財務諸表
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提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-27 |
英訳名、表紙 | CLUSTER TECHNOLOGY CO.,LTD. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役社長 安達 良紀 |
本店の所在の場所、表紙 | 大阪府東大阪市渋川町四丁目5番28号 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 06-6726-2711 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | Japan GAAP |
連結決算の有無、DEI | false |
当会計期間の種類、DEI | FY |
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沿革 | 2 【沿革】 提出会社は、1969年株式会社安達新商店(現 安達新産業株式会社)の東大阪工場として複合成形材料の製造事業を開始いたしました。 その後、1991年に安達新産業株式会社の子会社として設立いたしました。 クラスターテクノロジー株式会社設立以後の経緯は、次のとおりであります。 年月事項 1991年4月 大阪市西区立売堀において安達新産業株式会社の子会社として、資本金5,000万円でクラスターテクノロジー株式会社を設立。 1992年10月茨城県久慈郡大子町に工場を建設し本社を移転。 1993年4月光磁気ディスクのピックアップデバイスの生産開始。 1996年4月安達新産業株式会社東大阪工場のマクロ及びマイクロの全事業を引き継ぐ。 1997年6月 大阪工場(現 関西工場 大阪府東大阪市)を新設し、複合材料から精密機器デバイス製造の一貫メーカーとして体制確立。 2000年4月大阪工場(現 関西工場)に本社移転、名称を本社・開発センターとしナノ・テクノロジー事業研究開発を開始。 2001年5月中小企業創造活動促進法研究認定。 (2001年5月から2005年3月まで)2001年7月経済産業省から補助金事業採択。 (2001年7月から2005年3月まで6件)2003年5月ナノ・テクノロジー事業の内、パルスインジェクター®装置の販売及び受託研究事業の開始。 2004年5月 ナノ・テクノロジー事業の内、微細加工部品の販売を開始。 ナノ・テクノロジー事業の内、機能性を付与した複合成形材料をベースとした精密成形品の販売を開始。 2006年4月 大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場。 東京営業所を開設。 2006年12月関東工場及び本社・開発センターの土地・建物を購入。 2007年2月パルスインジェクター®装置の本格的製品販売を開始。 2007年11月デジタルカメラ用機能性素子部品の増産に伴い、関東工場を増設。 2009年7月内閣総理大臣表彰 第3回ものづくり日本大賞「優秀賞」受賞。 2009年11月日刊工業新聞社主催 ものづくり連携大賞「特別賞」受賞。 2010年10月大阪証券取引所の統合によりJASDAQ(グロース)市場へ移行。 2013年7月大阪証券取引所と東京証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(グロース)に株式上場。 2015年3月関西工場で、経済産業省の先端設備等投資促進事業費補助金を得て、熱硬化性複合材料の新製造設備を導入。 2016年4月東日本営業所を開設。 (東京営業所を関東工場内に移転)2018年11月新材料「コイル封止用低温硬化エポキシ成形材料(SR-03)」量産開始。 2021年4月会社設立30周年2022年4月PasCom S40(高摺動バイオマスポリアミドコンパウンド)を開発東京証券取引所の再編によりグロース市場へ移行 |
事業の内容 | 3 【事業の内容】 当社は、高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供を事業方針として、次に述べる基幹技術をベースとして、製品に求められるサイズや精度により、事業をナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業及びマクロ・テクノロジー関連事業、その他事業の3つに分けて事業展開しております。 基幹技術◆樹脂複合材料技術*樹脂をベースとしたコンパウンドにより優れた機能を発現させる材料技術◆成形加工技術高精度・高機能を発現させるための成形加工技術◆金型技術樹脂複合材料のパフォーマンスを最大限に活かすための金型技術◆計測・解析技術優れた機能を検証・管理・開発する技術◆融合技術基幹技術やアセンブリ技術の融合から生まれる樹脂デバイス <大きさの単位> * 樹脂複合材料複合材料とは、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックをベース材料とし、これに強化剤、機能性付与剤、成形性改質剤、着色剤などを複合させて、用途に応じた様々な特性を発揮させることの出来る材料である。 熱特性、電気特性、機械特性などの基本特性に機能性(例えば、高摺動性、表面高精度、熱伝導性など)を付加したものを機能性樹脂複合材料という * ナノ 1ナノメートル(1nm)とは10-9m(10億分の1メートル)。 1ミリの100万分の1 * マクロマクロスコピック(Macroscopic)肉眼で見えるという意味。 マイクロスコピック(Microscopic)の対。 1) ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業1-1) 機能性樹脂複合材料をベースとした機能性精密成形品及び部品用途、要求特性に応じた熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂をベースとした機能性樹脂複合材料を開発/製造し、その材料を用いて機能性精密成形品の製造/販売を行っております。 最近では、絶縁・高熱伝導性などの機能性を付加した材料を用いた新しい用途開発も進んでおります。 当社の機能性精密成形品は、厳しい寸法精度や角度精度が要求される下記の用途で使用されております。 ● デジタル・カメラデジタル・カメラのオートフォーカスセンサーを保持する機構部品に高感度・超高速で進化するCMOSイメージセンサーを支える部品として当社の機能性精密成形品が使われております。 ● インクジェット・プリンターインクジェット・プリンターのインク供給部の機構部品に当社の機能性精密成形品が使われております。 ● バーコードリーダー装置バーコードリーダー装置のレーザー反射ミラーを保持する機構部品に当社の機能性精密成形品が使われております。 ● 精密寸法測定器精密測定器のエンコーダ部品として、当社の機能性樹脂複合材料が使われております。 1-2) 研究開発用及び評価・分析用パルスインジェクター®システムパルスインジェクター®(以下、PIJ)は、超微量(5ピコリットルから0.8ナノリットル)の多様な溶液(溶液に分散した金属微粒子や生体微粒子)を1秒間に最大20,000滴の高速で吐出することのできる装置です。 当社は、基幹技術(樹脂複合材料技術、成形加工技術、金型技術、計測・解析技術、融合技術)を融合させることにより、PIJ(ポリマー製のインクジェットヘッド)を開発しました。 また、周辺開発としてPIJを動作させるためのWaveBuilder(専用駆動機器)、液滴を高精度に定点配置できるInkjetlabo(ステージシステム)も開発いたしました。 このシステムは、異種金属を貼り合わせた従来のインクジェットヘッドと異なりポリマー製の特徴を活かして水溶性の試料、溶剤を使用した試料の両方を吐出することができます。 また、ピコリットルという微量な液滴制御が可能です。 そのうえで、吐出をコントロールしてPIJ(インクジェットヘッド)の高精度な特性を活かして、溶液に分散した金属微粒子、生体微粒子、有機ポリマー、セラミック微粒子など様々な材料の機能を発現させることができる定点配置技術をもっており、エレクトロニクスやバイオテクノロジーに関連する色々なアプリケーションに応用できます。 PIJは、ナノテクノロジーの発展のためのキーとなる装置であり、ナノ粒子を巧みに操作する技術です。 現在、下記のような用途での製品販売が行われております。 ◆ DNA、蛋白質溶液を用いた研究◆ ナノ粒子分散溶液を用いた研究◆ 細胞チップ、抗原抗体反応チップの研究◆ 生体組織の製作研究◆ 接触角計、表面張力計への搭載 2) マクロ・テクノロジー関連事業2-1) 樹脂成形碍子日本では、屋外で使用される碍子は、ほとんどがセラミック碍子ですが、屋内用途では樹脂碍子(エポキシ碍子)が使用され、ビルや工場などの受配電設備の中に設置されています。 当社の樹脂成形碍子は、重電機メーカーにおいて40年以上(前身の安達新産業株式会社時代からの事業)の使用実績を持っています。 2-2) 機能性樹脂複合材料上記成形碍子は、当社が開発したエポキシ樹脂をベースとした複合材料で作られております。 顧客の要望に応じて、碍子の販売だけでなく成形材料としての販売も行っております。 3) その他事業3-1) 現在行われているその他事業としては、当社の基幹技術を活用して、医薬品の容器の異物検査を行っております。 3-2) 微細加工技術を応用して、精密部品の組立を行っております。 [事業系統図] |
関係会社の状況 | 4 【関係会社の状況】 該当事項はありません。 |
従業員の状況 | 5 【従業員の状況】 (1)提出会社の状況2025年3月31日現在従業員数(名)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(千円)6944.511.84,150 セグメントの名称従業員数(名)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業60マクロ・テクノロジー関連事業その他事業全社(共通)9合計69 (注) 1. 従業員数は、嘱託契約の従業員を含む人員数であります。 2. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3. 当社は、各セグメント事業が相互に関連しており、各セグメントにおける技術が重なっているため同一の従業員が複数のセグメント事業に従事しております。 (2)労働組合の状況労働組合は結成されておりませんが労使関係は良好であり、特記すべき事項はありません。 |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1)経営方針 ① 新規開拓に向けた営業力の強化機能性精密成形品で培った強み・特徴を活かし、これまでの産業機器、レジャーに加えて、ロボット、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓のためのアプローチを強化する。 ② 環境への対応と未来への商品開発環境方針、管理体制、規程類を整備し、環境に関わる全社的な体制づくりを行うとともに、「未来への商品開発」を推進し、成果を出す。 ③ 生産力の強化と人材育成個別製品の原価低減に取り組むとともに、検査機やロボット等の導入による自動化と効率化をさらに進める。 会社と社員の成長、成果の配分を徹底する。 (2)経営環境わが国の経済の先行きにつきましては、前事業年度は、中国及び欧州経済の停滞は続いているものの、米国経済及び日本経済は堅調に推移しておりましたが、米政権による関税政策や地政学的緊張などの不透明要因が今後の世界経済にどのような影響を及ぼすのかが見通しにくくなりつつあります。 こうした中、当社は、売上高の拡大や設備の更新・個別原価低減等による収益力向上、研究開発投資、人的資本への投資に注力していくことを計画しております。 当社のセグメントごとの経営環境の認識は以下のとおりであります。 <ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業>映像機器分野は、2024年のレンズ交換式デジタルカメラ出荷台数の約85%を占める「ミラーレス」が前年比116.1%となりました。 2025年の「レンズ交換式デジタルカメラ」は前年比100.8%と予測されています(出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会)。 当社においても、売上高は同出荷台数の親和性もあり、高水準で堅調に推移するものと思われます。 OA機器分野は、過去2期間は中国経済の影響で売上高が大幅に落込み、低迷した反動もあり、2026年3月期は、低迷前の売上高水準近くまで回復する見込みです。 産業機器分野は、遅れていた新機種(産業用インクジェットプリンターヘッド)が引き続き寄与するとともにその他受注も好調に推移することから2026年3月期も大幅に増加する見込みです。 レジャー分野は、海外のアウトドア需要や売れ筋機種の影響に売上高は左右される傾向はあります。 当社においては、2026年3月期は新機種が売上高に寄与することから、増加するものと思われます。 <マクロ・テクノロジー関連事業>機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子ともに景気動向の影響は受けにくいものの、ライフラインを支えるインフラ整備に使用される製品であるため、定期的な入れ替え需要のほか、電線の地中化や高圧受配電盤の樹脂絶縁部品が見込まれます。 当面は国内の積極的な設備投資やバブル期からの受電設備のリニューアル需要もあり、底堅く推移する見込みです。 さらには、2026年3月期以降は新規顧客からの受注が見込まれることから、2027年3月期に向け、売上高は増加するものと思われます。 (3)対処すべき課題前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度未達の振返り当社は、前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度(2024年3月期)に売上高10億円超、営業利益1.1億円を達成するという期初の数値目標が未達となり、以下の通りの実績となりました(2024年5月発表)。 中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度の結果 (単位:千円) 2024年3月期(変更前)2024年3月期(変更後)2024年3月期(実績)発表日2021年11月2023年5月2024年5月売上高1,000,0001,032,000918,994(売上総利益率)(43.5%)(39.9%)(42.6%)営業利益110,00065,00068,881経常利益112,00066,00070,362当期純利益94,00055,00057,356 売上高については、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業において、2024年3月期に新規受注品の量産移行が次年度以降へずれ込んだことや弱い中国経済の影響を受け、一部顧客からの大幅な受注減に見舞われました。 当社は、新規の設備投資を当面の間抑制すると共に、2023年3月期に導入した設備の本格稼働に注力し、収益力を高める施策を実施しました。 その結果、2024年3月期の売上高は前年同期比で微減となりましたが、売上総利益率は回復の目途が立ちました。 以上の改善状況を踏まえ、2025年3月期より、関東工場の設備を中心に更新投資を再開しました。 新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の初年度当社は、2024年5月に、新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)を適時開示しました(「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」 2024年5月17日適時開示)。 前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の未達の反省を踏まえ、「経営方針」のスローガンは、「チームワークと実行力の強化!」とし、その取組内容を見直すとともに実行力を強化しながら、売上高が外部環境に大きく影響を受けにくい企業体質へ転換を図る計画を発表しました。 「経営方針」としては、以下の通りです。 ① 新規開拓に向けた営業力の強化② 環境への対応と未来への商品開発③ 生産力の強化と人材育成 新中期経営計画の初年度(2025年3月期)の売上高は、前中期経営計画から1年遅れで、10億円超えが実現しました。 2012年3月期の売上高1,018百万円を上回り、過去最高を更新しました。 前期に好調であったマクロ・テクノロジー関連事業は、減少しましたが、主力のナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業は、期初予想を上回りました。 特に、映像機器分野(ミラーレス等や新機種)や産業機器分野(産業用インクジェットプリンターヘッド部品等)が好調に推移し、売上高の伸びを牽引しました。 営業利益及び経常利益は、売上高が好調に推移し工場の稼働率が向上したことや利益率の高い製品が好調であったこと、製造費用や販売費及び一般管理費が抑えられたことから、期初予想を上回り、前中期経営計画の当初の最終目標値(2021年11月発表)にほぼ近づき、過去最高を更新しました。 同中期経営計画の2年度(2026年3月期)については、主力のナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業において、映像機器分野や産業機器分野の好調は持続すると思われます。 一方、弱い中国経済の影響を受けやすいOA機器の回復は鈍く、同関連事業の売上高見通しを引き下げました。 さらにマクロ・テクノロジー関連事業においては新規顧客や新製品の売上高の寄与が2027年3月期以降にずれ込むことから、同関連事業の売上高も引き下げました。 その結果、全体の売上高は、以下の通り下方修正いたしました。 営業利益は、変更はございません。 経常利益及び当期純利益については、金利の上昇に伴い、営業外収益(受取利息)の増加を反映させております。 新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期) (単位:千円) 2025年3月期(予想)2025年3月期(実績)2026年3月期(変更前)2026年3月期(変更後)2027年3月期(予想)売上高1,005,0001,022,7401,200,0001,144,0001,260,000営業利益65,000108,729111,000変更なし120,000経常利益66,000110,879112,340114,000121,340当期純利益62,000100,65576,00077,00080,000 新中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の達成に向けた課題当社は、新中期経営計画の最終年度(2027年3月期)の数値目標達成のための対処すべき重点課題として以下の項目を更に推進する必要があると認識しております。 a. 営業力の強化と自社商品の強化当社は、新規開拓に向けた営業力を強化してまいります(詳細は、(「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」 2025年5月19日適時開示)。 また、当社の開発方針:当社商品の特徴である「顧客の潜在的課題を顕在化し、解決策を樹脂製品で提案・開発する」を推進し、更なる新商品・新材料を模索・商品化を通して「自社商品」を開拓してまいります。 b. 新規設備投資及び生産力の強化当社の工場の設備は、購入後年数も経過しており老朽化が散見されていましたが、安定的な利益確保の観点から、大幅な設備の更新に充分な手当がなされていなかったところがありました。 そこで2023年3月期以降、当社の更なる発展には、設備の更新や生産工程の自動化が必須と考え、関東工場に自動検査機や成形機など比較的大型の投資を実施してまいりました。 今後は、売上高拡大に向けて、上記の設備投資に加え、人員の増強、外注施策の強化を図ってまいります。 また環境投資としてLED照明設備及び関東工場での太陽光発電の設置を検討してまいります。 c. 人材の育成と外部人材採用による競争力の強化当社は、人材が今後の収益力向上のカギとなると考えており、今後も更なる待遇改善を前提に経営を進めていく所存です。 また外部人材採用や人材の質的向上を図るための人材教育に注力していく方針です。 (4)事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」 当社は高精度と高機能を軸として樹脂製品に機能を付加することにより、お客様の商品価値の向上に貢献します。 (5)当社の強み① 樹脂製品の概念を変える樹脂製品は「精度がでない」「物性が満足できない」今までの常識で樹脂化を断念していませんか。 当社は新たな樹脂化の可能性を追求し、樹脂製品の概念を変えます。 ② 樹脂製品のコーデイネーター当社はお客様の樹脂製品の設計から生産に至るまでのプロセスをトータル的(材料、金型、成形、後加工に至るまで)にサポート提案します。 お客様の商品価値向上と量産を視点にあらゆる角度から最適な樹脂製品を提案します。 ③ 樹脂製品のカスタマイズ熱硬化性・熱可塑性に関わらず、様々な種類の樹脂を取り扱う事が可能です。 独自コンパウンド技術により、お客様商品にマッチしたオリジナル材料を提案・開発・製造することが可能です。 ④ 樹脂製品の一貫生産樹脂複合材料をコアとして、金型、成形、後加工に至るまで一貫した技術と生産体制を保有しており、提案力、スピード、完成度の優れた樹脂製品を提供できます。 一貫体制ならではの安定した量産構築が可能であり、品質保証も一貫して行います。 |
サステナビリティに関する考え方及び取組 | 2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】 文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。 a.ガバナンス 当社は、世界的な環境意識への対応は、今後の企業活動に不可欠であると判断し、2023年3月期以降の経営方針の一つとして「環境への対応と未来への商品開発」と掲げてまいりました。 具体的な取組としては、環境方針、管理体制、規程類を整備し、環境に関わる全社的な体制づくりを行うとともに、「未来への商品開発」を推進し、成果を出すこととしました。 当社は、2023年3月期を通じ、1.地球環境保護が全ての企業にとって重要な責務である、2.当社の化学物質に関するリスク管理が重要であるとの認識を明確化し、2023年3月の取締役会にて、気候変動に関わる環境方針・環境規程、製品含有化学物質管理規程、ガバナンス体制等を決議しました。 気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、環境保全委員会を設置し、取締役会からの指示、任命、同委員会から取締役会への報告を行ない、当社のリスク管理を行なっております。 [環境保全委員会 組織図] b.戦略 <サステナビリティに関する戦略>当社の環境保全委員会は、2025年3月期を通じ、1.気候変動、2.資源循環、3.生物多様性の3つの個別目標を定めました。 具体的には、気候変動については、Scope1及び2の把握、化石燃料起源の電力量の削減、資源循環については廃棄物の量(種類)の把握・管理や同廃棄物の削減、生物多様性については排出物の適正な把握、管理や生物への悪影響のない製品への置き換えに取り組んでおります。 <人的資本に関する戦略>当社は、近年重要な経営資源の一つである人材(社員)の待遇改善等を推進してまいりました。 年功序列の色彩が強かった従来制度から脱却し、人材活性化(優秀な人材確保を含む)を通じて会社を飛躍させるために給与体系・人事制度の見直しを行いました(2022年4月)。 これにより、当社における男女間の給与格差はなくなりました。 当社は人材が今後の事業拡大のカギとなると考えており、今後も更なる待遇改善を前提に経営を進めていく所存です。 c.リスク管理当社のリスク管理としては、「環境保全委員会」を設置し、環境方針の策定、環境関連の指揮、リスクの調査、識別、実施計画の確認・決定等を行い、取締役会にて報告し、環境関連リスク・機会の評価、経営戦略等への反映を協議してまいります。 d.指標及び目標 <人的資本に関する指標及び目標>当社は、人的資本に関する戦略を踏まえ、2025年3月期以降の取組として、① 2025年3月期以降の中期経営計画の「経営方針」において実行力強化を掲げており、そのなかで「重点取組」の成果に向けた管理と教育システムの構築に取り組んでおります。 具体的には、企業風土の改革及び管理職及び現場責任者の研修を強化してまいります。 ② 工場においては、技術継承方法の確立やワーキンググループ活動を強化し現場の意識改革をISO9001の品質目標と連動させて取り組んでまいります。 |
戦略 | b.戦略 <サステナビリティに関する戦略>当社の環境保全委員会は、2025年3月期を通じ、1.気候変動、2.資源循環、3.生物多様性の3つの個別目標を定めました。 具体的には、気候変動については、Scope1及び2の把握、化石燃料起源の電力量の削減、資源循環については廃棄物の量(種類)の把握・管理や同廃棄物の削減、生物多様性については排出物の適正な把握、管理や生物への悪影響のない製品への置き換えに取り組んでおります。 <人的資本に関する戦略>当社は、近年重要な経営資源の一つである人材(社員)の待遇改善等を推進してまいりました。 年功序列の色彩が強かった従来制度から脱却し、人材活性化(優秀な人材確保を含む)を通じて会社を飛躍させるために給与体系・人事制度の見直しを行いました(2022年4月)。 これにより、当社における男女間の給与格差はなくなりました。 当社は人材が今後の事業拡大のカギとなると考えており、今後も更なる待遇改善を前提に経営を進めていく所存です。 |
指標及び目標 | d.指標及び目標 <人的資本に関する指標及び目標>当社は、人的資本に関する戦略を踏まえ、2025年3月期以降の取組として、① 2025年3月期以降の中期経営計画の「経営方針」において実行力強化を掲げており、そのなかで「重点取組」の成果に向けた管理と教育システムの構築に取り組んでおります。 具体的には、企業風土の改革及び管理職及び現場責任者の研修を強化してまいります。 ② 工場においては、技術継承方法の確立やワーキンググループ活動を強化し現場の意識改革をISO9001の品質目標と連動させて取り組んでまいります。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | <サステナビリティに関する戦略>当社の環境保全委員会は、2025年3月期を通じ、1.気候変動、2.資源循環、3.生物多様性の3つの個別目標を定めました。 具体的には、気候変動については、Scope1及び2の把握、化石燃料起源の電力量の削減、資源循環については廃棄物の量(種類)の把握・管理や同廃棄物の削減、生物多様性については排出物の適正な把握、管理や生物への悪影響のない製品への置き換えに取り組んでおります。 <人的資本に関する戦略>当社は、近年重要な経営資源の一つである人材(社員)の待遇改善等を推進してまいりました。 年功序列の色彩が強かった従来制度から脱却し、人材活性化(優秀な人材確保を含む)を通じて会社を飛躍させるために給与体系・人事制度の見直しを行いました(2022年4月)。 これにより、当社における男女間の給与格差はなくなりました。 当社は人材が今後の事業拡大のカギとなると考えており、今後も更なる待遇改善を前提に経営を進めていく所存です。 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | <人的資本に関する指標及び目標>当社は、人的資本に関する戦略を踏まえ、2025年3月期以降の取組として、① 2025年3月期以降の中期経営計画の「経営方針」において実行力強化を掲げており、そのなかで「重点取組」の成果に向けた管理と教育システムの構築に取り組んでおります。 具体的には、企業風土の改革及び管理職及び現場責任者の研修を強化してまいります。 ② 工場においては、技術継承方法の確立やワーキンググループ活動を強化し現場の意識改革をISO9001の品質目標と連動させて取り組んでまいります。 |
事業等のリスク | 3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1)製品開発への取組状況について① 製品開発の方向のズレに関して顧客や市場の要求特性及び要求項目は常に変化しているため、製品開発の的を絞れず大幅な開発の遅れを引き起こしたり、具体的な製品の製造や販売前の研究開発段階で開発テーマが頓挫するリスクがあります。 そのような場合には、当社の製品開発活動に係る費用が回収できず、当社の業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 技術の商業化に関して完成した技術について、価格、他社技術との差別化、タイミング、技術動向及び要求の変化のため、新製品が市場で受け入れられないリスクがあります。 また、新製品が市場で受け入れられたとしても、当社の生産能力を上回る受注については対応できないことも想定されるため、機会損失が生じる可能性があります。 ③ 技術の陳腐化について当社の保有する技術あるいは開発中の技術以外のまったく新しい技術により、当社技術の相対的な優位性、重要性が損なわれた場合は、当社製品の価値が損なわれ当社事業の収益に重大な影響を及ぼすリスクがあります。 ④ 技術的難易度に関して当社が現在推進しているテーマや開発案件について、時間的制約、他社の特許、未知の技術ゆえの難易度などのために、技術的な壁を打ち破ることができず開発を断念せざるを得ないリスクがあります。 (2)将来に関する事項① 新規顧客の開拓について当社は、主力商品であるデジタルカメラ向けの機能性部品で培った強み・特徴を活かし、他市場・他部品への水平展開を積極的に推進しております。 具体的には産業機器、監視用カメラ、センサ、工業用プリンター、レジャー関連等の分野で展開を強化し、売上拡大を図っております。 しかしながら、上記の製品開発の取組状況や市場動向の変化により、将来の事業展開へ大きな影響を及ぼす恐れがあります。 ② ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の将来当社は、パルスインジェクター®関連製品や機能性精密成形品を提供するナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業を会社の大きな柱としていく考えであります。 当社は、インクジェット樹脂、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の自社材料(開発)及び成形加工・生産技術を保有しており、そのなかでも強みを最大限活かせる付加価値の高い分野を中心にマーケティング活動を推進しております。 当社は、ターゲットとする分野の成長予測には限界があり、それに伴い、同関連事業の売上実績の齟齬や課題発生のリスクが存在します。 ③ 競合他社の参入多業種、異業種の大手企業のナノ/マイクロ・テクノロジー業界への参入が当社事業へ影響を及ぼすリスクがあります。 また、マクロ・テクノロジー関連事業でも、台湾、韓国、中国の低価格品がさらに日本市場へ流入した場合、当社の樹脂成形碍子事業に大きな影響を及ぼすリスクがあります。 ④ 当社製品に不具合が生じた場合当社製品に何らかの不具合が発生した場合、当社製品及び当社のブランド・ネームに対する信頼感が著しく下落又は喪失する可能性があります。 また、場合によっては、エンドユーザーから当社に対する製造物責任の追及がなされる可能性もあります。 ⑤ 人材の確保に関して当社の研究開発は、高分子化学、無機化学、充填材技術、精密成形技術、金型技術などの多彩な能力を持った技術者を必要としております。 そのため必要とする人材(質と量)を確保できない場合、あるいは有能な人材が何らかの理由により社外に流出した場合、当社の事業に悪影響を及ぼす恐れがあります。 ⑥ 小規模組織による人員規模と管理体制について当社は、2025年3月末現在、役員6名並びに従業員69名と人員規模が小さく、内部管理体制もその規模に応じたものになっております。 今後は事業規模の拡大に応じて、管理体制の充実を図っていく考えですが、人員規模の拡大等が順調に進まなかった場合、業務に支障をきたす可能性があります。 ⑦ 知的財産権について当社が保有している特許については権利の範囲が狭く限定されて解釈される可能性もあります。 また、類似の技術や製品等が登場し、その商品化を当社が特許権等の行使によって効果的に阻止できない場合は、類似の技術や製品等による競合の激化により当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、当社が実装している技術について他社が特許権等を取得するような事態が生じた場合には、他社が当社に対して特許権に基づく各種の権利を行使する可能性があります。 その場合は、ロイヤリティ支払の要求、技術の使用差止及び損害賠償請求等によって、当社の事業が大きな影響を受けることになります。 ⑧ 安全規制の変化当社の事業の強みの一つは、自社開発の複合材料を持っていることです。 しかし、化学原料の安全規制が見直され、安全面の点から現在添加している素材が使用できなくなった場合には、当社の製品の製造に大きな影響を及ぼすリスクがあります。 ⑨ 大規模な自然災害・感染症について当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、また、感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合においては、その直接的、間接的影響により、関係先の生産設備の休止、閉鎖、出荷規制などで関連部品の不足や外出規制による新規開拓営業の中止により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑩ 石油、鉱物資源の価格変動について当社は、石油や鉄、銅などの鉱物資源の急激な価格変動があった場合、当社製品の原材料や部品、電気料金などの製造原価の上昇により、製品の利益率が大幅に変動する可能性があります。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度における世界経済は、中国及び欧州経済の停滞は続いているものの、米国経済は堅調に推移し、多くの国でインフレが落ち着き、実質賃金が改善し、底堅い成長を維持しております。 一方、米政権による関税政策や地政学的緊張など不透明要因は続いております。 わが国においては、大企業製造業の業況は改善し、インバウンド消費やデジタル化投資等も堅調に推移しております。 大手企業の春闘交渉は、高額満額回答が相次ぎ、経済の好循環へ前進している気配です。 また国内の長期金利(新発10年物国債利回り)は1.5%台と2008年10月以来の水準となり、更なる円安は一旦歯止めがかかりました。 原材料高及び人件費上昇によるコスト増や人手不足は続いており、中小企業への影響が懸念される状況です。 また4月以降の米政権による高関税政策は今後の企業業績への懸念となっております。 ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業については、OA機器分野の売上高は伸び悩んだものの、映像機器分野、産業機器分野、レジャー分野の売上高は前年同期比で増加いたしました。 同関連事業の分野別状況は以下のとおりです。 映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、レンズ交換式デジタルカメラの総出荷台数(2024年1-12月累計)は、約660万台となり、前年比110.2%と好調に推移しました。 ミラーレスカメラはレンズ交換式デジタルカメラ全体の約85%を占め、同総出荷台数は約561万台となり、前年比116.1%と大幅な伸びとなりました。 当社においては、ミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、売上高は前年同期比で予想を大幅に上回り増加いたしました。 OA機器分野は、複写機向け成形品が予想していたほどには回復せず、前年同期比で減少しました。 産業機器分野は、遅れていた新機種(産業用インクジェットプリンターヘッド)が量産に寄与したことなど前年同期比で大幅に増加いたしました。 レジャー分野は、新機種の売上高が寄与したことから、成形品の売上高は当初予想より好調に推移し、前年同期比では増加となりました。 パルスインジェクター®(以下、PIJという)は、引き続き、大学研究室及び各企業の研究・開発部門を中心に研究開発を支えるツールとして多分野への展開を推進いたします。 マクロ・テクノロジー関連事業については、国内の積極的な設備投資やバブル期からの受電設備のリニューアル需要もあり、樹脂成形品、樹脂成形材料ともに前期の売上高は堅調に推移しておりました。 前期の反動もあり当事業年度前半の受注は低調に推移していましたが、当事業年度後半は回復し、前年同期比の減少幅は縮小しました。 その他事業は、主にインフルエンザ治療薬容器のキャップ検査を行っております。 当第3四半期会計期間以降においては受注が増加し、前年同期比で大幅に増加しました。 「新規開拓に向けた営業力の強化」については、顧客訪問件数及び進捗状況の共有化、見える化を推進しております。 自社活動と商社連携活動の両輪により、顧客との直接対話を増やしながら、積極的な受注活動を行ってまいります。 展示会(東京ビッグサイトにて開催)は、5月「New 環境展」、10月「エヌプラス(N-Plus)2024」に出展いたしました。 以上、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の映像機器分野や産業機器分野の売上高が当第3四半期会計期間以降、予想以上に好調に推移しました。 またマクロ・テクノロジー関連事業においても当事業年度後半の売上高は回復しました。 その結果、全社の売上高は、前中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の最終年度2024年3月期売上高目標10億円超を1年遅れで達成するとともに過去最高を更新しました。 利益面におきましては、売上高が好調に推移し、工場の稼働率が向上したことや利益率の高い製品が好調に推移したこと、製造費用や販売費及び一般管理費は抑えられたことから、営業利益及び経常利益は過去最高を更新しました。 以上の結果、当事業年度の全社の売上高は1,022百万円(前年同期比11.3%増)、売上総利益433百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益は108百万円(前年同期比57.9%増)、経常利益は110百万円(前年同期比57.6%増)、当期純利益は100百万円(前年同期比75.5%増)となりました。 当事業年度のセグメントの業績は次のとおりであります。 ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の当事業年度の売上高は821百万円(前年同期比14.4%増)、セグメント利益は380百万円(前年同期比15.6%増)となりました。 マクロ・テクノロジー関連事業マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の当事業年度の売上高は184百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は50百万円(前年同期比17.6%減)となりました。 その他事業その他の事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、当事業年度の売上高は16百万円(前年同期比120.5%増)、セグメント利益は2百万円(前年同期比192.8%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。 )は、前事業年度末に比べ96百万円増加し、当事業年度末には358百万円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。 <営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、148百万円の増加となりました。 これは、主に税引前当期純利益と棚卸資産によるものです。 <投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、49百万円の減少となりました。 これは、有形固定資産の取得による支出によるものです。 <財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは2百万円の減少となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業(千円)441,164111.4マクロ・テクノロジー関連事業(千円)130,70096.9報告セグメント計(千円)571,864107.7その他事業(千円)14,717204.0合計(千円)586,581109.0 (注) 上記の金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。 b.受注実績当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業889,584119.2207,967148.8マクロ・テクノロジー関連事業192,438103.536,676126.5報告セグメント計1,082,022116.0244,643144.9その他事業10,15265.54,48441.1合計1,092,175115.2249,128138.6 (注) 上記の金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。 c.販売実績当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業(千円)821,407114.4マクロ・テクノロジー関連事業(千円)184,76095.6 報告セグメント計(千円)1,006,167110.4その他事業(千円)16,573220.5合計(千円)1,022,740111.3 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。 2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前事業年度当事業年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)長瀬産業株式会社383,77641.8402,82939.4黒田電気株式会社166,72418.1252,40124.7ナガセエレックス株式会社117,59012.8117,32511.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社の当事業年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。 経営成績の分析(売上高)当事業年度における売上高は1,022百万円(前年同期は918百万円)となりました。 ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業において、映像機器分野は、デジタルカメラ市場において、レンズ交換式デジタルカメラの総出荷台数は好調に推移しました。 ミラーレス機種や人気機種の好調に支えられ、売上高は前年同期比で予想を大幅に上回り増加いたしました。 OA機器分野は、複写機向け成形品が予想していたほどには回復せず、前年同期比で減少しました。 産業機器分野は、遅れていた新機種(産業用インクジェットプリンターヘッド)が量産に寄与したことなど前年同期比で大幅に増加いたしました。 レジャー分野は、新機種の売上高が寄与したことから、成形品の売上高は当初予想より好調に推移し、前年同期比では増加となりました。 (売上総利益)当事業年度における売上総利益は433百万円(前年同期は391百万円)となりました。 これは主に、工場の稼働率が向上したことや利益率の高い製品が好調に推移したこと、製造費用は抑えられたことによるものです。 (営業利益)当事業年度における営業利益は108百万円(前年同期は68百万円)なりました。 これは主に、売上高の増加と販売管理費及び一般管理費が抑えられたことによるものです。 (経常利益)当事業年度における経常利益は110百万円(前年同期は70百万円)となり、営業利益及び経常利益ともに過去最高を更新しました。 営業外収益は3百万円(前年同期は2百万円)、営業外費用は0百万円(前年同期は1百万円)となりました。 (当期純利益)当事業年度における当期純利益は100百万円(前年同期は57百万円)となりました。 法人税等合計は10百万円(前年同期は13百万円)となりました。 財政状態の分析(資産)当事業年度末の資産は、前事業年度より92百万円増加し、1,836百万円となりました。 これは、主に現金及び預金の増加96百万円によるものです。 (負債)負債合計は、前事業年度より7百万円減少し、184百万円となりました。 これは、主に未払消費税等の減少3百万円、未払費用の減少3百万円によるものです。 (純資産)純資産は、前事業年度より100百万円増加し、1,651百万円となりました。 これは、当期純利益100百万円の計上によるものです。 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性(資金需要)当社の運転資金需要のうち、主なものは製品の製造にかかる原材料の購入、金型及びその労務費、販売並びに一般管理、研究開発の労務費や経費などの販売費及び一般管理費です。 また、成形機をはじめとする生産設備の更新、増強による設備投資、情報システムの更新のための資金需要が生じております。 (財務政策)当社の運転資金につきましては、現在、借り入れを行うことなく、内部資金(現金及び預金)にて調達しております。 なお、2025年3月期の資産における流動比率は764.9%となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。 健全な財務報告を行うためには、財務諸表の作成にあたって収益・費用又は資産・負債の状況に影響を与える見積りを必要とします。 これらの見積りは、過去の実績やその時点において入手可能な情報及び合理的であると判断した一定の前提に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果とは異なることがあります。 当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりですが、見積りによって重要な影響を受ける可能性がある会計方針は、貸倒引当金、賞与引当金、繰延税金資産、固定資産の減損評価であり、その金額は過去の実績や将来予測に基づく一定のルールや内規に基づいて合理的に決定しております。 繰延税金資産については毎期慎重に回収可能性を判断し、将来の事業年度において回収が見込まれない税金の額は、繰延税金資産から控除しております。 なお、貸倒引当金は貸倒実績及び貸倒懸念債権等の回収不能見込額がないため計上しておりません。 |
研究開発活動 | 6 【研究開発活動】 中期経営計画の初年度に当たる2024年4月より、開発本部は従来からの顧客の要求を重視した“顧客志向”の製品開発を継続しながら、新たに営業・マーケティング本部を主体として推進する「顧客の潜在的課題を顕在化し、解決策を樹脂製品で提案する」を実現するために、積極的に連携し、顧客への提案力を向上させる活動を実施しております。 これらの活動と並行して、当社の数年先のビジネスに向けて請負形態から自社商品への展開を目指し「未来への商品開発」を推進する役割で活動を継続しております。 当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は52百万円であります。 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。 (1)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業は、顧客テーマによる機能性樹脂複合材料や成形加工を主とした開発、顧客の商品開発に対する技術提案及びパルスインジェクター®システム(PIJ)の改良に特化して活動しております。 機能性樹脂複合材料や成形加工を主とした開発については、顧客との新たなコミュニケーションの手段として提案型の材料や成形加工開発に取り組んでいます。 潜在的な顧客要求に対し、金属部品を樹脂製部品に置き換えるメリットとそのための技術について様々な提案と試作を行い、顧客の真のニーズをいち早く発掘することを目指しています。 なお、PIJの開発は幅広い分野にむけた研究開発だけでなく、個々の顧客要求に対応したシステムのカスタマイズや使い易さの向上も進めてまいります。 また、既存顧客の次世代製品に向けた機能性樹脂複合材料の開発を顧客とともに進めています。 当社の開発方針としては、当社商品の特徴である「顧客の潜在的課題を顕在化し、解決策を樹脂製品で提案・開発する」を推進し、更なる新商品・新材料を模索・商品化してまいります。 (2)マクロ・テクノロジー関連事業既存のマクロ関連材料につきましても、顧客の要求に応じて電気的特性の向上、物理的特性の向上のための材料開発に取り組んでいます。 (3)その他事業現在、その他事業の開発活動は行っておりません。 (4)未来への商品開発将来に向けた自社商品の開発については、営業・マーケティング本部とも連携を取りながらテーマ探索に取り組んでおります。 各テーマはフィジビリティスタディにより、ニーズとシーズの検証を行いながら開発に取り組んでおります。 同プロセスを経て開発中のバイオマスプラスチック複合材料「PasCom」及び「PASCOMB」についても、業績寄与はまだ難しい状況ですがマーケット・ポジショニング(市場における優位性)を見いだせるよう、更なるニーズ探索とニーズに応じた開発を行い、ビジネス化へ向けて改良を重ねてまいります。 |
設備投資等の概要 | 1 【設備投資等の概要】 当事業年度の設備投資については、基幹システムの機能強化及び更新、生産設備の増強などを目的とした設備投資を継続的に実施しております。 当事業年度において実施いたしました設備投資の総額は56百万円であり、セグメントごとの主な設備投資の概要は、次のとおりであります。 また、各報告セグメントに帰属しない管理部門に係る設備投資の総額は19百万円であります。 (1)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業主なものは、関東工場の成形機の更新等、計36百万円であります。 なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 (2)マクロ・テクノロジー関連事業主なものは、関東工場の製造設備更新等、計0百万円であります。 なお、当事業年度において重要な設備の除却、売却等はありません。 |
主要な設備の状況 | 2 【主要な設備の状況】 当社は、国内に2か所の事業所を設置しております。 2025年3月31日現在における各事業所の設備、投下資本並びに従業員の配置状況は、次のとおりであります。 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(千円)従業員数(名)建物土地(面積㎡)機械及び装置・他合計本社/関西工場(大阪府東大阪市)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業マクロ・テクノロジー関連事業生産設備71,345149,300(1,289.25)41,131261,77716関東工場(茨城県久慈郡大子町)ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業マクロ・テクノロジー関連事業生産設備83,70711,200(3,725.98)108,274203,18153 |
設備の新設、除却等の計画 | 3 【設備の新設、除却等の計画】 該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 52,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 0 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 12 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 4,150,000 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 該当事項はありません。 |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 大熊 崇埼玉県北足立郡275,2004.83 河野 信夫広島県廿日市市270,2004.74 安達 良紀奈良県生駒市235,8004.14 関 誠岩手県盛岡市230,0004.04 小西 恭彦京都府京都市上京区202,0003.54 安達 俊彦茨城県久慈郡165,0002.89 上田八木短資株式会社大阪府大阪市中央区高麗橋2丁目4-298,8001.73 株式会社SBI証券東京都港区六本木1丁目6番1号91,7311.61 長瀬産業株式会社大阪府大阪市西区新町1丁目1-1780,0001.40 安達 稔奈良県生駒市70,0001.22 計―1,718,73130.19 |
株主数-金融機関 | 1 |
株主数-金融商品取引業者 | 21 |
株主数-外国法人等-個人 | 10 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 13 |
株主数-個人その他 | 3,268 |
株主数-その他の法人 | 10 |
株主数-計 | 3,323 |
氏名又は名称、大株主の状況 | 安達 稔 |
株主総利回り | 1 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 該当事項はありません。 |
Shareholders2
発行済株式及び自己株式に関する注記 | 1.発行済株式及び自己株式に関する事項 当事業年度期首株式数(株)当事業年度増加株式数(株)当事業年度減少株式数(株)当事業年度末株式数(株)発行済株式 普通株式 5,692,800――5,692,800合計5,692,800――5,692,800自己株式 普通株式208――208合計208――208 |
Audit1
監査法人1、個別 | 清友監査法人 |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月27日クラスターテクノロジー株式会社取締役会 御中 清友監査法人 京都事務所 指定社員業務執行社員 公認会計士川崎 覚史 指定社員業務執行社員 公認会計士加藤 茂洋 <財務諸表監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているクラスターテクノロジー株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの第34期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、クラスターテクノロジー株式会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性参照する財務諸表の注記事項・ (重要な会計上の見積り)・ (税効果会計関係)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は当事業年度の貸借対照表において繰延税金資産31,333千円を計上し、そのうち16,703千円は税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産である。 会社が有する税務上の繰越欠損金は、世界規模でのスマートフォン急増の余波を受け、コンパクトデジタルカメラ市場の急激な縮小による影響により、第26期(2017年3月期)に発生した当期純損失によるものである。 会社は、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で繰延税金資産を認識している。 将来の課税所得の見積りは、経営環境等に基づく売上高及び各費用の将来予測に経営者の主観的な判断を伴い、見積りの不確実性が高い。 特に、税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産は将来の課税所得の見積りによって認識する金額が増減することから、当事業年度の財務諸表に与える影響が大きい。 以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価・ 繰延税金資産の回収可能性の判断に関連する将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 (2) 繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性・ 経営者による将来の課税所得の見積りを評価するため、その基礎となる将来の事業計画について検討した。 将来の事業計画の検討にあたっては、経営者によって承認された直近の予算との整合性を確認するとともに、過年度の事業計画の達成度合いに基づく見積りの精度を評価した。 ・ 主要な得意先の販売予測等の外部環境に照らし、販売計画策定に使用した販売量に関する経営者の仮定の合理性を検討した。 ・ 当事業年度の販売価格の趨勢に照らし、販売計画策定に使用した販売価格に関する経営者の仮定の合理性を検討した。 ・ 設備投資計画や採用計画に照らし、製造原価及び販管費予算の合理性を検討した。 関東工場における原価計算の正確性参照する財務諸表の注記事項・該当なし監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は当事業年度の損益計算書上、売上原価を589,583千円、貸借対照表上、棚卸資産150,363千円を計上し、そのうち、関東工場の売上原価は511,938千円、棚卸資産は126,046千円である。 製品・仕掛品の原価計算プロセスにおいて利用する情報は、会計データ・販売データ・材料入出庫記録・工数データ・電力使用量等多岐に渡るが、会社はこれまでスプレッドシート(表計算ソフト)を利用して原価計算を実施しており、各基礎データは手作業による入力を行っていた。 当年度より、関東工場の棚卸資産について、会計・販売・生産データを各システムから取り込み、自動で計算を行う原価計算システムを構築した。 原価計算システムで採用する計算ロジックに前期から変更はないが、システム入力情報の網羅性・正確性が担保されない場合や、システム間の情報連携や計算ロジックが意図したとおりでない場合には、正確な原価計算が行われない可能性がある。 また、システム設定の誤りを看過した場合には、計算誤りが継続的に発生することから棚卸資産の金額に与える影響は大きくなる可能性がある。 以上から、関東工場における原価計算の正確性が当会計年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は原価計算の正確性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価・ 原価計算に関連する基礎データの登録に係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 ・ ITに係る全般統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 特に、システム導入時に適切な管理者による承認、利用者への教育研修が行われていることを確認した。 (2) 原価計算の正確性・ 前年からの変更点、新システムにおいて採用する計算ロジックについて、システム責任者へヒアリング及びシステム仕様書を閲覧した。 ・ 会計方針に従った算定結果であるか確かめるために、サンプルによる再計算を実施した。 ・ 当事業年度に発生した労務費及び経費が網羅的に原価計算へ反映しているか確かめるために、会計データとの整合性を確認した。 ・ 入庫数量及び工数データが網羅的かつ正確に原価計算へ反映しているか確かめるために、生産管理システムによる特定月の入庫数量合計及び工数合計が整合していることを確認した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、クラスターテクノロジー株式会社の2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、クラスターテクノロジー株式会社が2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の 基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 (注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 繰延税金資産の回収可能性参照する財務諸表の注記事項・ (重要な会計上の見積り)・ (税効果会計関係)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は当事業年度の貸借対照表において繰延税金資産31,333千円を計上し、そのうち16,703千円は税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産である。 会社が有する税務上の繰越欠損金は、世界規模でのスマートフォン急増の余波を受け、コンパクトデジタルカメラ市場の急激な縮小による影響により、第26期(2017年3月期)に発生した当期純損失によるものである。 会社は、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で繰延税金資産を認識している。 将来の課税所得の見積りは、経営環境等に基づく売上高及び各費用の将来予測に経営者の主観的な判断を伴い、見積りの不確実性が高い。 特に、税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産は将来の課税所得の見積りによって認識する金額が増減することから、当事業年度の財務諸表に与える影響が大きい。 以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性が当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価・ 繰延税金資産の回収可能性の判断に関連する将来の課税所得の見積りに係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 (2) 繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性・ 経営者による将来の課税所得の見積りを評価するため、その基礎となる将来の事業計画について検討した。 将来の事業計画の検討にあたっては、経営者によって承認された直近の予算との整合性を確認するとともに、過年度の事業計画の達成度合いに基づく見積りの精度を評価した。 ・ 主要な得意先の販売予測等の外部環境に照らし、販売計画策定に使用した販売量に関する経営者の仮定の合理性を検討した。 ・ 当事業年度の販売価格の趨勢に照らし、販売計画策定に使用した販売価格に関する経営者の仮定の合理性を検討した。 ・ 設備投資計画や採用計画に照らし、製造原価及び販管費予算の合理性を検討した。 関東工場における原価計算の正確性参照する財務諸表の注記事項・該当なし監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 会社は当事業年度の損益計算書上、売上原価を589,583千円、貸借対照表上、棚卸資産150,363千円を計上し、そのうち、関東工場の売上原価は511,938千円、棚卸資産は126,046千円である。 製品・仕掛品の原価計算プロセスにおいて利用する情報は、会計データ・販売データ・材料入出庫記録・工数データ・電力使用量等多岐に渡るが、会社はこれまでスプレッドシート(表計算ソフト)を利用して原価計算を実施しており、各基礎データは手作業による入力を行っていた。 当年度より、関東工場の棚卸資産について、会計・販売・生産データを各システムから取り込み、自動で計算を行う原価計算システムを構築した。 原価計算システムで採用する計算ロジックに前期から変更はないが、システム入力情報の網羅性・正確性が担保されない場合や、システム間の情報連携や計算ロジックが意図したとおりでない場合には、正確な原価計算が行われない可能性がある。 また、システム設定の誤りを看過した場合には、計算誤りが継続的に発生することから棚卸資産の金額に与える影響は大きくなる可能性がある。 以上から、関東工場における原価計算の正確性が当会計年度の財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断した。 当監査法人は原価計算の正確性を検証するため、主に以下の監査手続を実施した。 (1) 内部統制の評価・ 原価計算に関連する基礎データの登録に係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 ・ ITに係る全般統制の整備・運用状況の有効性を評価した。 特に、システム導入時に適切な管理者による承認、利用者への教育研修が行われていることを確認した。 (2) 原価計算の正確性・ 前年からの変更点、新システムにおいて採用する計算ロジックについて、システム責任者へヒアリング及びシステム仕様書を閲覧した。 ・ 会計方針に従った算定結果であるか確かめるために、サンプルによる再計算を実施した。 ・ 当事業年度に発生した労務費及び経費が網羅的に原価計算へ反映しているか確かめるために、会計データとの整合性を確認した。 ・ 入庫数量及び工数データが網羅的かつ正確に原価計算へ反映しているか確かめるために、生産管理システムによる特定月の入庫数量合計及び工数合計が整合していることを確認した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | 関東工場における原価計算の正確性参照する財務諸表の注記事項・該当なし |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報>当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
BS資産
電子記録債権、流動資産 | 9,911,000 |
商品及び製品 | 22,884,000 |
仕掛品 | 55,517,000 |
原材料及び貯蔵品 | 71,961,000 |
その他、流動資産 | 826,000 |
土地 | 160,500,000 |
リース資産(純額)、有形固定資産 | 9,681,000 |
建設仮勘定 | 13,410,000 |
有形固定資産 | 464,959,000 |
ソフトウエア | 19,247,000 |
無形固定資産 | 19,339,000 |
長期前払費用 | 54,000 |
繰延税金資産 | 31,333,000 |
投資その他の資産 | 31,485,000 |
BS負債、資本
未払金 | 33,546,000 |
未払法人税等 | 15,419,000 |
未払費用 | 17,566,000 |
リース債務、流動負債 | 2,646,000 |
賞与引当金 | 30,857,000 |
長期未払金 | 3,620,000 |
資本剰余金 | 5,927,000 |
利益剰余金 | 405,187,000 |
株主資本 | 1,651,709,000 |
負債純資産 | 1,836,097,000 |
PL
販売費及び一般管理費 | 324,427,000 |
営業利益又は営業損失 | 108,729,000 |
受取利息、営業外収益 | 534,000 |
営業外収益 | 3,105,000 |
支払利息、営業外費用 | 278,000 |
営業外費用 | 956,000 |
法人税、住民税及び事業税 | 17,413,000 |
法人税等調整額 | -7,189,000 |
法人税等 | 10,223,000 |
PL2
当期変動額合計 | 100,655,000 |