財務諸表
CoverPage
提出書類、表紙 | 有価証券報告書 |
提出日、表紙 | 2025-06-25 |
英訳名、表紙 | WACOAL HOLDINGS CORP. |
代表者の役職氏名、表紙 | 代表取締役 社長執行役員 矢島 昌明 |
本店の所在の場所、表紙 | 京都市南区吉祥院中島町29番地 |
電話番号、本店の所在の場所、表紙 | 京都(075)682局1018番 |
様式、DEI | 第三号様式 |
会計基準、DEI | IFRS |
連結決算の有無、DEI | true |
当会計期間の種類、DEI | FY |
corp
沿革 | 2【沿革】 1946年6月創業者故塚本幸一が、個人で和江商事を創業1949年11月資本金1百万円をもって和江商事株式会社を設立(京都市中京区)1951年6月本社を京都市中京区室町通姉小路上ルに移転、工場開設、自家製造に着手1957年11月商号をワコール株式会社と改称1959年11月国内縫製子会社として東海ワコール縫製㈱を設立、以降、国内縫製子会社7社設立1964年6月商号を株式会社ワコールと改称1964年9月東京・大阪証券取引所市場第二部及び京都証券取引所に上場1970年8月韓国に合弁会社、㈱韓国ワコール設立1970年10月タイに合弁会社、THAI WACOAL CO., LTD.(現 THAI WACOAL PUBLIC CO., LTD.)設立1970年10月台湾に合弁会社、台湾華歌爾股份有限公司設立1971年1月東京・大阪証券取引所市場第一部に指定上場1978年4月シンガポール営業所(現 WACOAL SINGAPORE PRIVATE LTD.)開設1979年8月第三者割当増資により㈱トリーカの株式を子会社株式として取得1981年6月アメリカ合衆国に現地法人、WACOAL AMERICA, INC.(現 WACOAL INTERNATIONAL CORP.)設立1982年3月第三者割当増資により㈱七彩の株式を子会社株式として取得1983年2月香港に現地法人、WACOAL HONG KONG CO., LTD.設立1983年12月米国法人ティーンフォーム社グループ(現 WACOAL AMERICA, INC.)の全株式取得1986年1月中国に合弁会社、北京華歌爾服装有限公司(現 華歌爾(中国)時装有限公司)設立1989年4月フィリピンに合弁会社、PHILIPPINE WACOAL CORP.設立1990年1月フランスに現地法人、WACOAL FRANCE S.A.(現 WACOAL EUROPE SAS)設立1991年1月インドネシアに合弁会社、INDONESIA WACOAL CO., LTD.(現 PT.INDONESIA WACOAL)設立1993年4月㈱韓国ワコールの合弁契約を解消し、韓国の㈱新栄(現 ㈱新栄ワコール)に出資1995年1月中国に現地法人、廣東華歌爾時装有限公司設立1997年6月ベトナムに現地法人、VIETNAM WACOAL CORP.設立2000年12月北京華歌爾服装有限公司(現 華歌爾(中国)時装有限公司)の合弁契約を解消し、100%子会社へ改組2003年5月マレーシアに合弁会社、WACOAL MALAYSIA SDN BHD設立2003年8月中国に現地法人、大連華歌爾時装有限公司設立2005年10月持株会社体制への移行に伴い商号を株式会社ワコールホールディングスに改称 新設会社分割により株式会社ワコールを設立2008年1月㈱ピーチ・ジョンを株式交換により100%子会社化2009年8月㈱ルシアンを株式交換により100%子会社化2012年4月EVEDEN GROUP LIMITED(現 WACOAL EUROPE LTD.)の発行済株式の全株式を取得したことにより100%子会社化2016年1月タイに合弁会社、A TECH TEXTILE CO.,LTD.他1社設立2019年7月INTIMATES ONLINE, INC.の発行済株式の全株式を取得したことにより100%子会社化2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行2024年7月㈱七彩の株式を譲渡2024年9月BRAVISSIMO GROUP LTD.の発行済株式の全株式を取得したことにより100%子会社化 |
事業の内容 | 3【事業の内容】 当社の企業集団は、持株会社(当社)1社、子会社51社及び関連会社7社で構成され、インナーウェア(主にファンデーション、ランジェリー及びナイトウェア)、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維製品及び関連製品の製造、卸売及び製品の消費者への小売を主な事業としており、更にその他の事業として、飲食・文化・サービス等の事業を展開しております。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 (1)ワコール事業(国内) ワコール事業(国内)に属する会社は、当社及び国内子会社8社であります。 国内子会社のうち㈱ワコールは、上記製品の企画・デザインと原材料調達を行い、国内外の縫製会社及びその他の協力工場から仕入れた半製品の検査を経て製品化し、国内百貨店、量販店及びその他一般小売店、また直営店舗、Eコマース(EC)サイトや国内外の販売会社を通じて、それぞれ最終消費者へ供給しております。 縫製会社は㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン等2社あり、いずれも㈱ワコールから原材料の供給を受けてインナーウェア、スポーツウェアの縫製加工を行い、半製品を㈱ワコールへ納入しております。 販売会社は㈱ウンナナクール、㈱ランジェノエルがあり、主としてインナーウェア、アウターウェアの製品の小売販売を行っております。 (2)ワコール事業(海外) ワコール事業(海外)に属する会社は、海外子会社及び関連会社併せて39社であります。 海外子会社は北中米地区10社、欧州地区に7社、アジア・オセアニア地区に16社、計33社あります。 海外関連会社はアジア地区に6社あります。 北中米地区の子会社10社のうちWACOAL DOMINICANA CORP.はインナーウェアの縫製会社で、製品を米国の製造・販売会社であるWACOAL AMERICA,INC.に納入しており、WACOAL AMERICA,INC.はこれら製品を現地の百貨店、専門小売店及びECサイトを通じて最終消費者へ供給しております。 また、販売会社であるEVEDEN INC.は主としてWACOAL LANKA(PRIVATE) LTD.、WACOAL EMEA LTD.から供給を受けたインナーウェア等の製品を販売しております。 欧州地区の子会社7社のうちWACOAL EMEA LTD.は主としてWACOAL LANKA(PRIVATE) LTD.から供給を受けたインナーウェア等の製品を主に英国の百貨店、専門小売店等を通じて最終消費者へ販売しております。 BRAVISSIMO LTD.は主にグループ外から独自に供給を受けた製品の小売販売を行っております。 アジア・オセアニア地区の子会社2社と関連会社4社は、製造・販売会社で、製品をそれぞれ現地の百貨店、専門小売店等を通じて最終消費者へ供給するとともに、一部を㈱ワコール及びアジアの販売会社に供給しております。 販売会社は、WACOAL SINGAPORE PRIVATE LTD.、EVEDEN ISRAEL LTD.等子会社6社と関連会社1社であり、主としてグループ内より供給を受けたインナーウェアの製品をそれぞれ現地の百貨店、専門小売店、直営店舗を通じて最終消費者へ供給しております。 残り8社の子会社のうち、4社はインナーウェアの縫製会社で、2社は原材料製造会社、1社はアジア地区における子会社・関連会社向けの材料調達等、1社は投資会社で現地のインナーウェア等の製造・販売子会社及び関連会社への投資をしております。 (3)ピーチ・ジョン事業 ピーチ・ジョン事業に属する会社は、国内子会社及び海外子会社併せて3社であります。 国内子会社1社、海外子会社2社は、すべて販売会社であり、㈱ピーチ・ジョンは主にグループ外から独自に供給を受けた製品の小売販売を行っております。 (4)その他 その他に属する会社は、国内子会社4社、海外子会社3社、国内関連会社1社併せて8社であります。 国内子会社4社のうち、㈱ルシアンは婦人インナー、レース、手芸用品等の製造、卸売を行っております。 残り3社は販売会社、その他の繊維関連及び不動産賃貸業、その他の事業を行っております。 海外子会社は、アジア地区に3社あります。 アジア地区のうち2社は縫製会社であり、残り1社は、その他繊維関連事業を行っております。 以上の子会社及び関連会社の概要を図で示すと次頁のとおりであります。 無印:連結子会社 ※ :持分法適用会社 |
関係会社の状況 | 4【関係会社の状況】 名称住所資本金(百万円)主要な事業の内容議決権の所有又は被所有割合(%)関係内容役員の兼任等のうち当社役員(人)設備の賃貸借(連結子会社) ※1・※5㈱ワコール京都市南区5,000ワコール事業(国内)(インナーウェア等製品の研究開発・製品企画,販売)1003事業所用建物賃貸㈱ピーチ・ジョン東京都港区90ピーチ・ジョン事業(インナーウェア製品の製品企画,販売)1002-㈱ルシアン京都市南区90その他(インナーウェア等製品の製品企画,販売)1002事業所用建物賃貸㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン長崎県雲仙市70ワコール事業(国内)(インナーウェア等製品の受託製造)100(100)1事業所用建物賃貸㈱トリーカ大阪府茨木市92同上60(60)1-※1WACOAL INTERNATIONAL CORP.米国ニューヨーク州20,000千US$ワコール事業(海外)(米国持株会社)100(100)1-※5WACOAL AMERICA, INC.米国ニューヨーク州2,062千US$ワコール事業(海外)(インナーウェア製品の製品企画,販売)100(100)--WACOAL DOMINICANA CORP.ドミニカ共和国サントドミンゴ市20千US$ワコール事業(海外)(インナーウェア製品の受託製造)100(100)--WACOAL EUROPE LTD.英国ノーサンプトンシャー州175千GBPワコール事業(海外)(持株会社)1001-WACOAL EMEA LTD.英国ノーサンプトンシャー州250千GBPワコール事業(海外)(インナーウェア製品の製品企画,販売)100(100)--WACOAL EUROPE SAS.フランスサンドニ市8千EURワコール事業(海外)(インナーウェア製品の販売)100(100)--BRAVISSIMO GROUP LTD.英国ウォリックシャー州54千GBPワコール事業(海外)(持株会社)100(100)--BRAVISSIMO LTD.英国ウォリックシャー州49千GBPワコール事業(海外)(インナーウェア製品の製品企画,販売)100(100)--WACOAL HONG KONG CO., LTD.香港3,000千HK$同上80(80)--※1WACOAL INTERNATIONAL HONG KONGCO., LTD.香港373,690千HK$ワコール事業(海外)(インナーウェア製品及び原材料調達)100(100)1-VIETNAM WACOAL CORP.ベトナムビエンホア市54,604百万VNDワコール事業(海外)(インナーウェア製品の受託製造,販売)100(100)--和江留投資股份有限公司台湾台北市59,000千NT$ワコール事業(海外)(台湾持株会社)100(100)1-廣東華歌爾時装有限公司中国広州市17,730千RMBワコール事業(海外)(インナーウェア製品の受託製造)100(100)--※1華歌爾(中国)時装有限公司中国北京市189,364千RMBワコール事業(海外)(インナーウェア製品の製品企画,販売)100(100)1-※1A TECH TEXTILE CO., LTD.タイバンコク市1,000百万THBワコール事業(海外)(原材料の製造)54(54)--その他31社 (持分法適用関連会社) THAI WACOAL PUBLIC CO., LTD.タイバンコク市120百万THBワコール事業(海外)(インナーウェア製品の製品企画,製造,販売)34(34)2-PT.INDONESIA WACOALインドネシアボゴール市2,500百万IDR同上42(42)1-㈱新栄ワコール韓国ソウル市4,500百万WON同上251-台湾華歌爾股份有限公司台湾桃園市800百万NT$同上50(50)2-※4㈱ハウス オブ ローゼ東京都港区934その他(化粧品・ヘアケア製品等の開発,販売)211-その他2社 (注)※1.㈱ワコール、WACOAL INTERNATIONAL CORP.、WACOAL INTERNATIONAL HONG KONG CO., LTD.、華歌爾(中国)時装有限公司及びA TECH TEXTILE CO., LTD.は特定子会社に該当しております。 2.「議決権の所有又は被所有割合」欄の(内書)は間接所有であります。 3.「主要な事業の内容」欄には、報告セグメントの名称を記載しております。 ※4.有価証券報告書の提出会社であります。 ※5.㈱ワコール及びWACOAL AMERICA INC.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。 主要な損益情報等㈱ワコール(日本基準)① 売上高84,039百万円 ② 経常利益205 〃 ③ 当期純利益4,056 〃 ④ 純資産額95,160 〃 ⑤ 総資産額120,312 〃 WACOAL AMERICA INC.(IFRS)① 売上収益19,819百万円 ② 税引前利益106 〃 ③ 当期利益265 〃 ④ 資本合計24,013 〃 ⑤ 資産合計32,730 〃 |
従業員の状況 | 5【従業員の状況】 (1)連結会社の状況 2025年3月31日現在セグメントの名称従業員数(人)ワコール事業(国内)5,109[189]ワコール事業(海外)9,932[28]ピーチ・ジョン事業383[21]その他700[86]合計16,124[324](注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。 )であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外書きで記載しております。 2.臨時従業員にはアルバイト・パートタイマー等の3ヶ月程度の雇用者を含めております。 3.ワコール事業(国内)の従業員数が前連結会計年度末に比べ771名減少したのは、主に構造改革の一環として希望退職の募集を実施したことによるものであります。 4.その他の従業員数が前連結会計年度末に比べ250名減少したのは、主に㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。 (2)提出会社の状況 2025年3月31日現在従業員数(人)平均年齢(歳)平均勤続年数(年)平均年間給与(円)8944.617.05,983,168(注)1.従業員数は、就業人員を記載しております。 2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。 3.当社の従業員は、全てワコール事業(国内)に属しております。 (3)労働組合の状況 提出会社の従業員は、㈱ワコールからの出向者にて構成されております。 ㈱ワコールには、ワコール労働組合が組織されており、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟に属しております。 また、一部の子会社においてはそれぞれ、労働組合が組織されております。 なお、労使関係は、極めて安定しており、特記すべき事項はありません。 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異①提出会社当事業年度管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者32.0-62.261.565.0(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.パート・有期労働者は、契約社員と定年後再雇用者であります。 ②連結子会社当事業年度補足説明名称管理職に占める女性労働者の割合 (%)(注)1男性労働者の育児休業取得率 (%)(注)2労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者㈱ワコール38.666.749.149.952.7(注)3、4㈱ピーチ・ジョン82.6-40.164.5- ㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン0.00.192.192.788.9 ㈱トリーカ22.70.052.154.386.2 ワコール流通㈱0.0-48.780.784.0 ㈱ワコールキャリアサービス33.30.082.094.072.0 ㈱ワコールアートセンター44.4-46.756.4- ㈱Ai77.6-50.881.629.3 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。 3.女性活躍推進法による公表数値に合わせるため、各指標について㈱ワコールに提出会社を含めた数値を開示しております。 4.㈱ワコールの正規雇用労働者のうち「管理職」、「総合職」、「販売職」の「労働者の男女の賃金の差異」は以下のとおりであります。 なお、「労働者の男女の賃金の差異」の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載しております。 全正規雇用労働者うち管理職うち総合職うち販売職㈱ワコール49.9%90.0%72.7%- |
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 | 1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 これらの将来予測には、不確定な変動要素が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。 (1) グループ経営理念 ワコールグループは、純粋持株会社である当社のもと、日本、米国、欧州、中国、東南アジアを中心に、インナーウェア事業などを展開し、従前から「人々の美しさに貢献することで、広く社会に寄与すること」を目指して活動を続けてきました。 そして、2022年には、「世界中のあらゆる人々の豊かな生活に貢献すること」、「画一的な外見美ではなく、内面も含めた自分らしさの実現をお手伝いすること」、「環境や人権などさまざまな社会課題の解決に努めること」を目指し、現代社会において私たちが果たすべき社会的使命を「ミッション」として定義しました。 この「ミッション」及び70年を超える歴史の中で受け継いできた「創業の精神」をよりどころとして、各事業会社が複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を目指す「サステナビリティ経営」を推進することで、企業価値の向上に努めていきます。 また、私たちの事業活動は、一人ひとりのお客さまの声に耳を傾け、謙虚に自らを変革し、人と人とが互いに信頼し合う「相互信頼」を積み重ねることで成り立っています。 企業経営の透明性を高めることに継続して取り組み、公正性、独立性を確保することを通じて、「株主」「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」など、すべてのステークホルダーと「相互信頼」の関係を構築することで、社会になくてはならない存在を目指していきます。 ミッション ひとりひとりが 自分らしく美しく いられるように世の中が 自信と思いやりに あふれるようにからだに こころにいちばん近いところで 寄り添い続けます からだのここちよさ、こころの美しさ。 それはまるで引力のように、自分と社会とを結びつけてくれる。 ありたい自分を知り、一歩ずつ近づくこと。 そこで生まれた自信は、多様な人々を受け入れる優しさを育む。 その優しさは、やがて社会や地球へも広がり、思いやりあふれる豊かな未来へとつながっていく。 からだに こころに いちばん近いところで、一人ひとりの輝きに寄り添い続けてきたワコールだから。 変化に挑み、成長を続けることで、世界を美しくする力になれる。 私たちは、そう信じています。 グローバル・コーポレートメッセージComfortable inside. Confident outside. ※「グローバル・コーポレートメッセージ」は、ワコールグループ共通のコミュニケーションメッセージです。 詳しくは、当社ウェブサイトの「ワコールグループについて」をご覧ください。 https://www.wacoalholdings.jp/group/ 創業の精神 目標世の女性に美しくなって貰う事によって広く社会に寄与する事こそわが社の理想であり目標であります 社是わが社は 相互信頼を基調とした格調の高い社風を確立し一丸となって 世界のワコールを目指し不断の前進を続けよう 経営の基本方針1. 愛される商品を作ります2. 時代の要求する新製品を開発します3. 大いなる将来を考え正々堂々と営業します4. より良きワコールはより良き社員によって造られます5. 失敗を恐れず成功を自惚れません 役員・従業員の行動指針(アクション) 「誰かの幸せを想おう」顧客、取引先、ともに働く社員など、周囲の人の幸せを考えられているだろうか「好奇心を持って、五感を使い観察しよう」最近、新たな発見や気づきはあっただろうか「なぜ?何のために?を考えよう」真意や根本原因を理解できているだろうか「異なる意見を尊重しよう」謙虚に人の意見に耳を傾け、忖度抜きで、建設的に議論をしているだろうか「未来志向で判断しよう」目先の結果だけではなく、豊かな未来の実現のために行動しているだろうか「まずやってみよう」リスクを恐れて立ち止まっていないだろうか 挑戦する人を応援しているだろうか「仲間と力を合わせよう」大きな成果を生むために、仲間と切磋琢磨し、共創できているだろうか「誠実に、責任を持ち行動しよう」相手に感謝を伝えているだろうか 人のせいにしていないだろうか (2) 中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」①策定背景 当社グループは、経営理念の実践に向けて、自社が抱える事業課題やお客さまの価値観、社会・環境の変化を見据えつつ、長期的なゴールからのバックキャスティングにより、2030年に向けたグループの将来ビジョンを示す「VISION 2030」を策定しました。 「VISION 2030」では、「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを中長期的に目指す姿として掲げ、「国内の収益性向上と事業領域拡大」「海外事業の拡大と高収益構造への変革」「グループ経営力の強化」「資本効率の高い経営への転換」に取り組むことで、持続的な成長と企業価値の向上を実現します。 ②全体像目指す姿:高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する 『世界のワコールグループ』の定義・グループの商品・サービスや社会的課題に係る取組みが、全てのステークホルダーから高い信頼を得ている・グループの人材、資産、ノウハウ、ネットワークを最大限活用し、世界的規模で競争優位性のある事業展開を行っている・革新的且つ高品質な商品・サービスで、新たな顧客体験を創造し続け、世界中のお客さまの生活を豊かに美しくし続けている・全世界の従業員がグループの目標、使命を理解し、その実現に向け、常識や過去にとらわれずに挑戦している 事業領域:「美」「快適」「健康」領域を、「高い感性と品質」で支えられた新たな商品・サービスで深耕・拡大していく実行方針:以下の重点戦略を実行し、事業の拡大や収益性の向上、経営基盤の強化などに取り組み、社会課題の解決と持続的成長の両立を目指すサステナビリティ経営を推進する 主要指標(2031年3月期):売上収益2,700億円(うち、海外事業売上比率40%)(参考)非連結合弁会社含むグループ売上収益3,400億円営業利益(営業利益率)270億円(10%)ROE10% 重点戦略:重点戦略マテリアリティ(重要課題)サステナビリティ経営の推進国内の収益性向上と事業領域拡大国内における着実な成長と、健康領域での新規事業創出・CX戦略の推進を通じた国内市場シェアの回復・「美・快適・健康」分野における事業領域の拡大海外事業の拡大と高収益構造への変革既存進出エリアの拡大維持と、欧州やインド市場での成長・デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得・CRM強化による既存顧客のロイヤル化・新規市場におけるブランド投資の強化グループ経営力の強化グループガバナンスの強化、多様性のある人材育成と活用国内外の技術・生産・R&D拠点の整備・品質基準の再定義、縫製工場のスマートファクトリー化、生産・輸送効率の追求資本効率の高い経営への転換資本コストを上回るROEの創出ステークホルダーへの価値配分の最適化・ROE10%、資本構成の最適化への取り組み (3) 中期経営計画(リバイズ)(2024年3月期~2026年3月期)①策定背景 当社グループは、2023年3月期の実績が計画未達となったことを受け、中期経営計画の見直し(以下、中計リバイズ)を行い、2023年11月に公表しました。 中計リバイズでは「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」「「VISION2030」達成に向けた成長戦略」「ROICマネジメントの導入」「アセットライト化の推進」を実行し、サプライチェーンマネジメントの再構築や管理基盤の強化を進め、収益力や資本効率の改善と戦略の実効性の向上を図っていきます。 また、従業員の挑戦と成長を後押しすることで、お客さまの“自分らしさ”に貢献できる商品やサービスを継続的に提供できるワコールグループへの進化を目指します。 ②全体像基本方針:「VISION2030」の達成確度の向上に向けて、キャッシュを着実に創出できる体質への転換をおこなう重点戦略:収益力や資本効率の改善と向上に努め、持続的な企業価値の向上に向けて必要な成長投資とステークホルダーの皆さまへの還元を継続できる企業へと進化する ビジネスモデル改革ビジネスモデル改革(サプライチェーンマネジメント改革、コスト構造改革)を実行し、基礎収益力を回復 サプライチェーンマネジメント改革・顧客ニーズや市場環境の変化に迅速に対応できるように、㈱ワコールのサプライチェーンマネジメント(SCM)改革を実施・デジタルを活用して顧客起点で需要連動型のSCMを構築するとともに、選択と集中を徹底し、コスト構造を最適化コスト構造改革・㈱ワコールの基礎収益力の回復を図るため、抜本的なコスト構造改革を実行不採算事業の対処・それぞれの事業ごとに将来の在るべき姿を検証し、事業継続や売却・撤退などのアクションプランを決定成長戦略デジタルの力と自社の強みを活用したブランド戦略と顧客戦略を遂行し、次の成長へつなげる 国内事業:・顧客ニーズの多様化に合わせて、お客さま一人ひとりの「自分らしい美・快適・健康」に貢献顧客戦略蓄積されたデジタル資産の活用によりパーソナライズされた顧客体験を通じて、LTV向上を目指すブランド戦略顧客起点でのブランドマネジメントにより、提供価値の明確な魅力溢れるブランドを育成する注力セグメントインナー事業は市場セグメントに応じた戦略を強化する(ハイプレミアム市場・アフォーダブル市場を強化)強みを活かしてスポーツ・健康事業を強化し、市場機会を最大化する注力チャネル自社EC・他社EC・直営店に対して、チャネル強化施策を実行していく 海外事業:・不透明な事業環境下において、まずは経営基盤の整備に取り組み、次期中期経営計画に向けた成長戦略を実行ブランド戦略中国・アジア圏:市場分析をもとにした新製品の開発・販売による新規顧客との接点拡大欧米:顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略を推進EC成長に向けた取り組み自社EC:会員プログラムなど独自コンテンツの充実、実店舗との連携強化他社EC:戦略的にECマーケットプレイスとの連携を強化新興エリアの開拓ドイツ、フランス、インドなど成長余地を有する地域における成長戦略を策定・推進ROICマネジメント導入資本効率性を高め、筋肉質な企業体質を実現するためにROICマネジメントを導入・ポートフォリオマネジメントに加え、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けるアセットライト化の推進資産・資本効率の向上に向けて、企業価値向上に寄与しない資産については、売却することを基本方針とする・売却に際しては、事業成長に寄与する投資機会の探索を行うこととし、ROICの観点から投資すべき事業を判断棚卸資産(在庫)の圧縮ビジネスモデル改革(サプライチェーンマネジメント改革とコスト構造改革)を通じた在庫低減不採算ブランドの撤退・統合に伴って発生する在庫を適切な方法で処分政策保有株式の縮減売却合意できた先から順次売却保有不動産の整理企業価値向上に寄与しない不動産については、基本方針に沿って売却を検討 主要指標(2026年3月期): 中計リバイズではビジネスモデル改革と成長戦略の実行により、顧客変化への対応力と収益力の強化を図りつつ、資本効率の改善に努めることで、最終年度となる2026年3月期において、売上収益2,030億円、営業利益130億円、ROE7%水準ならびにPBR1倍超の達成を目指しておりましたが、不採算事業の対処による子会社の連結除外や、外部環境の変化に鑑み、売上収益を1,875億円に修正いたしました。 また、営業利益はアセットライト化の施策等により228億円、ROEは8%になる見込みです。 なお、資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントの導入を決定しております。 全社としての財務目標管理として活用するだけでなく、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けてまいります。 2026年3月計画2026年3月期修正計画売上収益2,030億円1,875億円営業利益(営業利益率)130億円(6.4%)228億円(12.2%)ROE7%8%ROIC6%~7%7%EPS200円以上300円以上棚卸資産(在庫)㈱ワコール:2026年3月期の在庫回転率2.5回転2.1回転政策保有株式・約300億円の政策保有株式を売却(2026年3月期までに純資産の10%未満に縮減)・約380億円の政策保有株式を売却(2026年3月期までに純資産の12%未満に縮減)保有不動産・企業価値向上に寄与しない不動産については、基本方針に沿って売却を検討 財務方針:1.ビジネスモデル改革と成長戦略を通じた収益力の改善を最優先課題として取り組むと同時に、棚卸資産(在庫)の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めることで、資本効率を改善しROE向上を実現2.将来成長への投資を優先すると同時に、資本効率の改善に向けて積極的な株主還元を実施 配当方針: 当社は、株主の皆さまへの利益配分について、収益力向上のための積極的な投資による企業価値の向上を図りながら、1株当たり当期純利益(EPS)の増加を図るとともに、連結業績を考慮しつつ安定的な配当を実施させていただくことを基本方針としております。 キャッシュ・フロー・アロケーション(2024年3月期~2026年3月期): 中計リバイズ期間においては、構造改革による収益力の向上に努めるとともに、棚卸資産の圧縮や政策保有株式の縮減、保有不動産の整理を進めていきます。 また、それにより創出したキャッシュについては、成長投資を優先しつつ、資本効率の向上に向けて、積極的な株主還元を実施する方針です。 事業戦略と財務戦略の両面でROEやROIC目標の達成に向けて取り組んでまいります。 キャッシュイン純利益(減損損失除く)100億円減価償却費(リース負債除く)200億円アセットライト化・デットの活用800億円3カ年 創出キャッシュ 約1,100億円キャッシュアウト新規・既存事業への投資400億円配当還元150億円自己株式の取得550億円 ③「VISION2030」における中計リバイズの位置づけ 中計リバイズ期間は、「VISION2030」の達成に向けた改革期と位置付けており、計画に則った各施策を着実に実行することで、収益性と資本効率の改善を図る計画です。 また、次期中期経営計画以降については、「萌芽期・成長期」と位置付けており、この中計リバイズで実施する改革の成果を刈り取るほか、次の成長に向けた投資を積極的に実施してまいります。 中計リバイズの実施を通して、経営の実効性を高めることで、「VISION2030」目標への達成確度を向上させていきます。 ④資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応 当社グループは、2023年11月9日に公表した中計リバイズのもと、「企業価値向上に向けた取り組み」を推進してまいります。 企業価値向上(PBR向上)に向けて、中計リバイズで掲げた諸施策の着実な実行により資本コスト(6%程度)を上回る「ROEの向上」と「継続的・将来的な成長期待によるPERの向上」を実現し、中期的にはROE10%以上を達成することを目標としております。 ⑤2026年3月期の方針 ワコールグループは、中長期経営戦略フレーム「VISION2030」に基づき、「女性美のワコール」から「自分らしさをエンパワーメントするワコール」へと提供価値の転換を進めています。 2026年3月期については、2023年11月に改訂した3カ年の中計リバイズに沿って、「キャッシュを着実に創出できる体質への転換」をテーマに「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」の取り組みを継続します。 国内事業においては、顧客戦略やブランド戦略をより高度化してまいります。 また、需要の変動に迅速に対応すべく、サプライチェーンの見直しや業績管理体制の強化の取り組みを進めてまいります。 あわせて、基礎収益力の回復を目指し、コスト構造改革を継続いたします。 なお、原材料をはじめとする原価高騰が今後も見込まれるため、価格改定や原価低減に関する追加対策を検討・実施することで、これらの影響の最小化に努めます。 海外事業については、地政学リスクや物価上昇の継続、米国新政権を巡る経済摩擦の拡大など、不透明な事業環境が長期化し、既存チャネルの商況が苦戦する中、主要各社ともに経営基盤の整備に取り組みつつ、EC成長の実現に向けてデジタルを活用した顧客接点の拡大への取り組みを継続する考えです。 以上の取り組みにより、2026年3月期の連結業績は、売上収益1,875億円、営業利益228億円、税引前利益226億円、親会社の所有者に帰属する当期利益149億円を見込んでおります。 売上収益は、中計リバイズの各種施策の効果の発現等により増収を見込んでおります。 営業利益は、増収効果に加え、固定資産売却益等の計上により、大幅な増益となる見込みです。 年間の主要な為替レートは、1米ドル=150.00円、1英ポンド=190.00円、1中国元=20.00円として計画を策定しております。 なお、米国の関税政策による市場環境やサプライチェーンに対する影響については、不透明な要素が多いものの、一定の影響が生じる可能性が高いと判断し、現時点で予測でき得る範囲でのコスト増加分を業績予想に織り込んでおります。 引き続き政策動向を注視しながら、リスク管理を徹底してまいります。 今後、業績予想にさらなる影響が生じる場合には、速やかに開示いたします。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの対処すべき課題は以下のとおりです。 ①国内:多様化する顧客ニーズや短期化するトレンドに対応できるビジネスモデルへの転換 多様化する顧客ニーズや短期化するトレンドに対応できるビジネスモデルへ変革し、漸減傾向が続くトップラインの回復・拡大と収益力の回復を図ります。 これまでの画一的な商品構成や新商品の納品スタイルを見直し、売れ筋を確実に店頭に届ける仕組みへの変革を進め、売上機会ロスの低減に努めます。 また従来の一括生産の方式から、店頭の需要状況に合わせた生産方式に変更することで、売れ筋商品の充足率の改善につなげてまいります。 商品の企画・開発においては、既存パターンの活用や企画開発会議等の業務プロセスの見直しにより、開発から納品までのリードタイムを短縮し、顧客ニーズを捉えた商品の投入スピードを速めることで販売活動の改善につなげてまいります。 ②国内:収益力改善に向けたコスト構造改革の実行 基礎収益力の回復を図るため、抜本的なコスト構造改革を継続的に進めます。 これまで数多く存在していた品番数を適正な水準まで集約し、製造や販売に係るコストの削減と、投資の効率化を実現してまいります。 また生産体制や縫製工程を抜本的に見直すことで、製造コストの低減や材料のコストダウンを図ります。 継続的な円安の影響により原材料をはじめとするコスト高騰が今後も見込まれるため、選択と集中の徹底による最適なコスト構造の実現を目指してまいります。 ③国内:デジタルの力と自社の強みを活用した“ブランド戦略”と“顧客戦略”の実行 「女性美のワコール」から「自分らしさをエンパワーメントするワコール」へ提供価値を転換すべく 、徹底した「顧客起点」でのブランドマネジメントを実行し、提供価値の明確な魅力溢れるブランドを育成します。 またお客さまとの深く広く長い関係性を構築し、最適な顧客体験を提供するために、顧客起点のDXを推進します。 「ワコールメンバーズ」の購買データに加え、「顧客の声」や「販売員の接客知見」についてもデジタルを活用して分析し、それを顧客体験の提供に活かしてまいります。 さらに販売員によるコンサルティングサービスに加え、3D計測サービスやアプリを活用し、リアルとオンラインで一貫した満足度の高い顧客体験の提供を行うほか、自社EC経由で実店舗へ取り置き・取り寄せするサービスの展開を強化するなど、お客さまの体験向上に向けた取り組みを様々な角度から進めてまいります。 ④海外:次期中期経営計画に向けた成長戦略の実行 米国については、引き続き、EC成長の実現に向けてデジタルを活用した顧客接点の拡大への取り組みを進めてまいります。 欧州については、EC成長に向けた取り組みを強化するとともに、2024年9月に買収した企業との新たなチャネルの開拓やシナジーの最大化に努めます。 また、中国については長引く景況感の悪化を受けた個人消費の伸び悩みを受け、収益の回復が遅れております。 マーケティング戦略を見直すとともに、ECへ投下資源を集中させることで、成長軌道への回帰の実現を目指します。 同時にコスト構造改革を実施し、事業効率を高めてまいります。 ⑤ガバナンス:経営管理基盤の強化を通じた収益力と資本効率の改善 資本効率性の改善を図り、筋肉質な企業体質を実現するために、当社グループではROICマネジメントの導入を決定しております。 ROICは、全社としての財務目標管理として活用するだけでなく、成果を的確に測定するパフォーマンスマネジメントの手段としても活用し、現場の改善活動と投資家をはじめとするステークホルダーが期待する収益力・資本効率の改善を定量的に結び付けてまいります。 ⑥その他の課題 気候変動などの環境問題や人権問題の深刻さは増大しており、適切な対応と予防が必要であると考えております。 当社グループは引き続き、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進いたします。 マテリアリティ(重要課題)の項目として定めた「顧客への提供価値の最大化」、「従業員ひとりひとりの成長と働きがいの高い組織の構築」、「次世代に向けた地球環境の保全」、「すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化」への取り組みを通じて、「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を果たすことで、企業価値の向上に努めてまいります。 |
戦略 | ②戦略 世界での人口増加、少子高齢化、デジタル革命の進行、グローバル化、気候変動や人権課題の深刻化など、将来の予測は難しくなっています。 当社グループでは、中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」の策定にあたり、マクロトレンドや多様なステークホルダーからの要請事項を考慮に入れつつ、2030年までに想定される事業課題と社会・環境課題を洞察し、「解決すべき社会・環境課題」と「事業成長」の両評価軸からマテリアリティ分析(重要度評価)を行ったうえで、以下のマテリアリティ(重要課題)を設定しています。 マテリアリティ(重要課題):対象目的マテリアリティ(重要課題)顧客顧客への提供価値の最大化・パーソナライゼーションの追求による顧客体験価値の向上・事業領域拡大への挑戦・商品品質の深化とサービス品質の構築従業員従業員ひとりひとりの成長と、働きがいの高い組織の構築・自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長・共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり・継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上環境次世代に向けた地球環境の保全・環境負荷を低減する事業活動の推進社会すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現・社会課題を解決する共創イノベーションの推進ガバナンス持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化・透明性の高い経営の実践・リスクマネジメント体制の強化・収益性、資本効率の継続的改善 |
指標及び目標 | ④指標及び目標 当社グループは、「サステナビリティ経営」を推進し、事業を通じた「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を実現するため、11のマテリアリティ(重要課題)に対応する指標を設定しております。 なお、目標数値について2025年3月期中に開示する予定でしたが、次期中期経営計画の策定に合わせて、マテリアリティ(重要課題)及び目標値についても再検討を行っています。 顧客:顧客への提供価値の最大化 マテリアリティ(重要課題)具体的な取り組み2030年までの非財務目標1パーソナライゼーションの追求による顧客体験価値の向上お客さまの感動を生むために、お客さまとのつながりを増やし、お客さまから学ぶ当社グループとつながりを持つ顧客数の拡大顧客体験を向上させるワコールならではのサービスの体験人数の拡大期待を超える商品と愛される商品をつくる顧客データを活用した新製品やサービス開発の推進によるインナーウェア事業の再成長2事業領域拡大への挑戦お客さまをあらゆる角度でサポートするための、新領域への挑戦レディースインナー以外の事業成長と収益力の向上Well-being実現に向けた新規事業の創出社内リソースの新領域への展開世界のお客さまに感動を届けるための、グローバル成長の実現海外での事業拡大3商品品質の深化とサービス品質の構築時代の要求する品質管理体制及び、品質レベルの追求商品品質の継続的な監視と改善活動の実施店頭・デジタルサービス品質の維持・向上 従業員:従業員ひとりひとりの成長と、働きがいの高い組織の構築 マテリアリティ(重要課題)具体的な取り組み2030年までの非財務目標4自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長世代・役職関係なく、主体的に自己能力を高め、熱意をもってチャレンジする人財育成自発的なキャリアデザイン、スキルアップの取り組みの強化熱意を持ってチャレンジできる人財育成と環境の整備5共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり多様な立場の人が協力し、ミッションを達成できる組織風土の醸成多様な立場の人が協力できる労働環境の整備会社のあるべき姿や使命を明確にして行動できる従業員の増加6継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上従業員のこころと身体の健康増進「生産性」「心身の健康」の向上健康への理解力(リテラシー)の向上 環境:次世代に向けた地球環境の保全 マテリアリティ(重要課題)具体的な取り組み2030年までの非財務目標7環境負荷を低減する事業活動の推進従業員・消費者双方における環境意識の醸成事業活動におけるエコ活動の可視化脱炭素社会の実現CO2排出量の削減廃棄物削減の推進製品廃棄率の低下資源循環型社会の実現環境配慮型素材の使用率向上※詳細については、「(2)気候変動への対応」をご覧ください。 社会:すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現 マテリアリティ(重要課題)具体的な取り組み2030年までの非財務目標8社会課題を解決する共創イノベーションの推進女性のQOL(Quality of Life)向上への貢献ブレストケア活動の推進女性のQOL向上に貢献するニーズ(商品・サービス)対応とシーズ開発ステークホルダーとの継続的な対話を通した女性のQOL向上への貢献ダイバーシティ&インクルージョンの推進ダイバーシティ課題(ジェンダーなど)の理解に向けた社内啓発活動の推進ダイバーシティ課題(ジェンダーなど)の解決に向けた外部ステークホルダーとの対話、共創活動の推進人権の尊重とCSR調達活動の推進人権デュー・ディリジェンスの構築・実施、人権教育の推進CSR調達活動の対象範囲拡大 ガバナンス:持続的成長の実現に向けたガバナンスの強化 マテリアリティ(重要課題)具体的な取り組み2030年までの非財務目標9透明性の高い経営の実践実効性の向上を実現する最適なコーポレート・ガバナンス体制の維持・構築コーポレートガバナンス・コードの実践取締役会の機能発揮と多様性確保企業価値を向上させる役員報酬制度の継続的改善公正かつモチベーション向上につながる評価・報酬制度の構築10リスクマネジメント体制の強化法令遵守の徹底と高い倫理観を持った組織体の構築企業活動における不適切な行動の防止、役員・従業員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上事業リスクへの着実な対応による組織レジリエンスの強化重要リスクの選定方法や対応方針の見直し、DXや情報通信技術の運用に伴う情報セキュリティ対策の推進、事業継続体制(BCP)強化11収益性、資本効率の継続的改善経営戦略の実行と役割権限の明確化中長期戦略の実効性向上に向けた重要業績評価指標の管理強化と費用対効果の検証成長の実現に向けた事業ポートフォリオマネジメントの実行適時適切な意思決定を行う執行体制の構築 |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略 | ②戦略 事業環境の不確実性がますます高まる中、ビジネスモデルの変革を早期に進めていくうえで、担い手となる人財に関する戦略の重要性は増すばかりです。 とりわけ日本国内においては少子高齢化による労働力人口の減少が進み、これまで以上に人財獲得競争が激化しています。 魅力ある企業であるための人財戦略を策定、実行していく必要があります。 当社においては、果断な構造改革と成長戦略の策定・実行を並行して、またスピードを上げて進めていくためにも、従業員個人のさらなる成長に資する施策に加え、個の力を組織の力に結びつけるための環境や風土への変革を併せて進めています。 なお、当社グループにおいては従業員の所属が各事業会社(本籍が当社の従業員は0)であり、人事戦略・施策は個社の事業戦略に連動して策定し、またそれぞれの労使関係において協議、協定の上実行、検証しているため、連結会社ベースでの開示を行うことは困難であり、現時点では中核事業会社である㈱ワコールの戦略、施策の実行状況を記載しています。 連結ベースでは、グループの人的資本に関するガバナンスの強化、具体的には人権・DE&Iやコンプライアンスの観点が主たる課題と捉えており、その課題に関する取り組みが進んだ段階では、連結会社を含む開示を行うよう、引き続き検討してまいります。 人的資本戦略における重点取り組み(対象:㈱ワコール)基本方針個の成長に加え、個の力を組織の成果に結びつけるための取り組みにより注力し「会社の成長」と「人的資本への投資・人財の成長」の好循環を実現する。 人的資本戦略における重点取り組みⅠ.人財獲得対応するマテリアリティ:5 共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくりⅡ.成長支援(人財育成・キャリア形成)対応するマテリアリティ:4 自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長Ⅲ.マネジメント力の強化対応するマテリアリティ:5 共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくりⅣ.DE&Iの推進対応するマテリアリティ:5 共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくりⅤ.Well-beingの実現対応するマテリアリティ:6 継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上 Ⅰ.人財獲得 当社グループは、先人たちが前例にこだわることなく今日の企業グループを築いてきたように、今後も大胆に、また果敢にチャレンジする風土を大切にしながら、新風を吹き込み新しい価値を創造する多様性の尊重こそが競争の源泉になると考えています。 また少子高齢化、労働力人口減少の環境下で、人財のリテンションにも力を入れる必要があります。 その具体策として、「役割等級制度への移行」「職群の撤廃と処遇の統一」「評価と処遇」人事制度の三要素を改訂しました。 これによって、社内人財のリテンションと外部からの人財獲得に繋がると考えております。 新卒採用に加え、第二新卒やキャリア採用などの経験者採用にも注力しており、今後も経営幹部候補人財やグローバル・EC・DX・新規事業等の専門人財の獲得を目的に、総合職の採用人員のうち3~5割程度を経験者採用とする方針を継続しています。 また、多様な人財との早期接点を強化するため、短期インターンシッププログラム「Wacoal Career Journey」を新たに開催しています。 このプログラムでは、参加者が実際にワコール社員と交流し、リアルな働き方や価値観に触れることで、当社で働く意義や文化を肌で感じてもらうことを目的としています。 これにより、入社前から職場との相互理解を深めるとともに、ワコールが目指す共創と革新の土壌づくりにつなげています。 一方、複数ある職種の中でも特に人財確保が困難であるビューティーアドバイザー職(販売職)については、人財獲得・定着施策として、2020年8月から、地域限定採用である販売職が自己都合で転居した場合でも、一定の条件を満たせば転居先への勤務地変更を可能にし、就業継続できるしくみを整えています(2025年4月末時点の制度利用者累計:46名)。 また、2022年4月からは退職者のネットワーク「BANK(BA Alumni Network)」の運用を開始し、各種の情報提供や復職支援、友人のご紹介等、退職後も関係を継続できるしくみを構築しています(2025年4月末時点の登録者:92名)。 2025年10月からは、自社の社員が友人や知人を紹介し、その紹介によって採用に至る「リファラル採用」を導入する予定をしており、ワコールに親和性の高い社員を向かい入れることにも取り組んでまいります。 ㈱ワコールの主たる職群の採用状況職群区分性別2023年3月期2024年3月期2025年3月期総合職経験者男性418女性6158合計101616新卒男性626女性101012合計161218経験者採用比率38%57%47%販売職経験者男性000女性61458合計61458新卒男性000女性161419合計161419経験者採用比率27%50%75%クリエイター職技術・研究職経験者男性000女性000合計000新卒男性000女性004合計004経験者採用比率0%0%0% Ⅱ.成長支援(人財育成・キャリア形成) 当社グループでは、従業員一人ひとりの個性や強みが発揮される企業への変革を目指し、学びの機会の提供やキャリアアップの支援など、一人ひとりの成長を支援する各種研修制度を整えています。 <人財育成> ㈱ワコールは人財育成体系「WACOAL TERAKOYA」の運用を開始以来、継続的なアップデートを行ってきました。 昨今の消費行動やニーズの急激な変化を受け、新たなビジネス環境に対応可能な人財の育成に向け、教育・研修体系の抜本的見直しを実施しました。 新体系では、階層別研修を画一的な内容から脱却し、個々の成長段階に応じた選択型プログラムへと再設計しました。 さらに、組織の専門性強化を目的とする「部門別マスタリープログラム」を新設し、個の成長が組織成果に直結する仕組みを強化しております。 また、異業種との学びや交流を促す、手上げ型の外部プログラムへの参加機会を拡充し、多様な視点を取り入れ革新性の高い人財育成を図っています。 加えて、外部との接点を通じた視座の拡張を目的に、短期ビジネススクールへの派遣も開始しました。 選抜された社員が経営・戦略・マーケティング等の先進的な知見を習得し、帰任後にその学びを組織内で還元する仕組みを整備しています。 これらの取り組みにより、経営理念の実践と新たな価値創造を担う人財の育成を通じて、ワコールの持続的成長の実現を目指します。 販売職の育成においては、より多様化するお客さまのニーズに応え、ご満足いただくために「顧客対応力(実学)」と「人間力(道学)」の両面の向上に取り組んでいます。 具体的には、2022年4月より㈱グロービスの「GLOPLA LMS (Learning Management System)」という自律的な学びのプラットフォームを活用し、成長機会の提供、キャリアアップ意欲の醸成につなげています。 2014年からタブレット端末を活用した人財育成にも取り組み、商品情報や販売促進に関するデータの共有からスタートしました。 2020年以降はリモートでの研修やミーティングの機会が増え、事業所から離れたメンバーにもリアルタイムで情報共有ができる環境を整えています。 2025年4月から、半月に1回、朝の1時間を活用し、接客販売に関する塾をオンラインで開講しました。 毎回100名程度が参加し、お客さまへの接客販売スキルの向上や新たにスタートした取り置き・取り寄せサービスの拡大にも取り組んでいます。 加えて、コーチングスキルに特化した研修もスタートし、2025年3月期には販売職の所属部門長と販売職の役割任用者152名が受講し、「働く仲間、一人ひとりがお客様を想って自律的に考え行動していくことを尊重できる組織風土づくり」にも取り組んでいます。 コミュニケーションのあり方を変え、社員が成長することで会社が成長することを目指しています。 人財育成プログラムの例(内勤社員実績)プログラム名実施目的一人当たりの研修時間年間参加人数2024年3月期2025年3月期階層別研修役割・資格の変化に伴う、期待役割の認識及びマインドセットを目的に実施します。 同時に会社の方向性と自身のキャリアビジョンを考える機会とします。 1~6日(研修による)252名349名ビジネススキルビジネスマンとして求められる必須スキルを、社内のみならず社外人財との交流を通して学ぶことで、社内外で通用する普遍的なビジネススキルを体得できます。 7.5時間38名35名部門別マスタリープログラムワコールにおける社内ナレッジの共有、知識伝承、組織開発等を目的に社内外の講師による研修・セミナーを開催します。 7時間~881名1,390名セルフラーニングEラーニングを活用した「いつでも、どこでも」学べるコンテンツ提供と主体的な能力開発・自己研鑽を支援する制度があります。 自己啓発援助制度-30名38名通信教育・Eラーニング-741名470名 (販売職実績)プログラム名実施目的一人当たりの研修時間年間参加人数2024年3月期2025年3月期昇格時研修各等級への期待値や役割行動を理解すると同時に、経営理念の浸透を図り、必要なマインドやスキルを習得することで、組織全体のパフォーマンス向上と円滑なチーム運営につなげます。 また、昇格を機会に自身のキャリアについて考える機会としています。 6時間~149名75名役割任命時研修役割任用者(スーパーバイザーや店長等)としての店舗管理、人財育成に関する責任を理解し、人財育成に関わるマインドセットを行い、効率的な業務志向と組織目標の達成を支援します。 6時間~47名78名シーズンビジネストレーニング販売チャネルごとのシーズン戦略や商品知識の理解、接客シミュレーションを通して接客手法を学び、LTVの最大化を目指します。 6時間~1,292名830名スタンダードトレーニング接客の基本を身に付けた中堅クラスのスタッフを対象とし、ブランドイメージを体現する接客(会話力、提案力)を習得し、更なる顧客満足度向上と売上拡大を目指します。 6時間~574名250名 <キャリア形成> ㈱ワコールでは、従業員が自らのキャリアを主体的かつ前向きに切り拓いていくことを目的にした、キャリア形成に伴う多様な制度・仕組みを拡充し、キャリア自律を促進することによって働きがいの向上と組織の活性化を目指す「Meet My Careerプログラム」を導入しております。 このプログラムでは、従来型の自己申告やキャリア面談、研修・自己啓発、異動に加えて、「社内公募制度」や、自ら異動先を希望できる「社内ジョブチャレンジ制度」、グループ外の企業や団体への出向によって社内では得られない経験を可能にする「社外キャリア留学」、所属部門に籍を置いたまま他部門の業務を体験できる「社内インターン制度」、長期休職制度、副業支援など、従業員が主体的にキャリア・可能性を切り拓くための選択肢を体系的に示すことで、従業員に対して多様な働き方の能動的な実践を促し、同時に今までと異なるスキルを身につけ、磨く機会を供し、個々人の多様なキャリアの実現を促進することを目指しています。 「社内公募制度」についてはグループ会社も対象とする事によってキャリアの選択肢をより広げるとともに、従業員と組織の双方が積極的にキャリア開発や人財獲得に取り組める仕組みを取り入れています。 さらに、従業員一人ひとりのキャリアをより丁寧に支援するため、社内外のキャリアコンサルタントによるキャリア面談を段階的に実施しており、従業員の内省と将来設計を促進する機会を提供しています。 また、若年層向けに、早期段階から自律的なキャリア形成を意識づける「キャリアデザイン研修」を実施しており、自らの強みや志向性を見出し、将来的なキャリアビジョンを描く力の醸成を図っています。 販売職においては、50歳を迎える社員を対象に「キャリア研修」を実施しており、2025年3月期は25名が参加し、リタイアメントライフデザインについて学び、定年に向けた準備を考える機会を提供しています。 また、2021年4月から販売職の中の一つの役割として、国家資格キャリアコンサルタントを保有するメンバーが担う「キャリアコーディネーター」という役割を設けて、キャリア面談にも積極的に取り組んでいます。 2025年3月期では120件の面談を実施し、ビューティーアドバイザー一人ひとりと一緒にキャリアを考える機会を提供しています。 今後も、従業員が自発的にキャリアを広げる機会を提供し続け、多様な人財の育成に取り組んでまいります。 プログラム名実施目的人数(人)2024年3月期2025年3月期ジョブチャレンジ制度社内公募制度自律型人財形成の一環として「ジョブチャレンジ」自らの意思と意欲を前提に自己異動希望を示す者に、ジョブローテーションの機会を支援し、組織全体の活性化につなげる。 「社内公募」組織自らが求める人財を得ることで部門の強化を図り、社内組織全体を活性化につなげる。 2511社外キャリア留学変化の激しい時代において、社外での就業経験を通して多様な視点や価値観を取り入れ、知識のアップデート、リスキルを行うことで、適応力やレジリエンスを高めることにつなげる。 4231副業制度1.社外での活動に携わる中で、自身のスキル・能力・専門性を高め、本業での発揮能力を高める。 2.今後のキャリアを見据えたうえで、社外ネットワークの構築及び新たな知見、スキルを獲得する。 3.自分の趣味や興味のあることに取り組み、更なる収入を得ることで多様なライフの充実を実現する。 3029長期休暇制度「自己啓発・自己開発を目的とした場合」と「配偶者が転勤、または遠隔地に居住する者と婚姻した後」において、一定期間の休職を認めることにより、就業継続を支援する。 1011 Ⅲ.マネジメント力の強化 経営の実効性を高めるために、的確かつスピーディーに意思決定を行い、組織の成果に貢献するためのマネジメント力の強化は極めて重要な課題であり、改めてサクセッションプランに基づくマネジメント人財の発掘、育成、任用に取り組みます。 また、組織力の強化の観点からは、健全なフィードバック文化の醸成も必要であると認識しています。 ビジョンの実現と戦略を実行でき、かつ個の力を組織の成果に結びつけるためにメンバーを動機づけることができるマネジメント人財の確保・育成の取り組みを推進していきます。 2024年11月より、経営戦略・事業運営に関する知見を実践的に学ぶ機会として執行役員がメンターを務める「経営視点実学プログラム」を導入しました。 本プログラムは経営に必要な視座と意思決定プロセスを現場課題と紐づけながら体得することを目的としており、次世代リーダーの意識変革と視野の拡張に寄与しています。 さらに、部長に対しては、外部研修機関との連携による経営層向けプログラムへの参加を推進し、社外視点の獲得と経営力のさらなる強化を図っています。 組織力の強化のためには、エンゲージメントの向上にも継続的に取り組んでいます。 経営層と従業員の対話の機会であるタウンホールミーティングを今後も継続的に実施し、経営方針、事業戦略の理解浸透と現場の実態を共有する場として有効に機能させていきます。 併せて、新人事制度を中心とした人事部門との対話の機会の設定、また本部単位の人財開発会議の設置により、より現場に根ざした人財育成、組織力向上を可能にする風土を形成していきます。 Ⅳ.DE&Iの推進 当社グループは、従業員一人ひとりの働きがいを高める仕組みを追求しつつ、人的資本の量的・質的な適正化を図ることによって、健全な企業風土と強固な経営体質の構築を進めております。 多様な人財や価値観を受容し相互に信頼関係を深め、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指しております。 引き続き、多様なキャリアパスや働き方の選択肢を拡充させるほか、変化の激しい市場に対する組織の意思決定において、従業員の多様性を活かすことができる人財施策を実行してまいります。 <女性活躍> ㈱ワコールは、お客様そして従業員の多くが女性であること、より多様な価値観を経営の意思決定に反映する必要があることから、女性の活躍推進が重要な経営課題であると捉えています。 そのため、女性特有のライフステージに応じた就労環境を整備し、より柔軟な働き方を促進するとともに、性別や年齢に拘らず能力や成果に応じて昇格・登用されるしくみを整備しています。 <女性の管理職への登用> ㈱ワコールでは、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を2024年9月に新たに策定しました。 課長級以上の管理職に占める女性比率は2025年4月1日時点では38.6%と女性管理職比率としては30%を上回っていますが、より重要な意思決定に関わる部長級以上に占める女性比率が依然として低いという課題があるため、2028年度中に管理職(部長級以上)に占める女性割合30%以上に向けて取り組むことを目標としています。 より重要な意思決定に関わる部長級以上の女性比率を高めることで、多様性を向上し意思決定の最適化を目指します。 多様な人財の価値観を経営の意思決定に反映するため、性別を問わず、早い段階からリーダー適性の高い人財の発掘を行い、経営幹部候補への育成機会の提供をさらに進めています。 また社員の自律的な成長をサポートしつつ、様々な事業、職務の経験を促して、継続的にキャリア意識の醸成に取り組み、経営幹部を担う人財の育成を進めてまいります。 (詳しくは当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください) :女性活躍推進法に基づく行動計画https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/:ESGデータ集(ダイバーシティ&インクルージョンほか)https://www.wacoalholdings.jp/ir/library/esg_presentation/:(厚生労働省HP) 女性の活躍企業データベース・「株式会社ワコール」https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=284 <男女間の賃金差異> 女性活躍の一つの指標である男女の賃金の差異は、当社・㈱ワコールで49.1%(正社員49.9%、パート・有期社員52.7%、総合職72.7%、管理職90.0%)となっています。 当社では、同一の役割であれば男女で賃金の格差は設けていないため、この差は、当社・㈱ワコールで①管理職における男性比率が61%程度あること、②総合職採用、特に新卒採用における女性比率が年々高まっており、結果として管理職未満の層で入社10年以下の社員においては女性社員の比率が高いこと(10年以下134名、59.2%、10年超43名、42.6%)、③女性社員に占める割合が、相対的に賃金水準が高い総合職に対し販売職のほうが圧倒的に比率が高いことによるものです。 男女の賃金の差異の解消に向けて、総合職における新卒採用や経験者採用で女性比率を高めているほか、年齢や性別に関係なく能力による登用を行い、管理職や役員の女性比率を高めてまいります。 <外国人の管理職への登用> 当社グループは、世界の国や地域で事業を営む企業グループとして、米国や欧州をはじめとする海外各法人の代表(社長)及び重要な経営ポストに現地人財を登用しております。 また、㈱ホンコンワコール及びフィリピンワコール㈱の代表(社長)は女性が務めております。 今後も引き続き、海外各市場での顧客視点による事業拡大、競争優位性の強化のために、国籍を問わない多様な現地人財の採用と重要な管理職ポストへの登用を継続的に推進してまいります。 <ワークライフバランス> ㈱ワコールでは、従業員が豊かな人生を送り、仕事において持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。 この取り組みの一つ、仕事と育児の両立支援では、当事者だけでなく周囲でサポートするメンバーの双方にとって働きやすく働きがいのある職場を目指し、制度や風土の整備に取り組んでいます。 また、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づいた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組みを行った結果、2018年には3回目の「くるみん」認定に加え、「プラチナくるみん」の認定を取得しました。 従業員が仕事と家庭だけでなく社会とのつながりを積極的に持つことによって、従業員個人の中での経験やスキルの多様性を増し、仕事におけるイノベーション創出につなげられるよう、従業員が自身の時間の使い方を柔軟にできるような仕組みを引き続き作っていく予定です。 <障がい者雇用> 当社グループでは、全員がいきいきと働き続けるために必要な研修の実施や、一人ひとりの声を聴くための個別面談を通じて、環境改善、就労支援をしています。 また、外部の支援機関と積極的に連携することで、専門家の知見を得て定着支援のための当事者へのサポートや全従業員を対象に障がい理解促進の為の研修を実施しています。 2018年2月には、障がい者の雇用促進と活躍機会の創出を目的にワコールアイネクスト㈱を設立し、2018年12月に障害者雇用促進法に定める特例子会社の認定を受けました。 ワコールアイネクスト㈱では、業務範囲を限定せず、一人が複数の業務を担当する「マルチタスク」や、業務を分業して複数で請け負う「ワークシェア」など、個々人の能力開発を促す柔軟な働き方を採用し、一人ひとりがやりがいを持ち、成長を実感できる職場の実現を目指しています。 法定雇用率を守ることは企業として必要なことですが、数値としての目標ではなく、ワコールの掲げる相互信頼のもと、すべての人が活躍し、成長できる職場づくりにグループ全体で取り組むことで、多様性を活かす社会の実現に貢献していきます。 :障がい者雇用や再雇用制度等については、当社ウェブサイトをご参照ください。 https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/diversity/ <多様なお客さまへの対応方針に基づく対応> 2024年度より、多様なお客さまへの対応方針(インクルーシブな売場づくり)を明確にし、ワコールが人権尊重の取り組みに向き合っている姿勢を表現していきます。 その為に、販売部門の管理職、役割任用者を対象に説明会を実施し、「ビジネスと人権」の社内啓発活動をスタートさせています。 Ⅴ.Well-beingの実現 中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」で掲げる「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現するには、重要なステークホルダーである従業員のやりがいを高め、組織全体の生産性を向上させることが不可欠です。 ㈱ワコールでは、従業員一人ひとりの働きがいの向上こそ、高い生産性を実現する原動力と捉え、従業員とのエンゲージメント向上の一環として、Well-beingの実現のための施策を実行していきます。 <多様な働き方の推進> ㈱ワコールは、フレックスタイム制勤務の促進をするために、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制の導入、勤務地限定制度の運用、京都地区事業所再編により※ワコール版ABW化を進め、労働生産性の意識を高め、行動変容を求めた取り組みを推進しています。 また、長期自己啓発休暇制度等、多様なライフスタイルに対応した制度を導入しております。 実績・成果を重視する組織改革を進める一方で、多様な価値観を認め合いビジネスパートナーとして個々を尊重する組織風土づくりに注力しています。 ※ワコール版ABW: ABW=「Activity Based Working」とは業務に応じて時間と場所を自律的に選択できるワークスタイルです。 ワコール版ABWは役職や職種に関係なくフリーアドレスを前提(一部例外あり)とします。 業務内容や業務時間、協働ワークする相手に応じて、自律的かつ柔軟に執務フロアやエリアを選択し、「フロアやエリアに縛られない働き方」のメリットを最大限発揮できるような働き方(ワークスタイル)と定義します。 <健康経営> ㈱ワコールでは「社員の健康は、持続的成長のための重要な資産」と位置づけ、会社・健康保険組合・労働組合が三位一体となって、健康経営を戦略的に推進しています。 「VISION 2030」では、「継続的な従業員の健康増進と健康意識の向上」をマテリアリティ(重要課題)の一つとして掲げています。 健康経営の推進に向けて、策定した「ワコールGENKI計画2025」では、従業員の心身の健康状態を高めるとともに、それらの成果を「生産性の向上」や「従業員エンゲージメントの向上」につなげていくことを目標としています。 健康経営の取り組みの一例として、男性の経営層へ「生理痛」を疑似体験していただくことで女性の健康課題を理解し行動変容につなげることを目的とした取り組みを行いました。 引き続き、「生活習慣病対策」「がん対策」などこれまでの健康維持増進に向けた施策を継続しつつ、特に大きな課題となっている販売職のメンタルヘルス向上や女性の健康課題への取り組みを強化しております。 :ワコールGENKI計画2025に関しては、当社ウェブサイトをご覧ください。 https://www.wacoalholdings.jp/sustainability/resource/wellbeing/ |
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 | ④指標と目標経営戦略に基づく人的資本の課題人的資本の最大化に向けた取り組み指標と目標(KPI)指標目標2025年3月期実績会社の成長を担う人財の獲得・育成・登用 対応するマテリアリティ:5Ⅰ.人財獲得Ⅱ.成長支援(人財育成・キャリア形成)経験者採用の状況(総合職)総合職採用数のうち、3~5割を経験者採用にする採用総数:34名内、経験者採用16名(47.1%)人財育成・研修への投下費用研修参加者数、学びへの時間投資(労働時間対比)未策定(2026年3月期中に策定)・仕事を効果的に行うために必要なトレーニングを受けている:50.4%従業員エンゲージメントスコア(主体的なキャリア形成の実現の貢献を測るため)キャリア実現に関するポジティブ回答が60%以上多様なキャリアの選択肢やチャレンジ機会が提供され、活用できる環境がある:42.8%・総合的にみて、私は当社でキャリア上の目標を達成できると感じている:33.0%・自分のキャリア開発について直属上司と有意義な話し合いをしている:22.4%個の力を組織の成果に結びつけるためのマネジメント力の向上 対応するマテリアリティ:4Ⅲ.マネジメント力の強化従業員エンゲージメントスコア(持続的成長につながるマネジメントの貢献を測るため)将来性、未来志向に関するポジティブ回答が60%以上・当社の将来は有望であると信じている:19.9%・経営層の未来志向:42.3%・部課長層の未来志向:46.5%エンゲージメント・心理的安全性の高い組織風土の醸成 対応するマテリアリティ:4、5従業員エンゲージメント(フィードバック文化醸成の貢献を測るため)承認・称賛、正当な評価に関するポジティブ回答が60%以上・良い仕事をしたときに、きちんと認めてもらっている:55.8%・我々は、チーム間の協力がうまくいったとき、それをしっかり称賛(賞賛)している:57.4%・担当業務に対して公正な報酬を得ている:30.8%・給与は、個人業績にしっかり連動している:23.9%Ⅳ.DE&Iの推進Ⅴ.Well-beingの実現女性の管理職登用2028年度中に管理職(部長級以上)に占める女性割合30%以上17.5%(2025年3月時点)障がい者雇用2025年度法定雇用率2.5%2.68%(2025年3月時点)※マテリアリティ(重要課題)4:自らの可能性を広げ、自信と誇りを持ち活躍できる人財への成長5:共創・協業による高い成果を発揮できる組織づくり |
事業等のリスク | 3【事業等のリスク】 当社のリスク管理基本規程において「リスク」とは、「当社グループにおける事業目的の達成を阻害する要因すべて」と定義しております。 また「リスク管理」とは、リスクの識別・評価を行い、リスクを低減する活動を行うとともに、その活動をモニタリングすることによって、継続的に改善を行う一連の措置(平常時のリスク管理)、及び経営に対する重大な障害・事故等の緊急事態への迅速な対応(緊急時のリスク管理)を指すと定めております。 この規程に基づいてリスクを適切に認識し、発生の可能性や影響度の評価を行い、優先度を定め、リスクへの対処を決定したうえで、リスク顕在化の可能性をできるだけ低減する活動を行っております。 併せて、リスクが顕在化した場合には、発生する障害・事故へ迅速な対応を行い、人びとや社会をはじめとするステークホルダーへの影響を最小限に留めるべく、リスク管理を推進しております。 (1)リスク管理体制 当社グループのリスク管理体制は、“リスク管理統括責任者(代表取締役社長執行役員)”、“企業倫理・リスク管理委員会の委員長(代表取締役副社長執行役員)”を基軸として、下図の通り、“企業倫理・リスク管理委員会(委員長が指名する委員による構成)”、また、企業倫理・リスク管理委員会の下部組織として、全社横断的な重要課題について活動方針策定やモニタリングを行う“リスク主管部署”、及び“リスク対応部会(企業倫理・リスク管理委員会が決定/設置)”、さらに、企業倫理・リスク管理委員会が定めるリスク管理(抽出、評価、対応、モニタリング)を行う“リスク管理組織”及び“リスク管理責任者”によって構成されております。 “企業倫理・リスク管理委員会”では、それぞれの“リスク管理組織”から抽出されたリスクについて、発生の可能性と影響度の観点から評価を実施し、当社グループの経営に重大な影響が想定されると評価したリスク項目を特定のうえ、毎年、“リスク管理統括責任者(代表取締役社長執行役員)”に提示し「グループ重要リスク」としての承認を踏まえております。 その後、「グループ重要リスク」の項目ごとに、“リスク主管部署”、あるいは“リスク対応部会”を通してリスクを軽減化する対応策への取り組みを進め、併せて、“企業倫理・リスク管理委員会”を定期的(四半期ごと)、及び必要に応じて臨時に開催し「リスク管理体制」が有効に機能しているかどうかのモニタリングを行っております。 (2)事業等のリスク 当該有価証券報告書に記載している「第2 事業の状況」等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に、重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとその対策は後述のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 また、前述のとおり、“企業倫理・リスク管理委員会”では当社グループの経営に重大な影響が想定されると評価・特定したリスク項目を、“リスク管理統括責任者(代表取締役社長執行役員)”へ提示し承認を受けることによって「グループ重要リスク」を定めております。 なお、下図の項印、★印は「経営環境・事業戦略」に関するリスク、■印は「事業運営上」のリスクであります。 (2)-1 経営環境・事業戦略に関するリスク市場の構造変化□ 発生の可能性:高□ 影響度:大● リスクの内容百貨店・量販店をはじめとする大規模小売店や商業施設の減少は、百貨店・量販店の売上シェアが高い当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 また、消費者接点(店舗)の減少はブランド認知率の低下、顧客の購入意欲の低下に波及するなど、この市場構造の変化は、既存業態の再編、営業政策の変更等をもたらし、グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。 ● 対応策小売市場の構造変化(オンラインモールやフリマアプリの市場拡大)が進んでおり、旧来の百貨店、量販店及び専門店といった卸売店舗の売上シェアは漸減していくと予測しています。 ㈱ワコールでは商品ブランドの育成、及びEC事業拡大を目的に、9つの商品ブランド(⑴Wacoal ⑵Wing ⑶AMPHI ⑷CW-X ⑸Salute ⑹Yue ⑺WACOAL MEN ⑻WACOAL SIZE ORDER ⑼GOCOCi)にブランドマネージャーを配置して商品企画から販売、損益管理まで一貫したブランドマネジメントを行う体制に変更しました。 また「ワコール」ブランドのリブランドを実施し、「ワコールコレクション」、「ワコールベーシック」、「ワコールプレミアム」の3つの商品構成に再編成して展開することでニーズにあわせた提案を行っております。 一方、顧客ニーズの明確な商品を短いリードタイムで開発・提供するとともに、需要に応じて柔軟に生産・供給することで、売れ筋商品の店頭充足率を上げ、欠品による販売機会ロスを低減しています。 また、「最適化された商品構成」と「需要連動型生産」を組み合わせることで、強い定番品を誕生させて、さらなる売上拡大と在庫効率の向上を目指しています。 調達価格の上昇□ 発生の可能性:高□ 影響度:大● リスクの内容サプライチェーンの構造変化が進行し、原材料の値上がりや生産地の人件費高騰、輸送コストの上昇等により仕入価格が上昇した結果、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ● 対応策材料の調達や製品の生産においては、適切に品質とコストの両面を照合しながら、ベトナムやミャンマーをはじめとするASEANの国々や地域での調達・生産の比重を増やしています。 併せて、製品の企画・設計段階から、資材・カラー集約を前提に、可能な限り、材料品種を増やさない取り組みや、材料調達先を国内から海外に求める取り組み、廃棄に至る製品・材料の最少化への取り組み、省力化機器導入による生産効率化への取り組みなどを進めています。 さらには、製品検査工程と材料品質基準のシンプル化・適正化、商品ブランド再編による生産ロット拡大と作業能率向上などにも努めています。 他方、国内縫製会社においては、長崎雲仙ファクトリーと福井坂井ファクトリーの2工場に集約・再編し国内の高い縫製技術を継承しつつ、顧客ニーズや市場変化の変化に迅速に対応できる需要連動型生産体制を構築することにより、競争優位性強化と事業効率向上の両立を目指します。 同時に、新技術や新設備のグループ内工場における汎用的活用の実現や技術支援といった役割を果たし、短納期・高難度・小ロット生産に対応できる生産体制を広く整備し、事業効果の強化に取り組んでいます。 競争・競合環境の変化□ 発生の可能性:中□ 影響度:大● リスクの内容国内外の市場において、競合会社、低価格品、また、異業種からの新規参入者などにより、市場競争が激化する中、商品・サービス・宣伝販促・業態開発の適切な提案ができず、結果としてブランドの想起率・認知率が低下、販売シェアが奪われ、長期的に業績が低下する可能性があります。 ● 対応策競争激化は、価格の下落、広告宣伝費の増加、売上高及び市場シェアの減少等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼします。 ㈱ワコールの収益力の改善と成長軌道への回帰を実現するためには、「顧客起点」を軸に、長年に亘り蓄積した顧客のデータベース、様々な体型にかかる研究・知見、心地よさを実現する製造技術、パーソナライズなニーズに寄り添いサービスを提供できる組織力といった「ワコールの強み」に、デジタル技術を用いて、顧客の「自分らしさ」を引き出しエンパワーメントする商品とサービスを提供し続けることが欠かせません。 ハイプレミアム層、若年層、シニア層の3領域に成長戦略ディレクターを配置し、愛されるブランドを育成し信頼感を高め、顧客と「深く・広く・長く」関わっていただける絆づくりに努めています。 さらに、海外事業においては、欧州では、地域ごとの消費者ニーズに合わせた商品展開の最適化を実施、米国ではインナーウェアのカジュアル化や快適性へのニーズに対応できる商品の開発、中国ではチャネルやエリア、ECプラットフォームごとの特徴に合わせた商品構成へと変更し、顧客起点の品揃えの徹底を進めています。 消費者の価値観変化□ 発生の可能性:中□ 影響度:大● リスクの内容ブランド戦略、商品、サービスが消費者の価値観変化に合わずに、顧客を獲得できず、もしくは顧客を失って経営が悪化する可能性があります。 また、ブランドマネジメント、マーケティングミックスの失敗により、若年層顧客の囲い込みが適わず、一方で既存顧客の離反が進み、ブランド価値を毀損する可能性があります。 さらには、資源価格高騰、賃金の上昇、為替相場の変動を受けて原材料・製品の輸入価格が上昇する中、商品の価格に見合った顧客価値の提供が実現できないと、新規顧客の獲得の失敗や既存顧客の逸失を招く可能性があります。 ● 対応策顧客戦略においては、デジタルを活用し、最適な顧客体験の提供を進めています。 また、顧客データ、顧客の声、店頭販売員の接客知見の活用や、オンラインをベースとしたデジタルコミュニケーションを強化することで、お客さまと深く広く長い関係性を構築しています。 チャネル戦略においては、卸売チャネルの効率的な運用を構築するとともに、 自社EC・他社ECの強化や、新たな直営店業態の開発に取り組んでいます。 ブランド戦略においては、9つの商品ブランドへの整理・集約、これと連動した、ブランドコミュニケーション、マーケティングコストの集中と選択を実施することで、お客さまに向けたメッセージの質と量、双方の拡充を進めています。 併せて、サステナビリティ活動への取り組みを強化し、社会をはじめステークホルダーからのレピュテーション向上と確立にも力を入れています。 新しい市場・顧客の開拓□ 発生の可能性:中□ 影響度:大● リスクの内容顧客の下着やファッションに対する相対的な関心の低下、日本の人口減少や少子高齢化による国内市場の縮小を踏まえて、当社グループは、海外市場の開拓や新業態・新分野への進出等、新規市場の開拓に取り組んでいるものの、この先、一層多様化するであろう消費者の価値観に応えきれず、計画した成果が出せないとグループ業績に影響を与える可能性があります。 ● 対応策国内では、当社ブランドとの接点が少ない潜在顧客、とりわけ若年層やアフォーダブル価格志向層に対し、購入意欲を喚起できる商品・マーケティング施策が打ち出せず、新規の顧客獲得に苦慮しています。 一連の顧客体験や購買行動(カスタマージャーニー)を見極め、顧客に選ばれる必然の創出について、改めて見直す取り組みを進めるとともに、顧客への提供価値の明確化、若年層・アフォーダブル価格志向層を対象とした顧客層の拡大を強く意識したブランドポートフォリオの再設計を進めています。 他方、既存の愛用者に向けたリテンションマーケティング強化の取り組みは着実に成果に結びついており、ロイヤルカスタマーとして、これまで以上に太い絆を築くことができています。 ロイヤルカスタマーに対するワードローブの品揃えを拡充するなど、当社グループの提供価値として実現できるLTVの最大化に向けて、より一層、優先的に力を注いでいきます。 一方、欧州では、Wacoalブランドに止まることなく、当社グループの一員に迎えたBravissimo Groupほか、当社グループが展開するブランドポートフォリオの事業成長をねらいに、デジタルマーケティングへの投資を積極的に実施することで、EC重視のビジネスモデルへの転換を加速させています。 また、既存エリアの深耕とともに、大きな成長余地を有するドイツ、フランスなどの新規エリアでの営業活動を強化し、EC・実店舗を含めた販売網の拡大に加え、質やスピードをともなった成長の実現に向けて検討しております。 米国では、自社ECにおいてCRMシステムの稼働をスタートさせたほか、UX改善やプロモーションの見直しにも着手しております。 中国では、全方位的なチャネル戦略を見直し、ECを中心とした利益率の高い販売チャネルへの選択と集中を行っています。 あわせて、販売・広告戦略と連動した商品MDを構築することで、確実に利益を確保する事業構造へと転換しています。 人材・人員の確保□ 発生の可能性:高□ 影響度:中● リスクの内容特にものづくり(企画力・技術力・研究開発力)、IT・デジタル、販売員、海外経営・物流において人材・人員の確保、育成ができないと、今後の成長や競合会社に対する優位性を作り出せず、グループの業績が低迷する可能性があります。 また、販売員の効率的配置ができないと、人件費効率の低下やモチベーションの低下が起こり、業績の低迷を及ぼす可能性があります。 ● 対応策当社グループではジョブ型採用をはじめ、新しい採用手段の導入による人材確保に併せて、集団型講義やオンラインでの専門知識研修の実施やOJT、他社と合同で実施する異業種クロスラーニングの開催などといった、実地研修機会の充実によって人材の育成を行っています。 また、キャリア採用の比重を拡大するほか、リファラル採用にも注力し多様な人材の確保による活性化も進めています。 一方、市場の構造変化を受けて、販売員については、接客人数や顧客視点での満足度といった評価への見直しを進めています。 また、退職後再雇用者は、再契約に際して責任と役割を高める職群を増やし、適材適所の異動を進めモチベーション向上を図っています。 また、初任給の見直しや基本給ベースアップの実施をはじめ、職務・役割をベースとしたメリハリのある処遇(報酬体系)を実現すべく、職務価値・成果に応じた処遇、役割給の見直しなどといった人的資本への投資姿勢を鮮明にした制度改革を推し進め、事業の中核を担う人材、将来価値を生む人材の確保を図っています。 (2)-2 事業運営上のリスク情報システム可用性障害の発生□ 発生の可能性:高□ 影響度:大● リスクの内容システム開発のミスや遅延、また、重要な情報システムに障害が発生することで、事業継続が困難になってしまうと、得意先や顧客をはじめ、すべてのステークホルダーからの信頼を失う可能性があります。 外部からの悪意ある攻撃、あるいは天災被害等により、基幹システムやWEB販売サイト等の稼働が不可能となった場合、ファイルサーバや従業員のPCから機密情報が流出した場合、事業への悪影響が出る可能性があります。 ● 対応策当社では「情報セキュリティ基本方針」、「情報セキュリティ規程」等を定め、すべての従業員に対して情報保護の必要性と責任についての理解促進を図っています。 “企業倫理・リスク管理委員会”の傘下に「情報セキュリティ部会」を設置し、現状の情報管理体制の把握と改善、また、顧客情報や重要情報にかかる不正なアクセスによるデータの破壊や漏えい、ウイルスやランサムウェアによる事業運営そのものの阻害を狙ったサイバー攻撃などについて、情報の収集を行い、情報セキュリティ上のリスクを特定すべく、現状の調査、分析等を実施しインシデントの発生を回避あるいは発生時の影響を軽減するなどの体制を整えています。 同時に、当社グループの活動方針や具体的対策の立案、関連規程の制定・改廃、戦略的な投資案件の討議を行い、サプライチェーンにおける情報セキュリティリスクの低減に努めています。 具体的には、不慮のシステム障害・誤作動に備えて、システムやデバイスをリアルタイムで監視するセキュリティツールを運用する一方、重要なシステムは適切なハードウェアやネットワーク構成、クラウド化の選択ができているか、また、IT資産の適切なメンテナンスが実施されているかなど、適宜モニタリングを行っています。 さらに、国内連結子会社を対象に、定期的な標的型メール訓練の実施や、昨今報道されているような情報事故事例などを用いた注意喚起を行うなど、従業員の意識向上と仕組みの構築による両面からリスクの軽減を行っています。 情報管理の不備□ 発生の可能性:中□ 影響度:大● リスクの内容情報管理の不備により、機密情報や個人情報の漏えいや紛失が発生すると、事業活動上、不利益を被るばかりか、社会的信用の失墜、事業運営の停止といった重大な損失影響が出る可能性があります。 ● 対応策当社では「情報セキュリティ規程」、「個人情報保護規程」等を定め、取り扱うすべての情報を、機密性、一貫性及び可用性の観点から適切に分類するとともに、保護・漏えい防止を図っています。 また、重要情報の保護・管理の徹底をねらいに、当社グループの重要情報一覧表を整備し、経営、事業・販売戦略、製品開発、自社ノウハウ、個人情報、情報システム等の区分から、具体的なインサイダー情報の事例を挙げて重要情報の保護対策に取り組んでいます。 とりわけ、当社グループは事業活動上、多数の顧客に関わる個人情報を有しています。 将来を見据え、㈱ワコールではデジタルを徹底的に活用し、一人ひとりにとっての最適な顧客体験を提供する「顧客戦略」を成長の柱と位置付け、収集した個人情報を含めたデジタルデータを基盤としたビジネスモデルの再構築を進めています。 また、海外では顧客の個人情報を直接取得するEC事業を強化し、成長の柱とする計画を進めています。 国内における改正個人情報保護法の施行対応に止まることなく、個人情報保護は当社グループ事業活動上の重要性が増しています。 “企業倫理・リスク管理委員会”の傘下に設置した「情報セキュリティ部会」では個人情報の保護・管理の強化、関連法規制への対応、従業員への教育等を含め、個人情報を外部の脅威から守るために、外部の専門家も活用しながら、国内外の関係会社を対象に管理状況の調査を実施するとともに、更なるレベルアップを目指した個社別セキュリティ対策ロードマップの作成に着手しています。 債券相場・金利の変動□ 発生の可能性:中□ 影響度:大● リスクの内容保有する上場株式や債券等の市場価値が下落し、減損が発生する可能性があります。 他方、年金資産の評価減・積立不足は追加拠出や引当が必要となりグループ業績に影響を与える可能性があります。 ● 対応策当社及び当社の特定完全子会社の㈱ワコールが保有している株式の状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」を参照ください。 2023年11月に開示した中期経営計画(リバイズ)では、2026年3月期末までに保有する政策保有株式を300億円以上(2023年3月末時価)縮減し、連結純資産額の10%未満とする方針を示しています。 2025年3月期は、取締役会にて、個別の銘柄ごとに保有によって実現している収益が当社資本コストを上回っているか、当社の企業価値向上につながっているかを検証した結果、保有意義が希薄化した5銘柄・約57億円(2023年3月末時価)の処分・縮減を進めました。 これにより、2024年3月期及び2025年3月期における処分・縮減額の総額は、205億円(2023年3月末時価)となりました。 他方、退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の仮定に基づき算出していますが、有価証券の相場並びに金利環境の変化等により、実際の結果が仮定と異なる場合、または仮定に変化があった場合には、退職給付費用及び債務が増加するリスクがあります。 当社は国内社債の利回りに基づいて割引率を設定しています。 割引率については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記23.従業員給付」を参照ください。 企業年金のアセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう、財務・人事・経理等の部門長らで構成する年金委員会を設置し、四半期単位で資産運用方針や政策的資産構成割合等を検討すると同時に、外部の運用コンサルティング会社を起用し専門能力・知見を補完しています。 自然災害・事故等の発生□ 発生の可能性:中□ 影響度:大● リスクの内容地震などの自然災害や火災・爆発等が発生し事業所・生産拠点が被害を受ける、あるいは、従業員が被災する可能性があります。 また、交通網の遮断や電力供給の停止、通信回線の不通等、大型小売店や直営店舗、通販サイトや物流網の被災により事業活動に支障が出る可能性があります。 ● 対応策首都直下型地震をはじめとする大規模事故の緊急事態に備え、“企業倫理・リスク管理委員会”の傘下に設置した「BCP・災害対策部会」では、主要な事業拠点が被災した際のBCP策定を順次整備するなど、予防・減災、応急・初動、復旧・復興の観点で事業継続マネジメントに取り組んでいます。 具体的には建物の耐震化、データ関連サーバのクラウド化、災害発生時の従業員安否確認システム、テレワークなどといった環境整備に加え、社会的責任を踏まえて、緊急時においてもサービスや製品の安定供給ができるよう、販売事業所の業務バックアップ体制の確立や生産拠点の分散化配置によって、リスクの低減を図っています。 企業倫理・コンプライアンスの姿勢□ 発生の可能性:高□ 影響度:中● リスクの内容第三者から、サプライチェーンにおける人権、労働、環境問題等を指摘・公表され、事業活動に影響を与える、企業価値を毀損する可能性があります。 また、企業倫理・コンプライアンスに反する行為が増加する、あるいは、ソーシャルメディアやブログ等のWEBサイト上を含めた広告表現や発言に問題が発生することによって、社会的な信頼を失い、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ● 対応策当社グループを取り巻く国内外の法令や規制等への違反、社会的要請に反する行為等があった場合は、処罰や社会的な信用の低下などにより、経済的・社会的な影響を受けるリスクがあります。 「企業倫理・ワコールの行動指針」を定め、従業員に頒布し周知徹底を図るだけでなく、“企業倫理・リスク管理委員会”の傘下に設置した「コンプライアンス部会」の活動を通じて、従業員への啓発活動、内部通報制度、外部専門機関による法令ヘルスチェックなどの施策を拡充し、法令順守の強化に努めています。 また、2025年3月期は「企業倫理・ワコール行動指針」の内容に焦点を当てた階層別の集合教育、e-ラーニングを実施したほか、グループコンプライアンス通信(こんぷらかわら版)の定期配信を継続するなどの啓発活動を進めました。 また、当社グループの事業領域において特に注力すべき点として、サプライチェーンでの労務・人権問題が挙げられます。 過去には人権NPOから連結子会社の発注先である海外縫製工場における労務・人権問題について指摘を受けたことや、国内において二次製造委託先の外国人技能実習生に対する超過勤務手当の未払いが発覚したことがありました。 現在は“サステナビリティ委員会”の傘下に設置した「CSR調達部会」の活動を通じ、人権の尊重、環境・社会との調和、法令の順守、労働慣行、事業慣行の観点などから、製造委託先等の工場ごとに自己評価と現地監査を行い、是正・改善計画の策定とモニタリングを行う取り組みを高めています。 当該年度においては、人権NPOと協業し、外国人技能実習生に対しアンケートを実施すると共に、インタビューアセスメントによる人権デューデリジェンスを実施しました。 併せて、CSR調達活動の製造委託先一覧を当社ホームページで開示しています。 知的財産権の侵害・被侵害□ 発生の可能性:高□ 影響度:中● リスクの内容知的財産権を侵害されたり侵害したりすることで、訴訟や経済的損失が起きる可能性があります。 また、近年、インターネット上で当社ブランドを詐称した「なりすまし広告・偽サイトへの誘導」が拡がっています。 注意喚起や排除措置といった適切な対策を怠れば、消費者や市場からの信頼失墜を招きかねず、戦略的な知的財産権の保護や活用ができないでいると、事業に影響を及ぼす可能性があります。 ● 対応策当社グループは知的財産権があらゆる事業活動に関わり、競争優位性を確保する重要な資産であると認識しています。 ブランドや、独自の技術、デザイン、サービス等を、自社の競争力の源泉として知的財産権で保護・活用できるよう、一方で他社の知的財産権を尊重し侵害しないよう、従業員に対しセミナーによる教育や業界知財動向の共有を行い、正しい理解を促しています。 また、外部専門家との連携を強化するなど、知的財産担当部門の知見を高めDXやCX戦略、新規事業における知的財産権の保護、活用を進めています。 また、国内外における模倣商品の出現や、他社による商標、特許等の無断使用といった知的財産権の侵害には、侵害者に対して権利主張を行い、厳格に対応を行うこととしています。 最近ではEC事業のボーダーレス化に伴ったブランド価値の棄損、とりわけ、SNSを中心とした当社ブランドを騙る「なりすまし」の広告・販売の出現について、消費者への注意喚起の実施、販路の追跡と監視、排除措置の実施等に力を注ぐとともに、日本国内に留まらない消費者保護、ブランド保護対策に努めています。 デジタルマーケティングの加速による表現訴求、品質表示・取扱表示等の記載□ 発生の可能性:高□ 影響度:中● リスクの内容デジタルマーケティングにおいて、従業員参加型を含むSNS上の発信内容、サステナビリティを巡るWEBサイト上の表現や発言に問題が発生することによって、ネガティブキャンペーンや発信者への誹謗中傷をはじめとする社会問題を招き、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 他方、品質表示等の法令違反や機能性表示における不適切な表現は社会的な信用を損なう可能性があります。 また、商品の回収・表示変更のコスト発生、販売中止によって経済的な損失影響が出る可能性があります。 ● 対応策消費者が適正に商品を選択し使用するための品質表示については、商品そのものに付帯させる法定表示に始まり、店頭やメディアでの広告・宣伝、販促表現、知的財産保護表示など多岐にわたっており、リスクが顕在化しやすい事案だと認識しています。 また、加熱するデジタルマーケティングを背景に、SNSでの当社の発信や参加者の言動が社会的な批判に晒される、あるいは、昨今においては、その内容の真偽に関わらず拡散されるリスクも認識しています。 “企業倫理・リスク管理委員会”傘下の「品質保証審議会」、「品質管理委員会」の活動を通して、表示内容を決定する部門でのダブルチェックを前提にした表示確認体制の整備、表示決定のプロセスにおける可能な限りのシステム化、表示ミス発生時の迅速な対応、問題発生後の再発防止のための徹底的な原因究明と対策の実施といった、一連のサイクルをルール化し運用しています。 また、品質表示に関わる社内啓発活動と担当者教育を定期的に実施しています。 サステナビリティを巡るWEBサイト上の表現や発言においても、“サステナビリティ委員会”や関連する部門でチェックを行う体制を整備し活動をすることで、社会的な使命を果たすよう努めています。 併せて、国内外の関係会社ごとの事業環境に照らしたSNS運用規程を定めて周知徹底を行うとともに、マーケティングやコミュニケーション部門の従業員を対象に、訴求表現内容の事前確認・適否判断を行うための教育を推進しています。 加えて当社ブランドを騙る「なりすまし」の広告・販売に対して、消費者への注意喚起の実施だけでなく、販路の追跡と監視、排除措置の実施等に毅然として注力しています。 このほか、独禁法、景表法、薬機法などと絡めたガイドライン各種の制定と改訂、e-ラーニングによる従業員を対象にした教育の実施などによってリスクの軽減を図っています。 また、機能・効能表現においては、商品化計画部門と研究部門、品質保証部門間の連携フローと併せて表記ルールの再整備を行い、外部の機関を交えたエビデンスデータの確認体制を整えています。 設計・製造上の品質保証□ 発生の可能性:中□ 影響度:中● リスクの内容不良品を販売することや商品が人体へ危害を及ぼすこと等により、お客さま等への補償や商品回収等のコストが発生する、当社が高品質の商品を提供するというレピュテーションが損なわれ社会的信用を失うといった、業績への悪影響を及ぼす可能性があります。 ● 対応策高品質な商品をグローバルに提供できることが、当社グループの強みの一つです。 “企業倫理・リスク管理委員会”の傘下に「品質保証審議会」を設置し、安全性ガイドラインを整備すると同時に、製品企画・設計・開発時点での安全性確認ルールの順守、製造時の検査の徹底、問題発生時の原因追及と再発防止策の策定に取り組んでいます。 併せて、こうした活動・情報内容については、グループの国内外関係会社へ水平展開・共有化を図ることによって、品質意識の高揚、全体での管理体制の底上げを行っています。 また、「品質保証審議会」の傘下では、商品化計画を担う部門ごとのメンバー選出による「品質管理委員会」を運営し、個別課題への対策フォローアップ、品質管理全般に対する社内教育を実施しています。 他方、生産拠点の現場では、定めた品質管理・検査の徹底のみならず、製品受入ロックシステム(材料基準達成製品のみの受け入れ)の運用による基準未達品の排除、検査人員の技量の標準化に取り組んでいます。 新興国の社会情勢変動□ 発生の可能性:中□ 影響度:中● リスクの内容新興国に事業拠点を構える当社グループは、政治的不安定状態、法改正や制度変更、ストライキの発生、人材の確保難などによって材料調達や生産が滞る、自国産業保護政策(輸入関税、外資規制等)が継続し事業効率の改善が遅れる、あるいは新規の多額投資を必要とするなど、事業業績に影響を与える可能性があります。 ● 対応策各国・地域の法律・規制の動向には常に十分な注意を払い、現地情報の収集・分析に努めています。 現地の“リスク管理責任者”と連携し、地域の実情を把握し、必要に応じ外部の弁護士、コンサルタントなど、専門機関の協力を得て対応を行うよう整備と運用を図っています。 軍事政権による掌握が続くミャンマーでは法律・規制の動向に加え、人権課題への対応についても注視しています。 また、地政学的なリスクも見据え、適切な生産拠点の分散を行いリスクの軽減化に努めています。 このほか、高い輸入関税が適用されるインドでは、国内における商品企画・生産比率を高めることで競争優位性を強化するよう努めています。 税務の管理□ 発生の可能性:中□ 影響度:中● リスクの内容税制改正や移転価格の調査等による多額の課税がなされた場合には、風評被害の他、当社グループの財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ● 対応策繰延税金資産については、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もったうえで計上しています。 将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産が減少し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。 これを踏まえて、当社では、適宜、経営環境の変化等に照らし、将来の課税所得の見積もりに関する見直しを行い、回収可能性を合理的に判断しています。 事業を展開する国・地域の法令、国際税務関連法規を順守し、透明性の高い税務管理を行い、ステークホルダーからの信頼を得ることをねらいに「税務行動指針」を策定しています。 この指針では、国内外の連結子会社を対象に、税務の最新情報入手や研修による啓発活動を含めたグループ税務体制の構築をはじめ、不確実な税務ポジションへの対応、優遇税制の適用、グループ会社間取引、租税回避行為の禁止、税務に関するディスクロージャー等のガイドラインを示しています。 また、同指針に記載したガイドラインの運用状況については、IFRIC23の指針に基づいた対応状況と併せて、国内外の連結子会社から、事業年度末に報告書を受けることによってモニタリングを行っています。 このほか、税制改正やBEPSをはじめ国際税務に関する動向を把握し、適宜、国内外の連結子会社と最新情報を共有するなど、当社グループにおける税務体制の整備に努めています。 |
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 | 4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。 )の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績(単位:百万円) 2024年3月期実績2025年3月期実績前期比 増減額増減率売上収益187,208173,896△13,312△7.1% 売上原価83,12376,452△6,671△8.0% 売上総利益104,08597,444△6,641△6.4% 販売費及び一般管理費100,575100,841+266+0.3%事業利益(△損失)3,510△3,397△6,907- その他の収益1,99011,211+9,221+463.4% その他の費用15,0034,486△10,517△70.1%営業利益(△損失)△9,5033,328+12,831- 金融収益2,5292,170△359△14.2% 金融費用328618+290+88.4% 持分法による投資損益△988813+1,801-税引前利益(△損失)△8,2905,693+13,983-親会社の所有者に帰属する当期利益(△損失)△8,6326,989+15,621- 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当社グループの商況は、主要国において主力のレディスインナーウェア販売の低迷が続き、厳しい結果となりました。 国内は、不採算店舗の撤退に加え、量販店における一部店舗の閉店や実店舗への来店客数減少等の影響を受け、低調に推移しました。 米国は、資産価格の先行きに不透明感が増し、主力チャネルの百貨店を中心に不振が続きました。 英国は、インフレ圧力が再び強まったことから消費者マインドが低迷し、主力チャネルの専門店を中心に販売が伸び悩みました。 景気停滞が続く中国では、依然として消費者の購買行動は慎重であり、売上回復に時間を要しております。 このような環境において、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画(リバイズ)の目標達成に向けて、「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。 当連結会計年度においては、ビジネスモデル改革として、需要変動に応じて商品を柔軟に供給する新しいサプライチェーンの構築を進めたほか、国内の生産拠点の集約、子会社の株式譲渡を実施、決定しました。 また、成長戦略として、国内においてはブランドマネージャー制の導入やブランドポートフォリオの再編を行い、集中投資の対象ブランドである「Wacoal(ワコール)」のリブランディングを実施したほか、「CW-X(シーダブリュー・エックス)」の有名アスリートを起用したプロモーション強化も行いました。 海外においては欧州における販路拡大を企図して、英国のBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)を買収しました。 資本効率の改善と経営管理機能の強化を目的としたROICマネジメントの導入については、当期に導入準備が完了し、2026年3月期より本格運用を開始します。 そのほか、浅草橋ビル、旧福岡事業所跡地を売却し、政策保有株式の縮減にも取り組みました。 以上の結果、当連結会計年度の連結売上収益は、1,738億96百万円(前期比7.1%減)、事業損失は33億97百万円(前期は35億10百万円の事業利益)となりました。 営業利益は、浅草橋ビル及び旧福岡事業所跡地等の固定資産売却益(94億39百万円)の計上が寄与し、33億28百万円(前期は95億3百万円の営業損失)となりました。 税引前利益は56億93百万円(前期は82億90百万円の税引前損失)となりましたが、子会社再編に伴いグループ内で使用可能な欠損金が増加したため繰延税金資産を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は69億89百万円(前期は86億32百万円の当期損失)となりました。 なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=152.58円(前期144.62円)、1英ポンド=194.61円(同181.76円)、1中国元=21.10円(同20.14円)です。 報告セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。 (単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比 実績構成比実績構成比増減額増減率売上収益合計187,208100.0%173,896100.0%△13,312△7.1% ワコール事業(国内)94,19850.3%87,82850.5%△6,370△6.8% ワコール事業(海外)67,75736.2%67,23738.7%△520△0.8% ピーチ・ジョン事業10,7415.7%10,4696.0%△272△2.5% その他14,5127.8%8,3624.8%△6,150△42.4% (単位:百万円) 2024年3月期2025年3月期前期比 実績売上比実績売上比増減額増減率営業利益(△損失)△9,503-3,3281.9%+12,831- ワコール事業(国内)△4,193-2,9703.4%+7,163- ワコール事業(海外)△5,145-4590.7%+5,604- ピーチ・ジョン事業△239-△266-△27- その他740.5%1652.0%+91+123.0% ① ワコール事業(国内) 当連結会計年度は、不採算店舗の撤退や店頭在庫の適正化を目的とした納品調整に加え、実店舗の来店客数減少の影響を受け、売上は低調に推移しました。 一方でEC事業については、自社ECは積極的な販促活動により増収を維持し、他社ECについても、ECモール運営事業者との連携強化に継続的に取り組んだことで、好調に推移しました。 アイテム別では、主力アイテムであるブラジャーについては苦戦が続くものの、カップ付きインナーやノンワイヤーブラについては伸長し、メジャーリーガーの大谷翔平選手をブランドアンバサダーとして起用したコンディショニングウェアブランドの「CW-X」についても好調に推移しました。 また当連結会計年度は、為替の円安進行に伴う原材料や工賃の上昇による原価高騰の影響を受けましたが、EC事業の構成比の上昇や小売価格の改定などにより、売上利益への影響を最小限に留めました。 これらの結果、当該セグメントの売上収益は878億28百万円(前期比6.8%減)となりました。 営業利益は、主力ブランドである「Wacoal」のリブランディング費用や「CW-X」のプロモーションに対する広告費の投下に加え、子会社であるルシアンの譲渡決定に伴い計上した保有資産の減損損失が影響したものの、浅草橋ビルや旧福岡事業所跡地の売却益の計上が寄与し、29億70百万円(前期は41億93百万円の営業損失)となりました。 ② ワコール事業(海外) ワコールインターナショナル(米国)は、Intimates Online, Inc.の事業撤退の影響に加え、第4四半期以降の市場の急激な冷え込みにより売上が低迷し、現地通貨ベースの売上は前期を下回りました。 実店舗については、店頭売上の不振に伴い得意先の仕入抑制が厳しさを増しており、自社ECについてもCRMシステムの稼働を開始したものの、現時点では売上の回復には至っておりません。 一方、他社ECについては主要プラットフォームがけん引し、好調に推移しました。 ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、現地通貨ベースの売上は前期を大きく上回りました。 一方、英国・北米エリアにおいては、得意先の仕入抑制の影響を受けたほか、米国の関税政策の見通しに関する警戒感からメキシコに倉庫を持つ一部得意先への納品が停止するなどにより低調に推移しましたが、ドイツ・フランスを中心に欧州大陸での販売は引き続き伸長しました。 一方、営業利益では、Bravissimo Group買収にかかる一時的な影響により、前期を下回りました。 中国ワコールは、消費者の低価格志向の高まりにより、実店舗・ECともに苦戦が続きました。 得意先との取引条件交渉や不採算店舗の撤退などを進めましたが、売上減少による影響が大きく、損益改善には至りませんでした。 また来期以降の高収益体質への改善を目指し、当連結会計年度に在庫評価損や店舗撤退費用などの構造改革費用10億44百万円を計上しました。 これらの結果、邦貨換算ベースでの当該セグメントの売上収益は672億37百万円(前期比0.8%減)となりました。 営業利益は、米国・中国の不振とBravissimo Group買収にかかる一時的な影響、中国の構造改革費用などを計上した結果、4億59百万円(前期はのれんの減損損失等により51億45百万円の営業損失)となりました。 ③ ピーチ・ジョン事業 当連結会計年度においては、事業方針を「新規顧客の獲得強化」と定め、コミュニケーション施策や商品戦略の見直しを図りました。 それにより、第3四半期以降の売上は回復基調が見られましたが、それ以前の期間における直営店及び自社ECの販売不振を受け、前期の水準を下回りました。 なお、他社ECについては、主要プラットフォームを中心に好調に推移しました。 これらの結果、当該セグメントの売上収益は104億69百万円(前期比2.5%減)となりました。 営業損失は2億66百万円(前期は2億39百万円の営業損失)となりました。 ④ その他 当連結会計年度における当該セグメントの売上収益は83億62百万円(前期比42.4%減)となりました。 営業利益は1億65百万円(前期比123.0%増)となりました。 (参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)(単位:百万円)売上収益2024年3月期2025年3月期前期比実績構成比実績構成比増減額増減率 ワコール88,70147.4%82,36947.4%△6,332△7.1% ワコールインターナショナル(米国)28,03815.0%24,91714.3%△3,121△11.1% ワコールヨーロッパ20,35310.9%25,20114.5%+4,848+23.8% 中国ワコール10,3965.6%9,0855.2%△1,311△12.6% ピーチ・ジョン10,7415.7%10,4696.0%△272△2.5% ルシアン2,5831.4%2,8801.7%+297+11.5%※外部売上収益のみを記載しております。 (単位:百万円)営業利益(△損失)2024年3月期2025年3月期前期比実績売上比実績売上比増減額増減率 ワコール△3,061-6,1807.5%+9,241- ワコールインターナショナル(米国)△6,884-6812.7%+7,565- ワコールヨーロッパ1,8168.9%8973.6%△919△50.6% 中国ワコール△998-△1,844-△846- ピーチ・ジョン△239-△266-△27- ルシアン△167-00.0%+167- (2)財政状態 当連結会計年度末における総資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して218億46百万円減少し、2,721億83百万円となりました。 負債は、借入金が増加したものの、繰延税金負債、営業債務及びその他の債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して15億96百万円減少し、772億91百万円となりました。 親会社の所有者に帰属する持分は、自己株式を取得したことなどにより、前連結会計年度末に比して200億10百万円減少し、1,918億19百万円となりました。 以上の結果により、当連結会計年度末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して1.5ポイント減少し、70.5%となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して101億28百万円減少し、234億19百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益67億88百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、49億38百万円の収入(前期に比し63億53百万円の収入減)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、93億82百万円の収入(前期に比し46億66百万円の収入減)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、229億25百万円の支出(前期に比し27億14百万円の支出増)となりました。 (4)生産、受注及び販売の実績①生産実績 当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。 なお、ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。 また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。 報告セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ワコール事業(国内)35,33696.1ワコール事業(海外)18,16588.0合計53,50193.2(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.生産実績の金額は製造原価によっております。 ②受注実績 その他のうち㈱七彩の店舗内装工事部門については受注生産形態をとっております。 当連結会計年度におけるその他の受注実績を示すと、次のとおりであります。 報告セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)その他79417.2--(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.受注高及び受注残高が減少したのは、㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。 ③販売実績 当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。 報告セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ワコール事業(国内)87,82893.2ワコール事業(海外)67,23799.2ピーチ・ジョン事業10,46997.5その他8,36257.6合計173,89692.9(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.その他の販売実績が減少したのは、主に㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。 3.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。 (5)資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。 営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。 ただし、金融機関に借入枠は設けており、2025年3月31日現在の借入枠の合計は533億65百万円、借入枠を設けている借入金の残高は141億61百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が78億54百万円、WACOAL INTERNATIONAL CORP.が16億45百万円、WACOAL EUROPE LTD.が38億76百万円となっております。 これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。 仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。 また、資金需要について大きな季節変動はありません。 また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。 今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。 ①設備投資 「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。 ②キャッシュ・フロー「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。 これらの連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。 なお、重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。 |
研究開発活動 | 6【研究開発活動】 当社グループでは、こころとからだを支えるサービスや製品を展開するため、人間科学研究開発センターを中心として研究開発に取り組んでおります。 当社グループは、1964年以降日本人女性の体型を正確に把握するため、女性の体型調査を継続して実施してきました。 シルエット分析システムの開発や三次元計測システムの導入、更により高度な人間の感覚計測にも取り組み、人間の形態・生理・心理の三側面からの研究開発を行っております。 研究成果として、1995年~1998年に通産省(現経済産業省)プロジェクトへの参加を通じて、感覚生理研究を強化充実し、「加圧生理」、「温熱生理」、「皮膚生理」面での基礎研究をもとにして、着心地が良いだけでなく生理的にも効果のある新製品の開発を行ってきました。 2005年には、日常歩行をエクササイズ歩行に変え、健康で美しいからだづくりをサポートする画期的なスタイルサイエンス商品を開発し、世の中に新しい市場を創出しました。 また、2010年には同一人物の20代から50代に至る体型変化を分析し、加齢によるからだの変化(エイジング)の原則を発表し、エイジングに対応した新製品開発を強化するとともに、加齢による体型変化の小さい人の生活習慣をヒントにした新機能製品を開発。 2020年には「重力によるバストの動きと皮膚研究」の研究報告をもとに「重力からバストを守る」ことの大切さの研究発表カンファレンスを実施し、同研究をもとにした「重力に負けないバストケアブラ」や「重力に負けないヒップケアガードル」等の新機能製品を開発しました。 2021年には大学や他社との共創型「からだ文化研究プロジェクト」を発足させ、2022年3月には関係者を対象に「からだ文化シンポジウム」を東京青山スパイラルホールで開催しました。 また、2019年5月人間科学研究開発センターが監修開発したサイズ判定アルゴリズムを搭載した3Dボディスキャナーによるセルフ計測サービスの運用を開始しました。 当連結会計年度は、㈱ワコールが展開する3D計測サービス「SCANBE」の機能拡張により、女性だけではなく、子どもや男性への計測範囲の拡大、メルトブローで立体物を作成する「Melooop」技術の開発などに取り組みました。 これらの結果、当連結会計年度の研究開発費に361百万円計上しました。 なお、当社グループの研究開発活動は、主にレディスインナーウェア等の基礎研究から商品開発に及ぶさまざまな研究を行っており、特定のセグメントに関連付けることが困難であるため、セグメントごとに記載しておりません。 今後も、「ひとりひとりが自分らしく美しくいられるように」、“美”“快適”“健康”の3領域を基軸に、顧客満足及び企業価値の増大に貢献し得る研究開発の充実を図り、お客様をEmpoweringする新製品や情報・サービスの開発に邁進する所存であります。 |
設備投資等の概要 | 1【設備投資等の概要】 当連結会計年度において実施した設備投資の総額は、3,875百万円であります。 主な内容は、当社及び子会社における情報システム投資及び所有不動産の設備維持補修工事等に関するものであります。 ワコール事業(国内)については2,115百万円、ワコール事業(海外)については1,073百万円、ピーチ・ジョン事業については505百万円、その他については182百万円の設備投資を行っております。 |
主要な設備の状況 | 2【主要な設備の状況】 当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。 (1)提出会社2025年3月31日現在 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置及び工具、器具備品土地(㎡)合計本社(京都市南区)他ワコール事業(国内)管理業務設備他17,9731,31614,983(255,091)34,27489[ -] (2)国内子会社2025年3月31日現在 会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置・車両運搬具及び工具、器具備品土地(㎡)合計㈱ワコール本社(京都市南区)他京都地区2事業所ワコール事業(国内)管理業務設備42121-1641,718[ 50]㈱ワコール東京店(東京都千代田区)他東京地区1事業所ワコール事業(国内)管理業務設備営業設備9320-1131,191[ 27]ワコール流通㈱守山流通センター(滋賀県守山市)ワコール事業(国内)商品管理設備21246-267290[ -]㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン長崎工場(長崎県雲仙市)ワコール事業(国内)生産設備-116-116254[ -]㈱トリーカ(鳥取県西伯郡南部町)他3工場ワコール事業(国内)生産設備38843180(40,840)611120[ 53] (3)海外子会社2025年3月31日現在 会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)従業員数(人)建物及び構築物機械装置・車両運搬具及び工具、器具備品土地(㎡)合計WACOAL AMERICA, INC.(米国 ニュージャージー州)ワコール事業(海外)管理業務設備商品管理設備866524361(32,300)1,750190[ -]WACOAL DOMINICANA CORP.(ドミニカ共和国サントドミンゴ市)ワコール事業(海外)生産設備1,387556252(34,356)2,1942,055[ -]WACOAL SINGAPORE PRIVATE LTD.(シンガポール)ワコール事業(海外)管理業務設備937275(235)32238[ 4]WACOAL HONG KONG CO., LTD.(香港)ワコール事業(海外)管理業務設備276--276101[ 23]華歌爾(中国)時装有限公司(中国 北京市)ワコール事業(海外)管理業務設備生産設備1329-(-)[11,871]141433[ -]廣東華歌爾時装有限公司(中国 広州市)ワコール事業(海外)生産設備85103-(-)[11,224]188403[ -]VIETNAM WACOAL CORP.(ベトナム ビエンホア市)ワコール事業(海外)管理業務設備生産設備2497-(-)[25,195]1201,478[ -]大連華歌爾時装有限公司(中国 大連市)ワコール事業(海外)生産設備99255-(-)[27,543]354547[ 1]A TECH TEXTILE CO., LTD.(タイ ガビンブリ市)ワコール事業(海外)生産設備62185285(56,296)532223[ -] (注)1.賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしております。 2.現在休止中の主要な設備はありません。 3.上記(2)の一部国内子会社の建物及び土地は、当社から賃借しております。 建物及び土地の簿価は、下記のとおりであります。 事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容帳簿価額(百万円)建物及び構築物土地(㎡)㈱ワコール本社(京都市南区)他京都地区2事業所ワコール事業(国内)管理業務設備9,2531,885(11,208)㈱ワコール東京店(東京都千代田区)他東京地区1事業所ワコール事業(国内)管理業務設備営業設備1,3895,859(2,864)ワコール流通㈱守山流通センター(滋賀県守山市)ワコール事業(国内)商品管理設備4,7781,419(38,923)㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン長崎工場(長崎県雲仙市)ワコール事業(国内)生産設備19752(19,369)4.従業員数は、[ ]内に年間の平均臨時従業員数を外書きで記載しております。 5.上記の他の連結会社以外からの主要な賃借設備の内容は、下記のとおりであります。 (1)国内子会社事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容建物(㎡)土地(㎡)年間賃借料(百万円)㈱ピーチ・ジョン本社(東京都港区)ピーチ・ジョン事業管理業務設備969-49 (2)海外子会社会社名(所在地)セグメントの名称設備の内容建物(㎡)土地(㎡)年間賃借料(百万円)WACOAL AMERICA, INC.(米国 ニューヨーク州)ワコール事業(海外)管理業務設備4,772-449 |
設備の新設、除却等の計画 | 3【設備の新設、除却等の計画】 (1)重要な設備の新設等該当事項はありません。 (2)重要な設備の除却等該当事項はありません。 |
研究開発費、研究開発活動 | 361,000,000 |
設備投資額、設備投資等の概要 | 505,000,000 |
Employees
平均年齢(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 45 |
平均勤続年数(年)、提出会社の状況、従業員の状況 | 17 |
平均年間給与、提出会社の状況、従業員の状況 | 5,983,168 |
管理職に占める女性労働者の割合、提出会社の指標 | 0 |
全労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
非正規雇用労働者、労働者の男女の賃金の差異、提出会社の指標 | 1 |
Investment
株式の保有状況 | (5)【株式の保有状況】 ① 投資株式の区分の基準及び考え方 当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、資産運用の一環として純投資目的での株式は保有しておらず、取引関係の維持・強化、事業展開における協力・取引関係の構築・維持・強化、安定的な金融取引の維持を目的として、純投資以外のグループ戦略上重要な目的を持つ政策保有株式を保有しております。 ② ㈱ワコールにおける株式の保有状況 当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)である㈱ワコールについては以下のとおりであります。 a.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 中長期的な観点から保有目的が適切か、保有に伴うリスクが資本コストに見合っているか、具体的には受取配当金の利回り等を検証し、定期的に取締役会に報告しております。 取締役会においては、検証結果を基に当社の中長期的な企業価値向上に資するかどうかを見極め、保有の継続、処分の判断を行っております。 ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式241,428非上場株式以外の株式1833,925(当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式---非上場株式以外の株式24株式配当及び取引先持株会を通じた株式の取得(当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式13非上場株式以外の株式77,521 ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報特定投資株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注)2及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ2,885,8502,885,850主要金融機関として総合的な金融取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有(注)35,8034,493イオン㈱1,546,9181,546,473インナーウェア等の取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 また、持株会に加入しているため、株式数が増加しております。 有5,8005,559 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注)2及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱京都フィナンシャルグループ2,279,9882,279,988地元の主要金融機関として金融取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有5,1886,295㈱SCREENホールディングス434,358434,358地元の企業として、情報の共有をはじめとして密接な関係にあり、事業戦略の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有4,1678,671東京海上ホールディングス㈱411,000822,000各種損害保険商品を採用し、事業上のリスク低減を図っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有(注)32,3573,865㈱堀場製作所230,000230,000地元の企業として、情報の共有をはじめとして密接な関係にあり、事業戦略の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有2,2873,686㈱滋賀銀行398,000398,000地元の主要金融機関として金融取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有2,0931,669Saha Pathana Inter-Holding PLC7,606,6667,606,666タイ王国における事業展開で密接な協力関係にあり、同国における企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 無2,0752,238宝ホールディングス㈱1,000,0001,000,000地元の企業として、情報の共有をはじめとして密接な関係にあり、事業戦略の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 無1,1451,070㈱セブン&アイ・ホールディングス464,907464,907インナーウェア等の取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 無1,0051,025イオンフィナンシャルサービス㈱687,300687,300インナーウェア等の取引を行っているイオン㈱のグループ会社であり、事業戦略の観点から同社グループとの良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 無906965I.C.C INTERNATIONAL PLC3,362,3572,677,300タイ王国における事業展開で密接な協力関係にあり、同国における企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 株式配当により株式が増加しております。 有443517 銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注)2及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)㈱松屋205,000205,000インナーウェア等を中心とした多岐にわたる商品で取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有218232㈱フジ62,60062,600インナーウェア等の取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有135116㈱キング168,000168,000アパレル企業間の情報を交換する等密接関係にあり、事業戦略の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有125120東レ㈱100,000100,000繊維製品の主要仕入先として、今後も安定的な仕入を通じ、企業価値向上と同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有10174三共生興㈱94,38094,380アパレル企業間の情報を交換する等密接関係にあり、事業戦略の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 有5870㈱イズミ3,34845,648インナーウェア等の取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 無10160蝶理㈱-548,890繊維製品の主要仕入先として、今後も安定的な仕入を通じ、企業価値向上と同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しておりました。 無-1,868京セラ㈱-891,800地元の企業として、情報の共有をはじめとして密接な関係にあり、事業戦略の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しておりました。 無-1,803㈱平和堂-517,531インナーウェア等の取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しておりました。 無-1,052久光製薬㈱-90,000事業展開における協力、取引関係の構築を目的に密接な関係にあり、同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しておりました。 無-357㈱近鉄百貨店-74,700インナーウェア等を中心とした多岐にわたる商品で取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しておりました。 有-177(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。 2.定量的な保有効果につきましては、個別の取引に関わることであるため記載が困難であります。 3.保有先企業は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社の株式を保有しております。 みなし保有株式銘柄当事業年度前事業年度保有目的、業務提携等の概要、定量的な保有効果(注)2及び株式数が増加した理由当社の株式の保有の有無株式数(株)株式数(株)貸借対照表計上額(百万円)貸借対照表計上額(百万円)KDDI㈱2,544,0002,544,000通信機器や通信インフラの取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 現在は退職給付信託に拠出しており、議決権行使については指図権を留保しております。 無12,00511,402㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ3,365,0003,365,000主要金融機関として総合的な金融取引を行っており、企業価値向上の観点から同社との良好な関係の維持・強化を図るため、継続して保有しております。 現在は退職給付信託に拠出しており、議決権行使については指図権を留保しております。 有(注)36,7675,239(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。 2.定量的な保有効果につきましては、個別の取引に関わることであるため記載が困難であります。 3.保有先企業は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社の株式を保有しております。 ニ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 ホ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 へ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。 ③ 提出会社における株式の保有状況a.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容 中長期的な観点から保有目的が適切か、保有に伴うリスクが資本コストに見合っているか、具体的には受取配当金の利回り等を検証し、定期的に取締役会に報告しております。 取締役会においては、検証結果を基に当社の中長期的な企業価値向上に資するかどうかを見極め、保有の継続、処分の判断を行っております。 なお、定量的な保有効果につきましては、個別の取引に関わることであり、開示を省略いたします。 ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額 銘柄数(銘柄)貸借対照表計上額の合計額(百万円)非上場株式3233非上場株式以外の株式-- (当事業年度において株式数が増加した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の増加に係る取得価額の合計額(百万円)株式数の増加の理由非上場株式175新規事業創出への取り組みを推進するため非上場株式以外の株式--- (当事業年度において株式数が減少した銘柄) 銘柄数(銘柄)株式数の減少に係る売却価額の合計額(百万円)非上場株式--非上場株式以外の株式-- ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 該当事項はありません。 ニ 保有目的が純投資目的である投資株式 該当事項はありません。 ホ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの 該当事項はありません。 へ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの 該当事項はありません。 |
株式数が増加した銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 1 |
銘柄数、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 3 |
貸借対照表計上額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 233,000,000 |
株式数の増加に係る取得価額の合計額、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 75,000,000 |
株式数が増加した理由、非上場株式、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式、提出会社 | 新規事業創出への取り組みを推進するため |
Shareholders
大株主の状況 | (6)【大株主の状況】 2025年3月31日現在 氏名又は名称住所所有株式数(千株)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区赤坂1丁目8-1赤坂インターシティAIR5,59410.83 明治安田生命保険相互会社東京都千代田区丸の内2丁目1-13,0505.90 株式会社三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内1丁目4-52,7045.24 株式会社京都銀行京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町7002,3524.55 GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)PLUMTREE COURT, 25 SHOE LANE, LONDON EC4A 4AU, U.K(東京都港区虎ノ門2丁目6-1 虎ノ門ヒルズステーションタワー)1,7373.36 日本生命保険相互会社東京都千代田区丸の内1丁目6-6日本生命証券管理部内1,5693.04 株式会社滋賀銀行滋賀県大津市浜町1-381,5693.04 三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内1丁目4-51,5252.95 株式会社日本カストディ銀行(信託口)東京都中央区晴海1丁目8-121,5122.93 NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB)(常任代理人 野村證券株式会社)1 ANGEL LANE, LONDON, EC4R 3AB, UNITED KINGDOM(東京都中央区日本橋1丁目13-1)1,2302.38計──────22,84544.22 (注)1.上記のほか、自己株式が3,840千株あります。2. 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)及び 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数は、すべて各行の信託業務に係るものであります。3.2024年7月24日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ及びその共同保有者が2024年7月17日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、 株式会社三菱UFJ銀行を除き、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮しておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式数(千株)株券等保有割合(%) 株式会社三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内1丁目4-52,7044.87 三菱UFJ信託銀行株式会社東京都千代田区丸の内1丁目4-52,3764.28三菱UFJアセットマネジメント株式会社東京都港区東新橋1丁目9-12260.41三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社東京都千代田区大手町1丁目9-23120.56計5,61910.134.2024年11月14日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、3Dインベストメント・パートナーズ・プライベート・リミティッド(3D Investment Partners Pte. Ltd.)が2024年11月7日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮しておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所所有株式数(千株)株券等保有割合(%)3Dインベストメント・パートナーズ・プライベート・リミティッド(3D Investment Partners Pte. Ltd.)シンガポール共和国039192、テマセクアベニュー1、ミレニアタワー#20-02A5,97510.775.2025年3月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、野村證券株式会社及びその共同保有者が2025年3月14日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮しておりません。 なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりであります。 氏名又は名称住所保有株券等の数(千株)株券等保有割合(%)野村證券株式会社東京都中央区日本橋1丁目13-11,0461.89ノムラ インターナショナル ピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)1 Angel Lane, London EC4R 3AB, United Kingdom3500.63野村アセットマネジメント株式会社東京都江東区豊洲2丁目2-11,3472.43計2,7444.94 |
株主数-金融機関 | 34 |
株主数-金融商品取引業者 | 25 |
株主数-外国法人等-個人 | 14 |
株主数-外国法人等-個人以外 | 168 |
株主数-個人その他 | 11,971 |
株主数-その他の法人 | 127 |
株主数-計 | 12,339 |
氏名又は名称、大株主の状況 | NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB)(常任代理人 野村證券株式会社) |
株主総利回り | 2 |
株主総会決議による取得の状況 | (1)【株主総会決議による取得の状況】 該当事項はありません。 |
株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容 | (3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】 会社法第155条第7号の規定に基づく取得区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式5962,629,695当期間における取得自己株式30149,130 (注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。 会社法第155条第13号の規定に基づく取得区分株式数(株)価額の総額(円)当事業年度における取得自己株式334-当期間における取得自己株式-- (注)1.譲渡制限付株式の無償取得によるものであります。 2.当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出までの譲渡制限付株式の無償取得による株式は含まれておりません。 |
Shareholders2
自己株式の取得 | -17,008,000,000 |
Audit
監査法人1、連結 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、連結 | 独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 2025年6月25日株式会社ワコールホールディングス 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 京 都 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士佃 弘一郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士辻 知美 <連結財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ワコールホールディングスの2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表注記について監査を行った。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社ワコールホールディングス及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 WACOAL EUROPE LTD.に係るのれんの評価(連結財務諸表注記15)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 2025年3月31日現在、連結財政状態計算書に計上されているのれん(残高15,191百万円、総資産の5.6%)は、WACOAL EUROPE LTD.に関連する。 会社は、国際会計基準を適用し、連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針(7)のれん及び無形資産、及び(16)非金融資産の減損に記載の通り、のれんを含む資金生成単位については、毎期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施している。 減損テストの結果、資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額を減損損失として認識している。 会社は、減損テストを実施するにあたり、回収可能価額を、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で算定している。 回収可能価額を算出するために利用される将来キャッシュ・フローは、経営者によって承認された5年間の事業計画を基礎として、その後は、市場の長期平均成長率をもとに算定されている。 事業計画には、顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる販売数量拡大施策の達成可能性や展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率などの重要な仮定が含まれている。 これらの重要な仮定は過去の実績、経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定されているが、市場環境の変化等により影響を受ける可能性があるため、不確実性を伴うものであり、経営者による見積りと判断が回収可能価額の見積りに重要な影響を及ぼす。 また、回収可能価額の算定に用いる割引率は、計算手法及び重要な仮定であるインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、回収可能価額の見積りの合理性について、以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価回収可能価額の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性について、特に将来キャッシュ・フローの見積額の合理性を検証する統制に焦点を当てて評価した。 (2)回収可能価額の見積りの合理性の評価経営者が作成したのれんの減損テストに関連する報告書を閲覧し、経営者によって承認された事業計画の重要な仮定との整合性を確かめた。 また、回収可能価額の見積りについて経営者に質問し、重要な仮定を理解するとともに、以下の手続を実施し、その合理性を評価した。 ・販売数量拡大施策の達成可能性については、経営者への質問を通じて各種施策を理解した上で過去におけるブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる実績を比較し、見積りの精度を評価した。 ・展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率については、企業価値評価領域の内部専門家を利用し、外部機関が公表している小売業界のデータに基づいた監査人の予測との比較を行った。 ・割引率については、感応度分析を実施し、これらが回収可能価額に与える影響を評価した。 また、企業価値評価領域の内部専門家を利用し、割引率の計算方法の合理性を評価するとともに、同専門家が市場データ及び仮定を用いて独自に算定した値との比較を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 連結財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 ・ 連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。 監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <内部統制監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社ワコールホールディングスの2025年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。 当監査法人は、株式会社ワコールホールディングスが2025年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。 財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。 内部統制監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。 内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。 ・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。 ・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、内部統制の監査を計画し実施する。 監査人は、内部統制報告書の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。 監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 利害関係 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 WACOAL EUROPE LTD.に係るのれんの評価(連結財務諸表注記15)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 2025年3月31日現在、連結財政状態計算書に計上されているのれん(残高15,191百万円、総資産の5.6%)は、WACOAL EUROPE LTD.に関連する。 会社は、国際会計基準を適用し、連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針(7)のれん及び無形資産、及び(16)非金融資産の減損に記載の通り、のれんを含む資金生成単位については、毎期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施している。 減損テストの結果、資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額を減損損失として認識している。 会社は、減損テストを実施するにあたり、回収可能価額を、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で算定している。 回収可能価額を算出するために利用される将来キャッシュ・フローは、経営者によって承認された5年間の事業計画を基礎として、その後は、市場の長期平均成長率をもとに算定されている。 事業計画には、顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる販売数量拡大施策の達成可能性や展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率などの重要な仮定が含まれている。 これらの重要な仮定は過去の実績、経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定されているが、市場環境の変化等により影響を受ける可能性があるため、不確実性を伴うものであり、経営者による見積りと判断が回収可能価額の見積りに重要な影響を及ぼす。 また、回収可能価額の算定に用いる割引率は、計算手法及び重要な仮定であるインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、回収可能価額の見積りの合理性について、以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価回収可能価額の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性について、特に将来キャッシュ・フローの見積額の合理性を検証する統制に焦点を当てて評価した。 (2)回収可能価額の見積りの合理性の評価経営者が作成したのれんの減損テストに関連する報告書を閲覧し、経営者によって承認された事業計画の重要な仮定との整合性を確かめた。 また、回収可能価額の見積りについて経営者に質問し、重要な仮定を理解するとともに、以下の手続を実施し、その合理性を評価した。 ・販売数量拡大施策の達成可能性については、経営者への質問を通じて各種施策を理解した上で過去におけるブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる実績を比較し、見積りの精度を評価した。 ・展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率については、企業価値評価領域の内部専門家を利用し、外部機関が公表している小売業界のデータに基づいた監査人の予測との比較を行った。 ・割引率については、感応度分析を実施し、これらが回収可能価額に与える影響を評価した。 また、企業価値評価領域の内部専門家を利用し、割引率の計算方法の合理性を評価するとともに、同専門家が市場データ及び仮定を用いて独自に算定した値との比較を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、連結 | 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、連結 | WACOAL EUROPE LTD.に係るのれんの評価 |
内容及び理由、監査上の主要な検討事項、連結 | 2025年3月31日現在、連結財政状態計算書に計上されているのれん(残高15,191百万円、総資産の5.6%)は、WACOAL EUROPE LTD.に関連する。 会社は、国際会計基準を適用し、連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針(7)のれん及び無形資産、及び(16)非金融資産の減損に記載の通り、のれんを含む資金生成単位については、毎期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施している。 減損テストの結果、資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額を減損損失として認識している。 会社は、減損テストを実施するにあたり、回収可能価額を、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で算定している。 回収可能価額を算出するために利用される将来キャッシュ・フローは、経営者によって承認された5年間の事業計画を基礎として、その後は、市場の長期平均成長率をもとに算定されている。 事業計画には、顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる販売数量拡大施策の達成可能性や展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率などの重要な仮定が含まれている。 これらの重要な仮定は過去の実績、経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定されているが、市場環境の変化等により影響を受ける可能性があるため、不確実性を伴うものであり、経営者による見積りと判断が回収可能価額の見積りに重要な影響を及ぼす。 また、回収可能価額の算定に用いる割引率は、計算手法及び重要な仮定であるインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
開示への参照、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表注記15 |
開示への参照2、監査上の主要な検討事項、連結 | 連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針(7)のれん及び無形資産、及び(16)非金融資産の減損 |
監査上の対応、監査上の主要な検討事項、連結 | 当監査法人は、回収可能価額の見積りの合理性について、以下の手続を実施した。 (1)内部統制の評価回収可能価額の算定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性について、特に将来キャッシュ・フローの見積額の合理性を検証する統制に焦点を当てて評価した。 (2)回収可能価額の見積りの合理性の評価経営者が作成したのれんの減損テストに関連する報告書を閲覧し、経営者によって承認された事業計画の重要な仮定との整合性を確かめた。 また、回収可能価額の見積りについて経営者に質問し、重要な仮定を理解するとともに、以下の手続を実施し、その合理性を評価した。 ・販売数量拡大施策の達成可能性については、経営者への質問を通じて各種施策を理解した上で過去におけるブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる実績を比較し、見積りの精度を評価した。 ・展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率については、企業価値評価領域の内部専門家を利用し、外部機関が公表している小売業界のデータに基づいた監査人の予測との比較を行った。 ・割引率については、感応度分析を実施し、これらが回収可能価額に与える影響を評価した。 また、企業価値評価領域の内部専門家を利用し、割引率の計算方法の合理性を評価するとともに、同専門家が市場データ及び仮定を用いて独自に算定した値との比較を実施した。 |
その他の記載内容、連結 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、連結 | <報酬関連情報> 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】 に記載されている。 |
Audit1
監査法人1、個別 | 有限責任監査法人トーマツ |
独立監査人の報告書、個別 | 独立監査人の監査報告書 2025年6月25日株式会社ワコールホールディングス 取締役会 御中 有限責任監査法人トーマツ 京 都 事 務 所 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士佃 弘一郎 指定有限責任社員業務執行社員 公認会計士辻 知美 <財務諸表監査>監査意見 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社ワコールホールディングスの2024年4月1日から2025年3月31日までの第77期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社ワコールホールディングスの2025年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。 監査意見の根拠 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。 監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。 当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。 当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価(【注記事項】 有価証券関係)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 2025年3月31日現在、貸借対照表に計上されている関係会社株式(残高99,588百万円)には、2012年4月に取得したWACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式が17,405百万円(総資産の12.2%)含まれている。 市場価格のない株式は取得原価をもって貸借対照表価額とするが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額を行い、当期の損失として処理しなければならない。 会社は、WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価にあたり、超過収益力を反映した価額で実質価額を算定している。 連結財務諸表上、WACOAL EUROPE LTD.の取得に伴って発生したのれんについて実施した減損テストと同様、実質価額の算定には、顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる販売数量拡大施策の達成可能性や展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率などの重要な仮定が含まれている。 これらの重要な仮定は過去の実績、経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定されているが、市場環境の変化等により影響を受ける可能性があるため、不確実性を伴うものであり、経営者による見積りと判断が回収可能価額の見積りに重要な影響を及ぼす。 また、回収可能価額の算定に用いる割引率は、計算手法及び重要な仮定であるインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価について、実質価額の著しい低下の有無を検討した。 また、実質価額の算定に重要な影響を与える事業計画に含まれる経営者が用いた重要な仮定について、連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項に記載の監査上の対応を実施した。 その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。 これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 財務諸表監査における監査人の責任 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。 虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。 ・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。 また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。 監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。 さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。 ・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。 ・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。 ・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。 継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。 監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。 ・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。 ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。 <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 利害関係 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。 以 上 ※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |
監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価(【注記事項】 有価証券関係)監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 2025年3月31日現在、貸借対照表に計上されている関係会社株式(残高99,588百万円)には、2012年4月に取得したWACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式が17,405百万円(総資産の12.2%)含まれている。 市場価格のない株式は取得原価をもって貸借対照表価額とするが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額を行い、当期の損失として処理しなければならない。 会社は、WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価にあたり、超過収益力を反映した価額で実質価額を算定している。 連結財務諸表上、WACOAL EUROPE LTD.の取得に伴って発生したのれんについて実施した減損テストと同様、実質価額の算定には、顧客の多様な価値観に応えるためのブランド戦略やEC成長に向けた取り組みによる販売数量拡大施策の達成可能性や展開地域(主に英国・欧州・北米)での市場成長率などの重要な仮定が含まれている。 これらの重要な仮定は過去の実績、経営者により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定されているが、市場環境の変化等により影響を受ける可能性があるため、不確実性を伴うものであり、経営者による見積りと判断が回収可能価額の見積りに重要な影響を及ぼす。 また、回収可能価額の算定に用いる割引率は、計算手法及び重要な仮定であるインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識を必要とする。 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 当監査法人は、WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価について、実質価額の著しい低下の有無を検討した。 また、実質価額の算定に重要な影響を与える事業計画に含まれる経営者が用いた重要な仮定について、連結財務諸表に関する監査上の主要な検討事項に記載の監査上の対応を実施した。 |
全体概要、監査上の主要な検討事項、個別 | 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。 監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 |
見出し、監査上の主要な検討事項、個別 | WACOAL EUROPE LTD.に係る関係会社株式の評価 |
その他の記載内容、個別 | その他の記載内容 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。 経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。 また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。 |
報酬関連情報、個別 | <報酬関連情報> 報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。 |
BS資産
その他、流動資産 | 83,000,000 |
工具、器具及び備品(純額) | 1,288,000,000 |
土地 | 14,983,000,000 |
建設仮勘定 | 13,000,000 |
有形固定資産 | 34,287,000,000 |
無形固定資産 | 232,000,000 |
投資有価証券 | 233,000,000 |
繰延税金資産 | 33,000,000 |
投資その他の資産 | 103,077,000,000 |
BS負債、資本
短期借入金 | 5,000,000,000 |
1年内返済予定の長期借入金 | 300,000,000 |
未払金 | 909,000,000 |
未払法人税等 | 2,735,000,000 |
未払費用 | 13,000,000 |
賞与引当金 | 60,000,000 |