グループ全体でのコンプライアンスサーベイは3年に1回実施しております。
6.全従業員が内部通報窓口の利用を希望するものではないことを踏まえ、内部通報窓口の利便性向上について「知らない」とした回答を除き算出しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 ② 戦略 先述のとおり、当社グループは、経営理念「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、中長期経営方針「グランドデザイン」を策定し、それを実現するための戦略課題に取り組んでいます。
 これらの戦略課題実現にあたっては、人的資本、研究開発資本、製造資本、顧客関係資本等の整備、強化が必須です。
人的資本は、これらの資本の基盤となるものでもあります。
したがって、当社グループの人事戦略は、経営戦略と密接に結びついたものである必要があります。
そのため当社グループは、人的資本の総合力を高めるべく、「個人の力」と「組織の力」を両輪として、様々な取り組みを進めています。
「個人の力」を高めるために、当社グループは従業員の能力開発に一層の力を入れると同時に、採用およびリテンションプログラムの改善等を通じて必要な人財の確保を進めています。
また、「組織の力」を高めるために、エンゲージメントの向上や多様な人財の定着・活躍に取り組んでいます。
さらに、これらの両輪をつなぐものとして、経営理念の体現に必要な人事制度を継続的に見直しています。
 これらの人事戦略の一部である、当社グループの人財育成基本方針および社内環境整備方針は次のとおりです。
a. 人財育成基本方針 当社グループは、人財を当社グループの持続的成長に不可欠な人的資本としてとらえ、人財の育成は人的資本への投資であり、育成により高めた「個人の力」とこれを活かす「組織の力」の両輪が従業員エンゲージメントを高め、当社グループの価値創造を推し進めると確信しています。
The Advantest Way、コア・バリュー「INTEGRITY」を礎に、技術戦略や卓越した経営戦略のもとで、人財開発フレームワークに基づき、積極的、継続的かつ公正に人財の育成に取り組みます。
1.キャリア自律 私たちは、従業員が積極的にキャリアアップすることを奨励し、目指すキャリアに求められる経験や知識を得るためのリソースやサポートを提供します。
2.グローバル人財 私たちは、長期的な視野に立ち、グローバルな視点で専門性やマネジメントリテラシーを高める機会を提供し、人財を育成します。
3.最先端人財 私たちは、経営理念「先端技術を先端で支える」を体現するため、長所をさらに伸ばすことにより、最先端にチャレンジするハイパフォーマーの育成を目指します。
4.Advantest Development Framework 私たちは、The Advantest Wayおよび経営戦略に基づき、当社のすべての従業員のため、キャリアアップに求められるスキルをAdvantest Development Frameworkとして表し、必要なリソースを提供します。
b. 社内環境整備方針 当社グループは、人財を当社グループの持続的成長に不可欠な人的資本としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことが当社の企業価値向上に直結することを認識し、The Advantest Way、経営戦略およびこの基本方針に基づき、積極的、継続的かつ公平に人的資本に関する社内環境の整備に取り組みます。
1.企業文化 私たちは、The Advantest Wayが、多様性に富む当社従業員をグローバルに結束したチームをつくる企業文化の礎であることを理解し、すべての従業員が日々の業務生活の中でThe Advantest Wayを体現、実践できるよう、継続的にThe Advantest Wayの定着および浸透に取り組みます。
2.人財開発・育成 私たちは、意欲ある当社従業員の自律的なキャリア形成を促すため人財開発・育成の強化に取り組みます。
人財の力強さと課題は、定期的なエンゲージメントサーベイにより把握し、適宜、当社の人財開発・育成の施策およびアクションプランに反映していきます。
3.健康経営 私たちは、健康宣言のもと、従業員の健康維持・増進に経営的な視点から戦略的に取り組みます。
4.働き方、職場環境 私たちは、従業員一人ひとりがワークライフ・バランスを実現できるよう、多様な働き方を受け入れ奨励し、支援を行います。
また、オフィス環境を整備するだけでなく、リモート勤務環境の強化についても必要なサポートを提供します。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 ④ 指標および目標 人的資本に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標および目標」に記載しております。
(参考)当社グループの取り組み ・人財育成への取り組み 当社グループでは、「人財育成基本方針」、「社内環境整備方針」に基づき、すべての従業員のため、キャリアアップに求められるスキルを表した「Advantest Development Framework」を定め、このフレームワークに従い、さまざまな育成施策を推進しています。
 従来の施策の継続、強化とともに、当社では、2024年より、すべての管理職を対象とした研修プログラム「MP-2(Management Program 2)」をスタートしました。
これは、管理職が自らのポジションに求められる責任とスキルを正しく理解・強化し、定期的な研修を通じて組織全体のパフォーマンスを向上させることを目的としたプログラムです。
初年度の2024年度は、「自らの立ち位置を知る」というテーマで、360度サーベイ、TOEIC、外部講師による業界セミナーの3つの施策を実施しました。
 また、社内技術交流をさらに拡大し、自由な発想と知識の交流、コミュニケーションの活性化を促進する「RAKUICHI構想」に基づき、2024年に社内交流イベント第1回「RAKUICHI」を開催し、エンジニアだけでなくコーポレート部門も参加し、様々なテーマによるプレゼンテーションやポスターセッションが行われました。
 その結果、当社グループの2024年度の教育・研修費用は6.8億円となりました。
・従業員エンゲージメント向上への取り組み 当社グループでは、2024年に2021年以来となるエンゲージメントサーベイを実施しました。
その結果、スコアは3.64から3.76へ、Engaged(熱意のある)従業員の比率は26%から32%へと、いずれも改善しています。
また、「INTEGRITY」を優れた行動で実践し、企業文化の変革に大きく貢献した従業員を推薦し、感謝を伝える「The INTEGRITY Award」については、2024年度のノミネーションが400件を超えました。
 現在、「The Advantest Way」やコア・バリュー「INTEGRITY」を企業文化として定着させる「INTEGRITY」ワークショップや、マネージャー層に向けた、リーダーシップに重点を置いた「Leading with INTEGRITY」ワークショップ、「The INTEGRITY Award」などの取り組みを継続するとともに、マネージャーのエンゲージメントスコアが低い組織のエンゲージメントが低くなる傾向にあることから、マネージャー層に向けた新たな取り組みについても実施していきます。
 なお、当社グループの女性管理職比率および男性社員の育児休職取得率向上のための取り組みは、「第1 企業の概況 5.従業員の状況」に記載しております。
事業等のリスク 3【事業等のリスク】
(1)当社グループのリスクマネジメント体制について① 組織 内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。
コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に情報が集約されます。
その他、取締役会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。
 また、有事の際に迅速に対応するため、Group COOを本部長とする危機管理本部も設置しています。
② プロセス 取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。
 内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。
各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。
内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。
内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。
 また、コンプライアンスに関するリスクはCCOに情報が集約され、CCOを通じて取締役会、経営会議に定期的に報告されています。
コンプライアンスに関するインシデント発生時には、CCOが迅速に関連ユニットに対応を指示し、対応状況を取締役会・経営会議に報告しています。
リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。
取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。
 緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。
(2)事業等のリスク 当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。
ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
 リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。
また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
リスク項目マップ
(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。
(1)外部環境リスク (1) - a 業界特性 当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。
発生可能性影響度高大 当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。
これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。
また、その需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。
 今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。
半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。
 近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。
 半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。
  ・世界経済の全体的な状況  ・半導体業界の動向  ・AI・人工知能、画像認識、音声認識サービス拡大による高性能半導体市場の動向  ・通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向  ・データセンタ、パソコンおよびサーバー業界の需要  ・テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要  ・自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向  当連結会計年度における半導体市場の需要と当社グループの業績については、「4.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の分析」に記載のとおりであり、当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。
そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスを含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。
 (1) - b 外部環境への感度当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。
発生可能性影響度高大 当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。
当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は89.4%、米州は6.0%、欧州は2.6%を占めております。
海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。
また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシア、アメリカなどの海外に展開しております。
したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。
・ 米中貿易戦争および経済安全保障の影響による輸出入制限や許認可制度の歪みに加え、相互関税措置および報復措置により、当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク・ 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク・ 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク・ 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響・ 移転価格税制等の国際税務に関するリスク・ 事業展開が広範囲におよぶための人事・管理面の困難性・ 異なる知的財産保護制度・ 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性・ サプライヤーや生産工場が、機械加工および組立のインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク・ 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク・ 各国、各地方環境当局の環境規制によるサプライヤーの生産停止リスク・ サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク・ サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、世界中の幅広いリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、サプライチェーンリスクの見える化、カスタム要素の高い専用部品の供給契約の締結、調達ルートや生産拠点の拡張を図りつつ、環境や人権などにも配慮したエシカルサプライチェーンの構築に向けての活動を進め、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。
またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っています。
 (1) - c 諸規則改変利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。
発生可能性影響度中中当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。
そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。
当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛の含まれるはんだを使用しております。
また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。
当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、関連する変更に対応しなければなりません。
新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。
関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。
地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミーに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制に係る化学物質の動向ならびに法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。
 (1) - d 競合他社当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。
発生可能性影響度中大 当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。
当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest)、YC Corp.、Cohu, Inc.、UniTest Co., Ltd. および EXICON Ltd. 等があります。
メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Cohu, Inc.、Hon. Precision, Inc. および TechWing Inc. 等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ISC. Ltd. および BeLINK Co., Ltd. 等と競合しております。
一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。
 当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。
デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保のため、コア技術部品のベンダーを買収した場合や、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。
 当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。
また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けることや、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。
競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。
 (1) - e 災害・壊滅的損失(災害)主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。
発生可能性影響度低大 当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の国内の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県および埼玉県にあります。
また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。
 日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。
当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。
また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。
 当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続マネジメント(Business Continuity Management)を実施しております。
しかしこのBCMが有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、BCMを実施するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。
(2)意思決定リスク 
(2) - a 事業価値評価/投資判断(M&A/資本業務提携)企業買収により生じるのれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
発生可能性影響度中大 有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。
のれんについては、減損の兆候の有無を問わず、年次での減損テストも行っております。
 減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。
特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、利上げに伴う割引率の上昇や、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。
また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。
 
(2) - b 製品ライフサイクル当社グループが顧客の技術面の要求を満たす新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合、既存の製品が陳腐化し、財政状態および経営成績に影響を及ぼします。
発生可能性影響度低大当社グループは、急速な技術変化、新しい製品やサービスの頻繁な導入、変化する予測不可能なライフサイクル、進化する業界標準を特徴とするいくつかの産業界に向けて製品を販売しております。
当社製品の将来の需要の大部分は、現在設置されている半導体テストシステムでは適切に対応されていない新しいテストニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。
これらの技術革新に対応する顧客のニーズ、および市場環境に対応したより高い費用効果と効率に対する顧客のニーズには、次のものが含まれます。
· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサ回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション· 3D実装技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション· より高速に、正確に、安定的にデバイスやシリコンダイを搬送するメカトロニクス関連製品· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション· 顧客の最新のテスト対象デバイスとテスト仕様に合わせた治工具類· 顧客の求める性能基準を満たし、エネルギー効率よく動作する製品 また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品の需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、EV自動車、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォン、ウエアラブルおよびデータセンタなどの通信端末に対する需要レベルに、強く影響されると考えています。
これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。
当社グループが新技術を用いて効果的にテストおよび測定できる半導体テストシステムをタイムリーに投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。
 当社グループが顧客の技術的要件を満たす製品を競争力のある価格であるいはタイムリーに供給できない場合、その製品が競合他社の製品または代替する技術ソリューションに置き換えられる可能性があります。
さらに、当社グループが製品の価格競争力やタイムリーな供給に必要な人材を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求する性能基準を満たし許容可能な価格で製品を提供できなかった場合、その顧客による評価を著しく損なうことになります。
そのような評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、主要な顧客との技術交流イベントを開催し、最先端ソリューションに関する情報交換の機会を設けることで、次の技術革新、新しい製品、および目まぐるしいスピードで創出される新市場を特定することに努めています。
また、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎的な研究や、製品開発の初期段階から量産に向けた生産技術の開発を行っています。
さらに、半導体製造工程のデータ活用を目的としたアルゴリズムの開発に加え、プローブカード・メーカーとの戦略パートナーシップによる技術協力を通じて、潜在的な需要の掘り起こしに向けた製品開発を進めています。
 
(2) - c ビジネス・ポートフォリオ当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。
発生可能性影響度中中 半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。
このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。
当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。
また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、近縁市場・新規事業領域への展開、M&A等により、事業領域の拡大を目指しています。
 
(2) - d 事業価値評価/投資判断(設備投資)当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。
発生可能性影響度低中 当社グループは、設備投資を継続的に行っています。
設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。
そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。
また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図っています。
 
(2) - e 製品開発当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。
発生可能性影響度低中 既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。
さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。
当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を達成できない可能性があります。
場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。
したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。
 
(2) - f 価格設定当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。
発生可能性影響度中中当社グループが事業において受けている部材コストアップ、製品価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。
昨今、多くの当社取引先部品メーカーが材料費の高騰を理由に部品価格の値上げを実施しています。
一方で、当社顧客の半導体メーカーは材料費高騰を生産性の向上、テストコスト低減等で吸収しようと努力しており、当社製品価格低下への圧力は依然強い状況です。
また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。
今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。
(3) 財務 価格リスク (3) - a 外国為替為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。
発生可能性影響度高大 当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。
当連結会計年度の売上高の98.0%は、海外顧客への製品売上によるものです。
当連結会計年度の売上高のうち約80%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。
当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することはできないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。
なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
 さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。
これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。
過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。
 また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
外国為替レートの変動は、外貨建ての金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。
(4) 財務 流動性リスク (4) - a 市場の集中当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの上位顧客の財政状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。
発生可能性影響度中大 当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。
現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。
顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約29%および当連結会計年度の同約48%を占めております。
これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。
 (4) - b キャッシュ・フロー当社グループは、必要な時に資金調達ができないリスクを有しています。
発生可能性影響度低大 当社グループは、必要な運転資金について、営業活動により稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。
金融市場の不安定化や、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、コミットメントラインの活用などを通じて十分な流動性を確保しています。
また、資金調達が必要な場合に即時に実行できるよう、複数の金融機関と良好な関係を維持しています。
(5) ガバナンスリスク (5) - a サクセッション・プランGroup CEO等経営層の後継者計画が機能しない場合、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。
発生可能性影響度低大 当社のGroup CEOを含む経営執行役員および各ユニットにおけるキーポジション(執行役員クラス)の後継者計画が機能しない場合は、経営の安定性と持続可能性を確保できない可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、Group CEOの後継者計画については、指名報酬委員会で、(1)求められる人財要件の整理、
(2)候補者の選定、(3)候補者の人物評価、(4)候補者の絞り込み、(5)候補者の育成等について、経営執行役員から構成される経営チームの観点も考慮して、審議、実行しています。
さらに、取締役会は指名報酬委員会からの報告を受け、主体的にその内容について議論しています。
その結果として、2024年4月1日付で、Group CEOを吉田 芳明氏からダグラス ラフィーバ氏に変更しました。
今後の後継者計画についても、同様のプロセスで進めていく予定です。
各ビジネス・ユニット、ファンクション・ユニットのリーダー等のキーポジションの後継者計画については、Group CEOを責任者とする検討委員会で毎年レビューされています。
さらに、検討委員会で策定された方針に基づき、執行部門は後継者候補に対してトレーニングや育成計画を設計・実行し、指名報酬委員会および取締役会に適宜状況を報告しています。
(6) 評判リスク (6) - a イメージ/ブランド力当社グループは、ブランド力の毀損または信用喪失などにより、財務状況および事業成績へ悪影響を受ける可能性があります。
発生可能性影響度低大 当社グループは、法令や社会的倫理に違反する行為、労働安全衛生管理の不備や怠慢に起因する労働災害、あるいは製造物責任を含む安全性・信頼性・製品性能などの低下によりブランド力の毀損または信用を喪失する恐れがあり、結果として取引の停止や制裁など社会的措置を受ける可能性があります。
 なお、ISO9001など世界的に認められている品質管理基準にしたがって製品の生産を行っておりますが、これらの製品について欠陥がないという保証はありません。
一方、製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
したがって部品の品質不良や製品の製造不良による出荷停止や納期遅延、製品の欠陥による大規模な事故の発生や、製品の障害発生および不適切な障害対応による顧客対応費用の増大や、損害賠償請求などを受ける可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、コンプライアンス部を設置し、会社信用保全のために法令等の遵守意識を高める活動を全社的に継続して行っています。
また、安全性・信頼性が高い製品の提供ができるようにステージゲートシステム等に代表されるプロジェクト管理手法を運用し、各フェーズにおいて品質を含む定期的な開発レビューを行っています。
さらに、生産過程において様々な品質確認を行っていることに加え、品質保証部門によるクロスチェックにより品質の安定化に努めています。
(7) 情報処理 / IT リスク (7) - a インフラ当社グループがビジネス上の基幹システムや基幹プロセスのデジタル・トランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことができなかった場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
発生可能性影響度低大 データとデジタル技術で企業の競争力を高める取り組みであるデジタル・トランスフォーメーションは、IoTや人工知能を駆使したデータ活用による製造現場の革新、サプライチェーンとのデータ共有による新価値創出、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらした経営環境の変化への対応など幅広い分野で期待が高まっています。
 しかし、当社グループがデジタル・トランスフォーメーションを進めるにあたり、既存のITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、データが十分に活用されない、あるいは既存システムの維持や保守に資金や人材が割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができない等によって、データ活用が進まなかった場合、競争力を失う、古いシステムの維持管理費が高額化する、またはシステムの保守運用担当者の退職や高齢化によるシステムトラブルやデータ滅失などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、コアプロセスと関連するITシステムを洗い出し、障害中断なく継続的に利用できる仕組み作りや、市場の新しい技術への代替を推進しています。
また、Digital Workplace(デジタル技術が創造する職場)のコンセプトをグローバルに展開し、組織がイノベーションを起こす機会へと繋げることに努めています。
これらは、先進的な技術とともに、主要な業務プロセスの効率化と自動化を目的としたビジネスプロセス・リエンジニアリングにより推進されています。
 (7) - b 情報セキュリティ当社グループの情報技術ネットワークやシステムが被害を受け、妨害され、または停止した場合、業務の継続を妨げ、社会的信用を失いかつ多額の費用負担が発生する可能性があります。
発生可能性影響度中大 当社グループは、機密データや個人情報を含む電子情報の処理、送信、蓄積のために、また製造、研究開発、サプライチェーンの管理、販売、会計などを含む様々なビジネス活動およびそのサポートのために、第三者によって管理されているものも含め、様々な情報技術ネットワークやシステムに頼っています。
当社グループはGlobal Information Security Committeeが、情報セキュリティ対策の方針制定を行っております。
また、情報技術ネットワークやシステムについては、前述の方針に基づき、IT部門が構築・運用しております。
しかし、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報セキュリティシステムの誤用、不注意な使用、事故や災害などがあった場合には、当社が実施する防御を超え、業務の継続を妨げ、情報の漏洩やその情報が改竄される恐れがあるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務などが発生し、社会的信用、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、サイバー攻撃に対する常時監視による検知強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた従業員のリテラシー向上に努めています。
また、Advantest CSIRT※を構築し、情報セキュリティインシデントに対する初動体制を構築しています。
継続的なセキュリティ強化の一環として、ペネトレーションテストや疑似攻撃を定期的に実施し、潜在的な脆弱性を特定・改善してまいります。
※CSIRT(Computer Security Incident Response Team) (8) 業務運営リスク (8) - a 外部からの調達部品が調達できないことにより製品をタイムリーに提供できない、あるいは市場の急拡大に伴う需要に対応しきれない場合には、将来の市場シェアおよび業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
発生可能性影響度中大 当社グループは、その製品の製造に関し、組立作業の一部をサプライヤーに委託しております。
また、当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品における多くの部品は、サプライヤーが当社グループの仕様に沿って製造したものであります。
サプライヤーへの依存により、生産工程に対する管理は届きにくく、生産能力の不足、出荷遅れ、基準未満の品質、労働力の不足、高コストなど、重要なリスクに直面する可能性があります。
さらに、当社グループは、一部の部品または部分品に関して1社または少数のサプライヤーに依存しており、ほとんどの部品および部分品に関して長期間の供給契約を結ばずに個別の発注で購入しております。
 サプライヤーが部品または部分品を必要な数量または満足できる価格で提供できなくなった場合、サプライヤーの事業の撤退等によりすでに採用または今後採用するカスタム部品および汎用部品の生産もしくは販売が中止となった場合、あるいは大規模な災害や電力不足が発生した場合、条件に合った代替品を見つけて仕入れなければならず、それができなければ、テストシステムの供給能力が損なわれる可能性があります。
 今後半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の市場が急激に拡大した場合には、人員増を含む生産能力を大幅に増強することや、需要が増加する部品を、サプライヤーから適時適切に確保することが必要となってきます。
サプライヤーを選び、適切な代替部品または部分品を選定するのは時間のかかる作業であるため、それができなければ、顧客の要求に合った製品をタイムリーに提供できなくなる可能性があります。
製品需要の大幅な増加に対応しきれない場合、既存の大口顧客を失う、または今まで取引関係の少なかった、あるいは全くなかった潜在的な大口顧客と強い関係を築く機会を失う結果を招く可能性に加え、受注取消し、製品納入時期の変更調整が発生する可能性があります。
その結果、当社グループの将来の市場シェアおよび棚卸資産の評価損等、財政状態と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、社内ワーキンググループ活動を行い、最新技術を考慮した製品設計に関するルールにしたがって、部品ライフサイクルを考慮しながら、複数調達先を候補とする標準部品リストを作成・更新し、特定のサプライヤーに過度に依存しない体制の構築に努めています。
さらに、部品および部分品のサプライヤー選定時には、様々なリスクを考慮したベストパートナー探しを行い、継続的な評価・見直しを行っています。
また、強靭なサプライチェーンの構築を目指し、主要サプライヤーとの供給保証契約の締結交渉や、前工程加工を済ませたウエーハの状態で備蓄する「ダイバンク」等で、中間品を確保する対応を行っています。
 (8) - b 人的資本労働力市場は競争が激しいため、当社グループが多様な専門技術スタッフや多様な運営上の重要なスタッフを採用し維持できない場合等により、事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
発生可能性影響度中中 当社グループは、変化の激しいエレクトロニクス業界において事業を発展させるため、開発、製造、マーケティング、営業、保守サービスなどの分野において専門技術に精通した多様な人財や、経営戦略や組織運営上のマネジメント能力に優れた多様な人財の採用および育成を継続的に行い、維持していくことが重要であると考えております。
 しかしながら、必要な人財を継続的に採用し維持するための競争は激しく、働く環境の改善が遅れ、当社グループの制度が時流に合わなくなり、報酬水準の競争力が低下して従業員にとって魅力が薄れ、人財が流出した場合、社員教育が不十分であった場合、または人財の高齢化や退職に伴う知識や技術の伝承が不十分であった場合、当社グループの事業運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、多様で経験豊かな人財のグローバルベースでの幅広い採用、確保を目指します。
そのため、経営戦略や人財育成基本方針、社内環境整備方針に基づき、中長期的な採用計画(新卒およびキャリア採用)の策定、ミッション・ビジョン・バリューの浸透活動、働く環境の改善やエンゲージメント向上の取り組み、外部競争力のある報酬水準の確保、一部キーエンジニアに対するリテンションRSU(譲渡制限付株式報酬)の導入、社員教育への投資、知識・技術伝承の仕組みづくり等により人財の安定化を図っています。
 (8) - c 知的財産権当社グループは、知的財産に関するリスクとして、第三者にその知的財産を侵害したと主張される可能性、および当社グループの知的財産を適切に保護できない可能性があります。
発生可能性影響度低大 当社グループは、意図せず第三者の知的財産権を侵害し、その結果、侵害の責任を問われる可能性があります。
この場合、高額な賠償、裁判費用、またはライセンス料を支払わなければならない可能性や、製品を製造および販売できなくなる可能性があります。
●対応 当社グループは、リスクを軽減するため、第三者の知的財産を侵害することのないよう、製品開発時や製品出荷前において積極的に特許申請を行っています。
 また、当社グループは、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権および著作権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。
当社グループは、その知的財産権を第三者による侵害から保護することを重要と考え、今後も第三者の製品を監視し、適切な知的財産権の保護に努めてまいります。
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 4【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況の分析① 業績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)前連結会計年度比(百万円)前連結会計年度比(%)売上高486,507779,707293,20060.3 売上原価 販売費および一般管理費 その他の損益△240,477△158,963△5,439△334,622△195,392△21,532△94,145△36,429△16,09339.122.94.0倍営業利益81,628228,161146,5332.8倍 営業利益率16.8%29.3%12.5%- 金融損益△3,458△3,38771△2.1税引前利益78,170224,774146,6042.9倍 法人所得税費用△15,880△63,597△47,7174.0倍当期利益62,290161,17798,8872.6倍当期利益の帰属: 親会社の所有者 62,290 161,177 98,887 2.6倍 当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクに伴う不確実性が継続したものの、欧米諸国を中心とした金融政策の緩和にも支えられ、全体として底堅く推移しました。
 このような世界経済情勢のもと、半導体市場は、前連結会計年度の調整局面から一転して回復傾向となりました。
自動車や産業機器関連などの半導体は依然として軟調に推移したものの、データセンタ向けのHPCデバイスや高性能DRAMなど、AIの普及に関連する半導体需要が市場の伸びを牽引しました。
 当社グループの半導体試験装置ビジネスにおいては、AI関連の高性能半導体向け需要が大幅に拡大しました。
当社グループは、顧客の要求納期に最大限応えるべく、タイムリーな部材調達および製品供給能力の確保に努め、コア部品に対する既存サプライヤーとの長期契約やサプライチェーン複線化などの施策を通じた取り組みが奏功しました。
 当連結会計年度の平均為替レートは米ドルが153円(前連結会計年度143円)、ユーロが164円(前連結会計年度155円)となりました。
(売上高) 2024年度はAI関連で顧客の旺盛なテスタ投資が見られる中で、当社は、部材調達および製品供給能力の強化に努めてきました。
対米ドルの円安も追い風となり、結果として過去最高の売上高を計上することができました。
事業別で見ますと、SoCテスタでは、HPC/AI関連の売上が伸長しました。
メモリ・テスタではHBMを中心とした高性能DRAM向けの売上が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ293,200百万円(60.3%)増加の779,707百万円となりました。
(売上原価) 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ売上高の増加により、94,145百万円(39.1%)増加の334,622百万円となりました。
売上原価率は、製品ミックスの良化により、前連結会計年度に比べ6.5ポイント減少の42.9%となりました。
(販売費および一般管理費) 当連結会計年度の販売費および一般管理費は、前連結会計年度に比べ36,429百万円(22.9%)増加の195,392百万円となりました。
(その他の損益) 当連結会計年度のその他の損益は、第4四半期にのれんおよび無形資産の一部減損損失21,393百万円を計上したことなどから、前連結会計年度5,439百万円の損失から16,093百万円悪化し21,532百万円の損失となりました。
(営業利益) 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ146,533百万円(2.8倍)増加の228,161百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は、前連結会計年度比12.5ポイント増加の29.3%となりました。
(金融損益) 当連結会計年度の金融収益と金融費用を合わせた金融損益は、前連結会計年度3,458百万円の損失から71百万円改善し3,387百万円の損失となりました。
(税引前利益) 以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べ146,604百万円(2.9倍)増加の224,774百万円となりました。
(法人所得税費用) 当社グループの法人所得税費用の実際負担税率は、当連結会計年度は28.3%、前連結会計年度は20.3%でありました。
課税控除の対象外となる減損損失を第4四半期に計上した結果、実際負担税率が予想を上回りました。
当社グループの当連結会計年度および前連結会計年度の法人所得税に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」(以下、「連結財務諸表の注記」という。
)の注記15に記載しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益) 以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ98,887百万円(2.6倍)増加の161,177百万円となり、売上高に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、前連結会計年度比7.9ポイント増加の20.7%となりました。
② 生産、受注および販売の実績 a.生産、受注実績 当社グループは、原則として受注に基づいた生産を行っており、生産実績については販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
受注実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。
 b.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前連結会計年度比(%)半導体・部品テストシステム事業部門598,12880.4メカトロニクス関連事業部門73,18038.9サービス他部門108,3996.0内部取引消去--合計779,70760.3 (注)1.セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
    2.最近2連結会計年度において、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度金額 (百万円)割合 (%)金額 (百万円)割合 (%)Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.--96,15812.3Samsung Electronics Co., Ltd.55,32511.482,79510.6 (注)前連結会計年度において、外部顧客への売上高のうち連結損益計算書の売上高の10%以上を占めない場合は、記載を省略しております。
③ セグメントの業績(半導体・部品テストシステム事業部門) 当部門は、当連結会計年度において売上高の76.7%を占めております。
 当部門では、自動車や産業機器関連などの成熟半導体向け試験装置需要は軟調である一方で、半導体の複雑性の増加、HPCデバイスなどの性能向上を背景に、高性能SoC半導体用試験装置の売上が大幅に増加しました。
メモリ半導体用試験装置については、HBMをはじめとする高性能DRAMに向けた旺盛な試験装置需要を背景に売上が大幅に伸長しました。
当社グループの部材調達および製品供給能力の強化もこれらの売上増加を支えました。
 以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて266,586百万円(80.4%)増加の598,128百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べて152,105百万円(2.7倍)増加の244,021百万円となりました。
(メカトロニクス関連事業部門) 当部門は、当連結会計年度において売上高の9.4%を占めております。
 当部門では、旺盛な半導体試験装置需要を背景に、関連するデバイス・インタフェースの売上が伸長しました。
 以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて20,485百万円(38.9%)増加の73,180百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べて7,615百万円(83.0%)増加の16,786百万円となりました。
(サービス他部門) 当部門は当連結会計年度において売上高の13.9%を占めております。
 当部門では、当社グループ製品の設置台数の増加に伴いサポート・サービスの売上が伸長しました。
しかしながら、テストソケットに関連するEssai, Inc.のビジネスにおいて、大口顧客向けの売上が低調に推移していることに加え、新規顧客への拡販が想定より遅延していることを踏まえ、のれんおよび無形資産の減損損失21,393百万円を計上しました。
これらの結果、当セグメントは前連結会計年度を上回る損失となりました。
なお、前連結会計年度のセグメント損失には、取引先との係争に関する受取和解金等による利益3,179百万円およびのれんの一部減損損失8,998百万円を含んでいます。
 以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて6,129百万円(6.0%)増加の108,399百万円、セグメント損失は前連結会計年度2,828百万円の損失から8,086百万円悪化し10,914百万円の損失となりました。
④ 地域別売上高 当連結会計年度の海外売上比率は98.0%(前連結会計年度95.9%)となりました。
(日本) 当連結会計年度の日本における売上高は、前連結会計年度に比べ3,874百万円(19.6%)減少の15,849百万円となりました。
(日本以外のアジア) 当連結会計年度の日本以外のアジアにおける売上高は、前連結会計年度に比べ285,257百万円(69.3%)増加の696,777百万円となりました。
これは主に、台湾においてSoC半導体用試験装置の販売が好調だったことによります。
(米州) 当連結会計年度の米州における売上高は、前連結会計年度に比べ9,498百万円(25.2%)増加の47,119百万円となりました。
(欧州) 当連結会計年度の欧州における売上高は、前連結会計年度に比べ2,319百万円(13.1%)増加の19,962百万円となりました。
(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析① 流動性および資金源 当社グループの資金・財務政策は、当社の経理部門が所管しております。
当社は資金需要に関して、営業活動により稼得した現預金ならびに手許の現金および現金同等物から充当するほか、必要に応じて債券の発行および株式等の発行ならびに金融機関からの借入れにより資金を調達することが可能であります。
 また、中期的に半導体業界および半導体・部品テストシステム業界の状況が低迷する場合、当社は将来の設備投資またはその他の運転資金需要のために債券の発行または希薄化効果を伴う株式等の発行等を行う可能性があります。
② キャッシュ・フロー 当連結会計年度末の現金および現金同等物は前連結会計年度末より155,842百万円増加の262,544百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度は、285,971百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ253,303百万円の収入の増加となりました。
これは税引前利益224,774百万円、営業債務およびその他の債務の増加(30,124百万円)、営業債権およびその他の債権の増加(△28,090百万円)の他、減価償却費などの非資金項目等の損益を調整した結果によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度は、42,189百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ14,249百万円の支出の増加となりました。
これは主に、資本性金融商品の取得による支出(△18,529百万円)、有形固定資産の取得による支出(△17,414百万円)と子会社の取得による支出(△3,815百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度は、82,818百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ93,578百万円の支出の増加となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出(△50,080百万円)と配当金の支払額(△27,320百万円)によるものであります。
③ 資産、負債および資本 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ182,981百万円増加の854,210百万円となりました。
この主な要因は、のれんおよび無形資産が20,149百万円減少したものの、現金および現金同等物が155,842百万円、営業債権およびその他の債権が24,176百万円、繰延税金資産が14,471百万円、その他の金融資産が10,028円それぞれ増加したことなどによります。
 負債は、前連結会計年度末に比べ107,620百万円増加の347,671百万円となりました。
この主な要因は、未払法人所得税が62,761百万円、営業債務およびその他の債務が30,230百万円それぞれ増加したことなどによります。
 資本または親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ75,361百万円増加の506,539百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比4.9ポイント減少の59.3%となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載しております。
(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
 この連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の判断、見積りおよび仮定を用いております。
見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。
しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
 重要性がある会計方針および重要な会計上の見積りは、連結財務諸表の注記3、注記4および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載しております。
研究開発活動 6【研究開発活動】
 当社グループは、「先端技術を先端で支える」ために、エレクトロニクス、情報通信、半導体製造を支える計測技術の分野で、今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めております。
当社グループの研究開発は、新製品の開発と既存製品の改良に注力しております。
特に半導体・部品テストシステム事業においては、市場競争力を保ち、顧客の様々なニーズに対応した多くの種類の製品を供給するために多額の研究開発投資を継続的に行う必要があります。
また、当社グループは新しい基盤技術の基礎研究も行っております。
当社グループの研究開発費は、前連結会計年度は655億円、当連結会計年度は714億円でありました。
なお、研究開発部門の従業員は当社グループ人員の3割程度であります。
 当社グループの当連結会計年度における研究開発活動の成果および内容は以下を含みます。
(基盤技術)· 光電融合デバイステストシステムに用いる光半導体デバイス、光源および光集積回路の開発· 半導体・部品テストシステムに用いる、ピン・エレクトロニクス、パターン・タイミング発生および、DCテストリソース等の要素技術· 半導体・部品テストシステムに用いる低歪デバイス、高速高周波デバイスなどの化合物半導体の開発· 多値変調信号や次世代RF信号のテストを省電力で実現可能な新たなテスト信号発生技術の研究開発· 超高速信号のタイミングや波形品質を多数ピン同時に調整可能なキャリブレーション手法の開発· 各種センサ技術を応用したデバイスの構造的不良を検査する微小領域計測技術の研究開発· 設計工程からテスト工程まで、半導体のサプライチェーン全体にわたるデータ連携および解析手法の開発· 電子設計自動化ツール(EDA)と当社のATEソリューションをシームレスに連携させるシリコン検証自動化ソリューション「SiConicTM」の開発 (半導体・部品テストシステム事業部門)· 超高速メモリ半導体を実動作速度で試験する半導体・部品テストシステムの開発· DRAM半導体およびフラッシュメモリ半導体の試験の機能性を向上し、省スペース化した半導体・部品テストシステムの開発· メモリデバイスの信頼性と機能性を多数個同時に測定可能な高速メモリ・バーイン・システムの開発· 多ピン化、複雑化が進むSoC半導体を多数個同時測定でき、省スペース化した半導体・部品テストシステムの開発· 高画素化が進むイメージセンサデバイス、複合化が進むディスプレイドライバデバイス等、応用が特化されたデバイス専用の半導体・部品テストシステムの開発· ミリ波帯通信規格等の超高周波数および高密度伝送ネットワークに対応した半導体・部品テストシステムの開発· 多ピン高速対応伝送技術および高速伝送信号コンタクト技術の開発· 半導体設計環境と半導体・部品テストシステムとのインタフェース用応用ソフトウエアの開発および半導体不良解析用ソフトウエアの開発· EV(Electric Vehicle)等で使用されるパワー・デバイスを試験するための、高電圧、大電流に対応する半導体・部品テストシステムの開発 (メカトロニクス関連事業部門)· 多数個同時測定、高スループット試験を可能とするメモリ半導体用テスト・ハンドラの開発· 多様化するデバイス品種やパッケージに対応したSoC半導体用テスト・ハンドラの開発· 最新のチップレットデバイスに必要なシリコンダイをハンドリングするテスト装置の開発· 高速、高発熱および高信頼性デバイスにおける高低温のリアルタイム温度コントロール技術の開発· 小型高密度化するデバイスを高精度に搬送・位置決めするための画像位置決め技術の開発· 光電融合デバイステストに必要なアライメント技術とインタフェース用伝送技術の開発· 高速デバイスを計測するためのデバイス・インタフェース部(基板/回路技術)の開発· 半導体の小型/狭ピッチ化に対応した搬送技術とデバイス・インタフェース部の開発· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察・解析を目的とした、電子ビーム計測装置の開発 (サービス他部門)· 最終製品の総合的な性能保証を目的とした、半導体やそれを組み込んだモジュールのシステムレベルテスト技術および手法の開発· 多ピン、高速、高発熱および高信頼性デバイスのテスト用ソケットおよびサーマル・コントロール・ユニットの開発  当社グループの研究開発施設は、日本、欧州、米国および中国にあります。
 当社グループは世界中の研究者の力を活用するために、研究所間の共同開発活動の促進に取り組んでおります。
日本における半導体・部品テストシステム研究開発チームは、欧州および米国の研究開発チームと、ハードウエア開発ならびにソフトウエア開発で緊密な共同作業を行っております。
設備投資等の概要 1【設備投資等の概要】
 当社グループは、当連結会計年度において新製品の開発および生産の合理化、省力化ならびに生産能力の拡充を中心に総額210億円の設備投資(有形固定資産および無形資産を含む)を実施いたしました。
 新製品の開発および製造ならびに増産のための設備投資を中心に、半導体・部品テストシステム事業部門においては94億円、メカトロニクス関連事業部門では16億円、サービス他部門では91億円の設備投資をそれぞれ実施いたしました。
主要な設備の状況 2【主要な設備の状況】
提出会社 2025年3月31日現在事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額 従業員数(人) 建物および 構築物 (百万円)土地その他(百万円)合計(百万円)金額(百万円)面積(㎡)群馬R&Dセンタ(群馬県邑楽郡明和町)半導体・部品テストシステム事業、メカトロニクス関連事業、サービス他開発設備2,9664,069195,617.842,8159,8501,215埼玉R&Dセンタ(埼玉県加須市新利根)メカトロニクス関連事業開発設備2221,38856,977.774292,039139群馬工場(群馬県邑楽郡邑楽町)半導体・部品テストシステム事業、メカトロニクス関連事業、サービス他製造設備8951,59388,512.162,9205,408349    在外子会社 2025年3月31日現在会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額 従業員数(人) 建物および 構築物 (百万円)土地その他(百万円)合計(百万円)金額(百万円)面積(㎡)Advantest KoreaCo., Ltd.(韓国天安市)半導体・部品テストシステム事業、メカトロニクス関連事業、サービス他製造設備等3,5271,90939,6059606,396264Essai, Inc.(米国アリゾナ州)サービス他製造設備等7,6032,08360,1954,35314,039199
設備の新設、除却等の計画 3【設備の新設、除却等の計画】
 特に記載すべき事項はありません。
研究開発費、研究開発活動71,400,000,000
設備投資額、設備投資等の概要9,100,000,000

Employees

平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況46
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況20
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況10,491,797
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標0
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標1

Investment

株式の保有状況 (5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準および考え方 当社では、株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資株式を「保有目的が純投資目的である投資株式」と区分しており、それ以外を「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」として区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式a.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 当社は、取引先との安定的および長期的な取引関係の構築、業務提携による関係強化、研究開発の効率化等、当社グループの戦略上重要な目的を有すると判断される株式を政策保有株式として保有することがあります。
 また、当社は、すべての政策保有株式について、資本コストを踏まえた保有に伴う便益やリスク等を精査する方法により、保有の合理性を検証し、取締役会に報告しております。
b.銘柄数および貸借対照表計上額(当事業年度) 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)保有目的非上場株式6162主に取引支援のため非上場株式以外の株式1522パートナーシップの構築のため (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式1623パートナーシップの構築のため (当事業年度において株式数が減少した銘柄)該当事項はありません。
(ご参考)当社子会社が保有する保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の銘柄数および金額(当事業年度) 銘柄数(銘柄)金額(百万円)保有目的非上場株式2365主に取引支援のため非上場株式以外の株式426,176パートナーシップの構築および事業共同開発等のため(注)当社子会社が保有する保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の金額はIFRSの評価に基づいた公正価値での表記となります。
c.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果および株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)株式会社日本マイクロニクス150,000-プローブカードは、ウェーハ・レベル・テストにおいてテスタ本体とデバイスの間に位置する重要な機構部品です。
デバイスの高度化・複雑化に伴い、ウェーハ・レベル・テストの重要性は一層高まっています。
顧客に最適なトータル・テスト・ソリューションを提供するためには、ウェーハ・レベルの段階で当社と半導体サプライチェーンとの緊密な協力が不可欠です。
半導体サプライチェーンの一つでもある主要プローブカード・メーカーと資本業務提携を行うことで、パートナーシップおよび技術協力が一層促進され、将来の顧客ニーズに応える体制を強化できると判断し、株式を保有するに至りました。
定量的な保有効果を記載することは困難でありますが、上記②aの検証方法により、保有の合理性を判断しております。
無522- ③ 保有目的が純投資目的である投資株式 当社は、「保有目的が純投資目的である投資株式」を保有しておりません。
株式数が増加した銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社6
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社162,000,000
銘柄数、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社1
貸借対照表計上額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社522,000,000
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社623,000,000
株式数、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社150,000
貸借対照表計上額、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社522,000,000
株式数が増加した理由、非上場株式以外の株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社パートナーシップの構築のため
銘柄、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社株式会社日本マイクロニクス
保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果及び株式数が増加した理由、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社プローブカードは、ウェーハ・レベル・テストにおいてテスタ本体とデバイスの間に位置する重要な機構部品です。
デバイスの高度化・複雑化に伴い、ウェーハ・レベル・テストの重要性は一層高まっています。
顧客に最適なトータル・テスト・ソリューションを提供するためには、ウェーハ・レベルの段階で当社と半導体サプライチェーンとの緊密な協力が不可欠です。
半導体サプライチェーンの一つでもある主要プローブカード・メーカーと資本業務提携を行うことで、パートナーシップおよび技術協力が一層促進され、将来の顧客ニーズに応える体制を強化できると判断し、株式を保有するに至りました。
定量的な保有効果を記載することは困難でありますが、上記②aの検証方法により、保有の合理性を判断しております。
当該株式の発行者による提出会社の株式の保有の有無、保有目的が純投資目的以外の目的である特定投資株式の明細、提出会社

Shareholders

大株主の状況 (6)【大株主の状況】
2025年3月31日現在氏名または名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8番1号227,33630.98
株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8番12号98,14513.37
HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES(常任代理人 香港上海銀行東京支店)1 QUEEN’S ROAD CENTRAL,HONG KONG(東京都中央区日本橋3丁目11番1号)19,0292.59
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042(常任代理人 株式会社みずほ銀行)240 GREENWICH STREET, NEW YORK, NY 10286, U.S.A.(東京都港区港南2丁目15番1号)16,7222.27
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15番1号)16,4592.24
STATE STREET BANK WEST CLIENT - TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行)1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171,U.S.A.(東京都港区港南2丁目15番1号)16,2442.21
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行)25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON, E14 5JP, UNITED KINGDOM(東京都港区港南2丁目15番1号)10,5971.44
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)PETERBOROUGH COURT 133 FLEET STREET LONDON EC4A 2BB UNITED KINGDOM(東京都千代田区丸の内1丁目4番5号)9,4111.28
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほ銀行)ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS(東京都港区港南2丁目15番1号)7,8701.07
MOXLEY & CO LLC(常任代理人 株式会社みずほ銀行)270 PARK AVE., NEW YORK, NY 10017, U.S.A.(東京都港区港南2丁目15番1号)6,6780.91計-428,49758.40  (注)1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しております。2.2020年4月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、下記の大量保有者が2020年4月15日現在で以下の株式を共同保有している旨が記載されているものの、当社として実質所有株式数の確認ができない部分については上記表に含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。当社は2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っておりますが、下記の保有株券等の数は当該株式分割前の株式数を記載しております。大量保有者(共同保有)  大和アセットマネジメント株式会社保有株券等の数      12,269,000株株券等保有割合      6.15%3.2022年5月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、下記の大量保有者が2022年5月13日現在で以下の株式を共同保有している旨が記載されているものの、当社として実質所有株式数の確認ができない部分については上記表に含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。当社は2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っておりますが、下記の保有株券等の数は当該株式分割前の株式数を記載しております。大量保有者(共同保有)  ブラックロック・ジャパン株式会社他9社保有株券等の数      15,459,133株株券等保有割合      7.75%4.2023年12月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、下記の大量保有者が2023年11月28日現在で以下の株式を共同保有している旨が記載されているものの、当社として実質所有株式数の確認ができない部分については上記表に含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。大量保有者(共同保有)  三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社他1社保有株券等の数      70,635,400株株券等保有割合      9.22%5.2023年12月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、下記の大量保有者が2023年11月27日現在で以下の株式を共同保有している旨が記載されているものの、当社として実質所有株式数の確認ができない部分については上記表に含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。大量保有者(共同保有)  野村アセットマネジメント株式会社保有株券等の数      94,513,840株株券等保有割合      12.34%6.2024年4月1日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、下記の大量保有者が2024年3月25日現在で以下の株式を共同保有している旨が記載されているものの、当社として実質所有株式数の確認ができない部分については上記表に含めておりません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。大量保有者(共同保有)  三菱UFJ信託銀行株式会社他2社保有株券等の数      46,475,410株株券等保有割合      6.07%
株主数-金融機関78
株主数-金融商品取引業者65
株主数-外国法人等-個人311
株主数-外国法人等-個人以外1,074
株主数-個人その他73,266
株主数-その他の法人742
株主数-計75,536
氏名又は名称、大株主の状況MOXLEY & CO LLC(常任代理人 株式会社みずほ銀行)
株主総利回り6
株主総会決議による取得の状況 (1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 (3)【株主総会決議または取締役会決議に基づかないものの内容】
区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式4,8814,793,374当期間における取得自己株式50363,650 (注)当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。

Shareholders2

自己株式の取得-50,005,000,000

Audit

監査法人1、連結EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、連結 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月25日株式会社アドバンテスト 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士松本 暁之 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士太田  稔 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中田 裕之 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社アドバンテストの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。
 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社アドバンテスト及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
 当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。
システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 会社は、半導体バリューチェーンにおける試験・測定ソリューションを拡大するという戦略のもとで事業買収を進めてきた。
システムレベルテストの主要な事業のうち、当連結会計年度末において、重要なのれん及び資産を有するCGUは、R&D Altanovaグループであり、のれんおよび無形資産としてそれぞれ27,479百万円、8,398百万円が計上されている。
Essai, Inc.のCGUについては、当連結会計年度末において、のれんおよび無形資産について減損損失を計上しており、いずれも残高はない。
会社名(資金生成単位)取得年月主な事業内容のれん・無形資産残高Essai, Inc.2020年1月テストソケット等の設計・製造・販売のれん:-無形資産:-R&D Altanova, Inc.2021年11月テストインタフェースボード等の設計・製造・販売のれん:27,479百万円無形資産:8,398百万円  上記資産の合計は35,877百万円であり、総資産の約4%を占めている。
上記金額並びに減損テストに用いた主要な仮定及び算定方法は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」及び注記12.「のれんおよび無形資産」に開示されている。
 当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。
一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移している。
 減損テストを実施した結果、R&D Altanova, Inc.に係る資金生成単位については、概ね事業計画通りに進行しているため、減損損失は計上されていない。
Essai, Inc.に係る資金生成単位については、大口顧客向けの売上が低調に推移していることに加え、新規顧客への拡販が想定より遅延している状況に伴い、使用価値が帳簿価額を下回ったため、21,393百万円の減損損失が計上されている。
 減損テストは各事業を資金生成単位として、各資金生成単位の使用価値を帳簿価額と比較することで実施される。
各資金生成単位の使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、資本資産価格モデルに基づき貨幣の時間的価値及び事業固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引くことで算定されている。
見積将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された3年間の事業計画と3年経過後の成長率を基礎としている。
当該使用価値の見積りにおける主要な仮定は、3年間の事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、3年経過後の成長率並びに割引率である。
 上記事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。
現状においては大口顧客に対する売上依存度が高く、会社の顧客基盤を活用することで新たな販売先を獲得することが事業計画の達成において重要である。
そのため、事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、並びに3年経過後の成長率の予測には不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。
割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。
 したがって、当監査法人は、これらの事業ののれん及び無形資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応 当監査法人は、のれん及び無形資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(算定方法の評価)・使用価値の算定方法を評価するために、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
(事業計画の合理性の評価)・経営者により承認された事業計画との整合性を評価するために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画とを比較した。
・事業計画の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の予算と実績を比較した。
・事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測について、経営者及び各事業の責任者への質問、受注残との比較、市場レポートや顧客の公表情報といった外部データとの比較、及び過去実績の趨勢分析を実施した。
・新規顧客の獲得見込みについて、経営者及び各事業の責任者への質問、新規商談の進捗状況の検討、過去の顧客獲得実績との比較を実施した。
・見積将来キャッシュ・フローにおいて見込まれている設備投資額について、経営者及び各事業の責任者への質問、売上予測との整合性を比較分析した。
また、R&D Altanova, Inc.製品の生産能力拡大のために買収されたShin Puu Technology Co., Ltd.への技術移管や製造ラインの稼働状況について、現地への視察を実施し、事業の責任者に質問した。
・売上予測の不確実性を反映した感応度分析を実施した。
(成長率及び割引率の合理性の評価)・3年経過後の成長率について、経営者への質問、市場レポートとの比較、過去実績の趨勢分析を実施した。
・割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。
棚卸資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 会社は、連結財務諸表上、棚卸資産を209,707百万円計上しており、総資産の約25%を占めている。
このうち原材料および貯蔵品は128,752百万円計上されている。
上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に開示されている。
また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減17,712百万円を計上している。
 会社は、棚卸資産の評価について、当初認識後、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。
また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価損計上の要否を検討している。
 会社の事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。
会社は、将来の急激な需要の変動に備え、戦略的に前倒しの発注を行っており、原材料を中心に高い水準で棚卸資産を確保している。
 当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。
一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移しているため、これらの特定製品に関連する原材料の一部は、棚卸資産の回転期間が特に長期化しており、原材料および貯蔵品残高全体の約9%を占めている。
 品目別の需要予測は顧客の需要予測に基づいており不確実性が伴うことから、棚卸資産の評価には経営者の高度な判断が必要である。
 したがって、当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応 当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 棚卸資産の評価に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2)棚卸資産の評価の妥当性の検討・経営者に棚卸資産の評価の判断に関する質問を実施した。
・品目別の需要予測について、以下の手続を実施した。
 ・棚卸資産評価に用いられた品目別の需要予測と機種別の需要予測の整合性、及び機種別の需要予測と会社の事業計画の整合性を検討した。
事業計画の基礎となる各事業の需要予測について、経営者に質問するとともに、利用可能な外部データと比較した。
 ・品目別の需要予測の見積りプロセスの有効性を評価するために、前年度の機種別の将来計画の見積りと販売実績を比較した。
 ・品目別の需要予測の合理性について、事業責任者等への質問及び過去の原材料使用実績との整合性を検討した。
 ・販売まで長期間を要する棚卸資産について、過剰在庫か否かの判断を事業責任者等に質問し、合理性を検討した。
・棚卸資産残高及び評価減計上残高について、機種別に分析的手続を実施した。
・機種別の評価減計上残高について、算出根拠資料との一致を確認した。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社アドバンテストの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
 当監査法人は、株式会社アドバンテストが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。
財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。
監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
<報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。
利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以  上 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、連結 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
 当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。
システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 会社は、半導体バリューチェーンにおける試験・測定ソリューションを拡大するという戦略のもとで事業買収を進めてきた。
システムレベルテストの主要な事業のうち、当連結会計年度末において、重要なのれん及び資産を有するCGUは、R&D Altanovaグループであり、のれんおよび無形資産としてそれぞれ27,479百万円、8,398百万円が計上されている。
Essai, Inc.のCGUについては、当連結会計年度末において、のれんおよび無形資産について減損損失を計上しており、いずれも残高はない。
会社名(資金生成単位)取得年月主な事業内容のれん・無形資産残高Essai, Inc.2020年1月テストソケット等の設計・製造・販売のれん:-無形資産:-R&D Altanova, Inc.2021年11月テストインタフェースボード等の設計・製造・販売のれん:27,479百万円無形資産:8,398百万円  上記資産の合計は35,877百万円であり、総資産の約4%を占めている。
上記金額並びに減損テストに用いた主要な仮定及び算定方法は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」及び注記12.「のれんおよび無形資産」に開示されている。
 当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。
一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移している。
 減損テストを実施した結果、R&D Altanova, Inc.に係る資金生成単位については、概ね事業計画通りに進行しているため、減損損失は計上されていない。
Essai, Inc.に係る資金生成単位については、大口顧客向けの売上が低調に推移していることに加え、新規顧客への拡販が想定より遅延している状況に伴い、使用価値が帳簿価額を下回ったため、21,393百万円の減損損失が計上されている。
 減損テストは各事業を資金生成単位として、各資金生成単位の使用価値を帳簿価額と比較することで実施される。
各資金生成単位の使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、資本資産価格モデルに基づき貨幣の時間的価値及び事業固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引くことで算定されている。
見積将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された3年間の事業計画と3年経過後の成長率を基礎としている。
当該使用価値の見積りにおける主要な仮定は、3年間の事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、3年経過後の成長率並びに割引率である。
 上記事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。
現状においては大口顧客に対する売上依存度が高く、会社の顧客基盤を活用することで新たな販売先を獲得することが事業計画の達成において重要である。
そのため、事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、並びに3年経過後の成長率の予測には不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。
割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。
 したがって、当監査法人は、これらの事業ののれん及び無形資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応 当監査法人は、のれん及び無形資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(算定方法の評価)・使用価値の算定方法を評価するために、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
(事業計画の合理性の評価)・経営者により承認された事業計画との整合性を評価するために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画とを比較した。
・事業計画の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の予算と実績を比較した。
・事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測について、経営者及び各事業の責任者への質問、受注残との比較、市場レポートや顧客の公表情報といった外部データとの比較、及び過去実績の趨勢分析を実施した。
・新規顧客の獲得見込みについて、経営者及び各事業の責任者への質問、新規商談の進捗状況の検討、過去の顧客獲得実績との比較を実施した。
・見積将来キャッシュ・フローにおいて見込まれている設備投資額について、経営者及び各事業の責任者への質問、売上予測との整合性を比較分析した。
また、R&D Altanova, Inc.製品の生産能力拡大のために買収されたShin Puu Technology Co., Ltd.への技術移管や製造ラインの稼働状況について、現地への視察を実施し、事業の責任者に質問した。
・売上予測の不確実性を反映した感応度分析を実施した。
(成長率及び割引率の合理性の評価)・3年経過後の成長率について、経営者への質問、市場レポートとの比較、過去実績の趨勢分析を実施した。
・割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。
棚卸資産の評価監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 会社は、連結財務諸表上、棚卸資産を209,707百万円計上しており、総資産の約25%を占めている。
このうち原材料および貯蔵品は128,752百万円計上されている。
上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に開示されている。
また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減17,712百万円を計上している。
 会社は、棚卸資産の評価について、当初認識後、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。
また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価損計上の要否を検討している。
 会社の事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。
会社は、将来の急激な需要の変動に備え、戦略的に前倒しの発注を行っており、原材料を中心に高い水準で棚卸資産を確保している。
 当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。
一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移しているため、これらの特定製品に関連する原材料の一部は、棚卸資産の回転期間が特に長期化しており、原材料および貯蔵品残高全体の約9%を占めている。
 品目別の需要予測は顧客の需要予測に基づいており不確実性が伴うことから、棚卸資産の評価には経営者の高度な判断が必要である。
 したがって、当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応 当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 棚卸資産の評価に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2)棚卸資産の評価の妥当性の検討・経営者に棚卸資産の評価の判断に関する質問を実施した。
・品目別の需要予測について、以下の手続を実施した。
 ・棚卸資産評価に用いられた品目別の需要予測と機種別の需要予測の整合性、及び機種別の需要予測と会社の事業計画の整合性を検討した。
事業計画の基礎となる各事業の需要予測について、経営者に質問するとともに、利用可能な外部データと比較した。
 ・品目別の需要予測の見積りプロセスの有効性を評価するために、前年度の機種別の将来計画の見積りと販売実績を比較した。
 ・品目別の需要予測の合理性について、事業責任者等への質問及び過去の原材料使用実績との整合性を検討した。
 ・販売まで長期間を要する棚卸資産について、過剰在庫か否かの判断を事業責任者等に質問し、合理性を検討した。
・棚卸資産残高及び評価減計上残高について、機種別に分析的手続を実施した。
・機種別の評価減計上残高について、算出根拠資料との一致を確認した。
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結  監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
 当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。
見出し、監査上の主要な検討事項、連結棚卸資産の評価
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結  会社は、連結財務諸表上、棚卸資産を209,707百万円計上しており、総資産の約25%を占めている。
このうち原材料および貯蔵品は128,752百万円計上されている。
上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に開示されている。
また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減17,712百万円を計上している。
 会社は、棚卸資産の評価について、当初認識後、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。
また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価損計上の要否を検討している。
 会社の事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。
会社は、将来の急激な需要の変動に備え、戦略的に前倒しの発注を行っており、原材料を中心に高い水準で棚卸資産を確保している。
 当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。
一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移しているため、これらの特定製品に関連する原材料の一部は、棚卸資産の回転期間が特に長期化しており、原材料および貯蔵品残高全体の約9%を占めている。
 品目別の需要予測は顧客の需要予測に基づいており不確実性が伴うことから、棚卸資産の評価には経営者の高度な判断が必要である。
 したがって、当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結連結財務諸表注記9.「棚卸資産」
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結  当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価 棚卸資産の評価に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。
(2)棚卸資産の評価の妥当性の検討・経営者に棚卸資産の評価の判断に関する質問を実施した。
・品目別の需要予測について、以下の手続を実施した。
 ・棚卸資産評価に用いられた品目別の需要予測と機種別の需要予測の整合性、及び機種別の需要予測と会社の事業計画の整合性を検討した。
事業計画の基礎となる各事業の需要予測について、経営者に質問するとともに、利用可能な外部データと比較した。
 ・品目別の需要予測の見積りプロセスの有効性を評価するために、前年度の機種別の将来計画の見積りと販売実績を比較した。
 ・品目別の需要予測の合理性について、事業責任者等への質問及び過去の原材料使用実績との整合性を検討した。
 ・販売まで長期間を要する棚卸資産について、過剰在庫か否かの判断を事業責任者等に質問し、合理性を検討した。
・棚卸資産残高及び評価減計上残高について、機種別に分析的手続を実施した。
・機種別の評価減計上残高について、算出根拠資料との一致を確認した。
その他の記載内容、連結 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、連結 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】
に記載されている。

Audit1

監査法人1、個別EY新日本有限責任監査法人
独立監査人の報告書、個別 独立監査人の監査報告書 2025年6月25日株式会社アドバンテスト 取締役会 御中 EY新日本有限責任監査法人 東京事務所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士松本 暁之 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士太田  稔 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士中田 裕之 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社アドバンテストの2024年4月1日から2025年3月31日までの第83期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社アドバンテストの2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。
監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。
当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
 当事業年度の財務諸表の監査において、当監査法人は、「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。
棚卸資産の評価 会社は、当事業年度の財務諸表上、商品及び製品を21,752百万円、仕掛品を40,523百万円、原材料及び貯蔵品を102,981百万円計上している。
関連する開示は、財務諸表の注記「(重要な会計方針)」及び「(重要な会計上の見積り)」に含まれている。
 当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(棚卸資産の評価)と同一の内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。
これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。
虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。
また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。
監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。
さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。
継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。
監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 財務諸表に対する意見表明の基礎となる、財務諸表に含まれる構成単位の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、財務諸表の監査を計画し実施する。
監査人は、構成単位の財務情報の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。
監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。
 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。
ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。
利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以  上  (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
監査上の主要な検討事項、個別 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
 当事業年度の財務諸表の監査において、当監査法人は、「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。
棚卸資産の評価 会社は、当事業年度の財務諸表上、商品及び製品を21,752百万円、仕掛品を40,523百万円、原材料及び貯蔵品を102,981百万円計上している。
関連する開示は、財務諸表の注記「(重要な会計方針)」及び「(重要な会計上の見積り)」に含まれている。
 当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(棚卸資産の評価)と同一の内容であるため、記載を省略している。
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別  監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。
監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
 当事業年度の財務諸表の監査において、当監査法人は、「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。
見出し、監査上の主要な検討事項、個別棚卸資産の評価
連結と同一内容である旨、監査上の主要な検討事項、個別  会社は、当事業年度の財務諸表上、商品及び製品を21,752百万円、仕掛品を40,523百万円、原材料及び貯蔵品を102,981百万円計上している。
関連する開示は、財務諸表の注記「(重要な会計方針)」及び「(重要な会計上の見積り)」に含まれている。
 当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項(棚卸資産の評価)と同一の内容であるため、記載を省略している。
その他の記載内容、個別 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。
経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。
また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
報酬関連情報、個別 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

BS資産

電子記録債権、流動資産1,366,000,000
商品及び製品21,752,000,000